GM:LISP
メインログ /
雑談ログ
Character Sheet
| PC1 |
: |
“レッカーマウル” |
飴家真珠 |
|
(キャラシート) |
|
PL |
: |
めい |
| PC2 |
: |
“死を齎す王子” |
ロッキー |
|
(キャラシート) |
|
PL |
: |
雅 |
| PC3 |
: |
“人生は薔薇の彩” |
蹄啼イバラ |
|
(キャラシート) |
|
PL |
: |
ふろずん |
| PC4 |
: |
“↑W's UP↑” |
多々良那浅香 |
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(キャラシート) |
|
PL |
: |
がぶらす |
Index
◆Information◆
ファム・ファタール設定資料
NPC紹介
◆Pre play◆
PC&HO紹介
◆Opening Phase◆
01 愛と復讐のプリンセス
02 王子の旅立ち?
03 希望と絶望のアイドル
04 本当のわたし
◆Middle Phase◆
05 偶像を暴くもの
06 夢と復讐の対価
00 Extra 01 幕間01
00 Extra 02 幕間02
07 勇者の受難
00 Extra 03 幕間03
00 情報収集01
08 出発、そして再会
00 情報収集02
00 Extra 04 幕間04
00 Extra 05 幕間05
00 Extra 06 幕間06
09 Re:start
10 零時の鐘が鳴る
11 晩夏の祭典
11.5 あの日、夢の舞台の裏で
12 王子と勇者と悪党と
◆Climax Phase◆
13 鏡像のアステリズム
◆Ending Phase◆
14 カーテンコール
15 多々良那浅香 エンディング
16 蹄啼イバラ エンディング
17 飴家真珠 エンディング
18 ロッキー エンディング
第42回目開始ポイント
ファム・ファタール設定資料
◆概要
ファム・ファタールはFHが表社会で活動するためのカヴァー会社のひとつであり、それを経営するセルの名称でもある。リーダーは元アイドルの二条純恋。
表向きは多くの人気アイドルを抱える押しも押されぬ大手芸能プロダクションだが、
裏では財界や政府関係者への接待、企業からFHへの取引の仲介などを取り仕切るFHの玄関口としての役割を担っている。
芸能活動による豊富な資金力や表社会への影響力から、末端のセルとしては特権的な立場にある特殊なセルである。
◆二条純恋の芸能界入り〜ファム・ファタールの成り立ち
アイドルを夢見る高校生だった二条純恋はある日、ばるはらプロモーションという芸能界プロダクションからスカウトされる。
弱小プロとはいえ芸能界入りのチャンスを得た彼女は二つ返事で了承するが、
実際のところスカウトが目を付けたのは彼女のアイドルとしての能力よりは、むしろオーヴァードとしての素質だった。
芸能プロダクションとは表の姿であり、実際はプランナー直属のエージェントが数多く所属するFHの内務監査セルだったのである。
FHが表社会で勢力を伸ばすために芸能界を利用する姿を間近で見た彼女は、同様に自分が芸能界で成り上がるためにFHという組織を利用することを思いつく。
エージェントとして任務をこなし、信頼を勝ち取った彼女は、上司の伝手で大手芸能プロダクションに移籍しアイドルとして成功を収める。
彼女の働きによってFHが得た資金力やメディアへの影響力は無視できないものがあり、
この功績により彼女は(ほかのセルを廃棄処分同然で追い出された少女たちを率いて、という条件ではあるが)自分のセルを持つことを許可された。
こうして設立されたのが芸能プロダクション兼FHセルのファム・ファタールである。
◆ファム・ファタールの目的と活動
ファム・ファタールの目的は、自分たちが芸能界で成り上がるという単純明快なものである。
UGNは彼女らの活動による資金力やメディアへの影響力を危険視しており、
もちろん所属するアイドルの中には個人としてそれらを欲するものもいるが、組織にとってはあくまで副次的なものであり目的ではない。
このためファム・ファタールは、自分たちのファンである民間人やテリトリーである芸能界に表立って危害を加えることはよしとしない(ただし、商売敵を実力で排除することはある)。
時にはUGNと呉越同舟し、テレビ局やライブ会場を襲撃する他のFHセルを撃退することもある。
一般に過激派テロ組織とみなされるFHにおいて、ファム・ファタールは表社会との窓口役となる(比較的)穏健派寄りのセルであるとも言える。
しかしそれは倫理観から来る動きではなく、万が一UGNが優勢になった際に勝ち馬に乗り移るための布石である。
◆組織構成
ファム・ファタールのメンバーは正規のタレント、練習生、スタッフから構成される。
ほとんどの構成員はオーヴァードであり、非オーヴァードはスタッフに若干名が在籍するのみである。
公募は基本的に行わず、オーヴァードに覚醒したものの未所属の一般人をスカウトするか、
所属するセルをクビになった(あるいは所属するセルが壊滅して行き場を失った)チルドレンの中から採用を行っている。
◆芸能プロダクションとしてのファム・ファタール
ファム・ファタールは社名であると同時に、同社のメインプロジェクトとなるアイドルグループ名でもある。
正規のタレントは多くがこのグループに属し、世間的にもトップアイドルの一員として認識される。
グループ全員が一緒に活動することは年に数回のライブを除けば稀であり、基本的には2〜5人程度のグループ内ユニットで活動することがほとんどである。
また、社長の二条純恋を始めとしてグループに所属せずソロで活動するタレントも存在する。
練習生は付き人として雑用をこなす必要がある、原則として地上波の仕事は回されないなど待遇面で正規タレントとの差がある。
しかしながら、ファム・ファタールへの注目度の高さからインターネット番組や雑誌のグラビアなどの仕事が回ってくることも多く、
他プロダクションのタレントよりもファム・ファタールの練習生のほうが知名度があるということも珍しくない。
◆FHセルとしてのファム・ファタール
FHセルとしてのファム・ファタールは、情報工作セルであるラットフィンクの配下として主にマスメディアへの工作と資金繰りを担当している。
以前は二条純恋の古巣であるばるはらプロモーションの配下にあったが、プランナーがFHを去ったことによりセルが機能不全に陥ったため所属を変更している。
UGNはファム・ファタールを敵対組織と位置づけ芸能界における動きを牽制しているが、
ファム・ファタール側は(芸能活動を邪魔されない限り)UGNを明確な敵とは見なしておらず、利害が一致すれば手を貸すこともある。
また、プランナーと二条純恋の個人的な縁からゼノスとも取引がある。
多くの自治体や企業は、FHの存在は把握していても、ファム・ファタールがFHのセルであることには気づいていない。
政府はUGNからの情報提供を通じて把握しているものの、目立ったテロ行為を行わないことや、社会の混乱への影響を鑑みてファム・ファタールの存在を事実上黙認している。
パーソナリティ
”イノセント・ヴァイオレット” 二条純恋
現在は女優として活躍する元アイドルであり、ファム・ファタールの社長兼セルリーダー。
作戦遂行のために非情な判断を行う一方、メンバーをアイドルとして成功させたいという熱意は本物で、売り込みには手を抜かない。
ネゴシエーターとして優れた能力を持っていたためにアイドルに専念して栄華を極めることを許されなかったことが心残りで、それはファム・ファタールを運営する原動力になっている。
高校生から大学生ほどの年頃のタレントが大部分を占めるファム・ファタールにおいてはかなりの年長者でもあり、彼女の前で年齢の話は禁句である。
新藤亜里沙
バラエティを中心に売り出し中の人気アイドル。
FHの暗殺クランであるオーダーオブブラックに所属する一家に生まれたが、両親はプランナー失踪による内紛で戦死し家計を支えるためにアイドルを始めた。
芸能人としてのキャリアは短いもののFHでの活動歴は長く、実質的には二条純恋の副官にあたる。
自分の容貌と強さに絶対の自信を持ち、芸能界での評判は上々だが、セル内ではマネージャーや格下のオーヴァードを顎で使う横暴で傲慢な性格。
一方で仲間思いで面倒見のいい一面もある。
柊みなみ
内気で不器用だがその美貌から多くのファンを魅力する駆け出しアイドル。
主に先輩の新藤亜里沙とユニットを組み行動する。
顔を見られることを苦手とし、顔の片側を常に髪で隠している。
元実験体で、ふだんは大人しく良識的な一方、暴走すると手が付けられないほど凶悪な性格になり一般人を襲うこともある。
しかし、ファム・ファタールに所属してからはアイドル活動を通じて友人と呼べる相手も出来たことから少しづつ自身の凶暴性を制御できるようになりつつある。
狐崎セツ
関西弁といつも笑顔なのがアピールポイントのアイドル。
バラエティを中心に身体を張った企画などもこなし幅広く活躍する。
拷問じみた行為を得意とする残忍なエージェントで、裏では他グループのアイドルの負傷による活動休止、突然の引退などに関わっているとされている。
本人はそれについて悪びれることはなく、自身が傷つけたアイドルが立ち上がってくるのを楽しみに待っているようだ。
椎名万千花
アイドルグループとしてのファム・ファタールのエース。
もともとFHの所属ではなく、街でスカウトされセルに加入した。そのためオーヴァードとしての訓練はほとんど積んでいない。
歌、ダンス、ルックスと全てが王道かつ一級品でありアーティストとしても高く評価されている。
常軌を逸した承認欲求の持ち主で、その欲望はトップアイドルの仲間入りを果たした現在でさえ満たされることがない。
彼女の高すぎるアイドルとしての素質がどのような自体を引き起こすかについては上層部も慎重に見極めており、あえてエージェントとしての任務で負荷を掛けることで調整しているらしい。
フィア・ブランデン
音楽チャートの上位を席巻するガチヴァンパイア美少女。
「ヴァンパイアのヒロイン」という概念をもとにしたレネゲイドビーイングであり、2000歳を自称するが正確な年齢は不明。
生誕してから寄る辺がないところをファム・ファタールに拾われ、当初は人間でない存在にアイドルが務まるのか疑問視されたが、その不安を一蹴するようにガチトップアイドルに躍り出た。
SNSでファンと熱心に交流するなどファンサービスの良さに定評がある。
セル内では比較的良識的であり、ときに同僚の非道にドン引きすることもある。
夢は独立してガチヴァンパイアクランを作ること。実はブラム=ストーカーのシンドロームを持っていないことに触れてはいけないらしい。
NPC紹介

"ビッグE" 江戸川大吾
かつて飴家真珠の所属していたセルのリーダー。すでに故人。
身長2メートルを超える大男だが、見かけによらず博識で手先が器用な闇医者。
もとは真っ当な先進医療の研究者だったが、患者にレネゲイドによる処置を施したことがUGNにバレて学会を追放された過去を持つ。
口が悪く遵法意識には乏しい一方、かなりのお人よしで身寄りのない多くのFHチルドレンの面倒を見ていた。

"破壊王女" 武者小路勇姫
キャラシート
ファム・ファタールの宿敵、UGNプロダクションに所属するライブアイドルグループ「Re:try」のメンバー。22歳。
RPGの勇者パーティをモチーフとした世界観でライブシーンから急速に人気を伸ばしている。

"零時の鐘" 泊里零一郎
ファム・ファタールのプロデューサーのひとり。
もとは別の事務所で大物アイドルのマネージャーをしていたらしいが、引き抜きでファム・ファタールに移籍した。
プロデューサーとしての能力・人脈のほか、認識阻害能力を持ち、ファム・ファタールに都合の悪い悪評の処理なども行っている。

朝霧ユラ
FHやUGNなどとは関係のない、一般社会の芸能事務所に所属するアイドル。ファンからの愛称はゆらら。
普段のダウナーな姿と歌っているときのハイテンションな姿の二面性が大きな魅力。
とにかくアーティスト肌のアイドルで、蹄啼イバラとはライバルであると世間から目されている。楽曲のダウンロード数やCD売り上げはファム・ファタールを凌ぐほどの人気。

羽塚えり
ファム・ファタール電脳支部に所属するバーチャルアイドル。
自称「ファムファタのゆるふわお姉さん」。3Dアバターを用いて配信しており素顔、素性などは非公開。
癒し系のまったりした声と絶妙に察しの悪いゲームプレイなどで人気を集めている。
Pre play
PC&HO紹介
GM :
まずは自己紹介、PC1からお願いします!
飴家 真珠 :
はーい
飴家 真珠 :
“レッカーマウル”飴家真珠、15歳です!
飴家 真珠 :
FHに拉致!実験!廃棄!のよく見るあるあるFHチルドレンです。
飴家 真珠 :
その後、FHセルリーダーの“ビッグE”江戸川大吾に拾われて、十人くらいのチルドレンたちと一緒に弱小セルで生活しています。
飴家 真珠 :
真珠のFHとしての欲望は、ただ純粋な愛情です。
飴家 真珠 :
自分を救ってくれた江戸川を父親のように、仲間のチルドレンたちを本当の兄妹のように慕っています。
飴家 真珠 :
「愛されるためにはまず自分が愛さなければいけない」という考えを持っており、学校へは通わず、セルの家事全般を担う道を選びました。
飴家 真珠 :
得意の料理で仲間の胃袋を支える世話焼きですが、その本質は甘えん坊で寂しがり屋な感じ。
飴家 真珠 :
Dロイスは悪夢。バックトラック時、119%までジャーム化しません。
飴家 真珠 :
シンドロームはエンジェルハイロゥ/モルフェウスのクロスブリード。
飴家 真珠 :
砂糖のようなモルフェウスの砂と光を練り合わせ、FHの武器・雷将神器を軸に作った巨大なロリポップなどのお菓子を錬成して戦います。
飴家 真珠 :
切り札は《鏡の盾》で、受けたダメージをそのまま返す攻撃をFHエンブレムの強制起動者を使って二回使用する感じです。
飴家 真珠 :
それと実験体時代のトラウマで声を失っていますが、《天使の絵の具》で光の文字を空中に書いて意思疎通ができるようになっています。なのできっとRPに支障は出ないはず。
飴家 真珠 :
声が出ない分、表情豊かに精一杯感情を伝えていこうと思います。よろしくお願いします! 以上!
GM :
ありがとう! 声が出ない新機軸アイドル、どうなるのか楽しみすぎるね…。HOはこちら!
◆PC1用ハンドアウト◆
・ロイス:"殺戮人形"
・推奨感情:P:執着/N:憎悪
・ワークス/カヴァー:FH系ワークス/アイドル
身寄りがないところを拾われ、実験を受けてオーヴァードとなり、アウトローな仕事に精を出すも、明日はどちらかわからない。
あなたはそんなどこにでもいそうな普通のFHチルドレンだった。
強いて違うところがあるとすれば、あなたの所属していた弱小セルでリーダーからほかのチルドレン共々、それなりの愛情を持って育てられたことくらいだろう。
しかし、そんな日常はあっけなく終わりを告げる。
セルはひとりのオーヴァードによってあなたを残し全滅した。
仇を討とうにも分かっているのは相手のコードネームだけ、弱小セルの無名オーヴァードに手を貸すセルもなく、宛もなく街を彷徨うあなたにひとりの男が声を掛けた。
飴家 真珠 :
こんなに家族大好きなのに全滅するらしい
GM :
とんでもないGMもいたもんだぜ……というわけでアイドル卓とは思えない激重復讐HOですが、頑張って輝いて欲しい!
飴家 真珠 :
愛情と憎悪はイコールだからね、がんばって輝きながら復讐します!
GM :
楽しみだね……GMも戦々恐々しながら行く末を見守ります。では次へ!
ロッキー :
では二番手、参る! 簡潔にいきます!
ロッキー :
僕サマは"死を齎す王子"ロッキー! 悪い王子様を目指すキリングマシン・ガール!
ロッキー :
少し前まで一般女学生だったけど、修学旅行中にFHの無差別テロに巻き込まれて記憶を(ついでに四肢も)失って改造人間にされました! 無知で無垢で中身が空っぽです。
ロッキー :
今ではFHの都合の良い鉄砲玉として任務をこなす日々を送ってます。そんなロッキーに純恋ちゃんからアプローチがあって……一体どうなっちゃうんだ!?
ロッキー :
シンドロームはブラックドッグ/ハヌマーン! 機械鎧であるプロメテウスを纏い、武器であるパンドラ(鎌)で敵をバッサバッサと切り倒していきます。
ロッキー :
コードネームの"死を齎す王子"はムシャちゃんのコードネームに意図的に寄せました。HOとしてどんな関係になっていくのか楽しみ!
ロッキー :
以上!
GM :
無にされた女の子のことを思うと涙を禁じ得ない、その子の分まで頑張ってほしいね……HOはこちら!
◆PC2用ハンドアウト◆
・ロイス:"破壊王女"武者小路勇姫
・推奨感情:P:任意/N:任意
・ワークス/カヴァー:FH系ワークス/任意
あなたはアイドルを夢見るどこにでもいる少女だ。
ただひとつ、違うことがあるとすればオーヴァードであるということ。
とはいえ、それはこの夢を追いかける上ではさほど関係の無いことである……はずだった。
芸能事務所、ファム・ファタールが初の新人公募を行うことが世間を騒がせてからしばらく。
無事、一次選考を突破したあなたの目の前に社長・二条純恋が現れ、交渉を持ちかけた。
武者小路 勇姫 :
UGNから地下アイドルが引き続き参戦だ! 破壊バトルしようぜ~~!(そういう話ではない)
ロッキー :
王女と王子のバトル、中々見られるものじゃないよ! すったもんだしようぜ!
GM :
肝心の勇姫はHOの文章にはいないが、どういうことなんでしょうね……そのへんはOPで明らかに!
GM :
ということで次いきましょう! PC3お願いします
蹄啼 イバラ :
はい!
蹄啼 イバラ :
蹄啼 イバラ。若き天才ヴァイオリニストです。
蹄啼 イバラ :
「ヒトの本質に迫った表現」を行なう事から、音楽界の至宝と評されています。
蹄啼 イバラ :
もともとクラシック界で華々しい活躍をしていたのですが、何故か突然、ファムファタールに入りました。
蹄啼 イバラ :
その理由は「至高の音楽」を探求する為……とされていますが、真偽不明です。
蹄啼 イバラ :
また世界規模の総合楽器・音響機器メーカー『WANANAKICORPORATION』の令嬢でもあり、
蹄啼 イバラ :
ファムファタには、実家から楽器や機材を提供している他、
蹄啼 イバラ :
自らが制作したオリジナル楽曲を気まぐれに提供してます。
蹄啼 イバラ :
人柄については、そうですね。
蹄啼 イバラ :
才能や家柄を驕らず、誰にでも分け隔てなく心優しい。
蹄啼 イバラ :
甘い声やルックスも、その柔和なイメージを強調していて、
蹄啼 イバラ :
まるで造花のように綻びのない、完全無欠な才女です。
蹄啼 イバラ :
嫌いなものは虚偽や虚飾。まあ、好きなヒトの方が少ないので普通です。
蹄啼 イバラ :
Dロイスは、遺産継承者。魔眼によって、ヒトの心象を”色彩"で見ることが出来ます。
蹄啼 イバラ :
声色から読み取った情報を、視覚情報に落とし込んでいる感じで、
蹄啼 イバラ :
いっさい声が出せない相手の心象は読み取れません。
蹄啼 イバラ :
なお戦闘では、範囲RCでスリップダメージのデバフを入れますよ。
蹄啼 イバラ :
ヴァイオリニストの指は『演奏』のためにあるので、戦闘経験はほとんどありません。
蹄啼 イバラ :
もちろん、殺人を犯した事もないので、荒事はみんなに頑張ってもらいますね。
蹄啼 イバラ :
以上です!
GM :
ほんとにぃ?? いや、こんな世界的なご令嬢が嘘をつくはずありませんよね。HOはこちら!
◆PC3用ハンドアウト◆
・ロイス:朝霧ユラ
・推奨感情:P:任意/N:任意
・ワークス/カヴァー:FH系ワークス/アイドル
朝霧ユラは別の事務所に所属する同年代のアイドルであり、あなたと同じトップアイドルの一員と言える存在だ。
あなたにとっては眼中になかったかもしれないが、飛びぬけた音楽的素養でアーティストとして高い評価を得ているあなたと彼女は周囲や世間からライバルとみなされて来た。
彼女自身も同じ才能を持つあなたに親近感を覚えたのか、デビューまもない頃から事あるごとにあなたに人懐こく話しかけて来た。
ある日、ファム・ファタールはあなたに対し、彼女に拷問を仕掛ける指示を下した。
GM :
HOロイスに拷問を仕掛けるアイドル卓、史上初らしいです
蹄啼 イバラ :
ふふ…たっぷり"可愛がって"あげますね…
GM :
いまからどんなOPになるのか楽しみですね……GMも予想がつかない部分があるよ!
朝霧 ユラ :
HOロイス、朝霧ユラはトップアイドルの一員。生身でファム・ファタールとやりあえる貴重な存在です。まあ、そんなんだから目を付けられてしまうんですけどね!!
蹄啼 イバラ :
うう~ん、トップアイドルの説得力がある可愛さ……
朝霧 ユラ :
おそらくファムファタストーリーラインのTier1アイドルなので……GMもプレッシャーを感じながら頑張ります!
GM :
では最後! PC4お願いします!
多々良那 浅香 :
えいやー!
多々良那 浅香 :
FHはファム・ファタール、配信&アート系アイドル
コードネームは"↑W's UP↑"、多々良那浅香!
多々良那 浅香 :
両親を蒸発(物理)させた事件を発端に、自身が住まう世界をゲームだと認識するようになってしまったタイプの破綻者です!
元は消極的なゲーム大好き引きこもりオタクだったけど、それ以来完全に吹っ切れた!
多々良那 浅香 :
全ての事象を消化可能な"イベント"と捉えて突っ込んでいく行動力を獲得!何でも楽しく乗りこなせる多方面アーティストに進化した!
ただし、スポーツは別に好きじゃないよ。配信企画とかでやるならまぁ……
多々良那 浅香 :
配信の挨拶は「おはさか!」
どんなクソ深夜でも、彼女が起きたらそれが朝だぜ!
人気の企画はファムファタメンバーを呼んで一対一でお話する奴です!
多々良那 浅香 :
ゲーム配信もちゃんと見ろ
多々良那 浅香 :
正確はお気楽適当で怠惰、後は大匙10杯くらいの癇癪持ち。
いつでもキレてるわけじゃないけど、抑圧に対して過剰にキレるぞ、気を付けろ!
普通に付き合う分にはちょっとヨゴレ感のある友達って感じで楽しいぞ!
多々良那 浅香 :
シンドロームはエンジェルハイロゥ/ブラックドッグ!
突然クソデカメカに搭乗して光と電気で敵を焼き尽くすぜ!
多々良那 浅香 :
肉体改造をし過ぎて意志判定がマイナスなので暴走はおそらくします
多々良那 浅香 :
範囲遠距離なら任せろー!バリバリ!
多々良那 浅香 :
以上!
GM :
人生スカイリム系の最年長お姉さんだよ! ありがとう! HOはこちら!
◆PC4用ハンドアウト◆
・ロイス:羽塚えり
・推奨感情:P:任意/N:任意
・ワークス/カヴァー:FH系ワークス/アイドル
ファム・ファタールでアイドルをしながら個人でも動画配信サイトで活動するあなたは、
ファム・ファタール電脳支部に所属するバーチャルアイドル・羽塚えりといつものようにコラボ配信を行っていた。
特にトラブルなくゲーム実況などで視聴者を集めていたあなたたちだったが、えりの配信画面が操作ミスで突然切り替わってしまう。
なんと、画面に、彼女の素顔が……!?
多々良那 浅香 :
なんて試練をくれたんだ
羽塚 えり :
ファム・ファタール1期ではまだ始まりたてぐらいだった(うろ覚え)VTuber文化もすっかり世の中に浸透してきたので、このたび電脳支部が生えました。よろしくお願いします。
羽塚 えり :
でも早速顔バレするらしいな
多々良那 浅香 :
泣いた
GM :
のら○ゃっとルート、今からでもいけるか。そんな感じでよろしくお願いします!
多々良那 浅香 :
お願いします!!!
GM :
自己紹介は以上ですね! 1期に負けず劣らず濃いメンバーが揃ってGMは嬉しすぎるよ……
GM :
では、本編へと移ります!
Main play
Scene 01 愛と復讐のプリンセス
GM :
登場は真珠ちゃんです。判定からどうぞ!
飴家 真珠 :
はーい
飴家 真珠 :
30+1d10(30+1D10) > 30+3[3] > 33
GM :
数年前、東京某所。
GM :
実験体として失敗作に終わったあなたは、スラム化した街の一角に破棄されていた。
GM :
着るものは汚れ、お腹は減り、手を差し伸べるものもない。
GM :
このまま死を待つのか……そう思いながら道行く人を眺める。
GM :
この地区は行き場のないオーヴァードや裏社会の人間が行き来する、法治国家の網から漏れた場所。
GM :
適者生存がオーヴァードの世界の摂理であり、みな今日を生きるのに精一杯で誰かを助ける余裕などないのだ。
江戸川 大吾 :
……いまあなたの目の前に立つ、買い物袋を抱えた大男も、そんな中のひとりだった。
江戸川 大吾 :
「廃棄されたチルドレンか……」
GM :
足を止めて、あなたを見る。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
座り込んだまま、かろうじて視線だけを上に向けて相手を見つめる。
江戸川 洋子 :
「どうしたエドガワー? 早く帰ってメシにしようぜ〜」
GM :
男の連れであろう少女が声を掛けるが、男はまるで聞いていないというふうに買い物袋を置いてあなたへと近寄る。
江戸川 大吾 :
「嬢ちゃん、立てるか? 」 屈んで手を差し伸べながら。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
手を差し出されたことに驚きながらも、反射的にその手を取ろうとして、
飴家 真珠 :
「…………っ」
飴家 真珠 :
過去のトラウマからか怯えたように瞳を揺らし、自身の手を引っ込めてしまう。
江戸川 洋子 :
「ほらほら、怖がられてるぞ」
江戸川 大吾 :
「静かにしてろ……。大丈夫だ、獲って食おうなんてしないさ」
江戸川 大吾 :
「しかし……もしかして、話せないのか? 耳は聞こえてるか?」
GM :
流暢に手話で表現しながら、根気よくあなたに語りかける。
江戸川 大吾 :
「まあ、こう図体がデカいと仕方ないが……ほら、怖くない」 不器用な笑顔を作って。
飴家 真珠 :
「…………?」 困惑したように、相手の笑顔を見て
飴家 真珠 :
その様子がおかしかったのか、ふふっ、と小さく息を吐いて笑ってしまう。
江戸川 大吾 :
「ふ……安心したか? 腹も減ってるだろう。大したもんは用意してやれないが、ウチに来るか?」 改めて手を差し伸べ。
飴家 真珠 :
「…………」 悩むように、差し出されたその手をじっと見つめて、
飴家 真珠 :
“いいの?” と、相手の手のひらに指で文字をなぞる。その動作はゆっくりで、不安が滲み出ていた。
江戸川 大吾 :
「よし、来い。遠慮はいらん。5人も6人も変わらんさ」 返事の代わりに、優しく手を取ってあなたを起こし上げる。
飴家 真珠 :
「……!」 びっくりしながら起こされるが、足下がふらついて江戸川の体に寄り掛かり、
飴家 真珠 :
「………」 口を小さく開いて、
飴家 真珠 :
“あ・り・が・と・う”────と、唇が動く。
江戸川 大吾 :
「……どういたしまして、嬢ちゃん」 あなたの身体を支えるようにして、肩を持って歩き始める。
江戸川 洋子 :
「――おいおい、また子ども拾うのか!?」
江戸川 洋子 :
「オレ、これ以上エンゲル係数上がるの嫌だぞ」
江戸川 大吾 :
「……しょうがねぇだろ。見つけちまったんだから」 バツが悪そうに。
江戸川 大吾 :
「親が見つかるまでだ。セルリーダーの決定なんだからとやかく言うな」
江戸川 洋子 :
「こういう時ばっかりFHのルールを持ち出しやがってー。誰が生活費稼いでると思ってんだよ?」
江戸川 洋子 :
「……でもまー、そういうところがエドガワーのいいところだから仕方ないなー」
江戸川 洋子 :
「いいか新入り、あたしはヨーコ、こいつはエドガワー。見た目は厳ついけど、お人よしが過ぎて落ちるところまで落ちぶれたどうしようもないヤブ医者だー」
江戸川 大吾 :
「……闇医者だが、腕までヤブになった覚えはないぞ。嬢ちゃん、名前とか、身分を証明出来るものはあるか?」
飴家 真珠 :
「…………」 ヨーコ、エドガワー…と、反復するように唇が動いて、
飴家 真珠 :
服のポケットの中を探すが、何も持ってはいない。なのでまた、江戸川の手を取って、
飴家 真珠 :
“しんじゅ” と、指で文字をなぞる。
江戸川 大吾 :
「真珠か……いい名前だな」
飴家 真珠 :
「…………!?」 名前を褒められたことがあまりなかったので、照れたように顔を俯かせている
江戸川 洋子 :
「ふっ、エドガワーもそういうキザったらしいこと言うんだな~?」
江戸川 大吾 :
「黙れ。さっさと帰るぞ」
江戸川 洋子 :
「はいはーい」 この街では数少ない娯楽……ラジオ放送で流れる流行歌を鼻歌で奏でながら歩いて行く。
GM :
……その日から、あなたは彼らのセルの一員となった。
GM :
リーダーの"ビッグE"こと江戸川医師のもとには、最終的にあなたを含め10人ものチルドレンが集まり、皆がそれぞれ問題を抱えていた。
GM :
手がないとか、脚がないとか、触った相手のレネゲイドを破壊してしまうとか、すぐ逆上して敵味方区別なく暴走するとか、医者のくせに仕事が不定期で大黒柱としては頼りないとか……。
GM :
そういった面々の中で、あなたの「喋れない」というハンデはちょっとした個性のひとつに過ぎなかったし、セルはさながらひとつ屋根の下で家族のように過ごしていた。
GM :
――それから数年後。
GM :
江戸川のもとでの生活が始まってから、長い時間が経過した。
GM :
子供たちはみな、引き取り手が現れるまでという決まりで江戸川が世話をしていたものの、結局都合よく引き取り手が現れることはなく、ほとんどセルに残り家計を助けていた。
GM :
いつものように、あなたたちは朝食を摂る。
飴家 真珠 :
「…………」 何故か席につきながらも料理に手をつけず、朝食を摂る皆をじーっと眺めている。
江戸川 大吾 :
「いただきます……どうした真珠。食べないのか?」
飴家 真珠 :
「…………」 江戸川に顔を向けて
飴家 真珠 :
[パパ おいしい?] と、顔のすぐそばにピンク色の光の文字が現れる。
飴家 真珠 :
食卓に並ぶのは焼き魚やみそ汁、サラダに卵焼きなど、全て真珠が作った料理だった。
江戸川 大吾 :
「……ああ、また腕を上げたな」
飴家 真珠 :
[ほんと? うれしい!] 文字が弾むように輝いて
飴家 真珠 :
[じゃあ、いっぱいたべてね]
飴家 真珠 :
そして、江戸川の皿にある卵焼きを箸で摘まむと、
飴家 真珠 :
[はい あーん] 楽し気に、卵焼きを江戸川の口元に運ぼうとする
江戸川 大吾 :
「お、おう……ありがとうな……」 このセルでは繰り返された光景だが、さすがに恥ずかしいのかぎこちなく食べさせられる。
飴家 真珠 :
「…………」 にこにこと満足気に笑って
飴家 真珠 :
[よーこちゃんも あーん] 今度は洋子にも同じことをしようとしてくる
江戸川 洋子 :
「お、オレもか~? はい、あーん」 ぱく、と躊躇なくおいしそうに食べる。
飴家 真珠 :
[おいし?] にこにこしながら聞く
江戸川 洋子 :
「うん、相変わらずウマいぞー! さすが真珠だな~」 上機嫌でもぐもぐ食べながら返事をする。
飴家 真珠 :
[えへへ やったあ] 両手を笑顔の頬に当てながら
飴家 真珠 :
[おかわりあるから いっぱいたべてね!] 嬉しそうにそう文字をキラキラ輝かせる。真珠にとって自分の料理が一番の愛情表現だった。
江戸川 大吾 :
「真珠は本当に料理が好きなんだな」
江戸川 大吾 :
「お前が大人になったら、飲食店を開いてみる……なんてのも良いのかもしれないな」
飴家 真珠 :
「…………」 言われたことを想像しているのか、視線を上に泳がせてから
飴家 真珠 :
[パパはそのほうがうれしい?] 首をこてんと傾げて
江戸川 大吾 :
「あ? そうだな、俺は……お前が元気にしてくれればなんでもいい」
江戸川 大吾 :
「だが、得意なものを生かせればいろいろ未来の選択肢が広がるだろう。その中のひとつとして……」
江戸川 洋子 :
「相変わらず堅苦しいな~」 横からヤジを入れるように
江戸川 大吾 :
「おい、俺はだな!?」 これもいつものやりとりである。
飴家 真珠 :
両手で口元を隠しながら、その様子を見てくすくすと笑っている
飴家 真珠 :
[でもパパのまじめなとこ わたしすきだよ] ふわりと光の文字を煌めかせて、
飴家 真珠 :
[しょうらいのこと ちゃんとかんがえとくね でも……]
飴家 真珠 :
[いまは みんなとこうしてるのが いちばんしあわせだから]
飴家 真珠 :
そう穏やかに微笑んで見せる。
江戸川 大吾 :
「真珠……ああ。そうだな。今は、それでいいだろう」 にこやかに
江戸川 洋子 :
「ふふ、相変わらず真珠には甘いな~?」
GM :
そうして、いつものように朝食は進んで行く。
江戸川 洋子 :
「〜〜〜♪」
GM :
改めて、あなたの隣で少し前の流行歌を口ずさみながら席に着くのは、このセルでいちばん古株のチルドレンである江戸川洋子。
GM :
江戸川、といっても便宜上そう名乗っているだけでセルリーダーである江戸川の実子ではない。拾われた時に名前が無かったのでそうなったらしい。
GM :
金を稼ぐのに手段を選ばないなど、FHらしい人物ではあるが、こうして歳相応にアイドルポップを好む一面があなたには印象的だろう。
江戸川 大吾 :
「ああ、その曲……」
江戸川 洋子 :
「〜♪ お、知ってんのかエドガワー?」
江戸川 大吾 :
「アレだ……ええと、 "ゆら"ってアイドルの曲だろう」
江戸川 洋子 :
「お、せーかーい。珍しいなー、すっかりオッサンの江戸川がこんな若い子の曲知ってるなんて」
江戸川 大吾 :
「いやお前……馬鹿にするなよ? トップアイドルの歌くらいニュース見てたら入ってくるんだから」
GM :
そんないつものやりとりから、江戸川が思い出したように言う。
江戸川 大吾 :
「そうだ、今日は久々に手術があるから手術室には入るなよ」
江戸川 大吾 :
「珍しく大口の依頼だから、秘密保持契約とかいろいろあるんだ」
江戸川 洋子 :
「大口〜? 大口ってどのくらいだ?」
江戸川 大吾 :
「あんまり生々しい話はしたくないが……お前ら全員、大学に行かせられるくらいはあるかもな」
江戸川 洋子 :
「マジ〜!? すっげーじゃん! その金を種銭にして霊感商法で10倍にしようぜ!」
江戸川 大吾 :
「真っ当な運用をしろ真っ当な……とにかく、そういうわけだから邪魔するんじゃないぞ」
江戸川 大吾 :
「さて、ごちそうさん。今日も美味しかったぞ、真珠」
飴家 真珠 :
「っ!」 あまりの大金の話に驚き、目を大きくしていたが名前を呼ばれてハッとする
飴家 真珠 :
[うん おそまつさまでした!]
飴家 真珠 :
「しゅじゅつがんばってね パパ」 文字を花火のように弾けさせ、笑顔で応援する
江戸川 大吾 :
背中越しに手を振り、その応援に答える。
GM :
…………。
GM :
……そこから何があったのか、はっきりとは思い出せない。
GM :
確かなことはあの日、あなたを遺してセルのメンバーは全滅してしまったということだ。
GM :
微かに残るのは、セルを襲ったと言われるオーヴァード、"殺戮人形"にやられたときの痛みの記憶。
GM :
そして、血だまりの海に沈む、大切な家族たちの凄惨な姿……それが目に焼き付いて、今も離れない。
GM :
そこからどうやって助かったのかも、定かではない。
GM :
気づいたら病院に運ばれ、一命は取り留めたものの、身体の傷以上に心の傷が深く残っていた。
GM :
……退院したあなたは、僅かな貯蓄を切り崩してセルに拾われる前と同じように当てもなく街を彷徨う。
GM :
あの頃より成長したとはいえ、壊滅したセルの残党を好き好んで登用しようというセルも無い。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
ふらふらと、力のない足取りで歩き続ける。
飴家 真珠 :
セルに来てから得た笑顔も消え、ただ虚ろな目で街を見渡すばかり。
飴家 真珠 :
だが、事件から数ヵ月経った今でも、“殺戮人形”の行方も手掛かりも一切掴めていない。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
「…………………………………………」
飴家 真珠 :
当てもなく街を彷徨い歩くのにも疲れてしまったらしい。
飴家 真珠 :
真珠は道の片隅に、ぺたんと座り込んでしまう。
飴家 真珠 :
そして、僅かに唇を震えさせ、
飴家 真珠 :
“パパ”……と響かない声で呼びながら、静かに涙を流し始めていた。
GM :
……力尽き、今は届かない人の名をつぶやくあなたに、ひとりの男が声を掛けた。
泊里 零一郎 :
「あーあー……君、ちょっといいかな」
飴家 真珠 :
「……?」 涙で潤んだ目で見上げる
泊里 零一郎 :
「おっと……ああ……ええと……」 その真面目そうな男は、あなたの様子を見て少し考えながら
泊里 零一郎 :
「その、大丈夫だ。身振りで返事してくれれば。僕は怪しいものではない……と胸を張って言えないのが心苦しいところだが」
泊里 零一郎 :
「僕は、とある芸能事務所でマネージャーをやっているものだ」
泊里 零一郎 :
男は名刺を差し出す。
泊里 零一郎 :
そこには「芸能事務所ファム・ファタール プロデューサー 泊里零一郎」と書かれていた。
飴家 真珠 :
「……!」 名刺を受け取って見つめる。ファム・ファタールのことは当然知っており、潤んだ目が揺れる。
GM :
ファム・ファタール――FHでありながら芸能事務所を運営する異色のセル。洋子がよく動画や楽曲を視聴していたのを覚えているだろう。
泊里 零一郎 :
「……戸惑っているかな。急な話だからね、無理もない」 あなたを落ち着かせるように、できるだけ穏やかな表情・声で。
泊里 零一郎 :
「いま、ファム・ファタールはちょうど新人を募集していてね。応募すると言ってくれれば、僕の権限で君を推薦することも出来る……」
泊里 零一郎 :
「君……もともとFHの人間だろう?」 小声で、周囲に聞こえないように。
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
慌てて、無理矢理手の甲で涙を拭う。
飴家 真珠 :
「…………」 ジッと、相手を見つめる。どうしてそれを知っているのかと警戒している目だ。
泊里 零一郎 :
「け、警戒されているか……。無理もないな」
泊里 零一郎 :
「ファム・ファタールはFHの重要な情報部門。すまないが、君のこともある程度調べはついている」
泊里 零一郎 :
「その上で……君のアイドルとしての才能を買いたい」
泊里 零一郎 :
「身寄りのないFHチルドレンに、うちほど好条件を出せるところはなかなかないと思う。もし、お金や待遇以外に希望……そうだね、FHらしく『欲望』と言おうか」
泊里 零一郎 :
「そういった物があれば、可能な限りバックアップしよう。事務所で話だけでも、どうだろうか」
飴家 真珠 :
「…………」 じーっと相手の目を見つめて
飴家 真珠 :
ポケットから、メモ帳とペンを取り出す。
飴家 真珠 :
“分かりました。話をするだけなら” と、綺麗な文字で書き、相手に見せる。
泊里 零一郎 :
「……ありがとう」 その答えを聞き、どこかほっとしたように肩の力を抜く。
泊里 零一郎 :
「では、行こうか。ファム・ファタールの子たちは……やっぱりFHだから、みんな世間でいう”良い子”ではないけれど……僕がしっかりフォローするから怖がらなくて大丈夫だ」
泊里 零一郎 :
「……気が早すぎるかな。まずは話。それからだね」 身体には触れないように、でもさりげなく、あなたをやさしくエスコートする。
飴家 真珠 :
「…………」 こくんと頷いて、立ち上がる
飴家 真珠 :
そのまま泊里についていきましょうか…!
GM :
こんな怪しい大人2連続に本当にありがとう……! では、シーンを締めます。
飴家 真珠 :
言われてみれば確かに怪しい大人二連続だよ! 了解!
飴家 真珠 :
あとそうだ、死亡してしまったしショックも受けてるし、ビッグEのロイスをタイタスに変えててもいいかな?
GM :
い、いいよぉぉ!(自分でダメージを受けるGM)
飴家 真珠 :
自分でダメージを受けとる!? では変えさせてもらいますね…感情はそのままで…
system :
[ 飴家 真珠 ] ロイス : 3 → 2
GM :
家族を失い傷心のあなたの前に舞い降りた、予想外のチャンス。困惑しながらも、彼についていくことに決めた。
GM :
この後どのような展開が待ち受けているのだろうか。そして、自分はどうすればよいのだろうか? いまは考える元気もないかもしれない。
GM :
それでも、現実は残酷だ。世界は回り、物語は進んで行く……。
Scene 02 王子の旅立ち?
GM :
ロッキーのOPです。登場おねがい!
ロッキー :
42+1d10(42+1D10) > 42+1[1] > 43
GM :
多数の人気アイドルを地上波へ送り込み、いまや芸能界を席巻していると言っても過言ではない事務所にしてFHセル、ファム・ファタール。
GM :
そのファム・ファタールが新たなアイドルの公募を始めたという情報が公開されたのが先月のことだ。
GM :
この情報は、界隈に大いなる衝撃をもたらした。
GM :
ファム・ファタールといえば、設立から現在までタレントの公募を行っていないことでも知られる事務所であり、それ故にアイドル志望の女子たちはいままで所属したくても運営からのスカウトを待ち続けるしか無かったのである。
GM :
裏社会では、これはライバルであるUGNプロの台頭を受けて事務所の変革を目指している……など小難しい情報が飛び交っているが、そんなことはどうでもいい。
GM :
あなたは履歴書を送り、その時が来るのを待ちながらも、いつものように依頼をこなしていた。
ロッキー :
癖毛のある紫の髪を靡かせながら、一人の少女が踊るようにして裏路地から出てくる。
ロッキー :
「ふん、ふんふふ~ん……♪」 上機嫌にステップを踏みながら、ハミングを奏でる。もっとも、その顔には血糊がいくらか付着しているのだが……
ロッキー :
「実に、イイ夜だ! なんたって、今日はいつもよりと~っても早く頼まれごとをこなしてしまったからね」
ロッキー :
「これは悪の王子としての格も上がっているという証拠だよ! そうに違いない、うんうんっ」
ロッキー :
そんなやや大きめの独り言を口にしているせいか、通行人からは冷ややかな目を向けられている。本人は気にもしていないようだが……。
ロッキー :
「格といえば……」ふと立ち止まって、空を見つめる。
ロッキー :
「そろそろ届くんじゃないかな? 僕サマへの招待状が!」履歴書の返事のことらを気にしていたらしい
ロッキー :
「ふふふ、なんて言ったって世話係に手伝ってもらった(ほぼ代筆)渾身のリレキショ?なんだ……」
ロッキー :
「きっと目に止まること間違いなし、さ!」 都市の空に浮かぶ、僅かな星に手を伸ばし、握りつぶす
ロッキー :
「そもそも、世界が僕サマのことを放っておくワケがないからねぇ」うんうん、と一人納得して
二条 純恋 :
「ずいぶん上機嫌ね、“死を齎す王子”さん?」くす、と笑いながら背後からあなたに話しかける。
ロッキー :
「うん?」 その声に振り返り、訝しげながらに謎の女性を見つめる
ロッキー :
「……やあやあ! ご機嫌ようお姉さん、僕のイミョウを知っているということは、世話係たちのお知り合いかな?」
二条 純恋 :
「あら、私のことをご存じない? うちに応募してくれたのだからどこかでは目に入っていると思うけれど……」 頬杖を突きながら考えるふりをして。
ロッキー :
「応募、僕サマが知っている……」むむ、と腕を組んで……
ロッキー :
「ああ!」パン、と手を合わせて
ロッキー :
「この前に応募ハガキを出したアニメヴィラン集のBD特典を持ってきてくれたのかい!」わぁ、と幼い子供のような笑顔を浮かべ……
ロッキー :
「……もしくは例のアイドルの、かな?」コロリと、鋭い目つきを浮かべる表情に
二条 純恋 :
「あら、フラフラとしているかと思えばそういう表情もできるのね。悪くないわ」
ロッキー :
「お褒めに預かりコウエイさ!」
ロッキー :
「……で、結局のところどっちなんだい? キミは配達員、それとも招待状をくれる王女様?」
二条 純恋 :
「口がお上手ね。あらためて、私はこういうものよ」 あなたに名刺を手渡す。
二条 純恋 :
そこには「芸能事務所ファム・ファタール 社長 二条純恋」と書かれていた。
ロッキー :
「ふむ……」名刺を受け取り、ジッと目を凝らす
ロッキー :
「げーのー、じむしょ……ファム・ファタール。しゃちょー……」ふりがなの部分を口に出して読む。深刻な記憶喪失で識字がおざなりだ。
ロッキー :
「……しゃちょー、聞いたことがある! 王様ぐらい偉い人!」おお、と目を丸くする
ロッキー :
「と、言う事は……直々に来てくれたんだ。僕サマは選ばれた、ってことで良いのかな?」
二条 純恋 :
「……これはレッスンよりも一般教養から始めたほうがよさそうかしら? まあ、お仕事ができるなら構わないわ」
二条 純恋 :
「とにかく、その勘は半分当たりといったところね」
ロッキー :
「(いっぱんきょーよー……?)」「む、半分とはどういうことだい。僕サマはアイドルのアイの部分をやるってことかい?」
二条 純恋 :
「面白い発想だけれど、違うわ」
二条 純恋 :
「ファム・ファタールの公募に応募してくれた人数は、全国でおよそ1万人。それに対して合格の椅子は2つ……」
二条 純恋 :
「そのうちのひとつ、あなたにあげてもいい。ただし、私がいまから言う仕事を引き受けてくれたらね」
ロッキー :
「……その仕事とやら、聞こうじゃあないか」無垢で貪欲、それが彼女だ。純恋の提案した餌にまんまと食いつく
二条 純恋 :
「話が早くて助かるわ」
二条 純恋 :
「といっても、そんなに難しい話じゃないわ。この子をちょっと痛い目に合わせて欲しいの」
GM :
純恋は一枚の写真をあなたに見せる。
武者小路 勇姫 :
切り揃えられたメッシュ入りのボブカットが印象的な、中性的な魅力を持つ女性がそこに映っている。
ロッキー :
「ほ~う、中々にイケてるじゃあないか。それで、誰なんだいこの子は?」食い入るように写真を見つめる
二条 純恋 :
「UGNプロダクションって知ってるかしら?」
ロッキー :
「ふふ、しらない」堂々と無知を披露
二条 純恋 :
「……その名の通り、UGN傘下の芸能プロダクションよ」 もうツッコまないらしい
二条 純恋 :
「そこに所属するライブアイドルグループ……いわゆる地下ドルというやつね。『Re:try』のメンバー、武者小路勇姫よ。正体はオーヴァードで、コードネームは"破壊王女"」
ロッキー :
「"破壊王女"! おお、なんとも物々しい名だ!」興味をそそられているようだ
ロッキー :
「……それで話を聞く限り、つまるところ……アレということだな」指を空でくるくると回しながら、頭の中で考えをまとめる
ロッキー :
「我々に歯向かわない様に、今の内に痛い目をみせてシツケをする……と言ったところかな?」
二条 純恋 :
「わかってるじゃない」
二条 純恋 :
「アイドルとしてモノにならないようなら放っておいてもよかったんだけれど、さすが相良さんね。彼女たちの影響力が無視できないところまで来ているの」
ロッキー :
「その相良だかは知らないけど、もう一つ質問をいいかい?」額に人差し指を当て、考える素振り
二条 純恋 :
「何かしら?」
ロッキー :
「なぜ彼女なんだい? メンバーは他にいるだろうに、ピンポイントで狙うということは何かしら、こう……」
ロッキー :
「……ケイカイすべき何かを備えているのかい?」うーむと唸って
ロッキー :
「ああ、なに。ヨワゴシになっているワケじゃあないさ! もし不意打ちで奥の手を喰らって負ける、なんて恰好悪いからね!」
二条 純恋 :
「ああ、そういうことなら心配ないわ」
二条 純恋 :
「理由は単純、彼女がいちばん実戦経験が浅く、狙いやすいからよ」
二条 純恋 :
「もちろん、それだけが理由ではないけれど色々な事情からほかのメンバー……というよりも、一般的なUGNエージェントより与しやすい相手であることは間違いないわ」
ロッキー :
「ふむふむ、つまりは武者小路くんが脅威ではなく……グループそのものであるから、手を打つと……」自分なりに考えを整理して
ロッキー :
「……イイだろう! その王女の膝を折り、我らのイコウ?を知らしめようじゃあないか!」ふんす、と胸を張って
二条 純恋 :
「ふふ、頼もしいわね」
二条 純恋 :
「ではよろしくね。詳しいお話はまた後日、事務所でしましょう」
ロッキー :
「任せたまえ! 悪の王子たる僕サマを阻むものはないのさ!」
ロッキー :
「では、また会おう! あっはっはっはっ!」 高笑いをあげて、純恋に背を向ける
ロッキー :
……あの二条純恋から実質的な合格通知を受けたあの時、実にイイ気分だった。まるで狭い世界が一気に広げられたようなワクワクとした胸の高鳴りが今でも止まらない。
ロッキー :
上機嫌さを隠しきれないステップで、曲がりくねった裏路地を進む。星々の光や、街灯さえ届かない暗闇の路地にポツンと備わった鉄サビだらけのドアの前で足を止めた。
ロッキー :
「僕サマのお帰りだ~!」
ロッキー :
ドアを潜り、地下へと向かう階段を下りていく。下った先に徐々に見えてくるのは何に使うのかさえ知り得ない、物々しく整列する機械の群れ。
ロッキー :
ぽつぽつと点在する研究者たちは、上機嫌なロッキーに声をかけることも、視界の端にさえ捉えることはない。ただの環境音か、それ以下のモノと思われているのだろうか。
ロッキー :
やがて辿り着くのは、物々しさから切り離された「白」で囲まれた空間。精神病患者が閉じ込められるような、柔らかな材質で覆われた部屋が彼女の部屋だ。
ロッキー :
「今日はとてもイイ日だった! 僕サマが世界に君臨する日は近いぞ!」
ロッキー :
どさっ。使い込まれたマットレスへ、玉座に座るかのように腰掛ける。
ロッキー :
ここが彼女の小さな王国。治めるべき民も、寄り添う臣下すら存在しない空の玉座。あるのは使い古されたテレビと、お気に入りのDVDだけ。後は寝具ぐらいだ。
ロッキー :
そんな彼女がこれから歩み出す世界が、どれほど彩に満ちて、波乱万丈の過酷な世界かは……まだ、彼女の知る所ではない。
ロッキー :
「ああ、たのしみだ。これからもきっとイイ事だらけだぞ!」
ロッキー :
これから踏みにじる数多の出来事に気を裂くこともなく、彼女はただ笑っていた。
Scene 03 希望と絶望のアイドル
GM :
蹄啼イバラのOPです。登場おねがいします!
蹄啼 イバラ :
39+1d10(39+1D10) > 39+4[4] > 43
GM :
出会いは数年前。あなたがアイドルに転身して間もない頃に遡る。
朝霧 ユラ :
「……あ、蹄啼イバラ」
GM :
都内某局の休憩スペースでたまたま顔を合わせた。今思えばありふれた、それが、のちの煌めく一等星、朝霧ユラとの出会いだった。
蹄啼 イバラ :
「あら、初めまして~」
蹄啼 イバラ :
「ええっと、貴女は……」恰好からして、同じアイドルだろうか。記憶が正しければ、初めて見る顔だと思う。
朝霧 ユラ :
「まあ知らないよね~。朝霧。朝霧ユラ。向かい、座っていい?」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん? ええ、もちろんどうぞ~?」やはり知らない名だ。優雅な所作で、着席を促す。
朝霧 ユラ :
「ん、じゃ、遠慮なく」 その所作を見るとこちらも少し緊張気味に、丁寧に椅子を引いて座る。
蹄啼 イバラ :
「……」緊張を感じ取ったからか、思案するような仕草を見せてから
蹄啼 イバラ :
「不勉強なもので知らなかったのですが、朝霧さんもわたくしと同じアイドル……ですよね? デビューからどれくらいなのですか?」
朝霧 ユラ :
「あー、いいっていいって。テレビも最近出始めたし知らないのがフツーだから。えーっと……CD初めて出してからは半年くらいかな。それまでは、色々と」
蹄啼 イバラ :
「半年……それでは、この業界では貴女のほうが先輩に当たりますね?」
蹄啼 イバラ :
音楽界や芸能界という括りでは、蹄啼イバラのほうが圧倒的に古株。
蹄啼 イバラ :
なにしろ、小学一年生の時分から「天才ヴァイオリニスト」としてメディアに引っ張りだこだった。
蹄啼 イバラ :
────とはいえ。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラがアイドル業界に足を踏み入れたのは、つい先月のコト。
蹄啼 イバラ :
アイドルとしては、まだ駆け出しの新人だ。
蹄啼 イバラ :
「であれば、緊張する必要はありません。芸能界では年功序列が基本ルールでしょう?」柔らかく微笑んで
朝霧 ユラ :
「ふふ、そっか。じゃあ楽にさせてもらうね」
GM :
肩の力を抜いて、カロリーメイトを口に運んでむぐむぐと頬張る。
蹄啼 イバラ :
「……そのブロック状のものは?」
朝霧 ユラ :
「知らないの!?」
蹄啼 イバラ :
「ええ、どこかで見たことがあるような気はするのですが~……」困ったように笑う。どうにも世俗のことには疎い。
朝霧 ユラ :
「おいおい、さっきあんたが収録してた番組のスポンサーだろ……」
蹄啼 イバラ :
「スポンサー、というと製薬会社の……このような食品も作っているのですね……」興味深そうに観察する。
朝霧 ユラ :
「さては買い物とか自分でしないタイプか……ウチの事務所にもたまにいるわ」
蹄啼 イバラ :
「ええ……恥ずかしながら、買い物は執事やメイドがすべて行なっているもので……」
朝霧 ユラ :
「執事?? メイド???」 理解が及ばないらしい
朝霧 ユラ :
「いるところにはいるんだなぁ……そういうの」
蹄啼 イバラ :
「……蹄啼イバラは普通ではない、そういうお話でしょうか?」ふむ、と首を傾げて。
朝霧 ユラ :
「え。いや、そう言いたいわけじゃないけど……」
朝霧 ユラ :
「というか、あれだ、そういう話をしようと思ってたわけじゃなく……!」 話を変えようとする。
蹄啼 イバラ :
「ふふ、気にしていませんよ。わたくしはわたくしが普通ではない、と自覚していますし~」
蹄啼 イバラ :
「……さておき、どういう話をしようと? 遠慮せずになんなりと聞いてもらって構いませんよ~?」
朝霧 ユラ :
「そうやって改めて聞かれると……はぁ……」 俯いてため息をつく。
朝霧 ユラ :
「……あんたの曲聴いたよ」
朝霧 ユラ :
「なんか、アイドルソングなのに真に迫ってくるっていうの? 珍しくていいなと思って、いっぺん話してみたかったんだ」 ちょっと目を逸らしながら言う。
蹄啼 イバラ :
「あら、ありがとうございます~」そう言ってもらえるのは、純粋に嬉しい。
朝霧 ユラ :
「それでどんな人かなと思ったら、こうでさ……」
朝霧 ユラ :
「さらっと言おうと思ってたのに、恥ずかしいんだよ、ペースが全部持って行かれる!」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、そのつもりはなかったのですが」
蹄啼 イバラ :
「おかげで朝霧さんの可愛らしい表情が見られたので、結果オーライとしましょうか」口元に手を当て、くすくすと笑う。
朝霧 ユラ :
「な……、ま、ったくもう……」 目を逸らしたら負けな気がして、うつむき加減で顔を赤くしながら睨みつけるように見ている。
蹄啼 イバラ :
その視線をさらりと流すと、ぱんと胸の前で手を合わせる。
蹄啼 イバラ :
「ああ、実はわたくしからも一つ、アイドルの先達である貴女と話したいことが────」
蹄啼 イバラ :
「いえ、尋ねたいことがあるのですが、よろしいでしょうか~」
朝霧 ユラ :
「あんたから、あたしに? いいけど」
蹄啼 イバラ :
「そう構えずとも、意識調査のようなものです」
蹄啼 イバラ :
「貴女はきっと、何度か答えた経験があるでしょう」ありきたりな質問です、と。
蹄啼 イバラ :
「……朝霧さんはなぜ、アイドルになろうと思ったのですか~?」
蹄啼 イバラ :
「そう構えずとも、貴女はきっと答えた経験があるでしょう」ありきたりな質問です、と。
蹄啼 イバラ :
「朝霧さんはどうして、アイドルになったのですか?」
朝霧 ユラ :
「ああ、どうしてアイドルに……」
朝霧 ユラ :
「……」
朝霧 ユラ :
「……なってほしいって言われたから、かな」
蹄啼 イバラ :
「なってほしい? どういう事でしょう?」予想していなかった答えに、首を傾げる。
朝霧 ユラ :
「どういう事も何も、よくある話でしょ」
朝霧 ユラ :
「ほら『ユラはママの希望なんだからね』ってやつ」
蹄啼 イバラ :
「嗚呼、なるほど……」
蹄啼 イバラ :
それなら、イバラにも共感できた。そもそも音楽を始めたのは、父の命令だったからだ。
朝霧 ユラ :
「最近は珍しいみたいけどね。ウチは結構その……前時代的な家っていうか……」 言葉を濁す
朝霧 ユラ :
「公務員になってとか、医者になってとか……それがあたしの場合はたまたまアイドルだった。きっかけはそれだけだよ」
朝霧 ユラ :
「……今は、たくさんの人に曲を聞いて貰えるのが楽しいとか、あるけどね」
蹄啼 イバラ :
「たくさんの人に曲を聞いて貰えるのが、楽しいですか……?」
朝霧 ユラ :
「……そういうトーンで返されると自信なくなるなぁ」
朝霧 ユラ :
「楽しいし、嬉しいよ。音楽でいろんなことを表現できて、それを聞いた人がいろんな解釈をしたりして――」
朝霧 ユラ :
最初はダウナー気味のトーンだったが、いざ話し始めると、ぺらぺらと楽しそうにライブでの出来事を語り始める……。
朝霧 ユラ :
「……でさー、あたしもギター持ってライブに出たいわけよ。でもプロデューサーがダメって言うんだ」
朝霧 ユラ :
「なんでって聞いたら、なんて言ったと思う?」
蹄啼 イバラ :
「うう~ん、満足に演奏できないギターなんて耳障りなだけ……などでしょうか~……?」
朝霧 ユラ :
「ヴッ、辛辣ゥ……」
朝霧 ユラ :
「でも、正解はもっとひどいかも」
蹄啼 イバラ :
「これよりもっと……酷い方を想定したつもりだったのですが~……」
朝霧 ユラ :
「まあ、蹄啼には思いつかないくらい低級かな……」
朝霧 ユラ :
「ギター背負うと、おへそが見えなくなるからダメなんだって」
蹄啼 イバラ :
「……おへそが? どういう意味です?」サウンドには影響がないと思うのですが、と首を傾げる。
朝霧 ユラ :
「……ね、バカじゃないって思うよね~」 あえて説明はしない。
蹄啼 イバラ :
「ふむ……まあ、アイドルというのは歌・踊り・舞台演出が織り成す総合芸術ですから……」
蹄啼 イバラ :
「そうした兼ね合いで、ギターは似つかわしくないと判断されたのかもしれませんね……?」
朝霧 ユラ :
「無敵かお前? まあ……そうなのかもね。やっぱ売れなきゃ仕方ないから」
蹄啼 イバラ :
「売れなきゃ仕方ない……なるほど……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしとしては、演奏はやはり生に限ると思っていますし、何事もチャレンジ精神が大事だと考えていますから、朝霧さんの考えを支持したいですが……」
蹄啼 イバラ :
「それが事務所の方針なら、仕方ないのかもしれませんね~……」
朝霧 ユラ :
「そっちの事務所は結構自由にやらせてくれんの? やっぱ最大手はいいなー……って、やば、もうこんな時間」
蹄啼 イバラ :
「ついつい、話し込んでしまいましたね」微笑んで
朝霧 ユラ :
「ん、連絡先教えてよ。いろいろ話したいことあるし」
朝霧 ユラ :
型落ちのスマホを取り出して、定番SNSアプリを開く。
蹄啼 イバラ :
「ええ、もちろん構いませんが~……」と最新のスマホを取り出して、
蹄啼 イバラ :
「あ、申し訳ありません……アプリのダウンロードが必要なのですね……」とSNSアプリを入れる。多忙なイバラには、これまで必要なかったのだ。
朝霧 ユラ :
「あー、あ、うん」 こいつマジか、という目で見ている。
蹄啼 イバラ :
「……と、インストールできました」
蹄啼 イバラ :
「連絡先交換のためには~……ええ~と、スマホを振ればいいのですね……?」アプリ画面をじっと見つめ
朝霧 ユラ :
「ね、便利だよねー」 連絡先が入ったのを確認すると、ニコっと笑顔で。
蹄啼 イバラ :
"友達"の欄に「朝霧ユラ」の名前が入っている事を確認して、蹄啼イバラは目を細める。
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、わたくしのお友達第一号です♪」愉しそうに笑って
朝霧 ユラ :
「……!」
朝霧 ユラ :
「そ、そう……あたしも芸能界の友達って初めてかも」
朝霧 ユラ :
「へへ。じゃ、また!」
蹄啼 イバラ :
「ええ、また今度~」ユラの背中に手を振る
GM :
普通と言えば普通、でも本人たちにとってはそうではないかもしれない。それがあなたたちの出会いだった。
GM :
――幼い頃から音楽やダンスで英才教育を受けた彼女は徐々にメディア露出を増やし始めていたものの、当時はまだ「与えられた曲を歌うだけ」という感じで。
GM :
楽器の演奏ができる以外はあなたにとって特に目の引くところのないアイドルだったかもしれない。
GM :
しかし、その頃を期に彼女は急激に実力と人気を伸ばしていく。
GM :
いつしか、世界的ヴァイオリニストから転身し、彗星のように音楽シーンに現れたあなたと並び称されるほどに。
GM :
世間からは"最強・最後のソロアイドル"なんて異名が付くほどに、彼女は成長していった。
GM :
――そして、その成長ぶりをファム・ファタールが警戒するのも、無理からぬことであった。
GM :
――数年後、都内某局。
GM :
あなたは新しく始まる番組の打ち合わせで局を訪れていた。
GM :
……偶然だが、スタジオではユラがゲスト出演中するグルメ番組の撮影が終わろうとしていたところだった。
司会の芸人 :
「ユラちゃん、お疲れ様~。今回も良かったよ。いや、来月は武道館ライブだって? 凄いよねー」
朝霧 ユラ :
「あはは、ありがとうございます。って言っても、単独じゃなくて事務所のみんなで合同ライブですけどね」
司会の芸人の相方 :
「そんなことないっしょ。音楽でメジャーデビューまでこぎつけても、武道館で歌えない歌手が世の中ほとんどなんだからさ」
司会の芸人 :
「しかし、初めて番組出たときはまだあどけない中学生だったのにすっかり大人になってね。ことし? 来年? 高校も卒業でしょ? 進路とかもう考えてるの?」
朝霧 ユラ :
「え、ぁ、いやー……それは」
司会の芸人の相方 :
「おいおい……お前さすがにそれは気持ち悪いだろ。昨今コンプラも厳しくなってんだから気をつけろよ?」
司会の芸人 :
「おっと、つい親戚のオジサンみたいなことを……プライベートなことだもんね。失礼失礼」
朝霧 ユラ :
「あはは、いや、大丈夫ですよー。すみません、もう時間なんで行きます。また番組呼んでくださいね」
GM :
そんな会話を交わしてから、少し青い顔をしながらスタジオから出てくる彼女と出くわした。
蹄啼 イバラ :
「……あら、朝霧さん? こんにちは、奇遇ですね~?」
朝霧 ユラ :
「ぁー、蹄啼……久しぶり。珍しいね、打ち合わせか何か?」
蹄啼 イバラ :
「少々、音楽番組の打ち合わせがありまして~」バラエティー番組には、ほとんど出ない。
蹄啼 イバラ :
「……そんなことより、大丈夫ですか? 顔色が優れないようですけど~?」
朝霧 ユラ :
「さっき収録で家系ラーメンと唐揚げ食べてきて……ちょっと吐きそうかも」
蹄啼 イバラ :
「ああ、グルメ番組……」出演オファーはすべて断っている類の番組だ。
蹄啼 イバラ :
そもそも、家系ラーメンとは何だろうか。ヴィジュアル系とか、そういう括りがラーメンにも?と首を傾げる。
朝霧 ユラ :
「小さい頃から脂っこいもの禁止されてきたから、受け付けないんだよね……あとちょっと、練習の追い込みで疲れてるかも」
蹄啼 イバラ :
「なるほど、武道館ライブの準備」
蹄啼 イバラ :
「……こちらを先に言うべきでしたね、おめでとうございます朝霧さん」
朝霧 ユラ :
「え……? うん、ありがとう……!」 祝福されたのが意外だったのか、嬉しそうに。
蹄啼 イバラ :
「あら、わたくしに祝われるのが驚きでしたか? まったくもう、心外ですね~?」ユラの心を見透かしたように言ってから、むっとした表情を作る。
朝霧 ユラ :
「え、あ~、悪かったって。でも蹄啼は世界中の有名なホールで演奏してるでしょ」
朝霧 ユラ :
「武道館ライブで、ようやくスタート地点ですねみたいな風に思ってるかなってちょっと思ってたかも」
蹄啼 イバラ :
「…………ふふ」
蹄啼 イバラ :
「そんなことは、ありませんよ? ええ、日本の多くの音楽家にとって、日本武道館は夢の大舞台!」
蹄啼 イバラ :
「そこに立つには、国民に認められるだけの人気や実力を身に着けなければならない」
蹄啼 イバラ :
「その器量に足る人物であると、貴女が認められた────それは素直に喜ばしいことです」
朝霧 ユラ :
「へぇ……そんな喜んでくれるんだ」
朝霧 ユラ :
「なんか元気出て来たな。もっと頑張ろ……!」
蹄啼 イバラ :
「ええ、応援していますよ」
蹄啼 イバラ :
「ただ……」いきなりユラへと手を伸ばし、お腹をぷにっと触る。
朝霧 ユラ :
「おわっ!」
蹄啼 イバラ :
「晴れ舞台に立つ前に、グルメ番組で着いてしまった贅肉は落としませんとね~」くすくすと笑う
朝霧 ユラ :
「いや、そんな頻繁に食ってるわけじゃないからな!?」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、音に影響が出ないのなら良いのですが」
蹄啼 イバラ :
「……ともあれ、朝霧さんは以前より格段に歌が上手くなりました」
蹄啼 イバラ :
「きっと耳が良いのでしょうね、貴女は一音一音を大事に歌っている」
蹄啼 イバラ :
「────ですから、自らの"技量には"胸を張って、大舞台を楽しんできてください♪」温かく微笑む
朝霧 ユラ :
「……あんたのお墨付きならこの上ないね。うん、楽しんでくる」
朝霧 ユラ :
「じゃ、今日も練習行きますか」
蹄啼 イバラ :
「はい、行ってらっしゃい朝霧さん」
GM :
……そうしてあなたは彼女と別れ、打ち合わせを済ませると事務所へと戻った。
GM :
事務所に戻ったあなたは、社長の二条純恋に招集を受ける。
蹄啼 イバラ :
「────何の御用でしょうか、二条さん?」社長直々の招集だが、緊張した様子も無く、いつもの調子で社長を訪ねる。
二条 純恋 :
「打ち合わせお疲れ様。早速だけれど、頼みたいことがあってね」
二条 純恋 :
「あなたの『芸術』を披露して貰おうかと思っているわ」
蹄啼 イバラ :
「……あら、願ってもない申し出」新曲を作ってほしいだとか、そんなお願いだろうと思っていた。
蹄啼 イバラ :
「この頃はどうもマンネリ気味でしたから、ありがたいお話ですね~」どことなく声が弾んでしまう。
二条 純恋 :
「楽しそうで何よりだわ。でも、今回は内容が内容だから慎重にお願いするわね」
二条 純恋 :
「で、肝心の相手だけれど~……」
GM :
……社長室の50インチモニターに、朝霧ユラのライブシーンが映る。
二条 純恋 :
「今度、武道館で朝霧ユラがライブをやるでしょう?」
二条 純恋 :
「彼女を傷つけて、ライブを中止にして欲しいの」
蹄啼 イバラ :
「このわたくしに……朝霧さんを手にかけろ、と……?」
二条 純恋 :
「できないかしら? けっこう、仲が良さそうだものね。気が進まないなら別の子に頼んでもよいけれど」
蹄啼 イバラ :
「嗚呼、わたくしにはそんなっ……そんな酷いこと────」
蹄啼 イバラ :
「社長、貴女っていう人は……!!」
二条 純恋 :
「…………」
GM :
――当日、日本武道館控室。
GM :
控室には、午前中から乗り込んで会場の最終確認などを行っていた朝霧ユラがひとりでリハ前の休憩していた。
GM :
セルの方で侵入のため根回しや人払いのエフェクトの施しは済ませている。
蹄啼 イバラ :
こんこん、と控室の扉をノックして。
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん、失礼しま~す」滑り込むように、室内に足を踏み入れる
朝霧 ユラ :
「――え、蹄啼!?」
蹄啼 イバラ :
「ええ、わたくしです」
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、今日は朝霧さんの晴れ舞台ですから、緊張する貴女のために特別に来ちゃいました~♪」
朝霧 ユラ :
「び、びっくりした……。えー、スタッフのサプライズ? 聞いてなかったから……」
蹄啼 イバラ :
「サプライズといえば、サプライズなのでしょうか~」
蹄啼 イバラ :
「もっと喜んでくれてもいいのですよ~?」
朝霧 ユラ :
「……うん、すごく嬉しいよ」
朝霧 ユラ :
「ずっと目標だったあんたがわざわざここまで来てくれるなんて……なんか、夢みたい」
朝霧 ユラ :
「あ、……だめだめ、メイクが崩れちゃう」 俯いて、何かを我慢するように顔を抑えて。
蹄啼 イバラ :
「わたくしたち、世間では『ライバルのアーティスト』と言われていますから、何も不可思議はありません」
蹄啼 イバラ :
「夢なんてものありません、この世にあるものは目標と現実の二つきりなのですから」
朝霧 ユラ :
「あはは……こんな日まで蹄啼は蹄啼らしいな」 顔を上げて。
蹄啼 イバラ :
「時に、朝霧さん……?」目をじっと合わせ
蹄啼 イバラ :
「あの……わたくし、これまで実は、貴女に隠していた事があるのです……」
朝霧 ユラ :
「へ、隠してた……何何、急に?」
蹄啼 イバラ :
「その……貴女にとっては何より大切な今日、この日だからこそ……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしが秘めていた、大切な気持ち……貴女に伝えたくって……」頬を染めて
朝霧 ユラ :
「……えぇぇっ!??」
蹄啼 イバラ :
「このまま告白するのは、流石に恥ずかしいので……耳を、貸してもらえますか……?」目を逸らし
朝霧 ユラ :
「う、うん……」 言われるままに耳を貸す。
蹄啼 イバラ :
「他の人には秘密、ですからね……?」ユラの耳にそっと口唇を近付ける。
蹄啼 イバラ :
はあ、と熱を帯びた息が、朝霧ユラの肌を撫でる。
蹄啼 イバラ :
ダマスクローズだろうか、濃厚な甘い香りが包み込む。
朝霧 ユラ :
「っ……」
蹄啼 イバラ :
そして、次の瞬間────
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは、がぶりと。
蹄啼 イバラ :
まるで吸血鬼のように、朝霧ユラの首筋に牙を突き立てていた。
朝霧 ユラ :
「――ぇ」
GM :
間の抜けた声。何が起きたのかゆっくり理解して、それから、遅れて。
朝霧 ユラ :
「っーーーー、痛ぁーーーっ!!」
GM :
パワフルな歌声そのままの、のびやかな悲鳴があたりに響く。
蹄啼 イバラ :
「あは……♪」にんまりと目を細める。
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラの全身から、力が抜けていく。
蹄啼 イバラ :
さーっと血の気が引いて、ついには立っていられなくなる。
蹄啼 イバラ :
そんな哀れな少女を、蹄啼イバラは見下ろして笑っている。
朝霧 ユラ :
身体は言うことを聞かなくても、喉からは至上の”音楽”を奏でながら、床に転がる。
蹄啼 イバラ :
「ずぅ~~っと……こうしたいと思っていましたぁ……♪」
蹄啼 イバラ :
何が起きたのか、朝霧ユラには分からない。
蹄啼 イバラ :
分かったことと言えば、さきほど噛まれたときに、
蹄啼 イバラ :
「傷口から何かが、入り込んだらしい」ということくらい。
蹄啼 イバラ :
麻痺毒、あるいは筋弛緩剤のような何かを、盛られたのだろう。
蹄啼 イバラ :
そうとしか考えられない。
蹄啼 イバラ :
……そして、そのような凶行を行なったのは誰か。女の笑顔が告げている。
朝霧 ユラ :
「な、なんで……」
朝霧 ユラ :
「疲れすぎて夢でも見てる……? あたし……」
蹄啼 イバラ :
「あはぁ♪ 良い顔ですねぇ♪」くいっと顎を持ち上げて、ユラの瞳を覗き込む。
蹄啼 イバラ :
「瞳は、声は、心の彩は……言葉よりも雄弁に、嘘偽りない真実のみを語る……」
蹄啼 イバラ :
「何故、どうして……? そう言いたげな表情、たまりません……♪」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、思わず昂ってしまいます……♡」
蹄啼 イバラ :
「気分がいいので、貴女の疑問にお答えして差し上げましょうか~……♪」
蹄啼 イバラ :
「……朝霧さん? 貴女は以前、音楽番組でわたくしを”ライバル”だと言ってくれましたね?」
朝霧 ユラ :
「はーっ……はーっ……」 過呼吸になりながら、ゆっくり首を縦に振る。
蹄啼 イバラ :
「良い機会ですから教えてあげましょう」
蹄啼 イバラ :
「────それはすべて、貴女の勘違いです♪」ずいっと顔を近付けて
朝霧 ユラ :
「いっ……」
蹄啼 イバラ :
「……たしかに、朝霧ユラはすばらしい逸材です」
蹄啼 イバラ :
くるりと身を翻すと、ユラの周りをすたすたと上機嫌で歩き出す。
蹄啼 イバラ :
「耳が良い、声が良い、顔が良い」
蹄啼 イバラ :
「歌も上手いですし、踊りに関しては、わたくしより格段に上です」
蹄啼 イバラ :
「……けれども、番組のインタビューや、わたくしとの対話でも少し口にしていましたね~」
蹄啼 イバラ :
「貴女はファンの為に歌っている、とか?」振り返ると、クスクスと笑う
朝霧 ユラ :
「はーっ……う、ぅう……何、何なの……!」
蹄啼 イバラ :
「そう、それです! それなのです! 貴女はそれを"良いコト"のように捉えている!」
蹄啼 イバラ :
「嗚呼、なんて感動的!わたくし、涙が出てしまいそう!」可笑しくって、と付け加え
蹄啼 イバラ :
「……”アーティスト”とは、ただひたすらに『美を追い求める者』のことでしょう?」
蹄啼 イバラ :
「有象無象の観客の反応はどうか、自らはメジャー側に迎合しているのか、そんなことは気にしてはいけないのに」
蹄啼 イバラ :
「貴女は芸術の本分を見失って、使い古しでありきたりな美辞麗句に酔っていた」
蹄啼 イバラ :
「その時点で、貴女は”アーティスト”ではない」正面に立って、瞳を覗き込む。
蹄啼 イバラ :
「────ふふ、けど笑わせてもらいましたよ~?」
蹄啼 イバラ :
「貴女が歌っていたのは、アイドルソングの王道」
蹄啼 イバラ :
「……といえば聞こえはいいですが、王道とはすなわち、見慣れたありきたりなモノ」
蹄啼 イバラ :
「売るために大衆受けを意識して作られた紛い物、芸術未満の量産品」
蹄啼 イバラ :
「愛だの夢だの希望だの、手垢まみれで薄っぺらな上辺ばかりの虚飾」
蹄啼 イバラ :
「まあ、貴女のような"虚像の頂点"には似合っていたのかもしれませんね~……? 血も魂も宿らない、偽りの音楽が……♪」
蹄啼 イバラ :
「ありがとうございます~朝霧さん……♪ 本当に笑わせてもらいました~……♪」
蹄啼 イバラ :
「わたくしとライバルだなんて、自惚れていた貴女には……♪」
蹄啼 イバラ :
しゃがみこんで、ユラの耳元にそっと口唇を寄せる。
蹄啼 イバラ :
「貴女とわたくしは、そもそも同じ土俵に立ってさえいないのに~……♡」滑稽です♪と嘲り笑う。
朝霧 ユラ :
「あ………ぁあ……」 ぐさぐさと心を刺す言葉のナイフも、あなたに裏切られたことがあまりにショックで届いているのかいないのか。
朝霧 ユラ :
ただただ、えぐえぐと悲鳴を上げながら涙を流すことしかできない。
GM :
彼女が泣いているところなんて見たことも、話に聞いたこともない。そのくらいショックだったのだろう。
蹄啼 イバラ :
「あはぁ♡」
蹄啼 イバラ :
……朝霧ユラのなかで沸々と湧きあがり、濃くなっていく感情。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの瞳はそれを『色彩』といった形で捉えていた。
蹄啼 イバラ :
浮かび上がってきたのは、黄色と青色。すなわち、驚愕と悲哀。
蹄啼 イバラ :
……ヒトの心が織り成す、妖美なる色彩。
蹄啼 イバラ :
正しく”十人十色”のそれを、
蹄啼 イバラ :
嘘偽りのない本能的衝動を、蹄啼イバラは「何より美しいモノ」と愛していた。
蹄啼 イバラ :
────ヒトは普段、強い感情を持って過ごしてはいない。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの目には、くすんだ硝子のように色褪せて映る。
蹄啼 イバラ :
感情というのは、心を揺さぶられて初めて湧き出すものだから。
蹄啼 イバラ :
……そして、蹄啼イバラは。
蹄啼 イバラ :
美の追求に手段を選ばないという点において、誰よりも”アーティスト”だった。
蹄啼 イバラ :
「悲劇と言えば悲劇です……うわべだけの世間の声に惑わされて、貴女ほどの才能が、埋もれていくのは……」
蹄啼 イバラ :
「で・す・か・ら……♪」
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラの首筋にそっと触れる。
蹄啼 イバラ :
ごぽりと、何かが内側で泡立つような音。
蹄啼 イバラ :
────瞬間、鋭い激痛が朝霧ユラを襲った。
朝霧 ユラ :
「っ、あ―――」
朝霧 ユラ :
涙が引っ込むほど痛みに、思わず絶叫する。
蹄啼 イバラ :
「やっぱり、良い声……♪」
蹄啼 イバラ :
見れば六本の真っ赤な釘が、ユラの首筋から生えるように突き立っていた。
蹄啼 イバラ :
……非オーヴァードには、何が起きているのか、意味が分からないだろう。
蹄啼 イバラ :
ブラム=ストーカーとしては、ごくありふれた能力行使。
蹄啼 イバラ :
自らの血液を、手足以上に自在なものとして操る力。
蹄啼 イバラ :
……朝霧ユラの体内に入れた血液を、ちょっと釘に変えてみせただけ。
蹄啼 イバラ :
だが、オーヴァードの存在も知らない少女には、堪ったものではない。
蹄啼 イバラ :
……ライバルだと思っていた少女の凶行。
蹄啼 イバラ :
まるで現実感はない。しかし。
蹄啼 イバラ :
ドクドクと流れる熱い血潮と痛みだけが、これを嘘偽りない現実だと告げている。
朝霧 ユラ :
「――――っ!! んぃ――――!!!」
朝霧 ユラ :
文字に起こせないほど声量で、狂ったように叫んでも、強力な人払いによりその悲鳴は誰にも届かない。
蹄啼 イバラ :
「ああ、安心して……♪ 邪魔は入りませんから、好きなだけ啼いてください……♡」
蹄啼 イバラ :
労わるように、慈しむように、朝霧ユラの首筋を撫でる。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの手に付き従って、血の棘が動き出す。
蹄啼 イバラ :
血流に乗って、鈍い刃物が少女を引き裂いていく。
蹄啼 イバラ :
ぶちぶちと肉が千切れるイヤな音。
蹄啼 イバラ :
生きたまま解体されるような激痛に、意識が断絶────するのでは面白くないので。
蹄啼 イバラ :
そのあたりのバランス感覚は心得ている。
蹄啼 イバラ :
意識が飛びそうになりながらも、失わせてはもらえない。
蹄啼 イバラ :
そんなことは許さない。許さない。許さない。
蹄啼 イバラ :
……朝霧ユラはすでに、朝霧ユラのものではない。
蹄啼 イバラ :
生殺与奪の権利はもちろん、身体から精神の自由まで、すべての権利は私にあるのだと。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは刻み付ける。肉体に、精神に、魂に。
朝霧 ユラ :
「ぁ、あああ、ぁぁ……!!」
朝霧 ユラ :
「っ、――嫌ァァアーーーッ!!!!」
朝霧 ユラ :
何度も、何度も痛めつけられ、飛ぶ血飛沫。
朝霧 ユラ :
肩に添えられた白百合の意匠が、薔薇のように紅く染まっていく。
蹄啼 イバラ :
「あは、辛そうですねえ……♡」
蹄啼 イバラ :
「痛いの痛いの飛んでいけ~♪」
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラに《生命治癒》を使用。
蹄啼 イバラ :
みるみるうちに傷が治っていく。
蹄啼 イバラ :
耐え難い苦痛からの解放。何故だろうか、それは快楽を伴っていた。
朝霧 ユラ :
がくん、がくん、びたん、と流し込まれる生命エネルギーの潮流と痛みの間で床をのたうち回る……。
蹄啼 イバラ :
がくがく震える朝霧ユラをそっと抱きしめて。
蹄啼 イバラ :
ぎゅっと優しく、自らの胸に埋める。
蹄啼 イバラ :
「あは、びくって震えて可愛い……♪ 良い子良い子……♡」頭を撫でる。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの胸は、泥のように柔らかであった。
蹄啼 イバラ :
甘い香りがして、人肌の温もりが伝わってくる。
蹄啼 イバラ :
……苦痛と快楽。対極に位置する刺激。
蹄啼 イバラ :
脳が搔きまわされ、ぐずぐずに蕩けていくのが分かる。
朝霧 ユラ :
脳が理解を拒む。ぐったりと胸に身体を埋めて、蕩けていく。
蹄啼 イバラ :
「その調子でもっと、その美しい悲鳴を聞かせてください……♪」
蹄啼 イバラ :
「大丈夫ですよ~、朝霧さん……♪ 」
蹄啼 イバラ :
「ライバルは荷が重すぎましたが、いつかコレクションとして……」
蹄啼 イバラ :
「あなたのことは大事に大事に、壊してあげますから────♡」
GM :
……結局、ファム・ファタールの目論見通りライブは中止になり、彼女らの事務所は大損害を受け評判を大きく落とした。
GM :
そこまでは想定内の事だ。しかし、ひとつだけ想定外のことが発生した。
GM :
……その日以降、朝霧ユラが芸能界に姿を現すことはなかったのだ。
GM :
数か月後、ファム・ファタール事務所。
GM :
忽然と国民の前から姿を消したスーパースター、朝霧ユラ。
GM :
1ヶ月、2ヶ月と空白期間が伸びるにつれゴシップ誌は騒ぎに騒ぎ立てた。
GM :
今あなたが読んでいる芸能誌にも、彼女の記事が掲載されている。
GM :
舐め腐った態度で大御所芸能人を怒らせた、人知れず入水自殺を図った、海外で隠遁生活を送っている、覆面アーティストとして再デビューしている。
GM :
どれも根拠の無い噂話だ。現在も、憶測が止むことはない。
GM :
物思いにふけっていると、リーダーから通話が入る。
蹄啼 イバラ :
「……何でしょう、二条さん?」下卑た三流雑誌を物憂げな表情で閉じて、通話を取る。
二条 純恋 :
「あら、蹄啼さん、ご機嫌ナナメかしら? 悪いけれど、またお願いしたいことがあるの」
蹄啼 イバラ :
「お願いしたいこと?」
二条 純恋 :
「ええ、残念ながら今回は拷問の依頼ではないわ。……そうね、調査依頼、といったところかしら」
蹄啼 イバラ :
「調査、わたくし向きの任務ではないと思いますが~……何の調査依頼なのでしょう……?」
二条 純恋 :
「それは……少し長くなるわ。事務所に戻ったら直接説明してあげる」
二条 純恋 :
「じゃあ、また後でね」
蹄啼 イバラ :
「……分かりました、ではまた」ため息まじりに通話を切る。
GM :
朝霧ユラがいなくなって、世間は騒ぎに騒いだ。
GM :
それでも、SNSの荒れ方に比べて実社会への影響は限定的だ。今日も、彼女なしで世界は回っている。
GM :
彼女という存在を失って、自分は何か変わっただろうか? そんなことを考える間もなく、あなたのもとに新たな事件が舞い込むのだった。
Scene 04 本当のわたし
GM :
大変お待たせ致しました! 浅香ちゃんのOPです。登場お願いします!
多々良那 浅香 :
35+1d10(35+1D10) > 35+10[10] > 45
多々良那 浅香 :
ギャン
GM :
グワー!
GM :
ファム・ファタールが運営する公式ライブ配信チャンネル……通称、ファムファタちゃんねる。
GM :
そのサイト上で3Dアバターを用いて活動するバーチャルアイドル、それが彼女、羽塚えりだ。
GM :
アイドルと並行して配信者としても活動するあなたは、同じ事務所の彼女を招いてコラボ配信を行っていた。
多々良那 浅香 :
「うい、おはさかー」
待機画面から切り替わり、右下のワイプには色味鮮やかな女性が座っている。
羽塚 えり :
「おはえり~。みんな~。コラボ配信の時間ですよ~」
GM :
ふわふわとした優しく甘い、それでいてしつこくない声で視聴者に語りかける。
多々良那 浅香 :
「ついえらサンキュー、今日はえりちゃんとねぇ、これやんの」
画面には、妙にリズミカルな音楽に合わせてリズムを刻むピンクと黄色の人型ウサギ。
多々良那 浅香 :
スー〇ーバ〇ーマンだ!
羽塚 えり :
「かわい~。協力型のゲームだよね? 頑張ってお手伝いしちゃうぞー!」
多々良那 浅香 :
「かわ、いい……?まぁそう、協力型協力型」
ウサギというか、ウサギの着ぐるみを着たおっさんが跳ね踊っている。
多々良那 浅香 :
「あたしは前から知ってたけど、えりちゃんはあんまり知らない感じ?」
羽塚 えり :
「うん。流行ってたのは知ってるけどね~。あれかな? PIC○ PARKみたいに協力してギミック解いて進む感じ~?」
多々良那 浅香 :
「あ~まぁそんな感じかも。……『おはさかと同じ胴回りで可愛い』じゃねぇんだワボケ!どう見てもくびれとるやろがいちゃんと!」
羽塚 えり :
「ふふっ、視聴者のキレがいいですね~」 ぽわぽわ
羽塚 えり :
「……え、お姉ちゃんがちゃんとクリアできるか心配? 朝まで耐久配信だな? も、も~バカにして~」 膨れるモーション。
多々良那 浅香 :
「オ、明日は打ち合わせ……あった……気も……する……けど午後だった気がするし、付き合っちゃうよあたしは」
全クリ予定は今日はないけどね、と付け加え
羽塚 えり :
「本当? うふふ、よーし、全クリするぞ~!」
多々良那 浅香 :
「えりちゃんの気合も入ったところで、じゃぁ始めよっか!スタートぉ」
ステージ1-1へ~
羽塚 えり :
「始まった~。えーっと、進まない? ジャンプして……あ!! 思ったより飛ぶ! 飛ぶ!!」
多々良那 浅香 :
「掴むキー押して掴むキー!ほら、多分これ屈伸して前に、どこ行く!!」
空飛ぶ不思議なえり
羽塚 えり :
すごい勢いで画面外に弾き飛ばされながら可愛らしい声で大笑いをしている。それを見て視聴者も爆笑に包まれる。
GM :
掴みは上々、視聴者の反応もよい。双方のファンが満足な配信になりそうだ。
GM :
……配信予定時間も中ほど、同時接続数は安定して数千人を維持しスパチャもそれなりに集まっている。
GM :
楽しくゲームをして、みんなの反応を貰って、お金まで貰える。
GM :
ファンにとっても貴重な双方向コミュニケーションの機会であり、まさにWin-Win。いつものことながら、なんと素晴らしい時間だろう。
GM :
そう思っていた――えりの方のチャンネルに、急な異変が起こるその時までは。
羽塚 えり :
「え、画面乱れてる? 接続悪い? ん~、機材トラブルかな? ちょっとチェックするね」
GM :
画面の向こうのえりが屈むと、トラッキングであなたチャンネルの配信画面の3Dモデルも画面下部へと消える。
GM :
……それから数秒。
GM :
何が起こったのか、コメント欄の様子が変わる……。
多々良那 浅香 :
「うーい、停止しとくね……(『あ』『まずい』『配信見て』……何?)」
どうにも不穏なコメント欄を見ても表情は崩さない。しかし手元でマウスを動かし、すぐさま配信を確認する。
GM :
あなたが画面を確認すると……なんということだろう!
GM :
配信画面に映るのは、いつもの3Dアバターではなく部屋着を着た素顔のえりだった。
羽塚 えり? :
「え、何? もっと画面ひどくなった? ちょっとこっち側いま映ってなくて~……」
多々良那 浅香 :
「ッ……………、ん、ちょっと待ってね~……(ヤバヤバヤバ気付け気付け気付け気付け)」
すぐさまDiscordに移り、羽塚えりにメッセージを送る
多々良那 浅香 :
『落ち着いて 配信切ってすぐ』
羽塚 えり? :
「え、何かやばい感じ!? ちょっとごめん、配信切るね~……! え~と、えーと……」
GM :
カチカチ、マウスをクリックする音が配信越しにも聞こえてくる。彼女の焦燥を現しているようだ。
GM :
……焦ったのかなんなのか、何か間違ったプログラムを起動したのか画面に次々と表計算ソフトのウィンドウが映る。
GM :
――そこに記載されていたのは、ファム・ファタールが大手企業の重役、財界の大物らの名前と謎の数字の羅列。
GM :
内部の人間が見れば、これはいわゆるアイドルによる「裏営業」の記録であろうことは明らかだった。
多々良那 浅香 :
「ヒッ」
羽塚 えり? :
「え、ウソ!? こ、これは何かの手違いで……スタッフさん! スタッフさーん!!」
多々良那 浅香 :
「(配信用のPCにデータ入れてんじゃねぇハゲカスゴミボケスタッフ!!!!!!)」
GM :
ブツッ、数秒の後にえりの配信画面が真っ暗に切り替わる。
多々良那 浅香 :
「…………」
取り残された
GM :
……前代未聞の放送事故を起こした配信は結局、事情を把握した運営により打ち切られ、動画アーカイブも残ることなく削除されたのだった。
GM :
…………。
GM :
ファム・ファタールのこうした情報漏洩事件というのは珍しい。
GM :
水面下で対立するUGNと情報を抜きつ抜かれつ、ということはないでもないが、ライブ中に多くの一般視聴者が見守る中で、となると前代未聞の事態である。
GM :
幸いなことに、裏営業の顧客名簿に関しては画面に映ったのが数秒であったこと、画質が悪く文字が潰れていたこと、一般人には何を意味するものなのか分からなかったこと、そして顔バレのインパクトに隠れたことによって漏洩の影響は限定的だった。
GM :
その一方、えりの素顔を含めたスクショはあっという間にネットの海に拡散され、匿名掲示板やSNS、海外アップローダー、ファイル共有サービス、クラウドサービス等など……あらゆる場所でミーム化してしまった。
GM :
こうなってしまうとさすがのファム・ファタールといえど揉み消しは容易ではない。
GM :
取れる手段はふたつ。かつてUGNがコードウェル博士の電波ジャックを隠蔽したときもかくやという全世界規模の大作戦を実行するか……あるいは損切りか、この二択である。
GM :
そしてファム・ファタールが下した決断は、後者であった。
GM :
……事件より数日後。あれ以降、えりはファム・ファタールの事務所の地下で保護を受けていた。
GM :
あなたはリーダーの指示で彼女の様子を見てくるように伝えられ、直接ここに赴いたのだった。
多々良那 浅香 :
「……おすー?」
ドアを開け様子見
羽塚 えり? :
「うっぅ……おはさか〜……」
GM :
防弾ガラスを挟んで机の向かい側、髪の手入れもせずぐったりと机に突っ伏してあなたを出迎えた、彼女が羽塚えりの正体、松本英里である。
◆羽塚えり
本名は松本英里。
コードネームは"シルキーボイス"。
二条純恋がファム・ファタールを立ち上げる以前に所属していたFHのフロント企業"ばるはらプロモーション"からの同僚で、その流れでファム・ファタールに所属している。
アニメやゲームが大好きなアイドル声優志望で、天性の声質を買われてオーディションに合格したものの、
台詞を全く覚えられない、収録に遅刻するなどのダメ人間ぶりが演技の世界では敬遠され、あえなく実験体送りとなってオーヴァードに覚醒した。
真っ当な努力は苦手だが、勤勉や協調を求められる生き方を回避するためにはいくらでも覚悟できる謎のたくましさがあり、二条純恋からはそういった部分を評価されている。
多々良那 浅香 :
「おお……お可哀そうに……浅香の心臓を一個潰した罪で有罪だが……」
対面の席に着く
松本 英里 :
「ぅぅ……わざとじゃないんでずぅぅ……」
多々良那 浅香 :
「そりゃ、わざとやってたら処刑よ。多分死ぬより辛い目にあうね」
多々良那 浅香 :
「いや~~……まぁ何と言うか……こうやって保護されてるだけまだ有情というか……」
背もたれに体を預けてへらりと
松本 英里 :
「それはそうなんだよね~……あの時は命がないかと思ったし……」
松本 英里 :
「一応配信用のPCでは機密情報は扱わないようにしてたんだけど……リモート勤務と使いまわしてたゲーミングキーボードにウィルスが仕込まれてたみたいで……」
多々良那 浅香 :
「な~~にやってだ!USBポートのアイテムは使いまわすなって私でも分かるんだが???ここに"連帯責任"とかいうカス文化があったらあたしも死んでたんだが???」
松本 英里 :
「いや~~わかってたはずなんでずぅぅ……! なんでこんなミスしちゃったんだろう……」
多々良那 浅香 :
「えげつないイベントフラグを踏ませてくれるわ全く……」
あきれぇ
GM :
保護というと聞こえは良いが、ようは裏切りの疑いが晴れるまで黒服監視の下で軟禁生活ということだ。
GM :
そして、期間内に疑いが晴れなければそのときは……。
二条 純恋 :
『どうなるんでしょうね?』
GM :
リーダーの張り付いたような笑みを思い出す。
多々良那 浅香 :
「(そんときはさようなら名NPC、あんたの名前はきっとwikiの中で燦然と輝き続けることでしょう……)」
松本 英里 :
「……そういえば、ここネットに繋がってないから外の様子はわかんないんだけど、世間の反応はどんな感じ?」
多々良那 浅香 :
「んー、Vとしての復帰はぶっちゃけキツイと言うか……貴方の顔はインターネッツの不死鳥となりましたって感じ」
松本 英里 :
「ぐふっっっ!」
多々良那 浅香 :
「一応そういうとこから復活できたVも見たことはあるけど、難しーよねぇ……」
多々良那 浅香 :
「てかあたしの配信にも野次馬来て迷惑なんだが!!」
ばんばん!と机を叩き
松本 英里 :
「それは本当に申し訳ねぇ……。あぁ~……せっかく泊里さんが頑張ってくれて電脳支部も軌道に乗ってきてたのになぁ……」
松本 英里 :
「ここから出れたとしても、警備員と言う名の弾避け生活に逆戻りかぁ……」
多々良那 浅香 :
「え~?もう開き直って配信者やるとか無い?時代は強行突破!」
ガッツポ
多々良那 浅香 :
「顔出しは楽よ~~、何を隠す必要も……いや、まぁあるにはあるけど」
松本 英里 :
「う、ぅーん……今から顔出してアイドル活動かぁ……」 もにょもにょしてる
松本 英里 :
「ただでさえ椎名とか柊とか若くて可愛い子が後からどんどん入ってきてるのに、これからあいつらと比べられるなんて、やる前から心折れるよ……」
多々良那 浅香 :
「Vから顔バレして開き直ってアイドル始めます!はもうそういう枠で一個居場所確保できんじゃない?ファンは多分そのままついてきてくれるっしょ!」
松本 英里 :
「ぇ、そ、そうかな……? そういうニッチな枠、実は需要あったりする?」
多々良那 浅香 :
「あるある!結局リスナーなんて『これからも精一杯頑張ります、ショモショモ』って顔してちょっとすりゃなんもかんも忘れんだから!5年後くらいに『そんなこともあったね~シミジミ』って振り返ろう!」
松本 英里 :
「すごい、まるで経験してきたみたいに言うなあ……。でも、そう言われるとちょっと元気出て来たかも」
多々良那 浅香 :
「ま、その前に裏切り者疑惑を晴らさないとDEADENDなんですけどね」
スン……
松本 英里 :
「なんだよね~~、どうしよう~!!」
多々良那 浅香 :
「このまま何も進展なかったらどの娘がえりちゃんを処断しに来るかでトトカルチョ開いて良い?」
松本 英里 :
「それイバラお嬢かセッちゃんに賭けとけば半分くらい当たらない……?」
多々良那 浅香 :
「南無南無……」
手をすり合わせながら退室……
GM :
そうしてえりの様子を確認したあなたは、社長への報告に戻るのであった……。
GM :
シーンエンド。
Scene 05 偶像を暴くもの
GM :
ミドルフェイズに入ります!
GM :
先ほどのシーンの続きになります。登場はイバラちゃんと浅香ちゃんのふたりです。
GM :
登場おねがい!
蹄啼 イバラ :
43+1d10(43+1D10) > 43+2[2] > 45
多々良那 浅香 :
45+1d10(45+1D10) > 45+6[6] > 51
GM :
面会から戻ったあなたは、予定通り社長室へと入る。
GM :
そこにはあなたの同僚、蹄啼イバラも同席していた。
GM :
彼女もどうやら社長に呼び出しを受けていたようだ。
二条 純恋 :
「おかえりなさい。えりさんの様子、どうだったかしら?」
多々良那 浅香 :
「ママ~~、なんか無事に切り抜けたら数年後けろっとやらかしたこと忘れてそうな感じの人ねって思いました」
人のことは言えない
蹄啼 イバラ :
「えり……ああ、羽塚えり? 話題の彼女と面会してきていたのですか?」
蹄啼 イバラ :
「ええ~と、タタリさん……でしたっけ……」同僚の名前はうろおぼえだ。
多々良那 浅香 :
「そんな数年起きに現れる死徒みたいな名前じゃねぇわ、たーたーらーな、浅香で良いけどね。そんなあんたはイバラちゃん、アレ、えりちゃんもうダメな感じ?」
二条 純恋 :
「ふふ、えりさんったら相変わらずねぇ。まあ……疑いが晴れたあともやっていけそうなら何よりだわ」
二条 純恋 :
「今日はそのあたりのことを話そうと思って、蹄啼さんにも来てもらったの」
蹄啼 イバラ :
「多々良那さんは何か誤解をされているご様子、わたくしは羽塚さんをどうにかしにきた訳ではありませんよ~」
蹄啼 イバラ :
「どのようなイメージを持たれているか分かりませんが、わたくしはそんな節操なしではありませんからね~?」心外そうにしている。
多々良那 浅香 :
「え~ほんとにござるかぁ?……まぁそれなら良かった。そいだらお話ってなんですか?」
蹄啼 イバラ :
「なにやら調査依頼があるとのお話でしたが~……」社長に向き直る
二条 純恋 :
「そうね、本題に触れる前に……私としては、今回の件が裏切りや内部告発でない……つまり彼女が"嵌められた"のであれば、不問にしても良いと思ってるわ」
多々良那 浅香 :
「お~……やさしい」
蹄啼 イバラ :
「嵌められた、というと?」
蹄啼 イバラ :
「羽塚えりさんは、社内のトップシークレットを漏洩してしまうような、救いようのないダメ人間ではなかった……ということでしょうか~……?」
二条 純恋 :
「そうね、まだわからないけれど……ふたりとも、いまワイドショーで話題になってる『アイドルによる不祥事事件の急激な増加』って知ってるかしら?」
蹄啼 イバラ :
「いえ……世俗のコトには興味がないもので~……」そんなものを見ても、時間の無駄だ。
多々良那 浅香 :
「あー、ちょっと知ってるかも。『おはさかはずっと不謹慎だから関係ないね』って言われて炊いてた」
ムカつくわぁと
二条 純恋 :
「うーん、テレビの力の衰えを感じるわ~」
GM :
純恋がテレビの電源を入れると、アナウンサーが画面に映り夕方のニュースを読み上げる。
アナウンサー :
『――先週金曜日、電車のホームから前の客を突き落としたとして自称アイドルの女性が逮捕された事件で、東京地検特捜部は本日、〇〇容疑者を書類送検したと発表しました』
アナウンサー :
『取調べについて〇〇容疑者は「仕事で嫌なことがあってイライラしていて、気づいたら前の人が落下していた。突き落とすつもりはなかった」と一部容疑を認めているものの、あくまで故意ではないとしており……』
二条 純恋 :
「……この事件は全国ニュースになってしまったものだけれど、ネットニュースレベルだともっといろいろ問題になっているのよ」
二条 純恋 :
「手首を切って病院に運ばれたり、未成年なのにバーに入って補導されたり、ちょっとした言い合いが刃物を持ち出しての喧嘩になったり……」
二条 純恋 :
「そういった細かいものも含めれば、こっちに情報が集まっているだけでも1ヶ月で100件はくだらないわ」
多々良那 浅香 :
「オ~……最初のはもう普通に殺人未遂だけど……治安の悪化を感じる。これと同じと思われてるってマジ?」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、遠慮がなくて良いリスナーではないですか~」
蹄啼 イバラ :
「さておき、さすがに一ヶ月で100件は異常ですね~……どうにも、感情の抑制が効かなくなったような凶行が目立ちます~……」
二条 純恋 :
「ふふ、この間なんか○○テレビの局Pに泣きつかれて、うちで別の事務所の子の不祥事をもみ消したりもしたわね~」
多々良那 浅香 :
「ウチが慈善事業みたいなことしてる……貸しが作れて素敵だね」
驚愕
二条 純恋 :
「あら、私たちだって業界が荒廃しきったら困るもの。そうならないように上手くコントロールしないと」
二条 純恋 :
「……とにかく、もともとこういう話は多い業界だけど、それでもこの件数は異常よ。何者かが動いている、そうは思わないかしら?」
多々良那 浅香 :
「思いまーす!なんだろう、週刊誌のレネゲイドビーイングとかかな」
蹄啼 イバラ :
「うう~ん、薄っぺらで真実みもなく、詰まらなそうなRBです……」
蹄啼 イバラ :
「そうですね~……週刊誌のRBかどうかはさておいて、何者かが暗躍している、と考える方が自然ではありますね~……」
二条 純恋 :
「そういう愉快な存在だったらよいのだけれど、なんだか嫌な予感がするのよねぇ」
二条 純恋 :
「というわけで、あなたたちにこの件を調査して欲しいの。頼まれてくれるかしら?」
蹄啼 イバラ :
「あら、多々良那さんとですか~?」意外そうにしている。
多々良那 浅香 :
「ぎゃぁ、分かってたけどエージェントのお仕事!」
多々良那 浅香 :
「んまぁそう、なんか不思議な組み合わせですね」ねーと
二条 純恋 :
「それは、あなたたちがいちばん、調査力と戦闘力のバランスがよいから」
二条 純恋 :
「先に言ったけれど、今回の事件は危険な気がするの。調査力だけじゃなくある程度の戦闘力も欲しくて、スケジュール的にも調整が効く……そうなるとあなたたちが一番という結論になったわ」
蹄啼 イバラ :
「なるほど~、そういうことなら、わたくしは構いませんが~」普段は多忙の身だが、ここ一週間くらいは少し余裕があった。
多々良那 浅香 :
「お~ん、配信者のスケジュールは運営の手によりぐにゃぐにゃにゆがめられてしまうのでした。予定表更新せなな……」
二条 純恋 :
「ありがとう。調査が長引くようなら別のメンバーも融通するから、当面はお願いね」
蹄啼 イバラ :
「よろしくおねがいしますね~多々良那さん」
多々良那 浅香 :
「は~い、仲良くしーましょっ」
蹄啼 イバラ :
「ふふ……ええ、もちろん……」
蹄啼 イバラ :
「真っ直ぐで好感が持てる方のようだ、と以前から気になってはいましたから、こうしてご一緒する機会ができて嬉しいです……」名前はちゃんと憶えてなかったけど。
多々良那 浅香 :
「お、おお……物は言い様……」
蹄啼 イバラ :
「偽りのない本心ですよ~」
蹄啼 イバラ :
「さておき、わたくしは世間の常識には疎いようなので、サポートしてもらえると嬉しいです~」
多々良那 浅香 :
「配信者なんて社会性無いのが相場なんだけど、今回はそうも言っていらんないらしい……は~い、頑張ってアシストしまーす!イバラちゃんは横で微笑んでくれてれば説得力持たせられるって寸法よ」
蹄啼 イバラ :
「ええ、それなりに名は通っていますから、存分に使ってくださいな~」
二条 純恋 :
「頼もしいわぁ。じゃあお仕事については以上ね」
二条 純恋 :
「それとついでに連絡」
二条 純恋 :
「いま開催してるオーディション、内内定者が出そろったから、正式に契約し次第、歓迎会をやるわ。よかったらスケジュールを空けておいてちょうだい」
蹄啼 イバラ :
「あら、どういう子達なのでしょう?」興味が引かれなかったら、堂々と欠席するつもりである。
二条 純恋 :
「ふふ、それはねぇ……」
GM :
……純恋が書類を取り出したタイミングで、ちょうどほかのアイドルたちがテレビ番組の収録を終えて帰ってきたようだ。
新藤亜里沙 :
「ただいまぁ。いやあ、疲れましたよぉ」
二条 純恋 :
「あら、新藤さんたちが帰ってきたようね」
GM :
帰ってきたのは威圧的な態度と威圧的な胸が特徴のアイドル、新藤亜里沙。
GM :
アイドルとしてのキャリアはそれほど長くないが、オーヴァードとしては名家の出で、事実上は二条純恋の副官……つまりセルのナンバー2にあたるエージェントだ。
多々良那 浅香 :
「お~~……おかえりなさーい」ひらひら
目線は胸元に一瞬いっていた
蹄啼 イバラ :
「新藤さん、おつかれさまです~」以前の彼女には、ある程度のシンパシーを感じていたが、今はまったく感じられない。
新藤亜里沙 :
「ラーメンを食べる仕事って聞いてたから受けたのに、どうして現場に行って小麦を挽くところから始まるんですかぁ?」
新藤亜里沙 :
「あの局D、絶対に頭のネジ外れてますよお」
蹄啼 イバラ :
「あら……昨今のテレビ番組は、なかなか楽しそうなコトをするのですね~……」ともすれば拷問に近いのではないだろうか。
多々良那 浅香 :
「数は作れないと思うけど売ったらスゲェ値が付きそう」
アイドルラーメン!
蹄啼 イバラ :
「商売に興味はありませんが、それならお水の方がコスパは良さそうですね~」
多々良那 浅香 :
「アイドル水……いや、やめておこう」
蹄啼 イバラ :
「(……ああ、水商売みたいなことは既にしてるんでしたっけ)」くすりと一人で笑う。
二条 純恋 :
「まあまあ、前番組の男性アイドルグループが揉めて降板しちゃって急だったから……」
二条 純恋 :
「いいじゃない。あれで結構数字とれてるみたいだし」
二条 純恋 :
「それよりオーディションの合格内定者の歓迎会があるから、新藤さんもタレント陣のリーダーとして顔を出してよね?」
多々良那 浅香 :
「いや~楽しみ、オーディションで入って来る子ねぇ、どんな子なんだろ」
ニコニコしながらありさちゃんにね~と
新藤亜里沙 :
「ああ、決まったんですねぇ」 履歴書を拾い上げてみんなに見える位置に広げる。
新藤亜里沙 :
「……こっちのピンク髪の子、こないだ泊里さんが急に推し出した子ですよねぇ」
蹄啼 イバラ :
「プロデューサーの推しですか……うん……?」
蹄啼 イバラ :
「この子、どうやら声が出せないようですが~……?」眉を顰める。
新藤亜里沙 :
「歌もトークもダメだとみなみくらいのビジュがないと厳しくないですかぁ?」
多々良那 浅香 :
「へー、失語症かなんか?めっずらし……グラビア一本とかで?」
二条 純恋 :
「そうねぇ。でも、それくらいやれるポテンシャルはあると私も思ってるわ」
新藤亜里沙 :
「ならいいですけどぉ。もうひとりの方は……」
新藤亜里沙 :
「……社長……問題児を増やさないでって私言いましたよねぇ?」 履歴書の文字だけで嫌な予感がしてるらしい
多々良那 浅香 :
「ふうん、おもしれー設定……社会不適合者ばっかりじゃん!配信業に来な!」
横から覗き込んで
蹄啼 イバラ :
「王子さま……ふふ、問題児より大問題な大人がいたせいか、可愛く見えますね~……」
二条 純恋 :
「でも戦闘力はピカイチよ。それに意外と素直で扱いやすそうだし」
蹄啼 イバラ :
「アイドル事務所で、戦闘力採用ですか~」
二条 純恋 :
「もちろん、それだけじゃないけれどね」
二条 純恋 :
「ウチにはあんまりいなかったタイプのビジュアルだし、こういう子がモノになるときほど、楽しいことってないのよね」 ふふ、と笑う。
多々良那 浅香 :
「ママが真っ当なアイドル愛を発揮しているわ……この二人はラッキーやんね」
タイピングでも教えようかな~だとか
蹄啼 イバラ :
「育てる楽しみ、ですか~……なるほど、それなら分かります~……」
蹄啼 イバラ :
「もう数ヶ月前になりますが、長らく水やりしていた三年モノが花開いた時の感動はひとしおでしたから~……」
二条 純恋 :
「ああ、あの子ね……」
多々良那 浅香 :
「ああ、花開くってそういう……南無……」
手すりすり
二条 純恋 :
「……あの件、”覚醒”しなかったのは残念だったわね。そうなっていたら事がややこしくなって作戦が失敗していたかもだけれど」
二条 純恋 :
「今は、どこで何をしているのかしら?」
蹄啼 イバラ :
「…………さあ、今はどうか」目を伏せる。
蹄啼 イバラ :
「ただ、あの子が消えた原因が、今回の騒動と繋がっているのなら……その黒幕を許してはおけませんね……」
二条 純恋 :
「ふふ、珍しいわね、蹄啼さんがそんなことを言うだなんて」
蹄啼 イバラ :
「……わたくし、後悔しているんです」
蹄啼 イバラ :
「わたくしにとって彼女はとても大切で、だからこそわたくしは、あのとき────」
蹄啼 イバラ :
「……いえ、何でもありません。それこそらしくもない感傷でしたね」
二条 純恋 :
「……」 その様子を見て意味深に微笑む。
多々良那 浅香 :
「おお、イバラちゃんがあんまり見せなさそうな感じのデッケェハートを感じた。ユラちゃんだったっけ、見つけたらいの一番にお伝えして差し上げよう」
蹄啼 イバラ :
「……! ありがとうございます、多々良那さん……!!」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、嬉しいです~……でも、先ずは事件の真相を明らかにしなければですね~……」
多々良那 浅香 :
「メインクエにお使いサブクエが追加されましたとさ」
蹄啼 イバラ :
(クエ……お魚に、メインもサブもあるでしょうか……)と思っている。
GM :
新たな仲間の加入を楽しみにしながら、あなたたちはこの不可解な事件の調査へと赴くのだった。
GM :
ロイスの取得のみ可能です! 取る人いれば!
多々良那 浅香 :
えりちゃんのロイスのNを侮蔑から苦笑に
イバラちゃんに✓興味/恐怖で取ろうかな
system :
[ 多々良那 浅香 ] ロイス : 3 → 4
蹄啼 イバラ :
多々良那ちゃんにロイス取得しよう!好奇心/隔意のP表で!
system :
[ 蹄啼 イバラ ] ロイス : 3 → 4
多々良那 浅香 :
興味ではなく好奇心であった
GM :
おっけ! では締めます!
Scene 06 夢と復讐の対価
GM :
全員登場お願いします! 最初は真珠ちゃんとロッキーちゃんの出番、後程合流です。
飴家 真珠 :
33+1d10(33+1D10) > 33+4[4] > 37
ロッキー :
43+1d10(43+1D10) > 43+7[7] > 50
蹄啼 イバラ :
45+1d10(45+1D10) > 45+1[1] > 46
多々良那 浅香 :
51+1d10(51+1D10) > 51+7[7] > 58
GM :
ファム・ファタール、来賓待合室。
GM :
泊里に連れられたあなたは、社長の準備ができるまでしばらくここで待っているよう告げられた。
GM :
机にはお菓子や軽食、ドリンクサーバーも無料で使い放題と至れり尽くせりのスペースだ。
GM :
そして、同じようにアイドルを目指してきたのか、もうひとりの候補生の姿もあった。
飴家 真珠 :
「…………?」 不安そうに胸元をぎゅっと握りしめながら、部屋の中を見渡す。
ロッキー :
真珠が部屋内を見渡すと、軽食スペースに陣取る一人の女が目に入る。
ロッキー :
「うまいうまい! こんな美味しいお菓子があるなんて!」ハムスターのように頬袋を膨らませて、色んなお菓子を物色していた
ロッキー :
「……むぐ?」 野生の勘か。気配を感じとったロッキーは、ふと真珠の方へ振り返った。
飴家 真珠 :
「…………」 目が合った後、とことこと歩いてロッキーに近づく
飴家 真珠 :
[こんにちは] 灰色に輝く光の文字が、自身の顔のすぐ傍に現れる
ロッキー :
「おお?」 興味を惹かれた子供のように目を輝かせ、真珠と文字を交互に見る
ロッキー :
「これはこれは、こんにちは! はじめまして、だ!」口元の食べカスを拭って、仰々しく声を上げる
ロッキー :
「僕サマはロッキー! そういうキミは~……」ふむ、と品定めするように眺めて
ロッキー :
「魔女だね! 文字を浮かび上がらせるなんて洒落た挨拶をするものだ」ちょっとだけ高い視線から、真珠を見つめる
飴家 真珠 :
[まじょ……!?] 光の文字が驚いたように揺れ動く
飴家 真珠 :
[まじょじゃないよ わたしはしんじゅ]
飴家 真珠 :
[ただのオーヴァードだよ]
ロッキー :
「なんだ、同類じゃないか!」オーヴァードの知識はある程度あるらしく、納得したようにうなずく
ロッキー :
「と、言っても僕サマは王子だけどね」ふふん、とどこか鼻高々だ。
ロッキー :
「それはそれとして、だ。しんじゅは何をしに来たんだい?」またお菓子を一つとって、口に運び始める
飴家 真珠 :
「…………」 王子……? と何か言いたげな目でロッキーを見てから、
飴家 真珠 :
[とまりさんってひとに つれてこられたの]
ロッキー :
「とーまーり? 」だれ?と言いたげな顔で
ロッキー :
「……ま、使用人の一人だろう!」自己完結で片付けてしまう
ロッキー :
「それでだ。うるわしのキミ」
ロッキー :
ちょっとだけ怪訝な表情で見つめる。真珠に何か不満があるようだ。
飴家 真珠 :
「……?」 小さく首を傾げる
ロッキー :
「文字を浮かべる術はもう結構サ。声で会話しようじゃないか、声で」
ロッキー :
「キミの声を聴かせておくれ! さあ、さあ!」王子の前でも遠慮はいらないよ、とばかりに
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[わたし こえがだせないの]
飴家 真珠 :
[ごめんね おうじさま] 申し訳なさそうに、小さく笑みを浮かべる
ロッキー :
「ほほう、キミは人魚姫というワケか。きっと誰かに声を奪われてしまったんだ、かわいそーに……」
ロッキー :
「ま、気に病むことはないさ! ニンゲン、何かが欠けていた方が魅力がある!」
ロッキー :
「……と、何かのアニメで云っていたよ。カンメーを受けたね」
飴家 真珠 :
ふふっ、と小さく息を漏らして笑う。
飴家 真珠 :
[ありがとう やさしいね] ピンク色に光る文字がふわっと現れる
飴家 真珠 :
[ほんとにおうじさまみたい あなたもアイドルなの?]
ロッキー :
「! ふふん、そうだろうとも……」王子さまのようだと褒められて、誇らしげだ
ロッキー :
「もちろん、アイドル! と、言いたいところだけどね。どうやら『まだ』みたいなんだ」
ロッキー :
「むずかしーコトはわからないけど、これから何かしらをした後に、アイドルになれるらしい」本人もよくわかっていないので有耶無耶だ。
ロッキー :
「つまりはたいかん、しき?みたいなものだろう!」
ロッキー :
「ああ、ワクワクするね。キミはどうだい、真珠!」
飴家 真珠 :
[ううん わたしはそういうわけじゃないの] 首を横に振って
飴家 真珠 :
[プロデューサーのひとにつれてこられたけど なにかのまちがいだとおもうから]
飴家 真珠 :
[これからちゃんとことわるつもり]
ロッキー :
「まちがい? ことわる?」不思議そうに首を傾げて
ロッキー :
「うぅん、キミはそのプロデューサーとやらに招待状をもらったんだろう。間違いのハズはないよ」
ロッキー :
「それに、だ」
ロッキー :
「この世界のうぞーむぞーから、僕サマたちは選ばれた!」
ロッキー :
「ソラに広がる星屑たちを押しのけて、誰もが目を惹くいっとーせいに僕サマたちはいるんだ!」
ロッキー :
「世界に認められたんだ、僕サマたちは! もう空っぽな思いをすることはないんだよ、真珠!」あの白い部屋にいる時、時折り感じていた孤独感をそう表現して
ロッキー :
「だから、断るのはもったいないよ」
飴家 真珠 :
「…………」 悲し気に目を伏せて
飴家 真珠 :
[アイドルになれば このからっぽなおもいがなくなるの? ほんとに?] ぎゅう、と胸元を握りしめる
ロッキー :
「もちろんだとも」確証こそないが、自身に滾る直感を述べて
ロッキー :
「もし不安なら、僕サマがエスコートしてあげようじゃあないか」
ロッキー :
「僕サマは、王子……だからね」悪っぽい笑みを作って
飴家 真珠 :
「…………」 その笑みを見て、釣られて笑い
飴家 真珠 :
[おうじさまにしては なんだかわるそうなかおしてるけど]
ロッキー :
「ふふーん、悪い王子様を目指してるからね」誇らしげに胸を張って
ロッキー :
「さ、どうだい。真珠姫、僕サマと踊ってみるかい?」右手を恭しく真珠の前に差し出して
飴家 真珠 :
「…………」 その手をじっと見て
飴家 真珠 :
[うん そうだね]
飴家 真珠 :
[ありがとう おうじさま]
飴家 真珠 :
[わたし まだどうすればいいかわからないから]
飴家 真珠 :
[どうかよろしくおねがいします] 照れくさそうに笑いながら、その手を取る
ロッキー :
「────いいとも、僕サマは約束は守る王子だ!」ふと、その手を引いて、真珠を抱き寄せる。
ロッキー :
「地獄の果てまでエスコートするさ。僕サマが言ったら、必ずそうなる」真珠の顔の近くでそう誓うように囁いてみせた
飴家 真珠 :
「…………!」 その囁きにビクッと体を震わせて
飴家 真珠 :
頬を仄かに赤らめながら微笑んで、ロッキーをぎゅっと抱きしめ返した。
飴家 真珠 :
ロッキーちゃんに〇感服/劣等感でロイス取ります!
system :
[ 飴家 真珠 ] ロイス : 2 → 3
GM :
了解!
GM :
あなたたちがそうして交流を深めていると、待合室の扉が開く。
泊里 零一郎 :
「お待たせしたね。飴家さん、社長の準備ができたようだから行こうか」
飴家 真珠 :
[わたしだけ?] そちらに顔を向けて、首を傾げる
ロッキー :
「おや、主役は遅れてやっていくといった所かな?」
泊里 零一郎 :
「うん。込み入った話もあるかもしれないからね。ロッキーさんは後でまた呼ぶよ」
泊里 零一郎 :
「(……この短い時間に少し仲良くなったかな)悪いけれど、少し待っていてくれ」
ロッキー :
「構わないさ」抱きしめていた真珠を離して
ロッキー :
「さ、姫。行ってくるとイイ」ぽん、と軽く背を叩いて送り出そうとする
飴家 真珠 :
[エスコートしてもらうつもりだったけど しかたないね] 振り向いて、残念そうに笑い
飴家 真珠 :
[でも おはなしできてよかった]
飴家 真珠 :
[ありがとう おうじさま またあとでね]
飴家 真珠 :
ピンク色の文字を弾ませた直後、ロッキーに一歩近づき、
飴家 真珠 :
そのまま、彼女の頬に優しくキスをする。
ロッキー :
「────────?」
ロッキー :
ぽかん…。何をされたのか一瞬理解できず、呆けた顔を浮かべる。
ロッキー :
「……ん、ああ! ありがとう姫、またすぐ会おうじゃないか!」しかし、すぐ王子として取り繕ってみせた
飴家 真珠 :
その言葉に微笑んで頷き、泊里の方へと歩いていく。
泊里 零一郎 :
「……。それでは行こうか」 その様子を見てから少し目を閉じて、社長室のほうへと案内する。
飴家 真珠 :
もう一度頷いて、後ろをついていきます!
GM :
あなたは泊里に連れられ、社長室へと足を踏み入れる。
GM :
豪奢な革張りの椅子に腰かける大人の女性、二条純恋があなたを迎えた。
二条 純恋 :
「……あなたが飴家真珠さんね。ようこそ、ファム・ファタールへ」
二条 純恋 :
「写真を見たときから凄いと思っていたけれど……実物は見れば見るほど宝石のように楽しみになる子ね。泊里さんが惚れ込んだのも納得だわ」
二条 純恋 :
「ここに来てくれたということは、アイドルになってみるということ、考えてくれたのかしら?」
飴家 真珠 :
「…………」 純恋の言葉が聞こえているのかいないのか、目と口を大きく開けて、
飴家 真珠 :
[すみれちゃんがいる!?] オレンジ色に輝く光の文字が背後に大きく現れる
二条 純恋 :
「……あら、私のことをご存じかしら? 若い子向けのお仕事はしなくなって久しいのだけれど……」
飴家 真珠 :
[だって テレビドラマでみたことあるから]
飴家 真珠 :
[すごくびっくりした しゃちょうだったなんて]
二条 純恋 :
「ふふ、結構多いのよ? 役者をしながら会社も経営している人……」
飴家 真珠 :
[きれーい……] 見惚れて
飴家 真珠 :
[まちがえた]
飴家 真珠 :
[そうだったんだ……しらなかった] 慌てて文字を表示しなおす
二条 純恋 :
「あら、可愛い子ね。大丈夫。あなたももっと、きれいになれるわ。それが私のお仕事だからね」
飴家 真珠 :
[…………] 少し嬉しそうに、恥ずかし気に顔を赤らめるが、
飴家 真珠 :
[あの ごめんなさい] 気を取り直す様に首を横に振る
飴家 真珠 :
[まだアイドルになるって きめたわけじゃないんです]
飴家 真珠 :
[まずはじむしょではなしをきくだけって さっきとまりさんとはなしてて] 泊里の顔をちらりと見る
二条 純恋 :
「あら、私ったら失礼。つい話を急いでしまったわね」
泊里 零一郎 :
「……うん。迷ってることや、不安なことがあれば何でも聞いてくれていいし、もちろん断ってくれても大丈夫」
二条 純恋 :
「そうね、何から話そうかしら? う~ん、何か気になることはある?」
飴家 真珠 :
こくこくと頷いてから、
飴家 真珠 :
[どうしてわたしにアイドルのさいのうがあるっておもうの?] 泊里を見てそう訊ねる
泊里 零一郎 :
「そうだね……」 言葉を選ぶように少し考えて。
泊里 零一郎 :
「どれと選べないくらいにいろいろあるけれど、一番は……表現力かな」
飴家 真珠 :
「……?」 よく分からなかったのか、不思議そうな表情をして見ている
泊里 零一郎 :
「君は話すことができないが、そのぶん全身を使って感情を表現する術に長けている」
泊里 零一郎 :
「例えば、ライブで遠くのお客さんまで届く表現をするというのは大変なことだ。嘆かわしいことだけれど、これができないで人気の歌手の歌マネやモノマネに終始してしまうアイドルや役者は多い」
泊里 零一郎 :
「その点、君は誰に教えられるでもなく今までの人生がすべて全身で表現することに繋がっている」
泊里 零一郎 :
「僕が思うにアイドルというのは単なる職業じゃない。"生き方"なんだ。確かに君は話せないという課題を抱えている。しかし、そんな弱点をものともせず多くの苦難をその笑顔とともに乗り越えてきた生きかたは見る人たちに大きな――」
二条 純恋 :
「泊里さん、もういいです」
泊里 零一郎 :
「…………」 しょんぼり
飴家 真珠 :
「…………っ」 いつの間にか赤くなった顔を隠す様に、口元を両手で覆っている
飴家 真珠 :
[そ]
飴家 真珠 :
[そんなふうに おもってくれてたんだ] 照れたような、喜んでいるような表情をして
泊里 零一郎 :
「……そうだね。あまり公道で力説するのも気持ち悪いからあの場では言わなかったが……今のもアレかもしれないけれど」
飴家 真珠 :
[ううん なんだかうれしかった]
飴家 真珠 :
[こんなこといわれたの はじめてだったから]
飴家 真珠 :
[ありがとう じゅうぶんわかったよ]
飴家 真珠 :
そうピンク色の文字を出してから、ぺこりとお辞儀をする。
泊里 零一郎 :
「……そ、それじゃあ……!」
飴家 真珠 :
「……!!」 待ってほしいと言うように、慌てて両手を前に出して首をぶんぶん横に振って
飴家 真珠 :
[ごめんなさい あとひとつだけ ききたいことが]
二条 純恋 :
「泊里さん、そうやって急かさない。ふふ、何かしら?」
飴家 真珠 :
「…………」 純恋に向き直って、
飴家 真珠 :
[さっき よくぼうがあるなら かのうなかぎりバックアップするっていわれて]
飴家 真珠 :
[それって ひとをさがしてもらうことも できますか?]
二条 純恋 :
「人を?」
二条 純恋 :
「ファム・ファタールはFHの情報が集まるセル。人探しなら確かに得意とするところだけれど……」
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
[わたし キリングドール ってコードネームのオーヴァードをさがしているの]
飴家 真珠 :
[パパやよーこちゃん みんなを ころしたやつ……] 悲しい目を、床に向ける
二条 純恋 :
「"殺戮人形"。なるほどね」
二条 純恋 :
手元のパソコンを使って手早く情報を検索する。
二条 純恋 :
「……まるで無から沸いたように突然現れ、"ビッグE"のセルを壊滅させて姿を消した幻のオーヴァード。あなたは、そいつの正体を追っている、と」
二条 純恋 :
「"ビッグE"のことは私も耳にしたことがあるわ。かつて"ゴッドハンドE"と呼ばれた伝説の医者」
二条 純恋 :
「UGNから逃げてひっそり隠遁生活を送っているとは聞いていたけど、まさか子供たちの世話をしていたなんてね……」
飴家 真珠 :
[パパは ほんとうにやさしいひとだったの]
飴家 真珠 :
[だから そんなひとがころされていいわけ ないの]
飴家 真珠 :
[だから……]
飴家 真珠 :
[だから かたきをうたなくちゃ わたしが わたしが]
飴家 真珠 :
真っ黒な文字を震わせながら、スカートの裾を両手で握りしめている。
泊里 零一郎 :
「……」 沈痛な面持ちで何も言えずにいる。
二条 純恋 :
「なるほど。”復讐”がしたい。それがあなたの欲望ね」
飴家 真珠 :
「…………っ」
飴家 真珠 :
ゆっくりと、深く頷いて見せる。
二条 純恋 :
「協力するのはやぶさかでは無いわ。あなたにはそれだけの投資をする価値がある」
二条 純恋 :
「けれど、復讐というのは茨の道よ? それに挑むなら、相応の覚悟を示して貰う必要があるわ」
飴家 真珠 :
[かくご?]
二条 純恋 :
「そうね、といっても、それほど難しい話ではないわ」
二条 純恋 :
「さっき、待合室に別の候補生の子がいたでしょう?」
二条 純恋 :
「その子には、ファム・ファタールの本採用の試験を貸している。あなたはそれを手伝ってくれればいい」
二条 純恋 :
「そうすれば、私たちの情報捜査機関を好きに使わせてあげる」
飴家 真珠 :
「……?」
飴家 真珠 :
[アイドルになって そのおてつだいをするだけで いいの?] 不思議そうに聞き返す
二条 純恋 :
「ええ」
泊里 零一郎 :
「……」 めちゃくちゃ嫌そうな顔をしている
飴家 真珠 :
[それなら わたしやります]
飴家 真珠 :
[おうじさま]
飴家 真珠 :
[じゃない ろっきーちゃん]
飴家 真珠 :
[あのこ すごくいいこで げんきをもらえたから]
飴家 真珠 :
[わたしが おてつだいできることなら なんでもやってあげたいです] そう笑顔を見せる
二条 純恋 :
「ふふ、ありがとう。では、契約は成立ということでよいかしら」
飴家 真珠 :
こくんと頷いてから、純恋へと近づいて、
飴家 真珠 :
「…………」 じーっと、その目を見つめた後、
飴家 真珠 :
突然、純恋の体に抱きつきます。
二条 純恋 :
「……あら」
二条 純恋 :
「ふふ……よしよし。最初は大変だと思うけれど、このセルのみんなのこと、きょうだいみたいに思ってくれていいからね」
飴家 真珠 :
[きょうだい……] ビッグEのセルにいたみんなのことを思い出して、
飴家 真珠 :
[ありがとう すみれちゃん]
飴家 真珠 :
[いままで だれもたすけてくれなかったから ほんとうにうれしい] 純恋の胸に顔を埋めながら、すぐ傍にふわふわと文字を浮かばせて
飴家 真珠 :
[わたし がんばるね これからよろしくおねがいします]
二条 純恋 :
「こちらこそ、よろしくね♪ じゃあ……ロッキーさんを呼んできてくれるかしら? 一緒に話をしましょう」
飴家 真珠 :
純恋から離れ、頷く。
飴家 真珠 :
[あの れーいちろーさん] 今度は泊里の方へと近づく
泊里 零一郎 :
「ん、どうしたかな……?」
飴家 真珠 :
「……!」 その直後、今度は泊里の体に抱きつく
泊里 零一郎 :
「おっ、と……!」
飴家 真珠 :
[わたしのこと みつけてくれてありがとう]
飴家 真珠 :
[あなたのきたい うらぎらないように がんばってアイドルになるから]
飴家 真珠 :
[これからよろしくおねがいします] 少し恥ずかしそうに、上目遣いになりながらそう伝える。
泊里 零一郎 :
「……こちらこそ、アイドルになってくれてありがとう。よろしくね」
泊里 零一郎 :
「それはそれとして……アイドルとこうして身体を接触するのはプロデューサーとしてはご法度だから、控えて貰えると助かるかな」
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
[そ そうなの?] 明らかにショックを受けた顔をして
泊里 零一郎 :
「……そうなんだよね。申し訳ないことに」
飴家 真珠 :
「……」 泊里から離れて
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
[わかった…………] しょんぼりと肩を落として、渋々といった感じに床に青い文字が現れる
二条 純恋 :
「ふふ」
泊里 零一郎 :
「そ、そこまで落ち込まれるとは……ごほん。では、一緒に彼女を迎えに行こうか」
飴家 真珠 :
「…………」 頷いて、とぼとぼと部屋から出ていく
泊里 零一郎 :
「……」 申し訳なさそうに廊下を歩きながら。
泊里 零一郎 :
「……ええと、飴家さん、覚えておいて欲しいことがある」
飴家 真珠 :
「……?」 顔を上げる
泊里 零一郎 :
「まず、君はこれから彼女……ロッキーさんがアイドルになる手助けをするが、その合否は君の合否には関係がないということ」
泊里 零一郎 :
「そして、君にはいつでも復讐を諦めてこのセルでアイドルに専念する権利があること。そのふたつだ」
飴家 真珠 :
「…………」 言葉の意味を考えるように、泊里の目を見つめて
飴家 真珠 :
[わかった ちゃんとおぼえておくね]
飴家 真珠 :
[ありがとう れーいちろーさん] 小さく微笑んで見せる
泊里 零一郎 :
「うん。それじゃあ行こうか……ロッキーさん。準備ができたよ」 扉を開けて呼びかける。
ロッキー :
「えふっ、んん……! そちらの話は終わったようだね!」ジュースを飲んでいたようで、むせながらが返事をする
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ?] ポケットから白いハンカチを取り出して、ロッキーの口元を優しく拭いてあげる
ロッキー :
「おっと、ありがとう真珠姫。世話係のようなことをしなくても心配に及ばないさ!」
飴家 真珠 :
[そっか よかった] ハンカチを畳んで戻す
ロッキー :
「さてさて、では行こうじゃあないか。きっとあっちだろう」目的地とは反対の方を向いて
飴家 真珠 :
「!?!?」 慌ててロッキーの服の裾を引っ張って止める
ロッキー :
「おおっと、なんだ違うのかい?」
ロッキー :
「じゃあそこの……えー、イチローくん! だったかな、案内を頼むよ!」
泊里 零一郎 :
「ふふっ……レイイチローだよ。では、ついてきてくれ」
GM :
あなたたちは、ふたたび社長室へと戻る……。
二条 純恋 :
「二人ともおかえりなさい。そして、こんにちは、ロッキーさん」
ロッキー :
「やあやあ、純恋しゃちょー!」
ロッキー :
「早速だが、話を聞こうじゃないか! 堅苦しい挨拶は必要ないだろう?」
二条 純恋 :
「そうね。あなたに関しては単純明快。これから出す任務を達成して貰えばアイドルとして本採用するわ」
二条 純恋 :
「それまでは『仮合格』という感じね。まあ、失敗はしないと踏んでいるわ。今回は飴家さんも手伝ってくれることになったしね」
ロッキー :
「真珠姫もかい? ふむ、誰かと共に動くのは初めてだね……」真珠を見つめて
飴家 真珠 :
[うん おてつだいすることになったの]
飴家 真珠 :
[アイドルのことみけいけんのわたしが ちゃんとてつだえるのかちょっとふあんだけど がんばるね] 少し困ったように笑って
ロッキー :
「それは僕サマも同じさ、ケイケンで言えば同じぐらい。かしこまる必要はないよ?」
ロッキー :
「共に初めて踊るダンスのようなものさ」いつもの自信ありげな笑みを浮かべて
飴家 真珠 :
[わかった ありがとう おうじさま] 安心したような笑顔になる
二条 純恋 :
「あらあら。じゃあ、改めて任務について説明するわね」
二条 純恋 :
ふたりの前に一枚の写真を見せる。
武者小路 勇姫 :
ロッキーは前回目にしているだろう。切り揃えられたメッシュ入りのボブカットが印象的な、中性的な魅力を持つ女性がそこに映っている。
飴家 真珠 :
[かわいいひと!]
ロッキー :
「かわいいかい? 僕サマはかっこいいと感じるかな」
二条 純恋 :
「ふふ、そうね。どちらでもあるのが彼女の魅力よ。もっとも、そうでなかったら問題にはならないのだけれど」
飴家 真珠 :
[このひとはだれなの? アイドル?]
二条 純恋 :
「彼女の名は武者小路勇姫。コードネームは"破壊王女"」
二条 純恋 :
「私たちのライバル、UGNプロのグループ『Re:try』のメンバーよ」
飴家 真珠 :
「……?」 聞いたことがない、と目を丸くする
二条 純恋 :
「……知らないのも無理ないわね。彼女たちはいわゆる地下アイドル……まだテレビにはほとんど出ていないアイドルだから」
二条 純恋 :
「それでも、実力に関しては折り紙付きよ」
二条 純恋 :
「だから……今のうちに”わからせて”おく必要がある」
ロッキー :
「つまりは、ちょ~っとだけオシオキをするというお話らしい」
二条 純恋 :
「そういうこと」
飴家 真珠 :
「……???」
飴家 真珠 :
[どういうこと? おしおき?] 未だによく分かっていない
二条 純恋 :
「あら、少し難しかったかしら?」
二条 純恋 :
「私たちファム・ファタールは、女性アイドルをプロデュースする組織として、この世界で絶対女王の地位にある……ここまでは大丈夫?」
飴家 真珠 :
うんうんって頷きます。
二条 純恋 :
「そしてUGNプロの母体であるUGNは、私たちが所属するFHとは不倶戴天の敵、これももちろん知っていると思うわ」
飴家 真珠 :
うん…って頷きます。
ロッキー :
「ああ、僕サマが下したほとんどがゆーじーえぬだったね」腕を組んで頷く
二条 純恋 :
「実際のところ、彼女たちのグループであるRe:tryはいますぐには私たちの脅威にはなり得ない」
二条 純恋 :
「でも、彼女たちの放つ『希望』には周囲を感化させるだけの力がある」
二条 純恋 :
「私たちがこの業界の支配者であるためには、『もしかしたら自分たちが”ファム・ファタール”に勝てるのかも……』なんて誰にも思わせちゃいけないの」
二条 純恋 :
「だから、ちょっと痛い目を見て手を引いて貰おう、というわけ」
飴家 真珠 :
「…………!!」 やっと理解したのか、顔が青ざめていく
ロッキー :
「……? どうしたんだい姫、そんな荒事は不慣れみたいな顔をして」
飴家 真珠 :
「…………」 あの、その……と言葉に詰まったかのように唇を動かして、
飴家 真珠 :
[ちょっと そういうことだとおもってなくて]
飴家 真珠 :
[ごめんなさい あたまがこんらんしちゃってる かも] 不安そうに瞳が揺れる
二条 純恋 :
「うーん、少し休むかしら? ロッキーさん、後で飴家さんに作戦を伝えてくれる?」
ロッキー :
「僕サマは構わないとも、けど……」真珠を気に掛けるように視線を移して
ロッキー :
「姫、なんだってキミが手にかけるワケじゃあない」
ロッキー :
「僕サマが切り込んで、彼女をそのまま下せばイイ話さ。キミはそのお手伝いをしてくれればいい」
ロッキー :
「言っただろう、エスコートさ。キミが重く感じる必要はない」
ロッキー :
「僕サマがしゅはん?になるワケだからね」
飴家 真珠 :
「…………」 ロッキーを黙って見つめて、
飴家 真珠 :
[ありがとう やっぱりおうじさまはやさしいね]
飴家 真珠 :
[ただ あの すこしきになることがあって]
飴家 真珠 :
「…………」 勇姫の写真をもう一度見る
飴家 真珠 :
[ちょっとだけ かんがえるじかんがほしいの]
飴家 真珠 :
[ごめんね しんぱいかけて] 申し訳なさそうに目を伏せる
ロッキー :
「なぜ謝るんだい。そのしんちょーさは素晴らしいことだよ」
ロッキー :
「僕サマはすぐ決めてしまうタチだからね、キミは代わりにじっくり悩んで答えを出すとイイ」
ロッキー :
「どちらにしても、僕サマは負けないと思うけどね」
飴家 真珠 :
「…………」 弱弱しく笑って
飴家 真珠 :
[ありがとう そうさせてもらう ね]
飴家 真珠 :
ロッキーの手を握って、その肩にこてんと頭を寄せる。
ロッキー :
「おー、姫は甘えん坊だね」抵抗なく肩を貸して
ロッキー :
「さ、そういうワケだけど……姫はこのまま話を聞いてもイイし、休みに行っても構わないらしいが……」真珠の肩を撫でながら、純恋の方を見て
二条 純恋 :
「本当に大丈夫? 気分が悪くなったらソファで寝てもいいからね」
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ]
飴家 真珠 :
[ちゃんとききたいから つづきをおねがい すみれちゃん]
二条 純恋 :
「そう? じゃあ、作戦について説明するわね」
二条 純恋 :
「ターゲットの武者小路勇姫は、2週間後に都内のあるカフェにゲストとして出演する予定になっているわ」
二条 純恋 :
「彼女がひとりになる数少ないタイミングよ。あなたたちには事前にバイトとしてそこに潜り込んで貰って、彼女を襲撃して欲しい」
二条 純恋 :
「前にも言ったけど、殺せはしなくても、大怪我をさせてくれればいいわ」
二条 純恋 :
「というのも……今度、全国から注目のアイドルが集まって合同で開催するフェスがある。一般にはあまり知られていないけど、ファンや業界のあいだではとても注目度の高いイベントなの」
二条 純恋 :
「UGNプロはそこで新曲を発表してメジャーシーンへの足がかりにするつもりらしい」
二条 純恋 :
「Re:tryの精神的支柱である彼女が怪我で辞退したり、本領を発揮できなければ、その目論見も崩れるというわけね」
飴家 真珠 :
「…………」 黙って聞いている
ロッキー :
「ふんふん、頭を潰せば……ってところだね」頷いて
二条 純恋 :
「そういうこと。でも、彼女は実戦経験不足ながら強力なオーヴァードであることは間違いないわ」
二条 純恋 :
「ちょっと隙をついたくらいで後に響くような負傷させるのは簡単なことじゃない」
二条 純恋 :
「そこで使うのがコレよ」
GM :
純恋はひと振りのナイフを取り出す。一見はカフェに置いてあっても不思議ではない何の変哲もない小ぶりのナイフだ。
ロッキー :
「ただのナイフじゃあないか。一刺しでもオーヴァードには掠り傷ていどしか作れないんじゃないのかい?」むむ、と頼りなさそうなナイフを睨む
二条 純恋 :
「一見なんの変哲もないナイフだけれど、この刃はかつてFHで秘密裏に研究されていた対抗種……『レネゲイドを殺すレネゲイド』を抽出して作り上げたものよ」
二条 純恋 :
「ひとたびこれで刺されれば、その箇所から肉が腐り落ちて簡単には再生出来ない」
飴家 真珠 :
[すごい そんなのあるんだ] 怖そうにナイフを見つめる
ロッキー :
「こわいこわい。けど、オーヴァードにはまさに必殺、ってところだね」
二条 純恋 :
「極秘情報だからね。一般FHエージェントには知りようがないわ」
二条 純恋 :
「当たり所によっては、一撃で致命傷まで持っていけるかもね。どんな軽傷でも、フェスまでに完全回復というのは無理なはずよ」
二条 純恋 :
「例えば顔に一撃、お見舞いしてあげればライブなんてまず断念せざるを得ないでしょうね」
飴家 真珠 :
[か かおに] 想像して体を小さく震わせる
ロッキー :
「しょーばいどうぐに傷をつけるワケだ。あとは喉とか、脚なんかも効果的だろうね」戦ってきた分、人の壊し方には慣れている
二条 純恋 :
「本当に、任務に関しては理解が早くて助かるわね。詳細な計画は後で資料を送って伝えるわ」
ロッキー :
「ふふん、そーだろう。しりょーとやらも後で見ておくとも」理解できるかは別だが
二条 純恋 :
「任務に関してはそんなところね。あなたたちのデビューについては、計画が成功するものとして進めておくからくれぐれも失敗はないようにね」
飴家 真珠 :
[デビュー……]
飴家 真珠 :
[それって いつになるかとか もうきまっているの?] いつの間にかロッキーの腕に抱きつきながら聞く
二条 純恋 :
「そうね、アイドルとしてのお仕事の話は、泊里さんからして貰おうかしら」
ロッキー :
「頼もうじゃないか、レイイチローくん!」
泊里 零一郎 :
「ああ、ちょっと血生臭い話のあとで頭に入らないかもしれないが、後で聞き返してくれて構わない」
泊里 零一郎 :
「これから一か月後に毎年恒例になっている新人のお披露目ライブが予定されている」
泊里 零一郎 :
「急なスケジュールではあるが、アイドルにとって旬な時間というのは限られている。どうしても性急にならざるを得ないことがままあるのは理解してほしい」
泊里 零一郎 :
「君たちにはこれからレッスンを受けて、先輩たちの既存曲3曲をダンス、歌を含めマスターしてもらう」
泊里 零一郎 :
「はっきり言って非常に高いハードルだが、君たちなら乗り越えられると僕は確信している。お願いできるかな?」
二条 純恋 :
「……泊里さんって優しいわよねぇ」 小声で
泊里 零一郎 :
「何か言いました?」
二条 純恋 :
「なんでもない」
飴家 真珠 :
「……?」 不思議そうにそのやりとりを見て、
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ がんばってアイドルになるってきめたから]
飴家 真珠 :
[ただわたし うたはうたえないけど……]
ロッキー :
「ふふん、任せたまえよ。自慢じゃあないが、僕サマは声が大きい方だと思うからね! 姫の分まで声を張ろうじゃあないか」
ロッキー :
「それに、その程度はハードの内に入らないさ! えーっと、いちかげつ程度だろう?」
ロッキー :
「……姫、いちかげつって何日だい?」ヒソヒソと耳打ちする
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
[30にちくらいだよ] 内緒話をするように二人の口元を手で隠し、その内側で小さく文字を光らせるのを見せる
ロッキー :
「おお、そうだったんだね。姫はかしこい!」コツンと額をつけて感謝
ロッキー :
「……30日! その程度なら軽くこなせるサ!」何事もなかったように胸を張る
泊里 零一郎 :
「……余裕ができたら基礎教養もカリキュラムに入れたほうがよさそうだね」
ロッキー :
「?」なんのことだろうと首を傾げて
飴家 真珠 :
そうだね…って少し困ったように笑いながら頷いてる。
泊里 零一郎 :
「では、任務と平行で大変だと思うけれど、明日から早速レッスンを開始する。君たちが寝泊まりする寮もあとで案内する。今日から好きに使ってもらって構わない」
泊里 零一郎 :
「それから……新人の歓迎会も予定されている。先輩たちと交流を深めるよい機会になるだろう。これは必ず出てほしい」
泊里 零一郎 :
「以上。質問はあるかな?」
飴家 真珠 :
[ううん だいじょうぶ]
飴家 真珠 :
[せんぱいたちにあえるの すごくたのしみ!] 少し気持ちも落ち着いてきたのか、笑顔を向ける
ロッキー :
「せんぱい、か。どんな人たちなのか興味はあるね……」
ロッキー :
「ああ、そうだ。しつもんしてもイイかい?」
泊里 零一郎 :
「もちろん。なんだい?」
ロッキー :
「寝泊りできるりょう、と言っていたけど。そこには何があるんだい」
ロッキー :
「寝る場所というなら、マットレスがあると嬉しいのだけれど」プライベート空間が白い部屋しかない為、想像しにくいらしい
泊里 零一郎 :
「ああ、それくらいなら……ベッドと個別の浴室、冷蔵庫は備え付けてある。人によってはテレビやゲームを持ち込んでもいるかな」
泊里 零一郎 :
「ただ、調理だけは共用スペースでやって欲しい。もっとも、あまり使っている人はいないみたいだが……」
ロッキー :
「べっど……よくしつ……れーぞーこ……」
飴家 真珠 :
[え もったいない!]
飴家 真珠 :
[わたし ごはんつくってあげるね!] 見るからに嬉しそうな笑顔になる
泊里 零一郎 :
「飴家さんは料理が得意なんだね。みんな栄養が偏りがちだから、たまにご馳走してあげてくれると助かるよ」
飴家 真珠 :
[うん!]
ロッキー :
「りょ、りょうりも出るのかい……! それは、いいね……」どこか夢見心地な表情で
飴家 真珠 :
[たのしみだね……!] ロッキーと顔を見合わせて笑って
二条 純恋 :
「ふふ、やっぱり新人っていいわねぇ……。それじゃあまた。歓迎会で待っているわ」
GM :
……こうして、あなたたちはファム・ファタールのアイドルとして内定、活動を開始するのだった。
GM :
――都内某所、某ホテル。
GM :
この日は、ホテルのフロアを丸々貸し切ってあなたたちの歓迎会が行われた。
GM :
中心部からは少し離れたところにある洋館風の装飾が特徴的な会場で、そこに並ぶのは店屋物の寿司、有名スイーツ店のデザートなど……とにかく豪勢でファム・ファタールの資金力を感じさせる。
GM :
社長の二条純恋、泊里らプロデューサーの挨拶もそこそこに、アイドル陣のリーダーである新藤亜里沙が音頭をとる。
新藤亜里沙 :
「では、新しい仲間たちの門出にー」
新藤亜里沙 :
「かんぱぁい♪」 なんだかんだ楽しそう
GM :
各々食べ物、飲み物を口にし始めたところで、亜里沙があなたたちのところへやってくる。
新藤亜里沙 :
「じゃ、早速ですけど自己紹介いきましょうかぁ?」
新藤亜里沙 :
「………」 と言いつつ、真珠ちゃんのビジュを間近でチェックし
飴家 真珠 :
「……?」 どうしたのかと首を傾げてる
新藤亜里沙 :
「……ふーん、まあいいんじゃないですかぁ」 亜里沙的及第点
新藤亜里沙 :
「改めて、こっち上がってください」 そう言いながら、あなたたちを壇上へと案内する。
飴家 真珠 :
「……!」 ぱあっと笑顔になりながら、後をついていく
ロッキー :
「ムグッ……ゴクッ。もう僕サマたちの出番かい?」口に詰めていた料理を飲み込んでついていく
新藤亜里沙 :
「ええ。えーと、飴家さんは喋れないから……みんなー! こっち向いてー! 食べ物ばっか見ない!」
GM :
亜里沙が全員の視線をこちらに集め、あなたに注目が注がれる。
飴家 真珠 :
「…………!」 視線が集まり、緊張しながらも壇上に立って、
飴家 真珠 :
[はじめまして! あめいえしんじゅです!] 片手を上げて笑顔を浮かべながら、頭上に大きくピンク色の光の文字を綴る
飴家 真珠 :
[わたし みてのとおり こえがだせないけど]
飴家 真珠 :
[それでもがんばって みんなにおいつけるようなアイドルになれるように がんばります!]
飴家 真珠 :
[これからなかよくしてもらえると うれしいです!]
飴家 真珠 :
[えっと よろしくおねがいします!] 静かだが、その表情から元気さは伝わる挨拶を終える
GM :
声の不在を補うようにわー、と歓声を上がり、あなたを暖かく迎える。
GM :
拍手をするものもいれば、手を振ったり、なぜかもうペンライトを用意している気の早すぎるものもいたり、アイドルがこれだけいれば反応も個性的だ。
蹄啼 イバラ :
「(……声を出せないというのに、何だかにぎやかな子ですね~)」歓声を上げず、拍手もせずに、ただじーっと壇上の新人アイドルを観察している。
多々良那 浅香 :
「え~、可愛い~、……乳もでけ、やっぱグラビアか……」
おじさん?
飴家 真珠 :
「…………!」 皆の反応に、胸元に両手を当てながら嬉しそうに笑う。
飴家 真珠 :
そしてぺこりとお辞儀をすると、一歩下がってロッキーに順番を回した。
新藤亜里沙 :
「はい、ありがとうございましたぁ。こらそこ、乳ばっかり見ない」 ずびし、と指差し、ロッキーにマイクを渡す。
ロッキー :
「どうも、ありさセンパイ。えー、こほん……」軽く咳払いをして
ロッキー :
「……やあ、センパイ諸君! 僕サマはロッキー!」 真珠の丁寧な挨拶とはかけはなれた第一声を放つ
ロッキー :
「ピカピカの新人ではあるが、こうしてアイドルとして並び立てることをこーえーに思う! なんといっても、最近の憧れでもあったからね!」
ロッキー :
身振り手振り、声は大きく、キャッチーな印象を放つ
ロッキー :
「そして、もう一つの憧れは王子さま。わる~い王子さまさ! ここでなら叶えられると踏んで門を叩かせてもらったよ!」
ロッキー :
「と、いうことでよろしく! 立派なプリンセスたちと胸を張って肩を並べられるよう心掛けよう!」ふふん、と自身ありげに胸を張って、スピーチを終える
GM :
再び拍手と歓声が出迎える。言動を確認して心配そうに見守るもの、おもしれー奴じゃんと言いたげに腕組みで見守るもの、こちらも反応はさまざまだ。
新藤亜里沙 :
「ありがとうございましたぁ。王子ですかぁ? ふふ、ウチってまだそういうタイプいないですから、なれるといいですねぇ」 問題起こさなくて一安心
多々良那 浅香 :
「飛ばしてるなーあの子、フィアちゃんみたいなRP勢?」
ぱちぱち~
蹄啼 イバラ :
「僕サマ……王子さま……」
蹄啼 イバラ :
「今回の新人ふたりは、なんともイキが良いですね~?」くすりと笑う。
飴家 真珠 :
歓声が出せない分、がんばって笑顔で拍手しています。
ロッキー :
「せーだいなかんたい……だったかな。感謝するよ、みんな!」 認められることに悦を覚える
飴家 真珠 :
「……!」 挨拶を終えると、ロッキーの手を握って引っ張る。どこか空いてる席に行こうと言っているらしい。
ロッキー :
「おおっと、今日の姫は強引だ!」そのまま引っ張られていこう
飴家 真珠 :
そうして壇上から降りて、周囲を見渡しながらとことこと歩いていき、
飴家 真珠 :
「!!!」 イバラと浅香のいる辺りで立ち止まって、
飴家 真珠 :
[いばらちゃんとあさかちゃんだ!] 瞳を輝かせながら、二人の傍へと近づいていく
ロッキー :
「ほう、センパイのプリンセス! 僕サマは詳しくはしらないが!」興味深そうに近づいていく
多々良那 浅香 :
「え~~~~っ、知ってくれてるの~~?おいおい可愛い後輩すぎかも」
きゃ~と手を振って
蹄啼 イバラ :
「あらあら、主役が訪ねてきてくださいました~」にこりと微笑んで
蹄啼 イバラ :
「そちらの王子サマはわたくし達のことをご存じないようですし、まず自己紹介しましょうか~多々良那さん?」
多々良那 浅香 :
「それもそうねん、じゃぁ紹介に預かったしあたしから?」
飴家 真珠 :
わーってぱちぱち拍手して、紹介してくれるのを嬉しそうにしてます。
多々良那 浅香 :
「多々良那浅香だよ~、歌踊りの他にもストリーマーとしてゲーム配信したり、たまにウチの企画のイラストとかも描いてるよ~」
多々良那 浅香 :
「もちろんアイドルとして舞台に立ったり番組出たりはしてるけど、主戦場は配信かな。真珠ちゃんはどっちで知ってくれたの~?」
飴家 真珠 :
[テレビ! はいしんをしてるっていうのは きいたことあるんだけど]
飴家 真珠 :
[わたし スマホもってなくて ネットはあまりみたことないの] 頬を人差し指で搔きながら、少し恥ずかしそうにする
多々良那 浅香 :
「スマホ持ってないの!?は~、厳しいご家庭で……テレビだけかぁ、じゃぁ相当大人しくしてる私しか知らないかもなぁ」
多々良那 浅香 :
「幻滅されたらどーしましょ」
からからと笑いながら
飴家 真珠 :
「……?」 不思議そうに目を丸くして
飴家 真珠 :
[よくわからないけど そんなことないきがする]
飴家 真珠 :
[だって すごくやさしいし あかるいおねえさんってかんじだもん!] ぱあっと笑って
ロッキー :
「僕サマもどうかんだ。どことなくムードメーカー? のような気配を感じるよ」うむ、と頷いて
多々良那 浅香 :
「嬉しーこと言ってくれるねぇ!早くあたしの配信に来なね……普通に顔売れるからね……リスナーの言うことは無視しなね……」
ロッキー :
「うん? うむ! 近々にでもはいしん?とやらに赴こうじゃないか! よろしく、浅香姫!」浅香の単語の半分も理解できていないが、健気に了承する
飴家 真珠 :
[いきたいな たのしみ!] 両手をグッと胸の前で握って
蹄啼 イバラ :
「ふふ、さっそく親睦を深められているようで何よりです~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしもお二人と同様、インターネットには明るくありませんが、何かあれば有識者の多々良那さんが相談に乗ってくださると思いますよ~」
飴家 真珠 :
はーい、と笑顔で手を挙げています。
多々良那 浅香 :
「炎上したときは、任せな!」
サムズアップ
ロッキー :
「しょーぼうしでもあるのか!」おお、と真に受ける
飴家 真珠 :
[ちがうよ!?]
ロッキー :
「……違うようだ!」首をかしげて
ロッキー :
「この話はおいておくとして、次はキミのことを聞かせておくれ!」イバラに視線を移す
蹄啼 イバラ :
「ええ、わたくしは蹄啼イバラと申します~」
蹄啼 イバラ :
「アイドルとヴァイオリニストを、ひとことで言ってしまえば『音楽家』をしています~」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは普段、新人の歓迎会に顔を出さない。
蹄啼 イバラ :
有象無象のアイドルには価値を見出せないし、そもそも仲間意識がない。
蹄啼 イバラ :
自らの”音楽活動”に精を出す方が、よっぽど有意義だ。
蹄啼 イバラ :
……が、『声を失くしたアイドルのプロデュース』という御伽噺じみた難題には少し興味があった。
蹄啼 イバラ :
『既存の常識や枠組みに囚われない挑戦』が肝要なのだと、蹄啼イバラは考える。
蹄啼 イバラ :
王道とは、ありきたりだ。変わらないモノは見飽きて退屈する。
それは「腐敗」と言い換えてもいい。
蹄啼 イバラ :
単調なものは、それだけで良い作品たりえない。悪だ。
四季は移り変わるから、花は散るからこそ美しい。
蹄啼 イバラ :
……”声を失くしたアイドル”という難題に、どう挑戦するのか。
飴家真珠は、泊里零一郎は、二条純恋はそれを昇華できるのか。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは品定めに来たのである。
蹄啼 イバラ :
「……わたくしの事は、脇役の一人だと思ってくだされば~」
蹄啼 イバラ :
「それより気になることが一つあるのですが、聞いてしまってもよろしいでしょうか~」
飴家 真珠 :
「…………?」 不思議そうに首を傾げて、小さく笑う
ロッキー :
「?」その横でも不思議そうに
蹄啼 イバラ :
「その……飴家さんは声が出せないのですよね……? それはとても悲しい事です……」
蹄啼 イバラ :
「それは直せないのでしょうか。例えばそう”レネゲイド知識に精通したFHの医者”などには……」
蹄啼 イバラ :
飴家真珠がファムファタに来るまでの経緯は知っている。"医者"の話を出したのは、わざとである。
飴家 真珠 :
「…………っ」 その言葉で江戸川のことを思い出したのか、瞳が悲しく揺れる
飴家 真珠 :
[え えっと]
飴家 真珠 :
[なおせないと おもう]
飴家 真珠 :
[パパがおいしゃさんだったけど せいしんてきなものだからって いわれたから]
蹄啼 イバラ :
「精神的なもの、そうでしたか……これはまた立ち入ったことを……」
蹄啼 イバラ :
「たくさん辛い思いをされたのですね……」
多々良那 浅香 :
「(せ、性格わりぃ~~w)」
蹄啼 イバラ :
「ですが、それが精神的なものならば、心の傷が癒えさえすれば、治る日も来るかもしれません……」
蹄啼 イバラ :
「そのいつかが来てほしいと、わたくしは切に願っておりますよ……」
飴家 真珠 :
「……!」 衝撃を受けたように、目を大きくして
飴家 真珠 :
[そんなふうに おもってくれるの? いばらちゃんは]
蹄啼 イバラ :
「ええ、勿論……♪」そうなったら、飴家真珠からは素晴らしい悲鳴が聴けそうだから。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[そうなんだ……]
飴家 真珠 :
じーっと、イバラの目を真っすぐに見つめた後、
飴家 真珠 :
一歩近づき、イバラの体に抱きついた。
蹄啼 イバラ :
「なっ……」いきなりのことに思考が、もとい悪企みが止まる。
飴家 真珠 :
「…………」 黙って、ぎゅーっと抱きしめ続けている。
蹄啼 イバラ :
「あ、あの~飴家さん……? これはいったい~……?」
ロッキー :
「ああ、真珠姫は甘えん坊でねぇ。姫の気が済むまで付き合ってあげたまえ!」
多々良那 浅香 :
「え、いーなー!」
蹄啼 イバラ :
「そう思うのなら、代わって差し上げますよ~……? ほら、飴家さん……?」ぽんぽんと困ったように肩を叩く。
飴家 真珠 :
「…………」 しかしそのままくっついたままで、
飴家 真珠 :
[あのね いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[わたし こえがでないこと パパやみんながきにしないでくれたり]
飴家 真珠 :
[それでもみりょくがあるって ろっきーちゃんやれいいちろうさんが いってくれたこと]
飴家 真珠 :
[それも とってもうれしかったんだけど]
飴家 真珠 :
[こんなふうに いつかなおるといいねっていわれたのは あんまりなくて]
飴家 真珠 :
[だからなんだか うれしくて] ぽわぽわと、ピンク色の文字がイバラの目の前に浮遊して
飴家 真珠 :
[ありがとう いばらちゃん やさしいね]
蹄啼 イバラ :
「い、いえ~……そんなことは~……」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラには、飴家真珠の『色彩』を見ることが出来ない。
蹄啼 イバラ :
これは相手の”声色”から心を知るという、聴覚の延長線にある力。
蹄啼 イバラ :
それを視覚化したもの。
蹄啼 イバラ :
当然、声のない相手の気持ちは推し量れない。
蹄啼 イバラ :
「(うう~ん……本心で言っているのでしょうか……)」考えている事が分からない相手は苦手だ。
蹄啼 イバラ :
「主役をわたくしが独り占めしているのは申し訳ありませんから、そろそろ……」抱き着いてきたりと、こんな距離感で接してくる相手がいなかった事もあって、どう対処すればいいか分からない。困ってしまう。
飴家 真珠 :
[あ ごめんね]
飴家 真珠 :
と光の文字は出るがもう数十秒ほどハグしてから、やっとイバラから離れる。
蹄啼 イバラ :
「……ふう」思わず溜め息が漏れる。
飴家 真珠 :
[ねえねえ あさかちゃん]
飴家 真珠 :
[さっき ききまちがいじゃなければ いいなっていってた?] 浅香に輝かせた瞳を向けて
多々良那 浅香 :
「言った言った!おいで~」
手を差し出して
飴家 真珠 :
「…………!」 花が開いたように笑顔になって
飴家 真珠 :
[やったあ! おじゃまします]
飴家 真珠 :
ぴょんっとうさぎのように小さく跳びはねて、浅香の腕の中に収まりにいく。
多々良那 浅香 :
「ほいっと、……や~らか!なんて可愛い後輩なんだ……アホ共に紹介するのが勿体ないくらいだ……どうか無垢な君であれ……」
慈愛の心が目覚めそう
蹄啼 イバラ :
「うう~ん、この調子でファン全員に抱き着いていくんでしょうか……」少し離れて、その様子を見守っている。
飴家 真珠 :
[ファンのことはまだわからないけど]
飴家 真珠 :
[すみれちゃんにね このセルのみんなのこと きょうだいみたいにおもってくれていいって いわれたの]
飴家 真珠 :
[だから またこうやって ぎゅうってしてもらってもいい?] 浅香にぴったりとくっつきながら
蹄啼 イバラ :
「(二条さんッッ……)」
多々良那 浅香 :
「もっちろ~ん♪……つまり、真珠ちゃんとロッキーちゃん…ロッキーで良いか、と、実年齢的にはイバラちゃんもあたしの妹……って、コト!?」
ハッと気づいて
多々良那 浅香 :
「おもろ」
3人、特にイバラを見て
蹄啼 イバラ :
「……その視線、どういう意味でしょうか~」
多々良那 浅香 :
「あっコワッ」
ロッキー :
「きょうだい、か。僕サマにはかぞく? とやらがいないから良くはわからないけど……」
ロッキー :
「うむ、それはそれで面白いだろう! 浅香姫を姉として扱うことも!」
飴家 真珠 :
[いっぱいおねえさんができて うれしいね] 満たされたような笑顔
蹄啼 イバラ :
「二条さんの言葉は、あくまで比喩ですからね~?」マジレス
蹄啼 イバラ :
「実際には『新人アイドルから兄妹姉妹の扱いなど受けたくない』という気難しいアイドルも多いはずですから、軽々に振る舞わないほうが賢明かと~」
ロッキー :
「そうなのかい? 人付き合いというのは難しいものだね」ふぅん、と
ロッキー :
「だが今は、僕サマたちだけでもしんこーを深めようじゃあないか」
ロッキー :
「よろしく、愉快な浅香姫! 優しきイバラ姫!」
蹄啼 イバラ :
「ええ、よろしくおねがいします~」
多々良那 浅香 :
「フホw は~い、改めてよろしくね!」
蹄啼 イバラ :
「…………ああ、時にロッキーさん? 貴女は珍しい一人称を使いますね~? 教育はどなたから~?」
ロッキー :
「む、今日はきょーいくという言葉をよく聞くね」
ロッキー :
「たしか、誰かから教えを受けることだろう? それなら~……」ぽくぽく、と少ない記憶からそれらしい人物を該当させようとするが……
ロッキー :
「ないね! 強いて言うならアニメが色んなことを教えてくれたよ!」彼女を匿う研究員たちともほぼ関わりがないため、教育者に当たる人物はいないようだ
飴家 真珠 :
[アニメ? アニメのキャラのまねをしてるってこと?] 浅香の腕に抱きついたまま
ロッキー :
「真似じゃあないさ。言っただろう、憧れだって!」
飴家 真珠 :
[ごめんね でもなんとなくわかったかも] なんだか小さい子供みたいに思えて来た
蹄啼 イバラ :
「なるほど……FHはどこも問題を抱えている様子……」
蹄啼 イバラ :
「けれど、僕サマなんて名乗ったら、普通は子供らしく見えてしまうのでしょうが……」
蹄啼 イバラ :
「貴女には、よく似合いますね~」図体の大きな子供そのものだからという遠回しな皮肉だ。
ロッキー :
「む、なんか子供だって言われてる気がする……」怪訝な顔つき
飴家 真珠 :
[そんなことないんじゃないかな]
飴家 真珠 :
[アイドルなら そういうキャラってだいじなきがするよ]
ロッキー :
「むぅ~~ん……」腕を組んで
多々良那 浅香 :
「お、真珠ちゃん良いこと仰る。キャラ持ってるのは強いよ~、ロッキーは素がそれだからブレないだろうし……」
多々良那 浅香 :
「勉強はした方が良いと思うけどね!あたしも人のことぜ~んぜん言えないけど!ゲームがあたしの教師です!」
ロッキー :
「……そんなものか! 子供らしくてもヨシとしよう、成長のよちがあるということだ!」
ロッキー :
「べんきょーにも興味があるとも! 僕サマが知っている王子は、どれも頭が良さそうだったし」うんうん、とインテリな自分を思い浮かべて
飴家 真珠 :
[じゃあ わたしがいろいろおしえてあげる!] ぴょいっと浅香から離れて、今度はロッキーの腕に抱きついて顔を近づける
ロッキー :
「おや、それはイイ! 姫からも学べることは学ばなくてね!」 真珠を受けとめて笑みを浮かべる
蹄啼 イバラ :
「ふふ、勉強熱心でけっこうなコトです。机に向かっても、この熱意が持続できれば良いのですが」
ロッキー :
「きっと大丈夫だとも、たぶん!」謎の自信だが、自分のためなら割と忍耐強い方だ
ロッキー :
「そのうち、イバラ姫にも何か教えを乞いにいくかもしれないね!」
蹄啼 イバラ :
「ん~……光栄ですけど、わたくし教えるのは苦手で~……」めんどくさいだけである。実際、多忙だ。
ロッキー :
「ははは、遠慮することはないさ。そうだろう、浅香姫、真珠姫?」
飴家 真珠 :
[うーん なにをおしえてもらいたいかによるのかも] 首を捻る
多々良那 浅香 :
「あたしがなんかを教えるかぁ……OBS設定くらいしか説明できる自信ないかも」
ロッキー :
「イバラ姫は美人であるし、その秘訣を乞いにいくのもアリだと考えているとも。僕サマはけしょーとやらに縁がなくてね」
ロッキー :
「それに、浅香姫は僕サマの直感だと語り部の才がありそうだ。キミの様にどう言葉をつづればいいのかは、気になるところではあるともさ」
ロッキー :
直感的に感じた二人の分析を口にして微笑んでみせる
蹄啼 イバラ :
「あら、ありがとうございます~」
蹄啼 イバラ :
「けど、今はわたくしたち少し忙しくって~、ロッキーさんにレッスンする時間が確保できるかどうか~……」浅香ちゃんに目配せをする。今は任務があると。
多々良那 浅香 :
「あ~~……そうね、ちょっと時期が悪いかも。言ってもすぐ手空くと思うから、そん時は改めていろいろ話そっ!」
目くばせを受け取って
多々良那 浅香 :
「あ、えーと……二人とも携帯無いんだっけ……?」
れんらくさきぃ……とつぶやいて
ロッキー :
「そーなのかい?」少し悲しそうに
飴家 真珠 :
「…………」 申し訳なさそうに頷く
蹄啼 イバラ :
「そのうち、プロデューサーから支給されるのでは~」
ロッキー :
「けーたいはないね。無線機ならあるとも!」
飴家 真珠 :
[どうしてむせんきはあるんだろ……]
飴家 真珠 :
[れいいちろうさんから しきゅーされたら すぐにいうね]
ロッキー :
「レイイチローくんはけーたいもくれるのか。なんて出来た世話係、かんどーだね……」
飴家 真珠 :
[わたしたちも いまはライブのレッスンがんばらなくちゃいけないし]
飴家 真珠 :
[ふたりになにかおしえてもらうのは そのあとだね] ある意味ちょうどよかったのかも、と笑う
ロッキー :
「と~っても惜しいが、しかたないか……」本当に残念そうだ
ロッキー :
「だが、それは再びしんぼく?を深め合えるということだね。次を楽しみにしておくともさ」それでもめげていない様子で
飴家 真珠 :
そんなロッキーの様子を見ながらこくこくと頷いて、
飴家 真珠 :
[しんぼくといえば ほかのせんぱいたちともはなしてみたいな]
飴家 真珠 :
[いばらちゃん あさかちゃん ちょっといってきてもいい?]
蹄啼 イバラ :
「ええ、行ってらっしゃい~わたくしたちの事はお気になさらず~」
多々良那 浅香 :
「もっちろ~ん、むしろ交流するのが私達だけなんてもったいない!」
飴家 真珠 :
[ありがとう!]
飴家 真珠 :
[ふたりとも なかよくしてくれてうれしかった またあとでね] 胸元に両手を置いて、本当に嬉しそうに笑って
飴家 真珠 :
いこっか、とロッキーと手を繋ぐ。
ロッキー :
「そうだね。今後ともたのむよ、センパイたち!」お得意のあくどい笑みを浮かべ、真珠に手を引かれていく。
飴家 真珠 :
そんな風に、一緒にとことこ歩いて去っていきます!
GM :
新たな仲間を迎えたファム・ファタール。
GM :
先輩たちは謎多き事件の調査、新人たちは襲撃任務とその先にあるデビューライブへと向かってアイドルへの階段を登り始める。
GM :
果たして、それぞれの行く先には何が待ち受けているのか……。
蹄啼 イバラ :
飴家真珠に期待/苦手のN表でロイスを取得します!
system :
[ 蹄啼 イバラ ] ロイス : 4 → 5
ロッキー :
飴家真珠に庇護/憐憫!表はP
多々良那浅香に好意/隔意!表はP
イバラちゃんに取りたいけど、様子を見るため今は取らない!
system :
[ ロッキー ] ロイス : 3 → 5
飴家 真珠 :
イバラちゃんに〇幸福感/脅威でロイス取ります! 脅威は有名音楽家ですごーいって感じに思ってる
system :
[ 飴家 真珠 ] ロイス : 3 → 4
GM :
各々了解!
Extra Scene 01 幕間01
GM :
歓迎会から一夜明け。
GM :
新人ふたりは、早速デビューライブに向けてダンスなどのレッスンをこなしていた。
GM :
アイドルになるための訓練など当然初めてのふたりだったが、任務や家事で培った体力などを生かして、すでに才能の片鱗を見せ始めていた。
GM :
レッスンは順調だが、一方で困りごともある。
GM :
それは、寮生活のことだ。
GM :
セルの家事など身の回りのことを一通りこなしていた真珠は問題ない一方、実験施設の外でほぼ生活したことのないロッキーにとって、一人暮らしというのはかなり挑戦的なことだった。
GM :
昨日の歓迎会のあと、寮長に一通り設備の説明は受けたものの、一から十まで生活について教えてくれるわけではなく……レッスンのあとの話題は自然とそのことに移っていった。
ロッキー :
「……でさぁ」 直前までのレッスンの話題に一区切りをつけ、悩みを零し始める
ロッキー :
「寮生活というのは中々に……うん、難しいものだ……」悩ましげな顔で
ロッキー :
「まずベッドが柔らかくてビックリしてね。かけ布団もふわふわしてるし……」
ロッキー :
「なんかこう、落ち着かないんだ……! そのまま寝ていたら沈んでいきそうじゃないか……!」妄想に近い杞憂を吐き出す
飴家 真珠 :
[そんなことないとおもうけど]
飴家 真珠 :
[ゆっくりねれて つかれもとれるでしょ?] 困ったように微笑みながら
ロッキー :
「それはもう、今までにないぐらいにぐっすりだったとも!」
ロッキー :
「ただ、どこかソワソワしてしまうんだ……」
ロッキー :
「僕サマが住んでいた場所はずっと明るくて、いつも誰かしらが見ていたようなトコロだったからね」
ロッキー :
「ぷらいべーと……だったかな? それが急に出来て、僕サマは困惑している!」
ロッキー :
「……のだと、思う」冷静な自己分析を口にする
飴家 真珠 :
[これからなれていくしかないとおもうけれど……]
飴家 真珠 :
とは言うが、今から何かロッキーのためにしてあげられることはないだろうか、と腕を組んで考え始める……。
蹄啼 イバラ :
悩める新人アイドルたち。そのとき丁度、ばたんと別のレッスン室の扉が開き、中から見覚えのある先輩たちが目の前に現れる。
蹄啼 イバラ :
「あら、お二人は……」
飴家 真珠 :
「!」 そちらにバッと顔を向けて
飴家 真珠 :
[いばらちゃんとあさかちゃんだ!]
飴家 真珠 :
嬉しそうな笑顔で、二人のもとへと駆け寄っていく。そのまま抱きついてしまうのではないかという勢いだったが……
飴家 真珠 :
「っ!!」 何を思ったのか、二人の手前で急ブレーキをかけて止まってしまう
蹄啼 イバラ :
「……こんにちは~、奇遇ですね~」ハグを躱すために身構えていたが、寸前で停止したことに安堵する。
多々良那 浅香 :
「おろ、なんかあったのかな」
受け入れ態勢
飴家 真珠 :
[こんにちは いや あのね]
飴家 真珠 :
[まだシャワーあびてなかったから あせくさいかなって] 恥ずかしそうに笑いながら、一歩距離を取っている
蹄啼 イバラ :
「ああ、お二人もレッスン後だったのですね~」
蹄啼 イバラ :
「多々良那さんなら、気にしないかと~」スケープゴート作戦だ。
多々良那 浅香 :
「よくお分かりで!あたしは気にしないよ~ん」
飴家 真珠 :
[ええ!?]
飴家 真珠 :
[うーん それなら]
飴家 真珠 :
少し迷った後、控えめに浅香に抱きつきにいく。
ロッキー :
「汗ぐらいじゃ動じないみたいだ。血塗れなら僕サマも遠慮するかもだけど」やあ、と先輩ズに挨拶して
多々良那 浅香 :
「血濡れかぁ、あたしも血濡れだったらギリオッケーって感じかな」
はいぎゅー と
蹄啼 イバラ :
「血塗れでもオーケーとは、なんとも懐が広い先輩ですね~……」
飴家 真珠 :
[す すごいね……]
飴家 真珠 :
やっぱり自分が気になるので、十秒ほどぎゅーってしてもらった後、浅香から離れる。
多々良那 浅香 :
「See ya...」
ロッキー :
「おお、えいご」 謎の感嘆
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんって もしかしてえいごもわからない?]
ロッキー :
「ABCぐらいならわかるとも! それ以外はなんとも、だね」うぅんと唸って
飴家 真珠 :
[ほんとにぜんぜんしらないんだね わたしとおなじくらいのとしなのに……] これは大変だ、とロッキーを見て
多々良那 浅香 :
「あたしも大して知らんけどね……ここで一番学力があるのはイバラちゃんか」
蹄啼 イバラ :
「わたくしが話せるのは、6か国語ほどですね~」
蹄啼 イバラ :
「ですがまあ、ロッキーさんが住んでいた箱庭……もとい日本から出ない限り、大きな障害にはならないかと~……」
飴家 真珠 :
「……!?」 すごい、と目を丸くして
飴家 真珠 :
[ことばにかんしては それはそうなんだけど]
飴家 真珠 :
[そこいがいで にちじょうてきに いろいろこまってるらしくて……]
ロッキー :
「ろくかこく……たくさんの人と話せるということか。それは素晴らしいね!」
ロッキー :
「ああ、そうだね。実は寮生活になかなか馴染めないんだ……」代弁ありがとう、と真珠の頭を撫でて
飴家 真珠 :
撫でられて、嬉しそうににこっと微笑む。
蹄啼 イバラ :
「寮生活……なるほど、わたくしは寮住まいではないので何とも言えませんが、共同生活には沢山の困難が付いて回ると聞きますね~……」
蹄啼 イバラ :
「ああ、多々良那さんはどうですか?ファム・ファタールの寮にお住まいなのでしたっけ~?」
多々良那 浅香 :
「んーや、配信とかもあるから近くの別のマンション住んでるよ。近いからいつでも遊びに来て良いゼ……」
飴家 真珠 :
[わあ いきたい!] 両手を合わせて
多々良那 浅香 :
「その時は特別ゲストにしちゃうからね」
ロッキー :
「浅香姫の城か、ぜひお邪魔したいものだね!」
ロッキー :
「それはそれとして、だね。キミたちは一人で暮らすことにソワソワとしたことはないのかい?」
ロッキー :
「やはり慣れ、なのかな?」真珠の口にしていたことを思い出して
多々良那 浅香 :
「ん~、あたしは『口うるさく言う奴がいない城が手に入ったぞ!ひゃっほう!』って感じでワクワクしたけど……慣れはあるかも?」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは使用人がいつも同伴しているので何とも~……」
蹄啼 イバラ :
「ただ、どうしても真っ新な生活に不安を感じるのであれば、わたくしに少し考えがありますよ~」
ロッキー :
「ほう、みょーあんという物か! 聞かせてはくれまいか!」ずい、と一歩イバラに踏み込んで
蹄啼 イバラ :
「……単純な話、思い入れのあるモノを持ち込めば良いのです~」後退りをして
蹄啼 イバラ :
「ペットの動物も同じで、なかなか新しい家には慣れにくい……そうした場合、お気に入りのオモチャで遊ぶことで慣らしていくと、そう聞いたことがありますよ~」
ロッキー :
「ふ~ん、思い入れのある物か……」あの白い部屋にあるものを思い浮かべる。
飴家 真珠 :
[なにかありそう?]
ロッキー :
「そうだねぇ、うーん……あっ!」何か思い至ったようだ
ロッキー :
「僕サマの好きなDVDがある! もう何十回と見たお気に入りなんだ!」
多々良那 浅香 :
「お、いいじゃん!DVDプレイヤーとテレビ置こう、ついでにYoutubeも見れるようにしよう」
飴家 真珠 :
[アイドルのDVDとかかな?]
ロッキー :
「うむ、テレビも必要だ! ゆーちゅーぶ、とやらは後で教えてもらおう!」
ロッキー :
「アイドルのDVDもある。けど、僕サマが好きなのは……」 そういって、ディズニーなどの作品をいくつか口に出す
ロッキー :
「ヴィラン……特に、その王子たちに憧れてね。あの我を通す生き方に憧れたのさ」
飴家 真珠 :
[そういえば アニメがいろんなことをおしえてくれた ってまえにいってたね] 歓迎会の時のことを思い出す
飴家 真珠 :
[だからおうじさまキャラなんだ]
ロッキー :
「ふふん、真珠姫、これは生き様だよ」肩を竦めて笑う
ロッキー :
「心の底からそうありたいと思っているからね。僕サマは根っから悪の王子様なのさ」疑いの欠片もない声色で
飴家 真珠 :
「…………」 すごいなあ、とどこか眩しそうに目を細めている
蹄啼 イバラ :
「ふふ、自分にウソをつかず正直に生きる……それはとても素晴らしいことですね~……」
蹄啼 イバラ :
「ただ寮生活に悩む悪の王子様、というのは何とも可笑しな話ですから、すぐ慣れていきませんと~」
多々良那 浅香 :
「内見したことあるけど良いところではあるし、基盤さえ整ったらあとはどうにでもなりそうかね。あとこう……常識?っていうか使い方?」
ロッキー :
「そうなんだ、集団生活で悩む王子なんてネタもいいところなんだよ!」真剣に困った様子で
ロッキー :
「今までの暮らしよりずっと良い根城であるし、持て余さずに使いこなしたいのだが……」
ロッキー :
「……3人とも、不躾ではあるのだが!」改まった態度で
飴家 真珠 :
「?」 首を傾げる
ロッキー :
「たまにでイイ、僕サマの城の様子を見に来てはくれまいか!」
ロッキー :
「キミたちと交流する楽しみも出来るし、学びを得ることもあるだろうからね……」
ロッキー :
「……あ、ムリならば此方が訪ねる方でもイイぞ!」ほんとうに不躾な頼みであった
多々良那 浅香 :
「け、謙虚ッ!実験室育ちなのになんて真っ当なお願い……!」
蹄啼 イバラ :
「ふむ……」
蹄啼 イバラ :
『悪の王子様』なんて戯けた妄想に取り憑かれた、哀れな実験体。
蹄啼 イバラ :
自らの本当の名も知らず、今ある自由さえ仮初めの手足によって形作られた偽物。そんな彼女は……
蹄啼 イバラ :
「(芸術に昇華できる価値は、十分にある……部屋に出入りする権利はあっても困りませんね……)」
蹄啼 イバラ :
「ええ、もちろん構いませんよ~」快く返事する。
ロッキー :
「心強い! イバラ姫から学べることは多いだろうね!」手を差し出して握手を求める
蹄啼 イバラ :
「ふふ……わたくし自身、世間知らずなところは多々ありますが~……」笑顔で手を握る。
ロッキー :
笑顔で固く握るが、レッスン後だというのにひんやりとした感覚がイバラの手を通して伝わる。
ロッキー :
そしてその手は限りなく本物に寄せられてはいるが、触感はシリコンであることは明白だ。
蹄啼 イバラ :
「…………」ロッキーが義手義足であることはリサーチ済みだ。むに、とシリコン製の手を揉んでみる。
ロッキー :
「ん、なんだい。僕サマの手が珍しいかい?」
蹄啼 イバラ :
「ええ、義手のヴァイオリニストに会った事はありますが、ここまで精巧な作りのものは初めてでして~」
蹄啼 イバラ :
「手足の感覚はあるのですか?」
多々良那 浅香 :
「ああ、ロッキー義肢だったっけね」
飴家 真珠 :
[そうなの!?]
ロッキー :
「感覚はないかな。生まれてからずっとだから慣れたものだよ」
ロッキー :
そういって、「よっ」と腕と脚の義肢を外して見せる
ロッキー :
「胴や頭以外は全部が機械さ! あはは! …っとと」冗談めかしてプラプラさせたせいでバランスを崩しかける
飴家 真珠 :
「!!!!」 慌てて近づいて、その体を支えに行こう
多々良那 浅香 :
「資料で見てはいたけど結構換装してんのねぇ」
パーツを拾い上げて
ロッキー :
「ありがとう、姫。逆にみんなはこうじゃないのかって驚いたもんだけどね」
蹄啼 イバラ :
「手足の感覚が、ない……それはとても残念です……」外れた手足を見下ろす。
蹄啼 イバラ :
それはつまり、痛覚の多い箇所が使えないということである。
蹄啼 イバラ :
「アイドル業には、影響ないのでしょうか?」
ロッキー :
「それは問題ないとも! 定期メンテナンスをサボったり、FHに逆らわない限りは十全に動くハズさ」
ロッキー :
「(ん? 残念と言ったかな? なぜ?)」 ちょっと訝しげに
飴家 真珠 :
[それより はやくもとにもどさないと]
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんも そんなかんたんにはずしてみせちゃだめだよ]
飴家 真珠 :
[だいじなてあしなんだから なにかあったらたいへんだよ] ロッキーを支えたまま、心配そうに見つめる
ロッキー :
「ごもっともなお叱りだ。どうも替えの効く義肢だと思うと、扱いが雑になってしまってね……」
多々良那 浅香 :
「まぁ資金でなんとかできるならねぇ」
雑派だ
蹄啼 イバラ :
「とはいえ、あんまり雑に扱うことは感心しません……ブラックドッグのオーヴァードは、その耐久に対する過信が命取りになると聞いたことがありますから……」
蹄啼 イバラ :
「後輩にもしものことがあったらと思うと、わたくし悲しいです」
ロッキー :
「はは、そう簡単に敗れることはないとも!」自信満々に胸を張る、が体勢が怪しい
飴家 真珠 :
[いいから はやくくっつけなおそうよう] ずっと支えたまま困った顔をしてる
ロッキー :
「おっと、すまない。腕は肩に押し込んでくれるかな?」くっつけ方は理解している
飴家 真珠 :
じゃあパーツを押し込んで合体させてあげよう
ロッキー :
「……よし、完全体の僕サマだ!」機械的なSEはならない。
多々良那 浅香 :
「完全体ロッキーおかえり~」わ~
ロッキー :
「うむ、こうやって弱みを晒すことは親交を深めるのにイイと聞くからね。出来て良かった」浅香に片手を振り返す。
飴家 真珠 :
「…………」 ロッキーを未だ心配そうに見つめて
飴家 真珠 :
[ねえ ろっきーちゃん さっきのはなしなんだけど]
飴家 真珠 :
[わたし ずっとかんがえてたことがあるの きいてくれる?]
ロッキー :
「もちろん聞こうとも」耳を傾ける
飴家 真珠 :
[あのね]
飴家 真珠 :
「…………」 一呼吸置いて、
飴家 真珠 :
[わたし これからろっきーちゃんのへやでいっしょにくらしてもいい?] ピンク色の文字を、ピンと立てた人差し指の上に浮かばせる
ロッキー :
「いいとも!」 間髪をいれない即答が帰って来る
ロッキー :
「……が、一応の理由は聞こう。どうしてだい?」
飴家 真珠 :
[だって ろっきーちゃんみてると しんぱいなんだもん]
飴家 真珠 :
[いまだって てあしをはずしちゃったりするし]
飴家 真珠 :
[それに いっしょのへやでくらせば りょうせいかつのこといろいろおしえてあげられるでしょ?]
飴家 真珠 :
[ほんとはぜんぶ わたしがおせわしてあげたいけど]
飴家 真珠 :
[それだとダメだとおもうから ろっきーちゃんがひとりでちゃんとできるようになるまで ね] 小さく笑って
ロッキー :
「自立した王子になりたいのは僕サマも同じ、改めて断る理由もないね……」
ロッキー :
「うむ、ではよろしく頼もう! ゆーしきしゃ? が近くにいるのは心強い!」
飴家 真珠 :
[よかった こちらこそよろしくね]
飴家 真珠 :
笑顔でロッキーの手を握ろうとするが、
飴家 真珠 :
その手を引っ込めて、ロッキーの体をふわっと抱きしめる。義肢の感覚がないと知ったからだろう。
ロッキー :
「おおっと、姫はハグの方がお好きだったね?」 そんな気遣いやいざ知らず。正面から受け止めて。
飴家 真珠 :
[うん すき] 目を瞑って
飴家 真珠 :
「…………」 すんすんと鼻を鳴らし、
飴家 真珠 :
[でもまずはいっしょに シャワーあびたほうがいいかも]
飴家 真珠 :
[からだのあらいかた おしえてあげるね] 困ったように笑って
ロッキー :
「ん、うむ!(僕サマの知らない洗い方があるのか?)」
ロッキー :
「先輩たちはどうだい。さっぱりしていくかい?」
多々良那 浅香 :
「お、じゃぁお言葉に甘えちゃおっかな、デビューライブ終わったらリスナー共に自慢し~たろ」
多々良那 浅香 :
「あそうだ、ロッキー自己開示してくれたし、あたしのソケットも後で見せたげるよ」
改造してる子珍しくないんだよ~と
ロッキー :
「へぇ、そけっと……それは楽しみだ!」何かはわからないが興味はある
多々良那 浅香 :
「(分かってないなこりゃ) イバラちゃんはどうする?」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしはこれで、今夜はコンサート公演がありまして~」
飴家 真珠 :
[そうなの?]
飴家 真珠 :
[それってもうすぐいかないとダメなの? まだじかんない?] 期待するように微笑みながら
蹄啼 イバラ :
「ええ、今夜はオーストラリアのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団から招待を受けていまして~」
蹄啼 イバラ :
「途中までディメンジョンゲートで移動、そこからフライトして時間がかかる感じですね~」
飴家 真珠 :
「……!?」 スケールの大きさに驚く
飴家 真珠 :
「…………」 しょぼ…とあからさまに残念そうな表情になって、
飴家 真珠 :
[わかった それならしかたないね]
飴家 真珠 :
[じゃあ またこんど いばらちゃんのおせなか ながしてあげるね] 小さく笑いながらそう伝える
蹄啼 イバラ :
「…………そのお気持ちだけ、頂戴しておきます~」
蹄啼 イバラ :
「それでは、わたくしは一足先に失礼しますね~」一礼してから踵を返すと、スタスタと逃げるように足早に去っていく。
飴家 真珠 :
またね!というように、笑顔になりながら両手を振る
ロッキー :
「あれが人気者のサガ、憧れるねぇ」うんうん、と頷きながら背中を見送る
多々良那 浅香 :
「イバラちゃんは音楽ガチ勢だからねぇ、SNSで言っておけば1時間2時間遅れても許されるあたしとはまた違うのよな」
見送りながら
飴家 真珠 :
すごいねぇ、と笑った後、
飴家 真珠 :
[じゃあ わたしたちもいこ!] ロッキーの右腕、浅香の左腕に抱きついて挟まれに行く
ロッキー :
「では、真珠姫と浅香姫を浴室までエスコート……とは言えなさそうだね」くすりと笑って
多々良那 浅香 :
「裸の付き合いだー!」
引っ張られていくぜ
GM :
こうして先輩たち? の力を借りつつ、あなたたちは新たな生活への期待と不安を胸に抱きながら浴室へと歩いていった……。
Extra Scene 02 幕間02
飴家 真珠 :
真珠たちがファム・ファタールに来てから、さらに数日後の夕方。
飴家 真珠 :
ロッキー、イバラ、浅香の三人は、真珠に相談したいことがあると言われ、事務所の一室に呼び出された。
飴家 真珠 :
[いらっしゃい! まってたよ]
飴家 真珠 :
部屋に入ると、真珠が笑顔で出迎える。
飴家 真珠 :
テーブルには、彼女が用意したであろうお菓子やジュースなどが置かれていた。
ロッキー :
「やあ、姫! これまた豪勢だね!」出迎えてくれた真珠にハグをしてから部屋に入る
蹄啼 イバラ :
「相談があると聞いて来ましたが……お菓子パーティーに呼んだ訳ではないのですよね?」相談するような弱みが分かれば"今後の参考"になる。
多々良那 浅香 :
「それくらい軽い気持ちでOKってことでしょ。さてさてなんでございましょ」
勝手に座って勝手に食べるぜ
飴家 真珠 :
「…………」 ちょっと目線を泳がせて
飴家 真珠 :
[えっと あのね]
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃん あのにんむのこと はなしてもいい?] ロッキーに近づいて
ロッキー :
「僕たちのアレだね。もちろん、この場では秘密にすることじゃないだろうしね」首を縦に振る
飴家 真珠 :
ありがとう、と微笑んで
飴家 真珠 :
[いばらちゃん あさかちゃん]
飴家 真珠 :
[あの もしかしたら おかしたべづらいはなし なのかもしれないけど……]
飴家 真珠 :
……そうして、真珠は自身のことを皆に伝え始める。
飴家 真珠 :
今までビッグEというセルリーダーのセルで、他のチルドレンたちと共に幸せな生活を送っていたこと。
飴家 真珠 :
その家族同然だったセルメンバーたちが、殺戮人形という謎のオーヴァードに全員殺されてしまったこと。
飴家 真珠 :
家族の仇を討ちたいが一人では殺戮人形を探し出すことも出来なかったところを、ファム・ファタールに拾われたこと。
飴家 真珠 :
二条純恋は真珠の復讐に協力的だが、覚悟を示すためにロッキーに与えられた任務を手伝わなければいけなくなったこと。
飴家 真珠 :
そしてその任務は、UGNプロのグループ『Re:try』のメンバー・武者小路勇姫を襲撃し、大怪我を負わせるというものであったこと。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
真珠は光の文字と、身振り手振りでそれらの内容を語った。
蹄啼 イバラ :
「なるほど……」困った表情の飴家真珠を眺めて、ぱくっと口元に焼き菓子を運ぶ。普段は口にしない甘いものが美味しく感じられる。
ロッキー :
「むぐむぐ、任務については問題ないと思うけどね。ゴクッ、殺戮人形は随分と派手なことをしてくれたみたいだ」お菓子やジュースを口にしながら
多々良那 浅香 :
「大事にされてたんだねぇ真珠ちゃん……良い親でいいなぁ、ぐちぐち言われたりも無かったんでしょ?」
浅香の興味は親に
飴家 真珠 :
[たぶん なかったきがする] こくんとうなずいて
飴家 真珠 :
[ほんとにやさしくて だいすきなパパだったの]
蹄啼 イバラ :
「その大事なお父様のために、仇討ちがしたい……」
蹄啼 イバラ :
「けれど、そのために無関係の誰かを傷付けることも後ろめたいと、そういう事ですね~?」
多々良那 浅香 :
「あ、そういうことなの?」
飴家 真珠 :
「…………」 静かに頷く
飴家 真珠 :
[えっと みんなはどうおもう?] 意外そうな浅香の反応が気になって、皆の顔を見渡す
ロッキー :
「僕サマは……そうだね、復讐をしたいと言うなら続けるべきだと思う」
ロッキー :
「そこに辿り着く過程をどう思うかは、姫次第だけどね」武者小路くんを手にかけるのは僕サマだし、と付け加えて
飴家 真珠 :
[うん]
飴家 真珠 :
[あ あの]
飴家 真珠 :
[べつにろっきーちゃんのにんむがどうとかじゃなくて そこはかんけいなくて]
飴家 真珠 :
[ただわたしのもんだいだから そこはあんしんして ね] 勝手に変な心配をしたのか、焦った顔で両手をぶんぶんと胸の前で振る
ロッキー :
「問題ないよ。抱え込むよりかはこうやって相談してくれる方が健全だ……」
ロッキー :
「……と、こういう気遣いをアニメで見た」ぱくりとお菓子を齧って
飴家 真珠 :
「…………!!」 突っ込むように、ぺちぺちとロッキーの胸元を叩いている
ロッキー :
「ムグッ! な、なんだいなんだいっ!」 ツッコミに訳もわからず咳き込む
飴家 真珠 :
[もういいです] おかしそうに小さく笑ってから、イバラと浅香の意見を聞くためにそちらを見る
多々良那 浅香 :
「あたしは普通に殺ればいんじゃない?って思うよ?」
あっけらかんと
飴家 真珠 :
「!?」ギョッとしてる
多々良那 浅香 :
「え、だって復讐を達成したいんだよね?その情報を貰う為に、殺しの仕事を与えられた……で合ってるでしょ?」
飴家 真珠 :
[う うん]
飴家 真珠 :
[でも そのあいてはふくしゅうとはむかんけいのひと だから]
飴家 真珠 :
[わたしのつごうで きずつけるようなことして いいのかな って]
多々良那 浅香 :
「ん~……そういう慈悲深系ロールプレイなら分かるけど……それを押して達成したいことがあるなら、躊躇うことって無いかな~って思ったんだけど……?」
飴家 真珠 :
「……?」 ロールプレイの言葉の意味が分かってはいないが、真剣に聞いている
多々良那 浅香 :
「別に良くない?いやね、もしかしたらそのターゲットが実は後々に重要イベント持ってて~とかはあるかもしれないけど未来予知なんてできないしさ?今優先したいタスクがあるならそれの為に殺しちゃうくらい大丈夫でしょ」
多々良那 浅香 :
「あ~~わかんねぇか、うーん、そう……結論としてはほんと、別に関係あるなしとか気にしないで良くない?ってコト。ただし、真珠ちゃんが聖人系であり続けたいなら一考の余地ありかな?」
頭をがりがりと掻きながら噛み砕いて
飴家 真珠 :
「…………」 浅香の意見をちゃんと理解するためか、少し考え込んで
飴家 真珠 :
[そうだね それくらいきにしないでいったほうが わたしもらくなのかも]
飴家 真珠 :
[ただ それでもなんだか あたまのおくでずっとひっかかっちゃって]
飴家 真珠 :
[ごめんね せっかくこたえてくれたのに] それでも感謝するように小さく笑う
多々良那 浅香 :
「いやいやいや!こっちこそごめんね、良い感じの答え返せなくてさ!いや~わかるよ、取り返しのつかない要素って死ぬほどあるからねぇ……」
飴家 真珠 :
[ううん! あやまらないで] 慌てて両手を振って
飴家 真珠 :
[ありがとう あさかちゃん だいすき] にこっと笑う
多々良那 浅香 :
「う~ん……これが本当のファムファタ―ルちゃんですか」
腕組み……
飴家 真珠 :
「……?」 不思議そうに首を傾げている
飴家 真珠 :
「……」 イバラの方を向いて
飴家 真珠 :
[イバラちゃんも もしかしておなじ だったりする?] 自分の感覚の方がおかしい気がしてきたらしい
蹄啼 イバラ :
「うう~ん、そうですね~……」
蹄啼 イバラ :
「申し訳ありませんが、わたくしはお二人のように、貴女の背中を押すことはできません……」困ったように笑って
飴家 真珠 :
[ぜんぜん あやまることはないんだけど]
飴家 真珠 :
[それはどうして?]
蹄啼 イバラ :
「まず大前提として、復讐────すなわち”私刑”は良くないコトです」
蹄啼 イバラ :
「わたくし自身の感覚ではなく、世間一般の倫理道徳のお話です」
飴家 真珠 :
「…………」 そうだよね…と言うように、目を伏せる
蹄啼 イバラ :
「……ただ、これは『罪には相応しい罰を下す』という国家秩序が、正常に機能している場合のお話」
蹄啼 イバラ :
「今回はそうではありません」
蹄啼 イバラ :
「わたくしが問題に感じているのは、どちらかと言えば、貴女の気持ちの方なのです」
蹄啼 イバラ :
「貴女の行いが善か悪か、それはさておいて、危険な任務であることは確か……」
蹄啼 イバラ :
「自らの選択に迷いがあっては、命を落とすことにも繋がりかねませんから~……」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[ごめんね しんぱいさせちゃって]
蹄啼 イバラ :
「いえいえ、そこでですね~……貴女にひとつ尋ねておきたいのですが~……」
蹄啼 イバラ :
「貴女にとって、江戸川大吾はどれくらい大事な存在だったのでしょうか~……」
蹄啼 イバラ :
「復讐を諦められるのなら、もちろんそれに越したことはありません……ただ……」
蹄啼 イバラ :
「江戸川大吾だけではなく……貴女にとって大切な人が、セルには沢山いたはず……」
蹄啼 イバラ :
「その全てが、無情にも奪われてしまったのです……」
蹄啼 イバラ :
「さぞ苦しかったでしょう……悲しかったでしょう……」
蹄啼 イバラ :
「彼らの無念を晴らせるのは、もう"貴女だけ"……」
蹄啼 イバラ :
「────諦められるのですか?」
蹄啼 イバラ :
「貴女にとって、彼らは”その程度”の存在だったのでしょうか?」
飴家 真珠 :
「…………っ」 唇を固く結び、
飴家 真珠 :
「……………………っ」 スカートの裾を両手で握りしめ、
飴家 真珠 :
[そのていどなわけ ない]
飴家 真珠 :
[わたしにとって パパやよーこちゃんたちは ほんとにたいせつなそんざいで]
飴家 真珠 :
[だから あんなことをしたやつのこと ゆるせなくて]
飴家 真珠 :
「…………」 血の海の中に沈んだ家族の姿を思い出したのか、顔が青ざめていく
蹄啼 イバラ :
「そうですか……そうですよね……」
蹄啼 イバラ :
沈痛な面持ちで言うと、飴家真珠の肩をそっと抱く。
蹄啼 イバラ :
「ごめんなさい、酷なことを思い出させてしまって……でも、その言葉が聞きたかった……」
蹄啼 イバラ :
「諦められないなら、もう選択肢はひとつきり────貴女はどんな手を使ってでも、復讐の道を突き進むしかない」
蹄啼 イバラ :
「覚悟が決まったのなら、わたくしから言うことは何もありません……」
蹄啼 イバラ :
「そう、理不尽には理不尽を……! 貴女の怒りと憎しみを、その全てを燃やして、怨敵を討ち取るのです……!」
蹄啼 イバラ :
「FHは自己実現の場……貴女が自らの欲望に正直であるかぎり、みなさん力を貸してくれるはずです……」憎悪の考えを刷り込むように、飴家真珠の頭を撫でる。
飴家 真珠 :
「…………」 イバラの顔を見上げる
飴家 真珠 :
[わかった そんなふうにいってくれるなら]
飴家 真珠 :
[わたし やっぱりがんばってみる]
飴家 真珠 :
[ほんとうはいけないことだって わかってるけど]
飴家 真珠 :
[それでもわたし このきもちをかかえたまま ひとりでしあわせにいきていくなんて できないから]
飴家 真珠 :
涙で滲んだような文字を周囲に浮かばせながら、イバラの胸に顔を埋めるように抱きつく。
蹄啼 イバラ :
「…………ええ、貴女はそれで良いのです」ベタベタと甘えられるのは苦手だが、手玉に取っている分には良い気分だ。今後が楽しみで仕方がない。
蹄啼 イバラ :
「(惜しむらくは、この娘には悲鳴や怒号を鳴らす声帯がないことですが……まあ、そのあたりは此方で探ってみて、後から間に合わせれば良いでしょう……)」
飴家 真珠 :
「…………」 そのまましばらく抱きしめた後
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんも あさかちゃんも ありがとう]
飴家 真珠 :
[うじうじしてるわたしのせなか おしてくれて] 弱々しく微笑みかける
ロッキー :
「ふふん、気に病むことはないともさ」
ロッキー :
「選ぶのは、キミだからね」いつもの笑顔を浮かべて
多々良那 浅香 :
「いやー、はは……まぁ、ほどほどに」
真珠ちゃんが見ていなかった瞬間にオエーしていた
飴家 真珠 :
[うん]
飴家 真珠 :
[その おそくなっちゃったけど]
飴家 真珠 :
[にんむのおてつだい あしをひっぱらないように わたしがんばるね] イバラから離れ、ロッキーの手を両手で握る
ロッキー :
「期待している……と、言えばプレッシャーをかけてしまうけどね。それぐらいの気持ちは姫には抱いているとも!」
ロッキー :
「こちらからも改めて、よろしく頼むよ!」その両手を片方の手で重ねて
ロッキー :
「僕サマも、姫のエスコートを頑張るからさ」
飴家 真珠 :
[うん よろしくね おうじさま] 笑顔を向ける
飴家 真珠 :
[みんな そうだんのってくれて ほんとにありがとう]
飴家 真珠 :
[きぶんのよくないはなししちゃって ごめんね] 途中から少し微妙な反応だった気がする浅香をちらっと見てから、
飴家 真珠 :
[もうわたしはだいじょうぶだから ここからはふつうにみんなとおしゃべりしたいな] お菓子もまだあるし、と手を広げる
多々良那 浅香 :
「えぁ!?ああ、全然!こっちこそわりぃね、真面目なお話だったのにさ!うし、聞きたいことなんていっぱいあるもんね~」
気を取り直してね
蹄啼 イバラ :
「ああ、ごめんなさい……わたくしはまた少し予定がありまして~……」
多々良那 浅香 :
「こ、こいつッ!」
ロッキー :
「え~? まだまだお菓子はあるのに、もう行ってしまうのかい?」
蹄啼 イバラ :
「お話したいのは山々なのですが、十月のコンクールに備えた準備がありまして~……」レッスン予定を押してまで聴きたい話は聴けたので、もう帰ろう。という心算である。
飴家 真珠 :
[イバラちゃんは ほんとにいつもいそがしいんだね]
飴家 真珠 :
[でもそんなにじかんがないのに きょうはきてくれて ほんとにうれしかった]
飴家 真珠 :
[ありがとう イバラちゃん だいすき] 別れを惜しむように、またイバラに笑顔で抱きつく
蹄啼 イバラ :
「…………」困ったようにハグを受け止めて
蹄啼 イバラ :
「……いえ、礼を言われるような事はなにも」本当にそうだ。そんなことを言われると、居心地が悪い。
飴家 真珠 :
[なにもあるよ みんながそうだんにのってくれて ほんとうにたすかったから] そのまま抱きしめ続けようとして、
飴家 真珠 :
[あ ごめん ひきとめちゃってたね] 慌てて離れる
蹄啼 イバラ :
「いえいえ、後輩の力になれたなら何よりです」
蹄啼 イバラ :
「……それでは、また」失礼しますね。と足早に退室する。
飴家 真珠 :
[またね!] 笑顔で両手を何度も振る
ロッキー :
「また会おう、イバラ姫! さっきの熱烈なアプローチはよかったぞ!」真珠ちゃんにかけた言葉のことを言っているらしい
多々良那 浅香 :
「じゃぁに~w」ひらひら
GM :
みんなの助言を得て、目標のため任務への覚悟を新たにした真珠。
GM :
しばしお菓子を食べながら休息の時を経て、潜入任務へと赴くのであった……。
Scene 07 勇者の受難
GM :
真珠・ロッキーの新人組のシーンです。登場お願いします!
飴家 真珠 :
37+1d10(37+1D10) > 37+2[2] > 39
ロッキー :
50+1d10(50+1D10) > 50+8[8] > 58
GM :
――喫茶店『エリーゼ』。
GM :
東京は中野に店舗を構える、メイドや執事に扮した店員が接客をする店……いわゆるコンセプトカフェと呼ばれるものだ。
GM :
あなたたちは、レッスンのかたわら数日前からこの店に潜り込んでいた。
GM :
それというのも、本日1日限りのゲストとしてキャストに入るアイドルグループ『Re:try』のメンバー、武者小路勇姫を襲撃するためである。
武者小路 勇姫 :
「お久しぶりでーす、店長!」
店長 :
「いやー、ムシャちゃん久しぶり! 嬉しいね~こうしてまた会えるなんて」
GM :
元気よく入店した彼女を店長がニコニコした笑顔で出迎える。
GM :
彼女はアイドルになる以前はこの喫茶店でバイトをしていて、この仕事もその縁で受けたらしい。
店長 :
「よかったの? Re:tryも売れ始めていまがいちばん忙しい時でしょ」
武者小路 勇姫 :
「いやぁ、まあボチボチですけど心配いりませんって……それに、他でもない店長の為ですから!」
店長 :
「それなら遠慮なく頼らせて貰うよ。しかし嬉しいねぇ。一日とはいえムシャちゃんがまた戻ってきてくれるなんて……!」
店長 :
「あ、この子達が今日、一緒にホールに入る子だからよろしくね。みんなほら、ゲストの武者小路さん。いま人気急上昇中のアイドルだけど、実はうちのOGなんだよね」
GM :
そう言って、店長はあなたたちに勇姫を紹介する。
ロッキー :
「ははぁ、どーりで仲が良いワケだね」腕を組んでムシャちゃんを見つめる
飴家 真珠 :
「…………」 唇を固く結んだまま、黙って勇姫を見つめている
武者小路 勇姫 :
「よろしゅうなー……えっ、めっちゃ美少女!?!?」 思わず二度見
ロッキー :
「姫……あー、真珠のことかい? そうだね、とても麗しい子だとも!」自認がかっこいいと思っているので、真珠のことだと思っている。
飴家 真珠 :
「…………」 ど、どうも…と言うかのように、ぎこちない笑顔になる
武者小路 勇姫 :
「えーいや、どっちがというか二人ともというか……いつからこんなレベル高いことになったんや??」
ロッキー :
「ん~、実は僕サマたちは新人でね。言うなればここ数日、と言ったところかな?」
ロッキー :
「ああ、そうだ」真珠の肩に手を置いて
ロッキー :
「彼女は緊張症でね、声が出ないことがあるけど、どうか許してあげて欲しい」
ロッキー :
ね? と、言った様子で微笑む
武者小路 勇姫 :
「あ、そうなんや。耳が聞こえづらいとかはない感じ?」 たどたどしい手話でこんにちはの挨拶を作りながら
武者小路 勇姫 :
「ウチはよう喋る陰キャやからなんかずっといろいろ話してる思うけど、返事せんでも別に聞き流してくれてええから……真珠ちゃんに、ロッキーちゃん? 改めて今日はよろしく頼むで!」 名札を見ながら名前を確認するように声に出して
飴家 真珠 :
「……!」 手話で挨拶を返し、控えめに頷く。
ロッキー :
「1日だけらしいけど、よろしく頼むよ! 武者小路センパイ!」
店長 :
「武者小路先輩かぁ、ふふ、しかしここでまたムシャちゃんがキャストやることになるなんてねぇ」
武者小路 勇姫 :
「懐かしいですね〜。昔働いてたときは初日だけやらせて貰たんやけど、ウチ当時受験落ちたばっかりで顔死んでたからすぐクビになったんよな……」
武者小路 勇姫 :
「その後は裏で無限にオムライス焼いてたわ〜。だから数日やれてる時点でウチよりも上やで。あはは、なんてな」
飴家 真珠 :
緊張したような微妙な愛想笑いを浮かべている。
ロッキー :
「クビねぇ……」ムシャちゃんの首筋を一瞬だけ見つめて
ロッキー :
「ま、それでも今は立派にアイドルとしてやっているみたいじゃないか! なんて言ったかな、ほら、アレだよ……」
ロッキー :
「七回転んで……八回目で飛んでくみたいな言葉……」
武者小路 勇姫 :
「七転八起? そうそう、ウチら『Re:try』やしな!」
ロッキー :
「それだ! グループ名もぴったりじゃないか!」リトライの意味は浅香ちゃん辺りに教えてもらったらしい
ロッキー :
「……実は僕サマたちも絶賛トライのさいちゅーでね、外せない場面が近づいているんだよ」
ロッキー :
「これはセンパイにあやかりたいものだね! そうだろう、真珠?」
飴家 真珠 :
「……!」 頷くが、ロッキーが何か口を滑らせないかと冷や冷やするかのようにぎこちない動き
武者小路 勇姫 :
「そうなん? お互い上手く行くとええなぁ!」 何も知らないので無垢な笑顔
飴家 真珠 :
「…………っ」 その笑顔を見て、痛みを抑えるかのように胸元を両手でぎゅっと握りしめてる
ロッキー :
「あははっ! まあ、前向きに望むとするよ!」いつもと変わらぬ笑みで
武者小路 勇姫 :
「ん、大丈夫? お腹痛ない?」 真珠の様子を見て心配そうに
飴家 真珠 :
「……!!」 ハッとして
飴家 真珠 :
慌てて首を何度も横にぶんぶん振る。
武者小路 勇姫 :
「ほんとに? しんどかったらすぐ店長に言うてな」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
ただ黙って小さく頷く。
武者小路 勇姫 :
「ん、ウチも最初働き始めたときはようお腹痛くなってたから心配なんよな。心配しすぎか……」
飴家 真珠 :
「…………」 じーっと、勇姫の顔を見て
飴家 真珠 :
引っ込み思案な生徒が先生に質問するかのように、控えめに手を挙げる。
武者小路 勇姫 :
「ん、どしたん?」 それに応えて先生のように優しい声で聞く。
飴家 真珠 :
「……」 メイド服のポケットから、メモ帳とペンを取り出して、
飴家 真珠 :
“アイドルするのって、楽しいですか?” と、綺麗な文字で書かれたページを見せる。
武者小路 勇姫 :
「え~、アイドル楽しいか? せやなぁ……辛いこともあったりするけど、ウチはむっちゃ楽しいで!」
飴家 真珠 :
「……っ」 悲し気に目を伏せて、
飴家 真珠 :
“じゃあ、これからもまだまだ続けるんですか?” と、手帳に文字を書いて見せる。
武者小路 勇姫 :
「(なんでそんな顔……?)そらもう……続けられるうちは精一杯続けるつもりやで。仲間も一緒やしな」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
“分かりました” と、書いたページを見せてから、
飴家 真珠 :
“応援しています”と、ペンで文字を途中まで書きかけて、
飴家 真珠 :
「っ!!」 パン、と音を立ててメモ帳を閉じる
武者小路 勇姫 :
「ほ、ほんまに大丈夫?」
飴家 真珠 :
「……」 挙動不審に頷いて、
飴家 真珠 :
ロッキーの腕に寄り掛かるように抱きつき、彼女の胸元に顔を隠してしまう。
ロッキー :
「おっと……。すまないね、センパイ」真珠の背を撫でながら
ロッキー :
「真珠も悩み多い乙女でね。こういう場だから緊張してしまったのかもしれない」
ロッキー :
「もう少ししたら、きっと調子を取り戻すハズさ」
武者小路 勇姫 :
「……ん、そか。なら、それまで君が支えたってな」
ロッキー :
「任せたまえ。そして、センパイは今日のイベントを盛り上げてくれたまえ!」
飴家 真珠 :
「…………」 ロッキーに体を預けたままチラっと勇姫を見るが、何も言わない。
武者小路 勇姫 :
「おう、ホールの盛り上げは任しとけ!」 親指を立てて、安心させるように笑顔で
GM :
そうして、これから何が起きるとも知らず営業は始まった。
GM :
店内はすぐに、開店前から並んでいた若い男女を中心とした行列客で満席となる。
GM :
むろん「地上アイドル」であるファム・ファタールのそれとは比べるべくもない人数だが、ひとりひとりの熱気は勝るとも劣らない、Re:tryの勢いを感じさせるものだ。
GM :
あなたたちが接客をしている間、勇姫は彼女目当てで訪れた客の対応をしている。
GM :
ゲストである彼女は時々接客もするが、基本的には彼女目当ての客と握手をしたり、チェキを一緒に撮ったり……という仕事が主である。
GM :
一方、そんな客の中にもあなたたちに視線を送るものが現れ始める。
客A :
「……なあなあ、あの子ら可愛くないか?」
客B :
「だなー。どっかのグループの子か? 見たことないけど」
飴家 真珠 :
「……!」 視線に気づいて、そちらを見て、
飴家 真珠 :
「…………」 少し困ったように、小さく笑みと会釈を返す。
ロッキー :
「忍んでいても、魅力というのは隠せないものだね?」クツクツと喉を鳴らす
ロッキー :
「やあ、入用かな?」 自信ありげに手を振って応える
客A :
「……あ、へ、へへ……すんません。コーヒーふたつおかわりで……」 にやけ面を隠すように慌てて注文する。
ロッキー :
「ふ~む、他に注文はないのかね? こーひーだけでは味気なくないかい?」 前屈みで客の顔を覗きこむ
客B :
「おっ、おぉ……じゃあこのプリンアラモードもお願いします!」
ロッキー :
「いいだろう! 少しだけ待っていたまえよ!」くるりと踵を返し、厨房へと向かう
飴家 真珠 :
「…………」 感謝を伝えるように、控えめに微笑みながら、胸の前で両手でハートを作って見せる
GM :
……客はすっかりあなたたちに魅了されてしまったようだ。食べる気もなかったプリンをつい頼んでしまうほどに。
GM :
……と、今日の来客は多くが勇姫を目当てに訪れているが、このようにあなたたちに注目するものも少なくなかった。
GM :
アイドルとして自分を磨いた成果が早くも上がっているということだろう。
GM :
……数時間後。
武者小路 勇姫 :
「お疲れ様ー」
GM :
お昼の営業を終え、あなたたちはバックヤードで休憩に入った。勇姫は少しだけ残って、客の対応をしてから遅れて入ってきた。
武者小路 勇姫 :
「しかしこんなに仰山来てくれるなんてなぁ、嬉しい反面、ちょっと驚きっちゅーか……真珠ちゃんにロッキーちゃんはどうやった? 特にトラブルとかなかった?」
ロッキー :
「いつになくだいはんじょーだったね! うん、こっちは問題ないともさ」
飴家 真珠 :
“大丈夫です。みんな優しいご主人様たちだったから” と、メモ帳に書いて見せる。
武者小路 勇姫 :
「ふふ、そっか。ウチもこの店も、ええファンに恵まれたってことかな……」
武者小路 勇姫 :
「それにしても2人とも若いなあ。高校生? ちゃんとバイトして偉いなあ」 なんてジジ臭いことを言いながらすっかり休憩モード
飴家 真珠 :
「…………」 否定するように首を横に振る
ロッキー :
「こーこーせーではないのだけれどね、バイトは楽しませてもらっているとも」
ロッキー :
「まあ、僕サマもセンパイみたいな服が良かったんだけどね」唯一の不満点をぶーたれて
武者小路 勇姫 :
「あ~、もしかしてサイズ合うやつなかったり? XLはウチの着てる一着しかないみたいやし、悪いことしたな」
ロッキー :
「そこは気にしないくれたまえ。滅多に着ないものだから、だんだんと慣れてはきたよ」肩を竦めて
武者小路 勇姫 :
「ん、そっか。なら良かったわ。アレなら交換してもえ、ええ……ええかと思ったけど……」 自分が着てるのを想像して躊躇
武者小路 勇姫 :
「夕方からもよろしくな~」
ロッキー :
「見てみたいけどねぇ、めーど服を着てるセンパイ……」よろしく、と手を振って
飴家 真珠 :
「…………っ」 よろしくお願いします、と返すことが出来ず、硬直している。
GM :
勇姫はすっかりリラックスしたのかタオルで汗を拭って、用意されていた麦茶を飲む。
GM :
この麦茶は特製……二週間前に業者に扮装したFHの運び屋が店の仕入れに紛れ込ませた1本であり、強い鎮静作用のある薬品が入っている。
GM :
むろんキュマイラのオーヴァードである勇姫に普通の人間ほどの効果はないが、一瞬隙を作るだけなら充分すぎる代物だ。
武者小路 勇姫 :
「んんっ、根詰めてレッスンし過ぎたか……? なんか急にウトウト……」
GM :
むにゃむにゃ言い終わる前に、椅子に座ったままカクンと項垂れる。
GM :
普通の人間なら蹴ったり殴ったりしても数時間は起きないが、オーヴァード相手なら効き目はせいぜい1〜2分と言ったところだろう。
GM :
やるなら躊躇している暇はない。
飴家 真珠 :
「……!」 あの麦茶は、と気づく
ロッキー :
「ふむ、さて……」麦茶のことはよく知らないが、ロッキーは好機を逃すエージェントではない。
飴家 真珠 :
[ロッキーちゃん]
飴家 真珠 :
[もしかして いまやるの?] 青色の光の文字を浮かばせる
ロッキー :
「殺るよ」淡々と、冷淡に返す。
ロッキー :
そういって手首を曲げると、鈍い輝きを放つ刃が飛び出す。事前に義手へ組み込んでいたのだろう。
飴家 真珠 :
「…………っ」 その刃を見て、ビクッと肩を震わせ、
飴家 真珠 :
制止するように、ゆっくりとロッキーの手に触れる。
ロッキー :
「……? どうかしたかい」当惑した様子で真珠を見つめる
飴家 真珠 :
[あ あ あの]
飴家 真珠 :
[わたしたち ほんとにこのままやってもいいのかな]
ロッキー :
「うん。やれと言われたし、やらなきゃ僕サマたちは終わりだろう?」遂行するのは当然、と首を傾げる
ロッキー :
「……ああ、やっぱり不安なのかい? 人を目の前で害するのは初めてだろうし、仕方ないか」うんうん、と頷いて
飴家 真珠 :
[そ そうじゃなくて]
飴家 真珠 :
[このひと アイドルやるのたのしいっていってた]
飴家 真珠 :
[それに なかまもいるし これからもつづけていきたいって]
飴家 真珠 :
[あ あと すごくやさしくて いいひとだったし]
飴家 真珠 :
[だから あの えっと] 青く光る文字が、言い訳のように部屋の壁や床に浮かび上がっていく
ロッキー :
「そうだね、姫の言うことは正しい」頷きながら真珠の言葉を受け止める……
ロッキー :
……が。
ロッキー :
「でも、それって僕サマたちにも当てはまるよ」
ロッキー :
「アイドルをやるのが楽しい……楽しみと言った方がいいか。良い先輩や、仲間もいる。優しい人だっているね」
ロッキー :
「アニメでも良く言うよ。人の命を奪ってはいけないって、ザンコクなことだからって」
ロッキー :
「でもさ、それはそれで、これはこれじゃないかなって思うんだ」
ロッキー :
「真珠姫。浅香姫や、イバラ姫も言っていたね。キミは復讐をするべきだって」
ロッキー :
「キミもあの場で頷いたはずだ。まさか、心変わりでもしたかい?」
ロッキー :
「もし失敗すれば、復讐をする機会は……とても遠くへ行ってしまうだろうね」
ロッキー :
「……あ、でも僕サマだってオニじゃないよ。センパイを殺すまではしないともさ」最後に安心させるような笑み浮かべて
飴家 真珠 :
「……っ ……っ ……ッ……」
飴家 真珠 :
それでも安心とは正反対に、ロッキーの言葉を聞くたびに真珠の呼吸は浅く速くなっていく。
飴家 真珠 :
そして、ロッキーから手を離し、その両手を自分の胸元に押し付けた。
飴家 真珠 :
「…………ッ」
飴家 真珠 :
そのまま、心臓の鼓動を抑え込むかのように動かなくなってしまう。
飴家 真珠 :
[わからない] 光の文字が震えて
飴家 真珠 :
[わたし どうすれば でも やらなくちゃ だけど ゆうきさん] ひたすら支離滅裂な文字が流れていく
ロッキー :
「姫、聞こえてるかはわからないけど────」慣れた構えで、勇姫の首元に狙いをつける
ロッキー :
「決めたからには、選択肢は二つに一つ」
ロッキー :
「僕サマたちは、ここで……」
ロッキー :
「やるんだ!!」一歩、鈍色の軌跡が首元へ向かう。
ロッキー :
狙いは頸動脈。対抗種が触れれば血管を通じて毒が回り、細胞を破壊するなら声帯にも及ぶだろう。
ロッキー :
気の毒なことではあると、ロッキーは僅かに憐れんだが……。狙いは確実だ。
GM :
そしてあなたは、まるでさも、そうすることが当然のようにそのナイフの切っ先を――。
GM :
――真珠のほうに向けて、突き出した。
ロッキー :
「は────?」間の抜けた声を漏らす
飴家 真珠 :
「っ!?」
飴家 真珠 :
反射的に、身をよじってナイフを躱す。そのまま真珠は床に倒れこんだ。
GM :
一体、何が起きたのか?
GM :
そんな間違いをするはずがないのに、確かに今あなたの頭の中では、今回の任務の標的が勇姫から真珠にすり替わっていた。
GM :
そして、その異常を認識した今も真珠に向ける刃を止めることができない。
飴家 真珠 :
「……!? ……!?!?」 ただ困惑し、床に倒れたままロッキーを見上げている
ロッキー :
「な、なん────」あり得ないモノを見るように手首へ向けていた視線が……
ロッキー :
真珠へと、向けられる。
ロッキー :
「ひ、ひ……め……」再び、突きの構えを取る。狙いは心臓、確実な死を齎す一撃。
ロッキー :
「にげ、ろ……!」機械義肢の脅威的な膂力から生み出される、高速の突きが真珠へと向かう。
GM :
あなたたちは気づくだろう。これは、別のオーヴァードの干渉を受けているということに……!
GM :
逃げろと言われても、足が竦んでそれもままならない。
GM :
まさに絶体絶命のピンチだ。
GM :
……が。
武者小路 勇姫 :
「ん〜、あれ、ウチ寝てたか……?」
GM :
その緊張の間に、間の抜けた声が割って入る。
飴家 真珠 :
「っ!?」 尻もちをついたまま、勇姫に顔を向ける
ロッキー :
「センパ…イ…!」殺意が宿る瞳に、僅かばかりに困惑の色が浮かぶ
GM :
それはまさに運命の悪戯だった。
GM :
さきほど真珠がまごついてロッキーを制止している間に鎮静剤の効き目が切れたのだ。
武者小路 勇姫 :
「……えっ!?!? ちょっと何しとんねん!!」
ロッキー :
「て、手を貸してくれると……たすか……っ」当惑から一転、腕が再び殺意を持って振りかぶる
武者小路 勇姫 :
「ッ―――――!!!」
GM :
勇姫はすぐさまふたりの間に飛び出すと、ロッキーの腕を掴んで止めようとする。
武者小路 勇姫 :
「ぐっ……力、強っ……!?」
GM :
真珠を狙う刃を押し返す。ふたりの腕力はほぼ互角だった。
ロッキー :
「セ、センパイにちょっとした……アドバイス、だ……!」
ロッキー :
「この手順で、僕サマの腕を動かせば……」視線が肩を指す
ロッキー :
「はず、れる……!」
武者小路 勇姫 :
「ぎぃぃ……!! は、外れる?? 何? どういうこと!?」
飴家 真珠 :
GM、真珠がロッキーちゃんの義肢を外すことって可能ですか?
GM :
そうね……では許可しましょう!
飴家 真珠 :
ありがた…!
飴家 真珠 :
「……っ!!」 ロッキーの言葉を聞き、竦んだ足に力を入れて無理矢理立ち上がる。
飴家 真珠 :
そして、ロッキーに突撃し、前に見たのを真似てロッキーの義肢を取り外します!
武者小路 勇姫 :
「!? ウワァーー!!」
GM :
義肢が外れると、勇姫は勢いよくロッキーを押し倒す形で倒れる。
ロッキー :
「うぐっ!?」 ドスン!と背中から倒れる
武者小路 勇姫 :
「いつつ……はぁ、はぁ……一体何が起きたんかわからんけど、無事か?」
ロッキー :
「無事……とは言えないねぇ。また姫やセンパイを殺しにかかってしまうかも、さ」怪訝な面持ちで、未だにこびり付いた殺意を抑えようとする
武者小路 勇姫 :
「……オーヴァードか」 小声で
GM :
……一連の出来事によって、真珠の脳裏にある光景がフラッシュバックする。
GM :
いまだ顔の思い出せない"殺戮人形"――その手に握られたナイフがあなたに振り下ろされようとする瞬間だ。
GM :
それを、間一髪で大きな男の腕が止める。
GM :
それは、いままで記憶の奥底に封印されていた、かつてのリーダー……江戸川に関する最後の記憶だった。
飴家 真珠 :
「……っ!?!?」
飴家 真珠 :
突然蘇った記憶の苦痛に、両手で頭を抱える。
飴家 真珠 :
顔からは血の気が見る見る内に引いていき、足が震えて立っていられなくなり、その場にへたり込んでしまう。
ロッキー :
「おっ。姫、だいじょーぶかいー?」床に倒れたまま、物音に気付いて声をかける
飴家 真珠 :
「…………!」 ロッキーの声に我に返り、
飴家 真珠 :
[だ だいじょう ぶ] 光の文字を何とかロッキーの前に浮かばせる
武者小路 勇姫 :
「ほんまに大丈夫? 何があったんかわからんけど……」
飴家 真珠 :
[ほ ほんとに ほんとにだいじょうぶだから] 無理して、引きつった表情を笑顔に変えようとして、
飴家 真珠 :
「っ!」 エフェクトを使って対話してしまっていたことに今更気付き、口元を手で押さえる
ロッキー :
「僕サマは大丈夫じゃないよ。あやうく大切な姫を殺しかけたとも……」バツが悪そうに
武者小路 勇姫 :
「んー、とにかく誰も怪我がないなら何よりや!」 文字は見えてないので気づいてない。どこかにいるであろうまだ見ぬ敵を探っているようだ。
飴家 真珠 :
「…………」 自分はまだオーヴァードだとバレてなかったのかな、って勇姫を見てる
武者小路 勇姫 :
「それにしても恐ろしい能力やな。まるでアビシスみたいな……」 ブツブツ小声で何か言っている。
ロッキー :
「まさか操られるなんて、胸糞わるいねぇ……」はぁ、と深いためいきをつく
武者小路 勇姫 :
「せやな。警戒せんと……あ、ってかお互いオーヴァードなんやし協力というか、事情の共有とかしとかん? こんな状況やし……」
GM :
そう笑顔で安心させようとしながら話す勇姫の手には……。
GM :
……いつの間にか、先ほどのナイフが握られていた。
飴家 真珠 :
「!?」 目を大きく見開く
ロッキー :
「おおっと、センパイ。まずは自分の手を見たまえ!」戦闘で培われた直感で口を開く
武者小路 勇姫 :
「えっ……」 そう言われて自分の手を見て、いつの間に!? という顔をする。
武者小路 勇姫 :
「あ、アカン!!」
GM :
今この場にいるのは格闘タイプのオーヴァードではなさそうな真珠と四肢の使えないロッキーのみ。
GM :
……痙攣を始める腕とともに、ふたりを滅多刺しにするイメージが、勇姫の頭の中には浮かんでいた。
GM :
しかし、「まだ見ぬ敵」の存在に警戒していた勇姫は身体の制御を完全に奪われるまでに一瞬だけ猶予があった。
GM :
そして、一瞬でもチャンスがあれば”勇者”は迷わない。
武者小路 勇姫 :
「だ、だ、だ……大丈夫や!!!」
GM :
まだ制御が奪われていない逆の手で、ナイフの刃の部分を思い切り引っ掴む。
GM :
そして、そのまま力いっぱい、雑巾のように絞り上げた。
武者小路 勇姫 :
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
GM :
ブチブチブチ、と皮膚や筋肉が裂け、大量の血を吹き出し、骨まで達したのだろう……嫌な音を立てながらも、キュマイラの膂力でねじ切られたナイフは根元からひしゃげ、跡形もなく粉々に砕け散って床に落ちた。
武者小路 勇姫 :
「ハァ……ハァ……痛っっっっつ!」
武者小路 勇姫 :
「こ……これで大丈夫や……」
GM :
流石にダメージが大きかったか、血溜まりに蹲りながらもふたりを心配させないように笑顔を作ってそう言ってのける。
GM :
あなたたちは悟る……その精一杯の強がりの笑顔こそが、二条純恋が恐れた「希望」の正体だったのだろう。
ロッキー :
「お~、まさにごーたん? と言わざるをえないね」
ロッキー :
「流石はデストロイヤー。この程度のピンチはお手の物と言ったところかな?」感嘆した様子で眺める
飴家 真珠 :
[ゆ ゆうきさん ほんとうにだいじょうぶ なの?] 灰色の文字を自分の顔の傍に浮かばせて、
飴家 真珠 :
[だって あのナイフは] へたり込んでる場合じゃないと、何とか立ち上がって勇姫に近づいていく
武者小路 勇姫 :
「だ、大丈夫!! 頑丈なのだけがウチの取り得や!」 そう言っているが"リザレクト"が機能せず、出血でどんどん顔が青ざめていく……。
GM :
絶体絶命のピンチは辛くも乗り切った。しかし、この後どうしようか?
GM :
各々がそんなことを考え始めたところだった。
GM :
突然、スタッフルームのドアを蹴破って誰かが突撃してくる!
GM :
現れたのは、いかにも怪しい……ちょっと怪しいが過ぎる仮面の男だ。
オーメン相良 :
「すまない、遅くなった」
武者小路 勇姫 :
「あ!? 社長! ようこんなタイミングで駆けつけられたな……」
ロッキー :
「しゃちょー? この変な格好が、えらい人?」首を上げながら
GM :
どうやら、この怪しすぎるという言葉で表現しきれない男がUGNプロの社長にしてプロデューサー……オーメン相良らしい。
飴家 真珠 :
[だれ? しゃちょう?]
飴家 真珠 :
勇姫の反応的に彼女の味方であることは間違いないのだが、どうしてもその異様な風貌に警戒してしまう。
飴家 真珠 :
もしかしてこの人がロッキーたちを操ったオーヴァードなのではないかという考えが過ったのか、勇姫とロッキーを庇うように前に立つ。
オーメン相良 :
「……ああ、君のよく知る店で心配ないとは聞いていたが、念の為調べてみたら案の定だ」 警戒するあなたにも怯まず一歩前に出る。
武者小路 勇姫 :
「あ、せやねん! ちょうどオーヴァードの攻撃が……!」
オーメン相良 :
「……その前に」
オーメン相良 :
「……その子たちはファム・ファタールの刺客だ」 二人に順に視線を送って。
飴家 真珠 :
「っ!!」
武者小路 勇姫 :
「ええ!? ファムファタの!?」
ロッキー :
「まだ研修生らしいけどね!」ふふん、と何故か自慢げだ
武者小路 勇姫 :
「え、じゃあ、アイドルなん!?」 そこではないだろう
オーメン相良 :
「……とにかく、その怪我を放置しておくのは危険だ。すぐに脱出するぞ」
武者小路 勇姫 :
「ちょっと! オイ!! まだ話が分かってへんぞ!!」 普段の馬鹿力も発揮できないままオーメンに担がれる。
ロッキー :
「あー、センパイ。助けてくれた礼にもう一つアドバイスしよう!」
ロッキー :
「あのナイフ、かうんたーれねげーど? とやらの毒が含んでいるらしいから、きっと大変だぞ!」後はそっちで頑張れ、と言わんばかりに変な柄スーツの背を見送る
武者小路 勇姫 :
「毒? なんやそれぇ!?」 知らない
飴家 真珠 :
担がれたまま勇姫は驚いていると、自分の服がほんの少し引っ張られているのを感じるだろう。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
見れば、自分の燕尾服の裾が、真珠の指に摘ままれているのが分かる。
武者小路 勇姫 :
「……!」 どういう表情で顔を合わせて、なんて声を掛けていいのかわからず、固まる。
飴家 真珠 :
「……っ」 勇姫の顔を見上げ、
飴家 真珠 :
[ごめんなさい]
飴家 真珠 :
罪悪感の限界から涙を流しながら、そう光の文字を浮かばせる。
武者小路 勇姫 :
「…………」
武者小路 勇姫 :
『気にすんなよ』と言わんばかりにウィンクして無事なほうの手を振る。
飴家 真珠 :
「…………っ」 その反応に辛そうに顔を俯かせて、手を離して一歩後ずさる。
GM :
ふたりは《瞬間退場Ⅱ》でシーンから退場します。
GM :
あなたたちを操ろうとする謎の力も、いつの間にか消えていた。本当に危険は去ったようだ。
GM :
……その後、店長に会ったが勇姫がいなくなったことに何の疑問も抱いていないようだった。本来は夕方からも勇姫の出番は少しあったのだが、その予定は跡形もなく消えていた。
GM :
これがUGNの、ひいてはオーヴァードの隠蔽能力というやつなのだろう。
GM :
……苦い結果になってしまったが、あなたたちはセルに戻り社長と対面することになった。
二条 純恋 :
「おかえりなさい。なんだか微妙な顔をしているかしら? アイドルはいつも笑顔が資本よ?」
二条 純恋 :
「では、任務の結果について聞かせて貰おうかしら?」
ロッキー :
「怪我を負わせた、という点では成功したとも」どこか不服そうに
ロッキー :
「したのだけど……」かくかくしかじか、身体が操られて危うく真珠ちゃんを殺しかけたと説明
飴家 真珠 :
ロッキーちゃんの説明に合わせて、所々補足したりします。
二条 純恋 :
「……なるほど、いろいろあったみたいね」 謎の妨害についてある程度予想はしていたのか、さらっと報告を受け入れる。
二条 純恋 :
「そのあたりは置いておいて、まず一番重要な任務について話しましょう。結果としては……」
二条 純恋 :
「こっちにも情報は届いているけれど、かなり深手を負わせたようね」
二条 純恋 :
「でも手……う~ん、手かぁ。顔とか脚とかなら完璧だったんだけれど……まあ良いでしょう。合格よ」
飴家 真珠 :
[じゃあ ろっきーちゃんはアイドルになれる?] ロッキーを見て
ロッキー :
「ぶっちゃけ怪しいと思っていたのだけれど、合格なのかい?」嬉しそうにしつつも、若干半信半疑で
二条 純恋 :
「謎の邪魔が入らなければ首から行っていたみたいだしね。あなたの遂行力に疑いの余地はないと思うわ」
二条 純恋 :
「……何より、最終的には目標を達成してしまう、タレントにとって最も大事な”ツキ”を持っている。それは合格に値するわ」
ロッキー :
「おお……! 運も実力の~……なんたらだ!」パッと顔を明るくして
ロッキー :
「やったぞ、姫! これで僕サマもアイドルだ!」
飴家 真珠 :
[うん よかったね]
飴家 真珠 :
[おめでとう ろっきーちゃん] 控えめに、ぱちぱちと拍手を送る
ロッキー :
「ふふん、これでレッスンも頑張れるというものだ……」うんうんと頷いて
ロッキー :
「あのセンパイの分も、張り切らせてもらおうかな」ふと勇姫の姿を思い出して
二条 純恋 :
「おめでとう。どこかの誰かさんみたいに、ここでツキを使い切ったな……なんてあとで私に言わせないように頑張ってね?」
ロッキー :
「まっ、大船に乗った気持ちでいたまえ! ツキにも自信があるとも!」
二条 純恋 :
「ふふ、やっぱり若いっていいわぁ。見てて飽きないわね~」
二条 純恋 :
「……しかし、Re:tryの勇者様もまったく傑作よね。"破壊王女"なんて物々しいコードネームで、とんだ甘ちゃんだもの」
二条 純恋 :
「相良さんがバックにいるのは少し手強いけど、あれならすぐに始末できる機会は廻ってきそうね~」
GM :
社長はまるでテレビドラマの考察でもしているかのように、楽しそうに独り言ちてから、あなたたちに向き直る。
飴家 真珠 :
「…………」 複雑そうな表情をしながら、純恋と目が合う
ロッキー :
随分とご機嫌だな~と視線を合わせる
二条 純恋 :
「さて……気になるのはあなたたちを操ったという謎のオーヴァードについてよね」
飴家 真珠 :
[あの そのことなんだけど]
飴家 真珠 :
[たぶん キリングドール だとおもう]
二条 純恋 :
「"殺戮人形"? あなたの探している?」
飴家 真珠 :
重々しく頷いて、
飴家 真珠 :
[わたしたちがおそわれたしゅんかん すこしだけ あのひのことおもいだしたの]
飴家 真珠 :
[なんだか キリングドールのこうどうと かぶってみえたようなきがして]
飴家 真珠 :
はっきりとした確信はないのか、不安げに両手の指をいじっている。
二条 純恋 :
「なるほどね……」
飴家 真珠 :
[あの それだけなの ごめんなさい]
二条 純恋 :
「いえ……面白い考察だったわ。でも、まだ判断するには情報が足りないわね」
飴家 真珠 :
それはそうだと、小さく頷く。
ロッキー :
「あ、殺戮人形とは関係ないかもだけどさ」ふと思いついたように
二条 純恋 :
「何かしら?」
ロッキー :
「僕や勇姫センパイを操ったオーヴァード。どうやってあの場を嗅ぎつけたのかなって思ってさ」
ロッキー :
「あの任務の内容を話したの、この部屋に集まった僕サマたちとイバラ姫と浅香姫しか知らないからさ」不思議そうに悩んで
二条 純恋 :
「彼女たちが”ダブルクロス”だったら、確かに恐ろしい話よね」
二条 純恋 :
「でもロッキーさん、あなたは今回経験したんじゃないかしら? 無意識化で変な行動を取ってしまうことを」
二条 純恋 :
「この間、羽塚えりさんというあなたたちの先輩が情報漏洩事故を起こしてから考えてみたのだけれど、実のところ私たちセルの幹部も変な行動を取っていないか。確信が持てないの」
ロッキー :
「なるほどね、つまりは意図しない行動を取らされることが僕サマだけじゃなくて……色んな人にもありえるってことか……」ふんふん、と頷いて
二条 純恋 :
「今回の件も、別の一連の事件と同じで誰かが糸を引いているんじゃないかって……そのあたり、蹄啼さんと多々良那さんにも調査に当たってもらっているの」
二条 純恋 :
「そこであなたたちに次の任務。お披露目に向けてのレッスンもあって大変だとは思うけど、この件を4人で一緒に調べてくれるかしら?」
飴家 真珠 :
[わたしたちで?]
ロッキー :
「おお、今度は探偵ということだね?」
二条 純恋 :
「ええ。ファム・ファタールは情報セル、うちのアイドルはこういうことも仕事の一環になるのよ」
二条 純恋 :
「といっても、まだ新人のあなたたちにそこまで大きな成果は期待していないわ。先輩に仕事を教えてもらいながら交友を深めるくらいのつもりで、肩の力を抜いてくれて大丈夫よ」
飴家 真珠 :
[そういうことなら すこしだけあんしん]
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[あの すみれちゃん] 純恋に近づいて、
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんのにんむは いちおうせいこうしたけれど]
飴家 真珠 :
[わたしのほうはどうなんだろ]
飴家 真珠 :
[あの じょうほうそうさきかんをつかわせてくれる やくそくのこと]
二条 純恋 :
「そうね、いいわよ。……といっても、これこそ内容を見ると仮合格というところかしら」
二条 純恋 :
「今のあなたを見ていると、いきなり全部使わせるにはこの世界の情報というものは危険すぎる」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[すみれちゃんは やさしいね]
飴家 真珠 :
[わたしは ふごうかくだとおもってたから]
飴家 真珠 :
[わたし なにもできなかったし むしろあしでまといになってた]
飴家 真珠 :
[だから あのね]
飴家 真珠 :
[わたし すこしじゃなくて ぜんぶつかわせてもらわなくて いいです]
飴家 真珠 :
[いまのわたしには ファムファタールにてつだってもらうしかく ないとおもうから]
二条 純恋 :
「……私としては、あなたにはアイドルに専念して貰いたいから構わないけれど、本当にいいのかしら?」
飴家 真珠 :
[いいの]
飴家 真珠 :
[もともとこのやくそくって ふくしゅうはたいへんなみちだから わたしにそのかくごがあるかどうかって]
飴家 真珠 :
[たしかめるために すみれちゃんがいってくれたことだったから]
飴家 真珠 :
[でもわたし そのかくごがちゃんとあるのか わからなくなって]
飴家 真珠 :
[だからいいの ごめんね すみれちゃん] 弱々しく笑う
二条 純恋 :
「なるほどね……そういうことならわかったわ」
二条 純恋 :
「……やっぱり逸材ね、相良さんとかに持って行かれなくてよかったわ」 聞こえないくらいの声でボソッと
飴家 真珠 :
「……?」 はっきりとは聞こえなかったのか、首を傾げて、
飴家 真珠 :
それでも何か悪いことを言われたわけじゃないとは思ったのか、甘えるように純恋にそっと抱きつきにいく。
二条 純恋 :
「ふふ、何でもない。やーね、歳を取ると独り言が多くなって」 抱き着かれると、よしよしと頭をなでて
飴家 真珠 :
「…………」 撫でられて、気持ちよさそうに笑う
二条 純恋 :
「……でも、こういうチャンスって自ら遠ざかろうとすると、往々にして意外なときに廻ってくるものなのよ」
二条 純恋 :
「そのときにあなたがどうするのか……楽しみにさせて貰うわ」
GM :
試験に合格して安心したのもつかの間、アイドルたちを狙う謎のオーヴァードの存在を探る新たな任務を与えられたあなたたち。
GM :
果たしてその正体は何者なのだろうか……。そして、デビューライブは無事成功させることはできるのか。期待と不安を胸に、あなたたちは明日のレッスンに備えて寮に戻るのだった。
GM :
ロイス取得、購入判定などあればどうぞ!
飴家 真珠 :
購入判定が…できる!
GM :
できます!アイカツもいいぞ
◆アイカツ
購入判定の代わりに任意の〈芸術:〉で判定する。
出た目の[10の位+2]のアイドルポイントを獲得する。
アイドルポイントは購入判定の際に財産点の代わりに使用できる。
飴家 真珠 :
じゃあアイカツしときます! 財産点、あると得だし
GM :
どぞどぞ!
飴家 真珠 :
〈芸術:ジェスチャー〉で
飴家 真珠 :
6dx+9(6DX10+9) > 8[2,3,4,5,8,8]+9 > 17
飴家 真珠 :
3点の財産点取得になるのかな?
GM :
ですです!
飴家 真珠 :
了解! ありがたくいただきます
system :
[ 飴家 真珠 ] 財産点 : 2 → 5
飴家 真珠 :
ロイス取得はないので、ロッキーちゃんいってもらえれば!
ロッキー :
自分もアイカツしよう!
ロッキー :
<芸術:演技>で!
GM :
どぞどぞ!
ロッキー :
2dx+5 10ぐらいになれ~!(2DX10+5) > 7[6,7]+5 > 12
ロッキー :
よくやった、3点かな!
GM :
です! まあまあ良い感じだ
system :
[ ロッキー ] 財産点 : 2 → 5
Extra Scene 03 幕間03
蹄啼 イバラ :
ある日の昼下がり、ファム・ファタール事務所の一角。
蹄啼 イバラ :
スポンジケーキみたいに穴だらけの防音室に、少女がひとり。
蹄啼 イバラ :
少女の名前は、蹄啼イバラ。
彼女は今、あるコンクールに向けた準備期間にあった。
蹄啼 イバラ :
────パガニーニ国際ヴァイオリンコンクール。
蹄啼 イバラ :
悪魔に魂を売ったと言われる神域の天才、ニコロ・パガニーニ。
彼の名を冠した国際大会が、その故郷であるイタリアで開催される。
蹄啼 イバラ :
予選はすでに終了しており、決勝は十月下旬。
蹄啼 イバラ :
「(優勝トロフィーのような権威、それほど興味はないのですが~……)」
蹄啼 イバラ :
優勝してきなさい、とお父様から言いつけられた。
……お父様は、自社製品の価値を知らしめる”箔”が欲しいのだろう。
蹄啼 イバラ :
イタリアといえば「ストラディバリウス」の聖地。
コンクールには、かの銘器を有する奏者も勝ち残っている。
蹄啼 イバラ :
そんな優勝候補たちを、自社のヴァイオリンを弾く蹄啼イバラが叩き潰せば、
「自社のヴァイオリンは、ストラディバリウスより優れている」
「ストラディバリウスは最早、過去の遺物だ」とアピールすることができるのだ。
蹄啼 イバラ :
……イバラがFHで自由に振る舞えているのは、会社の威光が大きい。
恩恵は対価が、自由には不自由が付き物だ。
蹄啼イバラの場合、会社の広告塔としての活動がそれだった。
蹄啼 イバラ :
「(仕方がありませんね……)」気乗りはしないが、
蹄啼 イバラ :
音楽界の重鎮に、開催地であるイタリアの人々に、
誰が世界一のヴァイオリニストなのか、理解らせてやるのも一興だろう。
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
レッスン室でたった独り、ヴァイオリンを番える。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは、自らのレッスンに「師」を必要としない。
パガニーニは十三歳になると、学ぶべきものがなくなったという。
彼と同じだ。蹄啼イバラに教えられるヴァイオリニストはもういない。
蹄啼 イバラ :
……その代わり。
静かに目を閉じて、ヘッドフォンに耳を澄ませる。
朝霧 ユラ :
『────嫌ァァああああッ!!!!』
蹄啼 イバラ :
聴こえてくるのは、耳を劈くような女の絶叫。
蹄啼 イバラ :
武道館ライブという大切な夢を壊されたアイドル、朝霧ユラの悲鳴だった。
蹄啼 イバラ :
「……♪」
蹄啼 イバラ :
────絵筆を執るような繊細さで、ヴァイオリンの弓を引く。
f字孔から流れ出す音色。
レッスン部屋に響き渡る旋律は、どこまでも伸びやかで美しい。
蹄啼 イバラ :
……が、ここからが本番。
朝霧ユラの悲鳴から、形のない「心」だけを抽出。
悲哀のミッドナイトブルー、その色彩をメロディーに乗せていく。
蹄啼 イバラ :
夢の舞台を目前に、ライバルだと思っていた女から裏切られ、
アイドルとして積み上げてきた全てを否定され、ついには地獄の責め苦を味わう事になった。
彼女が感じた恐れと哀しみ、すべての思いを音色で完全再現する。
蹄啼 イバラ :
────これこそ、蹄啼イバラの真骨頂。
ありのままのヒトの心を表現する、超絶技巧のヴァイオリン演奏。
蹄啼 イバラ :
その魔法のような旋律は、ほとんど異能といって良いだろう。
エフェクトでもないのに、聴く者の感情を塗り潰してしまうほどの力があった。
蹄啼 イバラ :
「はあ……朝霧さん……」
蹄啼 イバラ :
悩ましげな溜息を漏らし、いきなり演奏を止める。
蹄啼 イバラ :
やっぱり、録音は駄目だ。
蹄啼 イバラ :
音楽も悲鳴も同じなのだ。耳で聴くものじゃない。
……直接、魂と魂で感じ合うものなのに。
蹄啼 イバラ :
現代のレコーディング技術では、その魂まで保存できない。
冷凍食品やドライフラワーのように、その命の熱は失われてしまう。
蹄啼 イバラ :
また彼女の声が聴きたいと、恋しく思う。
蹄啼 イバラ :
「(嗚呼、やっぱり許せません……誰が、誰が彼女を……)」
蹄啼 イバラ :
「(朝霧ユラは、わたくしのもの……)」
蹄啼 イバラ :
「(彼女を傷付けていいのは、わたくしだけなのにッ……!)」
飴家 真珠 :
イバラが熱く思いを募らせていると、すぐ傍から視線を感じることに気づくだろう。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
そちらを見れば、いつの間にか部屋に入って来ていた真珠が、ちょこんと三角座りをしながらイバラを見上げていた。
蹄啼 イバラ :
「────っ!? ぁ、飴家さん!?」驚きすぎてヴァイオリンを取り落としそうになる。演奏に没頭していて、来客に全く気付いていなかった。
飴家 真珠 :
「!」 ぱあっと笑顔になる。やっと気付いてくれた~と言うように。
蹄啼 イバラ :
「い、いつからそこに……!? このレッスン室は、貸し切りになっていたはずですが……!?」珍しく取り乱している。
飴家 真珠 :
[ちょっとまえからいたよ]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんがここにいるってきいたから あいにきたの] ピンク色の文字を周囲に浮かばせながら、立ち上がる
蹄啼 イバラ :
「来たのなら一言、声をかけてくれたら良かったのに……心臓が止まるかと思いましたよ~……」胸を撫で下ろし、ヘッドフォンに流れていた悲鳴の再生を止める。
飴家 真珠 :
「…………」 笑顔でイバラが持つヴァイオリンを指さす。演奏に集中していたから声をかけられなかったのだと言いたいらしい
蹄啼 イバラ :
「……なるほど、それはお気遣いどうも」
飴家 真珠 :
「……!」 いえいえ、というように笑って、
飴家 真珠 :
[いばらちゃん ヴァイオリンすっごくじょうずだね]
飴家 真珠 :
[でも どうしてヘッドフォンしながられんしゅうしてたの?]
蹄啼 イバラ :
「……歌のレコーディングと一緒ですよ~」
蹄啼 イバラ :
「と、貴女はレコーディングに参加した事がありませんよね」
飴家 真珠 :
うん、と頷いて、
飴家 真珠 :
[でも ドラマとかでみたことあるから なんとなくわかるよ]
飴家 真珠 :
なんかこうやって歌ってるよね、とヘッドフォンを付ける仕草をして、両手を耳元に当てている。
蹄啼 イバラ :
「ファム・ファタールのアイドルになれば、貴女もいずれは実際に体験する日が来るでしょう」
蹄啼 イバラ :
「……当分は、無理そうですけど」声のかわりに浮かぶ文字を眺めて、残念そうにしている。
飴家 真珠 :
[くるのかなあ そんなひ] 困ったように笑う
蹄啼 イバラ :
「ええ、必ずいつか来ます。こういうのは信じるのが肝心なのです」
蹄啼 イバラ :
「…………なにより、来てもらわないと困りますし」
飴家 真珠 :
「?」 何故イバラが困るのかと、不思議そうに首を傾げる
蹄啼 イバラ :
「いえ、なんでも」
蹄啼 イバラ :
「……ああ、その件で言うと、貴女の声が直せないかどうか、わたくしも少し探ってみているのですよ」
蹄啼 イバラ :
「今のところ、めぼしい解決方法は見つかっていないのですが、もう少し頑張ってみるつもりです」
蹄啼 イバラ :
電気式人工喉頭────すなわち機械音声を自社で開発はしていたが、そんなものは詰まらない。生きた悲鳴が聴きたいので却下した。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
イバラの顔を丸い目で見つめた後、一歩近づいて彼女の体を抱きしめる。
蹄啼 イバラ :
「きゃ……!? 今度は何……!?」声のない相手は、思考が読めない。反射神経が悪いイバラに突然のハグは回避不能で、そのまま抱き締められる。
飴家 真珠 :
感謝を伝えるように、しばらくぎゅーっと抱きしめて、
飴家 真珠 :
「…………」 やっと離れると、にこにこと満足したような笑顔になっている。
蹄啼 イバラ :
「…………あの、今のハグは? 説明をお願いしても?」一歩、二歩と後退る。
飴家 真珠 :
「……?」
飴家 真珠 :
[わたしのためにがんばってくれて ありがとうって] 不思議そうな顔で光の文字を出す
蹄啼 イバラ :
「……そんなことだろうとは思いましたが、そうではなく」
蹄啼 イバラ :
「何故、抱き着く必要があったのですか? 言葉で伝えればそれで事足りますよね?」
飴家 真珠 :
「?????」 もっと不思議そうにして
飴家 真珠 :
[だって わたしがだきつきたかったから] 一歩二歩と近づく
蹄啼 イバラ :
「なるほど~……」説明されたほうが納得いかない。同じだけそろそろと後退する。
蹄啼 イバラ :
「あの、もうひとつ尋ねてもよろしいでしょうか~……」
飴家 真珠 :
いいよ! というように笑顔で親指を立てる
蹄啼 イバラ :
「…………」その仕草に頭を押さえ、
蹄啼 イバラ :
「FHがどんな組織か、貴女は知っているハズですよね~?」
蹄啼 イバラ :
「なにしろ貴女は、FHに手酷い実験を受けた末に捨てられた過去があります」
蹄啼 イバラ :
「────だというのに、貴女のファム・ファタールのアイドルに対する態度は何というか」
蹄啼 イバラ :
「あまりに、無防備すぎて」
蹄啼 イバラ :
「何故、そのように他人に馴れ馴れしくできるのか、と……疑問で仕方ないのです……」
飴家 真珠 :
「……?」
飴家 真珠 :
[だって いばらちゃんもみんなも やさしくていいひとたちだとおもうし]
飴家 真珠 :
[すきになったひとのこと ふつうはけいかいしたりしないとおもうよ] 不思議そうにしてる
蹄啼 イバラ :
「本心から、そう思っているのですか……?」心の底から理解できない。
飴家 真珠 :
「?」 逆にその質問の意図が理解できないのか、大きな目をさらに丸くしてる
蹄啼 イバラ :
「…………」はあ、と溜め息を漏らす。
蹄啼 イバラ :
本当に、苦手だ。飴家真珠から向けられる真っ直ぐな好意は────かえって、胸の裡の柔らかいところに茨のように絡み付いてくる。
蹄啼 イバラ :
「……であれば、考えを改めた方が宜しいかと~」
蹄啼 イバラ :
「ファム・ファタールもFHです。近付いてはいけない、危険なアイドルもたくさんいます」全くらしくない。自分の利益にもならない助言が、気付けば口から洩れていた。
飴家 真珠 :
「……」 そうなの? と首を傾げて、
飴家 真珠 :
[それってだれのこと?]
蹄啼 イバラ :
「わたくし……」
蹄啼 イバラ :
「な~んて、冗談です」ヴィランとしての最後の一線は守る。
蹄啼 イバラ :
────そう。この助言によって、飴家真珠の自分に対する信頼を絶対のモノにすることが狙いなのだ。
蹄啼 イバラ :
呵責する良心なんてものはない。あってはならない。
蹄啼 イバラ :
「たとえば、多々良那さんとか? だらしのないヒトですから、あんまり世話を焼かないほうが良いですよ~」冗談めかして
飴家 真珠 :
「……!」 吐息だけの笑みを零して、
飴家 真珠 :
[そうかなあ わたしだらしのないひとって むしろいっぱいおせわやきたくなっちゃうな]
蹄啼 イバラ :
「甘やかしたらダメですよ~、飴家さんはダメ人間製造機ですね~」
飴家 真珠 :
そんなことないよ~と言うように、笑顔で手を横に振っている。
蹄啼 イバラ :
「────ともあれ、飴家さん。これだけは覚えておいてください」
蹄啼 イバラ :
「ヒトはみんな、嘘を吐く生き物。誰も信用なんかしちゃいけない」
蹄啼 イバラ :
「その本当の姿が見えるのは、限界まで追い詰められた今際の際だけなのだと」
蹄啼 イバラ :
「……ファム・ファタールのアイドルなんて、特に」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
そんなことないとおもうけどなあ…と、困った表情が語っている。
蹄啼 イバラ :
「あら、まるで他人事のような態度ですけど」
蹄啼 イバラ :
「貴女だって、ついたじゃないですか」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしに、ウソを」
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[え そうだっけ?] 心当たりがなくて驚いている
蹄啼 イバラ :
「聞きましたよ~、任務の件」
蹄啼 イバラ :
「ターゲットを前に、何も出来なかったとか?」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
頷き、肯定する。
蹄啼 イバラ :
「……わたくしの前で貴女は言ったハズ、江戸川大吾を殺した者が許せないと」
蹄啼 イバラ :
「必ずや復讐を果たす、と」
蹄啼 イバラ :
「あのとき聞いた覚悟は、嘘偽りだったのでしょう?」結局は何も出来ていないのだから、と優しい声色で言う。
飴家 真珠 :
「…………っ」 申し訳なさそうに、視線を床に落として、
飴家 真珠 :
[うそをついたつもりじゃ なかったの]
飴家 真珠 :
[いまでも キリングドールのことはゆるせないし かたきをうちたいっておもってる]
飴家 真珠 :
[だけど ゆうきさんとじっさいにあって はなしてみたら]
飴家 真珠 :
[わたしのかってなつごうで きずつけてもいいのか まよってしまって]
飴家 真珠 :
[だから なにもできなかったの]
飴家 真珠 :
[ごめんなさい みんなにはそうだんにのってもらって せなかもおしてもらったのに]
飴家 真珠 :
そう文字を表示させた後、頭を下げる。
蹄啼 イバラ :
「……他人のことを気にしていては、何も出来ませんよ」
蹄啼 イバラ :
「それとも、江戸川大吾やセルの方々より、武者小路勇姫のほうが大事にでもなりました?」
飴家 真珠 :
[そういうわけじゃ ないとおもうんだけど] 頭を上げると、灰色に輝く光の文字を浮かばせて、
飴家 真珠 :
[あのひとには げんきでいてほしいって おもってる]
蹄啼 イバラ :
「…………」ため息を漏らす
蹄啼 イバラ :
「その調子では、貴女には一生かかっても復讐はできないでしょうね」
蹄啼 イバラ :
「良いですか、復讐を遂げるには、自身のすべて擲つ覚悟が必要なのです」
蹄啼 イバラ :
「……今の貴女では、殺戮人形を殺せるかも怪しいものです」
飴家 真珠 :
「…………」 しょんぼりと肩を落とし、俯いてしまう。返す言葉がないらしい。
蹄啼 イバラ :
「……まあ、それでも、わたくしは構いません」無関係ですし、と
蹄啼 イバラ :
「何もかもを忘れて、新たにアイドルとして生きていくのも良いでしょう」
蹄啼 イバラ :
「江戸川セルで起きたこと、み~んな忘れて復讐を捨てたなら、きっとずっとラクになりますよ~?」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
[そんなこと できないよ]
飴家 真珠 :
[みんなしんだのに わたしひとりだけがかってにわすれて しあわせにいきるなんて]
蹄啼 イバラ :
ええ、そうでしょうとも!と内心ほくそえむ。
蹄啼 イバラ :
「……であれば、貴女がすべき事は何か? 分かっていますよね?」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[わかってる やっぱりわたし かたきをうたなくちゃ]
飴家 真珠 :
[そうしないと だめだから] 心に余裕がなくなってきているのか、光の文字の形が少し崩れている
蹄啼 イバラ :
「ええ、それでいいのです♪」にっこり
蹄啼 イバラ :
「……怒りや悲しみ、そうした激情は風化しやすいもの」
蹄啼 イバラ :
「もしまた折れそうになったら、その時は相談してください」
蹄啼 イバラ :
「────復讐を遂げるまで何度でも、わたくしが貴女を支えてあげますから~♡」
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
その言葉を聞いた直後、また再びイバラを抱きしめる。
蹄啼 イバラ :
「…………」今度は目論見通りなので、たじろがずに抱き返す。
飴家 真珠 :
[ありがとう イバラちゃん]
飴家 真珠 :
[なさけないわたしのこと しかって ささえてくれて]
飴家 真珠 :
[わたしほんとに だめだめなやつだけど]
飴家 真珠 :
[もっとがんばってみるから これからもみていてください] 縋りつくようにイバラを抱きしめながら、彼女の前に光の文字を浮かばせる
蹄啼 イバラ :
「ええ、ええ……」胸の奥でずきりと何かが痛む気がしたが、気のせいだろう。
蹄啼 イバラ :
きっとこれからの展開を想像して、胸が躍っているのだ。
蹄啼 イバラ :
「わたくし、貴女の復讐を心の底から応援していますよ」
飴家 真珠 :
[ありがとう] イバラの温もりを感じるように抱きしめたまま、
飴家 真珠 :
[ねえ イバラちゃん ふくしゅうとはかんけいないかもしれないけど]
飴家 真珠 :
[おねがいしたいことがあるの いい?] イバラにくっついたまま、顔を向ける。
蹄啼 イバラ :
「……お願いしたいこと?」そろそろ離れたいな、と思いながら首を傾げる。
飴家 真珠 :
頷いて、
飴家 真珠 :
[わたしのこと しんじゅって したのなまえでよんでほしいの]
蹄啼 イバラ :
「……下の名前で? ええっと、何故でしょう飴家さん?」
飴家 真珠 :
[わたしがそうよんでほしいから] 小さく笑って
蹄啼 イバラ :
「……普通、もう少しちゃんと親しくなってから、呼ぶべきだと思うのですが~」あの朝霧ユラさえ、苗字呼びである。
飴家 真珠 :
「?」
飴家 真珠 :
[わたしたち もうじゅうぶんしたしいよ]
飴家 真珠 :
[わたしはいばらちゃんのことだいすきだし いばらちゃんもわたしのことだいすきでしょ?]
蹄啼 イバラ :
「────────」
蹄啼 イバラ :
目論見通り、信頼を勝ち取れているのはいい。だが……
蹄啼 イバラ :
それにしても、懐きすぎじゃないだろうか? 他人を信用するなと忠告された直後にそれ言います?と蹄啼イバラは困惑していた。
飴家 真珠 :
「……?」 どうしたのかと、不思議そうに見つめている
蹄啼 イバラ :
「いえ、なんでも……」
蹄啼 イバラ :
こっちが意識するのもバカバカしい。別に名前呼びくらいしてやればいいのだ。その程度のことで信用させられるのなら安いものだ。
蹄啼 イバラ :
「ええ~と、名前呼びでしたね?」
飴家 真珠 :
[うん しんじゅだよ] わくわくしているのが、密着している胸元から心音で伝わるだろう
蹄啼 イバラ :
「…………その、真珠さん」たどたどしく名前を呼ぶ
蹄啼 イバラ :
「……やっぱり不慣れなので、ナシには出来ないでしょうか」親しい友人がいないイバラにとって、誰かを下の名前で呼ぶことはない。おかげで凄まじい違和感だ。
飴家 真珠 :
え~? と、めちゃくちゃ嫌そうな、残念そうな顔になっている。
蹄啼 イバラ :
「それから、そろそろ離れてくれませんか~」困った様子で
蹄啼 イバラ :
「なんだか頬が熱くて、あとレッスン室の使用時間がありますし……」後退しようとするが、既に壁際だ。
飴家 真珠 :
「……」 不満そうに顔をしかめて、
飴家 真珠 :
「!」 何か思いついたように、表情を明るくし、
飴家 真珠 :
[じゃあ いばらちゃんがこれからしんじゅってよぶこと やくそくしてくれたら はなれてあげる!]
飴家 真珠 :
[そうしたらはなれられるよ~] すりすりとイバラの髪に頬を寄せながら
蹄啼 イバラ :
「…………なるほど、ファム・ファタールらしくなってきましたね」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは身体能力が低い。強引に逃れるのは難しいだろう。
蹄啼 イバラ :
「はあ、参りました」
蹄啼 イバラ :
「……参りましたから、少し離れてくださいませんか"真珠さん"」
飴家 真珠 :
「!!!!」 改めてそう呼ばれたことに、嬉しそうに瞳をキラキラと輝かせて、
飴家 真珠 :
[うん わかった!]
飴家 真珠 :
[ありがとう いばらちゃん だいすき!]
飴家 真珠 :
ピンク色に光る文字が、真珠の周りで弾むように浮かんだ後、
飴家 真珠 :
イバラの熱くなっている頬にキスをしてから、やっと体を離した。
蹄啼 イバラ :
「…………」何をされたのか、と硬直したあと。
蹄啼 イバラ :
「……何と言いますか、約束と違うような」
飴家 真珠 :
「?」
飴家 真珠 :
合ってますけど? と言うように上機嫌に両手を広げる
蹄啼 イバラ :
「……はあ、もういいです」
蹄啼 イバラ :
「まったく、イタリア人ですか貴女は? いきなり挨拶のキスは、ビックリするので控えてください?」優しいお姉さんの仮面が外れかけている。
飴家 真珠 :
[わかった じゃあつぎからはちゅーするっていってからするね] それならびっくりしないよね、と笑う
蹄啼 イバラ :
「何故、そんなにキスしたがるのですか……」理解不能だ。
飴家 真珠 :
[いばらちゃんはならないの?]
飴家 真珠 :
[だいすき~ってきもちがつよくなったら しぜんとしたくなっちゃわない?]
蹄啼 イバラ :
「なりません、貴女はきっとイタリアに移住した方が良いですね」ハグもキスも受け入れてもらえるだろう、と
飴家 真珠 :
変なの~と、まるでイバラの方がおかしいかのように楽しそうに笑っている。
蹄啼 イバラ :
「……ともかく、キスするなら許可を出してからにしてください」
蹄啼 イバラ :
「水族館のイルカだって、それくらいの分別はありますよ」
飴家 真珠 :
[わかった はずかしがりやさんだね いばらちゃんは] にこにこ笑いながら
蹄啼 イバラ :
「……"飴家さん"が大らかすぎるのです」
蹄啼 イバラ :
「それでは満足してもらえたところで、わたくしは次の用事がありますので」失礼しますね、と言って部屋から逃げ出そうとする。
飴家 真珠 :
「!!!!」 慌ててその手を掴んで止める
蹄啼 イバラ :
「っ、なんですか今度は?」ぎぎ、と音を立てながら振り返る。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん うっかりしてるよ!]
飴家 真珠 :
[あめいえさんじゃなくて しんじゅ!] 困った子だなぁ、というように笑いながら訂正する
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「(むう……呼び方ひとつで、何だと言うのでしょう……)」
蹄啼 イバラ :
「そうでしたね。うっかりしていました、真珠さん」
飴家 真珠 :
「!!!」 ぱあっと花が開いたように笑顔になって、
飴家 真珠 :
[うん じゃあまたね いばらちゃん] 満足したのか手を離し、ばいばいと胸の前で両手を何度も振る
蹄啼 イバラ :
「……ええ、今度こそさようなら」
蹄啼 イバラ :
まったく理解不能だ。なにより自分のペースが乱されて苦手だ。懐くように仕向けたのは間違いだっただろうか。と後悔しながら部屋を出る。
情報収集01
GM :
ライブに行く前に今の段階で情報収集できる項目を開示します!
調査項目
◆『アイドルによる不祥事事件の急激な増加』について
〈情報:FH、メディア〉8
◆『朝霧ユラ』について
〈情報:メディア〉5
◆『武者小路勇姫』について
〈情報:UGN、FH〉6
GM :
2/3が事件と関係ない項目ですが、後々のトリガーシーンの条件になったりしているので無意味な項目ではありません
GM :
調査する人は登場をお願いします!
飴家 真珠 :
出るよ!
飴家 真珠 :
39+1d10(39+1D10) > 39+6[6] > 45
蹄啼 イバラ :
わたしも出よう!
蹄啼 イバラ :
46+1d10(46+1D10) > 46+1[1] > 47
飴家 真珠 :
じゃあ、◆『アイドルによる不祥事事件の急激な増加』について 〈情報:FH、メディア〉 8を、〈情報:FH〉で調べます!
飴家 真珠 :
ダイス一個しかなくてうっかりファンブルしたら元も子もないので、《砂の加護》を使ってダイス4個増やしていきます。
GM :
どぞどぞ!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 45 → 48
飴家 真珠 :
5dx+1(5DX10+1) > 10[4,6,8,8,10]+4[4]+1 > 15
飴家 真珠 :
いけた!
GM :
余裕のよっちゃん!では開示
◆『アイドルによる不祥事事件の急激な増加』について
ここ数ヶ月、東京近郊でアイドル活動をする女性が次々と傷害、窃盗、自殺未遂などの事件を起こしている。
なお、男性アイドルに関しては統計的に有意な増加は見られない。
一連の事件の関連性は不明だが、傷害事件についてはその多くの現場で黒スーツの怪しい青年が目撃されている。
飴家 真珠 :
黒スーツの怪しい青年!?
飴家 真珠 :
誰だお前は!
GM :
誰なんでしょうねぇ…というわけで事件については今わかるのはこんなとこだ!
飴家 真珠 :
了解了解! 購入判定できるなら、応急手当キット取りに行ってもいいですか?
GM :
このシーンも購入できるとしましょう、いいよ!
飴家 真珠 :
ありがとう! では振ります
飴家 真珠 :
1dx(1DX10) > 6[6] > 6
飴家 真珠 :
お
飴家 真珠 :
目標値8だから、財産点2点使って成功にします!
system :
[ 飴家 真珠 ] 財産点 : 5 → 3
GM :
たりた! では購入
飴家 真珠 :
ありがとうアイカツ、では次の人!
蹄啼 イバラ :
情報収集チーム(+サヴィ)を使って、◆『朝霧ユラ』について を調べますよ~!
GM :
こい!
蹄啼 イバラ :
2dx+1 情報よわよわ(2DX10+1) > 8[4,8]+1 > 9
GM :
結構いい出目だ、では開示!
◆『朝霧ユラ』について
ある日忽然と姿を消した元トップアイドル。芸能プロダクション「コズミック・プリズム」に所属している。
普段のダウナーな姿と歌っているときのハイテンションな姿の二面性が大きな魅力。
とにかくアーティスト肌のアイドルで、楽曲のダウンロード数やCD売り上げはファム・ファタールを凌ぐほどの人気だった。
アーティストとして孤高の存在であったためか、トーク番組への出演は多くなく、
業界に友人と呼べるものも少なかったので知名度に反して生い立ちや私生活についてあまり知られていない。
コズミック・プリズムが初の合同武道館ライブを行う直前でファム・ファタールに襲撃され、それ以降芸能界から姿を消している。
その消息はメディア各社はおろかファム・ファタールにもつかめておらず、
世間では芸能界の大御所を怒らせて干された、人知れず海外に渡って隠遁生活を送っている、入水自殺したのではなどと囁かれている。
GM :
これ自体は目新しい情報ではありませんが、これを抜いたことで新しく項目が追加されます。
調査項目
◆『コズミック・プリズム』について
〈情報:FH、裏社会、メディア〉8
蹄啼 イバラ :
いったい誰のせいで消えてしまったんだ……
蹄啼 イバラ :
さておき、応急手当キット買います!
GM :
どうぞ!
蹄啼 イバラ :
1dx+2(1DX10+2) > 2[2]+2 > 4
蹄啼 イバラ :
ムリ!お小遣いの渡されてないお金持ち!
GM :
金がねぇ!では次行きましょうか!
ロッキー :
登場しますよ!
ロッキー :
58+1d10(58+1D10) > 58+1[1] > 59
ロッキー :
くっ、ダイスを増やす計画が…!
GM :
驚きの低燃費
ロッキー :
まあ行けるか!
◆『武者小路勇姫』について 〈情報:UGN、FH〉 6 を調べます!
GM :
ジェネシフトという選択肢も…(そこまですることか?)
ロッキー :
コネの情報チームも使いますわ~!達成値に+2ですわ~!
GM :
どうぞ!
ロッキー :
1dx+1+2 これが王子の情報収集!(1DX10+3) > 6[6]+3 > 9
ロッキー :
中々だね
◆『武者小路勇姫』について
ファム・ファタールの宿敵、UGNプロダクションに所属するライブアイドルグループ「Re:try」のメンバー兼ストリーマー。
シンドロームはキュマイラ/サラマンダー。
取り憑いた対象をカリスマ化するレネゲイドビーイング"クラッドカルト"に寄生されたことがきっかけでUGNプロにスカウトされアイドルを始めた。
Re:tryはRPGの勇者パーティをモチーフとした世界観でライブシーンから急速に人気を伸ばしている。
いずれ地上波進出も視野に入ると見られており、
二条純恋はRe:tryの人気そのものよりも彼女らが振りまく「希望」が芸能界に変革を齎しファム・ファタールの天下を脅かすと考えている。
現在は"クラッドカルト"に取り憑かれていないようだが、依然として"クラッドカルト"はUGNの手にあり、
仮に再度取り憑かれた場合はファム・ファタールでも手の付けられないカリスマ的存在になり得るため、勇姫はファム・ファタールの優先排除対象となっている。
GM :
良い出目! では開示します
ロッキー :
やはり希望は危険因子…!
ロッキー :
購入はどうしようかな……アイカツでもしておこうか……
GM :
今回の卓から見始めた人向けの情報らしい これに関しては以上かな!
GM :
とりあえずお金貯めて考えるとよいと言われている
ロッキー :
貯金しとくか!ロッキーもお金の使い道を考えてなさそうなので
ロッキー :
アイカツします!
GM :
どぞ!
ロッキー :
2dx+4 <芸術:歌唱>で判定!(2DX10+4) > 10[4,10]+4[4]+4 > 18
ロッキー :
3円もらったよ!
GM :
結構すげ~出目、成長を感じる!
system :
[ ロッキー ] 財産点 : 5 → 8
ロッキー :
やはり磨けば光る……
多々良那 浅香 :
58+1d10(58+1D10) > 58+5[5] > 63
多々良那 浅香 :
残ってんのはコズミックプリズムについてよね?
GM :
ですです!
多々良那 浅香 :
じゃぁいくわよ~ん
多々良那 浅香 :
(1+1+0+2)dx(10+0)+2+0 〈情報:メディア〉判定 コネ:マスメディア込み(4DX10+2) > 10[5,8,9,10]+3[3]+2 > 15
GM :
メディアが役立った、では開示!
◆『コズミック・プリズム』について
大手芸能プロダクション。UGNやFHといったレネゲイド関連組織と直接の関わりはない。
打倒ファム・ファタールを目標としてアイドル事業に力を入れている。
トップアイドルの朝霧ユラを擁して快進撃を続けていたが、彼女が事実上の活動休止中とあって当時ほどの勢いはない。
所属アイドル同士の切磋琢磨を方針とする……というと聞こえはよいが、
社内では『プロトコル・アステリズム』と呼ばれる楽曲売り上げやメディア露出を得点としてランキング化し、
その結果をもって資本投資を行いスターを選出する非常にシビアな計画を実行するなど結果を重視するあまり行き過ぎた部分があった。
この方針は熱狂的なファンを獲得する一方でアイドル同士、ファン同士の過剰な対立を煽る結果となり、朝霧ユラが姿を消した原因ではないかと囁かれている。
GM :
ではこのシーンで調べられる情報は以上です!
多々良那 浅香 :
アイカツするよ~ん ゲーム実況するからよ
GM :
おはさか~(スパチャ投入)
多々良那 浅香 :
(4+1+0)dx(10+0)+10+0 〈芸術:ゲーム〉判定(5DX10+10) > 10[2,6,7,7,10]+3[3]+10 > 23
多々良那 浅香 :
スパチャ読みしなきゃ……
GM :
おはさか~(ログボのように10000円を送る熱心なファン)
system :
[ 多々良那 浅香 ] 財産点 : 0 → 4
多々良那 浅香 :
キャバァーン!
GM :
では次のシーンへ!
Scene 08 出発、そして再会
GM :
ライブの時間だあああ! 全員登場お願いします!
飴家 真珠 :
うおおおおおお!!!
飴家 真珠 :
48+1d10(48+1D10) > 48+7[7] > 55
ロッキー :
59+1d10(59+1D10) > 59+3[3] > 62
蹄啼 イバラ :
47+1d10(47+1D10) > 47+1[1] > 48
多々良那 浅香 :
63+1d10(63+1D10) > 63+6[6] > 69
GM :
都内、某ライブ会場。
GM :
武者小路勇姫の襲撃計画からさらに2週間ほどが経過した。
GM :
あなたたちはアイドルとしてのレッスン、そしてFHとして調査の仕事を両立する多忙な日々を送り……ついにファム・ファタールの新人お披露目ライブの日を迎えた。
GM :
お披露目ライブはその規模も、ステージ演出も、ファンの人数も、万単位の動員を記録する主力メンバーたちのライブとは比べるべくもない。
GM :
しかしながら、新たなアイドルが誕生し成長していく姿を見届けたいという熱心なファン層に支えられ毎度ライブは盛り上がりを見せていた。
GM :
特に今回は初の公募も行われたということで、チケットの完売も相当に早かったようだ。
GM :
本番前の控え室では、あなたたちとメイク・衣装担当のスタッフが出番に向けて待機していた。
GM :
お披露目ライブでは、新人が指名した先輩もゲストとして共演するのが恒例である。
GM :
誰が登場するのかは当日のお楽しみで、熱心なファンの間では予想が繰り広げられており、これもお披露目ライブの人気に一役買っている。
ロッキー :
「ふんふんふん……♪」鏡の前でメイク係に化粧を施してもらいながら、上機嫌に足を鳴らしている
飴家 真珠 :
「…………」 まるで抜け殻のように呆然としながらメイクされている。プロにメイクされることが初めてで、鏡に映る自分を信じられない目で見つめていた
多々良那 浅香 :
「オ、かんわい~~!二人とも流石スカウトのお眼鏡にかなった原石!よ!絶世のアイドル!」
眼鏡飛翔防止用のゴムを耳にかけながら
新藤亜里沙 :
「ふぅん……まあいいんじゃないですかぁ?」 タレント陣のリーダーとして視察に来た新藤亜里沙も後方で腕組みしている。
飴家 真珠 :
[あ ありがとう]顔を赤らめて
蹄啼 イバラ :
「お二人とも、もともと整った顔立ちをしていましたからね~」既に準備を終えたイバラが、鏡越しに新人ふたりを覗き込む。
新藤亜里沙 :
「そういえば今年は蹄啼さんがシークレットゲストに指名されたんですね? よく来ましたよねぇ」
蹄啼 イバラ :
「ええ、コンクールに向けた準備期間でしたから、他のお仕事を入れてない分、ちょうど時間が作れたんです~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしのことを指名したのは、飴家……あ~、真珠さんの方だったのでしたか?」
飴家 真珠 :
[うん]
飴家 真珠 :
[きてくれてうれしい] メイクを終え、振り返って
蹄啼 イバラ :
「……それはどうも、こちらこそお招きいただき光栄ですよ~」二歩三歩と距離を取る。
ロッキー :
「僕サマは浅香姫を指名したとも!」くるりと振り返り、メイクを終えたキメ顔を披露する
多々良那 浅香 :
「くゥ~、ありがたい気持ちと突然のライブで入ったレッスンのしんどさで半々って感じ」
多々良那 浅香 :
「まぁでも実際あたしが知ってる限り二人と接点強いのってあたしたちくらいだもんね、断るわきゃないよ」
他によく接する先輩いたっけ?と
ロッキー :
「うむ、なんだかんだ二人が良いと思ったのさ! 真珠姫もそのはずだよ」
飴家 真珠 :
[いろんなせんぱいとなかよくしてもらったけど たしかにふたりがいちばんなかよしだとおもうな]
蹄啼 イバラ :
「……嬉しいことを言ってくれますね~」
蹄啼 イバラ :
「そう思ってくれているのは伝わりましたから、そのまま立ち上がらないでくださいね真珠さん」
蹄啼 イバラ :
「ステイステイ。今日はハグ禁止です。絶対NG、メイクなどが崩れますからね~」
飴家 真珠 :
「……!?」 ショックを受けた顔してる
多々良那 浅香 :
「おお……あたしが知らぬ間に謎のパワーバランスが形成されてる。ハブんなよ」
飴家 真珠 :
「…………」 しょぼ…ってし始めた
蹄啼 イバラ :
「……多々良那さん、勘違いしないでくださいね~? わたくし達の間には何もありませんよ~?」
蹄啼 イバラ :
「わたくしのことは良いですから、ライブ後に思う存分、多々良那さんと真珠さんでハグしあえば良いですよ~」
多々良那 浅香 :
「ヌゥ、メイクやら衣装やら崩れんのはマジなんだよな……ライブ終わった後に存分にしちゃおうぜ真珠ちゃん!ステージの上でだってよいとされてる」
飴家 真珠 :
[わかった!]
飴家 真珠 :
[あさかちゃんとろっきーちゃんといばらちゃんとわたしで おつかれさまのぎゅーしようね!]
蹄啼 イバラ :
「……ステージ上では、ぜったい止めてくださいね~」アイドルの仲良し営業は虫唾が走る。ステージ上で魅せるのは、美しいパフォーマンスだけでいい。
ロッキー :
「おお、めでたい事があった時にみんなでハグするのはアニメで見た事がある! 是非やろう!」案外ノリ気だ
飴家 真珠 :
[たのしみだね]
飴家 真珠 :
[まずはライブをせいこうさせなくちゃ だけど]
ロッキー :
「それはそうだね。やっぱり不安かい?」
飴家 真珠 :
頷く。初めてなのだから当然だと言うように。
ロッキー :
「ま、そうだろうねぇ。僕サマも今は浮足だってはいるけど、舞台に上がれば……」
ロッキー :
「緊張、するかもね」不安なのはキミだけじゃないと伝えたいようだ
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんでも そうなんだ] 意外そうに笑って
ロッキー :
「なんせ、とんでもない数の人に見られるワケだろう? そりゃあ不安にもなるさ」
ロッキー :
「遠くの席にいる人まで、僕サマたちの魅力が届くかどうか……とかね」冗談めかして
飴家 真珠 :
「…………」 席から立って、ロッキーに近づいてその手を取り、
飴家 真珠 :
[きっとだいじょうぶだよ ろっきーちゃんは おうじさまだから] そう笑いかける
ロッキー :
「ふふん、当たり前さ! みんなを僕の虜にしてあげるとも!」その手を握り、自信満々に返す
ロッキー :
「それと、真珠姫もきっと大丈夫さ」
ロッキー :
「こんなイケてる王子のお姫様なんだ、キミもイケてないハズがないからね!」再び、絶対の自信をもって言い切る
飴家 真珠 :
「…………」 くすっと笑って、
飴家 真珠 :
[ありがとう ろっきーちゃん]
飴家 真珠 :
[じゃあ きょうは]
飴家 真珠 :
[わたしをほんとうのおひめさまにしてね おうじさま] 少し恥ずかしそうに微笑む
ロッキー :
「任せたまえよ、僕たちのステージを舞踏会にしてしまおう!」いつもの笑みを向けて
飴家 真珠 :
「……!」 うん、と頷く
ロッキー :
「よしよし、先輩方もよろしく頼むよ! 僕サマたちのフレッシュさに押し負けるワケは無いと思うけど、万が一もあるかもしれないからね」若干挑発じみた発言を吐く
蹄啼 イバラ :
「……? ああ、そうですね~?」万が一もないだろう、といった顔だ。
蹄啼 イバラ :
「よろしくお願いしますね~? 観客の方々同様、わたくし達もお二人のステージを楽しみにしていますよ~?」
多々良那 浅香 :
「あ~~?言ってくれるじゃんね!普段がアレだからナメられてるかもしんないけどギャップの良さってモンを見せてあげるから」
多々良那 浅香 :
「そっちこそ後で『あたしたちに恐縮しちゃって~』とか言ったらダメだよぉ?リザルトは嘘つかないかんね!」
飴家 真珠 :
[わたしはなめてるとかじゃないんだけどな] 困ったように笑って
蹄啼 イバラ :
「(ある種、舐めてくるよりタチが悪い気もしますが~……)」気軽にキスしてくる……
飴家 真珠 :
[いいわけしなくてすむように せいいっぱいがんばらなくちゃね] ロッキーを見て
ロッキー :
「もちろん、僕サマはいつだって全力だからね! 言い訳は敗者のすることさ!」絶対的な自信で胸を張って
ロッキー :
「ああ、ちなみに僕サマも舐めてるワケじゃなくて、期待の方が近いとも」
ロッキー :
「ほんとうに楽しみなんだ。アイドルのパフォーマンスを近くで見られるのがね」まるで少女のように目を輝かせて
蹄啼 イバラ :
「ああ、ロッキーさんは生のライブは初めてでしたっけ~」
多々良那 浅香 :
「…………照れるわ!!なんつー素敵なイベ……流石に気合入ってきたな……」
照れ隠しのように肩を回し始める
蹄啼 イバラ :
「ふふ、後輩相手に"普段あまりレッスンできていないから"なんて言い訳はできなくなりましたね~、多々良那さん?」くすくすと笑う
多々良那 浅香 :
「はぁー?こぉんな可愛い後輩共にんな言い訳する気元々ありませんでしたー、全力投球でやらせてもらってますー」
メンチ切って
蹄啼 イバラ :
「それなら結構♪ これだけの啖呵を切っておいて、みっともないステージだったら自殺モノです♪」ニコニコと視線を受け流す。
飴家 真珠 :
皆の会話を微笑ましそうに横目に見ながら、真珠は遠くで見守ってくれている泊里の方へと向かう。
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん れーいちろーさん] ピンクの光の文字を周囲にふわふわ浮かばせながら呼びかける
泊里 零一郎 :
「飴家さん。うん、準備は大丈夫そうだね」 腕を組んで真珠の様子を確認しながら、その呼びかけに答える
飴家 真珠 :
[ほんと? へんじゃない?] その場でくるくる回って見せて
泊里 零一郎 :
「変なことなんてあるものか。衣装もメイクもスタッフのみんなが自信を持って提供しているからね」
泊里 零一郎 :
「ただ、僕らができるのはそこまで。あとは、君自身の力を信じて行けばきっと大丈夫だ」
飴家 真珠 :
「……」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「……………………」 返事をせず、なんか不満そうにジッと見つめている
泊里 零一郎 :
「ど、どうかしたかい?」
飴家 真珠 :
「……」 ううん、と首を横に振ってから、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんって いちおう わたしのファンいちごうってことになるんだよね?] 急に確かめるように
泊里 零一郎 :
「……!」
泊里 零一郎 :
「……そうだね。アイドルとしての君の、ということであれば僕が最初だし、プロデューサーとしてそうあらなければならないと思っているよ」
飴家 真珠 :
[そうだよね]
飴家 真珠 :
[それなら いまのわたしに もっとなにかいってもいいことがあるとおもいます] 両腕を広げて、目を閉じながら
泊里 零一郎 :
「……とても素敵だよ。君がこれから舞台に立つと考えたら、まるで夢みたいなことだ」
泊里 零一郎 :
「ただ……そういうことではないかな」 少し困った顔で
飴家 真珠 :
[ううん そういってくれてうれしい]
飴家 真珠 :
[ありがとう せいいっぱいがんばって きたいにこたえるね] 満足そうに、少し照れたように笑って
泊里 零一郎 :
「大丈夫、君ならできるよ。僕も、ひとりのファンとして今日と言う日を目に焼き付けたいと思う」
泊里 零一郎 :
「ふふ、みんなと一緒にハグしてほしい、なんて言われたら困ってしまうところだったが……」 ちょっと焦ったらしい
飴家 真珠 :
[そんなこといわないよ!?]
飴家 真珠 :
[そりゃできるならしたいけど すごくしたいけど]
飴家 真珠 :
[でも それはだめだってさいしょにいわれたから] 両手を胸の前でぶんぶん振って、
飴家 真珠 :
[ただ わたしをみつけてくれたひとにも ほめてもらいたかっただけなの]
飴家 真珠 :
[ありがとう れーいちろーさん] 緊張も随分ほぐれたように、笑顔になる
泊里 零一郎 :
「君を見つけた……か。そうだね、まさに運命的な出会い……と美談にしてしまうべきものかはわからないが」
泊里 零一郎 :
「僕も、君に出会えてもう一度夢を見つけられたことに感謝している。こちらこそ、ありがとう」
飴家 真珠 :
「……!」 嬉しそうに笑って、
飴家 真珠 :
[って よくかんがえたら おれいいうのもまだはやかったかも]
飴家 真珠 :
[ライブ ほんとにがんばるから]
飴家 真珠 :
[とくとうせきで みていてね わたしのプロデューサーさん]
泊里 零一郎 :
「うん、ずっと近くで見守っているよ」 頷いて。
泊里 零一郎 :
「……と、開演の時間も近づいてきたね。そろそろ舞台袖に移動しようか」
飴家 真珠 :
わかった! と元気に頷く
蹄啼 イバラ :
「あら、もうそんな時間ですか~」
蹄啼 イバラ :
「────時に、多々良那さん?」とんとん、と肩を叩く
多々良那 浅香 :
「あい?」
蹄啼 イバラ :
「つい先日の任務で、飴家さん達は"殺戮人形"に襲われましたよね~?」
蹄啼 イバラ :
「それは未遂に終わった訳ですが、まだお二人を狙っているなら、このステージにも潜伏しているかもしれません」
蹄啼 イバラ :
「わたくし達はステージ慣れしている分、いくらか余裕がありますから、お二人を守れるように警戒を怠らずにいましょう」
多々良那 浅香 :
「なるほどね。おけ、目は光らせとく……」
多々良那 浅香 :
「イバラちゃんだから心配してないけど、あたしが妙な動きしたら手なり足なり吹っ飛ばしといて。イバラちゃんがそうなってもおんなじにするから」
りょうかーい、と軽く
多々良那 浅香 :
「あ、客前だとヤバいかな……?」
蹄啼 イバラ :
「その場合はワーディングをかけてから……ああ、わたくしの場合、手足をどうにかしても意味ないので、頑張って何とかしてくださいね~」RC型ゆえ
多々良那 浅香 :
「ああ……それあたしもそうだったわ!」
ガハハ!
蹄啼 イバラ :
「ワーディングで気絶しなかったオーヴァード、すなわち殺戮人形本体を叩くのがベストかもしれませんね~」
蹄啼 イバラ :
「……まあ、取らぬ狸の皮算用とも言いますし、打ち合わせはこのくらいで」
蹄啼 イバラ :
「護衛の気構えだけしておいてください~」
多々良那 浅香 :
「うーい、ちょっと平和ボケしてたから助かったワ、それじゃぁお互い頑張りましょ」
グータッチの構え
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
グータッチなど、した事がないのだろう。だが、おずおずと握った右手を差し出す。
多々良那 浅香 :
「! うし、行こ」
いつの間に親愛度を……?と小さく呟きながら袖へ
蹄啼 イバラ :
「……また何か勘違いされているようですが、わたくしは”表現者”としての最善を尽くしているだけ」
蹄啼 イバラ :
「パーソナルスペースを侵害されない限り、舞台でのパフォーマンスに利がある行動を選びますよ~」言いながら付いていく
GM :
あなたたちはライブ会場の舞台袖へ移動する。
GM :
大きめの体育館ほどの箱、その客席いっぱいに詰めかけたファンの熱気が舞台袖まで伝わってくる。
飴家 真珠 :
「…………」 緊張した面持ちでそわそわしている
ロッキー :
「これはこれは、すし…づめ? と云うのかな?」真珠の隣で客席の喧騒に耳を澄ませて
ロッキー :
「どうだい真珠姫、調子の方は?」
飴家 真珠 :
[だ だいじょうぶ] と文字を浮かばせるが、あまり大丈夫ではない表情してる
ロッキー :
「本当かな~?」微妙に揺れている文字と真珠の顔を見比べる
ロッキー :
「深呼吸はしておきなよ、ちょっとは落ち着くかもしれないからね」
ロッキー :
そうは言うが、ロッキーの笑顔も固い
飴家 真珠 :
「…………」 ロッキーを見て、
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんも そうしたほうがよさそう]くすっと笑って
ロッキー :
「そ、そーかな?」図星を突かれたように目を丸くする
ロッキー :
「柄でもないね、人前で緊張するなんて……」深く空気を肺に送り込んで
飴家 真珠 :
[それくらい このステージがろっきーちゃんにとってだいじってことだよ きっとね] ロッキーを安心させるように、その手を握る
ロッキー :
「とってもね……。少し前までは夢に手が届きそうだ、なんてぼんやりとしてたけど……」
ロッキー :
「こうやって目の前にすると、脚が竦むというものだ……」不安を漏らして
ロッキー :
「も、もちろんちょっとだけ……だけどね!」
飴家 真珠 :
[わたしはちょっとじゃなくて すっごくあしぶるぶるしてるかも]
飴家 真珠 :
[でも きんちょうはしてるけど しんぱいはしていないの]
飴家 真珠 :
[だってわたしには かっこいいおうじさまがいるんだから] 微笑みかける
ロッキー :
「…………」真珠の微笑みに口元を緩ませて
ロッキー :
「ありがとう、姫。王子たる僕サマを勇気づけるのにふさわしすぎる言葉だ!」キザったらしく髪を靡かせる
ロッキー :
「……ああ、そうだ。真珠姫、ちょっといいかな」何か思い出したことがあるようだ
飴家 真珠 :
「?」 何? と首を傾げる
ロッキー :
「一曲目の最後、キミを抱きかかえて終わりにしようと考えていたのだけど……」
ロッキー :
「それを少し変えようと思うんだ」人差し指を空でくるくると回して
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[それはどうかえるの?] 土壇場で変更に対応できるか分からず、心配そうに聞く
ロッキー :
「そんなに心配することはないさ、大した変わりはないよ」
ロッキー :
「王子と姫のラストと言えば、だ……。やっぱり、これじゃないかと思ってね」
ロッキー :
そう言って自身の唇に、人差し指を軽く宛がう
飴家 真珠 :
「!?!?!?!?」 その動作で察し、動揺する
ロッキー :
「? ……ああ、ごめん。言葉が足りなかったね?」
ロッキー :
「フリだよ、フリ。本当にキスをするワケないじゃないか」あっけらかんと笑う
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[そっか ろっきーちゃんならわたしはうれしいけど アイドルがステージでちゅーなんてまずかったね] 顔を赤らめながら、若干残念そうに
ロッキー :
「? ま、流石にね。だから最後はおでこが触れ合うぐらいの近さで抱き合ってくれればいいとも」残念そうにしてるのを不思議そうに
飴家 真珠 :
「……………………」 うーん、と腕組みをして首を傾ける
飴家 真珠 :
今まで練習してきたのとは違う動きを、初心者もいいところの自分が合わせられるのかと悩んでしまう。
飴家 真珠 :
「…………………………………………」 目をぐるぐるさせながらさらに悩んで、
飴家 真珠 :
[わかった いいよ!] それがロッキーのやりたいことならと、親指を立てて了承する
ロッキー :
「さすがは姫! 僕サマも姫の負担になりすぎないようにカバーはするとも!」同じく親指を立てて見せる
飴家 真珠 :
[うん よろしくね おうじさま] しょうがないな、と笑う
ロッキー :
「うむ、今日は僕サマたちの存在を世界に刻み付ける日だ……」
ロッキー :
「共に頑張ろう、真珠姫!」肩をポンと叩いて
飴家 真珠 :
「!」 うん、と笑顔で頷く。
飴家 真珠 :
「…………」 一つ深呼吸をしてから、
飴家 真珠 :
[ねえねえ いばらちゃん あさかちゃん] ロッキーを連れて、二人に近づく
多々良那 浅香 :
「なに~?」
最後に自身の衣装を弄っている
蹄啼 イバラ :
「?」何の用だろうか、と首を傾げる。
飴家 真珠 :
[あのね]
飴家 真珠 :
[えんじんくみたい! ドラマでみたことあるの わたしもやりたい!]
蹄啼 イバラ :
「…………」わたくしはやりたくないですが、と言いたげな顔を浅香に向ける。このノリにも付き合うつもりだろうか。
多々良那 浅香 :
「あたしは普通に拒否する理由ないっつーか……そんなにイヤかなぁ」
イバラが嫌がるのは容易に想像できたようで、少し呆れ顔で
蹄啼 イバラ :
「……衣装、崩れますよ~」やっぱり味方になってくれなかったので、仕方なく自分で反論する。
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ! くずれないようにするから!] 言いながら勝手にイバラの手を掴む
蹄啼 イバラ :
「…………はあ、まったく強引なんですから」溜め息を漏らす。
蹄啼 イバラ :
過度な馴れ合いは苦手だが、そんなことでモチベーションが上がるなら仕方ない。ステージを良くするためだ、と諦める。
蹄啼 イバラ :
「開演前は一人で精神集中するのが、わたくしのルーティンなのですが、今日の主役は貴女たちですからね~」
蹄啼 イバラ :
「今回は付き合いましょう~」困ったように笑い、真珠の要求を受け入れる。
飴家 真珠 :
「!!!」 やったあ、と笑顔になって
飴家 真珠 :
[じゃあみんなで てつないでやろ! それならいしょうもくずれないよね] そうピンク色の文字を弾ませながら、右手でイバラ、左手で浅香の手を握る
多々良那 浅香 :
「円陣で崩れるのなんて程度が知れてるけど、配慮助かる!はいどうぞ」
(両手を握ってどのように円陣を?)と思いながら
蹄啼 イバラ :
「(……こんなことで、何が楽しいんだか)」そう思いながら拒絶はしない。
ロッキー :
「おー! のやつだ! 僕サマもするのは初めてだな」
ロッキー :
そういって浅香とイバラの手を握る
蹄啼 イバラ :
「もう時間もありませんから、できるだけ早くお願いしますね~? 遅刻がマズいことくらい、シンデレラを読んで知ってますよね~?」
飴家 真珠 :
もちろん、と頷いてから、
飴家 真珠 :
[じゃあ あさかちゃん なんかいいかんじにおねがいします] 当然のように隣にいる浅香に振る
多々良那 浅香 :
「ええ!?う、お、む、真珠ちゃんが号令してくれると思ってたワ……難しいかそりゃ」
多々良那 浅香 :
「えー、こほん、……それじゃぁ初めてのライブ、あたしらは勝手にやるから、二人は何も気にせず楽しんできて!待ってる未来は輝かしいぜ!えい、おー!」
握った両手を高くあげる
飴家 真珠 :
「……!!!!」 おー! と唇が動く。声は出ないが楽しそうな笑顔で、一緒に両手を掲げる。
ロッキー :
「おーぅ!!」 ハツラツと二人の腕をあげて
蹄啼 イバラ :
「(……オファーを断らなかったのは、失敗だったでしょうか)」なんてことを思いながら、握っていた手を飴家真珠とロッキーに上げられる。
GM :
……いよいよライブが開演する。
GM :
開演を知らせるスピーカーの音と共に、壇上のスクリーンにメルヘン風のお城が映し出される。
GM :
今までにないタイプの導入に毎年参加しているファンからもざわめきが起こっているようだ。
飴家 真珠 :
────その幻の白亜の城を背に、一点を射抜くような鋭いスポットライトが爆ぜた。
飴家 真珠 :
光の柱の中で佇むのは、純白のドレスに身を包んだプリンセス。
飴家 真珠 :
彼女は眩い光に照らされながら、ステージ中央に鎮座する一本のセンターマイクへと、ゆっくり歩みを進める。
飴家 真珠 :
そして、自身に集まる無数の視線へと、ドレスの裾を両手で優雅に持ち上げながら、静かにお辞儀を返した後。
飴家 真珠 :
「……」
飴家 真珠 :
彼女は祈るような手つきでマイクを握りしめ、歌い出そうと唇を震わせる。
飴家 真珠 :
だが、しかし、その歌声が響くことはなかった。
飴家 真珠 :
広大な会場を埋め尽くすのは、重苦しいまでの無音だ。
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
彼女は自分の声がどこにも届かないことに、愕然とした表情を浮かべる。
飴家 真珠 :
「……っ! ……っ!! …………ッ!!」
飴家 真珠 :
それでも諦めることなく、何度も何度も喉を震わせて歌おうと試みる。
飴家 真珠 :
だが、どれほどあがこうと無意味だ。もうすでに、彼女の声は失われてしまっているのだから……。
飴家 真珠 :
「…………っ」
飴家 真珠 :
自らの喉元を縋るように抑え、血の気が引いた顔で後ずさる。
飴家 真珠 :
その瞳には、哀しみや恐怖が綯い交ぜになった感情が溢れ出していた。
飴家 真珠 :
プリンセスは押し寄せる感情に耐えきれなくなったのか、観客たちの視線から逃げ出すように走り出す。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
やがて、彼女はステージの隅で膝を突き、力なくへたり込んでしまう。
飴家 真珠 :
その顔は、深い絶望で染め上げられていた。
飴家 真珠 :
────これは事前に用意されたシナリオであり、ただの演技だ。
飴家 真珠 :
しかし、真珠が醸し出す悲劇の空気は、あまりにも真に迫っていた。
飴家 真珠 :
それは、彼女の脳裏に偽りなき記憶が蘇っていたから。
飴家 真珠 :
幼い頃、唯一の肉親であった兄と共に親に捨てられたあの日。
飴家 真珠 :
お菓子の家に誘い込まれた先で待っていた、FHの研究所と、人間であることを否定されるような実験体としての責め苦。
飴家 真珠 :
失敗作という烙印とともに、街の片隅へゴミのように廃棄された絶望。
飴家 真珠 :
そして、ようやく出会えた江戸川大吾という父と、同じ苦しみを分かち合えた兄妹たちという家族。
飴家 真珠 :
だが、奇跡のように舞い降りた救いの日常さえも、運命は無慈悲に奪い去ってしまった。
飴家 真珠 :
「………………………………」
飴家 真珠 :
今、スポットライトに照らされている彼女の表情には、これまでの人生で味わった絶望、その全てが再現されていた。
飴家 真珠 :
そして……項垂れた真珠の頭から、銀色のティアラが鈍い音を立てて床へとずり落ちる。
飴家 真珠 :
それはまるで、声を失った彼女にはアイドルとしての資格などないのだと宣告するかのように、ステージの上に虚しく転がった。
ロッキー :
────その時だ。
ロッキー :
カツン、カツン。
ロッキー :
時計の針を思わせる、規則的な足音が会場に響く。
ロッキー :
「────ああ、可哀想に。どうやら道を見失ってしまった女の子がいるようだ」
ロッキー :
暗闇の中から、憐れみを含んだ声が上がる。
飴家 真珠 :
「…………?」 その声がする方へ、引き寄せられるように顔を向ける。
ロッキー :
そんな暗闇を裂くが如く、煌々とたかれた壇上のスポットライトの下には不敵な笑みを湛える女が立っていた
ロッキー :
その悠然とした立ち姿と衣装には、王子という名が似つかわしいだろう。
ロッキー :
スーツをベースにした衣装の燕尾を揺らしながら、ファム・ファタールの赤をベースカラーに、所々に取り入れられた深紫の装飾を輝かせ、一段ずつゆっくりと真珠へと歩みを進めていく。
ロッキー :
「だが、どうか気を落とさないでおくれ」
ロッキー :
「キミが自分の歩む道を見つけるまで、エスコートするのが僕サマ……王子の役目」
ロッキー :
芝居がかった身振り手振り。この様を見る観客に自身の生き様を刻みつけていく。
ロッキー :
「だから、その時まで────」カツンッ
ロッキー :
そうして真珠の隣にまで辿り着くと、ティアラを拾い上げて……
ロッキー :
「僕サマの、姫になってはくれないかい?」
ロッキー :
真珠の頭にそっと被せる。
ロッキー :
優しく囁くような声色で、純白の布地で覆われた手を差し出し、返事を待つ。
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
王子を見上げる、その瞳が揺れる。
飴家 真珠 :
瞬間、目の前の王子の姿と、あの日事務所で初めて出会ったロッキーの姿が、真珠の中で重なった。
飴家 真珠 :
何もかも失い、アイドルになって欲しいという誘いにさえ消極的だったあの日。
飴家 真珠 :
自分は選ばれたのだと、だから胸を張って進めばいいのだと、そう彼女は教えてくれた。
飴家 真珠 :
あの時、心に灯った温かな光が、今再び真珠の中に蘇ったかのように。
飴家 真珠 :
真珠は小さく微笑みながら、ロッキーの手にゆっくりと触れた。
ロッキー :
包み込むように、大切なものを拾い上げるように、手をとって真珠を立ち上がらせる。
ロッキー :
「じゃあ、姫。僕サマたちのすべきこと、わかるかな?」センターマイクへ視線を向けて
飴家 真珠 :
「……」 静かに頷く。
ロッキー :
ゆっくりと歩調を合わせて、センターマイクへと近づいていく。ライトの光で煌めくマイクの様は、まるでこれからの栄光を示しているようで……。
ロッキー :
「さあ姫、最初のステップさ。今のキミに必要なものを考えてごらん?」 マイクの前に立ち、会場を見渡す
飴家 真珠 :
「…………」 胸元に両手を当て、目を瞑る。
飴家 真珠 :
心臓の音を数えるように、ゆっくりと時間が過ぎていき……。
飴家 真珠 :
やっとその瞼を開くと、その瞳に映るのは、隣に立つ王子と同じ景色。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
さっきと同じ、それでも今は全く違って見える光景に、真珠は喜ぶように微笑み────
飴家 真珠 :
やっと、自分の意思でその一歩を踏み出した。
ロッキー :
二人に纏う、数多の視線。期待と不安、また奇異を含んだ数多の視線。
ロッキー :
「そうさ、キミと僕サマにまず必要なのは……」
ロッキー :
右手を掲げて、観客たちの視線をその手に集め……
ロッキー :
「絶対的な、自信さっ!!」
ロッキー :
パチィン! 場の雰囲気を塗り替えるフィンガースナップを会場に響かせる!
GM :
突然ミュージカル風の演出が始まるという前代未聞のデビューライブに最初は面食らっていた観客も、始まってものの数分で、完全にあなたたちの演出する世界に引き込まれていた。
GM :
演出、というと少し違うのかもしれない。
GM :
アイドルとは生き方。いままでのあなたたちの生き方の片鱗を――舞台を通じて、あなたたちの物語を観客は幻視したのだ。
GM :
どこかダークなイントロとともに、ライブの幕が開ける。
ロッキー :
「さあ、今宵は歌い踊り明かそう!」
ロッキー :
「僕サマたちを止めるものは誰もいないのだから!」観客へ向けて自身を誇示し、 自分のポジションまで移動する
飴家 真珠 :
同じく自分のポジションに立ち、そしてステップを刻み始める。
ロッキー :
まるで舞踏会さながら、ロッキーは優雅にステップを刻む。
ロッキー :
その所作の一つひとつが刃物のようにキレがあった。ただステージで踊るだけではない、自己を発露させる場として、高める場としてこの場に君臨している。
ロッキー :
観客席のファンたちへと放たれた視線はまるで心を穿つように鋭く、心を鎖で絡めとるが如くだ。
ロッキー :
それでも、視界の端には真珠の姿がいつもある。アイドルとして立っているが、姫をエスコートする王子としての責務も心得ているから。
飴家 真珠 :
真珠を常に気にかけていたロッキーは、すぐに気付くだろう。
飴家 真珠 :
彼女の表情が、どこか暗く沈んでしまっていることに。
飴家 真珠 :
かつて泊里が見出したアイドルの才能。観る者の心を惹きつけるような表現力は、今の真珠からは微塵も感じられない。
飴家 真珠 :
その踊りは空虚でしかなく、指先ひとつにさえ輝きが宿っていない。
飴家 真珠 :
客席からは、初めての大舞台に緊張し切っているように見えただろう。
飴家 真珠 :
だが、真珠を縛り付けているのは、未熟さゆえのものではない。
飴家 真珠 :
「…………っ」
飴家 真珠 :
脳裏を掠め続けるのは、二週間前の記憶。
飴家 真珠 :
己の復讐を果たすため、武者小路勇姫を襲撃する任務の手伝いをしたあの日。
飴家 真珠 :
無関係の相手を傷つけることを決意したことも、罪悪感で結局何も出来なかったことも、敵のはずの自分を勇姫が気遣ってくれたことも────
飴家 真珠 :
その全ての記憶が、真珠の心に語りかけていた。
飴家 真珠 :
こんな自分がアイドルなどという、人々に夢と希望を与える存在であっていいはずがない、と。
飴家 真珠 :
リハーサルの時までは、必死にその想いを心の奥底に封じ込め続けていた。
飴家 真珠 :
けれどこの本番という最高の舞台が、その罪を無慈悲に暴き出してしまう。
飴家 真珠 :
頭上から降り注ぐスポットライトは、演者の影を深く色濃く、ステージの床に刻みつける。
飴家 真珠 :
その眩い光は、肌を焼くような痛みに変わって真珠の瞳から生気を奪い……。
飴家 真珠 :
真っ黒な影がまるで足枷のように、彼女の足首を固く縛り付けてしまっていた。
ロッキー :
自身の影に囚われた真珠。煌々とたかれたライトは彼女の罪を暴き、縛り付ける……。
ロッキー :
だが、そこに飛び込む影が一つ。影の牢獄に踏み入った。
ロッキー :
『やぁ姫、楽しめていないようだね?』 <タッピング&オンエア>で真珠のイヤホンをジャック、専用の回線を咄嗟に作成する
ロッキー :
そのまま真珠の手を取り、真珠の沈んだ表情を抜かれない様にステップを踏み続ける。
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
ハッとして、ロッキーを見上げる。その目には驚きと、今も不安がこびりついていた。
ロッキー :
『僕サマは、キミが何を想っているかは完璧に理解してあげられないけども……』
ロッキー :
『キミを縛る何かを軽くすることはできるかもしれないね』
ロッキー :
『さぁ、考えるんだ。キミの得意なことを』
ロッキー :
『キミは人を喜ばせたり、お世話してあげるのが好きだろう?』
ロッキー :
『ならば、その対象は今どこにいるかな? 彼らはキミのことを待ち望んでいるハズ……』
ロッキー :
『……だよっ!』 緩急のつけた一回転。その途中、真珠の瞳を観客席へと向けさせた
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
────わたしがアイドルになると決めたのは、殺戮人形に復讐するため。
飴家 真珠 :
その歪んだ目的にたどり着くための手段に過ぎない。
飴家 真珠 :
だが、今のわたしには復讐を果たすという強い覚悟が、本当にあるのか分からない。
飴家 真珠 :
このままステージに立ったところで、この先自分が復讐できるのかも分からない。
飴家 真珠 :
そもそも、わたしにはアイドルへの憧れはほとんどない。
飴家 真珠 :
ただテレビの画面の向こう側で輝く少女たちを、素敵だなと思いながら眺めていただけ。
飴家 真珠 :
わたしには、アイドルに対する熱情があまりにも欠けている。
飴家 真珠 :
……それでも、そんなわたしがステージに立つ理由。
飴家 真珠 :
それは、夢を背負っているからだ。
飴家 真珠 :
ロッキーの悪の王子様になりたいと、アイドルになりたいという夢を、一緒に背負っているからだ。
飴家 真珠 :
彼女は言った。わたしの得意なことは何か。人を喜ばせたり、お世話してあげることが、わたしの好きなことなのではないかと。
飴家 真珠 :
その根幹にあるのは、誰かを愛したいし、愛されたいという気持ち。
飴家 真珠 :
だったら、今わたしが愛したいのは、
飴家 真珠 :
この舞台を見に来てくれた人たちよりも、それ以上に、もっと隣にいる────。
飴家 真珠 :
「……!!」
飴家 真珠 :
刹那、濁っていた真珠の瞳に、激しいまでの生気が吹き込まれる。
飴家 真珠 :
こびりついていた後悔も、責め立てるような罪悪感も、底の見えない恐怖心も。
飴家 真珠 :
それらすべてを吹き飛ばすような、眩いばかりの笑顔が弾けた。
飴家 真珠 :
世界で一番素敵な王子様と、今、最高の瞬間に立ち会えている。
飴家 真珠 :
その幸せな思いを全身で刻みつけるように、彼女の指先ひとつ、ステップひとつが輝きを放ち始めた。
ロッキー :
『何か掴めたようだね! さ、いきたまえ!』
ロッキー :
真珠はもう大丈夫だ。そう判断したロッキーの手から、彼女の手がするりと抜ける。
ロッキー :
片や、刃物のような輝き。片や、優しい陽に似た輝き。
ロッキー :
二つの輝きが舞台の上から観客たちを照らす。芯まで沁み込ませる、本気のパフォーマンスだ。
ロッキー :
だが、舞踏会も永くは続くはずがない。テンポもクライマックスの様相を呈し、一曲目が終わりに近づいていく。
ロッキー :
「(そろそろだね……)」 そうしてセンターマイクへと向かい、最後のパフォーマンスのために真珠を待つ
飴家 真珠 :
一瞬、真珠の表情に緊張が走る。ここから先は、レッスンでやったことすらない領域だからだ。
飴家 真珠 :
だがそれでもロッキーを信じ、彼女の胸へと軽やかに飛び込む。
ロッキー :
そのまま、軽やかに真珠の細い腰を左手で抱きかかえる。
ロッキー :
「……」自身の背を観客へ向けるが、少しだけその顔を覗かせて……
ロッキー :
「シィ……」
ロッキー :
演奏終盤の間奏。その刹那に人差し指で観客へ静寂を促すと……。
ロッキー :
その指を真珠の顎に添え、口付けをして(いるように)みせた。
飴家 真珠 :
真珠はその口づけを、瞼を閉じて受け入れる。
飴家 真珠 :
彼女から感じられるその想いは、それが見せかけだとは思えないような愛しさに溢れていた。
ロッキー :
ざわめきが微かに上がる静寂の中、ロッキーは再び右手を上げ……
ロッキー :
パチンッ。まるで幕を下ろすように、会場の照明を落とした。
GM :
ざわめきは止まらない。
GM :
今回のお披露目ライブは既存曲のため、ファム・ファタールのファンであれば振りつけも含めて当然知っている。
GM :
それは先輩たちとも比べられるということだが、それがどうしたというのだ、すでに観客はあなたたちの作り出すまったく新しいパフォーマンスに夢中だった。
GM :
……再びスポットライトが点灯し、二人を照らし出す。これから、新たなアイドルの紹介が始まるのだ。観客も固唾をのんで見守る。
ロッキー :
再び正面に向き直ったロッキーは、軽く息を整えてマイクを握る。
ロッキー :
「やあ諸君! 僕サマたちのパフォーマンスはどうだったかな!」
ロッキー :
マイクを観客席へ向けて、反応を待つ。
飴家 真珠 :
「…………」 どきどきと高鳴る胸元に両手を当てながら、観客たちを眺める。
GM :
大きな歓声が応える。個々の声は聞き取れないが、最高だ! とその音圧があなたたちのパフォーマンスの成功ぶりを雄弁に語っているだろう。
ロッキー :
「結構!」とても満足げだ
飴家 真珠 :
「……!」 わあ、と嬉しそうな笑顔になる
ロッキー :
「さて、場も暖まったことだし待望の自己紹介と行こうじゃあないか!」
ロッキー :
こほん、と咳払いを一つ。
ロッキー :
「僕サマはロッキー、見ての通り王子様さ」燕尾を指で翻してみせて
ロッキー :
「おおっと、でも勘違いしちゃ駄目だよ。王子は王子でも……」
ロッキー :
「わる~い王子様だから、その辺は期待しないでおくれよ?」悪い笑顔を浮かべる
ロッキー :
「つまりだ、フィア先輩と同じ扱いが好ましい!」おそらくそういう事にしておけと誰かから言われたのだろう
ロッキー :
「だから今後ともよろしくだ、諸君!」
GM :
女性を中心に黄色い悲鳴めいた歓声が上がる。
GM :
吸血鬼をモチーフとした先輩アイドルが存在することが、ロッキーの破天荒なキャラクターを受け入れやすい土壌を作っているのだろう。反応は上々だった。
ロッキー :
「うむうむ…」観客に軽く手を振り返し
ロッキー :
「じゃあ、次……」真珠にマイクを渡そうとするが、声が出せない事と人前で文字を浮かび上がらせるのは禁じられていることを思い出す
ロッキー :
「……真珠姫、こっちに」センターマイクへと手を引く
飴家 真珠 :
ロッキーがうっかりしてたことを察したのか、小さく笑いながら傍へと寄る。
ロッキー :
「さ、続いて紹介しよう……」
ロッキー :
「彼女の名は真珠、僕サマの姫を演じてくれた優しい子だ!」
ロッキー :
「どうか、彼女にも拍手を送ってあげて欲しい!」
飴家 真珠 :
「…………」 一歩前に出て、少し緊張したようにジッと待つ。
GM :
あなたが前に出ると、大きな拍手と歓声が迎え入れる。
GM :
今度はやや男性からの声が大きいように感じられるだろう。
GM :
アイドルのことはよくわからないあなただが、その生来の守ってあげたくなる儚さ、目が離せない健気さから観客の多くがすでに魅力を理解したのだろう。
飴家 真珠 :
「……!」 口元に手を添えながら、目を丸くする。
ロッキー :
「上々!」この反応も満足したように
ロッキー :
「さて、キミたちもぎもんに思っているかもしれないね……」
ロッキー :
「どうして真珠姫は声を出さないのか? とね」
ロッキー :
「正確に言えば、声が『出せない』が正しい」
ロッキー :
「ある種の魔女の呪いのようなものだ。こんな可愛い子の声を奪っていくだなんて、まったく恨めしいね……」やれやれ、と首を横に振って
ロッキー :
「もしかしたら、『アイドルとして致命的なんじゃ。』なーんて思った人がいるかもしれないけど……」
ロッキー :
「さっきのパフォーマンスを思い出したら、そんなこと言えないだろう?」
ロッキー :
真珠へ悪いイメージを抱かせないように、無意識に湧き出る先入観の芽を容易く刈り取る。
ロッキー :
「まっ、心配する気持ちは理解できるとも!」
ロッキー :
「だから、僕サマとキミたちで! 彼女を支えてくれると信じているよ!」
ロッキー :
有無を言わせない。先導者の声一つで大衆が付いて来ることは何となく理解している。ロッキーはそれを利用して、観客たちへと呼びかけた
飴家 真珠 :
真珠はロッキーの言葉に応えるように瞳を閉じて、ドレスの裾を両手で持ち上げ、優雅にお辞儀をする。
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
やはり、声は出さない。いや、出せない。
飴家 真珠 :
しかし、胸元に両手を置きながら、観客たちに微笑みかけるその表情は、
飴家 真珠 :
どうしようもないほど、みんなが大好きだという気持ちに溢れていることが分かるだろう。
飴家 真珠 :
ライブ中のロッキーに向けていたような感情とは、また少し違う。
飴家 真珠 :
こんなわたしを受け入れて、見守ってくれてありがとう、と。
飴家 真珠 :
そして、これからどうかよろしくお願いします、と。
飴家 真珠 :
そんな純粋で健気な愛情が、彼女の瞳が伝えていた。
GM :
声を出さないアイドル?
GM :
アイドルとは歌うもの。さまざまな個性の跋扈するファム・ファタールにあってもその認識はある種絶対的なものであった。
GM :
しかし、あなたの言う通りこのライブを目の当たりにしたものにとってはそんな心配は杞憂であることがわかっている。
GM :
1の表情で、10を語るよりも観客はあなたの魅力を多く知った。再び歓声が、これからのあなたたちを応援していくぞという声が会場を包み込んだ。
飴家 真珠 :
「…………!!」 その歓声に思わず瞳を潤ませながら、笑顔で応える。
泊里 零一郎 :
「…………」
新藤亜里沙 :
「……泊里さん? 泣いてます?」
泊里 零一郎 :
「いや……」 眼鏡をはずして、ハンカチで顔を拭いながら。
泊里 零一郎 :
「ライブは始まったばかりだ。最後までやりきれるか見守ろう」
ロッキー :
「……さて。このまま雑談しているのも楽しいけど、キミたちが求めているものとは違うだろう?」
ロッキー :
「この熱を逃さないよ! 二曲目、いってみようか!」
飴家 真珠 :
「!」 おー! と笑顔で腕を上げて
GM :
ダークな印象から一変、今度は疾走感ある勇壮なイントロとともにファム・ファタールのスタンダードナンバーが流れる。
GM :
しかしながら、ただの既存曲ではない。
GM :
ふたりのファンタジー風の出で立ちに合わせて、ケルト風の楽器や曲調のアレンジが加えられた特別仕様だ。
GM :
今度は先ほどのダークでメルヘンな世界観から少し変わって、力強いあなたたちのパフォーマンスが観客をふたたび物語の世界へと惹きつける
GM :
…………。
GM :
曲が終わりに近づくにつれて、観客の一部がそわそわし始める。
GM :
そう、例年であれば、このあたりで『サプライズゲスト』の登場であるからだ。
GM :
今年は一体誰が飛び出すのか? インターネットなどでもさまざまな考察がされていたが……。
GM :
……やがて曲が終わり、壇上のふたりが観客に向かって先輩の登場を告げる段となる。
GM :
観客はそれを固唾を呑んで見守っている。
飴家 真珠 :
「…………っ」 息を整えてから、ロッキーを見つめる
ロッキー :
「どうしたんだい、みんな? そんなにソワソワしちゃって……」わざとらしく、もったいぶった態度で
ロッキー :
「……なーんて、冗談さ。みんなも楽しみにしているんだろう? 今回のサプライズは誰なのか……ってね」
ロッキー :
「そんな妬いてしまいそうな今回のゲストは~……」
ロッキー :
「まずはこの子だ!」再び指を鳴らして、真珠ちゃんの手を引いて舞台袖に掃ける
飴家 真珠 :
ロッキーに手を引かれながら、もう片方の手で観客に笑顔で手を振りながら走り出す。
多々良那 浅香 :
新人達の華々しいデビューを見届け、なおそこに佇む豪奢な城。
多々良那 浅香 :
不意に、会場のスピーカーに場違いなほど明るい声が入る。
多々良那 浅香 :
『あ、あー。もしもーし、聞こえてる?』
多々良那 浅香 :
ファムファタ―ルに詳しい者、あるいはこの人物の熱心なファン達はすぐに声の主に気付き、一足先に歓声を上げるだろう。
多々良那 浅香 :
次の瞬間城が映し出されたスクリーンにノイズが走り、一面がビビッドな色合いに包まれた!
多々良那 浅香 :
鮮やかな画面に特徴的なロゴ、文字色。これは配信待機画面。
演出の都合か文字自体はぼやかされているが、ゲストの一枠に誰が呼ばれたのかは自明だ。
多々良那 浅香 :
『お、聞こえてんね!今からそっち行くから待ってろ や ゛ ぁ ! 』
多々良那 浅香 :
配信待機画面にビシリ、バシリと幾度かの衝撃と共に罅が入り、ついにその瞬間が訪れる。
多々良那 浅香 :
「おはさかー!可愛い後輩ちゃんたちに呼ばれたのはあたし、多々良那浅香だぜー!!」
多々良那 浅香 :
バリバリと言う音とともにスクリーンが破られ、飛び出したのは彼女。
多々良那 浅香 :
浅香は配信時と同様モノクロの地に鮮やかな色を配置した衣装に身を包んでいる。
スカイブルーのインナーカラーとメッシュが入ったピンクの髪は普段より一段と華やかだ。これが地毛であることを知る者はファンには存在しない。
多々良那 浅香 :
彼女の登場と同時に、これまた鮮やかな衣装を身に纏った数名のダンサーが駆け込んで来る。
多々良那 浅香 :
「おらー!どうだ新人ちゃんたちの実力はよぉ!あたしらも負けてらんねぇぞ!」
多々良那 浅香 :
「いくぞ!知ってる奴は声上げろ!知らねぇ奴は真似てみな!タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!」
多々良那 浅香 :
彼女が煽るのは、古のチャント、アイドルコール。
新人を追うパッションのあるファンには若者ばかりで知らない者も多いが、アイドルファンである以上嗜んでいる者も多数。
少し繰り返してやれば、すぐにファンたちはノってきてくれる。
多々良那 浅香 :
新人達が作った『観劇』の空気を壊し、観客をステージへ巻き込む。お前達もこちら側だぞ、と胸倉を掴むように。
多々良那 浅香 :
そこからはしっちゃかめっちゃかだ。
多々良那 浅香 :
ダンサーと共にステージの右から左までをバタバタと奔走し、跳んで回って。
多々良那 浅香 :
激しいダンスに身をやつしたかと思えば、突如格闘ゲームの真似事を始めたり。最近ス〇リート〇ァイター6実況をしていた彼女が、敗北を喫し卓上のなんらかを破壊したことはファンの記憶にも新しい。
多々良那 浅香 :
そして次のタイミングには、演奏者からキーボードを強奪して勝手に弾いたり。踊りや歌に留まらず、楽器まである程度は扱えるのがマルチクリエイターである彼女の強みだ。
多々良那 浅香 :
とにかく派手が売りな多々良那浅香の、全霊のライブとはいつもこういうものなのだ。
多々良那 浅香 :
後輩達が作り出した世界観とまるでミスマッチじゃないか、という苦情は受け付けていない。肝心なところで自己中心的なのが彼女だし、多くの人がそれを知っている。
多々良那 浅香 :
せっかく後輩が好意で呼んでくれたのだから、自分のイロを出さずにどうする!……というのは建前だ。
多々良那浅香は、どうしたって究極のところで他者を優先することはできない。自分のために世界を歪めている人間が、そのような選択をとることはハナからできない。
多々良那 浅香 :
元々ただの引きこもりだった女は、破壊を契機にあらゆる世界とつながる力を得た。それこそがオープニングだった。
多々良那 浅香 :
だから、彼女の表現はどこまでも破壊的。儚さや絶望、安らぎ、希望、同調を紡ぐことは決してない。
多々良那 浅香 :
そんなパワー溢れる虚飾の輝きに引きつけられる者たちがいた。そこに非ざる希望を見出し、心奪われてしまった者たちがいた。
多々良那 浅香 :
本来花火のように消え失せるはずだった輝きは、何の因果か求められた。求められてしまった。
多々良那 浅香 :
故に応える。応える意志などという殊勝な想いは無くとも、生き様で結果的に応え続ける。
多々良那 浅香 :
爆発するようなパフォーマンスは、その体現だった。
GM :
砕け散るスクリーンに聴衆が呆気に取られたのもつかの間。
GM :
舞台上のオブジェクトをすべて使った破天荒な振る舞いに、浅香の一挙手一投足に反応するように右から左からコールと爆笑が沸き起こる。
GM :
先ほどまで後輩たちが丁寧に作り上げた世界観を、ともすればぶち壊すような果てしないエネルギー。
GM :
あなたをよく知るリスナーたちも、そうでないものも巻き込まれ、舞台演劇の一部のようになっていた今や聴衆はハチャメチャな空間を一緒になって楽しんでいた。
多々良那 浅香 :
そんな楽しい時間もつかの間。
多々良那 浅香 :
異常な密度に感じられた楽曲は終わりに向かい、じわりと音が遠のいていく。
多々良那 浅香 :
熱気に包まれた会場は次第にその熱を腹に納め、次に何が起こるのか、と神経をとがらせていく。
多々良那 浅香 :
カツン!と、誰かのヒールの音が響く。刹那、それを合図にダンサーたちが衣装の仕掛けを用いて布地を裏返し、ゴシックな色合いのそれに早替えする。
多々良那 浅香 :
浅香もまた同様に衣装の色を替え、フードまで被ってその鮮やかな髪をすっかりと隠してしまう。
多々良那 浅香 :
彼女はすらりと足を滑らせ、ダンサーたちへと紛れ込んだ……
蹄啼 イバラ :
────ぱちんと、照明が切り替わる。
多々良那浅香のビビットなイメージカラーを、
ファム・ファタールらしい毒々しい深紅が塗り潰す。
蹄啼 イバラ :
それは「主役交代」の合図。
『WANANAKI CORPORATION』の社名ロゴ入りのスピーカーたち。
ステージの左右に並んだ彼らが、たったの数秒の休憩を終える。
ドクンドクンと命の鼓動を取り戻し、
まるで生演奏のような重厚なサウンドが、会場を再び満たしていく。
蹄啼 イバラ :
────流れ出すイントロ。
耳に絡みつくような艶めかしさを帯びた、甘い魅惑のメロディー。
……この曲を当然、会場の誰もが知っている。
『魔唱-Femme Fatale-』。ファム・ファタールの代名詞的な一曲だ。
多々良那 浅香 :
浅香が加わりちょうど偶数名となったダンスメンバーが、ともすればバレエにも似た足運びで舞台上を滑る。
多々良那 浅香 :
芳醇な赤と妖艶な黒に身を包んだ彼女達は左右に大きく分かれ、その身を広げる。
多々良那 浅香 :
体現するのは、花弁。それぞれが花開き、舞台上に大輪が咲き誇る。が……
多々良那 浅香 :
これでは足りない。穴の開いた花など瀟洒に欠く。
多々良那 浅香 :
花弁達は頭を垂れている。この穴を埋めるものがあるとすれば、それは――
蹄啼 イバラ :
瞬間。華麗に舞い踊るアイドル達の中心にスモークが焚かれ、
ステージの一部が、塔のように迫り上がっていく。
蹄啼 イバラ :
…その頂上、差し込むスポットライト。
浮かび上がるシルエット。
逆光の中、ひとりの少女が立ち上がる。花の蕾が開くように。
……遥かな高みに立っていたのは、もう一人のスペシャルゲスト。
高性能カメラが、壊れたバックスクリーンにアイドルの姿を映し出す。
蹄啼 イバラ :
────その花の名は、蹄啼イバラ。
これまで一度たりとも新人ライブに現れなかった、美しき毒花である。
GM :
まさか……と近くのもの同士でお見合いするようにざわついていたファンがわっ、と沸き立つ。
GM :
まさかあの"蹄啼イバラ"が新人ライブのゲストに登場するなどとは誰も予想していなかったからだ。
GM :
いったいなぜ? 気まぐれ? 実家の宣伝? それだけ指名した新人に魅力があったから?
GM :
そんな観客の動揺、そして歓喜が見ているだけで伝わってくるようだ。
蹄啼 イバラ :
「(お二人とも────いえ、三人ともなかなか面白い催しでした~)」
蹄啼 イバラ :
「(まだまだ粗削りですが、これから伸びるポテンシャルを感じますね~)」
蹄啼 イバラ :
色鮮やかなサイリウムが彩るステージ。
二人の新人アイドルには、きっと広く見えただろう観客席。
同じ光景を、蹄啼イバラも見下ろすが────
蹄啼 イバラ :
「(……それにしても、こんなに小さいステージに立つなんて、何年ぶりでしょう)」
蹄啼 イバラ :
彼女の視座はそれを、ひどくちっぽけな風景に捉えていた。
遺産の力によって、ファンの”驚愕”や”歓喜”まで色鮮やかに見えているにも関わらずだ。
……場数を踏んできた経験の差。それもあるだろう。
だが、それ以上に。
そのステージの広さは、新人ふたりが持つ夢や希望の大きさそのものであった。
蹄啼 イバラ :
「(予算も少なく、満足に趣向を凝らす自由もありませんでしたが)」
蹄啼 イバラ :
「(アーティストとしては、半端なステージを演じる訳にもいきません)」
蹄啼 イバラ :
今回のパートナー、多々良那浅香。
彼女の踊りを、値踏みするように静かに見下した後。
蹄啼イバラ自身は、ステップの一つも踏まないまま、センターマイクを取った。
蹄啼 イバラ :
アイドルは「歌って踊る」と相場が決まっているが、蹄啼イバラはそうではない。
────蹄啼イバラは踊らない。
忌憚のない自己評価として、蹄啼イバラにはダンスの才能がない。
音楽の才能はあっても、音楽にあわせて身体を動かす才能は別物。
「天は二物を与えず」とは、よく言ったものだ。蹄啼イバラには運動神経が無い。
蹄啼 イバラ :
だからこそ、蹄啼イバラは自らの踊りを「不要なもの」として切り捨てた。
上手くなろうと足掻くだけ無様だと、
その時間は他パラメーターの向上に使った方が効率が良いと、大胆に割り切った。
芸術には余分は不要。
ステージ上で魅せるのは、価値ある美しいモノだけであるべきだろう。
蹄啼 イバラ :
「(先輩を指名してライブだなんて、下らない馴れ合いだと思っていましたが……)」
蹄啼 イバラ :
「(なるほど、此処に立って意図が分かりました)」
蹄啼 イバラ :
「(先を歩むものとして、ファム・ファタールとはどういうモノか教えるため)」
蹄啼 イバラ :
「(であれば、わたくしは────)」
蹄啼 イバラ :
この際、本気のライブを見せつける事に決めた。
────今回のステージの主役が誰か、そんなことはもう気にしない。
多々良那浅香と同様、後輩に譲ってやるつもりなんて元よりない。
弱肉強食がファム・ファタールの、アイドル業界のルールだ。
主役の座を奪われたくないのなら、せいぜい足掻け。
自分との圧倒的技量差に膝を屈し、諦めるような新人など要らないと。
蹄啼 イバラ :
「……♪」
かつんとヒールを鳴らし、大きく息を吸い。
────そして、歌う。
全身全霊をもって、聴く者すべての心を奪う「奇跡の歌」を。
蹄啼 イバラ :
声帯を用いた唱法はもちろん、全身を使って歌声を紡ぎ出す。
姿勢制御によって、声の出方を微細にコントロールして歌う。
どの体勢を取れば、どう歌声の響きが変わるのか。
ほとんど人体解剖学の領域だが、蹄啼イバラはそれを熟知していた。
……何故なら、経験則で知っている。
人体を一つの楽器にする方法ならば、だれよりも。
蹄啼 イバラ :
……後は、ヴァイオリン演奏と同じ。
ありとあらゆる表現技法を駆使して、楽曲に相応しい色彩を────
生々しいヒトの感情を、メロディーに乗せていく。
ライブステージに魂を吹き込み、場の空気を支配する。
……ファン達は、応援する気さえ起こらない。
ただひたすら、熱狂の渦に呑み込まれていく。
切り捨てたダンスを補って余りある、圧倒的な表現力。
蹄啼 イバラ :
たった一つの武器、最高の歌声だけで観客を魅了する歌姫。
”歌えないアイドル”である飴家真珠。その対極に位置する”踊らないアイドル”。
────それが蹄啼イバラというアイドルだった。
蹄啼 イバラ :
アイドルは総合芸術だが、すべてを一人で担う必要は無い。
苦手な踊りは他のアイドルに任せる。適材適所だ。
……重要なのは、あくまでステージ全体の完成度。
アイドルはそれぞれ、楽曲という下書きに従って、
キャンバス上に正しく置かれた一色、芸術の一要素になってさえいればいい。
この考え方は、数多くのオーケストラを渡り歩いてきた経験の賜物かもしれない。
蹄啼 イバラ :
自分に出来ないことは、多々良那浅香が────
そして、バックダンサー達がカバーする。
……蹄啼イバラは踊らせる。他のアイドルを、観客の心を。
多少の無理はあるだろうが、別に問題ないはずだ。
ステージに立っているのは、全員がファム・ファタールのアイドル。
それくらい出来て、当たり前なのだから。
歌と踊り。お互いに利用し合う相互扶助契約。
────それはある種、蹄啼イバラが向ける”暴力的信頼”の形であった。
GM :
さきほど、真珠が体現した”歌えないアイドル”。声は出せないが、全身を使った表現は1の所作で10の声よりも雄弁に物語を語る。
GM :
真珠がそうであるとすれば、蹄啼イバラは動きはない絵画のような舞台であっても10の音楽で100を伝えられる、そんな表現がしっくりくるだろう。
GM :
アイドルとは生き方、人生そのものが武器になる……とはいえキャリアの差は大きく、技術面では新人に比べて2人の出来栄えは圧倒的だった。
蹄啼 イバラ :
────数分の後。興奮さめやらぬ中、蹄啼イバラの"公演"は終わる。
蹄啼 イバラ :
曲が終わり、スピーカーが仮死状態に戻る。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは最後に、ステージ上の塔から身を乗り出し……
蹄啼 イバラ :
えいっと、多々良那浅香の前に飛び降りる。
蹄啼 イバラ :
「……ふう」天井から吊るされたワイヤーに支えられて、ふわりと着地。なかなか満足いく出来だったのか、浅香に微笑みかける。
多々良那 浅香 :
「おつかれーす」
マイク等が拾わないよう小声で、ニヤリと笑い
蹄啼 イバラ :
にこりと笑みで返して、マイクを再び口元に持っていく。
蹄啼 イバラ :
「みなさん、お楽しみいただけたでしょうか~?」
蹄啼 イバラ :
「……名残惜しいですが、お別れの時間が近付いて参りました~」
蹄啼 イバラ :
「最後の曲を担当するのは~、本日の主役! 真珠さんとロッキーさんっ! 二人のヒロインが演じるクライマックス、どうぞご期待ください~♪」ハードルを上げるだけ上げて、浅香と共に退場する。
GM :
……蹄啼イバラの"公演"が終わると、そんなハードルを上げ切るような台詞とともにスポットライトはふたたび本来の主役である新人ふたりへと戻る。
飴家 真珠 :
「……っ」 舞台袖で、胸元を握る。二人のライブに圧倒されてしまったのか、この後に自分たちが続くことを恐れているようだった。
ロッキー :
パチパチ、と真珠の前で軽く指を鳴らす
ロッキー :
「見惚れちゃったかい? 僕サマもさ、やっぱりアイドルって……」
ロッキー :
すごい。その一言に納まらない偶像の極致を見せつけられた。その衝撃はロッキーが王子という概念に邂逅した時と近しいほどだ。
ロッキー :
「けど、僕サマたちも負けられない……だろ、姫?」真珠に手を差し出し、空いた手で舞台を示して
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
ロッキーの言葉は魔法のように、真珠の固くなった体を解き放つ。
飴家 真珠 :
[うん]
飴家 真珠 :
[ありがとう さいごまで エスコートよろしくね]
飴家 真珠 :
[わたしのおうじさま]
飴家 真珠 :
柔らかく微笑んで、その手を取る。
ロッキー :
「もちろん、僕サマのお姫様」
ロッキー :
「キミが飛び立てるまでね」 柔らかく微笑んで、舞台袖から一歩踏み出す
ロッキー :
カツカツと歩みを進めながら、観客に手を振って見せる。クライマックスに達した観客は今にも爆発してしまいそうだ。
ロッキー :
「素晴らしいパフォーマンスをありがとう! 浅香姫、イバラ姫!」
ロッキー :
「でも、まったく恐ろしいね。舞台袖で見させてもらったけど、主役である僕サマたちが食われるかと思ったよ」肩を竦めて
ロッキー :
「流石、ファム・ファタールの先輩方……と言ったところだね?」真珠に目配せして
飴家 真珠 :
「……」 そうだね、と困ったように微笑む。
ロッキー :
「はは! だ、そうだ先輩!」 笑いを誘う冗談を一つ、バックヤードに向けて飛ばす
ロッキー :
「……さて、イバラ姫も言ったように次の曲で最後だよ」再び態度を改め、観客を一望する。
ロッキー :
「最後までキミたちを飽きさせるコトはしないとも! さあ、クライマックスの時間だ!」
飴家 真珠 :
「!」 頑張ろうね、とグッと握り拳を作って微笑みかけてから、彼女から離れてポジションにつく。
GM :
ライブの最後を締めるのは、しっとりとしたピアノメインの曲。
GM :
今までと比べるとダンスの動きの派手さなどはないが、それが心地よい。
GM :
締めの曲というのはライブという”夢”の空間から現実へと戻っていく観客へささげるエールだからだ。
GM :
この曲はシングルでリリースされたものではなく、アルバム収録のため一般の知名度は高くないが、ファンの間では人気が高くライブでも定番となっている曲だ。
GM :
当然のことだが、ふたりのために作られた曲ではない。
GM :
しかし聴く者の懐旧を呼び起こさせる優しい旋律は、どこかふたりが今まで辿って来た道のりを思わせるだろう。
ロッキー :
まるで包みこむような優しい旋律の中で、ロッキーは舞う。このライブ中、キレと激しい動きばかり着目されてきたが、今この時だけは違った。
ロッキー :
羽毛のように軽いステップと物憂げな表情。このライブが終わりへ向かうを惜しみ、現実へと還る観客たちを慈しむかのようだ。
ロッキー :
無論、そんな高尚な倫理はロッキーが持ち合わせていない。レッスンで身に着けた演技指導の賜物だ。
ロッキー :
……そのはずであるが。彼女はこの一ヵ月で実に様々なことを経験した。
ロッキー :
害することでしか人と関わりを持てなかった生活とは違った。人々と触れ合うことで生まれる営み。
ロッキー :
そんな暮らしを知ったロッキーの心は、確かな心情の発露となってパフォーマンスに現れていた。
飴家 真珠 :
────多々良那浅香と蹄啼イバラ。
飴家 真珠 :
二人のステージはまさに別格という他なかった。
飴家 真珠 :
新人のお披露目という名目すら置き去りにし、自分たちこそが主役だと言うかのような鮮烈な輝き。
飴家 真珠 :
その余熱が激しく残る舞台へ、トリとして舞い戻るプレッシャーは並大抵のものではない。
飴家 真珠 :
だが、今の真珠に迷いはなかった。
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
不安や緊張は依然としてまだある。
飴家 真珠 :
けれど、すぐ隣を見れば、眩いほどの輝きを放つ王子様が立っている。
飴家 真珠 :
迷ったときはいつだって力強く手を引いて導いてくれる、わたしだけの王子様。
飴家 真珠 :
彼女と一緒に鼓動を重ねられるなら、もう恐れることなんて何もない。
飴家 真珠 :
真珠は、切なくも美しい笑顔を客席へと向けた。
飴家 真珠 :
言葉にならない歓喜を、指先まで満ちた幸福を。
飴家 真珠 :
もうこれでステージが終わることを名残惜しく思うその気持ちを、全身を使って描き出していく。
飴家 真珠 :
ただ隣で歌う彼女と共に、最高に輝く“王子様とお姫様”を、観客の瞳に焼き付けるために────真珠は華やかに舞い踊った。
飴家 真珠 :
ロッキーのロイスの感情を〇感服/劣等感→〇純愛/劣等感に変更します。
GM :
OKです…!
GM :
……ファム・ファタールに来てからのおよそ一か月。本当に色々なことがあった。
GM :
先輩たちとの出会い、襲撃任務、そしてライブへの猛特訓。
GM :
すべてが良い思い出ではなく、中には心に暗い影を落とすものもあった。
GM :
それでも、ひとりでは無理なことも、あなたとなら乗り越えていける。
GM :
そんなふたりの感情は、鏡に映ったように聴衆の心にも映し出されていた。
GM :
アイドルとは偶像。それは実像とは違う、実体のないものかもしれない。
GM :
それでも、人々の心に寄り添ってともに苦しい時期を乗り越える救いとなる。時には実存的なものに勝る力を生み出す。
GM :
裏ではFHの工作セルとして暗躍する少女たちも、こと舞台の上では――ほかの事務所を圧倒するほどにアイドルなのである。
GM :
…………曲が終わる。
GM :
舞台の幕引きの時間が来た。新たな星たちの煌めきを目に焼き付けて、聴衆が名残惜しそうに見守る。
飴家 真珠 :
「…………」 胸元に手を当てて息を整えながら、ロッキーを見る。
飴家 真珠 :
もうこれで終わりなんだね、とその瞳が名残惜しそうに語っている。
ロッキー :
「そうだね、もうすぐ終わりの鐘が鳴る時間だ」同じように真珠の瞳を見つめて
ロッキー :
「……キミたちと別れるのは、本当に名残惜しいよ」観客へ向かって、小さく息をつく
ロッキー :
「……でも、これが最後というワケじゃあないだろう?」
ロッキー :
「いつかまた、もっと大きな会場で! キミたちと出会える!」
ロッキー :
「そうだろう、キミたち! 真珠姫!」観客と、隣の真珠に語りかける
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
真珠は観客たちを抱きしめるかのように、大きく両腕を広げ……。
飴家 真珠 :
その唇が小さく、しかしはっきりと動く。
飴家 真珠 :
み・ん・な・だ・い・す・き
飴家 真珠 :
ま・た・あ・お・う・ね
飴家 真珠 :
と、声の乗らない言葉でそう伝えた後、にこっと可愛らしく笑顔を向けた。
GM :
その唇の動きと仕草に、しっとりとした曲のあとでやや浸っていた観客からも喜ぶようなざわめきと、声援が上がる……。
GM :
その反応は、今日のライブの成功を象徴していた。
GM :
ライブは終わった。しかし、あなたたちの”夢”はこれから始まるのだ。
GM :
今日という日に居合わせた幸運な人々は、その道筋を見届ける決意を新たにしていた……。
GM :
ライブ終了後、都内某焼肉店の個室。
GM :
あなたたちは泊里に連れられ、興奮冷めやらぬままライブの成功を祝う打ち上げに来ていた。
GM :
歓迎会のときほどの規模ではないが、社長ほかスタッフらも同席してなかなか賑やかな催しとなっている。
GM :
あのライブの盛り上がりから、全員がこれからのあなたたちの活動に手ごたえを感じているようだ。
泊里 零一郎 :
「……みんな、今日はお疲れ様!」
飴家 真珠 :
[おつかれさまー!] 楽しそうに笑って
泊里 零一郎 :
「この一か月、過密スケジュールの中で本当によくこれだけのものを完成させてくれたと思う」
飴家 真珠 :
「…………」 それはそうかも。思い返すとレッスンの他にメイドカフェ潜入と暗殺任務と調査任務までしていると思い返す
ロッキー :
「中々に刺激的な1か月だったとも……」うむうむ、と感慨深く
多々良那 浅香 :
「タイミング的にしょーがなかったけどライブって数ヶ月前から準備するもんだかんね。マジで疲れた」
グラス片手にテーブルに溶けている。
蹄啼 イバラ :
「それでも、お二人のライブは期待以上でした~」
蹄啼 イバラ :
「新人アイドルのライブなんて、だいたい素人同然ですから、似たりよったりの出来になりがちなのですが……」
蹄啼 イバラ :
「その点、お二人は自らの個性を出した上で、チャレンジ精神のあるもので良かったですね~」メルヘン過ぎて、好みからは外れてしまうが。その点は胸に仕舞っておく。
多々良那 浅香 :
「じーっさい無声のライブって何するの~ってあたしも思ってたしね~」
飴家 真珠 :
「!」 わーい褒められた! と嬉しそうな笑顔になる
ロッキー :
「ふふーん、そうだろうそうだろう」腕を組んで誇らしげに
泊里 零一郎 :
「ふふ……」 その様子を見て嬉しそうに
蹄啼 イバラ :
「多々良那さんについても、わたくし見直しましたよ~」
蹄啼 イバラ :
「動画配信?にかまけてばかりいるそうで、どの程度のパフォーマンスが出来るのかと疑問でしたが……」
蹄啼 イバラ :
「歌も踊りも、それぞれ想像以上の腕前でしたね~?」
蹄啼 イバラ :
「なにより盛り上げ上手で────アイドルやアーティストというよりは、エンターテイナーと評するのが正しいのでしょうか~」芸術に厳しいイバラとしては珍しく、三人全員に称賛のコメントを投げる。
多々良那 浅香 :
「いぇ~いv、ま、ファムファタに籍置いてる以上はやることやんなきゃねーーってさ。呼称に関してもあたしはどっちでも良いねぇ、楽しければ結構結構」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、良い心掛けですね~? 登場する際のスクリーンを叩き割る演出も、わたくし好みでした~♪」
ロッキー :
「僕サマの言葉ではうまく言い表せないが……浅香姫のパフォーマンスはとてもエネルギーに溢れていた! とても好きだよ、ああいうのは!」
GM :
そんな風に感想を言い合っているうちに、食卓に飲み物と大皿が運ばれてくる。
泊里 零一郎 :
「おっと、さて、あれだけ頑張ったしお腹も減っているだろう。ますは乾杯と行こうか」
泊里 零一郎 :
「では社長」
二条 純恋 :
「ふふ、特等席から見守らせてもらったけれど、本当に凄かったわよ。お疲れ様……」
二条 純恋 :
「それじゃ、かんぱ~い♪」
飴家 真珠 :
「……!」 乾杯! とグラスを掲げる
蹄啼 イバラ :
「乾杯~」同じようにグラスを掲げる。
多々良那 浅香 :
「かんぱぁい!」
肉を詰め込むために酒は飲まないらしい。
ロッキー :
「かんぱ~いっ!」わぁい、と掲げて
飴家 真珠 :
[わたし おにくやいてあげる!] うきうきで肉や野菜を焼いていく
多々良那 浅香 :
「アッ、焼肉奉行の方?じゃぁ任せちゃおっかな~♪」
ガンガンに注文をかけていく
ロッキー :
「いっぱい焼いて、いっぱい食べよう! 何の部位かは知らないけども!」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは自分で焼きたいので、お気遣いなく~」
飴家 真珠 :
[えんりょしなくていいから! いっぱいたべて!] にこにこして
蹄啼 イバラ :
「いえ、ですから遠慮している訳ではなく~……」
蹄啼 イバラ :
「あ~、疲れたのでもう良いです~……好きにしてください~……」どんどん焼かれ、また皿に盛られていくお肉を見つめている
飴家 真珠 :
それでいいのいいの、とでも言うかのように楽し気に焼いていく。
多々良那 浅香 :
「あら~も~真珠ちゃんは良いお嫁さんになるんでしょうね~~うちでアイドルやってて結婚できるかは知らねぇけどぉ、あ、ライス頼む人いる?」
真珠が取り分けてくれる肉も貰うが、彼女自身焼けたものは勝手に取っている
飴家 真珠 :
「…………!」 良いお嫁さんになれると言われて嬉しいのか、赤らめた頬を両手に当てながらにやけて
蹄啼 イバラ :
「ライス、わたくしは結構です~……」小食なので、この分だと皿に盛られた分を食べ切るのも怪しい。
ロッキー :
「むぐむぐ、おひょめにいふのかい?」ライスの注文に手を上げる
飴家 真珠 :
[まだそのよていはないけど あこがれちゃうかも およめさん]
飴家 真珠 :
[こいびととか いたことないけどね] アイドルだからこれからも当分は無理だけど
蹄啼 イバラ :
「あら、そうなんですね~?」
蹄啼 イバラ :
「誰彼かまわず好き好きと告白して回っていますし、容姿も可愛らしいですし"何人かいてもおかしくない"と思っていたのですが~」
飴家 真珠 :
[いないいない] 手をぶんぶんと横に振って
飴家 真珠 :
「…………」 肉を焼く手を止めて
飴家 真珠 :
[ずっといえでかじしてたし かぞくがいればそれでじゅうぶんしあわせだったもん]
多々良那 浅香 :
「おー……いじらしいねぇ……………あっ!!そうだ、恋人と言えば!」
ハッとして
多々良那 浅香 :
「あれ、キス、したの?あたしからはちゃんと見えなかったけど……リハではそんなの無かったよね??」
姿勢を崩していたのを起こして
新藤亜里沙 :
「予定にない動きだったから、泊里さんの心臓が止まりそうになってましたねぇ」 肉もぐもぐ
飴家 真珠 :
[ごめんね ちょくぜんになって ろっきーちゃんといっしょにこうしようってきめたの] 少し申し訳なさそうに
ロッキー :
「んぐっ。ああ、王子と姫らしい最後といえばアレだと思ってね」口の中のお肉を飲み込んでから口を開く
ロッキー :
「キスをしたか、してないかで言えば~……」
ロッキー :
「……どっちだろうねぇ?」悪そうな顔をしてお肉を口に運ぶ
飴家 真珠 :
[してないよ!?] 両手で×マーク作って全力で否定
蹄啼 イバラ :
「なるほど、フリでしたか」ロッキーの色彩から分かっていた事であるが、
蹄啼 イバラ :
「……だとしても、人前でキスなんて破廉恥ですよ~」意外にも少女然とした価値観のイバラだった。
飴家 真珠 :
「…………」 それはそうかも…と今更になって少し照れてくる
多々良那 浅香 :
「アツかったね~……ほれ、ライブの感想もキスの件で中々盛り上がってるよ?」
配信者としてエゴサ、パブサは欠かさない。
飴家 真珠 :
「……!!」 ほんとだ、と浅香ちゃんのスマホを覗き見する
ロッキー :
「へぇ~、どれどれ?」恥ずかしさは無いようで、同じく浅香を覗き見
多々良那 浅香 :
「『公式カプって……コト!?』『流石にフリでしょ』『王子様とお姫様はもうそういうことじゃん』…盛り上がってるねぇ、いや~ダイタン~!」
煽るように
飴家 真珠 :
「…………」 そう言われるとなんだかロッキーのことを意識してしまい、顔が熱くなっていく
二条 純恋 :
「私の頃と時代は変わったわね~」 楽しそうにスマホを見ている
蹄啼 イバラ :
「大衆がすぐにセンセーショナルな内容に飛びつくところは、今も昔も変わらないかと~」
ロッキー :
「お~、うまく撮れているねぇ……公式カプってなんだい?」首を傾げて
飴家 真珠 :
[わたしとろっきーちゃんが こいびとかんけい ってふうにみられてる ってことかも]
多々良那 浅香 :
「お、よくご存じで」
境遇の割に意外と話せるよなぁと割と思う
二条 純恋 :
「ん~、そうだけど、そうじゃない、けどそう、みたいな? 言葉で説明するのは難しいわねぇ」
ロッキー :
「ふ~ん……難しい話だね……」
ロッキー :
「まっ、僕サマたちはコイビトではないけどね!」
ロッキー :
「王子と姫、それだけさ」それがさも当然と、お肉を摘まむ
飴家 真珠 :
「…………」 ロッキーを呆然と見て、
飴家 真珠 :
[それは そうなんだけど]
飴家 真珠 :
[なんか こくはくしてないのに ふられちゃったようなきぶんに……]
ロッキー :
「むぅ……? じゃあ、コクハクすれば悲しくなくなるかい?」 不思議そうに真珠を見つめて
飴家 真珠 :
「……!」 そう言う意味じゃないけど! と、顔をぶんぶん横に振って
飴家 真珠 :
[もう ろっきーちゃんは おにくたべてて!] 箸で肉をロッキーの口に運ぶ
ロッキー :
「むぐっ! おいひい!」 何だかわからないうちに口内がお肉で埋められていく
蹄啼 イバラ :
「そこで恥じらう感性があるのなら、レッスン室の時のように軽率にキスしてくるのは止め……」
蹄啼 イバラ :
「…………」せっかく誰にも気取られていなかったのに、今のは自爆だったと気付いて、何事もなかったように口を閉ざす。
飴家 真珠 :
「?」 それは普通じゃない? と不思議そうにイバラを見つめる
多々良那 浅香 :
「あ、あたしの想像してたより親しくなっとる……!」
ロッキー :
「そんなに二人が仲良くなっているとはね!」結構結構、と腕を組む
蹄啼 イバラ :
「ち、違いますから……! この子が勝手にキスしてきたんです……!!」
蹄啼 イバラ :
「貴女、何ですかその顔は……!? 何もおかしくない、と開き直ったような表情は……!!」真珠ちゃんを睨む
飴家 真珠 :
[べつにおかしくないでしょ わたしたちなかよしなんだから]
飴家 真珠 :
[ちゅーしたっていってもほっぺにしただけなのに なんだかおおげさだね いばらちゃんは] くすくす笑って
多々良那 浅香 :
「真珠ちゃん、恐ろしい子……!おいおい…、おいおいおい………」
語彙の消失
蹄啼 イバラ :
「(~~~~ッッッッ)」
蹄啼 イバラ :
「……プロデューサー、分かりましたか~? こういう子ですから、ロッキーさん共々、しっかりした教育が必要なんです~」
泊里 零一郎 :
「肝に銘じておくよ……」
ロッキー :
「姫のちょーあいを受ける事が悪いことのように言うんだねぇ……」二杯目の中盛りライスを受け取って
二条 純恋 :
「ふふふ、こういうエピソードを語ったら蹄啼さんももっと親しみやすいアイドルになるかしら?」
蹄啼 イバラ :
「はあ、親しみやすさなんて求めてませんから~……ステージ上でのパフォーマンスのノイズにしかなりません……」
飴家 真珠 :
[わたしはいばらちゃんのこと したしみやすいとおもってたけど なんだかほかのひとにはそうじゃないらしいね]
飴家 真珠 :
[しんじんのらいぶのしめい いままでずっとことわってたんでしょ?]
蹄啼 イバラ :
「ええ、そうですね~」
飴家 真珠 :
[でもこんかいはうけてくれたなんて やっぱりわたしたちなかよしだね!] 嬉しそうな笑顔を向けながら、胸の前で両手でハートを作る
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「今回はコンクールの準備期間で、ある程度の時間的余裕があったから受けただけですよ~」
蹄啼 イバラ :
「それから以前にも、仲良しと言ってくれましたが……」
蹄啼 イバラ :
「そう胸を張って言えるほど、貴女はわたくしの事を知らないでしょう?」諭すように言う。
飴家 真珠 :
「……???」
飴家 真珠 :
[くわしくしらなかったら なかよしじゃないの?] 不思議そうに
蹄啼 イバラ :
「……はい?」
飴家 真珠 :
[くわしくしらなくても つきあいがみじかくても わたしはみんなのことだいすきになったし なかよくなれたとおもってるよ]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんも ろっきーちゃんも すみれちゃんも あさかちゃんも ありさちゃんも みんなだいすき!] 気にいってるのか、またハートマークを作って
飴家 真珠 :
[それでもいいじゃない? いくらでもじかんはあるんだし おたがいのことをしるのは これからゆっくりでも!]
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
また自分は何を言ってるんだろうか。本性を知られて困るのは自分だ。
蹄啼 イバラ :
────飴家真珠に関わると、どうもペースが乱される。
蹄啼 イバラ :
せっかく隙だらけの状態で懐に忍び込めたのだ。
蹄啼 イバラ :
このチャンスを棒に振るようなマネをするのは勿体ない。
蹄啼 イバラ :
「……たしかに、一理ありますね~」
蹄啼 イバラ :
「飴家さん、それなら少し……近くに寄ってもらえますか~……?」
飴家 真珠 :
「?」 なになに? と席を立ってイバラの傍に寄る
蹄啼 イバラ :
「……はい」ぎゅっと軽くハグする。自分からはじめて、飴家真珠に。
蹄啼 イバラ :
未来のための打算か、はたまた別のものか。判然としない曖昧な抱擁だ。
飴家 真珠 :
「!!!!」 イバラから初めてハグしてくれたことに驚きながらも、すぐに笑顔になって
飴家 真珠 :
[わー! いばらちゃんがぎゅーしてくれた!] 空中にピンク色の文字を踊り出させながら、幸せそうに抱きしめ返す
蹄啼 イバラ :
「…………はいはい。分かりましたから~」気乗りはしないが、仲良しでいるのは拷問のための必要経費だ。そう自分を納得させることにした。
蹄啼 イバラ :
「……食事の席で抱擁するのも変ですから、そろそろ~」すぐ離れようとする
飴家 真珠 :
[はーい] 確かにお行儀も悪いので、素直に言うことを聞く
飴家 真珠 :
[ね! なかよしでしょ] みんなにダブルピースしてる
ロッキー :
「よかったね、姫」微笑ましそうにホルモンをカリカリに焼いている
多々良那 浅香 :
「………あ゛、クソ!衝撃的すぎて写真撮り損ねたッ」
一瞬呆けていた。ブラックドッグの能力を駆使しても間に合わなかっただろう。
飴家 真珠 :
[え! じゃあもういっかいハグする?]
蹄啼 イバラ :
「もう結構です……!それより多々良那さん、後でお話がありますからね~……?」
多々良那 浅香 :
「こゎ……写真撮られるのはハズイってさぁ真珠ちゃん……しょうがないからあたしとツーショしようぜ~!なんならロッキーもさ!」
こっちにハグしてくれ~と、カメラを電磁浮遊させて構えながら
飴家 真珠 :
「……!」 やったあ、と嬉しそうに浅香の腕に抱きつきに行く
ロッキー :
「いいだろう! かっこよく撮ってくれたまえ!」浅香の肩に手を置いて身を寄せる
多々良那 浅香 :
「両手に華!はいチーズ!………うし、と」
ぱぱ~っと背景にぼかし加工を入れ、止める間もなくSNSにアップする。
飴家 真珠 :
[もしかして もうネットにあげちゃったの?] 手際の良さに驚きながらスマホを覗き込んで
泊里 零一郎 :
「おいおいおい、この間あんな事件があったばかりなんだから注意してくれよ…!?」
多々良那 浅香 :
「あんな爆弾情報コレに入ってる訳ないじゃ~ん?お、早速リプ来てますわよ」
多々良那 浅香 :
「『両手に華』『百合の間に挟まるカス』『真ん中いらないかも』『勝ちまくりモテまくりじゃん』おいおい、死にてぇのかコイツら?」
飴家 真珠 :
[いるよ!? まんなか!!]
蹄啼 イバラ :
「……そのSNSのどこが、そんなに魅力なのですか~?」熱中できることが純粋に疑問。
ロッキー :
「愉快なコメントがたくさんだ…」よくわからないミームや言葉が飛び交っているのを不思議そうに見つめている
多々良那 浅香 :
「うふふ、ここは底なし沼。3人はそのままインターネッツと適切な距離を保って生きてね♡……まぁあたしへの反応はほどほどに、リプ見る限り二人の人気は固かろうね~」
自慢の後輩ようむうむ、と一人頷きながら
蹄啼 イバラ :
「まあ、お二人とも可愛らしいですからね~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしとしては賛同しかねますが「アイドルとしての人気は、容姿が9割」……と先輩のどなたかも言っておられましたし……」
飴家 真珠 :
「…………」 そうなんだ…? って若干疑問そうな顔してる
ロッキー :
「かっこいい、と言ってくれたまえ!」と、いいつつ。顔かぁ…と自身の頬を触って
飴家 真珠 :
[でも わたしいままでかわいいっていわれたこと ぜんぜんなかったから]
飴家 真珠 :
[なんだかうれしいな ありがとう いっぱいかわいいっていってくれて] 照れ照れとほっぺたに両手を当てて
蹄啼 イバラ :
「……いえいえ~、忌憚のない評価を述べただけですから~」真珠の頭を撫でる。
飴家 真珠 :
目を閉じて、子供のようにおとなしく撫でられている。
蹄啼 イバラ :
「(ふふ、だんだん要領が掴めてきましたね~……変に間合いを測らず、あちらに攻める隙を与えなければ、こちらのペースで立ち回れそうです~……)」
多々良那 浅香 :
「ロッキーの顔が可愛いのは事実だけど、カッコ良いとも絶対に言ってもらえ続けるね、『カッコ良い』って単語よりかは『メロい』とか『顔整い』とかの単語に集約されそうだけど」
情報収集がSNSばかりのせいで彼女が触れる単語が偏っているぞ!
ロッキー :
「ん? うん、うむ……! そのメロい? を続けられるようにしなくては、だね!」 ニュアンスで曖昧に頷いて
飴家 真珠 :
[メロメロってことかな?] 流石に知らない単語だったが、文脈から意味を察する
ロッキー :
「メロメロで、モテモテ……」
ロッキー :
「あっ、さっきの『勝ちまくりモテまくり』ってコメントはそういう事だったのか……!」 無駄な気づきを得る
ロッキー :
「面白いね、浅香姫のコメントは」真面目な表情で頷く
多々良那 浅香 :
「ギ ごめんな、ミームかるたしかできないあたしとあたしのリスナーで……」
効いた
飴家 真珠 :
[ぜんぜん! あさかちゃんとおはなしするの すっごくたのしいよ] ニコッと笑って
飴家 真珠 :
[そうだ またいっしょにしゃしんとってもらっても いい?] スマホを指差しながら、首を傾げて
多々良那 浅香 :
「そんなのもちろん!っていうかデビューもしたんだし、配信に呼びたいな!」
相当効いていたところをパッと明るくして
多々良那 浅香 :
「あ、んー、真珠ちゃんはどうしようかな……読み上げソフトぶちこむか……?」
飴家 真珠 :
「!!!」 だいじょうぶ! と、グッと握りしめた両手を見せる
多々良那 浅香 :
「うん、まぁそこは追々考えましょ!二人とも是非配信来て欲しいな!」
飴家 真珠 :
[いきたい! たのしみ!] 浮かばせた文字通りの笑顔を浮かばせて
ロッキー :
「ぜひとも呼んでくれたまえ! 前々から浅香姫の活動こと、興味があったんだよ」興味津々に
蹄啼 イバラ :
「その配信?というのは、どのようなコトをするのでしょう?」
多々良那 浅香 :
「普段あたしだけの時はゲームやってる姿を見せたりとか、コメント拾いながら近況話したりとか……人呼んだ時はゲームもやるし、後はこう、対談?的な?」
多々良那 浅香 :
「今回二人を呼んだら、今日のライブの裏話とかデビューまでの話、これからどうなっていきたい~とか、そういう話になるんじゃないかな」
飴家 真珠 :
「…………」 どこまで話していいんだろ…という顔
ロッキー :
「いんたびゅー? だったかな、それに近い形になりそうだね」へぇ、と頷いて
ロッキー :
「でも、ゲームも面白そうだね! あれだろ、こう……ボタンがついてるのを、カチカチして……」ゲーム初見勢
蹄啼 イバラ :
「(ゲーム実況、と言うんでしたか……他人がゲームで遊んでいるところを動画で見て、何が楽しいのでしょう……)」
多々良那 浅香 :
「ゲームを知らない人だ……!絶滅種でしょとか一瞬思ったけど実験体だったらそういうのもいるか。呼んで2回目とかにゲームも教えてあげようねぇ」
指示厨を憤死させよう!とサムズアップして
飴家 真珠 :
[わたしもゲーム ぜんぜんやったことないからたのしみ!] 初心者同士だ、と笑う
ロッキー :
「うむ、ファム・ファタールに入ってから楽しいこと続きだ! 楽しみにしてるよ!」幼い笑顔を浮かべてサムズアップで返す
蹄啼 イバラ :
「ふふ、二人とも楽しんできてください~」
飴家 真珠 :
「?」
飴家 真珠 :
[いばらちゃんは あさかちゃんのはいしん でないの?]
ロッキー :
「そうだよ、来たまえよ」
蹄啼 イバラ :
「そもそも、わたくしは呼ばれてませんし~」
ロッキー :
「だそうだ、浅香姫。彼女に招待状を出してくれないかい?」
多々良那 浅香 :
「イバラちゃんも来なよ~ん、人呼んでかつゲーム実況じゃない回は意外と真面目な内容で人気なのよ~ん」
無駄にセクシーにダル絡みをする
蹄啼 イバラ :
「ふふ、何なんですかそれは~」
蹄啼 イバラ :
「……うう~ん、そうですね~」悩むような素振りをして
蹄啼 イバラ :
「────みなさんの誘いを無碍にもできません。わたくしも出演させていただくとしましょうか~♪」
飴家 真珠 :
「!!!」 やったあ! と笑顔になる
ロッキー :
「嬉しいねぇ! イバラ姫とはもっと絡みたいと思っていたんだよ!」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、そう言ってもらえると、わたくしも嬉しいです~」のでお肉をあげちゃいますね~、とロッキーに肉を分ける。自分では食べ切れないからだ。
多々良那 浅香 :
「誘っておいてなんだけど意外……いや、素直に嬉しいわ!ライブ直後だし配信ちょっとのんびりしよっかなとか思ってたけどやる気出て来た」
石焼ビビンバと冷麺を頼みながら
蹄啼 イバラ :
「多々良那さんは"色々な意味で"違う世界を生きる方────学べることが多そうだと、ライブパフォーマンスを見たときに思ったのですよ~」
ロッキー :
違う世界かぁ。と、ぼんやり思いながらイバラからもらったお肉を美味しそうに頬張っている
蹄啼 イバラ :
「……ふふ。多々良那さんの配信、愉しみですね~♪」
飴家 真珠 :
[うん たのしみ! またよにんであつまれるんだね]
ロッキー :
「まさにドリームチームと云ったところだねぇ」カルピスをジョッキで受け取って
多々良那 浅香 :
「スタジオ押さえるか通話にするか……うむうむ……ムグ……」
配信の構想を練りながらビビンバを口に運んで
二条 純恋 :
「ふふ、配信も楽しみね~……あ、そうそう、楽しみといえば、今度握手会もあるから、それに向けてもそろそろ段取りとか覚えないとね」
二条 純恋 :
「もちろん、新人のふたりにも出て貰うから。ライブが終わったばかりで大変だけれどお願いね」
飴家 真珠 :
「!?!?!?」
飴家 真珠 :
[あくしゅかいって あくしゅできるってこと? もしかして わたしのファンと?]
二条 純恋 :
「ええ、その通りよ」
飴家 真珠 :
「…………!!!」 わあ……! と、両目の瞳をキラキラと輝かせる
新藤 亜里沙 :
「握手会でこれだけ嬉しそうにしてる人、初めてみたかも……」
多々良那 浅香 :
「本当にスキンシップが好きなのねぇ……」
飴家 真珠 :
[だってそんなのぜったいたのしい! あくしゅしたい!]
飴家 真珠 :
[まいにちあくしゅかいやりたい!!]
二条 純恋 :
「乗り気なのはありがたいけれど、乗り気すぎるのは困ったわねぇ。ほらこういうのってたまにやるからいいのよ」
飴家 真珠 :
「…………」 そうなのかあ……とちょっと残念そうにしてる
二条 純恋 :
「握手してるだけで一見簡単そうに見えるけど、何時間も立って笑顔で対応しなきゃいけないからなかなか重労働なのよね」
二条 純恋 :
「もっとも、あのライブを乗り切ったふたりには体力的な心配ないと思うけれど」
飴家 真珠 :
「……!!」 できるできる! とにこにこ笑いながら、ロッキーの手を握って練習してる
ロッキー :
「まかせておきたまえ! 僕サマの脚はちょっとやそっとで疲れたりしないさ!」 ぎゅっ、と握り返してシェイク
蹄啼 イバラ :
「……それなら、わたくしの分まで頑張ってきてくださいね~」
飴家 真珠 :
「????????」 何を言ってるのか分かってない顔でイバラを見てる
蹄啼 イバラ :
「ああ、わたくし……"そういうの"やっていないのですよ~……」
飴家 真珠 :
「!?!???!?」
二条 純恋 :
「あらあら、蹄啼さん、飴家さんが残念そうよ~」
蹄啼 イバラ :
「うん……? どうしてですか~……?」
飴家 真珠 :
[ううん ただびっくりしちゃって]
飴家 真珠 :
[じぶんのことがすきなひとと あくしゅできるなんて ぜったいたのしいとおもったから]
飴家 真珠 :
[どうしていばらちゃんはやらないの?]
蹄啼 イバラ :
「単純に、忙しすぎて出来る時間がないのですよ〜」
蹄啼 イバラ :
「それに握手会というのは、わたくしのポリシーに反するというか」
蹄啼 イバラ :
「音楽家としての仕事は、もうステージで終えている訳ですから、それ以上にできる事はないような気がして〜……」ほんとは時間の無駄とさえ思っている。
飴家 真珠 :
「…………」 なるほどな~……と、イバラを見つめて、
飴家 真珠 :
[わかった]
飴家 真珠 :
[じゃあ いまわたしとあくしゅかいしよ!]
蹄啼 イバラ :
「……!?!?」
飴家 真珠 :
イバラに近づくと、両手を出して、
飴家 真珠 :
[いばらちゃん だいすき! あくしゅしてください!] と、ワクワクした笑顔でピンクの文字を浮かばせる。
蹄啼 イバラ :
「……はあ、本当に読めませんね〜貴女は」
蹄啼 イバラ :
「同業ではなくファンとして、わたくしと握手がしたいと?」
飴家 真珠 :
そうそう、と頷く。
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「……そうですか、分かりました」そう言って、真珠の手を取る。
飴家 真珠 :
「!」
飴家 真珠 :
[やったあ! これからもおうえんしてます! がんばってください!] イバラの手をにぎにぎふにふにしてる
蹄啼 イバラ :
「え、ええ……ありがとうございます~……」手袋越しにされるがままだ。
蹄啼 イバラ :
「────あの、何ですかこれ~……?」困惑した様子で、浅香とロッキーに尋ねる。
拒んだら拒んだで面倒そうだったので応じたが、『握手会は音楽家としてのポリシーに反する』と言った人間に『わたしとあくしゅかいしよ!』なんてヘンじゃないだろうか。
ロッキー :
「ふふん、イバラ姫も良かったじゃあないか。初めてファンと握手をしたんだろう?」面白そうにその様子を眺めて
ロッキー :
「アイドルらしく、応えてみてはどうかな?」口にお肉を運ぶ
蹄啼 イバラ :
「アイドルらしく……? ええ~と、これ以上になにが~……?」実のところ、イバラは"アイドル"としては未熟だ。総合芸術としてのアイドルは好んでいるし、すばらしいライブパフォーマンスも出来るが、ファンサービス等といった"アイドル性"は軽視しており不得手なのだ。
飴家 真珠 :
[わたしもだいすきですよ~っていうとか] 指を絡めるようににぎにぎしながら
ロッキー :
「真珠姫のも一例だね。ま、ファンの喜ぶことを軽くサービスしてあげるのがつーれい……」
ロッキー :
「と、前に何かで見た」
多々良那 浅香 :
「う~ん、まぁ大体の人は喜ぶかもだけど、イバラちゃんのファンたちが求めるイバラちゃん像かぁ……」
蹄啼 イバラ :
「……そもそも、真珠さんがわたくしのファンというのも初耳だったのですが~」
飴家 真珠 :
[きょうなった! ライブすっごくすてきだったし]
蹄啼 イバラ :
「うう~ん、今日なったばかり……古参ファンを差し置いて、随分な抜け駆けっぷりです~……」
飴家 真珠 :
「…………」 ファンに新参も古参も関係ないんだよ、とでも言いたげなどや顔してる
蹄啼 イバラ :
「好かれているのは素直に喜ばしいことですが、そうですね~……」
蹄啼 イバラ :
握ったままの手を引いて、真珠の耳元にそっと口唇を寄せる。
蹄啼 イバラ :
「……ふ~♪」いきなり、熱い息を吹きかける。
飴家 真珠 :
「!?!?!?」 ビクッと体を震わせ、思わず手を離して耳元を抑える
多々良那 浅香 :
「ワ~オ」
手で口を抑えて
蹄啼 イバラ :
「……古参ファンの方々ともしていないのですから、これ以上のファンサービスは駄目です~」自ら離れるよう誘導したのだろう。ふふ、と微笑んでいる。
飴家 真珠 :
「…………」 顔を赤らめながら、イバラを見つめて
飴家 真珠 :
[ファンサービスって こういうのもあるんだ] 知らんかったの顔
蹄啼 イバラ :
「……今のはファンサービスではありません~」
蹄啼 イバラ :
「ちょっとしたお仕置き、みたいなものですよ~」握手会でマネしないでくださいね~と。
飴家 真珠 :
「????」
飴家 真珠 :
今のってお仕置きだったの? と不思議そうに目を丸くしている。
蹄啼 イバラ :
「…………とにかく、わたくしの事は良いですから」
蹄啼 イバラ :
「改めて、三人は自分たちの握手会を頑張ってきてくださいな~」
蹄啼 イバラ :
「……と、今回は誰よりプロデューサーに頑張ってもらわないといけませんでしたね~」主に真珠へのファンサ指導で。
多々良那 浅香 :
「ねー、マジで抱き着きかねんよ?一夜で伝説になれるね」
むしろ良いのでは?とうそぶいて
ロッキー :
「そういうのって駄目なのかい? 僕サマは腰を抱くくらいなら良いかなって思ったんだけど」
飴家 真珠 :
「……!」 頑張って! と他人事のように泊里に笑顔でガッツポーズしてみせる
泊里 零一郎 :
「ダメだよ!?」 頭上で×マークを作る
多々良那 浅香 :
「見て~~、あたしが普通に握手してる横でハグだのキスだの腰抱くだのしてるヤバい握手会。逆にあたしのサービスが悪ぃって叩かれそう」
泊里 零一郎 :
「いくら我々がFHだからといって、ファンとの距離は適切に保たないとね……」
ロッキー :
「むぅん、なんか駄目らしい。真珠姫、残念だね」肩を竦めてみせる
飴家 真珠 :
ねー、と顔を見合わせている
飴家 真珠 :
……と、そうしていると、真珠のお腹がくぅ……と小さく鳴る。
飴家 真珠 :
「…………」 そういえば焼いたりスキンシップしたりお話したりで、全く食べてなかったことに気づく
蹄啼 イバラ :
「……あら、焼いてばかりで自分は食べていなかったのですか~?」誰が打ち上げの主役だと思っているのだろう。
多々良那 浅香 :
「食いねえ食いねえ!そのふんわりボディを維持するのに眠れぬ夜もあったろう!」
しばしば網から奪っていた肉を真珠ちゃんの取り皿に乗せていく
ロッキー :
「たくさん食べたまえよ! 僕サマみたいに大きくなれなくなってしまうよ?」
飴家 真珠 :
[ありがとう いただきます] 浅香が取ってくれたお肉をたれにつけて、口に運ぶ
飴家 真珠 :
「……!!」 おいしい! と、キラキラ輝く目が語っている
ロッキー :
「ほらほら、このカルビだかハラミだのも食べたまえよ?」トングを持ってカチカチしている
飴家 真珠 :
[うん いっぱいたべるね!] 嬉しそうに、しかし焦らずゆっくりと食べていく
蹄啼 イバラ :
「(────ヒトに愛される資質。この子には、本当に"アイドル"の才能があるのかもしれませんね)」その光景を外から俯瞰して、そんなことを思う。
二条 純恋 :
「こんな嬉しそうにしてくれるとご馳走のし甲斐があるわね~」
GM :
……そんな風にして、ライブの打ち上げも終わり。
GM :
社長が全員分の会計を済ませると、あなたたちは外に出て送迎用のワゴン車に乗って帰路についた。
GM :
ライブを終わった達成感でハイになっていたが、やはり相当疲れていたのだろう、帰ってシャワーを浴び着替えるとその日はあっという間に眠りに落ちてしまった。
GM :
こうして、あなたたちが本当の意味でアイドルになった、その最初の日は最高の形で幕を下ろしたのだった……。
GM :
――数日後。都内、某イベント施設。
GM :
いよいよ、握手会の日がやってきた。
GM :
今回の握手会はいわゆる個別握手会と呼ばれる形式で、抽選に当たった客が希望するアイドルのレーンに並び、ひとり数十秒程度の会話と握手を交わす交流会となっている。
GM :
単に握手するだけとあなどることなかれ、地上アイドルたるファム・ファタールではこの貴重な交流の機会に多くのファンが詰めかける。
GM :
人気メンバーには長蛇の列が並び、アイドルたちは数時間にわたって客と握手し続ける、実はかなりの重労働だ。
GM :
今回は参加していないが、椎名万千花らエースクラスであれば最大待ち時間は数時間に上ることも珍しくない。
GM :
あなたたちは、列に並ぶファンの熱気を感じながら握手会のスタートに向けて待機していた。
ロッキー :
「かなりの人が来ているみたいだねぇ。この間のライブを思い出すよ」衣装の襟を正して
飴家 真珠 :
「……!」 ね、顔を見合わせる。だが今回は緊張しきっている様子はなく、適度にリラックスしていた。
ロッキー :
「どうやら慣れてきたようだね?」自身も余裕があるのか、腕を組んでその様子を眺める
飴家 真珠 :
[だってこんかいは ライブじゃないし]
飴家 真珠 :
[わたしのことがすきなひとたちと ちょくせつあってはなせるんだから すっごくたのしみ!]
多々良那 浅香 :
「気合十分!って感じだね。こないだのライブもあるし、客入りは相当に見えるなァ……しんどいしあたしんとこは程々でいいよぉ」
飴家 真珠 :
[でもさっきちょっときいてみたら あさかちゃんのファンもいっぱいきてくれてるっぽいよ] 《ウサギの耳》で盗み聞きしていた
ロッキー :
「これはサービスしなきゃいけないんじゃあないかな?」軽く微笑んで
多々良那 浅香 :
「はえ~……あたしのリスナーなんて社不ばっかりだから家から出られないもんだとばかり……」
飴家 真珠 :
「!」 だからがんばろうね、と笑顔でガッツポーズしてる
ロッキー :
「しゃふ……? ま、いつもの浅香姫の調子を見せてあげれば、喜ばれること間違いなさそうだね?」
多々良那 浅香 :
「まぁね。だから衣装も配信時のそれと大して変わんないし。ってかロッキーめっちゃキメキメじゃん!!」
すげぇ……すっげぇ!と感嘆
ロッキー :
「目敏いね! どうだい、ステージ上のは動きやすいように装飾は少な目で生地も薄いけど……」
ロッキー :
「こっちはちゃんと生地も厚くて、装飾も着けられるんだ。そして何より……」
ロッキー :
「カッコいい!」髪をバサリと指で靡かせる
飴家 真珠 :
おぉ~、とぱちぱち拍手する
多々良那 浅香 :
「かっこいい……そうね、間違いねぇや……とんでもねぇ新人だぜ本当……」
飴家 真珠 :
[きっとろっきーちゃんがすきなこは めろめろになっちゃうね] くすくす笑って
ロッキー :
「ふふ、そういうことなら……」
ロッキー :
「二人も僕サマにメロメロかな?」 いつもの不敵な表情を浮かべて、二人を見つめる
飴家 真珠 :
「……!」 かもね、と笑い返す
多々良那 浅香 :
「アイドルファンって結局どういう感覚なんよって思ってたけど、こういうコトスか、って言うのは最近感じちゃってるかね……」
たじたじだよ、と苦笑いしながら
ロッキー :
「ならヨシ! 僕サマも、真珠姫や浅香姫も魅力バッチリさ」軽くウィンクを飛ばす
飴家 真珠 :
[ありがとう ろっきーちゃん]
飴家 真珠 :
[こんかいは はなればなれだけど おたがいがんばろうね]
ロッキー :
「僕サマがいなくても、姫はやり遂げられるさ」
ロッキー :
「あとで感想なんかも教えてくれたまえ。そっちのファンも少し興味があるからね」
飴家 真珠 :
「!」 笑顔で頷く
GM :
そうしてあなたたちが微笑ましいやりとりを交わしているうちに、開始の時間が来た。
GM :
客の案内が開始されると、まずは顔が売れてきた2~3年目以降の人気アイドルたちにずらっと人が詰めかける。
GM :
前回のライブで話題になった効果か、浅香の列もこのタイミングでいっぱいになる。
GM :
まだ固定ファンのいない新人は、ほかのアイドルのレーンが打ち切りになったあとに並び始めるのが通例だ。
GM :
ところが今回は、例年以上に新人お披露目ライブが話題になったこともあり、早い段階からふたりの列が混み始めた。
GM :
浅香の列の先頭に並んでいるのは、やや恰幅のよさそうな30代前半ほどの男だ。
GM :
おそらくファム・ファタールのイベントに来るのは初めてではないのだろう、スタッフに軽く会釈をしてから迷いなくあなたの前へと歩いてくる。
ファンの男 :
「あっ、はじまして。いつも配信見させて貰ってます!」
GM :
見れば男の名札には本名とは思えない、見覚えのある文字列が並んでいる。
GM :
それはあなたの配信に毎回のように現れ、毎回のようにスパチャを入れていく名物リスナーだった。
GM :
いつも見ている名前だが、こうして実物に会うのは初めてだろう。
多々良那 浅香 :
「あ、おはさか~!ムシャムシャ君じゃん、ついに現地来たか!」
ファンの男 :
「おはさかー! ついにね! このためにはるばる北海道から来たよ」
多々良那 浅香 :
「道民!?は~、そりゃよう来た!わざわざサンキューな、旅費もバカにできないでしょ?」
両手を差し出す
ファンの男 :
「そうそう。意外と道内にも多いのよおはさかリスナー。まぁまぁまぁ……東京観光もついでにできるからね。……これが、生おはさかか~。これからも応援してます!」 さすがに緊張しながら、噛みしめるように手を握る。
多々良那 浅香 :
「生おはさかてw、リスナーがいつも言う通り無理しない程度に今後も頑張ってくから、ちゃんとあたしのこと見ててくれよなー」
GM :
「もちろん!」と男は返すと、満足気に次のファンと交代していった。
GM :
一方、ロッキーの列。こちらは女性の比率がやや高めとなっている。
GM :
列の先頭に並んでいるのも女子で、年齢はおそらく同年代……高校生くらいの年だろう。
GM :
スタッフに誘導されてあなたの前に歩いてくるが、かなり緊張しているのか右手と右足が同時に前に出ている。
ファンの女子高生 :
「あ、あの……ロッキーさん! わ、私、デビューライブで一番前の席で見てましたっ……!」
ロッキー :
「おや……」 彼女をジッと見つめて
ロッキー :
確かに見覚えがある。一曲目と自己紹介が終わった後から、食い入るように見つめていた子がいた気がするが……どうやらこの子だったようだ。
ロッキー :
「やあ、また会えて嬉しいとも! 確か、僕サマから見て……右前にいた子、だったかな?」合ってる? と、ちょっとだけ首を傾げて
ファンの女子高生 :
「お、覚えてくれてるんですか!??」 顔から火が出るんじゃないかというくらい赤くなって、驚き。
ロッキー :
「もちろん。あれだけ熱っぽい視線を送られては、焼きつけられるしかないとも」いつもの調子で、キザっぽく
ロッキー :
「……さ、手を出したまえ。話に花を咲かせるのもいいけど、ここではすぐ枯れてしまうからね」はがしのスタッフを一瞥して、彼女に手を差し出す
ファンの女子高生 :
「あ、あ、ありがとうございますっ! すごく……すごくかっこよかったです! これからも応援してます!」 時間が近づいていることに気づいて、慌てて手を握る。緊張からか義体であることなど考えもしないようだ。
ロッキー :
「キミの眼に僕サマがそう映ったのなら何よりだ! また会えることを祈っているよ?」 両手で彼女の手を包み、ウィンクを飛ばす。
ファンの女子高生 :
「は、はいっ……! あ、あの、ひとつ聞いてもいいですか?」
ロッキー :
「ん、なんだい?」
ファンの女子高生 :
「あの……ライブのとき、真珠さんとキスしてましたけど、あれって本当に……!?」 小声で
ロッキー :
「あ~、はは。色んな人に聞かれるねぇ……」
ロッキー :
「……アレ、そんなに気になるかい?」もったいぶって
ファンの女子高生 :
「気になりますっ……!」 ちょっと食い気味に
ロッキー :
「ふむ、じゃあ……少し耳を貸してくれるかな? 誰かに聞かれるかもだし……」人差し指をクイクイさせて
ファンの女子高生 :
「えっ、は、はい……」 いいのかな? とあたりをきょろきょろしてから、言われるまま耳を貸して。
ロッキー :
「……」唇を彼女の耳元に近づけて
ロッキー :
「────ひ・み・つ、さ♪」耳元に吐息がかかるように囁いて離れる。どうやら、この前のイバラの仕草を真似たらしい
ファンの女子高生 :
「――っ!!」 くらっ、とよろけるように下がる。
GM :
そのまま、彼女はふらつく足取りでスタッフに出口へと連れられていった……。
ロッキー :
「(イバラ姫のしていた事を真似てみたらフニャフニャになってしまった……。僕サマは罪な王子だね……)」女子高生の背中に軽く手を振って見送った。
GM :
のっけからのサービスに黄色い声が上がるロッキーの列。
GM :
それに対しもう一人の新人、真珠の列は男性の比率が多めだった。
GM :
列の先頭に並んだのは若い男子だった。おそらくは近くの大学か、専門学校の生徒などだろう。
GM :
かなり早い時間から列に並んで真っ先にあなたのところに来たようで、その熱の入りぶりはなかなかのものとうかがえる。
ファンの男子学生 :
「……こんにちは!」 やや緊張しながら、軽く会釈をする。
飴家 真珠 :
「!!!!」 目線があった瞬間、ぱあっと表情が明るくなって、
飴家 真珠 :
ステージ上でもやっていたように、ドレスの裾を両手で持ち上げてお辞儀した後、嬉しそうな笑顔を向ける。
ファンの男子学生 :
「わ、わぁ……本物の姫だっ!」 感動のあまり語彙力のない反応をしている。
ファンの男子学生 :
「あの……僕、デビューライブは行けなくて配信で見させて貰ったんですけど、すごいパフォーマンスでビックリして……」
ファンの男子学生 :
「お、応援してます! 次のライブは絶対行きますから!」
飴家 真珠 :
「……!!」 まあ、と開いた口を添えた手で隠して、
飴家 真珠 :
ありがとうと優しく微笑みながら、そっと両手を差し出す。
ファンの男子学生 :
「わぁ……!」 差し出された両手を、飴細工を取るように慎重に握る。
飴家 真珠 :
「……!!!!」 手を握られると、相手よりも嬉しそうに瞳を煌めかせている。
ファンの男子学生 :
「あ、ありがとうございます。今日のことは忘れません!」 その瞳に魅入られるようにぎゅっと握る手に力を入れて。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
しかし、真珠は握られた手をぱっと離す。まだ時間はあるというのに。
飴家 真珠 :
そして、相手が驚く暇もない内に、その手を掴み直して掌を開かせて、
飴家 真珠 :
“わたしも わすれないよ”
飴家 真珠 :
と、人差し指で文字をなぞってみせる。
ファンの男子学生 :
「っ、わ……!!」 感激のあまり、少し瞳に涙を浮かべる。
飴家 真珠 :
その様子を見て、自分の目元を指さしながらくすっと笑うと、
飴家 真珠 :
真珠の小さな唇が、ゆっくりと動く。
飴家 真珠 :
“な・ま・え・お・し・え・て” ……と。
ファンの男子学生 :
「名前……! りゅ、隆平! 佐藤隆平です……」 握手会では名前を憶えて貰うために名札を用意するファンもいるが、そんな気は露ともなかったのか用意しておらず、慌てて。
飴家 真珠 :
その慌てた顔をじっと見つめながら、唇が“佐藤隆平……佐藤隆平……”と動く。自分の記憶に必死に刻み込むかのように。
飴家 真珠 :
「……!」 うん、覚えた! と嬉しそうに微笑むと、隆平の手をまるで宝物に触れるかのように、両手で包み込む。
GM :
「ア……ア……」と声にならない声を上げているうちに時間が来たのか、スタッフに腕を持たれて彼は出口のほうへと連れられていった。
GM :
そのファンサービスぶりに驚いたのか、列で待っていた後ろのファンたちも誰からともなくざわめいている。
飴家 真珠 :
本当はその手を掴んで離したくないくらいだったが、泊里からスタッフが剥がしに来たらちゃんと従ってねと何度も言い聞かせられていたので、素直に諦める。
飴家 真珠 :
その代わりというかのように、出口まで連れていかれるまでの間、ずっと胸の前で両手を何度も振って見送り────
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
ざわめいているファンの列に、笑顔で手を差し出す。次はあなたの番だよ、と言うかのように。
GM :
そのようなあなたたちの献身的な取り組みもあって、握手会は大盛況で進んでいった。
GM :
デビューライブも成功し、初めての握手会も順調。
GM :
……しかし、ファム・ファタールを……その煌めく星々を狙う魔の手は、確かに迫っていた。
GM :
それをこの日、あなたたちは改めてはっきりと認識することになる。
GM :
握手会のバックヤードで、突然何やらスタッフが騒ぎ立てるような声が聞こえる。
スタッフ :
「えっ……あなたは――!」
GM :
驚くようなスタッフの声、そして劈くような悲鳴。全員が何が起きたのかと裏手のほうを見るだろう。
GM :
すると突然、真珠の列の方に、どこか見覚えのある人影がきらりと光る長物を携えて飛び出した……!
飴家 真珠 :
「っ!?」
飴家 真珠 :
身構えて、避けたり……できますか?
GM :
避けていいよ!
飴家 真珠 :
では、咄嗟に床に倒れこんで人影の攻撃を躱します! 驚きながら、相手の顔を見上げましょう。
GM :
では、あなたは攻撃を躱して相手の姿を確認する。
GM :
……その正体は、意外な人物だった。
松本 英里 :
「…………と」
松本 英里 :
「止めてくれーーー!!!」
GM :
情けない声を上げながら、ぶんぶんと長物を振り回す! まるで気が狂ったとしか思えない様子の先輩の姿がそこにあった――。
GM :
――東京某所、イベント会場付近。
GM :
時刻は、事が起きる少し前に遡る。
GM :
たまたま会場の近くにいた蹄啼イバラの端末に、緊急の連絡が入る。
蹄啼 イバラ :
「おや、何でしょうか~」連絡を取る。別の用事で会場の近くにいたので、ちょっと寄ってみようと思っていたのだが。何の用だろうか。
二条 純恋 :
『――よかった、連絡がついた。もしもし、蹄啼さん。少し大変なことになったわ』
蹄啼 イバラ :
「大変なコトと言うと~?」ファムファタには時限爆弾みたいな問題を抱えたアイドルが沢山いるので、何が起きても不思議はない。
二条 純恋 :
『羽塚えりが事務所から脱走したわ』
蹄啼 イバラ :
「…………はい?」流石のイバラも、予想だにしなかった返答だ。
二条 純恋 :
『……どういうことか分からないでしょう? 私にもわからないわ』
二条 純恋 :
『昨日までえりさんにそんな素振りはなかったし、監視の数も充分だったはず』
蹄啼 イバラ :
「あの方には、FHの監視を潜り抜ける器量があるとは思えませんし~……」
蹄啼 イバラ :
「となると、やっぱり例の"殺戮人形"となにか関係が……?」うう~ん、と首を傾げる。
二条 純恋 :
『残念ながら……その可能性は高いと思うわ』
二条 純恋 :
『スタッフに状況を聞いてみたけれど、なぜか部屋の鍵が外れていて、それを見た彼女はなぜか急に脱走を企てて、全員なぜかそれを見逃した』
二条 純恋 :
『そして、誰もこのことが起きた理由を説明出来ない。そんな状態らしいの』
蹄啼 イバラ :
「なるほど~……精神干渉系能力者の犯行と……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしも似たようなコトはできますが、それほど大きな規模で使えるとは~……」感嘆する。
二条 純恋 :
『想像以上に厄介な相手のようね……。それで、彼女の居場所だけど、実は発信機でわかっていて、いまやっている握手会の会場に向かっているみたいなの』
蹄啼 イバラ :
「流石、そのあたりは手抜かりありませんね~……」
蹄啼 イバラ :
「なるほど、それで近場にいたわたくしに連絡を寄越したと……」
二条 純恋 :
『いま泊里さんと新藤さん、柊さんたちが急いでそっちに向かっているんだけれど、高速が渋滞してるみたいで……』
二条 純恋 :
『えりさん一人を鎮圧するだけなら多々良那さんがいるから問題ないと思うけど、これだけのことができる相手じゃない? 念のため様子を見に行ってもらえるかしら』
蹄啼 イバラ :
「同士討ちで被害が大きくなる可能性はありそうですが~……まあ、先のUGNアイドル暗殺未遂を見るに、ある程度の力を持ったオーヴァードを操作するには、いくらか制限がありそうですか~……」
蹄啼 イバラ :
「分かりました~すぐ現場に向かいますよ~」
二条 純恋 :
『ごめんね。お願いするわ』
蹄啼 イバラ :
「……それはいいのですけど~」
蹄啼 イバラ :
「松本英里の処分については、どうすれば宜しいのでしょうか~?」拷問にかけていいのか、と暗に尋ねる。
二条 純恋 :
『そうね……ちゃんと生きて返してくれるなら、多少痛い目に遭わせて問題ないわ。あなたなら加減も間違えないでしょうし』
蹄啼 イバラ :
「ふふ、もちろん♪ 逆に殺しなんて言われても困りますよ~♪」一度もヒトを手にかけた事は無い。
GM :
――そして現在、イベント会場。
GM :
任務を受けたあなたは、ちょうど握手会の方から喧噪を耳にする。
蹄啼 イバラ :
「……あら、遅刻常習犯らしいと聞いていたのですが、今回ばかりは早いですね~」
GM :
あなたはえりを止めるべく、会場の方へ向かう。
GM :
……ちょうどその最中だった。
GM :
吹き抜けの上階から、意味深な会話が耳に入ってきた。
GM :
あなたは、その声を無視することができなかった。
黒スーツの青年 :
「――ふはははは! 実にいい気味だな」
??? :
「そうだな黒沢ぁ。アイドルなんていう嘘つき商売女に相応しい罰だ!」
朝霧 ユラ :
「……別に否定はしないけどさ、その偏った思想、どうにかなんないの?」
朝霧 ユラ :
「一応、あたしもそうなんだけど……」
GM :
……いかにもという会話内容だが、それよりも気になったのは、声。
GM :
耳のいいあなたなら間違えることはないだろう、確実に、知り合いの声だ。
GM :
見上げれば、そこにあったの変装してもひと際目を引く整った顔立ち、隠しきれないオーラ。
GM :
……朝霧ユラ、その人だった。
蹄啼 イバラ :
「っ……どう、して……」
蹄啼 イバラ :
《ウサギの耳》ではっきりと聞き取り、上階を見上げる。
蹄啼 イバラ :
病床に臥しているハズの、殺戮人形に傷付けられたハズの、愛しい彼女の声が聞こえたからだ。
蹄啼 イバラ :
「どうして、彼女が……こんなところにっ……」任務に向かうなら立ち止まっている場合ではない。だが、それでも足が止まる。口から震えた声が漏れる。
朝霧 ユラ :
「あれ……」
朝霧 ユラ :
「……もしかして、蹄啼?」
朝霧 ユラ :
「……久しぶりじゃん。元気してた?」
GM :
耳が良いのは、彼女も同じだ。あなたたちは、一瞬でお互いの存在を認識し合った。
GM :
――話は、数か月前に遡る。
GM :
……実際のところ、あの事件後にあなたが彼女に会うのは初めてではなかった。
GM :
事件後、しばらく経って彼女から秘密裏に入院している病院を知らされたのだ。
GM :
自分を襲った相手に居場所を教えるとはどういうつもりだろうか?
GM :
……疑問を胸に警戒しながら見舞いに訪れたあなたを、彼女は何事もなく歓迎した。
蹄啼 イバラ :
こんこん、と病室の扉をノックして。
蹄啼 イバラ :
「……朝霧さん、失礼しますよ~」周囲を見回してから、室内に足を踏み入れる。
GM :
病室に入ってみれば、ユラは変わり果てた姿でベッドに横たわっていた。
朝霧 ユラ :
「……あー…………」
朝霧 ユラ :
「……蹄啼。来てくれたんだ……」
GM :
もともと細身ではあったが骨が浮くほどに痩せ細り、髪は伸ばしっぱなしでろくに手入れもせずボサボサの状態、喋るのも久々なのかそれとも泣き腫らしたのか自慢の声もガラガラに枯れていた。
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん……」
蹄啼 イバラ :
(イバラとしては足りなかったが、)あれだけ拷問したのだから、こうなるのも当然だろう。
蹄啼 イバラ :
本来なら、驚くようなところは何もない。が……
蹄啼 イバラ :
「一体どうしたのですか、この傷は……」歩み寄り、傷跡にそっと触れる。自分が付けたものではない傷を。
朝霧 ユラ :
「はは……それをあんたが言うんだ」
朝霧 ユラ :
「無様なもんでしょ……見ての通り歩けないんだ」
GM :
ベッドの傍らに畳まれた車椅子を指差し自嘲するように言ってのける。
蹄啼 イバラ :
「……わたくしだからこそ、です」自分が付けた傷はすべて《生命治癒》によって回復している。精神面にしか、傷跡は残していないはずだ。
蹄啼 イバラ :
「歩けない、というのは? やっぱり、足が?」隣の椅子に腰掛けて、尋ねる。
朝霧 ユラ :
「足っていうか……下半身全部かな。神経がやられてるってさ」
朝霧 ユラ :
「っていうか、その口ぶり……やっぱ武道館のアレって夢とかじゃなかったのか……」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「ええ、アレが本当のわたくし」
蹄啼 イバラ :
「その目、その彩……ふふ、やっぱり良いですねえ……ゾクゾクとしてきました~……」
朝霧 ユラ :
「……」
朝霧 ユラ :
「……馬鹿みたい」
朝霧 ユラ :
「あんな酷いことされて、こうやって寝たきりになって……」
朝霧 ユラ :
「それでも誰に見舞いに来て欲しいかって考えたら、やっぱあんたなんだ」
蹄啼 イバラ :
「………」その言葉は聞かなかった事にする。《七色の直感》が導き出す色彩、いま現在の朝霧ユラの抱えている感情から目を逸らす。
蹄啼 イバラ :
「……その傷は、誰にやられたのですか」
朝霧 ユラ :
「……さあね。知らない。知りたくもない」
朝霧 ユラ :
「……心当たりないわけじゃないけど、その中の誰だとしても考えるだけでゲロ吐きそうになるからね」
蹄啼 イバラ :
「ふむ」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしは、とても興味があるのですが~」
蹄啼 イバラ :
「まあ、それは良いでしょう。貴女が答えたくないのなら、答えなくとも」
蹄啼 イバラ :
「……それより、その足が治る見込みは?」
朝霧 ユラ :
「元通りは、多分無理」
朝霧 ユラ :
「頑張れば歩行器使って、一人でトイレくらいは行けるようになるかもってくらい」
蹄啼 イバラ :
「そんなに……」
朝霧 ユラ :
「なのに事務所はどうしても諦め切れないみたいで……このことは外にはずっと秘密だって」
蹄啼 イバラ :
「なるほど、それで公式発表がなかった訳ですか~」
朝霧 ユラ :
「うん。お世話になった芸人さんとかにも言ってないしね」
朝霧 ユラ :
「最初はお母さんが見舞いに来てくれてたんだけど、もうそれもなくってさ……今はたまにマネージャーが来るだけ」
蹄啼 イバラ :
「朝霧ユラは諦めきれないが、同時に使えなくなったアイドルに構っている時間もないと?」
蹄啼 イバラ :
「……なんとも、惨い話ですね~」
朝霧 ユラ :
「……やっぱ辛辣だな」
朝霧 ユラ :
「でも、実際のところそうなんだろうね。マネージャーは頑張って事務所に掛け合ってみてくれてるみたいだけどさ」
蹄啼 イバラ :
「すべてを晒した貴女相手に、ヘンに隠し事する必要ありませんから~」
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「ついでにあたしも、ずっと言えなかったこと言っていい?」
蹄啼 イバラ :
「……罵詈雑言でも何でも、構いませんよ~」
朝霧 ユラ :
「……初めて撮影所の控え室で会った時のこと、覚えてる?」
朝霧 ユラ :
「あのとき、あんたのデビュー曲を聞いて興味持ったって言ったじゃん……、あれ、嘘」
蹄啼 イバラ :
「……何故、そんな嘘を?」わざわざ吐く必要ない虚言のように感じられるが、と尋ねる。
朝霧 ユラ :
「ホントは、あんたがアイドルになる前の演奏会にたまたま行くことになってさ……」
朝霧 ユラ :
「そこであんたのヴァイオリン聞いて、衝撃を受けたんだ」
朝霧 ユラ :
「この子はこんなにも音楽の神様に愛されてるのに――どうしてこんなに、悲しそうなんだろう、って」
蹄啼 イバラ :
「……は? わたくしが、悲しい?」
蹄啼 イバラ :
「貴女は何を、言っているのですか? わたくしは悲しいことなど────」
朝霧 ユラ :
「……本当に?」
蹄啼 イバラ :
「……………………」
蹄啼 イバラ :
「……悲しいことなど、ありませんよ」
蹄啼 イバラ :
「わたくしには、ヒトの気持ちを見通す"色慾の魔眼"がありますが、貴女には何もないでしょうに」
蹄啼 イバラ :
「何故、そんなふうに受け取れたのか、不思議で仕方ありませんね」
朝霧 ユラ :
「……蹄啼、親と上手くいってないんじゃない」
蹄啼 イバラ :
「……占い師みたいに言いますね」
蹄啼 イバラ :
「ですが、的外れです。父とは上手くいっています」
蹄啼 イバラ :
「わたくしはお父様が考える理想の娘、求められる課題はすべて熟していますし」
朝霧 ユラ :
「…………あたしと同じだね」
朝霧 ユラ :
「お母さんは口を開けばいっつも『ユラはママの希望なのよ』……」
朝霧 ユラ :
「それ以外の思い出、気づいたらなんにもない」
蹄啼 イバラ :
「……分かった風なことを言うのを、止めてください」
蹄啼 イバラ :
「貴女とわたくしは違う。もうライバルごっこは終わったんですよ」
朝霧 ユラ :
「……ごめん、一緒にしてほしくないよね」
朝霧 ユラ :
「でも、あたしは勘違いで構わない」
朝霧 ユラ :
「当時のあたしはレッスンも、お仕事も、やらされるばっかりで全然好きじゃなかったけど……」
朝霧 ユラ :
「『いつかあの子を心から笑顔にできるようなアイドルになりたい』って……」
朝霧 ユラ :
「……その目標が、あたしの可能性を広げてくれたんだ」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「言っている意味が、分かりませんね」
蹄啼 イバラ :
「わたくしを笑顔にするために、アイドルになった?」
蹄啼 イバラ :
「あれだけ痛い目に遭わされて、何故まだそんなことが言えるのか、意味不明です」
蹄啼 イバラ :
「率直に言って、気持ちが悪い」
蹄啼 イバラ :
「……ヒトは普通、そんなふうに心を動かしません」たじろいだ様子で席を立つ。
朝霧 ユラ :
「わかってる、重くてキモいよね……」
朝霧 ユラ :
「だからずっと、言わなかった」
朝霧 ユラ :
「でも、もう、これで会えんの最後かもしれないからさ……今日だけの悪夢だと思って我慢してよ」
蹄啼 イバラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「そんな怖い顔しないで、いつもみたいにへらへら笑っててよ」
朝霧 ユラ :
「あんたにエンタメとして消費すらされなかったら……あたし、本当にもう終わりじゃん」
蹄啼 イバラ :
「……ああ、なるほど。分かりましたよ」
蹄啼 イバラ :
《七色の直感》を使って、朝霧ユラの感情を読み取りたいです!
GM :
この感情を言葉で説明できるのか……やれるだけやってみます!
蹄啼 イバラ :
オーラの色で識別するので、ふんわりした感じでも大丈夫!まだ本心から好意を寄せてくれているのか知りたい!
GM :
では、この病室に入ってからの言葉に何も偽りはないことがわかる。
GM :
裏切られて悲しいという気持ちはあっても、本心からずっとあなたのファンだし、闘病生活でもずっとあなたとの思い出を心のよりどころにしていたことがわかる。
GM :
それだけにあの日の悪夢は嘘であってほしかったが、今はもう一度話すチャンスを得られて嬉しいのだろう。心の闇を覆い隠すように喜びの感情が前に出てきている。
蹄啼 イバラ :
「(他の暗い色を塗り潰す、明るい橙色……歓喜の色彩……)」
蹄啼 イバラ :
「(そんなはずは、ない……拷問してきた相手に向けていい感情じゃない……)」
蹄啼 イバラ :
「ええ、ええ……よく分かりましたとも……」
蹄啼 イバラ :
「貴女、もう狂っているんですね……?」
朝霧 ユラ :
「……そうかもね」
朝霧 ユラ :
「現実は、まだ受け入れられてないかも」
蹄啼 イバラ :
「ふふ……やっぱり、そうでしたか……」
蹄啼 イバラ :
「それなら、安心してください朝霧さん」
蹄啼 イバラ :
「貴女の妄言に付き合ってあげます。貴女はわたくしを笑顔にできますよ」先程の言葉はすべて妄言だと聞き流す。
蹄啼 イバラ :
「足が使えずとも、手が使えずとも構いません」
蹄啼 イバラ :
「憤怒、悲哀、嫉妬、絶望……いずれの色でもない特別な"狂気"を貴女は持っている……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしね……『ヒトの感情』をそれぞれ楽器にしようと考えているのです……」
蹄啼 イバラ :
「生きたヒトを素材に、わたくしだけの特別な楽器を作ろうって……」
蹄啼 イバラ :
「貴女は、そのうちの一つになるポテンシャルを持っていますよ~……♪」
蹄啼 イバラ :
「わたくしにも予想できない狂気……♪ その音色は一体、どういう仕上がりになるんでしょう……♪」
蹄啼 イバラ :
「ええ、ええ……♪ 貴女がすべてに見放されたとしても、わたくしだけは貴女を愛してさしあげますよ~……♡」
朝霧 ユラ :
「……あれって、そういう趣味だったんだ」
朝霧 ユラ :
「コレクション、ね……ずいぶん眠たいこと言うじゃん」
蹄啼 イバラ :
「はい……?」
GM :
……ユラは徐にあなたの両手を取ると、自分の首元を締めるように当てさせる。
朝霧 ユラ :
「蹄啼、あたしのこと殺しなよ」
朝霧 ユラ :
「そうすれば、あたしの悲鳴は永遠にあんたのものだ」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「…………………………」
蹄啼 イバラ :
掴まれた手を振り払って、そのままユラの頬に思いっきり平手打ちをする。
蹄啼 イバラ :
バチィンと鞭のような大きな音が、静かな病室に響く。
朝霧 ユラ :
「ぅぐふっ……!!」
GM :
苦しそうに嗚咽を漏らして、ベッドに倒れ込む。
蹄啼 イバラ :
「わたくしはコレクションする、と言ったのですよ~?」冷たい目で見下ろし
蹄啼 イバラ :
「殺すなんて、とんでもない」
蹄啼 イバラ :
「それでは、生きた楽器にできないじゃありませんか」
蹄啼 イバラ :
「……やっぱり、わたくしのことを理解していないじゃないですか~」
蹄啼 イバラ :
「それとも、なんです? 業界復帰の望みがないからって、この場で死にたかったんですか~?」
朝霧 ユラ :
「……っは……は、そうかもね」 息を荒く身体を起こして。
朝霧 ユラ :
「あんたならあたしの物語をちゃんと終わらせてくれるって……幻想だったのかも」
蹄啼 イバラ :
「…………わたくしに勝手に、夢を見ないでください」
蹄啼 イバラ :
「貴女には、生きてもらわなきゃいけません」
蹄啼 イバラ :
「死にたくても、何があっても、わたくしが死なせません」
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「わかったよ」
朝霧 ユラ :
「また這ってでもそっちに行ってやるから……ずっとテッペンで待ってろよ」
蹄啼 イバラ :
「……別に、わざわざ来てくれなくて構いません」
蹄啼 イバラ :
「あくまで貴女は、楽器の素材」
蹄啼 イバラ :
「準備が整い次第、こちらから加工しに来てあげます」
蹄啼 イバラ :
「…………が」
蹄啼 イバラ :
「その状態からトップアイドルに再起できたら、それはそれで面白そうですね~」
蹄啼 イバラ :
「様々な苦悩を乗り越えて、ひとまわり"良い音色"を出せるようになってくれるかもしれませんし」
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、良いでしょう。まったく期待せず待っていてあげますよ」
朝霧 ユラ :
「……そんときは、見せなよ。本当に心からの笑顔」
蹄啼 イバラ :
「そもそも、わたくしはいつも笑っているのですが」
蹄啼 イバラ :
「……まあ、その時、わたくしが楽しめるかどうかは貴女次第でしょうね」
蹄啼 イバラ :
「────ともあれ、その前にわたくしにはやるコトができました~」
蹄啼 イバラ :
「(朝霧ユラ、わたくしの楽器)」
蹄啼 イバラ :
「(わたくしだけの楽器を、乱暴に扱って破壊した愚か者……)」
蹄啼 イバラ :
「(そいつだけは必ず、わたくしが見つけ出して"お仕置き"してあげなければいけませんね~……)」
GM :
……それだけ言い残して、あなたは病室を後にする。
朝霧 ユラ :
「は…………」
朝霧 ユラ :
「……ちくしょう、まだ痛むな」 打たれた頬に、じわりと抑えていた涙を浮かべ。
朝霧 ユラ :
「死にどき……逃したな…………」
朝霧 ユラ :
「……ちくしょう」
朝霧 ユラ :
「……ぁ、ぁぁ……ぁああアアアアーーー!!」
GM :
入院してから始めての発声練習。久しぶりに腹から声を出す。
GM :
その声は、あなたの背中に届くことのないまま、月日は流れ――。
GM :
そして、今。ユラは、またあなたの前に立っている。
蹄啼 イバラ :
「どう、して……もう身体は治った、と……?」
朝霧 ユラ :
「ああ……まあ、色々あってね。この通り、もう何ともない」
蹄啼 イバラ :
「…………」それはいい。喜ばしいことだ。生きた楽器にするにしても、健康体の方が都合がいい。
蹄啼 イバラ :
それよりも。
蹄啼 イバラ :
「その隣の男は、誰なのですか……」
蹄啼 イバラ :
────急増しているアイドルの傷害事件。
その現場では「黒スーツの青年」が目撃されたと言う。
蹄啼 イバラ :
今回も同じだ。
バーチャルアイドル、松本英里の暴走。その現場に居合わせた「黒スーツの青年」。
蹄啼 イバラ :
……それだけならば、まだ”奇跡のような偶然”のセンもあった。
せいぜい”最有力容疑者”止まりだった。
蹄啼 イバラ :
────だが、あの男は確かに言った。
『アイドルなんていう嘘つき商売女に相応しい罰だ!』
蹄啼 イバラ :
あの言葉は、ほとんど自白。
恐らく、間違いないだろう────この男こそ、一連の事件を仕組んだ真犯人なのだ。
蹄啼 イバラ :
「その男はオーヴァード……アイドル襲撃事件の黒幕なのでしょう……?」
蹄啼 イバラ :
なら、どうして朝霧ユラが一緒にいるのだ。
蹄啼 イバラ :
……朝霧ユラは、自分以外の何者かにやられた。
それから間もなくだ。
二条純恋から『アイドルを狙って暗躍する何者か』の話を聞かされたのは。
その人物こそ、トップアイドルたる朝霧ユラを傷つけたのだと思った。
蹄啼 イバラ :
だが、実際はどうだ。
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラ襲撃の最有力容疑者、飴家真珠の証言によれば"殺戮人形"だと思われる人物と仲良く一緒にいるではないか。
蹄啼 イバラ :
「何故、貴女がっ……! どうして……!!」
朝霧 ユラ :
「あんたにその台詞を言われるとは……、いや、あんたらしいわ」
朝霧 ユラ :
「あたしもこいつとつるみたくてつるんでるわけじゃないけどさ……いろいろ事情があんのよ」
黒スーツの青年 :
「なんだ、同志朝霧。知り合いか?」
GM :
下階に向かって話しかけているユラに気づいたのか、男が会話に割って入る。
朝霧 ユラ :
「勝手に同志にすんなって……知らないの? 蹄啼イバラ。あんたの嫌いなアイドルの中でも、最上位の中のひとりだよ」
蹄啼 イバラ :
「……初めまして"殺戮人形"さん、で良かったですか?」
黒スーツの青年 :
「きっ……"殺戮人形"!? だ、だ、だ、誰のことだそれはー!?」
蹄啼 イバラ :
「…………」七色の直感で真偽チェックよろしいか!
GM :
そうね、〈知覚〉で判定してみましょうか
蹄啼 イバラ :
6dx+1 知覚!(6DX10+1) > 10[1,3,4,6,10,10]+10[5,10]+8[8]+1 > 29
蹄啼 イバラ :
この魔眼に嘘がつけると思うな!
GM :
では、そのコードネームを聞いて明らかに動揺していることがわかります。
蹄啼 イバラ :
「(鮮烈な黄色……驚愕の色彩……)」
黒スーツの青年 :
「…………」 冷や汗ダラダラ
朝霧 ユラ :
「……おい、なんか言い返せよ」
??? :
「そーんな奴知らないぜぇ!! なぁ黒沢ァ!」
GM :
男……ではなく、男から伸びた実体のない影が自立して喋り出す。
GM :
おそらくは共生型のレネゲイドビーイングというものだろう。
蹄啼 イバラ :
「ウロボロスのRB……」ヒトではない存在は心が見づらいので苦手だ。
蹄啼 イバラ :
「(本人かどうかまで分かりませんが、少なくとも"殺戮人形"の関係者と見た方が良さそうですね……)」
朝霧 ユラ :
「……蹄啼。あたしが言うのも何だけど、まともに会話が通じると思わない方がいいよ。こいつら、ちょっと頭のネジ飛んでんだわ」
蹄啼 イバラ :
「なるほど、狂っている朝霧さんにお似合いの二人というわけですね~」
朝霧 ユラ :
「言ってくれるな……」
蹄啼 イバラ :
「……少し、妬けてしまいます」ぼそりと呟いて
朝霧 ユラ :
「え、何? 聞こえなかった」
蹄啼 イバラ :
「いえ、大したコトは言っていません」
蹄啼 イバラ :
「……それより、貴女たちなのですか? アイドルの傷害事件を引き起こし、真珠さんたちの握手会にまで襲撃を仕掛けた犯人は」
朝霧 ユラ :
「……残念だけど、そうなるね」
朝霧 ユラ :
「もっとも、あたしはこいつがやらかしてるのは初めて見るけど……」
蹄啼 イバラ :
「こいつ?そちらの間抜けそうなスーツの方ですか?」
黒スーツの青年 :
「何おう!? 俺が本気出したらお前ごときなぁ……!」
朝霧 ユラ :
「……いいから黙っとけ。こいつはあたしのライバルなんだから」
朝霧 ユラ :
「……手ェ出したら承知しないよ」 そう言って睨みつけながら男の胸倉をつかむ。
黒スーツの青年 :
「チッ……」
蹄啼 イバラ :
「(ライバルになった覚えはないのですが)」
蹄啼 イバラ :
「……さておき、わたくしはFHより襲撃の阻止を」
蹄啼 イバラ :
「すなわち、あなたがたの排除を命じられております」
朝霧 ユラ :
「……だって。後は任せた」
黒スーツの青年 :
「よおし! やってやろうじゃないか! なあ朝霧……」
黒スーツの青年 :
「え」
朝霧 ユラ :
「悪いけど、あんたと決着付けるのは舞台の上って決めてるから」 イバラに向かって
蹄啼 イバラ :
「ん~、そうですね~……」
蹄啼 イバラ :
「確かに、まだその時ではない……」
蹄啼 イバラ :
「いま『収穫』するのは勿体ないですから、この場は見逃してあげましょうか~」
朝霧 ユラ :
「…………知ってたけど、変わらずか」
朝霧 ユラ :
「まあ、それはあたしも同じことだ」
朝霧 ユラ :
「じゃ、またね」
GM :
ユラは《瞬間退場》でシーンから退場します。
蹄啼 イバラ :
「……身も心も擦り切れていたクセして、まったく」
蹄啼 イバラ :
「身体が治った途端、威勢の良いコトですね~」去っていくユラを見送る。
黒スーツの青年 :
「あいつ……やる気あるのか!? ふ、ふん。まあ良い」
黒スーツの青年 :
「一人だけなら俺の力で軽く始末してやろう」
蹄啼 イバラ :
「あら、怖いですね~」後ろ手に二条純恋に連絡を入れる。彼女なら会話内容から状況を察してくれるはずだ。
蹄啼 イバラ :
「────さておき、"殺戮人形"さん? いえ、黒沢さんでしたか?」
蹄啼 イバラ :
かつんかつん、と階段を上りながら話しかける。
蹄啼 イバラ :
「”わたくしの朝霧さん”とは、どういったご関係か────それはあとで、じっくりゆっくり聞かせてもらうとして~」
蹄啼 イバラ :
「貴方は仰っていましたね~」
蹄啼 イバラ :
「いい気味だ!と、アイドルなんていう嘘つき商売女に相応しい罰だ!と」
蹄啼 イバラ :
「貴方には何かアイドルに対する怨恨……例えば、アイドルに裏切られた経験でもおありなのでしょうか~?」
黒スーツの青年 :
「……ふん、君には関係がないだろう」 その質問に、低い声で睨み返しながら言う。
蹄啼 イバラ :
「関係ないことはありませんよ~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしもね、他人に裏切られた経験は幾度もあるのです」
蹄啼 イバラ :
「アイドルが嘘吐きという点において、貴方に共感できる点もあると思いまして~」
黒スーツの青年 :
「ほう、少しは話がわかりそうだが……なら君にもわかるんじゃないのか」
黒スーツの青年 :
「そういう過去を他人にズケズケと詮索されたくないんだよ。デリカシーのないあの朝霧ユラが言うみたいにな」
蹄啼 イバラ :
「ふむ、気難しい方ですね~」
蹄啼 イバラ :
「その気持ちは理解しますが、貴方が答えてくれないと困るんですよ~」
蹄啼 イバラ :
「……人間、誰しも心の傷が一つ二つはあるもの」
蹄啼 イバラ :
「その傷口を無遠慮に開いて、徹底的に抉ってこそ! ようやくヒトの悲鳴は甘美な響きになるのですから!!」
黒スーツの青年 :
「……あの朝霧が執着するだけあって、この女もなかなかのイカレっぷりだな……」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、アイドルばっかり執拗に狙うテロリストに言われてしまいました~♡」
黒スーツの青年 :
「テロではなく、使命と言って貰おう。……さて、朝霧は不満に思うだろうが、君にはここで物語から降りてもらったほうが良さそうだ」
黒スーツの青年 :
「当分、病院のベッドで寝ていて貰おう」
GM :
…………。
GM :
一方、握手会会場。
GM :
羽塚えり……こと松本英里の振りまわす凶刃に会場は騒然としていた。
飴家 真珠 :
「……っ!?!?」 戸惑いながらも、間一髪のところで英里の刃を躱し続けている
ロッキー :
「おっと、乱暴者の余興かな?」 真珠と英里の間に割って入るように、刃を義手で受け止める
ロッキー :
「やあ姫、怪我はないかい?」
飴家 真珠 :
「……!!」 こくこくと頷く
多々良那 浅香 :
「え、えりちゃーん!何をしとるー!!」
テーブルから身を乗り出して駆け付ける
ロッキー :
「えりちゃん…? ああ、あの仮面を剥されてキミツをローエーしたとか言う!」合点がいった表情で
ロッキー :
「それが……いったいどうしてここに? ヤケでも起こしたかい?」刃を握りながら、英里を諭すように見つめて
松本 英里 :
「ぐ、ぎぎぎ……グググ………!」
GM :
辛うじて狂気に呑まれず耐えているが、話ができそうな様子ではない……!
ロッキー :
「ふぅん……本意ではなさそうだ。前の僕サマと同じ状態と見た方がいいかな……ッ」グッ、と刃を押し込まれる。
ロッキー :
「浅香姫、手を貸してはくれないか!」
多々良那 浅香 :
「ええい、状況判断!」
手元に小さなデバイスを出現させながら、《ワーディング》を展開。
極彩色の膜が広がるような幻の後、一般人はバタバタと倒れだす。
多々良那 浅香 :
「あたしが吹っ飛ばすからタイミング見て離れて!」
ロッキー :
「いいとも!」浅香のタイミングを見計らう
多々良那 浅香 :
「コーリン!私用決戦兵器、ヒドゥニス!!」
デバイスに紫電が奔る。多々良那浅香が生む電気信号のみで起動する、専用装備。
多々良那 浅香 :
突如轟音と共に握手会会場背後の壁が粉砕され、毒々しいビビッドカラーに包まれた巨大な機動兵器が到来する。彼女は、いつの間にかその搭乗席にいた。
多々良那 浅香 :
「ハイホー!こんなんで死なんでよえりちゃん!つっこめー!!」
シンプルな突進!
GM :
重機さながら、機動兵器に押し込まれるように英里は会場から押し出されていく!
GM :
そのタイミングで、搭乗席の端末にリーダーからの通信が入る。
二条 純恋 :
『多々良那さん、聞こえるかしら?』
多々良那 浅香 :
「社長!弁償は殺戮人形に請求でお願いします!!」
二条 純恋 :
『支払い能力があるとは思えないわね。ともかく今は緊急事態だからそのあたりはいいわ』
二条 純恋 :
『向こうの方で蹄啼さんが怪しい男と対峙しているの。合流して助けてあげて!』
多々良那 浅香 :
「ハチャメチャが押し寄せて来てる!!了解です、このままえりちゃんと不審者を対消滅させます!!」
オルトロス、加速!
黒スーツの青年 :
「……な、なんだぁ、あれは!?」
多々良那 浅香 :
「明らかに怪しい男発見!手駒をお届けェ!えりちゃんまだ生きてる~!?」
席から乗り出して機体に張り付いてるえりちゃんを見つつ
松本 英里 :
「■■■■ーーーー!!」 声にならない叫びを上げている。
蹄啼 イバラ :
「────わ、っと社長の采配でしょうか~」松本英里を轢いたヒドゥニスが、会場の柱に直撃する。
その直前、倒壊のリスクを避けるために階段から飛び降りる。
飴家 真珠 :
「……っ、…………っ」 息を切らしながら、頑張って走って追いかけてきた
ロッキー :
「派手に合流できたね! やあ、そっちはどうだいイバラ姫!」
蹄啼 イバラ :
「あら、みなさんお揃いで~」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしは、そうですね」少し考えて
蹄啼 イバラ :
「真珠さん達を守るために来たところ────あちらの"殺戮人形"と思われる怪しげな男を発見したところです~」黒沢を指す。
飴家 真珠 :
「……!?!?」 胸元に手を当てながら息を整えていたが、そちらをバッと振り向く
ロッキー :
「へえ、アイツが……」冷めた瞳を向ける
黒スーツの青年 :
「…………!」 ふたりに視線を向けられ一瞬怯むが、すぐに向き直り。
黒スーツの青年 :
「こんなはずじゃなかったが……仕方ない」
??? :
「オイオイ、予定が崩れたなァ。ま、これだから人間は面白ェ!」
黒スーツの青年 :
「まとめて病院送りにしてやる!」
蹄啼 イバラ :
「ふふ……♪ あちらもやる気のようですし、わたくし達も真珠さんの"復讐"のお手伝いをさせていただきますよ~……♪」
蹄啼 イバラ :
実際のところ、黒沢が"殺戮人形"かどうか。怪しいところだ。
蹄啼 イバラ :
……が、間違えて殺してしまっても、それはそれで面白いんじゃないだろうか。
多々良那 浅香 :
「イバラちゃぁん!爆音で聞こえなかった、こいつらが実行犯ってことでFA!?」
蹄啼 イバラ :
「ええ、間違いないかと~」
蹄啼 イバラ :
「どうやら、アイドルへの怨恨がらみの犯行のようです~」他にも説明するべき事はあるが、そちらは後回しで良いだろう。
多々良那 浅香 :
「ああそう、そこは超どうでもいいけど……倒しちゃってオッケーってことねぇ!新人お二人は準備よろしい!?」
ロッキー :
「まったく迷惑な話だね! 僕サマはいつでも問題とも!」
ロッキー :
「……さて真珠姫、アイツはキミの仇らしいけど。どうだい、イケそうかい?」
飴家 真珠 :
「…………」 ずっと考え込んでいたが、再び黒スーツの男を見る
飴家 真珠 :
[あなたがキリングドールなの?] 光の文字を出して問いかける
黒スーツの青年 :
「――――ッ」
黒スーツの青年 :
「ち、違う、俺は……」
飴家 真珠 :
[ちがうの?]
??? :
「……オイオイ、こんな質問答える義理はねーぞ黒沢。今は絶体絶命のピンチだろう?」
黒スーツの青年 :
「あ、ああ、そうだな……そうだった……!」
飴家 真珠 :
「…………」 じーっと相手を見つめて
飴家 真珠 :
[わかった ちゃんとこたえてくれないなら それでもいいよ] 不安そうに、衣装の裾を握りしめて
飴家 真珠 :
[だけど]
飴家 真珠 :
[あなたは わたしたちのあくしゅかいをだいなしにした]
飴家 真珠 :
[みんな すごくたのしんでくれてたの ゆるさないから] 怒りを表わすかのように赤い文字を浮かばせながら、睨みつける
黒スーツの青年 :
「…………」 その文字から目を逸らすように視線を動かし、何かエフェクトを使おうとする!
GM :
それが開戦の合図となった。
GM :
戦闘を開始します。
【行動値】
25 ???
17 蹄啼イバラ
13 飴家真珠
10 黒スーツの青年
08 多々良那浅香
06 ロッキー
05 松本英里
【初期配置】
黒スーツの青年 / ???
|
(5m)
|
松本英里
|
(5m)
|
飴家真珠 / ロッキー / 蹄啼イバラ / 多々良那浅香
【勝利条件】
・黒スーツの青年の撃破、または松本 英里ほか操られているキャラクターの撃破。どちらでも今後の展開に影響はない。
◆第1ラウンド
GM :
セットアップ、何かあるか!
蹄啼 イバラ :
《鮮血の奏者》を使用!HPを3点消費して、このラウンドの間、自身の攻撃力+24!
system :
[ 蹄啼 イバラ ] 侵蝕率 : 48 → 52
system :
[ 蹄啼 イバラ ] HP : 27 → 24
GM :
敵側のセットアップは~
黒スーツの青年 :
《戦力増員》で握手会のスタッフを操って参戦させます。(トループx3)
??? :
《原初の虚:融合》を使用。黒スーツの青年と融合します。
【行動値】
25 ???
17 蹄啼イバラ
13 飴家真珠
12 スタッフ×3
10 黒スーツの青年
08 多々良那浅香
06 ロッキー
05 松本英里
【現在位置】
黒スーツの青年 / ???
|
(5m)
|
松本英里 / スタッフ×3
|
(5m)
|
飴家真珠 / ロッキー / 蹄啼イバラ / 多々良那浅香
蹄啼 イバラ :
背負っていた楽器ケースから、ヴァイオリンの弓だけ取り出す。
蹄啼 イバラ :
左腕を伸ばし、自らの手首にヴァイオリンの弓を番える。
蹄啼 イバラ :
「さて……」
蹄啼 イバラ :
そうして、蹄啼イバラは自傷する。
自らの手首を切りつける。眉ひとつ動かさず。奏でるような優雅さで。
……ごぽごぽと鮮血が湧き出して、足下の影をワインレッドに塗り潰していく。
蹄啼 イバラ :
「そろそろ、開演しましょうか~……♪」
蹄啼 イバラ :
ブラム=ストーカー最大の武器は、なんといっても自らの血液。
これにて、戦いの────いや、”蹂躙”の用意は整った。
蹄啼 イバラ :
血だまりを踏んで、標的に優しく微笑みかける。
……相手の恐怖を取り除こうとする、場違いな甘い笑み。
それはどこか、大手術前の麻酔に似て。
かえって、これから降りかかる耐え難い苦痛を暗示していた。
黒スーツの青年 :
「なるべくならこの手は使いたくなかったが……致し方あるまい!」
GM :
青年は一冊の古びた本を取り出すと、ボールペンで何やら文字列を書き連ねていく。
GM :
すると、握手会のスタッフが正気を失ったように戦場へとなだれ込んでくる!
飴家 真珠 :
「!?」 スタッフたちを見て
飴家 真珠 :
[もしかして あやつったの!?]
蹄啼 イバラ :
「精神操作……件の"殺戮人形"と同じ能力のようですね~……」
多々良那 浅香 :
「だり~~……殺したら流石にマズいかなぁ」
ロッキー :
「やれやれ、関係のない人々の血を流すのは不本意なんだけど……」
飴家 真珠 :
握手会のスタッフって、ファムファタの人よね? 彼らがオーヴァードかどうか、PCたちは知っていますか?
GM :
知っていてよいでしょう、戦場に来てるのはオーヴァードだけ!
飴家 真珠 :
了解! よかった!
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ みんなオーヴァードだよ] スタッフの顔ぶれを見て
飴家 真珠 :
[たたかうのはたいへんだけど すこしこうげきするくらいなら きっとしんだりしないとおもう] 不安になる気持ちを衣装の裾を握ることで抑え込みながら
ロッキー :
「手加減するだけ損、ってところだね。遠慮はいらなさそうだ」
ロッキー :
「……もし戦うことが嫌なら、一歩離れておいた方がいいよ」真珠に一言かけて、相手に一歩踏み出す
飴家 真珠 :
「…………」 ロッキーを見て
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ]
飴家 真珠 :
[あくしゅかいをじゃまされて スタッフさんたちもあやつられてるのに わたしだけにげるなんてしたくないから] ロッキーに弱々しく笑いかける
ロッキー :
「そっか」真珠へ振り返ることなく、微笑を浮かべて
ロッキー :
「じゃあ……始めようか」
飴家 真珠 :
頷いて、敵に向かい立ちます。
GM :
ではイニシアチブからメインプロセスへ!
GM :
???は行動しないのでイバラちゃんの手番だ!
飴家 真珠 :
融合してると動けないんだっけか
蹄啼 イバラ :
そうそう。ただオートアクションはできるはず。
蹄啼 イバラ :
遠慮なく、先攻を貰おう! まずマイナーアクションで戦闘移動! 松本英里らにエンゲージ!!
蹄啼 イバラ :
メジャーアクションで、コンセントレイト+ブラッドスパイク!
蹄啼 イバラ :
HPを3点消費して、松本英里とスタッフ全員にRC攻撃を行ないます!
GM :
判定どうぞ!
蹄啼 イバラ :
9dx8+8 命中判定(9DX8+8) > 10[1,3,3,5,6,7,9,9,9]+10[4,6,9]+4[4]+8 > 32
松本 英里 :
6dx>=32(6DX10>=32) > 10[1,1,3,7,8,10]+2[2] > 12 > 失敗
GM :
全員命中です、ダメージどうぞ!
蹄啼 イバラ :
4d10+6+24 装甲有効ダメージ(4D10+6+24) > 17[2,1,9,5]+6+24 > 47
蹄啼 イバラ :
このラウンドの間、対象が受ける攻撃のダメージに+2D!
GM :
おお……では、スタッフはこれで倒れますね!
蹄啼 イバラ :
よし、雑魚スタッフは一掃! 範囲アタッカーの仕事はきっちりとこなしましたよ!!
system :
[ 蹄啼 イバラ ] 侵蝕率 : 52 → 57
system :
[ 蹄啼 イバラ ] HP : 24 → 21
蹄啼 イバラ :
血溜まりから芽吹くように、どろりと粘性を持つ触手が鎌首をもたげる。
無数の棘を生やしたそれは「血の茨」であった。
蹄啼 イバラ :
「……しかし、操った人間を盾にするなんて~」
蹄啼 イバラ :
「"殺戮人形"だなんて物騒なコードネームの割に、なんとも卑怯な手を使いますね~」
蹄啼 イバラ :
……血の茨、あわせて四本。
それらをスキュラのように足下に従えて、蹄啼イバラは歩み出す。
ただ散歩に行くような、あくまで優雅でゆったりとした足取りで。
蹄啼 イバラ :
「まあ、わたくしはあくまでも真珠さんのお手伝い」
蹄啼 イバラ :
「露払いが仕事ですから、今回はそれを熟すとしましょうか~」
蹄啼 イバラ :
「……さあ、操り人形さん達?」さらりと髪をかきあげる
蹄啼 イバラ :
「避けられるものなら、頑張って避けてみてくださいな~♪」
蹄啼 イバラ :
そう口にした瞬間、有効射程に入ったのだろう。
────びゅんと、風を切ってしなる茨鞭。
少女の傍に控えていた血の茨が、精神操作を受けた人々へと一斉に襲いかかる。
GM :
目にも止まらぬスピードで飛び交う鞭が、スタッフ達に次々命中していく……!
松本 英里 :
「ッ、ーーー!!」 その一撃を受け、こちらに向かっていた歩みが止まる
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの攻撃は、完璧に的中していた。していたハズだった。
蹄啼 イバラ :
────が、驚くべきことに。
茨鞭に打たれたはずの操り人形は、ほとんどダメージを負っていなかった。
蹄啼 イバラ :
……想像していた痛みはない。骨肉を断つような負傷も無い。
血の茨が肌を擦って、いくつか切り傷を作っただけ。
そして、松本英里が何らかのエフェクトで防いだ訳でもない。
拍子抜けだろう。あまりに軽い一撃だった。
黒スーツの青年 :
「な、なんだ……? あれだけ自信満々だった割には……」
黒スーツの青年 :
「フ、天下のファム・ファタールといえど戦闘力は大したことないようだな」
蹄啼 イバラ :
「……さて、必死に避けようとする姿は可愛らしかったですが、わたくしの出番はこれまで」
蹄啼 イバラ :
ヴァイオリンの弓を下ろし、胸の前に両手を持っていく。
ぱん、と少女が手を叩くと────
蹄啼 イバラ :
次の瞬間、どすんと。操り人形の四肢に降りかかる激痛。
蹄啼 イバラ :
……見れば、痛みが走った箇所には、淡く光る「茨の紋様」が浮かび。
その上からなぞるよう、無数の血の杭が生えていた。
皮膚も筋肉も刺し貫き、彼らの体内から生えていた。
松本 英里 :
「ギィィーーー!!」 激痛に劈くような悲鳴を上げる!
GM :
スタッフも次々血を流しながら倒れていく……!
黒スーツの青年 :
「なっ……」
蹄啼 イバラ :
「ふふ……♪ 思った通り、松本さんはタフですね~……♪」
蹄啼 イバラ :
────蹄啼イバラのブラム=ストーカー能力に、特筆すべき点はない。
自らの血液を武器へ変える、ごくオーソドックスなものだ。
特筆すべきは、その使い方。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは、自らの血液を標的の傷口から撃ち込む。
そして、「標的の体内で武器に変える」。
標的を内部から引き裂き、破壊するのである。
蹄啼 イバラ :
……更に厄介なことに、この攻撃は一度で終わらない。
蹄啼イバラの血は「茨の紋様」となって、ジワジワと標的の全身に広がりはじめる。
ゆっくり嬲るような執拗さで、標的を犯していく。標的を苦しめ続ける。
きっと、その在り方は毒に似ていた。
蹄啼 イバラ :
────「綺麗な薔薇には棘がある」とはファム・ファタールのためにある言葉。
異論を唱える人間は、オーヴァードの世界に先ずもっていないだろう。
中でもとりわけ、蹄啼イバラは至高の華。
触れたが最後。魂まで絡め取り、原型が残らないほどグズグズに融かしてしまう毒花だ。
蹄啼 イバラ :
「ではでは、後のことはお任せいたしましょうか~♡」痛みに歪む顔を愉しそうに眺めながら、背後の仲間にトドメを託す。
松本 英里 :
本来ならオーヴァードといえど気絶してもおかしくないほどの激痛だが、倒れない。皮肉にも本来の英里の惰弱な精神が上書きされて実力以上の力を発揮しているのだろう。
GM :
次! 真珠ちゃんの手番です!
飴家 真珠 :
はーい
飴家 真珠 :
マイナーアクションで戦闘移動、5m前進して英里ちゃんたちにエンゲージ!
飴家 真珠 :
メジャーアクションで《光の舞踏》《コンセントレイト》
飴家 真珠 :
オートアクションで《砂の加護》《砂塵霊》
飴家 真珠 :
雷将神器を使って、英里ちゃんに攻撃します!
GM :
判定どうぞ!
飴家 真珠 :
10dx+4(10DX7+4) > 10[3,5,5,5,6,7,8,8,9,9]+5[1,2,4,4,5]+4 > 19
飴家 真珠 :
うわー!!
飴家 真珠 :
雑魚が
GM :
コンセが……入ってる!
GM :
さっき普通にプレイミスしたのですが、英里はガードしたほうが強いのでガードします。ダメージどうぞ!
飴家 真珠 :
そうなの!? 命拾いしたな、わたしが
飴家 真珠 :
2D10+27+2D10(2D10+27+2D10) > 3[2,1]+27+15[9,6] > 45
飴家 真珠 :
????
飴家 真珠 :
こっちの出目もあれだけど、イバラちゃんのダメージ増加込みで、装甲は有効です!
GM :
イバラちゃんの後押しが強すぎる
松本 英里 :
《イージスの盾》を使用
松本 英里 :
2d10(2D10) > 8[1,7] > 8
松本 英里 :
まだ倒れません! 演出どうぞ!
飴家 真珠 :
そりゃそうだ! やります
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 55 → 65
飴家 真珠 :
イバラが攻撃を仕掛けている間、真珠は自身の胸元へと手を伸ばす。
飴家 真珠 :
今身に纏っているプリンセスをイメージしたアイドル衣装にはポケットがない。
飴家 真珠 :
だからこそ、彼女は唯一の隠し場所として、柔らかな胸の谷間にその武器を収めていた。
飴家 真珠 :
そこから引き出されたのは、体温を帯びて熱を持った一粒の飴玉。
飴家 真珠 :
その小さなお菓子には、モルフェウスシンドロームの《折り畳み》と《テクスチャーチェンジ》がかけられている。
飴家 真珠 :
真珠が指先でそれらの能力を解くと、飴玉は溶けるようにぐにゃりと歪みながら急速に膨張を開始。
飴家 真珠 :
一瞬にして本来の質量を取り戻したそれは、真珠の身の丈をゆうに超える、長大な白銀の棒へとその姿を変えた。
飴家 真珠 :
続いて、真珠は握りしめていたもう片方の手を開く。
飴家 真珠 :
そこから一気に溢れ出したのは、砂糖のように白いモルフェウスの砂だ。
飴家 真珠 :
純白の砂粒は目の前で積み上げられ、瞬く間に小さな山となった。
飴家 真珠 :
「……」
飴家 真珠 :
真珠はその砂糖の山の中に、手にした棒を力強く突き立てる。
飴家 真珠 :
直後、彼女の周囲で光が爆ぜた。
飴家 真珠 :
エンジェルハイロゥシンドロームによって操作された光の粒子。それらが砂の山へと注がれる。
飴家 真珠 :
────飴家真珠の振るうモルフェウスの砂は魔法の砂糖。
飴家 真珠 :
エンジェルハイロゥの光は、あらゆるものを彩る魔法のシロップ。
飴家 真珠 :
二つの力は棒を軸にして猛烈な勢いで渦を巻き、ピンクと水色の鮮やかなマーブル模様を描きながら凝固していく。
飴家 真珠 :
やがて現れたのは、あまりにも巨大なロリポップだった。
飴家 真珠 :
「……ッ!!」
飴家 真珠 :
真珠はその巨大なキャンディがついた棒を両手でしっかりと握りしめ、強く床を蹴った。
飴家 真珠 :
光のように鋭い踏み込みで、英里へと詰め寄る。
飴家 真珠 :
[ごめんなさい あともうすこしだけがまんしてね]
飴家 真珠 :
英里の眼前に、灰色の光の文字が浮かび上がったのと同時。
飴家 真珠 :
真珠は小さな体を独楽のように回転。
飴家 真珠 :
全身の捻りを乗せて振り抜かれた巨大な飴の塊を、横一線に薙ぎ払う!
松本 英里 :
「――っ!」 おそらく操られて、というわけではなく本能的なものだろう。その攻撃に瞬時に反応し、エフェクトを使って身体を硬化、防御姿勢を取る。
松本 英里 :
――が、防ぎきれない。横からの衝撃にコミカルなアニメのようにバウンドしながら吹き飛び、かなりのダメージを受ける!
飴家 真珠 :
「……っ!!」 ロリポップから自身の手へと伝わる衝撃に、嫌そうに顔を歪める。エフェクトを使って人を本気で殴ったことは初めての経験だった。
飴家 真珠 :
[だ だいじょうぶ!?] ガードされた感覚はあったが、想像よりも吹き飛んだ英里を心配そうに見る
松本 英里 :
「…………う、ん」 いまの衝撃で一瞬だけ正気が戻ってきたのか、床にうずくまりながらその問いに頷く。
飴家 真珠 :
よかった、と少しだけ安堵しかけて、
飴家 真珠 :
「…………」 いや、本当に良かったのか? と思い直し、辛そうに唇を結ぶ。
今の一撃で気絶しなかったということは、まだ攻撃を加えないといけないということだ。
蹄啼 イバラ :
「ああ、痛そうですね~……」眉をひそめて
蹄啼 イバラ :
「でも、安心してください真珠さん……♪ 貴女は正しいコトをしているのです……♪」
飴家 真珠 :
「!?」 驚きながらイバラに振り向く
蹄啼 イバラ :
「それもこれも、あの憎き"殺戮人形"を打ち斃すために必要なコト……」黒沢を見据えて
蹄啼 イバラ :
「ですから、後ろめたいなんて思って、遠慮することはありませんよ~……♪」
飴家 真珠 :
[でも] そう文字を浮かばせようとするが、
飴家 真珠 :
「……………………」 その後の言葉が続かない。どう返せばいいか分からず、悩むように目を逸らしてしまった。
??? :
「お、正気に戻りかけてるな。肉壁もやられちまったみてーだしこりゃマズいんじゃねェか?」
黒スーツの青年 :
「い、言われなくてもわかっている!」
GM :
黒スーツの青年の手番!
GM :
《ナーブジャック》で松本英里に行動させます。
GM :
意思判定は《ジャミング》で封殺。
松本 英里 :
マイナー《バトルビート》、メジャー《コンセントレイト:キュマイラ》《獣の力》《パワースイング》《さらなる波》で攻撃します。
松本 英里 :
対象は蹄啼イバラ!
蹄啼 イバラ :
わ、わたくし!? わたくしが何をしたと言うのですか!
松本 英里 :
お前以上にやってる奴いる??
飴家 真珠 :
いない
蹄啼 イバラ :
ひいん
松本 英里 :
10dx7+3(10DX7+3) > 10[1,1,1,2,3,7,7,9,9,10]+10[1,2,2,3,7]+1[1]+3 > 24
蹄啼 イバラ :
その程度、ドッジできるが?
蹄啼 イバラ :
1dx 回避(1DX10) > 1[1] > 0 (ファンブル)
松本 英里 :
草
飴家 真珠 :
この運動音痴が!!
蹄啼 イバラ :
ひぃん…
多々良那 浅香 :
コケてそう
飴家 真珠 :
でもせっかくだし、庇っちゃいます。オートアクションで《砂の結界》を使用! イバラちゃんをカバーリング!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 65 → 67
GM :
美しき友情!?
蹄啼 イバラ :
べ、別に守ってほしいなんて……///
蹄啼 イバラ :
HPコストの関係もあって、めちゃめちゃありがたい…ありがとう真珠ちゃん…持つべき者は友達だねっ…
飴家 真珠 :
何故か裏があるように聞こえるけど気のせい、ダメージお願いします
GM :
ではダメージ!
GM :
3d10+24(3D10+24) > 22[10,2,10]+24 > 46
飴家 真珠 :
ダメージ二倍とか関係なく戦闘不能! 《リザレクト》します!
飴家 真珠 :
1D10(1D10) > 5
system :
[ 飴家 真珠 ] HP : 23 → 5
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 67 → 72
GM :
男がふたたび本に文字を書き加えていくと、一瞬正気に戻りかけた英里の目が濁って再び暴れ出す。
松本 英里 :
「う、ググ、グ………ぅ、がぁあああ!!!」
GM :
英里はふだんのぼんやりとした動作からは信じられないほどの膂力とスピードで長い刃物を自在に操り、その凶刃はイバラに向かって飛んでいく……!
蹄啼 イバラ :
「っ、まだ動けましたか……!?」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラには、ほとんど戦闘経験が無い。
だから、松本英里が受けたダメージを見誤っていた。
蹄啼 イバラ :
血の茨で防ごうにも、オーヴァードの攻撃を弾けるほどの強度は無い。
なんとか避けようとするが、運動神経も反射神経さえない少女には、回避など到底ムリだ。
蹄啼 イバラ :
振り翳された凶刃を前に、条件反射で目を瞑る。
飴家 真珠 :
鋭い刃がイバラの柔肌を切り裂かんとする、その刹那。
飴家 真珠 :
意思を持つかのように、モルフェウスの砂が真珠の足下に猛烈な勢いで集束した。
飴家 真珠 :
紫色の光を放ちながら波打つ魔法の砂糖は、一瞬にして床のタイルを飲み込み、その形を再構築していく。
飴家 真珠 :
そして現れたのは、甘い光沢を放つグミのクッションだった。
飴家 真珠 :
ぐにぐにとした弾力を持つその床を、真珠は全体重を乗せて力強く踏みしめる。
飴家 真珠 :
「っ!!」
飴家 真珠 :
強靭な反発力が、真珠を砲弾のように弾き飛ばす。
飴家 真珠 :
真珠はその刃が届くよりも早く、イバラと英里の隙間へと体を割り込ませた。
飴家 真珠 :
「────────ッ」
飴家 真珠 :
本来イバラを貫くはずだった一撃が、代わりに真珠の背中を深く切り裂く。
蹄啼 イバラ :
想像していた痛みが訪れず、蹄啼イバラはゆっくりと目を開く。
蹄啼 イバラ :
……目の前には、自分を庇ったのだろう。背中を切り裂かれ、苦悶の表情を浮かべている少女。
蹄啼 イバラ :
血塗れの飴家真珠の姿があった。
蹄啼 イバラ :
「真珠、さん……?」困惑した様子で、愚かな恩人の名を呼ぶ。
飴家 真珠 :
「…………」 床に倒れ込みながら、イバラを見上げ、
飴家 真珠 :
[だいじょ うぶ ?] 痛みを堪えるように、歪んだ文字がふわっと浮かぶ
蹄啼 イバラ :
「貴女は、何を……何をしているのですか……」思わず後退って
飴家 真珠 :
「……………………」 にへ……と困ったように小さく笑う
蹄啼 イバラ :
「何を、笑って……憎い仇が目前にいるのですよ……!? 復讐を遂げるためには、他人に構っている場合じゃないでしょう……!?」
飴家 真珠 :
「…………」 う、うーん……と、悩むように目を泳がせてから、
飴家 真珠 :
[でも いばらちゃんがあぶないって いっしゅんおもったら]
飴家 真珠 :
[なんか からだがかってにうごいちゃって] 燃えるように熱い背中の傷に耐えながら、また笑ってしまう
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
まったく理解できない。本心から言っているのか。
蹄啼 イバラ :
だったら尚更、理解できない。
蹄啼 イバラ :
「…………ああ、もう!」今度は自分の内から湧いてきた正体不明の苛立ちを、飴家真珠にぶつける。
蹄啼 イバラ :
「分かったから、さっさと立ってください! 危ないのは貴女の方でしょう!?」真珠の手を強引に引いて、立ち上がらせようとする。
飴家 真珠 :
「~~~~~っ!!!」 いたいいたいいたい!! と、泣きそうな顔になりながら引っ張りあげられている
GM :
ネクスト!浅香ちゃんの手番だ
多々良那 浅香 :
いくぞ~
多々良那 浅香 :
ロッキーとエンゲージ分けます!横に5m移動
多々良那 浅香 :
【火刑の病】:《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》+《光の手》+《雷の槍》+《破壊の光》
system :
[ 多々良那 浅香 ] 侵蝕率 : 69 → 77
GM :
判定どうぞ!
多々良那 浅香 :
(4+3-1+1+0)dx(7+0)+5+10+0 判定/100%未満/火刑の病(7DX7+15) > 10[1,2,5,6,6,6,10]+3[3]+15 > 28
GM :
あ、対象はえりでいいよね
多々良那 浅香 :
あ、そうですわね 一応範囲選択だけどえりちゃんのみで
GM :
ではガードしましょう!
GM :
ダメージどうぞ!
多々良那 浅香 :
5d10+14+0 ダメージ/100%未満/火刑の病(5D10+14+0) > 22[1,2,10,4,5]+14+0 > 36
GM :
2d10乗って……るかな!ではイージスの盾
松本 英里 :
2d10 《イージスの盾》(2D10) > 14[4,10] > 14
GM :
ではこれでえりは倒れます……が! 黒沢が《奇跡の雫》で再起させます。
多々良那 浅香 :
「し、真珠ちゃ~~ん!!」
斬り伏せられた後輩を間近に見、悲鳴を上げる。
多々良那 浅香 :
「テメェオラ、よくもウチの超絶可愛いピチピチ新人ちゃんを……!」
多々良那 浅香 :
文字を綴り他者を操る謎の男を睨み付ける。さながら物語の主人公のようにギリと歯噛みし、レバーを引くが……
多々良那 浅香 :
彼女の操る極彩色の兵器、ヒドゥニスの数多の砲身は松本英里へと照準を定める。
多々良那 浅香 :
相手の手駒を減らす作戦としては妥当だが、そもそも多々良那浅香に作戦だとかそういう高尚なものは無縁である。
多々良那 浅香 :
推定ボスキャラが、複数のキャラクターを操っている。ボスを狙い撃ちするのが定石だ。リソースの消費も少なく済ませられることが多い。
多々良那 浅香 :
しかし、手駒のキャラクターを全滅させれば……
多々良那 浅香 :
何か、特殊なセリフが聞けるかも?
多々良那 浅香 :
面白い反応があるかも?
多々良那 浅香 :
そう思ったなら、即行動!
多々良那 浅香 :
「すまねぇえりちゃん、同僚のよしみだ一回死んでくれい!!」
コォ、という音と共に、これまた七色の光が砲の口へと集り……
多々良那 浅香 :
「ファイア!」
多々良那 浅香 :
バカみたいに鮮やかな雷光が降り注ぐ。
松本 英里 :
「ぐわーーーーーーっ!!」
松本 英里 :
10億7000万色に光り輝く光線に巻き込まれて虹色に身体を光らせながら爆発する!
GM :
さすがの生命力を持つ彼女もこれで倒れた……かと思われたそのとき。
黒スーツの青年 :
「ぐっ……ま、まだ倒れられてもらっては困る!」
GM :
青年が頭上に手をかざすと、室内だというのに穏やかな小雨が降り注ぎ、瞬く間に英里の傷を癒していく……!
松本 英里 :
「…………」 むくり、と起き上がり再び刃物を手にする。しかし、急場しのぎの回復にすぎない。あと一押しで彼女を正気に戻せるだろう……!
GM :
ではネクスト、ロッキーの手番!
ロッキー :
へい! マイナーで戦闘移動、英里ちゃんにエンゲージ!
ロッキー :
メジャーは《アームズリンク》《コンセントレイト》! 対象は英里ちゃんに
GM :
よしこい! 判定どうぞ!
ロッキー :
9dx7+14 よいしょ!(9DX7+14) > 10[1,1,1,4,5,6,7,9,10]+10[2,7,9]+10[6,10]+10[9]+6[6]+14 > 60
ロッキー :
おお
GM :
デッッッカ! これはガードしてもダメだろうから、ドッジしましょう……
松本 英里 :
6dx>=60(6DX10>=60) > 8[1,2,4,5,6,8] > 8 > 失敗
GM :
そりゃそうじゃ! ダメージどうぞ!
ロッキー :
7d10+11+2d10 そりゃ!(7D10+11+2D10) > 32[1,8,4,6,9,2,2]+11+9[6,3] > 52
ロッキー :
やったか…!
GM :
良いダメージだ……!
GM :
ではこれで、英里は倒れます! そして戦闘も勝利!
ロッキー :
「むっ……」
ロッキー :
咄嗟にイバラを庇った真珠を一瞥する。
ロッキー :
戦闘に於いて、味方の盾となるという行為すら思いつかないロッキーにとって興味深い光景だ。
ロッキー :
その行為に至った心境も気になるし、何より自分によくしてくれた者が傷つく姿には、不思議と胸が締め付けられる。
ロッキー :
僅かに湧きたつ苛立ちに困惑の色を浮かべる……が、今はそんなことを考える瞬間ではないだろうと、感情を締め出した。
ロッキー :
「……さて、パーティにはふさわしー装いがあるというモノさ」
ロッキー :
そうして、思わせぶりに呟くと右手を頭上にかざし、埃を払う仕草で手を振るう。
ロッキー :
忽然と現れたのは血を思わせる赤色の冠。それは不吉なほど刺々しく、鈍い光を放つ。
ロッキー :
ロッキーは妖しげな笑みを浮かべる。まるで今から狩られる獲物を嘲るように……。
ロッキー :
「……換装」
ロッキー :
ただ一言、そう呟くと彼女の身体は淡い赤の粒子に包まれ、衣服が形状を変えていく。
ロッキー :
王子らしい装いはどこへやら、足先から黒鉄で覆われた装甲が義肢を侵蝕するように展開された。
ロッキー :
……機械軽装プロメテウス。それはロッキーの戦闘補助を行う鎧と枷であった。
ロッキー :
「さあ、踊ろうじゃあないか!」
ロッキー :
展開された赤いバイザーが視界を覆う。盲目であれと彼女に言い聞かせるように……。
ロッキー :
赤刃の鎌を携え、ロッキーはまるで重力など意に介さないアクロバティックな動きで敵に飛び掛かった。
ロッキー :
空間そのものが舞台であるように、彼女に誂えられた狩場であるように
ロッキー :
瓦礫を物ともせず、赤い軌跡を描いて踊るように現れた彼女は、鎌の柄……石突で英里の胸部へ鋭い一突きを浴びせる。
松本 英里 :
「■■■■――――っ!!」 得物のリーチは互角。応戦するが……。
松本 英里 :
「………か、はっ……!」
GM :
鎌の刃を警戒していたため意表を突かれ、ドスッ、と胸を一突き、その場に倒れ込む。
ロッキー :
「おや、おやおや……。良かった、死んでないみたいだ!」
ロッキー :
浅く呼吸を繰り返して嗤い、彼女の装甲がジリジリと怪しい音を鳴らす……。
ロッキー :
……装甲を介して義肢に接続されたバトルマニューバは最適化された戦闘を可能にする拡張機能であるが……ロッキーに搭載されたモノは仕様がやや異なる。
ロッキー :
それは一種のジャミングだ。敵ではない、ロッキーに仕向けられた物。愚かすぎるほどに無垢な彼女が、UGNなどに拐されることを防ぐノイズである。
ロッキー :
ノイズが齎すのは若干の認知と身体への介入。殺意を増幅させ、痛覚を鈍くし、死への忌避感を薄れさせる。洗脳までには至らない微弱な刷り込み。
ロッキー :
「ふ、ふふっ……! さぁ、次はキミの番だね!?」バイザー越しに、抜き身の刃を思わせるギラギラとした瞳が黒スーツの青年を貫く。
ロッキー :
用意された舞台と見えない糸で踊らされる傀儡の王子。血に塗れて嗤う、人造の殺戮者である。
GM :
あなたたちは、それぞれの活躍で操られていた英里ほか、ファム・ファタールの面々の鎮圧に成功する……!
GM :
そして、ちょうどそのタイミングで応援が駆けつける。
泊里 零一郎 :
「遅くなってすまない! みんな、大丈夫か!?」
飴家 真珠 :
「!!」 ロリポップを支えにして苦しそうに立っていたが、泊里の姿を見て安心したように若干表情が和らぐ
蹄啼 イバラ :
「……ええ、どうにか~。 真珠さんが負傷してしまいましたが~」苛立った様子で、倒れた英里をグリグリと踏みつける。ちゃんと戦闘不能を確認する。
ロッキー :
「────────」緊張を緩めず、青年を睨みつけている。
多々良那 浅香 :
「あたしは無事~、そこのは……」
同じく男を見ておる
松本 英里 :
「ふ、踏む必要ないのでは……」 力を使い果たして正気に戻った
黒スーツの青年 :
「ぐ、ぐ……ぐぅぅ! おのれ、ファム・ファタールめ!」
??? :
「……いや相棒、まだまだ行けるぜ! 俺とお前が力を合わせれば……」
??? :
「――この握手会に集まった客を全員暴走させて、こいつらと相打ちにできるぜェ!」
飴家 真珠 :
「!?!?」 驚き、青年に振り向く
GM :
青年を取り巻く怪しい影がそう高らかに叫ぶと、全員の視線が彼に集まる。
泊里 零一郎 :
「そ、それは、まずい……!」
多々良那 浅香 :
「やぁってみなよ黒いの!まさかそんだけやって二人は逃げられるなんて思ってないよねぇ!?」
??? :
「この俺様が成功を保証してやるぜぇー! どうする黒沢ァ!」
黒スーツの青年 :
「…………!」
黒スーツの青年 :
「……………………ぐっ……」
黒スーツの青年 :
「……………………そ、それはできん! まだ無理をする局面ではない、撤退だ!!」
??? :
「うっわ~~~~こいつびっくりするくらいおもんな。冷めるわ~」
??? :
「まあ、最低限の目的は果たしたしな。お前の言う通り安全第一と行こうか相棒」
??? :
???は《瞬間退場Ⅱ》を使用して青年とともに退場!
GM :
煙幕のように影があたりを包み、それが立ち消えると最初からそこには何もいなかったように彼らの姿はなかった……。
GM :
戦闘終了です。
飴家 真珠 :
「…………」 溜まっていた緊張を息と共に大きく吐き出しながら、その場にへたり込む
蹄啼 イバラ :
「……っと」そんな真珠を、思わず抱き留めてしまう。
飴家 真珠 :
「!」 支えられて、イバラの顔を見て
飴家 真珠 :
[ありがとう いばらちゃん] 申し訳なさそうに、しかし少し嬉しそうに笑って
蹄啼 イバラ :
「……いえ、わたくしは別に」目を逸らす。守ってもらったのは自分の方だ。そんなコトを言われる謂れはない。
蹄啼 イバラ :
「そ、それより」
蹄啼 イバラ :
「良かったですね~、撤退してくれて~……わたくし達はともかくとして、負傷している真珠さんは危なかったでしょうし……」なにより民間人には武器を振るえないだろうコトが致命的だ。
飴家 真珠 :
うんうんと頷いて、
飴家 真珠 :
[ありがとう たすけにきてくれて] 泊里たちに光の文字を見せて感謝を伝える
泊里 零一郎 :
「……いや、僕は間に合わなかった。この危機を乗り越えられたのは君たちの力だ」
泊里 零一郎 :
「肝心なときに君たちの力になれなくて、プロデューサー失格だよ……」
新藤 亜里沙 :
「別に戦うことが仕事じゃないですけどねぇ」 まったく悪びれない先輩
飴家 真珠 :
「……!!!」 めっちゃ全力で何度も頷いている
多々良那 浅香 :
「不思議なことにあたしらアイドルの方が戦いに向いてるからねぇ、後片付けを任せられる人がいるって楽で良いのよ」
とんとん、と機体から降りて来る
蹄啼 イバラ :
「ええ、ファム・ファタールのプロデューサーの仕事といえば"これ"でしょう」と浅香のヴィークルが破壊した会場を見回す。
新藤 亜里沙 :
「それもどうなんですかねぇ?」
泊里 零一郎 :
「はは……遅れてきたぶん、任せてくれよ」
飴家 真珠 :
「…………」 イバラにくっついたまま、破壊された会場や倒れているスタッフたちを見回して、
飴家 真珠 :
[あの れーいちろーさん]
泊里 零一郎 :
「何だい?」
飴家 真珠 :
[あくしゅかいって やっぱりもうできなさそう?] 悲しそうな顔で、青い文字を浮かべる
泊里 零一郎 :
「……そ、そうだね……こうなってしまうと……」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[でも まだあくしゅできてないひとたちがいるの]
飴家 真珠 :
[みんな ずっとたのしみにまってくれていて なのにこんなことになっちゃうなんて]
飴家 真珠 :
「…………」 そこまで文字を出してから、ハッと気づき、
飴家 真珠 :
[ごめん こんなこといってもしかたなかったね] 慌てて笑顔を作る
泊里 零一郎 :
「……い、いや」
泊里 零一郎 :
「僕が何とかしよう! これは君たちの初めてのファンとの触れあいなんだ。無理を押してでも成功させる価値があると思う!」
飴家 真珠 :
「!?」 目を大きく見開いて、
飴家 真珠 :
[ほ ほんとに? だいじょうぶ? わたしがわがままいったから?] 嬉しさよりもまず心配や申し訳なさが前に出た表情で、泊里に近づく
泊里 零一郎 :
「心配しなくても大丈夫だ。ファム・ファタールの力はそんなものじゃないからね」 少し屈んで視線を真珠に合わせて、安心させるように微笑んで。
飴家 真珠 :
「…………!!!」
飴家 真珠 :
ぱあっと嬉しそうに表情を明るくして、思わず泊里に抱きつく。普段は自制していたが、流石に気持ちが抑えられなかったらしい。
泊里 零一郎 :
「……っ!? あ、飴家さん、ちょっと!」 反応できずに抱き着かれる。慌てて、優しく身体を離す。
飴家 真珠 :
「!!」
飴家 真珠 :
[ごめんなさい! つい] うっかりしてたと両手をばたばた動かして
泊里 零一郎 :
「い、いや。僕が油断したのが良くなかった」
泊里 零一郎 :
「一応ワーディングを張ってはいるけど、どこで誰が見ているかわからないから、外では特に気を付けて欲しい」
飴家 真珠 :
「…………」 反省しているのか、しょんぼりしながら頷く
多々良那 浅香 :
「今の写真とかあったらマジでヤバい炎上するよ、えりちゃんも真っ青の奴」
けらけらと笑って
蹄啼 イバラ :
「…………」自分から離れていった真珠を、後ろからじ~~っと眺めて
蹄啼 イバラ :
「あの、真珠さん? さっきの話は本気ですか?」
飴家 真珠 :
「?」 どの話? と不思議そうに見ている
蹄啼 イバラ :
「握手会をしたい、という話です」
飴家 真珠 :
[うん れーいちろーさんもがんばってくれるし やりたい]
蹄啼 イバラ :
「……多々良那さんやロッキーさんはともかく、貴女は大ケガをしているんですよ?」
蹄啼 イバラ :
「その状態でファンの前に立つと?」困惑した様子で
飴家 真珠 :
「……」 あー……と、背中の傷を気にするように自分の体を見下ろして、
飴家 真珠 :
[でももう ちはとまったから! だいじょうぶ! いしょうもきがえるし!] まだ痛みはかなり残っているが、安心させるようにガッツポーズしながら笑う
蹄啼 イバラ :
「……はあ、まったく」
蹄啼 イバラ :
「もしもその傷跡をファンが見てしまったら、どうするつもりなのですか」
蹄啼 イバラ :
「こういうのを止めるのは、プロデューサーの役割だと思うのですが」
蹄啼 イバラ :
「…………仕方ありませんね」溜め息まじりに、真珠に歩み寄り
蹄啼 イバラ :
《生命治癒》を使用。HP1点を支払って真珠ちゃんの傷を治しますよ。
ちゃんとした治癒は出来ないけど、外見だけ取り繕う感じ。
system :
[ 蹄啼 イバラ ] HP : 21 → 20
GM :
本来オーヴァードには効果がないらしいけど……今回はヨシとしましょう!
飴家 真珠 :
ありがたいね…!
飴家 真珠 :
「……!」 背中の傷の痛みが少しだけ和らいだ気がして、
飴家 真珠 :
[もしかして なおしてくれたの? わたしのせなかどうなってる?] 自分ではよく見えなくて、その場でくるくる回っている
蹄啼 イバラ :
「……傷口を縫合したようなものです。外見上は治ったように見えますが、実際は治った訳ではありませんし、あんまり動くと傷が開きますよ」
多々良那 浅香 :
「オ、まぁじっくり見なきゃわかんないくらいかな!背中じろじろ見て来る奴は剥がせばヨシ!」
飴家 真珠 :
[すごい! よかった!] その報告に、実際に治ったわけじゃなくても喜んで、
飴家 真珠 :
[ありがとう いばらちゃん!] またイバラのもとへ戻って、その体に抱きつく
蹄啼 イバラ :
「……貸しを貸しのままにしたくなかっただけ、ですから」大人しく抱き着かれている。
飴家 真珠 :
「?」 なんのことか分からないが、そのまま抱きしめ続けている
蹄啼 イバラ :
「…………」しばらく抱き着かれていたが、その鈍感さに腹が立ったのか。不意に背中に手を回すと、完全には治ってない傷跡を押す。
飴家 真珠 :
「っ!!!!」 いたっ!! と声を失っていなければ悲鳴を出していたかのように唇を動かして、イバラから跳びはねるように離れてしまう
蹄啼 イバラ :
「……はい。ハグの時間は終わりです」
蹄啼 イバラ :
「真珠さん、多々良那さん、ロッキーさん────今の貴女たちには、やるべき事があるのでしょう?」
飴家 真珠 :
「!」 涙目になっていたが、そう言われてハッとする
飴家 真珠 :
[そうだね さいかいできるように わたしたちもおてつだいしなくちゃ!]
多々良那 浅香 :
「ヒドゥニス駐車してこなきゃだから……」
ロッキー :
「────────っ」青年が逃げた先をずっと見つめていたようだ
ロッキー :
「え、ああ……ごめん、何の話だったっけ……?」変身を解いて、どこか疲れたように
飴家 真珠 :
「……?」 だいじょうぶ? とロッキーに近づいて見つめながら、
飴家 真珠 :
[あくしゅかい つづけられるんだって!] やったね、と手を挙げる
ロッキー :
「ッ! ぁ、ああ……。そうなのか、それはめでたいね!」 闘争心がまだ収まっていなかったのか、真珠の上げた手に一瞬反応してしまうが咄嗟に取り繕って
飴家 真珠 :
[ね! いっしょにがんばろ!] 何も気づかずに笑って
GM :
そうこうしているうちに泊里が握手会を再開する段取りをしたのか、新しいスタッフが続々とやってくる。
GM :
泊里自身もモルフェウスの錬成能力で壊れた会場を修理したり、人払いのエフェクトで戦闘痕が目立たないように奔走しているようだ。
GM :
事態は異臭騒ぎで片づけられ、あなたたちの手伝いもあり……驚くべきことに一時間後には長蛇の列に並んでいた人々まで復帰し、無事に握手会は再開した。
GM :
こうして、あなたたちの初の握手会はとんだ邪魔が入りながらも、無事に成功したのだった。
GM :
…………握手会の終了後、ファム・ファタール事務所。
二条 純恋 :
「みんな、本当にお疲れ様。よくこのピンチを乗り切ってくれたわね」
飴家 真珠 :
[みんなでがんばったから!] 笑顔でダブルピースしてる
ロッキー :
「あれでもファンの一部と来たものだから、驚きだよね?」いつもの服装、調子に戻っている
二条 純恋 :
「泊里さんが戦闘後に握手会を再開する! って力説しだしたときは何事かと思ったけれど、まさか敵を追い払うだけじゃなくちゃんとイベントも成功させるなんてね……」
蹄啼 イバラ :
「何とかなったようですが、今度から各種イベントの警備体制は見直さないといけませんね~……」
多々良那 浅香 :
「向こうも結構あっさり引いてくれたからできたってのもあるけど、真珠ちゃんの熱意には負けるよね~」
飴家 真珠 :
えへへのへ、と照れたように笑いながら頭の後ろを搔いている。
二条 純恋 :
「さて、悪いことばかりじゃなくて一連の事件の犯人が馬脚を現したようね」
二条 純恋 :
「これで一応、えりさんの容疑も晴れたと言っていいのではないかしら」
松本 英里 :
「わーい……」 包帯で全身グルグル巻きになりながら
ロッキー :
「おー、見事なミイラの装いだ」
蹄啼 イバラ :
「むしろ犯人の一味であった方が、今後を生きやすいような失態の数々でしたが~」人騒がせな方ですねえ、と。
多々良那 浅香 :
「いや~良かった良かった!お偉方の情報を突然ぶちまける裏切り者はいなかった!これでいつでも顔割れちゃった系配信者として復活できるね!」
ばしばし!と背中を叩いて
松本 英里 :
「こんだけひどい目にあったんだからもうちょっといい復帰の仕方させてくれません?」
二条 純恋 :
「まあまあいいじゃない。面白そうだし」
蹄啼 イバラ :
「流石は先輩、面の皮が厚いんですね~」
蹄啼 イバラ :
「貴女のせいで、真珠さんは大ケガした訳ですが~」
飴家 真珠 :
「!?」 何言ってるの!? とイバラを驚いた顔で見て
松本 英里 :
「ウッ! 肝に銘じときます……」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、言ってみただけですよ~」
蹄啼 イバラ :
「実行したのが松本さんだっただけで、全ては"殺戮人形"のせいですもんね~?」
飴家 真珠 :
[えりちゃんはなにもわるくないよ だからきにしないで]
飴家 真珠 :
[むしろわたしのほうこそごめんね おもいっきりたたいちゃって] 英里の頭を優しく撫でる
松本 英里 :
「て、天使がおる……! 汚れっちまった大人の私には眩しすぎるよ……」
飴家 真珠 :
「…………」 その様子をおかしそうにくすっと笑ってから、
飴家 真珠 :
[あの いばらちゃん そのキリングドールのことなんだけど]
飴家 真珠 :
[あのひとは たぶんちがうんじゃないかな?] イバラに向き直って
蹄啼 イバラ :
「あのひと、と言うと"黒沢"と呼ばれていたスーツの男でしょうか」
飴家 真珠 :
そうそう、と頷く。
蹄啼 イバラ :
「そうですね~、わたくしも同意見です~」
蹄啼 イバラ :
「真珠さんから"殺戮人形"と呼ばれたときに、あの方は否定しようとしましたし、もし"殺戮人形"本人なら、あの局面で隠す理由が分かりません」
飴家 真珠 :
「……!」 だよね……! と、頷く。
蹄啼 イバラ :
「ただ、無関係でもないかと~」
蹄啼 イバラ :
「……みなさんと合流する前の話なのですが、わたくしは彼を"殺戮人形"と呼んで、カマをかけてみたのです~」
蹄啼 イバラ :
「その時、彼はひどく狼狽した様子で、否定も肯定もせずにいましたから~」
飴家 真珠 :
「!?」 そうなんだ、とびっくりして
飴家 真珠 :
[じゃあこんどあったら ぜったいつかまえて キリングドールのことききださなくちゃね]
多々良那 浅香 :
「言うほど情報持ってるのかねぇ、結構アホそう……というかなんだろう、優柔不断感と言うか、威厳が無いというか……」
飴家 真珠 :
「…………」 それはそうかも、と否定できない
ロッキー :
生け捕り、できるかなぁ。と思いながら腕を組んでいる。
二条 純恋 :
「そのあたりも含めて、いろいろ探ってみる必要がありそうね」
二条 純恋 :
「それと……もう可能性は低そうだけれど、一応内部の裏切り者について改めて点検も」
飴家 真珠 :
「…………」 えぇ~? と、珍しく嫌そうな顔してる
二条 純恋 :
「みんな今回の危機をよく乗り越えてくれたし、これからの調査は上層部も交えて全力でバックアップするわ」
二条 純恋 :
「大きいライブも控えていて大変だとは思うけれど……無視できない厄介な敵だし、引き続きよろしくね」
飴家 真珠 :
[でもうらぎりものにかんしては ぜったいいないとおもうけど]
飴家 真珠 :
[えりちゃんも むじつだったし] 英里の髪をいじいじ触りながら
蹄啼 イバラ :
「……それはどうでしょうか~」
ロッキー :
「いないと断ずるより、警戒だけでもしておいた方がいいんじゃないかな?」
多々良那 浅香 :
「これでえりちゃんがボコボコにされるのも織り込み済みな裏切り者だったら流石に脱帽モンだわ~w、あまりにも扱いを心得てる」
松本 英里 :
「そこまで格の高いヴィランじゃないよ~」
飴家 真珠 :
「…………」 仲間を疑うのが嫌らしく、うーん……と悩んでしまっている
飴家 真珠 :
[あ あの そうだ]
飴家 真珠 :
[おおきなライブって?] 話題を変えるように聞く
二条 純恋 :
「ああ、そのことね」
二条 純恋 :
「前に、『全国から注目のアイドルが集まって合同で開催するフェス』があるって話をしたのを覚えてるかしら?」
飴家 真珠 :
「……!」 あー、と思い出した顔。確か、勇姫への襲撃任務の時に聞いた気がする。
二条 純恋 :
「ふたりにもそこに出て、新曲を発表して貰うわ」
飴家 真珠 :
「!?!?!?」
蹄啼 イバラ :
「あら、新曲で~」二人が出ることに驚きはない。
多々良那 浅香 :
「新人はガンガンに詰め込んで大変だねぇ、ソロアルバム作りやすそうで良いけど」
ロッキー :
「これまた大役じゃあないか!」ほう、と眼を輝かせて
二条 純恋 :
「……あら、私はふたり"だけ"で出るとは言っていないわよ」
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[それってまさか] 期待した目で見る
多々良那 浅香 :
「あれ?」
二条 純恋 :
「新人ライブがかなり話題になっていてね。企画会議で、この四人でユニットにしようって話が持ち上がったの」
多々良那 浅香 :
「ユニット!?」
3人を見て
飴家 真珠 :
[よにんでライブするってこと!?] 目をキラキラ輝かせる
ロッキー :
「なるほど!」ユニットの意味をわかっていなかったが、真珠の言葉を聞いて理解
蹄啼 イバラ :
「……歌もダンスも高水準でこなせる多々良那さんは分かりますが、わたくしもですか~?」
二条 純恋 :
「ふふ、たまにはダンスを頑張ってみてもいいんじゃないかしら?」
蹄啼 イバラ :
「……は????」今度は何を言っているのだ、この女は。といった顔で見る。
飴家 真珠 :
[いばらちゃんがおどってるとこみれるんだ!] 嬉しそう
蹄啼 イバラ :
「いえ、待ってください……? 百歩譲って、ユニットに入るのは良いとして……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしにダンスを踊れと……? 失礼ですが、ジャームにでもなりましたか~……?」
多々良那 浅香 :
「すげぇ罵倒……え~、別にきゃぴきゃぴ踊れってんじゃないし、優雅なダンス見たいけどな~私もな~」
ロッキー :
「もしかして~、イバラ姫はダンスが苦手なのかい~?」顔を覗きこむように首を傾げて
二条 純恋 :
「あなたもデビューしてそれなりに経ったのだし……前回のライブでファン層も広がったでしょう? そろそろ新たな一面をファンに見せて行ってもいい時期にきていると思うわ」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「さて、引退ライブの準備をしましょうか」
飴家 真珠 :
「!?!?!?」 まってまって、と慌ててイバラの手を握る
多々良那 浅香 :
「そんなにイヤか!!」
蹄啼 イバラ :
「は、離してくださいっ……! わたくしには、わたくしにはムリです~っ……!!」ぶんぶん、と手を振って
蹄啼 イバラ :
「真珠さんに"歌え"と言っているようなモノなんですよッ……!!」
飴家 真珠 :
「!?!?!?」 イバラちゃんは一応動いて歩けるのに!? と例えに驚愕
ロッキー :
「イバラ姫には自分の足があるじゃないか!」自身の足を指して
二条 純恋 :
「聞き捨てならないわね。超一流でない自分を見られるくらいなら、最初から挑戦しないほうがマシということかしら?」
二条 純恋 :
「私はそんな考えこそ、芸術の神様に対する冒涜だと思うけれどね」 ふふっ、と鼻で笑いながら
蹄啼 イバラ :
「…………お前」動きを止めて、目を大きく見開いて社長を見る。
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ いばらちゃんならできるよ!]
飴家 真珠 :
[わたしといっしょにれんしゅうしよ!] 空気を無視した明るい笑顔で、イバラと指を絡ませるように両手を繋ぐ
蹄啼 イバラ :
「っ、他人事だと思って……!!」
飴家 真珠 :
[おもってないよ~ おなじユニットなんだから] えへへと笑ってる
蹄啼 イバラ :
「同じユニット、もう決定事項にされてます~……」
蹄啼 イバラ :
「真珠さんはわたくしの運動神経を知らないから、そんなふうに言えるんですよ~……本当に踊れないんですから~……」
飴家 真珠 :
[わたしも うたえないけど なんとかなったし]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんも ぜったいなんとかなるよ]
飴家 真珠 :
[それにわたし いばらちゃんとみんないっしょにライブしてみたいの だからおねがい!]
飴家 真珠 :
ねえねえおねがいおねがい、と甘えるようにイバラに抱きついてくる。
蹄啼 イバラ :
「あう……そう言われても困りますよ~……」
蹄啼 イバラ :
ぼやきながら真珠ちゃんを引き離して、近くのロッキーに押し付ける。
ロッキー :
おっとっと、と受け入れて
飴家 真珠 :
「!」 ロッキーに抱きつきながら
飴家 真珠 :
[どうしてもダメ?] 不思議そうに
ロッキー :
「手助けがいるなら、喜んで僕サマたちがエスコートするよ?」真珠に加勢
多々良那 浅香 :
「んまースーパーマルチクリエイターの浅香ちゃんから言わせれば、確かにトッキントッキンに尖った特化ビルドもカッコいいしアツいよ」
多々良那 浅香 :
「でも武器って2、3あると本当に幅が広がってぇ……」
蹄啼 イバラ :
「はあ……もう分かりましたよ……」観念したように肩を竦める
蹄啼 イバラ :
「やりますよダンス、やればいいんでしょう……」
飴家 真珠 :
「!!」 ほんと!? と瞳を輝かせてイバラに近づく
蹄啼 イバラ :
「ええ、本当です」
蹄啼 イバラ :
「……貴女とわたくしの芸術の捉え方、美学は大きく反するようですが」純恋を見て
蹄啼 イバラ :
「普段はこちらがワガママを聞いてもらっていますし、たまにはそちらの言い分を聞くのがスジというものでしょう」
蹄啼 イバラ :
「そんな世迷言を言い出すというコトは、お父様とも話はついてるんでしょうし」
蹄啼 イバラ :
「……それなら、どのみちわたくしには拒否権はありません」
こちらの理由の方が大きい。結局のところ、わたくしはお父様の操り人形だ。
二条 純恋 :
「ふふ、そう言ってくれると助かるわぁ」
二条 純恋 :
「みんなのライブがどうなるか、今から楽しみね!」
飴家 真珠 :
「…………」 イバラをじーっと見て
飴家 真珠 :
[いばらちゃん だいじょうぶ?] 顔を近づけて覗き込みながら
蹄啼 イバラ :
「……大丈夫、というと? 気落ちしていないか、という意味でしょうか?」
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と首を捻って
飴家 真珠 :
[うん なんだかほんとにいやそうだから]
飴家 真珠 :
[いやそうっていうか あきらめ? みたいな]
飴家 真珠 :
[わたしはいばらちゃんとライブできるの うれしいけど]
飴家 真珠 :
[ほんとにしたくないことなら いばらちゃんのパパとかかんけいなく きょひけんはあるんじゃないかなって]
蹄啼 イバラ :
「ありませんよ」
蹄啼 イバラ :
「……そんなもの、ないんです」
蹄啼 イバラ :
「これまでのわたくしの生き方、美学やポリシーに反するとしても、やるしかないんですよ」
蹄啼 イバラ :
「……まあ、決まったら決まったで最善を尽くすだけですし、今回の場合はなにも悪いコトばかりではありません」
飴家 真珠 :
[あれ? そうなの?]
蹄啼 イバラ :
「ええ。ひとつだけですが、良いコトもありました」
飴家 真珠 :
それって何? と首を傾げる。
蹄啼 イバラ :
「ふふ、それはですね~……」
蹄啼 イバラ :
「────秘密、です♪」と口元に指を持っていき、しーっと微笑む。
飴家 真珠 :
[え? おしえてよ!] ねえねえ、とイバラの手を握って
蹄啼 イバラ :
「秘密は秘密ですから~♪」言いながら、ちらりと二条純恋を見る。
蹄啼 イバラ :
「(……ええ。業腹ではありますが、はっきり分かったので良しとしましょう)」
蹄啼 イバラ :
「(この女も、わたくしの敵)」
蹄啼 イバラ :
「(“時間の無駄”を”挑戦”だなんて耳障りのいい言葉に置き換えて、不合理なプロデュースを行なう……)」
蹄啼 イバラ :
「(業界トップの座も、薄汚い裏工作で買ったというのに……その事実は棚に上げて、このわたくしに芸術を騙る……)」
蹄啼 イバラ :
「(厚顔無恥にも、年増の二流タレントの分際で)」
蹄啼 イバラ :
「(────間違いありません。この売女は、わたくしの真なる芸術の道を阻む障害となります)」
多々良那 浅香 :
「おお、イバラちゃんが珍しくふわふわ声色通りのキュート属性を発揮しておりますわ」
腹の内などつゆ知らず
ロッキー :
「家族、父親、ねぇ……」ふぅむ、と不思議そうに
飴家 真珠 :
[きになるけど いばらちゃんにとっていいこともあったなら べつにいっか]
飴家 真珠 :
[いっしょにがんばろうね!] イバラの手を両手で包み込んで握り、嬉しそうに笑う
蹄啼 イバラ :
「…………ええ、そうですね~」
蹄啼 イバラ :
「ステージ上で無様を晒さないように、せいぜい頑張りますよ~」
二条 純恋 :
「ふふ、とにかくやる気になってくれたなら嬉しいわ」
二条 純恋 :
「調査はまだ続くけれど、ライブも頑張って貰う必要があるし、今後の調査については私の手駒も投入しましょう」
飴家 真珠 :
[てごま? てつだってくれるひとがふえるの?]
多々良那 浅香 :
「ありがたーい!こないだのデビューライブもそりゃぁ大変だったんだから、そうこなくちゃ!」
やりぃ!と
二条 純恋 :
「簡単に言うとそういうことね。情報のアクセスレベルも高くなるわ」
GM :
ということで、情報収集で使えるカードがもらえます!
■NPCカード 二条純恋
任意の情報判定の達成値を+10する。
1シナリオに1回だけ使用できる。
飴家 真珠 :
助かる!
蹄啼 イバラ :
勝利の女神みたいに、後出し可能なのかな?
GM :
できるとしましょ!
飴家 真珠 :
便利すぎる
蹄啼 イバラ :
無駄遣いするリスクがなくて、ありがたいね!
ロッキー :
ありがてぇ!
GM :
挽夏の祭典に向けてユニットを組むことになったあなたたち。
GM :
不安や不穏な要素はありながらも、ライブの成功に向け、そして事件の解決に向けて、新たなアイドルふたりを正式に仲間と迎えて動き出すのだった。
GM :
シーンエンド。
情報収集02
調査項目
◆『泊里零一郎』について
〈情報:FH、ウェブ〉7
◆『黒スーツの怪しい青年』について
〈情報:ウェブ、裏社会〉8
ほか1項目
GM :
調べる人は登場どうぞ!
蹄啼 イバラ :
まず侵蝕が低いわたくしから出ましょう!
GM :
どぞ!
ロッキー :
自分もまだ低いし、次に出よう!
蹄啼 イバラ :
57+1d10(57+1D10) > 57+10[10] > 67
蹄啼 イバラ :
いきなりガツンと上がる
GM :
ゴリっと増えたバラねぇ…まだ低いほうではある!
蹄啼 イバラ :
泊里零一郎 〈情報:FH、ウェブ〉 7を調べますよ!
GM :
どぞ!
蹄啼 イバラ :
3dx+2 コネ:情報収集チームを使用(3DX10+2) > 7[2,3,7]+2 > 9
GM :
無事成功、では公開!
◆『泊里零一郎』について
芸能プロダクション「コズミック・プリズム」から引き抜きでファム・ファタールにやってきたプロデューサー。
シンドロームはバロール/モルフェウス/ソラリス。
わずか数ヶ月で電脳支部を軌道に乗せ、クビ寸前だった羽塚えりを人気アイドルに仕立て上げるなど
プロデュース手腕は前任者である伝説のプロデューサー"ミスター・オーメン"に遜色ないと評される。
ファム・ファタールに来る以前からオーヴァードであったのは間違いないようだが、以前は何をしていたのか、
何を思ってファム・ファタールの引き抜きに応じたのかは謎に包まれている。
蹄啼 イバラ :
ほほ~う、あのコズミック・プリズムから
GM :
あからさまだったところだけれど、泊里についてはまだ不明な部分があります。それは今は明らかにはなりません。
蹄啼 イバラ :
なるほどね…では、ついでにアイカツをしよう!
GM :
どぞどぞ!
蹄啼 イバラ :
7dx+20+2 ヴァイオリンを使った<芸術:音楽>(7DX10+22) > 10[1,2,3,3,4,9,10]+3[3]+22 > 35
GM :
さすバラ 5点獲得かな!
蹄啼 イバラ :
ありがたいね! 残りの項目が出たら、調査に使ったり調達に使ったりしよう!
system :
[ 蹄啼 イバラ ] 財産点 : 1 → 6
GM :
では次行く人!
ロッキー :
いきます!
GM :
どうぞー
ロッキー :
67+1d10(67+1D10) > 67+8[8] > 75
ロッキー :
◆『黒スーツの怪しい青年』について を情報チームを使って調べます!
GM :
どぞい!
ロッキー :
2dx+2 そい!(2DX10+2) > 4[1,4]+2 > 6
ロッキー :
いぃ~ん……か、金ならある……!
GM :
なけなしのお小遣いを…! アイカツで補充しよう
ロッキー :
財産点2を使って達成しよう……!
system :
[ ロッキー ] 財産点 : 8 → 6
GM :
では公開!
◆『黒スーツの怪しい青年』について
本名、黒沢優作。検事志望の青年であり、FHやUGNに属さないオーヴァード。
シンドロームはオルクス/ソラリス。
父親は常軌を逸したアイドルオタクで家庭を顧みずアイドルの推し活にのめり込み、多額の借金を残したまま蒸発。
苦しい幼少期を送った過去を持つ。
その後名門大学に合格し卒業、司法試験を受験したが不合格となり、先の見えない人生に絶望していたところ、推しのアイドルと運命的な出会いを果たして立ち直る。
しかし、そのアイドルが事務所社員との恋愛スキャンダルで引退しさらに深い絶望に陥る。
この経歴に目を付けた"ジョーカー"と呼ばれるレネゲイドビーイングに憑りつかれ、
その影響もあってか現在はありとあらゆるアイドルを憎み天誅と称して災厄を振りまく存在と化している。
非常に強力かつ凶悪な洗脳能力の持ち主であり、
対象の思考に割り込んで命令を挿入することであたかもその命令が「普通」であるかのように遂行させることができる。
ただし、あまりに不自然な命令は実行させながらも「何か変」と気づかれたり、暴走状態になってしまうこともある。
これによって数々の事件を起こしながらも警察やUGNからの追跡を逃れてきたようだ。
ロッキー :
か、可哀想なインテリくん……!
ロッキー :
これ洗脳能力は黒沢くんの自前? ジョーカーの能力?
GM :
これは本人の能力ですね。ジョーカーについては……調べてもらおう!
ロッキー :
なるほどね!
GM :
これによって最後の項目が明らかになります。
調査項目
◆『"ジョーカー"』について
〈情報:UGN、FH、ゼノス〉18
蹄啼 イバラ :
うおっ、でっか♡
飴家 真珠 :
あからさまに…純恋ちゃんの使いどころ!
GM :
では購入とかあれば!
ロッキー :
チャレンジしてみよう、いつもの応急手当キット!
ロッキー :
2dx 目標8(2DX10) > 6[3,6] > 6
ロッキー :
6続きのロッキーでした
GM :
ちょい足りん!お小遣い使って買うかな
ロッキー :
やめとくぜ!
GM :
おけおけ!
GM :
では最後の情報行く人!
蹄啼 イバラ :
わたくしに行かせてもらいましょう!
GM :
どうぞ!
蹄啼 イバラ :
67+1d10(67+1D10) > 67+7[7] > 74
蹄啼 イバラ :
◆『"ジョーカー"』について 〈情報:UGN、FH、ゼノス〉 18を調べますよ!
GM :
どうぞ!
蹄啼 イバラ :
3dx+2 コネ:情報収集チームを使用 (3DX10+2) > 8[1,7,8]+2 > 10
蹄啼 イバラ :
■NPCカード 二条純恋を使用! (いずれは失脚させるけど)助けて社長~♡
GM :
あからさまに反抗しようとしてる人もいます。では開示!
◆『"ジョーカー"』について
大昔にとある大国が行っていた"万能の願望器"を造り出す研究の成果として生まれた共生型のレネゲイドビーイング。
シンドロームはウロボロス。
人類が持つエゴの負の側面の化身のような存在で、人間の憎悪、嫉妬、侮蔑といった感情を糧にし、歪んだ形で人々の願いを叶える。
宿主やその周囲の人間に力を与えてはありとあらゆる手段で彼らの生き方を試し、
人類が自ら選んだ道で破滅していくさまを至高の芸術と嘲笑する存在。
過去にはリエゾンロードを含む数多のFH幹部に取り憑いて愉快犯的にFHの動きに介入してきたと言われるものの、
現在は力を蓄えるフェーズにあり黒沢優作に取り憑いて活動し、彼の悪行をエネルギーに変えている。
かつてUGNのエージェントである"パラディン"によって討伐されたはずだが……?
蹄啼 イバラ :
あれ…なんだかイバラとシュミが似通ってるような…🌹❓
GM :
最凶タッグ、あるか?? では購入判定もあれば!
蹄啼 イバラ :
高性能治療キットを買いますよ!
蹄啼 イバラ :
2dx+2(2DX10+2) > 7[1,7]+2 > 9
蹄啼 イバラ :
ちょうど成功! 自分を庇って負った傷なので、あとで真珠ちゃんを治そう!のイバラ!
GM :
やさしイバラ!?
GM :
ではほかになければこのシーンは締めます!
蹄啼 イバラ :
ないです! 社長、ありがとうね!!許さないけどね!!
GM :
ではシーンエンド! まだ謎が残ってますが……後ほど回収のターンがあります
Extra Scene 04 幕間04
多々良那 浅香 :
鮮烈なデビューライブから数日後、ファムファタ―ル公式アカウント並びに多々良那浅香のアカウントから、一つの告知がなされた。
多々良那 浅香 :
『真珠、ロッキー、蹄啼イバラ、多々良那浅香のコラボ配信決定!』
多々良那 浅香 :
一緒にライブ出演したこともあり、その感想会や裏話などをするコラボ配信というのは特に違和感のない内容なのだが……
多々良那 浅香 :
"公式からも"告知があったという事実は、少なくないファム・ファタールファンをざわつかせた。
多々良那 浅香 :
対談形式でのコラボなので事務所のスタジオの内の一つを使用するらしいが、にしてもあまり納得のいかない事象ではあった。ファンの中では様々な噂が飛び交うが、どれも確証を得ることは無く……
多々良那 浅香 :
そんなこんなで、配信当日。デビューライブで新人二人に心を奪われた者、旧来からの先輩たちファン、ファム・ファタール全体の動向を見守る後方腕組みマン等が押し寄せ、同時接続数は中々のものを記録していた。
多々良那 浅香 :
4人の写真が並んだ固定画面から、いつものアニメーションする待機画面へ。
多々良那 浅香 :
…………画面が切り替わる。
多々良那 浅香 :
ぱっと開けたそこは、普段のごちゃついた生活感漂う背景ではなく、綺麗に整頓されたスタジオ。少し余所行きの雰囲気を纏ったビビッドの女が挨拶する。
多々良那 浅香 :
「おはさか~!ファム・ファタール所属、多々良那浅香だよ~!今日は珍しくちゃんと起きてたぜ~!」
両手を振り
多々良那 浅香 :
「そして~?」
と、隣に視線とフリをやる。
飴家 真珠 :
「……!!」 画面に映ったのは、嬉しそうな笑顔の真珠。
飴家 真珠 :
画面の向こうの視聴者たちへと、胸の前で両手をぱたぱたと振る。
飴家 真珠 :
初ライブの時と同様に声は出さない。それでも彼女の喜びの感情は伝わってくるだろう。
ロッキー :
「……ん、僕サマの番かな?」 次に映し出されたのは、涼しげにカメラを見つめるロッキーの姿。
ロッキー :
「やあ、ライブぶり……もしくは握手会ぶりの人もいるかな? あるいは、初めましてだ!」余裕を思わせる態度で足を組み、画面に向けて軽く手を振る
ロッキー :
「僕サマはロッキー、ご存知の通り……みんなの悪い王子様、さ!」ふふん、と自信ありげに鼻を鳴らして自己紹介する
蹄啼 イバラ :
「こんにちは~、後からアーカイブでご覧の方はこんばんは~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは蹄啼イバラと申します~」ふわりと優しそうな笑みを浮かべ、カメラに小さく手を振る。
蹄啼 イバラ :
「本日は真珠さんやロッキーさんと同様、ホストの多々良那さんにお招きいただきました~」とろけるような甘い声で、経緯を軽く説明する。
GM :
本当に”あの”蹄啼イバラが登場したことに驚くようなコメントとともに、スパチャが送られる。
多々良那 浅香 :
「いや~、ライブの後打ち上げで盛り上がっちゃってさぁ、テンションのまま4人で配信しようぜ~って誘ったら皆ノってくれたんだよね!」
多々良那 浅香 :
「コメントも言ってるけどイバラちゃんが出てくれるとはぶっちゃけ思ってなかったんだワ!イバラちゃんもニュービーの二人もありがとうねぇ!」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、お招きいただきありがとうございます~……♪ 私事ではありますが、こういう配信に興味自体はあったので、こうして多々良那さんの配信に出させていただけるコトを嬉しく思いますよ~……♪」何事も経験ですから、と付け足す。
よりによって、自分をダンスに挑戦させようとする社長に対する皮肉が込められている。
ロッキー :
「はいしん……なんてのも初めてだし、先輩たちと肩を並べて物事に挑めるというのは光栄なことさ!」
ロッキー :
「姫はどうだい? 緊張とかしてるんじゃないか?」真珠に振って
飴家 真珠 :
「?」 え? と不思議そうに目を丸くしてから、
飴家 真珠 :
隣の席のロッキーの服の裾を指で摘まみ、笑いかける。王子様が一緒だから大丈夫、と言うように
ロッキー :
「あはは! ありがとう、姫!」クスクスと笑う
ロッキー :
「でも、緊張していないのは……きっと優しい先輩たちもいるからさ。ライブの後も色々とお世話になったしね!」
ロッキー :
「ま、僕サマのおかげって部分が大きいかもだけど」冗談めかして
飴家 真珠 :
くすっと笑ってから、今度は浅香の服に微笑みながら触れる。先輩にお世話になってるのも本当だと示すかのように。
GM :
そんなやりとりの傍ら、ささやかな金額とともに「握手会すごくよかったです!」というスパチャコメントが流れてくる。あの日のファンたちも画面の向こうから見ているようだ。
飴家 真珠 :
「!!」 コメントを見てびっくりする
多々良那 浅香 :
「お、握手会来たのも見てんねぇ、『おはさかデレデレしてて草』じゃねぇんだよ!可愛いでしょうが!握手会来た奴らも同じ口だろぉ!?」
多々良那 浅香 :
「実際二人は握手会どうだった?ぶっちゃけ結構キツめじゃん、アレって」
立ちっぱだしね~と
飴家 真珠 :
「……!!」 全然平気! と笑顔で手を何度も横に振る
ロッキー :
「ただ立っているだけならキツかっただろうね~」
ロッキー :
「でも、握手会は色んな場所から、色んな人達が来てくれているワケだろう?」
ロッキー :
「なら疲れている暇なんてないさ! 一人一人、ちゃんと『来て良かった』と思わせなきゃね?」
蹄啼 イバラ :
「ふむふむ、まさしくアイドルの鑑といった答えですね~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは参加できませんでしたが、いつにも増して大変だったと聞きましたよ~」
蹄啼 イバラ :
「初めての握手会で、なにやら”アクシデント”があったとか~?」
飴家 真珠 :
「…………」 あ~……と、困ったように笑う
ロッキー :
「あ~、"アレ"のことだね?」 トントンと指で頬を叩いて
ロッキー :
「なんか山からタヌキが降りてきたみたいだね? ちょろちょろ走り回って大変だったらしいよ?」僕サマは見てないけど、と言った様子で
ロッキー :
「そのせいで動物臭かったとか何とか?」
多々良那 浅香 :
「そんな感じだね、あ~んまり詳しくないけど変な病気とか持ってても怖いし、撤退になる……予定だったんだけど」
多々良那 浅香 :
「ね、真珠ちゃんがね」
多々良那 浅香 :
「せっかく来てくれた皆をがっかりさせたくない!って強くお願いされてさ。お願いされたのはあたしじゃなくてスタッフだけど」
と、感心と優しさの籠った目で真珠に目線を向けて
飴家 真珠 :
「!」 うん、と頷いてから、
飴家 真珠 :
前に両手を差し出す。ちょうど、配信画面から見るとコメントが流れている辺りだ。
飴家 真珠 :
そして、その手を合わせて一人で握手をする。みんなと握手したかったのだと言うように。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
続いて、両隣にいる浅香とロッキーとそれぞれ手を繋ぎ、にこっと笑う。みんなで一緒に頑張りました、と言いたいらしい。
蹄啼 イバラ :
「……あらあら~」手の届かない右端の席から、その様子を見守る。なぜか分からないが面白くない。
ロッキー :
「熱烈なアプローチだったとか、ね。イバラ姫は近くで見ていただろう?」 イバラに空いている手を差し出して
蹄啼 イバラ :
「ええ、所用を済ませた後、様子見に行った時に~」
蹄啼 イバラ :
「……ふふ。先輩としては、少し眩しく見えましたね~」差しだされた手を見下ろし、ただ自分から何かアプローチはしない。
ロッキー :
「そうだねぇ。その場のスタッフに熱く掛け合っていたようだったから……」
ロッキー :
そのまま、スルリ…とイバラの手に指を絡ませて
ロッキー :
「僕サマは、その時に真珠姫のサポートやケアをしてくれたと聞いているよ? つまり、4人で成功させたってことさ!」わーい、と絡ませた手を上げて
蹄啼 イバラ :
「…………別にそれほどのことは~」手を上げさせられて、困ったように笑う。会社の看板を背負っている手前、下手に払いのける訳にもいかないので、されるがままにされている。
ロッキー :
「あはははっ、言葉は固いけど本当は優しいんだよ!」その様子にニコニコと微笑んで
ロッキー :
「こんなイバラ姫、しちょーしゃの皆は知らないだろう?」画面の向こうを意地の悪そうに見つめて
飴家 真珠 :
「……」 えーと、と宙に視線を揺らしながら少し考えて
飴家 真珠 :
たぬきをイメージするように、両手を頭に耳のように当てて、
飴家 真珠 :
イバラをぴっと手で指さしてから、その指を自分の胸元に戻し、
飴家 真珠 :
手で自分の服をぱっぱと払っている。……どうやら、たぬきがくっついたからイバラが毛を払ってくれたとでも言いたいらしい。
蹄啼 イバラ :
「(……? ああ、傷を治した件は、そういうカバーストーリーになったんですね……?)」意外と作り話もできるんだ、とすこし感心する。
まともな言い訳も思いつかないような愚者だと思っていたので、ちょっと寂しいような気もする。
飴家 真珠 :
「?」 どうしたんだろ、とイバラを見てる
蹄啼 イバラ :
「…………いえ、なんでも~」ちょっとした動揺を取り繕って
蹄啼 イバラ :
「それより、多々良那さん? 今日の配信はいったい、どのような?」今のような話を続けるのか、と尋ねる。
多々良那 浅香 :
「あい、最後に告知は一個……いや二個かな?あるんだけど、それ以外はホント、今みたいな感じでも良いしライブの裏話でも良いし、あたしたちの交流の話でも良いし~~」
多々良那 浅香 :
「あ、二人へのインタビュー的なことやっても良いな……」
む、と考えて
多々良那 浅香 :
「こえーか?あたしの無計画さが」
『こわい』『アイドル呼んでスタッフにも手伝わせてこれを……?』『公式私物化やめてね』などのコメントが流れていく。
蹄啼 イバラ :
「なるほど、動画配信とは行き当たりばったりで自由な────いえ、どうやら違うようですね~?」コメントの様子を見て、眉を顰める。
飴家 真珠 :
浅香とコメントが面白かったのか、両手で口元を隠しながらくすくす笑っている。
ロッキー :
「行き当たりばったり、大いに結構じゃないか! 流れに身を任せるのも悪くない……」
ロッキー :
「……と、アニメで言っていたよ?」いつもの引用だ。
飴家 真珠 :
「……!!」 困ったように笑いながら、ぺちっとロッキーの肩を軽く叩いて突っ込む
蹄啼 イバラ :
「ふふ、あまりアニメを真に受けない方が良いですよ~?」あんな綺麗ごとばかりのフィクション、見るだけ時間の無駄である。
蹄啼 イバラ :
「ともあれ、わたくしは何事も予定どおりに進めたいタイプなので、多々良那さんの配信スタイルとは、少し相性が悪いのかもしれませんね~」
蹄啼 イバラ :
「話は戻り……、いえ、変わるのですが~……」
蹄啼 イバラ :
「────みなさんは"朝霧ユラ"というアイドルを知っていますか~?」
飴家 真珠 :
「……!」 知ってる知ってる、と頷く
ロッキー :
「知っているとも! DVDで見た事ある!」
多々良那 浅香 :
「お~……?はいはい?名前と顔くらいはあたしも」
声色だけ訝し気に
蹄啼 イバラ :
「ふふ、みなさん知ってますよね~? なにしろ朝霧さんですから~♪」コメント欄も見て、何故か誇らしげに。
蹄啼 イバラ :
「……彼女は今、無期限の活動休止状態です」
蹄啼 イバラ :
「休止理由の公式発表がないせいで、大御所芸能人を怒らせたとか、心身に大きな傷を負って再起不能になったとか、海外で隠遁生活を送っているとか────様々な噂話が立てられているんです~」
飴家 真珠 :
「……?」 以前にイバラから情報共有されているので知っているが、何故今その話をするのかと不思議そうに見ている
蹄啼 イバラ :
「……で、ここからが握手会に繋がる話、なのですが~」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん、実はみなさんの握手会に来てたんですよ~」
飴家 真珠 :
「!?」目を真ん丸に見開く
多々良那 浅香 :
「ええ……?」
話が見えぬ……!
ロッキー :
「へぇ……! つまりイバラ姫は、ユラくんと会場で出会っていたと?」驚いた様子で
蹄啼 イバラ :
「ええ、わたくしは軽く挨拶をしたのですが~」
蹄啼 イバラ :
「タヌキ騒動のせいか、みなさんの握手会には不参加だったようですね~」
GM :
突然の衝撃的な情報にコメント欄もざわついている……。
飴家 真珠 :
「…………?」 不思議そうに皆を順番に指さす。それならわたしたちの誰かのファンということ? と聞くように
多々良那 浅香 :
浅香も順繰りに顔を見渡す。真珠ちゃんは不思議そうな顔をしているし、ロッキーはふぅんといった様子。イバラちゃんはなんか話せてよかった☺みたいな顔をしている。
多々良那 浅香 :
スタッフは……困っている。そりゃそうだ。あたしも困ったが?配信慣れしてる雰囲気出してたのに突然爆弾放り込むのやめてね。
多々良那 浅香 :
「………以上!?!?」
大コケ
蹄啼 イバラ :
「ええ、以上です」きっぱり言い切る。まわりの混乱をよそに笑顔で。
蹄啼 イバラ :
「ふふ、握手会の裏話ということでしたので~」混乱を眺めて、愉しそうにしている。
蹄啼 イバラ :
「それから不安でいっぱいの朝霧さんのファンに、これはお伝えしないとな~と」アイドルへの復帰に前向きな様子でしたよ、と付け加える。
多々良那 浅香 :
「お、お~……まぁ、確かに……亡くなってなかったのは朗報か流石に」
多々良那 浅香 :
「よく考えたらいつまでも声明出さないオフィシャルも悪いわな!元々の話題とは大ズレだけど、喜べよお前ら!彼女は彼女で頑張ってるってさ!!」
ガハハ!と笑い飛ばす。別にそういった打算が彼女にある訳ではないが、最後にいらん一言を付けることでヘイトは大概自分に向くのだ。
多々良那 浅香 :
「はぁ~ビックリした、まぁね、打ち合わせも何もしてねぇならこういうこともあるわ。スタッフも悪い可能性がある」
多々良那 浅香 :
「え~? 二人は他になんか特徴的なお客さんとかいたぁ? あたしはよくスパチャしてくれる古参が北海道から来てくれたんだけどさぁ」
個人情報ギリギリもなんのその、ここにコンプラは無い。
GM :
ざわつくコメント欄を割るように画面端で赤色のスパチャコメントが流れる
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と少し悩んでから、
飴家 真珠 :
ひみつ! と、人差し指を自分の唇に当てながらウインクする。握手会のファンとの思い出は、そのファンと自分だけのものにしたいらしい。
ロッキー :
「一番初めに来てくれた可愛いお姫様、言えるのはそれぐらいさっ」キザったらしく髪を揺らして
多々良那 浅香 :
「ちゃ、ちゃんとしている~~~……ッ、やっぱあたしらもコンプラ研修ちゃんと受けた方が良いんかね……?普通に聞き流してるんだけど」
イバラちゃんに
蹄啼 イバラ :
「ん~……そうかもしれませんね~……」人前で話すのが自分の仕事ではないので、要らないだろうと思っている。
多々良那 浅香 :
「今聞き流されてるじゃんね」
GM :
突然の重大情報に一時的にコメント欄が荒れることはあったが、あなたたちの握手会の思い出語りにスタッフの対応もあってか、すぐに配信は穏当な雰囲気に戻っていった。
GM :
……そうして、なんだかんだ和やかに楽しく配信は進んで行き、予定時刻の終盤に差し掛かる。だが、これであっさりとエンディングトークに入るわけではない。
GM :
本日はもっと「重大発表」があるのだから。
多々良那 浅香 :
「……あっと!結構な時間かも、ホストとしてタイムキーパーの仕事全うしなきゃね」
人前だから格好つけているだけである。普段終了時間を守ることはほとんどない。
多々良那 浅香 :
「そしたら冒頭に言ってた告知行くけど大丈夫かな~?スタッフ大丈夫そ?」
きょろきょろと周りを見やり段取りを確認する。
多々良那 浅香 :
「3人も良い?」
飴家 真珠 :
「!」 はーい、と笑顔で手を挙げる
ロッキー :
「アレだね、もちろん!」
蹄啼 イバラ :
「……ええ、構いませんよ~」反面、いつになく緊張した面持ちで答える。もう後戻りが出来なくなるからだ。
多々良那 浅香 :
「あい!じゃぁ告知トレーラーどうぞ!」
多々良那 浅香 :
案内するように手を挙げると画面が暗転し、動画が再生される。
多々良那 浅香 :
それは、真珠とロッキーのデビューライブ。この配信の視聴者の多くが目撃した、色々な意味で伝説にもなろうというライブだ。
多々良那 浅香 :
印象的だったシーンがダイジェストの形式で次々と流され、そして再度画面は暗転し……
真珠 ロッキー 蹄啼イバラ 多々良那浅香
ユニット結成、決定!
『 A I L s 』
多々良那 浅香 :
画面は更に、更に暗転!
【東京ドリームフェス】
完 全 新 曲 に て 、 鮮 烈 デ ビ ュ ー !
多々良那 浅香 :
……………
多々良那 浅香 :
映像が終了し、元の配信画面に戻って来る。
多々良那 浅香 :
「いぇ~い!!」
カメラを拍手と笑顔で迎える。
飴家 真珠 :
「!!!」 わー! と笑顔になり、胸の前でぱちぱち拍手する
蹄啼 イバラ :
「…………」口元を柔らかく綻ばせて、ぱちぱちと拍手を重ねる。ただし、目は死んでいる。
ロッキー :
「うむうむ、相応しいユニット名! 初陣を飾るに相応しいライブだね!」 優雅に拍手をしているものの、瞳がキラキラと輝いている
GM :
まさに奇襲……突然のトレーラーを目にした視聴者の驚きようはすさまじいものがあった。
GM :
ただでさえ話題のアイドルが集まり同接が万単位で流れが早いコメント欄は爆速で流れていき、新人お披露目ライブからの流れを知る視聴者たちからは「あれってそういう……コト!?」という何かを察したようなコメントも散見された。
GM :
実際にはこれは企画会議で急浮上したアイデアなのだが、とにかく、あのライブを知るものにとってはまさに求めていたものが、特に知らない個別のファンからは困惑と期待の入り混じった無数のつぶやきが寄せられていく。
飴家 真珠 :
「……!」 コメントの盛り上がり方を見て、口元に手を添えながら嬉しそうに笑う
ロッキー :
「盛り上がりも十分、と言ったところかな?」ほほう、と手応えを感じている
多々良那 浅香 :
「いいねぇ、こうやってバカみたいにコメント流れてくのが見たかったのよ」
ニヨニヨと
蹄啼 イバラ :
「……こうして期待の声がいただけるのは、ありがたいことですね~」言いながらコメント欄に思う。誰より困惑してるのはわたくしなのですが????と。
飴家 真珠 :
ね! とイバラの顔を覗き込む。胸の前で両手で握り拳を作り、期待に応えられるように頑張ろうね! と笑う。
蹄啼 イバラ :
「…………」期待されても困ってしまうが、さすがに配信上で情けない素顔を晒す訳にはいかない。
蹄啼 イバラ :
「……ええ。わたくし自身、正式なユニットとしての活動は初めてなのですが」
蹄啼 イバラ :
「新進気鋭の才能あふれる新人アイドル二人と、マルチな才能をお持ちの多々良那さんとご一緒に、最高のステージをお見せできるよう努力していこうと思いますよ~」
飴家 真珠 :
才能あふれると聞いて、照れたように笑っている
ロッキー :
「言葉にして言われると照れるねぇ、事実ではあるけど」鼻を鳴らして
多々良那 浅香 :
「いや~、実際超異色な組み合わせだからどうなるかなって感じだけど楽しみなんだわ、あたしも普通に人と組むの初めてだし」
GM :
そんな発言を受けて「おはさかがユニットを組むなんてなぁ……」と画面の向こうで腕組みを見せる視聴者も現れる。新人はともかくとして、先輩ふたりはユニットとは縁がなかったこともありことさら衝撃的だろう。
多々良那 浅香 :
最後の告知も終え、いよいよ放送は終わりに差し掛かる。
多々良那 浅香 :
「うい、まぁいろいろ聞きたいこともあるだろうけど、そこらへんは追々情報出るだろうから待っとれ!」
多々良那 浅香 :
「そしたら最後に皆何か一言あるかな?」
眺めて
飴家 真珠 :
「!」 はいはい、と手を挙げて
飴家 真珠 :
笑顔を浅香に向けて、胸の前で両手の指をハートの形に合わせる。今日は誘ってくれてありがとう、楽しかった、と言うように。
多々良那 浅香 :
「え、Love……すまんみんな、この可愛いのあたしの後輩なんだ」
多々良那 浅香 :
「また配信呼んぢゃるからな真珠ちゃん……ではロッキーはどうかな?」
ロッキー :
「僕サマかい? そうだねぇ……」
ロッキー :
「ファンのみんなはせいぜい楽しみにしておくといい! って、ぐらいかな?」
ロッキー :
「今は多くは語らないよ。語るとしたらもう少し後、だからね」意味深にカメラへ向かって軽くウィンクを飛ばす
ロッキー :
「……あ、僕サマもまた配信に呼んで欲しいな! 今度はげーむ? というモノをしてみたい!」
多々良那 浅香 :
「もちろん!ロッキーが好きそうなの見繕っておくか、何が好きかねぇ……」
コメント欄でちらと『ゲーム知らないマ?』『👶』等疑問が流れるが、すぐ消え去る
多々良那 浅香 :
「もう二つも配信の約束が取り付けられてほくほくなあたしだ。イバラちゃんはどうかな、さっき意気込みは聞いちゃったけど」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは~……そうですね~……」頬に指を当てて、悩む素振りを見せる。
蹄啼 イバラ :
「(配信自体は思った以上に楽しめましたが、後輩に重ねる感想じゃ芸がありませんよね~)」
蹄啼 イバラ :
「────画面の向こうにいる、貴女」カメラに向かって指差す。
蹄啼 イバラ :
「また今度、東京ドリームフェスでお逢いしましょう~♪」
蹄啼 イバラ :
一見してファン達に向けた言葉のようで、実のところ、それは"とある人物"に向けた私信だった。
多々良那 浅香 :
「よう分からん情念を感じるがやる気なら上々!そいだら締めるよ~!」
多々良那 浅香 :
「今日の配信はここまで!リスナーたち~!あったかくして寝ろ~!風呂入れよ~~!」
手をブンブンと振って
飴家 真珠 :
「……!!」 ばいばーい! と両手を大きく振る
ロッキー :
じゃあね! 軽く手を振って締める。
蹄啼 イバラ :
「多々良那さんこそ、お風呂には入ってくださいね~」どの口で言ってるんだと驚きながら、ツッコミを入れる。
GM :
突然の爆弾とも言える情報を叩きこまれた配信は、熱狂とともに幕を閉じた。
GM :
中には本当に爆弾な情報もあったが、概ね宣伝としては大成功と言っていいだろう。
GM :
……一方、画面の向こうでは。
朝霧 ユラ :
「本当に何やってんだあいつ……」
朝霧 ユラ :
「でも、他のどのアイドルともつるもうとしなかったあいつがユニットか……」
朝霧 ユラ :
「ちょっと妬けるけど、良かったじゃん……そのくらい一緒にいていいと思える相手ができて」
朝霧 ユラ :
「……あたしにもそんな相手がいたら違ったのかな」
朝霧 ユラ :
「……ま、なんでもいい。一人でも四人でも、舞台でケリ着けるだけだ」
Extra Scene 05 幕間05
蹄啼 イバラ :
────配信翌日。ファム・ファタール内、レッスンルーム。
蹄啼 イバラ :
前面が鏡張りになった、ダンスレッスン用の一室にて。
蹄啼 イバラ :
その部屋には、新生アイドルユニット『AILs』に所属する三人のアイドルと。
蹄啼 イバラ :
……ひとりの女の死体が、転がっていた。
蹄啼 イバラ :
女の名前は、蹄啼イバラ。
蹄啼 イバラ :
音楽界を席巻していた元カリスマアーティストであり、
蹄啼 イバラ :
つい先程、ダンストレーナーに「死体の方がうまく踊るんじゃないか?」とまで言われた、稀代の運動音痴である。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん だいじょうぶ?] 傍で屈んで、イバラを心配そうに覗き込む
ロッキー :
「イ、イバラ姫……っ! 僕サマがついていながら……!」 イバラを抱きかかえながら、オーバーなリアクションをする
多々良那 浅香 :
「し、しんでる……」
言うて己も汗だく
蹄啼 イバラ :
「笑うがいい……無様なわたくしを……」ロッキーに抱きかかえられながら天を仰ぐ。
蹄啼 イバラ :
たしかに、何かしらの新たな挑戦をしたいとは思っていた。
蹄啼 イバラ :
が、だが! よりによって最も苦手なダンス!! 結果は案の定である!!
蹄啼 イバラ :
「はあ……社長とお父様は、本当に何を考えているのか……」夏の暑さもあって溶けてしまいそう。もう溶けた方が良い。ステージで無様を晒すくらいなら、溶けて消えてしまいたい。
ロッキー :
「おお……イバラ姫がデロデロだよ。誰か冷たいものは持ってないかい?」 自身の手をイバラの頬に当てる。多少はひんやりしていて気持ちがいいはずだ。
飴家 真珠 :
[れいきゃくしーと ならあるよ] 部屋の隅に置いていた鞄を取りに行って見せる
飴家 真珠 :
[あとおみずも のんだほうがいいかも] 水が入った未開封のペットボトルも出して
多々良那 浅香 :
「なんか金属の電子移動させたらそれの温度下げたりできんのかな」
隣でバリバリしている
蹄啼 イバラ :
「はふ……ありがとうございます~……」冷却シートをありがたく受け取り、額に乗せる。
蹄啼 イバラ :
「このような失態、見せたくはなかったのですが……後でプロデューサーにお願いをして、みなさんのレッスン期間の記憶はすべて消してもらいましょう……」無闇にプライドが高い女であった。
飴家 真珠 :
「!?」 えぇ!? と驚いてる
ロッキー :
「そんなキミツジコウなレベルなのかい?」 よいしょ、とイバラの上体を起こしてペットボトルを渡す
蹄啼 イバラ :
「完全無欠な"蹄啼イバラ"のパーソナルイメージにはそぐわないでしょう……」ペットボトルも受け取り、腫れた足に当てる。何度も転んだせいで、擦り傷がなんとも痛々しい。
ロッキー :
「ぱーそなる…は、よくわからないけど…」肩を竦めて
ロッキー :
「少なくとも、僕サマたちがどこかに言いふらしたりして……イバラ姫のイメージを傷つけるようなことはしないさ」
ロッキー :
だよね? と真珠と浅香を見て
飴家 真珠 :
言わない言わない、と頷いて、
飴家 真珠 :
[いばらちゃん ちょっとしみるからね] 鞄から出した消毒液を、勝手にイバラの足の擦り傷に優しく垂らしている
多々良那 浅香 :
「え、配信のネタにしたらダメだった?」
蹄啼 イバラ :
「多々良那さん、あなたはコンプライアンス研修を~……んぐ、いたたたたっ……」消毒液が染みて、言葉が続かない。
多々良那 浅香 :
「『イバラちゃんがダンスレッスン大変そうにしていました』はコンプラにひっかかりませぇ~~ん、イバラちゃんのファンが喜ぶだけでぇす」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「やっぱり、プロデューサーに記憶消去をお願いしましょう……多々良那さんは念入りに記憶を消してもらえるよう"お話"しなければ……」折角ですので、小学生ごろまで遡って記憶をすべて……と呟いている。
飴家 真珠 :
「!」 できた! と笑顔になりながら、薬を塗って絆創膏を貼る。怪我の手当てに集中していたのか、会話は聞いてなかったらしい。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん もうだいじょうぶだよ がんばったね] えらいえらい、とイバラの頭を子供のように撫でる
蹄啼 イバラ :
「し、真珠さん……子供あつかいは止めてくださいな~……」頬が赤く染まる。
ロッキー :
「ま、イバラ姫のケガもあることだ! 一度休憩にしようじゃないか!」パン!と、軽く手を叩いて
飴家 真珠 :
そうだね、と頷いて床にぺたんと座る。
多々良那 浅香 :
「おいす~、イバラちゃん足伸ばしときなねぇ、手伝う~?」
所謂柔軟
蹄啼 イバラ :
「……結構です~」ぷいっとする
飴家 真珠 :
[すねちゃってる] くすっと笑って
ロッキー :
「浅香姫がイジワルするからじゃないのかい~?」 からかうように笑って
多々良那 浅香 :
「ええ~?こっちに関しては親切心よ。普通にこれやらんと筋痛めるしね。配信に関してはまぁ……職業病だと思ってもろて」
足を開いて左右に倒れながら
飴家 真珠 :
[そうだね ちゃんとやっとかないと] 足を伸ばしてから、
飴家 真珠 :
[みてみて! すっごいひらくよ] 180度に両足を開きながら、笑顔で上半身を床にぐにゃっと倒してくっつけている
ロッキー :
「流石の柔軟性だ! 姫はモチモチしてるから柔らかそうだと思ったよ」感心して
蹄啼 イバラ :
「真珠さんって、エグザイルのオーヴァードでしたっけ……?」自分には決して出来ない芸当だ。
飴家 真珠 :
[パパにおしえてもらったの ずっとおふろあがりにじゅうなんしてただけだよ] ピンク色の文字を空中に泳がせながら
ロッキー :
「それを言ったら僕サマの柔らかさだって……ああ、いや」足首を掴んであげようとするが、真珠の言葉に引っかかる。
ロッキー :
「……話は変わるんだけど、いいかい?」少々神妙な面持ちで
飴家 真珠 :
「?」 顔を上げて、首を傾げる
多々良那 浅香 :
「あん?」
蹄啼 イバラ :
「いったい何でしょうか~、藪から棒に?」傾げた首に、冷えたペットボトルを当てながら
ロッキー :
「いや何、二人ってパパが~とかお父様が~……なんて、たまに口にするじゃないか」真珠とイバラを見比べて
ロッキー :
「それ、かぞくってヤツだろう? 僕サマには馴染みがなくてねぇ……」
ロッキー :
「その人達がいると、どうなるんだい? いると嬉しいのか、鬱陶しいものなのか……」腑に落ちない表情を浮かべて
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
[なじみがないってどういうこと? おやがいないの?] 幼い頃の自分のように養護施設育ちなのかと、ロッキーを見る
ロッキー :
「いないとも。目覚めた時から、それらしい人と出会ったことはないねぇ」
飴家 真珠 :
「…………」 そうなんだ……と、少し寂しそうな目をする
蹄啼 イバラ :
「…………」いったん沈痛な面持ちを浮かべておく。
ロッキー :
「僕サマのことはどーだっていい! いないものはいないからね!」こほん、と咳払いをして
ロッキー :
「じゃあ~、たまに愚痴? っぽいことを零してたイバラ姫、キミの親はどんな人なんだい?」興味深そうに見つめる
蹄啼 イバラ :
「わたくしの親、お父様のことですか」
蹄啼 イバラ :
「家族が存命のメンバーはわたくしだけのようですから、詳しく話すべきなのでしょうが……何と説明したらいいか困りましたね~……」
蹄啼 イバラ :
「まず『WANANAKI CORPORATION』という会社は知っていますか?」
ロッキー :
「え~……っと、アレだろ。アレ……」指をくるくる回して
ロッキー :
「なんか……大きい、かいしゃ……?」結局よくわからずコテン、と首を傾げる
飴家 真珠 :
[がっきとかつくってるかいしゃだよ] ロッキーの傾いた首を手で押し戻してあげて
ロッキー :
「がっき……あ、もしかして……」カクン、と元に戻る
ロッキー :
「ファムファタにがっきを提供をしてるのって、イバラ姫のところの!」先輩から聞き齧ったことがあるようで、合点がいった晴れた顔をしている
蹄啼 イバラ :
「ええ、その通り~」よく出来ましたと、胸の前で手を合わせ
蹄啼 イバラ :
「お二人のファーストライブの準備にも、色々と携わっていました~」
飴家 真珠 :
[がっきになまえ かいてあったもんね]
ロッキー :
「あれってイバラ姫のサインみたいなものだったのか……」
蹄啼 イバラ :
「いえ、会社はわたくしの持ち物ではないので、わたくしのサインではありませんけどね~……?」
飴家 真珠 :
[どっちかというと いばらちゃんのパパのサインかな?]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんのパパはしゃちょうってことだよね? すごいなあ] 純粋な笑顔を向ける
蹄啼 イバラ :
「……ええ、ロッキーさん風に言うのなら『王様』でしょうか~」真珠の誉め言葉に複雑な表情を浮かべながら、ロッキーに分かりやすく説明する。
ロッキー :
「やはり『王様』か! 純恋社長と同じものだよね」すんなり納得できたようだ
蹄啼 イバラ :
「…………」一緒にされたくないが、否定するのも面倒だ。
ロッキー :
「それはそれとして、偉いのはわかったけど……僕サマが聞きたいのは……」
ロッキー :
「キミは、父親のことは好きかい?」
蹄啼 イバラ :
「…………尊敬、していますよ~」言葉を濁す。
蹄啼 イバラ :
「朝と夕、食事時にしか会えなくて、あっても仕事のお話ばかりで、いわゆる家族としての交流こそないのですが」
蹄啼 イバラ :
「お父様はなんというか、社長らしく合理的でストイックな方で」
蹄啼 イバラ :
「音楽に対する貪欲な姿勢には、尊敬の念を抱かざるをえません」
蹄啼 イバラ :
「……話しておいてなんですが、一般家庭とだいぶ様相が違いますし、ロッキーさんの参考にはならないかもしれませんね~」
ロッキー :
「ふぅん……」イバラの話を咀嚼するように聞いて
ロッキー :
「……そうでもないよ。イバラ姫『は』父親のことが好きなんだね」
ロッキー :
「でも……ちょっときゅーくつそうかな」
蹄啼 イバラ :
「……窮屈そう?」
ロッキー :
「うん。なんていうかな……」うーむ、と形容できるそれらしい言葉を探す。
ロッキー :
「……父親が好きだから、形にハマっている……みたいな」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、そうなのかもしれませんね~……」儚げに微笑む。
父親が好きだから、なんてことは考えた事がなかったが、窮屈に感じているのはその通りだった。
飴家 真珠 :
[きゅうくつさは わたしにはわからないけど]
飴家 真珠 :
[いっしょにあえるじかんが ごはんのときしかないのは すくなすぎるよ!]
飴家 真珠 :
[いばらちゃん さびしくない? だいじょうぶ?] 四つん這いになってイバラに顔を近づけて
蹄啼 イバラ :
「……真珠さん、ステイ。寂しくなんて、ないですよ」両手で制して
蹄啼 イバラ :
「お互いに汗もかいているのに、ハグは結構ですから」何より暑いでしょうと。
飴家 真珠 :
[うそだあ ぜったいさびしいよ]
飴家 真珠 :
[わたしだったら そんなのさびしさでしんじゃうよ]
飴家 真珠 :
かわいそうなイバラちゃん…と、イバラの頭をよしよしと撫でている。
蹄啼 イバラ :
「あう……ハグを止めると、今度は撫でられるのですね~……」憐れむなと抵抗する気力もないので、大人しく撫でられている。
ロッキー :
「寂しさ、か……。きっときゅーくつさもそれが一因かもね……」
ロッキー :
「僕サマは願ってるよ、キミが操り糸を断ち切れることをね」軽く微笑んで
蹄啼 イバラ :
「…………」朝霧さんといい、分かったようなコトを言う。
蹄啼 イバラ :
「(本当のマリオネットは、研究者たちに人生そのものを弄ばれている貴女の方でしょうに……)」
多々良那 浅香 :
「……………あたしは結構羨ましいって思ったけどなぁー」
珍しく黙って聞いていたが
多々良那 浅香 :
「だってあんまり干渉してこないんでしょ?最高じゃん!……あー、でも音楽については厳しいのか」
蹄啼 イバラ :
「ええ……今回のユニット結成も、このダンスレッスンも、お父様の指示ですからね~……」
多々良那 浅香 :
「そこはちょっとウザいか………でもん~……ああ、父さん母さんが好きかって話だったよね?」
ロッキーを見て
ロッキー :
「うん、浅香姫の方はどうだい?」
多々良那 浅香 :
「あたしはきらーい。だってあたしのしたいことの邪魔するから。ゲームやってたら電源抜いたりしてきたんだよ、酷くない!?」
飴家 真珠 :
「!?」 衝撃を受けたように目を大きく見開く
蹄啼 イバラ :
「電源コードを抜く行為は、たしかに電子機器本体を破壊するおそれがあるので、よろしくはありませんが~……」そういうことではない
ロッキー :
「イバラ姫とは違ったきゅーくつさ、って事かな?」
多々良那 浅香 :
「窮屈かぁ……あんときはそうだったかも。あたしはマジでなんもできないんだ~~~~って思いながら生きてたし」
多々良那 浅香 :
「でも!今は大丈夫なんだなこれが。オープニングでころしてきたからね、ぶい」
座ったままにっかりとピースを掲げて
多々良那 浅香 :
「多々良那浅香は自由を得たのだ!」
飴家 真珠 :
「!?!?!?」
飴家 真珠 :
[こ ころした の?] 動揺が光の文字にも表れたように歪んでいる
多々良那 浅香 :
「うん、殺したよ。まぁ殺し"ちゃった"の方が正確なんだけどね。キレて当たり散らかしちゃっただけだから……でもさ、親殺しって旅立ちとしてはありがちよね」
飴家 真珠 :
「……………………」 浅香の言葉の意味を理解できず、固まってしまっている
蹄啼 イバラ :
「……FHとしては、いえ、ファム・ファタールとしては、ありがちなのかもしれませんね~」
ロッキー :
「浅香姫も大胆なんだねぇ」少し感嘆として
多々良那 浅香 :
「いやぁ、あんときはちょっと激発しすぎてて勢いまかせに動きすぎたけど、FHに合流できて結果的には良かった良かった。UGNに捕まってたらどうなってたかな~~」
反省反省、とロッキーの言葉を受けて
飴家 真珠 :
「…………」 浅香をじっと見て、
飴家 真珠 :
[あさかちゃん だいじょうぶ? つらかったりとか しない?] よちよちと四つん這いで近づいて、浅香を心配そうに覗き込む
多々良那 浅香 :
「? 辛い?なんで?……質問の意図がちょっとわからないけど……」
初めてされた質問だ。
多々良那 浅香 :
「あたしは……大じょぅぶ。だって、あれは導入だったはずだし。あたしが今の……このあたしになるためのオープニングだから」
普段通りにこやか……だが、話は破綻している。いつも通りに。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
浅香を見つめながら、その手を両手で包み込んで握り、
飴家 真珠 :
突然顔を近づけて、彼女の頬にキスをする。
多々良那 浅香 :
「 」
突然のことに、普段のにやけすらすっかり抜け落としてきょとんとすることしかできない。
蹄啼 イバラ :
「な、ななっ……!?」
ロッキー :
「お、姫の祝福じゃあないか」ニヤニヤと見つめて
飴家 真珠 :
[しゅくふくっていうか えっと]
飴家 真珠 :
[なんだかきゅうに そうしたくなっちゃって] 小さく笑う
多々良那 浅香 :
「な、なんで!?おやのはなしで!?」
ワタワタ……
蹄啼 イバラ :
「か、完全に意味不明……!」浅香に同意して
蹄啼 イバラ :
「コンプライアンス研修とやらが必要なのは、わたくし達より真珠さんの方なのでは~……? 」
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と悩んで
飴家 真珠 :
[どうせつめいすればいいのか ちょっとわからないんだけど]
飴家 真珠 :
[わたしはいまのあさかちゃんのこと だいすきだよって つたえたかったの] 手を握り続けながら、弱々しく笑う
多々良那 浅香 :
「は、はぁ……?ありが、とう……?………なんかモヤつくけど……」
彼女がただ好きを伝えてくるのであれば、もっと喜色が強いはずだ。大いに含意のある笑みを少し訝しむ。
飴家 真珠 :
「…………」 にこっと笑い、手を離す
蹄啼 イバラ :
親殺しの話を聞いて、普通その結論になるだろうか。やっぱり理解に苦しむ。
蹄啼 イバラ :
「…………八方美人は、褒められたコトではありません」
蹄啼 イバラ :
「と、芸能界の先輩方が言っていましたが~?」何故か、微かに苛立った様子で言う。いつもは自分がそのように振る舞っているので、完全にブーメランだ。
飴家 真珠 :
「???」 別に八方美人のつもりじゃないけど……って不思議そうにしている
多々良那 浅香 :
「ヒョ~ 怖いわぁん♡」
四つん這いで離れながら
ロッキー :
「僕サマは好きだよ。なんだかポカポカするからね」思ったことを率直に
飴家 真珠 :
「!」 じゃあ問題ないじゃん、とロッキーの言葉に笑顔になる
蹄啼 イバラ :
「────そうですか~、ロッキーさんはそうなんですね~」
蹄啼 イバラ :
「さきほど言ったのは、あくまで業界の常識……わたくしは何とも思ってないので、お好きになさると良いですが~……」
蹄啼 イバラ :
「ただ、以前にも言った通り、人前でキスは止めた方がよろしいかと~」
飴家 真珠 :
[でもいま わたしたちだけしかいないよ?] 首を傾げる
多々良那 浅香 :
「うむうむ、客やら観衆やらが居なければオッケー!あと注意してくるマネージャーね!役得役得!」
目を瞑り大仰に頷いて
飴家 真珠 :
うんうん、と真似して頷いている。
蹄啼 イバラ :
「会社の風紀を気にしているのは、わたくしだけですか~……」
蹄啼 イバラ :
「はあ、もういいです……好きになさってください……」味方が一人もいない。諦めの境地であった。
飴家 真珠 :
「……」 そんなに怒ることかなあ、って困ったように笑っている
蹄啼 イバラ :
「それより、話を戻しましょう? 家族についての話、でしたよね~?」
多々良那 浅香 :
「へへ、話過ぎたぜ……職業病だね。真珠ちゃんはどう?」
飴家 真珠 :
わたし? と自分を指さしてから、少し考えて
飴家 真珠 :
[わたしにとって かぞくは]
飴家 真珠 :
[このせかいでいちばん たいせつなひとたち かな] 自分の周囲に、ピンク色の文字をそっと浮かばせる
ロッキー :
「いちばん、たいせつ?」僅かに首を傾げて
飴家 真珠 :
「……」 うん、と頷いて、
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんにとって いちばんたいせつなものってあるかな?]
ロッキー :
「ん~……モノ、モノか……」
ロッキー :
自身の義肢をふと思い浮かべるが、無かったら困る程度の替えのきくモノ程度であること思い出して別の物を考える
ロッキー :
「そうだねぇ、強いて言うなら……」ほんの少しの間ではあるが、思い当たったモノがあるようだ
ロッキー :
ビシッと、真珠に指を向ける。
ロッキー :
そこから指は横にスライドし浅香、イバラへと向けられて……
ロッキー :
「姫たち、かな?」 たぶん。と柔らかく微笑んでみせた。
飴家 真珠 :
「……」 ふふっ、と笑顔で吐息を漏らす
多々良那 浅香 :
「ま~たナンパな……」
こやつめ……と笑って
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、ずいぶん好かれたものですね~」
蹄啼 イバラ :
「ユニットのメンバーは、確かにそうそう替えの効かないものかもしれません」
ロッキー :
「イバラ姫の言う通りさ。僕サマがこうやって王子として居られるのも、姫たちのおかげだからね」
飴家 真珠 :
そっか、と頷いて、
飴家 真珠 :
[それなら ろっきーちゃんとわたしのたいせつなものは すこしだけちかいかもしれないね]
飴家 真珠 :
そう笑って、真珠は自身の前にピンク色に輝く文字をゆっくりと並べていく。
飴家 真珠 :
[わたしのかぞくは ね]
飴家 真珠 :
[みんなFHにすてられたこたちだから ちはつながってないんだけど]
飴家 真珠 :
[かぞくになるのに そんなのかんけいないんだって おしえてくれたの]
飴家 真珠 :
[みんなやさしくて げんきで いいこたちで]
飴家 真珠 :
[いっしょにいるとしあわせなきもちになれたし みんなにもずっとしあわせでいてほしいって おもえたの]
飴家 真珠 :
[わたしをそういうわたしで いさせてくれたひとたち ってこと]
飴家 真珠 :
[だから すこしだけちかいかもっておもったんだけど どうかな?]
ロッキー :
「ふむ……」
ロッキー :
真珠の言葉を聞いて、しばし考え込むように俯く。優しくて、幸せになって欲しい、血では繋がっていない人達について……。
ロッキー :
「僕サマ、思ったんだけどさ……」視線は床に向けたまま口を開いて
ロッキー :
「姫の言う事を聞いてたら、なんだかさ……」
ロッキー :
「3人のこと、家族だと思えてきたかもしれないな……」そんなことを真面目な顔で呟く
蹄啼 イバラ :
「ぇ、ええ~……? 本気ですか~……?」この子まで真珠みたいな事を言い出した、と驚く。
多々良那 浅香 :
「家族かぁ~……ユニットからデカく飛び越えたねぇ」
ロッキー :
「少しね。僕サマとこんなに話してくれたり……世話してくれる人って、そんなにいなかったから……」
ロッキー :
「他人と助け合うこともなかったし、そうやって守りたいモノができることもなかった……」
ロッキー :
「けど、ここに来てからは……さっき真珠姫が言っていたこと、理解できたような気がするんだよね」
ロッキー :
「……血では繋がらない家族。3人がそうだったらいいな、なんて思ってさ」
ロッキー :
そうやって、肩を竦めて笑って見せる
飴家 真珠 :
[わたしは そういうふうにおもってくれてうれしいよ!]
飴家 真珠 :
[とくにわたしとろっきーちゃんは おなじへやにすんでるしいつもいっしょにいるし もうかぞくみたいなものだと わたしはずっとおもってたの!] 嬉しそうに笑いながら、ロッキーの手を両手で握る
ロッキー :
「ふふっ、確かに真珠姫とはもう家族みたいなものだったかな?」包んでくれた真珠の手にもう片方の手で重ねる
ロッキー :
「浅香姫、イバラ姫だってそうさ。僕サマたち、いつだって支え合ってるだろう?」
蹄啼 イバラ :
「……あ~、ずいぶん懐かれたものですね~?」困ったように浅香に笑いかける。
多々良那 浅香 :
「家族かぁ……3人のことは結構好きだけど……守りたい……大事……」
多々良那 浅香 :
「まぁ、幸せにやってくれりゃぁ良いって思えるのがそうなら、そうなのかな……」
ダンスレッスンで疲労し鈍麻した思考に人として当然の思慮が奔る。
多々良那 浅香 :
「創作では知ってるけど、あたしがその”血の繋がらない家族”扱い、なのは、なんというか、実感が浮かばない……ね」
あまりしない、むつかしい顔をしている
ロッキー :
「おや、ならば姫の方が好みだったかな?」イジの悪い笑みを向けて
多々良那 浅香 :
「え~?いや、嫌とか言ってないじゃんっ、わかんないって話してんの!」
イヤ、ではないらしい。
蹄啼 イバラ :
「わたくし達、実に短期間の付き合いでもありますしね~」浅香の色彩を読み取り
蹄啼 イバラ :
「たとえば、再婚相手の連れ子と新しく家族になるというのも違和感があると聞きますし、いきなり家族と言われても困っちゃいますよね~」たははと笑う。
飴家 真珠 :
「?」 そうなの? とよく分からない顔してる
ロッキー :
「イバラ姫の話は難しいけど、困ってしまうのも仕方のないことだったかな?」
ロッキー :
「でも、まあ……僕サマが生きてきた中でも、姫たちはとても大切な人なんだって事が伝われば十分さ」
飴家 真珠 :
「……!」 ちゃんと伝わってるよ、と笑う
多々良那 浅香 :
「ふ~ん……それは嬉しいかもね」
まんざらでもなさそう
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、そうですね~? 好意を向けてくれていることは、素直に嬉しく思いますよ~?」
ロッキー :
「伝わって何よりさ。僕サマも、家族の話が聞けて良かったよ……こうやって腹を割って話すことに憧れがあったんだよね」嬉しそうに
蹄啼 イバラ :
「憧れ……映像作品で見たりしたのでしょうか~……」
ロッキー :
「色々とね、ほら、焚火を囲んで過去のことを打ち明けたりとか……その中の一人が後々……」
ロッキー :
「あいや、ここで言うことじゃないな。とにかく、そういうシチュエーションに憧れていてね」 ちなみに、その中の一人は裏切り者だった。
飴家 真珠 :
[またこんどいっしょにみようね]
ロッキー :
「そうだね、お金が入ったら新しいDVDを買いにいこう! サブスク……? は今の僕サマにはちょっと難しいからね」
飴家 真珠 :
うんうん、と頷く。
蹄啼 イバラ :
「…………」ロッキーが言う"家族"とは、こうした真珠との関係を指すのだろうと腑に落ちる。こんなもの求められても、やっぱり自分は困ってしまう。
蹄啼 イバラ :
「ともかく、ロッキーさんにもボックスステップの練習では手間をかけましたし、ご満足いただけたなら何よりです」
蹄啼 イバラ :
「……と、話は変わるのですが~」
蹄啼 イバラ :
「真珠さん? このあと少々、お時間よろしいでしょうか?」
飴家 真珠 :
「?」 わたし? と自分を指差す
蹄啼 イバラ :
「ええ、相談したいことがありまして~」
飴家 真珠 :
[よくわかんないけど いいよ!]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんからおはなしがあるなんて うれしい!] 両手を合わせて笑顔になる
蹄啼 イバラ :
「……それなら、わたくしは先に行ってますので~」眩しい笑顔から目を逸らし、ゆらりと立ち上がる。
飴家 真珠 :
[きょうのレッスンはもうおしまい?] イバラを見上げる
蹄啼 イバラ :
「いえ、ですけど次のレッスンまで、少し時間がありますから~」
飴家 真珠 :
[じゃあわたしもいっしょにいくね] 立ち上がって
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃん あさかちゃん すぐにもどるからそのままきゅうけいしておいて]
ロッキー :
「うむ、行ってきたまえ!」軽く手を振って見送る
多々良那 浅香 :
「あいよー、お元気で~」ひらひら
蹄啼 イバラ :
「……それでは少しの間、真珠さんをお借りしますね~」レッスン室の扉を開け、真珠を待たずに廊下に飛び出す。
飴家 真珠 :
「!?」 まってまって、とびっくりしながら慌てて追いかける
蹄啼 イバラ :
────ファムファタール内、廊下。
蹄啼 イバラ :
カツカツ、カツカツ。蹄啼イバラは制止を聞かず、真珠の前を早足でせかせかと歩いていた。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん まって~] 追いかけながら、イバラの眼前に光の文字を出す
蹄啼 イバラ :
「…………」光の文字が現れて、いきなり立ち止まる。
蹄啼 イバラ :
「…………はあ」なにやら苛立った様子で、真珠に振り返る。
飴家 真珠 :
[あしはやいよ いばらちゃん] 困ったように笑って
蹄啼 イバラ :
「……貴女がマイペースすぎるのですよ、真珠さん」
蹄啼 イバラ :
「まったく呑気なものです。危機感が足りていない」そんなよく分からない事を言う。
飴家 真珠 :
「????」 何のことかさっぱり分からない笑顔
蹄啼 イバラ :
「その顔、なぜ怒られているか心当たりがないと言ったところですか」色彩は見えないが、それでも分かる。分かるようになってきた。
蹄啼 イバラ :
「……以前にも忠告したはずですが、忘れてしまったのでしょうか~」
飴家 真珠 :
「…………?」 記憶を辿るように、視線を上に泳がせて、
飴家 真珠 :
[もしかして きけんなアイドルもいるとか いってたあのこと?]
蹄啼 イバラ :
「……意外。わたくしの言葉、覚えていたのですね」
飴家 真珠 :
[わたし ひととはなしたことは ちゃんとおぼえてるほうだよ!] 自慢げに
蹄啼 イバラ :
「そうですか~」
蹄啼 イバラ :
「覚えているのに実践できてないなんて、なお良くありませんね~」
飴家 真珠 :
「????」
飴家 真珠 :
[でもろっきーちゃんもあさかちゃんもいばらちゃんも べつになにもあぶなくないし]
飴家 真珠 :
[わたしはみんなのことだいすきだから ふつうにしんようしてるだけだよ]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんは しんぱいしょうだな~]
飴家 真珠 :
そう愉快に光の文字を弾ませながら、イバラの二の腕をつんつんと指でつつく。
蹄啼 イバラ :
「…………呆れました」
蹄啼 イバラ :
「ロッキーさんも、多々良那さんも、十分に危険ですよ」
飴家 真珠 :
またまた御冗談を、と手をぱたぱた振っている。
蹄啼 イバラ :
「怒りのまま家族を殺した、と多々良那さん本人から聞いておいて……よくそんな態度が取れますね~……」
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と少し困ったように悩んで、
飴家 真珠 :
[だけどわたしにはそのこと まだちゃんとじじょうがわからないから]
飴家 真珠 :
[あさかちゃんがくわしくはなしてくれるとか そういうことでもないと きっとたぶんえいえんにわからないとおもう]
飴家 真珠 :
[だから いまはちゃんとわかってることのほうを だいじにしたいの]
飴家 真珠 :
[それは わたしはいまのあさかちゃんがすきってこと]
飴家 真珠 :
[それだけでじゅうぶんじゃないかな] そう小さく笑う
蹄啼 イバラ :
「目に見える上辺ばかりを信じて、貴女はやはり危機感が足りていません」
蹄啼 イバラ :
「……それならロッキーさんが戦闘中、殺人衝動に支配されていることは知っていますか?」
蹄啼 イバラ :
「もし止めようとしたら、貴女が殺されかねない危うさがあることは?」
蹄啼 イバラ :
「……知らないでしょうね?」
蹄啼 イバラ :
「その場合は『知らなかったし仕方ない』と信じて殺されるのが正しいとでも?」
飴家 真珠 :
「…………」 え、えぇ~……? と、そんなこと言われてもと困ったように口を開けて
飴家 真珠 :
[いばらちゃんは なんだかかんちがいしてるんじゃないかな]
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんは わたしたちをころそうとするようなこじゃないよ?]
蹄啼 イバラ :
「彼女自身は、そうかもしれませんね」
蹄啼 イバラ :
「……でも実のところ、彼女は自由などない操り人形」
蹄啼 イバラ :
「殺すだとか殺さないだとか、そんな選択肢は与えられていないでしょう。彼女はヒトを殺すためだけに作られた実験体なのですから」
飴家 真珠 :
「…………」 腕組みをして、少し考え込んで、
飴家 真珠 :
[じゃあ いばらちゃんのいってることがほんとうで もしそんなことになったときは]
飴家 真珠 :
[ころされないように わたしががんばるしかないかな?]
飴家 真珠 :
[わたしがしんじゃったら いちばんかなしいのはろっきーちゃんだからね]
蹄啼 イバラ :
「…………馬鹿は死なないと治らないと言いますが、本当みたいですね」ぎりぎり取り繕っていた上辺が剥がれ落ちて、本音が漏れ出る。
飴家 真珠 :
もーひどいなあ、と言いたいかのように笑い返す。冗談だと思ってるのか、特に怒ってる様子はない。
蹄啼 イバラ :
「何を言ったところで意味はないようですが、貴女が死ぬと困りますし」
蹄啼 イバラ :
「もう一度だけ、忠告しますよ」
蹄啼 イバラ :
「ファム・ファタールのアイドルを信じては────まして家族だなんて思ってはいけません」
蹄啼 イバラ :
「ヒトはみな、虚飾に塗れている」
蹄啼 イバラ :
「貴女もわたくしも、無垢でいられたのは産声を上げた瞬間だけ」
蹄啼 イバラ :
「……本人が望む望まないに関わらずに、そのハズなのです」
蹄啼 イバラ :
「特にアイドルなんてものは、わたくしを含めた全てが虚構」
蹄啼 イバラ :
「造花まみれの花園、芸術を騙ったギャラリーフェイク」堰を切ったように、つらつらと本音を吐き出す。
蹄啼 イバラ :
「────成長して知識を得るたびに、ヒトは無垢を手放すという対価を支払っている」
蹄啼 イバラ :
「知恵の実を手に入れたアダムとイヴが、楽園を追放されたように、知識によってヒトは穢れていく」
蹄啼 イバラ :
「賢くなるほどに、だんだん他人の顔色を伺うようになる。上辺を取り繕うのが上手くなる」
蹄啼 イバラ :
「環境保護とか、ヴィーガンとか、多様性社会とか、自らを飾るための綺麗ごとを並べるようになる」
蹄啼 イバラ :
「服を着るように、その場その場で虚飾を重ねていく」
蹄啼 イバラ :
「……ファム・ファタールのアイドルは、その最たるものなのです」
飴家 真珠 :
「……………………」 静かにイバラの言葉を聞いていたが、
飴家 真珠 :
一歩踏み出して、イバラの体を優しく抱きしめる。
蹄啼 イバラ :
「……っ」自分の本音を聞いて、なお態度を変えようとしない真珠にたじろいで
蹄啼 イバラ :
「ま、またですかっ貴女っ!!」弱弱しく突き放す
飴家 真珠 :
突き放されても動じず、イバラにしがみついて抱きしめたまま、彼女の顔の前に光の文字を浮かばせる。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん なにかつらいことがあったんだね]
飴家 真珠 :
[それか なれないダンスのれんしゅうで つかれちゃったのかな]
飴家 真珠 :
[ちゃんときづいてあげられなくてごめんね]
飴家 真珠 :
[でもだいじょうぶだよ わたしがいるからね] イバラの頭を撫でてあげる
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「……辛い事。ああ、そうかもしれませんね」
蹄啼 イバラ :
飴家真珠と一緒にいると、何故かいつも心が落ち着かなかった。
蹄啼 イバラ :
自分らしく振る舞えなかった。何故だろうと不思議だった。
蹄啼 イバラ :
……ああ、ようやく"この気持ち"の正体がわかった。
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラ。飴家真珠。ふたりの少女に苛立ちを覚える理由が。
蹄啼 イバラ :
────鏡のように透明な心を通して、醜い自分を見せられているようで。
蹄啼 イバラ :
無垢な彼女らを破滅の道に誘おうとする自分を、無理やり直視させられているようで気持ちが悪かったのだ。
蹄啼 イバラ :
「”貴女たち”が狂っているせいで、こっちの調子まで狂いっぱなしなんですよっ……!」真珠の手を振り払う。
蹄啼 イバラ :
もう止めてほしい。優しくしないでほしい。
蹄啼 イバラ :
狂ったままでいさせてほしい。そうじゃないと耐えられない。
飴家 真珠 :
「…………!」 一歩離れ、イバラの顔を見る。
飴家 真珠 :
[もしかして わたしのせいなの?]
飴家 真珠 :
[そんなにいばらちゃんのちょうし わるくすることしちゃったかな] 申し訳なさそうに、胸元に手を置く
蹄啼 イバラ :
「…………っ」その様子にも、胸が締め付けられる。
蹄啼 イバラ :
「ええ、そう。そうです」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは、貴女が思うような人間じゃない。わたくし達は、家族なんかじゃない」
蹄啼 イバラ :
「……馴れ馴れしくしないでほしい。それだけです」苦々しく言い放つ。
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
[じゃあ わたしがなれなれしくしなかったら いばらちゃんはらくになるのかな]
飴家 真珠 :
[それなら わたしがんばってがまんしてみるよ いばらちゃんのからだとこころが いちばんだいじだから]
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[ちょっとさびしいけど ね] 悲し気に笑みを浮かべる
蹄啼 イバラ :
「…………そんなことを言われても、困りますよ」
蹄啼 イバラ :
「だいたいアイドルユニットなんてものは、ビジネスライクな関係でしょう?」
蹄啼 イバラ :
「パーソナルスペースを遵守した、普通の関係に戻るだけですよ」
飴家 真珠 :
[わかった] 哀しそうに俯いて
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
[で] 顔をあげて
飴家 真珠 :
[なんふんくらい がまんすればいいかな?] ぱっと笑って
蹄啼 イバラ :
「…………は?」
飴家 真珠 :
[さんふんくらい? それでもけっこうながいかなぁ] 指を三本立てて見せて
蹄啼 イバラ :
「……あ~、なるほどなるほど? わかりました真珠さん、もう少し近付いてもらえますか~?」
飴家 真珠 :
「!」 嬉しそうにすぐに近づく
蹄啼 イバラ :
「これが答えです」
蹄啼 イバラ :
言いながら真珠の足を踏みつける。
飴家 真珠 :
「~~~~~~~~っ!?!?!??!?!?」 いたーっ!? と口を大きく開いて
蹄啼 イバラ :
「……それでは、行きましょうか~」にこりと笑って
飴家 真珠 :
[どうしてふんだの!? ひどいよいばらちゃん~] 踏まれた足を両手で抑えながらぴょんぴょんその場で跳ねてる
蹄啼 イバラ :
「ビジネスライクな関係でいこう、と言った意味が分かってもらえなかったようなので、態度で示そうかと~」
蹄啼 イバラ :
「兎みたいに愉快に跳ねてないで行きますよ~」
飴家 真珠 :
どうして…と言いたげに困惑しながら、踏まれた足を庇いながらぴょんぴょんついて行きます。
蹄啼 イバラ :
振り返らず歩きながら、ふと考える。
蹄啼 イバラ :
「(飴家真珠を拷問しようとしていた、と告白していたら、あちらから引いてくれたでしょうに……)」
蹄啼 イバラ :
「(何故、わたくしはそれを言えなかったのでしょう……)」
蹄啼 イバラ :
────その後。防音室まで連れられた飴家真珠は、蹄啼イバラから"とある曲"を聴かされるコトになった。
蹄啼 イバラ :
題名も歌詞さえないその曲は、蹄啼イバラが『AILs』のために書きおろした新曲。
蹄啼 イバラ :
その作詞をお願いしたいとの話だった。
飴家 真珠 :
その申し出に対し真珠は驚きはしたものの、二つ返事で引き受けた。
飴家 真珠 :
作詞の経験なんてあるわけがなかったが、せっかくイバラが頼ってくれたのだ。
飴家 真珠 :
誰かに頼られると嬉しい体質の彼女が、断るはずもない。
飴家 真珠 :
……それに、自分が考えた歌詞をみんなが歌ってくれる未来を想像すると胸が躍った。
飴家 真珠 :
歌うことのできない自分の代わりに、みんなが自分の歌詞を歌ってくれるなんて、そんなの夢のような舞台だ。
飴家 真珠 :
今夜からでも作詞の勉強を始めて、イバラの期待に応えられるように頑張ろうと強く決意する。
蹄啼 イバラ :
"ビジネスライクな関係"はどこへやら、嬉しそうにしている飴家真珠。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは、相変わらずの様子に呆れて溜め息を吐きながらも、
蹄啼 イバラ :
────いつしか、その口元は微笑みを湛えていたのだった。
蹄啼 イバラ :
最後に、真珠ちゃんに高性能治療キットを使いますよ!
飴家 真珠 :
ありがたい!
蹄啼 イバラ :
3d10 回復(3D10) > 17[6,8,3] > 17
system :
[ 飴家 真珠 ] HP : 5 → 22
飴家 真珠 :
もうほぼ全快かも
飴家 真珠 :
あと1くらい誤差だし、わたしが持ってる応急手当キットをイバラちゃんに使おうかな?
蹄啼 イバラ :
お互いに回復、ありがたいね!
飴家 真珠 :
じゃあ使います!
飴家 真珠 :
2D10 回復量(2D10) > 14[9,5] > 14
system :
[ 蹄啼 イバラ ] HP : 20 → 27
飴家 真珠 :
デッカ
蹄啼 イバラ :
お世話好きな医者の娘の本領発揮
飴家 真珠 :
納得の理由だ…
蹄啼 イバラ :
文句なしの全回復!
蹄啼 イバラ :
真珠ちゃんのロイスを憧憬/苦手に変更しますよ!
飴家 真珠 :
どっちが表なんですか????
GM :
憧憬ヨシ!
蹄啼 イバラ :
N表です……ち、調子に乗らないことですね……
飴家 真珠 :
照れ屋さんなんだから
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラのロイスも変更しましょう!
蹄啼 イバラ :
憧憬/食傷のN表で!
GM :
おけおけ!
ロッキー :
イバラちゃんに 好意/嫉妬 で取得!表はP!
system :
[ ロッキー ] ロイス : 5 → 6
多々良那 浅香 :
飴家真珠に✓好意/不安で取得
ストレートに好きだけど、心の奥底を掻き立てられるようでモヤ……まで書いてイバラちゃんと同じことされてるなと思いました
system :
[ 多々良那 浅香 ] ロイス : 4 → 5
蹄啼 イバラ :
イバラへのロイス取得、嬉しいね!
蹄啼 イバラ :
飴家真珠は……やっぱり悪!!
飴家 真珠 :
どうして…
ロッキー :
純粋な善に…焼かれてる…!
GM :
江戸川セルの精神がみんなを侵蝕している
Extra Scene 06 幕間06
飴家 真珠 :
数日後。
飴家 真珠 :
泊里零一郎は、事務所のデスクで仕事を片付けていた。
飴家 真珠 :
そして、ようやく一区切りがついたその時、ふと背中に視線を感じるだろう。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
泊里が視線を入り口の方へと向けると、そこには部屋の中を覗き込むように、ドアの陰からひょこっと顔を出した真珠の姿があった。
飴家 真珠 :
彼女は物音を立てないよう静かに、けれど熱心にこちらの様子を伺っている。
飴家 真珠 :
頑張って仕事をこなすプロデューサーを邪魔してしまわないか、そっとタイミングを計っているようだった。
泊里 零一郎 :
「……飴家さん、どうかしたかな?」 得意先へのメール返信を一通り済ませると、視線の方へ向き直る。
飴家 真珠 :
「!」 視線が合い、驚いて肩を大きく震わせて
飴家 真珠 :
[いまって おじかんだいじょうぶ?] 胸の前に控えめにピンク色の文字を浮かばせる
泊里 零一郎 :
「ああ、もちろん。アイドルからの質問に優先するものはないからね」
飴家 真珠 :
「……!」 ぱあっと笑顔になって、部屋に入って泊里の傍まで寄っていく
飴家 真珠 :
[あ でも しつもんじゃないかも]
泊里 零一郎 :
「ふむ、それなら悩み事の相談かい? それとも仕事のことで何か?」
飴家 真珠 :
ううん、と首を横に振って、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんのかおをみて ちょっとおはなししたかっただけなの]
飴家 真珠 :
[ごめんね ダメだったかな] 両手の人差し指をくっつけながら、少し申し訳なさそうに
泊里 零一郎 :
「そうか。僕はタレントじゃないから、多々良那さんたちと違ってそんなに面白いことは言えないけれど、それでもよければ話し相手になるよ」
飴家 真珠 :
「!!」 やったあ、と笑顔で小さくぴょんと跳ねる
飴家 真珠 :
そして、いそいそと別のデスクから椅子を近くに持ってきて腰かけた。
飴家 真珠 :
「…………」 えーと、じゃあ……と少し考えて、
飴家 真珠 :
そうだ、と何か思い出したように目を輝かせ、
飴家 真珠 :
[そういえば ちゃんとおれいがいえてなかったね]
飴家 真珠 :
[あのときはほんとにありがとう れーいちろーさん]
飴家 真珠 :
そう目の前に浮かばせた光の文字のすぐ下で、自分の両手を握り合わせる。握手会のことを言っているのだろう。
泊里 零一郎 :
「ああ、あのときか……いや、僕も少し力添えしたけれど、戦ったのもファンの相手をしたのも君たちだ」
泊里 零一郎 :
「飴家さんの頑張りのおかげだよ」 そう言ってにこやかに微笑む。
飴家 真珠 :
[でもでも れーいちろーさんがつづけるってきめてくれたおかげだもん] いやいや、と手を横に振って
飴家 真珠 :
[ほんとうにかんしゃしてるの わたしもファンのみんなも たのしいイベントだったねっておわることができたから]
泊里 零一郎 :
「……そう言ってくれると、プロデューサー冥利に尽きるよ。どういたしまして」
飴家 真珠 :
うん、と嬉しそうに頷く
飴家 真珠 :
[そういえば プロデューサーといえば]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんって どうしてアイドルのプロデューサーやってるの?] ふと気になって、不思議そうに疑問の言葉を並べる
泊里 零一郎 :
「どうして? うーん……どうしてだろうね?」 少し考え込んで
泊里 零一郎 :
「めぐり合わせ……かな? 学生のときは音楽が好きでバンドをやっていて、卒業してから音楽レーベルに就職したんだけれど……」
泊里 零一郎 :
「最初はアーティストに仕事を斡旋したり、事業計画を練ったり、どちらかと言うと経営に近いところにいたね」
泊里 零一郎 :
「でも……上司に誘われてふらっと見学してみたアイドルのオーディションで、凄い輝きを放つアイドルの卵に出会ったんだ」
泊里 零一郎 :
「……で、無理を言ってもっと現場側、つまりマネージャーに転身させてもらったんだ」
泊里 零一郎 :
「珍しい経歴といえば珍しい経歴だけれど……この事務所のみんなと比べたら平凡だと思うよ」
飴家 真珠 :
「……!」 へ~! と目をキラキラ輝かせる。泊里のことをもっと知れて嬉しいらしい。
飴家 真珠 :
[それってファム・ファタールじゃなくて コズミック・プリズムのころのはなしだよね]
飴家 真珠 :
[すこしまえにいばらちゃんからきいたの れーいちろーさんはゆららのいたじむしょからこっちにきたんだって]
泊里 零一郎 :
「ん、なんだ、知っていたのかい? まあ、調べたらわかることではあるけれど……」
泊里 零一郎 :
「まだ数か月前の話なのに、だいぶ昔のことに感じるね……」 しみじみと
飴家 真珠 :
「……」 結構最近だったんだ、と泊里を見て
飴家 真珠 :
[ねえねえ それじゃあさ]
飴家 真珠 :
[そのすごいかがやきをもつ アイドルのたまごのことさ]
飴家 真珠 :
[わたしって れーいちろーさんてきにはどっちがすごい?]
泊里 零一郎 :
「お、おお……なかなか難しい質問をするね……」
飴家 真珠 :
「?」 え、そんなにむずかしい? と不思議そうに目を丸くして
飴家 真珠 :
[しょうじきにいって! ほらほら] ちゃんと答えないと触っちゃうぞ、とゆっくりゆっくり手を伸ばす振りをする
泊里 零一郎 :
「待て待て、いま答えるから」
泊里 零一郎 :
「そうだね……はっきり言って、飴家さんは僕の想像を超えてすごいアイドルになりつつある」
泊里 零一郎 :
「このまま順調に経験を積んでいけば、僕の知る彼女が同じ舞台に立っても、きっと負けることはない……そう思うよ」
飴家 真珠 :
「……!?」 びっくりして、手を引っ込めて
飴家 真珠 :
[ほんとに? ほんとにそこまでおもってるの?]
飴家 真珠 :
[べつにぜんぜん わたしにきをつかって おせじいわなくてもいいんだよ?]
泊里 零一郎 :
「気を使ってるわけじゃないさ。ただ……」 少し俯いて
泊里 零一郎 :
「……僕は、彼女のことを正しくマネージメントすることができなかった」
泊里 零一郎 :
「僕や、周りの大人がもっと正しく彼女を導いてあげられたら、どうなっていたんだろうか? 今でも毎日のように夢に見るんだ」
泊里 零一郎 :
「その、僕の叶わなかった"夢"は僕の中で永遠のものだ」
泊里 零一郎 :
「今後君がどれだけ凄いアイドルになっても、その”夢”を超えるようなアイドルにはなれないのかもしれない……」
泊里 零一郎 :
「……素直に君が一番だと言ってあげられないプロデューサーですまない。けれど、これが僕の中での正直な思いだよ」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
泊里をジッと見つめた後、部屋の中をキョロキョロと見渡して他に誰もいないことを確認すると、
飴家 真珠 :
手を伸ばし、彼の頭を優しく撫でる。
泊里 零一郎 :
「あ、飴家さん……!?」 不意打ちで撫でられて動揺する。
飴家 真珠 :
「……」 少しだけ頭を撫でた後、すぐに手を引っ込めて、
飴家 真珠 :
[ごめんね やくそくやぶってさわっちゃって]
飴家 真珠 :
[でも れーいちろーさんがすごくかなしそうだったから どうしてもこうしてあげたくなったの]
泊里 零一郎 :
「……いや、ありがとう」
泊里 零一郎 :
「少しでも前を向いているつもりだけれど、僕の中ではまだ時間が必要なことなんだ」
泊里 零一郎 :
「飴家さんたちの二倍は生きているのに、情けないものだね……」 ふふ、と珍しく弱そうな笑みを見せる。
飴家 真珠 :
[なさけないとか ぜんぜんそんなことないよ]
飴家 真珠 :
[こどもとかおとなとか かんけいないことだとおもう]
飴家 真珠 :
[ごめんね むしんけいにはなさせちゃって]
泊里 零一郎 :
「……いや、僕だけ一方的に君たちの過去を知ってるというのも対等な信頼関係じゃないからね」
泊里 零一郎 :
「まだまだ時間はかかると思うけれど……これから少しずつ話していくよ。知りたければ、だけれど」
飴家 真珠 :
[うん しりたい! もちろんイヤじゃなければだけど だいすきなひとのことなら なんでもしりたいし]
飴家 真珠 :
[それにいまも きけてよかった]
飴家 真珠 :
[もっとがんばらなくちゃって そうおもえたから] そうピンク色の文字を胸元に表示させながら、笑顔を向ける
泊里 零一郎 :
「……そうやってアイドルの仕事に前向きになってくれるなら、僕にとってこれ以上のことはないよ」
泊里 零一郎 :
「きっと、これから楽しいことばかりではないだろう。辛いときに回りを頼ったり甘えたりできるのは君の大きな強みだ」
泊里 零一郎 :
「遠慮なく、僕や周囲の仲間を頼ってくれ。……男性スタッフとの触れあいはちょっと問題だけれどね」 苦笑して。
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ ちゃんときをつけるから] 分かってるのか分かってないのか分からない笑顔で
飴家 真珠 :
[わたし もっとがんばるね]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんのかなわなかったゆめをこえるとか いちばんのアイドルになるとか そこまでいけるかはわからないけれど]
飴家 真珠 :
[いまのれーいちろーさんをしあわせにできるような そんなアイドルになれるようになりたいな]
飴家 真珠 :
「……」 そう文字を浮かばせてから、
飴家 真珠 :
[って ふくしゅうのことかかえてるわたしがいっても せっとくりょくないかもしれないけど] 困ったように笑う
泊里 零一郎 :
「ふふ……ありがとう。前にも言ったけれど、僕は君のお陰でもう一度夢を見ることができた」
泊里 零一郎 :
「復讐のことに区切りが付いても、この仕事を続けてくれると嬉しいし……君がそれを選んでくれるように僕も努力しよう」
飴家 真珠 :
「……!」 ありがとう、と唇を動かして、笑い返す
飴家 真珠 :
そこで、時計を見る。泊里もまだ忙しいことを考えて、席を立つ。
飴家 真珠 :
「!」 あっ、とそこで何か思い立って、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん おててだして] 楽し気に笑いながら、手の平を上に向ける
泊里 零一郎 :
「なんだい?」 特に警戒せず手のひらを出す。
飴家 真珠 :
真珠は泊里の手に触れないように手を差し出しながら《無上厨師》を使用。
飴家 真珠 :
真珠の指先から泊里の手のひらに零れ落ちた、砂糖のようなモルフェウスの砂が、レモン味の黄色い飴玉に変化する。
飴家 真珠 :
[これあげる!] ぱっと笑って
泊里 零一郎 :
「おお……! ありがとう。飴を貰うなんてなんだか久しぶりだな……」 その場でひょいと口に入れて
泊里 零一郎 :
「うん、美味しい。これで午後からも頑張れそうだ」
飴家 真珠 :
「……!」 よかった! と両手を合わせて笑って、
飴家 真珠 :
[じゃあ またね!]
飴家 真珠 :
両手を胸の前で何度も振りながら、部屋から去っていく。
飴家 真珠 :
泊里零一郎にロイスを取ります! 感情は〇誠意/不安で
GM :
貴重なロイス枠を! 了解です!
system :
[ 飴家 真珠 ] ロイス : 4 → 5
Scene 09 Re:start
GM :
情報収集のフォロー的なシーンです。登場は……一応全員出てもらおうか!
飴家 真珠 :
はーい
飴家 真珠 :
72+1d10(72+1D10) > 72+8[8] > 80
ロッキー :
75+1d10(75+1D10) > 75+7[7] > 82
蹄啼 イバラ :
74+1d10(74+1D10) > 74+7[7] > 81
多々良那 浅香 :
77+1d10(77+1D10) > 77+9[9] > 86
GM :
デビューライブ、からの握手会、からの配信、からの衝撃のユニット結成。
GM :
目まぐるしくイベントをこなし、この後もフェスに向けてのレッスンが待っているあなたたちだが、忘れてはいけない問題がある。
GM :
羽塚えりの放送事故、そして握手会にてついにファム・ファタールに牙を剥いたアイドル連続不祥事事件の犯人。
GM :
その影に見える謎の存在、”ジョーカー”について調べねばならない。
二条 純恋 :
『倒した人に聞けばいいんじゃないかしら?』
GM :
社長のそんな発言から数日、事務所のモニターにはかつて”ジョーカー”と戦った張本人が映っている。
的場啓吾 :
『まさか私がファム・ファタールに呼ばれるようなことがあるとはな……』
的場啓吾 :
『”ジョーカー”について聞きたいのだったかな?』
飴家 真珠 :
[こんにちはー!] わー! と笑顔で両手をモニターにふりふりしてる
ロッキー :
「キミが"パラディン"…。うむ、ジョーカーとやらを良く知っているようだからね!」それはそれとして『かっこいいコードネームだ!』と思っているようだ
的場啓吾 :
『こんにちは……礼儀正しいな。ファム・ファタールといえば曲者揃いの女子たちと聞いていたが』
蹄啼 イバラ :
「この業界で生き残っていくには、まず礼儀が大事ですから~」
多々良那 浅香 :
「例外は、ある」
蹄啼 イバラ :
「("パラディン"……FHに似つかわしくないコードネーム……詳しくは存じ上げませんが、楽器にしたら哀愁のある良い音が出そうですね~……)」礼儀とか言いながら、そんなことを考えている。
飴家 真珠 :
[でもパラディンさんもいそがしいかもだし ようけんをはやくはなしたほうがいいよね] せっかくだしお喋りをしたい気持ちを抑えて、
飴家 真珠 :
[ジョーカーのことなんですけど こっちでもみんながしらべてくれてて]
飴家 真珠 :
って感じで、まずは◆『黒スーツの怪しい青年』について、◆『"ジョーカー"』について、の情報をそのまま共有したい! これでこっちがどれくらい掴んでるか把握してもらおう
GM :
おけおけ!
的場啓吾 :
『なるほど……』
的場啓吾 :
『やはり、奴は滅んではいなかったか』
飴家 真珠 :
[やはりって パラディンさんもしんでないとおもってたんだ]
的場啓吾 :
『うむ。どこから話せばよいだろうか……まずは私が奴と戦うに至った経緯から説明しよう』
飴家 真珠 :
お願いします、とぺこっと頭を下げる。
的場啓吾 :
『かつて、UGNの研究責任者に度を越した非人道的な実験を繰り返していたものがいた』
的場啓吾 :
『オーヴァードの世界の倫理を既存の物差しで測ることはできないが、それにしても秩序を背負う組織にとっては看過できない背信行為だった』
的場啓吾 :
『その”裏切り者”の抹殺を命じられたこと、それが私と奴の出会いだ』
的場啓吾 :
『数多の子供に改造手術を施し、消えない心の傷を作って不幸に陥れた悪党を、若い時の私は自分の正義を信じて打倒した……』
的場啓吾 :
『――が、話は簡単ではなかった。奴に憑りついていた意思を持つレネゲイド……それは私の中で密かに生き残っていたのだ』
蹄啼 イバラ :
「ふむ? あなたの中で~?」首を傾げる
ロッキー :
「ほほう、残りカスのような?」
飴家 真珠 :
[ジョーカーがしにぎわで のりうつったってこと?]
的場啓吾 :
『私もすべてを把握しているわけではないが、そういうことだろう。……ところで、君たちは、私が”ジョーカー”を倒したと言ったか?』
飴家 真珠 :
そう聞いたため、うんうん、と頷く。
的場啓吾 :
『それは、おそらく誰かが話をわかりやすくするために歪曲した情報であって、正確な情報ではない』
的場啓吾 :
『私が倒したのは、”ジョーカー”の宿主だ。そして……』
的場啓吾 :
『私は、”ジョーカー”との戦いには負けた。それがより正確な表現だろう』 モニター越しに少し俯く。
多々良那 浅香 :
「は~……めんどいねぇ、アイツ……」
げ~としかめて
飴家 真珠 :
[パラディンさんって すっごくつよいオーヴァードなんだよね]
的場啓吾 :
『それしか取り得がないがな。過ぎた評価ではあるが、日本で最強と呼ばれたこともある』
飴家 真珠 :
日本最強と聞いて凄い、と一瞬驚いてから、
飴家 真珠 :
[そんなさいきょうのパラディンさんでもとりにがしたってことは もしわたしたちがくろさわをたおしても またジョーカーがだれかにとりつくだけなのかも] 困ったな、と腕組みをして
蹄啼 イバラ :
「……うう~ん、そうですね~」
蹄啼 イバラ :
「ああ、それならひとつ良い手を思いつきましたよ~」
飴家 真珠 :
「?」 え? とイバラを見る
多々良那 浅香 :
「お、明らかに我らのブレーンイバラちゃん、なんでしょう」
ロッキー :
「おお、奇遇だな。実は僕サマも一つ思いついた」お先にどうぞと、手で促して
蹄啼 イバラ :
「では、失礼して」
蹄啼 イバラ :
「……まず、STEP1.松本さんを用意します」人差し指を立てて
蹄啼 イバラ :
「STEP2.爆薬を巻き付けて、ジョーカーもろとも自爆してもらいます」
蹄啼 イバラ :
「STEP3.まわりに乗り移る肉体がないので、ジョーカーは復活できません♪」にこ…
蹄啼 イバラ :
「といったプランはいかがでしょうか~♪」
多々良那 浅香 :
「え、えりちゃんが死んだ……ッ」
飴家 真珠 :
[えりちゃんがかわいそうだよ!!!!] 両手でバツを作って全力却下
ロッキー :
「おお、イバラ姫も考えたね。えりくんが適任かどうかは置いておくけども」感嘆として頷く
的場啓吾 :
『……とりあえず、この子と”ジョーカー”を近づけさせるのは避けたほうが良さそうだな』
蹄啼 イバラ :
「さすがに冗談ですよ~? 人通りのないところに誘い込んで、ドローンでの自爆やミサイルでの爆撃、あたりの遠隔攻撃が現実的なところでしょう」
飴家 真珠 :
も~びっくりしたでしょ、と笑いながらイバラの二の腕をぺちぺちしている。
蹄啼 イバラ :
「…………」馴れ馴れしくするな、と言ったのに。と少しむっとする。
的場啓吾 :
『まさか、いつもこんな雑談をしているのか……?』 ちょっと引いている
ロッキー :
「だいたい似たような空気だよ!」
多々良那 浅香 :
「そうねー、普段はこんな感じ。どうだよ」
謎ドヤ
的場啓吾 :
『……わかった。話を戻そう』
的場啓吾 :
『遠隔で爆破するという作戦は一見良さそうだし、UGNの上層部も同じような判断をするだろう』
的場啓吾 :
『だが、奴にそれが通用するか、私は疑問に思う』
ロッキー :
「ふぅん、じゃあさ」軽く手を上げて
ロッキー :
「ジョーカーは宿主を倒されたら別の人に乗り換えるんだろう、それが誰かはわからないけども……」
ロッキー :
「もしキミみたいに、近くにいる人に乗り移るって云うなら考えが一つあるよ」
的場啓吾 :
『ふむ、何だろう』
ロッキー :
「うむ、まあ簡単に言うなら……」
ロッキー :
「宿主ごと、レネゲイドを殺す何かを用意すべきだ」
ロッキー :
「真珠姫、覚えているかい。勇姫センパイを殺しに行こうとした時のこと」
飴家 真珠 :
「……」 頷いて、
飴家 真珠 :
[もしかして あのレネゲイドをころすナイフをつかうってこと?]
ロッキー :
「そう、アレに似た何かでも良いけどね」
ロッキー :
「ま、イケニエ作戦って意味ならイバラ姫と同じだね! ともかく、乗り移られたら宿主ごと殺すしかないってことだ」
多々良那 浅香 :
「アレって確か破壊されちゃったんだよね?残ってんの?」
ロッキー :
「ないね!」なぜか自信満々に言い切る
蹄啼 イバラ :
「それならダメじゃないですか~……」
的場啓吾 :
『なるほどな……』
的場啓吾 :
『実現性や倫理観は置いておくとして、爆破するよりは良い線を行っていると思う』
ロッキー :
「お褒めに預かりコウエイだよ。まあ、問題は……」
ロッキー :
「武器を用意することと、誰に乗り移るのかはジョーカー次第、ってところかな?」
蹄啼 イバラ :
「黒沢を刺せば済むのですし、問題は前者だけなのでは~……? ああ、刺されるまえに乗り移れるほどジョーカーが機敏なら、黒沢を刺した後にみんな自害しないといけないので困ってしまいますか~……」
飴家 真珠 :
「………」
飴家 真珠 :
[あの おもったんだけど] 手を控えめに上げて
的場啓吾 :
『何だろうか?』
飴家 真珠 :
[ジョーカー たおさなくてもいいんじゃないかな] 青い光の文字を、挙げた手のすぐ傍に浮かばせる
ロッキー :
「ほう、どういう事かな?」聞くだけ聞いてみようの構え
的場啓吾 :
『ふむ』
飴家 真珠 :
[だって やどぬしをたおそうとしても ジョーカーはべつのだれかにのりうつってしまうんでしょ?]
飴家 真珠 :
[そのジョーカーをほんきでころすなら やどぬしごとほんきでころすしかない]
飴家 真珠 :
[それでなかまをころさなくちゃいけないのは わたしぜったいにいやだよ]
飴家 真珠 :
[そんなことするくらいなら ジョーカーをとりつかせたままにしたほうがいいよ]
飴家 真珠 :
[もしかしたら もうわるさしないでっておねがいしたら ジョーカーもきいてくれるかもしれないでしょ?]
蹄啼 イバラ :
「……はっ、"飴家さん"は面白いことを言いますね~?」
飴家 真珠 :
「!?」 苗字呼びされたことに驚きながら、イバラに振り向く
蹄啼 イバラ :
「そんなわけ、ないじゃないですか?ねえ?」まわりを見回して
蹄啼 イバラ :
「知りませんか~? 悪党は改心しないから悪党なんですよ~? お願いされたからって止めるなんてとてもとても」
蹄啼 イバラ :
「……もしそうだったら、最初から悪事なんて働いてませんよ~」
的場啓吾 :
『…………なるほど』
的場啓吾 :
『少し、私の考えを述べてもよいだろうか?』
飴家 真珠 :
「…………」 しょぼ……としながらモニターを見る
多々良那 浅香 :
「はい、的場氏」
的場啓吾 :
『こと”ジョーカー”に関して言えば、二人の言うことは互いに一理あると思う』
的場啓吾 :
『奴自身が語ったところによれば、奴は人間の悪意や憎悪と言った普遍的無意識の負の側面の表出なのだと言う』
的場啓吾 :
『それが本当なのであれば、奴自身は「そういう存在」なのだから改心という概念はないだろう』
飴家 真珠 :
[じゃあどうして わたしのほうもいちりあるっておもったの?]
的場啓吾 :
『……UGNのエージェントだった頃、私はどうにかして”ジョーカー”と分かり合うことができないか手段を尽くしていたことがあった』
的場啓吾 :
『私が奴と真摯に向き合っている間は、奴はほとんど問いかけに答えないし自分から動くこともなかった』
的場啓吾 :
『当時の私はそれを「成果が出ていない」と認識していたが……おそらく違うのだ』
的場啓吾 :
『”ジョーカー”と戦うのに必要なのは特別な能力や才能ではない。ともすれば”ジョーカー”さえも許してしまうような……そんな強い愛を抱えられる強い心なのだろう』
飴家 真珠 :
「…………?」
飴家 真珠 :
[こっちがゆるせば ジョーカーもわかってくれるってこと?]
的場啓吾 :
『難しいな……おそらく、本質的なところで奴と分かり合うことはできない』
的場啓吾 :
『奴は人間が破滅に向かっていくさまをエネルギーにして生きている。そこに強い悪意がある限り、文字通り不滅の存在だ』
的場啓吾 :
『奴が当時の宿主を捨てて私に乗り移ったのも、きっとやむにやまれずそうしたのではなく「こいつが悪の道に堕ちたほうが周囲の人間に絶望を与えられそうだから」という狙いなのだと思う』
的場啓吾 :
『……そして、実際にその通りのことが起きた。他でもない私が自ら選んでそうしたのだ』
蹄啼 イバラ :
「その通りのこと、と言うと~?」
的場啓吾 :
『……私には欲望がある。死んだ家族を蘇らせたいという欲望だ』
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[パラディンさんのかぞく しんじゃったの?]
飴家 真珠 :
[でも よみがえらせるなんて] そんなこと出来るのかと、悲し気に見つめる
的場啓吾 :
『無理だろうな。そして、家族もそんなことは望んでいないと思う』
的場啓吾 :
『……欲望というのは恐ろしい。論理的には答えが分かりきっていても、心がその通りに動いてくれないのだ』
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[なんとなくだけど すこしだけわかるきがする]
飴家 真珠 :
[わたしのかぞくも しんじゃったから] 胸元に両手を置いて
的場啓吾 :
『……! そうか……。その年齢でそんな経験を……』 さすがに口を噤む。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[え えっと はなしをもどすね!] 気を遣わせてはいけないと、笑顔になって
飴家 真珠 :
[パラディンさんのいってることがほんとうなら]
飴家 真珠 :
[もしかして とりつかれたひとがはめつにむかおうとしなかったり あくいがなければ ジョーカーはよわまっちゃうってことなのかな?]
的場啓吾 :
『そうだと考えている』
的場啓吾 :
『……そして、今の私に奴と戦う資格はない』
蹄啼 イバラ :
「ジョーカーさえ許してしまうような強い愛を抱えられる強い心、とやらが無いからですか~」
蹄啼 イバラ :
「でも、愛は地球を救うだとか、そんな薄ら寒い綺麗事を言うんですね~」
蹄啼 イバラ :
「だいたい強い愛って……ヒトを破滅に導いて愉しむような救いようのないクズ、誰が愛するって言うんですか~……? 貴方にも誰にも、そんなことは出来ませんよ~……?」
多々良那 浅香 :
「え~、なんか見た目とか可愛ければあたしとかイケそうじゃない?あたしが迷惑被らなければ全然許せちゃうよ」
横からあっけらかんに
的場啓吾 :
『……まるで価値観のるつぼだな』 ふふ、と珍しく少し微笑んで
蹄啼 イバラ :
「迷惑なら被るでしょう? 宿主や周りを破滅に導こうとするんですから~」
飴家 真珠 :
[だけど ジョーカーのこと わたしはちょっとかわいそうだなっておもっちゃうかも]
飴家 真珠 :
[だれかにそういうふうにつくられたんだから きっとじぶんでそういうふうになりたかったわけじゃないんだろうし]
飴家 真珠 :
[それに ひとをわるくおもうことも にくんだりすることも けっこうつかれちゃうから] 困ったように、小さく笑って
ロッキー :
「悪であれかしと望まれて誕生した生命は、悪として生きるしかないのか……」
ロッキー :
「……なんて話、アニメで見たよ。そういう話だよね?」 ふぅんと興味深そうに
多々良那 浅香 :
「そうだね、あたしもゲームで何度も見た。そんなザ・悪をラブで包む方針を真珠ちゃんがとりたいなら考えるのもやぶさかじゃーないけど、現実的なラインが見えないんだよねぇ」
飴家 真珠 :
[ころしあわずになんとかできるなら そうしてみたいけど]
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[でも わたしにはあまり じしんがないかも] 目を瞑り、胸元に両手を置きながら自分の心の中に巣食う憎悪を見つめる。
ロッキー :
「まあ、そうだねぇ…」ぽんっ、と真珠の肩に手を置いて
ロッキー :
「出来ないと決まったワケじゃないし、やるだけやってみるのも良いかもしれないよ?」
ロッキー :
「僕サマもそこまではエスコートするさ。なんて言ったって、王子様だからね」軽く鼻を鳴らして
飴家 真珠 :
「…………」 目を開けて、ロッキーを見て
飴家 真珠 :
[ありがとう おうじさま] 小さく笑う
的場啓吾 :
『…………』 ちょっと気まずそうに眼を逸らしてから
的場啓吾 :
『ああ……そこの君、蹄啼と言ったな』
蹄啼 イバラ :
「……あら、わたくしに何か?」"無謀"と"挑戦"は別物だろうと、呆れた様子で二人を見ていたが、パラディンに振り向く。
的場啓吾 :
『”ジョーカー”とは分かり合えない。確かに君の言う通りかもしれない』
的場啓吾 :
『そのことは、この中で私が一番強く実感しているだろう』
的場啓吾 :
『だが、宿主の方ならどうだろうか?』
的場啓吾 :
『私は……以前の宿主と対話することもなく討伐してしまった』
的場啓吾 :
『それを試すことすらしなかったのは、今も心に引っかかっている』
的場啓吾 :
『奴のエネルギー源を断つ……つまり宿主を改心させることで対処ができないか。その可能性はまだ誰も試していない』
蹄啼 イバラ :
「改心……ファム・ファタールにいて初めて聞きましたね、その言葉~……」
的場啓吾 :
『FHには縁遠いものだからな』
飴家 真珠 :
[でも もしかしたらかのうせいはあるかも]
飴家 真珠 :
[あのひと ほんとうはそこまでわるいひとじゃないきがするよ]
飴家 真珠 :
[ジョーカーにファンのひとたちをあやつれっていわれたとき それはダメってしてたし]
多々良那 浅香 :
「振り切れてない感じあってダサかったけど、なんか一発ガツンとやってやれば引っ込みそうな感じはしてたかな?」
ロッキー :
「説得か、試してみたことはないけれど……上手くいくと言うなら、それも有りかもしれないね」
蹄啼 イバラ :
「黒沢さんの歪みの原点は、最愛のアイドルに裏切られたこと────同じくアイドルのわたくし達に、それをどうにかしろと~?」
的場啓吾 :
『……そう言われてしまうとこちらも弱いな』
的場啓吾 :
『人に寄り添うというのは、簡単だが単純ではない。ただ愛が深くてもダメだ。彼の歪みを理解できる者でなければ……』
多々良那 浅香 :
「ちょっと高望みじゃな~い?んなのいる~?アイドルに私生活ぶっ壊された人~」
飴家 真珠 :
「……」 ないない、と首を横に振る
ロッキー :
「僕サマも思い当たらないな~……」
蹄啼 イバラ :
「…………」幼い頃、親友だと思っていた少女に裏切られたことはある。
蹄啼 イバラ :
彼の人間不信に共感もできる。が、傷の舐め合いはごめんだ。
蹄啼 イバラ :
「みなさん、心当たりはないようで~……」浅香の方を向いて、肩を竦める。
飴家 真珠 :
[じっさいにどうすればいいかはまだわからないけど それでもいろいろなことがわかったね]
飴家 真珠 :
[ありがとう パラディンさん]
的場啓吾 :
『うむ、あまり具体的な案を出せなくてすまないが……おっと、そろそろ時間のようだな』 腕時計を確認して、お互いに次の予定が迫っていることを思い出す。
飴家 真珠 :
「!」 ハッとして、
飴家 真珠 :
[まってパラディンさん! あとひとつだけ!] 慌てて手を挙げて引き止めようとする
的場啓吾 :
『む、何だろうか?』
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「……………………」 えーと、と少し悩んで、
飴家 真珠 :
[あまり むりはしないでくださいね]
飴家 真珠 :
[おげんきで] 不安気に文字を出して、小さく笑う
的場啓吾 :
『……君に心配されてしまうとはな』
的場啓吾 :
『いや……君だからこそか』
的場啓吾 :
『私に言えたことではないが、無理に家族を背負う必要はない、と思うよ』
的場啓吾 :
『お互い、お元気で』 普段の険しい表情から想像もできないような、柔らかい笑顔で別れを告げる。
飴家 真珠 :
「……!!」 ばいばいと、胸の前で両手を振る。
GM :
切断音とともに、ビデオ通話が終了する。
GM :
相変わらず有効な作戦はないままだが、”ジョーカー”についてさまざまな情報を得ることはできた。
GM :
問題はどう戦うかだけでなく、次はいつ会えるのかというところにもあるが……アイドル活動を続ける限りはどこかで対峙することになるだろう。
GM :
裏の顔がひと段落つけば、今度は表の顔。
GM :
あなたたちは息つく間もなく、レッスンへと向かうのであった。
GM :
レッスンを終え、すっかり夜も暮れた。
GM :
ユニットを組んだと言っても自宅組は普通に自宅に帰ったりと、別に24時間一緒にいるわけではなく、夜は解散しそれぞれプライベートな時間を過ごしている。
GM :
真珠は食材の買い出しなどのために近所のスーパーに寄っていた。
GM :
…………。
GM :
買い物をしていると、どこかから視線を感じる気がする。一応、アイドルだとバレないように気は使っているはずだが……。
飴家 真珠 :
「……?」
飴家 真珠 :
気のせいかな、とか思いながら周囲を見渡してみます。
GM :
あなたが振り返ると……見覚えのある人物がそこに立っている。
GM :
切り揃えられたメッシュ入りのボブカットが印象的な、中性的な魅力を持つ女性。
GM :
一日、任務で過ごしただけではあるが、忘れるようなことはないだろう。
GM :
Re:tryのメンバーで、かつてあなたたちの標的だった武者小路勇姫その人だ。
武者小路 勇姫 :
「……よっ」 軽く手を挙げて、はにかんで挨拶する。
飴家 真珠 :
「!?」 元から大きな目をさらに大きくして
飴家 真珠 :
釣られて、反射的にぎこちなく手を挙げ返す。
武者小路 勇姫 :
「……元気そうやん。あれから何ともなかった?」 近づいて、何事もなかったかのようにそう尋ねる。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
“一応、元気です。何ともないことはなかったけれど” と、慌ててメモ帳を取り出して、文字を書いて見せる。
武者小路 勇姫 :
「そっか、なら良かったわ」 それを聞いて、ほっと息をついて
武者小路 勇姫 :
「……ここだと目立つし話しづらいか。時間大丈夫? ちょっと外で話せん?」
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
その提案に驚きながら、またメモ帳を捲って、
飴家 真珠 :
“時間は大丈夫だし、わたしは勇姫さんとお話しできて嬉しいけれど”
飴家 真珠 :
“怒ってないんですか? わたしはあなたにひどいことをしようとしたのに” 不安そうに少し震えた文字を書いて見せる。
武者小路 勇姫 :
「あ、ん~……どうなんやろな?」 腕を組んで考え込み
武者小路 勇姫 :
「怒ってるってよりは、なんで? って方が強いかも……」
武者小路 勇姫 :
「……だから、ちゃんと話したいんやと思う。君がなんであんなことしようとしたのか、結局わからんままになってるし……」
武者小路 勇姫 :
「あ、てかウチは地下ドルやからこういうとこフツーに歩いててもバレへんけど、真珠ちゃんはヤバいんちゃう? とりあえず移動せーへん?」
飴家 真珠 :
「……」 こくんと頷き、メモ帳をしまって買い物袋を両手で持ち直す。素直について行くらしい。
武者小路 勇姫 :
「ん、ありがとな」
GM :
……促されるまま、スーパーの外へ移動する。
武者小路 勇姫 :
「あ、そうや!!」 移動しながら、思い出したように声を上げて。
飴家 真珠 :
「?」 どうしたのかと、勇姫を見る
武者小路 勇姫 :
「デビューライブ見たよ。すごかったやん……チケット取れへんかったから配信やけど」
武者小路 勇姫 :
「新人のライブがミュージカル仕立て!? そんで世界観の作り込みも凄いし、それをぶった切っておはさかと蹄啼イバラも出てくる!? 現地で見れへんかったのが残念やったなぁ……」 早口でまくしたてるみたいに感想を述べて行く。
飴家 真珠 :
「…………」 驚いて固まりながら、その感想を聞いている。普通、襲撃してきた相手のライブを楽しんで観れるものなのだろうかと。
武者小路 勇姫 :
「……そ、その反応、やっぱウチってこの辺の感覚人とズレてんねんな……」 なぜかダメージを受けている
飴家 真珠 :
「!!」 慌てて首を何度も横に振って、
飴家 真珠 :
「…………」 少し頬を赤らめながら、小さく笑う。そして、
飴家 真珠 :
ありがとう、と唇を動かす。戸惑いはあったが、ライブを観て褒めてくれて嬉しいらしい。
武者小路 勇姫 :
「あ、へへ……やっぱめっちゃ美少女や、笑ってると破壊力がちゃうもんな……」 にへら、と笑って
飴家 真珠 :
「……」 くすっと笑う。少し緊張も解れてきたらしい。
武者小路 勇姫 :
「あんないいパフォーマンスが出来て……やっぱ天下取ってる事務所は新人もちゃうんやなって思った」
武者小路 勇姫 :
「……だから、尚更不思議やねん。社長はウチらを潰しに来たって言ってたけど、本当にそれだけか? って」
武者小路 勇姫 :
「……せっかく推せそうなアイドルと会えたのにさ、あんな形で別れたっきりなんて、そんなん悲しいやん」
武者小路 勇姫 :
「だからまあ、なんちゅうか、社長……支部長に内緒でこうやって話しにきたんよ」
飴家 真珠 :
「…………」 心配そうに勇姫を見つめる。内緒で話しに来たなんて、もしバレたらその支部長に怒られるのではないかと。
武者小路 勇姫 :
「あーー……もしかして心配してくれてる? ええよ、別になんかルールで縛られとるわけでもないからちょっと釘刺されるくらいやと思う」
飴家 真珠 :
それなら安心した、と胸元に手を置いて小さく微笑む。
武者小路 勇姫 :
「……やっぱ、詳しくは言えへん感じ?」
GM :
あくまで無理に聞くつもりはなく、あなたが話すのを待っているようだ……。
飴家 真珠 :
「……!?」 慌てて首を何度も横に振って、
飴家 真珠 :
周囲をきょろきょろ見渡すと、適当な通りすがりの一般人を指差す。
飴家 真珠 :
そして、次に困ったような顔をして、口元の前で両手の人差し指を交差させてバツを作った。
飴家 真珠 :
ここだとまだ人気があるから話しづらいと言いたいらしい。
武者小路 勇姫 :
「あ~……せやな。ごめん、えっと……こういうときバロールとかやと便利なんやけどなぁ」
武者小路 勇姫 :
「このへんに中立の組織がやってる秘密で喋れる店あるから、個室入ろうか」
飴家 真珠 :
「……!」 うんうん、と頷く。
武者小路 勇姫 :
「よし、じゃあ……」
GM :
……と、おもむろに勇姫が選んだのは、なんの変哲もない中華料理店だった。
GM :
それなりの立地の割には中は閑散としている。通る人はなぜ潰れていないのか不思議に思うだろう。
飴家 真珠 :
「!」 中華だ! と少し嬉しそうに笑う
武者小路 勇姫 :
「おっちゃん、奥の席2人で。それから……」
武者小路 勇姫 :
「『チャーシュー麺チャーシュー抜き』と『ワンタン麺のワンタン抜き』ひとつずつ」
GM :
店員が「あいよ」と返事すると、二人は店の奥へと案内される。
GM :
中はどうしてそんなスペースがあるのか、大量の個室の入口がずらりと並んでいて、その中の一室が割り当てられた。
武者小路 勇姫 :
「お腹減ってる? ついでやしなんか頼もうか?」 テーブルについて
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と考えて
飴家 真珠 :
[おなかはすいてるけど えんりょするね] ピンク色に輝く光の文字を胸の前にぱっと出して
飴家 真珠 :
[ラーメンすきだけど あんまりそういうのはたべちゃだめかなっておもって]
飴家 真珠 :
[ほら いちおうわたし もうアイドルだし] えへへ、と笑いながらお腹をさする。
武者小路 勇姫 :
「い、意識が高い……! これが地上アイドルか……」
武者小路 勇姫 :
「てか、すごい!! そうやってコミュニケーション取ってんねんや、なるほどな~」 素直に感心している
飴家 真珠 :
[うん オーヴァードのひとあいてならびっくりされることないし]
飴家 真珠 :
「…………?」 って、一応襲撃された時にも見てなかった? と不思議そうに首を傾げる。あの日は色々あったから忘れてしまったのだろうか。
武者小路 勇姫 :
「…………あれ、もしかして初めてじゃないんか? そ、そういえばあのとき出してたわ……!」
飴家 真珠 :
勇姫の様子を見て、口元に手を添えながらくすくす笑う。
武者小路 勇姫 :
「あんとき必死やったからなんとなく受け入れてたけど……そ、そうやった。うっかりしてたわ、配慮足りひんかったな……ごめん」
飴家 真珠 :
「!?」 全然謝ることないない、と両手を胸の前で何度も横に振って
飴家 真珠 :
[それより ゆうきさんがしりたいこと はなしてもいいかな]
飴家 真珠 :
[ちょっとながくなっちゃうけど きいてもらいたいの]
武者小路 勇姫 :
「……うん、お願いしてもええかな」 やらかした~、と情けない顔から、急に真剣な顔に戻って。
飴家 真珠 :
「…………」 頷いて
飴家 真珠 :
真珠はテーブルの上に、光で文字をゆっくりと描いていく。
飴家 真珠 :
自分はFHに捨てられた元実験体で、江戸川大吾という別のFHセルリーダーに拾われたこと。
飴家 真珠 :
その江戸川と、同じような境遇のチルドレンたちと一緒に幸せに暮らしていたこと。
飴家 真珠 :
しかし数ヵ月前、謎のオーヴァード“殺戮人形”の襲撃を受け、一人生き残ってしまったこと。
飴家 真珠 :
殺戮人形に復讐するために街を彷徨っていたら、ファム・ファタールのスカウトを受け、復讐を手伝ってもらう条件でアイドルになったこと。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
そして、復讐の覚悟を示すために、ロッキーに命じられていた勇姫の襲撃任務を手伝うことになったこと。
飴家 真珠 :
その全てを、勇姫に告白する。
武者小路 勇姫 :
「…………なるほどなぁ……」 頷きながら、静かに聞いていた。
飴家 真珠 :
[ごめんね いやなはなしだったよね] 申し訳なさそうに笑みを浮かべる
武者小路 勇姫 :
「いや、とんでもないよ。ウチから聞きたくて聞いたんやしな」
武者小路 勇姫 :
「あんまりFHのことってよう知らんけど、えげつないことさせるもんなんやな……そうかぁ……」
武者小路 勇姫 :
「そんであの日、調子悪そうやったんやな」
飴家 真珠 :
「…………」 うん、と頷く
飴家 真珠 :
[みんなにもせなかをおしてもらって じぶんではかくごをきめたつもりだったんだけど]
飴家 真珠 :
[ゆうきさんとじっさいにあって はなしてみたら なんだかうまくできなくなっちゃって]
飴家 真珠 :
[けっきょくわたしはなんのかくごもできてなくて おまけにロッキーちゃんのあしもひっぱちゃうし]
飴家 真珠 :
[ほんとにダメダメなの わたし] 自嘲するように笑う
武者小路 勇姫 :
「いやいや、そんなことないって」
武者小路 勇姫 :
「ウチから言わせて貰えばさ、踏みとどまれたってことやん」
飴家 真珠 :
[そうかもしれないけど それでよかったのかわからなくて]
飴家 真珠 :
「……!」 ハッとして
飴家 真珠 :
[いや やっぱりゆうきさんにしんでほしかったとか そういうふうにおもってるんじゃなくて!]
飴家 真珠 :
[ただ わたしにはかぞくのかたきをうつ かくごもちからも ぜんぜんないのがダメっていうか!]
飴家 真珠 :
[ゆうきさんがいきててくれたことは ほんとうによかったとおもってるの!] あわあわしながら光の文字をあっちこっちに出す。
武者小路 勇姫 :
「お、おお、おおおお……!」 飛び交う文字を目で追う
武者小路 勇姫 :
「もちろん、わかってるよ。焦らんでも大丈夫。……ちょっとウチの考えを言うてみてもいい?」
飴家 真珠 :
「……!!」 うんうん、とすぐに頷く
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃんはできなかったんやない」
武者小路 勇姫 :
「きっと……江戸川さんが真珠ちゃんを止めてくれたんやと思う」
飴家 真珠 :
「……?」 パパが? と目を丸くする。
武者小路 勇姫 :
「江戸川さんはFHの人やけどさ……やられたらやり返せ、殺されたら殺してやれって……たぶんそういう風には真珠ちゃんに教えんかったんちゃう?」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[うん そんなこと いちどもいわれたことはないよ] 思い出を振り返るように目を閉じる
武者小路 勇姫 :
「それは、真珠ちゃんのこと見てたらわかるよ。それに……お医者さんなんやもんな。ウチも医者の娘やから、なんとなくわかる気がする」
飴家 真珠 :
「……!」 そうなんだ、と目を開いて勇姫を見る。何となく親近感が湧いた気がするらしい。
武者小路 勇姫 :
「むしろ命を大切にしろって、子供達に教えようとしてたんちゃうかな」
武者小路 勇姫 :
「悲しみや怒りの中でも、人を思いやる気持ちを忘れずに踏みとどまることができる……そういう風に江戸川さんが育ってほしかったんやとしたら」
武者小路 勇姫 :
「やっぱり真珠ちゃんは『できなかった』んやない。パパが止めてくれたんよ」
武者小路 勇姫 :
「……なーんて、全部ウチが思ただけのことやけどな」 真面目なトーンで説教臭くなったのを気にしてか、おどけた表情に戻って。
飴家 真珠 :
「…………」 勇姫の表情を見て、口元を緩ませる。
飴家 真珠 :
[もしそうだとしたら あのときパパはてんごくであんしんしてくれてたのかな]
飴家 真珠 :
[でも いまはまだしんぱいにおもってるのかも わたしがどうすればいいのかまよってるから]
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[わたし もしかして かたきうちなんてやめたほうがいいのかな]
飴家 真珠 :
俯きながら、青い文字を傍に浮かばせる。
武者小路 勇姫 :
「……死者は語らん」
武者小路 勇姫 :
「だから、生前の江戸川さんたちを知らん人は、真珠ちゃんの行いを見て江戸川さんがどんな人やったんかって知ることになる」
武者小路 勇姫 :
「……真珠ちゃんは、みんなに江戸川さんのことをどんな人やと思うて欲しい?」
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と考えて
飴家 真珠 :
[わたしのじまんのパパだよって おもってほしい かも] また目を瞑って
武者小路 勇姫 :
「なら、やめといたほうがええんちゃうかな?」
武者小路 勇姫 :
「でも……そう言われて割り切れることちゃうもんな」
飴家 真珠 :
「……」 小さく頷いて、
飴家 真珠 :
[わたし キリングドールのことゆるせない]
飴家 真珠 :
[パパやみんなをころしたやつが いまもどこかでいきてわらってるかもしれないなんて そんなこと ぜったい] 膝の上に置いた手を握りしめて、
飴家 真珠 :
[だけど わたし キリングドールのことなにもわからないの]
飴家 真珠 :
「…………」 顔を上げて
飴家 真珠 :
[わたしね あのひのきおくがないの]
飴家 真珠 :
[だから みんながころされたときのことも キリングドールのことも ほんとはなにもおぼえていないの]
武者小路 勇姫 :
「そうなんか。なるほどな……」
武者小路 勇姫 :
「何べんもしつこくてごめんやけど……またウチの考えを言うてもええ?」
飴家 真珠 :
もちろん、と頷く。
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃんは復讐がどうとかいう前に、まず真実が知りたいんやと思う」
武者小路 勇姫 :
「みんなを殺した奴が許せないのはもちろんやろうけど、それ以上に、なんでみんなが殺されたのかわからないことが許せない」
武者小路 勇姫 :
「だから、もしかしたら……それを知って納得できたときに、気持ちが変わる可能性があるんとちゃうかな?」
飴家 真珠 :
「…………」 勇姫の目を見つめて、
飴家 真珠 :
[わたしも おなじことかんがえてた]
飴家 真珠 :
[すごいね ゆうきさん こころよむのうりょくとかもってるのかな] 冗談っぽく笑う
武者小路 勇姫 :
「ははは……ありがとう、どっちかというと鈍いって言われること多いんやけどな……」
飴家 真珠 :
「……?」 そんな風には見えないけどな、と不思議そうに見て
飴家 真珠 :
[わたし しんじつをさがしにいこうとおもう]
飴家 真珠 :
[どうして みんながころされなくちゃいけなかったのか]
飴家 真珠 :
[キリングドールはなにもので ほんとうはなにがしたいのか]
飴家 真珠 :
[それをちゃんとしって なっとくできるかはまだわからないけれど]
飴家 真珠 :
[そこではじめて スタートラインにたてるようなきがするの]
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃん……」
武者小路 勇姫 :
「その、それなんやけどさ」
武者小路 勇姫 :
「ウチもその、江戸川さんのセルについて調べてみようか? 余計なお節介やなかったらアレやけど……UGNのほうからしかわからんこともあるんやないかと思う」
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[いいの? その わたしはすごくたすかるかもしれないけど]
飴家 真珠 :
[ゆうきさんにも いろいろやることがあるのに]
飴家 真珠 :
[それに まだけがも] 手袋を嵌めた勇姫の手を、申し訳なさそうに見つめる
武者小路 勇姫 :
「え、あー、うん……まあ、忙しかったんやけどな。ワケあって今はちょっと時間もあるし」
飴家 真珠 :
「…………」 心配そうに見つめる。やっぱり怪我が治りきっていないからだろうか、と。
武者小路 勇姫 :
「……いやいや、戦闘とかになるようなことは絶対に避けるからそこは心配せんでええよ!?」
武者小路 勇姫 :
「てかアレか……やっぱ気にしとる? これ」 手袋を嵌めて隠しているが、怪我したほうの腕を上げて
飴家 真珠 :
[だって わたしとろっきーちゃんをまもるために けがしたから]
飴家 真珠 :
[ほんとうにごめんなさい] 頭を下げる
武者小路 勇姫 :
「いやいや、ほんまにええんやって! でも……うーん、そうやな……」
武者小路 勇姫 :
「じゃあ、こうしようか」
飴家 真珠 :
「?」 顔を上げる
武者小路 勇姫 :
「ウチはこの怪我させられたこと許す。真珠ちゃんも、ロッキーちゃんも、それを指示した誰かも含めてな」
武者小路 勇姫 :
「だから、真珠ちゃんとロッキーちゃんも、もし誰かに傷つけられたりしても、その人のことをすぐには憎まずに一度は許してあげて欲しい」
武者小路 勇姫 :
「それでチャラにしよう。……やっぱアカンかな?」
飴家 真珠 :
「…………」 それを聞き、ふふっ、と小さく吐息を漏らして笑う
飴家 真珠 :
[ゆうきさんって おひとよしだね]
飴家 真珠 :
[なんだか うちのパパみたい]
武者小路 勇姫 :
「そうなん? まあ、ウチは医者にはなれんかった人やけど……」
武者小路 勇姫 :
「子供の頃からずっと医者になりたいって思ってきたから、お医者さんのパパとはちょっと通ずるとこあるんかもしれへんな」
飴家 真珠 :
そうなのかも、と微笑みながら見つめて。
飴家 真珠 :
[ありがとう ゆうきさん]
飴家 真珠 :
[わたし ゆうきさんのいったこと ちゃんとまもるようにするね]
武者小路 勇姫 :
「お、おう。ただまあ、オーヴァードの世界ってアレやからな……あまりにもあんまりなこともあるし、無理にとは言わへん」
武者小路 勇姫 :
「それこそ、自分の命が優先なときだってあるしな」
飴家 真珠 :
うん、としっかりと頷いて、
飴家 真珠 :
[じゃあ おねがいしてもいいかな]
飴家 真珠 :
[パパのセルについて しらべること]
武者小路 勇姫 :
「おう、なんとかやってみるわ」 任せろよ、と言わんばかりに決め顔でウィンクして
飴家 真珠 :
釣られたように、ありがとう、と真珠もウインクを返す
武者小路 勇姫 :
「よし、じゃあまたなんかあったら連絡……おいそれと取れへんけど、どうにかするわ」
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃんも次のライブあるし、大変やろ? お時間ありがとうな」
飴家 真珠 :
[ううん だいじょうぶ]
飴家 真珠 :
[ゆうきさんとあえて おはなしできて ほんとうによかったから] 笑顔を向ける
武者小路 勇姫 :
「くっ……これが地上アイドル、眩しすぎる……!」
飴家 真珠 :
[ゆうきさんもかわいいのに] 大げさだな、と笑う
飴家 真珠 :
と、そうして、ふと思い出す。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[そうだ ゆうきさん] 真剣な顔になって
飴家 真珠 :
[あともうひとつ つたえておかないといけないことがあるの]
武者小路 勇姫 :
「え、そっちからウチに?」
飴家 真珠 :
[うん あのね]
飴家 真珠 :
黒沢のことや、ジョーカーのことについても情報を共有したいです! もうここまできたらこれくらいの情報漏洩は誤差
GM :
おお、ありがたい!
飴家 真珠 :
知っといた方がいい情報だからね……!
飴家 真珠 :
[ゆうきさんもアイドルだから もしかしたらねらわれるかもしれない]
飴家 真珠 :
[だから きをつけてほしくて] 心配そうに、灰色の文字を浮かばせる。
武者小路 勇姫 :
「へー、なるほどなぁ……じゃあ彩芽さんたちが忙しそうに調査しとったんってそういう……」
武者小路 勇姫 :
「……あ、これは言ったらアカンやつやった。ごめん忘れて」
飴家 真珠 :
[ううん それはむりかも] 立ち上がって、勇姫の隣の席に座りに行って
飴家 真珠 :
[ゆうきさんとのおはなしは ぜんぶおぼえておきたいから] 顔を近づけて、くすっと笑う
武者小路 勇姫 :
「え、え!?? 何やそういうの!?」 さすがに動揺して
武者小路 勇姫 :
「こ、これがファム・ファタールの本領か……恐ろしいやつや……」 テーブルに転がってにやけてしまう。
飴家 真珠 :
「……???」 きょとんとして
飴家 真珠 :
[ゆうきさん なごりおしいけど わたしそろそろいくね]
飴家 真珠 :
[なにかわかったら またわたしをみつけにきてほしいな]
武者小路 勇姫 :
「おう、またな!」 伝票を受けとり
GM :
その後は会計で勇姫が「ウーロン茶800円!? 高すぎやろ!?」「場所代も込みなんで……」と店員と問答したりしつつ。
GM :
意外な協力者を得て、あなたの物語はまた一歩進んだのであった。
GM :
ロイスの取得、購入判定など可能です!
飴家 真珠 :
わたし…だけと見せかけてシーン繋がってるから他の人もいけるやつだ
GM :
そう!
飴家 真珠 :
アイドルだし、ノリでステージ衣装を購入しに行こう!
GM :
おお!!
飴家 真珠 :
目標値15なので無理な可能性の方が高い、振ります
飴家 真珠 :
3dx(3DX10) > 4[1,2,4] > 4
飴家 真珠 :
ムリ!
GM :
しかたないね!
飴家 真珠 :
そんなものなくてもファムファタが用意してくれるってこと
蹄啼 イバラ :
わたくしはアイカツをしますよ~
多々良那 浅香 :
私もアイカツはしちゃおっかな 普通にバトスーとか買うと美味しい可能性がある
GM :
どぞどぞ!
ロッキー :
自分もアイカツ!
蹄啼 イバラ :
8dx+20+2 ヴァイオリンを使った<芸術:音楽>(8DX10+22) > 8[3,4,4,5,6,7,8,8]+22 > 30
GM :
ちょうど5点になった
蹄啼 イバラ :
5点もらいますよ~
system :
[ 蹄啼 イバラ ] 財産点 : 6 → 11
多々良那 浅香 :
(2+1+0)dx(10+0)+10+0 〈知識:ゲーム〉判定(3DX10+10) > 4[3,3,4]+10 > 14
system :
[ 多々良那 浅香 ] 財産点 : 4 → 7
ロッキー :
4dx+5 <芸術:演技>(4DX10+5) > 10[2,2,3,10]+9[9]+5 > 24
ロッキー :
うまい!!
ロッキー :
4点いただきます
GM :
うまい!うまい!
system :
[ ロッキー ] 財産点 : 6 → 10
ロッキー :
ロイスも今のところはイジらない!
GM :
そのくらいかしら!
飴家 真珠 :
殺戮人形のロイス感情を、執着/〇憎悪→〇執着/憎悪に変更します!
GM :
おお! 了解です…!
GM :
ではシーンエンド!
Scene 10 零時の鐘が鳴る
GM :
本番が近づいてきます! 全員登場お願いします!
飴家 真珠 :
80+1d10(80+1D10) > 80+1[1] > 81
ロッキー :
82+1d10(82+1D10) > 82+2[2] > 84
蹄啼 イバラ :
81+1d10(81+1D10) > 81+10[10] > 91
多々良那 浅香 :
86+1d10(86+1D10) > 86+9[9] > 95
GM :
AILsでのライブ……もとい、東京ドリームフェスの本番も近づいたある日。
GM :
あなたたちは、本番の段取りなどを確認するために事前に開放された会場を訪れていた。
GM :
あなたたちのほかにも、関東中からさまざまなアイドルが駆けつけて会場の様子を確認している。
GM :
当日は、この全員と演技を競うことになるのだろう。
GM :
そんな期待と不安を胸に、あなたたちは一通りの確認を終えて一足先に会場を後にしようとする……。
GM :
…………。
GM :
どこからか視線を感じる。まるでバレバレの尾行でつけられているような……。
飴家 真珠 :
「…………?」 なんだか前にも似たようなことがあった気がしながら、周囲を見渡す
ロッキー :
「ん~? 熱烈なファンでも着いてきているのかな?」 仕事柄、こういう事に敏感だ
多々良那 浅香 :
「会場にいたモブかもよ?ステージで勝てないから……みたいな」
嫌味に
蹄啼 イバラ :
「あら、それは困りますね~……」口では言うが、それはそれで拷問の口実ができる。
武者小路 勇姫 :
「誰がモブやねん!」
GM :
思わず、日陰から身を乗り出してツッコむ。
飴家 真珠 :
「!!!」 あ! と驚いて、
飴家 真珠 :
ゆうきさん!! と嬉しそうに唇を動かしながら、笑顔で駆け寄る
多々良那 浅香 :
「ナイスツッコミ、誰ぞワレ!」
ロッキー :
「おや、センパイじゃあないか! どーだい調子は!」
蹄啼 イバラ :
「飴家さんとロッキーさんが、随分と親しげに~……」
蹄啼 イバラ :
「"ゆうきさん"……"センパイ"……? ああ、もしかして例の任務の~……?」
ロッキー :
「そ、暗殺対象だったセンパイさ」飄々と
多々良那 浅香 :
「えぇ……お友達になっちゃったのぉ……?」
普通に困惑
飴家 真珠 :
駆け寄って、そのままの勢いで勇姫ちゃんに抱きつきます。
武者小路 勇姫 :
「わーーーーっ!? お、お久しぶりやな……」 勢いで押されながらもしっかり受け止めて、へへ、とちょっとにやけ。
飴家 真珠 :
「…………」 嬉しそうにすりすりと抱きしめてから、
飴家 真珠 :
[こんなところであうなんてびっくりした どうしたの?] 一般人にバレない程度に小さな光の文字を、勇姫の前に浮かばせる
武者小路 勇姫 :
「おう、そうや……! 例の件、情報が取れたから持ってきたんよ」 鞄から封書を取り出して。
武者小路 勇姫 :
「……で、二人で話せるタイミングを探ってたら、こんなことに……」
多々良那 浅香 :
「UGNの娘と情報交換してたってことぉ……?えりちゃんも真っ青のどストレート情報漏洩なんスが……」
真珠ちゃんに困惑と呆れの視線を向けて
ロッキー :
「おや、何だい真珠姫。センパイとないつー?していたのかい?」悪い顔で見つめて
ロッキー :
「それともぶんつー?だっけ?」
蹄啼 イバラ :
「いえ、彼女の口振りからすると、わたくし達に黙って密会を交わしていたようですね~……」
飴家 真珠 :
「!!」あっ、と今更気付いて、
飴家 真珠 :
[ごめんみんな ゆうきさんとはこのまえあって なかよくなって]
飴家 真珠 :
[パパのセルのことしらべてくれるっていうから おねがいしていたんだけど]
飴家 真珠 :
「…………」 やっぱり勝手にそんなことしちゃダメだったかな……えへへ……と、後頭部を搔きながら笑う
武者小路 勇姫 :
「そうそう、ファムファタの情報ちゃうで。あくまで個人的な話や!」
多々良那 浅香 :
「んじゅちゃんやーばw……あたしは良いけどさ……はは、ママもマジギレはしないと思うけど、これをダシに何言われても知らんよ~?」
後が怖いぞ~とけらけら笑いながら
飴家 真珠 :
「……!?」 びっくりしてる
蹄啼 イバラ :
「……ふ~~ん」
蹄啼 イバラ :
「なるほど~、少なくともウソはないようですね~」武者小路勇姫の色彩から、発言に虚偽はないと判断する。
蹄啼 イバラ :
「……どうやら、二人っきりで非常にプライベートで親密なお付き合いをしたようです」
飴家 真珠 :
[でも まだいっかいあっただけだよ?] そんなに? と不思議そうに
蹄啼 イバラ :
「…………まあ、飴家さんがどんな方と付き合って、どんな目に遭おうが、わたくしの知った事ではありませんが~」
飴家 真珠 :
「????」
飴家 真珠 :
何か感じ取ってるのか、どうしたの? とイバラの顔を覗き込んでいる。
多々良那 浅香 :
「イバラちゃんがご立腹ですよ真珠ちゃん……!」
ソソソと横に来て別に隠れもしない耳打ち
飴家 真珠 :
「!?」 やっぱりそうなの!? と浅香に振り向く
ロッキー :
「はは~ん、これは~……」いつものアニメ知識を脳内で検索して
ロッキー :
「……ヤキモチ、ってやつじゃないのかい? イバラ姫~?」 意地の悪そうにからかう
蹄啼 イバラ :
「やきもち? わたくしが?」
武者小路 勇姫 :
「そうなん? 蹄啼コーポレーションのご令嬢にも可愛いとこあるやん」
蹄啼 イバラ :
「いえ、それだけはありません。わたくしと飴家さんはそんな親しい間柄ではありませんし~」
蹄啼 イバラ :
「そもそも、怒ってもいませんよ~」
蹄啼 イバラ :
「ただ未遂に終わったとはいえ、暗殺のターゲットと親しくできる事が理解できなくて~」
蹄啼 イバラ :
「しかも、敵対しあっているFHとUGNの人間がですよ~?」
飴家 真珠 :
[それはもう ゆうきさんがゆるしてくれたから]
飴家 真珠 :
[そしきとしてはともかく こじんてきにはもうおともだちなの] ね、と勇姫と顔を見合わせる
武者小路 勇姫 :
「な!」 顔を見合わせ
ロッキー :
「そうだねぇ。センパイには助けてもらった恩もあるし……」
蹄啼 イバラ :
「なるほど~、どちらも控えめに言って────」頭がおかしいんじゃないか。という言葉を呑み込む。
蹄啼 イバラ :
「なんというか、懐が広いんですね~? 殺し合いまでなったのに許しちゃうなんて~?」
多々良那 浅香 :
「ねぇ、あたしだったら次会ったら普通に殺してるわ、痛い思いしてるなら猶更」
多々良那 浅香 :
「しかも怪我したの手っしょ?ゲームできんじゃんしばらく」
はえ~と感心して
武者小路 勇姫 :
「そりゃできんけど……え、おはさかってリアルでもこんな感じなん?」 真珠ちゃんに小声で尋ねる
飴家 真珠 :
「?」 浅香ちゃんはいつもこんな感じだけど? と目を丸くしている
武者小路 勇姫 :
「そ、そか……まあ、うちのグループはうちのグループでちょっと変なんかもしれん」 価値観がRe:try基準なのでゲームできなくなったくらいで? と疑問に思ってるらしい
蹄啼 イバラ :
「(暗殺に来たFHエージェントと仲良くしてる人間の方が、よっぽど変だと思いますが~)」本当に親愛の色をしてて気持ちが悪い。
飴家 真珠 :
「…………」 イバラを見て
飴家 真珠 :
[いばらちゃん やっぱりやきもちやいてるの?]
蹄啼 イバラ :
「……焼いてほしいなら、コンガリと焼いて差し上げましょうか~?」どこぞの魔女みたいに窯に入れて
飴家 真珠 :
[うん やいてくれてるなら なんだかちょっとうれしい!] ぱあっと笑って
飴家 真珠 :
[だいじょうぶだよ いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[わたし ゆうきさんのこと だいすきだけど]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんのことも いっぱいだいすきだから!]
飴家 真珠 :
そう小さな光の文字をぴょんぴょんと跳ねさせながら、イバラを抱きしめる。
蹄啼 イバラ :
「うう、ただでさえ暑いのに~……」抱きしめられて、苦しそうにする。
蹄啼 イバラ :
「どっちも大好きは単なる尻軽発言でフォローになってませんし、さきほど言った通り、別に妬いてませんし……」
蹄啼 イバラ :
「ああ、もういいから離れてください~……」困っている
武者小路 勇姫 :
「あれ、真珠ちゃんってもしかせんでも……無敵??」
飴家 真珠 :
「?」 何が? とイバラちゃんにくっつきながら笑っている
多々良那 浅香 :
「そうだぞ」
蹄啼 イバラ :
「"馬鹿に付ける薬はない"を、良いように言いすぎですね~……」もう疲れている。
ロッキー :
「ふふん、真珠姫はいつだってシタタカ? だよ」
飴家 真珠 :
[なんかぜんぜんよくわからないけど みんながおこってるわけじゃなくてよかった]
飴家 真珠 :
[それなら ゆうきさんのしらべてくれたじょうほう みさせてもらってもいいってことだよね?]
蹄啼 イバラ :
「もう好きにしてください……情報をもらうだけなら、こちらに不利益はないでしょうし~……」あと離れてください。と身をよじる。
飴家 真珠 :
はーい、とやっとイバラから離れて勇姫の方へ。
武者小路 勇姫 :
「おう、おかえり……おかえりか? えーっと、情報見せるにしてもここやと人多すぎてアレやな」
蹄啼 イバラ :
「もういいですよ、ワーディングで全員気絶させれば~……」面倒くさくなっている。
飴家 真珠 :
「!?」 よくないよね!? と驚いて振り向く
武者小路 勇姫 :
「アカンアカン! フェスが中止になってまう!」
飴家 真珠 :
[じゃあ まえにいったあのおみせいく?] 人差し指を立てて
武者小路 勇姫 :
「ああ、”中立地帯”やな。このへんにも支店があるはずや」
武者小路 勇姫 :
「え~……みんなはどうする? ウチのが年上やし、一杯くらい奢るで」 たぶんみんなの方が稼いでるけど……とボソッとつぶやきながら
ロッキー :
「奢りというなら喜んでいくさ!」
蹄啼 イバラ :
「一杯? 喫茶店か何かでしょうか~?」
飴家 真珠 :
[ちゅうかりょうり だよ!]
蹄啼 イバラ :
「ああ、なるほど~? 一杯と言うと、ラーメンでしょうか~?」朝霧さんが食べさせられていたな~と思い返す。
多々良那 浅香 :
「ああ、そゆこと?中華なら普通に歓迎だけど。お腹空いたし」
一杯どころか普通に一食奢らせようとしている
蹄啼 イバラ :
「わたくしは奢っていただかなくて結構ですよ~、UGNの方に貸しを作るのはあまり褒められたコトじゃありませんし~」思いっきり貸しを作っている真珠を一瞥してから、勇姫に向き直る。
蹄啼 イバラ :
「……とはいえ、何も注文しないのも失礼に当たってしまいますね。ごま団子だけ頂くとしましょうか~」小食なイバラには、ラーメンは重かった。
武者小路 勇姫 :
「うわー、錚々たる面子やな!」 言ってる場合ではない
武者小路 勇姫 :
「じゃあ行こか! ちょうど歩いて五分くらいのとこにあるな」
飴家 真珠 :
「!!」 行こう行こう! と、嬉しそうに勇姫の怪我していない方の手を握る
多々良那 浅香 :
「ここであたしらがワッと暴れだしたら秒で死にかねないのに君もよくやるよね~」
へらへらと何でもないことのように歩きながら
武者小路 勇姫 :
「おう、頑丈さには自信あるし一発では死なんで。言うて逃走手段もちゃんと用意してあるからな」
GM :
…………歩くこと数分。
GM :
着いたのは、何の変哲もないさびれた中華料理屋だ。
武者小路 勇姫 :
「おっちゃん、奥の席5人で。それから……」
武者小路 勇姫 :
「『チャーシュー麺チャーシュー抜き』と『ワンタン麺のワンタン抜き』ひとつずつ」 前回と同じように、勇姫が合言葉を店員に告げる。
ロッキー :
「? ふつーのラーメンで良くないかい、それ?」わかっていない
多々良那 浅香 :
「ベタ~~!」
ウケている
武者小路 勇姫 :
「合言葉や! ベタやけど……こういうのやっぱりテンション上がらん?」 奥に案内されながら
ロッキー :
「合言葉! 秘密のあんごーでやり取りするのは、確かにロマンだね!」たしかに、と目を輝かせて
蹄啼 イバラ :
「その浪漫はともかくとして、こんなお店には初めて入りました~」まわりを見回して、ぜんぜん関係ないところでテンションが上がっていた。
蹄啼 イバラ :
「ふふ、見てください? 飲食店なのに、テーブルがベタついていますよ~?」
飴家 真珠 :
「!!」 言われてみればほんとだ! と、びっくりしている
多々良那 浅香 :
「町中華的あるあるだけどそれはあたしもイヤ」
自分の生活環境は棚上げする
蹄啼 イバラ :
「お風呂に入らないアイドルが言えた事ですか~……?」
多々良那 浅香 :
「オイ!!外で言うんじゃねぇそれを!ライブ準備中はちゃんと入っとるわ!!!」
武者小路 勇姫 :
「(らみどらの二人とどっちがマシかな……)」
蹄啼 イバラ :
「いつも入ってください? 自分のメンテナンスは基本でしょう?」マジレス
多々良那 浅香 :
「おかしい……生きてるだけで偉いはずなのに……」
リスナー曰く。
飴家 真珠 :
[いきてるだけでえらいよ!!] 両手を胸の前でグッと握りしめて
武者小路 勇姫 :
「天使がおる……」
蹄啼 イバラ :
「いえ~? その言葉は何も成せていない空虚な人々に対する、上辺ばかりの慰めにすぎないのでは~?」
武者小路 勇姫 :
「悪魔みたいなこと言うとる人もおる!?」
飴家 真珠 :
まあまあ、と笑いながら店員に案内された個室の方に向かっていこうかな。
ロッキー :
「僕サマ、ちゃーしゅーめんが食べたい!」 中華初見なのではしゃぎながら奥へ向かう
武者小路 勇姫 :
「チャーシュー麺な。イバラちゃんはゴマ団子だけでええんやったっけ? それと……」
GM :
奥のテーブル席に案内されると、勇姫が全員の注文を取って店員に告げる。
GM :
そして、室内には5人が残された。ほかの個室にも客はいるはずだが、不気味なほどに静かだ。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[じゃあ ゆうきさん しらべたことをおしえてもらってもいい?] 気を取り直して、勇姫に向かって
武者小路 勇姫 :
「おう。って言っても、実はウチもまだ内容は把握してへんねん」
武者小路 勇姫 :
「この封書の中に取り寄せた情報が入ってる」 封書をテーブルに出して
飴家 真珠 :
「……!」 封書を見て
飴家 真珠 :
[わたしが あけてもいい?] 少し緊張した面持ちで
蹄啼 イバラ :
「飴家さんがいちばん気になっている情報でしょうし、そもそも、飴家さんが頼んだ事ですしね? まあ適任かと~?」
武者小路 勇姫 :
「その前に、ウチから言わなアカンことがある」
飴家 真珠 :
「?」
武者小路 勇姫 :
「まず、真珠ちゃんのいたセルやけど、あのセルの壊滅事件を処理したんて実はUGNなんよ。だからUGN以外は情報持ってへんかったんやと思う」
飴家 真珠 :
「……!」 そうだったんだ……と、驚いて
武者小路 勇姫 :
「で、本来ならFHの人間である真珠ちゃんにUGNの情報やあげられへんのやけど……」
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃんはFHの人間である前に、レネゲイド事案の被害者であり、あの事件の家族の生き残りでもある」
武者小路 勇姫 :
「だから、交渉の余地がある相手として日本支部に直談判して特別に取れるだけの情報を取ってきてもらった」
武者小路 勇姫 :
「……この情報をもとに真珠ちゃんが何か行動を起こしたら、当然ウチもその片棒を担ぐことになる」
武者小路 勇姫 :
「ウチはその覚悟はできてるつもりやけど、そのことは頭の片隅に置いておいてほしい。……以上、ええかな?」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
勇姫の言葉を真剣な顔で受け止め、静かに、しっかりと頷く。
武者小路 勇姫 :
「よし、じゃあ開けてみよう」
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
封書をテーブルに広げて、みんなで確認します!
武者小路 勇姫 :
「…………」
武者小路 勇姫 :
「………………な、なんやこれ!?」
GM :
出て来た高級紙を見るなり、勇姫が困惑の声を上げる。
GM :
……そこには、一面黒塗りの文書とともにこう書かれていた。
『――本件、重要機密事項を含むため封印指定とする。』
第1版 20XX年XX月XX日
承認 ”リヴァイアサン”
情報処理担当 ”零時の鐘”
武者小路 勇姫 :
「…………り、り、り………」
武者小路 勇姫 :
「リヴァイアサアアアァァァアンン!!!!!!」 店中に響き渡るのではないかというくらいの大声で叫ぶ。
飴家 真珠 :
「!?!?!?!?」 仰け反りながら、両耳を手で押さえる
武者小路 勇姫 :
「なーにーが『勇姫さん、この情報で人を生かすも殺すもあなた次第です。細心の注意を払ってください』やねん!!!!」
武者小路 勇姫 :
「あの化けタヌキ、人の気持ちも知らんで涼しい顔でゴミ屑渡しよってからにーーー!!!!!」
武者小路 勇姫 :
「ぜぇ……ぜぇ……」 ひとしきり叫ぶと、机に突っ伏す。
飴家 真珠 :
[ゆうきちゃん だいじょうぶ?] まだ耳鳴りで頭がくらつきながら
ロッキー :
「りゔぁ…なんちゃら、ちゃんとした資料をくれなかったのかい?」なにこれ、海苔?と黒塗りの資料を覗いて
蹄啼 イバラ :
「どの組織もトップに振り回されるものなのですね~……それはそれとして、店内ではお静かに~……」冷ややかな態度で
武者小路 勇姫 :
「すまん……大口叩いておきながらこんなもんしか用意してあげられんで……」
多々良那 浅香 :
「てか交渉相手"リヴァイアサン"かい!大物に大立ち回りしてるね~」
飴家 真珠 :
「!!!!」 いやそれは勇姫ちゃんのせいじゃないから、と両手を慌てて横に振って、
飴家 真珠 :
[その リヴァイアサンってひとのことは よくしらないんだけど]
飴家 真珠 :
[それより これって] “零時の鐘”の文字を指差して
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんの コードネームじゃなかったっけ?]
ロッキー :
「ん、お? お~……」ジッと見つめて
多々良那 浅香 :
「あ~ん?そうだっけ?」
蹄啼 イバラ :
「ええ。飴家さんにしては、良いところに目をつけましたね~」
飴家 真珠 :
[やっぱりそうだよね!?]
飴家 真珠 :
[これってどういうこと? ほんとにUGNのじょうほうなんだよね?] 混乱した目で
多々良那 浅香 :
「ははぁ、あのアイドルオタク……やることやってんだねぇ?」
腕を組んでどっかりと座りなおす
武者小路 勇姫 :
「……え、この人って今ファムファタにおるん? どういうこと?」
ロッキー :
「プロデューサーとして働いているよ。入ったのは少し前らしいけどね」
飴家 真珠 :
「……………………」 黙って考え込んで、
飴家 真珠 :
[もしかして れーいちろーさんはむかしはUGNにいたってこと?]
武者小路 勇姫 :
「……そういや、この事件の担当者はもうUGN辞めたって言うとったな」
蹄啼 イバラ :
「前々から思ってはいたのですよね~、FHが発掘してきた素人のオーヴァードにしては、情報処理能力が卓越しすぎているって~」UGNで情報処理を担当していたなら納得だ。
飴家 真珠 :
[わたしはぜんぜん きづきもしなかったかも]
蹄啼 イバラ :
「まあ、飴家さんですからね~」暴言
飴家 真珠 :
「…………」 困ったように笑って
飴家 真珠 :
[でも そういうことなら はなしははやいよね]
飴家 真珠 :
[UGNが こっちにはじょうほうをわたせないってしても]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんにきけば おしえてくれるってことだもん!] 安心した~、と笑顔になる
ロッキー :
「聞きにいく価値はあるだろうね。素直に話してくれるかは本人次第……かな?」
武者小路 勇姫 :
「ん~……じゃあ、一応マジのゴミではなかった感じか」
飴家 真珠 :
[うん! ありがとう ゆうきちゃん!] 勇姫の怪我していない方の手に触れる
武者小路 勇姫 :
「へへ……どういたしまして!」 にやけて
ロッキー :
「うむ、センパイには感謝するよ。大きなヒントは得られたワケだしさ」
蹄啼 イバラ :
「ええ、プロデューサーとはじっくり“お話”したいですね~? なにしろ……」
蹄啼 イバラ :
「────裏切り者の嫌疑が浮上した訳ですから~♪」
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんがダブルクロス? どうしてそうなっちゃうの?]
蹄啼 イバラ :
「プロデューサーは、UGNにいた事を黙っていた……疑わない方が無理があると思いますが~?」
蹄啼 イバラ :
「それに前々から"内通者"の存在は囁かれていましたよね~? ほら、松本さんの一連の事件や、武者小路さん暗殺任務の情報が漏れていた件など~♪」
多々良那 浅香 :
「あたしも先にそっち想像しちゃったんだよね~、UGNからFHへってよりかはまだそっちと繋がってる的な」
そっち、と言いながらムシャちゃんを指して
飴家 真珠 :
「!?!?!?」
飴家 真珠 :
[いやいや そんなわけないよ!?]
飴家 真珠 :
[さっきゆうきちゃんが たんとうしゃはもうUGNやめたっていってたでしょ!]
飴家 真珠 :
[UGNとFHはてきどうしだから わざわざむかしのことをいうひつようもないって おもったんじゃないかな?]
蹄啼 イバラ :
「それ、貴女がそう思いたいだけですよね?」冷たく言い放つ
飴家 真珠 :
「っ!」 ビクッと肩を震わせて
飴家 真珠 :
[で でも]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは すごくいいひとだし]
飴家 真珠 :
[ないつうしゃとか そんなふうにはぜんぜんおもえないよ] しょぼ…として
蹄啼 イバラ :
「貴女が言うことは何一つ、彼の潔白の証明にはなっていませんね~」
ロッキー :
「……まあ、どっちにしても」
ロッキー :
「僕サマたちを害するなら敵、そうでないのなら味方……」
ロッキー :
「話としては、簡単だよね?」肩を竦めて
飴家 真珠 :
「……………………」 俯いてしまう
多々良那 浅香 :
「そそ、何にせよあの甘さが演技だとはまぁ~~~思えないし、真珠ちゃんが問いただせば全部話してくれるっしょ」
武者小路 勇姫 :
「……ウチが言うのも変な話やけどファムファタのセルリーダーって二条純恋さんやろ?」
武者小路 勇姫 :
「あの人のことはうちの社長からもちょっと聞いとるけど、そんな大胆にプロデューサーなんてポジションに入り込んで騙し通せる相手なんか?」
蹄啼 イバラ :
「……高度な記憶処理能力があれば、やれない事はないんじゃないですか~?」あくまで疑う姿勢だ。
ロッキー :
「そこら辺はよくわからないけど……しゃちょーが利益になると踏んで入れたんだから、考えはあるんじゃないのかい?」
多々良那 浅香 :
「ママがちゃんと騙されてたらそれはそれで一生イジれそう」
蹄啼 イバラ :
「……みなさん、社長を過大評価しすぎでは~? あの方、けっこうテキトーですよ~?」自分をダンスさせる事を、まだ根に持っているイバラだった。
飴家 真珠 :
「…………」 そうかなぁ、と小さく笑う
武者小路 勇姫 :
「ん~……とりあえず本人に聞いてみなきゃやな」
武者小路 勇姫 :
「さすがにウチはそっちの本拠地までは乗り込めへんし、あとは真珠ちゃんがなんとかしてくれるか?」
飴家 真珠 :
[うん わたしがちゃんときくよ]
飴家 真珠 :
[ほんとうにありがとう ゆうきちゃん] ぺこっと頭を下げる
武者小路 勇姫 :
「ん、お安い御用よ」 頭を軽くぽんと撫でて
飴家 真珠 :
えへへ、と笑う。
飴家 真珠 :
「…………」 頭を上げて
飴家 真珠 :
[いばらちゃん] 突然、イバラを呼ぶ
蹄啼 イバラ :
「……なんですか~? いきなり?」
飴家 真珠 :
[いばらちゃんがいうように れーいちろーさんはないつうしゃじゃないって わたしがそうおもいこみたいだけだとおもう]
飴家 真珠 :
[だけどそれって べつにいけないことじゃないよね?]
飴家 真珠 :
[わたし しんじたいの]
飴家 真珠 :
[わたしをここまでしんじて アイドルにしてくれた プロデューサーのこと] そうピンク色の文字を胸元に浮かばせながら、笑顔を向ける
蹄啼 イバラ :
「べつにいけないことじゃない?」
蹄啼 イバラ :
「いいえ、いけないことですよ────?」こくりと首を傾げる。
飴家 真珠 :
「!?」 あれ!? と驚く
蹄啼 イバラ :
「……何度も言っている通り、ヒトは誰しも嘘をつく生き物」
蹄啼 イバラ :
「信じてしまったら、信じた分だけ裏切られるんです」
蹄啼 イバラ :
「信じ込んだら信じ込んだだけ、裏切られた時の傷が深くなるんです」
蹄啼 イバラ :
「……ですから、信じてはいけませんよ誰も」
飴家 真珠 :
「……」
飴家 真珠 :
「…………?」
飴家 真珠 :
「……………………!」 ハッとして、
飴家 真珠 :
[もしかして いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[わたしのこと しんぱいしてくれているの?]
飴家 真珠 :
[もしうらぎられたら わたしがすごくきずつくから]
飴家 真珠 :
[だからずっとそんなふうに ひとをしんじてはいけないって いってくれてたの?] 自分の中で合点がいったように、小さく笑う
蹄啼 イバラ :
「はああああああ……」頭を抱える。
蹄啼 イバラ :
「貴女はいつもいつも~……他人の言葉を、自分の都合の良いように取りますよね~……」
飴家 真珠 :
「????」
飴家 真珠 :
[つごうもいいもなにも ぜったいそうでしょ!]
飴家 真珠 :
[なんだかすっきりした! そういうことだったんだ!] よかったよかった、と晴れ晴れとした笑顔
蹄啼 イバラ :
「……誰かなんとかしてください、このひと」真珠を指差して
多々良那 浅香 :
「"無敵"の看板に偽り無し……」
武者小路 勇姫 :
「いや~……生憎可愛い女の子にだけは勝てんでな……」 腕組みして見守ってる
ロッキー :
「ずるずる…」いつの間にか届いていたチャーシュー麺を啜っていた
飴家 真珠 :
[わたしも ごはんたべなきゃ! はやくれーいちろーさんに はなしききにいかないと!] 低カロリーそうなレバニラ炒めを前に、いただきますと手を合わせている
武者小路 勇姫 :
「そうそう、とりあえず食うもん食うてからよ。いただきます!」 冷やし中華を啜る。
多々良那 浅香 :
「町中華は炒飯が一番うまい、いたでゃ~す」
もそもそ
蹄啼 イバラ :
「…………」届いたゴマ団子のように頬を膨らませて、箸で持ち上げた薄い皮越しに"まったく呑気すぎます"と真珠を睨む。
飴家 真珠 :
「?」 睨まれてるとは思わず、にこにこしながらレバニラ炒め食べてる
GM :
…………。
GM :
その後は会計で勇姫が「チャーシュー麺1500円!? 高すぎやろ!?」「最近はオーヴァードの世界にも物価高の波が……」と店員と問答したりしつつ。
GM :
あなたたちはプロデューサー、泊里零一郎を追求しに事務所へと戻るのであった。
GM :
……ファム・ファタール事務所。
GM :
あなたたちが戻ると、泊里はちょうど次のイベントに向けた企画の資料を作成していた。
GM :
プロデューサーという立場柄、会議などで席を外すことも多い。何か聞くのなら今がチャンスだろう。
飴家 真珠 :
「!!!!」 バーン!!! とドアを開けて、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん!!!] クソデカ赤文字を背後に出しながら、どたどたと部屋の中へと入っていく
泊里 零一郎 :
「うわ!? どうしたんだい、飴家さん!」 扉を開く音で振り返れば、ただ事ではない様子のアイドルたちに動揺する。
多々良那 浅香 :
「ニ〇ニ〇動画すぎるよ真珠ちゃん」
多々良那 浅香 :
「邪魔しちゃうよ~~ん」
ずかずかと入っていく
ロッキー :
「たのも~う!」ズカズカと続いて
蹄啼 イバラ :
「……社長に確認を取ってからにしたかったのですが、みなさん突っ込んでいってしまいました~」失礼しますね~と最後に入ってくる。
飴家 真珠 :
「…………」 泊里に顔を近づけて、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは うらぎりものなんかじゃないよね!?] と、目の前に光の文字を見せてくる
泊里 零一郎 :
「裏切り者……? 一体、なんの話だい?」
多々良那 浅香 :
「流石に性急すぎるかもね!!説明しよう……」
勝手にムシャちゃんからもらったペライチを召喚!
泊里 零一郎 :
「そ、それは……!?」 見覚えがあるのか、動揺して一歩下がる。
飴家 真珠 :
[ともだちから もらったの!] 前に一歩詰めて、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん しょうじきにこたえて]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは むかしはUGNにいたってだけで]
飴家 真珠 :
[べつにないつうしゃとか そういうわけじゃないよね!?]
飴家 真珠 :
[ちゃんとこたえてくれなかったら わたし]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんのからだ ぜんぶさわっちゃうから!!] 両手を上げてにじり寄る
多々良那 浅香 :
「セクハラ宣言!?!?」
蹄啼 イバラ :
「……飴家さんの問題発言はともかく」
蹄啼 イバラ :
「プロデューサーならご存じかと思いますが、わたくしはヒトの心象を見通す”色慾の魔眼”を持っています~」
蹄啼 イバラ :
「下手な誤魔化しはムダですよ~」
泊里 零一郎 :
「と、とにかく落ち着いてくれ……」
泊里 零一郎 :
「こうなってしまっては潮時か……。どういうことか、説明しよう」
飴家 真珠 :
[まずはけつろんからいって! うらぎりものじゃないって!] もうあと数ミリで胸が触れる位の距離
泊里 零一郎 :
「…………」
泊里 零一郎 :
「裏切り者ではないよ。……少なくとも、ファム・ファタールにとっての裏切り者では」
飴家 真珠 :
「……!!!!」
飴家 真珠 :
[ほんとだよね? ほんとにほんと? かみさまとわたしにちかってほんと?] 緊張していた顔が嬉しそうににやけていきながら
泊里 零一郎 :
「本当だとも。事務所の方向性を担う僕が元UGNの人間だと知れば、不安に思う人もいるだろう」
泊里 零一郎 :
「だから、僕の実力が認められるまでは黙っておこうと決めていたんだ」
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
[だよね!! やっぱり!!] ばんざーい、と両手を挙げて
飴家 真珠 :
みんなに振り向いて、それみなさい、と自慢げに胸を張る
ロッキー :
「よかったねぇ、少なくともレイイチローくんの首が物理的に飛ぶ心配はなさそうだ!」うむうむと頷いて
多々良那 浅香 :
「言葉じゃなんとでも言えるからねぇ……イバラちゃん頼んだ!」
蹄啼 イバラ :
「……そうですね~」色慾の魔眼は、あくまでヒトの感情を読み取る力。真偽は心の移り変わりによって判別する。
蹄啼 イバラ :
「その話、社長には通しているのでしょうか~?」
泊里 零一郎 :
「ここに誘われる前に、僕の身の上については社長も把握済みだよ。その上でみんなには明かさないように頼んだんだ」
泊里 零一郎 :
「その約束は、こうやってなし崩しにされてしまったけれどね……」
蹄啼 イバラ :
「まさかUGNのアイドルと交流を持つようなイカれた子がいるなんて、夢にも思わなかった訳ですね~」真珠を見て
泊里 零一郎 :
「本当に、どうやってこんなものを入手したんだ……」
飴家 真珠 :
[ゆうきちゃんがね わたしのセルのことしらべてくれるっていってくれたの!] 笑顔でいぇいいぇいと小躍りしながら
泊里 零一郎 :
「……そこまでたどり着いてしまったか」
泊里 零一郎 :
「これを渡せば僕が話すだろうと考えたのか……日本支部長も人の悪いお方だ」
多々良那 浅香 :
「全方位情報漏洩マシンと化した真珠ちゃんは怖いぞちゃんマネ、あたしはビビったね」
蹄啼 イバラ :
「……さきほど、プロデューサーは仰っていましたね~」
蹄啼 イバラ :
「ファム・ファタールにとっての裏切り者ではない、と」
蹄啼 イバラ :
「あの含みのある言い方とそちらの資料、何かしらの関わりがあるのでしょうか~?」首を傾げて、頬に手を当てる。
泊里 零一郎 :
「この事件――江戸川セルが壊滅した一件……」
泊里 零一郎 :
「その後処理を……そして飴家さんの記憶の後処理を担当したのは……僕だ」
飴家 真珠 :
「!?」 踊るのをやめる
飴家 真珠 :
[わたしのきおくの あとしょりって]
飴家 真珠 :
[わたしがあのときのこと おぼえてないのって れーいちろーさんがなにかしたってこと!?]
泊里 零一郎 :
「……黙っていてすまない」
泊里 零一郎 :
「なにせ起きたことが起きたことだったから、はっきりとした記憶を残しておくと君の心が危ういと思ったんだ」
蹄啼 イバラ :
「聞く話によると、そうでなくとも危うい精神状態だったと思いますが~」亡霊のように彷徨っていた訳で
蹄啼 イバラ :
「……さておき。ここまで話してくれたという事は、もう全てを教えていただけるのですよね~?」
泊里 零一郎 :
「……記憶を戻しても構わない。ただ、僕もすべてを把握しているわけじゃない」
泊里 零一郎 :
「それから……飴家さん以外の三人に約束してほしい」
泊里 零一郎 :
「記憶を戻すということは、心の傷を戻すということでもある」
泊里 零一郎 :
「ふとした時に思い出して、苦しめられることもあるだろう。これからも飴家さんのことを……どうか支えてあげて欲しい」
ロッキー :
「……記憶が戻る苦しみが、どれほどかは測りようがないけど……」
ロッキー :
「僕サマは、元より真珠姫のことを最後までエスコートするつもりさ」さも当然と、肩を竦めてみせる
飴家 真珠 :
[ありがとう おうじさま] ロッキーの手に触れて、笑う
多々良那 浅香 :
「家族が死んだときの記憶が帰って来る……ねぇ……」
どれほどの苦痛なのかが推し量れない。
蹄啼 イバラ :
「……う~~ん、わたくしはお断りします~」きっぱり
泊里 零一郎 :
「そこは……素直にはいと言うところじゃないのか」
飴家 真珠 :
[え? ささえてくれないの?]
蹄啼 イバラ :
「え? 支えませんよ?」
蹄啼 イバラ :
「"AILs"はあくまで一時的なユニットですし、いくらでも替えが効きます~」
蹄啼 イバラ :
「飴家さんとは他人同然、支えてあげるような義理はありませんよね~?」
飴家 真珠 :
「…………」 イバラの目を見て
飴家 真珠 :
[そっか わかった]
飴家 真珠 :
[じゃあ このはなしはここでおしまいだね!] ぱっと笑顔になって
飴家 真珠 :
[みんなかえろ! またねー れーいちろーさん]
多々良那 浅香 :
「お?え?」
飴家 真珠 :
ロッキーと手を繋ぎ、もう片方の手をばいばーいと振りながら去っていこうとする。
ロッキー :
「おやおや、なんだか薄味の姫だねぇ……」何かありそうだ、と勘繰りながら引っ張られて
泊里 零一郎 :
「僕が言うのも変な話だけれど……本当にいいのかい?」
飴家 真珠 :
[だって しょうがないでしょ?]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは すべてちゃんとはなすから みんなにわたしのことささえてほしいってやくそく してほしいんだから]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんがやくそくしてくれないなら れーいちろーさんがあんしんして はなせないじゃない?]
飴家 真珠 :
[ざんねんだけど しかたないなー あーあ いばらちゃんがささえてくれないからー]
飴家 真珠 :
[でもいばらちゃんがしたくないっていうんだから もうしかたないなー しかたないないなー] 両手を後ろで組みながら、目を瞑って口笛を吹いている
蹄啼 イバラ :
「…………」呆れたように溜め息を漏らす
蹄啼 イバラ :
「何か言わせたいのは分かりましたが、それで困るのはわたくしではなく貴女の方ですよね~?」
飴家 真珠 :
[べつにこまらないよ? わたしだってきおくをおもいだすの ちょっとこわいもん]
飴家 真珠 :
[それにわたしは れーいちろーさんがうらぎりものじゃないってわかっただけで じゅうぶんだし]
飴家 真珠 :
[どうしてれーいちろーさんが UGNからFHにきたのかとか べつにしらなくたっていいもんね]
蹄啼 イバラ :
「プロデューサーの弁明は、まだまだ不足していると思いますよ~」
蹄啼 イバラ :
「ああ、そもそも”裏切り者”の嫌疑が完全に晴れた訳でもないのに、こちらに約束してほしいと要求してくるプロデューサーがおかしいのでは~?」矛先がプロデューサーに向く
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんも ほんとはちゃんとはなしたいんだよ?]
飴家 真珠 :
[でもなー いばらちゃんがささえてくれないっていうからなー]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんが やくそくするって いってくれたらいいだけなのになー] イバラに近づいて、顔を覗き込みながら
蹄啼 イバラ :
「……そんなの他を当たればいいじゃないですか~」
蹄啼 イバラ :
「ビジネスライクな関係で行きましょう、とわたくし言いましたよね~?」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[いばらちゃんは ビジネスライクとか いくらでもかえがきくとか いうけどさ]
飴家 真珠 :
[わたしにとっては いばらちゃんのかわりはだれもいないよ]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんがいいの いっしょにいてくれるのは] 慣れない意地悪を言うのも疲れたのか、寂しそうに笑う
蹄啼 イバラ :
「────────」
蹄啼 イバラ :
「……ぇ、えっと、そんなセリフ、よく恥ずかしげもなく言えますね~?」流石にたじろいで
飴家 真珠 :
[べつになにも はずかしいこといってないでしょ?]
飴家 真珠 :
[ね おねがい いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[まえみたいに しんじゅさんってよんで なかよくしてよ]
飴家 真珠 :
[けっこうさびしかったんだよ? みょうじよびに もどされちゃったの] 小さく笑う
蹄啼 イバラ :
「…………」困ったように目を泳がせ
蹄啼 イバラ :
「ああ~~……もう仕方ありませんね~……」肩を落とし
蹄啼 イバラ :
「どのみち"はい"って言わないと、終わらないんでしょうし……分かりましたよ~……」
蹄啼 イバラ :
「その……傍で支えてあげますよ、"真珠さん"……」ぽつりと呟くように言う
飴家 真珠 :
「!!!!!!!」 その言葉を聞き、一瞬で笑顔になって
飴家 真珠 :
[やったあ!!] ハートのエフェクトを散りばめたピンク色の文字を浮かばせて
飴家 真珠 :
[ありがとう いばらちゃん だいすき!!] ぴょんっとうさぎのように跳ねてイバラに抱きつく
蹄啼 イバラ :
「あぁ、暑い~……何がそんなに嬉しいんだか~……」抱き着かれ、だが今度は自分から引き離そうとはしない。
蹄啼 イバラ :
「(本当はそんなつもりはないですが、その場しのぎで口にしただけ……ただそれだけ……)」と自分に言い聞かせ
蹄啼 イバラ :
「そ、それより、多々良那さん?」照れ隠しもあるのか、浅香に話を振る。
多々良那 浅香 :
「あい?」
真珠ちゃんの押せ押せに関心しながらぼけっとしてた
蹄啼 イバラ :
「貴女も地味に、あの恥ずかしい約束してませんよね~? 一人だけ抜け駆けは許しませんよ~?」
多々良那 浅香 :
「い~ん……支えるってどうやるかわからんち……凹んでたら慰めるとかでいいのぉ?」
泊里 零一郎 :
「人それぞれだけど……ただ傍にいるだけ、それだけでも僕はいいと思う」
飴家 真珠 :
[むずかしくかんがえなくて いいんじゃないかな?]
飴家 真珠 :
[わたしはあさかちゃんといっしょにいると いつもたのしくてげんきになれるし]
飴家 真珠 :
[そのままでいてくれたら わたしはすごくうれしいよ]
多々良那 浅香 :
「ふぅん……真珠ちゃんの悲しいののちょっとも分からなくても?」
にやけるのを止めて
飴家 真珠 :
[いいの! むりにわかろうとしなくたって] イバラから離れて浅香に近づいて
飴家 真珠 :
[だから これからもいっしょにいてくれる?] 浅香の手を取る
多々良那 浅香 :
「しょうがないにゃぁ……あぁいや、うん、わかった。いいよ」
多々良那 浅香 :
いつものようにちょけようとしたが、少し頭を振って目じりを下げる。
飴家 真珠 :
「……!」 また嬉しそうに笑顔になって
飴家 真珠 :
[ありがとう あさかちゃん]
飴家 真珠 :
[だーいすき!] 浅香に抱きつきにいく
多々良那 浅香 :
「恐ろしい娘よほんと、もうUGNとFHの調停役にしちゃったら?」
泊里さんに顔を向けて
泊里 零一郎 :
「……最初から要らぬ心配だったかもしれないな」
飴家 真珠 :
えへえへ笑いながら浅香をぎゅうっと抱きしめて、ようやく満足したのか離れると、
飴家 真珠 :
[あとあと もちろんロッキーちゃんもだいすき!] ロッキーを見て
飴家 真珠 :
[いつでもどんなときでも こんかいだって まっさきにささえてくれるっていってくれて]
飴家 真珠 :
[ほんとうにうれしいんだよ ありがとう わたしのおうじさま!]
飴家 真珠 :
もう全員にやりたくなったのか、今度はロッキーにぴょんっとジャンプしながら抱きつきに行く。
ロッキー :
「ああ、知っているとも!」抱き着いてきた真珠を受け止めて
ロッキー :
「僕サマは、最初に逢った時の約束は守るつもりさ。それを違えるのも悪っぽいけど……する理由もないし、かっこ悪いからね」
ロッキー :
「それに……」
ロッキー :
「僕サマも、真珠姫のことは大スキさ!」 ふふん、と鼻を鳴らして
ロッキー :
「もちろん、AILsのみんなもね!」 イバラと浅香にもウィンクして見せる
飴家 真珠 :
わたしも知ってるよ、と微笑んだ後、
飴家 真珠 :
出会った時のように、ロッキーの頬にキスをする。
ロッキー :
「んっ……や、やっぱりくすぐったいねぇ」口元を緩ませて
飴家 真珠 :
満足そうに、えへえへ笑いながらくっついている。
蹄啼 イバラ :
「……こういうノリ、控えめに言ってムリなので、話を進めるなら早くしてもらえませんか~?」
泊里 零一郎 :
「僕は毎回こうでも構わないけれど……そうだね。みんなの気が変わらないうちに、飴家さん、準備はいいかな?」
飴家 真珠 :
ロッキーから離れて、
飴家 真珠 :
[わたしのきおくを もとにもどすってことだよね?] 確認する
泊里 零一郎 :
「うん、そうだ」
飴家 真珠 :
[わかった だいじょうぶ]
飴家 真珠 :
しかし、でもその前に、と掌を泊里に向けて、
飴家 真珠 :
[ありがとう れーいちろーさん わたしのきおく けしてくれて]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは だまっててすまないって あやまってたけど]
飴家 真珠 :
[ぜんぶ わたしのことをおもってしてくれたんでしょ?] 両手を後ろに組みながら、顔を覗き込む
泊里 零一郎 :
「……善意がすべてではないよ」
泊里 零一郎 :
「そのほうが僕にとって都合がいい理由もあった……それは、思い出して貰えばおそらくわかるだろう」
飴家 真珠 :
[わかった]
飴家 真珠 :
[でも それでも わたしがここまでげんきでいられたのは きおくがなかったおかげだとおもうから]
飴家 真珠 :
[だからありがとう れーいちろーさん だいすき] 胸の前で指でハートマークを作りながら笑う
泊里 零一郎 :
「重ね重ね……お礼を言うのは僕のほうだよ」
泊里 零一郎 :
「では、はじめようか」
飴家 真珠 :
「!」 ばっちこい! と両腕を広げる
泊里 零一郎 :
「じゃあ、いくよ」
GM :
泊里は真珠の額に手をかざし……閉ざされた記憶の扉を開く。
GM :
数ヶ月前、真珠たちが暮らしていた廃病院。
GM :
セルリーダーの江戸川は、この暮らしが始まって以来の大口依頼であるオーヴァード改造手術に取り掛かろうとしていた。
江戸川 大吾 :
「さて……一通りの説明は済んで、これから手術に入る訳だが」
江戸川 大吾 :
「最終確認だ。一度オーヴァードになれば、もう普通の人間に戻る方法はない」
江戸川 大吾 :
「そんなろくでもない手術の費用が五千万円だ」
江戸川 大吾 :
「……本当にいいんだな?」
朝霧 ユラ :
「構わないよ」
朝霧 ユラ :
「何回も言ったでしょ。それでもう一度、ステージに立てるなら、あたしは化け物になってもいい……」
朝霧 ユラ :
「……あ、もしかして支払いのことを気にしてる?」
江戸川 大吾 :
「いや、あんたほどのアーティストの支払い能力を疑ってる訳じゃないが……」
江戸川 大吾 :
「オーヴァードの社会ってのはロクでもないもんだ」
江戸川 大吾 :
「単に化け物になるだけならともかく、自分が自分じゃなくなっちまうジャーム化のリスクと常に隣り合わせ。ワケのわからん組織の対立に巻き込まれて理不尽な目に遭うことだって珍しくない」
江戸川 大吾 :
「人のまま真っ当な手段でリハビリすれば……」
朝霧 ユラ :
「……車椅子が歩行器くらいにはなるかもね」
朝霧 ユラ :
「でも、それで妥協できるなら最初からこんなとこ来てないよ」
朝霧 ユラ :
「ロクでもない社会、上等じゃん」
朝霧 ユラ :
「あたし……そういうのは慣れてるから」
江戸川 大吾 :
「……はあ、何が君みたいな可憐なお嬢さんにそうまで言わせてしまうんだろうな」
江戸川 大吾 :
「わかった、始めよう」
GM :
…………数時間後。
GM :
…………。
江戸川 大吾 :
「起きたか。……なんとかジャーム化せずに終わったぞ」
朝霧 ユラ :
「ん……ありがとう」
朝霧 ユラ :
「腕も、脚も……ほとんど完全復活……なんか、調子良すぎてちょっと違和感あるけど……」
江戸川 大吾 :
「悪いが脊椎は全部機械化した。本当はキュマイラとか、エグザイルとか、その辺の再生力が高いシンドロームで綺麗に直してやりたかったんだが、適正が無かった」
朝霧 ユラ :
「ううん、十分すぎるよ。本当にありがとう」
江戸川 大吾 :
「……それで支払いの方なんだが……なあ、あんた……」
朝霧 ユラ :
「ああ、それなんだけどね……」
GM :
――それは、まさに音速の出来事だった。
GM :
ユラは執刀に使われたメスを拾い上げると、一瞬で江戸川の背後に周り背中から突き刺した。
江戸川 大吾 :
「……ッ!!」
朝霧 ユラ :
「支払いには心配ないって言ったよね……あれは嘘」
朝霧 ユラ :
「……あたしの稼いだお金、お母さんが事業に失敗して全部無くなっちゃったんだって」
朝霧 ユラ :
「今あたしにあるのは、スポンサーから請求された莫大な違約金だけ」
江戸川 大吾 :
「っこ、のクソガキッ……」
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「……ごめんね、優しいおじさん」
GM :
……血溜まりに沈む江戸川を一瞥して、ユラが出ていこうとした、その時。
GM :
手術室の扉が開き、異変を察知して駆けつけたあなたが現れた。
飴家 真珠 :
[パパ? なにかあ] 文字を表示しかけながら、心配そうに顔を覗き込ませて、
飴家 真珠 :
「…………ッ!?」 血だまりの中に倒れている江戸川を見て、目を見開く
朝霧 ユラ :
「…………」 最悪のタイミングで現れたあなたと、顔を見合わせる。
朝霧 ユラ :
「……言い訳はしないよ。あたしがやった」
朝霧 ユラ :
「悪いけど、見逃してくれないかな……」
朝霧 ユラ :
「化け物でもさ、子供は手に掛けたくないんだよ、分かるでしょ……」
GM :
ユラはあなたの横を通って手術室を後にしようとする。
飴家 真珠 :
「っ!! ……ッ!!!」
飴家 真珠 :
江戸川とユラを交互に見ながら、どうすればいいのか固まってしまっていたが、
飴家 真珠 :
ユラが隣を通った瞬間、待って、と反射的に彼女の肩に手を伸ばす。
朝霧 ユラ :
「……」
朝霧 ユラ :
「……ちょっと大人しくしてて貰うしかないかな」
GM :
ユラはあなたに向かってメスを振り上げる。
飴家 真珠 :
「……っ!!!」 動揺して、体が上手く動かない。迫りくる刃を、目を見開いて見つめる。
GM :
……が、それが振り下ろされることは無かった。
江戸川 大吾 :
「……俺の大事な……」
江戸川 大吾 :
「娘に……手を出すなっ……!」
GM :
間一髪で立ち上がった江戸川が、ユラの手を掴んだのだ。
朝霧 ユラ :
「あー…、あー……あーっ、もうっ!」
朝霧 ユラ :
「――どうしてあたしの人生いっつもいっつも、こうなっちゃうんだよっ!!!」
GM :
空気を切り裂くような、怒号一閃。
GM :
その叫びは音速を超え……あなたと江戸川の身体をズタズタに引き裂いた。
GM :
…………。
GM :
……意識が沈んでいく中、狂ったように笑うような、泣くような声が聞こえた。
朝霧 ユラ :
「……あ、はははは!」
朝霧 ユラ :
「やっちゃった……やっちゃったよ蹄啼……」
朝霧 ユラ :
「は、はは……あたしも……化け物の仲間入りだぁ……」
GM :
…………。
GM :
記憶が戻るとともに、幻視が掻き消える……。
GM :
泊里はあなたのことを心配そうに見ていた。
飴家 真珠 :
「……」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
足から力が抜けていき、床に両膝を突く。
飴家 真珠 :
「…………ァ」 喉の奥から掠れたような、軋んだような息が漏れて、
飴家 真珠 :
「────────────────────ッ!!!!!」
飴家 真珠 :
両手で頭を抱えながら、声の出ない叫びを上げた。
泊里 零一郎 :
「あ、飴家さん……!」 泊里が駆け寄って身体を支える。
飴家 真珠 :
「~~~~~~~~~~~~ッ!!!!」 両手で髪を掻きむしりながら、苦しそうに蹲っている。
ロッキー :
「……」何も言わず、ただ背中を擦る
多々良那 浅香 :
「おぉおぉ、おぐしを傷つけなさんな」
手首を握って自傷を止める
飴家 真珠 :
「……………………ッ」 手が止まる。だが、今度は蹲ったまま死んだように動かなくなってしまう。
泊里 零一郎 :
「…………」 何も言うことができず、立ちすくんでいる。
蹄啼 イバラ :
「真珠さん……」尋常ではない取り乱しように目を伏せる。
蹄啼 イバラ :
「明るい貴女がここまで取り乱すなんて……貴女が心に受けた傷は、わたくし達の想像が及ばないほど深いものだったということですか……」
蹄啼 イバラ :
「……………………」躊躇うように口を結んだあと、
蹄啼 イバラ :
「あの、プロデューサー? ここはわたくしに任せてもらえますか?」
泊里 零一郎 :
「飴家さんを、お願いするよ」
蹄啼 イバラ :
こくりと頷くと、意を決したように真珠の前に立ち。
蹄啼 イバラ :
それこそ真珠貝のように、自らの殻に籠ってしまった彼女と、目を合わせるように身を屈める。
蹄啼 イバラ :
「真珠さん、聞こえますか?」耳元にそっと唇を寄せて、静かに囁きかける。
当然ながら返す言葉はない。
蹄啼 イバラ :
「…………」おずおずと慣れない手つきで腕を伸ばし、飴家真珠の腰に回す。
そうして、包み込むように。震える少女の体を抱き締める。
ぎゅっと優しく、彼女がいつも自分にそうしているように。
蹄啼 イバラ :
「……わたくしの心音が、聞こえますか?」
届いているだろうか。この鼓動が、この体温が、この気持ちが。
蹄啼 イバラ :
「……落ち着いて、真珠さん」
蹄啼 イバラ :
「さきほど約束した通り、わたくしは傍にいますから」安心させるように頭を撫でる。
……これでは、なんというか。いつもと立場が逆じゃないだろうか?そんなことが少し可笑しい。
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
その言葉に対し、返事はない。
飴家 真珠 :
だが、ゆっくりと、手を伸ばしてイバラの背を掴み、
飴家 真珠 :
彼女の胸に顔を埋めて、心音に耳を澄ませるように目を閉じる。
蹄啼 イバラ :
「……そのまま、深呼吸しましょう? わたくしの呼吸に合わせて」
蹄啼 イバラ :
「すう……はあ……」
飴家 真珠 :
「…………」 ぎこちないが、言われた通りに呼吸をする。
蹄啼 イバラ :
「ふふ、上手上手……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしと一緒に、息を吸って~……吐いて~……」そんなやりとりを、しばらく繰り返した後。
蹄啼 イバラ :
「どうでしょう……? ちょっとは落ち着いてきましたか……?」少し体を離して、顔を覗き込む。
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
顔を上げる。その瞳は哀しみが今にも溢れ出しそうだったが、先程のように錯乱する気配はなくなっていた。
蹄啼 イバラ :
「……うん、もう大丈夫そうですね~」
蹄啼 イバラ :
真珠が落ち着いてきて、自分がしてるコトが気恥ずかしくなってきたのか。
蹄啼 イバラ :
「……それでは、わたくしはそろそろ」そう言って、真珠を引き離そうとする。
飴家 真珠 :
「…………」 体は引き離せるが、手はイバラの服の裾を掴んだまま離そうとしない
蹄啼 イバラ :
「……え? あの~?」服が引っ張られて逃げられない
飴家 真珠 :
[ごめんね みんな] イバラの服を掴んだまま、灰色の文字をゆっくりと自分の周囲に浮かばせ始める
飴家 真珠 :
[なんか すごく おかしくなっちゃって]
飴家 真珠 :
[でも もう だいじょうぶだから ごめんね] 弱々しく、笑顔を作る
ロッキー :
「落ち着いてくれたようで何よりさ」真珠を擦っていた手を離して
ロッキー :
「それに、優しいイバラ姫も見られたしね。やっぱり面倒見がイイお姉さんだ」その手をイバラの肩に乗せ、微笑みを向ける
蹄啼 イバラ :
「……あのままじゃ埒が明かなかったので、仕方なく動いただけですよ~」
蹄啼 イバラ :
「ここまできたら、何があったか話を聞きたいですし~」
多々良那 浅香 :
「ゆっくりね。それに滅茶苦茶しんどいこと思い出したらまぁこうもなるんでしょ」
乱れた髪を撫でつけて
飴家 真珠 :
[ありがとう あさかちゃん] 浅香を見てから、
飴家 真珠 :
[あ あの ろっきーちゃん]
飴家 真珠 :
[て はなさないで もっとそばにいて]
飴家 真珠 :
[みんなにふれてもらえてないと なんか だめになっちゃいそうで おねがい] 大丈夫と言ったが、まだいっぱいいっぱいらしい。上目遣いで懇願する。
ロッキー :
「ああ…それは…」頷く直前、弱弱しい真珠の姿にどこか心がざわついて…
ロッキー :
「……もちろん、姫の願いとあらば、ね」再び、背中へとあやすようにして手を置く
飴家 真珠 :
[ありがとう] 浅香に髪を撫でられ、ロッキーに触れられると、さっきよりも落ち着いたように見えるだろう
蹄啼 イバラ :
「……はあ、甘え上手なことですね~」肩を竦める
多々良那 浅香 :
「何度も良い思いさせてもらったし、返していかないとね~」
髪をいじいじして
飴家 真珠 :
「…………」 小さく笑って
飴家 真珠 :
「……………」 が、しかし、
飴家 真珠 :
「…………っ」 落ち着いてきたはずなのに、突然涙を零し始めていく。
ロッキー :
「おお、よしよし……よっぽどの記憶だったようだ……」ぽんぽんと背中を叩いて
飴家 真珠 :
[そうなの そうなんだけど でもちがうの] 首を横に振って、
飴家 真珠 :
[みんながいっしょにいてくれるのが みんながあたたかいのが うれしくて]
飴家 真珠 :
[もしわたしひとりだったら こんなの ぜったいしんじゃってたから]
飴家 真珠 :
[だから ありがとう ありがとう みんな]
飴家 真珠 :
涙で滲んだような文字を浮かばせると、目の前にいるイバラの胸にまた顔をくっつける。
蹄啼 イバラ :
「ま、またですか~……? 許可してないんですが~……?」とはいえ、無理やり引き剥がす訳にもいかない。
蹄啼 イバラ :
「ああ、もう……ほんとに仕方ない子ですね~……」落ち着くまで頭を撫でている。
飴家 真珠 :
[ありがとう~~~~~~] ずっと泣いたままくっついている
飴家 真珠 :
……そのまま、真珠は静かに泣き続けて、数分が経過。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[ごめんね もう ほんとにだいじょうぶ]
飴家 真珠 :
[ありがとう みんな] 涙の痕を付けたイバラの服から顔を上げて、さっきよりも元気を取り戻した笑顔を向ける
蹄啼 イバラ :
「……うう、真珠さんの代わりに、わたくしの胸元がびしょびしょのヨレヨレです~」なんなら下着が透けてしまっている。
飴家 真珠 :
「……!」 わあ、とおかしそうに笑ってる
多々良那 浅香 :
「おお、泣いたね~……多少でも整理ついた?」
柔らかく笑って
飴家 真珠 :
「……!」 うん……! と、頷いて笑う
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんも ごめんね こんなにとりみだしちゃって]
泊里 零一郎 :
「……ああ、みんなが支えてくれて、よかった」 ハンカチで顔を拭ってから、眼鏡をかけ直す。
飴家 真珠 :
本当にそうだよ、と感謝するように微笑んで
飴家 真珠 :
[あの その それでなんだけど]
飴家 真珠 :
[わたしのおもいだしたきおく みんなにつたえたいんだけど いいかな]
飴家 真珠 :
「…………」 イバラをちらっと見てから、
飴家 真珠 :
[ちょっと ショックなはなしだと おもうけど]
蹄啼 イバラ :
「ショックな話……? わたくしに何か……?」濡れた胸リボンをしゅるりと外しながら、首を傾げる。
飴家 真珠 :
「……」 うん、と頷いて
飴家 真珠 :
[でも きっとみんなも しっておいたほうがいいとおもうから はなすよ]
飴家 真珠 :
[あのね]
飴家 真珠 :
という感じで、思い出した記憶の内容を皆に伝えます!
飴家 真珠 :
真珠が直接見てないゆららのオーヴァード化の辺りは、推測を交えて確信として話したって感じで!
GM :
OKです! では共有!
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[だから キリングドールは]
飴家 真珠 :
[あさぎりゆら] 胸の前に、青い文字でその名前を綴る
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん、が……? 殺戮人形……?」イメージが繋がらないようで、真珠と同じ言葉を繰り返す。
ロッキー :
「イバラ姫が握手会の会場で会ったっていう、あの子かい?」腕を組んで
多々良那 浅香 :
「は~、大胆なことするもんだねぇ……」
飴家 真珠 :
[そう そうなの] 頷いて
蹄啼 イバラ :
「…………なる、ほど」
蹄啼 イバラ :
「オーヴァード化の手術があった、ということは納得できます」
蹄啼 イバラ :
「以前にお見舞いに行った時、彼女は立ち上がる事も出来ない重体だった。回復は絶望的とまで言われていた」
蹄啼 イバラ :
「……だというのに、握手会の会場で再会した時、彼女はなんと自分の足で歩けるほどに回復していた」
蹄啼 イバラ :
「それはオーヴァード化による恩恵だった、そう考えることは出来るでしょう」
蹄啼 イバラ :
「……でも、あの子が殺人なんて」
飴家 真珠 :
[だけど ほんとうなの]
飴家 真珠 :
[あのこはほんとうに あさぎりゆらだった] 記憶を探るように目を閉じて
飴家 真珠 :
[わたしがおもいだしたきおくが まちがいじゃなければ だけど]
泊里 零一郎 :
「……そうか」
泊里 零一郎 :
「やはり、朝霧さんはあの場所にいたのか」 震える手を抑えながら、ゆっくりと口を開く。
泊里 零一郎 :
「……僕がなぜあの事件の第一発見者になったかというと、病院から脱走した朝霧さんを探してあそこにたどり着いたからなんだ」
泊里 零一郎 :
「だが、そのときにはすべてが終わっていて……気を失った飴家さんだけがセルに残されていた」
泊里 零一郎 :
「彼女が殺戮人形……その可能性は、確かにあると思う。僕も、ずっと考えていた」
泊里 零一郎 :
「…………」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[ねえ れーいちろーさん]
飴家 真珠 :
[まえにいっていた れーいちろーさんのいちばんのアイドルって]
飴家 真珠 :
[ゆらら だよね?]
泊里 零一郎 :
「……もう隠しても仕方がないだろう」
泊里 零一郎 :
「彼女は、僕がマネージメントするアイドルのひとりで……その中でもずば抜けた才能の持ち主だった」
飴家 真珠 :
[やっぱり おなじじむしょだったから そうなんじゃないかなっておもった]
泊里 零一郎 :
「……飴家さん。眠っている君を見たとき……不謹慎ながら、僕は衝撃を受けたよ」
泊里 零一郎 :
「もし君が平穏な人生を送って、あんな事件に巻き込まれることもなかったなら……」
泊里 零一郎 :
「きっと周りが放っておかない、すばらしいアイドルになる。そんな可能性もあったんだろうなって……」
泊里 零一郎 :
「もし、そんな君と朝霧さんが殺し合う、そんな未来が訪れるとしたら……」
泊里 零一郎 :
「僕は……そんなことはどうしても耐えられなかった……」
飴家 真珠 :
[そっか]
飴家 真珠 :
[だから わたしのきおくをけしたんだね]
泊里 零一郎 :
「ああ……」
泊里 零一郎 :
「できれば復讐を忘れて、FHからも離れて生きてくれればと思ったけれど……そう上手くは行かなかった」
泊里 零一郎 :
「君がひとりで殺戮人形を追っているという噂を聞いて……ほかのセルに拾われるくらいならと、ファム・ファタールに誘ったんだ」
泊里 零一郎 :
「せめて僕の近くにおいて、二人が近づかないようにコントロールしようと……」
飴家 真珠 :
「…………」 目を閉じて、
飴家 真珠 :
[ありがとう れーいちろーさん] 立ち上がって、泊里に笑いかける
泊里 零一郎 :
「飴家さん……」
飴家 真珠 :
[あなたのおかげで わたしはこうしてアイドルになれたし]
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんや いばらちゃんや あさかちゃん]
飴家 真珠 :
[それに ほかにもたくさん いろんなひとたちとなかよくなれた]
飴家 真珠 :
[きっと あのままひとりでいたら わたしはジャームになってたとおもうから]
飴家 真珠 :
[わたしをこのセルにさそってくれて ほんとうにありがとう れーいちろーさん]
飴家 真珠 :
[だから そんなふうにもうしわけなさそうなかお しないでほしいな]
飴家 真珠 :
泊里に近づくと、微笑みかけながら彼の頭を両手でわしゃわしゃと撫でる。
泊里 零一郎 :
「……こんな僕に、そんな優しい言葉をかけてくれるのか……」
泊里 零一郎 :
「う、うぅぅ……! 飴家さん……」
飴家 真珠 :
大丈夫だよ、と笑顔を向け続けている。
泊里 零一郎 :
「……失礼、あの日セルであったことは、飴家さんの語った通りだ。僕よりも、実際に目にした飴家さんのほうが正確だろう」
泊里 零一郎 :
「そして……あのセルについて僕が隠滅した情報、ここまで来たら、それも説明しようと思う」
飴家 真珠 :
「?」 聞く構え
泊里 零一郎 :
「そもそも、なぜあの事件の情報がこれだけ強固に守られなければならなかったのか」
泊里 零一郎 :
「それは……実は犯人が原因ではない」
泊里 零一郎 :
「あの事件の被害者の中に、存在自体がUGNの機密に触れるものがいたからだ」
飴家 真珠 :
「……?」
飴家 真珠 :
[それってだれのこと?]
泊里 零一郎 :
「…………」
泊里 零一郎 :
「僕も日本支部長からはっきりとしたことは教えてもらってない。ただ……」
泊里 零一郎 :
「――実験体名”殺戮人形”」
泊里 零一郎 :
「その被害者の名前だけがいつの間にか裏社会で一人歩きし、『あの伝説の”殺戮人形”が突如蘇ってセルを全滅させた』とどこかで話が混同して語られるようになった」
飴家 真珠 :
「……???」
飴家 真珠 :
[キリングドールって もとはべつのじっけんたいのなまえだったの?]
飴家 真珠 :
[じゃあ もしかしてキリングドールってゆららじゃなかったのかな? わたしのきおくちがいだったのかも]
蹄啼 イバラ :
「真珠さんの話によれば、朝霧さんは江戸川さんに覚醒させられたはず……実験体である"殺戮人形"ではない、という事になりますね……?」
泊里 零一郎 :
「……”殺戮人形”は事件の真犯人ではない……というほうが正しいかな」
泊里 零一郎 :
「そういう話にしたほうが都合のいい誰かが、いかにも説得力のあるそういう話にしたんだろう」
多々良那 浅香 :
「ぁえ~……じゃぁ真珠ちゃんはそもそもかたき討ちの相手を間違わされてたってことぉ?」
泊里 零一郎 :
「そうだ」
泊里 零一郎 :
「だから”殺戮人形”なんてものを追っていても、真実には永遠にたどり着くことはできない」
泊里 零一郎 :
「その先にあるのは、亡くなった君の友達がUGNの凄惨な実験の被検体だったという事実だけだ……」
多々良那 浅香 :
「……これってママ知ってんの?」
泊里 零一郎 :
「……知らない。と思う。おそらくこの世界で真犯人と、僕と、日本支部長だけが知ることだ」
多々良那 浅香 :
「お~、流石にか。これで知ってたら流石にあくどすぎて爆笑してた」
よかった~~とお腹を叩いて
蹄啼 イバラ :
「そうですね~、もしそうだった場合……」
蹄啼 イバラ :
「"殺戮人形を探す"という意味もない目的で、マッチポンプ的に真珠さんを従え……ついでにプロデューサーの秘密を暴かせる……」
蹄啼 イバラ :
「そうした悪意があるように見えますものね~」
飴家 真珠 :
[すみれちゃんは そんなことするはずないでしょ] 困ったように笑って
多々良那 浅香 :
「フホ」
噴き出す
泊里 零一郎 :
「……僕の見立てだと、そうでなくてもあの人はまあまあ邪悪なことを……と、余計な推測はやめておこう」
飴家 真珠 :
「?」
飴家 真珠 :
[とにかく わたしがやるべきことは]
飴家 真珠 :
[まずは ゆららにはなしを きいたほうがいいのかも]
多々良那 浅香 :
「お労しやゆらら、イバラちゃんの次は真珠ちゃんに目を付けられるとは……」
よよ、と目じりを拭う動作をして
飴家 真珠 :
[べつに めをつけるとか そんなんじゃないよ!?]
飴家 真珠 :
[だって まずはいろいろたしかめないと!] 両手をばたばた振って
泊里 零一郎 :
「そうだね。僕も、彼女に話を聞きたいが……」
泊里 零一郎 :
「…………」 俯いて、それきり黙っている
蹄啼 イバラ :
「……朝霧さんといえば、一つ気になっているコトがあるのですが、よろしいでしょうか~?」
ロッキー :
「どうしたんだい?」
泊里 零一郎 :
「あまり彼女に関する個人的な情報まで漏らすのも……とは思うが、話さざるをえないこともあるか。なんだろうか」
蹄啼 イバラ :
「そもそも、朝霧さんは何らかの理由で重傷を負って、アイドルを続けるためにオーヴァード化を余儀なくされた訳ですが~……」
蹄啼 イバラ :
「彼女はどうして、大ケガをしたのでしょう……? 元マネージャーなら何か知りませんか~……?」
泊里 零一郎 :
「……その質問を君から聞くことになるとはね」 大きくため息をつく
泊里 零一郎 :
「僕は……ずっと君がやったものだと思っていた」
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、そうでしょうね~」
泊里 零一郎 :
「僕がファム・ファタールに潜り込んだ理由のひとつがそれだ」
泊里 零一郎 :
「でも……一緒に過ごすうちに、その確信は疑念へと変わっていった」
泊里 零一郎 :
「特に飴家さんたちと一緒に居るときの君を見ていると、こんな仕打ちまでは望まないだろうと思った」
蹄啼 イバラ :
「……ええ? それはどうでしょう?」困ったように笑う
飴家 真珠 :
[あたりまえでしょ! いばらちゃんはいいこなんだから!] 笑顔でイバラの腕に抱きつく
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「いいえ、それは違います」
蹄啼 イバラ :
躊躇うように深呼吸してから、真珠の体を引き離す。
蹄啼 イバラ :
「……良い機会です。ここで真珠さんの勘違いを正すべき、でしょうね」
飴家 真珠 :
「????」 きょとんとした目でイバラを見る
蹄啼 イバラ :
「これまで何度も言っていた通り……わたくしも社長も、貴女が思うように善良な人間ではありません……」
蹄啼 イバラ :
「何故なら、貴女が社長から武者小路勇姫の襲撃任務を受けたように────」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしは朝霧ユラの襲撃任務を受け、それを実行したのですから」自らの罪を告白する。
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
[そうなの? いばらちゃんが? ほんとに?] 信じられないといった顔で
蹄啼 イバラ :
「……こんなウソをつく理由、ありますか?」
蹄啼 イバラ :
「そうですね、プロデューサー? わざわざファム・ファタールに飛び込んできた貴方なら、わたくしが実行した客観的証拠の一つでも掴んでいるのでは?」
泊里 零一郎 :
「……ああ、確かに見たよ。社長からの命令文書をね」
蹄啼 イバラ :
「わたくしが受けた命令は、朝霧ユラの武道館ライブを潰すこと……」
蹄啼 イバラ :
「そして、わたくしは真珠さんとは違い、それを完璧に遂行した────」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
[じゃあ ゆららがおおけがしたのは いばらちゃんがしゅうげきしたからなの?] まだあまり事実を飲み込めていない目で尋ねる
蹄啼 イバラ :
「……弁解する訳ではありませんが、それは違います」
蹄啼 イバラ :
「わたくしが受けた命令は、朝霧ユラの拷問」
蹄啼 イバラ :
「……ですが、わたくしにとって朝霧ユラは大切な人間でもある」
蹄啼 イバラ :
「以前に真珠さんの傷を回復エフェクトで治したコトは覚えているでしょうか?」
蹄啼 イバラ :
「……あの力を用いて、傷跡が残らないように純粋な痛みだけを与えましたから」懺悔するように自らの凶行を語る。
飴家 真珠 :
[なんだ そうだったんだ] 少し安心したように、胸元に手を置いて
飴家 真珠 :
[じゃあ ほかのだれかが そのあとおそったんだね] 誰だろう、と考えるが当然答えは出ない
蹄啼 イバラ :
「……え? あの?」真珠の反応に驚いて
飴家 真珠 :
「?」 考えるのをやめて、イバラを見つめ返す
蹄啼 イバラ :
「……その。わたくしがやった事は、後遺症の有無はどうあれ、おぞましい凶行であると思うのですが」
蹄啼 イバラ :
「その反応はあまりに淡泊というか、あの」
蹄啼 イバラ :
「…………"傍にいてほしい"って約束、キャンセルするのなら今のうちというか」目を伏せて、言葉に詰まりながら沙汰を待つ。
飴家 真珠 :
[どうして!?]
飴家 真珠 :
[キャンセルなんてしないよ!? どうしてそんなひどいこというの!?] イバラに詰め寄って
蹄啼 イバラ :
「どうして、はこちらの台詞なのですが~……」後退って
蹄啼 イバラ :
「普通、わたくしのような子とは、関わり合いになりたくないでしょう……?」
飴家 真珠 :
「…………」 驚いたまま固まって
飴家 真珠 :
[えっと つまり いばらちゃんは]
飴家 真珠 :
[じぶんは なんのつみもないゆららを にんむでおそったから ぜんりょうなんかじゃないし かかわりあいになりたくないでしょって そういってるの?] 頭の中で整理しながら、ゆっくりと光の文字を出す
蹄啼 イバラ :
「ええ……前々から離れるよう言っていたのも、そういうことです……」
蹄啼 イバラ :
「善良な貴女とわたくしは、まったく違う世界の人間……関わり合いになるべきじゃないと……」
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と困ったような顔で考えて、
飴家 真珠 :
[たしかに びっくりはしたけど]
飴家 真珠 :
[それでもわたしは いばらちゃんは いいこだとおもうよ?]
蹄啼 イバラ :
「はい……?」
飴家 真珠 :
[だってさっき くるしんでたわたしのこと ささえてくれたじゃない]
飴家 真珠 :
[さっきだけじゃなくて これまでだってたくさん わたしにやさしくしてくれたでしょ?] 笑顔を向ける
蹄啼 イバラ :
「それは、その……」眩しい笑顔に何も言えなくなって
蹄啼 イバラ :
「うう……誰か助けてください~……」ロッキーと浅香に助けを求める
ロッキー :
「ははっ、珍しく狼狽えてるようだ!」 イバラの様子に思わず笑ってしまう
ロッキー :
「助け船を出したいところだけど、ごめんねイバラ姫……」
ロッキー :
「僕サマもキミのことは優しいと思っているからね!」
多々良那 浅香 :
「さすが、親殺しを許容できる女は違うねぇ!拷問COはあたしも流石に引かせるんじゃないかと思ってたのにさぁ!」
親殺しや拷問を公言することが”まずい”ことは、分かっているのだ
ロッキー :
「そうとも、真珠姫の懐の深さは……なんだっけか、アリゾナ海溝? ぐらい深いからねぇ」マリアナ海溝の間違いである。
泊里 零一郎 :
「……アリゾナに海はないよ」 ふふ、とその様子を見て微笑んで
蹄啼 イバラ :
「いくら懐が深くても、拷問する人間を受け入れるなんてヘンだと思いますが~……」
飴家 真珠 :
「……」 イバラちゃん、こっち向いて? と言うように、イバラの手を両手で包み込むように握る。
蹄啼 イバラ :
「は、はい……? 真珠さん……?」たじろいだ様子で真珠を見る
飴家 真珠 :
[あのね いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんのしたことは たしかによくないことだとおもう]
飴家 真珠 :
[すみれちゃんにも そういうひどいにんむ あまりださないでほしいなっておもってるよ]
飴家 真珠 :
[だけど それだけでわたしはいばらちゃんのこと きらいになったりしないし]
飴家 真珠 :
[ほんとうにわるいひとだとは おもえないの]
飴家 真珠 :
[だって ひとって ぜんかあくかで かんたんにわけられるようなものじゃないでしょ?]
飴家 真珠 :
[どんなひとにだって いいぶぶんと わるいぶぶんがあるとおもう]
飴家 真珠 :
[だからわたしは いばらちゃんのこと やっぱりいいこだっておもうし いまでもだいすきだよ]
飴家 真珠 :
[まったくちがうせかいのにんげんって いばらちゃんはいったけれど ぜんぜんそんなことないとおもう]
飴家 真珠 :
[わたしも いばらちゃんも おなじせかいにいるにんげんだから]
飴家 真珠 :
[なにもきにせずに これからも いっしょにいてほしいなって]
飴家 真珠 :
[わたしはおもってるんだけど どうかな? ダメ?] イバラを覗き込む
蹄啼 イバラ :
「…………ぁ、う」思わず目を逸らし
蹄啼 イバラ :
「……………………プ、プロデューサーも、すさまじい人材を連れてきたものですね」なんとか、そんな言葉を口にする。
泊里 零一郎 :
「これでも、アイドルの素質を見抜くことだけは自信があるからね」 謎に誇らしげに
蹄啼 イバラ :
呆れたように溜め息をついて、
蹄啼 イバラ :
「分かり、ましたよ……真珠さんがそれでいいと言うのなら~……」
飴家 真珠 :
「……!」 よかった! と安心した笑顔になって
飴家 真珠 :
[じゃあ このはなしはこれでおしまいね!]
飴家 真珠 :
イバラに近づいてその腕に抱きつくと、嬉しそうに顔を近づけ、彼女の頬にキスをする。
蹄啼 イバラ :
「ま、また人前で軽々しくキスを……!」
多々良那 浅香 :
「ロッキー、このポジティブモンスター相手どって王子様としてリードするってほんてょ?」ハートすら幻視しそうな光景の端から
ロッキー :
「ほんてょもほんちょ……ほ、ほんてょさ」ちょっと噛んで
ロッキー :
「愛とは差別である……って、N〇Kでやっていたアニメで言っていたけど……」
ロッキー :
「真珠姫はそうではないみたいだね。それなら、僕サマはそれを上回ってリードしてあげないと」腕を組んで笑いながら
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんは いつでもわたしのおうじさまだよ!]
ロッキー :
「何度でも言おう……知っているともさ!」 自身満々の態度だ
蹄啼 イバラ :
「それなら、この子あげますから……」腕に抱き着いている真珠ちゃんを押し付ける
飴家 真珠 :
「!」 わあ、と楽し気にロッキーの方に
ロッキー :
「うむ!」 腕を拡げて受け止める
ロッキー :
「……それで、この先はどうするんだい? ゆららを探すところから、かな?」真珠の腰を抱いて、疑問を呈す
蹄啼 イバラ :
「(朝霧さんを怪我させた真犯人についての質問がうやむやに……)」
蹄啼 イバラ :
「(まあ、プロデューサーも知らないようでしたから、別に構いませんか……)」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さんは黒沢やジョーカーと一緒にいるようでした~……そちらのセンから探ることも出来そうですね~……」
飴家 真珠 :
[どうしていっしょにいるんだろ? でもそれならそのうち むこうからきてくれるかもね]
多々良那 浅香 :
「待ってる間にぜ~んぜん関係無いアイドルが犠牲にはなってそうだけどね」
多々良那 浅香 :
「しっかしまぁ、イバラちゃんならまだしもなんでこう無差別攻撃になったんだか。ジャーム化した?」
蹄啼 イバラ :
「わたくしならまだしも、とはなんですか~……」
多々良那 浅香 :
「そりゃぁねぇ、言っちゃえば復讐よ」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん、わたくしのことはまだ"ライバル"って言ってくるんですよね~……」
蹄啼 イバラ :
「あっ、もしかすると────」
蹄啼 イバラ :
「東京ドリームフェスで会えたりするかも~……?」
泊里 零一郎 :
「……あり得るね。何をするつもりかはわからないけれど、何をするにしても絶好の機会であることは間違いない」
飴家 真珠 :
[また くろさわといっしょに なにかするのかな]
飴家 真珠 :
[それとも もしかして ドリフェスにふつうにさんかするとか?]
泊里 零一郎 :
「……だとしたら、どうして僕を頼ってくれなかったのだろう」
泊里 零一郎 :
「……いや、僕にそんなことを言う資格はないか」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さんは事務所のプロデュースの方向性に不満がある様子でした」
蹄啼 イバラ :
「ケガで復帰が望み薄になった後は、見捨てるような対応までされた」
蹄啼 イバラ :
「……事務所側の人間のことを信用できなかったのは、当然かもしれませんね~」
泊里 零一郎 :
「……………………」 だんだん姿勢に元気がなくなっていって体育座りになってしまう
飴家 真珠 :
[だいじょうぶだよ れーいちろーさん] その隣にちょこんと体育座りして
飴家 真珠 :
[ゆららがれーいちろーさんのこと ほんとうはどうおもっているのか まだだれにもわからないんだから]
飴家 真珠 :
[ゆららとあえたら いっしょにおはなししよ?] そう笑いかける
ロッキー :
「僕サマも賛成だ」真珠の言葉に頷く
ロッキー :
「話したいこと、悔いがあるなら……」
ロッキー :
「面と向かって、話すべきさ」
泊里 零一郎 :
「……ありがとう」
多々良那 浅香 :
「くそ~、『誰かゆらちゃんに泊里クンのことどう思ってるか聞いてきなよッ』て出歯亀したかったのに……」
飴家 真珠 :
[あさかちゃん そんなへんなことしないの] 口元に手を添えながらくすっと笑って
飴家 真珠 :
[それにれーいちろーさんは じゅうぶんがんばってるよ ファムファタールにきたのも ゆららをおそったはんにんをさがすためって さっきいってたし] と、文字を浮かばせて、
飴家 真珠 :
[そういえば UGNからFHにきたりゆうって ほかにもあるの?] 犯人捜しは理由の一つだと言っていたことを思い出す
泊里 零一郎 :
「……まあ、あるにはある。ファム・ファタールの悪評はもちろん知っているけど、裏方としてより強い立場でアイドルを支えていく仕事に惹かれたのもひとつだし……」
泊里 零一郎 :
「ちょうど、UGNに身を置くのも潮時かなと思っていた」
飴家 真珠 :
「?」 どうして? と、不思議そうに見る
泊里 零一郎 :
「……僕は自分の立場を利用して、個人的に現場の遺留品を持ち出してしまったからだ」
蹄啼 イバラ :
「はい……?」
多々良那 浅香 :
「ええ……?」
泊里 零一郎 :
「…………そんな反応をされてしまうのも当然だが、僕は間違ったことをしたとは思っていない」
泊里 零一郎 :
「飴家さんの仲間たちの形見がUGNによって闇に葬られてしまったらと思うと……僕にはとても耐えられなかった」
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
[じゃあ いまももっているの? みんなのもちもの] 泊里に顔を近づけて
泊里 零一郎 :
「ある。FHの預かり屋の秘密金庫と……」
泊里 零一郎 :
「僕の能力で作った次元空間にも、ひとつ。いつこんなときが来てもいいように隠していた」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[じゃあ もしかして それっていますぐにだせるの?] 高鳴る心臓の音を抑えるように、胸元に手を置いて
泊里 零一郎 :
「ああ……ただ、君が思っているようなものではないかもしれない」
飴家 真珠 :
[それでもいいよ]
飴家 真珠 :
[いえにかえったら もうなにも のこってなかったから]
飴家 真珠 :
[どんなものでも みてみたいの]
泊里 零一郎 :
「わかった」
GM :
泊里がそう言うと、真珠の目の前に微かな裂け目ができる。
泊里 零一郎 :
「手を出して」
飴家 真珠 :
言われた通り、手を差し出します。
GM :
裂け目から、小さな何かが手のひらに転がり落ちる。
GM :
それは、無色の宝石のような結晶だった。
飴家 真珠 :
これは何だろう、真珠は見覚えありますか?
GM :
無い! ただ、持っているとなぜかみんなが近くにいるような感じがします。
飴家 真珠 :
了解!
飴家 真珠 :
「……?」 不思議な感覚に戸惑って、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん これは?] おそるおそる、光の文字を出して尋ねる
泊里 零一郎 :
「賢者の石――とよく似ているが、少し違う」
泊里 零一郎 :
「君たちは、『適合体』というものを知っているだろうか?」
飴家 真珠 :
「……?」 首を横に振る
泊里 零一郎 :
「そうか……FHでは、『濃縮体』と呼んだほうが通りが良いかな」
泊里 零一郎 :
「同じ境遇の子供たちを集めて数々の実験を行い、最後に残った一人に全員のレネゲイドを濃縮させる……」
泊里 零一郎 :
「そんな非人道的な行いが、過去にUGNでも行われていた。抹消しなければならない汚点のひとつだ」
多々良那 浅香 :
「わぁお、合成合体じゃん」
あるよね、と
泊里 零一郎 :
「その実験の生き残りが、”殺戮人形”――君の仲間の中のひとりだ」
飴家 真珠 :
「…………」 誰だったんだろう、と仲間の顔を順番に思い浮かべるが、やはり分からない。
泊里 零一郎 :
「『適合体』には様々な特異な現象が起こり得るが、これもそのひとつ。過剰に集まったレネゲイドが結晶化して身体の中に現れるものだ」
蹄啼 イバラ :
「いのちの輝きですか……奇麗なものですね~……」真珠の背中越しに結晶を覗き込む
泊里 零一郎 :
「あまり趣味の良い言い方ではないが……確かに綺麗だ」
飴家 真珠 :
[じゃあ これはキリングドールのこが のこしたもの?] 結晶を見つめる
泊里 零一郎 :
「そうだと思う」 頷く
飴家 真珠 :
[そっか]
飴家 真珠 :
[だから なんだかなつかしいかんじが したんだね] 小さく笑みを零して、結晶を見つめ、
飴家 真珠 :
その結晶を両手で大切に握りしめ、目を瞑りながら胸元に当てる。お互いの温もりを感じ合わせるように。
多々良那 浅香 :
「……真珠ちゃんはさ、殺されちゃった子たちのこと流石に覚えてるでしょ?」
飴家 真珠 :
うん、と目を瞑ったまま頷く。
多々良那 浅香 :
「いや、結局”殺戮人形”って誰なの?ってさ。泊里さんは知ってるワケ?」
あたしは聞いてもわからないだろうけど、と加えて
泊里 零一郎 :
「”殺戮人形”は”殺戮人形”だ」
多々良那 浅香 :
「ぬ?」
泊里 零一郎 :
「実験のためにどこかから戸籍もない、出自もわからない子供たちを拾ってきて、実験のためだけに育てた」
泊里 零一郎 :
「だから名前や個人情報なんてものはない。あるのはコードネームだけだ」
多々良那 浅香 :
「あ~、なるほどねぇ!じゃぁその子の名前はあったとしても真珠ちゃんしか知らんわけか。むつかしーねぇ」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[キリングドールがだれだったのか そんなのいまさらきにしなくてもいいとおもう]
飴家 真珠 :
[ただじゅうようなのは わたしのかぞくのだれかのコードネームを かってにりようしてること]
飴家 真珠 :
[みんなのいのちをうばっておいて そのうえ なまえさえもうばいとったなんて そんなのわたしはゆるせない] 結晶を握りしめる手に力が入る
蹄啼 イバラ :
「……復讐、するのですか?」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
[わからない]
飴家 真珠 :
[まだわたしは すべてのしんじつを みつけられていないから]
飴家 真珠 :
「……」 目を開いて
飴家 真珠 :
[だけど ゆららとは できればたたかいたくないな]
飴家 真珠 :
[しんはんにんは またべつにいるんだし]
飴家 真珠 :
[わたしとゆららが ころしあうの れーいちろーさんはイヤだっていってたもん]
飴家 真珠 :
[それに いばらちゃんも イヤだとおもうから] 小さく笑う
泊里 零一郎 :
「……飴家さんは心配しなくても大丈夫だ」
泊里 零一郎 :
「もしものときは……僕が……僕がやる。この一連の事件の始末をつける」
飴家 真珠 :
「……」
飴家 真珠 :
ぺちっと、泊里の頭を軽く叩く。
泊里 零一郎 :
「っ!?」
飴家 真珠 :
[それはダーメ だよ れーいちろーさん]
飴家 真珠 :
[これは わたしのもんだいだから わたしがけっちゃくをつけなくちゃいけないの]
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは もういろんなものをせおっているんだから]
飴家 真珠 :
[かってに ひとのにもつまで せおおうとしたら たいへんなことになっちゃうよ?] 笑いかける
泊里 零一郎 :
「あ、飴家さん……」
泊里 零一郎 :
「すまない……。そうだね。僕にも、僕のやらなければならないことがある」
蹄啼 イバラ :
「そもそも、プロデューサーってそんなに頼りになる印象ありませんしね~」
泊里 零一郎 :
「ウッ!」
飴家 真珠 :
「!?」 なんてこと言うのイバラちゃん、と驚く
蹄啼 イバラ :
「……わたくし、悪い子ですので」
蹄啼 イバラ :
「ともかく、今のプロデューサーは東京ドリームフェスへの準備が第一でしょう?」
ロッキー :
「うむ、レイイチローくんが頼りないのは見掛けだけさっ」
ロッキー :
「縁の下の力持ち……だったかな、そっちはそっちの仕事を頑張ってくれたまえよ」
飴家 真珠 :
[というか ドリームフェスといえば わたしたちもがんばらなくちゃね]
飴家 真珠 :
[とくにいばらちゃんは まだダンスのこと しんぱいなぶぶんあるし]
蹄啼 イバラ :
「うっ…………」
蹄啼 イバラ :
「あの~、多々良那さん……? そういえば、折り入っておねがいがあるのですが~……」
多々良那 浅香 :
「お、なんざんしょそんな改まって」
蹄啼 イバラ :
「インターネット上で、信じられないくらい大炎上してくれませんか~……松本さんみたいに……」
多々良那 浅香 :
「えりちゃんレベル!?!?ナンデ!?」
突然の無茶ぶりに驚愕
多々良那 浅香 :
「マジであたしの命のこととか考えたら乳晒すとかになっちゃうよ!!!」
蹄啼 イバラ :
「そうなったらAILsは解散、デビューライブも白紙になるかな~と……」
飴家 真珠 :
[そんなことしちゃだめだよ みんなたのしみにしてるんだから]
飴家 真珠 :
[だいじょうぶだよ いばらちゃん! ふあんなのはわかるけど いっしょにがんばろ!] ふれふれとチアリーディングの真似をするように、笑顔で体を揺らして応援する
蹄啼 イバラ :
「あう……こんなに不安なのは、生まれて初めてですよ~……」
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ だいじょうぶ~] 今度はイバラにくっついて、頭を優しく撫でてる
多々良那 浅香 :
「歌に身振り手振りつけて足運びちょっとするだけでめちゃくちゃ表現に幅出るから、やっぱりやっといて損は無いと思うのよね」
その場で軽くフリをして
蹄啼 イバラ :
「その"ちょっと"って、貴女たちにとっての"ちょっと"なんですよ~っ……」
泊里 零一郎 :
「……蹄啼さんのダンスは、最初の頃と比べたら見違えるほど上手くなったと思うけれどね」 少し元気が戻ったのか、苦笑して
飴家 真珠 :
うんうん、と頷く。
多々良那 浅香 :
「ねー、やっぱ賢い子が真面目にやると話が違うんだよな……」
蹄啼 イバラ :
「おだててやる気を出させようとしてるの、バレバレですよ~……わたくしがステージに立てるレベルじゃないのは、わたくしが一番わかってるんですから~……」上手くなったのは、最初が酷すぎたからである。依然、ファム・ファタールの基準には遥かに及ばないと自覚している。
ロッキー :
「そんなことないさ! 以前までは死人の千鳥足の方がマシだって言われていたけど……」
ロッキー :
「今は生き生きとしたステップを踏めるようになっているとも!」
蹄啼 イバラ :
「はあ、気休めをどうも~……」それは前提のような気がする。
ロッキー :
「ま、実際に気休めかもだけどね。ダンスはまだ伸びしろってことにしておこう」あっけらかんと
泊里 零一郎 :
「……それにしてもデビュー曲をストックじゃなくて、作詞作曲から自分たちでする、なんて言い出したときには僕もどうしようかと思ったけれど……」
泊里 零一郎 :
「わずかな準備期間でダンスも含めてこれだけ仕上げてくるとはね。みんなの才能が末恐ろしいよ」
飴家 真珠 :
それほどでも…と、照れたように笑いながら頭を掻いている。
蹄啼 イバラ :
「……他人が作った曲より、まだ自分で書いた曲の方が踊りやすいかと思いまして~」
泊里 零一郎 :
「それはあるかもしれないけれど、それにしたって簡単な振りつけじゃないからね」
泊里 零一郎 :
「自分が踊ることになるからといって、そこは妥協しない……蹄啼さんの矜持のようなものを感じるね」
飴家 真珠 :
うんうん、と何故か自分のことのように腕組みしながら頷いている。
泊里 零一郎 :
「『AILs in Wonderland』……みんなのデビュー曲として相応しいものになっていると思うよ」 腕を組んで、深くうなずく。プロデューサーの顔に戻って
飴家 真珠 :
[ね! まだまだじゅんびはひつようだけど ライブほんばんがたのしみ!]両手を合わせながら笑う
ロッキー :
「良い響きだね! ワンダーという言葉、何だか好きだよ」ふわふわした感想を述べて
蹄啼 イバラ :
「なんです……? その不思議な感想……?」楽曲じゃなくてタイトルをふわっと褒めたのが少し不服だったらしい。
多々良那 浅香 :
「擦られ過ぎて凹凸無しのツルッツルになってそうなモチーフだけど、ダーク感とか、複数メンバーいるとこの要素を盛り込むにはもってこいなんだよねぇ」
多々良那 浅香 :
「場面もキャラも多いから」
ロッキー :
「おや、しょーさいな感想を聞きたいかい? それなら夜まで話したいところだけど……」いつでも話せるぞ! とイバラに腕を組んでみせて
ロッキー :
「浅香姫の言う通り、僕サマもダークな雰囲気は大好きさ。披露できる日が待ち遠しいね」幼子のように瞳を輝かせて
蹄啼 イバラ :
「古いというだけで持て囃されている意味不明の童話、わたくしはどうかと思いますが……」
蹄啼 イバラ :
「まあ、タイトルや作詞を任せたのはわたくしですから、真珠さんがこれで良いと思ったなら良しとしましょう」
飴家 真珠 :
[ありがとう いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[なんだか イメージにあってるかなっておもったんだよね]
飴家 真珠 :
[それに わたしもなじみのあるどうわをモチーフにしたほうが さくししやすかったし]
泊里 零一郎 :
「それにしても、初めての作詞でここまでのものを作るとは……」
泊里 零一郎 :
「話すことができない分、言葉そのものを磨いてきた飴家さんならではかもしれないね」
飴家 真珠 :
[やだな れーいちろーさんったら]
飴家 真珠 :
[そんなにほめても おかししかでないよ!] 《無上厨師》を使い、両掌にチョコや飴などのお菓子を作って差し出す
多々良那 浅香 :
「喋んないしカオナシかもせん」
他3名には全く通じないであろうネタ
泊里 零一郎 :
「おっと、これはこれはありがとう!」 お菓子を受けとり、ポケットに仕舞う。
飴家 真珠 :
えへへ、とお菓子を受け取ってくれたことに嬉しそうに笑って、
飴家 真珠 :
[じゃあ わたしたちはそろそろもどろっか]
飴家 真珠 :
[おしごとちゅうだったのに ありがとう れーいちろーさん]
泊里 零一郎 :
「いや……大事な話だったからね。僕から答えられることは答えたつもりだが、これでよかっただろうか?」
多々良那 浅香 :
「ま、大体聞けたかな?良かったねぇ真珠ちゃん、泊里さんがやましい感じじゃなくて」
飴家 真珠 :
[うん ほんとによかった]
飴家 真珠 :
[といっても さいしょからやましいことなんてないって しんじてたけどね]
泊里 零一郎 :
「そう言って貰えて喜ばしいやら、申し訳ないやら……」
蹄啼 イバラ :
「(念の為、先程のお話の真偽は社長に確認しておきますか~)」反面、まだ信じていないイバラだった。
飴家 真珠 :
[ただ そうだ]
飴家 真珠 :
[さいごにあともうひとつだけ きになっていたことがあるの] そう文字を表示させながら、泊里に向き直り、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは みんなのかたみをかいしゅうしてくれたけど]
飴家 真珠 :
「…………」 胸元をぎゅっと握りしめて、
飴家 真珠 :
[パパやみんなのからだは どこにいったのか しってるかな?]
泊里 零一郎 :
「遺体は……焼却処分されて共同墓地に偽名で埋葬されているよ」
泊里 零一郎 :
「手配すれば、移し替えたりはできると思う。今度、お参りに行こうか」
飴家 真珠 :
[そっか] ある程度想像はできてたのか、あまり驚きはない
飴家 真珠 :
[うん あいにいきたいな]
飴家 真珠 :
[でも ドリームフェスのこともあるし まだこころのじゅんびもできていないから]
飴家 真珠 :
[いまはこれで じゅうぶんだよ] 手に握ったレネゲイドの結晶を見せて
飴家 真珠 :
[そういえば ちゃんとおれい いえてなかったね]
飴家 真珠 :
[ありがとう れーいちろーさん] 結晶を握りしめて、笑いかける
泊里 零一郎 :
「お礼を言われるようなことでは……いや、こういうのは僕の悪い癖だね」
泊里 零一郎 :
「どういたしまして……飴家さん」
飴家 真珠 :
「……!」 うん、と頷く
飴家 真珠 :
殺戮人形のロイス感情を、〇執着/憎悪→親近感/〇悔悟に変更します。
GM :
おお…
GM :
殺戮人形のロイス、真犯人に変えてもいいかなと思ったけど残す感じでいくかな!
飴家 真珠 :
そうね…残しておく方向で! 復讐相手だと思ったら仲間だったでござる
GM :
おけおけ!
GM :
泊里の証言により、あの日セルで起きたこと真実はある程度明らかになった。
GM :
”殺戮人形”は、真犯人ではなかった。
GM :
それと同時に、いったい誰が”殺戮人形”に犯行の濡れ衣を着せたのかという、新たな疑問が生まれる。
GM :
その答えも、そしてAILsのデビューも……。
GM :
運命のフェスで、明らかになろうとしていた。
GM :
購入、ロイス取得可能です!!
飴家 真珠 :
じゃあ今回はノリで生きずにアイカツしときましょう
GM :
どうぞ!
飴家 真珠 :
8dx+9 芸術:ジェスチャーで(8DX10+9) > 7[2,3,4,4,6,6,7,7]+9 > 16
飴家 真珠 :
3点!
GM :
イイネ!
system :
[ 飴家 真珠 ] 財産点 : 3 → 6
ロッキー :
強化素材(IA.44P)狙おうかな!
GM :
どぞ!
ロッキー :
3dx+1 ヤーッ!(3DX10+1) > 8[1,5,8]+1 > 9
ロッキー :
目標15なので届かない……けど!
ロッキー :
金ならあるぞ!
GM :
アイカツが生きた!
ロッキー :
6点消費して購入しますわ~!
system :
[ ロッキー ] 財産点 : 10 → 4
ロッキー :
武器はフォールンブレイドを選択しておこう、攻撃力+1だぜ。
多々良那 浅香 :
自分はUGNボディアーマーを購入いたす!スパイでもおったんかな
GM :
鹵獲したのかもしれない、どぞ!
多々良那 浅香 :
(1+2+0)dx(10+0)+9+0 〈調達〉判定(3DX10+9) > 8[4,6,8]+9 > 17
多々良那 浅香 :
実は調達が異様に高いので、購入に成功!
蹄啼 イバラ :
わたしはアイカツをするよ!
GM :
どうぞ!
蹄啼 イバラ :
8dx+20+2 ヴァイオリンを使った<芸術:音楽>(8DX10+22) > 7[1,1,2,3,3,3,5,7]+22 > 29
GM :
1おしいけど4点!
蹄啼 イバラ :
1足りなかった!でもありがたいね!
system :
[ 蹄啼 イバラ ] 財産点 : 11 → 15
Scene 11 晩夏の祭典
GM :
皆の共、ライブだあああ!!! 全員登場お願いします!
飴家 真珠 :
うおおおおおおおおおおお
飴家 真珠 :
81+1d10(81+1D10) > 81+1[1] > 82
ロッキー :
84+1d10(84+1D10) > 84+10[10] > 94
蹄啼 イバラ :
91+1d10(91+1D10) > 91+2[2] > 93
多々良那 浅香 :
95+1d10(95+1D10) > 95+3[3] > 98
ロッキー :
ぎゃああああああ!
多々良那 浅香 :
みんなでギリ耐え
GM :
真珠ちゃんだけ安定している
飴家 真珠 :
異様な低さ
GM :
あれからAILsのみんなはさらに激しいレッスンを重ね――。
GM :
あっと言う間に東京ドリームフェス、当日。
GM :
一年に一度、全国からアイドルが招待され競演を繰り広げるという、アイドルファンにとってまさに夢のような舞台。
GM :
業界の注目度も高く、民放各局やイベント会社からもスカウトが目を光らせている。
GM :
まだ売り出し中のアイドルにとってもまさに”夢”を掴むチャンスとなる場だ。
GM :
業界最大手のファム・ファタールも当然出場枠を得ている。
GM :
あなたたちAILsは今日、ファム・ファタールの代表として舞台に立つこととなるのだ。
GM :
参加する多数のアイドルは、地上アイドルとしてすでに確固たる地位を築きつつあるAILsの面々に対してリスペクトを込めつつも、ライバル意識剥き出しにギラギラしている。
GM :
そういった、地上波から離れた場であるがゆえの忖度なしなエネルギッシュさも、このフェスの大きな魅力のひとつだ。
GM :
そして、宿敵であるUGNプロの急先鋒、Re:tryも新曲を引っ提げて登場する。
GM :
奇しくも、その登場順はAILsのひとつ前だ。
GM :
あなたたちは会場の最終確認を終え、出番に向けて楽屋で衣装合わせをしていた。
GM :
もちろんこのイベントのスポンサーでもあるファム・ファタールの待遇は別格であり、弁当もほかのアイドルに比べワンランク上のものが用意されていたりする。
GM :
とはいえ、そんなことに意識も向けられないほど緊張するだろう。ただでさえ大舞台なのに、これはAILsのデビューライブでもあるのだ。
飴家 真珠 :
「…………っ」 アリス風のアイドル衣装に身を包んで、不安そうに何度も鏡の前でチェックしている
飴家 真珠 :
[ねえねえ ロッキーちゃん わたしへんじゃない?] 周りにバレないよう、小さな光の文字を隠しながら出して
ロッキー :
「おかしい……?」訝しげに真珠を見つめて
ロッキー :
「そうだね、可愛すぎて観客がおかしくなってしまうかもしれないね」軽く冗談を交えて
多々良那 浅香 :
「イカれ役は私だけで十分なんだが~?」
後ろで帽子と眼鏡の食い合いと戦いながら
ロッキー :
「それ以上にイカれてくれたまえ! 観客が浅香姫に求めているのも、混沌なのかもしれないよ?」
飴家 真珠 :
「…………」 褒められて少し照れながら、口元に手を添えてくすくす笑っている
蹄啼 イバラ :
一方。イバラは場慣れした様子で、まわりのアイドル達に愛想よく手を振っていた。
蹄啼 イバラ :
……ザコアイドル共がいくら敵意を剥き出しにしてきたところで、まったく脅威に感じられない。
蹄啼 イバラ :
それより、蹄啼イバラにとって最大の問題は────
蹄啼 イバラ :
「あの、多々良那さん?」
蹄啼 イバラ :
「インターネットに、イカれ投稿をバラ撒く準備って~……」この期に及んで、ライブ辞退を諦めていなかった。
有象無象のアイドルに負ける気はしないが、自分で満足いっていない不出来なダンスを晒すことがイヤなのだった。
多々良那 浅香 :
「今あたしがクソ炎上したって出番はなくならねぇんだ、ファムファタがそれを許さねぇんだ、現実を見る時間なんだイバラちゃん」
抑揚のない諭すような声で
蹄啼 イバラ :
「うぅ……言ってみただけです~……」
飴家 真珠 :
[いばらちゃん やっぱりまだいやなの?] 小さく文字を見せながら、心配そうに覗き込む
蹄啼 イバラ :
「イヤというか、不安というか~……」
飴家 真珠 :
「……!」 なにか思いついたように、目をぱちっと大きくして
飴家 真珠 :
[そうだ じゃあいばらちゃん]
飴家 真珠 :
[きょうのライブ がんばったらわたしが ごほうびあげる!]
蹄啼 イバラ :
「はい……? ご褒美~……?」
飴家 真珠 :
うん、と頷いて、
飴家 真珠 :
[なんでもいいよ! わたしにできることなら なんでもしてあげる!] 笑顔で
蹄啼 イバラ :
「な、なんでも……?」
飴家 真珠 :
[なんでも! ハグでも ちゅーでも デートでもいいよ]
蹄啼 イバラ :
「何故、ご褒美の例がそれなのですか~……!? わたくしが、そんなこと望むとでも~……!?」
飴家 真珠 :
「…………」 そりゃそうか、とどっちかというと自分がしたいことだと気付き、苦笑いして
飴家 真珠 :
[まあまあ ほかのことでもいいから]
飴家 真珠 :
[おわったらなにかごほうびが あるとおもうと がんばれるきがしない?]
蹄啼 イバラ :
「……うう~ん、それはそうかもしませんが~」あまりにストイックに音楽に打ち込んできたので"頑張ったらご褒美"という発想は無かった。
蹄啼 イバラ :
「とはいえ、なんでもとか……軽々しく言うものではありませんよ~……?」
飴家 真珠 :
「?」 不思議そうに首を傾げる。別に軽々しく言っているつもりじゃないらしい。
蹄啼 イバラ :
「…………この子、ファムファタで生きていけると思います~?」溜め息まじりに浅香に尋ねる。
多々良那 浅香 :
「FHだったら、だと無理そうだけど~……」ここは小声で
多々良那 浅香 :
「ファムファタだったらま~、皆アイドルとして最低限の社交性は持ってるし?」
多々良那 浅香 :
「最初の対話フェーズで相手の懐にカラダ捻じ込んでお友達成立!無事全員陥落!が見えるね、あたしの千里眼には」
蹄啼 イバラ :
「また貴女は適当なことを~……」イバラの目には、ファムファタのアイドルも十分に魑魅魍魎に見える。他のFHはどうなっているのだろう。
飴家 真珠 :
[とにかく なにかかんがえておいてね!] イバラちゃんの肩をぽんぽんと笑顔で優しく叩いて
蹄啼 イバラ :
「ぇ、ああ……はい……? なんでも、でしたね~……?」先程たしなめたのに、まだ有効だったんだと驚きながら
飴家 真珠 :
うんうん、と満足気に腰に手を当ててる。
ロッキー :
「羨ましいねぇ、イバラ姫。僕サマだったら、そうだなぁ……」腕を組んで考える
ロッキー :
「……テーマパークでデートだね!」ただ自分がしたい事だ。
飴家 真珠 :
「!!」 わあ! と両手を頬に当てて
飴家 真珠 :
[わたしもデートしたい! ぜったい いこ!] ロッキーの手を両手で握る
ロッキー :
「もちろんだとも! 姫と行けるなら絶対楽しめるだろうね?」確信に満ちた笑顔を浮かべて
ロッキー :
「とにかく、イバラ姫が楽しめそうな事を真珠姫としてみてはどうかな?」イバラへ向き直って
ロッキー :
「きっと、それがライブのモチベーションにもなる……と、思うんだ!」
蹄啼 イバラ :
「楽しめそうなこと、ですか~……」
蹄啼 イバラ :
「(拷問……? いえ、声の出せない真珠さん相手では意味が~……)」
蹄啼 イバラ :
「うう~ん、なんでしょうね~? 世間の娯楽には明るくないので、何かしらを考えておきます~」
飴家 真珠 :
[いっしょにおふろでもいいよ?]
蹄啼 イバラ :
「それも貴女がしたいことですよね~……!?」
飴家 真珠 :
ばれちゃったか、と笑っている。
蹄啼 イバラ :
「……まったく」
蹄啼 イバラ :
「とはいえ、おかげで緊張は少し解けてきたかもしれません」馬鹿馬鹿しい。けど楽しい話で気が紛れた。
飴家 真珠 :
「……!」 それならよかった! と笑顔になる。
多々良那 浅香 :
「お、いいね~、なんべんも舞台立ってるイバラちゃんならそりゃそうって思うかもしれんけど、結局緊張なんて無い方がよっぽど良いからさ!」
ロッキー :
「うむっ、軽くストレッチでもするかい? 身体も緊張もほぐれるよ?」イバラの肩を軽く揉んで
蹄啼 イバラ :
「ありがとうございます~、ロッキーさん」
蹄啼 イバラ :
「けど、この衣装で行なうのは危険ですから、ストレッチは止めておきますね~」衣装のトゲトゲはほとんど凶器だ。
飴家 真珠 :
とげとげが刺さっちゃいそう、とイバラの衣装を見てる。
蹄啼 イバラ :
「みなさん、ステージ上では気を付けてくださいね~」
飴家 真珠 :
「!」 はーい、と分かってるのか分かってないのか微妙な、能天気そうな笑顔で手を挙げる
ロッキー :
「ご心配どうも! お互い気を付けようじゃあないか!」
多々良那 浅香 :
「暴れすぎないようにきをつけます!」
わざと幼く
飴家 真珠 :
「……!」 そうだ、と浅香を見てそちらに近づき、
飴家 真珠 :
[ねえねえ あさかちゃんは ごほうびなにがいい?] 顔を覗き込みながら
多々良那 浅香 :
「ひぇ~~!迷うねぇ!」
飴家 真珠 :
[なんでもいいよ! わたしにできることなら] 両腕を広げて
多々良那 浅香 :
「なんでも、なんでも……ぐ、邪念が……ゲーム……ありがちすぎ……」
呻き始める
飴家 真珠 :
「?」 何故呻いているのか分からずきょとんとしてる
蹄啼 イバラ :
「いったい何をお願いしようとしてるんですか、貴女は~……」
多々良那 浅香 :
「まぁ冗談は置いときまして……あたしもデートとかお風呂とか、結局真珠ちゃんがしたいことになっちゃうのかな~?」
多々良那 浅香 :
「この交渉上手めっ」
ういういっと小突いて
飴家 真珠 :
「……!」 きゃあ、と嬉しそうに笑って
飴家 真珠 :
[じゃあ ライブがおわったら いっしょにいっぱいあそぼうね!] 笑顔で浅香の手を握る
多々良那 浅香 :
「そーしましょ!それこそゲームとかもしようなぁ、んじゅちゃんが配信でも意思疎通できるようなシステム作らないと……」
飴家 真珠 :
楽しみだね、と笑い合う。
GM :
……そうこうしている間に、時間は過ぎ、まもなくRe:tryの出番が訪れようとしていた。
GM :
彼女たちの次は、あなたたちの出番でもある。
GM :
控室に設置されたモニターからは、メインステージの様子が確認できるようになっている。
GM :
UGNのプロデュースするアイドル……どれほどのものか確認しようと、誰からともなくモニターの前に集まって、あなたたちは注視し始めた。
GM :
……ピコピコとしたいかにも電子音といった感じの音とともに、Re:tryが壇上に現れる。
GM :
魔法使い、侍、モンク、そして勇者。
GM :
4人のメンバーに、それぞれ個別に用意された登場音とともに、スポットライトが当たる。
GM :
少し古風な国産RPGを思わせる演出とともにイントロが流れ始めると……バックの大スクリーンいっぱいに映像が表示される。
GM :
――ボクセルで作られた4人の3Dモデルが、本人たちのダンスとシンクロしながら縦横無尽にフィールドを駆けまわる映像だ。
GM :
前列で声援を送っていたRe:tryの熱心なファンはもちろん、会場全体から出始めの地下アイドルという肩書きからは想像もつかない凝った演出に感嘆の声が上がる。
GM :
もちろん、Re:tryの真骨頂はここではない。
GM :
スクリーンに映し出される派手なエフェクトに寸分違わぬ精度で繰り出される、ゲームの戦闘モーションを大胆に取り入れた振りつけ。
GM :
そして……今回のメインボーカルを務める武者小路勇姫のパワフルで勇気づけるような歌声。
GM :
……気付けば、最初は変わり種のグループとしか見ていなかった観客までも巻き込んでコールアンドレスポンスの波が沸き起こっていた。
GM :
一方、業界関係者や一部の熱心なファンは編成の違和感に気づいていた。
GM :
普段ならここぞという場面で差し込まれる勇姫の剣術を模したダイナミックな動き、それがこの日は見られなかったのだ。
GM :
それは、間違いなく怪我の影響だろう。
GM :
練習ができなくなったため、本来予定されていた振り付けを見送ったのだ。
GM :
それでも……勇者は転んでもタダでは起きない。
GM :
その違和感すらも些細なことと熱狂で押し流してしまうほどに、勇姫の歌声は仕上がっていた。
GM :
自分が辞退したり、情けない姿を見せたら、あの子が責任を感じてしまうから。
GM :
自分が立つ舞台を、それを見る人の気持ちを、絶対に悲しいものにはさせない。
GM :
……それが武者小路勇姫の持つアイドル性であり、カリスマ性なのであろう。
飴家 真珠 :
「…………!!」 わあ、とモニターに向けて青色のペンライトを笑顔で振る
ロッキー :
「ふむ……!」 食い入るように勇者たち一行のパフォーマンスに見入る
蹄啼 イバラ :
「敵を応援してどうするんですか~」すぐ自分の出番が来るというのに、ペンライトまで振っている姿に呆れる。
多々良那 浅香 :
「よくやるねぇ、こりゃママも目障りに思うわけだ……てか地下って聞いてたんだけど普通にいるし!!」
飴家 真珠 :
[でも ゆうきちゃんはともだちだし それにすっごくいいライブだったし] ペンライトを胸元で持ちながら、えへへと笑う
蹄啼 イバラ :
「地下アイドルと思えない程度には、良いステージだったことは認めますが~」
飴家 真珠 :
[ちかあいどるって すごいんだねえ] モニターをまだ見ながら
ロッキー :
「熱量とパフォーマンス共に、地上とそんしょくはない……いや、それ以上かもしれないね……」ジッと画面を注視する。彼女たちに惹かれているようだ。
飴家 真珠 :
[わたしたちもがんばらなくちゃ ね!] ペンライトをバッグにしまって、胸の前で両手を握る
ロッキー :
「……うむ、もちろんだとも!」気を取り直し、いつもの悪そうな笑みを浮かべて
ロッキー :
「次は僕サマたちが、観客を虜にする番だとも!」
ロッキー :
「みんな、Re:tryに後れを取るつもりはサラサラないだろう?」3人を見つめて
多々良那 浅香 :
「もっちろ~ん♪全部かっさらっちまおうぜ!」
蹄啼 イバラ :
「ええ、そうですね~……朝霧さん相手ならまだしも、地下アイドル程度に負ける訳にはいきません……」ぎゅっと胸元を握りしめて、まだ消えない不安を押し潰す。
飴家 真珠 :
[ゆうきちゃんや みてくれるみんなが たのしんでくれるような そんなステージにしないとね!]
GM :
Re:tryの出演が終了すれば、小休憩の後にAILsのライブがスタートする。
GM :
あなたたちは出遅れないように、舞台袖へと移動した。
GM :
ちょうどRe:tryのメンバーが舞台を去るというタイミングで、「すごかったね~」などと、客席からは余韻の声も聞こえる。
GM :
入れ替わりに向こうの袖に消えて行く勇姫が、こちらをこっそりと振り返り、
GM :
「がんばれよ」と言わんばかりにウィンクをして去って行った。
飴家 真珠 :
「……!!」 笑顔で何度も両手を大きく振る
ロッキー :
「あのゆーしゃ様? も粋だねぇ」ピッ、と二本指でジェスチャーして軽く返す
蹄啼 イバラ :
「場慣れしてますね~」地下アイドルにしては余裕の態度であった。
多々良那 浅香 :
「さっきも言ったけど本当に地下かって!随分盛り上がってくれたねぇ!」
吐き捨てるように言うが、称賛の割合が多い
飴家 真珠 :
[ね! さすがゆうきちゃん!] 自分のことのように自慢げに
飴家 真珠 :
[わたしたちも がんばらなくちゃね] そう文字を浮かばせてから、勇姫の後ろ姿からみんなに向き直って、
飴家 真珠 :
[ねえねえ こんかいもあれやりたいな いい?] 両腕を広げる
ロッキー :
「あれかい? 『おーっ』のヤツだね?」いいよ! と頷く
多々良那 浅香 :
「っしゃ、円陣ばっちこい!」
肩を組む準備をして
蹄啼 イバラ :
「え~……? またですか~……?」
飴家 真珠 :
[いや?] 首を傾げて
蹄啼 イバラ :
「…………」頬に手を当てて考えて
蹄啼 イバラ :
イヤ、とまでは言いませんけど。と小声で呟いたあと。
蹄啼 イバラ :
「……あ~、議論している時間も勿体ないですから、やるなら早く済ませましょう?」言葉を濁して答える。
飴家 真珠 :
[いばらちゃんもやりたいって!!] わーい、とロッキーと浅香に文字を見せる
ロッキー :
「喜ばしいね! なんとなく首を縦に振ってくれる気がしたさ!」
多々良那 浅香 :
「偏向報道されてる……」
蹄啼 イバラ :
「真珠さんって、いっつもこうですよね~……」浅香に同調する。
飴家 真珠 :
えへへ、と笑いながら集まって、イバラと浅香と肩を組みにいく。
多々良那 浅香 :
「よし、音頭はどうする?」
飴家 真珠 :
[あさかちゃん おねがいします] 当然のように
ロッキー :
「たのむよ!」肩を組んで微笑みかける
蹄啼 イバラ :
「すっかり多々良那さんがリーダーみたいな扱いに~……ぜったい向いてないのに~……」
多々良那 浅香 :
「それはあたしも同意!しかし真っ向アイドル活動歴が一番長いのもあたしなのであった」
多々良那 浅香 :
「ちゅーわけで、音頭の役割拝命した!全員頭に段取り叩き込んだ!?今更泣き言漏らす子ぁいないよね!?」
飴家 真珠 :
「!」 大丈夫大丈夫、と頷く。
ロッキー :
もちろんだとも、と余裕の表情だ
蹄啼 イバラ :
「……もう弱音は吐きません。ここまで来た以上、後は最善を尽くすだけです」
多々良那 浅香 :
「その意気やヨシ!ま、何を憂いてもファムファタが誇るあたしたちが一番にならない道理なし!ステージも客のハートも蹂躙しちゃうゾ♡」
多々良那 浅香 :
「えい、おー!!」
ロッキー :
「おーっ!」
蹄啼 イバラ :
「おー……!!」覚悟を決めて叫ぶ
飴家 真珠 :
「…………!!」 おー!! と、声を張り上げるかのように、唇を動かす。
GM :
改めて、AILsの結束を固めたところで、休憩終了の時間になる。
GM :
これから始まるのは、時間にすれば僅か数分程度の曲。
GM :
そのわずかな時間のために、全員それぞれの課題と戦いながら努力を重ねてきた。
GM :
迷うことはない。あとは全力をぶつけるだけだ。
GM :
手段は違えど舞台に懸ける思いに、UGNもFHも、そうでないものも関係ない。
GM :
「それではご登場いただきましょう! ファム・ファタールから新たなユニットが今日、夢の舞台に登場!」
GM :
「『AILs in Wonderland』!」
飴家 真珠 :
────ステージが暗闇に落ちる。
飴家 真珠 :
瞬間、歓声はふっと消えて、静寂が会場を支配する。
飴家 真珠 :
そして、ステージ後方に設置された巨大なスクリーンに投影されたのは、セピア色のノスタルジックな映像だった。
飴家 真珠 :
観客たちは、どこか寂寥感の漂う広大な草原に、一人の少女のシルエットが佇んでいるのを目にする。
飴家 真珠 :
静かなピアノの旋律が流れる中、次に画面を横切ったのは一羽のうさぎの影。
飴家 真珠 :
少女はその影に誘われるように、一歩、また一歩と足を踏み出して、追いかけ始める。
飴家 真珠 :
やがて、少女のシルエットが大きな穴へと身を投げた、その瞬間。
飴家 真珠 :
まるで共に穴の中へと飛び込んだかのように、映像は深い闇へと飲み込まれた。
飴家 真珠 :
だがその直後、ステージの端に鋭い光が差し込む。
飴家 真珠 :
放たれたのは、鮮やかなピンク色に輝く、ダイヤ型のスポットライト。
飴家 真珠 :
その光の中に立っていたのは、青いエプロンドレスを纏ったアリス姿の真珠だった。
飴家 真珠 :
真珠は不安げに、しかし好奇心を秘めた瞳で、不思議そうにきょろきょろと辺りを見回す。
飴家 真珠 :
ここはどこなのか、自分はどこへ落ちてしまったのか……。
飴家 真珠 :
そんな戸惑いを全身で表現しながら、覚束ない足取りでゆっくりと歩み出そうとした、その時だった。
飴家 真珠 :
真珠の目の前に、紫色に輝くスペード型のスポットライトが照らし出される。
ロッキー :
闇の滲むような深紫に輝くスペードのスポットライトに照らされて、飛び出すように現れたのは純白のスーツを纏った白兎の王子様。
ロッキー :
跳ねるような軽やかなステップで真珠に近づくと、ぽんっと肩を叩く。
ロッキー :
「やぁお嬢さん、早くしないと遅れてしまうよ!」 腰に下げた時計をチラチラと気にしながら、真珠へ手を差し出す
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
驚きで開いた口を手で隠しながら、真珠は首を傾げる。あなたは誰? と尋ねるかのように。
ロッキー :
「僕サマが誰かって? ここではそんな事はささいなことさ、気にするべきは心から楽しむことだからね……」
ロッキー :
やや大げさな身振り手振り、真珠の周りを大股で回る。
ロッキー :
「ただキミに教えると言うのなら~……」
ロッキー :
「今の僕サマは、白兎の王子様。どうかよろしく」恭しく礼をして
ロッキー :
「さて、時間のことは覚えているかな? 実は予定が目白押しでね……」
ロッキー :
「まずは、お茶会に向かわねば……お嬢さんもどうだい?」再び手を差し出して
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
まだ戸惑っているかのように、あわ……と落ち着きなくロッキーを見つめるが、
飴家 真珠 :
それでもおそるおそる、白兎の王子の手を取る。
ロッキー :
「怖がらなくても大丈夫さ。なんたって、ここはワンダーランド……」
ロッキー :
「不思議なくらい、楽しくなるぞ!」 そうやって、中心に向かって一歩踏み出す
飴家 真珠 :
ロッキーに導かれて、真珠はステージをさらに進んでいく。
飴家 真珠 :
そして、二人の先で鮮烈な光が射抜かれた。
飴家 真珠 :
水色に輝く、クローバー型のスポットライト。その光が照らし出したのは……。
多々良那 浅香 :
随分大きなシルエット。それもそのはず、そこには一人のアイドル以外にも小道具(?)が置いてある。
多々良那 浅香 :
黒子に引かれて配置されたそれらは、テーブルにティーセット。
多々良那 浅香 :
そしてそこに座る、随分大きな帽子を目深にかぶった女。
多々良那 浅香 :
「やぁやぁいらっしゃい、イかれたお茶会へようこそ、お嬢さん!!」
多々良那 浅香 :
大仰な身振り手振りと共に、座席から立ち上がる。と同時に、ガタガタと大きな音を立てながら引きずられて去っていくテーブルたち。
多々良那 浅香 :
「ああ、行っちゃった。これじゃお茶会はできないや!」
多々良那 浅香 :
「まぁなんでもいっか、だってあたしは二人を舞ってたんだから!待ってたんだから?それもなんでもいいか!」
ロッキー :
「どっちであっても変わらない。まさに『なんでもない』ね!」帽子屋の調子に合わせ、クスクスと笑う
飴家 真珠 :
「……???」 浅香を丸い目で見ながら、手を差し出す。あなたは誰と、問いかけている。
多々良那 浅香 :
「あたしは帽子屋!あいにく水銀中毒とは無縁だけど……」
多々良那 浅香 :
「スポットライトに狂わされちゃった!あなたたちはどう?」力強く手を取る。真珠だけではなく、ロッキーの手も。
ロッキー :
「生きている以上は、何かに狂わずにはいられないね?」握り返して
飴家 真珠 :
「……」 二人の様子がなんだかおかしかったのか、くすっと小さく、楽し気に笑いながら手を握る。
ロッキー :
「さて、お茶会が手短になってしまったのなら……」懐中時計を手にして、長針と短針をぐるぐる回す…
ロッキー :
「……おお、なんてことだ! 早くしないと、女王様がお怒りになるぞ!」白々しく、アリスと帽子屋に時計をみせる
飴家 真珠 :
「っ!?」 ビクッと肩を震わせて、焦ったように時計とロッキーを交互に見る。
多々良那 浅香 :
「ひえ~~w 怒らせたら一番怖いんだからあの女王様は」茶化して
ロッキー :
「優しいところもあるけどね!」鼻を鳴らして笑う
ロッキー :
「では、女王様へのえっけんと行こう! さ、着いておいで!」
飴家 真珠 :
「!」 頷き、再び白兎を追いかける。
飴家 真珠 :
そして、三人はステージの中央へと向かっていく。
飴家 真珠 :
そこで待ち受けていたのは、燃えるような赤色の光。
飴家 真珠 :
降り注ぐハート型のスポットライトが、最後に照らし出したのは……。
蹄啼 イバラ :
玉座に厳かに腰掛けた、一人の少女。
蹄啼 イバラ :
真っ赤に塗った薔薇があしらわれた、漆黒のドレスを纏っている。
蹄啼 イバラ :
「……あらまあ、可愛らしい女の子」
蹄啼 イバラ :
王笏を模したスタンドから、ハンドマイクを引き抜いて立ち上がる。
蹄啼 イバラ :
同時。トランプ兵を模した黒子が、ステージ上の小道具大道具を回収していく。
蹄啼 イバラ :
「初めまして、わたくしはハートの女王。この不思議の国を統べるもの」
蹄啼 イバラ :
「……女王として断言します。貴女のような少女、わたくしは知りません」
蹄啼 イバラ :
「さて、貴女はいったい何処のどなたで、何処へ行こうと言うのでしょう?」マイクを突き付けて問いかける。
その疑問は、現在の飴家真珠に通じるものでもあった。
飴家 真珠 :
「…………」 突きつけられたマイクに戸惑うように、一歩後ずさって視線を泳がせる。
飴家 真珠 :
「!」 が。その視界にロッキーと浅香の姿が映った瞬間、彼女は何かに気づいたかのように、目を大きくして。
飴家 真珠 :
突然二人に近づくと、その手を取った。
ロッキー :
「おおっと、キミはどうするのかな?」そのまま手を取られ、動向を見守る
多々良那 浅香 :
「どうしたのかな?お茶会が恋しくなっちゃった?」同じく次に何をするか待つ
飴家 真珠 :
真珠は二人を連れて、イバラのもとへと戻る。
飴家 真珠 :
そして、二人の手を離すと、前へと一歩出て、今度はイバラの手を包み込むように両手で握った。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
幸せそうに微笑みかける。まるで、自分の居場所は、みんながいるこの世界だと伝えるかのように。
蹄啼 イバラ :
「……なるほど。お望みは我が国への移住でしたか」
蹄啼 イバラ :
「よろしい。それなら丁度いい」身を翻して、セットポジションに付く。
蹄啼 イバラ :
「ふふ、これから愉しい愉しい舞踏会が始まります」
蹄啼 イバラ :
「貴女たち、それに参加なさい!」
困惑する三人の返事を待たず、女王は続ける。
蹄啼 イバラ :
「……他の用事? お茶会? わたくしは女王なのですよ? 口答えは許しません♪」
蹄啼 イバラ :
「返事は、大きく口を開けて『はい、女王陛下!』でしょう?」
飴家 真珠 :
「っ!!」 は、はいっ、と慌てて唇を動かす。だが、返事は声を伴わない。
多々良那 浅香 :
「は~い、女王へーいか!」間延びしたちゃらんぽらんの返事だ
ロッキー :
「はい、女王陛下!」 恭しく礼をするが、顔は上げたままだ
蹄啼 イバラ :
「……何をぼさっとしているのですか~? トランプ兵、貴方たちもですよ~?」マイクを観客席に向ける。
GM :
語彙力を失ってしまったのか、自らも世界観の一部と化していたのか……興奮に反して静かで煌びやかなペンライトも自重を見せていた客席は、その呼びかけに、まるで予定されていたかのように、誰からともなく一斉に答える。
観客達 :
「「「はい、女王陛下!」」」
蹄啼 イバラ :
「よろしい……♡」にこりと微笑んで
蹄啼 イバラ :
「それでは、いよいよ舞踏会の幕を上げるとしましょう」
蹄啼 イバラ :
「────さあ、曲を流しなさい!!」そう叫んで、手を掲げる。
飴家 真珠 :
「……!」 はい、女王陛下! と、この世界に馴染んだかのように、楽し気に唇を動かす。
多々良那 浅香 :
「はい、女王陛下!」勢い余ってどこかの装飾を放り投げる
ロッキー :
「はい、女王陛下っ!」 ウサギらしくステップして、立ち位置に移動する
飴家 真珠 :
女王の命令に応じるかのようにスクリーンに表示されたのは、毒々しくも美しい装飾文字の『AILs in Wonderland』というタイトル。
飴家 真珠 :
そして始まる、ダークゴシックな旋律が会場を震わせる中、ステージが一斉に光で満たされて……
飴家 真珠 :
ついに、AILs初ライブの幕が上がる────。
ロッキー :
先陣を切るように、白い尾をたなびかせた王子が躍り出る。
ロッキー :
ステージを忙しなく、されど華麗に。自分の庭であるかの如くステップを踏む。
ロッキー :
時折り、観客は彼女と視線を交えることがあるだろう。ほんの瞬きであるが、紛れもなく彼女から視線を受け取っていた。
ロッキー :
それはもっと深く、さらに深く。不思議な国へと誘うレスポンスだ。
ロッキー :
兎孔を思わせる紅の瞳に引き込まれたが最後、彼らはワンダーランドの住人となるのだ。
ロッキー :
「キミたちはラッキーだ。クロッケーなんて退屈な催しモノは今日は無し!」曲の合間に、観客へ向けて言葉を紡ぐ。
ロッキー :
「愉しい愉しい舞踏会、今日はそれがずっと続くのだからね!」
ロッキー :
そうやって、心を射止めた者たちへウィンクを送ると……次の演者へと流れるように立ち替わる。
蹄啼 イバラ :
流れるようにロッキーと入れ替わり、蹄啼イバラはセンターに立つ。
蹄啼 イバラ :
「……♪」
少女は歌う。あらゆる技巧を駆使して。
聴衆の脳を揺さぶるような甘い声でメロディーを紡ぐ。
メロウな歌声で、キャンディーを舐め溶かすみたいに、観客の心を蕩けさせる。
蹄啼 イバラ :
────日本の強豪アイドル達が集められた、東京ドリームフェス。
その中にあっても、蹄啼イバラの歌唱力は群を抜いていた。
有象無象のアイドルの努力を嘲笑うような圧倒的技量。
蹄啼 イバラ :
『首を刎ねろ』と、ライブステージの女王は手を振り払う。
そのパフォーマンスは、固唾を呑んでステージを見守る他のアイドルに向けられていた。
ステージに立つ価値もない雑魚は、みんな辞退してしまえばいいと。
蹄啼 イバラ :
傲慢に、妖艶に。威圧的に、蠱惑的に。
まさしく女王のような甘美な歌声で、アイドルを含めた観客の心を奪っていく。
────だがしかし。
蹄啼 イバラ :
「(……わたくしらしくもない歌)」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラにとって、作曲とは「翻訳」に近い作業だ。
魔眼によって読み取ったヒトの心を、ありのままメロディーに訳す。
蹄啼 イバラ :
……世間の流行り廃りは気にしない。
流行は乗るものではなく、自分が通った後に出来ているものだから。
蹄啼 イバラ :
管弦楽団、エレキギター、シンセサイザー。果ては銃声といった楽器でもないものまで。
何でも節操なく取り入れ、ジャンルの垣根さえ超えて、ヒトの心を音色で紡ぎ出す。
それが蹄啼イバラの音楽だった。
蹄啼 イバラ :
────そして、今回のテーマは『AILs』。
飴家真珠の、愛情への渇望。
ロッキーの、未来への冀望。
多々良那浅香の、自覚なき”現実”への期待。
希望と不安。なによりも、それぞれが抱える苦しみ。
同じグループの仲間の心情を、そのまま綴ったモノ。
蹄啼 イバラ :
……もっとも、声を失った誰かさんの気持ちは、推し量るコトしか出来なかったが。
この想像の余地のせいで。あるいは、作詞を彼女に任せたせいで。
おかげで、らしくない曲に仕上がってしまった。
蹄啼 イバラ :
────生々しいヒトの心を描く”写実主義”のアーティストらしからぬ、華々しい歌に。
蹄啼 イバラ :
「~~♪」
だというのに、あまり悪くない気分だった。
その矛盾に微笑みさえ浮かべて、メロウな歌声を紡いでいく。
多々良那 浅香 :
「~~♪」
多々良那浅香の低い声は、2人の声の下地として艶良く響く。
多々良那 浅香 :
舞台上をひらひらと舞う。狂気の帽子屋を演じる都合上右へ左へと激しく動くが、普段のライブほど無茶ではない。
多々良那 浅香 :
工程というものを破壊するいつもの演出ではなく、事前にもたらされた秩序ある動きを流麗に。
多々良那 浅香 :
ユニット結成を発表した当初、ファンから最も心配されていたのは彼女だった。
多々良那 浅香 :
デビューしたての真珠、ロッキー、表立っては問題行動の無いイバラと違い、明確なワンマンプレイヤー。
人に迷惑をかけることも少なくなく、協調性に欠ける。
多々良那 浅香 :
ライブ中は上手くいったとしても、SNS運用でメンバーの個人情報をお漏らしなんてことも考えられ……
多々良那 浅香 :
ていた。が、今のところそうはなっていない。
多々良那 浅香 :
それもそのはず。浅香は明確に、AILsのメンバーに度を越した迷惑がかからないよう意識していた。
今、このライブ中のダンスにもその意識は表出している。
多々良那 浅香 :
普段あちらこちらを見て定まらない視線は、常に仲間と観客、床を往復し。
多々良那 浅香 :
無遠慮に振り回されている四肢は、既定の枠へ収まり秩序立って。
多々良那 浅香 :
それは無遠慮で無鉄砲な愛故に?無垢無情な憧憬故に?予想だにしなかった同僚の変化故に?
多々良那 浅香 :
全くの無意識ながらも、全てが壊れたあの日だって知っていたはずの当然がそこにあった。世界は、人で構成されている。
多々良那 浅香 :
理想郷へと逃れた罪人、中毒に溺れた狂人……多々良那浅香は、大変に勝手ながら、ほんの小さじ程度に、現実への帰還を果たしていた。
多々良那 浅香 :
その小さじは足先に宿り、ステップを刻んでいた。
飴家 真珠 :
……他のメンバーが歌声を響かせる傍ら。
飴家 真珠 :
真珠は一切の音を立てることなく、ただひたすらに、しなやかに踊り続けていた。
飴家 真珠 :
ドラマチックに加速する曲の展開を余すことなく掬い上げ、真珠は全身の躍動と豊かな表情で演出する。
飴家 真珠 :
しかし、その表情にはずっと喜びが混じっていた。
飴家 真珠 :
なぜなら、AILsのメンバーが歌い上げるその言葉は、真珠自身が考え出した歌詞だったからだ。
飴家 真珠 :
声を失った自分の代わりに、大好きなみんながその想いを歌に乗せて観客へと届けてくれる。
飴家 真珠 :
その歌声が響くたびに真珠の心を熱く満たして、隠しきれない笑みを零していた。
飴家 真珠 :
だが、やはり、歌うことができないというのは致命的だった。
飴家 真珠 :
真珠は必然的に、他のメンバーの影に隠れて埋もれていく運命にある。
飴家 真珠 :
だが、それで構わない。真珠には、彼女にしか出来ない役割があった。
飴家 真珠 :
王子のように華麗に振る舞うロッキーには、可憐な姫として視線を絡め。
飴家 真珠 :
ダンスが不得意なイバラの傍らでは、彼女の動きが不自然にならないように寄り添って、流れるような舞いでその隙間を埋めていき。
飴家 真珠 :
ひらひらと舞い踊る浅香には、心躍らせる子供のようにはしゃいで、共にステップを刻む。
飴家 真珠 :
真珠は不思議の国を駆け回るアリスのようにステージを巡りながら、みんなを引き立て、繋ぎ、その輝きを何倍にも増幅させていた。
飴家 真珠 :
それを真珠が意識して行っているのかは定かではないが、少なくとも彼女にとって、自分が主役になる必要なんて微塵もなかったのだろう。
飴家 真珠 :
ただ大好きなみんなと一緒にステージに立って、ライブを楽しむ。それだけで十分なのだと、真珠の表情が物語っていた。
蹄啼 イバラ :
「……っ」
蹄啼 イバラ :
薄氷を踏むように、綱渡りのようにステップを重ねる。
────世界レベルの歌唱力に比べ、あまりに質の低いダンス。
ベテランの浅香は当然、新人である真珠やロッキーほどのキレもない。
これ以上ないくらい、アンバランスなパフォーマンス。
蹄啼 イバラ :
アイドルにとってはそれが普通でも、歌って踊るを同時にこなすのは至難の業。
真珠の甲斐甲斐しいサポートがあっても、それ自体は変わらない。
……ライブの進行につれて、蹄啼イバラの体力が切れてくる。
軽い酸欠だろうか、脚が重い。
持ち味の歌声まで、次第に定まらなくなってくる。
蹄啼 イバラ :
……が、流れる曲は待ってくれない。
いよいよクライマックス。”最大の難所”がやってくる。
蹄啼 イバラ :
────フォーメーションチェンジ。
歌いながら、踊りながら、それぞれの立ち位置を入れ替えるパフォーマンス。
最大の難所であり、グループとしての最大の見せ場。
蹄啼 イバラ :
「(リハーサルでは成功していますっ……! 今回もっ……!)」
蹄啼 イバラ :
かつんとヒールを鳴らし、蹄啼イバラは大きく踏み出す。
ステージの中央で、四人のアイドルが交差する。
蹄啼 イバラ :
────その瞬間。
イバラの衣装に絡みついた棘の装飾が、飴家真珠の服の裾に引っかかった。
飴家 真珠 :
「っ!?」 違和感を覚え、驚きながらイバラに振り向く。
蹄啼 イバラ :
「……っ!?」
リハーサルでは、この衣装を着ていなかった。
故に予期できなかった、想定外のハプニング。
蹄啼 イバラ :
「(このままでは、真珠さんの衣装が破れ……)」
なんとか避けようと、イバラは身を翻し────
蹄啼 イバラ :
だが、軸足に力が入らず。そのまま大きく体勢を崩してしまった。
蹄啼 イバラ :
「────ぁ」
きぃぃんと、取り落としたマイクがハウリングする。
蹄啼 イバラ :
それから少し遅れて、
他人事のように「自分は転びそうになっているのだ」と気が付く。
もうリカバリも効かないだろう。思わず目を閉じる。
ロッキー :
ジジッ──────。
ロッキー :
『姫たちが、どうしようもなく道に迷った時……』
ロッキー :
《タッピング&オンエア》を通じてイバラのイヤホンに僅かなノイズが走ると同時に、ロッキーの声があなたに届く。
ロッキー :
さらに、ブラックドッグによる磁力操作。僅かにライトを観客へ向けて一瞬だけの目晦ましを行う。
ロッキー :
『……傍にいてあげるのが、王子というものなのさ』
ロッキー :
流れるような動きでイバラをすくい、ごく自然な形で抱き上げてみせた。
蹄啼 イバラ :
「ロッキー、さん……?」か細い声が漏れる。
蹄啼 イバラ :
────生まれて初めて、ステージの上でミスをした。
その事実を前に、思考が停止する。
蹄啼 イバラ :
ああ、不安が消えないことも当然だったと腑に落ちる。
無慈悲に流れ続けるメロディーが、どこか遠くで聞こえる。
飴家 真珠 :
イバラがミスをしてから、真珠の動きに淀みは一切なかった。
飴家 真珠 :
真珠は優雅に舞い続けながら、まるで初めから決められていた振り付けであるかのように自然な動作で、床に転がったイバラのマイクを拾い上げる。
飴家 真珠 :
彼女はステップを踏んだまま、イバラの元へと吸い込まれるように歩み寄り────
飴家 真珠 :
その両手をそっと包み込むように取って、その掌の中へマイクを優しく手渡す。
飴家 真珠 :
そして、そのまま真珠はイバラと鼻先が触れそうなほどに顔を寄せて、
飴家 真珠 :
“大丈夫だよ”
飴家 真珠 :
と、声なき言葉をかけるように、慈愛に満ちた微笑みを向けた。
蹄啼 イバラ :
「真珠さん……」マイクを手渡され、床ばかりを見つめていた目が前を向く。
飴家 真珠 :
「……!」 目と目が合って、嬉しそうに笑って、
飴家 真珠 :
真珠は指先でイバラの手を撫でながら、彼女から離れ、元のダンスの流れに自然と戻っていった。
ロッキー :
ロッキーも同様、イバラから離れる直前に彼女の左手を取り……
ロッキー :
『がんばるんだよ』細やかな激励と、手の甲にキスを落として立ち位置に戻って行った
多々良那 浅香 :
発生してしまった空白を埋めるように軽いステップを踏みながら、浅香は一連の流れを眺めていた。
多々良那 浅香 :
掃けた二人に一瞬の間を任せ、自身もイバラへと滑らかに近寄る。
多々良那 浅香 :
「もう動ける?」
マイクも拾わない声で小さく呟き、手を取る
蹄啼 イバラ :
「ぇ、え……」あっけに取られたような声を漏らす。
多々良那 浅香 :
「嗚呼女王様!遅ればせながらこの帽子屋、貴方様の身を案じ身許に馳せ参じました!」
多々良那 浅香 :
「かくも麗しく貴き女王様のお膝に煤が付くのを、この帽子屋黙って見てはおられなかった故!」
呆けたイバラの取った手を引き、これから続くダンスの為に勢いづけて動かす。
蹄啼 イバラ :
「(こんなセリフ、段取りにないハズ……わたくしのミスにあわせて、咄嗟にアドリブを……?)」
多々良那 浅香 :
「して、慈悲深き貴方様におかれましては……至らず足りぬ、我らにこのまま舞踏会を愉しむ許可を下さいませ!」
仰々しく
多々良那 浅香 :
「まさかこのままボサッとして終わりじゃないよね?女王様?」
するりと手を抜き、流し目のニヤけ面を張り付けた女がその場を去ろうとする
蹄啼 イバラ :
「────────」大きく目を見開いて
蹄啼 イバラ :
「……はっ、誰にモノを言っているのかしら?」そのアドリブに乗る。
蹄啼 イバラ :
「巫山戯たことばかり言っていると、首を刎ねてしまいますよっ!!」
蹄啼 イバラ :
とっくに限界は超えている。体力は少しも残ってはいない。
蹄啼 イバラ :
……が、アーティストとしての矜持を杖代わりにして、なんとかパフォーマンスを再開する。
多々良那 浅香 :
「怖いでございまする~w」
ちょこちょことした小走りで逃げ去る
蹄啼 イバラ :
「(ああ、なんて無様……)」
蹄啼 イバラ :
「(大舞台でミスして、みんなにフォローしてもらって……)」
蹄啼 イバラ :
────でも、何故だろうか。自分の心は満たされていた。
蹄啼 イバラ :
「~~♪」
蹄啼 イバラ :
ただ一瞬、蹄啼イバラは自分の心の赴くままに歌う。
蹄啼 イバラ :
歌うことの出来ない飴家真珠の分まで、全身全霊で。
蹄啼 イバラ :
……少女の胸を締め付けていた不安は、いつしか姿を消していた。
もしミスをしても、仲間が助けてくれると知ったから。
蹄啼 イバラ :
それはきっと『仲間への信頼』。
────蹄啼イバラがしたくても出来ずにいた、誰かを信じるということだった。
蹄啼 イバラ :
なにより『最善を尽くす』と言ったのは自分のはずだ。
蹄啼 イバラ :
────このステージを絶対に見ているだろう朝霧ユラ。
蹄啼 イバラ :
これ以上の失態を、彼女に晒す訳にはいかない。
蹄啼 イバラ :
……先程の躓きで、ステップは上手く踏めなくなった。
蹄啼 イバラ :
が、それなら歌に集中すればいいだけのコト。
蹄啼 イバラ :
ダンスのフォローは仲間に任せて、歌唱力のボルテージを際限なく上げていく。
GM :
およそ一か月前の電撃的なデビュー発表、そこからこの完成度の楽曲と圧倒的な世界観の作り込みを見せた演出。
GM :
なによりも、舞台というある種の壁を通しても伝わるAILsの確かな絆。
GM :
ファン目線にしても『絆』という言葉からは縁遠かったはずの孤高のアーティスト蹄啼イバラが不安定な動きからみんなを信頼して立ち直る場面……到底演出とは思えない生の感情の動きに、聴衆は魅了された。
GM :
対外的には生まれたばかりのユニットに、それだけのストーリーを伝えたのだ。
GM :
完全に世界観に没入していた客席は、演出が終わるなりざわめき立つ。
GM :
……万雷の拍手に送りだされ、あなたたちの夢の舞台の幕は下りる。
GM :
もはやそれは、ファム・ファタールの組織力を生かした売り込みなどという言葉では片付けることができないものだった。
泊里 零一郎 :
「……」
泊里 零一郎 :
「いいのだろうか、僕がこんな素晴らしい夢を見ても」
泊里 零一郎 :
「……いや、今日だけは忘れよう」
泊里 零一郎 :
「アイドルの……彼女たちの輝きはそのためにあるのだから」
二条 純恋 :
「AILs……思った以上の成果を上げたわね」
二条 純恋 :
「新人ふたりのポテンシャルを証明するだけでなく、蹄啼さんと多々良那さんの可能性も引き出した」
二条 純恋 :
「これからのファム・ファタール……もっと面白くなるわ」
GM :
すごいものを見たと沸きに沸く聴衆。
GM :
その反響は会場の枠を超えて、配信でライブを視聴していた全国の視聴者にも広がっていた。
GM :
先のRe:tryのパフォーマンスも大きな盛り上がりを見せたが、AILsが真価を発揮した以上、さすがにファム・ファタールへ軍配が上がる。
GM :
SNSではフェスも終わっていないのに早くもAILsのパフォーマンスについて長文の感想を述べるもの、新人組のデビューライブの映像をリポストで拡散するもの、
GM :
多々良那浅香のチャンネル動画に万札を投げ銭するもの、
GM :
なぜか撮影禁止のはずなのに出回っている蹄啼イバラの転倒シーンからの一部始終を収めた写真を掲載して「尊い……」と限界化するものも多数。
GM :
話題性だけに終わらない、AILsのユニットとしての存在感を世間に見せつけたのだった。
GM :
あなたたちは楽屋に戻って水分補給をしながら、やりきった達成感を覚えていた。
ロッキー :
「……ふぅ!」 ドカッと椅子に腰を落ち着ける
ロッキー :
「やりきった、ねっ!」イエイ、とピースしてみせる
飴家 真珠 :
「……!」 頷いて、笑顔でダブルピースを返す
多々良那 浅香 :
「つ゛っかれたー、こんなん何べんもやってる方々の気がしれんすわ!!」
備え付けの冷蔵庫から飲み物取り出して
蹄啼 イバラ :
「…………」メンバーが達成感に満たされる一方、一人だけ沈んだ表情を浮かべている。
飴家 真珠 :
「……?」 ちょんちょん、とイバラの肩を触って、どうしたのかと不思議そうに顔を覗き込んでいる
蹄啼 イバラ :
「やりきった……みなさんはその達成感に浸る権利があります……」両手で顔を覆って
蹄啼 イバラ :
「ですが、わたくしの場合は……"やってしまった"……」
蹄啼 イバラ :
「そう表現するのが正しいでしょう……」顔を上げて、楽屋の椅子から立ち上がる。
蹄啼 イバラ :
三人に向き直り、深々と頭を下げる。
蹄啼 イバラ :
「すみません……わたくしっ……」
蹄啼 イバラ :
「先程のステージでは、みなさんにご迷惑をっ……」
飴家 真珠 :
[なんで!?!?] 驚いて、赤色の文字を跳ねさせる
ロッキー :
「気にすることはない……なんて、軽々しくは言うつもりはないけども……」ふむ、と自分の顎を撫でて
ロッキー :
「ステージの上でも言ったけど、困った時に助けてあげるのが王子の役目だし……それ以前にだね……」
ロッキー :
「僕サマたちは仲間だ。ちょっとのミスぐらい、喜んでカバーするともさ」ひらひらと軽く手を振って
蹄啼 イバラ :
「仲、間…………いやしかし…………」納得がいっていないようで食い下がる。
多々良那 浅香 :
「反省会ダルいよ~~……いやまぁ、反省すんのはそれぞれで勝手にどうぞって感じなんだけどさぁ……」
こういう空気が苦手なようだ。
蹄啼 イバラ :
「みなさんに過失はありませんし、反省はわたくしが後で一人で行ないます」
蹄啼 イバラ :
「が、わたくしが言いたいのはそうではなく」
蹄啼 イバラ :
「……真珠さんが言っていた”ご褒美”の件です」
飴家 真珠 :
「????」 自分の顔を指差しながら、どういうこと? と首を傾げる
蹄啼 イバラ :
「今回、頑張ったのはみなさんです」
蹄啼 イバラ :
「……ミスの埋め合わせもありますし、真珠さんではなく"わたくしがみなさんのお願いを聞く"というのが筋かと」
蹄啼 イバラ :
「さあ、何でも言ってください。わたくし個人にできる範囲であれば、何でもさせていただきますよ」自分のミスに対する沙汰がないのは気になるのだろう。そんなことを言い出す。
多々良那 浅香 :
「めんどいっしゅ~、真珠ちゃんロッキー頼んだ」
すす~とはける
飴家 真珠 :
[いっちゃった] 手をふりふり
ロッキー :
「なんでも、お願いねぇ。どうする真珠姫?」ちょっと渋い顔で腕を組んで
飴家 真珠 :
「…………」 うーん、と顔をしかめて
飴家 真珠 :
[いばらちゃん わたしたちほんとに きにしてないよ?]
飴家 真珠 :
[だれだってミスすることはあるんだし それがきょうは いばらちゃんだったってだけで]
飴家 真珠 :
[それに なんとかうまくごまかせたし よかったじゃない]
飴家 真珠 :
[きっとみんな えんしゅつのいちぶだとおもってくれてるよ!] 笑顔で両手をグッと握りしめる
蹄啼 イバラ :
「……結果的には、確かにそうなりましたが~」
蹄啼 イバラ :
「ワガママを言うようですが、それではわたくしの気が済まないのです」
飴家 真珠 :
[じぶんにきびしいなあ いばらちゃんは] 困ったように笑って
飴家 真珠 :
[じゃあ おねがいをきいたら ちゃんときがすんでくれる?]
飴家 真珠 :
[それと ほんとになんでもいいの?] 人差し指を頬に当てながら
蹄啼 イバラ :
「え、ええ……わたくしにできることであれば……」少したじろいで
飴家 真珠 :
[わかった それならおねがいしちゃおっかな!] 嬉しそうに笑って
飴家 真珠 :
[そうだ いばらちゃんは わたしがなにおねがいするとおもう?] イバラの周りを楽し気にぐるぐる周って
蹄啼 イバラ :
「何をお願いするか……これまでの真珠さんの行動傾向を考えれば、ハグとかキスとか……そんな破廉恥なお願いでしょうか……」ぐるぐる回る真珠を目で追っている。
飴家 真珠 :
「…………」 立ち止まり、溜めを作るかのようにイバラをしばらくジッとと見てから、
飴家 真珠 :
ブブーッ! と、両手でバツを作る。
蹄啼 イバラ :
「ち、違うのですか……? では、いったい何を────」
飴家 真珠 :
[せいかいは~]
飴家 真珠 :
[えがおになってください でした!] 顔の隣で、手でハートマークを作りながら笑う
蹄啼 イバラ :
「笑顔に……?」
飴家 真珠 :
そうそう、と頷いて、
飴家 真珠 :
[いばらちゃんがしょんぼりしてると わたしかなしいもん]
飴家 真珠 :
[だから いばらちゃんにはわらっていてほしいな]
飴家 真珠 :
[ミスしたこととかきにするのをやめて いつもみたいにニコニコしてて? それがわたしのおねがい!]
蹄啼 イバラ :
「真珠さん……」
蹄啼 イバラ :
「分かり、ました……それが貴女の願いなら……」
蹄啼 イバラ :
そう言って、にこりと笑顔を作る。
飴家 真珠 :
「……!」 ぱあっと笑って、
飴家 真珠 :
[ありがと! やっぱりいばらちゃんは わらってるほうがかわいいよ!]
飴家 真珠 :
イバラと両手を繋いで、わーいわーいと腕を揺らしている。
蹄啼 イバラ :
「あぅ……相変わらずですね、真珠さん……」困ったように笑う。
多々良那 浅香 :
「ええぞええぞ!」
多々良那 浅香 :
少し離れた椅子で溶けながらその様子を勝手に撮影する
蹄啼 イバラ :
「あっ、勝手に撮らないでください…!? そういう仲良し営業、していませんから…!?」
飴家 真珠 :
[そうだよ! してないよ!] 浅香の方を見てから
飴家 真珠 :
[だって えいぎょうじゃなくて ほんとになかよしなんだもん!] イバラに抱きつく
多々良那 浅香 :
「その通り!これは事実の喧伝であります!」
電撃投稿
ロッキー :
「あはははっ! ま、嘘ではないよね!」愉快そうにその様子を眺めている
蹄啼 イバラ :
「し、真珠さん~~……」だが引き剥がすようなことはせず、抱き着かれている。
蹄啼 イバラ :
「うう、何でもすると言ったのはわたくしですし……強気に言えません……」
飴家 真珠 :
楽しそうに、すりすりもちもちと抱きつき続けている。
ロッキー :
「それじゃあ、僕サマも願い事を一ついいかな?」何か思いついたようで
蹄啼 イバラ :
「ええ、もちろん……」あ、多々良那さんのお願いは無断アップロードで消費ということで、と釘を刺しながら。
ロッキー :
「僕サマからはそうだね、もし今抱えている問題が全部片付いたら……」
ロッキー :
「みんなで遊びにいこう!」
ロッキー :
「……なんて、お願いさ」ふふん、と胸を張って
蹄啼 イバラ :
「わたくし達みんなで、遊びに……?」
ロッキー :
「そうさ、ライブが始まる前に真珠姫に言ったテーマパークでもいいし……海とか、何なら海外でもいいね……」徐々にスケールが大きくなる
ロッキー :
「……とにかく、みんなで遊びにいきたい! 僕サマの我儘さ!」
飴家 真珠 :
「……!!」 素敵! と両手を合わせる
多々良那 浅香 :
「めっちゃいーじゃーん!」
もうソファに横になっている
蹄啼 イバラ :
「海外に、遊びに~……」悩んだように頬に手を当てて
蹄啼 イバラ :
「それなら一つ、ちょうどいい候補があります」
ロッキー :
「おお、聞かせてくれないか!」食いついて
蹄啼 イバラ :
「……十月の下旬、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールという国際大会が、イタリアで開催されます」
蹄啼 イバラ :
「わたくしはその決勝に参加を予定していて、暫くはイタリアに滞在するつもりだったのですが」
蹄啼 イバラ :
「……みなさんもご一緒に、どうですか?」
ロッキー :
「もしかして、それは……ご招待ってことかい!」イバラの提案に目を輝かせる
蹄啼 イバラ :
「ええ、勿論。旅費やコンクールの観覧費諸々、わたくしが全て持たせてもらいますよ~」
多々良那 浅香 :
「それは……めっちゃいいじゃん」
流石に身を起こした
飴家 真珠 :
[いきたい! みんなでりょこうだ!] わーい、と万歳のポーズ
ロッキー :
「賛成だ! ありがとうイバラ姫、今からとても楽しみだよ!」 イバラの両手を包んで、軽く振る
蹄啼 イバラ :
「では、決まりということで」にこりと笑って
蹄啼 イバラ :
「……この大会の結果も出ていないのに、もう旅行の話なんて気が早すぎる気もしますが~」
ロッキー :
「ふふ……未来に楽しみを作っておけば、生きる活力が湧くと思わないかい?」
ロッキー :
「今の僕サマと、真珠姫や浅香姫だってきっとそうさ」
ロッキー :
「イバラ姫は……どうだい?」瞳を覗き込むように
蹄啼 イバラ :
「…………否定は、しませんよ」目を逸らす。罪滅ぼしのための約束ではあったが、楽しみじゃないと言えばウソになってしまう。
多々良那 浅香 :
「ウワ、今から楽しみになってきた……え~?この四人で旅行?」
多々良那 浅香 :
「年甲斐もなく寝れなくなっちゃうけど?当日寝不足参加よろしい?」
軽やかに3人の元に再度寄って来て
蹄啼 イバラ :
「安心してください。爺やも付いてくるので正確には五人です」水を差す。
多々良那 浅香 :
☹
飴家 真珠 :
[とにかくすっごくたのしみ! ちゃんとあそべるように ちゃんとねてね!] 浅香に
ロッキー :
「ふふ、浅香姫も万全を期して楽しもうじゃないか」微笑ましく笑って
ロッキー :
「ああ、本当に楽しみだね……。生まれて来て良かったとさえ思うとも!」仰々しく腕を拡げて、感情を最大限に表現してみせる
飴家 真珠 :
「……!」 ね! とまねっこして両腕を広げてる
GM :
達成感に包まれながら、この4人での新たな約束を胸にした一行。
GM :
……しかし、祭典はこれで終わりではなかった。
GM :
では最後の購入タイミングです!
GM :
買うものどうぞ!
飴家 真珠 :
わたしも白兵武器使うし、強化素材購入します! 難易度は15
飴家 真珠 :
3dx しかし買えるとは言っていない(3DX10) > 10[5,8,10]+4[4] > 14
GM :
すごんじゅ!?
飴家 真珠 :
買えるんじゅ!? 財産点1点消費して成功に!
system :
[ 飴家 真珠 ] 財産点 : 6 → 5
飴家 真珠 :
雷将神器に使って、攻撃力に+1します!
GM :
強くなったね…🍭✨
多々良那 浅香 :
そしたらまたUGNボディアーマー買っちゃお!いくぜ
GM :
どうぞ!
多々良那 浅香 :
(1+2+0)dx(10+0)+9+0 〈調達〉判定(3DX10+9) > 8[1,4,8]+9 > 17
多々良那 浅香 :
余裕の購入
多々良那 浅香 :
これをロッキーに横流しします!防護点を8点もらっておいてくだち
ロッキー :
ありがたすぎ!!ありがと浅香ちゃん
ロッキー :
応急手当キット狙っておこうかな! 爆破テロで火傷するかもしれない
GM :
備えあれば…どうぞ!
ロッキー :
3dx+1 目標8(3DX10+1) > 4[2,3,4]+1 > 5
ロッキー :
ヌーン…ライブ後で疲れていたな…
ロッキー :
まあ、いらない…か…?
GM :
財産点、残しておいても仕方ないという説もあります
ロッキー :
そういや最後の調達だしな、お金使うか! おい持ってるだろジャンプしてみろ!
ロッキー :
3円払おう
system :
[ ロッキー ] 財産点 : 4 → 1
GM :
明治の物価? では購入!
蹄啼 イバラ :
HPコスト払えなくなった時のために、わたしはパープルテンプターを狙いましょ!
GM :
どうぞい!
蹄啼 イバラ :
3dx+2 調達(3DX10+2) > 9[6,8,9]+2 > 11
蹄啼 イバラ :
難易度20なので、財産ポイント9点を使って成功!
GM :
買えとる! この卓ならではかもしれん
system :
[ 蹄啼 イバラ ] 財産点 : 15 → 6
GM :
その後もフェスは特に何事もなく進んでいき、最後のグループがライブを終え、締めに入ろうとしていた。
GM :
しかし。
GM :
……突然、会場の照明が落ち、辺りが暗くなる。
GM :
「なんだ? 停電か?」「演出だろ」「こんな演出予定にないぞ」
GM :
あちこちから観客やスタッフの騒ぐ声が聞こえる。
飴家 真珠 :
「!?」 突然の暗闇の中、辺りを見回す
多々良那 浅香 :
「あらあら」スマホで照らして
蹄啼 イバラ :
「停電……? これはいったい……?」周囲の混乱が耳に入ってくる。
ロッキー :
「……会場全体を巻き込んだ演出、ではなさそうだね」嫌な気配を感じとる
GM :
どうやら演出などではないようだ。
GM :
電力トラブルだろうか……と思った矢先、会場を映すモニターがまず復旧する。
GM :
モニターに備え付けられたスピーカーから、悲鳴にも似た熱狂的な歓声が沸き起こるのを耳にする。
飴家 真珠 :
「……???」 どうしたんだろ? とモニターの明かりを頼りに、イバラの服の裾を指で引っ張っている
蹄啼 イバラ :
「……わたくしの衣装は危ないので、あんまり寄らないでください?」困ったように笑う。けど、こういう場面で頼られるのは、ちょっと嬉しいような。
GM :
肝心のメインステージは、照明が落ちたままで様子がはっきりと見てとれない。
GM :
いったい何が起こっているのか、それは客席の前列にいるもの以外知ることができない。
GM :
だが、推理することならできる。
GM :
ステージに立っている演者はどうやらたったひとり。
GM :
……日本の音楽シーンにおいてかつて一世を風靡したソロアイドルという概念は、グループアイドルの台頭とともに一度終焉を迎えた。
GM :
SNS全盛の現代において、アイドルは集団戦。
GM :
それぞれのフォロワー数の合計が力であり、愛嬌や技量だけでなく自分の人生そのものや、ときには周囲との関係性までも商品へと変えて行く。
GM :
その時代の流れは、トップアイドルと呼ばれるファム・ファタールのエースたちでもそう抗うことはできない。
GM :
しかし……。
GM :
そんな現代にまるで蘇ったかのように、たった一人で万単位の箱を埋めて熱狂させられるカリスマを持ったアイドル達が現れた。
GM :
ひとりは、世界的な音楽家からアイドルの世界へと転身し、今なおその期待を一身に背負う蹄啼イバラ。
GM :
そして、もうひとりは……。
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「……みんな、ただいま」
GM :
照明の復旧とともに聴衆の前に姿を現したのは――"最後のソロアイドル"、朝霧ユラだった。
GM :
その瞬間、ワッと建物が揺れたと錯覚するほどに会場がひときわ大きく沸き立つ。
GM :
「え、ゆらら!?」「本物?」「引退したんじゃ無かったのか!?」「また会えるなんて……夢じゃないよね……?」「え、無理なんだけど……」
GM :
困惑し現実を疑うもの、感激し涙を流すもの、熱狂して意味不明な言葉を叫ぶもの、語彙力を失うもの……。
GM :
聴衆の反応はさまざまだ。
GM :
まるでこの一瞬で、今日一日のアイドルたちのパフォーマンスは観客の中で過去のものになってしまったようだった。
飴家 真珠 :
「────ッ」 目を大きく見開き、息をすることも忘れてモニターを凝視する
多々良那 浅香 :
「ゲーッ、サプライズ復帰!イバラちゃんが言ってたけども!!」
横転
ロッキー :
「へぇ、ここで出てくるのかい……」腕を組んで様子を見守る
蹄啼 イバラ :
「まことしやかに引退を囁かれていたトップアイドルが、華麗に飛び入り参加……」
蹄啼 イバラ :
「なるほど……朝霧ユラは転んでもただでは起きないというコトですか~……」
GM :
ファム・ファタールと浅からぬ因縁があり……真珠の家族の仇かもしれない少女。
GM :
それが画面越し、ひいてはすぐ近くの会場にいる。
GM :
その事実に一行は息を呑むだろう。
GM :
……朝霧ユラのステージは、本日に向けて仕上げ、全国から集まってきた数々のアイドルと比べればあまりにも質素なものだった。
GM :
惨め、とすら言ってしまえるかもしれない。
GM :
演者は彼女たったひとり。肩を並べるユニットメンバーはもちろん、バックダンサーどころか本日は全参加者についているはずのバックバンドすらない。
GM :
コズミック・プリズムの用意した控え目ながらも彼女によく似合った華のあるステージ衣装も今日はなく、装備はただのセーラー服にギター一本だけ。
GM :
そこにいるのは、トップアイドルの”ゆらら”ではない。
GM :
化粧っ気も飾り気もないただの等身大の少女、朝霧ユラだ。
GM :
だが、それだけで充分だった。
GM :
以前の彼女の持ち味といえば、ハイテンションにアイドルポップを歌い上げる姿だった。
GM :
だが今日はギター携え、年相応の少女の脆い内面をしっとりと、しかし力強い説得力を持って歌いあげている。
朝霧 ユラ :
「……聴こえてるかな、みんな?」
朝霧 ユラ :
「あたしは帰ってきた。あの日の悲劇を終わらせるために。今日という日を終わらせるために。そして全部を、終わらせるために」
朝霧 ユラ :
「銀河の果てまで、届けこの歌よ!」
GM :
――聴く者を突き刺すようでいて、その実寄り添うような詩と歌声。
GM :
それは彼女がずっと隠し通してきた自分の言葉、内面の発露だったのだろう。
GM :
意地でも見せてこなかった素の姿、アイドルの仮面の裏側には、あっという間に観客を虜にしてしまうすさまじい破壊力があった。
二条 純恋 :
「朝霧ユラ……」
二条 純恋 :
「蹄啼さんから、握手会の場で会ったとは聞いていたけれど……」
二条 純恋 :
「この以前にも増したカリスマ性、どうやら”羽化した”というところかしら」
GM :
今やアイドルは商品として急速に消費されるようになって久しいが、かつて活躍したアイドルというのは、引退後も数十年に渡って何度もテレビなどの媒体で放送され、公に姿を現さなくなってなお新たなファンを生む……。
GM :
まさに語り継がれる神話のような存在だった。
GM :
現代の若い世代は、アイドルが”神話”だった頃を目撃していない。
GM :
朝霧ユラはその人気がこれから最高潮を迎えて行くというタイミングで、突然姿を消した。
GM :
そして、今――この瞬間にドラマチックに蘇った。
GM :
それはまさに神話の一節を想起させる出来事であり、彼女がこれから新しい時代の神話となることを会場の誰もが予感していた。
GM :
その先に何があるのかなど、考えもせず――大衆は彼女の歌に酔う。
二条 純恋 :
「素晴らしい……」
二条 純恋 :
「彼女を覚醒させてアイドルのさらなる高みを目指す計画……一度は失敗したけれど、廻り廻って成就するとは」
二条 純恋 :
「ふふ、あとはどうやって彼女をファム・ファタールに引き入れるかだけね」
GM :
二条純恋がそうして新たな計画を企てていると、テレビ局の仕事を終えた新藤亜里沙が事務所に戻って来る。
新藤 亜里沙 :
「戻りましたぁ。今日のフェス、なんだか凄いことになってるみたいですねぇ?」
二条 純恋 :
「ふふ、そうよ。面白いことがたくさん!」
新藤 亜里沙 :
「……あれ」
GM :
ふと何かに気づいたか、亜里沙が一冊のグラビア雑誌を取る。
新藤 亜里沙 :
「朝霧ユラっていつの間に復活してたんですかぁ? 知らないうちに雑誌の表紙まで……」
二条 純恋 :
「……ええ?」
二条 純恋 :
「新藤さん……その雑誌の今月号って、あなたと柊さんが表紙じゃ……」
新藤 亜里沙 :
「あ! そういえば……これってどういうことですかぁ?」
二条 純恋 :
「……まずいわ!」
二条 純恋 :
「彼女の”カリスマ”が現実世界を侵蝕している……!!」
二条 純恋 :
「今すぐ会場に繋いで! フェスを閉会させるのよ!」
松本 英里 :
「そ、それが……会場に連絡が繋がりませーん!」
二条 純恋 :
「ええ!?」
GM :
…………一曲を終えても、歓声は鳴りやまない。
GM :
スタッフも進行を完全に無視してライブを終わらせまいとしている……!
多々良那 浅香 :
「これ絶対予定通りじゃないよねぇ!」
ママに電話しよ
ロッキー :
「な、んか……すごいんだけど、嫌な感じだね……っ!」 朝霧のカリスマが徐々に浸透していくような感覚を覚える
飴家 真珠 :
「…………っ!!!」 手を強く握りしめてモニターを睨んでいたが、ついに限界が来たかのように、楽屋から飛び出していく。
ロッキー :
「……おっと、一番乗りを逃しそうだ! ゆららくんには悪いけど、乱入させてもらおう!」続いて
蹄啼 イバラ :
「……ようやく成りましたね、朝霧さん」モニターを見上げて呟いて
蹄啼 イバラ :
「とはいえ、このままステージを続けるのは看過できませんか」もう少し眺めてもいいかと思ったが、二人が飛び出していくのを見て、マイペースに追いかける。
多々良那 浅香 :
「あ、ちょま……クソ、繋がらん……《アンテナモジュール》……ダメェ!?」
多々良那 浅香 :
「ただのジャミングじゃねぇな!なーにが起こってんのさ!!」
追いかけていくわよ
飴家 真珠 :
《スポットライト》を使って暗い通路に明かりを灯していきながら、真っすぐにステージまで向かいます!
GM :
……彼女の狙いが何かはわからない。
GM :
ただ、止めなければならない予感は全員に共通していた。あなたたちはステージの袖へと駆け込む。
GM :
そこには、朝霧ユラが歓声を一身に浴びながら直立不動で待っていた。
朝霧 ユラ :
「来たね……蹄啼」
朝霧 ユラ :
「いや、AILs!」
蹄啼 イバラ :
「ごきげんよう、朝霧さん? すばらしいステージでしたね?」拍手しながら壇上に上がる。
蹄啼 イバラ :
「……それで、何のつもりですか?」
朝霧 ユラ :
「皮肉でも嬉しいもんだね」
朝霧 ユラ :
「……あたしも見たよ。あんたたちの作る世界……凄かった。ゆっくり感想言ってる時間もないのが残念だけどね」
朝霧 ユラ :
「で、あたしの目的? それを聞きに来たわけ?」
朝霧 ユラ :
「敢えて言うなら……この世界をぶっ壊すことかな」
蹄啼 イバラ :
「世界を、壊す……?」朝霧ユラらしからぬ言葉に目を見開く。むしろ、FHらしい台詞と言った方がいいだろう。
朝霧 ユラ :
「……世界って言っても、ちっぽけなあたしの言う世界なんてちっぽけなもんだよ」
朝霧 ユラ :
「……たとえばファム・ファタールとか、たとえばコズミック・プリズムとか……」
朝霧 ユラ :
「たとえば……あたしの実家とか、たとえばあんたの実家もそうじゃん」
朝霧 ユラ :
「大人の都合で騙されて、競わされて、戦わされて、消費されて……」
朝霧 ユラ :
「……もう、うんざりなんだよね」
朝霧 ユラ :
「だからさ、やってやろうと思ったんだ」
朝霧 ユラ :
「この芸能界って世界を……ぜーんぶあたし色で染め上げて、ぶっ壊してやろうってねー!!」
蹄啼 イバラ :
「なるほど~……? 芸能界の支配者、女王にでもなるつもりですか~……?」
朝霧 ユラ :
「……あんたにはそういう風に見えてるんだ」
蹄啼 イバラ :
「東京ドリームフェスは、有象無象のアイドルにとって夢の舞台……」
蹄啼 イバラ :
「まあ、彼女らのパフォーマンスに価値があるかは一旦、置いておいて」
蹄啼 イバラ :
「それを横紙破りで乱入して、オーヴァードの力でめちゃめちゃにした今の貴女は、まともな精神状態とは思えませんね~」
朝霧 ユラ :
「その言葉……誰かさんにも刺さるんじゃない?」
蹄啼 イバラ :
「あら、誰のことでしょう?」すっとぼける。他でもない自分が武道館ライブをめちゃめちゃにしている。
朝霧 ユラ :
「……別に思い出したくないなら、いいよ」
朝霧 ユラ :
「掟破りでもなんでも、今はあたしのステージだ」
朝霧 ユラ :
「そこにこうして来たってことは、それなり覚悟はあるんだよね」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
走って乱れていた息を必死に整える。イバラが話している間に、出来る限り冷静さを取り戻す。
飴家 真珠 :
[ゆらら] そして、一歩前に出て、観客がいるにも関わらず、《天使の絵の具》で光の文字を投影して、
飴家 真珠 :
[わたしのこと おぼえてる?] 胸元に手を置きながら、問いかける。
朝霧 ユラ :
「……もちろん」
朝霧 ユラ :
「何でもないような顔してたけど、内心ビックリしたよ。まさかアイドルになってるなんてね……」
飴家 真珠 :
[いろいろあったから]
朝霧 ユラ :
「……あたしのせいだな」
飴家 真珠 :
[じゃあ やっぱり]
飴家 真珠 :
[あなたが みんなをころしたの?] 体を強張らせながら問う
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「もしそうだったら……君はどうする」
飴家 真珠 :
[いいから こたえて]
飴家 真珠 :
[あなたが ころしたの? ほんとうに? わたしのきおくちがいじゃなくて?]
飴家 真珠 :
[おねがいだから おしえてほしい] ユラを真っすぐに見据える
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「ああ」
GM :
小さく、うなずく。
飴家 真珠 :
「…………ッ!!!」 目を見開く
蹄啼 イバラ :
「…………」その言葉に《七色の直感》を使用したい!
GM :
では、秘話で伝えよう!
蹄啼 イバラ :
ありがとう!
蹄啼 イバラ :
「……この期に及んで、貴女は何を隠しているのですか?」朝霧ユラの心を見透かすように言う。いや、実際に見透かしている。
朝霧 ユラ :
「……蹄啼。あたしばっかり一方的に答えて不公平だと思わないか」
朝霧 ユラ :
「これ以上聞きたいなら……ステージで決着付けよう」
蹄啼 イバラ :
「…………このステージで、決着を?」
朝霧 ユラ :
「そう」
朝霧 ユラ :
「逃げないよな?」
蹄啼 イバラ :
「……尋ねたいのは、わたくしではなく真珠さんにまつわる情報なのですが」
蹄啼 イバラ :
「仮にも"仲間"のためですし、仕方ありませんね」
蹄啼 イバラ :
「────その勝負、受けて立ちましょう」
朝霧 ユラ :
「いいよ、4対1で来い」
蹄啼 イバラ :
「……真珠さん、先に言っておきます」真珠に向き直り
蹄啼 イバラ :
「朝霧ユラは、ウソを吐いている」
飴家 真珠 :
「……!?」 イバラを見て
飴家 真珠 :
[ウソ? どういうこと?]
蹄啼 イバラ :
「彼女は『自分が殺した』と自白しましたが、それは真実ではありません」
蹄啼 イバラ :
「……ただ、何を隠しているかまでは」何か後悔を抱えているのは事実のようなのだが。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[そっか]
飴家 真珠 :
[なんだ そうだったんだ]
飴家 真珠 :
体に入っていた力が一気に抜けて、安心したように笑みを零しながら、へなへなとロッキーに寄り掛かる。
ロッキー :
「おおっと……ふむ、まだまだ裏があるということだね?」優しく抱き留めて
飴家 真珠 :
[わたし ほんとうに ふあんでしかたなくて]
飴家 真珠 :
[もしゆららが かたきだったら れーいちろーさんをかなしませることになっちゃうかもしれないって こわくて]
飴家 真珠 :
[でも ウソでよかった ほんとうによかった] 大きく息を吐いて、ロッキーに笑いかける
ロッキー :
「……まったく、どこまでも良い子だね。真珠姫は……」今この時も他人の心配をする真珠を笑って
ロッキー :
「ゆららくん、キミが何を想って何をしようとしているかは……よくわからないけど……」
ロッキー :
「少なくとも、今のキミを心配している人間は確実にいるらしいよ」零一郎を思い浮かべて
多々良那 浅香 :
「ほんと、理由は諸々聞いたけどウチにいるにゃ勿体ないマネちゃんだよね~」
朝霧 ユラ :
「……泊里さん、相変わらずだな」
朝霧 ユラ :
「生憎、今のあたしは心配されるような人間じゃない」
飴家 真珠 :
[それはあなたが かってにおもってるだけでしょ?]
飴家 真珠 :
[ゆらら あなたって ほんとうにかってなひとだとおもう]
飴家 真珠 :
[かってにステージをのっとるし わたしのしつもんにウソもつくし]
飴家 真珠 :
[しかも ほんとうのことをおしえてほしかったら ステージにつきあえなんて かってすぎるよ]
朝霧 ユラ :
「……返す言葉もないね」
飴家 真珠 :
[でも そのかってなわがままに つきあってあげる]
飴家 真珠 :
[あなたがみんなをころしたわけじゃないって わかったから]
飴家 真珠 :
[だから たたかったあとは ちゃんとおしえてくれるかな?]
飴家 真珠 :
[あなたになにがあったのか しんじつはどこにあるのか ぜんぶ]
飴家 真珠 :
胸元に手を当てて、柔らかく微笑みながら、ピンク色の文字を見せる。
朝霧 ユラ :
「……わかった。そこまで言うのなら」
飴家 真珠 :
[ありがとう] 頷いて
飴家 真珠 :
[あの なんだかまたライブするながれに なっちゃったけど]
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんとあさかちゃんは できる?] まだ意思を確認できていない二人に振り向いて
ロッキー :
「もちろんだとも、ただやられるだけの王子ではないさ!」髪を靡かせ、自信に満ちた瞳を覗かせる
多々良那 浅香 :
「正直ゆらちゃんとの間にミリも因縁は無いんだけど、まま、真珠ちゃんとイバラちゃんがやるっちゅーならやりましょ」
多々良那 浅香 :
「あたしもせっかくなら何がどうなってるのか全部観ておきたいし?」
飴家 真珠 :
[ありがとう!] 嬉しそうに、両手を合わせて
飴家 真珠 :
[ふたりもいっしょなら きっとだいじょうぶ だね!] イバラに笑いかける
蹄啼 イバラ :
「……ええ、そうですね」
蹄啼 イバラ :
そうは言ったが、スタッフまでも魅了されてしまうステージは見た事がない。これが朝霧ユラのエフェクトによるものなら────そう冷静に思案する。
朝霧 ユラ :
「世界が、君みたいなアイドルばかりなら……」
朝霧 ユラ :
「いや、御託はやめにしよう」
GM :
聴衆の視線があなたたちに集まっていく……。
GM :
全員、〈芸術:音楽〉で1回目の判定をお願いします! 目標値は30です。
飴家 真珠 :
30!?
飴家 真珠 :
へへっ、やっちゃってくださいよ、イバラの姉御ぉ…
ロッキー :
こっちにはプロがいるんでい!
飴家 真珠 :
それはそうと全員だし、振っていきます!
蹄啼 イバラ :
ふ、ふふ……わたくしなら余裕ですが~……💦💦
飴家 真珠 :
8dx(8DX10) > 10[1,3,3,5,5,8,9,10]+2[2] > 12
ロッキー :
4dx ま、この勝負…僕サマの勝ちってところかな…♠(4DX10) > 4[1,2,3,4] > 4
蹄啼 イバラ :
ロッキーの出目で笑う
ロッキー :
綺麗に1・2・3・4が並んでしまった
多々良那 浅香 :
(4+2+0)dx(10+0)+5+0 〈芸術:音楽〉判定(6DX10+5) > 9[1,2,4,6,9,9]+5 > 14
蹄啼 イバラ :
8dx+20+2 ヴァイオリンを使った<芸術:音楽>(8DX10+22) > 10[2,3,5,5,6,6,8,10]+10[10]+5[5]+22 > 47
飴家 真珠 :
どうよ
多々良那 浅香 :
さすがやね
GM :
す、すごい!
ロッキー :
すげェ!流石イバラァ!
蹄啼 イバラ :
ふふ、ここぞというところで2回転! わたくしがトップアーティスト!!
蹄啼 イバラ :
「…………ふむ」ギターを携えた"完全なソロアイドル"として覚醒した朝霧ユラ。
蹄啼 イバラ :
「それなら、わたくしも同じ土俵で戦いましょうか」
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラのパフォーマンスによって心を奪われているバックバンドから、ギターを引ったくる。
蹄啼 イバラ :
「こちらだけがアカペラっていうのもヘンですから」ギィィンと勢い良く弦を弾く。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの専門は、ヴァイオリン。
蹄啼 イバラ :
しかし、そこは音楽に愛された天才。一通りの楽器はプロ並みに弾ける。
蹄啼 イバラ :
「さあ……! みなさん、いきますよ~……!!」
蹄啼 イバラ :
そう叫んで、即興で『AILs in Wonderland』を奏でる。
ともすれば、さきほど演奏していたバックバンドより高度な技巧で、不思議の国の世界観を表現する。
蹄啼 イバラ :
脚は挫いたせいでロクに使えない。
仲間にダンスパフォーマンスを託して、歌唱と演奏に専念する。
飴家 真珠 :
「……!」
あと一歩で真実に手が届くかもしれない、と逸る気持ちを今は捨てて、イバラのギターサウンドに乗って舞い踊る。
AILsの皆と作るステージを成功させること、そして観客を楽しませることが何よりも大事だった。
朝霧 ユラ :
ステージの端で、それを眺める。
朝霧 ユラ :
「さすが天才だな……」
朝霧 ユラ :
「一人で哀しそうにヴァイオリン弾いてたあの頃より、今のあんたのほうがはるかに魅力的だ」
朝霧 ユラ :
「だからこそ、あたしもここで全力出さないわけにはいかないな……!」
GM :
AILsのアンコールが終わり、フェードアウトすると入れ替わるようにユラが前に立ち、ギターを鳴らす。
GM :
ふたたび、会場にユラの歌声が響く。
朝霧 ユラ :
「必ず雨は止む」
朝霧 ユラ :
「必ず夜は明ける」
朝霧 ユラ :
「そんなの 嘘だと思わないか」
GM :
今度はそれだけではない。
GM :
いつの間にか集まっていたバンドメンバーに、出演をすでに終えていたはずのアイドルたち……。
GM :
まるで予定していたかのように、彼女の歌声を引き立てるようにステージを彩っていく。
GM :
その光景がユラの歌声の魅力を何倍にも引き立て、あなたたちのレネゲイドにまで共鳴していく……!
GM :
先ほどの蹄啼イバラのギターがユラの技巧を上回ったおかげか、辛うじてその歌声を聞いても正気でいられるが……。
GM :
――この少女が江戸川セルを襲った、真珠の家族の仇かもしれない。
GM :
そんな重大なことですら、些細なことのように思えてしまうように……。
GM :
まるで、天使に抱かれているかのような心地になって、彼女の歌声に身を委ねてしまいそうになる。
GM :
気付けば彼女自身の衣装も凝ったものに変貌し、ステージも荒んだ少女の心情を現すようなセットに変わっていく……!
朝霧 ユラ :
「……これが……黒沢の言ってた世界を変える力か……」
朝霧 ユラ :
「なるほど、すごい世界だな」
朝霧 ユラ :
「みんながあたしの音楽に聴き入ってる。誰もあたしを否定しようとしない……」
朝霧 ユラ :
「……はは、はははは、あー……くだんないな……!」
ロッキー :
「こ、これはこれは……たしかに、魅力的なステージだね……っ」 ユラの包まれるような歌声に、意識の揺らぎを感じる
多々良那 浅香 :
「き、気持ち悪……く、ない……?いや、なんだこれ~~……っ、きちぃ~……」
ゆりかごと正気のギャップで揺らいで
飴家 真珠 :
「…………ッ!!!」
飴家 真珠 :
心を奪われてしまいそうになる自分を必死に拒んで、顔を歪ませながら両耳を塞ぐ。
飴家 真珠 :
自分の中にある江戸川セルの皆への想いが、薄れてしまっていることに気付いたからだ。
飴家 真珠 :
このまま彼女の歌を聴いていると、ずっと大切にしてきたものが無くなってしまいそうで、怯えたように目を瞑っている。
蹄啼 イバラ :
「……常々、思っていました」
蹄啼 イバラ :
「レネゲイドは、芸術に新たな道を開く可能性を秘めていると」
蹄啼 イバラ :
「ですから、わたくしはファム・ファタールに足を踏み入れた」
蹄啼 イバラ :
「……ふふ。では、その可能性! どこまで花開くか試させてもらいましょうか!」イバラに怯む様子はなく、むしろ面白くなってきたとばかりにギターを掻き鳴らす。
朝霧 ユラ :
「可能性か……」
朝霧 ユラ :
「本当にこんな力を可能性と呼んでいいのか……あたしにはわからない」
朝霧 ユラ :
「あたしは今まで……これを絶対に成功させなきゃってライブを全部成功で乗り切ってきた」
朝霧 ユラ :
「……たった一回を除いてね」
朝霧 ユラ :
ふふ、と哀しそうに微笑んでから、対抗するようにギターを鳴らす。
朝霧 ユラ :
AILs in Wonderlandの旋律を、自らの曲のアレンジを差し込んで乗っ取る……!
朝霧 ユラ :
「蹄啼……あんたがあたしを否定してよ」
朝霧 ユラ :
「それができるのは、あんたたちの音楽だけだ」
GM :
まるでAILsの経験に彼女の心情が混ざり合うような感覚に、あなたたちの心はかき乱される……!
GM :
その力は、もはや先ほどの比ではない!
GM :
二回目の判定です。技能は〈芸術:音楽〉、まずはユラの達成値を出します。
GM :
マイナー《千変万化の影》、メジャー《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:巨匠の記憶》。
GM :
17dx7+18+6(17DX7+24) > 10[3,3,3,3,3,5,5,5,5,6,7,7,8,8,8,10,10]+10[1,1,2,3,6,10,10]+3[3,3]+24 > 47
飴家 真珠 :
イバラちゃん、もし嫌なら拒否してもらってもいいんですけど、《砂の加護》で支援してもいいかな? 向こうがエフェクト使ってるなら…ズルでもないし…!
蹄啼 イバラ :
ありがとう!みんなで戦う感じでいいと思う!!
飴家 真珠 :
じゃあ使っちゃうか! の前に、一応自分でもダイス振っておきます
飴家 真珠 :
8dx(8DX10) > 9[3,4,5,5,5,6,7,9] > 9
ロッキー :
4dx アイドルを、舐めるなあああ!!(4DX10) > 9[6,7,8,9] > 9
多々良那 浅香 :
(4+2+0)dx(10+0)+6+0 〈芸術:歌唱〉判定(6DX10+6) > 10[3,4,5,5,10,10]+10[6,10]+9[9]+6 > 35
蹄啼 イバラ :
浅香ちゃん!?!?!?!?
飴家 真珠 :
凄いが!?
ロッキー :
浅香ちゃんすご
多々良那 浅香 :
が、がんばってる……
GM :
この場面でとんでもない力が出た!?
飴家 真珠 :
あと一回回ってたら勝ててたわね…ダークホースが…
飴家 真珠 :
じゃああがくだけあがこう、イバラちゃんに《砂の加護》を使います! ダイス+4個!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 82 → 85
蹄啼 イバラ :
ありがと!いきますよ~!!
蹄啼 イバラ :
12dx+20+2 ヴァイオリンを使った<芸術:音楽>(12DX10+22) > 10[1,1,2,3,4,5,6,7,7,8,9,10]+2[2]+22 > 34
蹄啼 イバラ :
1回目は出目がよかったけど、さすがにキツいね!
飴家 真珠 :
そりゃそう! 頑張ったよ
GM :
では……素晴らしい健闘だったものの、エフェクトの強度の差でユラが競り勝つ……!
GM :
あなたたちの心情を投影した曲であるAILs is Wonderland……その曲の破壊力は諸刃の刀のようにユラがあなたたちの心に入り込むための隙間となり、心を激しく揺さぶられてしまう。
GM :
やがて夢に落ちるように、気を失っていく――。
飴家 真珠 :
「…………っ」 咄嗟にユラの歌声からイバラを守るように聳え立ったケーキの壁が、ドロドロと崩れていき、ステージに散らばったクリームと共に真珠も倒れる。
ロッキー :
「これ、は……参った……な……っ」 王子である誇りと、アイドルとしてのプライドを糧に膝をつかんとしていたが……義肢が鉛のように重くなり、地面へ沈んでいく。
多々良那 浅香 :
「あ、……ぁれ……ぁたし、夢、見て……いや、今が、?ぇと………」
身を置いていた夢が崩れ、かくりと膝を落として
蹄啼 イバラ :
「…………」真珠が守ってくれたおかげだろう。
倒れていく仲間を眺めた後、少し遅れて膝を突く。
蹄啼 イバラ :
「あたしを否定してよ、ですか……」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さん……わたくしは、貴女の音楽を否定はしませんよ……」
蹄啼 イバラ :
「音楽とは"魂の叫び"であるべきです……その点において、華美なアイドルポップを歌っていた貴女も、これでようやく"アーティスト"になった……」
蹄啼 イバラ :
「芸術において、重要なことは"どれだけ美しいパフォーマンスが出来たか"……この一点のみ、エフェクト使用の有無は問題ではありません……」
蹄啼 イバラ :
「ただ……」
蹄啼 イバラ :
「ただ…………」
蹄啼 イバラ :
「その独りよがりな音楽では……わたくしを笑顔には、できません、でし……たね…………」ぽつりぽつりと呟いて、やがては目を閉じる。
朝霧 ユラ :
「……まったく、ムカつくほどに」
朝霧 ユラ :
「音楽についてはいつだって、あんたが正しいよ」
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「……………………」
黒スーツの青年 :
「こ、これが……朝霧ユラのカリスマ……世界を変える力!」
黒スーツの青年 :
「この力が、この力があれば……」
”ジョーカー” :
「ククク、言ったろ相棒。俺様の目論見は完璧だ。お前の目的ももうすぐ叶うぜェ……!」
”ジョーカー” :
「とまぁ……その前に、邪魔なこのガキを始末しねぇとな?」
GM :
――黒沢は、舞台袖に眠る真珠の前に立つ。
黒沢 優作 :
「……お、おう……」
黒沢 優作 :
「…………」
黒沢 優作 :
「……………………」
GM :
そして何か躊躇うように、少しその場をぐるぐると歩いたあと、真珠の身体を担ぎ上げた。
”ジョーカー” :
「ん? どうした?」
黒沢 優作 :
「い、いや。こんな朝霧ユラのすぐ近くで血生臭い真似をしては、儀式の邪魔になるかと思ってな……」
”ジョーカー” :
「ほ~う、お前にしては気が利くじゃねぇか。んじゃ、控室にでも連れて行ってサクッとやっちまうか」
黒沢 優作 :
「あ、ああ……」
黒沢 優作 :
「…………」
GM :
シーンエンドになります……。ロイスの取得などがあれば!
蹄啼 イバラ :
朝霧ユラのロイスを憧憬/食傷のN表から、感服/脅威のN表に!
蹄啼 イバラ :
アーティストになったので、ライバルと認めましょう!ただ、わたくしを笑顔にするという目的は見失ったようだが!
GM :
そうなんよね…でもタイタスにせずに持ってくれているイバラちゃんは、やっぱり優しい!
Scene 11.5 あの日、夢の舞台の裏で
GM :
マスターシーンになります。
GM :
……彼女の歌声とあなたたちのレネゲイドが共鳴した結果だろうか。
GM :
まるで映画でも見ているような感覚で、頭に彼女の記憶が流れ込んでくる。
GM :
悪夢のような蹄啼イバラの拷問の後、ユラは仲間のもとに向かおうとふらふらと廊下を歩いていた。
朝霧 ユラ :
「(あれが夢だったのか、本当に起きたことなのか……)」
朝霧 ユラ :
「(ライブが終わったら……確かめる。とにかく今は……)」
GM :
壁を支えにしながら、やっと階段までたどり着く。
GM :
いつもなら何でもない下り坂が、今日は奈落みたいに深く見える。
GM :
……ドンッ!
朝霧 ユラ :
「えっ」
GM :
突然、背中に小さな衝撃。
GM :
ふわりと身体が浮いて、奈落が目の前まで迫ってくる。
GM :
ぐしゃ、と嫌な音を立てて……まるで出来の悪いゲームみたいに、ユラの身体は打ち付けられてぐにゃぐにゃに曲がった。
朝霧 ユラ :
「だ、誰――」
GM :
階段の上を見上げる。
GM :
人影はあっと言う間にその場を去って、腕しか確認できなかった。
GM :
誰かわからない。
GM :
わからない。
GM :
違う。
GM :
わかりたくない。
GM :
わかる。
GM :
わかってしまう。
GM :
腕のミサンガに見覚えがある。
GM :
――脳裏に過るのは、デビューし立ての頃のライブの記憶。
GM :
機材のコードに足を引っかけてあわや大惨事になりかけた自分を、間一髪で救ってくれた先輩。
GM :
同じ担当マネージャーの元で、よく世話になった先輩。
GM :
数少ない友達だと思っていた。
GM :
友達じゃなかった?
GM :
どうして?
GM :
私が邪魔だった?
GM :
どうして言ってくれなかった?
GM :
どうして、よりにもよって今?
GM :
今なら蹄啼イバラのせいにできると思ったから?
GM :
…………。
GM :
薄れゆく意識の中で、階段の下からみんなの声が聞こえる。
同期のアイドルA :
「……ちょっと……ユラの奴、まさかこのまま来ないつもり? スタッフ待たせるのも限界だよ」
同期のアイドルB :
「あ、朝霧さんがそんなことをするとは……まずい、もう時間が!」
同期のアイドルB :
「何かあったのでしょうか……。このままだと、ライブは中止に……?」
泊里 零一郎 :
「そ、そういうわけにはいかない……!」
泊里 零一郎 :
「こうなったら、朝霧さんの部分をみんなの曲に差し替えて再編成しよう!」
同期のアイドルA :
「無理でしょ。誰がバックバンドやるの?」
泊里 零一郎 :
「だ、大丈夫だ! 僕がなんとかする!」
同期のアイドルA :
「…………っはーー…………」
同期のアイドルA :
「泊里さん。ただでさえ客のほとんどはユラ目当てなんだよ」
同期のアイドルA :
「そんなことしたら、私たち恥さらしもいいところでしょ」
同期のアイドルB :
「それに、今日は朝霧さんの曲が全体の7割ですよね~……。それを全部埋めるのはさすがに……」
泊里 零一郎 :
「き、君たち……!」
泊里 零一郎 :
「こういう時こそ……こういう時こそ、チャンスだと思わないのか……!」
同期のアイドルA :
「あのさ、この際だからはっきり言うよ」
同期のアイドルA :
「こんなことなら……いや、最初から武道館なんか来たくなかった」
泊里 零一郎 :
「おい……武道館は、日本のミュージシャンにとって憧れの舞台なんだぞ!」
泊里 零一郎 :
「それに、なんてことを……」
泊里 零一郎 :
「僕だって、もし君たちくらいの才能があったらとどれほど思ったことか……!」
同期のアイドルA :
「ッハーーーー……」
同期のアイドルA :
「あんた、いっつも暑苦しいんだよ」
同期のアイドルA :
「だってさ、私たち、完全にあいつの添え物じゃん。曲の編成見ても明らかでしょ」
同期のアイドルB :
「ちょっと、いくらなんでもそんなこと」
同期のアイドルA :
「本当に思ってない?」
同期のアイドルB :
「…………」
泊里 零一郎 :
「……もういい! 朝霧さんを探しに行こう!」
GM :
泊里さんが、ひとりで控室を飛び出す足音が聞こえる。
泊里 零一郎 :
「……あ、朝霧さん……!?」
朝霧 ユラ :
泊里さんの引きつる顔が、視界に映る。
朝霧 ユラ :
ダメだ。
朝霧 ユラ :
弱音吐いちゃダメだ。
朝霧 ユラ :
あたしはアイドル。
朝霧 ユラ :
みんなが見たい夢を見せるのがあたしの使命だ。
朝霧 ユラ :
「とまり、さん……あ、たし、本当にドジで……」
朝霧 ユラ :
「階段で転んじゃった……。ごめんなさい……」
GM :
…………。
Scene 12 王子と勇者と悪党と
GM :
クライマックス前、最後のシーンです。まずはロッキーちゃんだけ登場してください!
ロッキー :
なんと!
ロッキー :
94+1d10(94+1D10) > 94+2[2] > 96
??? :
「ぷみゅ」
GM :
……頭を包み込む生暖かい、べたべたした感触であなたは正気を取り戻す。
武者小路 勇姫 :
「……おー、やっと目ぇ覚めたか!?」
ロッキー :
「んぁ?」間の抜けた声を上げて、パチパチと瞬きを繰り返す
ロッキー :
「センパイ……それに、それに……」頭に感じる謎の感触を手で探って
ロッキー :
「なんだい、これ」
GM :
唇に手足が生えたような珍妙な生物……どうやら、今ほどこの生物があなたの頭を咥えこんでいたようだ。
武者小路 勇姫 :
「揺すってもはたいてもステージのほう見てぼーっとしとるから何事か思たで」
ロッキー :
「わお、アニメでも見ない生物!」変なものを見るように笑って
ロッキー :
「ステージ……そうだ、僕サマはあの時……」ふと意識の途切れる間際のことを思い出す
ロッキー :
「そうだ、あれからどうなったんだい! AILsの皆は、ユラくんはどうしたんだ?」焦燥に駆られ、変なくちびるおばけを抱えて勇姫に一歩踏み込む
武者小路 勇姫 :
「おうおう、落ち着け。とりあえずウチの視点から整理するで」
武者小路 勇姫 :
「控え室で休んどったらスタッフみんな急にフラフラと出てって……なんか様子が変やなと思ったらゆららがステージで歌っとったんよ。ビックリしたわ」
武者小路 勇姫 :
「あんたも巻き込まれてたってことは……この騒ぎ、ファムファタの仕業とはちゃうみたいやな。ちなみにAILsの中でウチが見かけたんはあんただけや」
ロッキー :
「僕サマだけ? あの時は確か、みんな固まっていたハズ……」心が不安に覆われていくも、口には出さずに
武者小路 勇姫 :
「正気失ってふらふらしとったみたいやから、それでバラバラになってしもたんちゃうかな? だからまだ会場におるんやと思うで」
ロッキー :
「そうだったら良いんだけどね。みんな、僕サマよりしっかり者だから目覚めてくれてると良いんだけど……」
ロッキー :
「……通信機器は今もダメかい?」連絡が出来るなら、と勇姫に聞いてみる
武者小路 勇姫 :
「あ~、それもずっと繋がってないんよな……ん?」
GM :
そんなタイミングのいいことがあるか……? というほどのタイミングで、勇姫が持っている端末の着信音が鳴る。
ロッキー :
「お、誰かさんから来たみたいだよ?」
武者小路 勇姫 :
「おー、これでようやく外と連絡つくみたいやな!」
GM :
勇姫がビデオ通話を起動すると、見覚えのある怪しい男が画面に映る。
オーメン相良 :
『ーー、やっと繋がったか。大丈夫か、勇姫くん!』
ロッキー :
「おや、その声は……変なスーツの人だね!」倒れている時に見たスーツの柄と声を覚えていたようだ
オーメン相良 :
『いま県内のUGNの通信路が機能不全の状態に陥っていて、FHの回線を踏み台にしてなんとか連絡を付けたところだ』
武者小路 勇姫 :
「機能不全ンン?? なんでそんなことに?」
オーメン相良 :
『君たちも察しは付いているだろう。なにせあの朝霧ユラが突然蘇ったのだ』
オーメン相良 :
『ファム・ファタール一強と言われる女性アイドルシーンに風穴を開ける存在。グループアイドルがチャートを独占し、ソロアイドルの時代は終わったと囁かれて久しいこの時代に彗星の如く現れたスター。確かに事務所のやり方などに批判はあるがーー』
武者小路 勇姫 :
「いや、いつものやつやっとるような場合とちゃうねん」
武者小路 勇姫 :
「アレやな……外はとわちゃんの時みたいになってるってことか!?」
ロッキー :
「つまり、どういうことだい? 前にも同じようなことでも?」両手でくちびるおばけをもちもちしながら
武者小路 勇姫 :
「ちょっと、な……街中ひとりのアイドルに夢中になって、大パニックになりかけたことがあったんよ……」
ロッキー :
「へぇ、そんな愉快なイベントが……まぁそれは置いておくとしようか」
ロッキー :
「それで、その時はどう収めたんだい?」
武者小路 勇姫 :
「とわちゃん……そのアイドルがジャーム化してたからな……そのときは、ウチらが乗り込んで斬るしかなかった」
武者小路 勇姫 :
「正確には、ジャームの側面を斬った、ってことらしいけどな」
ロッキー :
「大層なことをやってのけるね。僕サマがその場にいたら、ただぶった斬ることしか出来なかっただろう」さすがはセンパイ、と
ロッキー :
「……センパイから見たら、ユラくんもそれと同じように感じるかい?」勇姫の手段で解決できないかと思案して
武者小路 勇姫 :
「うーん……上手く言えんけど、とわちゃんのときとはちょっとちゃう気がすんねんよな。というのは置いといて」
武者小路 勇姫 :
「ウチはなぜかあのステージに近づけへんかったんよな。たぶん、空間が歪められてるんやと思う」
ロッキー :
「空間まで……? うぅむ、ユラくんがどんどんアニメの大ボスみたいな格に昇格していくよ……」
オーメン相良 :
『大ボス、というのは言い得て妙だが……とわ君のときよりも自体は深刻だ』
オーメン相良 :
『いまやさまざまなメディアのアイドルが彼女に塗り替えられ、そのカリスマは歴史に介入するレベルにすら達している。この通り私も彼女の影響に対して平気でいられる訳ではない』
オーメン相良 :
『おそらく「現実を改変する」……というより、「妄想を現実にする」というのが彼女に秘められた力なのだろう』
ロッキー :
「……夢を現実にする能力、か。聞こえはいいけども……」
ロッキー :
「ここまで塗り替えられると、流石の僕サマも一言モノ申したくなっちゃうね」ちょっと拗ねたように口を尖らせて
ロッキー :
「だって、僕サマ達……『AILs』やセンパイの『Re:try』まで塗りつぶされてしまうかもなんだろ?」
ロッキー :
「まったく持って勘弁だとも! 星が無数に瞬いてこその空だというのに!」少し怒ったように
武者小路 勇姫 :
「……ええこと言うやん」
武者小路 勇姫 :
「社長、それで、こっから打てる手はあるんやろうな?」
オーメン相良 :
『我々も現場に向かおうとしたが……やはり会場の周辺ほど現実の歪みが強いのか、簡単には近付けそうにない』
オーメン相良 :
『現場に君たちが残っているのは不幸中の幸いだったが……』
オーメン相良 :
『まずはお互いの情報を共有しよう。こちらからも分かっていることを勇姫くんの端末に送信する』
ロッキー :
「じゃ、何かわかり次第センパイから聞くとしよう」頼んだ! と、肩を軽く叩いて
武者小路 勇姫 :
「前に真珠ちゃんからいろいろ教えてもろたから今更新しい情報は……とも思うんやけど、なんか進展あったん?」
オーメン相良 :
『ある。重要な情報だ。まずは一番新しいメールを見て欲しいが……』
オーメン相良 :
『ユラ君と関わっている黒沢及びジョーカーの位置が特定できた』
ロッキー :
「おお、さっそく大手柄じゃないか!」
武者小路 勇姫 :
「……A棟控室に人払いを張って潜伏中。え、会場におるん?」
オーメン相良 :
『そうだ。なので、今のところ外からは干渉できない』
ロッキー :
「今動ける僕サマ達で向かうしかないようだね……」
ロッキー :
「ああ、そうだ。パリパリバーのアイスみたいな柄の人」オーメンに声をかけて
ロッキー :
「……AILsのことは探せたりしないかい?」ほんの少し不安そうな声で
オーメン相良 :
『ふたりは会場にいる。ユラ君のカリスマに当てられて夢を見ているような状態だが、おそらく無事だろう』
オーメン相良 :
『そしてもうひとり……真珠君は、黒沢が控室に連れて行ったようだ。何が目的かははっきりしないが……』
ロッキー :
「!!」 目を見開いて
ロッキー :
「行こうセンパイ、真珠姫が危ないよ」二人を回収して戦力にしたいが、敵方に囚われている方が危険度が高いと判断する
武者小路 勇姫 :
「よし! 行くか!」
武者小路 勇姫 :
「と思ったけど……ウチらだけでなんとかなるか? 全員回収して向かったほうがええんちゃう?」 走りながら話す
ロッキー :
「先輩たちを回収した方が頼もしいね……時間が許せるなら拾いに行きたいか……!」
オーメン相良 :
『それが……そうとも限らないのだ。そもそも、君たちだけ平気でいられるのは何故だと思う?』
武者小路 勇姫 :
「あ! そうや、それずっと気になってたんよ、なんでや?」
オーメン相良 :
『いまその会場を中心に、ユラ君が発する音波が人々、ひいては世界の理をも支配している。その力の根源は彼女のアイドルとしてのカリスマ性だ』
オーメン相良 :
『もとより彼女のカリスマ性は現役アイドルの中でもトップレベル。それが"ジョーカー"の力で何倍にも増幅されている。どんなトップアイドルでさえも今の彼女を目の前にすれば屈してしまうだろう』
オーメン相良 :
『だが、カリスマの化身である"クラッドカルト"であれば話は別だ。おそらく、以前まで彼の憑代を務めていた君も彼女のカリスマに耐性があるのだろう』
ロッキー :
「難しい話だけど、センパイがすごい事はわかったね」へぇ、と納得して
武者小路 勇姫 :
「あ〜、そういうこと!? じゃあロッキーが目ぇ覚ましたんもお前のおかげか!」
”クラッドカルト” :
「ぷみゅ!」
ロッキー :
「頭を齧られてた気がするけどね! 感謝で帳消しにしてあげよう!」
オーメン相良 :
『だが、封印状態にあるクラッドカルトでは対抗するにも限度がある。二人、三人と保護対象を増やせば今の状況が破綻しかねない』
”クラッドカルト” :
「ぷみゅ……」
ロッキー :
「むぅ、ようりょー不足ってことかい」渋い顔で
オーメン相良 :
『しかし"ジョーカー"を直接叩き、ゆら君のカリスマを弱めれば、ファム・ファタールのアイドルたちなら対抗できるだろう』
オーメン相良 :
『ただ、情報にもある通り"ジョーカー"も、奴の憑代である黒沢も簡単な相手では……』
GM :
オーメンは押し黙る。それだけ洗脳能力を持つ黒沢や"ジョーカー"との直接対決はリスクが高いということだろう。
ロッキー :
「単純なターゲットとは行かないみたいだ……でもどうする? ここで足踏みをしていれば、奴らの思う壺だよ」
武者小路 勇姫 :
「……ロッキーの言う通りや。やろう」
ロッキー :
「ありがとうセンパイ。暴力沙汰なら人一倍に得意さ!」
ロッキー :
「それに、姫を救いに行くのは王子の役目だからね! ……悪っぽさは無いけど」ぼそっと呟いて
オーメン相良 :
『……勇者と王子、その決断力は君たちの美点だが、もしいま君たちが倒れればこの国の秩序の存続も危ういかもしれない。勝算はあるのか?』
武者小路 勇姫 :
「さっきから聞いてたら社長、あんた程のタマがいやに弱気やん」
武者小路 勇姫 :
「今までの修羅場で一度でも勝てる保証なんてあったか?」
武者小路 勇姫 :
「今回もそんなもん無いけどなんとかするんや。それに……この黒沢ちゅうヤツには前から話したいと思てたからな」
武者小路 勇姫 :
「ウチの見立てが間違ってなければやけど、分の悪い賭けやないはずや」
ロッキー :
「うむ、そっちの社長もセンパイの背中を押してあげたまえ! こっちのプロデューサーなら、きっとこう言ってくれるはずさ!」
ロッキー :
「たとえば……『キミたちを信じている』、とかね!」泊里の口調を真似てみせて
オーメン相良 :
『……頼もしくなったというべきか。私の後輩も、よいアイドルに恵まれたようだ』
オーメン相良 :
『何もできないのが心苦しいが……分かった、君たちに任せる』
武者小路 勇姫 :
「任せとき!」
ロッキー :
「ああ、王子の役割を果たす時だ!」さらに駆けだす
GM :
あなたたちは黒沢の根城へと向かって駆けだしていく……。
GM :
さて……ここで一旦、真珠ちゃんの視点になります。登場お願いします!
飴家 真珠 :
あら、了解!
飴家 真珠 :
85+1d10(85+1D10) > 85+5[5] > 90
??? :
「……珠、真珠」
GM :
まどろみの中、何も見えない、どちらが上でどちらが下なのかもわからない。
GM :
真っ暗な空間で、あなたに誰かが語りかけてくる。
GM :
なんだか懐かしいような、暖かいような、そんな声が。
飴家 真珠 :
「…………?」
飴家 真珠 :
「洋子ちゃん?」 夢の中だからだろうか、声が出る。暗闇の中、不思議そうに、しかしはっきりとその名前を呼ぶ。
GM :
声をかけると……ふわ、と虚空から浮き上がるように、見慣れた人の姿が現れる。
江戸川 洋子 :
「……よ、久しぶりだな」
江戸川 洋子 :
「まあ……っても夢の中なんだがな」
飴家 真珠 :
「夢……」
飴家 真珠 :
「そうなの? 本当に?」
飴家 真珠 :
透き通るような可愛らしい声でそう言いながら、手を伸ばして洋子のほっぺたを指で軽くつねろうとする。
江戸川 洋子 :
「いたたた! まあ、夢ってのはわかりやすい言い方だな。今、オレはお前の持ってる石ころの中から精神に干渉してる……なんでそんなことができるのかは、オレにもよくわかんねーけどな」
江戸川 洋子 :
「とにかく……元気そうで何よりだな、真珠」
GM :
いつの間にか、洋子だけではない。セルのみんなが、あなたを心配そうに囲んで立っていた。
GM :
……ただひとり、江戸川医師を除いてだが。
飴家 真珠 :
「……みんな」 目を見開いて、皆の顔を見渡して、
飴家 真珠 :
「……っあ、ぅ……」
飴家 真珠 :
「う……うぅぅ……!!」 決壊したように、涙を流し始める
江戸川 洋子 :
「お、おうおう……そうか、辛かった、辛かったよな……!」 真珠のことを抱き締めて。
江戸川 洋子 :
「にしても、お前ってそんな声だったんだなぁ。生きてるみんなにも聞かせてやりたいぜ」
飴家 真珠 :
「そんなの……! そんなこと、どうでもいいよぉ!!」
飴家 真珠 :
「みんながいなくなって、わたし、ほんとに……ほんとに寂しくて、辛くて……!!」
飴家 真珠 :
「なんで、なんでみんな死んじゃったの!? なんでわたし一人だけ置いていっちゃったの!?」
飴家 真珠 :
「こんな思いするくらいなら、わたしもみんなと一緒に死にたかった!! 一人だけで生き延びたくなんてなかった!!」
飴家 真珠 :
「ばか! ばかばかばかばか……!!」
飴家 真珠 :
「うわああああああああああああああああああん!!!!」
飴家 真珠 :
洋子を抱きしめて、子供のように泣きじゃくってしまう。
GM :
……洋子は、申し訳なさそうにやさしく抱き返して黙っていたが、重い口を開く。
江戸川 洋子 :
「ごめんな、一緒に居てやれなくて……」
江戸川 洋子 :
「そう言ってくれるのは嬉しいけど……オレたちは真珠が生きてて、本当に良かったと思ってるし……」
江戸川 洋子 :
「エドガワーが聞いたら怒るぞ、そんなこと」
飴家 真珠 :
「…………っ!!」
飴家 真珠 :
「ごめん……ごめんなさい……」
飴家 真珠 :
「ちがうの、わたし……本当は、そんなこと言いたかったわけじゃ……」
飴家 真珠 :
「洋子ちゃんたちは、何も悪くないのに……」 洋子を抱きしめる手に力は入る
江戸川 洋子 :
「…………」
飴家 真珠 :
「…………」 震える手で洋子の両肩を掴み、顔を離して、
飴家 真珠 :
「……久しぶり。洋子ちゃん、みんな……」 涙で濡れた目元を、服の袖で拭って、
飴家 真珠 :
「ありがとう……会いに来てくれて……」
飴家 真珠 :
「また会えて、わたし……嬉しいよ……」 そう言って、皆に笑顔を向ける。
江戸川 洋子 :
「ああ……オレたちも嬉しいよ。へへ、石ころ拾ってくれたヤツに感謝だな」
飴家 真珠 :
「零一郎さんだね……戻ったら、お礼言わなくちゃね……」
江戸川 洋子 :
「……しかし、エドガワーも出てくりゃいいのになぁ」
飴家 真珠 :
「……! パパもいるの!?」
江戸川 洋子 :
「いるけど……あいつは、死者が出しゃばって話すなんて生への冒涜だーとか言っちゃってさ」
江戸川 洋子 :
「ほんと、真面目なヤツだよなー」
飴家 真珠 :
「何それ!? 酷い!! わたしはこんなに会いたいのに!!」
飴家 真珠 :
「パパー? 変なこと言ってないで、パパも出てきてよー!!」
飴家 真珠 :
「ちゃんと出てこないなら、わたし、もうパパのシャツだけアイロンかけないからねー!? パパー!?」 暗闇の中に大声で叫ぶ
江戸川 洋子 :
「あはは、生きてた頃を思い出すなー」
江戸川 洋子 :
「あいつほんと真珠の気持ちも考えて……って言っても、エドガワーなりに命に敬意払ってのことだからな……」
江戸川 洋子 :
「悪いけど、今は諦めてやってくれよ」
飴家 真珠 :
「……んもう。しょうがないな」
飴家 真珠 :
「寂しいけど、わかったよ……」
飴家 真珠 :
「パパのそういうところ、嫌いじゃないし……」 とは言うが、頬を膨らませている。
江戸川 洋子 :
「だな。結局、みんなそんな真面目で頑固なエドガワーが好きなんだ」
江戸川 洋子 :
「さて……せっかく会えたとこなんだけどさ真珠」 真面目な顔に戻って
飴家 真珠 :
「なに?」
江戸川 洋子 :
「実は外は結構、ヤバい状況みたいなんだ」
江戸川 洋子 :
「お前、いま殺されかけてる」
飴家 真珠 :
「え!?」
飴家 真珠 :
「なんで!? 誰に!?」
江戸川 洋子 :
「……それも含めて、オレから話さないといけないことがある」
飴家 真珠 :
「う、うん……」
江戸川 洋子 :
「……辛い話になると思う。でも……」
江戸川 洋子 :
「いまの真珠なら、新しい仲間がいるから、きっと大丈夫だ」
江戸川 洋子 :
「それに今しか話せないかもしれないだから……話すぞ。お前の知りたかっただろう、あの日のことを、全部」
飴家 真珠 :
「……………………っ!!」
飴家 真珠 :
「洋子ちゃんは、知ってる……ってこと? あの日、起きたこと……」
飴家 真珠 :
「誰が皆を殺したのか、全部……」
江戸川 洋子 :
「…………ああ」
飴家 真珠 :
「……………………」 動揺したように、瞳を揺らして、
飴家 真珠 :
「わかった、話して」
飴家 真珠 :
「ずっと知りたかったことだから……。辛いことって言われちゃうと、すごく怖くなっちゃったけど……」
飴家 真珠 :
「洋子ちゃんが大丈夫って言うなら……わたし、信じるよ」 胸元を不安そうに握りながら、小さく笑う。
江戸川 洋子 :
「よし…………オレも覚悟した。じゃあ、話すぞ」
江戸川 洋子 :
ふー、と深呼吸して。
江戸川 洋子 :
「どこから話すか……そうだな」
江戸川 洋子 :
「あの日、オレがいつものように外で見張りをしていたら、物陰に怪しい黒スーツの男……」
江戸川 洋子 :
「クロサワっていうらしいな……あいつがいたんだ」
GM :
A棟、控室。
”ジョーカー” :
「おい、どうした相棒」
GM :
黒沢は、眠る真珠の前で刃物を持ってうろうろしている。
”ジョーカー” :
「ここならアサギリの邪魔になることもないだろう。さっさとやらねぇのか?」
”ジョーカー” :
「な~に、迷うことはねぇ」
”ジョーカー” :
「こいつは今やお前の憎む”アイドル”だぞ?」
黒沢 優作 :
「……そ、そうだな……」
黒沢 優作 :
「すまん、君が生きていると、俺は、俺は……」
GM :
……黒沢が覚悟を決めてナイフを真珠に突き立てようとした、まさにそのタイミングだった。
GM :
ロッキーと勇姫が部屋に乗り込み、待ったをかける!
武者小路 勇姫 :
「スタァァァップ!!!」
ロッキー :
ガァン! 轟音と共に扉がひしゃげ、部屋に踏み入る。
ロッキー :
「姫!!」 鎌を携え、鋭い眼光が向けられる
黒沢 優作 :
「!?」
黒沢 優作 :
「ふ、ふん、誰かと思えばRe:tryとファム・ファタールの新人か。まさかこの状況でまだ正気を保っているとはな……」
ロッキー :
「見通しが甘かったね! 僕サマだけだったら無理だったろうけど!」勇姫を一瞥して
ロッキー :
「さ、姫を返してもらおうか? 渋るのならキミの首がギロチンに掛けられるより先に……」
ロッキー :
「この刃が首を刎ねるだろうけど……」
黒沢 優作 :
「UGNとFHが組んで俺を始末しに来たのか?」
黒沢 優作 :
「俺を殺せばこの状況は解決する、なんて思ってるなら”勇者様”にしては随分浅い考えだな」
武者小路 勇姫 :
「ちゃう」
武者小路 勇姫 :
「ロッキー、少しうちに任せてくれ」
ロッキー :
「…………」一瞬、渋い顔をするが勇姫の言葉を信じて一歩退く
武者小路 勇姫 :
「……ありがとうな」
武者小路 勇姫 :
「黒沢、ウチはあんたを説得しにきた」
黒沢 優作 :
「説得だぁ? ほざきやがって……」
黒沢 優作 :
「……まあいい、このままあっさり誰も知らないところで俺の目的が達成してしまうのもつまらないと思っていたところだ」
黒沢 優作 :
「お前らの戯言、聞くだけ聞いてやろう」
武者小路 勇姫 :
「チャンスをくれてありがとうな。……悪いけど、あんたの過去、調べさせてもろたで」
武者小路 勇姫 :
「あんたのこと知った時から、ずっと思てた。ウチはさ、あんたのことが他人やと思えへんねん」
武者小路 勇姫 :
「ウチもあんたほどじゃないにしろ、あんたと同じような経験してきたからさ……。今会うたばかりで何言うてんねんって感じやけど」
黒沢 優作 :
「俺と同じ経験だと……」
黒沢 優作 :
「……ふざけるな、ふざけるなよ……」
黒沢 優作 :
「病院持ってるような家に生まれて、たいした苦労も知らず、アイドルとしても順風満帆なお前に俺の何がわかる!!」
黒沢 優作 :
黒沢は《ナーブジャック》を使用。
GM :
勇姫を操って真珠に攻撃しようとさせます。
武者小路 勇姫 :
「――! ロッキー! 止めてくれ!」
ロッキー :
「もちろんっ!」
ロッキー :
勇姫の意志に反し、筋の一本一本に殺意が宿る感覚を感じ取る。
ロッキー :
あの不快な感覚、仲間に刃を振るう罪悪感をセンパイには感じさせまいとロッキーは背後からガッチリと勇姫をホールドする。
GM :
キュマイラのオーヴァードである勇姫の剛腕を抑制するのは、並大抵の力ではできない。
GM :
しかし、FHの叡智の結晶である”王子”の鉄腕ならばそれが可能だ。
武者小路 勇姫 :
「よ、よし……!」
武者小路 勇姫 :
「確かにあんたの言うとおりや、ウチは周りの人に恵まれてきた……」
武者小路 勇姫 :
「やけど、ウチもあんたと同じように受験失敗して、目の前が真っ暗になって……」
武者小路 勇姫 :
「そんなときに目の前に現れたアイドルに救われて……でも、そのアイドルにも裏切られて……」
武者小路 勇姫 :
「ウチも周りの人たちが支えてくれへんかったら、あんたみたいに世を儚んで早まった行動してたかもしれへん」
武者小路 勇姫 :
「……そう思うと、やっぱり他人やと思われへんねん」
武者小路 勇姫 :
「だから……勝手な思いやけどあんたにはこれ以上、罪を重ねんで欲しい!」
黒沢 優作 :
「へ、減らず口をーーーーーっ!」
黒沢 優作 :
「随分よく俺のことを研究したようだが、残念だったな……」
黒沢 優作 :
「そんな経験してる人間が都合よくここに二人もいるわけないだろ!?」」
黒沢 優作 :
「いいか、俺には嘘を吐いても無駄だ!!」
黒沢 優作 :
「この能力があれば、お前らの口から出まかせなんて一瞬で見破れるんだからなぁ!!!」
”ジョーカー” :
「いいぞ黒沢! やっちまえ! その嘘つき女の罪を暴いてブッ殺すんだ!」
GM :
黒沢は”記憶探索者”の能力を使用。
GM :
手にした大学ノートのページに勇姫の半生が文字になって浮かびあがる……。
”ジョーカー” :
「ククク、クククク……愉快、実に愉快だなァ~!」
”ジョーカー” :
「なあ黒沢! ”勇者様”の化けの皮が剥がれるのを見るのは! 最高にハイな気分だぜェーー!!」
”ジョーカー” :
「これだから人間観察ってのはやめられねェぜ! なあ相棒!」
黒沢 優作 :
「…………」
黒沢 優作 :
「……………………」
”ジョーカー” :
「……オイどうした相棒? なんか言ってやれ!」
黒沢 優作 :
黒沢はあんぐりと開けた口がふさがらないようだ。
黒沢 優作 :
「ま、まさか…………本当なのか…………!?」
武者小路 勇姫 :
「さ、さっきからそう言うてるやろ……!」
”ジョーカー” :
「…………」
”ジョーカー” :
ジョーカーは《能力強奪》で黒沢の《ナーブジャック》を奪う。
”ジョーカー” :
《ナーブジャック》を勇姫に使用。
武者小路 勇姫 :
「あ、がが……ッ!??」
ロッキー :
「ぁ、暴れん坊だね…っ! ま、まあ僕サマなら造作も……ない、けど……っ!」 義肢が悲鳴をあげ、不吉な摩擦音が響く
GM :
……勇姫は一瞬の隙をついてロッキーの片腕のイジェクトボタンを押す。
GM :
そして、自由になった腕で自分の首を締めあげる……!
武者小路 勇姫 :
「が、は、ぁ……!!」
ロッキー :
「っ……!? この、タイだかマグロな真似を……!」
ロッキー :
なんとかもう片腕を、勇姫を締め上げる指の間に入れて緩めようと試みる。
GM :
あなたの機転もあって辛うじて勇姫の軌道が塞がれてしまう事態は回避できたが、これでは説得を続けることができない……!
”ジョーカー” :
「おー、いいぞ黒沢。やっぱ嘘吐きは口を封じねェとなぁ!」
黒沢 優作 :
「ばっ……お前、今のはお前がやっただろう!? 何を勝手に……」
”ジョーカー” :
「はぁーー!? 知らねえなぁ」
”ジョーカー” :
「証拠あんのか証拠? 法廷では証拠がモノ言うんだぞ」
”ジョーカー” :
「お前も検事だったら証拠で語れや!」
”ジョーカー” :
「あ、検事になれなくて今はプータローだったな」
”ジョーカー” :
「じゃあ法廷のルールも知らなくて当然か。ハハハハハ!!!」
黒沢 優作 :
「こ、こいつ……!!」
ロッキー :
「ここが法廷と云うなら……」
ロッキー :
「黒沢、キミはどう思っているんだ!」異議を申し立てるが如く、口を開く
ロッキー :
「センパイのことを知って、何を思ったのか! 何を信じたのか!」
ロッキー :
「キミが信じる正義は、どこに向いている!」
ロッキー :
「後悔のない方を、選ぶとイイ……! どちらの道も兎穴だとしても……っ」
ロッキー :
「落ちる先は選べるのさ……!」
GM :
……状況は絶体絶命だ。
GM :
しかし、今まで自らは手を下さず、あくまで黒沢の意思で計画を進めさせてきた”ジョーカー”が自ら動いた。
GM :
それは、黒沢の心に微かに残った良心の灯を、勇姫の命がけの説得が蘇らせたことを意味していた。
GM :
その勇姫は”ジョーカー”に操られ話すことができないが……。
GM :
しかし、いまなら、普段なら何を言っても絶対に届かないであろうあなたの鋭い正論も、黒沢に届く。
黒沢 優作 :
「お、俺は……俺は……、が、ああ……」
”ジョーカー” :
「お、おい、どうした相棒」
黒沢 優作 :
「あ、あああああ!!」
黒沢 優作 :
「そ、そうだ……俺が最もこの世で嫌う存在……」
黒沢 優作 :
「他人の弱みに漬け込んで陥れる最低最悪のクズ……!」
黒沢 優作 :
「それはUGNプロやファム・ファタールの連中なんかじゃない……ましてや無関係なアイドルたちを狙うなんて……」
”ジョーカー” :
「は、ハァ!? おい黒沢!? 冗談だよな!」
黒沢 優作 :
「じょ、"ジョーカー"……お前こそが……」
GM :
黒沢はふたたび、ナイフを振り上げる。
”ジョーカー” :
「や、やめろ馬鹿野郎ーーー!!」
黒沢 優作 :
「そして、他の誰でもない俺こそが……」
黒沢 優作 :
「最も断罪されるべき存在じゃないかああああ!!!」
GM :
あなたたちの決死の説得が、黒沢の心に僅かに残った良心に火を着け……自らの罪を映し出す鏡である"ジョーカー"へと立ち向かう後押しをした。
”ジョーカー” :
「ぐああああああ!!!」
GM :
黒沢が自らの腹に思い切りナイフを突き立てると、ジョーカーはたまらず苦しみ出す!
”ジョーカー” :
「ば、ばかなっ! お、俺様がせっかく貯めたエネルギーが……エネルギーがぁ……!!」
武者小路 勇姫 :
「ぷはっ……や、やったか!? オイ黒沢、そこまでしろとは……!」
ロッキー :
「中々の思い切りだねっ! 嫌いじゃあないけど……」ここからどうなるのか、様子を見守る
GM :
……ユラが放つ、この場を支配する波動が、少しずつ弱まるのを感じる。
GM :
それと同時に、あなたたちの頭の中に、黒沢の「記憶」が流れ込んでくる。
武者小路 勇姫 :
「な、なんやこの感覚……!」
ロッキー :
「ぅぇ……! へ、変な感じだ……っ」
GM :
それは、廃病院を改造した小さなFHセルのアジト…………。
GM :
江戸川セルでの、出来事だった。
GM :
アイドルの"推し活"に没頭するあまり、借金を作って家庭を破綻させ自分と母親を捨てた父親。
GM :
そのアイドルに一度は人生を救われたかと思えば、裏切られ。
GM :
黒沢の人生はいつも偶像に振り回されていた。
GM :
それ故に、自分に取り憑いた奇妙な怪物に「力」を与えられたとき、真っ先にアイドルへの復讐を誓ったのだ。
GM :
……いや、別に目的は何でもよかったのかもしれない。
GM :
自分の苦しみを世の中にぶつけたかった、今にして思えば、そのための手段としてわかりやすいものがそれだったのだろう。
GM :
場所は"ジョーカー"の助力で突き止めた朝霧ユラの病室。
黒沢 優作 :
「おお! 情報通りだ。ここが朝霧ユラの病室か」
GM :
……彼女はマネージャーと何やら口論をしているようだった。
泊里 零一郎 :
「朝霧さん、今後についてなんだが……」
朝霧 ユラ :
「……何? また新しい先生でも呼んできた?」
朝霧 ユラ :
「……診察結果、どうせ変わんないよ」
泊里 零一郎 :
「いや……そうじゃなくてだな。ええと、その……」
泊里 零一郎 :
「その……今のまま復帰するというのはどうだろう」
朝霧 ユラ :
「……」
黒沢 優作 :
「(な、なんか険悪な雰囲気だな……)」
泊里 零一郎 :
「君の歌声は依然として素晴らしいものだ。今の時代、車椅子のアイドルというのも捉え方によっては個性と言えるだろう」
泊里 零一郎 :
「同じようにハンディキャップと生きる子たちに、希望を与える存在にも――」
朝霧 ユラ :
「ねぇ、泊里さん」
朝霧 ユラ :
「それ、本心で言ってるわけじゃないよね?」
泊里 零一郎 :
「そ……それは、その……」
朝霧 ユラ :
「……もういい。聞かなかったことにするから、今日は帰って」
泊里 零一郎 :
「……す、すまない」
GM :
マネージャーと思しき男はがっくりと肩を落としながら病室を出ていった。
GM :
よほど気落ちしていたのか、エフェクトを使うまでもなくあからさまに怪しい黒沢のことも気にかけていないようだ……。
黒沢 優作 :
「お、おい、あんた大丈夫か……?」
泊里 零一郎 :
「……誰だか知らないが、放っておいてくれ」
泊里 零一郎 :
「僕は……僕は、なんてダメな奴なんだ……!」
黒沢 優作 :
「…………」
”ジョーカー” :
「いや〜面白え会話だったな!」
”ジョーカー” :
「これだからアイドルに関わる人間ってのはロクでもない奴しかいやしないぜ、なあクロサワ!」
黒沢 優作 :
「あ、あぁ……そうだな、は、はははは……さて、気を取り直して……」
黒沢 優作 :
「まさか会えるとはな……見つけたぞ朝霧ユラ! 」
朝霧 ユラ :
「……今度は何?」
朝霧 ユラ :
「あんた、医者でもなさそうだし……あたし、あんたに用なんてないんだけど」
黒沢 優作 :
「ほう、だが……その身体が治るとしたら、どうだ?」
GM :
黒沢は《ブレインジャック》を使用し、ユラの思考を誘導する――。
朝霧 ユラ :
「そういう詐欺、いっぱい見てきたけど……いいよ。どうせ暇だし、話くらい聞いてあげる」
GM :
ユラに江戸川医師を紹介したのは黒沢だった。
GM :
トップアイドルの彼女をオーヴァードに改造すれば使いようがある……何より、彼女の持つ”妄想を現実にする力”は特筆すべきものというジョーカーの進言からだ。
GM :
――しかし、この時は、あんなことになるなど夢にも思っていなかった。
GM :
ーー朝霧ユラが”ビッグE”の手術を受けた当日。
GM :
アジトの廃病院付近で、黒沢とジョーカーは彼女の逃走の手筈を整えていた。
GM :
作戦はシンプルかつ効果的。黒沢の洗脳能力を活かしたものだ。
”ジョーカー” :
「そろそろ頃合だな」
”ジョーカー” :
「お前の洗脳能力であいつらを混乱させて同士討ちにするんだ。騒ぎのうちに脱出できるだろう」
黒沢 優作 :
「な、なるほど……!」
GM :
この作戦が上手く行っていれば……と、悔やんでも悔やみきれない。
GM :
だが、事はそう思い通りに運ばなかった。
江戸川 洋子 :
「……あんたら、ウチのシマで何やってんだ?」
黒沢 優作 :
「ひっ!?」
江戸川 洋子 :
「別のセルの工作員か? まあ何でもいいや」
江戸川 洋子 :
「ウチを付け狙うなら生かしては返せないな」
GM :
洋子は得物のナイフを抜く。
GM :
いままで何度かあったように、セルに降りかかる火の粉は自分が振り払う。
GM :
それがセルで最強のエージェントの、”殺戮人形”たる自分の役目だからだ。
”ジョーカー” :
「黒沢! 殺されんぞ、やれ!」
黒沢 優作 :
「ひ、ひぃぃ!!」
GM :
黒沢は言われるままエフェクト使用。
江戸川 洋子 :
瞬間、洋子の瞳が淀み、セルの生活区へと歩き出す。
GM :
……そして、すれ違った仲間に、ナイフを突き刺した。
”ジョーカー” :
「よし、一旦退却だ黒沢!」
黒沢 優作 :
「はあはあ、た、助かった……!」
GM :
……黒沢が逃走した後に起きたのは、目を覆うような惨劇だった。
GM :
その場にいた3人のチルドレンが洋子を止めに入るが、当然、セルで最強のエージェントである彼女には敵わない。
GM :
……そして洋子の洗脳が解けた時。
GM :
目の前には、3つの死体が転がっていた。
江戸川 洋子 :
「ぇ……ぁ……みんな……!? あ、あ、あ、ぁ……」
江戸川 洋子 :
「これ、ぜ、全部オレが……」
GM :
かつて、実験体として生き残るために仲間達を皆殺しにしたときのトラウマが、痛烈に蘇る。
江戸川 洋子 :
「あ、ああああああ……!!!」
GM :
…………。
GM :
――受け入れ難いショックに、洋子はジャーム化した。
GM :
セルに残っていたメンバーは次々、彼女を止めに入るが尽く敗れ……。
GM :
その凶刃は、手術室にいた3人にも及ぼうとしていた。
GM :
……実は、ユラの覚醒直後の攻撃を受け倒れたものの、
GM :
真珠と江戸川へのダメージは、オーヴァードの命に別状があるほどのものではなかった。
GM :
それを知らないまま茫然自失でふらふらと廊下を歩いていたユラは……血だまりに沈むセルの構成員たちを発見する。
朝霧 ユラ :
「……な、なんだこれ」
朝霧 ユラ :
「…………!」
江戸川 洋子 :
「ァアア、アアーー!!!」
GM :
……血の池の真ん中で正気を失った洋子は、ユラを発見するなり飛びついて滅多刺しにした。
朝霧 ユラ :
「な、何っーー……」
朝霧 ユラ :
「ぐ、ふっ………」
江戸川 洋子 :
「■■■■―――……」
GM :
そして……さらに間の悪いところに。
GM :
……目を覚ました真珠が、そこに現れてしまった。
飴家 真珠 :
「…………っ!!」
飴家 真珠 :
あまりの惨状に呼吸をすることも忘れ────
飴家 真珠 :
現実を拒むかのように気を失い、その場に倒れてしまう。
GM :
無情にも洋子は、今度はその矛先を真珠に向ける。
GM :
倒れこむ真珠に、ナイフを振り下ろそうとする。
GM :
時々怖い事を言ったり、暴れたりするが、普段は仲間思いなチルドレンたちのリーダー。
GM :
その面影は、もうどこにもない。
GM :
しかし……真珠がショックで気を失うまさにその瞬間。
江戸川 大吾 :
「洋子……すまん」
GM :
――振り下ろされる刃を、駆けつけた江戸川が止めた。
江戸川 洋子 :
「……ア……ァアア……殺、スーーーッ!!」
GM :
やり場を失ったナイフは江戸川に向かう。
GM :
もし江戸川が万全だったとしても、展開は一方的だっただろう。
GM :
洋子のナイフは彼の心臓深く何度も突き刺さり、致命傷を与える。
GM :
それは、オーヴァードの再生能力すら間に合わないほどに……。
江戸川 大吾 :
「……俺みたいなクズにはどんな最期が待ち受けてるかと思えば、なるほどこりゃあ最悪の結末だな……」
江戸川 洋子 :
「ア、アアアア……!」
GM :
何度も、何度も、彼の身体を刺す。
GM :
それでも、江戸川は洋子の腕を離さない。
GM :
このまま全滅かと思われたその時……。
朝霧 ユラ :
「……ぁ、あれ、あたし、こんなとこで何やって……」
GM :
ユラが起き上がった。
朝霧 ユラ :
「……こんな血が出てるのに、生きて……ぁ、ああそっか……バケモノに……ん、ぇっ…!?」
GM :
目の前で繰り広げられているショッキングな光景に、目を見開く。
江戸川 大吾 :
「……嬢ちゃん、目が覚めたか」
朝霧 ユラ :
「ぇ――――」
江戸川 大吾 :
「……説明しただろう、これがジャーム化だ」
江戸川 大吾 :
「こうなってしまったら、もう、誰の声も届かん。セルの仲間たちも……」
江戸川 大吾 :
「……義理の父親である、俺でさえも」
江戸川 大吾 :
「こ、のままだと、嬢ちゃんも、真珠――その子も、こ、こいつが殺しちまう……」
江戸川 大吾 :
「止めようとしたが、お、俺はもう、ダメだ……だから、そうなる前に――」
江戸川 大吾 :
「嬢ちゃん、あ、あんたがこいつを……よ、洋子を、止めてやってくれ……」
朝霧 ユラ :
「で……」
朝霧 ユラ :
「できないよ……」
朝霧 ユラ :
「だって、だってその人、あたしのキーホルダー着けてるじゃん……」
江戸川 大吾 :
「……これがオーヴァードの世界の洗礼だ」
江戸川 大吾 :
「頼む、早く……俺の命が尽きる前に……」
朝霧 ユラ :
「……ぅ、ぁ……」
朝霧 ユラ :
「あああぁぁぁーーーーーー!!!」
GM :
――――…………。
黒沢 優作 :
「ふふふ、色々と計画は狂ったが、迎えに来たぞ! 調子はどうだ、朝霧ユラ?」
黒沢 優作 :
「……な、なんだこれは……!?」
GM :
手術後に江戸川の隠れ家を訪れた彼が目にしたのは、目を覆うような惨状と血塗れの朝霧ユラだった。
朝霧 ユラ :
「…………」
黒沢 優作 :
「ひっ……よ、寄るな殺人鬼!」
朝霧 ユラ :
「……あたしが殺人鬼だって?」
黒沢 優作 :
「な、何ぃ……ぐっ!??」
GM :
ユラはあっという間に黒沢の首根っこを掴みあげて身体ごと持ち上げると、力いっぱい締め上げる。
朝霧 ユラ :
「……まったくその通りだな。ついでにあんたも死んでみるか?」
黒沢 優作 :
「ひ、ひぃぃぃぃ!! ごめんなさいごめんなさい!!」
朝霧 ユラ :
「…………………」
GM :
ユラは黒沢を離すと、宛もなくどこかへ行こうとした。
GM :
それを後目に、黒沢は自分の”相棒”と相談した。
黒沢 優作 :
「じょ、ジョーカー! この女はヤバい! この女だけは関わっちゃいけない! 別のアイドルのところに行こう!」
”ジョーカー” :
「は〜!? 馬鹿野郎! お前みたいなクズがこんな大物を利用できる機会、これを逃したら一生ないぞ!」
”ジョーカー” :
「それに言っただろう、これだけ人に夢見せる才能持ってるやつが”妄想を現実にする”なんて素質持ってるのは滅多にないことだ。お前の計画に替えは利かん!」
黒沢 優作 :
「で、でもジョーカー……!」
”ジョーカー” :
「……ったく、ずいぶん生ぬるい態度だな」
”ジョーカー” :
「いいか? このセルの連中は言わばお前の大義のための尊い犠牲になったのだ」
黒沢 優作 :
「お、俺の……犠牲に……!?」
”ジョーカー” :
「そう、ここでお前が尻尾巻いて逃げ出して……もしあの女が自殺でもしようものなら、奴らはとんだ犬死にだ」
黒沢 優作 :
「お、俺がやらなきゃみんな無駄死に……無駄死に……!?」
”ジョーカー” :
「なに、心配するな」
”ジョーカー” :
「覚醒して効き目は弱くなったが、あの女にはまだ、お前が掛けた暗示がある程度効いている。いいから、黙って俺様の言う通りに交渉しろ」
黒沢 優作 :
「無駄死に……無駄、俺のせいで無駄死に……」
黒沢 優作 :
「く、くそう、やってやる、やってやろうじゃないか……」
黒沢 優作 :
「……ど、同志朝霧ユラ! オーヴァードとして素晴らしい力だ……!」
朝霧 ユラ :
「…………」
黒沢 優作 :
「その力で、俺と腐った芸能界を正そうじゃないか!」
朝霧 ユラ :
「……何?」
黒沢 優作 :
「本当にいいのか!? お前のライバル……憎き蹄啼イバラとか、お前を怪我させた奴みたいのをのさばらせておいて!」
朝霧 ユラ :
「っ……!」
黒沢 優作 :
「時代の寵児たる君こそが、この歪んだ世界の救世主となるのだ!」
朝霧 ユラ :
「その名前を軽々しく出すのは気に食わないけど……」
朝霧 ユラ :
「……あたしに全部ぶっ壊す魔王になれって言うの?」
黒沢 優作 :
「ま、魔王ではない! 救世主だ!!」
朝霧 ユラ :
「……大して変わんないでしょ……魔王も、救世主も」
朝霧 ユラ :
「いいよ、どうせあたしには、結局何にもない……」
朝霧 ユラ :
「あんたの妄言にしばらく付き合ってやる。その代わり、それなりのステージは用意しなよ。あたしは手伝わないから」
江戸川 洋子 :
「…………これが、あの日セルであったことだ」
GM :
謝っても、謝り切れない。洋子は、終始そんな申し訳なさそうな顔で真珠に一部始終を説明した。
飴家 真珠 :
「……………………」 ずっと黙って、洋子の説明を聞き続け、
飴家 真珠 :
「……大丈夫? 洋子ちゃん」 心配そうに、優しく声をかける
江戸川 洋子 :
「……怒らないのか?」
飴家 真珠 :
「どうしてわたしが、洋子ちゃんに怒らなくちゃいけないの?」
飴家 真珠 :
「一番辛かったのは……洋子ちゃんなのに」
飴家 真珠 :
そう言って、洋子の体を抱きしめる。
江戸川 洋子 :
「し……真珠……!」
GM :
……周りのみんなも、誰一人として洋子を責めようとはしない。
GM :
あの日、見回りに出ていたのが自分だったら、自分がジャーム化していたかもしれないのだ。
飴家 真珠 :
「洋子ちゃんは、何も悪くない……何も悪くないよ……」
飴家 真珠 :
「ごめんね、わたし……こんな大事なこと、一人だけ忘れていて……」
江戸川 洋子 :
「いいよ、いいんだ……」
江戸川 洋子 :
「真珠には、とにかくずっと笑顔でいて欲しい」
江戸川 洋子 :
「どんな形だとしてもそれが……オレたちにとって何よりの願いだから」
飴家 真珠 :
「……わかった」
飴家 真珠 :
「それが、みんなの願いなら……」
飴家 真珠 :
洋子から一歩離れると、にこっと笑顔を見せる。
江戸川 洋子 :
「はは……やっぱり、真珠のこの笑顔を見なきゃな!」
GM :
みんなも安心したように、ほっと息をつく。
飴家 真珠 :
そのみんなの様子を見て、真珠も安心したように笑う。
飴家 真珠 :
「わたしも、みんなには安心して欲しいから……見せれてよかった」
飴家 真珠 :
「でも、不思議だね。どうしてあのレネゲイドの結晶の中に、みんなの意識が入ってたんだろ?」
江戸川 洋子 :
「それなんだけど、”適合体”の話はもう聞いたか?」
飴家 真珠 :
「うん、少しだけ。殺戮人形……洋子ちゃんの体の中に、レネゲイドの結晶が現れたとかは聞いたけど……」
江戸川 洋子 :
「皮肉な話だけど……オレが全員殺しちゃったから、こうやってみんなの意識が結晶の中に残ったんだろうな」
江戸川 洋子 :
「ただ、それだけだとこうやって真珠の意識に介入まではできなかったと思う」
飴家 真珠 :
「でも、今出来てるじゃない。どうしてなんだろ?」 首を傾げる
江戸川 洋子 :
「レネゲイドは未知のことばっかりだから予想しかできないけど……オレが考えるにたぶん、エドガワーの力だと思う」
飴家 真珠 :
「パパの?」
江戸川 洋子 :
「あいつ、むかしレネゲイドを医療に応用するための研究で、自分の身体にレネゲイドクリスタル……いわゆる賢者の石を入れたらしいんだ」
江戸川 洋子 :
「当時はレネゲイドのことが今ほどわかってなかったとはいえ、無茶苦茶なことするよな……」
飴家 真珠 :
「賢者の石って……確か、すごく危険なものなんじゃないの?」
飴家 真珠 :
「わたしたちには無茶しちゃダメって言うくせに、結構自分のことは棚に上げてるよね……パパって……」 不満そうに愚痴る
江戸川 洋子 :
「ほんとだよな~。今は研究で適合しなきゃジャームになることがわかってるけど……」
江戸川 洋子 :
「当時はそこまでわかってなかったからな。エドガワーの同僚はそれ真似してジャーム化しちまったらしい……」
飴家 真珠 :
「え、えぇ~……!」
飴家 真珠 :
「う、うーん……。でも、その賢者の石のおかげで、こうやってみんなとお話しできるようになったのなら、あまり悪くは言えないけど……」
江戸川 洋子 :
「だから、オレみたいのを拾って罪滅ぼしを……って思ったのかもしれないな」
飴家 真珠 :
「…………」 その罪滅ぼしがあったから自分たちは江戸川と出会えたとはいえ、彼の心境を想い、胸の奥が苦しくなる。
飴家 真珠 :
「とにかく……みんなと会えた理由は、分かったよ」
飴家 真珠 :
「でも、これからも、こうして夢の中で会えるのかな……?」 不安そうに、胸元を握りしめる。
江戸川 洋子 :
「……正直言うと、わかんねぇ。これが奇跡みたいな状態なのかもしれねーし……」
飴家 真珠 :
「そうだよね……。普通、死んだ人と夢の中で会って話すことなんて、できないし……」
飴家 真珠 :
「こうやって、一度会えただけでも、贅沢だよね……」
飴家 真珠 :
「それにお話することがもう出来なくても、あの結晶の中にみんながいるんだって思うと、寂しくないよ」 小さく笑う
江戸川 洋子 :
「真珠……」
江戸川 洋子 :
「そうだな……オレたちは、いつでもお前のことを見守ってるぜ!」
江戸川 洋子 :
「AILsだっけか? まさかアイドルになってるなんてビックリしたよな~。これからも真珠が輝くところを、たくさん見せて欲しい」
飴家 真珠 :
「それは、みんなの仇を捜すために色々あってそうなって……!」
飴家 真珠 :
「でも、今は毎日楽しいよ。仲良しのお友達も、たくさんできたし」
飴家 真珠 :
「洋子ちゃんたちに推してもらえるようなアイドルになれるように、これからもがんばらないと、ね」
江戸川 洋子 :
「推さないなんて選択肢あるか~!?」
飴家 真珠 :
「あは……! ありがとう!」 おかしそうに笑って
飴家 真珠 :
「…………」 皆の顔を見渡して、
飴家 真珠 :
「ただ、だけど、ね」
飴家 真珠 :
「もうこれで会えるのが最後かもしれないなら、みんなには聞いておかないといけないことがあるの」
飴家 真珠 :
「……これからも、わたしのことをずっと見守ってくれているなら、特に」 真剣な顔になって
江戸川 洋子 :
「……おう」 こちらもにやけていたのが、真剣な顔になって
飴家 真珠 :
「わたし、ずっとみんなの仇を討たなくちゃって思ってた。そのために、ずっと殺戮人形を捜してた」
飴家 真珠 :
「だけど、本当の敵は殺戮人形……当然、洋子ちゃんなんかじゃなくて、ジョーカーってやつだって……やっと分かった」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「ねえ、洋子ちゃん、みんな」
飴家 真珠 :
「わたし、これから、どうしたらいい?」
飴家 真珠 :
「みんなは、生き残ったわたしに……仇を取って欲しいって、思う?」
飴家 真珠 :
「みんながそう思ってくれるなら、わたし……」 スカートの裾を強く握りしめる。
江戸川 洋子 :
「…………真珠」
江戸川 洋子 :
「オレは殺さなきゃ殺されるって環境でずっと生きてきた。いや、たぶんオレだけじゃなくて、ここにいるほどんどのメンバーがそうだ」
江戸川 洋子 :
「あのクロサワーとかいう野郎だって、オレに殺されると思って唆されるままやっちまったんだろう」
江戸川 洋子 :
「いままで何十人も手に掛けてきたオレには、それを糾弾する権利なんかない」
江戸川 洋子 :
「……だが、それはそれとしてだ」
江戸川 洋子 :
「なんだあのクロサワーにくっついてるカスみてぇなのは~~!? あんなのが高笑いしてわが物顔で世に蔓延ってたんじゃ流石に溜飲が下りねぇ~~!!!」
飴家 真珠 :
「……! じゃあ、やっぱり、あのジョーカーを……わたしに殺して欲しい?」
江戸川 洋子 :
「いや、真珠が嫌ってんなら何も言わないけどよ……オレが健在だったらどうにかしてぶっ殺してやりたいと思うだろうな」
飴家 真珠 :
「嫌ってわけじゃ……! そういうわけじゃないよ……!」
飴家 真珠 :
「あいつが原因で、みんなは死んだんだよ!? そんなの、憎いし……殺してやりたいって、思ってる……!!」
飴家 真珠 :
「みんなは、わたしの一番大切な人たちなの! だから、それを奪ったあいつのことなんて……許せるわけない……っ!!」 拳を強く握りしめる
江戸川 洋子 :
「人間の悪意の化身……みたいな話だっけか」
江戸川 洋子 :
「気に喰わねぇな。お前ら人間なんて、所詮こういう醜い存在だって証明したいわけだ」
江戸川 洋子 :
「だったら遠慮することはないぜ、真珠よ」
江戸川 洋子 :
「人間の可能性っていうのを、あのカスに存分に見せつけてこい」
江戸川 洋子 :
「オレみたいな暴力と悪知恵ぐらいしか能のない奴はあいつに絶対勝てないけど……お前なら、あいつに負けないはずだ」
飴家 真珠 :
「……わたしに、そんな力がある気はしないけれど……。みんなと比べたら、凄く弱いし……」
江戸川 洋子 :
「これはオレの勘だから、聞き流す程度にしといて欲しいんだけどよ……」
江戸川 洋子 :
「あの怪物に勝つのに、きっと特別な力は必要ない」
江戸川 洋子 :
「必要なのは……ほんのちょっとの勇気と、愛」
江戸川 洋子 :
「……ちょうど、誰かがいまその勇気を出したみたいだな」
飴家 真珠 :
「……? 誰かって?」
江戸川 洋子 :
「それは、起きて自分で確かめてみるんだ、真珠」
飴家 真珠 :
「……わかった」
飴家 真珠 :
「ねえ、洋子ちゃん。みんな……」
飴家 真珠 :
「みんなは、わたしがこの先、どんな選択をしたとしても……嫌わずに、見守ってくれる?」 不安そうに、両手の指を触りながら聞く
江戸川 洋子 :
「もちろん!」 安心させるように、手を握って答える。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
「ありがとう……それなら、わたし……」
飴家 真珠 :
「これから、勝ってくる! だから、みんな傍で見守ってて!!」
飴家 真珠 :
笑顔でそう言いながら、殺戮人形のロイスを親近感/〇悔悟→〇遺志/悔悟に変えて、Sロイスに指定します!
江戸川 洋子 :
うおーー!
江戸川 洋子 :
「よし、行ってこい! オレたち江戸川セルが誇るアイドル、真珠!」
飴家 真珠 :
「うん!」 笑顔で、胸の前で両手をグッと握りしめる
GM :
真珠が目を覚ますと、真っ先に自分の腹にナイフを突き立てた黒沢の姿が目に入った。
GM :
そう、あの日洋子が使っていたナイフ。それは黒沢がセルに来たという動かぬ証拠だ。
武者小路 勇姫 :
「な、なんや、今記憶がすごい勢いで頭ん中を……あ、真珠ちゃん!?」
ロッキー :
「……おや、姫のお目覚めか……」眉間を抑えながら目をシパシパさせる
飴家 真珠 :
「……!?」 まず、ナイフを突き立てている黒沢に驚いて、
飴家 真珠 :
「……!!」 その次に、ロッキーと勇姫の姿が目に入り、
飴家 真珠 :
「……!! …………!!!」 嬉しそうに、笑顔で口をパクパクと動かす。夢の中で声を出して喋っていたせいだ。
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃん! 目を覚ましたんやな!」
武者小路 勇姫 :
「ってことは……”ジョーカー”の力が弱なったってことや!」
ロッキー :
「目覚めに王子のキスは必要なかったみたいだねぇ! ま、それはそれとしてだ……」
ロッキー :
「弱まったとて、ヤツはどうする?」彼の特性上、簡単には討てない
飴家 真珠 :
「…………」 状況を観察して、
飴家 真珠 :
[よーこちゃんがいってた ゆうきをだしたひとって あなただったんだ] 黒沢を見て
飴家 真珠 :
[ありがとう くろさわさん おかげでたすかったよ] ピンク色に輝く光の文字を出して見せながら、微笑みかける
黒沢 優作 :
「お、俺は……」
黒沢 優作 :
「ゆ、許されない罪を犯した。君の……君の大事な家族を……」
黒沢 優作 :
「奪ったばかりか、君が生きていたら、自分の罪と向き合わなきゃいけないからと君まで殺そうとして……」
黒沢 優作 :
「あげく、朝霧ユラが『自分がすべての罪を被る』なんて言い出すから、それに全部乗っかろうとして……」
黒沢 優作 :
「こ、殺してくれ……こんなクズにできる償いは、それくらいしかない……」
”ジョーカー” :
「そ、そうだーー!! こんなクズを許すなー! 殺せーーー!!!」
GM :
ジョーカーはなぜか、黒沢を殺させようとする……その理由は、いまのあなたたちには明白だろう。
GM :
黒沢は勇気を出して自分の罪と向き合ったが、それはまだ”本当に彼があるべきだと思う”向き合い方ではない。
GM :
死ぬことで許されて楽になりたいという、いわば逃げの発想だ。
GM :
その逃げたいという負のエネルギーこそが、ジョーカーにとってこの場を切り抜ける逆転のカードなのである。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
ジョーカーの存在を無視して、黒沢の血で汚れた手を両手で包み込むように握ります。
黒沢 優作 :
「…………!?」
飴家 真珠 :
[ころしてくれなんて そんなかなしいこと いわないで]
飴家 真珠 :
[あなたのこと まだちゃんとわかっているわけじゃない かもしれないけれど]
飴家 真珠 :
[それでも あなたはわるくない わるかったのはきっと うんめいだけ]
飴家 真珠 :
[わたしも みんなも あなたのことはゆるしているから]
飴家 真珠 :
[だから どうか いきていてほしい]
飴家 真珠 :
[おねがい くろさわさん]
飴家 真珠 :
光の文字をゆっくりと見せながら、黒沢に微笑みかける。
黒沢 優作 :
「こ……こんな俺に……」
黒沢 優作 :
「そんな、そんな優しい言葉を……」
黒沢 優作 :
「…………」
GM :
黒沢は、ゆっくりナイフを腹から引き抜く。
GM :
ソラリスの癒しの力で、傷口を塞ぎながら。
黒沢 優作 :
「……ありがとう」
黒沢 優作 :
「そうだよな……たとえ償いきれることなんてなくても……」
”ジョーカー” :
「やめろーーーー!!!! こんな奴を許すんじゃないーーー!!!!」
黒沢 優作 :
「ちゃんと罪を背負って生き続ける、それが……」
黒沢 優作 :
「……人として、あるべき道だよな」
飴家 真珠 :
「……!」 嬉しそうに微笑んで、深く頷く。
武者小路 勇姫 :
「……ふふ、さあ、どうするジョーカー?」
武者小路 勇姫 :
「次はウチにでも憑りついてみるか? 厄介もんの面倒なら慣れてるから見たるで!」
ロッキー :
「僕サマは勘弁だけどね! キミを住まわせるスペースはご生憎と埋まっているのさ」腕を組んで
”ジョーカー” :
「ふざけんなぁぁ……お前らみたいな人間愛狂信者に取り込まれたら、”パラディン”のときみたいに何年無駄にするかわかったもんじゃねぇ……!!」
”ジョーカー” :
「仕方ねぇ、計画変更だぁ……!」
GM :
ジョーカーは黒沢から奪った《ナーブジャック》を黒沢に使用。
”ジョーカー” :
「契約解除だァ!! じゃあな、クッソつまんなかったぜゴミカス!!!」
GM :
ワープするエネルギーすら惜しいのか、ボロボロに崩れ落ちながらその場を逃げ出す……!
飴家 真珠 :
「!!」 逃げちゃう! と、慌てて立ち上がる
ロッキー :
「逃がすワケにもいかないよね!」
ロッキー :
「……っと、黒沢くん。キミはどうするんだ?」治療中の彼に振り返って
黒沢 優作 :
「じょ、ジョーカーもだが、朝霧ユラのことが心配だ……」
黒沢 優作 :
「俺があいつにかけた暗示は覚醒したときに半分効果を失ったが、まだ半分効いたままになっている……」 よろよろと立ち上がりながら。
黒沢 優作 :
「いわば、あいつはずっと浅い暴走状態にある……世界をぶっ壊したいというあいつの願いは、朝霧ユラの偽らざる本心ではあるが、本質ではない……」
黒沢 優作 :
「そういう怒りを心に抱えていても、アイドルという仮面を被って人々を優しい嘘で勇気づけてくれる……それが朝霧ユラの本質だ」
黒沢 優作 :
「このままあいつまで”魔王”にさせてしまったんじゃ、オレのことを許してくれた人たちに申し訳が立たない……だ、だが……」
武者小路 勇姫 :
「あんたが掛けた暗示なら、治してやられへんのか?」
黒沢 優作 :
「む、無理だ……能力を”ジョーカー”に持って行かれてしまった……」
黒沢 優作 :
「あいつには申し訳ないが、ショックを与えて正気に戻らせるしかない……」
飴家 真珠 :
[かわいそうだけど そうするしか ほうほうがないなら]
飴家 真珠 :
[それに もしかしたら ジョーカーがゆららにとりついちゃうかもしれない]
飴家 真珠 :
[そうなったらたいへんだよ はやくおいかけよ!] その場で足ふみしながら腕を動かしてる
ロッキー :
「叩いて直すってヤツだ! 単純でいいね!」
ロッキー :
「ゼンは急げだ! 向かうとしよう!」
武者小路 勇姫 :
「そういうことなら手分けしよう」
武者小路 勇姫 :
「ウチがジョーカーを追いかける、ふたりはゆららを止めに行って貰えるやろか? イバラちゃんとおはさかもまだ会場におんねんやろ?」
武者小路 勇姫 :
「あいつはなぜか知らんけどウチのこと嫌がってるみたいやし、憑りつかれるリスクは低いと思う。どうやろ?」
ロッキー :
「その方がいいだろうね。憑りついたとしても、ねじ伏せてしまいそうな気すらあるけど」冗談を交えながら、勇姫に外された腕を拾ってプラプラさせる
飴家 真珠 :
[そういうことならわかった でもきをつけてね ゆうきちゃん] 心配そうに見つめて
武者小路 勇姫 :
「おう、任しとけ!」 心配ない、と言わんばかりにウィンクして
飴家 真珠 :
「!」 よし、じゃあ行こうと走り出そうとして、
飴家 真珠 :
[あ!!!! ちょっとまって!!!!] 赤い文字を大きく出して二人を止める
ロッキー :
「おおう、どうしたんだい?」キュッと急ブレーキ
武者小路 勇姫 :
「な、なんや!?」
飴家 真珠 :
[たすけにきてくれて ありがとう ロッキーちゃん ゆうきちゃん]
飴家 真珠 :
[だいすきだよ わたしのおうじさまと ゆうしゃさま!]
飴家 真珠 :
ピンク色の文字を輝かせながら、両手で作ったハートを笑顔で二人に見せる。
武者小路 勇姫 :
「つ、強すぎる……! これが地上アイドル……」
ロッキー :
「はは! 姫を助けるのは王子として当然さっ!」
ロッキー :
「それに、僕サマも大好きさ!」勇姫と同じく、ウィンクしてみせて
飴家 真珠 :
「……!」 えへ、と笑って、
飴家 真珠 :
[しってる! いこ ろっきーちゃん!] ロッキーの手を握って、走り出す
ロッキー :
「もちろんだ!」優しく握って駆けだす
ロッキー :
「それじゃあ勇者サマ! そっちはよろしくね!」最後に勇姫へ声をかけて
武者小路 勇姫 :
「おう、任しとき!」
GM :
あなたたちは、会場へと走り出す。
GM :
この長い長い悪夢を終わらせるために。
Scene 13 鏡像のアステリズム
GM :
クライマックスフェイズです。全員登場お願いします!
飴家 真珠 :
90+1d10(90+1D10) > 90+10[10] > 100
ロッキー :
96+1d10(96+1D10) > 96+7[7] > 103
蹄啼 イバラ :
93+1d10(93+1D10) > 93+6[6] > 99
多々良那 浅香 :
98+1d10(98+1D10) > 98+7[7] > 105
GM :
メインステージ。
GM :
会場では変わらず朝霧ユラがライブを続けていた。
GM :
しかし、”ジョーカー”の力の弱まりを受け、今は抵抗できないほどの精神への侵蝕は感じない。
GM :
三人が黒沢と決着を付けた頃、会場に留まっていた二人も意識を取り戻していた。
蹄啼 イバラ :
「うう~ん……」ゆっくり目を開いて、身体を起こす
多々良那 浅香 :
「ぁさん……っ、頭、いって………」
目を顰めながら頭を抑えて
泊里 零一郎 :
「ふ、ふたりとも……目を覚ましたかい」
蹄啼 イバラ :
「あら……? プロデューサー……?」さっきまで真珠とロッキーが一緒にいたはずだ。
蹄啼 イバラ :
「真珠さんとロッキーさんが……プロデューサーに……?」まだ意識が朦朧としているのか、あるいは冗談だろうか。
泊里 零一郎 :
「いや、そういうわけじゃない……と思う」
多々良那 浅香 :
「3徹より頭痛ぃ゛……何ぃ?何がどう……?」
泊里 零一郎 :
「朝霧さんが急にステージに現れたかと思ったら、君たちとライブバトルが始まって……」
泊里 零一郎 :
「止めに入ろうとしたんだけれど、僕も彼女のライブを見たらもう、そっちに夢中になってしまっていたんだ」
多々良那 浅香 :
「ド、ドルオタの鑑ってコト……?」
よろよろと身を起こしながら
泊里 零一郎 :
「い、いや、決して職務放棄していたわけでは……! オーヴァードの僕らも正気でいられない、おそらく、”ジョーカー”の力添えだったのだろう」
泊里 零一郎 :
「だが、こうして正気に戻れたということは……」
泊里 零一郎 :
「誰かが”ジョーカー”に打ち勝ったのかもしれない」
蹄啼 イバラ :
「パラディンでも勝てなかった相手と聞きましたが、いったいどなたが~……」
飴家 真珠 :
その時、会場の扉を開けて、真珠とロッキーが姿を現す。
飴家 真珠 :
「……!!」 あ! と、起きているイバラたちを見て笑顔になりながら指を差す
ロッキー :
「どうやら目覚めたようだね。 姫たち、そしてレイイチローくん! 大事はないかな!」真珠を連れてみんなの元へ
多々良那 浅香 :
「あれ、真珠ちゃんにロッキー!二人は大丈夫だったってことなの?」
泊里 零一郎 :
「よ、よかった……! ひとまず合流できたね」
泊里 零一郎 :
「何があったのか、説明して貰えるだろうか?」
飴家 真珠 :
「……?」 近づくと、イバラの体をべたべた触って、どこも怪我してないか確認してる
蹄啼 イバラ :
「いきなり何です真珠さん……!? あんまり触られると困ってしまいますよ~……!!」
飴家 真珠 :
[よかった! からだはなんともないんだね] 安心したように笑って、
飴家 真珠 :
[あさかちゃんは? だいじょうぶ?] 今度は浅香に近づいて、全身をぺたぺた触り始める
多々良那 浅香 :
「さっきまでヤバい頭痛があったけどまぁ催眠の影響でしょう!かンわいい後輩ちゃんと合流できたからあさかたんげんきげんきー!」
飴家 真珠 :
「……!!」 げんきげんき! と合わせるように笑顔で自分の両手を握りしめる
ロッキー :
「どこかぶつけたり、擦りむいたりしているのなら言いたまえよ!」手当キットを掲げて
多々良那 浅香 :
「あれ、先輩二人が足引っ張ってたかこれ」
ロッキー :
「なぁに、先輩たちが気負う必要はないさ……で、何があったかだったね?」こほん、と軽く咳払いして
ロッキー :
かくかくしかじか、自分が目覚めてからと黒沢&ジョーカーに何があったかを共有します!
GM :
では共有できます!
蹄啼 イバラ :
「なるほど、黒沢さんがそんなコトに……」意外な決着であった
多々良那 浅香 :
「は、は~~……なんか寝てる間にすごいことになってるが……」
泊里 零一郎 :
「ということは、朝霧さんは……」
飴家 真珠 :
[いまも くろさわさんの のうりょくで はんぶんせんのうされたままなの]
飴家 真珠 :
[ジョーカーがちからを もっていっちゃったから かいじょしてあげることができなくて]
飴家 真珠 :
[だから ちょっと えいやって するしかないみたい]
ロッキー :
「叩いて直すってやつだね。むかーしは箱型のテレビにしていたらしいよ?」 えいや、とチョップのポーズ
蹄啼 イバラ :
「なるほど、洗脳されていたからこその言動でしたか……わたくしを笑顔にできるアイドルになるなんて、頑なだった彼女らしくないと思ってはいましたが……」
飴家 真珠 :
[……? そんなこといってたの? いつ?] 首を傾げて
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、秘密です」
飴家 真珠 :
えぇ~? と、笑いながらイバラの体をつんつんしてる。
多々良那 浅香 :
「えぇ~っ、因縁アリ……?」
泊里 零一郎 :
「……どんなアイドルになりたいと聞いたら、心から笑顔になってほしい人がいるとはいつも言っていたね」
泊里 零一郎 :
「それが……まさか蹄啼さんだとは思わなかったけれど」
蹄啼 イバラ :
「わたくし自身、ビックリでしたよ」目を閉じて
蹄啼 イバラ :
「……さておき、彼女の進む芸術の道が、恣意的に歪められたモノとしたら、」
蹄啼 イバラ :
「ライバルとしては、すぐにも止めてさしあげるべきでしょうね~」
多々良那 浅香 :
「ライバル……あ~、そうだ思い出した、あたしゆらら確保したらイバラちゃんに渡すとか約束してたじゃん」
数ヶ月前のことだからすっかり忘れていた
飴家 真珠 :
[え? どうしていばらちゃんに ゆららをひきわたすの?]
蹄啼 イバラ :
「……ふふ、詳しい話はあとで良いじゃありませんか~」
泊里 零一郎 :
「芸能界を破壊したい、か」
泊里 零一郎 :
「正直、僕や僕の上司たちや、彼女の同僚たちがしてきた所業を思えば、そうしてしまった方がいいと僕は思う」
多々良那 浅香 :
「それママに聞かれたらヤバそうだから言わない方が良いけどね」
泊里 零一郎 :
「はは、そこまで僕も向こう見ずじゃないさ」
泊里 零一郎 :
「これが今までありとあらゆる理不尽に耐えてきた朝霧さんの切実な叫びだとしたら、なおさらこんな歪んだ手段で叶えさせるわけにはいかない」
飴家 真珠 :
[くろさわさんも いってたよ]
泊里 零一郎 :
「黒沢も……?」
飴家 真珠 :
[ほんしんがそうであっても アイドルというかめんをかぶって ひとびとをやさしいうそで ゆうきづけてくれる]
飴家 真珠 :
[それが あさぎりゆらの ほんしつだって]
泊里 零一郎 :
「…………なるほど」
泊里 零一郎 :
「そこまでちゃんと理解しているということは、彼もああなる前はきっとよきアイドルファンだったんだろうね」
飴家 真珠 :
うんうん、と頷く。
飴家 真珠 :
[とにかく みんなゆららのこと とめてあげるってことでいいんだよね?]
飴家 真珠 :
[それなら はやくとめてあげよ!]
多々良那 浅香 :
「ま、止めなきゃろくに話も進まんしね!」
無い袖をまくり
泊里 零一郎 :
「この戦いで前線に立てるだけの能力が無いのが情けないが……僕も全力で支援しよう」
泊里 零一郎 :
「朝霧さんを、止めてあげてくれ!」
飴家 真珠 :
「!」 親指を立てる
ロッキー :
「ここまで来て逃げるなんて格好悪いからね!」もちろん! と髪を靡かせて
蹄啼 イバラ :
「プロデューサーに言われずとも~」
飴家 真珠 :
じゃあみんなで、ゆららに近づいていきましょう。
GM :
では、あなたたちは彼女を止めるため、再び舞台へと向かっていく……!
GM :
……あなたたちが舞台に上がろうとするのを見て、ユラはバックバンドを制止しライブを中断する。
朝霧 ユラ :
「……あんたたちなら戻って来ると思ってたよ。AILs、それに泊里さん」
朝霧 ユラ :
「また、あたしを止めに来たのか?」
蹄啼 イバラ :
「すばらしいステージでしたが、いささか子守歌は聞き飽きてしまいまして~」
朝霧 ユラ :
「……ほんとに、皮肉を言わせたら芸能界イチだな」
蹄啼 イバラ :
「ふふ、お褒めにあずかり光栄です♪」
朝霧 ユラ :
「まあいいさ、それで……飴家だっけか。約束通り本当のことを……」
朝霧 ユラ :
「……と思ったけど、もうその必要はないみたいだな」
飴家 真珠 :
[え? わかるの?] 驚いて
朝霧 ユラ :
「黒沢が全部吐いたんでしょ。こいつからさっき聞いた」
GM :
ユラの周囲を取り巻いていた薄暗い霧のようなものが……集まって人の影を形づくる!
GM :
それは、朝霧ユラの影のような形にも見える。
飴家 真珠 :
「!!!!」 あ! お前!! と、指を差す
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ケケケ……驚いたか? こういうときのためにな、ちゃんと状況に介入できる手を俺様は残してンのさ!!」
飴家 真珠 :
「…………」 さっきはあんなに情けない感じだったのに、すごい調子に乗ってる……とジト目が語ってる
蹄啼 イバラ :
「さすがは影……どこまでもどこまでも付いて回る……」
蹄啼 イバラ :
「中身がないくせに、しぶとさだけは一級品ですね~♪」
多々良那 浅香 :
「攻略法見つけられると超脆いタイプのボスと見たね」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ククク、お前らこそよくノコノコ舞台にやってきてくれたぜェ~」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ここでお前らを一網打尽にして”本体”と合流する。すこーし計画は崩れたが……何も問題はない!」
飴家 真珠 :
[あなた ほんたいじゃないの? もしかして ゆららにわけあたえてた ちからそのものなのかな]
飴家 真珠 :
[でもそれなら たしかに なにももんだいないね]
飴家 真珠 :
[ほんたいは ゆうきちゃんが つかまえてくれるってことだから] 安心したように笑う
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ケッ、”信頼”ってヤツか!? まあいい、そのくらいのほうが絶望に落とし甲斐があるってもんだ」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「やっちまえ、アサギリ!」
朝霧 ユラ :
「あたしはあんたの指図は受けない」
朝霧 ユラ :
「でも、ま、気に喰わないけどやることは同じだ。手伝うっていうなら邪魔はしないでよね」
朝霧 ユラ :
「でも、始める前にこれだけは聞いときたいな。……蹄啼。本当にあたしを止めていいのか?」
蹄啼 イバラ :
「……どういうことでしょう?」
朝霧 ユラ :
「あたしを止めるってことは、何も変わらない世界を受け入れるってことだ」
朝霧 ユラ :
「ファム・ファタールも、あんたの父親も」
朝霧 ユラ :
「そんな世界で、あんたはこれから本当に笑顔になれるのか?」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「そうですね、貴女の作る世界にひとつも魅力がないと言えばウソになります」
蹄啼 イバラ :
「ですが、芸術とは音楽とは多様性。貴女ひとりがオンリーワンでナンバーワンなんて詰まらないでしょう?」
蹄啼 イバラ :
「……それに」
蹄啼 イバラ :
「貴女に変えてもらわなくても、世界はわたくしが自らの手で変えていきますから~」
蹄啼 イバラ :
「わたくしに、今の貴女のような偶像は必要ありません」
朝霧 ユラ :
「……あたしだって、できることなら神様なんてゴメンだね」 くす、とその返答に少し笑顔になって。
朝霧 ユラ :
「初めてダンス見たときから思ってたけど……やっぱあんた、変わったよな。いい意味で」
朝霧 ユラ :
「そんなあんたなら……いや、これ以上語るのは野暮ってもんだ」
朝霧 ユラ :
「――あとは舞台で勝負着けようか」
飴家 真珠 :
「……!!」 ちょっと待ってちょっと待って、と慌てて両手を大きくばたばた振って、ユラにストップをかける
朝霧 ユラ :
「……どうした」 マイクを持ったまま静止し
飴家 真珠 :
「……」 止まってくれたことに一安心して、
飴家 真珠 :
[あのね わたし あなたにあやまらないといけないことがあるの]
朝霧 ユラ :
「謝る?」
飴家 真珠 :
うん、と頷いて、
飴家 真珠 :
[あなたに よーこちゃんをころさせてしまって ごめんなさい]
飴家 真珠 :
光の文字をそっと出した後、頭を深く下げる。
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「そもそもあの日、あたしがあそこに行かなきゃ悲劇は起きなかった……謝るのは、あたしの方だと思うけどな」
飴家 真珠 :
[それは ちがうよ]
飴家 真珠 :
[あなたがわたしたちのセルにきたのは くろさわさんにそうするように あやつられていたから]
飴家 真珠 :
[そして そのくろさわさんを うらからあやつっていたのは そこにいるそいつだよ] ジョーカーを指差して、
飴家 真珠 :
[だから あなたはほんとうは なにもわるくないの]
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[わたしが よーこちゃんを とめてあげなくちゃいけなかった]
飴家 真珠 :
[ほかでもない かぞくのわたしが とめてあげなくちゃいけなかった]
飴家 真珠 :
[だけど わたしがよわかったから きをうしなってにげちゃったから そのやくめをあなたにやらせてしまった]
飴家 真珠 :
[だから ほんとうに ごめんなさい] もう一度頭を下げる
朝霧 ユラ :
「飴家…………」
朝霧 ユラ :
「……あたしのことなんて気にしなくていいんだ。生き残ったあんたがそれで納得してくれてるなら」
朝霧 ユラ :
「蹄啼……勝負の結果がどうなろうとさ、この子のこと、大事にしてやりなよ」
蹄啼 イバラ :
「どうしてそこでわたくしの名前が出るのですか~……」少しむっとする。
飴家 真珠 :
[なかよしだから?] 真剣な顔を崩してのんきそうに
朝霧 ユラ :
「ま……そういうことだ」
朝霧 ユラ :
「あたしも……あんたの強さを信じられずに、勝手に真実をどこかに持っていこうとして悪かったな」
飴家 真珠 :
「…………」 いいんだよ、と首を振って
飴家 真珠 :
[だけど あなたのことをきにするなとか そんなことむりだよ]
飴家 真珠 :
[あのときは にげちゃったけど こんどこそ わたしがとめる]
飴家 真珠 :
[それが いきのこったわたしのせきにんで なっとくするためのみちだから]
飴家 真珠 :
[それにこんかいは わたしひとりだけじゃないし ね] 仲間の顔を見渡して笑う
ロッキー :
ふふん、といつもの笑みを浮かべて見せる
蹄啼 イバラ :
「ええ、リベンジマッチと参りましょうか~……!!」
朝霧 ユラ :
「……なんであたしをソロで売ったかな、泊里さん」
泊里 零一郎 :
「す、すまない……」
朝霧 ユラ :
「……ウソだよ。あたしがみんなに煙たがられてたことくらい、ちゃんと知ってるから」
朝霧 ユラ :
「だから、泊里さんは悪くない。あいつらも、本当は良い奴なのに芸能界の歪んだルールで嫌な人になっちゃった」
朝霧 ユラ :
「だから、あたしが全部ぶっ壊してやる」
朝霧 ユラ :
「それでも今のままの世界が尊いっていうならさ……止めてみなよ、AILs!」
GM :
ユラが序奏を奏で始める……!
GM :
衝動判定です。難易度は9!
飴家 真珠 :
いくぞ!
飴家 真珠 :
4dx+5(4DX10+5) > 6[1,3,5,6]+5 > 11
飴家 真珠 :
2D10+100(2D10+100) > 10[7,3]+100 > 110
ロッキー :
4dx チョアー!(4DX10) > 9[1,4,7,9] > 9
ロッキー :
2d10+103(2D10+103) > 18[10,8]+103 > 121
ロッキー :
どわーっ
蹄啼 イバラ :
7dx+1(7DX10+1) > 9[3,4,6,8,8,8,9]+1 > 10
蹄啼 イバラ :
2d10+99(2D10+99) > 8[5,3]+99 > 107
多々良那 浅香 :
(2+2+0)dx(10+0)+-3+0 〈意志〉判定(4DX10-3) > 10[2,9,9,10]+7[7]-3 > 14
多々良那 浅香 :
なんか許された
多々良那 浅香 :
2d10+105(2D10) > 8[5,3]+105 > 113
【行動値】
17 蹄啼イバラ
16 朝霧ユラ
13 飴家真珠
08 多々良那浅香
08 ジョーカーの鏡像(アイドルA)
08 ジョーカーの鏡像(アイドルB)
08 ジョーカーの鏡像(アイドルC)
06 ロッキー
06 ジョーカーの鏡像(ユラ)
【初期配置】
ジョーカーの鏡像A / ジョーカーの鏡像B / ジョーカーの鏡像C
|
(5m)
|
朝霧ユラ / ジョーカーの鏡像(ユラ)
|
(5m)
|
飴家真珠 / ロッキー / 蹄啼イバラ / 多々良那浅香
【備考】
朝霧ユラ、ジョーカーの鏡像(ユラ)は《超人的弱点Ⅱ》によりあらゆるダメージを10点軽減する。
この能力は、ジョーカーのEロイス《愚者の契約》によるもので、その代償は「最強のアイドルであり続けること」。
なので、《芸術:》の判定でユラに勝利すれば解除することができる。
この判定はメインプロセスで各1回だけ行うことができ、アクションは消費しない。
◆第1ラウンド
GM :
ではセットアップからいきましょうか、なんかあるひと!
蹄啼 イバラ :
《鮮血の奏者》を使用!
HPを4点消費して、このラウンドの間、自身の攻撃力+27!
system :
[ 蹄啼イバラ ] 侵蝕率 : 107 → 111
system :
[ 蹄啼イバラ ] HP : 27 → 23
多々良那 浅香 :
ありますれば!コーリングシステムでオルトロスを召喚!
GM :
行動値17、イバラちゃんの手番からお願いします!
蹄啼 イバラ :
はいな~!
蹄啼 イバラ :
まず、ゆららと<芸術>対決と参りましょうか!
GM :
そうね! ではこっちから振ろうか。ちょっと描写します!
GM :
――ふたたび、二人が音楽で決着をつけようと一歩前に出る。
GM :
ギターの前奏に合わせて、”ジョーカー”の鏡像がユラをエフェクトで支援しようとする。
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「やっちまいな、アサギリぃー!!」
GM :
しかし。
朝霧 ユラ :
「……さっきから、ド素人があたしの音楽に口出すんじゃねーよ」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ハーーッ!?? お前、状況わかってんのかーー!?」
朝霧 ユラ :
ジョーカーの支援を拒絶! エフェクトなしの素で判定します。
蹄啼 イバラ :
ふ~~ん、ライバル同士で正真正銘のタイマンしようって訳
GM :
いくぜ~~!!
GM :
10dx+18(10DX10+18) > 10[1,1,3,7,8,9,9,9,9,10]+3[3]+18 > 31
蹄啼 イバラ :
9dx+20+2 ヴァイオリンを使った<芸術:音楽>(9DX10+22) > 10[1,3,5,7,8,8,10,10,10]+9[4,6,9]+22 > 41
蹄啼 イバラ :
ちょうど10上回って勝利!!
GM :
固定値の差もあるけど出目もすばらしい……!
朝霧 ユラ :
「さっきはどうしても負けられなかったから、こいつの力も借りたけどさ……」
朝霧 ユラ :
「やっぱつまんねーよな、最初から結果が分かってるライブなんてさぁ!!」
GM :
圧倒的な声量と表現力から放たれる、普段の彼女とはまったく異なったやり場のない怒りや悲しみを全力でぶつけた音楽。
GM :
それは彼女のアイドルとしての良さとは方向性が違うかもしれないが、純度100%の感情のエネルギーが芸術的な破壊力を生み出し、聴衆は熱狂する!
蹄啼 イバラ :
「少し見ないうちに、傲慢になりましたね~朝霧さん」
蹄啼 イバラ :
「まるでわたくしのようです~♪」
蹄啼 イバラ :
「……では、そろそろ攻守交替と参りましょうか~?」
蹄啼 イバラ :
自前のヴァイオリンを構え、演奏を始める。
蹄啼 イバラ :
そこから紡がれた調べは、いつもの蹄啼イバラの音楽とは様子が違っていた。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラが奏でたのは、聴く者の心を掻き立てるような激しい感情ではなく、
蹄啼 イバラ :
熱狂に湧く聴衆の心を落ち着かせる、温かくて柔らかな旋律だった。
蹄啼 イバラ :
「(……これはAILs in Wonderlandを出すにあたって、ボツにした一曲)」
蹄啼 イバラ :
「(AILsで過ごしたわたくしが感じた"心の安らぎ"をテーマにしたもの)」
蹄啼 イバラ :
「(ジョーカーが負の感情を糧にすると言うのなら、ヤツの力もこれでっ……!!)」
朝霧 ユラ :
「…………!」
GM :
――実際のところ、朝霧ユラの心の奥にはそれまで黒沢の誘導で意識を逸らされていた迷いがあった。
GM :
自分がきっかけで家族を失った飴家真珠。
GM :
出会ったときからいつも笑顔の仮面の下に寂しさを抱えていた蹄啼イバラ。
GM :
いまその心の支えとなっているのは、他でもない自分の”敵”とも言うべきファム・ファタールでのアイドル活動であった。
GM :
それすらも破壊してしまうのが、本当に正しいことなのか?
GM :
その迷いを抱いた瞬間――ユラを守るように包んでいた黒い風のような何かが雲散霧消する。
朝霧 ユラ :
「っ…………」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「バカヤローーーーー!!!!」
朝霧 ユラ :
「はは、そんな歌も歌えんだ……」
朝霧 ユラ :
「もっと早く……そういう面を見せてくれてたらな……」
蹄啼 イバラ :
マイナーアクションで戦闘移動!朝霧ユラにエンゲージ!
蹄啼 イバラ :
メジャーアクションでコンセントレイト+ブラッドスパイク!対象は朝霧ユラとジョーカーの鏡像(ユラ)!!
GM :
こいや!判定どうぞ!
蹄啼 イバラ :
12dx7+8 命中判定(12DX7+8) > 10[1,2,4,5,5,5,5,5,6,7,7,8]+10[2,5,9]+3[3]+8 > 31
GM :
ユラはドッジ、ジョーカーはガードしましょう
GM :
6dx+4>=31 ドッジ(6DX10+4>=31) > 9[1,1,4,4,6,9]+4 > 13 > 失敗
GM :
ダメージどうぞ!
蹄啼 イバラ :
4d10+9+27 装甲有効ダメージ(4D10+9+27) > 25[8,8,5,4]+9+27 > 61
蹄啼 イバラ :
このラウンドの間、対象が受ける攻撃のダメージに+2D!
GM :
だいぶデカい!
GM :
ジョーカーは《影の守り手》で12点軽減します
system :
[ 蹄啼イバラ ] 侵蝕率 : 111 → 116
system :
[ 蹄啼イバラ ] HP : 23 → 20
蹄啼 イバラ :
「……朝霧さんの言う通り、この世は理不尽だらけです~」
蹄啼 イバラ :
コツコツ。小気味のいい靴音を響かせて、蹄啼イバラは歩みを進める。
蹄啼 イバラ :
「自由を奪われたり、家族を奪われたり」
蹄啼 イバラ :
「ほしいと願ったモノほど、簡単に手のひらを擦り抜けていく」
蹄啼 イバラ :
左腕を伸ばし、自らの手首にヴァイオリンの弓を番える。
そうして、蹄啼イバラは自傷する。
切り付けた手首から、ぼたりぼたりと幾本もの赤い糸が流れて落ちる。
蹄啼 イバラ :
「……けど、理不尽もそう悪いことばかりじゃありません」
蹄啼 イバラ :
「だってほら、」
蹄啼 イバラ :
「『愛』というのも、たいていは理不尽なものでしょう────?」
蹄啼 イバラ :
望んでもいないのに”それ”を押し付けてきた、二人の愚かなアイドルを思う。
蹄啼 イバラ :
……が、蹄啼イバラは、許されざる悪の華。
いまさら、その生き方は変えられない。その思いに応える事は出来ない。
蹄啼 イバラ :
それは一瞬のコトだった。
少女の足下から血の糸が逆巻いて、朝霧ユラとジョーカーの身体を絡め取る。
蹄啼 イバラ :
「ですから~、わたくしも理不尽に~」
蹄啼 イバラ :
くすりと笑って、自分の血だまりを踏みつける。
途端、蹄啼イバラのかかとに鮮血が集まり、血の槍を編みあげる。
蹄啼 イバラ :
「あの日のように、また貴女の夢を踏みにじって差しあげます……♡」
蹄啼 イバラ :
鮮血のピンヒールで、ジョーカーごと朝霧ユラのお腹を刺し貫く。
……運動神経において、蹄啼イバラは朝霧ユラより遥かに劣っている。
普通なら回避可能だろうが、血の糸で拘束されていては話が別だ。
蹄啼 イバラ :
少女の歪んだ夢をぐりぐりと踏み躙る。
────これは蹄啼イバラに許された、不器用な愛情表現。
朝霧ユラの現在を否定する一撃だった。
朝霧 ユラ :
「ぁ、ぐっ…………!」
GM :
突き刺され、激痛にあの日の武道館のことを思い出す。終わりであり、始まりのあの日。
GM :
あの日の理不尽な彼女の愛が、結果的には自分をこのオーヴァードの世界へと導くことになった。
朝霧 ユラ :
「はは、愛ってのは理不尽か……」
朝霧 ユラ :
「確かに、この理不尽な運命がなかったらあんたの本音を知ることもなかった……」
朝霧 ユラ :
「……それは悪くないことなのかもな」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「スカしてんじゃねぇーー!!?」 ちゃんとダメージを受けながら
GM :
つづいて行動値16、朝霧ユラの手番です!
朝霧 ユラ :
マイナーなし。メジャー《サイレンの魔女》のみ。
朝霧 ユラ :
対象はPC全員!
朝霧 ユラ :
Dロイス”特異点”で達成値を20上乗せします。
朝霧 ユラ :
9dx+2+20 命中判定(9DX10+22) > 10[1,3,4,4,6,7,7,8,10]+6[6]+22 > 38
GM :
リアクションどうぞ!
蹄啼 イバラ :
その程度の攻撃、回避できないと思っているバラ?
GM :
あの運動神経で!?
蹄啼 イバラ :
4dx 回避(4DX10) > 10[6,7,9,10]+7[7] > 17
蹄啼 イバラ :
ちょっと頑張るじゃん
GM :
けっこう出目よくて笑っちゃう
ロッキー :
フォールンブレイドでガードしちゃうよ~ん(ペロペロ)
多々良那 浅香 :
頑張るか……
GM :
ドッジどうぞ!
多々良那 浅香 :
(2+2+0)dx(10+0)+0+0 〈回避〉判定(4DX10) > 7[2,3,4,7] > 7
飴家 真珠 :
オートアクションで《砂の結界》を使用! 浅香ちゃんをカバーリングします!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 110 → 112
GM :
ではダメージ!
GM :
4d10+15 装甲無視(4D10+15) > 21[2,5,10,4]+15 > 36
GM :
ダウンした人は復活をどうぞ!
ロッキー :
どっちにしても死んだ!研究員のロイスをタイタス化して復活!
system :
[ ロッキー ] ロイス : 6 → 5
system :
[ ロッキー ] HP : 32 → 15
蹄啼 イバラ :
ロッキーに連帯感/憐憫のN表でロイスを取得!お父様のロイスを昇華しましょう!
蹄啼 イバラ :
ロイス数はプラマイゼロで、HP11点で復活
system :
[ 蹄啼イバラ ] HP : 20 → 11
飴家 真珠 :
オートアクションで《鏡の盾》を使用!
GM :
おお!
飴家 真珠 :
カバーリングしてるのでダメージ二倍、合計72点のHPダメージをゆららに与えます!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 112 → 120
飴家 真珠 :
それとして戦闘不能にはなるので、江戸川大吾のタイタスを昇華して復活します!
system :
[ 飴家 真珠 ] HP : 22 → 11
GM :
パパ!
飴家 真珠 :
OPからタイタスになってたパパの力を借りて立ち上がるよ…
GM :
ではですね……早くも鏡の盾の反撃でユラがダウンします!
GM :
……が、ジョーカーの《原初の虚:アクアウィターエ》で復活します!
朝霧 ユラ :
ユラはふたたびギターピックを取る。
朝霧 ユラ :
「理不尽といえば、長い入院生活で気づいたんだけどさ……」
朝霧 ユラ :
「あたし、なんだかんだ言っても人前で歌うのが好きなんだよね」
朝霧 ユラ :
「最初はママにやらされて、周囲の大人にやらされて……それがずっと嫌だったのに……皮肉なもんだよね」
GM :
”ジョーカー”による能力の増幅がなくなった今、その歌が現実を侵蝕する力は以前ほど強力ではない。
GM :
しかし、彼女の溢れ出るパッションは脳に直接働きかけて視界をぐわんぐわんと揺らすような衝撃を与え、物理的な装甲など無視してあなたたちのレネゲイドに直接的なダメージを齎す!
飴家 真珠 :
「…………ッ!!」
飴家 真珠 :
内側から激しく襲い掛かる衝撃に膝を突きながらも、真珠は腕を広げる。
飴家 真珠 :
その指先から解き放たれたのは、モルフェウスの白い砂。
飴家 真珠 :
それは浅香が乗り込む機動兵器の目の前に雪のように積み重なると、巨大なマシュマロに姿を変えた。
飴家 真珠 :
膨大な弾力を持ったそのマシュマロは、迫りくるユラの歌声を遮断。
飴家 真珠 :
その柔らかな身をぷるぷると震えさせながら受け止めて、衝撃を優しく吸収する!
多々良那 浅香 :
「っ、何!?どういう攻撃!?」
直接受けないとわからぬ
ロッキー :
「うぐぁ……っ!? ぅ、うえ……酔ってしまいそうな、熱量、だね……っ」揺れが収まるまで顔を覆って
蹄啼 イバラ :
「っ……とはいえ、ちょっとは”らしさ”を取り戻しましたか~……」明るい歌声に笑って
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
揺れる視界に耐えながらも、真珠が何とか立ち上がった、その瞬間。
飴家 真珠 :
巨大マシュマロ、その純白の表面がさらに白く輝き始める。
飴家 真珠 :
マシュマロの中央に宿っているのは、真珠が練り上げたエンジェルハイロゥの光。
飴家 真珠 :
圧縮された高エネルギーの光源は、甘い壁の内部で暴走し、凄まじい熱量を放ち始める。
飴家 真珠 :
やがて、耐えきれなくなったマシュマロが内側から発火。
飴家 真珠 :
白かった塊は瞬く間に猛烈な炎に包まれ、甘い香りと共に激しく燃える火球へと変貌した。
飴家 真珠 :
真珠は手にした白く長い棒を力強く構えると、燃え盛るマシュマロに迷いなく突き刺す。
飴家 真珠 :
「────ッ!!」
飴家 真珠 :
そして、声なき気合と共に、彼女はその棒を真一文字に薙ぎ払った。
飴家 真珠 :
振り回された巨大な炎の塊は、爆発的な勢いで棒から抜き放たれ、ユラへと真っ直ぐに飛んでいく!
朝霧 ユラ :
「――ッ!!」
GM :
危険を察知するが、能力の制約か、アイドルの悲しい性か、反応よりもダンスのステップを踏むことを優先してしまう――!
GM :
炎に包まれ、衣装を焦がしながら吹き飛ばされ壇上から弾き飛ばされる。
朝霧 ユラ :
「あ……」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「……オイオイオイ! まだ倒れちゃ困るだろぉー!」
GM :
……が、間一髪でジョーカーが黒沢からコピーした癒しの水でユラの火を消しながら舞台上を押し戻す!
GM :
エフェクトで回復したものの、ユラはふらついている……。オーヴァードとしての才能が頭抜けているとはいえ、やはり実戦経験は素人同然。もう一押しのようにも見える。
GM :
行動値13、真珠ちゃんの手番です!
飴家 真珠 :
はーい
飴家 真珠 :
マイナーアクションで戦闘移動、5m前進してユラちゃんたちにエンゲージ。
飴家 真珠 :
メジャーアクションで《光の舞踏》《コンセントレイト》
飴家 真珠 :
オートアクションで《砂の加護》《砂塵霊》
飴家 真珠 :
雷将神器でジョーカーの鏡像(ユラ)に攻撃します!
GM :
どうぞ!
飴家 真珠 :
14dx+4(14DX7+4) > 10[1,3,4,4,4,7,7,7,8,8,9,9,9,10]+6[1,3,4,4,4,5,5,6,6]+4 > 20
飴家 真珠 :
ちょっと!!!!!!!!
飴家 真珠 :
かかってこいよ!!!!!!!!!!!!!
GM :
コンセ入って……入ってる! でもよかったな、ジョーカーはガードしかしません!
GM :
そして《超人的弱点》でジョーカーとユラに対しては真珠ちゃんの攻撃のダメージは+10されます(黒沢の呪いを解いたのが真珠ちゃんなので)
飴家 真珠 :
そうなんですか!?
飴家 真珠 :
了解です、ガードしかしないジョーカーに感謝を捧げながらダメージいきます
飴家 真珠 :
3D10+32+2D10+10(3D10+32+2D10+10) > 17[4,8,5]+32+16[6,10]+10 > 75
飴家 真珠 :
装甲は有効!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 120 → 130
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
感謝が感じられねェェダメージ!!!《影の守り手》で12点軽減します
飴家 真珠 :
それはそれ!
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
反撃しておいてだが、ユラがステージから落下せず、少し安心する。
飴家 真珠 :
だが、彼女を戦線に復帰させる力を持つジョーカーは厄介だ。
飴家 真珠 :
真珠はジョーカーを見据えると、弧を描くように腕を振り払い、指先からモルフェウスの砂をばらまく。
飴家 真珠 :
白い砂糖に似たそれは、エンジェルハイロゥの光の粒子と混ざり合い、空中で激しく明滅。
飴家 真珠 :
そして、次の瞬間に溢れ出したのは、熱を帯びてドロドロに溶けたキャラメルだった。
飴家 真珠 :
キャラメルの波は生き物のようにのたうちながら、鞭となって伸び、ジョーカーの四肢を一瞬で絡めとる。
飴家 真珠 :
「……!!」
飴家 真珠 :
超高粘度のキャラメルが敵の自由を奪い、その場に縫い付けた刹那。
飴家 真珠 :
真珠はステージの床を蹴って、前へと飛び出す。
飴家 真珠 :
彼女の両手には、既に雷将神器を軸に錬成されたお菓子が握られていた。
飴家 真珠 :
白く長い棒の先端に、何層にも塗り重ねた螺旋模様のキャンディを巻き付けた、巨大なロリポップ。
飴家 真珠 :
真珠はジョーカーの懐に踏み込むと、凶悪な質量を持ったそのお菓子を振りかぶる。
飴家 真珠 :
そして、渾身の力を持って振り下ろしたロリポップを、キャラメルの檻ごとジョーカーの身体を粉砕せんと叩きつけようとする!
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ふざけんなよォ……! お菓子の攻撃だぁ!?」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「そんな冗談みたいなもんでやられるかぁぁぁ!!」 スポットライトの影を肥大化させて実体化、壁を作って攻撃を防ごうとする!
飴家 真珠 :
「……!!」
飴家 真珠 :
真珠の唇が動く。“本気だよ”、と。
飴家 真珠 :
彼女の意思に応じるように、力を増したロリポップは影の壁を粉砕。
飴家 真珠 :
勢いが削がれ、少し浅くなったものの、確実にジョーカーの体に直撃する!!
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ぐぎゃあぁぁぁぁーーーッ!!!」
GM :
まるで薄板状のキャンディのように、鏡像の身体に罅が入る。
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「クソがクソがクソがクソがぁぁ……!」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「クロサワのヤツが躊躇してなきゃお前なんかにぃ……!」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
ユラの攻撃のダメージが残っている体を何とか支えながらも、ジョーカーに小さく笑って見せる。
GM :
つづいて行動値8、おはさかの手番だ!
多々良那 浅香 :
おはさか~!(攻撃準備)
多々良那 浅香 :
マイナーは無し、メジャーにいこう
多々良那 浅香 :
【火刑の彩】:《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》+《光の手》+《雷の槍》+《雷の剣》+《スターダストレイン》
GM :
ド派手なシーン攻撃だ!
多々良那 浅香 :
対象は敵全員で!
system :
[ 多々良那 浅香 ] 侵蝕率 : 113 → 127
GM :
判定どぞ!
多々良那 浅香 :
(4+3-1+3+0)dx(7+0)+5+10+0 判定/100%以上/|火刑の彩(9DX7+15) > 10[1,2,7,8,8,8,8,9,10]+10[4,4,4,5,7,9,9]+10[7,10,10]+10[3,9,10]+10[8,8]+10[3,10]+6[6]+15 > 81
GM :
!?
多々良那 浅香 :
滅び~
GM :
デカすぎる、アイドルの鏡像は回避10で固定なので命中!
GM :
ユラはダメもとでドッジ、ジョーカーは《カバーディフェンス》でユラを庇います
GM :
6dx+4>=81 ドッジ (6DX10+4>=81) > 8[5,5,6,6,6,8]+4 > 12 > 失敗
GM :
当然ダメ! ダメージどうぞ!
多々良那 浅香 :
先に全体ダメージ出して、後から+2dを振る感じで良いかな?
GM :
いいよ!
多々良那 浅香 :
9d10+19+0 ダメージ/100%以上/火刑の彩(9D10+19+0) > 43[2,5,8,1,3,10,3,6,5]+19+0 > 62
多々良那 浅香 :
2d10 追加(2D10) > 7[2,5] > 7
GM :
アイドルの鏡像たちは跡形もなく爆散! そして……
GM :
ジョーカーへのダメージは12点軽減して57、2倍で114点
GM :
これで落ちますが《蘇生復活》で立ち上がります! 描写どうぞ!
多々良那 浅香 :
「まさか、ステージ上で天使みたいな子とアイドル頂上決戦なんてね~」
多々良那 浅香 :
慣れた手つきでレバーを切り替える。車や一般的な重機とは全く規格の違う、ゲーム慣れした浅香に馴染む動作。
多々良那 浅香 :
「いいねぇ……演出は派手でなきゃ」
多々良那 浅香 :
私用決戦兵器ヒドゥニスが、重厚な音を響かせる。
多々良那 浅香 :
グラフィティアートのようなカラーリングを施された機体の各所が開き、銃口が出現する。
多々良那 浅香 :
「なんかさぁ、不思議なんだけど、今日はいつもよりずっと調子が良いんだよね」
多々良那 浅香 :
「いや、一発真珠ちゃんに庇ってもらったって言うのもあるんだけどそうじゃなくてさ、こう……これが友情パワーっていう奴なんかね!?すってきぃ!」
多々良那 浅香 :
相手に聞こえているかもわからない独り言。職業病か、本来の特性か。
多々良那 浅香 :
コォ……という音と共に、全ての銃口に光が収束する。
多々良那 浅香 :
水色、桃色、紫、黄色、淡い緑、白。
多々良那 浅香 :
それら全てが破壊的。それら全てが壊れた少女の心。
多々良那 浅香 :
「ぶっちゃけ二人に因縁とか無いあたしなんだけどさぁ……」
多々良那 浅香 :
「あたしが行くまだ見ぬルートを、邪魔すんじゃねぇよ!」
多々良那 浅香 :
「良い声で鳴きなインクの染み!」
多々良那 浅香 :
立ちはだかる全てを粉砕するように、色彩が氾濫する!
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「友情パワーだぁ!? どいつもこいつもふざけやがって……!」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「おい、避けるぞアサギリ! 反撃だ!!」
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「……友情か……へへっ。ファム・ファタールにそんなことを説教されるなんてね……」
GM :
ユラはまだふらついていて対応できない。……いや、避けるつもりもないといった風だ……!
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「アサギリ? アサギリィィ!??」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「クソ!! こいつが一番ふざけてんじゃねーかぁぁ!?」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「あああもおおおおお、マジふざけんなよぉぉぉ……!!!」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「こいつが倒れたら本体はともかくオレは終わりなんだよぉぉぉ!!!」
GM :
ジョーカーは喚きながらも苦肉の策でユラの分まで盾になって攻撃を受け止める……!
多々良那 浅香 :
「配信の才能あるよw」
多々良那 浅香 :
操作盤に足を乗せてそう言い捨てた。
GM :
ピカッ!!
GM :
無限の色彩を放つ光に塗りつぶされ、影たるジョーカーは霧散。
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「こ、こんなところで終われるかァァァ……!!!」
GM :
が、なんとか影の欠片を拾い集め、消滅寸前で踏みとどまる……!
朝霧 ユラ :
「……意外と根性あるな。見直したよ」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「余裕カマしてんじゃねーー!! 反撃するぞ!!」
GM :
ではロッキーの手番……ですが、ジョーカーの鏡像がイニシアチブで割り込みます!
GM :
最後の切り札《加速する刻》を使用してメインプロセスを行う!
GM :
マイナーはなし。メジャー《原初の黒:雨粒の矢》《マインドエンハンス》《混沌なる主》
GM :
対象はPC全員だ!
GM :
10dx9+2+14(10DX9+16) > 10[1,3,3,4,4,5,5,6,9,10]+10[7,10]+10[10]+1[1]+16 > 47
GM :
リアクションどうぞ!
ロッキー :
装甲有効かな! ガードしよ!
GM :
装甲は有効ッス!
多々良那 浅香 :
武器をお持ちでないのでドッヂチャレンジよ~
蹄啼 イバラ :
4dx 回避(4DX10) > 8[1,1,6,8] > 8
多々良那 浅香 :
(2+3+0)dx(10+0)+0+0 〈回避〉判定(5DX10) > 10[4,6,9,9,10]+2[2] > 12
多々良那 浅香 :
頑張った
飴家 真珠 :
オートアクションで《砂の結界》を使用! イバラちゃんをカバーリングします!
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 130 → 132
蹄啼 イバラ :
ありがとう真珠ちゃん…愛…
GM :
ではダメージ!
GM :
5d10+14 装甲は有効!(5D10+14) > 22[6,6,3,3,4]+14 > 36
ロッキー :
軽減して25点!ふふ、死ぬね!
system :
[ ロッキー ] ロイス : 5 → 4
多々良那 浅香 :
軽減して13!ライフで受ける
system :
[ 多々良那 浅香 ] HP : 26 → 13
ロッキー :
UGNエージェントのロイスをタイタス昇華してコンティニューするぜ
飴家 真珠 :
オートアクションで《鏡の盾》、それと同時にエンブレムアイテムの強制起動者を使用!
飴家 真珠 :
その効果は回数制限があるエフェクトの使用回数が0でも使用でき、さらに使用回数を消費しない。
飴家 真珠 :
ただし、使用後、そのエフェクトはシナリオ終了まで使用できなくなる。この効果は1シナリオに1回まで使用できる。
飴家 真珠 :
というものなので、もう一度《鏡の盾》を使用可能になります。消えなさいジョーカー、カバーリングしたから二倍で72点のHPダメージよ
system :
[ 飴家 真珠 ] 侵蝕率 : 132 → 140
GM :
おお! では……ジョーカーはこれで本当に雲散霧消します!
飴家 真珠 :
それと戦闘不能にはなるので、殺戮人形のロイスをタイタスにして昇華!
飴家 真珠 :
Sロイスなので、完全回復の効果を使用! HP最大で復活します!
system :
[ 飴家 真珠 ] ロイス : 5 → 4
system :
[ 飴家 真珠 ] HP : 11 → 23
江戸川 洋子 :
守りにきたぜ!
飴家 真珠 :
わあい!
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「うるせー友情ゴッコはここまで……お前ら全員、これで終わりだぁぁぁ!」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェェェ!!」
GM :
黒沢のソラリスの能力に由来する、雨粒を使ったエフェクト。
GM :
しかし、彼の能力とは真逆でジョーカーはそれを、人を傷つけるために使用する……!
GM :
音速の雨粒が、あなたたちの身体を切り裂いていく!
飴家 真珠 :
「っ!!!」
飴家 真珠 :
雨粒に体を撃ち貫かれて吹っ飛びながらも、真珠はイバラに手を伸ばす。
飴家 真珠 :
その指先から空間に舞ったモルフェウスの砂が、青く光り輝く。
飴家 真珠 :
砂の粒子は瞬時に冷気を纏った結晶へと変質し、イバラの目の前で奔流となって渦巻いた。
飴家 真珠 :
そして、その場に積み上がったのは、色鮮やかなシャーベットの巨壁。
飴家 真珠 :
甘い香りを漂わせながらも、それは鋼のごとき硬度を持って、イバラに迫りくる雨粒を全て防ぎ切る!
蹄啼 イバラ :
「っ、真珠さん……!!」
飴家 真珠 :
「…………」 倒れ伏しながら、イバラが無事だったことを喜ぶように目を細める
蹄啼 イバラ :
「まったく、貴女はまたムチャを……!」握手会のときも守られたことを思い出し、真珠の前にしゃがみこむ
蹄啼 イバラ :
「でも、助かりました~……!!」
飴家 真珠 :
[どういたしまし て] かろうじて光の文字を床に輝かせて、小さく笑う
ロッキー :
「ぐっ、この衣装……お気に入りなんだけどな……!」腕をクロスさせ、義肢をボロボロにしながら受け切る
多々良那 浅香 :
「痛って~~~……ッ、クソが!!!こっちもボロボロにしてくれちゃってさぁ!中身の方が脆いんだぞ!!」
強化ガラスに幾つかの穴が開き、そこから入ったであろう雨の弾丸が浅香を傷つけていた。
飴家 真珠 :
……真珠は今も、赤い血の海に沈んでいる。
飴家 真珠 :
二度攻撃を受けて、元々戦いに不慣れな彼女の体は限界が近いらしい。
飴家 真珠 :
だが、眠るように瞼を閉じかけた、その時。
飴家 真珠 :
すぐ傍に転がっている、レネゲイドの結晶が視界に入る。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
その瞬間、真珠の瞳に静かに熱が戻った。
飴家 真珠 :
江戸川セルのみんなの意思が宿っているその結晶を、真珠は手を伸ばしてしっかりと握りしめると、
飴家 真珠 :
「…………ッ!!!」
飴家 真珠 :
力強く、立ち上がる。今もみんなが見ているのだから、ここで倒れるわけにはいかないと言うかのように。
飴家 真珠 :
[ジョーカー]
飴家 真珠 :
ピンク色に輝く光の文字を浮かばせて、語りかけられたジョーカーは目にするだろう。
飴家 真珠 :
服は破れ、血で汚れているものの、彼女の体の傷がいつの間にか全て癒えていることに。
飴家 真珠 :
[ここがステージで わたしはいま アイドルとしてたたかっているっていうなら]
飴家 真珠 :
[わたしがすべき ひょうじょうは くるしそうにするんじゃなくて]
飴家 真珠 :
[こうだと おもわない?]
飴家 真珠 :
光の文字を弾けさせながら、真珠は可愛らしく笑って見せる。
飴家 真珠 :
────それが、合図だった。
飴家 真珠 :
攻撃を凌ぎきってなお、静かに佇む巨大なシャーベットの壁。
飴家 真珠 :
役目を終えたはずのその氷菓へと、真珠は掌を翳す。
飴家 真珠 :
直後、その手から放たれたのは、凝縮されたエンジェルハイロゥの鋭利な極光。
飴家 真珠 :
光線は硬質な氷の結晶に直撃、激しい火花を散らして反射する。
飴家 真珠 :
しかし、その光はジョーカーを捉えることなく、あらぬ方向へと逸れていった。
飴家 真珠 :
一見、狙いを外したかのように見えたその一撃。
飴家 真珠 :
だが、跳ね返った光の先には、もう一つのシャーベットの山が、鏡の役割を果たすべく待ち構えていた。
飴家 真珠 :
ここで、ジョーカーは気づくだろう。
飴家 真珠 :
いつの間にか会場の至る所に、無数のシャーベットの壁が迷宮のごとく築かれていることに。
飴家 真珠 :
光線はそれらの氷から氷へ、一瞬の隙もなく高速の反射を繰り返す。
飴家 真珠 :
右から左へ、天から地へ。
飴家 真珠 :
縦横無尽に戦場を駆け巡り、幾千の氷を透過し屈折するたびに、光は輝きを増して加速していく。
飴家 真珠 :
そしてやがて、限界まで研ぎ澄まされた一条の閃光が────
飴家 真珠 :
[ショータイムだよ ジョーカー!!]
飴家 真珠 :
スポットライトで照らし出すかのように、天からジョーカーを撃ち貫く!!
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「ぎぃぃッ…………!」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「あ、アサギリに全員始末させて、”本体”も始末して、俺様が真の”ジョーカー”になる計画がぁぁぁ……!」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「それが、こんなお菓子娘に……」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「仲間を殺されてベソ掻いてた雑魚なんかに……やられて終いだとぉ……!?!?」
飴家 真珠 :
[それは むかしのはなしでしょ?]
飴家 真珠 :
[いまのわたしは ステージでたたかう アイドルなんだから!!] 手を翳しながら、ジョーカーに笑い返す
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「馬鹿なぁ……」
ジョーカーの鏡像(ユラ) :
「こんな馬鹿なぁぁーーーーッ!!!」
GM :
断末魔とともに、”ジョーカー”の鏡像は光に飲まれ……跡形もなく消滅する!
GM :
改めて行動値6、ロッキーちゃんの手番だ!
ロッキー :
よーし!
ロッキー :
マイナーで《ポルターガイスト》 《ライトスピード》
メジャーアクション2回やります!
GM :
2回ある! 来いよ王子!
ロッキー :
メジャーは《アームズリンク》 《一閃》 《バリアクラッカ―》 《コンセントレイト》
ロッキー :
一閃でユラちゃんにエンゲージ!
system :
[ ロッキー ] 侵蝕率 : 121 → 141
ロッキー :
12dx7+8+6 命中!(12DX7+14) > 10[1,1,2,2,2,4,4,5,6,7,7,8]+10[7,8,8]+10[1,6,9]+10[10]+10[10]+2[2]+14 > 66
ロッキー :
リアクションはどうだい!
ロッキー :
あ、バリアクラッカーでガード不能装甲無視!
GM :
すげー出目だ!? ガードはできない! ということでドッジしましょう!
GM :
6dx+4>=66 ドッジ(6DX10+4>=66) > 10[1,3,5,7,10,10]+9[2,9]+4 > 23 > 失敗
ロッキー :
頑張ったがとうとう終わりの時が来たようだな…
GM :
さすがに無理だったぜ、ダメージどうぞ!
ロッキー :
7d10+22+2d10 よいしょーっ!(7D10+22+2D10) > 45[5,4,10,8,4,7,7]+22+11[8,3] > 78
ロッキー :
どうだ!
GM :
これは……倒れます! が、まだ切れる札がある!
GM :
ユラは《蘇生復活》を使用します!
ロッキー :
「……よぅし、僕サマもやるぞ! ユラくん、覚悟だ!」こっそりつまみ食いしていた真珠のアイスをペロリと食べきって
ロッキー :
換装の一声で彼女は鎧を纏う。赤の刃文が走る鎌を手に、獲物へ向かって赤雷の軌跡を描いて飛び出した。
ロッキー :
眼前に迫るカリスマの権化。弱体化したとはいえ常人であればその後光に目が眩み、刃を握る手が思わず緩んだかもしれない。
ロッキー :
しかし、感情を鈍化させる義肢と被膜がそれを許さない。
ロッキー :
ただ機械的に、示されるまま、駆り立てられる粗製な殺意のままに。
ロッキー :
「ハッ……!」
ロッキー :
鎌を的確に振るい、獲物を切り裂くごとに血のアーチが宙を舞う。
ロッキー :
この猛攻はユラが膝をつくまで止むことはないだろう……。
ロッキー :
《ライトスピード》による2回目のメジャーアクションいきます!
ロッキー :
の、前にフォールンブレイドの効果を使用! C値を-1(下限5)して、メインプロセス終了時にフォールンブレイドを破壊します!
ロッキー :
メジャーアクションは《アームズリンク》 《バリアクラッカ―》 《コンセントレイト》
system :
[ ロッキー ] 侵蝕率 : 141 → 150
ロッキー :
13dx6+8+6 命中!(13DX6+14) > 10[1,1,2,2,2,2,2,3,3,4,7,10,9]+10[3,7,7]+10[9,3]+3[3]+14 > 47
GM :
当たったらしまいだ!ということでダメもとでドッジします!
GM :
6dx+4>=47 ドッジ(6DX10+4>=47) > 10[1,1,2,7,10,10]+8[7,8]+4 > 22 > 失敗
ロッキー :
頑張ったな!!
ロッキー :
5d10+22+2d10 アイドル殺しいきまーす(5D10+22+2D10) > 31[10,8,5,3,5]+22+13[4,9] > 66
GM :
これは……倒れる!
GM :
そして、復活の手札もありません! これにて戦闘終了です!
ロッキー :
勝った!
ロッキー :
トドメの演出、張らせていただきます。
ロッキー :
「──────」
ロッキー :
機械的に鎌を振るう中で、ロッキーは言いようのない不快感を覚えていた。
ロッキー :
ムカムカと、喉を掻きむしりたくなるもどかしさ。
ロッキー :
それを一言で表すなら『煩わしい』という言葉が似合うだろうか。
??? :
『にびょうご/ みぎからの こうげきを よけて にかい きりさけ。…2 …1 …0』
??? :
『いちびょうご/ いっぽ うしろへ そのあと ふみこめ。…1 …0』
ロッキー :
……バイザーに表示されるAIによる戦闘補助が、まるで振付のタイムラインのように視界から流れ込む。
ロッキー :
この指示に従えば大抵は相手に後れを取ることはなかった。だが……。
??? :
『さんびょうご/ のどを きりさき ころせ。…3 …2 …1』
ロッキー :
───だが、これは違うんじゃないか。
ロッキー :
確かにそれは手っ取り早いけど、ユラくんを殺すこととは、つまり……
ロッキー :
……イバラ姫や、レイイチローくんが……哀しむことに……?
ロッキー :
ロッキーは以前から……AILsと関わり始めてから、自分の意志が介在しない命令への煩わしさを(微々たるものだが)徐々に募らせていた。
ロッキー :
そうして今、満たされたコップの淵から水が溢れるように、指示と疑念との矛盾が感情を呼び覚まし……
ロッキー :
喉元へ向かっていた刃が、寸前で止まる。
朝霧 ユラ :
「――っ」 ズタズタに斬られ、大量の血を失って、フラフラになりながらも、抜群の戦闘本能からか、その一瞬の機を逃さない。
朝霧 ユラ :
最後の力を振り絞り、全身全霊のゼロ距離シャウトで、思い切り音波をロッキーに叩きつける――!
ロッキー :
「!!」 フルパワーのシャウトを全身に浴び、耐え切れなかったいくつかの装備が破壊される
ロッキー :
「───ユラくん、許してくれたまえ」
ロッキー :
後退り、ゆらりと体勢を立て直すロッキーは俯きながら呟く。
ロッキー :
「さっきまでの僕サマは、アイドルとしてキミに向き合えていなかったようだ……」
ロッキー :
半面が砕けたバイザーから、ロッキーは目を覗かせた。その瞳はどこか吹っ切れたように澄みユラと向き合っている。
ロッキー :
「ここからは本気のパフォーマンスだ……覚悟はいいね!」
朝霧 ユラ :
「けほ…………、散々滅多切りにしといて何を今更……」
朝霧 ユラ :
「気に入った、付き合ってやる……!」
朝霧 ユラ :
血反吐を吐きながら、もう意識も飛ぶ寸前だろう。それでも、力強く舞台を踏みしめてウィンクし、挑発するようにポーズをとる。
ロッキー :
「さっすが……。じゃ、いくよ!」
ロッキー :
左手を掲げ、指を鳴らすと頭上のライトたちがパチパチとスパークしてロッキーに応える。
ロッキー :
そうしてライトの一つがユラをスポットする。映し出されたのは鮮やかなピンク色に輝くダイヤ。
ロッキー :
「(真珠姫のように慈悲深く……)」柔軟ながらもそれでいて機動力を削ぐ一撃を見舞う。
ロッキー :
紫色に輝くスペード型のスポットライトが点燈する。
ロッキー :
「(王子のように皆を導いて……)」優雅なステップでユラの動きに合わせ、次の動きを作る。
ロッキー :
続いて、水色に輝くクローバー型のスポットライトが点燈。
ロッキー :
「(浅香姫のように胡乱ながらも頼りがいがある……)」流れるように、背後へと回って切りつける。
ロッキー :
最後に、ハート型のスポットライトがユラを照らす。
ロッキー :
「イバラ姫のように優しくも苛烈に……!」背後から正面に、すれ違う形で胴を裂く。
ロッキー :
「キミには経験では及ばないかもだが、僕サマとして劣るとは言わせないよ!」
ロッキー :
……舞うようにして正面に立ち。4つのスートが重なったユラを見据えて、ロッキーは腰を深く落とし……。
ロッキー :
「だが、最後のエースはキミに譲ろうか! さぁ食らうがいい!」
ロッキー :
「AILs/ブロードウェイ!」
ロッキー :
最後の役にエースを加えた最強の一手! スートの重なったユラを勢いのまま一刀両断する!
朝霧 ユラ :
「――――」
GM :
その一連の舞うような攻撃に、先ほど密かに見学していた本番のAILsのパフォーマンスが脳裏によみがえる。
朝霧 ユラ :
「(……そうだ、あの瞬間、私は……)」
GM :
――きっと心から、パフォーマンスを楽しんでいた。
GM :
敵ながら、四人がガチで全力でライブにぶつかるパフォーマンスに、いつからか忘れていた気持ちが。
GM :
蹄啼イバラの演奏に始めて出会ったあの日のような純粋な気持ちが、蘇ってきていた。
GM :
それは今や、復讐の火よりもはるかに強く。
朝霧 ユラ :
「負けたよ、AILs……」
GM :
本当の勝負は、あの時すでに付いていたのだ。
GM :
ゆっくりと膝まづくように……力尽きるその瞬間さえも残酷なほど美しく、ユラは舞台の上に沈んだ。
GM :
戦闘終了です。
GM :
力尽きたユラの顔から、憑き物が落ちたように負の感情が消えてゆく……。
泊里 零一郎 :
「――朝霧さん!」
GM :
決着の瞬間より、夢から覚めたように聴衆は静かに気を失い、まるで時間が止まったかのような空気があたりに流れていた。
GM :
その沈黙を破ったのは、ずっと彼女を支えていたかつてのマネージャー、泊里の声だった。
飴家 真珠 :
「…………」 心配そうにユラに近づき、顔を覗き込みにいく
ロッキー :
「死なない程度には、したつもりだけどねぇ……」自壊した鎌と、指示を無視した為に機能がロックされた義肢を引き摺って近づく
多々良那 浅香 :
「アレ、ロッキーそんな壊れちゃった?え゛い゛しょ゛っ゛」
ヒドゥニスから降りてロッキーに肩を貸す。重いが?
蹄啼 イバラ :
「まったく、どちらも満身創痍ですね~……」
黒沢 優作 :
「し、死んでないだろうな……」 遅れて黒沢も舞台へと到着する。
飴家 真珠 :
「!」 あっ、と黒沢に振り向いて
飴家 真珠 :
[たぶん だいじょうぶ だよね?]
飴家 真珠 :
ゆららの様子を確認したい! 大丈夫そうです?
GM :
では泊里がエフェクトで治療すると、少し苦しそうにしながらも目を覚まします。
朝霧 ユラ :
「んん……ぅん……」
飴家 真珠 :
「!!!」 起きた! と笑顔になる
ロッキー :
「お、流石はレイイチローくんだね」浅香の肩に手を回して体重をちょっと預けている
多々良那 浅香 :
「泊里さん器用ね~ぇ゛、ぐぇ゛、治療しないと流石に死ぬかも?」
肉体は2
蹄啼 イバラ :
「わたくしの回復エフェクトは微弱なものですし、便利なプロデューサーがいてくれて、ちょうど良かったですね~」
朝霧 ユラ :
「ぁ、あたし……何を……ぅ、か、身体が寒い……」 血液が抜けて体温が下がっているのか、ブルブルと身体を震わせる。
泊里 零一郎 :
「ああ、朝霧さん。よかった……! 本当に……」 出血が止まったのを確認して安堵する。
飴家 真珠 :
[よかったね]
飴家 真珠 :
自然な動きで、ユラの体を抱きしめる。寒いなら人肌で温めるのが一番だよねとでも言うかのように。
朝霧 ユラ :
「…………、あ、飴家……」 ぼおっとする頭でハグを受け入れてなんとなく手を回しながら、徐々にいろいろあったことを思い出す。
朝霧 ユラ :
「え、どういう感情で……? さっきまで敵同士だったのに?」
飴家 真珠 :
[え? だって さむいっていってたから] 目を丸くして
蹄啼 イバラ :
「……こういう"理不尽"な子なんですよ~」
多々良那 浅香 :
「なんと物事の解決方法の8割が身体接触に収束する」
ロッキー :
「素直に受け入れたまえ~? 悪い気はまったくしないと保証するよ?」
朝霧 ユラ :
「…………なるほどな」
朝霧 ユラ :
「なんか、あんたたちが絆されてるのもちょっと納得したかも……」
朝霧 ユラ :
「ありがとう、心配してくれて。それから……」
朝霧 ユラ :
「あたしのことを……助けてくれて……」
飴家 真珠 :
「…………!」 満足そうに笑い返す
蹄啼 イバラ :
「……さんざん痛めつけられて、助けてくれてありがとうとか、他人のことを言えないんじゃありませんか~?」
蹄啼 イバラ :
「少なくとも、わたくしは"助ける"だなんて殊勝な心掛けじゃありませんでしたよ~」
朝霧 ユラ :
「……ふ……それでも構わないよ」 相変わらず本心を隠す彼女が少しおかしくて、吹き出しそうになるがポーカーフェイスのまま。
朝霧 ユラ :
「ちょっと記憶曖昧だけどさ……あんたたちのお陰で全部ぶっ壊さなくて済んだのは変わりないんだから」
泊里 零一郎 :
「朝霧さん、じゃあ……!」
朝霧 ユラ :
「……もう考えてないよ。芸能界をぶっ壊したいとか……そんな生産性ないハチャメチャな夢はさ」
飴家 真珠 :
[よかった! くろさわさんの いうとおり たたけばなおった!]
泊里 零一郎 :
「ま、まるで家電みたいな表現だ……」
朝霧 ユラ :
「だいぶ上の世代の家電じゃない……?」
多々良那 浅香 :
「今の家電は繊細だからやめたってね……」
飴家 真珠 :
なんでもいいの! と、笑いながら、ユラを抱きしめて頬擦りしている。
蹄啼 イバラ :
「そうですね~、朝霧さんは会場の電子機器を掌握していた訳ですし、スマート家電ですよ~」
朝霧 ユラ :
「はは、ウマいこと言いながら刺しに来るじゃん……。にしても、距離感のバグり方すごくないか……!?」
飴家 真珠 :
[でも あたためないと だめだから] 言い訳
蹄啼 イバラ :
「……真珠さんはいつもこの調子ですよ~、暖房器具か何かだと思ってください~」
ロッキー :
「夜でもポカポカさ」冗談めかして軽く微笑んで
蹄啼 イバラ :
「夏には要りませんけどね~」肩を竦める。まだ暑いのに遠慮なしで抱き着いてくる。
ロッキー :
「布団で調整でもするさ~……っと、そういえば……」
ロッキー :
「センパイが追いかけていたジョーカーはどうなったかな? 僕サマの予想ではもうやっつけてると思うんだけど……」
飴家 真珠 :
[やっつけられるもの なのかなぁ] パラディンとの会話を思い出して
飴家 真珠 :
[でも つかまえてくれては いるかもしれないよね]
ロッキー :
「ボールにでも入れて、捕まえていたりするかもしれないねぇ」小さなボールに入ったジョーカーを想像している
多々良那 浅香 :
「実際まだ自由だったらこっちもしっちゃかめっちゃかにしてきてそうだけど……様子見に行かなきゃかな?」
朝霧 ユラ :
「ジョーカーかぁ……」
蹄啼 イバラ :
「……何か気がかりなコトでも?」
朝霧 ユラ :
「いや……あんなのに頼ろうとしてたなんて、我ながらどうかしてたなって……」
多々良那 浅香 :
「あるある、暴走してる時テンション上げ過ぎて普通に激イタなこと言って後で死にたくなったりとか」
蹄啼 イバラ :
「朝霧さんはプロデューサーに恵まれませんよね~」
蹄啼 イバラ :
「まず母親。次にコズミック・プリズム。最後にジョーカー」
蹄啼 イバラ :
「……せっかくポテンシャルはあるのに、望む方向に進めないのは勿体ないことです~」
朝霧 ユラ :
「……遠まわしに、あたしはもっとやれるって言ってる?」
蹄啼 イバラ :
「言い方が気になりますが、まだ伸び代があるとは思いますよ~」
泊里 零一郎 :
「…………朝霧さん、その、君さえ良かったらなんだが」
朝霧 ユラ :
「ストップ、泊里さん」
朝霧 ユラ :
「ごめんね、今はちょっと、考えられないかも。しばらく頭冷やす時間ちょうだい……」
泊里 零一郎 :
「す、すまない……」 またやってしまった、と反省顔
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんのくせだ] くすくす笑いながら、ユラの頭を撫でている
蹄啼 イバラ :
「真珠さんのときも、弱みに付け込むような誘い方したんでしたっけ~? 流石はファム・ファタールのプロデューサーというか、なんというか……」露悪的表現
ロッキー :
「レイイチローくんって悪い人なのかーい?」
泊里 零一郎 :
「うっ……僕は、僕はなんてダメな奴だ……!」 体育座りでうずくまって反省している
飴家 真珠 :
「…………!!!」 あぁ……! と、慌て始める
蹄啼 イバラ :
「あらあら~、またプロデューサーがダンゴムシになってしまいました~♪」虐めて楽しんでいる
多々良那 浅香 :
「なんか普段思ってるより変な人よね、泊里さん。配信呼んだら面白いかもせん」
飴家 真珠 :
[れーいちろーさんは ダメなんかじゃないから! げんきだして!] 片手をグッと握って見せて
泊里 零一郎 :
「あ、飴家さん……うう、ありがとう……」
蹄啼 イバラ :
「ずうっと年下の女の子に慰められて、恥ずかしくはないんでしょうか~♡」泊里のことを真珠と挟み込むような位置まで歩いていき、耳元に追い打ちの言葉を投げる。
GM :
そんな風に各々が泊里で遊び始め、空気が弛緩したところで、黒沢が意を決したように発言する。
黒沢 優作 :
「そ、その……なんだ朝霧」
黒沢 優作 :
「君を利用して、道を誤らせてしまって……本当にすまなかった」 深々と頭を下げる。
朝霧 ユラ :
「……あんたもジョーカーの影響受けてたんだから、責めようとは思わないよ」
朝霧 ユラ :
「……これからどうするつもり?」 なんだかんだ、少し心配そうな声色を隠し切れないまま、なんでもない風に尋ねる。
黒沢 優作 :
「わからないが……まずは自首しようと思う」
黒沢 優作 :
「俺のせいでオーヴァードの世界に関わりのない人たちも大勢巻き込んでしまった。現行法で俺のやったことがどう扱われるかはわからないが、まずはその人たちに償うよ……」
飴家 真珠 :
「…………」 黒沢さん……、と少し哀しい目で見た後、
飴家 真珠 :
[あれ? でもどこに じしゅするの? けいさつ?] 不思議そうに尋ねる
黒沢 優作 :
「ああ。警察にもレネゲイド関連の事件を取り扱ってるところがあるらしい」
黒沢 優作 :
「もっとも自首するオーヴァード犯罪者の話なんか聞いたことないから、どうなるかはまったく想像つかないが……」
飴家 真珠 :
そんなところがあるんだ、と驚いた後、
飴家 真珠 :
[もしもろうやに いれられちゃったら ぜったいに めんかいにいくからね!] 安心させるように笑顔で光の文字を見せる
黒沢 優作 :
「……本当にありがとう。君のお陰で、俺は最後の最後で人間をやめずにすんだ」
黒沢 優作 :
「獄中からも、ファンのひとりとして静かに応援するよ」 憑き物が取れたように優しい笑顔を見せ。
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
[ファンになってくれるの!? ありがとう! うれしい!!] 両手の指でハートを作って、嬉しそうに笑う
朝霧 ユラ :
「……ファムファタって凄いアイドルがいるんだな。コズプリが勝てないはずだわ……」
飴家 真珠 :
[みんな すごいよね] 分かる分かる、と頷いてる
ロッキー :
ふふん、と義肢をミシミシと鳴らしながら胸を張って
ロッキー :
「ま、ファムファタは一人のアイドルとしても、すごい人が多いけど……」
ロッキー :
「こうやって、集まった時もまたすごいのさ! 10倍、いや100倍ね!」
飴家 真珠 :
分かる分かる、とまた頷いている。
蹄啼 イバラ :
「……流石にそれは盛りすぎじゃないですか~?」
泊里 零一郎 :
「一人より二人、二人より四人……」
泊里 零一郎 :
「数の暴力と言われてしまえばそれまでだが、やはりアイドルたちが力を合わせて何かを作り上げるというのはそれだけ人を惹きつける力がある。僕たちの古巣は、あまりにも強い個に頼り過ぎていた。負けるのは必然だった」
泊里 零一郎 :
「……”神話”が復活することはなかったのは、いちアイドルファンとしては非常に残念なことだが、きっとこれでよかったのだろう」
飴家 真珠 :
[しんわって? ゆららのこと?] 首を傾げる
泊里 零一郎 :
「そう。少し大げさな例えだけれどね。コアなファン目線の話は飴家さんには少し難しいかもしれないけれど」 自分で言ってて可笑しくなったのか、少し笑って
朝霧 ユラ :
「大げさが過ぎるでしょ……。泊里さんてばいつもそう」 呆れ
飴家 真珠 :
「…………」 泊里に釣られて笑いながら、ユラにくっついている
多々良那 浅香 :
「まぁほとんど神にはなろうとしてたワケだけどネ」
飴家 真珠 :
[ゆららが にんげんにもどってくれて ほんとによかった] と、改めて安心しながらユラの頭を撫でていて、
飴家 真珠 :
[ねえねえ いばらちゃん こっちきて?] 唐突に、イバラに文字を出しながら手招きする
蹄啼 イバラ :
「な、なんです~…? 藪から棒に…?」逆に身を引いて
飴家 真珠 :
[どうして はなれるの!?] 驚いて
蹄啼 イバラ :
「経験則というか~……真珠さんがこういう時、ロクなことになった試しがないので~……」
飴家 真珠 :
[そんなことないよ! だいじょうぶだから あんしんして?] 笑って
蹄啼 イバラ :
「……本当でしょうね~」言いながら、おずおずと歩み寄る。
飴家 真珠 :
[ほんとほんと!]
飴家 真珠 :
真珠は嬉しそうに笑うと、近づいてきたイバラの手を素早く掴み、
飴家 真珠 :
その手を引っ張って座らせながら、自分が抱いているユラの体に無理矢理くっつかせた。
蹄啼 イバラ :
「なっ……!?」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラには運動神経がない。倒れ込みそうになって、朝霧ユラに抱き着いてしまう。
朝霧 ユラ :
「っ……!?」 さすがに不意打ちだったのか、頭がフリーズしながらも倒れてくるイバラを受け止める。
朝霧 ユラ :
「び、ビックリした……大丈夫?」 必死に平常心を保つが、照れるのを隠し切れず目を逸らし。
蹄啼 イバラ :
「怪我は、ありませんが~……」バッと離れて
蹄啼 イバラ :
「も、もう……! 真珠さん……!?」
飴家 真珠 :
「!!」 あ! と口を開けて、
飴家 真珠 :
[はなれちゃ ダメ! こうたいしてもらうんだから!!]
飴家 真珠 :
イバラが離れようとした瞬間、その手をすぐに掴み、また引っ張り戻す。
蹄啼 イバラ :
「ぐ、ぐぬぬぬぬ……わたくしがやる必要はないはずで~……」今度は抵抗しようとするが、徐々に力負けしていく。
飴家 真珠 :
[ふたりとも おともだちなんだし いいでしょ?]
飴家 真珠 :
[はい じゃあ こうたいね] 力負けしたイバラをユラにくっつけると、自分は離れて二人の背を押しながら位置調整している
蹄啼 イバラ :
「うう……理不尽っ……」
飴家 真珠 :
[そんなことないと おもうけど] 不思議そうにしてる
朝霧 ユラ :
「…………」 それなりに長い付き合いだが、この距離感はほぼ経験がないのか嘘みたいに無口になっている。
朝霧 ユラ :
「さっきから何回も驚かされるけど、こりゃ蹄啼も寂しい思いしないはずだな……」
蹄啼 イバラ :
「はあ……騒がしいだけですっ……」不満げにしている
多々良那 浅香 :
「ゆらちゃんの造血が追いつくまで人肌で温める感じ?」
真珠に
飴家 真珠 :
[うん] 今度は浅香の腕に抱きついて
朝霧 ユラ :
「もう次のくっつき先見つけてる……」
飴家 真珠 :
[それに つかれたときは だれかとハグするのがいちばんでしょ?]
多々良那 浅香 :
「愛い奴よの~このこの」
GM :
朝霧ユラも正気に戻り、黒幕である黒沢も反省しこれから罪を償う道を見つめていた。
GM :
これで事件は解決。
GM :
そんなムードが一同に漂っていたが……会場のとこかの扉を開く音とともに、その空気を一変させる光景が飛び込んできた。
”ジョーカー” :
「ぜぇ、ぜぇ……! ククククク……! ハハハハハ……!」
”ジョーカー” :
「随分手こずらせてくれたが、やっと会場にたどり着いたなァ……!」
武者小路 勇姫 :
「く、くっそーー!! すまん、一回捕まえたんやけど……片腕じゃ抑えきれんかった!!」
GM :
……それは、先ほど逃げ出したジョーカーと、それを追いかける勇姫が会場に飛び込んでくる光景だった。
飴家 真珠 :
[ジョーカーだ!] そちらを見て指差す
ロッキー :
「おおっと……こっちも鬼になった方がいいだろうね……!」浅香から離れて、重たい身体を向ける
蹄啼 イバラ :
「まったく、しぶとすぎませんか~……?」
”ジョーカー” :
「さて、鬼ごっこは楽しかったぜェ、勇者サマァ!」
”ジョーカー” :
「アサギリに着けといた俺の分身を倒して、勝ったつもりでいたようだが……」
”ジョーカー” :
「こんなこともあろうかとなァ、次の手はちゃーんと考えてあるンだよ!!」
GM :
ジョーカーは《加速する刻》を使用。
GM :
PCたちを置き去りにして、残された力を使ってワープし、賭けに出る。
GM :
そして、その手段とは……。
”ジョーカー” :
「ククク、いるよなぁ。この中にひとり……”仲間ヅラ”をしてるどうしようも無ェヤツがひとり!!」
”ジョーカー” :
「それはお前だァ!!!」
GM :
”ジョーカー”は、蹄啼イバラに憑りつこうとする……!
蹄啼 イバラ :
「なっ……!?」
蹄啼 イバラ :
身を躱そうとするが、とても間に合わない。その代わり、近くにいた朝霧ユラを何とか突き飛ばす。
朝霧 ユラ :
「ッ…………!! 蹄啼!!!」
朝霧 ユラ :
咄嗟にイバラのことを庇おうと反応するが、まだ冷たい身体が上手く動かず、突き飛ばされてしまう――。
GM :
朝霧ユラはあくまでもジョーカーが複数用意したプランのひとつに過ぎなかった。
GM :
AILsというグループで仲間の暖かさに触れ、いままでの自分の罪との間で揺れ動く蹄啼イバラ。
GM :
ジョーカーは、ユラと互角のカリスマを持つあなたを最初からバックアップとして……次の依り代として見定めていたのだ。
”ジョーカー” :
「まさかちょっと街を救ったから、これを機に今までのことはチャラにして今更悪人やめようだなんて、そんな都合のいい真似が許されると思ってないよなァ……!」
GM :
ジョーカーが囁くと、あなたの脳裏にいままでの罪の記憶が蘇る。
GM :
至高の音楽のためと称して、多くのアイドルやエージェントを傷つけて来た記憶が……。
蹄啼 イバラ :
「うっ、ぐっ……」苦しそうに頭を押さえ、その場に膝を突く。
飴家 真珠 :
「……っ!!」 慌ててイバラに近寄り、彼女の両肩に触れて心配そうに覗き込む
ロッキー :
「イバラ姫っ!」 身体を引き摺って、上から覗き込む
多々良那 浅香 :
「タネ割れてんだからおかしなこと考えないでよイバラちゃん!」
近寄って
蹄啼 イバラ :
「はあ、はあ……ありがとうございます皆さん……」顔を上げて
蹄啼 イバラ :
「ふふ、わたくしは大丈夫ですよ~……ジョーカー如きにやられるわたくしではありません……」
飴家 真珠 :
[ほんと? だいじょうぶなの?] それでも心配そうにして
蹄啼 イバラ :
「ええ、だいじょうぶ────」
蹄啼 イバラ :
飴家真珠の背後で、血の茨が鎌首をもたげる。
蹄啼 イバラ :
……次の瞬間。
蹄啼 イバラ :
駆け寄ってきたAILsの死角から襲いかかる血の茨。
蹄啼 イバラ :
……横薙ぎに振り払われたそれに、あなたたちは気付くことが出来ない。
朝霧 ユラ :
「飴家!! 危ない!」 瞬時に気づいて叫ぶ
飴家 真珠 :
「っ!?」
飴家 真珠 :
声を掛けられても、無防備な真珠が避けられるはずもない。赤い茨に叩きつけられて吹っ飛ばされる!
ロッキー :
「ぐあっ!? ひ、姫……やっぱり……っ!!」 茨の薙ぎで左腕が吹き飛び、ゴトリと重く鈍い音を立てる
多々良那 浅香 :
「っ、ダメじゃぁん!一番しっかりしてくれないとッ」 生身は弱いので弾き飛ばされる
”ジョーカー” :
「素晴らしい……素晴らしいぞォ! 想像以上だ!」
GM :
ひび割れて消滅寸前になっていたはずのジョーカーの影が、完全に復活してしまっている……!
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは操り人形のように、ゆらりと立ち上がる。
蹄啼 イバラ :
「ふ、ふふ……大丈夫、大丈夫ですよ~……」背後のジョーカーの様子など意に介さず、不気味に笑う。
蹄啼 イバラ :
目の焦点は定まっておらず、あきらかに正気を失っている。
蹄啼 イバラ :
「ジョーカーのおかげで、ようやく全てを"理解"しました~……」
飴家 真珠 :
「……?」 ステージの床に這いつくばりながら、顔を上げて不思議そうにイバラを見る
蹄啼 イバラ :
「また……わたくしは"騙されていた"のだと……」
蹄啼 イバラ :
「二条純恋に……そして、貴女たちAILsにね……」いきなり身に覚えのないことを宣いはじめる。
ロッキー :
「ふぅん、いったい……何をだましたって言うの、かな……」 イバラの様子を伺いながら、正気に戻す算段を考える
多々良那 浅香 :
「何か心当たりあるぅ……!?ジョーカーって存在しないはずの記憶まで捏造できるんかね……!?」
”ジョーカー” :
「さぁなァ? 俺様は何もしてないねェ……! ケケケケケ……」
”ジョーカー” :
「ただ、ちーーっと”気づき”を与えてやっただけさ」
蹄啼 イバラ :
「シラを切り続けるのも、そろそろ止めにしたらどうですか~……?」
蹄啼 イバラ :
「全ては、二条純恋の企みだったのでしょう……?」
蹄啼 イバラ :
「わたくしをユニットに入らせたこと、不出来なダンスを踊らせたこと……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしがライブで失敗すること……そして、それを皆さんがフォローすることまで、二条純恋は織り込み済みだった……」
蹄啼 イバラ :
「AILsというものに情を抱かせ、わたくしを縛る轡とする────」
蹄啼 イバラ :
「すべては、そのための計画だったのでしょう……!!」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラの心の奥底に根付いた闇。
蹄啼 イバラ :
────それは人間不信。
蹄啼 イバラ :
幼い頃、友人の裏切りによって深く傷付いた心。いまだ癒えない古傷。
蹄啼 イバラ :
……"何もしていない"なんて大嘘である。
蹄啼 イバラ :
ジョーカーは、かすかに改善の兆しを見せていた蹄啼イバラの心の闇を暴いた。
蹄啼 イバラ :
遺産"色慾の魔眼"の代償、「誰も信じられなくなる呪い」。
蹄啼 イバラ :
それによって膿んだ傷口を抉ることは、ジョーカーには造作もないことだったのだ。
飴家 真珠 :
「……………………」 倒れ伏しながら、イバラをジッと見つめて
飴家 真珠 :
[いばらちゃんは そうおもってるの?] 光の文字を浮かばせて尋ねる
蹄啼 イバラ :
「ええ、ええ……前々から考えてはいたのですよ~……」
蹄啼 イバラ :
「だって、そうでしょう? 利益関係もなしに、こんなわたくしを好いてくれるハズありませんものね~?」
蹄啼 イバラ :
それは些細な"疑惑のタネ"だった。本来なら芽吹かないハズの小さなタネ。
蹄啼 イバラ :
ジョーカーがそれに精神干渉能力で水を与え、ついには花開かせたのである。
泊里 零一郎 :
「わ、蹄啼さん……」
武者小路 勇姫 :
「ぐ、ううう、ぐぅぅぅ……す、スマン真珠ちゃん、みんな! ウチが情けないばっかりに……!」
GM :
何か手はないのか、さきほど黒沢をジョーカーから助けるきっかけを作った張本人であるはずの勇姫が、どうしたらいいのかわからず頭を抱えている……!
飴家 真珠 :
[あやまらないで ゆうきちゃん あなたのせいじゃないから] 勇姫の方を向いて、文字を見せる
武者小路 勇姫 :
「真珠ちゃん……!」
飴家 真珠 :
[それより いばらちゃんが しんぱいだから]
飴家 真珠 :
[こんなとこで ねてるばあいじゃない ね] 茨で負った傷口から血を溢れ出させながらも、何とか立ち上がる
蹄啼 イバラ :
「寝てる場合じゃない……ええ、本当に……」
蹄啼 イバラ :
「まったく、わたくしらしくもない……甘い夢を見たものです……」
蹄啼 イバラ :
「けれども所詮、夢は夢……いい加減、終わらせるとしましょうか~……」
ジョーカーの力添えによるものだろう。
足下の影から湧き出るように、血だまりが広がっていく。
そこから次々と血の茨が芽生えて、会場を覆い尽くしていく。
飴家 真珠 :
「…………」 広がる血だまりを見下ろしながら、
飴家 真珠 :
[いばらちゃん ゆめなんかじゃないよ]
飴家 真珠 :
[わたしも ろっきーちゃんも あさかちゃんも]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんのこと だいすきなのは]
飴家 真珠 :
[ちゃんと げんじつだよ]
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
言葉では取り合わず、その代わり、茨の鞭が飛んでいく。
飴家 真珠 :
「……!!」
ロッキー :
「そうさ、すべて現実だとも」しなり弾ける鞭の間合いに、ロッキーが割って入る
ロッキー :
残った右腕で鞭を受け、あえて茨を食い込ませるように腕に巻きつけていく……。
ロッキー :
「イバラ姫……今のキミは、とても暗い闇を彷徨っているように見える」イバラを真っ直ぐ見つめて
ロッキー :
「それなら僕サマの言った言葉、覚えているかな?」
ロッキー :
「どうにもならない時、暗くて前が見えない時……」
ロッキー :
「そんな時、僕サマと……」背後の真珠と浅香を見つめて
ロッキー :
「AILsのみんなが、傍にいるということをっ!」巻き取った茨を千切り取る!
蹄啼 イバラ :
「……"王子様"なんて下らない空想に縋る貴女が、現実を語るなんて」
蹄啼 イバラ :
「いささか滑稽です」
蹄啼 イバラ :
「……信じること、頼ることは、いつでも裏切りと隣合わせ」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは何かに縋ったりしませんっ」ロッキーの口を黙らせるように、茨の鞭が殺到する。
ロッキー :
「ご機嫌斜めな姫も可愛らしいが、今日はトゲが多いね……!」弱体化した自身に殺到する茨に少し気圧され……
多々良那 浅香 :
「そぉれ!!」
ヒドゥニスに乗り込んでいる暇は無かった。密集した茨を無理やりなんとか手繰り寄せる。
多々良那 浅香 :
「いぃぃででででででででで!!!千切れる!千切れる!!!」
多々良那 浅香 :
「ひぃ!ひぃ!イバラちゃんさぁ!いや、そう思っちゃうのは分かるけどね!?性格クソ悪いし!!」
蹄啼 イバラ :
「……そうですね、わたくしは紛れもない悪」浅香の肌に擦りつけるように、血の茨を動かす。
蹄啼 イバラ :
「ええ、ええ。おかげさまで、貴女達との下らない馴れ合いから解き放たれた今は、実に清々しい気分です」
多々良那 浅香 :
「話最後まで聞けって!その性格悪ぃの知ってる上で付き合ってんの!わかる!?てかんなこと言ったらあたしも悪属性でしょうが!」
多々良那 浅香 :
「あとあたしらが社長のいうコト"ハイワカリマシタァ"ってそのまま呑み込むタマに見えるぅ!?少なくともあたしは直接ボコボコにされない限りは聞かないもんね!!」
多々良那 浅香 :
「社長のことはいくら嫌っても疑っても良いからさぁ!あとあたしも一旦良いや!真珠ちゃんとロッキーのことくらいは信じたってよ!」
多々良那 浅香 :
「だからこれ引っ込めてくれないかなぁ!?あたしの手が磨り潰れそうでずぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」
引っ張っているのでどんどん食い込む!
蹄啼 イバラ :
「信じる……いったい何をもって……」
蹄啼 イバラ :
その瞬間、みんなにステージ上で助けられた記憶がフラッシュバックする。
蹄啼 イバラ :
「…………っ」
”ジョーカー” :
「おいおい相棒? まさかあんな三文芝居に絆されてんじゃないだろうなァ?」
”ジョーカー” :
「ケケケ……至高の芸術家の名が廃るってもんだぜ、そりゃあ……!」
蹄啼 イバラ :
「……軽々しく相棒だなんて呼ばないでください、黒カビ」
蹄啼 イバラ :
「貴方は道具。わたくしに力だけ貸していればいいのです」
”ジョーカー” :
「おっと失礼失礼。その通りだな」
”ジョーカー” :
「これから最高の音楽を作るため、しっかり俺様のことを利用してくれよォ……!」
蹄啼 イバラ :
「ええ、ええ……もちろん……」
蹄啼 イバラ :
「ヒトは嘘を吐く生き物……誰も信じられない……」うわごとのように
蹄啼 イバラ :
「痛みだけが、苦しみだけが、ヒトの真実を明らかにするのです……ですから、わたくしは……」
多々良那 浅香 :
「ダメだぁ~~!」
ぎゃぁぎゃぁと喚いて
蹄啼 イバラ :
「どのような戯言を抜かそうとも、わたくしには響きません」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしは今から、この虚飾に満ちた世界を塗り替える」
蹄啼 イバラ :
「ヒトがありのまま、欲望のままに生きられる”地獄”に変えてあげましょう」
蹄啼 イバラ :
「ふ、ふふ……わたくしは、その真実の地獄を統べる女王となるのです……」
蹄啼 イバラ :
「が、消耗した貴女たちでは、ジョーカーの力を得たわたくしを止めるコトが出来ない」
蹄啼 イバラ :
「……だからこそ、くだらない甘言を弄しているのでしょう?」ジョーカーによって曇らされた瞳で、浅香を睨みつける。
多々良那 浅香 :
「このザマで嘘はつ゛け゛ま゛せ゛ん゛ん゛ん゛」
絶叫
ロッキー :
「浅香姫~! もう少し耐えておくれ~……っ!」 悶絶する浅香へ声援を送る
飴家 真珠 :
その時、浅香が掴んでいた茨の鞭が、血溜まりの根元から折れた。
飴家 真珠 :
そこで、イバラはようやく気付くだろう。
飴家 真珠 :
ロッキーや浅香と対峙していた間に、すぐ傍まで接近していた飴家真珠。
飴家 真珠 :
彼女が巨大なロリポップを斧のように振り回し、茨の鞭を叩き折っていたことに。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん こっちむいて?]
飴家 真珠 :
ロリポップを両手で構えながら、真珠が光の文字を見せる。
蹄啼 イバラ :
「っ、飴家真珠っ……!!」
蹄啼 イバラ :
振り向きざまに、広がり続ける血溜まりから数本の槍を生成。
蹄啼 イバラ :
飴家真珠に向けて、立て続けに撃ち放つ。
飴家 真珠 :
真珠は一歩前に踏み込み、ロリポップを振り上げると────
飴家 真珠 :
そこで、両手を離した。
飴家 真珠 :
カン、と固い音がステージに響く。ロリポップは槍を防御することに使われることなく、真珠の背後に落ちる。
飴家 真珠 :
「…………ッ!!」
飴家 真珠 :
身軽になって、撃ち込まれた槍を何とか避ける。
飴家 真珠 :
脇腹や肩に赤い槍が掠って行っても、その痛みで真珠が歩みを止めることはない。
飴家 真珠 :
そして、イバラの眼前まで辿り着いた真珠は、彼女の両手を素早く握りしめた。
飴家 真珠 :
「……」 両手を握ったまま、至近距離でイバラを見つめる。
蹄啼 イバラ :
「なっ……」振り払って身を引こうとする。
飴家 真珠 :
しかし、強く握りしめた手がそれを許さない。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん]
飴家 真珠 :
ピンク色に輝く光の文字を小さく浮かばせながら、真珠はにこっと笑って。
飴家 真珠 :
“大好き”────と、そう静かに唇が動いた後、
飴家 真珠 :
真珠は、イバラの唇に、そっとキスをした。
蹄啼 イバラ :
「……っ!?!?!?!?」
蹄啼 イバラ :
「ぷ、は……あなたは、いったい何をしてっ……!?!?」思わずよろめいて
飴家 真珠 :
「……?」
飴家 真珠 :
[ちゅーしたんだけど もしかして わからなかったの?] ズレたように不思議そうに首を傾げて
蹄啼 イバラ :
「…………」自らの唇に手を触れて
蹄啼 イバラ :
「そう、でしたね……貴女はいつもそう……」
蹄啼 イバラ :
「ヒトの気も知らないでッ、理不尽にわたくしの心を掻き乱していくッ……!」
蹄啼 イバラ :
「そういうところがッ……そういうところがッ……!!」
蹄啼 イバラ :
「…………っ」その先の言葉は続かなかった。
”ジョーカー” :
「くく、くくくく……! アーッハッハッハッハ! まったく、こいつは傑作だなァ?」
”ジョーカー” :
「周囲の光が強ければ強いほどに、自分が過去に犯した罪が足を引っ張るってワケだ!」
”ジョーカー” :
「お目出たいもんだぜ。他でもないお前らAILsが、一番コイツを苦しめてるとも知らずによォーー!!」
蹄啼 イバラ :
「ええ、そう……貴女たちといると、わたくしはわたくしで居られなくなる……」
蹄啼 イバラ :
ジョーカーの精神干渉が強まったのだろう。揺れていた少女の瞳に殺意が宿る。
蹄啼 イバラ :
「ですから、まず壊さないと……わたくしを縛るものすべて、壊さないと……」
蹄啼 イバラ :
突如、イバラを中心として血の大嵐が吹き荒れる。
蹄啼 イバラ :
それは見えない刃となって、AILsを切り裂きながら吹き飛ばす。
飴家 真珠 :
「…………ッ!!」
飴家 真珠 :
瞬間、真珠の足下の床がガムに変化する。
飴家 真珠 :
ガムは真珠の足にぴったりと絡みついて張り付き、全身が見えない刃に切り裂かれてもなお、その場に留まらせる。
蹄啼 イバラ :
「っ、まだ……!!」
飴家 真珠 :
「…………」 体も服も切り裂かれ、全身を赤色で汚しながらイバラを真っすぐに見て
飴家 真珠 :
[いばらちゃん やっぱりわかってないじゃない]
蹄啼 イバラ :
「分かって、いない……?」何のことだ、と問い返す。
飴家 真珠 :
[わたしね よくほっぺたに ちゅーするけど] 真珠の頬の傍に、光の文字が小さく浮き出て
飴家 真珠 :
[おくちに ちゅーすることって ぜんぜんないんだよ]
飴家 真珠 :
[そういうのは とくべつなことだって さすがにわたしでもわかるもん] 照れたように小さく笑いながら、自分の唇に指を添える
蹄啼 イバラ :
「な、なっ……」
蹄啼 イバラ :
「ぁ、えぇ……!? はぁ……!?!?」
蹄啼 イバラ :
「な、何が言いたいか、さっぱり分かりませんが……!?」さすがに動揺している。
飴家 真珠 :
だから、と唇が動いて、
飴家 真珠 :
[わたしは おくちにちゅーしても いいってくらい]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんのことが ほんとうに だいすきだってこと!]
飴家 真珠 :
そう光の文字を弾ませながら、笑顔でイバラの体を抱きしめる。
蹄啼 イバラ :
「ぁう……それはつまり、恋愛感情というか~……」
蹄啼 イバラ :
「って、そうじゃなく……! そ、そういうところですよ、飴家真珠っ……!!」身をよじる。
飴家 真珠 :
[れんあいかんじょうとか よくわからないけれど] イバラを抱きしめたまま、彼女の眼前に光の文字を出して
飴家 真珠 :
[とにかく わたしはいばらちゃんのこと だいすきだよ]
飴家 真珠 :
[だから]
飴家 真珠 :
[わたし あなたのこと ぜったいにうらぎらないよ] 抱きしめる手に、僅かに力を込める
蹄啼 イバラ :
「…………っ」
蹄啼 イバラ :
この子は、本当に欲しい言葉を投げてくる。この状況に陥ってなお。
蹄啼 イバラ :
「信じられない」という人間不信は、「信じたい」という気持ちと表裏一体。
蹄啼 イバラ :
その心の隙に、飴家真珠は寄り添い────いや、アポ無しで押し入ってくる。
蹄啼 イバラ :
イバラ自身はそれを「鬱陶しい」と心にもない言葉で跳ねのけてきたが……
蹄啼 イバラ :
それでも、AILs全員の説得は、これまで積み重ねてきた絆は────凍りついた蹄啼イバラの心を融かそうとしていた。
飴家 真珠 :
「…………」 イバラの体から離れて、彼女の目を見ると、
飴家 真珠 :
[それでも わたしのこと しんじられないのなら]
飴家 真珠 :
[いつかこのひとも うらぎるんだって おもうのなら]
飴家 真珠 :
[いまここで わたしのこと ころしてもいいよ]
飴家 真珠 :
自分の胸に手を当てながら、微笑みかける。
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「……………………」信じられないものを見るような目で、飴家真珠を見つめ
蹄啼 イバラ :
「ほんとうに、良いのですね?」
蹄啼 イバラ :
ジョーカーの助力によって、新たな能力が開花したのだろう。
蹄啼 イバラ :
血溜まりから、槍を携えたトランプ兵が現れる。ブラム=ストーカー能力で生み出した従者だ。
飴家 真珠 :
真珠はトランプ兵に見向きもせずに、イバラを見つめ返しながら、しっかりと頷いて。
飴家 真珠 :
[だけど いばらちゃんは ぜったいできないとおもうよ]
飴家 真珠 :
そう表示させた光の文字を、フッと消して、
飴家 真珠 :
真珠は唇を動かして、声なき声でこう伝える。
飴家 真珠 :
“だって、イバラちゃんも”
飴家 真珠 :
“わたしのこと”
飴家 真珠 :
“大好きだもんね!”
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
イバラのことを信じ切っているかのような、何の迷いもない笑顔を彼女に向けた。
蹄啼 イバラ :
「何を、勝手なことを……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは何時でも、貴女のことを……!!」待機しているトランプ兵に支持を与えようと手を掲げる。
蹄啼 イバラ :
無意識だろう。その手は小さく震えていた。
飴家 真珠 :
「…………」 無防備に手を後ろに組みながら、にこにこと笑っている。
もう全部伝えたし、伝わっていると信じているから、他に何も言うことはない。
蹄啼 イバラ :
「────っ」
蹄啼 イバラ :
的場啓吾、黒沢優作、朝霧ユラ。
ジョーカーの宿主だった人々と、蹄啼イバラには”決定的な相違点”があった。
悲劇が生んだ心の闇に付け込まれて、已むなく悪の道に堕ちた彼らと異なり、
蹄啼イバラには「良心」が無い。すなわち────
人類の宿業から生まれ落ちたジョーカーにとって、最高の宿主であった。
蹄啼 イバラ :
だが、それでも……
蹄啼 イバラ :
飴家真珠の読み通り、蹄啼イバラには"最後の一線"が越えられなかった。
”ジョーカー” :
「はー、こりゃ迷うワケだ」
”ジョーカー” :
「ここまでマジな説得ができるとは……ちょっと即席ユニットってもンを、舐めてたかもなァ……!」
GM :
悪意のエネルギーの潮流が一瞬凪ぎ、ジョーカーの影が揺れる。しかし、ジョーカーの口調に焦りは見えない。
”ジョーカー” :
「確かにお前らが語る未来は素晴らしい」
”ジョーカー” :
「ところが相棒、お前の過去はどうだ? こいつらに、お前の罪まで背負わせていいのか?」
GM :
……”ジョーカー”の囁きで脳裏に蘇るのは、朝霧ユラを傷つけたあの日の甘美な記憶。
GM :
大切であればあるほど、傷つけ壊さずにはいられなかった過去の自分の身勝手な愛。
GM :
真っ当に愛を信じるには、大きすぎる罪を背負ってしまった。
GM :
イバラにとって”未来”の象徴であるAILsでは、ジョーカーが補強する”過去”には干渉することができない……!
GM :
そのイメージが、あなたの手を操って、真珠の差し伸べる手を遠ざけようとさせる……!
蹄啼 イバラ :
「そう……今更、なのです……」
蹄啼 イバラ :
「────わたくしの本心を言いましょう、真珠さん」
飴家 真珠 :
「?」
蹄啼 イバラ :
「貴女にハグされたり、キスされたり……ほんとはイヤじゃなかった」
蹄啼 イバラ :
「いえ、心地よいとさえ思っていた……幸せだったんです……」
蹄啼 イバラ :
「ロッキーさんにお姫様あつかいされるのも、浅香さんと下らないお話をするのも」
蹄啼 イバラ :
「ほんとは、好きだった」
蹄啼 イバラ :
「…………でも、」
蹄啼 イバラ :
「やっぱり、わたくしはわたくしであるコトから逃れられない」
蹄啼 イバラ :
「……"過去"は切り捨てる事が出来ない」
蹄啼 イバラ :
「それなら"未来"を切り捨てるしかない」
蹄啼 イバラ :
「────貴女たちとは、共に歩むことはできない」
蹄啼 イバラ :
ジョーカーに誘導され、そう結論を下す。
蹄啼 イバラ :
「信じるとか信じられないだとか、それ以前の問題だったのです」
蹄啼 イバラ :
「……傍にいようと言った、いつかの約束もここで白紙に戻しましょう」
蹄啼 イバラ :
「もう後戻りできないように、後戻りしようと思わないように、すべてを白紙に戻しましょう」
蹄啼 イバラ :
「もう惑わされぬよう、徹底的に」
蹄啼 イバラ :
「…………っ」蹄啼イバラは目を覆う。
蹄啼 イバラ :
ぽろぽろと、指の隙間から涙が零れ落ちる。
蹄啼 イバラ :
少女がどんな気持ちで流した涙か、魔眼を持たぬ人間には知りようがない。
蹄啼 イバラ :
────透き通っているハズの、乙女の涙。
蹄啼 イバラ :
だが、蹄啼イバラが流したそれは、
蹄啼 イバラ :
あらゆる色を混ぜ合わせたような「黒色」であった。
蹄啼 イバラ :
流れて落ちるハズの涙は、重力に逆らってふわりと浮かび上がり。
蹄啼 イバラ :
そして、蹄啼イバラの頭上で渦を巻く。
蹄啼 イバラ :
黒々と輝くそれは”女王の冠”のように、あるいは”天使の輪”のように見えた。
飴家 真珠 :
「……」 口元に手を添えながら、くすっと笑って
飴家 真珠 :
[いばらちゃんってば かことかみらいとか むずかしくかんがえすぎ]
飴家 真珠 :
[わたしは いまのいばらちゃんのことが だいすきなのに]
飴家 真珠 :
そう微笑みかけながら、イバラを見つめる。
飴家 真珠 :
飴家真珠は、蹄啼イバラをずっと見ている。
飴家 真珠 :
ジョーカーも、トランプ兵も、頭上に広がる女王の冠も、一切眼中に無い。
飴家 真珠 :
これまでも、これから先も、何が起ころうとも、真珠がイバラから目を逸らすことはないのだろう。
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
自分なんかに、心地良い居場所があって良い訳がない。
蹄啼 イバラ :
だって、自分はこれまで多くの人を苦しめてきたヴィランなのだから。
蹄啼 イバラ :
ジョーカーは被害者の声を代弁して、蹄啼イバラにそう囁きかける。
蹄啼 イバラ :
その精神干渉能力を伴った言葉は、強迫観念となって蹄啼イバラの心を支配する。
蹄啼 イバラ :
「…………これでも、わたくしを愛していると宣えますか?」
飴家 真珠 :
“愛してる!” と、唇が動く。笑顔で即答していた。
蹄啼 イバラ :
「…………」手を掲げる。ジョーカーの支配下にあるにも関わらず、いまだ手は震えている。
蹄啼 イバラ :
────途端、少女の上で渦巻いていた涙が、
四つの軌跡を描いて、真珠の傍らにいたロッキーに襲いかかる。
蹄啼 イバラ :
黒い撚糸のように伸びたそれが、ロッキーの胸へと突き刺さる。
……不思議と、痛みはなかった。
四本の糸は初めからそこにあったように、ずぶりと少女の身体に融けていた。
ロッキー :
「なんっ……」まるで融け合うように突き刺さった箇所を右手で押さえてみせる
ロッキー :
「……なにを、したのかな?」
蹄啼 イバラ :
「セッティングです」
蹄啼 イバラ :
「……AILsのラストコンサートの、ね」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラとロッキーを繋いだ、四本の糸。
────その黒い糸を、蹄啼イバラは弓で弾いた。
フォォォォンと聞き馴染みのあるヴァイオリンの音色が会場に響き渡る。
それは『弦』だった。
直接、相手の”琴線”を振るわせる魔法の弦。
蹄啼 イバラ :
……そして、蹄啼イバラは演奏を始める。
蹄啼 イバラ :
爪弾くのは、「怒りの日」。
蹄啼 イバラ :
────黒い涙は、遺産「色欲の魔眼」が流す特別な血涙。
それで作られた”魔法の弦”には、ヒトの心に触れる力があった。
奇しくも、黒沢優作や朝霧ユラと同じ能力。
……人心を惑わす魔性の音楽。
蹄啼 イバラ :
《ナーブジャック》を使用。もちろん、対象はロッキー。
泊里 零一郎 :
「っ……蹄啼さんっ!! ダメだ!!」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしに復讐を企てていた貴方が、何を今更」
蹄啼 イバラ :
プロデューサーの制止程度で止まるのなら、もう既に止まっている。
蹄啼イバラは、美しくも悍ましい演奏の手を止めようとしない。
蹄啼 イバラ :
バイザーが与える命令と同じ、ドス黒い殺意がロッキーの心を満たしていく。
ロッキー :
「───!! イ、イバラ姫やめ──────」
ロッキー :
ドクンッ 心臓が大きく跳ねる。存在しないハズの殺意が身を焦がす。
ロッキー :
火種になったのは何だっただろうか。現在のロッキーの知能と言葉では言い表せないだろうが、恐らくそれは……。
ロッキー :
本当に小さく、彼女自身にも気づけないほど些細な嫉妬……だったのだろう。
ロッキー :
……姫は王子を愛するべきなのではないか、なぜ僕サマ以外に愛をばら撒くのか?
嫉妬が猜疑心へ、猜疑心が殺意となって普段の彼女ではあり得ない思考で塗りつぶしていく。
ロッキー :
「し、んじゅ…ひ、め…」だらりとぶら下がった右腕、茨でズタズタにされて乙女のものとは思えない無骨な義肢から……
ロッキー :
妖しく輝く、刃が伸びる。
ロッキー :
「キミをひとりにはしない! ぼくさまをあとをおうからね!」 正気を感じさせない戯言と共に、刃に殺意が籠る
蹄啼 イバラ :
「これにて、甘い夢の幕を引くとしましょう……」
蹄啼 イバラ :
「もう二度と、後戻りできないように……さあ、ロッキーさん……」真珠の方に手を伸ばし
蹄啼 イバラ :
『────首を刎ねよ!!』
泊里 零一郎 :
「ッ…………!」
GM :
見かねた泊里が飛び出してエフェクトを行使する。
GM :
コンボ▼零時の鐘(《時の棺》)でロッキーの体内時間を止め、動きを制止する!
泊里 零一郎 :
「そうだね、確かに僕は君のことを殺してやりたいほど憎んでいた……」
泊里 零一郎 :
「だが、それはもう過去の話だ!」
GM :
泊里のバロールの能力では、時間稼ぎ以上に事態を好転させることはできない。
GM :
なんとか持ちこたえるが、出力の限界を超え、泊里の血管が千切れて血が吹き出していく……!
泊里 零一郎 :
「僕はもう……グッ、君のことを……許し、ている……ぐぅ…………!!」
蹄啼 イバラ :
「…………あら、止められてしまいましたか」
蹄啼 イバラ :
「ですが、結果の先送りにすぎませんね~」
蹄啼 イバラ :
「この期に及んで何を言っているのかも、理解しかねます」
蹄啼 イバラ :
「許している……? 貴方ひとりが許したから、なんだと……?」
蹄啼 イバラ :
「そもそも、そんなものを望んだ覚えはありません……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしはもう、悪として生きると誓ったのです……そのために、こうして……」
蹄啼 イバラ :
「こうして……わたくしのAILsを壊そうとしているのに……」
朝霧 ユラ :
「泊里さん…………」
朝霧 ユラ :
「蹄啼、あんたって……本当にしょうがない奴だな」
蹄啼 イバラ :
「はい……?」
朝霧 ユラ :
「みんなが一緒に前進もうって言ってんのに、全部台無しにしようとして……」
朝霧 ユラ :
「でも、どうしてかこうなっても放っておけないし……みんなあんたのことが好きなんだ」
GM :
ユラはよろよろと立ち上がると、ゆっくりと歩いてイバラの目の前……真珠の隣に立とうと歩き出す。
飴家 真珠 :
「……!」 ユラに気付いてそちらを見る
朝霧 ユラ :
「飴家……あたしも一緒に殺されてやる」
蹄啼 イバラ :
「……またですか貴女、殺されたがりですね」
朝霧 ユラ :
「こんな奴が二人もいるとはあたしも思わなかったね」
蹄啼 イバラ :
「始末するのは、AILsだけのつもりでしたが……」
蹄啼 イバラ :
「たしかに……貴女も殺しておいた方が良いかもしれません、ね……」
朝霧 ユラ :
「は、心にもないこと言いやがって……」
朝霧 ユラ :
「蹄啼……さっきあんたは言ったよな。ヒトは嘘を吐く生き物だって」
蹄啼 イバラ :
「それがなにか?」
朝霧 ユラ :
「まったくその通りだな。今のあんたがそうだし……」
朝霧 ユラ :
「あたしもあんたに最初出会ったとき嘘を吐いた」
朝霧 ユラ :
「今から、あたしの本当の気持ちを全部さらけ出してやる」
蹄啼 イバラ :
「……貴女まで、なんです? 藪から棒に?」
朝霧 ユラ :
「……いーから黙って、あたしの歌を聴け……」
朝霧 ユラ :
「それでダメなら、命でもなんでもくれてやる」
朝霧 ユラ :
「そのくらいの時間は稼げるよね、泊里さん?」
泊里 零一郎 :
「任せてくれ……!」
GM :
ユラは深く深呼吸をし、ギターを構える。
GM :
満身創痍の身体で、ギターピックをかき鳴らし。
GM :
奏でるのは、デビューして間もない頃にリリースした曲だ。
GM :
ユラは傷だらけの身体で全身全霊の歌を唄う。
GM :
それは、彼女が初めて自ら作詞作曲を手掛けた曲。
GM :
今はバックバンドもなければ、ユラの技術的にもまだまだ拙かったころの作曲技術で作られた、そのどこか物哀しいラブソング。
GM :
セールス的にはまるで振るわず、後の輝かしいユラの軌跡を思えば大爆死といってもいい代物だろう。
GM :
それもそのはず、このトガったラブソングは、大衆に向けて書かれたものなどではなく。
GM :
――この世界で、たった一人のために書かれたものなのだから。
朝霧 ユラ :
「蹄啼ィ……確かにさ、あんたの罪ってとんでもなくデカいものなのかもしれないよ……!」 間奏部分で力いっぱい声をかけて。
朝霧 ユラ :
「でもさ……だからって自分の過去を全部否定して、これからの未来まで否定して……!」
朝霧 ユラ :
「まわりの差し伸べる手を突っぱねる理由なんかないんじゃないか……!」
蹄啼 イバラ :
「くだらないラブソング……」会場全体を覆っていた茨が、大蛇が蜷局を撒くように蠢き出す。
蹄啼 イバラ :
「わたくしも嫌いなわたくしのことを、愛してるなんて宣う────」
蹄啼 イバラ :
「あなたたちは、理解に苦しみます」
蹄啼 イバラ :
泊里零一郎は、ナーブジャックを阻止するので限界。
蹄啼 イバラ :
だが、蹄啼イバラは攻撃の手を緩めない。
蹄啼 イバラ :
四方を埋め尽くす血の茨が、朝霧ユラに向けて一斉に襲いかかる。
飴家 真珠 :
足下で粘りついていたガムを元のモルフェウスの砂に戻し、真珠がユラの前に出る。
飴家 真珠 :
「…………ッ!!!」
飴家 真珠 :
だが、すでに真珠の体は限界を超えている上に、手元に武器もない。
飴家 真珠 :
だからもう彼女に出来ることは、その身一つで血の茨からユラを守ることだけだった。
飴家 真珠 :
両腕を広げて前に立った真珠の体を、無数の茨が貫いていく。
だが、その一本さえも、ユラには触れることはなかった。
蹄啼 イバラ :
「────っ」串刺しにされる真珠を目の当たりにして、一瞬たじろいでしまう。
朝霧 ユラ :
「人が恥ずかしさ我慢して必死に歌ってんのに辛辣だなァ!!」 守ってくれた真珠に頭を下げて礼を伝えながら
朝霧 ユラ :
「まああんたの言う通り、大して誰にも聞かれなかったくだらないラブソングかもね」
朝霧 ユラ :
「でもな、このくだらないラブソングじゃなきゃダメなんだ」
朝霧 ユラ :
「あたしをどん底から救ってくれた、この曲じゃないとダメなんだ!!」
蹄啼 イバラ :
「……もう、その口を閉じなさい」
蹄啼 イバラ :
「トランプ兵よ、前へ……! あの者を黙らせるのです……!!」マイクスタンドを王笏代わりに、従者に命令を下す。
蹄啼 イバラ :
女王の背後に控えていたトランプ兵、合計51名。
蹄啼 イバラ :
ハート・ダイヤ・スペード・クローバー。それぞれのスートが列となって、一糸乱れぬ行進を開始する。
蹄啼 イバラ :
彼らが携えているのは、二本の茨が螺旋のように絡みあった血の槍。
蹄啼 イバラ :
その切っ先はやはり、朝霧ユラに向けられる。
多々良那 浅香 :
「コ、コーリィィィン!!」
多々良那 浅香 :
その攻撃に待ったをかけるように絶叫が響く。茨に絡めとられた腕を何とか動かし、コーリングシステムのスイッチを押していた。
多々良那 浅香 :
瞬間、愛機たるヒドゥニスが飛来し、トランプ兵の多くをその巨体で弾き飛ばす。
多々良那 浅香 :
茨を振りほどいて機体に乗り込み、ボロ雑巾のようになった腕を垂らしながら操縦桿をガシガシと蹴り上げ吠える。
多々良那 浅香 :
「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛もう゛い゛ったい゛なぁ゛!!!後でブッ殺すからな゛クソゴミ!!!」
機体を滅茶苦茶に振り回して雑兵を粉砕する。自分から庇ったのに酷い言い様だ。
蹄啼 イバラ :
トランプ兵は哀れにもヒドゥニスの巨体に轢き潰され、元の血溜まりに戻る。
真っ赤なペンキとなって、ステージの片隅を汚す。
蹄啼 イバラ :
「……どうして、そこまで」思わず呟く
蹄啼 イバラ :
ボロボロになりながら、立ち向かってくる真珠と浅香。
蹄啼 イバラ :
その姿に気を取られ、魔法の弦によって奏でられていた『怒りの日』の演奏が一瞬だけ止まる。
ロッキー :
瞬間、支配力が弱まったことでロッキーの膨れ上がった殺意が徐々に萎んでいくのを感じる。
泊里 零一郎 :
「よ、よし……! すまないが後はなんとか、頼む……!」 泊里はそれを確認すると、エフェクトを解除しながら力を使い果たして倒れ込む。
ロッキー :
「ッ、ぅぁ……な、なんだこれ……っ」
ロッキー :
今までに抱いたことのない感情と、真珠へ殺意を抱いていたことへの悔悟で激しい吐き気を覚えるが……
ロッキー :
眼前で繰り広げられるユラを守らんとする攻防を目の当たりにし、何をするべきなのかを瞬時に理解。
ロッキー :
吐き気を抑えながら一歩踏み出すが……。
ロッキー :
忌々しくも、義肢は言う事を聞いてくれずに縺れる。意図的に出力を下げられたソレは足手まといもいい所だろう……。
黒沢 優作 :
「……正直、蹄啼イバラなんか助けてやる義理は俺にはないといえばないんだが」
黒沢 優作 :
「ここで何もしないほど、人間落ちぶれたつもりはない。俺も協力させてもらおう」 黒沢が契約の移動のゴタゴタのうちにジョーカーから取り戻した《ナーブジャック》でその動きを補佐する!
ロッキー :
「これは……!」 瞬間、四肢が軽くなるのを察して何かをしてくれたらしい黒沢に視線を移す。
ロッキー :
「……助力、感謝するよ!」 黒沢へ軽くウィンクを飛ばし、王子らしさもない義手刃を振りかざして真珠と浅香の元へと飛び込んだ
蹄啼 イバラ :
「飴家真珠……多々良那浅香……そんなに傷付けられて、あなたたちは何故……」
蹄啼 イバラ :
「何故、わたくしをそんな目で見れるのですか……」
蹄啼 イバラ :
「やられたなら、やりかえせば良いでしょうに……どうして、何もしない……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは傷付けられるより、何より……その目で見られることが耐え難い……」
蹄啼 イバラ :
ロッキーの支配が解けた事に気付いていない。
蹄啼 イバラ :
トランプ兵だった血溜まりが舞い上がり、蹄啼イバラの頭上に巨大な血の刃を生成する。それは罪人を断罪するための断頭台のようだった。
蹄啼 イバラ :
「…………知っていますか? わたくしは真珠さんやロッキーさんの事も、破滅させようと企んでいたのですよ?」
蹄啼 イバラ :
「だから、だから……もう止めて」
蹄啼 イバラ :
「こんなわたくしを、信じないで……」
蹄啼 イバラ :
「こんなわたくしを、許さないで…… 」
蹄啼 イバラ :
「こんなわたくしを、愛さないでっ────!! 」
蹄啼 イバラ :
本心と矛盾する少女の慟哭と共に、二人へと女王のギロチンが振り下ろされる。
ロッキー :
すべてを拒絶する刃の前に、冠を煌めかせる人影が飛び出す。
ロッキー :
「おおっと、ギロチンはこの二人には似合わないよ……」
ロッキー :
「受け止めるのは、悪い王子たる……僕サマさ!」
ロッキー :
バチバチとスパークする右腕を突き出し、ギロチンと衝突。
甲高い音を立てるギロチンの刃は勢いを弱めるも徐々に義手を圧壊させていく……。
ロッキー :
「……ッ、姫の言う企みはきっと過去のことなんだろう……!」
ロッキー :
「それは僕サマからしてみれば……どうだっていい! 姫と一緒にいる今が楽しいからね!」
ロッキー :
「あと信じるとか、許さないとか、愛さないとか……! それも……!」僅かにギロチンの刃を上方にズラし……
ロッキー :
「僕サマが、決める!!」
ロッキー :
そのまま義手に沿って滑らせるように、明後日の方向へとギロチンが飛んでいく!
ロッキー :
「その方がわる~い王子様……っぽいからね……!」 妖しく笑う瞳は、今のイバラが忌避する瞳そのものだった
蹄啼 イバラ :
「本当に、悪い女たち……」
蹄啼 イバラ :
「タチが悪い、諦めが悪い、物分かりまで悪い……!!」
朝霧 ユラ :
「……んな簡単に諦められないくらい、みんなあんたが大切なんだよ」
朝霧 ユラ :
「何度命令されたって、口を閉じてなんかやるもんか……! 他でもないあたしが伝えなきゃいけないんだ」
朝霧 ユラ :
「あんたは確かにたくさんの人を傷つけてきた嘘つきかもしれないけどさ、それだけが全部じゃない」
朝霧 ユラ :
「……あんたの嘘に救われてた奴も、たくさんいるんだよ」
朝霧 ユラ :
「あんたにとっては目に入らないようなどうでもいい存在だったかもしれないけど、それでも確かにいるんだよ!!」
朝霧 ユラ :
「それすらもちゃんと見ずに過去がどうだ、未来を切り捨てるとか言うんじゃねー!!」
GM :
ユラは精神干渉のエネミーエフェクト《ミューズの調べ》を使用する。
GM :
当然、いまのイバラほどの相手をこの能力で操ることなど到底できない。
GM :
できるのは、音楽に乗せてユラのイメージを伝えることだけだ。
朝霧 ユラ :
……それは数年前、あたしがまだ養成所で燻っていた頃の記憶。
泊里 零一郎 :
「……朝霧さん、誕生日おめでとう!」
朝霧 ユラ :
「……泊里さん」
泊里 零一郎 :
「これプレゼントだよ。ギター」
泊里 零一郎 :
「前から欲しいって言ってたから……そんなに高いものではないけど、WANANAKIブランドの製品だし初心者にも勧められると思う」
朝霧 ユラ :
「あ、ははは……」
朝霧 ユラ :
「ありがとう。嬉しい……」
泊里 零一郎 :
「……朝霧さん!? どうしたんだいその顔!?」
朝霧 ユラ :
「…………」
朝霧 ユラ :
「……今日、ママと喧嘩しちゃってさ……」
朝霧 ユラ :
「お前はその年になって、まだテレビにも出れないのかって……」
泊里 零一郎 :
「う、ううん……人の教育方針にとやかく言いたくはないけれど、いつもいつもいつも本当に参ったお母さんだね……」
泊里 零一郎 :
「お母さんは子役の頃からテレビに出ていたそうだから、朝霧さんが大人に近づくことを実感して焦ってしまったのかもしれないね……」
朝霧 ユラ :
「…………」
泊里 零一郎 :
「(こ、このまま家に帰すと良くないことになりそうだな……)」
泊里 零一郎 :
「(よし、どうにかお母さんが頭を冷やす時間を作ろう……!)」
泊里 零一郎 :
「……そうだ朝霧さん! 僕はこれからヴァイオリンのコンサートを聴きにいくんだけれど、よかったら一緒にどうだい?」
泊里 零一郎 :
「お偉いさんたちと一緒だから、少し気まずいかもしれないけれど……」
朝霧 ユラ :
「ヴァイオリン……? いいの?」
泊里 零一郎 :
「うん。お母さんには僕から上手く言っておくからさ」
朝霧 ユラ :
「……わかった。行く……」
朝霧 ユラ :
家から逃げたい一心で泊里さんについて行ったけれど……。
朝霧 ユラ :
……客席から壇上でヴァイオリンを奏でる同い年くらいの女の子の姿に、あたしは圧倒された。
朝霧 ユラ :
どうしてこの子は、こんなにも成功して認められているのに。
朝霧 ユラ :
どうしてこの子は、こんなにも音楽の神様に愛されているのに。
朝霧 ユラ :
どうしてこの子は、こんなにも哀しくて、刺々しくて。
朝霧 ユラ :
誰も寄せ付けないような音色を奏でるんだろう。
朝霧 ユラ :
……きっと、あたしよりこの子のほうが、ずっと……。
泊里 零一郎 :
「……いや~。さすが世界的ヴァイオリニスト、優しくて綺麗で、素敵な旋律だったね」
朝霧 ユラ :
「え…………ぅ、うん。凄かったね……!」
朝霧 ユラ :
「泊里さん……」
朝霧 ユラ :
「明日から、レッスン増やしてもらってもいい?」
泊里 零一郎 :
「え、いや、できなくはないけど……無理をすると良くないよ?」
朝霧 ユラ :
「……大丈夫。世界にはもっと辛いのに頑張ってる人もいるんだもん」
朝霧 ユラ :
「あたし、早くそういう人たちの力になりたい」
泊里 零一郎 :
「……そうか。わかったよ」
朝霧 ユラ :
「ありがとう、泊里さん」
朝霧 ユラ :
「あたしにとって、人生で最高の――誕生日プレゼント、だった」
朝霧 ユラ :
「蹄啼……これがあたしとあんたの本当の最初の出会い」
朝霧 ユラ :
「あの聴衆の中のちっぽけな一人だったあたしのことなんか、当然覚えてないだろうけど……」
朝霧 ユラ :
「あのときあんたが大人たちについた嘘の音色が……あたしの人生をドン底から救ってくれたんだ」
朝霧 ユラ :
「そしてきっと、それはあたしだけじゃない……」
朝霧 ユラ :
「だから、諦めろなんて言うなよ」
朝霧 ユラ :
「いまさらひとりが許したからなんなんだって、あんた言ったけど……」
朝霧 ユラ :
「だったらあたしが許すよ」
朝霧 ユラ :
「あんたに今まで傷つけられたみんなに代わって……ほかの誰よりも一番あんたに傷つけられたあたしが許す」
朝霧 ユラ :
「あんたのこと許さない奴がいるならあたしが一緒に謝ってやるし、あんたに死ねって言う奴がいるならあたしが一緒に戦ってやる」
朝霧 ユラ :
「……だから、あんたのことも、あんたの思い出のことも……あたしたちの未来に連れていかせてくれよ」
GM :
……曲が終わり、ユラの奏でるギターが途切れる。
GM :
AILsの声、そしてユラの声はあなたに届いた。
GM :
この説得を振り切って飴家真珠と朝霧ユラを殺してしまうのか。
GM :
それとも、自分を見つめなおして前に進む道を選ぶのか。
GM :
……あとは、あなたが決断するだけだ。
蹄啼 イバラ :
「…………」手を伸ばし、またエフェクトを行使しようとして。
蹄啼 イバラ :
……だが、何もせずそっと下ろす。
蹄啼 イバラ :
「前も言ったでしょう、朝霧さん」
蹄啼 イバラ :
「…………わたくしに勝手に、夢を見ないでください」
蹄啼 イバラ :
「あなたは一人で勝手に救われただけの話、わたくしは何もしていません」
蹄啼 イバラ :
「……わたくしが本当は寂しがりやの女の子、とか期待してるのなら大間違いですよ」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは、ただ痛みを与えることでしかヒトを信じることが出来ない悪い子」
蹄啼 イバラ :
「きっとこんな在り方を変える事もできません」
蹄啼 イバラ :
「……それでも、本当に手を差し伸べる、と?」
朝霧 ユラ :
深く頷いてから。
朝霧 ユラ :
「実際、どうだったよ。あたしを痛めつけて、AILsのみんなも痛めつけて……」
朝霧 ユラ :
「それでもこうしてあんたの手を取ろうとするバカのことを、少しくらいは信じてみてもいいんじゃないか?」
蹄啼 イバラ :
「みなさんをいたぶるのは、最高に愉しかった────」
蹄啼 イバラ :
「とは、言えませんね……何故でしょう……」こんなことは初めてなのですが、と漏らす。
蹄啼 イバラ :
「信じる……信じるですか……わたくしには、重い言葉です……」
朝霧 ユラ :
「……あるいは、あたしが軽く使いすぎなのかもね」
朝霧 ユラ :
「あたしなんか、たかだか親に誕生日フイにされたとこ助けられただけで……ずっとあんたのことを信じてるから」
蹄啼 イバラ :
「……バカなんじゃないですか~?」困ったように
朝霧 ユラ :
「……それだけ、当時のあたしにとっては大きかったんだよ」 いつもの間延びした口調が戻ってきたのを感じて、笑顔で。
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
目を閉じて、蹄啼イバラは回想する。
蹄啼 イバラ :
……自らの歪みの原点、幼い頃のトラウマを。
蹄啼 イバラ :
────ずっと、孤独だった。
物心がついた頃、すぐに母が死んだ。病死だった。
……ただ当時の自分は『死』というものが分かってなくて。
『出来の悪い自分に愛想が尽きて、捨てられたのだ』と思った。
蹄啼 イバラ :
死んだ母の分も、父は自分に愛を注いだ。
「音楽の英才教育」という望まない形の愛を。
蹄啼 イバラ :
────ずっと、居場所がなかった。
周囲が望む「音楽の天才」であるために、それ以外のものを切り捨てた。
ただ期待に応えるために、全ての時間を費やしていた。
蹄啼 イバラ :
……そんな自分は、いつも独りぼっちだった。
何者も寄りつかない高嶺の花。天才というのは、決まって孤独なモノらしい。
蹄啼 イバラ :
────でも、孤独な自分に話しかけてくれた少女がいた。
「綺麗な音色に誘われてきちゃった!」「もう少し、聞いていってもいい?」と。
蹄啼 イバラ :
心に開いた大きな穴を埋めるように、自分と少女はすぐに仲良くなった。
蹄啼 イバラ :
当時の自分にとって、学園生活は世界の全てで。
────そう。”当時の自分にとっては大きかった”のだ。
蹄啼 イバラ :
彼女は、救いだった。
自分の世界を広げてくれた親友だった。
蹄啼 イバラ :
そうだって、信じていた。
蹄啼 イバラ :
……忘れもしない小学四年生の冬、彼女の誕生パーティーが催された。
蹄啼 イバラ :
多くのクラスメイトが集い、彼女の生誕を祝う誕生パーティーの日。
みんなに煌びやかな招待状が配られる中。
蹄啼 イバラ :
自分だけ、招待状が貰えなかった。
蹄啼 イバラ :
彼女は言った。
「イバラちゃんのことを親友だと思ったことなんてないよ、付き合いも悪いし」
「イバラちゃんが『WANANAKI CORPORATION』の人間だから話してあげてただけ」
蹄啼 イバラ :
……ひどく、惨めだった。悲しかった。
結局、親友だと信じていた唯一の相手も、損得勘定で付き合っていただけ。
蹄啼 イバラ :
能力や家柄ばかりで、本当の自分のことを愛してくれてた訳じゃなかった。
蹄啼 イバラ :
……いま思えば、些細なことだ。でも、当時の自分の心はどうしようもなく深く傷付いて。
蹄啼 イバラ :
だから、自らの心を守るために、もう誰も信じないと閉じ籠った。
蹄啼 イバラ :
ヒトは醜いのだからと、幼い心はそんな絶望を無理矢理に受け入れた。
蹄啼 イバラ :
……裏切られるくらいなら、誰も信じたくはない。愛なんて要らない。
蹄啼 イバラ :
そう思って、いたのに。
蹄啼 イバラ :
そう思って、引き返せないくらい過ちを重ねてきたのに。今更。
蹄啼 イバラ :
「怖いんです……また裏切られることが……」目を伏せて、ぽつりと本心を呟く。
朝霧 ユラ :
「……大丈夫。あたしはいつだってあんたの味方だよ」
朝霧 ユラ :
「安い殺し文句だけどさ……命張って来たんだからさ、これくらいカッコつけても許されるだろ」 少し恥ずかしそうに眼をきょろきょろさせながら、言う。
蹄啼 イバラ :
「歯の浮くような台詞を、良くもまあ次々と……」困ったように笑う
蹄啼 イバラ :
少女の上で浮かんでいた血の冠が、ゆっくりと溶けはじめる。
ロッキー :
「そうだね、かっこいい王子は多くは語らないと云うから……」ふむ…、と思案する素振りを見せて
ロッキー :
「僕サマからは、誓いのキスでも贈ろうか?」冗談なのかわからない声色で、イバラに笑いかける
ロッキー :
「キミを裏切らない、ってね」最後までキザっぽく、イバラの前で王子らしさを崩さない
蹄啼 イバラ :
「(……まったく真珠さんの浮気性に嫉妬していたクセに、よく言えますね~)」先程のナーブジャックで心に触れて、その内心に燻っていた思いは知っている。
蹄啼 イバラ :
「……遠慮しておきます。キスなら間に合ってますから」かすかに頬を染めて
ロッキー :
「遠慮することはないのにねぇ」軽く肩を竦めて笑う
多々良那 浅香 :
ボグッ!と、少し上から鈍い音がする。
多々良那 浅香 :
「め゛んどっくせぇな゛ぁ!今のあたしらが嘘ついてるように見えんのかよ゛!!」
彼女が強化ガラスを蹴り上げた音だ。
多々良那 浅香 :
「このお人よし二人……三人!?に今更だろ!後で今までの所業全部ゲロったら!?多分ドン引きすんのあたしだけだからさぁ!!」
多々良那 浅香 :
「ねーよ゛!裏切りなんか!!あ゛たしが後でお前に何するかわからんのを裏切りに含まなければ!!!」
痛みに弱いようで、始終キレている
蹄啼 イバラ :
「少なくとも、浅香さんが怒っているのは本気のようですが~……」イバラの魔眼には、浅香の心が真っ赤な憤怒に染まっているように見える。
蹄啼 イバラ :
「その……心の底からヒトを信じるとは、どういうことか……どうすればいいのか……わたくしには、もう分からないのです……」たじろいで
多々良那 浅香 :
「ぎい゛ぃ゛ぃ゛ごちゃごちゃか゛ん゛が゛え゛す゛ぎ˝……!」
頭をがしがしと掻きたい衝動に駆られるが腕は動かない
”ジョーカー” :
「ふ…………」
”ジョーカー” :
「ふっざけんなよォ……!? こんな三文芝居なんかにぃぃ……!!」
GM :
イバラの心が揺れるのに合わせ、ジョーカーが苦しみ出す……!
飴家 真珠 :
「…………ゲホッ」
飴家 真珠 :
突然、真珠が大きく咳き込む。
飴家 真珠 :
咄嗟に口元を覆った両手の隙間から、夥しい量の血が溢れた。
飴家 真珠 :
何度もまともに攻撃を受け続けていたせいで、真珠の体はとうに限界を超えてしまっているのだろう。
飴家 真珠 :
真珠は全身の傷口から零れて広がっていた血溜まりの中に、力なく倒れてしまう。
蹄啼 イバラ :
「っ、真珠さん……」思わず手を伸ばしそうになる。
蹄啼 イバラ :
だが、自らが傷付けた以上、その資格はないと引っ込める。
飴家 真珠 :
「…………」 イバラが呼ぶ声を聞き、何とか顔を上げて
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ だいじょ うぶ] 震える光の文字を床に描く
朝霧 ユラ :
「蹄啼」 引っ込めようとした手を掴む。
朝霧 ユラ :
「……言っただろ、この子のこと大事にしてあげなって。あたしからのお願いだ」
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「真珠さん、わたくしは────」倒れた真珠へと歩み寄り、その場に膝を折る。
飴家 真珠 :
「…………」 イバラに顔を向けて
飴家 真珠 :
[ほんとに だいじょうぶだから しんぱいしないで]
飴家 真珠 :
[これくらいで わたしはしなないし]
飴家 真珠 :
[それに もしもしんじゃったら]
飴家 真珠 :
[さっきわたしがいった いばらちゃんはころせないって ことば]
飴家 真珠 :
[うらぎっちゃうことに なっちゃうし]
飴家 真珠 :
[だから ほんとうにだいじょうぶだよ]
飴家 真珠 :
息を必死に整えて、イバラに小さく微笑みかける。
蹄啼 イバラ :
「……っ貴女にそこまでしてもらうような資格、わたくしには」その笑顔があまりにも眩しくって、顔を背ける。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
視界が霞んでしまってるのだろう、瞳からいつもの輝きが失われている。
飴家 真珠 :
それでも何とか、イバラの顔を見つめて、
飴家 真珠 :
[ごめん]
飴家 真珠 :
[なんか みんなみたいに きのきいたこと いってあげたいんだけど]
飴家 真珠 :
[ちょっと つかれちゃったみたいで あんまりあたま まわらないや] 申し訳なさそうに笑う
蹄啼 イバラ :
「真珠さん……? 真珠さん……!?」
飴家 真珠 :
だから、あの、えっと……。と、言葉を探すように唇が震えて、
飴家 真珠 :
[わたし いばらちゃんが いっしょにいてくれないと]
飴家 真珠 :
“寂しいよ”
飴家 真珠 :
掠れた息と共に唇をそう動かすと、手を伸ばしてイバラの頬に触れる。
蹄啼 イバラ :
「真珠、さん……っ」
蹄啼 イバラ :
ぽろぽろと、真珠の頬を熱いものが伝う。
蹄啼 イバラ :
……それは、蹄啼イバラから零れた涙だった。
蹄啼 イバラ :
つい先ほど、エフェクトで行使したものとは違う。少女の涙は透き通っていた。
飴家 真珠 :
「……………………」
飴家 真珠 :
真珠はその涙を感じて、安心したように微笑むと、
飴家 真珠 :
ゆっくりと、眠るように瞳を閉じる。
飴家 真珠 :
伸ばした手は力を失って、ぱたんと床に落ちた。
蹄啼 イバラ :
「ぁ、ああ……真珠さん……っ」
蹄啼 イバラ :
「わたくし、わたくし……わたくしも、本当はイヤなんですっ……」
蹄啼 イバラ :
「真珠さんが一緒にいてくれないと、わたくしも寂しいっ……」力を失った真珠の体を抱き締めて。
蹄啼 イバラ :
「みんなを壊したいなんて、愛してほしくないなんて……全部全部、ウソだったんですっ……」
蹄啼 イバラ :
「だから、だから……」
蹄啼 イバラ :
「お願いですから、わたくしを独りにしないでっ……」縋るように、真珠を抱き締める手に力が籠る。
蹄啼 イバラ :
────この期に及んで、自分は誰かを心から信じ切ることはできない。それがどういうことか分からない。自らの心の汚さに自己嫌悪する。
蹄啼 イバラ :
でも、二度と誰かを信じられないと思っていた自分が、貴女のことは信じたいと思えた。
蹄啼 イバラ :
信じてみたくなった。
蹄啼 イバラ :
────みんなと歩む、明るい未来を。
蹄啼 イバラ :
「お願い……信じさせて……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしを、裏切らないでっ……」
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラは、飴家真珠の口元にそっと自らの唇を寄せて。
蹄啼 イバラ :
《生命治癒》を使用!弱っている真珠の体に、自らの血液を分け与えて回復する!
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
ゆっくりと、瞼を開く。
飴家 真珠 :
痛々しかった傷口は塞がっていき、失われた血が戻って顔色が良くなっていく。
飴家 真珠 :
[いばらちゃん いま]
飴家 真珠 :
[もしかして ちゅーしてた?] 目を丸くしながら、ピンク色に輝く文字を見せる
蹄啼 イバラ :
「~~~~っ」バッと離れて
蹄啼 イバラ :
「しましたよっ……! あんまり心配させないでくださいっ馬鹿ぁっ……!!」今度は痛くなるくらい、思いっきり真珠の体を抱き締める。
蹄啼 イバラ :
飴家真珠のロイスを「憧憬/苦手」のN表から『信頼/不安』のP表に!
蹄啼 イバラ :
さらにSロイスに指定します!
飴家 真珠 :
「…………!!」
飴家 真珠 :
[いた いたい いたいよ いばらちゃん]
飴家 真珠 :
そう光の文字を空中に散らしてはいるが、イバラの体を抱きしめ返す真珠の顔は、
飴家 真珠 :
嬉しそうに笑いながら、涙を流していた。
GM :
蹄啼イバラの心を包んでいた溶けない氷が、ようやく溶けだした。
”ジョーカー” :
「こんな……こんな馬鹿なことがあるかよ……!?」
”ジョーカー” :
「俺様が、い、一度ならず、二度までもぉぉ……!」
GM :
たまらず”ジョーカー”は彼女の影から飛び出す。
GM :
二度の敗北を経て、すでにその身体は風前の灯のようだ……!
”ジョーカー” :
「まったくこんなことなら……朝霧ユラなんかに関わるんじゃなかったぜぇ……!」
”ジョーカー” :
「……クク、クク、クククククク……だが、だがなァ……」
GM :
まるでこの期に及んでまだ策があるかのように……いや、実際何かあるのだろう。”ジョーカー”は不敵に笑う。
飴家 真珠 :
「……! ……!!」 ちょっと! あれあれ! と、抱き合っているイバラの背中を慌ててポンポンと叩く
蹄啼 イバラ :
「……っ、ジョーカー!」心を蝕んでいた悪意の塊が抜けて、蹄啼イバラは正気を取り戻す。
……みんなを傷付けた後悔が襲ってくるが、今はそんなヒマは無い。
蹄啼 イバラ :
「真珠さんは下がって、わたくしの失態はわたくしがっ……」立ち上がろうとするが、ふらついてしまう。無理あるエフェクト行使のせいで、イバラの体も限界だ。
泊里 零一郎 :
「だ、大丈夫だ……! もうこいつにそんな大した力があるはずはない……!」
”ジョーカー” :
「フン、俺様はかつて多くの人間の命を犠牲に生み出された万能の願望機……人間の業の象徴……」
”ジョーカー” :
「これだけやられても……人類に悪意がある限り不滅ッ!」
GM :
そう、”ジョーカー”の悪意はもはやあなたたちには通用しない。
GM :
しかし、この会場の人々はどうか? この中に”ジョーカー”の依り代足り得るものがいたとすれば?
GM :
ユラの能力の影響が薄れたいま、観客は少しずつはっきりとした意識を取り戻し始めていた……。
”ジョーカー” :
「さぁて、そろそろタイムアップだ!」
”ジョーカー” :
「ここまで俺様を追い詰めたことは特筆に値するが……」
”ジョーカー” :
「――俺様を消滅させたいなら……同じ命の結晶である、”賢者の石”でも持ってこいってなァ!!」
泊里 零一郎 :
「ず、随分余裕だな……。”賢者の石”の使い手なら、探せばFHにもいくらか……」
”ジョーカー” :
「クク……だが、”今はいない”」
”ジョーカー” :
「お前らはかつてないほど俺様を追い詰めたが……まったく残念だな! この千載一遇の好機を逃すことになるんだからよォ!!」
泊里 零一郎 :
「ぐ、ぐぅぅ……!!」
蹄啼 イバラ :
「賢者の石……極上のEXレネゲイド、そんなものは────」
武者小路 勇姫 :
「く、クソ……しぶとすぎるやろコイツ!? ここまで来て手詰まりなんてこと、許されるんか……?!」
ロッキー :
「まったく、ゴキブリだって死んだらそれっきりだって言うのに……」
ロッキー :
「それにしても石、石か……」なんかそれっぽいのを誰かが持ってたような、と訝しんで
飴家 真珠 :
「…………」 ぽけ……と、不思議そうにジョーカーを見て、
飴家 真珠 :
[あなたって レネゲイドクリスタルがあれば しょうめつさせられるの?] ジョーカーに近づいて
多々良那 浅香 :
「ちょ、あんま無防備に」
”ジョーカー” :
「まあ、今ほど弱った俺様なら一たまりもないかもな? ククク……それが用意できればの話だがな……!」
GM :
真珠が”ジョーカー”に近づこうとした、その時だった。
江戸川 大吾 :
「……ほう、そいつは良いことを聞かせてもらったな」
GM :
真珠の持っていた、”殺戮人形”の残した命の結晶。
GM :
それが光り輝くとともに粒子を放ち……一人の大男のような形を作ってゆく!
飴家 真珠 :
「…………!?」
飴家 真珠 :
パパ……。と、唇が動く。
江戸川 大吾 :
「……悪いな。死者がこうして生きてる奴らの道に出しゃばっちまって」
江戸川 大吾 :
「だが、こいつは俺にとっても因縁の相手だ」
武者小路 勇姫 :
「え、江戸川さんか……!? もしかして……!」
飴家 真珠 :
あ、えっと、あの……、と混乱したように唇が動いた後、
飴家 真珠 :
[ごしょうかいします うちのパパです] へへ……と笑いながら手で江戸川を示して、皆に振り返る
蹄啼 イバラ :
「ぁ、はじめまして~……」
蹄啼 イバラ :
「じゃなくって! どういうことです!?」
ロッキー :
「へぇ、これが『パパ』って人なのかい……」物珍しそうにマジマジと見つめて
ロッキー :
「随分とデカイね!」 どこから来たのかはあえて突っ込まず、頼りがいがありそうだと頷いて
多々良那 浅香 :
「真珠ちゃんの死んだパパ……レネゲイド何でもありすぎる……」
江戸川 大吾 :
「……真珠……いい仲間を持ったようだな」 みんなを一瞥して、深くは語らず。
飴家 真珠 :
「…………っ」 もう二度と聞けないと思っていた声に名前を呼ばれて、涙が溢れて来るが、
飴家 真珠 :
「……!!」 それを指で拭って、笑顔で頷いてみせる。
朝霧 ユラ :
「優しいお医者さん……。またこうして会うなんてね」
朝霧 ユラ :
「あの時は……ごめん」
江戸川 大吾 :
「構わんさ。あんたのお陰で、真珠は死なずに済んだ。辛い役目を背負わせて悪かったな」
江戸川 大吾 :
「それより……今はこいつだろう、問題は」 ”ジョーカー”のほうに向きなおる。
飴家 真珠 :
[それなんだけど パパ]
飴家 真珠 :
[よーこちゃんからきいたよ パパって レネゲイドクリスタルの てきごうしゃだったんでしょ?]
飴家 真珠 :
[だから そのちからで わたしはゆめのなかで みんなとおはなしできたって] 手に持った結晶を見せる
江戸川 大吾 :
「……その通りだ」
江戸川 大吾 :
「若気の至りで本当にバカなことをしたが……まさか死んでから役に立つとはな」
”ジョーカー” :
「え、え、え、江戸川ァ!?? まさか……!」
江戸川 大吾 :
「……忘れたとは言わせんぞ、”ジョーカー”。そうだ、俺だ。江戸川大吾だ」
江戸川 大吾 :
「貴様に唆されてジャームになり果てた……哀れな女を愛した、哀れな男さ」
”ジョーカー” :
「そんなことあったかーー!?? あ、あったかもしれないな……!??」
江戸川 大吾 :
「まさか、一度ならず二度までも貴様に人生を滅茶苦茶にされるとはな……」
飴家 真珠 :
[わたし ぜんぜんしらなかったんだけど]
飴家 真珠 :
[そんな いんねんがあったの?] 驚きながら見上げる
江戸川 大吾 :
「当たり前だ。……俺の過去なんか、お前らに背負って欲しくなかったからな」
江戸川 大吾 :
「……だが、こうして自慢の娘のお陰で、俺にもようやく復讐の機会が回ってきたというわけだ」
”ジョーカー” :
「た…………」
”ジョーカー” :
「助けてくれーーー!!! 相棒ーーーー!!!!」
GM :
ジョーカーは崩れ落ちる身体を必死に引きずって黒沢の方へとすり寄ろうとする……!
黒沢 優作 :
「……良かったじゃないか、相棒」
黒沢 優作 :
「お前も俺と同じ……これでようやく、”悪役”という業から解放されるわけだ」 ニヤリと笑い
江戸川 大吾 :
「……真珠。お前にひとつ教え忘れたことがあるな」
飴家 真珠 :
「……?」 首を傾げる
江戸川 大吾 :
「喧嘩のやり方だ。いいか、腰に力を入れて、思いっきりぶっ放してやれ」
江戸川 大吾 :
「俺がお前の拳に、この石の力を乗せてやる……!」
飴家 真珠 :
「…………」 結晶を見つめて、
飴家 真珠 :
[わかった ちからをかして パパ] 力強く握りしめて、江戸川を見上げる
江戸川 大吾 :
「……ありがとう」
江戸川 大吾 :
「情けないパパで苦労をかけたが……最後くらい、パパをヒーローにさせてくれ」
飴家 真珠 :
[なにいってるの?]
飴家 真珠 :
[パパは であったときからずっと わたしたちのヒーローだよ] 微笑みかける
”ジョーカー” :
「クソーーーーッ!!! 黒沢の野郎、裏切りやがってーーッ!!!」
GM :
もはやなりふり構っていられない。自らの依り代に適正があるかないか、そんなものは関係なくとにかく観客の誰かに憑りつこうとする……!
多々良那 浅香 :
「どこ行こうとしてんだオ゛イ!!」
多々良那 浅香 :
ジョーカーの行く道が仄かに光ったかと思えば、落雷が奔る。
多々良那 浅香 :
向かう相手を変えれば、その間にまたしても落雷。
多々良那 浅香 :
観客の安全は……あまり考慮されていない。もしかしたら火傷を負っている人間もいるかもしれない。しかしその威力が、ジョーカーを霧散に至らせる脅威になりうる。
多々良那 浅香 :
「ラスボス後のミニゲームのつもりかぁ゛!?ム〇ュラじゃねぇんだぞ!!」
”ジョーカー” :
「ギャーーッ!!」
GM :
悪意の化身である”ジョーカー”に電撃の直接的なダメージがあるわけではない。
GM :
しかし、乗り移った瞬間に雷を落とされればいまの力では復活できない可能性もある。普段は大して効果のない攻撃にも細心の注意を払って回避せざるを得ない……!
”ジョーカー” :
「早く、誰か……誰でもいい……そ、そうだ!!」
”ジョーカー” :
「次はお前だァァァァァ!!!」
GM :
”ジョーカー”はロッキーの僅かな怒りに反応して飛び掛かる。
GM :
同じAILsの仲間であれば、浅香も躊躇すると踏んでのことだ。
ロッキー :
「……まったく、節操ないね!」冷え切った眼差しで、飛び掛かって来たジョーカーを靴底で踏みつける
ロッキー :
その所作に滲み出るのは苛立ち。ジョーカーにより操られたイバラと、それに連なった真珠を害しかけたことへの怒りだ。
ロッキー :
「キミにはとても怒っているんだよ? イバラ姫のこともそうだし…ああそうだ、姫のことを傷つけようとしたのも2回目だったね?」カフェでのバイトと、さっきのことだ。
ロッキー :
「ほんとは散り散りのバラバラにしてあげたいけど…まあ…」
ロッキー :
ふと、踏みつけていた足を軽く浮かせる
”ジョーカー” :
「何だァ……!?」
ロッキー :
「……僕サマはキミを許そう! とてもかんだい?だろう?」
”ジョーカー” :
「ハァ……!?? ふざけたことを言いやがって……!」
ロッキー :
「ま、その対価として……」
ロッキー :
スゥ、と右足が後ろへスイングして
ロッキー :
「キミの命をもっての赦しだけど、ねッ!」 思い切りジョーカーを蹴飛ばして、皆の包囲網の中心まで吹っ飛ばす!
”ジョーカー” :
「ッ何ィィィ!?」
GM :
ジョーカーはキックで輪の中心へと押し戻される。
GM :
それは、本来であれば時間稼ぎにもならない小細工だっただろう。しかし、苦難を乗り越え真の絆を得たAILsのチームワークの前では話は違う。
蹄啼 イバラ :
「……っ」すかさず手を掲げて、血の茨を伸ばす。
蹄啼 イバラ :
ブラム=ストーカーの血流操作。
反動を伴うエフェクトの行使に、全身が悲鳴を上げる。
激しい痛みに、少女の体は軋みを上げている。
蹄啼 イバラ :
「……ふふ」
蹄啼 イバラ :
だが、蹄啼イバラは笑っていた。
蹄啼 イバラ :
────いつか言ったはずだ。
『痛みこそが真実』
『追い詰められた時こそ、ヒトは真の姿を晒す』
蹄啼 イバラ :
────であるならば。
『皆のために必死に戦っている今の自分』も嘘偽りのない真実。
……そう思えたコトが、何故だか嬉しかった。
蹄啼 イバラ :
「先程はよくも、やってくれましたね~」
蹄啼 イバラ :
しゅるりと、ジョーカーに血の茨が絡み付く。
蹄啼 イバラ :
……もうジョーカーは逃げられない。
茨の棘は、藻掻けば藻掻くほどに深く突き刺さる。
蹄啼 イバラ :
「簡単に死ねるとは思わないことですね────そう言いたいところですが」
蹄啼 イバラ :
「ロッキーさんが赦すと言うのならば、わたくしも赦して差し上げましょう」
蹄啼 イバラ :
「……だってそう、貴方に沙汰を下すのはわたくしではありませんし~」
蹄啼 イバラ :
「さあ、最期はどんな声で鳴いてくれるでしょうか~」にこにことジョーカーを見下す。
”ジョーカー” :
「ハ、ハハハハハ……オイ、冗談だろ……?」
”ジョーカー” :
「俺様が人間ごときに負けるなんて……こ、これは悪い夢だ……そうに違いない……!」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
イバラの治療で傷は治ったが、失われた体力まではまだ戻っていない。
飴家 真珠 :
真珠は体を引きずるように歩きながら、ジョーカーへと近づいて、
飴家 真珠 :
[ジョーカー]
飴家 真珠 :
[わたしね あなたのこと ころしてやりたいくらい にくんでる]
飴家 真珠 :
[だけど いっぱいかんがえたんだけど]
飴家 真珠 :
[やっぱり やめようとおもったの]
飴家 真珠 :
[あなたのこと かわいそうなひとだと おもったから]
飴家 真珠 :
[ひとの いやなかんじょうをエネルギーにして いきていかなきゃいけないなんて]
飴家 真珠 :
[そんなの じぶんではきづいていないだけで ほんとうは すごくつらいことだとおもうから]
飴家 真珠 :
いつかパラディンと対話した時と同じことを、光の文字にして伝える。
”ジョーカー” :
「や、や……やめろーーーーッッ!!! 貴様ごときのカスが俺様の気持ちを語るんじゃない!!」
飴家 真珠 :
[ごめん かってだったね] 困ったように小さく笑って
飴家 真珠 :
[だけど わたしがどうおもってるかなんて どうだっていいの]
飴家 真珠 :
[パパや よーこちゃんたちが あなたのことゆるさないって いっているんだから]
飴家 真珠 :
[わたしは えどがわセルの いきのこりとして]
飴家 真珠 :
[あなたのことを みんなにかわって たおすだけだよ]
飴家 真珠 :
真珠は《ワーディング》を使用。
飴家 真珠 :
刹那、血に塗れたステージを塗り替えるように、甘いお菓子のような香りが会場の隅々まで広がっていく。
飴家 真珠 :
そのレネゲイドに呼応するように、右手に持った命の結晶が白光を放ち始めた。
飴家 真珠 :
真珠はその結晶を、力強く握りしめる。
飴家 真珠 :
結晶から溢れ出す輝きが拳を覆い、ビリビリと大気を震わすのを感じて、ジョーカーは悟るだろう。
飴家 真珠 :
今ここに、己を討ち滅ぼす程の莫大なエネルギーが生み出されていることに。
飴家 真珠 :
[さいごに なにか いいのこすことはある?]
飴家 真珠 :
ジョーカーの目の前まで辿り着き、ピンク色に輝く光の文字を見せる。
”ジョーカー” :
「死ね、死ねェェェェッ!!!!!」
GM :
生まれながらの純粋悪、そしてジャームである”ジョーカー”には、言葉を残したい相手などいない。
GM :
最初から望みは人間の破滅のみ。内心では自分が消滅することを受け入れられず、真珠の慈悲もかなぐり捨てて効くはずのない呪詛を吐き続ける。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
その姿を憐れむように、悲し気に見つめた後、瞼を閉じるが、
飴家 真珠 :
「…………!」
飴家 真珠 :
次に瞼を開いた時、その瞳に漲っていたのは、強い決意だけだった。
飴家 真珠 :
真珠は床を力強く踏みしめ、その身体を限界まで捻って拳を振りかぶる。
飴家 真珠 :
[さようなら ジョーカー]
飴家 真珠 :
そして、声無き叫びと共に、腰の入った渾身の右ストレートが放たれた。
飴家 真珠 :
光の尾を引くその拳が、ジョーカーの黒い顔面を真っ向から打ち砕く!
”ジョーカー” :
「グ、ガァァーーーーッッ!!!!」
GM :
拳が突き抜けたところからジョーカーを構築する影が雲散霧消し……その空白がどんどん広がっていく!
”ジョーカー” :
「な……なんて馬鹿な奴らだァ……!!」
”ジョーカー” :
「俺様を消滅させたところで…………人間の悪意が底なしなことには代わりない……!」
”ジョーカー” :
「お前たちに待っているのは……永遠に続く自らの悪意との戦いだってのによォォ……!!」
江戸川 大吾 :
「”ジョーカー”……。お前の言っていることは正しい」 真珠と一緒に突き出していた、拳を下げる。
江戸川 大吾 :
「だが敢えて言おう……『それがどうかしたか?』」
江戸川 大吾 :
「当たり前のことを当たり前に言って、罪と戦って生きようとする人間を嘲笑する……」
江戸川 大吾 :
「そんな中身のないお前に、最初から勝利なんてものはないのさ……!」
”ジョーカー” :
「く…………!!!」
”ジョーカー” :
「クソ人間どもがァーーーッ………………」
GM :
文字通り負け犬の遠吠えともに、”ジョーカー”は消滅……。
GM :
こうして、長きにわたる悪意の輪廻に、ひとつの終止符が打たれたのだった。
GM :
シーンエンド。
◆バックトラック
GM :
バックトラックの時間だーー!!!
飴家 真珠 :
帰還するぞー!
ロッキー :
帰るぞ!
多々良那 浅香 :
なんと、期待値+1で等倍も可
GM :
Eロイス
ジョーカー 愚者の契約
鏡像(ユラの取り巻き) 悪夢の鏡像 x3
鏡像(ユラ) 悪夢の鏡像 変異する悪夢 虚実崩壊
GM :
計7つあります! ジョーカーが頑張り過ぎ
飴家 真珠 :
いっぱい持ってたよ
ロッキー :
これだけで帰還してやりますぞ~
飴家 真珠 :
じゃあ、わたしは三つ使おうかな!
飴家 真珠 :
140-3D10(140-3D10) > 140-18[5,3,10] > 122
蹄啼 イバラ :
わたしは1つだけ使おうかしら~
蹄啼 イバラ :
116-1d10(116-1D10) > 116-2[2] > 114
多々良那 浅香 :
1個使おう
多々良那 浅香 :
いや、2個だな!
多々良那 浅香 :
127-2d10(127-2D10) > 127-9[8,1] > 118
多々良那 浅香 :
良い塩梅
ロッキー :
4つ使おう!
ロッキー :
4d10-150(4D10-150) > 23[5,7,7,4]-150 > -127
ロッキー :
も、もう1個使っていいか!?
ロッキー :
127-1d10 ちょっと追加(127-1D10) > 127-2[2] > 125
ロッキー :
どっちにしても!
飴家 真珠 :
大人しく二倍で振りな…!
ロッキー :
そうしよう…
飴家 真珠 :
じゃあ、四つのロイスを普通に振ります!
GM :
おねがい!
飴家 真珠 :
122-4D10(122-4D10) > 122-15[1,1,3,10] > 107
飴家 真珠 :
Dロイス悪夢の効果で119%までバックトラック成功になるので、帰還!
ロッキー :
2倍で振ろう!
ロッキー :
125-8d10 どりゃっ(125-8D10) > 125-52[6,9,6,6,8,8,2,7] > 73
ロッキー :
帰還!
多々良那 浅香 :
等倍で参ろう参ろう参ろうよ
多々良那 浅香 :
118-5d6(118-5D6) > 118-20[4,3,6,4,3] > 98
GM :
セフセフ
多々良那 浅香 :
素晴らしい
蹄啼 イバラ :
めちゃめちゃギリギリですごい
蹄啼 イバラ :
わたくしも等倍で~
蹄啼 イバラ :
114-5d10(114-5D10) > 114-40[7,9,9,8,7] > 74
蹄啼 イバラ :
出目がすごい
GM :
ブレ幅のすごさよ、では全員無事帰還したので、エンディングに行きましょう!
Scene 14 カーテンコール
GM :
”ジョーカー”との戦いが終わり、事件には一応の決着がついた。
GM :
じきにこの会場には、UGNの情報処理班などがやってきて騒がしくなるだろう。
GM :
偶然が引き寄せたこの場の一同が再会することは、もしかしたらないのかもしれない。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[おわったみたい] みんなに振り返って、笑いかける
ロッキー :
「スカっとした終わりだったねぇ…」
ロッキー :
「姫たちも僕サマも流石に満身創痍だ。もう指一本も動かせないや……」
ロッキー :
「ま、腕も指もオシャカなんだけど!」
武者小路 勇姫 :
「ほ、ホンマよかったぁ……一時はどうなることかと……」 ほっと胸を撫でおろす。
江戸川 大吾 :
「真珠……よくやったな」
飴家 真珠 :
「…………!」 嬉しそうに笑って
飴家 真珠 :
[パパもね でてきてくれて ほんとにありがとう]
飴家 真珠 :
[ゆめでみんなと はなしてたときは よんでもでてくれなかったから びっくりしちゃった]
江戸川 大吾 :
「本当は出てこないつもりだったんだが、洋子の奴がうるさくてな……」
江戸川 大吾 :
「お陰で、ヤツを倒す機を逃さずに済んだんだから感謝しなきゃな」
GM :
江戸川は真珠の頭を撫でる。
GM :
実体がないので、触れることはできないが、微かな温かみを感じる。
GM :
……ふと気づけば、江戸川の身体を構成する粒子が、少しずつ消えていっている。
飴家 真珠 :
「…………」 撫でられて、幸せそうに笑っていたが、
飴家 真珠 :
「…………!?」 身体が消えていることに気付き、目を見開く
飴家 真珠 :
[パパ これ からだが] 顔を上げて
江戸川 大吾 :
「……レネゲイドクリスタルに蓄積されたエネルギーを使っちまったんだ。当たり前だろう」
江戸川 大吾 :
「よく持ってくれた方だと思うよ。……まあ本当は、洋子たちにこの機会を譲ってやりたかったが……」
飴家 真珠 :
「…………」 動揺したように、結晶に目を落として、
飴家 真珠 :
[パパたちは これからどうなっちゃうの?] 不安そうに尋ねる
江戸川 大吾 :
「……わからん。だが、少なくともこうやってレネゲイドビーイングとして見える形で現れることはもうできないだろうな」
飴家 真珠 :
そっか……。と、寂しそうに俯いてしまう。
江戸川 大吾 :
「だが……お前がみんなに会ったように、夢でまた会うことくらいはできるかもしれない」
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
[ほんとに?] 顔を上げる
江戸川 大吾 :
「……おい、まさか毎日とか、そういう頻度で会えることを期待してはないだろうな?」
飴家 真珠 :
「……?」 そう思っていたらしく、不思議そうにしている
江戸川 大吾 :
「……悪いがそれは無理だろう。こっちからお前の精神に干渉できるのはたぶん、かなりレアなケースだ。今回はそこのあんちゃんが変な波動を出していたからたまたまかみ合ったようだが……」
黒沢 優作 :
「お、俺……!?」 自分を指さし
飴家 真珠 :
[くろさわさん なにかしてたっけ?] 首を傾げる
黒沢 優作 :
「本当に心当たりがないが……俺には人の記憶を読んだり誰かの頭に飛ばしたりする能力があるから、あの時はそれが暴走していたのかもな」
江戸川 大吾 :
「そういうことだ。つまり、再現性がない」
飴家 真珠 :
[じゃあ これからまいにち ぼうそうしてもらうとか] 笑顔で人差し指を立てる
黒沢 優作 :
「俺の罪ってそこまでしないと償い切れないか……?」
多々良那 浅香 :
「死んじゃうよぉ」
蹄啼 イバラ :
「暴走するならお手伝いしますよ~」似た能力で
江戸川 大吾 :
「……死人のために生きてる奴らに迷惑をかけるんじゃない」
飴家 真珠 :
[うそうそ じょうだん じょうだん] 笑いながら、黒沢の肩をぽんぽんと叩いて
飴家 真珠 :
[あのとき よーこちゃんにあえたときも これでさいごかもっておもってたもん]
飴家 真珠 :
[それなのに パパともまたあえて そんなのもうじゅうぶんすぎる くらいだよ]
江戸川 大吾 :
「……そうか。安心したよ」
江戸川 大吾 :
「次にいつ会えるのかは、神様だけが知るってとこだが……」
江戸川 大吾 :
「またな。真珠」
GM :
江戸川の身体が透けていく。また会える希望はあるとはいえ、残された時間はわずかだろう。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[うん]
飴家 真珠 :
[あんしんして みまもっていて]
飴家 真珠 :
[ゆめでまたいつ あえるのか わからなくても]
飴家 真珠 :
[わたし きっと もうさびしくないよ]
飴家 真珠 :
[みんな いっしょにいてくれるから]
飴家 真珠 :
イバラたちに振り返って、そう笑って見せる。
蹄啼 イバラ :
「真珠さん……」頬を染めて
ロッキー :
「ま、寂しくさせるなんて王子たる僕サマがさせないけどね」いつも通り、キザっぽく
多々良那 浅香 :
「おうともさ!」 にっこり
飴家 真珠 :
ね、と江戸川に微笑む。
江戸川 大吾 :
「……娘をよろしく頼んだ」
飴家 真珠 :
「…………」 最後に一歩、江戸川に近づいて、
飴家 真珠 :
[またね パパ] ピンク色の光の文字を浮かばせた後、
飴家 真珠 :
“大好き”
飴家 真珠 :
と、笑顔で唇を静かに動かした後、江戸川の透けた体を抱きしめる。
GM :
実体はない。それでも確かな温かみを感じながら。
GM :
江戸川の姿は、真珠を抱き返すようにして、どこかに消えて行った。
飴家 真珠 :
「…………」 掌を開く。そこに確かにある結晶を、しばらく見つめて
飴家 真珠 :
「……………………」 目を瞑って、優しく結晶を握りしめた後、
飴家 真珠 :
[じゃあ これからどうしよっか!] くるんと回って、みんなに笑顔で振り向く
ロッキー :
「うむ、僕サマはと~っても……」
ロッキー :
「やすみたい!!」
武者小路 勇姫 :
「ぷっ、ははははは! それは確かにそうや……」 思わず笑ったあと、どっと疲れが出て肩を落とす。
多々良那 浅香 :
「ねー、もうほんと、疲れ…………」
多々良那 浅香 :
「…………」
多々良那 浅香 :
「あー、ヤバい、ヤバいヤバい」
脂汗を浮かべて硬直している
飴家 真珠 :
「……!?」 どうしたの? と不思議そうに見る
多々良那 浅香 :
「アドレナリン切れてきた、あたしは使い物にならなくなります、よろしく」
ヤバイヤバイヤバイ……とつぶやきながら
蹄啼 イバラ :
「あ、浅香さん……?」その様子に駆け寄って
多々良那 浅香 :
「シィーー……痛いっす、普通に、皆もそうだと思うんスけど、シィーーーー……」
多々良那 浅香 :
「てか普通に日常生活送れん!!!飯も風呂も着替えもトイレも行かれんけど!?!?優秀なオーヴァードのあたしだってこれ治すのに数日かかりますけど!?!?」 絶叫
飴家 真珠 :
[わたしが おせわしてあげよっか?]
飴家 真珠 :
[ごはんも おふろも おきがえも おといれも ぜんぶやってあげるよ!] 笑顔で自分を指差して
蹄啼 イバラ :
「…………はい?」
ロッキー :
「手足のない生活はさぞ不便だろうからねぇ。でも、真珠姫のお世話付きなら百人力なんじゃないかな?」うむうむと頷いて
多々良那 浅香 :
「……しかし、そう、この責任はイバラちゃんが取るべき……」
蹄啼 イバラ :
「そ、そうですよ……わたくしのせいでそうなったのですし、真珠さんがお世話するのはおかしいです……」
多々良那 浅香 :
「の、ところを……!」
多々良那 浅香 :
「なんと……!」
多々良那 浅香 :
「今回に限り……!」
多々良那 浅香 :
「真珠ちゃんにお願いさせていただきますぅ~~……」
脂汗だくだくで大変に苦しそうだがにやけ面で
飴家 真珠 :
「……!!」 やったあ! と兎のようにぴょんぴょん跳ねる
蹄啼 イバラ :
「どうして、この流れでそうなるのですか……!?」自分から蹄啼イバラが責任を取るべきだと言ったはずだ。
多々良那 浅香 :
「いやがらせ……!」 ひぃひぃと息を切らせながら
蹄啼 イバラ :
「コレが嫌がらせになる、と思っている意味も分かりませんが~……!!」
蹄啼 イバラ :
「と、とにかく! 真珠さんのお世話はダメです……!!」
蹄啼 イバラ :
「真珠さん自身、怪我を負っているのですし、此処はわたくしが────」
蹄啼 イバラ :
「爺やにおねがいして、看病の手配をいたしますよ」自分ではやらないつもりらしい。
ロッキー :
「ここはイバラ姫が自ら看病する流れだろ~?」 ボロボロの右手でツンツンと
蹄啼 イバラ :
「わたくし、看病なんてしたことがありませんし~……」
蹄啼 イバラ :
「ステージと同じく、適材適所が大事かと~~……」つつかれながら、困ったように笑う。
多々良那 浅香 :
「しょうがないにゃぁ、ローテーションで許したろ」
多々良那 浅香 :
「あと看病ってか怪我の介護だから、代わりに色々やってもらうってだけだし平気平気……これを機にSNS運用とか学ぼうぜあたしの元で」 コンプラは教えてもらえない
蹄啼 イバラ :
「ローテーション……それはつまり……」
蹄啼 イバラ :
「爺や、婆や、爺や、爺や、婆や、爺や、婆や……のような……」あくまで自分がやるという考えはない。
飴家 真珠 :
「……???」 え、わたしは? と自分の顔を指差してる
多々良那 浅香 :
「なっんでだよ!イバラちゃんがやるの!それかアレでも良いよ?真珠ちゃんと一緒にとか!もうなんなら3人ともウチ来て助けてくれい!」
ロッキー :
「それは俗にいうハーレム、というヤツじゃないか! 王子がほーしするのはおかしな話だけど……経験してみるのも悪くないかもしれないね」案外乗り気だ
ロッキー :
「イバラ姫もやろ~じゃないか~、浅香姫をお世話してみよ~じゃないか~」
蹄啼 イバラ :
「ええ~~……わたくし、忙しいのですが~……」
蹄啼 イバラ :
「まあ、そうですね……」
蹄啼 イバラ :
「身から出た錆というか、わたくしが傷付けた訳ですから────浅香さんのお望み通りにしてあげるのが、スジではあります、よね……」
飴家 真珠 :
[ジョーカーのせいなんだから いばらちゃんは ぜんぜんわるくないけれど]
飴家 真珠 :
[みんなで あさかちゃんちにおとまりして おせわするの たのしそう!]
飴家 真珠 :
だからやろうやろう、と笑顔でイバラの腕にくっつきにいく。
蹄啼 イバラ :
「ぁう……わ、分かりましたよ~……」くっつかれて赤面している
多々良那 浅香 :
「いえ~い、これでしばらく安寧が約束されたぜ……」
多々良那 浅香 :
「じゃぁ、片付けとか撤収は任せっからさ……うお、顔ぐちゃぐちゃ」 泊里君を見て
泊里 零一郎 :
「し、失礼……」 ハンカチで涙を拭って
飴家 真珠 :
[もしかして ないてたの?] びっくりしてる
泊里 零一郎 :
「ああ……、どうしてだろうね」
泊里 零一郎 :
「僕は蹄啼さんのことがあんなに憎かったはずなのに、今はこの光景を嬉しいと思うことができる」
泊里 零一郎 :
「……きっと飴家さんが、”ジョーカー”とともに僕の心も溶かしてくれたんだろう」
飴家 真珠 :
[そんな わたしはたいしたこと していないきがするけれど]
飴家 真珠 :
[でも れーいちろーさんが いばらちゃんのこと ゆるしてあげれてよかった!] イバラにひっついたまま嬉しそうに笑う
蹄啼 イバラ :
「…………まだ謝罪の言葉さえ口にしていないのに、本当にヘンな人達」
朝霧 ユラ :
「……へへ」 その光景を見て、とても嬉しそうに微笑んで。
朝霧 ユラ :
「さて……あたしはこれからどうしようかな」
蹄啼 イバラ :
「どうするって、何がですか?」
蹄啼 イバラ :
当然、アイドル業界に復帰するのだろう。と思っていたので、きょとんとしている
朝霧 ユラ :
「いや……いまさらコズプリに帰れないだろ……」
朝霧 ユラ :
「あたしはあいつらのこと好きだけどさ……あいつらはそうじゃないんだもん」
飴家 真珠 :
[じゃあ べつのじむしょにいくとか?]
武者小路 勇姫 :
「うーん……ウチの社長に相談してみる?」
蹄啼 イバラ :
「弱小地下アイドル事務所に……?」シンプルに口が悪い。
多々良那 浅香 :
「敵じゃんw」
武者小路 勇姫 :
「悔しいけど、それはマジでそう。今UGNプロにゆららが入ったら、ゆららの事務所になってまうな……」
ロッキー :
「いっそ一人でやってみるっていうのは?」思い付きを口にするだけしてみる
朝霧 ユラ :
「ん~……確かにそれもアリかな。お金は返さなきゃいけないけど、どのみちあたしにできることなんて芸能界の仕事くらいだし……」
飴家 真珠 :
「……?」 首を傾げる
飴家 真珠 :
[べつにそんなこと ないとおもう]
飴家 真珠 :
[ゆららなら アイドルはもちろん むいてるのかもしれないけど]
飴家 真珠 :
[だからって アイドルにこだわること ないんじゃないかな?]
飴家 真珠 :
[ゆららなら きっとなににだって なれるよ] 微笑みかけながら、光の文字を見せる
朝霧 ユラ :
「飴家……」
朝霧 ユラ :
「へへ、ありがとう。……ホントのことを言うと、あたしはやってみたいことがあるんだよね」
飴家 真珠 :
「……!」 そうなんだ! と両手を合わせる
蹄啼 イバラ :
「やってみたいこと、ですか~?」
朝霧 ユラ :
「……あたしは作曲家になりたい。もっとギターとか、楽器の勉強もしたい」
朝霧 ユラ :
「あたしの歌いたい歌はもう歌えたから。次は誰かが歌う手伝いをしたいんだ」
朝霧 ユラ :
「あと正直アイドルよりも作曲家のほうがたぶん儲かるし……。違約金、早く返さないとだから……」
朝霧 ユラ :
「まあ、あんたからしたら鼻で笑うような目標かもしれないけどな」
蹄啼 イバラ :
「……笑いませんよ」
蹄啼 イバラ :
「楽器やレコーディング設備くらいは、ライバルのよしみで貸してさしあげます」
蹄啼 イバラ :
「……いろいろ借りもありますしね」
蹄啼 イバラ :
「せいぜい、頑張ってみてください朝霧さん」
朝霧 ユラ :
「お、おお……」
朝霧 ユラ :
「本当にこんな日が来るなんてな……ありがと。頼らせてもらうよ」
蹄啼 イバラ :
「礼は要りませんよ~♪ 借金苦で首が回らなくなったら、身体で払ってもらいますからね~♡」冗談めかして言う。これくらいの方が気兼ねなくていい。
朝霧 ユラ :
「は、もうそんな気ない癖に……」 ちょっと照れて
飴家 真珠 :
[いばらちゃんが えっちなこといってる] 口元を両手で隠しながら驚いている
朝霧 ユラ :
「……この子、そういう認識ちゃんとあるんだ」
蹄啼 イバラ :
「真珠さんじゃないんですから、ハレンチなコトなんて言ってません……! 今のは朝霧さんを生きた楽器に、という意味で……!!」
蹄啼 イバラ :
「ああ、もう……! 説明が面倒……!!」
飴家 真珠 :
「?????」 何も分かっていない顔してる
ロッキー :
「(えっちってなんだろう…)」首を傾げて
泊里 零一郎 :
「あ、朝霧さん……アイドルとしては、本当に引退してしまうのかい……!」 さっきせっかく顔を拭いたのに、俯きながら顔面崩壊している。
朝霧 ユラ :
「泊里さんも大袈裟だな……」
GM :
その後は泊里をみんなでなだめたりしながら、UGN・FH合同で会場の後始末などを行い
GM :
長い戦いの果てに希望を掴んだあなたたちは、それぞれの日常へと帰っていくのであった。
Scene 15 多々良那浅香 エンディング
多々良那 浅香 :
都内某所、マンションが立ち並ぶ一角。
多々良那 浅香 :
周囲のそれと比べ、防音設備、防犯設備その他諸々の一層整ったとあるマンション。
多々良那 浅香 :
の、高層、とある一室の前。
多々良那 浅香 :
「というワケで、今日から持ち回りしてもらう都合上皆に一回上がってもらった方が良いと思ったわけですな」
多々良那 浅香 :
マンションの廊下で、ギャグのように両手をグルグル巻きにされた多々良那浅香は言うのであった。
飴家 真珠 :
[あさかちゃんのへや くるのはじめてだね] 嬉しそうに
ロッキー :
「おたくほーもん、ってヤツだね! ついに浅香姫のプライベートに踏み込んでしまうというワケだ!」 新調した義手を元気よく掲げて
蹄啼 イバラ :
「ふ~む、これが集合住宅というものですか~」もちろん外から見たことはあるが、実際に足を踏み入れるのは初めてなので、物珍しそうにしている。
多々良那 浅香 :
「ね~、二人が寮住みだからなんだかんだそっち行くのが多かったのよねん」
多々良那 浅香 :
「そんでイバラちゃんは初マンションか。流石ぁ……ここはグレード良い方だけどね」
蹄啼 イバラ :
「"流石"と言われても、世間知らずなだけで恥ずかしいですが~」確かにグレードが高いだけあって、小綺麗に作られていると感心して。
飴家 真珠 :
[いいから はやくはいろ! どんなおへやかきになる!] 朝香の服の裾を指で軽く引っ張って
多々良那 浅香 :
「バッグの右のポケットに鍵入ってるから開けてぇん」 体を傾けてそっちを差し出す
飴家 真珠 :
はーい、とすぐにバッグを開けて鍵を取り出す。
飴家 真珠 :
[じゃあ あけるね] わくわくしながら鍵を差し込んで回し、扉を開く。
多々良那 浅香 :
お高いマンションらしくスムーズに扉が開き、暗がりが顔を出す。何の変哲もない廊下が奥へと続いていた。
多々良那 浅香 :
「たらいま~~」 するりと身を滑らせて靴を脱ぎ、裸足でぺたぺたと進んでいく。
多々良那 浅香 :
「あ、スリッパ、か………」
多々良那 浅香 :
「あった方が良い…………?」 三人の足元を見る。裸足?靴下勢?
蹄啼 イバラ :
「……逆に、来客用の履き物がないなんてコトがあるんですね~」黒いストッキングを穿いている。
ロッキー :
「こーいう時はオキニナサラズ? って言えばいいのかい?」同じくストッキングだ
飴家 真珠 :
[あるとうれしいけど なくても だいじょうぶ!] 白いニーハイ履いてる
多々良那 浅香 :
「ありがっとぅあ!そもそも来客が数年ぶりってワケ。来たとしても配信者友達で身だしなみもクソもないヨゴレみたいな奴だから気にしたこと無かったワ」
多々良那 浅香 :
「スリッパね~~、あったかな~」 片足で器用に玄関横の靴箱を開ける。買って履いていないスニーカーや、何やらよくわからない紙ごみがごろごろとまろび出た。
蹄啼 イバラ :
「…………」目の前に落ちてきた紙屑に、顔を顰める。
飴家 真珠 :
[いいよいいよ! ちらかっちゃう!] 慌てて靴箱から出たものを拾い上げて
ロッキー :
「スリッパ程度、どうということはないさ! 中に上がってもいいかい? というか上がるね」
多々良那 浅香 :
「ああ、いいのに!上がって上がって、そしたらどーしよっかな」
多々良那 浅香 :
「とりあえず案内か。そっちの扉がトイレでそっちがお風呂~、でこっちがリビングあっちが配信部屋!」 半開きだったリビングの扉を軽いタックルで開く。
多々良那 浅香 :
高いマンションに見合う広いリビングだが、ほとんど使用している様子はない。テレビは多少使用感があるが、それ以外は全くと言って良いほどだ。
飴家 真珠 :
[わあ ひろい!] 壁にある照明のスイッチを押して明かりをつけよう
ロッキー :
「広いねぇ、リビング! ここだけで暮らせそうだよ!」感嘆として見回して
ロッキー :
「ああそうだ、扉の開け閉めとか辛ければ言っておくれよ? お世話するために来たんだからサ」タックルして開けていたのを見て
多々良那 浅香 :
「そうねぇ、全部あけときゃ良いっちゃ良いけど、トイレとかお風呂とか……ああ普通に配信部屋もダメだな、そしたらお願いしよ」
ロッキー :
「うむうむ、頼りたまえ~?」
ロッキー :
「……で、はいしんべや? というのはどこだい? ここより大きい部屋?」キョロキョロと扉を見て
多々良那 浅香 :
「うんにゃ、そっちは後でね。でこっちキッチンね~ぃ」
多々良那 浅香 :
所謂ダイニングキッチンというやつだ。が、こちらも食器類がほとんどない。
多々良那 浅香 :
一人暮らしだからと言えばそれまでだが、大変に味気ない雰囲気に仕上がっている。電子レンジやトースター、冷蔵庫などの備えはしっかりあるため、一人暮らしを始めた瞬間のモチベーションの高さだけは伺える感じだ。
多々良那 浅香 :
シンク横には同じカップ麺の空き容器が重ねてある。
飴家 真珠 :
「…………」 空き容器を見つめて
飴家 真珠 :
[あさかちゃん もしかして あんまりじすいしない?]
多々良那 浅香 :
「全ッ然しないね、ウィンナー焼くとかさえしないよ。お金があるとね~インスタントかウーバーでよろしいんですね~」
飴家 真珠 :
そういうものなんだ……。と、浅香を見て、
飴家 真珠 :
[でも わたしがきてるときは わたしがつくってあげるね!]
飴家 真珠 :
[おりょうり とくいなほうだから!] 笑顔でグッと握り拳を作る
多々良那 浅香 :
「いぇーい!!なんなら調理器具とか食材とかガンガン買っちゃって良いぜ!そん時はカード貸すから!」
飴家 真珠 :
「……!」 やったあ! と手を挙げている
蹄啼 イバラ :
「……それはいいですが、このゴミは何故、こうして放置されているのですか?」積み重ねられた空の容器を見下して
多々良那 浅香 :
「………理由、でございますか……い、忙しいから?」
蹄啼 イバラ :
「…………忙しいから~? ふ~~ん、なるほどなるほど~? それなら致し方ないのかもしれませんね~?」
多々良那 浅香 :
「そりゃもうねぇ……?歌にダンスにイラストに配信に大忙しのマルチクリエイターですからねぇ……?」
蹄啼 イバラ :
「まあ、いいでしょう。マルチクリエイター様ともなれば、わたくしよりずっとお忙しいようですし~」にこりと笑って
飴家 真珠 :
「……?」イバラちゃんより忙しいの……? と不思議そうに見ながら、勝手に空き容器を水で軽く洗い流している
ロッキー :
「これぐらいならサッと捨てにいけそうだけどねぇ」無遠慮に
多々良那 浅香 :
「ヘヘ……よせやいっ」
蹄啼 イバラ :
「褒めてませんよ」
蹄啼 イバラ :
「でもまあ、思っていたより片付いているのは確かですね~」そもそも風呂に入っていないと聞いていたので、まだ空き容器程度は許容範囲だ。
飴家 真珠 :
[ね! だらしないってきいてたのに] 綺麗に洗い流した空き容器をゴミ箱に捨てて
多々良那 浅香 :
「ヘヘ……」 使ってないだけなのだ。
多々良那 浅香 :
「真珠ちゃん早速ありがとうね……そいだらあたしのメイン生活空間行きますか~、配信部屋へGO~!」
ロッキー :
「GO~!」一緒になって
飴家 真珠 :
「……!」 GOGO! と手を上げながらついていく
蹄啼 イバラ :
「……なんです? このノリ?」苦笑しながら、小さく手を上げる。
多々良那 浅香 :
廊下の途中、他と大して見目の違わない部屋の前に到着。
多々良那 浅香 :
「では王子様~、扉をお願いいたしま~す」
ロッキー :
「任せたまえっ! ではでは……」取手に手をかけて
ロッキー :
「おーぷんっ!」一瞬貯めてから、配信部屋の扉を開く!
多々良那 浅香 :
……配信部屋には煌々とした電気が点っていた。どうやら、眠るとき以外は四六時中つけっぱなしのようだ。しかし部屋を明るく照らし、生活に彩りをもたらすはずのそれが、この部屋の凄惨さを際立たせてしまっていた。
多々良那 浅香 :
まず目に入ってきたのは、あらゆる色彩。混沌。彼女の駆る機体ヒドゥニスに施されたグラフィティと見紛うそれはしかし、アートなどでは決してない。
多々良那 浅香 :
本棚から溢れ平積みされた本、脱ぎ捨てられたカラフルな衣服の山、壁にかけられた様々なジャンルのタペストリー、ショーケースに所狭しと並べられた窮屈そうなフィギュア、おそらくゴミであろう謎の紙類……に混ざる提出期限の切れた書類、埃を薄っすらと被ったケーブル類、ビル群のように端に寄せられた化粧品、単為生殖生物のように群れるエナドリ缶、配信画面の画角なのか、むしろ不自然に整えられた自身のグッズエリア………
多々良那 浅香 :
そして最後に、部屋の最奥に鎮座する彼女が配信活動をするための最低限のエリア。デスクと、椅子と、ゲーム機と、パソコンと、カメラ。
蹄啼 イバラ :
「…………」大きく目を見開いて
蹄啼 イバラ :
「……………………」
蹄啼 イバラ :
「ゴミ箱????」絶句した後に漏れたのは、そんな罵倒だった。
ロッキー :
「おー、イバラ姫が僕サマの思考を読み取ってくれたよ」
飴家 真珠 :
「…………」 部屋に入った時の笑顔のまま、固まってしまっている
多々良那 浅香 :
「全員入るにはちょっと狭いね~、オラ退けッ」 足で衣類を端に蹴飛ばしながら、奥へ入っていく
飴家 真珠 :
「…………!!」 はっ、と我に返って
飴家 真珠 :
[ちょっとまって あさかちゃん!!] 浅香の目の前にクソデカ赤文字を出す
多々良那 浅香 :
「あ、はい!なんでしょうか!!」 びっくり
飴家 真珠 :
[これなに!?] 部屋中を指差す
多々良那 浅香 :
「部屋、となっております!!」
飴家 真珠 :
[へやなの!? あしのふみばも ないよ!?]
蹄啼 イバラ :
「ある意味、芸術ですね~……どこまで怠惰であれば、ここまで汚せるのか……」
ロッキー :
「冬眠前のリスみたいだね、溜まり具合が」失礼するよ~と《軽功》で壁を歩いている
多々良那 浅香 :
「足場はねぇ……このようにねぇ……」 よっ、ほっ、と、飛び地のようになったスペースを跳ねる。つまり言葉通りの"足の踏み場"だけならあるよ、と言わんばかりだ。
多々良那 浅香 :
「いや~……そうねぇ、何処に何があるかは分かってるし、すぐとれる場所にあるしって思ってたらねェ~……こうなってました」
蹄啼 イバラ :
「義経の八艘飛びじゃないんですから……」呆れた様子で
飴家 真珠 :
「…………」 信じられない……。と、顔色が悪くなって、へなへなとイバラに寄り掛かる
蹄啼 イバラ :
「あ、ああ……真珠さん、お気を確かに~……」しなだれてきた真珠を抱き留めて
飴家 真珠 :
[こんなおへやで せいかつできるわけないよ……] 身体を預けながら
多々良那 浅香 :
「生活していた私は何かこう……真珠ちゃん的に人の理から外れちゃってる感じで……?」
飴家 真珠 :
「…………」 ちょっと悩んで
飴家 真珠 :
「……………………」 まだ悩んで
飴家 真珠 :
[そういうわけじゃないけど すごいな っておもった] 言葉を選んだ文字を浮かばせている
蹄啼 イバラ :
「真珠さんにここまで言わせるなんて、凄まじいですね浅香さん……」
ロッキー :
「すごいね、姫が必死に言葉をつむいでいるよ。やるねぇ浅香姫」
多々良那 浅香 :
「ワァ……トロフィー達成です」
多々良那 浅香 :
「え、そのー……ウーン……なんか、せっかくだから皆で一緒に配信したいな~……なんて思ってたんだけどォ~……」
多々良那 浅香 :
「このままだと、無理そ?」
飴家 真珠 :
「…………」 何とか気を持ち直し、イバラから離れて
飴家 真珠 :
「!!!!」 両手で全力でバツを作る
ロッキー :
「僕サマからもお掃除の進言をさせてもらおう!」 いつの間にか天井で胡坐をかいている
蹄啼 イバラ :
「控えめに言って、足を踏み入れたくもないですね~」部屋の前で二人に同調する。
飴家 真珠 :
[おそうじしよう! あさかちゃん!!]
多々良那 浅香 :
「クァ~~……し、ますかァ~~……掃除……職業病なこと言って良い?」
飴家 真珠 :
「?」 首を傾げる
多々良那 浅香 :
「掃除の配信しても良い?」
飴家 真珠 :
「!?!?!?」
飴家 真珠 :
[え いや でも それは]
飴家 真珠 :
[いいの? はいしんして] 動揺してる
飴家 真珠 :
[みんなにみられちゃうけど このおへや]
多々良那 浅香 :
「まぁ部屋がクソ汚いのってリスナー結構知ってて……そこの祭壇あるでしょ?」 と、彼女のグッズが置いてある妙に整った一角を指して
飴家 真珠 :
「……?」 周知の事実だったことにも驚きだが、そっちを見る
多々良那 浅香 :
「部屋があまりに汚くてねぇ、そこだけ整えて映しとけってリスナーの助言があってそうなってんの」
蹄啼 イバラ :
「羞恥するべき周知の事実……」頭が回ってないのか、そんなことを呟いている。
飴家 真珠 :
[いばらちゃんも つかれちゃってる]
ロッキー :
「ラップみたいだね?」 イバラの言葉にクスっと
ロッキー :
「ま、配信は好きにしてくれたまえ! 僕サマはとにかくゴミを捨てて捨てまくるぞ!」
飴家 真珠 :
[リスナーさんがもうしってるなら わたしもぜんぜんかまわないよ]
飴家 真珠 :
[はいしんしたほうが あさかちゃんも たのしみながら おかたづけできそうだしね] 小さく笑って
蹄啼 イバラ :
「……もう、サラマンダーのオーヴァードを呼んで、一気に焼却処分した方が話が早いと思うのですが~」
飴家 真珠 :
[かじになるよ!]
蹄啼 イバラ :
「燃えてもいいですよ、こんな部屋」
多々良那 浅香 :
「その、あにょ、できれば捨てるものなどはあたしの意向を聞いていただけると……」 もじもじしながらブラックドッグとしての能力を駆使してPCを操作、配信準備を整えていく
蹄啼 イバラ :
「…………浅香さん? いま何か言いました~????」
多々良那 浅香 :
「アレ?なんか……雰囲気、戻られました?」 絆とか……と語尾を弱めながら、配信準備が完了する
蹄啼 イバラ :
「……はあ」溜め息を吐いて
蹄啼 イバラ :
「いちいち確認していたら、いつまで経っても片付きませんよ~? 本当に必要そうな時だけで構いませんね~?」
ロッキー :
「下着とかは残してあげるよ!」 よいしょ、と着地できそうな場所に
多々良那 浅香 :
「パンイチにする気なん?」
飴家 真珠 :
[はいしん できなくなっちゃう!]
ロッキー :
「じょーだんじょーだん、でも服は洗濯機に放り込んでおくからね!」
多々良那 浅香 :
「ア、オネシャス!洗剤は……多分あると思います!」
飴家 真珠 :
たぶんなんだ、と苦笑してる。
飴家 真珠 :
[とにかく びっくりはしちゃったけど がんばろっか!]
多々良那 浅香 :
「おっしゃ、配信ツイートヨシ、配信準備ヨシ、休日昼間だから待機同接良好!」
蹄啼 イバラ :
「……良好じゃないのは、この部屋だけですね~」
多々良那 浅香 :
「……それも今から良好になるので四方ヨシ!」
蹄啼 イバラ :
「…………」にこりと笑いかける
飴家 真珠 :
「……!」 もう配信始まっちゃうよ、とイバラのほっぺたをぷにぷに触る
蹄啼 イバラ :
「まったく、仕方ないヒトですね~……」膨らんだほっぺたを突かれ、溜め息が漏れる。口では悪態をついているが、実のところ満更でもない。
多々良那 浅香 :
「それじゃいっくよ~、3、2、………」
多々良那 浅香 :
「おはさか~!今日はスペシャルな回だぜ!!」
多々良那 浅香 :
ある日突然配信された、『【大掃除】アイドルの自室には宝物が眠っているらしい【AILs】』というライブは中々の盛況を見せた。
多々良那 浅香 :
配信開始時点での部屋の惨状を見、古参はなつかしさを覚え、新参は恐怖に慄いた。そんな汚部屋を新進気鋭ユニットAILsがただ掃除する、という、あまりにニッチな配信だった。
多々良那 浅香 :
そんなことをして大丈夫なのかというコメントは多々あった。が、本当に不味いもの(個人情報記載の書類、下着等)が映りそうになった瞬間それらにはリアルタイムでモザイク処理が施され、本当の意味での放送事故には至らなかった。
多々良那 浅香 :
それはそれとして、「両手怪我してるから掃除できない」という旨を冒頭にサラッとしただけのせいで、『こいつは一人ぺちゃくちゃ喋って何をしているんだ?』という方向で炎上はしたらしい。
多々良那 浅香 :
ただ、AILsを追いかけていたファンにとって素晴らしい配信となったのは確かだった。明らかに以前よりも内心的な距離が近づいていて、始終和やかな雰囲気があった。真珠の包容力やロッキーの朗らかな気配り、イバラが普段ステージで見せる雰囲気とのギャップ等、魅力に溢れた配信になった。
多々良那 浅香 :
なんだかんだと掃除は進み、日も暮れはじめ。
多々良那 浅香 :
随分と片付き、かの混沌もようやっと退散させられたように見えた頃。
多々良那 浅香 :
「っと、掃除参加できないからってちょっと喋りすぎたか。もうこんな時間」
多々良那 浅香 :
「うし、じゃ~~今日は配信ここまで!2回行動するかはわからん!そん時は告知する!」
多々良那 浅香 :
「今日はただ世話されるだけさかだったけど、一応持ちつもたれつでやってるからさ!いやマジでマジで!」
多々良那 浅香 :
「AILsは今後も楽しくよろしくやっていくから、そっちも応援よろしくゥ!」
多々良那 浅香 :
「そんじゃ、おつさか~!」
Scene 16 蹄啼イバラ エンディング
蹄啼 イバラ :
────多々良那浅香のお掃除配信から一週間後。
蹄啼 イバラ :
芸能事務所、ファム・ファタールにて。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
真珠は部屋にあるソファに腰かけて、一冊の雑誌を楽し気に読んでいる。
飴家 真珠 :
表紙に大きく書かれているのは“イタリア”の文字。
飴家 真珠 :
まだもう少し先になるが、随分とイタリア旅行を楽しみにしているらしい。
飴家 真珠 :
旅行雑誌を何度も読んでは、皆で行ってみたいイタリアの名所などを調べているようだった。
蹄啼 イバラ :
────飴家真珠が雑誌に熱中していると。
蹄啼 イバラ :
その視界の端、一人の少女が映り込む。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラ。彼女は飴家真珠にも気付かない様子で、スタスタと廊下を通り過ぎていく。
蹄啼 イバラ :
……彼女が向かう先は、おそらく事務所地下だろう。
蹄啼 イバラ :
というのも、飴家真珠はこのところ、似たような光景を何度か見かけていた。
蹄啼 イバラ :
────いったい、地下に何の用事があるのか。
蹄啼 イバラ :
以前、気になって少し尋ねてみたのだが、その時は適当にはぐらかされてしまっていた。
飴家 真珠 :
「……!」 イバラに気付いて顔を上げて
飴家 真珠 :
イバラちゃん、と光の文字を出して呼ぼうとした直前、前にはぐらかされた時の記憶を思い出す。
飴家 真珠 :
「…………」 遠ざかっていくイバラの背中をジッと見つめてから
飴家 真珠 :
「!!」 笑顔になって、何か閃いたように、手のひらをポンと軽く打つ
飴家 真珠 :
「…………」 ソファから楽し気に立ち上がると、忍び足でそろそろとイバラの後を追い始める
蹄啼 イバラ :
耳が良いはずの蹄啼イバラだったが、他のコトに気を取られているためか、真珠の尾行に気が付く様子はなかった。
蹄啼 イバラ :
────ファム・ファタール事務所地下。
蹄啼 イバラ :
天井の脇に取り付けられたLED照明だけが照らし出す、なんとも薄暗い廊下を抜けて。
蹄啼 イバラ :
蹄啼イバラが消えた先は、「音楽室」という表札がかけられた一室だった。
蹄啼 イバラ :
……飴家真珠は、ファム・ファタールのアイドルとしては新人。
蹄啼 イバラ :
また二条純恋や泊里零一郎から、特別な待遇を受けているアイドルだ。
蹄啼 イバラ :
故に、この部屋のことを────ファム・ファタールの暗部のことを、その存在さえ知らなかった。
飴家 真珠 :
「……?」 音楽室の表札を、不思議そうに見る
飴家 真珠 :
「…………」 そして、物音を立てないように、ゆっくりと部屋の中を覗いた
蹄啼 イバラ :
飴家真珠は、あまりに無防備に「音楽室」の扉を開く。
蹄啼 イバラ :
……途端、こびりついた血と汗の鉄臭さが鼻をついた。
飴家 真珠 :
「……っ!?」 思わず口元を両手で覆う
蹄啼 イバラ :
覗き込んだ室内は一層、暗い。
蹄啼 イバラ :
……廊下から差し込む薄明りが、部屋の輪郭を照らし出す。
蹄啼 イバラ :
一定間隔で穴の開けられたコンクリートの壁から、鎖が伸びている。
蹄啼 イバラ :
天井から物々しい拷問器具が吊り下げられている。
蹄啼 イバラ :
おおよそ「音楽室」とも思えない。これでは、まるで────
蹄啼 イバラ :
その瞬間。
蹄啼 イバラ :
「────真珠さん?」
蹄啼 イバラ :
部屋じゅうを満たす薄闇の中から、聞き馴染みのある声がした。
飴家 真珠 :
「!!!」 その声を聞き、ハッとして拷問器具ではなく、暗闇の奥を見据える
飴家 真珠 :
[いばらちゃん!] 血の匂いが満たした部屋の中へと踏み込み、声がする方へと焦ったように進み始める
蹄啼 イバラ :
「……どうして、あなたが此処に?」予期せぬ来客に驚いた様子だが、しゅるりと血の茨を伸ばし、入口の傍にあった照明スイッチを点ける。
飴家 真珠 :
「……!」 イバラの姿が見えて、そちらへとすぐに近寄り、
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ!? けがしてない!?] イバラの両肩を掴み、ぶるぶると震える光の文字を見せる
蹄啼 イバラ :
「は、はい……? 怪我はしていませんが~……?」質問の意図が分からない様子で、首を傾げる。
飴家 真珠 :
「…………」 本当に? とイバラの全身を確かめるようにぺたぺた触っていく
蹄啼 イバラ :
「く、くすぐったいですっ……ほんとですから~……」
飴家 真珠 :
「…………」 確かめ終えて、
飴家 真珠 :
[よかった] ひとまず安心したように、大きく息を吐く
飴家 真珠 :
[いばらちゃん ここでだれかにおそわれたのかと かんちがいしちゃった]
蹄啼 イバラ :
「ご心配ありがとうございます~」
蹄啼 イバラ :
「もし襲われても返り討ちにできますから、安心してください?」
飴家 真珠 :
それもそっか、と小さく笑う
飴家 真珠 :
[わたしね いばらちゃんのあとを おいかけてきたの]
飴家 真珠 :
[なんだかさいきん よくちかにいってるみたいだから きになっちゃって] 先程の質問に答える
蹄啼 イバラ :
「なるほど、それで~……」
蹄啼 イバラ :
「…………」何か迷っている様子で、瞳が揺れる。
飴家 真珠 :
「…………?」 どうしたのかと、気になっているようにその瞳を不思議そうに覗き込む
蹄啼 イバラ :
「…………この目にウソは、吐けませんね」本当にズルいですよ、と諦めたように笑って
蹄啼 イバラ :
「この部屋はなんなのか。何故、わたくしがこのような部屋にいるのか」
蹄啼 イバラ :
「真珠さんはその答えが、知りたいですか?」
飴家 真珠 :
「…………」 うんうん、と頷く
蹄啼 イバラ :
「……それならば、お答えしましょう」
蹄啼 イバラ :
「この部屋は、ファム・ファタールが造った"拷問"のための部屋」
蹄啼 イバラ :
「わたくしはかつて、この場所でひどい拷問を行なっていました」
飴家 真珠 :
「……!?」
飴家 真珠 :
[いばらちゃんが? もしかして すみれちゃんにいわれて?] ユラを襲撃したと聞いた時のことを思い出して、そう尋ねる
蹄啼 イバラ :
「そうですね……でも、それだけじゃない……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしは自ら、進んで拷問を行なっていた」
飴家 真珠 :
「……!?!?!?」
飴家 真珠 :
「…………」 そのまま硬直した後、
飴家 真珠 :
またまた御冗談を、と困ったような笑顔になる。
蹄啼 イバラ :
「…………」無言でじっと真珠の目を見つめ、
蹄啼 イバラ :
「本当のこと、ですよ」と漏らす。
飴家 真珠 :
「…………っ」その目を見て、笑みが消える
飴家 真珠 :
[ほんとうに? いばらちゃんが?]
蹄啼 イバラ :
「……いつかお話したかもしれませんね」
蹄啼 イバラ :
「わたくしの目は”ヒトの心を映し出す”魔眼」
蹄啼 イバラ :
「音楽の表現のために、着想のために、ヒトの強い感情を引き出して理解する必要があった────」
蹄啼 イバラ :
「いえ、違いますね……拷問は、わたくしの孤独と人間不信を癒す代替手段だったのです……」
蹄啼 イバラ :
「心の折れた人間は、もう裏切ったりしない……わたくしにとって唯一、信じられる存在だと、そう思っていたから……」
飴家 真珠 :
「……………………」 必死に頭を働かせるように、眉間に皺を寄せて考えて、
飴家 真珠 :
[だから このへやでだれかをいじめていた ってこと?]
飴家 真珠 :
[それでほんとに いばらちゃんは いやされていたの?]
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「どうだったのでしょう……」
蹄啼 イバラ :
「わたくしの目には、ヒトの強い感情が"色彩"という形で視えます」
蹄啼 イバラ :
「鮮やかな色ほど美しいと、そう感じていたのは確かです」
蹄啼 イバラ :
「ただ、そうですね……」
蹄啼 イバラ :
「一厘の美しい薔薇を摘もうとして、その茨で自らも傷付いていたような……」
蹄啼 イバラ :
「今にして思えば、癒しとは違うものだったのかもしれません……少なくとも、わたくしの心が満たされるコトはありませんでしたから……」
飴家 真珠 :
[きっと そうだよ]
飴家 真珠 :
[だっていばらちゃん ずっとくるしそうだったもん]
飴家 真珠 :
[わたしに すむせかいがちがうとか ぜんりょうじゃないとか いったり]
飴家 真珠 :
[ジョーカーにとりつかれたときなんか ほんとうに] あの時のイバラの姿を思い出して、辛そうに目を伏せて
飴家 真珠 :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「善良では、ありませんよ」
蹄啼 イバラ :
「過去の行いを悔いているか?と問われたら、わたくしはNoと答えるでしょう」
蹄啼 イバラ :
「"悪いことをしていた"といった自覚はありますが、いまさら懺悔とかされても困るだけでしょう?」
飴家 真珠 :
[こまるかどうかは わからないけれど]
飴家 真珠 :
[わたしは いばらちゃんのこと やっぱりいいひとだとおもってるよ]
蹄啼 イバラ :
「……貴女たち、わたくしに夢を見すぎなんですよ」溜め息まじりに
蹄啼 イバラ :
「わたくしはきっと、ヴィランのまんま」
蹄啼 イバラ :
「美しい色彩を見るために、機会さえあれば、また拷問に手を出してしまう」自らの内側で蠢く加虐衝動を見つめ
蹄啼 イバラ :
「…………真珠さんと朝霧さんがそんな風に言ってくるので、これまで拷問にかけていた方々は、仕方なく解放しましたけど」このために頻繁に、地下へと足を運んでいたのだ。
飴家 真珠 :
「……!」 そういうことか、と納得して
飴家 真珠 :
[やっぱり いばらちゃんは ヴィランなんかじゃないよ]
飴家 真珠 :
[ほんとうにわるいひとは だれかにいわれて そんなことしたりしないし]
飴家 真珠 :
[そもそも わるいことをしていたなんてじかくも ないとおもうもん]
飴家 真珠 :
そう光の文字を浮かばせながら、真珠は瞼を閉じる。
飴家 真珠 :
思い出しているのだろう。自分を誘拐し、オーヴァードに覚醒させ、身勝手にレネゲイドの研究として使い捨てた、誰かのことを。
蹄啼 イバラ :
「真珠さん……」
蹄啼 イバラ :
そう言ってくれたことに、嬉しそうにふわりと笑って。
蹄啼 イバラ :
「だとしても、いかなる理由があろうと罪は罪……」
蹄啼 イバラ :
「因果応報……わたくしはいつか、ジョーカーと同じ末路を辿るのでしょう……」
蹄啼 イバラ :
「真珠さん」
蹄啼 イバラ :
「……その日まで、傍にいてくれますか?」
飴家 真珠 :
「…………」 しかし、凄く嫌そうな顔をしている
蹄啼 イバラ :
「厭、でしたか……?」真珠の拒絶に、非常に大きなショックを受けている。
飴家 真珠 :
[いやにきまってるでしょ]
飴家 真珠 :
[どうして いばらちゃんが ジョーカーとおなじまつろに ならなくちゃいけないの?]
飴家 真珠 :
[わたしは そんなおわかれのしかた したくないよ] 不満そうに頬を小さく膨らませている
蹄啼 イバラ :
「ワガママですね~……」自分と居ることが嫌がられた訳じゃない、とほっとして。
蹄啼 イバラ :
「わたくしだって、できればお別れはしたくないですよ……」ぽつりと小さく呟く。
飴家 真珠 :
「……!」 真珠の耳がぴくっと動いて
飴家 真珠 :
[だよね! いばらちゃん わたしがいっしょにいないと さびしいっていってたもんね!] ころっと表情を変えて、嬉しそうにイバラの手を握る
蹄啼 イバラ :
「あ、あれ、聞こえてたんですかっ……!?」みるみるうちに顔が赤くなっていく。あのとき、真珠は気を失っていて、聞こえていないと思っていた。
飴家 真珠 :
[なんとなく きこえてたよ!]
蹄啼 イバラ :
「う、うう……恥ずかしい……」
飴家 真珠 :
かわいい~、とイバラをにこにこと見つめて、
飴家 真珠 :
[あとあと いばらちゃんさっき きかいさえあればまた ごうもんするっていってたけど]
飴家 真珠 :
[それもいや! そんなことしてたら わたしといっしょにいるじかん へっちゃうでしょ!]
飴家 真珠 :
[だから もうやらないで!]
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「……なんというか、趣味に没頭する恋人を咎めるみたいな」
蹄啼 イバラ :
「…………微妙なコト、言いますよね~真珠さん」目を逸らし
飴家 真珠 :
「?」 そうかな? と、首を傾げる
飴家 真珠 :
[でも いばらちゃんも さびしかったでしょ?]
飴家 真珠 :
[こんなちかしつで ひとりだけで だれかをいじめてるなんて]
飴家 真珠 :
[そんなことしてるより わたしたちといっしょにいるときのほうが たのしかったでしょ?] 笑顔で決めつけていく
蹄啼 イバラ :
「……むう」押しつけがましい。が、事実なので否定できない。
蹄啼 イバラ :
「まあ、それはそうですが~」
飴家 真珠 :
でしょでしょ、と満足気に頷く。
飴家 真珠 :
[じゃあ ごうもんはもうぜったいに おしまい!]
飴家 真珠 :
[いつかいなくなるとか そんなことかんがえるのも おしまい!]
飴家 真珠 :
[これからもずっと わたしといっしょにいてね いばらちゃん!]
飴家 真珠 :
血の匂いがこびりついた部屋に不釣り合いな、ピンク色に輝く光の文字を躍らせながら、イバラに抱きつく。
蹄啼 イバラ :
「……ああ、まったくもう」
蹄啼 イバラ :
「何から何まで、わたくしの完敗みたいですね」真珠を抱き返し、安らいでいく自分の心を直視する。
蹄啼 イバラ :
「…………約束、ですからね」
蹄啼 イバラ :
「裏切ったら、殺しますよ?」甘い声で耳元に囁きかける。呪いと祈りを込めた言葉を。
飴家 真珠 :
「……!」 びくっと、肩を震わせて
飴家 真珠 :
「…………」 そのまま硬直し、
飴家 真珠 :
「…………?」 そっとイバラから離れて、
飴家 真珠 :
[ちょっとまって いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[なんかそれは ちがうきがするかも] なんだかまた不満そうにしてる
蹄啼 イバラ :
「……何です? 何が違うんです? 言ってみてください?」
飴家 真珠 :
[だっていばらちゃん まえにわたしとした ずっといっしょにいるってやくそく かってにはくしにもどしたでしょ?] ジョーカーに乗り移られた時のことを思い出して
飴家 真珠 :
[それなのに いばらちゃんは こっちがうらぎったら ころすなんて]
飴家 真珠 :
[いばらちゃんが そんなこと いっていいの!?] ビシ! と指差して
蹄啼 イバラ :
「良いんです!!!!」
飴家 真珠 :
[どうして!?]
蹄啼 イバラ :
「逆に、尋ねますが」
蹄啼 イバラ :
「……真珠さんはわたくしを裏切るつもり、なんですか?」不安げに
飴家 真珠 :
[そんなわけないでしょ!]
蹄啼 イバラ :
「それなら問題ありませんよね~?」強引に押し切ろうとしている
飴家 真珠 :
[じょおうさまに もどっちゃった]
飴家 真珠 :
[でも いっか]
飴家 真珠 :
[わかった もしうらぎったら ころしてもいいよ] しょうがないな、と笑う
蹄啼 イバラ :
「ふふ、一度は"殺していい"だなんて啖呵を切ったのですし、今更ですよね~」
飴家 真珠 :
[それもそうかも] えへへ、と笑って
飴家 真珠 :
「…………」 イバラの目を見て、
飴家 真珠 :
[じゃあ これでやくそくね]
飴家 真珠 :
真珠は一歩前に踏み出すと、イバラの唇に優しくキスをする。
蹄啼 イバラ :
「────っ!?!?」
蹄啼 イバラ :
真珠のキスは初めてではない。初めてではないが、それでもまだ慣れないようで、口元を抑えて後退っていく。
そうして、蹄啼イバラは背後にあったテーブルに尻餅をついた。
飴家 真珠 :
「!?」
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ?] そこまでびっくりされると思わず、慌てて近づく
蹄啼 イバラ :
「だいじょうぶ……では、ないかもしれませんね……」
蹄啼 イバラ :
「まったく、貴女は軽率にキスをしすぎなのです……」
飴家 真珠 :
[そんなことないよ!]
飴家 真珠 :
[いまだって やくそくのちゅーだったもん!]
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「同じコト、他の方には絶対しないでください」
蹄啼 イバラ :
「……その時点で、わたくしに対する裏切りと見做しますからね」
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ だいじょうぶ] 本当に分かっているのかいないのか、笑顔で手を振っている
蹄啼 イバラ :
「ほんとに分かっています?」溜め息を漏らす
飴家 真珠 :
[いばらちゃんには これからも おくちにちゅーしてもいいってことでしょ?] わかってるよー、とにこにこ笑っている
蹄啼 イバラ :
「…………」
蹄啼 イバラ :
「…………人前でないのなら、です」
飴家 真珠 :
[もうまえに にかいも ひとまえでしたのに?]
蹄啼 イバラ :
無言でキッと睨みつける。
飴家 真珠 :
「?」 どうして睨まれてるのか分かってない笑顔で、尻もちをついたイバラに手を差し出す
蹄啼 イバラ :
「……はあ、ほんとに困ったひとです」
蹄啼 イバラ :
「どうして、こんなの好きになっちゃったんでしょう」ぎゅっと手を握って。
飴家 真珠 :
[いいじゃない わたしもいばらちゃんのこと だいすきだし] 手を握り返して、起き上がらせる
蹄啼 イバラ :
「…………はいはい」もうその手は食いません。とストレートな愛情表現を受け流す。いちいち真に受けたら身が持たない。
飴家 真珠 :
「……!」 あ、と思い出したように目を大きくして、
飴家 真珠 :
[そういえばわたし いばらちゃんに そうだんしたいことあったんだった]
飴家 真珠 :
[こんどのイタリアりょこうのこと ざっしでいろいろしらべてて ちょっと見てもらってもいい?]
蹄啼 イバラ :
「構いませんよ~。北部のジェノヴァは初めてですが、イタリア自体は何度か行ったことがありますし~」
飴家 真珠 :
[やった! じゃあいこ!] イバラの手を引いて、部屋の外へと向かっていく
飴家 真珠 :
そうして、血のこびりついた部屋を歩いていきながら、
飴家 真珠 :
[ねえねえ いばらちゃん]
飴家 真珠 :
[さっき ひとまえではちゅーしちゃダメって いってたけど]
飴家 真珠 :
と、何か思いついたように笑顔になって
飴家 真珠 :
[それなら これからはこのおへやで ちゅーするのはどう?]
飴家 真珠 :
[もうあきべやだし がんばっておそうじしたら まだつかえるかなーって] えへへ、と笑って
蹄啼 イバラ :
「…………っっ!?」目を見開いて
蹄啼 イバラ :
「は、ハレンチすぎますっ……!!」
飴家 真珠 :
え~? とのんきに笑いながら、真珠は部屋の外へと、イバラを連れ出す。
飴家 真珠 :
薄暗かった廊下は、いつのまにか仄かに明るくなっている。
飴家 真珠 :
真珠の《スポットライト》で、蛍のように小さな光が散りばめられていた。
飴家 真珠 :
二人はそんな優しい光で照らされた道を、笑い合いながら歩んでいく……。
Scene 17 飴家真珠 エンディング
GM :
────東京近郊、某市。
GM :
あなたは泊里に連れられ、江戸川セルのみんなの墓参りに来ていた。
GM :
UGNによって遺灰は地方の共同墓地に無縁仏として埋められていたが、泊里の手配により江戸川の実家近くの寺院が管理する墓地へと移されることとなった。
GM :
今日は、移送が終わったその墓を訪れている。
飴家 真珠 :
[ここに パパたちのおはかがあるの?] 墓地の前で、小さく光の文字を出して尋ねる
泊里 零一郎 :
「ああ。江戸川さんのご家族のお墓が同じお寺で管理されてるみたいでね」
泊里 零一郎 :
「まあ、いろいろ大人の事情があって一族のお墓に入れてあげることはできなかったんだけれど、せめて近くでということでここに移動して貰ったよ」
飴家 真珠 :
[じじょう?] 不思議そうに首を傾げる
泊里 零一郎 :
「ああ……ちょっと、UGNとしてもFHとしても彼についてご実家に説明するのは難しくてね」
泊里 零一郎 :
「もともと家出同然で飛び出されているというのもあるし……僕らがそこに介入するのも変な話だからね」
泊里 零一郎 :
「江戸川さんもそれはご覚悟されていたことだと思う。それに……新しいお墓なら、チルドレンのみんなも一緒に居られるからね」
飴家 真珠 :
「……!」 なるほどなー! と、納得した笑顔になる
飴家 真珠 :
[じゃあ そのおはかはどのあたりにあるのかな? あんないして!] 泊里の服の裾を指で軽く引っ張る
泊里 零一郎 :
「ふふ、お寺ではあまりはしゃがず静かにね。ええと、こっちの方かな」
GM :
そう言うと、高いところにある大き目の墓石の前まで泊里が案内する。
飴家 真珠 :
「…………」 墓石を見て
飴家 真珠 :
[これって パパがおおきかったから おはかもおおきいの?]
泊里 零一郎 :
「い、いや……そういうわけではないけれど……」
泊里 零一郎 :
「10人分のお墓だからね。みんなが窮屈しないように、それなりのものを用意させて貰ったよ」
飴家 真珠 :
「……!」 また、なるほどなー! と笑顔になって
飴家 真珠 :
[それなら わたしがいつかしんじゃったときも ここにはいってもだいじょうぶそうだね]
飴家 真珠 :
[まだまだぜんぜん ながいきするつもりだけど]
泊里 零一郎 :
「だね。江戸川さんもそれを望んでいるだろうし……長生きしてくれないと困るから、いろいろと」 主にみんなのメンタルケアとか
飴家 真珠 :
当然! と、笑顔で頷く。
飴家 真珠 :
[おはかまいりって たしかおはかを あらったりするんだよね?]
飴家 真珠 :
[わたし おみずくんでくるね] そう小さな光の文字を見せて、水道があった方を指差す
泊里 零一郎 :
「うん。僕はそのうちにお線香とか用意しておくよ」
飴家 真珠 :
「!」 おねがい! と笑顔を向けてから、歩き出す
飴家 真珠 :
そうして、二人は墓石を掃除し、線香などのお供え物の準備を済ませる。
飴家 真珠 :
そして、静かに手を合わせ、祈りを捧げるが……。
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
しばらくして瞼を開いた泊里は、合掌したまま、なんだか微妙な表情をしている真珠に気付く。
泊里 零一郎 :
「……ん、飴家さん、どうかしたかい?」 合掌を解いて
飴家 真珠 :
「……!」 泊里を見て、慌てて首を振って、
飴家 真珠 :
[いや ううん どうかしたってわけじゃないんだけど] 手を下ろして、
飴家 真珠 :
[よくかんがえたら おはかまいりにきても なにもつたえることなかったかもって おもって]
飴家 真珠 :
[ほら いつもこれ もってるから]
飴家 真珠 :
困ったように笑いながら、自身の胸元に目を落とす。
飴家 真珠 :
そこには、ペンダントにして首から下げられた、殺戮人形が遺した結晶があった。
泊里 零一郎 :
「そういえば確かに……僕には感じ取ることができないけれど、みんなそこにいるんだもんね」
飴家 真珠 :
うん、と頷いて、
飴家 真珠 :
[たぶんいまごろ じぶんたちのはかをみるって なんかへんなかんじだなって]
飴家 真珠 :
[よーこちゃんが いったりしてそう] おかしそうに笑って
泊里 零一郎 :
「ふふ……楽しいご家族だったんだね」 その様子を見て、出会ったときとの真珠がここまで笑顔になっていることを感慨深く思う。
飴家 真珠 :
また、頷いて、
飴家 真珠 :
[だけど いしきはここにあっても やっぱりだいじだとおもうから] 墓石を見てから、
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん ほんとにありがとう]
飴家 真珠 :
[みんなのことだけじゃなくて これまでのこと いろいろと ぜんぶね]
飴家 真珠 :
改まって礼を伝えて、頭を下げる。
泊里 零一郎 :
「僕のほうこそ……ある意味僕の我儘でアイドルをやってもらったようなのに、なんとお礼を言ってよいものか」 顔を高さを合わせて、同じように頭を下げて。
飴家 真珠 :
[それはたしかに そうかも]
飴家 真珠 :
[よくかんがえたら もうわたしがアイドルやるりゆう ないもんね?] 冗談っぽく笑う
泊里 零一郎 :
「そ、それも確かに……!? いや、なんとしてでも続けて貰わないと……!」 めちゃくちゃ焦って腕を組んでウロウロし始める。
飴家 真珠 :
その狼狽えた様子を見て、口元を両手で隠しながらおかしそうに笑う。
飴家 真珠 :
[だいじょうぶ だいじょうぶ]
飴家 真珠 :
[わたし まだまだアイドル つづけるつもりだから]
飴家 真珠 :
[ファム・ファタールのみんなのこと だいすきだから これからもいっしょにいたいし]
飴家 真珠 :
[それに れーいちろーさんのことを しあわせにできるような アイドルになりたいって いまでもおもってるもん]
飴家 真珠 :
いつか二人で話した時のことを思い出しながら、そう伝える。
泊里 零一郎 :
「……僕はもう、充分幸せだけれど……」
泊里 零一郎 :
「ただ、そうだね。まだまだAILsのプロデューサーとしてやりたいことがある。僕の夢を、飴家さんたちに託しても構わないかな?」
飴家 真珠 :
「……!」
飴家 真珠 :
[もちろん! どんなゆめでも わたしがかなえてあげる!] 笑顔でそう答える
泊里 零一郎 :
「…………武道館。日本武道館での公演」
泊里 零一郎 :
「僕がバンドをやっていたときに夢見て、朝霧さんに託して、それでも叶わなかった夢」
泊里 零一郎 :
「ファム・ファタールとしては何度かやっているし、蹄啼さんなんかはヴァイオリニストとしてもっと世界的な舞台でもやられているけれど、あくまで『AILs』として」
泊里 零一郎 :
「その夢を、君に託すよ。その日まで……いや、その先も。一緒に頑張ろう!」
飴家 真珠 :
「……!?」 口元を両手で隠しながら驚く
飴家 真珠 :
[れーいちろーさん あのときは かなわなかったゆめは えいえんになったって]
飴家 真珠 :
[わたしがどれだけすごいアイドルになっても そのゆめをこえられることはできないかもって]
飴家 真珠 :
[そういってたのに いまは そのゆめをわたしに たくしてくれるの?]
泊里 零一郎 :
「……今の飴家さんたちには、そのくらいの可能性を僕は感じているよ」
泊里 零一郎 :
「それはきっと、朝霧さんもそうだと思う……。だから、彼女は大切な蹄啼さんのことを、君たちに託したんだろうしね」
飴家 真珠 :
「…………」 そっか……と、嬉しそうに微笑んで、
飴家 真珠 :
[わかった]
飴家 真珠 :
[わたし がんばるよ]
飴家 真珠 :
[がんばって れーいちろーさんを ぶどうかんまで つれていってあげる!]
飴家 真珠 :
[だから これからもよろしくね]
飴家 真珠 :
[わたしの だいすきな プロデューサー!]
飴家 真珠 :
両手を胸元に当てながら、希望に満ち溢れた笑顔で、そう伝える。
泊里 零一郎 :
「ふふ……それじゃあ、次は来年のお盆の時期かな。戻って次のイベントに向けてレッスンしないとね」
飴家 真珠 :
「……!」 おー! と、元気に拳を上げる。
GM :
あなたが拳を高く上げると、胸元のペンダントも小さく光ったような気がした。
Scene 18 ロッキー エンディング
飴家 真珠 :
ある穏やかな夜のこと。
飴家 真珠 :
武者小路勇姫は、UGNプロダクション事務所のエントランスの扉を、両手で押し開けて外に出る。
飴家 真珠 :
あの日、真珠とロッキーを守るために負った凄惨な手の怪我は、ようやく完治を迎えていた。
飴家 真珠 :
勇姫はふと気配を感じ、そちらへと視線を向ける。
飴家 真珠 :
見慣れた事務所のすぐ目と鼻の先で、夜の街灯に照らされた二つの人影。
飴家 真珠 :
そこにいたのは、ファム・ファタールのアイドル……飴家真珠とロッキーだ。
飴家 真珠 :
二人は事務所前で、何でもない雑談に興じているようだった。
飴家 真珠 :
真珠が楽しげに身振り手振りで何かを伝えようとし、ロッキーがそれに得意げに応じている姿が見えるだろう。
武者小路 勇姫 :
「…………!?」 見間違いかと思って目をごしごし拭って二度見する
武者小路 勇姫 :
「えっ、真珠ちゃんに、ロッキー!? ……敵地ど真ん中に!?」
飴家 真珠 :
「……!」 あ! ロッキーとの雑談をやめて、そちらに振り返る。
ロッキー :
見られていることに気づいたのか、やあやあ! と手を掲げる。手に持った何かを揺らしながら。
飴家 真珠 :
勇姫ちゃん! と、唇を動かした後、笑顔で走り出して勇姫に飛びつく。
武者小路 勇姫 :
「おーーー!? ひ、久しぶり、真珠ちゃん……!」 思わずにへらとにやけながら受け止めてしまう。
飴家 真珠 :
[ひさしぶり!] 周囲から目立たない程度の、小さな光の文字を浮かばせて見せながら、勇姫にすりすりと頬擦りしてる
ロッキー :
「やっ、センパイ! 元気してるかい?」 ハグしている二人へスタスタと近づいて
武者小路 勇姫 :
「相変わらず無敵すぎる……! お陰様……ってワケじゃないけど、この通り完治したわ!」 手袋なしでも生活できるようになった、元通りの手を見せて。
ロッキー :
「それは何より! 差し入れを持ってきてよかったよ」右手に持った横長の箱をゆらゆらさせて
ロッキー :
「ドーナッツはお好きかい?」
武者小路 勇姫 :
「ドーナツ? 好きやけど……もしかしてミ◯ド勝ってきたん!?」
ロッキー :
「実はね! おいしーぞー、夜中に食べるドーナッツは!」 ふふん、と得意げな顔で
飴家 真珠 :
[あしたは いっぱいうんどうしないと いけなくなるけどね] 満足したのか、勇姫から離れて困ったように笑う
ロッキー :
「ふふふ、それを含めて罪の味なのさ……」
武者小路 勇姫 :
「あはは……。ありがとうな! ちょっと栄養バランス的にはアレやけど、たまにはええやろ。じゃあ例の店でも入ってのんびり食べよか?」
飴家 真珠 :
[もちこんでもいいの? それなら いくいく!] わーい、と勇姫についていく
ロッキー :
「あそこに行くのも久しぶりだね!」ラーメン食べちゃおうかな、などと考えて足を進める
武者小路 勇姫 :
「場所代さえ払えばええはず……もしかしてラーメンもがっつり行こうとしとる!?」 食欲に若干ビビりながら移動する。
GM :
事務所前から移動すること数分……例の中華料理屋の支店にたどりつく。
GM :
真珠にとっては3回目となる来訪。今回も勇姫が合言葉を唱えて店の奥の個室へと案内される。
武者小路 勇姫 :
「ちな、何買うてきたん?」 ミスドのボックスを覗いて。
ロッキー :
「オールドファッションと、チョコついてるのと、黄色いツブツブついてるのと、姫の好きなクリーム入ってるのと、甘くてツヤツヤしてるのと……」とにかくたくさん入っているようだ
飴家 真珠 :
[いっぱい かったね]
飴家 真珠 :
[ゆうきちゃんは どれたべたい?]
武者小路 勇姫 :
「え、ウチはずっとコレ! 凄い量やな……事務所のみんなで食べるん?」 オールドファッションを手に取り。
ロッキー :
「ううん、余ったらRe:tryの方にあげるよ」
ロッキー :
「AILs用のは別にあるのさっ」ヌッ、と同じぐらいの重さの箱が顔を出す
武者小路 勇姫 :
「AILsのみんなってこんな行くん?? これ全部食えるかな、社長の分身とかに頑張って貰うか……」 今はあまり考えないようにしつつ、オールドファッションを齧る。
ロッキー :
「いっぱいあった方が幸せだろう? 余ったら僕サマが食べるし!」グレースドーナツを頬張る
飴家 真珠 :
「………」 両手に持ったエンゼルクリームを、ジッと見つめてから、
飴家 真珠 :
「……!」 何か覚悟したかのように、真剣な表情で一口食べる。
飴家 真珠 :
「…………」 もぐもぐと、小さな口を動かして、
飴家 真珠 :
[おいしい!]
飴家 真珠 :
口元を手で隠しながら、笑顔を二人に見せる。昔はトラウマからお菓子を体が受け付けなかったのだが、何故か最近は食べられるようになったらしい。
ロッキー :
「ふふ、だろう? おいしいものを食べられるって幸せだね」そんな真珠を微笑ましく眺める
武者小路 勇姫 :
「ん~、うまい! 久々にドーナツ食べたけどやっぱええなぁ」
飴家 真珠 :
「……!」 うんうん、と笑顔で頷いて
飴家 真珠 :
[ゆうきちゃんのてがなおった おいわい できてよかった] 嬉しそうに頬張りながら
ロッキー :
「そーだね。なんだかんだ、パフォーマンスにも影響が出てたみたいだったし」前のライブのことを思い出して
武者小路 勇姫 :
「ありがとう。ん、まあ……歌に集中できたし、あれはあれで良かったんかもしれん」
武者小路 勇姫 :
「任務のほうではみんなにだいぶ迷惑かけたけど……」
武者小路 勇姫 :
「結果的には、お陰様で事件解決できたわけやしな」
飴家 真珠 :
[あのあと ばたばたしてたから ちゃんとおれいいえてなかったね]
飴家 真珠 :
[ほんとうに ありがとう ゆうきちゃん] ドーナツを食べるのをやめて、勇姫を見て
ロッキー :
「ん、僕サマからもお礼言わせてよ。意識のない僕サマを連れ出してくれたし、あの後もジョーカー追いかけたりしてくれたし……」
武者小路 勇姫 :
「どういたしまして! へへ、地上アイドルふたりからこんな良くしてもらってええんかな……!?」 改めてにやけてしまう
飴家 真珠 :
[いいの! ともだちなんだから] えへへ、と笑う
ロッキー :
「そ、僕サマたちの仲じゃあないか」うんうん、と
GM :
そんな風に和やかに話をしていると、勇姫のほうの端末に着信が入る。
武者小路 勇姫 :
「失礼……あ、姉ちゃんからや」 ドーナツを紙皿の上に置くと、画面を見て。
飴家 真珠 :
[ゆうきちゃん おねえちゃん いるんだ]
武者小路 勇姫 :
「おう、警察でレネゲイド関係の仕事してるからたまに連絡来るんよ。って最近になって知ったんやけどな」
武者小路 勇姫 :
「で、黒沢の事件の処分に関する報道、解禁されたらしい」
飴家 真珠 :
「……!」 そうなの!? と目を丸くする
ロッキー :
「お、どうなったんだい」少し身を乗り出して
武者小路 勇姫 :
「表向きには……というか実際にもやっぱり、ムショには入らなあかんらしい。なんせやったことがやったことやしな……。10年は食らいそうや」
飴家 真珠 :
「…………」 悲しそうに目を伏せる
ロッキー :
「10年かぁ…とほーもないね…」記憶が1年近くしかない身だ
武者小路 勇姫 :
「江戸川セルの件が立件されてたら間違いなく死刑やから、それを思えば本人からしたら軽すぎるくらい……って思てるやろうけどな」
武者小路 勇姫 :
「ただ、あいつはちゃんと反省しとるし、能力も調査に役立つものやから、ただの囚人じゃなくて場合によっては警察に協力して司法取引を……みたいな話もあるみたい」
武者小路 勇姫 :
「なんか映画みたいな話やな……。って言うてもオタクのノリすぎて、二人には伝わらんかもしれんけど」
飴家 真珠 :
[えいがは そこまでくわしくないけど それならよかったのかな]
飴家 真珠 :
[はやく めんかいにいって あげなくちゃ] 少し表情が明るくなる
武者小路 勇姫 :
「ん、そうしてやってくれ。……そういえば、二人ともこれからもファムファタ続けんねんな?」
武者小路 勇姫 :
「どう? ウチの社長からいろいろ聞いとるからさ……正直やってけそう?」
飴家 真珠 :
[もちろん!]
飴家 真珠 :
[わたし ぶどうかんにいくって もうきめたから!] 笑顔で両手をグッと握りしめる
武者小路 勇姫 :
「武道館! さすが最大手は言うことがちゃうなぁ……!」
ロッキー :
「僕サマもやる気十分さ!」うん、と浅く頷いて
ロッキー :
「姫たちのことも守って……あー……」ちょっと言葉を濁らせて
武者小路 勇姫 :
「……ん、なんか気になることあるん?」
飴家 真珠 :
「?」 ロッキーを見る
ロッキー :
「んー、いや……大したことないけどさ~」少し視線を俯かせてから
ロッキー :
「センパイってさ」そのまま、視線を勇姫に向けて
武者小路 勇姫 :
「うん?」
ロッキー :
「本気の僕サマのこと、倒せる?」唐突にそんなことを言ってみせる
武者小路 勇姫 :
「すごいこと聞くな!? う~ん……せやな」
武者小路 勇姫 :
「多分いける……? 少なくとも一方的に負けるような感じはせんかな? って言うと、ウチが凄い自信家みたいやけど、正直なところはそんな感じ」
ロッキー :
「おっ、それはよかった!」
ロッキー :
「僕サマが僕サマじゃなくなったとき、安心してセンパイに任せられるね」
ロッキー :
…などと、一方的に話題をぶつけて満足している。
武者小路 勇姫 :
「縁起でもないことを!? いやまあ、考えなきゃアカンことではあるけど……!」
飴家 真珠 :
[でもどうして そんなこというの?] 悲し気にロッキーを見て
ロッキー :
「……この前、ジョーカーを倒した時……」
ロッキー :
「ジョーカーに操られたイバラ姫が、僕サマに何かしてきた後のこと……二人は覚えているかな?」少し声のトーンが落ちる。ナーブジャックを受けた時のことだろう。
ロッキー :
「あっ、アレに関してはイバラ姫は悪くないよ! ジョーカーがやったことだからね」慌てて訂正して
飴家 真珠 :
[もちろん おぼえているけれど]
飴家 真珠 :
[でも それはろっきーちゃんも わるくないことだよ?]
ロッキー :
「真珠姫ならそう言ってくれると思ったよ」
ロッキー :
「でも違うんだ。あの時の僕サマは……」
ロッキー :
「……ちゃんと気持ちがあった。胸を張り裂くような、内側からドロドロした何かが溢れ出て、それが殺意に変わる瞬間があった」自分の気持ちをなんとか言葉にしようと
ロッキー :
「甘いカラメルでも、煮立ちすぎると焦げて苦くなっちゃうだろう? そんな感じの……」
ロッキー :
「……とにかく、あの時は意識はハッキリしていた。その上で、真珠姫を……」下唇を噛んで
ロッキー :
「殺そうと、したことに……僕サマは悔しくて……」
ロッキー :
「しかも2回もだ、姫を殺そうとしたのは。今までは運が良かったんだ」
ロッキー :
「センパイと、レイイチローくんが止めてくれたから……」
ロッキー :
「でも、次はそうじゃないかもしれない。誰も止めてくれる人はいないかもしれない」
ロッキー :
「そう考えるようになってから、ちょっと……」溜息を吐きながら、顔を覆って天井を仰ぐと
ロッキー :
「……みんなの傍にいるのが、怖くなった」
ロッキー :
「浅香姫を傷つけてしまうかもしれない。イバラ姫を裏切ってしまうかもしれない。真珠姫を今度こそ殺してしまうかもしれない……」
ロッキー :
「……大事な家族なんだ、みんな、僕サマの……」最後にたどたどしく、そう呟く
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
真珠はロッキーの目をジッと見つめた後、
飴家 真珠 :
隣に座る彼女の体を、優しく抱きしめる。
ロッキー :
「……ふふ、なぐさめかい?」弱音を吐露したのが恥ずかしくなったのか、ちょっと意地悪な声色で
武者小路 勇姫 :
「こらこら、そう言うな」 意地悪言うロッキーを軽く窘めて
ロッキー :
「むぅ、ごめんよぉ。胸がトゲトゲしてたんだ」ごめんね、と真珠の肩をぽんぽんと
武者小路 勇姫 :
「ん、わかればええ。そういう風にナイーブになってしまうのもわかるしな」
武者小路 勇姫 :
「ウチは自分が暴走したり操られたりってことは今までないから、ロッキーの悩みをちゃんと理解してあげられるわけとちゃうけど……」
武者小路 勇姫 :
「仲間がそうなったのは何回か見てるし、ウチが引導渡したこともあるから、その立場から言えることはある」
武者小路 勇姫 :
「この世界、意外と気にしてない……! それで傷つけられた方は……!」 何故か倒置法で、深いのか浅いのかよくわからないことを力強く語る
ロッキー :
「なんだか言葉に力強さを感じる……!」
武者小路 勇姫 :
「……まあ、それでも引導渡さなアカンくなったときは正直めちゃくちゃ辛かったけどな……」 急にしょぼしょぼになる
ロッキー :
「しぼんじゃった。センパイも大変だったみたいだね…」
ロッキー :
「ああでも、殺して欲しいワケじゃあないよ。センパイを悪い人にはしたくないからね」
武者小路 勇姫 :
「ほんとに取り返しがつかんようになってまうパターンっていうのもあるんやけどさ、なんていうんかな」
武者小路 勇姫 :
「暴走するのってオーヴァードやったら当たり前の事やし、少なくともAILsのみんなはロッキーが暴走したからって簡単に傷つけられたり、殺されたりってことにはならんと思うんよ」
武者小路 勇姫 :
「そういう気持ちがあるんならさ、一回みんなに話してみたらええんちゃうかな? せっかく仲間が居んねんから、もっと、仲間を頼って甘えてもウチはええと思う」
武者小路 勇姫 :
「根本的な解決っていうのは……オーヴァードである以上はやっぱ難しいけどな」
ロッキー :
「お~……」なにやら感銘を受けている
ロッキー :
「つまり、姫たちにしゅぎょーをつけてもらって……せーしん的に強く……」何か違う気がする
ロッキー :
「……まぁでも、そうだね。姫たちにも話してみようかな……少し恥ずかしいけど~……」
ロッキー :
「……真珠姫にも話したし、今更か」真珠の肩に腕を回してぽんぽん、と
武者小路 勇姫 :
「そーゆーこと」
飴家 真珠 :
「…………」
飴家 真珠 :
[だいじょうぶだよ ろっきーちゃん]
飴家 真珠 :
[ぜんぜん はずかしいことじゃないし いばらちゃんも あさかちゃんも きっとちゃんとこたえてくれる]
飴家 真珠 :
[それに]
飴家 真珠 :
[ろっきーちゃんはもう なにがあっても]
飴家 真珠 :
[わたしのこと ころしたりなんて しないとおもうから]
飴家 真珠 :
ずっとロッキーに抱きついたまま、彼女の目の前に光の文字を浮かばせる。
ロッキー :
「…………」不安が拭えないのか、瞳を左右に泳がせてみせるが…
ロッキー :
「姫にそう言われると弱いなぁ……」緩んだ笑顔で真珠を見つめ返した
飴家 真珠 :
「…………」 身体を離して、ロッキーを見つめて
飴家 真珠 :
[もし ろっきーちゃんが ぼうそうしちゃったら]
飴家 真珠 :
[そのときは わたしがとめる]
飴家 真珠 :
[とめられるように わたし これからがんばって つよくなるよ]
飴家 真珠 :
[それなら ろっきーちゃんも あんしんでしょ?]
ロッキー :
「それは心強いね」クスクスと笑って
ロッキー :
「それじゃあ、その時は……」
ロッキー :
「僕サマの暴走したアイ、めいいっぱいぶつけるから……」
ロッキー :
「カクゴしてね、姫」悪そうな顔で、真珠を覗き込む
飴家 真珠 :
[もちろん!]
飴家 真珠 :
[おうじさまよりも おひめさまのほうが つよい]
飴家 真珠 :
[そんなものがたりが あったって いいんだから!]
飴家 真珠 :
真珠はキラキラと輝く瞳で、ロッキーを見つめ返した後、
飴家 真珠 :
彼女の頬に、誓うようにキスをした。
ロッキー :
「むっ、はは。なんだか久しぶりだね」真珠のキスを嬉しそうに応じて
ロッキー :
「ま、王子も負けないけどね! でもその時は負けないと困るか? まぁいいや!」
ロッキー :
そう言って真珠の手を取ると
ロッキー :
誓い返すように、手の甲へキスを落とした。
ロッキー :
「……遠慮はなしだよ?」顔を上げて、そう微笑む
飴家 真珠 :
「……!」 うん、と嬉しそうな笑顔で頷く
武者小路 勇姫 :
「お、終わった?」 恐る恐る目を開ける。
ロッキー :
「なにが~? って、どうしたんだいセンパイ」
飴家 真珠 :
「……?」 なんで目を瞑っているのかと、不思議そうにしてる
武者小路 勇姫 :
「AILsではこれがフツーなんか……? 陰キャのウチにはちょっとわからん世界や……!」
飴家 真珠 :
[ふつうだよ!]
ロッキー :
うんうん、と横で頷いて
武者小路 勇姫 :
「ははは……なんにしても、ロッキーの悩みが少し軽くなったなら良かったわ」
ロッキー :
「話せてよかったよ。荷物は分け合って持つ方がいいってピンと来なかったけど、こういう事なんだねぇ」アニメで聞いたらしい
武者小路 勇姫 :
「そういうこと。よし、ドーナツごちそうさん! これも持って帰ってみんなと分けて食べるわ!」
武者小路 勇姫 :
「それと……UGNプロとファムファタって、お互い敵って感じやけどさ」
武者小路 勇姫 :
「そうせざるを得ないだけで、本心ではウチの社長もバチバチにやり合いたい訳とちゃうと思うんよな。なんやかんや言って、ファムファタのアイドルのことも好きみたいやし」
武者小路 勇姫 :
「いつか仲直りできる日が来るかもしれへんし……ウチらくらいは仲良くしてもええんちゃうかな。もちろん、組織のしがらみとかもあるからそんな頻繁に会ったりは無理やけど」
飴家 真珠 :
[わたしは これからもずっと なかよくしたいなっておもってたけど]
飴家 真珠 :
[そういうことなら ゆうきちゃん]
飴家 真珠 :
[こんど ゆうきちゃんたちのライブ みにいってもいい?]
飴家 真珠 :
[ドリフェスでのライブ すっごくよかったから またみたいなって!]
ロッキー :
「僕サマも気になる! もっと見て見たかったんだ、Re:tryのライブは!」
武者小路 勇姫 :
「お~~! もちろんええよ!」
武者小路 勇姫 :
「でも……変装はちゃんとな! ドルオタしかおらんから、AILsが来たなんてことになったら大騒ぎに……」
飴家 真珠 :
[わかった ちゃんとする!]
ロッキー :
「舞台の主役より目立つワケにはいかないしね、がっつり着込んでくるとするサ!」
武者小路 勇姫 :
「なら良し! 彩芽さんあたりはちょっと、微妙な反応するかもしれんけど……ふふ、ウチも楽しみにしてるわ!」
飴家 真珠 :
[ちかアイドルって ライブのあと あくしゅしたり しゃしんとったりできるんだよね]
飴家 真珠 :
[ぜったい ゆうきちゃんのとこ ならばなくちゃ! たのしみ!] 勇姫の手を、指を絡ませるように握って
武者小路 勇姫 :
「ウチがお金貰っていいんですか……!? 地上アイドルと握手して……」 めちゃくちゃににやけて
飴家 真珠 :
[いっぱい みついじゃう~] えへえへ笑いながら、冗談のような文字を周りに浮かばせている
ロッキー :
「僕サマは全員分だけ回っちゃうぞ~!」まるで遊園地気分だ
GM :
……そうして、本来なら交わることのなかった敵対するふたつの事務所のアイドルたちは、
GM :
奇妙な運命を経て、笑い合って再開を約束し、それぞれの事務所へと戻っていくのであった。
To Be Continued...
CREDIT
ニコニ・コモンズ
みんちりえ
めろめろメーカー
AIPICT
OKUMONO
UTAIROBOX
本作は「矢野俊策」「有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチ」「株式会社 KADOKAWA」が権利を有する
『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
©︎ 矢野俊策/F.E.A.R.