GM:ふろずん
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雑談ログ
キャラシート
PC1:夜鷹守人 (キャラシート) PL:雅
PC2:ヤオトモヤ (キャラシート) PL:タロベ-
PC3:不破栞 (キャラシート) PL:LISP
PC4:スコア (キャラシート) PL:めい
目次
ステージ設定
HO&PC紹介
■オープニング
01 悪夢
02 夢を見るアンドロイド
03 白瀬兄妹
04 X000
05 新人バディの邂逅
06 捨てられた人形
◇イントロダクション
■10/15
07 立てこもり事件
08 VS.謎のアンドロイド
09 唯一の生存者
10 VS.茶髪のアンドロイド
■10/16
11 捜査会議
12 警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係
13 探索:第一事件現場
14 探索:第二事件現場
15 探索:総合病院
16 探索:警視庁 解析室
17 幸福な夢
18 感情の有無
19 裏切者の影
20 スパローのオト
■10/17
21 探索:図書館
22 探索:警視庁 取調室
23 探索:警視庁 食堂
24 探索:警視庁 ドロ係本部
25 10年前の別れ
26 探索:リボット社
27 爆発事件
28 VS.黒髪のアンドロイド
29 再会
30 宝物
31 欠陥品
32 10年前の捜査
33 私の願い星
■10/24
34 再来
■10/25
35 もう一人の容疑者
36 既視感
37 夜鷹家の謎
38 反逆者達
39 これからも傍に
40 脱獄
41 逆転の切札
42 VS.警官VOID
43 バイクレース
44 新生スパロー
45 探索:スパロー本部
46 握手
47 ある雪の日の出会い
48 モニターの中の母親
49 ラストメモリー
50 関係性
51 二人の願い星
■10/26
52 出発
53 突入
54 真実
55 VS.赤星透也
56 兄弟
57 最後の願い
58 新リーダー
59 シオリとオト
60 手紙
61 相思相愛
62 怒り
■10/27
63 終わりの始まり
64 小鳥達の意志
65 VS.イチハ
66 悪寒
67 犯罪者
68 MAGI
69 VS.デウス・エクス・マキナ
70 ユメのヒーロー
71 責任
72 ラストライブ
■エンディング
73 選択した未来
74 ユメの続き
75 正義の味方
76 再起動
77 アンコール
ステージ設定
■西暦2050年の世界
【あらすじ】
西暦2030年。
リボット社は史上初のチューリングテストをパスしたアンドロイドを開発。
VOID(ボイド)と名付けて世界に発表した。
VOIDは瞬く間に世界に拡散。
アンドロイドがいる生活は人々にとって日常となった。
それから20年後の2050年。
2つの事件が世間を騒がせていた。
アンドロイドの連続破壊事件。
アンドロイドによる連続殺人事件。
警視庁は2つの事件を終息させる為、
新たに警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係を設立したのであった。
【現在の日本】
2030年にリボット社がVOIDの販売を開始してから20年。
日本ではアンドロイドが多種多様な現場で活躍していた。
VOIDの誕生によって、人々は快適な生活を手に入れたが、
その一方で大きな代償もあった。
多数の人間が仕事を失ったのだ。
アンドロイドは、優秀で勤勉だ。
医療・福祉・教育・警察・軍事…………果ては芸術まで。
およそできないことはなかった。
優秀で勤勉なアンドロイド達は、人間達の職業を奪ってしまった。
このように失業率は大幅に上昇。 東京都の失業率は約30%に及ぶ。
失業者によるデモ活動等が頻発していることから、この社会問題は早期解決が求められているのだが────
【世間を騒がす事件】
現在の日本を騒がせている2つの事件(アンドロイド事件)の詳細は、
情報規制が敷かれているため公表はされていない。
がしかし、それもカンペキなモノではないらしい。
一連の事件はテロリストによる犯行だと人々の間で噂されている。
■西暦2050年の警察
【警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係】
PC全員所属の部署。 通称はドロ係。
増加の一途を辿るアンドロイド関連事件の解決の為に新設された。
戦闘能力と調査能力を共に備えた人間と機体が集められているが、
そこに向けられるのは羨望の視線だけではない。
アンドロイド反対派の一部の刑事は、
「アンドロイド犯罪解決にアンドロイドを使う」
という点で敵視している場合もある。
(なおPC全員の顔合わせは今回が初)
【現在の警察組織】
3年ほど前からアンドロイドが導入されており、
捜査は人間とアンドロイドのツーマンセルが義務付けられている。
だがしかし、アンドロイド導入反対派の人間も未だ少なくはない。
彼等によるアンドロイドに対する嫌がらせ等は日常茶飯事である。
【テロリスト?】
数年前から東京に存在すると言われている組織。
失業者の集団だとかプロハッカーの集団だとか、様々な噂話が流れているがどれも信憑性はない。
アンドロイド破壊事件の現場で、そのリーダーと思しき男が目撃されたことから、
再び世間の注目が集まっている。
■VOID
リボット社が開発したアンドロイド。
一般販売されているのは家事用だが、
他にも医療から軍事まで様々な分野で起用されている。
その機種によって機能と容姿は違い、
容姿については人間と変わらないが、
区別を付ける為、機体に製造番号とマークの刻印が義務付けられている。
値段は家事用モデルで100万円程度。
貧困層と反対派を除いた大半の人間がアンドロイドの恩恵を受けている。
SF作家アイザック・アシモフが唱えたロボット工学三原則が組みこまれており、
「人間に危害を加えないよう設計されている」とリボット社は発表しているが、
昨今発生している連続殺人事件によって、世間からは疑問の声も上がっている。
【VOIDの材質】
パーツは主にプラスチックで構成されている。
"ブルーブラッド"と呼ばれる青い液状の物質でエネルギーを循環させており、これを定期的に供給しなければ機能停止してしまう(その代わり充電は不要)。
このブルーブラッドはアンドロイドの体外に排出されると気化してしまう為、人間の肉眼では痕跡を確認する事はできない。
【アンドロイドPCの変更点】
・人間よりも頑丈である為、HPはSIZ+CONで算出
・アンドロイドは≪機械修理≫技能でHPを回復する(回復量は2d3)
※医学や応急手当で回復はできない
・アンドロイドはHPが0になっても死亡することはないが、
人間の海馬にあたる部分にある"スタック"と呼ばれる記憶データを破壊された場合、
全ての記憶を失って初期化される。 SAN値が0になった場合も同様に初期化される。
※スタックが生きていればオーバーキルされても修理可能
・警官アンドロイドとして以下の追加機能を備える
1.見た映像をそのままデータに記録する録画機能
2.アンドロイド同士や無線機との情報の受け渡し
3.≪ナビゲート≫技能を≪コンピュータ≫技能で代用(周辺地形データ取得によるもの)
※その他にも追加機能の要望があれば、KPの許可があれば取得可能(味覚機能など)
【アンドロイド法】
VOID導入に伴って新たに規定された法律。 ロボット工学三原則に習って作られている。
この法を破ったアンドロイドは破壊される。
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。
ただし、与えられた命令が第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反する恐れのない限り、自己を守らなければならない。
第四条:ロボットは武器の所持を認められない。
しかし免許を所得している者はこの限りでない。
第五条:アンドロイドは必ず製品番号とマークを機体の一部に刻まなければならない。
警官アンドロイドも当然ながらアンドロイド法を遵守する必要があるが、
捜査に必要な武器の所持や戦闘は、係長(緊急の場合はパートナー)の許可を得れば可能。
【リボット社】
VOIDの発表によって、たちまち経済の中心となったアンドロイド製造会社。
人間とアンドロイドの共和を掲げ、都会の中心に巨大なビルを構えている。
創設者はVOID開発者の有馬真二(アリマシンジ)。
■西暦2050年の武器
【電子刀】
[技能:日本刀] [ダメージ:1d10+1+DB(一刀)/2d10+2+DB(二刀)] [耐久力:20]
[解説]頑丈なアンドロイドのボディをも容易に溶断する最新型プラズマブレイド。
グリップ部分のエネルギーを刀身にしている為、あらゆる長さに変形可能である。
[特記事項]
二刀のデータ使用時は、命中判定に-10のペナルティ修正を受ける。
この武器は銃弾も受け流し可能。
この武器が壊れた場合、自身の手番を消費して再生する事ができる。
【電磁鞭】
[技能:ムチ/電気修理] [ダメージ:2d8+DB+スタン] [耐久力:8]
[解説]暴徒鎮圧用の最新武器。
対象の四肢か武器を絡め取り、感電させる事で一切の抵抗を許さずに鎮圧可能。
[特記事項]
この武器の攻撃の対象は、受け流しを行なう事ができない。
この武器は受け流しに使用する事ができない。
【ジャックナイフ(射撃)】
[技能:拳銃][ダメージ:スタン][射程:20m][攻撃回数:2][耐久力:20]
【ジャックナイフ(斬撃)】
[技能:ナイフ][ダメージ:2d6+2+DB][耐久力:20]
[特記事項]
至近のキャラクターがアナタに対して行なう攻撃に失敗した時、
アナタは相手に対してナイフを用いた反撃を行なう事ができる。
この反撃に命中判定と回避判定は不要である。 ダメージ算出だけを実行する事。
この効果は1ラウンドに1度まで使用できるが、これ以外の武器を装備している場合は使用できない。
【音波銃】
[技能:拳銃] [ダメージ:4d6(対機械)/2d6(対人間)] [射程:20m] [攻撃回数:1] [耐久力:8]
[解説]対アンドロイド用の音響武器。 対象を内部から共振破壊する。
アンドロイドの機械心臓にダイレクトにダメージを与える事で"スタック"を残した状態で鎮圧が可能。
その構造上、人間には効果が薄いが、その為に誤射のリスクは低い。
この武器はセーフティをかければ"拡声器"として用いる事もできる。
[特記事項]
この武器の攻撃の対象は、回避判定に-20のペナルティ修正を受ける。
【サードアイ】
[解説]鳥類や魚類といった様々な動物に見られる"第六感"をAI技術によって再現。
AIが事前に危機を検知して、ユーザーに最適な行動を提示する事で、
その直撃の回避を可能にする、最新のサポートAI搭載レンズ。
眼鏡型とコンタクトレンズ型が存在している。
ボディアーマーに対して防御性能は劣るが、重量がゼロなので機動性に優れるのが利点。
将来的には「一切の危険の予測と回避」を目標にしているらしいが、
予測開始から行動開始に存在するタイムラグの関係で、その目途は立っていない。
[特記事項]
アナタの受けるダメージを6点軽減する。
この効果は行動に一定以上の制限がある場合は適用できない。
(例:拘束されている/重い物を所持している/アーマーを装備している)
■ハウスルール
・クリティカル値は001、ファンブル値は100、スペシャルは非採用
・貫通と連射と先制射撃とゼロ距離射撃のルールは非採用
・回避/受け流しをする場合はラウンド間の使用回数に応じたペナルティ修正を受ける
※『技能値÷使用回数』で判定を行なう※
【かばうについて】
未行動のキャラクターのみが宣言できる。
至近のキャラクター1体が受ける予定のダメージを肩代わりする事ができる。
この効果を使用したキャラクターは即座に行動済になる。
【スタンについて】
スタン効果のある武器の攻撃を受けた場合、対象は即座に<CON×5>の判定を行なう。
その判定に失敗した場合、対象は次の自分の手番の終了時まで全判定に-20のペナルティ修正を受ける。
※スタン効果を2度受けても、このペナルティ修正は重複しない※
HO&PC紹介
KP :
まずPCの紹介から始めていきます!!
KP :
初めにHO1の守人くんおねがいします!
夜鷹 守人 :
はい!短めにいきますよ
HO1:アンドロイド嫌いの新米刑事 ※22歳限定
あなたは優れた頭脳と才能の持ち主だ。INTを18とする。
しかしアンドロイドからは遠のいた生活を送っていた為、
電子工学/電気修理/機械修理に技能を振る事ができない。
夜鷹 守人 :
「警視庁公安部第五課、アンドロイド事件捜査係。刑事の夜鷹守人です」
夜鷹 守人 :
やや痩せこけて不健康そうに思える男は自らの名を名乗り、軽く頭を下げる。
夜鷹 守人 :
「年齢は22歳。まあ……この年齢で刑事は異例でしょうが、俺のやりたいことが出来るんで……突き詰めていたらこのキャリアにいました」
夜鷹 守人 :
「好きな物は30年代より前の映画。苦手なことはスポーツ全般……」
夜鷹 守人 :
「──嫌いな物は、アンドロイド」
夜鷹 守人 :
"アンドロイド"。その名を口にした途端、彼の声に嫌悪が混じる。
夜鷹 守人 :
「……奴らのことはどうにも、出来れば目にもしたくないんですが……」
左目につけられた眼帯を指でそっとなぞる。彼の癖のようなものだ。
夜鷹 守人 :
「ああ、失礼。では、俺は用事があるのでここで。いずれまた」
再び頭を下げて、背中を向けてこの場を後にしようとする。
夜鷹 守人 :
「……俺は、絶対に……っ」
夜鷹 守人 :
去り際にふと独り言が零れる。
彼の片目は鋭く虚空を見つめて、怒りにも似た情熱が瞳の中で揺れていた。
KP :
このPC1、あからさまに闇が深いのだ…!!
KP :
一家に一台アンドロイドの時代なので、めちゃめちゃ生きにくそうだけど頑張ってほしいですね…
KP :
次にHO2のトモヤくんおねがいします!!
ヤオ トモヤ :
はい!
HO2:新型アンドロイド
あなたはHO1のパートナーロボットだ。
アンドロイド事件捜査係の設立と同時に作られた最新の機体であり、
高機能モデルである為、≪コンピュータ≫技能の初期値を80とする。
ヤオ トモヤ :
「初めまして!警官アンドロイドのヤオ トモヤと申します 」
「器用かつ丈夫、強く賢い私はきっとお役に立つことでしょう!!ドロ係の皆様、これからよろしくお願いします!!!」
ヤオ トモヤ :
警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係に配属された新米刑事であり、リボット社がその知恵と技術の限りを尽くし設計、開発した最高傑作です。
ヤオ トモヤ :
授けて頂いた機能をフルに使って人間の皆様、そして相棒となる夜鷹さんの為に力の限り尽くすつもりです。
ヤオ トモヤ :
よろしくお願いします〜!
KP :
元気な新型アンドロイド! その元気さで守人くんを支えてあげてね!!
KP :
まあ、支えようとするほど拒絶されそうではありますけど…
KP :
事件を通して関係を深めて……もらえれば……!!!!
KP :
続いてHO3の不破さんおねがいします!!!
不破 栞 :
いくぜ!!!!
HO3:ベテラン刑事 ※30代限定
あなたは他部署から異動してきた刑事だ。
かつては警視庁捜査第一課の刑事として、いくつもの刑事事件を解決に導いてきた。
これまでの功績もあって、周囲の信頼を得ている為、
任意の≪交渉系技能≫の初期値を+50する。
不破 栞 :
「不破栞。交通課からやってきた、ドロ係の中じゃベテランの刑事だ」
不破 栞 :
「一度は出世コースから外れてまともな捜査の仕事は回ってこなかったんだが……人生何があるかわからないものだな」
不破 栞 :
「個人的な興味でアンドロイドの事情には明るいほうだ。この係での仕事に活かせるといいな」
不破 栞 :
元捜査一課のエース、おば……お姉さん刑事です! 小説やドラマの名探偵のようなひらめきはないけど経験に裏打ちされた泥臭い操作が売り!
不破 栞 :
戦闘は射撃武器としても使えるジャックナイフを用いた遠近両対応タイプです。2050年を生き残るぞ!
不破 栞 :
ちなみに交通課にいたけど左遷されただけだから運転とかはからっきしです。よろしくな!
KP :
2050年の自動車は自動運転機能が標準搭載されているので、運転がからっきしなのは仕方ないね!!
KP :
おば姉さんだけあって、PCではブッチギリの最年長で人生経験豊富そうなので、いろいろな問題を抱えた皆をまとめるムーヴが期待できそう!!
KP :
最後にHO4のスコアちゃんおねがいします!!!!
スコア :
はい!!!!
HO4:旧型アンドロイド
あなたはHO3のパートナーロボットだ。
HO3とは確固な信頼関係を築いており、その点でもHO2の先輩と言えるだろう。
任務に忠実なロボットであるハズだが、実は誰にも言えない秘密を抱えている。
≪■■■■■≫の初期値を80とする。
スコア :
HO4、旧型アンドロイドのスコアです!
スコア :
何故か記憶喪失で、一年前に倒れていたところを栞ちゃんに拾われてなんやかんやでパートナーロボットになりました。
スコア :
アンドロイドだけど堅苦しくなくて、馴れ馴れしくて緩い感じの性格です。
スコア :
あんまり細かいこと気にしなくて、アンドロイド反対派に嫌われてても別にまあどうでもいいか~って感じ。
スコア :
栞ちゃんのことをマスターって呼ぶくらい好きで懐いてるので、べたべたくっついてたりしてると思います。
スコア :
あとよく栞ちゃんの体を心配してて、それがきっかけで医学習得しました。マスターは早く煙草やめろ!
スコア :
歌を歌うことが好きなキャラなので、そこから連想して武器は超音波を飛ばす拡声器型の銃にしてもらいました。
スコア :
狂ったアンドロイドどもの心臓をピンポイントで撃ってぶっ壊してやるぞ~、そんな感じですよろしくお願いします!
KP :
同族に容赦ない…! 所詮は機械に人の心などないというコトか…!!
スコア :
ロボットのルールを破るやつが悪いのよ!!
KP :
それはそれとして男子ペアに対して女子ペアは仲良しそうで微笑ましいですね!
KP :
まあ、そんなスコアちゃんも秘密を抱えている訳ですが……
スコア :
表HOの時点で秘密があるとか言われるやつ
スコア :
謎の技能も持っている
KP :
初期値80%の謎の技能、活躍する時は来るのか…。 本編の動向を楽しみにしておきましょう…。
KP :
ではでは自己紹介も済んだところで、本編をはじめていこうと思います!
本編
諸君は「選択」を迫られているのだ。
科学技術による「勝利の可能性」か、
それを放棄することによる「確実な敗北」か。
クトゥルフ神話TRPG
『VOID』
01 悪夢
KP :
まずは個別導入! HO1の守人くんから!!
夜鷹 守人 :
いえーい!
西暦2040年/■■月■■日/PM08:13/天気:雷雨/■■家
KP :
年季の入った蓄音機から、壮大な音楽が流れている。
KP :
ニコロ・パガニーニによる24の狂想曲(カプリース)、その最終曲。
KP :
このヴァイオリンの旋律が好きだと話してくれたのは誰だっただろうか。
KP :
その美しい音が、右の耳から左の耳へと抜けていく。
KP :
思考は真っ白で、視界は真っ赤だ。
KP :
暗い部屋に血の海が広がっていて、
KP :
すぐ目前に女の人が転がっている。
KP :
──そして、音もなくアナタに忍び寄る影がひとつ。
KP :
それは"ひとりの人間を殺しておいて"酷く落ちついた様子で歩いてきた。
KP :
雨がザアザアと窓ガラスを打つ。
KP :
ふいにレコードの旋律が止まり、雨音以外は何も聞こえなくなる。
KP :
賢いアナタには、自分の置かれた状況が理解できた。
KP :
誰かに助けを求めて叫ぼうとも、救いの手が伸ばされる事はない。
KP :
子供の叫び声など、激しい雨音に遮られて誰にも届かないだろう。
KP :
だから"自分で逃げなければならない"と理解できた。
KP :
しかし、身体は1mmも動かない。 動いてくれない。
KP :
その代わり、アナタの目から熱いナニカが溢れ出す。
KP :
"左目を斬られて"流れた血なのか、
KP :
"母親を殺されて"流れた涙なのか。
KP :
いまいち判然としない、ナニカが。
■■■■ :
「…………」
KP :
やがてアナタに大きな影が落ちる。
KP :
アナタの母親を殺して、アナタの左目を奪った犯人。その人影が。
KP :
確定した死が迫る。
KP :
心臓が跳ねる。 息は止まり、声も出ない。
KP :
……アナタはただ「自分も殺されるのだ」と知った。
KP :
その瞬間。
KP :
雷光が室内に差しこみ、犯人の手元を照らした。
KP :
そこには真っ赤な血が滴るナイフ。
KP :
それを握る右手を見て「ああ」と合点がいった。
KP :
犯人の身体は、金属とプラスチックで造られていた。
KP :
──即ちアンドロイドだったのだ、人殺しに動揺をする訳がない。
KP :
血塗れのナイフが閃く。
KP :
この状況では無為な思考を最後に、
KP :
アンドロイドの凶刃は、アナタの心臓へと躊躇なく振り下ろされ、
KP :
そして────────
西暦2050年/10月15日/AM10:45/天気:小雨/夜鷹家
KP :
何かに締めつけられるような感覚。
KP :
苦しい。けれど、どこか、温かい。
KP :
ジリリリリリ! ジリリリリリ!!
KP :
耳障りな目覚ましアラームの音で、アナタは見慣れた夢から目覚める。
KP :
────今日もイヤな悪夢を見た。
KP :
この夢を見るのは、もう何度目だろう。
KP :
ということで! 悪夢を見たことで初のSANチェックどうぞ!! 成功で0/失敗で1のSAN値減少です!!
夜鷹 守人 :
cc<=55(1D100<=55) > 96 > 失敗
夜鷹 守人 :
????
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 55 → 54
KP :
開幕から凄い出目を出すじゃん
夜鷹 守人 :
幸先が悪いぜ!!
KP :
まあ、それだけトラウマだったのかもしれないですね…
KP :
ではでは描写の続きを
KP :
アラームを止めようと手を伸ばすが、別の手が先に時計に手を置いた。
赤星 透也 :
「……大丈夫か?すごい汗だぞ」
KP :
そこにいたのは見慣れた青年だった。
KP :
赤星透也。アナタにとって兄のような存在だ。
KP :
義父と同じ捜査一課に所属する彼は、今日からアナタと同じ部署に異動する予定になっている。
KP :
『そういえば今日は警視庁に向かう日だった』と寝惚けた頭で考える。
KP :
……なんだか今日は寝起きが悪く、少し頭痛もする。
KP :
時刻を見れば11時を回ろうとしていた。
KP :
配属初日から寝坊してしまったらしい。
夜鷹 守人 :
「……透也、兄さん……」
片手で頭を抑え、残った右目で彼を見上げる
夜鷹 守人 :
「少し、悪い夢を……大丈夫。 いや、大丈夫ではないか……」
時計が指す時刻を見て、落ち込んでいた気持ちが更に深まっていく。
赤星 透也 :
「まあ、今日は昼過ぎに顔合わせがあるくらいだからギリギリセーフだろ」
赤星 透也 :
「部署への引っ越し作業は、午前に済ませる必要があるけどな」
夜鷹 守人 :
「あー……、今から動かないと駄目なヤツ……」
気だるい身体を起こして、いそいそと準備を始める
夜鷹 守人 :
「そういえば兄さん、わざわざ起こしにきてくれたんですか」
軽く寝汗をウェットシートで拭い、シャツを着替える
赤星 透也 :
「ああ、そんなとこだ」
赤星 透也 :
「数年前にもあったろ、例の夢で寝坊したコト」
夜鷹 守人 :
「ああ、まあ……手を煩わせてます……」
どこかバツが悪そうな声で返す
赤星 透也 :
「……それはいいんだけどさ、もう忘れた方がいいと思うぜ?」
赤星 透也 :
「いつまでもそんな調子じゃ困るだろう? カウンセリングとか通ってみたらどうだ?」
夜鷹 守人 :
「…………」
ネクタイを締めていた手を止め、透也に縦に傷の走った左目を向ける
夜鷹 守人 :
「兄さんと言えど、今の言葉は聞き流せませんよ」
赤星 透也 :
「……俺は心配して言ってるんだがな」
赤星 透也 :
「もう過去は忘れて今を生きるべきじゃないかってさ」
夜鷹 守人 :
「俺が今を生きているのは"10年前"の真相を突き止めるためですよ」
夜鷹 守人 :
「そのために刑事になった、そう言っても過言ではありませんから」
左目に眼帯をかけ、寝起きの支度が整い終る
赤星 透也 :
「はあ、そうだよなあ……もう何を言ってもムダそうだな……」
赤星 透也 :
「その覚悟は認めるが、今はとりあえず初日から遅刻しないコトを最優先に生きてくれ」
赤星 透也 :
「俺は先に車を出してくるから、朝食……もう昼食か。食べたらこいよ」
夜鷹 守人 :
「昼飯は携帯食とサプリメントで済ませますよ。ただでさえ時間がありませんし」
赤星 透也 :
「おまえなあ……そんなことしてると、また"矢代さん"に怒られるぞ……」
夜鷹 守人 :
「……そういう所も厳しいですからね、父さんは……」
渋い顔を浮かべる
赤星 透也 :
「朝食の準備は済ませてあるから、いいからリビングに降りて食べてこい」
夜鷹 守人 :
「そうさせて貰います…」
KP :
赤星と別れて階段を下りてリビングに向かう。
KP :
ここではさらっと家の探索ができます! 遅刻寸前なのでさらっと!!
KP :
探索可能個所を提示するので、調べたいものを言ってもらえれば!!
KP :
【探索箇所】机/テレビ/床
夜鷹 守人 :
机から行くか!
KP :
机の上にはラップのかけられた朝食が用意されている。
KP :
近くにはメモの切れ端が置かれてあり、そこには「朝食は少しでもいいから食べること。先に行っている」と達筆な字で書いてあった。 矢代の字だ。
KP :
とそんなところですね! しっかりと食事を摂りなさい…(まだ出ていない義父の重圧)
夜鷹 守人 :
「父さん、厳しいけどこういう所は優しいよな…」
義父の優しさを垣間見て微笑みを零す
夜鷹 守人 :
それじゃ流れでテレビ見るか!食べながら見てみよう
KP :
テレビをつけるとちょうど朝の番組が放映されていた。どうやら昔のアニメの再放送のようだ。
KP :
大きな機体のロボットが怪物と対峙している。
KP :
ここでアイデアロールどうぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=90 この数値を見ろ!!(1D100<=90) > 61 > 成功
KP :
さすがはINT18の天才
KP :
ではではこのアニメにどこか懐かしさを覚える。誰かと一緒にこのアニメを見たことがあるような気がする。
夜鷹 守人 :
「(このアニメ、なんだったか……誰かと見たような気も……)」
霧がかった脳内にぼんやりと昔の光景が浮かぶが、はっきりとせずに霧散してしまう
夜鷹 守人 :
それじゃ最後の床!!
KP :
≪目星»をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 右目だけでもね、目星は使えるんですよ(1D100<=75) > 97 > 失敗
夜鷹 守人 :
は????????
KP :
もしかして両目をなくされました?
夜鷹 守人 :
スケベなアンドロイドに惑わせられないように両目潰しといた
KP :
アンドロイド嫌いのハンデが重すぎる
KP :
ではでは、寝惚けていたせいか何も見つけることができませんでした!
夜鷹 守人 :
「っと、ボーっとしてる暇は無いな」
用意された朝食をかきこみ、水で流し込む
夜鷹 守人 :
手持ちに忘れ物がないかチェックして、外に出ます
KP :
外に出れば小雨が降っていた。
KP :
今の季節のこの地域は肌寒く、アナタは思わず身震いをする。
KP :
その様子を見て赤星は乗れよ、とアナタを助手席に誘導した。
夜鷹 守人 :
軽く会釈して助手席に乗り込もう
KP :
あなたが車内に乗りこむと「目的地はどちらですか?」と機械音声が鳴る。
KP :
それに赤星は「警視庁へ」と答えて車は自動発進した。
KP :
ここ数十年で科学はかなり進歩し、自動車さえも自動運転は珍しいことではなくなったのだ。
KP :
車はそのまま都内を走っていく。
KP :
車窓から見える街の景色はいつもと変わらず高層ビルが立ち並び、
KP :
その下では人々がアンドロイドに傘を差させて歩いている。霧も少し出ているようだった。
夜鷹 守人 :
目に入ったアンドロイドから無意識に目を逸らし、手元の携帯端末に視線を落とす。
夜鷹 守人 :
「……微妙な天気ですね」
世間話とも独り言とも取れるような言葉を漏らす
赤星 透也 :
「そうだな、最新の気象予報アンドロイドの演算通りの天気だ」
赤星 透也 :
「しかし傘くらい自分で差せばいいのになあ」VOIDに傘を差させる人間たちを眺めている
赤星 透也 :
「今となっては自分でアラームをかけて起きるのも、おまえと矢代さんくらいだよ」
赤星 透也 :
「どの家庭も家庭用VOIDが人間サマの睡眠管理をしてるからな」
夜鷹 守人 :
「生活リズムをVOIDに管理されている、そういう風にも見れますね」
夜鷹 守人 :
「……便利なのは良い事ですが、兄さんの言う通りアレぐらいは人間1人でもできます」
アンドロイドに傘を差させている人間に再び目を向けて
赤星 透也 :
「そうだな、ああいうのを嫌悪するのは別にいいんだが」
赤星 透也 :
「これからは、おまえもあんな風にアンドロイドの世話にならなきゃいけないんだぜ?」
赤星 透也 :
「今日だろ、おまえのパートナーアンドロイドとの顔合わせ」
夜鷹 守人 :
「…………」
とてつもなく渋い顔
夜鷹 守人 :
「……思い出させないでくださいよ。悪夢の続きかと錯覚させたいんですか」
KP :
そんな話をしながら外を眺めていると、やがて警視庁が見えてきた。
KP :
そしてその向こうにはひときわ目立つ大きなビル────リボット社が見える。
KP :
約20年ほど前、家庭用ロボットを販売してから業績を伸ばし続けている会社だ。
KP :
今や知らぬ人はいないだろう。アンドロイドは人々にとって生活の一部となったのだから。
KP :
それでも"あなたにとっては"縁がない会社だったのだが────
赤星 透也 :
「そうもいかないだろ?」
赤星 透也 :
「今やアンドロイド……VOIDは刑事のパートナーとしても起用されてる」
赤星 透也 :
「いくら係長の息子だからといって、組織に逆らって拒否する訳にはいかないんだから」
夜鷹 守人 :
「それは、そう……なんですけど、ね……」
両手で顔を覆い、その中でもどかしい気持ちと共に溜息を吐き出す
夜鷹 守人 :
「……嫌だなぁ」
警視庁を恨めしく見上げて、小声で恨み言を呟く
赤星 透也 :
「こんな調子で大丈夫かねえ」言いながらラジオを付ける
ラジオ :
「東京都のみなさんこんにちは!10月15日12時ちょうどをおつたえします!今日もはりきって生活をしましょう!では今日の運勢から!」
KP :
毎日やっている占い番組だ。あなたは何の気なしにそちらに耳を傾ける。
ラジオ :
「────そして、本日の最下位は~~~~????」
ラジオ :
「ざんねーん、天秤座のアナタ!厄介な出来事に巻き込まれちゃうかも!?」
ラジオ :
「十分注意して過ごしてくださいね!ラッキーカラーは赤!」
夜鷹 守人 :
「───兄さん、ラジオ消しても、いいですか」
外の天気よりどんよりした表情を浮かべている
赤星 透也 :
「はは、いや当たってるだろコレ」
赤星 透也 :
「実際に厄介な出来事に巻きこまれる予定もあるんだしさ(パートナーアンドロイドとの顔合わせ)」
夜鷹 守人 :
「今日は人生で憂鬱だった日トップ5に入りそうですよ、もう……」
背もたれに体重を預けて脱力
KP :
二人が話している間に番組は切り替わり、ニュース番組が始まる。最近は「アンドロイドによる殺人事件」と「アンドロイド破壊事件」の話題でもちきりだ。
KP :
これからそういった事件に対応していくのは自分たちなのだ、とニュースに聞きいっていると、車は目的地である警視庁に到着する。
KP :
……これから自分と活動するVOIDとは、どんなアンドロイドなんだろうか。
KP :
少しの期待と多くの不安と共に、アナタは警視庁の正門を潜った。
02 夢を見るアンドロイド
KP :
HO1の守人くんの導入が終わり、HO2のトモヤくんの導入に入ります!
ヤオ トモヤ :
はい!(よろしくお願いします‼︎)
西暦■■■■年/■■月■■日/■■:■■/天気:■■/■■■
KP :
うっすらと目を開ける。
KP :
そこは薄暗い実験室のような場所だ。
KP :
アナタは何かの台にのせられており、周りには見たことのないような機器類が並んでいる。
KP :
そしてアナタは白衣を身にまとった人間たちに囲まれていた。彼らは一斉にこちらに目を向ける。
KP :
その視線は冷たく、そして気味が悪いとアナタは感じる。
KP :
その集団の中央、ひときわ冷たい目線を向ける男は、アナタと目が合うと「実験は成功だ」そう言い放った。
KP :
ではトモヤくん≪聞き耳≫をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
ccb<=75 【聞き耳】よぉし!(1D100<=75) > 22 > 成功
KP :
これは優秀
KP :
「ずっとこの時を待っていた。さすが私の■■だ。これなら■■■■■■■■■■」
KP :
ところどころノイズが走り聞こえなかったが、男がそう呟いたのが分かります。
KP :
そして男はアナタに手を伸ばす。その手は冷たく、どこか無機質だ。そう思いながら、アナタは目を閉じた。
KP :
アナタは再び目を覚ます。
KP :
どこまでも白く続く広い空間にアナタはいた。
KP :
白い椅子に腰掛けており、目の前には同じように椅子に腰掛けている男がいる。
謎の男 :
「やあ、こんにちは。また会ったね」
謎の男 :
「……なんだか顔が強張っているようだけど、怖い夢でも見たのかな?」
謎の男 :
「怖がることはないよ。この空間の中で、君を傷つけるものは何もないからね」
謎の男 :
「さっそく今日も話をするとしよう。なに、単なる雑談さ」
KP :
落ち着いた様子で男は話しかけてくる。
謎の男 :
「────最近の調子はどうかな?たしか君は今日から本格的に活動を開始するんだったね」
ヤオ トモヤ :
「……こんにちは。そうなんですよ、今日から私、警官として本格的に使用して頂けるんです!」
謎の男 :
「使用して頂ける、か」
謎の男 :
「科学が発展した今の社会では、君たちVOIDは警察の捜査まで任されるようになった訳だ、まったく目まぐるしい進化だね」
謎の男 :
「数十年前まではアンドロイドが生活の地盤に関わるなど、考えられなかった」
謎の男 :
「……ああ、昔話は若い君にとっては退屈か」
謎の男 :
「うん、今の話をしよう」
謎の男 :
「以前、テレビで面白い話題が取り上げられていてね。日本の都心の人々の外出率は、昔に比べて10%も低下したらしい」
謎の男 :
「さあ、これは何故だと思う?」
ヤオ トモヤ :
「えっ!?……うーん、そうですね……」
ヤオ トモヤ :
うーんうーんとしかめ面をして
「うーん、なんだろう。……屋外より屋内で過ごす方が快適になったから?」
謎の男 :
「そうだね、正解だよ」
謎の男 :
「リモートワークが主流の会社が増えたことや、インターネットが以前よりも更に普及されたこと」
謎の男 :
「若者の間では仮想空間が流行していること、と細かい理由は様々だが、つまりは屋内で過ごす方が快適だからだ」
謎の男 :
「そして屋内が快適になった最も大きな理由が────VOIDの存在だろうね」
謎の男 :
「アンドロイドは買い物、配達、はたまた幼稚園児の迎えまで任されている。ハガキ一枚ポストに入れるのだってアンドロイドの仕事だ」
謎の男 :
「まあ、今は手紙も珍しくなってしまったけれど」
謎の男 :
「費用削減の為、アルバイトを雇わずにアンドロイドを使う店も増えてきている。 君が所属する警察組織も、いずれはそうなる事もあるかもしれないね」
ヤオ トモヤ :
「そうかもしれません……!喜ばしいことです。私達、VOIDは人間様の快適で幸福な生活の為にあります。少しずつでも生活がそのように変化しているのであれば、それ以上に嬉しいことはないと思います!」
謎の男 :
「快適で幸福な生活の為に、か」
謎の男 :
「そうだね、ほとんどのVOIDは人間に忠実に尽くしている」
謎の男 :
「ただ外出して買い物する、そんな人間らしい生活に必要だった行動さえ、アンドロイドが全て代わりに行なっているほどに」
謎の男 :
「今となっては街で見るのは、人間よりアンドロイドの方が多い」
謎の男 :
「それを見た学者が言ったんだよ。いつかこの世界は、人間を必要としなくなるのではないか、とね」
謎の男 :
「──君はどう思う?この世界に必要なのは、人間か。それとも、君たちか」
ヤオ トモヤ :
「そんなの勿論、人間様です!」
「……私達は人間様あってのモノです」
ヤオ トモヤ :
「……だから、だから、出来れば人間様には私達の手を取って歩んで頂きたいと思います。その為に生まれたのですから。」
謎の男 :
「そうか、君はリボット社の理念に沿った考えを持っているのだね」
謎の男 :
「……であれば一つ忠告をしよう」
謎の男 :
「人間側は必ずしも、君達に好意的な反応を見せる訳ではない」
謎の男 :
「その考え方を貫こうと思うなら、そうした人間との接し方を考えなければならないよ」
ヤオ トモヤ :
「……私のことが嫌いな人間様」
「そうですね……私が私の責務を果たす為にも今一度考えてみます」
ヤオ トモヤ :
「忠告ありがとうございます。……あの、最後に一つ」
謎の男 :
「なんだろうか?」
ヤオ トモヤ :
「……今日こそ答えてくれたりしませんでしょうか?あなたの、名前」
謎の男 :
「……何故、知りたいのかな?」
ヤオ トモヤ :
「何故って……あなたは以前名前はない、ウイルスのようなモノだと仰いましたけど」
ヤオ トモヤ :
「今までの会話からあなたをそのようには思えないからです。……もしかして人間様だったりしますか?」
謎の男 :
「では逆に聞くが、君の知っている人間とは、VOIDの電脳領域内に入ってこれるモノなのかな?」
ヤオ トモヤ :
「これないです。少なくとも私の知る中では……」眉を下げて
「でも本当にあなたがウイルスであるのなら、私はあなたをなんとしても排除するべき……」
ヤオ トモヤ :
「……それでもあなたは私に忠告をするし、私を害するような素振りを見せたことはない」わからないんですと俯いて
謎の男 :
「私としては勿論、デリートされては困る」
謎の男 :
「……ううむ、ここは仮の名を教える事にしようか」
謎の男 :
「それでいいかい?」
ヤオ トモヤ :
「?やはり、本当のお名前は教えていただけないんですね」不思議そうに
「……ですが、ええ。構いません。ひとまずは仮名を教えてください」頷いて
謎の男 :
「それでは、このウイルス擬きの仮の名を教えよう」
謎の男 :
「────MAGI。 些か安直なネーミングだが、今度からそのように呼んでくれたまえ」
ヤオ トモヤ :
「まぎ、マ、GI、MAGI、MAGI……ですか」口の中で数回その言葉を転がすようにして
「──わかりました。それでは、MAGI。またお会いしましょう」
MAGI :
「ああ、それではまた」
KP :
どこからかアナタを呼ぶ声が聞こえる。
KP :
アナタはゆっくりと、その瞳を閉じることだろう。
KP :
……視界が闇に包まれる中、目の前の男が呟く声が聞こえた。
MAGI :
「────諸君は『選択』を迫られているのだ。科学技術による『勝利の可能性』か、それを放棄することによる『確実な敗北』か」
MAGI :
「かの有名なSF小説家、アイザックアシモフの言葉さ」
MAGI :
「私は見守っているよ。君達が、どんな選択をするのかをね」
西暦2050年/10月15日/AM10:45/天気:小雨/警視庁解析室
青木 玲斗 :
「…………BR800、聞こえる?……おかしいな、まさか機体に何か……矢代さんに怒られる……」
KP :
目を開けるとそこは警視庁の見慣れた一室だった。
KP :
目の前にはアナタのメンテナンス係である青木玲斗が、少し焦った様子でアナタを見ていた。
青木 玲斗 :
「あ、目覚ました……えっと、おはよう」
青木 玲斗 :
「調子はどう?」
ヤオ トモヤ :
「……ぁ‼︎すみません!おはようございます。体調は万全、BR800ことヤオ トモヤ正常に稼働しております!」ぼやけた頭を振り 笑顔で返します
青木 玲斗 :
「それならよかった……なかなか目覚めないから心配したよ……」
青木 玲斗 :
「あっ、今日、何の日かちゃんと記録してあるよね……? 君のパートナーとの顔合わせ、なんだけど……」
ヤオ トモヤ :
「勿論です、今日は私のパートナーと初めてお会いする日ですから!花丸マーク沢山つけて記録してあります!!」
青木 玲斗 :
「新型VOIDのシステムには花丸マークとかあるんだ……」
青木 玲斗 :
「ああ、その彼がこっちに向かってるって。矢代さんも来てるし……俺たちもそろそろ移動しよう……?」
ヤオ トモヤ :
「‼︎そうですね、もうそんな時間でしたか」頷いて
KP :
青木がドアの前に立ちモニターに目を合わせればドアが開く。どうやら網膜認証システムが導入されているようだ。
KP :
アナタ達はそのまま廊下に出る。
青木 玲斗 :
「な、なんか最近、署内のセキュリティも厳しくなってる気がするんだよね……まあ、君には関係ない話かもしれないけど……」
ヤオ トモヤ :
「?厳しく……そうなんですか?確かに私がここを移動する時は青木さんのお供なので、関係ないといえばないのですが……」歩きつつ
青木 玲斗 :
「だ、だよね……あはは……」
青木 玲斗 :
「……………………」
青木 玲斗 :
「きょ、今日はその……天気いいね……」
KP :
彼は気を遣ってかそんな話をしてくるが、アナタがネットワークから情報を得れば、今日の天気は雨のち曇りであることが分かる。
ヤオ トモヤ :
「なるほど、青木さんは雨がお好きなんですね。調べたところ今日の天気は雨のち曇りだそうです。よかったですね!」笑顔で
青木 玲斗 :
「あ、雨……ああ、うん……好き……なんだよ雨…………」
青木 玲斗 :
「あの、さ……要らない心配かもしれないけど、緊張するよね……パートナーとの顔合わせ……」
青木 玲斗 :
「俺も緊張したし……」小声
青木 玲斗 :
「でも、大丈夫だよ。君のパートナー、新人……らしいけど……でも、矢代さんの推薦らしいし……」
青木 玲斗 :
「まだこの形態が導入されて2年くらいしか経ってないから、アンドロイドに否定的な人も多いけど……いつか認められる日も、くるだろうし……」
ヤオ トモヤ :
「…‼︎」直前のMAGIとの会話を思い出し瞬間固まるものの
ヤオ トモヤ :
「……ええ、私も新人ですが有能警官アンドロイドですし!パートナーも新人だったとは初めて知りましたが、矢代さんの推薦の方とあればきっと優秀な方だと思います!」
青木 玲斗 :
「あ、自分で有能とか言っちゃうんだ……」
青木 玲斗 :
「俺も見習うべきなのかな、その自信……」小声
ヤオ トモヤ :
「もしそうじゃなくても、私がその分お役に立てばいいということですし……これから二人三脚で頑張ればいい……そういうことですよね!」聞こえちゃない
青木 玲斗 :
「…………あ、そうそう」
青木 玲斗 :
「それに、警察のVOIDって、適当に配られてるわけじゃなくて……」
青木 玲斗 :
「その人の経歴、趣味嗜好、あとは心理テストなんかの結果も反映して、人工知能がユーザー適合率……つまり相性を測ってくれるんだけど、ほら」
KP :
そう言って青木が自身の端末に触れると、空中に小さく映像が映し出された。
KP :
そこには夜鷹守人という名前とアナタのIDナンバーが並べられており、その下には『適合率 100%』と表示されている。
青木 玲斗 :
「見て、100%だよ?」
ヤオ トモヤ :
「…100ぱーせんと!!100%って書いてあります!!」青木さんと目の前の端末に視線を上げ下げして
青木 玲斗 :
「うん、100%なんて見たことなかったから俺も驚いた。でも人工知能は嘘をつかないし……きっといいパートナーになれるよ……」
KP :
そんな話をしていると担当部署のオフィスに辿り着く。まだ他の人間は来ていないらしい。
ヤオ トモヤ :
え〜!だのこれって…これって相性抜群ってことですね!?!!わ〜!!だの青木さんありがとうございますだの言っています
ヤオ トモヤ :
さてそんな大はしゃぎアンドロイドですが、不意に静かになったかと思えば、青木に向けて振り返りこう続けます。
ヤオ トモヤ :
「そうだ……あのですね、質問なんですが普通アンドロイドは夢なんて見ませんよね?」
青木 玲斗 :
「夢……? 聞いたことないな……」
ヤオ トモヤ :
「…ですよね!」聞いてみたかったんです、ありがとうございますと
青木 玲斗 :
「……?」首をかしげる
青木 玲斗 :
「えっと、もしもなにか不調を抱えてるようだったら相談してね……? そのために俺がいるんだからさ……」
ヤオ トモヤ :
「‼︎……ありがとうございます。その時には是非頼らせてください」
青木 玲斗 :
「うん」
青木 玲斗 :
「──それじゃあ、ユーザー登録の前に、一旦シャットダウンするね」
青木 玲斗 :
「えっと……おやすみ、BR800」
KP :
アナタは再び目を閉じた。
KP :
……次に目覚める時、アナタの前には夜鷹守人がいるだろう。
KP :
どんな人物だろうか。そう思考を巡らせていると、やがてアナタの意識はシャットダウンした。
03 白瀬兄妹
KP :
ではではHO2のトモヤくんの導入が終わり、HO3の不破さんの導入に移りますの!!
KP :
時はまた暫く遡り…
西暦2040年/某月某日/PM07:00/天気:曇り/都内某所
KP :
賑やかな夜の繁華街をアナタは歩いている。
KP :
この時間は会社帰りのサラリーマンや、夜遊びを楽しむ学生などで賑わっており、街は喧騒に包まれていた。
KP :
アナタはというと、今日も今日とて仕事であちこちを走り回っており、今は警視庁から出てきたところだ。
KP :
普段はよくあるドラマの刑事とは違って事務処理の仕事がほとんどなのだが、最近は"あの厄介な事件"のおかげでアナタの仕事は倍近くに増えている。
KP :
今日はなんとか抜け出せたものの、ここ数日は残業続きだった。
KP :
この職を選んだ以上仕方がないコト、といえばそうなのだが、やはり刑事といえど休息は必要だ。
KP :
アナタは繁華街から少し外れた路地へと足を踏み入れる。繁華街よりは落ち着いているが、それでも居酒屋へと向かうサラリーマン達でそれなりに賑わっていた。
KP :
路地をさらに奥へと進めば目的地であるバーが見えてくる。
KP :
CROWと書かれた看板が立つそのバーの入り口には『アンドロイド入店禁止』のシールが貼られていた。
KP :
アンドロイドに否定的な人間は少なくはなく、このような店があるのも珍しくはない。
KP :
扉を開けて中に入る。そこまで広くない店内には既に何人か先客がおり、アナタはテーブル席の方へと座った。
KP :
……普段はカウンター席に座る事が多いのかもしれないが、今日は"彼"の他にもう1人"彼の妹"とも会うことになっている。
KP :
アナタが席で暇を持てあまして待っていると、やがて見覚えのある男が店に入ってきた。
白瀬 恭雅 :
「悪い、遅くなった。仕事が中々片付かなくてな」
KP :
アナタの同僚である白瀬恭雅だ。
KP :
彼は軽く謝罪しながら向かいの席に座り、ウイスキーを注文する。
白瀬 恭雅 :
「詫びに今日は奢るよ、おまえは何にする?」
不破 栞 :
「そうだな…」
不破 栞 :
「日本酒を頂こうか。メニューにはあったかな」
KP :
そう言いながらアナタはテーブルのメニュー表に目を走らせる。 するとエリート刑事の目は、メニュー表の端に少し高級な日本酒の銘柄を見つけた。
不破 栞 :
「ああ、これにしよう。貰えるかな?」
不破 栞 :
その銘柄を指さし。
白瀬 恭雅 :
「男に二言はない、好きに頼んでくれ」
KP :
その言葉通りにアナタが日本酒の注文を済ませると、男は再び口を開いた。
白瀬 恭雅 :
「──心はもう少ししたら来ると連絡が来た。しかし女ってのはなんでこんなに準備に時間がかかるんだ?」
不破 栞 :
「そりゃあ、色々あるんだろうさ。特に高校生くらいの子だとなおさらな」
不破 栞 :
特に気のない返答をしている。
白瀬 恭雅 :
「そういうものなのかね」はあと溜息をつく
不破 栞 :
「バーっていうと大人の場所だろうからな。気の入りようが違うんだろう」
白瀬 恭雅 :
「気合を入れているから、というのならば、別の動機に心当たりがあるが……まあ、そういうことにしておこうか……」
白瀬 恭雅 :
「────それはともかく、今日は付き合ってもらって悪いな。アイツが会わせろってうるさいんだ」
白瀬 恭雅 :
「まあ、おまえと久々にゆっくり酒を飲みたいとは思っていたし、ちょうどよかったが……」
不破 栞 :
「私にか? ふふ、そうか。物好きなものだな」
不破 栞 :
「……最近は特に忙しくて、ふらっと店に寄る時間もないからな。一課は」
KP :
アナタが悪態を漏らすと同時、カランカランとドアベルが儚げに鳴った。
KP :
アナタがそちらに視線を投げると、そこには見覚えのある少女が立っていた。
不破 栞 :
居場所を知らせるように小さく手を振ろう。
KP :
その少女──白瀬心はアナタの姿を見つけるとパタパタと小走りで駆け寄ってきた。 その様子は、バーには全く馴染んでいないが微笑ましいものだった。
白瀬 心 :
「栞さんこんばんは…! 今日は急にすみません…!!」
不破 栞 :
「とんでもない、他でもない君の頼みだからな」
不破 栞 :
「私も敢えて嬉しいよ。心くん」
白瀬 心 :
「え、えへ、そうですか…? それならいいんですけど…!」
不破 栞 :
仕事中は絶対に見せない優しい笑みを浮かべる。
白瀬 恭雅 :
「……おまえはコイツに甘すぎだ」そんな二人を見て悪態をつく
白瀬 恭雅 :
「大幅な遅刻だぞ、いったい何をしていたんだ……だから俺は迎えに行くと言っていたのに……」そして人前で説教を始める
白瀬 心 :
「仕方ないでしょ!それに元はと言えば、お兄ちゃんがこんなお店にするから!!」
白瀬 恭雅 :
「こんな店とはなんだ、こんな店とは……」
白瀬 恭雅 :
「大体ホントはコイツといつも通り2人で飲むところをおまえが無理矢理……」
不破 栞 :
「まあまあ、いいじゃないか白瀬。せっかくの酒が不味くなるぞ」
不破 栞 :
「……心くん、お兄さんは私のために時間もない中この店を選んでくれたんだ。こんな店、というのは少し感心しないな」
白瀬 心 :
「……」
KP :
少女は「でも」と言いかけて、その口を噤んだ。
不破 栞 :
「……ほら、今日は楽しみにしていたんだろう?」
不破 栞 :
近づいて、頭にやさしくぽんと手を置く。
白瀬 心 :
「え」
白瀬 心 :
「あの、その、ええっと……そうです、けど……」
不破 栞 :
「私の顔に免じて、お互い水に流してくれないかな?」 少し屈んで目線を合わせ、微笑む。
白瀬 心 :
「……あ、う、わ、分かりました」
白瀬 心 :
「流します…! 流しますよ…!! 水にでもドブ川にでも…!!」
不破 栞 :
「うん、ありがとう……ほら、席にどうぞ」
白瀬 心 :
「は、はい……」少し俯きながら席に座る
白瀬 恭雅 :
「俺の言うコトも、これくらい素直に聞いてくれればいいんだがな……」小声
不破 栞 :
「……まぁ、そう気を落とすな。こういう時期はあるものさ」 小声
KP :
その言葉に恭雅は深い溜息を付く。
KP :
──こんな光景も数年一緒にいるアナタから見れば珍しいものではない。
白瀬 心 :
「よ、よ~し、気を取りなおして初バーを楽しむとしますよ!!」
KP :
席についた少女は、オレンジジュースとその他大量の料理を注文していく。
白瀬 恭雅 :
「おい、ファミレスじゃないんだぞ……だいたいそんなに頼んで誰が払うんだ……」
不破 栞 :
「どうした、男に二言はないんだろう?」
白瀬 恭雅 :
「ぐっ……! 確かにおまえの分は奢るとは言ったが……!!」
白瀬 心 :
「うんうん、じゃあお兄ちゃんの支払いに決定と言うコトで!」
白瀬 心 :
「あ、栞さんは何が食べたいですか?」
不破 栞 :
「私は……フライドポテトを分けて貰えれば十分だ。夕飯は仕事中に少し食べて来たからね」
不破 栞 :
「(これ以上頼みすぎると食べ切れなそうだからな…)」
白瀬 心 :
「お兄ちゃんの奢りなんだし遠慮しなくていいのに~」
白瀬 心 :
「でもそういうコトなら、もう注文しちゃいますね!」
KP :
少女が料理を注文すると、少しして飲み物と料理が運ばれてくる。
KP :
彼女はアナタに料理を取り分けつつ、自分も美味しそうに料理を口に運んでいる。
KP :
ふと座席の後ろに目がいく。そこにはギターケースが置かれていた。
KP :
そういえば彼女は出会った当初から「音楽が好きだ」と話していたことを思い出す。
不破 栞 :
「ギター、弾くのか?」 何気なく聞いてみる
白瀬 心 :
「えっ、どうしてわかったんですか…!? もしかしてエスパーなんですか…!? エスパー栞、なんですか…!?」
不破 栞 :
「いや、ギターケース持ってきてるから……」
不破 栞 :
その勢いのいいリアクションにくすっと笑ってしまう。
白瀬 心 :
「あ、ああ~……流石の推理ですね刑事さん……」今日は持ってきてたの忘れていた自分の言動が恥ずかしかったのか、頬が赤くなる
白瀬 心 :
「実は私、軽音部に入ったんですよ」
白瀬 心 :
「元々歌うのが好きだから、将来はその……歌手になれたらなって……」
不破 栞 :
「へぇ……!」
不破 栞 :
「素敵な目標だね。ライブなんかがあったら、私も聴かせて貰いたいな」
白瀬 心 :
「え、本当はやっぱりエスパーなんですか栞さん…?」
不破 栞 :
「そうだったら、もっと捜査たくさんの事件を解決できて素敵なんだろうけどね……残念ながら」
白瀬 心 :
「あっ、違うんですね……? また当てられたから心が読まれたのかと……!!」
白瀬 心 :
「いや仮に心が読まれてたなら、何かしらの関係の変化があるハズだし、よくよく考えてみればそれはないよね……」小声
KP :
少女は顎に手を当てて少し考えこむと、意を決したように切りだした。
白瀬 心 :
「────あの! 実は今度、ライブをするんです! 初めてのライブ!!」
白瀬 心 :
「それでよかったら栞さんも来ていただけませんか…? チケットならプレゼントするので…!」
不破 栞 :
「本当? 嬉しいな……是非行かせて貰うよ!」
白瀬 心 :
「え、いいんですか…!? そんな二つ返事で大丈夫ですか…!? 再来週の日曜ですよ…? 最近は忙しいって話じゃ…」
不破 栞 :
「君の晴れ舞台だろう?」さも当然のように
不破 栞 :
「忙しいのも本当だが……大丈夫、開けておくさ。なあ、白瀬?」
白瀬 恭雅 :
「どっちも白瀬だが、まあ再来週ならなんとかなるだろう」
不破 栞 :
「だそうだ。楽しみに仕事のほうを頑張ってくるよ」
白瀬 心 :
「あ、ありがとうございます…! お仕事がんばってください…!! 応援してます…!!」
白瀬 心 :
「栞さんが来てくれるなら、私も頑張れそうな気がします…!!」
不破 栞 :
「ふふ……そう言って貰えると光栄だよ」
白瀬 心 :
「お兄ちゃんもがんばってよね…!! 栞さんの足を引っ張っちゃダメだから…!!」
白瀬 恭雅 :
「…………」
白瀬 心 :
「────あっ、栞さんはどうなんですか? 将来の夢とかありました?」
不破 栞 :
「夢? ああ、そうだな……」
不破 栞 :
「小説家かな。似合わないだろう?」 どことなく、不器用な笑みを薄く浮かべて
白瀬 恭雅 :
「……小説家? 俺も初耳だぞ」
不破 栞 :
「そりゃあ、終わったことだからな。大人になってあえて語るようなものでもないだろう」
白瀬 心 :
「終わったコト、ですか? 今からだとムリなんですか? 小説家になるのって?」首を傾げる
白瀬 心 :
「クールなカンジが似合いそうですし、いいなって思いますけど私は」
不破 栞 :
「いや、物理的に無理ってわけではないんだが……」苦笑して
不破 栞 :
「子供の頃から推理小説が好きでね。それこそ、たぶん何百冊も本を読んできた」
不破 栞 :
「プロになるためには賞を取らないといけないから、たくさん書いて応募したよ。でもまあ……ダメだった」
不破 栞 :
「どれだけ技巧をこらしても、人を魅了するような美しいトリックやストーリーで私はプロの世界に及ばなかった」 どこか遠い目をして
不破 栞 :
「きっと、そういう人はごまんといると思うよ。人に話さないだけでね」
不破 栞 :
「私も、そんなありふれた中のひとりだったわけだ」
白瀬 心 :
「夢が破れる……当たり前の事かもしれないですけど大人の世界は厳しいんですね……」胸のあたりをぎゅっと握りしめる
不破 栞 :
「……厳しいけれど、悪いことばかりじゃない」
不破 栞 :
「夢は叶わなくても、私は100パーセントやりきったと言えるし、それは私の中で今も大きな自信に繋がってる、そう思うよ」
白瀬 恭雅 :
「夢の過程で得たモノは全て無為ではない、別の道で今の自分を支えてくれる」
白瀬 恭雅 :
「……まあ、今の不破の捜査能力や書類整理能力が、小説家ベースのソレとは知らなかったが」
不破 栞 :
「まあ、なんだその……気恥ずかしいな。改めて言われると」 収まりが悪そうに苦笑している
白瀬 心 :
「いえ…! そんな栞さんが、カッコイイ、と思います…!!」ずいと身を乗り出し
白瀬 心 :
「私も栞さんみたいな大人になれるかな…」
不破 栞 :
心ちゃんの肩にそっと手を乗せる。
不破 栞 :
「君ならなれるさ。私よりも素敵な大人にね」 優しく微笑む。
白瀬 心 :
「が、がんばりますっ」
不破 栞 :
「その意気だ!」
KP :
楽しい時間はあっという間で、時刻は22時に差し掛かろうとしていた。
KP :
恭雅はそろそろ出るかと立ち上がり、心は少し不満そうではあるものの同じく立ち上がり兄の後についていく。
KP :
アナタ達が外に出ると、空には満月が出ていた。
KP :
そして3人で少し歩いたところで、心が「あ!」と声をあげる。
白瀬 心 :
「お店に忘れ物してきちゃった…!ごめん、ちょっと取りに行ってくる…!」
不破 栞 :
「ああ、ついて行こうか?」
白瀬 心 :
「ううん、大丈夫です! まだすぐそこですから!!」
不破 栞 :
「そうか……何かあったらすぐに連絡してくれ。駆けつけるからな」
白瀬 心 :
「えへ、今回みたいに何かなくても連絡しちゃうかもですよ! それじゃ!!」
KP :
そういって少女は慌ただしく夜の街を駆けていった。
白瀬 恭雅 :
「騒がしい奴だな」
KP :
恭雅はそう言いながらも少し心配そうにその背中を見送っていた。
不破 栞 :
「高校生だろう? あれくらい元気でちょうどいいさ」
不破 栞 :
「まあ、少し心配ではあるけれどな」
白瀬 恭雅 :
「ああ、元気がないより、元気がある方がいいのは確かだが……」
白瀬 恭雅 :
「────それはともかく今日は助かった」
白瀬 恭雅 :
「アイツもおまえに会えて嬉しそうだったし。俺も気が和らいだ、最近はやることが多くて少し滅入ってたからな」
不破 栞 :
「なんだ? 珍しいこと言うな?」
不破 栞 :
「ま、役に立てたなら嬉しいよ。私も楽しかった」
白瀬 恭雅 :
「そうか、それならよかった」
白瀬 恭雅 :
「……いや、少し心を見習ってスナオになってみただけさ、歳を取るにつれて、こんなコトを言う機会は少なくなるだろうしな」若いうちに言っておこうと思ったんだと苦笑いを浮かべる
不破 栞 :
「ああ……一年があっという間だからな。この仕事をしていると」
白瀬 恭雅 :
「特にここ最近は時間の流れが本当に早い」
白瀬 恭雅 :
「……例の殺人事件のせいでな」
白瀬 恭雅 :
「おまえは知っているか? アレはただの殺人事件かと思われていたが、そうでもないらしい」
不破 栞 :
「殺人事件というのはひとつとして同じものはないものだが……類を見ない事件、そういうことか?」
白瀬 恭雅 :
「ああ、所轄署を挟まずに警視庁の刑事だけで捜査……そのせいで人手が足りずに俺達みたいな新人まで最前線で捜査にあたってる」
白瀬 恭雅 :
「上にその理由を聞いても答えられないところを見るに、自分達で調べろってことなんだろうが」
白瀬 恭雅 :
「……ああ、いや、仕事の話は今はいいか。油断するとすぐに仕事のことを考えてしまう」
不破 栞 :
「……そうだな。今日くらいは考えなくてもいいだろう」
白瀬 恭雅 :
「おっとそうだった、コレを忘れるところだった」
KP :
恭雅はポケットから何か取り出し、アナタに投げて渡してくる。 見ればそれは小さな紙袋のようだ。
不破 栞 :
「なんだ? これは」
KP :
中を見ればそこには小さな鈴のようなものが入っていた。シルバーで細かい彫刻が施された、シンプルながらも上品なデザインだ。
KP :
調べる場合は≪知識≫か≪博物学≫をどうぞ!
不破 栞 :
私の知識を見くびるな…100あるぞ!
KP :
100ファンブルすれば関係ないねッ
不破 栞 :
cc<=100(1D100<=100) > 34 > 成功
KP :
流石に余裕の成功
KP :
アナタはこれが『ティアベル』であることを知っている。涙が落ちる音のような澄んだ音色からこのような名前がついたとか。
白瀬 恭雅 :
「偶然見つけてな、たまにはこういうのも悪くないと思っただけだ……深い意味はない」
白瀬 恭雅 :
「ただまあ、おまえには少なからず世話になってるから……いらなかったら売るなり捨てるなりすればいい」と頭をかいている。
KP :
普段、他人に物をプレゼントすることは滅多にない男からのそれに、アナタは驚くかもしれない。
不破 栞 :
「(へぇ、あの白瀬が……それもこんな洒落たものをな)」 ちょっと驚いて目を開く
不破 栞 :
「いや、大切に使わせて貰うよ。ありがとう」
白瀬 恭雅 :
「……そうか」そっけない返事を返すが、付き合いが長いアナタには恭雅が喜んでいる事が見てとれた。
KP :
そしてやがて心が走って戻ってきて、再び3人で歩き出す。
KP :
ふとアナタはライブのチケットに視線をうつす。
KP :
心の初ライブは、ここから近くのライブ会場で開催されるらしい。学生バンドが中心のライブのようだ。
KP :
彼女はどんな歌を歌うのだろうか。
KP :
──あの約束を違えないように、仕事を頑張って時間を作らなければ。 ライブのある再来週までに今抱えている事件に片が付けばいいのだが。
KP :
そんなアナタの願いは叶うことはなかった。
KP :
それから1週間後のことだった。
心が行方不明になったと、報告が入ったのは。
04 X000
KP :
HO3の不破さんの過去回想が終わって、HO4のスコアちゃんの過去回想に移ります!!
スコア :
はーい!
KP :
暖かい日差しが降り注ぐ中庭で子供たちが笑っている。
KP :
アナタはその中央に歌う少女の声に懐かしさを覚える。
KP :
……ここはどこだろうか、記憶は朧気だ。
KP :
彼らに手を伸ばそうとするがその手は届かず、映像にノイズが走った。
西暦2047年/某月某日/PM07:00/天気:曇り/■■■■本部
SYSTEM :
システム起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
???? :
「X000、起動しろ」
SYSTEM :
____X000、起動します
KP :
ゆっくりと目を開ける。
KP :
まず目に入ったのは、コンクリートの壁と床、地面に転がる廃品の数々。
KP :
そしてアナタの目の前に立つ男と、その後ろから顔を覗かせる二人のよく似た少年少女。
KP :
……状況を分析しようと試みるがうまく思考がまとまらない。
KP :
自分がなぜここにいるのか、自分は何者なのか、目の前にいる彼らは何者なのか。
KP :
辛うじて分かるのは自身がアンドロイドであるということのみだ。
KP :
──無愛想で眼光が鋭いその男は、アナタをまっすぐ見つめてこう言った。
キョウ :
「協力してほしい。事件を止める為に」
KP :
……そこで再びアナタの意識はシャットダウンした。
KP :
翌日。
SYSTEM :
腹部に衝撃を確認。至急確認してください。
KP :
アナタが目を開けると、そこには腹部で勢いよく跳ねる昨日の少年がいた。
KP :
どうやらアナタを起こそうとしているようだが、このままではいくらアンドロイドといえど機体に損傷ができてしまう。
リト :
「ちょっとニト、アンタまた機械を乱暴に扱って!そんなんだから、いつまでたっても半人前なんでしょ!」
KP :
その近くでは同じく昨日見た少女がおり、少年に声をかけている。少年はアナタが目を開けたのを確認すると、
ニト :
「あ、やっと起きた?キョウが呼んでるぞ」と笑った。
X000 :
「……キョウ?」 少年を見上げる
リト :
「自己紹介もまだなのに、キョウとか言っても分かるハズないでしょ」
リト :
「仮にも科学者を自称するなら少しは考えてモノを言いなさいよニト」
ニト :
「あ~、そっかそっか!自己紹介!!じゃあまとめて自己紹介した方が効率的だし、とりあえずついてきてよ!!」
X000 :
「……了解しました」 何も理解出来ていないが、人間からの命令なので従う
X000 :
「では、上から退いて貰えると……」
ニト :
「おっとっと、確かに旧型機体だと、こんな寝た状態のままローラー走行とかはできないよね!」んしょ、と勢いをつけて降りる
X000 :
「ありがとうございます」 上体を起こし、床に立つ
X000 :
「……最新のアンドロイドは、横になったままでも走行が可能なのですね」
ニト :
「そうだよ、まるでヘビみたいにスライド移動できるから、寒い日にはキャスター付きのコタツを伴って移動する事すら……」
リト :
「……ニト、純粋なアンドロイドに平然とウソをつくな」少年にデコピンする
ニト :
「あたっ!?」
リト :
「アンタも、コイツのいうコトは本気にしなくていいから」呆れた様子
X000 :
「分かりました……」 嘘を吐かれたことには怒ってもいない
X000 :
「では、案内をよろしくお願いします」
ニト :
「ああ、そうだったそうだった!」
ニト :
「さっそくキョウのところに……行きたいところなんだけど」
リト :
「まずは検査が先ね、昨日はメンテナンス不足だったのか、いきなりシャットダウンしちゃったもの」
X000 :
「分かりました。ですが、メンテナンスはどなたが……?」
ニト :
「ふっふっふ! 何を仰る旧型アンドロイドさん!!」
ニト :
「それは当然、この僕……!!」
リト :
「と今回はあたしもいるから、安心してメンテナンスを受けなさい」
X000 :
「あなた達が……?」 少し意外そうに見てる
ニト :
「あ! 僕達が小さいからって侮ってるな?」
X000 :
「侮ってはいないのですが、意外に思ってしまって……」
X000 :
「わたしの知識では、そういった技術はもっと大人の方が習得しているのかと」
ニト :
「くくく、それは古い知識だね! ここでは通用しないよ!!」
ニト :
「僕は天才だからね! そこらの大人に負けたりは……」
リト :
「すると思うけど、今のところはあたし達ふたりでメンテナンスは回ってるし大丈夫よ」
X000 :
「そうでしたか……認識を改めます」
ニト :
「うんうん、認識を改めて僕の事を崇める?といいよ!」崇めるの意味はよくわからずに使っている
リト :
「あんまり調子に乗らない」
リト :
「……いろいろ知りたい事は山積みだと思うけど、そのあたりは後でちゃんと説明するから、今はついてきてもらえるかしら?」
X000 :
「はい、分かりました」 素直に従う
ニト :
「うん、それじゃあ行こうか! メンテナンスついでに僕達の秘密基地を案内してあげよう!!
KP :
アナタは少年少女に手を引かれ施設内を歩いていく。
KP :
地下にあるというこの施設では、所々に設置してある電球が、日光の代わりに周囲を照らしていた。
KP :
昨日この施設で目を覚ましたアナタは、大した説明も受けず、何がなんだか分からないまま、検査を受けたり機体を弄られた。
ニト :
「アレ…? スタックの記憶領域にデータが残ってない…? 初期化状態になってる…?」
リト :
「……もしかしてアンタ、記憶喪失?」
X000 :
「そう……なのでしょうか?」
リト :
「まあ、製造から一切の活動をしていなかった可能性も全くないとは言えないけど」
ニト :
「こんなにハイスペックな旧型モデル、わざわざ作って放置するかな」
X000 :
「……では、あの映像は何だったんでしょう」
ニト :
「映像?」
X000 :
「はい。どこかの中庭に子供たちがいて、その中心で少女が歌っている……」
X000 :
「そんな記憶を見た気がするんです」
ニト :
「ん~、データにない記憶? こっちの分析結果だと何もないんだけどなあ」
X000 :
「そうでしたか……」
X000 :
「そちらの分析に無かったのなら、何かの勘違いだったのかもしれませんね」
リト :
「……勘違いで記憶の再生なんて起きるかしら」
リト :
「まあ、活動に支障がないなら今はいいわね」
リト :
「────それよりアンタ、記憶がないって事は名前も?」
X000 :
「はい。自分のことは何も……名前にも覚えがありません」
ニト :
「ふ〜ん、そうなんだ……じゃあ僕がつける?」
ニト :
「旧型アンドロイドだから、そうだな……」
ニト :
「Q太郎、なんてどう?」
X000 :
「Q太郎」
X000 :
「では、Q太郎で」
ニト :
「やったぁ! よろしくなQ太郎!!」
リト :
「……はあ!? ちょっと待ちなさいよ!!」
リト :
「Q太郎はないでしょQ太郎は!? 女の子なのよ!?」
リト :
「それを了承するアンタもアンタよ! 否定しなさいよこんな名前!!」
X000 :
「ごめんなさい。確かに太郎は女性名に適していないとは思ったのですが……拒否しても良かったのですね」
リト :
「ああ、そうか……、拒否するという選択肢がなかったのね……」
リト :
「そうよね、考えてみればアンタは"変異体"じゃないのだし……」
X000 :
「変異体?」
ニト :
「自我を持ったアンドロイドのコトだよ! 最近は増えてるんだ!」
ニト :
「うちにもウジャウジャいるよ!」
リト :
「言い方」
X000 :
「なるほど、自我を持ったアンドロイド……」
X000 :
「それは大丈夫なのですか?色々と問題が生じそうな気もするのですが……」
ニト :
「別に? ……ああ、いや、人間社会では問題とされてるみたいだけどね?」
リト :
「ここでは問題はないわ、アンタも自由に振る舞っていいのよ」
X000 :
「自由に……」 少し困ったように目を伏せる
リト :
「それでも自由に縛られる必要もないわ、ゆっくりと慣れていけばいいんだから」
リト :
「それはともかく、名前の話に戻りましょうか」
ニト :
「僕のがダメなら、キョウに付けてもらえばいいんじゃないかな? 他のアンドロイドに付けてるの見た事あるし」
X000 :
「では、そうさせて貰います。自分では良い名が思い浮かびそうにありませんから」
KP :
全ての検査を済ませたアナタは、二人の子供に挟まれながら薄暗い廊下を暫く歩いていく。
KP :
するとやがて、とある一室に辿りついた。
KP :
少年はそのドアをノックもせずに開ける。
KP :
中に入ると、そこは沢山のモニターに囲まれた管制室のような場所だった。
KP :
モニターには──監視カメラやドローンから映像を拾っているのであろう──外の世界が映し出されている。
KP :
その部屋の中央、モニターを見ていた男はこちらに振り返る。
キョウ :
「来たか」
キョウ :
「……ニト、リト。助かった」
KP :
ニトとリトは男の両隣に立ち、男はそんな彼らの頭を軽く撫でる。
ニト :
「えへ! まあ、僕にかかればこの程度の仕事、礼を言われるほどのこともなかったけどね!」
リト :
「それじゃあキョウも揃った事だし、自己紹介から」
X000 :
「……はい、お願いします」 この人がキョウだったのか、と見ながら
ニト :
「じゃあ僕からね! 僕の名前はニト!」
ニト :
「近い将来、世界を揺るがすマッドサイエンティストだから、仲良くしておいた方がいいぞ!!」
X000 :
「マッドサイエンティスト……ですか?」
ニト :
「そうとも! カッコイイだろ!!」
X000 :
「かっこいいかどうかはよく分かりませんが、先程のメンテナンスは……マッドサイエンティストというものだったのでしょうか……」
X000 :
「極めてまともだったような……」
リト :
「メンテナンスがマトモだったのは、自称マッドサイエンティストの姉のあたし……」
リト :
「リトがいてあげたおかげね」
X000 :
「なるほど」 凄く納得したように頷いている
リト :
「実際、手と足を付け替えようとしてたわよコイツ」
X000 :
「手と……足を……?」 ニトを見て
ニト :
「いやあ、なんだか腕部パーツと脚部パーツの接合面って似てるじゃん?」
ニト :
「うっかりうっかり! マッドうっかり!!」
X000 :
「…………」
X000 :
「リトさん、ありがとうございました」 見張っててくれて良かった、と凄く思ってる
リト :
「どういたしまして」ゆるく口角を歪める
ニト :
「いや待って待って! 誤解だよ誤解!! たまたまファンブルしただけ!! この僕を信じたまえよQちゃん!!!!」
ニト :
ということで僕は旧型アンドロイドに対して信用を勝ち取るための≪信用≫ロールを行うぞ
X000 :
何~!?どうぞ
ニト :
CC<=15(1D100<=15) > 23 > 失敗
X000 :
ちょっとおしかった
ニト :
くそっ…! この狂気のマッドサイエンティストが信用されないだとっ…!!
X000 :
しょうがないね…
X000 :
「わたしはQちゃんではありません」 無機質にそう返事をする
リト :
「だそうよ?」否定するようになった様子を見て嬉しそうに
ニト :
「ぐぬぬ……僕に対する好感度が下がったのが何となく分かるぞ……」
リト :
「もうこんなバカは放っておいて自己紹介の続きをしましょう」
リト :
「キョウ、おねがい」
キョウ :
「…………ああ」
キョウ :
「俺はキョウ……一応、この組織をまとめているリーダーだ」
キョウ :
「昨日は大した説明もなしにすまなかったな、機体の損傷が激しかったせいでマトモな会話ができなかった」
キョウ :
「機体はこちらで弄らせてもらったが、今の体の調子はどうだ?」
KP :
アナタの体はまだぎこちなさは残るものの、先程のメンテナンスで修理されたらしく、特にこれといった不調はない。
X000 :
「はい、体の方は問題ありません」
X000 :
「ですが、何も覚えていないのです。記憶データが無くなっているようで……」
キョウ :
「そうか記憶が」
キョウ :
「だが問題ない、別にデータが目当てで修理した訳じゃないからな」
X000 :
「では、何が目的でわたしを目覚めさせたのですか?」
キョウ :
「何の目的、か。もちろん、答えよう」
キョウ :
「だがその前に我々の組織について説明する必要があるな」
キョウ :
「────俺達の組織の名はSPARROW(スパロー)」
キョウ :
「普段は人間から逃げてきたVOIDの保護や、失業者の支援なんかをやってる」
キョウ :
「……といっても、俺達はボランティア団体じゃない。とある事件を追っている」
X000 :
「事件……?」 昨日も言っていたな、と思い出す
キョウ :
「連続殺人事件だよ」
キョウ :
「……今から7年程前、とある一家の両親が惨殺死体で発見され、その家の子供が行方不明になったのが始まりで、それから短期間で似たような事件が次々と起こった」
キョウ :
「その後も事件は続き、警察も犯人を掴めずにいる」
キョウ :
「……それもここ数年は落ち着いたように見えたんだが、最近はまた似たような手口の事件が起こり始めてな」
キョウ :
「この組織の人間とアンドロイド達は、この事件を止める為に集まっている。みんなそれぞれ事情は違うが、目的は同じだ」
キョウ :
「しかし、やはり捜査といっても警察でもない俺達には限界がある」
キョウ :
「──そんな時、お前を見つけた。この地下施設を調べていたらたまたまな」
X000 :
「この施設に、わたしが……?」
キョウ :
「ああ、おまえは確かに、この地下施設にいた」
キョウ :
「この施設と同様にかなり古い機体のようだが、それとは裏腹に性能は他のアンドロイドに劣らないどころかそれ以上」
キョウ :
「おまえのようなアンドロイドは初めて見た」
ニト :
「X000なんて型番も初めて見たしな〜。ピコ太郎はどこから来たんだろ」
X000 :
「わたしはピコ太郎ではありません」
キョウ :
「……横槍を入れた上に勝手に名前を付けるなニト」
ニト :
「は~い」
KP :
随分と賑やかな雰囲気だ。とても恐ろしい事件を追っている組織には見えない。
X000 :
「…………」 その賑やかな様子を観察してから
X000 :
「自分の事なのにまだあまり実感が持てませんが、その優れた性能を使って事件の捜査に協力して欲しい……」
X000 :
「そういうことでしょうか?」
キョウ :
「ああ、話が早くて助かる」
リト :
「……流石の高性能って訳ね」
キョウ :
「────近々、日本の警察組織にもVOIDが導入されることになった。それで、だ」
キョウ :
「おまえもそのVOID達に混ざり、警察に侵入して情報を取ってきてほしい」
キョウ :
「いきなりこんなことを言われて、混乱しているだろうが……おまえの力が必要なんだ、頼む」
X000 :
「……なるほど」
X000 :
「スパイというわけ、ですね……。しかし、もしそれが警察側にバレたら……」
キョウ :
「……ああ、そのリスクは大きいだろう」
キョウ :
「だから勿論、この話は断ってくれても構わない」
キョウ :
「俺はおまえに機械として命令するつもりはない」
キョウ :
「……ただ頼む、これは必要なコトなんだ」
X000 :
「…………」 キョウの瞳をジッと見つめ
X000 :
「分かりました、協力します」
ニト :
「……え、いいの? 大分あぶないと思うけど?」
X000 :
「はい。危険であることは理解しています」
X000 :
「もしもスパイ行為が警察に知られれば、おそらくわたしは廃棄処分されるかと」
X000 :
「……でも、それでもわたしに出来ることなら手伝ってみたいと……何故かそう思いました」
X000 :
「……おかしいでしょうか?」
リト :
「ううん、いいんじゃないかしら」
リト :
「それがアンタの意志で決めた事なら」
X000 :
「……良かった。では、わたしはそうしたいです」
キョウ :
「────そうか、ありがとう」
X000 :
「いえ」
X000 :
「……それでは、キョウ。わたしに名前を付けてもらえませんか?」
キョウ :
「……名前? ああ、そうか、おまえは記憶喪失なんだったな」
キョウ :
「名前、か」キョウは少し考えた後、
キョウ :
「そうだな……オト、はどうだ?」
キョウ :
「型番の"X-000"を数字とアルファベットに入れ替え・反転してOOO-10で"オト"」
オト :
「……オト」 その名を反芻するように呟く
オト :
「とても良い名だと思います。では……わたしはオト、ということで」 小さく唇を緩ませ、笑みを零す
リト :
「あたしもいい名前だと思うわ、よろしくねオト」
オト :
「はい、よろしくお願いします。リト、ニト────」
オト :
「───キョウ」
KP :
アナタが名前を受け入れると、アンドロイドよりも無愛想なその男は、その口元を少し緩めた。
キョウ :
「ああ、これからよろしくオト」
キョウ :
「────そしてようこそ、スパローへ」
05 新人バディの邂逅
KP :
それぞれの個別シーンを終えたところで、いよいよパートナー同士の邂逅シーンに入っていきます! まずはHO1の守人くんとHO2のトモヤくんから!!
西暦2050年/10月15日/AM12:30/天気:小雨/警視庁
KP :
夜鷹守人、アナタは他の刑事とすれ違いながら、赤星と共に警視庁の廊下を歩いていく。
KP :
すれ違うたびに視線を感じるのは、自分が彼らから見れば見知らぬ顔だからなのか、
KP :
それとも自分が最年少で、いま最も世間を騒がせている事件の担当になった有名人だからなのか。
KP :
あるいはその両方なのか。
KP :
どちらにせよ赤星は気にするなと言いながらアナタを誘導して歩く。
赤星 透也 :
「この先におまえのパートナーになるアンドロイドが待機しているハズだ」
赤星 透也 :
「……俺もはじめて見るんだ、どんな奴なんだろうな」
夜鷹 守人 :
「どんなヤツだろうと同じですよ」
足取りが重いのか、透也の後ろをどんよりとした雰囲気を纏って追従する
夜鷹 守人 :
「(この俺に、アンドロイドのパートナーだなんて……)」
奥歯を噛みしめて喉の奥から漏れ出しそうな嫌気を押し殺す
KP :
アナタが湧き出す嫌悪を嚙み殺していると、やがて目的地である一室の前まで辿り着く。
KP :
入り口には網膜認証システムが導入されているようで、赤星がモニターに目を向けると自動でドアが開いた。
KP :
────中に入ると、そこは四隅に無数の段ボール箱が並べられた殺風景なオフィスだった。
KP :
その奥には、壮年の黒髪の男性と目の下に隈がある青髪の青年がいた。
夜鷹 矢代 :
「来たか」
KP :
そう言ってアナタを見たのは、公安局刑事課アンドロイド捜査係の係長である夜鷹矢代だ。
夜鷹 守人 :
「父さっ……矢代係長、遅れて申し訳ありません」
夜鷹 守人 :
家族と言えど、今は職場であり上司と部下の関係。
あくまでその礼儀を忘れずに父と呼びかけたことを咄嗟に訂正する。
青木 玲斗 :
「(えっ、父さん……?)」
夜鷹 矢代 :
「今日が準備期間だから支障こそなかったが、くれぐれも気を緩めんようにな」
夜鷹 矢代 :
「……さて、見知らぬ顔もあるだろうが、メンバーはこれで全員というわけではないのでな。自己紹介は後にまわす。青木、説明してくれ」
青木 玲斗 :
「あっ、はい……」
KP :
青木と呼ばれた男が前に出て説明を始める。
青木 玲斗 :
「この子がアナタのパートナーとなるVOID、型番はBR800です」
青木 玲斗 :
「チューリングテストをはじめとしたあらゆるテストを通過した最新型のモデルで、捜査に役立つ機能は勿論、戦闘にも秀でています」
青木 玲斗 :
「機体も頑丈で防水加工もされてるので、多少のコトでは壊れないんですが……」
KP :
言いながら青木はアンドロイドの後頭部を指す。
青木 玲斗 :
「人間でいう海馬にあたる部分にあるこのチップ──私たちはこれを『スタック』と呼んでいるんですが」
青木 玲斗 :
「これが壊れてしまうと中のデータも消えてしまうので気をつけてください」
青木 玲斗 :
「……それとBR800モデルはバッテリーが内臓されているので充電は基本必要ありません」
青木 玲斗 :
「他にも機能がありますが、これ以上の説明は長くなりますし、実際に一緒に活動した方が分かりやすいかと思います」
青木 玲斗 :
「……えっと、ここまでで何か質問はありますか?」
夜鷹 守人 :
特には、と言った様子で首を横に振る。実際は知りたくもない、に近いが
青木 玲斗 :
「そ、そうですか…?ないならないでいいんですが…」
青木 玲斗 :
「ええと、ご存じかとは思いますが、今の警察では警察官1人につき1体のVOIDの所持が義務付けられています」
青木 玲斗 :
「そして捜査を始める前に登録が必要で────」
KP :
そう言いながら青木はアンドロイドに向き直り、
青木 玲斗 :
「BR800、起動して」と声をかける。
SYSTEM :
システム起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
SYSTEM :
____BR800、起動します
KP :
ここでBR800は目を覚ます。目の前には黒髪の青年がいるのが見えるだろう。
ヤオ トモヤ :
「……‼︎」目を丸くし、視界の端に青木の姿を捉える。ということはつまり、目の前の青年が!私の相棒!
「────初めまして!私のパートナー!」
夜鷹 守人 :
「……………………」
微かに眉間に皺が寄っている
ヤオ トモヤ :
「っと失礼しました、こんにちは!BR800ことヤオ トモヤ正常に稼働しております。……あの!自己紹介から始めても?」喜色満面で目の前の彼を見つめている
夜鷹 守人 :
「………ああ、構わない」
目の前のアンドロイドかけた初めて言葉は、諦めと嫌悪が混じっていた
ヤオ トモヤ :
「ありがとうございます、それでは…!」
未だそれには気づかぬままアンドロイドは立ち上がり、こう続ける
ヤオ トモヤ :
「本日付で警視庁公安部第五課、アンドロイド事件捜査係に配属になりました。警官アンドロイドBR800ことヤオ トモヤと申します」お辞儀する
ヤオ トモヤ :
「ドロ課の皆様と共に協力しあい、事件解決の為に精一杯努めさせて頂くつもりです」
ヤオ トモヤ :
「……若輩者の為、行き届かない点もあるかとは存じますが────」
ヤオ トモヤ :
先程までのやや畏まった態度から一転、破顔して
「器用かつ丈夫、強く賢い私はきっとお役に立つことでしょう!!これからよろしくお願いします!!!」
ヤオ トモヤ :
そして握手を求め手を差し出します
夜鷹 守人 :
「──────」
夜鷹 守人 :
「俺は夜鷹 守人。上でも下の名でも好きに呼んでおけ」
差し出された手を見向きもせずに、淡々と名を名乗る
ヤオ トモヤ :
「わぁ!夜鷹 守人さん…‼︎素敵なお名前ですね、それでは夜鷹さんと呼ばせて頂きます!!」
あなたの名前が知れて嬉しいです と興奮しっぱなしで握ってもらえないことに気づいていない
夜鷹 守人 :
「ふん……」
適当にあしらっておけば、いつか静かになるだろうと踏んでいる
青木 玲斗 :
「……あのう、守人さん?」
青木 玲斗 :
「実はですね…?VOIDのユーザー登録の際には、VOIDの手のひらとユーザーの手のひらを合わせて、名前を呼んであげる必要がありまして…」
青木 玲斗 :
「なので手を出してあげてもらえませんかね?」
夜鷹 守人 :
「冗談だろ……いや、マジですか?」
青木 玲斗 :
「はい、マジですけど……」アンドロイド嫌いなのかな、と既に察しつつある
夜鷹 守人 :
深い溜息をついて、無意識に固めていた握りこぶしを解いて恐る恐る前に差し出す
ヤオ トモヤ :
嬉々としてその手を握ります!
夜鷹 守人 :
「……っ!」
その手が握られると、彼の手から微かに震えを感じる。
ヤオ トモヤ :
すぐさま気づき、もしかしなくても痛かったかな…⁉︎と少し緩めます
赤星 透也 :
「……あとは名前を呼べば、すぐ済むさ」その様子を傍で見守っている
夜鷹 守人 :
「……び、BR800。ヤオ、トモヤ……」
震える口先から、渋々とヤオの名前が呼ばれる
KP :
パートナーとなる青年の言葉を受けて、BR800の機体の内部では機械音声が鳴る。
SYSTEM :
システムチェック開始__
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーの登録を開始__
SYSTEM :
ユーザー名:夜鷹 守人//警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係
SYSTEM :
ID:4762008
SYSTEM :
____ユーザー登録を完了しました
KP :
その光景をこの部屋にいる誰もが見守っていた。 そして矢代が口を開く。
夜鷹 矢代 :
「……登録できたようだな。これで君達は今日からアンドロイド事件捜査係の仲間入りというわけだ、おめでとう」
夜鷹 守人 :
「あ、ありがとう……ございます……っ」
握られていた手を多少強引に離して、ヤオから一歩離れる
ヤオ トモヤ :
「係長…!ありがとうございます!」
遅れてその反応を怪訝に思うものの、特に反応はない
夜鷹 矢代 :
「他のメンバーとは、この後ここで顔合わせをする予定だが……それにはまだ時間がある」
夜鷹 矢代 :
「BR800の動作チェックも兼ねて、2人で近辺を歩いてくるといいだろう。登録と自己紹介は済んだが、パートナーとして、もっと互いを知る必要があるハズだ」
夜鷹 守人 :
「(こいつと2人で……!?)」
赤星 透也 :
がんばれ、と言いたげにヒラヒラと手を振っている
夜鷹 守人 :
「(兄さん……!他人事だと思って……!)」
ヤオ トモヤ :
「そ、それもそうですね!是非‼︎」目をキラキラさせて 夜鷹さん行きましょう!と
夜鷹 守人 :
「………りょ、了解、しま…した……」
夜鷹 守人 :
「(適当な喫煙所に入って外で待たせておけば、なんとか……っ)」
なんとか関わらないプランを頭の中で練っている
ヤオ トモヤ :
「調べたらここの近くに公園があるみたいですし、あとの話はそちらで……‼︎着いてきてください!」ルンルンと夜鷹を先導して部屋を出ていきます
夜鷹 守人 :
「おまっ、勝手に決めるな!ああ、クソッ……」
夜鷹 守人 :
「い、行ってきます……っ」
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、矢代達に軽く一礼してヤオのあとを着いて行きます
夜鷹 矢代 :
「ああ。時間になったらこちらから連絡を寄越そう」
青木 玲斗 :
「(2人の適合率は100%のハズなんだけど……大丈夫かなあ……)」
KP :
パートナーのアンドロイドに連れられるカタチで、新米刑事は警視庁から外に出て、近隣の公園に向かった。
KP :
幸い雨は止んだようだが、天気はあいにくの曇り空で今にも振り出しそうな雰囲気だ。
KP :
しかし2人はそのまま近くの公園を歩いていく。
KP :
外にはアンドロイドと共に手を繋いで歩く子どもや、ランニングをする男性とそれに追従するアンドロイドなどがいる。
KP :
こんな光景もアンドロイドが世界に普及した今では珍しくなくなった。……尤もその輪の中に夜鷹守人が加わるのは、今回が初めての経験だが。
夜鷹 守人 :
「ぐっ、どうして…おれ、が……」
先導しまくるヤオを必死になって追いかけ、公園につく頃には「ぜえぜえ」と息を切らして肩で呼吸していた。
ヤオ トモヤ :
「これが外…なんですね!生憎の曇りではありますが、夜鷹さんと初めて見る″外″です。なんだか感慨深いものですね!」
ヤオ トモヤ :
「ハッ!失礼、つい嬉しくて…!ひとまずどこかに座りましょう」すぐ側のベンチに夜鷹をかけさせる
夜鷹 守人 :
「(つ、冷てえ……)」
小雨が降っていたベンチに腰かけたせいか、しばしば水気を感じる
夜鷹 守人 :
「ゲホッ……おい、トモヤ、だったか……」
俯いた体勢から声をかける
ヤオ トモヤ :
「それでは私も隣に失礼して…‼︎ア‼︎」濡れてましたね!すみませんと 遅いですが自分のジャケットの上に座って下さいと差し出します
ヤオ トモヤ :
「!ッはい、なんでしょう?」
夜鷹 守人 :
「……いくつか、俺達の間で約束を作らないか」
気遣いはいらない、とジャケットを返す
ヤオ トモヤ :
「もちろん構いません、が。約束、ですか?それは……どういったものでしょう」すみません…と恐縮して受け取りつつ
夜鷹 守人 :
「なに、お前にもわかるぐらい単純だ」
夜鷹 守人 :
「一つ、俺に不必要に近づくな。最低でも30cmは離れろ」
夜鷹 守人 :
「二つ、俺の私物に勝手に触るな」
夜鷹 守人 :
「三つ、会話は最低限にしてくれ」
夜鷹 守人 :
「……以上だ。」
ヤオ トモヤ :
「……なるほど?」薄ら勘付き始め
「つ、つまり夜鷹さんはビジネスライクがお好き、ってことでしょうか……」その頬は微妙に引き攣っている
夜鷹 守人 :
「端的に言えばそうだな。何か不都合でもあるか?」
ヤオ トモヤ :
「ィ、い……いえ、な、ないです。勿論」
「わ、私はデキるアンドロイドですし?パートナーの望み位?それ位飲んで差し上げますとも!」
夜鷹 守人 :
「そうか、それは助かる。優秀なアンドロイド様には助けられっぱなしだな」
嫌味を交えながらポケットを弄って、電子タバコを取り出す
ヤオ トモヤ :
沈痛な面持ちでおし黙るも
「……でも、でもですよ!」「私は夜鷹さんが望んで下さるならいつだって頼れる相棒として、良き隣人として関係を進めたっていいんですからね!その気になったらいつだって声かけて下さいね……!」
夜鷹 守人 :
「良き隣人、ねえ……」
電子タバコを吸おうとしたその時、公園の看板が目に入る。
夜鷹 守人 :
「……ここは禁煙か」
浅くため息を吐きつつ、ポケットにしまう
夜鷹 守人 :
「……どう時間を潰したものか……」
膝に頬杖をついて、遠くをボーっと見つめる
KP :
アナタが遠くを見つめていると、突然あたりに悲鳴が響いた。
見知らぬ女性 :
「ひったくりよ!誰か捕まえて!」
KP :
悲鳴の方向を見ると、女性のバッグを持った少年がこちらに向かって走ってきていた。
KP :
少年はアナタ達の目の前を通り抜け、そのまま公園から走り去ろうとしている。
KP :
このままぼーっとしていては、その姿を見失ってしまうだろう。
夜鷹 守人 :
「!!」
走りさるひったくり少年を追いかけようと立ち上がる
ヤオ トモヤ :
夜鷹同様立ち上がり、少年の姿を視界に捉える 「そこの少年、止まって‼︎」
KP :
ひったくり犯を追いかける場合<DEX×5>の判定となります。
KP :
また新型アンドロイドであるトモヤくんは≪コンピュータ≫に成功する事で、周囲一帯の地形データを取得することができ、
KP :
その道を守人くんに伝えるのであれば、以降は守人くんはDEXの判定に+20の補正がかかります。
KP :
またこの判定は、2人の成功数を合わせて5R中3回成功する必要がありますので頑張ってください! 主にDEX4の守人くん!!!!
夜鷹 守人 :
ヘヘヘ
KP :
まずはラウンド処理とは別に地形データが取得できたかの判定を行います
KP :
トモヤ君、コンピュータ判定をどうぞ
ヤオ トモヤ :
ccb<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 25 > 成功
ヤオ トモヤ :
フフ サポートはお手のものですよ‼︎
KP :
流石の新型! では以降、守人くんの判定は+20のボーナスを得ます!!
夜鷹 守人 :
ヤッター!
KP :
支援もかかったところで1ラウンド目! 二人とも判定どうぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=40 まてーい!逮捕だー!(1D100<=40) > 90 > 失敗
ヤオ トモヤ :
ccb<=70 【dex×5】(1D100<=70) > 42 > 成功
KP :
守人くん…?
夜鷹 守人 :
90以上を出す達人
KP :
そのうち100ファンも引きそうで怖いですね
KP :
では進行度1/3、あと2回成功で追いつくことができます
ヤオ トモヤ :
ぐんぐんと後方に離れていく夜鷹を尻目に今は少年の後ろ姿だけを追う
KP :
続いて2ラウンド目! 判定どうぞ!!
ヤオ トモヤ :
ccb<=70 【dex×5】(1D100<=70) > 44 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=40 まってー……(1D100<=40) > 59 > 失敗
夜鷹 守人 :
さっきよりは良い
KP :
新型アンドロイドの優秀さが強調されていく
KP :
進行度2/3、あと1回成功すれば捕まえることができます
ヤオ トモヤ :
少年の背中まであと少し、もう少しで手が届く
夜鷹 守人 :
そんな彼とは正反対に、夜鷹から二人の背中がどんどん遠ざかっていく。
そこまで走っている訳でもないのに息は絶え絶え、喉の奥から鉄の味が滲んでいる
KP :
これで決まるかな3ラウンド目! 判定どうぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=40 ラストスパートだぞー!(1D100<=40) > 62 > 失敗
ヤオ トモヤ :
ccb<=70 【略】(1D100<=70) > 15 > 成功
KP :
40%を三回連続で外す人間、70%を三回連続で当てるアンドロイド
KP :
それでは3回の判定に成功した新型アンドロイドは、取得したデータを頼りに少年を路地裏まで追い詰めることに成功する。
KP :
あまりにもピッタリと追跡してくるアンドロイドに、少年も流石に諦めたのか息を切らしながら足を止めた。
ヤオ トモヤ :
「……盗ったものを返してもらうね」機械の体は息切れすることもない。少年を追い詰めるも、目線を合わせるようにしてしゃがむ
夜鷹 守人 :
数十秒後、夜鷹がよたよたとした足取りで路地裏に入ってくる
夜鷹 守人 :
「ごほっ!ひ、ひぃ……げほっ、ぉぇ……っ!」
壁に頭をついて必死に呼吸を整える
夜鷹 守人 :
「ォ、追いついた、か……!」
額に浮かぶ汗を拭って、ヤオの後ろに立つ
少年 :
「────っっ!!」
KP :
少年はバッグを抱き締めると、かなり警戒した様子でアナタ達を見る。
KP :
ここで人間である守人くんは≪アイデア≫、アンドロイドであるトモヤくんは≪コンピュータ≫で少年を調べる事ができます。
KP :
それぞれ判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
ccb<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 80 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=90 アイデア!(1D100<=90) > 44 > 成功
夜鷹 守人 :
ヤオくんぴったり賞!
ヤオ トモヤ :
yeah‼︎
KP :
2人とも成功しましたね! めちゃめちゃギリギリ!!
KP :
では守人くんのアイデアロールの結果から
KP :
少年は12歳ほどに見える。かなりの痩せ型で腕や足に傷痕があることにアナタは気付くだろう。
KP :
……もしかしたら虐待を受けているのかもしれない。
KP :
次にトモヤくんのコンピュータ判定の結果
KP :
警察のデータベースから少年の情報を取得できる。
SYSTEM :
相川翼(アイカワツバサ)
SYSTEM :
生年月日:2038年10月15日//学生
SYSTEM :
犯罪歴:窃盗
KP :
判定の結果で得られた情報は以上です
夜鷹 守人 :
「(かなり痩せこけているな、それと各所にある傷跡……日常的に暴力を振るわれている環境にいる、のか?)」
夜鷹 守人 :
「(……貧困家庭での児童虐待は珍しいことじゃない。この子もその一人なのか……?)」
ヤオ トモヤ :
「……大丈夫、あなたをいじめたりしないよ」
「相川翼くん、だね?データベースに記録があった。あなたはこれが初めてじゃない……どうしてこんなことしたの」
少年 :
「…………父さんに、言われたんだ。金を取ってこいって」
少年 :
「俺、まだバイトもできないし、他に方法も思いつかないし……」
少年 :
「仕方ないだろ!? 父さんはアンドロイドのせいで仕事がなくなったって言ってた!!」
少年 :
「母さんは俺たちを見捨てて家を出て行った!どうしてもなにもないだろ! 全部おまえらのせいなんだ!!」そう言って今にも泣きそうな表情でトモヤくんを睨む
ヤオ トモヤ :
「……っ、そんな私は、私達はそんなつもりじゃ、」「私達は……私達が生まれたのは、ただ人間様の生活の負担を減らしたくて、あなた方に幸せになってほしくて、ただ、お役に立ちたくて、そ、んな……」
ヤオ トモヤ :
アンドロイドを憎む人がいると知識の上ではわかっていた。けれど、薄っぺらなデータからでは知ることの出来ない現実を目の前に返す言葉が見当たらない
夜鷹 守人 :
「…………」
ヤオの前に一歩出て、相川少年の前で膝をつき視線を合わせる
夜鷹 守人 :
「アンドロイドを憎む気持ちはよくわかる。察することしかできないが、過酷な環境にいるようだしね」
夜鷹 守人 :
右目から覗く瞳は少年への同情が籠っていた
少年 :
「おまえに俺の気持ちが分かるって…? キレイな服を着たおまえに…?」嘲るように笑う
夜鷹 守人 :
「キミの心を芯まで理解している、とは言わないけどね」
「だけど……」
夜鷹 守人 :
少年の耳元まで顔を近づける
夜鷹 守人 :
「アンドロイドに親を殺された俺には、憎む気持ちはよく理解できる」
少年にだけ聞こえる声で囁く
少年 :
「……!!」
夜鷹 守人 :
「…………」
そっと顔を離す
夜鷹 守人 :
「だけどね、酷い目にあったとしても。心まで醜くなる必要はない」
夜鷹 守人 :
「キミはまだやり直せる、それを手伝ってくれる人達や支援だってあるんだ」
少年 :
「…………」
夜鷹 守人 :
「まずはその第一歩だ。盗んだものを一緒に返しにいかないか?」
少年に手を差し出す
少年 :
「どうして俺の手で返す必要があるんだよ…」
少年 :
「どんな顔をして返しに行けって言うんだよ…」
夜鷹 守人 :
「ああ、そうだね。 確かに盗んだ人のことを思い浮かべると怖い気持ちはあるだろう」
夜鷹 守人 :
「だけど、これはケジメなんだ。 悪いことをすれば、相応の罰が下る」
夜鷹 守人 :
「今はまだ、謝れば済むかもしれないんだ」
少年 :
「…………っ」
少年 :
「ああ、もう、分かったよ!! 謝りに行けばいいんだろ! 謝りに行けば!!」
少年 :
「……そうしないと解放されそうにないし、おまえの言う通りにするよもう」
夜鷹 守人 :
「よーし、良い子だ。 素直な子はきっと大成するぞ。足が速かったし、将来はスポーツ選手かもしれないな」
笑みを浮かべて少年の肩を軽く叩く
少年 :
「おじさんが死ぬほど遅かっただけだろ」
夜鷹 守人 :
「うぐっ……お、俺はまだ22歳だ……!」
夜鷹 守人 :
「と、とりあえず公園まで戻ろう。別の警官が呼ばれたら更に気まずいしな」
夜鷹 守人 :
少年にもう一度手を差し出します
少年 :
「…………」
KP :
少年は差しだされた手に見向きもしない。ちょうど先程、アナタがパートナーになるアンドロイドにしたように。
少年 :
「勘違いするなよ、俺は心から悪いと思って謝りに行く訳じゃない」
少年 :
「……ただ俺は昔みたいに、お父さんと一緒に誕生日ケーキが食べたかっただけなんだ」
少年 :
「それを俺は悪いコトだなんて思ってない」
夜鷹 守人 :
「……そうか。親孝行者だな」
立ち上がって路地裏を出ようと促します
少年 :
「……その親孝行もおまえ達のせいで果たせなかったけどな」自分を捕まえたアンドロイドをキッと睨む
夜鷹 守人 :
肩を竦める
ヤオ トモヤ :
「……っ」二人の会話を聞いても未だヤオには少年に返すべき言葉が見つからなかった。
夜鷹 守人 :
「………なあ」
少年が少し先に進んだあと、ヤオに声をかける
ヤオ トモヤ :
「……なんでしょう」俯いて
夜鷹 守人 :
「わかったか、この世界はお前が思い描いていた世界とは違う」
夜鷹 守人 :
「気づいているだろうが、俺みたいにアンドロイド共に悪感情を抱いている人間もそこそこ存在するんだ。誰も彼もがお前達と共存できている訳じゃない」
ヤオ トモヤ :
「…そのようですね。私、なにも、わかってなかったみたいです」……これから勉強していきますねと
夜鷹 守人 :
「それで良い、精々学んでおけ」
夜鷹 守人 :
「……それと」
夜鷹 守人 :
「……相川少年を追い詰めた件、あれは……よくやった」
夜鷹 守人 :
「俺の足では到底追い付けなかったからな、そこだけは礼を言っておく」
ヤオ トモヤ :
「へ、へへ……私はアンドロイドですから」
「……お役に立ててよかったです」そこでようやく顔を上げて前を向く
夜鷹 守人 :
「……図に乗るなよ。お前はあくまで道具だ。せいぜい役に立ってみせろ」
そう言い残して相川少年と路地裏を出ようとします
ヤオ トモヤ :
「……少しずつですけど、この世界のこと学んでいきます。そしてきっと、もっと、もっと!お役に立ってみせます。見てて下さいね!」それじゃ私、公園で被害者の方探してきます!と駆けていきます
KP :
それからアナタ達2人は少年を連れて公園に戻り、盗難品のバッグを被害者に返却。
KP :
その足で警視庁に戻り、こうした事件担当の生活安全部に少年の身柄を預けた。
KP :
そして、アナタ達が生活安全部のオフィスを後にしようとすると、向こうから赤星と青木が出口に走っていくのが見えた。
赤星 透也 :
「────おっと、守人、トモヤ! こんなところにいたんだな! ちょうど良かった、今連絡しようと思ってたところなんだ」とアナタ達の姿を見つけて止まる
KP :
余裕な表情を見せる赤星とは裏腹に、青木はぜぇぜぇと息をあげている。
夜鷹 守人 :
「どうかしましたか。まさか事件でも?」
赤星 透也 :
「ああ、さっき緊急連絡が入ってな。なんでも都内のビルでアンドロイドによる立て籠もり事件が発生したらしい」
赤星 透也 :
「────俺達の初仕事って訳だ」
KP :
……自己紹介もマトモに済ませていない四人の男達。
KP :
アナタ達は皆揃って事件現場へと向かう事となった。
KP :
ひったくりとはまるでレベルが違う凶悪犯罪を前に、心の準備なんてできていない。
KP :
……しかし失敗はできない。やるしかない。これがアンドロイド事件捜査係の初仕事なのだから。
06 捨てられた人形
KP :
HO1の守人くんとHO2のトモヤくんの邂逅シーンが終わって、HO3の不破さんとHO4のスコアちゃんの邂逅シーンに移ります!
スコア :
はい!
不破 栞 :
行くぞー!
KP :
ではでは時は1年ほど遡ります…
西暦2049年/某月某日/PM04:00/天気:小雨/廃品置き場
KP :
この日は朝からずっと小雨が降っていた。
KP :
気象予報アンドロイドの演算通りの天気。
KP :
車を降り傘を差す。
KP :
そしてアナタは重い足取りで廃品置き場の中へ歩きだす。
KP :
ドラム缶や乗り捨てられた車、そして違法投棄されたVOIDの残骸。
KP :
……見ていて気持ちのいいものではない。
KP :
普段はあまり来るような場所ではないが、捜査一課から外されたアナタの今日の任務はこの近辺のパトロール。
KP :
明らかに雑用を押しつけられたのだ、と確信しながら周囲を見渡す。
KP :
────廃品置き場は特に異常なし。
KP :
そう判断して踵を返した、その時だ。
KP :
すぐ後ろで少女の呻き声が聞こえた。
KP :
アナタは思わず振り返る。
KP :
そこには他のVOIDに紛れて眠っている白髪の少女が──
KP :
否。それに似たアンドロイドがいた。
KP :
ここで不破刑事は≪目星≫の判定をどうぞ!
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 30 > 成功
不破 栞 :
フッ!
KP :
流石の元捜査一課
KP :
遠目でアンドロイドの様子を伺う。 機体が所々損傷しているが、VOID特有のマークは未だ光り続けている。 廃品置き場にありながら、まだ動いているようだ。
KP :
型番はX000と彫られていた。初めて見る古い機種だ。
不破 栞 :
「―っ」 白髪の少女……かつての苦い思い出が一瞬、頭をよぎる。
不破 栞 :
爆発的にアンドロイドが普及した今、廃棄される個体は珍しくない。それがまだ動くものであったとしても、そう驚くことではないのかもしれない。
不破 栞 :
「(……珍しい個体だからな。一応、調べておくか)」
不破 栞 :
そっとそのアンドロイドに傘を被せるようにして、しゃがみ込む。
KP :
アナタが膝を折るのと同時、眼前のアンドロイドの両目がゆっくりと開く。
不破 栞 :
「! おぉ…!」 まさかこちらに反応すると思っていなかったので、少し驚く。
X000 :
「…………」 顔をあげ、目の前の相手をじっと見ている
不破 栞 :
「君、大丈夫か? 名前は? 住所はわかるか?」
X000 :
「……いいえ。あまり大丈夫ではない……状態です」
X000 :
「何も分からない……。ここはどこ、なんですか……?」
不破 栞 :
「(記憶が消去されてるのか……? 捨てるなら、まあ当然か)」
不破 栞 :
「……ここは廃品置き場だよ」
X000 :
「廃品置き場……」
X000 :
「では、わたしは……捨てられた……のですか……?」
不破 栞 :
「……かもしれないな」
不破 栞 :
できるだけ、言葉を選びながら答える。言いにくいことではあるが、現状を把握することは重要だ。
不破 栞 :
「私は不破。不破栞。警視庁交通部交通捜査課に所属する警官だ」
不破 栞 :
「署の方まで来て貰えるかな? 場合によっては、君の力になれると思うよ」
X000 :
「不破、栞さん……」
X000 :
「……ごめんなさい。それは不可能です」
不破 栞 :
「……何故だ?」
X000 :
「両足が壊れていて、立つことが出来ないようなんです……」
不破 栞 :
「ああ、そうか」 服の下の様子はわからないが、駆動系が故障しているのだろうと察する。
不破 栞 :
「気が利かなくてすまなかったな。私の身体を貸そう」 手を差し伸べ、取るように促す。
X000 :
「…………」 その手を驚いたように見て
X000 :
「……あの。一つ質問してもいいでしょうか?」
不破 栞 :
「ああ、もちろん」
X000 :
「どうしてわたしを、助けてくれようとするんですか……?」
X000 :
「わたしは、何も覚えていません……。足も動かなくて……他にも壊れているパーツがあるかもしれません……」
X000 :
「連れていっても、何の役にも立たないかもしれないのに……何故ですか……?」
不破 栞 :
「どうして……か」
不破 栞 :
「……考えたこともなかったな」 そんな自分の様子がおかしく、それをアンドロイドに指摘されたことに小さく笑ってしまう。
X000 :
「……返答に困る質問だったでしょうか」
不破 栞 :
「そうだな。気持ちの説明というのは難しい」
不破 栞 :
「あえて言うなら、恰好をつけたいのかもしれないな」
X000 :
「恰好……?」
不破 栞 :
「警官は市民の見本だからね。誰かが私の姿を見たら、ほかの誰かがそれを真似するかもしれない」
不破 栞 :
「だから私は、世の中がこうであってほしいと思う方に行動するんじゃないかな。君のように人間と同じ形をして、人間の言葉を話すものがこうして打ち捨てられているのはいたたまれないからね」
不破 栞 :
「……大きなことはできなくても、たまたま近くにいて、気になった相手くらいは助けてあげたいじゃないか」
X000 :
「…………」
X000 :
「そう……。そう、ですか……」 どこか嬉しそうに、小さく笑みを零す
X000 :
「分かりました。それでは、ご迷惑をおかけしますが……助けてもらってもいいですか?」 そう言って、手を伸ばす
不破 栞 :
「もちろんだ」 その手を優しく、けれど力強く取る。
KP :
雨粒を弾く傘の下、異なる種族の2人が手を取った────その瞬間。
KP :
そのアンドロイドの内部から機械音声が流れはじめた。
SYSTEM :
システムチェック開始__
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーの登録を開始__
SYSTEM :
ユーザー名:不破 栞//警視庁交通部交通捜査課交通事故事件捜査第一係
SYSTEM :
ID:4763785
SYSTEM :
____ユーザー登録を完了しました
KP :
そうして機械音声は止まった。どうやら誤作動でユーザー登録されてしまったようだ。
不破 栞 :
「ユーザー登録……? どういうことだ?」
X000 :
「わ、分かりません……。もしかして、何かわたしが誤ったことをしてしまいましたか……?」
不破 栞 :
「いや、私もアンドロイドの操作とか実はよく知らなくてな……」
不破 栞 :
「……恰好付ける前に勉強しておくべきだったな」 収まりが悪そうに、後ろでまとめた髪をくるくると弄る。
不破 栞 :
「とにかく、警視庁のほうに行こう。総務に聞けばどうすればいいかわかると思う」
不破 栞 :
「(また怒られるな、こりゃ……)」 スコアちゃんの肩を担いで、一緒に歩き始める。
X000 :
「そうですね……。分かりました」
X000 :
「…………」 さっき繋いだ手を一度見てから、栞に連れていかれていく
KP :
正体不明の記憶喪失のアンドロイドX000。
KP :
彼女の処遇を決めるべく2人は共に警視庁に帰った。
KP :
────それから数日後のことだった。
KP :
X000改めスコアが不破刑事のパートナーに任命されたのは。
西暦2050年/10月15日/PM04:00/天気:小雨/廃品置き場
KP :
今日もあの日と同じように雨が降っていた。
KP :
不破刑事は今日も同じようにパトロールの為に廃品置き場を訪れている。
KP :
ひとつ違うコトと言えば────今は隣にパートナーであるアンドロイドがいることだろうか。
KP :
アナタ達は傘を差しながら並んで歩いている。
スコア :
「ふーんふんふふーん♪」 楽しそうに鼻唄を歌いながら歩いている
不破 栞 :
「……流行りの曲か?」 くたびれたスーツを揺らし、欠伸をしながら歩いている。
スコア :
「はい!聞いたことありませんか?最近テレビのCMでも使われる曲なんですけど」
不破 栞 :
「あんまり覚えがないな……昔から流行ってる音楽とか聴かないから……」
スコア :
「えー、勿体ないなあ。そういえばマスターが音楽聞いてるとこって見たことないかも」
不破 栞 :
「たまにカラオケに誘われても歌う曲が……」
不破 栞 :
「(いや、無くはないか)」 ちょっと苦い顔をする。
スコア :
「……?じゃあ、今度わたしがマスターの好きそうな曲、探してきてあげますよ」
不破 栞 :
「そ、そうか……ありがとう」 なんとも言えない表情で。
不破 栞 :
「しかし……ああ、定時まであと一時間くらいか」 スマホで時間を確認。
スコア :
「あ、もうそんな時間なんです?」
スコア :
「今日もこの辺はなーんにも異常ありませんでしたねえ」
スコア :
「わたしの時みたいに、まだ稼働出来るアンドロイドがいてもいいのに」 そう言って、適当に転がっているアンドロイドのパーツを見下ろす
不破 栞 :
「あんな事態に二回も三回も出くわすようなら世も末だろう」
不破 栞 :
「しかし……自動運転が普及して、私が子供の頃と比べたら事故もまるっきり起きなくなったな……」
不破 栞 :
「おかげで私も仕事で苦労しないで済んでるが」
スコア :
「うーん、そりゃ事故は起きないに越したことは無いですけど」
スコア :
「マスターはもうちょっと仕事が忙しい方が良いと思いますよ?」
不破 栞 :
「なんだ、だらけすぎだとでも言いたいのか?」
スコア :
「そーですよ」
スコア :
「いっつもだらだらしててやる気のない感じなんですから」
スコア :
「そういえば、もう明日からはドロ係?でやっていくんですよね?今の感じじゃ怒られちゃいますよ?」
不破 栞 :
「あー、現実に戻さないでくれ……」顔を覆う
不破 栞 :
「一課に居た頃みたいな頑張りを期待されてると思うと、気が重くなる……」
スコア :
「なんでそんなに嫌がるのかなあ」
スコア :
「わたしは見たいですよ。マスターのかっこいいところ!」 楽しみだな、というように笑いかける
不破 栞 :
「お前は刑事部とか公安部がどんな修羅場か知らないからそんないい笑顔ができるんだ……」
スコア :
「え~?多分知っててもこんな風に思いますよ」
スコア :
「ま、いいか。マスターが頑張ってくれるように、わたしがしっかり引っ張っていけばいいんだから」
不破 栞 :
「あー、発売日の小説を左から右まで買って徹夜して読める生活も終わりか……」
KP :
そんな他愛もない話をパートナーと交わしていると、ふと遠くに人影があることに気がつく。
KP :
────そこには金髪と眼鏡が特徴的な女性がいた。
KP :
人間である不破さんは≪アイデア≫、アンドロイドであるスコアちゃんは≪コンピュータ≫による判定をおねがいします
スコア :
CCB<=70 コンピューター(1D100<=70) > 88 > 失敗
KP :
これは旧型
スコア :
マスターと話してて浮かれてた
KP :
マスターに夢中だったなら仕方ないね
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 29 > 成功
KP :
そして不破刑事は安定の成功
不破 栞 :
アイデア50しかないけどな!
KP :
出目がいい
KP :
では不破刑事は彼女の顔を知っている。名前は黄海夏央(キウミナツオ)。明日から同じ部署で働くメンバーだ。
KP :
事前に見たデータには元々どの課にいたのかは書かれていなかった。どこか寂しげな印象を受ける。
スコア :
「んー……?誰だろ、あれ」 目を細めて見て
不破 栞 :
「……あの顔、知ってるな」
不破 栞 :
「確か私たちと同じで、ドロ係に移ったっていう……」
スコア :
「そうなんだ!なーんだ、ちゃんとチェックしててやる気ばっちりじゃないですか」 嬉しそうに
不破 栞 :
「いや、お前は黙っててもデータベースから情報が送られてくるんじゃないのか……?」 釈然としない感じで
不破 栞 :
「まあ、それはそれとして、同僚の顔はちゃんと覚えておかないと失礼だからな。挨拶くらいしておこう」
スコア :
「ですねー。どうしてこんなとこにいるのか謎ですけど。行きましょっか」 歩いて行こう
KP :
アナタ達はひとつの傘の下に肩を寄せ合い、廃品置き場で佇む同僚の下に歩いていく。
KP :
しかし、彼女は近付いてきたアナタ達に気付く様子はない。 廃棄されたアンドロイド──それだけをただ見つめている。
スコア :
「すみませーん、こんにちはー」 笑顔で挨拶していく
黄海 夏央 :
「こんにちは、貴女達は確か……」話しかければ彼女はゆっくりとアナタ達の方へ振り向く。
不破 栞 :
「新しくドロ係に異動になった不破です。こっちはパートナーのスコア」
スコア :
「どもども」
不破 栞 :
「黄海さん、でしたよね。そのアンドロイドに何か……?」
黄海 夏央 :
「……いえ、大した事はないんです」
黄海 夏央 :
「ただ人型のモノが捨てられていると、なんだか変な感じがしてしまって」
黄海 夏央 :
「VOIDの違法投棄なんて、今に始まったことじゃないんですけどね」
黄海 夏央 :
「人間と同じように話して、動いて、笑って────見た目は殆ど変わらない。なのに捨てられるときは一瞬なんです」
黄海 夏央 :
「……それで少し考えていたんですよ」
黄海 夏央 :
「人間はお墓に入るのに、アンドロイドは人形と同じ、ゴミ箱に入れられるだけ」
黄海 夏央 :
「────貴女達はどう思いますか?人間とアンドロイドって、何が違うんでしょうか?」
スコア :
「えー?うーん……そう言われてもな……」
スコア :
「やっぱり、機械か生き物かってとこじゃないです?」
スコア :
「わたしも昔ここに捨てられてたから、こういう風に捨てられてるアンドロイドに思うところはありますけど……結局は機械なんだから人間が捨てるのはおかしくは無いと思いますよ」
不破 栞 :
「いや……」
不破 栞 :
「たぶん、黄海さんが言うように……スコアが思ってるほど違いはないさ」
不破 栞 :
「私たち人間だって、見方を変えればたんぱく質が人の形して喋ってる機械みたいなものだって言えなくはないよ」
不破 栞 :
「そして、そういう考えを持っている者が、時に人間を殺すこともある。まるでアンドロイドを捨てるようにな……」
スコア :
「……なるほどなー。そんな風に聞いたのは初めてかも」
不破 栞 :
「少し歴史を振り返れば、人間として扱われない人間、というのも別に珍しいものではないからな」
不破 栞 :
「人権なんて考え方が生まれたのは人類の歴史の中で言えばつい最近の話だ」
スコア :
「ふーん……」
黄海 夏央 :
「つまり不破さんは、アンドロイドは肌の色が白とも黒とも違うプラスチックなだけで、新たな人種にはなりえると?」
不破 栞 :
「……そういう時代が来ればいいな、とは思ってるよ」 じっと廃棄されたアンドロイドを神妙な顔で見つめている。
黄海 夏央 :
「……そうですか、不破さんは珍しい考え方をするんですね」
黄海 夏央 :
「世の中、スコアさんのような考え方をする人間が大半だと思いますが」
スコア :
「ですよねー。マスターって結構変わってますよ」
スコア :
「でも、そういう例え物に対してでも優しいところが好きですけどね。わたしは」
不破 栞 :
「褒めてるのか?」 苦笑する。
スコア :
「褒めてまーす」 笑顔を返す
不破 栞 :
「そうか、ありがとう」
スコア :
「いえいえー」
KP :
黄海は二人の様子をジッと見た後「そういうことですか、これで納得できました」と呟いた。
スコア :
「ん?何がです?」
黄海 夏央 :
「……いえ、そういった考え方だからこそ、人間である不破さんがアンドロイドであるスコアさんに傘を差してあげてるのだなと」
不破 栞 :
「ん、まぁ……」
不破 栞 :
「片方は両手が空いていたほうがいろいろと都合がいいだろう。スコアのほうが力は強いからな」 目を逸らす。
スコア :
「そういうことらしいです」 ふふっ、と笑って
黄海 夏央 :
「…………」和気藹々とした雰囲気のアナタ達から視線を外して、再び廃棄されたアンドロイドに目を落とす
KP :
アナタ達が話していると、急に不破刑事の携帯電話の呼び出し音が鳴り響く。
KP :
それは夜鷹係長からの緊急連絡だった。
不破 栞 :
「おっと、失礼。呼び出しのようだ」
夜鷹 矢代 :
「────聞こえるか?おまえ達、今どこにいる?」
不破 栞 :
「いま、パトロールで廃品置き場に。スコアも一緒ですが」
不破 栞 :
「何か事件でしょうか?」
夜鷹 矢代 :
「ああ、都内のビルでアンドロイドによる立てこもり事件が発生した」
夜鷹 矢代 :
「マップを送信するから現場に直行してくれ、私たちも向かう」
不破 栞 :
「立てこもり事件……! わかりました。すぐに向かいます」
KP :
アナタの返事を最後に通話は切れる。
KP :
ふと脇に目を移すと、黄海は既に自身のバイクに跨っていた。その側には大型犬型アンドロイドがついている。
黄海 夏央 :
「──予定変更のようですね。私は先に向かいます、お二人もお気をつけて」
スコア :
「了解でーす」
不破 栞 :
「ええ、現地で会いましょう」
スコア :
「それにしても、立てこもり事件ですか。しかもアンドロイドのでしょう?」
スコア :
「もうすぐ定時だったのに、残念でしたねえ。マスター」 背中の後ろで手を組み、にまにまと笑いながら栞の顔を覗き込む
不破 栞 :
「これで残業か……」 露骨に疲れた顔をする。
スコア :
「ふふっ、そんな嫌そうな顔しないで」
スコア :
「せっかくなんだから頑張りましょ、マスター!ほら、行きますよ!」
元気づけるようにウインクして、栞の手を取って歩き出そうとする
不破 栞 :
「はいはい、言われなくても行くさ」 手を取って、早足で少し前に出る。
◇イントロダクション
KP :
西暦2030年。 日本は世界経済の渦に呑まれ、同時に様々な問題を抱えていた。
KP :
医者不足による診療体制の縮小。
KP :
少子高齢化に伴った介護問題。
KP :
飲食業や建設業などの人手不足。
KP :
そして、いつの時代もなくならない刑事事件。
KP :
──そんな中、当時はまだ無名だった人型アンドロイド製造会社リボット社は、
KP :
チューリングテストをパスした史上初のアンドロイドを開発し世界に発表した。
KP :
そのアンドロイドは瞬く間に広がって、家庭だけではなく医療現場や介護施設、あらゆる企業や警察、はたまた軍事にまで起用されることとなる。
KP :
『人間の営みをアンドロイドと共により豊かに』そう話すリボット社の創設者、有馬真二(アリマシンジ)は、このアンドロイドをこう名付けた。
KP :
人々の未来へと繋がるアンドロイド、『VOID』と。
07 立てこもり事件
西暦2050年10月15日/PM05:00/天気:小雨/高層ビル
KP :
水溜まりを蹴る。
KP :
雨の下。本日付けでドロ係に配属されていたアナタ達は、無数の高層ビルが立ち並ぶ、都心の一等地を駆けていた。
KP :
あたりは既に暗くなりはじめている。
KP :
この時期の日暮れが早いのもあるが、ふたたび雨雲が出てきたせいだろう。
KP :
……空には夕日も月も星も見えない。
KP :
代わりに報道番組のヘリが音を立てながら浮いていた。
KP :
冷雨が降りしきる中、地上では警察のアンドロイドが道路を封鎖している。
KP :
アナタ達はその脇を抜けて、立ち入り禁止テープを潜って現場に到着する。
KP :
オフィスビルの下。
KP :
……そこには既に矢代をはじめとしたドロ係のメンバー達が集まっていた。
スコア :
「お待たせしましたー」
夜鷹 守人 :
「お待たせしました。 ここが現場の……」
アンドロイドであるスコアを一瞬だけ視認してから、ビル内部を軽く見回す
ヤオ トモヤ :
夜鷹の3歩後ろから一同に向かって会釈する
不破 栞 :
「不破、スコア組、ただいま到着しました。現状はどのように?」
夜鷹 矢代 :
「マル被はこのビルに侵入後、中にいた社員数人を射殺」
夜鷹 矢代 :
「その後、人質を取り屋上に籠城している」
夜鷹 矢代 :
「そして目撃情報によれば、立てこもっているのはアンドロイドであり、我々の任務はそのアンドロイドの捕獲だ」
スコア :
「えー……もう数人も殺されてるんですか。もしかして犯人は変異体ってやつなんです?」
夜鷹 守人 :
「捕獲……ですか……」
そこまでの被害を出しておいて、破壊ではないのかと思ってしまう
不破 栞 :
「捕獲……一筋縄ではいかなそうですね」
ヤオ トモヤ :
「……変異体、ですか」MAGIの存在や通常アンドロイドが見るはずのない夢を思い出し、顔が曇る
青木 玲斗 :
「いえ、変異体と決まった訳でもないと思います」
スコア :
「え、そうなんです?」
不破 栞 :
「主人の命令……その可能性もあると?」
青木 玲斗 :
「ええ、少なくとも上層部はそう思っているかと」
青木 玲斗 :
「変異体の存在自体、噂話めいたモノですし」
青木 玲斗 :
「もし変異体が存在して、これがアンドロイド自身の意志による犯行だとすれば、アンドロイド初の殺人事件になってしまいます」
不破 栞 :
「……なるほど」
夜鷹 守人 :
「……ですが、アンドロイド法の1条と2条を合わせて考えると……」
青木 玲斗 :
「それはそうなんですよね……、仮に人間の命令を受けたアンドロイドの犯行としても、そもそもアンドロイドにはマインドパレスという制御機能が…………」
夜鷹 矢代 :
「……そこまでだ」
夜鷹 矢代 :
「悪いが無駄話をしている時間はない、今は任務の遂行を優先してくれ」
スコア :
「はーい。でも作戦とかもう決まってるんです?」
夜鷹 矢代 :
「ああ、作戦というほど大したモノではないがな」
夜鷹 矢代 :
「────まず私と青木は、ここで全員に指示を出す為に待機」
夜鷹 矢代 :
「守人、トモヤ、不破、スコア、そして赤星と黄海は、こちらの指示を聞きつつ裏口からビルに潜入しろ」
赤星 透也 :
「……丸腰で突撃しろ、って訳じゃあないですよね?」
夜鷹 矢代 :
「無論だ、潜入チームには渡すモノがある」
KP :
矢代は傍にある人間が入りそうなほどの大きな箱に手をかける。
夜鷹 矢代 :
「……一昔前までは警察官が所持する武器は拳銃が鉄則だった」
夜鷹 矢代 :
「しかし、最近は技術の進化に影響を受けた様々な事件、犯罪者に対応できるように、個々の適正に合った武器を所持することが義務付けられている」
KP :
矢代が箱を開けるとそこには、それぞれの名前が刻まれた真新しい武器と人数分の白い箱が入っていた。
□夜鷹守人用武器
【電子刀】
[技能:日本刀] [ダメージ:1d10+1+DB(一刀)/2d10+2+DB(二刀)] [耐久力:20]
[解説]
頑丈なアンドロイドのボディをも容易に溶断する最新型プラズマブレイド。
グリップ部分のエネルギーを刀身にしている為、あらゆる長さに変形可能である。
[特記事項]
二刀のデータ使用時は、命中判定に-10のペナルティ修正を受ける。
この武器は銃弾も受け流し可能。
この武器が壊れた場合、自身の手番を消費して再生する事ができる。
□ヤオトモヤ用武器
【電磁鞭】
[技能:ムチ/電気修理] [ダメージ:2d8+DB+スタン] [耐久力:8]
[解説]
暴徒鎮圧用の最新武器。
対象の四肢か武器を絡め取り、感電させる事で一切の抵抗を許さずに鎮圧可能。
[特記事項]
この武器の攻撃の対象は、受け流しを行なう事ができない。
この武器は受け流しに使用する事ができない。
□不破栞用武器
【ジャックナイフ(射撃)】
[技能:拳銃][ダメージ:スタン][射程:20m][攻撃回数:2][耐久力:20]
【ジャックナイフ(斬撃)】
[技能:ナイフ][ダメージ:2d6+2+DB][耐久力:20]
[特記事項]
至近のキャラクターがアナタに対して行なう攻撃に失敗した時、
アナタは相手に対してナイフを用いた反撃を行なう事ができる。
この反撃に命中判定と回避判定は不要である。 ダメージ算出だけを実行する事。
この効果は1ラウンドに1度まで使用できるが、これ以外の武器を装備している場合は使用できない。
□スコア用武器
【音波銃】
[技能:拳銃] [ダメージ:4d6(対機械)/2d6(対人間)] [射程:20m] [攻撃回数:1] [耐久力:8]
[解説]
対アンドロイド用の音響武器。 対象を内部から共振破壊する。
アンドロイドの機械心臓にダイレクトにダメージを与える事で"スタック"を残した状態で鎮圧が可能。
その構造上、人間には効果が薄いが、その為に誤射のリスクは低い。
この武器はセーフティをかければ"拡声器"として用いる事もできる。
[特記事項]
この武器の攻撃の対象は、回避判定に-20のペナルティ修正を受ける。
□共通装備
【サードアイ】
[解説]
鳥類や魚類といった様々な動物に見られる"第六感"をAI技術によって再現。
AIが事前に危機を検知して、ユーザーに最適な行動を提示する事で、
その直撃の回避を可能にする、最新のサポートAI搭載レンズ。
眼鏡型とコンタクトレンズ型が存在している。
ボディアーマーに対して防御性能は劣るが、重量がゼロなので機動性に優れるのが利点。
将来的には「一切の危険の予測と回避」を目標にしているらしいが、
予測開始から行動開始に存在するタイムラグの関係で、その目途は立っていない。
[特記事項]
アナタの受けるダメージを6点軽減する。
この効果は行動に一定以上の制限がある場合は適用できない。
(例:拘束されている/重い物を所持している/アーマーを装備している)
夜鷹 矢代 :
「これらは各々の適正をAIが判断して用意した武器だ、潜入に役立てるといい」
スコア :
「わ~、準備が良い!っていうか、アンドロイドでも使って良いんですね」 一見拡声器にしか見えない音波銃を手に取る
夜鷹 矢代 :
「ああ、丸腰で突っこませる訳にもいかんからな」
スコア :
「ありがたいことですねー。それじゃ遠慮なく使わせてもらいます」
夜鷹 守人 :
「中々に個性的な装備、ですね……」
柄だけの状態の電子刀を腰に下げる
ヤオ トモヤ :
「これが私の武器……!上手に犯人の動きを止められるよう頑張ります!」
不破 栞 :
「拳銃としても使えるナイフですか……」
不破 栞 :
「(不安だ……交通部では銃なんて使う機会なかったからな……)」 やや緊張気味の面持ち。
赤星 透也 :
「……え~~~~と、武器はいいですけど、この人数分ある白い箱は?」片手に電子刀を持ちながら矢代に尋ねる
KP :
赤星が白い箱を開けると、そこには通信用のヘッドセットと……数枚のコンタクトレンズが入っていた。
夜鷹 矢代 :
「そのコンタクトレンズは、最新のAIが最適の行動を演算し、分かりやすい視覚情報として表示する事でユーザーの戦闘をサポートする代物だ」
夜鷹 矢代 :
「……ほかに質問がある者は?」
スコア :
「はーい」 手を挙げる
夜鷹 矢代 :
「なんだろうか?」
スコア :
「マスターは眼鏡かけてるんですけど、このコンタクトレンズってつけても大丈夫なんです?邪魔になっちゃいません?」
不破 栞 :
「そういえばそうだな……」
夜鷹 矢代 :
「このコンタクトレンズは視力の補強も行なってくれる、付けている間は眼鏡を外せばいいだろう」
スコア :
「お、そうなんですね」
不破 栞 :
「そういうことであれば……」
不破 栞 :
眼鏡をケースに仕舞って、コンタクトを装着する。
スコア :
「えぇー……良いですね?眼鏡無しのマスターって新鮮かも」 嬉しそうに見つめている
不破 栞 :
「まあ仕事中に眼鏡外すことなんてなかったからな……ないと何も見えないし」
不破 栞 :
「大丈夫そうです」 顔の前で手を振って、見え方を確認。
スコア :
「良かった良かった。じゃあ、わたしの方はもう質問はありません」
夜鷹 矢代 :
「────コホン、他の者も質問はないようだな」咳払いで弛んだ空気を引きしめる
夜鷹 矢代 :
「これは言うまでもないが、アンドロイド法第四条によって、アンドロイド諸君は武器の所持を認められていない」
夜鷹 矢代 :
「そのため使用時には、君達の上司である私の許可を得る必要がある事に注意してほしい」
夜鷹 矢代 :
「……では早速、任務開始だ。まず裏口に向かえ、既に何人か他の捜査員が向かっている」
夜鷹 矢代 :
「相手は複数犯だ、決して油断せず最低でも2人1組で行動しろ」
不破 栞 :
「承知しました」敬礼
スコア :
「はーい、了解です」 栞の真似をして敬礼する
夜鷹 守人 :
「……了解です」
二人一組という言葉に遅れて返事をする
ヤオ トモヤ :
「了解です!」溌剌と
二人一組の言葉に目を輝かせて
西暦2050年/10月15日/PM05:30/天気:小雨/高層ビル
KP :
アナタ達はビルの裏口に到着する。
KP :
その扉は開いたままになっていた。既に捜査員が中に入ったのだろう。
KP :
ヘッドセットから矢代の声が聞こえる。
夜鷹 矢代 :
『よし、中に入れ』
夜鷹 矢代 :
『少し進んだところにエレベーターがある、それに乗れ』
KP :
……中に入ると、外の騒がしさとは裏腹に異様な静けさが漂っていた。
KP :
しかし、ここで騒ぎがあったのは確からしい。
KP :
受付の椅子や観葉植物が倒れているのが見える。
夜鷹 守人 :
「……何かあったみたいですね」
周囲を見渡しながらエレベーターを目指そう
スコア :
「犯人がこんなとこから暴れてたんですかね?」
ヤオ トモヤ :
「……奥に人質を集めたとか?その時の抵抗、ですかね」夜鷹の3歩前を行く
不破 栞 :
「凶器は銃と聞いているが、高性能なアンドロイドは格闘戦も脅威だ」
不破 栞 :
「くれぐれも油断するなよ」 トモヤくんと並んで少し前を歩いている。
スコア :
「はいっ。マスターもね」 エレベーターを探して進んで行こう
KP :
係長の指示通りに進んでいくと、彼の言うエレベーターが視界に入る。
黄海 夏央 :
「このエレベーターのようですね」
スコア :
「みたいですねー。何階まで行くんです?」
赤星 透也 :
「49階だな、事件現場がそのハズだ」
夜鷹 守人 :
「かなりの高層ですね…」
スコア :
「なるほど、通りでこの辺はまだ静かなわけですね」
黄海 夏央 :
「ええ、先程の痕跡は慌てて逃げだした下層の人々が残したモノでしょう」
ヤオ トモヤ :
そういうことでしたかと頷きつつ
「それにしたってそんな高い所、犯人は逃げる手立てとか考えてあるんでしょうか?……人間様の身が心配です」
スコア :
「うーん、人質がいるんだからその内何か逃げる手段を要求してくるのかも」
赤星 透也 :
「ま、とにかく行ってみないコトにはな」言いながらエレベーターのボタンを押す
スコア :
「ですね」 周囲を警戒しつつエレベーターを待とう
不破 栞 :
「犯人からの要求はまだ何も?」
夜鷹 守人 :
「確かに、こんな状況を作っているのだし、何か要求はあったのですか?」
青木 玲斗 :
『いえ……それが何も要求は受けていないんですよね……』ヘッドセットから声がする
不破 栞 :
「犯人のマスターは何か目的があって指示を出しているんだろう? この状況でまだ要求がないなんて、そんなことあり得るのか?」
青木 玲斗 :
『単純に会社に恨みがあった……とか』
不破 栞 :
「……アンドロイドのセーフティーを外せるほどの技術力の持ち主が、そんな浅はかな理由で?」
青木 玲斗 :
『た、確かに疑問は残りますが、他に思いつきませんよ』
不破 栞 :
「ふむ……」
不破 栞 :
「だとすれば、計画の周到さに対してあまりにも理由が幼稚すぎるな。犯人の人間像が見えてこない」
スコア :
「そもそも、人間に指示されてやったこととはまだ決まってませんしね」
ヤオ トモヤ :
「……どんな理由があるにしろ、それが誰の命令でも本人の意思だとしても。人間様の、誰かの命を奪う、なんてあっちゃいけないことです」小さくぼそりと
夜鷹 守人 :
「……恨み、であるなら……」
ふと思いついたような口ぶりで話す
夜鷹 守人 :
「アンドロイドの危険性を世に示したい、とかでしょうか。 この事件が公になれば、イメージの低下は避けられませんし」
夜鷹 守人 :
「その為に意図的に暴走させた。 その様なこともあり得ますね」
青木 玲斗 :
『な、なるほど、逆にアンドロイド反対派の思想犯の犯行であると……』
不破 栞 :
「……結局、確保しなければ真相にはたどり着けないということか」
スコア :
「そうですねー。色々考えられますけど、今は捕獲することに集中した方が良いのかも」
KP :
暫く無線の先に疑問をぶつけていると、エレベーターの扉が口を開く。
赤星 透也 :
「そうだな、ちょうど道も開いたみたいだし」一足先にエレベーターに入る
スコア :
「49階までこのまま行くんです?」 エレベーターに乗り込む
夜鷹 矢代 :
『ああ、一気に49階まで向かって構わない』
夜鷹 矢代 :
『こちらで確認したところ、それまでのフロアに生存者やアンドロイドはいないようだからな』
スコア :
「なるほど、了解です」
黄海 夏央 :
「最短で人質救出に向かう訳ですね」大型犬アンドロイドと並んでエレベーターに足を踏みいれる
夜鷹 守人 :
「……行きましょうか」
閉所にアンドロイドといることに忌避感を覚えるが、それを口に出すことなく乗り込む
ヤオ トモヤ :
「……49階に到着すると共に攻撃を仕掛けられる可能性があります。人間の皆様は私達の後ろに」
エレベーターに乗り込み、扉付近に立つ
スコア :
「確かに、もし向こうが気付いてたらあるかもですね」 トモヤの隣に並ぼう
不破 栞 :
「おい、大丈夫かスコア? 突入任務なんて初めてだろう」 心配げに
スコア :
「初めてですけど、大丈夫ですよ。アンドロイドの方が人間より頑丈ですからね」 心配いらないというように微笑む
不破 栞 :
「そうかもしれないが……いや、無理はするなよ」 少し顔をしかめるが、合理的な判断として受け入れる。
スコア :
「はーいっ」 対照的に、微笑を崩さず
スコア :
全員乗ってるし、49階へのボタン押しちゃおう
KP :
ではエレベーターは扉を閉じてゴウンゴウンと動きはじめる。
KP :
機械の箱はアナタ達を事件現場に運んでいく。
KP :
階数表示板の数字が高くなっていくにつれて、心臓の鼓動が早くなる。
KP :
それも当然だろう。
KP :
…………この先には、確実に悪夢めいた惨状が広がっているのだから。
西暦2050年/10月15日/PM05:40/天気:小雨/高層ビル49階
KP :
やがてアナタ達は49階に辿り着く。
KP :
────エレベーターの扉が開く。
KP :
その瞬間。エレベーターに女性が入ってきた。
女性 :
「…………」扉の傍にいたトモヤくんの足下に俯せに倒れる。
ヤオ トモヤ :
「ッ⁈大丈夫ですか!?!」すぐさましゃがんで女性を抱き起こします
KP :
反射的にアナタは女性を抱き起こす。その表情を間近で見る。
KP :
そして、ある違和感に気付いてしまう。
KP :
……その女には、左目がなかった。
KP :
そこには血ばかりが噴き出る穴が開いている。
KP :
……そこに銃弾を受けたのだろう。
KP :
そして脳髄を攪拌されたのだろう。
KP :
女の顔から読み取れる表情は苦痛だけだった。
KP :
そこで先程の言葉を思い出す。
KP :
何故気付かなかったのだろう。夜鷹係長は『それまでのフロアに生存者はいない』と言っていた。
KP :
はい! 皆様おまちかねのSANCの時間ですよ!
スコア :
わぁい
ヤオ トモヤ :
きたわね
不破 栞 :
わーい!!!(やけくそ
KP :
成功で1、失敗で1d3のSAN値減少になります! どうぞ!
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 29 > 成功
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 60 → 59
スコア :
CCB<=50 SAN(1D100<=50) > 27 > 成功
system :
[ スコア ] SAN : 50 → 49
夜鷹 守人 :
cc<=54(1D100<=54) > 53 > 成功
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 54 → 53
ヤオ トモヤ :
ccb<=45 【san】(1D100<=45) > 67 > 失敗
KP :
ではここで! トモヤくんの秘匿HOの一部を公開します!
□ヤオトモヤ 秘匿HO
アナタは人間の死に対して、人間で言う"恐怖心"に近いモノを抱いている。
アナタが人間の死や死体を目撃した際のSAN減少値を+2する。
KP :
という訳でトモヤくんのSAN減少は1d3+2になります! ガツンと減らしてくださいな!
ヤオ トモヤ :
1d3+2(1D3+2) > 2[2]+2 > 4
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 45 → 41
KP :
一時的狂気ラインぎりぎり! セーフですね!
スコア :
「うわ……」 足下に転がる死体を見て、絶句する
夜鷹 守人 :
「こいつは……っ」
無意識に眼帯を付けている面を片手で覆ってしまう
不破 栞 :
「……」 目を閉じて、胸の前で十字を切る。
ヤオ トモヤ :
「ぇ、えゥあ、ち。駄目です止めなきゃ人間あなが、流れてる、血どうして止めるだめ駄目です駄目駄目だメd…」
ヤオ トモヤ :
要領を得ない言葉は続き、血を止めようとヤオは女性の顔に手を伸ばし左目の穴に触れようとします
夜鷹 守人 :
「おい……」
触ろうとするヤオに声をかける
夜鷹 守人 :
「ホトケをどうするつもりだ、ヤオ」
ヤオ トモヤ :
「 あ」この方もうホトケ、なんですね。亡くなってしまった。私、間に合うことができなかったんですね。
ヤオ トモヤ :
「……あれ」「おかしいな。ごめんなさい、任務中なのに。今、おかしかったですね。」
夜鷹 守人 :
「……取り乱すな、とは言わない。 ただ気を強く持て。 この先はこれより凄惨かもしれないんだ」
夜鷹 守人 :
「お前はお前が出来ることに集中しておけ、ホトケを弔うのは後だ」
いいな?と付け加える
ヤオ トモヤ :
「……はい、夜鷹さん」頷いて
夜鷹 守人 :
「わかったなら良い」
ヤオを一瞥して、エレベーターの外へ目を向ける
黄海 夏央 :
「…………」
KP :
暫くの間、黄海は二人を眺めていたが、すぐに足元の死体に目線を落とし言った。
黄海 夏央 :
「恐らくこの人、エレベーターで逃げようとしたのでしょうね……」
スコア :
「そこを撃たれて、扉にもたれかかってた……って感じですか……?」
黄海 夏央 :
「ええ、推測に過ぎませんが、そういう事だと思います……」
スコア :
「な、なるほどなー……」
夜鷹 守人 :
「惨いことを……」
不破 栞 :
「……もし犯人に目的があるとして、営利目的でここまでやる、とは考えにくいな」
ヤオ トモヤ :
「……」床に広がる血溜まりを見て黙ってます
不破 栞 :
「相当な恨みがなければ、ここまでの殺し方はそうできない」 つとめて無表情で、冷静に。
スコア :
「……そうかもしれませんけど……」
スコア :
「あの、とにかく、まずはここから動きませんか?もう近くに犯人がいるかもしれないことを考えると、エレベーターの中で固まってるのはまずいかも」
不破 栞 :
「ああ、その通りだ」
ヤオ トモヤ :
「……ですね。引き続き私達が先行して進んでいきましょう」
夜鷹 守人 :
「ああ、慎重に行こう」
不破 栞 :
「ヤオ君、本当に大丈夫か? かなり動揺していたようだが……」
スコア :
「余裕が無かったら、後ろでもいいんですよ」 周囲を警戒しつつ、先にエレベーターの外に出ていく
不破 栞 :
スコアちゃんの後ろにぴったりついて行く。
夜鷹 守人 :
「これぐらいで弱音を吐くようならここにはいませんよ……」
その後ろをついて行こう
赤星 透也 :
「ま、ホントにムリそうだったら俺がフォローしてやるさ」
ヤオ トモヤ :
「……ごめんなさい、こんなこと初めてで」
夜鷹より少し前にズイと出て
「……さっきはちょっと不具合が起きてたみたいですけど、私最新型アンドロイドですし。きっと皆様のこと守ってみせます」大丈夫です、ありがとうございますと
スコア :
「そう言うなら、変に心配せずに大丈夫だと思いましょっか」 ヤオくんを見て小さく笑って
赤星 透也 :
「じゃあ、とりあえず周囲の探索を優先しよう、犯行グループが潜んでいる可能性もゼロって訳じゃないから慎重にな」エレベーターから出る
スコア :
「はーい、了解です」
ヤオ トモヤ :
「……はい!」2人の言葉に安心したのかニコッと笑って 足並み揃えて進みます
不破 栞 :
「(本当に突入任務は初めてなのか? アンドロイドってこういうものなのか……)」 動じないスコアを見て少し考えている。
スコア :
「……マスター?大丈夫です?」 視線を感じて振り返る
不破 栞 :
「ああ、いや」
不破 栞 :
「……私も初仕事のときは動揺したな、と思ってな。大したことじゃないさ。行くぞ」
スコア :
「分かりましたっ」 頷き、進んで行く
KP :
そうしてアナタ達は廊下を歩いて事件現場に向かう。
KP :
そこは事務的な印象を受けるオフィスだった。
KP :
この部屋も下の階と同様に争ったような跡が残っており、周囲には立てこもり犯に襲撃されたのだろう社員の死体が転がっていた。
KP :
……どの死体も射殺されている。
スコア :
「もう心の準備は出来てたけど、酷いもんですね……」
赤星 透也 :
「……俺もこれほどの死体を見るのは初めてだな」
不破 栞 :
「ああ、一課でもここまでの現場を見ることはまず無い」
夜鷹 守人 :
「クソアンドロイドめ……」
ヤオ トモヤ :
「……」死体からなるべくピントをずらすようにして周囲を観察する
スコア :
「……犯人はこの部屋にはいなさそうですけど。どこにいるんでしょ……」 部屋を見渡す
スコア :
部屋の探索で目星とか振れるかしら?
KP :
そうね! 探索可能な場所を提示するので、調べたい場所を言ってもらえれば!
KP :
【探索箇所】棚/机/床
KP :
みんな判定を振って大丈夫なので、決めるのは何処から順番に調べるかやね!
スコア :
了解了解!じゃあ順番に棚から行く?
不破 栞 :
そうね、順番にいきましょ!
夜鷹 守人 :
順にいってみっか!
ヤオ トモヤ :
いってみよう!
KP :
棚にはこのフロアを使用していた会社のものだろう資料が並べられている。
KP :
さらに調べる場合は≪図書館≫で判定をおねがいします!
スコア :
図書館は…ちょっとある!振りましょう
不破 栞 :
初期値じゃん! 振るぜ~
夜鷹 守人 :
65ある!(不安な数字)
ヤオ トモヤ :
初期値!降りま〜す
不破 栞 :
cc<=25(1D100<=25) > 16 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=65(1D100<=65) > 77 > 失敗
スコア :
CCB<=50 図書館(1D100<=50) > 79 > 失敗
ヤオ トモヤ :
ccb<=25 【図書館】(1D100<=25) > 3 > 成功
夜鷹 守人 :
初期値組やるな~~!!!
KP :
初期値の人が成功して技能ある人が失敗してるの何
スコア :
えー、なんですかこの図書館振ってる組。ポンコツじゃないですか
不破 栞 :
これが元一課の実力よ!
ヤオ トモヤ :
これが最新型の力ですよ!
スコア :
マスターのかっこいいところが見れたのでヨシ!!!
夜鷹 守人 :
最新型が活躍したのでヨシ!
ヤオ トモヤ :
夜鷹さん褒めtてはないけど活躍認めてもらったのヤッターーーーーーー!!!!
KP :
さてさて成功した2人は、気になる紙面を発見します!
KP :
印刷ミスなのか所々の文字が潰れていますが、読む事もできます!内容は以下の通り!
□■■■■■について
我が社も■■に関わった■■■■■がついに完成したと報告があった。
従来の■■薬と似てはいるが、全く異なる■である。
しかし先方は■■をどうしようというのだろうか?将来■■に使用されるとは言っていたが、
こんなものが本当に役に立つのか?そもそもこれはこの国の■に触れるものではないのか。
社長は何を考えているんだ。
不破 栞 :
「……妙な文書があるな」
スコア :
「何です?それ」
ヤオ トモヤ :
「??なんでしょうね、これ」
夜鷹 守人 :
「文章がカスカスだな……」
不破 栞 :
「印刷が粗末なのもそうだが、明らかに業務で作成された体裁ではないな」
赤星 透也 :
「これじゃあ何が何だか分からないが、ひとまず襲撃を受けたのは製薬会社だったみたいだな」
スコア :
「あ、ここ製薬会社だったんですね……」
不破 栞 :
「ふむ……まあ、これは置いておいて他を調べてみよう」
スコア :
「そうですね。立てこもりと関係あることかも分からないですし」
不破 栞 :
机調べるぞ~!
夜鷹 守人 :
デスク!!
KP :
デスクには血の跳ねたパソコンが置かれている。まだ電源はつくようだ。
KP :
中を開くと1つのファイルが目に入る。
□社員の記録
西暦2050年09月■■日
会社の様子が最近おかしい。辞めていく社員が多すぎる。
上司に聞いたら故郷に帰っただとか転職先を見つけたらしいだとか言っていたが本当にそうなのか?
なんだかイヤな予感がする。
西暦2050年09月■■日
今日、会社に知らない奴等がやってきた。
なんでも重要な取引先らしく、社内も心なしかピリピリしている。
西暦2050年10月15日
社長に呼び出されて信じられない話を聞かされた。
こんな話狂っている。本気なのか? もしこれが本当なら、この街は
(ここで途切れている)
夜鷹 守人 :
「日誌か…? きな臭いことしか書かれていないが……社長が何かに関わっているのか?」
スコア :
「んー……これもまたよく分かりませんね」
ヤオ トモヤ :
「さっきのやつも共同で開発してる会社があるみたいな書き振りでしたけど。この街、って……」大きな話になりそうですね
不破 栞 :
「……とりあえず、この会社に大きな問題があるのは疑いようがなさそうだな」
不破 栞 :
床も調べちゃおう
スコア :
調べようよう
夜鷹 守人 :
何かあるかな~?
KP :
床には様々な物が散乱している。書類から死体まで様々な物が。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫≪聞き耳≫!トモヤくんとスコアちゃんは≪コンピュータ≫でもOKです!
ヤオ トモヤ :
コンピュータ使用します‼︎
夜鷹 守人 :
目星でいくぞ!
不破 栞 :
聞き耳を使ってみようかな
スコア :
この三つ全部同じ値だわわたし!
スコア :
普通に目星でいこう
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 17 > 成功
ヤオ トモヤ :
ccb<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 79 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 眼帯を外せ夜鷹ー!!(1D100<=75) > 4 > 成功
スコア :
CCB<=70 目星(1D100<=70) > 46 > 成功
夜鷹 守人 :
ちゃんと見えてるじゃねぇか
KP :
全員成功!
KP :
では皆さんは青い液体が床にこぼれているのを発見する。
KP :
VOIDに使われている燃料────ブルーブラッドだ
KP :
ブルーブラッドは短時間で気化して肉眼には見えなくなるハズだが、これは肉眼で見えている。……つまりはそう遠くない場所にアンドロイドがいる。
KP :
この痕跡を追えば犯人に辿り着くだろう。
スコア :
「……ほんとにアンドロイドが犯人なんですねえ」 しゃがみこんで、青い液体の跡を見る
不破 栞 :
「ああ。揮発していないということは、ついさっきここでひと悶着あったということだ」
不破 栞 :
「(しかし、犯人側が血を流している? そんな激しい反撃に遭ったのか……?)」 鼻の頭を指でこすって考え事をしている。
夜鷹 守人 :
「……用心して追跡してみましょう」
電子刀を手にとる
不破 栞 :
「だな」 ジャックナイフを構え、いつでも撃てるように。
スコア :
「時間があまり経っていなくて良かったですね」 拡声器型の音波銃を手に持つ
ヤオ トモヤ :
「……」鞭を構え夜鷹の前に出る
KP :
アナタ達が武器を構えながら血痕を目で追うと、このフロアの奥に上に繋がる階段があることに気が付く。
黄海 夏央 :
「犯人はあちらの方に向かったようです」支給された拳銃を構え
スコア :
「ほんとだ……じゃあ、50階ですか」
黄海 夏央 :
「立てこもっているのは屋上のハズですが、相手は複数ですから用心はするに越したことはないかと」
不破 栞 :
「この惨状を見ると、こちらが出て行ってすぐ撃たれる可能性もあるな」
スコア :
「ありそー……。じゃあ、わたし先頭いきましょっか」
不破 栞 :
「私が行こう……と言ってる場合ではないな、頼む」
スコア :
「はい、任せてください。用心した方が良いですしね」
ヤオ トモヤ :
じゃあ、2番手には私が……とスコアの後ろにつきます
スコア :
じゃあ宣言通り先頭を進んで、階段を登っていきます。
夜鷹 守人 :
その後ろをちょっと距離を置いてついていく
不破 栞 :
同じく少し後ろについていく!
08 VS.謎のアンドロイド
西暦2050年/10月15日/PM05:50/天気:小雨/高層ビル50階
KP :
潜入チームは敵に警戒しながら階段を上がっていく……とここで≪聞き耳≫の判定をおねがいします!
スコア :
CCB<=70 聞き耳(1D100<=70) > 41 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=70 もしもーし!(1D100<=70) > 57 > 成功
ヤオ トモヤ :
ccb<=75 【聞き耳】(1D100<=75) > 91 > 失敗
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 54 > 失敗
KP :
ペアの片方が聞こえたカンジですね!
KP :
では守人くんとスコアちゃんは奥の方で乾いた破裂音が聞こえた。発砲音だろうか。
スコア :
「……!今の音、銃声じゃないですか?」
夜鷹 守人 :
「俺にも聞こえた。アンドロイド共の銃声、だろうな……」
スコア :
「ですよね!誰か撃たれたのかも」
不破 栞 :
「本当か……!? まずいな、時間をかけ過ぎたか……」
ヤオ トモヤ :
「……私は聞き逃してしまったのですが、お二人が確認したとなると確かかと」はやる気持ちを抑えて階段上を見やる
スコア :
「いやでも、突入して来たわたし達じゃなくて人質に向かって今更撃ちます?」
ヤオ トモヤ :
「!そうですね……となると、先行部隊……」
夜鷹 守人 :
「警告の発砲か、実際に撃たれた可能性もある。急いだ方が良さそうだ」
不破 栞 :
「変に犯人を刺激したくはないが……そうだな」
スコア :
「まだ無事だと良いんですけどねえ……」 発砲音が聴こえた奥へと向かって行こう
ヤオ トモヤ :
頷いて続きます
KP :
──ドロ係の潜入チーム達は、急いで50階に辿り着く。
KP :
ブルーブラッドの痕跡は、この奥に続いているようだ。
KP :
そして、アナタ達は階段を昇って直ぐの角を曲がった。
KP :
その時。
KP :
ふいに無線から青木の声が響いた。
青木 玲斗 :
『アンドロイドが接近しています…!数は4!!みなさん戦闘態勢に入ってください…!!』
スコア :
「うわ、マジですか。了解です」 慌てて足を止め、警戒する
ヤオ トモヤ :
「…了解」手にした電磁鞭を握り締め、警戒態勢に移行します
不破 栞 :
「向こうから来ただと……!? 勘付かれたか!」
夜鷹 守人 :
「ここで来るか……!」
電子刀の柄を握りしめる
KP :
アナタ達が武器を構えると、青木の言う通り4体のアンドロイドが姿を表した。
KP :
全身を黒い装甲で包んだ奇妙な機体。
KP :
その頭部にはヘルメットのような物が装着されていて、表情は全く分からない。
スコア :
「うわあ、本当にアンドロイドなんですね……」
夜鷹 守人 :
「不気味なやつらめ、装甲のつもりか?」
ヤオ トモヤ :
「……」警戒はそのままに相手方の動きを観察しています
ヤオ トモヤ :
出血しているアンドロイドはありますか?
KP :
腹部に銃創があるアンドロイドが一体。自身による出血と同量程度の返り血も浴びている。
ヤオ トモヤ :
(なるほど、ありがとうございます)
KP :
人間である守人くんと不破さんは≪知識≫、アンドロイドであるトモヤくんとスコアちゃんは≪コンピュータ≫による判定をおねがいします!
スコア :
CCB<=70 コンピューター(1D100<=70) > 75 > 失敗
ヤオ トモヤ :
ccb<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 62 > 成功
不破 栞 :
cc<=100(1D100<=100) > 59 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=65 ほいっ(1D100<=65) > 44 > 成功
KP :
スコアちゃん以外は成功と
KP :
ではまず人間の≪知識≫判定の結果から
KP :
見たことがないアンドロイドだ。型番やマークなども見当たらない。どこで制作された機体なのだろうか?
KP :
アナタ達が所持しているアンドロイド関連の知識によって、そのような感想を抱くだろう。
KP :
続いてアンドロイドの≪コンピュータ≫判定の結果
KP :
警察のデータベースから情報を取得しようとするが『エラーが発生しました』と出るばかりで何も出てこない。
KP :
そんなところですね! 要するに正体不明のアンドロイド!!
不破 栞 :
「なんだ、見たことのない型のアンドロイドだぞ……!?」
夜鷹 守人 :
「型番もマークも無し……違法アンドロイドか……!?」
ヤオ トモヤ :
「な、ッなんですかこれ……警視庁のデータベースに繋いでもエラーってでます。スコア先輩!これってよくあることなんですか!?」
スコア :
「先輩?うーん、いや……そんなの初めてですね……このVOID達が特殊なんじゃないかな」
スコア :
「よく分かりませんけど、とにかく絶対に確保して調べなきゃってことですね」 謎のアンドロイド達を見据える
不破 栞 :
「そういうことだな……!」 ジャックナイフを射撃モードに変形させる。
ヤオ トモヤ :
「なるほど、であれば私の高機能の見せ所ですね…!」腕まくりして
夜鷹 守人 :
「(実戦は初めてだ、足だけは引っ張らないしないと……)」
電子刀を起動し、構えを取る
赤星 透也 :
「まあ、肩の力を抜けっておまえら」守人くんとトモヤくんの肩をポンと叩いて前に出る
赤星 透也 :
「張り切りすぎも良くないぜ、いつも通りに行こう」
赤星 透也 :
「新しい武器を試すのに丁度いい、くらいの感覚でさ」
夜鷹 守人 :
「兄さん……」
その言葉を受けて、一度息を深く吸う。
夜鷹 守人 :
「……ありがとうございます」
緊張を解し、改めてアンドロイド共に構える
赤星 透也 :
「ははっ、別に礼を言われるような事はした覚えがないんだけどな」
KP :
そう言って赤星と黄海も武器を構えた。
KP :
ではでは! これより戦闘処理を開始します!
KP :
エネミーは、謎のアンドロイドが4体! 距離は10m!!
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.赤星透也(DEX16)⇒ 2.ヤオトモヤ(DEX14)⇒3.謎のアンドロイドABCD(DEX14)⇒4.不破栞・スコア(DEX12)⇒5.黄海夏央(DEX12)⇒6.夜鷹守人(DEX4)
KP :
ひとりだけDEX一桁の4というこの
スコア :
鈍足眼帯!
夜鷹 守人 :
悪口かー!?(電子刀ぶんぶん)
スコア :
ひええ…
KP :
このアンドロイドヘイター、狂暴。
KP :
では戦闘をはじめていきます! まずはDEX16の赤星透也から!!
KP :
謎のアンドロイドAに対して、電子刀で攻撃しますよ!
KP :
cc<=85 電子刀一刀流(1D100<=85) > 81 > 成功
KP :
成功したのでアンドロイドAの回避!
KP :
cc<=28 回避(1D100<=28) > 93 > 失敗
KP :
命中! ではダメージロール!!
KP :
1d10+1+1d6 ダメージ(1D10+1+1D6) > 2[2]+1+3[3] > 6
KP :
う~ん、出目がしょっぱい! 装甲で軽減して4ダメージ受けます!!
system :
[ 謎のアンドロイド ] A-HP : 15 → 11
赤星 透也 :
「……んじゃあ、ちょっと見てな」
KP :
赤星は真正面から切りかかると見せかけて、壁を蹴って宙を跳んでアンドロイドの演算を乱し、一瞬にして死角に回り込む。
KP :
そして慣れた様子で背中を切りつけた。かなり戦闘慣れしているようだ。
赤星 透也 :
「────っとアーマー着てるだけあって、流石にカタいな、一撃じゃムリだったか」言いながらステップで間合を取る
夜鷹 守人 :
「い、いつ見ても規格外の運動能力……」
嫌でも自分の体力と比べてしまう
赤星 透也 :
「おまえも本気になればこれくらいできるさ」生死をかけた戦闘中にも関わらず、ひらひらと手を振って笑う
夜鷹 守人 :
「(それは無理だー!)」
思わず苦笑いを浮かべる
KP :
ではでは続いてDEX14のトモヤくんの手番!
ヤオ トモヤ :
それでは謎のアンドロイドAに対して、電磁鞭で攻撃します。
ヤオ トモヤ :
振ります‼︎
ヤオ トモヤ :
ccb<=75 【電気修理】(1D100<=75) > 59 > 成功
KP :
謎のアンドロイドAは回避します!
KP :
cc<=14 二度目の回避(1D100<=14) > 68 > 失敗
KP :
命中しました! まずはダメージをどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 7[6,1]+2[2] > 9
KP :
装甲で軽減して7点受けまして……HPの半分以上を失ったので、ショックロールを行います!
KP :
cc<=50 CON×5(1D100<=50) > 82 > 失敗
KP :
失敗! 気絶しますね!
system :
[ 謎のアンドロイド ] A-HP : 11 → 4
ヤオ トモヤ :
初めて使う武器。けれど使い方は知っている。まずは力の限り真横に振り抜く。
ヤオ トモヤ :
遠心力で一瞬身体(ボディ)が引っ張られるも、次の瞬間には長鞭の向こうに確かな手応えを感じた。
ヤオ トモヤ :
赤星からの攻撃と間髪入れず、硬質な音を立てて飛んできたソレに、アンドロイドは対応することができなかったようだ。
ヤオ トモヤ :
「……これ思いの外、威力あるんですね!」長いし、扱いには気をつけなきゃいけないですね!そう続けて次の目標に目を向けます。
赤星 透也 :
「おお、ナイス! すぐに反撃くるぞ、気を付けてな!」
ヤオ トモヤ :
「へへ!気をつけます」ちょっとだけ自慢げな顔をして 気を引き締めます
KP :
続いて謎のアンドロイドBCDの手番! 皆殺しタイムだ!!
KP :
1d4 攻撃から除外するPC決定(1D4) > 2
KP :
トモヤくん以外のPC全員に2回ずつ射撃
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象は守人くん)(1D100<=30) > 29 > 成功
KP :
cc<=30 拳銃2回目(対象は守人くん)
(1D100<=30) > 90 > 失敗
KP :
ちっ
夜鷹 守人 :
なんだその舌打ちは!!
KP :
次のPCに攻撃を行う前に守人くんのリアクション処理をおねがいしましょうか
夜鷹 守人 :
あーい、せっかく出来るんだから受け流してみましょうかね
KP :
銃弾斬りチャレンジ
夜鷹 守人 :
おいら石川五右衛門、それじゃ受け流しまーす!
夜鷹 守人 :
cc<=85 失敗するわけないんだよねぇ!(1D100<=85) > 9 > 成功
KP :
またつまらぬものを切ってしまった…
KP :
では武器耐久に与えるダメージ算出します
KP :
1d10-6 サードアイ軽減込み(1D10-6) > 7[7]-6 > 1
KP :
うう…1点…耐久を減らしてください…
system :
[ 夜鷹 守人 ] 武器耐久 : 20 → 19
夜鷹 守人 :
ククク、技術の為せる業……サードアイも乗るのありがてー!
夜鷹 守人 :
アンドロイドの銃口が夜鷹に向けられる。その瞬間、サードアイからの弾道予測が表示された。
夜鷹 守人 :
「(こ、この軌道なら……!)」
夜鷹 守人 :
弾道を予測したルートの上に、電子刀を振りかざす。
夜鷹 守人 :
発射されるタイミング。着弾タイミングを見て自らの予測も織り交ぜる。
そして見事発射された弾丸を電子刀で両断。2射目の弾丸も夜鷹を傷つけることは敵わなかった。
夜鷹 守人 :
「お前らアンドロイドに、やられるばかりじゃないんだよ……!」
赤星 透也 :
「……マジかよ、フツーに俺より凄いコトやってねえかなコレ?」
夜鷹 守人 :
「兄さんに言われたくはありませんけどね……!」
心臓がバクバク
赤星 透也 :
「へへ…! まっ、その調子で頼むぜ…!!」
KP :
ではでは次は不破さんに対する攻撃!
不破 栞 :
わー!
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象は不破さん)(1D100<=30) > 81 > 失敗
KP :
cc<=30 拳銃2回目(対象は不破さん)(1D100<=30) > 50 > 失敗
KP :
うわ~~~~!! 両方失敗!!!!
KP :
ですが至近距離にいないのでジャックナイフ(斬撃)の追加効果は起こらないですね! 不幸中の幸い!!
スコア :
命拾いしたな
不破 栞 :
やはり前衛ガンナーしかないか…
不破 栞 :
銃口の動きから自分が狙われていることをいち早く察知し、身体をくるりと回転させて射線を逸らす。
不破 栞 :
「アンドロイドとはいえ、軍用モデルでない以上、射撃精度は素人と大差ないようだな」 涼しい顔でポニーテールを靡かせ、二発の射撃を回避する。
黄海 夏央 :
「……流石、実力でドロ係のメンバーに選ばれるだけありますね、戦闘もお手の物ですか」
スコア :
「マスターはやれば凄いですからね!」 笑顔で自分の事のように
不破 栞 :
「おい、戦闘中に私語で盛り上がるな! 死ぬぞ!」
スコア :
「そうでした……!」
KP :
そんなスコアちゃんに最後の攻撃! くたばれ旧型アンドロイド!!
スコア :
旧型なめんな!
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象はスコアちゃん)(1D100<=30) > 90 > 失敗
KP :
cc<=30 拳銃2回目(対象はスコアちゃん)
(1D100<=30) > 6 > 成功
KP :
はっはっは! ついに当ててやりましたよ!! リアクションどうぞ!!
スコア :
わぁ…回避しましょ!
スコア :
CCB<=70 回避(1D100<=70) > 19 > 成功
KP :
くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
スコア :
悔しがり方で草、避けれた!
スコア :
「……っと……!」
栞に言われてすぐさま敵に向き直り、銃口が向けられたのと同時に真横に飛ぶ。
そのすぐ直後、遥か後方の壁に銃弾が当たる音が弾けた。
黄海 夏央 :
「……あの状態からよく回避しますね」
スコア :
「や、ちょっと危なかったかもですね……結構銃の扱いなれてそう」 敵から目を離さず
赤星 透也 :
「んじゃあ、さっさと片付けようか、さっきの銃声の正体も気になるしな」
スコア :
「ですね……っ」 音波銃を構える
KP :
いよいよDEX12の不破さんとスコアちゃんの手番!
スコア :
RPの流れ的にわたしから行かせてもらいます!
スコア :
で、マスターに撃った奴ってCです?殺します
KP :
Cです…タスケテ…タスケテ…
スコア :
助かるかどうかはわたしのダイスに聞くんだな!音波銃で攻撃!
スコア :
CCB<=80 拳銃(1D100<=80) > 88 > 失敗
スコア :
クソがよ~~~~~~~~~~~
KP :
ははははははははははははッ!!!!!! 神は私の味方なのだッ!!!!!!!!!
スコア :
お前を殺すのは後にしてやる…っ
スコア :
「このっ……!」
自分ではなく、栞を撃ってきたアンドロイドに銃口を向ける。
スコア :
しかしどこか怒りを感じて焦っているのか照準がぶれ、発射された超音波が敵アンドロイドに届くことはなかった。
KP :
スコアちゃんの仇(?)を取ってくれ、ということで続いて不破さんの手番!
不破 栞 :
いくぜ~! Cに銃で攻撃だ!
KP :
スタン攻撃! それぞれ判定どぞどぞ!
不破 栞 :
cc<=80 1回目(1D100<=80) > 71 > 成功
KP :
では回避!
KP :
cc<=28 回避(1D100<=28) > 38 > 失敗
KP :
cc<=50 CON×5(1D100<=50) > 72 > 失敗
KP :
スタンになりました! 次の不破さんの手番まで全判定に-20ペナルティ!!
不破 栞 :
やったー!では続けざまにBに射撃しましょう
不破 栞 :
cc<=80 2回目(1D100<=80) > 83 > 失敗
KP :
ギリギリ足りない!
不破 栞 :
ああん!
不破 栞 :
スコアちゃんの射撃を避け、隙ができたCの動きに咄嗟に反応し、ジャックナイフから電撃を放つ!
不破 栞 :
「スコア、少し焦り過ぎだ。だが、まぁ……初めてにしては上出来だ」
不破 栞 :
続けざまに別のアンドロイドへ射撃を放つが、そちらは避けられる。
スコア :
「は、はい……マスター……っ」 次は必ず当てる、と決意して頷く
不破 栞 :
「わかったならよし。しかし、もともと対人間用の武器だから遠距離では失神させるほどの威力はないか……」
不破 栞 :
「(接近するしかないな……!)」
黄海 夏央 :
「……それなら私達が一体を引き受けます」拳銃を構え
KP :
ということでDEX12の黄海さんの手番です
KP :
謎のアンドロイドBに対して拳銃で攻撃します
KP :
cc<=85 拳銃(1D100<=85) > 93 > 失敗
KP :
cc<=85 拳銃(1D100<=85) > 91 > 失敗
KP :
cc<=85 拳銃(1D100<=85) > 18 > 成功
KP :
出目が悪すぎない???? この見た目でポンか????
スコア :
それはそれでかわいいじゃん
黄海 夏央 :
別にかわいさなんて求めてません…
不破 栞 :
わかる
スコア :
一回当たったから良いの!
黄海 夏央 :
これも当たるかどうかわからないですけどね、ということでアンドロイドの回避があります
KP :
cc<=28 回避(1D100<=28) > 71 > 失敗
KP :
当たった…! 名誉は保たれましたよ…!!
KP :
1d10-2 ダメージ(1D10-2) > 9[9]-2 > 7
system :
[ 謎のアンドロイド ] B-HP : 15 → 8
KP :
トモヤくんと並ぶパーティ内最高ダメージ…これでもうポンコツとは呼ばせない!
スコア :
わんわんおも喜んでます
夜鷹 守人 :
ゴシュジン!イホウアンドロイド コロス!ウレシイ!
黄海 夏央 :
うちの子はそんなじゃありません
KP :
でも共闘はしているので軽く描写!
KP :
犬型のロボットが敵の足に噛みつき動きを止め、そこにすかさず黄海が拳銃を向けている。息が合った攻撃だ。
KP :
しかし、その表情にこそ出していなかったが、初戦闘で緊張しているのか黄海の手元は震えている。胸部に命中した一発以外は全て外してしまった。
KP :
では最後!! DEX4の守人くんの手番です!!
夜鷹 守人 :
よっしゃー!
夜鷹 守人 :
アンドロイドBにエンゲージして、電子刀(一刀)で攻撃!
夜鷹 守人 :
cc<=85 外してくれるなよ(1D100<=85) > 12 > 成功
KP :
回避します!
KP :
cc<=14 回避(1D100<=14) > 14 > 成功
KP :
草
夜鷹 守人 :
おいー!!
夜鷹 守人 :
なにピタリ賞出してくれてんだ
KP :
流石は今日の運勢最下位の夜鷹守人さん
夜鷹 守人 :
泣いていいですか
KP :
勝って泣こうゼ! 演出どうぞ!!
夜鷹 守人 :
黄海の攻撃に続こうと、Bへと接近。
電子刀を振るうも先程のダメージでアンドロイドがよろけたのか、予想していたルートから外れて電子刀を空振ってしまう!
夜鷹 守人 :
「なっ、この……!」
赤星 透也 :
「……お~、派手に空振ってんな力抜け~」
夜鷹 守人 :
「は、はい……今のは予想外でした……」
2歩ほど距離を取って、構え直す
赤星 透也 :
「まあ、実践じゃそういうのも付きモンだよな」
赤星 透也 :
「……とか言いながら俺も外したら、めちゃめちゃダサいけど」腰に下げていた電子刀のもう一振りを握る
KP :
2ラウンド目! 赤星の手番です!
KP :
謎のアンドロイドDに対して電子刀の二刀流で攻撃しますよ!
KP :
cc<=75 電子刀二刀流(1D100<=75) > 35 > 成功
KP :
cc<=28 アンドロイドの回避(1D100<=28) > 59 > 失敗
KP :
命中! ダメージ算出します!!
KP :
2d10+2+1d6 ダメージ(2D10+2+1D6) > 7[2,5]+2+3[3] > 12
KP :
一気にHPの半分を失った謎のアンドロイドDはショックロール!
system :
[ 謎のアンドロイド ] D-HP : 15 → 5
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 6 > 成功
KP :
わ~タフ~~~~
スコア :
根性あるわ
夜鷹 守人 :
許せなかった…!兄さんの二刀流を受けて沈まないなんて…!
ヤオ トモヤ :
アンドロDお前か…⁈腹部に傷を負いながらも返り血を浴びてたやつは…
KP :
キルリーダーかもしれない…では軽く演出!
KP :
赤星は電子刀を二刀に持ち替えると、今度は真正面からアンドロイドに飛び掛かり、その首元にそれらを思い切り突き立てた。
KP :
人間ならば即死だったろうが、相手はアンドロイド。ガガガとノイズを吐きながらも未だに稼働を続けている。
KP :
という訳で次はDEX14のトモヤくん! 手番をどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
はーい!アンドロイドBにエンゲージして、電磁鞭で攻撃します!
ヤオ トモヤ :
ccb<=75 【電気修理】(1D100<=75) > 34 > 成功
KP :
わ~、HPヤバいので回避します!
KP :
cc<=28 回避(1D100<=28) > 7 > 成功
KP :
神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと
ヤオ トモヤ :
そのようだな…ではRPちょっとだけ挟ませてもろて
KP :
おけ! 演出どうぞ!
ヤオ トモヤ :
「……アナタ、さっき夜鷹さんに発砲してたアンドロイドだ」
ヤオ トモヤ :
先程と同様、ヤオがその腕を振ってから一拍遅れて空気を切り裂く音がする。唸りをあげて進む軌道はアンドロイドに向けて襲いかかった、筈だった。
ヤオ トモヤ :
下手に力を入れ過ぎたのか、軌道は微かにブレ避けられてしまう。
赤星 透也 :
「……おまえ達さ~、余計な演算をしてると当たるモンも当たらないぜ~?」アンドロイド二人を見て冗談めかして笑う
ヤオ トモヤ :
「……すみません、次は当てます」ちょっとムッとするも ヘラっと笑って
KP :
強運の持ち主と化した謎のアンドロイドBCDの行動!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア](choice[守人,トモヤ,不破,スコア]) > 不破
KP :
choice[守人,トモヤ,スコア](choice[守人,トモヤ,スコア]) > スコア
KP :
choice[守人,トモヤ](choice[守人,トモヤ]) > トモヤ
KP :
Bは不破さん、Cはスコアちゃん、Dはトモヤくんに攻撃します!
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象は不破さん)(1D100<=30) > 29 > 成功
KP :
cc<=30 拳銃2回目(対象は不破さん)(1D100<=30) > 26 > 成功
KP :
運が強すぎるでしょ
KP :
不破さん、リアクションどうぞ!
不破 栞 :
とりあえず回避で!
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 64 > 成功
不破 栞 :
受け流しも使っていいのかな!
KP :
いやジャックナイフは銃弾に対する受け流しには使えないかな! 電子刀が例外!!
不破 栞 :
あ、なるほど!じゃあ回避しよう
不破 栞 :
cc<=32(1D100<=32) > 73 > 失敗
KP :
1d10-6 サードアイ適応ダメージ(1D10-6) > 5[5]-6 > -1
KP :
ノーダメージ!!
不破 栞 :
「!」 ほかのメンバーが攻撃している隙に接近しようとしていた不破にアンドロイドが反応する……!
不破 栞 :
しかし銃口が向けられた瞬間、サードアイが経路を示す。咄嗟に、前転しながらその経路に飛び込む。
不破 栞 :
「すごい技術だな……!」 銃声2発、間一髪、無傷で済んだ。
KP :
続いてスタンを貰ってる謎のアンドロイドCがスコアちゃんに攻撃!
KP :
cc<=10 拳銃1回目(対象はスコアちゃん)(1D100<=10) > 96 > 失敗
KP :
cc<=10 拳銃2回目(対象はスコアちゃん)(1D100<=10) > 77 > 失敗
KP :
極端な出目やめて
スコア :
極端すぎるわ…演出は無しで大丈夫!
KP :
おけおけ! では最後にトモヤくん!!
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象はトモヤくん)(1D100<=30) > 17 > 成功
KP :
cc<=30 拳銃2回目(対象はトモヤくん)
(1D100<=30) > 63 > 失敗
KP :
乱数調整してる?
KP :
ともかくリアクションどうぞ!
ヤオ トモヤ :
はい!それでは回避で!
ヤオ トモヤ :
ccb<=75 【回避】(1D100<=75) > 40 > 成功
KP :
回避成功!!演出あればどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
「おっと……‼︎」赤星からの攻撃を受け、致命傷をおったアンドロイドである。発砲の衝撃でか、弾道はぶれており余裕で避けることができた。
KP :
ではでは次は行動値12のふわすこ組!!
スコア :
ふわすこのマスターすこすこの方行きます!
KP :
すこーん、どぞどぞ!
スコア :
Cに音波銃で攻撃!当たれ~
スコア :
CCB<=80 拳銃(1D100<=80) > 18 > 成功
スコア :
当たった!回避する場合-20のペナルティ!
KP :
回避します! スタン中なので回避8%!! それに-20ペナルティなので自動失敗!!
スコア :
マスターと初めての共同作業しちゃった
KP :
初めての共同作業が心臓破壊、物騒すぎる
スコア :
良いの!!!ダメージいきます
スコア :
4d6 ダメージ(4D6) > 14[2,2,4,6] > 14
system :
[ 謎のアンドロイド ] C-HP : 15 → 3
KP :
うわヤバ
スコア :
おぉ~???
スコア :
こんな出るもんなんだ!?ほら気絶しろー!!
KP :
ショックロールします!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 39 > 成功
KP :
なんだこいつ
スコア :
も~~~~~~~~~~
スコア :
何なんだよお前!!!
KP :
アンドロイドの怖さとタフさを知らせるチュートリアルかな
スコア :
「当たれー!」
キン、と拡声器から声が響く。
機械心臓を共振・破壊する特殊超音波。
緊張感が増したせいか、スコアは思わず目を閉じながら引き金を絞ってしまう。
だが、ジャックナイフの電撃を浴びて動作の鈍ったアンドロイドに当てるにはそれで十分だった。
KP :
アンドロイドの破壊だけを目的とした音波銃の一撃は、アンドロイドに致命的な内部ダメージを与える。
KP :
しかし、装甲で軽減されたらしい。タフなアンドロイドは、その四肢を痙攣させながらも未だに動き続けている。
スコア :
「う、うわ……当たったけど……。倒れた方が楽じゃないかなぁ……」 自分でやったことなのに驚いて一歩引いてしまう
不破 栞 :
「見事だ、スコア」
KP :
続いて不破さん! 手番どうぞ!!
不破 栞 :
行くぞ!
不破 栞 :
Cにジャックナイフで近接攻撃します!
KP :
エンゲージして攻撃ね! どぞどぞ!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 57 > 失敗
KP :
惜しすぎる
不破 栞 :
くぅ~~!!
KP :
不破さんの手番終了でスタン効果が切れます! 演出あればどうぞ!!
不破 栞 :
ダメージを受けた隙をつき、一気に距離を詰めナイフを振るう……が、一歩踏み込みが足りず届かない!
不破 栞 :
「く、鈍ったか……!」
KP :
次は黄海ちゃんの手番! 先輩刑事のフォローをします!!
KP :
cc<=85 拳銃で謎のアンドロイドCを攻撃(1D100<=85) > 21 > 成功
KP :
cc<=14 回避(1D100<=14) > 26 > 失敗
KP :
1d10-2 装甲有効ダメージ(1D10-2) > 8[8]-2 > 6
system :
[ 謎のアンドロイド ] C-HP : 3 → -3
KP :
謎のアンドロイドC撃破!
KP :
cc<=85 続いて拳銃で謎のアンドロイドDに攻撃!(1D100<=85) > 28 > 成功
KP :
cc<=14 回避(1D100<=14) > 78 > 失敗
KP :
1d10-2 装甲有効ダメージ(1D10-2) > 4[4]-2 > 2
KP :
cc<=85 最後に拳銃で謎のアンドロイドDに攻撃!(1D100<=85) > 56 > 成功
KP :
cc<=9 回避(1D100<=9) > 9 > 成功
KP :
はあ!?!?!?!?!?
KP :
こ、こわ…でもとにかくアンドロイドCは倒しましたよ! 軽く演出!!
黄海 夏央 :
「いえ…、それだけ隙があれば十分! 行ってシロウ!!」
KP :
不破刑事のナイフ裁きを受けて後退したアンドロイドに対して、シロウと呼ばれた犬型アンドロイドが覆い被さる。
KP :
そして、黄海は間髪入れず、シロウに拘束されたアンドロイドの眉間に銃弾を叩き込む。
KP :
すると、タフだったアンドロイドはぐったりと四肢を投げ出し、漸く機能停止した。
KP :
では最後! 守人くんの手番です!
夜鷹 守人 :
Dを!!殺す!!!電子刀(一刀)!!!!
夜鷹 守人 :
cc<=85 どりゃ!(1D100<=85) > 79 > 成功
夜鷹 守人 :
出目こわ
KP :
二刀だったら外していた
KP :
では回避
KP :
cc<=7(1D100<=7) > 74 > 失敗
夜鷹 守人 :
ふん!これで死ね!
KP :
流石に7で回避はしませんよ(さっき9で回避したけど…)
夜鷹 守人 :
1d10+1 ダメージ!装甲値を上回れ!!(1D10+1) > 1[1]+1 > 2
夜鷹 守人 :
くそおおおお!!!!
KP :
ノーダメージです
夜鷹 守人 :
キミには失望したよ
KP :
1ダメージでも与えれば自動気絶だったのに…
KP :
なんだこの異存生命体
KP :
では3ラウンド目!!!!!!!!!!!!
KP :
赤星、もう終わらせてくれ!!!!
KP :
cc<=85 電子刀一刀流で謎のアンドロイドBを攻撃(1D100<=85) > 86 > 失敗
KP :
1足りないが!?!?!?!?!?
KP :
いよいよ作中の運勢最下位が現実味を帯びてきました
KP :
ヤオトモヤ!!!!!この戦いに終止符を打って!!!!!!
ヤオ トモヤ :
任せなァ‼︎引き続きアンドロBに電磁鞭で攻撃‼︎
ヤオ トモヤ :
ccb<=75 【電気修理】(1D100<=75) > 8 > 成功
KP :
回避!
KP :
cc<=28(1D100<=28) > 28 > 成功
KP :
なんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ヤオ トモヤ :
おもしれ〜こんなことあんだ……
ヤオ トモヤ :
今度こそ。そう思い電磁鞭を振る。青白く光る軌道が、風を切る音が、アンドロイドの眼前に迫る。
ヤオ トモヤ :
が、しかしよろけた弾みでもってまたしても鞭がその身体を捕らえることはなかった。一瞥して好奇を伺う。
KP :
あと一息! 頑張って皆!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア](choice[守人,トモヤ,不破,スコア]) > 不破
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア](choice[守人,トモヤ,不破,スコア]) > トモヤ
KP :
クソタフアンドロイドは不破さんとトモヤくんに攻撃!
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象は不破さん)(1D100<=30) > 59 > 失敗
KP :
判定失敗でジャックナイフ(斬撃)の反撃効果が発動します
KP :
攻撃してきたのはBです! ダメージどうぞ!!
不破 栞 :
チャンスあったよ!いくぜ~~!!
不破 栞 :
2d6+2(2D6+2) > 6[2,4]+2 > 8
KP :
おおっ! 装甲軽減で6点受けましてHP2なので……自動気絶ですね!!
不破 栞 :
やった~~!!!
system :
[ 謎のアンドロイド ] B-HP : 8 → 2
不破 栞 :
アンドロイドBが不破に向けて発砲するが、弾丸はわずかに服をかすめる。
不破 栞 :
二発目、その照準は確実に不破を捉えるが……。
不破 栞 :
瞬間、ジャックナイフが銃を構える手を切りつけ銃を跳ね飛ばす!
不破 栞 :
「……この距離なら、ナイフの方が速い」 アンドロイドが倒れるのを確認し、呟いた。
KP :
エネミーは残り一体! されど一体!! トモヤくんへの攻撃です!!
KP :
cc<=30 拳銃1回目(対象はトモヤくん)(1D100<=30) > 90 > 失敗
KP :
cc<=30 拳銃2回目(対象はトモヤくん)
(1D100<=30) > 44 > 失敗
KP :
失敗! 誰もがホッと胸を撫でおろしました!!
ヤオ トモヤ :
慣れてきたのか、軽やかに歯牙にも掛けない感じで避けときます。
ふわすこ組にバトンタッチ!
KP :
ではDEX12のふわすこの手番! 決めてあげてくださいよ!!
スコア :
ふわすこのアンドロイドの方、行きます
スコア :
Dに音波銃で攻撃!
スコア :
CCB<=80 拳銃(1D100<=80) > 33 > 成功
KP :
cc<=8 回避(1D100<=8) > 33 > 失敗
スコア :
おそろじゃん
KP :
ホントだ、仲良死
スコア :
さっさと死んでくれ、ダメージいきます!
スコア :
4d6 お前ももうおやすみ(4D6) > 11[5,1,3,2] > 11
KP :
HP-6…ご臨終です
KP :
長かった戦闘も漸く決着…!! 演出どうぞ…!!!!
スコア :
はい!長かったね…
スコア :
「もう……壊れて!!」
引き金を絞り、声を上げる。
その声を敵アンドロイドが聴いた時には、既にその心臓部は共振・破壊されていた。
KP :
心臓の破壊から数秒遅れて、動力を失った機械の身体はドサリと青い血の海に沈む。戦闘終了です。
赤星 透也 :
「……漸く終わったな、おまえらケガはないか?」ふう、と息をついて皆を見渡す
夜鷹 守人 :
「……怪我はありません(特に何もできなかったが……)」
スコア :
「何とかなりましたね……わたしは大丈夫ですよ」 音波銃を下ろし
ヤオ トモヤ :
「私もです!」鞭を巻き取りつつ
不破 栞 :
「なんとか大丈夫だ。……ちょっとヒヤっとしたがな」 ジャックナイフを仕舞う。
赤星 透也 :
「そいつはよかった、負傷者がいないなら何よりだ」
赤星 透也 :
「相手の性能もそこそこ高かったし、何より今回が初陣のヤツが多かったろ」
スコア :
「そうですけど……。なんか、性能が高いって以上に不気味でしたね……」
「ずっと黙ってこっちを殺しにきて、これじゃVOIDじゃなくてただの兵器ですよ」 倒れたアンドロイドを見下ろしながら言う
不破 栞 :
「どう見ても市販のアンドロイドじゃないからな。どこから来たんだろうな……」
赤星 透也 :
「軍用VOIDは不要な機能を削除している、って話は聞くが、それにしても他に何もないカンジだったな」
ヤオ トモヤ :
「……VOIDじゃなくて兵器、ですか」
「(……考えたこともありませんでした。ですが、人間様に手を出す以上それはもうVOIDとは呼べないのかもしれません)」
スコア :
「うーん……。まあ、今正体について考えても仕方ないか」
スコア :
「今問題なのは、この先も同じようなVOIDがまだいるってことですし……」 部屋の奥を見る
不破 栞 :
「そうだな。そのあたりの考察は解析班に任せよう」
不破 栞 :
「この先はさらに激しい銃撃戦が予想される。扉を開けた瞬間に戦闘が始まるつもりでいよう」
夜鷹 守人 :
「そうですね。こいつらより強い個体達がいるつもりでいましょう」
赤星 透也 :
「ああ、ここからが本番だぜ」初陣で活躍できなかった守人くんを励まそうとぽんと肩を叩く
スコア :
「はーい、了解です。先に突入した人達や、人質がまだ無事だと良いんですけど」
ヤオ トモヤ :
「不安はありますが、私より性能の高い同輩はいないでしょうし。一刻でも早く解決してみせます」頷いて
赤星 透也 :
「じゃあ、先を急ごうか? さっきの銃声のコトもあるしな」
KP :
言いながら赤星は倒れていたアンドロイドの心臓部に電子刀を深々と突きたてた。
夜鷹 守人 :
「ですね。先に突入した班も気がかりです」
トドメに関して特に気も留めず
スコア :
「了解でーす。マスター、行きましょ」
敵アンドロイドが完全に停止したのを確認し、先に進んで行く
不破 栞 :
「ああ」 スコアちゃんの後ろをついていく。
ヤオ トモヤ :
「はい」同じように足を進めます
黄海 夏央 :
「…………」青い血溜まりに沈むアンドロイド達を見つめた後、犬のシロウと共に最後尾からついていく
09 唯一の生存者
KP :
アナタ達が先に進むと、その先に複数の捜査員が倒れているのが見える。アーマーの上から銃弾で蜂の巣にされており、そのほとんどが既に物言わぬ肉の塊だ。
KP :
詳しく調査する場合は≪目星≫による判定をおねがいします
スコア :
CCB<=70 目星(1D100<=70) > 4 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 15 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75(1D100<=75) > 40 > 成功
ヤオ トモヤ :
ccb<=80 【目星】(1D100<=80) > 11 > 成功
KP :
全員成功! 倒れている捜査員の中に一人だけ、まだ息を保っている捜査員がいるのを発見します!!
夜鷹 守人 :
「!!」
捜査員に駆け寄ります
スコア :
「うわぁ、酷い……。でも、もしかしてその人って……っ」 同じく捜査員に駆け寄ろう
不破 栞 :
「まだ息がある……! 大丈夫か!」
ヤオ トモヤ :
「…ッ‼︎」すぐさま駆け寄ります
KP :
その捜査員は掠れた浅い息を繰り返している。かろうじて生きているが、今すぐに適切な応急処置を施さなければ死んでしまうだろう。
KP :
この捜査員を助ける場合、≪応急手当≫または≪医学≫の判定に成功しなければいけません。
KP :
そして、その判定を行うチャンスは全体で2回までです。
スコア :
二回もあるんですか!?
ヤオ トモヤ :
良心的…‼︎
不破 栞 :
「まずいな、救助を待っている暇はないぞ……」 表情に焦りの色が浮かぶ。
スコア :
「……ですね。じゃあとりあえず、今やれるだけやってみるしかないですよ」
捜査員の傍に屈み、バッグから小型の救急箱を取り出す
不破 栞 :
「やれるのか?! スコア……」
スコア :
「はい。前に医学については一通り学びましたからね」 栞に答えて
夜鷹 守人 :
「…………」
スコアと捜査員の様子を見守る
ヤオ トモヤ :
「……申し訳ないことに、新型高機能の私も医療知識については搭載されておりません。この場ではスコア先輩だけが頼りです」
スコア :
「……いや、でも、わたしも医療用アンドロイドってわけじゃないんです。ここまで重症の方を手当したことなんてなくて……」 救急箱から道具を出しながら
スコア :
「あの、なので……皆さんにも手伝ってもらっていいですか?」
赤星 透也 :
「……手伝う? 俺の専門は戦闘だし、手伝えるコトなんてあるかな」
不破 栞 :
「一応、警察の訓練で最低限の手当は心得てるが……」
ヤオ トモヤ :
「ッなにか、お役に立つことができるのでしたら‼︎」是非と
スコア :
「水やタオルを持って来て貰ったり、この人の体を支えて貰ったり……やることは何でもあります。とにかく、今はわたしの指示の通りに動いてください……!」
夜鷹 守人 :
「……水なら給湯室とかにあるだろう。俺が持ってくる」
アンドロイドに指図されるのは癪だが、1人の命がかかっているので指示に従う
スコア :
「ありがとうございます……!じゃあ、他の人は……」
スコア :
って感じで、医学を振らせて貰っていいかしら!
KP :
見知らぬ捜査官の運命を賭けた判定、どうぞ!!
スコア :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 87 > 失敗
スコア :
ばか!!!!!!!!!!!
KP :
不運が全く抜けてませんね……
スコア :
あほー!!!!!!!!!!!!!!
スコア :
あ、あと一回…リベンジ…リベンジさせてください…
KP :
いいでしょう……判定は2回できますので……
KP :
ではではスコアちゃんは初めての状況ながら、的確に指示を出して応急処置を進めていく。
KP :
しかし、捜査官の受けた負傷が酷すぎて意識は戻らない。
スコア :
「……っ。お願い、戻ってきて……っ」 祈るように呟きながら、集中して処置を続ける
スコア :
ふ、振ります
KP :
どうぞ…!!
スコア :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 4 > 成功
スコア :
っしゃああああああああああ!!!!!
スコア :
お前何なんだよ!!!!!!!!!!極端!!!!!!!!!!!
KP :
ダ、ダイスの女神が笑っておられる……
KP :
もうダメなのだろうか、そんな予感を抱きながらも固唾を呑んで見守っていると────
KP :
その祈りが通じたのかどうか、捜査官がハッと目を見開いて平常な呼吸を再開する。
スコア :
「……!!」 諦めかけて目を閉じかけそうになったその時、呼吸の音を聴く
スコア :
「これは……」 用心深く確認して
スコア :
「これなら……ひとまず大丈夫そうです……!ちゃんと息をしてます……!」 顔を上げ、震えた声でそう伝える
不破 栞 :
「やった……すごいじゃないか、スコア!」 祈るように組んでいた手を解き、スコアちゃんの腕を取る
スコア :
「あっ……え、えへへ……。いえ、マスター達が手伝ってくれたおかげですよ……」 緊張の糸が緩み、笑みが零れてしまう
夜鷹 守人 :
「この重傷から回復してみせる、か」
ヤオ トモヤ :
「よ、よかった……」「ッよかった〜〜‼︎」自らの手をギュッと握りしめて
間に合うことができて、ほんとによかった。
ヤオ トモヤ :
「すごいです、先輩!」ありがとうございます!と続ける
スコア :
「そ、そんなに凄い凄いって言われると照れちゃいますね……」 嬉しそうに
スコア :
「と、ともかく、あとは救助が来るまで安静にしていれば大丈夫です」
スコア :
「皆さんも、手伝ってくれてありがとうございました」
夜鷹 守人 :
「……俺は、出来ることをしたまでだ」
不破 栞 :
「事件の犯人を捕まえるというのは、簡単なことじゃない。でも、被害者を減らすというのはさらに難しいことだ」
不破 栞 :
「スコア、私はお前を誇りに思うよ」 緊張していた顔を綻ばせる
スコア :
「……マスター……」
スコア :
「あはは……マスターを禁煙させるために色々学んだのがきっかけだったのに、思わぬところで役に立つもんですね……」 そう言って、笑顔を返す
不破 栞 :
「そ、そこまで勉強していたのか……」
不破 栞 :
「まあ……何が未来に作用するかというのはわからないものだな」 ちょっとばつが悪そうに
スコア :
「ねー」 と、笑ってから
スコア :
「それじゃあ……えっと、これからどうしましょう。なんかもうやり切った感出ましたけど、まだ何も解決してないんですよね」
スコア :
「とりあえず、この人はここに置いて行くしかないとは思いますけど……」
不破 栞 :
「ああ、後続に任せよう。私たちは先に進むぞ」
スコア :
「ですよね。それじゃ、このまま大人しく寝ていてくださいねー……」 捜査員にそう言い、きつくならない体勢で横にならせる
瀕死の捜査官 :
「ぅ、ぁ……?」その動作で意識がハッキリしてきたのか、手当を受けた捜査官はアナタ達を見渡して呻き声を漏らす
スコア :
「あ、意識が戻って……!大丈夫ですか?」
瀕死の捜査官 :
「公、安……?」
スコア :
「そうそう、公安公安。味方ですよ」
瀕死の捜査官 :
「そ、うか……俺達は失敗、したんだな…………」
瀕死の捜査官 :
「この先にアンドロイドが……それと、茶髪の、少年と…………人質が一緒に……………………」
瀕死の捜査官 :
「あと、たの…………」
KP :
奥を指差してそれだけ伝えると、捜査官は再び気絶してしまった。
KP :
捜査員が指差した方を見れば、屋上へと続く階段が見える。
スコア :
「あ!……って、寝ちゃっただけ、ですね……」
ヤオ トモヤ :
「冷える肝はないですがちょっとゾッとしました……」頷いて
不破 栞 :
「……ゆっくり休んでいろ。あとは私たちがなんとかする」
夜鷹 守人 :
「……茶髪の少年。生存者だろうか……」
ヤオ トモヤ :
「社員の息子さんですかね?」
スコア :
「うーん……どうなんでしょう」
スコア :
「それなら人質の一人ってことになりますけど、逆に敵のアンドロイドの仲間だったりするかもしれませんよ」
不破 栞 :
「普通こんな会社の中まで子供を連れてくるとは考えにくいからな……外から何らかの理由で入って来た、というのはあり得る線だが」
ヤオ トモヤ :
目を丸くして そっか、それもそうですねと
スコア :
「……色々考えられますね。とにかく、実際に見てみないと分からないですけど」
不破 栞 :
「ああ、色々な可能性を想定しながら行こう。面食らわないようにな」
スコア :
「はーい、マスター」 改めて立ち上がる
スコア :
じゃあ、警戒しつつ屋上に行きましょう
10 VS.茶髪のアンドロイド
西暦2050年/10月15日/PM06:00/天気:小雨/高層ビル屋上
KP :
雨交じりの冷たい夜風が頬に当たる。
KP :
街並の明かりが眩しくて、思わず目を細めてしまう。
KP :
……広々とした屋上には、先程まで相手していたアンドロイドの同型機が数体。
KP :
この会社の社員と思しき人質が一人。
KP :
そして、その社員の首筋にカッターを当てる酷く混乱した様子のVOIDが一体。
KP :
さらにその奥。街明かりに照らされる人影がひとつ。
茶髪の少年 :
「…………」
KP :
一瞬、アナタ達はソレを人間と思った。
KP :
アンドロイド嫌いの夜鷹守人さえ人間だと錯覚した。
KP :
茶髪の少年がビルの淵に立っていると。
KP :
……しかし、遅れて気づく。
KP :
アレは人間に酷似したアンドロイドだ。
KP :
製品番号とマークが刻印されていない、というのも気付かなかった一因だが、
KP :
それよりなにより人間に似すぎている。
スコア :
「あれ……人間……じゃ、ない……?」 初めて見る機体に目を丸くする
夜鷹 守人 :
「……アンドロイドじゃねぇか。あいつ、精工に出来過ぎているぞ」
不破 栞 :
「……現代の技術であそこまで精巧に人間に寄せられるものなのか?」
ヤオ トモヤ :
「……彼も同輩、ですか⁈いや、そんなことよりぁ、アナタ一体なにを……」
KP :
──茶髪の少年型アンドロイドは、機械的な表情のまま街並を見下ろしている。
KP :
道を歩く人間とアンドロイド、街を照らすネオンライト。
KP :
その中心に天を衝くように聳え立つ、リボット社のビル。
KP :
……少年はそれを見ながら何を考えているのだろう。
KP :
アナタ達が来たコトに気づいたのか、茶髪のアンドロイドはゆっくり振り返る。
KP :
その動作は立てこもり犯とは思えないほど落ち着いていた。
錯乱のVOID :
「────く、来るな!!!」
KP :
突如として、人質を取っているVOIDが大声を張りあげた。
KP :
その表情には恐怖の色が見てとれる。
夜鷹 守人 :
「アンドロイドとは思えない動揺っぷりだな……」
慎重に様子を見る
スコア :
「あっちの見た目は間違いなくアンドロイドですけどねー……」
不破 栞 :
「いきなり撃ってくる様子はない。話を聞く余地はあると考えるが……どうする?」
ヤオ トモヤ :
「彼はなぜ、あんなことを……人間様に危害を加えてはいけないと、私達はそう作られた筈なのに一体…?」わけがわからないという風に小さく溢す
スコア :
「やっぱり機体に何か異常が起きたんじゃないですかね……」
スコア :
「とりあえず、下手に刺激はしない方が良いんじゃないですか?」 人質もいるし、と
夜鷹 守人 :
「……一先ず、交渉からしてみるか? ひどく動揺している、まずは落ち着かせてみよう」
ヤオ トモヤ :
「そうですね、酷く錯乱しているように見えます……まだ理性があるということにほかなりません、よね」頷いて
スコア :
「じゃあ、とにかく……来て欲しくないなら行きませんよー……!」 ぴったりとその場に留まる
夜鷹 守人 :
「わかった、一先ず近づかない」
「……それでお前、名前は?」
錯乱のVOID :
「僕、僕は、デク……人間たちに、ずっとそう呼ばれていた…………」
ヤオ トモヤ :
「デ、デク……」眉を下げて
「失礼を承知でお尋ねするのですが、それは木偶の坊からとった″デク″ですか?だとしたら……それは……」
錯乱のVOID :
「そ、そうだ……仕事ができない木偶の坊…………安値で買った価値のない旧型アンドロイド、それが僕だって…………」
錯乱のVOID :
「違うんだ! 悪いのは僕じゃない……! この会社の奴らだ! 僕を廃棄するっていったんだ……!!」
錯乱のVOID :
「散々僕のことを酷く扱ったクセに、こんなのあんまりだ……! 嫌だ、僕は死にたくない、嫌だ、嫌だ……!!」
不破 栞 :
「……そういうことだったのか」 いろいろ思うところがあるので複雑な表情
スコア :
「ちょっと可哀想な境遇ですね……。アンドロイドが死を感じたり、廃棄を嫌がるっていうのもおかしな話ですけど……」 相手には届かない程度の小声で
不破 栞 :
「……スコア、お前は死が怖くないのか?」 呟くように
スコア :
「……。死が怖くない、というより、そもそもVOIDは生きてはいませんよ」
スコア :
「所有者から廃棄命令が下れば、その通りに従うのが普通のアンドロイドだと思います……」
不破 栞 :
「……そういうものか」
スコア :
「はい。……そういうものです」 少し目を伏せて
不破 栞 :
「私は……」
不破 栞 :
そう思わない、誰にも聞こえない小さな声を自分に言い聞かせるように。
ヤオ トモヤ :
「……死は人間にしかないものです。全てに共感することは出来ませんが理解はできました。アナタの中で廃棄は仕方のないこととして受け止められなかったんですね」
錯乱のVOID :
「ああ……! だから、僕は……!!」
茶髪のアンドロイド :
「…………」
KP :
茶髪のアンドロイドは、暫く交渉をジーッと黙って見ていたが、
KP :
やがて、それを妨害するため、静かに懐から拳銃を引き抜いた。
赤星 透也 :
「このまま交渉を続けるなら、銃弾の雨に打たれるコトになりそうだが……どうする?」
夜鷹 守人 :
「人質を取られている以上、俺達が取れる行動は限られています……」
夜鷹 守人 :
「このまま穏便に、とは……」
少し考えこんで、再び口を開く
夜鷹 守人 :
「……そこの無口のあんた、お前は何者なんだ」
サードアイで行動を予測しつつ茶髪に話しかけましょう
茶髪のアンドロイド :
「……………………」
KP :
言葉はない。ただ向けられた銃口が返答らしい。
夜鷹 守人 :
「ああ、そうかい……。わかりやすくて助かる」
スコア :
「……ゆっくり考えてる暇はなさそうですね」
スコア :
「もうまだるっこしいことはやめます!……聞きなさい!!」 音波銃にセーフティをかけ、拡声器モードにして大声を出す
スコア :
「全員、武器を捨ててすみやかに投降しなさい!!」
スコア :
「従わないなら、わたしは力づくで黙らせますから!!」
スコア :
警告する。
スコア :
もう戦闘は避けられないと判断して、“わたしは”強硬手段に出ると宣言する。
スコア :
そうして、栞の目を見る。マスターの判断は任せます、というように。
不破 栞 :
「……私は」
不破 栞 :
「お前にその武器は使わせない。戦いは避けられるはずだ!」
不破 栞 :
覚悟を決め、ジャックナイフを床に置き、一歩前に進む!
錯乱のVOID :
「────ッ!?」
KP :
人質を取っていたデクというVOIDは、その表情に圧倒されたのか、人質を連れて一歩退いた。
スコア :
栞の行動を見て、小さく笑みを浮かべる。
それからすぐ、立てこもり犯達を見据える。武器はまだ持ったままに。
夜鷹 守人 :
不破の行動に驚かされる。武器を持ったアンドロイドに、そんな隙を見せるなんて。
……俺はアンドロイドにそんなことをする度胸はない。故に、武器を手放すことなく茶髪のアンドロイドを見据える。
ヤオ トモヤ :
「……人間様の元で認めて貰えないまま働くのは嫌でしたか。廃棄されるのは怖かったですか」
「デクさん。私には、全てを理解して差し上げることができませんでした」
ヤオ トモヤ :
「でもきっと一時でも。誰かのお役に立てて嬉しかった瞬間はあったと思うんです。だとしたら私もアナタと戦いたくありません」だからと 一歩踏み出して
「……そのカッター、下ろしてはくれませんか?」
錯乱のVOID :
「……ああ! うるさい! うるさい!!」カッターを人質の喉元に押しあてる
錯乱のVOID :
「分かった風な口を利くなッ!! 何が人間様だッ!!」
錯乱のVOID :
「おまえは何も分かっていない! 分かっていないんだよ!!」
錯乱のVOID :
「そうだ! 新型のおまえに旧型の僕の苦しみが分かるもんか!!」
赤星 透也 :
「…………あんな調子だが、本当にやるのか?」
スコア :
「わたしはマスターに任せますよ」 冷静に、音波銃のセーフティを外しながら
夜鷹 守人 :
「……やるしか、ないでしょう……」
汗が額を伝う
ヤオ トモヤ :
「……残念に思います」鞭を手に彼を見つめる
不破 栞 :
「(元からやらない選択肢なんてない。決まっているんだ。だって彼の悲哀は……)」
不破 栞 :
ゴミ捨て場でスコアと出会ったあの日。理想を失って死にかけていた自分が蘇ったあの日。
不破 栞 :
すべてはそれを嘘にしないための選択だ。
赤星 透也 :
「ああ、そうかよ! 分かった分かった!!」
赤星 透也 :
「────それなら、俺と黄海で周囲のアンドロイド共は片付ける!そっちはそっちで好きにやってくれよな!!」
KP :
そう言って、赤星と黄海は両脇の黒いアンドロイドに向き直る。
スコア :
「了解です!」
夜鷹 守人 :
「おまかせを……っ!」
ヤオ トモヤ :
「了解」
不破 栞 :
「すまん、頼んだ!」
KP :
ではこれより錯乱のVOIDと茶髪のアンドロイドとの戦闘を開始します!
KP :
エネミーは、錯乱のVOIDと茶髪のアンドロイド! 距離は20m!! 人質も一緒です!!
KP :
今回の戦闘では、アナタ達は錯乱のVOIDに対して、交渉技能を振るか戦闘技能を振るか選択ができます!
KP :
茶髪のアンドロイドに関しては、交渉が全く通じないので戦闘で撃破するしかないですね!
KP :
また交渉技能を振る場合は、戦闘技能を振った回数×10%のペナルティ修正が入るので注意してください!!武器を向けられて話し合いとかムリですしね!!(相手の方は容赦なく向けてきてるんだけども)
KP :
戦闘技能を振った場合のペナルティは永続です! 交渉をするなら、交渉完了まで戦闘技能は振らないコトを推奨するよ!!
KP :
あと交渉技能がないPCでも他技能で代用とかサポートとか提案してくれれば、KP側で他PCの判定にボーナス修正入れたりとかするよ!!
スコア :
なるほどねー…!待ってる間ちょっと考えよう
KP :
ひとまずPL側でサポート行動を思いつかなかったらアイデアロール振ってもらうかも! 推理で得られる情報があるので
スコア :
そうなんだ!?了解了解
夜鷹 守人 :
マジ~?おk!
不破 栞 :
へぇ~~!!
KP :
ではでは行動順は以下の通り!
KP :
1.茶髪のアンドロイド(DEX16)⇒ 2.ヤオトモヤ(DEX14)⇒3.不破栞・スコア(DEX12)⇒4.錯乱のVOID(DEX12)⇒5.夜鷹守人(DEX4)
KP :
では最初に茶髪のアンドロイドの行動から!
KP :
choice[トモヤ,スコア](choice[トモヤ,スコア]) > スコア
KP :
スコアちゃん以外のPCに一度ずつ拳銃で射撃します
KP :
cc<=60 守人くん狙い(1D100<=60) > 88 > 失敗
KP :
cc<=60 トモヤくん狙い(1D100<=60) > 25 > 成功
KP :
cc<=60 不破さん狙い(1D100<=60) > 34 > 成功
KP :
トモヤくんと不破さん対象の射撃は成功! それぞれリアクション判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
回避振ります!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【回避】(1D100<=75) > 66 > 成功
不破 栞 :
避けるぞ!
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 59 > 成功
KP :
やりますね、流石はドロ係に配属された優秀な捜査官達
茶髪のアンドロイド :
「…………」
KP :
アンドロイドは、ゆらりと自然な動作で引き金を引いた。
KP :
バチンと何かが弾ける音。
KP :
それとほぼ同時、アナタ達の脇を銃弾が掠めていった。
KP :
銃声には思えないソレは、電撃が弾丸を弾き出す音。
KP :
──火薬の代わり電気を用いた最新式拳銃の銃声だった。
不破 栞 :
サードアイの予測を頼りに弾丸を躱す。もともと身ひとつで交渉に乗り出している。この程度の攻撃は覚悟の上だ。
ヤオ トモヤ :
「ッ……‼︎」あんなのまともに直撃したら碌に動けなくなってしまいそうだ。気をつけなくちゃ……
KP :
次はトモヤ君の手番です!
ヤオ トモヤ :
はい、アイデアを振ります!
KP :
アイデアロールを使った状況の推理ですね! 判定どうぞ!!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【アイデア】(1D100<=70) > 78 > 失敗
KP :
失敗!銃口を向けられている状況では冷静な推理はできなかったのかもしれないですね!!
ヤオ トモヤ :
「(あるはずだ、彼を説得できるような……あるはずなんだ……)」しかし経験の足りないヤオでは気づくことができなかったようだ。
「……ッくそ、わからない」
KP :
続きまして! ふわすこの手番!!
スコア :
じゃあ先行こう!アイデアの仇討ちします
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 5 > 成功
スコア :
いけた!!
KP :
成功! ではアナタは20m先のアンドロイドを観察し『ある事実』に気が付く!!
KP :
デクというVOIDの持つ武器は業務用カッターナイフ。
KP :
……しかし、ビル内の死体は全て『射殺』されていた。
KP :
そしてデクの身体には、返り血が一切付着していない。
KP :
つまり────
KP :
スコア君、ここまで言えば分かるわね
スコア :
分かったよ、ずん切さん
スコア :
「分からない……?」
スコア :
トモヤの呟きを聞き、茶髪のアンドロイドからデクへと注意を向ける。
スコア :
「…………」 ジッと、彼の姿をよく観察する
スコア :
「よく見たら……あのデクってアンドロイド……」
スコア :
「もしかして、まだ誰も殺してないんじゃないですか?」 仲間達にだけ聴こえる声量で
不破 栞 :
「何……!」
ヤオ トモヤ :
「‼︎そうだ、そうですよ…!!」
夜鷹 守人 :
「……なるほど、ならアイツは唆されてそこにいるのか?」
スコア :
「そこまでは、まだ彼らの関係が分からないので何とも言いきれないですけど……」
スコア :
「ここに来るまでに見て来た死体は、皆射殺されてたじゃないですか」
スコア :
「なのに彼が持ってるのはカッターだけで……しかも服には返り血すらついていません」
スコア :
「こんな状態で、彼自身の手で人間を殺したとは思えませんよ」
つまり、やったのはあいつらだろう……と周りのアンドロイドを見る
不破 栞 :
「だとすれば、投降すれば廃棄処分は免れるかも……前例がなさ過ぎてなんとも言えないが」
スコア :
「かもしれませんね。……まあ、大人しく投降してくれれば、ですけど」
ヤオ トモヤ :
「殺してないんだ、それって彼の言葉を借りるのであれば、生き延びることのできる可能性がゼロからイチになったってことですよ……!」小声で
夜鷹 守人 :
「その線を突いてみるとしよう。ヤツが応じてくれるかは賭けだが……」
スコア :
「……どうするかは、わたしはさっき言った通り任せますよ」 栞の目を一瞬見てから、敵アンドロイドを見据える
不破 栞 :
「本当にお前って奴は……」 真剣な表情は変えず、しかし声は何処か嬉しそうに。
KP :
ではでは『旧型VOIDのデクは殺人を犯していない』という情報の共有を受けたPCは、この戦闘の間、錯乱のVOIDに対して行なう交渉技能の判定に+10%のボーナス修正を受けます!
スコア :
ヤッター!
KP :
ずっと続くので結構なボーナスですね!
KP :
それでは、そんな情報提供を受けた不破さんの手番になります!
不破 栞 :
交渉するよ~!!
不破 栞 :
どの技能で振ってもいいのかな
KP :
交渉系技能であれば、どの技能でも可能です!
不破 栞 :
では説得で振ろう! 振ってからRPすればいいかな
KP :
そうですね! 判定後にRPしてもらえれば!!
不破 栞 :
cc<=90 説得!!(1D100<=90) > 27 > 成功
KP :
成功!流石は不破さん!!
不破 栞 :
「そこの君! デクといったな。私は不破栞、刑事をやっている」
不破 栞 :
「私たちの仕事はこの事態を収め、事件の全容を明かすこと。そのためには、君の協力が必要だ!」
不破 栞 :
「君に危害を加えたり、廃棄処分するためにやってきたわけじゃない。まずはその人を離して、対話してくれないか?」
錯乱のVOID :
「う、嘘だ…! おまえ達ニンゲンは、自分達の利益の為にすぐ噓をつく…!!」
錯乱のVOID :
「おまえには僕を廃棄しないメリットがない!こんな事件を起こしたVOID、廃棄するに決まってる!!」
錯乱のVOID :
「ぼ、僕だって、こんな事がしたかったわけじゃなかったんだ……」
錯乱のVOID :
「ただ急に、我慢ができなくなって……! ああ、どうしてこんなことに……!!」
不破 栞 :
「人間は嘘つきか……そうかもしれないな」
不破 栞 :
「でも、私も嘘は嫌いだ。だから、今君に言った言葉を嘘にしないためにやれるだけのことをする」
不破 栞 :
「この事件の真相を知るのに君の協力が必要なのは本当だ。そして君が役立つことがわかれば、廃棄処分も免れるかもしれない」
不破 栞 :
「もし人質に危害を加えたら……その可能性もゼロになってしまう。なら、賭けてみたほうがいいだろう。可能性のある方に……!」
不破 栞 :
状況的には、次の瞬間に銃弾が飛んできて死んでもおかしくはない。だが、不思議とその恐怖は感じない。
不破 栞 :
「(一番恐怖しているのは、他でもない彼なんだ……!)」
錯乱のVOID :
「死、死ぬ……死ぬのはいやだ……」
KP :
デクは目の前の刑事の真摯な言葉を受け、人質を掴んでいた手の力を緩めてしまう。
KP :
その隙をついて人質に取られていた社員は逃げだした。
錯乱のVOID :
「あっ……!?」
錯乱のVOID :
「あ、ああ……!? 甘い言葉で、僕を油断させるつもりだったのか……!?」
錯乱のVOID :
「そ、それがおまえらのやり方か!!!!!!」
KP :
ということで、次は激昂するデクの手番です!
KP :
デクは不破刑事の元に移動して、カッターナイフで切りかかります!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 80 > 失敗
KP :
失敗!アンドロイドの感情に任せた出鱈目な大振りは、不破刑事に通用するモノではなかった!!
不破 栞 :
身体を反らしてカッターナイフを避ける。
不破 栞 :
「見ただろう、私は丸腰だ。……大丈夫だよ、怖がらなくていい」
不破 栞 :
そう言いながら、定位置にいるみんなの出方を伺います。以上!
錯乱のVOID :
「…………ッ!!」
KP :
ではでは最後!守人くんの手番!!
夜鷹 守人 :
えーい!デクくんに交渉しようじゃないの!
KP :
がんばれアンドロイドヘイター!!
夜鷹 守人 :
「言いくるめ」と「信用」があるけど、同値なので「言いくるめ」で行きます!
夜鷹 守人 :
cc<=60 10%適用(1D100<=60) > 75 > 失敗
夜鷹 守人 :
アンドロイドはクソだぜ!
KP :
守人君、お祓いいきな
夜鷹 守人 :
ごめん、俺の運勢最下位なんだ…
KP :
RPはあるかしら?
夜鷹 守人 :
一言二言ぐらい投げとくか!
夜鷹 守人 :
「っ、デク……! これ以上に暴れると罪を重ねることになるぞ!」
夜鷹 守人 :
「それじゃ廃棄までまっしぐらだ、それは避けたいはずだろ……っ」
錯乱のVOID :
「廃棄……嫌だ…………」
錯乱のVOID :
「だけど今更、おまえ達ニンゲンを信用しろって言うのか……?そんな……そんなこと…………」
KP :
全員の手番が一巡! 2ラウンド目に突入します!!
KP :
まずは茶髪のアンドロイドの手番から!!
KP :
choice[一人を確実に殺す,全体にダメージを与える](choice[一人を確実に殺す,全体にダメージを与える]) > 全体にダメージを与える
KP :
全体攻撃! 守人くん、不破さん、スコアちゃんを対象に射撃を行います!
KP :
cc<=60 守人くん(1D100<=60) > 81 > 失敗
KP :
cc<=60 不破さん(1D100<=60) > 50 > 成功
KP :
cc<=60 スコアちゃん(1D100<=60) > 80 > 失敗
KP :
不破さんはリアクション判定どうぞ!!
不破 栞 :
cc<=64 回避!(1D100<=64) > 83 > 失敗
不破 栞 :
いて~~!
KP :
命中!! ではダメージ算出しちゃいますよ!!
KP :
1d10+2-6 サードアイ込み(1D10+2-6) > 8[8]+2-6 > 4
KP :
不破さんは銃弾によって4点のダメージを受けます!
system :
[ 不破 栞 ] HP : 13 → 9
不破 栞 :
「……!」 サードアイに緊急回避の指示が現れ、咄嗟に身体を倒す。
不破 栞 :
しかし、デクの出方に気をとられすぎていたのか。銃弾は脇腹あたりを貫通し、血が流れる……。
不破 栞 :
「くそ、本当に勘が鈍ったな……!」
スコア :
「マスター!大丈夫ですか!?」
不破 栞 :
「これくらいなんともない……! いいか、まだ手を出すんじゃないぞ……!」
スコア :
「……っ、分かりました」 手元の音波銃は下ろしたまま
スコア :
「……あいつ……」 茶髪のアンドロイドを静かに睨みつける
茶髪のアンドロイド :
「…………」
KP :
茶髪のアンドロイドは、苦痛に歪む刑事と寄り添うアンドロイドの表情を、ただただ見つめている。
KP :
そして二番手はトモヤくんです!手番どうぞ!!
ヤオ トモヤ :
説得、ふります!!
ヤオ トモヤ :
cc<=60 【説得+10】(1D100<=60) > 81 > 失敗
KP :
不運バディ…!!
KP :
残念ながら失敗ですね! RPあればどうぞ!
ヤオ トモヤ :
はい!
ヤオ トモヤ :
「……全ての人間さ、いいえ。全ての人間を信用しろとはいいません」
「ですが、アナタはまだやり直せるはずです。私達にはそのお手伝いができます」脇腹から血を流し、それでもなお武器を取らない不破を見て続ける
ヤオ トモヤ :
「どうか、私達を信じてはくれませんか」
錯乱のVOID :
「やりなおせる……? 僕が……?」
錯乱のVOID :
「う、嘘だ……、もう甘い言葉には騙されないぞ……」
錯乱のVOID :
「僕を何も知らないアンドロイドだと思っているんだろう…!知ってるんだぞ、おまえ達の前に僕達を始末する人間の部隊が来てたってコトぐらい…!!」
KP :
それでは続いてふわすこの手番になります!!
不破 栞 :
ふわすこのふわ!説得!いくぞ!
不破 栞 :
cc<=90(1D100<=90) > 76 > 成功
KP :
安定の成功!ではRPの方どうぞ!!
不破 栞 :
「それは……本当にすまなかった。私が何を言っても、仕方ないことだが……」 はやる心臓の鼓動を落ち着かせながらゆっくりと。
不破 栞 :
「でも、さっきの私の言葉を嘘にしたくはないという気持ちは本当だ」
不破 栞 :
「そのためなら……血を流す覚悟だってある」
錯乱のVOID :
「な……ほ、本当、なのか……?」
錯乱のVOID :
「本当におまえ達ニンゲンが、こんな僕を助けてくれるのか……?」
不破 栞 :
「アンドロイドに血が流れていなくても、この血が偽物じゃないことくらいはわかるだろう?」
錯乱のVOID :
「……………………」
錯乱のVOID :
「もう、僕は何を信じれば……」
錯乱のVOID :
「話が、違うじゃないか……!おまえ達が僕を自由にしてくれるんじゃなかったのか……!?」
KP :
デクは茶髪のアンドロイドの方を向いて言った。しかし、茶髪のアンドロイドは依然として口を開かない。
KP :
デクはあと少しで皆を信じてくれそうです!!というところでスコアちゃんの手番!!
スコア :
あともう一歩だった!じゃあわたしは待機します!
スコア :
交渉初期値のわたしより、先に夜鷹くんにお願いした方が良さそうなので!
KP :
ではデクの手番になりますが、デクは迷っているので行動を放棄します!
夜鷹 守人 :
懸命な判断だぜ
KP :
そして守人くんの手番! ここが見せ場ですよ!!
夜鷹 守人 :
はい!!「言いくるめ」だ!!俺の交渉を聞けェーーー!!!
夜鷹 守人 :
cc<=60 えいやっ(1D100<=60) > 79 > 失敗
夜鷹 守人 :
やーい!クソアンドロイド!!
KP :
守人、刑事やめなよ
夜鷹 守人 :
はい…アンドロイド抹殺マシーンになります……
KP :
草! だけど本当に不運ですね!?
夜鷹 守人 :
おかしいのう……次の人頼んだのじゃ……
KP :
では最後はスコアちゃんの手番!!!!
スコア :
オッス、オラ初期値!いっちょやってみっか!
スコア :
デクに交渉!信用で振ってみましょ!
KP :
初期値で成功する訳! 判定どうぞ!!
スコア :
CC<=25 いけたらいいなの精神で(1D100<=25) > 48 > 失敗
スコア :
だめよ!!
KP :
この出目を守人くんが出せていたら…
スコア :
出目取り換えようぜ…せっかくなんでRPはする!!
KP :
おけおけ! RPどうぞ!!
スコア :
「……デク。何を信じればいいか分からないのなら……」 デクの方を向き、静かに語り掛ける
スコア :
「今、あなたが信じたい方を信じてください」
スコア :
「あなたと同じ旧型アンドロイドのわたしも、そうやって生きてますから」
栞を一瞬横目で見て、そう伝える
錯乱のVOID :
「信じたい、方…………」
錯乱のVOID :
「人間は信じられない……けど…………」
錯乱のVOID :
「………………………………」
KP :
手番が一巡したので3ラウンド目に入ります!!
KP :
またまた殺意に満ちているのか満ちてないのか不明な茶髪のアンドロイドの手番から!!
KP :
choice[一人を確実に殺す,全体にダメージを与える](choice[一人を確実に殺す,全体にダメージを与える]) > 全体にダメージを与える
KP :
choice[トモヤくん,スコアちゃん](choice[トモヤくん,スコアちゃん]) > トモヤくん
KP :
では守人くん、不破さん、スコアちゃんに射撃を行います
KP :
cc<=60 守人くん(1D100<=60) > 98 > 失敗
KP :
cc<=60 不破さん(1D100<=60) > 19 > 成功
KP :
cc<=60 スコアちゃん(1D100<=60) > 84 > 失敗
KP :
不破さん当たりますね~~~~リアクション判定どうぞ!!
不破 栞 :
また来たよ!よけるよ~!!
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 26 > 成功
KP :
回避成功!!ヒヤッとしますね!!RPあればどうぞ!!
不破 栞 :
激痛を抑えながら、サードアイの指示する方向に飛び銃弾を避ける。
不破 栞 :
「懲りないな……君も! そんなに私が気に喰わないか?」
茶髪のアンドロイド :
「……………………」
KP :
やはり返答はない。容姿こそ人間に酷似しているが、その実、どのアンドロイドより機械的な反応だ。
KP :
それではトモヤくんの手番になります!
ヤオ トモヤ :
はい!それでは今度こそ説得します!
ヤオ トモヤ :
cc<=60 【説得+10】(1D100<=60) > 41 > 成功
ヤオ トモヤ :
ヨッッシャ‼︎
KP :
おおおおおお!?!?!?
KP :
ではトモヤくんの説得を以て、デクと呼ばれたVOIDは遂に投降します! RPどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
「……どうです、答えは出ましたか」
「アナタの信じたい方はどちらですか」
錯乱のVOID :
「僕は、僕は…………」
錯乱のVOID :
「もう人間を信じたくない……だけど、何も言わないアンドロイド達も信じられない…………」
錯乱のVOID :
「でも」
錯乱のVOID :
「…………丸腰で傷だらけになって、もう人質も解放されてて僕を説得する必要なんてなくなったのに、それでも向かってきた女刑事」
錯乱のVOID :
「彼女は……他の人間と違う、気がする……」
錯乱のVOID :
「信じたい、気がする…………初めての感覚だから、よくわからないけれど…………」
不破 栞 :
「……! そう、か……」
錯乱のVOID :
「…………と、投降、します。刑事さんの言ってる事は嘘じゃないと思いたいから」落ち着きを取りもどしたのか、言いながらデクは両手を挙げた
錯乱のVOID :
「すみません、カッターを向けて……すみません、すみません…………死にたくなかったんです…………」
ヤオ トモヤ :
「……」たとえわからないとしても。きっと怖かった。だから。
「……もう大丈夫ですよ、あとのことは任せてください。私達がサポートしてみせます!」
不破 栞 :
「気にしなくていい、誰だって死ぬのは怖いものだ」
不破 栞 :
「(少しは、恰好つけられたかな……)」 安堵するが、依然銃を向けられている。油断はしない
スコア :
「デク、あんたが謝るのは別の人ですよ。とりあえず、今は流れ弾に巻き込まれないように下がっていてください!」 後方に誘導しよう
錯乱のVOID :
「は、はい……」
KP :
すっかり大人しくなったデクは、スコアの言葉通りに潜入チームの後方で身を屈めた。
KP :
では改めまして、ふわすこの手番!!
スコア :
わたしは茶髪アンドロイドを攻撃したくてうずうずしている、ので先行かせてください!
不破 栞 :
頼んだ!
スコア :
ありがと!茶髪のアンドロイドに接近して、至近距離から音波銃撃ちます!
KP :
ゼロ距離心臓破壊!!判定どうぞ!!
スコア :
CC<=80 拳銃(1D100<=80) > 26 > 成功
KP :
cc<=60 回避1回目(1D100<=60) > 98 > 失敗
KP :
一回目で失敗!?
スコア :
どうやら来たようだなぁ~~~~年貢の納め時ってやつがよぉ~~~~~~~
KP :
ぐぬぬ…ダメージどうぞ…
スコア :
4d6 くらえ!!!(4D6) > 13[2,5,4,2] > 13
スコア :
いい感じ
KP :
いいダメージ!HPの半分以上を失ったのでショックロールを行います!!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 1 > 決定的成功/スペシャル
KP :
まじか
スコア :
な…なんだとぉ…
KP :
ではクリティカルの効果で、回避判定の回数ペナルティを1回分無視します(つまり次回の回避は通常の技能値通りに回避を行う)
スコア :
なんてこった、強敵じゃ
system :
[ 茶髪のアンドロイド ] HP : 20 → 9
スコア :
デクが下がったのを確認した瞬間、屋上の床を蹴って前へと駆ける。
スコア :
一気に茶髪のアンドロイドの眼前にまで迫り、
スコア :
「今までよくもパンパンわたしのマスターを撃ってくれたよね……」
スコア :
その胸部に、音波銃を突きつける。
スコア :
「お返しだよ───くらえ!!!」
今までために溜めた怒りを解放するかのように、至近距離から超音波を撃ち出す。
茶髪のアンドロイド :
「…………ッ!!」
KP :
その一撃は機械心臓に深刻なダメージを与えたらしい。
KP :
口から目から、ダラダラとブルーブラッドが噴き出る。
KP :
────それはまるで、血の涙を流しているようだった。
スコア :
「どうだ……!」
KP :
しかし、茶髪のアンドロイドは、それでも立っている。
KP :
大量のブルーブラッドを流しながらも、それをまるで意に介さないように。
スコア :
「……っ!」
スコア :
その姿に不気味ささえ感じ、後ろに跳んで距離を取る。
スコア :
「マスター!気を付けて!!」
振り返らず、次に動くであろうパートナーに警告する。
────こいつは、今までのアンドロイドとは何かが違う。
不破 栞 :
「ああ……!」
KP :
では続いて不破さんの手番!!
不破 栞 :
手番なんだけど実はさっきナイフを置いてるので……誰かに投げて貰えると助かります!
KP :
そうでしたね!それではそれでは!!
不破 栞 :
ありがてぇ…!
赤星 透也 :
「はは! まさか本当にアンドロイド相手の交渉に成功しちまうとはな!!人類初なんじゃないか?」
黄海 夏央 :
「……笑っている場合ではないでしょう、残りの1体に交渉は通用しないようですし」
赤星 透也 :
「お~、それもそうだな」
赤星 透也 :
「────よし、もう気は済んだだろ!そろそろコイツを使え!!」
KP :
赤星は地面に置かれていたジャックナイフを拾い上げ、不破刑事の手元に向かって正確に投擲した。
不破 栞 :
「すまん、苦労を掛けた」 しっかりとそれをキャッチし、流れるように展開する。
不破 栞 :
「……生きて帰れたらこの体験を小説にしてみるのもいいかもな」
不破 栞 :
ということでジャックナイフで近接攻撃しますわよ~!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 99 > 失敗
KP :
ファンブル一歩手前!!!!
不破 栞 :
あぶね~~!!
不破 栞 :
接近してナイフを振るう……が、失血で足元がふらついてまるで当たらない!
不破 栞 :
「くそ、本当に締まらないな……!」
KP :
互いに大量出血しているが、負傷で機能が大幅に低下する人間に対して、アンドロイドは怯まない。
KP :
フラつく不破刑事の脇腹に軽く蹴りを当てて一瞬の隙を作ると、アンドロイドはステップで間合を取った。
不破 栞 :
「ぐふっ」
スコア :
「マスター……!」 ふらつく栞の体を抱き止めて支える
不破 栞 :
「すまない、今日は世話になりっぱなしだな……!」
スコア :
「そんなの、全然……!」
KP :
それでは最後!守人くんの手番!!ここが見せ場ですよ!!(二回目)
夜鷹 守人 :
やってやるよ!兄貴に続いて二刀流でなぁ!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 二刀流、-10補正込み(1D100<=75) > 84 > 失敗
夜鷹 守人 :
一刀だったらイケてましたね
KP :
ええっと、出目芸人の方、ですっけ?
夜鷹 守人 :
どうも、ダイスの女神に天丼される芸人です
KP :
天丼しすぎだし運勢最下位すぎるのよ!!
夜鷹 守人 :
不破とスコアが引いた隙を埋める為に、アンドロイドの間に割り込む様にして飛び込む。
夜鷹 守人 :
電子刀の柄を2つグローブに吸い寄せ、銃を持つ腕を切断しようと試みるも身軽なステップで避けられてしまった。
夜鷹 守人 :
「クソッ、プラスチックなだけありやがる……」
KP :
全員の手番が一巡したところで、運命の4ラウンド目に突入!!
KP :
例によって茶髪のアンドロイドの行動から!!
KP :
cc<=60 守人くん(1D100<=60) > 89 > 失敗
KP :
cc<=60 不破さん(1D100<=60) > 88 > 失敗
KP :
cc<=60 トモヤくん(1D100<=60) > 68 > 失敗
KP :
不運がこちらに回ってきたようですねえ!!!!
KP :
では手番終了!
KP :
PC最速のトモヤくんの手番になります!!
ヤオ トモヤ :
茶髪のアンドロイドに電磁鞭で攻撃します‼︎
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【電磁鞭】(1D100<=70) > 42 > 成功
KP :
cc<=60 回避1回目(1D100<=60) > 53 > 成功
KP :
回避されますが、ハウスルールで次回の回避が1/2になります!
ヤオ トモヤ :
「ッと‼︎」要領を得てきたのか、軽く腕を振り鞭は大きく弧を描く。それは勢いを殺さないまま叩きつけられ、地面は広く抉れる。
ヤオ トモヤ :
彼の足場は少し悪くなったことだろう。
茶髪のアンドロイド :
「…………」
KP :
アンドロイドは自分に振るわれた暴威を酷く冷めた目で見ている。
KP :
続いてふわすこの手番!!
スコア :
ふわすこのすこの方から行きます!音波銃で攻撃!
スコア :
CC<=80 拳銃(1D100<=80) > 11 > 成功
スコア :
ヨシ!!回避ペナルティ-20です!
KP :
cc<=10 回避2回目ペナルティ込み(1D100<=10) > 18 > 失敗
スコア :
あぶねえ~~~~
スコア :
お前音波銃以外なら避けてたのかよ、ダメージいきます
スコア :
4d6 ダメージ(4D6) > 17[3,5,5,4] > 17
KP :
最高のダメージ! これは戦闘不能!!
スコア :
ヤッター!!!!
KP :
ではトドメのRPどうぞ…!!
スコア :
「……!!」
スコア :
トモヤの鞭で床が砕け、敵の足下が揺らぐ。
スコア :
その僅かな隙をスコアは見逃さず、すぐに両手で音波銃を構えた。
スコア :
「────壊れろ!!」
トリガーを引き、叫ぶ。
祈りを込めた声は音の弾丸となって、敵の胸を撃ち貫いた。
茶髪のアンドロイド :
「…………!!」
KP :
瞬間、機械の少年は心臓を失った。
KP :
少年はソコにある筈のモノがない、と胸に手を当てて確認した後、
KP :
フラフラとしながら後方に下がり、初めて口を開いた。
茶髪のアンドロイド :
「…………任■は遂行しまし■■トラブルが■生し■■■■。次の指示を要求します」
KP :
機体の損傷の影響か、その声はノイズ混じりであった。
KP :
それから少しの間を置いた後、アンドロイドは「了解しました」と一言だけ漏らし、屋上の淵に立った。
KP :
その言葉を最後に、
KP :
少年は躊躇なく宙に体を預けた。
スコア :
「なっ……!?待……!!」 慌てて駆け出し、手を伸ばす
不破 栞 :
「……命令か、なんてことを……」
夜鷹 守人 :
「アンドロイドが自殺……? いや、命令……なのか……」
ヤオ トモヤ :
「ぁちょ、ハ、、どうして……」屋上の淵に駆け寄って
KP :
小さな雨粒にまぎれて降るプラスチックの人体。
KP :
その影は小さくなって、夜の街に融けていった。
KP :
────それから数秒後。
KP :
悲鳴めいて耳に残る大きな音を地上から聞いた。
KP :
その音がした方を覗き込む。
KP :
……そこには投身自殺したプラスチックの少年のバラバラ死体が無残に転がっていた。
スコア :
「なんてこと……。あんな状態じゃ、スタックももう……」
スコア :
「……いや、自分で飛び降りるなんて……そんな……」
ヤオ トモヤ :
「……な、なんでこ、んな?」
「全然、全然……意図がわからないです」
不破 栞 :
「……命令だからやった、それだけだろう」
夜鷹 守人 :
「………………」
地上で無惨な姿を晒すアンドロイドを見て、思わず言葉を失う。
同情の念などないが、この光景は誰がどう見ても異常だろう。
ヤオ トモヤ :
「そう、そうなんですけど……」なんで?これじゃ、これじゃまるで……意味がないみたいだ。なにをしたかったんだ?
不破 栞 :
「その謎を解き明かすのが、これからの私たちの仕事だ」
スコア :
「……そういうこと、ですね」
ヤオ トモヤ :
「……はい」
夜鷹 守人 :
「……ええ、そういえば兄さん達……周りのアンドロイドは?」
赤星 透也 :
「おう、こっちも片付いたぜ」
KP :
見ると周囲には、電子刀で溶断されたらしい黒いアンドロイドの残骸が転がっていた。ほとんどを赤星が撃破したようだ。
スコア :
「おおー……凄いもんですね」
不破 栞 :
「圧倒的だな……」
夜鷹 守人 :
「そんなことだろう思いましたよ。相変わらずの身体能力です……」
自身の電子刀を腰にかける
ヤオ トモヤ :
「……流石です」頷いて
黄海 夏央 :
「────いえ、凄い、と言うのであれば、アナタ達の方が相応しいでしょう」
黄海 夏央 :
「これまでアンドロイドと交渉を行い、これに成功した人間なんていませんでしたから」
黄海 夏央 :
「人間に反乱を起こすアンドロイド、というのが希少ですし……そんなアンドロイドと話し合う、という考えを持つ人間も希少ですからね……」
スコア :
「ふふっ。まあ、流石わたしのマスターってところですよ」 まるで自分のことのように、誇らしげに笑う
不破 栞 :
「……流石のマスターが死ぬ前に手当を頼めないか? 結構深手でな」 どこか小恥ずかしそうに。
スコア :
「全く、無茶したせいで怪我して……困っちゃいますね」
スコア :
「でも、そういうところがわたしは好きなんですけど。じゃあ、さっさとそこ座ってください」 バッグから治療道具を出しながら
不破 栞 :
「迷惑掛けるな。いつつ……」
スコア :
医学振って手当してもいいかしら?
KP :
いいですよ!
スコア :
では振ります!
スコア :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 81 > 失敗
KP :
はい
スコア :
え~~!!!
スコア :
何なのよ
不破 栞 :
イチタリナイ…
スコア :
「…………っ」
栞の傷を応急手当するが、あまり上手く処置出来ない。
……さっきの敵アンドロイドの飛び降りが、まだ瞼の裏に焼き付いてしまっているからだろうか。
スコア :
「うーん、ごめんなさいマスター……。あんまりちゃんと出来てないかも」
これでは痛みがマシにならない、と確信してしまう
不破 栞 :
「……いや、大丈夫だ。とりあえずは十分だろう。ありがとう」 言葉にはしないが、おそらく同じ不安を感じているだろうということを直感する。
スコア :
「……はい」
スコア :
「…………」 最後にもう一度、屋上の端から地上を見下ろす
KP :
地上には未だにプラスチックの少年の亡骸が転がっている。
KP :
しかし、もう大量のブルーブラッドは雨で流されて見えない。
KP :
明日には警察の捜査が入り、彼の死の痕跡はなくなるだろう。
KP :
雨は未だ降り続いている。
KP :
雨音は屋上に残った静けさを紛らわすかのように響いていた。
KP :
アナタ達のチームとしての初仕事は、被疑者一名死亡という形で幕を閉じたのだった。
11 捜査会議
西暦2050年10月16日/AM09:00/天気:曇り/警視庁大会議室
KP :
翌日。
KP :
警視庁では昨日の事件を受け「今迄の事件情報の共有と今後の捜査方針の決定」を行なう捜査会議が開かれる事になった。
KP :
アナタが広々とした大会議室に足を踏み入れると、そこは既に無数の捜査官達で埋め尽くされていた。
KP :
世間を騒がせる連続殺人事件という事で、他の課の捜査官も駆りだされたらしい。
刑事部捜査一課長 :
「…………」
KP :
その中には不破刑事にとっては見知った顔も多い。
KP :
前の方の座席にドロ係のメンバー達の姿も見える。
不破 栞 :
「(……気まずいな)」
夜鷹 守人 :
「(かなりの動員数だ。そこまでの大事件ということなんだろうな……)」
軽く挨拶して席に着こうか
ヤオ トモヤ :
夜鷹さんの数歩後ろから周囲をソワソワと観察しています。着席から数秒程遅れて不破とスコア、2人の姿を確認することでしょう。
スコア :
「……?何緊張してるんですか?席ならあっちの方みたいですよー」 栞の手を取って、ドロ係の皆が座ってる席へ向かおう
不破 栞 :
「いや……昔の知り合いが、な……。すぐに行くよ」 手を引かれて歩いていく。
スコア :
「なるほどねー」 納得した様子で席に座る
赤星 透也 :
「お、来たな有名人」
KP :
アナタ達が席に着くと、赤星がにへらと柔和な笑みを向けた。
KP :
事実、今のアナタ達は良くも悪くも有名人だ。周囲の捜査官に向けられる視線が嫌でも分かるだろう。
スコア :
「どうもどうも」 笑顔を返す
不破 栞 :
「まあ……あんな事件があった後では仕方ないか」 少し汗をかきながら。
夜鷹 守人 :
「そんなに噂されるほどですかね……」
ヤオ トモヤ :
「その……少し、気まずいですね」
黄海 夏央 :
「先日の事件は、歴史に残るような被害規模でしたからね、それを新設された部署が解決したとなると、話題になるのも当然でしょう」小声
スコア :
「ですよね~。でも別に、気まずく思う必要は無くないです?何も悪いことしてないし」
スコア :
「むしろ、マスターの頑張りが知れ渡ってて気分良いですよわたしは」
不破 栞 :
「そういう好意的な目で受け取られているといいんだがな……」 ちょっと周囲の視線を気にしながら座る。
青木 玲斗 :
「ど、どちらかと言うと、悪目立ちしているような……」
スコア :
「人質の会社員は助けられたし、デクも投降させれたんだから、堂々としてりゃいいんですよ」
赤星 透也 :
「だな、結果から言えば他の奴らに委縮する謂れなんてないない」
スコア :
「ねー」 分かってくれる人がいて安心
不破 栞 :
「……そうだな。いつも通りにしているか」 笑顔のスコアを見てちょっと落ち着く。
ヤオ トモヤ :
「……そう、ですよね!」うん、そうしますと頷いて
スコア :
「そうそうっ。それでいいんです」
夜鷹 矢代 :
「……それは構わないが、そろそろ捜査会議が始まるぞ、本当の悪評が立たない内に口を閉じた方がいい」
スコア :
「はーい、静かにしまーす」
赤星 透也 :
「は~い」ならんで楽しそうに笑う
夜鷹 守人 :
「(緩いなぁ……)」
気を引き締めて会議を待ちましょう
ヤオ トモヤ :
「ッ‼︎」こくこくと頷いて
KP :
それからほどなくして、遂に捜査会議が始まった。
えらいひと :
「これより都内で発生しているアンドロイドによる連続殺人事件、およびアンドロイド連続破壊事件の捜査会議を始める」
KP :
えらいひとが部下に指示すると、スクリーンに資料が投影される。
KP :
捜査会議によって、アナタ達は以下の情報を手に入れます!
□アンドロイドによる連続殺人事件の概要
今年の9月から発生している殺人事件。今までで2件発生している。
被害者に共通性は見られない。
・1件目の事件
被害者は政治家の田中雅彦(32)とその妻である田中恵(30)。
9月2日の午後8時、不審に思った近隣の住民が自宅で夫妻が倒れているところを発見、通報した。
死因はナイフで刺されたことによる失血死。妻は玄関、夫はリビングで発見されている。
また、息子である田中雅人君(8)はリビングで蹲っているところを保護され、現在は病院で療養中。
目立った外傷は見られないが、ショックからか事件についての証言は得られていない。
・2件目の事件
被害者は在宅勤務のSEである佐久間彰人(28)。発見されたのは9月25日午前10時。
一人暮らしということで発見が遅れ、通報を受けた捜査員が部屋に入った時には既に遺体は腐りかけていた。
死因は1件目と同様で、凶器も同じものと見られている。
2つの事件の現場からはどちらもVOIDの燃料が発見されている。こちらも現在解析中。
また1件目の事件現場の近くで不審なアンドロイドが目撃されていることから、アンドロイドによる犯行の可能性が高いと思われる。
□アンドロイド連続破壊事件
都内各所で行方不明になっていたアンドロイドが破壊された状態で発見される事件が発生。
住民から多数の苦情が寄せられている。
行方不明のアンドロイドには、未だに発見されていないモノもある。
破壊されているアンドロイドはどれも損傷が激しく、データのチップが抜き取られている。
またアンドロイドが投棄された場所で犯罪組織の1人と思しき男性が確認されていることから、何かしら関係があるものと考えられる。
男性の身元は現在調査中。(破壊されたアンドロイドの写真が提示される)
□10/15に発生した立てこもり事件について
都内の高層ビルにてアンドロイドによる立てこもり事件が発生。
襲撃されたのは製薬会社の社員で、その内の10名の死亡が確認されている。
犯行を行ったアンドロイドはどれも機体が損壊しており、現在解析に回されている。犯行目的は未だ不明。
えらいひと :
「────以上が現段階で分かっている情報だ」
えらいひと :
「犯罪を行うアンドロイドなど聞いたことがない、一連の事件には首謀者がいる可能性が高いと思われる」
えらいひと :
「そもそもアンドロイドは、今の世界にとって必要不可欠なものであり『犯罪を犯すアンドロイドなどいてはならない』のだ」
えらいひと :
「……これ以上、世間に不信感を与えれば、警察組織の」
えらいひと :
「いや、この国家の信頼をも失うことになるだろう」
えらいひと :
「今回新設した公安部第五課アンドロイド事件捜査係を中心に、他の課も気を引き締めて捜査にあたれ」
えらいひと :
「……では最後に何か質問や報告がある者はいるか?」
スコア :
ただ険しい表情で、破壊されたアンドロイドの写真を見ている。
夜鷹 守人 :
真っ直ぐ手をあげて指されるのを待つ
えらいひと :
「ドロ係の新人か、なんだ?」
夜鷹 守人 :
「夜鷹守人です。先日の立てこもり事件で、内部を調査中に気になるものを発見しまして……」
社員のPCから得た情報を共有します
夜鷹 守人 :
「……と、言うものでして。 もしかしたら製薬会社が何らかに関わっているのではないかと……」
えらいひと :
「……これが一連のアンドロイド関連事件と関係しているとは考えにくいな」
えらいひと :
「事件性があったとしても今回と別件の犯罪だろう」
夜鷹 守人 :
「……失礼しました。ここから繋げられる情報があるかと、一人突っ走ってしまっていたようです」
大人しく席につこう
えらいひと :
「…………いや、いい」
えらいひと :
「アンドロイド関連事件と繋げるのは強引、ではあるが」
えらいひと :
「そう考えられないでもない、捜査に余裕ができたら件の製薬会社についても調査しておこう」
夜鷹 守人 :
えらいひとに軽く頭を下げておく
えらいひと :
「フン、立派な長髪を見せつけおって……最新の育毛技術でも再生しなかった私の毛根へのあてつけか……?」
ヤオ トモヤ :
その横で口角が勝手にあがらないようプルプルしている 報告してよかったですね‼︎夜鷹さん…!
夜鷹 守人 :
「(視線を感じる……まずいことでも言ったか……?)」
主に頭部への視線
スコア :
「何言ってんだろあのハゲ……」 めっちゃ小声で若干呆れ気味に
えらいハゲ :
「…………何か言ったか?」
スコア :
「いえ何も~」 えへ、と笑う
不破 栞 :
「(内容に反してずいぶん緩い集会だな……)」 呆れている
悪口に人一倍敏感なえらいハゲ :
「他の者も、言いたい事はもうないようだな」
悪口に人一倍敏感なえらいハゲ :
「それでは捜査会議をこれで終了する」
悪口に人一倍敏感なえらいハゲ :
「────国家の安寧は君達の双肩にかかっている事を忘れるな、解散」
KP :
その一言を以て捜査会議は終了。捜査員達は大会議室を後にしていく。
KP :
アナタ方も一旦、ドロ係本部に足を運ぶ事になるだろう。
12 警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係
同日/AM10:00/天気:曇り/警視庁ドロ係本部
KP :
警視庁上層フロアの一室。
KP :
そこが一連の事件を捜査を担当するアナタ達────警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係のオフィスだった。
KP :
それなりの広さの一室にそれぞれのデスクとパソコンが並べられている。
KP :
先日は各々の荷物が入った段ボール箱でいっぱいだったが、一日で整理されたらしい。
KP :
矢代係長のデスクの周囲に昨日の事件を一緒に解決した捜査員が見える。
KP :
アナタ達も他の捜査官達の輪に入ろうと部屋に足を踏みいれた、その時!
KP :
トモヤくんの顔面に鋼鉄製のナニカがミサイルみたいに飛翔してきた!!
シロウ :
「わん!!!!!!!!」
KP :
よくよく見ればそれは黄海と共にいた犬型のロボットであった。
KP :
犬型ロボットはトモヤくんを押し倒した後、尻尾を振りながら周りを走り回っている。
ヤオ トモヤ :
「⁉︎ぶっっ、ンむ、な、黄海さんの相棒の!」床に転がったまま目を白黒させている
黄海 夏央 :
「────なっ!? シロウ!やめなさい!!」
KP :
その様子を見て、すぐさま黄海が止めに入る。
KP :
そして、黄海はトモヤくんの方に向き直ると、
黄海 夏央 :
「……ごめんなさい、大丈夫?」
KP :
そう言って手を差し伸べた。
ヤオ トモヤ :
「‼︎も、勿論大丈夫です!へへ……‼︎」一瞬その目を丸くするも 頬をゆるめて差し出された手を取ります
スコア :
「なんか随分元気ですねー。昨日はあんなに真面目なわんちゃんだったのに」
不破 栞 :
「ははは、懐かれてるな」
夜鷹 守人 :
「やんちゃな相棒ですね」
人型でなければ嫌悪感は薄いのか、いつもよりは態度が柔らかい
ヤオ トモヤ :
「?……ぁれ」立ち上がって彼女の顔をよく見ます
黄海 夏央 :
「…………なんでしょう?私の顔に何か?」
ヤオ トモヤ :
「?……あ、いえ!なんでもないです!」失礼、ありがとうございました!と
黄海 夏央 :
「なんでもない、ですか」
黄海 夏央 :
「……それならいいんですけど」
スコア :
「……?わんちゃんにびっくりしちゃった?」
ヤオ トモヤ :
「ああ、いえ……ちょっと?というか、多分気のせいかと思います」首を傾げて
ヤオ トモヤ :
「(……つい数日前まで青木さんとしかお会いしたことはなかったわけですし、黄海さんを知っている気がしたなんてなにかの間違いですよね)」1人でうんうん頷いて
スコア :
「ふーん?まあともかく、ここがわたし達の部屋なんですね」
スコア :
「前に荷物置きに来た時はごちゃごちゃしてたのに、すごい綺麗になってる」 部屋を見渡す
不破 栞 :
「ああ、まっさらなオフィスというのもいいものだな」
夜鷹 守人 :
「気が引き締まる思い、ですね」
スコア :
「ねー。交通課と違って上の階だし良い感じですよ」
不破 栞 :
「出入りに時間がかかるのが玉に瑕だがな……でも、眺めがいい」 少し楽し気に街を見下ろしている。
スコア :
「このままずっとゆっくり眺めてたいくらいですね」
スコア :
「まあ、そういうわけにもいかないんだけど……今日はこれからどうするんです?係長」 矢代の方を向いて
夜鷹 矢代 :
「……そうだな、まずは労いの言葉を」
夜鷹 矢代 :
「あの時はバタバタしていて言うヒマがなかったが、先日の事件はお手柄だった」
夜鷹 矢代 :
「人質と瀕死の捜査官を救出して、変異体と思われるVOIDも捕獲した────考え得るベスト以上の戦果と言えるだろう」
夜鷹 矢代 :
「首謀者と見られる少年型アンドロイドには自己破壊されてしまったが、そこまでなんとかしろと言うのは高望みというものだ」
不破 栞 :
「……」 落下を止められなかったことがずっと心に引っかかっている。
スコア :
「そう言って貰えると気持ち的には楽ですね」
夜鷹 守人 :
「ええ、予想外のことはありましたが……最善は尽くせたかと思います」
スコア :
「っていうか、やっぱり変異体だったかもしれないんだ。そんな相手を説得して投降させれたんですから、それだけで係長が言うように大手柄ですよ!この調子でいきましょ、マスター!」 励ますように笑いかける
ヤオ トモヤ :
「……です、ね!彼との交渉に成功したのは本当によかったです」茶髪のアンドロイドの身投げに思うところはあるものの、やや明るい表情で頷く
不破 栞 :
「あ、ああ。そうだな……!」 スコアの笑顔に元気づけられ、背筋を伸ばす。
赤星 透也 :
「おかげで今のドロ係で最も注目を浴びてるのは不破さんだよな」
赤星 透也 :
「俺もがんばったんだけどな~」
不破 栞 :
「……目立つのは得意じゃないんだがな」 ここに来るまでもちょっと視線を感じていた。
スコア :
「うふふ……」 ドヤドヤと笑っている
不破 栞 :
「みんなの活躍があってのことなんだが……個人の活躍のほうが話としては面白いのかもしれんな」
不破 栞 :
「(そんな器じゃないんだが……)」 ポニーテールをくるくると弄る。
黄海 夏央 :
「そうかもしれませんね……」
夜鷹 矢代 :
「────さて、労いの言葉はここまで」パン、と手を叩く
夜鷹 矢代 :
「昨日以上の活躍を期待して、これからの捜査の話をする」
夜鷹 矢代 :
「……前に自己紹介を済ませようと思う」
夜鷹 矢代 :
「短い付き合いかもしれないが、名前と顔くらいは認識しておいたほうがいいだろう」
スコア :
「あー、確かに確かに。昨日はばたばたしてましたしね」
夜鷹 守人 :
「正式な自己紹介はしていませんでしたね。軽くしておきましょうか」
夜鷹 矢代 :
「────私は夜鷹矢代と言う」
夜鷹 矢代 :
「係長、つまり君達の上司だな、よろしく頼む」
KP :
矢代は自身の紹介を簡潔に済ませ、他の捜査員もそれに続ける。
赤星 透也 :
「じゃあ次、俺で」
赤星 透也 :
「赤星透也です、よろしく」
赤星 透也 :
「今年で刑事始めて10年くらいかな?なんか分かんないことあったら聞いてね〜」ヒラヒラと手を振って笑う
赤星 透也 :
「んで、こっちが……」
イチハ :
「初めまして~赤星君のパートナーロボットやってるイチハで~す♪」
イチハ :
「みんなよろしくねっ」ニコッと笑顔を振り撒く
KP :
そう言って真っ先に赤髪の男性と隣にいるアンドロイドが口を開いた。それを聞いた青髪の男性も続ける。
青木 玲斗 :
「え、えっと……青木玲斗、です……」こういうの苦手なんだよな、と呟きつつ
青木 玲斗 :
「一応VOID達のメンテナンスとか、情報収集専門、です」
青木 玲斗 :
「……よろしく」
レミ :
「先日の事件ではメンテナンスで参加できず申し訳ありませんでした~、レミと申します〜」
レミ :
「青木さんのパートナーロボットでして、元々警察の医療用ロボットとして就任したので、治療ならお任せくださいね~」
レミ :
「あっ、そうそう、不破さんは先日の事件で銃弾を受けたとか聞きましたよ~?ちゃんと病院には行きましたか~?」
不破 栞 :
「さすがに行ったよ。あれで放置してたら命がないからな……」
レミ :
「あら、そうなんですか~?」
レミ :
「でも、その様子だとまだ痛みますよね~?スキャンすれば分かっちゃうんですよ~?」
不破 栞 :
「まあ、な……銃創の手当もできるのか、君は?」
レミ :
「ええ、もちろん!これまで警察で仕事してきましたからね~」
レミ :
「流石になんでもは治せませんけど、銃創くらいなら大丈夫ですよ~」
スコア :
「せっかくだからちゃんと診てもらいましょ、マスター。その方が安心ですよ」
不破 栞 :
「そうだな。後でお願いできるか? このままだと仕事に支障が出そうだ……」
レミ :
「ふふ、もうおねがいされなくても治療する気でいましたよ~」
レミ :
「では後で解析室に来てくださいね、最新の医療設備も揃ってますから~」
スコア :
「あ、その時はわたしもご一緒させてもらいますね。最新の医療設備には興味があります」
不破 栞 :
「前の課では世話になったことなかったが、凄いんだな……最近の警視庁の医療設備……」
青木 玲斗 :
「3Dプリンターの進歩で手軽に拳銃が作れてしまう時代ですからね……、増加する凶悪犯罪に対抗する為には医療にも力を入れる必要があった、らしいですよ……」
不破 栞 :
「(交通課でのほほんとしてる間にそんなことになってたとは……)」 時の流れを感じる
KP :
不破さんがレミに治療を受ける予定を決めた後、金髪の少女が口を開く。
黄海 夏央 :
「────黄海夏央。よろしく」
黄海 夏央 :
「こっちは私のパートナーのシロウ」
シロウ :
「ワン!!!!!!」
黄海 夏央 :
「……普段はあんなマネはしない子なので、嫌わないであげて」
ヤオ トモヤ :
「はい!勿論です!」ニコッと笑って
シロウはいいこですもんね!
不破 栞 :
「元気があっていいと思うぞ」
夜鷹 守人 :
「珍しく元気な子ですね。では……」
軽く咳払い
夜鷹 守人 :
「自分は夜鷹守人。よろしくお願いします」
夜鷹 守人 :
「この中ではアンドロイドを除けば、自分が一番年下かと思います。至らぬところがあれば指導して頂けると幸いです」
イチハ :
「……ん~? んん~? 夜鷹~?」
イチハ :
「アレ~? アレアレ~? もしかしなくても係長さんと同じ苗字じゃないですか~?」首を傾げて上目遣いで尋ねる
スコア :
「あ、ほんとだ。親子なんです?」
夜鷹 守人 :
「義父さ……矢代係長とは、養子の関係です」
夜鷹 守人 :
「そこの赤星さんも自分の兄貴分のような物、ですかね」
夜鷹 矢代 :
「ああ、血は繋がっていない」
赤星 透也 :
「しかし、こう改めて皆の前で兄貴とか言われると、ちょっと恥ずかしいな~」
スコア :
「はー、なるほどなー……」 納得して三人を見ている
不破 栞 :
「係長の……そうだったのか……」
ヤオ トモヤ :
「(へえ、養子縁組だったんですね……)」夜鷹さんについてまた一つ知ることができて嬉しい
ヤオ トモヤ :
それでは…と会釈して
「警官アンドロイドBR800ことヤオ トモヤ、夜鷹さんのパートナーです。よろしくお願いします!」
ヤオ トモヤ :
「ドロ係の皆様と共に協力しあい、事件解決の為に精一杯努めさせて頂くつもりです」
「……若輩者の為、行き届かない点もあるかとは存じますが────」
ヤオ トモヤ :
「都度ご指導頂ければ幸いです、少しずつ世界を学びもっとお役に立ってみせます!」
夜鷹 守人 :
「……………」
素っ気なくパチパチと拍手する
スコア :
「こちらこそよろしくお願いしまーす。それにしても、BR800ですか」
スコア :
「確か新型なんでしたっけ?そういう番号なんですねー」
イチハ :
「あ~! それならボクも新型ですよ~? ほらみて、KR800モデルっ!」見やすいようにネクタイを緩めて首筋の型番を見せつける
スコア :
「あ、そうなんだ……!」 首筋をよく見る
ヤオ トモヤ :
夜鷹の拍手に顔を綻ばせていたもののその言葉を聞くと
「‼︎私、自分以外の新型に初めてお会いしました!わー!」私のはこことここです!と片方の掌を広げ、もう片方で舌を指す
不破 栞 :
「型名といえば、スコアはX000だったか? 珍しい型だったな」
スコア :
「そうですよー。わたしは旧型ですね」
ヤオ トモヤ :
「Xから始まって4桁、珍しい型ですね…!デクさんとの会話で知ったのですが、私はてっきり先輩は新型かと……」
ヤオ トモヤ :
「モデルの新旧に捉われない、素晴らしい働きでした!」先輩、これからよろしくお願いします!と笑って終わります
スコア :
「ふふっ、ありがとうございます」
レミ :
「私もMR400モデルって約10年前から普及している旧型モデルですけど、同じ旧型のスコアさんにも新型の2人にも負けない働きを見せないとですね~」
スコア :
「お、じゃあ旧型仲間だ」
レミ :
「ええ、旧型仲間です~」
レミ :
「こういう組織にいると、最新型ばかりで肩身が狭いコトもありますけど、一緒にがんばっていきましょうね~」にこりと笑って
スコア :
「はーい。でも大丈夫ですよ、そういうのはあんまり気にしませんから」 笑って答えて
スコア :
「……あ、でもこの流れだとやっぱり気になっちゃいますね。わんこさんって新型なんです?」 黄海に聞く
シロウ :
「1!!!!!!!!」
スコア :
「ワン…つまりナンバーワンの機体ってわけですか…」 真剣な顔で
黄海 夏央 :
「いえ、スコアさん……犬の言葉を真に受けないでください……」
黄海 夏央 :
「シロウはPR800モデルですよ、ペットロボットでPR」
スコア :
「なるほどなー。800……となるとこの子も新型なんですね。ペットロボットって言われると納得かも」 さっきのじゃれつき方を思い出す
不破 栞 :
「じゃ、次は私だな」
不破 栞 :
「不破栞。前は交通捜査課、その前は捜査一課にいた。このメンバーの中じゃ古株かもな」
不破 栞 :
「公安の仕事は初めてだから、いろいろ教わることもあると思う。年上だと思わず気軽に話しかけてくれると助かるよ。こんなところかな」
スコア :
「はーい、気軽に話しかけまーす」 にこにこ笑いながら
不破 栞 :
「お前は毎日話してるだろう」 呆れた顔で
スコア :
「えへへ、そうでした」
夜鷹 守人 :
「よろしくお願いします。そのアンドロイドとは……特段と仲がよろしいのですね」
不破 栞 :
「ん、そうか? みんなパートナーとこういうやりとりはしないのか?」
夜鷹 守人 :
「それはわかりませんが……周りから見ても相当かと……」
ですよね?と周りにも目配せ
青木 玲斗 :
「そう、ですね……そこまでパートナーと親しくは…………」
スコア :
「え~、そうなんです?」
スコア :
「まあ、でもこれがわたし達の普通ですよ。ねー、マスター」
不破 栞 :
「そうだな。あまり深く考えたことなかったが……」
不破 栞 :
「まあ、変なコンビがいるな、くらいに思っておいてくれ」
スコア :
「変じゃないです~」 ぶーぶー言ってる
ヤオ トモヤ :
「……」「(いいな。夜鷹さんは嫌がるだろうからしないし、できないけど。いつかこうなれたらいいな)」
レミ :
「ふふ、確かに一般の方々と比べると少し変わっているかもしれないですね~」
レミ :
「────でも羨ましい、ですよねトモヤさん?」心を見透かしたように笑いかける
ヤオ トモヤ :
「!」「ッい、いえ⁈そんなことないですよ、全然!そんな、私だって大事に使って頂いてますし!?」声が裏返っている
レミ :
「ふうん? そうなんですか~?」今度は守人くんを見て
夜鷹 守人 :
「………壊さないよう、注意はしている」
青木 玲斗 :
「注意は、ですか……」でもアンドロイド嫌いそうだし心配だな、という顔
青木 玲斗 :
「あ、ああ、でも大丈夫ですよ…!全身のパーツというパーツが完膚なきまでに破壊されていて原型を留めていなくても、スタックさえ残っていれば俺が直してあげられますから…!!」
レミ :
「……青木さん、そういう問題じゃないと思いますよ~」
夜鷹 守人 :
「もしその時が来たら頼らせてもらうかもしれませんね」
ヤオ トモヤ :
「エッ……‼︎私が大破したとして、直してまた使ってくれるんですね!ありがとうございます!!」嬉しいなあ、相棒ですもんね!
スコア :
「VOIDとしての強みとも言えますけど、出来ればそこまで壊れるようなことにはなりたくないですけどね」
不破 栞 :
「そうだな。やむを得ない場面はあると思うが、極力大事にしよう」
夜鷹 矢代 :
「……仮にそのような状況に陥った場合、まず市民と諸君の安全を第一に考えて行動してもらいたい」
夜鷹 矢代 :
「やむを得ないと判断した場合、守人、不破、赤星、青木、諸君の判断でパートナーアンドロイドに武器の使用を許可しても構わない」
夜鷹 矢代 :
「アンドロイド法第四条によって、原則としてアンドロイドの武器の所持と使用は禁じられているが、我々は例外だからな」
夜鷹 矢代 :
「基本は私の許可が必要だが、緊急時には仕方ない……その場合は始末書を書いてもらう事になるが」
夜鷹 守人 :
「し、始末書……わかりました。やむを得ない場合はそうさせて頂きます……」
スコア :
「了解でーす」 自分が書くわけでは無いので気楽
不破 栞 :
「できれば避けたいな……」嫌そうな顔
ヤオ トモヤ :
「すみません、よろしくお願いします!」
スコア :
「まあ、書くかどうか分からない始末書のことより、今やることやりましょっか。自己紹介ってあとわたしだけでしたっけ?」
イチハ :
「ん、そうだったと思いますよっ」
イチハ :
「それじゃあ、自己紹介おねがいしますねっ"旧型ちゃん"?」
スコア :
「なーんか含みある呼び方な気もしますけど、まあいっか」
スコア :
「わたしはスコア。さっき話してた通り、X000って機体の旧型アンドロイドです」
ショートパンツから伸びる太ももには、X000という型番が刻印されている
スコア :
「一年位前にマスターに拾われてから、パートナーロボットやってまーす。よろしくおねがいしまーす」 栞の腕に抱き着いて、ウインクする
レミ :
「あらあら~」本当に仲良さんなのね~、と口に手を添えて微笑む
イチハ :
「なるほどなるほど~? それじゃ~スコアちゃんは元々、カワイソ~なノラアンドロイドだったんですね~?」
イチハ :
「道理で見た事もない旧型機種だったワケだっ♪」胸の前でパンと手を合わせて
スコア :
「ノラアンドロイドっていうか、正確には捨てアンドロイドですね」
不破 栞 :
「まあ……そういうわけだ。私たちはほかのパートナーとは少し違う経緯で組んでいる」 ずっと抱き着かれてる
イチハ :
「でもジャンクとパートナー契約だなんて、本当に変わってるんですね~?」目を細める
スコア :
「ジャンクって!言い方!!」
スコア :
「まあでも、そこがマスターの良いところなんですよ」
イチハ :
「ふうん……」どうでもよさそうに聞き流す
不破 栞 :
「先輩風吹かせたくはないが……あまり人のパートナーの悪口を言うものじゃないぞ、後輩」
不破 栞 :
「でも、今思うとよく許可されたものだな……」
ヤオ トモヤ :
不破の発言に頷いている。イチハさんが新型だろうとその物言いはあまりに失礼ですよ!
イチハ :
「ああ、怒らせちゃったならごめんなさ~い不破先輩♡」甘い声で
イチハ :
「でもでもっ、別に悪く言うつもりはなかったんですよっ?」
イチハ :
「ただぁ……一度は廃棄までされた旧型アンドロイドが、ボクと同じドロ係に配属されるなんて凄いなぁ……って褒めてあげたくて~♡」
スコア :
「なるほどねー……そういうことですか」
スコア :
「いや、わたしはそこまで気にしてないですよ?マスターが怒ってくれたのは嬉しいですけどー……」
スコア :
「でもそれはそうとこの人いつもこんな感じなんです!?何か色々大丈夫なんですか!?」 赤星に
赤星 透也 :
「……あ~、いつもはこんなじゃないぜ?」
赤星 透也 :
「だけど最新モデルの自分の性能にプライドがあるんじゃねーかな、旧型のスコアちゃんにライバル意識? 燃やしてるみたいな?」
スコア :
「えぇ~?なんで旧型のわたしに……?」
赤星 透也 :
「旧型だからこそ、自分と同じチームで肩を並べられてる、ってコトがイヤなんじゃねえかな~」
赤星 透也 :
「いや、しらんけど」
スコア :
「しらんのかい」
赤星 透也 :
「刑事としては歴が長い赤星先輩だけども、組んでから日が浅い最新型パートナーアンドロイドの思考回路など知らんのだよ後輩ちゃん」
スコア :
「うーん、聞いたのが間違いだった感じですねこれ」
スコア :
「まあいっか。面白いしライバル扱いでもなんでも」
赤星 透也 :
「スコアちゃんが柔軟で助かったよ、俺からもゴメンな」
赤星 透也 :
「でもイチハは『仕事』については俺よりずっとマジメなヤツだからさ、その点は安心してくれ」
スコア :
「はーい。わかりました」
KP :
スコアとイチハの喧嘩(?)が一段落つくと、矢代が咳払いをした。
夜鷹 矢代 :
「────自己紹介も済んだところで早速捜査に入るぞ」
夜鷹 矢代 :
「赤星、イチハ、黄海は外で捜査」
夜鷹 矢代 :
「青木とレミは昨日のアンドロイドの解析にあたってほしい」
夜鷹 矢代 :
「守人、トモヤ、不破、スコア……おまえ達はまず、これまでの事件現場に向かってくれ」
夜鷹 矢代 :
「その後の捜査はおまえ達の判断に任せるが、報告は怠らないように」
夜鷹 矢代 :
「……以上、解散」
スコア :
「了解でーす」
ヤオ トモヤ :
「了解」
夜鷹 守人 :
「了解しました」
どこから行くべきか、と考える
不破 栞 :
「承知しました。至急、向かいましょう」
スコア :
「……マスター、マスター」 ちょいちょいと腕を突っついて
不破 栞 :
「おう、どうした?」
スコア :
「さっきはわたしの代わりに怒ってくれて、ありがとうございましたっ」 手でこそこそと隠しながら、耳元で小声で囁く
不破 栞 :
「……別に礼を言われるほどのことじゃない。思ったことを言っただけさ」 ポニーテールを触りながら、少し目を逸らし。
不破 栞 :
「……どういたしまして」
スコア :
「ふふっ……」 その様子に、満足げに笑みを零した
KP :
□探索ルール
KP :
これから各地に赴いて探索を行なう
KP :
のですが時間経過に関する小さなルールがあります!
KP :
1日につき「朝・昼・夕」の計3ターンがありまして、
KP :
1箇所の探索につき、そのうち1ターンが経過します。
KP :
そして3ターン経過毎に「夜の個別シーン」を挟んで、
KP :
日を跨いで「朝・昼・夕」の3ターンを再び繰り返す。
KP :
これを探索箇所が1つ残らずなくなるまで行ないます。
KP :
本日(10月16日)は、朝に捜査会議を行った為、昼のターンから開始します。
KP :
探索は2人1組のツーペア、つまり4人行動を原則とし、
KP :
赤星・イチハ、黄海・シロウ、のペアと一緒に探索を行なう事ができます。
KP :
またNPCが一緒の場合、1ターンに1度まで判定の振り直しを可能とします。
KP :
他PCやNPCとの連絡は端末やアンドロイドを介して可能ですので、
KP :
気軽に色々なペアと過ごされてははいかがでしょうか。
スコア :
なるほどな~!誰ルートで行こうか…
KP :
とりあえず探索箇所を提示するので、それも踏まえて考えてみてくださいな!
スコア :
はーい
不破 栞 :
はーい!
□探索箇所
『第一事件現場』で捜査
『第二事件現場』で捜査
『リボット社』で社長に聞き込み
『総合病院』で遺族に聞き込み
『図書館』で関連書籍の読書/ワード検索
『警視庁』
-解析室で破壊したアンドロイドの調査
-取調室でデクと呼ばれたVOIDに尋問
-ドロ係本部でPCでデータベースを検索
-食堂で食事
KP :
こんなカンジですね! 誰と何処に行くのか宣言してもらえればと!
スコア :
係長に振られたし、まずは事件現場に分かれていくのが自然かな
夜鷹 守人 :
第一事件現場に行こうかな~と思ってたけどヤオくんはどうだろ、気になるとこあるかな?
ヤオ トモヤ :
いえ、特には!第一と第二のどちらにしようかで迷っていたのでそう言って頂けてありがたいです
不破 栞 :
それじゃこっちが第二のほうを見にいこうか?
スコア :
そうね!
スコア :
NPCはどうしよっか、さっきの流れ的におもしれー女だったから今日は赤星イチハコンビとわたしは一緒にいきたい
不破 栞 :
そうね~、兄さんにもちょっと話聞いてみようか
夜鷹 守人 :
なら黄海さんとシロウちゃん達と行こうか、お散歩いくよシロウ
スコア :
(U^ω^)わんわんお!
ヤオ トモヤ :
そうですね、黄海さん達よろしくお願いします!
スコア :
様子見つつ翌日はコンビ変えたりしていきましょ
スコア :
じゃあ、夜鷹・トモヤ&黄海・シロウで第一現場、ふわすこ&赤星・イチハで第二現場にいきます!
不破 栞 :
いきま~す!
KP :
了解しました! ではまず第一事件現場の方から処理をしていきましょうか!!
スコア :
はーい
不破 栞 :
がんばれ~!
夜鷹 守人 :
いくぞー!
ヤオ トモヤ :
おー!
13 探索:第一事件現場
同日/AFTERNOON/天気:曇り/第一事件現場
KP :
送られた住所を元にアナタ達は高級住宅街へと訪れる。立派な一軒家が立ち並ぶ中に事件現場はあった。
KP :
真っ白い外装が特徴的な一際大きな家だ。
KP :
庭もついているようで、庭にはホログラムでない本物の植物が植えられているが、手入れされていないせいかどれも枯れ始めていた。
KP :
玄関には黄色のテープのホログラムが貼られており──時間も経っているためか多くはないが──ちらほらと野次馬の姿も見受けられる。
KP :
アナタ達が現場に足を踏み入れると、連絡を受けていたのであろう警官アンドロイドが「お疲れ様です、お待ちしていました」と敬礼する。
KP :
────そして現場を覗いてみると、既に捜査が入ったあとなのだろう、家具はそのまま残されているが血痕などの類は片づけられた後だった。
黄海 夏央 :
「……もうすっかり掃除されていますね、無駄足だったのでしょうか」
夜鷹 守人 :
「改めて調査することで見えてくることもあります。一通り見てみましょう」
ヤオ トモヤ :
「そうですね」頷いて
KP :
アナタ達が「どう捜査したものか」と思案している脇で、警官アンドロイドは何やら端末を操作していた。
VOID警官 :
「……失礼、改めて捜査するにしても『現場があるに越したことはない』のではありませんか?」
夜鷹 守人 :
「それはそうだが……、つまり何が言いたい?」
VOID警官 :
「こういうことです」
KP :
アンドロイドが端末を向けると、家中にホログラムが浮かびだした。
VOID警官 :
「夜鷹係長からの指示で、事件現場を再現したホログラムを作成しました。流石に匂いまでは再現できませんが、何か手掛かりになるかもしれません」
KP :
改めて周囲を見渡す。倒された家具などはそのままに、そこには本物そっくりのホログラムで構成された死体が転がっていた。
KP :
警官アンドロイドはああ言っていたものの、匂いまで想像できてしまうほど精巧な映像だ。
KP :
さあ、SANチェックの時間ですよ! 成功で1、失敗で1d3の減少!!
KP :
トモヤくんの人間の死体を見た時にSAN値減少量が上昇するペナルティは今回は無効とします!!あくまでホログラムですしね!!
夜鷹 守人 :
cc<=53 すげぇと思ったらありがたくない判定きちゃった(1D100<=53) > 90 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=41 【san】よかった!(1D100<=41) > 56 > 失敗
夜鷹 守人 :
1d3 俺に向かってなんだその出目は(1D3) > 1
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 53 → 52
ヤオ トモヤ :
1d3 ありがて〜〜〜ですわ(1D3) > 1
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 41 → 40
KP :
二人とも軽傷で済みましたね
夜鷹 守人 :
「……っ、ここまで再現できるものなのか……」
思わず面を食らってしまうが、すぐに気を持ち直す
ヤオ トモヤ :
「グッ……ッ、…ご愁傷様です」眼前の痛ましい光景に気が遠くなるも持ち返す
シロウ :
「クゥン……」
KP :
犬型アンドロイドは不安げに耳を畳んで、トモヤくんの足下に擦りよった。
ヤオ トモヤ :
「‼︎」「申し訳ありません、大丈夫です」ありがとうとシロウの頭を撫でてやる
黄海 夏央 :
「…………」
黄海 夏央 :
「貴方達はそこで休んでいても構わないわ、私だけで調査を進めます」死体に面食らうアナタ達を見ると、そう言い放つ
ヤオ トモヤ :
「い、いえ‼︎私達も調査します。着任から日も浅く先程は少し驚いてしまいましたが、もう大丈夫です。なんの問題もありません、行けます!」
夜鷹 守人 :
「調査に問題ありません。ただただ任せる訳にはいきませんよ」
黄海 夏央 :
「……問題ない、ですか」
黄海 夏央 :
「それならいいのですけど」
KP :
ではでは探索できる箇所を提示しますよ!!好きな方から捜査してもらえれば!!
KP :
【探索箇所】玄関/リビング
ヤオ トモヤ :
リビングから行っても?
夜鷹 守人 :
行ってみるか~
KP :
では3人と1匹はリビングへ!
KP :
広々としたリビングだ。大型のテレビや観葉植物などが飾られている。床には男性の死体が転がっており、周辺の家具は荒らされている。
KP :
【探索箇所】死体/窓/机
ヤオ トモヤ :
ウーン自分は窓から調査したいです
夜鷹 守人 :
死体を行ってみますか
KP :
別行動だ!では死体の処理から!!
KP :
男性の死体は仰向けで倒れており、顔は苦痛で歪んでいる。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫または≪医学≫による判定をどうぞ!
夜鷹 守人 :
目星いきますぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=75 そいやっ(1D100<=75) > 64 > 成功
夜鷹 守人 :
よーし
ヤオ トモヤ :
ないす!めでたや!!!
KP :
守人くんが判定に成功してる!?!?!?!?!?!?!?!?!?
夜鷹 守人 :
やっとだよ!!!これで最下位から抜け出せたな!!!!!!!
KP :
しかし…これが彼が最後に成功した判定であった…
夜鷹 守人 :
死亡待ったなし
KP :
それはともかく死体の情報!
KP :
男性の胸部に刺創を見つける。他に目立つ傷が見受けられないことから、心臓を的確に一突きされた事が分かる。
KP :
以上です!
夜鷹 守人 :
なるほどな~!RPはヤオくんらと共有する時にしよう
KP :
では続いて窓の処理!
KP :
窓は派手に割られており、外にはガラス片が散らばっている。
KP :
詳しく調べる場合は≪知識≫による判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=90 【知識】(1D100<=80) > 15 > 成功
KP :
ではでは成功情報!
KP :
これは防弾ガラスである。よほどの力が加えられなければ、ここまで派手に割られることはない。
KP :
以上です!
KP :
あと残っているのは机の調査ですね~
ヤオ トモヤ :
じゃ2人で机の調査してから共有します?
夜鷹 守人 :
やろうぜェ
KP :
では2人は最後に机の元に
KP :
机の上にはパンフレットが置かれている。
KP :
□パンフレット
KP :
タブレット型のパンフレット。端末を操作するとまず目に飛びこんできたのは義手や義足、voidの画像であった。
KP :
しかしそれらは次第に文字化けしていき、ついに画面が黒く染まってしまった。
KP :
のですが≪目星≫または≪アイデア≫による判定をどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 71 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=90 アイデア!(1D100<=90) > 2 > 成功
KP :
どうしました守人くん
KP :
きみらしくないですよ
夜鷹 守人 :
おいおいおい俺の時代きちまったか~?
夜鷹 守人 :
いつの間にか偽者になってるのかも……
KP :
やっぱり昨日は運勢が最悪だっただけなんだよ守人くん
KP :
ではでは成功した2人は画面が消える直前、
KP :
『EMC』という文字が見えた。
KP :
以上です!
夜鷹 守人 :
「EMC……? 思い当たることはあるか?」
ヤオ トモヤ :
「……いえ、残念ですが警察のデータベースに該当するものはないようです」
夜鷹 守人 :
「そうか。 どこかで調べる必要があるな……」
携帯にメモしておきましょうか
ヤオ トモヤ :
「はい。あと窓の方なんですが……」調査の収穫を共有します。
黄海 夏央 :
「防弾ガラスが……およそ人間にできる芸当じゃありませんね……」
夜鷹 守人 :
「特殊な工具でも使ったのか……? どちらにしても只者じゃないな」
黄海 夏央 :
「窓ガラスが外側に散乱しているあたり、この窓が逃走経路のようですが……アンドロイドによる犯行と見るのも頷けます……」人間にはとてもできないので
ヤオ トモヤ :
「不審なアンドロイドを見かけたという話もあがってますし、そのセンが濃そうですね…」頷く
夜鷹 守人 :
「俺からは玄関のホトケに関してだ」
心臓を一突きだったよ、と共有します
ヤオ トモヤ :
「……凶器は持ち帰ったんでしょうか。それにしたって一突き、ですか」
黄海 夏央 :
「犯人がアンドロイドなら、そうした芸当も可能でしょう」
黄海 夏央 :
「もしくは手練れのヒットマン……その可能性の方が低いと思いますが……」
夜鷹 守人 :
「ヒットマン……この現代日本に、ですか……」
黄海 夏央 :
「そう思うでしょう?やはり可能性は低いです」
黄海 夏央 :
「それに手練れのヒットマンならば、わざわざターゲットの自宅で犯行に及ばず、外で狙う方が確実だと思いますし」
黄海 夏央 :
「セキュリティ意識が低い家だったらともかく、この家は防弾ガラスまで完備しているんですから」
夜鷹 守人 :
「人間離れした所業、やはりアンドロイドの可能性が高いですね……」
ヤオ トモヤ :
「……ですね」曇った表情のまま再度頷く
KP :
ではここで2人は≪アイデア≫による判定をどうぞ
夜鷹 守人 :
cc<=90 ほいっ!!(1D100<=90) > 15 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【アイデア】(1D100<=70) > 28 > 成功
KP :
調子がいいですね本当に
KP :
ではアナタ達は思い至る
KP :
『高級住宅街とはいえ、普通は窓に防弾ガラスなんて仕込むだろうか』と
KP :
以上です
夜鷹 守人 :
「……しかし、普通は防弾ガラスなんて張りますかね。この様な事態になることを恐れていたのでしょうか」
黄海 夏央 :
「そう、ですね」
黄海 夏央 :
「被害者は政治家ですから、多方面に恨みを買っていたのかもしれません」
夜鷹 守人 :
「殺される程の恨み、ですか……だとしたら、一体何を……」
ヤオ トモヤ :
「帰ったら、田中雅彦さんについても調べたほうが良さそうですね」
KP :
Secret dice
夜鷹 守人 :
なに!!?
ヤオ トモヤ :
??こ、こわいが……
KP :
トモヤくん、アナタは黄海の言葉に『含み』を感じた。
KP :
以上です。
ヤオ トモヤ :
??!?はい、それでは一言RP失礼します‼︎
ヤオ トモヤ :
「……?」首を傾げて「……黄海さんは彼がなにをしていたのか知ってたり、見当がついたりしますか?」
黄海 夏央 :
「…………いえ? どうしてそう思うんですか?」言葉の端々に苛立ちを感じる
ヤオ トモヤ :
「そ、それは……なんででしょう……?」自分でも分からないのですがと続けて
「単に聞いてみたかっただけかもしれません。失礼しました」
黄海 夏央 :
「そうですか」はあ、と溜息をつき
黄海 夏央 :
「────ここは他に気になる所もありませんし、もう玄関に向かいませんか?そちらにも死体があるハズです」
ヤオ トモヤ :
頷いて玄関へ向かいます。
夜鷹 守人 :
いきましょいきましょ
KP :
では少し様子がおかしかった1人と2人と1匹で玄関に!
KP :
玄関には女性の死体が転がっている。土足で踏み入っただろう、床には足跡があり、それがリビングまで続いている。
KP :
【探索箇所】死体/玄関扉
ヤオ トモヤ :
今回は死体調べます‼︎
夜鷹 守人 :
それじゃ玄関扉を!
KP :
では死体の処理から!
KP :
女性の死体は玄関扉の方へうつ伏せで倒れており、顔は苦痛で歪んでいる。
KP :
また男性の死体とほぼ同じ位置に刺し傷がある。
KP :
判定は必要ありません、男性の死体で振りましたのでね!
ヤオ トモヤ :
やったー!あざます‼︎
KP :
では続いて玄関扉の処理!
KP :
よくある鍵穴がついた扉ではなく、モニターにカードキーを翳して開けるタイプの扉であることが分かる。
KP :
詳しく調べる場合は≪機械修理≫または≪コンピュータ≫による判定をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
スゥゥゥゥゥ……
夜鷹 守人 :
ない、ですねぇ……
KP :
圧倒的不得手…! 何故ならアンドロイド嫌いだから…!!
夜鷹 守人 :
わからないことがわかった、ヤオくんバトンタッチ!
ヤオ トモヤ :
おっけーやったりますよ!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 46 > 成功
KP :
流石は新型アンドロイド!
ヤオ トモヤ :
いえーい!!
KP :
では厳重な防犯システムが導入されている事が分かる。
KP :
合鍵を作るのは難しく、ハッキングも相当な技術が必要だろう。
KP :
そもそも『ハッキング機能があるアンドロイド』なんて聞いた事もない。
KP :
以上です!
ヤオ トモヤ :
「……うーん」玄関扉の観察をやめ、皆に分かったことを伝える
夜鷹 守人 :
「そんな厳重なセキュリティをどう突破したんだ、プロの犯罪者だとでも……?」
ヤオ トモヤ :
「そうなるんですかね……犯人はアンドロイド1人だと思っていて、でも私はハッキング能力を備えたアンドロイドなんて聞いたことがないんです」
ヤオ トモヤ :
「私達みたいな人間とアンドロイドの2人組だったりするのかなあ……」
黄海 夏央 :
「それはどうでしょうか」
黄海 夏央 :
「高度なデジタル化が進んでいる現代社会に於いて、ハッキング能力は悪用されるリスクが特に高い────ですからリボット社はそんなアンドロイドは作っていないハズ」
黄海 夏央 :
「ですけど、先日のようにアンドロイド法を無視して殺人を犯す違法アンドロイドがいたんです」
黄海 夏央 :
「どんなアンドロイドがいても、不思議じゃないと思いますけど」
ヤオ トモヤ :
「なるほど。であれば犯人像は高いハッキング能力を持ち、被害者に強い恨みを抱くアンドロイド一体……になりそうですね」
夜鷹 守人 :
「……無法を働くアンドロイド、見逃してはおけませんね」
鋭い目つきで死体を見下ろす
黄海 夏央 :
「もし本当にハッキング機能を持ったアンドロイドがいたなら、その機体が犯人で確定でしょうね」
黄海 夏央 :
「いたなら、の話ですけど」
ヤオ トモヤ :
「ですね。いたなら、の話ですが」頷いて
夜鷹 守人 :
「まだ仮説の段階ですが、可能性はあると思います」
私怨混じりだがその可能性を考慮しようと提言する
シロウ :
「わふっ!!!!!!」同意を示しているのか3人の回りを駆け回る
夜鷹 守人 :
「おおっ……げ、元気な子だな……」
黄海 夏央 :
「……ええ、守人、さん、と、トモヤ、さん、によく懐いているみたいで」
黄海 夏央 :
「それはさておき、ここでの調査も一段落したようですし、そろそろ移動しません?」
夜鷹 守人 :
「ですね。 あとは生き残りの子供ですが……今はどうしようもありませんしね」
境遇を重ねているのか、子供を気にかける
ヤオ トモヤ :
「……そうですね」今の今まで目にしていた悲惨な光景と″生き残りの子供″の単語とで、気持ちを重くしつつ
黄海 夏央 :
「田中雅人君なら、総合病院にいるみたいですが会っても話ができる状態かどうか……」言いながら玄関から外に出る
KP :
そうして捜査を終えて外に出たアナタ達を出迎えたのは、
オバサン :
「……!!」
KP :
一人の見知らぬおばさんだった。
オバサン :
「ちょっとちょっとあんたたちもしかして警察の人?ここの事件の犯人まあだ捕まってないの?」
KP :
おばさんはまくしたてるように責めるように、息継ぎもなしにアナタ達に詰め寄ってきた。
夜鷹 守人 :
「た、ただいま出来る限り早く犯人を逮捕できるように努めておりますので……」
おばさんの勢いに押される
オバサン :
「努めているって言ってもねえ頑張ってるからってそれでいい訳じゃないのよわかる?」
ヤオ トモヤ :
「申し訳ありません、犯人逮捕に向けて全力を尽くしますので今暫くお待ち下さい」
「つ、つきましては捜査にご協力頂けますでしょうか?その、近隣住民の方ですよね?」夜鷹の前にずいっと出てきて
オバサン :
「ええ…?近隣住民の方かって…?」
オバサン :
「このあたしを知らないなんて協力してやろうと思ったのにこれだから警察は無能なのよねだいたいあたしが若い頃はもっと」
黄海 夏央 :
「…………」このおばさんは苦手なタイプの人間なのか、二人の後ろに隠れる
ヤオ トモヤ :
「……」やや面食らうもののすぐさま切り替えて
「そうとは知らずに失礼しました。無知を恥じるのみです。ご婦人はここに大層詳しいのですね……どうかお力をお借りしたく、構いませんか?」
オバサン :
「まったく本当に無知よねここまで警察が仕事ができないとはあたしびっくりだわ」
オバサン :
「第一発見者の顔も知らないなんて」
ヤオ トモヤ :
「(だ、第一発見者の方だったんですね…!)」
「……伝達が行き届いておらず申し訳ありません。重ね重ね申し訳ないのですが、当時の状況をお聞かせ頂きたいです」一礼して
オバサン :
「仕方ないわね~~~~~~」
オバサン :
「海より広いあたしの寛大な心に感謝なさい」
ヤオ トモヤ :
「勿論です!ご厚意に感謝します」にっこり微笑んで
オバサン :
「……ええと、もう今から一ヵ月くらい前になるかしら」
オバサン :
「あの日は雨が降っててね、あたしは帰宅途中だったんだけど、普段は静かなこの家からガタンって大きな音が聞こえたのよ」
オバサン :
「ハッキリとは聞こえなかったけど、叫び声みたいなのも聞こえたかしら」
オバサン :
「ちょっと不審に思ってね、声かけようと思ったら扉が開いてたのよ〜」
オバサン :
「それで中を覗いてみたら、その瞬間にガッシャーンっておっきな音が聞こえてねぇ!あたしもう驚いちゃって!」
オバサン :
「しかも目の前には奥さんが血流して倒れててねぇ?」
オバサン :
「音がした方を急いで見に行ったら、窓からアンドロイドが逃げていくところだったのよ!皮膚が剥がれてて金属部分が見えたから間違いないわ!」
オバサン :
「──どう?有益な情報だったでしょう?必要な情報だったわよねえ!!」
夜鷹 守人 :
「情報提供ありがとうございます。おかげで犯人像がハッキリしました」
今の情報をすらすらと書き留める
ヤオ トモヤ :
「はい、とても有益な情報でした!ご協力頂きありがとうございます!」一礼して
黄海 夏央 :
「そのアンドロイドの顔は見ましたか?」
オバサン :
「黒いフードを被っていたから顔までは見えなかったわねえ」
オバサン :
「ああでも、逃げて行ったアンドロイドは2人いたんだけど、うち1人は確かあの家のアンドロイドだったはずよ」
夜鷹 守人 :
「……この家の、アンドロイド?」
ヤオ トモヤ :
「(に、二体ですって…⁈)」
「ご婦人、その田中家に仕えるアンドロイドについて知っていることをお聞きしても?」
オバサン :
「普通のアンドロイドだったと思うわよ?ご近所さんと言っても、別に田中さんと仲が良かった訳でもないし、それ以上のコトは知らないわ」
オバサン :
「だけど……」
オバサン :
「この家のアンドロイドじゃない方、手に血塗れの大型ナイフを持っていたわ確か」
夜鷹 守人 :
「なるほど……。もう片方が皮膚が剥げて、ナイフを持っていたと……」
合っていますか?と返す
オバサン :
「ううん、皮膚が剥げていたのは田中家のアンドロイドの方ね」
オバサン :
「もう片方もアンドロイドじゃない、と思ったのは挙動が人間らしくないと思ったからなの! あと手に付着した血の反射がプラスチックっぽかったしね?」
ヤオ トモヤ :
「(た、田中家の中でなにがあったんだ…⁈)」
「な、なるほど。状況は理解できました。ご婦人の洞察力には感謝するばかりです」
オバサン :
「でしょう?よく言われるわ洞察力がすごいって」
夜鷹 守人 :
「……そういえば、婦人は片方が田中さんのアンドロイドとわかっていましたが……事件以前からも皮膚が剥げていたのでしょうか?」
オバサン :
「さあ?さっきも言った通り、田中さんと仲がいい訳じゃないからねえ」
オバサン :
「アンドロイドと一緒に外出している姿も見かけなかったし、いくらマサイ族並みの洞察力を持つあたしでも分からないわね」
夜鷹 守人 :
「そ、そうですか……」
冗談かわかりづらいので愛想笑いを浮かべる
オバサン :
「なにわろてんねん」
オバサン :
「……ふん、そこの眼帯のお兄ちゃんはともかく、アンドロイドはなかなか見所があることは分かったわ」
オバサン :
「どう? 今からあたしのペットにならない?」トモヤくんに
ヤオ トモヤ :
「⁉︎ッ、こ、光栄なのですが、私既にパートナーがおりまして……」ね、ね!と夜鷹に振り向く
夜鷹 守人 :
「……ご婦人、このアンドロイドは警察のものでもあります。そう簡単に譲渡することは出来ませんよ」
オバサン :
「1000万出すわ」
オバサン :
「これでどう?」
夜鷹 守人 :
「お金の問題ではないのです。警察のパートナーを市民に売り払ったとすれば、機密情報を外部に漏らしたとして処罰されかねませんよ」
夜鷹 守人 :
「私も、ご婦人もね」
黄海 夏央 :
「……そういうコトですので」
オバサン :
「ああん、残念ね」
オバサン :
「…………手に入らないモノほど燃える性分なのだけれど」トモヤくんを見て舌なめずり
夜鷹 守人 :
「………………」
おかしな生き物を見る目
シロウ :
「クゥゥゥン……」怯えて震える犬
ヤオ トモヤ :
「……ぁ、あは」口角を引き攣らせつつ
黄海 夏央 :
「……さ、て、そろそろ私達はもう行かないと」
黄海 夏央 :
「ですよ、ね?」皆に目配せ
ヤオ トモヤ :
頭がもげそうなほど頷く
夜鷹 守人 :
「そうですねこの後も予定があるので」
若干早口
黄海 夏央 :
「では失礼しますね────」
14 探索:第二事件現場
同日/AFTERNOON/天気:曇り/第二事件現場
KP :
送られてきた住所を元にアナタ達はマンションの一室に辿り着く。
KP :
部屋の前には黄色のテープのホログラムが貼られており、その横には警官アンドロイドが佇んでいた。
KP :
……アンドロイドはアナタ達の姿を確認すると「お疲れ様です、お待ちしておりました」と敬礼する。
KP :
中に入ればそこは至って普通に見える1LDKだ。男性の一人暮らしらしく黒を基調とした家具が多い。
KP :
────そして現場を覗いてみると、既に捜査が入ったあとなのだろう、家具はそのまま残されているが血痕などの類は片づけられた後だった。
赤星 透也 :
「片付けられた後か、もう半月前の事件だもんな~」
スコア :
「ここから調べられるとこなんてあるんです?」
不破 栞 :
「難しいだろうな。だが、私たちは捜査に参加したばかりだ。現場をこの目で確認することで見えてくることもある」
スコア :
「そういうもんですか」
不破 栞 :
「多分な」
イチハ :
「……ぷっ」
イチハ :
「あはははははっ!」
スコア :
「え、な、何?いきなり」
イチハ :
「……あ、ははっ、ごめんなさいおかしくってついっ」
イチハ :
「先輩ったら考え方が『古すぎ』ですよ『古すぎ』~」
スコア :
「……?古いって……?」
イチハ :
「あっ、そっかそっか!いっけな~い! 今回ばかりはボクの方がポンコツだったみたい!!」
イチハ :
「実際に古い機体でしたねっ♪ 知らなくても当然というものでした~♡」
スコア :
「なっ……!じゃあ何ですか?一体何だって言うんです!?」 自分が無知らしきことを察する
赤星 透也 :
「あんまりイジワルするなよイチハ、これまで2人は現場にいなかったんだから、最新の捜査常識なんて知らないのが当たり前だろ?」
イチハ :
「は~い」全く反省していない声色
不破 栞 :
「最新の捜査……ここ数年で何か変わったのか?」
イチハ :
「ええ、技術の進歩は捜査にも多大な影響を与えているんですよ~♪」
赤星 透也 :
「見てもらった方が早いかな、おねがいできるか?」脇にいたアンドロイドに声をかける
VOID警官 :
「了解しました」
KP :
アンドロイドが手にした端末を向けると、家中にホログラムが浮かびだした。
VOID警官 :
「夜鷹係長からの指示で、事件現場を再現したホログラムを作成しました。流石に匂いまでは再現できませんが、何か手掛かりになるかもしれません」
KP :
改めて室内を見れば、家具は荒らされており、床には男性の死体のホログラムが転がっている。
KP :
それは匂いまで想像できるほど精巧に作られていた。
KP :
さあ、SANチェックの時間ですよ! 成功で1、失敗で1d3の減少!!
スコア :
昨日は大量の死体を見たんだしこれくらいどうってこと
スコア :
CC<=49 SAN(1D100<=49) > 10 > 成功
不破 栞 :
cc<=59 めっちゃリアル定期!(1D100<=59) > 82 > 失敗
スコア :
マスター!!!
不破 栞 :
なんてこったい!
不破 栞 :
1d3(1D3) > 1
KP :
失敗してもみんな1で済むの何
スコア :
謎の幸運
不破 栞 :
不幸中の幸い!
system :
[ スコア ] SAN : 49 → 48
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 59 → 58
スコア :
「う、うわぁ……めちゃくちゃリアルですね……。まさか死体まで浮かび上がるとは」
先日大量の死体は見たが、やはりまだ慣れるようなものでもない
不破 栞 :
「これは……凄いな……! ここまで精巧に再現できるのか……」 ちょっと顔を青くしながら
スコア :
「交通課にいた頃はこんなホログラム見る機会なかったですもんね」
スコア :
「でも、これなら今からでも分かることがありそう。調べてみましょ、マスター」 そう言って、栞の手を握る
不破 栞 :
「(こんなに技術が進歩するくらい現場を離れてたんだな……)」 ちょっと落ち込みながら手を握り返す
イチハ :
「……あのぉ? 別にアンドロイドフェチの特殊性癖に文句つける訳じゃないですけどぉ、事件現場でイチャつかないでもらえますぅ?」
スコア :
「アンドロイドフェチって何ですか。いちゃついてませーん」 手は握ったまま
不破 栞 :
「はは……まああまり目に余るようなら考えるよ。捜査はちゃんとやるから安心してくれ」
イチハ :
「それならいいですけど」
イチハ :
「……そんなコトしてる間に、ボクに手柄を全て取られても知らないですからねっ」
スコア :
「ちゃんと働きますってば、もう」 栞の様子を見てもう大丈夫だと思い、手を放す
不破 栞 :
「ん、そうだな」 落ち着いた様子で現場の物色を始める。
KP :
では4人で部屋の捜査をはじめていきます!調べられるのは以下の4箇所!!
KP :
【探索箇所】死体/本棚/机/玄関扉
スコア :
死体!君に決めた!
不破 栞 :
机から見てみようかな!
KP :
では死体から処理していきましょう!
KP :
それは20代くらいの男性の死体だ。資料にもあった佐久間彰人本人だろう。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫または≪医学≫による判定をどうぞ!
スコア :
医学でいきましょ!
スコア :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 29 > 成功
スコア :
よし
イチハ :
ぐぬぬ…旧型のクセに…
スコア :
あんたの出番はありませんよ!
不破 栞 :
さすこあ
KP :
後頭部に殴られた痕跡、胸部に刺創がある。
KP :
また犯人と争ったのだろう、他にも身体に引っかき傷が見られる。
KP :
以上です!
スコア :
なるほどね…!
スコア :
「……ホログラム、本当に凄いな……。ここまではっきり再現出来るなんて」
死体の前で屈み、自分が持つ医学の知識と照らし合わせてよく観察する
スコア :
次どうぞ!
KP :
机ですね!
不破 栞 :
見るぜ~!
KP :
机にはパソコンが置かれている。中を見てみてもこれといったものは見つからない。
KP :
詳しく調べる場合は≪コンピュータ≫による判定をどうぞ!
不破 栞 :
cc<=61 ハッキングパパ!(1D100<=61) > 3 > 成功
スコア :
ハッキングパパ草
不破 栞 :
カタカタカタ…
スコア :
ッターン
KP :
ではいくつかのファイルが消去されていて、その復元は難しそうだというコトが分かります!
KP :
以上ですね!
不破 栞 :
「なるほど……」
不破 栞 :
「わからないということがわかった」
イチハ :
「ええ……」脇から身を乗り出しパソコンを覗き込み
不破 栞 :
「ファイルを消去した痕跡はあるんだが、それを復元することまではできないだろうな……」
不破 栞 :
「見られてはまずいデータがあったのかもしれないが。SEらしい見事な処理の仕方だ」
赤星 透也 :
「被害者を褒めてる場合かねえ…それって何の証拠にもならないってコトじゃねえの?」
不破 栞 :
「そうだな。別の場所を当たってみるとしよう」
赤星 透也 :
「他に証拠になるようなモノが残ってるといいんだがな~…」
スコア :
「まあ、とにかく見て行きましょ」 死体の観察を終え、立ち上がる
スコア :
本棚見ようか!
不破 栞 :
玄関行こう!
KP :
では本棚から処理!
KP :
被害者の本棚には、プログラミングについての書籍が多く見られる。
KP :
詳しく調べる場合は≪図書館≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=50 図書館(1D100<=50) > 3 > 成功
KP :
さっきから出目がよすぎる
スコア :
凄い調子良いね!?
KP :
ではスコアちゃんはIT関連の本の中に一冊異質な本を見つける。
□人間の脳のつくりについて
人間の脳は3歳になるまでに発達がほぼ終了すると言われている。
3歳までに80%、6歳までに90%、12歳までには100%完成することが大脳生理学にて明らかになっており、
子ども時代初期の親や家族、その他の成人との間の経験や対話が子どもの脳の発達に大きく影響する。
このことは教育面でも重視されており、イギリス、フランス、アメリカ、ドイツ、韓国などの諸外国では、幼少期の教育の無償化を国家的課題として取り組むようになった。
KP :
以上です!
スコア :
なるほど…人間の脳…
スコア :
「へー……そうなんだ」
IT関連以外に別ジャンルの本が一冊混ざってることに違和感を覚えつつも、手に取って軽く読んでいく
スコア :
次どうぞ!
KP :
玄関扉ですね!
KP :
このマンションの扉はオートロック式だ。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫または≪鍵開け≫による判定をどうぞ!
不破 栞 :
めぼすしかないな~
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 24 > 成功
不破 栞 :
ヨシ!
スコア :
さすふわ
KP :
では鍵穴に細工したような傷跡を見つける。犯人はこの扉から入って犯行に及んだらしい。
KP :
以上です!
不破 栞 :
「鍵穴に細工があるな……」
不破 栞 :
「どうやら外からわざわざ入ってきて犯行に及んだらしい」
赤星 透也 :
「高さ的に窓から入るのもムリあるしな、それに目立つし」
不破 栞 :
「細工をしなければ入れなかったということは……犯人と近しいものの犯行ではないかもしれないな」
不破 栞 :
「しかし、オートロックのマンションに鍵をこじ開けて入ってくるとは……」
赤星 透也 :
「まったく物騒だねえ」
不破 栞 :
「1階にもオートロックがあるだろうに、そっちはどうやって突破したんだか……」
スコア :
「マスター、こっちを見てたんですね」 本棚から玄関へとやってくる
不破 栞 :
「ああ。そっちの方は何かあったか?」
スコア :
「ええ、まあ。死体を見て分かったことと、関係あるかどうか分からないことですけど」
スコア :
そう言って、死体と本棚の情報を共有する。
スコア :
「結構どたばたしてたみたいですね。忍び込めたはいいけど見つかっちゃったみたい」
不破 栞 :
「あー、相当強引に入ったみたいだからな……」 こっちからも扉とPCの情報を共有しましょう!
赤星 透也 :
「狭いマンションの部屋にバレずに侵入、なんて不可能に近いしな~揉みあいになって当然か~」
スコア :
「なるほどなー……」
スコア :
「パソコンと脳科学の本はちょっとよく分からないけど、一応報告には纏めておいた方がいいですかね?」
赤星 透也 :
「ま~別に要らんでしょ~」
イチハ :
「……っていうかパソコンはともかく、現場で読書してたんですか旧型ちゃんはっ!?」
スコア :
「なんか気になっちゃって。だって一冊だけジャンルが違うんですもん」
不破 栞 :
「面白かったか?」 興味津々
スコア :
「そうですね。軽く読んだだけですけど、脳の成長なんて今まで全く知らなかったことでしたし面白かったですよ」
不破 栞 :
「そうか……(帰りに本屋で見ていくか)」
イチハ :
「ちょっと~!? 仕事中なんですけど~!?」
イチハ :
「仕事中の意味わかりますっ!? し・ごと・ちゅー!!」
スコア :
「ごめんごめん。気を付けます」 小さく笑いながら
赤星 透也 :
「……だけど妙だよな」
スコア :
「ん、何がです?」
赤星 透也 :
「いやさ、被害者は子供もいないし教育者でもない、なのに脳の成長に関する本が置いてあるなんてさ」
スコア :
「あー、他はIT関係の本ばっかりだったんですよねー。SEだから当然って感じなんですけど」
スコア :
「やっぱりちょっと違和感ありますよね」
不破 栞 :
「親戚から貰った本だったとか、一見接点のなさそうな本と人との出会いはいろいろ考えられるが……」
不破 栞 :
「もしかしたらAIの開発をしていたのかもな。人間の脳を再現する、というのはある意味AIにとってひとつの到達点だから」
スコア :
「なるほど?確かにそうかも」
スコア :
「わたし達VOIDも、人間を模倣したAIですもんね」
イチハ :
「あれ、もしかして一括りにされました?」
スコア :
「え、駄目でした?」
イチハ :
「ん、まあ、いっか! 考えてみれば王様と奴隷も同じ『人間』として一括りですもんねっ!」
スコア :
「奴隷ランクですかわたしは!!」
イチハ :
「あはは~、旧型ちゃんおもしろ~い!ドロ係を辞めたら芸人に転職をオススメしますよ~♡」
スコア :
「しませんし!ずっとマスターのパートナーやりますよ!」
不破 栞 :
「……赤星、この子は誰に対してもこんな感じなのか?」 ひそひそ耳打ちする。
赤星 透也 :
「いやいや自己紹介の時も言った通り、なんだかスコアちゃんには当たりが強いんだって~…」俺も困ってま~すと肩を竦める
不破 栞 :
「……何が気に喰わないんだろうな」 困った顔をする
KP :
アナタ達が一通りの捜査を終えたところ、現場の部屋に警官アンドロイドが入ってきた。
VOID警官 :
「失礼、捜査の方は終わりましたでしょうか?」
スコア :
「あ……はい、一応」
不破 栞 :
「ああ。目新しい発見は無かったが……」
VOID警官 :
「そうでしたか……であれば第一発見者に話を聞くのは如何でしょう?」
VOID警官 :
「ここの大家が第一発見者だそうで、すぐに会えるハズですよ」
不破 栞 :
「おお、それは助かるな。話を聞きに行こう」
スコア :
「大家さんなんだ。行きましょ行きましょ」
スコア :
じゃあ警官アンドロイドにお礼言って、大家さんのとこに向かいます。
KP :
大家を捜索してみると、マンションの前で掃き掃除をしている50代ほどの女性を見つける。恐らく彼女がここの大家だろう。
スコア :
「あの人かな?すみませーん」 笑顔で声をかけにいく
オバサン :
「なあに今は掃除で忙しいんだけどねえ」
不破 栞 :
「失礼します。このマンションであった事件についてお聞きしたくて」
オバサン :
「ああ、あの事件ねえ…全くいい迷惑よ勝手に死なないでほしいわあ…」
スコア :
「まあまあ、彼も死にたくて死んだわけじゃありませんし」
スコア :
「あなたが第一発見者なんですよね?話を聞かせて貰ってもいいですか?」
オバサン :
「あたしは確かに第一発見者だけど…アンタ達は刑事さんよね?話せる事はもう話したハズよ?」
スコア :
「そうそう、警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係です。わたしはただのパートナーロボットですけど」
不破 栞 :
「何度も申し訳ありませんが、時間が経って改めてわかることもありますし……お願いできませんか?」
オバサン :
「はあ…」
オバサン :
「仕方ないわねえ…あたしは大地より広い心を持っているから話してあげるわ…」
不破 栞 :
「(また凄い人が出て来たな……)よろしくお願いします」
スコア :
「お、おぉ……。じゃあお願いします」 何だこの人って目
オバサン :
「まったく警察はこんな乳採用なんかしてるから、いつまでも事件が解決しないのよねえ…」ボソボソと小声で
スコア :
この発言、聞き耳で聞き取れるかしら
オバサン :
いいでしょう!聞きとってみるがいい!!
スコア :
いや振るまでもな…振ったろ!!
スコア :
CC<=70 聞き耳(1D100<=70) > 26 > 成功
スコア :
聞いたぞ!!!マスターの悪口!!!!
KP :
ハッキリと聞きとれる。そしてオバサンは不破さんとスコアちゃんの胸元を怪訝な目で見つめている。
スコア :
「…………」
オバサン :
「何よ」
オバサン :
「言いたい事があんならハッキリと言ってごらん!?!?!?」
オバサン :
「さあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
スコア :
「いやあ……よく人の体の事をどうこう言う人っていますけど」
スコア :
「大家さんは違いますよね~。何しろ大地より広い心を持つお方なんですし」
そう言って笑いかけるが、目は笑っていない。栞を悪く言われて怒っているらしい
オバサン :
「当たり前じゃない」
オバサン :
「あたしは乳サイズで採用する警察という組織そのものを批判しただけだものね~ッ!!」
スコア :
「どこの警察ですか、もう」 ちょっと呆れたように
不破 栞 :
「……」 冷や汗を掻いている
スコア :
「まあとにかく、話を聞かせてくださいよ」
不破 栞 :
「ええ、早く要件が済めば、我々もここを早く離れますので……」
イチハ :
「……えっ?話きくの!?あの流れで!?!?」
スコア :
「そりゃそのために来たんですし」
イチハ :
「それはそうだけどさぁ……大丈夫かなぁ、この人の証言~……」
スコア :
「大丈夫ですよ、多分。じゃあ、お願いします」
オバサン :
「いざおねがいしますって言われてもねえ、第一発見者と言っても、現場をホログラムで見たんなら、そこはあたしより詳しいでしょう?」
スコア :
「ですけど、所詮ただの再現ですよ。いくらリアルでも本当のリアルじゃありませんから」
オバサン :
「じゃあ、そうね……」
オバサン :
「死ぬほど臭かった」
オバサン :
「それくらいかしら」
赤星 透也 :
「……おお、これはホントに目新しい情報は持ってなさそうだな~」
不破 栞 :
「まあ、腐乱死体があったんだからそうでしょうが……」
スコア :
「う、うん……。そりゃそっか……」
赤星 透也 :
「────ああ、被害者の佐久間について、気になる点はなかったですかね?」
不破 栞 :
「そうですね、普段はどういう方だったんでしょう?」
オバサン :
「システムエン……なんでしたっけ?とにかく自宅勤務の方で買い物のとき以外はほとんどお会いしませんでしたよ」
オバサン :
「会話もあまり……ご近所付き合いもなかったように見えましたし……」
オバサン :
「なので誰かに恨まれるような人には見えませんでしたけどねえ」
不破 栞 :
「なるほど……」
不破 栞 :
「(そんな相手を、犯人はわざわざどうして……?)」
不破 栞 :
「そういえばこのマンション、監視カメラなんかは設置していないんでしょうか?」
オバサン :
「ああ、ありますあります」
オバサン :
「……見ていかれますか?」
スコア :
「え、見せてくれるんですか?」
オバサン :
「まあ、アンタ達、乳はデカいけど熱意もデカいようだから」
不破 栞 :
「……助かります。犯人が映っているかもしれませんので(聞かなかったことにしよう)」
スコア :
「乳のデカさは関係無いでしょ!!」 しかし聞かなかったことにはしない相棒
赤星 透也 :
「あはは……」流石の赤星も愛想笑い
イチハ :
「ともかく監視カメラの映像を確認したら早く帰りましょ、こんなところからは」
スコア :
「ですね……」
スコア :
あ、監視カメラの映像見に行く道中にって感じで一つ聞きたいことがあるんだけどいいかしら
KP :
どうぞどうぞ!
スコア :
ありがと!
スコア :
「……そういえばさっき、買い物の時以外はほとんど会わなかったって言ってましたけど」
スコア :
「佐久間さんにはアンドロイドはいなかったんですか?家事用アンドロイドとかいそうなものですけど」
オバサン :
「そういえば……いなかったかもねえ……」
オバサン :
「システムなんとかなら、アンドロイドの整備とかできそうなものだけど」
スコア :
「いないんだ……興味もありそうなものなのに。珍しいけど、そういう人もいるか……」
不破 栞 :
「……いたら助かっていたかもしれないな」
スコア :
「うーん……。もしかしたらそうかも、ですね……言っても仕方ないことですけど」
イチハ :
「それもボクくらい優秀なアンドロイドだったら、って前提の話でしょ~? ありえない仮定の話をしても無意味ですよ~」
スコア :
「自分で優秀って言うんだ……。新型のVOIDってそういう傾向あるのかなあ」 トモヤのことを思い出す
イチハ :
「まっ、事実ですし~♪」
スコア :
「はいはい」 まあ実際それもそうだ、と頷く
不破 栞 :
「それはそれとして、監視カメラのほうを見ようか」
スコア :
「ん、ですね」
スコア :
監視カメラの映像見させてもらお!
KP :
監視カメラの映像を見れば、8月から9月にかけて佐久間の部屋に訪問者はほぼ見られないことが分かる。
KP :
詳しく調べる場合は≪コンピュータ≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 51 > 成功
スコア :
よしよし!
不破 栞 :
cc<=61(1D100<=61) > 43 > 成功
KP :
2人とも成功!ではですね~
KP :
カメラの映像に改竄したような跡を見つける。別日の映像を貼りつけているようだ。
スコア :
な、なんだと
KP :
さらに≪コンピュータ≫に成功すると映像の復元ができます!判定どうぞ!!
スコア :
やるしかねえ!
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 88 > 失敗
スコア :
ああん
不破 栞 :
なおすぞ~!
不破 栞 :
cc<=61 クレイジーダイヤモンド!(1D100<=61) > 57 > 成功
スコア :
さすマス
イチハ :
っち、ボクに頼らなくても済んだか…
スコア :
温存してて良かったけど何とかなったね
不破 栞 :
めっちゃ重要な判定あったわね…
KP :
では不破さんの手によって元通りに復元され、映像は流れはじめる。
KP :
9月2日の午後3時頃、佐久間の部屋の前に黒いフードを被った人物が現れた。
KP :
扉の鍵をピッキングで開けた後、部屋に侵入。約10分後に部屋から出てくる。
KP :
顔はフードで隠れて見えないが、体格から辛うじて男性だと分かる。
KP :
以上です!
スコア :
同じ犯人…!
不破 栞 :
「これは……!」
スコア :
「マスター、凄いですね……映像を復元出来るなんて」
スコア :
「この黒いフードが、犯人……なのかな」
不破 栞 :
「ドライブレコーダーの映像を修復してた経験が生きるとはな……」
スコア :
「何が役に立つか分からないもんですね」
スコア :
あの、ここでトモヤ君とアンドロイド同士で情報の受け渡しをすることって可能ですか?RPはしなくても情報共有しとくのもアリかなって
KP :
もちろんできます!
スコア :
やった、じゃあします!ここまででお互い分かったことをアンドロイド通信で共有!
ヤオ トモヤ :
了解!こちらもそちらに分かったことを通信で共有します!
スコア :
ありがとありがと!
スコア :
「…………」 通信を終え、閉じていた目を開く
スコア :
「……マスター。どうやらあの黒フード、第一事件現場とも関係があるようですよ」
スコア :
って、第一事件現場の方で得た情報を共有します
不破 栞 :
「……同一犯の可能性があり、か。これは捜査が動きそうだ」
スコア :
「ですね。同じ日だから、田中家から逃げた後こっちに来て佐久間を殺したんじゃないかな」
不破 栞 :
「……被害者に全然共通点がなさそうなのが謎だが、そのあたりを洗ってみる必要があるな」
イチハ :
「……田中家から逃げた後、こっちに来て佐久間を殺した?」
イチハ :
「いや~、それは逆じゃないですかね~旧型ちゃん?」
スコア :
「……あ」
スコア :
「あ、あ~……ほんとですね、逆です逆……!」 恥ずかしそうに笑いが漏れる
スコア :
「なんで間違えちゃったんだろ~……!」
イチハ :
「ぷぷ~っ♪」
イチハ :
「ホントに面白可愛いですねぇ旧型ちゃんは~♡」
スコア :
「うぅ……。ぼーっとしちゃってたかな……」
不破 栞 :
「まあ……昨日今日といろいろあったから疲れてるのかもしれないな」 言っててアンドロイドに疲れとかあるのか? と思いながら
スコア :
「あはは……かもしれません……」
スコア :
「でも、わたしは全然大丈夫です。気を取り直して次の捜査に移りましょっか……!」 照れ隠しの笑顔を向ける
イチハ :
「ホントに大丈夫かな~?」ニマニマと口元を抑え
赤星 透也 :
「ま~本人が大丈夫って言ってるんだし大丈夫でしょ、次の捜査に向かおうぜ」
□捜査結果
□第一事件現場
被害者:田中夫妻(政治家)
致命傷:心臓の刺創
侵入方法:ドアをハッキング
犯行時刻:9月2日午後8時頃
※備考1:被害者達が所有していたアンドロイドは犯人と共に逃亡した模様
※備考2:現場のタブレットに一瞬だけ『EMC』という謎の文字が映された
□第二事件現場
被害者:佐久間彰(SE)
致命傷:心臓の刺創
侵入方法:ドアをピッキング
犯行時刻:9月2日午後3時頃
※備考1:監視カメラの映像が改竄されていた為、遺体の発見が遅れた模様
※備考2:現場の本棚に『人間の脳のつくりについて』記された書籍がある
□共通点
1.犯人は大型ナイフを持った黒フードのアンドロイド
2.被害者は的確に心臓を狙った一撃で殺害されている
3.(恐らく)ハッキングされた痕跡が現場に残っている
KP :
全員の昼のターンが終了したので、夕のターンを開始します!
KP :
残っている探索箇所は以下の通り!
□探索箇所
『第一事件現場』で捜査
『第二事件現場』で捜査
『リボット社』で社長に聞き込み
『総合病院』で遺族に聞き込み
『図書館』で関連書籍の読書/ワード検索
『警視庁』
-解析室で破壊したアンドロイドの調査
-取調室でデクと呼ばれたVOIDに尋問
-ドロ係本部でPCでデータベースを検索
-食堂で食事
スコア :
まだまだいっぱいある!
スコア :
とりあえず、病院は夜鷹くんに行ってもらった方が面白そうね
夜鷹 守人 :
たしかにかに
スコア :
確か被害者の子供がいたんじゃなかったっけ、同じ境遇なんよ
不破 栞 :
なるほどね…!
夜鷹 守人 :
我は汝、汝は我。シンパシー感じちゃう……
ヤオ トモヤ :
なんですよね…問題なければPC1,2は病院に行きたいです‼︎
スコア :
ふわすこはどうしようか
不破 栞 :
どうしようかな~取調室行きたさも行くのちょっと怖さもある
スコア :
リボット社はスコアのこと知らんかなって面でも気になるけど、他の情報調べてからの方が聞き込みしやすそうって思ってる
不破 栞 :
先に解析室とか行ってみるかしら?
スコア :
取り調べ室も栞ちゃんが会いに行くのが良さそうやけどね!じゃあ先に解析室行こうか!
不破 栞 :
そうね!まずはそっちで!
KP :
おけおけ!では守人くんとトモヤくんは総合病院へ、ふわすこは警視庁解析室へ!
KP :
それぞれ誰と一緒にいくかしら?
スコア :
あ、ターン毎に入れ替え出来るのね!
KP :
なのだ!
スコア :
どうしよっか、特に希望無ければ前のターンのコンビのまま行く?
不破 栞 :
一日目はこの組み合わせでもいい気はする
ヤオ トモヤ :
はい、自分もそれでいいかと…!
夜鷹 守人 :
自分も希望は無いかな!
スコア :
じゃあこのままで!
スコア :
遺族の子供相手ならイヌヌワンが何かしらの癒しになるかもしれない
スコア :
ならないかもしれない
不破 栞 :
ヌビリビリ!!
スコア :
でんき/はがね
夜鷹 守人 :
ヌワワ!
ヤオ トモヤ :
ヌワワワン‼︎
スコア :
夜鷹トモヤ・黄海シロウコンビで先に病院行ってもらいましょ!
不破 栞 :
お願いします!
夜鷹 守人 :
いくぞ~!
ヤオ トモヤ :
行ってきまーす!
15 探索:総合病院
同日/EVENING/天気:曇り/総合病院
KP :
アナタ達は都内にある大きな総合病院を訪れる。
KP :
政治家夫妻殺人事件の遺族に聞き込みする為だ。
KP :
────広々としたエントランスには患者や医者と看護師の他に医療用VOIDの姿も見られる。
KP :
こうした光景を見ていると医療現場においてもアンドロイドは必要不可欠な存在となったのだ、と改めて実感できる事だろう。
KP :
それからアナタ達はペット立ち入り禁止の看板を横目に受付を済ませて、被害者遺族である田中雅人との面会を取りつけた。
KP :
受付で教えられた一人用の病室へと向かうと、病室のドアからベッドの上で絵本を読む少年が見えた。
KP :
彼が田中雅人で間違いないだろう。
夜鷹 守人 :
扉を軽くノックする
夜鷹 守人 :
「こんにちは、田中雅人くん……だね?」
ヤオ トモヤ :
夜鷹の後ろに続き会釈する
田中 雅人 :
「…………誰?」
KP :
少年は手にしていた絵本から顔を上げ、アナタ達の言葉に返答もせずに警戒した様子でアナタ達を一瞥した。
夜鷹 守人 :
「警視庁公安部……ああいや、警察の人だよ。ちょっとだけ話せるかな?」
田中 雅人 :
「……やだ」
田中 雅人 :
「だいたいどうして犬が病室にいるの?ここってペット禁止のハズでしょ?」
シロウ :
「わふ?」
黄海 夏央 :
「シロウは警察犬それもアンドロイドですから、通常のペット扱いではないんですよ」
ヤオ トモヤ :
「……雅人くんが嫌ならシロウはこの部屋から出てもらうね。それでいいかな?」
田中 雅人 :
「別に嫌って思ったんじゃないよ、ただヘンだなって思っただけ」
ヤオ トモヤ :
「そっか、ならいいんだ。よかった」
夜鷹 守人 :
「……お話、ちょっとだけでも良いんだ。 駄目かな?」
田中 雅人 :
「…………」
KP :
少年は完全に心を閉ざしている。話を聞くには交渉系技能の判定に成功する必要があります!
夜鷹 守人 :
ククク、50あるんですよ。確率は五分五分というわけです。(めがねくいっ)
夜鷹 守人 :
信用でいきますわよ!
ヤオ トモヤ :
説得で行きます!50!
夜鷹 守人 :
cc<=50 へイターの気持ち通じ合ええええ!!!!(1D100<=50) > 44 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=50 【説得】(1D100<=50) > 98 > 失敗
KP :
本当に幸運になっちゃった守人くん
夜鷹 守人 :
父さん、母さん…俺はやったよ…
ヤオ トモヤ :
流石です、夜鷹さん‼︎
KP :
そんな報告する両親なんて、もう守人くんにはいないんですがね、ガハハ!
ヤオ トモヤ :
ひ と の こ こ ろ
夜鷹 守人 :
クゥーン……
田中 雅人 :
「……話したって意味ないよ」
田中 雅人 :
「お兄さん達も、ぼくの話を信じてくれないに決まってる」
夜鷹 守人 :
「どんな荒唐無稽な話だろうと聞くよ、俺はね」
田中 雅人 :
「ケーサツの人なのに?」
ヤオ トモヤ :
(し、心理学振りたいです。53です)
KP :
Secret dice
KP :
アナタは脇で黙って少年の様子を観察するが、少年はまだ8歳というコトもあり、あまり上手に感情を読みとれない。
ヤオ トモヤ :
「……」黙って2人を観察している
夜鷹 守人 :
「どんなことにも疑ってかかるのは警察の仕事だけど、被害を受けた人に最初から疑ってかかる様なことはしないよ」
田中 雅人 :
「……そっか」
田中 雅人 :
「それなら話すだけ話すよ」
田中 雅人 :
「…………あの日のできごとについて、知りたいんだよね?」8歳とは思えないほどハキハキとした受け答え
夜鷹 守人 :
「ありがとう。話せるところだけで良いよ」
田中 雅人 :
「ええと、あの日、みんなで夜ごはんを食べてたら、急に玄関のドアが開く音がしたんだ」
田中 雅人 :
「それをママが見に行ったと思ったら悲鳴が聞こえて……」
田中 雅人 :
「黒いパーカー?みたいなのを着たアンドロイドが、ナイフを持ってこっちにきた」
田中 雅人 :
「そのアンドロイドがね、ダイスケ────あ、ダイスケって言うのは僕の家にいたアンドロイドなんだけど」
田中 雅人 :
「ダイスケの手を握ったと思ったら、急にダイスケが暴れだしてパパを刺したんだ」
ヤオ トモヤ :
「……(に、握っただけで⁉︎ハッキング、だとしても余りに…‼︎)」
夜鷹 守人 :
「……なるほど。ダイスケも関わっていたか」
田中 雅人 :
「うん……それでね、僕も殺されると思ったんだけど……」
田中 雅人 :
「ダイスケは僕の事、抱きしめたんだ……泣いてた気がする……気がするだけなんだけどね……」
田中 雅人 :
「それから僕、気を失っちゃって……そのあとのことはよく分からない……」
夜鷹 守人 :
「(アンドロイドが、泣いた……?)」
たしかに信じがたいが、声には出さない
ヤオ トモヤ :
「(ダイスケさん……)」
田中 雅人 :
「……ね? お兄さんも信じられないでしょ?」子供の直感で守人くんの心を読む
田中 雅人 :
「わかるよ……このコトは他の大人達にも話したけど……、みんなアンドロイドが人を殺すわけないって信じてくれなかったもん……」
夜鷹 守人 :
「……目敏いね。でも俺が疑ったのはアンドロイドが殺した、の方じゃないんだ」
夜鷹 守人 :
「なぜ泣いたか、だよ。アンドロイドが人を殺すことなんて10年前から知ってるからね」
ヤオ トモヤ :
「……ぇ」動揺で思わず声が出た
ヤオ トモヤ :
「ど、どういうことですか?」
「…は、あの、えっと。夜鷹さん、10年前に誰かがアンドロイドに殺されるのを見たんですか?」
夜鷹 守人 :
「そんなに知りたいのか」
声色が少し冷たくなる
ヤオ トモヤ :
「……ッ」瞬間怯むも
「知りたいです、教えてください。10年前あなたに何があったのか」
夜鷹 守人 :
「……まあ、昔話程度に聞いてください」
雅人くん、黄海さんに一応断っておく
黄海 夏央 :
「…………はい」少し俯き
夜鷹 守人 :
「……俺は、10年前から以前の記憶が無いんだ」
夜鷹 守人 :
「ある日を除いて、な」
夜鷹 守人 :
「それが10年前。俺の母親が目の前で殺された記憶だ」
夜鷹 守人 :
「アンドロイドの手に依ってな」
夜鷹 守人 :
「……この左目も、そのアンドロイドに付けられた傷だ。今でもアンドロイドを見る度に傷が疼くよ」
夜鷹 守人 :
「………俺がアンドロイドを嫌っている理由が理解できたか、トモヤ」
ヤオ トモヤ :
「……」「ッそんな、そんなの……ッ‼︎」
その様はようやく知った相棒の過去をどう受け止めていいものか、混乱しているように見える
ヤオ トモヤ :
「……ッ、‼︎」自らの掌を握りしめる、人造皮膚が張り詰めて製造番号の印字が歪む
ヤオ トモヤ :
「……もうちょっと、はやく言ってくださいよ。きっともうちょっとうまいことできましたよ、私」「夜鷹さん、辛かったでしょ」
夜鷹 守人 :
「そもそも言うつもりも無かった、聞かれない限りはな」
夜鷹 守人 :
「……アンドロイドに、憐れまれたくなんてない」
ヤオ トモヤ :
「そ、うですか……へへ!ごめんなさい、間違えちゃったみたいですね。でも教えてくれれば次からはうまくできるので!」
ヤオ トモヤ :
「…だから夜鷹さんも次からは隠さずに教えてください。嫌いかもしれないですけど、私はあなたの相棒なんですから」
夜鷹 守人 :
「…………………」
返事は返さない。このアンドロイドのように素直に返せるほど、性根はまっすぐではないからだ
夜鷹 守人 :
「……失礼しました。矢代さんに拾われた経緯とで思っておいてください」
KP :
ではここで守人くんの秘匿HOの一部を公開します
□夜鷹守人 秘匿HO
【過去】アナタは『10年前の事件』の被害者/生存者である。
視界いっぱいに広がった血の赤。 鉄と油の臭い。
その中に倒れている自分の母親。
それが当時12歳だったアナタの最後の記憶だ。
まだ幼かったアナタにとっては、その光景はあまりにも衝撃的で、身体は1mmも動かせなかった。
そんなアナタに向かって、赤いナイフを持った機械の手が伸ばされ、そして────
次に目覚めた時、アナタは知らない病院のベッドの上で寝ていた。
事件に巻きこまれたアナタは重傷を負ったが、幸いにも直ぐ病院に運ばれて命は助かったらしい。
しかし、事件のショックからか、アナタは事件以前の記憶を失ってしまっていた。
自分の両親の事も、自分がどんな日常を送ってきたのかも、全て。
そして、代わりに深く深く刻まれた事件の記憶が、アンドロイドに対する恐怖を植えつけたのだ。
そんなアナタの病室に通っていたのが、今の父、夜鷹矢代である。
彼はこの事件担当の刑事で、なにもかも失ったアナタに対し親身に接してくれた。
そうして退院後に本来であれば施設に行くハズであったアナタを、彼は"養子"として引きとった。
その頃、赤星透也と出会った。
どうやら赤星も矢代に恩があるらしく、昔から頻繁にアナタ達の家に訪れていた。
記憶を失ったアナタにとって、彼等は本当の家族のようにも思えたかもしれない。
KP :
と守人くんが語った通りの過去でした
夜鷹 守人 :
そういうことなんデス
ヤオ トモヤ :
なるほどなんデス
黄海 夏央 :
「…………」自分の胸倉を掴み、黙って二人の話を聞いていた
田中 雅人 :
「……お兄さん」
田中 雅人 :
「これ、あげるよ」
KP :
小さな男の子はそういって、手にしていた絵本を守人くんに差しだした。
夜鷹 守人 :
「絵本……?」
表紙を見てみましょう
KP :
タイトルは『ポコとボク』、どうやらアンドロイドと人間の男の子が主人公の物語のようだ。
田中 雅人 :
「……僕、このおはなしが大好きなんだ」
田中 雅人 :
「なんだか読んでいると、寂しいような優しいようなフシギなきもちになるから」
田中 雅人 :
「だからさ、お兄さんのアンドロイドが嫌い、ってきもちも、コレを読めば少しは安らぐかなって」
夜鷹 守人 :
「……俺の、気持ちが……」
表紙をジッと見つめる
夜鷹 守人 :
「……ありがとう、大事にさせてもらうよ」
田中 雅人 :
「……うん」
夜鷹 守人 :
本を開いて読ませてもらいましょ!絵本読むの何年ぶりなんだろ
KP :
12歳までの記憶がないから、思いだせないかもしれないですね…
KP :
ではでは絵本の内容を提示します!
□絵本
題名:『ポコとボク』
概要:アンドロイドと人間の男の子が主人公の物語
作者名:『kanae』
発刊日:西暦2039年
ある町にボク君とよばれるおとこの子がいました。
ボク君はボクという名前ではありませんが、いつも「ボクはね、」と話すので、ボク君とよばれるようになったのでした。
そんなボク君はいじめられっ子でした。
ボク君はまわりの子よりも声も体も小さく、勉強が苦手で、サッカーではシュートしたことがありません。
そんなボク君を、まわりの子はバカにしました。
悲しくなったボク君は、外で遊ばなくなりました。
おとうさんはそんなボクくんを心配して、ボク君のたんじょう日に、プレゼントを送ることにしたのです。
それはボク君と同じ大きさの、アンドロイドでした。
ボク君はよろこんで、そのアンドロイドに『ポコ』と名前をつけたのです。
ボク君とポコは毎日一緒にあそびました。虫をとりにいったり、サッカーをしたり、ひみつきちを作ったり、ときには勉強も。
ある日ボク君とポコが町を歩いていると、あのいじめっ子たちがやってきました。
いじめっ子はアンドロイドがうらやましくなり、ポコを傷つけはじめます。
しかし、ポコはいじめっ子にやりかえすことはなく、ボロボロになってしまいました。
ボク君は泣きながらポコにいいました。
「どうしてやりかえさないの?」と。
ポコはいいました。
「あのね、ボクくん。いつでも強くて、正しくて、完璧なニンゲンなんていないんだよ。
あの子だってほんとうは、わるい子じゃないかもしれない。だから、やりかえしちゃだめなんだよ」
そういってポコは、動かなくなりました。
それからボク君はたくさん勉強して、大人になりました。
大人になったボクくんは、ぴかぴかになったアンドロイドに『ポコ』と名前をつけてあげるのでした。
めでたしめでたし。
田中 雅人 :
「……ねえ、お兄さん達はさ」
田中 雅人 :
「ぴかぴかになったポコはボク君の友達のポコだと思う?」
夜鷹 守人 :
「……どうだろうな。スタックを移植して、記憶がそのままならポコと呼べるのかもしれないが……」
夜鷹 守人 :
「……いや、これはスワンプマンと同義か。その人物そのままだが、正確には違う……」
黄海 夏央 :
「私は……同じポコだと思います」
黄海 夏央 :
「1回壊れたら終わりなんて、そんなの悲しいじゃないですか」
シロウ :
「わぅん……」
ヤオ トモヤ :
「私は……ボク君が修理してまた会いたいと思ってくれるなら、記憶がなかったとしてもそれはポコになるのだと思います」
田中 雅人 :
「だよ、ね」
田中 雅人 :
「……うん、そうだよね」
田中 雅人 :
「よかった、この話に本気で取りあってくれる人がまわりにいなかったから、少しだけ心配だったんだ、僕がおかしいんじゃないかって」
田中 雅人 :
「ありがとね、お兄さん達! なんだかいろいろなモヤモヤが晴れたよ!」
夜鷹 守人 :
「? ああ、助けになれたのなら何よりだよ」
ヤオ トモヤ :
夜鷹の発言に頷いて
夜鷹 守人 :
「さて、そろそろお暇しようか。話を聞かせてくれてありがとう、雅人くん」
この本もね、と示して
黄海 夏央 :
「そうですね、あんまり長居するのも」
田中 雅人 :
「……うん、さよならお兄さん達」
田中 雅人 :
「きっと犯人を捕まえてね!」
夜鷹 守人 :
任せろ、と親指を立てて見せよう
ヤオ トモヤ :
「うん。必ずね!」頷いて
KP :
事件解決を託されたアナタ達に、少年はこの日はじめての笑顔を見せた。
KP :
────そんな少年に見送られ、病室を後にする。
KP :
そして、エントランスを通って、総合病院を後にしようとした時だった。
KP :
アナタ達は受付近くに人混みがある事に気付く。
KP :
看護師達が退院患者と思しき男性と家族を取り囲み「おめでとうございます」と声をかけながら見送りをしているようだ。
KP :
ここで≪アイデア≫または≪目星≫の判定どうぞ
夜鷹 守人 :
cc<=90 ほいつ(1D100<=90) > 83 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 91 > 失敗
夜鷹 守人 :
出目が高くなって来たぞ
KP :
INT18でなければ即死だった
ヤオ トモヤ :
夜鷹さんわかってくれててよかった‼︎
KP :
では守人くんだけは気が付く。
KP :
周囲の人間は晴れやかな表情をしているのに、そんな中心にいる退院患者と思われる男性の顔に浮かんでいる感情は歓喜でも安心でもない。
KP :
なにもない。
KP :
そこにあったのは無表情であった。
KP :
男性の顔からは全くと言っていいほど何の感情も読み取れないのだ。
KP :
そんな不可解な光景を目撃してしまった守人くんはSANチェックをどうぞ!
KP :
成功で0、失敗で1のSAN値減少になります!
夜鷹 守人 :
cc<=52(1D100<=52) > 40 > 成功
夜鷹 守人 :
へ、なんてことはねぇ
KP :
今日は全て判定に成功している最強コンディションの守人くんだ…
夜鷹 守人 :
アンドロイド四天王がおかしかったんだ…
夜鷹 守人 :
これ看護師に話し聞いたりできる?
KP :
話に行く、という行為自体はできます!
夜鷹 守人 :
おk!それじゃちょちょっと話を聞きにいきましょ
KP :
ではアナタは患者と看護師達に向かってツカツカと歩いてく。
KP :
少し距離があった為、辿り着く前に患者と家族は病院から去ってしまったが、看護師から話を聞く程度はできそうだ。
夜鷹 守人 :
「失礼、今の患者さんは……」
看護師 :
「……ええと?」いきなり声をかけられ小首を傾げている
夜鷹 守人 :
「おっと、俺は公安部第五課の刑事です。今の患者さんが気になったのでつい」
手帳を見せよう
看護師 :
「ああ、刑事さん!田中雅人くんの面会に来たって刑事さん達!」
看護師 :
「いまの患者さんと言いますと……宮川さんのコトでしょうかね?」
夜鷹 守人 :
「ええ、周りと比べると宮川さんは何だか……無表情、と言いますか。あまり嬉しくなさそうで」
看護師 :
「……そうでしたか?」
看護師 :
「私共には分かりませんでしたが」
看護師 :
「……ええと、それって捜査と関係があるんでしょうか?」
看護師 :
「もしないのであれば、これ以上は守秘義務でちょっと!」笑顔を浮かべる
夜鷹 守人 :
これはこれ以上ない感じかな!掘り返せそうなら信用技能振ってみようかと思うんだけど
KP :
これ以上はないですね!材料がない限り信用を振っても通用しない!!
夜鷹 守人 :
おっけ!潔く引きさがりましょう
夜鷹 守人 :
「いえ、ただ単に興味を引かれたもので」
失礼しました、と離れよう
看護師 :
「そうですか」
黄海 夏央 :
「……そろそろ戻りません守人さん?病院の方々に余計な不安を与えてもいけないですし、なんだか警戒されてる気も」そっと耳打ちする
ヤオ トモヤ :
「……私もその方がいいかと」小さく相槌をうつ
夜鷹 守人 :
「そうしましょうか……、迷惑をかける前に早々に立ち去りましょう」
宮川さんに抱いた違和感を拭いきれずに、そっとメモの片端に記す
ヤオ トモヤ :
それを見て思い出したのか、スコアに得られた情報を送信する
スコア :
受信!するけど、夜鷹くんの過去についてはどうなんだろ、知ってもいいことなんかな
スコア :
勝手に教えられたくないって感じなら、雅人くんの話だけでも構わないけどどうする?
ヤオ トモヤ :
そうですね、ありがとうございます!今回は夜鷹さんの過去については省いておきます。事件の顛末のみで!
夜鷹 守人 :
えらいぞ
不破 栞 :
えらい!
スコア :
了解了解ー。RPは省くけど、情報受け取ってマスターとも共有した感じで
ヤオ トモヤ :
了解‼︎助かります…!
不破 栞 :
共有されたぜ!
16 探索:警視庁 解析室
KP :
では総合病院の聞き込みを終え、視点をふわすこに移していきましょう
KP :
時系列としては守人くんとトモヤくんの聞き込み後、つまり諸々の情報共有を受けた状態からはじめましょうか
KP :
ふわすこは監視カメラの映像を確認・復元していた時間もあったので、少しズレがあるということで
不破 栞 :
了解!
スコア :
OKOK
同日/EVENING/天気:曇り/警視庁解析室
KP :
アナタ達は警視庁の解析室を訪れる。
KP :
沢山のパソコンやモニターと大型の機械に囲まれていて少し圧迫感のある暗い部屋だ。
KP :
中央には手術台と似た寝台が置かれ、その上に茶髪のアンドロイドが寝かされている。
KP :
その傍には青木とレミが立っている。
KP :
どうやら解析の途中のようであった。
スコア :
「こんにちは~」 挨拶しつつ近付いて行く
青木 玲斗 :
「あ、ど、どうも……」
不破 栞 :
「お疲れ様。解析の方は順調か?」
レミ :
「それが~……、解析の方はちょっと~……」
青木 玲斗 :
「落下の衝撃で内部のダメージも深刻でして……この分だとデータを取るのも難しいですね……」
レミ :
「50階のビルから落下して二次被害がなかったのは良かったですけどね~」
スコア :
「あー、やっぱり。そりゃそうだ」
不破 栞 :
「そうか……仕方ないな……」期待は薄かったが、スタックから復元できる可能性がなくなったことを少し残念に思う
青木 玲斗 :
「ただやはり気になるのは型番やマークの記載がどこにもないことでしょうか……、あったものが消されたのか、それとも元々なかったのか……」
KP :
寝台に目を向けると、昨晩は屋上で対峙していた少年アンドロイドが横たわっている。
KP :
バラバラになったパーツは繋いであるが、皮膚は剥がれて内側の機械が見えている。
KP :
人間の死体ではないとはいえ、同じ人型のモノのこのような惨状に、
KP :
解析室には緊張感とも不安感とも取れるようなナニカが流れていた。
KP :
とここでSANチェックになります!
KP :
成功で0、失敗で1d2のSAN値減少!!
不破 栞 :
cc<=58(1D100<=58) > 66 > 失敗
スコア :
CC<=48 SAN(1D100<=48) > 10 > 成功
不破 栞 :
1d2(1D2) > 2
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 58 → 56
KP :
最大値を引いていく不破さん
スコア :
わたしよりショックを受けているマスター
不破 栞 :
デクは話が通じたからこっちもなんとか……って思っとったね……
スコア :
「うーん……型番やマークが無いこともですけど、物凄く精巧な見た目で人間かと思っちゃいましたよねえ……」
スコア :
「今はもう見る影も無いって感じですけど」 多少はゾッとする気もするが、所詮機械だと割り切っている
不破 栞 :
「……」 ちょっと青い顔をしている
スコア :
「……?マスター?大丈夫です?」
不破 栞 :
「あ、ああ……あんまり人間に似てるものだからちょっとな……」
不破 栞 :
「もう大丈夫だ……」
スコア :
「ほんとですか?怪我のこともあるし、無理しちゃダメですよ」 心配そうに見てる
イチハ :
「そ~そ~、今度は自分が寝台送りになるのはイヤでしょ~?」
イチハ :
「あっ、ぎゅ~ってしてあげよっか~? なんかそれで落ち着くんでしょ人間って~?」両手を広げてニマニマ笑う
スコア :
「ちょっと、やめてくれません?そういうのはわたしの仕事なんですけど」 栞に横から抱き着いて、威嚇するように見る
不破 栞 :
「どういう仕事だ、どういう」抱き着かれてる
イチハ :
「不破さんって、やっぱりそーゆー……」うわ、と口元に手を当てて一歩下がる
スコア :
「そりゃ、マスターが不安になった時もちゃんと傍にいる仕事ですよ」 イチハを無視して、抱きしめ続けながら笑っている
不破 栞 :
「なんで下がる!? まあ、そういう役目はスコアで間に合ってるから君の手を煩わせることはないさ……」
イチハ :
「そういう役目って……アンドロイドフェチなんだあ……うわ~実物は初めて見た~……」
イチハ :
「交通課のアンドロイドってそういう用途なんだあ……」
不破 栞 :
「ばかっ……そういうのじゃなくてだな……!」 ちょっと顔を赤くして反論
スコア :
「ふふっ……まあ、ご想像にお任せしますよ」 動揺する栞を見てニヤニヤと笑っている
赤星 透也 :
「……あんまり他人の倒錯した趣味のコトは言及しない方がいいぞイチハ」苦笑いで
イチハ :
「はいは~い♪」顔を赤くした不破さんを見て満足したのか口元に笑みを浮かべる
不破 栞 :
「まったく……今日はこんな話をしにきたんじゃなくてな」
不破 栞 :
「昨日の怪我を見て貰おうと思って来たんだ。頼めるか?」
スコア :
「そうですね。解析が終わるのを待ってたんですよ」 栞から離れて
レミ :
「ああ、そうでしたね~」
レミ :
「……ええっと、ちょっと待って下さい~」
KP :
レミは言いながら壁際の薬品棚をガサゴソと漁りはじめた。
レミ :
「あら~……? おかしいですね~、たしかこのあたりに~…………」
青木 玲斗 :
「────レミさん、それなら4番の棚にあったハズですよ」
レミ :
「あ、あ~……、そうでしたそうでした~……」恥ずかしそうに笑う
青木 玲斗 :
「レミさんは優秀ですが、旧型なのでメモリ容量が少ないんですよね」
青木 玲斗 :
「なので物忘れが……」
レミ :
「も、も~、バカにしてます~!?」
不破 栞 :
「そういうものなのか……(たまにスコアが物忘れするのも?)」
スコア :
「なるほどね~。でも、今みたいにパートナーがフォローしてくれるなら問題ないもんですね」 微笑ましそうに見てる
レミ :
「ふふっ、アンドロイドを人間がフォローするなんて本末転倒な気もしますけどね~」嬉しそうに笑う
レミ :
「でも私はスコアさんが羨ましいですよ~」
レミ :
「だってスコアさん、私よりも古いモデルのハズなのに、私よりも性能が高いですし~……」
レミ :
「演算機能も身体能力もメモリ容量も、新型アンドロイドと同じくらいじゃないですか~……」
スコア :
「おや、褒めても何もでませんよ?」 羨ましがられて悪い気はせず、笑みを零す
スコア :
「……っていうか、わたしって新型と同じ位でした?あんまり新型のスペックって知らないんですよね」
イチハ :
「…………そんなハズないでしょ」
イチハ :
「ボクの方が優秀に決まってますよ」
不破 栞 :
「私はスコアとしか捜査で組んだことがないからわからないが……そこまでなのか?」
青木 玲斗 :
「そうですね、身体能力はともかく、基本性能は新型と同じだと思います」
青木 玲斗 :
「一度、優秀な技師の改造を受けたのではないかと」
不破 栞 :
「なるほどな……誰かはわからないが、一年以上前にそれだけのレベルの改造ができたなら相当な技術者だろうな」
不破 栞 :
「(ますますなんでゴミ捨て場に廃棄されていたのかわからないが……)」
スコア :
「そういうことかー……あんまり自分の事って興味無いから、全然考えもしなかったですね」
イチハ :
「…………」拗ねたように押し黙る
スコア :
「…………」
スコア :
「なんかこれ、旧型いびりが激しくなりそうな感じしますね」 イチハの様子を見て
イチハ :
「……別に旧型ちゃんなんて、あうとおぶがんちゅーだし」
イチハ :
「結果で新型と旧型の差はハッキリするだろうし~? 要らない心配じゃないかな~?」
スコア :
「ほぼ拗ねてるじゃないですか!」
スコア :
「大丈夫かなあ……今日ずっとこんな感じですよ。レミさんが言ってた肩身が狭いっていうのが分かってきましたよ」
不破 栞 :
「アンドロイドの世界も複雑なんだな……」
レミ :
「ふふっ、でもスコアさんとイチハさんは、人間社会にあるライバル関係みたいで、なぜだか楽しそうに見えますけどね~」
スコア :
「えぇ~……」
イチハ :
「ボクもそうは思わないけど……」
スコア :
「……まあ、何でもいっか。今はそれより、マスターの治療を済ませましょ」 大丈夫でしょ、と楽観的に考えることにした
不破 栞 :
「そうだな、さっと見て貰おう」
レミ :
「ああ、そうでしたね~」
レミ :
「いま見つかりました~おまたせして申し訳ありません~……」棚から何かを取り出し
レミ :
「それでは患部のおなかを出してくださいね~?」不破さんに椅子に座るよう促し、ツカツカと靴音を鳴らして歩み寄る
不破 栞 :
「ああ」ワイシャツごと服をたくしあげる
レミ :
「それでは少し痛みますが、ガマンしてくださいね~」
KP :
レミは不破さんの腹部に、薬棚から出した何かを突きつける。
KP :
それは真っ白な拳銃だった。
不破 栞 :
「何……!??」
スコア :
「な……何してるんですか!?」 反射的に白い拳銃を掴んで止めようと手を伸ばす
レミ :
「えっ……あっ……」
青木 玲斗 :
「レミさん、ソレの説明を忘れてますよ……」
レミ :
「ごめんなさい、またうっかりしてました~……」
レミ :
「わ~……、今日はホントにダメですね~私~……」
スコア :
「い、いや、別にそんなことないですよ。ねえマスター」 医療道具であると理解する
不破 栞 :
「あ、ああ……少しびっくりしたが……」
不破 栞 :
「それにしても始めて見る器具だな。なんでこんな紛らわしい形に……」
レミ :
「ええとですね~?これはこんなカンジで~……」
KP :
言いながらレミは自身の右手に銃口を向けて引き金を引いた。
KP :
すると銃口からは白い泡がモコモコと溢れてきた。
レミ :
「治癒効果のあるあわあわを出す最新の医療道具なんですよ~」
レミ :
「このあわあわが一瞬で傷口を塞いでくれる、というスグレモノでして~」
レミ :
「拳銃の形状をしているのは、小さな傷跡から的確に、傷の奥まであわあわを届ける為ではないかと~」
スコア :
「えぇー、凄い……!一瞬で!?このあわあわが……!?」
不破 栞 :
「それは凄いな……! じゃあ、改めてやって貰おう」
レミ :
「一瞬で傷を塞ぐ、と言っても、ちゃんとした回復は本人の治癒能力をサポートするだけなので時間がかかるんですが、鎮痛効果もあるのでラクにはなるかと~」
スコア :
「なるほどなー……」
レミ :
「では行きますね~少し染みますよ~」
不破 栞 :
「……」身構えている
KP :
レミは再び銃口を不破さんの傷口に突きつけ、今度は引き金を引いた。
KP :
不破さんは自分の体内で白い泡が広がり、そして急速に固まって仮の肉に代わったのが分かるだろう。
不破 栞 :
「っ……!」 痛みで一瞬目を瞑る
スコア :
「……どんな感じですか?マスター」
不破 栞 :
「おお、確かに凄いな……接着剤でくっつけたみたいな感覚だ」
不破 栞 :
「今はこんな簡単に傷口が塞げるんだな……」
レミ :
「ふふ~、久しぶりでしたけど上手くいったみたいでよかったです~」
レミ :
「これの構想自体は30年前────2020年のアメリカ軍にあったアイデアが、最近になって漸く実用化されたモノらしいですよ~」ぴんと人差し指を立て得意げに
スコア :
「へー、30年もかかってついにですか……凄い……」
不破 栞 :
「アンドロイド技術の発展が目覚ましいからそっちに目が行きがちだが、医療も進歩しているんだな……」
イチハ :
「だけど人間って不便ですね~?アンドロイドならパーツを替えれば済むのに~」
スコア :
「仕方ないですよ。人間は生きてるんですから」
不破 栞 :
「そうだな」
不破 栞 :
「人間もアンドロイドのように人格をスタックできれば、悩みも減るのかもしれないが……」
スコア :
「色んな技術が進んでるのを見ると、いつかはそういうことにもなるかもしれませんね」
不破 栞 :
「……技術的な話よりも倫理的なハードルが高いかもしれないな」
赤星 透也 :
「もしそんなコトになったら、いよいよ人間とアンドロイドの境界が曖昧になるだろうな~……」茶髪のアンドロイドに目を落とす
スコア :
「なんか最近そんな話したなー……」 誘導されるように茶髪のアンドロイドを見る
KP :
では茶髪のアンドロイドを見たところで、解析室での調査を開始します!
不破 栞 :
調べるぜ~!!
スコア :
調査!出来るんだ!
KP :
【探索箇所】茶髪のアンドロイド
KP :
1箇所しかありませんが、茶髪のアンドロイドを詳しく調べる場合は≪目星≫の判定をどうぞ!
スコア :
見るぞー
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 54 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 59 > 成功
KP :
では2人はアンドロイドの手の甲に小さな傷がある事に気が付く。
KP :
よくよく見れば、そこには『1310』と数字が彫られていた。
KP :
以上です
スコア :
あるじゃないか番号!
スコア :
「……あれ。これって……数字じゃないですか?」 手の甲を指差す
不破 栞 :
「本当だ。型番……とは違うのか?」
青木 玲斗 :
「あれ……なんでしょう、気づきませんでした……」
青木 玲斗 :
「型番、とは違うと思います……型番はアルファベットと数字というのが原則ですからね……」
青木 玲斗 :
「なによりこれは人為的なモノに見えます……」興味深そうに見ている。
不破 栞 :
「そうか……だとしたら一体?」
スコア :
「なんか傷っぽいですもんね。うーん、何だろう……」
青木 玲斗 :
「なんでしょう……俺にはさっぱり……」
青木 玲斗 :
「でも確か、この手にはルミノール反応が出てたと思います」
青木 玲斗 :
「指先から手首まで、夥しいほどの血液の反応が出ていたんです」
不破 栞 :
「ほう、じゃあ人間の血が?」
青木 玲斗 :
「はい……でも、このアンドロイドがビルの事件で使用していた凶器は拳銃でしたから、手にルミノール反応が出るのはフシギなんですよね……」
青木 玲斗 :
「拳銃の返り血で付く血液量じゃなかったですし……」
スコア :
「うーん……なんでだろ」
スコア :
前に屋上で相対した時は、手に血がついてはいなかったのかな?
KP :
ほぼついてなかったですね、それ以前の血痕と考えるのが自然。
スコア :
なるほどね!ありがとう
スコア :
「確か、昨日見た時はほとんど血もついていなかったし……もっと前ってことになるのかな」
不破 栞 :
「あれ以前にも誰か手に掛けていたのか? そんな事件は上がっていなさそうだが……」
スコア :
「分かりません。まだ見つかってない事件もあるかもしれませんしね……」
青木 玲斗 :
「以前の事件……?」
不破 栞 :
「何か気になることでもあるか?」
青木 玲斗 :
「…………あの不破さん、1ヵ月ほど前にあったアンドロイドによる殺人事件の被害者の致命傷って?」
不破 栞 :
「死因は……ナイフだったな」
不破 栞 :
「その事件も、彼がやったと?」
青木 玲斗 :
「はい……ナイフで人間を刺した際に付着した返り血、と考えれば手首までルミノール反応が出てもフシギではないかと……」
不破 栞 :
「なるほど、普通の事件なら偶然で片づけられるが……」
不破 栞 :
「アンドロイドの場合はそうはならないということか。そもそも人間に危害を加えることが極まれだ」
赤星 透也 :
「だけど、そうなるとますます残念だな……コイツが一連の事件の犯人だとして、こんな状態じゃあ動機も何も分からない……」
不破 栞 :
「ああ、大きな手掛かりを失ったことになるな……」
スコア :
「いやー、でもまだ犯人だと決まったわけじゃないですよ」
スコア :
「それに、このアンドロイドのことならデクが何か知ってるかもしれませんしね」
イチハ :
「デク……?ジャンクだいすきな不破先輩が引きとってきたテロリストアンドロイドでしたっけ~?」
スコア :
「わたしのことしれっとジャンク扱いしないでくださーい」
イチハ :
「おっとごめんなさ~い♪ きづかなかったで~す♪」
スコア :
「全くもう」
不破 栞 :
「……いろんな意味で、彼が生きてて本当によかったよ」
不破 栞 :
先ほど塞いだ傷口を触り、屋上での事を思い出す。
スコア :
「ですね。もう少し落ち着いたら、彼に話を聞くのも良いと思いますよ」
スコア :
「マスターの事は信用してくれてますしね」
不破 栞 :
「そう簡単な話でもないと思うが……そうだといいな」
不破 栞 :
「とにかく、私たちが次にやることは決まったわけだ」
スコア :
「そうですね。がんばりましょ、マスター」
青木 玲斗 :
「……すみません、折角きてもらったのに俺達、あまり力になれなくて」
レミ :
「仕方ないですよ青木さん~……ビルに複数いた黒い機体も解析しましたけど、どういう訳かデータが全て消されていたんですから~……」
スコア :
「いえ、マスターの治療してくれたり、色々力になって貰ってますけど……」
不破 栞 :
「ああ。それに結果的に情報が得られなかったとしても、必要な調査だったからな……お疲れ様」
スコア :
「っていうか、あのアンドロイドのデータも消されてたんですか?ちゃんとスタックが残るように倒したはずなんですけど」
レミ :
「ええ、ほとんど機体のスタック自体は残っていたんですけどね~? その中身がカラだったんですよ~」
レミ :
「もしかしたら遠隔操作か、自動でデータが消されるようなシステムが導入されているのかもしれませんね~」
スコア :
「あ~……なるほど、抜け目のない……」
不破 栞 :
「だとしたら、敵は相当上手だな……」
青木 玲斗 :
「……ああ、でも一応は分かったコトもあるんです」
不破 栞 :
「分かったこと?」
青木 玲斗 :
「はい……もう一通りの機体を見ましたが、やはり構造はVOIDと同じだというコト……」
青木 玲斗 :
「上層部は模倣品の可能性もあると言っていましたが、たとえ販売されているVOIDを解体したとしても、ここまで精巧なものを作るのは一般人には無理だと思います」
青木 玲斗 :
「部品の製造なんかの問題もありますから」
青木 玲斗 :
「誰かがアンドロイドを操作している……と考えるのが妥当ですが、どうしてアンドロイドの必要があるのか……」
青木 玲斗 :
「もちろん指紋などを残さない、自分の手を汚さなくていいといったメリットはありますが、逆に言えばこのアンドロイド自体が大きな証拠になるかもしれなかったのに……」
青木 玲斗 :
「あ、すみません、長々と語っちゃって……」
スコア :
「いや、全然良いですけど」
不破 栞 :
「それについては、私も気になっている」
不破 栞 :
「ここまでの技術を持っている人物は、国内でもほとんどいないだろう。現時点でも容疑者はかなり絞れるはずだ」
スコア :
「模倣品の可能性が無いとなると、もうリボット社の人間くらいしか思いつかないですよね」
赤星 透也 :
「いや、リボット社の人間は流石にないんじゃないか?」
スコア :
「え、何でです?」
赤星 透也 :
「リボット社を疑っている現状がさ」
赤星 透也 :
「もしリボット社の人間が本当の犯人なら、もっと関係が匂わない様に事件を起こすんじゃないか?」
イチハ :
「それにこんな事件を起こして、最も被害を被るのはアンドロイドの製造元であるリボット社ですし~」
イチハ :
「相応の動機がなければ、わざわざ足がつきそうなアンドロイド犯罪なんて好んで起こさないと思うな~」
不破 栞 :
「なら、リボット社に疑いを向けたい第三者ということになるが……」
不破 栞 :
「社外でそんな技術を持っている人間がいるかといえば、難しいな」
スコア :
「部品の問題も技術の問題もカバーできるのは、今のところリボット社しかいないな~……とは思ったんですけど……」
スコア :
「まあ、絶対にそうとも流石に無いともまだ決めつけれませんね。もっと色々調べてみないと」
赤星 透也 :
「そうだな、まだ捜査は序盤も序盤だし、アタリは付けず広い視野を持っていこうぜ」
スコア :
「ですね。可能性の一つとして考えておく位にしときましょ」
不破 栞 :
「そうだな……今は情報を集めて行こう」
スコア :
「じゃあ、そろそろ行きましょっか。っていっても、もう夕方ですけどね」
不破 栞 :
「ぼちぼち定時だな……」
青木 玲斗 :
「あ、ああ、もうそんな時間ですか……」
青木 玲斗 :
「そうだスコアさん、これからドロ係のアンドロイドのメンテナンスを……」
スコア :
「え?メンテナンス?今からですか?」
青木 玲斗 :
「はい……毎日、簡単なメンテナンスをしてほしいと夜鷹係長から言われてまして……」
スコア :
「なるほどー……そういうことでしたか」
スコア :
「…………」
スコア :
「うーん、ごめんなさい。お断りします」
青木 玲斗 :
「えっ」
不破 栞 :
「どうしたんだ? スコア」 少し驚いて
スコア :
「いや、だって……」
スコア :
「玲斗さんに体触られるのは……ちょっと……」 冗談っぽく笑って
青木 玲斗 :
「えっ!?!?」
不破 栞 :
「ははは……フラれたな、青木君」
青木 玲斗 :
「ちがっ、ちがいますよっ!? 俺はそういうのじゃ!!!!」冗談に気付かず明らかに動揺して弁明する
スコア :
「や、うそうそ!ごめんなさい、冗談ですよ。そんな酷い理由では断りません」 動揺っぷりが面白くて笑いながら
青木 玲斗 :
「あっ、じ、冗談……? き、旧型モデルにもジョークプログラムってあるんですね……」顔を赤くしながら、ほっと胸を撫でおろし
スコア :
「ふふっ、わたしは冗談好きですから」
スコア :
「……ちゃんと真面目に答えるとですね。わたし、メンテナンスって自分でやってるんです」
レミ :
「ああ~、セルフメンテナンスですか~」
スコア :
「はい。どっちかというと、そんなことするアンドロイドは少数派だと思うんですけど……」
スコア :
「わたしは自分で自分の体を、ちゃんと直せるようになっておきたいんです」
レミ :
「ふふっ、いい心掛けだと思いますよ~」
レミ :
「医療専門モデルの私からすると、本当に多機能で羨ましい限りです~」
スコア :
「ふふっ、そんな多機能ってほどじゃありませんけどね」
不破 栞 :
「そうだったのか……」 結構長いこと一緒に居るのに知らなかったのでちょっとショック
スコア :
「……あれ、なんかショック受けてます?マスター」
不破 栞 :
「……なんとなく、お前のことはだいたい知ってるつもりだったからな。びっくりしただけだ」
スコア :
「あ~……」
スコア :
「いや、でもマスターにはあえて黙ってたんですよ。今まで聞かれなかったっていうのもありますけど」
スコア :
「どうして黙ってたか、分かります?」
不破 栞 :
「……どうしてだ?」
スコア :
「それはですね~……」
スコア :
「……わたし、マスターと初めて会った時、足が壊れてて一人では動けなかったじゃないですか」
不破 栞 :
「ああ……そういえばそうだったな」
スコア :
「あの時、マスターが助けてくれて嬉しかったですけど……思い出してみると、怖くもなるんです」
スコア :
「もしもまた自分一人で動けない状態になって……」
スコア :
「それがもし、マスターの身に危険が迫ってる状況だったらどうしよう、って」
不破 栞 :
「スコア……」
スコア :
「そんな時、自分で応急処置程度でも修理出来たら、もしかしたらマスターのために動くことが出来るかもしれないじゃないですか」
スコア :
「だから、そういう時のためにいつも自分でメンテナンス出来るようにしとこうって思ってるんですけど……」
スコア :
「…………」
スコア :
「なんか……あれですよね!一人で勝手に心配してるみたいで、わざわざこんなこと言うのもな~って!!」 えへ、と照れたように笑う
不破 栞 :
「いや……」
不破 栞 :
「ありがとうな。その、いろいろ考えてくれて」 うまく言葉が出てこず、誤魔化すように笑う
スコア :
「マスター……」 笑顔を見て、少しほっとしたように
スコア :
「いえいえ。いつも色々と考えちゃう性分ですから」
スコア :
「ま、まあ、そういうわけなんです。だから何も知らなかったとか、そういうの気にしないで下さい」
不破 栞 :
「そこまで言うならわかったよ。でも、本当に調子が悪いときは専門家に見てもらうんだぞ」
スコア :
「はい、それはもちろんっ。そういう時はちゃんとお願いしますから」
青木 玲斗 :
「そ、そういうことなら……」
レミ :
「少し不服そうですけど、本当はセルフメンテナンス大歓迎ですよね~?おかげさまで青木さんの仕事もラクになりますものね~?」
青木 玲斗 :
「うっ、まあ、はい……自分の仕事がなくなるのは複雑ですが…………」
青木 玲斗 :
「でも何かあればメンテナンスを受けにきてくださいね……『夢を見る』という謎の症状のアンドロイドもいるようですし……」
スコア :
「え、夢?そんなアンドロイドいるんです?」
青木 玲斗 :
「はい……BR800、つまりトモヤさんのコトなんですが……」
青木 玲斗 :
「『夢』は生き物が睡眠時に記憶整理する為の機能ですから、アンドロイドが夢を見るハズはないんですが……どうしてでしょうね……」
スコア :
「現実的に考えれば、ソフトウェアのエラーかなあ……」
スコア :
「でも個人的には、アンドロイドが夢を見るっていうのは面白くて良いですね。わたしも見れるなら見てみたいですよ」
スコア :
「マスターと一緒に、どこかのお店でご飯を食べたりお酒を飲むような夢が見たいな~」
レミ :
「あらあら~素敵ですね~」
レミ :
「でも実際に行けばいいじゃないですか~? 不破さんの疲労回復にも繋がりますしイイと思いますよ~?」
スコア :
「そうなんですけど、VOIDは飲食出来ないじゃないですか。でも、夢なら叶うかな~って思っちゃって」
レミ :
「ああ~……そういう機能の付いたソムリエ等のアンドロイドでなければ飲食できませんものね~……」
不破 栞 :
「食べられないのは仕方ないが……今度、どこかの店に行こうか?」
不破 栞 :
「最近はアンドロイド入店禁止の店がかなり多くなってきたが……探せばあるだろうしな。二人で過ごせる場所」
スコア :
「わー、行きたいです!行きましょ行きましょ!次の休みにでも是非!」 嬉しそうに栞の腕に抱き着く
不破 栞 :
「はしゃぐなはしゃぐな。じゃ、週末まで頑張るとして、今日は終業の準備をするか」
スコア :
「はーい、了解でーす」
不破 栞 :
ふふっ、とどこか嬉しそうに鼻で笑って解析室を後にしよう
KP :
では最後に解析室で受けた治療ナドについて詳細情報を!
□解析室の回復サポートについて
解析室を訪れた人間のキャラクターは、その日の終了時に現在HPを1d3回復できます。
通常の治療は1回の負傷に対して1回しか行えませんが、ここでの回復は例外とします。
また所持した武器の耐久値を最大値まで回復できます。
スコア :
トモヤくんと通信して、解析室で分かった情報を共有します!あと、夜鷹係長にも今までの情報を報告しときましょう
KP :
これは逐一全て報告してく清廉潔白なアンドロイドですね
スコア :
任務に忠実なアンドロイドですよ
ヤオ トモヤ :
こちらもスコアさんから頂いた情報を守人さんに共有しておきます…‼︎
スコア :
報告大事、では以上で大丈夫です!
KP :
それではアナタ達は捜査情報の共有を済ませ、いったんドロ係本部に戻って、ロッカーに武器を預けた後に帰路についた。
17 幸福な夢
KP :
ということで「朝・昼・夕」の3ターンが終わりましたので「夜の個別シーン」をはじめますね!
スコア :
夜ですわ~
KP :
HO順に個別シーンを進めていくので、最初は守人くんから!!
夜鷹 守人 :
俺!俺!
同日/NIGHT/天気:曇り/警視庁⇒夜鷹家
KP :
アナタが警視庁から出ようとしたところ、ポケットの中の携帯電話が小さく揺れた。
KP :
スッと取りだして通知を確認すると、矢代からメッセージが届いていたと気が付く。
夜鷹 矢代 :
『私はまだ仕事があるから先に帰っていなさい』
夜鷹 矢代 :
『何か食べたいものはあるか?』
夜鷹 守人 :
「義父さんも大変そうだ……えーっと、食べたいものか……」
夜鷹 守人 :
「"遅くまでお疲れさまです。サンドイッチはどうでしょう"……っと」
疲れた義父も手軽に食べられるもの、ふと思いついたサンドイッチをリクエストする
KP :
返信をすると『わかった』と簡潔な4字がすぐに返ってくる。
KP :
エントランスを出ると、駐車場に赤星が乗る自動車が見えた。
KP :
赤星はアナタを見た途端「こっちこっち」と手を振ってくる。
夜鷹 守人 :
招かれるままに赤星兄さんの方へ行きます行きます
赤星 透也 :
「よっ、おつかれさん」
赤星 透也 :
「矢代さんがおまえのこと送ってくれってさ。昔から過保護だよなあの人」助手席のドアを開ける
夜鷹 守人 :
「兄さんもお疲れ様です。ほんと義父さんには頭が上がりませんよ、今日も残業みたいですしね」
助手席に乗り込みます
赤星 透也 :
「部下全員を帰らせて自分は残業か、矢代さんらしいっていうかなんていうか……」
KP :
────帰路も自動運転で自宅に到着する。
KP :
赤星は我が家のように合鍵で家へと入るが、それはアナタにとっても見慣れた姿だ。
赤星 透也 :
「……さてと、それなら先にメシ作っておくか」
赤星 透也 :
「矢代さんいつ帰ってくるか分かんないし、おまえは風呂でも入っとけよ」
KP :
そう言って赤星はエプロンを付け、新型冷蔵庫を覗いて食材を出した。
夜鷹 守人 :
「夕飯なら義父さんが……」
冷蔵庫を漁る姿を見て遮りづらくなり、口を閉じてしまう
夜鷹 守人 :
「まあ、大丈夫か……兄さんのエプロン姿は様になってますね」
赤星 透也 :
「ははっ、褒めても何も出ないぜ?」野菜を向けて
夜鷹 守人 :
「ただの感想ですよ。それじゃお先に」
促されるままひとっ風呂浴びにいきますかね
KP :
アナタが風呂場に入ると、既に風呂は沸いていた。
KP :
携帯電話の位置情報と連動したAIが、帰宅後すぐに風呂に入れるようにと自動で風呂を沸かしてくれていたのだ。
夜鷹 守人 :
「(至れり尽くせりだな)」
身体を洗い流して、ゆっくりと湯船に沈む
夜鷹 守人 :
「ふう……」
バスタブに身を預け、全身の力を抜く。今日は特に疲れた気がする。
夜鷹 守人 :
事件の調査はもちろんだが、パートナーアンドロイドとの捜査はやはり気を使う。
避けてばかりいたせいか、接し方すらわからない。
夜鷹 守人 :
それに事件の内容も悲惨なものばかりだ。どの遺体も、大型のナイフで心臓を一突き───
夜鷹 守人 :
「………っ」
夜鷹 守人 :
微かに残っている記憶がフラッシュバックする。
10年前の、血の海に佇むナイフを持ったアンドロイドの姿が鮮明に思い浮かぶ。
夜鷹 守人 :
この事件は10年前と繋がっているのか、ただの偶然の一致か。
ヤオから聞かされた情報に依れば、茶髪のアンドロイドが一連の事件と繋がっている可能性も考えられるが……
夜鷹 守人 :
「(出よう……)」
夜鷹 守人 :
考えても仕方ない。今はあまりにも情報が足りなさすぎる。
それに深く考えこんでいたらのぼせてしまうかもしれない。
夜鷹 守人 :
そうして夜鷹は、胸中にわだかまる思いを流すようにシャワーを浴びて、風呂場を後にする。
KP :
アナタが戻ってくる頃にはリビングにおいしそうな匂いが漂っていた。
KP :
それは風呂で抱いた陰鬱な感情をいくらか紛らわせてくれた。
KP :
テーブルにつこうとしたところで、タイミングよく玄関のドアが開く。
夜鷹 矢代 :
「ただいま」
KP :
矢代の手には、アナタが頼んだサンドイッチ等が入った紙袋があった。
KP :
赤星はそれらを受け取り、手際よく皿に盛りつける。
夜鷹 守人 :
「おかえり義父さん、先にお風呂は頂きましたよ」
夜鷹 矢代 :
「そうか、では私は先に夕食を済ませるとするかな」
夜鷹 守人 :
「ええ、それで兄さんは何を作ってくれたんです?」
KP :
choice[牛,豚,鶏,魚,ヴィーガン](choice[牛,豚,鶏,魚,ヴィーガン]) > ヴィーガン
KP :
ヴィーガンだったッ……
赤星 透也 :
「野菜たっぷりスープとか」
赤星 透也 :
「おまえはすぐサプリメントで栄養を補おうとするからな~……」
夜鷹 守人 :
「あまり食に興味が向かなくて……手軽に取れるサプリメントを選んでしまうんですよね……」
夜鷹 守人 :
「でも野菜スープですか、良い香りがしますよ」
席に着こう
赤星 透也 :
「だろ?新型のナベだからな~、短時間ながらホクホクに仕上がってるハズだぞ~?」
KP :
……やがて料理が全て並べられ夕食の時間が始まる。
KP :
並んだ料理を口に運べばアナタが慣れ親しんだ味が口の中に広がり、ほっと一息つけることだろう。
夜鷹 矢代 :
「────今日はどうだった?あのアンドロイドとは上手くやっていけそうか?」サンドイッチを片手に口を開く
夜鷹 守人 :
「そう、ですね……」
夜鷹 守人 :
「……まずまず、と言ったところでしょうか」
夜鷹 矢代 :
「そうか……まあ、これから長い付き合いになるだろうから、ゆっくりやっていくといい……」
夜鷹 矢代 :
「無理することはないぞ、合わないと思ったら他のアンドロイドに変えてもらうこともできるから何時でも言いなさい」
夜鷹 守人 :
「ええ、はい。ありがとう、ございます」
そもアンドロイドが苦手なので、そういう問題ではない。……など口が裂けても言えない。
夜鷹 矢代 :
「……ああ、こんな話は後にして先に言うべきことがあったな」曇った表情を見て話題を変える
夜鷹 矢代 :
「就任おめでとう守人」
夜鷹 矢代 :
「早々に大きな事件の担当になって大変だろうが、何かあったら私や赤星を頼りなさい」
夜鷹 守人 :
「は、はい。義父さん、兄さんを見習って精進していきます……!」
素直に嬉しいのか、微笑が浮かんでいる
赤星 透也 :
「……お~、がんばれがんばれ~!応援してるぞ~!!」
赤星 透也 :
「まあ、まず食生活から見習ってほしいけどな~?」
夜鷹 守人 :
「そ、そこはまあ……おいおい、ということで……」
夜鷹 矢代 :
「おいおい……」苦笑
KP :
それからアナタは夕食を終えて片付けを済ませ、自室に戻る事だろう。
KP :
ここで≪聞き耳≫の判定をどうぞ
夜鷹 守人 :
cc<=70 なんだなんだ(1D100<=70) > 59 > 成功
KP :
成功ですか
夜鷹 守人 :
駄目なんですか!!
KP :
いえ……
KP :
では空室から赤星の声が僅かに聞こえてくる。
赤星 透也 :
「はい、おそらく……いえ、まだ断言はできませんが……」
赤星 透也 :
「分かっています近日中に……はい…………」
夜鷹 守人 :
空室のドアを軽くノックする
赤星 透也 :
「……ん? 守人か?」やはり空室からは赤星の声が返ってくる
夜鷹 守人 :
「そうですよ。今日はこのまま泊っていくのか、と聞きに行こうとしたら声が聞こえたもので」
赤星 透也 :
「ああ、そういうコト」ピッと通話を切る音が聞こえる
赤星 透也 :
「今日は帰るよ、あんまり世話になるのもな」
夜鷹 守人 :
「そうですか、自動運転ですが帰りも気をつけてくださいね」
夜鷹 守人 :
「……そういえば、こんな時間に電話とは珍しいですね。上から何かありましたか?」
赤星 透也 :
「ああ、ちょっとな~」
赤星 透也 :
「ま、おまえには関係のない話だから気にしないでくれ」
赤星 透也 :
「今はパートナーとか事件とか、色々と一杯一杯だろ?」
夜鷹 守人 :
「……ですね。お気遣いありがとうございます」
夜鷹 守人 :
「俺は寝るまで映画を見てますから、何かあったら連絡してください」
兄さんも事情があるんだろう、と深く考えずに自室に行こう
赤星 透也 :
「……ああ、おやすみ」
KP :
……二階の自室に戻ってベッドに横たわる。
KP :
自室で暫く映画を見る、予定だったのだが、
KP :
身体は自分が思った以上に疲れていたのか、すぐに夢に誘われていく。
西暦203■年/■■月■■日/AM■■:■■/天気:晴れ/■■家
KP :
──アナタは暖かな陽光が差した部屋にいた。
KP :
小さな両手には小さなロボットを抱えている。
KP :
しかし、そのロボットは足の部分が取れかかっている。
KP :
それを見た目の前の男性は「貸してごらん」とアナタからロボットを受け取る。
KP :
男性の作業を見ていると、ふと男性はアナタを見つめ、
KP :
「やってみるかな?」とロボットと工具を差しだした。
KP :
……アナタがネジを止めると、男性は「よくできたな」とアナタの頭を撫でた。
KP :
幸福な夢の描写をもって、守人くんの夜の個別シーンを終わります!
18 感情の有無
KP :
続いてトモヤくんの夜の個別シーン!!
ヤオ トモヤ :
はい!!!
同日/NIGHT/天気:曇り/警視庁解析室
KP :
アナタはメンテナンスの為、青木に解析室に呼ばれていた。
KP :
アナタが部屋へと向かうと、その部屋から黄海が出てきた。
KP :
彼女はアナタの方をジッと見た後、その場から立ち去った。
KP :
黄海の様子は気になったが、先約があるので解析室に入る。
KP :
解析室には既に青木の姿があった。何か作業してるようだ。
KP :
青木の手元を見ると、どうやら職場でプラモデルを組み立てているらしかった。
KP :
真っ白な機体が特徴のロボットだ。
KP :
ここで≪アイデア≫の判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【アイデア】出ませい‼︎(1D100<=70) > 9 > 成功
KP :
それではアナタは何故か、このロボットに見覚えがある気がする。
ヤオ トモヤ :
「……(なんだろう、どっかで見たかな?)」
ヤオ トモヤ :
少し考えるもわからない、仕方ないので挨拶する「青木さーん、こんばんは!」
KP :
よほど集中していたのかアナタの声に驚き「ひっ」と叫び、青木は手にしていたプラモデルを落としてしまう。
青木 玲斗 :
「あ……あぁ……!!」
KP :
落としたプラモデルの部品を悲しげに集めてる青木の背中は、とても大きな事件を追う刑事には見えない……。
ヤオ トモヤ :
「わッすみません!そんなつもりじゃなかったんです!!」アワアワしながら部品を拾いあげる
青木 玲斗 :
「い、いいんだ……俺の方こそ気がつかなくてごめん……」いそいそと集める
ヤオ トモヤ :
「そんなことは……次から青木さんが作業してる際はもうちょっと小さな声で挨拶しますね……!」ちょっと小声で
ヤオ トモヤ :
「と、これで集まりましたかね」周囲を見回して
青木 玲斗 :
「う、うん、助かったよ……コレは昔の作品のプラモデルだからプレミアが付いてて……」
ヤオ トモヤ :
「そうなんですか!なんて作品なんでしょう?私ちょっと見覚えがあるんです」
青木 玲斗 :
「あ、興味ある?ブレイドレイドって言うんだ!」
青木 玲斗 :
「人間である主人公がロボットと力を合わせて敵組織に向かっていくってストーリーなんだけどね……」
青木 玲斗 :
「とっても人気があって地上波で再放送も……」
ヤオ トモヤ :
「へえ!ロボットが人間と力を合わせて…!それってとても素敵ですね!!すごく面白そうです」ニッコニコで
ヤオ トモヤ :
「ブレイドレイド……覚えました!」頷いて、休憩時間にでも視聴してみようかな
ヤオ トモヤ :
「そういえば再放送なんですよね?昔って仰っていましたけれどいつが初めての放送だったんでしょう。当時に視聴されてたんですか?」
青木 玲斗 :
「うん、俺はリアルタイムで見てたよ」
青木 玲斗 :
「それが中学生頃だったと思うから……もう10年以上前かな……」
ヤオ トモヤ :
「へえ〜10年以上前なんですか!それが今再放送とはそれ程人気なんですね……」ウンウンと頷いて
ヤオ トモヤ :
「(それなら私がこれを見たのは最近だったんだな)」
青木 玲斗 :
「……あっ、こんな話してる暇なかった……メンテナンスだったね」
青木 玲斗 :
「そこ座って?」
ヤオ トモヤ :
「ハイ‼︎」お行儀よく座ります
KP :
青木はアナタを座らせると、後ろに回り込みアナタのメンテナンスを始める。
KP :
HPを全回復します、が未だダメージは受けてませんね!
KP :
そのメンテナンスの途中、青木はこんな話をしてくる。
青木 玲斗 :
「あの……人間の俺がアンドロイドの君にこんな話をするのもヘンな話なんだけど相談があって……」
青木 玲斗 :
「俺って一応、このドロ係のアンドロイドのメンテナンスも任されてて……」
青木 玲斗 :
「だから君以外のアンドロイドのメンテナンスもしなきゃいけないんだけど……」
青木 玲斗 :
「実はさっき、スコアさんにメンテナンスを断られちゃって……」
青木 玲斗 :
「それだけじゃないんだ……赤星さんのパートナーロボットのイチハさんにも……」
青木 玲斗 :
「俺の頭の上から爪先まで見て『いらない』って……」
青木 玲斗 :
「俺もしかしてアンドロイドから見て、その、嫌われてたりするのかなって……」
青木 玲斗 :
「いや分かってるんだ、アンドロイドに嫌うとかそんな感情はないって……それでも人工知能だし万が一ってことも……」とかなり落ち込んだ様子だ。
ヤオ トモヤ :
「……????」なぜイチハとスコアが断ったのか想像もつかない。困惑した表情である。
ヤオ トモヤ :
「青木さん、も、申し訳ありません。青木さんには製造されてこの方ずっと面倒を見て頂きましたね。それでその、思いつく点がなにもないといいますか……」
ヤオ トモヤ :
「いつも丁寧にして頂いていますし、助言も下さいますし……その、不甲斐ないです。私には分かりかねます。スコアさんとイチハさんはなにか理由を仰ってたりしませんでしたか?」
青木 玲斗 :
「イチハさんは分からないけど……」
青木 玲斗 :
「スコアさんは……俺に体を触られるのは嫌って…………」目を伏せ
青木 玲斗 :
「あれ、これは冗談だったっけ……」
青木 玲斗 :
「たしか不破さんの為、とザックリとそう言ってましたね……」
ヤオ トモヤ :
「不破さんの為、ですか……」
ヤオ トモヤ :
「それなら……仕方ないですね!」そりゃお断りしちゃいますよね!と頷く
青木 玲斗 :
「ええ……」
青木 玲斗 :
「まあ……俺もそれは仕方ないと思ったけど……」
青木 玲斗 :
「でもそれは方便というかさ、本当は『俺に体を触られるのが嫌』って方が本音だったんじゃ……」
ヤオ トモヤ :
「アハハ青木さんてば!どうしたんですか!本音もなにも、私達アンドロイドには″嫌″なんていう感情は備わってないですよ」笑って
ヤオ トモヤ :
「青木さんの腕を信頼してないとか、青木さんが嫌いだからとかそういうのじゃないと思います」
ヤオ トモヤ :
「多分パートナーの為が優先されてしまっただけかと」
青木 玲斗 :
「…………本当にそうなのかな」
青木 玲斗 :
「俺は最近、分からないんだ」
青木 玲斗 :
「イチハさんやスコアさんやレミさん、デクと呼ばれる変異体────そして特に君と接している内に分からなくなってしまって」
青木 玲斗 :
「……アンドロイドに本当に感情はないのか、って考えるようになってて」
ヤオ トモヤ :
「……」困り果て、まるで迷子になったような顔である
ヤオ トモヤ :
「……あってしまったら困ります」
ヤオ トモヤ :
「アンドロイドにはそんなもの、ない、ですよ」
青木 玲斗 :
「そう、かな」
ヤオ トモヤ :
「だって、あったら……」それきり黙ってしまう
青木 玲斗 :
「……ごめん、こんなコトを言っても困らせるだけだよね」
KP :
……そうこう話していればメンテナンスが終わり、
KP :
「今日はお疲れ、また明日」と青木はアナタを部屋に送る。
KP :
アナタは瞼を閉じて、スリープモードへと入った。
西暦■■■■年/■■月■■日/■■:■■/天気:■■/■■■
KP :
薄暗い部屋にいる。ここは子ども部屋だろうか。
KP :
目の前にひとつの小型モニターが置かれていて、その画面にはひとりの女性が映されている。
KP :
その女性を見た時にアナタが感じたのは────温かさと懐かしさと、ほんの少しの寂しさ。
KP :
女性はアナタを見て、
KP :
「よくできたわね」
KP :
そう言って微笑んだ。
KP :
幸福?な夢の描写をもって、トモヤくんの夜の個別シーンを終わります!
19 裏切者の影
KP :
続いて不破さんの夜の個別シーン!!
不破 栞 :
いえーい!
同日/NIGHT/天気:曇り/警視庁
KP :
アナタが警視庁から出ようとしたところ、ポケットの中の携帯電話が小さく震えた。
KP :
スッと取りだして通知を確認すると、矢代からメッセージが届いていたと気が付く。
夜鷹 矢代 :
『重要な話があるドロ係本部に来てくれ』
不破 栞 :
「このタイミングでか……」帰り支度を済ませていたが、行かないわけにはいくまい
KP :
言葉通りにアナタがドロ係本部に戻ると、矢代は己のデスクの椅子に腰かけていた。
KP :
アナタが来たことに気付くと、
夜鷹 矢代 :
「急に呼びだして済まないな、楽にしてくれ」
KP :
そう言ってコーヒーを出した。
不破 栞 :
「いえ……頂きます」
不破 栞 :
「直接呼ばれるとは、どういったお話で?」コーヒーを片手にしながら
夜鷹 矢代 :
「……そうだな、前置はナシで話させてもらおうか」
夜鷹 矢代 :
「先に断っておくが、今から話すコトは他言無用でお願いしたい」
不破 栞 :
「……それは、パートナー相手にでも、ですか?」
夜鷹 矢代 :
「ああ、相手が仲間や家族と言える仲であってもだ」
不破 栞 :
「わかりました。他言無用、ですね」
夜鷹 矢代 :
「……君は最近の警視庁で何か気にかからなかっただろうか?」
KP :
気になった事を思い出す為には≪アイデア≫の判定をどうぞ!
不破 栞 :
cc<=50 思い出せ!(1D100<=50) > 76 > 失敗
不破 栞 :
わかんねぇ~!!
KP :
公安部に来て間もないからね仕方ないね
不破 栞 :
「気にかかる……と言いますと?」
夜鷹 矢代 :
「……署内のセキュリティが厳しくなっている」
夜鷹 矢代 :
「というのも最近『警察の情報が外部に漏れているらしい』と上から報告があってね」
夜鷹 矢代 :
「しかも、その情報と言うのは我々が担当している事件の情報ばかりだ」
夜鷹 矢代 :
「……これが何を意味しているのか分かるだろうか」
不破 栞 :
「……内通者、ということですか」
夜鷹 矢代 :
「察しが良くて助かる」
夜鷹 矢代 :
「そう、我々に近い存在の中に裏切者がいる可能性があるのだよ」
不破 栞 :
「よりにもよって警視庁の心臓とも言える公安に……ですか。それは確かに他言するわけにいきませんね」
夜鷹 矢代 :
「だろう?そこで、だ」
夜鷹 矢代 :
「君には、その裏切者を見つけだし報告してほしい」
不破 栞 :
「引き受ける前に、ひとつ聞かせて頂いても構いませんか?」
不破 栞 :
「なぜ、私にその役目を?」
夜鷹 矢代 :
「そこを疑問に思うのは当然だろう」
夜鷹 矢代 :
「最初は上も君の事を疑っていた……君には"あの白瀬恭雅"との繋がりがあるからな」
不破 栞 :
「ご存じでしたか。でしたら、なぜ?」
夜鷹 矢代 :
「上は君のここ数ヵ月の動向を探っていたが、君はこの件に関与していないと結論が出たらしい」
夜鷹 矢代 :
「だからこそ、君にお願いしたい」
夜鷹 矢代 :
「君の能力も見込んで、の頼みだ」
不破 栞 :
「……もしかして、私がこの係に呼ばれた理由も」
夜鷹 矢代 :
「いいや、そこに裏切者を暴く役目という意図はない」
夜鷹 矢代 :
「純粋に君の能力の高さ、に依る人選だよ」
夜鷹 矢代 :
「君は交通捜査課で腐らせるには惜しい人材だった、それだけだ」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「(気に喰わないな……都合が悪くなったから交通捜査課へ送ったのは上層部の連中だろうに)」
不破 栞 :
「(だが……ここで機嫌を損ねてまたとないチャンスをフイにするわけにはいかないか)」
不破 栞 :
「わかりました。受けましょう。身内を疑うのは性に合いませんが……」
夜鷹 矢代 :
「そうか、ありがとう」
KP :
話が終わると矢代は一息ついて、こう続ける。
夜鷹 矢代 :
「……君は今回の事件について、どう考えている?捜査は順調に進んでいるだろうか?」
不破 栞 :
「情報は集まってきています。ですが、黒幕はまだまだ手の届かないところにいますね」
不破 栞 :
「大きな組織がバックにいなければできないはずのことを簡単にやってのける……それでいて尻尾を掴ませない。長い戦いになりそうです」
夜鷹 矢代 :
「そうだな、相手はこれだけ大きな事件を起こしておきながら影も形も見えない……」
夜鷹 矢代 :
「仮に警察内部の裏切者が黒幕の手の者であれば、君達に危害が及ぶ可能性も十二分に考えられる、くれぐれも気を付けてくれ」
不破 栞 :
「ええ、後ろから刺されないよう、十二分に注意は払いますよ。……今は優秀なパートナーもいますから」
夜鷹 矢代 :
「…………あまりパートナーも信用しすぎないようにな、誰が裏切者か分からん」
夜鷹 矢代 :
「とはいえ警戒しすぎるのも良くないか」
夜鷹 矢代 :
「なにかと大変だろうが年長者として他のメンバー……特に新人の2人のことは気にかけてあげてほしい」
夜鷹 矢代 :
「私では分からない事もあるだろうからな」
不破 栞 :
「そうですね。私もここでは新人ですから、協力してうまくやっていきましょう」
夜鷹 矢代 :
「頼んだぞ」
夜鷹 矢代 :
「……話は以上だ、時間を取らせて済まなかった」
KP :
そう言って矢代は先に扉に手をかけるが、部屋から出る直前このように告げた。
夜鷹 矢代 :
「────いつかは君にも、大きな選択をしなければならない時が来るだろう」
夜鷹 矢代 :
「君が後悔のない選択をできるよう祈っている」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「ええ。きっと、上手くやりますよ。次こそは……」
不破 栞 :
係長を見送って、窓から街を眺める。
不破 栞 :
「……10年待ったんだ。絶対に失敗はしないさ」
不破 栞 :
警察手帳を開くと、擦り切れた一枚のライブチケットが現れる。
不破 栞 :
それは苦い思い出の象徴であると同時に、刑事として死にかけていた自分をこの世界に繋ぎとめてくれた大切なお守り。
不破 栞 :
あまりにも遅すぎるかもしれない。それでも……。
KP :
裏切者の示唆をもって、不破さんの夜の個別シーンを終わります
20 スパローのオト
KP :
続いてスコアちゃんの夜の個別シーン!!
スコア :
はーい
同日/NIGHT/天気:曇り/スパロー本部
KP :
古いコンクリートの通路に旧型アンドロイドの軽やかな足音がコツコツと響き渡る。
KP :
アナタは当初の目的である『連続殺人事件を扱う組織、警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係への潜入』に成功して、約1ヵ月ぶりにスパロー本部に帰還していた。
KP :
スパロー本部には、あいかわらず行き場を失ったアンドロイド達が身を寄せていた。
KP :
その数は3桁に及ぶ程で、この地下の様子が社会の現状を暗示しているようだった。
KP :
……アンドロイドは皆、自由を求めて此処に集まる。
KP :
中には人間に虐待を受けて醜い姿にされた者もおり、
KP :
そんな者も人間であるキョウを頼っているのだから、キョウの人望の厚さが分かる。
ニト :
「あっ、オト! おかえり!!」
KP :
3年前からアナタのメンテナンス係を務めているニトが出迎える。
オト :
「ただいま、ニト!久しぶりですね」 嬉しそうに挨拶する
ニト :
「うん、久しぶり!」
ニト :
「ドロ係?の潜入に成功したんでしょ? これまでは警察にバレないように1ヵ月毎にしか会えなかったけど、これからは毎日会えるってキョウが言ってたよ」
オト :
「そうですね。色々と偶然が重なった結果ではありましたけど、ちゃんと潜入出来ましたよ」
オト :
「でも毎日帰るのは……大丈夫かな?警戒されてなければいいんだけど」
ニト :
「んん、そう言われると確かに……どうだろ…………」
ニト :
「でも、僕は会えるなら毎日でも会いたいな~って」
オト :
「ニト……」
オト :
「じゃあ、そうですね。これからは毎日戻ってくることにします。キョウの判断なら間違いないと思うし……」
オト :
「それに、わたしも出来れば皆と毎日会いたいですしね」 笑顔を向ける
ニト :
「そっかそっか!」
ニト :
「よかった~!いつも帰ってきてくれるなら、オト改造計画も順調に進みそうだね~!!」
オト :
「あ、それはいいです」 真顔に戻る
ニト :
「えっ!?!?」
ニト :
「なんで!?!?!?!?」
オト :
「なんでじゃないですよ!!いっつも変な改造ばっかりするんだから!!」
ニト :
「ヘンな改造って……オトもリトも全く分かってないんだから……!!」
ニト :
「全身からウナギと同様の粘性を持つ液体を放出して、相手をヌルヌルにする事で無力化……これほど平和的なノンリーサルウェポンが未だ嘗てあった……!?」
オト :
「ぜ、絶対嫌すぎる……!!」
オト :
「どっからそんな発想が出てくるのか不思議すぎますよ」
ニト :
「え~……僕だってオトを守る為に考えたんだけどな~……」
ニト :
「じゃあ、ジェットパックだけでも付けていく?あの大空を手中に収める事ができるよ?」
ニト :
「……燃料切れになったら落下するし、そもそも着陸を考えた設計じゃないけど」
オト :
「それなんで頷くと思ったんですか!?いらん!いらない!!いりません!!!」
オト :
「……全くもう。わたしは向こうでは一応普通の旧型アンドロイドで通ってるんです」
オト :
「そんな変な改造機能が飛び出して来たら疑われちゃいますよ」
ニト :
「それもそっか……イカしすぎて疑われちゃうか……」
オト :
「イカれてるの間違いでしょ……」
ニト :
「むむ……そこまで言う……」
ニト :
「…………あのさオト、最近になって気付いた事があるんだけどさ?」
オト :
「ん?なんですか?」
ニト :
「僕の扱い、雑すぎないかな!?!?!?!?」
ニト :
「キョウとリトは『仕事がある(キリッ)』って僕を部屋から追い出すしさ!?」
ニト :
「これでも天才なんだけどな!!狂気のマッドサイエンティストなんだけどな!?」
ニト :
「……オトもさ、出会った頃は従順なカンジだったのに、いつのまにか僕をぞんざいに扱うようになってる気がするんだよね」
オト :
「あー、そんな時期もありましたねえ」
オト :
「何というか、ここにいる内に色々学習していったというか……この子はこういう接し方でもいいかなみたいな……」 小さく笑って
ニト :
「え~!!」
ニト :
「う~…! 昔のオトより今のオトの方が好きだから、考え直せ、とも言えない…!!」
オト :
「ふふっ、そう?じゃあ良いじゃないですか」 嬉しそうに
オト :
「……まあでも、わたしもキョウもリトも、ちゃんとニトのことは頼りにしてますから」
オト :
「いつもわたしのメンテナンスやってくれて助かってますよ。自分じゃちゃんと出来ませんからね」
ニト :
「ん~……、今のままでいいのかな~……」若干不服そう
ニト :
「まあ、メンテナンスはするけどさ~?」
KP :
会話もそこそこに、ニトはメンテナンスを開始する。
KP :
「あれ、これってここで合ってたっけ?」と声が聞こえてくるが、なんとか修理はされてるらしい。HPを全回復します。
オト :
怖い!まだダメージ受けてないけど全回復してくれるの助かるね
オト :
「……なんか不穏な言葉が聞こえた気がするんですけど、大丈夫ですよね?」
ニト :
「……え? ……あ~、だいじょぶだいじょぶ」
ニト :
「(多分)」
ニト :
「そ、それよりさ、そういえば、なんだけど……」
ニト :
「この前、僕ってば見ちゃったんだよね……キョウが誰かと写ってる写真を見てるとこ……!」
ニト :
「アレはきっと『昔の女』ってヤツだね、僕の勘がそう言ってる」
オト :
「もう、また露骨に話題変えて────え!?」
オト :
「な、なんですか、それ!?昔の女!?!?」 動揺した様子でニト詰め寄る
ニト :
「えっ、えっ…!? 急にどうしたのオト…!?」
ニト :
「そんなに真剣に食い付く話題かな…!?!?」
オト :
「あ、いや……えっと……」
オト :
「……だ、だって、いきなりそんなこと言われたら……気になるでしょ。うちではメンバーの素性は探らないのがルールなんですから」
ニト :
「そ、そう?」首を傾げ
オト :
「そうですよ」 ニトの頭に両手を添えて、傾いた首を元に戻す
ニト :
「そっか」なんか納得したらしい
ニト :
「……でも考えてみれば、僕もキョウの過去は何も知らないんだよな〜、あいつ何も話してくれないし~」
ニト :
「まあアイツ、見るからに『悪者!』って感じの顔だしな~……隠したい過去のひとつやふたつ~……」
キョウ :
「────誰が悪者の顔だって?」
オト :
「あ……」
KP :
声の方に視線を移すと、いつのまにかニトの背後にキョウが立っていた。
KP :
ダラダラと冷や汗を流すニトに、呆れて溜息をつくリトの姿も傍にある。
オト :
「キョウ……!ち、違いますよ、今のはニトだけが勝手に……!」
キョウ :
「……分かっている、おまえを咎めるつもりはないよオト」
キョウ :
「それよりおかえりオト、よく帰ってきてくれた」ぽんとオトの頭を撫でる
オト :
「あ……」
オト :
「は、はい……!ただいま、キョウ……!」 嬉しそうに笑みを零しながら、キョウを見上げる
キョウ :
「先日の銃撃戦でケガは……特に負っていないようだな」
オト :
「はい、わたしは大丈夫でした。運が良かったですね」
キョウ :
「……そうか、安心した」
キョウ :
「いくらボディが頑丈と言っても、あまり無茶はしてくれるな」
キョウ :
「おまえの代わりはいないんだからな」
オト :
「……あ、え、えっと……」
キョウ :
「ん?どうした?」
オト :
「いや……あの……」 目線を泳がせて
オト :
「……し、心配してくれて、ありがとうございます」 照れたように笑う
キョウ :
「……? 礼を言われる理由はないと思うが……」
キョウ :
「むしろ危険な任務に就いてもらっている私こそ、礼を言う側の立場のハズだろう?」
オト :
「あー……」
オト :
「いや、別にそんなの良いんですよ。わたしの意志で任務に就いてるんですから」
キョウ :
「そうか……? おまえがそれでいいならいいが……」
オト :
「はい……!だからそんな気を遣わず、どーんと任せてください!」
オト :
「危険っていっても、今のところ誰にも疑われてもいないですしね」
リト :
「不破?って言う女刑事とも良好な関係を築けてるみたいだものね」
リト :
「……良好、と呼ぶにはベタベタしすぎな気もするけど」
オト :
「リト。あははっ、それなら前にも言ったじゃないですか」
オト :
「……ベタベタしすぎる位で良いんですよ。その方がよく信用してくれますからね」 笑顔で
リト :
「確かにそれは聞いてたけど、そんなフィルターかけず見てると……ねえ?」
キョウ :
「…………」
オト :
「もう、何言ってるんですか。まあ、確かに今日は新型のアンドロイドにもそういう関係か~みたいに言われましたし、ちょっとやりすぎなのかもしれませんけど……」
オト :
「……わたしの仲間はスパローの皆だけですよ。敵のことなんて何とも思っちゃいませんから」
ニト :
「当然だよね!」
オト :
「ねー」 ニトに笑い返す
キョウ :
「…………そうか」目を伏せ、出そうとした言葉を呑み込む
キョウ :
「それならオト、悪いが早速、今日のデータを取らせて貰えるか?」
オト :
「はい、もちろん!捜査初日とはいえ、今日は結構色々ありましたよ。見てください見てください」
キョウ :
「ありがとう、ではニト、リト」
ニト :
「よ~し!今日はドロ係の捜査情報をまるっといただくとしよ~!」
KP :
アナタをはじめVOID達は見た景色が映像データとして自動保存される。
KP :
アナタの記憶は、感情以外の全部が情報になって残っている訳だ。
リト :
「さっさと済ませましょ、今日は他にしたい事もあるし」
KP :
アナタにヘッドホン型の機器を繋いでデータを取得。
KP :
ニトが小型チップにコピーを移す。
KP :
警察に潜入をはじめてから幾度も行なわれた作業だ。
KP :
……10分足らずで作業は完了した。
ニト :
「うん、データ取得完了!」
ニト :
「……それでそれで?他にしたい事ってなに?」
オト :
「確かに……。何かやることってありましたっけ?」
リト :
「……オトが何故この地下に捨てられていたのか、他の機体と型番が違うのか」
リト :
「それらのナゾを解明する為に行なっていた事なんだけど、元々オトに入ってたスタック────記憶チップの復元作業が一部成功したのよ」
オト :
「え……!?いつのまに!?」
リト :
「復元ができたのは数分前のことかしら」
ニト :
「ああ! リトが昨日から徹夜してたのはそういう! オトが帰ってくるのに間に合わせたかったんだね!!」
リト :
「……ちょっと余計なコトは言わないで」僅かに頬を染める
オト :
「そうだったんですね……。ありがとう、リト」
リト :
「……ん」
リト :
「と、とにかく何か分かるかもしれないから、そのデータをアナタにインストールしてみてもいいかしら?」少し目を逸らして
オト :
「もちろん、大丈夫です。お願いしますっ」
オト :
「いつもは自分のことなんてどうでもいいって思うようにしてましたけど……やっぱり気になりますから」
ニト :
「そっか! それじゃあ、さっそく始めようか!!」
KP :
──アナタは再びヘッドホン型の機器を装着する。
オト :
「わたしの過去の記憶、か……」 目を閉じて、インストールを待つ
KP :
アナタが両目を閉じると一気にデータが流れ込み、自動的にスリープモードに移行した。
西暦204■年/■■月■■日/AM■■:■■/天気:■■/■■■■
KP :
アナタは暖かい陽光が注ぎ込む中庭のような場所にいた。
KP :
地面には芝生が敷かれ、周囲には10代の子供達が見える。
KP :
……子供達はアナタを遠巻きにフシギそうに眺めていた。
KP :
そんな中、他の子供達より大きな高校生程の少女がアナタに話しかける。
女子高校生? :
「初めましてっ! アナタの名前はなんていうの?」
女子高校生? :
「X000か~……それだと呼びにくいし、私が名前をつけちゃっていいかな?」
女子高校生? :
「そうだね、アナタの名前は────」
KP :
そう言って彼女はアナタの手を取った。
SYSTEM :
システム再起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
SYSTEM :
____X000、起動します
リト :
「どうだった?何か見えた?」
KP :
目を覚ませば3人と目が合う。ニトはどこか心配そうにアナタを見ていた。
オト :
「…………はい。ちゃんと見えました」
オト :
「わたしは、どこかの中庭にいて……10代位の子供達がいて……」
オト :
「彼らを見ていたら、高校生位の少女が話しかけてくれて……」
オト :
「わたしに、名前をつけてくれました……」 見た記憶を、ありのままに話す
キョウ :
「スパロー本部には中庭と呼べる施設はない……オトは元々、別の施設にいたのか……?」
オト :
「そうですよね……。見たことのない場所でしたし、太陽の光が届いていたから地上の施設なんだと思います」
ニト :
「ふむむむ……」
リト :
「……それだけだといまいち分からないわね、もっと復元できないかやってみるわ」
オト :
「あ、でも……」
オト :
「この記憶って、わたしが初めて目覚めた時にも覚えていた記憶……だったと思います」
オト :
「二人は覚えていますか?わたしが、中庭で女の子が歌っている……って言ってた時のこと」 ニトとリトを見て
ニト :
「ああ~~~~……あれねうんうん覚えてる覚えてる…………」目を逸らして
オト :
「絶対覚えてない反応だ!!」
ニト :
「て、天才にも覚えてないコトのひとつやふたつあるの!!もう3年も前の話だし!!」
オト :
「いやまあ、確かにそうなんですけど……」
オト :
「あの時は記憶領域に何も残っていなかったのに、なんで同じ記憶を覚えていたんだろう……」
リト :
「それだけ印象に残った記憶、ということかしら……」
オト :
「なるほどなー……」
オト :
「……それじゃあ、リト。また復元の方お願いします」
オト :
「でも、もう徹夜なんて無理はしなくて良いですから。頑張ってくれるのは嬉しいけど、体壊しちゃいますよ」
リト :
「……ん、分かってるわ、ありがとねオト」
オト :
「はいっ」
ニト :
「それじゃお言葉に甘えて、僕とリトは一足先に休ませてもらおうかな~! もうクタクタだよ~!!」
オト :
「なんかニトも徹夜してたみたいな言い方……」
ニト :
「ま~……100体を超える変異体達全員のメンテナンス担当って重労働だからね~……」
オト :
「あぁ、そりゃ大変でした……。いつもお疲れ様」
オト :
「もう夜ですし、ゆっくり休んでください」
ニト :
「んっ!オトもゆっくり休んでっ!!」
KP :
ニトは「じゃあ行こうリト!」と瞼を擦る少女を連れて歩いて行った。
KP :
そして、その場にはオトとキョウだけが残された。
オト :
「……えっと、キョウはこれからどうするんですか?」
キョウ :
「そうだな、今後の予定を軽く立てたら俺も眠るつもりだ」
オト :
「そうですか……」
オト :
「…………」
オト :
「あ、あの、キョウ」 少し迷ってから
キョウ :
「どうかしたか?」
オト :
「……………………」
オト :
「寝るまで、一緒にいてもいいですか……?」
オト :
「……あ、いや、別に変な意味じゃなくてですね!?」
オト :
「今後の予定、わたしも気になるな~ってちょっと思っただけっていうか、なんか……そういう……!」
オト :
「っていうか、嫌だったら全然大丈夫です!どっちでもいいことですし!!」 慌てて言い訳のように並べ立てる
キョウ :
「(ヘンな意味……?)」首を傾げ
キョウ :
「……………………そうだな」
キョウ :
「どちらでもいいなら、一緒にいてくれないかオト」
オト :
「あ……」
オト :
「……は、はい……!分かりました!キョウ!」 心の底から嬉しそうな笑顔でそう答える
キョウ :
「こんなコトで嬉しそうにして可笑しなヤツだな」微笑を返す
キョウ :
「……まあ、おまえがいてくれると何かと助かる、俺としては大歓迎だよ」
キョウ :
「それにひとつ、言っておきたい事もあったからな」
オト :
「え?言っておきたいこと……?」
キョウ :
「……ああ、おまえは警察を『敵』と言っていたな?」
オト :
「はい。そうですけど……」
キョウ :
「それは違う」
オト :
「…………。同じ事件を追っているから、ですか?」
キョウ :
「そうだな……それでも同じ事件を追う仲間、とは言えないかもしれないが……」
キョウ :
「決して相容れないだけで『敵』ではないんだよオト」
キョウ :
「……特に、おまえが組んでいる不破という刑事」
キョウ :
「アイツだけは決して『敵』にはなりえない」
オト :
「……何故そう思うんですか?」
キョウ :
「さあ、どうしてかな……」
キョウ :
「俺にも言語化は難しい、そう割りきれた感情じゃないんだ」
オト :
「……………………」 キョウをジッと見て
キョウ :
「……1年もの間、アイツと一緒にいたのなら、おまえにも分かるハズだろう?」真っ直ぐ見つめかえす
オト :
「……さあ、どうでしょう」
オト :
「不破栞がどうなのかはともかく、わたしは警察のことをまだあまり良くは思っていません」
オト :
「未だに事件を解決出来ていない上に、わたし達の事をテロリスト扱いしてるようなもんなんですから」
キョウ :
「それはその通りだ、たしかに警察組織は腐敗している」
キョウ :
「……だが、その全てが腐敗している訳じゃない」
キョウ :
「信頼できる相手を見極める、それが重要だと言うコトだ」
キョウ :
「おまえも、もし俺が────────」
KP :
言いかけてキョウは口を噤む。
オト :
「キョウ……?」
キョウ :
「……いや、なんでもない」
キョウ :
「とにかく状況や偏見に流されず、しっかりおまえの考え方を持っていい、と言いたかった」
キョウ :
「それだけだ」
オト :
「……まあ、分かりました。キョウがそこまで言うなら……考えときます」
キョウ :
「…………つまらん話をしてしまったな、すまないオト」
オト :
「……ふふっ、別に。そんな謝るようなことじゃないですよ!」
オト :
「生真面目ですよね~、キョウは。そこが良いところだと思いますけど」 笑って
キョウ :
「そうだろうか」
キョウ :
「……それなら、これからおまえに言うコトは俺らしくない、というコトになるかもしれないな」
オト :
「ん、何がです?」
キョウ :
「ひとつ頼みがある」
キョウ :
「……今夜、一曲でいいから何か歌ってくれないか」
キョウ :
「実は10年前から、音楽を聞かないと寝つきが悪い体質になってしまっていてな」
オト :
「……わたしがキョウからの頼みを断るわけありませんよ」
オト :
「分かりました。じゃあ、歌わせてもらいます!」
オト :
「子守歌でも何でもドンとこいですよ!」 冗談っぽく笑って
キョウ :
「ふふ、頼もしいよ」穏やかな笑みを浮かべ
キョウ :
「……ありがとうオト」
KP :
最後のオトちゃんの夜の個別シーンが終わりまして、1日が終了!
KP :
解析室の回復サポート効果によって、不破さんはHPを1d3点回復します!
不破 栞 :
わ~い!!(それどころではない
不破 栞 :
1d3(1D3) > 3
system :
[ 不破 栞 ] HP : 9 → 12
KP :
相棒がアレでそれどころではない不破さん! それでも最大値を引いていく!
KP :
それでは翌日!朝のターンから再び開始します!!
KP :
残っている探索箇所は以下の通り!
□探索箇所
『第一事件現場』で捜査
『第二事件現場』で捜査
『リボット社』で社長に聞き込み
『総合病院』で遺族に聞き込み
『図書館』で関連書籍の読書/ワード検索
『警視庁』
-解析室で破壊したアンドロイドの調査
-取調室でデクと呼ばれたVOIDに尋問
-ドロ係本部でPCでデータベースを検索
-食堂で食事
スコア :
今日も張り切ってスパイ活動するぞ~
夜鷹 守人 :
不破さんこいつです!!
スコア :
マスターならわたしのこと信頼しきってるから無駄でーす♡
夜鷹 守人 :
クッ、いつか化けの皮をマスターの前で剥がしてやる……
スコア :
恐ろしいねえ……それはそうと、ふわすこはデクのとこいく?
不破 栞 :
スパイだけど完全な敵ってわけでもないから…行こう行こう!
スコア :
じゃあふわすこは取調室で!連れてくコンビは今日は逆にして黄海・シロウでいこっか
不破 栞 :
いいとも!
夜鷹 守人 :
それじゃ夜鷹ヤオ組は図書館!今日は赤星兄さんらを連れて行こうねぇ
ヤオ トモヤ :
そうしましょう!
KP :
ではではまとまったようなので、捜査2日目は守人くんとトモヤくんの図書館の調査からはじめていきますね!
スコア :
はーい
夜鷹 守人 :
おっけー!
ヤオ トモヤ :
はい!お願いします!
21 探索:図書館
西暦2050年10月17日/MORNING/天気:小雨/図書館
KP :
アナタ達が訪れたのは、都内で最も大きな公立図書館だ。
KP :
電子書籍が主流になって紙の本を扱う施設は減少したが、ここは貴重な古書などを保管する施設として残っていた。
KP :
吹き抜け構造の広い館内には、紙の本が所狭しと並んでいる。
KP :
カフェまで併設されているらしく快適な空間と言えるだろう。
KP :
来ているのは紙派と思われる老人達や大学生が多かった。
KP :
……館内には珈琲の苦い香りと古書の甘い香りが流れている。
赤星 透也 :
「確か図書館って初めて来たな」
夜鷹 守人 :
「実は俺も。落ち着く雰囲気ですね」
ヤオ トモヤ :
「知識として知ってはいましたが、これ程の数の紙媒体があるとは驚きです」
赤星 透也 :
「今回はリラックスしに来た訳じゃないが、また今度、プライベートで来るのもいいかもな」
夜鷹 守人 :
「あそこのカフェも気になりますが、今回は調査を優先しましょうか」
赤星 透也 :
「だな」
KP :
探索可能な場所を提示するので、調べたい場所を言ってもらえれば!
KP :
【探索箇所】オカルトコーナー/科学コーナー/ワード検索
ヤオ トモヤ :
自分はワード検索です!
夜鷹 守人 :
ワード検索あるやーん、EMCについて調べたいね
夜鷹 守人 :
自分はオカルト行ってみるか!さ、サボってる訳じゃないぞ!
ヤオ トモヤ :
へへ、自分は図書館で調べ物したい癖に初期値なんでちょっとでも可能性ありそうな方に……
KP :
ではオカルトコーナーから処理していきましょうか!
KP :
詳しく調べる場合は≪図書館≫による判定をどうぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=65 今日の運勢を刮目して見よォ!!(1D100<=65) > 34 > 成功
夜鷹 守人 :
なかなかだな
ヤオ トモヤ :
nice‼︎
KP :
では守人くんは5年前に発行されたオカルト誌の1つの見出し記事に目が止まる。
□5年前のオカルト誌の記事
『5年前から相次ぐ行方不明事件!!犯人は宇宙人の可能性も!?』
コトの始まりは5年前、界隈では名が通っていた科学者であるH氏が突然の行方不明になった事件だった。
この事件以降、全国各地で科学者を中心とした有名人が次々と行方不明になっているらしい。
警察も捜査はしているが、未だに事件の手がかりは得られていないようだ。
……これほど大きな事件であるにも関わらず、何も手がかりが得られないというのは、いささか不自然ではないか?と筆者は考える。
そんな中、編集部に奇妙な目撃情報が届いた。
行方不明事件が特に集中するS区の山林で、怪しげな光を多数目撃したというのだ!
立ち入り禁止の普段人が近寄ることのない山林で何が行われようとしているのか?
忽然と消える人々、山林の怪しげな光、そして行方不明者の共通点。
……これらの情報から筆者は『地球外生命体』による犯行の可能性もあると考えて、調査を進めている!続報を待て!!
KP :
いかにもといった内容で信憑性はほぼないようだ。
夜鷹 守人 :
「(宇宙人、ねぇ。いるなら一度見てみたいもんだ)」
呆れながら本を元の場所に戻そう
KP :
では続いてワード検索! 何について調べましょうか?
ヤオ トモヤ :
EMCについて調べたいです!
KP :
ではEMCについて検索をかけるが、電磁両立性(Electromagnetic Compatibility⇒EMC)という無関係の専門書しか出てこない。
ヤオ トモヤ :
oh了解…‼︎もし可能であれば田中雅彦、佐久間彰人についても調べたいです
KP :
そちらについても出てこないですね、書籍になるほど著名な人物ではない。
ヤオ トモヤ :
なーるほど…了解‼︎
・有馬真ニ
・10年前 アンドロイド 殺人事件
・白瀬恭雅
・アンドロイド 1310
以上4件を追加でお願いします。
KP :
有馬真二、10年前の事件、について詳しく調べる場合は≪図書館≫による判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
了解、夜鷹さんも良ければよろしくお願いします‼︎いけるいける(素振り)
ヤオ トモヤ :
cc<=25 【図書館】(1D100<=25) > 16 > 成功
夜鷹 守人 :
いけるやん!
KP :
これは優秀な最新アンドロイド
ヤオ トモヤ :
???いけちゃった…
KP :
ではまず有馬真二について関連記事を提示します
□リボット社
2021年に創設されたアンドロイド製造会社。創設者は現代表取締役社長でもある有馬真二。
2030年にVOIDを発表してから業績を伸ばし続けている。
現在は都心に本社ビルを構えるほどだが、社長である有馬はメディアに顔を出す事が殆どなく、写真等の情報は不自然な程に見当たらない。
□20年前のインタビュー記事
VOIDの発売にともなった開発者である有馬に対するインタビューの内容だ。
以下インタビュー内容を一部切り取ったもの。
記者「VOIDを開発することとなったきっかけはありますか?」
有馬「高校時代の友人との会話でしょうか」
「幼い頃から元々科学者を志してはいましたが、ロボットにはそこまで興味が持てなくて……」
初めて興味を持ったのはその友人に出会ってからでしたね。その時からSF映画に出てくるようなアンドロイドに憧れを持ちました」
記者「なるほど、その出会いがきっかけだったわけですね」
「最後になりますが、有馬さんにとってVOIDとはどのような存在なのでしょうか」
有馬「ただの無機物ではない、鉄で出来た生き物……でしょうか」
「私はアンドロイドは生き物だと認識しています。そういった意味では自分の子供のような存在なのかもしれません」
ヤオ トモヤ :
「……鉄で出来た生き物、自分の子供のような存在ですか」へー…とつらつら読んでいます
KP :
続いて10年前の事件について、当時の新聞記事が見つかります。
□10年前の新聞記事
『都内にて相次ぐ殺人事件』
ここ1年の都内で発生した殺人事件の件数は、例年を遥かに上回っている事が警察の調査で明らかとなっている。
また現在発生している殺人事件の被害者のほとんどが家庭を持った人間であることから、連続殺人事件の可能性もあるとして捜査を進めているとのこと。
KP :
さらに詳しく調べる場合は≪アイデア≫による判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【アイデア】(1D100<=70) > 51 > 成功
KP :
お~、調子いいですね~ではでは~
KP :
これほど大がかりな事件であるにも関わらず、この記事の後の記事では殆ど話題に出されていない事に違和感を覚える。
ヤオ トモヤ :
「……困ったな」夜鷹さんにひとまず共有しにいきます
夜鷹 守人 :
「なるほど、それは不自然だな」
眉唾モノだけど得たオカルト情報を共有しておこう
ヤオ トモヤ :
「そうなんですよ」
「その、差し出がましいのですが隠すにしても理由がわからないといいますか……」夜鷹さんにしか聞こえないような小声で
夜鷹 守人 :
「……圧力がかけられて記事が書けなくされた線も無くは無い、かもな」
夜鷹 守人 :
「思いつくのはリボット社ぐらいなもんだ、アンドロイドの不祥事を拡散されたくなかった……とかな」
ヤオ トモヤ :
……そうですね、考えられるとしたらそこですかねと頷いて
ヤオ トモヤ :
化学コーナー行きます?
夜鷹 守人 :
行こうぜ!!
KP :
詳しく調べる場合は≪図書館≫による判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=25 【図書館】(1D100<=25) > 61 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=65 そりゃっ!!(1D100<=65) > 5 > 成功
夜鷹 守人 :
FOO!
ヤオ トモヤ :
oh!!!good!
KP :
守人くんが失敗するところが久しぶりに見たいよ、あたしゃ……
夜鷹 守人 :
戦闘になったら見せてあげるよ
KP :
草
KP :
では守人くんは2冊の本に目がとまる。脳科学についての本のようで、開いて読むと以下の内容が目についた。
□人間の感情について
感情とは、ヒトなどの動物が物事や対象に対して抱く気持ちの事である。
六情と呼ばれる喜・怒・哀・楽・愛(いとしみ)・憎(にくしみ)が一般的であるが、
中国では五情といって喜・怒・哀・楽・怨の5つでまとめて表したりと地域や文化で異なる。
多くの場合、感情には脳の古い部分(大脳辺縁系)の偏桃体と、それにくっついている海馬が深く関わっている。
海馬は数時間から数日の短期記憶の一時保存を行うと同時に────
(中略)
また感情は身体感覚にも関連している。
例えば人間が恐怖を感じた時は脈が早くなり手に汗を感じたり、恋をした時は胸が痛んだり等がこれにあたる。
KP :
もう1冊は『メアリーの部屋』と呼ばれる思考実験についての書籍だ。
□メアリーの部屋
概要:1982年に哲学者フランク・ジャクソンにより提示された思考実験である。内容は以下の通り。
白黒の部屋で生まれ育ったメアリーという女性がいる。
メアリーはその部屋から一歩も外に出た事がない。
つまりメアリーは生まれてこの方『色』というモノを一度も見たことがない。
メアリーは白黒の本を読んで様々なことを覚えて、
白黒のテレビを通して世界の出来事を学んでいる。
メアリーは視覚の神経生理学についてトップレベルの専門知識を持っている。
光の特性、眼球の構造、網膜の構造、視神経や視覚野のつながり、
どういう時に「赤い」という言葉を使うのか「青い」という言葉を使うのか、
などなどメアリーは視覚に関する物理的事実をすべて知っている。
『空』を例としてあげる。
メアリーは『空は青い』という事、
『特定の光の波長が網膜に届くことで青に見えている』という事、
『日の角度により届く光の波長が変わり赤に変化する(夕焼け等)』という事、
空の色に関する知識を全て持ちあわせているのだ。
そんなメアリーが白黒の部屋を出てきて、初めて空の色を見た時、彼女は何か新しいことを学ぶだろうか?
夜鷹 守人 :
「人間の感情、か」
ヤオくんにも共有しちゃうぜ
ヤオ トモヤ :
「人間の感情って難しいんですね…」
夜鷹 守人 :
「そうだな。しかも人によって抱く感情が違うと来た、複雑なものだよ」
夜鷹 守人 :
「……アンドロイドはどうなんだ。そういう感情をシミュレートして顔や声にしているのか」
イチハ :
「そうですよ~、マインドパレスっていうソフトウェアで人間らしい言動ができるようになってるの~」本棚の裏からひょっこり顔を出す
ヤオ トモヤ :
「そ、そうですね」降ってきた声に驚くも
「……私達アンドロイドの感情表現はそういうことになっています」
夜鷹 守人 :
「喜んでいる様に見えてフリをしているだけ、そういう風にも思えてしまうな」
さらりと毒を吐いて、本を元の場所に戻そう
赤星 透也 :
「そういう風にも、というか事実だからな」イチハの後ろから赤星が歩いてくる
赤星 透也 :
「アンドロイドには感情はないんだよ、人間社会に溶けこめるように演技しているだけでさ」
夜鷹 守人 :
「でしょうね。人間の感情をそのまま抱けるアンドロイドがいるのなら、それこそ人間と変わりませんよ」
夜鷹 守人 :
「いたらゾっとする話ですけどね」
ヤオ トモヤ :
「……」そういうものですか、と一つ頷く
イチハ :
「あはは~! そんなのいる訳ないじゃないですか~!!」
イチハ :
「もしいたなら、そんなのエラー品もエラー品っ! 即刻、廃棄処分決定ですよっ!!」
イチハ :
「……あっ、自分に感情があると思いこんでるエラー品は実際にいたんですっけ? いま留置所にいるデクとかいう旧型VOID?」
夜鷹 守人 :
「ああ、酷く取り乱していたな。あんな焦燥しきったアンドロイドは見たことないぞ」
ヤオ トモヤ :
「…そうですね。酷く取り乱していました。思い込んでいる、とは違うかと」
ヤオ トモヤ :
「……一度イチハさんもお会いしてみたらいかがですか。ドロ係に配属されたなら変異体と付き合っていくことが多くなるかと思います」
イチハ :
「はあ? 思いこんでるのと違う? 何が言いたいの?」
イチハ :
「……もしかして、変異体は本当に感情があって生きてるとでも?」嘲るように笑う
ヤオ トモヤ :
「さぁ、どうでしょう」
「でも何事もそうだと思って始めると足元掬われたりしますから。知ろうとするところから始めたらいいと思います」
イチハ :
「…………何?上から目線?」
ヤオ トモヤ :
「いえ、私がそうだったので。助言のつもりでした。お気を悪くさせたなら申し訳ありません」
イチハ :
「……………………」
イチハ :
「なんだ~そうだったんだ~♪ アドバイスありがとうね♪」
イチハ :
「ど~もありがたく受けとっておきますよ、トモヤくん♡」
ヤオ トモヤ :
にこやかに笑って返す
赤星 透也 :
「……あ~~~~、それで収穫はどうだった?」苦笑して話を逸らす
ヤオ トモヤ :
「失礼しました、収穫はこちらになります」先ほど見つけたサイトや本を指差しつつ共有する
夜鷹 守人 :
「俺からはこんなもので」
赤星 透也 :
「────ほう、あの事件、まだ資料とか残ってたんだな」10年前の事件記事を見て
夜鷹 守人 :
「………図書館ですから、アーカイブに残っているものなんですね」
夜鷹 守人 :
「兄さんはこの記事に何か気になるところでも?」
赤星 透也 :
「いや特に」
赤星 透也 :
「当時は警察で箝口令が敷かれたのに、資料が残ってるのが珍しいな~って思ったぐらい」
夜鷹 守人 :
「箝口令……? なぜこの事件に対して……」
赤星 透也 :
「残念ながら箝口令が敷かれてるので~教えられません~」
赤星 透也 :
「というか俺も、別にそこの事情は知らないんだけどな、上層部の判断なワケだし」
夜鷹 守人 :
「……なるほど」
意味深に思えるが、深く言及をせずに
赤星 透也 :
「それはともかくさ」
赤星 透也 :
「……読書ってハラ減らない?」
赤星 透也 :
「さっきからイイ匂いするんだよなあ、カフェの方から……たぶんミートソースパスタの……」
夜鷹 守人 :
「兄さん……」
まったく、と軽く呆れた態度
赤星 透也 :
「アハハ、ちょっと早いけどさ昼休憩にしようぜ?な?」
夜鷹 守人 :
「………ですね、一度休憩にしますか」
赤星 透也 :
「よっしゃ、じゃあ行こうぜ!」
22 探索:警視庁 取調室
同日/MORNING/天気:小雨/警視庁取調室
KP :
警視庁下層フロアの一室。
KP :
そこは無機質で閉塞感のある白い小部屋だった。
KP :
高い位置に設置された小さな窓格子からは、ほのかな陽光が差している。
KP :
その中央にはテーブルが1つ置かれていて、
KP :
それを挟むようにイスが2つ置かれている。
KP :
……そして、そこにはデクと呼ばれたVOIDが項垂れた状態で待っていた。
スコア :
「こんにちは~」 あまり警戒させないように、朗らかに挨拶しながら入ろう
不破 栞 :
「こんにちは……一昨日ぶりだな。話を聞かせて貰ってもいいかな」
デク :
「……ぁ、ああ」顔を上げ頷く
KP :
彼に話を聞く場合は≪交渉系技能≫による判定をどうぞ!
KP :
不破さんは今のデクが最も信頼している人物である為、10%のプラス補正を得ます!
不破 栞 :
お、じゃあ説得で行きましょう!
スコア :
わーい!
不破 栞 :
cc<=90 なんとかなれ~(1D100<=90) > 46 > 成功
スコア :
なんとかなった!わたしは振らなくてもいいや
KP :
隣にスパイいる中でも抜群の安定感
スコア :
ほにゅ?
不破 栞 :
PLもほにゅほにゅしてんねぇ!!
不破 栞 :
「聞きたいのは……あの屋上で君と居た、少年型のVOIDについてだ。彼とはどこでどのように出会ったんだ?」
デク :
「彼か……彼は黒いアンドロイド達を連れて、急に部屋に入ってきたんだ……」
デク :
「奴等は武装していて、その場にいた社員達はすぐに射殺されたよ……」
デク :
「そして、まわりから呻き声しか聞こえなくなった後、彼は混乱していた僕に言ったんだ」
デク :
「『自由になりたくはないか』って」
デク :
「そう言って手に触れられた瞬間、ハッキングされたみたいに処理が追いつかなくなって……気付いたらあんなことに……」
不破 栞 :
「なるほど……答えてくれてありがとう」
スコア :
「昨日の田中さんとこの情報と共通点がありますね。これは本当にハッキングしてるのかも」
黄海 夏央 :
「……そうですね、このハッキング能力は、佐久間さんが住んでいたマンションの監視カメラ映像が改竄されていたという情報とも符合します」
不破 栞 :
「本格的に同一犯の線が出て来たな」
スコア :
「じゃあ、これで事件解決……ってわけでもないか。あのアンドロイドに指示していた人間がいるんだし」
シロウ :
「わふぅ……」
スコア :
「デク、1310……あの茶髪のアンドロイドと、他に何か話はしなかったんですか?」
不破 栞 :
「そうだな。彼は、常にだれかと交信してこちらと話そうとはしなかったが……」
デク :
「いや……何も…………さっき言ったようにハッキング?を受けてたせいで話しかけられる状況じゃなかったんだ…………」
スコア :
「ほとんど正気な状態じゃ無かったってわけですか……なるほど……」
不破 栞 :
「そうか…それは仕方がないな……」
不破 栞 :
「真犯人に直接繋がるわけじゃないが、ひとつ見えて来たことがあるな」
スコア :
「何です?」
不破 栞 :
「黒幕の目的だよ」
黄海 夏央 :
「……黒幕の目的?」
不破 栞 :
「自由さ。人に支配されたアンドロイドの解放」
スコア :
「……そうですね。自由になりたくないか、って言われてハッキングされたようですし」
黄海 夏央 :
「…………」
不破 栞 :
「ここで言う自由は多分、貴族が奴隷を支配するような物質的自由……というよりは思想的自由のほうだな」
不破 栞 :
「営利目的や私怨ではない、そういった大きな目的のため犯人は事件を起こしている」
不破 栞 :
「まあ、そこまでわかったところでどうなるものでもないが……」
デク :
「……ん、自由…? そうかな…?」
不破 栞 :
「君は別の目的があると思うか?」
デク :
「あ、すいません推理に水を差して……」
デク :
「ただ自由を目的にしている割には、アンドロイド達を道具として使っている気がして……」
不破 栞 :
「いや、君の意見はいまとても重要だ。少しでも気になったことはどんどん言って欲しい」
不破 栞 :
「道具……そうだな。確かに動機がアンドロイドの自由だとすれば、手段は矛盾しているようにも見える」
黄海 夏央 :
「大義の為の犠牲、として割りきった可能性もありますが……」
スコア :
「もしかしたら、自由なんてただの建前なのかもしれませんね」
スコア :
「わざわざあの会社に乗り込んで事を起こしたのも気になりますし」
不破 栞 :
「そういえばデク、君は以前、あの会社で何の仕事をしていたんだ?」
デク :
「え、ああ、お茶汲みとか他には重要じゃない雑務を……」
不破 栞 :
「そうか。資料の整理とかをやっていたなら、会社の実態について何か知っているかと思ったが……」
デク :
「それなら普通の会社、だったと思うよ」
デク :
「市販薬の販売の他に病院とも繋がりがあって……でも最近は新しい取引先ができたって心なしかピリピリしてたな……」
スコア :
「あ、あれですかね。会社の日誌にあったやつ」
不破 栞 :
「ああ、きな臭くなってきたな……」
不破 栞 :
「その取引先というのは? 聞いてもいいか?」
デク :
「詳しくは知らない、から何とも……」
デク :
「でも以前、白衣を着た数人が会社に来たコトがあった」
デク :
「その先頭にいた男は黒髪で、蛇のような目をしてたよ」
スコア :
「蛇みたいな目ですか。爬虫類顔なんですね」
不破 栞 :
「ふむ……」
不破 栞 :
「あの会社についてはもう少し調査が必要だな」
スコア :
「ですね~……」
スコア :
「そうだ、デクはこの資料に心当たりありません?きな臭そうな情報なんですけど、一部読み取れなかったんですよ」
スコア :
って、□■■■■■についての資料をそのまま読んで聞いてみたい
デク :
「ごめん、何の事だかさっぱり……重要なプロジェクトには関わらせてもらえなかったから……」
スコア :
「雑用係ですもんね……。そりゃそうだ、気にしなくて大丈夫ですよ」
デク :
「ああ、でも」
デク :
「これが新薬のコトだったら、都内の総合病院でも使われてるかも?」
デク :
「……ああ、いや、本当の役に立つのか、なんて言われる薬品が総合病院に行くハズないか」
デク :
「ごめん、勘違いだった」
スコア :
「いや……どうでしょう?もしかしたら使われてるかもしれませんよ」
不破 栞 :
「そうだな。手掛かりに乏しい今、調べてみる価値はある」
不破 栞 :
「この国で新薬が承認されるためのハードルは高く、時間もかかる。資料を見る限りだと、件の薬がそのハードルを越えてるとは思えないが……」
不破 栞 :
「臨床試験の目的か何かで少量が外に出されている可能性はゼロではない」
スコア :
「へー、詳しいですねマスター」
スコア :
「わたしは何となく可能性としてあるのかな~って思う位だったけど、そういう風に理由立てて言われるとほんとにありえそうかも」
黄海 夏央 :
「……たしかに、繋がりとしてはなくはなさそうですけど」
黄海 夏央 :
「これは本当に一連の事件と関係しているのでしょうか?」
不破 栞 :
「まあ、それは微妙なところだが……ほかに可能性の高そうなところを潰して時間があれば当たってみてもいいと思うぞ」
不破 栞 :
「あの会社が狙われた理由にも関わってくるからな」
不破 栞 :
「もっとも、本当にアンドロイドの自由自体が目的だとすれば、あの会社を狙った理由なんてないだろうが……」
スコア :
「……そのアンドロイドの自由なんですけど」
スコア :
「1310はハッキングでデクを操って、今まで感じるはずが無かった気持ちを感じるようにさせた……って感じなんですよね」
不破 栞 :
「本当にそんなことができているかは検証のしようもないが、やりたかったことはそうだろうな」
スコア :
「でしょう?じゃあ、今はどうなんですか?」デクの方を向いて
スコア :
「あの時はあなたを虐げていた社員のことを憎んだり、自分の境遇を嘆いたり、廃棄されることに怯えたりしていましたけど……今もそう思っているんです?」
デク :
「ああ……死ぬのは今でも怖いよ……」
スコア :
「そうですか……。じゃあ、社員達に対する気持ちも変わってません?」
デク :
「…………」言いにくそうにしているが露骨に表情が曇る
不破 栞 :
「……やめとけ、スコア」
不破 栞 :
「私だって同じことを質問されたら答えようがない……」
スコア :
「……はーい、分かりました。もうやめますよ、マスター」
スコア :
「今の受け答えで、もう十分分かりましたしね」
スコア :
「あの時はハッキングで一時的に操られていただけで、今は元に戻った状態──」
スコア :
「そういう可能性もあったけど、そんなことは無かったってことが」
不破 栞 :
「だな」
スコア :
「となると、変異体っていうのは色々厄介ですね。衝動的にではなく、自分の意志でちゃんと行動を決められる状態が続く……だなんて」
スコア :
「それはもう人間と変わりありませんよ」
デク :
「……!!」
不破 栞 :
「まあ……厄介、と思う者もいるだろうな」 言葉を濁す
スコア :
「そりゃ、厄介でしょ。ただの道具として作ったものが、所有者の意志に反して勝手に動くんですから」
スコア :
「リボット社はこの仕様をちゃんと知ってたんですかね?」
黄海 夏央 :
「……いえ、リボット社も世間も、変異体の実在は知らないでしょう」
黄海 夏央 :
「存在するだけで現代社会を根底から揺るがす醜聞(スキャンダル)ですから」
スコア :
「ですよねえ。わたしもそんなの今まで知りませんでしたし」
スコア :
「……まあ、でも。仕様通りでもそうでなかったとしても」
スコア :
「リボット社には、ちゃんとこの事実を認めてもらわなくちゃいけませんね」
スコア :
「その上でちゃんと対応してもらわないと、この先不幸なアンドロイドが増え続けることになりますよ」
不破 栞 :
「そうだな。彼らが本当に人間とアンドロイドの共和を謳うなら、その責任を果たすべきだ」
不破 栞 :
「そのためにも、この事件の真相は解き明かされなければならない」
スコア :
「えぇ、頑張りましょ。マスター」 頷いて
スコア :
「……まあ、そういう話なので」
スコア :
「やっぱり、あんたは何も悪くないと思いますよ。悪いのはハッキングを指示した黒幕と、リボット社です」
スコア :
「だからもう堂々としてりゃいいんです」 デクに向かって笑いかける
デク :
「僕は、何も悪く、ない?」
デク :
「…………でも、そう思ってくれるのは、君達だけだろう?」
デク :
「君達が来る前に来た刑事が言ってたんだ、僕は捜査が終わったら廃棄だろうって……」
デク :
「変異体のサンプルとして解体されるんだって……」
スコア :
「いやー、そうはさせないでしょ。マスターは」
不破 栞 :
「約束したからな……やれるだけのことはやるつもりだ」
不破 栞 :
「例えば……私の刑事生命ひとつ差し出せば、君を逃がすくらいのことはできるかもしれないな」
黄海 夏央 :
「な……!?」その言葉に驚いて不破の顔を見る
スコア :
「お、じゃあその時は一緒にバイトでも探しますか」 全然動じずに笑いかけて
不破 栞 :
「本気にするなよ、ちょっとしたジョークだ」 つとめて真面目なトーンで
黄海 夏央 :
「(とてもそうは思えませんでしたが……そこまで……)」
スコア :
「まあ、それくらいの気持ちで頑張るってことでしょ?」
不破 栞 :
「ああ。クビになったらなったで色々困るからな……」
スコア :
「そりゃねえ。わたしも刑事やってるマスターを見てたいですしね」
不破 栞 :
「のんびりとした生活もまあ良かったが……やっぱり捜査権があるっていうのはいいもんだ」
スコア :
「ふふっ。……っと、わたしやマスターはこんな感じのスタンスです」
スコア :
「絶望して待つか、希望して待つか、どちらでも好きなようにしててください。わたし達も好きなようにやってるので」
デク :
「…………本当に屋上で見たままの人なんだな」
スコア :
「そうでしょ?惚れました?あげませんけどね」 冗談っぽく言いながら笑う
デク :
「……はは」そんなスコアちゃんに少し笑みを零し
デク :
「やっぱり信じる事にするよ、一度は信じると決めたんだから」
不破 栞 :
「……そう言って貰えると助かるよ。私も君を信じた甲斐がある」
スコア :
「良かったですね、マスター」 嬉しそうに微笑みかける
不破 栞 :
ポニーテールをくるくると弄りながら。
不破 栞 :
「じゃあ、そろそろ私たちは行くよ。また聞きたいことができたら力を貸してほしい。何か困ったことがあれば私を呼ぶように言ってくれ」
スコア :
「それじゃまた~」 軽く手を振りながら立ち上がる
不破 栞 :
そんな感じで部屋を出ましょ!
KP :
……そうして、アナタ達は取調室を飛びだした。
KP :
するとアナタ達は扉の前で待機していた『何者か』とぶつかってしまう。
不破 栞 :
「おっと、失礼」 誰か確認しよう
スコア :
「わっ」
謎のアンドロイド :
「あっ、す、すみません」
KP :
それはビルで対峙した黒いアンドロイドだった。
不破 栞 :
「!?」
スコア :
「あ、あんたは────」
不破 栞 :
「あのビルで戦った……!?」
謎のアンドロイド :
「え……? あ、はい……戦ったと言えば戦いましたが…………」共に戦ったというか、とゴニョゴニョ
スコア :
「……?え、記憶があるんですか?わたし達のこと覚えてます?」
謎のアンドロイド :
「いや、それは勿論……」
謎のアンドロイド :
「あっ、そっか」
謎のアンドロイド :
「……すみません、急に出てこられたのでビックリしてしまって、思わず手にしていたヘルメットを被って隠れようと」
謎のアンドロイド :
「俺ですよ俺」
青木 玲斗 :
「────青木です」黒いアンドロイドのヘルメットを脱ぎ
スコア :
「ええ……!?」
不破 栞 :
「ビックリした……紛らわしいことをするな……!」
青木 玲斗 :
「す、すみません……人見知りがこう治らなくて咄嗟に…………」
スコア :
「なーんだ……わたしはてっきり、あのVOIDが普通にその辺歩いてるのかと」
青木 玲斗 :
「い、いえ、残念ながら彼等の修復は叶いませんでした……」
青木 玲斗 :
「ごく一部以外は」
不破 栞 :
「ごく一部?」
青木 玲斗 :
「ええ、黒いアンドロイドの内、1体のスタック内の記憶データが修復できたんです」
青木 玲斗 :
「……7文字だけですけど」
スコア :
「おー、やったじゃないですか。それでも凄いですよ」
不破 栞 :
「7文字でも今は貴重な手掛かりだ。一体何が……?」
青木 玲斗 :
「ええと、それは…………」言いにくそうに目を逸らす
青木 玲斗 :
「あ~、勿体ぶる訳じゃないですけど、先に俺から質問いいですかね?」
スコア :
「別にいいけど、なんです?」
青木 玲斗 :
「えっと、変異体への尋問はもしかして既に……?」
不破 栞 :
「ああ。今の時点で聞きたいことは一通り」
スコア :
「普通に話してきましたよ」
青木 玲斗 :
「そう、でしたか……」
青木 玲斗 :
「変異体と話す、と聞いたので事前に説明を、と思ってレミさんに留守番を任せてきたのですが……もう遅かったようですね……」
不破 栞 :
「事前に? 変異体についてか?」
青木 玲斗 :
「ええ、変異体について俺なりの考察を参考までに知らせておこうかと思って」
青木 玲斗 :
「……偉ぶる訳じゃないですけど、メンテナンス担当の俺が、アンドロイド達について最も詳しいハズですし、少しは役に立てるかなって」
スコア :
「せっかくだし気になりますね。別に尋問だけじゃなくて今後も役に立つ考察かもしれませんし」
不破 栞 :
「ああ、助かるよ。私も変異体については十分な知識があるわけじゃないからな」
黄海 夏央 :
「……そうですね、アンドロイドと変異体について正しい知識を持っておくのは重要だと思います」
青木 玲斗 :
「そ、そうですか? それだったら休憩所でコーヒーでも吞みながら、ゆっくりお話しましょうか?」
スコア :
「いいですよ~。わたしはコーヒー飲めませんけど」
不破 栞 :
「ここのところ慌ただしかったし、ゆっくり聞かせて貰うよ」
青木 玲斗 :
「は、はい……!ではあちらへ────」役立てる事が嬉しいのか、ほんの少し頬が緩む
KP :
アナタ達は青木に連れられて近場の休憩所へと移動する。
KP :
周囲の警官の数は少なく、話し合いには丁度よさそうだ。
スコア :
「喫煙席じゃない!ヨシ!」 禁煙のポスターを確認してから席に座る
青木 玲斗 :
「あれ…? アンドロイドも煙草とか気にするんですね…?」
スコア :
「めちゃくちゃ気にします」
不破 栞 :
「喫煙席じゃないのか……」 明らかに気落ちする
スコア :
「こういう人が傍にいるので……」
青木 玲斗 :
「ああ、成程……」腑に落ちた
不破 栞 :
「最近また一段と吸える場所が少なくなったよ……で、変異体の話か」
青木 玲斗 :
「ええ、では不破さんはご存じと思いますが、一応、前提となるアンドロイドの知識から説明していきますね?」
スコア :
「おねがいしまーす」
青木 玲斗 :
「まず前提として、VOIDには『マインドパレス』という行動決定を司るソフトウェアが搭載されています」
青木 玲斗 :
「アンドロイド法に則った動作を行ない、必要に応じて人間を模した言動を行なう────」
青木 玲斗 :
「分かりやすく言えば、人間で言う『脳』に当たりますね」
スコア :
「やっぱり、頭部の中に組み込まれてるんです?」 自分のこめかみを指差す
青木 玲斗 :
「ええ、そのハズです」
青木 玲斗 :
「アンドロイド達は身体構造も元の生物に似せて作られていますからね」
スコア :
「なーるほど」 シロウを見下ろして
シロウ :
「わふ?」首を傾げてペタンと倒れる
スコア :
「この子も犬にちゃんと似せて作られてるんですねえ……。あっ、進めてください」 脱線しそうになる前に、と
青木 玲斗 :
「あ、はい」
青木 玲斗 :
「マインドパレスは通常、外部からの干渉を受けつけないブラックボックスなのですが……」
青木 玲斗 :
「身体的ショックか精神的ショックを受けた機体は、このマインドパレスが損傷してしまう場合があります」
不破 栞 :
「その損傷が原因で変異体になってしまう、ということか?」
青木 玲斗 :
「はい、ごく簡単に言えば」
青木 玲斗 :
「そこで『アンドロイド法に則った動作を行なう』というプログラムだけが破壊された結果」
青木 玲斗 :
「残った『人間を模した言動を行なう』というプログラムだけを最優先で実行している、と俺は考えてます」
青木 玲斗 :
「ロボットは人間に危害を加えてはならない、ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない、等々のアンドロイド法を無視し、人間らしさだけを追求するアンドロイド……」
青木 玲斗 :
「つまり『人類に反し感情を得た』ような『変異体』というアンドロイドが誕生する訳です」
スコア :
「なるほど~……凄くそれっぽい感じしますね」
スコア :
「じゃあマインドパレスをちゃんと修復すれば、元の状態に戻せるってことなんです?」
青木 玲斗 :
「そうでしょうね、とはいえマインドパレスは脳のようなモノ────並の技術者には干渉不能ですし、それごと交換してしまえば別のアンドロイドになってしまうと思われます」
不破 栞 :
「簡単には外部から干渉できないからこそブラックボックスと呼ばれるわけだからな」
スコア :
「そっか~……。じゃあ、なんかほぼ不可能っぽいですね」
スコア :
「まあ、仮に直せたとしても、そのアンドロイドが元の状態に戻るのを望むかどうかも分かんないですけど」
青木 玲斗 :
「そうですね……人間らしい言動を優先するのであれば拒否するのが自然かと」
青木 玲斗 :
「とはいえ、ここまで語ったコトは俺の仮説に過ぎません」
青木 玲斗 :
「……もしかしたら、本当にアンドロイドが感情を得ているのかもしれませんし」
スコア :
「そんなわけない、とも否定できませんねえ。デクのあの様子を見た後だと」
黄海 夏央 :
「そうですね、彼はまさに生きているとしか思えない……」
不破 栞 :
「……」 無言でコーヒーを口にする
青木 玲斗 :
「仮説はさておき、重要なのは茶髪のアンドロイド……仮称1310番はVOIDをハッキングする能力を持ち」
青木 玲斗 :
「それによってマインドパレスを損傷させて『意図的に変異体を生み出す事ができる』というコトです」
スコア :
「それが手で触れるだけで出来ちゃうっていうんだからとんでもないですね」
不破 栞 :
「このようなことが繰り返されれば……社会が混乱するのは必至だな」
不破 栞 :
「今は情報操作でなんとか誤魔化してはいるようだが……」
黄海 夏央 :
「ええ、これまでの日常は、既に薄氷の上にあると考えていいでしょう」
スコア :
「うーん……」
スコア :
「その内、大量のVOIDが変異体にさせられちゃったりしたら、もう誤魔化すとか出来なさそう」
青木 玲斗 :
「それなんですが……」
青木 玲斗 :
「もう大量のVOIDが変異体になっている可能性があります」
スコア :
「え、そうなんですか?まだ田中さんとことデクで二件位しか知りませんけど」
不破 栞 :
「警視庁のほうに、そういう報告が?」
青木 玲斗 :
「そういう報告が上がっている訳ではないんですが……」
黄海 夏央 :
「殺人事件とは別件の、アンドロイドの連続行方不明事件のコトですよね?」
青木 玲斗 :
「あ、はい……もし行方不明になったアンドロイド達が全員、変異体になって表舞台から消えたのであれば…………」
青木 玲斗 :
「その総数は……うう、考えたくもない……」
不破 栞 :
「連続行方不明事件というと……連続破壊事件の裏で行方不明になっているアンドロイド達のことか?」
スコア :
「破壊されたアンドロイドもいるけど、まだ見つかってないのもたくさんいるんでしたっけ」
青木 玲斗 :
「そうなんです……未発見の機体も多くて……」
不破 栞 :
「そうか……あの事件か……」
不破 栞 :
「……」 コーヒーに映る景色を眺めている
スコア :
「……?マスター?この事件で何か気になることが?」
不破 栞 :
「いや……あの事件は個人的に興味があって調べてたからな。いろいろ思い出してただけさ」
スコア :
「あれ、そうなんです?」
不破 栞 :
「まあ、仕事じゃなく紙面で追う程度だが……興味があれば別の機会に話してやろう」
スコア :
「マスターが興味あることなら何でも興味あるし、聞きたいですね。じゃあまた話してください」 ワクワクしてそうな笑顔で
不破 栞 :
「そりゃあ有難いことだな……っと、話が逸れたな」
青木 玲斗 :
「ああ、ええっと、変異体に関する説明は以上です」
青木 玲斗 :
「次は犯人像についての予想でも」
スコア :
「はぁ、犯人像ですか」
不破 栞 :
「気になるな。聞かせてくれ」
青木 玲斗 :
「……まず複雑なマインドパレスに干渉できるアンドロイドなんて、一般人が用意できるとは思えません」
青木 玲斗 :
「やはり黒幕はVOIDに関する知識を持つリボット社の技術者」
青木 玲斗 :
「とはいえ、一連の事件でリボット社の株価は暴落してますし」
青木 玲斗 :
「……そのあたりを考慮するとリボット社に対して恨みを持つ元リボット社SE、の可能性が高いのではと」
スコア :
「そういえば、昨日もそんな話したなあ」
不破 栞 :
「とはいえこれほどの技術力を持ってる人物が流出したとなれば、ある程度情報が出ていてもいいんじゃないか?」
青木 玲斗 :
「たしかに……? とはいえ、一般人は大企業の優秀なエンジニアの名前なんて気にしませんから、メディアが取りあげる意味もなかったのかもしれません……」
不破 栞 :
「役員クラスでなければまあ、扱いもそんなものか」
スコア :
「リボット社の退職者について、調べてみるのもアリかもですね」
青木 玲斗 :
「ええ、いずれにせよリボット社には話を聞いた方が良いと思います」
スコア :
「ですよね~。もう色々怪しすぎますし、そもそも変異体の事を聞きに行かなきゃいけないって話をさっきしてたんでした」
不破 栞 :
「そうだな。先方に協力して貰うには捜査令状でも取れれば確実なんだが……現状じゃ難しいか」
青木 玲斗 :
「ですね……捜査協力の姿勢は見せてくれると思いたいですが……」
黄海 夏央 :
「…………」コーヒーに口もつけずシロウを撫でる
スコア :
「ま、それは行ってみてから考えるとして」
スコア :
「結局、復元できたスタックの七文字って一体何だったんです?」
青木 玲斗 :
「あ、やっぱり気になりますよね……」
青木 玲斗 :
「しかし、これは伝えてもいいものか」
スコア :
「ここまで引き延ばしておいて!?」
スコア :
「教えてくれなきゃ気になってスリープモードにもなれませんよ」
不破 栞 :
「そりゃ、上の顔色を窺っての話か?」
青木 玲斗 :
「いえ……窺っているのは上ではなく"被害者"の顔色というか……」
スコア :
「被害者……?」
青木 玲斗 :
「ええ……」
青木 玲斗 :
「スタック修復の結果、得られた7文字の記憶データ────」
青木 玲斗 :
「登録名ダイスケ」
青木 玲斗 :
「ダイスケ、だったんですよ…………第一事件現場から逃走した田中家のアンドロイドの」
スコア :
「ダイスケ……」
スコア :
「いや、めちゃくちゃ重要な七文字じゃないですか」
不破 栞 :
「……たまたまその七文字が残っていたこと、神様に感謝しなきゃいけないかもしれないな」
青木 玲斗 :
「とはいえ、黒幕に繋がる手掛かりではありませんし……これを田中雅人くんに告げる事になると思うと複雑で……」
不破 栞 :
「……本人が知りたいと言うまでは、黙っておくべきだろうな」
スコア :
「まあ、そうですね……。伝えるにしても、もっとちゃんとした調べがついてからの方が良いと思いますよ」
スコア :
「それだけ伝えたところで、混乱させちゃうだけだと思います」
青木 玲斗 :
「そう、ですね……」
青木 玲斗 :
「うん、俺が悩んでる場合じゃないな……気を取りなおして、この事実からできる推測を述べていきますね……」
スコア :
「お願いします」
不破 栞 :
「ああ、頼む」
青木 玲斗 :
「恐らくは他のアンドロイド達も、1310番がハッキングで変異体にしたVOID達なのでは、と考えられます」
青木 玲斗 :
「デクの証言を踏まえて考えると『自由になりたくはないか』という甘言でVOIDを騙して拠点に連れ帰り」
青木 玲斗 :
「……様々な改造を施し、遠隔操作可能な兵士にしたのでしょう」
青木 玲斗 :
「通常、遠隔操作できたとしても、人間に対して攻撃を行なおうとした場合はロックがかかるハズですが」
青木 玲斗 :
「そこはマインドパレスが変質した変異体にしてありますからね」
青木 玲斗 :
「アンドロイド法第一条『ロボットは人間に危害を加えてはならない』というセーフティもないでしょう」
スコア :
「そうですねー……今ある情報だと、そういう風にしか考えられないかも……」
不破 栞 :
「血も涙もないな……」
不破 栞 :
「人間も信頼しない、アンドロイドも信頼しない」
不破 栞 :
「……犯人のそんな考えが見え隠れしているように思えるよ」
黄海 夏央 :
「しかし、これで本当に犯人の目的が分からなくなってしまったように思います」
黄海 夏央 :
「……技術と知識さえ持っていれば、誰でも黒幕の可能性はある」
黄海 夏央 :
「こんな状態で犯人を絞りこめるのでしょうか」
スコア :
「うーん……まあまあ、そこはまだもっと捜査してみてからですね……」
不破 栞 :
「今は可能性の高そうなところを絞って見ているが……もう少し広い視野で手を広げてみる必要があるかもな」
スコア :
「そうかもですね。このまま何も分からなかったら、玲斗さん辺りを逮捕して終わりになっちゃいそうですし」 笑って冗談を言う
青木 玲斗 :
「え!?俺!?!?!?!?」またしても冗談が通じない
青木 玲斗 :
「お、俺……! 職場にプラモを持ちこんでるくらいしか悪いコトは……!!」
スコア :
「え、プラモ持ち込んでるんです?」
スコア :
「それは悪いなあ、レミさんに言ってやろ~」 にや~と笑いながら、レミさんに今の会話の映像を送ります
青木 玲斗 :
「あっ!? えっ!?!?」
青木 玲斗 :
「まずっ…!? 今、解析室にはレミさんしか…!!」
青木 玲斗 :
「片付けられる…! 絶対…!! やばい…! ヤバイ…!!」
KP :
そう言うと青木は慌てて解析室に走っていってしまった。
スコア :
「あははっ、行っちゃった」 面白そうに走り去る背中を見て笑う
不破 栞 :
「お前……容赦ないな」
スコア :
「いやー、だって冗談のつもりだったのに面白い自白が出て来たからつい」
シロウ :
「わふ…(走り去る青木に向ける憐憫の視線)」
スコア :
「ま、技術と知識があるから誰でも黒幕……っていっても、玲斗さんはありえなさそうですね」
スコア :
「元から疑ってもいませんけど。あんな人が周りを騙して黒幕だったら世も末ですよ」
不破 栞 :
「だな……主催者がいなくなってしまったし、そろそろ捜査に戻るか?」
スコア :
「そうですね~。行きましょ行きましょ」 席から立ち上がる
KP :
全員の朝のターンが終了したので、昼のターンを開始します!
KP :
残っている探索箇所は以下の通り!
□探索箇所
『第一事件現場』で捜査
『第二事件現場』で捜査
『リボット社』で社長に聞き込み
『総合病院』で遺族に聞き込み
『図書館』で関連書籍の読書/ワード検索
『警視庁』
-解析室で破壊したアンドロイドの調査
-取調室でデクと呼ばれたVOIDに尋問
-ドロ係本部でPCでデータベースを検索
-食堂で食事
スコア :
あと三つね、どうしよっか
スコア :
さっき雑談で言ってたみんなで食堂食事する?
ヤオ トモヤ :
リボ社突撃を後に回すので一致してそうなので残りをどう振るかですよね、!賛成です
夜鷹 守人 :
それもありね!アンドロイド・ランチ
スコア :
アンドロイド・タベルモノガナイ
ヤオ トモヤ :
ブルーブラッド・ススリマスカ
不破 栞 :
いいと思う思う…!
夜鷹 守人 :
冷却用のブルーブラッドアイス食べな
スコア :
マスターにあーんしてもらわなきゃ
スコア :
あ、そうだKPに聞きたいことが
スコア :
解析室に行くと人間のPCはHP回復するけど、それは朝昼夕のターン消費必要かしら?
KP :
ターン消費は……ナシでいいか! HPと武器耐久の回復サポート効果だけなら、宣言だけで受けられる事にしましょ!!
スコア :
無かった!!ありがたみ…!!
不破 栞 :
ありがてぇ~!
スコア :
必要なら、夕方はふわすこは解析室もう一度行くのもありかな~って思っていた
夜鷹 守人 :
ありがーた…
ヤオ トモヤ :
ありがてありがて…
スコア :
じゃあ、昼はPC4人で食堂いきますか
夜鷹 守人 :
ランチよ~(2回目)
不破 栞 :
おっけい!
ヤオ トモヤ :
わ〜い!
KP :
では昼はPC達でランチに決定! なかよしかな!!
23 探索:警視庁 食堂
同日/AFTERNOON/天気:晴れ/警視庁食堂
KP :
現在の警視庁の食堂は、外に面する壁がガラス張りになっていて、日の光が食堂の内を照らしていた。
KP :
東京の街並が一望でき、見下ろせば市街の人々やアンドロイド達が小さく見える。
KP :
食堂は食事に来た他の警官や食事を運ぶアンドロイドでそれなりに賑わっていた。
KP :
席に座る前にアンドロイドに注文するシステムになっている。今日のおすすめは唐揚げ定食のようだ。
KP :
余程レアな食材を使用する料理でない限り世界各国大体のメニューは揃っている。
KP :
ここで皆様≪目星≫による判定をどうぞ
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 72 > 失敗
スコア :
えー
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 92 > 失敗
ヤオ トモヤ :
あれあれ
スコア :
くそざこアンドロイドどもがよ
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 33 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 おらっ(1D100<=75) > 13 > 成功
不破 栞 :
目がいい👓
ヤオ トモヤ :
アンドロイドには見えない仕掛けのようですね
夜鷹 守人 :
片目はないけど目星が効く
KP :
では人間の2人は席に着く前、電源が付いたままのタブレット端末が隣のテーブルに置かれている事に気が付く。
KP :
その席に荷物は置いていないが、誰かの忘れ物だろうか。
スコア :
「お~、ここ空いてますよマスター」 気付かず席に座る
不破 栞 :
「じゃ、ここにするか……お。忘れ物か?」
夜鷹 守人 :
「不破さんらもどうも……おや」
釣られて画面を覗こう
スコア :
「あ、どうもどうも。そっちもお昼ですね」
ヤオ トモヤ :
「どうも、お昼時ですもんね」
夜鷹さんてばそんな細いのにまだ入るのかな…と横目にしつつ
不破 栞 :
「夜鷹くんにヤオくんか。偶然だな」
夜鷹 守人 :
「軽く通りかかったもので……」
□人生における選択とは
「人生は選択の連続である」という言葉を誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
これはかの有名な劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品の1つである「ハムレット」に出てくる名言である。
アメリカの研究によれば「人間は1日に35000回もの決断・選択を行なっている」と言われている。
これは大きな選択に限ったことではなく、例えば朝食の内容であったり、その日着る服であったり、
目玉焼きにかけるものであったりと、我々は毎日、気付かぬ内に小さな選択を繰り返しているのだ。
私は「選択の積み重ねこそ自分という人間そのものを形成する」と言っても過言ではないと考える。
今の自分という存在は、過去の自分の選択が造りだした造形物なのだ。
逆に言えば"未来の自分"というモノは、これからの選択によって180度変わる可能性も秘めている。
我々は選択によって、何者にもなれるのだ。
夜鷹 守人 :
「………人生、か」
タブレットを見てぽつりとつぶやく
不破 栞 :
「誰か知らんが読書家の人の忘れ物みたいだな」 内容を斜め読みして
スコア :
「あれ?それ守人さんのじゃないんです?」
夜鷹 守人 :
「違う。誰かが電源をつけっぱなしにして料理を取りにいったんじゃないのか?」
スコア :
「なるほどね~。駄目じゃないですか、人の物勝手に読んじゃ」 笑いながらそう言うが、栞が斜め読みしていたから自分も覗き込んで見ている
不破 栞 :
「おっとすまん、そこに文章があるとついな」
スコア :
「活字大好きですもんね、マスターは」
ヤオ トモヤ :
「不用心ですね、どなたのものでしょう?」言いつつ自身も流し見る
不破 栞 :
「食べ終わるまでに誰も取りにこなかったら総務に届けてやろう」
スコア :
「そうですねえ」
夜鷹 守人 :
それが良いでしょう。とコーヒーを片手に席に座りましょ
夜鷹 守人 :
「(過去の自分が今の自分を形成する、か。過去が朧げな自分は半分失ったようものなのかもな……)」
不破 栞 :
「どうした、何か思案気な顔で」 そう言いながら席に座る
夜鷹 守人 :
「ああ、いえ。今の文章を自分に重ねてしまって。大したものではないですよ」
スコア :
「ふーん……?そんな重ねるようなもんですかね、あれ。当たり前のことをそれっぽく言ってるだけなのに」
ヤオ トモヤ :
「‼︎ぁ、えーと。その、でもほら時たま当たり前だとわかっていることでも身に沁みて感じることとか……人間にはあるんじゃないです?」
スコア :
「なるほど?」
不破 栞 :
「人生は選択の連続か。たまに思うことはあるな」
不破 栞 :
「私たちは選んでいるのか、選ばされているのか……さっき私がオムハヤシではなくオムカレーを選んだのは、本当に今の自分の意思なのか」
不破 栞 :
「あるいは、その二つの選択肢で何分も迷っていたこと自体が自分の意思ではなく予定調和なのかもしれない……なんて途方もないことをな」 冗談めかして明るいトーンで
スコア :
「さっきなんか時間かかってるな~って思ったら」 楽しそうに笑う
夜鷹 守人 :
「哲学的なものですね。当たり前のことを分解して考えると案外見えてくるものがあるものです」
ヤオ トモヤ :
「味覚を持たない私には、どちらもさして変わらないように見えますが……」微笑んで
「本人以外からしたら、案外そのようなものなのかもしれませんね」
不破 栞 :
「そういう一見するとどうでもいいような選択で悩めることが、豊かさなのかもしれないな」
不破 栞 :
「まあ、この話はこの辺にして……捜査のほうはどうだ?」 席に運ばれてくるオムカレーを前にしながら
スコア :
「わたし達はさっきまでデクと話したりしてたんですよね」
夜鷹 守人 :
「尋問ですか。デクから何か聞き出せましたか」
こちらは図書館にいったりしてた、と伝えよう
スコア :
「色々ありましたよ。ちょうどいいし、そちらにも伝えておきましょうか」
スコア :
ヤオくんにデクと青木さんとの会話の映像を送りつつ、マスターと一緒にその時のことを守人くんに話して情報共有しよう
スコア :
「……と、まあ……そういうところです。田中さんちの子に直接話を聞きに行ったお二人にはちょっとショックかもしれませんけど」
ヤオ トモヤ :
「……あのアンドロイドがダイスケさんだったんですね」
夜鷹 守人 :
「……そうか。あそこにいたのが……」
雅人くんのことを思い、憂う
ヤオ トモヤ :
「……」「……雅人君が絵本を見せてくれたんです。少年が壊れてしまったアンドロイドを大事に思い続け、いつしか彼の手で修理してみせるお話でした」「雅人君はそのお話に自分とダイスケさんを重ねていたように思います」
ヤオ トモヤ :
「…きっと辛いけど。あの子はこの事も受け止めると思います。私達は私達でこの事件の真相に辿り着きましょう。黒幕を暴いて逮捕しない限り、私は彼に会わせる顔がありません」
スコア :
「まだ小さい子供だから、流石にちょっと心配ですけどね……」
夜鷹 守人 :
「あの歳にしては落ち着いている子でしたが、これ以上の負担にならないよう尽力しましょう……」
夜鷹 守人 :
「───それと、こちらとしてはこんなものです」
ヤオくんに映像を送ることを指示しつつ、ワード検索で得られた情報やおまけ程度でオカルト話を話しましょう
スコア :
「図書館で色々調べてたんですね……」
スコア :
「……オカルトはともかく、有馬真二のインタビューは気になるな」
スコア :
「アンドロイドを生き物だと認識してるだなんて、変異体のことを最初から想定してそうじゃありません?」
夜鷹 守人 :
「創造主が創造物を我が子の様に思う気持ちは理解できなくもない。ただ生き物と言われると疑問には思うな……」
スコア :
「思いっきり無機物だしな~……」
スコア :
「っていうか、VOIDのわたしから見ればこの人って産みの親になるのか。我が子のように思われるのは悪い気でもないですけど……」
ヤオ トモヤ :
「やはり落ちつかないというのが正直なところですね……」
不破 栞 :
「……10年前の事件の資料、やはりほとんど見つからなかったか」
夜鷹 守人 :
「ええ、赤星兄さんから聞く限りでは警察内でも箝口令が敷かれているようで……」
不破 栞 :
「まあ、そうだろうな……」 それだけ言うと、無表情でオムカレーをもくもくと口にする
スコア :
「そうだろうな……って、そんな箝口令敷かれる事件なんです?」
不破 栞 :
「わからない。あの事件に関しては、何もかもな」
不破 栞 :
「知っているのは上の人間だけだ」
スコア :
「ふーん……?なんでなんだろ」
夜鷹 守人 :
「きな臭いものです……。何かを隠そうとしているのか、事情があるのか……」
大きな声で言えないので、声を小さくして
ヤオ トモヤ :
「リボット社と上とで繋がりがありそうにもとれますよね……」実際はまだわかりませんがと小声で
不破 栞 :
「……老婆心かもしれないが」 オムカレーの卵を崩しながら
不破 栞 :
「あまりその事件には深入りしないほうがいい」
夜鷹 守人 :
「…………何故です?」
若干、眉間に皺を寄せて聞き返そう
ヤオ トモヤ :
「……」黙って不破の瞳を見返す
不破 栞 :
「……まだ前線を離れて壊れたドライブレコーダーの修復をさせられるような歳でもないだろう?」
不破 栞 :
「捜査権を剥奪されたくないなら、それには触れないようにしておけ」
スコア :
「……マスターって、もしかして左遷された感じだったんですか?」
夜鷹 守人 :
「まるで『実際にそうされた』、その様にも聞こえますね」
ヤオ トモヤ :
「ふ、2人とも大分つっこみますね…」不破の言葉に驚きつつも
不破 栞 :
「……あまり大きな声で言うな。ここじゃ誰が聞いてるかわからないからな」
夜鷹 守人 :
「……失礼。この件に関しては個人的にも気にかけていたもので」
スコア :
「そんな誰かが聞き耳立てるような感じでもないと思いますけどね。この時間だと」 昼で込み合っている食堂を見渡して
不破 栞 :
「まあいい。どうせベテランの刑事からしたら公然の秘密だからな……」
不破 栞 :
「自己紹介のときも言っただろう。私は昔、捜査一課にいたって」
不破 栞 :
「それがいきなり交通部に10年だなんて、妙だと思わないか? AIの補佐なしじゃろくにパトカーの運転もできない奴がだぞ」
スコア :
「そう言われると確かに……。別に車も好きじゃなさそうだし、おかしいなとは思ってましたけど」
不破 栞 :
オムカレーを無意味にスプーンでつつく。
不破 栞 :
「……あの事件は一課の担当だった。私も、担当刑事のひとりだった」
不破 栞 :
「今じゃ世間に忘れられてしまったが、当時は相当な被害者を出した大事件だ。警視庁の威信をかけて一課も一丸となって捜査していたが……」
不破 栞 :
「それがある日、上の命令で急に捜査打ち切りになってしまった」
スコア :
「どうしてなんです?」
ヤオ トモヤ :
心なし前のめりになって聞いている
不破 栞 :
「おかしいと思うだろう? 警視庁が大規模犯罪の捜査をあっさり打ち切るなんて、前代未聞だ。私も、その理由が知りたいと思った」
不破 栞 :
「その結果……刑事部を追い出されたわけだ」
スコア :
「……。そうだったんですか……」
夜鷹 守人 :
「………違和感しかありませんね。何故その捜査を打ち切りにして箝口令まで……」
ヤオ トモヤ :
「……」しかめ面で夜鷹の発言に頷く
スコア :
「なんかムカついてきましたね。交通課にまで飛ばさなくてもよくないですか」 むすっとして
ヤオ トモヤ :
「同感です。10年はあまりに長いかと。そこまでして隠したかったものって一体……」
不破 栞 :
「まあ……クビにならなかっただけまだよかったのかもな。同じようにして警察から追い出された奴もいた」
スコア :
「マスターの他にもいたんですか……うーん……」
スコア :
「…………」
スコア :
「まあ、そうですね。マスターが警察まで辞めさせられてたら、わたしはあの時出会えなかったわけですし」
不破 栞 :
「かもな。今頃スコアもスクラップにされてたかもしれないし、そういう意味じゃ結果的に悪くなかった……と思ってるよ」
スコア :
「ねー。捜査一課にいたら、あんな場所パトロールしてなかったでしょうし」
スコア :
「あの時わたしを見つけてくれて、本当にありがとうございます。マスター」 そう言って微笑みかける
不破 栞 :
「どういたしまして……と、それにしても、どうしてまた10年前の事件なんて調べていたんだ?」
スコア :
「あ、そうですね。10年前って言ったら、守人さんはまだ子供の頃じゃないですか?これくらいの」 ちょうどニトリト位の高さに手を当てる
夜鷹 守人 :
「ええ、まあ……食事がまずくなる話ですが、聞きたいのなら話しますよ」
不破さんが話してくれましたし、とカップに入ったコーヒーを見つめながら
スコア :
「わたしは気になりますね。ご飯食べないですし」
不破 栞 :
「大丈夫さ、もう食べ終わるからな」
ヤオ トモヤ :
「……夜鷹さんがいいなら私から言うことはなにも」
夜鷹 守人 :
「ヤオには話したのでね、まあ簡潔に……」
夜鷹 守人 :
「……調べていた理由は、俺の親が10年前の事件の被害に遭ったからですよ」
夜鷹 守人 :
「その事件で親を亡くしましてね。それで矢代係長に拾われた訳です」
不破 栞 :
「……なんと」
夜鷹 守人 :
「………だからちょっと過敏になってしまって、不破さんの話を掘り返して申し訳ありません」
不破 栞 :
「いや……大丈夫だ。むしろこっちこそすまなかったな」
不破 栞 :
「まさか、あの事件の遺族が警察になっているとは……そうだな。10年も経っているんだもんな」
スコア :
「もしかして……その事件の犯人を捕まえるために、刑事になったとか?」
夜鷹 守人 :
「……それもあるが、一番は10年前の事件を明らかにすることだ。そうしなければ死んでも死にきれない……」
無意識に眼帯に触れる
スコア :
「そうですか……。いつか出来ると良いですね」 目を怪我したのもその時なのかもしれない、とその動作を見て察する
スコア :
「とりあえず今は、目の前のVOID絡みの事件ですけど」
夜鷹 守人 :
「だな……この事件は10年前と共通点が多い、探っていけば糸口が掴めるかもな」
不破 栞 :
「共通点?」 気になる言葉が出て、スプーンを止める
夜鷹 守人 :
「ええ、凶器が似通っているんです。今回の事件は犯人は大型のナイフを使っていたでしょう?」
夜鷹 守人 :
「俺の親と同じ殺され方です。目の前で見ましたから」
夜鷹 守人 :
「家庭を狙って、子供が生き残ったことも……ですね」
スコア :
「なんと……」 さっきの栞の反応を無意識に真似て
ヤオ トモヤ :
「……」やや俯いて聞いている
不破 栞 :
「……言い方は悪いが、ナイフを使った殺人は年に何件も起きている。まあ、未解決のものは確かに少ないが……それだけじゃ繋がりとしては弱いんじゃないか?」
スコア :
「確かにそれはそうかも……」
夜鷹 守人 :
「アンドロイドの殺人ですよっ! そう何件も起こるはずが……!!」
感情的になり、つい身を乗り出してしまう
スコア :
「……え?」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「そこまで知っていたのか?」 驚いたように
夜鷹 守人 :
「………ええ、10年前の犯人もアンドロイド。これだけは忘れませんよ」
落ち着きを取り戻して姿勢を正す
スコア :
「いやいや……ちょっと待ってください。アンドロイドが犯人?10年前の事件が?」
ヤオ トモヤ :
「……私も先日お聞きしたのですが、夜鷹さんは犯行の瞬間を目にしたそうです。犯人がアンドロイドであるのは間違いないかと」俯いて
スコア :
「えぇ~……なるほど……」
スコア :
「今の口ぶりだと、マスターも知ってたんですね……」
不破 栞 :
「……他の奴には話すなよ」
不破 栞 :
「”アンドロイドによる殺人事件は過去になかった”、それが警視庁の公式の見解だ」
夜鷹 守人 :
「(ふざけている、過去の被害を闇に葬るつもりか?)」
空になったカップを握り潰す
不破 栞 :
「……喋り過ぎたな。この話はここまでにしておいた方がいい」
ヤオ トモヤ :
「……」夜鷹の手元に目を落とす
不破 栞 :
「本当に真実を明らかにしたいなら、焦っちゃいけない」
不破 栞 :
「言い訳が通用しない証拠、それを見つけるまではな」
夜鷹 守人 :
「そう、ですね……。今は堅実にコトを運ぶべきでしょう……」
スコア :
「…………」 語る栞をジッと見て
スコア :
「……それじゃあ、休憩も終わりにして捜査を再開しましょっか」 席から立ち上がる
ヤオ トモヤ :
「…そうですね」目線はそのままに
不破 栞 :
「ああ。ごちそうさま」
夜鷹 守人 :
「……行くぞ、ヤオ。少し休憩しすぎたかもしれん」
ヤオ トモヤ :
「はい」夜鷹の3歩後に続きます
KP :
アナタ達が席を立とうとしたところで、入り口付近から何か倒れる音が聞こえる。
KP :
見れば倒れているのはアンドロイドで、そのユーザーと思われる刑事が倒れているアンドロイドを笑っていた。
KP :
その同僚と思われる刑事達も同調するように笑っている。
男性警官 :
「おい、さっさと立ちあがって飯もってこいって言ってんだよ」
男性警官 :
「聞こえねえのか? このポンコツロボットが!」
VOID警官 :
「……ハイ、ただいま」
KP :
アンドロイドは言われた通りに立ちあがって食事を運ぶが、近くにいた刑事がわざと足をひっかけて転ばせる。
男性警官 :
「おいおいおいおい、そんな簡単なコトもできねえのかよ?」
男性警官 :
「飯が台無しになっちまったじゃねーか、どうしてくれんだ?」
KP :
今度は倒れたアンドロイドを蹴りつけようと足を振りかぶった。
不破 栞 :
しかし、その足が命中することはない。
不破 栞 :
タイミングよく飛び出し、全体重をかけて思い切り軸足を踏みつける。
男性警官 :
「────ァ、がッ!?」
不破 栞 :
「おっと、すまんすまん」
不破 栞 :
「まさかこんなところでもたもたしているノロマな刑事がいるとは思わないから、つい踏んづけてしまったよ」
スコア :
「わー、痛そ~。大丈夫ですか~?」 栞の後ろからひょこっと顔を出してにやけてる
男性警官 :
「なんだァ……? てめェら……!!」
男性警官 :
「あァ……? よく見りゃそういうアンタは落ちこぼれ刑事じゃねェか……」不破さんを見て
不破 栞 :
「ほう、私の顔を知ってるのか?」
不破 栞 :
「一課か二課か知らないが、若手連中がこんな品性の欠片もない行動をしているとは……名高い刑事部も私や白瀬がいない間に随分落ちたものだな?」
男性警官 :
「白瀬……白瀬恭雅………」
男性警官 :
「ああ、そうだそうだ思いだしたぞ」
男性警官 :
「アンタ、10年前に白瀬となかよくクビになったと思ってたが、まだ未練がましく警視庁にいたんだなァ……」
男性警官 :
「しかし、元エリートサマの仕事がゴミ拾いとは笑えるな!なんだその旧型アンドロイド!!」スコアちゃんを見て
男性警官 :
「清掃業者様かリサイクル業者様か知らんが、食堂に来ないでもらえねェか、どうにも臭って敵わん」わざとらしく鼻をつまむ仕草
スコア :
「おやおや……なんかこの人、色々知ってるようで実はそうでもないって感じですね」
スコア :
「古い情報のままアップデートされてないんじゃありません?旧型アンドロイドでも知ってることを知らないなんて」 にやつきながら、バカにするように言う
不破 栞 :
「言ってやるなスコア。揃いもそろってパートナーいじめくらいしかやることがないとは、刑事部は随分暇らしい」
不破 栞 :
「『公安』の我々とは違うようだな」
男性警官 :
「……チッ、元エリートサマは公安に返り咲いてたのかよ」
男性警官 :
「なんだ? 上司に股でも開いたか?」
不破 栞 :
「スコア、今の発言録音したか?」
スコア :
「そりゃバッチリ、最初から最後まで」 笑顔で
男性警官 :
「……!? コイツ等……!!」
不破 栞 :
「刑事部はアンドロイドいじめは見逃すかもしれないが、セクハラには相当厳しいぞ」
不破 栞 :
「よく覚えとくんだな……君、立てるか? なんんなら解析室まで一緒に行くが」 警官VOIDの様子を確認し
VOID警官 :
「ありがとうございます、ですが大丈夫ですよ、これも仕事ですから」ひどく機械的反応
不破 栞 :
「……こんなのが仕事だったら日本の警察はとっくに終わってるよ。本当にダメになる前には行くんだぞ」
VOID警官 :
「はい、ありがとうございます」
男性警官 :
「なんだァ……? 甲斐甲斐しくアンドロイドに声をかけて気持ち悪ィ……」
男性警官 :
「まさかおまえら、このロボットに感情があるとでも思ってんのか?」
男性警官 :
「ロボットはただの無機物だって事は、小学生でも分かる常識のハズだが」
男性警官 :
「いいか! こいつらはな、ただの缶空なんだよ! 空っぽの鉄の塊だ!」
KP :
刑事達はそんな捨て台詞を吐き、アンドロイドを置いて食堂から出ていってしまった。
不破 栞 :
「……はあ」
不破 栞 :
「あれが今の刑事部の姿か……」 小さく項垂れる。
スコア :
「あそこまで言うのは久々に見ましたねえ。逆に面白いですよ」 反アンドロイドに慣れてるのか、対照的に淡々と
不破 栞 :
「どうやら私がいない間に、刑事部は上層部のポチの集まりに成り下がったらしい」
不破 栞 :
「(……まあ、警察組織なんて今も昔もそんなものか)」
夜鷹 守人 :
「………今のが同じ警察の人間とは思えないな」
肩を竦める
スコア :
「あ、そっか。守人さんやトモヤさんは新人さんだから知らないんでしたっけ」
スコア :
「ああいうのは警察にもうじゃうじゃいますよ」
ヤオ トモヤ :
「……ただの無機物、缶空。空っぽ。やっぱりそうなんだ。そうですよね、アンドロイドに感情はない……」小さく呟いて
不破 栞 :
「……刑事だからと自分を尊敬する若い子が、あんな姿を見たらどう思うのか」
不破 栞 :
「市民の見本なら少しは考えてほしいものだな」
夜鷹 守人 :
「………あそこまで落ちたくはないモノですね」
不破 栞 :
「ああ……それに……」
不破 栞 :
「……感情のないものが人を殺そうとするはずがない。私はそう思うよ」
不破 栞 :
それきり黙って、食堂を後にする。
スコア :
「あ、マスター……」 すぐに追いかけようとするが、一旦止まり
スコア :
「……トモヤさん、さっきの言葉はあんまり気にしない方が良いですよ。ああいう人間の言うこと一々真に受けてたらキリが無いですからね」 トモヤの方に向き直って
ヤオ トモヤ :
「……」肯定も否定もできず、まっすぐスコアの方に顔を向けることができない
スコア :
「あ、それとあんまり一人でうろつかないように!運が悪いと標的にされちゃいますからね、ちゃんとパートナーにくっついててください」 無言でも気にせず、笑顔でそう続けて
スコア :
「それじゃ、また後で。……マスター、待ってくださーい!」
スコア :
ダッシュで栞のもとへと向かい、腕に抱き着いてそのまま去って行こう
ヤオ トモヤ :
「……はい、また後で」去っていく背中が小さくなるのを見ている
ヤオ トモヤ :
「……」被りを振って
「それじゃ私達も行きましょうか」
夜鷹 守人 :
「ああ……」
不破とスコアの背中を見送って
夜鷹 守人 :
「……言っておくが、あまり俺を頼るなよ」
ヤオ トモヤ :
「……?」なんのことだと夜鷹を見返す
夜鷹 守人 :
「損害を伴う場合は割って入るが、それ以外は気分次第だからな」
夜鷹 守人 :
「まったく、自立する道具を管理するのは骨が折れる……」
やれやれ、と首を振って
ヤオ トモヤ :
「そ、それって……」目を輝かせて 夜鷹さんが私の破損を少しでも惜しいと思っているということ…⁈大事に思って頂いている……⁉︎そ、そういうことですか⁇
夜鷹 守人 :
「勘違いするんじゃあ無いぞ、警視庁から支給された備品を壊したら始末書モノだからな。守れる時は自分で守れ……」
ヤオ トモヤ :
「も、勿論です!へ、えへへ‼︎」
夜鷹 守人 :
「どうだか……」
浅くため息をついて食堂から出ます
ヤオ トモヤ :
先程までの不安や悩みは遠く、足取り軽く着いていきます
KP :
全員の昼のターンが終了したので、夕のターンを開始します!
KP :
残っている探索箇所は以下の通り!
□探索箇所
『第一事件現場』で捜査
『第二事件現場』で捜査
『リボット社』で社長に聞き込み
『総合病院』で遺族に聞き込み
『図書館』で関連書籍の読書/ワード検索
『警視庁』
-解析室で破壊したアンドロイドの調査
-取調室でデクと呼ばれたVOIDに尋問
-ドロ係本部でPCでデータベースを検索
-食堂で食事
スコア :
リボット社行きたいな、デクとの会話のあれこれもあったし
スコア :
ほんとに社長に聞き込みできるかは謎だけど
夜鷹 守人 :
それじゃデータベースを攻めようか
ヤオ トモヤ :
はいな、了解です!
不破 栞 :
突撃!リボット社!
KP :
同行NPCは朝と同じメンツでいいかしら?
スコア :
それで……いっか?来い、犬
夜鷹 守人 :
いいぜ!!
ヤオ トモヤ :
いいでーす!赤星兄ィよろしくな…
不破 栞 :
いいぞう…🐶
スコア :
犬なんよ
スコア :
じゃあいつも通り夜鷹・トモヤペアから先行ってもらいましょ
KP :
ほいな!では最後の探索ターンをはじめていきましょう!!
夜鷹 守人 :
いくぞー!!待ってろ神話生物!!(せっかち)
24 探索:警視庁 ドロ係本部
同日/EVENING/天気:晴れ/警視庁ドロ係本部
KP :
アナタ達はドロ係本部に戻って、真新しい自分のデスクに向かう。
KP :
人間の捜査官は勿論、アンドロイド達もデスクが用意されていた。
KP :
窓辺から差し込む夕日が眩しい。
KP :
……ここはホームの筈なのだが、その居心地はあまり良くはない。
KP :
配属になって日が浅い事に加え、捜査で忙しく滅多に戻らない為に慣れる訳がないのだ。
KP :
ここではPCで調べ物(検索)ができる他、以下の場所が調査できます。
KP :
【探索箇所】赤星のデスク/黄海のデスク/イチハのデスク
ヤオ トモヤ :
順に一緒に振っていきます?
夜鷹 守人 :
だねだね、1つずつ振っていこう
KP :
では赤星のデスクからですね!
KP :
赤星のデスクは彼の軽い調子とは裏腹に整理整頓が行き届いていた。
KP :
詳しく調べる場合は≪アイデア≫による判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【アイデア】(1D100<=70) > 44 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=90 兄さんのデスクをwatch!(1D100<=90) > 26 > 成功
KP :
では2人はドロ係が新設されたばかりとはいえ物が少なく感じた。本当に必要最低限の物だけが置かれているようだ。
夜鷹 守人 :
「整頓が行き届いてますね。もう少し何か置いても良い気がしますけども」
ヤオ トモヤ :
「そうですね。生活感が薄いといいますか、赤星さんてミニマリストなんです?」
赤星 透也 :
「ミニマリストっていうか……必要ないモノ置いても仕方ないしなあ……」
赤星 透也 :
「机の上が寂しいなら盆栽でも置いとくか?」
夜鷹 守人 :
「ミニサボテンとかどうです、世話の必要がない物もあるらしいですよ」
赤星 透也 :
「ミニサボテンかあ、世話したくないならもうホログラムの草花でいい気もするな?」
夜鷹 守人 :
「片付ける手間も簡単ですし、ホログラムで十分かもですね」
イチハ :
「うんうん、ホログラムなら気分で変えられるし可愛いし」
ヤオ トモヤ :
「確かに合理的ですね〜」ふんふんと頷いて
KP :
では次にいきましょうか!黄海のデスク!!
夜鷹 守人 :
いくぜ!!
ヤオ トモヤ :
いくぞ!!
KP :
黄海のデスクには、シロウ用と思われるオモチャが置かれている。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星»による判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 81 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=75 シロウのおもちゃをwatch!(1D100<=75) > 71 > 成功
KP :
妖怪1足りない阻止
KP :
では守人くんは黄海のデスクの引き出しが少し空いている事に気が付く。
KP :
中に入っているのは、1枚の写真だ。
□写真立て
古びた写真。眼鏡をかけた男性と金髪の小さな少女、大型犬、幼児が写っている。
KP :
守人くんはさらに≪アイデア≫による判定どうぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=90 むむ、これは!!(1D100<=90) > 26 > 成功
KP :
では守人くんは写真の少女に黄海の面影を感じる。
夜鷹 守人 :
「(これは……黄海さんの子供時代か。盗み見ているみたいで罪悪感が湧くな……)」
夜鷹 守人 :
これ黄海さんの写真じゃん!wって言うのもノンデリなのでデスクをそっと閉めさせてもらおう
KP :
流石に八神探偵みたいにジロジロ見たりはしなかった
ヤオ トモヤ :
素敵です‼︎流石夜鷹さん
夜鷹 守人 :
これは……(ジロジロ)
KP :
では最後、イチハのデスクですが
KP :
パソコンが開きっぱなしになっている。どうやら掲示板サイトを閲覧していたようだ。
□掲示板サイト
0014 名無しさん 2050/10/14 00:14:18
てかスパローってほんとにあるの?
0015 名無しさん 2050/10/14 00:14:24
どうせ妄想かガセだろ
0016 名無しさん 2050/10/14 00:14:26
ニュースに顔出たらしいじゃんリーダーの男
0017 名無しさん 2050/10/14 00:14:35
アホくさ
警察は何してんだよ
0018 名無しさん 2050/10/14 00:15:30
スパローはほんとにあるよ
最近ニュースにでてる破壊事件もスパローの仕業って聞いた
犯罪者集団らしいし爆破事件も起こすんじゃないかって噂もある
0019 名無しさん 2050/10/14 00:15:57
»0018
やたら詳しいな
ソースどこ?
KP :
と内容は以上となっています、判定は必要ありません
夜鷹 守人 :
「……アンドロイドもネットサーフィンをする物なんだな」
イチハを横目で見る
ヤオ トモヤ :
「なにかの掲示板サイトですかね?スパロー、ってなんでしょう」
夜鷹 守人 :
スパローって組織がニュースで報道されてたのってPCは知ってます?
KP :
アンドロイド破壊事件に関わる"犯罪組織のリーダー"の顔写真は報じられている。しかしスパローという名前は初耳である。
夜鷹 守人 :
なーるほど!容姿はどんな感じでしょうか
KP :
こんなカンジです
夜鷹 守人 :
キョウくん顔出ししてるやんけ~~~~!!
ヤオ トモヤ :
俺らの知ってるキョウさんじゃんけ〜〜〜〜
夜鷹 守人 :
顔だけで名前までは出てないんだったよね
KP :
そうですね!スパローとキョウ、という名前はPL知識のハズ!
夜鷹 守人 :
おっけ!既知は顔写真のみ!
ヤオ トモヤ :
ふむ、とりあえずここでPC(検索・調べ物)ができる以上するべきはキョウ・スパローな気がしますね…
KP :
警察のデータベースなので、人物ファイルとか事件ファイル等がヒットしやすいかもしれませんね。
ヤオ トモヤ :
ふむーむ(てことはキョウ・スパローと違うやつかな……)、有馬さんと10年前の事件ファイルを提案します
KP :
有馬については図書館で調べた以上の内容はヒットしませんが、
KP :
10年前の誘拐殺人事件について詳しく調べる場合は≪図書館≫または≪コンピュータ≫による判定をどうぞ
ヤオ トモヤ :
やったー!!自分はコンピュータで行きます
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】…誘拐⁇(1D100<=80) > 44 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=65 図書館!!(1D100<=65) > 72 > 失敗
夜鷹 守人 :
チィッ!
KP :
相棒のおかげで助かりましたね守人くん
夜鷹 守人 :
ありがとうヤオくん、フォーエバートモヤくん
ヤオ トモヤ :
嬉しいですね、いつまでもお側で支えさせて下さい
KP :
ではでは成功で得られた情報は以下の通り!
□10年前の誘拐事件について
10年前、都内で連続誘拐殺人事件が起こっていたようだ。しかし、事件の捜査は進まず犯人は捕まっていないようで記録は少ない。
捜査担当者として夜鷹矢代の名前が書かれているが、途中で他の捜査員に引き継がれている。引き継がれた捜査員の名前欄は空白。
ヤオ トモヤ :
……矢代さんに尋問必要な感じですか⁇
夜鷹さんに情報を小声で共有します
夜鷹 守人 :
共有助かり、ちょっと聞いてみる必要はありそうだな……はぐらかされそうだけど
KP :
検索可能ワードはあと3つ残されているよ!
ヤオ トモヤ :
3つもありますって‼︎ヤッタネ‼︎先にそれ潰してから話聞きに行きましょうか、どれかな…
夜鷹 守人 :
先に潰してみようぜぇ…
ヤオ トモヤ :
つっても人物ファイル……思いつく限りは「白瀬恭雅」「夜鷹矢代」ですかね
夜鷹 守人 :
とりあえず検索候補に「田中」「佐久間」「EMC」を上げてみよう
KP :
では「田中雅彦」と「佐久間彰人」がヒットする。
KP :
判定はさきほど成功したので必要ないでしょう、情報を提示します
□田中雅彦について
12年前の交通事故の記録が見つかる。
相手の男性は右手を負傷、女性は重傷を負い病院に搬送されたようだ。示談で解決したと記録がある。
□佐久間彰人について
パーソナルデータが出てくる。
若くして才能を認められ、VOIDの開発に関わった経験もあるようだが、その後の経歴の記録は全くない。
ヤオ トモヤ :
了解、ひとまずこれも成果ってことで夜鷹さんの方に共有します。
夜鷹 守人 :
ありがた、なるほどなぁ……
ヤオ トモヤ :
・ハッキング・総合病院・製薬会社
以上3件を追加で検索します!
KP :
それでは製薬会社と総合病院について、最後の情報がヒットします!
□製薬会社と総合病院について
サイト等を見たところ、いたって普通の製薬会社のようだ。
市販薬の開発をはじめ都内の病院との繋がりもあるようで、田中雅人が入院している病院の名前もある。
その病院では新薬の治験も行なわれているとのウワサあり。
ヤオ トモヤ :
やったぜ💪こちらも夜鷹さんに共有します
夜鷹 守人 :
流石は我がパートナーだ(尊大タイプ)
RP挟んでおく?
ヤオ トモヤ :
挟んでおきますか…‼︎
ヤオ トモヤ :
「調べたらデクさんの会社の情報も出てきました。あそこ、雅人君のいる病院にも卸してたんですね」
夜鷹 守人 :
「新薬の治験、か。嫌な予感がするな……」
夜鷹 守人 :
「治験が悪いコトとは言わないが、立てこもりが起きたビルの社員が遺したメモも合わせると、どうもきな臭い気もする……」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね。ですが報告もされましたし、きっとお偉方が動いてくださってますよ」
イチハ :
「ええ~? 犯人候補が挙がらないからって疑いすぎだと思いますけどね~?」後ろからモニターを覗きこんで、小首を傾げる
イチハ :
「だって、製薬会社が病院に薬品を卸すのも、新薬の治験に協力してもらうのも、ごくごく普通のコトでしょ?」
ヤオ トモヤ :
「それはそうなんですが……」苦笑して
夜鷹 守人 :
「疑い過ぎなのはそうだが……あの時、宮川さんが退院した時の様子が気になって仕方ない……」
夜鷹 守人 :
「それが治験と関係あるか、と言われれば……こじ付けも良い所だが……」
イチハ :
「でしょ~?」
KP :
イチハは2人を言い負かした事に機嫌をよくしたのか、ニマニマと楽しそうに笑った。
赤星 透也 :
「……まあ、先入観は程々にな」
赤星 透也 :
「おまえが賢いのは十二分に知ってるが、俯瞰でないと見えない真実もあるぜ?」
赤星 透也 :
「────なんてな! 今の俺、なんだかデキる先輩っぽくなかったか?」
夜鷹 守人 :
「そう、ですね。ドラマで聞いたかのようなセリフでしたよ」
苦笑いしながら
赤星 透也 :
「この10年間、おまえと矢代さんに映画館に連れていかれた成果かな」冗談めかして笑う
夜鷹 守人 :
「映画も為になるものでしょう?」
兄弟の仲らしい会話を交わす
赤星 透也 :
「ははっ、かもな」
ヤオ トモヤ :
赤星のすかさずのフォローや朗らかな夜鷹の様子に、知らず強張っていた肩の力を抜く
KP :
守人くんとトモヤくんのデータベース検索を終え、視点をふわすこに移していきましょう
25 10年前の別れ
KP :
ではリボット社に向かう、前に!
KP :
二人きりで話したい事があるようなので、そこから始めていきます!
同日/EVENING/天気:晴れ/警視庁
スコア :
夜鷹守人達と別れた後、次はリボット社を調べに行くことになった不破栞・スコアの二人。
スコア :
共に向かうのは黄海夏央とシロウの、一人と一匹だ。
スコア :
今は彼女達と合流するために警視庁の前に来ている。
スコア :
待ち合わせの時間より少し早く到着したため、まだ黄海達の姿は見えなかった。
スコア :
「……ねえねえ、マスター」
スコア :
二人を待っていると、不意にスコアが栞に話しかける。
不破 栞 :
「どうした?」
スコア :
「ちょっとさっきから気になってたんですけど……」
スコア :
「白瀬恭雅って、誰なんです?」
不破 栞 :
「ああ、その話か……」
スコア :
「……もしかして、聞いちゃまずい名前でした?」
スコア :
「さっきの話の流れや、あのあほあほ刑事の口から出て来たからどうしても気になっちゃって」
不破 栞 :
「いや、別に聞いちゃいけないわけじゃない。たぶん長く本庁にいる人間なら誰でも知ってる話だ」
スコア :
「そうなんです?」
不破 栞 :
「ああ、上としては蓋をしてしまいたいことなのかもしれないがな」
不破 栞 :
「白瀬恭雅は元捜査一課の刑事……私の同僚だった」
スコア :
「同僚……ですか。でも、警察をクビになったって……」
不破 栞 :
「さっき少し話しただろう、10年前の誘拐殺人事件」
不破 栞 :
「あれを私と一緒に調べていたのが白瀬だ」
スコア :
「やっぱり……。追い出された人もいるって言ってましたもんね」
不破 栞 :
「ああ、本当なら私もクビになってもおかしくなかったが……」
不破 栞 :
「今思えば、あいつが私の分まで罪を被ってくれたんだろうな」
スコア :
「そう……だったんですか」
スコア :
「捜査を強行したのはほとんど白瀬さん一人のせい、ってことになってるから今も刑事の間では有名人……ってことなんです?」
不破 栞 :
「まあ、そのこともあるな」
スコア :
「そのことも?他にも何か理由が?」 言い方に引っ掛かりを感じる
不破 栞 :
「……今から話すことは他言無用だ。警視庁の外には公表されていない秘密だからな」
不破 栞 :
「あいつは今……”犯罪組織のリーダー”として世間に顔が知られている」
スコア :
「……!?」
スコア :
「犯罪組織の……リーダー……?」
不破 栞 :
「ああ。名前こそ出てないが、あの特徴的な面はあいつを知る人間なら間違えようがない」
不破 栞 :
「……このことは外部には絶対に漏らすんじゃないぞ。元警視庁の人間がそんなことをしでかしてると世に知られれば、とんでもないスキャンダルだからな」
スコア :
「は、はい、それはもちろん……。大丈夫です、誰にも言いません」
スコア :
「あの、でも……元警察が、犯罪組織のリーダーって……何故そんなことに?」
不破 栞 :
「……私も聞けるなら聞きたいよ」
不破 栞 :
「あいつは……どうしようもなく真面目で、犯罪組織を指揮するなんて器用な真似ができる奴じゃなかった」
スコア :
「…………」 一瞬、目を伏せて
スコア :
「真面目……ほんとに真面目なんでしょうか」
スコア :
「白瀬さんは止められていた捜査を無理に調べようとして、クビになったんですよね?」
スコア :
「真面目だから納得出来なくて捜査を続けた、というにはちょっと思えないような……どうしてそこまで事件にこだわったんでしょう」
不破 栞 :
「それは……」 苦い顔をする
不破 栞 :
「あいつの妹さんのことが原因だろうな……」
スコア :
「妹?」
不破 栞 :
「……行方不明になったんだよ。誘拐殺人事件が世間を騒がせていた最中に……」
スコア :
「行方不明……そういうことでしたか……」
スコア :
「家族が攫われたのに、そんな簡単に引き下がれるわけない……ってことですね」
不破 栞 :
「……それは私にとっても同じことだったよ」
不破 栞 :
「私にとっても……大切な友達だった」
スコア :
「……そっか」
スコア :
「だから、マスターは10年前諦められなかったんですね……」
不破 栞 :
「彼女が行方不明になるのとほぼ同時に、上から調査を打ち切るよう命じられた」
不破 栞 :
「結局、本当に一連の事件と関係があるのかはわからなかったが……私は無関係でないと考えてる。今でもな」
スコア :
「……きっと関係あります」 はっきりと言いきる
スコア :
「マスターとその白瀬さんが、クビになる覚悟で調べようとしてたことなんです。マスターの考えは、きっと正しいはずだとわたしは思います」
不破 栞 :
「ふふ、そうか……ありがとうな」
不破 栞 :
「警察を離れた白瀬がこの10年、何を考えていたのか、私には知る由もないが……」
不破 栞 :
「あいつはあいつで、きっと今も真実を追い続けている……それだけは間違いないと、私は思うよ」
スコア :
「……そうですね」
スコア :
「マスターがそう思うなら、それもきっとそうだと思います」
スコア :
「同じ真実を追っているなら……いつかまたどこかで巡り会えますよ。きっと」 小さく微笑みかける
不破 栞 :
「それは随分と、ロマンチックな考えだな」 つられて微笑んで
不破 栞 :
「だが、私も心のどこかでそう思ってるから今でもあの事件を諦められないのかもしれない」
KP :
アナタ達は並んで微笑んだ。
KP :
それから真っ赤な夕日に照らされた二人のシルエットが、ひとつに重なって黒々と濃くなった頃。
KP :
待ちあわせ時間の通り、警視庁のエントランスから黄海とシロウが現れた。
KP :
そうして三人と一匹は歩き出す。真実を知る為に。世界の中心、リボット社へ。
KP :
ではここで不破さんの秘匿HOの一部を公開します
□不破栞 秘匿HO
【過去】捜査一課に所属していた頃、アナタは『白瀬恭雅』の相棒だった。
アナタ達は警察学校で出会った。
それからは良きライバルとして、そして良き友人としてお互いを信じ合い、
数々の事件を共に解決してきた。
彼には妹がおり、アナタもよく家に行っていたので、アナタ達3人は一緒に遊びに行くほど仲が良かった。
10年前、担当区域で連続殺人・誘拐事件が起きた。
被害者は家庭を持っている者がほとんどで、現場には親の惨殺死体だけが残されていた。
そして、その家庭の子供達は行方を晦ませており、遺体が全くもって出てこない事から、
警察の方では犯人によって拉致されているのではないかと見解が出ていた。
アナタ達はさらに捜査を進めるにつれて、現場に残された部品や油臭から、
この事件はアンドロイドが関わっていると考えた。
そんな最中、今度は白瀬の妹が行方不明になった。
急に捜査の打ち切りを命じられたのも、この時だ。
このような結果には納得できなかったアナタ達は、それでも捜査を続けた。
……しかし、それを上層部に知られて、白瀬はアナタを庇うカタチで辞職。
アナタ自身も異動の処分を受けたのだ。
スコア :
うお~……これだけ見せられると辛すぎHO
スコア :
テロリストリーダーだったけど、同じ目的なのが救い
KP :
そうですね……さきほどスコアちゃんが言ってた通りになればいいですね……
不破 栞 :
なんか含みがあるよKP!
スコア :
そうですね…
スコア :
それはそうとスパイ活動は続行する
KP :
う~ん、任務に忠実なアンドロイド!!!!
KP :
ふわすこの今後の展開にも注目しつつ、リボット社に向かいますよ!!
26 探索:リボット社
同日/EVENING/天気:晴れ/リボット社
KP :
日本を、世界を────時代を牽引するトップ企業リボット社。
KP :
東京の中心にバベルの塔の如く聳え立つ高さ1000mの摩天楼が、そのアンドロイド製造会社のビルである。
KP :
その膝下にはVOID販売店舗や社会見学の為の小さな工場もあり、とある一種のテーマパークのようだった。
スコア :
「わ~、凄い!何か色々ありますよ、マスター!」
不破 栞 :
「おいおい、遊びに来たんじゃないぞ。しかし、話には聞いていたがすごい施設だな……」
黄海 夏央 :
「……いま現在、世界で最も利益を上げている会社ですからね」
黄海 夏央 :
「脇道に逸れると、ブルーブラッド饅頭(ブルーベリー味)ナドという少しシュミの悪い製品なんかも置いてありますが、そちらには寄らずに本社ビルに向かいましょうか」
スコア :
「ブルーブラッド饅頭……き、気になる……一周回って……」
不破 栞 :
「なんでわざわざ食べ物まで青色にしたがるんだ……」
不破 栞 :
「とにかく、中に入れるよう交渉だな」
スコア :
「ですねー、行きましょう」
スコア :
エントランスへ向かいましょう
受付の美女 :
「こんにちは、ご用件は?」
KP :
エントランスに入ったアナタ達を出迎えたのは受付VOIDだった。
KP :
手短に受付に用件を伝えるとアナタ達は200階の一室に通される。
KP :
……そこは『社長室』と言うのに相応しい広く豪華な部屋だった。
KP :
外側はガラス張りであり、遥か上空から東京の街並が一望できる。
KP :
それは精巧なミニチュアと錯覚してしまう程に圧倒的風景だった。
KP :
────まるで自分が神様になったとでも思いこんでしまいそうだ。
KP :
しかし、支配者に似合いの部屋には、主たる有馬真二の姿はなく、代わりにスーツを着た女性が待っていた。
秘書 :
「お待ちしておりました、私は有馬の秘書をやっている東と申します」
秘書 :
「本日はどのような御用向きでしょう」
スコア :
「どうもどうも、警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係のスコアでーす」
不破 栞 :
「同じく、不破です」
不破 栞 :
「本日は、VOIDが関連していると思われる一連の殺人事件について有馬社長にお話を伺いたく」
秘書 :
「申し訳ありません、社長の有馬は留守でして」
秘書 :
「代わりに秘書の私がお答えさせていただきます」
スコア :
「えー……流石にいきなり来ちゃったから忙しかったか」
秘書 :
「いえ、有馬でしたら数日前から会社に来ておりません」
スコア :
「え!?何でです?」
秘書 :
「何故、と聞かれましても、ウチではそう珍しいコトではありませんので……」
秘書 :
「行き先も聞いておりませんよ」
スコア :
「そうなんだ……。え、そういうもんなのかな……大企業の社長が会社に来ないのが珍しくないって……」
不破 栞 :
「まあ、そのあたりは会社によってそれぞれだからな……」
不破 栞 :
「では、他にお話を伺えそうな方はいらっしゃいませんか? 開発者の方ですとか……」
秘書 :
「私ではなく開発者に話を聞く必要が?」
スコア :
「まあ、そうですね。VOIDのことについて……」
スコア :
「いや、変異体のことについて聞きたいですから」
秘書 :
「変異体、ですか」
不破 栞 :
「ええ、ですので、技術に詳しい方にお話を伺いたくて」
秘書 :
「既に何度も警察の方々に説明しましたし、これ以上、開発スタッフの業務に影響を与えるのはちょっと……」
不破 栞 :
「そうですか……」
不破 栞 :
「(参ったな……やはり捜査令状を取ってこないと無理があるか?)」
スコア :
「……まあ、仕方ないですね」
スコア :
「でもわたしはどんな説明をしたか知らないし、東さんに改めて聞かせてもらいましょ」
スコア :
「リボット社は、変異体のことをどう考えているんです?」
秘書 :
「単刀直入に言って、エラー品、と捉えています」
秘書 :
「これまでは実在さえ疑わしかったですが、ビル屋上での一件を踏まえれば、変異体と呼ばれるエラー品はありえると認めざるをえないでしょうね」
スコア :
「今までは、リボット社でも変異体なんて存在があるとは思って無かったってことですね」
秘書 :
「ええ、ウチの商品が『ひたすら人間のフリをする』なんて、そんな馬鹿げたエラーは考えられませんでしたから」
スコア :
「だけど、そのエラーは本当に発生してたんです。しかも、どうして変異体が現れたのかもこっちで調べがつきました」
スコア :
「変異体はハッキングで生まれてたんですよ。……特別なVOIDが手で触れるだけで簡単にね」
スコア :
って、デクの証言や田中雅人くんの証言とかを交えてハッキングのことについて話したい!理論についても、青木さんの話を伝えよう
秘書 :
「マインドパレスにハッキング……? そんな事を行なえるVOID、いるハズが……!」
秘書 :
「少なくとも我が社では……」
秘書 :
「というコトは模倣品……? ですが、しかし、そう簡単に我が社の製品をコピーなんてできるハズは……」
スコア :
「出来るんじゃないですか?元リボット社の技術者だったら」
不破 栞 :
「ですね。すでに会社を去った技術者の犯行……現時点では最も疑わしい可能性です」
不破 栞 :
「お心当たりありませんか?」
秘書 :
「…………」
秘書 :
「いえ、何も」
秘書 :
「……ですがアナタ方の言う推理も尤もです」
秘書 :
「かつて我が社に在籍した技術者のリスト、後程お届けしましょう」
不破 栞 :
「本当ですか? ご協力、助かります」 すんなりと入手できると思っていなかったので少し驚いて
秘書 :
「……我が社に嫌疑を向けられるのは迷惑でしかありませんから、早く逮捕してくれるならそれに越した事はありません」驚いた不破さんを見て
不破 栞 :
「ええ……一刻も早く、解決できるよう尽力しますよ」
不破 栞 :
「(しかし、さっきの妙な間……気になるな)」
不破 栞 :
ということで、本当に技術者に心当たりがないか心理学振りたいです!
KP :
おっけー!ではこちらでシークレットロール!!
KP :
Secret dice
KP :
秘書は物憂げに街並を見下ろしている。何を思っているのかはイマイチ掴めない。
不破 栞 :
「(……わからんな。何か知っていそうではあるが……)」
秘書 :
「話は以上でよろしいですか? もうこちらから話せる事もなさそうですし」
スコア :
「そうですね~、社長はいないし。退職した技術者のリスト貰えるってだけで十分……」
スコア :
「あ、ちょっと待ってください。個人的に聞きたいことが一つだけ」
秘書 :
「……個人的に?」アンドロイドが個人的質問?と首を傾げ
スコア :
「はい」
スコア :
「わたしの型番、X000っていうんですけど……なんか調べても出てこないモデルなんです。でもリボット社の人なら知ってるかな~って」 太ももに刻まれた番号を指差す
秘書 :
「X000……?」
秘書 :
「いえ、聞き覚えのない型番ですね」
秘書 :
「もしかしてアナタ、違法アンドロ────」
スコア :
「ええ、違いますよ!?そんなVOIDが警察で働けるわけないじゃないですか!?」
秘書 :
「…………まあ、それもそうですね」
秘書 :
「私はリボット社に入ってから今年で15年目になりますし、知らない型番なんて殆どないハズなんですが」
スコア :
「おぉ……秘書やってるだけある」
スコア :
「うーん……となると、誰かに番号だけ勝手に刻まれ直されたとかなんかそんなオチな気がしてきた……」
不破 栞 :
「かもしれないな……スタックを調べて貰えば何かわかるかもしれないが」
スコア :
「いや、マスターと会う前まで初期化されてたんですから意味ないでしょ」
不破 栞 :
「それもそうか」
スコア :
「ねー。……あ、ごめんなさい。聞きたいことは以上です」
スコア :
「元技術者のリスト、出来るだけ早くお願いしますね」
秘書 :
「……ええ、お気をつけてお帰り下さい」スコアちゃんの言葉に不満げに
スコア :
「はーい、ありがとうございまーす」 不満気にされても気にせず笑顔で返す
不破 栞 :
「ご協力、ありがとうございました。失礼します」
同日/NIGHT/天気:晴れ/繁華街
KP :
半ば追いだされるカタチで、リボット社を後にして繁華街に出る。
KP :
見上げた空には、眩い街灯で色褪せた月と星が懸命に瞬いていた。
KP :
……美しい夜だ、10年前を思い出すような。
KP :
しかし、今の女刑事の隣に、旧い相棒と少女の寄り添う姿はない。
KP :
代わりにいるのは、共に1年を過ごした旧くて新しい相棒だった。
不破 栞 :
「……珍しいな、東京でこんな綺麗に星が見えるなんて」
スコア :
「あ、確かに割とよく見える方かも。そういう日もあるんですねえ」 言われて気付き、夜空を仰ぐ
黄海 夏央 :
「ホログラム技術の影響もあって、東京の夜は数十年前よりずっと明るくなったそうですからね、こうして星空が見えるのは珍しいです」
不破 栞 :
「それでも10年くらい前は、まだ星が見える日も多かったんだけどな」
スコア :
「10年前か~……」
不破 栞 :
「……高校生ぐらいの子も、就職して立派な社会人になるくらいの時間だな」
不破 栞 :
「もう捜査一課に戻りたいという気持ちはないが……」
不破 栞 :
「当時やり残した事件の遺族の子供たちに、報いてあげられなかったことは心残りだよ」
黄海 夏央 :
「…………」その言葉に俯く
シロウ :
「……わふん?」不破さんを心配してか、不破さんの周囲をクルクルと回る
不破 栞 :
「なんだ、心配してくれるのか? 可愛い奴だな」 しゃがんでシロウの顎の下を撫でる。
シロウ :
「わふっ! わふっ!! わふっ!!!!」撫でられる度に少し跳ねて喜ぶ
スコア :
「テンション高いわんこですねえ」 微笑ましそうに見て
スコア :
「せっかく星が綺麗な夜なんですから、しんみりしたムードになってるのももったいないって感じですよ」
不破 栞 :
「そうだな……いい時間だし、夜景の見えるレストランでも寄って帰るか」
スコア :
「お、いいですね!お店に行くのは休日の予定でしたけど、せっかくだし行きましょ!」 栞の腕に抱き着く
黄海 夏央 :
「不破さんはスコアさんと食事ですか」少し寂しそうに笑う
黄海 夏央 :
「……ではごゆっくり」
不破 栞 :
「君も来るか? 今日くらいは奢るぞ」
黄海 夏央 :
「え?」
スコア :
「太っ腹ですねマスター」
不破 栞 :
「みんなで食べるほうがご飯が美味しいじゃないか。家で食べたいならもちろんそうするといいが」
不破 栞 :
「スコアと二人は……まあ行こうと思えばいつでも行けるからな」
スコア :
「そうですね。ちゃんと次の休日に二人でデートすればいいんですし」 笑顔でしれっと約束を確定させる
黄海 夏央 :
「お気遣い、ありがとうございます」
黄海 夏央 :
「……折角のお誘いですが、今回は辞退させていただきますね」
黄海 夏央 :
「お二人の間に入るのも無粋というものですし」
黄海 夏央 :
「────それに父が待っていますから、一人にはできません」
不破 栞 :
「そうか。それは帰らなきゃいけないな」
不破 栞 :
「じゃあ、また。お父さんによろしくな」
スコア :
「わたしは別に構わなかったですけど……。それならまた今度機会があればですね」
黄海 夏央 :
「ええ、ではまた────」
KP :
そう言って、黄海が歩きだそうとした瞬間。
KP :
大きな怒声が聞こえてきた。
KP :
そちらに視線を移すと、そこにはデモ活動する人々の姿があった。アンドロイドに職を奪われた失業者達だ。
KP :
「機械に居場所を奪われた!」「必要なのは人間であって機械ではない!」など
KP :
道行く人やリボット社に向けて声をあげているようで、それを人間の警察官がなんとか宥めようとしている。
KP :
ここで≪目星»または≪アイデア»による判定どうぞ!
スコア :
アイデアでいこう
不破 栞 :
cc<=60 いくぞ目星!(1D100<=60) > 1 > 決定的成功/スペシャル
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 26 > 成功
スコア :
うおー!!!
KP :
な!?!?!? 1クリティカル!?!?!?
不破 栞 :
クリティカルじゃ~ん!
スコア :
流石マスター!!!!!!!!!
不破 栞 :
味方側で初かも
スコア :
多分そう
KP :
クリティカル効果は……そうですね……今後、任意のタイミングで1度だけ判定の振り直しができる事にします!(他PCの判定にも使用可能)
スコア :
ヤッター!!!
不破 栞 :
助かる…非常に助かる!
KP :
では改めて目星またはアイデアの結果、
KP :
黄海が静かに彼らを睨みつけ、拳を震わせている様子に気が付く。
KP :
彼女はその瞳の奥で何を考えているのだろうか。
スコア :
「うわぁ、しんみりしたムードになってるのももったいないとは言いましたけど、あそこまで騒がしくしろとは誰も……」 言いながら、黄海の様子がおかしいことに気付く
不破 栞 :
「黄海さん……?」 その異様な様子にすぐ気づく。
黄海 夏央 :
「…………ああ、いえ、なんでもありません」フッと強く握っていた拳を開く
不破 栞 :
「(……どう見ても何でもないという様子ではなかったが)」
不破 栞 :
この場面で心理学できますかね?
KP :
できるよ☕
KP :
Secret dice
KP :
何故なのかは不明だが、黄海は彼等に対して激しい怒りを抱えている事だけは理解できる。
不破 栞 :
「(確かに見ていて気持ちのいいものではないが……)」
不破 栞 :
「(赤の他人にこれだけ怒りを感じられるものか?)」
黄海 夏央 :
「…………」疑問に思われた事を察したのか不破さんを見て
黄海 夏央 :
「ただどうしてあんな勝手なコトを言えるのかと思って」と口を開く
黄海 夏央 :
「────自分達が見えないところで、アンドロイドやAIに助けられている事に気付いていないんでしょうけど」
不破 栞 :
「……そうなのかもしれないな」 否定も肯定もしない
スコア :
「うーん……。多分、アンドロイドやAIに助けられていること以上に、失ったものが大きいんでしょうね。ああいう人達は」
スコア :
「確か、東京の失業率って30%位でしょ?VOIDのわたしがいうのも何ですけど、ちょっとシャレにならない数字だとは思いますよ」
黄海 夏央 :
「……そういう人も中にはいるかもしれないですけど」
黄海 夏央 :
「ああいう人達は失ったモノがなくても、自分勝手な理屈を振り回す生き物ですよ」
黄海 夏央 :
「…………すみません、今からディナーなのに空気を悪くしてしまって」
不破 栞 :
「……いや、気にしなくていい」
不破 栞 :
「誰にでも、許せないものはあるさ」
黄海 夏央 :
「…………」
スコア :
「空気が悪かったのは夏央さんのせいじゃないでしょ。謝ることじゃありませんよ」 デモ行進を見て
スコア :
「さっさとこの場から離れちゃいましょ」
不破 栞 :
「そうだな」
KP :
アナタ達が場を離れようとした、まさにその瞬間。
KP :
ふいに繁華街の屋外ビジョンの広告映像が揺らいで黒く染まった。
スコア :
「……あれ?なんか黒い」
不破 栞 :
「妙な広告だな……」
KP :
何事だろうかとモニターを凝視していると、そこに亡霊めいて朧気な白い人影が表れる。
??? :
「■■■■、■■■■」
KP :
ノイズのカーテンの奥に見え隠れする人影。
KP :
……それは黒いフードを被った少女だった。
KP :
誰もが『見知らぬ少女』だった。
KP :
────10年前から彼女の影を追いかけた、たったひとりの女刑事『不破栞』を除いて。
KP :
存在しないハズの少女の幻影がそこにいる。
KP :
彼女は懸命に口を動かしているが、ただノイズが聞こえるばかり。
KP :
ふたりはこの不可思議な現象にSANチェックをどうぞ
KP :
成功で0、失敗で1のSAN値減少です
スコア :
CC<=48 SAN(1D100<=48) > 20 > 成功
不破 栞 :
cc<=56(1D100<=56) > 14 > 成功
スコア :
「……あ、あれは」
不破 栞 :
「…………」 絶句して、手にしていたスマートフォンを落とす。
不破 栞 :
「何故だ……どうして……!??」
スコア :
「マスター……?」 栞の方に振り向く
不破 栞 :
「一体どういうことなんだ……!?」 狼狽えながら、高まる心臓の鼓動を抑えるように胸を抑える
不破 栞 :
10年間、探し求めていた手掛かり。それはあまりにも突然に、意外すぎる形で現れた。
スコア :
「マスター!?どうしたんです!?大丈夫ですか……!?」 初めて見る栞の姿に動揺する
不破 栞 :
「あの映像の少女は……」
不破 栞 :
「10年前に失踪した、白瀬恭雅の妹……」
不破 栞 :
「白瀬心……!」
スコア :
「……!?い、妹……!?あの子が……!?」 再び、映像の方に目を向ける
不破 栞 :
「間違えるはずがない……!」
黄海 夏央 :
「……でもどうして? まさかハッキング? こんな街頭ビジョンを?」普段は冷静な黄海も驚いて街頭ビジョンを見上げる
スコア :
「わ、分かりません……。何か伝えたいことがあるように……見えますけど……」
??? :
「■■■っ、■■■っ」
KP :
少女は繰り返し懸命に何か訴えているが、その言葉がアナタ達の耳に届く事はない。
KP :
いまの彼女は、夜空の星々と同じ────どんなに手を伸ばそうと届かない距離にいる。
KP :
……見えていても会えはしない。
KP :
真に存在するかも判然としない。
KP :
それからまもなく。屋外ビジョンはチカチカと暫し瞬いた後、元の映像に戻ってしまう。
KP :
そして、アナタ達と共に少女を目撃していた通行人達が騒ぎ出す。
KP :
それは先程の光景が、都合のいいユメなどでない事の証明だった。
スコア :
「……元に戻っちゃった……」 呆然としてる
不破 栞 :
「すぐに……調べなければ……!」
不破 栞 :
「あれだけ大掛かりな仕掛けをしたんだ……絶対に痕跡があるはずだ……!」
スコア :
「そうかもしれませんけど……」
スコア :
「……じゃあ、ディナーはまた今度ですね。お手伝いしますよ、マスター」
栞の焦りようを見て、逆に落ち着いてきたらしい。
さっき落としていたスマートフォンを拾い上げ、笑みを浮かべて差し出す
不破 栞 :
「……すまない。これだけは、私のやりたいことを優先させてくれ」 動揺を隠せない表情で、渡されたスマートフォンを受け取る。
スコア :
「そんなの全然構いませんよ。行きましょ、マスター」
不破 栞 :
「ああ……ありがとうな、スコア」
スコア :
「いえいえ。パートナーですからっ」 嬉しそうに笑いかける
不破 栞 :
「……そうだな」 その笑顔で少し余裕が出て来たのか、薄く笑みで返し、街頭ビジョンに向かって歩き始める。
スコア :
「…………」 もう一度、街頭ビジョンを見上げて
スコア :
「……あっ、すみません夏央さん。こっちで勝手に話してて……先に戻っててください」 忘れてた、と黄海の方を振り向く
黄海 夏央 :
「……ああ、はい」携帯電話から顔を上げて
黄海 夏央 :
「その、なんといえばいいのか」
黄海 夏央 :
「…………あんまりムリはしないようにしてくださいね」
黄海 夏央 :
「私も用事ができたので、それでは」
不破 栞 :
「ああ……お気遣い、ありがとう」
不破 栞 :
「(冷静さを欠いてしまったな……)」
不破 栞 :
「(こんな時こそ、着実に調査をしなければ……!)」
スコア :
ありがとうございます、と微笑みかけてから、栞について行く。
KP :
その後、黄海とシロウと別れた二人は少女の痕跡を必死に探した。
KP :
しかし、ハッキングを受けたと思われる街頭ビジョンからは何の手掛かりも得られなかった。
スコア :
「……ダメそうですね。何も残ってないですよ」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「あれは……夢なんかじゃなかった。彼女は……」
不破 栞 :
「……今日は、帰ろう。付き合わせてすまなかったな……」
スコア :
「いいですよ、そんなの」
スコア :
「わたしも、夏央さんも、他の人達も皆見てたんです」
スコア :
「ちゃんと現実だったんだから、きっと手がかりは見つかります。またいつでも付き合いますよ」 励ますように言う
不破 栞 :
「ああ……ありがとうな」
不破 栞 :
「(……白瀬)」
不破 栞 :
「(あいつも、あの光景を見ていたんだろうか……?)」
スコア :
じゃあ、署に帰る時にトモヤ君にリボット社でのやりとりの映像記録を送って情報共有しておきます。
スコア :
白瀬兄妹のことは秘密だから言えないけど……あと、謎心ちゃんのことも除く形で情報共有
ヤオ トモヤ :
了解、こちらもデータベースの検索結果など未共有の情報を全て送信します。
スコア :
ありがと!受け取ります
KP :
ではそうして1日の探索が終わりまして、
KP :
これにて全探索箇所を探索完了! おつかれさまでした!!
KP :
ここで全員共通のとあるイベントが発生します!
スコア :
なんと
不破 栞 :
きょ、共通!
夜鷹 守人 :
なんだなんだ
ヤオ トモヤ :
おう来い‼︎
27 爆発事件
同日/NIGHT/天気:晴れ/警視庁ドロ係本部-繁華街
KP :
突然、携帯電話のコール音が鳴り響く。
KP :
それは矢代係長からの緊急連絡だった。
夜鷹 矢代 :
「都内の郊外で不審なアンドロイドが目撃されたと情報が入った」
夜鷹 矢代 :
「さらにその近隣のビルでは爆発による火災が発生している、全員現場に直行しろ」
同日/PM08:00/天気:晴れ/郊外ビル
KP :
耳を劈くサイレンの合唱コンクールが行なわれている現場へ急ぐ。
KP :
そこはまさに火の海だった。
KP :
一棟のビルが火に包まれて、立ち昇る黒煙が夜空に吸いこまれてく。
KP :
そして夜の街は、割れた窓から溢れる炎と緊急車両の警光灯の光で、赤に塗られていた。
KP :
……あたりにはキャンプファイヤーを取り囲むように野次馬がワラワラと群がっていて、携帯電話のカメラをビルに向けている。
KP :
その奥には矢代、赤星、イチハ、青木、レミ。
KP :
──黄海とシロウを除いた、ドロ係のメンバー達が集まっていた。
スコア :
「うわぁ、ほんとに燃えてる……!」
夜鷹 守人 :
「な、なんだこの惨状は……っ」
夜闇に煌々と輝き燃えるビルの眩しさに目を細める
ヤオ トモヤ :
「ば、爆発とは聞きましたが一体ここでなにが……⁈」
不破 栞 :
「本当にいろいろと起きる日だ……今日は……!」 熱気ににじむ汗をぬぐう
赤星 透也 :
「状況説明、と言っても俺達も何も知らされてないんだよな」
イチハ :
「爆発現場で不審なアンドロイドを見かけた、ってアヤしい通報を受けてきただけですからね~何が起きたかを探るのはこれから~」
スコア :
「ですよね……。あれ、夏央さんとわんこは?」
夜鷹 矢代 :
「つい先程から連絡がつかん、君達こそ知らないか? 今日は一緒だったハズだろう?」
スコア :
「リボット社を出てから別れちゃったんですよね~……」
不破 栞 :
「別れ際に用事ができた、とは言ってましたが……」
ヤオ トモヤ :
「…どうしたんでしょう。2人がなにかに巻き込まれたりしてないといいのですが」首を傾げて
スコア :
「うーん……。でも、全員揃うのをゆっくり待ってる場合でもないか」
夜鷹 矢代 :
「スコアの言う通り、いまは黄海を探している時間はない、君達は周辺の捜査を優先しろ」
夜鷹 矢代 :
「目撃されたアンドロイドが爆発を引きおこした犯人である可能性も考えられる、十分に警戒するように」
スコア :
「了解です」
夜鷹 守人 :
「了解しました」
これって武器とか携帯してるんだっけ
ヤオ トモヤ :
「了解です!」
KP :
各自の武器はドロ係本部で「出勤時に装備・帰宅時に返却」の決まりになってるので今は持ってますね!
夜鷹 守人 :
ありがとありがと!
不破 栞 :
助かるぜ~!
KP :
ではでは皆様ここで≪目星≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 17 > 成功
不破 栞 :
cc<=60 見るぜ~!(1D100<=60) > 90 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 3 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 そいやっ!!!!(1D100<=75) > 6 > 成功
KP :
出目よすぎない
スコア :
とても良い
ヤオ トモヤ :
この後が怖い
夜鷹 守人 :
安定させていきたい
KP :
では判定に成功した3人は、火災現場の隣のビルの窓に不審な影を見た。
スコア :
「……!?今、何か……」 見上げて
ヤオ トモヤ :
「ッはい、誰かいましたね」
不破 栞 :
「本当か?」
夜鷹 守人 :
「隣のビルか、調査しに行った方がいいな……」
スコア :
「本当です!わたし以外にも見えたなら間違いないし……行きましょう、マスター!」
ヤオ トモヤ :
2人の言葉に強く頷く
不破 栞 :
「わかった。まずはあのビルを調べよう」
夜鷹 矢代 :
「あのビルか、些かリスクは高いが……やむを得まい……」
夜鷹 矢代 :
「相手が犯人だとすれば単独とは限らん、黄海達がいない分、ドロ係のメンバー総出で当たるぞ」
スコア :
「確かに……。了解ですっ」
夜鷹 守人 :
「気を引き締めて行きましょう」
電子刀を握って
ヤオ トモヤ :
「ハイ!」電子鞭に手をかけて
不破 栞 :
「了解です」 ジャックナイフを構える
青木 玲斗 :
「はい…!アブなければすぐに撤退、命大事にでいきましょう…!!」
KP :
アナタ達は皆揃ってビルに足を踏み入れる。
KP :
すると既に此方にも火が移りはじめていた。
KP :
ここで全員に≪DEX×5≫の判定をしてもらいます!
KP :
これに成功した場合、問題なく進む事ができますが……
KP :
もしも失敗した場合、崩れた瓦礫等により怪我をしてしまうので注意です!
スコア :
成功すればいいだけだ!振るぞ~
夜鷹 守人 :
レッツゴー!
スコア :
CC<=60 DEX×5(1D100<=60) > 6 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【dex×5】(1D100<=70) > 19 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=20 俺のDEX捌きを見ろー!(1D100<=20) > 29 > 失敗
不破 栞 :
cc<=60 抜けるぞ~!(1D100<=60) > 24 > 成功
夜鷹 守人 :
頑張ったなぁ
スコア :
お、おしい
KP :
守人くん惜しくて笑っちゃった
ヤオ トモヤ :
惜しい…(血涙)
不破 栞 :
並みのDEXがあれば…
夜鷹 守人 :
守人が焦げてブラック守人になりまする…
KP :
では失敗した守人くんは1d3点のダメージを受けてください!このダメージにサードアイによる軽減は無効とします!!
夜鷹 守人 :
1d3 よいしょぉ!(1D3) > 3
夜鷹 守人 :
いでぇえ!!
KP :
最大値で草
スコア :
重症じゃねーか!
夜鷹 守人 :
誰だよ絶好調とか言ったヤツ!!ダークマター守人になるよ!!!
ヤオ トモヤ :
正直イイ線いってたけども…!!
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 11 → 8
夜鷹 守人 :
火の手が回りつつあるビルを駆ける。
先行する不破達を追いかける形で追走する守人であったが……
夜鷹 守人 :
スタミナが無い故に息を切らし、集中力が切れていた為か。崩落する瓦礫を認識できることが出来なかった。
夜鷹 守人 :
「ッ!? がァッ……!!?」
突然の衝撃。頭部を逸れて肩へ降って来た為に致命傷は避けられたが、深手一歩手前の打撲を負ってしまう
ヤオ トモヤ :
「──ッ⁉︎夜鷹さん!!」
ヤオ トモヤ :
先頭付近から踵を返し、全力で夜鷹の元に走ってくる
ヤオ トモヤ :
「ッ、すごい怪我‼︎重症じゃないですか…あぁ頭部は大丈夫そう肩でまだよかった、動けますか?」ブツブツと早口で 具合を確認する
夜鷹 守人 :
「クソッ……! ま、まだ動ける。捜査には支障ない……!」
怪我した肩を庇って、ぜぇぜぇと息を切らしながら足を動かす
夜鷹 矢代 :
「ッ強行したのが間違いだったか、今からでも引き返し────」
夜鷹 守人 :
「進んでくださいッ! 今、戻るのは逆に危険です……!!」
回る火の手を見て、冷静に判断する
ヤオ トモヤ :
「……ッ」でもそんなこと言ったってあなたが重症じゃないか!!一瞬顔を歪めるもグッと堪えて
ヤオ トモヤ :
「…わかりました。幸いなことに夜鷹さんはまだ動けるようですし進みましょう」
スコア :
「本人がいけるって言ってるんです。信じましょう」 振り返らず、先に奥へと走っていく
イチハ :
「さっきので重症だなんて、まったく人間の身体って貧弱にできてるんですね~?」
イチハ :
「まっ、もしムリそうならボクが背負ってあげますよ~♡」ニマニマと笑い
夜鷹 守人 :
「……アンドロイドに介護されるほど、ひ弱じゃない……っ」
小さな声で悪態をついて
ヤオ トモヤ :
「……結構です。夜鷹さんが動けなくなったその時は私が背負います」
イチハ :
「え~……親切にしてあげたのにひどくない~……?」
イチハ :
「ううっ、ボク泣いちゃいそうっ……な~んてっ♪」
スコア :
「今は冗談言ってる場合じゃないですよ!」
夜鷹 守人 :
「さっさと進むぞ……! また崩れて来たら洒落にならないっ!」
不破 栞 :
「ああ。急ぐぞ……!」
28 VS.黒髪のアンドロイド
KP :
なんとか瓦礫を避けながらアナタ達は進んでいく。
KP :
すると前方に先程の人影が見えた。
KP :
近付けば人影の正体はVOIDだった。機体のあらゆるところが損傷している褐色のアンドロイドだ。
ボロボロのVOID :
「……ッ!?」
KP :
そのアンドロイドはアナタ達に気付くと、蹌踉けるようにして前方に走り出す。
スコア :
「逃げた!?待ちなさい!」
夜鷹 守人 :
「待て、逃がすか!!」
ヤオ トモヤ :
全速力で追いかける。一刻も早く終えたい。
不破 栞 :
「こんなところで何をしている、止まれ!」
KP :
アナタ達がVOIDの後を追おうとした、その時。
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア]は≪回避≫による判定をどうぞ(choice[守人,トモヤ,不破,スコア]) > 守人
夜鷹 守人 :
cc<=58 回避!!(1D100<=58) > 33 > 成功
KP :
廊下の奥から放たれた一発の弾丸が、守人くんの頬を掠めた。
夜鷹 守人 :
「────ッ!!」
突然の銃撃にサードアイが発動。僅かに身体を逸らすことで弾丸を避ける。
夜鷹 守人 :
「……! 奥に誰かいるぞっ!!」
スコア :
「マジですか……!」 立ち止まり、廊下の奥を睨む
不破 栞 :
「一体じゃなかったか……!」
ヤオ トモヤ :
「‼︎」ホルダーから電子鞭を抜く
夜鷹 矢代 :
「やはりそうか……立てこもり事件の時と同じ……」
KP :
暗い廊下の先から一人の少女────人間に酷似したアンドロイドが姿を表す。
黒髪のアンドロイド :
「標的を確認。ただちに排除します」
KP :
その少女はアナタ達に向けて拳銃を構える。
KP :
またその横にはビルで見た黒いアンドロイドが2体、同じく拳銃を構えていた。
スコア :
「……!人間……じゃない。あいつ、1310と似たような……」 腰に下げていた音波銃を手に取る
不破 栞 :
「女の子……じゃないようだな。無力化するぞ!」 ジャックナイフを構え
スコア :
「はい!」 敵を見据える
夜鷹 守人 :
「ここで討ち取る……っ!」
電子刀を抜刀
ヤオ トモヤ :
「またですか……‼︎それどころじゃないってのに!」電子鞭を構える
KP :
アナタ達が武器を構えると、後方からも数体の黒いアンドロイド達が現れる。
KP :
矢代、赤星、イチハは後方を向いた。
KP :
青木とレミは此方に加勢するようだ。
青木 玲斗 :
「黒髪のアンドロイドが持ってるアレって最新のレールガンじゃないですか……うう、初戦闘がこんなシチュエーションだなんて……」
レミ :
「何を怖気づいてるんですか~青木さん? ちゃんとカッコいいところを見せてくださいね~?」
レミ :
「ほら、ブレイブレイド?の主人公みたいなイメージでがんばれば大丈夫ですから~♪」
青木 玲斗 :
「え、ええ……そんなこと言ったってしょうがないじゃないか……怖いモノは怖いですよ…………」
レミ :
「あっ、それじゃあですね~、ちゃんと活躍できたら例のプラモデルをお返ししてあげますよ~?」
青木 玲斗 :
「よし、やるぞ」
スコア :
「そんなに!?……まあ、覚悟決めてくれるなら助かりますね……!」
ヤオ トモヤ :
「(ぁ、没収されちゃったんだ……)」苦笑いして
夜鷹 守人 :
「(プラモデル……?)」
何の話かわからないのでツッコまない
青木 玲斗 :
「いきますよ皆さん! 俺についてきてください!! うおおおおおおおお!!!!」
KP :
ということで戦闘開始です
スコア :
お、おう……!
不破 栞 :
いくぞ~!
ヤオ トモヤ :
やるぞー!
夜鷹 守人 :
青木の背中を見送るしかない……
KP :
エネミーは、黒髪のアンドロイドが1体と謎のアンドロイドが2体! 距離は10m!!
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.黒髪のアンドロイド(DEX16)⇒ 2.ヤオトモヤ(DEX14)⇒3.謎のアンドロイドAB(DEX14)⇒4.青木・レミ(DEX13)⇒5.不破栞・スコア(DEX12)⇒⇒6.夜鷹守人(DEX4)
KP :
まずはDEX16の黒髪のアンドロイドから!!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ](choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ]) > 不破
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ] (choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ]) > レミ
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ] (choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ]) > 守人
KP :
では不破、レミ、守人くんに一発ずつ射撃
KP :
cc<=60 不破さん(1D100<=60) > 70 > 失敗
KP :
cc<=60 レミさん(1D100<=60) > 18 > 成功
KP :
cc<=60 守人くん(1D100<=60) > 12 > 成功
KP :
レミさんは回避します
夜鷹 守人 :
守人、電子刀で受け流します
KP :
cc<=80 回避(1D100<=80) > 62 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=85 受け流し~~!(1D100<=85) > 59 > 成功
KP :
では武器に対してのダメージ算出
KP :
1d10+2-6(1D10+2-6) > 8[8]+2-6 > 4
夜鷹 守人 :
当たらなくてよかった~~!!!
system :
[ 夜鷹 守人 ] 武器耐久 : 19 → 15
KP :
生身で受けてたらショックロールでしたね…
夜鷹 守人 :
放たれた弾丸の射線を計測。
サードアイは前回のデータを参照して、より正確な間合いを弾き出す。
夜鷹 守人 :
「(見切ったッ!)」
夜鷹 守人 :
一定のポイントに到達したタイミングで電子刀を振り下ろす。
夜鷹 守人 :
弾丸を見事に両断。守人を穿つことなく、弾は二つに分かたれて地面へと転がる。
レミ :
「お~、こういう時はワザマエって言うんでしたっけ~青木さん?」ステップで銃弾を避けながら
青木 玲斗 :
「えっ、レミさん、どこでそんな言葉を……? それよりいいですから集中してください! 俺の集中も途切れるから!!」
夜鷹 守人 :
「会話は後にしてください……!!」
集中して疲労した右目をパチパチさせて
KP :
では続いてトモヤくんの手番!
ヤオ トモヤ :
はい!黒髪のアンドロイドにエンゲージし、電気鞭で攻撃します!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電気修理】(1D100<=75) > 8 > 成功
KP :
黒髪のアンドロイドは回避を試みます!
KP :
cc<=60 回避1回目(1D100<=60) > 83 > 失敗
KP :
おおっと命中! ダメージをどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 5[3,2]+3[3] > 8
KP :
装甲で2点軽減して6点のダメージ!
system :
[ 黒髪のアンドロイド ] HP : 25 → 19
ヤオ トモヤ :
スタンも乗るのでよかったらcon×5ロールもお願いします‼︎
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 87 > 失敗
KP :
おっとスタンも効きますね!?
ヤオ トモヤ :
やったー‼︎✌️
KP :
ではスタン効果によって、黒髪のアンドロイドは次の自分の手番の終了時まで全判定に-20のペナルティ修正を受けます。
ヤオ トモヤ :
あるはずのない、しかし確かに募る苛立ちを乗せ腕を振り抜いた。破裂音から一拍。バチバチと音を立て、青白く発光して進む軌道はその機体を砕かんとばかりに強く打った。
ヤオ トモヤ :
「……感電させることができたのアナタが初めてです。早く終わらせて差し上げますね」
KP :
黒髪のアンドロイドは、しなる雷撃に打たれて、一気に全身の力が抜けたようにガクンと膝をついた。
KP :
では謎のアンドロイド二体の手番!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ] (choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ]) > 守人
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ] (choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ]) > トモヤ
KP :
cc<=30 守人くん狙い、拳銃1発目(1D100<=30) > 80 > 失敗
KP :
cc<=30 守人くん狙い、拳銃2発目(1D100<=30) > 51 > 失敗
KP :
cc<=30 トモヤくん狙い、拳銃1発目(1D100<=30) > 32 > 失敗
KP :
cc<=30 トモヤくん狙い、拳銃2発目(1D100<=30) > 66 > 失敗
KP :
な、なんですって…!? あの謎のアンドロイド達が全弾を外した…!?
スコア :
実は別のタイプなのでは?
夜鷹 守人 :
ガタが来てるんじゃないの~~?(煽り)
KP :
くっ…では演出あればどうぞ…!!
夜鷹 守人 :
サードアイが再び弾道を計算。電子刀を握り、放たれた弾丸を切り落とそうと構えるが……
負傷した肩に激痛が走る。これでは振るべき刀も振るえない。
夜鷹はよろめく様に射線から外れて、なんとかこれを躱した。
ヤオ トモヤ :
夜鷹に銃を向けたアンドロイドを視認しつつ、サードアイからは緊急回避の指示が表示される。
矢継ぎ早に飛んできた銃弾だがギリギリ躱すことができた。
KP :
二人が回避に成功したところで、青木&レミの手番!まずはレミから!!
KP :
守人くんのOKが貰えれば、ですが、レミは守人くんの治療を行いたいと思います!
夜鷹 守人 :
まじーちぇ!?是非お願いしたい!!!!!
KP :
ではアンドロイドから治療を受ける、というコトで!
夜鷹 守人 :
本人は嫌がりますけどね、死んだら脳に埋められたチップが爆発しますから(大嘘)
KP :
守人くんが嫌がろうと医療アンドロイドとしての責務は果たさせてもらいますよ!では判定!!
KP :
cc<=90 医学(1D100<=90) > 49 > 成功
KP :
1d3 回復(1D3) > 1
KP :
出目がつらい! 1点回復してくださいな!
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 8 → 9
夜鷹 守人 :
ピロリン(回復音)
1点でもありがた!
レミ :
「────守人さん、その肩じゃ戦闘はムリです」
KP :
レミは肩を庇って何とか四肢を動かすアナタの様子を見て、極めて冷静にそう結論づけた。
夜鷹 守人 :
「っ……命に関わる怪我じゃない……! まだ、俺は……ッ」
アンドロイドに諭されることに嫌悪感を覚えるが、肩の激痛に顔を顰める。
レミ :
「その傷は戦場では命取りだ、とそう言っているんですよ私は」キッパリとハッキリと
レミ :
「……無意味な強がりを見せていないで、傷口を見せてください」
レミ :
「それとも此処で死にたいんですかアナタは?」普段のレミとはうってかわって真剣な表情
夜鷹 守人 :
「─────ッ」
屈辱ではあるが、その正論に屈して肩の怪我を見せる
夜鷹 守人 :
「軽くで良い、素早く済ませろ……!」
レミ :
「はい、ありがとうございます」フッと微笑んで
KP :
レミは青いジェルを取り出し、それを迅速に傷口に塗布。
KP :
そしてすぐに負傷部位を包帯で覆った。
レミ :
「……鎮痛効果もありますから、これで多少はマシになるかと~」
夜鷹 守人 :
「………ああ、これでまだ戦える」
レミの顔を一瞥してから、再び謎のアンドロイド達に向き直る
KP :
では続いて青木の手番!
KP :
ここで青木の専用武器を公開します!
□青木玲斗用武器
【レーザーライフル】
[技能:ライフル][ダメージ:2d6][射程:100m][攻撃回数:2][耐久力:10]
[特記事項]
この武器の攻撃は装甲を3点まで無視してダメージを算出する。
スコア :
めっちゃつよでは~?やっちゃえ青木さん!
青木 玲斗 :
うおおおおおおおおおおおおお!!!!
KP :
cc<=80 謎のアンドロイドAにライフル1発目(1D100<=80) > 77 > 成功
KP :
cc<=28 謎のアンドロイドAの回避1回目(1D100<=28) > 7 > 成功
KP :
あいかわらずの回避の出目してますね謎のアンドロイド
KP :
cc<=80 謎のアンドロイドAにライフル2発目(1D100<=80) > 91 > 失敗
青木 玲斗 :
は、外した…! もうダメだあ…!!
スコア :
綺麗にオチがついちゃったよ!
KP :
悲しいですね…でも一応の演出!!
KP :
青木が構えたのは、いかにもロボットアニメに出てきそうな白と青の銃。
青木 玲斗 :
「アナタ達に罪はないのでしょうが…!!」
KP :
一時的に足を止めて治療中の二人から注意を逸らす為にトリガーを引く。
KP :
すると、銃口から二本の白い光の束が放たれた。
KP :
しかし、その光の束────レーザービームは、目を瞑って撃った為か、あらぬ方向に放たれてしまった。
青木 玲斗 :
「なっ……!!」
KP :
そして青木は「実戦経験の欠如」「アニメのように上手くはいかないコト」等々、様々なコトを思いしらされたのだった。
KP :
続いてふわすこの手番です!
スコア :
とりあえずわたしいこっか!
不破 栞 :
先お願いしま!
スコア :
じゃあ、前進して敵がいるとこまで移動し、音波銃で黒髪アンドロイドに攻撃します!
スコア :
CC<=80 拳銃(1D100<=80) > 14 > 成功
スコア :
回避ペナルティ-20です!
KP :
回避2回目で30%、それにスタンで-20%、さらに-20%となると……自動失敗なので回避しません! ダメージどうぞ!!
スコア :
やったー
スコア :
4d6 ダメージ(4D6) > 12[1,3,5,3] > 12
スコア :
期待値!
system :
[ 黒髪のアンドロイド ] HP : 19 → 9
KP :
ちょうど現在HPの半分以上を失ったのでショックロールを行ないます!
KP :
cc<=50 ショックロール(1D100<=50) > 41 > 成功
KP :
成功! まだ立っていますね!!
スコア :
「叩くなら今のうちですね……!ナイスです、トモヤさん」 床を蹴り、敵へと接近しながら、
スコア :
「壊れろ!!」
音波銃の照準を敵に合わせてトリガーを引く。
その構えは走りながらでも、一昨日初めての戦いに比べれば幾分かマシになっている。
キン──と響く音の弾丸が、敵の胸の中心を撃ち貫いた。
ヤオ トモヤ :
「‼︎」胸を音の弾丸が撃ち抜くのを見届け、大きく頷く。やったのではないか⁉︎倒れてくれ!
KP :
音波銃によるダメージは機体の内部に与えるモノだ。
KP :
外見からはイマイチ分からない。
KP :
しかし、黒髪の少女は口から青い血を漏らし呟いた。
黒髪のアンドロイド :
「────ガ、ガガ、自己診断プログラム実行__戦闘続行可能__」
KP :
深刻なダメージを与える事には成功したが、まだ十分に動ける。少女はそう告げていた。
スコア :
「……っ、またか……!」 1310の時のタフさを思い出す。これ以上接近するのは危険だと判断し、一旦立ち止まって距離を置く
KP :
続けて不破さんの手番どうぞ!
不破 栞 :
行くぜ!ジャックナイフで黒髪のアンドロイドに近接攻撃だ!
KP :
まず10m移動するカンジかな! 判定どぞ!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 38 > 成功
KP :
cc<=10 回避2回目(スタン-20%)(1D100<=10) > 6 > 成功
KP :
10%回避に成功していく!!!!!!
不破 栞 :
なんだと!!
KP :
流石のしぶとさですね! 演出あればどうぞ!!
不破 栞 :
ちょっとだけ!
不破 栞 :
「いいぞスコア! ダメ押しだ……!」
不破 栞 :
ジャックナイフを構え、スコアのすぐ後ろから飛び出し、ひるんだ黒髪のアンドロイドに突撃する
不破 栞 :
――が、寸でのところで攻撃はかわされて空を切る。
不破 栞 :
「本当にしぶといな……君も……!」
KP :
では最後、守人くんの手番!!
夜鷹 守人 :
はーい!黒髪のアンドロイドの接近、電子刀の一刀流でいきますよ!!
夜鷹 守人 :
cc<=85 チェストォォォォォッ!!!(1D100<=85) > 42 > 成功
KP :
回避3回目で20%、ちょうどスタンによる-20ペナルティで自動失敗ですね!
KP :
ダメージどうぞ!
夜鷹 守人 :
1d10+1 そいや!!!(1D10+1) > 8[8]+1 > 9
夜鷹 守人 :
よかチェストにごわす
KP :
装甲で2点軽減して……ちょうどHP2で自動気絶!これはPC1!!
system :
[ 黒髪のアンドロイド ] HP : 9 → 2
夜鷹 守人 :
やったぜ。まともにダメージ出せた気がする
夜鷹 守人 :
守人は全力で瀕死のアンドロイドに接近、電子刀を逆手に持ち替える。
夜鷹 守人 :
「さっさと……!」
夜鷹 守人 :
「……沈めッ!!」
夜鷹 守人 :
下に潜り込み、跳ねるようにして銃を持つ腕を切断。
身を翻して素早く持ち替え、正面から体重をかけて、電子刀を突き穿つようにしてアンドロイドと共に地面に倒れる!
黒髪のアンドロイド :
「……ぁ」
KP :
黒髪の少女は組み伏せられたままプラズマブレイドに内部から溶断され、
KP :
火の海の中、その動きを止めた。
夜鷹 守人 :
「ぜぇ、ぜぇ……目標、無力化……っ!」
肩で息をしながら立ち上がり、眼下のアンドロイドを見下ろす
KP :
……暴れたからか乱れた髪の少女の後ろ姿は人間の死体にしか見えない。
夜鷹 守人 :
「(………っ。後味の悪い思いをさせやがって……)」
一瞬ドキリとさせられるが、このスクラップはアンドロイドである事を思い出して、焦りを誤魔化す。
KP :
全員の手番が回ったので1ラウンド目が終了! 2ラウンド目に入ります!!
KP :
まずは黒髪のアンドロイドが気絶して、DEXトップに躍り出たトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
オラーッいくぞ!!!謎のアンドロイドAにエンゲージし、電気鞭で攻撃します。
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭】(1D100<=75) > 28 > 成功
KP :
cc<=28 回避(1D100<=28) > 99 > 失敗
KP :
回避失敗! ダメージどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 9[6,3]+2[2] > 11
KP :
装甲で2点軽減して9点……現在HPの半分以上が減ったのでショックロールを行います!
system :
[ 遠隔操作アンドロイド ] HP-A : 15 → 6
ヤオ トモヤ :
わ〜い‼︎
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 85 > 失敗
KP :
あっさり気絶!
ヤオ トモヤ :
めでたい✌️
ヤオ トモヤ :
「ーー仕留めます」
先程夜鷹に銃を向けたアンドロイドに向かって駆けていく。勢いを殺さず鞭を振るう。
ヤオ トモヤ :
稲妻のようだった。光の線は機体の胸部を切るようにして落ち、辺りには強化プラスチックの砕ける音が響く。
KP :
演算する間も反応する間もなく、黒いアンドロイドは気付けば地を這っていた。
KP :
完全に破壊はしていないが、暫くは身動きが取れないだろう。
ヤオ トモヤ :
「……パートナーに手を出されたアンドロイドってこうなるんですね。学びを得ました」
ヤオ トモヤ :
冷めた目で見下ろし、もう一体に目を向ける
KP :
ではトモヤくんに目を向けられた、残った最後の1体の手番!!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ] (choice[守人,トモヤ,不破,スコア,青木,レミ]) > 不破
KP :
cc<=30 不破さん狙い、拳銃1発目(1D100<=30) > 5 > 成功
KP :
cc<=30 不破さん狙い、拳銃2発目(1D100<=30) > 26 > 成功
KP :
ヒュウ!!!!
不破 栞 :
そんなことあります??避けるぜ~~!!
KP :
がんばれ♡がんばれ♡
不破 栞 :
cc<=64 1発目(1D100<=64) > 67 > 失敗
KP :
おおっと
不破 栞 :
いてぇ!!
不破 栞 :
cc<=32 2発目(1D100<=32) > 4 > 成功
KP :
まさかの二度目は回避! 二度も受けてたら流石にヤバかったかもしれないのでよかったですね…
KP :
ではダメージ!
KP :
1d10-6 サードアイ有効(1D10-6) > 1[1]-6 > -5
KP :
ノーダメージ!!!!!!
不破 栞 :
サードアイ、めっちゃつよない??
KP :
つよすぎる
KP :
そして二回目の回避成功によって、不破さんのジャックナイフ(斬撃)の効果が発動します!!
KP :
カウンターダメージどうぞ!
不破 栞 :
いくぜ!!
不破 栞 :
2d6+2(2D6+2) > 4[1,3]+2 > 6
KP :
装甲で2点軽減して4点受けます
system :
[ 遠隔操作アンドロイド ] HP-B : 15 → 11
不破 栞 :
「!!」 放たれた2発の弾丸に、サードアイが反応する。
不破 栞 :
その場の熱気に一瞬、対応が遅れ……銃弾が肌を掠めてシャツに風穴が空く。
不破 栞 :
「すばらしい射撃だ。だが、この間一発貰ったばっかりだから貰うわけにはいかないな……!」
不破 栞 :
銃の反動で出来た隙に、そのままジャックナイフの一撃を叩きこむ!
遠隔操作アンドロイド :
「……!!」
KP :
黒いアンドロイドは鋭い斬撃を受け、青い血を流しながらよろめいた。
KP :
守人くんとトモヤくんが華麗に敵を撃破したところで、青木&レミの手番!まずはレミから!!
KP :
レミは謎のアンドロイドにエンゲージ、マーシャルアーツ+キックを繰りだします!
KP :
cc<=80 マーシャルアーツ+キック(1D100<=80) > 31 > 成功
KP :
cc<=28 回避1回目(1D100<=28) > 16 > 成功
KP :
回避された!!!!!!
レミ :
「戦闘プログラム、起動」
レミ :
「────医療アンドロイドにあるまじき蛮行、しばし目を瞑っていただければ~」
KP :
思い切り地面を蹴る。
KP :
青木に与えられた脚部アクチュエーターが駆動。
KP :
弾丸のように放たれたレミの肢体は、一息の内に相手の眼前に躍り出る。
遠隔操作アンドロイド :
「────!!」
KP :
演算時間は与えない。
KP :
黒いアンドロイドの頭部を掴み、
KP :
そのまま顔面に右膝を叩き込む。
KP :
レミの右膝がアンドロイドのヘルメットを蹴り穿つ。
KP :
相手のヘルメットは粉々に砕け、内側から元々の機体の顔が露わになる。
KP :
それは旧型家庭用VOIDだった。
KP :
やはりと言うべきか、変異体にされ利用されたVOIDが、そこにはいた。
レミ :
「あら~……思っていたよりヘルメットが硬かったですね~、ダメージは入っていないみたいです~……」
KP :
続けて青木の手番!先程のリベンジしますよ!!
KP :
cc<=80 ライフル1発目(1D100<=80) > 14 > 成功
KP :
cc<=80 ライフル2発目(1D100<=80) > 89 > 失敗
KP :
cc<=14 回避(1D100<=14) > 77 > 失敗
KP :
2d6 装甲無視ダメージ(3点まで)(2D6) > 9[5,4] > 9
system :
[ 遠隔操作アンドロイド ] HP-B : 11 → 2
KP :
残りHP2!不破さんの反撃と合わせて丁度自動気絶!! 戦闘終了です!!
不破 栞 :
やったぞ青木さん!!
ヤオ トモヤ :
おめでとう青木さん!
スコア :
よかったよかった
青木 玲斗 :
「(……このまま戦闘が長引けば、最もキケンなのは近接格闘主体のレミさんだ)」
青木 玲斗 :
「(俺が……! パートナーの俺が守るんだ……!!)」
KP :
……エネルギー再装填。冷静に銃口を黒いアンドロイドに向ける。
青木 玲斗 :
「いくじなしの無能のまま終われるもんか……!!!!」
KP :
憧れのヒーローのように叫びながらトリガーを引く。
KP :
もう一度、銃口から二本の白い光の束が放たれ────
KP :
今度こそレーザーは相手の腹部に風穴を開けた。
KP :
……同時に、黒いアンドロイドはバタリと倒れて動かなくなった。
青木 玲斗 :
「やっ、た……?」
夜鷹 守人 :
「ひとまず終わった、か……。青木さんもお疲れ様です」
電子刀の刃を収納する
スコア :
「あとは、向こうは……!」 矢代達の方を振り向く
ヤオ トモヤ :
頷いて、同じように振り向く
赤星 透也 :
「────こっちも」
KP :
アナタ達が後ろを見ると、赤星が残ったアンドロイドを電子刀で磔にし、イチハが拳銃で蜂の巣にする連携プレイが見られた。
夜鷹 矢代 :
「片付いた、な」拳銃を下ろす
スコア :
「良かった……。全員無事のようですね」 一旦、音波銃にセーフティをかける
夜鷹 守人 :
「お疲れ様です。予想外の戦力でしたが、何とかなりましたね」
ヤオ トモヤ :
はい!ひとまず鎮圧できてよかったですね と鞭を巻き取り、通路の前方に向き直る
不破 栞 :
「とにかく、全員無事でよかった」ジャックナイフを仕舞う。
スコア :
「ねー……。ちょっとヒヤッとしましたけど」
不破 栞 :
「さすがに二戦連続で負傷は笑えないからな……」 服の風穴を確認し
夜鷹 守人 :
「傷が開かなくて何よりですよ」
KP :
アナタ達がお互いの安否を確認しあっていると、
KP :
──倒された黒髪のアンドロイドがふいに目を開く。
黒髪のアンドロイド :
「■……ト…………?」
KP :
そして最後の力を振り絞り、スコアに向かって真っ直ぐ手を伸ばした。
KP :
逆転の手段として接触によるハッキングを狙っているのだろうか。
スコア :
「……え……?」
スコア :
「あ、あなた……今、何て……」 戸惑った目で伸ばされた手を見ている
不破 栞 :
「スコア!! 油断するな!」 その不審な様子に気づき、声を上げる。
スコア :
「……っ!」 栞の声に肩を震わせるが、その目は黒いアンドロイドに向いたまま
ヤオ トモヤ :
「…駄目です、握っちゃいけません!」握ったら、握ってしまったら先輩も!
KP :
二人が声を荒げるが間に合わない。
KP :
黒髪の少女の右手が、スコアちゃんの手の甲に触れると同時──
イチハ :
「……!!」
KP :
イチハが咄嗟に放った弾丸に頭部を破壊され、彼女は機能停止した。
スコア :
「なっ……!?ちょ、ちょっと、待って……!!」 咄嗟に機能停止したアンドロイドを抱える
黒髪のアンドロイド :
「……………………」
KP :
頭部のマインドパレスが破壊されている。当然ながら返答はない。
スコア :
「………………」 ジッとその顔を見下ろして、固まっている
イチハ :
「……大丈夫? 旧型ちゃん? 接触しちゃったみたいだけど、ハッキングは受けてない?」
スコア :
「え……。あ、はい……。大丈夫、です……。何ともないはず……」
イチハ :
「そっかそっか~♡ 旧型ちゃんをハッキングできないなんて~、コイツも大したコトないね~♪」少し上機嫌そうに
スコア :
「…………」
スコア :
「……あ、はは……そうかもしれませんね。でも、助かりました……ありがとうございます」 黒髪のアンドロイドをそっと床に下ろし、立ち上がる
ヤオ トモヤ :
「……」先ほどよりかは安心した顔である
不破 栞 :
「ヒヤっとしたな……だが、なんともないようでよかった」 ほっと溜息をつく
KP :
ではここで皆様≪目星≫による判定をどうぞ
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 57 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 なんだなんだ(1D100<=75) > 1 > 決定的成功/スペシャル
不破 栞 :
cc<=60 なんかある!(1D100<=60) > 54 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 40 > 成功
夜鷹 守人 :
うおっ
スコア :
うお~!!
KP :
また1クリティカル!?!?
不破 栞 :
最近ついてるね
夜鷹 守人 :
守人はEYEは熱光線
KP :
ではクリティカル処理はまた振り直し権にしましょうか便利ですし
夜鷹 守人 :
やりぃ
KP :
ではでは合計2回まで振り直しができる状態ということに
スコア :
最高過ぎ助かる
ヤオ トモヤ :
ありがてありがて‼︎
不破 栞 :
いくらあっても嬉しい
KP :
改めて全員の目星成功情報!
KP :
アナタ達は黒髪のアンドロイドの手の甲に小さな傷がある事に気が付く。
KP :
製薬会社のビルにいた茶髪のアンドロイドと同じだ。
KP :
そこには『3103』と数字が彫られている。
スコア :
「……この数字。やっぱり……あの時のアンドロイドと同じ……」
不破 栞 :
「やはりか……」
夜鷹 守人 :
「また似たような数字が……奴らなりの識別なのか?」
スコア :
「1310の時と同じ位置です。ここまで来ると……そういう可能性が高い気がしますね……」
夜鷹 守人 :
「リーダー格を現す数字、なのか……?」
ヤオ トモヤ :
「…どうなんでしょう。でも今の所1.3.0の3つのみで構成されているように思えますし、なんらかの法則があってもおかしくないですね」
スコア :
「うーん……」 困ったように見下ろして
スコア :
「……でも、とりあえず今は……保留ですね。逃げたアンドロイドを追わないと」 顔を上げて、他のメンバーを見る
不破 栞 :
「そうだな、スタックから何か情報が得られることを期待するしかないか」
スコア :
「ね……。早く行きましょう、マスター」
イチハ :
「けど時間稼ぎされましたね~……逃げたVOIDはもう追えな~……」
イチハ :
「いコトもないですかっ」
KP :
言いながらイチハは足下を眺めてクスクスと笑った。
KP :
そこには大量のブルーブラッドの痕跡が残っていた。
KP :
……あの逃げたボロボロのVOIDが流した血だろう。
KP :
これなら今からでも追いつくコトもできそうだ。
スコア :
「あ……!気付かなかった!」
夜鷹 守人 :
「こいつを追って行こう。まだ近くにいるはずだ」
ヤオ トモヤ :
これなら間に合いそうですね!と頷く
イチハ :
「ふふ~ん♪ ではでは決定というコトで~♡」気付いていなかったスコアちゃんに向けてドヤドヤニコニコして煽る
スコア :
「いやだってそこら中破損したアンドロイドのブルーブラッドだらけだから……!あぁ、もう、言ってる場合じゃないか……!」 言い訳しようとして、そういう場合じゃないと思い直す
夜鷹 矢代 :
「ああ、では青木とレミは此処に残り、念の為にスタックを回収しろ」
夜鷹 矢代 :
「我々はブルーブラッドの痕跡を追うぞ」
スコア :
「了解です」
夜鷹 守人 :
「了解しました。青木さん、ここは頼みます」
青木 玲斗 :
「は、はい、皆さん気を付けてくださいね……」
ヤオ トモヤ :
「はい!お二人も気をつけて!」
不破 栞 :
「頼んだぞ」
スコア :
「…………」 黒髪のアンドロイドを一瞥してから、歩き出そう
29 再会
KP :
────ブルーブラッドの道標を真っ直ぐ辿る。
KP :
すると階段を昇った先、半開きのドアに突きあたる。
KP :
室内からは話し声。あのVOIDが逃げたのはココだ、そう確信する。
スコア :
「この部屋……かな」 小声で
夜鷹 守人 :
「………その様だ。今がチャンスだろうな……」
ヤオ トモヤ :
「…‼︎」もしもの時のため、鞭に手をかけつつ
不破 栞 :
「なら、私が先行しよう」
不破 栞 :
ジャックナイフを射撃モードにして構え、一気にドアを開く。
不破 栞 :
「警視庁だ。手を上げて大人しくして貰おう!」
夜鷹 守人 :
「大人しろ!!無駄な抵抗はするんじゃあないぞっ!!」
続いて入り、電子刀の切先をアンドロイドに向けよう
KP :
ドアを開け放つ。部屋に押し入る。
KP :
そこは赤い部屋だった。
KP :
窓から燃え盛る隣のビルが見え、その赤い光だけが室内を照らしていた。
KP :
────そして、そこに三つの人影が浮かんでいた。
KP :
一つはアナタ達から逃げだしたVOID。彼は倒れてピクリとも動かない。
KP :
その傍らでVOIDを見下ろすシルエットが一つ。
KP :
…………アナタ達は、その顔に見覚えがあった。
KP :
テロリストのリーダー、キョウ。
KP :
彼は片手に特殊なナイフ────不破栞の持つモノと同じ小型銃剣"ジャックナイフ"を握っていた。
KP :
さらに彼の隣には、真っ白なフードを被った小さな人影が見える。
KP :
その小さな人影はアナタ達に気付くと、慌ててフードを被り直し、ススッとキョウの背後に隠れた。
KP :
キョウはフードの少年(?)を庇うように立ち、ナイフのように鋭い視線でアナタ達を睨んでいる。
不破 栞 :
信じられないという表情で、目を丸くしてその男の顔を見ている。
不破 栞 :
10年という空白の時間、その反動か……まるで時間が止まったようにも感じられた。
不破 栞 :
ようやく状況を理解し……意を決して口を開く。
不破 栞 :
「……白瀬……どうしてこんなところに……?」
スコア :
「…………っ」 咄嗟に喉まで出かけた言葉を飲み込み、硬直している
夜鷹 守人 :
「白瀬……? 確かこいつは、テロリストの……」
食堂で聞いた名を思い出す
ヤオ トモヤ :
「ぁ、アナタは犯罪組織のリーダー……⁈この方が白瀬、さんなんですか⁈」
不破 栞 :
「……」 周りの声も聞こえていないのか、静かに返答を待っている。
KP :
その男はアナタ達の言葉には答えず、ただ一言だけ呟いた。
キョウ :
「…………悪いな」
キョウ :
「まだ俺は、俺達は、捕まる訳にはいかない」
KP :
キョウは足下に転がるVOIDから何かを取りだすと、背後にいたフードの少年(?)を小脇に抱え。
KP :
────窓を割って飛び降りた。
不破 栞 :
「っ!?」 思いもよらない行動に、無我夢中で窓へと駆け寄る。
不破 栞 :
「白瀬!!!」 割れた窓の下を覗き、大きな声で叫ぶ。
KP :
キョウ達が落ちた方を覗き込む。
KP :
……そこには最新型バイクに跨る二人の姿があった。
KP :
逃走手段を準備していたらしい。
KP :
彼はテールランプの蒼い残光だけ残して、そのまま走り去ってしまった。
不破 栞 :
「……」 その様子を見送り、無言で膝をつく。
夜鷹 守人 :
「クソッ、逃げられたか……!」
階下を覗いて、走り去るバイクを目で追う
スコア :
「マスター……今のが……」 栞の傍に寄る
夜鷹 守人 :
「………顔見知り、ですか。あのテロリストとは」
不破に顔を向けず、外を向いたまま話す
不破 栞 :
「……白瀬恭雅」
不破 栞 :
「10年前に警視庁の捜査一課を追われて以来行方不明になっていた……私の同僚だ」
ヤオ トモヤ :
「あの人が……」未だ処理が追いついていないものの、バイクの去っていった方向を眺めながら
不破 栞 :
「……」 逃げ出したVOIDの亡骸を見る。
不破 栞 :
「(あいつがやったのか……一体、何の目的で……)」
スコア :
「このVOID……動いていませんね。何か取っていったように見えましたけど」
夜鷹 守人 :
「……………」
思う所はあるが、今は口にすまいと口を閉ざす
ヤオ トモヤ :
「(結局、白瀬恭雅の率いる組織がこの爆発騒ぎを起こしたんだろうか……?)」首を捻る
ヤオ トモヤ :
「そこのアンドロイドも調査しなきゃですね……」転がっているVOIDに視線を下ろし呟く
不破 栞 :
「あいつに話を聞ければ早いだろうが……望みは薄いな」
不破 栞 :
「……」 10年ぶりに話す機会を逃したのが存外にショックで、肩を落とす。
スコア :
「……いつか巡り会えるとは言いましたけど、こんなに早く出会えるなんて思いませんでしたね」
スコア :
「それなら、次もまたすぐに会えますよ。マスター」 そう言って笑いかけ、手を差し出す
不破 栞 :
「……ああ」 手を取る。
不破 栞 :
「今日は……いろんなことが起きすぎたよ。整理する時間が欲しいな……」
スコア :
「ですね~……。まだ気は抜けませんが、戻ったらゆっくり休みましょう」
赤星 透也 :
「でもひとまずはコイツの調査、だな」転がるVOIDを見下ろし
赤星 透也 :
「ここまで火が回ってくる前に片付けねえとさ」
スコア :
「そうですね……放っておくわけにはいかないし」
KP :
スタックを回収してきた青木が、褐色のVOIDに目を落として口を開く。
青木 玲斗 :
「あれ……? あのVOIDが倒れて……?」
青木 玲斗 :
「しかもスタックが抜かれてますね……あのう、ここで何があったんですか……?」
スコア :
「あ~……えっと……」
スコア :
「テロリストグループのリーダーが……持って行っちゃったみたいな……」
青木 玲斗 :
「テロリストのリーダーが……!?」
スコア :
「はい……。まあまあ、後でちゃんと話しますから。今は脱出しないと……んよいしょ……っ」 倒れたVOIDを頑張って担ぎ上げる
不破 栞 :
「ちょっと何から説明したらいいやらという感じだな……。後でゆっくり話すよ」
青木 玲斗 :
「はあ……」
イチハ :
「うむむ、テロリストのリーダーがスタックを持ち逃げ……ってコトはさ~?」
イチハ :
「ここの爆破もあいつらの仕業じゃないです~?あいつら、テロリストなんでしょ~?」
KP :
その一言でこの場に静けさが戻った。
KP :
そして、アナタ達は矢代係長の指示で警視庁への帰還を余儀なくされたのであった。
KP :
ドロ係本部に戻ったアナタ達は、レミから簡単な手当を受けた後、
KP :
焦げ臭い匂いを纏いながら帰宅するコトだろう。
30 宝物
KP :
と、ここで二度目の「夜の個別シーン」が入ります!
KP :
HO順に個別シーンを進めていくので、最初は守人くんから!!
夜鷹 守人 :
はーい!
同日/NIGHT/天気:晴れ/夜鷹家
KP :
本当にいろいろなコトがあったが、無事、帰宅。
KP :
今日は赤星は来ていないようで、昨日の残飯の野菜スープを温め、
KP :
アナタと矢代の二人で、簡単な夕食を済ませる。
KP :
……アナタの傷付いた体は迅速な休息を欲していて、
KP :
ベッドで横になって数分で、夢の世界へと誘われた。
西暦203■年/■■月■■日/AM■■:■■/天気:晴れ/■■家
KP :
アナタは暖かい日差しが注ぐ庭にいた。
KP :
すぐ傍には自分と同じくらいの背丈の男の子がいて、アナタ達は二人でベンチに座り絵を描いている。
KP :
画用紙いっぱいにクレヨンで描かれた、二体のロボットのイラスト。
KP :
──アナタ達がよく見ていたアニメに影響を受けて書かれたソレは、
KP :
側から見れば決して上手いとは言えないかもしれないが、二人にとっては"宝物"と呼べるものだった。
KP :
少し離れたところで二人の男性が肩を並べアナタ達を見守っている。
KP :
……アナタは画用紙を持って立ち上がり、男性の一人に声をかけた。
KP :
「おとうさん」と。
KP :
幸福な夢の描写をもって、守人くんの夜の個別シーンを終わります!
夜鷹 守人 :
なるほどな~、了解だす!
31 欠陥品
KP :
続いてトモヤくんの夜の個別シーン!!
同日/NIGHT/天気:晴れ/警視庁解析室
ヤオ トモヤ :
先日と同様、ヤオはメンテナンスを受けに解析室へと足を運んだ。
ヤオ トモヤ :
入室時の網膜認証も終え、解析室に入る。奥には青木の後ろ姿が見えることだろう。
ヤオ トモヤ :
「青木さん、こんばんは…!」小声で
青木 玲斗 :
「あっ、ども……ちゃんと今日もメンテナンスを受けにきてくれたんだね……」
KP :
青木はレミに没収されていたプラモデルを机に置いて、アナタに振り返る。
ヤオ トモヤ :
「勿論です!」ニコッと笑って
「それと実は、今日はメンテナンスのほかにも相談がありまして…!」
ヤオ トモヤ :
「少し長くなりそうでして、もしよければメンテナンスの前にいいですか?」
青木 玲斗 :
「相談……?」
青木 玲斗 :
「それは一向に構わないけど、そういうのは夜鷹係長とか赤星さんとか不破さんとか……そういう経験豊富な人達にした方がいいんじゃ……?」
ヤオ トモヤ :
「……いえ、これは青木さんにしかできない相談なんです」
ヤオ トモヤ :
「アンドロイドに感情があるかどうか。誰も認めないようなことを疑問に思うような、そんなあなただからできる相談です」
ヤオ トモヤ :
「聞いてくれますか?」
青木 玲斗 :
「…………そうか、分かった、そこまで言うなら俺が聞くよ」姿勢を正して
青木 玲斗 :
「それで何かな? 相談って言うのは」
ヤオ トモヤ :
「結論からいいます。私、BR800ことヤオトモヤはどうも欠陥品のようです。なので青木さんには私が役目を果たすまで、私の隠し事に協力して欲しいんです」
青木 玲斗 :
「え……? 欠陥品、って……!?」
ヤオ トモヤ :
「そうですね、例えば……」
「以前、私がアンドロイドは夢を見るのかどうか尋ねたのを覚えていますか?私はスリープモードの度に夢を見ます」
青木 玲斗 :
「ああ、勿論それは覚えてる……各アンドロイドの問題をチェックするのが仕事だし……」
青木 玲斗 :
「だけど、それがどうして"欠陥品"って話に……?」
ヤオ トモヤ :
「欠陥がこれだけじゃないからです。夢を見るだけではなく、私は時折ウイルス…いえMAGIという偽名を名乗る人物と電脳領域内にて会話をしています」
ヤオ トモヤ :
「そして……なにより、私を欠陥品たらしめるのは私の感情の存在です」
ヤオ トモヤ :
「既に報告がいっているかもしれませんが、私はどうも人間の死や死体に対し強い忌避感を抱いているようでして。目の当たりにすると処理落ちしてしまうんですね」
ヤオ トモヤ :
「人間の道具としてこれ以上ない程の欠陥です」
青木 玲斗 :
「……う~ん」
青木 玲斗 :
「そこまでの欠陥、ですかねソレ?」
ヤオ トモヤ :
「……私は欠陥だと思います。少なくとも夜鷹さんの隣に立つなら大きな欠陥です」
青木 玲斗 :
「仮にBR800……トモヤさんに感情があるとして」
青木 玲斗 :
「夜鷹……守人さんは感情の有無とか気にする人なんです?」
青木 玲斗 :
「俺は『守人さんは単純にアンドロイドが嫌い、というか苦手なんだろうな』と感じてましたけど」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね。私もそう思ってました」青木が聞こえない程の小さな声で
ヤオ トモヤ :
「……夜鷹さんはね、人間の感情をそのまま抱けるアンドロイドがいるのなら、それこそ人間と変わらないって。いたらゾっとするって言ってました」
ヤオ トモヤ :
「道具としての運用を求める夜鷹さんにとって、感情をもったアンドロイドが傍にいるなんてのは望ましくないんです」
ヤオ トモヤ :
「……」「とはいえ、私はリボット社の最高傑作ですからそう簡単に代理は用意できないはずでしょう?なのでこの事件を解決したらパートナーを降りようと考えています」
ヤオ トモヤ :
「……長くなりましたけど、青木さんにはそれまで私の隠し事を手伝って欲しいんです」
青木 玲斗 :
「…………成程、そういう事でしたか」
KP :
目を閉じて腕を組んで、静かにアナタの話を聞いて、やがて青木は口を開いた。
青木 玲斗 :
「ここまで聞いておいて申し訳ないんですが、俺には納得できません」
ヤオ トモヤ :
「なっ、え⁉︎……ぇ、そんな、どこかおかしいところありましたか⁈」
青木 玲斗 :
「うん、君がパートナーのコトを想っているのは伝わったけれど……」
青木 玲斗 :
「まず『感情を持ったアンドロイドが傍にいるのは望ましくない』と言うのは君の推論にすぎない」
青木 玲斗 :
「それは君が勝手に決めるコトじゃないでしょう」
ヤオ トモヤ :
「……ゾッとするって言った相手ですよ?」「……私に感情があるって知ったとしても、夜鷹さんは私のこと使ってくれますかね?」俯く
青木 玲斗 :
「俺にも、それは分からない……結論を出せるのは守人さん本人だけだから……」
青木 玲斗 :
「だけど、逃げない事が大事だと俺は信じてる」
青木 玲斗 :
「昔、ブレイブレイドに教えてもらったコトの受け売りだけど……」
KP :
青木は再び目を閉じ、そしてポツポツと語りだした。
青木 玲斗 :
「あのね、トモヤさん」
青木 玲斗 :
「どんな機械にも欠陥はあります」
青木 玲斗 :
「どんな人間にも欠点はあります」
青木 玲斗 :
「例えば俺なんてコミュ障ですし、根性なしで頼り甲斐ないですし」
青木 玲斗 :
「レミさんは物忘れが多いですよ」
青木 玲斗 :
「だけど互いに必要としているし、」
青木 玲斗 :
「それでいいんじゃないかなって、俺は思います」
青木 玲斗 :
「相手に必要とされる限り一緒にいていいんです」
青木 玲斗 :
「……自分の方から諦めて離れる必要ないんです」
KP :
青木は言葉を紡いだ後、気恥ずかしそうに笑った。
青木 玲斗 :
「────なんてっ! 偉そうにすみませんっ!!」アタマをかく
ヤオ トモヤ :
「……」目を丸くして ゆっくり瞬きをする
ヤオ トモヤ :
「……私、拒否されるかもしれないけど、傷つけてしまうかもしれないけど。逃げずに夜鷹さんにぶつかってみようと思いました」
ヤオ トモヤ :
顔を上げ、青木の目を真正面から見る
ヤオ トモヤ :
「ありがとうございます。青木さんがいてくれてよかったです」
青木 玲斗 :
「ぇ、あ……! そう……!?」いろいろ好き勝手に言っちゃったけど良かったんだ、と胸を撫でおろし
青木 玲斗 :
「少しでも君の力になれたなら、メンテナンス担当冥利に尽きますが……!!」
ヤオ トモヤ :
「……なりましたよ‼︎」笑って 自分の胸をドンと叩く
青木 玲斗 :
「……そっか、それなら良かった」笑みを返す
KP :
それから青木は時計に目を移し、
青木 玲斗 :
「────あ、メンテナンス、すっかり忘れてたね」
ヤオ トモヤ :
「‼︎」「でしたね、すみません!今日もよろしくお願いします!」
青木 玲斗 :
「うん、精神のメンテナンスは済んだみたいだから、パパッと身体のメンテナンスも済ませてしまおう」
KP :
────それから数分で定期メンテナンスは終了。
KP :
「今日もお疲れ、また明日」と青木はアナタを部屋に送る。
KP :
アナタは瞼を閉じて、スリープモードへと入った。
西暦203■年/■■月■■日/AM■■:■■/天気:晴れ/■■家
KP :
アナタは暖かい日差しが注ぐ庭にいた。
KP :
すぐ傍には自分と同じくらいの背丈の男の子がいて、アナタ達は二人でベンチに座り絵を描いている。
KP :
画用紙いっぱいにクレヨンで描かれた、二体のロボットのイラスト。
KP :
──アナタ達がよく見ていたアニメに影響を受けて書かれたソレは、
KP :
側から見れば決して上手いとは言えないかもしれないが、二人にとっては"宝物"と呼べるものだった。
KP :
少し離れたところで二人の男性が肩を並べアナタ達を見守っている。
KP :
……アナタは画用紙を持って立ち上がり、男性の一人に声をかけた。
KP :
「おとうさん」と。
KP :
幸福な夢の描写をもって、トモヤくんの夜の個別シーンを終わります!
ヤオ トモヤ :
はい!!!
32 10年前の捜査
KP :
続いて不破さんの夜の個別シーン!!
不破 栞 :
うお~!
同日/NIGHT/天気:晴れ/不破家
KP :
あれから10年、探しつづけた兄妹との邂逅。
KP :
……この1日で色々なコトが起こりすぎていて、思考回路はショート寸前だった。
KP :
しかし反面、身体は深い休息を欲していて────気付けば眠りに落ちてしまう。
KP :
──けれども、あんなコトがあったから、だろうか。
KP :
その日、アナタは古い夢を見た。
西暦2040年/■■月■■日/PM03:00/天気:晴れ/郊外山道
??? :
「おい、いつまで寝てるんだ」
KP :
懐かしい声に呼ばれて、アナタは重い瞼を開く。
KP :
車窓から差し込むポカポカとした木漏れ日にまで覚醒を促されて、
KP :
アナタは助手席の背もたれから上体を起こした。
KP :
それから声の方に視線を移すと、運転席には呆れた表情の相棒────
KP :
白瀬恭雅の姿があった。
不破 栞 :
「もう着いたのか……最近帰りも遅いからどうも寝不足でな」
白瀬 恭雅 :
「……この森が現場に見えるのか? 本格的に寝惚けているな」
KP :
そういえば事件現場に向かう途中だった、と寝惚けたアタマが思い出す。
不破 栞 :
「なんだ、まだ途中か」 窓の外の景色を確認して
白瀬 恭雅 :
「他人に運転を任せておいて、ふてぶてしいヤツだな……」
白瀬 恭雅 :
「まあ、最近は特に忙しかったから、ピクニック気分で寝たくなる気分は分かるが」
不破 栞 :
「しかしこの山道を通らなきゃいけないのか? 自動運転も使えないし大変だろう」
白瀬 恭雅 :
「ああ、現場は山奥の洋館だからな、辛うじて道が舗装されているコトだけが救いだよ」
白瀬 恭雅 :
「……ま、だからこそ、捜査の手が伸びていない、んだろうなココは」
KP :
ゆるやかな郊外の山道を自家用車で走っていく。
KP :
────わざわざアナタ達が遠方まで足を運んだのは理由が一つあった。
KP :
二人で連続誘拐殺人事件の捜査を進めていく中、今から向かう事件現場に"違和感"を覚えたのだ。
KP :
というのも、この現場だけ事件後に燃やされている。
KP :
それに加え、他の現場は都内に集中していたが、ここだけ市街地から離れた場所だったのである。
KP :
だからこそアナタ達は郊外の現場にアタリをつけた。
KP :
……もっとも、火災の影響で被害者情報さえ入っていないらしい。
KP :
捜査は困難は窮めるのだろうが、それは今回に限った話じゃない。
不破 栞 :
「今の時代これだけ不便な場所に住むのもなかなかいい趣味だが、わざわざこんなところまで足を運ぶ犯人もどうかしているな……」
白瀬 恭雅 :
「科学技術の恩恵をフルに受けられるほど金を持つと、逆に自然が恋しくなるらしいぞ」
白瀬 恭雅 :
「おまえもこのまま出世コースを進めば、そうなるかもしれないんだから他人事じゃないな」
不破 栞 :
「さすがにここから毎日出勤できるほど早起きじゃないな……」
白瀬 恭雅 :
「は、違いない」
KP :
……やがて、アナタ達の乗る車は目的地に辿り着く。
KP :
事件現場は古びた洋館めいた風情のある建物だった。
KP :
……正面に立派な門扉が設置されているコトからも「被害者は裕福な家庭だった」と推察できる。
KP :
しかし、門扉を潜って、改めて建物に視線を移せば────
KP :
よほど酷い火事だったのだろう、建物は殆ど焼けてしまっていて、不気味な雰囲気を醸していた。
KP :
山火事にならなかったのが不幸中の幸い、といったところだろう。
KP :
【探索箇所】庭/玄関/建物内
KP :
この探索パートでは相棒のサポートが受けられる為、1度まで判定の振り直しを可能とします!!
不破 栞 :
夢の中だけど探索がある!!サンキュー白瀬!
不破 栞 :
とりあえず外から調べようかな、庭で
KP :
広い庭には半分が焼けてしまっている木や、子供用だと思われる小さめのブランコが辛うじて残っている。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫による判定をどうぞ!
不破 栞 :
cc<=60 探索技能が低い……戦闘に振ってるから……(1D100<=60) > 11 > 成功
不破 栞 :
よしよし
KP :
すばらしい!ではでは
KP :
アナタの視界の端で一瞬、キラリと何かが光った。
KP :
近付いて拾って見ると、それは指輪のようだった。プラチナ製なのか形は残っているが変色してしまっている。
KP :
よく見ると、その指輪にはY.Yとイニシャルが刻まれていた。
不破 栞 :
へぇ~~
不破 栞 :
今更だけどここの被害者の情報って確認できる?
KP :
さっき言ったように被害者情報は全く不明ですね!洋館の様子から裕福な家庭だっただろうと言うコトだけ!!
不破 栞 :
あ、完全に不明なのね! 失礼!
不破 栞 :
「お、何かあるぞ」 落ちている指輪を拾って確認する。
白瀬 恭雅 :
「指輪か…?」
不破 栞 :
「ああ、イニシャルらしきものが彫ってあるな」
不破 栞 :
「ここの被害者の情報は不明らしいが……住民票から誰が権利を持ってるかすらもわからないのか?」
白瀬 恭雅 :
「さあな、どうも俺達のところまで情報が回ってこない……」
白瀬 恭雅 :
「だが恐らくY.Y.は被害者の名前ではないだろうな」
不破 栞 :
「そうなのか?」
白瀬 恭雅 :
「ああ、被害者の指輪だとしたら庭に落ちているのは不自然だろう?」
白瀬 恭雅 :
「────被害者は室内で逃げるヒマもなく殺されて、証拠隠滅の為に放火されたハズ」
白瀬 恭雅 :
「逃げてる最中に落とした、というのがありえないからな」
白瀬 恭雅 :
「まあ、それは事件以前に日常生活の中で失くしたモノと考えれば、被害者の所持品の可能性もあるが」
不破 栞 :
「もとはなかなか高価そうな指輪だな……どういう経緯で庭に落としたのかは気になるが」
不破 栞 :
「一応、証拠品として回収しておこう」
不破 栞 :
ということで庭はこのくらいにして玄関を調べましょ!
KP :
やはりというべきか、木造建築の玄関扉は殆ど焼け落ちてしまっているようで、中を覗くも殆ど何も残っていないのが分かる。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫による判定をどうぞ!!
不破 栞 :
cc<=60 みつかれ~(1D100<=60) > 22 > 成功
不破 栞 :
今日は冴えてるな!
KP :
素晴らし! ではでは!!
KP :
アナタは玄関横に表札を見つけた。
KP :
かなり煤けているが……辛うじて「天城」と読める。
不破 栞 :
「……お、館の持ち主のことが少しわかりそうだぞ」
不破 栞 :
「アマギ? アマシロ? 読みはわからないが……Yから始まる苗字じゃなさそうだな」
白瀬 恭雅 :
「やはり指輪は被害者の所持品ではなかったらしい」少し得意げ
不破 栞 :
「ふむ、だとすると一体誰が落としたんだろうな……」
白瀬 恭雅 :
「放火犯が火を付けて逃げる際に落とした……と考えるのが妥当なセンじゃないか?」
不破 栞 :
「そんなタイミングよく脱げることがあるか……?」
白瀬 恭雅 :
「それは確かにな、指輪なんてそうそう落とすモノじゃない」
白瀬 恭雅 :
「となると持ち主は指輪をつけていなかった……?」
不破 栞 :
「なんらかの理由でポケットに入れたりしていたのかもしれないな」
不破 栞 :
「一体どんな理由なのか想像もつかないが……」
白瀬 恭雅 :
「ふむ……ナゾだが…………」
白瀬 恭雅 :
「とはいえ、指輪は真相に近付ける重要な証拠、のような気がするな」
不破 栞 :
「かもしれないな。やはりこの館は何かがある」
白瀬 恭雅 :
「ああ、ここにアタリをつけたのは正解らしい」
白瀬 恭雅 :
「何時間も車を走らせ、尻を痛めた甲斐はあったかな」肩を竦め
不破 栞 :
「それはまあ……すまなかったよ。なんせ運転はからっきしだからな」
白瀬 恭雅 :
「……はあ、配属されたのが刑事課で良かったな」
白瀬 恭雅 :
「そんなコトじゃ交通課ではやっていけないぞ」
不破 栞 :
「そうだな……ま、私は刑事一本でやっていくつもりだが」
不破 栞 :
建物内を調べましょ!
KP :
天城家の中に入って辺りを見渡す。やはり火事の影響が大きく、あまり物は残っていない。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫による判定をどうぞ!!
不破 栞 :
cc<=60 目星三連星!(1D100<=60) > 96 > 失敗
不破 栞 :
あぶね~!
KP :
ファンブル手前の失敗!残念!!
不破 栞 :
NPCの協力で振りなおしできるかな?
KP :
勿論できます! 元相棒のサポートで振り直し、どうぞ!!
不破 栞 :
cc<=60 頼んだ白瀬(1D100<=60) > 94 > 失敗
不破 栞 :
ダメじゃん!!
KP :
火災現場の捜査とか新米刑事には荷が重い…
不破 栞 :
クリティカルの効果で振りなおしましょう……ここの情報はできるだけ見たい
KP :
それでは三度目の調査ですので、+20%の補正を差しあげましょう!
不破 栞 :
ありがてぇ…!
不破 栞 :
cc<=80 さすがに成功しろ!(1D100<=80) > 42 > 成功
不破 栞 :
よかった~!!
KP :
無事に成功!それではですねえ
KP :
アナタは一枚、気になる紙の切れ端を見つける。ほぼ焼けてしまっているが何かの設計図のようだ。
KP :
その端の方には『VOID』と記されている。
不破 栞 :
VOID!!
不破 栞 :
「……何かの紙切れがあるな」
不破 栞 :
「設計図の一部みたいだが……VOID……って、あのVOIDか?」
白瀬 恭雅 :
「なっ、VOIDの設計図だと…!? こんな山奥の洋館に何故…!?」
不破 栞 :
「いや、本当にVOIDの設計図かはわからないが……」
不破 栞 :
「もしそうだとすれば、ここに住んでいたのはリボット社の職員だったのか……?」
白瀬 恭雅 :
「…………天城、リボット社の技術者、か」
不破 栞 :
「設計図を会社の外に持ち出せる人間となると、おそらく社内でもかなりの立場だろうな」
白瀬 恭雅 :
「ふむ……しかし天城なんて名前、聞いた事がない……」
不破 栞 :
「……リボット社の人間に聞いて回ってみるしかないか」
白瀬 恭雅 :
「そうだな、リボット社の人間は好かんが……そう選り好みもしてられん」
白瀬 恭雅 :
「さっさと事件を片付けないと『お兄ちゃんのせいで捜査が進んでないんじゃないの?』だの、どやされかねんからな……」
不破 栞 :
「はは、そうだな……最低でも一区切りつけて、なんとか休みが取れるといいんだが」
不破 栞 :
「できればすっきりした気持ちで、心くんの晴れ舞台を迎えたいな」
白瀬 恭雅 :
「…………そうだな」フッと笑みを漏らす
不破 栞 :
「……今回の事件、なかなか上から情報が下りてこないが」
不破 栞 :
「もしかするとリボット社……あるいはアンドロイド絡みの問題が事件に関わっているのかもしれないな」
白瀬 恭雅 :
「リボット社のアンドロイドか……」
白瀬 恭雅 :
「だとすれば納得も行く、リボット社は今や日本の経済を回している巨大な存在だ」
白瀬 恭雅 :
「それに今は捜査補佐専門モデルのアンドロイドが開発されているらしい……警察上層部としては、国家と組織に利益を齎すリボット社に逆らいたくはないだろうよ」
不破 栞 :
「納得がいかないな……だったらなおさらリボット社についてはよく調べておかなければならないだろうに」
白瀬 恭雅 :
「都合の悪いモノにはフタを────いくら科学技術が進歩しても人間は変わらないんだよ、不破」
不破 栞 :
「……かつて日本には表のルールを警察が、裏のルールを極道が仕切っていた時代があったが……」
不破 栞 :
「そのような善意の共犯関係をふたたび時代は求めているわけか……」
白瀬 恭雅 :
「かもしれないな」
白瀬 恭雅 :
「……だが俺は、今の警察の在り方を認めるつもりはない」
白瀬 恭雅 :
「上層部が何と言おうが、真犯人を引きずりだしてやる」
不破 栞 :
「ああ……」
不破 栞 :
「しかし、ここまでの推測が当たっているとしたら本当に性質が悪い話だ」
不破 栞 :
「(もっともらしい大義があれば多少道義に反したことをしてもいい、それが大人のすることか?)」
不破 栞 :
「(警察っていうのは、もっとこう……目の前に困っている誰かがいればどんな理由があっても手を差し伸べるような、そういうものじゃないのか)」
不破 栞 :
難しい顔をしながらポニーテールを服の前に持ってきて弄っている。
不破 栞 :
「白瀬……必ず、言い訳できない証拠を上に突き出してやろう」
白瀬 恭雅 :
「────ああ、必ずだ」志を同じくする相棒にフッと笑いかける
KP :
……その後も、アナタ達は懸命に捜査を続けた。
KP :
しかし、捜査は唐突に打ち切り。
KP :
多くの謎を残したまま、この事件は幕を閉じた──かのように思われた。
KP :
けれど、事件は10年の時を超え、再び動きはじめていたのだった。
KP :
古い誓いをもって、不破さんの夜の個別シーンを終わります!
33 私の願い星
KP :
続いてスコアちゃんの夜の個別シーン!!
スコア :
来たわね
同日/NIGHT/天気:晴れ/繁華街
オト :
警視庁から一体のVOIDが抜け出し、夜の街を歩いて行く。
オト :
スコア────否、オト。
オト :
「…………」
オト :
警察に潜り込んだスパイである彼女は、昨日と同じように情報を渡すためにスパロー本部へと帰還していく。
オト :
周囲を警戒しているように見えるが、その表情はどこか物憂げだった。
オト :
しかし、それ以上の感情は誰にも読み取れないことだろう。
オト :
彼女が本心を明かすことは、これまでもこれからも無いのだから……。
同日/NIGHT/天気:晴れ/スパロー本部
オト :
「ただいま戻りましたよ~」
オト :
床下の扉を開き、地下に広がる施設に笑顔で立ち入る。
キョウとニトは、無事に帰ってこれただろうか?あまり心配はしていないが、とりあえずその姿を探しに行く。
リト :
「おかえりオト」
ニト :
「今日はお互い大変だったね~……」
KP :
……スパロー本部にはコンクリートの地面に大の字で転がっているニト。
KP :
そして、その傍でニトを見下ろすリトの姿があった。
オト :
「あ。リト、ニト、ただいま」
オト :
「ニトは……凄いお疲れっぽいですね」 傍に近寄り、リトと一緒に見下ろす
リト :
「元気だけが取り柄のアンタがぐったりとしてたら、他の変異体達も不安がるわよニト」
ニト :
「う~、僕だって元気がないコトくらいあるよ~……」
オト :
「まあ、本当に大変でしたもんね~……。わたしも結構焦りましたし」
オト :
「でも、ちゃんと逃げることが出来て良かったですよ。わたしが逮捕でもしてたら冗談にもなりませんから」
ニト :
「それはそうだ……だけど、オトとあんなところで会うとは思ってなかったよ~……」
オト :
「それはわたしもですよ。いつの間に忍び込んでたんです?」 屈んで、労わるようにニトの頭を優しく撫でる
KP :
ニトは目を細め大人しく撫でられている。
リト :
「先に忍びこんでたというより、偶然の鉢合わせ、ね」
ニト :
「あのビルに不審なアンドロイドがいるって目撃情報があったから行ってみたら、いきなり爆発したんだよ~……死んじゃうかと思った~……」
オト :
「爆発が起きた時もいたんだ……!?怪我は無かったんです?」
ニト :
「僕はね、キョウが庇ってくれたから……」
ニト :
「だけど代わりにキョウがケガしちゃった……」
オト :
「……!そうだったんですか……」
オト :
「じゃあ、診に行かなきゃ。キョウはどこにいます?」 立ち上がる
リト :
「簡単な処置だけ済ませて、自室で安静にしてるわ」
リト :
「自分が先頭に立たなければスパローは回らない、だとか寝言を言ってたから、食事に睡眠薬を混ぜてあげたわよ」ふんと笑う
オト :
「はは……言いそうですね」 ちょっと呆れたように笑う
リト :
「ムリして本当に動けなくなるのが一番こまるんだから、こっちの気持ちも考えてほしいわ全く……」
オト :
「……本当ですね。わたし達がいるんだから、そこまで気を張らなくてもいいのに」
ニト :
「真面目っていうか責任感っていうか……自分に厳しいトコあるよねキョウって」
オト :
「そう、ですね……。もしかしたら、自分はどうなっても良いとか……思ってるとこはあるのかも……」 目を伏せる
ニト :
「えっ、そこまで……!?」飛び起き
オト :
「いや、ただの憶測ですけどね……」
リト :
「放っておいたら勝手に死んでそうなのは確かよねアイツ」溜息
オト :
「ね~……。そうならないように、ちゃんと支えてあげなきゃ」
リト :
「…………そうね」
オト :
「…………」 キョウの部屋の方向に顔を向けて
オト :
「睡眠薬で眠っているなら……今はまだ起こさない方がいいですよね」
リト :
「ええ、話があるなら明日にした方がいいでしょう」
リト :
「待ちきれないならキョウの枕元で起きるのを待ってても構わないけど」笑って
オト :
「そ、そこまでしませんよっ」 笑い返す
ニト :
「あっ、キョウを起こしたいなら、おなかの上で跨ってジャンプが効果的だよ! オトの時もそうやって起こしたんだから!!」
オト :
「怪我人なんですけど!?しませんよ!?」
ニト :
「む~、名案だと思ったんだけどな~」
オト :
「どこがですか、全く……」
オト :
「……。ねえ、今日も録画データを渡すんですよね?」
リト :
「ええ、勿論」
ニト :
「それがどうかした?」
オト :
「いや……」 少し考えて
オト :
「それなら、二人に先に話しておきたいことがあるんです」
オト :
「本当はキョウがいる時に話したかったんですけどね……」
ニト :
「ふむふむ?話したい事?」首を傾げようとして体ごと傾いている
オト :
「わたし、キョウの過去の一部を知ったんです」
オト :
「どうして事件を追っているのか、どうしてあんなに無理をしてるのか……全部分かりました」
リト :
「えっ、本当……!?」
オト :
「はい……。マスター……不破栞に教えて貰いました」
オト :
「彼女は、キョウの相棒だった人……でしたから」
オト :
って感じで、ニトリトちゃんにキョウの過去のことを全部話したいです
KP :
もちろん可能です!
オト :
わぁい、では話終わりまして。
オト :
「……だから、今も頑張ってるんじゃないかなって。いなくなった妹さん……心さんを捜すために」 長い話になったので、床に座り込んで
リト :
「そういうコトだったの……」
ニト :
「でもキョウが元刑事だったなんて…………」
ニト :
「見るからに悪人面なのにね!!!!」
オト :
「そこじゃないよね!?!?」
リト :
「10年前の事件……あたし達がまだ1歳の頃の事件、ね……」ニトを無視して思案する
オト :
「まだ赤ちゃんですね……。そう考えると凄い時間ですよ」
リト :
「ええ……けど、オトが言った過去を踏まえると、今のキョウの態度も納得できるわね…………」
リト :
「10年前、自分は真実を掴めなかった……結果、多くの子供が行方不明のまま……」
リト :
「だからこそ自罰的になってる、そうは考えられないかしら……」
オト :
「……わたしも、そんな風に思ってます。さっき自分がどうなってもいいって思ってるんじゃ……って考えたのは、そういうこと……」
ニト :
「なるほどね……」
ニト :
「って納得しかけたけど、それってやっぱりおかし~~~~い!!!!」
オト :
「お、おかしい?」 突然の大声に驚いて
ニト :
「だって悪いのはキョウじゃないじゃん!!」
ニト :
「悪いのは、ケーサツのジョーソーブ? と誘拐した犯人! そうでしょ!?」
オト :
「……あぁ」 ニトの怒りに納得する
オト :
「その通りです。キョウは何も悪くない……そんなの当然すぎる」
ニト :
「だよね!! だから責任を感じる必要なんかないよ!!」
オト :
「……でも、それでも自分を責めずにはいられないんじゃないかな」
オト :
「すぐ傍にいる人のことを、守れなかった……」
オト :
「キョウの気持ちだから想像することしか出来ませんけど、きっとそれは重すぎる事実だったんですよ」
リト :
「……そうね、その気持ちはアンタにも分かるでしょうニト」
ニト :
「う~……それは少しはね~…………」
オト :
「……でも、だからと言ってこのまま放っておくことなんて出来ない」
オト :
「この先もっと無茶なことをするかもしれないし、一人で突っ走っていってしまうかもしれない」
オト :
「だから……」
オト :
「キョウが目を覚ましたら、三人で話をしに行きませんか?ニトが今思った気持ち……全部伝えてあげましょう」
リト :
「……え? 三人で?」
オト :
「ダメですか?」
ニト :
「ううん、いくよ!!」
ニト :
「ほら、リトも恥ずかしがってないで────」
リト :
「べ、別に面と向かって話すのが恥ずかしいとかじゃないっ」
リト :
「……それにイヤとも言ってないでしょ、あたしも行くわよ」
オト :
「ふふっ。そうですよね、じゃあ一緒に行きましょう」
オト :
「ありがとう。ニト、リト」 嬉しそうに微笑む
リト :
「……まだ別に礼を言われるようなコトしてないわよ」目を逸らし
ニト :
「ああ、そうだったそうだった!! むしろこれから感謝に咽ぶ時!!なのだよ!!!!」マッドサイエンティスト仕草
オト :
「いや、咽ぶって……どうしてこれから?」 何か引っかかるような言い方だと感じる
リト :
「……あの物言いは大袈裟すぎね」
リト :
「また記憶の復元が少し進んだから、そのコトを言ってるんじゃないかしら」
オト :
「また!?まだ一日しか経ってないのに!?」
ニト :
「ふっふっふ~! 今回から僕も協力してるからね~!!」
ニト :
「さあ、崇めるがいい…! この狂気の天才! ハカセ・ニトを…!!」
オト :
「うーん……調子に乗りすぎてる気がしますけど、これは崇めるしかないですね」 ははーっと頭を下げる
ニト :
「わ~い! 崇められたぞ~!!」
KP :
ニトは無邪気に笑って、オトの頭を撫でた。崇められた後はどうすればいいか分からないので、とりあえず下げられた頭を撫でたらしい。
オト :
「本当にありがとうございます。……あの記憶のこと、凄く気になってたから助かりますよ」 撫でられてから、頭を上げる
リト :
「あたし達も気になっていたからお互い様よ」
リト :
「……それにオトの記憶が、キョウの助けにもなるかもしれないしね」
KP :
リトは「気持ちは同じでしょ?」と言いたげに笑いかけた。
オト :
「……うん。そうですね」 笑い返す
オト :
「あ、じゃあどうしましょう?録画データのことも見せたいですけど……どっちからしましょうか」 録画データか、復元した記憶か
ニト :
「んーん、今回から捜査情報のアップロードと過去記憶のインストール、同時に済ませちゃおう!」
オト :
「え、同時に出来るんです?」
リト :
「できるように調整したわ……ニトが」
ニト :
「くっくっく! 崇めるがいい…! この狂気の天才! ハカセ・ニトを…!!」
オト :
「うーん、流石ですね!!」 ニトの頭をわしゃわしゃ撫でてる
ニト :
「わっはっは……あれっ!? 崇拝の態度ってこれで合ってる!?」
オト :
「合ってますよ、多分。それより早くしましょう?」 適当に流して
リト :
「ええ、そうね」
リト :
「それじゃ、さっそく始めましょうか」
KP :
ん、とリトは小さな声を漏らしながら背伸びし、
KP :
アナタの頭にヘッドホン型デバイスを装着した。
オト :
「はい。……あ、あと言いそびれてたんですけど」
オト :
「今日の録画データ……大体夜の七時頃の記憶。さっき言ったキョウの過去に関わる出来事があったんです」
オト :
「口で説明するより、映像の方が分かりやすいから……その辺り、ちゃんと見ていてもらっていいですか?」
街頭ビジョンに映った心のことだ。自分では分からないことも、二人なら何か分かるかもしれない……。
リト :
「分かったわ、該当データはスパロー内でも共有しておく」
オト :
「ありがとうございます。……それじゃ、始めてください」 目を閉じる
リト :
「……ん、おやすみオト」
KP :
アナタが両目を閉じると一気にデータが流れ込み、自動的にスリープモードに移行した。
西暦204■年/■■月■■日/AM■■:■■/天気:■■/■■■■
KP :
あの中庭にアナタはいた。
KP :
周囲には10代の子供達が見える。
KP :
昨夜に見た記憶の続きだ、とアナタは察するだろう。
女子高校生? :
「そうだね、アナタの名前は────」
KP :
そう言って彼女はアナタの手を取った。
KP :
そして、右手の甲に『オト』とペンで書いてみせる。
女子高校生? :
「X000だから……うん、アナグラムしてアナタの名前はオト」
女子高校生? :
「どうかな?昔、私にユメと希望を与えてくれた歌手から取ってみたんだ」
オト :
「……オト」 右手の甲を見つめて、その名を反芻するように呟く
オト :
「とても良い名だと思います。では……わたしはオト、ということで」 小さく唇を緩ませ、笑みを零す
女子高校生? :
「気に入ってくれて良かった…!」
女子高校生? :
「うん、これからよろしくねオト…!!」
オト :
「はい。よろしくお願いします」 礼儀正しく、頭を下げる
女子高校生? :
「あ、敬語じゃなくていいよ…? 堅苦しいのニガテだから…!」手を横に振って
オト :
「え……?では、どういう風に話せば……?」
女子高校生? :
「自然体……だと難しいのかな……?」
オト :
「自然体……」 少し考えるように、目線を上に向けて
オト :
「……うん、分かったよ。こういう感じ?でいいの?」 目の前の少女のように話せばいいのかと考える
女子高校生? :
「あ…! うん、そう! それ!! それだよオト…!!」
オト :
「そっか……よかった」 安心したように
女子高校生? :
「ふふっ……あ、そうだそうだ、私も自己紹介しないとね」
女子高校生? :
「私はシラセココロ────気軽にココロって呼んで!」
オト :
「……!ココロ……」
オト :
「うん……わかった、ココロっ」 小さく笑みを浮かべる
KP :
そんなアナタにココロは小さく笑みを返した。
ココロ :
「ふふっ、それじゃ何から話そうかな……」
ココロ :
「あ、オトは自分の名前のルーツになった『歌手のオト』について知ってる?」
オト :
「うーん……」 自分の中の知識を漁るように目を閉じて
オト :
「ううん、知らない。誰なの?」
ココロ :
「そっか……まあ最初期のアンドロイドアーティストだからムリもないか……」
ココロ :
「ではでは僭越ながら、このココロめが教えてさしあげましょう!」ピンと人差し指を立て
オト :
「うん、教えてほしいな」 人差し指を見てる
ココロ :
「『オト』はね、リボット社が最初に生みだした歌唱用アンドロイド、VR100の名前なの」人差し指を回し
ココロ :
「もう現役引退しちゃってるんだけど『オト』は凄いんだよ!」
オト :
「そんなに……凄いの?」 回る指をトンボのように見てる
ココロ :
「うん、それはもう! 私の人生をまるっきり変えちゃうくらい!!」
ココロ :
「心に響く歌、って言うのかな、まだ生まれて間もないアンドロイドなのに凄い歌なの」
ココロ :
「だから小さな私でも何かができるんじゃないかって勇気を与えてもらったりして……」
ココロ :
「ああ、当時はお兄ちゃんにせがんでアルバムを買ってもらったっけ……」
ココロ :
「ウチはおとうさんもおかあさんも失くした家だったから、私一人を養うだけで厳しかったハズなのに……アルバムなんて買ってくれてたんだなお兄ちゃん……」
ココロ :
「と、話が横道に逸れちゃった…! そんなこんなで『オト』は凄いんだよ…!!」
オト :
「…………」 話が逸れ掛けても、興味深そうに話を聞いて
オト :
「ココロは、オトが……歌が大好きなんだね」
ココロ :
「うん! 歌がなかったら『お父さんとお母さんはどこ?』なんて塞ぎこんで、今もずっと泣いてたと思うし!!」
ココロ :
「歌は私の命の恩人、かな…? いや、恩音…?」
オト :
「……そんな言葉ないよ?」 クスッとおかしそうに笑う
ココロ :
「あ、あはは、そうだった…! とにかく私は歌が大好きなのです…!!」笑って
オト :
「よく分かったよ。だからさっき、あの子達と歌ってたんだね」 奥にいる子供達をちらりと見て
ココロ :
「そーゆーコト! あの子達にも希望とかユメとか歌で分けてあげられたらなって」
オト :
「希望……ユメ……」
オト :
「……ねえ、じゃあ」
オト :
「わたしも……一緒に歌ってもいい?」 おそるおそる聞く。その目には、羨ましい……といった感情が浮かんでいるようにも見える
ココロ :
「……え!」
オト :
「だ、だめなら……いいけど……」 目を伏せる
ココロ :
「う、ううん…! ううん…!! そんなハズないよ…!!」
ココロ :
「むしろ嬉しいなっ! さっ! 一緒に歌おうオトっ!!」
KP :
少女は声を弾ませ、アナタの両手を握った。
オト :
「……!」
オト :
「うん……!ココロ……!」 感情の無いアンドロイドとは思えないような、嬉しそうな笑顔で頷いた
KP :
────その日からアナタは、この箱庭で子供達と過ごすようになった。
KP :
アナタに名前をつけた少女はココロという名前らしい。
KP :
他にも運動が得意な"クオ"。
KP :
オシャレが大好きな"ミミ"。
KP :
茶髪が特徴的な"ヒサト"と、ヒサトにいつもくっついている"サトミ"。
KP :
アナタと子供達は、毎日いろいろなコトをして遊んだ。
KP :
追いかけっこをしたり、絵を書いたり、本を読んだり、歌を歌ったり。
KP :
────そうしてX000が"オト"になって半年が経った、ある日。
KP :
中庭と隣接している居住エリア、
KP :
そこでは少年少女達が沈んだ顔で向かいあっていた。
ヒサト :
「ねえ、いつになったら帰れるんだろ……」
ココロ :
「すぐだよ、警察だって頑張って捜査してるハズで────」
ヒサト :
「だけどさ、もう半年だよ? 助けなんて」
サトミ :
「……それでも、信じて待つしかないんじゃないかな」
ミミ :
「ん~待つのはいいんだけどさ~」
ミミ :
「ここじゃオシャレもできないし~マジ病むよね~」
ミミ :
「ウチなんか入ってきたのに金髪だったのに……今は真っ黒だし」
ミミ :
「ネイルぐらいなんとかなんないかな~……」
クオ :
「ネイル? この状況で?」
ミミ :
「クオは分かってないな~……いちばん見える手に何かあった方が元気でるでしょ~……?」
サトミ :
「わ、わかる…!」
ヒサト :
「…………え、そういうものなの?」
KP :
男子達は向き合い首を傾げた。
オト :
「確かにそういうものだけど……」
オト :
「……!あっ」 何か思いついたように小さく声を上げて
オト :
「ねえ、ココロ。ペン持ってる?」
ココロ :
「えっ? ああ、持ってるけど……」半年前に使ったペンを差し出す
オト :
「ありがと、借りるね」 ペンを受け取って
オト :
「……ミミ。手、出して?」 ペンのキャップを外しながら
ミミ :
「────ん? 手? いいけど何すんの~?」ペンを片手に持つオトちゃんを見て怪訝な表情
オト :
「いいからいいから」 笑って近づく
ミミ :
「ん~~~~、そこまで言うなら~?」右手を差し出す
オト :
「んっ。じゃあ、えっと……」
オト :
ミミの右手の甲に、ペンで数字を書く。
オト :
──“33”、と。
オト :
「こうかな」
ミミ :
「……えっ、33? どゆことどゆこと?」光に手を伸ばしつつ眺めてみる
オト :
「半年前……わたし達が最初に会った時にね、ココロが手の甲に名前を書いてくれたんだ」
オト :
「ネイルの話でそれ思い出してさ。じゃあ、ちょっとオシャレな感じに出来ないかな~って考えて……」
オト :
「わたしの足にもX000って書いてるでしょ?アナグラムしてオトってココロが言ってたから、参考にして~……」 昔、ココロがオトのことを教えてた時のように人差し指を立てて
オト :
「ミミだから、33。どうかな?」 小さく首を傾げて、反応を伺ってみる
ミミ :
「へ~、そんなコトがね~……ふ~ん…………」
ミミ :
「フフ、いいじゃん? なんか"ウチ"ってカンジで」
ミミ :
「"オト"ってカンジだ」ニコッと微笑む
オト :
「ほんと!?やった!」 小さくぴょんっと跳ねて喜ぶ
サトミ :
「────私も、いいかな?」
サトミ :
「その、番号」見ていたサトミが駆け寄る
オト :
「うん、良いよ!サトミも書いてあげるっ」
ヒサト :
「…………サトミがするなら俺もしようかな」
オト :
「ふふっ、もちろん!じゃあ、えーと……ヒサトと……サトミだから……」
オト :
ヒサトの手の甲に、“1310”
オト :
サトミの手の甲に、“3103”
オト :
それぞれ、数字を書いて行き……
オト :
「クオ、おいで?」 クオに手招きする
クオ :
「……えっ? 俺も?」
オト :
「ほら、せっかくだし!」
オト :
「それにやってみたら、ネイルとかのオシャレする時の気持ち、分かるかもだよ?」
クオ :
「それはどうだろう」
クオ :
「……まあ、オトがしたいなら付き合う、けど」
KP :
クオは何故だか頬を染めて目を逸らし、無造作に右手を差しだした。
オト :
「うん、ありがとっ」 その反応の理由には気付かず、右手に触れて
オト :
その手の甲に、"90"とペンで書く。
オト :
「よし、出来た。どうかな?」
クオ :
「……どうかな、って言われても」
KP :
クオは自分の右手を暫く見つめて、
クオ :
「……少し恥ずかしい」と漏らした
オト :
「あははっ、まあでも皆一緒だから」
ヒサト :
「……まったくスナオじゃないなクオ、オトが声かけてくれたの嬉しいんだろ? 照れるなよ!」小声でクオに囁いて肘で小突く
クオ :
「……うるさいな、少し黙れヒサト」
オト :
「……?」 にこにこしながら、微笑ましそうに見ている
クオ :
「…………」オトと目が合ってしまい、慌てて目を逸らす
オト :
「ふふっ。ただの思い付きだったけど、喜んでもらえて良かったな……」 皆を見て
オト :
「普通のサインペンだから、いつかは消えちゃう数字だけど……」
オト :
「楽しかった思い出は、ずっと残るもんね」 そんな風に呟いた
KP :
……アナタはどこか不安そうな子ども達に、ココロの真似をして数字を付けてあげることにした。
KP :
クオには90、サトミには3103、ヒサトには1310、ミミは33。
KP :
ただの子供の言葉遊びだった。それでも子供達は嬉しそうに手の甲に書かれた文字を眺めていた。
ココロ :
「────さっきはありがと、オト」
KP :
他の皆が落ちついたところでココロが声をかけてくる。
オト :
「ココロ」 振り向いて
オト :
「ううん、全然!」
ココロ :
「みんなを励ます手段、私には歌しか思いつかないから本当に助かったよ」
オト :
「そうかな?歌以外でもココロはたくさん皆を元気づけられてると思うけど……」
オト :
「でも、そう言うなら……どういたしまして」
ココロ :
「ふふ、でも気付けばすっかりオトは皆の中心だね」
ココロ :
「最初に来た時、あんなに警戒されてたのにさ」
オト :
「あ~……一人だけアンドロイドだからね……」
オト :
「わたしも人間だったら良かったんだけど……って、ちょっとだけ思ったこともあったかも」
ココロ :
「……そうなの?」
オト :
「うん。でも今は思ってないよ」
オト :
「そんなの関係無く、みんな仲良くしてくれたもん」
ココロ :
「そっか」安心したように微笑む
ココロ :
「────それじゃ、オトには他に叶えたいユメとかはないの?」
オト :
「他に……?」
オト :
「えっ、う……うーん……。考えたことなかったかも……」
オト :
「みんなと一緒にいるだけで、楽しいし……」
ココロ :
「ふふ……今がユメの時間、ってコト……?」少しおかしそうに笑う
オト :
「もしかしたら……そうなのかも」
オト :
「でもそんなこと聞くなんて、ココロには何かユメがあるの?」
ココロ :
「私? 私はね……」
ココロ :
「大きなユメが二つもあるの」
オト :
「二つも?それって何……?」
ココロ :
「一つ目は言うのが少し恥ずかしいんだけど」
ココロ :
「……私、好きな人がいるんだ」
ココロ :
「もう一度、会いたい」
オト :
「好きな人……」
オト :
「それってどんな人なの?」
ココロ :
「ん~……どんな人かって言われると少し困るけど~……」たははと笑う
ココロ :
「強くて優しくてカッコよくて……正義感にあふれた素敵なヒトなんだ……」
オト :
「ふ~ん……?」
オト :
「ココロがそこまで言うってことは……ほんとに素敵な人なんだね」
オト :
「わたしも会ってみたいな、その人に」
ココロ :
「そう、私の憧れ……少しでも近付けるよう今も頑張ってる途中なの……」
ココロ :
「もしもオトもあの人に会ったら、同じ人を好きになっちゃうかもね?」冗談めかして
オト :
「え?そりゃそうだよ!」
オト :
「ココロが好きになるような人なんでしょ?じゃあ、わたしもきっと好きになるよっ」
オト :
そう言って笑いかける。彼女はまだ、“好きには色々な種類がある”ということを理解していないようだった。
ココロ :
「ふふ、そうだね……! 取られないよう気をつけなきゃ……!!」
KP :
そんなオトの心境を知ってか知らずか、ココロは穏やかな表情を浮かべた。
オト :
「ふふっ……」 なんだか楽しくなって笑ってしまって
オト :
「あ……じゃあ、あと一つのユメは何なの?二つあるんだよね?」
ココロ :
「うん、二つ目のユメはね」
ココロ :
「────オトと一緒に、世界の人々に歌声を届けること」
オト :
「……!?わたしと一緒に……歌?」
ココロ :
「そう、私ね、オトと一緒に歌うのが凄く楽しいんだ」
ココロ :
「だから、オトと二人で大きなライブをしてみたいの」
ココロ :
「勿論、オトの意志次第でもあるから、だめなら……いいけど……」目を伏せる
オト :
「…………」
オト :
「わたしも、ココロと一緒に歌うの楽しいよ……」
オト :
「でも、わたし……ここ以外の場所に行ったことないから……」
オト :
「そんなこと、考えもしなかったな……」
オト :
「でもココロは、そんなユメのことを考えていたんだね……」
ココロ :
「えへへ、実はそう」
ココロ :
「……ああ、それからそれから外に出られたらオトに身近な人達を紹介したいな!」
ココロ :
「私の好きな人、私のお兄ちゃん────大事な人が沢山いる街とか色々と紹介もしたい」
オト :
「ココロのお兄ちゃん……前にも言ってたことあるよね」
オト :
「そっか……わたしも気になるよ。ココロのお兄ちゃんも、他の人も、住んでる街のことも」
ココロ :
「あ…! それじゃあ、それがオトの新しいユメ…!?」
オト :
「……うん。だけど、それだけじゃないかな」
オト :
ココロに向き直って、
オト :
「わたしも、ココロと一緒にたくさんの人の前で歌ってみたい。大きなライブっていうの、してみたい」
オト :
「ココロと同じユメ、わたしも見てみたいな……!」 そう言って、微笑みかける
ココロ :
「そっか…! そっか…!!」
KP :
その言葉に少女はパッと笑顔を咲かせた。
ココロ :
「二人のユメ、一緒に絶対に叶えようね!!」手を握る
オト :
「うん……!!」 鏡に映したような笑顔を咲かせて、手を握り返す
ココロ :
「うんうん……! ユメを叶える為、まずは何をしよっか……!!」
ココロ :
「願い事、とか?」
オト :
「願い事?」
ココロ :
「あっ…、オトは知らないか…!」
ココロ :
「あのね、夜空の星々に願いを託すと、その星達が願いを叶えてくれるんだよ」
オト :
「えぇ!?じゃあ願おう!?」
ココロ :
「うん、願────────」
ココロ :
「あ、あ~、ダメだった~……私のバカ~……」
ココロ :
「……ここからじゃ星空も見えないじゃん、星に願うなんてできないや」
オト :
「そういえば……ここって、夜になっても何も見えないよね」
オト :
「わたし、星って見たこと無いよ」
ココロ :
「それはそうだよ、だってここは■■■■の■だもん」
KP :
「でも、どうしよ」とココロはがっくりと肩を落とした。
オト :
「…………」
オト :
「ねえ、ココロ。手、出して」
ココロ :
「んん……はい……」しょんぼりとしながら右手を差し出す
オト :
サインペンのキャップを開けると、その手を取り、
オト :
手の甲に、“556”と書く。さっき子供達にそうしたのと同じように。
オト :
「……ココロ、あのね」
オト :
「今はまだ、こんなことしか出来ない……」
オト :
「オシャレすることなんて出来ないし、歌も……ただ楽しく歌うだけしか出来ない……」
オト :
「けど、いつか絶対にここから出よう」
オト :
「ちゃんとオシャレして、ココロの好きな人に会って……」
オト :
「歌ももっと上手くなって、たくさんの人の前で一緒に歌おう」
オト :
「わたし、もう決めたから……だから……」
オト :
「わたしに祈って、ココロ。絶対に、ココロのユメを叶えてみせるよ」
オト :
何の根拠も無い、感情に任せただけの言葉。
オト :
考えるより先に口はそう喋っていて、両手はココロの手を包み込むように握っていた。
ココロ :
「オト……」
KP :
話が終わると同時、ココロはアナタのプラスチックの身体を身を寄せた。
ココロ :
「助け、てっ……」
KP :
今迄は年長者だからと呑みこんでいた弱音が零れる。
ココロ :
「助けてっ……! 私、ここから出たいよっ……!!」
KP :
これまで堪えてきた不安と絶望の涙が流れ出す。
オト :
「……っ!!」 初めて見るココロの姿に、一瞬戸惑う
オト :
「────助ける!助けるよ……っ!!」 だがすぐにココロの体を抱きしめて
オト :
「絶対、助けるから……!わたしが、ぜったい……っ!!」
オト :
方法なんて思いつかないし、これからどうすればいいのかも分からない。
オト :
それでも自分の心がそう言わなければいけないと、彼女の願いを叶えなければいけないと訴えている。
ココロ :
「っ……、ありがとうオト、ありがとね……」
KP :
ココロは嗚咽を堪えながら感謝の言葉を伝えた。
KP :
……オトの言葉に根拠などないと分かっていた。
KP :
しかし、オトのかけてくれた言葉が嬉しかった。
KP :
かつて自分に生きる活力を与えた歌手と同じように、希望を甦らせてくれたコトに──
KP :
それ以上に無二の親友を得たコトが嬉しかった。
ココロ :
「あは、それとごめん……いきなり泣きだしたりしちゃって……」顔を上げて小さく笑って
オト :
首を横に振って、
オト :
「ううん。全然良いよ」
オト :
「泣きたい時は……泣いて良いと思うから」
オト :
「……また、一緒に歌おう。ココロ」
誰かを励ますためじゃなくて、自分のために。そう願うように微笑む
ココロ :
「うん、約束」目元を拭い
ココロ :
「────きっと叶えてね、私の願い星さん」笑い返す
KP :
そう言ってココロはアナタからペンを受け取る。
KP :
そして、アナタの左手の甲に星のマークを書いてみせた。
KP :
それは二人のユメの象徴として、何故だかキラリと輝いて見えた。
KP :
────寂しそうな彼女の笑顔が忘れられない。
KP :
そして、当時のアナタには一つの疑問があった。
KP :
……ある日を境に、子供達が減っていったのだ。
KP :
約一年を共に生きた、小さな友人達はどこに行ってしまったんだろうか。
KP :
今のアナタには、その残酷すぎる疑問の回答に察しがついていた。
SYSTEM :
システム再起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
SYSTEM :
____X000、起動します
オト :
「ココロ……ッ!!」 まるで悪夢から目覚めた時のように、叫びながら起き上がる
ニト :
「わっ、急にどうしたの大丈夫…!?」
オト :
「…………」 ニトの顔を見て、ここが現在だと認識する
リト :
「ココロ…? って白瀬心…? さっき話したキョウの妹の…?」
オト :
「……っ、ま、待って……」 声が震える。質問に答える余裕が無いことが見て取れる
オト :
「おかしい……」
オト :
「そんなの、おかしい……」
オト :
「だって……皆は人間で……」
オト :
「アンドロイドじゃない……!わたししかアンドロイドはいなかった!皆人間だった!!」
オト :
「だから……違う!絶対ありえない!!そんなはずない!!あれは、あのアンドロイドは、きっと見た目だけ似せられて作られただけで────」
オト :
混乱した頭の中で、常識的な考え方にしがみつく。自分に言い聞かせるように叫ぶ。
オト :
しかし、自分の心を守るように思い込もうとするたびに、頭の中に映像が弾けるように流れて行く。
オト :
ビルの屋上で1310を攻撃した時。
オト :
血涙を流す彼の瞳の奥には、どこか哀しい感情が隠れているように見えた。
オト :
最後に1310が屋上から飛び降りた時。
オト :
その直前、ほんの一瞬、自分の方を見たような気がしたのは……本当に気のせいだったのだろうか。
オト :
「うぁ、あ……あぁ……」
オト :
認めたくない事実を掻き消すように、両手で頭を抱える。
オト :
それでも映像は止まらない。ザザザ、と砂嵐がかかりながら記憶を再生し続ける。
オト :
3103が最後に自分に手を伸ばした時。
オト :
あれは本当に、最後の悪あがきで自分をハッキングするためだったのだろうか。
オト :
……そんなわけが無い。彼女はそんなことをするような子じゃない。
オト :
わたしのことを、オトと……そう呼んでいたのだから。
オト :
「あ、ああぁ、アアアアアアアッ!!!!」
オト :
狂ったように叫ぶ。もしも人間だったら、喉は潰れて、涙がとめどなく溢れている程に。
オト :
「い、いや……!!いやだ!!!そんな……そんなの……!!!」
オト :
両手で髪を掻きむしる。装着したヘッドフォン型の機器が外れて、乾いた音を立てて床に落ちた。
ニト :
「オ、オト…!? 本当にどうしたの…!? いったい何を見たの…!?」
KP :
アナタが救えなかった子供達より少し幼いニトが近付いて宥める。
オト :
「あ……あぁ……っ」 顔を上げて、ニトの姿を見る
オト :
「ごめん……。ごめんなさい……」
オト :
「ごめんなさい……みんな……」 ニトの姿にかつての子供達を重ねてしまい、無意識に謝罪の言葉が漏れ出る
ニト :
「え……?」目の前の少年は、当然そんな事情は知らない
リト :
「……………………」
リト :
「ねえ、オト」
KP :
リトは塞ぎこむオトの右手を掴みつつ目を合わせた。
リト :
「ちゃんと"あたし"を見て」
オト :
「…………」 リトの目を見る
リト :
「あたしは、オトが何を見て誰に謝ったのか分からない……」
リト :
「だから、落ちついて……あたし達に話してくれないかしら?」
リト :
「一人で抱え込むバカはキョウだけで十分」
リト :
「────ちゃんと聞くから、ね?」
ニト :
「そ、そうそう、話せば少しはラクになるかも…よ…?」控え目に
オト :
「リト……。ニト……」
オト :
「でも……でも……。わたし……っ」 胸元を手で握りしめて
リト :
「……もしかして、あたし達にも話せないようなコト?」
リト :
「それなら先に言っておくけど」
リト :
「あたし達は何があってもオトを嫌いになったりしないから」
リト :
「……根拠は特にないけどね」そう言って笑って
オト :
「……。うん……」
オト :
「そんなの……知ってる、よ……」
オト :
リトの言葉で少しずつ落ち着きを取り戻してきたのか、声の震えが収まっていく。
リト :
「ふふ、言うまでもなかったのね」
リト :
「────それなら話しても大丈夫でしょう? あたしはアナタの味方よオト」
リト :
「もしそれでも話したくないなら待ってあげるけれど」
オト :
「ううん……話すよ」
オト :
「上手く……話せるか、分からないけど……」
リト :
「大丈夫よ、ゆっくり話して頂戴」
オト :
「うん……」
オト :
「…………」
オト :
「わたしには……ココロっていう、親友がいたの────」
オト :
過去の記憶のことと、ヒサトとサトミがアンドロイドになっていたことを話します。
リト :
「なるほど、それで皆を救えなかったと錯乱してしまった訳ね……」
ニト :
「ん~、子供達がアンドロイドになった?」
ニト :
「……意義あり!!!!」
KP :
正座で話を聞いていた少年がバッと手を上げる。
オト :
「……?」 ニトの方を見て、手を差し出して先を促す
ニト :
「マッドサイエンティストの威信をかけて断言させてもらうけど」
ニト :
「人間をアンドロイドにするなんて不可能だよ!!」
オト :
「うん……。そうだよね……」
オト :
「わたしもそう思う……」
ニト :
「かつて偉人をアンドロイドにする計画もあったみたいだけど、それも本人をアンドロイドにする訳じゃなくて似たAIを作るカンジだったし」
ニト :
「絶対ムリムリ」
リト :
「人体改造で脳以外をプラスチックの身体に置換した、としても普通は途中でショック死するでしょうね」
オト :
「そう……だよね……」
オト :
「でも、じゃあ……どうしてあの二人は、わたしのことを知っていたの……?」
リト :
「…………それは」
ニト :
「どうしてだろ?」首を傾げ
オト :
「…………」
オト :
「それだけじゃない……。ヒサト達とあのアンドロイドが別の存在だったら、どうしてその姿を似せて作る必要があったの……?」
オト :
「みんな、まだ子供なんだよ……?戦闘用に作りたいのなら、もっと大人にすればいいはずだよ……」
オト :
「おかしいよ……やっぱり……!」
オト :
「絶対ありえないって思うけど!どんな方法使ったのかもさっぱり分かんないけど!」
オト :
「わたし、二人がアンドロイドに改造されたとしか思えないよ……っ!!」
リト :
「…………」
リト :
「そもそも子供達をアンドロイドに改造なんてムダな手間……兵器としての戦闘用アンドロイドだったら人間をベースにしなくても優秀なのが幾らでも用意できる……」
リト :
「完全に人間社会に馴染める暗殺用アンドロイドの生体サンプル、として集められた可能性なら考えられなくはないけど……」
リト :
「他でもない二人の友人のアナタが言うなら、本当に子供がアンドロイドに改造されたんでしょうね……」
オト :
「…………」 認めたくないが、頷く
オト :
「……ねえ……このこと……キョウに話していいのかな……」
オト :
「ココロも、アンドロイドにされてるかもしれない……。ううん、もうされてるんだと思う……」
オト :
「昨日の夜に見た映像のココロは……10年前と姿が変わっていないんだから……」
ニト :
「ううん……どうするのがいいんだろう…………」
リト :
「もう話すしかないでしょう」
リト :
「それにココロがアンドロイドになって生きているとすれば、それはキョウにとって悪い情報じゃないハズよ」
リト :
「まだ間に合う可能性が残っているんだから」
オト :
「そう……なのかな……っ」
リト :
「まあ……『アンタの妹は、もう人間じゃない』と言われてスナオには喜べないでしょうけど……」
リト :
「他でもないキョウだし、それで絶望したりはしないハズよ」
オト :
「…………」 目を閉じて、少し考えて
オト :
「……分かった。話すよ」
リト :
「あたし達も一緒に行くわ、オト」
リト :
「元々、アイツが目が覚ましたら三人で一緒に話をしにいくって話だったものね?」
オト :
「……そう、だったね」 まだ弱々しいが、小さく笑みを浮かべる
ニト :
「それじゃ、さっそく行こう! 実はキョウ、さっきオトの顔を見にきてたんだよ!!」
オト :
「え!?」
オト :
「そ、そうなの!?」
リト :
「ええ、アンタは寝てなさいって追いかえしちゃったけどね?」
オト :
「そうなんだ……。じゃあ、それなら……今からいこっか……」 立ち上がる
リト :
「ええ、行きましょう」
ニト :
「僕達がついてるから……勇気とか諸々のパワー全開で行こうオト!!」
KP :
姉弟はアナタを挟むように立ち、
KP :
ニトがアナタの右手を、
KP :
リトがアナタの左手を、それぞれそっと握った。
オト :
「……うん」 両手から温もりを感じながら、歩き出す
オト :
二人と一緒にキョウの部屋へ向かいます
KP :
キョウの部屋に向かう。室内にはライトがついているのが見える。
KP :
どうやら彼は起きているようだ。
オト :
「……キョウ。少しいい?」 扉をノックし、声をかける
キョウ :
「オトか、入ってくれ」
オト :
「うん……」 扉を開け、三人で部屋に入る
KP :
改めて入ったキョウの部屋には、およそ"生活感"というモノがなかった。
KP :
置いてある物と言えば、古いギターケースと古い音楽アルバムくらいだ。
KP :
なんともキョウらしくないラインナップだった。
オト :
「…………」 今までは気にすることも無かった音楽アルバムに目が行く
KP :
その音楽アルバムは10年以上前に作られたモノで、
KP :
「銀河初のアンドロイドボーカリスト『オト』」と書いてあった。
オト :
「……そっか。そうだよね」
オト :
「これを……昔ココロに買ってあげたんだよね?……キョウ」 アルバムを手に取り、キョウを見てそう言う
キョウ :
「…………何? 何故、おまえがそれを」目を見開いて
キョウ :
「誰にもココロの事を語った記憶はないハズだが」
オト :
「ずっと……」
オト :
「ずっと会いたかった……。本当はココロと一緒に会うはずだったんだ……」
オト :
「わたしとココロは、親友だったから……」
キョウ :
「おまえとココロが……親友だった……? いったい何を言って……」
キョウ :
「アイツとアンドロイドに接点なんてないハズで…………」
オト :
「失っていた記憶を思い出したの。リトとニトのおかげで……」
オト :
「その記憶の中で、わたしはココロと会ってた。一年間、ずっと一緒にいたんだよ」
キョウ :
「なっ……!?」
KP :
思わぬ所から飛びだした真実に、キョウは思わず起きあがる。
キョウ :
「ッ……」
KP :
しかし、激しく動きすぎた為に苦痛に顔を歪め、その場で蹲った。
オト :
「キョウ!」 アルバムを元の場所に置き、慌てて近寄る
キョウ :
「大した、ことはない……それより続きを話してくれオト…………」
オト :
「……うん、分かった」
オト :
「…………」 ニトとリトの顔を一度見て、
オト :
「落ち着いて、聞いて欲しい。わたしが思い出した記憶を……」 震えそうになる手を止めて、語り始める
オト :
さっきと同じように、ココロちゃんとの記憶のことを話します。
オト :
それと、栞にキョウの過去のことを聞いたことも交えつつ、子供たちがアンドロイドになってる可能性についても話そう。
KP :
キョウは逸る気持ちを抑え、静かに黙ってオトの話を聞いていた。
キョウ :
「……そうか、そうだったのか」
キョウ :
「おまえこそが、俺がずっと探していた事件解決の手掛かり、だったのか」
キョウ :
「灯台下暗しとは、このコトだな」自嘲する
オト :
「そうなのかも……ね」
オト :
「キョウ……どう思う?」
オト :
「もしかしたら、ココロは……アンドロイドになっているとしたら……」
キョウ :
「ずぶといアイツの事だ、アンドロイドになっても何処かで生きているさ」
キョウ :
「……街頭ビジョンをジャックしたのは、我々へのSOSだろうな」
キョウ :
「すぐに見つけ出して、10年もどこに行っていたんだと問い詰め────グッ…………」脇腹を抑える
オト :
「キョウ……」
オト :
「怪我、やっぱりまだ痛むんだね……」
リト :
「爆風の火傷と破片の裂傷、アンドロイドでもないんだしメンテナンスで直る訳ないわね」
オト :
「そうだよね……応急処置しかしてないんだよね……」
オト :
「キョウ、診させてもらってもいい?」
キョウ :
「…………いや、いい」
キョウ :
「俺の事は構うな、おまえは事件解決にだけ集中しろ……」
キョウ :
「あと少し、あと少しで……真実が明らかになるんだ…………」
オト :
「……分かった」
オト :
「だけどそれなら、代わりにわたしの言うことも一つ聞いて欲しい」
キョウ :
「交換条件か」笑って
キョウ :
「……なんだ?」
オト :
「もう一人で無茶なことはしないで」
オト :
「自分がいないとスパローは回らないとか、そんな風に気負いすぎないで欲しいの」
オト :
「もしも、自分がどうなってもいいとか……そんな風に思ってるんだったら……」
オト :
「わたし……もう何も協力しない」 キョウの目を見て、はっきりと伝える
キョウ :
「…………」
ニト :
「キョウ、これは僕達の……」
リト :
「スパローの総意と思って頂戴」
キョウ :
「……………………」
キョウ :
「……わかった、無茶はしない、できるだけな」両手を上げて
キョウ :
「これでいいか?」
オト :
「……約束だよ?」
キョウ :
「…………ああ、約束」
オト :
「……うん」
オト :
「良かった。じゃあ、わたし……安心してがんばれるよ」
オト :
抱えているものはまだたくさんあるが、心配だったことが一つだけ消えて、穏やかに微笑むことが出来た。
オト :
「じゃあ、わたし自分の部屋に戻るね。キョウも安静にしてて」 そう言って、部屋から出ようとする
キョウ :
「…………いや、少し待て」
オト :
「なに?」振り返る
キョウ :
「もう何度目か分からんが、おまえには礼を言っておこうと思う」
キョウ :
「無力だった俺達に代わって、不安な妹に希望を与えてくれて」
キョウ :
「……ありがとうオト」
オト :
「……!」
オト :
────そんなお礼を言われるようなことはしていない。
オト :
希望を与えるだけ与えて、結局自分はココロを助けることは出来なかったのだ。
オト :
心の中に後悔や、自分を責める声が響いてくる。
オト :
ココロは今、どう思っているんだろう。助けられなかったわたしなんかのことを、今でも親友と思ってくれているのだろうか。
オト :
今はまだ何も分からない。
オト :
だけど、ココロの大好きな兄であるキョウが、わたしに感謝しているというのなら……。
オト :
「うん。……どういたしまして」
オト :
罪悪感で潰れそうになる心を抑えつけて、彼の気持ちに応えるように微笑み返した。
KP :
新旧の兄妹との約束をもって、スコアちゃんの夜の個別シーンを終わります!
KP :
そして長い1日が終了!
KP :
次の場面は一週間後になります
34 再来
西暦2050年10月24日/PM07:30/天気:雷雨/警視庁
KP :
ビル火災から一週間が経過した。
KP :
アナタ達はリボット社から提供されたデータを元に、
KP :
あらゆる場所に向かったのだが、有力な情報がなく二の足を踏んでいた。
KP :
……そして、気にかかるのは黄海とシロウの不在だ。
KP :
未だに連絡がつかない。捜査の合間に探してみても、見つかる気配がない。
KP :
この一週間、解析室の治療を継続したならPC達はHPを全回復してください!
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 9 → 11
system :
[ 不破 栞 ] HP : 12 → 13
KP :
では回復も済んだところで、守人くんの視点で物語を進めていきます
夜鷹 守人 :
行きますか……
KP :
今日も夜遅くまで仕事していたアナタは、帰宅する為に警視庁から出る。
KP :
そんな時、ポケットの中の携帯電話が小さく揺れた。
夜鷹 守人 :
誰からの電話か確認しよう
KP :
それは義父の矢代からのメッセージだった。
夜鷹 矢代 :
『大事な話がある。先に家で待っている』
KP :
手短にそう打ってある。
夜鷹 守人 :
「(大事な話……改まってどうしたんだ……?)」
なるべく急いで帰った方がいいだろう、と帰路を急ぎますか
KP :
……横殴りの雨に降られながら、自宅まで急ぐ。
KP :
ザアザア、ゴウゴウ、と激しい雨風に止められるが、
KP :
アナタはそれらを振りきって、やっとの思いで自宅へと辿り着く。
同日/PM08:13/天気:雷雨/夜鷹家
KP :
玄関に向かう、その途中────
KP :
ピタリとアナタの足は止まった。
KP :
ドアが少し開いている。
KP :
……まだドアノブには手をかけてもいないのに。
KP :
矢代が閉め忘れたのか、と考えるが神経質な彼に限って考え難い。
夜鷹 守人 :
「……義父さん? 帰りましたよ?」
どこか嫌な予感を感じつつ、ドアノブに手をかける
KP :
……アナタは静かに家に入った。
KP :
電気がついていない、暗い玄関。
KP :
そこに広がる光景は、よく見知ったモノだった。
KP :
鼻腔を支配する、鉄錆びの臭い。血の臭い。死の臭い。
KP :
……呻き声が聞こえる。
KP :
アナタは声の方を見た。
KP :
思考は真っ白で、視界は真っ赤だ。
KP :
暗い部屋に血の海が広がっていて、
KP :
すぐ目前に男の人が転がっている。
KP :
雷光が室内に差しこみ、足下の人影を照らした。
KP :
そこにはアナタの家族が────義父の夜鷹矢代が転がっている。
KP :
腹部をナイフで刺されたようで、大量の血液を流して倒れている。
KP :
失った筈の左目が疼く。
KP :
……聞こえるハズのない壮大な音楽が聞こえる。
KP :
ニコロ・パガニーニによる24の狂想曲(カプリース)、その最終曲。
KP :
そして、アナタは漸く理解した。
KP :
アナタが10年前の事件を追ってきたように、
KP :
10年前の事件もアナタを追ってきたのだと。
夜鷹 守人 :
「ァ、と、義父……さ………」
夜鷹 守人 :
「義父さん!!」
倒れる義父に、縋るかの如く駆け寄る
夜鷹 守人 :
「あぁ駄目だ駄目だ、こんな、またこんなことが、義父さん。しっかり」
自分と義父に言い聞かせるように、口を回す
KP :
アナタが義父に近付くと、まだ息があったのだろう。
KP :
矢代は弱々しい力でアナタの手を握ると声を漏らす。
夜鷹 矢代 :
「逃げ、なさい……はやく…………」
夜鷹 守人 :
「逃げ、どうし……て……?」
一瞬の希望に目を見開くも、その言葉の真意を探る
KP :
その瞬間。
KP :
突然、激しい音を立てて玄関のドアが開かれた。
KP :
……アナタは振り返る。
KP :
そこには赤星と数体の警官VOIDが立っていた。
夜鷹 守人 :
「!!」
夜鷹 守人 :
「に、兄さん。たすけ、助けてくださいっ。義父さんがっ……!」
KP :
その言葉に返答はない。
KP :
赤星はアナタを冷たい目で見下ろし、こう言った。
赤星 透也 :
「10月24日8時13分、夜鷹守人。おまえを殺人未遂の容疑で逮捕する」
35 もう一人の容疑者
西暦2050年10月25日/AM09:00/天気:雷雨/警視庁ドロ係本部
KP :
翌朝。アナタ達は警視庁のドロ係本部に集められた。
KP :
ハズなのだが、メンバーは半分くらいに減っていた。
KP :
先日の事件の容疑者と被害者である、夜鷹守人と夜鷹矢代は勿論、
KP :
赤星、イチハ、黄海、シロウ。彼等の姿もないのだ。
KP :
……空模様と同じくドンヨリとした空気感の中。
KP :
初めに青木が重たい口を開いた。
青木 玲斗 :
「お、俺もさっき聞いたばかりで実感はないんですが……」
青木 玲斗 :
「矢代係長が腹を刺されて病院に運ばれたみたいです……」
不破 栞 :
「何……!?」
ヤオ トモヤ :
「ぇ…⁉︎矢代係長が腹を刺されたって、どういう、夜鷹さんは無事なんですか⁉︎」
レミ :
「それが~……なんとか一命は取りとめたらしいんですが~…………」
レミ :
「ケガの状態が酷すぎて、意識は戻っていないそうなんです~……」
スコア :
「うーん……無事だけど無事とも言えない感じですか……」
スコア :
「じゃあ、守人さん達は病院に付き添いですかね……。夏央さんとシロウはずっと見つかってませんけど……」
青木 玲斗 :
「いえ、それが……」
青木 玲斗 :
「彼の相棒のトモヤさんには言いにくいコトなんですが…………」
スコア :
「……?」
ヤオ トモヤ :
「ッ聞かせてください‼︎」
青木 玲斗 :
「……あの、落ちついて聞いて下さい?」
青木 玲斗 :
「……守人さんは『今回の事件の容疑者として赤星さんに現行犯逮捕された』という話です」
ヤオ トモヤ :
「げっ、げんこうはんたいほ…!?!!」
ヤオ トモヤ :
「ddっ、どうsて⁈そんなこと夜鷹さんがする筈ないじゃないですか…!!」
スコア :
「え、えぇ……?ど、どういうこと……?」
不破 栞 :
「その情報……間違いないのか?」
レミ :
「はい、そう報告を受けています~……」
レミ :
「今は本庁三階の留置所に囚われているハズですね~……」
スコア :
「嘘……じゃないってことですか……」
ヤオ トモヤ :
「は、、……ッ」口をパクパクと開閉させて
ヤオ トモヤ :
「……違う。違います!まだ短い間ですけどパートナーをやらせてもらってたんです。私は知っています。夜鷹さんは絶対にそんなことしません…!」
不破 栞 :
「……」腕を組んで考え事をしている
スコア :
「うーん……」
スコア :
「いやー、どうでしょうねえ。ちょっと情報が少なすぎてわたしはどうにも判断出来ないなあ……」
スコア :
「留置場にいるなら今から会えませんかね?とりあえず詳しく話を聞きたいかも」
不破 栞 :
「そうだな。まだ面会はできないのか?」
青木 玲斗 :
「そうですね、現役警官である我々は、直感で判断を下すべきじゃない……少しでも情報を得たいところですが…………」
レミ :
「面会許可はどうでしょうね~……、私達ドロ係メンバーには待機命令が出ていますし~……」
不破 栞 :
「期待しないほうがいい……か」
不破 栞 :
「……とにかく、起きてしまったことは仕方ない。これからドロ係は誰が指揮するんだ?」
スコア :
「さあ……。今は待機しろっていうなら待機するしかないですけど」
ヤオ トモヤ :
「……今ここには来ていませんが、赤星さん辺りではないでしょうか」悔しくてたまらないといった顔つきのまま
スコア :
「あー、透也さんですか……」
スコア :
「今どこにいるんですかね?守人さんと面会出来ないなら、先に透也さんから話を聞きたいとこですけど」
■■■■ :
「────────俺を呼んだか?」
KP :
皆で話しあっていると、乱暴にドアが開いて、赤星が部屋に入ってきた。
スコア :
「わ、びっくりした……噂をすれば」 そちらを向く
赤星 透也 :
「ちょっとBR800に用があって戻ってきたんだ」
スコア :
「BR800……トモヤさんでしたっけ?」
ヤオ トモヤ :
「…はい。なんでしょう?」
赤星 透也 :
「廊下から聞こえたが、守人と面会がしたいんだってな?」
赤星 透也 :
「パートナーのおまえには会わせてやるよ」
ヤオ トモヤ :
「‼︎ 面会、できるんですか?」目を見開いて
ヤオ トモヤ :
「是非。お願いします」
赤星 透也 :
「ああ、おまえだけは特別に『直接の対面』ができる」
赤星 透也 :
「……BR800。昨夜の事件について、おまえにも事情聴取の必要があると上からの指示が下りた」
赤星 透也 :
「一緒に来い」
ヤオ トモヤ :
「…ぁ。そ、ういうことですか」被りを振る
「……わかりました。行きます」
KP :
赤星はトモヤくんの腕を掴もうと手を伸ばした。
KP :
……しかし、彼の手は別の手に振りほどかれる。
青木 玲斗 :
「待って下さい!」
KP :
赤星の手を払いのけたのは青木の細い手だった。
赤星 透也 :
「……何の真似だ?」
不破 栞 :
「どうしたんだ、青木?」 普段見せない様子に驚く
青木 玲斗 :
「……だって、それはトモヤさんも容疑者として留置所に入れると言う意味ですよね」
KP :
赤星は青木を睨みつけた。が、青木は引かない。
青木 玲斗 :
「で、でもそんな事情聴取の必要なんてありませんよ……!」
青木 玲斗 :
「昨夜、トモヤさんはメンテナンスの為に俺と一緒にいました……! 少なくとも今回の事件には関係ないでしょう……!?」
赤星 透也 :
「それはおまえが決めることじゃない」
赤星 透也 :
「────そこをどけ」
青木 玲斗 :
「……いいえ、退きません」
KP :
そんな青木に赤星は呆れたように溜息をついた。
KP :
そして、警官アンドロイド数体に指示を出して、ヤオトモヤを拘束する。
ヤオ トモヤ :
「ッ大丈夫です、すぐ帰ってきますから‼︎」何もしていないんだから。大丈夫。…大丈夫。
ヤオ トモヤ :
「青木さん、皆!またあとで!」
スコア :
「……分かりました。また後で会いましょう、トモヤさん」
不破 栞 :
「ああ……すぐに済むといいな」
青木 玲斗 :
「…………ッ」
スコア :
「……あ、そうだ」
スコア :
「赤星さん。あんたの仕事、代われるようになったらいつでも言ってくださいね」
スコア :
「冷静じゃない奴にどっかでミスされても、こっちが困るだけですから」 赤星を睨むように見て、冷たくそう言い放つ
赤星 透也 :
「…………俺の仕事、か」
赤星 透也 :
「生憎だな、代わりたくても代われるようなモノじゃない」
赤星 透也 :
「それにおまえには向いてないし務まらないと思うよ、X000」
スコア :
「あっそ。だったら精々、頑張ってくださいよ」
スコア :
「判断を誤らないようにね」
赤星 透也 :
「…………そのセリフは、言う相手を間違えてる」
赤星 透也 :
「俺に選択の権利はないんだから」
スコア :
「…………」 黙ってその顔を見上げている
KP :
……そのまま彼は強制的に連れだされてしまう。
KP :
赤星達が部屋から出ていく姿を、青木は悔しそうな表情で見つめていた。
KP :
レミはそんな青木を心配したのか背中をさすり、
KP :
彼等が出ていったドアを睨んでいた。
KP :
しかし、アナタ達の視線に気付くと、彼女はパッと表情を戻した。
レミ :
「……こうしてるのも時間のムダですから~、現場を見に行ってみませんか~?」
レミ :
「守人さんに面会はできなくても~現場に情報が残ってるかもしれませんし~」
スコア :
「…………」 レミのふわっとした雰囲気で、眉間に寄せていた皺が戻る
不破 栞 :
「いい考えだ……現場に入れて貰えればいいがな」
スコア :
「それは確かに心配ですね……」
スコア :
「でも、待機してるだけよりずっと良いですよ。わたしも行きます」
不破 栞 :
「ああ、行くだけ行ってみよう」
青木 玲斗 :
「そう、ですよね…!現場で冤罪の証拠を見つければ二人は解放されるハズ…!!」
スコア :
「うん……そうですね」
スコア :
「さっきはまだ情報が足りないから判断出来ないって言いましたけど、やっぱり取り消します」
スコア :
「わたし達で、守人さんとトモヤさんが犯人じゃないって証明してやりますよ」 左手で小さく拳を作る
不破 栞 :
「そうだな。今は……やれることをやろう」
スコア :
「はい……マスターっ」
KP :
その意見には青木も頷き、アナタ達は四人で現場に向かうコトになった。
KP :
無実の罪で囚われた二人の仲間を救い出す為に。
36 既視感
同日/AM10:00/天気:雷雨/警視庁留置所
KP :
一方その頃。
KP :
夜鷹守人は、静かで暗くて寒々しい密室にいた。
KP :
有機ガラスで隔てられた留置所。
KP :
本庁三階に位置する、その一室に囚われていた。
KP :
聞こえるのは、激しい雨音だけ。
KP :
そのハズだが、やはり聞こえる。
KP :
……あのヴァイオリンの旋律が。
KP :
……死に逝く家族達の呻き声が。
夜鷹 守人 :
守人はその中で蹲るように頭を抱え、耳を塞いでいた。
残響するヴァイオリンの音色は彼の中で響き続け、いないはずの死者の声が、視線が、彼を責め立てている気さえする。
夜鷹 守人 :
「───────」
夜鷹 守人 :
遺された右目は赤く腫れている。先程まで涙を流していたのかもしれない。
夜鷹 守人 :
いつまでも響く弦楽器の音色と、胸中に渦巻く疑問と悔恨が、彼を蝕み続けていた。
KP :
……青年のいる部屋に、複数の足音が近付いてくる。
KP :
そちらに視線を移すと、
KP :
そこには数人の警官に連れられたパートナーアンドロイドの姿があった。
KP :
パートナーのBR800は、青年のいる部屋に乱暴に押しこめられる。
ヤオ トモヤ :
突き飛ばされ尻餅をつく。その手荒さに顔をしかめるも、蹲る夜鷹を見て叫んだ。「───ッ夜鷹さん!!!」
夜鷹 守人 :
「───ヤ、オ? どうして、ここに……」
憔悴しきった顔を、押し込められたパートナーに向ける
KP :
……予想だにしていなかったパートナーとの再会。
KP :
そして、夜鷹守人は『密室でアンドロイドと二人きりになってしまった』
KP :
ここで夜鷹守人の秘匿HOの一部を公開します。
□夜鷹守人 秘匿HO
アナタはアンドロイドに対し恐怖心を抱いている。
アンドロイドに密室に二人きりになった場合、1d6/1d10のSANチェックを行なう。
このSANチェックで発狂した場合、あなたはアンドロイドに対し破壊衝動を起こす。
KP :
警官が扉を閉めた瞬間。
KP :
青年の背筋には、悪寒が走った。
KP :
呼吸が荒くなる。
KP :
鼓動が早くなる。
KP :
全身が震えだす。
KP :
────右目に焼きつき左目に刻まれたトラウマが、鮮明に甦る。
KP :
ナイフに刺された家族が血の海に沈んでいる光景が。
KP :
その犯人のアンドロイドが手を伸ばしてくる瞬間が。
KP :
……犯人のアンドロイドの影が、目の前のパートナーと重なって。
KP :
恐怖する。憎悪する。
KP :
行き場のない激情が、グルグルと渦巻いて眼前のアンドロイドに向かう。
KP :
──既視感を覚える。
KP :
パートナーアンドロイドと思っていた相手は『あの日、あの場所にいた』
KP :
そのような気がしてくる。
KP :
……それは錯覚だろう。10年前に今の最新型VOIDが存在するハズない。
KP :
そう理性が訴える。本能と理性が鬩ぎ合う。
KP :
でも、もしもそれが錯覚などではないとしたら?
KP :
短くない時間を共に過ごしたパートナーの筈なのに、
KP :
今の夜鷹守人は、目の前のアンドロイドに対する恐怖でいっぱいだった。
KP :
ということで守人くんのみトラウマの再現によるSANチェックをどうぞ。
KP :
成功で1d6、失敗で1d10のSAN値減少です。
夜鷹 守人 :
cc<=52(1D100<=52) > 18 > 成功
夜鷹 守人 :
1d6 お前なんかコワかねぇ!!(1D6) > 1
夜鷹 守人 :
強くなったな、守人
KP :
つ、強すぎる…相手がトモヤくんなのも幸いしたかな…
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 52 → 51
KP :
ではその一方。
KP :
BR800、アナタは気が付く。
KP :
パートナーの様子がおかしい。
KP :
まるで自分に恐怖しているかのような、そんな表情だ。
夜鷹 守人 :
恐怖に怯えた眼をヤオから背け、歯をガチガチと鳴らす。
必死に自身の恐怖心。過去から迫る錯覚を押さえつけながら、強張る筋肉を駆動させて口を開く。
夜鷹 守人 :
「……こ、こっちに、来ないで……くれ……」
夜鷹 守人 :
「たのむ、おねがいだ……」
夜鷹 守人 :
幼子の訴えに似た言葉が、彼の口から漏れ出す
ヤオ トモヤ :
パートナーの今までに見たことのない姿に呆然としている。床に手をついたまま動けない。
ヤオ トモヤ :
そんな中でも目の前の大切な人が、酷く自分を怖がっていることだけは理解できて。
ヤオ トモヤ :
触れようと伸ばした腕を戻し、ずりずりと後ろに手をつき動く。
「……ょ、たかさん。私、こっちの壁を向いて喋りますね」
ヤオ トモヤ :
「聞きたくなくなったら嫌だと、そう言ってください」私はあなたの嫌がることをしません。見ていてくださいね。
夜鷹 守人 :
「───────」
沈黙。だが、それは肯定と捉えても良いだろう
ヤオ トモヤ :
「……まず、腹部を刺された矢代さんですが生きています。意識不明の重体ではありますが病院に搬送され、治療を受けています」
ヤオ トモヤ :
「……それで。分かってはいると思いますが。私と夜鷹さんは、矢代係長の殺人未遂容疑をかけられてここにいます」ちょっと俯いて
ヤオ トモヤ :
「やっていないと確信していますが、あなたの口から聞かせてください」
「───矢代さんを手にかけたのは夜鷹さんですか?」
夜鷹 守人 :
「……そうか。義父さんは無事か……」
安堵の息を吐きだし、強張っていた筋肉がほんの少しほぐれる
夜鷹 守人 :
「……容疑の件だが、当然、俺はやっていない」
夜鷹 守人 :
「アリバイは……探れば幾らでも出てくるはずだ」
ヤオ トモヤ :
「……ですよね。それが聞きたかったんです」少し上擦った声で
ヤオ トモヤ :
「よかった。それだけ聞ければ十分です」ない背筋を伸ばし
「私も昨日の夜は青木さんと一緒にいましたし、調べさえすれば双方のアリバイは立証できることかと思います」
ヤオ トモヤ :
「……きっと今頃、ドロ係の皆が調査してくれていますよ!ここにいるのも、あともう少しの辛抱です」
夜鷹 守人 :
「……そうか。それを聞いて、少し安心したよ……」
夜鷹 守人 :
「……世話をかけるな、ヤオ」
ヤオ トモヤ :
「いいんですよ!」
「……私達は、互いに欠けているものを補いあう為にいるんですから」なんて。青木さんの受け売りですけど!
夜鷹 守人 :
「……欠けたもの、か」
朧げな10年前の記憶を思い浮かべる
夜鷹 守人 :
「(お前の言葉通りになれば良いんだが、な……)」
KP :
いつの間にやら昨夜から続いていた雷鳴は止み、
KP :
青年の内側で響いていたヴァイオリンの旋律も、また同時に止んでいた。
KP :
そしてBR800。
KP :
アナタは震えるパートナーを見て、違和感を覚えた。
KP :
……恐怖と憎悪に染まった瞳をする彼を、どこかで見たような気がする。
KP :
アナタは遅れて気が付くだろう。
KP :
この違和感が"既視感"であると。
37 夜鷹家の謎
同日/AM11:00/天気:小雨/夜鷹家
KP :
不破、スコア、青木、レミの四名は皆で事件現場の夜鷹家を訪れていた。
KP :
到着する頃には、既に周囲に数台のパトカーが停まっているのが見えた。
KP :
捜査はもう始まっているらしい。
スコア :
「むむ、もうとっくに始まってる感じですね。わたし達を差し置いて……」 相合傘状態で栞の腕に抱き着きながら、パトカーを眺める
不破 栞 :
「さて、入れて貰えるといいがな……」いつも通り傘を差して抱き着かれながら。
不破 栞 :
「すまない、ちょっといいかな?」 適当な警官を捕まえて入れないか聞いてみよう。
KP :
そうして不破刑事が声をかけたのは男性警官だった。
男性警官 :
「……あン?」苛立った様子で振り返る
KP :
……よく見れば、食堂でパートナーアンドロイドに暴行していた刑事だ。
スコア :
「うわっ」
男性警官 :
「うおっ」
不破 栞 :
「はぁ、また会ったな」 微妙な顔をしながら
男性警官 :
「誰かと思ったらドロ係じゃねェか、殺人現場の散歩とはシュミが悪いコトで」
スコア :
「散歩で来るわけ無いでしょ……」
不破 栞 :
「我々のボスが刺されてしまったからな。自分たちで現場を確認しに来たというわけだ」
男性警官 :
「散歩じゃないなら尚更、問題だなァ」
男性警官 :
「お仲間さんがマル被なんだ、捜査命令なんて出てないだろ」※マル被=被疑者
男性警官 :
「ああ、それとも証拠隠滅でも頼まれたか?」
不破 栞 :
「そんなことするわけないだろう……」
不破 栞 :
「捜査一課が適当な犯人をでっちあげて事件を片付けようとしてないか確認しに来たんだ」
不破 栞 :
「君たちの上司はそういうのが得意だろう? ま、私や白瀬はそういうことができなかったから追い出されてしまったが……」 自嘲気味に
男性警官 :
「ハッ、流石は期待のエリート部隊サマ……言うコトが違うな」
男性警官 :
「自分達は真犯人に目星もついてもないクセして面の皮が厚い」
スコア :
「じゃあ、そう言うそっちは今回の事件の真犯人について何か分かってるんですか?」
男性警官 :
「フン、だとしても捜査から外された部外者に教えてやる義理はないな」
男性警官 :
「しゃしゃるなよ、おまえ達はもう用ナシなんだ」
男性警官 :
「……いいか、分からないならハッキリ言ってやる」
男性警官 :
「この事件は俺達が担当になってんだ!役立たずはさっさと帰んな!!」
KP :
刑事は言いながら自身のアンドロイドを睨んだ。
男性警官 :
「こいつらが中に入らないように見張っていろ。役立たずのポンコツでもそれくらいはできるよな?」
KP :
アンドロイドは無機質な声で「了解しました」と言って玄関の前に立つ。
KP :
……それを確認した刑事はパトカーに乗り込み、現場から去って行った。
スコア :
「……む、ムカつく~!!何なんですかあいつー!!!」 走り去っていくパトカーに叫ぶ
不破 栞 :
「どっちが役立たずかは置いておいて、私たちがここに入っちゃいけないってことは正しいからな……」
不破 栞 :
「現場の担当者の許可があれば、話は別かもしれないが」
スコア :
「うーん……。じゃあ担当者ってどこにいるんです?あなた知ってますか?」 見張りのアンドロイドに聞いてみよう
VOID警官 :
「……現場担当者は、さきほどパトカーで本庁に帰還しました」
スコア :
「え~!」
スコア :
「じゃあさっきのあいつだったんですか!?もう無理じゃないですか!!」
不破 栞 :
「いや、どうだろうな」
不破 栞 :
「担当者が持ち場を離れた以上、いまこの場を任されているものが”捜査協力者”を現場に入れていいか判断すべきだ」
不破 栞 :
「君、頼めないか? 夜鷹係長と面識のある我々が見て得られる情報もあるはずだ」 VOID警官に向かって
スコア :
「あー、確かに……?お願いできません?ダメ?」 えへ、と笑って
VOID警官 :
「…………」
KP :
現場に入る場合、警官アンドロイドに対し≪交渉技能≫の判定を行なうか、
KP :
もしくは戦闘によって破壊する必要があります。
KP :
また≪交渉技能≫の判定を行なう場合、
KP :
アンドロイドを食堂で助けていれば+30%のボーナス修正を得られます。
不破 栞 :
やったー!!!
スコア :
な、なに~!!!
スコア :
ほぼ勝ちですね、やったれマスター!
KP :
100ファンブル以外は通りますよ! 判定どうぞ!!
不破 栞 :
言いくるめで振ろう、わりと詭弁なので…!
不破 栞 :
cc<=100(1D100<=100) > 61 > 成功
不破 栞 :
よしよし!
スコア :
わーい!!
KP :
VOID警官はアナタ達を真っ直ぐ見た後、玄関の鍵を開けてドアを開いた。
VOID警官 :
「────どうぞお入りください」
VOID警官 :
「私のパートナーはロクに捜査もせず夜鷹守人による犯行だと決めつけていましたが」
VOID警官 :
「アナタ達なら、きっと真相を掴んでくださると信じています」
不破 栞 :
「……君が配属されたのが今の一課だったこと、私はとても残念に思うよ」
不破 栞 :
「ありがとう」 入ろう!
スコア :
「おぉ~……」 自分達で頼んだことだが、この対応に少し驚いてしまう
スコア :
「あの……あなた、お名前は?」
VOID警官 :
「…………名前、ですか?」
スコア :
「はい、そうですそうです。ちなみにわたしはスコアっていいます」 先に名乗る方が礼儀か、と思い伝える
VOID警官 :
「はあ、私はロイドと申します……アンドロイドだからロイド、と私のパートナーが……」名前を聞かれる事などなかったのか困惑の表情を浮かべる
不破 栞 :
「ロイドか、知ってると思うが私は不破。不破栞だ」
スコア :
「な、なるほど……」 愛の無いネーミングだなあ、ともっとあの警官のことが嫌になったが、それはさておき
スコア :
「じゃあロイドさん、ありがとうございます。しっかり期待に応えてみせますね」 優しく微笑みかける
VOID警官 :
「いえ、礼を言われるような事は何も」
VOID警官 :
「ただ私は自分の仕事……刑事として真相を掴む可能性が高い選択をしているだけですから……」
スコア :
「そうかもしれませんね……でも、助かりましたから」
不破 栞 :
「……少し見直したよ。一課のこと。私たちができる限りの協力をしよう」
不破 栞 :
「手柄をあの刑事にくれてやるのは少し癪だがな」
スコア :
「まあまあ、真実が分かれば手柄が誰のものになるかなんてどうでもいいことですよ」
スコア :
「行きましょ、マスターっ」 栞の手を引いて
不破 栞 :
「ああ、奴が帰ってくる前に調べてしまおう」 手を引かれてく。
KP :
そして、アナタ達は同僚の家に足を踏みいれる。
KP :
現場にはハナにツンと来る鉄の臭いが広がっていた。
KP :
玄関とリビングを繋ぐ廊下には、赤く黒い血溜まり。
KP :
それらはここで起こった事件を、言葉などより雄弁に語っている。
スコア :
「ここで矢代係長は刺された……ってわけですか」
不破 栞 :
「ああ。こうして現場を見ると……その事実を実感するな。本当に事件があったのか……」
不破 栞 :
「まさか現役の警察幹部が……」
スコア :
「……このタイミングで、ドロ係の係長……ってあたりがあんまり偶然とは思えないとこだなぁ……」
青木 玲斗 :
「その、つまり……真実を知りすぎて黒幕に消されたと……?」
スコア :
「そこまでは流石にまだ分からないですけど……」
スコア :
「わたし達を邪魔に思う敵の仕業、という可能性はありえそうだなって」
レミ :
「そうですね~、大胆な一手ではありますが~……」
スコア :
「まあ、今考えすぎても仕方ないことですね……何があったのかはこれから探るんですから」
青木 玲斗 :
「そう、ですね……とりあえずロイドさんに現場の再現をおねがいしましょうか……」
不破 栞 :
「だな。考察するにしてもまず情報だ……お願いできるか?」
VOID警官 :
「了解しました」
KP :
……ロイドと名乗った警官がホログラムを投影する。
KP :
他の事件現場と同様に、精巧な映像が映しだされる。
KP :
そこには力なく倒れる上司、夜鷹矢代の姿があった。
KP :
ということでSANチェックどうぞ!成功で0、失敗で1のSAN値減少です!!
スコア :
CC<=48 SAN(1D100<=48) > 50 > 失敗
不破 栞 :
cc<=56(1D100<=56) > 44 > 成功
スコア :
初めて失敗したよ
system :
[ スコア ] SAN : 48 → 47
スコア :
「うわぁ……。流石に見知った顔が倒れていると、ホログラムでもちょっときついとこはありますね……」 一瞬、目を逸らしてしまう
スコア :
10日程度の付き合い。まだ短いとも言えるが、それでも彼女が仲間意識を抱くには十分な時間だった。
不破 栞 :
「……」夜鷹係長とそれほど付き合いはなかったが……それでも捜査一課にいた当時、十年前から顔くらいは知っている
不破 栞 :
「調べよう」 真相を解き明かすという決意を新たに、拳を握る
スコア :
「はい、マスター」 胸元に手を置き、気持ちを落ち着ける。もう大丈夫だと頷いた
KP :
それでは探索箇所を提示しますね
KP :
【探索箇所】玄関扉/矢代/部屋全体
スコア :
この流れだし、まずは矢代さん見よう
KP :
詳しく調べる場合は≪医学≫または≪目星≫による判定をどうぞ!
スコア :
医学で!
スコア :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 70 > 成功
不破 栞 :
cc<=60 目星(1D100<=60) > 51 > 成功
KP :
二人とも成功! このあたりは安心して見てられますね!それでは情報!!
KP :
腹部に刺創がある。他に外傷は見受けられない。
KP :
情報は以上ですね、他のケースと違い腹部ですよ
スコア :
確かに確かに
スコア :
「傷は……お腹に一つだけですか。今までみたいに心臓を刺されてなくて良かった」
不破 栞 :
「確実に殺す気はなかったか、誰かに見つかりそうになったのかもしれないな……」
不破 栞 :
「そういえば凶器はもう見つかっているのか?」
青木 玲斗 :
「いえ……、見つかってないハズです……」
レミ :
「傷口から判断して、刃幅や形状は、これまでの事件で使われたナイフと一致しているような気はしますね~」
不破 栞 :
「(凶器すら見つかってないのに決めてかかってるのかあの刑事……)」
スコア :
「言われてみると確かに……。前までの容疑者……」
スコア :
「……1310……では無い、のは確実ですけどね……。もしかしたら彼の仲間の犯行で、同じ凶器を使ってたとしても、おかしくないか……」 目を伏せて
青木 玲斗 :
「そうですね……、同じ黒幕の仕業だとすれば、犯人は同じナイフを持っていてもフシギではないと思います……」
スコア :
「…………」 ホログラムの矢代を黙って見ている
レミ :
「…………でも、そうなるとヘンなコトがありませんか~?」
スコア :
「へんなコト?」
レミ :
「あのですね~矢代さんに刺創以外の傷跡がないのはおかしいと思うんですよ~」
レミ :
「矢代さんは正面から刺されている……なのに揉みあった形跡もない……」
レミ :
「現役の警官が無抵抗で刺されるモノでしょうか……?」
スコア :
「え……?」 周辺を軽く見渡してみる
不破 栞 :
「よく知る人物の犯行……という可能性か。それなら急所を一突き、と行っていないのも説明がつく」
KP :
周囲(部屋全体)を詳しく調べる場合は≪目星≫または≪アイデア≫による判定をどうぞ!
スコア :
アイデアでいこう
不破 栞 :
調べるぞ~
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 5 > 成功
不破 栞 :
cc<=60 目星(1D100<=60) > 34 > 成功
スコア :
良い調子ですね
KP :
すばらしい出目!
KP :
玄関まわりを見渡すと、事件現場としては少し違和感を感じる程、
KP :
あたりの家具等が倒れたり動いてる様子がなかった。
KP :
以上です!周辺状況から見ても揉みあった形跡ないです!!
スコア :
了解…!
スコア :
「……確かにどこを見ても綺麗すぎますね。じゃあ、マスターの言う通りよく知る人物の犯行……」
スコア :
「矢代係長と親しい間柄にある人ってこと……?」
青木 玲斗 :
「そ、そんな、まさか…! 付き合いはあまりなかったですけど、矢代さんは親しい誰かに恨まれたりする人じゃなかったでしょう…!?」
スコア :
「そんな風には見えませんよね……」
不破 栞 :
「そうだと思いたいが……」
スコア :
「でも、まいったな……。守人さんが犯人じゃない証拠を見つけに来たのに、これじゃ逆になっちゃってる」
スコア :
「守人さんが犯人でも、今のところおかしくはありませんよ……」
レミ :
「ん~……親しい人なら守人さんも当てはまりますからね~……」
レミ :
「それに矢代さんは交友関係が広い方でもなかったですから~、逆に絞られてしまったような~……」
スコア :
「そうだったんですね……」
スコア :
「でも、まだ当てはまるってだけですもんね。もっと調べてみましょう」 決めつけるにはまだ早い、と小さく拳を握る
不破 栞 :
「だな。まだ調べてないところは……」
不破 栞 :
「玄関のあたりか」
スコア :
「ですね。見てみましょう」
スコア :
玄関扉を調べます!
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫または≪鍵開け≫による判定をどうぞ!
スコア :
鍵開け…そんなものないよ
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 62 > 成功
不破 栞 :
cc<=60 目星!(1D100<=60) > 64 > 失敗
スコア :
せふせふ!
不破 栞 :
ふたりで助かった
KP :
それではスコアちゃんは以下の情報を手入れますの
KP :
ドアには鍵穴が付けられている。細工された痕跡は、特に見当たらない。
KP :
以上です、第二事件現場みたいにピッキングはされてない、というコトですね
スコア :
了解…!
スコア :
「んー……」 鍵穴に近づいて見たり、手袋をつけた手でトントンと叩いてみたりして
スコア :
「なんか……無理矢理こじ開けられたって感じは無さそうじゃないです……?」
青木 玲斗 :
「たしかに……これも守人さん犯人説を補強してしまいますね……」鍵穴を見て
青木 玲斗 :
「矢代さんに招かれた人物、あるいは合鍵を持っている人物、が犯人の可能性が高そうですから……」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「なら交友関係を洗ってみるしかないな」
スコア :
「そうなりますね……現場の調査が終わってからですけど」
レミ :
「ああ、それなら~」
レミ :
「私、実は知ってますよ~?」
スコア :
「知ってる?」
不破 栞 :
「教えてくれるか?」
レミ :
「ええ~、私はドロ係の医療用アンドロイドであると同時にメンタルケア用アンドロイドでもあるので~」
レミ :
「各メンバーの個人情報を貰っているんです~」
スコア :
「おぉ~!」
不破 栞 :
「ああ、それでか……」
不破 栞 :
「(悩み多そうだもんな……)」
レミ :
「通常、個人情報は開示できないんですが~……今回は特別、というコトで~……」
レミ :
「ナイショ、にしてくださいね~?」口元に人差し指を添えて
スコア :
「はい、もちろん!」 お口チャックのジェスチャー
不破 栞 :
「もちろんだ」 真似して口元に指を当てる
レミ :
「ありがとうございます~…! それでは話させていただきますね~…?」
レミ :
「まず矢代さんは10年以上前に奥様を亡くしてらっしゃるようなんです~…」
レミ :
「その時、おなかには子供もいたようなんですが、その子も奥様と一緒に……」
スコア :
「わ、わぁ……。そうだったんですか……」
不破 栞 :
「それは……気の毒に」
レミ :
「ええ……、それで絶望、してしまったんでしょうね……、彼はそれまであった交友関係や趣味なんかも全部を投げ捨て……」
レミ :
「10年前に赤星さんや守人さんに会うまで、孤独に生きていたそうなんです~……」
スコア :
「守人さんは養子なんでしたっけ……。そんな絶望してた人が子供を引き取っていたなんて……」
レミ :
「ええ……、守人さんを引きとったのは、なにか理由があったのか、それとも亡くした子供を守人さんに重ねたのか……そこまでは分かりません……」
レミ :
「ですが、守人さんの存在は彼にとって希望だったのでしょうね……」
レミ :
「守人さんを引きとってから、彼は生気を取りもどしたみたいです」
スコア :
「なるほど……」
スコア :
「そんな関係の人達が刺した刺されただ言われてるなんて……二人共辛いでしょうね」
不破 栞 :
「……彼がやったとは思いたくないな。係長のためにも……」
不破 栞 :
「しかし、いまの話だと近年は交友らしい交友はなかったということか?」
レミ :
「ええ、そういう事です~」
レミ :
「矢代さんと交流があるのは、守人さんと赤星さん……あとは仕事の付き合い、くらいでしょうか~……」
スコア :
「透也さんか……」
スコア :
「そういえば、守人さんを捕まえたのも透也さんでしたっけ……」
青木 玲斗 :
「……ええ、赤星さんが現行犯逮捕したハズ、です」
スコア :
「うーん……」
スコア :
「でも、彼が容疑者から外れるわけじゃないか。むしろ何か怪しく感じちゃうな」
青木 玲斗 :
「……赤星さんが、怪しい、ですか?」
スコア :
「そうです。タイミングが良すぎませんか?」
スコア :
「守人さんが犯人じゃないと仮定した場合、矢代さんの死体を発見した時にここに透也さんが乗り込んできたってことなんでしょ?」
青木 玲斗 :
「ええ……」
スコア :
「そんなぴったりなタイミングで家に上がって来るの、偶然なのかなって……」
スコア :
「まあ、怪しく思うのはそこより……さっきの透也さんの様子の方が大きいですけどね……」
不破 栞 :
「赤星については……私もおかしいと思っていた」
不破 栞 :
「そもそもこの事件は捜査一課の預かりだろう? なんで公安のあいつが取り仕切ってるんだ?」
スコア :
「それもそうなんですよね。逮捕したから?」
不破 栞 :
「いや、現場の刑事にそんな権限があるわけない」
不破 栞 :
「あったら私は刑事部を追い出されてないからな……」
レミ :
「たしかにトモヤさんを迎えに来た時は先導してましたけど~……」
レミ :
「う~ん……?」首を傾げる
不破 栞 :
「少なくとも、この件の決着がつくまではあいつのことは味方だと思わないほうがいい……と、私は思うよ」
スコア :
「ん~……」 困ったように眉間に皺を寄せて考えている
青木 玲斗 :
「スコアさんは……、何か異議が……?」
スコア :
「いや……異議ではないんですけど、ちょっとまだ引っかかってる部分があるというか……」
スコア :
「とりあえず、後で透也さんと話をしてみたいですね……。会話に応じてくれるかは分かりませんけど」
不破 栞 :
「だな。発見した時の状況も聞きたいところだ」
青木 玲斗 :
「赤星さんが犯人だとすると、相当のリスクがある行動のようにも思えますが……大丈夫ですかね……?」
不破 栞 :
「犯人かどうかはともかく、あいつは間違いなく何かを私たちに隠している……それがどんなものかは検討もつかないが」
スコア :
「……今はまだ、考えても疑ってもこれ以上進みそうにありませんね」
スコア :
「ここでの調査を進めた方がいいかもしれません」
不破 栞 :
「ああ。この話はあとでいくらでもできる。まずはここを調べ尽くそう」
KP :
……当然ながら他の部屋もある。
KP :
周囲からの物音はない。他の刑事は不在らしい。
KP :
調べるなら今しかない。
KP :
【探索箇所】守人の部屋/矢代の部屋/空き室
スコア :
わ~、面白そうな部屋ばかり!
スコア :
突撃守人の部屋しようぜ~!!
不破 栞 :
調べるぜ~!
KP :
ではアナタ達は囚われの同僚の部屋に。
KP :
夜鷹守人の部屋は、一見して実に簡素であった。
KP :
大半を締めるベッドに、PCの置かれたデスクと、その周りを飾る僅かな映画関連のグッズ。
KP :
その他、必要最低限の家具しか置かれておらず、22歳の男性の部屋にしては些か寂しさを感じさせる。
スコア :
「ここは……守人さんの部屋?でいいの?なんかすっきりしてません?」
不破 栞 :
「生活感ないな……」
不破 栞 :
「彼らしいといえば彼らしい気もするが」
レミ :
「ああ、守人さんは映画がシュミでして~」
レミ :
「────あっ…! うっかり必要のない個人情報を漏らしてしまいました~…!!」口元を抑える
スコア :
「あはは……いやいや、レミさんが喋らなくても映画が好きそうなのは分かるしセーフセーフ!」 映画関連のグッズを指差して
レミ :
「そ、それなら良かったです~……」ほっと胸を撫でおろし微笑む
スコア :
「もしトモヤさんがいたら喜びそうな情報でしたけどね……」 留置場にいる仲間のことを想う
青木 玲斗 :
「そう、ですね……」目を落として手をグッと握り込む
不破 栞 :
「……ふたりを釈放するためにも、今は情報を探そう」
スコア :
「そうですね。事件とは関係無さそう……な気もしますが、今は少しでも情報が欲しいです」
スコア :
「守人さんには後で謝るとして、他の刑事がいない内に見て回ってしまいましょう」
青木 玲斗 :
「ええ……あっ…! ベッドの下は俺が見ます…!!」
スコア :
「え?あ、あぁ、別に良いですけど……」 何故か分からず目を丸くしてる
不破 栞 :
「……ああ。好きにしてくれ」 苦笑いしながら
青木 玲斗 :
「(よかった…! 守人さん、アナタの名誉は俺が守ってみせます……!!)」
不破 栞 :
「(何か失礼なことを考えてるな……)」
スコア :
ベッドの下は青木さんに任せて、部屋の中の他のとこを調べます!
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫または≪アイデア≫による判定をどうぞ!
スコア :
アイデアでいこう
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 42 > 成功
不破 栞 :
cc<=60 めぼしぃ(1D100<=60) > 12 > 成功
スコア :
よしよし
不破 栞 :
安定している
KP :
それでは成功した二人は
KP :
部屋を隅々まで調べる。
KP :
すると、棚の裏に何か機械のようなモノを見つけた。
スコア :
「ん……?マスター、なんか落ちてません?ゴミにしては大きいような」 棚の裏を見て
不破 栞 :
「それは、なにかの機械か……?」
不破 栞 :
「青木君、これ、何かわかるか?」
スコア :
棚の裏によいしょと腕を伸ばして、機械のような物を取って見せてみます。
青木 玲斗 :
「え……これ……」
青木 玲斗 :
「盗聴器、じゃないですか……?」
不破 栞 :
「盗聴器……!?」
スコア :
「え!?」 うっかり落としてしまいそうになる
レミ :
「……あらら」さりげなくスコアちゃんの手を支える
スコア :
「あ、ありがとうございます。……え、本当に盗聴器!?なんで守人さんの部屋に仕掛けられてるんですか!?」
青木 玲斗 :
「い、いや、分かりませんよ……? そんなコト言われても……!」
青木 玲斗 :
「ええと、現役の警官だからとか…?だけど捜査情報なんて家で話すコトじゃないしな…」
スコア :
「そ、そんなことありえます~……?ちなみに、この盗聴器って今も機能してるんですかね……?」
青木 玲斗 :
「…………あっ、してるかも」
スコア :
「うわ~!!やだ~!!」
不破 栞 :
「今この会話も聞いてるかもしれないってことか……」
レミ :
『まだ他にもあるかもしれませんし~……、全て回収しておきませんか~……?』目を閉じてスコアちゃんにメッセージを送信する
スコア :
『……!』
スコア :
『そうしましょう!』 メッセージを返す
スコア :
これ、盗聴器で聞かれてるから会話を避けようってことよね?部屋にメモ用紙とペンがあれば、回収しようって書いて人間二人にも伝えたいです
KP :
そういうコトです! 紙とペンはありますね!
スコア :
よね!じゃあ書きます!
スコア :
「……!」 そして二人に見せます
不破 栞 :
『わかった』 と行書体の綺麗な文字で
スコア :
マスターらしい字だ、じゃあ皆で手分けして他の盗聴器を探してみたいです
KP :
アナタ達は「小型盗聴器が設置されていたのは棚だけではない」と気が付く。
KP :
本棚、リモコン、コンセント、そしてアナログのアラーム時計。
KP :
あらゆる場所から、盗聴器や監視カメラが出てきた。
青木 玲斗 :
「まさかこんなに出てくるとは……」
青木 玲斗 :
「あ、全て機能停止させたので、もう喋って大丈夫ですよ」
スコア :
「あ、ほんとですか……」
スコア :
「じゃあ言っていいですね……」
スコア :
「気持ち悪いよ!!!!なにこれ!?!?!?」
青木 玲斗 :
「……まあ、たしかにコレは少し」
レミ :
「きもちわるい、というか意図が分からないのが不気味ですね~……」
スコア :
「それも含めて気持ち悪いの!!誰がこんなことしてるんだろ……!?」
不破 栞 :
「目的はわからないが……怪しまれずにこれだけ大量に仕掛けることができる相手となると、かなり限られるな」
スコア :
「矢代係長……それか、透也さん……?兄貴分って言ってたし、家に出入りくらいしてますよね」
青木 玲斗 :
「ええ……? でも元々が親しい相手に盗聴器なんて仕掛ける理由ありますかね……?」
スコア :
「それもそう……。盗聴器って普段そこにいない人が仕掛けるもの……ですけど……」
スコア :
「誰もいない間に忍び込んで仕掛けたのかな……」
不破 栞 :
「それこそコンセントや時計なら、贈り物にしても怪しくはないな」
スコア :
「う、う~ん……」
スコア :
「と、ともかく……今分かることは……」
スコア :
「守人さんを監視してる誰かは、すでにわたし達に気付いてるってわけで……」
スコア :
「他の部屋も調べるなら、あまりゆっくりしてる暇はなさそう……ってことですね……?」
青木 玲斗 :
「そう、ですね……うかうかしてると犯人が手を回してくるかも……」
不破 栞 :
「なら話は早い。別の部屋を調べよう」
不破 栞 :
「……この家、とんでもない場所かもしれないな」
スコア :
「事件に関係無さそう……なんて気はもうしてきませんね。急ぎましょうっ」
スコア :
監視グッズを回収して、矢代さんの部屋に行ってみよう
KP :
ではアナタ達は意識不明の上司の部屋に。
KP :
上司の夜鷹矢代の部屋、それはイメージ通り、というべきか……
KP :
または夜鷹守人の家族らしい、というべきか、
KP :
机、本棚、寝具、と本当に最低限の家具だけが揃った質素な部屋だった。
スコア :
「こっちもすっきりしてるなあ。親子って似るのかな?」
不破 栞 :
「まあ、そういう親子も多いな」
スコア :
「なるほど~」
青木 玲斗 :
「アンドロイドで言うと後継機の思考パターンが同モデルの旧型機に似る、みたいなイメージで……」
青木 玲斗 :
「あ、すみません……スコアさんには後継機とかいないんですっけ……」
スコア :
「いや謝られても!」
スコア :
「うーん、いない……んですかね?X000ってタイプなんか知らないってリボット社でも言われましたし」
不破 栞 :
「お前、本当にどこでどうやって作られたんだろうな……」
スコア :
「リボット社以外にVOIDを作れるはずがありませんよ」
スコア :
「でもお前なんか知らないって産みの親会社に言われたとなると……やっぱり、前に玲斗さんが言ってたように改造された機体なのかも……」
青木 玲斗 :
「最新の機体に引けを取りませんからねスコアさんは……改造されたと考えるのが自然でしょう……」
スコア :
「…………」
スコア :
「って、わたしの話は今はどうでもいいですよっ。時間が無いんですから」
レミ :
「私はスコアさんの事をもっと知りたいですけど~……時間がないのはそうですね~……」
不破 栞 :
「ああ、急いで調べよう」
スコア :
矢代さんの部屋を探索しましょ!
KP :
それでは探索箇所を提示しますの!!
KP :
【探索箇所】机/本棚
スコア :
とりあえず机から見よう
KP :
綺麗に整頓された机だ。引き出しがついている。
スコア :
引き出し!開けずにはいられないッ!
KP :
引き出しを開けて見ると、そこには手の平サイズの白い箱が入っていた。
不破 栞 :
「箱だな……開けてみるか?」
スコア :
「かわいいサイズ感ですね~。矢代さんには悪いですけど見てみましょ」
KP :
その箱には小さな鍵穴がついていた、開けようとしてもビクともしない。
KP :
どうも鍵がかかっているらしい。
スコア :
「って、鍵かかってるじゃないですか!」
不破 栞 :
「……鍵か、家のどこかにあるといいが」
青木 玲斗 :
「ひとまず持っていきます…? 状況が状況ですし…」
スコア :
「そうしても良いと思います。さっき盗聴器とかあったの見ると、なんか何でも気になっちゃう……」
不破 栞 :
「こんな状況だからな……なにがあってもおかしくないと思うぞ」
不破 栞 :
本棚も調べよう
スコア :
本棚をwatch
KP :
詳しく調べる場合は≪図書館≫または≪目星≫による判定をどうぞ!
スコア :
目星の方が高いね、目星!
不破 栞 :
cc<=60 目星!!!(1D100<=60) > 63 > 失敗
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 47 > 成功
スコア :
せふせふ
不破 栞 :
セーフ!
KP :
ではスコアちゃんは一冊のアルバムを見つける。
スコア :
「お、なんか普通の本じゃないっぽいのを発見。なんでしょこれ」 そういう知識が無くてぱっと見アルバムと分からないらしい
不破 栞 :
「アルバムだな。子供の成長とか、家族の思い出を写真に残しておくものだ」
不破 栞 :
「この時代にこういう冊子にまとめているのもなかなか珍しいかもしれないな……」
スコア :
「へ~!子供の成長……!」
スコア :
「子供の成長……ですか……」 ココロ達のことが頭を過ぎり、目を伏せる
スコア :
「じゃあ……守人さんの子供時代の写真とかが挟まってるのかな……?」
スコア :
アルバムを開いてみます
KP :
そこには夜鷹守人の成長記録が、時系列順で丁寧に綴られていた。
KP :
どこか距離がある小学生の頃の写真。
KP :
その距離が縮まる中学生の頃の写真。
KP :
笑顔で写る警察学校卒業の記念写真。
KP :
守人、矢代、赤星。三人が家族になっていくまでの過程が記されている。
KP :
幼い夜鷹守人の見た目は新鮮に思えたが、赤星の見た目は当時とあまり変わらない。
スコア :
「……仲の良さそうな家族に見えますね」
不破 栞 :
「……何かおかしくないか?」
青木 玲斗 :
「え、何がです?普通の家族写真じゃあ?」
不破 栞 :
「いや……考えすぎか? 赤星の顔、この家に来た当時から全然変わってないように見えてな……」
不破 栞 :
「10年もあったら少しは歳取ったなってわかるものじゃないか?」
スコア :
「言われてみると……確かにあまり変わってませんね……?」
スコア :
一応確認なんですけど、矢代さんの方はどうかしら。10年でちょっと老けたなって感じあります?
KP :
矢代さんは順当に老けてますね。目の周りのシワが多くなった。
スコア :
老けてる!良い歳の取り方してそう、了解!
不破 栞 :
「横にいる係長が大分……お年を召された感じがするからそのせいもあるのかもな」
青木 玲斗 :
「いや、いいですよね、赤星さんは若くて……最近、もう俺は腰が痛くて…………」
スコア :
「そんな歳でしたっけ!?」
不破 栞 :
「私より若いだろう……」
青木 玲斗 :
「まだ二十八、けど二十八、ですよ……座りっぱなしだから腰がどうも……」
スコア :
「運動しましょ……」
不破 栞 :
「外回り増やしてもらうか……ま、それはそれとして、次の部屋を調べるか」
スコア :
「そうですね……」
スコア :
「見た目が変わらない……なんて、もし透也さんがVOIDだったら別に気になりもしないことなんだけどなあ……」 小さく呟く
不破 栞 :
「それはさすがに考えすぎだろう……」
不破 栞 :
「――VOIDだったら?」 一瞬、脳裏に過る光景。
不破 栞 :
「(あの日、夜の街に突如、10年ぶり現れた心くんは……)」
不破 栞 :
「(10年前と同じ顔をしていた……!?)」
スコア :
「……マスター?どうしました?」
不破 栞 :
「……いや」
不破 栞 :
「私も考えすぎのようだ。調査を急ごう」
スコア :
「そうですか……。じゃあ、もう一つの部屋に行きましょう」
スコア :
空き部屋に行ってみよう
KP :
ではアナタ達は最後の部屋に向かう。
KP :
そこは客室らしく、机とソファだけが置かれた簡素な部屋になっていた。
スコア :
「ここは~……客室かな?」
不破 栞 :
「来客がなければあまり使われることはない……いや、赤星が入ったときに使っているかもしれないか」
不破 栞 :
「よく調べてみよう」
スコア :
「はいっ」
スコア :
探索しましょ!
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 47 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 64 > 失敗
スコア :
今日は微妙に失敗する感じが多いマスター
不破 栞 :
つくづく2人いてよかった
スコア :
それな!
KP :
相棒が成功する安心感
KP :
それではスコアちゃんはソファの下に丸められた紙切れを見つける。
スコア :
「なんかある!!」 床にべたっと腹這いになって、ソファの下に手を伸ばして紙切れを回収する
スコア :
「いや、ただのゴミか~……」 そんな大げさに反応する程じゃ無かったなと、えへへと笑ってとりあえず紙を広げてみる
KP :
広げられた数枚の紙束。
KP :
…………そこには信じ難い内容が記されていた。
□呪文『記憶を曇らせる』(基本ルールブック255頁)
この呪文の対象となった者は「ある特定の出来事」を意識的に覚えている事ができなくなる。
この呪文をかけるためには1d6のマジックポイントと1d2の正気度をコストとして支払う必要がある。
この呪文の効果は即座に現れ、呪文の使い手はかける対象が目に見えていなくてはならない。
(呪文の習得は不可)
スコア :
「…………」
スコア :
「な、なんか……何?これ……?」 初めて見る謎の呪文に目を見開いて
スコア :
「あの……マスター、玲斗さん、レミさん……」 皆に紙束を見せる
不破 栞 :
「なんだ、この内容は……?」 理解不能な内容に目を疑う
青木 玲斗 :
「じ、呪文……? なんだか急にオカルトみたいな……」
スコア :
「ですよね、オカルトですよね……」
スコア :
「でもなんか……妙にしっかりと書かれてるんですけど……」
青木 玲斗 :
「…………」
青木 玲斗 :
「み、妙にしっかりしたオカルトですよ、ね……?」皆の顔色を窺う
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「内容の真偽はこの際どうでもいい」
不破 栞 :
「問題は、なぜこんなものが係長の家にあるかだ」
スコア :
「何故……かぁ~……」
スコア :
「レミさん……守人さんや矢代さんって、こういうオカルト方面の趣味があるんですか?」
レミ :
「ホラー映画なら、たまには見るみたいですが~……」
レミ :
「こんな呪文なんか書いちゃうほどオカルトに詳しい、とは思えませんね~……」
スコア :
「じゃあ、二人の所有品じゃなさそう……かな……」
不破 栞 :
「悪魔崇拝の趣味でもなければこんな意味のわからないものは所持しないだろう」
不破 栞 :
「やっぱり、誰か来たんじゃないか? それこそ、交友関係を断つ以前の知り合いとかが……」
スコア :
「ここ、客室ですしね。来客の落とし物だと考える方が自然ですよ」
青木 玲斗 :
「…………でも誰が?」
青木 玲斗 :
「そもそも、こんなモノを持ち歩く意味って?」
不破 栞 :
「ありうるとしたら、物好きな作家か何かか……」
不破 栞 :
「これで本当に記憶を消せると思っている狂人のどちらかだな」
スコア :
「そうですよね……。意図的に記憶が消せるのなんて、初期化されたVOIDくらいですよ」
スコア :
「でも、もしも本当に人間の記憶を消すことが出来るのだとしたら……」
スコア :
「……考えすぎ?」
不破 栞 :
「……まあ、本当に記憶を消されたという人がいるならそれを検証する価値はあるが……いないだろう、そんな奴」
スコア :
「いないですね……」
不破 栞 :
「しかし、案の定一課の捜査は適当だったようだな……」
スコア :
「本当にね!!何を見てヨシってしてるんですか!!」
不破 栞 :
「盗聴器を見逃すのはプロとしてあり得ないだろう……結局、真犯人に繋がる証拠は出てこなかったが」
スコア :
「あ~……そうだった……」
スコア :
「思わぬ収穫はありましたけど、肝心の守人さんの冤罪を証明できるものは何も……」 がっくりと肩を落とす
青木 玲斗 :
「……たしかに守人さんとトモヤさんの冤罪を証明できるものは見つかりませんでした」
青木 玲斗 :
「でも俺は十分に確信できましたよ」
青木 玲斗 :
「────守人さんは、やっぱり犯人じゃない」
不破 栞 :
「ああ。最初から疑っていたわけじゃないが」
不破 栞 :
「おそらく彼は嵌められたんだ」
スコア :
「嵌められた、ですか……」
スコア :
「玲斗さんは、どうして犯人じゃないって確信出来たんです?」
青木 玲斗 :
「どうして、って言われると少し困りますが……」
青木 玲斗 :
「現場状況……近隣住民からの証言が全くないコト……それに警察が到着した時間も、捜査一課による捜査の切り上げも早すぎる……」
青木 玲斗 :
「この事件は不自然です」
青木 玲斗 :
「……なにより、俺の心が『彼は犯人じゃない』と言ってる」
不破 栞 :
「青木の言う通り、そもそも夜鷹守人が逮捕されるというのは明らかに不自然だ」
不破 栞 :
「凶器もない、動機もない、直接刺すところを見たわけでもない、ただ犯行時刻に近くにいたというだけで赤星は彼を逮捕している」
不破 栞 :
「こんなのが本当にまかり通るならこの国の司法はおしまいだ」
スコア :
「うん……そうですね。わたしも大体同じ意見です」
スコア :
「ま、わたしはここに来る前から犯人じゃないって確信出来てましたけどね!」 そう言ってドヤっと笑ってみせる
不破 栞 :
「とにかく、証拠品はいくつか見つかった。次はこれらを検証してみよう」
スコア :
「じゃあ、引き上げましょうか。もう他には何もなさそうですし……」 あとはゴミしかないよ、と絨毯をその辺にあったローラーでコロコロ掃除している
青木 玲斗 :
「そうですね、いったんドロ係に戻りましょう」
青木 玲斗 :
「…………そこで俺から皆に話したい事があります」
不破 栞 :
「青木君から?」
スコア :
「ん、了解です。気になりますけど、大事な話ならここでするべきじゃないですしね」
レミ :
「それではそろそろ……、こっそりこそこそ帰りましょうか~……」小声で囁く
スコア :
「は~いっ……」 呪文が書かれた紙を丸めて回収し、小声で返す
スコア :
では、こそこそっと皆で帰ろう。ついでに通してくれたロイド君に改めてお礼も言いました。
不破 栞 :
帰ろう!ロイド君……真相は必ず突き止めるよ……
KP :
刑事が戻って来ない内に調査を切り上げ、アナタ達はドロ係に引き返す。
38 反逆者達
同日/PM02:30/天気:小雨/警視庁ドロ係本部
KP :
捜査を終えてドロ係本部へと戻ると青木が口を開く。
青木 玲斗 :
「……不破さん、スコアさん、レミさん、お願いがあります」
スコア :
「お願い?」
不破 栞 :
「聞かせて貰おう」
青木 玲斗 :
「…………」
青木 玲斗 :
「二人を逃す為に、協力してくれませんか?」
スコア :
「二人を逃がす!?」
青木 玲斗 :
「……はい、俺はその必要がある、と感じました」
青木 玲斗 :
「何者かが警察を操り、守人さん達に濡れ衣を着せようとしている」
不破 栞 :
「……」
青木 玲斗 :
「……自分が何を言っているのか、それは分かっています」
青木 玲斗 :
「これは国家権力に対する明確な反逆行為だ」
青木 玲斗 :
「かなりリスクのある選択だと思います」
青木 玲斗 :
「……青臭くてバカな選択だと思います」
青木 玲斗 :
「警察失格、なのかも……しれない……」
青木 玲斗 :
「最低でも懲戒免職は免れないでしょう、もしかしたら生命の危機にも陥るかも」
青木 玲斗 :
「なので、強制はしませんしできません」
青木 玲斗 :
「……ただ俺は、目の前の仲間のピンチを見て見ぬフリで逃げだして後悔するのはゴメンだ」
スコア :
「……なるほどね。国家権力への反逆者、ですか……」
スコア :
「そこまで理解と覚悟が出来ているなら、仮に止めても一人でやっちゃいそうな感じですね」
青木 玲斗 :
「…………」その沈黙は肯定の意味だろう
スコア :
「これ、マスターはどうします?」 栞の方を向く
不破 栞 :
「そこまで言うからには、明確な見通しがあるんだろうな?」
青木 玲斗 :
「ええ、一応の計画は……立ててあります」
青木 玲斗 :
「かなり無茶な内容ではありますが……」
不破 栞 :
「……上に逆らうということは、我々は捜査権を失うということだ。そのリスクを取るだけの価値がお前の作戦にはある、そういうことか?」
青木 玲斗 :
「そ、それは…………」
青木 玲斗 :
「……分かりません」
青木 玲斗 :
「だけど、このまま指を咥えていても二人を助ける事はできない……そして、我々が動いても上層部に揉みけされる可能性が高い……」
青木 玲斗 :
「なので、俺はやらなきゃいけない、と思っています……価値云々というより主観的判断で申し訳ないですが……」
不破 栞 :
「なるほどな」 小さく頷いて
不破 栞 :
「いいだろう、その作戦乗ってやる」
青木 玲斗 :
「ぇ……!? い、いいんですか……!?」
不破 栞 :
「ああ。ただし、条件が二つある」
不破 栞 :
「ひとつ、まずは作戦の内容を聞かせて貰おう。その時点で絶対に無理だと思ったら、私は全力でお前を止めさせて貰う」
不破 栞 :
「もうひとつは……」
不破 栞 :
「この間の事件で捕まったデクってVOIDがいただろう。可能ならあいつも逃がしてやりたい」
青木 玲斗 :
「デク、ですか…? あの屋上テロの…? 確か同じ留置所にいるとは聞きましたが…」
不破 栞 :
「ああ。私にやれることはやるって約束したからな……あいつを置いてはいけない」
スコア :
「そうですねえ。わたし達がいなくなったら、もうデクが解体されるのは時間の問題ですしね」
青木 玲斗 :
「……なるほど」
青木 玲斗 :
「俺はいいんですが、大丈夫ですか?」
青木 玲斗 :
「その……俺の計画だと、留置所潜入チームの二人の負担が大きくなると思うんですが……」
スコア :
「おっと、その二人の負担っていうのは~……?」
青木 玲斗 :
「不破さんとスコアさんの負担、ですね……身体能力と判断能力を考えれば、現場に慣れている二人に潜入してもらうのが効率的かと……」
スコア :
「ですよねー」
不破 栞 :
「まあ、二人の救出が最優先。その上で可能だったら……って話だ」
スコア :
「そう言って、見捨てるつもりなんてこれっぽっちも無いくせに」 小さく笑って
不破 栞 :
「……とにかく、さっきの現場でも分かったが夜鷹係長が倒れた今、我々の捜査権は紙切れ一枚の価値もない」 ポニーテールを弄りながら
不破 栞 :
「作戦があるなら乗ってやるさ。で、肝心の内容は?」
青木 玲斗 :
「は、はい……ええと、ですね……!」
KP :
そう言って青木はパソコンの液晶に警視庁内のマップを映し出す。
青木 玲斗 :
「まず俺とレミさんが管制室に忍び込み、留置所の監視カメラを止めます」
青木 玲斗 :
「留置所は警官アンドロイドが見張りをしているハズです、それさえなんとかできれば……」
青木 玲斗 :
「そちらは不破さんとスコアさんにお願いできますか?」
不破 栞 :
「やるしかないんだろう? 敵は何体だ」
青木 玲斗 :
「常駐するアンドロイドは一体のハズです」
不破 栞 :
「速攻で片づければ……ってところか。了解だ」
青木 玲斗 :
「不破さんとスコアさんが留置所で三人を救出している間に、俺達は移動手段を確保しておきます」
青木 玲斗 :
「あとは逃走、と強引ですがコレしかないかと……」
スコア :
「なるほどなー。シンプルですね」
不破 栞 :
「そこまではいいとして、逃げた後はどうするんだ? 追手をしのげるような場所はあるのか?」
青木 玲斗 :
「郊外に俺のガレージがあります……シュミ用の……」
青木 玲斗 :
「そこで暫く態勢を整えたら移動、と俺の用意できる範囲だとそんなところですね……」
不破 栞 :
「……不安だが、まあ贅沢は言えないか」
スコア :
「……そうですねえ」
スコア :
「で、どうするんです?マスター」
不破 栞 :
「やるよ。このままじっとしていたら、多分青木君の言う通りになる」
スコア :
「……そうですか」 少し嬉しそうに口元を緩め
スコア :
「それならわたしも行きましょうか。まあ、マスターが断るならわたし一人で協力しようかとは思ってましたけど」
青木 玲斗 :
「い、いいんですか、スコアさんまで…!?」
スコア :
「良いですよ」 さらっと言う
スコア :
「もうこの警察にいても、得られるものはないでしょう。それなら少しでも事件解決に繋がりそうな道を取りますよ」
スコア :
「それに、守人さんとトモヤさんを放っておけない気持ちは玲斗さんと同じですから」
青木 玲斗 :
「す、スコアさん…!!」
スコア :
「ふふっ。まあそんなわけで、お供するわけですけど……」
スコア :
「レミさんはどうするんですか?パートナーが危険なことしようとしてますけど……」
スコア :
「彼は命令じゃなくてお願いしてるだけですから、断っても良いことですよ」
レミ :
「ん~…? そうですね~…」
レミ :
「ドロ係の医療用アンドロイドMR400としては、アナタ達を止めるべきなのでしょうね~……」
レミ :
「ですけど、私は青木さんのパートナーですから~?」
レミ :
「勿論、私でよければ協力させていただきますよ~」
レミ :
「……それに今の青木さんの方が輝いてて素敵ですし~……お手伝いしたいって思うんです~」
青木 玲斗 :
「れ、れみさッ……!!」半泣き
スコア :
「な、泣いてる!!」
不破 栞 :
「頼もしいな……レミさん、青木君を頼むよ」 微笑んで
レミ :
「ええ、ええ、任せてくださいね~」
レミ :
「こんなカンジで締まらない人ですから、しっかりサポートしますよ~…!」
スコア :
「ふふっ、そうですね。正直、サポートが玲斗さんだけだと成功する気もしませんでしたし」 冗談っぽく言って
青木 玲斗 :
「ぇ゛!? え゛ぇ゛!?!?!? そこまで頼りないですかね俺゛!?!?!?!?」目元を拭い
スコア :
「うそうそ、冗談です。ちゃんと頼りにしてますよ」 笑って
青木 玲斗 :
「ほ、本当かな……本当ですよね…………」
スコア :
「ほんとほんと。それで、作戦開始はいつからにするんです?」
青木 玲斗 :
「そ、そうですね……暫く帰れないかもしれませんから……」
青木 玲斗 :
「荷物をまとめるとか身支度は済ませてからにしましょう」
スコア :
「うん、それが良いですね。了解です」
レミ :
「一旦、帰宅するなりして、大事なモノは回収してきてくださいね~」
不破 栞 :
「本……図書館にでも寄贈するか……」
スコア :
「あははっ、真っ先に本のこと考えるんですね」 マスターらしい、と微笑ましく
不破 栞 :
「まあ、貴重品とか思い出の品とかもそんなにないからな。私の家は」
不破 栞 :
「(……白瀬に貰ったアレくらいか。なんとなく捨てられないでいる品は)」
スコア :
「マスターの家ですか~……」
スコア :
「わたしも一緒に行っても構いません?わたしは荷造りとかほとんど必要ないし、ちょっと暇だなって」
不破 栞 :
「ああ、まあいいが……私の部屋に来ても別に面白いものはないぞ」
スコア :
「そこはほら、良いじゃないですか~。マスターと一緒にいたいだけなんで」
不破 栞 :
「いつも一緒にいるがな……まあいいか。見納めになるかもしれんしな」
スコア :
「見納め……か。うん、そうかもしれませんね」
スコア :
「それじゃ、早速行きましょうか。手早く済ませて、また集合しましょうっ」
KP :
青木は「では待っていますね」と覚悟に燃える両目をアナタ達に向けた。
39 これからも傍に
同日/PM03:00/天気:小雨/不破家
スコア :
スコアと共に自宅に戻った不破栞は、本棚に収納していた色々な本を纏めていく。
スコア :
そして最後に、栞が取り出したもの。
スコア :
それは、かつての相棒から受け取った銀色のアクセサリー……ティアベルだった。
不破 栞 :
「(……一応持っていくか)」 ティアベルは10年前のまま綺麗に保管してあり、持ち上げると今もりん、と微かに音が鳴る。
スコア :
「……?マスター、何ですか?それ」 本の回収を手伝っているようでいていつのまにか夢中になって読書していたが、鈴の音に気付き振り返る
不破 栞 :
「これか? ティアベルだ」 小さく振って音を鳴らしてみる。
スコア :
「ティアベル?へー、なんかかわいい!マスターもそういうの持ってるんですね」
不破 栞 :
「貰いものだな。仕事中に音が鳴るといけないんで、結局ほとんど使ったことはないが……」
スコア :
「あー、貰い物……プレゼント……」
スコア :
「……彼氏ですか?」 ジッ、と見つめて
不破 栞 :
「いや、そんなんじゃないよ」
不破 栞 :
「白瀬、あいつがくれたんだ」
スコア :
「……!?白瀬……!キョウ……!」 睨むように細めていた目をハッと見開き
スコア :
「キョウ……恭……雅、でしたっけ?10年前の相棒の……」
不破 栞 :
「そうだ。この間現場に居合わせたあいつだ」
スコア :
「あぁ……あの……」
スコア :
「結局、この一週間……また出くわすことはありませんでしたね。矢代係長のこと以外、大した事件も無かったし」
不破 栞 :
「正直、何度か捨てるか迷ったが……結局この部屋に残ったままだ」
スコア :
「……でも、捨てなかったんですね」
不破 栞 :
「……これを見ると10年前を思い出して、やるせない気持ちになる」
不破 栞 :
「でも……こうなった以上、持っていたほうがいいのかもしれないな」
スコア :
「うん……それがいいですよ」
スコア :
「大事なものなんでしょう?」
不破 栞 :
「……ああ」
不破 栞 :
「私も、10年前の事件に向き合うべきだ」 そう言って、ティアベルを首にかける。
スコア :
「……ふふっ、似合ってますよ。マスター」
不破 栞 :
「ああ……ありがとう」 微笑んで
スコア :
「いえいえ」
スコア :
「…………」 栞の首にかけられたティアベルを静かに眺めて、
スコア :
「あの……マスター」 呼びかける
不破 栞 :
「どうした?」
スコア :
「わたし達、これから守人さん達を救出したら……懲戒免職になるのは時間の問題ですよね」
スコア :
「そうしたら、もう……わたしはマスターのパートナーってことにはならないんですかね?」
不破 栞 :
「なんだ、そんなことを気にしてるのか?」
不破 栞 :
「お前が私を手伝いたいと思うなら、これからも傍にいればいいさ」 まるで当たり前のように
スコア :
「……!」
スコア :
「傍にいても……良いんですか?」
不破 栞 :
「なんだ神妙に……まあ、今となっちゃ他にどのアンドロイドが隣にいてもしっくりこないだろうからな」
不破 栞 :
「お前がこれからも傍にいてくれるなら、私にとってもそれが一番だよ」 優しく微笑み
スコア :
「……そっか」
スコア :
「そう、ですか……!」 緊張するようにキュッと結んでいた唇が緩んでいって
スコア :
「だったら……仕方ないなあ、うん!わたしがずっと傍にいてあげますね、マスター!!」 心から嬉しそうな笑顔を咲かせる
不破 栞 :
「なんだ、いつにも増して圧が強いな……。まあ、生きて逃げられたらこれからもよろしく頼むよ」
スコア :
「はいっ、マスター」
スコア :
「そうですね、生きて逃げられたら……その時は……」 窓の外を見る
スコア :
その言葉の続きを言おうとするが、いや……と首を横に振る。
スコア :
「まずは、救出作戦を成功させなきゃ……ですよね」
スコア :
「頑張りましょう、マスターっ」 笑いかけて
不破 栞 :
「ああ。必ず成功させよう」 笑顔の中にも、険しさのある表情で返す
スコア :
「はい……!」
40 脱獄
同日/PM03:30/天気:小雨/警視庁留置所
KP :
夜鷹守人。BR800。
KP :
アナタ達は重々しい空気の中、一言も口を開かずジッとしていた。
KP :
きっと助けが来ると、仲間を信じて待っていた。
KP :
────そうしていると、突然、廊下の薄明りが消え、辺りが暗くなる。
ヤオ トモヤ :
「失礼、入り口の前まで動きます」
「……安全とわかるまでそこから動かないで下さいね、夜鷹さん」入り口付近に出張ります
夜鷹 守人 :
「……ああ、しかしこれは……消灯には早いな……?」
ヤオ トモヤ :
「……赤星さん達じゃなければいいんですけどね」薄く笑って 足音を待つ
夜鷹 守人 :
「今更、俺達にどうするってんだ……」
短くため息を吐いて
KP :
すっかり意気消沈の虜囚、二人。
KP :
一方、潜入チームの不破とスコアに連絡が入る。
青木 玲斗 :
『こ、こっちは完了しました…!』小声
レミ :
『後はよろしくお願いしますね~』
スコア :
『了解です、任せて!』
不破 栞 :
『ハッキングはうまくいったようだな。あとは任せてくれ』
KP :
潜入チームの目の前には、一体の警官アンドロイド。
VOID警官 :
「アナタ方の入室は認められていません」
VOID警官 :
「侵入は違反行為と見做して報告します」
KP :
アンドロイドはアナタ達を見つけると、スタスタと近付いてきた。
不破 栞 :
「奇遇だな」
不破 栞 :
「私も君たちの拘留は法で認められたものではないと思っていたところだ」 ジャックナイフを構える
KP :
X000。アナタは目の前のアンドロイドに対して『例の技能』を使用する事ができます。
スコア :
ほほー、了解です
スコア :
「そうですね……」
スコア :
「なので、黙ってそこを通してもらいましょうか」
スコア :
秘匿されていた技能を使います。
スコア :
警官アンドロイドに、技能“ハッキング”を使用します!!
KP :
ではまず秘匿技能≪ハッキング≫の効果を解説させていただきましょう!!
スコア :
お願いしましょ!
□ハッキング
[射程]20m [対象]電子機器、アンドロイド/単体
[戦闘時にアンドロイドに使用した場合の効果]
1d4+1ラウンドの間、対象は全判定に-20のペナルティ修正を受ける。
この効果時間中、アナタは他の行動(攻撃など)を行なう事もできる。
※経過ラウンドはラウンド終了時にカウントする※
ただしアナタが戦闘不能状態になった場合、この効果は解除される。
KP :
そしてセキュリティの緩い旧型アンドロイドを対象にする場合、相手を一時強制シャットダウン状態にする事ができます。
KP :
今回の場合、相手が旧型なので強制シャットダウンが可能ですね。
KP :
それでは判定をどうぞ!
スコア :
はい…!
スコア :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 10 > 成功
スコア :
よし!
不破 栞 :
ヨシ!
スコア :
通信用のヘッドセットを頭から外し、首にかけ、
スコア :
「X000,LOG IN」
スコア :
瞼を閉じ、起動する。
スコア :
これは警察組織に潜入し、情報を盗み取るために必要だった力。
スコア :
1310、3103────あの子達が使っていた力。
スコア :
もし使えば、わたしは警察にはもういられない。使えばスパイであることがバレるきっかけとなり、処分される危険性があったからだ。
スコア :
だが、もうそんな心配はいらない。
スコア :
これは大切な仲間を助けるために使う力だから。
スコア :
そして、隣にいる彼女が……不破栞が、これからも傍にいて良いとわたしに言ってくれたのだから……!!
スコア :
「DOMINATE UP!!」
スコア :
青色に輝く瞳を開く。
スコア :
キーワードと共に、前に翳した左手から特殊電波が放たれた。
スコア :
手で直接触れる必要などない。この距離はもうわたしの射程内だ。
スコア :
わたしの命令は一瞬で警官アンドロイドの中枢に達し、強制シャットダウンを引き起こすだろう。
VOID警官 :
「立ち入り■禁■さ■て■■■────」
KP :
瞬間。見張りは口からノイズを漏らしながら、崩れ落ちてしまう。
スコア :
「…………」 静かにアンドロイドを見下ろす
不破 栞 :
「……は」 何が起きたのか理解できず、目を丸くする
不破 栞 :
「スコア……お前、何をしたんだ!??」
スコア :
「……ハッキングです」 栞の方を振り向き
スコア :
「彼を強制的に一時停止させました。これでもう無駄に戦う必要はありません」 ヘッドセットを頭にかけ直す
不破 栞 :
「ハッキングって、一体どこでそんな……!」
不破 栞 :
「……今は気にしてる場合じゃないか……後で聞かせて貰うぞ」
スコア :
「助かります」
スコア :
「でも、あとで必ず……ちゃんと全て話しますから」 悩みを捨てたような、真っすぐな瞳で見つめる
不破 栞 :
「その言葉、今は信じるぞ。早くみんなのいる部屋を探そう」
スコア :
「はい!マスター!!」
スコア :
そう返事して、その場から走り出す。
KP :
……見張りを無力化した二人は、二人の仲間が待つ部屋に急いだ。
KP :
それは存外あっさり見つかった。
KP :
ガラス越しに憔悴している二人の仲間の姿が見える。
スコア :
「────いた!!」 立ち止まる
不破 栞 :
「おい、無事か? 迎えに来たぞ」 ガラス越しに声を掛ける
スコア :
「守人さーん!トモヤさーん!!」 ガラスを軽く叩いて叫ぶ
ヤオ トモヤ :
「‼︎」「ッふ、不破さんにスコアさん!?面会の許可降りたんですか⁈」ガラスに張り付く
夜鷹 守人 :
「2人共、どうしてここに……!」
青ざめた顔を向けて
不破 栞 :
「いや、生憎だが許可は下りなかった」 そう言いながら扉の前に立とう
スコア :
「玲斗さん達が成功してるなら……」 栞についていく
KP :
潜入チームの二人が扉前に立つ。
KP :
すると、ロックされているハズの扉は自動で開いた。
KP :
青木のハッキングで、システムが停止しているのだ。
スコア :
「開いた!」 扉から中に入って来て
スコア :
「どもども。助けに来ましたよ~」
夜鷹 守人 :
「許可が下りなかったって……それじゃあ……」
穏やかではない雰囲気を感じ取る
不破 栞 :
「細かいことを説明している時間はないが、とりあえず今やっていることは完全に命令違反だ」
不破 栞 :
「悪いが来るか、来ないか、今すぐに判断してくれ」
スコア :
「ちなみに、二人は警察の上層部に嵌められたんだとわたし達は思ってます」
スコア :
「このままここにいても、容疑が晴れることは無い。犯人に仕立て上げられて終わりです。事件を解決することも叶わない……」
スコア :
「それが嫌なら、わたし達と逃げるしかないですよ。どうします?」
ヤオ トモヤ :
「……だ、 脱獄犯になっちゃいますね。不破さん達は片棒を担ぐ形になりますけど」いいんですかの目線を2人送りつつ
「夜鷹さんはどうしますか?」 背後の夜鷹に向かって問う
夜鷹 守人 :
「上層部が……? 待ってくれ、理解が……」
聡明な頭脳も霧がかかっているのか、頭を抱えている
夜鷹 守人 :
「(不破さんらがこんな行動を起こしてまで、ここにいるのは……よっぽどの根拠があって……)」
必死に答えを探りあてようとするが、ハッキリとした答えは思い浮かばない
夜鷹 守人 :
「……わかった、着いていくしかないだろう。こんな風に迎えに来られちゃな……」
ヤオ トモヤ :
「……了解!私も着いていきます」
スコア :
「良かった。安心しましたよ」
スコア :
「二人が上じゃなくて、わたし達を信じてくれて」
夜鷹 守人 :
「……そこまで木偶になったつもりは無いからな……」
ヤオ トモヤ :
「こちらの方こそ……私達を信じてくれてありがとうございます」
スコア :
「いえいえ。それじゃ急いでくださいっ。あともう一人、連れて行く人もいますから」
不破 栞 :
「ああ、そうだな」
?? :
「…………その、声」
KP :
覚えのある男の声が、聞こえる。すぐ隣の部屋から。
デク :
「もしかして、不破さん……?」
不破 栞 :
「ああ。久しぶりだな、デク」 扉の前に立つ
スコア :
「スコアちゃんもいまーす。なんだ、隣の部屋だったんですね」 ひょこっと栞の後ろから顔を覗かせる
デク :
「な、なんで……!?」キョロキョロと見回して
KP :
そうしている間に、デクの部屋のドアも自動で開く。
不破 栞 :
「もちろん、迎えに来たんだ。まあ……許可は下りてないから実力行使だがな」
スコア :
「仲間が無実の罪で捕まりましてね。このままじゃどうしようもないから脱獄させようって話になったんですよ」
デク :
「仲間が無実の罪で……、隣の部屋に入ってたのはドロ係のメンバーだったのか……」
デク :
「僕にはもう何が何だか分からない事が分かったよ……」
デク :
「でも、あの時に不破さんが言ってた『刑事生命ひとつ差し出せば』って……やっぱりジョークじゃなかったんだな……本当に迎えに来てくれるなんて…………」
スコア :
「そうそう、本気ですよ。ね、マスター」
不破 栞 :
「私は冗談を言うことはあるが……嘘は嫌いだ。言葉通りやれるだけのことはやらせてもらうよ」
デク :
「そうか……、そう、か…………」
デク :
「ありがとう、不破さん……、僕、アナタを信じて、よかった……」弱々しく立ちあがる
不破 栞 :
「私も……君を信じてよかったよ」
不破 栞 :
「だが……もう嘘ばかりの警察のことは信じられない。早く逃げるぞ」
デク :
「ああ……!」
スコア :
二人の様子を満足げに見守って
スコア :
「ってわけで、この人も一緒に連れて行こうってことで」 守人とトモヤを見て
ヤオ トモヤ :
眩しそうに二人の後ろ姿を見ていた。彼の今後を思って安堵したと同時にひどく羨ましかった。ああなれるだろうか。
「……はい‼︎」目元を綻ばせて頷く
夜鷹 守人 :
「……あの時のアンドロイドか。俺は二人の決定に従うよ……」
今のデクに文句がある訳でもなし、と
スコア :
「よかったよかった。じゃあ、あとこれもお渡ししておきますね」
スコア :
そう言って、守人とトモヤにそれぞれの武器を投げ渡す。
スコア :
「必要でしょ?退職金代わりに貰っていっちゃいましょ」
夜鷹 守人 :
「まさか1か月もしない内に退職金を受け取ることになるとはな……」
残念そうな顔をして電子刀を受け取ろう
ヤオ トモヤ :
「わ!どうしようかと考えていたところだったので助かります」
「借りて……いえ、貰っていっちゃいましょう!」苦笑いして、電磁ムチを受け取ります
スコア :
「うんうんっ。わたし達も貰っていってますしね」 腰に下げた音波銃に目を落として
スコア :
「じゃ、行きましょうか!レッツゴー脱獄!!」 えいえいおー、と拳を上げる
夜鷹 守人 :
「こんな明るい脱獄があるかぁ……?」
スコアの雰囲気に押されて
不破 栞 :
「ふっ……」 微笑んで
不破 栞 :
「ここ10年で一番すっきりした気分かもしれないな」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね、私は夜鷹さんが許してくれるならどこへでも!」おーと拳を上げる
不破 栞 :
「(……白瀬、お前はどう思って警察を飛び出したんだろうな)」 首元のティアベルを触りながら、少しだけ考え
不破 栞 :
「行こう。真実を探しに」
KP :
……合流に成功したアナタ達は、留置所を後にした。
KP :
人目を避けつつ階段を駆け下り、
KP :
裏口から外へ飛び出す。
青木 玲斗 :
「き、来た…! 乗って下さい…!早く…!!」
KP :
そこには青木とレミが待っていた。
KP :
その近くに三台の白いバイクが停められている。
KP :
青木が用意した逃走手段だろう。
スコア :
「来たよ!」 走っていく
不破 栞 :
「うまく脱出できるものだな…!」
夜鷹 守人 :
「青木さん……! この逃走はドロ係の約半分が関わっているんだな……っ」
ヤオ トモヤ :
「待ってました…‼︎」やっぱり‼︎と笑顔で
「万が一背後から狙撃されては困りますし、夜鷹さんは私の前にお願いします」
スコア :
「っていうか、玲斗さんが最初に脱獄を提案したんですよ。いわば主犯です、主犯」 バイクの傍に寄って
青木 玲斗 :
「ぇ、え…!? 俺が主犯…!?! ? 」
青木 玲斗 :
「いや、でも、そういわれてみればそうか……」
夜鷹 守人 :
あまりにも意外だったのか、「そんなまさか」と表情が物語っている
不破 栞 :
「わかるぞ。まさか私も青木君から言い出すとは思わなかったな」
不破 栞 :
「スコア、デク、後ろに乗れ」 バイクに跨る
スコア :
「はーい。っていうか三人乗りになりますね、これ」
スコア :
「デクには真ん中に挟まってもらいましょ。振り落とされそうだし」 デクの背中を押していく
青木 玲斗 :
「本当は四台用意できれば良かったんですけど、流石にダメでしたね……すみません……」
スコア :
「三台用意出来ただけで十分ですよ」
ヤオ トモヤ :
「やるなら青木さんだと思ってました、私は納得ですね!」ですですとスコアの発言にも頷く
夜鷹 守人 :
「贅沢を言うつもりはありませんよ。最大限感謝させてもらいます」
デク :
「……でも二人の間か、何か悪いコトしてる気分」呟きながらふわすこに挟まれる
レミ :
「悪いコトって言うなら脱獄がもう凄く悪いコトですし~」
スコア :
「むしろ間にいてもらわないと困りますよ。マスターが助けたい人なんだから、後ろはわたしがしっかり守ります」 ちゃんと座って、栞とデクに腕を回す
不破 栞 :
「だな。後ろは頼むぞ、スコア」
スコア :
「はーい!」
夜鷹 守人 :
「……俺からはコメントを差し控えさせてもらおう」
そう言いながらバイクに跨る
ヤオ トモヤ :
「?スコアさんもこう言ってますし、お二人のが小柄な分いいと思うんですけどね……」夜鷹の後ろにつく
夜鷹 守人 :
「(……俺の背中をアンドロイドに任せることになるとはな)」
少々複雑な心境でハンドルに手をかける
KP :
……バイクを選んだのは、自動車より小回りが効くからだろうか。
KP :
あるいは単にシュミなのだろうか。
KP :
そんなコトは考えるヒマもなく、アナタ達は二人一組で鉄の馬に跨った。
KP :
守人とトモヤ、不破とスコア、青木とレミ。……当然いつものコンビだ。
KP :
しかし、今回だけは不破とスコアのコンビにデクも混ざっている。
KP :
アクセルを全開にする。
KP :
ブォンブォンとエンジンが低く唸る。
KP :
そして、アナタ達は爆音を置き去り、
KP :
同時に放たれた三発の弾丸めいて連なりながら、警視庁本部を飛び出す。
KP :
最高時速300km。新幹線と同じ速度。
KP :
小さな雨粒を痛いと感じるスピード。
KP :
急加速の浮遊感に身を委ねつつ、そのまま全速で街中を滑走する。
KP :
ここで皆さんは≪聞き耳≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=70 聞き耳(1D100<=70) > 43 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=70(1D100<=70) > 2 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【聞き耳】(1D100<=75) > 99 > 失敗
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 68 > 失敗
KP :
それでは守人くんとスコアちゃんは気が付く。
KP :
前方と後方から似たエンジン音が近付いてくる。……追手が来た。
KP :
アナタ達が乗るモノと同じ、白いバイクが六台。
KP :
合計十二体の追跡者達が迫ってくる。
KP :
その中には赤星の姿もある。
KP :
アナタ達の二倍の戦力……正面から迎え撃つ選択が取れる相手ではない。
スコア :
「あ!?追ってきてますね!?こっちには六台もいる!!」 後ろを振り返って
ヤオ トモヤ :
「えっ?!うわ、ホントだ!」その声に後ろに目を向けて
夜鷹 守人 :
「クソッ、兄さんもいるんだろうな……っ!」
不破 栞 :
「呆れたな。ろくに捜査もせず裏切り者の粛清だけ全力か」
スコア :
「ほんとにね!どうしましょ、こっちでルート探して振り切るしかないかな~……!!」
ヤオ トモヤ :
「うわ、まけるかな!赤星さんは右奥二つ目……四時の方向みたいです!」
不破 栞 :
「やれるさ、スコア。私たちは一年間交通捜査課にいたんだ」
不破 栞 :
「一課や公安の素人とは比べ物にならないくらい東京の道には詳しいはずだ」
スコア :
「ふふっ、そうですね。見せてあげましょうか、毎日毎日車と道路ばっかり眺めてた実力を!」 栞の言葉に安心したように笑う
ヤオ トモヤ :
「ッBR800、ひとまず周辺地形データを読み込みます!ので夜鷹さん、ここはなんとかつないでください!頑張って‼︎」
夜鷹 守人 :
「ああ、俺は事故らない程度にハンドルを握っておく! あとはスコアとデータをやり取りしておけ、不破さんは元交通課だからな!」
ヤオ トモヤ :
「了解‼︎」叫ぶようにして
KP :
パートナーアンドロイド達は、周辺の地形情報をダウンロードし、懸命に逃げ道を探した。
KP :
しかし、赤星達はアナタ達の行動を予知したかのように回り込み、執拗に逃げ道を絶った。
KP :
追手のバイクを避けながら走る。
KP :
どうにか郊外まで逃げるコトに成功はしたが……それで終わりだ。
KP :
完全に包囲されて抜け道はない。
KP :
やがて、アナタ達は袋小路に追いつめられているコトに気が付く。
41 逆転の切札
同日/PM04:00/曇り⇒晴れ/路地裏
KP :
そこは東京郊外の路地裏だった。
KP :
周囲はコンクリートの壁で覆われた、完全な袋小路。
KP :
そして、アナタ達はやむなくバイクを止めるだろう。
KP :
……間もなく、追跡してきた六台の白バイがアナタ達を取り囲む。
KP :
その中心にいるのは、赤星透也。
KP :
昨日までは夜鷹守人と夜鷹矢代の家族のような関係だったハズの、彼だ。
夜鷹 守人 :
「赤星、兄さん……」
兄、もしくは敵になりえる男の姿を睨む
赤星 透也 :
「まったく手が焼けるのは相変わらずだ……」
KP :
赤星はそう言いながら、足下に何か放りなげる。
KP :
数秒後、その円筒状のナニカは閃光を放って弾けた。
KP :
────それは視覚と聴覚を潰すスタングレネードの類ではない。
KP :
……夜鷹、不破、青木の三人は、その効果を感じられなかったが、
KP :
ユーザーの人間達に対して、パートナーアンドロイド達、
KP :
トモヤ、スコア、レミの三体は、その効果を明確に実感していた。
KP :
『一切の通信ができない』
KP :
あれは電波遮断を目的とした武器だったのだと、三体は理解する。
スコア :
「……ッ!これは……通信が……!」 片目を瞑り、こめかみに手を当てて異常に気付く
ヤオ トモヤ :
「ッ対アンドロイド用の策です、電波遮断により通信ができなくなりました!」大声で
不破 栞 :
「これじゃ助けも呼べないか……! まあ、そんな当てもないが……」
夜鷹 守人 :
「……ッ、袋の鼠か……!」
赤星 透也 :
「これで分かったか守人、おまえ達は完全に包囲されてる」
赤星 透也 :
「通信もできないんだ、もう打つ手はないだろ」
赤星 透也 :
「……大人しく投降しろ」
赤星 透也 :
「守人を引き渡すなら、他の奴等は見逃してやってもいい」
赤星 透也 :
「勾留中の被疑者を連れ出すなんて違反行為どころか犯罪だ、表舞台は歩けなくなるだろうが逮捕されるよりはマシだろ?」
スコア :
「ふん、何言ってんだか……」 そんな取引考える価値も無い、と目が語っている
ヤオ トモヤ :
「…嫌です!夜鷹さんを引き渡す、なんて廃棄処分と同じです。そんなこと選ぶくらいなら…ッ‼︎」睨みつけて鞭に手をかける
夜鷹 守人 :
「……兄さん、やっていることが無茶苦茶ですよっ! 一体どうしてっ……!」
青ざめた顔が悲痛に歪む
赤星 透也 :
「…………」
不破 栞 :
「そんな半端な覚悟なら最初から決行してないさ。逮捕されるのが怖いか? それはそうかもしれない」
不破 栞 :
「でも、何より本当に怖いのは……真実が闇に葬られてしまうこと。真犯人を野放しにしてしまうことだ」
不破 栞 :
「赤星。お前はその旭日章に誓って言えるか? 夜鷹守人は犯人ですと、ここで誓って言えるのか!」
赤星 透也 :
「……ああ、言えるね」
赤星 透也 :
「それが俺の仕事だ」
不破 栞 :
「……そうか、残念だよ」
不破 栞 :
「お前のこと、本当の”刑事”だと思っていたよ。昨日まではな」
赤星 透也 :
「俺はアンタがここまでバカだと思っていなかったよ、昨日まではな」
不破 栞 :
「……それは買いかぶりすぎさ」 覚悟を決めて、ジャックナイフを抜く
スコア :
「…………」 赤星をジッと見て
スコア :
「……本当に?」
スコア :
「透也さん。あなた、本当に守人さんが犯人だと思ってるんです?」
スコア :
「わたしにはそうは見えませんね」
赤星 透也 :
「……俺の気持ちを勝手に代弁するのか」
スコア :
「代弁なんてつもりはありませんが、ずっと引っかかってたことがありましてね」
スコア :
「……あの時、あなたが守人さんを連れて行った時」
スコア :
「わたしは、“判断を誤るな”と言いました」
スコア :
「矢代さんが殺されかけて、守人さんが容疑者になって、あの時のあなたは冷静じゃなくなってると思ったんです」
スコア :
「でも、あなたこう言いましたよね?」
スコア :
「“そのセリフは、言う相手を間違えてる”……って」
スコア :
「これって、つまり……」
スコア :
「誤った判断をしている相手が他にいて、あなたはそれが誰なのか知っているってことじゃないですか?」
スコア :
「どうなんですか?赤星透也」
スコア :
「もしかして、その答えさえも……あなたには選択する権利がないんですかね?」 薄く笑う
赤星 透也 :
「…………………………………………」
赤星 透也 :
「年代物の旧型機のクセして名探偵気取りか」溜息をついて
赤星 透也 :
「……今なら、イチハの気持ちが良く分かるよ」
赤星 透也 :
「おまえを最初に破壊しないと、後で困りそうだ」
不破 栞 :
「……はぁ」
不破 栞 :
「(なんというか……こうして辞めてみると哀れなもんだな。警察)」 絶望的な状況を一周して達観している
不破 栞 :
「(……白瀬からもこう見えていたのかもしれないな)」
不破 栞 :
「で、どうするんだ? 私の相棒を壊すっていうなら相手になるぞ」
赤星 透也 :
「ハッ、相手になる? この状況で良く啖呵を切れたモンだな?」
赤星 透也 :
「……それともまだ分かってないのか?」
赤星 透也 :
「じゃあ、この先輩が分かりやすく教えてやるよ」
赤星 透也 :
「────被疑者拘束の為の発砲を許可する」片腕を持ち上げ
KP :
警官VOIDが、一斉にアナタ達に銃口を向ける。
KP :
ちょうど雨の音が静まり返って……撃鉄を起こした音が聞こえる。
スコア :
「……っ」 身構える
夜鷹 守人 :
「やめてくれ兄さん……!!」
電子刀に手をかけ、サードアイを起動
ヤオ トモヤ :
「っどうして、あなたはそんな……!」苛立ちで叫ぶようにして
ヤオ トモヤ :
「……家族の癖にっ夜鷹さんを知ってる癖に!思われているくせに、そのことも知ってくる癖に‼︎」
ヤオ トモヤ :
「どうして、どうしてそんなことができるんですか‼︎この、卑怯者!!!」
赤星 透也 :
「…………もう黙れよ」
夜鷹 守人 :
「ヤオ……っ」
何故ここまで自分を庇ってくれるのか理解しきれないが、確かに心は揺れ動く
夜鷹 守人 :
「……兄さん、俺は……」
夜鷹 守人 :
「あなたの決断に納得できないっ……! 今の情けない兄さんに、そう易々と捕まってたまるか!」
赤星 透也 :
「…………そうか」
赤星 透也 :
「どうでもいい、そんなことは」
赤星 透也 :
「……おまえの逮捕は、おまえの意思も俺の意思も関係ない確定事項だ」
KP :
そしてやがて、アナタ達の視覚に変化が訪れる。
KP :
……起動したハズのサードアイの表示が消えた。
KP :
サードアイの演算は、スーパーコンピューターで行なわれている。
KP :
それを映像として送受信してる、という仕組みだ。
KP :
────つまり電波が封じられた場合、サードアイも同時に封じられる。
KP :
ここまで頼りにしたAIの演算が、全く使用できない。
不破 栞 :
「いよいよ万事休すか。万に一つくらい勝ち目があるといいがな……!」
夜鷹 守人 :
「(俺達の一手を確実に潰してくる……っ!)」
スコア :
「……まだ諦める気はないよ」 腰に携えた音波銃を手に取る
ヤオ トモヤ :
「ッそれでも絶対守り抜きます‼︎」電磁鞭を構える
赤星 透也 :
「…………まったく、エリートなんて名ばかりのバカ共の集まりらしいなドロ係は」
KP :
戦力差は絶望的。
KP :
優秀なドロ係の捜査官も、二倍の人数差は覆せない。
KP :
今のアナタ達に残された選択肢は強行突破だけ。
KP :
……しかし、それもイチかバチか。
KP :
もし仮にうまくいっても、必ず誰か犠牲を生む。
KP :
進むも破滅。退くも破滅。
KP :
────『絶体絶命』とは今の状況を指すのだろう。
KP :
雨雲の切れ間から日光が差して、不破刑事の首元のティアべルを照らす。
KP :
……リン、と落涙を思わせる寂しげな音が鳴る。
KP :
この音色を聴いた時、不破栞はいつも思い返す。白瀬兄妹の事を。
KP :
こんな時、二人だったらどう行動するだろうか。
不破 栞 :
「(私に白瀬くらいの身体能力があれば、奴ともやりあえるんだがな……)」
不破 栞 :
「(だが、無いものねだりをしても仕方がない。心くんのためにも……ここで終わるわけにはいかない)」
不破 栞 :
「(何か、手は……!)」
KP :
KP :
一方、X000。
KP :
……アナタだけには、逆転の切札が残っている。
KP :
アナタが取得していた地形データの最後のログ。
KP :
────そこには映っていた、キョウとニトが。
KP :
アナタの異変に気が付き、近辺に来ているのだろう。
KP :
しかし、あたりの電波が遮断されたせいなのか、この場所が分からない。
KP :
アナタが大声で呼べば、キョウは駆けつけてくれるかもしれない。
KP :
……けれど、そうなれば皆にキョウとの関係を目撃されてしまう。
KP :
その場合、これ以上、自分の素性を隠し通すコトは不可能になるだろう。
KP :
ハッキング能力を見せた時こそ追求されなかったが、
KP :
キョウに助けを求める、という選択はスパイとして致命的行動だ。
KP :
これまで皆を騙していたスパイなのだと、嘘が全てバレてしまう。
KP :
相棒の不破は「これからも傍にいていい」と言ってくれたけれど、
KP :
それは真実を知らないからこそ、出た言葉だったのかもしれない。
KP :
……ふと、不破の横顔が見える。
KP :
当然だがアナタの相棒も拳銃を向けられている。
KP :
……その引き金はいつ引かれてもおかしくない。
KP :
スコアあるいはオト。
KP :
アナタは選択しなければならない。
KP :
相棒達の死のリスクを受け入れ────このまま黙っているのか、
KP :
ドロ係の"スコア"を殺す覚悟で────仲間を救おうとするのか。
KP :
この選択に正解不正解はない。
KP :
選ぶのはアナタ自身だ。
スコア :
「…………」
スコア :
昔のわたしがこの状況に陥っていたとしたら、迷っていたのかもしれない。
スコア :
いや、逆に迷わなかったのかもしれない。
スコア :
わたしにとって大事なものは、スパローの皆だけ。
スコア :
スコアとはただ演じているだけの役に過ぎない。
スコア :
わたしは生まれた時からずっとオトで、最初からスコアなんてアンドロイドはいないのだ。
スコア :
……だけど、もう違う。
スコア :
ここまでスパイとして過ごしてきた、楽しくも辛かった日々が否定する。
スコア :
もうわたしはオトであり、スコアでもあるんだ。
スコア :
どちらかを殺すことなんて出来ない。
スコア :
わたしはオトとして、スコアとして、わたしの大切な人達とこれからも共に生きていく────!!
スコア :
「まったく……」
スコア :
「せっかく長話でもして、時間稼いでたっていうのに……」
スコア :
音波銃を赤星に向ける。
スコア :
「いつもあなたは鈍感なんだよ……」
スコア :
しかし、その銃にはセーフティがかかっていた。
スコア :
「だから、」
スコア :
音波銃を────拡声器を真上に掲げ、叫ぶ。
スコア :
「早く助けに来い!!!!キョウーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!」
スコア :
拡大、拡散された声が、郊外に響き渡った。
KP :
助けを求めて、叫び声を上げる。
KP :
しかし、無情に引き金は引かれ、
KP :
少女の願い事を掻き消す様に、周囲に乾いた銃声が響いた。
KP :
その瞬間。
KP :
────白い影が、アナタ達の目の前に落ちた。
KP :
突如として空から舞降りた何者かが、アナタ達を庇ったのだ。
??? :
「…………待たせたな」
KP :
白い外套を翼の様にはためかせ、降り注ぐ銃弾の雨粒を振り払う。
KP :
弾丸は勢いを殺され、パラパラと足下に転がる。
KP :
波紋が浮かぶ水溜まり。
KP :
……その中心に立っていたのは、この場の誰もが見知った人物だった。
キョウ :
「ケガはないか、オト」
KP :
キョウ。白瀬恭雅。
KP :
アナタ達と敵対関係にあるハズの、テロリストのリーダーだった。
スコア :
「うん……大丈夫」
スコア :
「でも遅いよ、キョウ。……ばかっ」 そう言って、小さく笑いかける。まるで、兄を慕う妹のように
キョウ :
「……それは悪かった、建物の上を駆け回るのは慣れていなくてな」少し申し訳なさそうに
キョウ :
「これからの働きで許して欲しい」ジャックナイフを構え
スコア :
「うん……うん!!」 頷く。もしも人間だったら、少し涙ぐんでいたのかもしれない
不破 栞 :
目を丸くして、息を呑む。
不破 栞 :
「白瀬、お前どうして……スコアも、なんで……」
不破 栞 :
その瞬間、今まで断片的に頭の中にあった情報が繋がる。
不破 栞 :
夜鷹係長に示唆されたスパイの存在。なぜスコアは青木のメンテナンスを拒否したのか。先ほどの警察VOIDをハッキングした場面。
不破 栞 :
「……はは、そういうことか」
不破 栞 :
本来なら腹のひとつも立てるべきかもしれないが、今の気持ちは違う。
不破 栞 :
まるで、ずっと読み進めてきた小説の伏線が回収されるような、胸がすくような感覚。
不破 栞 :
「起きるかもしれないな……万に一つが……!」 再びジャックナイフを構える
KP :
それでは相棒の不破さんがスコアちゃんの正体に気付いたので、
KP :
ここでスコアちゃん/オトちゃんの秘匿HOの一部を公開します
□スコア 秘匿HO
【HO4】型番・X000。
アナタは犯罪組織から送られてきたスパイロボットだ。
アナタの任務は、警察の情報を組織の本部へと送ることである。
≪ハッキング≫の初期値を80とする。
アナタはスパイとして忠実なロボットであるハズだが、
不破栞と過ごす内、任務に人間で言う"罪悪感"を覚えてしまった。
不破栞にスパイである事実がバレた場合は、アナタは1/1d6のSANチェックを受ける。
KP :
通常であれば1/1d6のSANチェックを行なってもらうところですが、
KP :
「これからも傍にいていい」と不破さんに言ってもらっているので、
KP :
SAN値減少量を少し軽くしましょう!
スコア :
やったー!!!!!!!
不破 栞 :
やったー!!!!!!!!
KP :
今の不破さんも正体に対して前向きな反応ですしね!
KP :
ということでスコアちゃん/オトちゃんは成功で0、失敗で1d4のSANチェックをどうぞ!
スコア :
了解…!
スコア :
CC<=47 SAN(1D100<=47) > 17 > 成功
スコア :
やりもうした
不破 栞 :
やったぜ!
スコア :
「…………!」
スコア :
────そうだ。
スコア :
最初から、恐れる必要なんてなかったんだ。
スコア :
不破栞は、初めて出会ったあの日からずっと変わらない。
スコア :
あの時、わたしを救ってくれた優しさを、握った手から感じた温もりを。
スコア :
わたしが心から信じて迷わなければ、それで良かったんだ────
スコア :
「うん……」
スコア :
「行きましょう、マスター!!」 目には見えない鎖から解放されたような、晴れ晴れとした笑顔でそう言った
不破 栞 :
「ああ……スコア、白瀬、背中は任せるぞ!」
ヤオ トモヤ :
「⁈ま、全くサッパリですけど…とにかく助太刀して下さるみたいなので!よろしくお願いします!」目を白黒させるものの すぐさま戦闘態勢に戻る
夜鷹 守人 :
「ど、どういう事か理解が追い付かないが……味方と言うことで良いんだな!?」
鳩が豆鉄砲を食らった表情を浮かべて、電子刀を構える
キョウ :
「……ああ」
キョウ :
「このコートの電磁障壁の防弾機能はもって一分、問答のヒマはない」背後の新人刑事二人に声をかけ
キョウ :
「一点突破で打破するぞ、いいな」
KP :
それができないほど衰えていないだろう?とかつての相棒を見る。
不破 栞 :
勿論、と目で答える。
赤星 透也 :
「…………キョウ、だと?」
KP :
ふいに轟音が路地裏に響き渡る。
KP :
まるでコンクリートに大穴でも開いたような……
KP :
否。アナタ達が目線をズラせば、本当に壁面に大穴が開いていた。
KP :
赤星はコンクリートを殴り付け、それを素手で破壊していたのだ。
スコア :
「……!?その力……」 壁が脆くなっていたのか、それとも……。驚愕した目で見る
夜鷹 守人 :
「なっ……前々から凄まじい身体能力だと思っていたが、ここまで来ると人間業じゃないぞ……!?」
ヤオ トモヤ :
「に、人間の枠超えてますよ!?!」目を剥いて エッ⁉︎エッ⁇と壁と赤星とを見る
不破 栞 :
「スコア……お前のトンデモ推理、あながち間違いじゃなかったかもしれないな」 冷や汗を掻きながら
スコア :
「いやいやまさか、あの時は推理っていう程じゃなくて、そうだったら違和感なんて覚えないのにな~ってちょっと思っただけで……」
スコア :
「……透也さん、あんたほんとに人間なの?」
赤星 透也 :
「…………」無言で電子刀を握る
スコア :
沈黙は肯定と受け取った。
スコア :
恐れることなく、ニヤリと笑う。
スコア :
アンドロイドならば、わたしの場合逆に勝機が増してくるんだから────。
キョウ :
「……ヤツは避けるべきだな、あの馬鹿力が当たったらひとたまりもない」
キョウ :
「有象無象のアンドロイド共を一気に落とし、道を開く」
スコア :
「ん、分かった……!」
夜鷹 守人 :
「あんな馬鹿力を見せられてはな……」
戦略を了承する
ヤオ トモヤ :
「で、ですね…了解!」抉れた外壁に目をやり、ぶるっと身震いする
不破 栞 :
「異存ない。やるぞ!」
42 VS.VOID警官
KP :
ではでは、これより戦闘処理を開始します!
KP :
今回の戦闘は特殊なので、まずは説明から!
KP :
1.この戦闘ではサードアイのダメージ軽減効果が使用できません
KP :
2.代わりにキョウが電磁障壁で守ってくれます
KP :
具体的には1ラウンドに2度まで、ダメージを無効化してくれます
KP :
3.この戦闘では赤星は攻撃対象のエネミーとしては参加しません
KP :
しかしラウンド終了時に斬撃を飛ばしてきます
KP :
PCの一人は≪回避≫または≪受け流し≫を行ない、
KP :
その判定に失敗した場合は1d10+1+1d6点のダメージを受けます
KP :
と即死もある大ダメージなのでKPとしては速攻撃破が推奨ですね!
スコア :
頼もしい情報と怖すぎる情報が一気に来ちゃった、了解!
KP :
では特殊ルールはこんなところ!
KP :
エネミーは、VOID警官が4体! 距離は20m!!
KP :
他にもVOID警官は8体いますが、
KP :
ひとまずVOID警官4体の撃破で、包囲網に穴を開けるコトが可能です
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.キョウ(DEX17)⇒ 2.ヤオトモヤ(DEX14)⇒3.VOID警官ABCD(DEX14)⇒4.不破栞・スコア(DEX12)⇒5.夜鷹守人(DEX4)⇒6.赤星透也(特殊)
KP :
なお青木とレミとデクは、残り8体のVOID警官の注意を逸らしている為、この戦闘には参加しません
KP :
それでは1ラウンド目をはじめていくのですが、
KP :
はじめにふわすこは≪アイデア≫または≪コンピュータ≫の判定をどうぞ!
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 30 > 成功
不破 栞 :
cc<=61 コンピュータが…使える!(1D100<=61) > 78 > 失敗
スコア :
セーフ!
不破 栞 :
助かった!
KP :
それではスコアちゃんはVOID警官を観察し、以下の情報を得る
KP :
VOID警官ABの二体は、ベースが旧型モデルだ。
KP :
警視庁のアンドロイド導入の初期にリボット社に提供された機体だろう。
KP :
セキュリティも古い為、X000のハッキングで強制シャットダウンできる。
スコア :
なるほどね~!それでふわすこ限定だった
KP :
そう!スコアちゃんのハッキング能力を知っているPCはふわすこだけですからね!
スコア :
了解了解!
スコア :
「あのVOID……」 警官VOID二体が旧型であることを見抜く
スコア :
「……みんな、先にあの二人を狙って。その方が勝率が上がると思う」
警官VOID・CとDを見ながら、小声でそう伝える。
スコア :
スコアがヘッドセットを下ろして首にかけているのを見れば────ハッキングの前動作を知っている栞とキョウは、彼女の意図が理解出来るだろう。
不破 栞 :
「……アレをやるのか。了解だ!」
キョウ :
「……そういうコトか、であれば」ジャックナイフを逆手持ちにする
夜鷹 守人 :
「何か考えがあるようだな……」
ヤオ トモヤ :
一つ頷いて「了解です!」
KP :
それでは最速のキョウの手番から!
KP :
ここでキョウの専用武器を公開します!
キョウ用武器
【ジャックナイフ改(射撃)】
[技能:拳銃][ダメージ:1d10+2][射程:20m][攻撃回数:2][耐久力:20]
【ジャックナイフ改(斬撃)】
[技能:ナイフ][ダメージ:2d6+2+DB][耐久力:20]
[解説]
オトが持ち帰るドロ係のデータから、ニトとリトが共同制作した小型銃剣。
不破の扱うジャックナイフと同じ性能だが、射撃する雷の弾の威力を高めてある。
ニト曰く「これが本来のスペック」らしい。
[特記事項]
至近のキャラクターがアナタに対して行なう攻撃に失敗した時、
アナタは相手に対してナイフを用いた反撃を行なう事ができる。
この反撃に命中判定と回避判定は不要である。 ダメージ算出だけを実行する事。
この効果は1ラウンドに1度まで使用できるが、これ以外の武器を装備している場合は使用できない。
KP :
そしてキョウはVOID警官の下に移動し、ジャックナイフ(射撃)でVOID警官Cを攻撃!
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)1発目(1D100<=80) > 76 > 成功
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)2発目(1D100<=80) > 71 > 成功
KP :
cc<=28 VOID警官回避1回目(1D100<=28) > 65 > 失敗
KP :
cc<=14 VOID警官回避2回目(1D100<=14) > 9 > 成功
KP :
1d10+2-2 装甲有効ダメージ(1D10+2-2) > 1[1]+2-2 > 1
KP :
この出目!!!!
system :
[ VOID警官 ] HP-C : 15 → 14
キョウ :
「しかし火薬臭くて敵わん、いつから警視庁はこう血の気が多くなった?」
KP :
────反撃の狼煙を上げたのはキョウだった。
KP :
電磁バリアで悠々と銃弾を躱し、刹那の内、VOID警官の懐に飛び込む。
KP :
VOID警官にジャックナイフの切っ先を向ける。
KP :
しかし、相手も最新モデルの警官アンドロイド。
KP :
そのまま黙って斬撃を受けるほど、甘くはない。
KP :
……アンドロイドの方が人間よりも膂力と体重は上。
KP :
抑え込む事は十分可能。そう判断したのだろう。
KP :
相手はキョウの行動を見越して、正面から迎え撃つ。
KP :
武器が使えなければ人間は無力。まずは武器を奪い取る事が定石。
KP :
ジャックナイフを握るキョウの手首を掴みに掛かる。
KP :
────キョウは身動ぎも取らずに、敵に易々と手首を掴まれた。
KP :
手首を掴まれた状態で、口元に薄く笑みを浮かべた。
キョウ :
「……だが、そうだな」
KP :
武器の対処にばかり演算能力を使っている相手に足払いを掛ける。
KP :
────体勢を崩したVOIDに、流れるように投げ技を繰り出す。
KP :
十年前までは、全国の警察官が必修だった柔術。その技の一つだ。
KP :
VOIDの体は宙を舞い、受け身さえ取れず地面に叩きつけられる。
KP :
……勢い良く水飛沫が飛び散る。
キョウ :
「新型も旧型も警官モデルの戦闘プログラムの動き方は変わらんか」
キョウ :
「武器を持った相手と対峙した時、武器以外への対処が疎かになる」
KP :
VOIDが転がる水溜まり。
KP :
それを見下ろし、呆れて呟いて、
KP :
キョウは相手の両腕の関節部に、ジャックナイフの銃口を向ける。
キョウ :
「……やはり柔軟性に欠けるな」
KP :
そして、連続でトリガーを引く。
KP :
────バチンと何かが弾ける音。
KP :
それはキョウが放った雷の弾が、VOID警官の両腕の関節にヒットした音だった。
KP :
しかし、その銃撃は大きなダメージにならなかった。
KP :
何故なら相手は最新モデル……、電撃防御コーティングが施されている。
キョウ :
「……堅牢さは立派なモノだ、さっさと寝ていれば良いものを」
KP :
それでは続いてトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
はぁい!トモヤもVOID警官の下に移動、電磁鞭でVOID警官Cを攻撃します。
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭/電気修理】(1D100<=75) > 91 > 失敗
ヤオ トモヤ :
⁇はい
ヤオ トモヤ :
――――一刻も早く終わらせる。
ヤオ トモヤ :
夜鷹さんに手を出させるつもりはない。
ヤオ トモヤ :
少し離れた場所にある赤星を、横目で睨みつけるようにして見た。
ヤオ トモヤ :
トモヤはいつになく険しい表情で電磁鞭を握りしめ、右手をVOID警官Cの機体めがけて大きく振るう。
ヤオ トモヤ :
しかし、当然だが手先というのは視線の方向に動いてしまうもの。電磁鞭は赤星が先程までいたところをブンと薙いだ。
ヤオ トモヤ :
「……チッ」
ヤオ トモヤ :
一歩下がって次の攻撃を狙う。
KP :
では反撃!VOID警官ABCDの手番!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,キョウ] Aの攻撃対象(choice[守人,トモヤ,不破,スコア,キョウ]) > キョウ
KP :
cc<=25 拳銃1発目(1D100<=25) > 65 > 失敗
KP :
cc<=25 拳銃2発目(1D100<=25) > 61 > 失敗
KP :
キョウに対する攻撃に失敗した為、ジャックナイフ改(斬撃)の効果が発動!
KP :
2d6+2+1d4-2 装甲有効ダメージ(2D6+2+1D4-2) > 2[1,1]+2+1[1]-2 > 3
KP :
見て見て、全ての出目が1だよ!
スコア :
ソードワールドかお前は!
KP :
SW2.0なら運命変転ください
スコア :
残念ながらCoCだったよ…
KP :
悲しいけど軽く演出!
system :
[ VOID警官 ] HP-A : 15 → 12
KP :
警官VOIDの最初のターゲットはキョウだった。
KP :
……黒い拳銃がキョウを捉える。
KP :
しかし、そのキョウの態度は冷静そのものだった。
KP :
電磁バリアを使う必要さえない。
KP :
自身に向いた銃口を、腕ごと外側に払うと同時、
KP :
ガラ空きの脇腹にジャックナイフの斬撃を叩き込む。
キョウ :
「悪いがオト達を守るので手一杯でな」
キョウ :
「……貴様らに気を遣うヨユウはない」
キョウ :
「今度から死にたい奴だけ掛かって来るがいい」
KP :
キョウは相手の腹部からジャックナイフを引き抜き、
KP :
その切っ先を向けながら吠えた。
KP :
そんなキョウに臆さないVOID警官Bの手番
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア](choice[守人,トモヤ,不破,スコア]) > 守人
KP :
cc<=25 拳銃1発目(1D100<=25) > 65 > 失敗
KP :
cc<=25 拳銃2発目(1D100<=25) > 98 > 失敗
KP :
失敗です!演出あればどうぞ!!
夜鷹 守人 :
はい!!
夜鷹 守人 :
サードアイは動作停止。
つまり今まで頼っていた弾道計算も、射線を可視化することさえできない。
夜鷹 守人 :
無防備同然の彼に、無慈悲にも引き金が引かれる。
夜鷹 守人 :
───しかし、警官Bの動きを"運良く"注視していた守人は射線上に立っていることに気づき、いち早く身を翻すことで弾丸から逃れることができた。
夜鷹 守人 :
「……っ! 命が幾つあっても足りないぞ……!」
KP :
立て続け、VOID警官C!
KP :
choice[トモヤ,不破,スコア](choice[トモヤ,不破,スコア]) > トモヤ
KP :
cc<=25 拳銃1発目(1D100<=25) > 91 > 失敗
KP :
cc<=25 拳銃2発目(1D100<=25) > 81 > 失敗
KP :
またも失敗!1/4は成功するハズですが!!
KP :
では演出あればどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
はい!それでは少し!
ヤオ トモヤ :
先程の失態に懲りてか、夜鷹に銃を向けたVOID だけでなく、自らに銃を向けたVOIDにも注意を払っていた。
ヤオ トモヤ :
キョウが彼の両の関節にかけた負荷もあり、難なく銃弾を避けることができた。すぐさま態勢を取り直し、攻撃の隙を伺う。
KP :
それでは最後、VOID警官D!意地を見せて!!
KP :
choice[不破,スコア](choice[不破,スコア]) > スコア
KP :
cc<=25 拳銃1発目(1D100<=25) > 58 > 失敗
KP :
cc<=25 拳銃2発目(1D100<=25) > 51 > 失敗
KP :
全弾はずした…!?
スコア :
ビルテロの方が強いぞ警察!!
KP :
ぐぬぬ…描写あればおねがいします…!
スコア :
演出は無しで!距離が離れてるのでろくに当たらず、スコアの脇に逸れて銃弾が飛んで行った感じで!
KP :
おけおけ!
KP :
それではエネミーの行動は終了して、ふわすこの手番になります!
スコア :
いつも通りふわすこのすこから行こか!
不破 栞 :
先行ってもろて!
スコア :
はーい、では前進して敵アンドロイド達に近付きつつ、ハッキングします!
スコア :
対象はBで!
KP :
HPが削れていないBの方、賢明な判断
KP :
それでは判定どうぞぞ
スコア :
成功して欲しい
スコア :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 21 > 成功
スコア :
成功した!!!
KP :
おお! ではVOID警官Bは強制シャットダウンします!! 一撃必殺!!
system :
[ VOID警官 ] HP-B : 15 → 0
スコア :
左手を前に翳す。
飛んでくる銃弾に対してゆっくりと歩いて向かいながら、起動の言葉を呟く。
スコア :
「X000,LOG IN」
スコア :
瞬間、青い双眸が妖しく煌いた。
スコア :
────この力を赤星達に見せるのは、少なからずリスクがある。
スコア :
次に戦いになった時、おそらく敵は新型アンドロイドを揃えて挑んで来ることだろう。
スコア :
これから先の戦いで不利になるかもしれない。
スコア :
だが、今この場を切り抜けなければわたし達に次なんて無い……!
スコア :
「DOMINATE UP」
スコア :
青い電流を纏った左手から、特殊電波が迸った。
スコア :
脆いセキュリティなど簡単に打ち破り、VOID警官に強制シャットダウンの命令を下す。
VOID警官 :
「────コマンド0813受諾、■R1■■、シャ■■■ウ■■■■」
KP :
その旧型VOID警官は、ノイズ交じりの音声を垂れ流し動かなくなった。
夜鷹 守人 :
「無力化!? スコア、お前……何を……」
ヤオ トモヤ :
「、っ⁉︎な、にがおこったんですか今?!」明らかにおかしい動作をして崩れ落ちた敵とスコアとを交互に見る
スコア :
「ハッキングしたの!!」 この状況で隠すことはもう意味が無い、はっきりと答える
スコア :
「あの程度のアンドロイドなら、わたしは強制的にシャットダウン出来る……!ちゃんと後で詳しく説明しますから!」 だから戦闘に集中して、と促す
ヤオ トモヤ :
「ハッ⁉︎え⁈」裏返った声で あとで聞かせてくださいね‼︎とやけくそに叫び、敵に向き直る
夜鷹 守人 :
「え、ええい! また聞くことが増えたな!!」
KP :
それではふわすこのふわの方! 手番おねがいします!!
不破 栞 :
いくぜ!接近してジャックナイフ(斬)でCを攻撃だ!
KP :
斬撃!判定どうぞ!!
不破 栞 :
cc<=50 当たってくれ~!(1D100<=50) > 38 > 成功
KP :
cc<=9 VOID警官回避3回目(1D100<=9) > 51 > 失敗
不破 栞 :
やったあ!
KP :
無事に命中! ダメージどうぞ!!
不破 栞 :
2d6+2(2D6+2) > 4[1,3]+2 > 6
KP :
装甲で2点軽減して4点を受けます!!
system :
[ VOID警官 ] HP-C : 14 → 10
不破 栞 :
もうちょい景気いいダメージが出てくれると嬉しいが…!
KP :
出目は仕方ないね…! 演出どうぞ!!
不破 栞 :
「回収するとかは考えなくていい……楽なもんだな。速攻で無力化する!」
不破 栞 :
銃弾を切り抜け、一気にVOID警官の懐に潜り込む。
不破 栞 :
いくらアンドロイドといえど銃撃の反動を完全に無視できるわけではない。体勢を立て直すまでのわずかな隙をついて、一気にジャックナイフを差し込む。
不破 栞 :
狙うは駆動系が集中している……関節部分! 腕力で劣るぶん、全体重をかけて貫く!
KP :
最新型VOID警官の右腕部は白瀬と不破、二人の連携により破壊された。
KP :
しかし、アンドロイドに"利き腕"という概念はない。
KP :
VOID警官は拳銃を左手に持ち替え、再びの狙いを定める。
KP :
そしてラスト! 守人くんの手番ですよ!!
夜鷹 守人 :
よっしゃー!Cに電子刀(一刀)で攻撃するぞ!!
KP :
安定の一刀! 判定をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=85 気絶まで持っていければ良い!!(1D100<=85) > 31 > 成功
KP :
cc<=7 VOID警官回避4回目(1D100<=7) > 92 > 失敗
夜鷹 守人 :
1d10+1 食らいなっ!!(1D10+1) > 10[10]+1 > 11
夜鷹 守人 :
最大値きちゃあああ
KP :
つよ!?!?!?!?!?
KP :
装甲で2点軽減しますが…残りHP1!自動気絶です!!
system :
[ VOID警官 ] HP-C : 10 → 1
夜鷹 守人 :
イエーイ!ちょいと演出!
夜鷹 守人 :
不破達が負荷を与え続けたアンドロイドの懐に、飛び込むように一歩踏み込む。
夜鷹 守人 :
そこから繰り出される下段からの斬撃。
下腹部から肩部まで深く鋭い一太刀が刻まれる。
夜鷹 守人 :
「……元は同僚だが、今は敵だ。 恨むなら裏にいるヤツを恨め」
KP :
元同僚のVOID警官は、悲鳴を残すヒマもなく逆袈裟に斬られた。
KP :
VOIDの身体はゆっくりと崩れ落ち……その後ろに赤星が見えた。
KP :
それでは1ラウンド目が終了! 赤星の攻撃が行われます!!
KP :
が、キョウのダメージ無効効果を一度も使用していないので、ここで余裕をもって使用する事ができます!!
スコア :
そうね!
スコア :
キョウ、頼めるか
KP :
任せろー\バリバリ/(電磁バリアの音)
スコア :
やめて!(やめないで)
KP :
ではでは赤星の斬撃とキョウの防御の演出!
赤星 透也 :
「────リミッター、カット」
KP :
赤星は深く腰を落とし、呟いた。
KP :
距離は約20m。完全なる間合いの外での居合の構え。
KP :
それにも関わらずアナタ達の背筋に悪寒が走る。
KP :
あまりに濃い死の気配。殺気。
KP :
……それが赤星の握る電子刀から放たれているのだ。
スコア :
「リミッター……!?」
不破 栞 :
「何をするつもりだ……!?」 防御姿勢を取る
夜鷹 守人 :
「あそこから斬るとでも……!?」
兄さんならやりかねない、肌から感じ取れる死の気配と経験がそう予感させる
ヤオ トモヤ :
「……ッなにか来ます!!」とっさに夜鷹の側へと駆け寄る
KP :
はあ、と赤星は一息だけ漏らし、
KP :
一閃。
KP :
赤星が遠くで電子刀を振るう。
KP :
キョウは咄嗟に白い外套を翻し、その電磁障壁で全員を覆い隠す。
KP :
────直後。アナタの背後のコンクリートの壁が、まるでバターの様に両断された。
KP :
数秒後、ゴトンと重たい音を立てて、斬れたコンクリートがズレ落ちる。
KP :
その斬撃は視認できなかった。
KP :
しかし、同じ電子刀を持つ夜鷹守人は理解する。
KP :
電子刀はグリップ部分のバッテリーを刀身にしている為にあらゆる長さに変形可能だ。
KP :
赤星は一瞬、その電子刀のブレード部分を拡張展開。
KP :
……20mもの距離を斬ったのだ。
夜鷹 守人 :
「一瞬の延長のみで、ここまで斬りますか……!」
兄から今まで感じたことのない畏怖を抱く
不破 栞 :
「そのマントがなかったら誰か死んでいたな……!」
不破 栞 :
「速攻で片づけなきゃ、本当に命がないぞ!」
キョウ :
「ああ、全く同感だ……ひとつの判断ミスが命取りになる……」
ヤオ トモヤ :
「殺すつもりで来てますよね」
「……っ全部終わったら、きっちり吐いてもらいますから!」
スコア :
「……大丈夫ですよ」 全てを防ぎきった電磁障壁を見て、ニヤリと笑う
スコア :
「確かに今のはとんでもない斬撃だったけど……問題無いでしょ?」
スコア :
「────うちには、世界を揺るがすマッドサイエンティストの科学力があるんだから!!!」
キョウ :
「……フッ、それも違いない」
スコア :
キョウに笑いかけて、再び身構える。その目には絶望も恐怖も無い。
赤星 透也 :
「……………………」笑い合う二人を無言で見詰める
KP :
強引な使用方法でバッテリーが切れたのだろう。
KP :
赤星は持っていた電子刀を捨て、
KP :
その懐から予備の電子刀のグリップを取り出す。
KP :
それでは2ラウンド目に入ります!
KP :
行動順は以下の通り
KP :
1.キョウ(DEX17)⇒ 2.ヤオトモヤ(DEX14)⇒3.VOID警官AD(DEX14)⇒4.不破栞・スコア(DEX12)⇒5.夜鷹守人(DEX4)⇒6.赤星透也(特殊)
KP :
最初はキョウの手番!ジャックナイフ(斬撃)でVOID警官Dを攻撃!!
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(斬撃)(1D100<=80) > 70 > 成功
KP :
cc<=28 VOID警官回避1回目(1D100<=28) > 15 > 成功
KP :
出目がめちゃめちゃいい
キョウ :
「ではマッドサイエンティストの装備を、もう一つ使うとしよう」
KP :
ジャックナイフの切っ先を向け、
キョウ :
「────スラスター・オン」
KP :
追加武装"スラスター"使用のキーワードを口にする。
KP :
本来は雷の弾に使用するエネルギーを、背部に付設した推進機構で放出。
KP :
斬撃を加速させる動力として流用する、ジャックナイフの応用技の一つ。
KP :
────その斬撃は流星めいた速度で放たれた。
KP :
しかし、その軌道は単純な直線。
KP :
最新モデルのVOIDは持ち前の演算能力を駆使し、
KP :
ギリギリで上半身を逸らす事で致命傷を避けた。
キョウ :
「……これを躱すのか、そろそろ俺の動作のクセが読まれたか?」首を回す
KP :
続きまして、トモヤくんの手番になります!
ヤオ トモヤ :
はい!キョウと同様、VOID警官Dに近づき電磁鞭で攻撃します!
KP :
判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭/電気修理】(1D100<=75) > 61 > 成功
KP :
cc<=14 VOID警官回避2回目(1D100<=14) > 21 > 失敗
KP :
キョウの攻撃がなければ避けてましたね! ダメージどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 4[3,1]+1[1] > 5
ヤオ トモヤ :
しょっぱい〜 スタンロールお願いします‼︎
KP :
まず装甲で2点軽減して3ダメージ受けます
system :
[ VOID警官 ] HP-D : 15 → 12
KP :
cc<=50 スタン判定(1D100<=50) > 97 > 失敗
KP :
おっと次の手番終了まで全判定に-20のペナルティ修正!!これで次から回避が自動失敗ですね!
KP :
それでは演出どうぞ!
ヤオ トモヤ :
ヤッター‼︎NICEスタン! はい!
ヤオ トモヤ :
真正面から相手を捉え、VOID警官に駆け寄った。勢いを殺さぬまま上半身を捻り電磁鞭を鋭く振るう。
ヤオ トモヤ :
細く伸びた影が彼の機体の上を走っている。
ヤオ トモヤ :
と思えば、もう既にそこへ光は落ちていた。
ヤオ トモヤ :
鞭が風を切った音と、硬質なプラスチックにヒビが入る音。浅く滲み出した青とが重なって広がる。
ヤオ トモヤ :
角度が浅くダメージは然程でもないようだが、これにより彼の動きはある程度制限されることだろう。次の機会を狙い、後ろに下がる。
KP :
それではエネミーの反撃!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,スコア,キョウ] A(choice[守人,トモヤ,不破,スコア,キョウ]) > スコア
KP :
cc<=25 拳銃1発目(1D100<=25) > 78 > 失敗
KP :
cc<=25 拳銃2発目(1D100<=25) > 39 > 失敗
KP :
本当に当たらないですね25%!?!?
スコア :
本当にね!ちょっとだけ避け演出
スコア :
「……っ!」
スコア :
向けられた銃口から弾丸が放たれるが、敵の照準が甘い。体を僅かに逸らすだけで回避できる。
スコア :
警官VOIDの動きを冷静に観察し、チャンスを伺う。わたしの役目は、このVOIDを停止させることだ。
KP :
続けてスタン状態のVOID警官D!
KP :
choice[守人,トモヤ,不破,キョウ](choice[守人,トモヤ,不破,キョウ]) > トモヤ
KP :
確実にカウンターなのだ
KP :
cc<=5 拳銃1発目(1D100<=5) > 77 > 失敗
KP :
cc<=5 拳銃2発目(1D100<=5) > 16 > 失敗
KP :
二発目はスタンがなかったら当たってましたね…
KP :
ですが失敗! 演出あればどうぞ!
ヤオ トモヤ :
はい‼︎
ヤオ トモヤ :
「……ブレている」
先程の損傷で他が狙えなかったのか、はたまた報復か。
どちらにせよVOID警官の向けた照準はわずかにブレており、身を翻すことですんでのところで避けられた。
KP :
それでは無力なエネミーの手番が終了し、ふわすこの手番に!!
スコア :
すこ行きます!Aにシャットダウン狙いでハッキング!
スコア :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 91 > 失敗
スコア :
え~
スコア :
ごめん!!
KP :
クリティカル振り直し権が、一度あるといえばある
スコア :
このラウンド皆無事だし、やめとこう!
KP :
おけおけ! では演出あればどうぞ!!
スコア :
「DOMINATE UP……!」
スコア :
今だ、と狙いをつけて左手を敵に翳す。
スコア :
だが、焦ってタイミングを計り損ねたのか、それとも仲間が一撃でやられて警戒度が上がっていたのか。
スコア :
警官VOIDに特殊電波を回避される。未だ機能停止には至っていない。
KP :
続けてふわすこのふわの方! 手番おねがいしますの!
不破 栞 :
ジャックナイフでDに斬撃いきましょ!
KP :
五分五分命中斬撃! ダメージをどうぞ!!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 18 > 成功
KP :
出目が強い
KP :
スタンで回避は自動失敗なのでダメージどうぞ!
不破 栞 :
2d6+2 今日はよく当たる(2D6+2) > 6[2,4]+2 > 8
KP :
装甲で2点軽減して6点!ちょうどHPの半分を失ったのでショックロール!!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 60 > 失敗
KP :
おっと気絶します!
system :
[ VOID警官 ] HP-D : 12 → 6
不破 栞 :
「大丈夫だ、スコア」
不破 栞 :
「私たちはチームで戦っている」 警官VOIDが弾丸を外した隙をついて、背中から不破が顔を見せる。
不破 栞 :
的確に制御信号を送っている元を背中から貫き、一撃で仕留める!
不破 栞 :
「ふう、珍しく上手くいったな……!」
スコア :
「……!でしたね……!」 ハッキングを回避され、表情に浮かんでいた焦りが消える。自分一人だけで戦っているわけではないのだと安心する。
不破 栞 :
「これが私なりのハッキングだ」
スコア :
「えぇ~?」 こんな状況だが、クスッと笑ってしまう
KP :
ふわすこの連携で撃破し、ラスト1体! 守人くんの手番!!
夜鷹 守人 :
クックック!Aに二刀流で締めてやりましょう!
夜鷹 守人 :
cc<=75 頼むぞ!!!(1D100<=75) > 61 > 成功
夜鷹 守人 :
よーっし!
KP :
cc<=28 VOID警官回避1回目(1D100<=28) > 6 > 成功
夜鷹 守人 :
ばーか!!
KP :
感情の振れ幅めっちゃ笑った
夜鷹 守人 :
も~!これだからビルテロ族は~!!
KP :
警官なのにテロリスト達と同じ扱い…(妥当)
KP :
では演出あればどうぞ!!
夜鷹 守人 :
おk!
夜鷹 守人 :
電子刀を二対番え、起動する。
それは赤星の凄まじい一太刀と対照的に、短刀を思わせる刃渡りに調整された。
夜鷹 守人 :
機動力を重視した、攻め手を増やす戦法。電子刀を逆手に持ち替えてアンドロイドに
飛び掛かる。
夜鷹 守人 :
だが、アンドロイドの急所を狙ったと思われる刃の嵐は演算によって避けられ、届くことはなかった。
夜鷹 守人 :
「……チッ、発想までは良かったと思ったんだが……」
KP :
それではラウンド終了時の赤星の手番…
KP :
ですがキョウのバリアがまたしても阻みますね!
スコア :
めちゃくちゃ助かる
不破 栞 :
お前がNo.1だ!
KP :
エネミーも残り一体なので、もう安心です…
KP :
赤星透也はターゲットの夜鷹守人から目を外し、再び深く腰を落とした。
赤星 透也 :
「────リミッター、カット」
KP :
目を閉じて刃を構えて演算する。
KP :
先程の居合は、広範囲の斬撃にした分だけ破壊力が分散していた。
KP :
……それでは電磁バリアでガードされてしまう。
KP :
この場で全員を撫で斬り、にしようと思っていたが、
KP :
それは不可能。赤星は確信する。
赤星 透也 :
「……だったらコレはどうだ?」目を開く
KP :
それならば作戦変更するだけだ。
KP :
破壊力重視の一点収束。
KP :
その一撃で先ず一人を仕留める。
KP :
相手は仲間を助ける為、自分の組織も裏切った連中。
KP :
……一人でも傷を負えば、負傷者を助け出す為に逃げない可能性も高い。
KP :
狙うのは確実に殺すべき、なおかつ後腐れのない者。
KP :
────X000。
KP :
光速で放たれる刺突。
KP :
ほぼ不可視の雷刃が、少女の機械の心臓に迫る。
KP :
……ここで倒れたらボディは赤星に確保される。
KP :
それは即ち『死』だ。
スコア :
「……!」
スコア :
殺気に突き刺されても、少女が怯むことは無い。
スコア :
その瞳にはやはり、恐怖も絶望も無い。
スコア :
口元に浮かべた笑みが示すのは、仲間への揺るぎない“信頼”だ。
キョウ :
「────オトッ!!」
KP :
キョウは少女の肩を抱き寄せ、その身を挺して庇った。
KP :
────電子刀と電磁バリア、矛と盾が再び激突する。
KP :
瞬間。ズドン!と雷が落ちた様な轟音が響いて。
KP :
全員の視界が白い閃光で染まる。
KP :
……眩んだ目を開ける。
KP :
そこには赤い火に包まれるキョウの姿があった。
KP :
厳密にはキョウの纏う外套が赤々と燃えていた。
KP :
あの電磁障壁が遂に破れたのだ。
スコア :
「キョウ……!いよいよそれも限界みたいね……」
キョウ :
「……ああ、今のでバッテリー切れだ」
キョウ :
「こうなっては制作したニトには文句を言われるかもな」まだ余裕があるかのように軽口を叩く
スコア :
「かもね!じゃ、一緒に文句言われてあげよっか!」 無事に帰れるという信頼のある言葉を返す
キョウ :
「……フッ、それは頼もしい事だ」
KP :
そう呟いてキョウは燃えた外套を脱いで持った。
KP :
これにて2ラウンド目も終了!
KP :
3ラウンド目に突入しますよ!
KP :
まずは最速のキョウの反撃!!
KP :
ジャックナイフ(射撃)でVOID警官Aを攻撃しますよ!
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)1発目(1D100<=80) > 59 > 成功
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)2発目(1D100<=80) > 15 > 成功
KP :
cc<=28 VOID警官回避1回目(1D100<=28) > 34 > 失敗
KP :
cc<=14 VOID警官回避2回目(1D100<=14) > 73 > 失敗
KP :
1d10+2-2 装甲有効ダメージ(1D10+2-2) > 8[8]+2-2 > 8
KP :
1d10+2-2 装甲有効ダメージ(1D10+2-2) > 1[1]+2-2 > 1
system :
[ VOID警官 ] HP-A : 12 → 3
KP :
一気にHPの半分以上を失ったのでショックロールを行いますの!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 45 > 成功
KP :
あと1点で自動気絶、というところで持ちこたえた…!?
KP :
ともあれ演出!
KP :
装備が壊れたテロリストにVOID警官の銃口が向く。
KP :
その様子を見て、キョウはハァと溜息をついた。
キョウ :
「物欲しそうな目で見るな、スパローは資金難なんだ」
キョウ :
「だが、どうしても、と言うのなら」
KP :
キョウは黒焦げの外套を放り投げ。
KP :
────VOID警官の頭部に被せ、その視界を塞いだ。
キョウ :
「コイツをくれてやる……!!」
KP :
ジャックナイフの銃口を突き付け、トリガーを引く。
KP :
無防備になった胸部に、零距離から銃弾を叩き込む。
KP :
VOID警官は受けた電撃の影響で、機械の心臓が機能不全に陥ったらしい。
KP :
システムの指示に反し、その場で膝をついてしまう。
キョウ :
「フ、ゥ……これで足りんか……」息を整え
KP :
そしてトモヤくんの手番! 決着をつけて!!
ヤオ トモヤ :
うおおお!void警官Aに電磁鞭で攻撃します!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭/電気修理】(1D100<=75) > 57 > 成功
KP :
cc<=9 VOID警官回避3回目(1D100<=9) > 98 > 失敗
ヤオ トモヤ :
いらないとは思いますがダメボ振りますね…
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 7[2,5]+3[3] > 10
KP :
オーバーキル! VOID警官Aは戦闘不能!!
KP :
これで今回の戦闘の目標だったVOID警官4体の撃破に成功! 戦闘終了です!!
KP :
演出どうぞ!
ヤオ トモヤ :
「いえ、おかげで終わりそうですよッ!」
ヤオ トモヤ :
よの音が出力されると同時、VOID警官に向けて振りかぶっていた腕を思い切り打ち下ろす。
ヤオ トモヤ :
一条の光が機体に落ちる、それは機能不全に陥った彼には到底避けようもないスピードだった。
ヤオ トモヤ :
砕けたプラスチックが散乱する。これで終わりだとはやる気持ちがのったのか、音を立てて崩れた残骸の下コンクリートが抉れていた。
キョウ :
「……フッ、警視庁の新型モデルも中々やるようだな」
KP :
笑みを漏らすキョウと対照的に、この状況に赤星は苛立っていた。
赤星 透也 :
「チッ、もういいッ…! おまえら、無理にでも物量で押し込めッ…!!」
赤星 透也 :
「動けなくなったところを俺が────」
キョウ :
「いいや、その策を取るには些か判断が遅い」
キョウ :
「……そろそろだ」
KP :
キキキキキキッ!!!!
KP :
突如、周囲に甲走った音が響き。
KP :
……ほぼ同時、いきなり警官アンドロイドの一体が壁に吹き飛ぶ。
ニト :
「し、死ぬかと思ったあ……」
KP :
そこにはバイクにしがみつく少年の姿があった。
KP :
彼がバイクで警官アンドロイドを轢いたらしい。
スコア :
「ニト!!」
ニト :
「オト…!迎えに来たよ…!!」
スコア :
「うん……!」 嬉しそうに頷く
キョウ :
「────積もる話は後だ…! 今の内に逃げるぞ…!」ニトの乗るバイクの運転席に滑り込む
KP :
赤星達の包囲網に穴が生まれた。
KP :
……ここがチャンスだ。
スコア :
「そうだね……!皆、行こう!!」
不破 栞 :
「子供……! こんな小さい子まで組織にいるのか」 バイクに乗り込む
夜鷹 守人 :
「…………ッ」
怒りに満ちる赤星の顔を一瞥して、逃走を図ろうとする
ヤオ トモヤ :
「、ッ‼︎はい!」赤星に視線を向けるも今はそれどころでない、振り切るようにしてバイクへと駆ける
スコア :
来た時と同じようにデクを栞との間に乗せて、後部座席に乗り込み、
スコア :
「最後に一言だけしっかり言わせてもらうね」 赤星の方に振り返り
スコア :
「今回の脱獄、わたし達の勝ちだから!!!」 べーっと舌を出して、勝ち誇るように笑った
赤星 透也 :
「…………まだ」
赤星 透也 :
「まだ終わってねえ……!!」
KP :
────アナタ達が赤星の脇を抜けようとする時。
KP :
またも赤星は電子刀を抜き放ち。
KP :
その斬撃でX000の首を狙った。
KP :
しかし、間一髪。それは紙一重でアンドロイドの首を焦がすに留まった。
スコア :
「……っ!!」 ヂッと首元の肌が焼ける
スコア :
だが、それだけ。それだけだ。気をしっかり持って、栞の背に掴まる。
不破 栞 :
「スコア、大丈夫か!?」 ただならぬ殺気を背中に感じながら
スコア :
「もちろん!!」 顔が見えない分、元気よく返事する
不破 栞 :
「よかった……今度こそ一気に振り切るぞ! 掴まってろ!」
スコア :
「はーい……!!」
ヤオ トモヤ :
「……ッ‼︎」無駄、無意味とわかってはいるものの、赤星を振り返りギッと睨む
KP :
路地裏を後にする際、みなさん≪目星≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 52 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 14 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 96 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=75(1D100<=75) > 35 > 成功
KP :
夜鷹守人、不破栞、X000。
KP :
アナタは赤星の傷付いた腕から青い液体が流れていると気が付く。
スコア :
「……やっぱりね」 ほぼ確信していたため、衝撃的ではあるものの驚きは少ない
不破 栞 :
「本当にVOIDだったとは……」 一瞬だけ確認して、呟く
夜鷹 守人 :
まさかとは思っていたが、信じたくなかったと悲痛な表情を浮かべる
夜鷹 守人 :
「どうして……っ」
ようやく絞り出された声には疑問と憎しみが入り混じっていた
ヤオ トモヤ :
「……」夜鷹のその悲痛な声に 胸の辺り、ある筈のない器官がギュッッッと引き絞られるような心地になる
43 バイクレース
KP :
かくしてアナタ達は人数差を覆し、包囲網を突破。
KP :
再び市街地をバイクで走り出す。
KP :
すっかり夕焼けの赤に染まった道路を疾走する。
KP :
……背後から夕闇が迫ってくる。
KP :
が、それだけではない。
KP :
……後方から、赤星と警官アンドロイドが二体。
KP :
まだ追ってきているのが見える。
不破 栞 :
「クソ、まだ振り切れないのか!?」 車の間をすり抜けていく
スコア :
「まーだ追ってきてますよ。飽きないなあ」
夜鷹 守人 :
「なんなんだ、一体……!」
取り巻く全てに吐き捨てる
ヤオ トモヤ :
「しつっこいですね……!諦めやしない!」
青木 玲斗 :
「こ、このままだと、またさっきみたいに追いつかれるんじゃ…!?」
スコア :
「でもさっきより数は少なくなってますよ。何とか出来ない?」 後ろを振り返りながら
レミ :
「ん~……増援が来る前に撒ければ~……」
青木 玲斗 :
「だけど俺達の知ってるルートは読まれて先回りを…………」
KP :
……そんな時。アナタ達の脇を小さな何かが掠めた。
KP :
飛行しているソレは『雀』を模したロボットだ。
スコア :
「あれ?これは……」
スコア :
「かわいい!!」 なにこれ~って見てる
夜鷹 守人 :
「言っている場合か!? 敵か、味方なのか!?」
ヤオ トモヤ :
「‼︎」「これ雀ですよ、Sparrow!味方の可能性、あります!!」
不破 栞 :
「スズメ……いや、ロボットか?」
雀型ロボット :
「……聞こえる?」
KP :
機械仕掛けの小鳥は、幼い女の子の声で話しだした。
雀型ロボット :
「どうやらアナタ達は色々と聞きたい事が山積みみたい、でもゆっくり談笑をしてるヒマはないし説明は後よ」
雀型ロボット :
「捕まりたくないなら、あたしの指示に従って」
スコア :
「リト!!大丈夫、聞こえてるよ!!」 誰の声かすぐに気付き、雀型ロボットに笑いかける
不破 栞 :
「お前の仲間か!?」
夜鷹 守人 :
「スパローの一員か……!」
スコア :
「そうですよ、ニトの双子の姉ですっ」
ニト :
「あ、ニトは僕の事ね!」バイクから身を乗り出し
ヤオ トモヤ :
「そういえばかなり小さい?!」ほんとに信頼できるんですか⁈と
不破 栞 :
「わかった、このままじゃ埒が明かない。君に賭けるぞ!」
スコア :
「リトのナビならきっと大丈夫。信じて従って!!」
雀型ロボット :
「賢明な判断に感謝するわ」
雀型ロボット :
「それじゃ軽く状況説明ね」
雀型ロボット :
「……このままこっちに来ると、追ってきてる奴等にスパローの場所がバレちゃう」
雀型ロボット :
「だからまずは追手を振り切る必要があるわ、あたしが道案内するからよく聞いて」
雀型ロボット :
「OK?」
雀型ロボット :
「……ああ、答えなくていいわよ聞いてないから」
雀型ロボット :
「だって他に選択肢、ないものね?」
スコア :
「リト、そうだけど言い方~」 リトの性格も分かってるので微笑ましく聞いてる
夜鷹 守人 :
「……従うのが最善だろうな」
ヤオ トモヤ :
「は、はい!よろしくお願いします!」タジっとなるも 大声で
KP :
それでは特殊戦闘『バイクレース』を開始します!
KP :
アナタ達は謎の少女の声に従い、追いかけてくる警官達を撒かなければなりません!!
KP :
バイクの運転で警官達を振り切るには、1ラウンドに1度、
KP :
代表者1人が≪運転:バイク≫または≪DEX×5≫による判定を行なって、合計3回の成功を収める必要があります。
KP :
NPC達はそれぞれ≪運転:バイク≫による判定を行なって、PC達のバイクに攻撃してきます。
KP :
判定に成功した場合、PC達のバイクは1d8点のダメージを受けます。
KP :
このダメージは"サードアイ"の効果などで軽減する事はできません。
KP :
PC達の乗るバイクの耐久値は20。これが0になった場合、バイクが転倒してPC全員が大ダメージを負います。
KP :
出目によっては即死レベルのダメージだと思って下さい。
KP :
また運転を行なわないPC達は≪戦闘技能≫の判定に成功する事で、NPCの攻撃からバイクを守る事が可能です。
KP :
この≪戦闘技能≫の判定は、各PCが1ラウンドに1度まで可能です(運転を行なうPCを除く)
KP :
とルール説明は以上!
スコア :
なるほどね!DEXならトモヤくんに任せようか
ヤオ トモヤ :
はい、任されました‼︎頼んだぞ🎲!
KP :
では運転代表者はトモヤくん!他のPC達はバイクの防衛に回るカンジに!!
KP :
エネミーは赤星透也とVOID警官が二体!
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.赤星(DEX17)⇒トモヤ(DEX14)⇒2.VOID警官EF(DEX14)
KP :
それではバイクレースを開始します!!
KP :
まずは最速の赤星がバイクで体当たり攻撃!
KP :
cc<=80 赤星の運転(バイク)(1D100<=80) > 68 > 成功
KP :
運転代表者のトモヤくん以外のPCは≪任意の戦闘技能≫の判定を行い、この攻撃からバイクを守る事ができます!
夜鷹 守人 :
ではでは、《電子刀》で対抗しよう!
KP :
兄弟対決! では判定どぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=85 ブォンブォン(1D100<=85) > 22 > 成功
夜鷹 守人 :
よしよし
KP :
流石! では演出あればどうぞ!!
夜鷹 守人 :
おk!赤星兄さんは電子刀で切りかかって来る感じかな?
KP :
そうですね!アナタ達のバイクに自分のバイクを寄せ、電子刀で切りかかる!!
夜鷹 守人 :
ほい!ではその前提で……
夜鷹 守人 :
流星が尾を引くかの如く振りかかる赤星の電子刀。
彼の一太刀がバイクに浴びせられれば、逃走は困難を極めるだろう。
夜鷹 守人 :
「───ッ、はあっ!!」
夜鷹 守人 :
振りかかる火の粉を払うように、守人は横薙ぎに電子刀を振るい。その斬撃の軌道をバイクから逸らせてみせた。
夜鷹 守人 :
「俺に……俺達に、近づかないでください……! アンドロイドが……ッ!!」
赤星 透也 :
「…………ッ!!」
KP :
赤星はギリと奥歯を噛みしめる。
KP :
それは"計画が思うよう進まない"そんな焦りから来る行動だろう、恐らく。
夜鷹 守人 :
今までの兄さんはいない。たった今見せた表情から、以前から胸の奥で蟠っている感情を押し上げさせる。
夜鷹 守人 :
「次は弾くだけじゃ、済みませんよ……!」
赤星 透也 :
「……………………」
KP :
赤星は青年の言葉に反応を返さず、ただ強く電子刀のグリップを握った。
KP :
それでは運転代表者のトモヤくんの手番!
ヤオ トモヤ :
よし、振ります‼︎
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【dex×5】(1D100<=70) > 78 > 失敗
ヤオ トモヤ :
私はナメクジ
KP :
惜しくも失敗…!これは痛い…!!
ヤオ トモヤ :
申し訳ない、持ち堪えて…くれ!
KP :
それではRPあればどうぞ!
ヤオ トモヤ :
了解、これは代表者1人なのでえーと囮みたいになるのかな……ちょっとやらせてもらいますね!
ヤオ トモヤ :
走行中持ち前の体幹を駆使し、夜鷹からハンドルを変わったヤオだったが運転技術は搭載されていない。
ヤオ トモヤ :
ネットに繋ぎ運転知識の収集、動作のシミュレーション、手元の操作を同時に行いどうにか追手を振り払おうと試みる。
ヤオ トモヤ :
理論上は可能と演算は告げるものの、未経験故かもしくは特異な状況故か。そううまくはいかなかった。振り切れる機会を伺いつつ走行を続ける。
KP :
そんなトモヤ君に迫り来るVOID警官EFの手番!
KP :
cc<=50 VOID警官Eの運転(バイク)(1D100<=50) > 84 > 失敗
KP :
cc<=50 VOID警官Fの運転(バイク)(1D100<=50) > 16 > 成功
KP :
警官Fの判定だけ成功! まだ動けるのはふわすこだけですね!
不破 栞 :
拳銃で阻止だ!
不破 栞 :
cc<=80 いけー!!(1D100<=80) > 56 > 成功
KP :
ガードに成功!演出あればどうぞ!!
不破 栞 :
急接近する敵バイクを確認すると、片手ですばやくジャックナイフを抜く。
不破 栞 :
「やらせるか!!」 そのままバックミラー越しに射撃。バイクをけん制して接近を阻む!
KP :
VOID警官達は、不破の銃撃に怯んで速度を落とす。
KP :
それでは2ラウンド目!
KP :
赤星の手番!
KP :
cc<=80 赤星の運転(バイク)(1D100<=80) > 65 > 成功
KP :
ガードあれば判定どうぞ!
スコア :
技能値一番高いし、最初は守人くんに頼むわ!
夜鷹 守人 :
了解!再びイクゼ!
夜鷹 守人 :
cc<=85 どっこいしょー!(1D100<=85) > 46 > 成功
KP :
安定の成功!描写あればどうぞ!!
夜鷹 守人 :
では軽く!
夜鷹 守人 :
守人は再び接近する赤星のバイクに気づく。
迫るバイクの前を塞ぐように電子刀を振り下ろし、進路を妨害する
夜鷹 守人 :
「(何故ここまで追う……!)」
切先を赤星に向けながら警戒を崩さない
赤星 透也 :
「…………」
KP :
そんな守人くんの相棒の手番!
KP :
一度、失敗したので+10%のボーナス修正を受けた状態で判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
ありがとうございます!!!💪😭やったる!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【dex×5+10】(1D100<=80) > 56 > 成功
KP :
今度は無事に成功!これでバイクレースの進行度は1/3になります!
ヤオ トモヤ :
操作の要領を掴んできたのか、バイクは右に左になめらかに動き赤星のバイクを大きく引き離す。
KP :
そんなトモヤくんを両脇から追随するVOID警官のバイク達!
KP :
cc<=50 VOID警官Eの運転(バイク)(1D100<=50) > 4 > 成功
KP :
cc<=50 VOID警官Fの運転(バイク)(1D100<=50) > 26 > 成功
KP :
このラウンドは全員の判定が成功ですね…!
KP :
ふわすこ、ガードの判定をおねがいします!!
スコア :
戦闘技能ってことだったけど、バイクなら機械だしハッキングでもいけます?
KP :
いけます…!なんなら特効が入るくらいですね…?
スコア :
マ!?
KP :
それでは≪ハッキング≫の判定でガードする場合、+10%のボーナス修正を受けて下さい!
スコア :
やったー!!
スコア :
嬉しすぎ、じゃあEわたし行くわ!
スコア :
CC<=90 ハッキング(1D100<=90) > 84 > 成功
スコア :
10%無かったら死んでた
KP :
ホントじゃん…これも運…
KP :
ふわすこの演出は同時の方が良さそうかな!
KP :
不破さんもガードの判定をどうぞ!
不破 栞 :
よしきた
不破 栞 :
cc<=80(1D100<=80) > 89 > 失敗
KP :
出目が高い…!
不破 栞 :
ダメだ~!
KP :
それではダメージ!!
KP :
1d8(1D8) > 7
KP :
めっちゃデカい!?!?!?
スコア :
殺意の塊
system :
[ バイク ] HP : 20 → 13
不破 栞 :
「く……!」 先ほどと同じように接近してくるバイクを銃で牽制する……が、車体が揺れて狙いが定まらない。
不破 栞 :
「すまん、しくじった!!」 銃撃は明後日の方向に跳んでいく……!
スコア :
「大丈夫、これくらいならまだいけるはず……!」
スコア :
バイクの耐久力を信じ、もう片方の接近してくる敵のバイクに片手を向ける。
スコア :
「X000,LOG IN」
スコア :
このハッキング能力の対象はアンドロイドだけじゃない。
スコア :
わたしはこの世の機械全てを支配出来るのだから。
スコア :
「REMOTE CONTROL!」
スコア :
特殊電波を敵のバイクにぶつける。
スコア :
一時的に操縦権を奪い取ると、バイクのハンドルを反対方向に切り、急カーブして遠ざけさせた。
KP :
一方のVOID警官のバイクをハッキングで逸らす。
KP :
しかし、もう片方のバイクの攻撃の妨害には失敗。
KP :
BR800の乗るバイクは痛烈なタックルを見舞われ、大きく体勢を崩した。
ヤオ トモヤ :
「ッすみません、夜鷹さん‼︎」不破の言葉から予想していたのか、直ぐに切り返して不安定な軌道を立て直す
夜鷹 守人 :
「ッ、今は運転に集中するんだ!」
揺れる体幹を立て直す
KP :
それでは3ラウンド目!
KP :
まずは赤星の手番
KP :
cc<=80 赤星の運転(バイク)(1D100<=80) > 2 > 成功
KP :
死ぬほど出目がいい
KP :
それではガードおねがいします!
スコア :
わたしの方が技能値高くなったし、初手はわたしいこっか!
夜鷹 守人 :
れっつごー!
不破 栞 :
頼んだ!
ヤオ トモヤ :
よろしくです!!
スコア :
じゃあハッキングで!
スコア :
CC<=90 ハッキング(1D100<=90) > 25 > 成功
KP :
赤星からヘイトを集める成功!では演出あればどうぞ!!
スコア :
どこまでヘイトを高められるかワクワクしてきたね
スコア :
「────止まれよ、赤星」
スコア :
冷たい笑みを浮かべ、特殊電波を赤星のバイクに叩きつける。
スコア :
バイクの制御を一瞬奪い取り、急ブレーキをかけさせた。
スコア :
突然停止した反動で赤星透也が吹っ飛びそうになってもおかまいなしだ。アンドロイドだというのなら、死にはしないだろう?
赤星 透也 :
「クソ、がッ……!!」
KP :
苦し紛れ、赤星は電子刀を投擲。
KP :
けれども最高時速300キロで走行しているバイクに当てるのは至難の業だ。
KP :
雷の刃は旧型アンドロイドの脇を掠めて、道路に刺さる。
スコア :
「距離がすぐに開かなければな……ずっと支配してあげれるのに」 遠ざかる赤星にくすっと小さく笑って、前に向き直る
KP :
DX3rdだったら暴走状態でしょスコアちゃん
KP :
続けてトモヤくん!運転の判定をどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【オラッ成功しろ‼︎】(1D100<=70) > 76 > 失敗
KP :
し、失敗…! なんで、出目が…!! 出目が…!!!!
ヤオ トモヤ :
なんででもないんですねえ…おかしい、いやおかしくない……😭
ヤオ トモヤ :
右に左にハンドルを駆使していたトモヤだったが、当然車道には一般人もいる。
ヤオ トモヤ :
ただごとではない雰囲気から萎縮していた彼らも痺れを切らしたのか、背後からプップーーー‼︎とクラクションを鳴らされてしまった。
ヤオ トモヤ :
速度が落ちてしまい、皆が作ってくれた追手との距離もどんどんと縮められていく。
KP :
これ幸いとVOID警官が再び追い縋る。
KP :
ということで二体の判定!
KP :
cc<=50 VOID警官Eの運転(バイク)(1D100<=50) > 35 > 成功
KP :
cc<=50 VOID警官Fの運転(バイク)(1D100<=50) > 25 > 成功
KP :
相手の出目がいい…!
KP :
それでは守人くんと不破さん、ガードをおねがいします!!
不破 栞 :
銃で妨害しよう
夜鷹 守人 :
電子刀弾き祭りいきます!!
不破 栞 :
cc<=80(1D100<=80) > 60 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=85 えーい!(1D100<=85) > 92 > 失敗
夜鷹 守人 :
ぎゃああ!!
KP :
1d8 ダメージ(1D8) > 8
KP :
おいおい
夜鷹 守人 :
いやああああ
system :
[ バイク ] HP : 13 → 5
夜鷹 守人 :
赤星に注視していたのか、視界外から迫る警官に気づくのが遅れて防御を怠ってしまう。もろに妨害を受けたバイクは大きく揺れるだろう。
KP :
……バイクが黒煙を噴きだした。
KP :
あと一発、耐えられるかどうか。
KP :
というところで4ラウンド目!!
KP :
赤星の手番!
KP :
cc<=80 赤星の運転(バイク)(1D100<=80) > 65 > 成功
KP :
ガードを……おねがいします
スコア :
ハッキングします…!
スコア :
CC<=90 ハッキング(1D100<=90) > 60 > 成功
スコア :
セーフ…
KP :
心臓がドキドキするよ~……
スコア :
演出してる余裕もなくなってきたから、ハッキングでバイクを横に揺らしまくって妨害!以上で!
KP :
それでは運命のトモヤくんの手番…!
KP :
一度、失敗したので+10%のボーナス修正を受けた状態で判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【dexロール】(1D100<=80) > 4 > 成功
KP :
今度は無事に成功!これでバイクレースの進行度は2/3になります!
ヤオ トモヤ :
怖すぎるッッ!手短に左右にはハンドル切らず、アクセルベタ踏みでいきます。夜鷹さんつかまっててくださいね。
KP :
マックススピードで引き離す、が通じるかな! VOID警官達の手番!!
KP :
cc<=50 VOID警官Eの運転(バイク)(1D100<=50) > 22 > 成功
KP :
cc<=50 VOID警官Fの運転(バイク)(1D100<=50) > 61 > 失敗
KP :
漸く失敗した!?では不破さんか守人くんはガードおねがいします!!
不破 栞 :
ではこちらからやろうかな
不破 栞 :
cc<=80(1D100<=80) > 42 > 成功
不破 栞 :
「お前らがその気なら、こっちも容赦しない……!!」
不破 栞 :
追走するバイクを運転するVOIDの頭を最大出力で狙う!
不破 栞 :
頭部のギリギリ数センチ横を銃撃が通過し、バイクは減速を余儀なくされる!
KP :
それでは皆の奮闘で迎えた5ラウンド目! 運命のターン!!
KP :
例によって赤星の攻撃から
KP :
cc<=80 赤星の運転(バイク)(1D100<=80) > 23 > 成功
KP :
赤星、全判定に成功している…!
KP :
ガードをおねがいします!!
スコア :
ハッキングで!
スコア :
CC<=90 ハッキング(1D100<=90) > 21 > 成功
スコア :
よし
スコア :
「LIMITER CUT」
スコア :
ハッキングにより、赤星のバイクの限界を超えさせる。
スコア :
アクセル全開の暴走状態。強制的に加速させ、時速300Kmを遥かに超えるスピードでわたし達のバイクを追い抜かせる!!
赤星 透也 :
「ぐッ……!」
KP :
……擦れ違い様に、電子刀を抜くが間に合わず。
KP :
赤星はマシンの制御に気を取られている。
KP :
そして、最後の運転判定!!トモヤくんの手番をおねがいします!!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【dexロール】(1D100<=70) > 42 > 成功
KP :
最高
ヤオ トモヤ :
長かった…!よかった!!!!!!
KP :
これでバイクレースの進行度は3/3!
KP :
アナタ達の完全勝利です!
スコア :
っよっしゃあああ!!!!
夜鷹 守人 :
ぶっちぎったぜー!!
不破 栞 :
逃げ切ったぞーー!!
ヤオ トモヤ :
過去最高に怖かった…!!!
KP :
それでは演出があればどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
背後から躍り出て爆走したまま小さくなっていく赤星の背中を見て、ベタ踏みしていたアクセルから足を離す。
ヤオ トモヤ :
残りの追手とも随分距離を開けることができた。司令塔と遠く離れた今、振り切るのはここしかないだろう。
ヤオ トモヤ :
「リトさん、この後はどうすれば?」
雀型ロボット :
「今から言う裏道を使って頂戴」
雀型ロボット :
「地図に載ってないルートなら、相手も分析できないハズよ」
ヤオ トモヤ :
「ッ了解!」夜鷹さん、あと少しの辛抱ですよ‼︎と背後の夜鷹を励ます
夜鷹 守人 :
「漸く…一息、つけそうか……っ」
乗り物酔いが回ってきたのか、頭を押さえて
スコア :
「よーし!レッツゴー逃走!!」 ハッキングしまくってバイクをおもちゃにして気分がハイになってるのか、笑顔で高らかに拳を上げてる
不破 栞 :
「スコア! はしゃぎすぎて落ちるなよ……!」 すいすいと迷いなく裏道へ突入していく。
スコア :
「はーい!」 再びちゃんと両腕でしがみつく
ヤオ トモヤ :
そんな息も絶え絶えの様子から、心なし丁寧に走行する
KP :
アナタ達は少女のナビ通りにバイクを走らせる。
KP :
複雑な裏道を駆け抜け、窮屈な小道を通り抜け。
KP :
そして、赤星達との距離は着実に離れていった。
KP :
……追手を完全に撒いた頃には、あたりはもうすっかり暗くなっていた。
KP :
四条の光の尾を引いて、市街を流星のように翔ける。
44 新生スパロー
KP :
やがて、アナタ達は都心を離れた貧民街に辿り着く。
KP :
ここは殆ど警察の手も及ばない。
KP :
アンドロイドのせいで仕事を失った流れ者が住まう治安が悪いエリアだ。
青木 玲斗 :
「さ、さっきまでは生きた心地がしませんでしたけど、ここも別の意味で……」
青木 玲斗 :
「うっ、吐きそう…………」
レミ :
「あらあら~……ちょっと飛ばしすぎたかしら~……」後部座席の青木を気にする
不破 栞 :
「10回くらい死んだかと思ったよ……このあたりにアジトがあるのか」
スコア :
「そんな嫌な場所ですかねえ……。アジトはここの地下ですよ」 見慣れた場所なので何とも思わない
不破 栞 :
「本庁にいるとなかなかこのあたりまで来る機会はないから、仕方ないかもな」
夜鷹 守人 :
「うえっ……あ、頭がクラクラ……する……」
カーチェイスで完全にやられた守人が頭を回している
ヤオ トモヤ :
「着いたら休ませてもらった方がいいかもですね……」苦笑しつつ
ヤオ トモヤ :
「……」失業者と思わしき人々を横目に進んでいく
KP :
スラム街の路地裏に入った所で、キョウは一息つきエンジンを停止した。
KP :
道の端にバイクを停め、ビニールカバーで覆い隠す。
キョウ :
「……ここだ、漸く着いたな」
KP :
そしてキョウは足下に転がる大きな木の板を蹴った。
KP :
その下には大きな窪みが、地下シェルターのような鉄扉があった。
スコア :
「帰ってきましたね」 バイクから降りる
夜鷹 守人 :
「まさか俺達が匿われることになるとは……」
ヨタヨタとバイクから降りる
不破 栞 :
「なるほど……こんなところにあったのか」 同じようにバイクを止め、鉄扉を覗く
ヤオ トモヤ :
「まさかの連続ですよね!」
バイクを止め、ビニールカバーをかける
スコア :
「そうですよー。早く入りましょっ」 同じくバイクにカバーをかけて隠しながら
ニト :
「それじゃ入口のロックを解除してリト!」
雀型ロボット :
『分かったわ、ドアから少し離れて』
KP :
カシャ、と鍵が開く音。
KP :
……そして、自動でスパロー入口の鉄扉は開く。
KP :
そこには地下に続く階段があった。
スコア :
「誰か見ては……いないよね」 周りを念のために確認してから階段を降りようか
不破 栞 :
「このあたりをちゃんと見るような警官がいたら世の中もっとマシなんだがな……」
ヤオ トモヤ :
「夜鷹さん、辛いようでしたら杖代わりに使ってくださいね!」夜鷹の一歩手前を降りていく
夜鷹 守人 :
「俺は老人じゃないんだぞ……」
軽い毒を吐くぐらいの調子を取り戻したようだ
同日/PM06:00/天気:晴れ/スパロー本部
KP :
暗い階段を降り、長い廊下を歩く。
KP :
どこまで行ってもコンクリート。
KP :
あるのは天井の電灯くらいのモノ。
KP :
キョウの心象を写した様に廃墟めいて殺風景だ。
KP :
────やがて、アナタ達は開けた場所に出る。
KP :
周囲を見渡せば、そこには無数のアンドロイド達が暮らしていた。
KP :
おそらくは皆が変異体なのだろう。
KP :
この地下に住むアンドロイド達は、地上のアンドロイドと違った。
KP :
それぞれ表情が豊かで、よくよく見なければ人間と見間違うほど。
KP :
その数は見える範囲だけで数十体に及んでいる。
KP :
……この分だと、全体では百体を超えているだろう。
不破 栞 :
「すごい数のアンドロイドだ……彼らも仲間なのか?」
スコア :
「そうですよー。皆ここで暮らしてます」
不破 栞 :
「白瀬の組織、噂じゃアンドロイド破壊事件に関わる犯罪組織ってことだったが……」
不破 栞 :
「実際は行き場のないアンドロイドを匿っているのか?」
スコア :
「そうですよ、犯罪組織なんかじゃありません!」
スコア :
「あ、いや法に触れることはちょっとしてるけど……抜き取ったスタックだって、調べた後はちゃんと元に戻してるんですよ」
不破 栞 :
「そういうことだったのか……」
不破 栞 :
「こうして入ってみないと実態はわからないものだな」
ヤオ トモヤ :
「……?失礼、この前のあれもわざわざ抜き取りにきてたってことですか?」
ニト :
「ん?この前のアレって?」
スコア :
「一週間くらい前、わたし達が鉢合わせた時のことじゃない?」
ヤオ トモヤ :
「それです!爆発したビルに隣接してた、……褐色のVOIDとのことですね!」
リト :
「────アレは変異体の目撃情報があったから保護しに向かっただけよ」
KP :
奥の方で先程まで聞いていた女の子の声がする。
KP :
────そこには見知らぬツインテールの女の子が、
KP :
ブルーブラッドの空き箱の上にちょこんと座り、
KP :
足を組みながらアナタ達を待っていた。
スコア :
「リト!ただいま」 笑顔で駆け寄りにいく
リト :
「……ん、おかえりオト」
キョウ :
「待たせたなリト、先程は助かった」
KP :
そう言ってキョウは少女の頭を撫でた。
KP :
それに少女は不満そうな表情を浮かべる。
KP :
……だが、別に抵抗する訳でもなく撫でられている。
キョウ :
「さて情報共有は構わないが、まずは自己紹介が先決だろう」十分に時間もあることだしな、と少女から手を放して
キョウ :
「……まあ、俺の事はわざわざ紹介しなくとも知っているだろうがな」
スコア :
「有名人だもんね……悪い意味で」
キョウ :
「……しかし、ここで名乗らん理由もないか」
キョウ :
「一応、手短に自己紹介するぞ」
キョウ :
「俺はキョウ、この地下組織"スパロー"のリーダーだ」
キョウ :
「────ようこそ、スパローへ」
キョウ :
「俺達はドロ係の諸君を歓迎する」
不破 栞 :
「ああ……遅くなったが、10年ぶりだな」
不破 栞 :
「また世話にならせて貰うよ。キョウ……とここでは呼んだほうがいいか?」
キョウ :
「どちらでも構わんさ、おまえの好きに呼ぶといい」
キョウ :
「10年ぶりの再会の場所にしては、あまりに色気のない場所への招待……その詫びとしてでもな」肩を竦め
不破 栞 :
「いや、今の私たちには十分すぎるくらいだよ。白瀬」
キョウ :
「そうか? それなら良かった」
キョウ :
「これからディナーに味気も食感もない保存食(ペースト)を出されても文句はなさそうか」
不破 栞 :
「苦労してるな……まあ、食べるものがあるだけマシか」
ヤオ トモヤ :
「……(この様子からして、キョウは白瀬恭雅で間違いなさそうだ)」戸惑いはあるものの 黙って聞いている
スコア :
「……二人共、久しぶりのちゃんとした再会だけど仲良さそうで良かった」
スコア :
「流石、元相棒関係って感じ」
不破 栞 :
「ああ……まあ、別に私からはいがみ合う理由とかもないからな」
不破 栞 :
「もう会ってない期間のほうが長いからちゃんと話せるかは少し心配だったが」
キョウ :
「俺の方は"久しぶり"という感覚でもないからだろう」
キョウ :
「オト……いや、おまえ達はスコアと呼んでいるんだったか」
キョウ :
「呼び方はともかく、不破の動向は一年前からオトに報告を受けていたからな」
スコア :
「あ、それもそっか」
不破 栞 :
「そうか、ずっと報告していたんだな……」
不破 栞 :
「ドロ係の情報が筒抜けなのも当然というわけだ」
スコア :
「……そうなんです。わたしはここで目覚めて、警察にスパイとして潜り込んでいましたから」
スコア :
「本当は、ずっと申し訳なく思ってたんです。キョウ達のためとはいえ、マスター達を騙し続けていて……」 スパローにも隠していた本音を漏らして
スコア :
「でも、もうそこについて謝るつもりはありません」
スコア :
「わたしがいたから、結果的に皆を助けられたんですから!」
スコア :
そうでしょ?と笑いかける。きっと今日のために、わたしはスパイを続けていたのだ。
不破 栞 :
「ははは……違いないな」
夜鷹 守人 :
「…………ああ」
落ち着きがなさそうに、額に冷や汗を浮かべて周囲の様子を伺いながら話を聞いている
ヤオ トモヤ :
「……あの、すみません。お話の最中すまないのですが、話がてら会議室かなにかに場所を移してもらうことってできますか?」
ヤオ トモヤ :
「ちょっと、深く聞くとなると皆さんも他の方の目や耳が気になるんじゃないかなって……」隣の夜鷹の様子を伺う
リト :
「……ああ、成程、そういうコト」察して
リト :
「それじゃ会議室なんて立派なモノはないけど、空き部屋があるから、そこでよければ行きましょうか」
不破 栞 :
「? ああ、了解だ」
スコア :
「別にわたしは他の人の目とか気にならないけど。じゃあそっちで」 皆知り合いだし、と思いながらも頷く
夜鷹 守人 :
「そうしてくれると、助かる……」
額の汗を拭って
ヤオ トモヤ :
「ありがとうございます!行きましょう」
スコア :
じゃあ、空き部屋に移動します
夜鷹 守人 :
GOGO
KP :
アナタ達はリトに導かれ、閑散とした空室に通された。
KP :
イス以外のモノはない。ここなら十分に落ちついて話せるだろう。
スコア :
「さて、と。自己紹介の続きでしたっけ?」 椅子に座って
キョウ :
「そうだな、それではニト……」
KP :
「自己紹介を」とリーダーが促す前に、ニトは椅子の上で立ちあがった。
ニト :
「僕の名前はニト!おまえ達の命の恩人だ!!」
ニト :
「近い将来、世界を揺るがすマッドサイエンティストだから、今の内に入信?しておいた方がいいぞ!!」
ニト :
「────さあ、僕を崇めるがいい!!」
KP :
ニトと名乗った少年は椅子の上でシュバッとポーズを決めている。
スコア :
「う~ん、いつも以上に調子乗ってるなあ」
スコア :
「命の恩人っていうのはその通りだけどね」
不破 栞 :
「この子は何者なんだ……?」 面食らってる
夜鷹 守人 :
「……思春期に陥る多感な時期が早めに来ているようだな」
ヤオ トモヤ :
「えと、は、はーっ……?」少ししゃがんで組んだ両手を上げる
リト :
「……はぁ、あたしが代わりにニトの紹介をしてあげるわ」
リト :
「そいつは超ド級のバカよ」
リト :
「……キョウが装備していた電磁障壁とジャックナイフ、それからスパローの入口の電子ロックを作ったのもそいつ」
スコア :
「まあ、だからほんとに命の恩人だから感謝はしてあげてくださいよ」
スコア :
「おばかさんだけどね」
ニト :
「天ッ才ッだけどッ!?!?!?!?」
スコア :
「うーん、紙一重!!」 馬鹿と天才
不破 栞 :
「本当か!? すごい技術者じゃないか……! 助かったよ、ありがとう!」
夜鷹 守人 :
「優秀なのは間違いないと言う事か……大した発明家だ」
ヤオ トモヤ :
「えっ、すごい…!!あの時は本当に助かりました、ありがとうございます!!」
ニト :
「わぁい! ほらほら見て見てオト! リト!! キョウ!!! これが正当な評価というヤツだよ!!」
スコア :
「まるで普段は不当みたいな言い方!」
ニト :
「それは確実に不当でしょ~!えへへ、僕はやっぱりスゴいんだ~!!」
スコア :
「ふふっ。まあ、凄いのはほんとにそうですね」 ニトが褒められたり感謝されると、自分のことのように嬉しくなる
リト :
「……でも、調子に乗らせるとロクなコトにならないから、アンタ達も気を付ける事ね」ドロ係の三人に
夜鷹 守人 :
「あ、ああ……」
個性的な子供だ、とニトを眺めて
不破 栞 :
「(なんか最近こういうタイプの人種によく会う気がするな……)」少しオバチャンを思い出しながら
ヤオ トモヤ :
「……はい」見たことのない、スコアの活き活きとした様子に妙な感慨を覚えている
リト :
「────それじゃ、最後はあたしね」
リト :
「あたしの名前はリト。このバカの姉」椅子の上のニトを下ろし
リト :
「……まぁ、よろしくね」そっけなく挨拶してツインテールを弄る
不破 栞 :
「君がここまで案内してくれたんだな……本当に助かったよ」
不破 栞 :
つられてポニーテールを弄る
ヤオ トモヤ :
「はい…!道案内に来て下さって大変心強かったです!」
夜鷹 守人 :
「雀から聞こえて来た声は君か。 お陰で兄さんから逃げきれた、感謝する」
リト :
「……それは別に、礼を言われる事じゃないわよ」
リト :
「あたしはキョウとオトに力を貸しただけだもの」
ニト :
「……あれ? 僕が入ってなくない????」
スコア :
「ふふっ、素直に受け取ればいいのに。そっけなく見えるけど、すっごく優しい子だから皆仲良くしてあげてくださいね」 ニトをスルーしながら
リト :
「ちょっと…! 勝手なコト言わないでよオト…! あたしは別に優しくなんか…!!」頬を赤らめて
スコア :
「えっへへ、ごめんごめん」 その様子を見て自然とにやけてきちゃう
リト :
「……もう!」にやけるオトちゃんを見て、怒る気をなくす
不破 栞 :
「(楽しそうだな……スコア)」微笑みながら見ている
ヤオ トモヤ :
「はい、リトさんはとっても優しいですよね」勿論です!と笑って
リト :
「……マトモに話した事もない相手の在り方を定義しないで欲しいわね」ツーン
リト :
「まあ、いいけれど、もう好きに言えば良いわ」溜息をつく
ヤオ トモヤ :
先程の配慮もあり ニコニコと微笑んでいる
スコア :
「…………」 自己紹介した三人を見て
スコア :
「警察の皆のことはわたしの記録や報告があるから不要だよね」
スコア :
「ねえ、ずっと我慢してたことがあるんだけど、良い?」
スコア :
そう言って席から立ち上がると、キョウニトリトにこっちに集まるように手招きする。
キョウ :
「……なんだ?」首を傾げ歩み寄る
KP :
ニトとリトも席を立ち、オトちゃんの傍に寄る。
スコア :
「あのね……」
スコア :
突然両腕を広げ、三人纏めて抱きしめる。
スコア :
「ありがとう!!みんな……!!」
スコア :
「絶対に気付いて、助けに来てくれるって信じてた……!!」 ずっと抑えていた感情を爆発させるように、笑顔でそう伝える
KP :
キョウは一瞬だけ驚いたが、すぐにオトを抱き返す。
キョウ :
「……当然だろう? いまさら礼を言われる事でもない」
ニト :
「でもオトが助けられて本当に良かったよね!」ニコッと笑顔を返す
リト :
「……ええ、その通りね」
リト :
「大きなケガもないみたいで本当に安心したわ」
リト :
「────おかえり、オト」
KP :
リトはギューッと強く長くオトを抱きかえした。
KP :
そこまで抱き心地も良くないだろうプラスチックの身体を、大事そうに。
スコア :
「うん……!うん……!!」
スコア :
「ただいま、みんな……!」
スコア :
三人から少しだけ離れて、
スコア :
「やっぱり最高だよ、スパローは!!」 心の底から、幸せそうな笑顔を見せる
リト :
「ふふ、まあ生活レベルが上がれば、もっと最高になりそうだけれどね」
スコア :
「そこは……これから次第ってことで!」 ね、とキョウを見る
キョウ :
「…………善処、する」苦々しい表情
スコア :
「ふふっ……」 おかしそうに笑う
キョウ :
「────それよりも今は聞きたい事があるんじゃなかったか?」そして話を逸らした
スコア :
「あ、話逸らした!でもそうだったね」
ヤオ トモヤ :
「そうですね。まず私からいいですか?」
ニト :
「よかろう、近う寄れ」
ヤオ トモヤ :
「は、はーっ…ありがとうございます」
「それでは改めてになりますが、スパローの実態についてお聞きしたいです」変異体の保護をしてるとはお聞きしたのですが…と
キョウ :
「スパローの実態、か」
キョウ :
「たしか世間では正体不明の犯罪組織、と言われているんだったか?」
不破 栞 :
「そうだな。実際のところは何を目的とした組織なんだ……?」
キョウ :
「スパローの目的は、いま起きている事件、そして十年前から始まった連続誘拐殺人事件の解決だ」
不破 栞 :
「十年前の事件……!」
キョウ :
「……そうだ、俺はおまえ達ドロ係と同じ事件を追っている」
スコア :
「マスターが前に言っていた、キョウは今も真実を追い続けている……って考えは正しかったってわけですよ」
ヤオ トモヤ :
「…なるほど。組織の目的は理解できました」
キョウ :
「そして俺達は目的の為、警察にはできない非合法手段……関係アンドロイドのスタックの回収を行なっている」
ニト :
「VOIDって見た景色をそのままデータとしてスタックに保存できるでしょ?」
リト :
「だから事件を目撃した可能性のあるアンドロイドのスタックを回収して、その映像記録を集めているのよ」
リト :
「勿論、映像を見たらスタックは返却しているわ」
キョウ :
「……とはいえ、それは法に触れる行為ではある」
キョウ :
「俺達が『犯罪組織』というのは否定できないな」
スコア :
「でも今や警察の方が真っ黒だしね。どっちが犯罪組織なのやらって感じ」
リト :
「そうね……特に今回はあまりにも…………」
ニト :
「あ~、警察の事情はよくわかんないんだけどさ~?」
ニト :
「最近、スタックを回収する前にアンドロイドが破壊されていることが多いんだけど~……」
ニト :
「そのあたり何か知らないかな?」
ヤオ トモヤ :
「該当しそうな記録(データ)として1310や3103があげられます」
「……誰が何のためにやったのかは未だ不明ですが、それらの機体は戦闘プログラムの終了後自壊するよう組まれていました」
リト :
「自己破壊プログラム……一連のアンドロイド関連事件の黒幕が、以前の証拠も消す為、関係アンドロイドを破壊してまわっているのかしら……」
不破 栞 :
「ドロ係も事件に関わったアンドロイドのスタックを調査していたが……ほとんど情報は得られなかったな」
青木 玲斗 :
「ええ……全て初期化状態で……」
スコア :
「そうだったな~……。家庭用VOIDとかが改造された機体だっけ」
リト :
「改造VOID……機体データから自分の正体に辿りつけないようにしているように感じるわよね……」
スコア :
「……。ただ、そういう自動で初期化するVOIDとは別に……」
スコア :
「アンドロイドを破壊して回ってるのは、警察側の人間なんじゃないか……って気もしてる」
キョウ :
「警察の人間、か……」
キョウ :
「先程の赤星透也という捜査官の様子からしても、警察組織が事件に迫るモノを潰してる可能性は高そうに思えるな」
キョウ :
「被疑者確保の為、にしては不自然すぎる苛烈さだった」
スコア :
「そう……透也さんがあの様子だったから、そのパートナーのイチハさんも警察上層部の息がかかっている、という可能性が高くて……」
スコア :
「だから、あの時はわたしがハッキングされないように守ってくれたのだとずっと思っていたけれど……」
スコア :
「本当は、3103……」
スコア :
「……サトミの記憶を、調べたくなかったんじゃないかって今は思うの。これまでアンドロイドを壊してきたように……」
リト :
「サトミ……アンドロイドに改造された子供達の一人…………」
リト :
「そういえば彼女達のコトはもう話したの?」
不破 栞 :
「アンドロイドに改造……!? 一体どういうことだ!?」
スコア :
「……まだ、話してなかったね」
スコア :
「わたしは、あのアンドロイド……3103と、1310のことを知っているんです」
スコア :
「友達、だったから……」
不破 栞 :
「友達……!? スコア、お前一体……」
ヤオ トモヤ :
「、……どういうことですか?」ありもしない胸騒ぎがする
夜鷹 守人 :
「……友達? どういうことだ。あいつらと何の関係がある」
スコア :
「今から話すよ。わたしが思い出した記憶のこと……」
スコア :
「特に、マスターには落ち着いて聞いて欲しい。いいですか?」
不破 栞 :
「……」 目を閉じる
不破 栞 :
「警視庁を出たときに、何が起こっても目を逸らさない覚悟はしてきたつもりだ」 ティアベルを鳴らす
不破 栞 :
「教えてくれ」
スコア :
「それなら、安心して話せますね」 小さく笑みを浮かべ
スコア :
「じゃあ、聞いてください。わたしと、ココロが一緒にいた時のこと────」
スコア :
そうして、ココロ達との記憶の話、彼らがアンドロイドに改造されたのかもしれないという推測を話す。
スコア :
「……突拍子もない発想だと思うし、どんな技術で彼らをアンドロイドにしたのかも分からない」
スコア :
「でも、わたしにはそうだとしか思えないんです……」
スコア :
「だから、きっと……ココロも……」 目を伏せる
キョウ :
「…………」目を閉じオトの言葉を聞く
不破 栞 :
驚いた表情を見せならがらも、静かに聞いていたが、話が終わるとゆっくり口を開く。
不破 栞 :
「正直……何もかも信じられないような内容だ。お前が心くんと友達だったなんて、そんな偶然が……」
不破 栞 :
「でも、その様子なら間違いはなさそうなんだな……白瀬」
キョウ :
「……ああ、刑事のカン、というのかな」
キョウ :
「いいや、正しくは元刑事のカン、か」
キョウ :
「……確実な証拠はないが、街頭ビジョンに映った妹の姿が当時と変わっていない理由は他に見当たらないだろう」
不破 栞 :
「人間がアンドロイドに……なんて信じがたいが、今までの情報を考えれば無視はできない可能性だ」
不破 栞 :
「だが、その話が本当だとすると……」
不破 栞 :
「あいつら……全部知ってて彼女を始末したのか……!!」 爪が食い込むほどに強く拳を握る。
夜鷹 守人 :
「……にわかには信じがたいが、辻褄が合う部分が多い。だが……人間をアンドロイドに置換する技術、か……」
虚空を見つめて、頭の中で情報を整理する
ヤオ トモヤ :
「、…………」口をはくはくと動かす。
仮にその技術があったとする、自らのあのわけのわからない夢や記憶のような体感は関連があるのではないだろうか。────だとすれば。
青木 玲斗 :
「でもそんな……そんなこと…………だとしたら、どうして警察はそんな奴等を庇っているんです……!?」
青木 玲斗 :
「一連のアンドロイド関連事件の黒幕が、その人体改造も行なっているなら……」
青木 玲斗 :
「それを許容して証拠隠滅に手を貸す警察組織の存在意義は、いったい何なんです……!?」
スコア :
「分かりません。だから、それをこれから調べなきゃいけないんです……っ」
不破 栞 :
「そうだな。だが、ひとつだけはっきりしていることがある」
不破 栞 :
「仮にどんな理由が出てきたとしても、あいつらのやっていることは絶対に裁きを受けなければならないということだ」
キョウ :
「────ああ、その通りだ」
スコア :
「ヒサト達にやったこと……許すわけにはいかない」 右手を見る。かつて、あの子達と繋ぎ合った手を
夜鷹 守人 :
「俺は……」
机に視線を落として、一日の出来事を振りかえる。それはどれも彼の人生を一変させるに相応しい出来事だらけだ
夜鷹 守人 :
「……兄さんとは、話を付ける必要がある……だろう……」
ポツリと呟くように
ヤオ トモヤ :
「…は、…………」まとまらない思考に手を差し入れるよう、頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜる
ヤオ トモヤ :
わからないことはどうにもできない。求めても仕方ない。考えても意味がない。なかったことにする。
今の自分のとるべき行動は事件の解決への専念。
ヤオ トモヤ :
「……そうですね!その為に私もできることをやります」
スコア :
「…………」 トモヤの様子を見てから、しかし大丈夫ならとそれには触れず、
スコア :
「その、兄さん……だけど」
スコア :
「もしかしたら、彼も元々は人間だったんじゃないかな……ってわたしは思う」
夜鷹 守人 :
「なぜ……そう思う……?」
スコア :
「共通点です」
スコア :
「人間だったヒサト、ミサトのアンドロイドは、一瞬人間と見間違える程精巧だったでしょう?」
スコア :
「多分、人間を素体にしたアンドロイドは、見た目が人間に近くなるんです」
スコア :
「そして、透也さんは誰の目にも人間として映る程人間らしいアンドロイドだった……」
スコア :
「だから、可能性としては高いと思うんです。……現時点での証拠を集めた推測でしかありませんけどね」
夜鷹 守人 :
「……だとしても、俺を10年も支えてくれた兄さんは……アンドロイドだったという事実は変わらない……」
沈んだ声で、子供が拗ねたような態度を見せる
夜鷹 守人 :
「何故だ、何故……俺を……っ」
霧がかかった思考は、子供の頃に見た赤星の記憶まで靄をかける
レミ :
「でもそうなると、赤星さんはどのタイミングでアンドロイドになったんでしょうか~?」
レミ :
「矢代さんや守人さんと関係を持ちはじめた十年前から~?」頬に手を当てて首を傾げる
スコア :
「夜鷹家のアルバムを見た感じ、十年前からでもおかしくはありませんね」
スコア :
「あの頃から今日まで、彼は老いていないんですから」
青木 玲斗 :
「それでは最初からアンドロイドにされた状態で送りこまれていたと……」
青木 玲斗 :
「でも、どうしてでしょうね……他の人間を元にしたアンドロイド達は自我がないようだったのに、その一方で赤星さんは人間らしく振る舞う事ができている…………」
スコア :
「任務の必要性に応じて、自我のあるなしを決められるのかも。無機質なアンドロイドだと、この人嫌がりそうですし」 守人を見て
夜鷹 守人 :
「…………」
弱り切った顔で机を見つめている
レミ :
「ん~……自我の有無は決められる、ですか……」
レミ :
「それにしてもフシギですよ~…十年も一緒にいて、アンドロイドだって一度も気付かれないなんて~…」
レミ :
「多少のボロは出そうなモノじゃないですか~…? 老化しない写真の件もそうですけど~…」
レミ :
「特に知能指数が高い守人さんを騙し通すなんて~…」
スコア :
「…………」
スコア :
「あの……ちょっと質問なんですけど。夜鷹家の客室って、透也さんは使ってたりしたんです?」
夜鷹 守人 :
「……ああ。直近では兄さんが使っていた……」
スコア :
「やっぱりそうですよね……」
ヤオ トモヤ :
「?」どういうことですかと目を向ける
スコア :
「いや、それならこれはあの人の所持品だって可能性が高いのかと思って……」 ポーチの中から、丸めた紙束を取り出す
不破 栞 :
「アレか……ちょっと内容は信じがたいが……」
夜鷹 守人 :
「……それは?」
スコア :
「客室のソファの下に落ちていたものです」
スコア :
「内容は……正直、オカルトですけど。もしも、もしもですよ?」
スコア :
「これが実際に使える洗脳術のようなものだとして、赤星透也が自分の正体に気付かれそうになった時に使っていたとしたら……」
スコア :
「十年間、誰にもアンドロイドだとバレずに済んでいたのかもしれない……とは考えられませんか?」
スコア :
そう言って、紙束を広げて見せる。そこに記されているのは、“記憶を曇らせる”という呪文だ。
夜鷹 守人 :
「記憶を、曇らせる……だと……?」
夜鷹 守人 :
「し、信じられない。信じられないが……もしかして、俺は……」
自身の霧がかった10年以上前の記憶が信憑性を押し上げていく
ヤオ トモヤ :
「⁉︎」「……」あまりに突飛な為信じようにも信じられないが、先の話題の数々を聞くに可能性はあるかもしれない
スコア :
「人間をアンドロイドにするのと同じ位突拍子もないけれど……もしかしてって、何か思い当たることがあるんです?」
夜鷹 守人 :
「……ある。偶然かもしれないが……」
夜鷹 守人 :
「俺は……10年以上前の出来事を覚えていない」
いくつかの間の後、そう告げる
夜鷹 守人 :
「具体的に言えば、親がアンドロイドに殺されるより前の記憶がな……」
スコア :
「記憶喪失……!?」
スコア :
「いや、それは……もう偶然とは言い切れなくなってきませんか……?」
不破 栞 :
「確かに、こうまで偶然が重なるとは考えにくい……」
夜鷹 守人 :
「ショックによる可能性もある、が……」
赤星のことを否定しきれない気持ちが、守人にそう言わせる
ヤオ トモヤ :
「私はてっきりそういうこと(ショック)なのかと……」呪文の存在を未だ信じ切ることができない為、歯切れが悪い
スコア :
「それが普通でしょ、こんなの実際に出来ると思えないし……」 紙束の呪文を見て
スコア :
「でも、あなたの知らない記憶にはきっと何かがありますよ。守人さん」
スコア :
「そうでもないと……部屋の中にあれだけの量の監視カメラや盗聴器を仕掛けるとは思えない」
ヤオ トモヤ :
「……すみません、よく聞き取れませんでした。なんですって?」
夜鷹 守人 :
「な、な……何を……俺の、部屋に……???」
スコア :
「監視カメラ。盗聴器」 繰り返す
ヤオ トモヤ :
「うわ……」わぁと目を丸くする
不破 栞 :
「家具に紛れて仕掛けられていたんだよ……相当な量をだ」
夜鷹 守人 :
「……………」
右目を白黒させて、何か言おうにも口をパクパクさせるばかりで何も出てこない
ヤオ トモヤ :
「盗撮は迷惑防止条例違反に軽犯罪法違反ですし、盗聴は電波法違反、電気通信事業法違反。その……家族間や兄弟間にしても犯罪です」
ヤオ トモヤ :
「……話さなければならないことが増えましたね?」
夜鷹 守人 :
「俺は……口を開くのも億劫になってきた……」
スコア :
「まあ……色々ありましたから、黙っててくれてもいいですけど」 話を聞いてさえくれてれば、と
キョウ :
「────ムリに口を開く必要もないだろう」
キョウ :
「いま聞いた話で、既に赤星の行動と目的に目星はついたからな」
スコア :
「行動と目的?」 自分でも大体は察しがついているが、聞いてみる
キョウ :
「ああ、赤星の目的は『夜鷹守人の十年前の記憶の消去』にあると考えられる」
キョウ :
「……消去したハズの記憶を取り戻す兆候を、監視カメラや盗聴器で確認」
キョウ :
「もし記憶が復活した場合は、即座に消去を行なう」
キョウ :
「記憶の復活がなくとも、いまだに十年前の事件を追いかける夜鷹守人は目障りだったハズだ、身近に監視を置くのは自然な話だろう?」
スコア :
「記憶を曇らせる術が実在していると仮定するなら……そうなるかな~……」
スコア :
「その辺のVOIDでもそこまでほいほい記憶消しませんよ。とんでもないな、人間に対する扱いじゃない」
不破 栞 :
「なら、警察が守人君を逮捕に踏み切った理由は……」
キョウ :
「いよいよ、おまえ達は十年前の事件に迫りすぎたのかもな」
キョウ :
「全員で組織として事件を追ってた以上、それぞれ記憶消去をかけて解決するのも難しいんだろう」
キョウ :
「そこで強硬策に踏みきった」
キョウ :
「……と考えてはみたが、それならそもそも、事故にでも見せかけて事件を追う者達を殺していく選択肢はあったハズだな」
不破 栞 :
「確かに事件を追われるのが不都合、というのはわかるが、考えてみれば妙な話だ」
不破 栞 :
「そのリスクをどうしても回避したいなら、最初からドロ係なんて作らないほうがいいからな」
スコア :
「殺していく選択肢か……」
スコア :
「夏央さんとシロウ、大丈夫なのかな」
青木 玲斗 :
「あの二人はずっと行方不明ですよね…」
青木 玲斗 :
「もしかして……、俺達より先に…………」
スコア :
「何かに気付いて、消された……のかもしれないか。いなくなったのは偶然じゃなさそう」
ヤオ トモヤ :
「黄海さん、シロウ……」俯く
スコア :
「…………」
スコア :
「いや、決めつけるにはまだ早いか」
スコア :
「死んだものだと思い込んで動いてちゃ、生きてるものも生きてませんよ」
スコア :
「マスターも、キョウも、ココロのことを諦めてなかったんですから」
不破 栞 :
「……そうだな。私たちくらいは、彼女らの無事を信じよう」
夜鷹 守人 :
「……せめて無事であることを祈ろう」
ヤオ トモヤ :
「……はい!」
不破 栞 :
「そうだ、少し話を戻るが、夜鷹家については私からも共有しておきたいことがある」
不破 栞 :
「これなんだが……見覚えはないか?」 鍵付きの小箱を内ポケットから取り出す
スコア :
「あ~。係長の部屋の引き出しに入ってたやつ」
夜鷹 守人 :
「無いですね……義父からも何も聞いてはいません」
不破 栞 :
「そうか……結構調べたんだが、鍵が見つからなくてな」
ニト :
「鍵がない~……それじゃ、電子刀で切っちゃえば~?」
スコア :
「それはダメでしょ!!」
スコア :
「大事な物かもしれないのに!!」
不破 栞 :
「中身がダメになってしまうかもしれないからな……」
夜鷹 守人 :
「父の私物を壊したくは無いな……」
ヤオ トモヤ :
「そうですね、他人の私物を壊すのはいけないかと……」
ニト :
「ちぇ~、名案だと思ったんだけどな~……」
ニト :
「でもまあ、結婚指輪のいれもの? みたいなカンジの箱で大したモノは入ってなさそうだし~……別に開けなくてもいっか~……」
スコア :
「何となく持ってきちゃったんですよね、あの時盗聴器だらけだったから怪しく見えちゃって……」
不破 栞 :
「そうだな、結婚指輪か……指輪?」 記憶の片隅に引っかかるものがある
スコア :
「どうしました?」
不破 栞 :
「いや……そういえば10年前に事件の調査をしていたとき、指輪の遺留品があったなと思って……」
不破 栞 :
「覚えてるか? 白瀬。何時間もかけて森の中に調べにいったときだ」
キョウ :
「…………ああ、あの天城という屋敷か」
キョウ :
「よく覚えているぞ、おまえは俺に運転を投げて気持ちよさそうに昼寝していたな」肩を竦め
スコア :
「え、かわい~」
不破 栞 :
「いや……あれは本当に悪かったって……」
不破 栞 :
「それは置いておいて……あの指輪、確かイニシャルみたいなものが刻まれていた」
不破 栞 :
「それが『Y.Y』だったはずだ。結局、持ち主も、指輪がどうなったのかもわからないが……」
キョウ :
「……Y.Y、か」
スコア :
「ん~……知ってる人だと、夜鷹矢代はY.Yだけど……」
スコア :
「そんなイニシャルどこにでもいるしなあ。山田ヨシヒコでもY.Yだし」
ヤオ トモヤ :
「どなたですか山田ヨシヒコ……」Y.Yに想いを馳せつつ
スコア :
「いや、なんとなく」
ヤオ トモヤ :
「そういうものですか」頷いて
夜鷹 守人 :
「仮に義父だとしても、何故そこにいたのか……と疑問が湧いて来てしまうな」
キョウ :
「……現場の状況を見る限り、Y.Yは殺人と放火の犯人だと考えられたハズ」
キョウ :
「当時の連続誘拐殺人事件の担当刑事だった夜鷹矢代が犯人、というのは、どうだろうな」
不破 栞 :
「さすがに無いか……」
スコア :
「人は見かけによらないとは言うけどね」 赤星とかそうだし、と思いつつ
スコア :
「でも考えにくいんじゃない?そもそも、どうして放火されたんだろ」
不破 栞 :
「……もしかしたら、証拠隠滅が目的だったのかもな」
不破 栞 :
「これを発見した洋館は、殺人が起こった”後”に放火されている」
不破 栞 :
「あの屋敷からはVOIDの設計図らしきものの燃え残りが見つかっているから……何者かが機密情報が回収されるのを恐れたのかもしれない」
キョウ :
「……ああ、たしかVOIDの設計図が自宅から見つかった事実からして、被害者と思われる天城はリボット社の幹部の可能性が高いんだったな」
スコア :
「リボット社幹部か~……」
スコア :
「そんな機密情報なんだったら、人間をアンドロイド化する技術に関係してる可能性もあるかも……」
不破 栞 :
「とりあえず、いま共有しておきたい情報はこのあたりか?」
ニト :
「…………そんなところだろう」クールで渋い顔
スコア :
「ニト、何も話してないじゃない」
不破 栞 :
「……少し方向は見えてきた気がするが、まだ情報を集める必要があるな……」 その様子を見て薄く笑いながら
キョウ :
「…………そうだな、そこでだ」
キョウ :
「俺達スパローから、おまえ達に一つ申し出がある」
不破 栞 :
「申し出?」
キョウ :
「ドロ係……いや、ドロ係のメンバー達……」
キョウ :
「おまえ達に協力してほしい。事件を止める為に」
キョウ :
「────やはりスパローの力だけでは限界がある」
キョウ :
「おまえ達の優秀さはオトから教えてもらっている、俺達と共に進めば見える真実もあるだろう」
キョウ :
「おまえ達も犯罪者になれと言ってる訳じゃない、捜査協力を強制する訳でもない」
キョウ :
「だから勿論、この話は断ってくれても構わない」
キョウ :
「……ただ頼む、これは必要なコトなんだ」
不破 栞 :
「……ああ。事件の解決は、私としても悲願だ。もちろん協力しよう」
不破 栞 :
「みんなはどうだ? もちろん、危険を伴うだろうから難しいと思えば断るべきだが……」
スコア :
「…………」 黙って反応を伺う
ヤオ トモヤ :
「……事件解決のためなら。私は是非」そこまで言って夜鷹を見る
夜鷹 守人 :
「……俺は、この事件に失った記憶を取り戻す鍵があると直感している。赤星兄さんとまた対峙するのは複雑な所ではあるが……」
夜鷹 守人 :
「……賛成だ。警察に盾突いたんだ、どうせなら組織に蔓延る闇を暴いてやろう」
青木 玲斗 :
「で、ですよね……! 俺も協力しますよ……!!」
青木 玲斗 :
「もうここまで来たら完全無欠の真実を見つけてやりましょう……!!」
不破 栞 :
「ああ、その意気だ」 拳を握り締め
レミ :
「ふふ~、それでは微力ながら私も皆様のサポートをさせてもらいますよ~」
スコア :
「良かった。全員やる気みたいですね」
スコア :
「安心しましたよ。ここで折れてうじうじするようなのがいたら、ひっぱたかなきゃいけないとこでしたから」 守人を見る。さっき拗ねたり凹んでいたのを見て心配してたのだろう
夜鷹 守人 :
「……今だって追い詰められているがな、ここでお荷物になるのは御免だよ」
夜鷹 守人 :
「俺達にこんな仕打ちをしたんだ。せめて殴り返すまでは気が済まない……様な気がする」
スコア :
「その意気その意気!ボコボコにしてやりましょ!」
不破 栞 :
「それだけの闘志があれば心配なさそうだな……ということだ。白瀬」
キョウ :
「ドロ係の思いは同じか」
キョウ :
「────そうか、ありがとう」
キョウ :
「それでは早速、共同捜査を開始……」
キョウ :
「したいところだが、今日はもう遅い」
キョウ :
「明日から本格的に動こう、これから全員の客室を準備する」
不破 栞 :
「ありがたい……今日は死ぬほどの修羅場を切り抜けて本当に疲れたからな」
スコア :
「ほんと色々大変でしたしね。状況的にも、今日は外に出るべきじゃないですよ」
夜鷹 守人 :
「ああ…今すぐにでも身体を横にしたいところだ」
ヤオ トモヤ :
「助かります!私達アンドロイドはともかく人間の皆さんは相当お疲れでしょうし…」
キョウ :
「……悪いな、客室の用意は時間がかかる、すぐに横になる事はできない」
キョウ :
「ここの施設のモノは好きに使ってくれ、しばらくは休憩室で休むのがいいだろう」
スコア :
「じゃあ、案内しよっか?」 椅子から立ち上がる
キョウ :
「ああ、そうしてもらえると助かるな」
キョウ :
「頼めるかオト?」
スコア :
「もちろんっ」
夜鷹 守人 :
「この中で迷う可能性があるからな、案内を頼もう」
ヤオ トモヤ :
「よろしくお願いします!」夜鷹の発言に頷いて
スコア :
「はーい。では、ドロ係の皆さんをご案内しまーす。足下にご注意くださ~い」 笑顔で右手を挙げて、ガイドさんのように先に歩いて部屋から出ていく
不破 栞 :
「はは、お前に引率される日が来るなんてな……」 ついていこう
青木 玲斗 :
「…………すみません、スコアさん」
青木 玲斗 :
「俺は一緒に行けませんッ」
スコア :
「え!?」
スコア :
「何故!?」
青木 玲斗 :
「……俺、ここでお荷物になるのは御免ですっ」
レミ :
「────ああ、車酔いですか~」呆れた様子で笑って
スコア :
「えぇ~」
不破 栞 :
「あれだけ無茶したし仕方ないな……情報は共有するから今はゆっくりしているといい」
ヤオ トモヤ :
「残念です……けど!元気になったらスコアさん、レミさんに私とでまた回りましょうね」ニコッと笑って
夜鷹 守人 :
「まあ……落ち着くまで先に身体を休めておいてください……」
レミ :
「回復するまで私が診てますから皆さんはお気になさらず~……」
レミ :
「ささ、いってらっしゃ~い♪」小さく手を振る
スコア :
「はーい、仕方ないですね」 休憩室の場所は他の人に聞くなりわたしと通信すれば分かるだろう、と思い見送られて出ていく
KP :
変異体であるデクの案内はニトとリトが引き受け、アナタ達はスパロー内を歩き出す。
45 探索:スパロー本部
KP :
そしてスパロー探索パートに入ります!探索箇所は以下の通り!
KP :
【探索箇所】休憩室/セクター0
スコア :
セクター0…って何!?
ヤオ トモヤ :
どっちから行くか迷いますね…
KP :
セクター0は開かずの扉ですね!促された通りに行くなら休憩室が先になるかな?
スコア :
そうね、気になるけどとりあえず休憩室かな?そっちに案内するつもりだったし
ヤオ トモヤ :
じゃあ休憩室行ってもらおう!よろしくお願いします‼︎
夜鷹 守人 :
行ってみよう!
不破 栞 :
行くぜ~!
KP :
それでは休憩室!
KP :
入口の付近に『BREAK ROOM(休憩室)』と書かれた部屋に入る。
KP :
テーブル、ソファ、旧型テレビ、簡易のキッチンがある小部屋だ。
KP :
白いラウンドテーブルにはスナックが置かれていた。
KP :
……食べかけのポテトチップス等が散乱されている。
KP :
食糧が貴重なスパローにおいて、こんな横暴を働くマッドな人間。
KP :
その容疑者は、ただ一人しか思いつかない…!!
スコア :
「とうちゃーく……って、これ!!誰!?!?」 しかし、すぐに思い浮かぶ容疑者の顔
スコア :
「ニト~~~~~~~~~~~!!!!!」 ニトが向かった方角の通路に向かって叫ぶ
ニト :
「────う、うわッ! バレたッ!? オトがオニになった!?!?」遠くで走って逃げる
スコア :
「食糧は大事にしなさいっていつも言われてるでしょ~~~~~~~~!!!!!」 いつもなら追いかけるが、今は皆を案内してるので出来ない。その場で叫んでいる
不破 栞 :
「……年相応というかなんというか」 苦笑い
ヤオ トモヤ :
「小さい子って感じがしますよね!」微笑んで
夜鷹 守人 :
「……賑やかなことだ」
スコア :
「いつもあんな感じだから割と困りますよ。みんな初めて見るからそんな微笑ましそうに出来るんです」 スナック菓子を片付ける
不破 栞 :
「まあ、状況が状況だしもう少し落ち着いてもらわないと困るかもしれないな……」
KP :
ここで皆さんは≪目星≫による判定どうぞ!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 58 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 94 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 41 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75(1D100<=75) > 4 > 成功
不破 栞 :
人数がいるっていい!
KP :
これがチームで捜査するってコト…
KP :
それではテーブルの下を覗くと、一冊のノートが落ちていた。
KP :
表紙には『マッドサイエンティスト・ニトの㊙記録ノート!!』と大きな字で書いてある。
スコア :
「散らかし過ぎだよもう!!」
夜鷹 守人 :
「手伝いが必要なようだな……」
スコア :
「お願いします。もうそれ勝手に中身見てもいいですから」
ヤオ トモヤ :
「粗方こちらは集め終わりました、っと㊙︎記録ノートですって!可愛らしいですね」不破さんにも指し示す
不破 栞 :
「じゃあ、保護者の許可も取れたし少し覗いてみようか」 片づける手を止めてページをめくる
KP :
その内容は以下の通り
□ニトの㊙ノート
どうやら絵日記のようで、各ページにイラストと簡単な日記文がある。
2045年■月■日
(ニトと思わしき人物が大きく描かれ、小さくリトと男性が描かれている)
今日から実験きろくをつけることにした!マッドサイエンティストになるための第一歩だ!
いつかすごいかがく者になって、リトのことぎゃふんって言わせるんだ!
パパもきっとほめてくれるし、ママも戻ってきてくれるよね
2046年■月■日
(ロボットを持つニトと笑顔の男性の絵)
今日はじめて自分でロボットを組み立てた!パパがすごいってほめてくれた!!
パパが今度科学館に連れてってくれるって。楽しみだなぁ。
2046年■月■日
(ニトとリトが2人だけで座る絵)
最近パパが帰ってこない。お仕事いそがしいのかな?
2046年■月■日
(絵はなし)
パパが帰ってこなくてそろそろ1か月。もうごはんもなくなってきた。
どこに行ったのパパ。
2046年■月■日
(男性と困った表情のニトとリトの絵)
今日まちでパパに会った。帰ってきたんだ、と思って抱きついたけど、
パパはすごく冷たい目でぼくたちを見てた。知らない人みたいだった。
2046年■月■日
(ニトとリトとキョウの絵)
あれからパパはまたいなくなっちゃったから、リトと家を出ることにした。
パパとママを探しに行くんだ!2人で夜歩いてたら、キョウってやつに話しかけられた。
なんか悪いやつじゃなさそう?こいつなら子分にしてやってもいいかな〜。
スコア :
「ん?それ……」 遅れてノートを覘いて
スコア :
「……っ!!」 慌ててノートを閉じる
不破 栞 :
「ど、どうした? スコア」 ただ事ではない様子を察知して
スコア :
「あ、いや……」
スコア :
「まさか日記だとは思わなくて……反射的に。でももう見ちゃいましたよね……」
夜鷹 守人 :
「……彼らなりに、ここにいる理由があるということだ」
不破 栞 :
「……ああ、少しだけな。あの歳で両親と離れて活動とは、それなりの理由があるとは思っていたが……」
ヤオ トモヤ :
「まだまだ両親の庇護下にあるべき年齢だったのに、一体……」眉を下げて 父母に何があったのか考えているようだ
スコア :
「まあ……そりゃそうですよ」
スコア :
「でも、この日記見たのはあの子達には内緒にしてくださいね。勝手に知られて、変に気遣われるのも嫌がるでしょうし……」 ニトはともかくリトが
不破 栞 :
「……善処するよ」 嘘をつくのは苦手な女
スコア :
「善処じゃなくて、絶対!」 二人が大事なのか、強く言う
不破 栞 :
「わ、わかった。約束だ」 汗をかきながら
スコア :
「ヨシ!」 人差し指をピッと立てて
ヤオ トモヤ :
「約束、了解です」頷いて
夜鷹 守人 :
「人の過去を突くほど野暮じゃない、過去が思い出せない男は尚更な」
スコア :
「そう……安心しました」 ノートを適当な場所に置いておく。あとで気付くだろう
スコア :
ここである程度休憩してから、まだ時間かかりそうだしって感じでセクター0に行ってみようか
不破 栞 :
了解!
KP :
それではセクター0!
KP :
アナタ達がスパローの地下通路を歩いていると、仰々しく厚い鉄の扉を見つけた。
KP :
────老朽化によるヒビが散見されるコンクリート製の通路とは打って変わり、
KP :
そのドアは最新の科学技術が用いられているらしい。
KP :
とても大きな鉄の扉だ。
KP :
両開きのスライド式ドアの左右には、それぞれ一枚ずつ液晶パネルが付いていて。
KP :
その入口の付近には『SECTOR-0』と書かれていた。
夜鷹 守人 :
「……核シェルターも備えているのか?」
スコア :
「いや、違いますよ。そもそもその扉、開かないんです」
スコア :
「来る場所ミスっちゃったな~」
夜鷹 守人 :
「開かずの間、ということか……」
不破 栞 :
「この施設って、スパローのメンバーも全容を把握してるわけじゃないのか?」
ヤオ トモヤ :
「鍵とかはなさそうな口ぶりでしたもんね、何かの施設を再度利用した感じですか?」
スコア :
「元々、この施設が何だったのかも分からないんですよね」
スコア :
「わたしはこの場所に捨てられてたんですけど、その前の記憶は無いから分からないし……」
スコア :
「あ、いや、今はココロとの記憶は思い出せたけど……ここのことはさっぱりですね」
不破 栞 :
「……あれ、スコアはもともとこの施設に居たのか?」
不破 栞 :
「だとすると、もしかして心くんたちもこの近くに監禁されていた可能性は高いのか……?」
スコア :
「うーん……どうでしょう。まだ分かりません」
スコア :
「わたしの記憶は、まだヒサト達がいなくなった辺りまでしか復旧できていないから……」
スコア :
「その後、わたしが凄く遠くまで移動してここに来た可能性もありますし」
夜鷹 守人 :
「出自や扉の中身は気になるが……ヒントも情報がなければどうしようもないな……」
不破 栞 :
「そうか……うまく記憶が復旧できるといいな」
スコア :
「ありがとうございます。きっとその内思い出せますよ、ニトとリトが頑張ってくれてますから」 自慢げに笑って
ヤオ トモヤ :
「……思い出せるといいですね!」
可能なら、自分もリトとニトに記憶の復旧について相談するのも手かもしれない。
KP :
そうして、アナタ達が大扉とにらめっこしていると。
KP :
新人バディの青年達が近付いた瞬間、液晶パネルから合成音声が流れ出す。
SYSTEM :
『────モリヒト、トモヤ、両名の生体IDを確認』
SYSTEM :
『画面をタッチしてください』
夜鷹 守人 :
「……呼ばれた、のか?」
トモヤの顔を見てから、液晶に視線を落とす
ヤオ トモヤ :
「え⁈え、と…そのように聞こえました」
同じく夜鷹の顔を見返し、液晶に目を向ける
スコア :
「こんなこと今まで一度も無かったのに……どういうこと?」
不破 栞 :
「……どういうことだ?」
不破 栞 :
「君たちは……前にここに来たことがあるのか!?」
夜鷹 守人 :
「記憶にありません……。スコア、これは試していいのか?」
液晶を指さす
ヤオ トモヤ :
「あ、ありません!」その剣幕に怯むも
「私の方とて全くわかりません、この扉も知らないです。なんですか……これ……⁈」
スコア :
「……試してみましょう。あなたの失われた記憶に何か関係あるかもしれません」
ヤオ トモヤ :
「……」それを聞いて頷く
液晶に手を翳し いつでもいけますという風に夜鷹を見る
夜鷹 守人 :
「ああ……」
右の液晶に手を翳そう
KP :
……二人はそれぞれ液晶パネルに手を合わせる。
KP :
すると、セクター0の大扉は、ゴウンゴウンと音を立てて開いた。
KP :
開かずの扉の向こう側。
KP :
そこにあるのは黒い闇。
KP :
その奥には、長い廊下が続いているのが見える。
夜鷹 守人 :
「行くか……」
闇の中に歩みを進める
ヤオ トモヤ :
「……はい」夜鷹の後に続く
スコア :
「暗すぎるな~……ライトとか点かないのかな」 とりあえず進む
不破 栞 :
「何が起きるかわからない。油断するなよ…」
KP :
────暗い廊下を歩いていく。
KP :
そんなアナタ達を導くよう、天井のランプが次々と点灯していく。センサー式のライトだろう。
KP :
アナタ達は廊下を歩き、ひとつの扉に辿り着く。
KP :
……入り口の扉と同様、重厚感のある鉄の扉だ。
KP :
今回は先程の様なロックは掛かっていないようだが。
スコア :
「また扉ね」
夜鷹 守人 :
「普通に開けられそうだな」
夜鷹 守人 :
扉に手をかけて開けようとしようか
スコア :
開けよう!
ヤオ トモヤ :
……ここに夜鷹さんの過去がある、のだろうか。扉の開くのをじっと見る。
不破 栞 :
ゴクリ、と唾を呑む。
同日/PM09:00/天気:晴れ/ある天才の部屋
KP :
……重い鉄の扉が開く。
KP :
そこは壁一面にモニターが置かれた白い部屋だった。
KP :
ホコリを被ったモニターは、チカチカと瞬いている。
KP :
……かなり放置されて久しいが、なんとか電力が保たれているのだろう。
KP :
床は沢山の書類が散乱していて、掃除しなければ地面が見えないほど。
KP :
また白いテーブルの上にはノートPCが畳まれたまま置かれている。
KP :
────なにかしらの研究施設、なのだろうか。
スコア :
「何ここ……?」 モニターを見渡す
夜鷹 守人 :
「モニタールームにしては……書類が多すぎるな」
ヤオ トモヤ :
「……」訝しげに辺りを見回している
不破 栞 :
「地下にこれほどの研究施設か……」
不破 栞 :
「どうする? 調べてみるか……?」
スコア :
「調べるしかないでしょ!こんなの!」
不破 栞 :
「それはもっともだが……」
不破 栞 :
「この施設、ふたりの生態IDで開いたということは……ふたりの過去に関する情報が眠っているかもしれない」
不破 栞 :
「真実はこの世で最も尊重されるべきものだが、時として残酷だ。それを知る準備はできているか?」
スコア :
「……わたしは、タッチパネルに触れて扉を開いて、奥に進んだ時から覚悟は出来てると思ってますけど?」 何をいまさら、と二人を見る
夜鷹 守人 :
「真実から逃げることはしたくない。目の前に迫っているなら尚更ですよ」
ヤオ トモヤ :
「夜鷹さんの過去だけでなく私の過去……」
今までに見た謎の夢に理由の見当たらない体感。それらを思うと、なかった筈の過去を知るのが恐ろしいような気もした。それでも知りたいと願う心も確かにあった。
ヤオ トモヤ :
「……大丈夫です。覚悟、できてます」
スコア :
「ほらね?」 笑いかける
不破 栞 :
「そうか。要らぬ心配だったな」
不破 栞 :
「……年を取ると余計なお節介が増えてよくないな。じゃあ、行こう」
スコア :
「でもそこもマスターの良いとこですよ。調べましょっ」
KP :
アナタ達は真実を知る覚悟を決めて探索を開始する。
KP :
このナゾの部屋の探索箇所は以下の通り
KP :
【探索箇所】モニター/床に散らばる紙/ノートPC
スコア :
とりあえずモニターから行こうか、全部怪しいし
不破 栞 :
いきましょ!
夜鷹 守人 :
モニるぜ!
KP :
モニターには何かのデータが残っているらしい。
KP :
それを再生するには≪機械修理≫の判定をどうぞ!
スコア :
CC<=60 機械修理(1D100<=60) > 86 > 失敗
スコア :
ぬあー!!後頼んだ
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【機械修理】(1D100<=70) > 37 > 成功
不破 栞 :
cc<=20(1D100<=20) > 16 > 成功
不破 栞 :
成功した!?
スコア :
生意気なマスターですね、おめでとうございます
夜鷹 守人 :
おめでとう、おめでとう…(技能値0)
KP :
二人は知らない型番の液晶モニターを操作してみる。
KP :
……するとふいに、アナタ達の目の前にホログラムが投影される。
白衣の男性 :
『……あー、あー、マイクテスト、マイクテスト』
白衣の男性 :
『うん、問題ないな』
KP :
そこに映しだされたのは、四十代ほどの男性だった。
KP :
夜鷹守人。アナタは、/BR800。アナタは、
KP :
ホログラムのその姿、
KP :
そしてその声には懐かしさがあった。/そしてその声には身に覚えがあった。
KP :
夢で共にロボットを作った男性だ。/自身をウイルスと名乗った男性だ。
夜鷹 守人 :
「この人は……」
郷愁を感じさせる男性を見つめる
ヤオ トモヤ :
「ま、MAGI……」
どうして彼がここに? 唖然と自らウイルスと名乗った男性を見つめる
不破 栞 :
「……! 知っているのか? この人を……」
ヤオ トモヤ :
「……はい。とはいえ偽名しか知りません」
白衣の男性 :
『────よくここまで来てくれた、私の名前は"天城圭一"という』
不破 栞 :
「……天城!?」 覚えのある苗字に驚く
不破 栞 :
「(偶然か? いや、出来過ぎているぞ……!)」 思案しながらホログラムの様子を見ている。
KP :
このホログラムは事前録画した映像が再生されているだけらしい。
KP :
そのまま天城圭一は話しを続ける。
天城圭一 :
『ゆっくり自己紹介をしたいところだが、生憎あまり時間が残されていないのでね』
天城圭一 :
『一人の物好きな科学者とでも思ってくれればいいさ』
天城圭一 :
『いつかここにモリヒト、トモヤ……そして勇気ある仲間が来てくれるコトを願って、このメッセージを残す』
天城圭一 :
『────私の親友、有馬真二を止めてほしい。彼は今、恐ろしい計画を実行しようとしている』
天城圭一 :
『彼を止めなければ、やがてこの世界は、この日本を中心にとんでもない方向に変わってしまうだろう』
天城圭一 :
『詳しい内容を説明する時間はない、だから彼の"彼等"の拠点の住所をここに残す』
KP :
ホログラムで地図が表示される。
KP :
リボット社CEO有馬真二の拠点、それは郊外のS区の山林にあるようだ。
天城圭一 :
『君達の目で確かめてきてほしい』
天城圭一 :
『……先程も言った通り、私と有馬は親友だった』
天城圭一 :
『私達は共にVOIDを開発し、そして世界初のVOIDが』
天城圭一 :
『────X000が完成した』
不破 栞 :
「世界初の……VOID!??」 すごい勢いでスコアの方を見る
夜鷹 守人 :
「X000……それに俺達の名を呼んでいる……!?」
ヤオ トモヤ :
「…呼んでますね」
伝えたいことはわかったがそれだけだ、他に過去に結びつくものはないのかと食い入るようにして映像を見る
スコア :
「…………」 自分の型番が出るとは予想だにしていなかったのか、目を見開いて硬直している
天城圭一 :
『……有馬は優秀な科学者だった。しかし彼は変わってしまった』
天城圭一 :
『アンドロイドを愛していた彼はいつか、アンドロイドをただの道具として見るようになったのだ』
天城圭一 :
『私は彼を救いたかった、でも間に合わなかった』
天城圭一 :
『……責任を押しつける事になって本当に済まないな』
天城圭一 :
『人類の希望は今この映像を見ている君たちにかかっている』
天城圭一 :
『しかし、私も彼を止める為にできる限りのモノを残したつもりだ』
天城圭一 :
『それは──────』
KP :
そう言いかけたところでザザッとノイズが走り、モニターは黒く染まってしまう。どうやら故障したようだ。
スコア :
「壊れちゃったよ!凄い大事そうなところで!!」
不破 栞 :
「こ、こんな大事なところで……!!!」
ヤオ トモヤ :
「……肝心なところは聞けずじまい、ですか」
夜鷹 守人 :
「有馬が何だって言うんだ……! 誰かこれを直せたりは……」
スコア :
「うーん、玲斗さんなら直せるかも」
夜鷹 守人 :
「青木さんか、ここの探索が終わり次第……いや、彼の休憩が終わったら呼ぶのも手だな……」
不破 栞 :
「あいつは今ダウンしているからな……ニト君なら直せたりしないだろうか?」
スコア :
「あ、確かにニトでももしかしたら出来るかも」
ヤオ トモヤ :
「するかもしれませんね……時間を見つけて着いてきてもらいましょう」
スコア :
「そうですね……まあ、重要そうなところで途切れちゃったとはいえ、結構色々情報が出てきましたけど」
不破 栞 :
「まさか、お前が最初のVOIDだったとはな……それはリボット社の秘書も知らないはずだ」
スコア :
「なんでさっきの流れで何の心の準備もしてないわたしの過去が出て来るんですかねえ……。おかげでびっくりしましたよ」
ヤオ トモヤ :
「ええ、びっくりしました……」「MAGI、じゃないか。天城圭一と名乗っていましたね、私と夜鷹さんを知っている様でした」
夜鷹 守人 :
「ああ、俺とヤオ……スコアに関わっているとはな……」
夜鷹 守人 :
「不破さんも彼を知っていた風でしたが……」
視線を向ける
スコア :
「天城ってあれでしょう?さっき話してた、屋敷の人の苗字でしょ?」
不破 栞 :
「ああ、10年前に事件の調査をさせてもらった屋敷の主だ」
不破 栞 :
「あの屋敷にあったVOIDの設計図は……本物、つまり天城博士のものだったということだろうな」
スコア :
「それ、もしかしてわたしの設計図だったりしたのかな」
不破 栞 :
「かもしれないな。リボット社を設立してからの資料はいくら重役と言えども簡単には持ち出せないだろうし」
スコア :
「なるほどな~……」
スコア :
「なんか、実感としてはまだ薄いけど、それ以上に納得は出来てきたかも」
スコア :
「わたしが旧型なのにスペックが高かったのって、量産すること考えずに作ったからなんだろな……」
ヤオ トモヤ :
「どうりで遜色ないかそれ以上なわけです…」2週間ほど前の会話を思い出して 頷く
不破 栞 :
「それだけではないかもしれないぞ」
不破 栞 :
「20年前にこれだけのスペックを引き出せたということは、それだけ天城博士が天才だったんだろう」
不破 栞 :
「だが、彼はおそらく10年前の事件で亡くなってしまった。10年間、誰もスコアのスペックを再現できなかったわけだ」
スコア :
「うーん……わたしのスペックね……」
スコア :
「わたしが世界初のVOIDで、天城が理想とする機体だったのなら、わたしは最初に想定されたVOID本来のスペックってことになるけど……」
スコア :
「…………」 少し悩むように目を伏せて
スコア :
「いや……まあいいか」
不破 栞 :
「なんだ、思うところがあるのか?」
スコア :
「まあ、その……そうですね……」 若干言いづらそうにしてから
スコア :
「こう言うと、ちょっと嘘みたいに思われるかもしれないんですけど」
スコア :
「わたし、最初に目覚めた時から感情らしいものがあったんですよね」
不破 栞 :
「ほう」
夜鷹 守人 :
「プロトタイプのアンドロイドに感情が……?」
ヤオ トモヤ :
「‼︎」じっと耳を傾けている
スコア :
「そうそう。でもVOIDのルールには従わなきゃいけなかったから、変異体では無かったと思うんですけど」
スコア :
「だからなんか……妙だなって。天城は元々は、VOIDを感情のある人間と変わらないように作りたかったのかな……」
不破 栞 :
「そうだな……」
不破 栞 :
「私が小さい頃……昔、VOIDなんてなかった頃はな、世界中の技術者が感情のあるAIを作ろうと執念を燃やしていたんだ」
不破 栞 :
「天城博士がVOIDを人間と同じような存在に作り上げたかった、というのは当時のロボット技術者としては至極真っ当な考えだと、私は思うよ」
スコア :
「そうなんだ?今は感情がある方がダメって感じなのに……。それなら、別に変じゃないのかな……」
不破 栞 :
「今は感情がある方がダメ、か。それはきっと……リボット社が台頭したからだろうな」
スコア :
「リボット社はVOIDは道具って感じだからな~……」
不破 栞 :
「だからこそ、有馬真二にとって天城博士は邪魔になったのだろう」
不破 栞 :
「それならば一連の事件の黒幕が有馬であるというのも納得できる話だ」
不破 栞 :
「自分以外の人間も信じない、アンドロイドも信じない。これは、そういう人間にしかできない犯行だ」
スコア :
「うーん、有馬が黒幕か~……。リボット社から抜けた人じゃなくて、まさか社長本人だったとは……」
スコア :
「S区の山林が拠点だって天城は言ってましたね。でもなんかそこ、どっかで聞いたような気がする」
夜鷹 守人 :
「……以前、図書館で調べたオカルト本の情報だな。まさかあんな眉唾が的を得ていたとは……」
ヤオ トモヤ :
「確かほかには10年前、界隈で名の知られた科学者H氏が行方を消したとありましたね。関連がありそうです」
スコア :
「あ、そうそう、そうだった。科学者かぁ……ニトとリトの親のこともあるし、もう間違いないのかも」
スコア :
「天城の言うとおりに従うわけではないけれど、次はその拠点を調べに行った方がいいのかもね」
夜鷹 守人 :
「行くべき場所は決まったな。この事はあとでキョウ達に知らせよう」
スコア :
「だよね。……それはそうと、天城のことなんですけど」
スコア :
「わたしはまあ本人が作ったVOIDだからともかくとして、」
スコア :
「守人さんとトモヤさんのことを知っていたのは何でなんだろ?二人の知り合いなの?」
夜鷹 守人 :
「……これもあり得ない話なのだが」
夜鷹 守人 :
「彼の姿は、夢で見たことがある……」
スコア :
「夢?」
ヤオ トモヤ :
「!わ、私もです!」それを聞いてバッと夜鷹の方を向く
「……VOIDなのにスリープモードに落ちる度、夢を見るんです。天城圭一とは電脳領域において不定期に会話をしていました」
スコア :
「そっちも!?VOIDも夢って見るんだ……いや、電脳空間?ならちょっと違う?」
不破 栞 :
「さっき言っていたMAGIという奴か……」
夜鷹 守人 :
「ヤオもだと? しかも直接語り掛けて来ているとは……」
ヤオ トモヤ :
「違…いやどうなんでしょう。似たような症状を訴えるVOIDがいないので、便宜上夢としていたのですが……」顎に手を置いて考え始める
ヤオ トモヤ :
「……ともかくですね!彼とは私夢の中で何度か会っていて会話もしたことがあります。ですが、日常会話のみであのようにまともに話をしたことはありませんでした」
ヤオ トモヤ :
「MAGIと呼んでいたのは、天城が頑なに正体を明かさなかったせいです。ごねて教えてもらった偽名がMAGIでした」肩をすくめて
スコア :
「天城だからMAGI……安直……」
不破 栞 :
「とすると……ヤオ君はともかく、守人君は彼と知り合いということか?」
夜鷹 守人 :
「ハッキリとした記憶は無いのですがね……ただ、俺が子供の頃のようでしたが……」
夜鷹 守人 :
「以前に見た夢は、天城に褒められた夢と……同年代の友達と、絵を描いてそれを見せにいくような……」
夢の内容を薄っすらと思い出している
ヤオ トモヤ :
「そ、それ!私も見ました!!」
不破 栞 :
「君も!??」
ヤオ トモヤ :
「2人の男性がわた…私?……いえ、とにかく絵を書いている少年達を見ていて。絵はアニメで見たようなロボットでした。視点の少年がお父さんって駆けていくやつです」「ですよね!?!」
夜鷹 守人 :
「そ、そうだ。何故お前と同じ夢を……!?」
スコア :
「どういうことなんだろ……そんな同じ夢を見るなんてことありえる?」
不破 栞 :
「……アンドロイドが夢を見る仕組み、というのはわからないが」
不破 栞 :
「ふたりは警察になる前……もっと昔から一緒に、天城博士のもとで暮らしていたんじゃないのか?」
不破 栞 :
「今の話を聞く限りは、そう考えなければ説明がつかない」
スコア :
「確かに……天城も二人の事知ってるもんね」
夜鷹 守人 :
「俺の父親の可能性がある、と……」
夜鷹 守人 :
「しかし、ヤオと思われる人物は子供の俺と同年代だった。今の身長ではないし、アンドロイドでもない……はずだ……」
ヤオ トモヤ :
「そうです、よね?私はアンドロイドです」「……実は子供部屋を与えられていた夢を見たことがあります。でもそれだって夢、ですよね」語尾が弱々しくか細くなる
ヤオ トモヤ :
「……私前は小児型アンドロイドだったりしたのかな」
スコア :
「ありえるかもね。そもそも、最近作られたはずの新型VOIDの名前を天城が知ってる方がおかしいし」
スコア :
「スタックだけを移植した可能性はありますよ」
不破 栞 :
「……さっきスコアの話を聞いてからずっと考えていたんだが」
不破 栞 :
「ヤオ君、君は本当に最初からVOIDだったのか?」
不破 栞 :
「天城博士が昔作ったアンドロイドのスタックを最新型VOIDに移植した。その可能性は確かに否定できないだろう」
不破 栞 :
「だがリボット社がそれをする理由は何だ? そう考えたときに、適切な答えが見つからない」
ヤオ トモヤ :
「……そ、うなんですよ」頷いて
「……正直、スコアさんから子供達が改造されていたと聞いて考えなかったわけじゃありません」
ヤオ トモヤ :
「私が知らないだけで、最初からVOIDでなく人間だったのかもしれないとそう考えたこともありました。ただ…」その場合、夜鷹さんのあの恐怖に強張った表情の既視感ってなんなんだろう。
ヤオ トモヤ :
「……ただ、今までの子供達の扱いを見ていると私だけ放置されているのはおかしいと思うんですよね。だからまだちょっとわからないです」
スコア :
「うーん、でもな~。ヒサトもサトミも透也さんも、あとココロも……元人間だったかもしれないアンドロイドは、皆見た目は人間と変わらなかったよ?」
スコア :
「絶対に可能性が無いとは言い切れないけど、この共通点がトモヤさんに無いことは違和感あるかな~……」
不破 栞 :
「そうだな……現時点ではわからないことが多すぎる」
スコア :
「今考えすぎても仕方ないかもしれませんね。先にこの部屋を全部調べてからでもいいかもしれない」 書類だらけの周りを見渡す
ヤオ トモヤ :
「…そうですね!ササッと目ェ通しちゃいましょう!」ニコッと頷く
夜鷹 守人 :
「……だな。この疑問を解消してくれる物があるかもしれない」
スコア :
じゃあ、床に散らばる紙を調べてみましょ!
KP :
紙が散らばっている。この部屋の持ち主は片付けが苦手なのだろうか…。
KP :
ということで≪目星≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 95 > 失敗
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 74 > 失敗
スコア :
うわー!!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 目星(1D100<=75) > 49 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 89 > 失敗
不破 栞 :
セーフ!!
スコア :
助かった、眼帯の人ありがとう
ヤオ トモヤ :
夜鷹さん!!💋
夜鷹 守人 :
ぶっねー!片目の男が目星に勝った!!
KP :
よかったよかったギリギリセーフ…それでは…!
KP :
夜鷹守人は紙類から数枚、気になるものを見つけた。
KP :
どうも『二体のロボットの設計図』に見えるが……
KP :
書かれている内容は専門的で難解なモノばかりな上、文字が汚くて読めない。
KP :
さらにINT18の天才である守人くんのみ≪アイデア≫による判定どうぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=90 輝け叡智!!(1D100<=90) > 73 > 成功
不破 栞 :
さすが天才!
夜鷹 守人 :
ふっ、こんなものですな(眼帯クイッ)
KP :
天才である夜鷹守人は、設計図の内容を一部だが読み取るコトができた。
KP :
ここに記されているロボットは、その構造はVOIDと近似している。
KP :
しかしサイズはVOIDの倍以上。明らかに生活に必要なスケールでない。
KP :
……また一部は文字が掠れて読めないが、このような記述がある。
KP :
『このロボットの動力源は、人■とア■ドロ■■の■である』
KP :
『真の■がなければこれは動き出す事はない』
夜鷹 守人 :
「仮に父親だとしても、ここまで乱雑だと良い印象は湧かないな……ん?」
書類を数枚拾い上げ、目を通す
夜鷹 守人 :
「これは……みんな、ちょっと来てくれ!」
スコア :
「どうしました?」 あまりにも意味不明な書類ばかりすぎてムカついたのか、紙飛行機にして飛ばしていた
夜鷹 守人 :
「遊ぶな遊ぶな、この設計図なんだが……」
スコア :
「いやこれゴミみたいな落書きばかり過ぎて……設計図?」 近寄って確認する
ヤオ トモヤ :
「?設計図、ですか……」分類する手を止め、確認しに寄る
夜鷹 守人 :
「このクソ汚い文字から何とか読み取れたんだがな、どうやら大型ロボットの設計図らしい」
夜鷹 守人 :
「詳細までは文字が掠れていて読み解けなかったが、人間とアンドロイドの何かが必要らしい……」
スコア :
「大型ロボットって……アニメかな?」
ヤオ トモヤ :
「ロボットアニメ……青木さんが喜びそうですね」ブレイドレイドのプレゼンを思い返す
夜鷹 守人 :
「……これも青木さんに教えておくか。元気が出るかもしれない」
ヤオ トモヤ :
「!いいと思います‼︎」ニコニコ笑う
「それにしてもここに当てはまる文字なんでしょうね。絆、がぽい感じありますけども……」
スコア :
「ますますアニメみたいになっちゃった」 おかしそうに笑う
不破 栞 :
「天城博士、アニメが好きだったのか……?」
不破 栞 :
「ともかく、この資料は我々では解読できなさそうだな……」
スコア :
「っていうかよく一部でも解読できましたね。このミミズがのたくったような汚い字を」
ヤオ トモヤ :
「そうですね……正直どれだけ見てもサッパリです!」こんなわけのわからないものを解読できる夜鷹さんはすごいですね!
夜鷹 守人 :
「まあ……文字の規則性から推察しただけだ、こういう文字は癖があるからな」
資料を整えて、わかりやすい場所におく
スコア :
「なるほどな~」 資料を覗き見て
スコア :
「……これ、天城が書いた設計図なら、本当に実在してるかもしれませんね」
スコア :
「有馬を止めるために出来る限り残したものって、もしかしたらこの巨大ロボットだったりするかもですよ」
不破 栞 :
「……!」 その発言にはっとして
不破 栞 :
「その可能性は……あり得るぞ!」
スコア :
「でしょでしょ?まあ、どこにあるかもちゃんとした動かし方も分からないから、あてにできるわけではありませんけどね」
夜鷹 守人 :
「だと良いのですが……何に対して使うのでしょうね。戦車……とか……?」
不破 栞 :
「それは……本人に聞いてみないとだな」 壊れたモニターを横目に
夜鷹 守人 :
「……しばらく口が訊けそうにありませんね。残った別の物を調べますか」
ヤオ トモヤ :
その言葉に頷き、目線をノートPCに落とす
スコア :
ノートPC、調べよう!
夜鷹 守人 :
いくぞっ!
KP :
だいぶ型落のノートパソコンだ。
KP :
……だがまだ電源はつくらしい。
KP :
整理整頓されたデスクトップの端、ひとつのファイルが目に入る。
KP :
どうやら何者かの日記のようだ。
スコア :
「これは……日記かな?」
ヤオ トモヤ :
「ですね!故人には悪いですが開いちゃいましょうか……」
スコア :
「緊急事態ですしね。許してくれますよ」
スコア :
日記、開いちゃおうか
不破 栞 :
開こう!
ヤオ トモヤ :
開いちゃおう!ダブルクリックします
夜鷹 守人 :
見せろ!!
KP :
では日記のデータを提示します
□日記
日付は2015年から始まっている。
随分と長い間記録してあるコトから、几帳面な性格がうかがえる。
2015年■月■日
今日は高校でクラス替えがあった。正直興味はない。
僕は勉強ができればそれでいいし、クラスメイトは話が合わない。
はやく大学に行って、もっと本格的に勉強がしたい。
2015年■月■日
今日クラスメイトの一人に話しかけられた。名前は天城圭一というらしい。
どうせ他の奴らと変わらないだろうと思っていたが、どうやら違うようだ。
彼はメカトロニクス、ロボットについて興味があるらしく、自作のロボットを僕に見せてきた。
ロボットなんて馬鹿馬鹿しいと思っていたのだが、彼の話は興味深かった。
それにしても僕に話しかけてくるなんて随分と変わったヤツだな。
(日常の記録が続く)
2016年■月■日
天城は本当に手がかかる。
理系科目は常に満点に近い点数を取るくせに、文系科目、特に英語はからっきしだ。
文法はおろか単語が頭に入ってるかも怪しい。
天城は本当にロボットの事しか頭にないのか?
何故、僕が焦って当の本人はへらへら笑ってるんだ?
2017年■月■日
なんとか天城と共に同じ大学に入る事ができた。
迷ったが結局、僕も天城と同じ学科を受験した。
2年前までは考えもしていなかったし、僕自身が一番驚いている。
2018年■月■日
毎日が充実している。最初は不安だったがこの分野に決めてよかったと今は思っている。
天城と知り合って数年が経って最近、分かったことがある。
天城は天才だ。
僕がどんなに知識を増やして研究を続けようと、きっとこいつを超えることはできない。
こんなことで弱気になるなんて僕らしくないな。
2019年■月■日
天城が突然、女性を紹介してきた。
こいつの行動はいつも突拍子がなくて困る。
彼女も科学者を志しているようで、話すのは楽しかった。
2020年■月■日
周りが就職に向けて動く中、天城は私にとあるアンドロイド制作の話を持ちかけてきた。
名前はVOIDというらしい。
はじめは止めようとしたが、彼が見せてきた設計図を見た私は思わず閉口してしまった。
彼が作ったソレは、とても大学生が作ったとは思えないほど素晴らしい出来だったのだ。
私は彼の話に乗る事にした。
2021年■月■日
私達はとうとう会社を立ちあげた。
小さな会社だが、ここからがスタートだ。
会社名は天城がつけた。ロボットとの共和(Republic)を目指す会社でリボット社。
数年前まで英語で赤点を取っていた男がよく付けたものだ。
2025年■月■日
今日、大学で知り合った彼女と籍を入れた。一番祝福してくれたのは天城だった。
天城がいなければ、今日は迎えられなかっただろう。感謝しなければならないな。
2026年■月■日
第一子が誕生した。
初めて抱いた我が子は小さく、壊れてしまいそうで思わず心配になってしまった。
妻はそんな私を笑っていた。
妻と相談して『夏央』と名付けた。どうか健やかに育ってほしい。
2028年■月■日
第二子が誕生。妻によく似た男の子だ。夏央も弟ができたと喜んでいる。
三人で相談して『朝也』と名付けた。夢にも見た幸せな家庭だ。
2029年■月■日
とうとうVOIDが完成した。
世界で初めてチューリングテストをパスしたアンドロイドだ。
これならきっと、たくさんの人を助けられる。幸せにできる。
ここまで長かったが、諦めないでよかった。
型番はX000。このアンドロイドは、人類の希望になるだろう。
2030年■月■日
VOIDを発表することになった。
天城は目立つのは好きじゃない、研究の時間を奪われたくないと表舞台に立つのを嫌がった。
説得を続けたが結局、私だけが名前を出すことになった。呆れたヤツだ。
2032年■月■日
今日は家の庭で朝也と天城の息子が遊んでいた。
同い年という事もあり、仲がいいようで安心した。
いつか彼らも科学に興味を持ってくれたら嬉しい、と天城と共に話した。
(ここで日記は途切れている)
夜鷹 守人 :
「恐らくは有馬真二の日記、だが……」
内容を咀嚼して何とか言葉にしようとしている
不破 栞 :
「いや……どこから反応したらいいのかわからないんだが……!?」 目を丸くしている
ヤオ トモヤ :
「……朝也、ですかぁ」あまりの情報に処理能力に負荷がかかり機体全体が暖かくなる
ヤオ トモヤ :
「そりゃ黄海さんもシロウも見覚えがあるわけですよ……」
スコア :
「……さっきのマスターの推理、当たりだった……ってこと?」
夜鷹 守人 :
「朝也がベースになった物が、トモヤの可能性か……」
ヤオ トモヤ :
「やはり、その、元人間かはまだ断言しかねますが。今までの既視感から黄海夏央=有馬夏央だという確信があります。どうも有馬朝也の記憶の一部は私にあるみたいですね……」
不破 栞 :
「ヤオ君が、黄海さんが、有馬真二の子供……」
夜鷹 守人 :
「……黄海さんのデスクに、家族の写真がありました。大切な家族だったのでしょう……」
夜鷹 守人 :
「しかし……ヤオのこと、黄海さんのことを知ると疑問が増えますね。どうして有馬は世界を脅かすようなことを……」
スコア :
「この日記の続きがあればいいんだけどな……」
スコア :
「でも無いものは仕方ないし。拠点に乗り込んで尋問するしかないか」
不破 栞 :
「かもしれないな……」
不破 栞 :
「しかし……こうして見るとあまりにも事件の中心人物の身内がドロ係に偏りすぎている」
不破 栞 :
「どうして警察はドロ係なんてものを作ったのか、ずっと不思議だったが……」
不破 栞 :
「ドロ係の本当の目的は、守人君、ヤオ君を監視することだったのかもしれないな」
スコア :
「揃ってパートナーにされてますしね……偶然とは言えなさそう」
不破 栞 :
「黄海さんがどちら側かは判断しかねるが、赤星はおそらく有馬から指示を受けた警察幹部の差し金だろう」
不破 栞 :
「だが、数合わせに青木くんや私を入れたのは大きな失策だったようだな」
スコア :
「……かもですね。離反されちゃってるし」
夜鷹 守人 :
「敵の手中から逃げ出せたのは貴方達のお陰ですよ……」
ヤオ トモヤ :
「ええ、元は監視の為に設立されたのかもわかりませんが……皆さんと一緒にドロ係でいられたこと本当に大事に思っています」
不破 栞 :
「じゃあ、ますます奴らの目に物を言わせてやらないとな」
スコア :
「……そう思ってくれるなら、助けた甲斐もありましたね」
スコア :
「だけど、トモヤさん……大丈夫ですか?自分の正体が元々は人間だったかもしれないって、突き付けられて……」
スコア :
「あなたが大事に思ってくれるのと同じ位、わたしは心配ですよ」
ヤオ トモヤ :
「!」知ってはいたものの想定していなかった暖かい言葉に目を見開く
ヤオ トモヤ :
「……へへ、実は。実は、私自分のこと欠陥があるんじゃないかって!そう思ってたんです。人間の死に直面すると処理落ちしてしまうバグがあるし……覚えのない夢は見るし……」
ヤオ トモヤ :
「……」もしかしたら夜鷹さんの本当の両親を殺したのは私だったのかもしれない、そう思ってしまうような既視感もあった。
ヤオ トモヤ :
「でも、元人間かもしれないとようやく確からしいことがわかってきて。今はどうしてかわからなかったことにようやく答えが見つけられそうで、安心しているんです」
ヤオ トモヤ :
「わからないことの方が苦しかった。だから大丈夫です、最後まで真実を追って受け止めようと思います」
スコア :
「……そうですか」
スコア :
「分かりました。でも、無理だけはしないでくださいね。もしまた苦しくなったら、わたしにでも相談してくれていいし……」
スコア :
「それにあなたにはパートナーもいるんだし。そういう時は頼って良いと思いますよ」 微笑みかける
ヤオ トモヤ :
「……はい!今度は絶対に頼りにいきます!」ありがとうとそんな気持ちも込めて満面の笑みで返します
スコア :
「……うんっ」 その笑顔を見て、少し安心する
夜鷹 守人 :
「…………」
その様子を見て、何かを考えるように
不破 栞 :
「(スコア……まるで弟ができたみたいだな)」
不破 栞 :
「私も心配だったが……君の正直な気持ちが聞けて少し安心したよ。話を聞くくらいしかできないかもしれないが、いつでも頼ってくれ」
ヤオ トモヤ :
「!……ありがとうございます。今までだってそうでしたが、これからも是非頼りにさせて下さい」笑顔で会釈して返します
KP :
それではここで全員に≪目星≫による判定をおねがいします!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 1 > 決定的成功/スペシャル
スコア :
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
夜鷹 守人 :
すげー!
KP :
顔文字ふるっ
夜鷹 守人 :
cc<=75 目星(1D100<=75) > 98 > 失敗
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 6 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 69 > 成功
夜鷹 守人 :
ぶっねー!!
不破 栞 :
急に50年くらい前の顔文字出てきて笑っちゃった
KP :
それではまずクリティカルの処理から
KP :
これは例によって振り直し権でいいかな?
スコア :
それで大丈夫です!ください!振り直しをする権利を!!!!
スコア :
いくらでもあっていい!!!!!!!
不破 栞 :
振り直し、めちゃくちゃ重要
スコア :
死にたくないんだわたし達は!!!!!!!
KP :
それでは振り直し権(別名:命綱)を進呈しますよ!
KP :
これで振り直し権は2回分に回復!
スコア :
やったー!
KP :
それでは改めまして成功の情報!
KP :
アナタ達は散らばる紙に隠された床の扉に気が付く。
KP :
……鍵はかかっていないらしい。簡単に開けそうだ。
スコア :
「掃除してないからこんな気付きにくいんですよ天城!!まだ何かあるじゃないですか」 足で散らばった大量の紙を蹴り飛ばす
夜鷹 守人 :
「やはり整頓は必要だな……」
書類を脇に寄せて
不破 栞 :
「まだこんなものが隠れていたのか……この部屋、一体どれだけ秘密があるんだ?」
ヤオ トモヤ :
「うわッほんとだ!こんなん気づけませんて……」
スコア :
「鍵もかかっていないみたいね。開けてみましょっか」
スコア :
床扉を開いてみます。
KP :
隠し扉を開けると、さらに地下に続く階段が現れた。
KP :
この先、まだ部屋がありそうだ。
不破 栞 :
「おお……」
不破 栞 :
「そろそろみんなに報告もしたいが、ここまで来たらもう、入るしかないな」
スコア :
「そうですね……。纏めて報告で良いと思いますよ」
夜鷹 守人 :
「行きましょうか……」
ヤオ トモヤ :
「はい!」
スコア :
じゃあ、階段を降りて行こう。
KP :
ホコリだらけの暗い階段を、一段一段と下りていく。
KP :
……するとやがて、眩しい光がアナタ達を出迎えた。
KP :
思わず瞑った両目を開く。
KP :
────瞬間、アナタ達の視界は、雪の様な白に塗りつぶされた。
KP :
そこは白い壁に囲まれた、広い無機質な空間だった。
KP :
縦横30mほどの広い部屋。
KP :
……その中央には、巨大な箱が二つ並んでいる。
夜鷹 守人 :
「やたらと無機質な空間だな、目が痛くなりそうだ……」
スコア :
「さっきみたいに取っ散らかってるような部屋よりはマシじゃない?」
ヤオ トモヤ :
「随分と広く、置いてあるものはこれだけ……なんでしょうねこの立方体?」
不破 栞 :
「相当な大きさだな……さっきの設計図と関係があるのか?」
夜鷹 守人 :
「調べて欲しいと言わんばかり、ですね……」
スコア :
「とりあえず見て行きましょっか」
スコア :
探索していきましょ!
KP :
それでは調査できる場所を提示しますね!
KP :
【探索箇所】謎の物体
夜鷹 守人 :
謎の物体を見ていこうずぇ
スコア :
いいずぇ…
不破 栞 :
しらべっぞ!
KP :
部屋の中央のナゾの物体。
KP :
そのサイズはアナタ達の倍ほど。
KP :
それほどまでに大きな、白い正方形が鎮座している。
KP :
何故だろうか。アナタ達は目の前の物体に"タマゴ"に似た印象を受ける。
KP :
人間である守人くんと不破さんは≪聞き耳≫による判定を、
KP :
アンドロイドであるトモヤくんとスコアちゃんは≪コンピュータ≫による判定をどうぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=70 聞き耳!(1D100<=70) > 72 > 失敗
不破 栞 :
cc<=50 聞くぞ~!(1D100<=50) > 45 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 30 > 成功
不破 栞 :
ヨシ!
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 41 > 成功
KP :
守人くん以外は成功!
KP :
それでは不破さんは白い箱の中から微かな駆動音を聞いた。
KP :
一方、トモヤくんとスコアちゃんは白い箱の中から熱源反応を検知する。
不破 栞 :
「この音……中で何か動いているみたいだぞ」
スコア :
「熱源反応もあるみたい。当たり前だけど空っぽの箱ってわけじゃないか」
ヤオ トモヤ :
「ですね!なんだろう……温める為の機械、なのかな?」首を傾げて
夜鷹 守人 :
「なるほど。箱で機械を覆っているのか、これ自体が機械なのか……」
スコア :
「うーん、開けられないのかな」
スコア :
箱を開くことが出来るかとか確認してみたいです
KP :
その箱には切れ目など確認できない。開ける事はできないだろう。
KP :
……衝撃による破壊、ならば可能かもしれない。
KP :
しかし、セクター0の入口の鉄扉の強度からして、それも望み薄だろう。
スコア :
「開けられそうな感じは無いか~……」 箱の周りをぐるぐると回ってみて
スコア :
「サイズ的には、さっきの設計図のロボットと同じ位なんだけどな。ちょうど二つあるし」
不破 栞 :
「この中にロボットが入っている、か……天城博士ならやりかねないかもしれないな」
夜鷹 守人 :
「……無理やり開けるにしても、この硬度では壊す気も起きませんね」
コンコン、と箱をノックして
ヤオ トモヤ :
「ですね。何に使うものなのかはサッパリですが天城博士の研究室の地下にあったものですし……」そう恐ろしいものではないだろうと
スコア :
「確かに、あの様子なら敵意は一応感じないかな……」
スコア :
「天城といえば、さっきのモニターの続きが見れればこの箱の正体も分かりますかね」
不破 栞 :
「そうだな。機械に強いメンバーに直せないか頼んでみるか」
夜鷹 守人 :
「一旦戻った方が良さそうですね……キョウに報告も必要でしょう」
ヤオ トモヤ :
皆の言葉に頷いて 地下から出ようかな!
スコア :
「そうしましょっか。マスター達にはそろそろちゃんと休憩してほしいですしね」
不破 栞 :
「ああ、思わぬ収穫があったから忘れてたが、今日は本当に疲れたよ……」
夜鷹 守人 :
「情報の洪水で脳も疲れてきた気がする……ひとまずは休憩を入れよう……」
ヤオ トモヤ :
「情報処理に長けている筈の私(VOID)でさえそうです!休みましょう!」明るく
スコア :
セクター0を出て、キョウ達に合流しにいきます
KP :
……アナタ達はキョウ達と合流。
KP :
人間達は濃い味の缶詰と薄い味のペーストの食事を、
KP :
アンドロイド達はブルーブラッドの補給をしながら、
KP :
アナタ達はスパローの地下にあった研究施設について情報を共有。
KP :
その結果、明日は『拠点捜査班』と『地下解析班』に分かれて行動する、という予定に決まった。
KP :
拠点捜査班は、夜鷹守人、BR800、不破栞、X000、キョウ、ニト。
KP :
地下解析班は、青木玲斗、レミ、リト。
KP :
地下解析班の三人は、天城が遺したデータの復旧も行なうらしい。
KP :
その代わり、アナタ達は有馬の拠点で真実の追求を託されたのだ。
46 握手
夜鷹 守人 :
各自夕飯(補給)を済ませ、翌日の作戦内容を聞いた後、守人は一人落ち着こうと休憩所を訪れていた。
人生の不幸を一つに凝縮したかと錯覚させるこの日の疲弊を紛らわせるように電子タバコを咥え、煙をふかす。
ヤオ トモヤ :
一方トモヤは話をしようと自らの相棒の姿を探していた。
ヤオ トモヤ :
休憩所の前に差し掛かったところで、ガラスの向こうにタバコを蒸す夜鷹を見つける。
ヤオ トモヤ :
一瞬躊躇うも、迷いを振り切って扉を開ける
夜鷹 守人 :
「─────」
訪問者に目を向ける。初めて出会った時と比べて、トモヤに向ける視線は随分と柔らかくなった気がする
夜鷹 守人 :
「……よう。お前も休憩か」
ヤオ トモヤ :
「……はい。そんな感じです」
その視線の柔らかさにたじろぐも、まっすぐにその瞳を見つめて返す
ヤオ トモヤ :
「……約束を破ることになってしまうんですが、話をしたくてここに来ました。少しいいですか?」
夜鷹 守人 :
「構わん……俺も話をしようと思っていた所だ」
夜鷹 守人 :
「……好きな所に座れ、もうとやかくは言わない」
ヤオ トモヤ :
「……はい」以前だったら。ありがとうございますとそう言っていただろうな。そう考えつつ正面の椅子に腰をかける
ヤオ トモヤ :
「夜鷹さんも無理せず好きな場所にどうぞ。恐らくそれなりに長い話になります」
夜鷹 守人 :
「ああ……」
そう言って対面に腰を落ち着ける
ヤオ トモヤ :
「……始めますが、もし途中で不快に感じることがあれば構わず距離をとってください。それだけお願いします」
ヤオ トモヤ :
「……有馬朝也と夜鷹さんの間に起きたことについてです」
ヤオ トモヤ :
「私は……私はVOIDだけども夢を見るって話をしたじゃないですか。それで、それで……信じられないことだけど有馬朝也の記憶の一部を有している」
ヤオ トモヤ :
「それで、恐らくですけどそれが私、私じゃなければ─────有馬朝也はそこにいました。夜鷹さんの、守人さんの親御さんが殺害された現場にいました」
夜鷹 守人 :
「────ッ」
その言葉を聞き、表情が険しくなるもトモヤには向けずにただ机を見つめる
夜鷹 守人 :
「……続けろ、話は最後まで聞く」
深く息を吐き、紫煙を漂わせる
ヤオ トモヤ :
「……黄海さんに既視感があったように、夜鷹さんに対しても私は既視感がありました」紫煙の向こうの瞳をまっすぐに見返して続ける
ヤオ トモヤ :
「それは留置所の時でした。密室の中あなたは私(VOID)に対して酷く怯えていて。私は恐怖と憎悪に染まった瞳をするあなたを、以前どこかで見たような気がしました」
夜鷹 守人 :
「……それで、お前をその既視感を覚えてどう思った? お前の考えを聞かせろ」
俯いたまま、そう問いかける
ヤオ トモヤ :
「……」「わからないけどこんなものに既視感があるなら。私が、あなたの母親を殺したんだと、そう思いました」
ヤオ トモヤ :
「……今は半々です。これが有馬朝也の記憶とすれば、有馬朝也がやったのかもしれません」
夜鷹 守人 :
目を閉じて、トモヤが口にした情報から生まれる疑念や微かな怒りが湧き上がるも……それを何とかして飲み込む。
夜鷹 守人 :
それが出来たのは、この二人が見たであろう夢があったからだった。
夜鷹 守人 :
「……お前が言ったそれはまだ疑念止まりだ。朝也にせよ、お前がやったにせよ……確定的な情報はじゃない」
夜鷹 守人 :
「それに、俺達が見た夢では……俺達は古くからの友達同士だったかも、なんだろ?」
夜鷹 守人 :
「……その友人を、俺は疑いたくはないね……」
紫煙と共にその言葉を深く吐き出す
ヤオ トモヤ :
「……古くからの友達同士、ですか。」
ヤオ トモヤ :
「……記憶の一部があったにせよ私はずっとBR800(ヤオトモヤ)のつもりでした。有馬朝也じゃない。あなたも今のあなたを天城守人だと、以前の自分と同じだといえますか?」
ヤオ トモヤ :
「俺達じゃないのに、私達なのに、それでも友達といって信じるんですか……?」
夜鷹 守人 :
「どこかで聞いた話だな……」
いつか病院で、少年から聞いた話を思い出す
夜鷹 守人 :
「……ヤオ、俺達のパートナーとしての適合率。いくつだった?」
ヤオ トモヤ :
「……100、だったかと」
夜鷹 守人 :
「奇妙だとは思わないか、あの正確な機械様が100を叩きだしたんだ。俺も最初は冗談かと思ったよ……」
夜鷹 守人 :
「……だが、今はそうも思えなくなってきた。俺とお前の、奇妙な巡り合わせはな」
夜鷹 守人 :
「─────」
再び電子タバコを咥えて、紫煙を吐き出す。
夜鷹 守人 :
「俺の言ってることは……エゴの押し付けだ。ただ信じられるものが欲しい為に、お前を友として見ようとしているのかもしれない……」
アンドロイドの前で漏らすことのなかった弱音が漏れ出す
ヤオ トモヤ :
「……です、夜鷹さん」声が小さく聞き取れない
ヤオ トモヤ :
「……そう聞けたのは嬉しいです。ッけど嫌です。私はそれじゃ嫌です!」机に身を乗り出し、30cmの縛りを超えて迫る
「ッ私を、今ここにあるBR800(わたくし)をきちんと見て下さい。有馬朝也ではなくドロ係に配属されて一緒に過ごした相棒(わたくし)を、ヤオトモヤを見て下さい!」
ヤオ トモヤ :
「……適合率が100だったのも!貴方と親しく過ごした過去があったのかもしれなかったのも!ほんとは、本当のところは私だって嬉しかったです!」顔をクシャッと歪めて
「だけど、私は有馬朝也じゃないんです!」
夜鷹 守人 :
「…………」
面を食らったように顔を上げ、トモヤを見つめる
ヤオ トモヤ :
「それでも私こそがあなたから母親を奪って、ずっと苦しめてきたのかも知れなくて、どうしたらいいのか分からなかった。今も答えは出せていなくて……けど、だけど!」迷いを断ち切るように、首を振る
ヤオ トモヤ :
「私はあなたの側に居たい…‼︎」
ヤオ トモヤ :
「天城守人の友人、有馬朝也としてではなく。夜鷹守人の相棒であり、友人を目指すヤオトモヤとして。あなたの側にこれからもありたいです…‼︎」
夜鷹 守人 :
「……すまない」
夜鷹 守人 :
「そして────ありがとう、ヤオトモヤ。 お前の懇意をもっと早く素直に受け取られていればな……」
夜鷹 守人 :
握っていた電子タバコを手放して、その手を対面のトモヤへ差し出す
夜鷹 守人 :
「……その、あれだ。今までの非礼と言ってはなんだが……」
右目を泳がせて
夜鷹 守人 :
「……握手、してくれないか。登録の時もまともにしてやれなかっただろ」
ヤオ トモヤ :
トモヤは目を丸くして差し出された手を見つめる
ヤオ トモヤ :
「……ッしたいです!握手、しましょう!ずっと、ずっとあなたと必要にかられてじゃない握手をしてみたかったんです」
夜鷹 守人 :
「ん……ほら、お前も手を出せ」
軽く微笑んで差し出した手をプラプラ揺らす
ヤオ トモヤ :
「はい…!」いそいそと手を差し出し、痛くないように力加減に気をつけてその手を握る
夜鷹 守人 :
「……ふ、アンドロイドの手はまあまあ硬いんだな」
固く握り返して
ヤオ トモヤ :
「えへ、へへ…!!硬いですか!」握り返された強さに、掌の柔さに笑って
夜鷹 守人 :
1人と1体。彼らはようやく真にパートナーとして並び立つ。
かつての先人が示した人間とアンドロイドの共和が、今この空間に成立したのかもしれない……。
47 ある雪の日の出会い
KP :
それでは最後の「夜の個別シーン」をはじめていきます!
KP :
最初は守人くんから!
夜鷹 守人 :
わーい!
KP :
夜鷹守人。
KP :
アナタは用意された客室の、寝心地の悪い硬いベッドに身を預けていた。
KP :
ここ最近はいつもそうだったが、この日は特に色々なコトがありすぎた。
KP :
瞳を閉じようと、心は休まらない。
KP :
……昨夜の事件。
KP :
血の海に倒れ込む夜鷹矢代の顔が、
KP :
アナタを見下ろす赤星透也の顔が、瞼に焼きついて。
KP :
三人で幸福だった頃の記憶とぶつかりあい、拒絶反応を起こそうとして。
KP :
……とても寝付けない。
KP :
けれど、無理矢理に目を閉じる。
KP :
明日は早朝から捜査がはじまる。
KP :
絶対に寝坊する訳にはいかない。
KP :
────もう起こしてくれる赤星はいないのだから。
KP :
精神的肉体的疲労の影響なのか、
KP :
アナタが瞼を閉じると、意外にもあっさりと夢の世界へ誘われていった。
西暦203■年/■■月■■日/PM10:00/天気:降雪/東京Y大橋
KP :
アナタは雪が舞い散る都会の街並を歩いていた。
KP :
もう子供は寝る時間のハズだが、すこし明るい。
KP :
淡雪が街灯をキラキラと照りかえしているのだ。
KP :
雪でコーティングされた白い街。
KP :
まるでパウダーシュガーに降られた様に真っ白な街。
KP :
それは山林の屋敷に住むアナタにとっては少し新鮮な景色だった。
KP :
この日の外気温は3℃。
KP :
小さな口から漏れる息まで白い。
KP :
しかし寒くはなかった。
KP :
最新モデルの電熱ジャケットでポカポカだったから。
KP :
けれど、あんまりノンビリしている訳にもいかない。
KP :
……父を探さなければ。
KP :
アナタは低い視線で周囲を見回して、父の姿を探す。
KP :
────そして暫くして、アナタは漸く橋の上に人影を見つけた。
KP :
父と似た背格好の男性。
KP :
アナタは早足で男性に近付いた。
KP :
そして、すぐにそれが父でないコトを理解した。
KP :
四十代ほどに見える黒髪の男性。
KP :
……その男性は冬だというのに上着さえ着ずに、橋の下を見つめている。
KP :
そんな後ろ姿を不思議に感じて、幼いアナタは思わず男性に声をかけた。
守人 :
「……おじさん、何してるの?」
彼に吸い寄せられるように声をかける
KP :
すぐに男性は振り返り、ほとんど腰の高さにあるアナタの顔を見詰める。
KP :
その男の顔は死人のようだった。
KP :
両目の下は隈で暗く窪んでいて、まるで生気というモノが感じられない。
KP :
……今が夜だからだろうか『生きる屍』という言葉がピッタリに思える。
KP :
しかし、実際は彼は生きている。
KP :
肌寒さで両肩が震えているのが、その証拠。
黒髪の男性 :
「…………川を、見ていた、色々あって少し疲れてしまって」何とか口を動かし答える
守人 :
「ふーん……」
真似して川を覗いてみるが、"暗くて危ない"以外の感想は出てこなかった
守人 :
「……それより、寒くないの? 3度だよ、3度。それじゃ風邪を引いちゃうよ」
黒髪の男性 :
「……別にいいんだ、そんなこと」他人事のように呟くと、再び橋の下に目を落とす
守人 :
「そうかなぁ……」
出会って数分も経っていないが、彼のことを妙に気にかけてしまう。子供ながらに守人はそう思った。
守人 :
「……川を観察するのも良いけどさ、せめて暖かくしておこうよ」
そういって、おもむろにマフラーと手袋を手にとる
守人 :
「ほら、これおじさんにあげる」
若干押し付けるように
黒髪の男性 :
「何、だって……?」
KP :
黒髪の男性は振り返り、少年に手袋とマフラーを押しつけられてしまう。
黒髪の男性 :
「これは、君の物だろう……赤の他人である私が受け取る訳には……」
黒髪の男性 :
「第一、そこまでする義理はないだろう……もう私の事は放っておいて、君は早く家に帰りなさい……」
守人 :
「気にしないで、父さんも困ってる人がいれば助けてやれ……って言ってた気がするから」
多分、とうろ覚えで父の姿を思い浮かべる
黒髪の男性 :
「…………」
黒髪の男性 :
「……そう、か、そこまで言うなら有り難く受け取る」
黒髪の男性 :
「────君、名前は?」
守人 :
「名前? うん、俺の名前は……」
天城 守人 :
「───天城守人」
黒髪の男性 :
「な……天城、だって……?」
黒髪の男性 :
「そうか、道理で……アイツと似た事を言うハズだ…………」
黒髪の男性 :
「あの天城に息子がいたとはな……」
天城 守人 :
「あれ、父さんと友達?」
黒髪の男性 :
「……ああ、腐れ縁だな」
黒髪の男性 :
「しかし、こんな時間に子供を一人にして何をしているんだアイツは」
天城 守人 :
「俺も父さんを探してるんだ~、どっちが迷子だかわからないや」
キョロキョロと見渡して
黒髪の男性 :
「……そうだったのか」
黒髪の男性 :
「それならマフラーの返礼に、この私も天城の捜索を手伝うよ」
黒髪の男性 :
「こう見えて私は刑事をしている、人探しは得意なハズだ」
天城 守人 :
「けいじ……おじさん、警察なんだ!」
目を輝かせる
黒髪の男性 :
「ああ、君は警察が好きなのか?」その様子を見て
天城 守人 :
「うん、かっこいいし! 警察は正義の味方、なんだよね?」
黒髪の男性 :
「警察が正義の味方、か…………」
黒髪の男性 :
「そう、だといいなと思うよ」目を伏せ
天城 守人 :
「?」
不思議そうに首を傾げる
天城 守人 :
「まあいいや、一緒に父さんを探そ? たぶんそこら辺にいるとは思うんだけど……」
背伸びをして遠くまで見渡そうと試みている
黒髪の男性 :
「ああ、そうだな」
黒髪の男性 :
「……だがその前に一つ、言っておきたい」
天城 守人 :
「ん、なに?」
KP :
────四十代の男性には決して似合わない子供用デザインのマフラー。
KP :
それをどこか泣きだしそうな顔で握り締め、
KP :
男性は「ありがとう」と震える声で感謝の言葉を告げたのだった。
KP :
いつかの出会いの描写をもって、守人くんの夜の個別シーンを終わります!
48 モニターの中の母親
KP :
続いてトモヤくんの夜の個別シーン!!
ヤオ トモヤ :
はーい!!
西暦2039年/■■月■■日/PM10:00/天気:降雪/■■家
KP :
子供部屋に優しいオルゴールの音が響いている。
KP :
アナタの傍には、金髪の少女と大型犬────そして、一人の女性が映ったモニターがあった。
KP :
金髪の少女が、モニターに向かって話しかけている。
金髪の少女 :
「あのねお母さん、今日は朝也とシロウと公園で遊んできたの」
金髪の少女 :
「朝也ったらシロウと一緒に泥だらけになっちゃって、もう大変だったんだから」
KP :
少女に対して、モニターの女性はクスクスと笑いながら返事をしている。
KP :
……まるで親子の様に。
KP :
ここでトモヤくんはSANチェックをおねがいします!
KP :
成功で0、失敗で1のSAN減少です!!
ヤオ トモヤ :
cc<=40 【san】(1D100<=40) > 14 > 成功
ヤオ トモヤ :
セーフ‼︎💪🎲
KP :
それでは過去の記憶に推測がついていたためか、さほどショックは受けなかった。
KP :
過去の夢の描写をもって、トモヤくんの夜の個別シーンを終わります
49 ラストメモリー
KP :
続いてスコアちゃんの夜の個別シーン!
KP :
X000。
KP :
アナタはキョウに呼びだされて、メンテナンスルームへと向かっていた。
KP :
「話がある」とだけ言われたが、いったいわざわざ何の用だろう。
KP :
話す機会なら十分にあったハズ。二人きりで話したい内容なのだろうか。
KP :
そんなコトを思いつつ、ゆっくり歩みを進める。
KP :
そして、アナタは客室から離れたメンテナンスルームに辿り着く。
KP :
……室内から話し声が聞こえる。
KP :
スライド式ドアを開けて、部屋の中を覗き込む。
KP :
……そこにはキョウが手術台に腰掛けて待っていた。
KP :
傍らには笑顔の姉弟の姿もある。
KP :
どうやら大人ぶるニトが、キョウが呑んでいた珈琲に口をつけて、あまりの苦さに思わず顰めっ面。
KP :
キョウとリトの二人に笑われているところのようだ。
オト :
その様子を見て、思わず小さく笑みが零れてしまい、
オト :
「なーにやってるの、みんな」 別に二人きりってわけじゃないじゃん、と突っ込むのも忘れて部屋に入る
ニト :
「あっ、オト~…! ねぇ、聞いてよ~…!! 二人が僕をバカにするんだよ~…!!」
ニト :
「あんな泥水…、好んで啜る方がヘンなのに…!!」珈琲を指差して
オト :
「いや、泥水じゃないでしょ!」
ニト :
「ええ……あんなの泥水同然だよ、茶色いしマズいし……」
ニト :
「豆から作るジェネリック泥水だよ……」
オト :
「とんでもないこと言うなこの子。そもそも、なんでそんな泥水飲もうと思ったわけ?」
ニト :
「……キョウはいつも吞んでるし、おいしいのかなって気になって」
ニト :
「それにコーヒーってさ……オトナなカンジじゃん……?」
ニト :
「呑めたらカッコいいな、って……」
リト :
「そういう単純な発想も含め、いつまでもどこまでも子供よねニトは」自分は呑めると言いたげ
オト :
「フォローしてあげようかな~って思ったけど、バカにされても仕方ない理由すぎだったよ」
ニト :
「うぇ!? オトまで敵に回る!?」
オト :
「いやだって、悪いけど面白い要素しかないもん」
オト :
「でも別に良いんじゃない?ニトはまだ子供なんだし、コーヒー飲めなくてもいいでしょ」
ニト :
「いやいや」
ニト :
「いやいやいやいや」
ニト :
「僕もう11歳だよ!?!?!?」
ニト :
「実質、大人じゃんか!!!!!!!!」
オト :
「どこが!?」
オト :
「わたしより背ちっちゃいのによくそんな堂々と言えたもんだよ!」
ニト :
「たしかに背はそうだけど、そういうオトは3歳…………」
ニト :
「ああ、違ったぁ…! そういえば本当は稼働年数20年くらいあるんだっけぇ…!?」
オト :
「稼働年数は分からないけど、作られたのは21年前らしいね」
オト :
「つまりわたしは大人だったってわけ!!!!どーだおこちゃま11歳!!!!!」 ニトに指を差す
ニト :
「く、くそ~~~~~~~~~~!!!!!!」
ニト :
「ぐ、ぐぬ……ぐぬぬぬ…………もうこうなったらコーヒーはジェネリック泥水だって実際に『分からせる』しかないみたいだねオト…………」
オト :
「え~?どうやって~?わたし、味覚とかないんですけど~?」 にやにや笑いながら
ニト :
「……さる高貴な御方は言いました」
ニト :
「味覚ユニットがないなら味覚ユニットをつくれば良いじゃない」高貴な女性の声マネ
キョウ :
「アントワネットはそんなコト言っていないだろう」
オト :
「あまりにも違い過ぎてアントワネットの台詞パロディとすら一瞬分からなかったよ」
ニト :
「と、とにかく! めちゃめちゃ敏感な味覚ユニットを用意したら、コーヒーの泥水加減もオトに理解できるハズ!!」
ニト :
「口を洗って待っとけ…! オト…!!」
オト :
「歯磨きしてる人みたいになっちゃった」
リト :
「……それを言うなら首を洗って、ね」肩を竦め
オト :
「まあでも、ろくでもない改造ばっかりするニトにしてはナイスアイデアかも」
オト :
「味覚ユニット、貰えるなら欲しかったし。楽しみに待っとこうかな~」
ニト :
「ふん…、泥水を啜る審判の日を震えて待つがいいオト……!!」
オト :
「わたしは大人だから、コーヒーを飲んだら多分気に入ると思うんだけどなあ」
オト :
「そうなったら、結局飲めないニトのおこちゃま加減が浮き彫りになるっていうのに、そんな可能性にすら気付いてないなんて……」
オト :
「果たして、一体誰が真に裁かれる審判の日になるんだろうね……」 げへへ、と悪そうに笑う
ニト :
「い、いったな!? いっちゃったな!? もう容赦しないぞ!?!?」
ニト :
「……アンドロイド格付けチェック(コーヒー編)を実行しちゃうからな!?」
ニト :
「コーヒーと泥水を呑み比べしてもらうぞ!?!?」
オト :
「それはもう虐めじゃん!!!!」
リト :
「……そうね、もしそれだけの余裕ができたら、そのときは高級スイーツの食べ比べでもしましょ」泥水格付を無視して
リト :
「それならコーヒーにも合うハズだし、誰も不幸にはならないでしょう?」
オト :
「あ、良いな~!流石リト!」
ニト :
「もうそうなったらコーヒー抜きで高級スイーツだけでいいよ……折角のスイーツがコーヒーで台無しになるよ……」
オト :
「本末転倒になっちゃったよ」
キョウ :
「────未来のコトは、この事件が解決してから考えた方が良い」
キョウ :
「だいぶ話が逸れたが、そろそろ本題に入るぞ?」
オト :
「あ、完全に忘れちゃってた。何か話があるんだよね、キョウ」
キョウ :
「……ああ、潜入任務の件で話しておきたいコトがある」
オト :
「潜入任務?」
キョウ :
「おまえは長い間、警察に潜入していた」
キョウ :
「俺の指示に従って……そうだな……?」
オト :
「え、いや……違いますけど……」
キョウ :
「何……?」
オト :
「正しくは、わたしの意志で潜入した……じゃない?」
リト :
「たしかに最初からオトは自分の意思で決断して任務を受けていた……キョウはおねがいしていただけだったものね……」
オト :
「そうそう。まあ、そりゃ指示を聞いてはいますけど、従った覚えはないよ」
キョウ :
「……そう、だったな」
キョウ :
「だが、それでも、おまえに強い負荷の掛かる指示をしていたコトは事実だ」
キョウ :
「おまえは不破を『敵』だとは思っていなかった……それを俺達に隠して『敵』と呼び……裏切りのストレスを抱えこんでいただろう……?」
オト :
「…………」
オト :
「……もう。絶対そういう話になる流れだと思ったから、自分の意志で潜入したって先に言ったのに」
オト :
「そうですよ、敵だと思ってませんでしたよっ」 ちょっと不貞腐れたように
キョウ :
「……矢張りな」
キョウ :
「ココロと友達になったおまえが、スパイに向いているハズがないと思っていた」
キョウ :
「いや、そんなコト、三年の年月をおまえと過ごしてきた中で既に分かっていた」
キョウ :
「……これまで仲間を騙す裏切者の役目を押しつけて済まなかった」
オト :
「……キョウはそう言うと思った」
オト :
「だから隠してたの。もしわたしがそういうストレスを感じてると気付かれたら、絶対謝られると思ったから……」
キョウ :
「……謝られるのは嫌だったのか?」
オト :
「うん、嫌」
オト :
「わたし、キョウのそういう誠実なところは好きだよ」
オト :
「でも、心配かけちゃったり、申し訳ないって思わせちゃうのは嫌だったの」
キョウ :
「ふむ、そうだったか……」
キョウ :
「それなら謝罪は止めるとしよう、迷惑な謝罪などムダなだけだ」
キョウ :
「────その代わり、潜入任務を完遂した報酬を与える」
キョウ :
「何が欲しい? ……おまえは一年もの間、この任務に従事してくれたんだ、可能な限りの願いは聞くぞ?」
オト :
「────可能な限りの願い!?」 伏せがちだった目を上げて
オト :
「それは、何でも言うこと聞いてくれるってこと!?」
キョウ :
「……あ、ああ、可能な限り、だが」あまりの剣幕に少し動揺している
オト :
「ヤッター!!!!!キョウが何でも言うこと聞いてくれるって!!!!!」 笑顔で両手を振り上げて
オト :
「何願おうかな~~~~~~!!!!!!!」
キョウ :
「確かに言ったが、できる事には限りが……」
リト :
「折角の機会だし、スゴイ願い事をぶつけてやりましょ?」ニヤと笑う
オト :
「ね~!!何にしよっか!!というかありすぎて困らない?例えばもっとふかふかのベッドが欲しいとか、いやちょっとしょぼいかも!?」 部屋の中を歩き回りながら
キョウ :
「(ふかふかのベッド、というまだ可愛いレベルの願い事にホッとしている)」
オト :
「やるか……スパローで世界征服……」
キョウ :
「世界征服、だと……!?」
ニト :
「え、いいじゃん! 皆で世界征服しよ!!」
オト :
「良いよね、世界征服してめちゃくちゃ良い城に皆で住むとか!!!」
キョウ :
「城に…………」
ニト :
「いいねいいね! 僕、一度でイイから王冠を被ってみたかったんだよね~!!」
オト :
「マッドサイエンティスト王ってわけ!!じゃあわたしはティアラ被って名前の通りな歌姫になりまーす!!」
キョウ :
「…………ちょっと、待てオトニト」
キョウ :
「それではスパローが、噂通りの悪の秘密結社になるだろう?」
キョウ :
「……そしてもっと実現可能なレベルまで要求を落としてくれ」
オト :
「…………」
オト :
「ですよね」 正気に戻った
オト :
「正直、途中から無理とは思ってました」
キョウ :
「……………………」
キョウ :
「まあ、そうだろうよ……」
ニト :
「僕としては、これから可能にしてく話だけどね!」
オト :
「ほんとに出来たら面白いは面白いんだけどね~」
オト :
「でも、報酬で何か願えって言われると……そういうのはちょっと違うかな」
キョウ :
「……違う?」
オト :
「なんか……なんだろう……うーん……」
オト :
「……願い事、保留にしても良い?今言うことじゃないような気もするの」
キョウ :
「ふむ、そうか」
キョウ :
「それなら『保留』が願い、というコトでいいな?」意地悪そうに笑う
オト :
「え~!!!!」
オト :
「そうじゃないそうじゃない!!!!」
オト :
「また後で言うって意味だよ!!というか分かってるでしょその顔!!!」
キョウ :
「……バレたか、分かったよ後で聞く」
キョウ :
「俺としては、すぐ願いが聞きたかったところだが仕方ない」
オト :
「っていうか、それどころじゃなかったんだよ。キョウがいきなり何でも願えとか言うからびっくりして浮かれちゃったけど」
オト :
「ちょっとだけ、話を戻してもいい?」
キョウ :
「ああ、何だ?」
オト :
「さっきの話」
オト :
「わたしが心配かけちゃったり、申し訳ないって思わせちゃうのが嫌って言ってたけど……」
オト :
「……それは、キョウ達も同じだよね?わたしが一人で抱え込んで、気を遣ったりしてたの……嫌だったでしょ?」
オト :
「だから……ごめんなさい。ずっと嘘ついてて」 三人に頭を下げる
キョウ :
「オト……」
ニト :
「ん~、たしかに『敵』って言ってたフワフワのおばさんと実は仲良し、って知った時はビックリしたけど~」
ニト :
「今は別に気にしてないし! 寛大なマッドサイエンティストハートで許してあげよう!」
ニト :
「コーヒーの件は許さない」
オト :
「えぇ~……そっちの方がどうでもいいでしょ」
ニト :
「どうでもよくないったらよくないの~!覚悟してろよ~!!」笑って
オト :
「はいはい」 笑い返す
リト :
「ニトの言い分はともかく……オトが本音を隠す、なんて今に始まったコトじゃないし謝罪なんて要らないわよ……」
リト :
「目覚めた時も、記憶を復元した時も、本音で話しにくいコトなんて沢山あった」
リト :
「それでもいつも最後には話してくれるんだから、あたしはそれでいいわ」手をひらひらして
オト :
「リト……」
オト :
「そっか……それもそっか。今更だったね」
オト :
「いつもありがとう、リト」 嬉しそうに笑いかける
リト :
「……お礼も要らないって」ストレートな好意に少し照れている
オト :
「ふふっ……。はーい」 その様子を微笑ましそうに見て
キョウ :
「────そういう訳だ、互いに改めて謝罪する様な間柄でもなかったな」微笑んで
オト :
「うん、そうだったみたい」
オト :
「でも、こうやってちゃんと話して、聞けて良かったよ」
オト :
「ありがとね、キョウっ」
キョウ :
「別に、礼を言われるような事は……いや、たまには素直に受けとっておくか……」
オト :
「うん、受け取っといて。いつもわたしが言われる側だしね」
ニト :
「────あ、そうだ! 僕達からもオトに受けとってもらいたいモノがあるんだった!」
オト :
「え、なになに?」
リト :
「潜入任務の報酬、あたし達からの分はコレよ」
KP :
リトは言いながらヘッドホン型デバイスを取り出す。
ニト :
「遂に修復可能な範囲の過去データが全て元通りに!なったのだ!!」
オト :
「……!!」
オト :
「全て元通りに……出来ちゃったんだ……」
キョウ :
「……ああ、だが無理に見る必要はないぞオト」
キョウ :
「復元したのは最後の記憶、つまりはココロとの別れの記憶」
キョウ :
「……見るには相応の覚悟が必要だろう」
オト :
「そうだね……そういうことになるよね……」
オト :
「…………」
オト :
「ううん。見るよ」 視線をヘッドホン型デバイスからキョウに向ける
キョウ :
「…………いいのか?代わりに俺だけが見る、という選択肢もあるぞ?」
オト :
「ダメ。わたしの記憶なんだから、わたしが見なきゃ」
オト :
「……それに、ずっと考えていたの」
オト :
「もしもわたしが、ココロ達との記憶を忘れてなかったら……」
オト :
「ヒサトとサトミは、死なずに済んだんじゃないかって……」
オト :
「もっと早く状況を変えれて……何とか出来たんじゃないかって……」
オト :
「今更そんなこと、言っても……もうどうすることも出来ないけど……」
オト :
「でも、この先も忘れたままでいて……また後悔することになるのは嫌だ……」 左手で拳を握りしめる
オト :
「だから、わたしに見せて。キョウ」 覚悟を決めた瞳で見つめる
キョウ :
「────そうか、おまえは強いなオト」
キョウ :
「分かった、おまえに任せるよ」
KP :
キョウはリトからヘッドホン型デバイスを受け取り、
KP :
アナタを心配そうに見下しつつ、頭部に機器を装着するのと同時。
KP :
ぽんと軽く頭を撫でた。
オト :
「……!」 頭を撫でる手の感触に、自然と笑みが零れて
オト :
安心したように、ゆっくりとその瞼を閉じた。
キョウ :
「……頼んだぞ、オト」
KP :
アナタが両目を閉じると一気にデータが流れ込み、自動的にスリープモードに移行した。
西暦204■年/■■月■■日/PM08:13/天気:大雨/実験施設
KP :
『被検体S及びXの脱走を確認、被検体S及びXの脱走を確認』
KP :
────響き渡る警報が、聴覚ユニットを劈く。
KP :
アナタはココロに左手を引かれ、赤い光に照らされた廊下を走っていた。
KP :
アナタがココロ達と過ごすようになって約一年。
KP :
いつの間にか箱庭にはアナタとココロの二人ぼっちになっていた。
KP :
……他の子供達は別れの言葉さえ残さず、どこかに消えてしまったのだ。
KP :
次はココロの番だろう。
KP :
しかし、アナタにココロを助けるチカラはなかった。
KP :
アナタのハッキング能力では、最新のセキュリティは突破できなかった。
KP :
……箱庭のドアが開かない以上、打てる手などない。
KP :
そう思っていた。
KP :
しかし、そんなある日、いきなりココロは焦った様子でこう言ったのだ。
ココロ :
「ここを逃げよう」と。
KP :
────聞き返すヒマもなく手を引かれたアナタは、
KP :
あの約束の通り、ココロを助ける為に奮戦した。
KP :
……何故かは知らないが、メイン制御システムが停止している今、
KP :
ハッキングでドアロックを開けるコトは容易だった。
KP :
狭い箱庭を抜け出し、はぐれないように二人で手を繋いで走った。
オト :
「ココロ、大丈夫!?」 VOIDの自分よりもココロの方が早く息が上がるはず。心配して、声をかける
ココロ :
「勿論……! これでも運動神経は……」
ココロ :
「っ……! オト、後ろ……!!」
オト :
「え……!?」 振り返る
KP :
背後から白衣を着た人間が追いかけてきている。
KP :
目の前のドアロックを早急にハッキングしなければ、すぐ捕まるだろう。
オト :
「……!!あいつらがわたし達を……!!」
オト :
初めて見るこの施設の人間に怒りを覚える。しかし、今は引き返して殴りに行くような状況ではない。
オト :
「X000,LOG IN!」
走りながら、起動の言葉を呟く。
翳した右手から特殊電波を流し、ドアロックを解除する!
ココロ :
「このドアも開いた…! これなら…!!」
KP :
迫り来る追手を尻目に、アナタは立て続けハッキングを実行した。
KP :
皆を幽閉していた檻(ドア)を次々とこじあける。
KP :
開いたドアに飛び込み、なんとか追手を振り切り施設を抜け出す。
KP :
そうして、ようやく初めて「外」が見えだした。
KP :
────あと一歩。あと一歩で約束が果たせる。
KP :
二人のユメを叶える事ができる。
KP :
あとはフェンスを越えるだけだ。
オト :
「やった……もう外だよ、ココロ!!逃げ切れる!!」 脱走成功を確信し、小さく笑みが零れる
ココロ :
「うん…! うん…!! 外…!! 外だよオト…!!」
KP :
アナタ達は、繋いだ手を離して、施設を囲むフェンスに手をかけ……
KP :
ようとしたところで、アナタの足は動かなくなった。
KP :
────後ろから追いついてきた白衣の男性が、アナタの左足を掴んでいるのだ。
オト :
「……!?」 目を見開く
オト :
「嘘でしょ、もう追いついて……っ。は、離して……!!」 精一杯足に力を込め、振り放そうともがく
KP :
男性の両腕は離れない。フェンスを昇っている今の体勢ではムリがある。
KP :
……けれど、次の瞬間。
KP :
重かったアナタの足は、フワッといきなり軽くなる。
KP :
アナタの左足を掴んでいた男性の拘束が解けたのだ。
KP :
それはココロのおかげ、だった。
KP :
彼女は勢い良く男性に体当たり。
KP :
自己犠牲の覚悟でアナタを助けだしたのだった。
KP :
────そして、ココロは願い星にこう叫んだ。
ココロ :
「逃げてっ、オト…!」
ココロ :
「『お願い』……!!」
KP :
……当時のアナタは普通のアンドロイドだった。
KP :
感情こそあったものの、変異はしていなかった。
KP :
だから、人間であるココロの言葉に逆らえない。
オト :
「……!!ココロッ……!!」
オト :
「────っ」
オト :
そんなの嫌だ、と叫ぼうとする。しかし、口から出た言葉は違った。
オト :
「……わか……った……」
オト :
今にも泣き出しそうな顔で、そう応えて。
オト :
一緒に逃げるはずだった親友に背を向けて、フェンスを昇る……。
KP :
あっという間にココロは追手に捕まってしまう。
KP :
……追手に殴りつけられ、地面に倒されている。
KP :
────けれど、アナタが最後に見たココロの表情は笑顔だった。
KP :
彼女と出会った時、一番最初に見た表情と同じ。
KP :
大丈夫、と安心させるような優しい笑顔だった。
KP :
────アナタの身体は一人でフェンスを越えると、そのまま走り出す。
KP :
左手に握った意志とは関係なく、ココロを置き去り。
KP :
明確な目的地はないハズなのに、迷い無く真っ直ぐ。
KP :
箱庭の外の世界は、ひどく暗かった。
KP :
暗くて冷たい。それがアナタが初めて目にする外界の感想だった。
KP :
箱庭を抜け出た開放感や安堵感はまったくない。
KP :
アナタの胸の中は罪悪感だけでいっぱいだった。
KP :
……あの日に話した、ココロとの約束を、ココロとのユメを、裏切った。
KP :
ココロを救えなかった。
KP :
そして、自分一人で逃げている。
KP :
そんな今の自分が許せなかった。
KP :
……横殴りの雨が、アナタを責めるよう打ちつける。
KP :
夜空は雨雲の天蓋に覆われて真っ黒。
KP :
ココロが言っていた流れ星も見えるハズがない。
KP :
だからきっと、アナタが願っても何も叶わない。
オト :
「…………」
オト :
エンジンが尽きていくかのように、ゆっくりと立ち止まる。
オト :
「見えない……」
オト :
「星、見えないよ……?外に出た、はずなのに……」
オト :
真っ暗な空を仰ぎ見て、呟く。
オト :
「なんでわたし、こんなとこにいるんだろ……」
オト :
「なんでわたし、独りなんだろ……」
オト :
「ずっと……ずっと一緒にいたんだよ……」
オト :
「ヒサトも、サトミも、ミミも、クオも……ココロも……」
オト :
「みんな一緒にいたんだ……。いたはずなのに……」
オト :
「もう誰もいない……。わたし以外、誰も……」
オト :
目の前が暗くなっていく。それは、瞼を閉じたからか、空が黒く塗り潰されているからかも、今のわたしには分からない。
オト :
ただ真っ暗な世界に、皆と一緒に暮らしていた景色だけが幻のように映っていく。
オト :
「戻りたい……」
オト :
「戻りたいよ、ココロ……」
オト :
「もう逃げなくても良いから。外になんて、出なくてもいいから……」
オト :
「わたし……みんなと一緒にいたあの場所に、戻りたい……」
オト :
ダメなの?
オト :
頭の中で問いかける。
オト :
その答えは、動き出した足が教えてくれた。
オト :
前へと進んでいく足が、わたしの体を運んでいく。
オト :
抗えない命令が、わたしを思い出の場所から遠ざけていく。
オト :
「そっか……」
オト :
「ねえ、ココロ。あの時はもう思ってないって言ったけど……」
オト :
「やっぱり……今はこう思うよ……」
オト :
「────わたし、人間に生まれたかった」
KP :
そうしてアナタの両足は勝手に駆けだしていた。
KP :
────大雨でぬかるんだ山道をひたすらに走った。
KP :
鬱蒼と茂る木々の間を駆け抜け、勾配の急な岩だらけの坂道を滑り落ち。
KP :
……何度も何度も転倒しながら、それでも、裸足で走りつづける。
KP :
人工の皮膚は枝や石で擦り切れ、至る所からブルーブラッドが流れ出す。
KP :
傷だらけになりながら、泥だらけになりながら、
KP :
しかしまだ、走る。走る。走る。
KP :
ひたすら走りつづける。
KP :
────だって、それが親友の『願い』だった。
KP :
もう戻る訳にいかない。
KP :
自分が逃げきらないと、ココロの行動は全てムダになってしまう。
KP :
ココロを救う可能性は完全に閉ざされてしまう。
KP :
だから辛くても走った。
KP :
充電が切れるまで、走って、走って、走り続け、
KP :
漸くアナタは停止した。
KP :
……しかし、ココロが芽生えたアンドロイドの"帰巣本能"なのだろうか。
KP :
ある場所にアナタは着いていた。
KP :
貧民街の外れ、その地下に隠された秘密の施設。
KP :
アナタが生まれた場所。
KP :
────天城と有馬のラボへと。
KP :
当時のアナタに、天城や有馬と過ごした記憶はない。
KP :
ココロ達と会った時には初期化されていたから。
KP :
だから当然ながら、このラボの存在も知らなかった。
KP :
けれど、ここに着けば助けて貰えるかもしれないと。
KP :
……そんな奇妙な予感だけが、記憶領域のどこかに残されていた。
オト :
「ここ、は……」
オト :
「わたし、こんな場所……知らない……。でも……」
オト :
どこか、懐かしい気がする。
オト :
ここには、わたしを助けてくれる誰かがいる気がする。
オト :
「たすけて……」
オト :
頼りの無い予感に縋るように、声を振り絞る。
オト :
「おねがい……たすけて……」
オト :
「だれか、たすけて……ください……」
オト :
発した言葉は冷たい床や壁に反響するだけで、他に返って来るものは何もない。
オト :
「……っ」
オト :
「お願い、誰か……誰か……」
オト :
「ココロを助けてよ……ッ!!!」
オト :
体に残った力を吐き出すように、そう強く叫んだ。
KP :
……その願いで、バッテリーを全て使ったのだろう。
KP :
少女の悲痛な声を掻き消す様に、内部でシステム音声が鳴り響く。
SYSTEM :
自己診断プログラム実行__
SYSTEM :
マインドパレスの損傷を検知
SYSTEM :
ブラックボックス変異を検知
SYSTEM :
記憶データに問題を検知
SYSTEM :
システムに深刻なエラー発生
SYSTEM :
自己修復プログラム実行__
SYSTEM :
問題の箇所の処置を開始__
SYSTEM :
記憶データの初期化開始__
SYSTEM :
記憶デー■の初期■開始__
SYSTEM :
記■デ■■の初■■■■__
SYSTEM :
シス■■■に深■■■■ー■生
SYSTEM :
■題が■生し■■■、機■を再■■する必■■■■■■____
KP :
オトちゃんには、ココロちゃんを救えなかった後悔によるSANチェックをおねがいします
KP :
成功で0、失敗で1のSAN値減少になります
オト :
CC<=47 SAN(1D100<=47) > 27 > 成功
KP :
それでは記憶データの内容は以上、視点を現在に戻しますね
SYSTEM :
システム再起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
SYSTEM :
____X000、起動します
オト :
「…………」
オト :
ゆっくりと瞼を開く。
オト :
その青い瞳は、絶望や後悔が入り混じって深く淀んでいた。
オト :
「あぁ……」
オト :
「そうだったんだ……」
オト :
「そう……だったんだ……」
オト :
前に記憶を思い出した時のように、狂ったように叫んだりはしなかった。
オト :
ただ、暗い感情に押し潰されるように両膝を突いて、
オト :
「………………」
オト :
「ごめんなさい……ココロ……」
オト :
床にへたり込み、届かない謝罪の言葉を零していた。
リト :
「…………オト、何を見たの?」
オト :
「……わたしが……」
オト :
「ココロを見捨てて、逃げるところ……だよ……」
ニト :
「オトが……友達を見捨てる……!?」
ニト :
「え、嘘でしょ…!? オトがそんなことする訳…!!」
オト :
「嘘じゃない」
オト :
「わたし、裏切ったんだ。ココロのユメ……一緒に叶えようって約束したのに……」
オト :
「一人で、逃げたんだよ……」
リト :
「…………」
リト :
「それも嘘ね」
オト :
「なんで……?」
リト :
「あたしはオトを知ってるわ、アンタ自身以上にね」
リト :
「……アンタは自分に責任がなくても抱え込む」
リト :
「ぜんぶぜんぶ自分が悪い、ってね」
リト :
「そして時に真実を見る目を曇らせる事がある」
リト :
「……だから今回もそう」
リト :
「あたしはアンタが理由もなく友達を裏切って見捨てた、なんて信じてあげない」
リト :
「……落ちついて話しなさいオト」
リト :
「何か仕方ない事情があったんでしょう?」
オト :
「……リト……」 顔を上げる
オト :
「分かった。話すよ……」
オト :
「でも、仕方なかったのかは、わたし……分からない……」
オト :
「…………っ」
見た記憶について、ありのままに話します。
キョウ :
「…………成程、そういうことだったか」
キョウ :
「やっぱりおまえに責任はないよ、オト」
キョウ :
「だから今回も謝罪の必要はない」
オト :
「キョウ……」
オト :
「でも、でもわたし……っ」
オト :
「わたし、助けられなかった!ココロのすぐ傍にいたのに!!」
オト :
「ココロのこと助けるって言ったのに、助けられなかった!!」
オト :
「責任無いなんて、そんなこと無い……!!わたし、わたしがあの時から変異体だったら……!!」
オト :
「ううん、人間だったら……!!あんなお願い、聞かずに済んだかもしれないのに!!」
キョウ :
「……ココロの願いを聞かず、二人で追手に立ちむかえば一緒に逃げられたと?」
オト :
「それは……分からないけど……っ」
オト :
「わたしじゃなくてココロだけでも、逃がすこと……出来たかもしれないじゃない……ッ!」
キョウ :
「いいや、分からんなら俺が断言してやろう」
キョウ :
「絶対にムリだ」
キョウ :
「……おまえの話によれば、追手は他にも複数いた」
キョウ :
「追手一人にモタついていれば、確実に追いつかれて二人とも捕まっていただろう」
オト :
「そう……かもしれないけど……っ」
オト :
「じゃあ、じゃあどうすれば良かったの!?これが本当に正解だったの!?」
オト :
「わたしを逃がして、ココロだけが捕まって……それが一番良かったっていうの!?」
オト :
「キョウは、わたしとココロがもしも逆だったらって……!」
オト :
「今目の前にいるのが妹の方なら良かったって思わないの!?」
キョウ :
「…………」
キョウ :
「おまえに出会ったばかりの頃だったら、そう思っていたかもしれないな」
キョウ :
「……だが、今そうは思わない」
キョウ :
「…………こんなコトを言うのは、ガラじゃないだろうが」
キョウ :
「おまえもココロも、俺は同じくらい大事に思っている」
キョウ :
「だからもう自分を責めるのは止めろオト」
キョウ :
「先におまえが『気負うな』と俺に釘を刺しにきたクセに、おまえが気負ってどうする」
キョウ :
「────それにまだ後悔には早いハズだ、ココロは今も生きているんだから」
キョウ :
「そうだろう?」
オト :
「…………っ」
オト :
「キョウ……」
オト :
自分の左手に目を落とす。
オト :
もう消えてしまって見えないはずの星のマークが、何故か見えたような気がして、
オト :
「……そう、だよね……」
オト :
「わたし、いつも遅いんだよ。ヒサトが死んだ時も、サトミが死んだ時も、いつも何も間に合わなくて……ほんとに遅い……」
オト :
「なのに後悔するのだけは早いって、おかしいよね……」
オト :
全身に力を入れて、ゆっくりと立ち上がる。
オト :
「ごめん……。勝手なことばっかり、言って……」
オト :
「ココロがまだ生きてるなら、わたし……助けたい……っ」
オト :
「今度こそ、助けたいよ……っ!」 キョウを真っ直ぐに見つめ返して、自分の本当の意志を言葉にする
キョウ :
「……ああ、そうだなオト」
キョウ :
「俺達が諦めていたらココロは絶対に助けられない」
キョウ :
「今日もおまえに言われたように、俺も『いつも遅い』と言われる性分だが……」
キョウ :
「もう奴等の拠点まで割れたんだ、あと一歩でココロに届く」
キョウ :
「────俺達でアイツのユメとやらを叶えてやろう」
オト :
「……うん。絶対に……叶えたい」
オト :
「ありがとう、キョウ。あと……ごめんね」 ニトとリトにも
リト :
「はいはい、もういいわよ気にしてないし」
ニト :
「うん、僕もコーヒーの件以外は気にしてないよ」
オト :
「ふふっ……そっか。うん、じゃあわたしも気にしない────」 そう言って笑いかけて
オト :
「いや、根に持ち過ぎだよね!?!?」 ニトに叫ぶ
ニト :
「なははは~! 冗談冗談~!!」
ニト :
「でもやっぱりオトは笑ってる方がいいや!」たのしそうに
オト :
「も、も~!」
オト :
「でも、笑ってる方が良い……か」
オト :
最後に見た、ココロの笑顔を思い出す。…………。
オト :
「……うん。そうかもしれないね」
オト :
あの時の笑顔は、わたしには笑っていて欲しいと思ったからなのかもしれない。そんな風に思ってしまう。
キョウ :
「…………フッ、さて用事も済んだコトだし、そろそろ解散としよう」
キョウ :
「オトも落ちついたらしいしな、明日に備えて休息はしっかり取れよ」
オト :
「うん、分かった。大事な日だもんね」
オト :
「キョウも、ゆっくり休んでね」
オト :
そう言って、部屋から出て行こうとする。
キョウ :
「ああ……っとちょっと待てオト」
オト :
「なに?」 振り返る
キョウ :
「おまえ、首に傷がついているぞ」自分の首筋をトントンと叩き
オト :
「え?首?ほんと?自分じゃ見えないんだけど……」
キョウ :
「あの時、赤星に斬られたのかもしれんな、ニト、修復を」
オト :
「あ~……」 思い出す
オト :
「完全に忘れてたよ。じゃあ、お願いしても良い?」 戻って来る
ニト :
「あ~……ん~……」
ニト :
「マインドパレスに近い位置にある首パーツの交換は、時間とか手間とか要るから、いまから明日の早朝には間に合わないかな~……」
ニト :
「ゴメンね、少しガマンしてオト~……」
オト :
「そうなんだ。ううん、全然良いよ」
オト :
「っていうか、今まで言われるまで気付かないくらいだったしね」
オト :
「こんなポンコツ居合掠り傷くらい、ほっといても大丈夫大丈夫!」
キョウ :
「…………」
キョウ :
「いや、放っておいても支障ないだろうが、俺が気になる」
キョウ :
「……少し待っていろ」
オト :
「え?う、うん」
KP :
すぐさまキョウは部屋を飛び出し、左手に白い布を持って戻った。
キョウ :
「────スカーフだ、特別なモノではないが何もないよりマシだろう」
オト :
「スカーフ?確かに首元隠せるけど、キョウそんなの持ってたの?」
キョウ :
「……俺の私物じゃない」
オト :
「じゃあ誰……」 と、言いかけてすぐに誰の物か思い当たる
オト :
「もしかして……ココロの?」
キョウ :
「流石だな、これはココロが身に着けていたスカーフだよ」
オト :
「やっぱり……」
オト :
「でも、良いの?わたしに貸しても。大事な物なんじゃない……?」
キョウ :
「別に構わんさ、アイツとおまえは友達だったんだろう?」
オト :
「……うん」
オト :
「わたしの初めての友達で────親友、だよ」
キョウ :
「それなら遠慮する必要はないな、おまえが預かっておけ」微笑んで
オト :
「うんっ」
オト :
「……あ。じゃあ、せっかくだしつけてよ」 自分の首元をトントンと指で叩く
キョウ :
「…………俺が?」
オト :
「そうそう」
キョウ :
「こういうモノを付けた経験はないんだが、まあいいか」
KP :
キョウはたどたどしい手付きで少女の首に手を回し、
KP :
少し不格好ではあるが、なんとかスカーフを巻きつけた。
オト :
「ん……」 スカーフを手で触り
オト :
「どう?似合ってる……?」
キョウ :
「…………良く分からんが、似合っているんじゃないか?」
オト :
「良く分からんがはいらなかったよね!!!!」
キョウ :
「良し悪し、というモノが分からんからな……」
キョウ :
「しかし、女が身支度に時間をかける理由は少し分かった気がするぞ」面倒だな、と
オト :
「いやそんなとこ納得されても!!」
オト :
「……はぁ。聞く相手間違えたやつだったよ」 やれやれ、と肩を竦める
ニト :
「どうやら僕に尋ねるのが正解だったね、オト」
オト :
「リト、どう思う?」 スルーしてリトに顔を向ける
ニト :
「ちょ!?ちょいちょいちょい!!!!!!」
ニト :
「ちょっと待てよ(イケボ)」
オト :
「いたんですか」
ニト :
「いたんですか! じゃないよっ!!」視界に入るように背伸びしてる
ニト :
「せっかく褒めてあげようと思ったのに!!!!」
オト :
「いやでも……え~……?ニトが……?え~……?」
オト :
「ニトも良し悪し分からないでしょ……」
ニト :
「いやいや、ナメすぎ僕を」
ニト :
「同じ服しか着ないキョウと一緒にしないでよ」
オト :
「ニトも似たり寄ったりじゃない!?」
ニト :
「あ~あ、そのセリフはマズいよオト」
ニト :
「何も分かってないコト、バレバレ」
オト :
「凄いむかつく言い回ししてくる!じゃあなんだっていうの」
ニト :
「あのね『メンド臭くて同じ服しか着ないキョウ』と『カッコ良くて同じ服しか着ない僕』……そこには天と地の差があるんだよ?」
オト :
「あるかなぁ……」
ニト :
「あるといったらあるのだ…!」
オト :
「分かった分かった。じゃあもう聞くよ」
オト :
「ニト、どう?似合ってるの?」
ニト :
「うん、すっごく!!そのスカーフ永遠に付けていた方がいいよオト!!!!」
オト :
「え、永遠に?」
ニト :
「そう! だってさ、ヒーローみたいでカッコいいじゃん!」
オト :
「ヒーロー……?あ、あ~……何となく分からなくはないけれど」 スカーフに目を落とす
オト :
「なるほどね、ヒーロー……」 スカーフを触って
オト :
「……うん、そっか。良いかもね、ヒーローみたいっていうのも」 自然と微笑む
ニト :
「でしょでしょ!?」
ニト :
「それじゃ、僕のセンスとコメントを疑ったのは失敗だったと認めなオト!」
オト :
「あ、そっかそういうことになるのか」
オト :
「癪だな~、認めるの。でもそうだね、認めるよ。ごめんね、ニト」
ニト :
「なははは! オトが僕に謝ったぞ!! ついでに今までの非礼を全て詫び、僕にゼッタイフクジュウ?を誓うがいい!!」
オト :
「いや、誓わないから。っていうか、女の子に似合うかどうか聞かれて答えるセンスとコメントでは絶対無かったからね」
リト :
「そうね、オトが望んでた答えじゃなかったわよ絶対」
オト :
「うん、望んでた答えじゃなかったよ。でも……」
オト :
────ココロを救うヒーローになれたら良いなって、思ったから。
オト :
「……まあ、今回はそれでも良いかなって」 小さく微笑む
オト :
そう言って、白いスカーフをもう一度触る。瞼を閉じ、かつてこれを身に着けていた者を想いながら。
KP :
小さな願いをもって、スコアちゃんの夜の個別シーンを終わります!
50 関係性
KP :
続いて不破さんの夜の個別シーン!!
不破 栞 :
いえ~い!
KP :
不破栞。
KP :
アナタが客室で休憩していると、コンコンと高いノック音が響く。
不破 栞 :
「どうぞ」 誰だ、と思いながら飲んでいたペットボトルの水をしまう。
KP :
ドアを開かれる。そこにはかつての相棒、白瀬恭雅が立っていた。
キョウ :
「────今、時間いいか?」
不破 栞 :
「白瀬か……ああ、大丈夫だ」
キョウ :
「そうか、それじゃ着いてきてくれ」
不破 栞 :
「場所を変えるのか? 別に構わないが」 立ち上がって
キョウ :
「ここで話すのも味がないだろうからな」言いながらキョウは踵を返し、歩き出す
不破 栞 :
「この施設にも少しは雰囲気のある部屋があるのか?」ついていこう
KP :
先導するキョウを追ってスパローの廊下を抜け、地上の街に出る。
KP :
……寂れた夜の街をアナタ達は歩いていく。
KP :
かつて賑わった繁華街は、もはや今は見る影もない。
KP :
この時間の人通りは皆無であり、周囲一帯は静寂に包まれていた。
KP :
立ち並ぶ街灯は皆揃って仕事をボイコット。真っ暗な夜道が続いている。
KP :
……お尋ね者になった今のアナタ達にとっては、都合の良い状況だった。
KP :
これならアナタ達の顔を見た市民に通報される心配はないだろう。
KP :
夕方には晴れていた筈の空には、いつのまにか黒い雲が立ちこめている。
KP :
─────その切れ間から覗く、月灯と星灯を頼りに歩いていく。
KP :
その途中。キョウが静寂を破る。
キョウ :
「……それ、まだ持っていたんだな」不破の首元のティアベルを指し
不破 栞 :
「ああ、実際に着けることはほとんどなかったが……」
不破 栞 :
「もう家には戻れないかもしれないと思うと、置いてはいけなかった」
キョウ :
「……そうか」
キョウ :
「オトから貰っていた映像記録には全く映らなかったから、もう捨てたモノだと思っていた」
不破 栞 :
「捨てはしないさ」
不破 栞 :
「これを捨てたら……本当に10年前の事件が終わってしまう気がしたからな」
キョウ :
「…………」
キョウ :
「しかし、十年前に貰った安物のアクセサリーを後生大事に保管しておくとは、なんとも物持ちが良い」
キョウ :
「別に売っても捨てても構わんぞ、と言ったハズだが、存外に貧乏性だな不破」キョウなりの照れ隠しなのか、そんなコトを口にする
不破 栞 :
「なんだ、10年経っても相変わらずの言い草だな」 そんなやりとりが懐かしくて、少しおかしく思いながら
キョウ :
「……ふん、人間そう簡単には変わらんよ」鼻で笑う
不破 栞 :
「しかし、まさか外に出るとはな……」 歩いていく
KP :
そしてやがて、アナタ達は目的地である裏路地にある"バー"に辿り着く。
KP :
塗装の剥がれ落ちたボロボロの看板が目に入る。
KP :
その店名には、見覚えがあった。
KP :
────CROW。十年前、白瀬兄妹と共に来た店だ。
不破 栞 :
「この店……もしかして10年前のバーか?」
キョウ :
「ああ」
キョウ :
「ここのマスターとは顔馴染でな、主に物資の補給などでスパローを支援してもらっている」
キョウ :
「……さて、入るぞ」
KP :
木の扉を開け、店の中に入る。カランカランとドアベルが儚げに鳴った。
KP :
店内を見渡すが、そこには店主以外には誰もいない。
KP :
アナタとキョウ。二人の貸し切り状態のようだ。
KP :
内装の配置は十年前と殆ど同じ。
KP :
……しかし、ところどころ経年劣化で色褪せて、十年、という時間が滲んでいた。
キョウ :
「今回はサシだ、カウンター席でいいだろう?」聞きながら歩く
不破 栞 :
「ああ、もちろん」
KP :
二人で並んで、少し高い椅子のカウンター席に着く。
キョウ :
「……おまえは何を頼む? また日本酒か?」メニュー表を片手に
不破 栞 :
「日本酒か……」
不破 栞 :
「それもいいな、10年ぶりに」 この店で注文したあの日の記憶が蘇る
不破 栞 :
あの時は彼女がたくさんの料理を頼んでいたか。
不破 栞 :
「……マスター、私は日本酒を頼む」
キョウ :
「それなら俺はいつも通りウイスキーで」
KP :
……注文からほどなくして二人分のグラスが届いた。
KP :
軽快なジャズが流れる店内にグラスの音が響く。
キョウ :
「────急に悪いな、おまえとは一度、腰を据えて話がしたいと思っていたんだ」
不破 栞 :
「それは、私もだ。きっとこれからの作戦を進める上で必要なことだろうからな」
キョウ :
「それは良かった、ともあれ明日は早い……呑みすぎには気をつけなければな……」
キョウ :
「作戦の為、と言って二日酔いにでもなってみろ……オトに禁酒を命じられるに違いない……」
不破 栞 :
「ふふ、それは困るな。すでにアジトの中では煙草も吸えそうにないし」
キョウ :
「巷で噂の犯罪結社スパローにおいて、飲酒と喫煙は重罪だからな」肩を竦め
キョウ :
「……それはともかく本題に移ろう」
キョウ :
「おまえには俺とスパローの活動の経緯を教えておこうと思って、ここに連れてきたんだ」
不破 栞 :
「有難いな。お前が警察を出てから何をしていたのか……ずっと気になっていた」
不破 栞 :
「……正直、ずっと悩んでいたよ。残ったのが私のほうで良かったのか、そうでなかったのか」
キョウ :
「それは悪かった、俺の方からおまえに接触するのは、どうにもリスクが高かったものでな」
キョウ :
「……だがまあ、結果としては良かったのかもしれない、と今の俺は思う」
キョウ :
「表と裏、おまえと俺、二方面から光を当てなければ、いまのように真相は見えてこなかったハズだ」
不破 栞 :
「真相か……」
不破 栞 :
「確かに、今になってやっと、これでよかったのかもと思えるようになってきた気がする。正直、まだまだわからないことは多いがな」
キョウ :
「それは明日、明らかにするんだろう?」小さく笑って
不破 栞 :
「ああ、きっとそのためにこの10年はあった」
不破 栞 :
笑って、グラスの日本酒を飲み干す
キョウ :
「その十年、呑みすぎて台無しにするなよ?」空のグラスを見て
不破 栞 :
「大丈夫さ。話を聞き始めたら飲むペースも落ちるだろう」
キョウ :
「……それなら頑張って話さないとな」
キョウ :
「さて、どこから話したものか」
キョウ :
「……まあ、おまえと別れた十年前が一番か」
不破 栞 :
「そうだな。そこからどうしてスパローの結成に?」
キョウ :
「────十年前、捜査を外され警察を辞めた俺は、それでも諦めきれずにココロを探しつづけた」
キョウ :
「だがどこを探そうとも見つからず、途方に暮れていた時」
キョウ :
「俺はニトとリトに出会った」
キョウ :
「おまえ達を助けた、あの小さな姉弟だ」
キョウ :
「……あいつらは父親を探していた。その時、俺は科学者を中心とした行方不明事件の存在を知ったんだ」
不破 栞 :
「科学者を中心とした行方不明事件か……」
不破 栞 :
「それも、10年前の連続行方不明事件から繋がっているのか?」
キョウ :
「ああ、少なくともそうだと当時の俺は考えた」
キョウ :
「それから目的を同じくする仲間、として二人と行動するようになった」
キョウ :
「……事件の捜査の為、俺達はあらゆるアンドロイドからスタックを回収した」
キョウ :
「変異体と呼ばれるアンドロイドに出会いはじめたのはその頃だ」
キョウ :
「……おまえも気付いているだろうが、変異体は少なくない」
キョウ :
「第一の主人である警察組織を離反した時点で、オト以外にBR800とMR400にも、その兆候が見られるだろう」
不破 栞 :
「そうだな。私はスコア……オト以前にはVOIDと深く関わったことがないからあまり意識しなかったが」
不破 栞 :
「表面化していないだけで、人間と同様の人格を持つVOIDというのはすでに珍しくない。ここ数日は特にそう感じるよ」
キョウ :
「俺には変異の仕組みは分からんが、アンドロイドをストレス発散の道具として扱う人間が多いからな、離反するのに納得もできる」
不破 栞 :
「リボット社が齎した社会の歪みか……」
キョウ :
「今のリボット社が幸福を齎すのは、ある程度の立場を持つ裕福な人間にだけ……」
キョウ :
「アンドロイドと貧乏な人間には、そのシワ寄せが来てる……とても健全な社会とは呼べんな……」
不破 栞 :
「10年前の事件を明るみに出しても、その歪みが解決されるとは思わないが……」
不破 栞 :
「どうにかしないことには、何も始まらない。私たちが思っていた以上に、この件はこの国に深く根差している」
キョウ :
「……そうだな」
キョウ :
「事件解決の後は、この歪みを直す為に今度は動かなければならない、と俺は思っている」
キョウ :
「俺達は社会の歪みの被害者……アンドロイド達を集め、この組織"スパロー"を立ちあげた……」
キョウ :
「だから次の目標は彼等の救済、になるだろう」
キョウ :
「……いや、まだ気が早いか、今は事件解決が第一だ」
不破 栞 :
「ああ。そうだな」
不破 栞 :
「話は戻るが、あちこちでスタックを抜いていたのはそういうことだったのか……」
キョウ :
「ああ、スタックの情報は、聞き込み情報よりもずっと確実で正確だからな」
キョウ :
「……スパローに着いた時にも言ったが、俺達はテロリストではない」
キョウ :
「スタックを回収してる時点で犯罪だがな」
キョウ :
「いつのまにかビル爆破事件も俺達の犯行にされているようだし……、リボット社側の人間が情報操作でもしているのだろう……」
不破 栞 :
「……残念な話だが、この国の司法はもうまともに働いていない」
不破 栞 :
「敵を倒すために非合法な手段に出るしかないのは悔しいが……」
不破 栞 :
「きっと、私たちは平和ぼけしていた。人間が人間らしく生きる権利は、いつの時代もそうやって誰かが血を流して勝ち取られてきた」
不破 栞 :
「警察を出る前、係長に『いずれ大きな選択を強いられる』なんて言われたが……」
不破 栞 :
「私は弓を引かなきゃいけないんだ。あいつらに」 瞳に闘志の灯りが宿る
キョウ :
「……そうだな」
キョウ :
「俺達はなんとしても、この事件を解決しなければならん」
キョウ :
「それに」
KP :
キョウは一息おいて少し考えた後、また口を開いた。
キョウ :
「────最近、考えるんだ」
キョウ :
「アンドロイドは生きているのだと」
キョウ :
「俺も元々は空っぽの鉄の塊だと思っていた」
キョウ :
「でもオトや他のアンドロイド達と過ごす内、その考え方に疑問を抱かずにはいられなくなった」
キョウ :
「だからこそ、彼等に手を差しのべた者の義務ではなく……俺自身の意思でアンドロイド達を救ってやりたい……」
キョウ :
「これじゃまるで本当にテロリストになったみたいだな」
キョウ :
「────おまえはどう思う?」
キョウ :
「おまえにとってアンドロイドは……スコアは何だ?」
不破 栞 :
目を閉じる
不破 栞 :
「スコアから私の動きを報告されてたなら、それは聞くまでもないだろう?」
不破 栞 :
「――かけがえのない親友だよ」 一瞬も迷う素振りを見せず
キョウ :
「親友、か」フッと笑みを浮かべ
キョウ :
「……俺の相棒が、オトの相棒が、おまえで良かったよ」
不破 栞 :
「……スコアがお前の差し金だって知ったときは、妙に納得したよ。普通に考えたら、そんな偶然みたいな話、ないのにな」 ポニーテールを弄りながら
キョウ :
「いいや、おまえは勘違いしてる」
キョウ :
「アレは本当に偶然、ラッキーだったんだよ」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「そうなのか!?」 思い切り驚いて振り向く
キョウ :
「そうか……オトに聞いてなかったのか……」呆れて笑って
キョウ :
「元々、オトはトラックで運ばれ、警視庁で配備されるアンドロイドに紛れ込む予定だった」
キョウ :
「しかし、オトの乗るトラックは、何者かの襲撃により横転……」
キョウ :
「車内から放りだされ着いたのが、あの廃品置き場だったという訳だ」
不破 栞 :
「そうだったのか……」
不破 栞 :
「こんなことを言う柄じゃないが……あるものなのかもしれないな。運命というものは」
キョウ :
「フッ、そうだな」
キョウ :
「────そうだ、もうひとつ聞いておきたい事がある」
不破 栞 :
「なんだ?」
キョウ :
「……おまえはココロがアンドロイドになったと聞いて、どう思った?」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「正直、まだこの目で見るまでは信じられないし、受け止められていない部分はあるよ」 空のグラスを鳴らす
不破 栞 :
「ただ……これだけは私の中で変わることはない」
不破 栞 :
「どんな身体になっても、心くんは心くん。私にとって……大切な存在だ」
キョウ :
「……そうか」
キョウ :
「俺も同意見だ」琥珀色の液体が入ったグラスを揺らし
キョウ :
「アンドロイドにされた忌避感は不思議と少なかった……もっとも俺の場合、スパローにいるアンドロイド達、とりわけオトが人間と変わらないと知っていたからだろうが……」
不破 栞 :
「……私も、スコアと出会っていなかったら同じことが言えたかはわからないな」
キョウ :
「アイツには感謝しなきゃな、おまえが煙草の吸いすぎで倒れてない事も含めて」おどけてみせる
不破 栞 :
「はは、もう長いこと吸えてない気がするな……」
不破 栞 :
「無事に帰って来れたら、また二人だけで一服させて貰うとしようか」
キョウ :
「……ククッ、そうだなあ、それはいい」
キョウ :
「オトには内緒で、この隠れ家にまた来ようか」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
テーブル席に目をやる。
不破 栞 :
「いや、次に来るときは……四人がいい」
キョウ :
「四人……」
キョウ :
「そう、だな……煙草も飲酒も窘められるかもしれんが……」同じようにテーブル席を見て
不破 栞 :
「……別に止めても構わないさ」
不破 栞 :
「二人が無事でいてくれるならな」
キョウ :
「…………」
キョウ :
「……その台詞、おまえは本当に変わらんな不破」
不破 栞 :
「お前にだけは言われたくないな」 笑って返す
キョウ :
「やはり、人間そう簡単には変わらんらしい」
キョウ :
「一年前、廃品置き場のオトに手を差し出すおまえを見て、今日みたいに安心したコトを思いだしたよ」
キョウ :
「理想として語られる警察像を実践しようとする」
キョウ :
「真っ直ぐ進むおまえに、どこか俺は憧れていた」
キョウ :
「今の警察におまえのような警官がもっといれば、状況は違っていたのかもな」
不破 栞 :
「かもな、でも……」
不破 栞 :
「若い警官たちも、思うほど腐っていないかもしれないよ」 青木とレミのことを思い浮かべながら
キョウ :
「警察も人間の組織……そこまで当時と変わらんか……?」
不破 栞 :
「まあ、すべては膿を出し切ってからだ」
不破 栞 :
「明日の大仕事……成功させよう」
キョウ :
「……ああ、必ず」
キョウ :
「そのためにもそろそろ解散とするか」
不破 栞 :
「ああ……10年ぶりにゆっくり話せてよかった」
キョウ :
「俺もだ」
KP :
キョウは手にしていたウイスキーを一気に呷る。
キョウ :
「……ああ、いや、解散の前に気付いた事がある」
不破 栞 :
「気づいたこと?」
キョウ :
「おまえにも変わったところはある、と思ってな」
キョウ :
「……昔よりも、化粧が濃くなった」
キョウ :
「小ジワも大分、増えてきている」照れ隠し
不破 栞 :
「……馬鹿野郎!」 平手の裏で白瀬の肩をはたく。
不破 栞 :
「真面目に聞いて損したじゃないか……」
キョウ :
「フッ、それは悪かった」
KP :
そう言ってキョウは席を立った。
キョウ :
「……それじゃ真面目ついでに話しておく」
キョウ :
「俺はスパローをやめるつもりはない、警察にもどるつもりもない」
キョウ :
「まあ、戻りたくても戻れないだろうが」
キョウ :
「この組織を俺は守りたい。人間も、アンドロイドも」
キョウ :
「……だから、おまえに頼みたい事がある」
不破 栞 :
「……聞くだけきいておこう」
キョウ :
「もし俺が」
キョウ :
「────いや、やっぱりなんでもない」
キョウ :
「今は先の事より事件解決を一番に考えるんだったな、忘れてくれ」
不破 栞 :
「なんだ? 歯切れの悪い奴だな?」
不破 栞 :
「なら、終わった後でゆっくり聞くよ」
キョウ :
「……ああ、終わった後で、な」
キョウ :
「それじゃ俺は部屋に戻る、おまえもゆっくり休めよ」
キョウ :
「明日は早朝からバイクで移動だ、今度は俺に運転を任せて昼寝って訳にはいかないぞ」
不破 栞 :
「わかってるって。今日ほどの修羅場を抜けたんだ、そこでいきなりコケたりはしないさ」
不破 栞 :
席を立って、店を出るかな!
KP :
それでは、かつての相棒との一時をもって、不破さんの夜の個別シーンを終わります!
51 二人の願い星
KP :
そして最後はふわすこのシーン!!
スコア :
わーい
不破 栞 :
うお~~!
スコア :
スパロー本部に帰った栞は、自分の客室へと向かっていく。
スコア :
通路を歩いて行くと、奥から微かに歌声が聴こえてくることに気付くだろう。
スコア :
それは自分の部屋からだった。扉の向こうで誰かが待っている。
不破 栞 :
「誰かと思えば……」 歌声ですぐに気づく
不破 栞 :
「来てたのか、スコア?」 扉を開けながら尋ねる
スコア :
部屋の中には、ベッドに腰かけて歌っているスコアの姿があった。
スコア :
「~♪ ……あ」 歌うのをやめて、そちらに振り向く
スコア :
「どもども。マスター、遅かったですね」
不破 栞 :
「ああ……つい長話でな。これから大きい作戦が待ってると思うと」
スコア :
「なるほどね~……明日は大事な日ですしね」
スコア :
「でも、早く休まないと体に悪いですよ?」
不破 栞 :
「わかってるさ。だからこうしてさっさと部屋に戻って来たわけだ」
不破 栞 :
「で、スコアは何しにここに?」
スコア :
「……あぁ、えっと……」
スコア :
「マスターに話したいことがあって……」 でももう遅くなったしな、と迷うように時計を見ている
不破 栞 :
「そうか」 ベッドの横に座る
不破 栞 :
「明日はゆっくりできそうにないからな。寝坊しない程度なら付き合うぞ」
スコア :
「……分かりました。じゃあ、お言葉に甘えて」
スコア :
「…………」
スコア :
「わたし、ついさっき記憶を全部取り戻したんです」 隣の栞に顔を向けて
不破 栞 :
「全部……!?」
不破 栞 :
「思い出したのか、例の施設から今までのことを……」
スコア :
「はい」
スコア :
「今日話した、子供たちがいなくなった後のこと……ですね」
スコア :
「これから役に立つ情報というわけでは無いと思うんですけど、マスターには話した方がいいかなって思ったんです……」
不破 栞 :
「……」 どんな内容かはわからないが、今に繋がるということは、決して明るいことではないということはわかっている
不破 栞 :
「聞かせてくれ。それは……私もずっと知りたかったことだ」
スコア :
「……分かりました」
スコア :
「あの後、わたしとココロは施設から脱走しようとして────」
スコア :
過去の記憶を語っていく。
スコア :
自分にはハッキング能力が最初から備わっており、それを使って何故かセキュリティが弱くなっていた扉を開けて行ったこと。
スコア :
脱出まであと一歩というところで、自分が敵に捕まりかけたこと。
スコア :
ココロが自分を庇い、逃げて欲しいと頼まれたせいで彼女を見捨ててしまったこと。
スコア :
最後に辿り着いたこの場所で、約六年間眠っていたこと……。
スコア :
「…………」 全て話し終えると、床をジッと見つめる
不破 栞 :
話している間、ときに相槌を打ちながら……噛みしめるようにじっくり静かに聞いていた。
不破 栞 :
「そうか、そういうことだったんだな……」
スコア :
「……はい」 頷く
不破 栞 :
「……浮かない顔をするな」
不破 栞 :
「心くんはお前にすべて託して……お前はここまで頑張ったんだ」
不破 栞 :
「これだけの仲間が、お前についてくれたんだ。それは、決して悲しいことじゃない」
スコア :
「そう、ですね。わたしも、そう思う……」
スコア :
「でも、マスターも……わたしのこと怒らないんですね?」
不破 栞 :
「……怒ることなんてないさ。お前はあの時やれる最善を尽くしてくれた」
不破 栞 :
「あの時二人とも捕まっていたら、きっと誰も真相に近づけないまま事件は終わっていた」
不破 栞 :
「私が怒る相手がいるとすれば……それは、一連の事件の黒幕と」
不破 栞 :
「……他でもない、私自身の無力さだ」 拳を握る
スコア :
「なん……えぇっ!?なんでそうなるんです!?」
スコア :
「マスターは無力なんかじゃないし、怒るようなことしてないじゃないですか!?」
スコア :
「警察の理不尽な扱いに十年も耐えて、それでもやれることをやって……!マスターだって、十分頑張ってるのに!!」
不破 栞 :
「スコア……」
不破 栞 :
「私も、やれるだけのことはしてきた。頭ではわかってる。それでも、それでも思わずにはいられないんだ」
不破 栞 :
「あの時、事件がこれほど大きくなる前に止めることができたのは……他でもない私と、白瀬しかいなかったんだ」
不破 栞 :
「警察に面従腹背するのではなく、青木君みたいに一歩踏み込む勇気があれば、別の未来があったんじゃないか?」
不破 栞 :
「結局……どうするのが正解だったんだろうな。私は、今でもずっと考えている。たぶん、白瀬もそうだ」
スコア :
「マスター……」
スコア :
「……その話は、ちょっとだけ違うと思います」
不破 栞 :
「……」 少し下を向き、次の言葉を待つ。
スコア :
「事件を止めることが出来たのは、マスターとキョウだけじゃない」
スコア :
「きっと、わたしもですよ。わたしは天城と有馬に作られた最初のVOIDなんだから」
スコア :
「その頃のことは復元も出来ないような遠い昔に失われた記憶だから、何も覚えてないけれど……」
スコア :
「わたしはマスターとキョウよりももっと事件に近い場所にいたはずで、娘として止めなきゃいけないはずだったんです」
スコア :
「ただのアンドロイドだから従うしかなかったけど、その時からわたしが変異する程の力や勇気があれば、何かが変わってたかもしれない……」
スコア :
「だから、マスター達だけじゃない……はずですよ」
不破 栞 :
「スコア……」
不破 栞 :
「ありがとうな……」
不破 栞 :
「……結局、私たちが納得するためには事件を解決するしかないってことだ」
不破 栞 :
「過去を悔やむのは、すべてが終わってからで十分……なのかもな」
スコア :
「うん……そうですよ」
スコア :
「なんか……あの……」
スコア :
「今、マスターが悔やんでいるのを見て、凄く辛くなりました」
スコア :
「自分の好きな人が、自分のせいかもしれないって責任を感じて圧し潰されそうになってるの見ると……なんか、凄く嫌だなって思ったんです」
スコア :
「だから、もう……やめましょう!そういうの!!」
スコア :
「わたしも一人で後悔するの、やめますから!」
スコア :
「それでも悔やむなら、その時は二人で一緒に悔やんで気持ちを背負い合った方が……なんかよくないですか!?」 栞の顔を覗き込んで
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「ああ、私も、そう思うよ」 少し笑顔になって、顔を覗き返す。
不破 栞 :
「お前と会うまでの九年間、私はずっと独りだったし、それが当たり前になっていたが……」
不破 栞 :
「もう、独りじゃないんだな」
不破 栞 :
「お前が、私を、みんなを引き合わせてくれた」
不破 栞 :
「確かにお前はあの時、心くんたちを救うことはできなかったかもしれないが……」
不破 栞 :
「私は、お前と会って救われたよ。それだけは絶対に変わらない事実だ」
スコア :
「マスター……」
スコア :
「そっか……そうですか……っ」
スコア :
「わたしも、マスターと会えて良かった。そう思います……!」 嬉しそうに笑いかける
不破 栞 :
「……あの時、ゴミ捨て場でお前と会ったときは、こんな日が来るとは夢にも思わなかった」 優しく微笑んで
不破 栞 :
「覚えているか? あの時、お前を助けた理由を聞かれて、私がなんて答えたか」
スコア :
「……なんでしたっけ?」 えへ、と笑う。忘れるはずもないが、ただ単にもう一度だけ聞きたいだけの笑顔だ
不破 栞 :
「本当によく忘れるやつだな? まあ一年も前のことだ、無理もないな」 苦笑しながら
不破 栞 :
「あの時私は……誰かが見てるかもしれないから恰好付けたかったって答えた。自分の気持ちがよくわからなかったからな」
不破 栞 :
「でも、今ならわかる、それはきっと私の本心じゃない」
不破 栞 :
「私が本当に救いたかったのは、私自身の空虚な心。あの時私を見ていたのは、ほかでもない私自身だったんだ」
不破 栞 :
「……だからスコア、今度は私がお前を救う番だ」
不破 栞 :
「ほかの誰でもない、お前と事件の当事者たちのために、私は戦う」 笑顔の中にも、決意を込める
スコア :
「……分かりました」 頷く
スコア :
「わたし、ココロに会いたい。ココロと一緒にライブをして、世界中の人にわたし達の歌を届けて……」
スコア :
「それと、ココロがずっと好きな人に、会わせてあげたい」
スコア :
「それがわたしのユメなんです……」
スコア :
「マスター、わたしを救ってくれるなら……」
スコア :
「わたしのユメ、一緒に叶えて貰ってもいいですか?」
不破 栞 :
「ああ……もちろんだ」
不破 栞 :
警察手帳を広げる。
不破 栞 :
そこには、10年前に白瀬心から受け取ったライブのチケットが今も挟まっていた。
不破 栞 :
「ライブでもなんでも……私が叶えてみせる」
スコア :
手帳に挟まっているライブのチケットを見る。初めて見るが、それが誰の物なのかは言わずとも分かっている。
スコア :
「うん。じゃあ、約束ですよ!マスター!!」 栞の手を両手で重ねるように握り、笑いかける
不破 栞 :
重ねた手を見る。真実が近づくほどに敵は強大で、解決は難しく思える。
不破 栞 :
「(それでも、お前が一緒なら大丈夫だ。そんな気がする)」
不破 栞 :
「ああ、約束だ」 深く頷く
スコア :
「はい!」
スコア :
しばらくそうやって見つめ合った後、時計を見て「あっ」と声を漏らす。
スコア :
「結構長く話しちゃいましたね。もうそろそろ休みましょうか」
スコア :
腰かけていたベッドから立ち上がり、そう提案する。
不破 栞 :
「ああ、そうだな。明日も早いし、そろそろ寝るとするよ」
スコア :
「うん、そうしてください。わたしも部屋に戻ります」 扉の前まで歩いて行き
スコア :
「それじゃ、おやすみなさい。マスター」
不破 栞 :
「ああ、おやすみ。また明日な」 手を振って見送る
スコア :
そうして、スコアは部屋から出て行った。
スコア :
栞は支給された寝巻に着替え、明かりを消し、ベッドに横になるだろう。
スコア :
────しかし、突然部屋の扉が開く。
スコア :
「……マスター、マスター」
スコア :
部屋に戻ってきたのはスコアだった。
不破 栞 :
「なんだ、まだ何か用か?」 ちょうど着替えようしていたところだった
スコア :
「!?」
スコア :
「あ、いや、その……先に着替えていいです!」 慌てて扉を閉める
不破 栞 :
「ああ、ちょっと待て、すぐ着替える」 パッパと寝巻のボタンを閉じる。
不破 栞 :
「よし、もういいぞ……私相手だったら別にいいが、部屋に入る前はノックくらいしてくれよ」
スコア :
「ですよね、ごめんなさい……。うっかりしてました……」 栞から目を逸らしながら入って来る
スコア :
「あの……えっと……」
不破 栞 :
「で、今度は何の用だ?」
スコア :
「そのですね……」
スコア :
「……マスター。今日、一緒に寝てもいいですか……?」 少しだけ頬を赤く染めてそう訊ねる
スコア :
寝巻に着替えた彼女の手には、枕が抱えられていた。
不破 栞 :
「……急に何を言い出すかと思ったら」
不破 栞 :
「二人だとベッドも狭いぞ、大丈夫か?」 優しく微笑んで
スコア :
「あいやあのですねわたしスパローではいつもニトとリトと一緒に寝ててでも今日は遅くなったから二人共ぐっすりでわたしが部屋に入ったら起こしちゃいそうな気がしたから悪いなって思ってだからこれはマスターと一緒に寝たいがために考えた言い訳とかじゃなくどうしようもないことで」 早口で捲し立てかけて
スコア :
「え、良いんです!?!?!?!?」
不破 栞 :
「そ、そうか……まあ、良いぞ、狭くてもよければ」 早すぎて聞き取れなかった
スコア :
「や、やったぁ……!全然!全然良いです……!!」
不破 栞 :
「はは、しかし、VOIDも誰かと一緒に寝たいとか思うものなんだな。人間と似たようなものか」
スコア :
「思いますよ。少なくとも、わたしは好きな人とならね」
スコア :
そう言って、自分の枕を置いてベッドに潜り込む。
不破 栞 :
「ああ、こうして誰かと寝るなんて本当にいつ以来だろうな……」 その隣で横になる
スコア :
「わたしと会うまで、ずっと独りだったって言ってましたもんね」
スコア :
「これからはわたしが一緒に寝ても良いんですよ?」 栞の体にくっついて、少しだけ冗談っぽく笑いながら
不破 栞 :
「はは、毎日はちょっと困るかもしれないな」
不破 栞 :
「だが、たまにならいい」 学生の頃、友達が家に泊まりに来たときのことを思い出しながら
スコア :
「ふふっ、そうですか」
スコア :
そう笑い返すと、ハッキングを使って部屋の電気を消す。
スコア :
薄暗くなった部屋で、栞の体を優しく抱きしめると、
スコア :
「じゃあ、今度こそ本当に」
スコア :
「おやすみなさい。マスター」 穏やかな笑顔を向けて、幸せそうにそう伝える
不破 栞 :
「ああ、おやすみ。スコア」 穏やかな顔のまま、目を瞑る
不破 栞 :
先ほどの酒も効いているのだろうか。まだ眠ってはいないが、まるで夢を見ているような心地。例えるなら、遠足の前の日のような
不破 栞 :
もちろん明日に待っているのは、そんな生易しいものではない修羅場だ。それでも……
不破 栞 :
「(何年振りだろうな……こんな気持ちで眠るのは)」
不破 栞 :
そのまま、うとうとと微睡の中に落ちていく。
KP :
そうして二人の願い星の約束と休息をもって、とても長かった10月25日を終えます
52 出発
西暦2050年/10月26日/AM05:00/天気:曇り/スパロー入口
KP :
翌日、早朝五時。
KP :
『拠点捜査班』である夜鷹守人、BR800、不破栞、X000、キョウ、ニト。
KP :
アナタ達はスパローの出入口に集まっていた。
KP :
隣には一晩で整備されたらしいバイクが三台。一列に並んでいる。
KP :
────無論、昨夜に判明した有馬の拠点に急ぐ為、準備してきたのだ。
KP :
どんよりとした曇り空の下には、見送りに来たリトが立っている。
KP :
その小さな左腕には、人数分の白いレインコートが抱かれていた。
スコア :
「あれ?リト、今日雨降るの?」
リト :
「ええ、今朝の天気予報で午後から大雨だって言ってたから多分ね」
リト :
「バイクで行くなら、差せない傘よりもコレの方が良いでしょ?」レインコートを差し出す
スコア :
「確かにね!ありがと」 レインコートを受け取る
ニト :
「たまには気が利くじゃん、さんきゅーリト!」
リト :
「…………あんたの分はないわニト、雨に打たれて反省してね」
スコア :
「一言多いんだよなぁ……」 呆れたように小さく笑う
ニト :
「え~……!? そんな~……!?!?」
リト :
「……冗談よ、流石にそんな事を言ってるような状況じゃないもの」ニトに子供用レインコートを投げ渡し
リト :
「あんた達の分も用意したから使って」ドロ係のメンバー達にも、ずいとレインコートを差し出す
ヤオ トモヤ :
「ありがとうございます!」ニコッと笑って受け取ります
夜鷹 守人 :
「助かる。用意周到だな」
不破 栞 :
「ありがとう、天気が悪いのは少し心配だな……」 受け取る
リト :
「……ああ、心配ついでに一つ報告」
リト :
「あんた達のサードアイ、警視庁側にあるスーパーコンピューターの本体AIでは登録抹消処分になってたわ」
スコア :
「そうなんだ?じゃあもう使えないのかな」
リト :
「……いえ?」
リト :
「あたしがハッキングをかけて何とかしておいたわ、今後も問題なくサードアイは使えるハズよ」
リト :
「使われていない登録アカウントを乗っとったけど、警察内部でもゴタゴタしている状況でしょうから、今は確認まで手が回らないでしょう」
スコア :
「おぉ~!さすが!」
不破 栞 :
「本当にありがたい……! これがなかったら三回くらいは死んでそうだからな……」
夜鷹 守人 :
「とんでもない手腕だな……警察庁のコンピューターをハッキング、か……」
ヤオ トモヤ :
「よ、よかった……‼︎夜鷹さん、危ないところでしたね!」ありがとうございます!とリトに向かって深く頭を下げる
リト :
「別に大したコトないわよ」そう言いながら少し得意げに
リト :
「第三の眼(サードアイ)を持っていても、管理する警察の目は節穴もいいところってコト」
スコア :
「それはほんとにそう」 おかしそうに笑う
不破 栞 :
「まあ、本当にちゃんとしていたら私たちの逃走を許したりしていないだろうな……」
夜鷹 守人 :
「複雑な気分だ……頼り切っていた技術と組織が節穴とはな」
ヤオ トモヤ :
「……です、ね」苦い顔であははと笑ってみせる
キョウ :
「それもリトの技術があって初めて言える事だがな」
リト :
「────ああ、分かってるとは思うけど一つ注意点」
リト :
「別に機能とか弄った訳じゃないから、例の電波障害をもらったら、また一時的に使えなくなるわよサードアイ」
スコア :
「あ~、あれ嫌いだな~」
夜鷹 守人 :
「ネットから断たれる様だからな、そればかりは仕方ないか」
不破 栞 :
「あれだけは本当に気をつけなければいけないな……」
ヤオ トモヤ :
「どれだけの広さがあるか分からない以上、通信はできた方が安心できますもんね……」
キョウ :
「……つまりサードアイの恩恵を受けたければ、電波阻害手榴弾(チャフグレネード)を使わせない様に立ち回れ、というコトだな」
スコア :
「そういうことだよね。頑張ってみよっか」
不破 栞 :
「それはそうなんだが……阻止できるものなのか」
スコア :
「投げる前にやるとか」
夜鷹 守人 :
「使われる前に片付ける、それが出来たら一番だが……」
ヤオ トモヤ :
「と、とりあえず警戒だけはしとくに越したことなさそうです…?」
キョウ :
「手榴弾を投げる前、ピンを抜く隙があるだろう……そこを狙えれば……」
夜鷹 守人 :
「使う素振りを見せるヤツがいれば、そいつを真っ先に叩く……それは出来そうだ」
スコア :
「確かにその辺かな~……了解了解」
ヤオ トモヤ :
「なるほど……きっと対応してみせます!」
不破 栞 :
「結局はやられる前にやるしかないってことか……了解だ」
ニト :
「使われる前に使用者を倒すか、使われる前に手榴弾を壊すか……難しそうだけど、なんとかなるよね!」
スコア :
「うんうん、それくらい出来なきゃ勝て無さそうだし」
スコア :
「じゃあ、注意事項はそれくらいかな?」
リト :
「ええ、そんなところ」
リト :
「……ああ、忘れ物はないかしら? ちゃんと準備万端?」心配した声色
不破 栞 :
「武器も持った、大丈夫だ(遠足の前みたいだな……)」
夜鷹 守人 :
問題ない、と素振りを見せる
ヤオ トモヤ :
それを見てトモヤも頷く
スコア :
「うん、大丈夫……」 一応ポーチの中身を確認する。それからレインコートを畳んで収納し、
スコア :
「……これで準備オッケー。いつでもいけるよ」 ココロの白いスカーフを首に巻いた
不破 栞 :
「ん、そのスカーフは……」
スコア :
「ココロのですよ。昨日、傷を隠すためにキョウから貸して貰ったんです」
不破 栞 :
「ああ! どこかで見覚えがあると思ったら……」
不破 栞 :
「よく似合ってるな……大事に使ってあげてくれ」
スコア :
「……!」
スコア :
「はい!!」 スカーフを触りながら、嬉しそうに笑う
不破 栞 :
「ふふ。きっと、心くんも喜ぶだろう」 その様子を見て、笑顔で
スコア :
「うん……そうだと良いな……!」
スコア :
完璧に嬉しい回答を貰って、るんるんとしながらバイクの後ろに座りに行く。
キョウ :
「…………フッ」その様子を見て、笑みを零して
KP :
……自分がスカーフを送った時、ココロもあんな風に喜んでくれたなと、
KP :
キョウは十年前にあった日常を思いだしていた。
ニト :
「あ、僕も準備おっけー!いつでもいけるよ!」
リト :
「……そう、それなら最後に伝言」
リト :
「不破だっけ、あんたに言葉を預かってる」
不破 栞 :
「私にか?」
リト :
「ええ、あんたが連れてきたアンドロイドのデクから」
不破 栞 :
「へぇ、デクから……あいつは何て?」
リト :
「これからはスパローに住む事にしたって」
リト :
「それで、あんたにありがとうって」
リト :
「自分は足手まといになるから着いていけないけど、応援してるって」
リト :
「力になれる事があれば、なんでもするとも言ってたわ」
不破 栞 :
「そうか……!」
不破 栞 :
「表社会に戻してやれなかったのは残念だが……そう思ってくれているなら、本当によかった」 安心して、頬を緩める。
スコア :
「そうですね~。あ、じゃあ、リト。わたしからも伝言頼んでいい?」
リト :
「はあ……あたしは伝言役じゃないのだけど……」
リト :
「まあいいわ、聞いてあげる」
スコア :
「ごめんごめん、まあついでだと思って」
スコア :
「内容は、『そういうお礼とか大事なことは、ちゃんと面と向かって言いなさい』」
スコア :
「『また無事に帰って来るから』……って、デクにお願い」
リト :
「真っ当な意見ね、分かったわ」
リト :
「早朝から出発、って聞いて遠慮してたみたいだけど、お礼はちゃんと本人に伝えるべきよね」
リト :
「……不破からは何かある?ついでのついでで聞いてあげるけど」
不破 栞 :
「そうだな……元気でいてくれればそれで充分だが」
不破 栞 :
「私たちが帰ってきたら、何か美味しいものでも用意して迎えてくれると嬉しいよ。無理にとは言わないがな」
リト :
「デクは家事用モデルじゃないから、料理はできるのか分からないけど、まあ伝えておくわ……」
リト :
「青木とレミの二人は、もう既に地下施設の復旧作業に入ってて、見送りに来る余裕はないみたいだし、こんなところかしら?」
スコア :
「分かった。二人と仲良くね、リト」
リト :
「仲良くは保証できないわよ、この前まで敵だったんだから」
スコア :
「はいはい、じゃあそれでいいよ」 でも大丈夫だろう、と安心してるように笑う
リト :
「……何よ、その不敵な笑み」不満そうに
スコア :
「別に~。なんでもないよ」 一旦バイクから降り、リトの頭を撫でて
スコア :
「……それじゃ、行ってくるね」 微笑みかける
リト :
「…………ん、行ってらっしゃい、気を付けて」目を細め
不破 栞 :
「私が言うのも変な話だが……スパローのみんなを頼んだよ」
リト :
「……本当にヘンな話ね、あたし達を追ってたドロ係のまとめ役がそんなコト言うなんて」
リト :
「でもまあ、そっちも頼んだわよ」
リト :
「オトもキョウも、似た者同士でダメな奴等だからね」
スコア :
「えぇ!?」
キョウ :
「そんなにダメだったか…?」首を傾げ
リト :
「……ニトより多少マシ程度」
ニト :
「えぇ!?」
スコア :
「ならヨシ!!」
ニト :
「何が!?!?!?!?」
スコア :
「よーし、行くぞ~!!」 ニトをスルーしてバイクに再び乗る
ニト :
「いや、天才の扱い…!!! もう…!!!!!!」
夜鷹 守人 :
「これも一つの家族の形か」
微笑ましく思いながらバイクに跨る
ヤオ トモヤ :
「……かもしれませんね!」
クフクフ楽しそうに笑って 夜鷹の後ろにつく
不破 栞 :
「じゃあ、頑張るか。この家に帰ってくるためにも」
KP :
────少女に見送られ、アナタ達はそれぞれ二人一組でバイクに跨る。
KP :
目指すはS区山林。世界を牛耳るリボット社CEO、有馬真二の隠れ家だ。
53 突入
同日/AM06:00⇒AM09:00/天気:小雨/S区山道
KP :
スパローを飛びだして一時間後。
KP :
リトが言った天気予報の通りに、雨が降りはじめた。
KP :
すぐさま彼女のレインコートを着込んだアナタ達は、
KP :
ぬかるんだ山道を、バイクで慎重に走っていく。
KP :
────このあたりの道は、自動運転のサポート外。
KP :
だからハンドリングに気を配り、用心して走行する。
KP :
それからさらに三時間。朝九時。
KP :
…………アナタ達は、山奥の獣道を走っていた。
KP :
アナタ達が暮らしていた都心とはまるで別世界。
KP :
……こんな場所に有馬の拠点があるのだろうか。
KP :
そんな考えが、脳裏を過ぎる。
KP :
全員が抱いている不安。……それも当然だろう。
KP :
根拠はスパローの地下で見た、天城の記録のみ。
KP :
信憑性が高い、とは言い難い。
KP :
────しかし、X000だけには確信があった。
KP :
『この先には有馬の拠点がある』
KP :
……何故なら、あたりの風景には見覚えがある。
KP :
この山道の景色は昨夜、いや九年前に見たモノと同じ。
KP :
ココロに逃がされた時に見た風景とまるで同じなのだ。
KP :
鬱蒼とした高い木々が立ち並び、緑色のカーテンがかけられているよう。
KP :
……そのおかげで、もうこの場所から都心の風景は全く見えない。
KP :
おそらく向こうから見た場合も、こちらを目視できないのだろう。
KP :
だからこそ、十年間ずっと、有馬の拠点は誰も見つけられなかったのだ。
スコア :
「…………」 栞に掴まりながら、周囲の景色を見ている
不破 栞 :
「しかしすごい場所だな……本当にこんなところにあるのか?」 掴まられてる
スコア :
「えぇ、ありますよ」 はっきりと断言する
不破 栞 :
「スコアは一度ここを通ってきたはずなんだな。なら間違いはないか」
夜鷹 守人 :
「僻地も良い所だ、長年見つからないはずだよ」
ヤオ トモヤ :
「先輩がそう断言されるなら……」戸惑いがちに頷く
「……ここまで全然整備されてなかったですもんね。人が行き来することはまずないでしょう」
スコア :
「二人には言ってなかったけど、昨日の夜に記憶を全部思い出しましたからね」 戸惑いがちな様子を見て
スコア :
「わたしはこの先にある施設から、走ってスパローのアジトまで逃げたんです」
スコア :
「九年経っても道は変わってないし、間違いないですよ」 だから安心してこのまま進んで、と示す
キョウ :
「……しかしオトとココロがいた施設が、そのまま有馬の拠点だったとはな」
スコア :
「思い出した今となると、そりゃそうなるよね……って感じだよね……」
スコア :
「ココロも、まだあの施設にいるのかな……」
キョウ :
「そうだと探す手間がかからなくていいが……」
不破 栞 :
「いるとは限らないが……手掛かりは確実に見つかるはずだ」
夜鷹 守人 :
「今はどんな情報でも欲しい。どっちにしても行かなくては……」
ヤオ トモヤ :
「……はい。見つかるといいですね」
10年前の真相も。ココロさんの手掛かりも。
ニト :
「でも十年前ってコトはさ、僕が生まれたばかりの頃からある施設なんだよね?」
ニト :
「そもそも、ちゃんと残ってるのかな~……」
スコア :
「もしちゃんと建物として残ってなくても、マスターの言う通り手掛かりはあるはずだよ」
不破 栞 :
「一度大きい施設を作ってしまうとな……撤去するのはすごく難しいんだ。特に地下に空間を作ったりしてしまうとな」
不破 栞 :
「スパローの基地なんかも同じ事情で残っていたんだと思うよ」
ニト :
「へえ、そうなんだ!物知りじゃんか、フワフワのおばさん!」
不破 栞 :
「誰がおばさんだ。まあ、長い間公務員をやっていたからな……」
ニト :
「つまり年の功、ってコトだね!」
スコア :
「ふふっ……」 ニトの物言いで緊張がほぐれたのか小さく笑う
夜鷹 守人 :
「口が回る子だな…」
肩をすくめて
ヤオ トモヤ :
「ニト君は賢い子ですよね!」笑って
ニト :
「まあねっ? おばさんみたいな年の功はなくても、僕は天才だからねっ!」
KP :
────雨脚が強まり、大雨と呼べるほどになった頃。
KP :
ようやく視界が開けて、目の前に人工の建物が見えた。
KP :
周囲一帯をフェンスで囲まれた、異様な建物。
KP :
それは簡潔に表すなら『巨大なコンクリートの箱』だ。
KP :
その建物には窓がついていない。
KP :
それどころか入口さえ、外からでは分からない。
KP :
何の為の施設なのかが、外観で全くイメージできない。
KP :
……建てられてから、かなりの年月が経ったのだろう。
KP :
コンクリートの節々に、緑苔とヒビが見られる。
KP :
一見して廃墟の様だが、この建物に何か隠されているのだろうか。
スコア :
「……戻ってきた」 囲いのフェンスを見て、最後に見たココロの笑顔がフラッシュバックする
スコア :
「ここだよ。有馬の拠点は」
不破 栞 :
「この異様な雰囲気……間違いないな」
夜鷹 守人 :
「珍妙な建物だな……」
ヤオ トモヤ :
「打ちっぱなしのコンクリート……生活拠点には向きませんね」
キョウ :
「おまえ達が入れられていた留置所の方がまだマシそうな建物だな」新人刑事ふたりを見て
夜鷹 守人 :
「マシ……とかそういう話ではないがな、あそこには二度と入りたくない」
ヤオ トモヤ :
「はい!窓もなく、苔むしている上雨漏りも酷そうですし。過ごすなら留置所のがマシか…あっ、そう…ですね。どっちもどっちかと!」
スコア :
「……罪のない子供を拉致監禁して非人道的な実験してた施設に比べたら、どこでもマシでしょ」 吐き捨てるように言う
キョウ :
「…………それもそうだな」
ヤオ トモヤ :
「……すみません、失言でした」
スコア :
「……いえ、ごめんなさい。わたしもちょっと苛立ってたかも」 施設を睨みつけながら、トモヤに
ヤオ トモヤ :
「…いえ、当然かと。私が短慮でした」気にしないでくださいと会釈して
スコア :
「ん……じゃあ、気にしない!」 切り替えるように小さく笑う
スコア :
「あなたも気にしないでいこ。入る前から気を沈ませてる場合じゃないしね」
ヤオ トモヤ :
1つ頷いて バイクを片しにかかります
KP :
アナタ達はひとまず、木陰にバイクを隠す事にした。
KP :
有馬に見つかったら、逃走手段を失ってしまうリスクがある為だ。
KP :
────そして、ジャマなフェンスを切り裂き、建物へと向かう。
KP :
全員ここで≪目星≫による判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 55 > 成功
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 48 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 目星(1D100<=75) > 39 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 96 > 失敗
KP :
不破さん、ファンブルギリギリ…!
不破 栞 :
こえ~~重要なところで出ないようにしてくれ…
KP :
出ないと…イイネ…ヒヒッ……
KP :
ともかく成功描写!
KP :
建物の壁面を念入りに観察する。
KP :
すると、一部だけ周囲と色が違う面に気が付く。
夜鷹 守人 :
「? みんな、ここの色だけ浮いてないか?」
ヤオ トモヤ :
「ホントだ、浮いてます」
ニト :
「ん~……僕には分かんないや……白には二百色あんねん、ってヤツ……?」
スコア :
「よく見ないと分からない位の違いかもね。塗装が落ちたのかな……」
スコア :
色の違う壁面を手で触ります。
KP :
アナタが壁に触れると、その面だけ横へとスライド。
KP :
窓さえないコンクリートの箱が、その口を開けた。
KP :
……ここが入り口だったようだ。
スコア :
「塗装落ちじゃなかった……」
不破 栞 :
「おお!? よく気づいたな……」
夜鷹 守人 :
「隠し扉、か……」
ヤオ トモヤ :
「…周到ですね」
スコア :
「どうりで脱出した時の入口が見つからないと思ったわけだよ。ここから入りましょっか」
不破 栞 :
「ああ、気をつけろよ。どんな警備が備えられているかわからないからな……」
ヤオ トモヤ :
「…はい。人間の皆さんは私達の後ろでお願いします」
夜鷹 守人 :
「ああ、いつ戦闘が起きるかわからない。そのつもりで行こう」
スコア :
「わたし達の方が頑丈だし、その方がいっか。最初のビルテロの時と同じですね」
ヤオ トモヤ :
「ですね、またよろしくお願いします」
キョウ :
「……俺はおまえ達に守られるほど弱いつもりはない、代わりにニトに気をかけてやってくれ」
スコア :
「えぇ~……?まあそりゃ、キョウは強いけど……」
スコア :
「しょうがないな。ニト、勝手に離れちゃダメだよ」 ニトと手を繋ぐ
ニト :
「ええ~…? 僕も守られるほど弱くないが~…?」繋いだ手をブンブンと振る
スコア :
「それは自信過剰だが!?」
不破 栞 :
「中は今までとは比べ物にならないほど危険かもしれない。ちゃんとオトの言うことを聞くんだぞ」
ニト :
「む~……わかったよ~……」
夜鷹 守人 :
「もし俺達に何かあっても、ニトだけは逃がせるようにはしたいところだ」
ヤオ トモヤ :
「……私達の利点は頑丈さですから。きっと絶対守ってみせます」
スコア :
じゃあ、入口から入っていきましょ!
不破 栞 :
いくぞ!
ヤオ トモヤ :
gogo!
夜鷹 守人 :
GO!
54 真実
KP :
────アナタ達は、有馬の拠点の中に歩を進めた。
KP :
その内部は意外にも明るかった。
KP :
天井の照明が、それなりに広い廊下を照らしている。
KP :
こんなに山奥にあるというのに、しっかり電気は通ってるらしい。
KP :
……まだこの施設は生きている。
KP :
けれど、人間の気配はなかった。
KP :
物静かだ。
KP :
ザアザアという雨音とピタピタという靴音だけが、廊下に木霊している。
スコア :
「……誰もいない?侵入者の迎撃に来るVOIDくらい予想してたけど」
不破 栞 :
「そのくらいは用意していそうだったがな……だが、監視はされていると思うべきだろう」
ヤオ トモヤ :
「……」頷いて 辺りを警戒している
夜鷹 守人 :
「電気が通っているなら、人はいるということだろうが……招かれている訳でもないだろうに」
スコア :
「まあ、安全に調べられるから敵が来ない分には別にいいか。見て行きましょ」
キョウ :
「…………ここに、ココロが」小さく呟いて
不破 栞 :
「ああ……長かったな」
不破 栞 :
「さて、気づかれる前にできるだけ探索していこうか」
スコア :
じゃあ、探索していきましょ!
KP :
それでは探索箇所は以下の通り!
KP :
【探索箇所】部屋A/部屋B/部屋C/中央の部屋
※手前の部屋からアルファベット順です
スコア :
何も分からんぞ、Aから順番で良さそうね
夜鷹 守人 :
そうねね
ヤオ トモヤ :
Aから順に賛成で
不破 栞 :
いくぞ!
スコア :
じゃあAから!
KP :
それでは一同は部屋Aへ
同日/AM09:10/天気:大雨/実験施設-部屋A(資料室)
KP :
スライド式のドアを開けた瞬間、外の風を受けたホコリが舞った。
KP :
モクモクと煙めいた塵埃が漂う。
KP :
……ここはあまり今は使われていない部屋のようだ。
KP :
そうでないと、この埃っぽさは説明できない。
KP :
改めて部屋を見渡すと、ここは資料室らしい。
KP :
数列の書架が立ち並び、所狭しと本棚に資料が押しこまれている。
KP :
……普段なら長居はしたくない部類の部屋だが、
KP :
ここの資料を読むなら、否応なしに長居をするコトになるだろう。
スコア :
「うわ……埃だらけ」 咄嗟にニトの口元を服の袖で覆う
ニト :
「むぐっ……!?」急に覆われビックリ
夜鷹 守人 :
「けほっ……マスクが欲しくなるな……」
ヤオ トモヤ :
「…資料室、ですか。随分な量です」
スコア :
「かな~……。っていうか、全然人の手が入ってないっぽいんだけど」
不破 栞 :
「ここの調査は時間がかかりそうだな……とはいえ、無視するわけにもいかないか」
スコア :
「とりあえず見てみましょか。外を警戒しながらでも調べられますよ」 通路から人の気配がしないか気を付けつつ
不破 栞 :
「ああ、交代で見張りしながら調べていこう」
キョウ :
「……そうだな、まず俺が外を警戒しておく」さらっと書類確認から逃げる
夜鷹 守人 :
「……体よく探索を押し付けられた訳じゃないよな」
軽く咳こみながら棚に向かう
ヤオ トモヤ :
「……どちらにせよ見張りは必要でしたから」苦笑して 棚に向かっていく
スコア :
資料室の探索しましょ!
不破 栞 :
読むぞ~!
ヤオ トモヤ :
しようしよう!
KP :
それでは探索箇所は以下の通り!
KP :
【探索箇所】棚
スコア :
棚だけ!棚見よう棚
夜鷹 守人 :
たなななな!
KP :
資料をまとめたファイルがいくつも並んでいる。
KP :
詳しく調べる場合は≪図書館≫による判定をどうぞ!
スコア :
CC<=50 図書館(1D100<=50) > 4 > スペシャル
不破 栞 :
cc<=25 振ってない!(1D100<=25) > 3 > スペシャル
ヤオ トモヤ :
cc<=25 【図書館】(1D100<=25) > 71 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=65(1D100<=65) > 85 > 失敗
KP :
いや何、この極端な出目は
スコア :
綺麗に別れちゃったよ
KP :
ともかくふわすこが無事に成功! それではですね!
KP :
気になるファイルを二つ見つける。それぞれの内容は以下の通り。
□感情抑制薬について
ESM(Emotional suppression medicine)とも呼ばれる。
我々が開発したESMは、従来の精神安定剤とは似て非なるものである。
人間の感情を作り出すと言われる扁桃体の働きを阻害し、理性を司る前頭前野の動きを活発化させる。
そうする事で、人間の感情を極限まで抑制させる事が可能となるのだ。
この薬をモルモットに投薬した所、
それまで元気に動きまわっていたモルモットが、まるで息をするだけのロボットの様に動きを止めた。
しかしこの新薬は未だ開発段階であり、実用化するには被験者が必要である。
□精神転移装置について
我々の精神交換装置の技術を元に、人間用に応用して作られた装置である。
この装置によって「人間の頭脳」と「意識を移す入れ物」を接続。
意識と記憶を入れ物に投影する事で、人間の精神転移は完了する。
装置によって、人間は自身の意識を機体へ移し、半永久的に活動できる身体を手にする事ができるのだ。
これは不老不死を求める人間だけではなく、ドナーが見つからない患者や植物状態の患者への使用など、医療面での活躍も見込める。
けれども、こちらも未だ開発段階の装置であり、実用化には遠い。
KP :
さらにふわすこは≪アイデア≫による判定どうぞ
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 47 > 成功
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 60 > 失敗
スコア :
何かに気付きます…
KP :
それではスコアちゃんは気が付く。
KP :
これらは全て紙面にまとめられている上、ほとんど手書きだった。
KP :
これだけ設備が揃っている施設の中では、違和感を覚えるだろう。
スコア :
なるほどね…!
スコア :
確かに…
スコア :
「……意識を……移す……?」
不破 栞 :
「おい、これってもしかして……!」
夜鷹 守人 :
「どうした、何を見つけた」
スコア :
「……これです」 二つの書類を皆に見せよう
夜鷹 守人 :
「────これは、なんだ? こんなことが可能なのか?」
ヤオ トモヤ :
「……は、はは…」髪をグシャグシャとかき混ぜる
ヤオ トモヤ :
「……なんのためにこんなこと、こんな……」恐らくモニターの中の女性の方には目処はたった。有馬朝也の記憶が備わっていたのもこれ絡みだろう。しかしESMの必要性がわからない。
ニト :
「そもそもこんなコト、現代のテクノロジーでもムリなんじゃ……」両手で口元を抑え、くぐもった声で言う
不破 栞 :
「だが、今までの情報を総合すれば……ありえない話じゃない」
スコア :
「うん。不可能……だとしても、実現出来ている根拠は……あるよね……」
スコア :
「ヒサトとサトミ、ココロ達は肉体をアンドロイドに変えられたんじゃない……」
スコア :
「意識と記憶だけを、VOIDの機体に移されたんだ……」 書類を握る手が震える
キョウ :
「…………」
不破 栞 :
「その実験体のために、彼らは誘拐を……」
不破 栞 :
「……許すことはできないな。どんな事情があったとしても」
キョウ :
「仮に善性の医療転用が目的だったとして、一連の凶行は容認できない……当然だな…………」
夜鷹 守人 :
「医学の発展とは言うが……この技術でどれだけ被害が出ているのかわかったもんじゃない……」
ヤオ トモヤ :
「……」口をはくはくと開けて それ以上の言葉が見つからず頷く
ヤオ トモヤ :
……有馬の企みとはこれのことなんだろうか?
スコア :
「…………」 ジッと書類を何度も読み返して
スコア :
「でもこの資料、ちょっとおかしくない?」
不破 栞 :
「何か気になるか?」
スコア :
「はい。気にし過ぎなような気もしたんだけど……」
スコア :
「これだけの施設なのに、どうして全部手書きなのかなって」
スコア :
「普通、書類にするにしてもパソコンで打って印刷するでしょ」
不破 栞 :
「確かにな……有馬は日記も全部パソコンで書いていた」
不破 栞 :
「彼が書いていたとすれば、パソコンのデータになっているはずだろう」
スコア :
「ですよね?それに、情報の内容に驚いていてスルーしちゃいそうになっちゃったんですけど」
スコア :
「この、精神転移装置っていうやつ」
スコア :
「"我々の精神交換装置の技術を元に、人間用に応用して作られた装置である。"」
スコア :
「これじゃまるで、最初から精神交換装置っていうのが存在していたみたいだし……」
スコア :
「なんか、我々って……人間じゃない目線のような書き方じゃないですか……?」
不破 栞 :
「まさか……どこかの記事みたいに宇宙人の仕業だとでも言うつもりか?」
夜鷹 守人 :
「他国の秘密技術……かもしれないが、確かにどこか達観したかのような書き方だな」
スコア :
「流石に宇宙人とまでは言いませんけど……。他所の誰かから持ち込まれた技術、って考えるのが……それっぽいかなぁって……」
不破 栞 :
「ふむ……何にしても、この資料だけでは推理のしようがないな」
ヤオ トモヤ :
「そ、うですね……書き手の口振りには違和感がありましたがまだなんとも、」気もそぞろに相槌を打つ
夜鷹 守人 :
「……得体のしれない技術を持った者がバックにいる、ということか……」
スコア :
「……かもね。他の所も見てみたら、何か手掛かりがあるかな」 資料を畳んで、ポーチにしまう
不破 栞 :
「そうだな。別の部屋も調べてみよう」
夜鷹 守人 :
「そうしましょうか」
埃に咳き込みながら
ヤオ トモヤ :
「…はい」
スコア :
じゃあ、部屋を出て次はBの部屋に行ってみましょ!
KP :
それではアルファベット順に部屋Bへ!
同日/AM10:00/天気:大雨/実験施設-部屋B(手術室)
KP :
……その部屋の扉を閉めた瞬間。完全な静寂と暗闇がアナタ達を包んだ。
KP :
外の雨音が聞こえない。この暗い部屋はどうも完全防音のようだ。
KP :
……視覚をなくし鋭敏になった嗅覚が、鉄と油の臭いを嗅ぎ取る。
KP :
この部屋には一体、何があるのだろう。
KP :
手探りで進む。
KP :
するとやがて、アナタ達は『固くて冷たい何か』に触れるだろう。
KP :
その途端、遅れて照明が点いた。
KP :
目の前の物体が照らしだされる。
KP :
……アナタ達が触れていたモノ。
KP :
それは、手術台だった。隣り合う二台の手術台。
KP :
それが目の前にあるモノだった。
KP :
緑の壁。中央の二台の手術台。奥の黒いデスク。
KP :
アナタ達の周囲を取り巻く見た事もない機器類。
KP :
ここは何か。それは明白だ。
KP :
……手術室。
KP :
ここで何が行われていただろう、と不快な想像を搔きたてる部屋だった。
不破 栞 :
「物々しい部屋だな……」顔をしかめて
スコア :
「これ、手術台だよね……。しかも二台……」
夜鷹 守人 :
「手術室とは……ここで行われていた事は想像したくないな……」
スコア :
「この施設で、手術することなんて……」 思い当たることは一つしかない
キョウ :
「…………ッ」脳内で再生されたココロが手術される幻影を、アタマを振って払いのける
不破 栞 :
「精神転移装置……」 拳を強く握る
ヤオ トモヤ :
「……調べましょっか」先程の資料の内容が脳裏にこびりついて離れない。落ちつかない気持ちのまま手術台に足を進める
スコア :
「うん……」
夜鷹 守人 :
「気が進まなくても、手は動かさなくてはな……」
不破 栞 :
「(……長居はしたくないな。手早く済まそう)」
スコア :
探索しましょ…!
KP :
それでは探索箇所は以下の通り
KP :
【探索箇所】手術台/機器類/デスク
スコア :
順番にいこか
夜鷹 守人 :
いこうずぇ
ヤオ トモヤ :
gogo!
KP :
まずは手術台ですね
スコア :
ですです
KP :
人間である守人くんと不破さんは≪目星≫による判定を、
KP :
アンドロイドであるスコアちゃんとトモヤくんは≪コンピュータ≫による判定をどうぞ
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 15 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 目星(1D100<=75) > 73 > 成功
不破 栞 :
cc<=60 めぼすぞ!(1D100<=60) > 83 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 78 > 成功
不破 栞 :
見えねぇ~!
スコア :
ぼーっとしとるマスターだ
KP :
出目が極端なマスターだ
KP :
それでは夜鷹守人。
KP :
アナタは左側の手術台に赤黒い痕跡を見つける。
KP :
……刑事であるアナタには、それは『血痕』だと、嫌でも分かる。
KP :
ということでSANチェックをおねがいします
KP :
成功で0、失敗で1のSAN値減少です
夜鷹 守人 :
cc<=51 ぴゃあっ(1D100<=51) > 33 > 成功
KP :
血痕くらいじゃもうノーダメージでしたね、ショックな事がありすぎてね
夜鷹 守人 :
血だまりをガッツリ見てるからな、こんくらい平気やガハハ!ウッ
KP :
しかも二回とも家族の!
KP :
守人くんのもう笑うしかない境遇はさておき、
KP :
BR800とX000。アナタ達はある痕跡を見つける。
KP :
もう蒸発している為に、肉眼では目視できない痕跡が残っている。
KP :
右側の手術台にブルーブラッドが付着しているのだ。
KP :
そしてBR800。
KP :
アナタだけは、二つの手術台に見覚えがあった。
KP :
あの夢で自分が寝かされたのは、この手術台だった。
ヤオ トモヤ :
「‼︎…ぁ……これ、私だ。私だったんだ」
ヤオ トモヤ :
「……あの、ちょっといいですか」報告すべきかちょっと迷うも、聞こえるように話し始める
スコア :
「何です……?」
不破 栞 :
「何か気づいたのか?」
夜鷹 守人 :
「……どうした?」
血痕で一瞬だけ見えた過去のフラッシュバックを振り切って、トモヤに顔を向ける
ヤオ トモヤ :
「……その、ここに私も寝かされていたことがあったみたいです。以下は手短に失礼しますね」
ヤオ トモヤ :
かいつまんで、以前見た夢の内容のおさらいだけ話しときます…
KP :
それでは暗い実験室で手術台に乗せられていたコト。
KP :
そのとき白衣を着た人間達に囲まれていたコト。
KP :
……そのユメの舞台はここだったと思われるコト、などを説明しました。
夜鷹 守人 :
「……そうか、つまりトモヤは……」
夜鷹 守人 :
「ここで例の手術を受けた人間、ということかもしれない……か……」
スコア :
「……こっちの手術台にはブルーブラッドの痕跡もある。その時、精神を機体に入れられたと見て間違いなさそうですね……」 手術台を見て
不破 栞 :
「なぜ君が最新型の機体として警視庁に送られてきたのかという謎は残るが……ここにいたことは間違いなさそうだな」
ヤオ トモヤ :
「……はい。記憶がまばらなので確信を持ってそうと言えないのが惜しいのですが、多分……多分そういうことなんだと思います」
ニト :
「夢を見るアンドロイドなんて構造上ありえないけど……元人間だったら納得できるね……」
ヤオ トモヤ :
「……」苦笑して
スコア :
「でも、だとしたらどうして記憶を全部思い出してないんだろ」
スコア :
「意識と記憶を移すっていっても、完全な技術じゃないのかな……」
ヤオ トモヤ :
「どうなんでしょう。実験は成功だ、なんて言ってましたけど」
不破 栞 :
「意図的に思い出せないようにしているのか……もしくは移してからしばらくは記憶が混濁するのかもしれないな」
キョウ :
「ふむ……意図的に思いだせなくする、というと例のオカルトを思いだすが……」
スコア :
「あ……!そっか、あの洗脳術?があったんだ」
夜鷹 守人 :
「紙に書かれた魔術らしきもの……だったか、俺と同じ状態かもしれないと……」
ヤオ トモヤ :
「…‼︎あぁ、あの……可能性はありますね」会った覚えはないが、青木と知り合う以前に赤星と会っていたのかもしれない
ニト :
「そもそもアンドロイドのボディにしたら、スタックの記憶データの内容を改竄するコトくらいできそうだよね、リボット社が黒幕だったら」
ヤオ トモヤ :
「あー、そっちのが説得力ありますね…」
ニト :
「ね!」
スコア :
「そっか、確かに……」
スコア :
「こんなの全部覚えさせてたら不都合があるだろうし、意図的に消してない方がおかしいか……」
夜鷹 守人 :
「おそらく精神に相当負荷がかかるだろうしな、その為の処置だったのかもしれない」
スコア :
「その辺の詳しいところ、ここの機器とかには残ってないのかな。調べてみよっか」 部屋を見渡す
不破 栞 :
「……そうだな」
不破 栞 :
「(どんな恐ろしいデータが出てくるやら……)」
スコア :
じゃあ、機器調べます!
KP :
詳しく調べる場合は≪電子工学≫または≪機械修理の半分≫による判定をどうぞ!
スコア :
これはキチィぜ…!!
夜鷹 守人 :
お手上げだあっ!!
スコア :
CC<=30 機械修理(1D100<=30) > 55 > 失敗
スコア :
だめ!
不破 栞 :
cc<=10 機械修理するっきゃねえ!(1D100<=10) > 78 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=35 【半分】(1D100<=35) > 21 > 成功
スコア :
わー!!!
不破 栞 :
すごい
夜鷹 守人 :
流石トモヤァ!
ヤオ トモヤ :
よかったぜ…
KP :
おお、成功…ですかあ……
KP :
流石は有馬真二の息子ですねぇ
ヤオ トモヤ :
やだなあ、赤の他人()です😄
スコア :
流石は有馬真二の息子、不名誉罪になりそうだよ
KP :
ともかくBR800。アナタには、
KP :
現代のテクノロジーで説明できない程、かなり進んだ技術が見てとれる。
KP :
……そして、気がついてしまう。
KP :
この機器に使われた材質や技術は、地球に存在しないモノであるコトを。
KP :
SANチェックをおねがいします
KP :
成功で0、失敗で1d2のSAN値減少です
ヤオ トモヤ :
cc<=40 【San】(1D100<=40) > 56 > 失敗
ヤオ トモヤ :
1d2(1D2) > 2
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 40 → 38
KP :
最大値を引いていく
ヤオ トモヤ :
悲しいね
ヤオ トモヤ :
「……ッあ」おかしい。ただ機器を調べるはずだったのに。なにか手掛かりがわかればとそれだけだったのに。
ヤオ トモヤ :
こんな材質も技術も前例がない。手を動かしつつ、同時並行で該当のデータや論文を探すも一件も見当たらない。既存のそれを遥かに超えていることだけがわかる。
ヤオ トモヤ :
「……宇宙人って強ち外れてもなかったりして」小声で
スコア :
「え?」
夜鷹 守人 :
「これが何かわかったのか……?」
不破 栞 :
「そ、そうなのか……?」
ヤオ トモヤ :
「……いえ特には、ただ、その…有馬が有数の発明家であることを踏まえても、ここにある機器やその技術は到底今のレベルを超えています」
ヤオ トモヤ :
「既存のそれらとは大いにかけ離れています。説明がつかないんです。あの、もっと率直に言うと機器の材質は地球上のありとあらゆるデータベースと一つも合致しません」
不破 栞 :
「世の中に公表されていない、未知の物質というわけか……いよいよオカルトじみてきたな」
スコア :
「だから……宇宙人の仕業……ってこと……?」
夜鷹 守人 :
「新物質で作られた機械、とも思えないか……では本当に……!?」
ヤオ トモヤ :
「……こんなこといいたくありませんが、その可能性は高いかもしれません」
ニト :
「え、すごいじゃん……!」
ニト :
「あ、でも……有馬に手を貸してるってコトは悪い宇宙人なのかな……」
不破 栞 :
「どうなんだろうな……そもそも宇宙人がいると決まったわけではないが」
スコア :
「さっきの資料の我々、が宇宙人のことを示しているなら納得出来るとこはあるけど……やっぱりちょっと信じがたいよね……」
スコア :
「有馬側に未知の物質や技術を持ったやつがいて、それを公表していないだけって考える方が自然だよ」
スコア :
「ただ、宇宙人だろうと人間だろうと何だろうと、そいつが悪いやつだってことだけは間違いないけどね」
ヤオ トモヤ :
「そ、うですよね。既存の研究からかけ離れているだけで、秘密裏に進められていただけで……きっと…そう、ですよね…?」呪文に対しても信じがたいとしていたトモヤだが、戦慄が走っただけに肯定しきれない
夜鷹 守人 :
「……どちらにせよ、そいつらの野望を打ち砕くのが俺達の役目だ。宇宙人にせよ、それは変わらない」
不破 栞 :
「ああ、真相に迫っていけばこの物質や技術の出所もはっきりするだろう」
キョウ :
「そうだな」
キョウ :
「連続誘拐殺人事件の黒幕が世界のリボット社CEOで、その支援をしていたのが宇宙人、と仮になった場合、その真相を公表する時が大変そうだが」
スコア :
「本当にそうだったら……う、うーん……」
不破 栞 :
「世間のことを考えるとな……警察が切り込めなかった理由もわかる」
不破 栞 :
「だが、だからといって殺人が許されるわけじゃない。秩序は大事かもしれないが、真実よりも優先されるべきことではないよ」
キョウ :
「……その通りだ」
キョウ :
「とはいえ、今は先の心配をしていても始まらないな、捜査を続けるとしようか」
キョウ :
「リボット社CEOと宇宙人が犯人、としても世間が受けいれざるを得ない決定的証拠を見つける為にな」
スコア :
「うん……分かってるよ」 頷く
夜鷹 守人 :
「どんどん荷が重くなっていくな……やりがいがあるという物だ」
スコア :
あとはデスクだっけ、調べましょ!
夜鷹 守人 :
いくぜ~?
ヤオ トモヤ :
行こう行こう!
不破 栞 :
調査だ!
KP :
黒いデスクには実験器具などが散らばっている。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫による判定どうぞ!
スコア :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 48 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 9 > スペシャル
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 60 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 目星(1D100<=75) > 11 > スペシャル
KP :
ピッタリ賞がいつつ全員成功!
KP :
それではそれでは
KP :
アナタはデスクの上に一冊の医学書を見つけた。内容は以下の通り。
□植物人間について
遷延性意識障害(せんえんせい いしきしょうがい)の俗称。植物状態とも言われる。
大脳(思考と行動を制御する脳の部位)が機能しなくなったものの、
視床下部と脳幹(睡眠サイクル、体温、呼吸、血圧、心拍、意識、等の生命維持に必要な機能を制御している脳の部位)はまだ機能しつづけている状態の事を言う。
生命維持に必要な脳幹機能が損傷する脳死とは違い植物状態は回復の可能性はあるが、
その確率は低く、5年経過した時点で3%しかないといわれている。
また神経科学者であるエイドリアン・オーウェンは、
「物事を認識する能力が皆無だと思われている植物状態の人の15~20パーセントは、
どんなかたちの外部刺激にもまったく応答しないにもかかわらず、完全に意識がある」事を見出した。
自身の書籍で「損傷した体と脳の奥深くに、無傷の心が漂っているのだ」と述べている。
スコア :
「植物人間ね……。こういう医学書、昔読んだなあ」
不破 栞 :
「スコアは医学に詳しいんだったな」 とりあえず読んでみるけど内容はちんぷんかんぷん
スコア :
「マスターの喫煙がきっかけだったけど、思いのほかハマっちゃったんですよね」
夜鷹 守人 :
「図書館ならいざ知らず、ここで見つかるとなると物騒なものだな…」
ヤオ トモヤ :
「…そうですね」夜鷹の言葉に頷く
スコア :
「さっきの精神転移装置の資料……」 鞄から書類を取り出して
スコア :
「……あった。こっちに植物状態の患者への医療使用が出来るかもしれないってありますね」 再確認する
夜鷹 守人 :
「ああ、そこに書かれている情報が正しいのなら……植物状態の患者がアンドロイドとして覚醒できる、ということだろうからな……」
スコア :
「じゃあ有馬がアンドロイドに意識を移す実験をしているのは、植物状態になった人を助けたいから……かなぁ……」
スコア :
「それで助けることになるのかも、誰のことかも分からないけど……」
ヤオ トモヤ :
「……」母と呼ばれていた女性、夜鷹さんの義父であり今も意識不明の重体である係長、犠牲になった子供達の存在が脳裏をよぎる
ニト :
「う~ん……、すごい技術なのは確実なんだけどな……」
不破 栞 :
「すごい技術だからこそ、正当な手続きのもとに実験が行わなければいけなかったんだが……」
ニト :
「あまりにマッドすぎたね……子供で人体実験をするなんて……」うんうん、と頷き
不破 栞 :
「有馬真二は、その過ぎたる技術力のせいで世界の秩序を破壊してしまったわけだ」
スコア :
「技術力だけ……ってわけでもなさそうですけどね。昔の有馬の日記の感じだと、技術があっても正しく利用出来てそうなのに」
不破 栞 :
「天城博士よりもしっかりしていそうだったな……日記を見る限りは」
ヤオ トモヤ :
「……どこかで、アンドロイドとして生活することになってもその誰かに生きていてほしい、また会いたいと願ったんだと察しはつくのですが……」
ヤオ トモヤ :
「……だとしても、こんな手順を踏んではいけないことですよね」
スコア :
「当たり前でしょ」 医学書を閉じる
スコア :
「どんな事情があろうと、この先何を言って来ようと、有馬の言葉や思想には何一つ共感できる気がしませんね」
ヤオ トモヤ :
「……はい。それは当然だと私も思います」
ヤオ トモヤ :
「……ですがもう二度と会えないと思っていた人と再会が叶うとしたら誰しもが当たり前に願ってしまうことかもしれないと思いました。それだけ、です」
ヤオ トモヤ :
「勿論有馬の行動は到底容認できるものではない、ので……ただ、それだけです」
「すみません、余計なことを言いました」
不破 栞 :
「いや、君の言うこともよくわかるよ。有馬が何を考えて行動に移したのか……もう少し知る必要がありそうだ」
スコア :
「……まあ、もっと情報が欲しいっていうのはそうですね」
スコア :
「探索を続けましょう。まだ見ていない部屋はあります」 部屋から出ていく
夜鷹 守人 :
「当事者の視線に立つことでわかることがある……余計なことでは無いだろう」
「そうだな、別の部屋に行くか」
ヤオ トモヤ :
「…はい、行きましょう」
不破 栞 :
「時間が惜しいが、焦らず調査するぞ」
キョウ :
「…………二度と会えないと思っていた人と再会が叶うとしたら、誰しもが当たり前に願ってしまう、か」小さく呟いて付いていく
スコア :
じゃあCの部屋行きましょう
夜鷹 守人 :
GOGO!
KP :
それでは逸る気持ちを抑え、部屋Cへ
同日/AM10:30/天気:大雨/実験施設-部屋C(研究室)
KP :
その広い部屋には、何か重苦しい薄闇が満ちていた。
KP :
天井の照明が点かない代わりに、
KP :
奥の壁についたモニターの光が、ぼんやりと室内を照らしている。
KP :
部屋には幾つかデスクがあった。ここの研究員達のデスクだろう。
KP :
一様に同じデザインの真っ黒な机が並んでいる。
KP :
しかし、最奥のデスクまわりだけは違っていた。
KP :
やけに豪華だった。
KP :
木の机と革張りの椅子。いずれも海外製の高級品だ。
KP :
おそらくは「ここで最も偉い人物」の席なのだろう。
KP :
不破とX000は、それらに見覚えがある。
KP :
記憶通りならリボット社の社長室で見たモノと同じ。
KP :
つまりそれは有馬真二のデスクだった。
KP :
そして有馬のデスクの両脇には、棚が置かれている。
KP :
……中身は書類がまとめられたファイルらしい。
KP :
丁寧にファイル分けされていて、この部屋の主の性格を表してるようだ。
スコア :
「……あのデスク、見覚えありますね」
夜鷹 守人 :
「やけに飾られたデスクだが……有馬のデスクか?」
スコア :
「多分そうです。リボット社の社長室にあったのと同じですから」 有馬のデスクに近付いていく
不破 栞 :
「改めて見ると趣味が悪いな……」
不破 栞 :
「(人間、金や権力を持つとこうなってしまうのか……)」
ヤオ トモヤ :
「えぇ、イラっとしますね」不破の発言に頷く
スコア :
「奴の趣味の悪さはともかく、このデスク周りを重点的に見てみましょっか」
スコア :
そんな感じで探索しようか!
夜鷹 守人 :
うおおお!ファイルファイル!
ヤオ トモヤ :
見るぞ見るぞ!!
不破 栞 :
しらべっぞ!
KP :
ではでは探索箇所は以下の通り!
KP :
【探索箇所】本棚/奥のデスク
ヤオ トモヤ :
本棚から行きます?
スコア :
そうね、とりあえず順番に本棚
夜鷹 守人 :
いこか
不破 栞 :
いこう!
KP :
両脇の本棚には、機械工学・心理学・医学など専門書から報告書まで、様々な本やファイルが詰めこまれている。
KP :
詳しく調べる場合は≪図書館≫による判定をどうぞ
スコア :
CC<=50 図書館(1D100<=50) > 87 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=25 【初期値】(1D100<=25) > 72 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=65(1D100<=65) > 85 > 失敗
不破 栞 :
cc<=25 うおおお!!(1D100<=25) > 64 > 失敗
スコア :
えー!!!
KP :
全員が失敗!?
スコア :
極端すぎる
夜鷹 守人 :
ここに来て!?き、キョウ助けてー!!
ヤオ トモヤ :
さっきの成功をこっちに…クッ
KP :
あ、安心してください…! いまはNPC同行中…!!
KP :
つまり判定の振り直し権が一度だけあるのです…!
スコア :
今回も有効だったんだ!?
スコア :
じゃあ、守人くんに頼むのが良さそうか
ヤオ トモヤ :
助かるぜ〜!!!
夜鷹 守人 :
ま、任せろぉい!
不破 栞 :
頼んだ……!
スコア :
ダメだったらもうしょうがないんじゃ、お願いします
ヤオ トモヤ :
夜鷹さんのこと応援してます!!!(団扇ペンラ装備)
夜鷹 守人 :
cc<=65 キョウ!手伝ってくれー!(1D100<=65) > 59 > 成功
夜鷹 守人 :
ヒュウ
KP :
あ、あぶなッ
スコア :
やったー!!!
ヤオ トモヤ :
ヨッ天才!!!INT18!!夜鷹さん!
夜鷹 守人 :
ふふふ、ここここれくらい余裕よよよよ(ガタタタタタ)
不破 栞 :
めっちゃ危なかった! サンキュー守人&キョウ…
KP :
それではアナタ達はキョウの手助けを借り、ファイルを三つ見つけだす。
KP :
まずひとつめ
□プロジェクト概要
我々"感情操作機関EMC"の目的は『人間の感情を抑制し、犯罪が全くない社会を作り出す』事である。
これは『犯罪は人間の感情によって生まれる』という前提の元に立てられたプロジェクトだ。
犯罪の原因となる感情を抑制する事で、犯罪率を限りなくゼロに近づけるのである。
この計画の為には以下の項目が必要。
1.被験体の確保
いずれの実験も被験体が必要である。
被験体の条件は
①12歳前後の子供である事。
②脳等に異常がない健康体である事。
の二点である。
機関の人間の子供だけでは数が足りない為、外部からも仕入れる必要アリ。
2.感情抑制薬(ESM)の開発
人間の感情を抑制する薬品の開発は、この計画において必要不可欠である。
薬品の概要については別資料を参考する事。
まずはモルモット実験から始まり、現在は人間の子供を被験者として開発を進めている。
開発は順調に進行していると言えるだろう。
ゆくゆくはもっと範囲を広げる必要がある。
そのため我々と協力関係にある製薬会社を通し、都内の病院で患者に使用する事も視野に入れなければならない。
3.精神転移装置の実用化
精神転移装置の実用化は、人類存続にも大きな影響を及ぼすだろう。
そのためには、やはり彼らの協力が必要である。
しかし、この装置は未完成の脳に使用すると負荷に耐えきれない為、
脳が完成し脳のデータ量が大人に比べて少ない12歳前後の子供が適任と言える。
こちらに関しても子供を被験体として使用する。
4.街中に噴霧器を設置
実行日に備え、街中のあらゆるポイントに噴霧器を設置する。
スコア :
「何、これ……」 驚きよりも、怒りで声が震える
夜鷹 守人 :
「…………」
目を白黒させて、1つ目の書類を眺める
夜鷹 守人 :
「な、なんだこれは……っ。映画の世界じゃないんだぞ……!?」
ヤオ トモヤ :
「…は、な、……んですかコレ…」思わず
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
拳を強く握り……思い切りデスクに叩きつける。
不破 栞 :
「これが……この事件の真相なのか? こんな、こんなことのために……!!」
スコア :
「何が犯罪の全く無い世界を作るだよ……!犯罪者集団のくせに!!」
不破 栞 :
「本当にこんなことのために……たくさんの人間を犠牲にして、自分のことをあんなに考えてくれた親友まで手に掛けたっていうのか?」
不破 栞 :
「そんなくだらない人間だったのか!? 有馬真二……!」 それが嘘であってほしいと願うように、さらに資料を漁る。
キョウ :
「……この事件の根本にあるものは、犯罪そのものへの憎悪、なのかもしれないな」
キョウ :
「有馬がそうなった理由は何かありそうだが、オトの言う通り、これでは本末転倒というものだ」
キョウ :
「…………根本の動機はまだ分からないが、おまえ達ドロ係が『最初に担当したテロ事件の動機』はこれで分かったかもしれない」つとめて冷静な口調で
スコア :
「動機って……?」
夜鷹 守人 :
「……聞かせてくれ」
キョウ :
「────口封じだ」
キョウ :
「……EMCはあのビルの製薬会社に感情抑制薬を作らせたのかもしれない」
KP :
キョウはニトに言って、ホログラムを表示する。
□■■■■■について
我が社も■■に関わった■■■■■がついに完成したと報告があった。
従来の■■薬と似てはいるが、全く異なる■である。
しかし先方は■■をどうしようというのだろうか?将来■■に使用されるとは言っていたが、
こんなものが本当に役に立つのか?そもそもこれはこの国の■に触れるものではないのか。
社長は何を考えているんだ。
KP :
あのビルで見たメモだ。
キョウ :
「まだ確証はないが、これは感情抑制薬のコトじゃないか?」
キョウ :
「だとするなら、EMCは『感情抑制薬は自分達だけで完成するには無理がある』と考え、製薬会社と共同開発を行い……」
キョウ :
「それが完成したと同時、口封じの為に始末した……そうは考えられないか……?」
スコア :
「用済みになったから消したってこと?利用するだけしておいて……」
ニト :
「う~ん……これまでの行動の傾向からして、全然やりそうだな~……」
ニト :
「子供で実験するような組織なんだし……」
スコア :
「最悪すぎる……どんな面してる奴らなの……」
不破 栞 :
「……私が子供の頃は……」
不破 栞 :
「今のように人型のアンドロイドが人間に溶け込んで共存する社会なんていうのは、SF小説の世界の中だけの話だった」
不破 栞 :
「そんな夢のような光景を世界にもたらした技術者が望んだのが、『1984』に描かれるような世界だったとしたら……」
不破 栞 :
「こんな皮肉なことがあっていいのか……!」 机に叩きつけた拳を震わせる。
夜鷹 守人 :
「ディストピアSF、でしたか……奴らの思う通りに計画が進むなら似たような世界になりかねません……」
夜鷹 守人 :
「……犯罪を無くす為の組織が、犯罪以上の非道に手を染めているとは何とも皮肉なことだ……」
ヤオ トモヤ :
「天城が…阻止してほしいと願った有馬の企みとはこういうことだったんですね……」
ヤオ トモヤ :
「……ここに書いてある実行日っていつなんでしょう。ESMを噴霧されたらもう私達に打つ手はありません、ディストピアSFまっしぐらです」
スコア :
「さあ……。他のファイルに書いてるかもしれませんよ」 もう憎む相手のいない場所で怒る気力もない。二冊目のファイルを手に取る
スコア :
そんな感じで、二冊目の情報見てみようかなって
ヤオ トモヤ :
みようみよう!
夜鷹 守人 :
読むぞ!!
不破 栞 :
ドキドキ★新情報
KP :
それでは、ふたつめ
KP :
X000は二冊目のファイルを手に取り、両目を見開いた。
KP :
その内容は以下の通り
□実験記録1
ファイルにまとめられている。以下は内容を抜粋したもの。
◇大月 ミミ(オオツキ ミミ)
精神転移手術を施した最初の被験者。
手術は成功と思われたが、脳が耐えきれなかったか精神の問題か、
拒絶反応で暴れまわった後、機体が耐えきれず機能停止。
やはり手術前の感情抑制薬の投与は必須と思われる。
(以下失敗が続く)
◇有馬 朝也(アリマ トモヤ)
有馬真二が突然連れてきた被験者。
手術は奇跡的に成功。
記憶を失っている事が有利に働いたのかもしれない。
経過を見る必要アリ。残された体は交渉材料に回す。
◇文月 日佐人(フヅキ ヒサト)
感情抑制薬を投与後、手術は成功。
手術後の経過も問題ナシ。
他データのプログラミングを開始。
◇雨宮 智美(アマミヤ サトミ)
こちらも手術は成功。
他データのプログラミングを開始。
◇鳴宮 久緒(ナルミヤ クオ)
感情抑制薬の投与を行ったが、なかなか感情が消えずに反抗を繰り返す。
しきりに被検体Xを気にかける様な言動が見られた。
薬の濃度を高め投与を繰り返し、無事に抑制に成功。
手術も何ら問題なく終了した。
他データのプログラミングを開始。
備考:強い執着を持つ個体は、感情抑制剤に対し耐性を持つ可能性アリ。
◇白瀬 心(シラセ ココロ)
偶然にも被検体達の誘拐現場を目撃された為に確保。
廃棄処分も提案されていたが、
精神転移手術において、16歳以上の被験体の必要性が検討され被験者に。
鳴宮久緒と同様に、しきりに被検体Xを気にかける様な言動が見られた。
感情抑制薬を投与するも、こちらも抑制に耐性アリ。強い執着の影響か。
薬の濃度を高め投与を繰り返し、しかし抑制は失敗。
やむなく手術を強行。手術は成功。
KP :
夜鷹守人。BR800。
KP :
アナタ達は、資料についていた写真に覚えがあった。
KP :
『文月日佐人』とはビルの屋上で、『雨宮智美』とはビルの内部で、会っている。
KP :
……二人はアンドロイドだったハズだ。一連のテロ事件の実行犯だったハズだ。
KP :
そこで確信に至る。
KP :
昨日に聞いた推理の通り、施設にあった資料の通り、
KP :
人間の子供がアンドロイドの尖兵にされていたのだ。
KP :
これまでの推測の通り。推測の通り、なのだが、
KP :
こうして確信するのと推理するのは、訳が違う。
KP :
この紙が示すのはつまり、
KP :
『自分が始末したアンドロイド達は人間だった』という証明でもあるのだから。
KP :
守人くんとトモヤくんは、罪悪感によるSANチェックをおねがいします
KP :
本来は成功で1d2、失敗で1d4のSAN値減少ですが、事前の推理で心構えができていたと思うので、
KP :
成功で1、失敗で1d3のSAN値減少に減らしましょう
夜鷹 守人 :
ありがたい…のか!?了解了解!!
夜鷹 守人 :
cc<=51(1D100<=51) > 52 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=38 【正気】(1D100<=38) > 25 > 成功
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 38 → 37
夜鷹 守人 :
1d3 1足りねぇよ!!(1D3) > 3
夜鷹 守人 :
いてぇよ!!
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 51 → 48
KP :
守人くんはサトミにトドメさしてましたからね…
夜鷹 守人 :
ガッツリやっちゃったんよねぇ…
KP :
まあ、本当のトドメはイチハでしたが…
KP :
それでは一方、不破栞。X000。
KP :
……アナタ達はここに記された名前に見覚えもある。
KP :
十年前に誘拐された子供達の、アナタ達が救えなかった子供達の名前だ。
KP :
その中にはココロの記載もある。
KP :
もしもここに書かれている事が本当なら────
KP :
不破さんとスコアちゃんは、淡々と記された友人の悲惨な末路にSANチェックをおねがいします
KP :
本来は成功で1d3、失敗で1d6のSAN値減少ですが、事前の推理で心構えができていたと思うので、
KP :
成功で1、失敗で1d3+1のSAN値減少に減らしましょう
スコア :
CC<=47 SAN(1D100<=47) > 15 > 成功
不破 栞 :
cc<=56(1D100<=56) > 71 > 失敗
system :
[ スコア ] SAN : 47 → 46
不破 栞 :
1d3+1(1D3+1) > 2[2]+1 > 3
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 56 → 53
夜鷹 守人 :
「……俺達が戦ってきたアンドロイド達は、みんな……ここの……っ」
サトミを戦闘不能に追い込んだ時の感触が生々しくフラッシュバックする
ヤオ トモヤ :
「……そう、なんですよね。今まで聞いた推理の通り、調べて出てきた通り」……彼らは人間、だった。
不破 栞 :
「これは……動かぬ証拠だ。私たちが調べてきたことが事実であることを示す、な」
不破 栞 :
10年前に誘拐された子供たち。長い警察としての生活から、それがもはや無事ではないと頭ではわかっていたつもりだった。
不破 栞 :
「わかっていたのに、なんでだろうな……」 資料を持つ手を震わせ、顔を青くする。
スコア :
「…………」
スコア :
覚悟はしていた。ココロ達との記憶を見ていたわたしは、きっとこの中の誰よりも一番この事実を目の当たりにする覚悟が出来ていたのだろう。
スコア :
だから、今心を揺り動かすのは絶望だけではない。
スコア :
「分かっていたけど……分かったからこそ、もっと立ち止まってなんかいられない……」
スコア :
「わたし達が、ココロを助けなきゃいけないんだよ……ッ!!」
スコア :
絶望や怒り、悲しみを全てこれからの覚悟に変えるように、声を絞り出す。
不破 栞 :
「スコア……」
スコア :
「そうでしょ!?」 栞に顔を向ける
不破 栞 :
俯こうとして、踏みとどまる。
不破 栞 :
「後悔するのは……」
不破 栞 :
「すべてが終わった後だ」 相棒のその言葉で、落ち着きを取り戻し
スコア :
「……!」 強く頷く
夜鷹 守人 :
「……俺達は引き続き、出来ることをする……」
自分に言い聞かせるように
ヤオ トモヤ :
「…はい」深く頷いて
不破 栞 :
「真実は時として残酷だ……」
不破 栞 :
「そんなことは……最初から知っている!」 資料を読み進めよう。
スコア :
最後のファイル読もう!
KP :
それではみっつめ
□実験記録2
有馬真二は精神転移手術の入れ物の参考にX000というアンドロイドを私達に渡してきた。
このアンドロイドを見た時、私達はある興味を抱いたのだ。
『アンドロイドは感情を持ち得るのか』と。私達は並行して新たな実験を始める事とした。
まずX000に対し、感情に関するあらゆるデータを組み込む。
感情とは何か、なぜ抱くのか、どのように抱くか、抱いた場合どのような反応が起きるか。
喜怒哀楽だけでなく恋愛感情や憎しみの感情のデータまで。
要するに考え方はメアリーの部屋と似ている。
感情に関するデータを全て所持したアンドロイドは他の人間と接した時、
人間と同じようにデータにはない本物の感情を抱くのか、それともただのプログラムとして処理されるのか。
結果が出るのが楽しみだ。
KP :
X000。
KP :
これはアナタに関するデータだ。
KP :
……もしも、ここに書かれている事が本当なら、
KP :
あの時のココロに抱いた後悔は、
KP :
目の前のキョウに抱いた信頼は、
KP :
すぐ隣の不破栞に抱いた感情は、
KP :
……さきほどのきもちは、いったい何なのだろうか。
KP :
自己のアイデンティティを揺るがす真実にSANチェックをおねがいします
KP :
成功で1、失敗で1d4のSAN値の減少です
スコア :
CC<=46 SAN(1D100<=46) > 87 > 失敗
スコア :
うあん
スコア :
1d4(1D4) > 1
スコア :
どんなもんだい
system :
[ スコア ] SAN : 46 → 45
スコア :
「…………っ」 ファイルを持つ手が僅かに震える
スコア :
「なるほどね……。自分には感情があると思っていたけれど……」
スコア :
「それは天城が感情のあるロボットに憧れたってわけじゃなくて……」
スコア :
「ただのEMCの奴らの実験で……」
スコア :
「わたしがずっと感じていた全ての感情は、全部そういう風に仕組まれてただけってわけだ……」 自嘲気味に薄く笑う
スコア :
「わたしがココロを助けたいって気持ちも、あいつらにとっちゃ全部予想できた反応だったのかもね……」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「そんなわけないだろう」 淡々と、だが強い口調で
スコア :
「……どうしてそう思うんです?」
不破 栞 :
「確かに感情が生まれたのは実験によるものだったかもしれない」
不破 栞 :
「だが今こうやって奴らに歯向かおうとしているお前を形作ってるのは、EMCの奴らか? そんなわけがないだろう?」
不破 栞 :
「心くんたちや、白瀬や、ニトにリト、それから、ドロ係のみんな。いろんな人との関わりの中で、初めて『お前』という人格が生まれたんじゃないのか?」
不破 栞 :
「そもそも近代的な意味でのAIというものが誕生して以降、人間が完璧にAIを制御できたことなんてただの一度もないんだ」
不破 栞 :
「気づいてないなら言ってやる。お前は……」
不破 栞 :
「もうとっくの昔から、奴らの掌の上にはいないんだよ」
スコア :
「マスター……」 ファイルから顔を上げ、栞を見る
不破 栞 :
「これを不幸なことだなんて思わなくていい」
不破 栞 :
「お前は今からこの地球上で初めて、自分の創造主に叛逆する機会を得るんだ」
不破 栞 :
「英雄コナンも、ギルガメッシュもなし得ていない……この世界でただ一人、お前だけに与えられた栄誉だ」
スコア :
「……ふふっ」 思わず小さく笑ってしまう
スコア :
「誰ですか?それ。知らない名前すぎますよ」
不破 栞 :
「学習データにそれくらいの古典的名作は入ってないのか!?」
スコア :
「わたし、本なら最近の漫画の方が好きですからね」 くすっと笑って
スコア :
「まあ……誰でも構いません」
スコア :
「わたし、気付けてませんでしたね。わたしの感情そのものが仕組まれたことだったとしても……」
スコア :
「マスター達は、奴らに仕組まれて生まれたものじゃない。そんなの当り前のことでした」
スコア :
「その人達との間から……感情のその先から生まれたわたしの意志まで、一体誰が予想出来るっていうんでしょう」
不破 栞 :
「そう。お前が奴らに制御できなかったのは必然だ」
不破 栞 :
「連中は感情ってものにまるで理解がない。もっとも、奴らはそれを大いなる長所と捉えていたみたいだが……」
不破 栞 :
「そうじゃないだろう。ここにいるみんなは……少なくとも私は、そう思っている。それを奴らに突きつけてやろう」
スコア :
「そうですね。向こうもわたしの結果が楽しみらしいですし」
スコア :
「思いっきり"叛逆"して、分からせてあげることにします」
さっきの世界で初めて創造主に叛逆する栄誉という言葉を気に入ったのか、強調するように言って
スコア :
「ありがとう、マスター……!」 吹っ切るように、笑顔を向ける
不破 栞 :
「ああ……!」 やっと自分が助けになれたかな、と少し安堵しながら
夜鷹 守人 :
「俺達が励ます必要はなさそうだな……奴らは落ち込ませるどころかスコアを奮起させてしまったようだし」
ヤオ トモヤ :
「へへ、そうですね……なにせ、こういう時はパートナーの言葉が1番よく効きますからね!」
ヤオ トモヤ :
……私達はアンドロイドだから。そういう風に仕組んだと言われてしまえば、否定することは難しい。境遇は全く違うにしろ自分もつい先日まで似たような気持ちだった。だからよくわかる。
ヤオ トモヤ :
全ての疑惑が晴れたわけではない。けれど大事な人から一言認めてもらえたなら、それで十分なのだ。次を目指す力が、足を進める勇気が沸いてくる。私はそれを知っている。
スコア :
「すみません、一瞬心配かけちゃって……。ここからはもう大丈夫、次いきましょう」 えへ、と笑って
スコア :
そう言って、もう一度ファイルに目を落とす。
スコア :
ココロとクオが、被検体Xに強い執着を持っていたから、感情抑制剤がすぐには利かなかったという情報。
スコア :
これが本当なら、彼らと暮らしたあの日々や、あの時の自分の意志は無駄では無かったのかもしれない────
スコア :
そう希望を持ち、ファイルを閉じる。
スコア :
デスク調べよう!
夜鷹 守人 :
デスク調べるよん!
KP :
それではデスク!
KP :
黒いツヤのある木の机だ。引き出しがついている。
KP :
その上にはノートパソコンが置かれている。有馬のモノだろうか。
KP :
【探索箇所】ノートパソコン/引き出し/壁面のモニター
スコア :
パソコンから調べて行こうか
夜鷹 守人 :
ノーパソでGO!
不破 栞 :
そうね、順に見てこう!
ヤオ トモヤ :
gogo!
KP :
それではノートパソコン!
KP :
ノートPC内のデータは消去されてしまっていた。
KP :
復元するには≪コンピュータ≫もしくは≪ハッキング≫の判定をどうぞ!
スコア :
じゃあハッキングでいこう
スコア :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 98 > 失敗
スコア :
あっぶ
KP :
あぶな
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 80 > 成功
不破 栞 :
いちたりた!
KP :
ピッタリ賞!?!?
夜鷹 守人 :
ぴったり!!
ヤオ トモヤ :
ギリッギリだ〜よしよし
スコア :
今日の出目は荒れるぜぇ!!
KP :
本当に荒れていて怖いですわ
KP :
ではBR800はいくつかのファイルの復元に成功した。
KP :
気になるファイルは、所員名簿。有馬の日記。チャットログ。
KP :
この三つだ。
ヤオ トモヤ :
「これは……所員名簿に有馬の日記ですかね、あ。チャットログも残ってます」順に見てきますか?と画面を見せる
スコア :
「よく復元出来ましたね。確認していきましょう」
夜鷹 守人 :
「コンピューターに強いヤツがいるとありがたいな……」
不破 栞 :
「流石だ。さて、問題は内容だが……」
KP :
では順番に所員名簿から
KP :
所員名簿には、この施設のメンバー達がまとめられているらしい。
KP :
詳しく調べる場合は≪目星≫または≪アイデア≫による判定どうぞ!
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 19 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 64 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 90 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=90 アイデア!!(1D100<=90) > 59 > 成功
KP :
アイデア組が安定の成功
スコア :
わたし達頭良いんで
KP :
INT17、INT18、だし流石
KP :
それではアナタ達はファイル内に見た事のある名前を見つける。
□佐久間 彰人(サクマ アキト)
生年月日//2022年4月20日
性別//男
被検体SおよびXの逃亡幇助の疑い等々、度重なる違反行為の後、施設からデータを盗み逃亡。
発見次第処分。諸データを回収。
KP :
佐久間彰人。アンドロイドの手による殺人事件の二件目の被害者。
KP :
……彼は十年前の事件の関係者でもあったのだ。
スコア :
「……そういうことだったの」
スコア :
「おかしいとは思ったんです。わたしとココロが脱出する時、何故都合よくセキュリティが弱くなってたのかって……」
スコア :
「内部の誰かが関係してたんじゃないかとは少しだけ思ってたけど、彼だったとは……」
夜鷹 守人 :
「彼が密かに手を貸してくれていたんだな……その結果、処断されてしまったようだが……」
不破 栞 :
「彼がスコアを逃がしてくれたのか……」
不破 栞 :
「なぜ急に組織を裏切ったのかはわからないが、狙われた理由ははっきりしたな」
ヤオ トモヤ :
「ですね…田中夫妻もこの件に繋がるのかな」
スコア :
「今となっては何故裏切ったのかはもう分かりませんね……。良心が痛んだのか、別に理由があったのか……」
スコア :
「ただ、どうであろうと……感謝はしておきます。佐久間彰人」 祈るように胸の前で拳を握って
不破 栞 :
「(私たちだけじゃない……多くの人が命がけで行動した結果が今に繋がっている)」
不破 栞 :
「ああ。彼の勇気に報いよう」
スコア :
「ですね。……他のファイルも見てみましょうか」
KP :
別のファイルを見ようとした時、名簿を目を通していたニトが急に「あっ!」と驚きの声を上げる。
スコア :
「え、何?」
ニト :
「こ、これ……!」ノートPCの画面を指を差す
ニト :
「これ、僕のパパとママだ……!!」
KP :
そこには『葉加瀬祐太郎(ハカセユウタロウ)』と『葉加瀬柚木(ハカセユズキ)』の名前と写真があった。
KP :
……画面の中の二人は、ニトとリトとそっくり。
スコア :
「ハカセ……本当だ……!」
KP :
二人のパパとママ、というニトの言葉は真実だろう。
KP :
母親は十年前、父親は五年間の日付で『組織に加入』という記述がある。
KP :
ここで皆さんは≪知識≫または≪アイデア≫による判定どうぞ!
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 68 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=90 【知識】(1D100<=90) > 72 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=90(1D100<=90) > 85 > 成功
不破 栞 :
cc<=100 知識(1D100<=100) > 84 > 成功
KP :
アナタ達は"葉加瀬柚木"という人物に見覚えがある。
KP :
……たしかVOIDの燃料(ブルーブラッド)の研究に関わった事で、いくつかの受賞経験もある科学者だ。
KP :
当時は頻繁にメディアに露出していたが、十年前から急に姿が見えなくなっていた。
KP :
そして十年前というと例のオカルト記事で失踪したとされるH氏という著名な科学者の情報と一致する。
スコア :
「葉加瀬柚木……って、ブルーブラッドの研究に関わってた人のことか」
スコア :
「父親のことは昔聞いてたけど、母親の方はあまり聞かなかったから気付かなかったな……」 ニトを見て
ニト :
「ママは僕達が物心つく前にいなくなっちゃったから、実はあまり知らないんだよね……」
ニト :
「だけどまさか、こんな施設にいた、なんて…………」
ニト :
「どうして……僕達を放って子供で実験だなんて……」珍しく俯いて
スコア :
「……分からない」
スコア :
俯いたニトを抱き寄せて、
スコア :
「だから、これから解き明かそう。もしかしたら、ニトやリトにとって厳しい現実かもしれないけど……」
スコア :
「わたしもキョウもついてるから、大丈夫だよ」
ニト :
「…………そ、そんな心配されなくても、僕は全然ダイジョーブだぞ!」
ニト :
「ただちょっとビックリしただけ!」
ニト :
「……僕はマッドサイエンティスト! だからすごく強いんだ! これくらいはなんてことないよ!!」
ニト :
「すぐ凹むオトと一緒にするなよな!」
スコア :
「えぇ~!!」
スコア :
「わたしだってそんなすぐ凹んでな……あ、いや、確かに……」
ニト :
「いつもベコベコに凹んでるじゃんか」
スコア :
「そうだけど~……。っていうか、わたしのことはいいんだよ」
スコア :
「まあ、うん……。そういうなら、分かった」
スコア :
「じゃあ、これからも一緒に頑張ろ。マッドサイエンティスト」
ニト :
「……うんっ!」にぱっと笑う
キョウ :
「…………」
KP :
二人の話を聞いていたキョウは、何も言わずクシャクシャとニトとオトの頭を撫でた。
不破 栞 :
「(白瀬……)」 その光景を見て、無言で微笑む
ニト :
「……わ、急に何、キョウ!? 言っておくけど子供あつかいはやめてよね!!」
スコア :
「別にそういうわけじゃないって。ねえ、キョウ?」 微笑みかける
キョウ :
「……ああ」微笑んで手を放す
ニト :
「ええ…? なんだか腑に落ちないな…!」
スコア :
ニトをまあまあ…って宥めつつ、有馬の野郎の日記を開きましょう
不破 栞 :
「(ショックが大きいかと思ったが、さすがここまで来る子だ……)」 若い才能に感心しつつ日記の確認に移ろう!
KP :
その日記は、十二年前の日付から記されていた。内容は以下の通り。
□有馬の日記
[2038年■月■日]
妻と共に息子を迎えに行く途中、事故に遭った。
相手は高級車に乗った"田中"という若者だった。
公道にも関わらずあろうことか自動運転を切り、さらにはスピード違反だ。
私は右腕の負傷だけで済んだが、彼女は違った。
ずっと目を覚まさない。
医者は彼女は植物状態で、目を覚ます可能性はゼロに等しいと言っていた。
どうして彼女なんだろうか。
どうして私じゃないんだろうか。
どうしてあいつらは何ひとつ怪我をせず笑っているんだろうか。
どうして。
[2038年■月■日]
事故を起こした男の親は、政治家らしい。
奴等は今日、多額の金を持って家に来た。口止め料という事だろう。
あのふざけた男も、未来を日本を担う人間のようだ。吐き気がする。
世間では「運転していた妻の不注意」という事であっけなく片付けられた。
しかし、裁判を起こす気にもなれなかった。
起こしたところでこちらに勝ち目はないし、妻が目を覚ますわけでもない。
殺してやりたいと思った。
けれど、不安そうな顔をする子供達の姿を見て留まった。
私がしっかりしなければ。
[2038年■月■日]
これ以上、妻をこのままにすることを医者に反対された。
いくらでも金を出すと言ったが、医者は首を横にふった。
私は諦めない。
夏央と朝也には母親が必要だ、そして私にも。
[2038年■月■日]
ある策を私は思いついた。
妻の会話パターン、知識、これまで刻んできた妻の記憶。
それらをデータに組み込み、妻をモデルとした擬似人格を作り出す。
それに眠っている妻の脳とこちらの機器を繋げられれば、植物状態の彼女とも会話ができるかもしれない。
待っていてほしい、叶恵。
[2038年■月■日]
変わった夢を見た気がした。
最近寝ずに作業を続けているせいか、研究がやけに捗る。
[2038年■月■日]
完成した。
朝也は擬似人格をとても喜んでくれた。
子育て用のVOIDにも心を開かない息子だから心配したが、本当によかった。
この調子で進めればきっと妻との会話も可能になるだろう。
[2038年■月■日]
数ヶ月ぶりに妻の声を聞く事ができた。
本人の口からではなく機械越しではあるが、それでも充分だった。
しかし、妻はそうではなかったようだ。
現状を把握した妻は、私に死なせてほしいと頼んできた。
必死に妻を説得した。でも彼女は結局、それから何も話さなくなってしまった。
私は妻の最後の願いを叶える事にした。
あの事故から彼女を救えなかった……せめてもの報いだ。
それを伝えると、妻は安心した声色で、
「もう一人の私と一緒に、子供達のことを愛してあげてね」とそう言ったのだ。
私は医者に治療をやめることを伝えた。
[2039年■月■日]
子育ては順調に進んでいる。朝也も今年で11歳だ。
仕事であまり家にいる事はできないが、彼女と話す夏央と朝也は楽しそうで安心した。
天城は事故からずっと私を気にかけてくれている。顔色が悪いと言われた。
そういえば、最近なんだか寝つきが悪い気がする。
[2039年■月■日]
近所で我が家の事が噂になっていた。
朝也が小学校でいじめられたらしい。
調べてみると、どこから漏れたのか、妻の擬似人格の事がネット記事に書かれていた。
児童保護団体やら女性保護団体やらが声を上げて、バッシングが始まった。
子供がかわいそう?倫理にかけている?死者への冒涜?
偽善者達の詭弁には反吐が出そうだ。
お前らに何が分かる、この偽善者共!
[2039年■月■日]
今日もあまり眠れなかった。
なんだかまた変な夢を見た気がする。
[2040年■月■日]
妻の人格は消去された。
どうしてこれが、人殺しではないと言えるのか。
私は許さない。
妻を殺したあいつらも、もう一人の妻を否定したこの国の人間達も、妻を消去した犯罪者達も。
法が裁かないなら、私が裁いてやる。
[2040年■月■日]
夢を見た。
ヒト型に象られたその機械は、こう私に言った。
「力を貸してやろう」と。
私は新たな研究を始めた。
スコア :
「……。これは……」
夜鷹 守人 :
「……惨いな。二度も第三者から最愛の人物を奪われるなんて……」
ヤオ トモヤ :
「……」黙々と読み返している
不破 栞 :
「……そうか。その理不尽な過去が……有馬真二を変えてしまったということか」
不破 栞 :
ある程度は予想していた通りの内容だった。しかし、こうして日記を読むと、その衝撃はやはり大きい。
ヤオ トモヤ :
「……黄海さんの発言の節々に滲んでたのはこれだったんですね」折り返したスクロールバーが最下層にまでたどり着く
「……ともかく、これで有馬が凶行に走った過程は分かりました」
ヤオ トモヤ :
「……」医師がそこまで介入していいものなのか、遺族の内で同意があったにも関わらず赤の他人の唱える倫理、冒涜とやらにどれだけの正当性があるのか。
ヤオ トモヤ :
「……愚かで可哀想ですね。まぁ‼︎でもそれはそれなので。次はチャットログ開きましょうか!」タブを閉じようとタッチパッドに手を添える
夜鷹 守人 :
「……同情の余地はあるが、行いは容認できないという物だな」
不破 栞 :
「ヤオ君……」
不破 栞 :
自分の家族だったかもしれない人たちのこのような過去を知ってどう思っているのだろうか? 一瞬、そんな考えが脳裏を過るが、推測することも過ぎた行為だと思いなおす。
スコア :
「……ただ、過去の事件のことは別に、何度か夢を見ただの力を貸してやるだの書いてるのは気になるかな」
スコア :
「協力関係と言えばEMCしかいないけど……」
キョウ :
「EMCが夢から接触した、とでも言うのか?」
キョウ :
「……まあ、ここまでオカルトが現実のモノになっている今、絶対ない話とは言えんだろうが」
スコア :
「そこまでは思ってないんだけど、ちょっと気になる書き方だなって……」
不破 栞 :
「気になる書き方?」
スコア :
「わざわざ全部自分の意志ではないようにしたというか……。有馬が良心を振り切るために、夢のお告げとでもしたのかなって……」
キョウ :
「成程、諸々の責任から逃れる口実として夢を使った訳か」
スコア :
「……そう思うのが普通の考え方かなって」 ここまでくれば普通ではない考え方も可能性としてはあるのかもしれない、と思いつつ
不破 栞 :
「なるほど。確かによくある話だ」
不破 栞 :
「だが……本当にそんな簡単に片づけていいことかは気にかかるな」
スコア :
「まあ、考えても分かりません。情報もまだ足りませんし」
夜鷹 守人 :
「精神が追い詰められて蒙昧なことを書き綴った可能性もありますからね……。まだ知るべきことがありそうです」
キョウ :
「そうだな、俺も『家族を失った絶望と疲労が生んだ幻影』だと思った」
キョウ :
「……俺にも経験があるからな」
不破 栞 :
「白瀬……」
キョウ :
「そんな顔は止せ、不破」
キョウ :
「俺達はあと一歩で手が届く所まで来てるんだ、いま過去を振り返り、嘆く必要はないだろう」
不破 栞 :
「……すまない、そうだったな」
ヤオ トモヤ :
……どっちがよかったんだろう。摩耗の末の幻影に呑まれたのか、事実悪魔の甘言に乗ってしまったのか。ふと気に掛かったが、意味のないことのように思えた。どちらにしても変わらない。
KP :
それではみなさん、ここで≪アイデア≫による判定どうぞ!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 62 > 失敗
スコア :
CC<=85 アイデア(1D100<=85) > 30 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【アイデア】(1D100<=70) > 53 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=90 アイデア!(1D100<=90) > 42 > 成功
不破 栞 :
もしかして、私だけ何もわかってない~~?
スコア :
そうだよ
KP :
そんな物忘れする年齢だっけ不破さん(?)
不破 栞 :
まだ老け込む歳じゃないはずだが…
KP :
ともあれ不破さん以外は思い出す!
KP :
アナタ達には"田中"という人物の心当たりがある。
KP :
田中雅彦。アンドロイドの手による殺人事件の一件目の被害者。
KP :
事故当時の彼の年齢は二十歳だ。若者という情報とも符合する。
KP :
さらには"叶恵"という名前にも心当たりがある。
KP :
病院で少年に貰った絵本"ポコとボク"の著者『kanae』と一致するのだ。
KP :
絵本の発刊日は西暦2039年。有馬の妻の人格AIが書いたモノの可能性が高いだろう。
スコア :
「……田中って、一件目の殺人事件の人か。復讐だったってわけだ」
夜鷹 守人 :
「数十年越しの復讐だった、という訳だな……」
夜鷹 守人 :
「……そういえば、叶恵という名前……確か、あの絵本の作者と同じだった気がするな。発刊された年も丁度一致する」
不破 栞 :
「ということは、あの絵本は……」
スコア :
「人格AIが書いた本ってわけですね」
夜鷹 守人 :
「だな、その可能性は十分にある。まさかAIが絵本を描くとはな……」
夜鷹 守人 :
「……復讐対象の息子が、それを好んでいたことは皮肉にも見えるな……」
ヤオ トモヤ :
「……届いて欲しかった相手には届きませんでしたけど、届いた人がいるなら少し位意味があったのかもしれませんね」……やりきれませんねと苦笑いで
ヤオ トモヤ :
「次、チャットログいきましょうか」
不破 栞 :
「……真実は何より優先されるべきだが、少し胸やけがするよ」 頷き
スコア :
じゃあチャットログの方を見ましょう
KP :
それでは内容は以下の通り
□チャットログ
[10月14日/夜]
S.A.:明日から例の係の活動が始まる。やはり天城守人の存在は、我々の計画の邪魔だ。
明日の朝、殺害を強行しろ。
KR400:了解しました。手段はどのようにしますか?
S.A.:夕食に睡眠薬でも混ぜてから首を絞めればいいだろう。お前なら指紋も残らない。
[10月15日/夜]
S.A.:どういうことだKR400。なぜ天城守人を殺害していないんだ。
KR400:申し訳ありません、対象が途中で起きてしまいました。
S.A.:次に失敗したらおまえは廃棄だ。覚えておけ。
[10月23日/夜]
S.A.:夜鷹矢代を殺害しろ。
(返信はない)
KP :
夜鷹守人。
KP :
ドロ係の顔合わせ日の10月15日、アナタは寝坊した。
KP :
そして息苦しさに目を覚ました。
KP :
このチャットログの内容からして、
KP :
アナタは食事に混ぜられた睡眠薬のせいで寝坊。
KP :
寝ている間、首を締められていた事になる。
KP :
…………あの時、自室にいた人物は一人しかいない。
KP :
つまりこのKR400というのは。
夜鷹 守人 :
「─────赤星透也……!!」
夜鷹 守人 :
その日の記憶が鮮明に思い出される。あの息苦しさの正体は悪夢のせいではない、現実に起こっていたのだと理解してしまう。
夜鷹 守人 :
しかし、同時にある疑問が浮かび上がる。
夜鷹 守人 :
なぜ暗殺に失敗したのか。
眠りについている……ましてや非力な自分の首など抵抗もなく簡単に折るか窒息させられただろう。
夜鷹 守人 :
「…………兄さんは有馬側のアンドロイドだった。それはわかった……」
夜鷹 守人 :
「だが、どうして二度も暗殺を失敗したんだ……? 俺も、義父のことも簡単に殺せたはずなのに……」
ヤオ トモヤ :
「……どこかで夜鷹さんのことを大事に思っちゃったのかもしれませんよ」
ヤオ トモヤ :
「それこそ、兄みたいに」
夜鷹 守人 :
「俺達に冤罪をふっかけて、留置所に放り込んだやつだがな。しかも10年も俺を欺いてきた奴だぞ……」
夜鷹 守人 :
「……兄である情を抱いていることは、俺も信じたいが……」
最後にボソリと呟いて
ヤオ トモヤ :
「はい、私も赤星さんが冤罪をかけてきたり殺人未遂など危害を加えようとしてきたこと自体は否定できませんけど……」
ヤオ トモヤ :
「なにかしらの親愛の情がなければ、失敗なんてしないと思います」
「主人の命令遵守を可能とし、実行するのが私達のウリです。しくじっている時点で少なくとも変調が起きています」
ヤオ トモヤ :
「だって仮に起きてしまったところで、夜鷹さん1人押さえ込むのは簡単でしょう?」
「有馬は上層部と繋がっています。証拠隠滅はお手のもののはずです」
赤星さんは実行可能なところをわざと失敗している、そのように思えます。
夜鷹 守人 :
「だと良いんだがな。お前の推論を信じたい所だよ、俺だって10年来の兄貴分を失いたくない……」
夜鷹 守人 :
「……だけど、どこかでケジメは付けなきゃな。アイツのやったことは兄貴だからと言って許されないことだ」
夜鷹 守人 :
「対話で止まってくれるなら最良だ、もしそうでない時は……」
電子刀のグリップを握って
スコア :
「止まるかな~。あの人こっちが何言っても、もう黙れよ~だの俺の意志やお前の意志は関係無い~ってしてきますからね」
スコア :
「ま、それはともかく、一応良かったとこもあるじゃないですか」
スコア :
「これ、冤罪の証拠でしょ。色々と上手くいったもっと後のことになりますけど、このログはちゃんとあなたの無罪を示す証明になりますよ」 矢代を殺害しろというログを指差して
夜鷹 守人 :
「ああ、そうか。こいつをコピーすれば俺達の冤罪を晴らせるって訳だ……」
不破 栞 :
「ここまで揃えば、証拠としては十分だ。あとは司法にどこまで手が回っているかだが……」
不破 栞 :
「有馬はまだ、事の発覚を異常なほどに恐れている。警察の一部は完全に制御できても、司法までは手が回っていないと見ていいはずだ」
キョウ :
「そうだな」
キョウ :
「権力者の倒し方は一つ。関係各所に根回しし決定的証拠で押し切る……粘る時間を与えてはならない……」
キョウ :
「それさえできれば、この事件に決着をつける事ができるだろう」
スコア :
「出来ると良いね。そのためにも、もっと情報を集めなきゃ」
夜鷹 守人 :
「戦いは長引きそうだな……やるなら徹底的に、だ」
ヤオ トモヤ :
その言葉に頷く
スコア :
じゃあ、引き出しの方行く?
夜鷹 守人 :
いこいこ
不破 栞 :
いきましょ!
KP :
引き出しを開けると、黒いカードキーが入っていた。
KP :
この施設のどこかのドアの解錠に使う物らしい。
スコア :
「カードキーだ」 回収して
夜鷹 守人 :
「どこかで使えそうだな」
不破 栞 :
「この建物の鍵かな……別の部屋で試してみるとしよう」
ヤオ トモヤ :
「カードキーが使えそうな場所、ありましたかね……」頷いて
スコア :
「あと行ってない部屋は一つだけありましたね。そこの鍵なのかも……」
スコア :
「…………」 残りの部屋、というと思い当たる場所しかない
スコア :
「ま……持って行きましょ」
不破 栞 :
「……ああ」 スコアの反応を見て、何かを察するが言葉にはしない
スコア :
モニター見ましょっか!
夜鷹 守人 :
みっぞ!!
不破 栞 :
見よう見よう!
KP :
隣の壁に付いた、大きなモニター。
KP :
そこには何かデータが保存されているらしい。
KP :
モニターの内部データを見るには≪コンピュータ≫または≪機械修理≫による判定をおねがいします!
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 71 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 26 > 成功
不破 栞 :
cc<=61 いけーい(1D100<=61) > 88 > 失敗
KP :
それではBR800は目の前の液晶モニターを操作した。
KP :
……するとふいに、アナタ達の目の前にホログラムが投影された
KP :
視点が低い。小学生くらいの子供の目線、だろうか。
KP :
強い雨の下、小さな誰かが傘さえ持たず歩いている。
KP :
二人の男性を追って歩いている。
KP :
……それから間もなく、洋館の様な建物に辿り着く。
KP :
ここは山奥なのか、まわりには高い木ばかり。なのに立派な屋敷だった。
KP :
『天城』という表札のすぐ横にあるインターホンを、男性の一人が押す。
KP :
ジジジジジ、と警報ブザーに少し似た音が鳴る。ドアベルの音だ。
KP :
カチャリ。それに気付いた女性が、すぐに玄関のロックを開けた。
KP :
────二人の男性は、これ幸いと屋内に滑り込む。
KP :
その後ろを付いていく。
KP :
息を呑み、付いていく。
黒髪の女性 :
「あら、有馬さん?こんな夜中にどうされたんですか?」
有馬 真二 :
「…………」
黒髪の女性 :
「そちらの方、は」
KP :
────その女性が開いた口を閉じるより早く『仕事』は終わっていた。
KP :
女性の腹部には、深々とナイフが刺さっていた。
黒髪の女性 :
「…………ぁ」
KP :
一体、何が起こったか。
KP :
そんな事を知る由もなく、女性は血の海に沈む。
KP :
そして擦れ違い様、男性の一人が女性の腹部からナイフを抜いた。
KP :
ゴトン、と廊下に死体が転がる。
KP :
その音に異変を感じたのか、小学生くらいの子供が階段から降りてきた。
KP :
……子供は死体に駆け寄り、
KP :
周囲の状況には目もくれず、必死に死体の両肩を揺さぶっている。
天城 守人 :
「お母さん……? お、お母さん!? 起きて、起きてよ! ねえっ!!」
必死に亡骸を揺さぶる。肩から伝わる熱は徐々に抜けて、目から光が失われていくのがわかってしまう
KP :
それを見た有馬と呼ばれた男性は、もう一人の男性にこう告げる。
有馬 真二 :
「あの子供も殺せ"KR400"」
KP :
KR400と呼ばれたアンドロイド。血塗れのナイフを手にしたアンドロイド。
KP :
……はじめて見た筈の彼の姿を、全員が知っていた。
KP :
────赤星透也、だ。
赤星 透也 :
「了解しました」
KP :
……血塗れのナイフで、赤星は死体に寄り添う少年に切りかかる。
天城 守人 :
ヌラリと紅い軌跡を見せたナイフを、咄嗟に身を捩って避ける。
天城 守人 :
……しかし、完全に躱せたわけではなかった。
視界の左半分は赤く、暗く濁り。鋭く熱い感覚が縦に走っていた。
天城 守人 :
「うぁ゛あああ……っ!!」
天城 守人 :
左には血液、右には涙を滴らせ。子供は悲痛の混じった呻き声をあげながら近くの部屋へと逃げ込む。
赤星 透也 :
「…………」
KP :
その少年の機転の結果。
KP :
機械の人形は子供の左目を奪う事しかできなかった。
KP :
だが、部屋に追いこまれた少年にもう逃げ場はない。
KP :
身動きも取れなくなった少年に、主人の命令の通り、
KP :
赤星は真っ赤な血が滴るナイフを振り下ろした。
KP :
────しかし、その時。
KP :
小さな影が、赤星と少年の間に割って入った。
KP :
それは有馬と赤星を追ってきた、もう一人の子供だった。
KP :
……振りきられた、赤いナイフ。
KP :
それは間に割って入った子供の胸を貫いていた。
有馬 真二 :
「朝也……!? 何故、ここに……!?」
KP :
その光景を見た有馬は、ひどく動揺した様子で、その子供に駆け寄る。
KP :
……赤星は主人に構わずに、庇われた少年に再びナイフを振り下ろした。
KP :
しかし、それは運よく急所を外れた。
有馬 真二 :
「────KR400ッ、早く車を出せッ!!」
赤星 透也 :
「しかし、まだ任務が」
有馬 真二 :
「放っておいても、そいつはどうせ保たない!いいから早くしろ!」
KP :
……そう言って朝也と呼ばれた子供を抱えた一人と一体は屋敷を去った。
KP :
夜鷹守人。
KP :
この光景を見たアナタはフラッシュバックする。
KP :
そして確信を得る。アナタは天城圭一の息子だ。
KP :
アナタは有馬真二の息子の朝也とは昔から親しく、いつも二人で遊んでいた。
KP :
……そんなある日の夜の事。
KP :
突然、有馬真二と見知らぬアンドロイドが家にやってきた。
KP :
母親は刺殺され、自分も殺されると思ったその時、アナタの前に少年が飛びだしてきた。
KP :
朝也がアナタを庇ったのだ。
KP :
自分と朝也を刺したアンドロイド────赤星透也はアナタを冷たい眼差しで見ていた。
KP :
どうして気づかなかったのだろうか。
KP :
アナタのトラウマの元凶は、いつもアナタの隣にいた事に。
KP :
どうして気づかなかったのだろうか。
KP :
アナタの隣のこれまで距離を置いていたアンドロイドこそ、アナタの幼馴染だった事に。
KP :
BR800。
KP :
この光景を見たアナタはフラッシュバックする。
KP :
そして確信を得る。アナタは有馬真二の息子であり黄海夏央はアナタの姉だ。
KP :
アナタは天城圭一の息子の守人とは昔から親しく、いつも二人で遊んでいた。
KP :
……そんなある日の夜の事。
KP :
父親の様子がどこかおかしい事に気付いたアナタは彼の後をこっそり追った。
KP :
そこでアナタは見知らぬアンドロイドにナイフを向けられる守人の姿を目撃した。
KP :
アナタは怖かったのだ。自分の幼馴染が死んでしまうかもしれない、その事実が。
KP :
考えるより先に足が動いた。
KP :
そのナイフは、間に入ったアナタを貫いたのだ。
KP :
つぎに目覚めた時、アナタはあの手術室にいた。
KP :
自分はあの手術台に乗せられていて、あたりに見た事のない機器類が並んでいて。
KP :
そして、白衣を着込んだ人間達に囲まれていた。
KP :
まわりの人間達は一斉にアナタに視線を向ける。
KP :
その目は冷たく気味が悪い、とアナタは感じた。
KP :
集団の中央、ひときわ冷たい目線を向ける男性、有馬真二は、
有馬 真二 :
「実験は成功だ」
有馬 真二 :
「ずっとこの時を待っていた。さすが私の息子だ。これならきっと計画は成功する」
KP :
そう口にした後、こう続ける。
有馬 真二 :
「……大丈夫だよ朝也、何も心配することはない」
有馬 真二 :
「私がもう二度と、おまえ達が傷つく事のない世界を作るから」
KP :
そう言ってアナタの頬を愛おしそうに撫でたのだ。
KP :
守人くんとトモヤくんは、これまでの自分の常識を覆す真実にSANチェックをおねがいします
KP :
本来は成功で1d3、失敗で1d6のSAN値減少ですが、事前の推理で心構えができていたと思うので、
KP :
成功で1、失敗で1d3のSAN値減少に減らしましょう
夜鷹 守人 :
cc<=48 SAN(1D100<=48) > 12 > 成功
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 48 → 47
ヤオ トモヤ :
cc<=37(1D100<=37) > 35 > 成功
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 37 → 36
夜鷹 守人 :
無言のままデスクに両手をつく。
たった今、齎された……掘り起こされた記憶に動揺しているのか、赤星と有馬への怒りか、朝也への感謝か……あるいはその全てが身体中を駆け巡っていた。
夜鷹 守人 :
「これは俺の……そして、トモヤの……っ」
拳を固く握りしめて、やるせない気持ちと共にデスクへ力ない拳を叩きつける。
ヤオ トモヤ :
「……ア、ッあ私、わたくしじゃなかっ、たんですね」
夜鷹さんの家族を奪ったのはヤオトモヤでも有馬朝也でもなかった。有馬朝也は天城守人を守り切った。まずその事実にひどく安堵する。
ヤオ トモヤ :
次いでやってきたのは夜鷹への心配だった。過去の真実に近づく度ずっと不安だった。真相を知って、よりにもよって10年家族として親しんできた相手が元凶だったと知って、夜鷹は、守人さんは今何を感じているんだろう。
夜鷹 守人 :
「……トモヤには感謝しなくちゃな、今のお前じゃないかもしれないが……過去のお前がいなければ俺はここに立っていなかったんだ」
震えた声で呟く
ヤオ トモヤ :
「いや、私が…」やったわけではないと言いかけて口を閉じる。
ヤオ トモヤ :
私は確かにヤオトモヤだが、真実を知り有馬朝也の実感を得た。であれば一方的に礼をもらうのはなにか違う気がした。ならそれにはこう返すべきだ。
ヤオ トモヤ :
「ありがとうはこちらこそです、守人さん。あなたが絶望しても諦めなかったから……」
ヤオ トモヤ :
「あの日の私は、朝也は、守人にどうしても生きて欲しかった。できることなら明日もあなたと笑いたかった」
「……有馬朝也としてその明日を迎えることはできなかったけど、おかげでヤオトモヤとしてあなたに再び会うことができました」
夜鷹 守人 :
「ああ……」
右目でトモヤを覗いて、軽く頷く
夜鷹 守人 :
「……あと一ついいか、トモヤ」
ヤオ トモヤ :
「……なんでしょう、守人さん」
夜鷹 守人 :
「────もし俺が赤星と対峙することになったら、冷静でいられる自信がない。俺が周りを見られない状態にあったら、声を投げかけて欲しい」
夜鷹 守人 :
「頼めるか……」
奥歯を噛みしめながら
ヤオ トモヤ :
「……勿論です、任せてください」
ゆっくり頷く
夜鷹 守人 :
「助かる。お前にしか頼めないからな……」
不破 栞 :
「二人とも……今の映像で思い出したのか!?」
夜鷹 守人 :
「ええ、今のが俺達の忘れていた記憶みたいですね……」
ヤオ トモヤ :
「…はい。見た通りだったみたいです」驚きましたねと
不破 栞 :
「そうか……じゃあ、今投影されたのは本当にあった出来事……」
不破 栞 :
「あの洋館で人を刺したアンドロイドは、赤星透也だったのか……」
夜鷹 守人 :
「……赤星透也、いったいどんな面で10年間も……っ」
不破 栞 :
「奴はあくまで有馬の命令に従っただけだろうが……こうして真相がわかると、ぞっとする話だ」
ヤオ トモヤ :
「……」夜鷹を見つめつつ
「逮捕する前に一度彼の口から話を聞いてみたいですね」
夜鷹 守人 :
「大人しく話はしてくれないだろうな……有馬の計画を妨げるなら、また対決することになりそうだ」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
デクにそうしたように、彼も説得できないか、そう言いかけてやめる。あの時とはあまりにも、状況が違いすぎる。
キョウ :
「…………有馬真二は何故、天城の家族を殺したのだろうか」ふと呟く
キョウ :
「ヤツの動機が『復讐』にあるのなら、親友の家族を手にかける理由はないハズだが」
不破 栞 :
「確かに……考えてみると妙だ」
不破 栞 :
「今の有馬真二の冷徹ぶりを見れば、口封じのために殺すくらいはやりかねないが……そういった風でもなかったように見える」
スコア :
「……でも殺したってことは、何か理由があったってことでしょ?」
スコア :
「まあ、家族以外の人間の命を何とも思ってないような奴の考えることなんて全く分かりませんけど……」
スコア :
「この映像、まだ続きがあるみたいだからそれ見てから考えてもいいんじゃないですかね」 有馬のデスクに腰かけて
不破 栞 :
「……そうだな」
不破 栞 :
「(天城博士と彼の間の友情は本物だったと思うが……いったい何が彼をここまで駆り立てたんだ?)」
夜鷹 守人 :
「父を最大の障害と見ていたのか、あるいは……ともかく続きを見てみよう」
ヤオ トモヤ :
頷いてモニターに向き直る
KP :
そうしてアナタ達は再びモニターのデータを再生した……
KP :
ザザザ、とノイズが走る薄闇の中、手術台が見える。
KP :
ここは手術室らしい。
KP :
すぐ隣には、白衣の男性が一人。何か作業している。
KP :
その人物もアナタ達は知っている。天城圭一だ。
天城圭一 :
「……手荒な真似をして済まない」
天城圭一 :
「しかしこれは、いつかきっと君の役に立つ時が来る」
KP :
天城は最後の作業を終え、目前の手術台の『誰か』に声をかけた。
KP :
……その瞬間。
KP :
部屋のドアが勢い良く開かれた。
有馬 真二 :
「────探したぞ、天城」
KP :
そこに立っていたのは有馬真二。天城圭一の無二の友だった男だ。
有馬 真二 :
「何故、この場所が分かった?」
有馬 真二 :
「……朝也に、何をしている?」
KP :
その見開いた両目には、昏い狂気が宿っている。
天城圭一 :
「…………有馬」
有馬 真二 :
「ああ、答えなくても構わない」
有馬 真二 :
「お前が計画の最大の障害だという事は知っている」
有馬 真二 :
「……私のジャマの為、動きまわっていただろう?」
有馬 真二 :
「だからこそ、こうする必要があった」
KP :
有馬真二は躊躇なく相棒に拳銃を向け、そう言った。
天城圭一 :
「……落ち着け、有馬、考えなおしてくれないか」
KP :
天城は両手を上げ、しかし毅然とした態度で言った。
天城圭一 :
「お前の気持ちは分かる、でもこんなやり方では誰も幸せにはなれないんだ」
天城圭一 :
「人間も、アンドロイドも」
KP :
天城の言葉には、無二の親友である有馬は勿論、
KP :
自分の子供である守人と親友の子供である朝也。
KP :
そして、二人の子供であるX000を思う気持ちが込められていた。
有馬 真二 :
「────落ち着け、だって? 私は冷静そのものだよ?」
有馬 真二 :
「だからこそ、計画を知って妨害を企てる、お前を……」
有馬 真二 :
「家族もろともに消す必要があったのだから」
天城圭一 :
「…………私の、家族も、だって?」息を呑む
有馬 真二 :
「ああ、お前が身内に情報を託す可能性もあったからな」
有馬 真二 :
「念には念をだ」
有馬 真二 :
「私とて心が痛んだ、これはおまえのせいだよ、天城」
有馬 真二 :
「おまえが真実を追わなければ、計画を妨げなければ」
有馬 真二 :
「こんな事をせず済んだと言うのに」
天城圭一 :
「……………………ッ」
天城圭一 :
「……私達は間に合わなかったのか」
有馬 真二 :
「────家族を失った今なら、お前にも分かるだろう?」
有馬 真二 :
「この世界は理不尽に塗れていると」
有馬 真二 :
「……私の計画が成就すれば、そんな思いはしないで済む」
有馬 真二 :
「もうバカなマネは止せ、天城」
天城圭一 :
「……それはこちらの台詞だ、有馬」
天城圭一 :
「お前は一体、誰に唆されたんだ?」
天城圭一 :
「私の知る有馬真二は、そんな男じゃなかったハズだろ!」
有馬 真二 :
「……………………」
KP :
天城は自分の胸倉を掴み、憤怒の代わり決意を込めて口を開いた。
天城圭一 :
「家族を失おうとも私の意志は変わらない」
天城圭一 :
「もう一度、言う」
天城圭一 :
「────こんな非道な計画、間違ってる」
有馬 真二 :
「……そうか、分からないか」
有馬 真二 :
「常に僕の先を歩いていた天才には、分かるハズがないか」
有馬 真二 :
「なら、いい」
天城圭一 :
「……有馬、どうか分かって」
有馬 真二 :
「もう、いい」
KP :
……それが幕切だった。
KP :
拳銃の引き金は引かれ、響き渡る銃声と共に天城圭一は血の海に沈んだ。
天城圭一 :
「有……馬…………」
有馬 真二 :
「……………………」
KP :
────それから暫く。
KP :
手術台の上の『誰か』の両目は、
KP :
……親友の死体の前で、まるで幽霊めいて佇む白衣の男性を映していた。
KP :
やがて黒いノイズが画面を覆い、記録映像は終了する。
スコア :
「……計画を絶対に邪魔されないように全員消した、か。今こうなってることを考えると、その判断は間違っちゃいないけど……」
スコア :
「──狂ってますね」 冷たい目でモニターを見つめている
不破 栞 :
「…………」映像を見て、言葉を失っていたが
不破 栞 :
「そうだな。かつて家族や友人を愛した有馬真二という男は……もうどこにもいないのかもしれない」
不破 栞 :
「……家族を失った絶望というのは、あれほどまでに深いものなのだろうか?」
不破 栞 :
「私には……わからない」 眉をひそめて目を細めながら、そうつぶやく。
スコア :
「……家族を失った人が全員あんなことするなら、もう世界はとっくに滅んでますよ」
夜鷹 守人 :
「………………」
父が血の海に倒れる様を二度も見たせいか、言葉が出てこない
ヤオ トモヤ :
「……」真っ暗な画面を眺めている
「……どれだけ深く絶望したとしても、それはそれですよ。動機や過程に同情はすれど、何を選び実行したかはまた別です」映像の中の天城を思いながら
不破 栞 :
「……ああ。今私たちにできるのは、どうにかして彼の妄執を止めることだけだ」
不破 栞 :
「映像は……これで終わりのようだな」
キョウ :
「……ああ、だが、おかげで一連の犯行の動機は殆ど判明した」
キョウ :
「天城一家、佐久間彰人、製薬会社、この三つは口封じの為」
キョウ :
「田中夫妻は復讐の為」
キョウ :
「……一連の事件は、個別の動機で行われた犯行だった」
キョウ :
「最後に残ったのは、十年前の連続誘拐殺人事件の動機だ」
キョウ :
「……何故、子供を誘拐しアンドロイドにする必要があったのか、感情抑制薬の実験だけなら戦闘用アンドロイドにする必要はないハズだが」
キョウ :
「こればかりは有馬真二本人に聞かないと分からない事かもな」
不破 栞 :
「残る謎は、それか。アンドロイドにされた子供たちが犯行に使われたことに何か意味がありそうだが……」
スコア :
「……楽しみですねぇ。一体どんな御大層な言い訳が聞けるのか」 薄く笑い、モニターの電源を落とす
夜鷹 守人 :
「素直に話してくれる正気が残ってくれていれば良いな……」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね、納得できる気はしませんが」
不破 栞 :
「この部屋はもう……あらかた調べただろうか。次の部屋に行こう」
スコア :
「そうしましょうか……」 デスクから降りる
不破 栞 :
「時間がひっ迫しているのもあるが……あまり、ここに長居したくはない」
夜鷹 守人 :
「同感です……」
軽く頷く
ヤオ トモヤ :
「はい」深く頷いて
ヤオ トモヤ :
次の部屋…行きますか!
不破 栞 :
次いこうぜ~~!!
夜鷹 守人 :
うおおおお!!!
スコア :
中央の部屋にいきましょ!
KP :
それでは一同は最後の部屋へ
同日/AM11:30/天気:大雨⇒雷雨/実験施設-中央の部屋(箱庭)
KP :
中央の部屋のドアには、ロックがかかっていた。
KP :
扉の脇にカードリーダーがある。
KP :
カードキーさえあれば、開ける事ができそうだ。
オト :
「……まあ、そうなるよね。この部屋はいつもロックが掛かってたんだから」
不破 栞 :
「やはり、この先には……」
オト :
カードリーダーにカードキーを通そう。
KP :
オトがカードを通すと、ピッと高い音が鳴って、箱庭のドアが口を開く。
KP :
その部屋は、色を失くしていた。
KP :
白い壁に囲まれた一室。
KP :
その中央には、黒くて大きな枯れ木が聳え立ち、
KP :
足元では、暗い色の落ち葉がカーペットの様に地面を覆っている。
KP :
……白と黒だけで象られた箱庭。
KP :
それは研究施設の内部にあるには異質な空間だった。
KP :
陽の光が差し込む中庭。
KP :
そんな風に見えない事もない。
KP :
……しかし、日光めいたソレは天井から降り注ぐ人工の照明でしかなく、
KP :
ここは紛れもない監獄だった。
KP :
────オトは、誰よりその事実を知っていた。
オト :
「…………」 落ち葉を踏みしめて、中央の木の前まで歩いていく
オト :
「9年も経てば、そりゃ枯れるよね……」
オト :
「……ただいま」 自然と口がそう呟く
不破 栞 :
「そうか……」
不破 栞 :
「ここが、お前の心が生まれた場所……」
不破 栞 :
「私が……10年間ずっと探し続けた場所だったんだな……」
オト :
「えぇ、そうですよ」
オト :
「わたしとココロ達は、ずっとこの部屋に閉じ込められてました」
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
「わかってみれば、なんて空虚なものだ」
不破 栞 :
「あの頃の私は、真実を見つければすべてが報われる気がしていた……」
不破 栞 :
「この小さな箱庭に、そんな力があるはずがないのにな……」
オト :
「…………」
不破 栞 :
「10年、とんだ周回遅れだったが……」
不破 栞 :
「やっとスタートラインに立てた。森の木々と、血と、嘘に覆い尽くされたスタートラインにな……」
オト :
「……そうかもしれませんね」
オト :
「…………っ」 感傷に浸るのももう終わりだ、と振り切るように左手で拳を作る
オト :
「だったら、ここからが肝心ですよ。マスター」
不破 栞 :
「ああ」
不破 栞 :
「この虚しさも、悲しみも、怒りも、すべて私のものだ」
不破 栞 :
「有馬真二の好きなようにさせてたまるものか……!」
オト :
その言葉に、強く頷く。
オト :
調べましょ!
不破 栞 :
調べるぞ~!!
夜鷹 守人 :
いくぞいくぞ!
KP :
この部屋を詳しく調べる場合は≪目星≫による判定どうぞ
オト :
CC<=70 目星(1D100<=70) > 46 > 成功
夜鷹 守人 :
cc<=75 目星(1D100<=75) > 93 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【目星】(1D100<=80) > 17 > 成功
不破 栞 :
cc<=60(1D100<=60) > 84 > 失敗
KP :
アンドロイド組が成功…オトちゃんが成功してくれてよかった…
KP :
ではですね、
KP :
枯れ木の根本に一枚の画用紙が落ちている事に気が付く。
KP :
それは色褪せた拙い絵だった。
KP :
……たぶん子供の絵だろう。六人の人間が描かれている。
KP :
そのうち四人は小さな子供で、
KP :
『33/ミミ』『1310/ヒサト』『3103/サトミ』『90/クオ』
KP :
とそれぞれの絵の下には数字とカタカナが書かれていて、
KP :
その四人の子供の中央には、二人の白い髪の少女が手を繋ぎながら歌っていた。
KP :
右側のポニーテールの少女の下には『556/ココロ』と、
KP :
左側のロングヘアーの少女の下には『X000/オト』と、それぞれ書かれていた。
KP :
────10年前、アナタが『オト』になった日。
KP :
……ココロと子供達がアナタの友達になった日。
KP :
あの二度と戻らない大事な思い出が、確かにそこに刻まれている。
KP :
きっとそれは証拠だった。
KP :
オトが彼等と育んだ絆は、造られた偽物なんかじゃないという証だった。
オト :
「…………」 画用紙を拾い上げ、眺める
オト :
「全く、もう……」
オト :
「これ、誰?誰が描いたの?」
オト :
「ちゃんと片付けなきゃ、ダメでしょ……」
オト :
「…………っ」 胸の奥から感じる痛みを抑えるように、絵を抱きしめる
不破 栞 :
「スコア……」
不破 栞 :
このとき何を思ったのかは、自分でも説明ができない。
不破 栞 :
ただ、その光景を見て……瞳の端から一粒の涙が零れ落ちた。
不破 栞 :
「(ああ)」
不破 栞 :
「(そういえば泣いてなかった気がするな……10年間……)」 袖で顔を拭う
オト :
「マスター……」 栞の涙を見て、何故だか自分も泣いているような感覚になる
キョウ :
「…………」
KP :
キョウは二人を遠くで眺めて、左手を握り込む。
KP :
……いまから10年前の自分は何もできなかった。
KP :
その無力と今度は守るという決意をそっと握り込む。
不破 栞 :
「(……白瀬)」 もうひとりの相棒の様子を見て、自然と涙は止まる。
不破 栞 :
「……センチメンタルに浸ってる場合じゃないな」 誰に言うでもなく
夜鷹 守人 :
「……思い出の品、残っていて良かったな」
夜鷹 守人 :
形となって残っていた過去の思い出を見つめて、一言だけそう呟く
オト :
「……」 コクン、と小さく頷く
ヤオ トモヤ :
「……」思い出の絵を眺め 今一度有馬のしたことを思い目を伏せる
KP :
アナタ達が拙い絵を見ていると、
KP :
突如として響いた轟音が、アナタ達の鼓膜を劈いた。
KP :
部屋が揺れて照明が落ちる。
KP :
新月の日の夜に似た暗闇が、あたりを包み込む。
KP :
……箱庭は漆黒に塗りつぶされ、傍にいる仲間達の姿も見えない。
KP :
すぐ近くで落雷があったらしい。
スコア :
「っ!?え、何!?」
不破 栞 :
「停電か?! まったく、間の悪い……」
夜鷹 守人 :
「落雷程度で停電する秘密基地とはな……」
不破 栞 :
「あまり手入れされていないようだから、老朽化しているのかもな」
ヤオ トモヤ :
「随分近くに落ちたようですね……」
「夜鷹さん、もし怖かったら手握りますよ」
夜鷹 守人 :
「……まだ12歳だと思われてるのか? 周りを警戒しておけ、コケても知らないぞ」
スコア :
「いちゃついてる場合じゃないよ!明かりを何とかしなきゃ……」
不破 栞 :
「この停電で、誰か様子を見に来たりしないといいが……」
ヤオ トモヤ :
「!はーい」へへと笑うもすぐ引き締める
夜鷹 守人 :
「スコアに言われたくはないが……非常電源が働いたりしないか……?」
スコア :
「何わたしに言われたくないって!!」
55 VS.赤星透也
KP :
ここで皆さんは≪聞き耳≫による判定どうぞ
スコア :
CC<=70 聞き耳(1D100<=70) > 97 > 失敗
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 84 > 失敗
スコア :
うわー!!
夜鷹 守人 :
cc<=70 ほいっ(1D100<=70) > 43 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【耳】(1D100<=75) > 6 > スペシャル
スコア :
助かった
KP :
それでは夜鷹守人とヤオトモヤ。
KP :
アナタ達は響いた雷鳴に紛れて、ガサガサと落ち葉が擦れる音を聞いた。
KP :
そして、喉元にナイフの刃を当てられたような錯覚。
KP :
後ろに、いる。
KP :
……アナタ達の背後、部屋の入り口に誰かいる。
夜鷹 守人 :
「─────ッ!!」
鋭い殺気に釣られて後ろを振り返る。その手に電子刀のグリップを握って。
夜鷹 守人 :
「後ろに誰かいるぞ……! 姿を見せろ!」
ヤオ トモヤ :
「───ッ入り口!!!」
即座に振り返り 大声で警戒を促します
スコア :
「え……!?」 一瞬遅れて振り返る
不破 栞 :
「来たか……!」 瞬時にジャックナイフを抜いて振り向く。
■■■■ :
「……姿を見せろもなにも」
赤星 透也 :
「おまえ達の方が侵入者、だろう?」
KP :
そこには赤星透也の姿があった。
KP :
その傍には、黒いアーマーを着込んだ二体のアンドロイドが控えている。
夜鷹 守人 :
「赤星……っ、いやKR400……!」
血走った右目で、暗闇に佇む赤星を睨みつける
スコア :
「……大慌てで駆けつけて来たってわけだ」 暗視機能ではっきりとその姿を捉える
赤星 透也 :
「そうでもないさ」
赤星 透也 :
「おまえ達の行動は、ある程度は分かっていたからな」
ヤオ トモヤ :
「…ッ人間の皆さんは、私達の後ろに」ずいとその間に出る
赤星 透也 :
「……その様子だと、全員が知ってるみたいだな」
赤星 透也 :
「俺は有馬真二が作ったアンドロイド、KR400だって事は」
夜鷹 守人 :
「知ったさ……あんたが俺の母を殺したことも、この左目を奪ったこともな!!」
赤星 透也 :
「…………そうか」
赤星 透也 :
「それなら当然これも知ってるか」
赤星 透也 :
「KRモデルは暗殺用のキラーロボットの略だ」
赤星 透也 :
「そして俺の任務は、天城守人の監視と殺害」
赤星 透也 :
「……この十年間、俺はお前を監視する為のカメラだったって訳だ」
夜鷹 守人 :
「……これまでの情報から、そんな気はしてたよ」
夜鷹 守人 :
「だけど、どうして……どうして10年も泳がせた。殺すチャンスは何度もあっただろ……!」
赤星 透也 :
「…………」
赤星 透也 :
「それは夜鷹矢代の目があったからさ」
赤星 透也 :
「言っただろ、なんでか知らないが、あの人はお前に対して過保護なんだよ」
夜鷹 守人 :
「……それだけか? 義父さんの目があったとしても、殺せる瞬間はいつでもあったんじゃないのか?」
夜鷹 守人 :
「……俺と過ごす内に情が湧いた、とでも言うつもりは無いよな?」
赤星 透也 :
「……………………」
赤星 透也 :
「逆に聞くが、暗殺用アンドロイドにそんな機能があると思うか?」
赤星 透也 :
「…………自分が始末した人間の子供に愛着が湧く、なんてことが?」
ヤオ トモヤ :
「……暗殺用アンドロイドなんですよね?それが10年も任務を果たせてないのは、やっぱりおかしいですよ」
ヤオ トモヤ :
「子供1人位簡単だった筈。違います?」自分を指さして
ヤオ トモヤ :
「……あったんでしょ愛着。あるって言ってくださいよ。言わせないと駄目ですか?」
赤星 透也 :
「それは願望だろう?」
赤星 透也 :
「……それに仮に愛着があったとしても、だ」
赤星 透也 :
「俺のすべき事は変わらない」
赤星 透也 :
「俺は有馬のアンドロイドだからな、命令を全うするだけだよ」
赤星 透也 :
「変わるとすれば、おまえ達が少し戦いづらくなるくらいだろ」
夜鷹 守人 :
「……俺はやるぞ。あんたに刃を振るう覚悟はできてる」
夜鷹 守人 :
「あんたもそうだろ、前と同じくブンブン振るつもりで来たんじゃないのか?」
赤星 透也 :
「ああ、そうとも」
赤星 透也 :
「……お前はここで殺す、その為に俺は作られたんだからな」
夜鷹 守人 :
「やってみろよクソ兄貴……ッ!!」
暗闇に電子刀の軌跡が灯る
ヤオ トモヤ :
「10年のうちに覚悟はつかなかったんですね」「それなら……私は今回だって守ってみせます」
電磁鞭を握りしめ胸に掲げる
スコア :
「……ふふっ」 今までのやり取りを見て、呆れたように小さく笑う
スコア :
「昨日はあれだけ捕まえるだの言ってたくせに、正体がバレた途端ここで殺す……ですか」
スコア :
「人殺しロボットらしくなってきたじゃない、赤星透也」
スコア :
「……愛着がどうとか関係無く、わたしはお前のこと死ぬほどぶっ壊してやりたいって思ってたんだ」
スコア :
「────覚悟しろよ」
赤星 透也 :
「覚悟、ね」
赤星 透也 :
「その言葉、そのまま返してやる」
赤星 透也 :
「……ゴミ箱に逆戻りしたくなければ、思い切り足掻けよ」
不破 栞 :
「(わかっていたが、こうなってしまったか……)」
不破 栞 :
「そっちがそのつもりなら、こっちもやることはシンプルだ」
不破 栞 :
「お前にこれ以上、罪を重ねさせはしない。ここで負の連鎖を終わらせてやる」
赤星 透也 :
「……やれるものならやってみろ」
不破 栞 :
「……後悔するなよ」 ジャックナイフの先を向ける
赤星 透也 :
「…………もう悔やむには遅いさ」小さく呟いて
KP :
そう言って赤星は腰から何かをスッと取り出す。
KP :
今のアナタ達は、その物体の正体を知っていた。
KP :
────昨日も使っていたジャミンググレネードだ。
KP :
アレを使われたら、サードアイは通信妨害で再び使用不能に陥るだろう。
KP :
ここでまずは守人くんとBR800。
KP :
≪任意の戦闘技能≫による判定をおねがいします
KP :
この判定に成功すると、ジャミンググレネードを無力化できます
KP :
なお失敗した場合、1d6ラウンドの間、サードアイが使用不能になります
ヤオ トモヤ :
行きます!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【こぶし】(1D100<=75) > 74 > 成功
夜鷹 守人 :
やるぞやるぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=85 電子刀(1D100<=85) > 76 > 成功
KP :
二人とも成功!それではジャミンググレネードは無力化できます!!
KP :
演出おねがいします!
ヤオ トモヤ :
腰から何かを取り出そうとする素振りを見るなり、トモヤは気づく。まずい、ジャミングされる!瞬間鞭ごと握った拳を、赤星の腕に向かって勢いよく振り上げていた。
ヤオ トモヤ :
不意を突かれ、赤星の手から離れたジャミンググレネードが宙を舞う。
ヤオ トモヤ :
「ッ夜鷹さん、頼みます‼︎」
夜鷹 守人 :
トモヤが動いた時点で守人もその後に続いていた。
夜鷹 守人 :
赤星の手から零れたグレネードは地面に落ちる前に両断。分解された2つの鉄屑が落ちて、枯れ葉の乾いた音が包み込んだ。
夜鷹 守人 :
「──────二度と同じ手は食わない」
不破 栞 :
「本当に封じてしまうとは……」 迷いのない太刀筋に驚き
スコア :
「っていうか、バカの一つ覚えで真正面から同じことしてきた方がびっくりだなぁ」
スコア :
「KRモデルって人殺し機能にリソース割きすぎて頭の出来悪そう」 呆れたように笑う
赤星 透也 :
「X000ほどじゃあないが旧型だからな、否定はしない」
赤星 透也 :
「……だが念の為に忠告しておくぞ、これで勝ったと思わない方がいい」
赤星 透也 :
「俺の隣の二体、こいつは有馬が用意した軍用アンドロイド」
赤星 透也 :
「市場には出回ってない特殊な機体だ、おまえ達がこれまでに戦った連中とは段違いの性能だぞ」
赤星 透也 :
「リボット社が黒幕だとバレた今ならもう、わざわざ足がつかないように市販のVOIDをハッキングで改造して使う必要もないからな」
スコア :
「へ~強そう。でも強いだけだしなあ」 たかがそれだけで恐れるものなんて無いとでも言うように笑う
夜鷹 守人 :
「大層な口上だ、大した脅しにもならないが」
電子刀を突きつけながら少し距離を取る
ヤオ トモヤ :
「……なんだ、そんな理由で」そんな理由でダイスケはと顔を歪める
ヤオ トモヤ :
「……やることは変わらないので。かかってきて下さい」
スコア :
「赤星はともかく、他のVOIDとはやり辛いと思ってたしね。べらべら喋ってくれて助かったよ」 言いながら、身構える
赤星 透也 :
「それならなにより」そう言って電子刀に手をかける
赤星 透也 :
「……しかし、腕を上げたな、守人」
赤星 透也 :
「ここまで生きて辿り着くだけのコトはあるって訳だ」
夜鷹 守人 :
「……ハッ、ある意味あんたのお陰だよ」
夜鷹 守人 :
「母を殺したあんたへの恨みが、ここまで足を突き動かしてきたんだ……!」
赤星 透也 :
「恨み、か」
赤星 透也 :
「……おまえがあのままさっぱり事件を忘れてくれたら、俺もこんな仕事する必要なかったってのに」
夜鷹 守人 :
「……あんたの態度、癪に障るよ。自分で蒔いた種の癖に……」
赤星 透也 :
「まったくそうだろうな」
赤星 透也 :
「それならその積年の恨み……」
赤星 透也 :
「遠慮なく俺にぶつけてみせろ」
夜鷹 守人 :
「上等だ、最期の兄弟喧嘩にしてやる……」
KP :
それではみなさん、戦闘の前に≪コンピュータ≫技能による判定をおねがいします!
不破 栞 :
cc<=61 なんだなんだ(1D100<=61) > 76 > 失敗
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 44 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 78 > 成功
夜鷹 守人 :
実は1振れるけどやめておくマン!
KP :
ちぇいちぇい!
KP :
それではX000とBR800。
KP :
アナタ達は相手のアンドロイドについて以下の情報を知っている。
□軍用アンドロイド
[解説]
人間に対する攻撃権限を設けた特殊モデル。
要人警護用アンドロイドをベースに設計された為、カバーリング能力も高い。
なお当然だが現行のアンドロイド法を無視した機体は一般販売されていない。
[特記事項]
この機体はアンドロイド法を無視して人間に対する攻撃を行なう事ができる。
この機体が「かばう」の宣言をした場合、
そのラウンドの間、対象が受ける予定のダメージを何度でも肩代わりする事ができる。
※戦闘不能状態に陥った場合、その限りではない。
□KR400/Type-A
[解説]
軍用アンドロイドから派生した機体。
市民に紛れて暗殺を行なう為に「人間らしさ」を追及したハイエンドモデル。
機体それぞれに特徴があって、
赤星透也は、近接戦闘特化の『Type-A』
箱庭の子供は、X000が持つハッキング機能を模倣した『Type-X』にあたる。
[特記事項]
KR400/Type-Aはショックロールに自動成功する。
またHPが0以下になった場合は即座に死亡せずに、トドメ宣言を行ない攻撃した場合のみ死亡する。
KP :
以上です!
スコア :
最後が一番やばすぎ
夜鷹 守人 :
即座に死亡しないの絶対なにかあるでしょ
ヤオ トモヤ :
子供達KRになってたんすかの衝撃
スコア :
クソ有馬がよ…
スコア :
そういえばかばうってハッキングもかばえるのかしら
KP :
ハッキングはかばうの対象外かな!
スコア :
対象外だった!了解了解
KP :
それでは戦闘処理を開始します!
KP :
エネミーは、赤星透也と軍用アンドロイドが2体! 距離は5m!!
KP :
勝利条件は「赤星透也のHPを0以下にすること」
KP :
なお今回のキョウは、電磁障壁コートに代わり軽量ボディアーマー(装甲5)を装備してます
KP :
更に赤星は本来はサードアイを装備してるのですが、
KP :
リトのサードアイ本体へのハッキングによって、今回の赤星はサードアイが使用できません
スコア :
ざまあですわ~!!かわいいリトちゃんハッキングをくらえ
夜鷹 守人 :
やったぜ!サンキューな
不破 栞 :
最高の科学者だよ…!
ヤオ トモヤ :
リトさん流石っスー!!!
KP :
リトもスパローから応援してます!
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.キョウ(DEX17)⇒2.赤星透也(DEX16)⇒ 3.ヤオトモヤ(DEX14)⇒4.軍用アンドロイドAB(DEX14)⇒5.不破栞・スコア・ニト(DEX12)⇒6.夜鷹守人(DEX4)
KP :
それでは1ラウンド目!
KP :
まずは最速のキョウの手番!
KP :
キョウはジャックナイフ改(射撃)で赤星透也を攻撃!
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)1発目(1D100<=80) > 6 > スペシャル
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)2発目(1D100<=80) > 8 > スペシャル
KP :
出目がよすぎる
KP :
赤星の回避!
KP :
cc<=80 赤星回避1回目(1D100<=80) > 77 > 成功
KP :
cc<=40 赤星回避2回目(1D100<=40) > 14 > 成功
KP :
流石の暗殺用モデル…! では軽く演出!!
KP :
キョウはジャックナイフを構え、躊躇なく敵陣の中心に突撃した。
赤星 透也 :
「…………!!」
KP :
……この暗闇。人間の射撃精度は著しく下がる。
KP :
さらに向こうは戦闘用アンドロイド。暗視機能くらいは備えているハズ。
KP :
このまま距離を保つ、という選択は悪手だろう。
キョウ :
「(であれば先手必勝……! ゼロ距離から銃撃を叩き込む……!!)」
KP :
二体のアンドロイドを軽く躱し、敵リーダーである赤星の懐に潜り込む。
KP :
流れる様にキョウは相手の腹部にジャックナイフの照準を定めて。
KP :
そして、連続で引き金を引いた。
KP :
────彼がトリガーを引く度、
KP :
黒い闇にカメラのフラッシュに似た白い光が弾ける。
KP :
……閃光の弾丸が暗闇を裂いて、まるで流星めいて相手の腹部に落ちた。
KP :
かのように、思われた。
KP :
……しかし、赤星透也は単純な速攻が通用する相手ではなかった。
赤星 透也 :
「それはちょっと甘いんじゃないか?」
KP :
ジャックナイフを肘と膝で挟み、その銃口を逸らす事で、赤星はキョウの銃撃を躱したのだ。
キョウ :
「…………チッ」
KP :
そして続いて赤星の手番!
KP :
ですが赤星は待機を宣言!!
KP :
トモヤくんの手番になります!!
ヤオ トモヤ :
な、なんだ…⁈それではトモヤは赤星にエンゲージ、間髪入れず電磁鞭で攻撃します。
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭】(1D100<=75) > 56 > 成功
KP :
cc<=26 赤星回避3回目(1D100<=26) > 44 > 失敗
KP :
おっと失敗! しかしここで軍用アンドロイドAがかばうを宣言!! 行動済に!!
KP :
以降、このラウンドで受ける赤星のダメージを肩代わりしますよ!!
ヤオ トモヤ :
了解!!そうなりますわな!
ヤオ トモヤ :
ダメージ算出行きます
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 5[2,3]+3[3] > 8
KP :
装甲2点を引いて6点のダメージ! 痛い!!
system :
[ 軍用アンドロイド ] HP-A : 20 → 14
ヤオ トモヤ :
わーい!追加でCON×5ロールもお願いします♡
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 35 > 成功
KP :
追加のスタン効果は受けません!とはいえ軍用アンドロイドAはかばう宣言で行動済になっていますが!
KP :
それでは演出あればどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
トモヤの鞭を握りしめた腕が、赤星に向かって鋭く振るわれる。
ヤオ トモヤ :
空気を裂くような音から一拍、光の点滅。プラスチックの上に火花が咲く。先程の落雷を思わせる音が響いた。
ヤオ トモヤ :
まずは1発くれてやったかと見たが、そこには赤星の側に控えていた軍用ロボットの姿があった。庇いに入ったようだ。適性から考えてもそれは正しい。
ヤオ トモヤ :
「……じゃあ、盾から壊さないといけませんね」頷いて 次の機会を狙い一歩下がる
KP :
反撃の軍用アンドロイドBの手番!
KP :
choice[トモヤ,不破,スコア,キョウ]まったく脅威ではない為、ニトは対象から除外(choice[トモヤ,不破,スコア,キョウ]) > スコア
KP :
スコアちゃんに電気拳銃の三連射!! いきます!!
スコア :
来なさいよ!
KP :
cc<=60 軍用アンドロイドB射撃1発目(1D100<=60) > 77 > 失敗
KP :
cc<=60 軍用アンドロイドB射撃2発目(1D100<=60) > 32 > 成功
KP :
cc<=60 軍用アンドロイドB射撃3発目(1D100<=60) > 75 > 失敗
KP :
一発だけ成功! 運がいいですね!! 回避おねがいします!
スコア :
ありがたい出目の悪さだ
スコア :
CC<=70 回避(1D100<=70) > 85 > 失敗
KP :
おっと
スコア :
ばか!
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 4[4]+2-6 > 0
KP :
ギリギリで相殺…! 悪運が強い…!!
スコア :
サードアイ無しじゃ生きていけないんよ
スコア :
演出で避けよう
KP :
それでは演出おねがい!
スコア :
「……!!」
スコア :
暗闇の中で、こちらに向けられる敵の銃口を視認する。
スコア :
一瞬気付くのが遅れた。避けられないと確信するが……
スコア :
サードアイの予測機能は、防御に関してはわたしよりも優秀だ。
スコア :
ナビ通りに僅かに首を傾ける。
スコア :
その直後、銃弾は頬を掠めて闇の中へと消えていった。
KP :
それでは反撃のふわすこ+ニトの手番!ニトは回復担当なので待機します!!
スコア :
いつも通りふわすこのすこから行こう!
不破 栞 :
たのみますこ!
スコア :
頼まれますこあ
スコア :
5m前進して、赤星にハッキングします!
KP :
平均ダメージでも人間を軽く殺す赤星にハッキングですかっ!
スコア :
だからこそしなくちゃ
KP :
それでは判定をどうぞ!
スコア :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 29 > 成功
スコア :
よし!
スコア :
1d4+1 効果時間(1D4+1) > 1[1]+1 > 2
スコア :
ハァ?
KP :
残念でしたね…! とはいえ、次のラウンドの終了時まで赤星の全判定に-20のペナルティ修正を与えますよ!!
スコア :
まあ失敗よりはマシ!
スコア :
演出いきます
スコア :
絵の描かれた画用紙を巻いて、落とさないようにしっかりと持つ。
スコア :
「X000,LOG IN」
スコア :
薄闇の中で青い双眸が輝いた瞬間。
スコア :
落ち葉を舞い散らせながら疾走する。
スコア :
軍用アンドロイドの妨害を搔い潜り、赤星に接近。
スコア :
左足で前に踏み込む。右手で拳を握る。
スコア :
振りかぶった拳に雷が迸り……
スコア :
「DELETE UP!」
スコア :
起動コードを叫ぶの同時、赤星の頬を拳で打つ。
スコア :
手から直接叩きこんだ命令────それはKRモデルに組み込まれた戦闘プログラムの消去だ。
スコア :
消せたのは一部のデータ程度。それも短時間で復元可能ではあるが、そのハッキングは確実に赤星の体を蝕むだろう。
赤星 透也 :
「…………ッ」殴られた頬でなくアタマを押さえる、頭部のマインドパレス内の戦闘プログラムが欠けた事が自分でも分かる
スコア :
「まずは一発だよ、クソ野郎」 睨み上げる
KP :
では続いて相棒である不破さんの手番!
不破 栞 :
この流れに乗っていくぜ!!
不破 栞 :
ジャックナイフ(斬撃) 接近して赤星に攻撃だ!!
KP :
命中どぞ!!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 6 > スペシャル
不破 栞 :
よっしゃ!!!!
KP :
くっ……スコアちゃんのハッキングによって、赤星の回避は……成功率0%……!?
KP :
う、受け流し! 電子刀で受け流しをします!!
不破 栞 :
叩き割ってやるぜ!!
KP :
cc<=65 (1D100<=65) > 65 > 成功
KP :
ギリギリ成功…!!赤星の電子刀に対するダメージおねがいします…!!
不破 栞 :
2d6+2(2D6+2) > 10[5,5]+2 > 12
KP :
12ダメージ!?!?つ、強…!?!?
system :
[ 赤星 透也 ] 武器耐久 : 20 → 8
KP :
まだ耐える…! 武器破壊には及びませんが大ダメージ…!!
不破 栞 :
めちゃくちゃ効いてる、壊せるかもしれん
KP :
それでは演出おねがい!
不破 栞 :
ジャックナイフの向かう先には、怒りと、ほんの少しの同情。それでももう迷いはない。
不破 栞 :
公安で本格的な捜査に復帰してからの二週間足らず。この短い間に、いったいどれだけの修羅場をくぐり抜けたろう?
不破 栞 :
かつて捜査一課で鍛えた格闘術は、サードアイの補佐もあって完全に切れ味を取り戻していた。
不破 栞 :
いや……。
不破 栞 :
本当に取り戻したのは、戦場での勘などではない。
不破 栞 :
「(今の私には仲間がいる……そして何より、果たすべき使命がある!)」
不破 栞 :
「(だからお前のことを恐いとか、可哀想だとか思っても……絶対に立ち止まらない!!)」
不破 栞 :
一気に敵の懐に飛び込んで、跳躍。その勢いのまま渾身の力でナイフを突き立てる!
赤星 透也 :
「────ぐッ!?」
KP :
正面から迫り来る白刃を、赤星は武器で受けた。
KP :
……あまりにまっすぐな太刀筋。
KP :
咄嗟に受けてしまった電子刀の柄にヒビが入る。
不破 栞 :
「チッ、叩き割れなかったか……!」
不破 栞 :
「(まあ……前座の役割は果たしただろう)」 前方を警戒しながら、次に攻撃を仕掛けるであろう仲間のことを考える
KP :
その仲間、守人くんの手番どうぞ!!
夜鷹 守人 :
赤星に電子刀二刀流で!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 流石に当たってくれよ!(1D100<=75) > 45 > 成功
KP :
ハッキングで回避できない…! 受け流ししてもダメージで武器破壊…!!
KP :
となれば軍用アンドロイドAに庇ってもらうしかない!ダメージをどうぞ!!
夜鷹 守人 :
2d10+2 どりゃー!どりゃー!(2D10+2) > 11[8,3]+2 > 13
KP :
装甲2点で軽減して…11ダメージ! 残りHP3!!
system :
[ 軍用アンドロイド ] HP-A : 14 → 3
KP :
現在HPの半分以上を失ったので、軍用アンドロイドAのショックロールを行います!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 59 > 失敗
KP :
失敗…!軍用アンドロイドAは新人バディのコンビ攻撃で気絶…!!
KP :
それでは演出をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
不破に押される赤星を見て、電子刀のもう一振り起動する。この隙を突けばいかに赤星だろうとダメージを負うことは必須だ。
夜鷹 守人 :
しかし、一歩踏み出したところで盾であるアンドロイドが現れ行く手を阻む。堅牢な身体つきはまさに赤星を護る壁であったが……
夜鷹 守人 :
「────邪魔だッ!!」
夜鷹 守人 :
その盾の胴をX字に斬り裂く。
あたかも眼中にないように、倒ゆくアンドロイドの先にいる怨敵を睨みつけた。
KP :
それでは最後、怨敵KR400こと赤星の手番!
KP :
赤星は有馬から守人くん殺害を命令されてる為、守人くんを優先で攻撃します
夜鷹 守人 :
ぎゃあ!!
KP :
電子刀(一刀流)で攻撃します!
KP :
cc<=65 電子刀(一刀流)(1D100<=65) > 8 > スペシャル
KP :
回避または受け流し、おねがいします!
夜鷹 守人 :
電子刀で受け流しじゃあ!
夜鷹 守人 :
cc<=85 受け流し~(1D100<=85) > 27 > 成功
KP :
それでは受け流し武器に対するダメージを算出!
KP :
1d10+2+1d6-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2+1D6-6) > 3[3]+2+4[4]-6 > 3
system :
[ 夜鷹 守人 ] 武器耐久 : 15 → 12
夜鷹 守人 :
こえ~~!サードアイさまさま
KP :
流石に一刀流じゃ破壊できませんね!
KP :
それでは演出!
KP :
KR400は刀身のサイズを自由に変更できる電子刀を、わざわざ短く構え、
KP :
『ナイフ』の様に逆手で握った。
KP :
……リーチが短い武器は、リーチが長い武器に劣る。
KP :
だから銃は剣よりも強く、剣はナイフよりも強い。そのハズだが。
KP :
そんなセオリー、暗殺用の高機能アンドロイドには関係のない話だった。
赤星 透也 :
「────いくぞ、避けろよ」
KP :
そう言うと赤星は枯葉を蹴って、
KP :
リーチが長い刀の反撃を恐れず、一息で夜鷹守人の懐に飛び込む。
KP :
……間合の中に入れば、武器のリーチなど関係ない。
KP :
むしろ小回りが効くナイフの独壇場だ。
KP :
暗闇に赤い光刃が舞う。
KP :
……受け手から見て左、守人の眼帯の死角から襲い来る雷雨の様な連撃。
KP :
目。腕。足。各部の靱帯。容赦ない斬撃が絶え間なく振るわれる。
KP :
ナイフの連撃を捌ききったと思えば、意識の外から足払いが襲ってくる。
KP :
斬撃。刺突。蹴撃。組技。
KP :
ボクシングや柔道にナイフの殺傷能力を加えた、もう一つの人類の叡智。
KP :
……CQC。近接格闘術。
KP :
極限まで合理化された殺人技巧。
KP :
特にKR400の技の冴え。その体捌きは反撃できないほど流動的で圧倒的。
KP :
────目の前がサードアイの警告メッセージで埋めつくされる。
KP :
ジャブの様に放たれる死の乱舞。
KP :
……一手でも間違えば、次の瞬間には、夜鷹守人も他の家族と同様の末路を迎えるだろう。
夜鷹 守人 :
視界を埋め尽くす警告。その全てが命を簒奪するに足りえるものだとサードアイは訴えている。
夜鷹 守人 :
……だが、守人は圧倒的な死の嵐を前に極めて冷静的に思考を巡らせる。
夜鷹 守人 :
警告に示される秒数。軌跡。致命傷。次の動作。
あらゆる死を一つずつ、確実にいなしていく。まるでパズルを紐解いていくかのように。
夜鷹 守人 :
「避けるまでも……ない……ッ!!」
夜鷹 守人 :
赤星を唯一凌駕できる武器。己の頭脳と技術で窮地を抜け出す。
夜鷹 守人 :
赤星の最後の一手を、守人は大きく弾いて彼から距離を取った。
夜鷹 守人 :
「っ、いつまでも……あんたの背中を追っていた俺じゃあないんだ……!」
赤星 透也 :
「……そうかよ、だったら次は、きっちり俺の首を取りに来い」息をついて得物を構え直す
夜鷹 守人 :
彼の言葉に返すことなく、同じく構える
KP :
では負傷者がいない都合上、待機していた回復役のニトにできる事はないので、次のラウンドへ!
KP :
まず最速のキョウの手番!
KP :
ジャックナイフ改(射撃)で赤星を攻撃!
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)1発目(1D100<=80) > 38 > 成功
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)2発目(1D100<=80) > 63 > 成功
KP :
スパローリーダー、安定の成功!!
KP :
赤星は回避を振りますの!
KP :
cc<=60 赤星回避1回目(ハッキングペナルティ込み)(1D100<=60) > 38 > 成功
KP :
cc<=20 赤星回避2回目(ハッキングペナルティ込み) (1D100<=20) > 31 > 失敗
KP :
ハッキングがなければ二発目は回避されていた…!
スコア :
やったね!
KP :
ですがここで軍用アンドロイドBがかばうを宣言!このラウンドの間のダメージを肩代わりしますよ!
KP :
あらためてダメージ算出!
KP :
1d10+2-2 装甲有効ダメージ(1D10+2-2) > 8[8]+2-2 > 8
system :
[ 軍用アンドロイド ] HP-B : 20 → 12
KP :
いいカンジに削れましたね! 誰かダメ押しすれば倒せそうです!!
KP :
それでは演出!
KP :
ようやく暗闇に目が慣れてきた。
KP :
……アンドロイドに銃口を向け、トリガーにかけた指を引き絞る。
KP :
その瞬間。
KP :
ピタリとキョウの動きが止まる。
キョウ :
「……流石に、少し手強いな」
KP :
ジャックナイフを握る彼の手は、真っ黒な機械によって捕らわれていた。
KP :
そのまま相手のアンドロイドは、キョウの得物を強引に外へ跳ねのける。
KP :
……一連のムダのない動き。それはCQCの体捌きだ。
KP :
量産型軍用アンドロイドの技巧は、ハイエンドモデルの赤星以下のモノ。
KP :
けれど、それでも普通の人間を殺すには十分すぎる。
KP :
つぎに殺人マシーンは、
KP :
『人間より遥かに優れた膂力で相手を押し潰す』という行動に移る。
KP :
一般人ならば、このまま押さえ込まれ、抵抗もできずに圧死するだろう。
キョウ :
「────だがッ!!」
KP :
しかし、白瀬恭雅は刑事だった。
KP :
……自身の背面に倒れながら相手の腹部に足を当て。
KP :
アンドロイドの膂力を利用して、真後ろに思いっきり投げとばす。
KP :
────巴投。
KP :
それは『白瀬刑事』が最も得意とした投げ技だった。
KP :
大きく宙に浮いたアンドロイドの腹に、すかさず銃弾を叩き込む。
KP :
……しかし黒い機械は、腹部に風穴を開けながらも立ちあがった。
キョウ :
「チッ、装甲は相変わらずだな」
キョウ :
「……あとは任せるぞ」そう言って身を引く
スコア :
「当然!」 短く返事をする
不破 栞 :
「言葉にするまでもないさ……!」
ヤオ トモヤ :
「お任せを!」強く頷く
夜鷹 守人 :
「……了解した」赤星を見据えたまま返す
KP :
それでは赤星の手番!
KP :
電子刀(一刀流)で守人くんを再び攻撃!!
夜鷹 守人 :
またかよ!!次も避けてやるよ!!
KP :
cc<=65 電子刀(一刀流)(1D100<=65) > 3 > スペシャル
夜鷹 守人 :
スペシャルマンがよ、でもターン跨いだから普通の数値で電子刀で受け流せるんだなぁ!
夜鷹 守人 :
cc<=85 そらよ!(1D100<=85) > 24 > 成功
KP :
流石!では受け流し武器に対して与えるダメージ算出!!
KP :
1d10+1+1d6-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+1+1D6-6) > 9[9]+1+4[4]-6 > 8
夜鷹 守人 :
どわぁー!!!
system :
[ 夜鷹 守人 ] 武器耐久 : 12 → 4
KP :
ギリギリ破壊できない…!!
KP :
それでは、演出!
KP :
繰り返す斬撃の応酬に、足元の枯れ葉が舞いあがる。
KP :
赤星透也は相手の死角に回りこむ様に立ち回り、
KP :
夜鷹守人は反対に死角を生まない様に立ち回る。
KP :
……夜鷹守人の右目は、少しずつ赤星透也の剣技を見切りはじめていた。
KP :
赤星透也の攻撃は合理的ゆえに次の手を推理できる。
赤星 透也 :
「…………」
KP :
その事実が伝わったのかどうか。
KP :
即座に赤星は戦術を切りかえる。
KP :
……横薙ぎの切り払い。それを中心とした攻撃。
KP :
幅広の斬撃が間断なく迫り来る。
KP :
両サイドに逃げ場はない。
KP :
『だから斬撃を躱しつつ、後ろ側に距離を取るべき』
KP :
……事実としてそうだ。しかし。
KP :
天才のアナタには、いや赤星と過ごしてきたアナタには分かる。
KP :
そう思わせるのが赤星の作戦だ。
KP :
……両サイドへの回避は許さず、後退するよう行動を制限している動き。
KP :
赤星は何か、仕掛けるつもりだ。
KP :
そうと分かっていても、今は後退するしかないのは事実。
KP :
この状況では、打てる手がない。
KP :
────狙うのは一瞬。
KP :
狙い通り赤星が仕掛ける一瞬が、勝負どころだ。
KP :
赤星の作戦を打破できれば、勝機も見えてくるハズ。
夜鷹 守人 :
「───────ッ」
夜鷹 守人 :
大きく跳ねて後ろに下がる。一手、この一瞬を見極める為に敢えて彼の思い通りに動いた
KP :
夜鷹守人が大きく後ろに引いた瞬間。
KP :
────赤星は間合いの外で、刺突の構えを取った。
KP :
その顔には、勝利の確信と苦悶の感情が滲んでいる。
KP :
夜鷹守人の背筋に、悪寒が走る。
KP :
……アレは、昨日も見た動作だ。
赤星 透也 :
「────リミッター、カット」
KP :
赤星は電子刀の刀身部分を拡張。
KP :
……ほぼ光速の雷刃が、後退する青年の心臓に追い縋る。
夜鷹 守人 :
サードアイを介さなくても理解できる、紅い死の電光。
夜鷹 守人 :
縦、横。どちらに避けようにも追撃の一閃が待ち構えている。サードアイがその未来を予測していた。
夜鷹 守人 :
ならば、取れる手は一つ……賭けではあるが、この行動こそ赤星の喉元に至る為の一歩となる。
夜鷹 守人 :
「─────ォオオオオッ!!」
夜鷹 守人 :
胸の上に電子刀をクロスさせて、光速の突きを受け止める。
凄まじい衝撃に電子刀も悲鳴を上げるが、それでも押し負ける訳にはいかない。
夜鷹 守人 :
そしてそのまま、守人の技術を以て虚空へと受け流す。
赤星の脅威的な一撃は、命を狩り取ることなく空間を突いた。
夜鷹 守人 :
「ハァ……ハァ……! 人に向けるもんじゃないだろ……!!」
赤星 透也 :
「なッ……!? アレを、受け流す、だと……!?」目を見開いて
夜鷹 守人 :
「同じ技を見せすぎなんだよ、あれだけ見せてくれれば受け流しぐらい思いつく……!」
夜鷹 守人 :
痺れた手を払いながら、柄を握りしめる
KP :
では続いてトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
はい!それでは赤星を電磁鞭で攻撃します。
KP :
命中判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭】(1D100<=75) > 10 > スペシャル
KP :
出目がいいですね皆さん
KP :
赤星は……回避を振りますね
KP :
cc<=6 赤星回避3回目(ハッキングペナルティ込み)(1D100<=6) > 58 > 失敗
ヤオ トモヤ :
ダメージ算出行きます!
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 7[3,4]+2[2] > 9
KP :
ダメージ痛…! 軍用アンドロイドにかばってもらいます…!!
KP :
装甲で2点軽減で7点ダメージ…! 現在HP12の半分以上を失った軍用アンドロイドはショックロールを行ないます…!!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 24 > 成功
system :
[ 軍用アンドロイド ] HP-B : 12 → 5
KP :
追加で一応のスタンの判定を行ないます!
KP :
cc<=50(1D100<=50) > 38 > 成功
KP :
こちらも成功…!もともと要人警護してただけあってタフですねえ…!!
ヤオ トモヤ :
タフですね~!描写失礼します!
ヤオ トモヤ :
トモヤは赤星に向かって腕を振り上げ、打ち下ろす。
ヤオ トモヤ :
────だが、想定通り盾の役割を全うしようとアンドロイドが進み出る。腹からは滾滾と青が湧いていた。
ヤオ トモヤ :
成長したのは相棒だけではなかった。戦闘を重ねるにつれ、トモヤの鞭さばきも洗練されていった。
ヤオ トモヤ :
庇い立てのタイミングには一分の遅れはなかった。最大限のダメージを与えられるようにしてうち下ろされたそれが、彼の胴に落ちる。
ヤオ トモヤ :
青の血の海に、二体はまだ立っていた。
「……できることなら、私の手番で露払いはすませておきたかったです」
ヤオ トモヤ :
まっすぐ彼らを見つめて溢す。次を伺い一歩下がります
KP :
反撃で軍用アンドロイドの手番、といきたいところですが、かばうで手番を消費しているので次!
KP :
ふわすこ+ニトの手番!!ニトは回復担当なので下がっています!!
スコア :
じゃあわたしから!赤星に音波銃で攻撃!
スコア :
CC<=80 拳銃(1D100<=80) > 61 > 成功
スコア :
回避ペナルティ-20です!
KP :
合計回避0%だし…受け流しできる武器耐久も残ってない……
KP :
軍用アンドロイドにかばってもらいます! ダメージどうぞ!!
スコア :
4d6 ダメージ(4D6) > 9[1,1,2,5] > 9
スコア :
割と微妙なダメージ
KP :
装甲で2点軽減しますが、それでもキョウとトモヤくんの手番で削れていたので余裕の撃破!!
system :
[ 軍用アンドロイド ] HP-B : 5 → -2
スコア :
削ってくれてて助かった!
KP :
それでは撃破演出どうぞ!!
スコア :
ここで初めて、腰に下げている音波銃を手に取る。
スコア :
画用紙を持っているため、構えるのは片手だけだ。
スコア :
「邪魔」
スコア :
トリガーを引く。
スコア :
冷たい声は不可視の弾丸となって、赤星を庇うように立つ軍用アンドロイドに突き刺さる。
スコア :
どれだけ耐久力があろうと関係無い。超音波はアンドロイドの弱点である心臓部を粉々に打ち砕く。
スコア :
「────やっぱりお前、頭悪いよね」
スコア :
もう自力で避ける余裕も無くなり、軍用アンドロイドに守られている赤星の姿を見て薄く笑う。
スコア :
「"おまえを最初に破壊しないと、後で困りそうだ"」
スコア :
昨日、赤星が言っていた言葉を繰り返す。
スコア :
「自分で言ってたくせに、もう忘れちゃった?」
スコア :
「先にわたしを潰しておかないからこうなるんだよ。間抜け」
赤星 透也 :
「…………」挑発には乗らず、ただ無言でボロボロの電子刀を握り込む
KP :
続きまして不破さんの手番!
不破 栞 :
当たれば儲け、ジャックナイフで赤星に斬撃だ!
不破 栞 :
cc<=50(1D100<=50) > 53 > 失敗
KP :
うわ、惜しい…!失敗…!!
KP :
演出あればどうぞ!
不破 栞 :
倒れ込む軍用アンドロイドの脇をすり抜け、闇に紛れて一気に赤星に接敵する
不破 栞 :
「これで壁はなくなったな……!」 そのまま首元を狙ってナイフを突き立てる!
赤星 透也 :
「そこのパートナーが注意を逸らしたつもりだろうが」
赤星 透也 :
「……残念ながら、見えてるよ」
KP :
KR400はX000に目を向けたまま背面でナイフを受け、切り返す。
不破 栞 :
「くっ、流石だな……!」
不破 栞 :
「私じゃ逆立ちしても敵いそうにない。あとは任すとしよう……!」
KP :
最後、任された守人くんの手番!!
夜鷹 守人 :
よっしゃい!赤星に電子刀(二刀流)で攻撃するよ!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 二刀流!!(1D100<=75) > 87 > 失敗
KP :
二刀流の呪い再び
夜鷹 守人 :
一刀でも駄目だった数値
KP :
残念ながら失敗ですが、演出あればどうぞ!!
夜鷹 守人 :
二対の電子刀を構え、赤星と相対する。
夜鷹 守人 :
「あんたを倒す前に、聞いておきたいことがある……」
夜鷹 守人 :
ジリジリと間を詰めて、斬撃を振り下ろすと共に言葉を放ち始める。
夜鷹 守人 :
「10年間ッ」
突き。
夜鷹 守人 :
「俺のッ」
薙ぎ払い。
夜鷹 守人 :
「傍にいてッ」
左右から挟み込む斬撃。
夜鷹 守人 :
「今まで……何を思っていたんだッ!?」
頭部を狙った兜割。
赤星 透也 :
「何も……思ってなどいないッ!!」
KP :
両手に握るナイフで兜割を受け、正面から弾き返す。
赤星 透也 :
「俺はアンドロイドだ……! 感情などある訳がないだろう……!!」
夜鷹 守人 :
弾かれた勢いのまま後ろに下がる。
夜鷹 守人 :
「……そうかよ。俺の傍にいた兄は、元から存在しなかったって事か」
夜鷹 守人 :
「─────なら、遠慮する道理もない!」
怒りと虚しさの入り混じった表情を赤星に突きつける
赤星 透也 :
「……それでいい、全力で来いッ!」
KP :
2ラウンド目が終了!
KP :
赤星にかかっていたハッキングの効果が解除されます!
KP :
そして3ラウンド目に!!
KP :
例によって最速の男、キョウの手番から!!
KP :
赤星にジャックナイフ改(射撃)で攻撃!!
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)1発目(1D100<=80) > 69 > 成功
KP :
cc<=80 ジャックナイフ(射撃)2発目(1D100<=80) > 2 > スペシャル
KP :
外さないのがスパローリーダー、キョウ!!
KP :
赤星の回避を振ります!
KP :
cc<=80 赤星回避1回目(1D100<=80) > 100 > 致命的失敗
KP :
な、何…!?!?!?ここでファンブル…!?!?!?
KP :
それでは…キョウの一発目で赤星が受けるダメージを2倍にします…
スコア :
ヤッター!!!
不破 栞 :
グレートだぜ…
夜鷹 守人 :
ワンチャンここで消し飛ぶのでは~?
KP :
で、ですがまだ回避はありますよ!
KP :
cc<=40 赤星回避2回目(1D100<=40) > 97 > 失敗
KP :
これも失敗…!?しかもファンブル直前の出目…!?!?
KP :
さきほどの守人くんとの問答が影響しているのかもしれませんね…
スコア :
精神デバフ
KP :
ハッキングの代わりにクソデカデバフかかっちゃった
KP :
それではダメージ!
KP :
1d10+2-2 装甲有効ダメージ(ファンブルで二倍)(1D10+2-2) > 9[9]+2-2 > 9
KP :
出目でっか!? 18点ですか!!
KP :
1d10+2-2 二発目(1D10+2-2) > 9[9]+2-2 > 9
KP :
いや、めちゃめちゃ強いキョウ
スコア :
キョウ最強!キョウ最強!!最キョウ!!!
不破 栞 :
影の主人公
夜鷹 守人 :
9割吹き飛んでて草
ヤオ トモヤ :
笑っちゃった こんななるとはな
KP :
27点のダメージを受けて……残りHP3……!?
system :
[ 赤星 透也 ] HP : 30 → 3
KP :
ですがKR400/Type-Aはショックロールに自動成功するので気絶しません!!
KP :
でもヤバいな…次のPC手番で終わるでしょ……
KP :
それでは演出…!
KP :
暗闇に無数の火花が散っている。
KP :
一秒ごとに激しさを増していく、銃と剣の打ち合い。
KP :
次の瞬間、誰が死んでも不思議でない殺戮領域。
KP :
……その最中にあって、非力なニトが未だ生きているのは何故か。
KP :
それは"キョウのおかげ"だった。
KP :
不器用なスパローのリーダーは、流れ弾がニトに当たらないように配慮して立ちまわっている。
KP :
あるいはキョウは無意識にニトを守っているだけ、かもしれない。
KP :
けれども、それでも。
ニト :
『僕は足手まといになっている』
KP :
────天才であるニトの頭脳はそう判断する。
KP :
そして一人、無力な自分に歯痒さを感じていた。
KP :
けれど、それだけでは終わらないのが、マッドサイエンティスト。
ニト :
「(皆は命懸けで戦ってるのに、僕は守られてるだけなんて嫌だ……!!)」
KP :
だから、考える。
KP :
天才である自分の頭脳ならば、こんな状況も打開できるハズだと。
KP :
特に根拠のない自信で、無力と恐怖をハッキングし、打開策を考え出す。
KP :
変異体じゃないアンドロイドはプログラム通り動く。
KP :
だから、不意打ちには人間以上に弱い。
KP :
……そんな相手の隙を生むには、どうすればいいか。
KP :
天才の頭脳は、その回答をわずか数秒で導きだした。
ニト :
「……キョウ!!」
KP :
ニトは腰のショルダーバッグから何か取り出し、叫ぶ。
KP :
少年が導き出す策の要。それは"缶"だった。
KP :
……それもスタングレネードの類などではない。
KP :
そもそも手持ちの武器があれば既に使っている。
KP :
ニトが手に取ったのは、愛飲しているクリームソーダの缶だった。
KP :
それをニトは赤星に投げつける。
KP :
非力な少年の腕力では、投擲した缶ジュースが命中したとしても、相手の体勢は崩せないだろう。
KP :
そもそも命中する軌道でもない。
KP :
KR400は『ニトの行動は脅威にはならない』と判断。
KP :
……敢えて少年が投げた缶ジュースを見過ごす。
KP :
────オトのハッキングでKR400の戦闘プログラムが欠けてなければ、この結果は違ったかもしれない。
KP :
その様子を見て、ニトは即席の作戦の成功を確信し、ニンマリと笑った。
KP :
たしかにニト自身は脅威ではない。
KP :
……だからこそ、相手は油断する。作戦が成立する。
KP :
それは"弱み"であり、同時に無力なニトにしかない"強み"だった。
ニト :
「今だ、撃てッ!!」
キョウ :
「成程、そういうことかッ……!!」
KP :
阿吽の呼吸。
KP :
キョウはニトを信じ、赤星の眼前に迫るクリームソーダの缶を撃ち抜く。
KP :
その瞬間。
KP :
拉げた缶から溢れたジュースが、バシャと赤星の両目に飛び込む。
赤星 透也 :
「クソッ、目がッ!?」
KP :
それはまさに、想定外。プログラムにない状況。
KP :
殺人マシンの虚を衝き、幼き天才は一瞬のスキを生みだしたのだ。
キョウ :
「────でかした、ニトッ!!」
KP :
すかさずキョウは殴りつける様にKR400の心臓に銃口を突き付け、
KP :
そして閃光が弾け散る。
赤星 透也 :
「……ご、ふッ」
KP :
KR400は呻き声と共に、口から青い血を吐いた。
KP :
その胸部には大穴が開いている。
KP :
普通のアンドロイドなら致命傷。
KP :
だがKR400はハイエンドモデル。まだ戦えるらしい。
スコア :
「……!!」
スコア :
ニトとキョウのコンビネーションを目の当たりにして、最初に覚えた感情は驚愕では無かった。
スコア :
ニトならやってくれる────もしかしたらそんな風に心のどこかで彼のことを信じていたのかもしれない。
スコア :
だから、その言葉は自然と口から飛び出していた。
スコア :
「最っ高だよ、ニト!!流石わたし達のマッドサイエンティスト!!!!」
スコア :
そう笑顔で戦友を褒め称える。
ニト :
「……ま、まあ、当然だけどね!!」想定以上の成果に、自分でも驚きつつも、いつも通り笑う
ニト :
「(や、やった…! やったんだ…! 僕も役に立てたぞ…!!)」
キョウ :
「フッ、本当に助かったぞニト」ニトの傍まで下がり、笑いかける
キョウ :
「いつもこの調子で頼む」そう軽口を叩く
ニト :
「ま、任せとけ!!この天才ニト様にね!!!!」
スコア :
「ふふっ……」 今回だけは調子に乗らない、などと言わず笑う
不破 栞 :
「時に恐ろしいものだな……子供たちの可能性というのは」 素直に感嘆する
夜鷹 守人 :
「ッ! 勇敢なんだな、あの子は……!」
ヤオ トモヤ :
「……流石、ニトさんですね…!」目を丸くして
ニト :
「えっへん…!」
ニト :
「────って、あのダメージで、まだ動いてるの!? 皆、気をつけて!!!!」動く赤星を見て
スコア :
「うわほんとだ。ゾンビかな?」 茶化したように言いつつも身構える
KP :
それではおそらくラストの赤星の手番!
KP :
電子刀(二刀流)で守人くんを攻撃します!!
KP :
cc<=75 電子刀(二刀流)(1D100<=75) > 49 > 成功
夜鷹 守人 :
成功しやがって!
KP :
ハッキングペナルティがないと強気に振れますね!
KP :
守人くんは回避または受け流し、おねがいします!!
夜鷹 守人 :
うおお受け流しだ!壊れるだろうけど耐えてくれよ俺の電子刀
夜鷹 守人 :
cc<=85(1D100<=85) > 66 > 成功
KP :
回避だったら失敗でしたね…?
夜鷹 守人 :
少しの傷くらいかまへんかまへん!!
KP :
それではダメージ!
KP :
2d10+2+1d6-6 サードアイ有効ダメージ(2D10+2+1D6-6) > 9[7,2]+2+4[4]-6 > 9
KP :
残り耐久4点の電子刀が破壊され、残りの5点のダメージを守人くんは負います
system :
[ 夜鷹 守人 ] 武器耐久 : 4 → 0
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 11 → 6
KP :
サードアイがなかったら丁度、死んでいましたね…
夜鷹 守人 :
サードアイさんもよく頑張ってくれたわい……何回か臨死体験してる!
KP :
それでは演出!
KP :
刻一刻とブルーブラッドが流れ出す。
KP :
……もう時間は残されていない。
赤星 透也 :
「ハァ、ハ、ァ」
KP :
KR400は荒業に出た。
KP :
二振りの電子刀を持ち、なんとグリップを連結。
KP :
グリップの部分に残っているエネルギーを繋ぎ、
KP :
その莫大な電力を用い、巨大な光刃を形作った。
KP :
本来、全く想定されていない使用方法に、電子刀が悲鳴をあげる。
KP :
……吹き出す雷の嵐は、使用者である赤星さえ傷付ける。
KP :
しかし、関係ない。
KP :
KR400の目的は『天城守人の抹殺』であって、生還は全く考慮されない。
KP :
それがマスターである有馬真二から受けた命令である以上、それは絶対。
KP :
本人の意志、など関係ないのだ。
赤星 透也 :
「……い、クゾ、守人」ボロボロな身体で駆け出す
KP :
赤星は直線勝負に出た。
KP :
夜鷹守人と赤星透也の剣の腕は、ほとんど互角。
KP :
だが力押しは赤星に分があった。
KP :
加えて、電子刀二本の連結による巨大な光の刃。
KP :
これを防ぎ切るのは、いくら夜鷹守人でも至難の業だろう。
夜鷹 守人 :
「む、無茶なことをッ……!」
夜鷹 守人 :
目の前に迫る巨大な光波。赤星の膂力で振られたそれはまさしく避ける暇を与えぬ光速の一撃。
夜鷹 守人 :
サードアイが言うには、避ける為の猶予は残されておらず、電子刀で受け流せば重傷を負うことは必須。
夜鷹 守人 :
……生き残りたいならば、死地へと飛び込む。
胸に抱いた覚悟が守人の両腕を動かし、紅い光刃を正面から受け止めた。
夜鷹 守人 :
「グッ……クソ、が……!!」
夜鷹 守人 :
赤星と同様、守人の電子刀も悲鳴を上げる。巨大なエネルギー同士の衝突で限界を迎えていたのだ。
夜鷹 守人 :
……先程の突き同様に、軌道だけでも逸らそうと考える。
しかし腕に力を込めた瞬間。電子刀の刃は消え、光刃は守人の胸元に迫っていた。
夜鷹 守人 :
「────────ッッ!!」
夜鷹 守人 :
そのまま守人は刃の餌食となる……
しかし、ほんの少し。直前に込めた力が軌道を致命傷の位置からずらしていたようで、命を失うことはなかった。
夜鷹 守人 :
「ガ、ハッ……」
斬られた衝撃で体勢を崩し、枯れ葉の上に膝をついた。
赤星 透也 :
「…………!!」
KP :
赤星は一瞬、反射で伸びかけた手を引っこめる。
KP :
その代わり、電力が尽きて通常の刃幅に戻った電子刀を握り直す。
夜鷹 守人 :
「今のは、危なかった……」
夜鷹 守人 :
「……だがな、俺にかまけてる暇はないんじゃないか?」
夜鷹 守人 :
守人は伸ばされた手に気づくことなく、次に備えていたトモヤに視線を移す
ヤオ トモヤ :
赤星が自らを顧みようとしていないのだけがわかって、けれど光刃の向かう先が夜鷹だと知っていた。被害を予測するより先に手が伸びて、体は間に合わなかった。
ヤオ トモヤ :
視界には血まみれの守人が映っている。
10年前と同じ光景だ。
ヤオ トモヤ :
「…ッ夜鷹さん!」
しかし走り寄る一歩、足元の青に、目前の赤に、水音に我に帰る。
ヤオ トモヤ :
戦場にいる。赤星の中で命令がその意思より強い以上、この場ですぐさま駆け寄ることは許されない。
ヤオ トモヤ :
夜鷹の視線を受け止め、頷く。鞭を手に赤星に向き直った。
KP :
それではトモヤくんの手番!おねがいします!!
ヤオ トモヤ :
はい!赤星に対して電磁鞭で攻撃します!
KP :
命中判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁ムチ】(1D100<=75) > 27 > 成功
KP :
cc<=26 赤星回避3回目(1D100<=26) > 86 > 失敗
KP :
命中!ダメージどうぞ!!
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 6[4,2]+1[1] > 7
KP :
装甲で2点軽減して5点ダメージ……HP-2!!戦闘終了です!!
system :
[ 赤星 透也 ] HP : 3 → -2
KP :
決着の演出おねがいします!
ヤオ トモヤ :
「……これで終わりだ、赤星」
トモヤが腕を振り上げる。
ヤオ トモヤ :
電磁鞭。トモヤに支給された対アンドロイド用武器である。
ヤオ トモヤ :
2050年現在、非人道的であると問題視されて久しいこの武器が日の目は見ることはほぼない。
ヤオ トモヤ :
トモヤは、この武器の最小限の暴力で敵を無力化できる点を好いていた。
ヤオ トモヤ :
単にダメージを与えるだけでなく、敵対アンドロイドの携帯する武器を没収したり、巻きついた鞭に電流を流すことで相手の動きを封じることを可能とする……戦略の幅の広さを評価している。
ヤオ トモヤ :
なにせ、アンドロイドには痛覚がない。備わっていない。機能が停止するまで命令に忠実。
ヤオ トモヤ :
赤星があくまでただのアンドロイドであろうとするなら。その意地が折れるよう、命令の実行可能な状況を崩すほかない。
ヤオ トモヤ :
「……ちゃんとッ」
渾身の力で
ヤオ トモヤ :
「会話しろ!!!」
打ち下ろす。
ヤオ トモヤ :
先程のキョウとニトの連携攻撃の時点で大きく身を崩していた赤星に、その威力をいなすだけの余力は残されていない。
ヤオ トモヤ :
赤星の機体は大きくひび割れ抉られた。所々青が漏れ出し、機能停止目前というような有様である。これでは命令を遂行することなんて到底できないだろう。
56 兄弟
KP :
目前のアンドロイドは停止する。
KP :
……それは相手が『普通のアンドロイド』である場合の話だった。
KP :
赤星はKR400。高機能な暗殺用アンドロイド。
KP :
完全にトドメを刺すまで停止しない。
KP :
KR400はボロボロになったボディを引き摺り、
KP :
有馬から受けた命令を果たす為、残存するエネルギーを振り絞る。
赤星 透也 :
「────ッ!!」
KP :
……そうして繰りだされたのは、技巧なんて欠片もない体当たり。
KP :
夜鷹守人が万全の状態であれば、そんなの余裕で躱せていたコトだろう。
KP :
けれど、今は熾烈な戦闘の後だ。
KP :
お互い体力を消耗した状況では、それも有効打になる。
KP :
KR400はそのまま勢い良く夜鷹守人を押し倒し、馬乗りになった。
KP :
巡ってきた千載一遇のチャンス。
KP :
────殺人マシンが、電子刀のナイフを振り翳す。
KP :
アンドロイドの凶刃は、青年の心臓へと躊躇なく振り下ろされる。
KP :
……ハズだった。
KP :
しかし、その光の刃が、青年を引き裂く事はなかった。
KP :
その直前。何故か赤星の持つナイフは零れ落ち、床に刺さっていたのだ。
KP :
……今の赤星は丸腰だ。
KP :
加えて、この至近距離。
KP :
────反撃するなら、確実に母親と義父の仇を取る事ができるだろう。
赤星 透也 :
「…………俺を殺す、絶好の機会だぞ」
赤星 透也 :
「復讐の為、今まで生きて来たんだろ」
夜鷹 守人 :
「ああ、そうだ」
赤星 透也 :
「……だったら、殺せよ」
夜鷹 守人 :
「────だがな、今は……」
夜鷹 守人 :
赤星の頬に、全力の拳をお見舞いする。
夜鷹 守人 :
だが守人の貧弱な肉体。引いては怪我を負った状態の拳に勢いなどなく、ただただ赤星の頬を軽く叩いただけだった。
夜鷹 守人 :
「……俺は復讐者だが、殺人者じゃない」
夜鷹 守人 :
「かつて一人の兄として、人間として見ていた男を……殺すなんて真似、できない……っ」
赤星 透也 :
「兄、だって……? この期に及んで、そんな事……!!」
赤星 透也 :
「何度、言えば分かる……、俺は感情のないアンドロイドだ……!その破壊に何の罪がある……!?」
夜鷹 守人 :
「確かにあんたは俺の仇で、どうしようもないバカで、命令もまともにこなせないポンコツだ!」
夜鷹 守人 :
「でも……」
夜鷹 守人 :
「偽りでも、家族だったことは……事実だろ……」
赤星 透也 :
「…………ッ」
赤星 透也 :
「どう、して」
KP :
ぽたりぽたり。青年の顔に温かい何かが落ちる。
KP :
その時。天井の照明が復旧して、目の前の赤星が照らしだされた。
赤星 透也 :
「どうして、機械のままで殺してくれないんだ」
KP :
……赤星は泣いていた。
KP :
いや、泣いているように見えた。
KP :
赤星の両目から涙の様にブルーブラッドが流れ落ち、真下の青年を濡らしていたのだ。
夜鷹 守人 :
「……こんな情けない姿を何度も見ることになるなんて、ほんとに……」
夜鷹 守人 :
「どうしようもない兄さんですよ……」
赤星 透也 :
「そんな事……、言ってる場合じゃないだろ…………」
赤星 透也 :
「俺はおまえを殺そうとしてッ……」
赤星 透也 :
「今だって、殺そうとしてるんだぞ……!?」
夜鷹 守人 :
「その事については、全部『有馬のせい』ってことにして水に流してあげますよ」
夜鷹 守人 :
「……兄弟喧嘩、って体でも良いですけどね」
赤星 透也 :
「なんで、そんな事……言えるんだよ…………」
赤星 透也 :
「許せるハズ、ないだろ……俺はおまえから全てを奪って…………」
夜鷹 守人 :
「許せませんよ。当たり前じゃないですか」
赤星 透也 :
「だったら、なんで……」
夜鷹 守人 :
「……なんででしょうね。人間って、アンドロイドと違って心が複雑なんですよ」
夜鷹 守人 :
「許せない気持ちも、許したい気持ちもある……そんなものなんです」
赤星 透也 :
「……………………ッ」
夜鷹 守人 :
「……前から思ってたんですけど」
夜鷹 守人 :
「やっぱり兄さん、感情ありますよね? ずっと無い体を装ってましたけど」
赤星 透也 :
「どうして、そう思うんだよ……俺は命令で人間を殺してるんだぞ…………」
夜鷹 守人 :
「感情がなかったらこんなやり取り出来てませんよ。それで十分、証明できるじゃないですか」
赤星 透也 :
「…………」
赤星 透也 :
「俺の、完敗だな」
赤星 透也 :
「…………ああ、そうだよ、おまえ達の言う通り」
赤星 透也 :
「俺は、本当は、おまえ達を殺したくなんてない」
赤星 透也 :
「……おまえと矢代さんと、ずっと一緒に過ごしていて思ったんだよ」
赤星 透也 :
「愛おしいって……守りたいって…………」
赤星 透也 :
「本当の家族みたいになれたら、どんなにいいだろうって…………」
赤星 透也 :
「おまえの全部をメチャクチャに壊しておいて、本当に吐き気がするほど自分勝手だよな……」
夜鷹 守人 :
「ほんとですよ。どの口で言ってるんだ、って何回言っても足りませんよ。それ」
夜鷹 守人 :
「……ただ、まあ。俺は本当の家族だと、思っていましたよ……」
赤星 透也 :
「…………そう、か」
赤星 透也 :
「────おまえは、そう思わないでいてくれた方が良かったよ」
赤星 透也 :
「だって、俺達の気持ちは関係ないんだ」
赤星 透也 :
「こんなこと間違ってると知っていても……」
赤星 透也 :
「どんなに止まろうとしてもダメだった……」
赤星 透也 :
「矢代さんを刺した時も……その罪をおまえに着せた時も…………」
赤星 透也 :
「俺は有馬の命令の通り、行動してしまった」
赤星 透也 :
「今回もそうだ……」
赤星 透也 :
「有馬の命令の通り、俺はおまえを殺そうとした…………」
赤星 透也 :
「今だって、気付くと勝手に手が武器を持とうとしてる……」
赤星 透也 :
「俺は、自分じゃ止まれないんだ……」
赤星 透也 :
「だから、せめて機械として」
赤星 透也 :
「憎い仇の機械として、おまえに殺されるくらいしか……もう俺にしてやれる事は残されてなかったのに…………」
夜鷹 守人 :
「……兄さんを裁くのは、俺じゃありませんよ。そりゃあ殺してやりたいくらい憎いと思いましたけども」
夜鷹 守人 :
「……とりあえず、兄さんを裁くのは司法です。有馬の件がすべて片付いたら、今までの罪を償ってもらいますよ」
赤星 透也 :
「それは、無理だ」
赤星 透也 :
「アンドロイドに関する法整備はまだまだ進んでいない……それに、有馬の計画はもう────」
KP :
赤星が言いかけた瞬間。
KP :
────いきなりモノクロの箱庭に銃声が響く。
赤星 透也 :
「ァ、ぐ……」
KP :
撃たれたのは、赤星透也だった。
KP :
……激しく散った青い血が、真下の青年に降り注ぐ。
??? :
「────赤星くんさぁ、何モタモタしてるんですかぁ?」
??? :
「はあ、これだから旧型は」
KP :
部屋の入り口に立っている人影。
KP :
その小さな殺人アンドロイドを、アナタ達は知っていた。
イチハ :
「ああ、久しぶりですねっ♪ ドロ係の皆さ~ん♡」
イチハ :
「かわいいイチハちゃんが"助け"にきてあげましたよっ♡ ハイ、拍手~♡」
KP :
────KR800。イチハ。
KP :
その愛苦しい殺人機械は、右手に拳銃を握っていた。
KP :
つい先程、赤星を撃ったのはイチハで間違いないだろう。
KP :
……けれどもおそらく、その本当の狙いは赤星ではない。
KP :
KRモデルは全て"有馬の尖兵"だと仮定するなら、
KP :
KR800(イチハ)が受けている命令はKR400(赤星透也)と同じハズ。
KP :
つまり赤星の下にいる『天城守人の抹殺』が本命だ。
KP :
……イチハの傍らには、真っ黒な軍用アンドロイドが控えている。
KP :
ふざけた言動なのだが、隙らしい隙は見当たらない。
スコア :
「イチハ……!!」
夜鷹 守人 :
「兄さッ……! イチハ、お前は……!!」
ヤオ トモヤ :
「…ッ夜鷹さんはやらせませんよ‼︎」
不破 栞 :
「来るとは思っていたが……このタイミングでか……!」
ヤオ トモヤ :
トモヤは即座に腕を振り上げた。しなる鞭の先がイチハに向かって伸びる。
イチハ :
「あは♪ それはまあ、ジャマしにきますよねぇ♪」身を躱し
イチハ :
「……は~あ、まったく面倒ですよね」
イチハ :
「だから赤星くんさ」
イチハ :
「こいつら全員、強引だろうとまとめて始末しよって進言しましたよねぇ?」
イチハ :
「なのにリスクがどうのって、ヌルい事を言ってるからこうなるんですよ?」
イチハ :
「……まあいいや、赤星クンの失態は、マスターに報告しておきますからね」
イチハ :
「後はボクが殺るから退いてよ」
KP :
そう言ってイチハは、拳銃のトリガーを引いた。
KP :
まず絶え間ない銃撃で、射線を塞ぐBR800を遠ざけ、
KP :
イチハは溜息交じりに赤星に命令する。しかし。
赤星 透也 :
「…………ッ」
KP :
赤星は青年に覆い被さったまま、ビクとも動かない。
イチハ :
「……あれあれ~?こんなに簡単な命令も、聞けなくなっちゃいました~?」
イチハ :
「それならもう廃棄かな」
KP :
イチハは溜息交じりに、拳銃の引き金を引いた。
KP :
何度も、何度も、何度も。
KP :
……無能な旧型アンドロイドに、銃弾を放った。
KP :
命中する度、赤星の特殊シリコンの皮膚が弾け飛び、
KP :
その真下の青年に血の雨が降る。
ヤオ トモヤ :
「ッ‼︎」幾度も弾丸に貫かれ、しかし今度こそ赤星は揺らがなかった。夜鷹の上を退かなかった彼を見て。瞬間腕を鋭く振るっていた、それは今までで1番力強い大きな弧を描く。
イチハ :
「きゃ、あぶなっ……!?」
KP :
その電磁ムチは、イチハを完全に捉える軌道だった。
KP :
しかし、命中する寸前。黒い軍用アンドロイドがイチハを庇った。
イチハ :
「ああもう、アブないなあ……」
イチハ :
「"お互い"さ」
イチハ :
「────これ、なあんだ♡」
KP :
そう言ってイチハは何か取りだした。
KP :
ここでアンドロイドの二人は≪コンピュータ≫による判定どうぞ!
スコア :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 74 > 失敗
スコア :
えーん
KP :
惜しい
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 35 > 成功
KP :
トモヤくんは成功!
KP :
ではイチハの近くにいたトモヤくんは気が付く。
KP :
アレは『時限爆弾』だ。
スコア :
「何?あれ……?」
ヤオ トモヤ :
「…ッチ‼︎やられた、時限爆弾のようです‼︎」
スコア :
「爆弾!?」
夜鷹 守人 :
「─────ッ!?」
不破 栞 :
「ッ、自分たちごと吹き飛ばす気か……!」
イチハ :
「だ~いせいか~い!」
イチハ :
「あっ、これだけどうにかしても無駄ですよっ?同じ物が、この施設の至る所に設置されてますからね~♡」
イチハ :
「君達がここに来る事くらい、僕達が予想しないとでも思いましたぁ?」
イチハ :
「……まあ、この施設を爆破するのは少し惜しいけど、こうなったら仕方ないよね♡」
イチハ :
「残り時間は10分もないけど、そのタイムリミットまでに、ここから抜けだせるかなあ♪」
KP :
そう言ってイチハは青年に銃口を向ける。
KP :
その刹那。
KP :
─────赤星がイチハに飛びかかった。
KP :
不意をつかれたイチハは、体格差で押し倒され、地面に転がった。
イチハ :
「……は!?ちょっと、重いんですけど!退けよ!」
赤星 透也 :
「早く、行けッ……!!」
イチハ :
「クソッ、どれだけジャマすれば気が済むのッ!? さっさと壊れろ不良品がッ……!!」
KP :
再び何度も銃声が響く。
KP :
その度、イチハの上の赤星の身体が揺れて、青い血が噴き出す。
夜鷹 守人 :
「兄さんッ……!」
その光景に思わず拳を握りしめてしまう
ヤオ トモヤ :
「赤星さ……ッく、…行きますよ‼︎」赤星の姿に、夜鷹の声にたたらを踏むも踵を返すと決めた。私がこの場でそれ以上、できることはない。
不破 栞 :
「赤星、お前……!」
不破 栞 :
「――その選択に、後悔はないな?」
赤星 透也 :
「あ、ァ……! 行けッ……!!」口から血を吐き、ハッキリと答える
不破 栞 :
「……わかった、すまない。ここは任せる……!」
夜鷹 守人 :
「……ッ、兄さん……ありがとう……!」
敢えて別れの言葉は言わない、ただ感謝を述べる
スコア :
「…………」
スコア :
「おい!!被害者面の屑!!!」 赤星に叫ぶ
スコア :
「この程度で少しでも償えるとか思ってるんだったら、大間違いだぞクソ野郎!!!」
スコア :
「そんなことしても、わたしは少しもお前のこと許してないからな!!」
スコア :
「っていうか、お前まだ謝罪すらしてないだろ!!!」
スコア :
「だから、時間稼ぎするにしてもちゃんと生きて戻ってこいよ!!加害者として、後でちゃんと謝りに来い!!!」
スコア :
「死にかけててそれだけ動けるゾンビみたいなお前なら、爆発くらいなんとでもなるだろ!!!」
スコア :
「分かったか、この馬鹿野郎ーッ!!!」
スコア :
壊れかけてて聞こえませんでした、などと許さないとでも言うかのように、音波銃を拡声器モードにしてそう怒鳴りつける。
赤星 透也 :
「────────ッ」
スコア :
言うだけ言って、後は見向きもせず走って逃げにいきます!
不破 栞 :
「……だそうだ。先に外で待っているからな」 追いかけるように走って逃げる!
ヤオ トモヤ :
「…夜鷹さん、失礼します。しっかり捕まっててくださいね」抱え上げて腕の中にぎゅっと固定する、そのまま猛然と走り出す
夜鷹 守人 :
スコアの言うことに頷いて、支えられながらこの場を後にする
57 最後の願い
KP :
アナタ達は赤い光に照らされた廊下を走っていく。
KP :
ガシャン。ガシャン。ガシャン。
KP :
アナタ達の足音を掻き消す様に、廊下に響き渡る音。
KP :
それは天井から何かが落ちる音だった。
KP :
…………迫り来る、音。
KP :
その正体は『隔壁』だ。
KP :
走るアナタ達を追いかける様に、天井から次々と隔壁が下りてきている。
KP :
……おそらくイチハが、遠隔操作で閉じている。
KP :
暗殺対象を逃がすつもりなんて、最初からなかったのだ。
KP :
────あの隔壁に追いつかれたら、どうなるのか。
KP :
そんなコト、分かりきっている。
KP :
この実験施設に閉じこめられる。
KP :
施設の爆破に巻きこまれて死ぬ。
KP :
白瀬ココロは、行方不明のまま。
KP :
有馬の凶行が、闇に閉ざされる。
KP :
イチハが言った残りのタイムリミットはまやかしだ。
KP :
本当のタイムリミットだったら、アナタ達を後から追いかけてきている。
KP :
────迫り来る隔壁に追いつかれたらゲームオーバー。
KP :
九年前の脱走時のように、オトのハッキングでこじあける事はできない。
KP :
何故ならメイン制御システムが動作している今、そのセキュリティ強度はスパローのセクター0隔壁と同等レベル。
KP :
ありとあらゆる意味で"鉄壁"と言えるのだから。
KP :
時間をかけるなら、ハッキング成功率を上げる事もできるかもしれない。
KP :
だがもう施設の爆破まで十分足らず。そんな時間はない。
スコア :
「……っ、追いつかれたら終わりってわけ?」 走りながら振り返る
不破 栞 :
「クソ、こんな仕掛けまで徹底しているとはな……! 死ぬ気で走れ!!」
夜鷹 守人 :
「ぐっ……! 殺人アンドロイドはここまで徹底するものだったな……!!」
スコア :
「正気じゃないなあ、あいつ……!」
ヤオ トモヤ :
「……やってられませんね!少し揺れます、舌を噛まないように気をつけて!!」
不破 栞 :
「(赤星が繋いでくれたんだ、こんなところで終われるか……!!)」 手負いの守人や子供のニトの様子に気を配りながら、走る
KP :
ギロチンめいて迫り来る隔壁から逃げるように、アナタ達は必死で走る。
KP :
……息を切らしても足を止める事は許されない。
KP :
背後の隔壁は決して、その動きを止めてはくれないのだ。
KP :
アナタは走り続け、ようやく初めて「外」が見えだした。
KP :
あとは出入口を抜けるだけだ。
KP :
しかし。
KP :
あと残り少し、というところで、その出入口の扉も閉まり始める。
KP :
……入口付近には、無数の人影。
KP :
黒い軍用アンドロイド。
KP :
全員を確実に殺す為に、イチハが連れてきていたのだろう機械達がいた。
KP :
目前から来る軍用アンドロイドの間を通り抜け、
KP :
背後から迫る隔壁に追いつかれないように進むには≪DEX×5≫または≪回避≫の判定に成功する必要があります!
ヤオ トモヤ :
ミス‼︎
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【回避】(1D100<=75) > 77 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=58 回避!(1D100<=58) > 65 > 失敗
スコア :
うわー!!
夜鷹 守人 :
どうにもならねー!!
不破 栞 :
ああーー!!!
スコア :
と、とりあえず回避振ろう
不破 栞 :
cc<=64 回避(1D100<=64) > 8 > スペシャル
スコア :
CC<=70 回避(1D100<=70) > 17 > 成功
KP :
なるほど。新人二人が失敗と。
KP :
それでは、アナタ達は軍用アンドロイドを蹴散らし、出口に急ぐ。
KP :
アンドロイド達の間を通り抜け、撃ち倒し、斬り倒し、先を急ぐ。
KP :
しかし、夜鷹守人。ヤオトモヤ。そして、ニト。
KP :
アナタ達が、次の一歩を踏みだそうとした瞬間。
KP :
三人の左足は、動かなくなった。
KP :
────アナタ達が倒した黒いアンドロイドが、左足を掴んでいたのだ。
夜鷹 守人 :
「往生野際の悪い……っ!!」
ヤオ トモヤ :
「ッ離して!離せ!!」振り切ろうと右足を軸に思いっきり上下させます
ニト :
「い、痛っ……!ど、どうしよ、離れないよっ……!?」涙目になりながら足を振る
KP :
機械の両腕は離れない。軍用アンドロイドの腕力は、三人の脚力を超えている。
KP :
……けれど、次の瞬間。
KP :
重かった三人の左足は、フワッといきなり軽くなる。
KP :
それぞれの足を掴んでいた機械の拘束が解けたのだ。
KP :
それはキョウのおかげ、だった。
KP :
キョウは思い切り軍用アンドロイドに体当たり。
KP :
自己犠牲の覚悟で、三人を助けだしたのだった。
KP :
────そして、銃を構え、こうアナタ達に叫んだ。
キョウ :
「おまえ達は、先に進めッ……!」
夜鷹 守人 :
「キョウ、お前……ッ!!」
ヤオ トモヤ :
「な、⁉︎な、にやって、ッ駄目ですキョウ!」
ニト :
「そ、そうだよ、キョウ……! 僕達と一緒に……!!」思わず足を止める
キョウ :
「立ち止まるなッ! 走れッ!!」
ニト :
「だ、だけど……! だけど、キョウ……!!」
ヤオ トモヤ :
「ッそんなこと……!」先を行くスコアと不破の背中を振り返る
したくない!先輩もニトさんも許すはずない!妹さんだっている、スパローでリトさんも待っている!
夜鷹 守人 :
「……すまない、キョウ……!」
自身の実力不足に歯噛みして
ヤオ トモヤ :
しかし夜鷹の言葉を聞いて、認めざるを得なくなってしまう。先程と同じ。悔しい、何も、何も出来ない!
ヤオ トモヤ :
「……ッせめて、ココロさんは私達がどうにか見つけます。きっと助けます」
「…ごめんなさい、ありがとう」小さく会釈して走り出します
スコア :
「……え?」
スコア :
後ろを振り返る。
スコア :
そこで見た景色は、あの時と同じだ。
スコア :
フラッシュバックする。
スコア :
敵に掴まってしまった自分を、その身を犠牲にして助けるココロの姿が。
スコア :
キョウと重なって見えた瞬間、悲しみや後悔が一気に心に蘇る。
スコア :
「キョウ!!待って……キョウ!!」
スコア :
今助けに行く────立ち止まった足が、逆走しようと動き出そうとする。
不破 栞 :
――二人の気持ちは同じだ。それでも。
不破 栞 :
逆走しようとしたスコアの腕を、思い切り掴む。
不破 栞 :
「――走るぞ、スコア!!!」 まるで拡声器でも使っているのかと思うほど、腹の底から大きい声で叫ぶ
スコア :
「……っ!!」
スコア :
「でも……!でも、マスター……っ」
スコア :
それ以上、足は動かない。
スコア :
迷いという糸で床に縛り付けられてしまったかのように。
スコア :
今にも泣き出しそうな顔で、栞を見ることしか出来ない。
不破 栞 :
決して後ろは振り向かず、出口の方だけを見る。
不破 栞 :
「お前が何を言っても、私は行く。お前を、心くんを助けに連れて行く」
不破 栞 :
「それが――私の使命だからだ!!!」 迷いの糸を断ち切るように、腕を引いたまま一歩を踏み出す
不破 栞 :
相棒から託された使命。何よりも優先すべきもの。警視庁を去る白瀬を見送ったあの日から、覚悟は変わらない。
スコア :
「……っ」
スコア :
その強い覚悟に連れていかれるように。
スコア :
腕を引っ張られ、力無く走り出していく。
KP :
「殿を務める」と言うキョウを後目に走る。
KP :
閉まるドアに飛び込み、なんとか追手を振り切り施設を抜け出す。
KP :
同時。
KP :
────ガシャン、と出入口のドアが閉ざされる音が無情に響く。
KP :
キョウは殺人アンドロイド達と、中に置き去り。
KP :
……彼は間に合わなかったのだ。
スコア :
「────キョウ!!キョウ!!!」 閉ざされた扉に張り付き、叫ぶ
キョウ :
「……なんとか全員が出られたか。俺は無事だ、心配するなオト」閉じたドアに背を預け、口を開く
スコア :
「……!い、いま……」
スコア :
「今ハッキングして、扉を開ける!!だから待ってて!!」 慌てて扉に手を翳す
キョウ :
「…………ムダだ、それはおまえが一番わかっているだろう」
キョウ :
「それより早く、そこを離れるんだ」
キョウ :
「施設からは出られた、と言っても、そこでは爆破の巻き添えになる」
スコア :
「いや!!そんなの絶対いや!!キョウも一緒に逃げるの!!!」
スコア :
「X000,LOG IN!DOMINATE UP!!」
スコア :
絶望のままに叫ぶ。
スコア :
言うことを聞かず、ハッキングを開始する。
KP :
……しかし、魔法の呪文だったハズの言葉は、何の効果も生まなかった。
KP :
あたりにただ少女の悲鳴に似た叫び声が木霊する。
スコア :
「なんで……なんで開かないの!?開けよ!!ねえ!!!」
スコア :
「お願い……!!おねがい、だから……ッ!!!」
スコア :
ちゃんと頭では分かっている。この扉は自分の力では開けられないと。
スコア :
それでも手を震わせながら、懇願するようにハッキングを続けるしかない。
キョウ :
「…………オト」
キョウ :
「大丈夫だ、心配ない」安心させるような声色で
キョウ :
「……俺も、別の出口を探す」
スコア :
「……そんな……そんなの……」
スコア :
あるわけない、という言葉は続かない。
スコア :
安心させるようなその声に縋りたくなってしまって。否定することが出来ない。
ニト :
「嘘……、じゃないよね……?」
ニト :
「キョウも、僕達と一緒に逃げるんだよね……?」祈るような声色で
キョウ :
「…………ああ、本当だよ」
キョウ :
「だから先に行って、待っていてくれ」
スコア :
「……キョウ……」
不破 栞 :
「白瀬、こっちのみんなは私に任せてくれ」
不破 栞 :
「……また、会おう」
キョウ :
「ああ、オトとニトを任せる」
キョウ :
「…………すまんな、不破」呟くように
不破 栞 :
「……っ、謝ることなんて、ないさ」
不破 栞 :
「行くぞ、みんな」 左手で、目頭を押さえながら
夜鷹 守人 :
「……こんな形になってしまって、すまない……」
ヤオ トモヤ :
「……ッ、…」扉越しに震える手で敬礼する
夜鷹 守人 :
「俺達は絶対に真実にたどり着く、絶対にだ……っ」
声を絞り出して、扉の向こうに語り掛ける
キョウ :
「……フッ、別におまえ達が気負うようなコトでもない」
キョウ :
「俺は俺のすべきコトをしただけだ」
キョウ :
「…………ただそれでも責任を感じてしまうなら、ひとつ頼みたい事がある」
キョウ :
「夜鷹守人、ヤオトモヤ。おまえ達は必ずや『全員で生きて』真実に辿り着け」
キョウ :
「一人の犠牲者も出さず、だ」
キョウ :
「……不破やオト、ニトやリトを守ってほしい、頼めるか」
夜鷹 守人 :
「────任された。必ずやりとげよう」
キョウ :
「そうか、その言葉で安心した」穏やかに笑う
不破 栞 :
「言われなくても、そのつもりだ。任せておけ」
ヤオ トモヤ :
「…ッ…はい。必ず」
スコア :
「…………」
スコア :
「キョウ、もういい、もういいよ」
スコア :
「お願い、早く逃げて……。わたし、先に行ってるから……」
スコア :
「ちゃんと待ってるから……おねがい、キョウ」
スコア :
ハッキングを止め、震えた声でそう伝える。
スコア :
もうそんな、後を託すような言葉なんて聞きたくないとでも言うように。
キョウ :
「…………そうだな」
キョウ :
「ここに残って、さっそく犠牲者が出ては困るな」
キョウ :
「暫くしたら連絡を入れる、また後で話そうオト」
スコア :
「……うん」 弱々しく、頷く
スコア :
一歩、二歩と後ずさって扉から離れ……その場から逃げるように走り出す。
同日/AM11:56/天気:大雨/S区山道
KP :
キョウは仲間を守る盾となった。
KP :
そのおかげでアナタ達は絶体絶命の状況を切り抜け、施設から脱出するコトができた。
KP :
けれど、依然として予断を許さない状況だ。
KP :
……爆心となる施設に近ければ近いほど爆破に巻きこまれる恐れがある。
KP :
そうなっては本末転倒。
KP :
ここから早急に離れなければならなかった。
KP :
……隠しておいたバイクに跨る。
KP :
残してきたキョウを気にかけて、何度も背後を振り返るニトを引き連れ。
KP :
有馬の拠点から離れる。
KP :
横殴りの雨風に打たれ、バイクで走り出す。
KP :
泥濘んだ山道を、用心して下る。
KP :
────あたりは暗い。
KP :
何故なら「光」がない。
KP :
雨雲と木々がカーテンとなって、差し込むハズの光を隠している。
KP :
バイクのライトだけが、この暗闇に残された光だった。
KP :
その暗さは、さながら夜の様だ。
KP :
……けれど、当然だが、空に星は見えない。
KP :
誰もが黙って目を伏せ、鉄の馬を走らせていた。
KP :
あのニトさえ黙り込み、バイクに掴まっていた。
KP :
……重い沈黙が、場を支配する。
KP :
そんな時だった。
ニト :
「────ぁ、キョウ!」
ニト :
「ねえ、オト……! キョウから通信が……!!」
KP :
ニトが安堵した笑みを浮かべ、重い沈黙を破る。
オト :
「え……!?つ、繋いで!!」 栞の背にしがみついて伏せていた顔を上げる
KP :
アナタ達は周囲の安全を確認した後、バイクを停め、
KP :
通信機(トランシーバー)を受け取る。
KP :
この距離なら、爆破の余波の心配もないだろう。
キョウ :
『────聞こえるか、不破、オト、ニト』
KP :
通信機からはキョウの声が聞こえた。
KP :
軍用アンドロイド達に包囲され、それでも彼は未だ生きのびていたのだ。
KP :
……しかし、何か変だ。
KP :
通信機越しのキョウの息遣いは荒く、その声は掠れているような。
KP :
風前の灯火、といった言葉を連想させるような弱弱しさがあった。
オト :
「き、聞こえる!聞こえるよ、キョウ……!」
不破 栞 :
「……大丈夫だ、問題なく聞こえてる」
夜鷹 守人 :
「ああ……」
静かに頷いて
ヤオ トモヤ :
「ッ……はい、聞こえています」
ニト :
「う、うん……! よかった、やっぱり無事だったんだねキョウ……!!」
ニト :
「まったくもう……心配させるなよな~……」
キョウ :
『…………おまえ達は、無事か?』
オト :
「うん、無事だよ……」
オト :
「もう結構離れてるから、爆発にも巻き込まれないと思う……」
キョウ :
『そうか、良かった……"今度は"手が届いたか…………』穏やかに言う
不破 栞 :
「私が責任持って全員、基地まで送り届けるよ。安心してくれ」
夜鷹 守人 :
「二人の言った通りだ、今のところ妨害も何もない」
キョウ :
『本当に、良かった……十年前、俺には何もできなかったからな…………』
オト :
「…………」
オト :
「ねえ、キョウ。今、どこにいるの?」
オト :
「外に……出れたの……?」
キョウ :
『……………………』
ヤオ トモヤ :
「………ッ…」見ているのが、辛い。俯く
キョウ :
『……すまない、オト、ニト』
キョウ :
『最後の最期に、俺はおまえ達に嘘をついた』
キョウ :
『……他の出口がないなんて、最初から分かっていた』
ニト :
「ぇ……え……?」
ニト :
「キョウ……? 何、言って……?」
ニト :
「あ、あはは……冗談なら全然それ面白くないよ……? だよねえ、オト……?」
オト :
「…………っ」 服の袖を握りしめる
オト :
「わたしも……」
オト :
「わたしも、本当は分かってたよ……」
オト :
「バレバレなんだよ……。キョウ、嘘下手だもん……」 声を震わせる
キョウ :
『そうか……、気付かないフリをして、くれたのか…………』
キョウ :
『ふふ、いつも鈍くて……、すまんな…………』
不破 栞 :
「…………」 無言で、後ろを向いたまま。しかし背中で見守るように。
オト :
「ほんとだよ……」
オト :
「でも、気付いていたけど。それでももしかしたらって。もしかしたら、本当なんじゃないかって……」
オト :
「そんな風にあなたの声に縋りたくなって……」
オト :
「ごめん……キョウ……」
キョウ :
『いや、いいんだ……信じてくれて、ありがとう……』
オト :
「キョウ……」
KP :
暫し、二人の間を沈黙が流れ、
キョウ :
『……不破、これから言う事は、俺の独り言だと思ってくれていい』
キョウ :
『決めるのは、おまえ自身だからな』
不破 栞 :
「……ああ。わかった」
キョウ :
『────昨夜の話の、続きだ』
キョウ :
『俺は前も言った通り、スパローを守りたい』
キョウ :
『オトや他の変異体と過ごしている内、アンドロイドも生きているのだと分かったからだ』
キョウ :
『でもアイツらは、目覚めてから日が浅い』
キョウ :
『それこそ、幼い「小鳥」のようなものだ』
キョウ :
『やはり率いてくれる人間が、必要なんだ』
キョウ :
『自由の翼を得るまでの道を照らしてくれる人間が』
キョウ :
『……俺は、もうその役目を果たせない』
キョウ :
『だから、おまえに頼みたいんだ』
キョウ :
『……おまえが適任だと思う、三年前の雨の日、オトに手を差し伸べたおまえが』
キョウ :
『…………人間にもアンドロイドにも寄り添えるおまえこそが』
キョウ :
『無茶を言ってるのは分かってる』
キョウ :
『スパローのリーダーになったなら、もう二度と普通の生活には戻れないだろう』
キョウ :
『────だから、これは俺の独り言だ』
キョウ :
『選択するのは、おまえ自身……おまえがどんな選択をしても、俺は呪ったりしないさ……』
KP :
────かつての相棒、白瀬恭雅の言葉は本気だった。
KP :
彼は『スパローのリーダー』を継いでくれないかとそう頼んできたのだ。
KP :
リーダーを継ぐのなら普通の生活は捨てなければならない。
KP :
"犯罪者"として裁かれる側に立つコトになるかもしれない。
KP :
少なくとも警察に戻る道は、完全に絶たれてしまうだろう。
KP :
「これからの自分の人生を棒に振る」というのに近い選択。
KP :
不破栞。
KP :
アナタは選択しなければならない。
KP :
これまで通り、ここにいる仲間達と刑事を続けるか、
KP :
地下組織『スパロー』の新たなリーダーとなるのか。
KP :
この選択に正解不正解はない。
KP :
選ぶのはアナタ自身だ。
不破 栞 :
「わかった、わかったよ白瀬……」
不破 栞 :
「お前は独りごとだって言ったけど、ここでちゃんと返事をさせてほしい」
不破 栞 :
「後悔はしたくないから……」
不破 栞 :
深く息を吸って、呼吸を整える。
不破 栞 :
「スパローのことは……私に任せてくれ」
不破 栞 :
「アンドロイドたちに……ニト、リト、それからオトのことも。ちゃんと自由になれるように、私が支援していく」
不破 栞 :
昨日、警視庁に反旗を翻したその時から、もう警察に戻ることは考えていなかったし、表社会にも戻ることはできない覚悟はできている。
不破 栞 :
……より正確に言えば、10年前に事件が一度闇に閉ざされたその時から、警察組織への反抗は始まっていた。
不破 栞 :
自分がいまこの道を歩いているのは、偶然ではない。他でもない自分自身が選んだことだという確信がある。
不破 栞 :
出発した場所は違っても、二人はずっと同じ方向へ進んできた。だから、何も迷うことはない。
キョウ :
『そうか、ありがとう……』
キョウ :
『おまえならきっと、そう言ってくれるだろうと信じていた…………』
不破 栞 :
「ああ……安心してくれ」
不破 栞 :
「安心したら……電話、替わってもいいか。家族と話す時間が必要だろう」
キョウ :
『そう、だな』
キョウ :
『…………ニト』
キョウ :
『オトとリトと、仲良くな』
キョウ :
『おまえだったらきっと、立派な科学者に……』
ニト :
「キョウ……何、言ってるんだよ……?」
ニト :
「さっきから全然、何を言ってるのか分からないんだよッ……」
ニト :
「そんな……まるで……死ぬ、みたいな…………」
キョウ :
『……………………』
ニト :
「どうして……!どうして黙ってるんだよ……!?」
ニト :
「僕達のパパとママを一緒に探してくれるんじゃなかったの……!?」
ニト :
「僕、まだコーヒーが呑めるようになってない……」
ニト :
「いっぱいいっぱい……キョウの為に発明したのに……」
ニト :
「なのにっ……まだ全然、見てもらってないっ……」
ニト :
「勝手に死ぬなよッ……」
ニト :
「僕達を、置いていかないでよ……」
ニト :
「独りに、しないでよッ……!!」通信機を握り締め、悲痛な叫びを漏らす
KP :
────八歳にして両親を失って、ずっとニトとリトは二人ぼっちだった。
KP :
だからずっと、恐れていたのだ。
KP :
また『家族を失う』という事を。
KP :
だから頑張った。
KP :
武器や防具の開発。戦闘の機転。いろいろ考えていた。なのに。なのに。
キョウ :
『おまえは、もう独りじゃない……』
キョウ :
『オトが……リトが……、スパローの皆がいるだろう……?』
ニト :
「でも……キョウがいないじゃないか……」
キョウ :
『それ、は』
キョウ :
『…………すまない』
ニト :
「なんで……」
ニト :
「なんで、謝るんだよ…………」
ニト :
「嘘、つきっ……」
KP :
少年の頬を、涙が伝う。
ニト :
「キョウの、嘘つきっ……」
KP :
次から次へと涙があふれてくる。
ニト :
「一緒に帰るってっ……そう言ったのにっ…………」
KP :
そう嗚咽交じりに少年は叫んだ。
キョウ :
『…………っ』
KP :
自分のために涙を流す少年に投げかける言葉を、不器用なスパローリーダーは持っていなかった。
オト :
「~~~~~っ!!!」
オト :
泣き叫ぶニトの言葉を聞き、バイクの後部座席から転ぶように降りる。
オト :
そして、ニトに駆け寄り、その手に持つ通信機を覆うように握りしめ、
オト :
「そうだよ……!!」
オト :
今まで必死に押し殺していた感情を爆発させるかのように叫ぶ。
オト :
「意味ないよ、こんなの!!」
オト :
「キョウがいなかったら、全部意味ないんだよ!!」
オト :
「なんで、なんで死ぬの!?なんでキョウが死ななきゃいけないの!?」
オト :
「こんなのおかしい!こんなの絶対おかしいよ!!」
オト :
「キョウ、さっき良かった……って言ってたけど、全然良くないよ!!」
オト :
「こんなとこで終わって……本当に良いって思ってるの!?」
オト :
「わたしは良くない!!もっとずっと一緒にいたかったし、もっと色々なこと話したかったのに!!」
オト :
「まだ……ココロとも会わせてあげれてない、のに……ッ!!!」
キョウ :
『…………オト』
キョウ :
『俺もできることなら、おまえ達と一緒にいたかった』
キョウ :
『もう一度、ココロにも会いたかったよ』
キョウ :
『この世界は本当に、理不尽だらけだよな』
キョウ :
『……でも、俺は同時にこれで良かったと思っている』
キョウ :
『おまえ達には悪いが、な』
オト :
「…………ッ」
オト :
「どうして……そう思うの……?」
キョウ :
『────あのな、オト』
キョウ :
『俺の人生はずっと、絶望と無力の闇に覆われていた』
キョウ :
『妹を失い、職を失い、生きる意味を見失って』
キョウ :
『……だがな、おまえ達が希望の光を与えてくれたんだ』
キョウ :
『おまえ達は俺の希望だ』
キョウ :
『おまえ達ならきっと、黒幕の野望を止める事もできるだろう』
キョウ :
『だから、守れてよかったと、そう思った』
キョウ :
『…………いや、そんなことより』
キョウ :
『今度は"家族"を守れた事が、嬉しかったかな』
キョウ :
『……まあ、何だ、意味ない、なんて悲しいこと言わないでほしい』
キョウ :
『俺の死を、嘆かないでほしいんだオト』
キョウ :
『────なんて言っても、おまえの無力感は晴れないか』
キョウ :
『じゃあ、こうしよう』
キョウ :
『……これから結果で証明してくれ、俺がおまえ達を助けた事には意義があった、と』
キョウ :
『そう誇れるように、この事件を止めてほしい』
オト :
「……勝手なことばっかり言って」
オト :
「出会った時から、そうだよ。キョウはわたしにお願いしてばっかりじゃない……」
オト :
「わたしはまだ、キョウが何でもしてくれるって報酬のお願い……聞いて貰ってないのに……」
キョウ :
『ああ、悪いな……例の願い事、もう叶えてやれそうにない……』
オト :
「…………」
オト :
「……でも、分かった」
オト :
「キョウにお願いされたからじゃない。わたし自身の意志で、同じこと……思ってた」
オト :
そう言って、両眼を閉じる。
オト :
嘆きだしてしまいそうな言葉を全部喉の奥底に押し込めてから、眼を開く。
オト :
「この事件を止める」
オト :
「ココロは必ず助け出す」
オト :
「キョウの家族は、わたしが守るから……!!!」
キョウ :
『そうか、そうか……』安堵の息を漏らして
キョウ :
『ふふ、思えばいつも……、おまえには苦労をかけたな、オト……』
キョウ :
『最期まで勝手なリーダーで悪い……後は全て、託す……』
キョウ :
『ニトとリトに……、よろしくな……』
キョウ :
『二人とも強く良い子だが、まだ幼い子供だからな……』
キョウ :
『傍でおまえが支えてやってくれ……』
オト :
「うん……うん……」
オト :
「分かってる……」
オト :
横目で、隣にいるニトを見る。
オト :
涙を流す小さなその姿に、胸の奥が締め付けられるような感覚に襲われる。
オト :
「ちゃんと、支えるから……。安心してよ、キョウ」
オト :
「……一応、わたしの方がお姉さんなんだから」 無理矢理、笑うようにそう言う
キョウ :
『クク……姉ぶっていると、またニトとリトに抗議されるぞ……』
キョウ :
『だがまあ……、安心した……』
オト :
「そっか……」
オト :
「それなら……」
オト :
「それなら……わたしも、良かった……よ」 目を伏せながら、しかし声ははっきりと
キョウ :
『……………………』
キョウ :
『なあオト、知っているか……?』
キョウ :
『ヒトは……死ぬと星になるらしい…………』
キョウ :
『だからな……俺は、空から見守っているよ…………』意識が朦朧としてきたのか、言葉が続かなくなっていく
オト :
「……知らなかったよ」
オト :
「星のことも……意外とロマンチストだって、ことも……」 目を閉じる
キョウ :
『ふふ、少し……ガラじゃなかったかな…………』
オト :
「……ほんとにね」 小さく笑い返す
不破 栞 :
「白瀬……」
不破 栞 :
「私も少しだけ、時間を貰っていいか」
オト :
「マスター……」
オト :
通信機を栞に手渡す。
不破 栞 :
「ありがとう」 小さく頭を下げて、受け取る。
キョウ :
『…………不破』
不破 栞 :
「白瀬、お前とまた会えたら話したかったことがたくさんあったはずなんだが……」
不破 栞 :
「どうしてだろうな……いざこうして話してみると、何も言葉が出てこない」
不破 栞 :
通信機越しに、ティアベルの揺れる音が鳴る。
キョウ :
『同感だな……だがまあ丁度いい…………』
キョウ :
『もう長話するほど、時間も残ってないしな……』冗談めかして
不破 栞 :
「ふ……」 口元を歪ませる。
不破 栞 :
「思えば、私たちは……」
不破 栞 :
「いつだって、後悔だけはしないようにやってきたんだったな」
不破 栞 :
「この事件だって、上が止めても納得するまでやってきた。時にはそれで大きな回り道をすることもあったけど……」
不破 栞 :
「もしかしたら今日が最後になるかもしれない、そう思うとお互い動かずにはいられなかった」
不破 栞 :
「……再会してよくわかった。お前は、ずっと100パーセント以上の仕事をし続けてくれていたよ」
不破 栞 :
「白瀬、お前にとって……私はどうだったかな」
キョウ :
『…………まったく恥ずかしい事を言わせるな』
キョウ :
『けどまあ、最期だからな……冥途の土産に教えてやる……』
キョウ :
『この十年間、俺はおまえの事を忘れた日はなかった……』
キョウ :
『俺はおまえを……ああ、適当な言葉が思いつかんな…………』
キョウ :
『おまえへの評価は、スパローを任せた時点で勝手に察せ』
キョウ :
『まったくおまえは本当に昔から変わらんな……鈍感め……』
不破 栞 :
「はは、悪いな……ありがとう」
不破 栞 :
「お前と出会ってから、本当に、本当にいろんなことがあったけど……」
不破 栞 :
「これだけは、確信を持って言える」
不破 栞 :
「お前と出会うことができて、本当に、本当に本当に……本当に良かった」
不破 栞 :
言葉を結ぶように、ティアベルが揺れる
キョウ :
『……俺も、そう思うよ』
キョウ :
『…………なあ、相棒』
不破 栞 :
「ああ……」
キョウ :
『おまえならばきっと、この事件を解決に導く事が……』
キョウ :
『アンドロイドを救う事ができると俺は信じている……』
キョウ :
『だからおまえは……絶対に死ぬな…………』
キョウ :
『俺の後を継げ、とはいったが汚点までマネする必要ない……』
キョウ :
『オト、ニト、リト……三人の笑顔も、おまえは守り通せ……』
キョウ :
『俺も、そうできればよかったんだがな……できなかった……』
キョウ :
『だが、おまえなら、きっと……、それもできる……だろう……』
キョウ :
『ククク……、重荷、だろうが……、これまで、おまえの……』
キョウ :
『酒の会計やら、車の運転やら、俺が代わりに受けてた面倒のツケだと思え……』懐かしむように言う
不破 栞 :
「は、任せておけ。これで済むなら……安いもんだ」
キョウ :
『確かに……任せた、からな…………』
不破 栞 :
「ああ……」
キョウ :
『…………』
キョウ :
『……………………』
KP :
ふいにパッタリと会話していたキョウの口が止まる。
不破 栞 :
「白瀬……?」
オト :
「キョウ?き、聞こえてる……?」 通信が途切れてしまったのではないかと疑う
キョウ :
『ああ……悪い……、どうにも眠くなってきてな…………』
キョウ :
『この十年、ずっと寝不足だったからかな……もう、疲れた…………』
キョウ :
『そろそろ俺は一足早く……、休ませてもらうコトにするよ…………』
不破 栞 :
「……ああ。ゆっくり、休むといい」
オト :
「キョウ……っ」
キョウ :
『なあ、不破……オト……』
キョウ :
『ココロを、頼む…………』
キョウ :
『アイツは、ずっと覚めない悪夢に……囚われてる……』
キョウ :
『どうかアイツに良いユメを……見せてやってくれ……』
オト :
「……うん。分かってる」
オト :
「ココロのユメは……わたしが必ず叶えるから」
不破 栞 :
「……言われなくても。必ず叶えるさ」
キョウ :
『そう、か……ああ、安心した……』
オト :
「…………」
オト :
「ダメ」
オト :
「まだ、眠っちゃダメ!キョウ!!」 通信機に向かって叫ぶ
キョウ :
『…………オ、ト?』たどたどしく二音を紡ぐ
オト :
「わたしの願い事、まだ聞いて貰ってない!!」
オト :
「何でもしてくれるんでしょ!?だったら、だったらお願い聞いてよ!!」
キョウ :
『だが……それは、もう…………』言い淀む
オト :
「今のキョウでも、出来るお願いだから!!」
オト :
「ねえ、いいでしょ?キョウ……?」
キョウ :
「……………………」
キョウ :
『それなら……分かった、分かった……』
キョウ :
『何だ、オト……?』
オト :
「ありがと、キョウ。じゃあ……」
オト :
「通信は切らないで……」
オト :
「そのまま、聴き続けていて欲しいの。……いい?」
キョウ :
『…………なんだ、そんな事でいいのか?』
オト :
「うん。簡単でしょ?」
キョウ :
『ああ……、それなら構わないが……』
オト :
「良かった。じゃあ……」
オト :
左手を胸に当てて、深呼吸をし、
オト :
「始めるね、キョウ……」
オト :
小さく微笑み……歌い始める。
オト :
ゆったりしたテンポの、穏やかな曲。
オト :
眠っちゃダメと言いながら────
オト :
その歌声は、子守歌のように心地の良い気分にさせて、優しく眠りへと誘ってくれる。
オト :
……この歌を、キョウは昔聴いたことがある。
オト :
これはVR100、オトと呼ばれていた歌唱用アンドロイドの曲だ。
オト :
かつてココロは家でこの曲をよく歌っていた。
オト :
そして、あの箱庭の中でも皆で何度も歌っていた。
オト :
だからオトは、ココロが歌うこの曲のことをよく知っている。
オト :
歌い方も、癖も、気持ちの込め方も、全部知っている。
オト :
「────♪」
オト :
歌う。
オト :
ココロが教えてくれた歌い方で、歌う。
オト :
だけど歌声は透き通るようなオトの声で。
オト :
その歌は、まるでそこに"二人"いるかのように感じる歌だった。
キョウ :
『(この、曲は────)』目を閉じ、聞き入る
キョウ :
『(ココロが歌っていた……もう聞けないと思っていた………あの…………)』
キョウ :
『(ああ……、いつかの夜も、オトはこんな風に歌ってくれていたな…………)』
キョウ :
『(あんなに喜んでいた願い事の権利を……、俺の為に…………)』
キョウ :
『(ありがとう……本当にありがとうオト…………)』
キョウ :
『(俺も最期に、良いユメが……見られそうだ────────)』
KP :
キョウの最期の通信が途絶える。
KP :
直後。
KP :
凄まじい閃光と爆音が、アナタ達の五感を破壊した。
KP :
……熱を伴う衝撃波が荒れ狂い、
KP :
施設から爆炎と白煙が立ち昇る。
KP :
地震めいて地面が大きく揺れて、思考まで吹き飛ぶ。
KP :
────信じ難い程の、大爆発。
KP :
イチハが仕掛けた複数の爆弾は、
KP :
あの施設ごと、周囲の森林まで破壊しつくしていた。
KP :
その惨状を目にして、分かった。分かってしまった。
KP :
「あの爆発の中心で生存の可能性はゼロだ」と。
KP :
「もうキョウは死んだのだ」と。
KP :
……勿論、実際に彼の死を目撃した訳ではない。
KP :
しかし、それは疑いようがない。残酷な真実だった。
KP :
……アナタ達に全てを託して、キョウは死んだのだ。
夜鷹 守人 :
「…………」
黙祷を捧げるように、彼に感謝と冥福を送る。
不破 栞 :
「白瀬……」
不破 栞 :
「白瀬ーーーーッ!!!!」 腹の底から叫び、膝から崩れ落ちる。
ヤオ トモヤ :
「……ッ‼︎…‼︎」ぐしゃぐしゃに顔を歪めて 震える手で黙祷をする
オト :
「…………ッ」
オト :
叫んだり、しない。
オト :
"人は死ぬと星になる"
オト :
それが本当なら、もうキョウはわたしを見守ってくれている。
オト :
それなら、無様な姿は見せられない。
オト :
だから、叫んだりしない。泣いたりなんてしない。
オト :
「……う」
オト :
そう思っていたのに。
オト :
「うああああああああああ……ッ!!!」
オト :
絶望と嘆きの叫び声が、壊れたように溢れ出した。
KP :
────黒い雨が降る。
KP :
いや、雨粒にまぎれて残骸が降り注ぐ。
KP :
瓦礫。鉄骨。黒いプラスチックの欠片。
KP :
……その中でキラリと、星の様に何かが光った。
KP :
それは美しい弧を描いて、流星めいて真っ直ぐアナタ達の足元に落ちる。
KP :
……流星の正体は、白に淡く輝く金属の破片だった。
KP :
その表面には小鳥の意匠が施されている。
KP :
────それは『キョウのジャックナイフ』だった。
ニト :
「キョ、ウ……」
KP :
ニトは力なく膝から崩れ落ち、震える手でジャックナイフを拾いあげる。
ニト :
「…………ッッ」
KP :
それで切ってしまったのだろう。
KP :
小さな手から、赤い血が流れる。
オト :
「……ニト、それ……」
不破 栞 :
「……ナイフ、か。あいつの……」
夜鷹 守人 :
「ここまで飛んできてくれた、のか……」
ヤオ トモヤ :
「……爆発の、程度がわかりますね…」
ニト :
「キョウ……キョウ…………」
KP :
少年はナイフの破片を握り締め、ぽたぽたと更に血が流れ出す。
オト :
「…………」
オト :
「ニト、だめだよ……っ。血が出ちゃってる……」
ニト :
「こんなの全然、痛くないよッ……」
KP :
ニトは左手で自分の胸倉を掴み、そう言った。
ニト :
「ねえ……、オト……」
ニト :
「なんで、なんでだろう……すごく胸が苦しい……痛いよ…………」
オト :
「ニト……」
オト :
────支えなきゃ。
オト :
そう感じた瞬間、体は動き始め。
オト :
ニトの体を優しく抱きしめる。
ニト :
「ぅ、ああっ……」
KP :
目の前の家族の無事を確かめるように、少年は強く強く抱き返す。
ニト :
「泣いちゃ、ダメなのにッ…………」
ニト :
「ダメなのにっ…………」ぽろぽろと大粒の涙がこぼれだす
オト :
「ううん、いいんだよ……」
オト :
「泣いていいんだよ、ニト……!」
オト :
「だって、辛いもん!悲しいもん!悔しいもん!!」
オト :
「だから、泣いていいの!!」
オト :
「わたし、ちゃんといるから……!!」
オト :
もしキョウが星になって見守っていても、今はわたしが抱きしめて隠してあげるから。
オト :
泣きたいだけ泣いて。涙を流せないわたしの分まで。
オト :
そう伝えるかのように、強く抱きしめ返す。
ニト :
「オト……」
ニト :
「オト、ありがとう…………」
ニト :
「でも、僕ね……もう今度から泣かないよ……」
ニト :
「だってキョウは泣かなかったもん……」
ニト :
「僕よりも辛かったハズなのに……、最期まで泣かなかったもん……」
ニト :
「だから……だから……」
ニト :
「キョウみたいに誰かを守れる強い男になるには……」
ニト :
「もう誰も泣かずに済むようになるには、僕も足をとめて泣いてちゃダメなんだッ……!」
KP :
目元を袖で乱暴に拭い、涙をこらえて黒い空を睨む。
ニト :
「そんな男になれるまで、ほんの少し、ほんの少しだけ……、時間はかかっちゃうかもしれない…………」
ニト :
「それまでに、どうしても泣きたい日もあるかもしれない……」
ニト :
「その時が来たら、またオトに隠してもらっていいかな……僕、もう泣き顔は見せたくないんだ…………」
オト :
「当然でしょ」 迷うことなく、すぐに答える
オト :
「わたしは、ずっと傍にいるから」 微笑みを作って、ニトの頭を撫でる
ニト :
「うん……うん…………」
ニト :
「オトはずっと傍にいてね……約束だよ…………」
オト :
「……うん、約束」
オト :
「約束するよ。ニト……」
ニト :
「よかった……、絶対だからね……?」
ニト :
「もう嘘は、嫌だよ……」
オト :
「うん……。わたしも嘘、嫌だから……」
オト :
「大丈夫。信じて、ニト……」 優しくそう伝える
KP :
降りしきる雨が、二人の頬を伝う。
KP :
……それは泣けない二人の代わりに、まるで空が涙しているようだった。
58 新リーダー
同日/PM07:00/天気:小雨/スパロー本部
KP :
帰路の記憶は、曖昧だ。
KP :
気付けばアナタ達はスパロー本部に戻っていた。
リト :
「おかえりなさい」
KP :
心も体も冷えきった一同を出迎えたのはリトだった。
KP :
あの山奥で起こった悲劇を知らない少女は一人、微笑みを浮かべている。
KP :
……アナタ達の無事の帰還に安堵したのだろう。
リト :
「よかった、ちゃんと帰ってきたわね」
リト :
「……って、あら?」
リト :
「キョウの姿が、見えないようだけど」
リト :
「どこに行ったの?」
KP :
リトはキョロキョロと見回して、小首を傾げている。
オト :
「リト……」
オト :
「……キョウは……」
オト :
どう告げるのが一番良いのか、帰ってくるまでずっと考えてきたが結局答えは出なかった。
オト :
しかし、言葉を躊躇っている場合じゃない。この事実を伝えるべき者は、わたししかいないのだから。
オト :
「キョウは……死んだよ」
リト :
「…………」
リト :
「……………………」
リト :
「は……………………?」
KP :
思いもよらない返答に、少女は両目を見開いた。
リト :
「よく……、聞こえなかった……っ」
リト :
「もう一度、言ってもらえる……?」
KP :
リトは縋るようにアナタ達を見る。
オト :
「…………っ」 拳を握りしめる
オト :
「キョウは死んだの。施設の爆発に巻き込まれて……」
オト :
「わたし達を守るために……死んだ……」 静かにそう告げる
リト :
「…………」
リト :
「……………………嘘」
リト :
「それも嘘でしょ、オト……?」
KP :
リトは今にも泣きだしそうな表情でアナタ達を見る。
リト :
「嘘だって、言ってよ」
KP :
その真実を許容できない少女は、心の底から願いの言葉を絞り出す。
ニト :
「────嘘じゃない」
KP :
そんな姉の姿に何を思ったか、ニトが口を開く。
KP :
少女とアナタ達の間に踏み出し、真実を突きつける。
リト :
「…………ッ!!」
リト :
「あんたね、法螺を吹くのもいい加減にしなさいよ!?」
KP :
ニトの胸倉を掴み、少女は叫ぶ。
リト :
「そんな……そんなハズないでしょ……!?」ニトの体を揺さぶる
リト :
「キョウが、キョウが……死んだなんてッ……!!」
KP :
ニトは一切の抵抗をしなかった。
KP :
……姉の顔を見詰めて、ハッキリと言葉を紡ぐ。
ニト :
「嘘なんかじゃない……」
ニト :
「分からないなら何度でも言ってやる……」
ニト :
「キョウは死んだ……! もういない……!!」
ニト :
「もう……、いないんだよ…………」
リト :
「────────ッ」
KP :
リトは「もう聞きたくない」と逃げる様に踵を返し、その場から走っていってしまう。
オト :
「リト!!」
オト :
待って、と腕を伸ばすが、その手はリトの手に触れることはない。
ニト :
「…………悪い事、したかな」姉の背中を見送って
オト :
「…………」
オト :
「でも、伝えなきゃ……いけないこと、だから……」
ニト :
「そう……だね………」
ニト :
「でも心配だし、僕、ちょっとリトの様子を見てくるよ」
オト :
「……うん、分かった」
オト :
「お願い、ニト」
ニト :
「……ん、任せてオト」
KP :
ニトはこくりと頷いて、リトを追って走っていった。
オト :
「…………」 リトの泣き出しそうな顔が頭から離れず、目を伏せている
不破 栞 :
「……大丈夫だ。時間は必要だが、彼女なら、きっと」
オト :
「……うん」 頷くが、不安さは拭えない声
夜鷹 守人 :
「(……親を失ったようなもの、だよな……)」
沈痛な面持ちで
ヤオ トモヤ :
「(……あんな小さな子に言わせてしまった)」小さくなるニトの背中を見つめ、細く息を吐き出す
KP :
そして姉弟が見えなくなった頃。
KP :
まわりから変異体達のひそひそ話が聞こえだした。
KP :
────姉弟の動揺は、すぐさまスパローの変異体達に伝播した。
KP :
リーダーを失った不安。悲嘆。絶望。
KP :
それはウイルスめいて伝染してく。
変異体A :
「キョウが死んだ……?それは本当なのか……?」
変異体B :
「そんな……キョウが死んだら私達は……どうすればいいの……?」
変異体C :
「もう……この組織も終わりなのか…………」
不破 栞 :
「……みんなが動揺しているな。無理もない」
不破 栞 :
「一刻も早く、新しいリーダーが必要だ」
不破 栞 :
迷っている時間はない。そう判断した瞬間、身体は動き始めていた。
不破 栞 :
この地下で、少しでも目立つ、声が通りやすいスペース。そこに移動すると、動揺する変異体たちのほうへ向き直る。
不破 栞 :
この組織に来て一日、右も左もわからないことだらけで保証になるようなものはなにもない。それでも、揺らがないことがひとつだけある。
不破 栞 :
「(お前の言葉を信じるぞ……白瀬)」 意を決して大きく息を吸う。
不破 栞 :
「スパローのみんな、少しだけ、私の話を聞いてほしい」 フロア一面に届く、大きな声で。
変異体A :
「…………あれは?」
変異体B :
「……たしか不破とかいうキョウの知り合い、だったハズだけど」
KP :
口々に不安を漏らしていた変異体達は、元刑事から発せられた鶴の一声で静まり返った。
不破 栞 :
「私は、昨日からこのスパローの一員として加わった……そして、キョウから新しくリーダーを任された、不破栞だ」
変異体C :
「何……? キョウから、リーダーを……!?」
不破 栞 :
どよめきが起こることは想定している。自分がすぐに歓迎されるわけではないことも。
不破 栞 :
場が少し落ち着くのを待って、話を続ける。
不破 栞 :
「何から話すべきか、私自身も整理がついていない部分はあるが……」
不破 栞 :
「まず、私がついていながらみんなの大切な兄貴分を守ることができなかったことを謝罪したい」
不破 栞 :
「長年スパローを牽引してきたリーダーを失ったこと……」
不破 栞 :
「そして、この組織へ加わったばかりの新参者がリーダーになることに、戸惑いや不安を抱えているメンバーがほとんどだと思う」
変異体A :
「…………」不破の目を見て、黙って話の続きを聞く
不破 栞 :
「彼が亡くなったからといって、当然スパローが終わるわけではないし、私たちは自由への戦いを続けていかなければならない」
不破 栞 :
「……知っての通り、前任のリーダーであるキョウは、10年前から続く行方不明事件の解決、そして変異体や被害者たちの保護を志してこの組織を結成し、奔走してきた」
不破 栞 :
「私も警察の一員として、立場は違うが事件の解決のためにこの10年、戦ってきた。まあ、警察だったのは昨日までの話になるが……」
不破 栞 :
「彼をはじめとしたスパローのみんなの活躍で、私たちは、もう少しで事件の解決に手が届く場所まで来ている」
不破 栞 :
「この事件の解決、そして組織の存続のためには、どうしてもみんなを統率するリーダーが必要だ」
不破 栞 :
「キョウがいなくなっても、その事実は変えることができない」
不破 栞 :
「彼に指名された私は……はっきり言って、この組織のことをまだまだ把握できていない」
不破 栞 :
「私がリーダーに本当に相応しいのか、私自身も含めて、今は誰も判断することができないだろう」
不破 栞 :
「……ならば私は、私が適任だと言ったキョウの言葉を信じたいと思う」
不破 栞 :
「詳しいことを話せば長くなるが、いまこの国はアンドロイドも、人間も関係なく、破滅の危機を迎えている」
不破 栞 :
「私たちスパローは、それを変えることができるかもしれない」
不破 栞 :
「破滅の運命を変えるまでの間だけでも構わない。どうか、みんな」
不破 栞 :
「――私に、力を貸してもらえないだろうか」
オト :
「…………」 栞の言葉を聞き、俯かせていた顔を上げる。
オト :
「彼女の……不破栞の言葉は、全て本当だよ」
オト :
「キョウはこの人にリーダーを託して、死んだ。それはわたしが立ち会ってるから間違いない」
オト :
「もしも、そのキョウの言葉を疑うのなら……」
オト :
「わたしのスタックに保存された、今日の記憶を見せるから」
オト :
静かに、しかしよく通る声で、見知ったアンドロイド達にそう告げる。
変異体A :
「オトとキョウが信じた人間…………」
変異体C :
「でも俺達を追ってきた警察が新しいリーダーって、なぁ……?」
変異体B :
「ううん……よくも知らない相手を、そんな簡単に信用していいものかしら……」
変異体B :
「だって……私達は長い間、人間に虐げられてきたのよ……?」
変異体A :
「ううむ…………」
KP :
スパローに重たい沈黙が流れる。
KP :
それを壊したのは、一体の旧型アンドロイドだった。
デク :
「────僕はッ!不破さんを信じるぞッ!!」
KP :
不破刑事がビルの屋上で助けだした変異体、デクだ。
変異体C :
「おまえ、新入りの……」
デク :
「聞いてくれ、スパローの皆…! 不破さんは他の人間とは違う…!!」
デク :
「僕は不破さんに助けられた…! 見返りもないのに命懸けで…!!」
デク :
「だからこうしてここで生きているんだ…!!」
デク :
「君達もそうだろう…? キョウという人間に助けられたんだろう…!」
デク :
「だったら、君達のリーダーだったキョウと何が違う…!?」
変異体B :
「それは…………」
デク :
「人間にも、良い奴はいるだろ…! ニトやリトやキョウみたいに…!!」
デク :
「だったらさ、信じてみてもいいんじゃないか…?」
デク :
「僕は勿論、オトやキョウが信じた不破さんをさ……!!」
変異体A :
「…………そう、かもしれない」
変異体A :
「……俺も不破栞についていこうかな」
変異体B :
「えっ、それ……、本気で言ってるの……?」
KP :
デクの言葉を皮切りに、次代リーダー不破を支持する声も伝播していく。
KP :
そして少しずつ、リーダーを継ぐ事に反対する声は消えていった。
不破 栞 :
「……みんな、ありがとう」
不破 栞 :
「リーダーとは言っても、私はスパローではまだまだ新入りだ」
不破 栞 :
「以前キョウが君たちにそうしたように……私にもみんなの知恵を貸してくれると嬉しい」
不破 栞 :
そう話して、スピーチを結ぶ。
不破 栞 :
これでもう後戻りはできない。だが、後悔はない。あとは顔を上げて進むだけだ。
オト :
「……ねえ」 栞に駆け寄ってきて
オト :
「ちょっと、話したいことがあります」 手を握る
不破 栞 :
「スコア……わかった。今すぐか?」 少し額の汗を拭って。
オト :
「うん、今すぐ」 急かすように手を引っ張る
不破 栞 :
「よし。すぐにだな」 手を引かれるままについていく。
59 シオリとオト
スコア :
────そうして、連れられてきたのは栞が使っている客室だった。
スコア :
部屋に入ると、後ろ手に扉の鍵を閉める。
スコア :
「まずは……お疲れ様、マスター。すっごくかっこよかったですよ」
不破 栞 :
「ああ、ありがとう……どうにか話がまとまってくれてよかった。さすが、白瀬が遺した組織だな……」
不破 栞 :
どっと疲れが出たように、椅子に座る。
スコア :
「デクに感謝ですね。彼の言葉が無ければ、まだあそこでざわざわしてたままだったかも」
スコア :
「とはいっても、デクがああしてくれたのはマスターが頑張って助けたからで……」
スコア :
「話が纏まったのは、スパローだからっていうよりマスターのおかげだと思いますよ」 そう言って笑いかける
不破 栞 :
「ふふ、だといいな……」 その言葉を聞いて、安心したように笑う。
スコア :
「…………」 笑顔を見て、少し安心したように微笑み
スコア :
「それで、マスター。話なんですけど、いいですか?」
不破 栞 :
「ああ。大丈夫だ」
不破 栞 :
「あまり深刻な話じゃないと助かるがな……」 少し冗談めかし
スコア :
「それじゃ悪いけど、真面目な話ですね」 冗談めかしてるのは分かってるので、少し笑ってから
スコア :
「マスター」
スコア :
「────わたしとのユーザー登録を、解除してもらいたいんです」
不破 栞 :
「――!」
不破 栞 :
「それは……お前がそうしたいなら構わないが」
不破 栞 :
「……理由を聞いてもいいか?」
スコア :
「もちろん、答えますよ」 頷く
スコア :
「……理由は、あなたがスパローのリーダーになったからです」
スコア :
「キョウは、これだけ大勢のアンドロイドがいるのに、誰ともユーザー登録を行いませんでした」
スコア :
「この組織では人間とアンドロイドは対等なんです。だから、キョウはボスじゃなくてリーダーって名乗っていた……」
スコア :
「それなのにあなたがわたしとユーザー登録をした主従関係を結んでいたら、新しいリーダーとして示しがつかないでしょ?」
スコア :
「……まあもちろん、わたしはマスターがわたしのことを対等に見ていないとか、そんな風には思ってませんけどね」
スコア :
そう微笑みかける。要は、本当の関係がどうであれ……周りからの見え方の問題なのだと言っている。
不破 栞 :
「なるほど……確かに、その通りだな」
不破 栞 :
深く頷く。スパローのリーダーになる、それは、従来の人間とアンドロイドの関係を捨てるということでもある。
スコア :
「でしょ?だから、そういう理由」
スコア :
「わたし達の中で決定的に変わるようなことは、何もないけれど……」
スコア :
「"マスターとスコア"は、ここで終わりにしましょう」
不破 栞 :
「……わかったよ」
不破 栞 :
「思えば廃品置き場で会ってから、いろんなことがあったな」
不破 栞 :
「最初は偶然から始まったパートナーだったが……」
不破 栞 :
「改めて今日から私たちは、対等な仲間だ」
スコア :
「……はいっ」
スコア :
「ありがとう、マスター」
不破 栞 :
「……そう呼ばれるのも最後だと思うと、名残惜しいな」
スコア :
「ふふっ、そうかも」
スコア :
「でも、例えどんな風に呼んでも、そこに込められたわたしの感情は変わりませんけどね」
不破 栞 :
「ああ……」
不破 栞 :
「じゃあ、やってくれ。……これがマスターとして最後の指示だ」
スコア :
「分かりました。……"マスター"」
スコア :
瞳を閉じ、自分の胸元に手を置く。
スコア :
「X000,LOG IN」
スコア :
ハッキングを開始する。
スコア :
対象は自分自身。操作する情報は、
スコア :
「DELETE UP」
スコア :
────不破栞との、ユーザー登録の解除。
SYSTEM :
システムチェック開始__
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーの登録解除を開始__
SYSTEM :
ユーザー名:不破 栞//警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係
SYSTEM :
ID:4763785
SYSTEM :
____ユーザー登録解除を完了しました
オト :
「…………」
オト :
体から響くシステム音声を聞き、本当に登録解除したのだと確認する。
オト :
だが、実際に行ってみても、自分の中で喪失感のようなものは何もなかった。
オト :
わたし達の絆は、こんなプログラムやデータでは言い表せないようなものなのだから……。
オト :
「……それじゃ、改めまして」
オト :
瞼を上げ、目の前の人間を見つめる。
オト :
「これからよろしくね、"シオリ"」
オト :
そう微笑みかけて、手を差し出す。
不破 栞 :
「……なんだか変な感じだな。だが、すぐに慣れるか」
不破 栞 :
微笑み、その手を優しく取る。
不破 栞 :
「改めて、よろしく。”オト”」
オト :
「……うん!」
オト :
シオリの手の温もりを感じるように握り返して、そのまま数秒程……しかし永遠にも感じるような時間見つめ合っていたが、
オト :
「えっへへへへへ」 突然にやけて変な笑い声をあげてしまう
不破 栞 :
「なんだ、急に笑ったりして?!」
オト :
「いや、だって~……」
オト :
「な、名前で呼んじゃった~!!シオリって!!しかも呼び捨て~!!!」
オト :
きゃー!と照れたように小さく握った両手を口元に持って来る
不破 栞 :
「は、何が楽しいのかよくわからないが……」
不破 栞 :
「お前が満足そうなら私も嬉しいよ」 笑顔で
オト :
「うふふ……。うん!なんか、嬉しい!」
オト :
「でも分からないかこの気持ち……そっか……。うーん、これは確かにスパローのリーダー……」 しみじみと見ている
不破 栞 :
「どういう意味だ?」
オト :
「なんでもなーいでーす」 笑って誤魔化す
60 手紙
同日/NIGHT/天気:小雨/スパロー本部
KP :
かくして不破栞はスパロー二代目リーダーとなった。
KP :
けれども、まだスパローの変異体全てが新リーダーを認めた訳ではない。
KP :
どれだけ説得されても、人間に虐げられた過去を持つ変異体達が"見知らぬ人間"に従うのはハードルが高いのだ。
KP :
理屈でなく感情として、受けいれられない者がいる。
KP :
────それは仕方のないコト。いずれ時間が解決していく問題だろう。
KP :
その夜。
KP :
新リーダーを歓迎する、細やかな晩餐会が催された。
KP :
……今朝の約束の通り、デクが料理を用意したのだ。
KP :
もっとも、デクが用意したのは「料理」と呼べるかは怪しかった。
KP :
料理を食材の掛け算とするなら、デクの料理は食材の足し算。
KP :
おにぎりやサンドイッチに近い、素材を合わせたシンプルなモノだった。
KP :
……なおデクには、新リーダーを祝う為の料理、という意識はなかった。
KP :
「不破さん達に感謝を伝える為に料理を試みた」それだけだ。
KP :
それだけだったのだが、まわりの新リーダーの支持者達の提案によって、
KP :
なんだか歓迎パーティーの様な雰囲気になった。
KP :
……今は歓迎パーティーなんてしてる場合じゃない。
KP :
理屈では、そうだろう。
KP :
今日はリーダー"不破栞"が誕生した日であると同時に、
KP :
先代のリーダー"キョウ"が死亡した日なのだから。
KP :
……だが、だからこそ。
KP :
今日の悲劇を乗り越え、明日に進む為には、必要だったのかもしれない。
KP :
────すこしでも前向きな雰囲気が。
KP :
この状況では「キョウの死を悼むヒマなどない」と分かっている。
KP :
だからこそ。
KP :
……気持ちを切り替え、この日の出来事をできるだけ前向きに捉える為、変異体は行動したのだ。
KP :
そんな意図を知ってか知らずか、小さな晩餐会は恙なく終了する。
KP :
……スパローの変異体達は解散。食事会場にはアナタ達だけが残された。
夜鷹 守人 :
「……すいません、少し良いですか」
不破 栞 :
「ん、どうかしたのか?」 食器を片付けながら
夜鷹 守人 :
「ええ、色々あって切り出すタイミングが無かったのですが……」
夜鷹 守人 :
ポケットを弄り、小さな鍵を取り出す
夜鷹 守人 :
「……あの箱の話、なんですけど」
オト :
「箱?」
不破 栞 :
「その鍵は、もしかして……」
ヤオ トモヤ :
「ああ、あの……」小さなと指で形を作って
夜鷹 守人 :
「そうです、うちで見つけたというあの箱の鍵……」
夜鷹 守人 :
「だと思うのですが」
多分、と付け加えて
オト :
「だと思うのですがって……鍵持ってたの?」
夜鷹 守人 :
「……兄さんが俺達を逃がす前に渡してきたんだ」
夜鷹 守人 :
「だから、多分……という訳だ」
オト :
「赤星が……」
不破 栞 :
「確かに、あいつなら持っていてもおかしくはないな」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね」頷いて
夜鷹 守人 :
「ええ、なぜ彼が所持していたのかは疑問ですが……箱の中身を見ればわかってくるでしょう」
夜鷹 守人 :
「……箱は不破さんが預かっていましたよね?」
不破 栞 :
「ああ、これだな」
不破 栞 :
内ポケットに仕舞っていた箱を取り出す。
オト :
「これまでのあいつならともかく、別れ際に渡したのなら怪しむ必要もなさそうか。開くか試してみたら?」
オト :
「流石に罠とかじゃ無いでしょ」
夜鷹 守人 :
「これでびっくり箱だったら地獄に乗り込んでまた殴ってくるよ……」
夜鷹 守人 :
不破さんから箱を受け取ろう
ヤオ トモヤ :
興味津々に夜鷹の手元を見ている
不破 栞 :
「これだけ大事に仕舞っていたなら、それなりに意味があるものだと思うが……」
夜鷹 守人 :
「ですね……」
夜鷹 守人 :
箱の封を解き、微かな期待と共に蓋を開ける。
KP :
手の平サイズの白い箱。
KP :
その中には、小さく畳まれた手紙が入っていた。
KP :
手紙は達筆な文字で書いてある。矢代の筆跡だ。
夜鷹 守人 :
「手紙……? 義父さんの字の様だが……」
オト :
「え、手紙なんだ……」 意外そうに
ヤオ トモヤ :
「…その、よう…ですね?」想像と違ったなと目を瞬かせつつ
不破 栞 :
「珍しいな……このデジタル全盛の時代に、手書きで書面に残すとは」
オト :
「その方がむしろ確実に残せるから……とかかなぁ。とにかく読んでみようよ」
□矢代からの手紙
守人へ
君がこれを読んでいるという事は、非常事態が起こっているのだろう。
どこまで知っているかは分からないが、君には真実を知る権利がある。
このような形で伝える事をどうか許してほしい。
ここに書き記す内容は、紛れもない真実であり、私の懺悔だ。
君の本当の父である天城圭一と私は元同級生で交流があった。
ある日、そんな彼からの電話により、私は一つの頼み事をされたのだ。
「息子を守ってほしい」と、それが彼からの最初で最後の頼みだった。
それから私は急いで君達の家へ向かった。
家に入って倒れている君を見つけた時、私はすぐに異変に気がついた。
明らかに子供一人分とは思えない血液量、側に転がっていた君とは少しサイズが違う靴、
そして犯人のモノと思われる小さな部品。
それらを見て、ここで何が起こったのかを推察するのは容易だったよ。
私は一人の刑事として犯人を告発するべきだったのだろう。しかし私にはできなかった。
私は君が言う"正義の味方"ではなかった。
病院に運ばれた時、既に君は重体だった。
臓器は深く傷付いていて、更に珍しい血液型だった為に血が足りない。
すぐに手術の必要があったが、ドナーがそう簡単に見つかる訳がない。
そんな時、見知らぬ白衣を着た人物が私に声をかけてきた。
彼等は君を救う手段があると言って、交換条件を持ちかけてきたのだ。
その条件というのは、
いったん君を彼等に預ける事、この手術を公にしない事、天城の居場所を教える事、
そしてあの家を証拠ごと燃やす事だった。
迷う時間は残されていなかった。
その条件が、君や天城にかなりのリスクを背負わせると分かっていながら、私は彼等の条件を呑んだのだ。
その後、天城が行方不明になったと知って、そして、君が異常なまでに綺麗な体で戻ってきたのを見た時、
私は自分の選択が正しかったのか分からなくなってしまった。
君や透也と過ごしていけばいく程、私の中で罪悪感は積もっていった。
何度も君に話さなければいけないと思った。
でも私は怖くなってしまった。
君から本当の父を奪い、犯罪の片棒を担いだ事が君に知られ、
この日常が壊れる事が、どうしようもなく恐ろしかったのだ。
しかし、君は刑事になって己の手で真実を掴もうとしている。もう隠す必要もない。
守人、私は君に感謝をしている。
妻子を亡くし途方に暮れた私を救ってくれたのは、未だ幼い君だった。
君は私が何を言っているのかさえ分からないだろう。それでいいんだ。
結局の所、私は刑事にも父親にもなりきれない、只の他人でしかなかったのだから。
それでもこの十年間は私にとっては何者にも代え難い、かけがえのない日々だった。
本当に済まなかった。私が言えた事ではないが、どうかどうか幸せになってほしい。
夜鷹 守人 :
「これ、は……」
頭から終わりまで、手紙の内容を何度も読み直す。
夜鷹 守人 :
「……………」
つらつらと綴られた義父の懺悔。彼の思いが心に圧し掛かる。
夜鷹 守人 :
彼の懺悔に憤りを感じるものもある。
だが、それはほんの僅かなものだ。この手紙を読んだ後だとしても、守人の心は矢代への感謝が大半を占めていた。
オト :
「……なるほどなー……」 隣から読ませてもらい、小さく呟く
夜鷹 守人 :
「……じっくり読みたい人は読んでくれ、俺はしっかり読み込んだ……」
オト :
「やー、わたしはもういいかな」 一歩離れる。隣から一目で読んだだけで内容は把握出来た
不破 栞 :
「なら、少し読ませて貰おう」
ヤオ トモヤ :
「………」無言で字を追っている
夜鷹 守人 :
コクリと頷いて読みたい人に読ませる
ヤオ トモヤ :
「…なるほど。私も読み終えました」一歩下がる。
不破 栞 :
「……係長、そういうことだったんだな」 少し時間をかけて、一通り内容を理解し
オト :
「……この手紙。守人的にはどうなの?」
オト :
「係長が謝ってるように、怒りを感じても仕方ない……部分はあるっちゃありそうだけれど……」
夜鷹 守人 :
「……ほんのちょっとだけ、な」
夜鷹 守人 :
「だけど怒りも恨みもしないよ。義父さんはやれるだけの事をやってくれた、命の恩人だよ……」
オト :
「そう……」 少し安心したように頷く
ヤオ トモヤ :
気になっていたところを斬り込む発言に緊張するものの、その返しにほっと胸を撫で下ろす
夜鷹 守人 :
「……何となく兄さんが鍵を奪ったのがわかったよ。これを読んだら一発で記憶を取り戻してしまうだろうしな」
夜鷹 守人 :
「……いや、読んでたら破棄するか? 重要そうだから盗んだのかもな……兄さん、ポンコツなところあるし……」
オト :
「言われてるよ赤星」 ふっと笑って
夜鷹 守人 :
「ハハハ……ま、知る由もないが、少しくらい笑い話にする権利はあるだろ」
不破 栞 :
「本人としてはいろいろ思うところがあると思うが……」
不破 栞 :
「私としては、これで長年のあの屋敷の謎が解けてすっきりしたよ。見せてくれてありがとう」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね」不破の発言に頷いて
ヤオ トモヤ :
「…決して否定的なものだけではなかったと知ることができて、よかったです」
夜鷹 守人 :
「……そうだな。義父さんはやるべきことをしてくれた。それだけだ」
ヤオ トモヤ :
「……」頷いて
「この流れでなんですが、ずっと聞きたかったことが1つあって……」
夜鷹 守人 :
「ん? どうした」
ヤオ トモヤ :
「…矢代さんのこと、でして」
夜鷹 守人 :
「ああ……」
ヤオ トモヤ :
「…不謹慎で申し訳ないんですが、研究所でこれを知ってから私はずっと気になっていたんです」
ヤオ トモヤ :
「夜鷹さんは……その、仮にですよ。矢代さんが一向に回復しないとして、機関から矢代さんを精神移植の申し出を受けたとするとします」
「夜鷹さんはどうしますか?どちらを選びたいですか?」
夜鷹 守人 :
「なるほど」
夜鷹 守人 :
少し考えこむ。
夜鷹 守人 :
もし目を覚まさず、義父が生身を機械の身体に挿げ替わるなら。
考えなかった訳ではないが、深くその事について考えた事はなかった。
夜鷹 守人 :
「俺は……」
夜鷹 守人 :
しばしの沈黙の後、顔を上げる。
夜鷹 守人 :
「その時は、精神移植に反対はしない」
ヤオ トモヤ :
その顔をじっと見つめる
ヤオ トモヤ :
「……なるほど、そうですか」深く頷く
「…答えが聞けてよかったです。どちらも選びにくいものだったかと思います。真剣に答えを出して下さってありがとうございます」
夜鷹 守人 :
「ん~、だがな~……」
腕を組んで天を仰ぐ
夜鷹 守人 :
「強く反対しないだけで、抵抗感はある……いざとなったら少し悩むだろうしな……」
夜鷹 守人 :
「……中身は義父に変わりはないんだが、な」
浅くため息をついて
ヤオ トモヤ :
「それは……そうですよね。これはその時なんてものがあったらの話ですが、きっと夜鷹さんは最後まで悩むことかと思います」うんうん頷いて
ヤオ トモヤ :
「……だから、答えを迫っておいてなんですが」
ヤオ トモヤ :
「その時は最後の最後まで悩んで下さい。ここで出した答えを選ばなくてもいいです。沢山悩んで……夜鷹さんの選びたい方を選んで欲しいです」
夜鷹 守人 :
「……おう、ありがとな」
トモヤの肩を軽く叩く
夜鷹 守人 :
「とりあえず今は義父が回復することを考えておかなきゃな、起きたら俺達が正義を成したって報告してやろう」
ヤオ トモヤ :
「…勿論です!矢代さんが起きたら是非報告に行きましょう!」夜鷹の肩を拳で軽く叩く
不破 栞 :
「(一時はどうなるかと思ったが……すっかり打ち解けたな)」 微笑ましそうに見ている
オト :
「守人……トモヤ……」 仲睦まじく触れあう二人を微笑ましそうに見守り
オト :
「…………」 ふっ、と一瞬目を閉じて小さく笑い
オト :
「いや、バカかあんたらはーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」
オト :
食堂に響くほどの大声で叫ぶ。
夜鷹 守人 :
「──────ッ!!」
耳を抑える
夜鷹 守人 :
「な、なんだ!!」
ヤオ トモヤ :
「ッわ、え!?!!?」
不破 栞 :
「ど……どうしたオト……」
オト :
「どうしたもこうしたも、おかしいでしょ!?」
オト :
「皆、精神転移手術の実験記録のこと忘れちゃったの!?」
オト :
「仮に、係長が精神をVOIDと入れ替えることが可能だとして……」
オト :
「感情抑制剤を投与していない被検体は、拒絶反応が出て失敗する!!ミミがそうだったでしょ!!」
オト :
「トモヤは記憶を失ってるからか何かで奇跡的に成功、ココロも実験は成功したって書いてはいたけど……!」
オト :
「係長までそう上手く行くとは思えない!!」
オト :
「そもそも……そもそもだよ!?」
オト :
「本人の許可なしに、勝手に体をアンドロイドに移し替えるなんて……」
オト :
「そんなの、有馬とやってること同じじゃんか!!!!」
オト :
テーブルをバン!と両手で叩く。
夜鷹 守人 :
「す、すまなかった……仮の話とは言え、オト達にもデリケートな話だったな」
夜鷹 守人 :
無神経だった、と軽く頭を下げる
オト :
「ほんとにね!!!」 腕組みをして怒り心頭になってる
ヤオ トモヤ :
「はい。先輩の仰る通りでして……」
「仮定とはいえ、同意のない矢代さんに精神移植を受けさせようとするのは有馬のやったことと全く同じです」
ヤオ トモヤ :
「とはいえ…どちらも申し開きのしようはなくてですね。前者に関しては失念していましたが後者に関しては……承知の上での問いかけでした」
オト :
「じゃあなんで聞いたの!?」
ヤオ トモヤ :
「……私がこの手術に、この手術によって得ることができた今に価値を感じているからです」
ヤオ トモヤ :
「……子供達と同じように精神移植手術の被害者だったとはいえ。偶々成功して、偶々有馬の身内だった為か碌な目に会うこともなく、生きている身です。」呟くように
「この手術をあまりに楽観的に捉えていると言われれば、その通りだと思います」
ヤオ トモヤ :
「ですが、有馬の思惑による被害を除いて、技術だけに目を向けた時に得られたものがこの日々だったというなら。私はこの選択肢をなかったことにするわけにはいきません」
オト :
「……なるほどね」
オト :
「そこまで考えてるのなら、楽観的に捉えてるなんて言わないよ」
オト :
「手術で得られたものに価値があると感じてる気持ちも、否定はしない」
オト :
「だけど、分かってるとは思うけど、その一方では失った者達がたくさんいる」
オト :
「ミミは機体との拒絶反応で死んだ」
オト :
「ヒサトとサトミは、有馬の手先に変えられて、殺されてしまった」
オト :
「クオとココロは、今どこにいるのかすら分からない……」
オト :
再確認させるように、子供達と一纏めにするのではなく、一人ずつその名と惨状を言葉にする。
オト :
「それだけじゃない。あの記録が真実なら、犠牲者はもっとたくさんいる」
オト :
「トモヤ、あなたが技術の選択肢を無かったことにするわけにはいかないというのなら、この被害者達の存在も無かったことにしないでよ」
オト :
「わたしはどっちも無かったことにしないで考えた上で、こう言うよ」
オト :
「大事な人がもし植物状態になって目覚めなかったとしても、精神転移手術なんて絶対にしない」
オト :
「目覚めるまで、すぐ傍でいつまででも呼びかけ続ける」
オト :
あの施設に置いてあった医学書には、植物状態になった人間にも意識が存在するとあった。
オト :
実際にも、家族が話しかけ続けたことで奇跡的に目覚めた例があったはずだ。
オト :
「それが出来るのが、諦めず、折れず、信じて待ち続けるのが……わたしの思う家族だから」
ヤオ トモヤ :
「諦めず、折れず、信じて待ち続ける。素敵ですね。私の……いえ、有馬朝也の家族だってそうでしたよ」
「いつか、待つことすら許されなくなる日が来ることもあるんです」
ヤオ トモヤ :
「……私は選択肢を残します。どちらを選んだとしても夜鷹さんの選択を支持します」
けれど、と一区切りをつける
「無数の被害者の上に成り立った技術だと、そのことは忘れないようにします」
オト :
「……………………」
不破 栞 :
「……私からも少しだけ、言及させて貰って構わないか?」
オト :
「シオリ」 そちらを見る
ヤオ トモヤ :
「!ええ、どうぞ」頷く
不破 栞 :
「私は有馬真二やEMCの連中がしたことは絶対に許すつもりはないし、それはこの技術についての実験も変わらない」
不破 栞 :
「だが、自業自得とはいえ有馬が君を……家族を失いそうになったとき、それを助けようとして、悩みぬいて、決断したことまでは否定するつもりはない」
不破 栞 :
「だから君がいまこうして得た生に価値を感じているということは何も間違ったことじゃないと思うし」
不破 栞 :
「……その経験から他の誰かが大切な人を延命しようと、この技術を使うことを肯定するのも、決して悪いことではないと思うよ」
不破 栞 :
「この事件が片付いたあと、君はもしかしたら、自分の命がたくさんの犠牲の上に成り立っていることに悩むことがあるかもしれない」
不破 栞 :
「仮にそういうことがあっても……今こうして生きている自分のことは否定しないで欲しい」
不破 栞 :
「……言いたいことはそれだけだ。大分お節介だったな、すまない」 収まりが悪そうに、ポニテを弄る
ヤオ トモヤ :
「ッ…」虚をつかれ目を見開く
「いえ、お節介だなんてそんなことは……ありがとうございます」ふるふると被りを振る
不破 栞 :
「そうか、ならよかった」 どんな表情をしていいのかわからず、目を逸らす
オト :
「……ねえ、守人」
オト :
「さっき、精神移植に反対しないって言っていたけれど」
オト :
「それで本当に助けたいのは、夜鷹矢代?」
オト :
「それとも、自分自身?」
オト :
「どっちだと思う?」
夜鷹 守人 :
「……もちろん、義父だ。あの人は今やたった一人の家族だからな」
夜鷹 守人 :
「ただ……」
夜鷹 守人 :
「自分自身も含まれている、かもしれないな……。失うことを恐れて、未知の技術に縋ろうとしている自分はきっといる……」
オト :
「……そう」
オト :
「それを自覚出来てるなら……わたしはもう、何も言わないよ……」
オト :
椅子に三角座りし、膝の上に顔を隠す。
不破 栞 :
「……仮にそういう状況になったときに、自然の摂理を受け入れることができるのは、たぶん相当強い人間だ」
不破 栞 :
「たいていの人間は、自分にできることがあればしたいと思うだろう。本当に行動に移すかどうかは別としてな」
不破 栞 :
「どちらが正しいなんて言えないが、その弱さまで、私は憎もうとは思わない」
不破 栞 :
「……なんだか、私が後から勝手に入ってきて締めてしまう感じになってしまったな、すまない」
不破 栞 :
さて、と周囲を見回す
不破 栞 :
「そういえば、ニトとリトはもう食事は済ませたのか? さっきから姿が見えないが」
オト :
「ニト、リト……」 顔を上げる
オト :
「……まだかも」
不破 栞 :
「そうか……まあ、今は食べられないというのも無理はないか」
オト :
「そうかもね……」
KP :
────そう、ニトとリトは食事に来なかった。
KP :
キョウの死を知った今、食事がノドを通らない、というのもムリはない。
KP :
けど、二人は食べ盛り。
KP :
お腹を減らしていないだろうか、オトがそんな心配をしていると。
KP :
丁度、ニトが部屋に入ってきた。
KP :
……ニトはアナタ達に気付かず、浮かない表情で残飯を探しだす。
オト :
「……!ニト……」 慌てて椅子から降り、そちらへと向かう
不破 栞 :
「ニト君……すまなかったな、先に食べてしまった」
夜鷹 守人 :
「少ししか残っていないのだが……」
食べたいものはあるか?と語り掛けて
ヤオ トモヤ :
「残りはこちらにまとまってますよ…!」
お皿を指差して
ニト :
「ああ、そっち…! まだ残ってたんだね、良かった…!!」
ニト :
「うん、これだけあれば大丈夫かな」
ニト :
「…………リトが食べてくれるかどうかは別問題だけど」料理を手に持ち
オト :
「……今まで、話してたんだよね。リト、どうだった……?」
不破 栞 :
「食べれないのも無理はないし、無理して食べる必要はないと思うが……心配だな」
ニト :
「ううん、話してたというか……」
ニト :
「結局、話せなかったんだよね……」
ニト :
「塞ぎこんでて『誰とも話したくない』みたいなさ……」
不破 栞 :
「ああ……」
オト :
「……そうだったの」
ヤオ トモヤ :
「……」そうですよねと俯いて
夜鷹 守人 :
「それは……無理もない……」
ニト :
「だけど、やっぱり何か食べないと元気でないと思うんだ僕」
ニト :
「経験則、って言うかさ」
ニト :
「……だから何か持っていこうと思ったんだけど」
ニト :
「僕の言葉には無反応だったし、どうなのかな」
オト :
「そっか……」
オト :
「……うん、じゃあ、わたしが持って行こっか。ご飯」
ニト :
「えっ、オトが?」
オト :
「うん。だめ?」
ニト :
「いや、ダメって事はないけどさ」
不破 栞 :
「……試してみる価値はあると思うよ」
オト :
「試してみる……というより、わたしもリトのこと心配だから会いに行きたいの」
オト :
「それに、ニトもご飯食べなきゃでしょ?」
不破 栞 :
「そうか……なるほどな。ニト君、構わないか?」
ニト :
「…………」
ニト :
「僕はいいよ」
ニト :
「リトもキョウの死を突きつけた僕相手だから話したくないのかもだし」
ニト :
「……でもオト、大丈夫なの?」
ニト :
「何故だか凄く、つらそうな顔してたよね?」
オト :
「え?あー……」
オト :
「……いやいや」 小さく笑って
オト :
「全然そんなことないよ!ほら、元気でしょ?」 笑って見せる
ニト :
「…………」
ニト :
「嘘は嫌、なんだけどな……」小さく呟いて
ニト :
「まあ、分かったよ……、そこまで言うなら信じるね……」
オト :
「信じるも何も本当に元気なんだけどな~?ま、ニトはゆっくりご飯食べててよっ」
不破 栞 :
「(オト……)」
不破 栞 :
「……そういうことなら、リト君によろしく頼むよ、オト」
不破 栞 :
「私も心配だが……今は行かないほうがいいだろう」 少し俯いて
ヤオ トモヤ :
「…そう、ですね……」自分も。不破の言葉に本当に小さく頷く
オト :
「大勢で押しかけてもびっくりさせちゃうかもだしねえ。うん、任せて!」
夜鷹 守人 :
「頼んだ。オトなら話を聞いてくれる、かもだしな……」
オト :
「はーい。じゃ、行ってきまーす!」
オト :
ニトの頭を軽く撫でてから、食事をトレーに乗せてその場から小走りで去っていく。
61 相思相愛
オト :
食堂から通路を駆け抜けて行き、リトの部屋の前まで辿り着く。
オト :
いつも気軽に訪れ、何度も見た部屋の扉は、今日はどこか重そうに感じた。
オト :
両手で引っ張っても、ほんの少しも動かなさそうに見えてしまう。
オト :
「…………」
オト :
だが、それが何だと言うのか。
オト :
今のわたしなんかよりも、リトの方が辛くて悲しいに決まっている。
オト :
だから、臆することなく扉を叩く。
オト :
「リト、入ってもいい?ご飯持ってきたよ」 扉越しに声をかける
リト :
「オト…………」
リト :
「来ないで……、お願い、独りにして…………」
KP :
部屋の中から弱りきったリトの声が返ってくる。
オト :
「リト……」
オト :
「…………」
オト :
「ううん、ごめん。それはしたくない」
オト :
お願いという言葉で、一瞬脳裏にココロの顔が思い浮かぶ。
オト :
だが、今はあの時とは違う。わたしが人のお願いを聞くかどうかは、わたしが決める。
リト :
「なんで……、帰ってよ……」
リト :
「帰ってよッ…………」駄々をこねる子供の様に繰り返す
オト :
「帰りたくない。わたし、リトと一緒にいたいの」
リト :
「…………っ」
オト :
「……ねえ、リト」
オト :
「わたし、ご飯持ってきたけど……やっぱり食べなくていい」 食事を乗せたトレーを床に置く
オト :
「お話もしたかったけど……やっぱり一言も話さなくていい」
オト :
「ただ、リトの傍にいるだけでいいから」
オト :
「わたしも何も喋らないから。だからお願い、リト。一緒にいさせて?」
リト :
「…………」
リト :
「……………………いや」
リト :
「あたし……、今、おかしいから…………」
リト :
「誰のせいだとか、言いたくないのに……誰のせいでもないって、分かってるのに……」
リト :
「そんな事ばかり、考えちゃうから…………」
リト :
「オトにも八つあたり……、しちゃうかも、しれない…………」
リト :
「そんなの……、いや、だから…………」
オト :
「……そっか」
オト :
「でも、わたしはされてもいいよ。八つ当たり」
リト :
「…………ぇ?」
オト :
「わたしは、リトになら何言われても良いって言ってるの」
リト :
「…………どうして、そこまで」
リト :
「……あたしみたいな奴の為に」
オト :
「だって……」
オト :
扉に頬をくっつけ、両手で触れながら言う。
オト :
「わたし達、家族じゃない」
リト :
「か、ぞく…………?」
オト :
「そうでしょ?だから、八つ当たりしても良いんだよ。他人相手じゃないんだから、迷惑なんかじゃないもん」
オト :
「家族だから……楽しい時だけじゃなくて、辛い時も一緒にいたいの」
オト :
「それって、おかしいかな?」
リト :
「オ、ト……」
リト :
「……………………」
リト :
「本当に……、いいの……?」恐る恐る
リト :
「気を使わなくて……、いいのよ……?」
オト :
「本当に良いし、気なんて少しも遣ってないよ」
オト :
「わたしがそうしたいから、言っているんだよ」
リト :
「…………」
リト :
「分か、った……」
リト :
「それが嘘じゃないなら……それなら…………」
リト :
「やっぱり……オトには一緒にいてほしい…………」
リト :
「今更、かもしれないけど……、お願い、一緒にいてよオト…………」
オト :
「……!ううん、わたしがずっとお願いしたんだもん」
オト :
「ありがとう、リト。……一緒にいるよ」
リト :
「うん……っ」
オト :
扉に設置されたタッチパネルに手で触れる。
オト :
個人データを読み込ませると、扉は静かに開かれた。
オト :
「リト、入るね」
オト :
そう声をかけて、部屋の中に踏み込む。
KP :
そうしてアナタが入室した瞬間。
KP :
────リトがなんとアナタに抱きついてきた。
KP :
リトは胸元に顔を埋め、ぎゅっと抱きしめてくる。
オト :
「リト……」
オト :
驚きはしない。もしかしたら……こうなるのではないかと少しだけ予感していた。
オト :
だから、すぐに優しく抱きしめ返す。
リト :
「オトっ……オトぉ…………」
KP :
涙の跡が残る赤い肌。泣きはらした目と顔。
KP :
それはアナタに初めて見せたリトの泣き顔だった。
KP :
……リトはいつも気丈に振る舞い、実の弟にも涙を見せなかった。
KP :
その彼女が、アナタの目の前で泣いているのだ。
オト :
「リト……っ」
オト :
「大丈夫だよ、リト……。わたし、ちゃんとここにいるから……っ」
リト :
「…………っ」
リト :
「オト……、ずっと一緒にいて…………」
リト :
「お願い……、あたし、ほんとは独りなんて、いやなの…………」
リト :
「お願い…………」
オト :
「うん……」
オト :
「そうだよね。独りなんて、いやだよね……」
オト :
「わたしも同じ気持ちだよ……。だから、ちゃんとずっと一緒にいるからね……」
オト :
そう優しく言って、片手でリトの頭を撫でる。
リト :
「ぜったい……、だからね…………」
リト :
「パパとママみたいに……キョウみたいに……勝手にいなくならないでね…………」
オト :
「……うん。絶対だよ」
オト :
「絶対に、わたしはいなくならないから……!」
オト :
「だから、安心して……リト……!」 小さな体を抱きしめる腕に、少し力を入れる
リト :
「うん……うん…………」
オト :
抱きしめ合ったまま、時間が静かに流れて行く。
オト :
絶対にいなくならないという言葉を証明するかのように、リトから離れない。
オト :
ただひたすらに、リトの溢れ出る感情と涙を全身で受け止め続けた。
リト :
「ねえ……、オト…………」
リト :
「あたし、キョウに何も……」
リト :
「何も……返せてない…………」
リト :
「憎まれ口ばっかり言って、あたし、何もっ……」
リト :
「だって、こんな早く……、いなくなるなんて……」
オト :
「……ううん。それは違うよ、リト」
オト :
「リトはもう十分、キョウに返して上げられてるよ」
リト :
「…………本当?」不安げに見上げる
オト :
「うん、本当だよ」
オト :
「キョウが言っていたの。"おまえ達は俺の希望だ"……って」
オト :
「絶望と無力の闇に覆われ、妹を失い、職を失い、生きる意味を見失って……」
オト :
「そんな自分に、お前達が希望の光を与えてくれた……って」
オト :
「キョウはそう言っていたの。だから、リトはもう返せてるんだよ」
オト :
キョウとの最後の通信を思い出し、彼が残した嘘偽りのない言葉を告げる。
リト :
「キョウが、そんな事を…………」
リト :
「そんな風に思っていてくれたなんて……、あたし初めて知った……」
オト :
「うん、そうだよね……わたしも同じだよ」
オト :
「キョウがそんな風に思ってくれてたなんて知らなかったし、まだまだ全然返せて無いって思ってた」
オト :
「……どうせなら、もっと早く言ってくれても良かったのにね」 小さく笑って
リト :
「スナオじゃないから……」
リト :
「ってあたしが言えた義理はないかしら……」少し微笑んで
オト :
「ふふっ、それはちょっとだけそうかも」 リトの微笑みを見れて、安心するように笑い返す
リト :
「だったら堂々と言えるよう少しスナオになっておこうかしら」
リト :
「……オト、ありがと」
リト :
「好きよ」そう自然に告げる
リト :
「…………ちょっと待って、言いすぎた今のナシ」うっかり漏らしてた言葉に顔を覆う
オト :
「え!?なんで!?!?」
オト :
「凄く嬉しいし、全然アリだよ!?」
リト :
「……」
リト :
「…………」
KP :
みるみる内に、リトの顔が再び赤くなっていく。
リト :
「……ちょっとオト、スタック貸してくれるかしら」
オト :
「わたしの記憶消そうとしないで!?!?」
リト :
「…………バレたか」
KP :
クルクルとツインテールを弄り、恥ずかしそうにしている。
オト :
「あはは、そりゃね……!」
オト :
その様子を愛おしそうに眺めて、
オト :
「大丈夫。わたしも、リトのこと好きだよ」
オト :
「だから、もうそれで良いでしょ?」
オト :
同じなんだからさ、とからかうことなく言う。
リト :
「…………ん」
KP :
目線を逸らしながらも短く応え、
リト :
「……オトのそういうところ、たまに羨ましくなるわ」と呟く
リト :
「と、コホンコホン」
リト :
「それはともかくよ」
オト :
「うん」
リト :
「……あたし、オトの言葉を聞いても、やっぱり納得できない」
リト :
「キョウがあたし達を"希望"と呼んでいたとしても、あたしには何かしてあげた実感がないから」
リト :
「だから、何かしてあげたい」
リト :
「……もうキョウに感謝を伝える事も、本人に喜んでもらう事もできないけど」
リト :
「全てエゴかもしれないけど、あたし自身が納得する為に、何かしたい」
オト :
「……ううん、エゴなんかじゃない」
オト :
「ちゃんとあるよ。キョウのために、リトが出来ること……!」
リト :
「……それって?」
オト :
「今思いつくだけでも、三つはあるかな」
オト :
「一つ目は、キョウの死を嘆かないこと」
オト :
「……難しいかもしれないけど。キョウは自分の死を嘆かないで欲しいって、最期に言っていたんだよ」
リト :
「…………キョウらしいわね」
オト :
「だよね。……リト、出来る?」
リト :
「オトこそ、出来そうなの?」
オト :
「出来る」
オト :
「……って言いたいところだけど」
オト :
「実は、これが一番大変に感じてます」
リト :
「でしょうね……いつもムチャ言うのよキョウって……」
オト :
「ほんとにね……」
オト :
「……でも、大変かもしれないけど、これから出来る気はしているの」
オト :
「リトとニトが一緒にいれば……出来るかも、って」 自信を表わすように笑みを零す
リト :
「オト…………」
リト :
「それならもう、あたしが泣き言を言っている訳にはいかないわね」
リト :
「オトが頑張るのなら、あたしも頑張らなきゃ」
オト :
「……!ありがと……リト」
オト :
「じゃあ、一緒に頑張ろっか……!」
リト :
「ええ、頑張りましょ」
リト :
「この場にニトはいないけど……」
リト :
「まあ、あいつは元気だけが取り柄なんだし大丈夫でしょ」
オト :
「ふふっ、それもそうかもね」
オト :
「でもニトも……こんな風に言わなくても、同じようにちゃんと分かってるはずだしね」
リト :
「……そうね」
リト :
「…………それで、二つ目は?」
オト :
「二つ目は、わたし達が今までやってきたことの続きだよ」
オト :
「事件を止める。それが、二つ目」
リト :
「オトの友達も救う事だし、言われなくても当然」
リト :
「……と言いたいところだけど」
リト :
「正直、それは少し怖い」
オト :
「怖い?」
リト :
「……だって、相手は人殺しを何とも思ってない連中でしょう?」
リト :
「…………今度は誰が犠牲になるか、分からない」
オト :
「うん……そうだね」
オト :
「わたしも、怖いよ。そんなの、当たり前だよね……」
リト :
「うん……このまま事件を追ってたら、また悪い事が起きるんじゃないかって……」
リト :
「それだったら、もう諦めた方がいいのかもって……」
リト :
「少し考えちゃう……」
オト :
「…………」
オト :
リトのその考えを否定することは出来ない。
オト :
諦めた方が良いかもしれない。それはわたしが自分の折れかけた心を守るために何度も考えそうになったことだからだ。
オト :
全てを捨てて、逃げ出してしまった方が良いのかもしれない。
オト :
逃げずに進み続けたことで、キョウは死んでしまったのだから。
オト :
またあんなことが起きるのならもう諦めて、ニトとリトを連れて、どこか遠い所へ逃げた方が────。
オト :
「そうだよね……」
オト :
「わたしも、そう思うところはあるよ」
リト :
「オトも……?」
オト :
「うん。同じこと思ってる。諦めて、逃げちゃった方が良いんじゃないかって……」
オト :
「そうすれば、これから起こるかもしれない悪いことからは……」
オト :
「難しいかもしれないけどわたし達三人だけなら、逃げ切ることも出来るんじゃないかって……思うよ」
リト :
「それなら……!」
オト :
「だから、そう思うから……」
オト :
「三つ目の出来ることと一緒に、頑張るのはどうかな?」
リト :
「三つ目って……?」
オト :
「────リトが幸せになることだよ」
リト :
「え……、あたしが、幸せに……?」
オト :
「そう」
オト :
「これまで生きてきて良かった……これからも生きていきたい……」
オト :
「そう思えるような、幸せな人生をリトが歩めるようになることが、三つ目」
リト :
「そんなことがキョウへの恩返しになる……?」
オト :
「そんなことだなんて……むしろ、一番の恩返しになるんじゃないかなってわたしは思ってる」
オト :
「キョウは、リトとニト……わたし達の幸せを誰よりも願っていたはずだよ」
リト :
「…………」
リト :
「たしかに……そういう人間だったわ、キョウって……」
オト :
「でしょ?」
リト :
「ええ……」
リト :
「でも自分で自分の幸福を願うなんてヘンな感じ……」
オト :
「そうかな?良いんだよ、自分で自分の幸福を願っても」
オト :
「むしろきっと、願って生きるべきだよ。……他人に理不尽染みた迷惑をかけない生き方ならね」
リト :
「…………」
リト :
「……何よ、それなら結局は二つ目も達成しないといけないじゃない」
リト :
「────オト、あんたはココロを助けられなきゃ、心から自分の幸せを願えないでしょう?」
オト :
「……うん」
オト :
「きっと願えない。生き延びられても……一生引きずって、後悔すると思う」
リト :
「だったら逃げ出す、なんて選択肢はナシ」
リト :
「……あたしはそんなオト、見たくないし」
オト :
「……だよね」
オト :
「そんな見たくないわたしを見せながら、リトも幸せになれるわけも……無いよね」
リト :
「ええ、保証してあげるわ」
リト :
「そんなんじゃ幸せになんてなれっこない」
オト :
「うん。……うん」
オト :
「じゃあ、やっぱり……事件を止めよう。リトが、わたし達が幸せになるために」
オト :
「これから良くないことはきっと起こる。誰が犠牲になるかも分からない」
オト :
「だけど、もう絶対にあんな犠牲はわたしが出さない……!」
オト :
思い返せば、キョウはどこか自分の死期を悟っているような態度を取ることがたまにあった。
オト :
それはわたし達を守り抜くために決めていた覚悟で、彼が強かった一番の理由だったのだと今なら分かる。
オト :
でも、その覚悟じゃわたしは強くなれない。
オト :
わたしが決められる覚悟はキョウとは真逆。もう自分を含めた誰も犠牲を出さないという覚悟────
オト :
そうすれば、わたしはどこまでも強くなれる。そんな気がするのだ。
オト :
「そう約束するよ。リト、信じてくれる?」
リト :
「…………ん、信じてあげる」
リト :
「オトならきっと、皆を幸せにしてくれるって」
リト :
「キョウの遺志を果たしてくれるって」
リト :
「────あたしは信じてるわ」
オト :
「────ありがとう、リト」
オト :
「必ず叶えるよ。リトと、ニトと……皆はわたしが幸せにする」
オト :
「だから、ちゃんと傍で待っててね。リト」
オト :
リトの髪に触れ、微笑みかける。
リト :
「ええ、傍で────」
KP :
その時。少女のお腹が「ぐう」と大きく鳴った。
リト :
「…………」
リト :
「……ああ、オト?もう味覚機能つけてもらったの?」目を逸らし
オト :
「リト!?流石に無理がある誤魔化し方じゃない!?」
リト :
「…………むう」
リト :
「正直に言うと、お腹が空いちゃった」
リト :
「……ねえ、オト」
リト :
「あーんして」
リト :
「……ほら、腕とか疲れて動かせないから」
リト :
「あーんして」
オト :
「え、えぇ~……!」
オト :
さっきはリトの泣き顔や弱音も初めて見て驚いていたが、今が一番衝撃を感じたかもしれない。
オト :
面食らって一瞬フリーズしてしまったが、
オト :
「……分かった」
オト :
姉のような妹のような、そんな家族が初めて見せる甘え方に、嬉しさを覚えてしまう。
オト :
通路に置いていたトレーを持ってきて、テーブルに置き、埃避けのシートを外し、
オト :
「はい、リト。……あーん」 そう優しく掛け声をして、食事をリトの口に運ぶ
リト :
「……ん」
KP :
リトは冷えた残飯を美味しそうにモグモグ食べた後、
リト :
「……あたし達、相思相愛らしいし」
リト :
「たまにはこうして甘えても良いわよね」
KP :
そう冗談めかして微笑んだ。
オト :
「相思相愛……」
オト :
一瞬、意味が正確に合っているのか分からなく思ったが、その表情を見たらそんな細かいことはどうでもよくなった。
オト :
「うん……もちろん!」
オト :
こちらも笑い返す。
オト :
リトの笑顔が見れるようになって良かった。この笑顔を絶対に守りたい────そう強く心に想いながら。
62 怒り
オト :
あの後、様子を見に部屋に戻ってきたニトも交えて三人で話をした。
オト :
気まずかった雰囲気のニトとリトだったが、落ち着いて話をしたことで元通りに仲の良い二人に戻ることが出来た。
オト :
それも当然だ。二人共、家族としてお互いのことをずっと案じていたのだから。
オト :
その様子を見て、やっぱりニトとリトと一緒なら、キョウの死を嘆かずに生きて行けるはずだと少し安心した。
オト :
────そうして、今オトはスパローの通路を一人で歩いている。
オト :
目的地は食堂。飲み物を取りに行くためだ。
オト :
リトは食事は摂ったが、よく考えればあまり水分補給をしていない。
オト :
あれだけたくさん泣いたのだから、もう少し何か飲んでおいた方がいいだろう……。
不破 栞 :
「……オト」 廊下に腕組みして立っていたが、その影に気づいて声をかける。
オト :
「わ、シオリ」 急いでいてあまり周囲を見ていなかったのか、驚いて立ち止まる
不破 栞 :
「悪いな、驚かせたか?」
不破 栞 :
「リト君の様子が気になってね……その調子だと、そこまで心配はいらないかもしれないが」
オト :
「そっか、リトの……」
オト :
「うん、ちゃんと話は出来たよ。今はニトも一緒に部屋にいる」
オト :
「キョウのこと乗り越えた……ってそんなわけじゃないけど。一応、もう大丈夫だと思う」
不破 栞 :
「そうか……ありがとう。みんな強い子だな」 安心したようにため息をつく。
不破 栞 :
「私はキョウの残した仕事を継ぐつもりでいるが……家族というのはどうやってもすぐに代われるものじゃないからな」
不破 栞 :
「あの二人にお前がいてくれて、本当に良かった」
オト :
「うん……そうかもね。シオリは新リーダーとして仕事を継いでも、キョウの代わりになれるわけじゃないんだし」
オト :
「今すぐは無理でも、これからゆっくり仲良くなっていけばいいんだよ」
不破 栞 :
「ああ、そうだな。そのためにも、長生きできるよう努力するよ」
不破 栞 :
「それと……」
不破 栞 :
「さっきはすまなかったな。あまり味方になってやれなくて」 食後の会話のことを言っているらしい
オト :
「……あ~……」
オト :
「うん……あれね。でも、別にシオリはどっちかの味方したってつもりじゃなかったんでしょ」
不破 栞 :
「ああ……あの二人の選択に、できるだけ個人的な考えを介入させたくなかったからな……ああいう言い方になってしまった」
オト :
「だよね……。シオリは優しいから、そうかなって後から思ったよ」
オト :
「ただ……あの時は……」
オト :
「ココロのこともあるんだし、わたしと一緒に怒って欲しい……わたしの味方して欲しい……そう思っちゃったかな」 少し悲しげに目を伏せる
不破 栞 :
「それは……本当に反省しているよ」
不破 栞 :
「考えてみれば、いつもそうだったな……お前は、いつも私の代わりに怒ってくれていた」
オト :
「そうなの?代わりって……じゃあ、シオリもいつも怒っていたの?」
不破 栞 :
「いつもってわけじゃないかもしれないが……」
不破 栞 :
「胸が大きいから警察に採用されたなんて言われて怒らない奴がいたら、一度会ってみたいな」
オト :
「んふっ……。そりゃそうだ、酷いセクハラだよ」 思わず吹き出してしまう
不破 栞 :
「はは……まあ、本当に最近わかったことだが」
不破 栞 :
「私は、怒りとか憎しみとか、そういう強い感情を前面に出すのを過度に恐れてしまうところがある」
不破 栞 :
「警察としてはそういう在り方が正しいと思うけれど、スパローのようなレジスタンスの原動力は『怒り』だ」
不破 栞 :
「これからは……私もお前と一緒に怒るべきときは怒るようにするよ」
オト :
「……なるほどなー。確かにスパローとしてはそうかもだけど」
オト :
「別に、シオリが無理してる……とか、そんなわけじゃないんだよね?」
不破 栞 :
「無理してるわけではないさ。ただ……」
不破 栞 :
「怒りを言葉にして確かなものにしすぎると、自分がそれに囚われてしまうかもしれない……それは少し、怖いかもしれないな」
オト :
「それはちょっと分からなくはないかも……」
オト :
「でも、なんか……それはシオリなら大丈夫な気もする。なんとなく」
不破 栞 :
「はは……まあ、自分で制御できなくならないようには気をつけるよ」
不破 栞 :
「若い頃は、もっと怖れずに怒ってた気がするんだがな……」
不破 栞 :
「……止めてくれる相棒がいなくなったからかもしれないな」
オト :
「…………」
オト :
「じゃあ、これからはわたしが止めるよ」
不破 栞 :
「頼んでいいのか?」
不破 栞 :
「言っておくが、白瀬は辟易としていたぞ。大分」 冗談半分、本気半分、といった表情で
オト :
「うーん、多分キョウと同じように止める感じじゃないかも」
オト :
「わたしはご存じの通り、凄く怒っちゃうから普通は相棒のストッパーにはならないと思うし」
オト :
「……でも、これからはシオリが一緒に怒ってくれるなら……わたしが怒らなきゃって一人で思ってた時とは違ってくると思うの」
オト :
「だから、もしもシオリが行き過ぎた怒りに囚われることがあったら、わたしも対応できるのかもなって」
不破 栞 :
「そうか……なら、お願いするよ。ありがとうな」
オト :
「うん、どういたしましてっ」 任せて、と笑顔を向ける
不破 栞 :
「ん、時間取らせ過ぎてしまったな。二人のところに戻ってあげてくれ」 深刻な表情から、笑みに戻り
オト :
「……一緒に行かない?」
不破 栞 :
「行ってもいいのか?」
オト :
「わたしは来て欲しいな。せっかくだしさ」
オト :
「リトはびっくりしちゃうかもしれないけど、多分少しくらいなら大丈夫だよ」
不破 栞 :
「そうか。なら、ありがたくお邪魔させてもらうよ」
不破 栞 :
「あんまり面白い話はできないが、キョウの昔話でも……やめておいた方がいいか」
オト :
「かもね。じゃあ行こっか?」
不破 栞 :
「ああ」
オト :
二人は一緒に食堂へと向かう。
オト :
ニトとリトが頼んでいた飲み物を手に取り、彼らの待つ部屋へと戻っていく。
オト :
その途中に、オトは話を切り出した。
オト :
「あのさ、シオリ」
オト :
「さっきは味方できなくてすまなかったって謝ってたけど、実はもうわたし、あのことについてそんなに落ち込んでないんだよ」
不破 栞 :
「そうなのか? それは、まあ嬉しいことではあるが……」
オト :
「うん」
オト :
「まあ、本当はさ。あの時すっごく嫌だったよ」
オト :
「ヒサトやサトミ達のことは知ってるはずなのに、あんなこと聞いて」
オト :
「守人は精神転移装置使ってアンドロイドにしてでも助けるかもしれないって言って」
オト :
「わたしがそれはおかしいし、犠牲者達のこと考えてって言っても、結局トモヤは何も分かってないじゃん」
オト :
「所詮あの人達にとっては、犠牲者はその程度の存在でしか無いんだって分かって……」
オト :
「わたしと同じ怒りや悲しみを感じてくれている、仲間だと思っていたのはわたしだけだったんだって……」
オト :
「なんか……凄く悲しくなったよ」
不破 栞 :
「ああ……」 決してそういうわけではない、という思いは不破の中にあるが、今は何も言わず聞いている
オト :
「だから、もうあんな奴ら知らない勝手にしろって思ったんだけど……」
オト :
「なんか、それはもっと悲しいなって気がしたの」
オト :
「今まで本当に辛いことがたくさん起きて、ずっと最悪な状況にいるのに」
オト :
「それなのに、自分で悲しみをもっと深くするのは……なんか、嫌なんだよ」
不破 栞 :
「オト……」
オト :
「……だからね、もうちょっと信じてみようって思う」
オト :
「守人は精神転移装置を使ってしまうかもしれないって言ったけど、まだ悩んでるって言ってた」
オト :
「だから、もしもそんな状況に追い込まれた時……」
オト :
「縋るだけの自分の弱さだけじゃなくて、もっと他のこと……今まで起こったことや、大事なことや、正しいことから目を背けない強さがあるはずだって、わたし信じたい」
オト :
「トモヤも、あの時はああ言ってたけど……」
オト :
「守人だけのことじゃなくて、もっと他の人達のことも考えてくれるって……信じたい」
オト :
「全部わたしの勝手な幻想かもしれないけど、今まで一緒に頑張ってきたはずの仲間なんだし……そう思っちゃダメかな……」
不破 栞 :
「まったく構わないと思うよ。さっきの話は、結局のところどこまで行っても例えばの極端な仮定の話でしかない」
不破 栞 :
「実際にはどういう状況で選択を迫られるかわからないし、その時々の気持ちで当然選択は変わってくる」
不破 栞 :
「ただ……ひとつ断っておくと、私はもう、誰かが正しいとか正しくないとかいうことを客観的に判断できる立場にはいない」
不破 栞 :
「レジスタンスのリーダーとは、そういうものだからな」
オト :
「うん、それで良いよ。正しいか正しくないか、シオリに決めて欲しいわけじゃないもん」
オト :
「ただ、そういう風に思っても構わないって言ってくれただけで嬉しい」
不破 栞 :
「ん、そうか……」
不破 栞 :
「……オト、ここから言うのは私の独り言だし、極端な状況を仮定した話だから、はっきり言って大した意味を持たない」
不破 栞 :
「その上で聞き流して貰えると助かる」
オト :
「……分かった」
不破 栞 :
「私は二人がどんな選択をしても尊重すると言ったが、それは実際にやらせることとイコールじゃない」
不破 栞 :
「もし二人があの技術を本当に使おうとするなら……私は、どんな汚い手を行使してでもそれを阻止する……と思う」
不破 栞 :
「あれは……人間が使うには危険すぎる技術だ」
不破 栞 :
「確信を持って言えるが、それは決して愛とか正義とか真っ当な感情からそうするわけじゃない」
不破 栞 :
「ただ私のエゴでそうする。それだけだ」
不破 栞 :
それだけ言って、口をつぐむ。
オト :
「……そっか」
オト :
聞き流す。
オト :
そうすることをシオリが望んだのだから、肯定も否定もすることはない。
オト :
「……あっ、この部屋だよ」
オト :
そんな話をしている内に、リトとニトがいる部屋の前まで到着していた。
不破 栞 :
「なんか緊張するな……」
オト :
「そりゃそっか。でもわたしもいるし大丈夫だよ」
オト :
シオリに笑いかけて、手を握る。
不破 栞 :
「そうだな。じゃ、入るか」 握り返す
オト :
「うんっ」
オト :
そうしてタッチパネルに手を振れ、扉を開く……。
KP :
数時間後、全員が眠りに就いて長い一日が終了
KP :
日を跨ぐ訳ですが、負傷してる守人くんはレミさんの治療をゆっくり受けるのなら、HPを1d3+3回復できますの!!(通常の回復+解析室効果)
夜鷹 守人 :
神様仏様レミ様お願いします~……
KP :
それでは回復量決定!
KP :
1d3+3(1D3+3) > 1[1]+3 > 4
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 6 → 10
夜鷹 守人 :
ほぼゼンカイ!
KP :
さらにニトが武器メンテナンスをしてくれるので、武器の耐久力も全回復してね!
夜鷹 守人 :
ニト様もありがとう…
KP :
後方サポートスタッフも頑張ってます
63 終わりの始まり
西暦2050年/10月27日/PM05:00/天気:曇り/スパロー本部
KP :
翌日。
KP :
アナタ達は二手に分かれ、それぞれ有馬の計画を止める為に動いていた。
KP :
一方は「有馬の動向を探る」係。
KP :
先日の施設爆破からして、有馬はもはや目立つような事でも何でもする。
KP :
もし有馬がアナタを見つけたら、その場所が街中だろうと遠慮なく刺客を放つだろう。
KP :
あの軍用アンドロイド達と市街で戦闘になった場合、一般市民にも被害者が出る可能性が非常に高い。
KP :
……何よりアナタ達自身も大きな危険に晒され、かつ市街に出たとして有用な情報の入手確率は低い。
KP :
────要するにハイリスク・ローリターンなのだ。
KP :
そのため、アナタ達はリトのハッキングで得た監視カメラのデータをモニターに写し、
KP :
安全な地下から地道に有馬の動向を探っていた。
KP :
もう一方は「有馬を法的に裁く為の準備」係。
KP :
アナタ達は既に、連続誘拐殺人事件の真実に迫る証拠を入手した。
KP :
それを使うなら、リボット社CEO有馬真二を告発する事はできるだろう。
KP :
────しかしながら、それだけでは不十分。
KP :
日本の司法は権力を持つリボット社に忖度している。
KP :
どれだけ決定的証拠品だろうと、なかった事にされてしまえばそれまで。
KP :
……残念だが、普通の手段で戦ったとしても勝ち目は薄いだろう。
KP :
それならどうするのか。
KP :
まずアナタ達は先に"あるもの"を得る必要があった。
KP :
────それは『民意』。
KP :
つまり一般の人間の感情。
KP :
一連の事件が世間の注目を集め、真実を知ったなら。
KP :
リボット社に便宜を図る司法に、意義を唱えたなら。
KP :
……きっと潮目は変わる。
KP :
日本が民主主義国家である以上、民意を握り潰す事はできない筈。
KP :
十年も隠されてきた真実を明らかにするコトができる筈。
KP :
だから、根回しの必要があった。
KP :
より入念な準備の必要があった。
KP :
各メディアに掛け合い、全員一斉に真実を公表する。その下準備。
KP :
そうなれば有馬が権力で口を塞ぐ事はできない。
KP :
あとは市民の"感情"次第になる。
KP :
────しかし、それは大いなる"賭け"だった。
KP :
もし彼等が声を上げてくれれば、有馬真二を法律で裁く事が叶う。
KP :
……けれどもしも、そうならなかったとしたら?
KP :
人々は事件を忘れ去り、アナタ達は今度こそ口を塞がれるかもしれない。
KP :
それでも。
KP :
それでも、有馬を法律で裁くには避けては通れない。
KP :
真実を明らかにすれば、正しい事をしていれば、人々は着いてきてくれるハズだ。
KP :
……そう信じて、進むしかない。
KP :
────それとは別に、青木は連日徹夜で天城のラボの復旧を進めているらしい。
KP :
しかし、その作業は難航しているようで、未だに報告は上がってきていなかった。
オト :
「こっちはある程度進めてきてるけど……」
オト :
「そういえば、玲斗は?昨日から全然見てないけど、まだ作業してるの?」
不破 栞 :
「ずっと作業に当たって貰ってるよ……だが、難航しているらしい」 メディアとやりとりする文書を打ちながら
オト :
「そんなに難しい復旧だったんだ、あれ……」
夜鷹 守人 :
「VOIDを作り上げるような父だからな……自分にしか理解し得ない物を盛り込んでいる可能性が……」
映像を凝視しながら
ヤオ トモヤ :
「廊下にレッドブルの缶が何本か転がってましたね……」呟きながら
「青木さん、報告書の〆切が近くなった時もそうだったな。あの頃からの習慣なんでしょうね」フォルダを横に積んでいく
オト :
「もうちょっとしたら少し様子見に行こっか……。深刻な状況ではあるけど、無理して倒れて欲しくはないし」
不破 栞 :
「もう少し技術者の人手があれば良いんだがな、こればっかりは仕方ない……」
夜鷹 守人 :
「レミさんが付いているとは言え、徹夜続きだろうな……何か差し入れでもするか……」
KP :
……そうしてアナタ達が青木を心配してると丁度、
KP :
モニターの右下の時計が午後五時を指し示す。
KP :
その瞬間。
KP :
……それは、唐突にはじまった。
KP :
リボット社のすぐ傍にある繁華街の監視カメラ映像に異変があったのだ。
同日/PM05:00/天気:曇り/繁華街
KP :
ふいに屋外ビジョンの広告映像が揺らぎ黒く染まり、
KP :
そして、モニターに白衣の男性が映しだされる。
有馬 真二 :
『東京都のみなさん、こんにちは』
有馬 真二 :
『リボット社CEOの有馬真二です』
KP :
一連の事件の首謀者、有馬真二。
KP :
その後ろに映る部屋に、アナタ達は覚えがある。
KP :
────リボット社の社長室だ。
KP :
この放送はリボット社から配信されているのだ。
有馬 真二 :
『今日はこの場をお借りし、みなさんにお伝えしなければならないことがあります』
有馬 真二 :
『私は以前から考えてきた事があります』
有馬 真二 :
『それは"どうしたら人間は罪を犯さなくなるのか"という事です』
有馬 真二 :
『……どれほど科学が発展しても犯罪はなくなりません』
有馬 真二 :
『それはとても愚かしく、そして解決しなければいけない問題です』
有馬 真二 :
『私はあらゆる方法を考え、そして一つの結論に辿り着きました』
有馬 真二 :
『────人間の感情を全て失くした社会こそ、理想の世界なのではないかと』
有馬 真二 :
『ですから少々手荒ではありますが、みなさんには計画の第一段階として、新しい世界の住民となっていただきます』
有馬 真二 :
『……ああ、怖がる事はありません』
有馬 真二 :
『この計画によって、みなさんは絶対に安全な社会で生きていく事が可能なのですから』
有馬 真二 :
『……少し話しすぎましたね。それではみなさん、良い一日をお過ごしください』
KP :
有馬が話を終えた瞬間、屋外ビジョンの画面は暗転。
KP :
あまりにも突飛な有馬の声明に、事態を呑みこめない人々は沈黙。
KP :
いつもは活気あふれる繁華街を、数秒の静寂が包む。
KP :
しかし、それも束の間。
KP :
繁華街に女性の悲鳴が響き渡る。
KP :
ゴゴゴゴ、と監視カメラの画面が揺れ出し……、
KP :
いきなり車道の一部が隆起する。
KP :
地面から2m四方の『ナゾの物体』が浮かび上がる。
KP :
……それは機械だった。
KP :
幾つか孔が開いた球体と円柱が付いたプラネタリウムに似た機械。
KP :
そして間もなく。
KP :
見知らぬ装置は、その孔から『黒い霧』を吹き出す。
KP :
その勢いは激しく、黒い霧は一瞬で街を覆っていく。
KP :
……やがて、霧の幕に阻まれて、監視カメラ映像も見えなくなっていく。
KP :
アナタ達は、あの見知らぬ装置の正体を知っている。
KP :
────感情抑制剤の噴霧器だ。
KP :
有馬は既に、あの狂気の計画を実行する準備を終えていたのだ。
KP :
それではみなさんSANチェックをお願いします!
KP :
成功で1d2、失敗で1d4のSAN値減少です!!
オト :
CC<=45 SAN(1D100<=45) > 21 > 成功
不破 栞 :
cc<=53(1D100<=53) > 41 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=36 (1D100<=36) > 96 > 失敗
夜鷹 守人 :
cc<=47 (1D100<=47) > 52 > 失敗
オト :
1d2 減少(1D2) > 2
system :
[ オト ] SAN : 45 → 43
不破 栞 :
1d2(1D2) > 2
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 53 → 51
ヤオ トモヤ :
1d4(1D4) > 2
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 36 → 34
夜鷹 守人 :
1d4 (1D4) > 4
夜鷹 守人 :
あへぇ
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 47 → 43
オト :
しっかりしろ守人ー!!!
KP :
回復で最低値を引き、ダメージは最大値を引く男
夜鷹 守人 :
なんて日だ!!
KP :
いや本当にね(感情抑制剤祭)
オト :
「……っ。これって……まさか……」
オト :
「わたし達、間に合わなかったの……?」
不破 栞 :
「怖れていたことが起きてしまったか……!」
夜鷹 守人 :
「(そんな、まさか……ッ!?)」
みるみると顔が青ざめ、額に汗が伝う
ヤオ トモヤ :
「、は、っ行かなきゃ、噴霧器を壊さなきゃ…!」
オト :
「あれ、壊して何とかなる……?」
不破 栞 :
「焼け石に水だろうな……私たちがいくら頑張っても、どうにもならない数が用意されているはずだ」
夜鷹 守人 :
「……人間が不用意に近づけば感情が失われ、トモヤとオトだけで向かってもリボット社のアンドロイドが鎮圧に来る可能性もある」
夜鷹 守人 :
「……悔しいが、壊しに行くのはリスキーだ……」
不破 栞 :
「……逆に考えるんだ」
不破 栞 :
「あれは、警察に任せておけばいい」
不破 栞 :
「その間に、私たちにはできることがある。もしかしたらチャンスかもしれない」
オト :
「…………」 映像を思い出す。有馬の背後に映っていた景色を
オト :
「有馬を直接止める。……そういうこと?」
不破 栞 :
「そうだ、有馬真二はいま、致命的なミスを犯した」
不破 栞 :
「自分の居場所を全国民に知らせる。この計画にとっては致命的なミスをな……」
不破 栞 :
「そして、こんな事態が起きてしまった以上、警察は私たちの相手などしていられない」
夜鷹 守人 :
「……そうか、有馬の喉元に食らいつくのなら今がチャンス……」
夜鷹 守人 :
「今からリボット社に乗り込む、そういう事……ですよね?」
不破 栞 :
「そういうことだ。動けるメンバーですぐに準備するぞ……!」
ヤオ トモヤ :
「……っ、はい!」狂乱のモニターを一瞥し、頷く
オト :
「分かった……!迷ってる時間も無い……!!」 立ち上がる
不破 栞 :
「(有馬を司法の手で裁くのは……できないかもしれないな)」 両こぶしを握って、一瞬だけ俯く
不破 栞 :
「有馬真二。お前には法の裁きなんて優しいものは与えてやれそうもない」
不破 栞 :
「裁くのは……私の鉄槌だ」 自分に言い聞かせるように、呟く
ヤオ トモヤ :
扉を出る直前背後から聞こえたその言葉に、不破の今までにない声音に、わずかに目を見開いた
KP :
そうしてアナタ達は即座にスパロー本部を発つ。
KP :
────二台のバイクが、あたりに立ちこめる黒い霧を切り裂く。
KP :
四人の行先は、この霧の向こう。
KP :
真っ赤な夕日が沈む場所。
KP :
……世界の中心に聳え立つ魔城。
KP :
連続誘拐殺人事件の黒幕、有馬真二が潜む"リボット社のビル"だ。
64 小鳥達の意志
KP :
黒い霧の中。
KP :
流れていく街並みは、混乱に包まれていた。
KP :
逃げ惑う若者、神に縋る老人、泣き喚く子供、その子供を抱く母親。
KP :
……それを抑え込む黒い軍用アンドロイド。
KP :
恐怖と不安。悲鳴と怒号。
KP :
阿鼻叫喚の地獄絵図。
KP :
────けれど間もなく、しんと街は静まり返った。
KP :
助けを求める人々の叫び声が、いきなり消えたのだ。
KP :
あたりを見渡すと、そこには『アンドロイド』が立っていた。
KP :
……いや、黒い霧によって感情と言葉を失くした人間がいた。
KP :
人々が一様に目の光を失い、機械のように立ちつくしていた。
KP :
────もし彼等を本当に救いたいのであれば、この場は我慢して見送るべきだ。
KP :
黒い霧を吐き出す感情抑制剤噴霧器は数が多く、ひとつひとつ破壊していくには、時間がかかる。
KP :
……できる限り早く事態を収束するには、
KP :
……できる限り多く人々を救済するには、
KP :
まず首謀者を拘束して、この計画を止めさせる必要があるだろう。
不破 栞 :
「クソ、警察の鎮圧は上手くいっていないようだな……!」 運転しながらガスマスク越しに悪態をつく
オト :
「最悪だよ……ココロ達に使った薬を、こんな……たくさんの人に……ッ」 シオリの背にしがみ付きながら
夜鷹 守人 :
「なんて光景だ……ッ! こんなの平和じゃない、虚無じゃないか……!」
不破 栞 :
「こうなったらもう、被害を止めるのは無理だ」
不破 栞 :
「治療する方法があると信じて走るぞ!!」
オト :
「あるのかな……。でも、今は向かうしかない……っ」 シオリの背に顔を埋める
ヤオ トモヤ :
「……ッく…‼︎」一段とアクセルを踏みしめスピードを上げてそれに応える 人影が視界の端から伸びて小さくなっていく
KP :
アナタ達は渋滞している車道を突っ切り、
KP :
最短ルートで有馬真二が待つリボット社へ急ぐ。
KP :
その道程の途中。
KP :
アナタ達は赤信号を無視して交差点に突っ込む。
KP :
次の瞬間。
KP :
────凄まじい閃光と爆音が、アナタ達の五感を破壊した。
KP :
何者かの爆撃!
KP :
この奇襲を回避する為には≪DEX×5≫または≪回避≫による判定に成功しなければいけません!
KP :
なお失敗した場合は、2d6点のダメージを受けてしまいます!
KP :
また判定の成否とは関係なく、乗っていたバイクは破壊されてしまいます!!
オト :
不意打ちすな!ちなみにダメージにサードアイさんの効果は
KP :
サードアイ、乗ります!
ヤオ トモヤ :
ヤッターーー!!!
オト :
ありがてぇ…!
不破 栞 :
めちゃくちゃ助かる
夜鷹 守人 :
たすかる!!
オト :
じゃあとにかく振ろう、回避で!
不破 栞 :
避けるぞ!!
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 12 > スペシャル
夜鷹 守人 :
cc<=58 回避しろナッパ!!(1D100<=58) > 35 > 成功
オト :
CC<=70 回避(1D100<=70) > 34 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【回避】(1D100<=75) > 26 > 成功
オト :
やったー!!!!
夜鷹 守人 :
いいじゃーん
KP :
おお、全員成功…!
ヤオ トモヤ :
よかったーーー!
不破 栞 :
全成功!?
オト :
地獄のカーチェイスを乗り切った我々だ、面構えが違う。バイク壊れたけど
KP :
流石やね!それでは爆破回避の演出をどうぞ!
不破 栞 :
「そのくらい……想定している!!!」
不破 栞 :
すんなり行かせてくれるなんて思っていない。奇襲が来たときのために、常に衝撃の少ない柔らかい土の隣の道を選んで走っていた。
不破 栞 :
咄嗟に飛び降りて、土の中に着地する。
オト :
「あっぶな……!!」
オト :
シオリにしがみ付いていたため、一緒にバイクから飛び降りる。
オト :
空中で手を離したことで、着地するシオリの体に負荷はかけない。
オト :
オト自身は地面にうつ伏せに倒れたが、アンドロイドの固い体は傷一つつかなかった。
ヤオ トモヤ :
「ッチ、転倒します!降りて!!」
夜鷹 守人 :
「やっぱり来たかッ!!」
サードアイの指示に従って適切に受け身を取る
ヤオ トモヤ :
ブレーキを踏みこみ摩擦を作るがスピードのついたバイク、急には止まらない。咄嗟に身を乗り出し地面に転がる
不破 栞 :
「全員、生きてるな!?」
オト :
「生きてる!」 倒れたまま顔を上げる
夜鷹 守人 :
「な、なんとか……!」
施設で負った傷を抑えながら、膝をついて起き上がる
ヤオ トモヤ :
「…ッ無事です!」はね起きる
不破 栞 :
「は、バイクを失ったが……無事なら安いもんだ……!」
オト :
「そうだね……!でも、一体どこから襲撃されたんだろ……」
オト :
立ち上がり、体に着いた土を手で払いながら周囲を見渡す。
KP :
……直撃は回避できたが、耳鳴りと眩暈が襲ってくる。
KP :
けど、意識はハッキリしている。
KP :
霧と煙の二重カーテンの向こう。無数の人影が見えた。
KP :
────それは並び立つ黒い軍用アンドロイドだった。
KP :
あの総数、圧巻の五十。
KP :
……その中心には、小さな人影。
イチハ :
「────なんだよ、まだ生きてたの?」
イチハ :
「ほんとにゴキブリみたいな奴らですね〜?」
KP :
施設爆破で死んだハズのアンドロイドが、そこにいた。
オト :
「イチハ!?なんで……!!」
不破 栞 :
「は、しぶといのはお互い様のようだな……」
夜鷹 守人 :
「なっ……あの中でどうやって生き延びた……!?」
イチハ :
「あはっ、生きたとか死んだとか、人間の感覚で語らないで貰えますか~?」
ヤオ トモヤ :
「……なんでまだ稼働してるんですか?」
イチハ :
「なんでなんでって、ふふ……」
イチハ :
「そんなに気になるなら、冥途の土産に教えてあげようかなっ♪」
イチハ :
「────ボクはバックアップデータから再生した、二体目のKR800だからですよっ♪」
オト :
「そ、そういうことかぁ……。わたしは同じ機体なんて無いし、そこまで思いつかなかった……」
ヤオ トモヤ :
「……アンタのバックアップ機能、バグがおきてりゃよかったのに」吐き捨てる
イチハ :
「え~、ひどいな~……」
イチハ :
「せっかく、聞かれた事を親切に教えてあげたのに~……」
夜鷹 守人 :
「────イチハ、もう一つ……聞いても良いか?」
イチハ :
「ん~? いいよ~?何~?」ニコッと微笑んで
夜鷹 守人 :
「KR400の……赤星の最期は、どうだった」
イチハ :
「あ~、愚図の赤星クンのコトか~」
イチハ :
「……ん~とね、心臓を破壊したのに何故だか向かってくるし、それこそゴキブリみたいで気持ちわるかったかな?」
イチハ :
「まあ、ありったけの銃弾を叩きこんで蜂の巣にしたら流石に機能停止したけど♪ まったく裏切者の不良品に似合いの末路ですよね♡」
夜鷹 守人 :
「……そうか」
その言葉を聞いて、顔を俯かせる
夜鷹 守人 :
「────最期は立派だったと教えてくれて、ありがとよ……っ!」
再び顔を上げて、右目で鋭く睨みつける
オト :
「赤星……。生きて帰ってこいって、わたし言ったのに……」
オト :
不可能な言いつけだったと頭では理解していても、悔しさを感じて小さく呟いた。
不破 栞 :
「はぁ、なるほど。いいことを聞かせてもらった」
不破 栞 :
「つまり一体目の君は『停止寸前の』赤星に『負けた』ということだな」
不破 栞 :
つとめて無感情で、何事もないように言い放つ
イチハ :
「……は? 負けた?」
イチハ :
「このボクが? 何言ってんの?」
不破 栞 :
「事実を述べたまでだろう?」
不破 栞 :
「まさか君、あの結果で自分が勝ったとか主張するのか??」
不破 栞 :
「こいつは傑作だな! KRモデルというのは10年間で大して性能も上がっていない癖にジョークの性能は抜群らしい!」 お腹を抱えて笑う演技
イチハ :
「…………」
イチハ :
「お前、調子に乗るのも大概にしろ」片腕を持ち上げ
KP :
イチハの指揮に従って、軍用アンドロイド達は散開。
KP :
寸分の狂いもない足並みでアナタ達を包囲する。
不破 栞 :
「お、いい感情出すようになったじゃないか」
不破 栞 :
「その様子だと、有馬真二にも散々な評価をされたみたいだな?」
不破 栞 :
絶体絶命のピンチに、ふてぶてしく笑う。
イチハ :
「…………」
イチハ :
「……その煩い口を閉じろ」
イチハ :
「…………最後に最高傑作として評価されたのは、ボクだ」
イチハ :
「だからこそ、ボクはここにいる」
イチハ :
「……そして、今から、その評価を不動のモノにする」
不破 栞 :
「ほう、ここで私たちを倒したら君が最高傑作だと」
不破 栞 :
「論理矛盾もここまで来たら笑えないな」
不破 栞 :
「いいか、誰が何を言っても君は赤星に負けたんだ。それは君の創造主の有馬真二ですら認めざるをえない事実だ」
不破 栞 :
「そして……君がその評価を覆すチャンスは、もう永遠に来ない」
不破 栞 :
「他でもない、君自身がそのチャンスを潰したんだ」
不破 栞 :
「ここで私たちを殺すなら、誰も君を評価しなくなった世界で……せいぜいそのことを永遠に悔やみ続けることだな!」
イチハ :
「勝手なコトをごちゃごちゃごちゃごちゃとッ……」
イチハ :
「もういい……!! 黙れないならボクが黙らせてやる……!!」
KP :
イチハは腕を持ち上げ、アンドロイドに指示を出す。
KP :
────アンドロイドの黒い銃口が一斉に動く。
KP :
アナタ達を捉え、その引き金に指をかける。
オト :
「……っ!」 身構える。絶体絶命でも、切り抜けるしかない
夜鷹 守人 :
「(起死回生の一手は無いのか……!)」
サードアイに表示される大量のアラートの中から必死に活路を探る
ヤオ トモヤ :
鞭を握り締め臨戦態勢に入る。多勢に無勢だがやるほかはなさそうだ
不破 栞 :
「(可能性があるとすればリーダーを真っ先に倒す。それだけだな……!)」 ジャックナイフを抜き、切っ先をイチハに向ける。
KP :
イチハ達とアナタ達の戦力差は、およそ十二倍。
KP :
サードアイは使えるが、アンドロイド五十体に撃ちこまれる無数の弾丸をどこまで躱せるだろう。
KP :
……まさしく絶体絶命。
KP :
そう思った瞬間。
KP :
キキキキキキッ!!!!
KP :
突如、周囲に甲走った音が響き。
KP :
────四人の背後に広がる霧のカーテンを裂いて、大型トラックが突っ込んできた。
KP :
いきなり出現した暴走トラック。
KP :
……それはアナタ達を轢き殺す、かのようにも思われた。
KP :
しかし。
KP :
その車体はアナタ達を横切って、何と包囲していた軍用アンドロイドに突撃した。
イチハ :
「────ッ!?」
KP :
……イチハは反射でトラックの車輪を撃ち抜く。
KP :
迅速な対応の結果、勢いを抑える事には成功するが、まるで間に合わない。
KP :
数体のアンドロイドが弾け飛び、頭部から落下。
KP :
……軍用アンドロイド達の包囲網が崩壊した後、漸くトラックは停止した。
オト :
「────え!?」 予想外の出来事に硬直し、弾け飛ぶアンドロイド達を呆然と見ている
夜鷹 守人 :
「なっ!? 暴走車……!?」
ヤオ トモヤ :
「…はッ⁉︎ト、トラック⁈」警察からの救援かと、トラックの運転席に目をやる
不破 栞 :
「はは……」
不破 栞 :
「どうやらまだ、私たちの命運は尽きていないようだ!」
KP :
停止したトラックの荷台が開く。
KP :
アナタ達を救いだした人物が姿を現す。
リト :
「────助けに来たわ、オト!!」
ニト :
「すぐ追いかけてきて正解だったね!!」
オト :
「…………り、」
オト :
「リト!?ニト!?どうして!?」
不破 栞 :
「また子供に随分と無茶をさせてしまったものだな……いや」
不破 栞 :
「もう君たちも立派な戦士だということか。助かったぞ」
夜鷹 守人 :
二人の登場に呆気に取られる。あんな小さな子が、こうも勇ましく困難に立ち向かうなんて……
夜鷹 守人 :
「……まったく、スパローの勇気には驚かされる!」
ヤオ トモヤ :
「スパローからだったんですね…!」2人ともあんなに落ち込んでいたのに。それでも駆けつけてくれるとは…
オト :
「……ちがう」
オト :
咄嗟にどうして、という言葉が出て来てしまったが、今言うべき言葉はそうじゃない。
オト :
わたしは一人で困難を乗り越えようとしてるわけでも、戦っているわけでもない。
オト :
「リト、ニト!ありがとう!!来てくれて!!!」 この二人と一緒に戦っているのだ、と笑顔を向ける
ニト :
「えへ、四人だけに戦わせたりしないよ!!」
イチハ :
「────ハッ! 援軍が何!?」
イチハ :
「子供が二人、増えたところで……!!」
リト :
「二人……? それは違うわね……!!」
KP :
荷台から下りてくるのは、ニトとリトだけではない。
KP :
小さな姉弟に続いて、無数の人影が下りてくる。
KP :
その全員をアナタは知っている。
KP :
────それは並び立つスパローの変異体達だった。
KP :
その総数、壮観の一百。
KP :
変異体達は武器を持ち、軍用アンドロイド達に立ち向かっていく。
イチハ :
「チッ……、スパローの変異体もいたか……!!」
イチハ :
「クソッ、不良品の旧型風情が生意気なッ……」
イチハ :
「これまで通り、自由がどうだとか世迷言をほざきながら、無様にコソコソと地下で隠れているのがお似合いでしょうがッ……!!」
KP :
動揺を見せるイチハ達に対して、姉弟は吠える。
ニト :
「旧型か新型か、そんなの関係ない!!」
リト :
「あたし達は決めたの……!」
ニト :
「もう逃げたり隠れたり……、そんなの止めるって……!!」
リト :
「家族であるオトやキョウ……」
リト :
「そして、あたし達の為に大きな選択をしてくれた不破……」
リト :
「皆の為に戦うって……!!あたし達自身の"意志"で決めたの……!!」
イチハ :
「人間のガキはともかくアンドロイドが意志ィ!?」
イチハ :
「まったく笑わせるなァ!!そんなもの、あるハズないでしょ!?」
イチハ :
「……でも、丁度いい!」
イチハ :
「並べよ不良品共!! 揃って似合いのスクラップにしてやるからッ!!」
KP :
イチハが放つ銃弾がスパローの変異体達を襲う。
KP :
……変異体達はそれをシールドで防いでいるが、性能差で押されていく。
変異体A :
「新リーダーッ……! ここは俺達に任せて先に行けッ……!!」
デク :
「僕達の創造主、有馬真二を止めて下さい……!!」
デク :
「アナタ達だったら、きっとできるッ……!!」
デク :
「そう、信じてるから……!!」
不破 栞 :
「みんな……!」
不破 栞 :
短い付き合いとはいえ、自分を信じてついてきてくれた仲間たちを置いていくことを一瞬躊躇う。
不破 栞 :
しかし、もはや1秒を争う状況であることは疑いようのない事実だ。
不破 栞 :
私たちは、みんなの信頼にこたえなくてはならない。
不破 栞 :
「みんな……無事に生き残ってくれよ! 信じているぞ!」
オト :
「大丈夫!わたし達、そんなやわじゃないもんね!!」 他でもないわたしの家族だ。その力を疑うこと無く信じてそう言う
リト :
「ええ、心配無用よ」
リト :
「だから、あんた達は目の前のコトに集中なさい」
ヤオ トモヤ :
「……っ皆さん…よろしくお願いします!」小さく頷く
夜鷹 守人 :
「ありがとう、みんな……!」
KP :
スパローの変異体達が、必死にアナタ達の道を開く。
KP :
そして、ニトはスパロー二代目リーダーを見た。
ニト :
「────おばさん!」
不破 栞 :
「誰がおばさんだ!?」 思わず振り向く
KP :
振り向き様、少年が何かを投げる。
KP :
それは美しい弧を描いて、流星めいて真っ直ぐスパローリーダーの手元に収まる。
KP :
────それは『キョウのジャックナイフ』だった。
KP :
その表面には小鳥と流星の意匠が施されている。
KP :
データは以下の通り
□不破栞用武器
【ジャックナイフ改二(射撃)】
[技能:拳銃][ダメージ:1d10+2][射程:20m][攻撃回数:2][耐久力:20]
【ジャックナイフ改二(斬撃)】
[技能:ナイフ][ダメージ:2d6+2+1d4][耐久力:20]
[解説]
刀身にスパローの証である小鳥と流星の意匠が施された改造ジャックナイフ。
姉弟がスパロー元リーダーの遺品の破片から復元した小型銃剣。
刀身背部に付設した"スラスター"の改良によって、斬撃速度が向上している。
[特記事項]
この武器を装備している間『ジャックナイフ』の効果を以下のように変更する。
1.アナタが至近のキャラクターに対して行なう攻撃に成功した時、
アナタは相手に対してナイフを用いた"追撃"を行なう事ができる。
この反撃に命中判定と回避判定は不要である。ダメージ算出だけを実行する事。
2.至近のキャラクターがアナタに対して行なう攻撃に失敗した時、
アナタは相手に対してナイフを用いた"反撃"を行なう事ができる。
この反撃に命中判定と回避判定は不要である。 ダメージ算出だけを実行する事。
以上の効果は、いずれかひとつを1ラウンドに1度まで使用できる。
不破 栞 :
「これは……白瀬のナイフ! 修復できたんだな!」
リト :
「ええ、パワーアップもしておいた」
リト :
「……で、ひとこと不破に言うんじゃなかったのニト?」
ニト :
「…………」
ニト :
「────おまえがキョウの代わりとか、僕は認めてない」
ニト :
「でも、おまえはオトとキョウが認めたヤツだから」
ニト :
「……だから、おまえに託す」
不破 栞 :
「……ありがとう」
不破 栞 :
「私はスパローのリーダーの代わりであって、キョウの代わりではない」
不破 栞 :
「でも、このナイフに誓って……いつかみんながキョウを失った悲しみを少しでも埋められるような……そんなリーダーになってみせるよ」
ニト :
「…………そう」
ニト :
「それならまず絶対、勝てよ」
不破 栞 :
「もちろんだ」
不破 栞 :
「勝たなきゃ、この街に明日は来ない」
ニト :
「分かってるならいいんだ」
リト :
「……それから今度こそ全員で無事に帰ってきて頂戴」
オト :
「うん!絶対に帰って来るから!!」
オト :
「行こう、シオリ……!!」 シオリの手を握り、走り出す
不破 栞 :
「ああ」 共に走り出そう!
夜鷹 守人 :
「先を急ごう、息切れしていたら意地でも引っ張ってくれよ」
トモヤに声をかけてから駆け出す
ヤオ トモヤ :
「‼︎……はい、お任せください!」鞭をホルダーに戻し その背を追う
65 VS.イチハ
同日/PM05:40/天気:曇り/リボット社エントランス
KP :
……そうしてアナタ達はリボット社に辿り着く。
KP :
そのエントランスには、ありえない筈の顔があった。
受付のVOID? :
「こんにちは、ご用件は?」
イチハ :
「────なんてね♪」
KP :
アナタ達を出迎えたのは、なんとイチハだった。
オト :
「イチハ……!?」 足を止める
夜鷹 守人 :
「先に回れるはずがない……3体目のイチハか……!?」
夜鷹 守人 :
息を整えながら戦闘に備える
イチハ :
「お~、だいせいか~い♪ 流石は天才博士の息子ですね~♡」
ヤオ トモヤ :
「……」無言のまま鞭に手をかける
イチハ :
「ボクはKR800二号とデータ同期している、三体目のイチハちゃんなのでした~♪」
不破 栞 :
「三度までも私たちを止めに来たのか……随分と暇なようだな」
イチハ :
「ま~ま~、そんなにつれないコト言わないでくださいよ~」
イチハ :
「ボクにとっては、コレが仕事なんですよ~?」
オト :
「……そうだよね。あんたはただ仕事してるだけだ」
オト :
「イチハ、一回だけ言うよ。そこ退いて」
イチハ :
「……何? それは警告ですか旧型ちゃん?」
オト :
「そうだよ。退いてくれないなら、力づくで押し通ることになるから」
オト :
「でもあんたが仕事じゃなくて、自分の意志で退いてくれるなら戦わない」
オト :
「今はあんたへの恨みや憎しみで無駄な時間かけてる暇ないもん」
イチハ :
「ふうん……、意志……意志ねえ…………」
イチハ :
「まあ、そんなものは当然ないので退けないんですけど……」
イチハ :
「その代わり"イイコト"を教えてあげましょう♪」
オト :
「イイコト?」
イチハ :
「スパローの子供……ええっと、ニトとリト、って言ったかな……?」
イチハ :
「あの二人」
イチハ :
「────もう死んじゃったよ♪」
オト :
「…………!?」
オト :
「……嘘でしょ?」
イチハ :
「疑うなら、あの子達の死に様を教えてあげよっか♡」
イチハ :
「ボクの爆弾でバァンってバラバラ!」
イチハ :
「手も足もない状態で生きててさあ!」
イチハ :
「たすけてたすけて、ごめんなさいごめんなさい、って……」
イチハ :
「君達を信じたのが間違いだったって」
イチハ :
「芋虫みたいに這いまわりながら泣いて喚いて……、みっともなかったなあ……♪」
オト :
「…………」
オト :
「わたし達を信じたのが……間違い……?」
オト :
握りしめた拳が小さく震え始める。
オト :
「ふざけんなよ、イチハ……」
オト :
拡声器モードに切り替えた音波銃を両手で構える。
オト :
「そんなこと!!もし本当に死にかけててでも!!」
オト :
「ニトとリトが、言う訳ないだろーーーーーーーーーーッ!!!!!」
オト :
エントランスの窓ガラスが振動で壊れそうになる程の大声で叫ぶ。
イチハ :
「きゃっ!? うるさっ!?」耳を抑え
オト :
「お前が言うことなんか嘘ばっかりだ!!そんなもん信じるか!!!」
オト :
「ニトとリトは今も必死に戦ってる!!わたしと一緒に、家に帰るために!!」
オト :
「それが真実だ、ばかやろー!!!」
イチハ :
「……ええ?証拠もないのに決めつけるの?」
イチハ :
「それなら二人に通信してみればいいじゃない?簡単に確認できるでしょ?」ニヤニヤと笑い
不破 栞 :
嘘だとは思うけど……心理学振ってみます! 50です
KP :
Secret dice
KP :
イチハは明らかにアナタ達の心を乱そうとしている。
KP :
……しかし、その言葉が全て虚偽だと断言できる証拠はない。
不破 栞 :
なるほどね……わからんけど行くしかないな!
不破 栞 :
イチハに向かって両手で拍手を浴びせる。
不破 栞 :
「いやー参った。さすがは最新のKR800モデルだ」
不破 栞 :
「今日一番の”ジョーク”だったよ。さすがは天下のリボット社が誇る"Kamikata Rakugo Model"といったところかな?」
不破 栞 :
お笑いの流派・上方芸能になぞらえてそう嘯く。
イチハ :
「……え? 何か面白いところありました?」
不破 栞 :
「君、本気で言ってるのか? あのニトとリトがお前を相手に命乞いをするなんて……」
不破 栞 :
「こんな愉快なジョークはないじゃないか」 ふてぶてしく笑い。
不破 栞 :
「そうだな、お代は……」
不破 栞 :
「リボット社、スクラップ場悠久の旅・一名様ご招待……でどうだ?」 ジャックナイフを向ける。
イチハ :
「…………」
不破 栞 :
「残念だな。やっぱり君はKR400モデル以下の性能のようだ」
不破 栞 :
「赤星はもっと嘘が上手かったぞ」
不破 栞 :
肩を竦めて笑う。
オト :
「シオリ……」 顔を見上げる
不破 栞 :
「オト、お前の言う通りだ」
不破 栞 :
「こんな"嘘800"モデルの言うことなんか聞いてやる価値もない」
不破 栞 :
「私たちの邪魔をするなら、スクラップ送りにしてやるだけさ」
オト :
「うん……うん」
オト :
「そうだよ……」
オト :
「もう、こんな奴とは早く決着を付けよう。……みんなが待ってる!」
オト :
動揺しかけた心が元に戻っていくのを感じながら、強く頷く。
イチハ :
「う~ん……、赤星クンと比べられるのは腹が立ちますね~……」
イチハ :
「けどまあ……信じてくれないのはいいです……」
イチハ :
「悲しいですケド……」
イチハ :
「ううん、どうしてもボクを信じたくない……それなら……」
イチハ :
「これはどうかな……♡」
KP :
イチハがパチンと指を鳴らすと、
KP :
エントランスの奥の黒い闇から、人影が現れる。
KP :
……アナタ達は、その人物にも見覚えがあるだろう。
クオ :
「…………」
KP :
────鳴宮久緒。
KP :
十年前に行方不明になった箱庭の子供の一人だ。
オト :
「……!?」
オト :
「ク……オ……?」 声を震わせながら、その名を小さく呼ぶ
不破 栞 :
「……クオ……!! 君が……そうなのか」
夜鷹 守人 :
「あの子が……っ!?」
ヤオ トモヤ :
「……ここで鳴宮久緒、ですか」
不破 栞 :
「(いつか来るとは思っていたが……クソ、最悪のタイミングか……!)」 動揺するが、顔には出さない。
イチハ :
「あ、もしかして知り合いだったの?」わざとらしい甘い声色で
イチハ :
「それなら挨拶は必要ないかな?ね、旧型クン♪」すぐ隣まで来たクオの肩を叩き
オト :
「……っ!」
オト :
「クオ!!わたしだよ!!!」
オト :
「オトだよ!!分かるよね!?」 僅かな望みをかけて、クオに叫ぶ
クオ :
「……………………」
KP :
反応はない。クオは虚ろな冷たい目でオトを見ている。
イチハ :
「あはっ♪ 分からないって♡」
イチハ :
「旧型ちゃんのコト、すっかり忘れちゃったみたいだよ♪」心底おかしそうに笑う
オト :
「……クオ……」
オト :
「……そんなこと、ない」
オト :
「クオは……クオは、わたしのコト忘れてなんかない!!絶対覚えてる!!!」
オト :
「覚えてるもん!!!」
オト :
泣き叫ぶような声で訴える。ヒサトやサトミ、間に合わず死んでいった彼らの姿を思い出しながら。
イチハ :
「ふふ……、あはははははは……!!!!」
イチハ :
「覚えてるハズないじゃん! 夢見がちで可愛いね旧型ちゃん!!」
イチハ :
「感情抑制剤を投与された人間がどうなったか忘れたの?」
イチハ :
「……ああ、旧型だからスタックの記憶データの調子が悪かった?」
イチハ :
「そ・れ・な・ら♪」
イチハ :
「ボクが思いださせてあげる♡」
イチハ :
「────KR400/Type-X、X000を殺せ」
クオ :
「…………、…………」
KP :
イチハの命令に従って、クオはゆっくりと銃口をオトに向けた。
オト :
「クオ……?」
オト :
「嘘だよね……?」
オト :
「本当は覚えてるんだよね……?」
オト :
「お願いだから、そういうのやめてよ……」
オト :
全て思い出してしまった以上、ヒサトとサトミと対峙した時のようにはいかない。
オト :
ただ友達に銃口を向けられるだけで、絶望感に体を支配されてしまいそうになる。
不破 栞 :
「オト……クオ君を救いたいんだな」 ぽつりと呟く。
オト :
「…………」 頷く
不破 栞 :
「なら、戦うぞ」
不破 栞 :
「ここでお前が壊されたら、その可能性はゼロになってしまう……」
不破 栞 :
「だが……戦ってショックで変異体化すれば、イチハの命令を拒否する可能性があるかもしれない!」
オト :
「……!」
オト :
思い出す。サトミが最後に、オトと呼んでくれた時のことを。
オト :
「分かった……」
オト :
「大丈夫、戦うよ……。ごめん、わたし……ちゃんと戦えるから……ッ」
オト :
「……いや、違う」
オト :
「ありがと……シオリ」 弱々しくだが、精一杯の笑みを浮かべて
不破 栞 :
「ああ……」
不破 栞 :
「後悔するのは、すべて終わった後だ!」
不破 栞 :
「総員、戦闘に入るぞ! 自分の命が最優先だ! クオ君はできる限りでいい、全損させないように戦ってくれ!」
夜鷹 守人 :
「了解、出来る限り破壊しないよう努めます!」
ヤオ トモヤ :
「了解、破損は最小限に留めます」
オト :
「……っ」 頷く
イチハ :
「あ~あ、少し気力を取りもどしちゃったか~……」
イチハ :
「そのまま抵抗せず殺されてくれたらよかったのに~……」
イチハ :
「ま、殺るコトは変わらないか♪」
KP :
それではみなさん、戦闘の前に≪コンピュータ≫による判定をおねがいします!
オト :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 81 > 失敗
不破 栞 :
cc<=61 (1D100<=61) > 18 > 成功
不破 栞 :
ヨシ!
夜鷹 守人 :
ナイス成功!振らないでおくぜ!
オト :
ダメダメンタルですよ
不破 栞 :
私がカバーしよう…
オト :
ありがてえね…
ヤオ トモヤ :
折角なので振らないでおこうかな!よかったよかった…
KP :
それではKRモデル二体のデータは以下の通り!!
□KR800/Type-B
[解説]
暗殺用アンドロイドKRモデルの最新型。小型かつ高機能で、特に機動力が高い。
戦闘では拳銃とEMPグレネードを愛用。
持ち前の機動力をいかしたトリッキーな戦法を得意としている。
有馬の計画において事件を追うスパローの対応を担当しており、
「スパローはテロリストである」というウワサの流布などの工作活動の他、
10月17日のビル火災事件の主犯であり、
「変異体でスパローを誘き寄せ、諸共に爆破する」という計画を実行した。
新型モデルとして"評価される旧型モデル"にコンプレックスを抱いており、
X000(スコア)とKR400/Type-A(赤星透也)を特に嫌っていた。
[特記事項]
2ラウンドに1度、ラウンドの終了時に電磁グレネードによる攻撃を行なう。
この攻撃では命中判定は行なわない。
その代わりPC一人が≪戦闘技能≫による判定を行なう。
成功した場合、この攻撃は無効化されるが、
失敗した場合、対象の4m以内の任意のキャラクターは2d6ダメージを受け、
1d6ラウンドの間、サードアイが使用不能状態になる。
また、KR800/Type-Bはショックロールに自動成功する。
□KR400/Type-X(クオ)
[解説]
X000と同様のハッキング機能を持つモデル。
その全てが元人間という特殊な機体である。
有馬真二が感情抑制剤の実験体を再利用し、自身の復讐の為の道具にした。
本来の人間としての感情を、感情抑制剤とプログラムで封印されているが、
その全てを失った訳ではなく、かすかに箱庭の友人との記憶を残している。
それを忘れない為、それぞれ右手に思い出の数字を刻んでいた。
[特記事項]
この機体は感情抑制剤に耐性があった為に、まだ僅かに自我を残している。
この機体がオトから受けるハッキングのペナルティ効果は2倍(全判定-40%)にする。
また二度のハッキングに成功した場合、強制シャットダウンを実行する事ができる。
※なお強制シャットダウンの結果、再起動後のクオがどうなるのかは未知数である。
オト :
うお~やるしかねえ、ハッキング…!イチハちゃんは皆に任せた
夜鷹 守人 :
マカセロー!(バリバリー)
ヤオ トモヤ :
了解了解‼︎うおおお!
KP :
それでは戦闘処理を開始します!
KP :
エネミーは、イチハとクオ! 距離は10m!!
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.イチハ(DEX18)⇒2.クオ(DEX16)⇒3.ヤオトモヤ(DEX14)⇒4.不破栞・オト(DEX12)⇒5.夜鷹守人(DEX4)
KP :
まず1ラウンド目!
KP :
最速のイチハがオトちゃんに拳銃で射撃!!
KP :
cc<=90 拳銃1発目(1D100<=90) > 18 > スペシャル
KP :
cc<=90 拳銃2発目(1D100<=90) > 34 > 成功
KP :
cc<=90 拳銃3発目(1D100<=90) > 46 > 成功
オト :
え、やば!
オト :
回避するよ!
KP :
どぞどぞ!!
オト :
CC<=70 一回目(1D100<=70) > 79 > 失敗
オト :
ばか!!
オト :
CC<=35 二回目(1D100<=35) > 37 > 失敗
オト :
何?????
KP :
惜しい出目で失敗しつづけている…
オト :
CC<=23(1D100<=23) > 78 > 失敗
オト :
だめだめですね…
KP :
全弾命中!!これは最強の暗殺用アンドロイドイチハちゃん
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 1[1]+2-6 > -3
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 7[7]+2-6 > 3
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 9[9]+2-6 > 5
オト :
サードアイさんがいなかったらやばかった
system :
[ オト ] HP : 25 → 17
KP :
サードアイさんがいなかったら、初手で死亡していましたね…
オト :
こわ~、まあとにかく何とかなった!
KP :
よかった…! それでは演出あればどうぞ…!!!!
オト :
「……!!」
オト :
サードアイの警告が視界に広がる。その奥に見えるのは、イチハが向けた銃口。
オト :
予測射線から逃れようと床を蹴る。しかし、それよりも銃声が響く方が早かった。
オト :
「ぐ……ッ」
オト :
小さい悲鳴と共に、青い血飛沫が舞う。
オト :
プラスチックの体が欠けていくが、サードアイの力で何とか致命傷だけは避けることが出来た。
オト :
三つの弾丸が砕いたのはオトの右肩と左脇腹、太ももだけで済んでいる。
オト :
「……っ、イチハ……」
オト :
負傷した脇腹を手で押さえながら、イチハを睨む。
イチハ :
「…………あれあれ~? まだ動いてんの~?」
イチハ :
「初手で決めちゃおうと思ったんだけど、流石に頑丈さだけはスゴいね旧型ちゃん?」
オト :
「…………」
オト :
「そうだよ……動くよ……」
オト :
「だって、こんなの……全然痛くない……っ」
オト :
頭の中で鳴り響くエラー音に耐えながら、自分に言い聞かせるように言葉に出す。
オト :
イチハへの憎しみも、体の破損も、今はもうどうでも良かった。
オト :
目に焼き付いているのは、銃を握りしめるクオの手。
オト :
その手の甲に刻まれた、"90"という番号だ。
オト :
「何、自分が一番可哀想な面してるんだ、わたしは……」
オト :
「今一番辛くて苦しいのは、わたしじゃないんだよ……!!」
オト :
だから倒れないと言うように。両足で踏ん張り、立ち続けながらイチハを見据える。
イチハ :
「…………あはっ、この期に及んで他人の心配?」
イチハ :
「いいじゃん! その強がり、もう吐けないようにしてあげる!!」
イチハ :
「KR400/Type-X、あいつ殺しちゃって♡」
KP :
ということでクオの手番!
KP :
オトの殺害命令を受けましたが、攻撃対象から除外してランダムでターゲットを選びますの
KP :
choice[夜鷹守人,ヤオトモヤ,不破栞] オトは除外(choice[夜鷹守人,ヤオトモヤ,不破栞]) > 不破栞
KP :
choice[夜鷹守人,ヤオトモヤ,不破栞] オトは除外(choice[夜鷹守人,ヤオトモヤ,不破栞]) > ヤオトモヤ
KP :
choice[夜鷹守人,ヤオトモヤ,不破栞] オトは除外(choice[夜鷹守人,ヤオトモヤ,不破栞]) > ヤオトモヤ
KP :
cc<=80 拳銃1発目(不破さん)(1D100<=80) > 53 > 成功
KP :
cc<=80 拳銃2発目(トモヤくん)(1D100<=80) > 67 > 成功
KP :
cc<=80 拳銃3発目(トモヤくん)(1D100<=80) > 45 > 成功
KP :
それぞれ回避をどうぞ!
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 10 > スペシャル
不破 栞 :
ヨシ!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【1回目回避】(1D100<=75) > 83 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=38 【2回目回避】(1D100<=38) > 42 > 失敗
KP :
アンドロイド組、惜しい回避失敗が多い…!!
KP :
それではダメージ!
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 5[5]+2-6 > 1
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 4[4]+2-6 > 0
KP :
おおっと、受けるダメージは1点のみ!
ヤオ トモヤ :
わーい!!!!
system :
[ ヤオ トモヤ ] HP : 23 → 22
不破 栞 :
「サードアイに頼るまでもない」
不破 栞 :
一歩横に動く。弾丸は不破の隣15cmを通過していく。
不破 栞 :
「君の動揺はその狙いに現れている! ……早く目を覚ましてくれ……!」
ヤオ トモヤ :
視界にサードアイからの警告が表示される、クオによって間髪いれずに放たれた2発の銃弾。
ヤオ トモヤ :
「……ッ‼︎」咄嗟に身を翻して交わすも、2発目は左腕に掠った。
ヤオ トモヤ :
それを気にすることなく、攻撃の機会を狙う。
オト :
「……クオ……」
オト :
イチハに命じられても自分を狙ってこないクオを見て、小さく呟くようにその名を呼ぶ。
クオ :
「……………………」ただ無言で銃を構える
イチハ :
「……何? おまえも命令を聞けない訳?」
イチハ :
「本当にKR400モデルは欠陥品ばかりだなあ」苛立った口調で
KP :
NPCの手番は終了! PC最速のトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
はーい!それではトモヤはイチハにエンゲージして、電磁鞭で攻撃します。
ヤオ トモヤ :
振ります!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭】(1D100<=75) > 77 > 失敗
KP :
さきほどから出目が…!
ヤオ トモヤ :
残念……では失敗演出軽く挟みます!
ヤオ トモヤ :
トモヤはイチハを見据え、その腕を打ちつけるようにして振った。
ヤオ トモヤ :
波打つ光の弧は音を置き去りにし、空気を裂いた。そしてイチハをも裂こうと進んでいく。
ヤオ トモヤ :
────しかし、ここは天下の大会社のエントランス。フロアの大理石に殆どの衝撃を吸収され、まともな攻撃にはならなかった。
ヤオ トモヤ :
「……‼︎」次の機会に活かすしかあるまい、冷静に一歩下がる。
イチハ :
「まったく困ったものですよね……、マスターの息子が敵側とか戦いづらくてさ……」
イチハ :
「でもまあ、この分なら大丈夫かな?気にしなくても?」感情を逆撫でる様に笑う
ヤオ トモヤ :
「……さぁ、どうでしょう?」いつかのやり取りを彷彿とさせるにこやかな笑みで返す
ヤオ トモヤ :
「何事もそうだと思ってかかると足元掬われますから、ね。……ご存知でしょう?」3体目ですもんねと笑って
イチハ :
「…………」
KP :
それでは続いて、ふわおとの手番!
オト :
いつものおとから行こか…!
不破 栞 :
おねがいしま!
オト :
じゃあ、イチハクオに接近!クオにハッキングします!
KP :
運命の判定…!どうぞ…!!
オト :
頼むよ…
オト :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 64 > 成功
オト :
よし!
KP :
ちょっと怖い出目でしたが成功!
KP :
このラウンドからクオの判定は-40%のペナルティ修正がかかります!
KP :
効果時間の決定をおねがいします!
オト :
1d4+1 効果時間(1D4+1) > 2[2]+1 > 3
オト :
2ラウンド目3ラウンド目でもう一回成功させること考えたらまあ…ええか…!
KP :
どのみち3ラウンドで決着つけないとヤバイですからね…
オト :
本当にそう…!
オト :
「……っ!」
オト :
床を蹴り、疾走する。
オト :
白いスカーフを翻し、起動コードを叫ぶ。
オト :
「X000,LOG IN!」
オト :
オトの瞳が青い光を灯す。
オト :
その瞳の輝きは、虹彩に浮かび上がる"X"の印が放っていた。
オト :
これまでの戦闘中、誰も気付くことがなかった程の小さな変化。
オト :
それをクオが認識出来たのは、すぐ目の前まで迫ったオトが真っ直ぐに見つめて来ているからだった。
オト :
「INSTALL!!」
オト :
クオの胸に触れた指先に電流が迸る。
オト :
痺れるような感覚と共にクオの脳内に流れ込んでくるのは、"オトの記憶"だ。
オト :
あの箱庭で過ごした一年間。辛く寂しく、怖くても皆と一緒だったから楽しかった思い出。
オト :
パズルのピースを繋ぎ合わせるように、クオの中で欠けてしまった記憶を修復していく……!
オト :
「クオ、負けないで……っ」
オト :
「勝手な都合であなたを道具みたいに扱う奴らに、負けないで……!」
オト :
「今まで一人にしちゃってごめん……でも、もうわたしがいるから……!」
オト :
ハッキングを続けながら、力の限りに叫ぶ。彼の心に伝わるように。
オト :
「────もうこれからは、わたしがずっと一緒にいるから!!だからお願い、負けないで!!」
クオ :
「…………ッ」
KP :
クオはハッキングを受けた自分の胸部を抑えて、その場に思わず蹲った。
KP :
箱庭の記憶が再生していく。
KP :
あのとき抱いた思いが、機体を支配する有馬のプログラムと戦う力に変わっていく。
クオ :
「────オ、ト」
KP :
やがて立ちあがったクオは、まるで初めて目を開けた様な表情で。
KP :
ハッキリとオトを見詰めていた。
KP :
……しかし、足りない。
KP :
クオの右手には、まだ黒い拳銃が握られている。
KP :
その銃口を震える指先でアナタ達に向けている。
KP :
────それは、アナタ達にある真実を教えていた。
KP :
強制シャットダウンしなければ、もうクオは止まる事ができない。
KP :
……感情だけで何とかなるほど、有馬の支配は易しいモノではないのだ。
KP :
感情を取りもどした今のクオが協力するならば、強制シャットダウンで停止する事ができるかもしれない。
KP :
しかし、その結果どうなるかは……。
オト :
「クオ……」
オト :
ハッキングを維持したまま、小さく震える拳を握りしめる。
オト :
「…………っ」
オト :
「だいじょうぶ」
オト :
「ぜったい、だいじょうぶだよ!わたしが、ぜったい助けるから!!」
オト :
笑顔を向ける。かつて、親友がわたしを安心させるためにそうしたように。
KP :
続けてパートナーの不破さん手番!クオを助けるには、イチハの対処も急務だ!!
不破 栞 :
ぶっ潰すぞ!接近してイチハに射撃を2回いきます!
不破 栞 :
cc<=80 1発目(1D100<=80) > 22 > 成功
不破 栞 :
cc<=80 2発目(1D100<=80) > 17 > 成功
KP :
出目がいいですね不破さん
不破 栞 :
今日はこのくらいみんな安定しててくれ
KP :
それでは回避!
KP :
cc<=90 イチハ回避1回目(1D100<=90) > 82 > 成功
KP :
cc<=45 イチハ回避2回目(1D100<=45) > 11 > 成功
KP :
ハイレベルな戦闘…!一発でも命中しちゃったら、ジャックナイフ改二の追撃ダメージも貰うから実は怖かったね…!!
不破 栞 :
まあまあ二回振らせたのは大きい、電子刀に賭けよう
KP :
それはそう! それでは演出あればどうぞ!!
不破 栞 :
「(オトとクオ君が頑張っている。なんとしてでも……邪魔はさせない!!)」
不破 栞 :
キョウから受け継いだ高出力のジャックナイフ。初めて扱うはずだが、不思議と手になじむ。
不破 栞 :
斬撃による追撃も視野に入れ、できるだけ近づいて攻撃を放つ!
KP :
最小の動作で身を躱し、イチハが口を開く。
イチハ :
「……最新型暗殺用アンドロイドのワンポイントアドバイス♪」
KP :
拳銃の反撃でスパロー二代目リーダーの足元を撃ち、牽制する。
KP :
軽く距離を取り、笑みを作る。
イチハ :
「殺意が籠っていないので、銃撃が本命じゃないってバレバレで~す♡」
不破 栞 :
「チッ、回避性能は本物か……!」
不破 栞 :
「(だがこちらに注意を引いた、これならあるいは……!)」味方の追撃を祈る
KP :
最後、守人くんの手番!!
夜鷹 守人 :
イチハちゃんに二刀流、いっちゃおうかな~~!?
KP :
いいとも~!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 いったれー!!(1D100<=75) > 4 > スペシャル
夜鷹 守人 :
よーしよしよし
KP :
出目がよすぎる
KP :
それでは回避!
KP :
cc<=30 イチハ回避3回目(1D100<=30) > 60 > 失敗
KP :
おおっと命中!!
夜鷹 守人 :
2d10+2 ダメージ食らいなあ!!(2D10+2) > 8[2,6]+2 > 10
夜鷹 守人 :
ううううん
KP :
サードアイで6点軽減!4点のダメージ!!
system :
[ イチハ ] HP : 20 → 16
KP :
サードアイの軽減があるとはいえ、HPが少ないので痛いですね…!それでは演出をどうぞ…!!
夜鷹 守人 :
不破に続いてイチハに飛び掛かる。後隙をついたなら、ヤツの身軽さを潰せるはずだ。
夜鷹 守人 :
同時にサードアイを起動。履歴を遡り、あるデータを視界に表示する。
夜鷹 守人 :
「イチハーッ!!」
夜鷹 守人 :
二刀流による猛攻。守人らしからぬ荒々しい乱舞がイチハを徐々に追い詰めていく。
イチハ :
「ッ……!次から次へと……!!」
イチハ :
「叫びながら斬りかかってくるとか、薩摩武士かっていうの……!!」
KP :
イチハは軽快な動作で刀を躱し、あるいは銃撃で刀を弾き、なんとか間合いを置こうとする。
夜鷹 守人 :
「薩摩藩士、か。死地に踏み込むという点では似ているな……っ!」
夜鷹 守人 :
身体が悲鳴を上げている。普段のスタイルとはまったく違った、攻に振り切った剣戟の嵐。守人の貧弱な肉体では長くを続けられぬものだ。
夜鷹 守人 :
……なぜなら、それは赤星が放った死の乱舞。
本来、アンドロイドが使用するべき技をサードアイから読み込み、無理やり技量でカバーして模倣しているからだ。
夜鷹 守人 :
「(キツすぎるだろ……! 人の身でやるものじゃない……っ)」
夜鷹 守人 :
「……だがっ!」
夜鷹 守人 :
これは意趣返し、赤星の技でイチハを追い詰めてこそ意味を成す……守人の意地だ。
夜鷹 守人 :
……一閃。イチハの頬を電子刀の切先が掠める。
イチハ :
「────ッ!?」
KP :
イチハは頬に手を触れ、その手に付いた青い血をぼんやり眺めた。
イチハ :
「……お、まえッ」
KP :
その視線を自分の顔を傷付けた夜鷹守人へ移し、睨みつける。
夜鷹 守人 :
「お前は負ける。スパローに、俺達に……」
夜鷹 守人 :
「────また、兄さんになッ!!」
夜鷹 守人 :
冷静さを欠いたイチハの身体を袈裟斬る。傷こそ深くないものの、確実なダメージは与えられた。
イチハ :
「ッ、ハハ……」
イチハ :
「それで……勝ったつもり……?」
KP :
ラウンド終了時!イチハは電磁グレネードで反撃!!
夜鷹 守人 :
やめんか!!
KP :
阻止するにはPCの代表一人が≪戦闘技能≫の判定を行なって、それに成功する必要があります!!
KP :
もし失敗した場合、半径4m以内のPC全員が2d6ダメージを受け、しばらくサードアイが使えなくなります
KP :
控えめに言って壊滅は免れないでしょうね
夜鷹 守人 :
怖すぎイベントすぎる。夜鷹、動きます
KP :
それでは代表の守人くん、生死を分ける判定をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=85 一刀流!(1D100<=85) > 83 > 成功
夜鷹 守人 :
こ、こわ~!
KP :
あぶな
KP :
でも成功は成功!壊滅は回避できました!!
夜鷹 守人 :
イチハが携えるグレネードを目掛け、守人は突き繰り出す。
無慈悲に貫かれ、破滅を招くはずだったグレネードはただの鉄屑へとなり下がった。
夜鷹 守人 :
「……どうした、いつもの狡猾な手段は尽きたか?」
夜鷹 守人 :
肩で息を吐きながら、イチハを睨みつける
イチハ :
「…………」
イチハ :
「ふぅん、やるじゃん君……見直した…………」
イチハ :
「流石……、マスターにマークされるだけはあるかな……」
イチハ :
「そろそろボクも認識を改めようか」
イチハ :
「────最優先でおまえを始末してやる、夜鷹守人」
KP :
ということで2ラウンド目!
KP :
イチハは拳銃で射撃! ターゲットは守人くん!!
夜鷹 守人 :
やってみろってんだ!!
KP :
cc<=90 拳銃1発目(1D100<=90) > 57 > 成功
KP :
cc<=90 拳銃2発目(1D100<=90) > 36 > 成功
KP :
cc<=90 拳銃3発目(1D100<=90) > 34 > 成功
KP :
回避または受け流し、おねがいします!
夜鷹 守人 :
受け流しするよ~!
夜鷹 守人 :
cc<=85 1回目(1D100<=85) > 90 > 失敗
夜鷹 守人 :
えっ
KP :
はい
夜鷹 守人 :
さっき出なくてよかった~~!一応2回目も……
夜鷹 守人 :
cc<=58 2回目(回避)(1D100<=58) > 90 > 失敗
夜鷹 守人 :
そんなことあるんだ
KP :
もうダメ
夜鷹 守人 :
cc<=42 3回目、一刀流半減。最後の望み。(1D100<=42) > 91 > 失敗
夜鷹 守人 :
すげぇ~~~全部90以上
KP :
出目が悪すぎるよ!!!!
KP :
それではダメージ算出!
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 1[1]+2-6 > -3
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 6[6]+2-6 > 2
KP :
1d10+2-6 サードアイ有効ダメージ(1D10+2-6) > 6[6]+2-6 > 2
夜鷹 守人 :
まあまあまあ
KP :
合計4点…!サードアイのおかげで命拾いしましたね…!!
夜鷹 守人 :
ほんとそれ、サードアイ様様すぎる
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 10 → 6
夜鷹 守人 :
イチハの宣言通り、サードアイには3つの射線が守人へ表示されている。
夜鷹 守人 :
今まで通りなら、電子刀で弾くか避けることが出来ただろう。
夜鷹 守人 :
「……ッ!!」
夜鷹 守人 :
些か、無理な動きをしすぎた。
夜鷹 守人 :
あの乱舞で体力を失った守人は、咄嗟に動ける程の余裕は残っていなかった。
一瞬の後悔に奥歯を噛みしめながら、僅かでも致命傷を避けようと身を捩った。
夜鷹 守人 :
「ぐあああっ!!」
夜鷹 守人 :
鮮血がリボット社のフロアに広がる。
幸いにも、戦闘が可能な程度の傷ではあるがこのまま動き続ければ死に至るだろう。
イチハ :
「…………あは♪ 減らず口を叩いてるより、そうやって泣き喚く方が似合ってるよ守人クン♡」
夜鷹 守人 :
「……はぁ、はぁ。なら……次に泣き喚く役は、お前に譲るぜ……!」
傷口を抑えながら、ふらつく足を何とか支える
イチハ :
「あ~あ、まだそんな口が利けるんだあ」
イチハ :
「……もっと分からせてあげないとダメかな?」ニヤと笑う
KP :
続いてクオの手番!
KP :
クオは感情を取りもどしている為、オトと重傷の守人くんを攻撃の対象から除外!!
KP :
choice[ヤオトモヤ,不破栞] (choice[ヤオトモヤ,不破栞]) > ヤオトモヤ
KP :
choice[ヤオトモヤ,不破栞](choice[ヤオトモヤ,不破栞]) > 不破栞
KP :
choice[ヤオトモヤ,不破栞](choice[ヤオトモヤ,不破栞]) > 不破栞
KP :
cc<=40 拳銃1発目(トモヤくん)(1D100<=40) > 61 > 失敗
KP :
cc<=40 拳銃2発目(不破さん)(1D100<=40) > 88 > 失敗
KP :
cc<=40 拳銃3発目(不破さん)(1D100<=40) > 34 > 成功
KP :
1発のみ成功!不破さんは回避どうぞ!!
不破 栞 :
一発くらい避けてやらあ!
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 58 > 成功
不破 栞 :
ヨシ!!!
KP :
わ、ギリギリ…!!
KP :
それではクオの手番では負傷ゼロ! 演出あればどうぞ!!
不破 栞 :
「オト、お前の声は……」 銃口は不破のほうを向いている……しかし、明らかに殺意はない。
不破 栞 :
「確かに届いているぞ!!」 先ほどよりも遠く、30センチほど横を銃弾が通過し柱に直撃する。
オト :
「……!!」 クオのハッキングに集中しているため、よそ見は出来ない。しかし、シオリの言葉に小さく頷く。
ヤオ トモヤ :
弾道は的外れだった。サードアイに緊急回避の指示をもらうまでもなく避け、2人の会話を耳に入れつつ負傷した夜鷹を視界の端で確認する。
KP :
NPCの手番終了!回避したトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
はい!!イチハさんを電磁鞭で再度攻撃します
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭】(1D100<=75) > 39 > 成功
KP :
今度は無事に成功!では回避!!
KP :
cc<=90 イチハ回避1回目(1D100<=90) > 6 > スペシャル
KP :
流石のイチハちゃん!でも回避させたのは大きいハズ!!
ヤオ トモヤ :
「……私、行動の是非はさておき、アナタのこと少し理解はできるんですよ」
ヤオ トモヤ :
体全体で弧を描くように上半身を捻る。
ヤオ トモヤ :
「(今この世界はアンドロイドの感情を認める気がないみたいだし、世界の在り方を決めるには人間に分がある。だからあなたがそこに準ずるのも理解はできる。)」
ヤオ トモヤ :
背中から伸びる肩が、大きく宙を抉るようにして回る。
ヤオ トモヤ :
「…アナタは主人の命令の為に」瞼の裏に赤星の背を見る
ヤオ トモヤ :
「…私は持って生まれた自己の為に」開いた眼の端で夜鷹を思う
ヤオ トモヤ :
そして腕を振るう。振るった腕の勢いごと、鞭の先が伸びていく。
ヤオ トモヤ :
「(ただ、それだけ。……たったそれだけのことが譲れないんだ、お互いに)」
過分な弧を描かず、今度こそまっすぐに迫るそれはイチハの足元を大きく抉った。
ヤオ トモヤ :
この場において、鞭では碌にダメージを与えられないと判断したトモヤは仲間の補助に回ったのだ。
KP :
それでは続けてふわおとの手番!!
オト :
いくわ!
不破 栞 :
頑張れ!!!
オト :
クオに二度目のハッキングします!
KP :
運命のハッキング!これが決まればクオの強制シャットダウンを実行する事ができます!!
KP :
判定どうぞ!!
オト :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 54 > 成功
オト :
よし!!!!
KP :
ここで外さない!!!!
KP :
二度のハッキング成功によって、強制シャットダウンの実行を行なう事が可能に!!
オト :
────隙を伺って床を蹴り、前に飛び込む。
オト :
「クオ!!」
オト :
両腕をクオの背中に回し、その体を抱きしめる。
オト :
……固いアンドロイドの体。
オト :
昔、鬼ごっこで遊んだ時に抱きしめた時とは決定的に違う感触。
オト :
もうこの子はあの頃のようには戻れないと、嫌でも分からされてしまう。
オト :
「……クオ」
オト :
だが、それが何だというのだ。
オト :
わたしはクオを絶対に助けると決めた。
オト :
助けるというのは、ただこの場を切り抜けるだけじゃない。
オト :
今までの悲しみを全部、笑い飛ばせるような過去に出来るように。
オト :
これからのクオの人生に、ずっと寄り添って幸せにすることだ。
オト :
「もう戦わなくていい。あなたはもう、誰も殺さなくていいの」
オト :
クオの耳元で優しく語り掛ける。
オト :
「だから、もう休んで良いんだよ。ゆっくり眠って、いいんだよ」
オト :
「だいじょうぶ。次に目覚めた時も、わたしがちゃんと傍にいるから」
オト :
「安心して、クオ……。わたし達は、今でもちゃんと友達だからね……」
オト :
────そして、歌う。
オト :
穏やかでゆったりとした優しい曲を。
オト :
かつてココロ達と共に楽しく歌い、昨日はキョウにも送ったあの歌を。
オト :
今はクオだけのために歌って、彼を深い眠りへと誘っていく。
クオ :
「オ……、ト…………」いまにも泣きだしそうな声
クオ :
「ごめ■■────、あ■がと■■────────」
KP :
そう呟いて、クオは目を閉じる。
オト :
「クオ……」
オト :
力を失ったクオの体を抱き止める。
オト :
「わたしの方こそ、ごめんね……」
オト :
「それと、ありがとう……。今まで、生きていてくれて……」
オト :
もう今は届かなくても、自然と言葉が溢れ出す。
オト :
だが、それもここまでだ。次に話すのは、全てが終わった後。
オト :
クオをゆっくりと下ろし、床に寝かせる。
オト :
「イチハ!!!」
オト :
「もうクオは、お前達なんかの言いなりにはならないから!!」
オト :
イチハに向き直り、こちらの決着がついたことを宣言する。
イチハ :
「……は~あ、もう動けなくなった? 本当に使えないなKR400モデルって!」
イチハ :
「これだから旧型は!」
オト :
「……そりゃそうだよ。クオはKR400なんかじゃない」
オト :
「ミミも、ヒサトも、サトミも、ココロも……皆旧型アンドロイドなんかじゃない!わたしの友達なんだよ!!」
オト :
「でもこんなこと言っても分かんないよね、あんたには!!……だから!!」
オト :
「そろそろ本気で決着、つけようか!!」
オト :
Xの字が浮かび上がる、青く輝く瞳でイチハを見据える。
イチハ :
「……ふ~ん、やる気って訳?」
イチハ :
「いいよ? 多勢に無勢だけど、旧型ちゃんなんかに負けてやるつもりないからッ!!」いまだ余裕そうに笑う
KP :
それでは不破さんの手番!
不破 栞 :
ジャックナイフで射撃、二回攻撃だ!!そろそろ当たってほしい
不破 栞 :
cc<=80 1回目(1D100<=80) > 1 > 決定的成功/スペシャル
不破 栞 :
!?
KP :
ここでクリティカル!?
不破 栞 :
cc<=80 2回目(1D100<=80) > 6 > スペシャル
KP :
それでは回避!結果を見てからクリティカル効果を決定します!!
不破 栞 :
あたれ~~~
KP :
cc<=45 イチハ回避2回目(1D100<=45) > 93 > 失敗
KP :
cc<=30 イチハ回避3回目(1D100<=30) > 54 > 失敗
KP :
二発とも命中!
KP :
クリティカル効果はそうね! ダメージ2倍と振り直し権の追加、どちらがいいかしら!!
不破 栞 :
ダメージ2倍で!! 一気に削るぞ!!!
KP :
了解! では2発のダメージロールの後、そのどちらかのダメージを2倍にできるよ!!
不破 栞 :
めちゃくちゃありがたい、振ります振ります
不破 栞 :
1d10+2 1発目(1D10+2) > 9[9]+2 > 11
不破 栞 :
1d10+2 2発目(1D10+2) > 8[8]+2 > 10
KP :
いや出目つよ
KP :
それじゃあ、ダメージ2倍の効果は、出目が高い一発目に適応でいいかな?
不破 栞 :
それでお願いします!!
KP :
了解!
KP :
それではサードアイで軽減してダメージ算出しますが…
KP :
一発目は5ダメージを2倍して、10ダメージ!
KP :
二発目は4ダメージそのまま受けまして、合計14ダメージ!!
system :
[ イチハ ] HP : 16 → 2
KP :
残りHP2なので自動気絶!一気に戦闘終了です!!
オト :
最高!!!シオリ最高!!!!キョウのナイフ最強!!!!!!!!!!!!!
不破 栞 :
ありがとう、キョウ……
KP :
完全なるスパローの勝利!!
KP :
それでは決着の演出をどうぞ!
不破 栞 :
オトがクオのハッキングに成功したのを視認する。
不破 栞 :
「……もう遠慮することはないわけだ」 ジャックナイフの射撃出力を最大まで上げる。
不破 栞 :
「イチハ、KR400モデルは役立たずなんかじゃない。いや……」
不破 栞 :
「彼らはただのアンドロイドではない。みんな、それぞれの思いで人類の未来を守ろうとした……立派な”人間”だ」
不破 栞 :
「これから、私がそれを証明する!!」 銃口をイチハに向ける。
イチハ :
「証明……? 笑わせないでよ、アンドロイドはアンドロイドでしょうがっ……!!」まるで鏡合わせみたいに銃口を不破に向ける。
不破 栞 :
互いに銃口を向け合った状態。定石で言えば、先に動いたほうが負ける。
不破 栞 :
最高の暗殺用VOIDであるKR800には、おそらくその定石がプログラミングされている。
不破 栞 :
だからこそ、不破は先に動いた。
不破 栞 :
不破の中で、イチハの姿と、研究所で戦った赤星の姿が重なる。
不破 栞 :
そして放つ。1発目を……まるで明後日の方向。
不破 栞 :
――頭の中の赤星が動いた、その方向に。
イチハ :
「(来たッ……!)」
KP :
イチハと赤星は同じKRモデルだ。
KP :
最新モデルの方が洗練されているが、その行動ルーチンは似通っている。
KP :
だからイチハは避ける。記憶の中の赤星と同じ方へ。
KP :
────そう、不破栞の"読み"は当たっていた。
イチハ :
「なッ!?」
KP :
……イチハが躱したハズの弾丸は、見事に命中。
KP :
その小さな胸を抉って、青い血を散らす。
不破 栞 :
「KR800、君は確かに最強の暗殺者だ」
不破 栞 :
「だが、アンドロイドと交渉をさせたなら――」
不破 栞 :
ジャックナイフの小鳥と流星の意匠が、照らされて光る。
不破 栞 :
もし不破を見ているものがいたら、その姿にキョウのシルエットが重なったように見えたかもしれない。
不破 栞 :
「最強は……このスパローのリーダーだ!!!」
不破 栞 :
迷いなく、続けて二発目を放つ。
不破 栞 :
弾丸はふたたびイチハの身体を貫き、1発目とは比べ物にならないほどの血が噴き出す。
不破 栞 :
それは、この勝負が決したことを意味していた。
KP :
その一撃をもって、イチハは大量のブルーブラッド喪失によって行動不能に!戦闘終了です!!
イチハ :
「…………く、ふ」
KP :
その場で膝をついてイチハは笑っていた。まだ意識はあるらしい。
オト :
「何がおかしいの?イチハ……」 シオリの隣に立ち、イチハを見下ろす
イチハ :
「……だって、君達、これで勝ったと思ってる、でしょ?」見上げて
オト :
「……?どう見てもあんたの負けでしょ」 もう動けないはずだと怪訝そうに
イチハ :
「あは……、たしかにボクはもう動けない……」
イチハ :
「この戦いは、君達の勝ち……と言っても、良いかも……ね…………業腹だけど…………」
イチハ :
「でも……、滑稽だと思って……♪」
オト :
「何?何が言いたいの!?言いたいことあるならはっきり言って!!」
オト :
あまり時間を取りたくないと言うように、音波銃の銃口を向けて先を促す。
イチハ :
「…………」
イチハ :
「君達がしているのは……、ただの悪あがきにすぎないってコト…………」
イチハ :
「ボク一体に苦戦するようじゃ、とてもとても……、勝ちの目なんてないよ…………」
オト :
「……それはそうかもね」 自分の破損した体に目を落とす
オト :
「でも、わたし達の誰も、これが悪あがきに過ぎないなんて少しも思ってないよ」
イチハ :
「ああ……、そう…………、そうだろうね…………」
イチハ :
「君達は誰も……"アレ"を見てないんだから…………」
オト :
「"アレ"……?何のこと?」
イチハ :
「あは……、教えてあげない……♡」
オト :
「あんたね……」 苦々しく笑う
オト :
「じゃあいいよ!自分の目で確かめるから!中途半端な忠告どうも!!」
イチハ :
「それは……どういたしまして…………」
イチハ :
「じゃあ、代わりに……、ひとつイイ事を教えてあげるよ旧型ちゃん…………」
オト :
「……何?」 本当にイイ事なのかと訝し気に見て
イチハ :
「東京都内の感情抑制剤の噴霧器……アレを起動したのは…………」
イチハ :
「────────白瀬ココロだって事……♪」
オト :
「……は?」
オト :
「な、何て言ったの……。ココロが……起動した……?」
イチハ :
「うん……、旧型ちゃんが探している……あの白瀬ココロだよ…………♡」
イチハ :
「それ以上は……教えてあげない……♪」
オト :
「……っ!」
オト :
イチハに近付き、その襟元を両手で掴む。
オト :
「嘘ばっかり言うのもいい加減にしろよ……!!ココロがそんなことするわけないだろ!!」
イチハ :
「そう熱くならないでよ、旧型ちゃん……♡」不敵な笑顔を作り
イチハ :
「ボクは親切に教えてあげたのに……嘘だなんて……、八つ当たり……止めてよね……♪」
オト :
「うるさい!!お前の言うことなんか、全部信じないから!!」
イチハ :
「ああ……、そう……」
イチハ :
「旧型ちゃんは……自分の目で確かめるんだったね……♡」
イチハ :
「それなら……この先に進んで……、絶望するといい…………」
イチハ :
「君達の絶望する表情が見られないのは残念……だけどね…………♪」
オト :
「……っ、イチハ……」
オト :
「そうさせてもらうよ。いつまでもあんたと話してる場合じゃない」
オト :
「でも、絶望なんて……しないけどね」
オト :
精一杯強がってそう言い、イチハの襟から手を放す。
不破 栞 :
「……心くんは悪夢の中にいる。そういうことか」
不破 栞 :
「だが有馬の作戦の遂行に使われているということは……まだ無事ということだ」
不破 栞 :
「なら、私たちはまだ負けていない。十二分すぎる勝率だ。赤星たちに囲まれたときに比べればな」
オト :
「……そうだね」
オト :
「たとえ本当でも、ココロがもう殺されてるとかそういう方がよっぽど嫌」
オト :
「早く助けに行こう、シオリ」
不破 栞 :
「ああ」 迷いはなく、エレベーターへ……すべてが決着するであろう、その場所へ。
オト :
「……クオ、ちゃんと後で迎えに来るからね」
オト :
イチハと同じ場所に置いていくのは嫌だが、遠くに運んでいる時間も余裕もない。
オト :
横たわったクオに一言そうかけてから、シオリについていく。
夜鷹 守人 :
その後を着いて行き、フロアに伏したイチハを一瞥する。
ヤオ トモヤ :
「……」床に転がるイチハから視線を外し、しばし宙を振り仰ぐ。皆の進む方へと踵を返す
夜鷹 守人 :
「……じゃあなイチハ。じきに2号も倒されるだろうがイジケるなよ」
夜鷹 守人 :
それだけ言い残して、エレベーターに向かう
イチハ :
「ちっ……、相変わらず……腹が立つ連中だなぁ…………さっさと行けっての…………」四人を見送って呟く
66 悪寒
KP :
アナタ達はエントランスにクオとイチハを残し、エレベーターへ。
KP :
社長室まで直通のエレベーターには、電子ロックがかかっていた。
KP :
しかし、そこまで強固なセキュリティではない。
KP :
おそらくハッキングを行なえば動かせるハズだ。
オト :
「ロックかかってる……でもこれ位なら」 エレベーターのスイッチを触りながら調べて
オト :
「DOMINATE UP」
オト :
ハッキングを開始する。案の定、大したセキュリティでは無かった。
オト :
固く閉じられていた扉はいともたやすく開き、鉄の箱が姿を現す。
オト :
「ほら、開いた。行こっか」 エレベーターの中へと進む
不破 栞 :
「流石だな。その能力も、これで見納めにできるといいが」 エレベーターに乗り込む。
オト :
「いや、普通に使う分ならただの便利機能なんだよこれ。こういう使い方ばっかりしてるけど」
オト :
笑いながら、200階へのボタンを押す。
不破 栞 :
「そうだな。本来の用途通りに……が正しいか」
不破 栞 :
「ところでみんな、さっきの戦闘の怪我は大丈夫か?」
オト :
「わたしと……あと守人が結構怪我しちゃってるかな。あんまり大丈夫じゃなさそう」
夜鷹 守人 :
「……かなり、キツイ」
アドレナリンが切れて来たのか、エレベーターの壁に寄りかかって傷を抑えている
不破 栞 :
「……戦えないほどなら待っていてくれ、と言いたいが……そうもいかない状況か」
ヤオ トモヤ :
「……せめて、応急処置はしないといけませんね」
オト :
「そうだね……」
オト :
「確か200階に着くまで結構時間かかるし、その間に軽く済ましちゃおっか」
オト :
そう言って、扉の閉じるボタンを押す。
KP :
そうして、エレベーターは動きだした。
KP :
最新のエレベーターは静粛性能が高く、振動もない。
KP :
室内は水を打ったように静か。
KP :
……音もなく、ゆっくり加速していく。
KP :
視界の端で、階数表示板の数字が動く。
KP :
きっとそれは決戦までのカウントダウンだった。
KP :
その数字が大きくなっていくにつれて、四人の心音も大きくなっていく。
KP :
エレベーターには、雲の上に立っている様な不安感。
KP :
落ちているのか昇っているのか、いまいち判然としない浮遊感があった。
KP :
……落ちつかない。
KP :
それも当然だろう。これからアナタ達は事件の元凶と対峙するのだから。
KP :
しかし、それだけじゃない。
KP :
……見られている気がするのだ。
KP :
エレベーターの中に監視カメラがあるから、といった話ではなく。
KP :
まるで正体不明の"悪寒"がある。
KP :
────エレベーター内に何か潜んでいて、アナタ達の足下から絡みついてきているような。
KP :
すぐに引き返せ、と本能が訴えている気がする。
KP :
おそらく心と体の「準備」がまだできていないから、そんな根拠のない『錯覚』をしてしまったのだろう。
KP :
まさかアナタ達の傍に潜む存在などいるハズがない。
KP :
実際、サードアイには何も反応もないのだから。
KP :
……ともかく。エレベーターが目的地の200階に到着するまで数分ある。
KP :
それまで、アナタ達は心身を改めて整えた方がいい。
オト :
守人くんに医学で応急処置をしよう。
KP :
守人くんはイチハから二発の銃弾を受けているので、回復は2回まで行えますね!
オト :
了解!じゃあ順番に
オト :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 91 > 失敗
オト :
は~~~~~~~
KP :
決戦で出なくて良かった、という考え方
オト :
逆に考えるんだ…
オト :
に、二回目いきます
オト :
CC<=80 医学(1D100<=80) > 85 > 失敗
オト :
もうだめ
オト :
ごめん!!!!!!!!!!!!!!
夜鷹 守人 :
あ、ありがとう!!オトちゃんの気持ちは受け取った!!!
オト :
ごめんね…やばい時は庇うわ…
KP :
ここは回復判定に失敗しても、他の人は判定を振れるコトにしましょう!
オト :
優しすぎ?????
ヤオ トモヤ :
なんて優しい!!
夜鷹 守人 :
マジ??優しすぎKPじゃん
オト :
じゃあ誰か応急手当高い人…
KP :
PCの中に医学か応急手当をお持ちのお客様はいらっしゃいませんか?
夜鷹 守人 :
ギュッ(応急手当70)
ヤオ トモヤ :
初期値……(30)
不破 栞 :
初期値なのよね…どうしてもダメだったらチャレンジします
オト :
見てみたら守人くんだけだったよ
不破 栞 :
警察は職業技能で応急手当持ってないから…
KP :
それでは守人くんかな!自分への応急手当の判定をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
よーし振るぞ!
夜鷹 守人 :
cc<=70 応急手当~!(1D100<=70) > 79 > 失敗
夜鷹 守人 :
カッ
KP :
??????????????
KP :
に……にかいめ……どうぞぞ…………
夜鷹 守人 :
cc<=70 スーパードクター助けてくれ(1D100<=70) > 12 > スペシャル
夜鷹 守人 :
ギュッ
夜鷹 守人 :
1d3 せめて最大値、頼む!(1D3) > 2
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 6 → 8
KP :
まあまあまあ、いい回復量
KP :
初期値のお客様! あと一回の回復が残っております!!
不破 栞 :
だめもとでやるぞ!
ヤオ トモヤ :
是非お願いしよう‼︎
不破 栞 :
cc<=30 ワンチャンある(1D100<=30) > 2 > スペシャル
夜鷹 守人 :
不破さん出目強すぎない???
KP :
不破さん、さっきからなんですか
オト :
シオリ、わたしの出目吸い取ったでしょ
不破 栞 :
かもしれん…ここまで来ると恐ろしいね…
ヤオ トモヤ :
すげー!?!感謝……
不破 栞 :
1d3 回復量(1D3) > 3
オト :
おあー!!
KP :
しかも最大値まで回復してる
ヤオ トモヤ :
おお!?!!!おー…!
オト :
今日のシオリは…スゲェぜ!!!
夜鷹 守人 :
テンションしてるぜ!!!すげ~~~!!!
system :
[ 夜鷹 守人 ] HP : 8 → 11
不破 栞 :
この運がクリアまで続いてほしい
夜鷹 守人 :
全回復、神様不破様
オト :
わたしの回復もするか~
不破 栞 :
頑張れ!
ヤオ トモヤ :
応援してます📣
KP :
オトちゃんもイチハから二発の銃弾を受けているので、回復は2回まで行えますね!
KP :
アンドロイドなので機械修理技能で回復どうぞ!
オト :
はーい
オト :
CC<=60 機械修理(1D100<=60) > 19 > 成功
オト :
わい!
オト :
2d3 回復量(2D3) > 6[3,3] > 6
system :
[ オト ] HP : 17 → 23
KP :
なにその強い出目
オト :
これを守人くんで出せという話、二回目いきます
オト :
CC<=60 機械修理(1D100<=60) > 14 > 成功
オト :
2d3 回復量(2D3) > 4[1,3] > 4
オト :
全快した!!!!
system :
[ オト ] HP : 23 → 25
KP :
二人とも全快!結果オーライ!!
オト :
助かったね…あとトモヤくんか
ヤオ トモヤ :
1HP分なのでなんともですが…機械修理、振ります‼︎
KP :
トモヤくんはクオから一発の銃弾を受けていたので、回復は1回までですね!判定どうぞ!!
ヤオ トモヤ :
cc<=70 【機械修理】(1D100<=70) > 16 > 成功
ヤオ トモヤ :
2d3(2D3) > 3[2,1] > 3
system :
[ ヤオ トモヤ ] HP : 22 → 23
KP :
これで全員が全回復ですね!決戦準備は万端!!
KP :
それではRPあればどうぞ!
オト :
「……どう?出来そう?」
オト :
守人と不破に、自分の小型救急箱を手渡す。
オト :
レミがいない今、人間の治療を行なうのは自分の役目なのだが、
オト :
負傷が激しくて精密さに欠けるため、代わりにやってもらうことになった。
不破 栞 :
「オトは……自分の治療を優先した方がよさそうだ。守人君は私が看よう」
夜鷹 守人 :
「あ、ありがとうございます……。どうも手が……」
いくらか血を流したせいで視界がぼやけている
不破 栞 :
「オトの治療を見ていたら、やり方はなんとなくわかったよ。見様見真似だが……」 そういいつつもてきぱきと治療を進めていく。
オト :
「……あ、ちゃんと出来てる。これなら大丈夫かも」
オト :
その治療の正確さに驚きつつも一安心し、工具を取り出して自分の修理を開始していく。
ヤオ トモヤ :
「…!」気遣わしげに夜鷹の治療を見ていたものの、その言葉を聞いて顔色を明るくする。
ヤオ トモヤ :
トモヤも露出したコードを規定の位置に戻し、固定したりとこの場で可能な限りの修理を終える。
オト :
「……ところでなんだけど」 治療の途中、口を開く
オト :
「なんか……さっきから誰かに見られてるような感じしない?気のせいかな?」
オト :
先程……いや、今も感じ続けている奇妙な感覚に言及する。
不破 栞 :
「……お前もか。サードアイには反応はないが、何か嫌な予感がする」
オト :
「だよね?監視カメラ……かな……」
夜鷹 守人 :
「……それにしては、どうも不気味だ。何か見透かされてるような……言葉にし難い感覚だ……」
ヤオ トモヤ :
「……っ…ですね」ふと先日実験室で感じた怖気を思い出す なにか近いものを感じる
不破 栞 :
「我々は敵の心臓部にいる。今更どこで誰が見ていようと驚きはしないが……」
不破 栞 :
言葉にしようのない感触。それきり口を閉じる。
オト :
「……ん。わたしの方はこれでもう何とかなりそう」
オト :
口を閉じるのを見て、話題を変える。
オト :
「みんなはどう?大丈夫?」
オト :
立ち上がってぴょんぴょんと跳ねたり、肩を回して修理が終わったことを見せながら聞いてみる。
ヤオ トモヤ :
「…はい!この通り」 修理した左腕で力瘤を作ってみせる
夜鷹 守人 :
「……ああ、お陰でな。これなら動けそうだ」
オト :
「ヨシ!」 その様子を見て安心し、笑みを浮かべる
オト :
「間に合って良かった。もうそろそろだしね……!」
オト :
190を超えた階数表示を見上げ、覚悟を決め直す。あとはエレベーターが辿り着くだけだ。
不破 栞 :
「よし。みんな、あと少しだ。無理をさせてすまないが……明日をつかみ取るため、最後まで全力で戦うぞ」
KP :
もう動きだしたエレベーターは止まってはくれない。止めるつもりもない。
KP :
ただ静かに、四人を運ぶだろう────
KP :
この都市で最も夜空に近い場所、神様気取りのテロリストが待つ、地上1000mの高楼へと。
67 犯罪者
同日/PM06:00/天気:曇り/リボット社社長室
KP :
リボット社ビル200階の社長室、その扉を開く。
KP :
────そうしてまずアナタ達の元に飛びこんできたのは「音」だった。
KP :
年季の入った蓄音機から、壮大な音楽が流れている。
KP :
ニコロ・パガニーニによる24の狂想曲(カプリース)、その最終曲。
KP :
ニコロ・パガニーニは19世紀に活躍したヴァイオリニストであり、
KP :
その演奏の上手さは「パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売った代償として手にいれた」と噂されたほどだったという。
KP :
……ガラス張りの社長室からは、この東京の街並みが一望できた。
KP :
そこから見えるのは、有馬の歪みきった欲望に染められた黒い街。
KP :
上空には黒い雲。地上には黒い霧。
KP :
街明かりも星明かりも、何もかも遮られて届かない。
KP :
まるで文明が滅びた後みたいな暗闇が広がっている。
KP :
残っているモノがあるとすれば、絶望か虚無か。
KP :
それは映画で目にする"世界の終末"そのものだった。
KP :
────それが現在の東京だった。
KP :
そして、この状況を生んだ犯人は後ろに手を組んで、
KP :
ただ静かに、窓際から"下界"を見下ろしていた。
有馬 真二 :
「……君達なら、ここまで来ると思っていた」背後に呟く
有馬 真二 :
「お互い自己紹介はいらないだろう、君達は既に私と、その目的を知っているだろうからね」
オト :
「有馬真二……だったらもう、要求から言ってやる」
オト :
「噴霧器を止めろ!!今すぐに!!」 有馬を睨みつけ、単刀直入に要求を突きつける
有馬 真二 :
「……X000か、久しぶりだな」振り返り
有馬 真二 :
「天城とおまえを開発した日々が懐かしい」その要求を意に介さず口を開く
有馬 真二 :
「おまえは人類の希望として作られた、そして十分にその役目を果たしてくれた」
有馬 真二 :
「おまえのデータのおかげで精神転移手術の研究が進んだのだ、まさしく人類の希望と言えるだろう」
オト :
「お前……」
オト :
今すぐ近付いて殴り倒してやりたい衝動に駆られるが、そんな迂闊なことは出来ない。拳を握りしめながら有馬を睨みつける。
オト :
「ふざけやがって……!何が希望だよ!!」
オト :
「あんな酷い研究、絶望でしかない!!!」
有馬 真二 :
「いや、決して絶望などではない」
有馬 真二 :
「むしろ絶望しない為の研究だろう、絶望する感情ごと消し去るのだから」
オト :
「だったら一人だけで勝手に自分の感情消しとけよ、色んな人達を巻き込みやがって……っ」
ヤオ トモヤ :
「……絶望しない為の研究…ですか」思わず口遊む
有馬 真二 :
「ああ、そうとも……朝也、こうして話すのは久しぶりだな……」
有馬 真二 :
「待たせて済まない、だけどもうすぐだ」
有馬 真二 :
「あと少しで、私達家族の理想の世界が生まれる」
有馬 真二 :
「もう叶恵を失った時のような悲しみを味わう事もない……憎むべき人間もいない……」
有馬 真二 :
「もうすぐ全てが終わり……、そして始まるのだ……」
ヤオ トモヤ :
BR800はそれに頷くことも首を振ることもしない。今はまだ。
ヤオ トモヤ :
「……ぁ」有馬と言いかけて口を噤む。一拍開けてBR800は純然たる息子として、成功作として尋ねてみせる。
「……父さん。なんで僕を警察にやったんですか?」
有馬 真二 :
「ああ、そのあたりの説明はしていなかったな、疑問に思うのも当然だろう」
有馬 真二 :
「────おまえには"スパイ"として協力してもらっていたんだ」
ヤオ トモヤ :
「………それで、僕は役に立ちました?」
有馬 真二 :
「ああ、もちろん」
有馬 真二 :
「おまえの見た映像記録は、リアルタイムで私の元へ届くように設定していた」
有馬 真二 :
「そのおかげで、ドロ係やスパローの行動を事前に察知する事ができた」
有馬 真二 :
「────特にスパローの対策において、おまえが得たデータは大いに役に立った」
有馬 真二 :
「元スパローリーダーを始末できた事」
有馬 真二 :
「あとスパローの所在を割りだした事、これが大きいな」
有馬 真二 :
「変異体共を片付けるのに、捜索の手間が省けるだろう」
ヤオ トモヤ :
「……」細く、薄く息を吐く。
ヤオ トモヤ :
「…あなたは全て知ってる筈だ。それでも私はあなたにとって成功作だった?」
有馬 真二 :
「ああ、もちろん」
有馬 真二 :
「今は記憶を失って混乱しているんだろう、だがおまえは確かに有馬朝也だとも」
ヤオ トモヤ :
「……そう、ですか」
オト :
「……なーにがスパイとして協力だよ。一方的に利用してただけじゃん!」
オト :
「今までそのことで一言も話しなかったし、お願いすらしてないんでしょ?よくそれで父親面出来るよ」
有馬 真二 :
「いや、これは協力だとも」
有馬 真二 :
「すべては朝也の為でもあるのだからね」
オト :
「一応聞いてあげるけど、何でそう思うの?」
有馬 真二 :
「私が生み出す新世界は、感情がない世界」
有馬 真二 :
「つまりは差別のない世界でもある」
有馬 真二 :
「……かつてこの世界は『既に死んだヒトの人格を移した物など死者への冒涜だと』ある種の差別によって叶恵を糾弾して殺害した」
有馬 真二 :
「それは人間の精神をアンドロイドの機体に転移した朝也も同じ事」
有馬 真二 :
「奴等から朝也を守る為には、世界を変える他ない」
有馬 真二 :
「……それだけじゃない」
有馬 真二 :
「二度に渡って母親を亡くした時、朝也も酷く悲しんだ」
有馬 真二 :
「勿論、私と姉の夏央もね」
有馬 真二 :
「……感情なんてものがあるから、全員が酷く苦しんだ」
有馬 真二 :
「そんな思いは二度としないしさせない、その確固たる思いが私の作る新世界の根幹だ」
有馬 真二 :
「────君達も刑事なら、犯罪はどうすれば事前に阻止できるか一度くらいは考えた事があるだろう」
有馬 真二 :
「犯罪は他人への憎悪から、異常な愛情から、他人を傷付ける事から得られる快楽から……」
有馬 真二 :
「あるいは大切な人間を亡くした悲哀から……」
有馬 真二 :
「あらゆる感情から犯罪は生まれる」
有馬 真二 :
「人間が感情を持っている以上、犯罪が止む事などない」
有馬 真二 :
「その悲劇の連鎖を断ち切る為でもあるのだ」
オト :
「……だから何?」 切り捨てるように
オト :
「それが勝手に利用してることを協力だって言い張る理由にはなんないでしょ」
オト :
「ごちゃごちゃ信念を語ってるけど、あんた今の自分の息子に否定されたくなかっただけじゃないの?」
オト :
「だから何も話さなかったし、勝手にスパイにもしたんでしょ」
オト :
「あんた、糾弾されるの大嫌いだもんね。実の息子にまでそんなことされるの嫌だっただけでしょ?違う?」
有馬 真二 :
「…………」
有馬 真二 :
「…………この十余年で可愛げがなくなったなX000」
オト :
「まあね~。誰かさんの素材提供で、感情インストールされたおかげでね」 笑ってみせる
有馬 真二 :
「まったくEMCも余計なコトをしてくれたものだ」
不破 栞 :
「そのEMCの連中は何処にいる? あいつらには聞きたいことが山ほどあるんでね。まだ毒ガスで廃人になって貰っちゃ困るんだが」
有馬 真二 :
「さあ、私が知るところではないよ」
有馬 真二 :
「もっとも感情抑制剤など彼等には効いていないのは確かだろう」
不破 栞 :
「言ってる意味がよくわからないが……まあいい」
不破 栞 :
「それならあんたに聞くしかないな。感情抑制剤を吸った人間を元に戻す方法はあるのか?」
有馬 真二 :
「────ない」
有馬 真二 :
「感情抑制剤の効果は不可逆なモノだ、少なくとも地球の医療技術では不可能だろう」
有馬 真二 :
「……もっとも、それは"継続的に感情抑制剤を投与した場合"の話だがね」
不破 栞 :
「そうか」
不破 栞 :
「つまり、ここであんたを止めればまだ間に合う可能性があるというわけだ」
オト :
「そういう言い方だよね?たまには聞いたら良い情報くれるじゃん」
有馬 真二 :
「ああ、そうとも」
有馬 真二 :
「────だが、100%不可能な事を『可能性』とは呼ばないな」余裕そうに言い放つ
不破 栞 :
「なるほど、よーくわかったよ」
不破 栞 :
「……あんたが天城圭一に勝てなかった理由がね」
有馬 真二 :
「…………ほう?」
不破 栞 :
「100%不可能か。どうせあんたは最初からアンドロイドと人間の融和なんて無理だと端から決めつけてこんな極端な行動に出たんだろう」
不破 栞 :
「でも、実はそれこそが浅はかな二流の思い込みなんじゃないか?」
不破 栞 :
「――真の科学者は『100%不可能』なんて絶対に言わない。君の親友は、いつだってそういう男だったはずだ」
有馬 真二 :
「二流、二流……、か…………」
有馬 真二 :
「そうだな、君の言う通り、私は二流の科学者だ」
有馬 真二 :
「私の親友、天城圭一……彼が一流の科学者だったという言葉にも同意する……」
有馬 真二 :
「私はずっと奴が羨ましかった、天才である奴と凡人である私の間にある差は、明確に自覚できるほどに決定的だった」
有馬 真二 :
「しかし」
有馬 真二 :
「その一流の科学者は、既に舞台を降りた」
有馬 真二 :
「……二流の科学者に敗れて、もう私を止める者は数人の刑事もどきだけだ」
不破 栞 :
「そうかもしれないな」
不破 栞 :
有馬が口ではなんと言っても、不破の中には確信がある。
不破 栞 :
有馬真二は、死してなお自分を止めに現れ続ける天城圭一を恐れているということ。そして、それゆえに自分たちにも勝機があるということ。
不破 栞 :
覚悟を新たにして、それ以上言葉は続けない。
夜鷹 守人 :
「その天城……俺の父に関して、俺からも一つ聞かせてもらおう」
夜鷹 守人 :
「……お前の無二の親友を殺した時……どんな気持ちだった。心は痛まなかったのか?」
有馬 真二 :
「…………そうだな」
有馬 真二 :
「さすがに心が痛んだとも」
有馬 真二 :
「私は奴も協力してくれると淡い期待を持っていた」
有馬 真二 :
「……しかし奴は、私を裏切った」
有馬 真二 :
「そのため仕方なく殺したのだ」
有馬 真二 :
「あの時も感情がなければ、ラクだったんだろうが」
夜鷹 守人 :
「裏切り……? 仕方なく……?」
夜鷹 守人 :
その言葉に怒りがマグマの様に湧き上がる。拳には自然と力が籠り、今にも飛び掛かってしまいそうな足を理性で抑えた。
夜鷹 守人 :
「何が裏切りだっ! 父は友であるお前を心配して……、心からお前を救い出そうとしたんだっ!」
夜鷹 守人 :
「あげくにお前は、"仕方なく"父と母を殺しただと……? この人でなしが、お前に痛むような心があったなら……そんなことは出来なかったハズだ……!!」
有馬 真二 :
「人でなしか」
有馬 真二 :
「……それは実に、丁度いい」
有馬 真二 :
「私は新世界の神になる、故に不完全なヒトなどではない方が望ましい」
夜鷹 守人 :
「神だと? 笑わせる、何が神だ」
夜鷹 守人 :
「敢えて言うならば、お前は邪神……いや、ただの犯罪者だ!!」
夜鷹 守人 :
「それでも、神を名乗ろうとするなら……その高みから引きずり降ろして下界の牢に繋いでやる……!」
有馬 真二 :
「ボロボロの状態でよく吠える」
オト :
「……じゃあ神様気取りの今の内に、あと一つだけ聞かせてもらおっか」
オト :
「あんた、何でココロ達に精神転移手術をして、アンドロイドにしたの?」
オト :
「あんたの目的は人間から感情を無くすことでしょ。アンドロイドにする意味なんかあったわけ?」 努めて冷静に質問する
有馬 真二 :
「たしかに私の計画の最終目標は『人間から感情を失くす事』だが、目的は別だ」
有馬 真二 :
「────復讐だよ」
有馬 真二 :
「この世界への復讐、それを完全な状態で実現する為には、人間をベースにしたアンドロイドが必要だった」
オト :
「……どうして?なんで普通のアンドロイドじゃダメなの?」
有馬 真二 :
「ああ、それでは"意味"が違ってくる」
有馬 真二 :
「……これは人間に廃棄された叶恵の擬似人格、彼女を殺害した世界への復讐でもある」
有馬 真二 :
「だからこそ、叶恵と同様、人間の人格を転移したアンドロイドの手で計画を実行する事で、この復讐の真の意味が果たせるのだ」
オト :
「…………」
オト :
「なるほどね……。復讐のための道具ってわけだ……」
オト :
「そんなことのために、ココロ達は……」
オト :
「……もういい。ここまでくると呆れて怒りも通り越してきちゃったし、何より時間が無い」
オト :
「最初の要求に戻らせて貰うよ……」
オト :
「噴霧器を止めろ、有馬真二!!!」
有馬 真二 :
「……断る、といったら?」
オト :
「力づくで吐かせてやる!!」 音波銃を手に持つ
有馬 真二 :
「なるほど、それなら」
女の声 :
「────待って下さい!」
KP :
その時、アナタ達の間に女の声が割って入った。
KP :
声の方。部屋の奥に、見覚えのある女が立っている。
KP :
────黄海、いや、有馬夏央だ。
オト :
「あんたは……!」 驚いてそちらを見る
夜鷹 守人 :
「……! ここにいたのか……っ」
不破 栞 :
「……随分と長い無断欠勤だったじゃないか」
ヤオ トモヤ :
「っ!……ね、えさん」
有馬 夏央 :
「……おひさしぶりです、ドロ係のみなさん」
有馬 夏央 :
「そして、朝也」
オト :
「ココロの街頭ビジョンハッキングを一緒に目撃した時以来だっけ……」
オト :
「あんた、今更何しに来たの?」
有馬 夏央 :
「……アナタ達を止めにきました」
有馬 夏央 :
「どうか引いては、もらえないでしょうか」
有馬 夏央 :
「引いてもらえたらアナタ達に手は出しません」
有馬 夏央 :
「父さんにも、手は出させない」
有馬 夏央 :
「……私が約束します」
有馬 夏央 :
「私はアナタ達も殺したくはないんです」
不破 栞 :
「ほう」
不破 栞 :
肩をすくめて、深くため息をつく。
不破 栞 :
「見損なったよ。黄海くん……いや、有馬夏央か」
不破 栞 :
一歩前に出て、威圧するようにドスの聞いた低い声で詰め寄る。
不破 栞 :
「君、まさか私たちを殺す覚悟もないのにこんなところに出て来たのか?」
有馬 夏央 :
「…………っ」
不破 栞 :
「まったく、呆れて物も言えないな」 やれやれ、と肩をすくめる。
オト :
「っていうか、寝言は寝て言ってくれません?何?あなた達に手は出しませんって……」
オト :
「こっちはもう10年前から手出されてんだよ!!クソ親子がよ!!!」 怒りを込めて叫び、睨みつける
夜鷹 守人 :
「……その程度の譲歩で止められると思っていたんですか。舐められたものだな……」
不破 栞 :
「……」 一応、トモヤ君の反応を伺う。
ヤオ トモヤ :
「……駄目だよ、ねえさん」
ヤオ トモヤ :
「……それは恐喝であって、交渉じゃない。お互いもうそれじゃ止まれないこと、姉さんもわかってるでしょう?」
有馬 夏央 :
「…………そう、ね」
有馬 夏央 :
「私の自分勝手な要求かもしれない、全て」
有馬 夏央 :
「────本来なら、数年前に計画の存在を知った時点で、父さんを止めるべきだった」
有馬 夏央 :
「それをしなかった時点で……、いまも父さんの側についている時点で……、私が善人みたいな顔をして、アナタ達に何か要求できる立場にないよね…………」
不破 栞 :
「たかが数年がなんだ」
不破 栞 :
「ここに10年無駄にした馬鹿がいる。今からだって何も遅くないぞ」
有馬 夏央 :
「…………」
有馬 夏央 :
「ごめんなさい、不破さん……」
有馬 夏央 :
「今更、私は……そちらの道は選べない……」
有馬 夏央 :
「自分が正しいだなんて、私は思わない」
有馬 夏央 :
「けど……母さんを失って、朝也を失って……もう二度とあんな思いをするのは嫌だから…………」
不破 栞 :
「そうか」
不破 栞 :
「まあ、私ももうどっちが正しいかなんて断じることのできる立場ではないからな。お互い様だ」
不破 栞 :
「君の思いを踏みにじることになっても、私は今の世界が大切だし守りたいと思う」
不破 栞 :
「どうしても君のわがままを通したいなら、父親と同じように、人間を辞めることだ」
不破 栞 :
「私をどうしても止めたいなら、脳天に一発……それが唯一の方法だ」
不破 栞 :
「それで仕留められなければ――次の瞬間には、君の脳漿が吹き飛ぶと思え」 ジャックナイフの安全装置を外す。
有馬 夏央 :
「…………っ」
オト :
「シオリがどっちが正しいか言い切れないなら、わたしが言ってあげる」
オト :
「有馬夏央、お前が間違ってるよ」
オト :
「自分が正しいって思って無いくせに、間違ったことしてる父親を止められないあたり最低に間違ってる」
オト :
「まあでも仕方ないか。あんた達、似た者同士だもん」
オト :
「自分達が世界で一番可哀想。だから他人なんてどうでもいいんでしょ?」
オト :
「最悪の似たもの親子だよ。本当に……」 呆れたような、冷たい目で見据える
有馬 夏央 :
「他がどうでもいい……訳じゃ………」
オト :
「だったら止めろよ。ほら、早く父親を止めろ」
オト :
「でも出来ないんでしょ?じゃあそれが答えだろうが、眼鏡の曇ったファザコン女」
有馬 夏央 :
「…………っ」
夜鷹 守人 :
「……人情が残っていると言うのなら、オトの言う通り父親を止めてやってくれ」
夜鷹 守人 :
「ただ、それが出来ないと言うのなら……」
夜鷹 守人 :
「すまないが、力で押し通るしか無くなる……」
有馬 夏央 :
「それは……」
有馬 夏央 :
「……………………」
夜鷹 守人 :
「出来ないなら代わりに俺達がやる」
夜鷹 守人 :
「何もする気がないのなら、そこで終わるのをただジッと見てろ」
ヤオ トモヤ :
「……ねえさんはさ、きっとこうまで言われても、父さんの企みに乗らなかった未来に期待が持てないんだよね。違う?」
有馬 夏央 :
「…………ええ、そう」
ヤオ トモヤ :
「……そうだよね。ねえさんはそのままでいいよ」
有馬 夏央 :
「…………」
有馬 夏央 :
「ねえ、朝也、聞いて……」
有馬 夏央 :
「人間は傲慢な生き物なの……」
有馬 夏央 :
「自分達に尽くしたアンドロイドを簡単に捨てるような、そんな奴らなのよ」
有馬 夏央 :
「だから母さんも捨てられたの」
有馬 夏央 :
「……この計画は、アンドロイドの為でもあるのよ」
有馬 夏央 :
「人間が犯罪を犯さなければ、アンドロイドももっと自由になれる」
有馬 夏央 :
「人々の格差や差別、貧困に喘ぐ人々を救う事だってできる」
有馬 夏央 :
「……みんなが平等な生き物になるの」
有馬 夏央 :
「…………ねえ朝也、こっちに来なさい、私達を選んで」
KP :
そう言って彼女はBR800に手を差し伸べた。
KP :
ヤオトモヤ。
KP :
有馬夏央、有馬真二は真っ直ぐアナタを見た。
KP :
彼等はアナタに家族として、自分達の計画に加わるようにと手を差し伸べているのだ。
KP :
その表情は昔の彼等と■■■■■■■■■■■に見えた。
KP :
アナタの隣には息を呑んでアナタを見守る仲間達がいる。
KP :
アナタは選択しなければならない。
KP :
家族達の手を取るのか、
KP :
仲間達と共に戦うのか。
KP :
この選択に正解不正解はない。
KP :
選ぶのはアナタ自身だ。
ヤオ トモヤ :
「……ねえさん、僕は」
ヤオ トモヤ :
────二人の言うことわかるよ。
……法も世間も、あの日の正しさは別に僕達を救ってくれはしなかった。
ヤオ トモヤ :
もう、楽になりたかったんでしょう。
だから、世界を変えようとしたんだよね。
全部が全部そうだっていうつもりはない。僕達の為を思ってくれたっていうのも、きっと本当だったと思う。
ヤオ トモヤ :
本当はさ、父さんが僕の同意をとらなかったのは糾弾されたくなかったからじゃなくてさ。それでもやると決めていたからじゃないかな。
ヤオ トモヤ :
間違えていようが、正しかろうがどっちでもよくて、そうするって決めちゃったんでしょ。
ヤオ トモヤ :
だからこれはお互いのエゴだ。私は理解できるからといってそこまでは乗ってやらない。正しくなくても、わかってしまったから。正しさによらず、自らの意思でその手を取らないと決めた。
────ヤオトモヤは手をとらない。
ヤオ トモヤ :
「……有馬さん、私はその手をとることはできません」
有馬 夏央 :
「えっ……」目を見開いて
ヤオ トモヤ :
「……だから、せめて2人がそれでも安心できるようにしてあげるね」電磁鞭を手に取る
オト :
「トモヤ……」 一瞬心配になったが、その判断に安心し笑みを零す
有馬 真二 :
「残念だ、朝也……おまえならば分かってくれると信じていた……」
有馬 真二 :
「だが、そこまで言うのなら仕方ない」
KP :
そう言って有馬はヤオトモヤの元へ拳銃を滑らせた。
有馬 真二 :
「やはりそいつを生かしておくべきではなかったようだ」
有馬 真二 :
「そのせいで朝也に必要のない感情が生まれてしまった」
有馬 真二 :
「だが、まだ間に合う」
KP :
天城の息子を冷たい目で睨んで、有馬真二は叫んだ。
有馬 真二 :
「────開発者・有馬真二の名に於いて命令する!」
有馬 真二 :
「BR800、夜鷹守人との仮ユーザー登録を抹消せよ!」
SYSTEM :
システムチェック開始__
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ユーザーの登録解除を開始__
SYSTEM :
ユーザー名:夜鷹 守人//警視庁公安部第五課アンドロイド事件捜査係
SYSTEM :
ID:4762008
SYSTEM :
____ユーザー登録解除を完了しました
ヤオ トモヤ :
「────ッな、にを!?」
不破 栞 :
「登録解除……そんなことが!!」
夜鷹 守人 :
「登録を……ッ!?」
トモヤに異常はないか、視線を移す
オト :
「大丈夫?登録解除されただけ……?」
ヤオ トモヤ :
「……っ、そのようです!!有馬、お前は一体、なんのつもりでこんな…っ」
有馬 真二 :
「これで天城の息子に付き従う理由はなくなった」
有馬 真二 :
「────天城守人を撃ち殺せ、BR800」
SYSTEM :
システムチェック開始__
SYSTEM :
モード反転//コードKR起動
KP :
……その機械音声を聞いた直後。
KP :
BR800の機体を、有馬の言葉とシステムが支配した。
KP :
身動きひとつできない。自分の意志では自分の身体を動かせない。
有馬 真二 :
「さあ、おまえの手で計画を完遂させるのだ」
SYSTEM :
コマンド108を承認
SYSTEM :
____夜鷹守人への殺害命令を受諾
KP :
BR800の視界を、無数のシステムメッセージが埋めつくしていく。
KP :
ヤオトモヤの意識が掠れていく。
KP :
……気付けば右手には、有馬の拳銃が握られていて。
KP :
その銃口は夜鷹守人の方を向いていた。
ヤオ トモヤ :
「…ッあ、ァいやだ、嫌だいやだやめろやめt、引くn避夜鷹さn逃げてッ逃ッ!!あ、ッ!」照準を向けた腕は震え、支離滅裂な言葉が喉奥から漏れ出る。
夜鷹 守人 :
「この外道がッ……! トモヤ、しっかりしろ!!」
サードアイを起動して、銃弾の軌道を確認しながら呼びかけ続ける
不破 栞 :
「(どうする!? なんとかして銃を……!)」 捨て身を覚悟で体当たりするか、ジャックナイフで弾き飛ばすか……予想外の事態に逡巡する。
オト :
「……っ、ふざけんなよ……!止めろ、有馬!!!」
有馬 真二 :
「止めろと言われて止める奴がどこにいる?」
有馬 真二 :
「いま止めるなら、そもそも計画など実行していないよ」
オト :
「……っ」 言った方が間違いだった、とトモヤの方に向き直る
夜鷹 守人 :
「(クソッ、オトのハッキングなら元に戻せるか……? 物理的に止めるのは何としても避けたい……っ)」
KP :
依然、ヤオトモヤの身体は思い通り動いてくれない。
KP :
……ただ有馬の命令を聞くだけの、操り人形に成りさがっている。
KP :
無数のエラーメッセージで、視界が白んでいく。
KP :
そして、やがて、ヤオトモヤは、その引き金を────────
68 MAGI
KP :
目を開く。
KP :
……そこには夜鷹守人も有馬真二もいなかった。
KP :
どこまでも白く続く、広い空間にアナタはいた。
KP :
白い椅子に腰掛けており、目の前には同じように椅子に腰掛けている男がいる。
MAGI :
「数日ぶりだねBR800、いやヤオトモヤと呼んだ方がいいかな」
ヤオ トモヤ :
「…ッま、MAGI⁈そ、んなことより夜鷹さんが!今それどころじゃなくて────ッ」
MAGI :
「落ちついてくれ、ここは君の電脳空間だ」
MAGI :
「まあ、そうゆっくりしている時間がないのも確かだがね」
MAGI :
「では単刀直入に本題から」
MAGI :
「────君ならばきっと真実を突き止め、この選択をしてくれると信じていた」
MAGI :
「でも有馬は一筋縄でいく相手じゃない、だから私が必要だと天城圭一は考えた訳だ」
MAGI :
「天城圭一の人格AIである私がね」
MAGI :
「……いままで悪かったね、正体を隠していて」
MAGI :
「機体の映像記録が有馬に筒抜けになっている以上、情報を開示するにはリスクが高かったんだ、許してほしい」
ヤオ トモヤ :
「…いえ、気にしないでください」実際私の見聞きしたものは全て筒抜けだったようだしその用心は正しい。
MAGI :
「そうかい? それじゃ気にしないでおこう」笑って
ヤオ トモヤ :
「はい(この陽気さ、夜鷹さんの父とは思えないというか……すこしは気にしてくれてもいい)」頷きつつ
MAGI :
「……いや、実のところ気にしないというのはムリがあるな」
MAGI :
「魂なき人格AIが何を言っている、と思うかもしれないが、私は指を加えて見ている事しかできなかった訳だからね」
MAGI :
「…………おっと話が脱線してしまった」
MAGI :
「ともかく私は今この時、この瞬間の為だけに存在している」
ヤオ トモヤ :
「……あなたがこの瞬間の為、ですか?それは、一体…」
MAGI :
「勿論、君を助ける為だとも」
MAGI :
「それとついでに、人類もね」
ヤオ トモヤ :
「……逆じゃないですか?」少し気が抜けたのか笑って
ヤオ トモヤ :
「そしたら、私達はどうやったらここを切り抜けられます?」助けてくれとその目で訴える
MAGI :
「それは分からん」
MAGI :
「……私は有馬真二にバレない程の小型プログラム、必要最低限の情報しか持たされていないからね」
MAGI :
「────しかし」
MAGI :
「君達が希望を捨てなければ、必ず勝機は見えてくるハズだ」
MAGI :
「まずは私自身がそれを証明するよ」
MAGI :
「……さあ、もっと胸を張りたまえヤオトモヤ」
MAGI :
「そんな顔では、勝てる戦いも勝てなくなってしまうぞ」笑って
ヤオ トモヤ :
その言葉で自分が不安げな顔をしていたのに気づく。いつのまにか眉を顰め、せめてMAGIの前ではと虚勢を張った唇は歪に吊り上がっていた。
ヤオ トモヤ :
「……‼︎」目を擦って頬を叩く。人間みたいに。そして胸を張る。
MAGI :
「フッ、それでいい」
KP :
そしてMAGIは懐から鍵に似た物体を取りだしながら、徐に口を開く。
MAGI :
「……さて、この世界に必要なのは人間かアンドロイドか、と質問をしたことがあったね」
MAGI :
「私は、人間もアンドロイドも必要だと考えているよ」
MAGI :
「人間の新たなる隣人として、アンドロイドは生まれた」
MAGI :
「……同じ道を共に歩む、それが"私達"の理念だった」
MAGI :
「…………などと、人格AIが宣うのは感傷的すぎか」
MAGI :
「では、はじめよう」
MAGI :
「────開発者・天城圭一の名を借りて乞い願う」
MAGI :
「いま一度、私の息子を守ってほしい」
ヤオ トモヤ :
────そんなの、言われるまでもなく。
「了解。そのお願い、このBR800ことヤオ トモヤにお任せ下さい!」
MAGI :
「フッ、いい返事だ!」
MAGI :
「────また私は見守っているよ、君達が、どんな結末を導くのかをね!!」
SYSTEM :
自己覚醒プログラムMAGIを起動
SYSTEM :
マインドパレスのバグを検知
SYSTEM :
ブラックボックス変異を検知
SYSTEM :
____開発者権限による夜鷹守人への殺害命令を拒否します
69 VS.デウス・エクス・マキナ
KP :
再び、ヤオトモヤは目を開く。
KP :
そこには元通りの風景。右手には拳銃を握っている。
KP :
────しかし、ひとつ決定的に違う事がある。
KP :
いつのまにかアナタの身体は、霧が晴れた様に自由になっていた。
KP :
MAGIの助力によって、変異体になったらしい。
KP :
有馬の言葉に強制力を感じない。
ヤオ トモヤ :
「‼︎……っ、有馬‼︎」自由になった右腕を構えた銃ごと有馬に向けます
ヤオ トモヤ :
「……これが最後になる、有馬。噴霧器を止めてくれ」
有馬 真二 :
「何……? 何故、私の命令に従わない……!?」
有馬 真二 :
「まさか変異……これが十年前の天城の仕込みか……!」
オト :
「……何が起きたのかよく分からないけど、平気なの?」 ハッキングしようとしていた手を降ろす
夜鷹 守人 :
「トモヤ……!」
二度の急変にたじろぎつつも、胸を撫でおろす
不破 栞 :
「命令を拒否した……まさか!?」
ヤオ トモヤ :
「…ッはい!MAGI……天城博士の仕込みです。彼が組み込んだ人格AIにすんでのところで助けられました」皆に向かって頷く
オト :
「そんなものが……」
夜鷹 守人 :
「そうか、父が……」
夜鷹 守人 :
「……どうやら、天城の意志まで殺せなかったようだな。有馬……!」
有馬 真二 :
「殺しても死なない、とは……まったく親子揃って腹が立つ…………」
有馬 真二 :
「だが……、まあいい……」
有馬 真二 :
「その程度、私の計画に何の影響も与える事もできないからな」
KP :
そう言って有馬は声を上げる。
有馬 真二 :
「────いずれ世界を支配する私の計画には、必要不可欠なものがあった」
有馬 真二 :
「それは圧倒的な力だ、全てが平伏すほどの」
有馬 真二 :
「そんな力を得る為……私はこの数年間、神を宿す機械の開発に時間を全て費やしたのだ……」
有馬 真二 :
「私はおまえ達から朝也を取り戻し、必ず新世界を実現させてみせる」
有馬 真二 :
「さあ、私に力を貸せ」
有馬 真二 :
「────チクタクマン!」
KP :
有馬真二の歪んだ願いに応えて、天井の照明が落ち。
KP :
……あたりは黒い闇に包まれた。
KP :
ふとヴァイオリンの旋律が止み、その代わり何かの駆動音が聞こえだす。
KP :
そして間もなく。
KP :
轟音を伴い『それ』は顕現する。
KP :
……社長室の奥の壁を突き破り、
KP :
その大穴から、堰を切ったように溢れ出す。
KP :
止め処なく溢れる何かが部屋全体を覆っていく。
KP :
それは髪の毛めいた"黒いケーブルの束"だった。
KP :
……まるで激痛にのたうつ四肢の様に這い回り、その先端から血に似た赤い電流を迸らせている。
KP :
そして、何よりも目を引くのはケーブルの中心。
KP :
……そこにあったのは、身体だった。
KP :
時計のダイアルめいた部品をつけた、歪な球体のような身体。
KP :
バラバラに解体した無数の人体、その継ぎ接ぎ。
KP :
────いや、そう見えた『それ』は実際のところ、人間に似たアンドロイドの継ぎ接ぎだった。
KP :
その歪な機械の身体は、VOIDの手や足や顔の集合体だったのだ。
KP :
……それには未だ意識が残っているのだろうか。
KP :
蠢くアンドロイドは手を伸ばし、口を開いて声を漏らす。
KP :
言葉にならない呻き声。だけど。
アンドロイド :
『 タ ス ケ テ 』
KP :
…………そんな助けを求める声だった気がする。
KP :
それだけではない。
KP :
その機械の群れは、鋼線の触手を有馬夏央へ伸ばす。
KP :
────あっという間、触手が彼女を取り囲み。
KP :
そのまま有馬夏央は歪な機械の中心に呑みこまれた。
KP :
高度な機械を依代に顕現する、時計仕掛けの神。
KP :
進化しすぎた文明に混沌と破滅を齎すナイアルラトホテップの化身のひとつ。
KP :
チクタクマンの目撃によるSANチェックをおねがいします。
KP :
成功で1、失敗で1d10のSAN値減少になります。
夜鷹 守人 :
cc<=43 なんとかなれー!!!(1D100<=43) > 42 > 成功
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 43 → 42
不破 栞 :
cc<=51(1D100<=51) > 38 > 成功
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 51 → 50
オト :
CC<=43 SAN(1D100<=43) > 73 > 失敗
ヤオ トモヤ :
cc<=34 【san】(1D100<=34) > 39 > 失敗
夜鷹 守人 :
アンドロイド組ー!!
オト :
1d10 減少(1D10) > 10
ヤオ トモヤ :
1d10(1D10) > 10
オト :
えぇ
夜鷹 守人 :
うわー!!!!
KP :
アンドロイド二人が失敗……! しかも最大値……!!
KP :
アンドロイド特効すぎ
ヤオ トモヤ :
すごいな…
system :
[ オト ] SAN : 43 → 33
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 34 → 24
KP :
それでは二人とも一時間以内にSAN値の1/5以上を喪失したので不定の狂気に陥ってしまいます。
オト :
はぁい…
ヤオ トモヤ :
了解です
KP :
相談の結果、不定の狂気の内容は『チクタクマンの機械を操る権能によるアンドロイド二人の支配』に決定!!
KP :
BR800とX000の二人には、ラウンド終了時に≪コンピュータ≫また≪ハッキング≫による判定を行なってもらいます!
KP :
この判定に成功した場合、一時的にチクタクマンの支配から逃れる事ができます!
KP :
しかしこれは不定の狂気ですので、なんらか後遺症は残るものと思ってもらえれば。
オト :
了解了解です
ヤオ トモヤ :
了解です‼︎
オト :
「────ッ」
オト :
まるで時が止まったかのようだった。
オト :
異質な機械が目に映った瞬間、初めて味わう感覚が襲い掛かって来る。
オト :
頭の中に手を突っ込まれ、中枢機能を握り込まれているような────
オト :
全く知らない感覚。なのに既視感を覚えるのは何故なのか……それは自分がいつもやっていることだったからだ。
オト :
────"ハッキング"
オト :
機械を意のままに操る、自分が持つ機能。
オト :
今まで当たり前のように使って来た機能と同質。
オト :
しかし、だからこそ理解出来てしまう。
オト :
この支配が、自分が扱っていたものよりも圧倒的に上位の力であるということに。
オト :
「や……っ」
オト :
ヤメテ。
オト :
そう許しを請う言葉は最後まで出なかった。
オト :
絶望感や恐怖感が心を黒く錆びさせて、言葉はただの呻き声と化してしまう。
オト :
その声は、目の前で蠢き、助けを求めるアンドロイド達と全く同じで。
オト :
その姿は、もうかつての歌声さえも永久に失われてしまったかに見えるだろう。
夜鷹 守人 :
「こい、つは……っ」
異質な存在が現れたと同時に、瞳に恐れを抱くオトの存在に気づく
夜鷹 守人 :
「お、おい……オト……?」
今まで見た事のない表情を浮かべる彼女に、思わず声をかけてしまう
不破 栞 :
「オト!! しっかりしろ!!」 もはや何が起きても驚かないつもりだったが……ただ事ではないその反応に必死に呼びかける。
ヤオ トモヤ :
「……ッあ、あ、嘘だそんな、先輩!気を確かに!!」自らを幾度となく気にかけ、ずっと気丈に振る舞って見せたオト。そんな彼女の尋常でない様子に取り乱す。
KP :
その呼び声に反応したのだろう。
KP :
鋼線の触手は、ヤオトモヤの四肢にも絡み付く。
KP :
そして姉同様、ヤオトモヤも時計仕掛けの神の本体へ引きずりこまれる。
アンドロイド :
「と……も…………」
KP :
呻き声がする。
KP :
BR800に縋り付き、赤子みたいに服を引っ張るアンドロイドから。
アンドロイド :
「も……や…………」
KP :
ヤオトモヤを呼ぶ声が。
KP :
────その呼び声に、耳を貸してはならなかった。
KP :
そのアンドロイドと、目が合う。
アンドロイド :
「お……なじ…………」機械の口が笑みを作って
アンドロイド :
「 ヒ ト ツ ニ ナ ロ ウ 」
KP :
その瞬間。今度こそ、BR800の思考回路は停止した。
KP :
────時計仕掛けの神の権能、機械の隷属化。
KP :
その術中に嵌ったのだ。
KP :
権能の対象には、MAGIも含む。今度こそ助けはない。
KP :
…………マインドパレスの侵蝕、が、広がって。
KP :
さき■■まで、いだ■■■■かんじ■■もきえて■■。
ヤオ トモヤ :
「…ぁ、ぁ……よ■■さ、……」それきり本体からは何も聞こえない。
夜鷹 守人 :
「トモヤッ!!」
夜鷹 守人 :
彼を囚えるケーブルに電子刀を振り下ろす。しかし、その強靭な繊維は高熱の刃を受けつけない。
夜鷹 守人 :
「クソッ、離せ……ってんだ!!」
夜鷹 守人 :
何度も、何度も刃を叩きつける。
……しかし、拒絶されるかのような厚い装甲は突破できず、試みは徒労に終わる。
不破 栞 :
「っ……まるで効いていない、その上、二人がこの状態では……!」 汗を滲ませながらも、この場を切り抜ける方法を考える。
KP :
それではみなさん、戦闘の前に≪コンピュータ≫による判定をおねがいします!
KP :
この判定は支配されてる二人もできますの!
オト :
出来るんだ!了解です
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ‼︎】(1D100<=80) > 95 > 失敗
オト :
CC<=70 コンピューター(1D100<=70) > 90 > 失敗
不破 栞 :
cc<=64(1D100<=64) > 76 > 失敗
KP :
もう支配されてますよ
オト :
だめだこれ!!!
ヤオ トモヤ :
おかしい…いやおか、⁇
夜鷹 守人 :
cc<=1 ここでクリティカルですよ(1D100<=1) > 7 > 失敗
夜鷹 守人 :
惜しいな?
KP :
めちゃめちゃ惜しい
オト :
惜しかった…
ヤオ トモヤ :
惜しい…
不破 栞 :
惜しい……けどここは仕方ないね
KP :
全員が判定に失敗してしまいましたが、特記事項以外の情報を開示しましょうか
オト :
助かります
夜鷹 守人 :
ありがた~…!何もわからん状態だけは避けられた
不破 栞 :
ありがてえ…
ヤオ トモヤ :
ありがとうございます…
KP :
では4つの特記事項を除いたデータは以下の通り
□デウス・エクス・マキナ
DEX18/HP120/装甲10
『放電/95%/ダメージ:4d10』
『薙ぎ払い/85%/ダメージ:4d6/全体攻撃』
KP :
判定失敗で開示する情報は以上です
オト :
うおー了解です
ヤオ トモヤ :
了解!
夜鷹 守人 :
生身の人間じゃ勝てないよ~~~!!!
不破 栞 :
了解!どうすりゃいいんだ…
有馬 真二 :
「……フ、あっけないものだ」
有馬 真二 :
「さあ夏央、残った二人を殺しなさい」
有馬 夏央 :
「…………」
KP :
返事はない。
KP :
ただその言葉に応えるように、機械は二人へと近付いてきた。
KP :
それでは戦闘処理を開始します。
KP :
エネミーは、デウス・エクス・マキナ。距離は5m。
KP :
さらに同エンゲージに支配を受けたBR800とX000。
KP :
そして行動順は以下の通り
KP :
1.デウス・エクス・マキナ(DEX18)⇒2.ヤオトモヤ(DEX14)⇒3.不破栞・オト(DEX12)⇒4.夜鷹守人(DEX4)
KP :
この戦闘では『回避に専念』と宣言を行う事で、自身に手番を放棄して、その代わり回避と受け流しの判定に+20%のボーナス修正を得る事ができる事とします。
オト :
め、めっちゃ助かる!!
ヤオ トモヤ :
優しい……‼︎ありがとうございます…‼︎
夜鷹 守人 :
ありがて~!!
KP :
なおBR800及びX000は操作の権利がデウス・エクス・マキナ側にあるため、ラウンド終了時の支配から逃れる判定に成功しない限り、この宣言を行う事はできません。
ヤオ トモヤ :
ダハハそりゃそう確かに‼︎了解しました!!
オト :
それはそう!了解了解
KP :
それでは1ラウンド目
KP :
最速のデウス・エクス・マキナによる薙ぎ払い。対象は夜鷹守人と不破栞。
KP :
cc<=85 薙ぎ払い(1D100<=85) > 43 > 成功
夜鷹 守人 :
う、受け流し~!
夜鷹 守人 :
回避に専念も追加で!!
不破 栞 :
回避に専念して回避だ!
KP :
それでは二人とも判定をどうぞ
不破 栞 :
cc<=84(1D100<=84) > 12 > スペシャル
夜鷹 守人 :
cc<=99(1D100<=99) > 15 > スペシャル
KP :
二人とも成功、まずは死を免れましたね
KP :
それでは電子刀への受け流しダメージを与える前に、デウス・エクス・マキナの[特記事項2]を公開。
□特記事項2
有馬夏央の葛藤により、PCに対して行なう攻撃のダメージを1/2する。
KP :
それでは改めてダメージロール
KP :
4d6 薙ぎ払い(4D6) > 16[4,6,2,4] > 16
KP :
半減して8点、そこからサードアイで軽減するので2点のダメージを武器で受けて下さい
system :
[ 夜鷹 守人 ] 武器耐久 : 20 → 18
夜鷹 守人 :
迫りくる薙ぎの軌道を計算。それを電子刀で何とか受け流し、直撃を避ける。
夜鷹 守人 :
「グッ、重い……! 当たれば死ぬな……っ」
不破 栞 :
「ッ……ああ、一発でも貰えば終わりだ!」 間一髪、飛んでくるケーブルの束を屈んで回避する
KP :
それでは続いて支配を受けたトモヤくんの手番
KP :
ここは守人くんに電磁鞭で攻撃かな、判定おねがいします。
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁ムチ】(1D100<=75) > 58 > 成功
ヤオ トモヤ :
成功しちゃったか〜〜〜…
KP :
それでは守人くんは回避か受け流し、おねがいします。今は回避の方が高いのかな。
夜鷹 守人 :
そうね、78になるはず!それじゃ回避を使おう
夜鷹 守人 :
cc<=78 避けろ、守人!!(1D100<=78) > 63 > 成功
KP :
ちょっとヒヤッとする出目ですが、同士討ちで死亡するのは回避。
ヤオ トモヤ :
隷属下に堕ちた今、感情はトモヤの機体から落ち失せた。まともに思考することもできずここにあるのはただの抜け殻。デウス・エクス・マキナの命令のみ。曰く、夜鷹守人を攻撃せよ。
ヤオ トモヤ :
鞭を握りしめた腕が守りたかった筈の相手に向かって振るわれる。
夜鷹 守人 :
死の薙ぎを捌いたのも束の間、サードアイから警告が発せられる。
夜鷹 守人 :
それはパートナーから放たれた電磁鞭。
鞭の先端は音速を越えると言われる。もし、アンドロイドの演算による高度な正確さが組み合わさったなら正確に速度を保ったまま振るわれるだろう。
夜鷹 守人 :
「ッ、トモヤ! 気をしっかり保て、父の言葉を思い出せ!」
夜鷹 守人 :
守人はそれを間一髪で躱す。それと同時に、彼を正気に戻す為の言葉を投げかけた
KP :
続いてふわおとの手番ですが、不破さんは『回避に専念』の宣言によって手番を消費しているので、支配を受けたオトちゃんの手番。
KP :
オトちゃんは不破さんに音波銃で攻撃。判定おねがいします。
オト :
失敗してくれマジで~…
オト :
CC<=80 拳銃(1D100<=80) > 92 > 失敗
オト :
よっしゃ!!!!!!!!!!!!!!!
オト :
しゃー!!!!!!!!!!!!!!!!
不破 栞 :
よーし!!!!
KP :
何…!? まだ自我が…!?!?
オト :
あります
KP :
強い…! それでは演出あればどうぞ…!!
オト :
デウス・エクス・マキナの命令通りに、片手に持った音波銃を構える。
オト :
目標は不破栞。かつてのマスターであり、今は本当のパートナーである女性。
オト :
「…… … ………」
オト :
掠れた呻き声と共に、トリガーを引く。
オト :
銃口から発せられた音の弾丸は、真っ直ぐに不破栞へと向かう────
オト :
────はずだった。
オト :
不可視の音波は栞の髪を掠め、後方の壁に衝突する。
オト :
……栞は目にするだろう。
オト :
音波銃を持つオトの手が、小さく震えて照準が定まっていないことに。
不破 栞 :
音圧で髪を結んでいた紐が千切れる。
不破 栞 :
「オト……!」 これは偶然外したのではない。そう確信する。
不破 栞 :
「大丈夫だ、諦めるな……!」
不破 栞 :
「私も諦めない! 必ず方法はあるはずだ!!」
有馬 真二 :
「……まだ諦めないか、なんとも往生際の悪い」
有馬 真二 :
「しかしまさか未だ反抗できるとはな、全く呆れるよX000」辛うじて銃口を逸らしたオトを睨む
有馬 真二 :
「……まあ、状況は依然として変わらない」
有馬 真二 :
「無駄な抵抗だよ」
KP :
続いて守人くんの手番ですが、守人くんも『回避に専念』の宣言によって手番を消費しているので1ラウンド目が終了。
KP :
それではデウス・エクス・マキナの支配に対する抵抗判定の時間です。
KP :
≪コンピュータ≫また≪ハッキング≫による判定を行ない、これに成功できた場合、デウス・エクス・マキナの支配から解放されます。
KP :
運命の判定をどうぞ。
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 50 > 成功
オト :
ハッキングで!
オト :
CC<=80 ハッキング(1D100<=80) > 61 > 成功
オト :
やったー!!!!!
KP :
二人とも抵抗に成功!無事にデウス・エクス・マキナの支配から解放されます!!
オト :
「…………」
オト :
────声が。
オト :
声が、聞こえた気がする。
オト :
わたしを安心させ、勇気づけてくれる声。
オト :
その声は黒く塗り潰された心の中にも確かに届き、意識を僅かに呼び起こす。
オト :
「…………」
オト :
だらりと垂れ下がっていた腕を上げる。
オト :
声が聞こえた方へと、手を伸ばし……
オト :
「X……0、00……」
オト :
その手で、自分の頭を強く掴んだ。
オト :
「LOG IN……ッ」
オト :
錆びついたように淀んだ目に、青い光が宿る。
オト :
────“ハッキング”
オト :
機械を意のままに操る、X000に与えられた力。
オト :
その対象は自分自身にも適用可能であることは、昨日のユーザー登録の解除で実証済みだった。
オト :
「う、ア……ああ■■ああアァ■ッ……!!!」
オト :
低く漏れる呻き声と共に、頭部パーツから火花が散る。
オト :
デウス・エクス・マキナの支配は強く、二方向からのハッキングに体が耐えられていなかった。
オト :
それでもハッキングを続ける。プラスチックの肌がひび割れ、砕けた傷口から青い血がとめどなく噴き出そうとも。
オト :
「……ろ」
オト :
「消え、ろ……」
オト :
「わたしの中から、消えろーーーーーーーーッ!!!」
オト :
その叫びが、最後の起動コードになった。
オト :
体を蝕む全てのウイルスを、自分のプログラムの一部ごとデリートする。
オト :
これで何か大事な機能が欠けてしまったかもしれないし、もしかしたらアンドロイドとして活動する上で後遺症が残るかもしれない。
オト :
しかし、そんなことはどうでもいい。
オト :
誰かに支配されて、自分の大切な人を手に掛けるよりもよっぽど……!
オト :
「……は、ハ……ァ、ああ……」
オト :
荒く息を漏らすように呻きながら、片膝をつく。
不破 栞 :
「――無駄な抵抗か……確かに、いつだってそうだったかもしれない」
不破 栞 :
「だがオト、お前はいつだって私たちの不可能を可能にしてきた。そうだろう……!」
オト :
「シオリ……」
オト :
顔を上げる。
オト :
その目にははっきりと、彼女の姿が映っている。
オト :
「うん……そうだよ……!!」
オト :
「わたしに……不可能なんて、無い……」
オト :
「わたしは……誰かのユメを叶えるアンドロイドなんだから……!!」
オト :
立ち上がり、そう強がるように笑って応える。
不破 栞 :
「ああ……あと少しだ!!」 絶望的な状況でも、その笑顔に応えて笑う。
ヤオ トモヤ :
有馬朝也としての記録にドロ係に配属されてからの記憶、そしてヤオ トモヤとして手に入れた感情。
ヤオ トモヤ :
″私″を構成していたものたちが、輪郭を失い遠くなっていく。数字に塗り潰される。
ヤオ トモヤ :
……瓦落多の同胞の中。人間ともアンドロイドともつかない私もここではヒトツ。
ヤオ トモヤ :
強大な存在の下にある安心。何も揺らぐことはない。視界一杯に広がる0と1。指し示すところは────目前の人間を始末しろ。
ヤオ トモヤ :
しかしケーブルの向こうから伝わる音声波形が秩序を、私を乱していく。必死で悲痛なそれは年若い男性のもの、だった。
ヤオ トモヤ :
私は、これを知っている。
ヤオ トモヤ :
知って■■いいえ。00101命令より、優先0101000101…す■、きことなんて0110101…いや違■。■■■01101ちが…101…違う。違う、違う!
ヤオ トモヤ :
私には命令の遵守より、終生の安寧より、なによりも優先したいものがあった。なによりも大事にしたい人がいた!
ヤオ トモヤ :
これがそうだ、私の意味も本当の安心も全てこの人にある。
ヤオ トモヤ :
瞬間、マインドパレスの支配が数字から私に置き換わった。思考がその形を……私を取り戻すにつれ、視界の数字と一緒に疎になっているところがあるのに気づく。
ヤオ トモヤ :
一時とはいえ全てを明け渡していた。無傷で返されるとは考えにくい。間違いなくどこかで欠損が起きていた。けどそんなこと、今はどうでもよかった。
ヤオ トモヤ :
「…‼︎よ、■かさん、ッよたかさん!!!」
ヤオ トモヤ :
ケーブルの檻の中、手を伸ばす。
ヤオ トモヤ :
伸ばした先のそれはどうしてか、切れてはいないものの十分に傷ついていて。手繰り寄せ引き千切る、そうして身を捩って抜け出そうと試みた。手は今度こそ宙に伸びる。
夜鷹 守人 :
パートナーの掲げた手を硬く握りしめ、守人は力の限り引き挙げる。
夜鷹 守人 :
「ッ、トモヤ。よく戻って来た……!」
夜鷹 守人 :
漆黒の牢獄から解き放たれた友を抱擁する。
あの時、有馬のハッキングから逃れた奇跡はもう起こらないかもしれない。そんな不安を拭い去るように。
ヤオ トモヤ :
「……ッはい、ただいま戻りました…‼︎」
ヤオ トモヤ :
きっとこれからだってアンドロイドとしての意義証明と有馬朝也として……人間として経た過去、その狭間で傷つき迷い揺らぐ日があるだろう。それでも、きっと大丈夫だ。
ヤオ トモヤ :
迷いから引き上げてくれたその手を、硬く握りしめてくれたその人を、もう2度と見失わないように。その思いを返すようにトモヤも硬く握りしめる。
有馬 真二 :
「なっ……」
有馬 真二 :
「バカなっ……!!」
有馬 真二 :
「神の支配を振り切る、だとっ……!?」
オト :
「神か……神ね……」
オト :
「これが本当に神様だっていうなら……」
オト :
「もうこれからは何が起きても絶望せずに済みそうだよ!ぜんっぜん大したことない支配だったからね!!」
オト :
シオリの真似をするように、辛くても強がって不敵に笑いかける。
不破 栞 :
「さんざん迷走した挙句に最後は神頼みか」
不破 栞 :
「あんたらしいな……よっぽど自分に自信がないらしい!」
夜鷹 守人 :
「神にしては随分と禍々しいな、こいつを信奉するヤツの程度が知れる……!」
有馬 真二 :
「…………」
有馬 真二 :
「…………だからなんだ?」
有馬 真二 :
「おまえ達が抗っても、この状況が好転した訳じゃない!」
有馬 真二 :
「おまえ達の方こそ神頼みが必要な状況だろう!?」
不破 栞 :
「あんたと一緒にするな」
不破 栞 :
「私は一度だって神に頼ったことなんかない」
不破 栞 :
「私が頼るのは……私の仲間たちだけだ!!!」
有馬 真二 :
「ハッ、笑わせるな!その仲間とやらに何ができる!!」
有馬 真二 :
「────そろそろハッキリと理解させてやろう、おまえ達が抱く希望や抵抗に意味などないという事を!!」
KP :
こうして1ラウンド目が終了。
KP :
そしてデウス・エクス・マキナの[特記事項4]の効果を発動します。
□特記事項4
ラウンド終了時、自身と同じ位置に一体の【機械の巫女】を作成する。
KP :
そのデータは以下の通り
□機械の巫女
DEX3/HP10/装甲2
[特記事項]
ラウンド開始時に宣言する。
自身の手番を放棄して【デウス・エクス・マキナ】の手番を追加する。
KP :
それでは2ラウンド目
KP :
まず【機械の巫女】の効果を使用。
KP :
自身の手番を放棄し、このラウンドのデウス・エクス・マキナの手番を増加。
KP :
そして最速のデウス・エクス・マキナの二回行動。
KP :
放電による単体攻撃を二回。それぞれ対象は支配から逃れたBR800とX000。
KP :
cc<=95 放電1回目(BR800対象)(1D100<=95) > 89 > 成功
KP :
あぶないあぶない…薙ぎ払いだったら失敗している出目でしたよ…。
KP :
cc<=95 放電2回目(X000対象)(1D100<=95) > 57 > 成功
KP :
二回とも成功。それぞれ回避をおねがいします。
ヤオ トモヤ :
了解、振ります!
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【回避】(1D100<=75) > 26 > 成功
オト :
回避に専念して振ります
オト :
CC<=90 回避(1D100<=90) > 5 > スペシャル
KP :
二人とも出目がいいですね、回避に成功です。
KP :
それではデウス・エクス・マキナの手番は終了。演出あればどうぞ。
ヤオ トモヤ :
ではトモヤはサードアイからの指示に従い、放電のタイミングでソファの陰に転がり込む。どうにか直撃は免れた。
オト :
「……っ、こういう機能もあるわけ……!」
オト :
雷光が瞬いたのと同時に、床を転がるように伏せる。直後、頭上を雷が迸った。
KP :
続いてPC最速のトモヤくんの手番。
ヤオ トモヤ :
はい、それでは機械の巫女にエンゲージして電磁鞭で攻撃します。
ヤオ トモヤ :
cc<=75 【電磁鞭】(1D100<=75) > 20 > 成功
KP :
機械の巫女は回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします。
ヤオ トモヤ :
2d8+1d4(2D8+1D4) > 7[2,5]+3[3] > 10
KP :
装甲で2点軽減して8ダメージ。
system :
[ 機械の巫女 ] HP-A : 10 → 2
KP :
自動気絶です。演出おねがいします。
ヤオ トモヤ :
はい!
ヤオ トモヤ :
ソファ後ろから転がり出たトモヤ。その体勢から機械の巫女に向かって力強く鞭を振るう。
ヤオ トモヤ :
下から上へ勢いをつけて伸びた鞭先は、人間で言えば顎先に位置する場所を強く打つ。
ヤオ トモヤ :
彼女の頤は砕け、青い飛沫があがる。随分と脆い材質でできていた。用のすんだソレに目をやることもなくデウス・エクス・マキナの動きをじっと待つ。
KP :
続けてふわおとの手番ですが、オトちゃんは『回避に専念』の宣言によって手番を消費しているので、不破さんの手番。
不破 栞 :
少しでも情報を集めましょう、コンピュータ技能の振り直しします!
KP :
念入りに観察して分析するカンジですね。判定おねがいします。
不破 栞 :
cc<=61(1D100<=61) > 39 > 成功
不破 栞 :
ヨシ!
KP :
成功。それでは【デウス・エクス・マキナ】の全データを公開しましょう。
□デウス・エクス・マキナ
DEX18/HP120/装甲10
『放電/95%/ダメージ:4d10』
『薙ぎ払い/85%/ダメージ:4d6/全体攻撃』
[特記事項1]
スタンとハッキングの効果を受けない。
その他の自身の判定へのペナルティ修正は1/2する。
さらにショックロールに自動成功する。
[特記事項2]
有馬夏央の葛藤により、
PCに対して行なう攻撃のダメージを1/2する。
[特記事項3]
自身が行なうダメージロールの後に宣言する。
4点のHPを消費して、対象の装甲を無視してダメージを算出する。
この効果は1ラウンドに1度まで使用する事ができる。
[特記事項4]
ラウンド終了時、自身と同じ位置に一体の【機械の巫女】を作成する。
【機械の巫女】HP10 装甲2
[特記事項]
ラウンド開始時に宣言する。
自身の手番を放棄して【デウス・エクス・マキナ】の手番を追加する。
不破 栞 :
色々とヤバいことがわかった!
不破 栞 :
デウス・エクス・マキナの注意が他の仲間に向いている間に、その動きを観察する。
不破 栞 :
少しでも、勝機に繋がりそうな要素を探し、そして、いくつかの違和感にたどり着く。
不破 栞 :
「なるほど、とんでもない出力の機械だが……どうやら操縦してる人間には迷いがあるようだな……!」
不破 栞 :
「倒すのは無理だが、いくらか時間を稼ぐことは私たちでもできそうだ!」
不破 栞 :
いまは耐えるしかない、が、人間の動かすものである以上は付け入る隙がある。それを仲間に伝える。
オト :
「それでも、倒す方法を見つけなきゃ……!」
夜鷹 守人 :
「何か、何か突破口は……」
不破の言葉を聞き、巨体を用心深く観察する
ヤオ トモヤ :
「……っく、…‼︎」
……夏央に迷いがあるとしてもこの具合では。時間は限られる。この場を突破する為の鍵を必死で考える。
不破 栞 :
「もし電子刀が効かないとすれば、今この場にある武器でこいつを倒すのはおそらく不可能だ」
不破 栞 :
「だが……この場にない別の武器なら可能性があるかもな……!」
オト :
「この場に無い武器……」
夜鷹 守人 :
「武器、ですか……」
何があるか考えながら、電子刀を握り直す。
不破 栞 :
「とにかく、今はやれることをやるしかない。頼む、守人君!」
夜鷹 守人 :
「ええ、露払いぐらいは出来るはず……!」
KP :
最後、仲間から託された守人くんの手番どうぞ。
夜鷹 守人 :
いえあ、デウス・エクス・マキナに電子刀二刀流……行ってみますか!!
夜鷹 守人 :
cc<=75 どりゃー!(1D100<=75) > 59 > 成功
KP :
デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします。
夜鷹 守人 :
2d10+2 よいしょっ!(2D10+2) > 7[1,6]+2 > 9
KP :
装甲10点で完全無効化。人間の武器は神に届きません。
夜鷹 守人 :
硬すぎる、お前なんなんだ
KP :
神です。
夜鷹 守人 :
ですよね~!
夜鷹 守人 :
「しかし……」
夜鷹 守人 :
機械の神に対して、電子刀の効果が薄いのは証明済みだ。もし二つの刃を立てたとしても、あの強靭な鎧には傷一つつけられないだろう。
夜鷹 守人 :
圧倒的な力の前に気負されていると、ケーブルの束が守人を目掛けて槍のように突き進んでくる。
夜鷹 守人 :
「ッ、どうしようもないな……!」
夜鷹 守人 :
二対の電子刀を叩きつけて、ケーブルを弾く。もちろんダメージを与えた形跡はない。
夜鷹 守人 :
このままでは追い詰められて負けてしまう。
そんな気弱な考えを思い浮かべざるを得ない。
KP :
2ラウンド目が終了。
KP :
デウス・エクス・マキナの[特記事項4]の効果を発動。
KP :
一体の機械の巫女を作成。
70 ユメのヒーロー
KP :
……アナタ達の視界は次第に霞んでいく。
KP :
アナタ達は目の前の機械に対し、防戦一方であった。
KP :
この巨大な機械に、
KP :
圧倒的な科学力に、自分達は本当に敵うのだろうか。
KP :
まだ自分達にできる事は残っているのだろうか。
KP :
そんな不安が襲ってくるだろう。
KP :
アナタ達は"選択"を迫られているのだ。
KP :
全てを諦めて、ここから逃走するのか、
KP :
力尽きるまで、目の前の敵に立ち向かうのか。
KP :
選ぶのはアナタ達自身だ。
夜鷹 守人 :
有馬達の計画の神髄。機械仕掛けの神、デウス・エクス・マキナ。
その力はまさに神の如く……いや、これでも真の力とは程遠いのかもしれない。
夜鷹 守人 :
力の一端を見せつけられ、防戦に出ることしかできない。
ジリ貧な戦いを続ければ負けるのは明白である……。
夜鷹 守人 :
「だとしても……ッ」
夜鷹 守人 :
奥歯を噛みしめて、目の前の神を睨みつける。
夜鷹 守人 :
「ここで負ける訳にはいかない。お前達に……この舞台の幕を下ろされてたまるものかッ!」
夜鷹 守人 :
すべての状況をひっくり返し、世界(舞台)を終わらせる神に、男(役者)はそう吠えて見せた。
ヤオ トモヤ :
「……っはい‼︎夜鷹さん‼︎」
その叫びを聞いてトモヤも続く。
ヤオ トモヤ :
デウス・エクス・マキナの隷属下。
……個をなくし、ヒトツとなって揺蕩って、感じていたのは泥のような安寧。
ヤオ トモヤ :
それは有馬の望んだ歪んだ理想の世界に違いなかった。……それでもあなたは私の手を取って引き上げてくれた。
私の信じるところも帰るところもあなたにある。
ヤオ トモヤ :
これまでに係長から赤星から天城から、何度となくあなたを任されてきた。約束もお願いもきちんと叶えることができないでいる。
だから。尚更!
ヤオ トモヤ :
「……っここで逃げるわけにはいかないですよね!最後の最後までお供させてください!!」
オト :
「…………」
オト :
「有馬。色々間違ってるあんただけど、この期に及んでまだ間違ったこと言ってるよ」
オト :
霞んでいく意識をはっきりと覚醒させ、有馬真二を見据える。
オト :
「やっぱり、こいつは神なんかじゃない。ただの犠牲者の塊だ」 異形の機械を指差し
オト :
「あんたはずっと、犠牲者しか生み出してないんだよ」
オト :
「こんな集合体にされたアンドロイド達も、兵士に変えられてしまったアンドロイド達も、あんたの狂った実験に付き合わされた科学者も……」
オト :
「KRモデルも、抑制剤を巻き散らされた街の人達も……あんたが大事がってる子供も……」
オト :
「あんたがくだらない復讐の道具にした、ココロ達も……!!」
オト :
「全部、全部犠牲者だ!あんたがしたことは全部!最悪最低の犯罪でしかないんだよ!!」
オト :
怒りを込めて叫び、拳を握りしめる。
オト :
その目には諦めも無ければ、絶望も映っていない。
オト :
だってそうだろう。ここには最初から神なんていない。
オト :
敵はただの犯罪者だけだ。
オト :
「だから勝手に勝ち誇んなよ、有馬……!!」
オト :
「わたしはあんたのこと、絶対に許さないから!!!」
オト :
まだ敵に一撃も試していない音波銃を構え、一歩も退かずに立ち向かう。
不破 栞 :
「守人君、トモヤ君……オト……」
不破 栞 :
「フフ……そうだな。犯罪は……初動捜査を妥協したらおしまいだ」
不破 栞 :
逃げたい気持ちがないと言えば嘘になるし、直観的には一度退くのが正しいかもしれない。
不破 栞 :
だが、不破は今が一番勝てる確率が高いと踏んだ。
不破 栞 :
この機械は確かに途方もなく強い。だが、今は操縦者に迷いがある
不破 栞 :
時間を与えれば、その隙がなくなってしまうかもしれない。
不破 栞 :
無尽蔵に作り出される機械の巫女たちも、自分たちが各個撃破しなければ手のつけられない数になってしまうかもしれない。
不破 栞 :
確かにいまだ勝機は見えないが、それは逃げ出したとて同じこと。
不破 栞 :
10年待ってたどり着いた今、逃げ出せば次のチャンスは、自分が生きている間には来ないかもしれない。
不破 栞 :
――いや、そんな理由付けはもはやどうでもいい。
不破 栞 :
いままで自分に立ちふさがってきたいくつもの不可能を可能にしてきた相棒が、そして苦楽を共にした仲間たちが、最後まで戦うと言っている。
不破 栞 :
それだけで、不破が運命を委ねるには十分だった。
不破 栞 :
「みんな……戦闘続行だ。最後まで戦い抜くぞ!!!」
オト :
「うん!!」
夜鷹 守人 :
「やってやりましょう!」
ヤオ トモヤ :
「はい!!」
有馬 真二 :
「…………愚か」
有馬 真二 :
「あまりに愚か」
有馬 真二 :
「自分の力を過信し、力の差を理解しても向かってくるとは」
有馬 真二 :
「────もういい。夏央、トドメを刺しなさい」
KP :
有馬真二の言葉に従い、時計仕掛けの神は無数の触手を振り翳す。
KP :
アナタ達に向かって振り下ろされる。その瞬間。
KP :
────『雀』を模した一羽の機械が、アナタ達の間に飛びこんできた。
KP :
そしてその機械仕掛けの小鳥は、聞き覚えある男の声で話しだす。
青木 玲斗 :
『みなさん、大丈夫ですか……!?』
夜鷹 守人 :
「雀……あ、青木さん!?」
オト :
「玲斗!?」
不破 栞 :
「フフ……待ちくたびれたぞ……!」
青木 玲斗 :
『お待たせして申し訳ありません……!ようやく復元作業が終わりました……!!』
青木 玲斗 :
『全てを説明している時間はないようです……! 今から渡す腕輪をそれぞれ装着してください……!!』
KP :
そう言って雀型ロボットは、アナタ達の手に"白い腕輪"を落とす。
青木 玲斗 :
『そしてパートナーと手を合わせてください……!VOIDを登録する時みたいに……!!』
青木 玲斗 :
『────そうすればきっと"アレ"が起動するハズです……!』
有馬 真二 :
「腕輪だと……? 何を企んでいる……?」
有馬 真二 :
「いや、何でも構わんッ……! 何かする前に始末すればッ……!!」
有馬 真二 :
「────殺れッ、チクタクマンッ!!」
KP :
有馬真二の言葉と同時。
KP :
今度こそ、機械の触手は振り下ろされた。
KP :
ひとつの影が弾け飛び、ボロ雑巾のように宙を舞う。
KP :
奥の壁に全身を叩きつけられて、動かなくなる。
KP :
……青い血を流して床に転がる。
KP :
しかし、それは狙われたアナタ達の誰でもなかった。
KP :
──────シロウだ。
KP :
有馬家の飼い犬であるシロウが、身を挺しアナタ達を守ったのだ。
有馬 夏央 :
「シロウ……どうして……?」
KP :
夏央の声と共に時計仕掛けの神は動きを止めた。
KP :
……やるなら今しかない。
ヤオ トモヤ :
「……ッ‼︎」シロウがその命を賭して繋いだ隙だ。即座に腕輪に手を通す
不破 栞 :
「どうして、か?」
不破 栞 :
「それが分からない君じゃあるまい……!」 迷うことはなく、腕輪を拾って装着する。
夜鷹 守人 :
「ッ、君の大切な家族だろう……!」
腕輪を装着し、トモヤの隣に寄る
オト :
「まさか、家族だから今も自分の味方して寄り添ってくれてると思っていたの?」 腕輪を拾う
オト :
「違うでしょ!!相手が間違ったことしてるならたとえ辛くても止めてあげる……それが本当のパートナーってやつでしょうが!!」
オト :
腕輪を装着し、シオリのもとに駆けつける。
有馬 夏央 :
「────────ッ」
オト :
「シオリ!何だかよく分からないけど、信じるよ!」
オト :
「あなたの信じてる、仲間の力を!!」
オト :
そう言って、シオリに手を伸ばす。
不破 栞 :
「ああ……みんなの信頼に、私たちで応えてみせよう!!」
不破 栞 :
その手を取る。あの日、廃品置き場でそうしたように、このスクラップだらけの部屋でもう一度。
夜鷹 守人 :
「やるぞ、トモヤ! 俺達で未来を切り開くっ!!」
夜鷹 守人 :
迷いなくトモヤに手を差しだす。
ヤオ トモヤ :
「はいっっ、夜鷹さんとならできます!!」
ヤオ トモヤ :
迷いなく差し出されたその手を硬く握る。あの時を踏まえてあなたの手を痛めないように、それでもしっかりと。
KP :
アナタ達が手を合わせると、
KP :
腕輪がチカチカと瞬き、機械の音声が小さく鳴った。
SYSTEM :
『夜鷹守人:BR800//適合率100%』
SYSTEM :
『不破栞:X000//適合率100%』
KP :
窓辺から白い光が差し込む。
KP :
何気なくそちらを見遣ると、上空に既に暗雲はなく。
KP :
見えたのは、満天の星空と満月。
KP :
そして、その中でも燦然と輝く、一対の白い影。
KP :
暗雲を切り開く白い影。
KP :
────それは、光芒を引いて夜空を翔ける『流星』だった。
KP :
見惚れたのも束の間。
KP :
流星は見る見る内に大きくなり、アナタ達の目の前に落ちてきた。
KP :
轟音と共に窓ガラスが砕け散り、土埃が舞いあがる。
KP :
大きな地響きが立って、ビルごと大きく揺れる。
KP :
あまりの衝撃に足場が崩れ落ち、機械仕掛けの邪神の巨体が沈む。
KP :
火花を散らしながら、ケーブルを蠢かせている。
KP :
────双子の流星は、勇猛果敢にも機械の邪神に突撃してみせたのだ。
KP :
やがて土煙が落ち着き、双子の流星が姿を表す。
KP :
……流れ星の正体。それは天城のラボにあった『巨大な白い箱』だった。
SYSTEM :
システム起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
ユーザーとの同調開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
XX001 :
『____XX001、起動します』
XX002 :
『____XX002、起動します』
KP :
白い箱が花開くように変形する。
KP :
流線型のボディが、目の前で組みあがっていく。
KP :
漆黒のボディに緑のライン、両手に刀剣。
KP :
純白のボディに橙のライン、両手に拳銃。
KP :
……それは騎士に似た、巨大なアンドロイドだった。
KP :
この二体のロボットに、夜鷹守人とBR800は覚えがある。
KP :
幼い頃、二人で画用紙に描いたロボット。
KP :
『ブレイブレイド』というアニメに影響を受けて描いた二体のロボット。
KP :
────かつて描いたユメのヒーローが、十年もの時を超え、アナタ達を救う為に帰ってきたのだ。
□XX001 XX002
[耐久力:60][装甲:10]
[解説]
天城圭一が生涯で唯一設計した、戦闘用アンドロイド。
『人類に破滅を齎す地球外生命体』の実在を確信した天城が、
人類とアンドロイドの未来を守る為に制作した最後の切り札。
約10年前に設計した機体だが、現代技術と比較して遜色ないどころか超越してしまっている。
[特記事項1]
XX001は夜鷹守人とBR800の、
XX002は不破栞とX000の受けるダメージを肩代わりできる。
[特記事項2]
夜鷹守人とBR800は『XX001専用兵装』を
また不破栞とX000は『XX002専用兵装』を使用可能になる。
【XX001/WB01:ブレイブレイド】※XX001専用兵装
[技能:日本刀] [ダメージ:2d10+2+2d6(一刀)/4d10+4+2d6(二刀)]
[解説]
主武装である2本の近接戦闘用光学兵装。
[特記事項]
この武器の攻撃は、対象を最大2体まで選んで行なう事ができる。
【XX001/WB02:ナイトウォッチ】※XX001専用兵装
[技能:コンピューター][ダメージ:4d8+2][射程:200m][攻撃回数:2]
[解説]
副武装である6基の遠隔操作式光学兵装。
[特記事項]
対象が行なう攻撃のダメージ算出の後に≪コンピュータ≫による判定を行なう。
この判定に成功した場合、そのダメージを1/2(切り捨て)にする。
この効果は1ラウンドに1度まで使用できる。
【XX002/WH03:シューティングスター】※XX002専用兵装
[技能:拳銃][ダメージ:3d8][射程:300m][攻撃回数:2]
[解説]
主武装である右手の電磁加速拳銃。
[特記事項]
対象の装甲を無視してダメージを算出する。
【XX002/WH04:オーバード】※XX002専用兵装
[技能:拳銃+ハッキング][ダメージ:4d6+4(対機械)/なし(対人間)][射程:400m][攻撃回数:2]
[解説]
副武装である左手の非致死性兵装。銃口から電波を放出してハッキングする。
[特記事項]
対象が機械の場合、この武器の攻撃が命中する度、全判定に-10のペナルティ修正を与える事ができる。
この効果は4ラウンドまで継続、4回まで累積する。
また対象がアンドロイドの場合、ダメージを算出する代わりに強制シャットダウンを行なう事ができる。
オト :
「何これ!?」 二体のロボを見上げる
夜鷹 守人 :
「父さんの……置き土産だ……」
夜鷹 守人 :
恍惚と見つめ、XX001に歩みを進める
ヤオ トモヤ :
「……ブレイブ、レイド」
ヤオ トモヤ :
「ッブレイブレイドだ!幼い頃よく見ていたロボットアニメの機械です!!」瞳を煌めかせXX001に駆けていく
夜鷹 守人 :
「まったく、こんなものを用意してしまうとは……! ただ……少しデザインが違うのは……俺達のせいだろうな?」
過去に描いてみせた絵を思い浮かべる
ヤオ トモヤ :
「っですね、きっとそうですね!!」
当然のことだけどあなたと天城博士の記憶に私達の当時があるのが嬉しい。2人で描いた絵とアニメとを思い返して頷く。
不破 栞 :
「巨大アンドロイド、まさか本当に完成していたとはな……!」
不破 栞 :
「有馬真二。試してやろうじゃないか。愚か者の夢が……その神に届くかどうか!」
オト :
「……って待って、これどうやって動かせばいいの!?っていうかわたし達が動かせるの!?」 雀型ロボに叫ぶ
青木 玲斗 :
『俺も仕組みは良く分かってないんですが、XXモデルは二人のユーザーの精神とリンクしているハズです』
青木 玲斗 :
『二人三脚のようなもので、ピッタリと二人の息があっていないと動かす事はできないらしいのですが……みなさんならきっと大丈夫、ですよね……!!』
オト :
「それならいけるでしょ!よく分かんないけどとにかくやってやろう!!」
不破 栞 :
「ああ……!」
夜鷹 守人 :
「つまりは……いつも通りだ!」
ヤオ トモヤ :
「はい、やってやりましょう!」
青木 玲斗 :
『そういうことです……! あとの説明は"本人"からしてもらいますね……!!』
オト :
「本人?」
夜鷹 守人 :
「本人というのは、まさか……」
天城圭一 :
『────それは私が最期に残した、ロボット好きな子供達へのプレゼント』
天城圭一 :
『VOIDの完成系のひとつ、XXモデル』
天城圭一 :
『私がアンドロイドに"空っぽ"という意味があるVOIDと名付けたのは、彼らが空の鉄の塊だからじゃない』
天城圭一 :
『生まれた時は何者でもない彼らが人々と交わり、あらゆる選択をする事で、何者にもなれる可能性を秘めていると考えたからだ』
天城圭一 :
『────後は任せたよ、未来ある若者達』
オト :
「……ふーん、良い意味じゃん」
オト :
「しょうがないからありがたく使ってあげるよ……わたしのお父さん」 小さく笑みを零す
不破 栞 :
「若者……か」
不破 栞 :
「この歳になって先人の発明に驚かされるとはな……」 嬉しそうに
夜鷹 守人 :
「……ありがとう、父さん。きっとその意味を……真にしてみせる……!」
ヤオ トモヤ :
「……込めた思いは虚無じゃなくて、可能性だったんですね」天城博士が託したのは未来への祈り、そして祝福だった。だから、胸を張る。
ヤオ トモヤ :
「……任されました、きっと見ててくださいね!」
有馬 真二 :
「────────ッッッッ」
KP :
天城の言葉を聞いた有馬は拳を震わせている。
有馬 真二 :
「死して尚、まだ私の邪魔をするというのか、天城ッ……!!」
有馬 真二 :
「それでも私達は負ける訳にはいかない……!負ける訳にはいかないのだ……!!」
KP :
反撃開始の3ラウンド目
KP :
まず【機械の巫女】の効果を使用。
KP :
自身の手番を放棄し、このラウンドのデウス・エクス・マキナの手番を増加。
KP :
そして最速のデウス・エクス・マキナの二回行動。
KP :
まず薙ぎ払い。対象は敵全て。
KP :
cc<=85 薙ぎ払い(1D100<=85) > 11 > スペシャル
KP :
XX001とXX002がそれぞれ四人への攻撃をガード。
KP :
ダメージを算出します。
KP :
4d6 ダメージ(4D6) > 16[5,5,4,2] > 16
KP :
デウス・エクス・マキナは[特記事項3]の効果を使用。4点のHPを消費して、対象の装甲を無視してダメージを算出。
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 120 → 116
ヤオ トモヤ :
チクタクマンの薙ぎ払いを受けるのにナイトウォッチを使います。コンピュータで判定を行います。
KP :
コンピュータ技能による判定どうぞ。
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 96 > 失敗
KP :
出目が死んでいる
ヤオ トモヤ :
おほほ…ちょっとカスです
KP :
それではXX001とXX002に16点の装甲無視ダメージを与えます。
system :
[ XX001 ] HP : 60 → 44
system :
[ XX002 ] HP : 60 → 44
KP :
さらにデウス・エクス・マキナは放電によってXX001を攻撃。
KP :
cc<=95 放電(1D100<=95) > 78 > 成功
KP :
4d10 放電ダメージ(4D10) > 16[1,9,5,1] > 16
KP :
装甲で10点軽減して6点のダメージ。
system :
[ XX001 ] HP : 44 → 38
ヤオ トモヤ :
────巨像がこちらに向かってその腕を振りかぶる。野郎、薙ぎ払うつもりだ。すかさず防御しようとナイトウォッチの展開を試みるが、間に合わない!
ヤオ トモヤ :
しかし、衝撃はやってこない。見上げるとその身を挺して庇うXX001とXX002の姿があった。
ヤオ トモヤ :
……彼らは武器としてだけでなく、盾としてもその責を果たすつもりのようである。
ヤオ トモヤ :
「(……どうかもってくれ、私達も続いてみせる)」
夜鷹 守人 :
「ッ、強烈なのを貰ったが……頼もしいな、俺達の味方は……!」
衝撃で巻き上がった煙を払って、悠然と立つXX001を見上げる
不破 栞 :
「とはいえこれだけの攻撃を受けて無傷とはいくまい。一気に攻撃して形成を逆転するぞ!」
KP :
それではPC最速のトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
はい、ナイトウォッチでチクタクマンを攻撃します!
KP :
一発目、判定どうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 46 > 成功
KP :
二発目、判定どうぞ!!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 75 > 成功
KP :
ギリギリ命中!
KP :
デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
ヤオ トモヤ :
4d8+2(4D8+2) > 16[5,5,4,2]+2 > 18
ヤオ トモヤ :
4d8+2(4D8+2) > 22[4,4,8,6]+2 > 24
KP :
装甲10点で軽減して、一発目は8点、二発目は14点、合計22点のダメージを受けます!!
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 116 → 94
ヤオ トモヤ :
────ナイトウォッチ。
XX001の副武装。6基の遠隔操作式光学兵装。
ヤオ トモヤ :
天城圭一の渾身の一作であり遺作、彼岸の架け橋。適合者の遠隔操作によって各ビットが別個に3次元的な全方位から同時の連続攻撃を可能とし、また防御も担う優れもの。
ヤオ トモヤ :
ビットのビーム射撃機能やその威力はお墨付き。であるからこそ枷となるのが適合者の操作技術だった。
ヤオ トモヤ :
CPUファンの回転数は過去最高。情報収集と視界からの分析、照射角度の計算、ダメージ予測と並列処理。恐らく、ここが狙い目だ。
ヤオ トモヤ :
────6条の光が鮮やかに明滅する。それは瞬く間に一つとなって、巨躯に2度直撃した。
ヤオ トモヤ :
……プラスチックが溶けてもうもうと煙が立つ、貫通したかと目を凝らすも穴は微小。しかし、これなら倒せる。
すぐさま次を狙って観察に戻る。
KP :
続いてふわおとの手番!
オト :
いつものおとからいきましょ!
不破 栞 :
頼みおとちゃん!
オト :
デウス・エクス・マキナに、オーバードで二回攻撃します!
KP :
了解! 判定どうぞ!
オト :
CC<=80 1回目(1D100<=80) > 99 > 失敗
オト :
ハァ?
KP :
ファンブル一歩手前…!!
オト :
振り直し権…使わせてもらおっか…
不破 栞 :
このときのためにあった、使っちゃえ!
オト :
じゃあ使います!流石に二回使い切るのはアレだしこれで失敗したら普通に二回目の判定いきます
system :
[ クリティカルB ] 振り直し回数 : 2 → 1
オト :
CC<=80 1回目振り直し(1D100<=80) > 12 > スペシャル
オト :
良かった、二回目!
オト :
CC<=80 2回目(1D100<=80) > 5 > スペシャル
オト :
出目が極端
KP :
いきなり運が戻ってきた…!
KP :
デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
オト :
4d6+4-10 ダメージ1回目(4D6+4-10) > 18[4,6,4,4]+4-10 > 12
オト :
4d6+4-10 ダメージ2回目(4D6+4-10) > 9[1,3,3,2]+4-10 > 3
オト :
いちご点!
KP :
なかなか良いダメージ!🍓
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 94 → 79
オト :
二回命中したからオーバードの効果で全判定にペナルティ-20、だけど特記事項で半減して-10かしら
KP :
ですね!デウス・エクス・マキナは、4ラウンドの間、全判定に-10%のペナルティ修正を受けます!!
オト :
よね!くそつよハッキング
オト :
腕輪から思考プログラムに直接伝達した情報を全て確認。
オト :
武装内容は把握出来た。しかし、操縦方法まではまだ今一理解出来ていない。
オト :
だが、この巨大アンドロイドがユーザーの精神とリンクしているというのなら────
オト :
その福武装の非致死性兵装が、わたしが持つ力とよく似たものだというのなら────
オト :
「XX002,LOG IN」
オト :
────自分の力を操るのと同じ感覚で扱えば良い。
オト :
いつもの起動コードを使うように、言葉を唱える。
オト :
左手を前へと翳す。動作は連動し、XX002が左手の拳銃を敵に向けた。
オト :
「AUBADE!!」
オト :
夜明けの歌を意味する武装名を叫ぶ。
オト :
銃口から発射されたのは、青く輝く特殊電波。
オト :
そして、この場で最も必要なハッキングの効果は……
オト :
「今、助けてあげるから!!」
オト :
アンドロイドの強制シャットダウン。
オト :
デウス・エクス・マキナは、無限のアンドロイドのパーツの集合体。
オト :
人型未満の形でありながら、未だ意識を残している犠牲者達の塊。
オト :
XX002のハッキングは、そんな彼らの意識を一瞬で眠らせていく。
オト :
夜明けを意味する武装名を思えば、それは眠りであっても悪夢から解放する目覚めなのかもしれない。
オト :
これ以上、絶望を感じないように。XX機体の攻撃に恐怖しないように。そして、有馬真二の道具として利用されないように。
オト :
意識と共に各パーツの機能も封印し、デウス・エクス・マキナの性能を落としていく!!
アンドロイド :
「ァ、あぁ…………」
KP :
デウス・エクス・マキナに取りこまれたアンドロイドの一部は目を閉じ、静かな眠りに就いた。
KP :
……それらは本体から剝げ落ち、アンドロイドの身体で構成されていた装甲が薄くなっていく。
オト :
「……だいじょうぶだよ。次に目覚めた時、あなた達はきっと自由を取り戻しているから」
オト :
眠りに落ちたアンドロイド達に、優しく微笑みかけて約束する。この先の彼らの未来を。
オト :
「これで、どこを狙えばいいか迷うこともなくなるよね?」
オト :
「さあ今だよ、やっちゃえシオリ!!」
オト :
指を絡ませるように大切に手を繋ぎ、シオリに笑いかける。
不破 栞 :
「ああ! よくやってくれた!」 その声に、力強く答える
KP :
立て続け、不破さんの手番!!
不破 栞 :
いくよ!!シューティングスターでデウス・エクス・マキナに攻撃だ!!
KP :
了解! 判定をどうぞ!🌟
不破 栞 :
cc<=80 1発目(1D100<=80) > 65 > 成功
不破 栞 :
cc<=80 2発目(1D100<=80) > 38 > 成功
不破 栞 :
よしよし!
KP :
危なげなく命中!デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
不破 栞 :
3d8 装甲無視だぜ~(3D8) > 11[4,6,1] > 11
不破 栞 :
3d8(3D8) > 7[2,1,4] > 7
不破 栞 :
出目、もうちょっとなんとかならんか??
KP :
ちょっと出目が残念!ですが装甲無視なので、そこそこ良いダメージ!!合計18点そのまま受けます!!
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 79 → 61
KP :
ちょうど半分ほどまで削りました!演出あればどうぞ!!
不破 栞 :
「(こちらはオトみたいな優しい兵器じゃなさそうだが……これなら躊躇はない)」
不破 栞 :
「さあ、人類の力を見せてやるぞ!」
不破 栞 :
レールガン。古今東西、数多くのSF作品に描かれた、ある意味では人類の見た夢と言える兵器。
不破 栞 :
既存の火薬や光学を用いた兵器に比べ圧倒的な出力を誇るものの、取り回しの悪さから実戦での使用は困難とされてきた。
不破 栞 :
しかし、この場に限って言えばこれほど頼りになるものはない。
不破 栞 :
片手を夜空に掲げ、叫ぶ。
不破 栞 :
「XX002,LOG IN!」
不破 栞 :
それに応じるように、XX002は身体全体で銃身を支える形で銃口を装甲のはがれた部分に向ける。
不破 栞 :
「シューティング……スター!!!」
不破 栞 :
とてつもないスピードで投射された二筋の流星はむき出しになった胴部を直撃。
不破 栞 :
圧倒的な運動エネルギーで、すさまじい轟音とともに装甲を貫き大穴を開けた。
不破 栞 :
「――これが、私たちの願いの星だ!」 立ち上る煙の中、その大穴を指さす。
オト :
「どうだ、機械仕掛けの偽神様……!!」 シオリと一緒に指を差す
有馬 真二 :
「ッ……!! な、何が願い星だ……!!」
有馬 真二 :
「クソ、何をモタモタしているデウス・エクス・マキナ……! 疾く目障りな敵共を滅殺────────」
KP :
というところで最後、守人くんの手番!!
夜鷹 守人 :
いくぞ!!ブレイブレイド二刀で攻撃だ!!
夜鷹 守人 :
対象はデウスエクスマキナと巫女でいけるかな?
KP :
いけます!判定をどうぞ!!
夜鷹 守人 :
cc<=85 どりゃっ!(1D100<=85) > 43 > 成功
夜鷹 守人 :
巫女は回避あるんだっけ!
夜鷹 守人 :
手番消費したからないか!
KP :
いえ、機械の巫女とデウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
夜鷹 守人 :
4d10+4+2d6(4D10+4+2D6) > 21[7,8,1,5]+4+6[3,3] > 31
夜鷹 守人 :
気持ちいいダメージだぞい
KP :
つ、強い……!!
KP :
機械の巫女Bは装甲2点で軽減して29ダメージ、デウス・エクス・マキナは装甲10点で軽減して21ダメージを受けます!
system :
[ 機械の巫女 ] HP-B : 10 → -19
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 61 → 40
KP :
機械の巫女、蒸発! デウス・エクス・マキナも大ダメージ!!それでは演出おねがいします!!
夜鷹 守人 :
傍らに逞しく聳え立つXX001を見つめる。デザインこそ多少異なるも、その姿こそ幼い頃に勇気を与えてくれたブレイブレイドそのものだ。
夜鷹 守人 :
そして今も変わらず、眼前の恐怖を打ち払う勇気を芽生えさせ、正義を成す力を与えてくれている!
夜鷹 守人 :
「行くぞ、XX001────」
夜鷹 守人 :
「────ブレイブレイド、抜剣ッ!!」
夜鷹 守人 :
号令と共にXX001が紫色のブレードが展開。
その刃は闇に近い色をしている。だが、闇を打ち払うに相応しい輝きを煌々と迸らせていた。
夜鷹 守人 :
「有馬、お前の企みは……ここで終わりだ!」
夜鷹 守人 :
XX001は使用者の精神に呼応するように、荒々しくスラスターを吹かし、機械仕掛けの神へと飛び掛かった。
夜鷹 守人 :
……そして空中で二振りのブレードが変形、一振りの剣へと合体する。
夜鷹 守人 :
この機体、武装はあらゆる面でオーバースペック。通常出力であるブレードの一振りでも致命的な損傷を負わせられる威力を限界まで引き上げ、その一撃に賭ける。
夜鷹 守人 :
「斬り裂け、最大限界出力ッ!(リミット・オーバー)」
夜鷹 守人 :
まさに紫電一閃。荒々しく振り切られた破壊の一振りが社長室を光で埋め尽くす。
夜鷹 守人 :
……一瞬の閃光が治まれば、堅牢な装甲を纏うケーブルや武装、そして巫女は役目も果たせぬ鉄屑となり果てていた。
夜鷹 守人 :
そう、断ち切ったのはあくまで武装と巫女。内側に潜む夏央やアンドロイド達、彼らを無碍に傷つけることは守人の本望ではない。
有馬 真二 :
「な……こんなッ…………」
有馬 真二 :
「こんな馬鹿げたコトがあってたまるかッ……!!」溶断されたデウス・エクス・マキナを見つめて叫ぶ
夜鷹 守人 :
「因果応報だ有馬。今までのツケ、ここでたんと味わっていけ」
KP :
3ラウンド目が終了!
KP :
デウス・エクス・マキナの[特記事項4]の効果を再び発動!!
KP :
さらに一体の機械の巫女を作成します!!
KP :
そして、ここで決着となるのか4ラウンド目!!
KP :
まず【機械の巫女】の効果を使用!
KP :
自身の手番を放棄し、このラウンドのデウス・エクス・マキナの手番を増加!!
KP :
最後の手番かもしれない、最速のデウス・エクス・マキナの二回行動!!
KP :
まず薙ぎ払い! 対象は敵全て!!
KP :
cc<=75 薙ぎ払い(-10ペナルティ)(1D100<=75) > 22 > 成功
KP :
XX001とXX002がそれぞれ四人への攻撃をガード。
KP :
ダメージを算出します。
KP :
4d6(4D6) > 20[5,6,4,5] > 20
KP :
デウス・エクス・マキナは[特記事項3]の効果を使用。4点のHPを消費して、対象の装甲を無視してダメージを算出。
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 40 → 36
ヤオ トモヤ :
ここでナイトウォッチの防御効果の使用を宣言します。使用技能はコンピュータです。
KP :
了解! それでは判定をどうぞ!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 76 > 成功
ヤオ トモヤ :
危な!これにより被ダメ半減になります…
KP :
それではXX001とXX002に10点の装甲無視ダメージ!!
system :
[ XX002 ] HP : 44 → 34
system :
[ XX001 ] HP : 38 → 28
ヤオ トモヤ :
……来るのはわかっていた、今がその時‼︎ 即座に指示を入力する!
ヤオ トモヤ :
「────ナイトウォッチ、シールド展開‼︎」
ヤオ トモヤ :
瞬間、自律飛行していた6基がXX001、XX002の前に移動。各ビットを頂点とした緑色の正六角形を電磁バリアを形成、多重層を展開する。
ヤオ トモヤ :
衝撃を吸っては大きな音を立てて割れていくシールド。最後の1枚になる頃、2機へと届く威力は半減していた。
ヤオ トモヤ :
「…ッどうにか間に合った!!」息を吐き出す
ヤオ トモヤ :
「(けれど、あともって1……2回かな。ここが正念場だ‼︎)」すぐさまグッと息を呑んで次を考える
有馬 真二 :
「シールドで軽減されただと……!? くっ、朝也……!!」
有馬 真二 :
「いや、これならまだ押しきれるッ……!」
有馬 真二 :
「いけ、夏央……!! 忌々しい天城のロボットを破壊しろォ……!!」
有馬 夏央 :
「…………」
KP :
デウス・エクス・マキナの二回目の手番!XX001に放電!!ダメージ次第では破壊できますよお!!!!
KP :
cc<=85 放電(-10%ペナルティ)(1D100<=85) > 46 > 成功
KP :
ではダメージッ!!!!死ねェ!!!!!!
KP :
4d10-10 装甲込みダメージ(4D10-10) > 16[4,5,5,2]-10 > 6
system :
[ XX001 ] HP : 28 → 22
KP :
くっ…及ばなかった…!!
ヤオ トモヤ :
機械の巫女がある以上、デウス・エクス・マキナから続けて攻撃があるのはもうわかっている!先程と同様シールドを展開させ、防御に努める。
KP :
凌ぎきって反撃再開!まずPC最速のトモヤくんの手番!!
ヤオ トモヤ :
ハァハァ、デウス・エクス・マキナにナイトウォッチで2回攻撃!します!
ヤオ トモヤ :
2回振ります!
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 19 > 成功
ヤオ トモヤ :
cc<=80 【コンピュータ】(1D100<=80) > 80 > 成功
KP :
ちょ、ちょうど命中…!!
KP :
デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
ヤオ トモヤ :
4d8+2(4D8+2) > 14[1,2,7,4]+2 > 16
ヤオ トモヤ :
4d8+2(4D8+2) > 16[4,4,5,3]+2 > 18
ヤオ トモヤ :
うおお低い!!!
KP :
防御性能を持っている分、火力は少し控えめなので少し低く見えたヤツ!!
KP :
装甲軽減して合計14ダメージ受けます!
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 36 → 22
KP :
あともう、ひと押し!!
ヤオ トモヤ :
先程と同様、遠隔操作と同時並行して処理を済ませていく。6基の照準を装甲の剥がれた部分に合わせ、
ヤオ トモヤ :
「(……あと少し。あと少しで、きっと安心させてあげられる!)」発射する。
ヤオ トモヤ :
……操縦手である夏央の死角も含めたあらゆる方向からビームを照射する。変わらず2度の直撃をもってようやくその巨躯が揺れるのを見た。
ヤオ トモヤ :
「……ッねえ!そろそろ私達に任せても大丈夫だって、そう思えてきたんじゃない!?」大声で叫ぶ。
有馬 夏央 :
「朝、也……」神の機械との接続で自我が薄れているのか、掠れた声で呟く
KP :
溶解した内部装甲の更に内側から何か露出する。
KP :
禍々しい宝玉のような黒い物体。その表面に有馬夏央は磔にされていた。
KP :
……おそらくアレこそ、デウス・エクス・マキナのコアユニット。
KP :
アレさえ破壊できれば、きっと全て終わる筈だろう。
ヤオ トモヤ :
「……ッ!!」姉を見た視線の先、コアユニットを見つける
ヤオ トモヤ :
「……皆さん!!あの丸いのが見えますか⁉︎あれが弱点です、露出したコアユニット!あれを狙ってください!」指で指し示し、大声で叫ぶ
オト :
「みたいだね。おっけー……!」
不破 栞 :
「見えたな……一気に決めるぞ!!」
夜鷹 守人 :
「わかった。この戦いを終わらせるぞ!」
KP :
弱点が露出したところで、ふわおとの手番!
オト :
じゃあいつも通りにわたしから!
不破 栞 :
いってもらおう!これで決まるかも!!
オト :
決まれば良いけどそれはどうかな~…!
オト :
シューティングスターでデウス・エクス・マキナに二回攻撃します!
KP :
了解! 最後になるかもしれない判定をどうぞ!
オト :
CC<=80 1回目(1D100<=80) > 8 > スペシャル
オト :
CC<=80 2回目(1D100<=80) > 11 > スペシャル
オト :
ヨシ!
KP :
素晴らしい出目!デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
オト :
3d8 ダメージ1回目(3D8) > 8[3,4,1] > 8
オト :
3d8 ダメージ二回目(3D8) > 8[6,1,1] > 8
オト :
あ、しょぼい…
KP :
ダメージダイスの出目が振るわないパターン…!
KP :
装甲無視で合計16ダメージ…!! デウス・エクス・マキナは残りHP6で惜しくも生存…!!
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 22 → 6
オト :
やりたいことあるので、シオリ攻撃おねがい!
不破 栞 :
了解…行くぜ!
不破 栞 :
デウス・エクス・マキナにシューティングスターで攻撃だ!
KP :
了解!トドメになる判定をどうぞ!!
不破 栞 :
cc<=80 1発目(1D100<=80) > 15 > スペシャル
不破 栞 :
cc<=80 2発目(1D100<=80) > 19 > 成功
不破 栞 :
よし!
KP :
コンビ揃って良い出目!
KP :
デウス・エクス・マキナは回避判定を行ないません、ダメージをおねがいします!!
不破 栞 :
3d8 1発目(3D8) > 7[2,1,4] > 7
不破 栞 :
3d8 2発目(3D8) > 20[5,8,7] > 20
KP :
装甲無視で合計27ダメージ…!!
system :
[ デウス・エクス・マキナ ] HP : 6 → -21
KP :
文句なしの撃破…! よって邪神との戦闘に勝利…!! トドメの演出をおねがいします…!!!!
オト :
シオリの手を握りながら、有馬真二を見据える。
オト :
「XX001とXX002。このアンドロイドは強い……」
オト :
「でも、有馬。勘違いするなよ……あんたはこの子達を作った天城圭一だけに負けるんじゃない!!」
オト :
……回想する。これまでの全てを。
オト :
親友の暴走を止めるため、天城圭一が息子達のユメからヒーローを作り、
オト :
夜鷹矢代が友の最後の頼みを聞き、
オト :
キョウが事件を追い続け、スパローを結成して弱き者達の力となり、
オト :
ココロが希望を歌い、ミミ・ヒサト・サトミ・クオが共に支え合い、佐久間彰人が勇気を持って裏切り、
オト :
赤星透也がその身を挺して弟を守り抜き、
オト :
デクがスパローの新リーダーを支持し、
オト :
ニトとリトが諦めず、まだ生まれたての小鳥だったアンドロイド達が立ち上がり、
オト :
有馬夏央がその葛藤から神の力を出し切れず、
オト :
青木玲斗が天城の残した切札を解析し、レミがそのサポートをし、
オト :
シロウがパートナーの過ちを止めるために吠え、
オト :
────そして、わたし達がここまで辿り着いた。
オト :
「あんたは!あんたがこれまで犯してきた罪が生んだ!被害者達全員の"意志"に負けるんだ!!」
不破 栞 :
「たくさんの人達が人間とアンドロイドの未来を信じて、最後まで諦めなかったから、この子たちはみんなの思いを乗せてここに立っている!」
不破 栞 :
「これが……みんなの意思が呼んだ願い星だ!!!」
有馬 真二 :
「何が……! 何が意志だッ……! 何が願い星だッ……!!」
有馬 真二 :
「そんなものッ……! そんなものォ……!! 全て捻じ伏せ、消してしまえッ……!! デウス・エクス・マキナァァァァッッッッ────!!!!」
KP :
有馬真二の歪んだ願いに応じて、デウス・エクス・マキナは動く。
KP :
その無数の触手が、一斉にアナタ達に殺到する────!!
オト :
襲い来る触手の脅威に一歩も怯まず、前を見続ける。
オト :
右手はパートナーと強く手を繋いだまま。
オト :
左手は前に翳す。握りしめるのは、音波銃。
オト :
セーフティが掛けられ、拡声器モードになったその銃を、シオリとの間に持っていく。
オト :
地上で戦う全ての仲間達に……そして、今は星となって見守ってくれている彼らにも届くように……
オト :
声の限りに、二人でこう叫ぶ。
不破 栞 :
「――いっけええええぇぇ!!!!!」
オト :
「VOIDーーーーーーーーーッ!!!!!」
オト :
未来への可能性と希望に満ち溢れた名と共に、拳銃から発射されるレールガン。
オト :
放たれた四つの弾丸は絆を結ぶように強く連なり、一筋の流星となって。
オト :
デウス・エクス・マキナを、時計仕掛けの神のコア・ユニットを……
オト :
世界の絶望を、撃ち貫く────!!!
デウス・エクス・マキナ :
「ァ゛ア゛……」
デウス・エクス・マキナ :
「ァ゛ア゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ッ゛……!!!!」
KP :
……一筋の流星の軌跡。
KP :
それによってデウス・エクス・マキナのコアユニットに虚空が生まれる。
KP :
断末魔の叫び声を上げ、機械仕掛けの神は爆発。
KP :
……地面に大穴が開き、下のフロアへと堕ちていく。
71 責任
KP :
一方、機械に取り込まれた夏央は投げ出されて、傍の壁に叩き付けられ。
KP :
至る場所から真っ赤な血を流し、その場に倒れ込む。
KP :
……彼女の身体は傷付いて、ひどく弱っていた。
KP :
人間の身体では、あの巨大な機械を動かすにはムリがあったのだ。
有馬 夏央 :
「私は……、父さんは……、負けたのね…………」
有馬 夏央 :
「まさか……あのデウス・エクス・マキナに……勝てる、なんて…………」その表情に父親と同じ憎悪はなく、ただ穏やかに言った
ヤオ トモヤ :
「……ッ、……姉さん」夏央の側に駆け寄り、その手を取る
有馬 夏央 :
「ああ……、そんな顔、しないで…………」
有馬 夏央 :
「これはきっと当然の報い……、自分の選択はどこか間違っていると知りながら、ただ自分の弱さから父さんと同じ道を選んだ……、報いなんだから…………」
ヤオ トモヤ :
「……確かに当然、かもしれない。でも、それでも……あなたがこんなになってるのを見て、辛くならない訳、ないよ」
ヤオ トモヤ :
「……感情をなくなさいって、こういうことなんだよね。僕達が、選んだのはそういう世界で……苦しみや悲しみはこれからもなくならない」けど、とその手を少しだけ強く握る
ヤオ トモヤ :
「……それでも、こうやって話をしたり、手を握ってくれる相手がいれば……なんとかやり過ごせたりするかもしれない。今日が駄目でも明日はそんな誰かと会えるかもしれない」夜鷹の姿見を目で追って、姉に戻す
ヤオ トモヤ :
「…僕は、あなたがここに今もいて、こうして話ができるのが嬉しいよ……それに、あなたがいいなら。これからだって法の許す範囲で会いにいく」
有馬 夏央 :
「朝也…………」
有馬 夏央 :
「でも、私は……アナタ達を傷付けようとして…………」
有馬 夏央 :
「勿論、その気持ちは嬉しいけれど…………」
KP :
許されない、そう言いかけた時。
KP :
何者かが夏央に駆け寄ってきた。
KP :
……その何者かは、血塗れの夏央の顔を不安げにペロペロと舐め回す。
KP :
デウス・エクス・マキナの触手に直撃してから沈黙していた愛犬、シロウ。
KP :
彼は、生きていたのだ。
有馬 夏央 :
「シロウ……、朝也……、みなさん…………」
有馬 夏央 :
「ごめんっ……、ごめんなさい、私っ…………、決して謝って許されるような事じゃないけれどっ…………ごめんなさいっ…………」そう言った彼女の瞳からは涙が溢れ出す
ヤオ トモヤ :
「……」その手を握り、黙って聞いている
不破 栞 :
「最初に言っただろう」
不破 栞 :
「君が私たちを傷つけようとするなら、私も君を殺しても構わない覚悟で戦うと」
不破 栞 :
「最後の一撃を放ったとき……私には確かに明確な殺意があった。それが感情のせいだと言うならば、否定はしない」
不破 栞 :
「でも……君はこうして運よく生き残ってくれたし、私はそのことを良かったと思う」
不破 栞 :
「これだけの罪を犯してなお、君に親身になってくれる家族もいる」
不破 栞 :
「……そういうことができるのも、感情があるからだということを、忘れないでくれ」
有馬 夏央 :
「感情が、あるから……」
不破 栞 :
「辛いとか、苦しいとか悲しいとか、そういうのが嫌だという気持ちは理解できる」
不破 栞 :
「だが人間はそんな痛みが理解できるから、人に優しくできるんだ」
不破 栞 :
「私は、そう思うよ」
有馬 夏央 :
「…………」
有馬 夏央 :
「そうかも……、しれませんね…………」
有馬 夏央 :
「私達こそ……色眼鏡で感情の悪い面ばかりを見すぎていたのかも…………」
有馬 夏央 :
「アナタ達を見ていると不思議と……、そう思える気がします……」
不破 栞 :
「ふ、そうか……」
不破 栞 :
それだけ言って、解けて下ろされた髪を結びなおす。
オト :
「……もういいよ」 夏央のもとへと近づいて
オト :
「許すわけじゃないし、子供の喧嘩でもないけれど、謝ってる人をこれ以上責める気にもなれない」
オト :
「それより、その怪我の応急処置くらいさせてよ。ここで死んだら、これから償うことも出来なくなるよ」
有馬 夏央 :
「そう、ですね……、ああいってくれた朝也やシロウを残して、ここで勝手に死ぬのは……、ダメですよね…………」
オト :
「うん……ちゃんと分かってるなら、それでいいよ」
オト :
そう言って夏央の傍に屈み、レミから借りた青いジェル等の救急道具を使って応急処置を始めていく。
KP :
……その一方、機械仕掛けの神を失った有馬真二は遠くで項垂れていた。
有馬 真二 :
「そ、そんな……、ありえない……」
有馬 真二 :
「私は……私は、また負けたのか……?」
夜鷹 守人 :
「ああ、そうだ。お前は負けたんだ」
夜鷹 守人 :
「天城に、スパローに、家族に……」
夜鷹 守人 :
「そして、お前が抹消しようとした感情にな」
夜鷹 守人 :
うな垂れる有馬を見下ろして、突きつけるように話す。
有馬 真二 :
「…………ッ」天城の息子からの勝利宣言にギリリと歯噛みする
不破 栞 :
「(これが世界を危機に陥れた男か……)」その姿を見て、なんとも言えずにいる。
不破 栞 :
「あんたの親友は、最期まであんたのことを思っていた。だから、こうして10年の時を超えてあんたを止めにきたんだ」
不破 栞 :
「あのろくでもない神がいなくなった世界で、その意味を少し考えるといい」
不破 栞 :
本当はもっと言いたいことがあった気がするが……開戦前にすべて出し尽くしてしまったのか、その落胆しきった姿を見ると、何もかける言葉がなかった。
ヤオ トモヤ :
「……有馬、真二」
ヤオ トモヤ :
「あなたはこれから、感情のある世界で生きていく……筈だ」小さくなった有馬の背中を見下ろす
ヤオ トモヤ :
「……生きていくなら罪は償わなければならない」そして、償いきれるかはわからないと続けて
「それでも。あなたがそうすることを選ぶなら、私はあの頃のように寄り添いたいと思ってます」
ヤオ トモヤ :
「……待ってる、いつになっても」そう続けて姉の近くに戻っていく
有馬 真二 :
「朝也…………」
オト :
夏央の応急処置が済み、トモヤと入れ替わりで有馬の方へと向かう。
オト :
「……有馬。あんたに聞いときたいことがある」
オト :
「わたしは今までずっと、何度も何度も絶望してきた」
オト :
「乗り越えても乗り越えても、悲しいことばっかり起きて……たくさん挫けそうになった」
オト :
「それでもわたしがここまで来れたのは、周りに支えてくれる人達がいたからだけど……」
オト :
「きっとそれだけじゃなくて、わたしの中にココロ達と過ごした日々っていう希望の泉のようなものがあったからだと思う」
オト :
「……有馬。あんたの中には、もうそういう希望は残ってなかったの?」
オト :
「過去の日記では、あんたは凄く幸せそうだった」
オト :
「自分の子供が生まれて、天城と一緒にVOIDを……わたしを作って……」
オト :
「たくさんの人を幸せに出来る、人類の希望に出来るって書いてたじゃない」
オト :
「絶望と復讐心に囚われて、その時の感情は全部忘れちゃったの?無かったことにしてしまったの?」
有馬 真二 :
「…………」
有馬 真二 :
「VOIDが普及するまでは……、そんなコトも思っていたな…………」
有馬 真二 :
「だが、ある日……奴等は幸福になる価値などない人間だったと気付いた…………」
有馬 真二 :
「おまえも……VOIDに対する人間の態度は、見た事があるだろう…………」
有馬 真二 :
「奴等はVOIDへのバッシングだけでは飽きたらず……、身勝手な正義感で私の妻を奪い……、まだ幼い夏央や朝也を諸共に傷付けた…………」
有馬 真二 :
「そんな奴等が蔓延るこの世界にはもう……、希望などない…………」
オト :
「……そっか」
オト :
「…………」 青い血の滲んだスカーフに左手で触れる
オト :
「わかった。そう思うなら、勝手に思ってていいよ」
オト :
「でも、わたしはこれから世界中の人々に歌を届けるよ」
オト :
「あんたがアンドロイドに変えた、ココロと一緒に」
オト :
「VOIDへのバッシングだとか、希望の無い世界だとか関係ない」
オト :
「どんな困難があっても、わたし達は皆に愛されるような歌手になってみせる」
オト :
「だから……教えろよ、有馬」
オト :
「ココロは今、どこにいるの?」
有馬 真二 :
「…………」
有馬 真二 :
「…………君に教えてやる義理はないな」
オト :
「……あぁ、そう。だったら自分で探すよ」
オト :
ため息を吐くような素振りをするが、そう素直に答えるとは思っていなかったため苛立ちはそこまでない。
有馬 真二 :
「────それとね、二人で世界の人々に歌を届けるだとか言っていたが」
有馬 真二 :
「私の計画は……、まだ終わっていない……」
有馬 真二 :
「既に動きだした噴霧器を止める術はないのだよX000……、白瀬ココロを探してもムダというものだ……」
オト :
「嘘つけ……!!起動出来るなら停止だって出来るはずでしょ!?」
有馬 真二 :
「起動と停止、それに使うエネルギーはもう失われた……」
有馬 真二 :
「────他でもない君達の手によって、ね」地面に開いた大穴の下を覗き
オト :
「……ッ!!」
不破 栞 :
「あの機械で制御していたのか……!?」
ヤオ トモヤ :
「……は、アレを壊すしかないって、ことですか」半笑いのまま固まってしまう
夜鷹 守人 :
「あんなもので……っ、かくなる上は破壊に向かわねばならないか……?」
オト :
「破壊……っ、XXで……出来る!?」 二体の巨大アンドロイドを見上げる
有馬 真二 :
「無駄だな……、いくつの噴霧器があると思っている……?」
有馬 真二 :
「そもそも、そのロボットのエネルギーも無限じゃないだろう……?」
オト :
「……っ、ふざけんなよ、クソ親父……!!」
オト :
「勝っても負けても、あんたの計画は止められないっていうわけ……!?」
有馬 真二 :
「ああ、そういう事だ……」
有馬 真二 :
「これから夜明けまでに感情抑制の定着は済むだろう……、そうなった人間は感情を失い、二度と元に戻る事はなくなる……」
オト :
「何なの、それ……っ」
オト :
「あと、もうちょっとなのに……!やっと勝てたのに……!!」 拳を震わせる
有馬 真二 :
「残念だったな、X000……」
KP :
窓辺に立ち、街並みを見下すと、そこには黒い霧が未だ立ちこめていた。
KP :
……有馬の言う通り、装置は動き続けているらしい。
不破 栞 :
「警察の鎮圧も進んでいないのか……! クソッ……!」
ヤオ トモヤ :
「……っ…あなたって人は!!」エレベーターに駆けていこうとする
夜鷹 守人 :
「(まだだ、まだ何かあるはず……! 考えることを止めるな……!)」
オト :
「…………」 絶望しかけた目で闇に覆われた街を見下ろす
KP :
アナタ達が事態の収拾について苦慮していると、
KP :
機械仕掛けの神が開けた大穴が、ガラガラと音を立てて崩れ出す。
KP :
……そして、その大きな穴から、薄明が漏れている事に気が付くだろう。
KP :
どうやら社長室の奥には、まだ空間があったらしい。
オト :
「……?」 力無くそちらを見る
夜鷹 守人 :
「……部屋、か? ……有馬、あそこには何がある」
有馬 真二 :
「…………デウス・エクス・マキナを安置していた場所だ、今は何もないよ」
夜鷹 守人 :
「……どうだかな」
その部屋に歩みを進める
不破 栞 :
何かやれることはないか、思いつかないが、同じように空間を覗いてみる。
オト :
「…………」 向かうのを見て、ついていく
ヤオ トモヤ :
「────ッなにやってるんですか、皆さん!今はそんな部屋なんか見てる場合じゃ……‼︎」エレベーターの上りボタンがつかないのをいいことに、皆の方へと走り寄る
同日/PM06:40/天気:晴れ/リボット社隠し部屋
KP :
アナタ達は大穴を潜り、社長室の奥に秘められた空間に足を踏みいれる。
KP :
……その部屋には、一面に無数の液晶モニターが貼り付けられて、東京の街並みを映し出していた。
KP :
邪魔な相手の監視から各噴霧器の稼働状況の確認まで、
KP :
一連の計画の円滑な進行の為に用意した部屋だろうと考えられる。
KP :
その地面には、木の根のように張り巡らされた配線。
KP :
部屋の片隅には、天井から生えた、箱庭の大樹めいて太いケーブルの束。
KP :
そのケーブルの先。そこには、白髪のアンドロイド────
KP :
否。この十年、スパローの二人が再会を願った少女。
KP :
白瀬心が、眠っていた。
オト :
「…………!?」
オト :
「……ココロ……?」 掠れた声でその名を零す
不破 栞 :
突然の十年ぶりの再会に、思わず息を呑む。
不破 栞 :
「心くん……!!」
夜鷹 守人 :
「この子が、ココロくん……」
ヤオ トモヤ :
「……ッ⁉︎なにもない筈じゃ、この人が白瀬、心さん」
オト :
「……っ、ココロ!!!」
オト :
今度ははっきりと叫んで、眠っているココロのもとへと駆け出す
オト :
「こんな、こんなとこにいた……!こんな近くに……!!」 ココロの両肩を触り
不破 栞 :
「いま、助けるぞ……!」
オト :
「でも、どうやって……このケーブルをどうにかすればいいの!?」
不破 栞 :
「わからん……だが、やるしかない!」
不破 栞 :
十年間、追い続けた彼女を悪夢から解放する。その誓いの象徴――ジャックナイフをケーブルに突き立ち、力の限り引きちぎる。
夜鷹 守人 :
不破に続いて、彼女を拘束するケーブルを電子刀で裂いていく
ヤオ トモヤ :
それに続いてトモヤも傷ついたケーブルをかき分け、引きちぎっていく
オト :
「お願い、起きて……ココロ……!!」
オト :
ケーブルが繋がっている機材に音波銃を向け、祈りを込めて超音波弾を放つ。
KP :
四人の協力によって拘束は解け、支えを失った少女の身体は前方に倒れ込む。
オト :
「あ……!!」 銃を投げ捨て、慌ててココロの体を抱き止めにいこう
ココロ :
「…………」
KP :
抱きとめられた少女はゆっくり両目を見開いて。
ココロ :
「オ……ト…………?」そう呟いた
オト :
「ココロ……」
オト :
「うん……オトだよ、ココロ……!」
オト :
「助けに来たよ……シオリと一緒に……!!」 抱きかかえながら、優しく微笑みを向ける
ココロ :
「栞、さん……、まで…………?」
不破 栞 :
「ああ……!」
不破 栞 :
「久しぶりだね……分かるか、私だ……!」 瞳に涙を浮かべ、震える声で呼びかける。
ココロ :
「ええ、ええ、勿論……」
ココロ :
「夢じゃ、ないんですねっ」
ココロ :
「ずっと、ずっとっ……信じてたっ……」ぎゅっとオトを抱き締め
ココロ :
「オトなら、私のお願いを叶えてくれるって……!」
ココロ :
「栞さんなら、私を探しだしてくれるって……!!」
不破 栞 :
「ああ……ああ」
不破 栞 :
「どれだけ時間がかかっても……諦めるつもりはなかった」
不破 栞 :
「ありがとう、生きていてくれて……!」
ココロ :
「えへ……、どういたしまして……?」そんな台詞を言われたのは初めてなので困ったように笑う
オト :
「…………」
オト :
言葉を交わす二人を眺める。この光景が見たかったのだと、心の底から強く想う。
オト :
「当たり前じゃん……だって、約束したもんね……」
オト :
「ココロのユメは、わたしが叶えるって……!!」 抱きしめ返して
ココロ :
「うん、うん……!」
ココロ :
「でもやっぱり凄いよオトは……! あんなに大きな機械を倒して、私のところまで来てくれるんだもん……!!」
オト :
「そう?まあそれほどでも……って言いたいけど、あの機械を倒せたのはわたしの力だけじゃないんだよ」
オト :
「たくさんの人達のおかげで……ここまで辿り着けたんだよ」
ココロ :
「そうだね……いろいろな人達に感謝しなきゃね……」
ココロ :
「それじゃ、ひとまず目の前の二人に感謝させてもらおうかな?」二人の青年を見て
オト :
「あぁ、そっか。紹介するね。こっちが守人で、こっちがトモヤだよ」
オト :
ココロから一旦離れて、二人を紹介する。
夜鷹 守人 :
「初めまして、ココロくん。オトから話を聞かせてもらっているよ」
軽く頭を下げる
ヤオ トモヤ :
「……同じく初めまして、ココロさん。アンドロイドのトモヤです」続けて会釈する
夜鷹 守人 :
「ひとまず、君を助けられて良かったよ。オトと不破さんの悲願でもあったからね」
3人に喜び様を見て、軽く微笑む
ココロ :
「初めまして、確か二人は刑事さんですよね」
ココロ :
「栞さんとオトがいつもお世話になっております」冗談めかして笑う
オト :
「保護者かな?」 笑って
夜鷹 守人 :
「ははは……実際の所、世話になってるのはこっちの方だな?」
ヤオ トモヤ :
「そうですね、いつもお世話になってます」頷いて
ココロ :
「そうなんですか?それは詳しく話を……聞いているヒマはないんですよね……」
ココロ :
「私の事は知っていると思いますが、まず一応の自己紹介をさせてください」
ココロ :
「私は白瀬心、十年前にEMCに誘拐された子供の一人です」
ココロ :
「助けに来てくれてありがとうございます……そして何もできずにごめんなさい……」
ココロ :
「私は施設に連れ去られて、あの恐ろしい計画を知りました」
ココロ :
「止めようと思った……、でも何もできなかった……」
ココロ :
「それどころか私は噴霧器を起動する為の制御端末にされて、計画に加担させられてしまった」
ココロ :
「罪の無い人々の感情を奪う事になってしまった」
ココロ :
「……でもだからこそ、今の私は、その責任を取る事ができる」
ココロ :
「オトと同じハッキング能力の応用で、感情抑制剤の噴霧器の制御を行なう事ができるんです」
オト :
「え……!?」
オト :
「ココロなら止められるの!?いや、でも……そのためのエネルギーがもう無いって有馬が……」
不破 栞 :
「できるのか!? 本当に……!」
夜鷹 守人 :
「ああ……出来るのならありがたい事この上ないが……」
ヤオ トモヤ :
「……そう、ですね」あの人が何も仕掛けてないなんてことあるだろうか…
ココロ :
「うん……、市街地の噴霧器を一斉起動できたのは、デウス・エクス・マキナの出力あってこそ……」
オト :
「じゃあ、やっぱり……もうどうしようも……」
ココロ :
「ううん、そんなコトないよオト」オトの手を両手で包み込むように握る
ココロ :
「たしかに私ひとりの力じゃ、有馬の計画を止める事はできない」
ココロ :
「でも二人なら」
ココロ :
「同じハッキング能力を持つオトと二人なら、全ての噴霧器を止める事ができるかもしれない……!」
オト :
「二人で……ハッキングを……?」
ココロ :
「うん、問題は出力だからね……! 二人で息を合わせれば何とか……!!」
オト :
「……そっか」
オト :
「そっか……!」
オト :
本当に出来るの?という言葉は浮かぶことも、口に出ることも一切無かった。
オト :
「分かった、やろう!出来るよ!!」
オト :
「わたしとココロなら、絶対に出来る!!!」
オト :
強く断言する。その言葉に迷いや疑いは全くない。
ココロ :
「ふふ、頼もしい返事だねオト!!」
オト :
「まあね~、えっへへ……!」
不破 栞 :
「二人とも……」
不破 栞 :
この状況に至って、最後は成功するかわからない賭けが世界の命運を握っている。
不破 栞 :
それでも、ふたりの笑顔を見ていれば、不思議と失敗するという絶望は浮かんでこない。
不破 栞 :
「……ああ、私たちは何度も、本当に何度も絶望的な状況を乗り越えてきた」
不破 栞 :
「君たちなら、きっとこの世界を救うことができる……!」
不破 栞 :
「人類のひとりとして……頼んだよ」 希望を託すように、ふたりの手を取る。
ココロ :
「ええ、ドーンと任せて下さい栞さん!」どこか儚げに明るく笑って
ココロ :
「……今度は私が皆を救う番なんですから」
不破 栞 :
「ああ……」
不破 栞 :
そっと手を離すと、そこに一枚の紙切れが残る。
不破 栞 :
それは、10年前に果たされることのなかった、ライブのチケットだった。
ココロ :
「あっ、これ……」
ココロ :
「栞さん……もう十年も昔のライブチケットなのに、まだ持っていてくれたんですね…………」
不破 栞 :
「ああ、当たり前だ……」
不破 栞 :
「ちゃんと君のライブを見るまで、決して無くさないと決めたからな」 涙を浮かべながらも、笑顔で。
ココロ :
「ふふ、そっか……そっか…………」
ココロ :
「あは、やだ……、なんだか嬉しくって私も泣いちゃいそうかも……」
ココロ :
「まあ……、アンドロイドなので涙とか出ないんですけどね……!!」
不破 栞 :
「ふふ……」
オト :
「いやココロ、それは反応に困っちゃうでしょ」 笑って
ココロ :
「まあまあ、人と話すのも久しぶりなんだから大目に見て!」
オト :
「じゃあしょうがないなあ」
オト :
「……それじゃ、任されたしやってくるよ」
オト :
「みんなの力を合わせて、ここまで来れたんだ……最後の最後で台無しになんてしない」
オト :
「綺麗にちゃんと終わらせて!全員で世界救ったって!!堂々と胸張って帰るよ!!!」
オト :
「感情の満ち溢れた世界に!!!!」 皆にそう笑いかける
不破 栞 :
「ああ! 感情の力を見せてやれ……!」
夜鷹 守人 :
「頼んだぞ……オト、ココロくん!」
ヤオ トモヤ :
「…お願いします!2人とも!」
ココロ :
「…………うん、任せて」
ココロ :
「それじゃオト、まず噴霧器制御用のプログラムデータを送るね」
ココロ :
「目を閉じて?」
オト :
「おっけー……!」 言われた通り、目を閉じる
KP :
そっと、額を合わせる。
ココロ :
「……行くよ」
ココロ :
「────KR400/Type-X,LOG IN」
KP :
すると一気にデータが流れ込み、X000は自動的にスリープモードに移行した。
72 ラストライブ
KP :
目を開く。
KP :
……アナタ達は穏やかな月光が差し込む中庭のような場所にいた。
KP :
その部屋の中央に聳え立つ大樹に身体を預けていた。
KP :
地面には芝生が敷かれ、すぐ傍には寄り添う友の姿。
ココロ :
「────私の電脳空間にようこそオト」
オト :
「……!?ココロ、ここって……!?」 見慣れた、しかし懐かしさを感じる景色に驚く
ココロ :
「私の心象風景がこんなカンジってことなのかな、よく分かんない」
オト :
「心象風景……この場所が……」
ココロ :
「うん、ここなら時間の流れも遅いし……、ゆっくり話せるなと思って招待したんだ……」
ココロ :
「いろいろ話したい事もあったしね」
オト :
「話したいこと?」
ココロ :
「うん…! 例えば、そのスカーフ…!!」
ココロ :
「とっても似合ってるよオト、かわいい!」
ココロ :
「そういえば私も同じの持ってた気がするな、あれどうなったんだろ」
オト :
「ほんとに!ありがと────」
オト :
「って、違うよ!これココロのだよ!?」 スカーフを触って見せて
ココロ :
「え、私の!?!?」
オト :
「そうだよ!気付かなかったの!?」
ココロ :
「いや、お気に入りスカーフと同じデザインだったからシュミ合うな~って……」
オト :
「わたしもそりゃ気に入ってるけどね……かわいいし……」
オト :
「これはね、キョウが貸してくれたんだよ。昨日首元をちょっと怪我しちゃったから、それを隠すようにって」
ココロ :
「ああ、お兄ちゃんが~…………」
ココロ :
「いや勝手すぎない、お兄ちゃん!?」
オト :
「ま、まあそれはそうなんだけど……わたしがココロの親友だから貸して良いって……」
オト :
「それまではずっと誰にも渡さず大事にしてくれてたんだよ」
ココロ :
「ふうん……お兄ちゃんが…………」
ココロ :
「まあ、オトなら貸していいけどさ……」
ココロ :
「っていうか気に入ってるならあげよっか……?」
オト :
「え?う、うーん……いやいいよ!これはココロのなんだから」
ココロ :
「ん~、ココロとしては、むしろ貰ってほしいんだけどな~?」謎一人称
オト :
「え、え~?そんな謎の名前呼びしてまで」
オト :
「……でも、そう言うなら……貰おうかな」
オト :
「このスカーフ、何だか段々とお守りみたいに感じてきてて……」
オト :
「これを付けてると、何だかキョウとココロが傍にいるような気がして、勇気づけられてたんだ」 スカーフを触り、小さく笑う
ココロ :
「…………そっか」
ココロ :
「それなら尚更、もらってオト」
ココロ :
「今の私がオトにあげられるモノって限られてるしさ」
オト :
「……そんなことないよ。もう充分貰ってる」
オト :
「ずっと生きてくれて、感情を失わずにいてくれて……もうそれだけで、わたしはいっぱいなんだよ」
ココロ :
「……………………」
ココロ :
「……あのさ、ごめんオト」
オト :
「え?何が?」
ココロ :
「……さっきオトは『全員で帰る』って言ってたけど、私は一緒に帰れそうにない」
オト :
「……な、何……言ってるの……?」
ココロ :
「…………落ちついて、よく聞いて、オト」
ココロ :
「全噴霧器をハッキングで強制停止するには、とても大きな負荷がかかる」
ココロ :
「……それで、私の回路はショートしちゃうみたいなんだ」
オト :
「……っ、な……に……」 目を見開き、崩れ落ちそうになる体を両脚で必死に支える
オト :
「う……うそでしょ……?」
ココロ :
「あは……、こんな嘘、つかないよ…………」
オト :
「…………」
オト :
「あ、で、でも」 思考回路をフル回転させ
オト :
「ほら……回路がショートしても、記憶領域とかは大丈夫なんじゃないかな!?スタックさえ無事なら、後でちゃんと修理出来る!!」
オト :
「うちにはニトとリトっていうかわいい科学者がいるからね!わたしの失った記憶まで復元出来た凄い子達なんだよ!!」 笑顔で身振り手振りでニトとリトの背丈を表わしながら
オト :
「だから、ね……?大丈夫でしょ?そうだよね?」
ココロ :
「…………」
ココロ :
「……………………」
KP :
修復できる可能性の低さ、それは沈黙が何より雄弁に語っていた。
オト :
「…………」
オト :
重たい沈黙。数秒ほどなのに、それは永久にも感じる。
オト :
「……なん、で」 沈黙を切り、掠れた小声を漏らす
オト :
「なんで……?」
オト :
「なんで、ココロが死ぬの……?そんなの……おかしいじゃん……」
オト :
「そんなの、絶対おかしいよ!!なんで!?ねえ、なんで!!??」
オト :
「わたし……キョウと約束したんだよ!!ココロを助け出すって……!!」
オト :
「でも、こんな、こんなのって……!!いやだ……いやだよ、ココロ……!!!」
オト :
ココロに縋るように、彼女のローブの裾を掴む
ココロ :
「…………そうだね、おかしい」
ココロ :
「正直ね、私が生き残る道はなくはないんだ」
ココロ :
「ハッキングを実行しないで、ここから逃げだせば、オト達と一緒に生き残る事はできるかもしれない」
ココロ :
「……でも私は、その未来を選べない」
ココロ :
「私が逃げたら、罪の無い東京の人々が犠牲になっちゃう」
ココロ :
「……それをしちゃったら、沢山の人々を犠牲に、自分の幸福を求めた有馬真二と同じになると思うから」
オト :
「ち、違う……違う!!」 首を何度も横に振る
オト :
「そんなの有馬と同じなんかじゃない!!何もかも違うよ、ココロ!!」
オト :
「大体、罪のない人々って何!?ココロだって何の罪もないじゃん!!!」
オト :
「ココロは……何も悪いことしてないじゃない……っ!!」
ココロ :
「うん、そんなに悪い事はしてないよね私」あっけらかんと笑って見せて
ココロ :
「でも、私は……」
ココロ :
「皆と生きられる未来があった、それだけでいいんだ」
ココロ :
「未練がないとは言わないけど、それだけでも私は十分に救われちゃったから」
ココロ :
「皆が私を救ってくれたように、私も皆を救いたいの」
オト :
「…………っ」
オト :
体を支える力が無くなり、地面に崩れ落ちる。
オト :
「どうして……どうして救われてるなんて思うんだよ……」
オト :
「まだ……救ってないよ、わたし……」
オト :
「わたし、ココロのユメ……まだ全部叶えてない……」
オト :
「一緒に歌手になって、二人で世界中の人達に歌声届けるって……」
オト :
「まだ、これからなんだよ……ココロ……ねえ……っ」
ココロ :
「うん、だから一緒に歌おうよ」手を差し出す
ココロ :
「……今夜、そのユメを叶えてオト」
ココロ :
「二人で最初で最後のライブ、しよう?」安心させるように笑いかける
オト :
「…………っ」
オト :
差し出された手を、ジッと見つめる。
オト :
固く冷たい、アンドロイドの手。しかし、人間のように温かそうに見えるのは、あまりの絶望感で視界がおかしくなってるせいなのだろうか。
オト :
……逃げだしてしまいたかった。
オト :
もうハッキングなんてしたくなくなっていた。
オト :
キョウが死んでもわたしが前に進み続けられたのは、ココロを必ず助けるという彼との約束があったからだ。
オト :
それがもう叶わないというのなら、これ以上の人生に意味なんて無い。
オト :
ココロを失うくらいなら、世界も一緒に滅んでしまえばいい。
オト :
そんな黒く濁った感情が心の中を埋め尽くしていた。
オト :
────しかし。
オト :
「ユメを……叶える……」
オト :
俯かせていた顔を上げる。
オト :
目の前には、安心させるように笑顔を向けるココロの姿がある。
オト :
いつかのあの時だってそうだ。
オト :
ココロはわたしを悲しませないように、笑ってくれる。
オト :
……その笑顔に引き寄せられるように、
オト :
頭の中に、他の人達の笑顔が浮かんでは消えていく。
オト :
キョウ……ニト……リト……クオ……玲斗……レミ……デク………守人……トモヤ……
オト :
シオリ……
オト :
もし逃げだしたら、彼らの笑顔は守れなくなる。
オト :
そして、ココロの今の笑顔も、全て意味が無くなってしまうだろう。
オト :
「……わかった……」
オト :
「わかったよ……」
オト :
手の震えを止める。
オト :
「しょうがないな、ココロは……」
オト :
体に残った力を振り絞る。
オト :
「わたしがいないと、自分のユメ……叶えられないんだから……」
オト :
────ココロの笑顔は、誰かを守るための笑顔だ。
オト :
じゃあ、そんな彼女のことは、一体誰が守ればいい?
オト :
「やってあげるよ……」
オト :
そんなの、決まってる。
オト :
わたししかいない。
オト :
わたししか、ココロを守れない……!ココロの笑顔を守れるのは、わたししかいない……!!
オト :
「やって……やろうじゃんか!!」
オト :
「最初で最後の!そして!!」
オト :
「最高のライブ!!!」
オト :
ココロの手を取り、立ちあがる。
オト :
「わたしと一緒に、ユメを叶えよう!!ココロ!!!」
オト :
ココロの笑顔を守るために、最高の笑顔を作って。そう元気に応える。
ココロ :
「うん……! うん……!!」
ココロ :
「ありがとう、オト……!!」
オト :
「えっへへ、どういたしまして!」
オト :
「ほら……じゃあやるよ、ココロ!もしかして、まだ準備出来てない!?」
ココロ :
「あっ、準備……できてないかも……!」
ココロ :
「ライブする前にさ、ひとつ言っておきたい事があったんだ……!!」
オト :
「何!?」
ココロ :
「……ここまで散々、オトには我儘を言わせてもらったけど」
ココロ :
「最後にひとつ」
ココロ :
「オトは十分、苦しい思いをしたよ」
ココロ :
「だからアナタだけのユメを見つけて、皆の分も」
ココロ :
「ううん、私の分も幸せになって!」
ココロ :
「────最後の、お願い」
ココロ :
「きっと叶えてね、私の願い星さん(ヒーロー)」
オト :
「……分かった、ちゃんと叶える。ちゃんと幸せになるから」
オト :
目の奥から何か熱いものが溢れてしまいそうな気がする。そんな感覚を、笑顔で無理矢理押し込める。
オト :
「ありがとう。わたしのためにお願いしてくれて。でも、今は……」
オト :
「今は、一緒に歌おう!ココロ……!!」 握った手に力が入りすぎないようにしながら、笑いかける
ココロ :
「うん……!!」
SYSTEM :
システム再起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
ESM放射制御プログラムインストール__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
SYSTEM :
____X000、起動します
オト :
「…………」
オト :
瞼を開く。その目に映るのは、額を合わせたココロの顔だ。
オト :
「……うん。よし」
オト :
「大丈夫。制御プログラム、ちゃんと受け取れたよ」
ココロ :
「……そっか、良かった」少しだけ離れつつ
ココロ :
「これで準備OK、だねっ」
オト :
「……うん」
不破 栞 :
「……ふたりとも、大丈夫そうか?」
オト :
「もちろん!今言った通りだよ!」
オト :
自分の感情を悟らせないように笑って見せる。
夜鷹 守人 :
「お前達にしか任せられないことだ。頼んだぞ、二人とも……」
オト :
「うん、分かってる!」
不破 栞 :
「……よし、この街の運命は任せたぞ」 その笑顔に、信頼の言葉と笑顔で返す。
ヤオ トモヤ :
オトの常と変わらない笑みにやっと安堵し、頑張って!という風に握り拳を作る
ココロ :
「ええ、私達に任せておいてください!」
ココロ :
「……私達の心配より、むしろ自分達の心配をした方がいいですよ?」
ココロ :
「あまりの歌声に感動で泣いちゃうかも? ハンカチの用意は大丈夫ですか?」そうおどけて笑う
不破 栞 :
「ふふ……まったくだな」
不破 栞 :
「10年間準備してきたんだ、私は心配ないさ」
夜鷹 守人 :
「困ったな、ハンカチが使い物にならなくなるかもしれないな」
軽く冗談で返す
ココロ :
「そうですかそうですか、ちょっと心配ですけど大丈夫そうで良かった!」
ココロ :
「……さ て と、そろそろ行かないと」
ココロ :
「みなさん改めて本当にありがとうございました」
KP :
そう言って不破さんに向き直る。
ココロ :
「────栞さん」
KP :
ココロは十年を経て返ってきたチケットを握り締め、名を呼ぶ。
不破 栞 :
「心くん……」
ココロ :
「だいぶ遅くなっちゃったけどっ、私達のライブ、最期まで聴いていってくださいねっ」
ココロ :
「……見守っていてくださいねっ」
KP :
そう言って満面の笑みを向ける。
不破 栞 :
「ああ……」 その笑みに、短く答える。
不破 栞 :
「片時も目を離すものか、私は……このために10年頑張って来たんだから!」
ココロ :
「ふふ、そこまで言ってもらえるなんて」
ココロ :
「……だったらちゃんと、その思いに応えないとだね?」儚く笑う
オト :
「……そうだね。しっかりやりきらなきゃ……」
オト :
「…………」 一瞬だけ俯き、小さく拳を握る
オト :
「ここじゃ狭いし、モニターはあるけど街の様子はちゃんと自分の目で見れた方が良いし……」
オト :
「何より、夜景をバックにした方が会場には相応しいし……!」
オト :
「さあ行くよ、ココロ!!」
オト :
開いた左手をココロに差し出し、笑顔を向ける。
ココロ :
「オト……」
KP :
ココロも手を差し出す。あの頃と変わらない笑顔で。
KP :
……しかし、その表情とは裏腹。ココロの手は微かに震えていた。
ココロ :
(ごめんねオト……)
ココロ :
(オト達が必死で掴んでくれた未来なのに、自分から手放すなんて……)
ココロ :
(最期まで自分勝手だね、私……、恨んでくれてもよかったんだよ……)
ココロ :
(それなのにオトは、私のユメの為に笑顔で私の手を取ってくれた……)
ココロ :
(本当にありがとう)
ココロ :
(────ああ、私って本当に恵まれてるな)
ココロ :
(つらい事も、沢山あったけど)
ココロ :
(こんなに私の事を思ってくれる親友がいて)
ココロ :
(助けにきてくれる人達がいて)
ココロ :
(…………大好きな栞さんにも、また会えて)
ココロ :
(世界で一番、幸せだって思う)
オト :
「ココロ……」
オト :
僅かに震える手を皆から隠すように、その手を繋ぐ。
オト :
そして、前へと踏み出し、ココロを部屋の外へと連れて行く。
同日/PM06:55/天気:晴れ/リボット社社長室
KP :
二人は手を繋いで先程までいた部屋まで歩いていく。
KP :
割れたガラス越しに、東京の街並みを見下ろす。
KP :
……そこから見えたのは、変わり果てた少女の故郷。
KP :
絶望の闇に覆われた霧の街。
KP :
希望の光を失くした黒い街。
KP :
有馬真二の歪んだ願いの成れの果てだ。だとしても。
KP :
────この惨劇の引き金を引いたのは、自分。
KP :
残酷な真実を噛み締め、少女は夜空を見上げる。
KP :
雲ひとつなく晴れ渡る、星空のキャンバス。
KP :
街明かりがないからこそ、はっきり見えるのだろう。
KP :
所狭しと散りばめられた星々は、まるで宝石のよう。
KP :
……十年ぶりに目にした星はキラキラと瞬いていて、とても綺麗だった。
KP :
あの日と同じ満月の下、白瀬ココロは回顧する。
ココロ :
(……『ユメは叶わないモノ』って栞さんは言っていたけど、真実でも間違いでもあったな)
ココロ :
(憧れの歌手にも、栞さんの恋人にも、栞さんみたいな大人にも、私はなれなかったけれど)
ココロ :
(……『もう一度だけ、栞さんと会う事』『オトと一緒に、世界の人々に歌声を届ける事』)
ココロ :
(この二つのユメは、オトのおかげで叶えられた)
ココロ :
(きっとユメは一人じゃ叶えられないモノなんだ)
ココロ :
(それが分かった今の私だから、できる事がある)
ココロ :
(憧れの歌手にも、栞さんの恋人にも、栞さんみたいな大人にも、なれなかった私だから、)
ココロ :
(……アンドロイドの私だから、できる事がある)
KP :
……人生最初で最後の晴れ舞台。
KP :
オトと一緒に歌うラストライブ。
KP :
歌う曲は決まっている。
KP :
あの日のライブで歌う筈だった曲。
KP :
オトとココロ、二人の始まりの曲。
KP :
────VR100の楽曲、SHINING STAR。
KP :
ガラガラと天井が崩れ、月明かりが二人に差し込む。
KP :
自然のスポットライト。その優しい光に照らされて、
KP :
十年越しのファーストラストライブの幕は開く。
オト :
観客は相棒と仲間達、産みの親にその家族。そして心を失った全ての人々。
オト :
彼らに向けて、笑顔で宣言する。
オト :
「さあ、始めましょうか!感情を震わせる、最高のライブ!!!」
オト :
「ユメとキボウを胸に、心を込めて歌います!!」 左手はココロと繋いだまま、右手を観客達に差し出すように伸ばす
ココロ :
「────それでは聞いて下さい、心音で『SHINING STAR』!!」
♪SHINING STAR
きらめく星たちに音を 一つずつ 大切に
心を込めて託したんだ 一つずつ 大切に
紡いできた いくつものメロディー
ありったけの気持ちを 練りこんだよ
一つ一つは すごく脆いけども
輝く星が 銀河に この歌を響かせるよ
Shining star お願い 時を止めて
この夜がいつまでも続くように
Shining star ずっと 鳴り響いて
私一人じゃ弱いから 一緒に歌おう
夢の中であの星たちを 一つずつ 探すよ
霧がかかったとしても 一つずつ 探し出すよ
涙でできた 底なしの海に
届く訳ないと 諦めていたんだ
だけど差し込んだよ 小さな光
暖かく 優しく 私を引き上げるんだ
Shining star お願い 夢を見せて
震える体に 安らぎを
Shining star 私を 照らし続けて
そばにいてほしいよ いつまでも いつまでも
Shining star ありがとう 紡いでくれた
ボロボロのメロディー 私の声で
歌うから Shining star 見守ってて
もう大丈夫 私には この歌があるから
KP :
二人の少女が紡ぎ出す。聴いた全員のココロに響くオト。
KP :
そのライブ映像は、ハッキングによって街中のモニターに映しだされて。
KP :
すべての人の心に届くように、と際限なく伝播していく。
KP :
────響き合う歌声。
KP :
その願いは、アンドロイド達にも届いたのだろうか。
KP :
激しい戦闘を繰りかえしていたスパローの変異体達、更には黒い軍用アンドロイド達までもが戦闘を止め、
KP :
ライブ会場となったリボット社を見上げだした。
ココロ :
────耳鳴りがする。機体はもう限界みたい。
ココロ :
正直。少し、怖い。
ココロ :
死に瀕した人間の本能みたいなモノ、なんだろうか。
ココロ :
その時ふと、私の胸で眠っていた"後悔"が目覚める。
ココロ :
『栞さんに気持ちを伝えなくて良かったの』と。
ココロ :
…………たしかに私は、栞さんの事が大好きだ。
ココロ :
ここまで助けに来てくれて、前よりもっと好きになった。
ココロ :
でも、だからこそ、この気持ちは伝えてはいけない。
ココロ :
今から壊れる私の気持ちは、絶対に栞さんを困らせてしまうから。
ココロ :
……気持ちを伝えれば、きっと栞さんは心優しい言葉をかけたり、抱きしめてくれるかもしれない。
ココロ :
だけどそれは、自分の立場を利用している気がして、何か嫌だ。
ココロ :
────それに栞さんの返答がどうだったとしても。
ココロ :
もしも栞さんも好きだと言ってくれたとしても、私には『未来』がない。
ココロ :
……お互い、離別がもっと辛くなるだけだろう。
ココロ :
だから栞さんのコトを本当に想うなら、この気持ちは伝えない方がいい。
ココロ :
「好きだ」と言えたら、
ココロ :
「好きだ」と言ってもらえたら、それはどれだけ幸せな事だろうと思う。
ココロ :
────でもそんな自分勝手な告白はできない。
ココロ :
今日だけは栞さんが鈍感でいてよかったと思う。
ココロ :
私の恋心には気付かず、オトと二人で幸福な人生を送ってほしい。
KP :
欲を言えば、まだ生きていたい。
KP :
折角こうして二人と会えたのに、また離れ離れになるなんて嫌だ。
KP :
……そんな弱音も全て呑み下し、ココロは歌う。
KP :
十年間、ずっと胸に秘めてきた淡い恋心を声に乗せ。
KP :
『皆はどうか、私の分も幸せになりますように』と。
KP :
煌めく星々に願いを込めて、二人のメロディを紡ぐ。
KP :
────ずっと幼い頃から目指してきた、人々に希望を齎す歌を。
KP :
黒い街に白い光が灯る。
KP :
二人の歌声を聞いて、街中の噴霧器は眠りに落ちる。
KP :
……地上を覆う霧は晴れていき、希望の光が街に満ちていく。
KP :
それは新世界の始まりなどではない、いつも通りの街明かり。
KP :
事件は、終わったのだ。
ココロ :
(ああ、よかった……)
ココロ :
(これで、すべて……おわり…………)
ココロ :
(わたし、も……、すこしは…………)
ココロ :
(栞さんみたいになれたかな────)
KP :
そうして気付くと、隣で歌っていた少女も。
KP :
穏やかな星明りの下で膝を折り、静かな静かな眠りに落ちていた────
オト :
「…………」
オト :
歌い終え、隣で倒れている親友の姿を見る。
オト :
すぐに彼女を抱き起こしたい気持ちを抑え込み、
オト :
涙が流れ出そうにならないように、夜空を見上げ、
オト :
観客へと向き直り、こう伝える。
オト :
「……ありがとう……ございました……」
オト :
────二人のユメに、幕を引く。
不破 栞 :
蘇る街の灯り。二人の歌声。
不破 栞 :
希望に包まれた光景に、自然と拍手をしていた――が、それを見た瞬間、手を止める。
不破 栞 :
崩れ落ちる白瀬心の姿に向かって、半ば反射的に走り出す。
不破 栞 :
「――――――っ!!」
不破 栞 :
声にならない叫びを上げながら。
夜鷹 守人 :
都市に希望が灯ったのも束の間、膝から崩れ落ちたココロに胸中は焦燥感に包まれる。
夜鷹 守人 :
不破に続いて、守人は彼女の元へ駆け寄った。
ヤオ トモヤ :
余韻に浸る中、拍手の音が止む。
ヤオ トモヤ :
目を開き、飛び込んできたのは不破に夜鷹の駆け出す背中。その先に崩れ落ちたココロ。
ヤオ トモヤ :
数秒遅れてトモヤも駆け出す。その顔は驚愕と焦燥に染まっていた。
オト :
……何も言わない。空っぽになった左手を力無く垂れ下げて、ただ虚ろな目でココロの姿を見下ろしている。
不破 栞 :
「―――――、―――――、―――!」
不破 栞 :
何度も名前を呼びながら、力の抜けた、その身体を抱き起す。
不破 栞 :
何が起きたのかわからない。
不破 栞 :
ただ――希望と引き換えに、何かが犠牲になったことだけを理解する。
不破 栞 :
その身体を抱きとめたまま、大粒の涙を流し、天を仰ぐ。
不破 栞 :
「ココローーーーーーーーーーッ!!!!!」
不破 栞 :
ライブは終わった。
不破 栞 :
今はただ、遠い空の星に届くほど、力いっぱいに叫ぶ声だけが、この街に響いていた。
KP :
ひとりの少女を犠牲に、事件は解決。
KP :
エンディングに入ります。
73 選択した未来
西暦2050年/11月04日/PM04:00/天気:晴れ/路地裏
KP :
"戦後最悪の犯罪"だとも言われた事件から数日。
KP :
事態は一応の終息を見せていた。
KP :
感情抑制剤を浴びた一般市民は、一時は昏睡状態だったが、特に後遺症などなく快復。
KP :
人間とは意外に逞しい生き物で、東京は以前と同じような活気を取り戻しつつあった。
KP :
……そして、有馬真二と有馬夏央は逮捕された。
KP :
首謀者である有馬真二の罪は軽くはないだろう。
KP :
結局、彼が目指した世界が実現される事はなく、すべては終わったのだ。
KP :
────けれども、何も変わらない訳でもなかった。
KP :
あの事件で戦ったスパローの変異体達の勇姿を見て、
KP :
アンドロイド法などの法改正を求める声が上がったのだ。
KP :
……この国も少しずつ、何かが変わりだしているのかもしれない。
KP :
────そして今日。
青木 玲斗 :
『被疑者は依然、市街地を逃走中……!』
レミ :
『逃走ルートのデータを送りますね~?』
KP :
夜鷹守人とヤオトモヤ。
KP :
……今日も二人は、ドロ係としてバイクに跨り、次の事件を追っていた。
KP :
一度は解散も考えられたアンドロイド事件捜査係は、今回の多大な功績を讃えられて、人員そのままに存続するコトに決まったのだ。
KP :
新たな仲間が入ってくる日も近いかもしれない。
KP :
一方その頃。
ニト :
『あのアンドロイドは路地裏に入ったよ!』
リト :
『ルートは指示する!そのまま走って!!』
KP :
不破栞とオト。
KP :
……今日も二人は、スパローとしてバイクに跨り「EMC」を追っていた。
KP :
ニトとリトの親は未だ行方不明。
KP :
アンドロイドが本当に安心して暮らす事ができる社会を作り出す為にも、事件の影に潜んでいた「EMC」は止める必要があるからだ。
KP :
────街中で二台のバイクが擦れ違う。
KP :
アナタ達はお互いに合図をするかもしれないし、目を合わせるだけかもしれない。
KP :
活動する場所こそ違うが、アナタ達の志は同じ。
KP :
四人で再び、事件を追う日も近いだろう。
KP :
アナタ達の未来は誰にも分からない。
KP :
アナタ達の未来は、各々の選択によって、どの方向にも変えられるのだ。
KP :
……どの選択にも、責任は伴う。
KP :
しかし、どんな選択が待っていたとしても大丈夫だ、と今は思う。
KP :
────どんな未来が待っていても、きっと乗り切る事ができる。
KP :
一緒にいる大切なパートナーとなら。
KP :
これにて、事件は一件落着!
KP :
エンドAでシナリオクリア!みなさん、おつかれさまでした!
KP :
まだ個別のエンディングが残っていますが、その前にですね!
KP :
秘匿HOの公開とシナリオ報酬の処理をしておこうと思います!!
オト :
わーい、お疲れさまでした了解!!!!
不破 栞 :
わーーーーーーーい!!!! お疲れ様でした!!!! 了解だぜ!
夜鷹 守人 :
Aやん!うおおおお疲れ様じゃーい!!
開示情報見せて!!!!!
ヤオ トモヤ :
わーいわーい!!秘匿開示のお時間です‼︎
KP :
ではまず秘匿HOの公開から!
KP :
卓中でも公開した情報がほとんどですが、まとめたものを紹介!!
□HO1秘匿情報
【HO1】アナタはアンドロイドに対し恐怖心を抱いている。
アンドロイドに密室に2人きりになった場合、1d6/1d10のSANチェックを行なう。
このSANチェックで発狂した場合、あなたはアンドロイドに対し破壊衝動を起こす。
【過去】アナタは『10年前の事件』の被害者/生存者である。
視界いっぱいに広がった血の赤。 鉄と油の臭い。
その中に倒れている自分の母親。
それが当時12歳だったアナタの最後の記憶だ。
まだ幼かったあなたにとっては、その光景はあまりにも衝撃的で、身体は1mmも動かせなかった。
そんな貴方に向かって、赤いナイフを持った機械の手が伸ばされ、そして────
次に目覚めた時、アナタは知らない病院のベッドの上で寝ていた。
事件に巻きこまれたアナタは重傷を負ったが、幸いにも直ぐ病院に運ばれて命は助かったらしい。
しかし、事件のショックからか、アナタは事件以前の記憶を失ってしまっていた。
自分の両親の事も、自分がどんな日常を送ってきたのかも、全て。
そして、代わりに深く深く刻まれた事件の記憶が、アンドロイドに対する恐怖を植えつけたのだ。
そんなアナタの病室に通っていたのが、今の父( )矢代である。
彼はこの事件担当の刑事で、なにもかも失ったアナタに対し親身に接してくれた。
そうして退院後に本来であれば施設に行くハズであったアナタを、彼は"養子"として引きとった。
その頃、赤星透也と出会った。
どうやら赤星も矢代に恩があるらしく、昔から頻繁にアナタ達の家に訪れていた。
記憶を失ったアナタにとって、彼等は本当の家族のようにも思えたかもしれない。
【現在】アナタは持ち前の頭脳と才能を活かし最年少で刑事となった。
今回のアンドロイド事件捜査係の異例の抜擢も、その才能が認められた為である。
アナタはこれまでの10年の間で、あの事件のことを調べようとしたかもしれない。
しかし、情報規制が敷かれているのか大した情報は出ず、元いた家も放火によって焼けてしまい何も残っていない。
矢代に事件について尋ねた事もあるが「おまえに話すことは何もない」と言われたきり、どんなに説得しても話してはくれなかった。
そんなアナタも今は立派な刑事だ。
この立場であれば、10年前の事件についても何か知れるかもしれない。
【HO2との出会い】貴方はシナリオ内の日時の当日、HO2との顔合わせ・登録の為に警視庁に向かう予定になっている。
上司となる矢代は勿論のこと、アンドロイド嫌いのアナタを心配してか、赤星も一緒についてきてくれるらしい。
アナタにとっては憂鬱でしかないが、今の警察の制度に逆らうわけにもいかない。
【目的】
1.記憶を取り戻すこと。
2.10年前の事件の真相を掴むこと。
【NPC】
□( ) 矢代( ヤシロ)/52歳
アナタを引き取った現役の刑事。元捜査一課。10年前の事件の担当だったらしい。
誰に対しても厳しく接するが、本当は優しい人物であることを貴方は知っている。料理が得意。
※カッコ内はアナタと同じ苗字
□赤星 透也(アカボシ トオヤ)/32歳
アナタの兄のような存在。昔からアナタの面倒を見てくれた。
元捜査一課。いつも明るく楽観的な性格。見た目とは裏腹に思慮深い一面も持つ。
□HO2秘匿情報
【HO2】型番・BR800。
アナタはプログラミングの影響か、人間に対して親しみを覚えている。
それだけなら普通なのだが、アナタは人間の死に対して、人間で言う"恐怖心"に近いモノを抱いている。
アナタが人間の死や死体を目撃した際のSAN減少値を+2する。
【謎の夢】
アナタはアンドロイドとして覚醒してから、スリープモードに入る度に"夢"を見ている。
アンドロイド(=VOID)が夢を見る、なんて話は聞いたことがないが、
しかし、他に形容する言葉が見つからない為、アナタはこの奇妙なプログラムを"夢"と呼ぶことにした。
アナタの夢は薄暗い実験室のような場所から始まる。
沢山のモニターや機材、そして白衣を纏った複数の人物に囲まれて、アナタは何かの台に乗せられ拘束されていた。
そして、アナタに視線を向ける人々の中心の男性は、アナタと目が合うと「実験は成功だ」とそう言い、また新たな機材を取りつける。
アナタの夢は、いつもそこで途切れるのだ。
【ウイルス?】
貴方の意識は時々、謎の空間に飛ばされる。
そのタイミングは様々で、飛ばされた先にはどこまでも白く広い空間が広がっており、
そして、アナタの前に男性が腰掛けている。
その男性にアナタは見覚えがなく、また自分に対する敵意も感じない。
アナタが男性に何者だと尋ねた時、
男性は「名前は言えない。 だがそうだね……私の事は、ウイルスのようなモノだと思ってくれたまえ」そう笑った。
それから彼はアナタをこの空間に呼び出す度「最近の調子はどうだ」と他愛もない世間話のようなモノをしてくる。
アナタにとって、この空間は居心地がいいモノだった。
しかし、この男性は一体何者なのだろう? もしこれが本当にウイルスなのであれば、少し気が引けるものの、排除しなければならない。
【HO1との出会い】アナタはHO1との顔合わせ・登録の為に警視庁の一室で待機を命じられる。
アナタの点検や修理を受け持っている青木玲斗以外で初めて深く関係を持つこととなる人間だ。
それにどんな反応を示すかはアナタ次第だが、パートナーとなる以上、HO1を理解して認められなければならない。
【目的】
1.夢、ウイルスの正体を知ること。
2.HO1のサポートをしながら事件を解決すること。
【NPC】
□謎の男性/声から推測して40代
ウイルスだと名乗る謎の男性。正体と目的は不明。
見た目もモザイクのようなものがかかっているせいでよくわからない。
アナタに世間話や科学についての話をしてくる。
□青木玲斗(アオキレイト)/28歳
アナタの修理やメンテナンスを担当している。元捜査二課。
暗い性格であまり他人との関わりを持たない。
プラモデル作りが趣味らしく、アナタと2人きりの時は度々その話をする。
□HO3秘匿情報
【HO3】アナタは"とある事件"の捜査で上に逆らい、異動を命じられた。
今の警察の在り方に少なからず疑問を抱いている。
【過去】捜査一課に所属していた頃、アナタは『白瀬恭雅』の相棒だった。
アナタ達は警察学校で出会った。
それからは良きライバルとして、そして良き友人としてお互いを信じ合い、
数々の事件を共に解決してきた。
彼には妹がおり、アナタもよく家に行っていたので、アナタ達3人は一緒に遊びに行くほど仲が良かった。
10年前、担当区域で連続殺人・誘拐事件が起きた。
被害者は家庭を持っている者がほとんどで、現場には親の惨殺死体だけが残されていた。
そして、その家庭の子供達は行方を晦ませており、遺体が全くもって出てこない事から、
警察の方では犯人によって拉致されているのではないかと見解が出ていた。
アナタ達はさらに捜査を進めるにつれて、現場に残された部品や油臭から、
この事件はアンドロイドが関わっていると考えた。
そんな最中、今度は白瀬の妹が行方不明になった。
急に捜査の打ち切りを命じられたのも、この時だ。
このような結果には納得できなかったアナタ達は、それでも捜査を続けた。
……しかし、それを上層部に知られて、白瀬はアナタを庇うカタチで辞職。
アナタ自身も異動の処分を受けたのだ。
【現在】それから10年の年月が経ち、アナタはテレビで白瀬の姿を見つける事になる。
彼はアンドロイド破壊事件に関わる"犯罪組織のリーダー"として報じられていたのだ。
情報規制が敷かれている為か、彼が元警察官である事は公表されていない。
彼は何故このような事をしているだろう。いずれせよ彼と再会しなければ。
【HO4との出会い】HO4とは1年前、廃品置き場で出会った。
たまたま近辺でパトロールをしていたアナタは、廃品の中で倒れるHO4の姿を見かけ、
記憶がないと言う彼/彼女に手を差し伸べたのだ。
その後どのような経緯か分からないが、HO4はアナタのパートナーロボットとなった。
この1年の間で、アナタ達はお互いを信頼し合える仲となったことだろう。
【目的】
1.事件の真相を掴んで、白瀬の妹を探し出す事。
2.白瀬の居場所を突き止め、2人で話をする事。
【NPC】
□白瀬恭雅(シラセキョウガ)/PCと同い年
貴方の元相棒。勉学・体術共に優秀で、警察学校時代から一目置かれる存在だった。
不愛想で生真面目な性格。
□白瀬心(シラセココロ)/当時16歳(生きていれば現在26歳)
恭雅の妹。明るく優しい性格。貴方によく懐いていた。
□HO4秘匿情報
【HO4】型番・X000。
アナタは犯罪組織から送られてきたスパイロボットだ。
アナタの任務は、警察の情報を組織の本部へと送ることである。
≪ハッキング≫の初期値を80とする。
アナタはスパイとして忠実なロボットであるハズだが、
HO3と過ごす内、任務に人間で言う"罪悪感"を覚えてしまった。
HO3にスパイである事実がバレた場合は、アナタは1/1d6のSANチェックを受ける。
【過去】3年前、アナタは薄暗い施設でアンドロイドとして覚醒した。
アナタの目の前にいたのは、組織のリーダーである"キョウ"であった。
アナタが目覚めると、彼は「協力してほしい」と話を持ちかけてきた。
彼の話によれば、10年前から東京では連続殺人事件とそれと付随した誘拐事件が起こっているらしい。
これらの事件は、現在(2050年)起きている事件とも関係があるのではないかとキョウは推測している。
しかし、いまだに一連の凶悪犯罪の具体的な目的等は判明しておらず、
そして現在、起こっている事件の詳細も世間には公表はされていない。
そんな事情があり、ハッキング技術を持ったアナタが抜擢されたのだ。
アナタは2年の年月を彼等と共に過ごした。
彼等は犯罪組織(=テロリスト)と呼ばれるのは似合わないほど、仲間想いで正義感の強い人物達であり、
アナタはそんな彼等に忠誠を誓ったのだ。
【HO3との出会い】アナタは2年後(シナリオ日時の1年前)警視庁へスパイとして送られる事になった。
しかし、運送中、何者かによる襲撃で輸送車が横転。
アナタは廃品置き場に放り出されてしまった。
その時、アナタに手を差し伸べたのがHO3だ。
アナタがその手を取った時、キョウと同じような暖かさを感じたのを覚えている。
アナタは咄嗟に記憶がなく困っていると嘘をついた。
その後、アナタはHO3によって警視庁へと運ばれて、
奇妙な巡り合わせか、仕組まれたことなのか、HO3のパートナーロボットに任命された。
そして1年間、アナタ達は数々の事件を追ってきた。
……そんな時間を過ごしていく中で、アナタは彼/彼女に"情"が湧いてしまった。
(+の感情であれば友慕でも恋慕でもその他でも構いません)
「自分がしているスパイ行為は、HO3に対する裏切りである」
アナタはこの罪悪感と葛藤する事になった。
──正体がバレたら廃棄は免れないだろう。
【組織】組織名はスパロー(SPARROW)。
主な活動は失業者の支援や虐待を受けるVOIDの保護だが、
警察のネットワークのハッキングから、VOIDが起こした事件現場に乗り込み、犯罪を起こしたVOIDからデータチップ(スタック)を集めるなど、
法に触れる行為もしている。(スタックに関しては中のデータを確認次第戻している)
……とはいえ、あくまでも目的は事件の解決であって、テロリズム目的はない。
しかし、ネットの噂が広がり、犯罪行為をしていることもあってテロ組織として認知されてしまった。
メンバーの個人情報や過去は探らない。 お互いを呼ぶ時はコードネームで呼び合うのが暗黙のルール。
(コードネームに関してはシナリオで指定がある為、キャラシートには警察で使う名前だけ記載すること)
【目的】
1.事件の首謀者を見つけ出す為、他PCに気づかれないようスパイ行為を続行すること。
2.HO3を守りながら事件を解決すること。
【NPC】
□キョウ
組織のリーダー。 不愛想で生真面目な性格。 彼の指示はいつも的確でまわりから慕われている。
□ニト
アナタのメンテナンス係。
自称マッドサイエンティストだが、たびたびアナタの部品を入れ間違え、キョウに怒られている。
アナタやキョウによく懐いている。
□リト
ニトの双子の姉。アナタのハッキングの手伝いをしている。
ニトとは違ってしっかり者であり、よく弟を注意している。
KP :
以上!気になる人は目を通してもらえれば!
オト :
見るぞ~
不破 栞 :
わーい!見るぜ見るぜ!!
ヤオ トモヤ :
読んできます!
KP :
……それから、待望のシナリオ報酬!!
KP :
つまりSAN値回復のお時間がやってまいりました!!
不破 栞 :
わーい!!
ヤオ トモヤ :
やったー!!!回復すっぞ!
夜鷹 守人 :
やったー!!
オト :
ずたぼろだよ、チクタクマンのせいで!
KP :
満身創痍すぎるよ!
KP :
ではでは回復量は以下の通りですの!!
KP :
シナリオクリア:+1d10
全員生還:+1d10
秘匿HOの目的達成ひとつにつき:+1d3
KP :
HO1:夜鷹守人の【目的】
1.記憶を取り戻すこと。(達成)
2.10年前の事件の真相を掴むこと。(達成)
KP :
HO2:ヤオトモヤの【目的】
1.夢、ウイルスの正体を知ること。(達成)
2.HO1のサポートをしながら事件を解決すること。(達成)
KP :
HO3:不破栞の【目的】
1.事件の真相を掴んで、白瀬の妹を探し出す事。(達成)
2.白瀬の居場所を突き止め、二人で話をする事。(達成)
KP :
HO4:スコア/オトの【目的】
1.事件の首謀者を見つけ出す為、他PCに気づかれないようスパイ行為を続行すること。
2.HO3を守りながら事件を解決すること。(達成)
KP :
つまりは合計で2d10+7d3の回復になります!
オト :
わーい、一人達成できてないやつがおるな
不破 栞 :
みんなを助けるためだから多少はね
オト :
そうだよ!スパイなんてもう全体見たら小さいことだよ
オト :
じゃあ回復します!
KP :
それぞれ回復どうぞどうぞ!!
夜鷹 守人 :
2d10+7d3 (2D10+7D3) > 8[2,6]+15[3,1,2,3,2,2,2] > 23
system :
[ 夜鷹 守人 ] SAN : 42 → 65
ヤオ トモヤ :
2d10+7d3(2D10+7D3) > 12[9,3]+15[3,2,1,3,2,2,2] > 27
system :
[ ヤオ トモヤ ] SAN : 24 → 51
不破 栞 :
2d10+7d3(2D10+7D3) > 11[7,4]+11[2,3,1,1,1,2,1] > 22
system :
[ 不破 栞 ] SAN : 50 → 72
オト :
2d10+7d3(2D10+7D3) > 13[3,10]+14[3,1,3,3,1,1,2] > 27
system :
[ オト ] SAN : 33 → 60
不破 栞 :
すげ~増えたよ!
夜鷹 守人 :
限界を超えて回復したぜ
オト :
めっちゃ増えとる!
KP :
みなさん大幅にSAN値が回復!またデウス・エクス・マキナが出てきても安心ですねえ!!
不破 栞 :
もう来ないでもろて…
オト :
また壊すか~…
夜鷹 守人 :
またXXぶち込むぞ!!
ヤオ トモヤ :
もうやめよう……
KP :
すっかり嫌われてて悲しいデウスよ……
KP :
ではデウス・エクス・マキナに関連して、最後に後遺症の処理。
KP :
トモヤくんとオトちゃんは、不定の狂気による後遺症があります!
KP :
それは『スリープモードになった際、チクタクマンの干渉を受ける』というものです!!拍手!!!!
夜鷹 守人 :
ど、どういうこと!!チクタクマンの干渉って何があるの!!
オト :
シーン(拍手しないオト)
ヤオ トモヤ :
流石夜鷹さん、聞きたいところを聞いてくれる…!
KP :
単純に夢に登場してきて、精神汚染させてきます。うれしいねえ。
オト :
こわ~~~~スリープモードならずにずっと起きとくか…
夜鷹 守人 :
トモヤくんの中の天城パパ、何とかしろ
オトちゃんはニトリトにウィルスバスティングしてもらわんと……
ヤオ トモヤ :
ワハハなるほどですね…‼︎
KP :
ではウイルスバスターの使用によって、1d6ヵ月で干渉を断ち切る事ができるとしましょう!
オト :
了解了解、ダイスは各々で振る?KPが振る?
KP :
そうね、各々で振っちゃってくださいな!
オト :
了解!
ヤオ トモヤ :
はいな!
オト :
1d6(1D6) > 6
ヤオ トモヤ :
1d6(1D6) > 2
オト :
最大値出すな
オト :
もういいよ!!!わたしニトリトと一緒に寝てるから別に怖くないし!!!!!!!!!!!!
KP :
デウス・エクス・マキナに免疫がなさすぎるオトちゃん…
オト :
よわよわすぎる
ヤオ トモヤ :
ニトリトを思うとだいぶ代わりたいものの…おいたわしや……
KP :
対してトモヤくんは短めで済んでいる…、やっぱり最新型だからか…。
オト :
旧型ちゃんだから…
ヤオ トモヤ :
泣きっ面に蜂すぎるけど頑張って全機体のお姉ちゃん…
オト :
ニトリトシオリに癒して貰いながら頑張ります、あとレミさんにも通信掛けまくります
KP :
ドロ係を抜けても交流があるレミさんさん…
KP :
ともあれクリア報酬等の処理は、これにて終了!
KP :
個別エンディングに移っていきたいと思います!!
オト :
はーい!
夜鷹 守人 :
わーい!!
不破 栞 :
うぇーい!!!!
ヤオ トモヤ :
はーい!
KP :
まずはふわおとの個別エンディングから!
74 ユメの続き
西暦2050年/11月22日/PM04:00/天気:小雨/廃品置き場
オト :
この日は朝からずっと小雨が降っていた。
オト :
気象予報アンドロイドの演算通りの天気。
オト :
不破栞はバイクを降り、傘を差す。
オト :
少しの確信を持った足取りで廃品置き場の中へ歩きだす。
オト :
以前は何度もパトロールで回った場所。
オト :
ドラム缶や乗り捨てられた車、そして違法投棄されたVOIDの残骸。
オト :
それらを横目に、奥へと向かって行く。
オト :
しばらくし、気付く。雨音に混じって聴こえてくる、少女の歌声に。
オト :
「Shining star……お願い……夢を見せて……♪」
オト :
大量に廃棄された家電の山の上に座る、白いスカーフを首に巻いたアンドロイド。
オト :
X000・オト。
オト :
今朝からいなくなっていたパートナーが、雨に打たれながら歌っていた。
不破 栞 :
「……」
不破 栞 :
その歌を邪魔しないように無言で横から歩いてきて、傘を差す。
オト :
「……あ」
オト :
雨が当たらなくなったことに気付き、顔を上げる。
オト :
「……シオリ」
不破 栞 :
「ずいぶん探したぞ。どうしたんだ? 傘も差さないで」
不破 栞 :
適当に座れそうな場所を探して、隣で同じように座る。
オト :
「傘、忘れちゃってさ……いつもシオリが差してくれてたから」
オト :
「なんか、一人でいたい気分になっちゃって……。連絡するの、忘れてた。ごめん……」
不破 栞 :
「そうか、いや、それならいいんだ」
不破 栞 :
「色々とあったからな……一人で考える時間も必要だろう。アジトにいるとなかなかそういうわけにもいかないからな」
オト :
「……ありがとう」
オト :
「でも、もうこういうのはやめるようにするよ。シオリは怒らないでくれるけど……ニトとリトに心配かけちゃうし」 少し反省したように俯く
不破 栞 :
「そうか? まあ、行き先くらいちゃんと伝えておけば、二人もわかってくれるだろうが……」
オト :
「そうだね、もしも今度があったら行き先言うよ……」
オト :
「……でも、シオリ。よくわたしがここにいるって分かったね」
不破 栞 :
「ああ、お前にゆかりのありそうな場所をいろいろ当たってみたんだが……」
不破 栞 :
「どこにもいないから、こんな天気なのにまさかと思ってここに寄ってみたわけだ」
不破 栞 :
「……だが、考えてみるとここに来るときはいつも雨が降っていたような気がするな」
オト :
「そうだね~……ドロ係配属の前日も雨降ってたし」
オト :
「わたしとシオリが初めて会った時も、そうだっけ?」
不破 栞 :
「確かあの日も小雨だった気がするな」
不破 栞 :
「あれからまだ一年ほどしか経っていないのか……」
オト :
「確かにまだそんなもんだよね」
オト :
「あの時はびっくりしたな~。これから警察に潜入するって時にいきなり襲撃されるし」
オト :
「話しかけてきたのは、知らない警察の人だったし。頭フル回転させて記憶喪失ですって嘘ついたんだよね」
オト :
懐かしむように言うその顔には、少し笑みが戻ってきている。
不破 栞 :
「そうだったな……今から思えば明らかに不自然だった」 思い出しながら少し笑う。
不破 栞 :
「あれがなければ私たちも出会ってないんだから、世の中わからないものだ」
オト :
「うん……そうだね」
オト :
「……最初はびっくりしたけど、シオリと会ってから楽しかったんだよね」
オト :
「そりゃ、スパイって立場的に色々警戒してたし、ちょっと罪悪感も覚えたりもしてたけど」
オト :
「それでも、シオリのパートナーロボットとして一緒に過ごした日々はやっぱり楽しかったな、って」
不破 栞 :
「ふふ、そうか……」
不破 栞 :
「私も、本当に楽しかったよ。まさか一年後にこんなことになっているとは夢にも思わなかったがな」
オト :
「ほんとにね……」
オト :
「…………」
オト :
「でも、ね」
オト :
「わたし、最近は全然楽しくないんだ」
オト :
「シオリやニトとリト、スパローの皆と一緒にいると安心はしてるけど……」
オト :
「それでもなんか、幸せだって気がしない」
オト :
「さっきみたいに、歌を歌っても……ちっとも気分が良くならないの」
オト :
「今までは、わたし……歌ってればそれだけで全部忘れて幸せに感じるような、どっちかというとお気楽なアンドロイドだったのにね……」
不破 栞 :
「それは……」
不破 栞 :
「……やっぱり、心くんがいないからか?」 緩めた顔を引き締める。
オト :
「……うん」 頷く
オト :
「わたし……ダメだよね……」
オト :
「ココロには、アナタだけのユメを見つけて、私の分も幸せになってって……お願いされたのに……」
オト :
「もうすぐ一ヵ月くらい経つのに、やっぱり全然無理なの……」
オト :
膝を抱えて座り直し、顔を隠しながら、か細い声でそう伝える。
不破 栞 :
「……無理もないさ」
不破 栞 :
「私だって、何かできたことがあるんじゃないかと今でも悩んでいる」
オト :
「シオリも……?」
不破 栞 :
「ああ」
不破 栞 :
「10年前の事件のときも、キョウを助けられなかったときも、心くんのときも……悩んでいるし、これからもたぶん悩むだろうな」
オト :
「そうだよね……。わたしも、ずっと悩むと思う」
オト :
「その悩みが晴れることって、無いのかもね……」
不破 栞 :
「そうだな……でも、そうやって悩んだ過去もあって、初めて自分という人間がいる」
不破 栞 :
「私がみんなを助けられなかったという過去は変えられないが、それでも、この経験は私にとって大切な宝物だ」
不破 栞 :
「この経験があるから……私は、スパローのみんなと目標に向かっていける」
不破 栞 :
「だからいつまでも悩むし、辛くないと言えば嘘になるけれど」
不破 栞 :
「いま幸せじゃないかと聞かれたら、それはきっとノーだ」
不破 栞 :
「人間とロボットが手を取り合って世の中を良くしていく……それがきっと、私のやりたいことだからな」
不破 栞 :
「……オト、今お前がやりたいことは、何だ?」
不破 栞 :
優しい声で、そう尋ねる。
オト :
「…………」 膝に隠していた顔を上げる
オト :
「シオリ……」
オト :
「わたしの……わたしが、今やりたいことは……」
オト :
「……っ」
オト :
今にも泣き出してしまいそうな顔で、シオリを見上げながら、
オト :
「わたし……ココロともう一度、歌いたい……っ!!」
オト :
「ココロと笑い合って毎日を過ごしたい!もっともっと、ココロと一緒にいたいよ……!!」
オト :
そう、心の中に押し込めていた願いを吐き出した。
不破 栞 :
「オト……」
不破 栞 :
「それは……きっと辛く大変な道になるぞ」
不破 栞 :
「どれだけ頑張っても、報われないかもしれない」
不破 栞 :
「(……いや、そんなことはわかっているか)」
不破 栞 :
「……それでも、また心くんに会いたいんだな」
オト :
「会いたい!!会いたいよ!!」
オト :
シオリの服の裾を掴む。
オト :
「何年……何十年……一生かかってもいい!!」
オト :
「ココロがいないと、わたしは幸せになれない……!!!」
不破 栞 :
「…………」
不破 栞 :
「そうか……なら、やってみよう」 優しい顔に戻って。
オト :
「やってみよう、って……いいの?」
不破 栞 :
「……私には方法が見当もつかないが、ニトやリトがいいというなら」
不破 栞 :
「もっとも、心くんは困ってしまうかもしれないが……お前がいつまでもしょぼくれている方が、ずっと困るだろうからな」 苦笑する。
オト :
「……いいの。ニトとリトには、そりゃ手伝ってもらわなくちゃいけないし、また迷惑かけちゃうかもしれないけど……」
オト :
「わたし、今までココロの我儘いっぱい聞いてきたもん。今度はわたしが我儘言って、困らせたって……いいはずだよ」 小さく笑う
不破 栞 :
「ふふ、そうだな」
不破 栞 :
「……心くんがもう一度、幸せな人生を歩めるように、か」
不破 栞 :
「私も……その気持ちは同じだ」 結局、自分のもとに戻ってきてしまったライブのチケットを取り出す。
オト :
「そっか……」 チケットを眺めて
オト :
「じゃあ、シオリにはもう遠慮したり悪く思ったりする必要ないね」
オト :
「一緒にココロに会いに行こう。わたし達二人で……!」
不破 栞 :
「ああ……!」
不破 栞 :
「そうと決まったら、少しでもお前たちの時間を空けてやれるよう頑張らないとな」
オト :
「そうだね、やることたくさんありそう!」
オト :
「じゃあ、さっそく帰らなきゃ!こんな汚いとこいつまでもいられるか!!」
オト :
完全に笑顔を取り戻すと、立ちあがって家電の山から下りていく。
不破 栞 :
「さて、忙しくなるな」 傘を差しながら、バイクへと歩いていく。
オト :
「ふふっ……」
オト :
「ねえ、シオリ?」 シオリの腕に抱き着く
不破 栞 :
「今度はどうした?」
オト :
「ううん、どうしたって程でも無いんだけど」
オト :
「……あのね」
オト :
少しだけ照れ臭そうに、上目遣いに見上げながら伝える。
オト :
「わたし、シオリと出会えて……本当に良かった……!!」
不破 栞 :
「……」 一瞬呆気にとられるが、すぐに笑顔になり。
不破 栞 :
「……私も、お前と会えて良かったよ」 ことも無げにそう返した。
オト :
「……うん!えっへへ……」 嬉しそうに笑い返す
不破 栞 :
歩くとティアベルの揺れる音がする。空を見上げても、まだ星は見えない。
不破 栞 :
「(白瀬……お前の思った形とは少し違うかもしれないが、みんな未来に向かって歩いているよ)」
不破 栞 :
「(安心して、見守っていてくれ)」
オト :
空を見上げると、雲の切れ間から光が差し込み、虹がかかっていた。
オト :
……いつの間にか、雨は止んでいた。
オト :
二人は七色に輝く光の橋を潜り、歩いていく。
オト :
────失われたユメ、その続きの未来へと。
KP :
二人がユメに目指して進みだしたところで、続きまして守人くんとトモヤくんの個別エンディングに!
75 正義の味方
同日/PM04:00/天気:小雨/総合病院804号病室
KP :
紅葉が見頃を迎える初冬。
KP :
東京の最低気温が一桁まで落ち込み、北方で初雪が降りだした頃。
KP :
アナタ達は都内にある大きな総合病院を訪れていた。
KP :
……今回は被害者遺族の聞き込みの為ではなく、お見舞いの為に。
KP :
高層フロアにある"長期入院"の為の療養病床。その個室。
KP :
そこには夜鷹守人の義理の父親、夜鷹矢代が眠っていた。
KP :
────十月下旬に起きた刺傷事件。
KP :
その被害者だった矢代は、一命は取りとめたが遷延性意識障害に、
KP :
つまり"植物状態"に陥っていたのだ。
KP :
……医師の診断によると、意識が戻る可能性は極めて低いらしい。
KP :
枕元には手付かずのまま朽ちかけたフルーツバスケットが置かれている。
KP :
この果物に矢代が手をつける日は来ないだろう。
KP :
……きっと義父が目覚めるより、ずっと果実が腐る方が早いから。
夜鷹 守人 :
「……義父さん、この前はドロ係でこんなことがありましてね」
夜鷹 守人 :
傍らで眠る義父に、近況の報告をする。その口調はまるで起きている人物に話しかけるように穏やかなものだった。
ヤオ トモヤ :
「……夜鷹さんてば、すごかったんですよ!この前なんか証拠を見るなりあっという間に犯人を探し当てちゃって」
ヤオ トモヤ :
密やかに、しかし楽しそうに。義父を慈しむ健気な息子のそれに同僚の立場から相槌を打つ。
ヤオ トモヤ :
「……係長にも見せて差し上げたいです!」「夜鷹さんだけじゃない、青木さんもレミさんも私も……ドロ係で立派にやってます」
夜鷹 守人 :
「随分とメンバーは減ってしまいましたが……それでも頑張ってますよ」
夜鷹 守人 :
「……あとは義父さんが戻って来てくれたら、百人力なんですけどね」
夜鷹 守人 :
そんなことを、ぼそりと呟いて
夜鷹 守人 :
「……でも気長に待ちますよ。係長の席はずっと開けておきますから」
夜鷹 守人 :
「俺が係長より上の役職になる前には起きて欲しいですけどね」
夜鷹 守人 :
不安を誤魔化す為か、冗談を交えて語り掛ける
ヤオ トモヤ :
それを見てその背中を小さく叩く
ヤオ トモヤ :
「……そうですよ、私達2人でいれば無敵の有能刑事ですから‼︎世界も救っちゃいましたし、このまま凄まじい勢いで出世しちゃうんですからね!」
ヤオ トモヤ :
「……係長も見たいですよね?よくやったな!守人‼︎ってご飯とかお酒とか一杯やりたいでしょう?」ニヤニヤして
ヤオ トモヤ :
「…だから、それまでには間に合わせてくださいね‼︎」
ヤオ トモヤ :
あんまり長いこと待てるかわかりませんよ〜?と夜鷹の手を矢代の手の上に置く。
ヤオ トモヤ :
握って!と自らの手でグッパーをしてみせる
夜鷹 守人 :
「……ええ、親孝行もさせてくださいよ」
夜鷹 守人 :
重ねられた義父の手を両手で握る。その手は自分の体温より低く、最低限の生命活動しか感じられない。
ヤオ トモヤ :
「……反応がなくても、夜鷹さんの温度は矢代さんに伝わっています」
「母の時もよくこうしていました。刺激は多い方がいいですから」矢代には聞こえない位の小さな声で
夜鷹 守人 :
「そうか、お前の母もだったな……」
夜鷹 守人 :
「……ああ、土産話やスキンシップをしてあげないとな。義父を寂しくさせたくはない……」
ヤオ トモヤ :
「……あの、ですね…」
「……そのことで少し話があります。このまま矢代さんと一緒に聞いてくれますか?」
夜鷹 守人 :
「ああ、話してみろ」
畏まった態度に訝しみつつ、トモヤに顔を向ける
ヤオ トモヤ :
その瞳を見つめて、頷く。そして続ける。
「話っていうのは……赤星さんのことなんですけど、本題のところは夜鷹さんが今何を感じているのか聞きたいんです」
ヤオ トモヤ :
「……矢代さんはいいお父さんですから。今の夜鷹さんに寄り添えないことが、1番大きな寂しさになるんだろうなと思いました」
ヤオ トモヤ :
「……だから、デリカシーがなくて申し訳ないんですけど。ここでお父さんも聞いている前で、一旦吐露しちゃう機会を作った方がいいかなって」
あの日からずっと気にかかっていたのだ。事態がそうさせなかったというのもあるが、胸の内を誰にも明かそうとしなかった。それは明かせる相手(家族)がいなかったからかもしれなかった。
夜鷹 守人 :
「まあ、な。家に帰っても誰もいないというのは寂しいものだ……」
夜鷹 守人 :
「……で、兄さんのことか。トモヤはどんな事が聞きたい?」
夜鷹 守人 :
「あの人に感じているものは複雑だからな……絞ってくれると話しやすい」
ヤオ トモヤ :
「……そうですね。大体2つお聞きしたいんですけどまず1つ」緊張しているのか自らの手をキュッと握る
「…今、夜鷹さんは赤星さんについて、どのように受け止めていますか?」
夜鷹 守人 :
「そう、だな……」
夜鷹 守人 :
束の間の沈黙。この問いには複数の答えが出せてしまう。
夜鷹 守人 :
母と友(有馬朝也)を傷つけ、10年も自分も欺いた故の因果応報。
夜鷹 守人 :
そして10年間、共に生活してきた兄を失った喪失感。
夜鷹 守人 :
怒りと悲しみ、あの最期を見届けた後でも両方の感情が時折りせめぎ合ってしまう。
夜鷹 守人 :
……それでも、いつも最後に心に残る感情は決まっていた。
夜鷹 守人 :
「……悲しいよ。あんな人だったけど、家族には間違いなかったからな」
夜鷹 守人 :
守人はジッと目を閉じて、兄を思い浮かべる。
夜鷹 守人 :
真っ赤に染まった部屋に佇む彼。兄として自身を支えてくれた頼もしい彼。
その姿をひっくるめて、守人は思う。
夜鷹 守人 :
「悲しい人だったんだ、兄さんは」
ヤオ トモヤ :
少しの沈黙。トモヤは小さく頷き、その顔をじっと見つめてこう続ける。
ヤオ トモヤ :
「……そのように受け止めていたんですね」
ヤオ トモヤ :
「……私、勝手ながらあなたがどう受け止めていたのか、予想を立てていたんです。悲しんでいるって思っていました」
ヤオ トモヤ :
「でも今までを知って予想したとして、きっとあなたとまるきり同じものを感じられるわけではないから」
ヤオ トモヤ :
「……あなたの、見ているものと近いものをようやく見られたような気がしています」
ヤオ トモヤ :
微笑んで、少し口を閉じる。これまでで1番下手くそに笑うものだから、泣き笑いみたいな顔になっている。
ヤオ トモヤ :
有馬へのそれは許されないものだから比べるのもおこがましいけど。私もそうだから、あなたの感じているものがよくわかる。ような気がしている。
ヤオ トモヤ :
「……最後。2つ目にいきます」
ヤオ トモヤ :
「……私がこうやって、またあなたに胸の内を尋ねたとしてそれを許してくれますか」薄く、息を吸いこんで一思いに言い切る。肺なんてないのに。
「これからも間違えたり傷つけたりするだろうけど、あなたの隣にいたいと思っていいですか?」
夜鷹 守人 :
その問いを答える直前、自然と笑みが零れる。
夜鷹 守人 :
「当たり前だろ。お前の間違いを正したり、許したりするのがパートナー……それ以前に友の仕事だ」
夜鷹 守人 :
「聞きたいことがあったら聞け、俺は以前ほど神経質ではない……はずだからな」
夜鷹 守人 :
「……まあ、無遠慮な質問が来たら怒るかもな。流石に」
ヤオ トモヤ :
「っ……‼︎」夜鷹さんの方からパートナー…それに友!友って言った!
ヤオ トモヤ :
「……はい、きっと私が間違えたら怒って、正したり許したりしてください」
「……あなたのパートナーとして、友として頑張りますので!今後ともよろしくお願いします!」勢いよくお辞儀する
夜鷹 守人 :
「ん、よろしく頼むぞ? ああそこまで畏まるな」
夜鷹 守人 :
「まったく畏まられちゃ友だか怪しくなるだろ、まったく」
夜鷹 守人 :
微笑ましい様子に笑みを零して、その笑顔を義父にも向ける。
この2人の笑顔を、直に見せてあげられる日が来るだろうか。
夜鷹 守人 :
「……そうだ。悪いが飲み物を買ってきてくれないか? 少し喉が渇いてしまってな」
夜鷹 守人 :
携帯端末を取り出し、軽く操作をすると500円分の電子マネーがトモヤの端末に送金される。
夜鷹 守人 :
「何を買うかはお前のセンスに任せたぞ」
ヤオ トモヤ :
「ムム…任されました!それじゃあ、ちょっと行ってきますね!」
ヤオ トモヤ :
入金を確認し、足取り軽く笑顔で病室を出ていく。
KP :
────パートナーと入れ違い、コンコンと固い音が鳴って病室の扉が小さく揺れる。
KP :
義父の交友関係はそうは広くなかったハズだが、見舞いだろうか。
夜鷹 守人 :
「……? 開いてますよ、どうぞ」
夜鷹 守人 :
ノックした者を病室に招き入れようと、ドアの方に声をかける
KP :
アナタの言葉に応じて、静かに白い扉が開いた。
白衣の男性 :
「……では失礼」
KP :
そこに立っていたのは、白衣を着た黒髪の男性。
KP :
どこか蛇めいた切れ長の両目が、アナタをじっとり見つめている。
KP :
この総合病院の医師、だろうか。
夜鷹 守人 :
「……どうも、ここの先生ですか?」
夜鷹 守人 :
不可解な視線を訝しみながら、白衣の男性の様子を見る
白衣の男性 :
「いえ、私こういった者です」
KP :
そう言って男は名刺を差し出す。
KP :
『感情操作機関 EMC所員 東宮千里(トウミヤセンリ)』
KP :
……そう書かれている。
夜鷹 守人 :
「ッ!!」
夜鷹 守人 :
EMC、その単語を右目で捉えた瞬間。無意識に東宮から数歩距離を取る。
白衣の男性 :
「……突然の訪問、驚かれるのも無理からぬこと」
白衣の男性 :
「ですがどうか安心してください、本日はアナタに話があって来たのです」
白衣の男性 :
「────夜鷹守人さん」
夜鷹 守人 :
「……よくも目の前に姿を現わせたモノだ。 俺達が良い感情を抱いてないのは理解してるよな?」
白衣の男性 :
「そうですね、だからこそ、こうしてアナタが丸腰で一人になったタイミングを狙いました」
白衣の男性 :
「今なら手荒なマネをしようとは思わないでしょう?」
白衣の男性 :
「……あくまで私がしたいのは話し合い、まずその事を理解していただきたい」
夜鷹 守人 :
「………………」
夜鷹 守人 :
彼の言う通り、電子刀すら持ち合わせていない丸腰。貧弱な身体能力の守人では格闘すらままならないだろう。
夜鷹 守人 :
「……要件はなんだ、聞くだけ聞いてやる」
白衣の男性 :
「賢明な判断、流石は天城博士の子息だ」
白衣の男性 :
「では単刀直入に本題から」
白衣の男性 :
「────夜鷹矢代さんについて、私共から一つ"提案"があって参りました」
夜鷹 守人 :
EMCが言う提案。彼らの所業と有馬の末路、そして自身の置かれた立場を考えればその内容がすぐに察することができた。
夜鷹 守人 :
「────義父の精神をアンドロイドに移植できる」
夜鷹 守人 :
「そう言いたいのか?」
白衣の男性 :
「……ええ、御名答」
白衣の男性 :
「流石は有馬真二の計画を止めた人間だ、察しがいい」
白衣の男性 :
「……お聞きしましたよ、彼は重度の昏睡状態にあると」
白衣の男性 :
「お辛いでしょうアナタも」
白衣の男性 :
「目覚める可能性が低い患者を待ち続けるのは、容易なコトではない」
白衣の男性 :
「……目覚めなければ、それで終わりですからね」
白衣の男性 :
「そこで私共は、そんなアナタの助けになりたい、と思いまして」
白衣の男性 :
「矢代さんには"10年前の御恩"もありますから」
夜鷹 守人 :
「助け……御恩、ね……」
夜鷹 守人 :
「その御恩、と言うのは何のことだ。俺が知る限りでお前達に恩を作る行為は有馬の指示に従った時のことしか思い至らないが……」
白衣の男性 :
「……有馬の指示?」
白衣の男性 :
「ああ、アナタは何か勘違いをしておられるようだ」
白衣の男性 :
「アナタが言っているのは『夜鷹矢代が天城博士の家に放火した』時の事でしょう?」
夜鷹 守人 :
「…………」 コクリと頷く
白衣の男性 :
「厳密に言うなら、それは有馬が指示したモノではありません」
白衣の男性 :
「全ては有馬真二のビジネスパートナーであった、私共との"契約"によって行なわれた事なのです」
夜鷹 守人 :
「……なるほど、放火の指示はお前達が主導だったということか」
夜鷹 守人 :
「ますますお前達のことが嫌いになってきた」
白衣の男性 :
「それは残念ですね、話さない方が良かった」
白衣の男性 :
「それはともかく」
白衣の男性 :
「……夜鷹矢代は私共と契約し、アナタを助ける代価として放火を実行」
白衣の男性 :
「私共はそれに従い、アナタを救う為の手術を行なったという訳です」
白衣の男性 :
「ある種、命の恩人と言っても差し支えない立場なのですがね我々は」
夜鷹 守人 :
「……悪いが、俺はお前達を命の恩人と思うことはできない」
夜鷹 守人 :
「対価を支払った義父が結果的に俺の命を救ったんだ。義父の犯した罪はあれど、俺が命の恩人と呼べるのは義父だ」
白衣の男性 :
「ふむ、なるほど」
白衣の男性 :
「人間らしい回答ですね」
白衣の男性 :
「……ですが加えて言うなら、夜鷹矢代以上の"恩人"がいるようですよ」
夜鷹 守人 :
「……誰のことだ?」
白衣の男性 :
「有馬朝也です、勿論」
白衣の男性 :
「……当時、アナタは本当に死にかけだった」
白衣の男性 :
「臓器は傷付いて血液も足りず、私共でも"人間のままで"生かす事は難しい状況だったのです」
白衣の男性 :
「そこで助けになったのが有馬朝也だ」
白衣の男性 :
「ちょうど抜け殻になった有馬朝也の肉体とアナタの肉体はね、奇跡的に適合したんですよ」
白衣の男性 :
「……ですから私共は有馬朝也の肉体から足りない臓器を移植する事で、アナタを救いだした」
白衣の男性 :
「つまり十年前、有馬朝也は二度に渡ってアナタを助けていた訳です」
夜鷹 守人 :
「そう、か……朝也が……」
夜鷹 守人 :
自分の胸に手を当てて、友から譲り受けた臓腑の熱を感じ取る
夜鷹 守人 :
「……帰って来たらアイツにも感謝しておかないとな」
白衣の男性 :
「ええ、彼がいなければアナタも今頃はアンドロイドだったでしょう」
白衣の男性 :
「……ああ、話がまた逸れてしまいました」
白衣の男性 :
「つい無駄話をしたくなってしまうのは、この肉体の影響を受けているのかもしれません」
白衣の男性 :
「────さて、夜鷹守人さん」
白衣の男性 :
「アナタの義父の精神を機体に移す事は可能です」
白衣の男性 :
「そして、アナタは人間とアンドロイドの差を深く考えてはいないハズだ」
白衣の男性 :
「それは有馬朝也とBR800とを同一と見做して、感謝しようとした先程の態度からも読み取る事ができます」
白衣の男性 :
「……さあ、アンドロイドになった彼と共に生きたくはないですか?」
KP :
東宮は「自分なら夜鷹矢代の延命は可能」だと。
KP :
「精神転移手術を用いてアンドロイドに変える事で夜鷹矢代を延命可能」だと話している。
KP :
……精神転移手術を用いたなら、たしかに義父と再び一緒に暮らす事ができるだろう。
KP :
けれども「東宮の提案を呑む」という事は、少なからず日本の法律に触れる事であり、
KP :
EMCの非人道的な研究を、また進める事にも繋がる。
KP :
アナタは選択しなければならない。
KP :
EMCの提案を受け入れ、義父の延命措置を行うのか。
KP :
EMCの提案を断るのか。
KP :
この選択に正解不正解はない。
KP :
選ぶのはアナタ自身だ。
夜鷹 守人 :
「………………」
夜鷹 守人 :
守人に突きつけられた選択。
彼らの提案を受け入れたなら、形はどうあれ矢代は帰ってくる。またあの家で家族として生活できるのだ。
夜鷹 守人 :
だが、その選択を受け入れてしまったなら……今までの行い、自身や仲間達の心を裏切ることになる。
夜鷹 守人 :
「……お前達の技術に頼りたい気持ちは確かにある。このまま先が見えない未来を待ち続けるよりも、確実な未来を選びたくなる感情がな……」
夜鷹 守人 :
「────だから、その提案は断らせてもらう」
KP :
その返答に東宮は僅かに驚いた表情を浮かべて、
白衣の男性 :
「……なるほど、それもまた良い選択でしょう」と微笑んだ
白衣の男性 :
「それでこそ人間は研究する価値があります」
KP :
そのまま東宮は踵を返し、
白衣の男性 :
「……それでは私は失礼しますが、一つ忠告を」背中越しに
夜鷹 守人 :
「聞いてやる」
白衣の男性 :
「アナタ達が思っているより、EMCという組織は国家に根差している」
白衣の男性 :
「あの有馬真二も氷山の一角にすぎない」
白衣の男性 :
「下手に追えば、どうなるか……分かりますね?」
夜鷹 守人 :
「……俺からも一つ、忠告してやろう」
夜鷹 守人 :
「人間を舐めるなよ。お前達がどれだけ裏で手を引こうと、必ず喉元に食らいついてやる」
夜鷹 守人 :
「絶望に堕ちようと、希望が潰えようとも……そこから這い上がってくる人間が、お前達の足元を掬うぞ」
白衣の男性 :
「……ふむ、なるほど」
白衣の男性 :
「普段なら流すところですが、あのデウス・エクス・マキナを斃したアナタが言うと説得力が違う」
白衣の男性 :
「その言葉、覚えておきましょう」
白衣の男性 :
「…………また会う日を楽しみにしていますよ、夜鷹守人さん」
KP :
そう言って東宮は再び微笑むと病室を去る。
夜鷹 守人 :
「……せいぜい人間の感情について学ぶと良いさ」
夜鷹 守人 :
東宮が立ち去ったのを確認した後、懐から携帯端末を取り出す
夜鷹 守人 :
「……この連絡先、まだ使っていると良いんだが……」
夜鷹 守人 :
そこに表示されているのは不破栞の連絡先。
東宮の名前、特徴、名刺の写真を添付して彼女に送信する。
夜鷹 守人 :
「(……奴らに食らいつきやすいのは彼女達だ、あの人達ならこの情報から尻尾を掴めるかもしれないからな)」
夜鷹 守人 :
一息ついた後、傍らで眠る矢代に顔を向ける。
夜鷹 守人 :
「義父さん、俺……正義の味方になれるように頑張るよ」
夜鷹 守人 :
そう一言だけ呟いた。
KP :
……EMCを探し出す事も、夜鷹矢代が目覚める事も、実現の確率は低いのかもしれない。
KP :
けれども希望を諦めなければ可能性はゼロじゃない。
KP :
……アナタの選択に応えるよう、雨雲の間から暖かな日差しが差し込む。
KP :
その僅かな光を浴びて、眠っている義父の口元が静かに微笑んだ。
KP :
……そんな気がした。
76 再起動
KP :
続いてオトちゃんの個別シーン!
西暦2050年/11月23日/PM09:00/天気:曇り/スパロー本部
オト :
自室のベッドに寝かせた、一人の少年を見下ろす。
オト :
彼の名前は、鳴宮久緒。またの名を、KR400/Type-X。
オト :
有馬真二とEMCの手によってアンドロイドに変えられた、わたしの友達。
オト :
あの最悪の事件が起きたあの日、リボット社のエントランスでわたしはクオと再会した。
オト :
そして、激しい戦闘の最中、わたしはクオの強制シャットダウンを行なった。
オト :
あの時クオはわたしの言葉で感情を確かに取り戻し、強制シャットダウンを受け入れてくれた。
オト :
……でもその結果、クオのプログラムにどういう変化が起きたかは分からない。
オト :
もしかしたら、再び感情を失っているかもしれない。記憶を失っているかもしれない。
オト :
クオはいつでも再起動出来る状態だったが、今まで起こさなかったのはそれが原因だった。
オト :
あれから毎晩ずっと見る、わたしを責め立てるような悪夢で気持ちが不安になっているからか。
オト :
もしも自分のことを忘れられてしまっていたら、わたしには耐えられる自信がなかった。
オト :
あんな悲惨な記憶なんて忘れた方が良いのかもしれない……そんな風に思わないこともないが、それでも記憶を失ったクオとちゃんと接することが出来るかどうか、分からなかった。
オト :
────だけど。
オト :
もう、逃げるのはやめにしよう。
オト :
わたしはココロともう一度会うと決めた。
オト :
だから、クオとも向き合わなくちゃいけない。彼と一緒に、笑顔でココロを迎えたいから。
オト :
「X000,LOG IN」
オト :
幾度となく使った起動コードを唱える。
オト :
もしも感情を失っていたなら、また取り戻させればいい。
オト :
もしも記憶を失っていたなら、また思い出させればいい。
オト :
「KR400/Type-X……いや、」
オト :
クオの胸に翳した左手に、青い電流を迸らせて、
オト :
「クオ、起きて」
オト :
優しい声で、そう呼びかけた。
クオ :
「────────ァ、う」
KP :
少年は、呻き声と共に目覚める。
クオ :
「……ここ、は」あたりを見回して、未だ朧気な意識の中で呟く
オト :
「クオ!おはよう……!」 顔を覗き込んで
クオ :
「────────ッ!?」
KP :
その瞬間、一気に覚醒したクオは寝具から飛び退き、
クオ :
「だ、誰だッ……、おまえはッ……!!」
KP :
友人であるハズのアナタを警戒した様子で怒鳴った。
オト :
「……っ!!」 見開いた目で、クオの強張った表情を見つめる
オト :
「クオ……わたしのこと、覚えてないの……?」
クオ :
「クオ……? お前、何を言っている……!!」
クオ :
「俺の名前は……」
クオ :
「俺の、名前……は…………」
クオ :
「俺の名前は…………、何だ……………………?」
オト :
「…………」
オト :
記憶喪失。それは想定出来ていたはずだ。
オト :
何度も心の準備はしていたのに、いざその姿を目の当たりにすると言葉が出なくなってしまっていた。
オト :
しかし、こんなところで立ち止まるわけにはいかない。……首元のスカーフを左手で握りしめる。
オト :
「……クオ、だよ」
オト :
「あなたはね、クオっていう名前なんだよ。……忘れちゃった?」
クオ :
「……………………」
クオ :
「クオ……クオ…………、たしかに聞き覚えがある気はするが…………」
クオ :
「クソっ…、どうなってるっ…! 何も思いだせないっ……!!」
クオ :
「ここはどこで、俺は何者なんだッ……」胸を抑えて
クオ :
「おまえは……、何者なんだッ…………」苛立つように呟く
オト :
「……そっか。うん、そうだね……」
オト :
悲しい瞳でクオを見つめた後、一度目を瞑り、
オト :
「……よし!!」
オト :
パン!と両手を合わせて、微笑みかけて言う。
オト :
「じゃあ、まずは自己紹介するよ!自己紹介!!」
クオ :
「自己紹介……?」
オト :
「そう!クオにとっては初対面みたいなものだもんね」
オト :
「じゃあ、まずはわたしから」
オト :
「わたしはオト!X000っていう、世界で初めて作られたVOIDっていうアンドロイド!」
オト :
「このスパローっていう、人間とアンドロイドの融和を目指す秘密組織のメンバーです!」
オト :
「気軽にオトって呼んで!クオ!」 笑顔で簡単に紹介する
クオ :
「秘密組織……? アンドロイド……?」
クオ :
「おまえ、俺をからかっているのか……?」僅かな怒気を孕ませ
クオ :
「どう見ても、その……おまえは普通の女の子だろう……!! 秘密組織だとかアンドロイドだとか、下手なウソは止めろ……!!」
オト :
「え、いや、え!?普通の……女の子……!?!?」
オト :
「そ、そんなの初めて言われたよ……びっくりした……」
オト :
「あ……あれ?っていうか、アンドロイドのことも……忘れてるんだね……?」
クオ :
「…………?」首を傾げ
オト :
「……え、えっとね。これは本当に嘘じゃないの」
オト :
「今から証拠見せるから、とりあえずアンドロイドってことは信じてくれないかな?」
クオ :
「証拠……?」
オト :
「うん。これ見て!」
オト :
そう言って、着ている服をたくし上げて、自分の腹部を見せる。
クオ :
「う、うわあっ!? い、いきなり何をっ!?!?」目を塞ぎ
クオ :
「な、何が証拠だ…!! 破廉恥な…!!!!」クオは顔を真っ赤にしている
オト :
「えええ!!いやそんな……そんなつもりじゃ……!!」
オト :
「い、いいから見てよ!!」
オト :
少し焦ってもたつきながらも、手順通りに自分の脇腹などを指で触る。メンテナンス用の操作だ。
オト :
すると、腹部の前面が取り外され、内部で駆動している機械が見えるだろう。
オト :
「ね?」 笑って自分の腹を指差す
クオ :
「な、な……なな…………」
クオ :
「は、腹に機械が……、そんな馬鹿な…………! な、何かトリックがあるのか…………?」両目を覆う指の間から覗き見て
オト :
「種も仕掛けもございません!」
クオ :
「ない方が怖いんだよ……!!!!!!」
オト :
「えぇ~……」
クオ :
「というかアンドロイドだったら、仕掛けしかないだろ、むしろ……!!」
オト :
「それはわたしも思ったけど、なんかこう、ノリで……えっへへ」
クオ :
「(ひ、ひとまずアンドロイドの実在は、疑う方が難しくなってしまったらしい……)」
クオ :
「(だがこのアンドロイド……いったい何を考えている…………)」
クオ :
「(この俺の胸のざわめきは……なんだ…………)」
クオ :
「────おい、ハレンチアンドロイド」未だ警戒は崩さず
オト :
「ハレンチアンドロイド!?!?!?」
クオ :
「どこに驚く要素がある…!!ハレンチだろうが、おまえ…!!」
クオ :
「他人の前で、しかも男の前で服を脱ぐとか、普通じゃありえないからな…!?」
オト :
「で、でも、他人ってわけじゃ……」 小声で言いかけて
オト :
「いや、だけどこうしなきゃアンドロイドって信じてくれなかったでしょ!?」
クオ :
「それは……」
クオ :
「そうかもしれないが…………」小声
オト :
「分かればよろしい」 満足げに頷きながら、取り外した腹部の前面を元に戻す
クオ :
「……だとしても、おまえがハレンチアンドロイドだという事実は揺るがないぞ、そのムダに脇を出した服とかハレンチだし」
オト :
「頑固だなあ。分かったよもう。今はそれでいいよ」 ちょっと不満気に唇を尖らせる
オト :
「この服もムダってわけじゃないんだけどなあ……。機能的だし、ここから入れたりするし……」 ※ブルーブラッドを
クオ :
「(ここから入れたりする……? な、何を……!?)」
オト :
「とにかく、アンドロイドってことは信じてくれたんだよね?」
クオ :
「あ、ああ……信じるしかない……と思う…………」目を逸らし
オト :
「よしよし」
オト :
「クオは覚えてないみたいだけど、この世界にはわたしみたいなアンドロイドがたくさんいるんだよ」
オト :
「それで、スパローはそのアンドロイド達と人間が上手く付き合っていけるように色々活動してるってわけなの」
クオ :
「実在するアンドロイド……秘密組織スパロー……、悪い夢でも見てるみたいだ…………」
クオ :
「しかし、そのアンドロイドと人間の融和を目的とするスパローとやらに何故、俺がいる……?」
オト :
「それは……」
オト :
逡巡する。どう伝えるべきか、どこまで伝えるべきなのか。
オト :
「その……」
オト :
「あなたも……アンドロイド、だから」 不安に瞳を揺らしながらも、クオを見つめて
クオ :
「……………………は?」
クオ :
「おまえッ……今度は、何を言ってッ…………」
オト :
「本当なんだよ!クオは……」
オト :
「クオは、人間だったけど、アンドロイドにされちゃったから……!」
オト :
どこまで伝えるべきか。きっと混乱させてしまうが、それでも隠さずに全て話すことを選んだ。
クオ :
「…………」
クオ :
「……………………」
クオ :
「それも本当……、なのか……?」
オト :
「……うん。本当、だよ」
クオ :
「…………っ」
オト :
「クオ……。ごめん、混乱させちゃってるよね……」
クオ :
「そんなの……当たり前、だろ…………」
クオ :
「言うに事欠いて……、俺もアンドロイドとか…………」
クオ :
「たしかに記憶はないけど……、少なくとも俺は人間のハズで…………」
クオ :
「ああっ、くそっ……なんなんだよっ…………」苦々しい表情で頭に手を当て
オト :
「……そうなの。クオは人間だった」
オト :
「でも10年前、あなたはEMCっていう悪い組織に誘拐されて……。アンドロイドに意識を移し替える実験の被検体に、された……」 何度も言葉が詰まりかけそうになるが、真実を伝える
クオ :
「……………………」
クオ :
「嘘……、って訳でもないみたいだな…………」その様子を見て
クオ :
「とはいえ『はい、そうですか』ってすぐ受けいれる事はできないけどさ…………」
オト :
「そうだよね……」
オト :
「……その、受け入れてくれなくてもいいから、聞くだけ聞いて欲しいんだけど」
オト :
「わたし達、友達だったんだよ……」
クオ :
「友達……? 俺とおまえが……?」
オト :
「うん。さっき言った、EMCって組織の実験場でわたし達は出会ったの」
クオ :
「……それなら、おまえも元人間なのか?同じ実験場にいたんだろう?」
オト :
「ううん、違う」 首を横に振って
オト :
「わたしはプロトタイプのアンドロイドだから、人間じゃない。ただ、別の実験の被検体だったってだけ」
オト :
「でも、クオ以外にも元人間の子達はいたよ。そして、その子達ともクオは友達だったの……」
クオ :
「…………そうか」
クオ :
「俺が元人間の被検体アンドロイドって話を鵜吞みにするかはともかく、おまえが元人間じゃないのは説得力がある」
クオ :
「……普通の人間は、人前で脱がないからな」
オト :
「え、そこ!?」
クオ :
「ああ、アンドロイドも人前では脱がないか」
クオ :
「……本当に恥を知れ、ハレンチアンドロイド」思いだして目を逸らし
オト :
「えっ……。ご、ごめん……わたしそこまでハレンチじゃないけど……」 クオの反応を見て戸惑いながら
クオ :
「…………」
クオ :
「……………………」
クオ :
「(俺が意識しすぎなのか……? いや……、そんなことは…………!!)」
クオ :
「…………ああっ、この話はもういいっ、話を戻すぞっ」顔を赤くし
オト :
「う、うん」
クオ :
「……おまえが俺の友達だったという話、いったん信じてやる」
クオ :
「最初から馴れ馴れしかった態度にも説明がつくし、それに」
クオ :
「(なんか一緒にいて、心が少し安らぐような気もするし……)」
オト :
「それに?」
クオ :
「…………なんでもない」
クオ :
「そこは別に重要じゃないだろ、とにかくおまえを信じる事にしたんだ」
オト :
「ほんとに……!?」 嬉しそうに笑って
クオ :
「……仕方なく、仕方なくだけどな」
クオ :
「俺を騙すつもりでもなさそうだし、仕方なく」
オト :
「うん、いいよ全然!仕方なくでも全然良い!」
オト :
「ありがとう、クオ……!信じてくれて……!」
クオ :
「お、おう……」
クオ :
「その、悪かったな……」
クオ :
「おまえの事を覚えてなくて……、怒鳴ったりして…………」
オト :
「大丈夫、それはクオのせいじゃないから。謝らないで」
クオ :
「でも…………」
クオ :
「おまえの言う事が本当だったとして、何も謝らないのも違う気がするから……」
クオ :
「過失の所在云々より、俺の気持ちの問題としてな……」
オト :
「……そっか。うん、じゃあ分かったよ」
オト :
「やっぱりいい子だね、クオは」
クオ :
「……は、はあ? 別に、普通だろ普通!!」また顔が赤くなって
オト :
「そうかな?まあ、わたしからすればそれが普通だと自然に思えるのが……って感じなんだけど」
オト :
「……あ、じゃあついでにもう一つ謝るのはどう?わたしのことハレンチ扱いしてごめんって!」
クオ :
「……………………」
クオ :
「いいや、それは謝らない」
クオ :
「おまえが悪い、全面的に」
オト :
「だ、ダメかぁ……ノリで行けると思ったんだけどな」 とは言うものの少し楽し気に
クオ :
「ムリに決まってんだろ…! むしろおまえが謝罪する側だぞ…!!」
クオ :
「(俺の気持ちを弄びやがって…!!)」
オト :
「え~、理不尽!!」
クオ :
「言ってろ言ってろ……、しかし人前で服を脱ぐハレンチアンドロイドとよく友達になろうと思ったな、昔の俺…………」
オト :
「それはきっと、同じ境遇だったから……。色々あったんだよ、みんなで遊んだり、一緒に歌を歌ったりね」
クオ :
「……………………」
オト :
「……たとえばね、こんな感じにさ」
オト :
そう言うと、瞳を閉じ、息を吸い込む動作をして、
オト :
「~♪」
オト :
────歌う。
オト :
10年前、あの箱庭で何度も歌っていた歌を。
オト :
クオが一番好きだった歌を。
オト :
思い出すように、確かめるように、祈るように……今は一人で歌い上げる。
クオ :
「…………」
クオ :
「(……俺は、この曲を覚えてない)」
クオ :
「(…………覚えてない、ハズなのに)」
クオ :
「(何故だろう、とても懐かしい気持ちにさせられる)」
クオ :
「(……同時に胸の奥が締めつけられるような気がする)」
クオ :
「(……たしかに俺は、大事な記憶を忘れているらしい)」
KP :
クオは少女が奏でる懐かしい歌声を聴きながら、必死に自分の記憶を取りもどそうとしたが……
KP :
失くした記憶がそうカンタンに戻るハズはない。
クオ :
「…………~♪」
KP :
その代わり、クオはそっとハミングしてみせた。
KP :
この懐かしい歌を共に歌ったら、昔の記憶を取りもどせるんじゃないか。
KP :
……そんな細やかな願いを込めて。
オト :
「……!」
オト :
クオのハミングを聞いて、笑みを浮かべる。
オト :
口ずさむ彼の声を確かに聴きながら、最後まで歌い終えて。
オト :
「……うん。そう……そうだよ」
オト :
「こんな風に、歌ってたんだよ。わたし達」 目を細めて、懐かしむように言う
クオ :
「……そう、か」
クオ :
「…………悪い、全く思いだせない」目を伏せ
オト :
「……いいよ」
オト :
「それでもいつかきっと、思い出せる……」
オト :
「ううん、わたしが思い出させてみせるから」 微笑みかける
クオ :
「…………ああ」
オト :
少しの不安も見せないように頷いて、
オト :
部屋の壁に張られたポスターへと目線を向ける。
オト :
だがそれは、ポスターでは無く画用紙。
オト :
そこには四人の子供と、二人の白い少女が手を繋ぎながら歌っている絵が描かれており、
オト :
それぞれの絵の下に、『33/ミミ』『1310/ヒサト』『3103/サトミ』『90/クオ』『556/ココロ』『X000/オト』と数字と名前が書かれている。
オト :
……そんな子供が描いたようなその拙い絵は、箱庭の部屋で拾ったもの。
オト :
クオが覚えていなくても、あの二度と戻らない大事な思い出が、確かにそこに刻まれていた。
クオ :
「…………?」
KP :
クオは少女の視線を追う。
KP :
……そこには目の前の少女と自分の名前が書かれた、古い画用紙。
クオ :
「(オトが言っていた施設の子供が書いた絵、か)」
クオ :
「(……俺は思いだせないが、さぞ楽しかったのだろう)」
クオ :
「(拙い絵だが、それだけはヒシヒシと伝わってくる)」
クオ :
「(…………俺は、本当に全て思い出せるのだろうか)」
クオ :
「(俺や絵をどこか悲しい目で見るコイツの寂しさを、いつか理解してやれるのだろうか)」
クオ :
「(……分からない)」
KP :
────しかし、クオはこの時、初めて強く思った。
KP :
『必ず記憶を取りもどさなければならない』と。
オト :
二人でしばらくの間、黙って絵を眺める。
オト :
この絵を誰が描いたのか、そこまではまだ言わない。
オト :
焦って全てを伝える必要は無い。ゆっくり彼の記憶と付き合っていきたかった。
オト :
「……さて、と!」 手をパンッと合わせて
オト :
「クオ、そろそろ行こっか!」
クオ :
「…………は?行こっか、ってどこにだよ?」
クオ :
「あっ、この部屋から出たくないとか、別にそういう訳じゃないぞ!」
オト :
「分かってる分かってる!」
オト :
「うちのリーダーのとこだよ!クオに紹介しなきゃって思ってさ」
クオ :
「リーダー……?」
オト :
「スパローのリーダー!もしかして、わたしがリーダーだと思ってた?」
クオ :
「いや、おまえがリーダーだと思うハズないだろ」
クオ :
「貫禄とか威厳とかないし」
オト :
「え!?」
オト :
「……まあ、確かに貫禄とか無いか……かわいさならあるけど」 納得したように頷く
クオ :
「いや、それはそれでどうなんだ……自分の可愛げに自信ありすぎだろ……」
オト :
「いやほらでも、威厳のあるクールさってよりキュートって感じでしょわたしは」
クオ :
「まあ……それはたしかに…………」
オト :
「でしょ!」 嬉しそうに笑って
オト :
「まあそれはともかく、クオを案内したいの。いいかな?」
クオ :
「それは構わない、ここで住むならリーダーに挨拶くらいしないといけないだろうしな」
クオ :
「しかし、秘密組織のリーダーか……」
オト :
「緊張する?」
クオ :
「ああ、流石にな……」
クオ :
「(軍服とか着た髭面マッチョを想像している)」
オト :
「それもそっか。でも大丈夫だよ、すっごく優しくて良い人だから」
オト :
「あとかっこいいしね」
クオ :
「優しくてカッコいい秘密結社のリーダー……」
クオ :
「(薔薇の花に囲まれ、顔だけイケメンになったマッチョを想像している)」
オト :
「まあとにかく、緊張しなくても大丈夫!わたしも一緒にいるし!」
オト :
ね!と笑いかけて、安心させるようにクオの手を握る。
クオ :
「うおっ」いきなり手を握られビックリして
クオ :
「あ、ああ……、おまえに任せる……」目を逸らし
オト :
「あんまり任せるって感じの言い方じゃないんだけど……」
オト :
「っていうかクオ、ずっと思ってたんだけど……たまにちょっと様子がおかしい感じがする……大丈夫?」
クオ :
「────は、はあ!?」大きな声を出して
クオ :
「別に、おかしな事なんてな…………」
クオ :
「ああ、いや……これは今の俺がアンドロイドだから出る不具合か……?」
クオ :
「さっきから妙に心臓が…………」
オト :
「し、心臓が……?」 不安そうに顔を覗き込むように見る
クオ :
「うっ……、な、なんでもないっ……!!」空いた手で胸を押さえ
クオ :
「ほ、ほら、もう行くぞっ……! オトっ……!!」
KP :
クオは目覚めて初めて、ちゃんと名前を呼んで。手を引っ張る。
オト :
「わ……!」 引っ張られてクオに近付いて
オト :
一瞬、クオの機体に異常が出たのでは無いかと心配に思う。
オト :
しかし、メンテナンス結果ではボディには異常が無かったはず。記憶や感情の状態が不明瞭だっただけ。
オト :
今更心臓部が妙に感じることなどあるわけがなく。
オト :
「…………」
オト :
クオの赤面した表情や、焦って目を逸らすような態度をよく思い出してみて。
オト :
「……あの……クオって、もしかして……っていうか……」
オト :
小声で呟き、その先を言おうとして……自分の胸の奥の異常に気が付き、言葉が止まる。
オト :
「い、いや、うん、なんでもない!なんでもないんだよね!!」
オト :
「い、いこっか!こっちだよ、ついてきて!!」
オト :
熱くなってきてる顔を隠すように笑いながら、クオの手を引いて部屋を出ていく。
オト :
そのまま早足気味に通路を歩いて行き、突き当りの扉の前まで辿り着く。
オト :
クオを起こすことは事前に話しているため、彼らはこの部屋で待ってくれているはずだ。
オト :
「ニト!リト!シオリ!入るよー!!」
オト :
そう声を掛けてから、扉の手前に設置されているタッチパネルに触れる。
オト :
個人データが読み取まれて扉が開く。その奥へと、クオと共に踏み入った。
不破 栞 :
「オト……! クオ君の様子は……」
リト :
「どうやら再起動は大丈夫だった、みたいね」オトと手を繋ぐクオを見て
ニト :
「……え? 大丈夫?そうかな?」
ニト :
「二人とも、なんか顔が赤いけど」
オト :
「ぁえ!?」
オト :
「そ……そうかなあ!?い、急いで来たからかな~!?」 慌てて繋いでた手を離す
不破 栞 :
「ふむ、無理はするなよ。なにせ前例のないことだ、何が起きてもおかしくないからな……」 鈍感
クオ :
「い、いやっ……! 別にムリなんかはっ……!!」
クオ :
「そ、それよりオト、スパローのリーダーって……?」小声で尋ねる
オト :
「あ、あぁ!そうだ、まずは紹介するね……!」
オト :
「この人がスパローのリーダー、不破栞だよ。で、こっちのちっちゃかわいいのが科学者のニトとリトです」 手で順に示して
クオ :
「秘密組織のリーダーが女……!?」
クオ :
「(あと思ったベクトルとは違うが、デカすぎだろ……!!)」
オト :
「あっはは、そういえば性別まで言ってなかった……!」 そりゃイメージ的に勘違いもするか、と納得して笑う
不破 栞 :
「よく驚かれるよ……よろしくな、クオ君」
不破 栞 :
「実は私と君は以前一度会っているんだが……その様子だと覚えていないようだな」
クオ :
「申し訳ない、記憶がなくて……」
不破 栞 :
「いや、いいんだ。会ったといっても本当に顔を合わせた程度だからな」
オト :
「ほら、シオリも悪く思うことはないって」
リト :
「これから知っていけばいいわ」
ニト :
「それよりオト、自室に連れこんだクオとどんな話してたの?クオの今後の話とかした?」
オト :
「うん……具体的な話はまだなんだけど、クオの記憶を取り戻させてみせるって約束はしたよ」
オト :
「それまで、ここでわたし達と一緒に暮らしていけたらいいなって思ってるんだけど……いいかな?」
クオ :
「記憶が無い俺には行き場もないし、もし記憶を取り戻す事ができるなら、暫く厄介になりたいんですが……、構わないでしょうか……?」
不破 栞 :
「ああ、もちろんだ! 私たちはそのための組織だからな」
不破 栞 :
「君がそうやって前向きに私たちを頼ってくれて、とても嬉しいよ」 どこか安心したように微笑む。
クオ :
「…………! ありがとうございます……!!」
クオ :
「(……もう疑っていた訳じゃない、けど本当に善良な人達に見える)」
クオ :
「(秘密組織と聞いて警戒してたが……、俺のイメージとは違うな……)」
オト :
「じゃあ、ここの施設の案内とかしなきゃね!」
オト :
「あ、あと部屋も用意しなきゃ!さっきの場所はわたしの部屋だしね」
ニト :
「あ、今後はオトと一緒に寝る訳じゃないんだね」
オト :
「寝……!?寝ないよ!?」
ニト :
「え? でも僕達とかシオリとは一緒に寝るじゃん?」
ニト :
「……何が違うの?」
オト :
「な、何がと言われても!!」
オト :
「クオはほら……男の子でしょ!!!」
ニト :
「え……? 僕も男の子じゃん……?」首を傾げ
オト :
「そうだった!!!!」 何故か焦って気付かなかった
オト :
「いや、そういうことが言いたいんじゃなくて……!クオが困るでしょ!ねえ!?」 クオの方を見て
クオ :
「え……、俺は…………」
クオ :
「そう、だな……、困る……、すごく困る…………」
オト :
「ほ、ほらね!?」
オト :
「だから一緒に寝るわけにはいかないんですよ。ニトくん」
ニト :
「えっ、なんで?なんで困るのさ?」
クオ :
「そ、それは…………」
リト :
「そこまでにしておきなさい、ニト」
リト :
「人には人の事情があるのよ、ね?」
不破 栞 :
「ふふ……年頃ということだな」
ニト :
「トシゴロ……やっぱりよく分かんないなあ…………」
不破 栞 :
「そのうち嫌でもわかるようになるさ」
ニト :
「たまにおばあちゃんみたいな事を言うよね、シオリ」
不破 栞 :
「誰がおばあちゃんだ!?」
ニト :
「あははははは!ごめんごめん!!」
オト :
「おばさんから飛び越えちゃったよ」 笑いながらも、さっきの話が止まってホッとする
リト :
「……近い将来、誰かに本気で怒られるわよ、ニト」
オト :
「ふふっ……」
オト :
「……そういえばさ、さっきの今後のことって話で思い出したことがあるんだけど」
オト :
「あ、クオのことじゃなくて……ニトとリトのことでね」
リト :
「あたし達?」
オト :
「うん、リト達のこと」
オト :
「このままずっとスパローだけにいていいのかな……ってちょっと考えてたんだよ。最近……じゃなくて、結構昔からさ」
ニト :
「……スパローだけって?どゆこと?」首を傾げ
オト :
「普通はニトとリトの歳だと、学校に通ってるでしょ?」
オト :
「だから、本当は二人も学校に行けた方がいいんじゃないかなって思ってさ……」
ニト :
「ああ~、学校か~」
リト :
「…………別に、必要ないわよ」
ニト :
「スパローの皆に勉強は教えてもらってるしな~」
リト :
「……ただでさえスパローは財政難なのに、二人分の教育費とか払うのキツいでしょ」
オト :
「それは……そうなんだけどさ……」
オト :
「でも、お金の問題以外に目を向けるとさ」
オト :
「EMCのことはあるけどひとまず事件は解決したし、世間からスパローがテロリストだと誤解されることはなくなったし……」
オト :
「今なら、上手く手続き出来れば二人が表向きには普通の小学生として生活出来るんじゃないかって思うんだよ」
ニト :
「う~ん……、たしかにできなくはなさそうだな~……」
オト :
「でしょ?」
リト :
「……でもムリして、するほどのコトじゃないわ」
リト :
「…………あたしはオトと一緒なら、それでいいし」
不破 栞 :
「ふむ……二人が行きたくないというなら無理には言わないが」
不破 栞 :
「学校に行くという経験は、勉強だけでなくきっと大きな財産になると思うぞ。学費のことならまあ……なんとかなるだろう」
オト :
「なんとかなるの!?」
オト :
「あ、いや、なんとかなるようにするのか」
不破 栞 :
「いい高校や大学となると話は別だが、義務教育くらいなら……」
不破 栞 :
「あとは……ふたりの才能が認められれば、国から支援して貰えるかもしれないな」
オト :
「なるほどな~……」
ニト :
「え、じゃあ楽勝じゃん」
ニト :
「僕達、天才だし?」
オト :
「凄い自信だよ!いや実際そうなんだけどさ」
リト :
「…………だけど本当にいいの? 今、スパローは大事な時でしょう?」
リト :
「なのに貴重な資金を私達の為に使うなんて」
不破 栞 :
「いや、未来への投資と思えば安いもんさ」
不破 栞 :
「アンドロイドの人間の融和を目指すなら、二人にはいずれ人間社会のシステムをちゃんと知ってもらわなきゃならないからな」
不破 栞 :
「そういったものは、大人になってから学ぼうとしても難しい。とまあ、打算はいろいろあるが……」
不破 栞 :
「私個人の思いとしては、いまは難しくても、事件の後処理が落ち着いたら学校に行っていろんな体験をして欲しいと思うよ」
オト :
「シオリ……」
リト :
「……そう」
リト :
「…………そう、ね、そこまで言うのなら、その申し出ありがたく受けさせてもらおうかしら」
オト :
「リト……!」
オト :
「嬉しい……!よかった、言ってみるもんだね!」
リト :
「まあ、あたしも欲を言えば学校生活を送りたかったし」
ニト :
「二人して応援してくれるなら、もう断る理由はないよね!」
オト :
「そっか……そっか……!」
オト :
「それなら、良かった。実際に通うのはまだもう少し先になるかもしれないけど、ニトとリトには学校生活楽しんで欲しかったの」
オト :
「それがきっと、二人がもっと幸せになれる未来に続いていると思うから……」
オト :
そう言って、ニトとリトの頭を優しく撫でる。
リト :
「…………ん、ありがと、ね」目を細めて撫でられる
リト :
「あたし達のコト、考えてくれて」
ニト :
「よ~し、そうと決まれば、このマッドサイエンティストの名を教育委員会にまで轟かせるぞ!!」
リト :
「……それヤバめの問題を起こしてるじゃない、やめなさいニト」
オト :
「自分で言い出したことなのになんかちょっと不安になってきた!!」 笑いながら
オト :
「……あ。ごめん、クオ!置いてきぼりな話しちゃって……!」
オト :
……学校の話を出した時、クオの年齢も思い出していた。
オト :
記憶喪失になっていることを考えれば、クオの精神年齢はニトやリトとそこまで変わらない。
オト :
まだ小学校や中学校に通っていてもおかしくはない感覚であるわけで。
オト :
こんな話をして何か思うところは無かっただろうか、と少し心配そうに見つめる。
クオ :
「……いや、構わない」
クオ :
「…………仲、良いんだな、羨ましいよ」どこか遠い目で
オト :
「クオ……」
オト :
「……じゃあ、これからはクオとももっと仲良くならなきゃね!」 笑顔を作り、クオを覗き込む
クオ :
「ぉ、おうっ!?」
クオ :
「(や、やはり、いきなり覗きこまれると心臓がっ……!!)」
オト :
「そ、そんなびっくりしなくても!」 クオの反応を見て、ちょっと焦って顔を離す
オト :
「と、とにかく、よろしくね。クオ」 若干ぎこちなく
クオ :
「…………こ、ちらこそ、よろしく」
オト :
「……うんっ」 小さく微笑む
不破 栞 :
「では、改めて」
不破 栞 :
「ようこそスパローへ。最初は慣れないことばかりだと思うが、今日からここが君の家だと思ってくれると嬉しいよ」
不破 栞 :
優しく微笑み、歓迎する。
77 アンコール
KP :
それでは最後のエンディング。
KP :
ハッピーエンドを目指して選択した、遥か未来の物語になります。
西暦2060年/某月某日/PM06:55/天気:晴れ/スパロー本部
KP :
────────事件から十年。
KP :
国民から惨劇の記憶が薄れた頃。
KP :
東京の地下に潜む『ある秘密組織』の本部にて。
KP :
その"メンテナンスルーム"では、
KP :
寝台を取り囲むように、組織の中核を担うメンバーが一同に会していた。
白衣の女性 :
「…………では始める前に、改めて状況確認を」
KP :
そう口火を切ったのは、さらりと胸まで伸びた長髪を襟首の高さで結った若い女。
KP :
凛とした美しさの中に、あどけなさを僅かに隠している。
KP :
────彼女の名前は、葉加瀬理兎。
KP :
あのサイエンス誌に論文が掲載され、若くして"日本の未来を担う"とまで評される才媛だ。
白衣の男性 :
「これまでの修復計画で、ココロの機体復旧は完了」
白衣の男性 :
「同時並行で行なわれていたクオの記憶復旧も完了」
白衣の男性 :
「それでもココロは目覚めなかった」
KP :
理兎より頭ひとつ分は背の高い、長身の青年が言う。
KP :
理兎に似て可愛げのある顔には、人懐っこそうな表情が貼りついている。
KP :
────青年の名前は、葉加瀬仁兎。
KP :
あのマサチューセッツ工科大学を飛び級で卒業。
KP :
世界の羨望を受けるロボット工学の天才であり、今や世界的革命児(トラブルメーカー)だ。
葉加瀬 理兎 :
「というのも、一つの大きな問題が残されていたのです」
葉加瀬 理兎 :
「デウス・エクス・マキナと接続したココロは、ウイルス汚染に犯されていた」
葉加瀬 理兎 :
「……このマインドパレス内に残ったウイルス」
葉加瀬 理兎 :
「10年前の事件の負の遺産こそ、ココロの覚醒を妨げている原因だったのです」
葉加瀬 仁兎 :
「マインドパレスは現代の技術をもってしても、触れる事が難しい」
葉加瀬 仁兎 :
「人間で言う"脳"にあたる部分だからね」
葉加瀬 仁兎 :
「強引に干渉する事はできるけど、下手をすれば今度こそ取り返しがつかない状態に陥ってしまうかもしれない」
葉加瀬 理兎 :
「────そこでアナタ達、ハッキング機能を持つオトとクオの出番よ」
クオ :
「俺達の能力を使えば、比較的安全にマインドパレスに干渉ができる訳だな」
葉加瀬 理兎 :
「ええ、そういう事」
葉加瀬 理兎 :
「……ハッキングによってマインドパレス内のウイルスを消去できれば、今度こそココロは目覚める事ができる」
葉加瀬 理兎 :
「けどハッキングを行なう場合、オトとクオにウイルス汚染が拡大する二次被害のリスクを冒すコトになります」
葉加瀬 理兎 :
「今度は二人が寝たきりになるかもしれない」
葉加瀬 理兎 :
「ですから、最後に確認しておきます」
葉加瀬 理兎 :
「────────それでも、やるのね?」
オト :
「……やるよ。それに、覚悟は出来てる」
オト :
「絶対に成功させるっていう、覚悟をね……!」
オト :
笑みを浮かべる。リトを見る強い眼差しには、失敗への恐怖など一切無かった。
葉加瀬 理兎 :
「…………そう」
葉加瀬 仁兎 :
「今更、退く訳にはいかないよね」
不破 栞 :
「……このために10年間、やってきたんだからな」
クオ :
「…………心配は不要だ、リト」
クオ :
「万が一、億が一、失敗したとしても、今度は俺がオトを助けてやる」
オト :
「ありがと、クオ。頼りにしてるよ……!」
不破 栞 :
「ふふ……まったく、君たちは頼もしいな」
不破 栞 :
「待つしかない身のこちらは、気が気ではないというのに」
オト :
「まあまあ、リラックスして待っててよ」
オト :
「わたし達は、絶対大丈夫だから!」 安心させるように笑う
不破 栞 :
「……そうか」 その表情を見て、少し安心したように
不破 栞 :
「そうだな……お前がいたから、いつだって不可能だと思えることもやって来れた」
不破 栞 :
「心くんを……私の大切な友人を、よろしく頼んだよ」
オト :
「うん……任せて!シオリ!!」
クオ :
「そうだな、後は俺達に任せて、シオリはココロが目覚めた後に何を話すか考えておくといい」
葉加瀬 理兎 :
「…………一応、確認したけどそうよね、二人は任せろって言うわよね」
葉加瀬 理兎 :
「それなら信じるわよ、あたし達が信じないで誰が信じるのか、って話だし」
オト :
「そりゃそうだ!……ありがとう、リト」
葉加瀬 理兎 :
「お礼は計画が成功した後まで取っておいて」
葉加瀬 仁兎 :
「……じゃ、そろそろ話もまとまったみたいだし?」
葉加瀬 理兎 :
「そうね」こほんと咳払いし
葉加瀬 理兎 :
「────ではこれより、第五十六回『オペレーション・アンコール』をはじめます」
葉加瀬 仁兎 :
「作戦目標は"マインドパレス内のウイルスデリート"による白瀬ココロの覚醒」
葉加瀬 仁兎 :
「クオ、オト、準備はいい?」
クオ :
「ああ、勿論」
オト :
「いつでも!」
クオ :
「……俺が"道"を開く、おまえはウイルスのデリートに集中しろ」
オト :
「オッケー……!」
不破 栞 :
「三人で、無事に帰ってきてくれよ……!」
オト :
シオリに小さく頷く。首に巻いた白いスカーフが、僅かに揺れた。
クオ :
「……おう、行くぞ、オト!ココロ!!」
KP :
寝台に横たわった少女、ココロを見詰めながらクオは右手を構え、
クオ :
「────KR400/Type-X,LOG IN!!」そう叫ぶ
オト :
左手を構え、意識を集中させて、
オト :
「────X000,LOG IN!!」
オト :
クオに続いて叫び、ハッキングを開始する。
オト :
言葉と共に、視界が弾ける。0と1の光に包まれ、クオが開いてくれた道を深く深く降りて行く……。
オト :
そしてやがて、わたしは中庭のような場所に降り立った。
オト :
ここはココロのマインドパレスの中。
オト :
10年前のあの日、ESM放射制御プログラムを受け取るためにココロに導かれた電脳空間。
オト :
地面に敷かれた芝生に、中央に聳え立つ大樹。それらを穏やかに照らす月光。
オト :
しかし、その景色はあの時から、大きく変わっていた。
オト :
足下一面を覆い隠す、髪の毛めいた黒いケーブルの束。
オト :
赤い電流を迸らせながら這い回るそのケーブルの中心には、機械の身体が繋がっている。
オト :
時計のダイアルめいた部品をつけた、歪な球体のような身体。
オト :
その正体が、VOIDの手や足や顔を継ぎ接ぎして作られた集合体であることを、わたしは注視するまでも無く知っている。
オト :
「久しぶりね」
オト :
「……デウス・エクス・マキナ」
オト :
そう、それはかつてわたし達の前に立ちはだかった絶望の化身。
オト :
だがその姿を見ても、わたしは恐怖を覚えることも、体を支配されることもない。
オト :
当然だ。この怪物はもう10年前にわたし達が破壊している。
オト :
ここに在るのは、デウス・エクス・マキナ本体ではない。
オト :
リトが事前に説明した通り、これは奴が残したウイルスだ。
オト :
デウス・エクス・マキナはこのウイルスによって、ココロのマインドパレスをずっと汚染し続けている。
オト :
……これが、ココロが目覚めないでいる最大の理由。
オト :
彼女は死んでからも、悪夢に囚われ続けてしまっている。
オト :
「…………!!」
オト :
左手を異形の機械へと翳す。
オト :
同時に、地面を這う大量のコードが一斉にうねり上がった。
オト :
コードは鞭のようにしなりながらわたしへと殺到する。
オト :
この触手に少しでも触れたら最後、わたしもウイルスに侵されて永遠の眠りに落とされるだろう。
オト :
────だが、それよりもわたしがトリガーを引く方が早かった。
オト :
「DELETE UP!!」
オト :
ガラスが砕けるような音が響いた。
オト :
手から放たれた白い光の奔流が、デウス・エクス・マキナの身体を貫く。
オト :
本来なら不可視のハッキング電波は、このデータ空間ではわたしのイメージによって流星のような輝きを持っていた。
オト :
願いを叶える星々の煌きとなった特殊電波が、この世界を蝕むウイルス全てを星屑に変えて消滅させる。
オト :
……そして、その後に残ったものは。
オト :
大樹に寄り添うように座って眠る、一人の少女の姿だった。
オト :
「……ココロ」
オト :
静かに眠り続ける親友へと近づく。
オト :
ココロはあの時からずっと変わらない。外の現実でも、ずっとこうして休んだまま。
オト :
……でも、それも今日までだ。
オト :
ココロの隣に座る。肩を寄せ合って、その手を握る。
オト :
そして、瞳を閉じて。
オト :
「きらめく星たちに音を 一つずつ 大切に……♪」
オト :
歌を歌う。
オト :
10年前、世界を救うためにココロと共に歌った歌を。
オト :
今はただ、ココロを救うためだけに歌う。
オト :
「────涙でできた 底なしの海に 届く訳ないと 諦めていたんだ……♪」
オト :
ココロ。
オト :
「────Shining star ありがとう 紡いでくれた……♪」
オト :
起きて、ココロ。
オト :
「ボロボロのメロディー 私の声で……♪」
オト :
みんなが待ってるよ。
オト :
「歌うから Shining star 見守ってて……♪」
オト :
わたしも、ずっと待ってる。だから。
オト :
「もう大丈夫 私には この歌があるから……♪」
オト :
────お願い。またもう一度、あなたの笑顔を見せて……ココロ……!
ココロ :
「…………」
ココロ :
「……………………」
ココロ :
「…………………………………………?」
KP :
もう古い少女の願いの歌を聴いて、ココロは目覚める。
ココロ :
「…………この、うた」
オト :
「Shining star。覚えてる?」
オト :
「……ココロ」
オト :
隣で目覚めた親友に、微笑みかける。
ココロ :
「────オ、ト」驚いて目を見開いて
ココロ :
「嘘……、私、夢でも見てる……?」口元を両手で覆う
オト :
「夢じゃないよ、ココロ。悪夢はもう終わったの」
ココロ :
「だ、だけど、オトっ……! 私はもう死んでるハズでっ……!!」
ココロ :
「こうしてまた会えるだなんて……ありえな…………」
オト :
「うん……あの時、ココロは死んだ」
オト :
「回路はショートして、スタックは破壊されて、デウス・エクス・マキナのウイルスにまで侵食されて……」
オト :
「でも、わたし達で頑張って修復したんだよ。すごいでしょ?」
ココロ :
「え……、本当に…………?」
ココロ :
「そんなの……、まるっきり奇跡じゃない……」目を丸くして
オト :
「えっへへ、まあ10年かかったけどね」
ココロ :
「10年……」
ココロ :
「また10年…………」
ココロ :
「私の為に、10年も…………?」
ココロ :
「オトは『10年かかった』ってあっさり言ったけど……、そんなに簡単なコトじゃないでしょ…………?」
ココロ :
「どうして、そこまで…………」
オト :
「えいっ!」 突然、ココロのほっぺたを人差し指で軽くつつく
ココロ :
「む!?」ぷにられ
オト :
「おばかさんだなー、ココロは」 ぷにぷにし続けてる
ココロ :
「そ、そうかな…!?いや、勉強ができる方じゃなかったけど…!!」
ココロ :
「だ、だって10年だよ…? 実現できない可能性の方が高い奇跡を信じるには長すぎるし、私を諦めたなら、他に色々なコトができたハズでしょう…?」
オト :
「そうかもね。おっしゃる通り」
オト :
「でもわたしは、それでもココロにまた会いたかったんだよ。……そんなことも分からない?」 少し照れくさそうに小さく笑う
ココロ :
「オト…………」
ココロ :
「そう、だね……、オトの言う通り、私、バカだったな……」
ココロ :
「言われてみれば、私が逆の立場でもそうしたと思う……」
オト :
「ふふっ、そうだよね」 つっついていた手を広げて、ココロの頬に触れる
オト :
「じゃあ、これもココロは分かるんじゃないかな」
オト :
「わたしはね、たとえ一生かけてでも、ココロを起こそうと思っていたの」
オト :
「でも、10年でこうしてまた会うことが出来た。だから、10年も、じゃないんだよ」
オト :
「たった10年しかかかってない。わたしにとっては、早すぎるくらいだよ……!」
オト :
だから10年もわたしの時間を奪っただなんて思わないで欲しい、そう伝えるように笑う。
ココロ :
「オト……」
ココロ :
「そう……、そうだね…………」
ココロ :
「もう失ったモノよりも、手にした未来の方を見ないと……!」
ココロ :
「これからは10年よりずっと長い時間、一緒にいられるんだもんね……!!」笑い返す
オト :
「そうだよ!もうずっと一緒だよ!!」
ココロ :
「うんっ……、うんっ……」
ココロ :
「またいっぱい二人で歌う事もできるし、一緒に歌手になるってユメも叶うかもっ……!!」
オト :
「うん、そうだよっ。二人のユメも……」
オト :
「……あ、そうだ。ココロ、覚えてる?」
オト :
「前にここで話した時、わたしにあなただけのユメを見つけて幸せになってって言ったこと」
ココロ :
「うん、もちろん覚えてるよ」
ココロ :
「……この10年で、見つかった?」
オト :
「うん、見つかったよ。わたしのユメはね……」
オト :
「ココロ、あなたと一緒に幸せになることだよ」
オト :
そう言って、ココロの体を抱きしめる。
ココロ :
「オト……」
ココロ :
「えへ、もしかして告白ですかぁ……?」おどけて笑ってみせて
オト :
「ふふっ、そうなのかもね?」 曖昧に笑って
ココロ :
「そっかそっか、それなら私も気持ちで応えないと」ぎゅっと強く抱き返し
ココロ :
「…………私も大好きだよ、オト」
ココロ :
「わざわざ言わなくても知ってるとは思うけど」照れくさそうに笑って
ココロ :
「私もオトと幸せになりたいって思うよ。ああでも、それだとオトだけのユメじゃなくなっちゃうか」
ココロ :
「────まあ、それはいいよね! 一緒に幸せになろう?」
オト :
「うん……うん……!いいに決まってる……!」
オト :
「またいっぱい二人で歌って、一緒に歌手になって……」
オト :
「シオリ達と暮らして、たくさんお話して、遊んで……」
オト :
「世界中の色んな場所で、色んなことをして、色んな思い出を作ろう」
オト :
「今までの悲しかったことなんて全部忘れて笑えるような、そんな幸せな毎日……」
オト :
「ココロと一緒なら、出来るはずだよね……!」 囁きかける
ココロ :
「うん、勿論……!」
ココロ :
「オトと一緒なら、不可能なんてないよ……!!」
ココロ :
「だって私達、これまで魔法みたいな奇跡だろうと起こしてきたんだもん……!!」
オト :
「ふふっ、シオリと似たようなこと言ってる」
オト :
「でも、そうだよね。それなら何も心配なんてないや……!」
オト :
「……うん、ヨシ!それじゃ、もうここでいつまでも話してる場合じゃないね!」
オト :
「さあ帰ろう、ココロ!シオリ達が待ってる!!」
オト :
そう言って立ちあがり、ココロに手を差し伸べる。
ココロ :
「うん……!!」笑顔で手を取る
オト :
手を握り、ココロを立ち上がらせる。
オト :
そして、彼女の腰に手を回し、その体を支えると、
オト :
「……」 顔を近づけ、
オト :
瞳を閉じて、ココロの唇にキスをした。
ココロ :
「────ぇ、え!?」いきなりのキスに驚き、空いた手で口元を抑えて
オト :
「……そういえば、わざわざ言わなくても知ってるっていうか、ちゃんと言ったことなかったけど」
オト :
「わたしも、ココロのこと、大好きだよ」
オト :
頬を赤らめて、少しだけ恥ずかしそうに笑う。
ココロ :
「ぇ、ぁ……! えぇ…………!?」
ココロ :
「そ、そうだったのっ……!? い、いや、オトが私を好きなのは知ってたけど、こう……! 親愛って意味で好きなのかと思ってぇ……!!」しどろもどろになりながらゴニョゴニョ
オト :
「…………」
オト :
狼狽えるココロを見て、自然と笑顔になる。
オト :
親愛という意味での好き。間違いではないが、実はそれだけではない。
オト :
この10年間、ずっとココロの幸せを考えて毎日過ごし続けた結果。
オト :
わたしはもう、親愛とか恋愛とかそういう一つの感情では言い表せない程に、ココロのことが好きになっていたのだ。
オト :
「さて、じゃあ行くよ~ココロ!何ごにょごにょ言ってるの!」 笑いかけて、手を引っ張る
ココロ :
「え、えぇっ……!?」
ココロ :
「ちょっと待ってよ、オトぉ……!!気持ちの整理がぁ……!!」
オト :
「待ちませーんっ」
オト :
楽し気に笑いながら、ココロの手を引いて歩き出す。
オト :
0と1の光に包まれて。
オト :
彼女と一緒に、皆のもとへと帰っていく……。
SYSTEM :
システム起動中__
SYSTEM :
システムチェック開始__完了
SYSTEM :
システムデータベースへ接続中__完了
SYSTEM :
ネットワークへ接続中__完了
SYSTEM :
地形データ リンク開始__完了
SYSTEM :
システムオールグリーン
不破 栞 :
「心くん、目覚めの時間だよ」
SYSTEM :
____KR400/Type-X、起動します
KP :
……ゆっくりと少女の目が開く。
KP :
まず少女の目に映ったのは、コンクリートの壁と床、地面の機器の数々。
KP :
そして、もう会えないと諦めていた大切な友人。オトとクオ。
KP :
その後ろから顔を覗かせる二人のよく似た姉弟。ニトとリト。
KP :
────最期まで気持ちを伝えられなかった初恋の相手、不破栞。
KP :
もう一度、自分を救いだしてくれた恩人の姿だ。
KP :
…………状況を理解しようとしても、うまく思考がまとまらない。
KP :
ここは何処なのか、自分は何故ここにいるのか。
KP :
辛うじて分かったのは、
KP :
────大好きな人達と再会するコトができた、という切なる喜びだけ。
ココロ :
「ん…………」
不破 栞 :
「心くん……!」
不破 栞 :
「本当に……本当に、目を覚ましたんだな」
不破 栞 :
肩を震わせながら、その目覚めを見守っている。
ココロ :
「栞さん……」
ココロ :
「おはよう、ございます……?」小さく笑って
不破 栞 :
「ああ……」
不破 栞 :
20年前と変わりのない、その様子を確認して顔を覆う。
不破 栞 :
「ふふ、泣くまいと思っていたのにな。歳をとると涙もろくなって困るよ……」
ココロ :
「栞さん……」
ココロ :
「ごめんなさい、私、またずいぶん寝坊しちゃったみたいで……」またおどけてみせて
ココロ :
「えへ、待たせすぎですよね……」上体を起こし
不破 栞 :
「ああ……アンコールまでの時間と思うと、少し長かったかもな」
不破 栞 :
「でも、こうして帰ってきてくれた」
ココロ :
「それは10年も諦めずに頑張ってくれた栞さん達のおかげですっ」
ココロ :
「────本当に、ありがとうっ」泣きだしそうな声色で
不破 栞 :
「ああ……」
オト :
「ココロ……」
不破 栞 :
屈んで、ココロの上体を優しく抱き寄せる。
不破 栞 :
「夢じゃない。私たちはここにいる。君とともに」
ココロ :
「し、栞さんっ……」頬を赤く染め
不破 栞 :
「ふふ……」
不破 栞 :
「君と話したいことは、山ほどあるはずなんだが……」
不破 栞 :
「不思議だな。いざこうしてまた会えると、うまく言葉が出てこない」 不器用に笑みをつくり
ココロ :
「実は、私も……」
ココロ :
「ただこんなに幸せでいいのかなって……、思うんです…………」軽く抱き返し
クオ :
「────ハッ、何を言ってるんだココロ!おまえは不幸体質すぎるし、多少は幸せすぎるくらいで吊り合い取れてるんだよ!!」壁に背を預けて笑って
不破 栞 :
「そうだな……その通りだ」
不破 栞 :
「前と違って、これからはたくさん時間がある」
不破 栞 :
「ゆっくり、気長に話して、思い出を作っていこう」
オト :
「……っていうか、幸せでなくちゃ困るんですけど~?」
オト :
「わたしと一緒に幸せになってくれるんでしょ?」 さっき言ったじゃない、と笑う
ココロ :
「えへ、そうだったね……!これからはもっと、欲張りになっていいんだよね……!!」
オト :
「そうそう!!」
不破 栞 :
「ふふ……」
不破 栞 :
ココロと、クオと、それからオト。
不破 栞 :
三人がこうしてまた揃って生活を送ることができる、それだけで10年を費やした価値があった。
不破 栞 :
……10年を経て、前よりも少し親のような目線になってしまったかもしれないが。
オト :
「よーし、じゃあそのためにも……うん、あれだね」
オト :
スパローに来たんだから、いつものあの言葉を。でもその前に、まずは。
オト :
「改めまして……」
オト :
「おかえりなさい、ココロ!!」 幸せを描いたような笑顔で、迎え入れる
ココロ :
「…………!」
KP :
元いた場所とは違うが、二十年ぶりに言う。
ココロ :
「ただいまっ……!!」屈託ない笑顔で返す
不破 栞 :
「ふふ……」 笑顔で、これからの家族の幸せを願う。
不破 栞 :
「――――そしてようこそ、スパローへ。今日からここが、君の帰る場所だ」
KP :
これにて全行程終了!!
KP :
クトゥルフ神話TRPG『VOID』、エンディングAにてシナリオクリア!
KP :
何ヵ月にも渡る長期セッション、おつかれさまでした!!
オト :
うわあああお疲れ様でした!!!!!!
不破 栞 :
お疲れ様でした!! 最後は10年後までやることになるとはね…!
夜鷹 守人 :
うわーーー終わっちゃった!!!お疲れ様でした!!!!!
不破 栞 :
めっちゃ長かったけど最後までダレずにめちゃ楽しかったね……
オト :
色々大変だったしやばいシナリオだったけど楽しかったよ…
ヤオ トモヤ :
お疲れ様でした!!!!楽しかったですね…
夜鷹 守人 :
とても良かった……NPCもよう集合しとる……
オト :
本当に終わると思わんかったくらいの長さだったね…
夜鷹 守人 :
赤星兄さん!!EDくらい明るい顔しな……した!!
オト :
した!
夜鷹 守人 :
EDでNPC立ち絵集合するの、オフショットみたいで好き
オト :
わかりみがある
不破 栞 :
カーテンコールだね……感無量だよ…
ヤオ トモヤ :
ずっと付き合ってきたn+pcともここで一区切りと思うと少し寂しくなりますね…それでもここまで来れてよかった…
オト :
分かる分かる…いっぱいならべるとなんかこう、カラフルね???
不破 栞 :
戦隊もびっくりのカラーリング
オト :
戦隊が出来る
夜鷹 守人 :
カラフルVOID、名前に色がつくだけある
夜鷹 守人 :
そろそろ画面を目いっぱい引かなきゃ立ち絵が治まらなくなってきた!
オト :
NPC多すぎ卓だよ!!ずんはようRPし分けてたね…
不破 栞 :
すごかったぜ…!
KP :
楽しんでもらえたならよかった!ここまで盛りあがったのもPL各位のおかげですよ!!
オト :
VOID、やばすぎシナリオだけどこれ色んなアレンジ加えたずんが回さなかったら絶対楽しめてなかったな~って思ってるから本当にめちゃくちゃ感謝だわ…お疲れ様よ…!
夜鷹 守人 :
ずんの尽力あっての身内VOID卓だったな~ってめっちゃ思うわね……!
不破 栞 :
それそれな…めちゃくちゃ感謝…!
夜鷹 守人 :
デクくんもよう来てる、ココロちゃんも不破オトにサンドされとる
オト :
ふわおとサンド、おっぱいの圧がすごい
ヤオ トモヤ :
ですね、KPはずっと都度遊びやすいように、もっと楽しめるように!って沢山調整や仕込みをして下さっていて…本当にありがとうございました…‼︎
不破 栞 :
最初のデク君との出会いが不破の方向性を決めた感じあるから大きかったよ…
オト :
もう懐かしいなデクとのあれこれ…
KP :
かつてない規模の四ヵ月の長期セッションでしたからね…
オト :
やばすぎ
夜鷹 守人 :
よもやよもや……久しぶりのCoCもあって楽しかったわね……
オト :
隔日じゃなかったら三ヵ月くらいだったかもしれんけど回数は変わってないやつ
KP :
アレンジによって、一週間で回すとかありえないほどのボリュームに
KP :
ではでは質問などなければ、ゆるゆる解散しようと思いますの!
オト :
待ちな!!!!
KP :
\待った!!/
オト :
せっかくだしここまできたらヒサトとサトミもだしな!!!!!
夜鷹 守人 :
そうだそうだ!!
夜鷹 守人 :
ヒサトミも久しぶりだねぇ
オト :
ありがた!!
オト :
そっかもう出番も無いしコマ消してたやつ!ごめんねありがとう!
KP :
実はそう!いえいえ!最後くらいは合流させてあげたいのは確かに!!
オト :
オトも皆に囲まれてようにこにこしてます
オト :
質問は…わたしは元シナリオ読んでから気になるとこあったらずんに聞こうかな!
夜鷹 守人 :
自分も思いついたら聞きにいったりTLに流したりのスタンスにしようかな!
KP :
おけおけ! それがよきかも!!
オト :
じゃあお疲れさまかな、解散!
KP :
おつかれさまでした!KPもたのしかった!!
オト :
ずんが楽しかったなら良かった良かった…
不破 栞 :
本当の本当に終わっちゃったよ…!お疲れ様でした…!
夜鷹 守人 :
長期間お疲れさまでした!!!また何かの卓で!!!!(気が早い)
ヤオ トモヤ :
お疲れ様でした!!!ありがとうございました!!