GM:雅
メインログ /
雑談ログ
Character Sheet
PC1:マヤ (キャラシート) PL:灸
PC2:ヴァニタス (キャラシート) PL:がぶらす
PC3:日向雛 (キャラシート) PL:めい
PC4:メアリー=ブラッドルード (キャラシート) PL:ふろずん
PC5:イクサ・スミェールチ (キャラシート) PL:タンゴ
Index
ステージ:砂上都市サラーブ
◆Preplay◆
HO&PC紹介
◆Opening Phase◆
00 奪われた可能性
01 迷い子の仮宿
02 歌が響くは鏡面の隣人
03 匹夫と救恤者
04 舞い込んだチャンスは血と黄金の香り
05 推薦者は死の行進と共に
◆Middle Phase◆
06 共同戦線
07 情報収集
08 向き合う意思
09 情報共有
10 望まぬ再会
11 空虚な人生
・個別会話1 マヤ&イクサ
・個別会話2 ヴァニタス&フェイル
・個別会話3 雛&メアリー
・個別会話4 マヤ&ストレイ&フェイル
12 鏡面に映るもの
◆Climax Phase◆
13 Mirage to Sarab
◆Ending Phase◆
14 未来へ至る路
15 都市に奏でる
16 都市は牙剥く
17 意思を受け継ぐ
・個別会話5 雛&メアリー
18 都市に反する
19 都市と日常
◆After Play◆
経験点配布
ステージ:砂上都市サラーブ
西アジアに位置する非常に広大な砂漠に突如として現れた"砂上都市サラーブ"。
"五本指"と呼ばれる統制者達と数多くのヴィラン達が蔓延る都市ではごく当然のようにオーヴァードが力を振るい、秩序と混沌が危ういバランスで続いている。
都市の人間のほとんどは裏社会の人間であり、RWステージの定番であるヒーローのような善性を持つ人間はほんの一握りいるかいないか。他人の助けを待っていては食いつぶされる弱肉強食の世界だ。
このステージは己の欲望に忠実である者達が跋扈する舞台である。
■簡易用語集
・砂上都市サラーブ
第一次レネゲイドウォー終結から数か月で大きく発展した大都市。
中心には摩天楼が聳え、狭いながらも一つの国として成り立つ程の人口と活気がある。
しかしそこに住む人間達は大なり小なりの悪事に手を染めているヴィランであり、五本指と呼ばれる者達と数々の組織に依って統括されている。
・五本指
人差し指。中指。薬指。親指。小指を指した統一組織の名称。
サラーブを大きく発展させた5人のヴィランで構成されているが、その顔を知る者は少なく、また自らその立場を(一部を除いて)明かそうとしない。
親指は傘下の裏切りに遭い死亡し、現在は二代目である。
そして小指は空席の状態となっており、都市の中では有名な話となっている。
・B.T.Cスーツ&ウェポン
血涙結晶の工房が製造する武具。B.T.CとはBlood and Tears Crystalsの略語。
中指の傘下組織であり、オーヴァードの死体から高品質な防具や武器を仕立て上げる技術を保有している。
工房の主を名乗る女ヴィラン"クレーン"は「彼らが全うした人生を如何に表現できるか」と彼女なりの敬意と芸術性を持ち合わせているが、その感性に共感する者はサラーブでも限りなく少ない。
■砂上都市サラーブ
第一次レネゲイドウォー終結時期に突如としてアラビア砂漠に現れた砂上都市。
都市の中心には摩天楼が聳え立ち、狭い都市なれど一つの国として成り立つ程の活気が取り巻いている。
サラーブはアラビア砂漠北東部に位置し、都市内の人口は数万人。その8割以上が犯罪に手を染めているオーヴァードである為、有数の犯罪都市として各国から警戒対象としてマークされている。
住人の人種も多様であり、あらゆる国の言語が話されている。その背景としては国を追われた犯罪者などがサラーブへ安住を求めて身を寄せた結果だとも言う。
■五本指
サラーブを統治する統一組織。五本指と呼ばれる所以は5人のヴィランが設立時に関わっていたことが由来とされている。
ただし、在籍するメンバーは『自身が五本指である』ことを明かそうとせず、サラーブが成り立つ以前からいたヴィランにしか正体が知られていない。身分を明かせば次席を狙った裏切りや暗殺が起きることを危惧しているから、とも噂されている。
その為、新参の木端なヴィランには『五本指とかいう偉いやつが都市を仕切っている』程度の認識しかなく、自身を五本指の一人と騙る者が後を絶たない。
"人差し指" グリムギア
・DATA
性別:無
年齢:不明
ブリード:ピュアブリード
シンドローム:バロール
ワークス/カヴァー:レネゲイドビーイング/人差し指
【肉体】12 〈白兵〉5
【感覚】15 〈射撃〉8 〈知覚〉10
【精神】25 〈RC〉20 〈知識:レネゲイド〉25
【社会】30 〈交渉〉20 〈情報:ヴィラン〉10 他
・解説
都市の指導者。五本指のまとめ役。歯車のRBと自称している。
頭部が歯車という奇怪な容姿ではあるが、性格は物腰柔らかく、敵を作りにくい。
"中指"のスコーピオに人差し指の座を狙って反旗を翻されたこともあったが、瞬く間に彼一人が制圧したという。それ以来、スコーピオの野心は鳴りを潜めた。
表の顔は「都市管理局局長」を名乗っている。管理局はグリムギアと、彼の部下である数名のオーヴァードで構成されており、都市の現状を常に把握する為に働いている。
サラーブが危機的状況にあれば、彼はPC達に管理局局長の名で依頼を出すだろう。
"中指" スコーピオ
・DATA
性別:男
年齢:32
ブリード:クロスブリード
シンドローム:バロール/ハヌマーン
ワークス/カヴァー:ヴィラン/中指
【肉体】11 〈白兵〉8 〈回避〉5
【感覚】14 〈射撃〉9
【精神】17 〈RC〉10 〈意思〉8 〈知識:ヴィラン〉12
【社会】15 〈交渉〉18 〈調達〉20 〈情報:FH〉12 他
・解説
都市の市場を取り仕切る闇商人。
粗暴で野蛮、口が悪くグリムギアと対照的に敵を作りやすい男。
彼の行う事は倫理に欠けることが多々あるが、その全ては都市を想ってのことである。決して狂っている訳ではない。
表の顔は「闇市場のボス」を名乗っている。サラーブで仕入れるアイテムの半分以上は彼からもたらされることは間違いない。
"薬指" ネオン・ファルシオン
・DATA
性別:女
年齢:約700歳
ブリード:クロスブリード
シンドローム:オルクス/モルフェウス
ワークス/カヴァー:ヴィラン/薬指
【肉体】14 〈白兵〉10 〈回避〉8
【感覚】12 〈射撃〉5
【精神】18 〈意思〉10 〈知識:ヴィラン〉10
【社会】13 〈交渉〉8 〈調達〉10 〈情報:噂話〉14 他
・解説
都市の要。
おちゃらけた性格で誰にでも平等に接する。が、刹那主義。快楽主義の傾向がある女。いつも明るく楽しくがモットーであるようだ。
都市内の建物の殆どが彼女の組織によって建てられ、インフラの一部も運営している。都市に住む全ての住人が彼女の恩恵を受けていると言っても過言ではない。
表の顔は「カジノの支配人」を名乗っている。小指が空座となる前は「不動産王」の肩書だったが、華々しい方がええとの事で現在はカジノの支配人を名乗ることとなった。
自身が薬指であることを隠そうとしないので、割とよくポロっと正体を零す。
"小指" 不在
現在の"小指"は空席であることは都市では周知の事実。
しかし理由は明らかになっておらず、自らその地位を捨てたとも、何かの責任をとって退いたとも噂されている。
"親指" エトワール・ウェイストルム
・DATA
性別:女
年齢:12
ブリード:クロスブリード
シンドローム:ノイマン/エグザイル
ワークス/カヴァー:ヴィラン/親指
【肉体】 8 〈白兵〉5 〈回避〉6
【感覚】15 〈射撃〉10
【精神】10 〈意思〉8 〈知識:ヴィラン〉5
【社会】14 〈交渉〉10 〈調達〉9 〈情報:ヴィラン〉20 他
・解説
都市の番犬。懲罰者。
指の中で最年少で新参の少女。前任者の父は部下の裏切りに遭い死亡。自身の手で裏切り者を討ったことで親指の座に就いた。
ヴィランで組織した傭兵団"デザート・ハウンド"を率いており、彼女は彼らを家族と呼び、使役する。
指達の前では甘く見られぬ様に大人の姿に転じ、親指らしく頼りある頭目を演じている。
表の顔は「エトワールファミリーのボス」を名乗っている。傘下の組織を束ね、サラーブ内で組織間の無用な軋轢を生まない為に日々尽力している。
五本指の中で最年少であるが、組織を束ねる責任感は誰よりも持ち合わせている。
■歴史
第一次レネゲイドウォー終結時、敗走した一部のヴィラン達は身を隠す為にアラビア砂漠へと集った。機が熟すまで身を潜め、牙を研ぐための場所を設けたのだ。
ヴィランズネットを介して同胞を募った結果、砂漠には数百人規模のヴィランが集結。小さな集落を築くも過酷な環境に耐え切れず多くの離反者が出たが、それでも残ったヴィランがいたのは指導者である"グリムギア"の存在があったからだろう。
その後、ふらりと現れたファルシオンの手によりまともな建造物が建ち始め、町と呼べるまで発展を遂げた。
レネゲイド解放から9年。各国のヒーロー達が共存を図ろうとした様に、砂漠のヴィラン達も共存を図ろうとしていた。最低限の秩序と統率を望んだ者は多かったが、秩序を望まないヴィランに依って暴動が起きる。
この暴動はしばらくして鎮圧されたものの町への被害は大きく、癖の強いヴィラン達を纏め上げ、力ない者を統べる指導者達が必要と判断した"グリムギア"が『五本指』を結束。図らずしも強者が弱者を統べるヴィランらしい組織となった。
それから僅か数年。始めは烏合の衆にも満たなかった集落は"砂上都市サラーブ"と名乗る大都市へと発展を遂げる。
しかし周辺各国がサラーブを見過ごすはずもなく、膨れ上がった悪の居城に幾度となくヒーロー達を送り込み都市を陥落させようと試みた。だが統率されたヴィランはヒーロー達の想像以上に強力であり、未だ都市は健在である。
それでも立て続けに襲来するヒーロー、果てには都市外から面白半分で襲撃するヴィランなどから防戦する為に都市は保守的にならざるを得ず、当初の目的とは外れた体制となってしまった。
■施設
・オルタ・スクレイパー
サラーブの中心にそびえる高層ビル。月に1回、指達の会議が開かれるが緊急で召集されることの方が多い。
普段は行政機関として機能しており、"人差し指"たるグリムギアの城となっている。
・ブラックマーケット
サラーブの繁華街を指す。食料品からオーヴァード専用の装備まで揃う巨大闇市場。
店の多くを"中指"のスコーピオが仕切り、市場の賑わいは昼夜問わず治まることはない。
・賭場
古今東西の非合法ギャンブルが集う区画。その華やかさはラスベガスのカジノに劣らない。
以前までは"小指"の管轄であったが、不在の今は施設を建築した"薬指"ファルシオンに権利が譲渡された。
・デザート・ハウンド
オーヴァードで構成された私設傭兵団。治安維持の為に都市内にいくつかの支部を設けている。
管理者である"親指"のエトワールは"中指"、"薬指"と契約を結んでおり、彼らの施設にガードを派遣することも多い。
指以外の悪漢達からは都市内で正義面をするデザート・ハウンドを目の敵にしており、存在自体が煙たがられている。
・ジャンクヤード
言わずもがなゴミの山であるが、怪しい人影を見たと噂が絶えない。大方は密売か密談に訪れたヴィランである。
・宿泊施設
カジノリゾートに並び立つ高級ホテル群。都市外から訪れる金持ち向けである。
どれかの最上階が"薬指"の拠点らしい。その全てが拠点とも。
・スリムハウス
多くの住民が住むアパートメント。都市の中心から離れるほど住居は貧層となるが、"薬指"の管理するアパートメントは最低限の設備が整えられている。
・診療所
ノーマルからオーヴァードまで利用可能。治療費が高く貧民は利用しづらい。
■ユニークアイテム
【ヴィランズスカー】
種別:その他
必要経験点:0
都市の住人であることを証明する物。獣の爪に裂かれたような斜めの三本線が印象的。
ヒーローズクロスと同様にレネゲイドウィルスの鎮静作用がある。多種多様な言語が飛び交う都市では自動翻訳機の機能も果たす。
このアイテムを所持している場合、バックトラックのダイスを振る前にあなたの侵蝕率を10点減少させることができる。この効果は1シナリオに1回まで使用できる。
【B.T.Cスーツ】
種別:防具
ドッヂ:-2 行動:-3
装甲値:7
必要経験点:25
血涙結晶の工房が製作したオーダーメイドスーツ。
極めて高性能だが非倫理的な製法で仕立てられ、レネゲイドの異常活性を促すため着用には注意が必要。
この防具を取得すると、あなたは【肉体】【精神】【社会】の内で1つのみを選択して3上昇させる。基本侵蝕率を+10させる。
【B.T.Cウェポン】
種別:効果参照 技能:効果参照
命中:-1 攻撃力:10
ガード値:3 射程:効果参照
必要経験点:25
血涙結晶の工房が製作したオーダーメイドウェポン。
使用者のレネゲイドと深く結びつき、エフェクトの威力を底上げさせる。ごく稀に脈動を感じられるのは気のせいだろう。
この武器を取得すると、種別を"白兵""射撃""RC"の中から一つ選択する。選んだ種別は技能に適応される。
"白兵"選択時、射程は至近となる。この武器を使用した白兵攻撃ではダイスを+2個する。効果が適用されるたびに侵蝕率を+1する。
"射撃"選択時、射程は視界となる。この武器を使用した射撃攻撃では攻撃力を+5する。効果が適用されるたびに侵蝕率を+3する。
"RC"選択時、射程は視界となる。この武器を使用したRC攻撃では攻撃力を+5する。効果が適用されるたびに侵蝕率を+4する。
Preplay
GM :
ではでは、PCの自己紹介から。
HO1のマヤくん!お願いします!
マヤ :
はいはい!
マヤ :
名前は『マヤ』
苗字等はなし、本名じゃないですが本人も誰も本名を知らないのでこれが本名ってことでオッケーです!
マヤ :
記憶喪失の全身機械人間。特に悪い事をしている自覚はないですが楽しいことを追い求めた結果悪い事"も"平気で出来るタイプの精神年齢幼め25歳。
マヤ :
戦闘スタイルは体内から生成した長銃での狙撃&射撃、ミサイルも撃てます!
システムはつよつよですがパーツが古いので喋ってるときにバグったりノイズがはしります、聞き取りづらいときは叩いて治してあげてください!
マヤ :
グリムギアに少し恩があるので基本的には大人しいです、DVDとかあげると再生できるのでDVDプレーヤーにもなります。以上!
GM :
ありがとう!グリムギアからDVDに焼いた映像資料とか渡してそうな感じもしますわね!
GM :
そんなマヤくんのHOはこちら
◆PC1用ハンドアウト◆
シナリオロイス:ストレイ
あなたはグリムギアから硝子化事件の調査依頼を受けていた。
調査報告を対面で行うとのことで、あなたはオルタ・スクレイパーへ向かっていた。
その途中であなたは路地裏に倒れる少女を発見する。
少女の皮膚は硝子のようにひび割れており、硝子化事件の重要参考人として少女をグリムギアの元へ連れていくのであったが……少女は記憶が曖昧のようだ。
マヤ :
記憶喪失お友達ですわね…
GM :
記憶喪失のタッグで仲良くやりましょうね……
ではマヤくん自己紹介ありがとう!
GM :
続いてHO2のヴァニタスちゃん!自己紹介をお願いします
ヴァニタス :
行くぜ
ヴァニタス :
ヴィランネーム【SAndAmAIdeN】、ヴァニタスちゃんです!
ヴァニタス :
HO1に続き全身機械マーメイドですが、人間はとっくのとうにやめておりますレネゲイドビーイングです!
ヴァニタス :
砂上都市サラーブ至上主義者で、この街にはびこる悪徳を是とする感じのヴィランです!本人はあんまり悪行を働かないよ
ヴァニタス :
今日も今日とて指に許可もとらずサラーブをパトロールしているぜ!見かける頻度は結構高いかもだし、オルタ・スクレイパーあたりを見上げれば普通にいるかも。クッソ眩しいけど
ヴァニタス :
戦闘スタイルはねぇ、遠距離RC型。めちゃ高行動値からエンゲージ離脱をしないと接近されてポンコツと化す。あと気づいたらダイス数がめっちゃ少なかった。どうにかなるなる
ヴァニタス :
サラーブ内の関係性で言うと薬指のファルシオンちゃんとちょっと仲が良いです
ヴァニタス :
以上だ!
GM :
ありがとう!毎日クソ治安のサラーブをパトロール(悪事は取り締まらない)してくれてるのはありがたがっているヴィランも多いでしょう…
GM :
そんなヴァニタスちゃんのHOはこちら!
◆PC2用ハンドアウト◆
シナリオロイス:“異なる隣人(アウトサイド・ネイバー)”
独自に事件を調査していたキミ(理由付けは自由)は“異なる隣人”と名乗る硝子化事件の首謀者らしき人物と対峙する。
しかし“異なる隣人”は手にしていた鏡から放たれた光に紛れて姿を眩ませてしまう。
光を浴びたキミは不可解な感覚を覚えるのであった。
GM :
なんかフラッシュされます。なんて悪質なんだ。
ヴァニタス :
反射光を反射されていく
GM :
ビカビカですよもう(適当言うGM)
では次に参ろう!
GM :
HO3!日向雛ちゃん!
日向雛 :
はーい!
日向雛 :
日向雛、17歳の日本人女子高生です!
日向雛 :
真面目で丁寧な口調で話すけど大体ゆるゆるほわほわにこにこしてる奴です。
日向雛 :
元々はUGNチルドレンで、ジャーム化したヒーローを処分するジャーム処理班“ハンターズ”に所属するUGNエージェントでした。
日向雛 :
ですが一年前に今のジャーム化したヒーローを殺さないといけない世界に疑問を持って、ジャーム処理班を脱退。
日向雛 :
UGNが保管していた賢者の石を盗んで、最近サラーブまで逃げてきました。多分数ヶ月も経ってないと思うのでかなり新参者です。
日向雛 :
ヴィランとしての欲望は、プライメイトオーヴァードに進化し、この世全てのレネゲイドをウロボロスの力で吸収することです。
日向雛 :
そのために賢者の石を探していて、サラーブに来たのも賢者の石の存在や情報がありそうだと思ったからでした。
日向雛 :
普段はサラーブの郊外の廃ビルに住み着いて、そこで能力を使った診療所を開いています。
日向雛 :
ただ医師免許を持っていないしちゃんとした設備もなくて、なんか申し訳ないので料金はかなり安いです。
日向雛 :
そのせいで全然稼げてなくて、大体いつもお腹を空かせています。
日向雛 :
すみません一週間位何も食べてなくて……とか言う。コピーした《麗しの容貌》の効果で健康状態維持してるからギリ生きてます。
日向雛 :
ブリードはピュアブリード。シンドロームはウロボロス。原初エフェクトで取得した振動球を使って戦うRC型です。
日向雛 :
クライマックスでは一回だけ賢者の石とクリ値を下げるエフェクトとタイタスを使って、クリ値2にしてクソデカ達成値を出しにいきます。
日向雛 :
でも使うまでにロイスが全然なかったり、侵蝕がやばかった場合はクリ値3で我慢するかもしれません。
日向雛 :
以上です!
GM :
ありがとう!お金はないが野望はある。クリ2でどんな出目が出るかGMもいまから戦々恐々としています
日向雛 :
達成値500目指します!
GM :
この出目ハンパねぇ!そんな流石PC3ァのHOはこちら
◆PC3用ハンドアウト◆
シナリオロイス:ジャス&ティティ
ジャス&ティティはキミが都市の新参者だった頃から親交のある姉弟だ。
彼らは時にキミの助けとなったり、逆に救われもした持ちつ持たれつの関係を築いていた。
そんな姉弟が突如として姿を消した。都市では珍しくもないことだが、硝子化事件のことが脳裏を過ったキミは不安に駆られて調査に乗り出すのであった。
GM :
仲良し姉弟の2人が最近姿を見ていないらしいです
日向雛 :
ジャスティティちゃん!!心配!!
日向雛 :
がんばって探します
GM :
頑張って彼らを探しましょう!ということで次の方へ!
GM :
お次はメアちゃんことメアリー=ブラッドルードちゃん!
メアリー :
はいなな!
メアリー :
メアリー=ブラッドルード。ヴィランネームは"黄金の心臓"。
メアリー :
「報酬さえ弾めば、どういう依頼でも達成する」との評判で名を馳せている"何でも屋"です。
メアリー :
メアリーはサラーブで育ったため、おそらくサラーブの典型のような精神構造をしています。
欲が深く、疑り深く。私利私欲のために表裏を使いわける。
メアリー :
座右の銘は「弱肉強食」「タダより高い物は無い」。大嫌いな言葉は「自己犠牲」「清貧」。
メアリー :
特に"金銭への執着"が強く、オーヴァードとしての能力は全て金儲けのために使っています。
メアリー :
シンドロームは、ブラム=ストーカー/ウロボロス。
メアリー :
自身の血液から"処刑器具"を作り出す能力を持っています。武器作成自体はブラム=ストーカーにありがちな能力です。
メアリー :
特筆するべき点としては、その血液が『黄金』であること。
厳密には(人体錬成みたいな感じで)複数の人間を材料に精製した"液状のRB"が黄金の血液となって体内を循環しており、
その能力を引き出すことで、非常に威力の高い武器を作成できることが挙げられるでしょう。
メアリー :
メアリーはこれまで、この特殊体質を利用する事でサラーブの最貧困層で生きてきましたが、そのあたりの経緯は割愛。だいたい第1次レネゲイドウォーの所為です。
メアリー :
実際のエフェクトの性能としては、単体火力特化。
他のPC達が持っている自己防衛のエフェクトも範囲攻撃のエフェクトを持っていない代わり、
クライマックス戦闘では、前人未踏の武器5倍アタックが出来ます。脅威の攻撃力固定値275。
メアリー :
エネミーとしての強さで考えた場合、メアリーはPC最弱ですけど、強大なヴィランとの決戦なら活躍できると思います。ヒーロー向きの人材。
メアリー :
以上かな!(ヴィランの都市における)善良な?一般人枠?として頑張っていこうと思います!よろしくおねがいします!!
GM :
ありがとう!金への執着とダメージがエグいメアちゃん……これからどうなっていくのでしょうか
GM :
そんなメアちゃんのHOがこちら!
◆PC4用ハンドアウト◆
シナリオロイス:“アベル”
ある日、キミは“アベル”を名乗る人物から依頼が申し込まれる。
内容は「“異なる隣人”が持つアイテムを回収し引き渡すこと」
“アベル”は多額の前金に加え、成功した暁には言い値の報酬まで約束するのだった。
GM :
至極単純でメアちゃんにぴったりのHOだね
メアリー :
依頼自体が単純でも、こいつには絶対にウラがあると、そう言ってるわ。私のゴーストが。
GM :
そうとも言えるしそうでも無いと言える。捉えかた次第だ。
GM :
ではでは、最後のPCに参りましょう。ママことイクサ・スミェールチさん!
イクサ :
「お願い、私の"子供達"。 お母さんを──守って。」
兵器開発・PMC企業コングロマリットの筆頭会社、IXAコーポレーションの若き社長です!
その正体はFHセルリーダーにしてヴィラン。
第二次レネゲイドウォーを真に引き起こすべく、あらゆる勢力に武器と武力をばらまく、死の商人そのもの。
無抵抗状態のオーヴァードを加工可能な"素材"に変換する能力を持ち、自身の子供を"素材"にして作った特殊兵器を用います。
イクサ当人はオーヴァードとして優れた戦闘力を持つ訳ではありませんが、
対話型総合支援システム「エス」(S.age)
特殊四脚大型戦車「アール」(R.ampart)
を筆頭に、多様で優れた"子供達"がイクサを支援し守ります。
データとしてはモルフェウスピュアによる《黄金錬成》全振りによる圧倒的常備化点126点で構築されたアイテム至上ビルドです!
もはや人とは呼べない状態に子を加工しながらも、子供達を愛していると口にするのはおかしな話ですが、
エゴイズムに歪んだイクサの認識では嘘ではない様子。
子供達以外の他者にも人当たりは良く穏和ですが、自分のやりたいことの為に必要とあらば、他者を平然と笑顔で踏みにじる事ができます。
契約上の信用はできますが、個人的な信頼を決して置いてはいけない危険人物と言えるでしょう!
GM :
一片に来た!ちょっと読む!
GM :
読んだ!戦争屋&人間加工&ママのクソヤバPC、いつ見てもインパクト抜群でございます
GM :
そんなイクサママのHOはこちら!
◆PC5用ハンドアウト◆
シナリオロイス:エトワール・ウェイストルム
キミは関係はどうあれ、エトワールに頼りにされる存在だ。
最近の硝子化事件が彼女の傘下組織、延いてはシマにまで影響が出始めている。
その影響はキミの活動にも支障が出始めているため、事態を重く見た彼女は共同で事件の解決を申し出る。
GM :
"関係はどうあれ"、親指のエトワールと仲がよろしいロイスでございます
イクサ :
うふふ♡
GM :
怖いよぉ…
GM :
ではでは、全員の紹介終わり!本編に入っていきますよ!
GM :
まずはマスターシーンから、ゆっくり腰を落ち着けてご覧になっていてください。
Main play
Scene00 奪われた可能性
GM :
都市の路地裏。
表の通りから聞こえる喧騒とネオンの輝きから離れたこの場所は、静寂と暗闇が毛細血管のように巡っている。
GM :
シン、と静まった路地は恐ろしく不気味で、暗闇からは名も知れぬ怪物が今にも飛び出してきそうだ。
GM :
だが、そんな静寂も長くは続かない。現にたった今、静寂を破る騒音が土煙と共に路地を駆け巡ったからだ。
ジャス :
「ぐっ、クソが……無暗に手を出すんじゃなかった……っ!」
GM :
腕を異形化させた少女の前に、ジャスとティティが膝をつく。
ジャスは得物の槍で身体を支えて悪態をつくが、深手の傷を負った身体では睨みつけることが精一杯だ。
ティティ :
「調子に、乗りやがって……」
GM :
ティティは顔を上げて、負け惜しみとばかりに少女を睨みつける……。
異なる隣人 :
「ケチな悪党如きがしゃしゃんな……よっ」
GM :
ティティの顔面に蹴りが飛ぶ。
GM :
彼の頭蓋は骨肉がひしゃげた気味の悪い音を立て、ぐらりと揺れた身体はあっけなく血の海に沈んだ。
ジャス :
「……ッこの、テメェ!!」
GM :
ジャスは短慮にも怒りのまま槍を振るうが、虚しく空を切る。
GM :
……その結果、ジャスが得たものは深々と自身の胸を貫く異形の爪だ。
異なる隣人 :
「手間ァ取らせんなって、ったく……」
GM :
少女は倒れた姉弟を踏み越えて、彼女達が守っていたものに近づく。
路地裏の角で惨めに身体を縮こませている、もう一人の少女の元へ。
少女 :
「フェイル、どうしてこんな……!」
異なる隣人 :
「愛想が尽きた。あとは────」
異なる隣人 :
「……いや、なんでもねぇ」
GM :
フェイルと呼ばれた少女は乱暴に襟首を掴み壁へ押しやると、怯える少女の手から何かを取り上げる。
GM :
それは手鏡のようだ。
GM :
手鏡は妖しい光を発すると同時に少女から『何か』を吸い上げていく。成す術なく呻くことしかできない少女の身体にはヒビが広がり、今にも砕けてしまいそうだ。
少女 :
「う、ぁぁ……」
異なる隣人 :
「恨むなよ。これも私の、いや、お前の……ッ!」
GM :
その時、闇から銀色の軌跡が伸びて異形化した腕を拘束する。
GM :
フェイルはそのまま地面に引き倒されるが、すぐさまそれを引き千切って軌跡の先を目で追った。
???? :
「────ここで何をしている、のかな?」
GM :
フェイルの視線の先には暗闇から男が姿を覗かせていた。
和装らしい袖から鎖を伸ばした男は傷ついた者達を一瞥すると、フェイルを見つめながら、少女に向けて声をかけた。
アベル :
「さあ、ここを離れてくれ。この暴れん坊には僕が灸を据えておくとしようじゃないか」
異なる隣人 :
「テメェ、なんだってここに……! けど、ヘヘッ……運が悪かったな。この力はもう私のもんだっ!」
少女 :
「……!!」
GM :
鎖と爪が衝突する。瞬きの間に火花と正体不明の光が交差し、両者は激しい攻防を繰り広げる……。
GM :
少女は朦朧とした意識とヒビ割れた身体を引き摺り、戦場を背に路地を離れる。名も知らない、男の言われるがままに。
GM :
……どのくらい離れただろうか。
戦闘の渦中から離れ、意識も記憶も曖昧なままひたすら歩き続けた身体は糸が切れたようにコンクリートの上に倒れこんだ。
少女 :
「ぅ、うっ……」
少女 :
少女の意識が徐々に閉じていく中、ふと自分を助けてくれた姉弟と男の姿が脳裏をよぎる。
少女 :
確か、あの人達は……
少女 :
────あの人達は、誰だったのだろうか?
GM :
シーンエンド
Scene01 迷い子の仮宿
マヤ :
1d10+50(1D10+50) > 6[6]+50 > 56
GM :
ククク、うまく働いているようだな…
GM :
砂漠の夜はよく冷える。悪党が集いし砂上都市サラーブであっても、それは例外ではない。
GM :
繁華街を道行く輩達は下卑た笑いで溢れる酒場へと、もしくは人肌を求めて扇情的なネオンが漏れる店へと足を踏み入れる。これはサラーブの夜での日常風景だ。
GM :
だが、あなたの目的は繁華街で夜を過ごすことでは無い。
あなたは"都市管理局局長"ことグリムギアから、あなた宛てに召集のメッセージが届いたのだ。謂わばこれは道すがら、繁華街からサラーブ中央に位置する「オルター・スクレイパー」に向かっている道中だ。
マヤ :
アイモニターに映るマップを確認する傭兵のような風貌の男。
首に触れるとカチッと軽い音を立てて画面は切れる…筈だったが、なかなか消えないマップに小さな溜息をつく
マヤ :
「 ……あ~、召集かけるなら迎えぐらい呼んで欲しーよな。」緩めのフードの中へ片腕を突っ込むと気温の感覚スイッチを切りながら怠そうに繁華街を歩く、アイモニターを軽く叩くとやや不安な電子音を立てて やっとマップは消えたようだ。
GM :
どうにも行かない自身の身体に試行錯誤していると、男が向かい側からあなたに手を振って近づいてくる。どうやらあなたとは顔見知りのようだ。
GM :
覚えているかは別として
男 :
「よ、マヤじゃねぇか。相変わらず調子悪そうだな。 え? 回路に砂でも詰まってるんじゃねぇか?」
マヤ :
「よ!こんな街じゃ不調のひとつふたつ日常だろ? …オーバーヒートしたら街ごと吹き飛ばしちまうかもな!」ケラケラと笑いながら
男 :
「ハハハ!笑えねぇジョークだ……ジョークだよな?」
男 :
「まあ、それはそれとして……どうだ、最近は? 俺ぁ"例の事件"のせいで傭兵需要が上がってな……」
GM :
例の事件、というのは巷を騒がせている硝子化事件のようだ
マヤ :
「あー…なんだっけ、…”ガラスがなんたら”ってヤツか?」実際はあまり記憶にないのだが丁度データに新しいワードだったようだ
男 :
「話が上がったのも最近だからうろ覚えなのもしょうがねぇか……」
男 :
「ま、最近物騒だからよ。いつも以上に気は張っておけよ?」
男 :
「おまえが硝子化しちまったら売れる部品も無くなっちまうからな!」
GM :
男はガハハ!と笑いながらマヤの肩を叩く
マヤ :
「繧ク繝」繝ウ繧… おっと、売る前に分解する知識もねぇだろっ。」なにやら機械音のような呟きが混じるが意に介せず笑うと軽く肩を叩き返す
男 :
「ちげぇねぇや。ま、精々スクラップにならねぇよにしろってこった」
男 :
「んじゃ、俺ぁ行くぜ。贔屓の可愛い子ちゃんが他のに取られちまうからな」 そうやって男はあなたから離れていく
マヤ :
「お前も気を付けろよ~…スクラップに…、あー 人間はスクラップって言わねぇのか…… ま!元気でやってくれや!」去っていく背中に軽口を叩きながら手をあげて
マヤ :
――暫く歩きながら マヤちゃん一晩いかが?と猫なで声で誘う美女を「ゴメンね~今日はオシゴト♪」と両手を合わせて断わりつつ繁華街を抜ける、
マヤ :
「…で、さっきのアイツ 誰だっけ?」
GM :
記憶にない見知らぬ男との会話を終え、あなたは歩みを進めていく。
GM :
……あなたの視界の端に、ふと気掛かりなものが映り込んだ。
それは煌びやかな繁華街とは似つかわしくない、襤褸切れと見間違えられそうな少女だ。
GM :
そんな少女が、弱弱しく倒れ込んでいる。
サラーブにおいては裏路地や路上で行き倒れる者は珍しくない。それらは酔っ払いか、もしくは死体などがほとんどだが……。
GM :
そんなことを知りつつも、あなたは意識は力なく倒れる少女に割かれた。少女の周りに僅かに散らばった硝子の破片があったのも気を引く原因だったのかもしれない。
マヤ :
目的地しか見えていなかったマヤの視界に、一瞬キラリと光る硝子の破片が映りこむ。普段だったら気にも留めない光景なのだがちょうど例の事件の話題が出たあとだ 踵を返して少女へ歩み寄って
マヤ :
「…死体?じゃねぇか、生きてそうだし…」事件の被害者の死体かと考えるが少し違った様子に悩んで
マヤ :
「ガキの扱い方は~…記録してねぇんだよなー…」若干めんどくさそうに呟くと、少女の服の襟を猫のように掴み、持ち上げて揺すってみる
少女 :
「うっ、うぅ……」
少女 :
「はっ……!?」
GM :
少女は動揺したように辺りを見回した後、ぎょっとした顔であなたを見つめる。
少女 :
「あ、ぁな、あなたはだれ……!? ここ、どこ……!?」 目を白黒させている
マヤ :
「おっと、お決まりのヤツ~…」掴み上げたまま独り言
マヤ :
「さぁ、どこだろうなココ…俺もすぐ道忘れちまうから。」うーんと首を傾げて謎の同調をする
少女 :
「ぇ、ま、迷子……?」 思わずジタバタさせていた手足を止める
マヤ :
「そ、俺ちゃん迷子!…んで、お嬢ちゃんも迷子。」でしょ?と空いている片手で指をさす
少女 :
「う、うん……そう、たぶん……」 自身がないのか、目を伏せて呟く
マヤ :
「オッケ~♪ じゃあ”迷子センター”にいきましょう~!」少女を地面に降ろすと明るい声で矢継ぎ早にそう告げる
マヤ :
「…それとも此処のこる?」寂しい路地裏から明るい大通りへ数歩下がりながら有無を言わさぬ様子で
少女 :
「まい…セン…?」
少女 :
「……ううん。一人はいや、かも……」 小さく首を横に振って
マヤ :
「…よし、いい子だ んじゃ…まず自己紹介。」力業で落ち着かせることに成功したのを見るとそのまま戻ってくる
マヤ :
「俺は”マヤ” マヤちゃんって呼んでいーよ。嬢ちゃん名前は?」
少女 :
「マヤ、ちゃん……えーっと、私は……」
少女 :
名を口に出そうとするが数秒ほど口を噤んでしまい、目を左右に泳がせた。
少女 :
「あれ、名前……私に、あったっけ……?」 空虚になった頭から、その言葉を一つ絞り出す
マヤ :
「ははーん…… 俺とオソロイってことね。」頷いてあっけらかんと返す
少女 :
「わかんない……」 過去のことも思い出せないようで、少女はすっかり意気消沈してしまった
マヤ :
子供の扱いはどうも苦手なようで、一緒に若干しょんぼりしてしまう
マヤ :
「…ま、これのなんかの縁だし 俺と違って思い出せるかもしれないから。まずはエラい人に頼るしかねぇな。」俺も本名じゃないし、と言いながら元の用事を思い出したように
マヤ :
「…てか、寒くねぇの?」目線を合わせるように隣へしゃがむとタンクトップ姿の彼女を指差して
少女 :
「えっと、ちょっと……ぶるぶるする……」
マヤ :
「じゃ、説明長いし着ていーよ これ着てりゃ絡まれないし。」自分の羽織っていた上着をぽいっと渡すと映写機のスイッチを入れる
マヤ :
「上映会とか久々~♪ ちゃんと映れよな…」等とぼやくと、若干映像は劣化しているが壁に先ほどの様子が映し出される
少女 :
「わっ……」 上からぶかぶかの上着を羽織って、そそっと映像に近づき覗く
マヤ :
「これ俺の視界 さっきお嬢ちゃんを此処で見つけて~、で…これが起こしてるとこな。」まず起こしてる状況を説明する
マヤ :
「…あ、これは要らないや」風俗街の映像はスキップする
少女 :
「?」 不思議そうな顔で映像を見つめるが……特に思い出せることはないようだ
マヤ :
「んで…今からこの建物の、このヒトの所に一緒にいきます。」 ジジジ…と映像に目的地とグリムギアが映し出される、この映像は先ほどより劣化しているがこれはマヤの記憶の薄さによるものだ ある程度の特徴は分かるだろう
少女 :
「う、うん……?」 要領を得ているのか得ていないのか、微妙な声で返事をする
マヤ :
「……嬢ちゃんの倒れてたとこ、硝子がいっぱい散らばってるだろ?」ちょいちょい、と先ほどまで少女が倒れていた場所を指差す
マヤ :
「最近ここらでは人間が硝子になる事件が起こってる、嬢ちゃんの記憶喪失と関係あるかもしれない。」調べたらさらっと思い出せるかもしれないしな、と付け足しながら
少女 :
「……そう、なんだ」 硝子化する事件について興味を持ったのか、はたまた記憶を取り戻す手がかりになるからか、少し声に張りが出る。
少女 :
「……うん。一緒に、いく。私が助けになるのなら……。」
少女 :
少女はそれが役割なら、と言った風に頷いてみせた。
マヤ :
マヤにとっても硝子化は一応、他人事ではない…とはいえ普通の人間たちとは違って『人類全てが一撃で砕けてしまうのなら射撃など面白くない』というのが専らの彼の懸念だ
マヤ :
…そんなことを思いながらぼんやりと映像を眺めていると少女の言葉に若干ポカンとした反応をしてしまう
マヤ :
「……マジでこの街の人間じゃないらしいな。」
少女 :
「……?」 あなたの考えなどいざ知らず。少女はことん、と首を傾けている。
マヤ :
「…ま、じゃあ~ 大体の理由は分かっただろ?」カチッと小気味の良い音を立てて映写機をオフにするとその場に立ち上がって彼女を見下ろす
マヤ :
「ここからじゃ10分ぐらいか…それ着てりゃ誘拐されねぇから暑くなっても脱ぐなよ?」マヤがフードにスプレーで描いたギアのマークは一応機能しているらしい、そう言いながら指を指す
少女 :
「ん、わかった……」 ぶかぶかの袖を振って応える
マヤ :
先行して大通りへ戻るが、その途中ボシュン!と軽い爆発音と共にアイカメラ(先ほど素直にスイッチが切れた映写機)から小さな煙があがる
マヤ :
「…あ~、クソッ!珍しくお利口ちゃんだなと思ったら…ッ!」軽く悪態をつきながらも足はとめず目的地へ
少女 :
突然、顔から煙の上がった様にびっくりするが、何が面白かったのか少女はクスクスと笑ってみせた。
GM :
あなた達……1人と1体はサラーブ中央へと向かう。
歩みを進めれば背の低い建物は徐々に背を伸ばし、あっという間にビル群が聳える摩天楼へと切り替わっていく。少女は興味津々といった様子で忙しなく頭を動かしながら、その光景を網膜に焼き付けていた。
GM :
その中でも、やはり少女の気を大きく引いたのはあなた達の正面に聳え、サラーブの天を衝く『オルタ・スクレイパー』だった。
GM :
それを見上げる少女の後頭部は身体ごと後ろに倒れてしまいそうなほど傾いていた。
少女 :
「うわぁ……」 目を丸くしてオルタ・スクレイパーを見上げている。
マヤ :
「相変わらずデケェなぁ~…」少女の後ろで一緒に見上げながら、こちらへズイズイと傾いてくる彼女を自然と支える形に
少女 :
「すごい、ね……。お空に届いちゃいそう……」 塔のてっぺんまで見ようと目を細くしている
少女 :
「よく、ここに来るの?」
マヤ :
「んー、どうだっけな…?時々?」もっと来てるかもしれないがきっと忘れている記憶も多い、そこそこに答える
少女 :
「そう、なんだ……。忘れちゃうくらい、たくさん来てるのかも、ね……」 空を見上げながら、そうポツリと呟く
???? :
「いやですねぇ、よく来てるじゃないですか」
GM :
突然、無人だったハズのあなた達の背後から透き通った声が響く。
GM :
振り向けばそこには紺碧のスーツを纏い、頭部を歯車に置き換えた存在────グリムギアが立っていた。
グリムギア :
「こんばんは、マヤ。まだ私を忘れてはいないだろう?」
GM :
コツコツと革靴の足音を響かせて、グリムギアはあなた達の傍に立つ。
マヤ :
「…… そ~~~ぉなんだよっ!アンタの顔見た数とココに来た数が合ってない!」特段驚いた様子もなく振り返ると、グリムギアをビシッと指差しながら
グリムギア :
「ハッハッハッ……ひとまず、今日は来てくれて感謝しますよ」
グリムギア :
「……それで、この子は? あなたに養子など居た覚えはありませんけども」 グリムギアは頭の歯車を傾けて、少女を(恐らく)覗き込んでいる
少女 :
「……?」 少女はマヤの背中に隠れて、覗き込むグリムギアの頭を白黒した目で見つめ返している
マヤ :
「あーそうだった。来る途中に拾ったんだよ、ちょっと俺とオトモダチみたいでさ…」自分の頭を軽く指差し、暗に”記憶喪失”ということを示す
マヤ :
「あと、アンタの興味ありそうなものが、……そうだ壊れてるんだった…」映写機をつかおうとするがビー!とエラー音が鳴ってしまう。
…ちょっとめんどくさそうに倒れていた場所の硝子について自分で話します!
グリムギア :
「────ふむ、重要参考人と言ったところでしょう。よくやってくれました」 少女を見つめながら頷く
グリムギア :
「ところで……この子の名前は?」
マヤ :
「…さぁ、本人も忘れてるし。」当たり前のように
少女 :
「……うん」 不安そうな表情を浮かべて、少女は顔を俯かせた。
グリムギア :
「ふーーむ。記憶喪失で、名も無いと……私があなたを拾った時と少し似ていますね?」
マヤ :
「そうだっけ?…まぁ、そうだろうな。」うっすら残る記憶を思い出しながら頷く
マヤ :
「…、同じ名前にでもする?」
グリムギア :
「どっちかわからなくなるじゃないですか……」
マヤ :
「それもそっか、んー…名前…、名前……」ほとんどない子供の頃からの記憶を無理やり手繰り寄せる
マヤ :
すると記録の隅っこで、靄が掛かったような優しい女性に話し掛けられる光景が浮かぶ
マヤ :
データの女性の声… ≪――また迷子になっちゃったの?研究所広いもんね…一緒に帰ろうね。≫
マヤ :
「迷子、…… Stray…?」
グリムギア :
「ストレイですか。呼び名としても良い響きですね」
少女 :
「スト、レイ……? それ、私の……?」
マヤ :
「そ、ストレイ! 俺が子供の頃よく呼ばれてた…って記録あったし…、この名前どうよ?」
少女 :
「……ストレイ、ストレイ……」 何度もその名を繰り返し呟く
少女 :
「……うん、ストレイ。良いと、思う……!」
ストレイ :
ストレイはうんうんと頷いて、その後も何回か自身の新たな名を呟いた。
グリムギア :
「名前は重要ですからね。個のアイデンティティそのものですから」
グリムギア :
「……さて、立ち話も何ですから続きは中で話しましょう」
GM :
グリムギアの頭が『ガコンッ』と重い音を響かせると、背後に《ディメンジョンゲート》が現れる
グリムギア :
「お先にどうぞ?」
マヤ :
「相変わらず便利だなソレ。んじゃまずはレディーファースト~…… って、流石に怖ぇか。」後ろに隠れているストレイを見て
ストレイ :
ストレイは相変わらずマヤの背に隠れて、裾を握っている。急に開いた《ディメンジョンゲート》に驚いているようだ
マヤ :
「…怖いってさ。」グリムギアを見て肩を竦める
マヤ :
「一緒に行けば怖くない、ってな」
目的地の前でこうしているわけにもいかないので、自分の後ろに隠れる少女を片腕でひょいと担ぎ上げるとゲートへ
グリムギア :
「こういうのは慣れですよ、慣れ。ささ、2名様ご案内~」
ストレイ :
「わ、わ……!?」 担ぎ上げられたストレイは抵抗できるわけもなく、ゲートへと運ばれていく……
GM :
ゲートをくぐるとオルタ・スクレイパーの高階層フロアに繋がっていた。フロアを照らす照明はグリムギアを象徴するように蒼く、落ち着いた雰囲気の中で幾人かの部下がゆったりとした手付きで事務仕事に準じていた。
グリムギア :
「やっぱり青は落ち着きますね」同じくゲートを抜けたグリムギアがコツコツと歩みを進める
ストレイ :
「さ、さっきまで外にいたのに……」 キョロキョロと頭を振り回して
マヤ :
「こんな青かったっけな…」見るたび記憶へ上書きされる鮮やかさに独り言
マヤ :
「な、便利だろ? ……待てよ、これで迎えに来てくれりゃよかったんじゃねぇの?」先程繁華街で呟いた言葉を改めて
グリムギア :
「私も忙しいもので、中々離れられないのですよ。さっきは偶然にも窓を見下ろしたらあなた達が見えたまでです」 肩を竦めてみせる
グリムギア :
「さてさて、ここからが本題ですが……」
グリムギア :
「マヤ、あなたには今まで単独で硝子化事件を調査して頂いておりましたが……これからチームを組んで調査に当たってもらいます」
グリムギア :
「メンバーも既にリストアップしておりますが……」 グリムギアが遠くにあるデスクの一つに手を伸ばすと、積み上がった紙片の束から1枚の紙が抜き出され、彼の手元に引き寄せられる。
グリムギア :
「どうぞ、今回はあなたを含めて5人を想定しております」 そういってあなたに紙を手渡す。
マヤ :
「へぇ…チームか、そりゃ初めてだな…」過去にチームを組んだ記憶はすっかり抜け落ちているようだ 紙を受け取って内容を確認しながら
GM :
手渡された紙には、以下のメンバーがリストアップされていた。
GM :
・マヤ
・ファルシオン
・日向雛
・メアリー=ブラッドルード
・推薦待ち
グリムギア :
「一番下はとある人に推薦を任せていましてね、直に連絡も届くでしょう」
マヤ :
「ふーん…、まぁ…極力忘れないようにするわ。」名前の一覧を見て、恐らく数時間後には忘れているだろう
グリムギア :
「その言葉も少し間を置いたら忘れていそうですがね」 ハハハ、と冗談めかして
グリムギア :
「ああ、そうだ。私、ちょっとした会議にお呼ばれして数日ほどサラーブを離れるので、そのつもりでお願いします」 さらっとそう告げる
マヤ :
「げ、マジかよ~…じゃあこの紙の内容データに焼いて欲しいんだけど。」内容をスキャンする用に、フードからメモリをいくつか取り出す
マヤ :
「チッ、忘れたら聞こうと思ってたんだけどな…」アテが外れたようだ
グリムギア :
「そういうと思って用意してますよ。この媒体でよろしかったですか?」 事前に用意したメモリを取り出して、マヤへと渡す
マヤ :
「サンキュ~、コレ最近なかなか見つからねぇんだ。」
メモリを渡されるとご機嫌に、そして渡されたひとつのメモリは《電子使い》のエフェクトにより手のひらで分解され消えてしまった。
マヤ :
「これで1日ぐらいもつだろ…」メモリの残りをフードの中へ仕舞いながら
グリムギア :
「あとはもう一つ、言うまでも無いかもしれませんが……」 ストレイを見つめて
ストレイ :
「?」
グリムギア :
「……その子の子守りもお願いしますよ。あなたに取っても、ストレイに取っても都市での生活は刺激になるはずです」
グリムギア :
「重要参考人であるから守れ、というのもありますけどね」
マヤ :
「…つまり作戦も6人ってコトじゃねぇか……」
マヤ :
「ま、いっか… 俺が顔忘れちまったら可哀想だしな。」そう言いながらストレイを見下ろして
グリムギア :
「いっそ新しい家族だと思って接してあげてください。境遇も似ていますし、妹みたいなものですよ」
マヤ :
「妹ね…」俺って昔妹いたのかな…等と考えながら呟く
マヤ :
「…あ、俺の代わりにこのヒトの話覚えててくれる?」良いことを思いついたように話しかける
ストレイ :
「えっ!? ぁ、う……うん……?」 作戦と、家族?と……と指を折って記憶しようとしている
マヤ :
「…嘘嘘。適当でいーよ、適当で」頑張ってる様子に笑って
マヤ :
「…んじゃ、ヨロシクな ”ストレイ”?」片手をグーにしてそっと差し出して見せる
ストレイ :
「……うん!」 差し出されたグーの意味を直感的に理解したようで、小さな握りこぶしをマヤの拳に優しく当てた
マヤ :
ストレイへのロイスを『P親近感/N忘却』に変更します!表に出ているのはPで!
GM :
おkおk!
Scene02 歌が響くは鏡面の隣人
GM :
登場PCはヴァニタスちゃん!登場侵蝕どうぞどうぞ
ヴァニタス :
1d10+55(1D10+55) > 4[4]+55 > 59
GM :
中くらい!(PCはデカイ)
それじゃ導入文から!
GM :
サラーブ上空。あなたは夜の砂漠を横断する一陣の風にのって空中を揺蕩っていた。
GM :
目を開けばサラーブの夜景が眼前に輝き、空の彼方には星一つとない闇が広がる。空を制し、上も下も関係のないあなたにとってはこの夜景こそが星なのかもしれない。
GM :
尤も、いつ砂塵と消えるかわからない蜃気楼とも言える星々であるのだが────。
ヴァニタス :
「――、―――♪」
上空を揺蕩う。好きな歌と共に、荷物を浮かせてサラーブを眺めている。
ヴァニタス :
今日もサラーブは悪都であることを確認し、満足げに象徴たるオルタ・スクレイパーを見やる。きっと偉い人達が、今日もこの街のやりくりをしているのだろうと思いを馳せている。
GM :
いつものサラーブ、いつもの喧騒。いつもと何一つ変わらないサラーブ……ある事件が起きていることを除いて、だが。
GM :
……その時、路地の一画から眩い光が上がる。それは銃のマズルフラッシュでも、あなたが知るエンジェルハィロウのオーヴァード達が発する光でもなかった。
ヴァニタス :
「――……?あら、何かしら…誰かが変なものでも作ったのかしら」
ゆるりと尾ひれをくゆらし、身を翻してのんびりとそちらへ向かう
GM :
あなたはほの暗く、陰気な路地へ降り立つ。この地点が光が上がったポイントだ。
GM :
そしてこの場に降り立って、あなたは初めて気づく。
GM :
身体を動かす度にジャリジャリと地面で何かが擦れる音。
僅かな光源に照らされて、地面には何かの破片が煌めいている。
GM :
更によく目を凝らせば、地面には細かな硝子の破片が散らばり……路地の先には精巧な胸像が転がっているのがわかるだろう。
GM :
……だが、それは硝子化の影響で砕け散った人間のなれ果てであることなど、あなたにとっては明白なことだ。
ヴァニタス :
「あぁ、最近の、ねぇ。何が起こってるのかしら…グリムギアなら知っているかも?」
浮いているパーツで散らばった破片をちゃりちゃりと触っている
GM :
破片を手慰みのように弄っていると、あなたは背後から声がかけられた。
???? :
「はぁ、はぁ……んだぁ? お前、どっから現れやがった?」
GM :
粗暴な態度を取る少女が夜闇から姿を現わす。手入れされずに毛羽だった頭髪と、誰かから奪ったせいかオーバーサイズのブカっとしたジャケット……そして怪我をしているのかぎこちない動きを見せる右腕。それだけなら、サラーブのどこにでもいるチンピラだろう。
GM :
────だが、その右手に妖しい輝きを放つ手鏡を手にしているのなら、話は別だ。
GM :
そして少女の背後に闇に紛れた何者かがいるのも、警戒すべき点だろう
ヴァニタス :
「どこから……空から来たの。いつも浮いてるのだけど…ご存じない?もしかしてサラーブには最近来たの?」
"異なる隣人"フェイル :
「空ぁ? 空なんて見上げる意味なんて無いから存じ上げねぇな」
ヴァニタス :
「意味だったら、オルタ・スクレイパーなんて綺麗よ?たまに見てみると良いかも」
他意は無さそうだ
"異なる隣人"フェイル :
「……あ? んだそれ、あのデッケェ塔のこと言ってんのか?」 彼女も他意はなく、首を傾げてみせる。この都市に馴染みがないようだ。
ヴァニタス :
「やっぱり新人さんなのねっ。ようこそ砂上都市サラーブへ、私が歓迎するわ?」
にこにこと、新しい来訪者を心より歓迎する。
"異なる隣人"フェイル :
「……見た事ねぇタイプだな。絡みづれぇ」 頭をボリボリと掻いて、渋い表情を浮かべる
??? :
「……おい、コイツは殺さないのか?」
あなた達の会話を遮るように、背後にいた一人が声を発する。
"異なる隣人"フェイル :
「私が狙ってるやつらじゃあねぇが……おい、お前」
めんどくさそうにヴァニタスを見つめて
"異なる隣人"フェイル :
「私達がこれ以上の殺し……あー、硝子化事件とか言ったか? そいつを続けるなら、あんたはどうする?」
ヴァニタス :
「人を殺す分には別に構わないけど…あまり大規模になったら困るわ~?私はこの街を愛しているから」
頬に手を当て、困ったように首をかしげる
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、そりゃあ好都合だ。愛だか何だか知らねぇが、好き勝手にやらせて……」
GM :
その時、会話を遮るようにヴァニタスの通信端末に着信が入る。
ヴァニタス :
誰だか確認してみよう
GM :
確認してみれば「ファルシオン」からの着信だとわかる。
ヴァニタス :
『はーい、もしもしっ』
特に渋る理由も無いのですぐ出よう
ファルシオン :
「おっ、もしもしヴァニちゃ~ん? うちうち、ファルシオンやけど」 飄々とした声があなたの耳に届く
"異なる隣人"フェイル :
「…………」 なにしてんだこいつら、と呆れと警戒を交えて様子見している
ヴァニタス :
『ファルシオン!なぁに?こんな夜に何かあったの?』
随分なついている様だ。楽し気に通話をしている
ファルシオン :
「いやなぁ、聞いてくれや! 最近騒ぎになっとるやん、アレ、なんて言うたかな~……あの、硝子になるやつ?」
ファルシオン :
「アレをな、解決するためにチームが組まれるぅ~って達しが来たんよ」
ファルシオン :
「それだけならええねん、勝手にやっとけば。けどな~……」
ファルシオン :
「うちがメンバーとして勝手にリストアップされとってな!? いやうちも参加するんかーい! ってなっとんねん、今!」
ファルシオン :
「も~そんなオモロない事したないし……酷いと思わん?」
ヴァニタス :
「都市の発展とはなんにも関係ないのにねーっ」
ファルシオン :
「なー! ほんまメンドーなんやけど~……」
ファルシオン :
「……けどまあ、歯車頭の考えっぽいし何や考えはあるっぽいねん」
ファルシオン :
「うちが出たくない~言うた手前アレやけどぉ、ヴァニちゃん……代わりに受けてくれたりせん?」
ヴァニタス :
「え~、どうしよっかな~。私もパトロールで忙しいしな~~」
くすくすと、悪戯っぽく笑って
ファルシオン :
「ヴァニちゃんのいけず~! なんか好きなもの買うたるから、な? 今頼れんのヴァニちゃんぐらいしかおらんねん~!」 通信越しでも手を合わせている光景が目に浮かびそうな声だ
ヴァニタス :
「本当!?じゃぁ受けるわっ。約束ね?そしたら改めて何をするか、教えてちょうだい?」
小さくガッツポーズをしてから、質問を飛ばす。
最終目標を含んだ具体的な指令が欲しいようだ。
ファルシオン :
「さっすが話がわかる~!」
ファルシオン :
「書類にな~、色々書いてあった気がすんねんけど~……(ガサガサ)」
ファルシオン :
「まあ、犯人っぽいやつ殺せばええんとちゃう? 書類見つけたらあとでデータで送るわ~」 通話中の書類探しを諦め、適当なことを伝える
ヴァニタス :
「わかった、件の事件の犯人を殺せば良いのね?」
簡単ッ!
ファルシオン :
「そ! なんや手強いかもしれんけど気を付けてな? 知らない人に声かけられても着いていったらあかんで?」
ヴァニタス :
「はーい、街から出ないから大丈夫!それじゃあそれくらい?」
ファルシオン :
「ま~そんなもんやな! 頼りにしとるで、"SAndAmAIdeN"ッ!」
ヴァニタス :
「それじゃぁね~、と」
通信を切り、まだ目の前に件の人物がいることを確認する。
"異なる隣人"フェイル :
「……もう行ってもいいか?」 少女の目は警戒の色に染まり、いつでも行動を起こせる体勢にある
ヴァニタス :
「ん~ん、そういうわけにもいかなくってね」
にこやかな笑顔は変わらない。ただ、纏う雰囲気が変わったことは容易にわかる。
ヴァニタス :
「何がどうなるかはわからないけど、きっとサラーブの為になると思うから…」
弦を弾く音がする。何処からともなく、異様な形状をした弦楽器のようなものが浮遊して現れる。
"異なる隣人"フェイル :
「ケッ、だろうと思ったぜ……」 戦闘の体制を取ろうとするが、疲弊しているせいで覇気が感じられない。
"異なる隣人"フェイル :
「……相手をしてやりてぇところだが、生憎と体力を消耗する訳にはいかねぇんだ。だから……」
"異なる隣人"フェイル :
「こいつで────勘弁してやる!」
GM :
……少女が素早くあなたへ鏡を向ける。すると鏡面からカメラのフラッシュを思わせる閃光が迸り、あなたの身体は奇妙な感覚を覚え、何かに引きずり込まれる。
"異なる隣人"フェイル :
「一つ教えといてやる! 私はフェイル、"異なる隣人"フェイルだ!」
GM :
完全に引き込まれる直前、そんな少女の声が聞こえた気がした……。
GM :
足のある者ならこう例えるだろう。
地が足から離れ、天と地がぐるりと反転するような感覚。地に足着かぬあなたには、いきなり空へ放り投げられた感覚……と言った方が正しいだろう。
GM :
そしてあなたの視界に飛び込んでくるのは、まるで都市のすべてが鏡面で、見渡す限りの空間が歪曲と屈折を繰り返す極めて異様な光景が広がっていた。
万華鏡に馴染みがあるのなら、その中に飛び込んだのかと錯覚してしまうはずだ。
ヴァニタス :
「こ、こは…何…?」
見たことのない情景に困惑を隠しえない
GM :
……一瞬にして広がった光景が、急速に収束を開始する。
地平線に吸い込まれる様な感覚があなたを包み、再び目を開けば先程の薄暗い闇の広がる路地へ戻っていた。
GM :
そこにはフェイルと名乗った少女の姿も、背後にいた2人もいない。静寂と硝子が広がる路地がただあるのみだ。
ヴァニタス :
「な、何ぃ…?何だったのぉ…?」
不思議そうにきょろきょろと周囲を見渡すが、何も見つかるはずもなく。
ヴァニタス :
「ターゲットもいなくなっちゃったし……どうしようかなぁ……」
もう夜も遅いしなぁ、と通信機器を呆然と見つめる。
GM :
────通信機器も沈黙を貫く。ついさっき話していたファルシオンの声が名残惜しく感じるかもしれない。
GM :
ひとまず、あなたは硝子化事件についての詳細が送られてくるまでの間……再びサラーブの空へと泳ぎ戻っていくのであった。
GM :
では"異なる隣人"ことフェイルへの感情を教えてくだされ!
ヴァニタス :
執着/✓脅威で!
GM :
ありがと! なんとかしてぶっ飛ばしてやりましょう
Scene03 匹夫と救恤者
GM :
PC3のひなちゃん!登場侵蝕どうぞ!
日向雛 :
1d10+39(1D10+39) > 2[2]+39 > 41
GM :
低燃費だねぇ、例に漏れず導入から!まずはジャスティティと出会う回想です
日向雛 :
はーい
GM :
現在からおよそ数ヵ月前。
普段は霧が立ち込めるはずのない路地にて、戦闘が行われていた。
ジャス :
「ぜぇ、はあ……くそ、おいっ!いい加減にしろよクソ爺が!」
ティティ :
「クッ、大きな声を出すなバカ姉貴……! ゲホッ、霧を吸い込んじまうだろうが!」
GM :
ぜえぜえと呼吸を繰り返す姉弟ことジャスとティティ。その2人を下卑た笑みを浮かべて見下す男がいた。
襲撃者 :
「ふぅむ、最初はここまでかと思ったけんどよ……」
GM :
彼が煙管を吹かすと霧が一層と濃くなる。どうやらソラリスのエフェクトで作られた霧が姉弟の身体を蝕んでいるようだ。
GM :
十全な実力を発揮しきれない2人の攻撃はのらりくらりと躱され、ただ体力だけを消費してしまっている。
襲撃者 :
「こんのフィリップ・モリス様の敵ではにゃーてこった! カハハハ!」
翻訳機を通しても訛りのキツイ男はケタケタと嗤う。
ジャス :
「なーにがフィリップ・モリスだ! 英国かぶれの田舎野郎!」
ティティ :
「色んなところから借金してる癖にエラそうに……! テメェの借金のカタは命で払ってもらう、ぜ……ッ」
GM :
せめての虚勢を張るティティだがついに膝をつく。毒のせいで意識は朦朧として真っ直ぐ立つことすらままならない……。
GM :
霧を払うように槍を振るうジャスも動きが鈍く、ついにはすれ違い様に煙管を頭に叩き込まれて姿勢を崩した。
ジャス :
「いってぇ……!」
襲撃者 :
「ハ!ハ!ハ! なぁんとも情けにゃー姿だ、もうまともに動けんだろ? ん?」
襲撃者 :
「まあ心配せんでもええ、俺は紳士だで。命まで取るヒデェことはしねぇ、ほんとだぞ?」
GM :
男はジロリと2人を品定めするような視線を向ける。
そしておもむろに懐へ手を伸ばすと、鈍い光を放つナイフが握られていた。
襲撃者 :
「……たーだちょっこし内臓をもらってくだけだで。借金の足しにさせてもらうでよ、安心せぇ痛みはにゃーて、バッチリした麻痺毒が効いとるでな」
ジャス :
「ざ、けんな……!」
ティティ :
「ぁ、姉貴……っ」
GM :
男はジャスを地面に押し倒し、刃先を胸部へ突き立てようと試みた……。
GM :
────その時である。
日向雛 :
低く、大気が震える音が響く。
日向雛 :
同時に男の手に軽い衝撃が走り、ナイフが宙に弾かれゆく。
日向雛 :
反射的に、男はナイフを目で追う。そして、目撃するだろう。
日向雛 :
鋭いナイフが、バラバラに細かく切断される瞬間を。
襲撃者 :
「うおっ!? な、なんだあっ!?」 分解されゆくナイフから咄嗟に手を離し、周囲を索敵する
ジャス :
「ナ、ナイフが……!?」
日向雛 :
男が周囲を見回すと、霧の向こうに立つ人影に気付く。
日向雛 :
人影は霧をかき分け、ゆっくりとそちらへと近づいていき、やがてその姿を現した。
日向雛 :
「……あ」
日向雛 :
「こ、こんにちは……!」
日向雛 :
どこかの学園の制服を着た、金髪緑目の少女は……
日向雛 :
その場に似つかわしくない、気の抜けそうな笑顔と声で三人に挨拶した。
襲撃者 :
「お、女ぁ? 今ぁ良いとこだで、邪魔せんといてくれんか?」
ティティ :
「お、おまえ……こんなとこで何を、して……っ」
ジャス :
「お、おいデカ女っ! 呑気に挨拶してる場合か……!?」 ゲホゲホと深く咳き込む
日向雛 :
「でも、挨拶は大事ですし……」 ジャスとティティに困ったように笑いかけつつ
日向雛 :
「あの、初めまして、わたしは日向雛といいます」
日向雛 :
「ごめんなさい、お邪魔なのは分かっているんですけれど、少しだけあなたとお話がしたいんです。あまり時間はおかけしないので……」 男に近づく
襲撃者 :
「……おう、それ以上おれにゃ近づくんでねぇぞ」 あなたを警戒してか、煙管を咥える
襲撃者 :
「この都市でなぁ、礼儀正しいやつにゃ出くわしたら気を付けることにしてんだ。だいたい変人か、気が狂ってるやつばかりだで」
日向雛 :
「……えっ、そうなんですか?」 立ち止まる
襲撃者 :
「へっ、俺の経験則じゃ。お前らも経験あんじゃろ?」 ジャスとティティに視線を落として
ティティ :
「否定は、できねぇ……」 だがこの状況から救い出してくるのではないか? と心のどこかで思っているのも確かのようだ
日向雛 :
「はぁ……そうなんですね……」 噂通り大変な街だな、と
日向雛 :
「まあ、わたしのことはともかく」
日向雛 :
「実はさっきの皆さんの会話が、偶然聞こえてしまって……」
日向雛 :
「いくらお金が必要でも、流石に勝手に他人の臓器を取っちゃうのは可哀想かな、って……。オーヴァードでも、修復が効くかわからない部位ですし」
日向雛 :
「その方達、どうか見逃してあげてはもらえませんか?」 困ったように小さく笑いながらお願いする
襲撃者 :
「……ほーん、確かにオメェさんの言葉に一理ある。それに俺ぁ紳士だで」 煙管は咥えたまま、そう言う
襲撃者 :
「そん代わりよ、女。オメェがその分の金を立て替えてくれるっつーんならよ、コイツラは見逃してやってもええ」
襲撃者 :
「どうじゃ、払えるんか?」下卑た笑みを浮かべて、煙を吹かす
日向雛 :
「分かりました。えっと……ちょっと待ってくださいね」 スカートのポケットからがま口の財布を取り出して
日向雛 :
「……あ!お金ならありますよ!」 ぱぁっと顔を明るくする
襲撃者 :
「ほう、いくらじゃ?」
日向雛 :
「なんと、150円もあります!!」 日本円の硬貨を出して、手のひらに置いて見せる
襲撃者 :
「…………」
ジャス :
「……ティティ、見た事ねぇコインだけどこれ足りそうか?」
ティティ :
「明らかに足りねぇだろバカ姉貴……」半ば諦めたような表情を浮かべる
ジャス :
「足りねぇらしいぞォー!! おーい!!」
日向雛 :
「ですよね……!」 えへ、と笑って
日向雛 :
「いやでも、今日はこれで勘弁してもらえるかな~……なんて……」
襲撃者 :
「……おめぇさん、もしかしなくても舐めとるな?」 男は青筋を浮かべて、殺意を滲ませる
日向雛 :
「あっ、いえ、その……そういうわけじゃ……ごめんなさい……」 殺意を感じ、一歩後退りして
襲撃者 :
「……ええこと思いついたぞ。こいつと、そいつ……そんでオメェ」 煙管でジャスとティティ、最後にあなたを指す
襲撃者 :
「3人分の臓器を売っ払えばええ! 最初っからこうすりゃ良かったん……じゃ!」 大きく息を吹くと、路地の霧は一層と濃くなる
ジャス :
「っ、ケホッケホッ……!?」 霧の毒性が強まり、オーヴァードの肉体を蝕む…
日向雛 :
「っ!!」
日向雛 :
雛の体が霧に覆われる。
日向雛 :
だが、その瞬間……まるで“落ちる”ようにして、彼女の姿が消えた。
日向雛 :
「先に手を出したのは、そっちですからね」 直後、男の足下から声が聞こえる
襲撃者 :
「な、なんじゃ────!?」
日向雛 :
《闇夜の烏》。日向雛は建物の影を伝って、男の影の中に入り込んでいた。
日向雛 :
男が声に驚く間に、影から這い出てその背後に回り込む。
日向雛 :
雛が男を睨むと、彼のその背中に黒い影が走った。
日向雛 :
影はまるでマーカーを引くようにして、真っ黒な線を浮かばせる。
日向雛 :
「そんなに臓器がほしいなら……」
日向雛 :
位置は男の背中側、脇腹付近……。
日向雛 :
「ご自分のものを売ってください!!」
日向雛 :
雛が影の線を指で素早くなぞる。
日向雛 :
指先から発する真空の刃が切り取り線を走り、男の肉を一瞬で切り裂いた。
日向雛 :
男は激痛を感じながら、傷口から血飛沫を上げて飛び出すものを目にするだろう。
日向雛 :
それは握り拳程の大きさで、ソラマメに似た形をした臓器……腎臓だった。
襲撃者 :
「な、ガァァ……ッ!?」 傷口を抑え、零れる腎臓を戻そうとするが容易に戻るワケはない
襲撃者 :
「ぐ、ぐそ……っ。ツイとらん……わ……」 男の顔は徐々に青ざめ、そのまま吸い込まれるようにしてコンクリートの地面に倒れ込んだ
ジャス :
「うおぉ……今の、どうやって……」 目をパチクリさせてあなたを見つめている
ティティ :
「……助かった、のか? さっきの金の下りはともかく……」
日向雛 :
「えっと……」 心配そうに倒れた男を見下ろすが、いや先にそっちかと姉弟の方に向き直って
日向雛 :
「あの……大丈夫ですか?今、治しますね」 二人に駆け寄る
ティティ :
「あ、ああ。助かる……」
ジャス :
「……いや、待て!」
日向雛 :
「え!?」 ストップ
ジャス :
「……タダで助けるなんてムシの良いことがあるワケがねぇ。デカ女、何が望みだ?」 この都市で培われた疑心暗鬼が、あなたへと向けられる
日向雛 :
「何が望み……と、言われると……」
日向雛 :
「別に……特には……?」 首を傾げる
ジャス :
「何も、だぁ? はん、そんなワケないね! 大方、このあと私達をどっかに連れて行って碌でもねぇことしようって腹だろ!」 警戒心を露わにして立ち上がる
ティティ :
「ま、まぁ落ち着けよ姉貴……。警戒する気持ちもわかるが……」 姉を宥めようとする彼だが、あなたへ向ける視線は警戒心が宿っている
日向雛 :
「うーん、そうですね……。確かに、そう思われてもおかしくなかったのかも……」 と、警戒されながら
日向雛 :
勝手にジャスとティティの前で祈るように指を組み、目を閉じる。
日向雛 :
《アスクレピオスの杖》を使用。体内のレネゲイドに呼びかけて、治癒能力を向上させる。
日向雛 :
二人は警戒した体勢のまま、毒で麻痺した体が一気に楽になっていくのを感じるだろう。
日向雛 :
ジャスはさっき頭部を殴打された痛みも引いていくことが分かる。
ジャス :
「……!」
ティティ :
「こいつは……すごいな、あんたの力か?」 怪我をしていた箇所を眺めて
日向雛 :
「はいっ。そんな大したものでもないですけどね」
日向雛 :
「あの……さっきの答えなんですけれど」
日向雛 :
「別にどこに連れて行くつもりもありません。そもそもわたし、この街に来たばっかりですし、右も左もわからないし……」
日向雛 :
「助けたのは、ただ見過ごせなかったってだけで……。わたしはヒーローでもなんでもないし、要するにただの自己満足なんです」 死なないように襲撃者の男にも一応祈り、エフェクトを使って回復しておく
日向雛 :
「それじゃ、行きますね。警戒させてしまってごめんなさいっ」
ティティ :
「あ、ああ……。自己満足、か……」 今時そんな人間がいるものなのか?と雛を見送る
ジャス :
「……」
ジャス :
「……いいか、恩なんて感じてねぇ! 私は騙されねぇからな!」
日向雛 :
「え?あ、はい!」 驚きながら振り向いて
日向雛 :
「……あ?」
日向雛 :
振り向き際、突然雛の体がぐらつく。そして、どてん!と大きな体が石畳の上に倒れた。
ティティ :
「うおっ、おいおい……」
ジャス :
「……あの女、アホなんじゃないか?」 手を貸すことなく、腕を組んで
ティティ :
「姉貴に言われたくはねぇだろうよ……」
日向雛 :
「……………」 倒れた状態のまま、お腹からグゴゴゴゴゴゴ~……と地響きのような音が鳴リ出す
日向雛 :
「お、おなか……すいた……」
ティティ :
「……姉貴、俺どうにもアイツが怪しいヤツには思えねぇんだけど」
ジャス :
「…………ったく! おい、デカ女!」
日向雛 :
「は、はい……」 二人にお尻向けながら小声で返事
ジャス :
「どっかでメシを奢ってやる! それでさっきの貸しはチャラだ!」 ふんっ、と鼻を鳴らして
日向雛 :
「え……」 メシと聞いてハッと目を見開き
日向雛 :
「ほ、ほんとですか……?やった~……!ありがとうございます……!」 わぁいと倒れたまま喜ぶ
ジャス :
「助けられっぱなしってのも性に合わないからな……」
ジャス :
「てかいつまで寝てんだ! さっきの強さの面影もねぇ!」
ティティ :
「まあまあ、おい。肩でも貸すか?」
日向雛 :
「ご、ごめんなさぁい……おねがいします……」
ジャス :
「まったく、あんだけ実力があんのに行き倒れるとかどうなってんだ……」
GM :
GM :
それからしばらくして……
GM :
サラーブ郊外を夕日が照らす。日中の刺すような日差しも落ち着き、幾分か過ごしやすい時間帯だ。
GM :
あなたが診療所として構えた廃ビルの一室にも、橙色の光が差して落ち着いた雰囲気を演出させている。
日向雛 :
「はぁ……」 窓際のベッドに腰掛けて、差し込む夕日の光に目を細める
日向雛 :
「今日も手がかりなし、か……。やっぱり全然見つからないなぁ……」
日向雛 :
「これ以上動き回るのは、ちょっと(空腹的に)しんどいし……。今日はもう休もうかしら……」
日向雛 :
そんな独り言を呟きながら、目を閉じる。そのまま、うとうとと眠気に身を任せ始めた……。
GM :
そうしていると、ドアの外から聞き慣れた2人分の足音が響く。どうやら今日も"あの2人"がやってきたようだ。
ジャス :
「ひーなーっ!遊びにきったぞー!」
ティティ :
「よっす、相変わらずうるさくてすまねぇな」
日向雛 :
「わぁっ!?」 膨らみそうだった鼻提灯がぱちんと割れるような勢いで覚醒し、ビクッと肩を震わせる
日向雛 :
「あ……ジャスさん、ティティさん……いらっしゃい……」
GM :
ジャスが元気よく扉を開け放ち、ティティがその後に続いてやってくる。この姉弟とはあの後も何度か出会う機会があり、なんやかんやで良好な関係を築けていた。
GM :
そしてその腕には日用品や食料品が大量に入った紙袋が抱えられていた。
ジャス :
「おう、ここに置いとくぞ!」 紙袋を台の上において、診療室を我が物顔で寛ぎ始める
ティティ :
「まったく……最近の調子はどうだ、ひな? 色々とやってるみてぇだけど」
日向雛 :
「わあ~!いつもありがとうございます!」 笑顔でお礼を言いながら立ち上がり、紙袋を確認して
日向雛 :
「うーん……特に変わらず、ですね……。もうただの時々診察してお散歩してる人になっちゃってます」 ティティに困ったように笑いかける
ジャス :
「変わらずって感じか。ま、ひならしくて良いんじゃねぇか?」
ジャス :
「私達も"いつもの仕事"の帰りだしな~」
GM :
……彼女の言う仕事とは、初対面の頃に行っていた荒々しい取り立てなどのことだろう。その証拠にジャスとティティの身体の至る所に掠り傷や打撲痕が確認できる。
日向雛 :
「それは……。うん、それもそうですね……」 変わらずの日常。UGNにいた頃、最も大切にするように教えられていたことだ
日向雛 :
「お二人もいつも、お疲れ様です。あの、その傷よければ治しましょうか?」
日向雛 :
「差し入れのお礼にってことでっ」
ティティ :
「ん、ありがとよ。いつも助かってるぜ」
ジャス :
「おう! いつもの頼む!」
日向雛 :
「はーいっ」
日向雛 :
いつも通りに指を組んで祈りを捧げ、回復エフェクトを使用する。大した傷ではないので簡単に怪我は治った。
日向雛 :
「おしまいです。痛みませんか?」
ティティ :
「……(肩を回して)。問題なさそうだ」
ジャス :
「スッキリだ! いやぁ、普通のとこじゃ治療にめっちゃ金取られるからな~……」
ジャス :
「あ、ひなのこと都合の良いヤツって思ってるわけじゃねぇぞ!」
日向雛 :
「ふふっ、そんなの分かってますよ~。でも確かにこの街、治療費が高いところが多いですもんね」
日向雛 :
「うちで良ければ、いつでも来てください」
ティティ :
「今後とも贔屓にさせてもらうぜ。 俺達もよく助けてもらってるからな」
ジャス :
「治療費なぁ……あーあ、私もひなくらい強かったらもう少し稼ぎが良いんだろうけどなぁ」
ティティ :
「……ああ、装備を整えるにも金が必要だ。この街じゃそこそこのヤツが強くなるには金がいるんだよな……」
GM :
二人は切実そうに溜息をつく。
日向雛 :
「まあまあ……。自分じゃあまり分からないだけで、実は少しずつ強くなっているかもしれませんよ?」
ジャス :
「そうかな……そうかも……」
ティティ :
「そんな変わってねぇよ、俺達は。 いつも同じ様なクズ共とどんぐりの背比べしてるんだ」
日向雛 :
「そうですかね……?場数を踏んでいってるんですから、進歩はあるものだと思うんですけど……」
日向雛 :
「わたしにも、何かお手伝いできればいいんですけどね……」
ティティ :
「ひなの手を煩わせるワケにはいかねぇよ。そっちはそっちで何かやってんだろ?」
日向雛 :
「はい……探しものを……」
ジャス :
「ふぅん。なぁなぁ、それって何だ? 覚えてたらついでに探すからさ」
日向雛 :
「え、えーっと……」 そういえばちゃんと言ったことはなかったな、と思い出して
日向雛 :
「あの……こういう石、なんですけれど……」
日向雛 :
そう言って袖を捲り、右手の甲に埋め込まれた十字型の石を見せる。
ジャス :
「おお? なんだそれ、流行りのオシャレなのか?」 マジマジと見つめて
ティティ :
「────────」ティティは目を丸くしてその石を見つめている
日向雛 :
「ふふっ、違いますよ~。これは賢者の石っていうものなんです。ご存知ありませんか?」
ジャス :
「あ~~~、アレか。聞いた事あるぜ、うん……ティティがなんか言ってた気がする」
ティティ :
「相変わらずのバカ姉貴が……はぁ、まさかひなが適合者とはな……」
日向雛 :
「ごめんなさい、隠していたつもりじゃないんですけれど……あまり言う機会がなくて……」
ティティ :
「いや、謝ることじゃねぇ。別に大っぴらに言う必要もねぇからな」
ティティ :
「それより納得がいった。そりゃひなが強い訳だ……」
ジャス :
「お~、つまり……この石が強くしてくれる、って事か?」
日向雛 :
「か、簡単に言うと……そうですね」 簡単に言い過ぎ
ティティ :
「わりぃな、姉貴のアホに合わせてくれて」
ジャス :
「アホってなんだ! それにそんなバカじゃねぇって!」
日向雛 :
「ふふっ……いえいえ」 微笑ましそうにしてる。ジャスちゃんがアホなことは否定してない
ジャス :
「うぐぐ……あ、ひな! そういやティティのこと、もっかい診てやってくれよ!」
ティティ :
「あ? どこも悪くはねぇぞ」 姉を訝しんで
ジャス :
「いやいや、お前さ……」 弟の肩をぽんぽんと叩いて
ジャス :
「ひなに"お熱"じゃねぇーか! ハッハッハッ!!」
ティティ :
「は、は~~~~っ!!?」
ティティ :
「このクソバカ! じゃあ姉貴も頭の方を診てもらったらどうだ!?」
ティティ :
「てか姉貴も姉貴でここに来る前日は『ひなは~、ひなが~』っつってんじゃねぇか! 耳にタコができるんだよ! バ~~~~カ!!!」
ジャス :
「あぁっ!? バカバカうるせぇよこのアホ弟!!」
GM :
姉弟はお互いの胸倉や髪の毛を引っ張り合って口汚く罵り合っている……
日向雛 :
「…………」 熱があると聞いて少し心配になったが、二人の様子をぽかーんと眺めて
日向雛 :
「ふふっ……!二人とも、ほんとに仲良しですね……!」 心配無用だったことに気づき、口元を両手で隠しながら楽しそうに笑う
GM :
「「仲良くねぇよ!!」」 二人を息を揃えて、あなたに返すのだった
GM :
GM :
そして現在。
GM :
診療所の窓から眺める砂漠の空は珍しくどんよりと暗い雲が太陽が覆っていた。風も吹いているようで、窓の揺れる音と砂の擦れる音が絶え間なく耳につく。
GM :
……なんとも憂鬱な気分を誘う天気だ。
こんな日でも、あの姉弟がいればこの気分も晴れるのだろうが……彼らはここ数日ほど姿を見せていない。
日向雛 :
「…………」 窓の外を眺めて
日向雛 :
「二人とも、今日も……来ないな……」
日向雛 :
「待っていれば、来るんじゃないかと思ったんだけど……」 大きな背をしょんぼりと丸めて
日向雛 :
「……風、強いけど……やっぱり捜しに行こうかしら……」
日向雛 :
うん、そうしよう。と、外に出る身支度を始めていく。
GM :
……扉の外から足音が響く。しかし、それは1人分の足音だ。
GM :
扉の前で足音が止まると"コンコン"と丁寧なノックが響いた。
日向雛 :
「……!は、はい!どうぞ!」 玄関の方に向かう
GM :
玄関には身形の整えたスーツ姿の男が立っていた。
GM :
数多の患者を診ているあなたは一目で気づくだろう。
この人物はこの辺りの貧民でも、治療を必要とする人物ではないことを。
日向雛 :
「え、えっと……いらっしゃいませ……?」 この辺では初めて見るタイプの人だわ、と目を丸くする
男 :
「……あなたがヒナタヒヨコで間違いありませんか?」
男 :
口を開いた男はあなたを値踏みするように頭からつま先から眺める。
日向雛 :
「は、はい……!そうです、日向雛です……!」 身支度途中だったので、服は着てるもののスリッパが片方脱げてたりなんかだらしない格好
男 :
「……なるほど」 男は懐に手を伸ばす。
男 :
……引き出したその手には封筒が握られ、男はあなたにそれ差し出した。
日向雛 :
「……これは?」 とりあえず受け取る
男 :
「私は管理局の者です。最近サラーブを騒がせている硝子化事件はご存知で?」
日向雛 :
「管理局の……!」 その格好にも納得し
日向雛 :
「はい……それは知っています。奇妙な現象ですよね……」
男 :
「はい、その何とも奇妙な事件の解決にチームが編成されました。あなたはその一員となって頂きたい。メンバーや報酬に関しては封筒内の書類に目を通して頂ければ……」
日向雛 :
「わたしが……!?それは、まあ……」 封筒から書類を出して目を通す
GM :
書類には現時点でのメンバーと活動拠点となるオルタ・スクレイパーのオフィス。そして報酬に関しての詳細な文章が数枚に渡って綴られていた。
日向雛 :
「なるほど……」
日向雛 :
「あの……少し質問をいいでしょうか?」
男 :
「私に答えられる範囲であれば」
日向雛 :
「ありがとうございます。あの……」
日向雛 :
「最近、わたしの友人がいなくなってしまって……。もしかして、この硝子化事件に巻き込まれてる可能性って……」
男 :
「突然の失踪や行方不明はサラーブでは常ですが……比較的最近、というなら巻き込まれている可能性は十分考えられるかと」
日向雛 :
「最近です、比較的!そうですよね、かも……しれませんよね……」 不安そうに考えて
日向雛 :
「……分かりました。わたしでよければ、お手伝いさせてもらいます」
日向雛 :
「事件のことは前から気になっていましたし、友人のことも……心配なので……」 書類を纏めて、男の目を見る
男 :
「快い返事に感謝を。事件に関することなら調査の範疇でしょうし、メンバーの顔合わせ後に個人的に調べてもらっても構わない……」
男 :
「と、局長なら言うでしょうね」
日向雛 :
「ありがとうございます!確か、あの……頭が歯車の……?」
男 :
「ええ、歯車の。個性的な見た目ですが……悪い人ではありませんよ」
男 :
「尤も、私達から見ればという評価ですが」
日向雛 :
「あはは……ヴィランですもんね……」 どう言えばいいものかと笑って誤魔化す
日向雛 :
「とりあえず、さっそく向かいます!ちょうど出ようとしていたところだったので……!」
男 :
「ええ、よろしくお願いします。私はこれから行くところがあるので、お先に失礼しますよ」
日向雛 :
「はい、お疲れ様です。お気をつけてっ」 笑顔で手を小さく振って送り出す
日向雛 :
「……よーし」 改めて、身支度を整えて
日向雛 :
「待ってて!ジャスさん、ティティさん……!」
日向雛 :
「わたしが絶対、見つけてみせるから……!!」
日向雛 :
強く意気込んで、玄関の扉を開けて外へと踏み出す。
日向雛 :
「ぶわぁ~!!??風つよい!!!!」
日向雛 :
砂嵐の対策なんて全くしてないため、吹きつける砂粒に悲鳴を上げながら走り出した……。
日向雛 :
ジャス&ティティのロイス感情を友情/◯不安に変更します!すごく心配です、友達なので
Scene04 舞い込んだチャンスは血と黄金の香り
メアリー :
1d10+35(1D10+35) > 2[2]+35 > 37
GM :
ていねんぴっぴ、では導入から!
GM :
こちらも同じくサラーブ郊外。小さなオフィスに視点は映る。
GM :
ここは『如何なる依頼も確実に達成する』と評判される萬屋GOLD DUST。
その名は郊外に留まらず、中心部に住むヴィランの耳にも届いているようで日々さまざまな顔がこのオフィスを訪れている。
GM :
つい先日にも管理局から硝子化事件の解決チーム結成のオファーも届いた。あなたの実力が知れ渡っている証拠だろう。
メアリー :
「ついに管理局から依頼が来るまでに……フフ、順調そのものね……」
メアリー :
「このまま流れに乗れば、いずれは“小指”の座に就くコトも夢じゃない……勝負どころよメア……」
メアリー :
そう笑うメアの右手には、純白のショートケーキ。
メアリー :
サラーブにはどこか似つかわしくないソレは、富裕層御用達の都心の店から取り寄せた高級品。
メアリー :
高級なプレートと高級なスプーンを用意して、上品にチマチマと少しずつ口に運ぶべき逸品だ。
メアリー :
だが、メアは最貧困層の出身。
メアリー :
テーブルマナーなんてクソ喰らえとばかりに、ケーキを包むアルミの下敷きを手に持つと……、
メアリー :
そのまま手掴みで豪快に齧りついた。
メアリー :
事業が軌道に乗って、メアは金を手に入れた。ケーキだって買える。が、品性は買えないのだ。
メアリー :
「ん~……請けていた他の依頼は片付けられたし、コレを堪能して一息ついたらグリムギアのオファーに返事を~……」
GM :
"コン、コン…"と弱弱しいノックが扉から聞こえる。どうやら萬屋の手を借りたがっている者が訪れたようだ。
メアリー :
「……この大事な時期に、また依頼?人気がありすぎるのも少し考えものね?」手元のショートケーキを急いで口に押しこんで片付け
メアリー :
「────コホン、はいどうぞ?」ハンカチで口元を拭ってから入室を促す
GM :
許しを得た訪問者は、ゆっくりと扉を開く。
アベル :
そこには凛とした立ち姿で和装に身を包んだ男性が佇んでいた。
アベル :
「やあ、ここがGOLD DUSTで合っているかな?」
メアリー :
「ええ、ようこそ"萬屋 GOLD DUST"へ」
メアリー :
「私はここの主、メアリー=ブラッドルードよ」
メアリー :
「(ふむ、和服……ニッポンの伝統衣装だったかしら……)」
メアリー :
「(少なくとも、郊外に住む貧民の身なりではない)」入ってきた瞬間、客人の値踏みをはじめる。
メアリー :
「わざわざ治安の悪い郊外まで、御足労痛み入るわ」
メアリー :
「どういった依頼でも確実に解決してくれる何でも屋があるらしい────そうした噂を聞きつけて、ここまで?」
アベル :
「メアリーくん、噂の方は兼ねて聞いているよ。随分な実力者だってね」
アベル :
「キミの手が借りられるなら、ここまで足を運んだ甲斐があるというものだ」鈴の音が鳴るような声で、男はそうあなたへ語り掛けた。
メアリー :
「フフ、その期待に応えてあげたいのは山々だけれど」高級“感”の漂うハイブランド“風”の応接用ソファに腰掛け
メアリー :
「実際に私の手を貸せる問題かどうか、まず詳しい話を伺うわ?」依頼人には向かいの席に座るよう促す
アベル :
「無条件に受けていては身が持たないだろうね、いいよ。依頼を……あ~……」
アベル :
「自己紹介、していなかったね?」
アベル :
「僕はアベル。大層な名前をしているけどただの日系人さ」 よろしく、と微笑む
メアリー :
「アベル、アベルね、よろしく」
メアリー :
「(名前に興味はなかったけど……アベル、少し引っかかる名前ね……)」
アベル :
「?」 その場に佇んで首を傾げている
メアリー :
「……いえ、改めて依頼の話に戻りましょ」
メアリー :
「あなたは一体、この私に何をしてほしいのかしら?」
アベル :
「ああ、依頼というのは奪われたものを取り返して欲しい……と、いうものなんだ」
アベル :
「硝子化事件。キミも聞いた事が……いや、知っているだろう?」
メアリー :
「……ええ、あらましくらいは」
アベル :
「うん、その硝子化事件の犯人に……僕が研究していたものを盗まれてしまったんだ」
アベル :
「こう、これ位の手鏡でね……」 目の前に幅を作ってみせる。表情的な大きさだ。
メアリー :
「研究していた手鏡……」
メアリー :
「その話の流れからすると、普通の手鏡じゃないみたいね?盗まれたことが硝子化事件にも直接関係しているのかしら?」
アベル :
「そうだね。直接的……アレを増々力強くさせてしまったみたいでね……」
アベル :
……彼は自身の胸元を指すと固く巻かれた包帯を覗かせており、黒く変色した血を滲ませていた。
メアリー :
「(なるほど……直接、犯人と対峙して、敵わなかったからウチに依頼しに来た感じね……)」
メアリー :
「その怪我は大丈夫?痛むようなら腕の良い医者を紹介するけれど?」親切なポーズをしておく
アベル :
「キミは親切だね。でも心配には及ばないよ、少し歩きづらいだけさ」ニコリと微笑んで
メアリー :
「それなら良いのだけれど……」どうでも
メアリー :
「まあ、ひとまず依頼内容に話を戻しましょう。さっき言っていた"アレ"というのは犯人のことかしら?犯行グループについて、何か知っている情報があれば教えてちょうだい?」
アベル :
「ああ、そういうことさ。でもアレは……彼女は、僕が相対した時は単独犯だったと思うんだ」
アベル :
「容姿については知っているかい?」
メアリー :
「ええ、いかにも育ちが悪そうで凶悪な面構えをした女よね?」
アベル :
「うん、女……女の子かな? そこはどうでも良いかな」
アベル :
「その子はキュマイラのオーヴァードでね、並のヴィランが1対1で戦うには厳しいぐらいには強敵さ。調子に乗って挑めば……この通り、ね?」
メアリー :
「なるほど、でも敵わないと分かってすぐウチを頼ったのは良い判断よ」
メアリー :
「ドンパチが専門、とまでは言わないけれど、このサラーブで便利屋稼業をやっている以上、ウチも"揉め事"の解決実績は豊富だし」
アベル :
「なんとも頼りがいがある! 流石、この都市で生き残っていることだけあるね」
メアリー :
「(……ん~、ウチに来てくれたのは良いんだけど、なんだか胡散くさいのよねえ、この男)」
メアリー :
「(それでも、まがりなりにも硝子化事件と繋がりのある人物)」
メアリー :
「(ココで有力な情報を得られたら、管理局が用意した他のメンバーを出し抜いて、私ひとりで硝子化事件を解決する糸口にも……)」
メアリー :
「(もしそうなれば、この私の名声は管理局まで轟き! 他のヴィラン共に渡されるハズだった報酬も、この私の手に!)」
メアリー :
「(……ふふ、ツイてるわね、私)」そんなことを考えながら表情には出さず
メアリー :
「人相と実力以外に、犯人の情報はないの?どういう組織の人間とかくらいは?」質問を続ける
アベル :
「うーん、そうだね……。組織の人間、というか……」 言って良いものか迷っている
メアリー :
「……というか、何?」首を傾げる
アベル :
「情けない話。僕の下にいた子なんだよね、アレ」
メアリー :
「は……? なんですって……?」
アベル :
「うん、簡単にいうと裏切られちゃってね……研究物まで持ち逃げされて……」 トホホ、という文字が顔に浮かんでいる
メアリー :
「裏切りね……サラーブにおいて珍しい話ではないけれど……」
メアリー :
「(この男も犯人も、研究者ってガラには見えないわよね……)」
メアリー :
「そうねえ、裏切られた理由に心当たりは?」
アベル :
「心当たりか……う~ん……」
アベル :
「……構えている拠点の環境が、あまり良くないせいかな?」 なんとか一つひねり出した考えを口にする
メアリー :
「……労働環境? そのくらいのコトで研究成果を横取りするもの?」
アベル :
「どうだろうね……。もしくは……あの子は粗暴だったから、力を求めて横取りしたのかも」
メアリー :
「力、ね」
メアリー :
「そういえばさっきも『犯人が"鏡"で力を得たせいで返り討ちにあった』みたいなコト言ってたわね」
メアリー :
「その"鏡"って、一体どういう代物なの?」
アベル :
「あの鏡について一言で説明するのは難しいな。それでも強いていうのなら……」
アベル :
「あれはEXレネゲイドに感染したアイテムでね、ウロボロスの力を用いて色々とできるんだ」 少しぼかしたような言い方で、そう話す
メアリー :
「なるほど?ウロボロスの力で色々ね?」
メアリー :
「(……何も教えてないようなモンじゃない)」
アベル :
「……あーごめんね。キミに誠実ではなかったかもしれない。どうも人付き合いが苦手で……」
アベル :
「とりあえず、付け加えるなら"対象のレネゲイドを吸収したり、逆に付与する"ことができるんだ。もちろん、これも一部機能に過ぎないけどね」
メアリー :
「吸収と付与ね、犯人が使ってきた時の参考になりそうだわ、教えてくれてありがとう」
メアリー :
「(この話が本当だとすれば『エフェクトの貸与』が出来る、ってことかしら……ビジネスの予感がするわね……)」
メアリー :
「(依然、この男が探している"鏡"とやらの価値が本当はどれほどなのか、ボカされてはいるけど……そうねえ、少し試しましょうか……)」
メアリー :
「ええ、依頼内容は分かったわ、次に報酬の話に移りましょうか」
アベル :
「ああ、そうだね。それも肝心だ」 改めて姿勢を正す
メアリー :
「依頼の達成難易度がハッキリしないから、報酬は多めに見積もって……」テーブルの隅にあった電卓を手に取り
メアリー :
「────このくらいになるけど?」金額を弾き出す
メアリー :
そうしてメアが提示した額は、都市での遺失物捜索依頼の相場の40倍を軽く超えていた。
メアリー :
並のEXレネゲイドであれば、ブラックマーケットで新しく買った方が安くなるだろう。
メアリー :
……だが決して、都市を訪れる富んだ人々なら払えない額ではない。
メアリー :
「(コレは値踏み。この男は、この大金を払えるのか)」
メアリー :
「(そして、この大金を払うほどの価値が"鏡"にあるのか、見極める)」
アベル :
「…………」アベルは目を丸くして提示された額を見つめる
アベル :
「えっ、こんなもので良いのかい?」 あっけらかんとした顔をあなたへ向けて
メアリー :
「…………!?」
アベル :
「腕利きだから結構な額になるかな~って不安だったけど、案外お手頃価格なんだね。ちょっと安心したよ」 何の含みもない、ただ純粋な感想が彼の口から飛び出す。少し金銭感覚がズレているのかもしれない
メアリー :
「そう……、へえ……、ふ~~ん……」
メアリー :
「ええ、良かったわ……この額を支払えるなら、手を貸してあげられそう……」
メアリー :
「(な、何なのコイツ……!? ニッポン人は財布が緩くて平和ボケしている、とは聞いていたけど、想像以上なんだけど……!?)」
アベル :
「ここってキャッシュのみかい? それとも電子対応?」 あなたの心中を察することなく、淡々と続ける
メアリー :
「完全成功報酬制で現金一括払いよ」
メアリー :
「……電子はブラックドッグ能力に弱いし」
アベル :
「そうか、アナログな受け渡しの方が盗まれるリスクを減らせるね」 なるほどと頷いて
アベル :
「……あっ、そうだ。これは出来たらで良いんだけど」
アベル :
「事件の犯人を捕まえられたら、僕に引き渡してくれないかい?」
メアリー :
「身柄の引き渡し? それはいいけれどどうして?」
アベル :
「確かに彼女には裏切られたけど……これでも思い入れはあってね、ちゃんと話もしておきたいし」
アベル :
「あ、追加の依頼なら報酬も上乗せしないとかな? どれくらい必要かい?」
メアリー :
「(吹っ掛けたいけど……! 吹っ掛けたいけど……!! あんまり吹っ掛けると不自然すぎて評判が……!!!!)」
メアリー :
「え~……、そうねえ……、生きたままでの受け渡しだったら……、さっきの約1.5倍の値段になるかしら……」
アベル :
「1.8倍くらいは行ってもいいんじゃない?」
メアリー :
「(そっちから吹っかけるコトある!?!?)」
メアリー :
「……いえ、別にお金がほしくて、この仕事をしている訳じゃないから」大嘘
メアリー :
「1.5倍で、良いわ」万が一にも評判を崩さないための苦渋の決断
アベル :
「懐に優しい事務所だね、ありがとう」 屈託のない笑顔を浮かべて、あなたの提案を受け入れる
メアリー :
「……どういたしまして」
メアリー :
「それなら話もまとまったところで、契約に移りましょうか」
アベル :
「もちろんだとも、是非ともよろしく頼むよ」
メアリー :
「では契約内容を整理するわよ」
メアリー :
「依頼内容は"鏡の回収"と"犯人の身柄の引き渡し"」
メアリー :
「成功報酬はさっき提示した通りの額を一括で、と」
メアリー :
「この契約でよければ、この書類に署名と"血判"を」契約書を取り出し、青いボールペンと共に差し出す。
メアリー :
……血判を求めたのは、メアが慎重だからだ。
犯罪都市サラーブでは、偽名が横行している。また≪文書偽造≫を扱うニンベン師も存在する。
署名だけでは、本人確認が取れないことが珍しくないのだ。
メアリー :
故に、指紋鑑定とDNA鑑定によって『何処の誰から受けた依頼か』がハッキリする血判での契約は重要。そうメアは考えている。
メアリー :
…………また、相手が成功報酬の支払をすっぽかした場合。
《鋭敏感覚》や《かぐわしき鮮血》といったエフェクトを使えば、
相手をどこまでも追いかける事ができる"魔法の道標"に様変わり。取り立てに大いに役立つ。イイコトづくめだ。
アベル :
「血判か、僕も初めてだよ。どれどれ……」
アベル :
契約書の隅から隅まで目を走らせ、裏面まで確認した数十秒後にアベルはペンを取り署名し、血判を押した。
アベル :
「……よし、と。これでいいかな?」
メアリー :
「────ええ、契約成立」契約書を手に取り、頷く
メアリー :
「後は報酬を用意して、大船に乗ったつもりで待っているだけでいいわ」
メアリー :
「ウチは依頼達成率100%、失敗は絶対にありえないから」
アベル :
「期待しているよ。何かわかったら連絡してもらっても構わないからね」 ついでに、と連絡先の書かれた紙を渡す
メアリー :
「分かったわ」必要がなければ連絡はしないだろう。面倒だし。
アベル :
「……よし、話もまとまったし、僕はそろそろお暇させてもらうよ」 ゆっくりと立ち上がって、出口まで歩みを進める。怪我をしているせいかややぎこちない。
アベル :
「……あ、もう一ついいかな。これは個人的なお願いなんだけど」
アベル :
「僕とフェイル……犯人と相対した時、近くに倒れていた二人組と女の子がいたんだ」
アベル :
「女の子はその場から逃げ出したし、大丈夫だと思うんだけど……2人組がかなりの重症でね……」
アベル :
「僕が視認した時は僅かに息があった……と思う。もし無事であったなら保護なりしてあげて欲しい」
アベル :
「……僕が守れたなら良かったんだけどね、このザマを見れば出来なかったのがわかるだろう?」
メアリー :
「守れたなら、ねえ? その状況は理解するけど、随分とヴィランらしくないことを言うのねあなた?」
アベル :
「うん? ああ、別に正しいことをしたいから。ってワケじゃないよ?」
アベル :
「彼らには生き残って欲しいんだ。生き残れば明日がある、明日がある者は強くなれるからね」
アベル :
「生き残った者が強い。キミもそうは思わないかい?」
メアリー :
「……そうかもね」
メアリー :
「けど、依頼でもないのにタダで結構なお願いをしていくのね?それなら交換条件があるわ?」
アベル :
「ん、どうぞ?」
メアリー :
「今度から、このあたりをブラつく時は護衛を雇って」
メアリー :
「これ以上、余計なケガを増やしたくはないでしょう?」男の胸元に巻かれた包帯を見ながら言う
アベル :
「あ~、それは言えてるね。こんな格好で高説を垂れても説得力はないよね、ははは……」
アベル :
「死んだら死んだで仕方ないけどね。ちゃんと身は守っておくことにするよ」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「(別に心配して言っている訳じゃないわよ……! 勝手に死なれたら、この依頼までパーになりかねないじゃない……!!)」
メアリー :
「(やるだけやった後に、死んでるから報酬を払えないなんてコトになったら最悪よ……!!)」
メアリー :
「(死ぬんならキッチリ金を払った後に死んで頂戴)」
メアリー :
「────今日のところは、サービスで送ってあげる」
アベル :
「え、良いのかい? 本当にサービス精神旺盛だな、次があったらまた頼もうかな?」
メアリー :
「その時はご贔屓に」金払いは良いし上客ではあるかと思いながら
メアリー :
「さあ新人くん、大事な大事な任務よ? 私の代理で送ってきてもらえる?」奥の方で資料整理をしていた新人調査員に声をかける
メアリー :
「(念のために住所の確認もしておきたかったし、まあ丁度いいわね)」
新人くん :
「ちっ、余計な親切ッスね、ボス」
従順さはなく、ボスという言葉の響きには嫌味を感じる
メアリー :
「……余計な親切なんてないわ、いつも言っているでしょう?」
メアリー :
「悪行も親切も、全ては巡って自分に帰ってくるものだって」
新人くん :
「ぷっ、この街には似つかわしくないセリフッスね」
苦いものを食べたような顔をする
新人くん :
「まあ、そんなボスのとこにいるオレも人の事は言えないッスかね。」
メアリー :
「分かったなら、親切に依頼人を家まで送り届けてきなさい」
新人くん :
「あ、のんびり帰ってくるんで。残業代はちゃんと付けてくださいよボス〜。」
そう言いながら、傘立てに乱雑に刺されたブロードソードを一本引き抜く。
メアリー :
「……悪行には報いがあるって話したばかりよね? 具体的にはあなたの財布に報いがあるわよ?」
新人くん :
「えっ!? 善行するからオレの財布には残業代が入るって話じゃないんスか!?」
メアリー :
「依頼人の送迎は別に残業でもなんでもないし、わざわざ仕事をサボるためにのんびり帰ってくるのは悪行でしかないでしょうが……!!」
メアリー :
「(このガキ、いっぺんシメて身の程を分からせてやった方がいいかしら……!! 社員教育ってやつ……!!)」
新人くん :
「お〜こわっ! ボスがカンカンになる前に退散しますかねっと!」
器用に尻でドアを開けると、アベルへ手を差し伸べる
新人くん :
「あ! 夕食代は経費にしとくんで! ヨロ!!」
メアリー :
「(クソガキ……!!)」
メアリー :
「えー、コホン……」にっこりとアベルに向き直る
メアリー :
「見苦しいところを見せたわね、こんなだけど実力は確かよ」
メアリー :
「そこらのゴロツキヴィランに遅れは取らないはず。少なくともあなたが逃げる時間くらいは問題なく稼げるでしょう」
新人くん :
「うーわ、捨てゴマ〜。死ぬ前に拾いにきてくださいよ〜?」
メアリー :
「…………」返事は無い。助けに行かないだろう。
アベル :
「ハハハ、元気な子だね。大丈夫さ、近くの民泊までだからね」 新人くんの手を取って
アベル :
「よし、じゃあ行こうか。新人くん、コーヒーは好きかい?」
新人くん :
「お、マジ? コーヒー好きッス! ドーナツも好きだなぁ、ショートケーキも好きだし!」
新人くん :
「ケーキ、オレの分無かったんスよねえ〜」
だからいいよね?という目線をメアリーに送る
アベル :
「いいね、前に行きつけだったコーヒーショップがあるんだ。そこで軽食でも取って行こうか」
アベル :
「潰れていなければ良いけどね」 店主の突然死や巻き込まれで店舗が破壊されることはままあるサラーブ事情
新人くん :
「そんときゃケーキ屋があるッスよ!」
新人くん :
「いやー、これが返ってくる善行かあ〜ナハハ!」
調子付いたまま、剣を担いで事務所の扉を抜ける
メアリー :
「…………はあ」溜息をつきながらソファに腰を落とす
メアリー :
「部下に裏切られたってアベルの話、いよいよ他人事じゃないわね」
メアリー :
「もう先にこっちから切ってやろうかしら、あんなやつ」
メアリー :
「…………はああああ」もう一度、深い溜息をつくと、本棚の隅で砂埃を被っていた聖書を取り出す。
メアリー :
「アベル、アベルね」手慣れた様子で開きながら呟く
メアリー :
「アダムとイヴが生んだ兄弟の片割れ」
メアリー :
「仔羊を捧げたことで、兄を差しおいて"神サマの寵愛"を受けた羊飼い」
メアリー :
「(羊飼いか……)」
メアリー :
「(あの高額の報酬をポンと出せるようには見えなかったけど、まさかその金額に相当する羊が報酬とか言いだしたり……)」事務所中がモコモコの羊に埋め尽くされる様子をイメージしている
メアリー :
「(いやいや、んなバカな……)」頭を振って、脳内から羊達を追い出す
メアリー :
「そもそも"羊飼い"ってガラにも見えなかったわよね」
メアリー :
「エデンの東、つまりは極東のニッポンに追放されたのなら、むしろ兄のカインの方が相応しいと思うんだけど……まあ、偽名だろうし、そこまで深く考えていないか……」
メアリー :
「鏡……硝子化事件……聖書の人物を騙る依頼人……」
メアリー :
「まあ、なんにせよ、胡散臭い話ね」
メアリー :
「アベルの名が出る聖書自体、世界で一番の詐欺」
メアリー :
「この世界には、天使どころかペテンシばかりで」
メアリー :
「あの依頼人も、どこまで信用できるものかしら」
メアリー :
分厚い聖書を閉じ、その表紙に吐き捨てるようにメアは言った。
GM :
ロイスの感情変更のみ可能!
メアリー :
"アベル"に尽力/猜疑心で!猜疑心が表です!!
GM :
怪しまれてる…なんでだろ…お金いっぱい払うのに…
GM :
それではシーンを閉じます!
Scene05 推薦者は死の行進と共に
イクサ :
1d10+48(1D10+48) > 1[1]+48 > 49
GM :
ある夜のこと。
あなたの拠点こと、フロアを丸ごと貸し切った高級ホテルの一室で羽を休めていた。
GM :
兵器開発、民間軍事会社、IXAコーポレーションの若き女社長……そしてセルリーダーでもあるあなたの仕事は多忙であるためか。もしくはプライベートの時間を過ごすためか……。
GM :
とにかく、オアシスとも呼べるこの場所は穏やかな雰囲気を漂わせていた。
イクサ :
普段着というには豪奢すぎる服をまとったまま、部屋の外に備え付けの屋外プールへ出る。
イクサ :
サラーブでバルコニーにプールがある、というのは他の場所とはワケが違う。
イクサ :
常に吹き付ける砂塵から、砂漠の容赦のない暑さと寒さから、阻まれることのない太陽と照り返しによる紫外線から、あらゆるレネゲイド能力からのプライバシー侵害から、直接侵入を試みる不届き者から。
障害全てに何かしらの対策を行い、滞在者を保護する無理難題をクリアしているということなのだから。
イクサ :
おまけに、潤沢に使われている水にすらレネゲイドが含まれていないとなれば……
維持するだけでも、滞在するだけでも恐ろしい金額を費やしているだろう。
イクサ :
イクサはそれを気にする素振りも見せず、プールサイドのチェアベッドへ腰掛ける。
イクサ :
ルームサービスから受け取ったカクテルを優雅に傾け……
絢爛なるサラーブの夜景を背景に押し込んで、中空に投影させた映像を観る。
イクサ :
──遥か遠く、日本のテレビの番組。
少年ヒーローが相棒の機械巨人と共にヴィランへ立ち向かっていく時のクリップだった。
イクサ :
しばらく映像を眺めていると、イクサは昂った声を上げる。
イクサ :
「ああ……。ユウ、ユウ! ティー! 本当に素晴らしい私の"子供達"!」
イクサ :
「待っていて! お母さんが迎えに行ける、その日まで………。」
イクサ :
なんと身勝手な言葉だろうか。
彼らに過酷な運命を背負わせたのも、一度は満足いかないとして日本に置き去りにしたのも、すぐに迎えに行けないのも。
全てはイクサ……"子供達"を支配する魔女王自身が原因だというのに。
彼女の罪を咎める者はここには居ない。
イクサ :
けれど、運命の神すら魔女王の所業に眉を顰めたのか。
イクサの"お愉しみ"を邪魔する通知音がひとつ。
GM :
そんな熱狂的なあなたの通信端末から着信音が鳴る。
その内容を確認すれば、馴染みのある人物からのメッセージであることに気づくだろう。
エトワール :
「近況について話し合いたいことがある。頼み事もあるからこの場所で落ち合おう」
GM :
エトワール・ウェイストルム。彼女は"親指"と呼ばれる都市の一角を担う存在であり、あなたの良きお得意様だ。
GM :
そんな彼女のメッセージがこのホテル近辺にあるバーを指している。恐らくあなたと話したいこととは硝子化事件のあれこれだろう。
エス :
「 ママ ウェイストルムさんから メールだよ 」
無機質で透き通った音声が告げる。
イクサ :
「あら……。エトワールちゃんから? それならお出かけにしようかしら。……エス、場所を教えてくれる?」
エス :
「 うん 」
イクサ :
ろくに口もつけていないカクテルを惜しむ素振りも見せず、外出着に袖を通して、ホテルのロビーでホテルマンたちから見送られる。
アール(四脚戦車) :
「……………」
ホテルの脇で蹲っていた鉄の怪物が、こごぎっ、と起き上がってイクサの後ろに付き従っていく。
GM :
あなたは指定されたバーへ到着する。クラシックな外見であるものの、サラーブでは珍しく隅々まで清掃が行き届いている。
GM :
店内はほぼ満席ではあるが、サラーブの酒場では日常的な罵詈雑言などの類いは一切聞こえてこない事からも治安の良さが伺える。棚に並ぶボトルも大衆向けから高級志向の酒類までしっかり備えられているのも酒を好むヴィランにとってはオアシス足りえるのだろう。
GM :
……もしくは、この店に"相応しくない"ヴィランは相応の末路を辿ることを知る者が多いのかもしれない。
GM :
この酒場は、"親指"の庇護下にあるから。
GM :
そんな店の奥で、バーカウンターに近い角の席から一人の女性が手を振っていた。作り物を疑う美貌と金糸で編まれたような髪を揺らして、あなたを待ちわびている。
エトワール :
「イクサ、こっちだ」
イクサ :
こつ、こつ。
ヒールを品よく鳴らしてエトワールへ歩み寄る。
イクサ :
「こんばんは、ご機嫌よう。ウェイストルムさん。」
エトワール :
「道中で危険はなかったかな。遣いを出したかったんだが、手の空いている部下がいなくてね」
イクサ :
「そうねぇ……夜は寒くて、物騒な方も多くて……少し怖かったけれど。」
「"子供達"が着いてきてくれているから。大丈夫だったわ。」
アール、すなわち戦車は店の近くの空き地で待機している。
だが、彼女を守る"子供達"は彼だけではない。
エトワール :
「……ああ、キミには頼りになる"子供達"がいたね。なんとも親孝行者だ」
エトワール :
「さて、何か飲むかい? 喉を潤してからの方が喋りやすいだろう?」
イクサ :
「あら。嬉しいお言葉。それなら……マンハッタンをお願いしようかしら。」
エトワール :
「遠慮せずに飲むといい、今夜は私の奢りだからね」 エトワールはウェイターを捕まえて注文を伝え、ほどなくしてあなたの注文した飲み物が届けられた。
エトワール :
「……まあ、私はジュースだけど。アルコールには弱いんだ」 微笑を浮かべて、オレンジジュースを一口
イクサ :
「まあ。かわいらしい所もあるのね。」
ふふ、と手を口に添えて笑う
エトワール :
「アルコール臭さがどうにも、ね。飲んだくれに良い思い入れがないのも理由の一つかな?」
エトワール :
「……さて、そろそろ本題に入ろうか。イクサを呼んだ理由についてね」
エトワール :
「硝子化事件……。キミの耳にはもちろん届いているね?」
イクサ :
「ええ、もちろん。不思議よねぇ、モルフェウスの結晶化とは違うみたいだし……。」
サラーブの大抵の住人はそうだが、殺人そのものにさして特別は覚えない。
エトワール :
「モルフェウスの性質とはまた違うようだ。その辺りも目下調査中なんだけどね……」
エトワール :
「それに、不思議なことに被害者には特定のパターンがあるんだ」
エトワール :
「昔、別の組織に属してた者が狙われているようでね。私の方で引き入れた何人かも被害を受けたよ」 どこの組織に属していたのかまだわからないけど、と付け足す
イクサ :
「そうなの……。ウェイストルムさんの部下も被害に受けられたと……心中お察しします。」
エトワール :
「末端も末端なのだけれどね、それはそれとして私達に喧嘩を売っているのは間違いない……」
イクサ :
「それで、私を呼んだのかしら? 猟犬に新しい武器を買ってあげるのね?」
エトワール :
「ああ、武器は十分なんだ。今回の注文は……」
エトワール :
「イクサ、キミだ。キミの手を直接借りたい」
イクサ :
「あら……あらあら。それは、まあ……。」
イクサ :
「嬉しいわ、エトワールさん。そんな風に頼って貰えるだなんて。」
イクサ :
「あなたは、私に何をさせたいのかしら?」
エトワール :
「話が早いね。実は管理局で事件解決の為に独自のチームを編成したんだ」
エトワール :
「凡そのメンバーは揃っているみたいだけど、もう1人枠があってね……所謂、推薦枠というヤツさ」
エトワール :
「だから私から管理局へ、イクサを推薦したいと思っているんだ」
エトワール :
「どうだい? 報酬も私と管理局の両方から出る。悪い話ではないはずだよ」
イクサ :
「目標は、硝子化の犯人の始末? それとも引き渡し?」
エトワール :
「管理局は生死を問うていない。事件が収束すれば良いと考えているみたいだ」
エトワール :
「ただ……」
エトワール :
「"私からは"生け捕りを願いたい。確保した後の身柄をこちらに引き渡してくれれば良いよ」
イクサ :
「(ざーんねん)」
謎の力を持つ犯人は欲しかったが、エトワールに踏み込めるチャンスと天秤にかける。
もちろん、逡巡を気取らせることはない。
イクサ :
「えぇ。分かったわ。引き受けましょう。」
エトワール :
「本当かい? ああ、よかった。私の人脈でキミほど強烈な人は中々いないからね、管理局も頼もしいはずさ」
イクサ :
「うふふ。ではお勘定しましょうか。」
バーの料金ではない。
イクサ :
イクサは0が1つだけ表示されたタブレットを差し出す。
イクサ :
「エス、依頼料の計算をお願いしていい?」
姿のない誰かへ、声をかける。
エス :
「 はい ママ 」
抑揚のない、少女の音声が応答する。
イクサの"子供達"の1体、S.age/対話型総合支援システム。
万能の電脳化秘書が母の意を汲み取り、計算を始める。
イクサ :
イクサが料金について1つ挙げる事に、計算がなされ、エトワールの眼前にあるタブレットの数字が膨れ上がる。
イクサ :
「こんなところかしら?」
エトワールの前にあるタブレットには、数多の0が並ぶ。
払えない額でなく、払う必要のない額でもない。
だが、決済のサインを平常心で行うにはほんの少しばかり、気力が必要な額であった。
エトワール :
「……絶妙なラインだね。でも依頼したのは私だ、ちゃんと払わせてもらうよ」 少しだけ眉を顰めさせ、軽く息を吐いてからその決心を口にする
イクサ :
イクサが、そっとエトワールの肩と利き手に自らのそれぞれの手を重ねて、己が強いたはずの決意を阻む。
イクサ :
「ねえ、エトワールちゃん。」
イクサ :
「ビジネスとして、本当は良くないことなのだけれど……」
イクサ :
そう言って、タブレットの上で指を動かす。
0が1つずつ弾き出され、画面から消えていく。
イクサ :
「私は、あなたの力になってあげたいの。」
イクサ :
「あなたがお父上の立場を継いで、サラーブの混沌と砂嵐に阻まれながらも、役目を果たさんと日々を過ごしているのを知っているから。」
イクサ :
「あなたを時々、家族のように応援したいと思ってしまうの。」
イクサ :
「憐れみじゃないわ。上に立つ者としての共感。」
0以外の数字にも手をかける。
イクサ :
「私にはこんなことでしかあなたに貢献できないけれど……」
イクサ :
「だからこそ……ね?」
イクサ :
最後の1を消し、ひとつだけの0が残る。
最初の画面と同じになったタブレット。
イクサ :
「エトワールちゃん、これはあなたと私の間での"個人的な協力"にしちゃわない?」
エトワール :
「私は……」 0が映し出されるだけの画面を見つめて、ほんと少し、気づかれない程度に声を震わせる。あなたの提案がそうさせたのか、態度がそうさせたのかは定かではない。
エトワール :
「……困ったな。キミとの仲がこんなにも深まっていただなんて、気づかなかったよ」
エトワール :
少しだけ目を閉じて、息を吐きだす。
次に目を開いた時には、仕事相手にみせる冷徹な瞳をあなたへ覗かせていた。
エトワール :
「それでもね、仕事には対価が必要だ。仕事は仕事、プライベートはプライベート。この都市で生きていくにはその線引きをしっかりしておかなければならない」
イクサ :
「しっかりしてるのね、偉いわ。 だからこそ、あなたのこと、好きよ。」
タブレットの金額を戻してから、少し自分で叩く。
イクサ :
「それなら、この金額にしましょう。」
最初に見せた金額の半額。
イクサ :
「実はね、私にとっても利のある依頼なの。 だから、エトワールさんがそう望むなら……お互いwin-winになる取引に変えましょう。」
エトワール :
「ふふ、そう来なくてはね。今度こそ契約は成立で良いかな?」 イクサに握手を求めて手を差し出す
イクサ :
「えぇ。引き受けた以上は、全力であたらせて貰うわね。」
白く細い指が、エトワールの手に纏わりつく
エトワール :
あなたの答えにエトワールは快く微笑む。
GM :
そしておもむろに席を立ちあがると、彼女は店内に響くように2回手を打った。
エトワール :
「みんな、ありがとう。彼女とは無事に話がついたよ。おかげで今夜は争いごとは無しだ、今日は好きに飲んでもらって構わないよ」
GM :
まるで客全員と顔馴染みのように話す彼女……。いや、そうではない。
GM :
あなた以外の客はすべて……エトワールの部下だ。
GM :
彼らはエトワールの言葉を聞くと懐に忍ばせていた武器から手を離し、張っていた気を解いた。
GM :
何人かはあなたのことを知ってか、必要以上に張りつめていたようでどっと脱力している。
イクサ :
「うふふ。みんな猟犬だったの?」
包囲されていたのにも関わらず、愉しげに笑う。
エトワール :
「交渉の席は常に戦場だからね、キミとは言え油断はできないのさ」 くすっと悪戯な笑みを浮かべると、もう一度ジュースを一口含んだ。
イクサ :
「たまには、肩ひじ張らずに飲み物を愉しむ機会があってもいいんじゃないかしら。」
「ずっと気を張っているのはお肌に悪いわよ?」
冗談めかして
エトワール :
「立場上そうはいかなくてね、私もキミみたいな余裕が欲しいよ」
イクサ :
「楽しみなさいな。悪酒も飲み干してこそ、じゃない?」
イクサ :
「マンハッタン、美味しかったわ。また来ようかしら。」
そう言って、席を立ち出口へ向かう。
エトワール :
「ぜひとも。私の名を出せばツケにするように伝えておくよ」
イクサ :
イクサが出口に手をかける直前。
ドガンッ、という音とともに店が振動する。
パラパラと天井の欠片が落ちる音も気にすることなく、ドアを開けると……
アール(四脚戦車) :
鋼の巨体が、店内を覗き込まんとしていた。
イクサ :
「アール、待たせちゃったわね。行きましょうか。」
イクサ :
ある意味では宣告だった。
あの場面から優位に立てるのはエトワールとは限らないという。
エトワール :
「(……頼りになる子供、か。その子供本人からはイクサはどう見えているんだろうね)」 テーブルの下で握っていたリボルバーをしまい、イクサの背中を見送る。
GM :
ロイスの感情変更のみが可能!宣言どうぞ!
イクサ :
好意/支配欲のN!
GM :
おそろしおそろしね…了解!
GM :
ではシーンを……締めます!
イクサ :
はい!
Scene06 共同戦線
GM :
登場PCは全員!侵蝕どうぞ!
マヤ :
1d10+56(1D10+56) > 7[7]+56 > 63
ヴァニタス :
1d10+59(1D10+59) > 7[7]+59 > 66
日向雛 :
1d10+41(1D10+41) > 2[2]+41 > 43
メアリー :
1d10+37(1D10+37) > 3[3]+37 > 40
イクサ :
1d10+49(1D10+49) > 1[1]+49 > 50
GM :
ありがと!では導入からなんだけど、いつものPCが重いのでちょっと別のPCから手打ちします
日向雛 :
了解よ!
GM :
オルタ・スクレイパー内にある都市管理局。
そのフロアの一角に硝子化事件を解決するチームが集う一室が用意された。
GM :
フロアの全体を彩る青い照明のせいか、平穏な雰囲気が演出されているが……これから集うメンバーによっては、その平穏は砂塵のように儚く散ってしまうかもしれない。
イクサ :
「あら、あなた……メアリー=ブラッドルードさんじゃないかしら?」
ソファに腰掛けた少女に声をかける。
メアリー :
「……?」顔を上げて、声の方を見る
メアリー :
「あら、そういうあなたはイクサ・スミェールチ? はじめまして、のハズだけれど、どうして私の顔と名を?」
メアリー :
「(……え!? は!? それよりどうしてこんなところに!? 管理局のメンバーリストに名前なかったわよねえ!?)」舐められない為に平静を装うが、内心は混乱している。
イクサ :
「萬屋 GOLD DUST………依頼成功率は屈指の総合代行。………有名よ?」
社名を知っていたのは元からだ。
しかし、個人名と価値観はメンバーリストからあらかじめ下調べしておいたもの。
最後の言葉はきっと、それを喜ぶ人間かどうかの最終判断のため。
メアリー :
「そう……有名、ね……」
メアリー :
「(やっぱり、有名になってきているのねウチ……!!)」メアはイクサの目論見通り、喜んでいた。
メアリー :
「(けど、あんまり浮かれていてはダメよ、メア……!! この女は、イクサ・スミェールチ……! IXAコーポレーションの社長……!!)」
メアリー :
「(つまりは金持ち……! だけれど、この女はサラーブでも関わってはいけない人物ランキング1位……!!)」メア調べ
メアリー :
「(この女のまつわる悪い噂には"底"が無い……限界まで警戒してコトに当たるのよ……)」
メアリー :
「あなたほど有名じゃないわ、イクサ」
メアリー :
「……それより、大企業を束ねるあなたが、こんなところに何の用? ここでは硝子化事件を解決する為の会合が行なわれるハズだけれど?」
イクサ :
「ええ。同じ調査チームとして仲良くしましょう?」
「あなたとは社長同士。今後の業務提携もあり得るわけだから……特に、ね?」
いたずらっぽい笑みを見せる
メアリー :
「同じ、調査チーム……ええ、そうね……」
メアリー :
「(な、仲良くする!? 悪い冗談でしょう!? 鳥肌たったわ!! けどビジネスチャンスなのはたしかで……うう……)」水を飲む
日向雛 :
メアリーの緊張感を壊すように、バーン!と勢いよく扉が開く。
日向雛 :
「や、やっとついたぁ~……!」 風で髪が荒れ、砂まみれになりながら転がり込んでくる
メアリー :
「…………!!」少し驚いて首元の鎖に手を掛ける
イクサ :
「あら、大丈夫? ずいぶんと砂嵐にやられたようだけれど……」
雛の側に寄り、砂を払ってあげる
日向雛 :
「わ、ごめんなさい!ありがとうございます……!」 へたりこんだまま、普通に砂を払ってもらってる
イクサ :
「気にしないでいいのよ。 砂ブラシを用意させるわね。」
日向雛 :
「そんなそんな、すみません……」 ちょっと申し訳無さそうにするがイクサの厚意に甘える
メアリー :
「あなたは……しらない顔だけれど……ニッポン人……?」砂を払っている様子を見て、少し警戒を緩める
日向雛 :
「あ、はい!日本人です!」
イクサ :
「あなた、日本人なの? 会えて嬉しいわ、私も昔住んでたの。」
日向雛 :
「わぁ……!そうなんですね、偶然……!わたしも嬉しいです!」 自然と笑みが零れる
メアリー :
「ということは……"アベル"の知り合い……?」
日向雛 :
「え?あべる……?」 知らないの顔
メアリー :
「え、知らないの……?」
メアリー :
「(じゃあ何なのよ、この女……? あのイクサ相手にニコニコと……実は相当の大物……?)」
メアリー :
「(硝子化事件解決のメンバーには、相当の手練れが選ばれてるだろうし、このバカみたいに呆けた態度は"フリ"……? いえ、そうじゃないとおかしいわね……要警戒対象、と……)」
日向雛 :
「ごめんなさい、全然知らなくて……お友達ですか?」 いつまでも床にへたりこんでると悪いと思い、立ち上がって
メアリー :
「お友達……いえ、単なる"知り合い"よ」依頼人も知り合いの内だ。真偽感知対策のために嘘は言っていない。
メアリー :
「(あの胡散臭い男が友達なんてありえない……けど硝子化事件に関係しているコトはできるだけ伏せておいた方がいいか……)」
メアリー :
「あなたと同じニッポン人なの、サラーブでは少し珍しいから、同郷の知り合いかもと思って」
日向雛 :
「ああ、そういうことでしたか~」
日向雛 :
「アベル……。うーん、日本人の名前じゃないし、ヴィランネームかしら。実際に会ってみたら、実は知ってる人だったりするかも……!」
イクサ :
「そうね〜。私も興味あるわ。………メアリー社長はその"アベル"さんとどんな関係なのかしら?」
メアリー :
「……どういう関係、と言われても」名前を出したのは失敗だったか、と少し悔やみながら
メアリー :
「最近になって知りあった以上のコトは何も、そんなに人付き合いが得意じゃないみたいお互い」
日向雛 :
「そうなんですか~」 のほほんとした相槌
イクサ :
「あら、そうだったの。私も日本が恋しいから、よかったらまた紹介してもらいたいわ。」
メアリー :
「……ええ、もし機会があれば二人にも紹介するわね」気さくでいい人よ、と付け加え
メアリー :
「(とは言ったけど、やっぱりアベルに興味を持たれるのは避けたいわ……話を変えましょう……)」
メアリー :
「(そうねえ、少し出方を伺ってみるか)」
メアリー :
「……それよりあなた、この暑さで砂嵐を突っ切るなんて、喉が渇いたでしょう」
日向雛 :
「え?はい……!もう喉がからからで…」 ブーツを片方脱ぎ、ドザーっとゴミ箱に砂を捨てながら
メアリー :
「ふふ、そうよね?よかったらどうぞ?」
メアリー :
先ほどまで自らが口をつけていた、ペットボトルの水を差し出す。
ラベルにはオアシスのイラストが描いてある。
が、その中身は、オアシスで汲んだ高品質な天然水などではない。
水道水をソラリス能力で適当に濾過したもの。品質の低い安物だ。
『あくまでイラストはイメージだ』というのがメーカーの弁だが、ともかくイクサが宿泊している高級ホテルの水とは、根本から異なる。
メアリー :
「(他人から貰ったモノを警戒せず口にするなんて、このサラーブでは厳禁……さあ、どう出る……)」
日向雛 :
「わぁ……!いいんですか!?」 すぐにブーツを履き直して
日向雛 :
「ありがとうございます!いただきます!」
日向雛 :
全く警戒せずにお礼を言って受取り、水を流し込んで喉を潤す。
メアリー :
「(の、呑んだ……!! 迷いもなく……! ぐびっと一気に……!!)」
イクサ :
「あら、親切なのね?………ふふふ。」
日向雛 :
「ぷは……。おいしい……!生き返りました……!!」 全部一気飲みした
メアリー :
「え、あ……そう……それはなによりね……」
日向雛 :
「本当にありがとうございますっ。お二人共、とっても親切で……!」
イクサ :
「いえいえ。こんな街ですけれど、親切心は無くさずにいたいわね。」
「あなた、サラーブは初めてなんでしょう?」
日向雛 :
「初めて……いえ、初めてではないですよ?もう何ヶ月かは住んでますし」
日向雛 :
「サラーブ初心者からちょい上くらいですね、きっと!」 グッと握り拳を作る
イクサ :
「まあ……たくましいのね? 困った時はお互い様。助け合いましょうね。」
数ヶ月サラーブに住んでいて、雛のような言動が出来る者は限られる。
すなわち、とんでもないアホか、とんでもない善人か、とんでもない強者のいずれか。
答えがいずれにせよ、イクサの興味を引いた。
日向雛 :
「はい!」 元気よくお返事
メアリー :
「(サラーブで数ヵ月間も過ごしててコレ……? この女、正気か……? 薬でもキメてるんじゃあないの……? それともとんでもないバカなのかしら……?)」
メアリー :
「(いえ、この態度の"裏"を考えなさいメア……! 此処はサラーブの中心、天下のオルタ・スクレイパー……!! "こんなとこで水に毒なんかいれたり出来るハズない"って計算した上での演技かもしれない……!!)」
メアリー :
「(ふ~~ん、なかなかやるじゃない……? けど私はカンタンに騙されたりしないわ……!!)」一方、メアは警戒を強めていた。
日向雛 :
「?」 二人の考えてることなど何も知らず、イクサからもらったブラシで砂を取っている
マヤ :
廊下の遠くからパタパタとした急くような小さな足音と、同時にあまり急ぐ様子のない鉄交じりの軍靴の足音が近づいてくる。…暫くすると部屋の扉が開き、小さな少女に引っ張られるようにフル装備の男が現れる
マヤ :
「…おっとぉ、もしかして遅刻しちまった?」既に揃った3人を見ながら
ストレイ :
「ふう、本当に忘れやすいんだね……」 マヤと見繕ったのか、新品の服に着替えてフロアに現れる
日向雛 :
「え?そうなんですか?」 壁にかけてある時計を見る
イクサ :
「安心してくださいな。お時間ピッタリですわ。」
つまり、遅刻ギリギリということだ
日向雛 :
「じゃあセーフですね~」 自分も遅刻ではなかったし安心安心
マヤ :
「オッケー じゃ、セーフだな。」うんうんと頷いて扉を閉めながら
ストレイ :
「だ、大丈夫、なのかな……?」 どことなく不安な表情
マヤ :
「ダイジョーブ、サラーブではよくあること。」全てをこれで誤魔化してきたのか不安そうなストレイにそう答える
イクサ :
「(…………ウチの古い義体かしら? 市場には出回らなかったはずだけれど。)」
相手の装備を鑑定するのは武器商人の性といっていい。
マヤの装備は観察しがいのあるものだった。
日向雛 :
「えっと……五人いるので、これで全員揃った感じです?」 人数を確認して
メアリー :
「(人、とカウントしていいのかしら)」機械の身体を見て
マヤ :
「あ…っと、もう一人だな コイツは俺の護衛対象だ。…言ってなかったのかあのパーツ頭…」ストレイを指してそう訂正するとボソッと呟く
ストレイ :
「こ、こんにち、は……? じゅーよー参考人、らしい……です……?」
日向雛 :
「あっ、そうだったんですね……!こんにちは!」 屈んで目線を合わせて挨拶
イクサ :
「こんにちは。あなた、お名前は?」
ストレイの前にかがみ、目線を合わせて問う
ストレイ :
「えっと、私は……」 どことなく不安そうに、彼女は服の裾を握りながら口を開く
ストレイ :
「ス、ストレイ……。 ストレイって、言います」
イクサ :
「ふうん……? 迷子だなんて、変わったお名前ね?……ふふ。」
メアリー :
「迷子、ヒビ割れた肌、重要参考人……なるほど、事件現場から逃げだした女の子っていうのはあなたね?」出た言葉からストレイの正体を推理する
マヤ :
「…そうなの? いや、おぼえてるワケないか。」メアリーちゃんの反応にそう聞きながらストレイを見下ろすが、彼女の頭をわしゃわしゃ撫でて記憶喪失であることを説明します
ストレイ :
「んっ……えっと、たぶんそう……?」 撫でられてくすぐったく思いながら、メアリーの言葉に首を傾げる
日向雛 :
「……本当です、ひび割れて……。そのお肌、大丈夫なんですか?治しましょうか……?」
ストレイ :
「……これ、治るのかな……?」 ヒビ割れた肌を指でなぞって
日向雛 :
「記憶喪失で、その上そんな怪我までしてるなんて……」
日向雛 :
「踏んだり蹴ったりじゃないですか。せめて、お怪我の方だけでも治しておきましょう……」
日向雛 :
胸の前で手を組み、ストレイのレネゲイドに修復を呼びかける。演出で《アスクレピオスの杖》を使います。
GM :
ストレイに使用された《アスクレピオスの杖》は確かに効果を発揮する。
彼女が負っていた僅かな擦り傷などは癒えていくが……皮膚に広がったヒビだけは、変わらず刻み込まれたままだった。
ストレイ :
「…………」 自分の頬をぺたぺた触って
日向雛 :
「あら……?ちゃんと治らない……」
イクサ :
「あら……これは……」
「怪我ではなくて、"変質"かしら。」
日向雛 :
「変質?」
ストレイ :
「……?」
メアリー :
「回復の力が弱過ぎて、小さな擦り傷しか治らなかった訳じゃないの?」ナチュラル失礼
日向雛 :
「えっ、そ、そんなはずは……本気でやったはず……」
イクサ :
「きちんと調べないと何とも言えないけれど……」
「たぶん、ストレイちゃんの今の身体における"基本状態"はこのヒビ割れも含まれるみたいね。」
イクサ :
「エフェクトは機能していたはずよ。ね、エス?」
エス :
「 はい ママ わずかな 治癒が 見られたよ」
日向雛 :
「なるほど……。ごめんなさい、お役に立てなくて……」
ストレイ :
「……ううん。ありがとう、お姉さん」 ぎこちない笑みを浮かべて、雛に礼を述べる
メアリー :
「(回復エフェクトの行使……普通は後から高額の金銭を要求するものだけど……どこまで本気なのかしら……)」
マヤ :
「…ま、それもそのうち治せるかもしれないしな。まだ事件の調査もしてないだろ?」心なしか落ち込んでいるようなストレイを見て、軽い口調で
イクサ :
「ええ。私も変質現象には少し詳しいの。もしかしたらストレイちゃんの力になれるかもしれないわ。」
「これから一緒に調べていきましょうね。」
ストレイ :
「そう、だね……。きっと、大丈夫、だよね……」 少しだけあなたに懐いたようで、コートの裾をそっと握る
マヤ :
表情は分からないが、頷いて反応を返す。
ヴァニタス :
コンコン、コンコン、と、軽やかで控えめなノックの音がする。
日向雛 :
「……?はーい!どうぞ~!」
日向雛 :
「って、わたしが言っていいのか分かりませんけど……」 でも言う
メアリー :
「まあ肝心のホストが不在なのだし、勝手にすればいいわ」ドアの方を見る
イクサ :
「入ってもらって構わないわ。」
ドアの近くにいるはずのスタッフに声をかける
ヴァニタス :
開かれた扉の先には誰もいない。いたずらか?いや、オルタ・スクレイパーにそのようなことをする人間はいないだろう。
日向雛 :
「あら……?」 不思議そうに首を傾げる
ヴァニタス :
そういえば、この部屋はこんなに暗かったろうか。青い照明と陽光が相まり、何不自由ない明るさが保証されていたように思う。
ヴァニタス :
だから、疑問に思って窓を見やれば、それを覆う影があるのは道理なのだ。
ヴァニタス :
「こんにちは~、開けてくださいな?」
窓一面を覆うようにある巨体が、その先に乗った少女の躯体が笑顔で窓をノックしている。
日向雛 :
「え……!?おっき……!?」 目を見開いて
ストレイ :
「…………っ」口をパクパクさせて、窓の外に浮かぶ巨躯を呆然と見つめている
イクサ :
「!」
驚きをまばたきのみに押し込める。
威容に驚いたのではない。
その影に心当たりがあり………"彼女"がここに現れることだけは完全に予想の外だったのだ。
マヤ :
「お、いつも空飛んでるヤツ?」こんなに大きかったのかと見上げながら、あっけらかんとした様子で指をさす
ヴァニタス :
「は~い、いつも飛んでるのだよ~」
マヤの方に手をひらひらさせて
イクサ :
「……"砂謳う乙女"……空舞う鋼鉄人魚……何故ここに?……」
らしくもない独り言をぶつぶつと
日向雛 :
「あ、あの……大きすぎてびっくりしたんですけど、もしかして、ここに呼ばれた方……で合っています……?」 窓の方に近づいて
ヴァニタス :
「本当はファルシオンが来るはずだったんだけどねぇ、面倒くさい!ってお願いされたから私が来たの」
とても簡潔で分かりやすい説明だ!
メアリー :
「……なるほど、リストにあったファルシオンの代理」納得しながら親切に小窓を開ける
ヴァニタス :
「あ、ありがとね」
窓の縁に肘をかけて頬杖をつく
日向雛 :
「は、はぁ、なるほど……。あれ、入らないんですか?いや、入れない……?」
マヤ :
「えー?その辺いけるだろ、なぁなぁちょっとそこの机さ~…」馴れ馴れしい様子で窓付近のスタッフ達に話しかけると彼女が入れるように場所を開けさせる
イクサ :
「搬入ドアがそっちにあるわ。開けてくれるかしら?」
マヤとスタッフに指示を飛ばす
マヤ :
(えっ、俺もやるの……?!)とは思いつつドアを開けるのを手伝います
GM :
ではそこら辺にいたスタッフが怪訝そうな顔をしながらスペース確保を手伝ってくれました
イクサ :
「…………。まさか、あなたが地上に降りてきて、おまけに依頼をこなすなんて。ずいぶんと珍しいことじゃないかしら、ヴァニタスさん?」
一方的に名前は知っている。
ヴァニタス :
「そうねぇ、ファルシオンのお願いだからっていうのと~…やっぱりサラーブの為にって言われたら頑張っちゃうかな~」
ありがと~と室内に入りながら、イクサに答える
イクサ :
「(サラーブの為、ね……相変わらず面倒な守護神ですこと)」
「ファルシオンには私も良くしてもらってるわ。彼女、自由で気前が良くて、素敵な方よね。」
ヴァニタス :
「ね、サラーブがこんな感じになった時から知ってるけど、本当に素敵な人!他の指と違って堅苦しくないのもいいのよね~」
メアリー :
「(近くで見ると、なおデカいわ……でもファルシオンと仕事しないでいいのは少しラッキーか……)」ファルシオンの手がおよばない貧民街で育ったメアは、彼女があまり好きではなかった
日向雛 :
「へぇ~……」 勝手にマヤとスタッフ達のお手伝いをして搬入ドアを閉めたりしながら
メアリー :
「……ところで、私がブームに疎いだけで、巷では義体フィーバーでも起きていたりする?」メンバーのおよそ半分が機械だなんて、とマヤと見比べながら
日向雛 :
「そんなブーム聞いたことありませんよ……?」
メアリー :
「(あなたはブームどころか、ここでの常識も知らないでしょうが……!!いや、演技か……!?)」
ヴァニタス :
「私はずっと”こう”よ?他のみんなは知らないけど」
マヤ :
「ブーム?俺もずっと”こう”だな。」ヴァニタスちゃんの台詞に同調するように
メアリー :
「ああ、そう……」それはそれでどうなの、といった言葉を呑み込む
イクサ :
「技術の進化は日進月歩。より優れたモノが取り入れられるようになるのは自然なことではなくて?」
「改めて自己紹介しましょうか。私はイクサ・スミェールチ。義体はもちろん、いろんな"道具"を扱うIXAコーポレーションの社長をさせてもらってるわ。」
日向雛 :
「え!?!?IXAコーポレーションの社長!?!?」
日向雛 :
「ここのスタッフさんじゃなかったんですか……!?」 砂取ってもらったので職員か何かかと思ってたらしい
メアリー :
「(そっちは知ってるのかと少し期待したのに、やっぱり何も知らないじゃない!!!!)」心の中で突っ込む
イクサ :
「実は社長さんでした〜。そこのメアリーさんと同じくね。」
手をふりふり、おどけてみせる
日向雛 :
「あら~……まあ~……!びっくりしました……」 つられて手を振り返し
日向雛 :
「ダブル社長だったんですね……」
ヴァニタス :
「お洋服も綺麗ねぇ」
一緒に関心している
メアリー :
「(洋服というか……あなたの場合は全裸……?)」ヴァニタスちゃんに突っ込む
イクサ :
「そうなの〜。こう言ってはなんだけど、流通には自信があるの。困った時は気軽に声をかけてくれていいわ。」
日向雛 :
「わかりました、イクサさん……!」
メアリー :
「困ったときに気軽に声を、ね……」
メアリー :
「そういう時は私に声をかけてみるのもオススメよ」
メアリー :
「何故なら私は"萬屋 GOLD DUST"の何でも屋、そういう案件の専門家だから」
日向雛 :
「わあ、何でも屋……!」 かっこいい!的な声色
イクサ :
「評判良いのよ〜? 遂行率No.1事務所って言われるくらい!」
馴れ馴れしくもメアリーの両肩に手を置いて語る
ヴァニタス :
「萬屋…あんまり聞かない響きねぇ、かっこいいかも」
なんか雛ちゃんと感想が同じになりがち
マヤ :
「ふぅん、そんな会社もあるんだな…」初めて聞いたように
日向雛 :
「No.1!?すごい……!」
メアリー :
「…………ええ、No.1」イクサに肩に手を置かれ、こころなしか笑顔が引きつっている
メアリー :
「私はその事務所の社長、メアリー=ブラッドルード」
メアリー :
「シンドロームは、ブラム=ストーカーとウロボロス」
メアリー :
「≪ブラッドリーディング≫と≪シャドウダイバー≫が使えるから、噓偽りは通用しないわ」
……嘘偽りは通じない。それこそ真っ赤な嘘である。
メアリーは便利なイージーエフェクトが扱えるほど器用ではない。ひたすら一対一の戦闘に特化している。
ただ他のヴィランへの牽制の為に、嘘をついたのだ。
日向雛 :
「へぇ~……器用……!」
イクサ :
「(……その札を見せること自体が嘘は見抜けないと言ってるようなモノじゃないかしら……)」
メアリー :
「まあ、そういう訳だから頼りにして頂戴」
日向雛 :
「はーいっ、頼りにさせてもらいますね。メアリーさん……!」
マヤ :
(記憶喪失でも嘘って分かるのか…?)ふとした疑問が浮かびながら
ヴァニタス :
「はいはい、じゃぁ次私ね」
小さく手を挙げて
ヴァニタス :
「我らがサラァーブの守護者、ヴァニタスだよー!しばらく住んでる人なら見かけたことはあったかもしれないけど、名前を知らなかった人は今日からよろしくね」
最初少し抑揚を大仰にしてから、すぐに元のテンションに戻る
メアリー :
「ええ、よろしく」
メアリー :
「(サラーブの守護者か何か知らないけど、空を見上げるとよく日光の反射で目を破壊してくるのよね……)」
ストレイ :
「よろ、しく……」 口をあんぐりと開けたままヴァニタスを見上げている
日向雛 :
「見かけたことがある……?でもこんな大きなお方、街を歩いていたかしら……」
イクサ :
「普段はこのオルタ・スクレイパーの近くを飛んでいるのよ。滅多に降りてこないと思っていたのだけれど……今回の案件は大物の代理を立てるほど重大のようね。」
ヴァニタスはいろんな意味で大物である。
日向雛 :
「この塔の近くを飛んでる……。って、あ……あれ、飛行機とかじゃなかったんですか……!?」
ヴァニタス :
「ふっふっふ、意外と降りてることもあるんだけどね、お買い物とかで。そう、普段はここらへんを飛んでるの。年中無休でパトロール!今日もサラーブが変わりないようにってね」
日向雛 :
「まあ……年中無休で……!?」
ヴァニタス :
「うんうん、私が私になってからずっとやってるの。道具の社長さんとか萬屋さんとかがいるから大丈夫かもだけど、サラーブが危険になったらすぐ私に言ってね~」
日向雛 :
「だから守護者って言ってたんですね……分かりました。って、もしかして今がその時……?」
イクサ :
「うふふ、よろしくお願いしますね?」
こうは言うが、イクサは自分の為にサラーブの危機を招くことも厭わない女である。
マヤ :
「へぇ…守護者ね、そういや教えられたメンバーと名前が違うな…代理か?」若干くしゃくしゃの紙をポケットから取り出すとメンバーを確認しながら
イクサ :
「あら? さっき代理って本人が言ってたわよ?」
日向雛 :
「そういえば、面倒くさい……でしたっけ?あれ?でもそんな理由で……?」
マヤ :
「…そうだっけ?」ポカンと思い出せない様子でイクサさんを見て
マヤ :
「悪いな、どうにも忘れっぽいんだ。そろそろどっかのパーツメンテ時か…」ヴァニタスちゃんに軽く謝ると少しめんどくさそうに呟く
イクサ :
「……? ふふ、忘れちゃった?」
「その義体、ずいぶん古い物でしょう。 もしかしたら互換性のあるパーツが残ってるかもしれないから、後でウチの在庫を見てあげる。」
子供に約束するような優しい口調で伝える
マヤ :
「あ~…20年前とかのパーツだしなこの身体、ここじゃなかなか、ただ最新のは回路はどうにも……」合わない、と言いかけた言葉がノイズ交じりにかき消され彼女の口調に一瞬何かを思い出しそうになるがガンガン!と頭を叩いてユニットを直す
マヤ :
「悪い、続けてくれ。」ヴァニタスちゃんに
メアリー :
「ちょっと本当に大丈夫……? 早めに修理した方がいいわよ……?」
メアリー :
「"護衛対象のコトを忘れて撃ち殺した"なんてコトになったら洒落じゃすまないし……」メアは本気で心配している。何故なら自分の不利益に繋がりかねない問題だからだ。
ヴァニタス :
「まぁまぁ、グリムギアが集めたんだし大丈夫なんじゃないかしら。何考えてるかわかんないし顔見てもなーんにもわかんないけど、頭良いし」
メアリー :
「(そうなのかしら……良い悪い以前に、金属しか詰まってないと思うけれど、あのヘンな頭……)」
ヴァニタス :
「で、続きだったわね。続き続き…と言ってもそこの子が言ってくれたみたいに、ファルシオンが面倒くさいから私が呼ばれただけってことね」
雛ちゃんの方を見ながら
ヴァニタス :
「今日は皆のこともサラーブ民としてちゃーんと覚えていくから、仲良くしてね~」
おわりっ!と自己紹介を終える
日向雛 :
「はいっ。よろしくお願いしますね、ヴァニタスさん」 微笑んで
イクサ :
「改めて、よろしくお願いしますね?」
「(………例の人魚に顔を覚えられてしまったわね……また動き辛くなってしまうわ……)」
日向雛 :
「じゃあ、あと自己紹介してない方は……あっ、わたしか!」
日向雛 :
「えっと、わたしは日向雛っていいます。日本人の17歳です」
日向雛 :
「ブリードはピュアブリードで、シンドロームはウロボロスで、切ったり治したりするのが得意で……」メアリーの紹介を見習うように能力を伝えて
日向雛 :
「……あ、そうだ!賢者の石も持ってます!」 思い出したみたいにつけ加える
メアリー :
「賢者の石……!?」金目のモノ、と目が輝く
日向雛 :
「はい、賢者の石」 メアリーの言葉を反復して、にこっと笑う
イクサ :
「…………。」
本日2度目の、目をパチクリさせる行動。
ウロボロスの"石"持ち適合者。
やはり只者ではなく、とんでもない逸材がこんな風に現れるとは。
マヤ :
「石か…珍しいヤツ?」ふーん、と聞きながらメアリーちゃんの反応を見て、宝石とか…?と考える
メアリー :
「ええ……賢者の石というのは、宝石よりずっと高価でレアなEXレネゲイドのことよ……」
ヴァニタス :
「へぇ~…」
よくわかんない
日向雛 :
「こういうのです、見たことありませんか?」 袖を捲って、右手の甲に埋め込まれた十字型の石を見せる
メアリー :
「(右手の甲……状態も良好、と……なんとか取れないかしら……)」
イクサ :
「ええ、見たことあるわ。……とても貴重で、それ以上に埋め込んでも平気なあなたはもっと珍しい人。」
「おまけにウロボロスだなんて。とっても凄い人だったのね!」
日向雛 :
「えへへ、いやぁ……別にわたし自身がすごいわけじゃ……」 てれてれしながら笑う
ストレイ :
「きれい、だね……」 妖しく輝く宝石を見つめる
マヤ :
「ただの装飾品じゃなさそうだな…エネルギーコアみたいなもんか」ストレイの横で同じく物珍しそうに覗き込む
日向雛 :
「そうですね、高濃度のレネゲイドが鉱物として保存されたものですから……」
日向雛 :
「エネルギーコアっていうのも、間違いじゃないかも。取れたらわたし死んじゃいますしね」 さらっと言う
ヴァニタス :
「ええ、大変じゃない!」
賢者の石なでこ…
日向雛 :
「わっ。ふふ、くすぐったい……」 特に警戒する様子もなく石を撫でられている
イクサ :
「そうなのよねー……。そもそも適合しないと、身体か精神のどちらかが死んでしまうし。」
「あまり安定して扱えるモノではないわ。」
イクサ :
「(だからこそ、適合者そのものを運用する方法があれば簡単に力が得られるようになるのだけど。)」
メアリー :
「取られたら死ぬ、ね……初耳だけれど、それなら誰かに軽率に見せるのは止めておきなさい……」
メアリー :
「命を狙ってくれ、って言っているようなものよソレ」
日向雛 :
「え……?でもわたし達、これから一緒に硝子化事件を解決するために協力するんですよね?」 きょとんとしてる
日向雛 :
「だったら良くないですか?自分の出来ることと、弱点を教えちゃっても……」
ヴァニタス :
「ここはサラーブよ?乞食より乞食のふりをした強盗の方が多いんだから、気を付けなきゃ!」
日向雛 :
「あ、あれ!?でも皆さん強盗ってわけじゃないですよね……!?」
イクサ :
「うふっ、うふふふふ……! 面白くて、とても純粋な方なのね!」
堪えきれないように笑う
イクサ :
「でも、そうね。大切な石、大切な身体、大切な命。きちんと守る為にも、心がけはした方がいいわ。」
日向雛 :
「わ……わかりました……!心配してくれてありがとうございますっ」
メアリー :
「この依頼を達成するより、その石を奪うメリットの方が高いんだから、裏切りも起きるでしょって話よ」
日向雛 :
「……え!?裏切り!?皆さん裏切るんですか!?!?」
マヤ :
「裏切るらしいぞ。」サラーブだしと適当に頷く
日向雛 :
「ひぇ~……」 小さく震える
ストレイ :
「う、裏切り……」ぷるぷる
ヴァニタス :
「普段だったら裏切るかもだけど、今回はサラーブのためだから私が許さないよ~」
日向雛 :
「あ、そうなんですね!?じゃあヴァニタスさんがいれば安心そう!」 ころっと表情が変わって安心した笑顔になる
イクサ :
「そんなつもりは……。」
おろおろとした素振りを見せる。
そんな予定は今のところない、の意味でしかないが。
メアリー :
「親切に忠告してあげただけで、この私は裏切らないけれどね勿論」白々しい笑顔
マヤ :
(こういう笑顔のやつが一番やばいんだよな…)と考えながらメアリーちゃんを見て
日向雛 :
「ふふっ、なんだ……別に皆さんそんな気は全然ないんじゃないですか。焦っちゃいました……」
日向雛 :
「それじゃあ、まあ、賢者の石のことは置いておいて」 両手で置いといて~のジェスチャーしながら
日向雛 :
「わたし、郊外の方でお医者さんみたいなこともしてるんです。だから、皆さんが怪我したら治せるかも……!」
日向雛 :
「さっきみたいな回復エフェクトで!……ヴァニタスさんはまだいなかったので、お見せ出来ていませんけれど」
メアリー :
「へえ、お医者さんなの? ウチも郊外に近いし、そのうちお世話になるかも?」医者って特に信用ならないのよね、と思いながら
日向雛 :
「わぁ、ご近所さんだったんですね……!はい、ぜひぜひ!」
マヤ :
「それって機械でもいける?」自分とヴァニタスちゃんを見て首を傾げる
日向雛 :
「多分いけますよ!わたしの力は、レネゲイドを操って修復能力を高めるものですから」
日向雛 :
「全身が機械化した方も治したことがありますっ」
マヤ :
「助かるな、ここじゃ修理費もばかにならねぇし」
イクサ :
「それにしても……お医者さん。少し意外でしたわね。」
「私はサラーブの医療機関を業務の一環で全て把握できていると思ってましたのに。」
イクサ :
「どちらの病院にお勤めかしら? 雛さんのような凄い方を見落としたとは思えなくて……。」
日向雛 :
「凄い方だなんて、そんな……」
日向雛 :
「えっと、一応日向診療所……って名前にしてはいますけど、大体誰も呼ばないというか……」
日向雛 :
「わたしが勝手に一人でやってるだけなんです。だから、“お医者さんみたいな”ことで……」
日向雛 :
「要するに、闇医者ですね」
イクサ :
「………まあ! それって、経営はとても大変じゃありませんか? 特に郊外は環境が厳しいでしょう?」
要は貧乏人しかいない儲からない場所。
物は言いようである。
日向雛 :
「ま、まあ、大変ですね……。でもなんとかやっていけてます」
日向雛 :
「一回で100円くらいもらってますし」 ※ヴィランズスカーの翻訳機能を通して、この国の通貨に直される
メアリー :
「100円……!?」黙って聞いていたが、思わず立ちあがる
ヴァニタス :
「100円!?」
黙って聞いていたが横からデカい声で
マヤ :
「オイオイ、医者ってのはそんなに安いのか?!」流石に通貨の価値は忘れていないので驚く
イクサ :
「…………。……とっても良心的価格ですのね。」
流石のイクサも呆れに言葉が続かない。
この女は全部だ。
とんでもない強者で、とんでもない善人で、とんでもないアホ。
日向雛 :
「皆さんそんなに驚かなくても……。その、良心価格というか……」
日向雛 :
「本当はもっと高くするべきだとは思うんですけど、わたし医師免許とか持ってないし……」
日向雛 :
「普通のお医者さんと同じ価格にするのは申し訳ないなーって思って。だからこの値段にしているだけです」
メアリー :
「サラーブじゃ医師免許を持っているヤツなんてほぼいないわよ!」
ヴァニタス :
「え、え~~……いいんだよぉサラーブではそういうの!皆好きなようにやってるんだから!」
悪都で何を?というアレ
日向雛 :
「え!?!?そうなんですか!?!?!?」 今までで一番びっくりして、目が大きく見開かれる
メアリー :
「仮に医師免許を持っている人がいたとして、治療の結果は同じなんだし、そんなの気にかける必要もないわ……!」
日向雛 :
「で、でも……えぇ~……」 困惑してる
マヤ :
「俺らからすれば、結局治れば関係ないしな。」けろっとした様子
イクサ :
「まあまあ……分かりましたわ。」
「雛さんはサラーブにおいても穢れない心を持った、強くて優しい方なのですね。」
「力ある者が望んでそうしているのですから……他がケチをつけることではありませんよね?」
力ある者が正義でルール。サラーブの不文律だ。
日向雛 :
「えっへへへ……」 褒められるとすぐ照れる
ヴァニタス :
「え~~…」
不服そう
メアリー :
「別にケチを付けてるんじゃないわ! ただ疑問なの!!」
メアリー :
「力があろうとなかろうと、タダ同然の報酬で平然と生きていけるほど、郊外の暮らしは甘くないハズ! 何故、お金を取らないの!?」もう良い人のフリも忘れている
日向雛 :
「いやそれは、医師免許がないのが申し訳なくて……」
メアリー :
「本当にそれだけの理由で!?」
イクサ :
イクサは場を取り持つ為、雛を擁護したが……
メアリーの言う事……ほぼ無償の奉仕を孤立無援で続けるのは正気の沙汰ではない……は最もだと思う。
言動が稚拙なことには目を瞑らねばならないが。
日向雛 :
「それにわたし、ソラリスの力をコピーしているので、ある程度健康状態を維持できるんです。それでもお腹が空いちゃうのはどうしようもないですけど……」 タイミングよく、ぐごごごご~っと腹の音が鳴る
日向雛 :
「一週間くらいなら、水だけでも頑張れば全然いけますから!」 両手で握り拳を作る
メアリー :
「……一週間水だけ」
日向雛 :
「はいっ。今日もお水しか飲んでないですね~」
メアリー :
「…………そう、清貧な生き方をしてるのね」
メアリー :
「ええ、そう。わかった。ごめんなさいね、急に問い詰めたりして」更に何か聞いたところでムダなのだろうと、あまりの台詞にクールダウン。会話を切りあげる
メアリー :
「仕事柄、気になるコトは追及したくなるタチで」
日向雛 :
「いえいえ。構いませんよ~」 ほんとに気にしていない笑顔
イクサ :
「お昼時も近いし、一通り要件が済んだら食事を用意させましょう。」
「雛さんはやっぱりオスシが好きかしら?」
日向雛 :
「お寿司!?この街でお寿司が食べれるんですか!?!?」 ガタッと立ち上がって
イクサ :
「馴染みのスシ職人に呼び出しをかけておくわね。」
「スクレイパーだし、すぐ来るんじゃないかしら。その間に依頼の詳しいお話でも。」
日向雛 :
「えっ!?えっ!?そ、そんな……」
日向雛 :
「わぁぁ……!ほんとにいいの!?イクサさん、ありがとう……!!!」 あまりに嬉しすぎて、うっかり敬語が抜けてしまう
イクサ :
「いえいえ。食べたい時に食べたいモノが食べられないのはお辛いでしょう? 私との会食で良ければいくらでも。」
日向雛 :
「やったぁ……!!」 ぱあっと笑顔になって、神様イクサ様に感謝するように胸の前で手を組む
メアリー :
「(はあ……? なにこの女、頭に羽毛でも詰まってんの……?)」その様子を見て、そんなことを思う
メアリー :
「(何を考えているの……? フリにしてもムリがあるし、白々しすぎる……!!)」
メアリー :
「(裏が見えないのが、ある意味でイクサやアベル以上に気持ちが悪い……!!)」
メアリー :
「────けどヒヨコ、ヒヨコね。そこには納得よ。あなたにピッタリの良い名じゃない」呟く
メアリー :
「(……もしこの態度に裏がないならだけど、金持ちだとか猛禽みたいな輩の餌食になりそうで本当にピッタリ)」
マヤ :
「んじゃ、最後は俺か。」話を切り替えるように
マヤ :
「名前はマヤ…ま、呼び方はなんでもいーや。で、こっちがストレイな。」自分の名前は適当に、そして先程いなかったヴァニタスちゃんにストレイの名前を教える
ストレイ :
「よろしく……」 声が徐々に尻すぼみしていく
マヤ :
「シンドロームはブラックドッグだ。…さっき見た通りだが、俺に名前教えても忘れるからストレイに覚えてもらった方がいいぜ。」記憶回路が故障してる、と付け加えながら
日向雛 :
「マヤ?さんですか?なんだか女の子みたいな名前……男性にも使われる名前だったんですね……」 他意はなく不思議そうに
メアリー :
「男とか女とかあるのかしらコレ」
日向雛 :
「え、ないんですか?」
ヴァニタス :
「へ~、私はもうそういうモノだけど、マヤはちゃんと全身義体なんだねぇ」
ストレイ :
「マヤ、どっち……?」
マヤ :
「一応男らしいけどな……」ストレイの質問に自分でも半信半疑の返事
イクサ :
「そもそも、どの言語のお名前なのでしょう? 自動翻訳は便利ですけれど、文化圏が分かりづらいわね。」
マヤ :
「さぁ?記憶から拾ってきた名前だからな…俺もコイツと同じで記憶喪失だから本名知らねぇんだ。」
メアリー :
「(……まあ、男でも女でもいいわ、この場で大事なのは実力だけなのだし)」サラーブで育ったメアは実力至上主義であった
日向雛 :
「あら、まあ……お二人揃って記憶喪失だったなんて……」
日向雛 :
「お名前をすぐ忘れちゃうなら、わたし名札とか貼っておきましょうか?」 自分の左胸の辺りを指で示して
マヤ :
「マジ?じゃあそうしてもらうかな…」※ここは危険地帯サラーブである
イクサ :
「必要なら名札を用意させましょうか? 彼のバイザー波長に合わせて読める名札くらいなら作れるはずよ。」
日向雛 :
「え、本当ですか?じゃあお願いします!」 手作りするつもりだった
メアリー :
「(なかよく皆で名札をつけて、犯人捜しごっこぉ…? 裕福な国の園児かなにかのつもり…?)」
ストレイ :
「わ、私も……出来る限り、覚えておく……ね?」
マヤ :
「ま、毎日顔合わせてりゃ少なくとも敵じゃないことぐらいは覚えてるだろ。」
イクサ :
「それで……そちらのストレイちゃんはマヤくんとどんな関係なのかしら? 重要参考人、なんて自分で言っていたけれど。」
マヤ :
「おっと、まだ名前しか教えてなかったっけ?」
ヴァニタス :
「ね、メンバーにはいなかったはずだし」
日向雛 :
「そういえば、重要参考人とは言っていましたけれど……」
メアリー :
「あなたの子供ってワケじゃないんでしょう? その身体だし?」だいたい目星はついているが、マヤの機械の身体を眺めながら軽口を叩く
ストレイ :
「えっと、えっと……」 何から話すべきか選べず口をモゴモゴさせている
マヤ :
「良いねぇみんなお前に興味深々だってさ?…修理しといてよかったわ。」なにやらご機嫌な様子で壁に向き直るとアイモニターのスイッチを入れる
マヤ :
古い映写機を使用したような映像が青色の壁に映し出される、最新の映画ほど見やすくはないがストレイとの情報を共有するには十分のはずだ
日向雛 :
「わ、すごい!」
イクサ :
「(粗悪品ね……市販の映像機器を無理やり義体に収められるように改造したのかしら。)」
ストレイ :
「ぁ、ありがとう、マヤ……。そう、私ここに倒れてて……」
ヴァニタス :
「ふぅ~…ん」
映像を見ながら、何か考えるように口元を動かしている
メアリー :
「なるほど、出会った時の映像」
日向雛 :
「だから迷子って名前だったんですね……」
メアリー :
「……あ、見て。この動画のストレイのまわりに散らばっている硝子の破片。今回の事件の重要参考人って根拠になりそうよ」
日向雛 :
「あら、本当……。ただの硝子ってわけじゃないですよね、多分……」
イクサ :
「そうねえ。色々と普通じゃないとは噂を聞いているけれど……。 サンプルを調べてみないと、映像だけでは判る事は少ないわね。」
マヤ :
「そう、この破片が気になったから連いてきてもらってんだ。」一旦映像を止めるとカリカリとメモリが擦れる音を立て、少しだけ硝子の破片にズームをする
日向雛 :
「うーん、今までは硝子が周りに散らばっていたら、その人も硝子化しているものなのに……どうしてストレイさんは無事だったんでしょう」
ストレイ :
「それが、わからないの……ごめんね……」 申し訳なさそうに俯く
日向雛 :
「いえいえ、そんな謝らなくても……!それもこれから調べていきましょう!」 安心させるように笑う
マヤ :
「ストレイのものだったのか…それとも別の奴か…?」ん~…と首を傾げると映像も少し傾いてしまう
ヴァニタス :
「そうそう、謝らなくても大丈夫だよ~」
室内で巨躯を器用に滑らせ、ストレイの背後に回り緊張をほぐすように肩を揉む。
ストレイ :
なになに…!?とちょっとした動揺を見せる
ヴァニタス :
「私からもちょっとした情報があるから共有するね、録画機能は搭載されてないんだけど」
日向雛 :
「聞かせてくださいっ」
ヴァニタス :
「実は偶然、硝子化事件の実行犯と会っててね~…いろいろ上手くいかなくてとり逃しちゃったんだけど」
てへ、とおどけて見せる
マヤ :
「いーよ、俺が説明キライなだけだし。」頷きながら映写機のスイッチを切るとオーバーヒートを起こしそうなアイモニターを覚ますようにフードを両手で軽くばさばさ
日向雛 :
「実行犯……!?」
メアリー :
「実行犯って、いかにも育ちが悪そうで凶悪な面構えをした女よね?」
日向雛 :
「あれ、メアリーさんはご存知だったんです?」
メアリー :
「ええ、ちょっと事前調査をね」
日向雛 :
「わぁ、流石No.1の何でも屋さん……!」
ヴァニタス :
「あ、そーそー!彼女、自分のことを”異なる隣人”フェイルって名乗ってたのよね。ご丁寧にお名前を教えてくれたから助かるわ~」
メアリー :
「やっぱり……」
日向雛 :
「もう名前まで分かっているだなんて……!」
マヤ :
「お、名前が分かってるなら解決も早いんじゃねぇの?」
イクサ :
「どんな顔立ちをしてらしたの?」
ヴァニタスへ問う。
メアリーの情報は表情に関してだけで、アテにならないと判断したようだ。
ヴァニタス :
「ああ、それでさっきの…ストレイちゃんの周りに硝子が落ちてたけど無事な理由に戻って来るんだけどぉ…」
ストレイの肩を掴む腕の力が、少しだけ強まる。決して痛みがあるわけではない。が…
ヴァニタス :
「態度は違くても、貴方とお顔がそっ……くりなの。貴方が無事なのって、貴方が犯人だからだったりしない?それとも、貴方に近しい人とか?」
ぐるりと、長い体躯を巡らせてストレイを覗き込む。発光するその目は有機的であり、しかし明らかに無生物のそれだ。
ストレイ :
「えっえっ……!? わ、わたし……えっと……っ」 掠れた記憶の片隅に思い当たるものがあったのか、目を右往左往と泳がせてしまう
イクサ :
「(………。)」
ストレイが犯人とは考えていないが、さりとてヴァニタスから庇うほどの理由もない。
数秒後に落とされるかもしれない火蓋に備え、アールの戦闘準備信号を送る。
メアリー :
「……まあ、言われてみれば、少し似てる?」ヴァニタスの横からストレイの顔をまじまじと覗き込む
ヴァニタス :
「え~、結構似てるわ?」
視線をメアリーへ向ける。少し不満げだ
メアリー :
「う~~ん……こんなに可愛らしいカンジじゃなかったと思うのだけど……」
ヴァニタス :
「まぁ、態度は本当に違うけどぉ…フェイルはもっとオラオラしてたしぃ」
ぶつくさ
マヤ :
「……まぁまぁ、アンタがその犯人に会ったってのは何時の話だ?」さらっと軽い口調で2人の話に割って入る
ヴァニタス :
「え~と……確か夜の〇〇時くらいねぇ、空を飛んでたら夜闇になんだか目立って見えたから降りてみたの」
マヤ :
「なるほどね、俺がコイツを拾ったのは〇日前の〇時でそれより前だ…そこからずっと一緒に行動してる。」フードの中から何本かのメモリスティックを取り出すと、それを見せながら
マヤ :
「これ…拾った当日にグリムギアが俺に作ってくれたこの任務のデータメモリだ。1日に1つ使って記憶保ってるから数を確認すりゃ間違いないはずだぜ?」
日向雛 :
「じゃあ違いますね~……あ、分かった!それなら姉妹とか従姉妹とか親子なんですよ、きっと!」
日向雛 :
「ストレイさんが犯人とは思えませんしね」 いい子そうだし、と朗らかにストレイを見る。データを確認する前から信用してる態度
ヴァニタス :
「まぁ、そういうことなら…本人ではなさそうね。絶対関係はあると思ってるけど…おっけ~♪」
ストレイの肩をはなし、するりとその場を移動する。
ストレイ :
「はわ……」 生まれたての小鹿のような足どりでマヤの背中に隠れる
マヤ :
「重要な情報だが…どっちにしろ記憶がなきゃな…思い出したら話してくれるだろ。」な?と後ろのストレイに
マヤ :
「あんまり怖がらせると夜寝れなくなっちまう。」
イクサ :
「良かった。 ここで喧嘩が始まったらどうしようかと思ったわ。」
搬入ドアの近くまで来た戦車にこっそり手を振って、再度の待機を命じる
ヴァニタス :
「別に実際に犯人だったとしてもここで暴れたりしないわ、そこらへんで暴れてる人たちと一緒にしちゃいや」
おこだよ
イクサ :
「気を悪くしたらごめんなさい。 ほんの冗談のつもりだったの。」
日向雛 :
「まあまあ、誰もそんな人達とヴァニタスさんが同じとは思っていませんから……」
ヴァニタス :
「まぁ、マヤの説明で納得したから私からこれ以上ないわ?あ、一応補足で…いっしょに行動してる仲間的なものがいた、とだけ。詳細はちょっとも分からないからこれだけね」
思い出したように
メアリー :
「……あら、仲間が?」その話は初耳だ
日向雛 :
「単独犯じゃなかったんですね~」
マヤ :
「ストレイだれかお友達いる?」一応聞いてみる
ストレイ :
「ううん……」 首を横に振って
イクサ :
「今はマヤくん以外頼れる人がいないのね? 大丈夫、私たちがストレイちゃんのお友達になるわ。」
メアリー :
「私たちが、って勝手ね…」小声
日向雛 :
「ふふっ、そうなれたら楽しそうですね……今はちょっと遊んだりしてる余裕はなさそうですけど」
イクサ :
「だとしても、この子に頼れる人が一人だけというのは……寂しいでしょう?」
メアリー :
「そんなの一人でもいたら上等だと思うけれど」いちばん頼っちゃいけない人が言う台詞か、と思っている
日向雛 :
「そうです?わたしは寂しいというのは確かに~って思いましたけど……」
日向雛 :
「いきなりお友達って言われても難しいかもしれませんけど、わたしは頼ってもらって大丈夫ですよ。ストレイさん」 小さく微笑みかける
マヤ :
「良かったなストレイ、友達になってくれるってさ?」
ストレイ :
「とも、だち……ともだち……」
ストレイ :
「ぁ……ありがと……わ、私にはもったいない、かも……」 気恥ずかしいのか、ぎこちない笑みを浮かべる
日向雛 :
「あらあら……」 微笑ましそうに見てる
ヴァニタス :
「ム…」
自業自得ではあるが、なんか自分を除いて楽し気な雰囲気になっており不服
メアリー :
「……友達になるって話はともかくとして」
メアリー :
「ストレイが信用に足る人物かどうか、その判断材料になりそうな情報を共有しておくわ」
メアリー :
「……というのも、硝子化事件の目撃者から、その子と犯人に関する話を聞いているの私」
日向雛 :
「目撃者から?」
メアリー :
「ええ、独自ルートで目撃者と接触できたのは幸運だったわ」
メアリー :
「硝子化事件の犯人は"異なる隣人"フェイル、ここまではみんな知っているわね?」
日向雛 :
「さっき言っていたお名前ですね~」
マヤ :
「ヴァニタスが見たって奴だな。」
メアリー :
「彼女はキュマイラのオーヴァード、ウロボロスのEXレネゲイド"鏡"を所持している」
日向雛 :
「鏡?」
メアリー :
「レネゲイドの吸収と付与ができるEXレネゲイドらしいわ。同じウロボロスのあなたなら、機能をイメージしやすいんじゃないかしら?」
日向雛 :
「あ~……!はい!分かりますね……!」
日向雛 :
「ただ、そんな鏡があったなんて初めて聞きましたけど……」
イクサ :
「"鏡"……そういったモノに心当たりがない訳ではないけれど。でも、サラーブに持ち込まれたことはあったかしら……?」
タブレットを叩き、マーケットデータを漁ってみる
メアリー :
「いえ、ないでしょうね、市場に出回っているものじゃないから」
日向雛 :
「一品物か~……フェイルさんはどうやってその鏡を手に入れたんでしょう……?」
ヴァニタス :
「あ、持ってた持ってた!それが夜にキラッて光ったから、近寄っていったのよね~、EXレネゲイドだったんだぁ」
ヴァニタス :
「あれ、私それに何かされたけど、大丈夫かな」
そういえば、とふと
メアリー :
「何かされた……? レネゲイドを吸収されたってこと……?」
日向雛 :
「全然平気そうに見えますけれど……どこか傷んだりしますか?」
ヴァニタス :
「それが本当に分からないの。不思議な空間に飛ばされた?と思ったら、元に戻ってて…不調もないし、何かを抜かれたりとか、付与された感覚もないし。要調査ねっ」
日向雛 :
「初めて聞くことでよく分かりませんけど……それなら、あとでわたしが診てみましょうか。今は症状が表れていないだけかもしれませんし」 少し心配そうに
メアリー :
「調べてみるのがオススメね、ともかく」
メアリー :
「……キュマイラだからって"近距離戦しか出来ない"って侮ってると、痛い目を見るかもね」
メアリー :
「もしかしたら"鏡"のウロボロス能力でヴァニタスのエフェクトを使ってくるかもしれない」
日向雛 :
「わかりました……気をつけます」
イクサ :
「私も検査してみましょう。機械部のことでしたら多少はお力になれるかと。」
日向雛 :
「わぁ、助かりますっ。治すことは出来るけど、実は機械には詳しくないので……」 イクサに笑いかける
ヴァニタス :
「私も自分の体は良く知らないから、その時があったらよろしくしちゃうわね~」
メアリー :
「エフェクトやら記憶やら、ヴァニタス達に失くしモノがないかは専門家達に確認してもらうとして、ここから本題」
メアリー :
「────目撃者曰く、事件現場には、犯人の他に三人いたらしいの」
メアリー :
「そのうちの一人が、事件現場から逃げだした少女。あなたよ、ストレイ。目撃者から聞いた情報が一致しているから、恐らく間違いないわ」
日向雛 :
「……覚えています?」 ストレイを見て
ストレイ :
「……たぶん、そうだと思う」 記憶を奪われた後に最初に見た光景を思い出す
ストレイ :
「私と、そのフェイルって子と……男の人、あとは……2人組……?」
メアリー :
「やっぱりね……記憶が戻ってきたなら良い兆候よ……」重要参考人の記憶がハッキリしたなら、事件解決の糸口になるだろう
メアリー :
「更なる記憶喚起のために、少し聞かせてちょうだい」
メアリー :
「その二人組、重傷を負った"姉弟みたいな黒髪の子達"じゃなかった?」ここに来る前に目撃者に確認した"関係者達の外見情報"を交えて尋ねる
ストレイ :
「……! そ、そうかも……黒髪で、女と、男の……」
ストレイ :
「……二人とも、すごい怪我、してた……」
日向雛 :
「……!!ジャスさんと、ティティさん……!!」 思わず椅子から立ち上がって
日向雛 :
「その二人、わたしの友人です!!絶対にそう!!」
ストレイ :
「そ、そうなの……!? じ、じゃあ、見つけてあげないと、ね……」
メアリー :
「…………友人?」予想外の人物から予想外の反応に驚いて
日向雛 :
「そうなんです……!そもそもわたし、二人を探すためにこのチームのお手伝いに来たから……!」
ヴァニタス :
「へぇ~、そういう立場からの参加もあるんだね」
イクサ :
「まあ、ご友人の為に……。」
マヤ :
「…怪我してて、そのあと覚えてる?」半歩ずれてストレイの横に並ぶと見降ろしながら
ストレイ :
「生きて会えると……ううん、きっと生きて会える、よ」
日向雛 :
「ど、どうしてそう思うんですか……?」 何か根拠があるのかと思って訊ねる
ストレイ :
「……わ、わからない。けど……」 霧のかかった脳の中を手探るように、言葉を絞り出す
ストレイ :
「……逃げる時に、ちょっとだけ動いてるのは、見た……」
ストレイ :
「それに、私を守る為に、戦ってくれたと思うから……」
ストレイ :
「生きててくれたら、嬉しい」
日向雛 :
「……!そうでしたか、ストレイさんを守るために……」
日向雛 :
「あのお二人なら、確かにそうしますね……きっと……」 なんやかんやお人好しな姉弟であることは分かっている
ヴァニタス :
「(守る…なんか不思議な人と立て続けに会うなぁ)」
ぼんやりと話を聞いている
日向雛 :
「だけど、怪我をしているというのが心配です……。早く見つけて、治療しないと……!」
日向雛 :
「あの、皆さん……。ジャスさんとティティさん……さっきメアリーさんが説明された特徴の二人を見つけたら、助けてあげてもらえませんか……?」
日向雛 :
「硝子化事件の解決に直接関係することではないと思うんですけれど……わたしにとって、大切な友人なんです……」
メアリー :
「……私はもとよりそのつもりよ」
メアリー :
「守ってあげられなかった分、代わりになんとかしてやってほしい、って目撃者に頼まれちゃったから」正規の依頼ではないので、本来はどうでもいいのだが
日向雛 :
「あれ、そうだったんですか!?それは親切な目撃者さん……!!」
イクサ :
「ええ、もちろん。他の病院に運ばれているかもしれませんし、情報を当たりましょう。」
雛との距離を縮めるにせよ、交渉材料に使うにせよ、使えるのは間違いない。
ヴァニタス :
「守る~~……まぁ、人を護るのは得意じゃないけど、私も良いよ~」
不承不承と言った感じ
マヤ :
「コイツ守ってくれたんだろ?じゃあ一緒に助けないとな。」保護者責任
日向雛 :
「わああ……!皆さん、ありがとうございます……!」 各々思惑があったりなかったりすることには全く気付かず、感激して胸の前で手を組んで
日向雛 :
「わたしに出来るお礼なら何でもしますから!よろしくおねがいします……!」 丁寧に頭を下げる
メアリー :
「ふ~~~~ん、何でも?」
ヴァニタス :
「気前が良いわね~」
日向雛 :
「はい、なんでも!」 自分に出来る範囲で
イクサ :
「あらあら……そんなにかしこまらなくても大丈夫よ?」
お礼を受け取らない、とは言わない。
日向雛 :
「あ……そ、そうですか?」 顔上げてエヘっと笑う
メアリー :
「まあ、口での約束にどれほどの意味があるか分からないけど、折角だし覚えておきましょう、その言葉」
メアリー :
「…………さて、思わぬ方向に話が逸れたけど、さきほど話した通り、ストレイには『"異なる隣人"から逃げていた』って目撃証言があるの」
メアリー :
「どうヴァニタス? 友達になろう、だなんて私は言わないけれど、その情報を踏まえると、この子は被害者側だと考える方が自然じゃないかしら?」
ヴァニタス :
「あ、私!?うん、マヤの話で大体納得してたけど~、そうねぇ、被害者側かぁ。そっくりなのがやっぱり気になるけど、そこは追々調べがつくのかしらね~」
のほほん
日向雛 :
「きっと姉妹なんですよ~」 姉妹説を謎押しする
ストレイ :
「し、しまい……? そう、なのかな……?」
日向雛 :
「多分!きっと!いや、調べてみないと分かりませんけれどね~」
マヤ :
「姉妹だったら俺、もう一人面倒みなきゃいけないのか…?」そんなわけがない
イクサ :
「もしそうだったなら、お姉さん?と仲直りできるよう協力するわ。………あら?」
イクサ :
「ちょうどいいタイミング。スシ職人さんが来てくれたわ。お昼にしましょう。」
日向雛 :
「お寿司……!?本当に来たんです!?」
イクサ :
イクサが職人2人といくつか言葉を交わすと、彼らは部屋の傍らにスシ・カウンターを設営し始める。
イクサ :
日本から遠く離れた地ではあるが、それなりに寿司屋としての体裁は整っているようだ。
日向雛 :
「わぁぁ……!しかも回らない方!嬉しい……!!」 子どものように駆け寄って、カウンターに座りに行く。
ジャスとティティのことは心配だが、これから戦闘になることも考えると昼食は大事だ。
イクサ :
「用意出来るネタは全部持ってきて、と伝えたから。好きなだけ食べて頂戴?」
日向雛 :
「やった~!イクサさん、本当にありがとうございます!!」
メアリー :
「……気持ちは嬉しいのだけれど、私は遠慮させてもらうわ」席を立つ
ヴァニタス :
「私はちょっと貰おっかな~、お寿司初めてかも」
興味深そうにネタの入った箱を見ている
ストレイ :
「す、し……?」 興味深そうにカウンターをジッと見つめる
マヤ :
「ニッポンの食い物だってさ。」ストレイの疑問に答えるように
イクサ :
「メアリー社長はおスシは苦手だったかしら。スクレイパーの他の料理人を呼びましょうか?」
メアリー :
「いえ、そういうコトではなくて」確かに生魚には抵抗があるが
メアリー :
「こうしている今もどこかで"異なる隣人"は鏡を使ってレネゲイドを蓄えているでしょう」
メアリー :
「相手が加速度的に脅威になっていくのだから、のんびり食事しているヒマはないと思うわ」
メアリー :
「……まあ、重傷の姉弟の安否より、仲良くくっついてる魚と米のほうが大事なら止めないけれど」呑気に寿司の話をしていた二人に釘を刺す
日向雛 :
「もちろんジャスさん達のことは心配ですが……」
イクサ :
「ふふ。戦場だからこそ、ではなくて?」
「食事に睡眠。きちんとコンディションを整えておかなければ、大事な時に最高のパフォーマンスが発揮できないわ。」
日向雛 :
「そうです!これから相当強い相手と戦うんですから、」
日向雛 :
「まずは……もぐもぐ、お腹いっぱいに……んぐ、してエネルギー満タン……あ、おいしっ……もぐ……にしないと……!」 一足先にいただきますして、タイやヒラメなどの白身系のネタを頬張り、口元を隠しながら喋ってる
メアリー :
「…………」
メアリー :
二人の言うコトは一理ある。メアもそれは分かっているが、何よりメアは他人と同じテーブルで食事した経験がなかった。故に初めてのことに抵抗があったし、信用できないヴィラン達と会食したいとも思わなかった。
イクサ :
「大丈夫よ、メアリー社長。何かを盛ったりなんてしないわ。もし私が信用ならないのなら、あなたが信頼できる料理人を呼んでも構わないのよ?」
職人からネタが並んだ桁を受け取り、玉子から手を付ける
日向雛 :
「でも、食事は一人で静かに食べたいって方もいますからね~」 無理強いはしない
日向雛 :
「だけど、食べない方の分はわたしが全部食べちゃいますよ~」 まだ手をつけていない、マヤとストレイの方をにこにこと見ながら
ヴァニタス :
「気持ちはわかるわ~、何せここはここだから」
慣れない手つきであぐあぐとマグロをいただいている
ストレイ :
「…………」 美味しそうに食べている様子を見て思わず生唾を飲み込む……が、一向に手を付ける様子がない
ストレイ :
……彼女はマヤを見上げる。何も言わないが、何かの許可を求めているようにも思える。
マヤ :
「…俺は食えねぇからな、アンタにやるよ。」職人から寿司の乗った桁を受け取るが少し考えた後にヒナちゃんへ差し出した
マヤ :
「あ?…ああ、別に食べたいなら食っていいんだぜ?」ストレイの様子に何かを察するとカウンターの椅子を引いてそこへ座るように促す
日向雛 :
「すっごくおいしいですよ~!食べましょ食べましょ!」 マヤから受け取った寿司を口の中に放り込みながら
イクサ :
「そうよ〜。私に遠慮なんてしなくていいわ。」
ストレイ :
「……! い、いただきます……」 その言葉を聞くと、ぴょいっと身軽に椅子に座り慣れない手つきで一貫ずつ食べ始める
ストレイ :
「……~~~~っ!?」 ツーンと鼻をつく強烈な刺激にのたうち回る。どうやらわさびは初めての感覚だったようだ。
マヤ :
「…なんか苦しんでるぞ?」ストレイの横の椅子に座りながら、毒ではなさそうなので軽く周りに聞いてみる
日向雛 :
「あ、そっかワサビ……」 子供にはきつかったんだと気付く
イクサ :
「あら、サビは減らしてないの?」
職人に問う。………お得意様からの鶴の一言に、彼らは手早く新しいサビ抜き寿司を準備し始める。
ストレイ :
「ぅ、ぅぅ……サ、サビ……? おそろしい、たべもの……」 ぽろぽろと流れる涙をお手拭きで拭う
ストレイ :
「でも、お魚はおいしい……」
日向雛 :
「それならまだよかった……。次からのは辛くはないですからね~……」
ヴァニタス :
「この感じ、サビって言うんだぁ、生魚もめずらしいし、変なもの食べるんだねぇ…。美味しいけど」
イクサ :
「日本伝統のスパイスなのよ? でも、少し刺激が強かったみたいね。」
ストレイに少し冷まさせたお茶を差し出す
メアリー :
「そんなに美味しいなら、私の分もあげるわ。折角だけどお腹が空いてないから」
日向雛 :
「え、ほんとですか?わぁい、じゃあいただきますね~」 遠慮なくメアリーの分を貰ってる
イクサ :
「メアリー社長はお腹が空いてないのなら仕方ないのだけれど……。マヤくんはどうかしら?」
マヤ :
「あー…俺は口ってヤツ?ないから…そもそも食事したことねぇし出来ないんだ。」悪いけど、と肩を竦める
日向雛 :
「さっきも食べれないって言ってましたね~。わたしがもらっちゃいました」 トロなどの味の濃いネタに突入している
日向雛 :
「でも、こんなに美味しいのに……」 ご飯食べれないなんて、と少しだけ可哀想に思う
イクサ :
「消化できなくても、味覚デバイスで楽しむだけでもいいのよ? 気にしないわ。……と思ったのだけれど。」
イクサ :
「……味覚デバイスも用意されてないのね。配慮が足りなかったかしら、ごめんなさい。」
マヤ :
「へぇ、そんなデバイスあるんだな?俺にはついてないっぽいわ…」うーん、と考えるが心当たりはない様子
イクサ :
「(ウチの正規品の義体には最低限五感全てのデバイスは付けてあるはず……。ウチの義体ではあるはずだけど、どこから持ってきたのかしら。)」
マヤ :
「ま、食えなくても“うまい“ってのがどういう感情かはなんとなく分かるぜ?」少しおどけて見せると隣のストレイちゃんの額に触れる
ストレイ :
「むぐ……?」 口の中にお寿司が詰まっているのか頬が膨れている
マヤ :
「…よしよし旨いか。よかったなぁストレイ?」ストレイの脳波をスキャンし幸福を感じ取ると頷いて自分も満足そうにする
イクサ :
「(そのくせ、脳波スキャンは付いてる高級品……。)」
イクサ :
「(おそらく"マヤ"……あの子の試作品かしら……。)」
イクサ :
「マヤくん。お寿司の代わりといってはなんだけど、装備を見繕ってあげるわ。」
「後で接続ポートの規格を見せて頂戴。」
マヤ :
「…マジ?そいつは僥倖だな。」
「…これで少しはオーバーヒートも減るか…」ポカンとイクサさんを見るが声はワントーン高くなり、純粋に嬉しいようだ
メアリー :
「…………」ヴィラン同士が仲良さそうに会食している光景を見て、サラーブらしくないな、と小さく溜息を漏らす
メアリー :
「……ジャスとティティとかって姉弟のことも気になるから、私はお先に失礼するわね」
双子が気になるというのは半分ウソ。他のヴィランより先に犯人を特定して"鏡"を回収してしまいたいだけだ。
メアリー :
「それじゃ、ごゆっくり」また後で、と連絡先を残して部屋から出る
イクサ :
「ええ、分かったことがあれば後ほど。」
片手を緩やかに振って見送る
日向雛 :
「あ……メアリーさん!!!!」 食べてるお寿司を呑み込んでから、部屋から出る直前にメアリーを大声で呼び止める
メアリー :
「……何? 忘れ物でも?」ドアノブに手をかけたところで振り返る
日向雛 :
「わたしもこれ食べ終わったらすぐに捜しに行きますから!またあとで……!!」 ジャスとティティのことを気にかけてくれたのが嬉しかったのか、笑って手を振る
メアリー :
「…………ええ、またあとで」今度は何を言いだすのかと身構えていたが、笑顔で手を振られたことに少し驚いて
メアリー :
「はあ、ほんとになんなの……あいつと話してると調子が狂うわ、狂いっぱなしよ……」と小さく愚痴りながら部屋を今度こそ出る
GM :
ロイスの取得と感情変更の宣言どうぞ!
イクサ :
マヤくんに好奇心/侮蔑のPでロイスを!
system :
[ イクサ ] ロイス : 3 → 4
メアリー :
イクサさんに有為/脅威、雛ちゃんに憧憬/不信、どちらもN表でロイスを取得します!
system :
[ メアリー ] ロイス : 3 → 5
ヴァニタス :
難しいわね、雛ちゃんに 関心/✓奇異 なんかで取っちゃおうかしら
system :
[ ヴァニタス ] ロイス : 3 → 4
マヤ :
自分は一旦ロイス保留で!
日向雛 :
寿司の恩があるのでイクサさんにロイスを取っておきます。◯好意/脅威で。なんていい人なんだ…そしてなんて金持ちなんだ…
system :
[ 日向雛 ] ロイス : 3 → 4
GM :
なんて…神々しいママなんだ…
GM :
ロイス関係はこんなものだね!では締めの文も無くシーン終了するよ!
Scene07 情報収集
GM :
では情報収集に入って行きます。
これから調べられる項目を提示するので、調査したい項目を宣言して登場侵蝕などを振っていってくだされ。
GM :
調査できる項目はこちら。抜くことで追加で調べられるものが増えたりするものもあります。
調査項目
◆ストレイについて
〈情報:噂話〉〈知識:レネゲイド〉 7
◆都市で起きている硝子化事件について
〈情報:噂話、ヴィラン〉 10
◆"異なる隣人"について
〈情報:FH、ヴィラン〉 7
◆失踪中の姉弟と事件について
〈情報:ヒーロー、ヴィラン、噂話〉 8
メアリー :
ひとまず登場しまして、
メアリー :
1d10+40(1D10+40) > 10[10]+40 > 50
メアリー :
ハイドアウトを使用!このシーンに登場する全てのキャラクターが行なう<情報>判定のダイスに+1個!
GM :
もりッと増えたし援護が手厚い!
イクサ :
登場します!
イクサ :
1d10+50(1D10+50) > 2[2]+50 > 52
イクサ :
硝子化事件行きます!情報ヴィランで
アイテム:ミーミルの覚書をコネVネットの影に変換!
GM :
おっけー!どうぞ!
イクサ :
6dx AIDAとハイドアウト適用(6DX10) > 8[4,4,5,7,8,8] > 8
GM :
むむ!
イクサ :
財産点2点支払ってもよかですか!
GM :
いいでしょう。2点ゴチになります。
system :
[ イクサ ] 財産点 : 10 → 8
GM :
では開示!
◆都市で起きている硝子化事件について
人体が硝子化した後に死亡するという奇怪な事件。
"異なる隣人"が持つ『鏡』が発する光を過剰に浴びることで発動する。
硝子化する過程で被害者は不可解な幻覚に襲われた後、徐々に四肢から硝子化が進行し、全身を覆われて死亡する。
ヴァニタスが硝子化しなかった原因は"異なる隣人"がひどく疲弊していたことが一因であるようで、『鏡』の使用者の身体にも負荷がかかるようだ。
過去にも同様の事件が発生した記録があり、先代の"親指"が対処している。その事件は発端である"ヴィラン"が追放されることで幕を閉じた。
エトワールの調査結果について〈情報:ヴィラン、噂話〉10、〈知識:レネゲイド〉8が開放されます
イクサ :
調達します!
対象はリアクティブシールド(IAp26)、目標18!
GM :
振ってもいいぜ
イクサ :
5dx+11 頼むで〜(5DX10+11) > 9[1,3,3,8,9]+11 > 20
イクサ :
後でマヤくんに渡しておきます
GM :
調達成功!スコーピオも商売相手なら公正な取引をします
GM :
ではでは、次に出たいものはおるか!
メアリー :
では私がいこう!!
GM :
押して参れ!
メアリー :
先にユニバーサルフォンを調達したいです!
GM :
イイズェ
メアリー :
2dx+2 目標値5の<調達>(2DX10+2) > 5[3,5]+2 > 7
GM :
やるな笑
メアリー :
買ったばかりのユニバーサルフォンとコネ:情報収集チームを使用!◆失踪中の姉弟と事件についてを調査しますよ!!
GM :
どうぞ!
メアリー :
3dx+3 ハイドアウトユニバーサルフォン込みで目標値8の〈情報:噂話〉(3DX10+3) > 10[5,6,10]+7[7]+3 > 20
GM :
うおっデッカ
メアリー :
はい、依頼達成率100%
GM :
流石ですねぇ、では開示!
◆失踪中の姉弟と事件について
硝子化事件に伴って、かつて"小指"の部下であったヴィラン達が彼らの拠点付近で立て続けに殺害されるという事件が発生している。
その一方で"異なる隣人"による硝子化殺人が鳴りを潜めていることから、何らかの関連性が考えられる。
ヴィランの殺害現場周辺では、行方不明とされていたジャスとティティの姿を目撃したとの情報がある。
GM :
これに伴って、トリガーシーンが発生します。
GM :
情報抜き終わって合流する前にやりましょか
メアリー :
な、なんですってーっ!?!?トリガーシーン、何が起きるのか、こわ楽しみだね!!
マヤ :
じゃん!(俺参上)
マヤ :
1d10+63(1D10+63) > 9[9]+63 > 72
マヤ :
ストレイについて調査します!
GM :
では判定どうぞどうぞ
GM :
〈情報:噂話〉〈知識:レネゲイド〉 7なのでマヤくんだと3dxになるかな?
マヤ :
3dx+2(3DX10+2) > 9[6,8,9]+2 > 11
マヤ :
データブレインとハイドアウト適応!
GM :
そうだった!おkおk、じゃあ開示だ
◆ストレイについて
裏路地で倒れていた年端もいかない少女。
サラーブの市民としての記録もなく、家族と思われる者も確認できていない。
オーヴァードであることは間違いなく、ストレイに対して検査を行った結果、エンジェルハィロゥ/ウロボロスのクロスブリードである事が判明した。
しかし『鏡』の影響か戦闘能力を持ち合わせておらず、エンジェルハィロゥのエフェクトで幻影を投射することが辛うじて可能なようだ。
誰かの許可なく行動することに慣れていないようで、いつも指示を待っているようにも見える。
GM :
調達!必要ですか!
マヤ :
ユニバーサルフォン!目標値5、マイナーアクションで使用(達成値+1)
GM :
ドウゾォ
マヤ :
2dx+1(2DX10+1) > 6[4,6]+1 > 7
GM :
調達できてるね!よしよし
GM :
では次の方!
日向雛 :
じゃあ登場します~
日向雛 :
1d10+43(1D10+43) > 1[1]+43 > 44
日向雛 :
すごい…低い
GM :
低燃費少女ヒヨコ
日向雛 :
後から上がりまくるしいいこと
日向雛 :
駄目で元々、人生はギャンブルぞいの精神でわたしもユニバーサルフォン調達します
GM :
国家ぐるみの場合は犯罪にならんゾイなのでどうぞどうぞ
日向雛 :
1dx 目標値5(1DX10) > 8[8] > 8
GM :
やるじゃない…
日向雛 :
あったよ!ユニバーサルフォンが!!
GM :
でかした!
日向雛 :
こいつにそんな携帯電話買えるお金はないので、管理局からかして貰ったってことにしておきます
GM :
返さないと延滞料金取られますからね(嘘)
では調査項目の宣言どうぞ!
日向雛 :
エトワールの調査結果について〈情報:ヴィラン、噂話〉10、〈知識:レネゲイド〉8を、知識の方で振ります!
日向雛 :
マイナーアクションでユニバーサルフォン使用!
GM :
了解どうぞ!
日向雛 :
4dx+3 目標値8(4DX10+3) > 10[2,2,10,10]+10[4,10]+7[7]+3 > 30
日向雛 :
うおデッカ
GM :
デッッッッッ
GM :
……ッッッ開示
◆エトワールの調査結果について
先代の親指が遺した情報から"異なる隣人"が使用している『鏡』は正真正銘、"小指"が以前にも所持していたものであると判明した。
アイテムの名は『渇望鏡』。
EXレネゲイドに感染したアイテムであり、本来ならば鏡面に写った人物の『強く望んだ願望を叶えた姿を映すだけ』の鏡である。
"小指"はその理想の姿を現実の人間に投影し実体化する技術、ウロボロスシンドロームを用いた現実の人間からレネゲイドを吸い出し保存する技術を開発した。
それらの技術でサラーブの戦力増強を図ろうと試みたが『渇望鏡』の出力は酷く不安定で被験者の8割以上が硝子化し死亡するという極めて危険なものであった。
自らの組織員と市民の犠牲すら省みず『渇望鏡』の実験を幾度となく繰り返す"小指"はサラーブにとって危険因子と判断され、"親指"が追放に踏み切った。
それがなぜ"異なる隣人"が手にしているのか。
エトワールは密かにサラーブへ帰還しているであろう"小指"がその答えを握っていると睨んでいる。
日向雛 :
アベル!!!!!お前小指やんけ!!!!!!!!!!!!
GM :
し、知らないベルよ~
日向雛 :
とぼけやがってぴよ…
日向雛 :
エトワールちゃんとは多分初対面ですが、チームに入ってることは知ってると思うので快く譲ってもらいました。
GM :
エトワールちゃんは柔軟なお方……
GM :
では次のおかたかた
ヴァニタス :
1d10+66(1D10+66) > 9[9]+66 > 75
ヴァニタス :
侵蝕値 恐れない
GM :
モリっと増加したねぇ
ヴァニタス :
嘘 こわい
GM :
怖いかオーヴァードよ!残りの情報は「◆異なる隣人について」だ!
ヴァニタス :
ユニバーサルフォンを参照したいけどレネゲイドウォーが見当たらない漢になってる ちょっと待ってネ
日向雛 :
目標値5で、マイナーアクションで使用すると情報判定達成値に+1されるよ
GM :
ウォウォ、そんな感じです(便乗GM)
イクサ :
強すぎんだろ!どうなってんだユニバーサルフォン!!
ヴァニタス :
ございました 購入よろしいか!
GM :
いいよ!
ヴァニタス :
(2+1+0)dx(10+0)+0+0 〈調達〉判定 でもね3DX(3DX10) > 10[2,3,10]+2[2] > 12
ヴァニタス :
やったぜ
GM :
やるわね
GM :
無事入手でございます。では調査の判定もどうぞ
ヴァニタス :
マイナーで使用して調査するぞ!〈要人への貸し〉と〈情報収集チーム〉を使用してブーストするぜ
GM :
いいぜ、来い!
ヴァニタス :
(2+1+0+3)dx(10+0)+2+1+0 〈情報:ヴィラン〉判定(6DX10+3) > 10[4,7,7,7,8,10]+1[1]+3 > 14
GM :
余裕のヴァニっちゃん、では開示します
◆"異なる隣人"について
ストレイと時を同じくして現れた少女。
自身を"異なる隣人"フェイルと名乗り、手にした『鏡』でヴィラン達を次々と硝子化させている。
『鏡』の力を行使するのに体力が必要なのか疲弊した様子が確認できている。
一見、手当たり次第に硝子化させていたことから、ジャーム化による暴走と考えられていたが、被害者達は例外なくかつて"小指"に従っていたヴィランであったことから明確な目的を持って行動していると考えられる。
そして現場に落ちていた髪の毛から検査を行った結果、ストレイとの遺伝子情報が9割以上一致している。
GM :
こんな感じですね!
Scene08 向き合う意思
GM :
登場PCはメアちゃん、登場どうぞどうぞ
メアリー :
1d10+50(1D10+50) > 6[6]+50 > 56
GM :
そこそこ!では導入文から
GM :
調査に乗り出してしばらく。あなたは様々な伝手や情報網を辿り、一つの情報を手にした。
GM :
それは、以前"小指"の部下であったヴィランが立て続けに殺されているということ。
GM :
そして…失踪中の姉弟。ジャスとティティがその周囲で立て続けに出没したという情報だ。
GM :
状況から考えれば、あの二人が事件に関わっていると見ていいだろう。
しかし雛やストレイから聞いた限りでは彼女達が理由もなく他者を害そうとするのは想像しづらい事柄だ。
GM :
────だが、偶然が連続することは考えづらい。サラーブという悪の都で志が変遷していくことは決して珍しくない故に。
メアリー :
「ただの被害者ABだと思っていた姉弟がまさか、こんなとこで関わってくるなんて思わなかったわ」
メアリー :
「どうして二人がここに……生きていたならヒヨコに連絡しそうなものだけど……」
メアリー :
「友人って言っていたのは、あいつの虚言とか? それはそれで意味わかんないか?」
メアリー :
小さな呟きを、コツコツと鳴る足音が隠す。メアは単身、小指のヴィラン達の殺害現場に足を踏み入れていた。このあたりで姉弟は目撃されたはずだ。
メアリー :
「考えてみても答えは出ない、か」本人に会って聞いてしまった方が話が早いだろうと歩みを早める。
GM :
あなたがそうしていると……路地の暗闇から身体の芯にまで届きそうな、ひどく冷徹な声が響く。
??? :
「止まれ」
メアリー :
「────誰?」咄嗟に首元の鎖に手をかけて、暗闇を睨む
GM :
都市の闇に溶け込んだその影はあなたをしばらく見つめると、冷たい空気を吐き出すように口を開く。
??? :
「この一件に関わっているヤツらに伝えろ。この事件から手を引け、と」
メアリー :
「ハッ、こっちの質問に答えないくせに“止まれ”だの“手を引け”だの、勝手な要求ばっかり」
メアリー :
「私は何でも屋よ? タダで相手の言うコトを聞くとでも思ってんの?」
??? :
「わざわざ警告しに来てやったのに、随分と態度がデカいな」
メアリー :
「そっちこそ警告だなんて態度がデカいんじゃない? そんな暗がりから出られない臆病なネズミのくせに!」
??? :
「……ネズミ? はっ、随分な物言いだな。品性を胎に置いて来ちまったらしい」
GM :
影はあなたの挑発にも依然として応じる様子はない……。
GM :
ここで知覚判定を振ることができます。目標は4。達成できれば正体がわかります。
メアリー :
知覚? 得意なんだよね私!
GM :
やってみろ!!
メアリー :
3dx+1 <知覚>(3DX10+1) > 7[1,2,7]+1 > 8
GM :
やりおるわい、では正体を描写しましょう
GM :
陰からゆっくりと分離させるかのように、サラーブの月がその者の姿を曝す。
GM :
まず目を引くのは白いスーツ。一目で高価な生地で仕立てられたと理解できるそれに、首からは十字架が下げられていた。
GM :
そして表情に乏しく、あなたを冷めた目で見つめるその正体は────
ティティ :
「……まったく、どいつもこいつも品がなくて厭になる」
GM :
……恐らくは彼がティティだろう。雛が探していた、姉弟の片割れだ。
GM :
彼の手には50口径の拳銃が握られ、冷めた目があなたを貫いている。初対面の相手を酷く警戒するのも道理というものだ。
メアリー :
「……へえ、鼠にしては随分と良い服で着飾っているのね」
メアリー :
「特に、その胸の十字架がステキ」
メアリー :
「……ヒーローズクロス。この街に存在してはならないハズのそれを、何処で手に入れた」
ティティ :
「上等なスーツだろ? あとコイツは……ああクソ、忌々しい……」 十字架を一瞥し、視線をあなたに戻す
ティティ :
「俺が手に入れたワケじゃねぇ、押し付けられた……が、正しい」
メアリー :
「はあ……? 押し付けられた……?」
ティティ :
「ああ、もう知ってるだろ? "小指"の元部下を殺し回ってるって話はよ」
ティティ :
「あれは俺の意志でやってることじゃねぇ、強制されてやってる」
ティティ :
「その強制してくるヤツに押し付けられた、そういう話だ」
メアリー :
「話が要領を得ないわね、"ティティ"」
メアリー :
「……あなたはヒヨコ・ヒナタから"友人"って聞いてるわ」
メアリー :
「彼女のもとに帰れないのも、その犯人のせいってコトなのかしら?」
ティティ :
「…………」 雛の名前を聞き、目を伏せる。その態度は明らかにあなたの問いを肯定している。
日向雛 :
ヒヨコ・ヒナタ、登場します!
日向雛 :
1d10+44(1D10+44) > 4[4]+44 > 48
日向雛 :
「メアリーさ~~~~ん!!待って~~~~!!!」
日向雛 :
緊張感を壊すような間抜けな声と、慌ただしい足音が響く。
日向雛 :
「ど、どうして先に行っちゃうんですか?待っててくださいって言ったのに~……」
メアリーの後ろから息を少し乱しながら、雛が追いついてくる。片手に握っているユニバーサルフォンに、事前に場所を連絡されていたらしい。
メアリー :
「……間が良いのか悪いのか、本当に凄いタイミングで来たわね、あなた」
日向雛 :
「え?」 立ち止まり、メアリーの顔を見て
ティティ :
「……よっ、ひな」 バツが悪そうに軽く手を上げる
日向雛 :
「……え!?ティティさん!?」
日向雛 :
「わぁ……!無事だったんですね!よかったぁ……!」
メアリー :
「おめでとうって祝福してあげたいところだけど、そうめでたい状況でもないみたい」
メアリー :
「……少なくとも『感動の再会』ってムードじゃないわよあっちは」バツの悪そうな顔をしたティティをアゴで指す
日向雛 :
「え……?」 ティティを見る
ティティ :
「はあ、まったく……」やれやれと首を振って
ティティ :
「ひな、わりぃな。 少なくとも"今の"俺はお前達の味方じゃねぇ」
ティティ :
「事件からも手を引け、そいつが一番良い」
日向雛 :
「え?え?言っている意味があまりよくわからないんですけれど……」
日向雛 :
「事件から手を引けなんて、出来ませんよ。ジャスさんもまだ見つけてないのに……」
日向雛 :
「あっ、ジャスさんは!?一緒にいないんですか!?」
ティティ :
「姉貴は……」
ティティ :
「……一番手に負えねぇ。身体は無事だが、頭は相変わらずだ」
ティティ :
「こうやって警告してんのも、姉貴に対して手を焼かせたくないからだ。俺と違って役に入り込んでやがる……」
日向雛 :
「役……?あの、さっきから全然よく分からないんですけれど……」
日向雛 :
「とりあえず、ジャスさんも連れて一緒に帰りませんか?今すごく物騒ですし、色々と心配ですし……」
日向雛 :
「それに、お二人が助けてくださったストレイちゃんもこっちにいるんですよ。会ってあげてください!」
メアリー :
「……そんなの出来ない相談でしょうティティ?」
メアリー :
「今のあなたは、ヒーローごっこで小指の元部下を殺しまわっている連続殺人鬼」
メアリー :
「この街の平穏を乱している張本人だものね?」
メアリー :
「ああ、こっちに手を引いてほしいってコトは"異なる隣人"の仲間なのかしら?」
日向雛 :
「……!?え……?」 信じられない目でティティを見る
ティティ :
「品がない代わりに頭は回るみてぇだ」
ティティ :
「そうだ、その説明で大体合ってる……ただ、無理やりって言葉を付け足させてもらうぜ」
日向雛 :
「無理矢理……。そ、それならなおさら逃げましょう!?」
日向雛 :
「何か脅されてたりするんですか!?それならわたしがなんとかしますから……!」
ティティ :
「……逃げることができたら良かったんだけどな」
ティティ :
「俺達はフェイル……"異なる隣人"の持つ鏡で瀕死の状態から叩き起こされた。今の姿の状態でな」 ティティは懐から名刺を取り出すと、2人の足元に投げる
ティティ :
「"諫言者"ティティ。若くして会社を立ち上げた大物実業家ヒーロー……それが今の俺らしい」
日向雛 :
「……!!まさか……」 すぐに思い当たり、名刺を拾いながらティティの姿を上から下まで観察して
日向雛 :
「鏡の力で理想の姿にされたって、こと……ですか……!?」
ティティ :
「…………」 その言葉を鼻で笑う、それは自身に向けられているようにも思えた
ティティ :
「そんなところだ、ついでかは知らんが……俺は"異なる隣人"に歯向かえねぇ、無意識下に歯止めがかかっちまう」
メアリー :
「理想の姿? 何のことか知らないけど、お笑い種ね?」
メアリー :
「他人に手綱を握られ、殺人を強制されることの何処が"理想の姿"よ?まだそこらの鼠の方がマシな生き方してるわ?」
ティティ :
「まったく、その通りだ……。おれはただ金があれば惨めに生きていくことはない、なんて思ってただけなのにな……」
ティティ :
「勝手に地位まで付与されて、自由まで縛られた。人生上手くいかねぇもんだ」
日向雛 :
「ティティさん……」
日向雛 :
「……あの、もう一度確認させてください」
日向雛 :
「ティティさんは無理矢理その姿にされて、命令に従わされている……」
日向雛 :
「本当は小指の部下を殺して回るヒーローなんてやりたくない。それで合っているんですよね?」
ティティ :
「……姉貴はノリノリだけどな」 暗に自身はそうではない、と答える
日向雛 :
「分かりました……」 一旦目を伏せてから
日向雛 :
「じゃあ、わたしが"異なる隣人"を倒します!!」 ティティの目をまっすぐに見つめる
日向雛 :
「そして、ティティさんもジャスさんも今の状態から解放する!それで全部解決です!!」
ティティ :
「…………」 ティティは雛の真っ直ぐな視線に一瞬たじろぐ
ティティ :
「……"異なる隣人"と敵対するってことは、俺達とも敵対するってことだ」
ティティ :
「手加減は、できねぇぞ」
日向雛 :
「ふふっ、大丈夫ですよ~。手加減しないで来てください」
日向雛 :
「今のわたし、負ける気が全くしないんです」
日向雛 :
「なぜなら、お腹いっぱいだから!!!!」
日向雛 :
「実はさっきお寿司食べてきたんですよ、お寿司~」 えっへへへ、と気の抜けた笑顔を向ける
メアリー :
「……いや、その理由はいくらなんでもナシじゃないかしら」思わず突っ込む
日向雛 :
「え!?何でですか、アリですよ!!お腹が空いてるのとそうでないのとでは力の入り方が全然違います!!」 力強く拳を握って
メアリー :
「ええ……? あなたはどう思う……?」毒気が抜けて、思わずティティに尋ねる
ティティ :
「……ま、まあ、いいんじゃねぇの……?」 ひなのノリに慣れているせいか、若干困惑した様子を見せるだけで済んだ
メアリー :
「いいんだ……」
メアリー :
「まあ、ヒヨコの腹具合はともかく、あなたたち程度に負けるほど私も弱くはないわ、心配はご無用よ」
ティティ :
「そうかい、言葉だけじゃないことを祈ってるぜ」
日向雛 :
「じゃあ……どうしますか?ティティさん」
日向雛 :
「今ここで、わたしと戦いますか?それとも、出直してジャスさんや“異なる隣人”を連れてきますか?」
日向雛 :
「わたしはどちらでも大丈夫ですよ~」 余裕気に、いつもの調子で聞いてくる
ティティ :
「飄々としすぎだろ……初めて会った時もそうだったか……」
ティティ :
はあ…と深い溜息をつくと懐から名刺とペンを取り出して何かをメモする
ティティ :
「……じゃあな。また後で、だ」 ティティはその名刺をあなた達へ投げた
日向雛 :
「わっ、とと……!」 名刺を落としそうになりながら受け取って
メアリー :
「品がどうのと文句を言っていたクセに、名刺の渡し方がなってないわね……」
日向雛 :
「は、はい、また後で!気をつけて帰ってくださいね!それと……」
日向雛 :
「今は味方じゃなくても……わたし達、今でも友達ですからね。ティティさん」 名刺を見る前に、ティティにそう微笑みかける
ティティ :
「ああ……」
ティティ :
短く返事をしたティティは手にしていた銃を地面に向け、引き金を絞る。
ティティ :
発射された弾丸はコンクリートに沈み、沈黙する。
ティティ :
一呼吸の間の後。地面から雨後の筍ごとく飛び出したコンクリートの柱がティティを突き上げ、彼はその勢いのまま建物の屋上へと飛び姿を消した……。
日向雛 :
「わぁ……ティティさん、あんなこと出来るんだ……」 ほえ~と見上げてる
メアリー :
「…………」別れる二人を、黙って見つめ
メアリー :
「おそらく"鏡"の能力で強くなった能力でしょうね、これまで調べた限り、あそこまでの力はなかったと思うし」と雛の疑問に推測を返す
日向雛 :
「そうですね~、わたしも初めて見ましたし……」
日向雛 :
「……あ、この名刺何だったんでしょう?」
日向雛 :
渡された名刺を確認します。
GM :
「〇時間後、俺達は××区の廃墟に住むターゲットを殺す。そこでまた会おう」……と走り書きながらも綺麗な字でそう綴られていた
日向雛 :
「わぁ、見てください。予告状です」 メアリーに見せる
メアリー :
「予告状って……、アジな真似をしてくれるわね……」横から覗き込む
メアリー :
「私達、怪盗と戦うヒーローとかじゃないんだけど……?」
日向雛 :
「別にいいじゃないですか、ヒーローでもヴィランでもなんでも」
メアリー :
「サラーブで、それ言う?」
メアリー :
「まあ、今回の場合は、ヒーローが大量殺人犯でヴィランが街の秩序のために奔走しているのだし、どっちがどっち、って話だけれど」
日向雛 :
「……本当は、皆同じなんですよ。ヒーローも、ヴィランも……世界がそう都合よく分けただけ」 小さく呟いて
日向雛 :
「まあ、とにかくこの時間にこの場所に行けるように、皆さんにお声をかけましょうか!一旦帰りましょう!」
メアリー :
「……? ええ、そうしましょう?」雛の呟きは聞こえなかったらしい
メアリー :
「ああ、でも、そのまえに質問」
メアリー :
「……ティティはともかく、ジャスが本気で殺しに来たとしたらどうするの?そっちは今の在り方で満足しているみたいな口振りだったじゃない?」
日向雛 :
「どうするって……もちろん、止めますよ……?」
日向雛 :
「もし、ジャスさんが本当に理想の姿に満足していても、関係ありません」
日向雛 :
「ティティさんが嫌がってるんですし。それに……」
日向雛 :
「わたしも、嫌なんです。まだ会ってないけど、きっとわたしも元のジャスさんの方が好きですから」
日向雛 :
「ちょっとわがままかもしれませんけどね……!もしそれで怒られたら、謝ります!」 えへ、と小さく笑って
メアリー :
「ええ、本人の意向はお構いなしなんて、大したエゴよ?」
メアリー :
「……でも、そういうのもサラーブらしくて良いのかもね」呟く
メアリー :
「…………いえ、何でもないわ、冷え込んでくるし早く帰りましょう」
日向雛 :
「あはは……」 自分がエゴなことは否定出来ない。そもそも雛がこの街に来た理由も、彼女自身のエゴなのだから
日向雛 :
「はい、帰りましょう……」
日向雛 :
「あ、ちょっと待って!」 思い出したように呼び止める
メアリー :
「……それ多いわね、あなた」
メアリー :
「何? 肌寒いのなら、この外套を少し貸してあげてもいいけど?」外面親切
日向雛 :
「わぁ、ありがとうございます!でもそうじゃなくって……」
日向雛 :
「ティティさんを見つけてくださって、ありがとうございます。メアリーさん」
日向雛 :
「さすが、遂行率No.1の何でも屋さんですね!」
メアリー :
「…………別に、もともと頼まれていたコトだし、事件の解決のためでもあったから、あなたが礼を言う必要はないわ」
日向雛 :
「あれ、そうですか?でもお礼くらいは言いたくて……」
日向雛 :
「ごめんなさい、それだけですっ。では、行きましょっか……!」
メアリー :
「……ええ、こんなとこに長居する必要はもっとないもの」愚直に褒められて感謝されたのが照れ臭かったのか、雛の前を早足で歩いていく
日向雛 :
「あっ、待ってくださーい……!」 慌てて追いかけて
GM :
ロイスの取得、感情の変更が可能です!
日向雛 :
ジャス&ティティのロイス感情を友情/◯不安→◯友情/不安に、表の感情をNからPに変えます。友達として助けるよ。
日向雛 :
それとメアリーちゃんにロイスを取ろう。◯誠意/劣等感で!ちゃんとティティを見つけてくれた誠意と、先に見つけられちゃったの劣等感(?)で
system :
[ 日向雛 ] ロイス : 4 → 5
Scene09 情報共有
GM :
登場PCは全員!登場侵蝕どうぞ
マヤ :
1d10+72(1D10+72) > 9[9]+72 > 81
ヴァニタス :
1d10+75(1D10+75) > 6[6]+75 > 81
日向雛 :
1d10+48(1D10+48) > 5[5]+48 > 53
メアリー :
1d10+56(1D10+56) > 7[7]+56 > 63
イクサ :
1d10+52(1D10+52) > 5[5]+52 > 57
GM :
捜査開始からしばらく、あなた達は各々情報を持ち寄り、再びオルタ・スクレイパーのオフィスへ集った。
GM :
ある者は核心に迫る情報を、またある者は友の(一先ずの)無事を確認し胸を撫でおろした者もいるだろう。
GM :
その情報を共有するため、あなた達はオフィスのテーブルを囲んでいた(巨躯故に覗く形になる者もいるが……)
イクサ :
「みんな、集まってくれたわね。集めてくれた情報はエスが統合しておいてくれたわ。」
「それでは始めましょうか。」
イクサ :
イクサの背後にあるスクリーンと、参加者の手元にある端末に情報が表示される。
直接情報を入力されている者もいるかもしれない。
日向雛 :
「わぁ、すごい……」 スクリーンを眺めてる
イクサ :
「まずは私から。硝子化の一件のこれまでの概要よ。」
かくしか
◆都市で起きている硝子化事件について
人体が硝子化した後に死亡するという奇怪な事件。
"異なる隣人"が持つ『鏡』が発する光を過剰に浴びることで発動する。
硝子化する過程で被害者は不可解な幻覚に襲われた後、徐々に四肢から硝子化が進行し、全身を覆われて死亡する。
ヴァニタスが硝子化しなかった原因は"異なる隣人"がひどく疲弊していたことが一因であるようで、『鏡』の使用者の身体にも負荷がかかるようだ。
過去にも同様の事件が発生した記録があり、先代の"親指"が対処している。その事件は発端である"ヴィラン"が追放されることで幕を閉じた。
日向雛 :
「なるほど……。あれ、ヴァニタスさん……」 危機一髪だったのでは?と見てる
ヴァニタス :
「うーん、そうみたい!まぁ…そうなってたらしょうがなかったわよね~」
のんびりしている
日向雛 :
「無事でよかったですね~」 のんびりと
マヤ :
「"不幸中の幸い"ってヤツかぁ」同じくのんびり
イクサ :
「そうね。危機一髪だったみたい。」
「(そのまま硝子化してくれてたら面倒がなかったのだけれど。)」
メアリー :
「けど、親指が動くレベルの危険物だったのねアレ」
メアリー :
「……ん? 事件の発端となった"あるヴィラン"?」
イクサ :
「ヴィランの素性までは不明よ。とはいえ、ある程度の推測は立てられるけれど……。」
日向雛 :
「…………」 それって…と、自分の得た情報を思い出して少し考えている
イクサ :
「先代の"親指"がわざわざ直々に対処した相手。よほどの大物でしょうね。」
日向雛 :
「大物、かぁ……」
メアリー :
「…………」思いあたる節があるが、きっと気のせい。一旦そう思うことにしたメアであった。
ヴァニタス :
「じゃぁそれの推理ができそうな要素かなぁ」
と、話し始める
ヴァニタス :
「被害者はみ~んな元”小指”の部下だったって。”小指”が抜けた後の人事再編、結構大変だったみたいね~。偉い方のおじさまが言ってたわ」
〈要人への貸し〉
ヴァニタス :
「あ、あと”異なる隣人”フェイルの髪の遺伝子情報がストレイのそれと一致したって言うのも教えてもらったわ?だからまぁ、例の鏡よね~」
◆"異なる隣人"について
ストレイと時を同じくして現れた少女。
自身を"異なる隣人"フェイルと名乗り、手にした『鏡』でヴィラン達を次々と硝子化させている。
『鏡』の力を行使するのに体力が必要なのか疲弊した様子が確認できている。
一見、手当たり次第に硝子化させていたことから、ジャーム化による暴走と考えられていたが、被害者達は例外なくかつて"小指"に従っていたヴィランであったことから明確な目的を持って行動していると考えられる。
そして現場に落ちていた髪の毛から検査を行った結果、ストレイとの遺伝子情報が9割以上一致している。
日向雛 :
「じゃあ、姉妹じゃなかったってことです……?」
メアリー :
とっても似てる姉妹かもしれない。そう思ったけど、遺伝子情報とか分かんないし、恥をかきたくないので黙るメアであった。
マヤ :
「ま、そうだろうな~。状況的に…」頷きながらストレイを見る
イクサ :
「一卵性双生児だって遺伝情報は一致するわ。遺伝情報だけではまだ関係性は分からないんじゃないかしら。」
日向雛 :
「じゃあまだ姉妹かも……」
ストレイ :
「私の……」 何とも言えない、複雑そうな表情を浮かべて
日向雛 :
「ストレイちゃん自身のことは、何か分かったことってあるんですか?」
マヤ :
「ストレイについては~…、俺の端末に入ってるな。」検査へ同行した記憶だけはうっすらあるらしい、腕に埋め込まれた端末をすいすいと操作してストレイについての情報を呼び出す
日向雛 :
「あ、さすが保護者さん……!」
マヤ :
「そうだな、ストレイ…ちょっと野暮用…… まぁいっか このまま聞いといて。」
記憶媒体が怪しいためメモを取っていたらしい、書き込んでいたペンを手遊びのようにくるくると回しながら席を外させようとするが本人のことと考えてやめる
マヤ :
そのままストレイについての情報を共有します。
◆ストレイについて
裏路地で倒れていた年端もいかない少女。
サラーブの市民としての記録もなく、家族と思われる者も確認できていない。
オーヴァードであることは間違いなく、ストレイに対して検査を行った結果、エンジェルハィロゥ/ウロボロスのクロスブリードである事が判明した。
しかし『鏡』の影響か戦闘能力を持ち合わせておらず、エンジェルハィロゥのエフェクトで幻影を投射することが辛うじて可能なようだ。
誰かの許可なく行動することに慣れていないようで、いつも指示を待っているようにも見える。
イクサ :
「マヤくん、情報ありがとう。」
マヤへ微笑みかける一方、ストレイに対してへの反応は様子見に留まる。
彼女の今の状況を知り、興味がやや薄れているようだ。
日向雛 :
「エンジェルハィロゥとウロボロスのシンドロームだったんですね~……幻影の投射って今も出来るんですか?」 見てみたいと視線を送る
ストレイ :
「う、うん……えいっ」 掌サイズのぼんやりとした虚像が浮かび上がる。それはマヤのような……そうでもないような……とにかくぼやけた輪郭が浮かび上がった。
日向雛 :
「わ……!これってもしかして……」
ヴァニタス :
「お~…ぼんやりと」
マヤ :
「…俺?」な気がする、と思いつつも全ては言わず
イクサ :
「お人形かしら?」
日向雛 :
「やっぱりマヤさんっぽいですよね?ちっちゃくてかわいいです……!」
ストレイ :
「ううん……! っ、はぁ、はぁ……つ、疲れた……」 ストレイが腕を下げると同時に虚像も消失する
メアリー :
「……たしかに愛らしいけど、コレを芸として食べていくのは厳しそうね」
ヴァニタス :
「(弱いなぁ)」
窓に肘をかけて頬杖をつきつつ、口には出さないが所感を得ている
日向雛 :
「あ、疲れちゃうんですね……!?ごめんなさい無理させてしまって……大丈夫ですか……?」
ストレイ :
「だ、大丈夫……。もう少し頑張れそうな気もするのに、疲れちゃうんだ……」
マヤ :
「…今のところ戦闘もできないが危険性もないってこったな。」直球だが簡潔に
メアリー :
「危険性もない、ね」
メアリー :
「……そういえば"鏡"も、光と幻影に関連したウロボロスのEXレネゲイドよね? ストレイのシンドロームと同じく?」
メアリー :
「偶然の一致なのかしら」
日向雛 :
「一応、同じシンドロームというのはよくあることではありますけれど……」
マヤ :
「そ、だから”今のところ”ってワケ。」2人の言葉にそう返答する
メアリー :
「なるほど、そういう意味ね」
イクサ :
「"鏡"については雛さんに調査をお願いしてましたね。エトワールさんとのお話はどうでしたか?」
日向雛 :
「あ、はい!ちゃんと聞いてきました!」
日向雛 :
「エトワールさんの調査では、あの鏡は渇望鏡というらしいです。その能力は……」
日向雛 :
◆エトワールの調査結果について、皆に説明をします。
◆エトワールの調査結果について
先代の親指が遺した情報から"異なる隣人"が使用している『鏡』は正真正銘、"小指"が以前にも所持していたものであると判明した。
アイテムの名は『渇望鏡』。
EXレネゲイドに感染したアイテムであり、本来ならば鏡面に写った人物の『強く望んだ願望を叶えた姿を映すだけ』の鏡である。
"小指"はその理想の姿を現実の人間に投影し実体化する技術、ウロボロスシンドロームを用いた現実の人間からレネゲイドを吸い出し保存する技術を開発した。
それらの技術でサラーブの戦力増強を図ろうと試みたが『渇望鏡』の出力は酷く不安定で被験者の8割以上が硝子化し死亡するという極めて危険なものであった。
自らの組織員と市民の犠牲すら省みず『渇望鏡』の実験を幾度となく繰り返す"小指"はサラーブにとって危険因子と判断され、"親指"が追放に踏み切った。
それがなぜ"異なる隣人"が手にしているのか。
エトワールは密かにサラーブへ帰還しているであろう"小指"がその答えを握っていると睨んでいる。
日向雛 :
「……あの、だから……さっき言っていた、追放されたヴィランって……」
日向雛 :
「多分、小指のこと……なんだと思います」
メアリー :
「手当たり次第に"鏡"で実験していた小指、ね……ふ~~~~ん……」
日向雛 :
「何か心当たりが……?」 メアリーの長いふ~んに反応する
マヤ :
「なに?心当たりあんの?」メアリーの反応に
イクサ :
「あら。心当たりがありそうなのね、メアリー社長?」
メアリー :
「本来は守秘義務なのだけれど、街を守る為なら仕方ない、か」外面を繕いながら
メアリー :
「……前回、集合した時に硝子化事件の"目撃者"の話をしたでしょう?」
日向雛 :
「はい。ジャスさんとティティさんを助けてあげてほしいとお願いされた方ですね」
メアリー :
「その目撃者は"アベル"と言ってね」
メアリー :
「彼によると"鏡"を制作した元々の所持者だったらしいのよ」
日向雛 :
「え……!?アベルって、日本人って言っていた……!!」 お昼の話を思い出す
イクサ :
「"アベル"……参考までに、どんな風貌の方だったのか改めて伺ってもいいかしら?」
メアリー :
「風貌?昼に言った通り、和服を着たニッポン人よ? 他には、ウソ臭い笑顔がトレードマーク?」
ヴァニタス :
「表情かぁ…変わるしねぇ。でもニッポン人ならわかりやすいしら?東アジア系の人って少ないから」
日向雛 :
「確かにあんまり見ませんね~……。たまに会うと嬉しいですもん」
イクサ :
「(エトワールちゃんは『生け捕り』を私に依頼したのよね。つまり、あの子には犯人か手段に心当たりがあった。)」
「(手段は道具によって引き起こされたものなのだから……エトワールちゃんが知っているのは犯人。"アベル"を知ってるんじゃないかしら。)」
マヤ :
ニッポン人を見たことがあっても覚えていないのであろう、ムム…と頭を悩ませる。
メアリー :
「……まあとにかく、私は『"異なる隣人"に盗まれた"鏡"を取り返す依頼』を彼から受けていた」
メアリー :
「守秘義務で教えるのが遅れてごめんなさいね」いちおう申し訳なさそうにする外面ァ
日向雛 :
「いえいえ……教えてくださってありがとうございます」
メアリー :
「……ああ、お詫びついでにもう一つ」
メアリー :
「彼の話によると、もともとフェイルは彼の研究施設にいたらしいわ」
メアリー :
「労働環境が悪くて裏切られたと言っていたけど、どこまで本気かハッキリはしない」
日向雛 :
「研究員だったんでしょうか?それか、実験体にされていたとか……?」
日向雛 :
「もしかして、殺されたヴィラン達はその繋がりで……?」
ヴァニタス :
「私怨的な線もあるってことね、そんなに単純な話だとは思わないけど…」
マヤ :
「実験体ねぇ…」なんとなく、心に引っ掛かった言葉を繰り返す
マヤ :
「ただの仕返しなら分かりやすいんだけどな。」
メアリー :
「けど実際に"異なる隣人"が小指の残党を執拗に狙っているのは確かよ、その証言も取れている」と◆失踪中の姉弟と事件について、トリガーシーンの内容を交えて共有しますよ!
◆失踪中の姉弟と事件について
硝子化事件に伴って、かつて"小指"の部下であったヴィラン達が彼らの拠点付近で立て続けに殺害されるという事件が発生している。
その一方で"異なる隣人"による硝子化殺人が鳴りを潜めていることから、何らかの関連性が考えられる。
ヴィランの殺害現場周辺では、行方不明とされていたジャスとティティの姿を目撃したとの情報がある。
日向雛 :
「……わたし達、さっきティティさんと会ったんです。ただ、渇望鏡の力で理想の姿に変えられて、命令を強制されているみたいで……」
イクサ :
「理想の力を持つ人格を得ながらも、渇望鏡の使用者には逆らえない……?」
「解釈はこれで合っているかしら?」
日向雛 :
「はい、多分。ティティさんは無理矢理されているって言っていましたから」
ヴァニタス :
「ちょっと都合が良いね、使用者はそういう特性を付与できるのかな。もしくは~~…研究者側だったから好きにできるとか~?」
マヤ :
「ふーん…随分堅苦しい理想だな。」
日向雛 :
「……もしかしたら、使用者の理想も押し付けているのかもしれませんね。自分に従順な部下が欲しい、とか」
マヤ :
「なるほど…"そっち"が優先されてるかもしれない、ってワケね。」
イクサ :
「何とも恐ろしい話ね……。その様な"鏡"、放置はできませんわね。」
メアリー :
「…………」どの口が????
ストレイ :
「鏡……アベル……」 何か思い当たるようで、目を伏せて記憶を探っている
日向雛 :
「……もしかして、何か思い出せましたか?」
ストレイ :
「どう、なんだろう……すごく大事なこと、だった、気がする……」
ストレイ :
「鏡も、そのアベルって人も……前の私にとって、かけがえの無いような……」
日向雛 :
「すごく大事なこと、ですか……。そんな風に感じられたのなら、いずれちゃんと思い出せるかもしれませんね」
メアリー :
「かけがえのない、ねえ……」あのアベルが?というきもち
マヤ :
「えーなにそれ嫉妬しちまうな~? …っつーのは冗談、少なくともアベルって奴はストレイの記憶に関係ありそうだな。」冗談交じりに軽く答えると一転真面目な声色で
メアリー :
「彼と接触したいのなら、私から連絡しましょうか? ちょうど詳しい話が聞きたいと思っていたところでもあるし?」
メアリー :
「……もっとも対話に応じてくれる保証はないけど」
マヤ :
「お、そりゃ助かるな 流石なんでも屋。」
日向雛 :
「連絡先を知っているんですか?保証がなくてもやってみる価値はありますよ」
メアリー :
「依頼人だもの、連絡先くらいはね」
ヴァニタス :
「対応してくれるかなぁ~?この事件に関係があるなら、もう雲隠れしちゃってたりしてね」
マヤ :
「ま、それならそれで探し出して引っ張り出すしかねぇな…逃げるなら黒ってこった。」
イクサ :
「"鏡"を取り返す依頼をしている以上、サラーブの何処かには居るのではないかしら。」
「だって受け取らないといけないでしょう? ……部下に裏切られた後で、部下に受け取りを任せられる剛胆な方なら別だけれど。」
メアリー :
「ウチに依頼に来た時も直接、本人が出向いてきた。部下を頼れる状況じゃないって判断するのが自然だわ」
メアリー :
「アレが従者だったとかなら、二人の言う通り、サラーブにいないかもしれないけど、そうでないなら希望はあるはずよ」
日向雛 :
「ともかく、お電話してみましょうっ。ストレイさんもアベルさんの声を聞いたらもっと思い出せるかもしれませんし」
メアリー :
「ええ」アベルに電話をかけてみよう
GM :
ではでは、彼へ電話をかけるとですね……4コールぐらいしても出ないのですが……
GM :
5コール目で出ました。
アベル :
「もしもし、メアリーくんかい?」 前回会った時と同じような態度で
ヴァニタス :
「(出るんだ)」
メアリー :
「ええ、こちらはメアリー」
メアリー :
「────あなたは"小指"のアベルさんだったかしら?」
アベル :
「あはは、気づいちゃった? 正確には"元"小指ね」 正体が割れた事は気にも留めていないようだ
メアリー :
「…………」不満げな溜息が漏れる
アベル :
「おや、何か機嫌を損ねるようなことを言ったかな?」
メアリー :
「逆に聞きたいのだけど、これまで依頼人に正体を隠されていて、しかもそれが事件の元凶で、上機嫌でいられると思う?」
アベル :
「そうかな? 前の役職を名乗るのって変だと僕は思うのだけれど……」
アベル :
「それに、そんなことをしたら他の"指"を騙っているようなヴィランと同じじゃないか」
メアリー :
「屁理屈ね。依頼内容に関係する情報なら、全て事前に共有するのがスジってもんでしょう」
メアリー :
「肝心の"鏡"の情報も、ずいぶん隠してくれていたし?」
アベル :
「随分と情報収集が進んだようだね」 感心した声を漏らして
メアリー :
「おかげさまで」皮肉たっぷり
アベル :
「はは、まぁ理由はちゃんとあるよ。キミと……今いる周りの仲間、それぐらいだったら良いんだ」
アベル :
「でもキミの萬屋にいた人達から"鏡"の情報が必要以上に拡散されたらどうする? ってデメリットを考えたら最低限のことしか伝えられなかったんだ」
メアリー :
「…………なるほど」元とはいえ指。こちらの動向を逐次把握する情報収集能力があるのか、と感心する。
ヴァニタス :
「ちゃんと考えてるのね~」
ちゃんと考えてないことが丸わかりの言葉を発する
日向雛 :
「あっ、こっちのことある程度把握出来てるんですね。はじめまして、こんにちは~」
アベル :
「おや、随分と若い声だね。こんにちは」 飄々とした声で返す
日向雛 :
「17歳ですから~」 うふふと和やかに笑ってる
メアリー :
「挨拶なんていいわよ、嘘吐きで覗き魔の元小指さんには」
これまでの調査によると、元小指は追放者。すなわち“サラーブの敵”だと判明している。
そんな元小指に協力したとなれば、自分の立場まで悪くなりかねない。と腹を立てている。
日向雛 :
「あれ、そうです……?」 よくわかってない顔してる
マヤ :
「(…どう?なんか思い出した?)」通話を他所にこそっとストレイに聞いてみる
ストレイ :
「(聞き覚えは、ある……)」 小さく頷いて
マヤ :
「そっか…」ふむ、と何か考えながら首を傾げている
アベル :
「……そういえば何の用事で呼び出したんだい? 僕と世間話がしたくなった?」
メアリー :
「ええ、あなたに文句のひとつでも言いたくなって、というのがひとつ」
メアリー :
「もう一つは、ストレイや"鏡"に関する詳しい話を、あなたに聞いておこうと思って」
アベル :
「うん? ストレイ?」 はて、と聞き覚えの無い単語に電話口で首を傾げる
メアリー :
「ストレイというのは……ああ、もう実際に見せた方が早いわ……」ビデオ通話に切り替えて、ストレイの顔を映す
マヤ :
(ああ、そっか…こっちの名前だったわ。)自分の傍にいたストレイをそっと前へ出させる
アベル :
「ん~……? ああ、キミか! どうやら無事に保護されたみたいだね」
ストレイ :
「……っ、あ、ぅうん……」 曖昧な返事で返す
アベル :
「……ストレイ、か。名付けたのは誰だい?」
マヤ :
「はーい、俺デス。」ビデオ通話から若干見切れつつひらひらと手を振る
アベル :
「へえ、なんとも個性的な人……? 人でいいか、個性的な人に拾われたんだね」
マヤ :
「ま…ここじゃよくあるコトっつーか…」個性的という言葉に頭を掻きつつそうかも…という反応
アベル :
「キミの名前は?」
マヤ :
「俺?…俺はマヤだ。苗字はない…ただの『マヤ』。」
アベル :
「よろしく、マヤ。僕はアベルだ、この都市に住みついてからそう名乗らせてもらっているよ」
マヤ :
「ああ、よろしく。この都市に…っつーことは、偽名か…?」
マヤ :
「…ま…俺もコイツも似たようなもんか…… 丁度いいや、コイツについて何か知ってる事があるか聞きたかったんだ。」ストレイが記憶喪失、という情報だけを共有します
アベル :
「……そうか、それは鏡の影響だろうね。"異なる隣人"に記憶や力を奪われたか……」
メアリー :
「本当? 鏡に記憶を奪う力があるなんて、聞いてないけど?」
アベル :
「うん、それでも一機能に過ぎないけどね。"ウロボロス"の性質が幅広く使われているのがあの鏡なんだ」
マヤ :
「"ウロボロス”ね…そこのおふたりさんならよくご存じなんじゃないの?」俺はよくわからん、と言いつつ
メアリー :
「同じ人間でも、スポーツ選手と芸術家で出来ることが全く違うように、同じウロボロスといっても様々」
メアリー :
「少なくとも私は記憶の吸い取りなんて出来ないけど、全てのウロボロスが一概にできないと断言もできないわ」要約:私にもわからん
マヤ :
「ふぅん、幅広いワケね…」メアリーの説明に腕を組みつつ
ヴァニタス :
「レネゲイド、何でもありだものねぇ」
日向雛 :
「ストレイさんが実はレネゲイドビーイング……とかではないのですか?体がレネゲイドで出来ているから、レネゲイドと一緒に記憶も吸い取られたり、みたいな……」
アベル :
「レネゲイドビーイングではないよ。ストレイは生身の人間……だね、うん。」 言い淀んで
日向雛 :
「そうでしたか……生身の人間……」
マヤ :
「…ちゃんと話さないとシャチョーさん手伝ってくれないと思うぜ。」暗にメアリーを指しつつ、言い淀んだ部分をアベルへ追及
日向雛 :
「ストレイさんがどこで何をしていた方なのかとか、本当の名前とか、教えてもらえませんか?聞いたら思い出せるかもしれませんし……」
アベル :
「出自についてはプライベートに関わるんだ。ごめんね?」 悪気は感じているようだ
アベル :
「……あと、元から名前はないよ。記憶喪失になる前からね」
日向雛 :
「名前がない……!?」
ヴァニタス :
「あら、何か…呼び名すらなかったの?」
アベル :
「キミ、とは呼んでいたかな」
ストレイ :
「………」確かに、過去に名前と呼べるものが存在したかさえ記憶の片隅にない。
マヤ :
「……そ。まぁ…それなら呼び方変えなくていいから助かるわ。」釈然としない様子だがひとまず頷く
ヴァニタス :
「キミちゃんってわけでもないものねぇ、不便そうね?あんまり名前を呼ぶ必要もなかったのかしら」
珍しいこともあるものだ、と
アベル :
「…………付けたい名前は、あったんだけどね」聞こえるか聞こえないか程度の小さい声で呟く
イクサ :
「では、せめて彼女に起きている"ヒビ割れ"現象だけでも何かご存知ありませんか?」
アベル :
「ストレイの肌のヒビ割れかい?」
アベル :
「僕から言えるコトは、鏡のせいで中途半端な硝子化状態になっている……のはわかりきってるね」
アベル :
「完全に硝子化していないのは"異なる隣人"がわざとそうしたのか、僕が割って入ったおかげか。そこまではわからないけど……」
アベル :
「……鏡を取り返して、ストレイに奪われたものを返せば元に戻るかもしれないね」
日向雛 :
「分かりやすいですね~。治せるならよかったです」
メアリー :
「なんにせよ、鏡は回収しないといけないって訳ね」
アベル :
「そういうこと。ぜひとも頼むよ」
マヤ :
「…だってさ、」ひとまずよかったな、とストレイを見下ろす
ストレイ :
「ぅ、うん……」 小さく頷く
メアリー :
「……ああ、そうそう。あなたの依頼についてだけれど、今のところ反故にするつもりはないわ。 まったく信用されてなかったのは心外だけれど、依頼は必ず達成するのが萬屋GOLD DUSTだもの」
アベル :
「……? 僕はキミを信頼しているよ。実力も野心も十分だしね」 電話の向こうできょとんとした顔が想像できそうな返事
メアリー :
「…………ちょっとくらいは諸々の隠し事への罪悪感とかない訳? 契約を反故にされてもおかしくない状況だと思うのだけど?」
ヴァニタス :
「(罪悪感を聞いてどうするんだろう…)」
アベル :
「あるとも、ちょっとだけね。これも警戒の為だからさ、どこから横槍が入るかわからない世界だからね」
イクサ :
「…………。(どこまで把握していて、どこまで対応するつもりかしら?)」
横槍、のワードを聞いて、目を閉じてコーヒーを啜る。
メアリー :
「…………」暖簾に腕押しといった感触だ。むう、とほっぺが膨らむ。
日向雛 :
「まあまあ、メアリーさん。済んだことより、何か他に聞きたいことはないんですか?」 メアリーの膨らんだほっぺたをぷに、と指で押す
メアリー :
「…………」押してきた指を払わず、そのまま目を向けて抗議する
日向雛 :
「そ、そんなに怒らなくても~……」 指を引っ込める
メアリー :
「…………はあ、分かったわ、たしかに"時間も無い"し、質問を優先するわよ」
メアリー :
「アベル、あなたは随分と"異なる隣人"の恨みを買っているようだけど、彼女とはどういう関係なの?」
アベル :
「僕の部下……うーん、ストレイと同じ扱いをしてた……かな」
アベル :
「もしかして名前がないことに怒ってた……?」
メアリー :
「名前が無い? 彼女の名前はフェイルじゃないの?」
アベル :
「彼女が勝手に名乗っているだけだね。流石にフェイルの響きに近い名前は僕でもつけないよ?」
メアリー :
「ああ、なるほど自称だったのね」
メアリー :
「たしかに名前がないなら自分で作ったしかないか、私もそうだったし」
日向雛 :
「メアリーさんもご自身で付けた名前だったんですね~……」
メアリー :
「ええ、サラーブじゃさして珍しくもない話でしょう」
日向雛 :
「そうなんです?……いや、それもそうですね」 今まで気にもしなかったところだが確かに、と納得する
日向雛 :
「……それはそうと、アベルさん」
日向雛 :
「改めて、初めまして。わたしは日向雛といいます」
日向雛 :
「わたしからも一つだけお聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
アベル :
「メアリーくんと仲が良さそうな子だね、よろしく。僕に答えられる範囲でなら」
メアリー :
「いえ、仲良くなんてないけど」食い気味に
日向雛 :
「わぁ、仲が良いだなんて……」 ちょっと嬉しそうに笑いかけて、
日向雛 :
「あれ!?」 メアリーを見て
メアリー :
「……何、その意外そうな表情は」
アベル :
「生きてる内の友達は大切にした方がいいよ、メアリーくん」
メアリー :
「……友達じゃないわ」
日向雛 :
「わたし達、結構仲が深まってきた気がしてたんですけれど……」
メアリー :
「出会って数日、まだそこまで親しい間柄でもないでしょう? この場のみんなと同じ、ビジネスライクな関係のはずよ?」
日向雛 :
「それはそうですけれど、そう面と向かって否定されると……」 悲しいの顔
アベル :
「日向くんの距離が近いだけだったりするのかな? この都市でその距離感は中々珍しいね」
イクサ :
「そうよ、ただ利害の関係だけじゃ寂しいじゃない。ねえ?」
ヴァニタス :
「そうそう、これが終わったらサラーブを出たりする訳じゃないのだし♪」
乗って来る
マヤ :
(お、急に凄い団結力)
「いんじゃねぇの?隠されるよりやりやすいし…」
日向雛 :
「あはは……皆さん親切ですから、わたしもつい距離が近くなっていたのかもしれませんね」
アベル :
「サラーブで親切な人……うん、とりあえず何でも鵜呑みにはしないよう気を付けるんだよ。日向くん」
日向雛 :
「あ……はい!ありがとうございますっ」
メアリー :
「……それはそうと、聞きたいことがあったんじゃないの?」あんまり距離を詰められるので、居心地悪そうにしている
アベル :
「そうだそうだ。それで、何が聞きたいのかな?」
日向雛 :
「そうでしたね……!」
日向雛 :
「実はわたしの友人達が渇望鏡の力で理想の姿に変えられて、フェイルさんの手下にされているんです」
日向雛 :
「どうすれば彼らを元に戻せるか、分かりますか?使用者を倒せば効果は解除されるのでしょうか……?」
アベル :
「フェイルはそんなことまで一人で……ふむ……」
アベル :
「そうだね。使用者を倒すより、使用者に戻させる方が安全だよ」
アベル :
「……まあ、フェイルを屈服させられたらの話になるけどね。使用者が対象の近くにいないと戻せないハズだから、そこは注意して欲しい」
日向雛 :
「なるほど、倒せば自動的に効果が解除されるタイプではないのですね……」
日向雛 :
「わかりました!では、倒してからお願いしてみます!」
メアリー :
「……素直に言う事を聞いてくれるとは思えないんだけど」
アベル :
「ははは、強引だね。キミも」
日向雛 :
「いやぁ……」 何故か照れる
メアリー :
「褒めてない」
日向雛 :
「あれ……?」
アベル :
「物事は捉え方次第だよ、メアリーくん」
イクサ :
「無力化さえ出来れば、やりようはあるかもしれないわ。その時は任せて頂戴。」
ヴァニタス :
「細かい交渉とかは苦手だから任せるわぁ、私も鏡受けたし、何かあったらよろしくするわね~」
日向雛 :
「ありがとうございます、イクサさん。頼りにさせてもらいますね……!」
アベル :
「落ち着いた声の人……イクサ、あのイクサか。あの子は外界慣れしていないはずだ、キミの交渉術に抗う術はないだろうね」
イクサ :
「あら、元"小指"のアベルさんに名前を知って貰えているなんて光栄ですわ。アドバイス感謝いたします。ふふ。」
アベル :
「さて、随分と長話をしてしまったけど大丈夫かい? ああ、嫌味ではないよ」
日向雛 :
「わたしは大丈夫です!質問に答えてくださり、ありがとうございましたっ」
メアリー :
「……ええ、もういいみたい。じゃ、切るわ。また何かあれば連絡するから」
アベル :
「うん、また近い内に会おう。そこの人達とも直接会ってみたいしね」
メアリー :
「…………」通話を終了する。それからすぐ、着信拒否設定しようか悩み、ギリギリで止める。
メアリー :
「(サラーブから追放処分を受けた身よねあいつ……自分の立場、分かってんのかしら……)」
メアリー :
「……残念だけれど、大した収穫はなかったわね」
メアリー :
「ただ少し"異なる隣人"の気持ちが理解できたような気がするわ」ムカつく、の意。
日向雛 :
「そうです?わたしはまだよく分かりませんでしたけれど……」 ムカついてない
メアリー :
「あなたは、まあ、そうでしょうね」手をひらひらとしている。だんだん雛のことが分かってきたらしい。
日向雛 :
「……?」 ひらひらと動く手を視線で追ってから
日向雛 :
「……あの、今話していたジャスさんとティティさんのことなんですけれど」
日向雛 :
「さっき、わたしとメアさんはティティさんと会ったんです」
日向雛 :
「ティティさんは、次のターゲットを狙う時間と場所をわたしに教えてくれました。そして、そこで待っていると」 渡された名刺を出して
メアリー :
「まあ、平たく言えば、殺害予告ね」ターゲットは自分たちではないけど
日向雛 :
「わたしはこれから、そこに向かおうと思うのですが……皆さんはどうされますか?」
ヴァニタス :
「ん~、手掛かりになりそうなのに行かないってことはないんじゃないかしら…」
どうされますかと言われても…と
イクサ :
「もちろん、同行させてもらうわ。またとない機会ですもの。」
マヤ :
「勿論、予告されたってことは"来い"って言われたも同義だろ?」同行するの意
メアリー :
「ええ、愚問よね? 首謀者である"異なる隣人"が直接、出向いてくる可能性もゼロじゃないのだし?」と笑う
日向雛 :
「わぁ……ありがとうございます……!」 両手を合わせ、嬉しそうに微笑んで
日向雛 :
「あの、それなら一つだけお願いしたいことがあるんです」
日向雛 :
「さっきアベルさんに言ったように、わたしはジャスさんとティティを元に戻したいです。彼らは加害者である以前に、被害者だし……」
日向雛 :
「それに、わたしの大事な友人だから……」
日向雛 :
「だから、戦いになっても殺さないであげてもらえますか?普通に戦うより大変なのは分かっているんですけれど……お願いします」
イクサ :
「ええ。了承したわ。大切なご友人の命ですものね。」
普段から生け捕りが基本なので特に変わらない。
ヴァニタス :
「雛ちゃんは優しいのねぇ、きっと他の人だったらそんなお願いしてこないもの」
珍しいものを見るように
日向雛 :
「え?そ、そうですか……?」 逆に意外そうにヴァニタスを見つめ返す
ヴァニタス :
「ウンウン、珍しい。でもま、情報とかも引き出したいから私もおっけ~!やったことほとんどないけど!」
両頬の隣でオッケーマークを作り
マヤ :
「ん~、生け捕りってやつ?そいつは難しいな…」生け捕りなどやったことがないのか首を傾げて
マヤ :
「…ま、ヒヨコの頼みならやってみるか。」
日向雛 :
「あ、ありがとうございます……!助かりますっ」
メアリー :
「……ティティにも言ったコトだけれど、私は何でも屋よ、依頼人でもない人間からの頼みをタダで聞く訳にはいかない」
メアリー :
「いちおう助けてあげるけど、あくまで"依頼人のアベルに頼まれたコト"だから」
メアリー :
「そのあたりは勘違いしないでね」
日向雛 :
「……?それって、何かちがいます……?どっちにしても、助けてくれるんですよね……?」 小首を傾げる
メアリー :
「……単に、私のポリシーの問題よ。無償の親切で助ける訳じゃない。まあ、あなたは結果として"姉弟が助けてもらえてラッキー"程度に考えていればいいわ」
日向雛 :
「そうですか……分かりました。メアリーさんにとって大事なところだったんですね」 納得する
日向雛 :
「それじゃ、これがその指定された場所と時間です。準備が出来たらみんなで向かいましょうっ」 テーブルに名刺を置く。五人で向かえることに嬉しそうにしてる
メアリー :
「……ええ、今日は長い夜になりそうね」
イクサ :
「あっ、そうそう。マヤくん、少しいいかしら?」
「あなたの装甲を活用出来るように、盾を準備してみたの。現場に向かう前に試着してみない?」
マヤ :
「え?盾?」意外な声掛けだったのかポカンとした声で
「…いいけど、わざわざ準備したのか?」
イクサ :
「ええ。珍しいモノが残っているものだから。」
どうして、何が珍しいのかはまだ口にはしないが。
イクサ :
リアクティブシールド/IAp26
を渡します!
イクサ :
命中/-2
攻撃/2
ガード/6
射程/至近
ガード値+1D(シーン1回)
マヤ :
「ふーん、そんな旧型のモノが残ってたんだな…」真意は伝わっていない様子で
マヤ :
受けとりました!
ストレイ :
「けっこう、堅い……」 シールドをゴンゴンとノックしている
日向雛 :
「盾ですからね~」 いっしょにシールドをぺたっと触ってる
マヤ :
「おー、こりゃなかなか……」 少し嬉しそうな声色で、シールドをまじまじと眺めている
イクサ :
「急造品だから、そこまで良質ではないけれど……。」
「それでも、通常榴弾レベルの衝撃を受け流すには十分な強度があるはずよ。」
ストレイ :
「マヤがちょっとでも傷つかなくなるから、安心だね……」
マヤ :
「…なに?心配してくれてんだ?」やさし~と軽く揶揄って
マヤ :
「既に結構ポンコツだけどな…」ボソッと呟く、パーツの話である
メアリー :
「……時に、ストレイはどうするの? その盾で守れるものでもないでしょう? 一緒に連れていくつもり?」
ヴァニタス :
「ここにいる~?」
日向雛 :
「今回はお留守番してもらうのがいいんじゃないでしょうか……。戦いとなると危ないですよ」
マヤ :
「え~、そこまでは聞いてなかったな…なんか守る技とかもってないの?」無茶振り
ストレイ :
「む、無理そう……」 ほわほわ~っと光の壁を出してみるが……ただの幻影だ。
マヤ :
「だよな。」知ってたという風に
ストレイ :
「ここにいた方が良い……よね……?」
ストレイ :
足手まといであることはハッキリ理解しているが、自分の意志で決めることに慣れていないのか他者に決断を求めている
マヤ :
「ん~~~……まだ決められないか……」その様子に困ったように頭を掻き、暫く唸って
マヤ :
「…じゃ!ここでお留守番!…できるな?」ビシッと指を指して首を傾げる
ストレイ :
「わ、わかった……!」 ビシッと姿勢を正して
マヤ :
「よし、イイ子。」心なしか笑ったような息遣いが聞こえる
マヤ :
「…そこのアンタら、この子ココに置いてっていいよな?いい?分かったじゃあ頼むわ!」周りの職員に有無を言わさない様子で一方的に任せる
日向雛 :
「わぁ、強引……」 でもそうするしかないよね、と
GM :
職員は「良いですけど……」と渋い表情でその言葉に頷く
ヴァニタス :
「よろしくね~ん」
マヤ :
「…なんかあったら、その目玉いつまでも2つ付いてると思うなよ?」渋々な様子を察すると低い声で
GM :
マヤの気迫に思わず目を見開いて、職員は素早く頷いて見せた
メアリー :
「せっかく無償で守ってくれるのだし、あんまり脅しつけるものじゃないわよ?」外面親切笑顔
マヤ :
「ヨロシク~!」一転明るい声で手を振りながら
ストレイ :
「きっと、ここは安全だろうから……みんなも、マヤも……」
ストレイ :
「が、がん……」 口をモゴモゴさせて
ストレイ :
「がんばって……!」
マヤ :
「…、おう!」なんとも嬉しそうな様子で片手をグーにすると"例のポーズ"をしてみせる
ストレイ :
「ん……!」 同じくグーを差し出して、タッチしてみせた
日向雛 :
「ふふっ……。いってきますね……!」 二人を微笑ましそうに見て、手を小さく振りながら出て行こう
GM :
シーン終了!
調達、ロイスの取得と感情変更が可能です。
イクサ :
照準器!照準器買いたい!
GM :
はいよ、照準器一丁!気持ちを示しな
イクサ :
ミーミルの覚書をコネ:手配師に変換!
GM :
目標値と一緒に判定どうぞ!
イクサ :
8dx+11>=15(8DX10+11>=15) > 10[2,4,4,5,6,6,9,10]+10[10]+9[9]+11 > 40 > 成功
GM :
すげぇ出目だ!調達成功!
イクサ :
マヤくんに渡しておくね
射撃+1を武器に付与
マヤ :
ありがた…!
日向雛 :
まだ情報収集あるか分からないけど、ハイドアウト調達してみます。メアちゃんのは使ったし、難易度も低いし
GM :
おっけーおっけー、どうぞだぜ
日向雛 :
1dx 目標値5(1DX10) > 2[2] > 2
日向雛 :
ないよ!次どうぞ
GM :
かなしみ!他にある人!
メアリー :
────別に、トラックスーツ(購入難易度22)を購入してしまっても構わんのだろう?
GM :
────ついて来れるか。(どうぞの意味)
メアリー :
3dx+2(3DX10+2) > 9[1,3,9]+2 > 11
メアリー :
;;
日向雛 :
泣かないで~
GM :
バーサーカーには勝てなかったよ……
マヤ :
ロイス取得します~
マヤ :
イクサママに『P懐旧/N猜疑心』表に出てるのはP!
雛ちゃんに『P誠意/N不信感』表に出てるのはP!
GM :
おっけー!ロイスの数値を上げておくのを忘れずに!
system :
[ マヤ ] ロイス : 3 → 5
Scene10 望まぬ再会
GM :
登場PCは全員!登場侵蝕どうぞ
マヤ :
1d10+81(1D10+81) > 6[6]+81 > 87
ヴァニタス :
1d10+81(1D10+81) > 6[6]+81 > 87
日向雛 :
1d10+53(1D10+53) > 4[4]+53 > 57
メアリー :
1d10+63(1D10+63) > 2[2]+63 > 65
イクサ :
1d10+57(1D10+57) > 2[2]+57 > 59
GM :
では描写しましょう。
GM :
あなた達はティティに指定された区へやってきた。
GM :
郊外に位置するこの区はすっかり荒廃しきっており、悪化した治安のせいか住民も夜は外出を控えているようだ。
GM :
道路に積もった砂も撤去する者はいないようで、一面が砂の厚い層で覆われている。だが、そのおかげか先客の足跡がくっきりと3人分残されていた。
日向雛 :
「ジャスさーん、ティティさーん!どこ~……って、あら?」 足跡を見下ろす
メアリー :
「3人分、ね」同じく足跡を見る
イクサ :
「このあたりは砂が多いわね〜。」
他のメンバーに合わせ、まだ徒歩で移動している。
ヴァニタス :
「隙間に入らないようにするの結構コツがいるんだよねぇ~」
排気口からボウボウと音を鳴らしながらゆるゆると浮遊している
マヤ :
「頑丈なブーツに替えてきてよかった…砂が詰まって動けない~とか、笑えないっての…」積もった砂に嫌そうな反応をしながらぼやく
日向雛 :
「でも、おかげで足跡が残ってますよ。ジャスさんと、ティティさんと……フェイルさんでしょうか?」
メアリー :
「あるいは彼らのターゲットか、私達の知らない第三者かもしれない……けどフェイル本人が来てるのが一番ね……」
日向雛 :
「とりあえず、この足跡を追ってみましょう!」 進んでいく
ヴァニタス :
「本人が来るのかしらねぇ」
日向雛 :
「色々手間が省けますし、来てて欲しいですね~」
GM :
そんなあなた達の耳に、数ブロック先に離れた建物から怒声が届く。
一人は男、もう一人は女だ。
GM :
ヴァニタスには女の声に覚えがある。
それは"異なる隣人"フェイル、彼女が言い争う声だとすぐにわかるだろう。
ヴァニタス :
「あら、ご本人も来てるみたい!女の子の声はフェイルちゃんね」
皆に伝えてGOGO
日向雛 :
「まあ、この声が……?」 声の聴こえる建物へと進んでいく
メアリー :
「既にターゲットと接触しているみたい、急ぎましょう」砂が多く治安の悪い地域には慣れている。砂に足を取られることなく駆け出す。
イクサ :
「エス。進行方向の障害物があったら教えてね。」
ナビゲート機能を起動させ、スーツの運動アシストで走る
マヤ :
「おー、よく響くな…警戒心ねぇのか?」人気のない郊外に響く怒声を聞きながら皆についてゆく
残党 :
「────だから、俺はもう関係ないって言ってるだろ!」 進むにつれて、男の声が鮮明に聞こえる。彼は壁際に追い込まれていた。
"異なる隣人"フェイル :
「うっせぇな、無駄な抵抗はすんじゃねぇよ! 殺すぞ!」
ティティ :
「どっちみち殺すんだろ……」 やれやれ、隣でティティが頭を抱えている
残党 :
「ちくしょうコイツら……! って、お、おいそこのアンタら! ちょ、手ぇ貸してくれねぇか!」 男はあなた達に気づき、助けを求める
"異なる隣人"フェイル :
「……! あぁん、何見てんだよ!」
ティティ :
「…………」 ティティは薄く笑みを浮かべて、すぐにいつもの無表情へ戻る
ヴァニタス :
「~♪」
手ぇ振っとこ
イクサ :
黙ってにっこり見ているだけ。
特に助ける素振りはないようだ。
メアリー :
「……手を貸してほしい? それは依頼というコトかしら? あなたはいくらで自分の命を買えるの?」薄笑いを浮かべ、残党に尋ねる
日向雛 :
「は、は~い!!今助けます~!!」 両手を大きく振る
マヤ :
「…お、そうする?」腕を組んで悩んでいたが雛ちゃんを見て気が向いたように
日向雛 :
「はい!これ以上被害を増やすわけにはいきません!」
メアリー :
「……安請け合いしすぎよ? 営業妨害?」
日向雛 :
「え、えぇっ、そんなつもりじゃ……!」
ヴァニタス :
「後払いの方が吹っ掛けられるんじゃないかしら?」
マヤ :
「ま、…ティ……なんだっけ?取り合えずオトモダチの前で見殺しにするとこなんか見せられないって話だろ。」そうではないがそういう解釈で
日向雛 :
「ティティさん!」 教える
メアリー :
「今はジャスとティティの救出だけ考えていた方がいいと思うのだけど……まあ、良いわ……」反面、姉弟の名前をちゃんと覚えている。
マヤ :
「んじゃ、許可も出たっつーことで…♪」
襲われている男の腰に通信機器が装備されていることに気付くと≪タッピング&オンエア≫を使用、その機器の音声に割り込む。
マヤ :
『あー、もしもーし? マイクテスト・マイクテスト~…ただいまマイクのテスt≪縺溘□縺?∪縺セ縺!!!!!!!!!!!≫』
通信機器からマヤの呑気な声色が出力されたと思いきや次の瞬間爆音のノイズが流れ出す、それは至近距離で聞いてしまえば思わず耳を塞ぎたくなるような不快な音だ
"異なる隣人"フェイル :
「ぅぅっ!!?っっっせぇな!!!」 悪態をついて思わず耳を塞ぐ
日向雛 :
爆音のノイズが流れ出す直前に、《闇夜の影》を使用。
日向雛 :
月が照らしだした建物の影を潜って進み、フェイルを素通りして男の背後に現れる。
日向雛 :
「助けにきました。今の内に、こっちへ……」
日向雛 :
ノイズで壊れそうな耳を癒すように、男に耳元で囁きかけてから、すぐにその手を引っ張って皆のいる方へと駆け出す。
メアリー :
「……助けるにしても、もうちょっとスマートに助けられない?」耳を抑える
ヴァニタス :
「お~……」
ノイズの影響を受けたのか、青い水晶のようなパーツの中がザリザリと音を鳴らしている
マヤ :
「……んじゃ、スマートな機材揃えてくれる…?」ブツン!とテレビの音声が切れるような音が響くとイタズラっ子のように聞き返す
メアリー :
「どうして私が買ってあげなきゃいけないのよ…」
イクサ :
片目を閉じ、ノイズの煩わしさを散らす。
その間もフェイルの動向を静かに観察しつづける。
日向雛 :
「ま、まあまあ……おかげで助かりました。ありがとうございます、マヤさん」 男を連れて戻って来る
マヤ :
「いいってコト、んじゃ次はオトモダチか。 ……あ…その機械もう使えないから。」雛ちゃんの言葉に頷くと、出力デバイスの故障しかけた男の通信機器を指差して
イクサ :
「ごめんなさいね。盾の調達だけで、オーディオまで手が回らなかったの。」
マヤ :
「ダイジョーブ……オーディオが一番壊れてるし、もう直す気ねぇから。」手をひらひらと振って
残党 :
「た、助かったぜ! ありがとよ────」
GM :
その時、夜風を静かに切るような音があなた達の間に響いた。
GM :
そして忽然と現れた槍────それが小指残党の頭部を、容易く貫いた。
残党 :
「な────が、ぁ────!?」 男は無様な悲鳴を漏らし、砂に沈む
??? :
「ハッハッ! 悪党に与えられる慈悲などない!」 すぐ近くの建物の屋根から快活な声が響く
??? :
「とう!」 その者が地面に降り立ち、姿を現わす。その正体は……
ジャス :
「一件落着、これで良いのだろう?」
GM :
姉弟の片割れである姉。ジャスの姿であった。
日向雛 :
「なっ……、ぁ……!?」 至近距離から、男の頭蓋から飛び散った血を顔に浴びる
マヤ :
「…おっと、」軽い動きで血飛沫を避け、上着に付いた飛沫をバサバサとはらう
ヴァニタス :
「あら~派手にやるわね」
あんまり避けない
メアリー :
「……この私に依頼しようとせず、タダで助かったツケかしら」地面に転がる男の死体を無感動に眺めている
イクサ :
コートがひとりでにはためき、血しぶきからイクサを守る。
イクサ :
「新しく来た方……もしかしてジャスさんかしら? 刺された方は残念ですが……彼女は無事で何よりです。」
日向雛 :
「ジャ……ジャスさん!!なんてことを……!!」 信じられないものを見る目で、ジャスを捉える
ジャス :
「んん? おお、雛ではないか、久しいな!」
「なに、悪党を始末しただけのこと。何のことはあるまい?」 やけに仰々しい喋り方に合わせて、十字架がゆらりと揺れる。
日向雛 :
「な……何のことありますよ!自分が何をやってるのか、分からないんですか!?それに、その十字架は……!!」
ヴァニタス :
「おめめもキラキラしてるし、なんだかすっごいお馬鹿そう!アレね、サラーブを監視してるヒーロー共と同じ雰囲気を感じるわ!」
手を合わせてこちらも少し楽しそう
マヤ :
「…え?オトモダチあれ?すげー面白そう。」想像していたものと違っていたのかジャスを指さして
GM :
雛がヒーローズクロスに注目すると、思わず目を引く刻印があった。
GM :
「LG」と刻まれた文字────つまり、レジェンドとして認定された証だ。
ジャス :
「ふむ、当たり前のことをしたまでだが……」 動揺する雛を前にしても、ジャスは態度を崩さなかった
日向雛 :
「L、G……ランク・レジェンドのヒーロー……。それが、ジャスさんの理想の姿ってこと……?」
ジャス :
「理想の姿……とはよくわからないが! そうだ、私は強くなった!!」 いつの間にか手にしていた血濡れの槍を地面に突き立て、胸を張る
ジャス :
「強くなった……いや、私は前より強かった、はず……」一瞬だけ目を伏せる。どうやら記憶が混濁しているようだ
日向雛 :
「ジャスさん……」 その様子を見て、やはり正気の姿ではないのだと確信する
イクサ :
「(精神はレジェンドヒーローとしてほぼ完全に自覚している……ティティだったかしら、彼はそうでもなかったそうだから、個人差……?)」
イクサ :
「(もしも能力まで相応の力があるのなら、もしも本当に凡庸なオーヴァードからレジェンド認定級の力を引き出せるなら……"渇望鏡"は何としてでも手に入れてみたいわ……!)」
ティティ :
「……ま、こんな感じだ。まったく正気じゃねぇ、むしろ以前より馬鹿かもな」
"異なる隣人"フェイル :
「ケッ、馬鹿の方が扱いやすいがな……」
"異なる隣人"フェイル :
「んで、テメェら……あの時のデカブツもいんな」 ヴァニタスを見て
"異なる隣人"フェイル :
「何しにきた? ……わざわざ殺されに来たのか?」 面倒なのか、あまり乗り気ではなさそうだ
ヴァニタス :
「いやぁね、私が簡単に殺されるわけ…ぁじゃなくて、この間の続きよ?わかるでしょ?」
途中で話を変えるように手を振りつつ、朗らかに伝える
"異なる隣人"フェイル :
「結局殺し合いじゃねぇか。この数を一気に片付けるとなると……ふぅん……」 手慰みに"渇望鏡"をくるくると回して
"異なる隣人"フェイル :
「……私の体が持たねぇ、か」
"異なる隣人"フェイル :
「……だが、逃げたら追って来るだけだろうな。ここで潰すのが吉か……余計な殺しは避けたいが……」
ヴァニタス :
「あら、平和的…」
”余計な殺しを避ける”という文言に
"異なる隣人"フェイル :
「ただ殺しを楽しむ狂人に見えたか? これでも頭はキンキンに冷えてんだよ」 とんとん、と頭を指さして
ヴァニタス :
「ここじゃそういう人も別に珍しくないし…ねぇ?」
同意を得るようにティティ等も見回しながら
ジャス :
「これは大義である!」 胸を張って
ティティ :
「……無理矢理やらされてるけどな」ボソッ
"異なる隣人"フェイル :
「ま、そこはどうでもいい。んで、やんだろ?」 その場に落ちていた鉄パイプを拾い上げる
メアリー :
「ええ」
メアリー :
「レジェンドヒーロー、サラーブの外の階級制度も……"異なる隣人"の真意も……私は知らないけれど……」
メアリー :
「────ヒヨコ! あなたの望みはよく知っているわ! そしてそれは今も変わっていないのでしょう?」目の前の脅威を肌で感じながら笑う
日向雛 :
「……!」
日向雛 :
「……はい、もちろん」
日向雛 :
「ごめんなさい、分かってはいたんですけれどいざ目の前にするとちょっと動揺しちゃって……!ありがとうございます、もう大丈夫」 顔に飛び散った血を服の袖で拭う
メアリー :
「……ふん、別に心配して言った訳じゃないわ」なおショックを受けた雛を見て、少なからず声をかけたくなったのは確かである。
日向雛 :
「ふふっ……そうですか」 小さく笑ってから、
日向雛 :
「フェイルさん!」 フェイルに呼びかける
"異なる隣人"フェイル :
「あ?」 首を傾げて
日向雛 :
「初めまして、わたしは日向雛といいます!ジャスさんとティティさんの友人です!」
日向雛 :
「鏡を使って、お二人を元の姿に戻してください!」
"異なる隣人"フェイル :
「……いいぜ」
日向雛 :
「え!?本当ですか!?」
"異なる隣人"フェイル :
「……なーんて、言うと思ったかバーカ! そんな簡単に戻してやっかよ!」 声高らかに笑いながら、そう突き返す
日向雛 :
「え、えぇ~……そんなぁ……」
日向雛 :
「そんな簡単に、ってことはジャパニーズ土下座とかしてもダメです……?」
ティティ :
「ひな、そういう問題じゃねぇと思うぞ……」
"異なる隣人"フェイル :
「ジャパ……土下座……? よくわかんねぇことされても、言う通りにしねぇよ」困惑の表情を浮かべるが、答えは変わらなさそうだ
日向雛 :
「そうですか……」 ちょっとしょんぼりと肩を落として
日向雛 :
「分かりました。じゃあ悪いけどやっぱり、力づくで言うことを聞いてもらいます」
"異なる隣人"フェイル :
「やれるもんなら、な……」
"異なる隣人"フェイル :
フェイルはおもむろに渇望鏡を鉄パイプに向ける。一瞬の閃光の後、鉄パイプの姿は鋭いロングソードへと変わっていた。
ヴァニタス :
「まぁ、便利…!」
日向雛 :
「物体にも適用されるんですね、それ……!」 情報にはなかった使用法に目を丸くする
マヤ :
「へぇ、いいなソレ。」呑気な様子で
イクサ :
「とても興味深い道具だわ。やっぱり、一度は手に取って調べてみたいわね。」
メアリー :
「便利っていっても、形が変わっただけでしょ?ずいぶん騎士ごっこが好きみたいねえ?」槍を持つジャスと剣を持つフェイルを交互に見て
ジャス :
「本物の騎士、だからな!」 ふんっと鼻を鳴らしてみせる
ヴァニタス :
「あっちの子は駄目みたいねぇ」
あらあら…と
"異なる隣人"フェイル :
「……そこの馬鹿と一緒にはすんなよ。殺しやすい形がこれだと思っただけだ」
イクサ :
「まあ、怖い。でも……。悪い子には"おしおき"が必要よね?」
メアリー :
「ええ、荒事は嫌いだけど、戦るしかないみたい」
メアリー :
「……伝説上等、まとめて月までブッ飛ばしてやるわ」
日向雛 :
「本物のヒーロー……ですか」 ジャスの台詞を聞き、少しだけ迷っていたが
日向雛 :
「ジャスさん。これから戦う前に、一つだけお伝えしておくことがあります」 悲しそうにジャスを見て、そう呼びかける
ジャス :
「うむ、言ってみろ」
日向雛 :
「……ジャスさんはさっき、悪党を始末することを当然だと、大義だとおっしゃっていましたが……」
日向雛 :
「それは、違います。ヒーローは、悪人を殺したりなんてしないんですよ……」
ジャス :
「言っていることがよくわからないな。悪党は正義に依って滅されるべき存在であろう?」
日向雛 :
「そうですね……。ヴィランはヒーローに滅されるべき存在。その志しは、ヒーローとして間違いではありません」
日向雛 :
「ヒーローがヴィランを殺す……そういった例は、確かにあります」
日向雛 :
「ですが、それらは全てどうしても避けられなかった事故に過ぎない。決して故意ではないんです」
日向雛 :
「ヒーローは、悪人を許さないんじゃない。ただ、罪をゆるさないだけ」
日向雛 :
「殺したら、罪を償わせることも出来なくなる。だから、ヒーローはヴィランを決して殺さない」
日向雛 :
「わたしの言っていること、分かりますか……?」
ジャス :
「そんなこと、いや……っ。私は、そうあるべき、であって……」自信に満ちていた表情が曇る
ジャス :
「……いや、いやいや! 私のすることは変わらない。ひな、お前が立ち塞がることになろうと!」靄がかかりかけた思考を振り払うように、ジャスは顔をあげる
日向雛 :
「……そうですね。わたしもやることは変わらないし、あなたの前に立ちはだかります」 心苦しそうだった瞳に、決意の力が漲る
日向雛 :
「だから、はっきりと伝えます、ジャスさん。悪だからといって平気で人を殺す、今のあなたは……」
日向雛 :
「ヒーローなんかじゃない。ただのヴィラン、です……!!」
ジャス :
「……笑止! ヴィランが論ずることなど、耳に届かぬ!」 不敵に微笑み、構える
ティティ :
「……じゃ、ぼちぼち始めるか」
【行動値】
19 マヤ
18 ジャス
13 ティティ
12 メアリー
10 ヴァニタス
08 雛
03 フェイル
01 イクサ
【初期配置】
フェイル、ジャス、ティティ
|
(5m)
|
マヤ、ヴァニタス、雛、メアリー、イクサ - (5m)
【勝利条件】
・エネミーの戦闘不能
◆第一ラウンド
GM :
では1ラウンド目、セットアップある人!
メアリー :
≪尾を食らう蛇≫+≪巨人の影≫!
1d10点のHPを失って、このシーンの間、≪赫き剣≫のLVを+2!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 65 → 72
メアリー :
33-1d10(33-1D10) > 33-3[3] > 30
system :
[ メアリー ] HP : 33 → 30
イクサ :
コーリングシステムでR.ampart(オルトロス相当品)を呼び出して搭乗!
演出あるので、一通りセットアップ終わってから出します!
ヴァニタス :
【虚ろの砂海域】:《加速装置》+《ヴァジュラ》
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 87 → 92
GM :
行動値+12、攻撃力+3、暴走かな?早い早い
ヴァニタス :
ですです
GM :
おっけ~!
GM :
ティティは《力場の形成》を使用。ジャスの攻撃力を+10します。
イクサ :
「さあ、みんな。集まって。」
声を合図に、黒い影が頭上より降ってきて、大地を割りながら着地する。
イクサ :
R.ampart/特殊四脚大型戦車。
アール、とイクサが呼んでいた恐るべき鋼の怪物。母を護る絶対の砦。
4つの細いマニュピレーターが下部から飛び出て、イクサをアールの中へ優しく招き入れる。
イクサ :
「紹介が遅れていたわね。この子たちは私の個人用兵装にして可愛い我が子……"子供達"。」
「少し、一緒に遊んでもらえるかしら?」
多くの魂を秘めた絶対なる砦が、母の敵を睥睨する。
GM :
ではイニシアチブ、最初はヴァニタスちゃんから!
ヴァニタス :
どうしよかな…マイナーで命中に補正入れるか後方にすっ飛んでいくかみたいなところがある
日向雛 :
2ラウンド目があるか分からないし、移動しないのもありかもね…
メアリー :
仮に2ラウンド目があったら、武器で素殴りという選択もあるし
ヴァニタス :
全員接近してくるイメージもあんまり湧かないし、その場で行こう!
日向雛 :
でも何とも言えないな、がぶさんのお好みでいこう。どっちでもなんとかなるはず…
日向雛 :
やっちゃえやっちゃえ!
GM :
どうとでもなるはずだ!
ヴァニタス :
マイナー!《オリジン:レジェンド》
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 92 → 94
ヴァニタス :
【無秩序崩壊】:《コンセントレイト:バロール》+《黒の鉄槌》+《雷の槍》
GM :
効果とか色々宣言して判定とか振ってくだせぇ!
ヴァニタス :
《因果歪曲》も追加で
GM :
おkおk、判定どうぞ
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 94 → 106
ヴァニタス :
(6+-1+3+0)dx(7+0)+11+10-1+0 判定/100%以上/無秩序崩壊(8DX7+20) > 10[3,4,4,5,5,5,6,7]+3[3]+20 > 33
GM :
ほうほう…
GM :
フェイルがオートアクションを使用します!
GM :
《雲散霧消》を使用。ジャス、ティティ、フェイルのHPダメージを25点軽減します。
GM :
ということで、HPダメージどうぞ!
ヴァニタス :
4d10+38+0 ダメージ/100%以上/無秩序崩壊(4D10+38+0) > 18[9,4,2,3]+38+0 > 56
GM :
全員に21点のダメージ!全員装甲8がついているので、13点になります
ヴァニタス :
堅いぜ
ヴァニタス :
「そういえば奇遇ねっ」
全員が戦闘態勢を取った直後、突拍子もなくそう、フェイルを見据えて言う
"異なる隣人"フェイル :
「ああ?」 何が?と言った様子で睨みつける
ヴァニタス :
「私も”鏡”を持ってるのよ?」
そう言うと、突如として二本の構造物が飛来する。フェイルは見たことがあるだろう、ヴァイオリンのように見えなくも無い武装だ。
ヴァニタス :
「”静穏の鏡”…私がこの街で作ってもらった武器。吹きすさぶ楽器、恒常を護る鏡…人魚には鏡と櫛って相場が決まってるものね」
櫛はまだ作ってもらってないんだけど…と小声で言いつつ。
ヴァニタス :
「ともかく、美しい音色だから聞いてみて?おまけで歌声もつけてあげるわ?」
言うや否や、美しい弦楽器の音色を奏でると共に、スピーカーのようなものが見え隠れする口からも、声を発する。
ヴァニタス :
”SAndAmAIdeN” ヴァニタス は、器用な方ではない。近くの敵に攻撃しようとすれば自爆しかねないし、味方を巻き込むかもしれない。
ヴァニタス :
更に、移動方法が緩やかな重力操作の上その750kgという重さも相まって、機動力も無い。
ヴァニタス :
だが、最速で敵を破壊する。すさまじい速度で殺到する音色には、物質を崩壊させるための超重力が乗っているから。
"異なる隣人"フェイル :
「なっ……!?」迫りくる音色で大きく巻き上がる砂塵に目を見開き、剣を構える
"異なる隣人"フェイル :
「……ただでやられるか、そらよっ!!」 切り上げた剣から放たれた漆黒の剣閃が幾らか威力を相殺するが……
ヴァニタス :
突き抜けていく音波は、対象に重力を置いていく。それは自重に耐えきれなくなった岩石惑星のように、内側へ物体を崩壊させるだろう。
ヴァニタス :
「あら、…ふふ、頑丈ね ♪ なかなか上手いでしょう?」
浮遊する楽器を侍らせ、少女のように笑う
"異なる隣人"フェイル :
「がはっ!? は、はっ……見た目通り凶悪なこと、しやがる……」 喀血した口元を拭って、剣を構え直す
GM :
では次、マヤくんどうぞ!
マヤ :
はーい
マヤ :
マイナーでリアクティブシールドとレールガン外してインプラントミサイル装備します!
マヤ :
《コンセントレイト:ブラックドッグ》+《アームズリンク》+《ライトニングリンク》 武器はインプラントミサイル使用で範囲攻撃、HPを5点消費!
system :
[ マヤ ] HP : 40 → 35
system :
[ マヤ ] 侵蝕率 : 87 → 96
マヤ :
17dx7+10(17DX7+10) > 10[1,1,2,3,6,6,7,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[3,3,3,4,4,6,7,7,8,10,10]+10[1,3,7,9,9]+10[8,9,10]+10[2,7,9]+10[1,10]+10[7]+2[2]+10 > 82
GM :
おkおk、ジャスは《イージスの盾》フェイルは《影の守り手》でガードしましょう
GM :
4D ジャスのガード値(4D10) > 27[6,8,5,8] > 27
GM :
フェイルは+15のガード値を得ます!
GM :
ダメ―ジの方どうぞどうぞ
マヤ :
9d10+36+1D Scintilla<シンティラ>(9D10+36+1D10) > 44[2,9,7,2,5,3,8,4,4]+36+4[4] > 84
GM :
ギエピー!ティティは《隆起する大地》を三人に使用します!
GM :
1D+15(1D10+15) > 1[1]+15 > 16
GM :
ちょっと計算しますわね
GM :
ジャス:56
ティティ:83
フェイル:68
マヤ :
「いち…にー…3人、な~るほど…俺のオシゴトじゃなかなか相手しない数」
マヤ :
「いいぜ、遊んでやるよ!…って、言いたいトコなんだけど~… アンタらで遊んじゃ怒られちまうんだよな。」
3人を順番に指差してカウントすると軽い調子で笑う。そしてそのカウントは巻き戻るようにジャスとティティを再度指差す。
マヤ :
そのまま流れるようにアイモニターへ触れるとマヤの体内から甲高いモーター音、そして何かを複数生成しているような音が響き始めた。
マヤ :
「【Scintillaシステム起動】っと……あー、ジャム?って言ったか?ヒーローごっこなんか止めて早くヒヨコのトコに帰ってやった方がいいぜ?」
ジャス :
「ジャスだ! 私にはやらぬことがある故、まずはそれを為してからだ!」
マヤ :
「そー…そりゃあザンネン、」
マヤ :
「んじゃ蜂の巣になっても文句は言えねぇな。」
上機嫌なその言葉を掻き消すようにバチン!と弾ける閃光。
身体からは微かに煙が上がる。
マヤ :
、、、一瞬の静寂。
マヤ :
「…ありゃ?弾詰まった?」
若干間抜けな声で呟く
ジャス :
「ふうむ……」 槍を構え、あなたの出かたを観察る
ジャス :
「────まずは、様子見!」 ジャスはあなたに向かって槍を投擲する。牽制とはいえど、当たれば致命傷は避けられぬ一撃だ。
マヤ :
「――ちょ、待った待った!今のナシッ!」
襲い掛かる槍に怯み、一歩下がる。
マヤ :
…と思いきやそれは攻撃の反動を抑えるための予備動作
マヤ :
「…なーんてなっ♪」
下がった勢いのままジャケットを開くとマヤの腹部から強い電気を帯びた無数の小型ミサイルが発射された
マヤ :
「感謝しろよ?」
マヤ :
「…俺が獲物で遊ばないのはこれが初めてだっ!」
無意識に遊んでいることには彼自身まったく気づいていないのだろう、意気揚々とそう言い放った。
マヤ :
投擲された槍は弾かれ、残党の雷撃がフェイル・ジャス・ティティへ襲い掛かる!
ジャス :
「ほう、これは……!」 降り注ぐ雷撃を見て不敵に微笑む
ティティ :
「っ、直撃したらたまったもんじゃねぇぞ……!」 ティティは地面に二発の弾丸を打ち込むと、砂がドーム状に展開し、幾らかのダメージを分散させる!
マヤ :
「ふぅん、便利な銃持ってんのな…」
少し残念そうだが、それでいて楽しそうに呟く
GM :
行動値18!ジャス姉ちゃんの出番です
GM :
まずオートで《ワールドディストラクション》を使用。射程を視界に変更し、HPを-10します。
GM :
【コンボ名:我が槍の冴えを見よ!】
メジャー:音速攻撃+疾風剣+獅子奮迅+獣の力+獣の魂+CR:ハヌマーン
GM :
範囲選択ですので、PC全員を対象にします
GM :
21dx7+20 命中判定!(21DX7+20) > 10[1,2,2,3,3,3,3,3,5,6,6,6,7,7,7,8,8,8,10,10,10]+10[3,3,3,4,5,6,7,8,9]+10[3,7,9]+10[7,9]+10[7,10]+10[6,9]+4[4]+20 > 84
日向雛 :
や、やばぁ
GM :
つよいでしょ
マヤ :
つっよい
GM :
リアクション、その他あれば!
日向雛 :
ダイスも少ないし絶対避けれる気がしない、けど……本気でいかないのもおかしい。《浄玻璃の鏡》+《リフレックス》でドッジ!
GM :
了解、判定どうぞどうぞ
日向雛 :
4dx7+11(4DX7+11) > 10[3,4,5,7]+3[3]+11 > 24
日向雛 :
ですよね!当たります
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 57 → 60
GM :
オマエハヨクヤッタ(殿下)
メアリー :
ドッジしますよ! レジェンドがどうした!!
GM :
どうぞ!
メアリー :
6dx+1(6DX10+1) > 10[2,3,8,8,10,10]+3[2,3]+1 > 14
GM :
頑張った
イクサ :
《砂の結界》でカバーします!
ヴァニタスちゃんで
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 59 → 61
マヤ :
ドッヂしましょ!一応!
GM :
カバー了解!ドッヂ判定どうぞ!
マヤ :
6dx(6DX10) > 9[2,3,4,5,7,9] > 9
GM :
残念賞のダメージたわしをあげましょう…
マヤ :
わーい
GM :
ヴァニちゃんは暴走中なのでリアクションないね、ダメージいきます
GM :
9D+33(9D10+33) > 28[1,5,3,1,3,3,2,6,4]+33 > 61
GM :
出目がカス!
日向雛 :
カスでもわたしは戦闘不能にはなるよ、リザレクトします
日向雛 :
1d10+60(1D10+60) > 1[1]+60 > 61
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 60 → 61
system :
[ 日向雛 ] HP : 28 → 1
メアリー :
同じくリザレクトしますよ
メアリー :
1d10 3以上が出なければメインエフェクトの≪破壊の血≫が使用できない(1D10) > 1
メアリー :
おい
GM :
雛ちゃんとおそろっちだね♡
日向雛 :
わぁ、いっしょですね~
メアリー :
うれしかないわよ!!!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 72 → 73
system :
[ メアリー ] HP : 30 → 1
マヤ :
リザレクトします!
イクサ :
倍ダメ122は流石に耐えません!
リザレクト!
GM :
どうぞ!死んだ人は生き返りな!
マヤ :
1d10(1D10) > 10
マヤ :
ええ
system :
[ マヤ ] 侵蝕率 : 96 → 106
system :
[ マヤ ] HP : 35 → 10
イクサ :
1d10(1D10) > 10
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 61 → 71
system :
[ イクサ ] HP : 28 → 10
GM :
うおっでっか
マヤ :
ええ
メアリー :
その二人の出目、分けなさいよ!!!!!!!!!
GM :
そういう切れ方するの初めてみた
ジャス :
一度、二度。ジャスは呼吸を整えて、戦場を見渡す。
ジャス :
どう槍を振るえば殺せるのか、どうすれば悪を滅することができるのか。
あなた達を一人一人と観察して、植え付けられた卓越した戦闘技能と戦局を見据える知識が、常識とばかりにその疑問を解消していく。
ジャス :
「うむ!」
ジャス :
なにやら一人納得し、槍に掘られたレジェンドヒーロー"Don Quijote"の名が鈍く輝き、マヤの攻撃で弾かれた槍が風に乗って手元へと収まった。
ジャス :
「さあ構えろ! 私の槍に貫けぬものはない!」
ジャス :
隙を感じさせない槍の構え。そして、殺意の壁が一瞬にして築かれる。
ジャス :
それと同時に、あなた達の間をそよ風が吹き抜ける。
砂すら巻き上げない優しい風は、徐々にジャスの元へ集い……。
ジャス :
半歩、ジャスの動きを注視していたのなら、たったのその程度の動きだったはずだ。
ジャス :
だがその姿はない。忽然と消えたジャスの姿は……あなた達の後方にあった。
日向雛 :
「……!?」 振り返る。だがその反応はすでに一手以上遅れている
ヴァニタス :
「えっ?」
調子を変えずゆるりと
イクサ :
イクサには同行者を守る気がない。
自分の身と"子供達"を危険に晒して庇うまでのモノは存在しない。
だから、襲い来る猛攻に対して要塞の如く動かず、ただ耐え凌ぐだけでいいはずだった。
イクサ :
けれど。
攻撃の寸前、アールが一歩だけ横へ踏み出した。
母も命じていない移動は、ただの姿勢安定の為の自動行動だったのかもしれない。
「………あら?」
ジャス :
「────くく、行くぞ!」
ジャス :
一切の大気を乱さぬ、急所への研ぎ澄まされた一突き。それがほぼ同時にあなた達へと叩き込まれた!
ジャス :
「ハッハッハッ! どうだ、我が槍の冴えは!」 攻撃を終えると、ジャスは元の位置へとひとっ飛びで戻って行った
イクサ :
意思ある行動か、ただの偶然か。槍の一閃に対して、ヴァニタスはアールが踏み出した鉄脚を盾にして攻撃を凌ぐことができた。
ヴァニタス :
「あら、ありがとう!」
見るからに意志の介在しなさそうな機動兵器であるそれにも、純粋に感謝を伝える
イクサ :
「そんなつもりでは……」
小さく言葉が漏れる
イクサ :
そして、脚に対する一撃でアールの姿勢が乱れる。
顕になるのは戦車下部、装甲の薄い弱点。
理想を手にしたジャスの眼力が見逃すはずもなく、さらに一閃。
コクピット内部のイクサにまで届かせる。
イクサ :
「きゃあああっ!!」
イクサ :
溢れる血を抑えるのはV.ictor/血涙式生体スーツ。
イクサの生体機能を補助し、戦闘を続行させる。
イクサ :
「何なのよ、一体……。」
日向雛 :
「あ……か、ハッ……」
無防備な脇腹から肺を一突きにされ、息と一緒に血を吐き出す。
防御のために咄嗟に展開した影も無意味。ジャスの槍はその隙間を縫って雛の体を正確に貫いていた。
マヤ :
「繧ッ繧…ッ い゛痛……ってぇ…ッ!!?」
ミサイルの反動で振り返る間もなく、背後から胴体を貫通する一閃にけたたましいエラー音とバグった音声が鳴り響く。
…咳き込みながら首の危機検知デバイスに触れ、無理矢理エラー音を消すと多少ふらつきながらもその場に踏み止まった。
日向雛 :
「……っ、本当に、強くなったんですね……ジャスさん……」
地面に倒れて砂まみれになりながら、ジャスを見上げる。
もはや認めるしかない。彼女は雛が知っているレジェンドランクのヒーローと遜色ない実力を持っている。
ジャス :
「その身を以て知ったな……。そうだ、私は強い……!」 穂先に付着した血糊を払う
日向雛 :
「だけど、少しだけ……惜しいです」
日向雛 :
「こういう時、ヒーローは……かっこよく技名を叫ぶもの、なんですよ……」
日向雛 :
「本当に、ヒーローになりたいのなら……考えておくといいかもしれません……っ」 ゆっくりと修復する傷口を手で抑え、激痛に耐えながら立ち上がる
ジャス :
「何を言うかと思えば……」
ジャス :
「だが、うむ……考えてみても良いのかもしれないな……」うぅむと唸って
"異なる隣人"フェイル :
「んなこと考えてる暇があれば戦え!!」横から怒声が飛ぶ
日向雛 :
「ふふっ、怒られちゃいましたね……続けましょうか……」 正気じゃない状態であっても素直な部分が残っているジャスを見て、少しだけ笑う
GM :
では行動値13のティティ!
GM :
【コンボ名:足元に注意だ】
マイナー:絶対の空間
メジャー:大地の牙+破砕の顎+CR:オルクス
効果:ドッヂ判定に-3する。
GM :
ターゲットはメアリー、雛、イクサ
GM :
13dx7+10 判定!(13DX7+10) > 10[2,3,3,4,4,5,5,6,7,7,8,8,8]+10[6,7,8,8,9]+10[1,3,7,8]+5[2,5]+10 > 45
GM :
リアクションの宣言あれば!
メアリー :
ドッジしますよ!
GM :
メアちゃんのドッヂの判定どうぞですわよ
メアリー :
3dx+1 ドッジ(3DX10+1) > 2[1,1,2]+1 > 3
メアリー :
怖いってば、3から下しか出ない出目
イクサ :
ガード!ガードシールドとFHバトルコートも使っちゃいます
日向雛 :
全く行ける気がしないよ!でも《浄玻璃の鏡》+《リフレックス》でドッジ、してみよっか…
GM :
各自どうぞですわ!
日向雛 :
2dx7+11(2DX7+11) > 6[2,6]+11 > 17
日向雛 :
ですよね!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 61 → 64
GM :
イクサママはガードだし、ダメージを算出しよう
GM :
5d+24(5D10+24) > 14[3,4,2,1,4]+24 > 38
日向雛 :
リザレクト!
イクサ :
余裕のノーダメですわ
アイテム切るまでもなかった
GM :
リザレクトの民どうぞ!イクサママカチカチだ
日向雛 :
1d10+64(1D10+64) > 7[7]+64 > 71
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 64 → 71
メアリー :
1d10 リザレクトで復活! 連続で3以下で出る確率は4%ほどらしいよ!!(1D10) > 7
メアリー :
やったあああああああああああああああああああ
GM :
やるわね……
日向雛 :
あ、みてみて、またわたしとお揃いですよ~
GM :
仲良しか~?
メアリー :
ほ、ほんとだ!? なんなの!?!?
system :
[ メアリー ] HP : 1 → 7
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 73 → 80
ティティ :
「贅沢な使い方だが……そらっ!」
ティティ :
ティティは銃口を地面に向けて、引き金に指をかけた。
ティティ :
数回の銃声……ワンマガジン分の弾丸が地面に向かって放たれると、あなた達の周囲から徐々に地響きが鳴る。
ティティ :
そして地響きの音が大きくなると共に、地面のそこかしこが隆起を始めた!
ティティ :
「これで死んでくれるなよ!」
ティティ :
隆起した地面は杭となって突き出し……そして弾丸の速度を保ったまま、あなた達を串刺しにせんと迫る!
イクサ :
「アール? 次は大丈夫よね?」
母の問いかけに答えるように、戦車が咆哮するかの如く甲高い駆動音を上げる。
脚を振り上げ、伸び始めた大地を踏み砕いていく!
イクサ :
「そう! よくできました!」
先ほどとは違い、きちんと思い通りになった状況に、母は上機嫌のようだ
アール(四脚戦車) :
「────!!!!」
咆哮
日向雛 :
「……っ、う……!」 影の壁で自身を覆うが、土の杭はそれらを障子を破るように軽く貫く
日向雛 :
「ティティさんも……こんなに強くなったんですね……」 一線級のヒーローの力を感じながら、腹を貫く杭に目を落とす
ティティ :
「……借りもんだがな、せいぜいやられねぇように気を付けてくれ」 マガジンを入れ替えながら
日向雛 :
「当然……っ。言いましたからね……」
日向雛 :
「わたしが、お二人を解放するって……!!」 杭に一瞬影の線が浮かんだ直後、バラバラに分解されて元の土塊に戻る
日向雛 :
栓を失った傷口から血が溢れ出すが、それでも緑色の目は闘志を失っていない。
GM :
では次!リザレクトで安定したメアリーちゃん!
メアリー :
マイナーアクションで≪赫き剣≫+≪破壊の血≫! 2点のHPを消費して武器を作成!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 80 → 86
system :
[ メアリー ] HP : 7 → 5
メアリー :
メジャーアクションで≪コンセントレイト≫+≪渇きの主≫! フェイルに攻撃!!
GM :
どうぞ!
メアリー :
≪オーバーロード≫も使用! 武器攻撃力を倍に!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 86 → 91
メアリー :
13dx7+6 命中判定!(13DX7+6) > 10[2,2,2,2,3,3,3,4,4,7,7,8,9]+10[1,4,7,10]+10[4,8]+5[5]+6 > 41
GM :
フェイルは《影の守り手》を使用!ガード値を+15してガード!
メアリー :
5d10+98 装甲無視ダメージ!!(5D10+98) > 31[8,2,5,9,7]+98 > 129
GM :
ギエピー!!
GM :
ガードから抜いて……112ダメージ!!瀕死ですが生きてます!!
メアリー :
≪渇きの主≫の効果で4点のHPを回復した後、≪赫き剣≫の効果で5点のHPを失いますよ! 更に≪オーバーロード≫の効果で作成した武器は破壊されます!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 91 → 97
system :
[ メアリー ] HP : 5 → 4
メアリー :
「こんなもんでくたばる訳、ないわよ」
メアリー :
「……今度は遠慮は要らないわ、この首、取れるもんなら取ってみなさい」メアは首元を指の腹で叩く。
コンコン、と固い感触。そこには黒いチョーカーが付いていた。
メアリー :
「もっとも期待はしてないけど」
チョーカーから、囚人の首枷のように伸びている鎖を引き抜く。
それが引き金だった。
……途端、チョーカーから正体不明の『黄金の液体』が溢れだした。
ポタポタ、ボタボタ。黄金の流れる勢いは止まらない。
胸元から足下まで滑り落ち、サラーブの渇いた地面に、雨あがりに出来るような水たまりを広げていく。
……引き抜いた鎖は、黄金の液体を堰き止める"栓"だったのだ。
メアリー :
「まず私の一撃を受けて立ってられるかどうか、リーダーに見せてもらおうかしら?」
滴る黄金を浴びながら、当のメアは獰猛な笑みを浮かべていた。
……その黄金の液体の正体は、メアの身体を巡る特殊な"血液"。
ブラム=ストーカー能力を持つ彼女にとって『最高の武器』だ。これから獲物を屠るのには申し分ない。
メアリー :
「────革命家の断頭台よ!」
血だまりに沈んでいた鎖を、勢い良く振りあげる。
パシャッ。撒きあげられた黄金の血液は、打ち水みたいに大きく広がり。
舞い散る寸前。今度はまるで、空間ごと写真で切りとられたかのように、その場でいきなり"静止"した。
……コレは時間停止といった仰々しい奇跡の類ではない。もっとありふれた単純なブラム=ストーカーの基礎能力。
つまるところ、血の飛沫を固めるコトで扇状の刃を形成したにすぎない。
メアリー :
砂漠の夜に浮かぶ冷たい月を下ろしたかのような、流麗なる黄金の血刃。
キラキラと煌めく姿はまるでウソみたいに美しく、武器というよりは絢爛豪華な美術作品。
此処が戦場でさえなければ、誰もが見惚れていただろう。
メアリー :
これこそメアが最も愛用する得物。
四万を越える敵対者達の首を断ち、最期には革命家自身の血さえ啜った、呪いと死の象徴。
フランス革命で用いられた、世界で最も有名な処刑器具。
────すなわち、ギロチン。正式名称、正義の柱。
単純な得物ではあるが同時に、都市の罪人を狩るのならば、これ以上のモノはありえない。
メアリー :
「時にあなた、このサラーブで商売する上で"いちばん大事なコト"は何か知っている?」
「……いえ、知らないでしょうね? そうじゃないと、この状況は成りたたないもの!」
鎖の先端に繋いだギロチンを、ブオンブオンと振り回す。
敢えて実在する武器で言えば"鎖鎌"に近い構造だろうが、その刃の幅は1mを超えている。
スケール的には"鎌"というより"錨"に見えるだろう。
メアリー :
「はっ、良いわ!それなら親切な私が、分かりやすく教えてあげる!!」
言うが早いか、ギロチンはついに、標的に狙いを定めた。
軽々と踊るように罪人の首筋へと奔る、重厚な半月の刃。
弧を描きながら迫り来る黄金の死。
────瞬きの後には到来するそれを、フェイルの目はスローモーションで映すだろう。
メアリー :
美しい外見に騙されてはいけない。
ヒトに向けるにはあまりに大きなそれは、人体ひとつを容易く両断する。
並みのオーヴァードであれば、掠めただけでも頭と胴が泣き別れになる。
フェイルは、そう確信する。
死刑執行に臨む囚人に近い悪寒が、首筋に走ったからだ。
"異なる隣人"フェイル :
「────────ッ!!」 直感的に脳内を駆け巡る原初の恐怖。直感が死の訪れを報せる。
"異なる隣人"フェイル :
「クソッ! そんなキラキラした上品なもんで死んでたまるかよ……っ!」 咄嗟に展開した影を刀身に纏わせ、ギロチンの軌道を逸らそうと試みるが……
"異なる隣人"フェイル :
「ぐ、くっ……そ……!! ────────!!?」
"異なる隣人"フェイル :
その努力虚しく、刀身は砕け、刃はフェイルの首へ到達────だが、軌道がほんの少し横にズレたおかげか……頸動脈を割く"程度"で済んだ。
"異なる隣人"フェイル :
「ごぼっ、が、ぁ……っ!」 切り傷から溢れる血液をウロボロスの影で縫合しながら、あなたを激しい怒りの籠った目付きで睨む。
メアリー :
「────喧嘩を売る相手は選ぶコト! その様子だと、身に染みて分かったかしら?」
メアリー :
ギロチンはフェイルの頸を抉ると、満足したかのように融けてパシャンと液体に戻った。
イクサ :
「──素敵。ずいぶんと懐かしくて、珍しい血を使うのね?」
「武器としての利用法……いえ、メアリー社長だけが出来るコトなのかしら? 美しくて、面白いわ! うふっ、ふふふ……。」
日向雛 :
「…………!」 UGNにいた頃、知識として聞いたことがある。黄金の血液。人道的な目的で作られた、非人道的な製法の人工血液
日向雛 :
「……え、と」 その存在に思うところはある。何か言おうとして
日向雛 :
「失血には、気を付けて……ください、ね……?」 考えた結果、他人のことを言えるようじゃない血まみれな状態で、そんな心配をした
メアリー :
「……ふん、今は私より気に掛けるコトがあるでしょう?」
メアリー :
「さあ、まだ戦いは終わっていない! いい時間だし、まず眠たそうにしているリーダーから先に、良いユメを見せてあげなさいな!!」
日向雛 :
「……はい!」 今までに受けた傷の修復が終わり、眼の前の敵を見据える
GM :
では次!雛ちゃんどうぞ!
日向雛 :
マイナーアクションで戦闘移動、5m前進して三人にエンゲージ
日向雛 :
メジャーアクションで《振動球》+《混色の氾濫》+《コンセントレイト》
日向雛 :
装甲無視の攻撃!対象はフェイル・ジャス・ティティの三人です
GM :
おk!判定を先にどうぞ
日向雛 :
ぜ、絶対何かあるやつじゃん!!!!!
日向雛 :
5dx7+9 命中(5DX7+9) > 10[1,2,4,6,10]+4[4]+9 > 23
日向雛 :
カス!
日向雛 :
オートアクションで《妖精の手》を使用!
日向雛 :
最後の出目を10に変えて、クリティカルさせて一回振り足します!
GM :
どうぞ!
日向雛 :
1dx7+29(1DX7+29) > 6[6]+29 > 35
日向雛 :
1惜しかった、達成値35です
GM :
オッケー、フェイルは《影の守り手》ジャスは《イージスの盾》、ティティは回避してみようか
GM :
3dx ティティ回避(3DX10) > 8[3,4,8] > 8
GM :
うむ!ダメだ!
日向雛 :
ダメだね!ダメージ出します
日向雛 :
4d10+1+3D10 ダメージ(4D10+1+3D10) > 21[8,7,2,4]+1+17[3,10,4] > 39
日向雛 :
こんなもんなダメージだ、装甲は無視です
GM :
4d ジャス姉ちゃんのガード値(4D10) > 23[6,7,1,9] > 23
GM :
フェイルは15、ジャス姉ちゃんは23点減点!
GM :
嬉しいお知らせ、フェイルは倒れます!
日向雛 :
やったー!!!!!!!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 71 → 84
日向雛 :
雛が地面を蹴り、走り出したのと同時に。
日向雛 :
フェイル達三人の体に、一筋の影の線が薄く浮かび上がった。
日向雛 :
まるで医者が患者の肌にマーカーを引くように線は走り、彼らの全身を覆っていく。
日向雛 :
「フェイルさん。あなたがどんな信念をもって行動しているのか、わたしには分からない……でも!」 走りながら、叫ぶ
日向雛 :
「わたしの友達をこんな目に遭わせたことだけは、絶対に許しません!!覚悟してください!!」
日向雛 :
フェイル達の目の前で雛が手を振り切ると、その指先から真空の刃が無音で飛んだ。
日向雛 :
もし無抵抗のまま直撃すれば、不可視の刃は黒い線を正確に沿って進み、その全身を切り刻むことだろう。
日向雛 :
……だが、体に浮かぶ影のラインは、よく見ればその全てが急所から外れている。
日向雛 :
日向雛は最初から急所を狙っていない。明らかに手加減している────先程のジャスの攻撃とは正反対に。
ジャス :
「……ッ、おまえ……!」 しかし、食らえばただでは済まない。咄嗟に防御姿勢を取って雛の攻撃に備える
"異なる隣人"フェイル :
「はぁ、はぁ……っ! ク、ソ……!!」 それに反して、フェイルはまともな防御すらできない。両脚を支えるのに意識を割くのが精いっぱいだ。
日向雛 :
「もう動かないほうがいいですよ、フェイルさん」
日向雛 :
「あなたのこと、殺したいわけじゃないんです。だから……もう大人しくしていてください」 気遣うように、優しく声をかける
"異なる隣人"フェイル :
「ほ、ほざけ……っ」 それでも頑なな態度を崩さない。フェイルの心の壁は相当厚いように思える
"異なる隣人"フェイル :
「……が、は……」それでも限界はある。極限まで耐えた両脚は崩れ、フェイルは膝をついた。
GM :
では最後!イクサママ!
イクサ :
マイナーなし!
メジャーで【W.ound/試作型オーヴァード生体砲】
CR+サンドシャード(B.T.C.ウェポン適用)
イクサ :
白兵武器1つを破壊して攻撃力を加算
X.anadu/増殖補填式・圧縮生体弾を食べさせて+14
カスタマイズ:エピックにより破壊キャンセル
対象はジャスとティティ!
GM :
おk!判定どうぞ!
イクサ :
8dx7+16(8DX7+16) > 10[4,4,5,5,5,6,9,10]+10[2,8]+2[2]+16 > 38
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 71 → 81
GM :
ジャスとティティは回避を試みます!
GM :
13dx ジャス(13DX10) > 10[1,1,3,4,4,5,6,7,7,8,8,9,10]+1[1] > 11
GM :
3dx ティティ(3DX10) > 9[2,4,9] > 9
GM :
が、ダメ…!
GM :
ダメージ、いいよ
イクサ :
4d10+29(4D10+29) > 22[6,4,10,2]+29 > 51
GM :
いやー!!装甲有効だっけ!
イクサ :
特殊効果なし!
GM :
ではティティはこの攻撃で倒れます!が、ジャスはまだ立っています!
アール(四脚戦車) :
「 W.ound/試作型オーヴァード生体砲 弾薬咀嚼口 セーフティ解除 」
エスによるアナウンス。
イクサ :
「さあ、エックス。少し我慢なさいね?」
イクサ :
イクサの使う専用兵器……"子供達"。
彼らにまつわる黒い噂。
曰く、彼らは比喩ではなく本当の子供達であり。
イクサは我が子を素材に兵器を作る、魔女なのだと。
噂は、真実である。
イクサ :
X.anadu/増殖補填式・圧縮生体弾 。
金属と火薬の不定形の塊と化した幼児。何度削られても再生し、無限の責め苦を受け続ける子。
W.ound/試作型オーヴァード生体砲。
妹─X.を弾薬として噛み砕き、砲撃する兄。
S.age/対話型総合支援システム。
感情を、慈悲を許されぬ姉が、妹を兄に詰める。
母が命じるまま、敵を照準する。
イクサ :
あり得たはずの人生。
あり得たはずの選択肢。
あり得たはずの可能性。
魔女がまた、薪を焚べる。
イクサ :
「さあ!──撃って。」
轟音と共に撃ち出された砲弾が炸裂する。
イクサ :
けれど。
悲劇と汚濁は人知れず、が世の常。
周囲の事実としては、イクサが戦車で炸裂弾を撃った、ということだけ。
子供達の悲鳴に音は無く。
悲嘆の残滓だけが、霧散する。
イクサ :
崩れかけた街を更に砂塵に変えて、魔女は嗤う。
ティティ :
「なん────ぐあああっ!!?」 放たれた砲弾がティティを貫き、勢いのままに廃墟へと吹き飛ぶ。
ティティ :
「ッ、クソ……遠慮とか、ねぇのか、よ……」 崩れた廃墟から這い出してくるが、流石に降参と言った様子でイクサを睨む
ジャス :
「ティティ! この……悪党め……!」奥歯を噛みしめて、イクサを睨む
イクサ :
「まあ。そんなに怖い目で見ないでください。」
メアリー :
「────────」凄惨なる破壊を前に、少女は絶句する。
メアリー :
その威力に驚いたのではない。"聞こえてしまった"のだ。
メアリー :
メアも広義で言えば"命を焚べて力に変える能力"を有しているから、なのだろうか。砲弾が生み出す破壊の嵐の中、いるはずのない子供の悲鳴を、確かに聞いた。
マヤ :
「───……、は?」
砲弾の炸裂音に微かに混じる子供たちの絶叫、微かな声だがその声は音波のように脳を搔き乱し、何かを思い出してはいけないような感覚に襲われる。
マヤ :
マヤは片側の集音デバイス、人間で言うところの耳の辺りを押さえてイクサの搭乗している戦車…アールを見つめた。
GM :
クリンナップ!あったら宣言!(なかった気がするけど)
日向雛 :
ない!
GM :
みんな無いね!無い、ヨシ!
◆第二ラウンド
GM :
では2ラウンド目!セットアップ!エネミーは無し!
日向雛 :
ないです!
マヤ :
ないです!
メアリー :
ないわよ!
ヴァニタス :
無し!
イクサ :
なしです!
GM :
了解!ではイニシチブ!
GM :
マヤくんになるね、宣言どうぞ!
マヤ :
マイナーでレールガン装備します!
マヤ :
メジャーは《コンセントレイト:ブラックドッグ》+《アームズリンク》+《ライトニングリンク》
GM :
命中判定どうぞ!
マヤ :
19dx+9(19DX7+9) > 10[2,3,3,3,4,4,6,6,6,6,7,7,8,9,9,10,10,10,10]+10[1,4,5,8,8,10,10,10,10]+10[4,5,6,7,9,9]+6[2,5,6]+9 > 45
GM :
やるね……だが!ここので奥の手、《ピンポイントガード》《イージスの盾》を使用!ガードするぜ!
GM :
さあ、ダメージを出しな
イクサ :
レールガンはガード無視だぜ!GM!
GM :
くっ、殺せ!!
マヤ :
ワッ…
マヤ :
5d10+50+1D Impatto <インパクト>(5D10+50+1D10) > 24[10,2,9,2,1]+50+3[3] > 77
GM :
ぎゃあーーーっ!装甲はどうだっけ!
マヤ :
装甲は効きます!
GM :
ほう、ではジャスは倒れるが……《蘇生復活》!HP1で耐える!
system :
[ マヤ ] 侵蝕率 : 106 → 115
system :
[ マヤ ] HP : 10 → 5
マヤ :
「…くそっ、どんな馬鹿力してんだよ…これ 硬質プレートだぜ?」
気を取り直したようにジャスを見据えると先ほどのダメージを思い出したように指を指す、マヤの腹部からはパチパチと火花が散っていた。
マヤ :
「…えーっと、これは切っていいヤツ。」
腹部から内臓のように零れた邪魔なコードを暫く眺めるとそれを引き千切る。次に首へ触れるとマヤの身体の中から少々ノイズの気になるモーター音が響いた。
マヤ :
本人としてもあまり心地のいい音ではないのだろう、若干うるさそうに溜息をつくと…大剣・大太刀を抜くような動きで背中の収納ユニットから長銃を引き抜く。
マヤ :
Kukulcan、ジャンク品のような見た目、禍々しい黒にイナズマのような亀裂の入った銃…マヤが初めて自ら造り出した武器であり、初めて人を撃った武器だ。
彼自身にその記憶はない…
マヤ :
「さーて、動くなよ?狙いが逸れたら殺しちまうからな!」
マヤの全身に走るバチバチとした電撃。
刹那、Kukulcanから光速の銃弾が放たれる!
イクサ :
「何なの、あの武器……。あの子の遺した義体に使わせる武器が、あんな、見るからに不安定な……。」
声を震わせ、僅かな怒りと不快を示す。
ジャス :
「なんの────!?」 防御でいなそうと試みるも、万全ではないその身体では光速の軌跡を捉えることができない……。弾丸はジャスの胸部を捉え、貫通する。
ジャス :
「が、ぁ……わ、私は……っ」 朦朧とする意識、ふらつく足すら取り繕えない。ジャスはもう、限界を超えている。
マヤ :
「…もう降参しろって、弟クンだっけ?犠牲にしてまでヒーローってやんなきゃいけないの?」 銃を左手でくるくると回し弄びながら呆れたように呟く
ジャス :
「────────」 あなたの言葉に、奥歯を噛みしめる。
GM :
ではジャスの手番ですが……ちょっと演出を挟ませてください。
ジャス :
「っ、まだ、足りないのか……!? まだ、力が足りないのか……また惨めに負けるのかッッ!!」
ジャス :
ジャスはついに膝をつく。奥底から湧き上がる悔しさと、自身への強い怒り。
それらをごちゃ混ぜにした感情を込めて、ジャスはあなた達────特に、雛を睨みつける。
ジャス :
「そうだ、あの時……初めて会った時も、ひなはそうやって私を見下ろしていた! 何故だ、何故お前は強い!?」 強く握りしめた拳から鮮血が流れる。
"異なる隣人"フェイル :
「クソ……ッ、なんだコイツら……! おいジャス、ここは一旦退いて────」 回復しかけたフェイルが口を開くが……
ジャス :
「黙れッ! 私は退かない、私は強い、強くならなければ────守られ、奪われるだけの存在になりたくはないッ!!」
GM :
────────ジャスの慟哭が"渇望鏡"と共鳴する。
"異なる隣人"フェイル :
「なっ、なんだッ……グ、ゥ、アアァァッ!!?」
GM :
一瞬の閃光と強制的な能力の行使にフェイルは悲鳴を漏らし、体勢を崩す。
そしてほんの一瞬、鏡面には雛の姿が映されて……。
ジャス :
「…………」
ジャス :
「……っ、そうか、そうだったな。お前が強いのは……」
何かを悟った口調で、胸を押さえると……
ジャス :
「これが、あったからだッ!!!」
ジャス :
ジャスは胸元の生地を破り捨てる。露わになった胸部には煌々と輝き放つ宝石……"賢者の石"が埋め込まれていた。
ジャス :
「私の強さを、ここに示す……! さあ……」
ジャス :
「行くぞッ!!」
GM :
ではジャスの判定宣言!
GM :
ジャスは『Dロイス:賢者の石』を使用。クリティカルの値を-2します。
GM :
【コンボ名:正義の槍に貫かれよ!】
メジャー:音速攻撃+疾風剣+神速の鼓動+マシラの如く+リミットリリース+獣の力+獣の魂+獣の王+CR:ハヌマーン
ここにさらに『Dロイス:超侵蝕』を使用。達成値に+10。攻撃力に+10。
GM :
シーン選択攻撃です。対象は全員。
GM :
21dx4+30(21DX4+30) > 10[1,1,1,2,2,2,2,3,3,3,4,4,4,7,7,7,8,8,9,9,10]+10[1,1,2,3,3,3,8,9,10,10,10]+10[1,6,8,8,10]+10[4,6,7,10]+10[1,5,8,8]+10[2,8,9]+10[5,6]+10[4,7]+10[1,10]+10[7]+10[4]+3[3]+30 > 143
GM :
っひょ~!
GM :
リアクション不可!
イクサ :
手番捨ててカバーリング!マヤくんに!
マヤ :
泣いてまうやろ!ありがと!
ヴァニタス :
では私も手番切ってメアちゃん庇おうね
メアリー :
とてもありがたい!絆の力(?)で勝つぞ!!
日向雛 :
わたしは皆から離れてるから何も無いよ、ダメージを受けます。
GM :
宣言は出揃ったね!ダメージを出します
GM :
15d+73 おらーっ!(15D10+73) > 87[4,9,7,7,5,8,3,7,5,4,4,9,1,8,6]+73 > 160
GM :
殺意殺意!
メアリー :
メアを超えてきましたか…流石…
日向雛 :
ひぃん
GM :
リザレクトの処理などどうぞ!
日向雛 :
リザレクトします!
日向雛 :
1d10+84(1D10+84) > 3[3]+84 > 87
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 84 → 87
system :
[ 日向雛 ] HP : 1 → 3
イクサ :
38点装甲ガードと6点軽減して(122×2)-6=238点!
耐えられるわけあるか馬鹿!
イクサ :
リザレクト!
イクサ :
1d10+81(1D10+81) > 2[2]+81 > 83
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 81 → 83
system :
[ イクサ ] HP : 10 → 2
ヴァニタス :
40点軽減して120点受けてんだワ
ヴァニタス :
戦闘不能!
system :
[ ヴァニタス ] HP : 51 → 0
ジャス :
それはまさに、サラーブに吹き荒ぶ嵐。
聳えたつ風車なぞ何するものぞ……そう、彼女は構える。
ジャス :
その力は偽りであるとしても、最強のオーヴァードの一人が紛れもなくここに存在していた……。
ジャス :
「はあ────ッ!!」
ジャス :
鏖殺の嵐が縦横無尽に駆け巡る。
建築物への被害などお構いなし、この区の全てを更地にせんとする槍捌きが炸裂……。
ジャス :
そしてジャスは大きくサラーブの空に飛翔し、身に纏った暴風と共に急降下……地面に突き立てられた槍は凄まじい爆風となってすべてを吹き飛ばす!
日向雛 :
「そんな……ッ!?う、うそ……」
この街でずっと探していた賢者の石。それをジャスが持ち、使いこなす日が来るなど……まさか思いもしなかった。
日向雛 :
自分に向けられたジャスの強い感情への精神的なショックもあり、暴風を前にしても何も反応出来ない。
日向雛 :
爆風に煽られ、雛の体は大きく吹っ飛ばされる。
ヴァニタス :
「ちょちょ、ちょっと!そんなことしたらサラーブが壊れ―――」
言い終わらず、吹き飛ぶ。レネゲイド由来の金属で組成されている彼女の体も、区一つを消し飛ばす威力を受ければひとたまりもない。
ヴァニタス :
ただ、守護者の矜持がそうさせたのか。とりあえずと近くにいたであろうメアリーの腕をひん掴み、その巨体を巻き付けて覆い隠す。そのまま大威力を受け、大きく破損しながら転がった。
メアリー :
「なっ、ヴァニタス……!?」このサラーブで、誰かに守られるなんて思いもしなかった。自分を庇って吹き飛ばされたヴァニタスの姿を見て、大きく目を見開く。
イクサ :
「賢者の石までコピーしたというの!? それよりも予測危険値が……!」
「アール! アンカーを………!」
アール(四脚戦車) :
脚部からアンカーを地面へ打ち込み、爆風から吹き飛ばぬようにする指示。
アールは指示の解釈を少し変えて……
マヤに覆いかぶさるように脚を踏み変える。
イクサ :
「何してるの、動いては駄目……」
ゴッ、と爆風の衝撃が車内に吹き荒れ、慣性Gによる衝撃で吐血する。
イクサ :
「がっ、ああああ………」
マヤ :
「っ、冗談じゃねぇぞ…!?」
まるで隕石のような軌道を見上げると危機感知アラームがピピ…と音を鳴らす。
マヤ :
「―――……、ストレイッ!!! っ!?」既に距離感を測るセンサーは故障している、小さな彼女を残した町まで届きそうな爆風に思わず戦闘離脱をしようとするがその身体を大きな影が覆い隠す。
メアリー :
「流石にオルタ・スクレイパーなら、問題ないハズ……だけれど……」
メアリー :
「レジェンドヒーローの次は、賢者の石の複製……?」
メアリー :
「便利とかいう次元じゃないわよ……、さすがに反則すぎるでしょうそれは……!!」
メアリー :
「こんなの追放されても当然だわ……! 何てモノ作ったのよあいつは……!?」
メアリー :
吹き飛ばされたヴァニタスは気にかかるが、今はそうも言ってられない。此処で退けば、どのみち同じ末路だ。ウソで完全武装した最強のヒーローを睨み、鎖を握り直す。
ジャス :
「ふ、はは……はははははッ!!」 ジャスは高々と狂笑する。未だ煌々と輝く"賢者の石"から力が与えられているのだろうが……身体の方はどうだろうか。
ジャス :
無理を重ねた身体はガタガタ。骨も筋肉も、あらゆる箇所が砕け千切れている。
ほんの少しのダメージを与えれば、彼女は倒れるだろう……。
GM :
次!トドメは任せた、雛ちゃん!
日向雛 :
任せてください、多分
日向雛 :
メジャーアクションで《振動球》+《コンセントレイト》
日向雛 :
ジャスちゃんに攻撃!
GM :
単純にガード!来い!
日向雛 :
6dx7+9 命中(6DX7+9) > 10[2,4,4,6,9,9]+5[2,5]+9 > 24
GM :
ダメージどうぞ!
日向雛 :
ふ、不安、でもガードにエフェクト使ってないならいけるか!
日向雛 :
3d10+1+3D10 ダメージ(3D10+1+3D10) > 7[2,2,3]+1+15[5,5,5] > 23
日向雛 :
ぺちっ
日向雛 :
そうだ、装甲無視です!
GM :
……倒れます!!ジャスは戦闘不能!!
日向雛 :
やったー!!!!ガードエフェクト使われてたら無理だったでしょとか言わない!!!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 87 → 93
日向雛 :
「あ、ぅ……」
日向雛 :
ジャスの爆風に天高く吹き飛ばされていた雛が、地面に叩きつけられる。
日向雛 :
その直後、甲高い金属音が響き、彼女のすぐ傍に何かが落ちたことに皆は気付くだろう。
日向雛 :
それは月明かりを受けて銀色に鈍く輝く、十字架のアクセサリー。
日向雛 :
────“ヒーローズクロス”。
日向雛 :
雛がずっと首から下げ、服の下に隠していたヒーローの証だった。
メアリー :
「な、ヒーローズクロス…!? どうしてあいつも…!?」
ヴァニタス :
「■繝偵?ー…ロ…ー繝■■―…?」
イクサ :
「"ヒーローズクロス"……ああ、通りで……」
ノイズ混じりのモニターから、底抜けの善人である理由の一端を見る。
マヤ :
「…同じ?」地面に倒れたまま、マヤのアイモニターは2人の十字架をターゲットマークし、繋ぎ合わせ、一致率<99%>という文字を映し出す
ジャス :
「…………」 肩で息をしながら、十字架を見下ろす。高揚した気分で吊り上がった口元が、微かに歪んだ。
日向雛 :
「……っ!!」
日向雛 :
ひび割れたヒーローズクロスを右手で掴み取り、ゆっくりと立ち上がる。
日向雛 :
「ジャスさん……っ」
日向雛 :
一歩一歩、砂を踏みしめながら、ジャスへと近づいていく。
日向雛 :
「ジャスさんは、わたしのこと、強いと言ってくれましたけれど……」
日向雛 :
「わたし……強くなんか、ないです。確かにちょっとくらいは戦えるかもしれませんけれど……」
日向雛 :
「それでも、わたし、自分のこと……強いなんて思ったこと、ありません」
ジャス :
「だまれ……! 私は忘れていないぞ。あの時、私達を救った強さは……」
ジャス :
「本物、だった……!」
日向雛 :
「……そう、ですか」
日向雛 :
「だけど、ジャスさん……。もし、本当にわたしが強いのだとしたら……」
日向雛 :
「それはきっと、賢者の石があるからじゃありません……」
日向雛 :
「ジャスさんには、わかりますか?わたしのことを、何故強いと思うのか……」 ジャスの眼の前まで、辿り着く
ジャス :
「才能、鍛錬か……? いや……」 賢者の石が明滅する。
ジャス :
「これ、か……?」 しかし、その答えの歯切れは悪い。
日向雛 :
「…………」
日向雛 :
「自分で言うのも、なんですけれど……」
日向雛 :
「わたしが強いのは、きっと!」
日向雛 :
「心が強いからです!!」 右拳を胸元に当てて
日向雛 :
「そして、ジャスさん!!あなただって、本当はその強さを持っている!!」
日向雛 :
まるでヒーローのような臭い台詞を吐きながら。
日向雛 :
十字架を握りしめた右拳を中心に、真空の刃が渦巻く。
日向雛 :
「だから、そんな鏡になんて頼らないで!!」
日向雛 :
「そんなものなくたって、あなたはきっと……ヒーローにだってなれる!!」
日向雛 :
「だから、お願いだから……!もう、目を────」
日向雛 :
振りかぶる。眉間に皺を寄せ、悲しい目をしながら。
日向雛 :
「覚ましてください!!!」
ジャス :
「そんなこと、今更────ッ!!」 雛が繰り出した拳とほぼ同時に、ジャスも握り拳を振り抜く……が……。
日向雛 :
その瞬間、街に風が吹いた。
日向雛 :
厳しくも優しい風は雛にとっての追い風となり、その拳の速度を急激に上げ────
ジャス :
「────ッ!!」 そして、ジャスの左頬を捉えた雛の拳が直撃。そのままよたよたの後ろに下がると、仰向けになって倒れた……。
GM :
戦闘終了です!!
GM :
あなた達は苛烈な戦闘を制し、ジャスとティティ……そしてフェイルに勝利した。
GM :
……周囲を見渡してみれば、つい数分前まで建っていた建造物が軒並み倒壊し……いや、形すら失って更地に近い。
GM :
ティティは何とか身を隠せていたようで、肩で息をしながら立っていたが……フェイルの方は気を失ったまま、半身が砂山に埋もれてしまっている。
ティティ :
「ゲホッゲホッ……! 派手にやってくれたなぁ……」 白色のスーツを煤と血に染めて、雛の元までやってくる
日向雛 :
「ティティさん、無事だったんですね……よかった」
メアリー :
「派手にやってくれた、って言いたいのはこっちだけど、まあ死んでないなら良かったわね」
ヴァニタス :
「派手すぎるよぉ…一角無くなってるって…」ボロ…
瓦礫の中から体を引きずって出てくる
イクサ :
「はあ……服も機内も血まみれじゃない……」
安全を確保できたと判断したのか、アールから降りてくる
マヤ :
「いくら何でもやりすぎだろ……」決着がついた気配を感じると戦車の下から砂まみれで這い出てきて… ありがとな。と言いたげにアールの鋼鉄の脚部をポンポンと叩く
メアリー :
「こっちも無事……ではないけど、なんとか全員が動けそうね……」庇ってくれたヴァニタスが瓦礫から這い出る様子を見て
ティティ :
「まさか姉貴があそこまでやるとはな……手を焼かしちまったな……」
日向雛 :
「確かに、びっくりはしましたけれど……覚悟の上でしたから。気にしないでください」
日向雛 :
「そうだ、ジャスさんは……」 あれだけの力を行使したのだ。無事かどうかわからない……心配そうにジャスの方を見る
GM :
雛が倒れているはずのジャスを見ると……その姿は、忽然と消えていた。
GM :
……そして雛は背後に、殺気を感じとる。
日向雛 :
「……っ!?」 反射的に後ろを振り返る
GM :
振り返れば……ジャスが満身創痍の姿で、血雫を頬に伝わせて、あなたに槍を突き立てんと振りかぶっていた。
GM :
表情は見えない、ただ彼女は執念のみで立っているように思える……。
ティティ :
「────!! この、馬鹿姉貴……ッ」
GM :
ティティはオートアクション《瞬間退場Ⅲ》を使用。ジャスのみをシーンから退場させます。
ジャス :
「────ッ!?」
GM :
一発、地面に向けて放たれた弾丸が柱となって飛び出し、ジャスを大きく空へと打ち上げ……
GM :
ジャスは放物線を描きながら、サラーブのどこかへ姿を消した。
ティティ :
「……ったく、頭を冷やしてこい……!」
日向雛 :
「ジャ……ジャスさーーーーーん……!!!」 空の彼方に消えたジャスを目で追いながら
メアリー :
「…………はあ、こっちは肝が冷えたわよ」雛に襲いかかるジャスを止めようと、武器を形成して構えていたが、ティティの行動に能力を解除する。
ヴァニタス :
「頑丈だったねぇ…ヒーロー気取っちゃって…」
マヤ :
「アイツ…吹っ飛んだ先でまた暴れそうだな。」空の彼方へ飛んで行った彼女の軌道をアイモニターで追うが流石に予測範囲外へ行ってしまったようだ。
日向雛 :
「あれだけの大怪我ですから、もう暴れられない……とは思いたいですけれど……」
日向雛 :
「……いえ。さっきの様子だと……そうは言い切れない、ですね……」 執念だけで攻撃しようとしていた彼女の姿が頭から離れない
メアリー :
「……そうねえ、また立ち向かってくるでしょアレ」
メアリー :
「そうなる前にはやく"鏡"を回収しましょ?鏡の能力を解除してしまえば、その心配もなくなるって話だったし?」
日向雛 :
「そうですね……」
ヴァニタス :
「現行犯現行犯!手駒もあんまり言うこと聞いて無さそうだし、もう終わりなんだからね」 こちらは鏡というよりフェイルの確保
アール(四脚戦車) :
イクサの指先の指示ひとつでフェイルが埋まった瓦礫と砂の山を猟犬のように掘り起こす。
GM :
フェイルはぐったりとしたまま気を失っているが……鏡は手放していないようだ。
マヤ :
「わぁ便利。」掘り起こす準備をしていた腕を降ろして
イクサ :
「フェイルさん? 貴女には色々と聞きたいことがたくさんあるわ……。」
アールには目もくれず、砂をヒールで踏みつけてフェイルの下へ歩んでいく。
メアリー :
戦車に搭乗していたイクサより、最初から近くにいたメアの方が早い。イクサが出てきたのを見ると、急いでフェイルに駆け寄り、すぐさま鏡を取りあげる。
メアリー :
「……はい、いろいろハプニングはあったけど依頼達成ね」
イクサ :
「あら、迂闊に触って大丈夫かしら?」
メアリー :
「ええ、ご心配ありがとう! もちろん大丈夫よ? 私もフェイルと同じウロボロス能力を持っているし?」本当はそんな確証はないが、イクサに触らせるよりマシだ。そう直感する。
イクサ :
「ふふ、そうなの? なら預けておきましょうか。」
先手を取られた形になったが、焦った様子はない。
預けておく、という言葉に傲慢さを滲ませてフェイルの方へ目線を移らせる。
メアリー :
「…………」何を狙っているのか、と警戒しながら、奪われないよう鏡を抱える。
ヴァニタス :
「はい確保~」
イクサに先んじたつもりはないだろうが、足を引っ掴んで逆さづりに持ち上げる。
日向雛 :
「ああ、そんな……怪我人なのに……!」 ヴァニタスの持ち方に驚いて
メアリー :
「殺さないならフェイルの扱いに文句はないわ、好き勝手やってくれたし」
"異なる隣人"フェイル :
「ゔっ……」意識はないが、苦しそうな声を漏らす
イクサ :
「街を荒らした犯人とはいえ、傷つけたままは忍びないわ。 病院で簡易治療した上で尋問するのはどうかしら?」
もちろん、自分の権力の及ぶ病院で、だ。
ヴァニタス :
「あれ、殺さない方がいいんだったかしら」ぷらぷら
メアリー :
「ええ。フェイルを殺した場合、ジャスとティティが治せないかもしれないし、私はフェイルを回収するようアベルの依頼も受けているから」
ヴァニタス :
「ああ、そんな感じだったわね。じゃぁ…持って行くわね」
所持品として《魔王の玉座》で持って行けるかもしれない
ティティ :
「ん、そこんとこ頼むぜ。この姿のままのが得なんだろうが……どうにもぎこちないからな」
日向雛 :
「スーツ、動きづらそうですもんね……」
メアリー :
「そういう問題じゃないわよ……」
日向雛 :
「あら……?」 そういう問題じゃなかった
ティティ :
「動きやすいし装甲ついてるからまあ……って、そういう話じゃねぇけどな」 いつもの調子に軽く微笑んで
イクサ :
「素敵なスーツなのに……」
スーツの性能は優秀なのに、評価が悪い周囲に少しだけ納得していない様子
マヤ :
「…アンタは降参ってコトでいーの?」
鏡にもフェイルにもあまり興味がない様子だったが、穏やかな様子のティティへ腕を組んだまま話しかける
マヤ :
「……ま、見りゃ分かるか…」戦意のない様子に勝手に納得しているように呟く
ティティ :
「そういうことだな、機械の旦那。聞いたかもしれないが、止めるように頼んだのは俺だからな」 肩を竦めて見せる
マヤ :
「あー、そうだったかもな。」うっすらと思い出せる記憶で頷く、若干しかめっ顔をしているがそれが見えることはない
マヤ :
「んじゃさっさと撤収しようぜ、この辺にはハイエナもウロついてるしな。」全員死んでなけりゃ、と付け足しながら
日向雛 :
「はい……あっ、ちょっとまって!」
ヴァニタス :
「皆サラーブの砂に還ってそうね~……何かしら?」のほほんと
日向雛 :
「あの、戻る前に皆さんの傷を治しておこうかと思って……。応急手当程度ですけれど」
メアリー :
「……私は結構よ、他人から施しは受けないことにしてるの」
ヴァニタス :
「やったぁ!100円、いる?」
懐からチャリ…と硬貨を取り出す
ティティ :
「(100円かぁ……何に使ってんだ……?)」ヴァニタスを訝し気に見つめて
メアリー :
「回復するなら、ヴァニタスからしてあげて」庇われたことを気にしているのか、そんなことを言う。
日向雛 :
「えっ、でも……!」
日向雛 :
「あ、いえお金は結構です!この仕事が終わったら、報酬ももらえますし……!」
イクサ :
「そう? じゃあ遠慮なく。 また私からも何か雛さんにさせてもらうわね?」
日向雛 :
「あ……は、はい!ありがとうございます……!」
マヤ :
「そういや医者だったな…助かる、ちょーっと動きづらかったからな。」違和感のある左腕を動かすと関節がギギ…と奇妙な音を立てる
ヴァニタス :
「ねーっ、さっきの爆発で相当もらっちゃったぁ」
多分背中側とか大きく装甲が抉れてる
日向雛 :
「一応ですけれどね……!じゃあ、すぐに終わるので少し待っていてください」
日向雛 :
というわけで、《アスクレピオスの杖》を使っていきます!
GM :
どうぞ!使用後に侵蝕上げるのをお忘れなく!
日向雛 :
はーい、じゃあまずはマヤくんから
日向雛 :
4d10+11 回復量(4D10+11) > 26[7,9,6,4]+11 > 37
日向雛 :
37点なので…全快した!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 93 → 95
マヤ :
すごい!
system :
[ マヤ ] HP : 5 → 40
日向雛 :
次はヴァニタスちゃんいこう
日向雛 :
4d10+10(4D10+10) > 26[5,3,8,10]+10 > 36
日向雛 :
36点回復
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 95 → 97
system :
[ ヴァニタス ] HP : 1 → 37
ヴァニタス :
相当良いぜ
日向雛 :
次はイクサさん
日向雛 :
4d10+8(4D10+8) > 21[4,5,4,8]+8 > 29
日向雛 :
全快!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 97 → 99
system :
[ イクサ ] HP : 2 → 28
日向雛 :
回復エフェクト使用はここまでなんですけど、演出でティティとフェイルも回復してもいいですか?
GM :
もちろん!どうぞどうぞ
日向雛 :
わぁい、ありがとうございます
日向雛 :
日向雛 :
雛が両手を胸の前で組んで祈ると、戦闘で負った傷が急速に癒えていく。
日向雛 :
機械の身体であっても関係無い。この力は対象のレネゲイドに働きかけ、修復力を上昇させるからだ。
日向雛 :
治療を拒んだメア以外、ティティとフェイルも回復している。彼らの受けた傷もすぐに塞がっていった。
日向雛 :
「……お、終わりました。どうですか……?」 流石にちょっと疲れたのか、息を大きく吐いて
ティティ :
「サンキューひな、いつ治癒してもらっても効きがすごいな……」 肩を回して
イクサ :
「ええ、絶好調よ! 素晴らしい腕前ね!」
"生きている"故にドレスにも効果があったらしく、血の染みや破れも消えたことも相まって、完全に戦闘前に戻ったかのようだ。
ヴァニタス :
「ありがとぉ…これいっつも100円でやってるの…?」
全快とはいかないまでも、大きく修復された自分の躯体を見回して
マヤ :
「へぇ医者ってすげーのな、次からヒヨコにメンテ頼むか…」想像以上に調子が良くなったのか感心したように
日向雛 :
「えへへ、喜んでもらえてよかったです……」 額に滲んだ汗を袖で拭って
メアリー :
「……みんなが感心してるところ悪いけれど、ティティとフェイルまで回復する普通?」
メアリー :
「また起きあがって向かってきたら、どうするつもり?」
日向雛 :
「ティティさんはもう戦う気がありませんし、フェイルさんは……もし暴れても今なら皆で取り押さえられるかなって思って……」
メアリー :
「……はあ。お人好しも、ここまで来ると笑えるわね?ソレも"ヒーロー"の矜持ってヤツなのかしら?」
日向雛 :
「え?ヒーローって……誰がです……?」 きょとんとしてる
ヴァニタス :
「あそーだ!え、見間違いじゃなかったよね!?」と、メアリーに
メアリー :
「ええ、確かに見たわ。あなたはヒーローズクロスを付けていたわね」
イクサ :
「確かに、ヒーローズクロスでしたわね。 でも、アレはおそらく……」
タブレットを叩き、先程アールの眼で捉えた映像データを開く
マヤ :
「ああ、あの女と同じヤツ…いやちょっと違うか。」改めて照合データを確認しながら
イクサ :
「………機能していないのでしょう? レネゲイド測定機能が止まれば、身分証明機能も止まる。」
「ただの思い出の品、にしかならないわ。……雛さんが言いたいのはそういうことでしょう?」
日向雛 :
「え?あ……あぁ~……!」 なるほど、みたいな顔してる
イクサ :
「………んん?」
雛の反応はいつもイクサを含む周囲の予想の斜め上をいく。
思わず、首を傾げてしまう。
日向雛 :
「そう!そうです!思い出として持ってるだけです!」 ずっと手の中に握ったまま忘れていた、ひび割れたヒーローズクロスを見せる
日向雛 :
「それに、わたしヒーローってわけじゃないんです。ただ、昔UGNのチルドレンだったってだけなんですよ~」
マヤ :
「ふぅん…間近で見るの初めてだが、通りでお人好しなワケだ…」照合データを閉じると物珍しそうに実物を眺めて
メアリー :
「……ヒーローじゃない、ねえ? ヒーロー気取りでジャスをブン殴っておきながら?」
日向雛 :
「そ、そんな……ヒーロー気取りだなんて、そんなつもりは……」
ティティ :
「……まあまあ、良いじゃねぇか。俺はしばらくひなを見て来たけど、怪しむよりかは心配する気持ちの方が勝っちまうようなヤツだぞ?」
日向雛 :
「ティティさん……!」 庇ってくれて嬉しそうな笑顔になる
メアリー :
「ずいぶん毒されてるわねティティ、此処はサラーブのはずだけど」
ティティ :
「へっ、"今は"ヒーロー寄りの気分でね。肩を持つのも道理だろ?」 ゆらゆらとクロスを揺らして
メアリー :
「……なるほど、たしかに道理だわ」呆れたように
メアリー :
「ともかく、そんなの大っぴらに見せびらかさないコトね」ヒーローズクロスを指して
メアリー :
「この都市はヒーローに敗北した負け犬の吹き溜まり……ヒーローを象徴するソレは、余計なトラブルの種にしかならないわ」
ティティ :
「そいつは同感だな」 軽く鼻を鳴らして
日向雛 :
「い、一応隠してはいたんですよ?でも戦闘で吹っ飛んじゃって……」 所々破けた自分の服を示して
ヴァニタス :
「異議あり!ヒーローズクロスを隠すべきだけど、私はちゃんとこの街に来たヒーローを倒してるので負け犬なんかじゃありません!あとこの都市は吹き溜まりでもありません!」
後ろで文句言ってる
日向雛 :
「わ、わぁ……」 すごいサラーブ愛だ、と驚いている
マヤ :
「まぁまぁ、さっきはあの女の方が”自称”ヒーローだったワケだから…じゃあ殴ったヒヨコは……あれ?どっちだ…? まぁ、味方ってコトに変わりないだろ。」勝手に混乱しながら勝手に完結
日向雛 :
「そうです、皆さんの味方です!安心してください、スパイじゃありませんよ!」
メアリー :
「逆に"スパイです"って自分で言うスパイはいないでしょ」
日向雛 :
「そ、それはそうですけどぉ……」 また困った顔になって
ティティ :
「これ以上は悪魔の証明だろ……いったん置いておこうぜ?」
マヤ :
「その時は撃つだけだし問題ないだろ、な?」至極明るい様子で壊れた長銃を肩に担ぎ直しながら当事者の雛に首を傾げて
日向雛 :
「ほ、本当にヒーローじゃないんですよぉ……」 マヤの長銃にちょっと怯えて
イクサ :
「仲間割れにならなくて安心したわ。せっかくなのだから、最後まで一緒にいたいわ。ね?」
メアリーをちらりと見やる。
彼女がイクサを警戒しているのは明白で、言葉とは裏腹に最後には利害が衝突するだろうと。
メアリー :
「…………」絡み付くようなイクサの視線を受け流し、雛を見る
日向雛 :
「それより、も、もう、戻りませんか?ほら、わたしの話なんかより……!」 メアリーの視線から逃げるように目を逸らしながら
ティティ :
「おお、そうだな。お前達ってどこを拠点にしてんだ?」 どっかのセーフハウスか?と問う
イクサ :
「前に集まった時はオルタ・スクレイパーを拠点にしていたのだけれど……」
メアリー :
「……ストレイの回収もしないといけないし、他に戻る先もないでしょう」雛から目線を外して、溜息を吐く
ヴァニタス :
「オルタ・スクレイパー、セキュリティ的には一番安全だと思うけど…?」
マヤ :
「あ、そうだ!ストレイ…!」思い出したように前に向き直ると慌てて銃を背中に納めながら
イクサ :
「安全な拠点は後でエトワールちゃんにお願いするとして、今はオルタ・スクレイパーに戻るのが先決ね。」
日向雛 :
「エトワールさん、親切そうですもんね~。そうしましょう……!」
イクサ :
「急ぎですし、近道しましょうか。」
「こういう時に便利な小道具をアールの格納に入れさせていて良かったわ。」
イクサ :
アールの底面ハッチから、大型の水筒のようなモノを受け取る。
イクサ :
イクサ一人には少し重そうなソレをよいしょ、と地面に置くと、脚部が展開されて、宇宙探査船の模型のようなフォルムへ変わる。
イクサ :
コポコポとわずかな水音がした後、装置から黒い球が飛び出す。
バロール能力者の魔眼にそっくりなソレが壁に着弾すると、壁を割いて異次元の通路を作る。
イクサ :
アイテム:ディスポーザブルの効果で《ディメンションゲート》を使用!
次元ゲートをオルタ・スクレイパーに繋ぎます!
イクサ :
「近道、完成〜! どうかしら?」
様子をチェックし、通行に問題ないことを確かめる。
ティティ :
「こいつはスゲェ…」 マジマジとゲートを見て
日向雛 :
「わぁ……!これって、バロールシンドロームの……道具?なんですか……?」 興味深そうに眺めてる
イクサ :
「そうよ〜! 作るのは少し手間だけれど、素材は安価だから便利なのよ?」
素材とは、イクサに愚かにも挑み、様々な形で敗れたオーヴァードたちのことである。
日向雛 :
「すごい……!こんなのUGNでも見たことありません!」
ティティ :
素材という言葉を聞いて本能的に身を震わせる。砂漠の夜風のせいだろうか。
メアリー :
「(こいつの目的は恐らく、私が持っている"鏡"……となれば、このディメンションゲートの行先が安全であるという保証は無い……)」
メアリー :
「(いえ、だとしても……マヤが言っていた通り、いざとなれば斬り殺せば済む話か……)」
日向雛 :
「じゃあ、ご厚意に甘えて通らせてもらいますね!ティティさん、行きましょう……!」 ティティの手を引いて、ゲートの中へと進む
ティティ :
「おっ!? ぉ、おぉ……」 声が裏返りつつ手引かれていく
マヤ :
「これ便利なんだよな~、あれ?誰が使ってたんだっけ…?」呑気にぼやきながら2人に続いて入っていく
メアリー :
「(まったく警戒というものを知らないわね)」三人の背中を見送る
ヴァニタス :
「入らないの?」
イクサ :
「ええ、行き先はオルタ・スクレイパーで間違いないわよ?」
ヴァニタスに合わせ、メアリーを促す。
罠を慌てて仕掛けたりなんかしない、とでもいいたいのか。
メアリー :
「……行くわ」
メアリー :
警戒していても仕方ない。"あなたを恐れてなんていない"と言いたげな背中をイクサに見せつけて、次元の門を潜る。
ヴァニタス :
「レッツゴー!私も入りま~す」
と、メアリーを追う形でその体を滑り込ませる
イクサ :
アールをゲートに入れた後、最後に残ったイクサはゲートを発生させた装置に向き直り、屈みながらそっと装置の上に手を載せる。
我が子を撫でる仕草のようだった。
イクサ :
「お疲れ様、そしてさようなら。」
冷ややかな声で告げると、載せた手で装置の頭を押し倒す。
物言わず、身動きもしない装置は抗えもせず、サラーブの砂にドッ、と横倒しにされた。
イクサ :
装置から何かの液が溢れる様を見下ろしてから、二度と振り返らずにゲートをくぐった。
GM :
ロイスの取得、感情の変更が可能です!
ヴァニタス :
メアに ✓庇護/怒 を取ろう
メアリー :
お、怒られてる…サラーブをバカにしたから…
イクサ :
メアリーに取得!親近感/厭気のN!
邪魔すんじゃねえよ!が本音です
メアリー :
う、うわ…イクサさんにマイナス感情を向けられてる…こわ…
メアリー :
わたしはヴァニタスちゃんに誠意/隔意のN表でロイス取得しますよ!
system :
[ メアリー ] ロイス : 5 → 6
GM :
はーい!ロイスの数を増やしておくのをお忘れなく
system :
[ ヴァニタス ] ロイス : 4 → 5
system :
[ イクサ ] ロイス : 4 → 5
Scene11 空虚な人生
マヤ :
1d10+115(1D10+115) > 8[8]+115 > 123
ヴァニタス :
1d10+106(1D10+106) > 9[9]+106 > 115
日向雛 :
1d10+99(1D10+99) > 9[9]+99 > 108
メアリー :
1d10+97(1D10+97) > 5[5]+97 > 102
イクサ :
1d10+83(1D10+83) > 3[3]+83 > 86
GM :
激闘を制し、フェイルとティティ、そして鏡の回収に成功したあなた達はオルタ・スクレイパーへ帰還した。
GM :
しかし、落ち着いた青い照明の下でスタッフ達は忙しなくフロアを行ったり来たり。彼らはサラーブの一区画が更地になった事後処理に追われているようだった。
GM :
その中で、スタッフ達に揉まれながら小さな人影がこちらに向かって駆け寄ってくる。
ストレイ :
「お、おかえり、なさい……! すごいケガ、大丈夫……!?」
GM :
焦燥とした様子でストレイはマヤ達の怪我を見て、どんどん顔が青ざめていく。
実際の所、雛の治療によって怪我自体は癒えているのだが……服が異様な程ボロボロなことに気を取られているようだ。
マヤ :
「ただいま~ストレイ、イイ子にしてたか?」
大丈夫大丈夫、と焦る彼女を他所に軽い調子で
日向雛 :
「大丈夫ですよ~。こう見えて、メアリーさん以外はわたしが治しましたから」 安心させるように笑う
メアリー :
「ええ、私とあなた以外は、ね」雛も治療していないだろうと訂正する
ヴァニタス :
「雛ちゃんも何か手当しなきゃね~…自分には使えないんだっけ?」
日向雛 :
「あぁいえ、そういうわけではないんですけれど……!わたしはそこまで大したことなかったので、皆さんの方を優先しようかと思って……」
メアリー :
「へえ?大したコトないのね?」ちょんちょん、と雛の傷口をつっつく
日向雛 :
「いたた……!?」 身をよじって
メアリー :
「……はあ、死ぬコト以外は掠り傷って手合いみたいねあなた」つついていた指を引っ込め、肩を竦める
日向雛 :
「そ、そこまで思ってるわけじゃ……多分……」 メアリーに苦笑いして
ストレイ :
「窓の外から、すごい竜巻…? が見えた、から……みんな、おつかれ……?」 治療したと聞いて少し安心したが、まだ治りきっていない面子を見て不安そうにしている
マヤ :
「あー、やっぱここからも見えたんだ?すごい爆風だったしなぁ…」
日向雛 :
「多分、ジャスさんの攻撃ですね……。でもなんとか皆無事ですよ」
メアリー :
「サラーブじゃ、区画ひとつが更地になるなんてよくあることよ」
メアリー :
「……いえ、ないわね流石に」
日向雛 :
「よくあったらもう今頃この町がなさそうですね~……」
イクサ :
「もしも彼女がここにやってきたら……さしものオルタ・スクレイパーもいつまで保つかしらね?」
メアリー :
「オルタ・スクレイパーでダルマ落としとか始めそうでイヤね」
ヴァニタス :
「建物自体は普通だろうしな~……防衛線なんてやっていられないし、流石に殺すことになっちゃうかもよ?」
雛に向けて
日向雛 :
「そうなる前に、今度こそしっかり取り押さえてあげなきゃ……!」
ティティ :
「流石に他の指やヴィランが黙ってねぇんじゃねぇのか? そこのでっけぇのみたいなのもいるし……」
マヤ :
「…ま、壊滅は防げても生け捕りは難しいだろうな。」ヴァニタスとティティの会話を聞きながら
日向雛 :
「というか……よく考えたら、もう大丈夫ですよ!鏡も、使用者のフェイルさんももうこちらにあるんですから!ジャスさんが来たら、すぐに戻してあげるだけです!」
メアリー :
「……フェイルが協力してくれるか、って問題はあるけどね」
日向雛 :
「そこはこれからです!起きてもらって、話をしてみませんか?」 フェイルを見る
イクサ :
「………手早くお願いね? あの方……ジャスさんでしたか、きっと負けを認めていないでしょうし。」
ヴァニタス :
「さ~て、どれくらい話してくれるかしら」
指を鳴らしているが、尋問のノウハウは無い
ストレイ :
「フェイル……」 ぐったりしているフェイルを見て、怪訝な表情を浮かべる
マヤ :
「尋問ってのは死なない程度にすりゃいいんだ、カンタンカンタン♪」壊れたトランシーバーを片手に持って振りながら
日向雛 :
「じゃあ、早くしちゃいましょう。フェイルさーん、起きてくださ~い」 フェイルの頭をなでなでしたりほっぺをぷにぷにつついて起こそう
イクサ :
尋問のノウハウは恐ろしいほどあるが、人前で見せるつもりはないので、様子を伺っている。
"異なる隣人"フェイル :
「……っ、…………」 ぴくりと身体が揺れる
"異なる隣人"フェイル :
「さ……」
"異なる隣人"フェイル :
「触んな!! 拷問しようとすんな!!」 カッと目を見開き、開幕大声を発する
日向雛 :
「わぁ!?」 驚いて手を離す
ヴァニタス :
「うるさっ」
イクサ :
「…………。」
にっこりと微笑む
マヤ :
「うわ、うるさ…ッ」片耳?を押さえて
メアリー :
「……別に、拷問にかけるだなんて野蛮なことをする気はないわ」耳を抑え
メアリー :
「あなたが素直に話を聞いてくれるならね、フェイル」
イクサ :
「一応お渡ししておきましょうか。」
《万能器具》で簡単な耳栓を作成し、フェイル以外の皆へ配る。
マヤの爆音ノイズによる拷問の可能性をちらつかせるためだ。
日向雛 :
「え!?あ、ありがとうございます……」 受け取って
ヴァニタス :
「わ~い」
無邪気に受け取って置こう 耳…?
ストレイ :
「なにこれ…?」 耳栓を不思議そうに見つめて
マヤ :
「あ、俺は集音スイッチ切っとくから。」どーも。と礼を言いつつもさらっと断る
"異なる隣人"フェイル :
「話だぁ…? っておい、テメェ何してんだ……」 イクサを睨んで
イクサ :
「耳栓を配っているのですが?」
「私としても荒事は避けたいものですが、もしかしたら必要になるかもしれないでしょう?」
イクサ :
「そちらのメアリー社長のおっしゃったままですよ?」
"異なる隣人"フェイル :
「野蛮人共が……おい、ティティなんとかしろ」
ティティ :
「あー聞こえねぇなー」ティティは耳栓をつけて聞こえないフリをしている
日向雛 :
「この耳栓、そんなに効果が……!?」
メアリー :
「……はあ。連続殺人犯が、私達に野蛮人共とか、よく言えたものね」
"異なる隣人"フェイル :
「クッソ! 他人を頼った私が馬鹿だったか……!」 奥歯を噛みしめて、恨めしげにティティを睨みつける
日向雛 :
「あの……そういうわけなので、とにかく少しお話出来ませんか……?」
日向雛 :
「色々と聞きたいことがたくさんあるんです……」
"異なる隣人"フェイル :
「……ふん。どうせ何もできねぇんだ、煮るなり焼くなり好きにしろ」 投げやりな態度で応じる
日向雛 :
「やったぁ!ありがとうございます!」
"異なる隣人"フェイル :
「……てか降ろせよ。見下すのも悪くねぇが、このままで話す気はないからな」 ヴァニタスに向かって
ヴァニタス :
「別にこのままでもいいのに」
とは言いつつ、いい感じのところに降ろそう
逃げ出せんように周囲を囲える位置関係がよろしい
"異なる隣人"フェイル :
「私が嫌なんだよ! ったく」そこら辺の椅子を引っ張って、ドカッと乱暴に座る
"異なる隣人"フェイル :
「んで、何から聞きてぇんだ?」 あなた達をジロリと睥睨して
日向雛 :
「じゃあまずは、あなたの目的を教えて下さい!どうして元小指……アベルさんの部下だった人達を殺して回っていたんですか?」 自分も椅子に座る
"異なる隣人"フェイル :
「そこまで知ってやがったのか……」
日向雛 :
「皆で調べたりしてたので……」
メアリー :
「そこまで、というかめちゃめちゃ分かりやすかったわよ」
"異なる隣人"フェイル :
「そりゃそうか、アイツの部下以外は殺してねぇからな……」
"異なる隣人"フェイル :
「目的は……そうだな、嫌がらせって答えたらダメか?」 嫌味な笑みを浮かべて
日向雛 :
「嫌がらせ……ですか……?もしかして、彼の施設にいた時の恨みで……?」
"異なる隣人"フェイル :
「ま、いけ好かねぇヤツだったからな~?」 椅子の上でゆらゆらとしている
ヴァニタス :
「小指の人、もう何の役職にも就いてないんでしょう?いやがらせにもならないんじゃないかしら…」
メアリー :
「そうよね。嫌がらせって言うんなら、今からあいつの番号に繋いで、電話口で大声で喚いた方が嫌がらせらしい嫌がらせになりそうだわ」
ティティ :
「……計画だ。 そいつの目的は嫌がらせもあるだろうが、計画があるって言ってやがったぞ」
"異なる隣人"フェイル :
「チッ、横から口を挟みやがって……」つまらないと言った様子で
イクサ :
「力を振り絞って凄いオモチャを使うくらいですものね?」
鏡を持つメアリーに目配せする
メアリー :
「そういえばさっき、小指の残党と対峙していた時……あなたは問答無用ですぐに殺す素振りじゃなかったわよね……」
メアリー :
「やっぱり、あの時もコレを使うつもりだったのかしら?」イクサの目配せに応じて鏡を見せる
"異なる隣人"フェイル :
「アイツをすぐブッ殺さなかったのは確認のためもあった、どっちみち殺すつもりだったが……」
"異なる隣人"フェイル :
「んで、鏡の方は私にとって道具にすぎねぇ。残党共を殺し終わったらブッ壊すつもりでいたしな」
イクサ :
口には出さないが、勿体ない、と息を吐く。
日向雛 :
「……渇望鏡を道具として使わなきゃいけない計画って、一体何をしようとしていたんですか?教えて欲しいです」
"異なる隣人"フェイル :
「……アベルの野郎がどうして渇望鏡を取り戻したがってるのか、わかるか?」
日向雛 :
「どうしてでしょう……?サラーブの戦力増強のため……は、昔のことですよね?」
メアリー :
「そのあたり、私も詳しく聞いてないわね」
"異なる隣人"フェイル :
「……その計画、ヤツが諦めたと思うか?」
日向雛 :
「……!もしかして、まだ諦めてないってことですか!?」
マヤ :
「…自分から出てったわけじゃねぇなら、そうだろうな。」先日収集した情報の一覧を確認すると呟く
ヴァニタス :
「え~……成功率が低いからそもそも破綻してるじゃんって分からないのかなぁ」
マヤ :
「成功率じゃないんだろ、"やりたいからやる”んだよああいう手合いは。」
イクサ :
「あ、もしかして成功率を高める実験だったのかしら?」
メアリー :
「…………いや、あいつ言ってたわ」
メアリー :
「"生き残った者が強い"って、そう言っていた」
メアリー :
「もしかすると"鏡の光を浴びて生き残れもしない弱者は、このサラーブには必要ない"って、そう考えているのかもしれない」
ヴァニタス :
「はァ~~~?何それ」
日向雛 :
「そんな……。そ、そうなんですか?」 フェイルに答え合わせを促す
"異なる隣人"フェイル :
「一つずつ答えてやる」
"異なる隣人"フェイル :
「まず、成功率を高める実験。そいつはすでに成功している」
"異なる隣人"フェイル :
「その成果が、私と……」 自身を差した指をどこかへ向けるのを一瞬ためらう
"異なる隣人"フェイル :
「そこの、お前」 その指はストレイに向けられる
マヤ :
「……」あまり驚く様子もなく、無言でストレイを見下ろす。
ストレイ :
「わ、わたしが……?」 思わず目を丸くして
日向雛 :
「ストレイさんが……?」 ストレイを見る
イクサ :
「ストレイちゃんが? ストレイちゃん自身は能力をうまく使えていないようだけど……?」
イクサ :
「それに、ジャスさんやティティさんは含まれないのかしら?」
"異なる隣人"フェイル :
「ああ、そうだ。と云っても、お前は覚えちゃいないんだろうが……」
"異なる隣人"フェイル :
「こいつ……いやストレイ、か? クソよりはマシな名前だな」
「ストレイと私はタッグでな、2人のレネゲイドを通して漸く鏡の出力が安定させられるんだ」
メアリー :
「ああ、なるほど……鏡の"使い手"として生み出されたのね、あなたたち……」
日向雛 :
「遺産や特別なEXレネゲイドの適合者、みたいなものだったんですね……」
マヤ :
「じゃ、姉妹ってのも強ち間違いじゃねぇか…」
日向雛 :
「あ、ほんとですね……!」 姉妹正解になんかちょっと喜ぶ
イクサ :
「………? 結構効率の悪い道具なのね……?」
ヴァニタス :
「ふ~ん……」
ねめつけるように二人を見ている
日向雛 :
「……ということは、ストレイさんからレネゲイドを奪ったのは……あなた一人でも鏡を使えるようにしたかったからってことですか?」
"異なる隣人"フェイル :
「そういうこった。1回の投影で2人分の負荷がかかっちまうがな」 鏡を握っていた腕をプラプラさせて
日向雛 :
「それは……体に悪すぎますよ……。一体どうしてそこまでして、鏡を使うんですか……?」 心配そうにフェイルを見る
"異なる隣人"フェイル :
「……言ったろ、アベルに一杯食わせるための嫌がらせだ」
"異なる隣人"フェイル :
「……んで、アベル。あいつの計画だが……」
"異なる隣人"フェイル :
「鏡を使って、サラーブのヤツら全員を理想の姿に変えちまう……って話だとよ」
イクサ :
「成功率も高いなら、素敵な計画じゃない?」
日向雛 :
「そ、そうでしょうか……!?」
マヤ :
「…あの兄弟みてそう思うか?」暗にジャスとティティを指しながら
ヴァニタス :
「いーやいや、それでジャスみたいにヒーローが生まれちゃってるんだけど!?」
無い無い、と
メアリー :
「理想の姿、とか言ってティティみたいに自由を奪われるのは御免ね」
メアリー :
「理想というのは、他人に押し付けられるものじゃなくて、自分で成り上がるものでしょうに」
イクサ :
「本人たちは楽しそうよ? サラーブが互いの欲望に満ちているのは今さらだし……」
日向雛 :
「……ティティさんは、この姿でしたくもないことをさせられて……苦しんでいましたよ」 悲しそうにティティを見て
マヤ :
「そもそも理想がない奴もいるしな…」俺みたいな、と腕を組んで考える
ヴァニタス :
「サラーブが吹き飛んじゃったら元も子も無いでしょ~~??」
ティティ :
「姉貴みたいに自己を見失うヤツも出るだろうな。それに、他人に首輪をつけられるのって相当不快だぜ」
イクサ :
「ああ、そうだったわね。力があっても自由は必要だものね。」
元より、自由を奪っている側ゆえに少し観点を忘れていたらしい。
日向雛 :
「そうですよ……!」 こくこくと頷いて
日向雛 :
「それに、鏡の使用者になるストレイさんやフェイルさんのことも心配です。サラーブの住人全員を対象にするなんて、二人の体が持つとは思えません……」
日向雛 :
「アベルさんの計画では、その辺りの問題はどうなっているんでしょう……?」
"異なる隣人"フェイル :
「…………」一瞬、ストレイを横目で見て
"異なる隣人"フェイル :
「ま、使い捨てだろうな?」
日向雛 :
「ひ、ひどい……あんまりです」
イクサ :
「(……補充手段は用意していたのかしら?)」
マヤ :
「…ま、研究者ってのはそんなもんだ。」視線を若干追うと諦めたように
メアリー :
「ふっ、ヒーローサマはお優しいわね? 自分の所有物だと思っていたなら当然の対応でしょうに?」
日向雛 :
「だ、だからわたしはヒーローじゃないですってば~……!」
ヴァニタス :
「そしたら尚更ダメダメじゃない、二人の耐久性に体を預けた計画なんて……とにかく…元小指…アベル……むむむ…」
なんとなく腹立ってそう
マヤ :
「それが気に入らなくて邪魔してたってワケ?…それとも計画自体を失敗させるため?」フェイルに問いかける
"異なる隣人"フェイル :
「計画を失敗させる計画、ってワケだ」
"異なる隣人"フェイル :
「アベルは私達2人を尖兵として送り込み、残党共を鏡で理想の姿にさせて、計画を本格化させるつもりだったんだろうが……」
"異なる隣人"フェイル :
「見ての通り、私のせいで計画はご破算だな」クツクツと嗤って
日向雛 :
「なるほど……。そういうこと、だったんですね……」
マヤ :
「ふーん、そういう事ね…」その様子を見るとこちらも若干愉しそうに
ヴァニタス :
「ふ~…ん……じゃぁグリムギアの依頼は、アベルの計画再開を掴んだ彼が貴方達を止める為に依頼したのかしら」
フェイルの意志を把握していれば、グリムギアの依頼は発生しなかったはずだ、と
日向雛 :
「そこまで把握していたかは定かではありませんが……もしかしたら、そうなのかも……」
マヤ :
「それならそうって言ってくれりゃいいのにな…あれ?言われてたっけ?」後ろのストレイに確認する
ストレイ :
「……えっ!? え、えーっと……どうだった、け……」 ボーっとしていたのか話を聞き流してしまったようだ
日向雛 :
「少なくとも、わたし達は聞いていませんね……。そんな重要な情報、先に伝えた方が良いはずですし……やっぱりそこまでは彼も知らなかったんでしょうか……」
"異なる隣人"フェイル :
「そのナンチャラが誰か知らねぇけど、ほんと余計なことしてくれたよな」まったく、と溜息をついて
日向雛 :
「いえ……余計なことなんかじゃありませんよ!!」
日向雛 :
「だってそのおかげでこうして話し合うことが出来たわけですし……」
日向雛 :
「わたし達、本当は敵同士じゃなかったんだってわかったじゃないですか……!」 嬉しそうに笑う
メアリー :
「敵じゃないって、フェイルが?フフ、面白いコトを言うのねえ?」
メアリー :
「そういうヒーローサマこそ、仲間かどうか怪しいっていうのに?」揶揄うように笑う
日向雛 :
「だから、ヒーローじゃないですよ……!?」
ヴァニタス :
「んー…この場合どうなるんだろう、アベルの計画は問題だから貴方達を止めるようグリムギアに依頼されたけど、貴方達はその計画をお釈迦にするつもりで……でもアベルをどうこうしろとは言われてなくってぇ……」
マヤ :
「連続殺人、人殺しには変わりねぇけどな…」
ティティ :
「どんな依頼だったかは知らねぇけど、パッと見は目先の脅威に見えるから排除の対象になっても仕方ねぇ……とか事件の加担者側からはそう思うぜ……」
日向雛 :
「だから、余計なことじゃなかったんです。グリムギアさんからの依頼がなければわたし達が止められなくて、もっとたくさんの人が死んでいたんですから……」 人殺しには変わらない、という部分に対して
マヤ :
「ああそうだ。…小指の残党に聞いてた"確認"ってなんの事?」既に消えかけていた会話をふと思い出したように
"異なる隣人"フェイル :
「小指の下にいたかどうかの確認だ。関係ねぇやつ殺したら後味悪いだろ」
マヤ :
「お前、良いヤツなのか悪いヤツなのか分からねぇな……まぁ、ひとまず味方って事にしとくか。」
日向雛 :
「……ちょっと待ってください、フェイルさん。今、関係無い人を殺したら後味悪い、って言いましたよね……?」
"異なる隣人"フェイル :
「ンだよ……」
ティティ :
「…………」腕を組んで苦笑いしている
日向雛 :
「関係無い人を巻き込みたくはないという気持ちがあるなら、ジャスさんとティティさんを鏡で理想化させたのは、間違った行いだった……そうは思いませんか?」
日向雛 :
「自分一人だけだと戦力が足りなかった、というのは分かります。ですが、お二人は本当に無関係ですよね?」
"異なる隣人"フェイル :
「はっ、ジャスとティティか……弱いくせに自分達と何の関係もないストレイを守ろうとして私に負けたっけなぁ……」
"異なる隣人"フェイル :
「関係無い、とは言うが首を突っ込んで来たのはあっちだ。だからついでに手伝ってもらったまでだよ」
日向雛 :
「…………」 負けた、という部分を聞いてハッとして
日向雛 :
「もしかして、その時傷付けた二人を助けるために……鏡を使ったんですか……?」
"異なる隣人"フェイル :
「……へっ、ただ手駒が入用だっただけだ」 背もたれに背を預けて
ティティ :
「随分とコキ使ってくれたよなぁ……」
日向雛 :
「……そうですか」 はっきりと否定しないフェイルを見て、小さく微笑む
日向雛 :
「あの……それなら、もう手駒は必要ありませんよね?とりあえず、ティティさんを元に戻してはもらえませんか?」
"異なる隣人"フェイル :
「ん、ああ……」
"異なる隣人"フェイル :
「ティティ、てめぇはどうなんだ。強いままで居たいとかあんじゃねぇのか?」
ティティ :
「……まあ、そりゃあな。頭も冴えるし、金に不自由しない……ような気もするし、気が楽な部分はデカい」 頭を掻いて
ティティ :
「だが、俺は元の俺のままでいたい。ずっと他人の人生に沿って歩いてるみたいで気持ち悪いからな」
日向雛 :
「ティティさん……!」
"異なる隣人"フェイル :
「……なら良い」
"異なる隣人"フェイル :
「で、お前はどうする」 ストレイの方へ目を向けて
ストレイ :
肩を小さく揺らす
"異なる隣人"フェイル :
「記憶も、能力も、その顔のヒビまで元に戻してやることはできる。けど本当にいいのか?」
"異なる隣人"フェイル :
「先に言っておくぞ、テメェはカラッポだ。自主性のない、ただ命令に従うだけの人形……そんな存在になりてぇのか?」
ストレイ :
「わ、私、は……」 フェイルの問いに答えられず、助けを求めるようにマヤを見上げる
マヤ :
「…あー…流石にそれは俺が決める事じぇねぇな…… お前は人形と人間…”どっちになりたい”?」視線に気付くと斜め上を見上げて困ったように頭を掻く、そしてもう一度見下ろし珍しく真面目な様子で
ストレイ :
「えっと……」 恐らく、記憶を失う後にも先に初めての自主的な決断を迫られる。他人の意志に委ねず、自分の意志に依って決断するとはどれほど難しいことなのだろうか……。
ストレイ :
「決める……自分で……」 マヤから視線を下げて、自身の退路を断つ。
ストレイ :
「……わかった。戻って、みる」
マヤ :
「……そっか。」少し安心したような、それでいて心成しか寂しそうな声色で呟くと頷く
マヤ :
「…コイツも戻るってさ、頼む。」フェイルに向き直るといつもの様子で
"異なる隣人"フェイル :
「……それがお前の決断なら、私はかまわねぇ」 少し寂しげな眼を浮かばせてから、ストレイを一瞥する
"異なる隣人"フェイル :
「おい、そこの……処刑女! 鏡!」 メアリーに向かって
日向雛 :
「処刑女……?」
イクサ :
「鏡を持っているのはひとりだけでしょう?」
"異なる隣人"フェイル :
「私の首と胴体をオサラバさせようとした女! 鏡を寄越せ、今からこいつらを戻す!」
メアリー :
「…………メアリー=ブラッドルードよ」呼び名が気に入らなかったのか、一度は呼びかけを無視していたが、観念して鏡を放り投げる
メアリー :
「下手なマネをみせたら、またギロチンが飛んでくると思いなさいね」信用した訳ではないが、対処出来る脅威だと判断したらしい
"異なる隣人"フェイル :
「やんねぇよ、ここで暴れる程バカじゃねぇ」鏡を受け取って
"異なる隣人"フェイル :
「よし、テメェら。今の身体とオサラバの時間だぜ」鏡を2人に向けて
日向雛 :
「あ!!ちょっと待って!!!」 勢いよく立ち上がり、鏡を持つフェイルの腕を掴む
"異なる隣人"フェイル :
「あっぶな!? 気を付けろ、精密作業だぞ!!」
日向雛 :
「ご、ごめんなさい……」 手を離す
日向雛 :
「でも、少し心配で。……元の姿に戻すときは、フェイルさんの体に負荷はかからないんですか?」
日向雛 :
「もしそうなら、二人同時には止めた方が良いのかな、って……」 心配そうにフェイルを見る
"異なる隣人"フェイル :
「あ~……さぁな、だが万が一もあり得るな……」 少し考える素振りを見せて
"異なる隣人"フェイル :
「じゃあ、ティティ。お前が最初だ。今の状態を解除するだけなら負担は少ないはずだ」
ティティ :
「なーんか実験台にされてるみたいだな……お手柔らかに頼むぜ?」
日向雛 :
「お願いします。もししんどくなったら、膝枕してあげますからね~……」 真面目な顔で
メアリー :
「あいかわらず大した八方美人っぷりね……って膝枕はどういうコトなの……?」
ヴァニタス :
「(どういう…?)」
日向雛 :
「横になった時に枕が必要かな?と思って……」 えへへと笑う
メアリー :
「…………はあ。誰もあなたの膝枕で寝たくないわよ、ねえティティ?」溜息まじりに尋ねる
ティティ :
「…………え俺? ぃいや、まぁ~……ううん……」 目をぐるりと一周させて
日向雛 :
「あ、あれ……!?」 曖昧な反応にショックを受けつつ
日向雛 :
「……い、嫌だと言ってもお医者さんとして見過ごしませんから!負荷が酷かった時はお世話しますからね……!」
日向雛 :
「そういうわけなので、安心して……お願いします……!!」
"異なる隣人"フェイル :
「お、おう(膝枕ってなんだ?)」 よくわからんと言った様子で、再び鏡を掲げる
GM :
────ティティは鏡面から放たれた光に包まれる。
GM :
すると、パキパキと音を立ててティティの姿はスーツから雛の見慣れたベストを着た姿へと変貌。ただ少し、ボロボロである。
GM :
……光が収束し、落ち着いたフロアの光源に戻る。
ティティは自分の姿を確かめ、元に戻ったことに安堵して長い溜息をついていた。
ティティ :
「……お、いやー戻った戻った。元の姿がいちば、ん……?」 ティティの額から一筋の赤い液体が流れる
ティティ :
「いっ……ったぁ!? な、なんだこれぇ……!」
"異なる隣人"フェイル :
「私が蹴っ飛ばしたとこじゃねぇか、治りかけだ治りかけ」
日向雛 :
「み、診せてください!」 慌てて近付いて、傷口を見る
ティティ :
「お、おぉ……」 傷口を確認すれば、打撲に似た傷が見受けられる。だがオーヴァードの治癒力なら問題のない範疇だ。
日向雛 :
「これは……!よかった、これくらいなら大丈夫ですね……!」
メアリー :
「ツバつけておけば治りそうね」
日向雛 :
「ツバって……と、とりあえず、オーヴァードなら放っておいてもすぐに治る程度の怪我ですね」 ティティから離れて
ティティ :
「おう、サンキューな……てか、戻すならこっちも戻してくれよな……」フェイルを恨めし気に睨む
"異なる隣人"フェイル :
「殺さなかっただけ感謝しやがれ」ベッと舌を見せて
ヴァニタス :
「変身する前から怪我の様子って変わってるのかしら?」
"異なる隣人"フェイル :
「ああ、私が見た限りでは大分良くなってる方だぜ。鏡の力、だろうな」
日向雛 :
「よかった……!一瞬焦りましたが、本当によかった……!」 ティティの両手を取って、ぎゅっと握り
日向雛 :
「ジャスさんも、きっとすぐに元に戻しましょうね!ティティさん!」 嬉しそうに笑いかける
ティティ :
「んッ……そう、だな……」 なぜか一瞬言葉が詰まる
ティティ :
「姉貴もだいぶ頭が冷えただろ。あとで探してやんねぇとな……」
日向雛 :
「はい!」 こくんと頷いて
メアリー :
「は~~ん……さっきの反応はそういう……」ティティの困り顔が腑に落ちた
ティティ :
「何見てんだよ……! ほら、ストレイも戻してやんだろ……!」 メアリーを牽制して、ストレイに視線を落とす
日向雛 :
「そうですね……!フェイルさん、体の方は大丈夫ですか?」
"異なる隣人"フェイル :
「問題ねぇ、ちょっと怠いぐらいだな」
メアリー :
「流石にタフね、私の一撃を耐えて立ってただけあるわ」
ヴァニタス :
「一人二人で消耗するならやっぱりアベルの計画って無理なんじゃないかしらってね…」
まだぶーたれてる
日向雛 :
「ちょっと心配ですけれど……問題ないというのなら、任せてみましょうか……?」
マヤ :
「…戻って大丈夫なんだろうな?」ストレイを指差しながら、戻ったときの怪我が心配のようだ
"異なる隣人"フェイル :
「任せておけ、こいつは補修作業みたいなもんだ」
イクサ :
「いざとなった時も雛さんがいれば問題無いかと。」
日向雛 :
「そうですね……!もしもの時は何とかします!」 バッチ来いと身構えるポーズ
マヤ :
「…じゃ、戻ったらすぐ任せるわ。」やる気満々の雛に少し笑って
日向雛 :
「はい!」
マヤ :
「それじゃあ記憶喪失とはバイバイだな …あ、そうだストレイ。」ふと思い出したように声を掛ける
ストレイ :
「なに……?」首をかしげて
マヤ :
「お前元々名前ないらしいけど……その名前やるから 戻っても使えよ?」自分で決めたご褒美、と言いながら
ストレイ :
「……ありがとう。大事に、するね」マヤへにこりと微笑んで見せる
マヤ :
「…おうよ。」ノイズのような若干笑ったような吐息が混ざる
"異なる隣人"フェイル :
「挨拶は済んだか? そんじゃ、やるぜ……」 一息ついて、鏡をストレイに構える
ストレイ :
「……っ」 緊張で筋肉を強張らせる
GM :
再び光が放たれ、ストレイの身を包む。すると肌に走った亀裂が徐々に埋められて、少女らしい滑らかな肌へと戻っていく。
GM :
……思ったよりも修復が早く完了し、先程と同様に光が徐々に収まる。
ストレイ :
修復が終わり、その場に放心した様子で立ち尽くすストレイ。
指で亀裂のあった箇所をなぞりながら、彼女は床をジッと見つめていた。
ストレイ :
「そうか、私……」 思いつめた視線が、虚空へ向けられる。
"異なる隣人"フェイル :
「思い出したな。お前はアベルの計画に乗り気……いや、命令遂行に積極的だった」 ストレイが口に出す前に、フェイルが口を開いた
日向雛 :
「そうだったんですか……?いや、そっか人形ってそういう意味で……」
日向雛 :
「肌のひび割れは、治っているようですけれど……」 それよりも精神面が心配だと見守る
ヴァニタス :
「えぇ~…?ストレイちゃんはそっちだったんだぁ」
露骨に不快そうな顔で
イクサ :
「調子はいかがかしら?」
鏡の制御パーツの片割れの本来の姿、どのようなものかと覗き込む
ストレイ :
「調子は……悪くない。欠けた部分が埋まって思考はハッキリとしている、けど……」 歯切れが悪い
"異なる隣人"フェイル :
「今考えてること、当ててやろうか」
"異なる隣人"フェイル :
「一つはアベルの命令を完遂できなかった無力感。命令はカラッポのお前にとっては存在意義に等しかったもんな」
"異なる隣人"フェイル :
「二つ目……おまえ、自分はここにいるのにふさわしくない異物だって思ってるせいで居心地悪いだろ。本当はサラーブと敵対する側だったもんな?」
ストレイ :
「…………」その言葉を肯定するように押し黙る。ストレイはすっかり背を丸め、小さかった身長が更に小さく見える。
イクサ :
「…………? 貴女の言い分だと、ストレイちゃんは……」
「さっきまでの記憶が、復元された人格に影響している、ととれるけれど?」
元通りという言葉に若干の齟齬があるのでは?という目線を送る
"異なる隣人"フェイル :
「記憶は統合されるからな。大方、テメェらの一員だと思ってた分だけ居心地が悪いんだろうよ」
ヴァニタス :
「ふ~~ん……どう?計画やる気なくなった?」
ストレイ :
「……ご、ごめんなさい。もう、私は……」 計画を遂行できる算段も、気力もないと言った様子で答える
マヤ :
「――…なーんだ、じゃあ心配して損したな。」
ストレイの様子を見て暫く考えていた様だが、彼女の暗い表情とは真逆にいつもの…それよりも気が抜けたような口調で呟く
マヤ :
「俺はどっちかっつーとお前の記憶戻すのが目的だし…今は従う気ねぇんだろ?」
ストレイ :
「マ、マヤ……、……っ」 あなたの見上げた後、また俯いてしまう
ストレイ :
「どうだろう……ずっと、従うことが当たり前だったから……」 まだ気持ちが揺れているようだ
マヤ :
「ま、そうだろうな……何かに従わないと不安?」腕を組むと、一緒に過ごしていた頃から考えていた事を聞いてみる
イクサ :
「(従えばいいんじゃないかしら……いわば彼の子供なのでしょう?)」
アベルの計画が発動しても、自分さえ鏡を食らわなければ得だと未だに考えている
ストレイ :
「うん……何かないと不安、かも……」自分の服の裾を握って
マヤ :
「なるほどねぇ…じゃあ、従えばいいんじゃねぇか?」
「…『誰か』じゃなくて『自分』に。」続いた言葉は彼女にとって少し難解だと分かっている、だがそれでも続けた
ストレイ :
「自分に……」 少しだけ顔を上げる。その意図を完璧に理解することは出来ていないかもしれないが、何か思う所があったようだ。
イクサ :
イクサのタブレットからわずかにノイズ音が漏れる。
誰も気に留める者はいなかったけれど。
マヤ :
「…ストレイ、お前が記憶を戻すって決めたのは何で?」出会ってから初めてだろう、彼女と目線を合わせるように屈むとそう問いかける
ストレイ :
「……なんでかな。今思うと、足りない部分を補いたいだけだったのかも……」
マヤ :
「…ハハ、そこまで自分のコト考えられたなら上出来じゃねぇか。」それでいい、と呟く
マヤ :
「じゃあ今は…逃げたい?ココに居たい?それとも別の何か、あるか?」指を1本ずつ立ててみせると選んでいいよと示す
ストレイ :
「私は……」 立てられた二本の指を交互に見て
ストレイ :
ストレイは少しだけ目を瞑ってから、口を開く。
ストレイ :
「……もう少し、考えさせて。自分で考えてみたいから……」
ストレイ :
「でも、ありがとう。マヤ」 そうやって、微笑んで見せた
マヤ :
「…ヨシ、えらいぞ。」その言葉を聞き、二本立てていた指を三本に増やすと軽く振ってみせる。選択肢外の返事がかえって来たことは喜ばしい事だったようだ。満足そうに立ち上がるとわしゃわしゃと彼女の頭を撫でて
マヤ :
「――って事で待ってあげて欲しいんだけど。…ヨロシイ?」様子を見ている皆に振り返ると軽い調子で
イクサ :
「ええ、構わないわ。」
悠長だとは思うが、この場面ならばストレイとフェイルへの干渉は焦らない方が良いと考える。
メアリー :
「私もそれで構わないわ、ただ……」
メアリー :
「先に言っておくけど、もしアベルのもとに戻りたくなっても私には相談しないでね、ストレイ」
メアリー :
「たしかにアベルに鏡を返すという依頼は受けたけど、その協力関係は白紙に戻ろうとしている」
メアリー :
「ウソをつかなければ詐欺にならないという訳じゃない」
メアリー :
「故意の事実隠匿によって不当に自己利益を得ようとしたアベルの契約も、立派な詐欺に当たる」
メアリー :
「よって私には、その契約を取り消す正当性があるから」日本でいうところの民法96条
マヤ :
「あー…」若干ワードの処理は追いつかないがなんとか理解しようと数秒フリーズする
マヤ :
「…"アベル側じゃない"、ってさ。」ストレイを見下ろすとメアの言葉を簡易的に説明する
メアリー :
「ま、そういうコト」
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、やっぱアイツの人望も大したことねぇな」鼻で笑って
日向雛 :
「流石に、アベルさんの計画を知った上で依頼続行は難しそうですもんね……」 少し苦笑いして
イクサ :
「ふふっ……。」
サラーブに正当性も何もない、依頼を受けた時点で騙されたのが悪いのでは?と思ったが、メアリーに喧嘩を吹っかけても得るモノはないのでただ薄く笑う。
ヴァニタス :
「……」
ヴァニタス :
「私はねぇ……まぁ、計画について気力とかが尽きちゃった~って言うのは信じられるところなんだけど」
人差し指を立てて
ストレイ :
「……?」 少し不安そうにヴァニタスを見上げて
ヴァニタス :
「私達側につく、って即断できないのはいただけないわ?言ってることはわかるけどね」
そのまま指をくるくると回し、思案するように
ヴァニタス :
「私も結論としては皆と同じで”待つ”けど……期待を裏切らないでね?」
ストレイ :
「っ、う……うん……」 若干の圧に背を丸めて
ヴァニタス :
「そんくらい」
あっさりと
マヤ :
「……どうも。その時ゃ俺が責任もつさ」
一番心配していたヴァニタスの返事を聞くと僅かに笑って、さも当たり前の様子で”撃てる”と暗に示す
"異なる隣人"フェイル :
「……まっ、アイツの事は任せるとするか」 心配そうに観察していたが、どうとでもなれと一息ついて
日向雛 :
「……ところで、フェイルさんは体の方は大丈夫なんですか?一見あまり負荷がなさそうですけれど……」
"異なる隣人"フェイル :
「ああ、さっきと同じ、ダリィ程度だ……ジャスみたいなのを出そうとしなければ問題ない」
日向雛 :
「そうですか……それならまだよかった。もし酷くなったら言ってくださいね」 一安心
イクサ :
「ところで……フェイルさんがこちらと共闘するのは良いのですが。」
「"渇望鏡"はこちらでお預かりしても良いでしょうか?」
イクサ :
「フェイルさんとストレイちゃんがいなければ私たちは鏡を使用出来ない。」
「また、鏡がなければお二人は真の能力を引き出せない。」
「安心して協力するために、リスクの分散を提案したいのですが。」
ヴァニタス :
「まぁ、どっか置いとくのが良いよね~」
日向雛 :
「確かにそうした方がいいですね……」
メアリー :
「……いえ、お気遣い結構」話がまとまる前に問答無用でフェイルから鏡をブン取る
"異なる隣人"フェイル :
「あっ、オイ! まだ良いとは言ってねぇぞ!」ぷんすこ
メアリー :
「許可以前に、あなたのモノでもないでしょう」
日向雛 :
「いや、フェイルさんは一旦手離しとくべきですよ……!ジャスさんの時みたいなことがまた起きたら大変なんですから!!」 使用者の意志に関係無く、ジャスが鏡を起動させた時のこと
ヴァニタス :
「事故的に反映されちゃうこともあるんだよね、アレ。不安定すぎるよ」
イクサ :
「あの、失礼ですが……。」
「メアリーさんの受けている、アベルからの依頼のことを考えると、貴女に預けるのは適切な判断とは思えないのですが……。」
痺れを切らし、とうとうメアリーに対する非難を発する
メアリー :
「もう断言しておくわ、アベルからの依頼は断る」
メアリー :
「完全成功報酬制だから依頼料もビタ一文もらっていないし、契約を遂げる義理も無い」
メアリー :
「……それから、適切な判断というのなら、あなたに預ける方がありえないわイクサ」
イクサ :
「あら、私が鏡を持っていても、アベルにでも渡さなければ大して影響は無いんじゃないかしら?」
メアリー :
「いえ、それはちがう」
メアリー :
「あなたが持っているコトの方がよほど危険よ」
メアリー :
「……これまで黙っていてあげたけれど、私があなたについて何も知らないとでも思っているの? そこのヒヨコ頭と一緒にしないでもらえるかしら?」
日向雛 :
「え!?」 いきなりディスられた
イクサ :
「ふふっ、サラーブ1の便利屋さんがただの噂を信じているの? 真に受けてはダメよ?」
メアリー :
「噂? はっ、今はそんなものより確固たる根拠があるわ!ついさっきも聴────」
アール(四脚戦車) :
部屋の片隅でじっとしていたアールの中から、薬莢が一つこぼれ落ちる。
誰もそれどころではなかったが。
マヤ :
「あ~~!!ストップストップ!!!」ヒートアップする二人を見て、エラー音に近いような苛ついた声をあげるとずかずかとメアリーに近寄って鏡を取り上げる
マヤ :
「…じゃこうしよう、アンタとアンタはどっちが持っててもご不満ってワケだ。じゃあ俺か・ヒヨコか・そこの人魚娘!…いや、アンタの言い分じゃ俺はストレイがいるからダメだな…」イクサに視線を向ける
マヤ :
「…そこのふたりのどっちかが持つ、これでいいだろ?」自分を省き、雛とヴァニタスを指差す
ヴァニタス :
「あ、はいはーい!じゃぁ私!」
はいはいと手を上げて
イクサ :
「貴方、どういうつもり……」
マヤに言いかけるが、ヴァニタスの返事にかき消される
日向雛 :
「誰が持っていても問題ないと思うのですが……。それなら、今はヴァニタスさんに持っていてもらいましょうか」
日向雛 :
「わたしよりも頑丈そうですし、何かあった時は鏡を守ってくれそうです……!」
メアリー :
「この場でいちばん強いのは私なのだし、私が持っているべきだと思うのだけど……」傲慢
メアリー :
「まあ、良いわ……イクサに持たせておくより幾らかマシよ……」
ヴァニタス :
「いちばん頑丈なのは私だからね~」
ちからこぶのポーズ
ヴァニタス :
「それに、もし事故で私の願いが反映されても~?この街を護る力が強くなるだけ!サイキョウ!」
日向雛 :
「じ、事故が起きたらすぐに戻しましょうよ~……」 困ったように笑う
イクサ :
「…………。そうですね、アールの車内が最も安全と考えたのですが……。譲歩するとしましょう。」
未練はあるが、ここからゴネるのも悪手と判断した。
マヤ :
「こーいうのは強さもアテになるけどさ…、あんだけ毎日パトロールしてんだ。アンタが一番この街に忠実だろ?」俺でも覚えてるぐらい毎日な、と付け足して鏡をヴァニタスに差し出す
ヴァニタス :
「うむうむ!覚えがよろしくて結構!パトロールしてる甲斐があるわね!じゃぁしまっちゃうよ~」
言うや否や、腰部の装甲をカパリと開ける。中は精密機器が並んでいるように見えるが……その中に鏡をぎゅうぎゅうと押し込んだ。
メアリー :
「え……、ね、ねえ……? 本当にこの人選で大丈夫なの……?」
イクサ :
「ひっ。丁寧に、丁寧に扱ってもらえますか……?」
日向雛 :
「そこ、空くんですね……」 びっくりしてる
"異なる隣人"フェイル :
「もうちょっと丁寧にしまえよ……」
マヤ :
「もし俺だったら同じ方法でしまうけど…?」え?やんないの?と言いたげに
ヴァニタス :
「だいじょぶだいじょぶ。買ったお菓子とかたまに入れるけど結構割れずに残ってるから」
日向雛 :
「それなら大丈夫そうですね~」
メアリー :
「いや大丈夫じゃないでしょ?」
イクサ :
「大丈夫ではないのでは?」
ティティ :
「お菓子と同列に扱っていいもんじゃないだろ……」ハンカチで頭を押さえている
マヤ :
「鏡なんざちょっとヒビ入ったぐらいなら映るからダイジョーブダイジョーブ じゃ、頼むわ。」グッ!とヴァニタスに親指を立ててみせる
ヴァニタス :
「もういいの!鏡は割れない!これでオッケー!マヤも言ってるでしょ、ヒビのちょっとくらいで鏡は鏡じゃなくならないから!」
硬質な表層をゴンゴンと叩いている
イクサ :
「(余計なコトしかしない子ね……)」
マヤの人格面への好感度がまた下がった。
イクサ :
「………せめてコレに包んで入れておいてもらえるかしら?」
梱包材を取り出す。(《万能器具》)
ヴァニタス :
「~……」
しぶしぶ梱包材を受け取って包んでしまった
ストレイ :
諍いの雰囲気に慣れていないせいか、ストレイは目を右往左往させてあなた達を見る。落ち着かない場の様子に不安になっているようだ。
日向雛 :
「…………」 ふとそちらを見て、そのストレイの様子に気付いて
日向雛 :
「あの~……すみません、ちょっと話が戻っちゃうんですけれど……」
日向雛 :
「さっきのストレイさんの考えが纏まるまで待ってあげる話なんですが、わたしももちろん大丈夫です」
日向雛 :
「ただ、ストレイさんに二つほど聞いて欲しいことがあって……いいですか?」 ストレイの前で屈み、目線を合わせて優しく微笑みかける
ストレイ :
「な、なに……?」優しい雰囲気に当てられて、少し気が休まる
日向雛 :
「えっと、あのですね~……」
日向雛 :
「実はわたし、元々はUGNチルドレンだったんです」 あの場にいなかったストレイだけまだ知らない自分の素性を伝えて
日向雛 :
「ご存じですか?UGN……ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワークの略称で、ヒーローの指導や訓練、保護などを任されている組織です」
日向雛 :
「あっ、あとチルドレンっていうのは、十年以上前の戦争でUGNに保護されたオーヴァードの子供達のことですね~」 証拠と言うように、ポケットからひび割れたヒーローズクロスを取り出して見せる
ストレイ :
「UGN、アベルから聞いた事あるかも……」雛のクロスを見て、ぽつりと呟く
日向雛 :
「そうなんですね……!それなら話が早いです」
日向雛 :
「……ストレイさんは今、曖昧な立場で居心地が悪いかもしれないですけれど……わたしみたいなヒーロー側の組織にいた人もいるんです」
日向雛 :
「だから、あまり気にしないでここにいてください」
日向雛 :
「それに皆、あなたのことを傷つけたいわけではないはずですから……。ゆっくり落ち着いて、ご自身の気持ちを整理してくださいね」 安心させるように笑いかける
ストレイ :
「そうなんだ、少し親近感があるかも……」表情が和らぐ
ストレイ :
「もうちょっとだけ、考えてみるね…ありがとう、お姉さん…」
日向雛 :
「はい!どういたしましてっ」 表情が和らぐのを見て少し安心する
日向雛 :
「と、それと、二つ目なんですが……こっちはお願いなんです」
日向雛 :
「もしもストレイさんがアベルさん側を選んでも、おうちに帰るのは少しだけ待ってもらえませんか……?」
日向雛 :
「今はストレイさんがいないと鏡を使えませんから。ジャスさんを元の姿に戻すまでは、一緒にいてもらいたいんです」
日向雛 :
「いいでしょうか……?」
ストレイ :
「わ、わかった……。できるだけ、そうしてみる……!」
日向雛 :
「よかった……!ありがとうございます!」
日向雛 :
「やっぱり、優しくていい子ですね……!よしよし~……!」 笑顔でストレイの頭を撫でる
ストレイ :
「わひゃ……マ、マヤもお姉ちゃんも、頭撫でるの好きだね……」
マヤ :
「…そ、イイ子だぜ?この街には勿体ないぐらいな。」2人から少し離れたところで同意
マヤ :
あ、喧嘩売ってないから。と軽く付け足しつつ傍にいるヴァニタスを指差す
ストレイ :
「そんな……えへ、へへへ……」 なんだか気恥ずかしい
ヴァニタス :
「まぁ、所謂…”どうとく”?とか…”どうぎ”を守る人はここより合う場所があるかもね。ここでそういうの守るの変な人ばっかりだから」
一瞬雛を見た気がする
日向雛 :
「……?」 ようわからんけど、目線が合ったのでにこっと笑ってる
GM :
あなた達が多少の言い合いと雑談をしていると、イクサの通信端末に着信が入る。
GM :
確認してみれば、それはエトワールからの着信だった。恐らくは依頼の状況確認の為の連絡だろう。
アール(四脚戦車) :
「 ママ ウェイストルムさんから 電話だよ 」
エスの合成音声が着信を告げる。
イクサ :
「繋いでくれる?」
イクサ :
「エトワールさん? ちょうど良かったわ、そちらに連絡しようと思っていたところなの。」
エトワール :
「こんばんは、イクサ。ということは進捗があったんだね、聞かせてもらおうか」
イクサ :
現況を簡潔に説明する。
イクサ :
「………現在はオルタ・スクレイパーで今後の相談中よ。」
イクサ :
「それで、確認したいのだけど……あなたの依頼として持っていくべきモノはどれなのかしら?」
皆の輪から離れながら通話を続ける。
エトワール :
「そうか。やはり郊外で起きた戦闘は依頼絡みの……」 納得したように、電話口で頷いて
エトワール :
「当初は硝子化事件の首謀者……名はフェイルと言ったかな。その子供を引き渡してくれたら……と考えていたけど……」
エトワール :
「……真の首謀者である元小指である"アベル"。彼の排除が優先事項になるだろうね」
イクサ :
「ふふっ。そうでしょうね。」
イクサ :
「やっぱり生け捕りがいいのかしら?」
エトワール :
「出来れば生け捕りが望ましいけども……彼は一度は追放された身、生死は問えないだろうね」
イクサ :
「わかったわ。善処するとしましょう。」
「フェイルさんとストレイちゃんについてはどう?」
「もういいのかしら?」
エトワール :
「出来ればそのまま、イクサ達の方で保護してくれないかな。その方がアベルおじs……んんっ」咳払いをして
エトワール :
「……アベルの動向も掴みやすいからね」
イクサ :
「最後にこちらからお願いしたいことがあるのだけど、いいかしら?」
エトワールが言いかけた言葉には触れずに続ける。
イクサ :
「先ほどの件でアベルさんにもジャスさんにも完全に敵対されたと考えているわ。」
「居場所を特定されないよう、セーフハウスをいくつか確保したいの。」
「もちろん、必要な費用は支払うわ。」
エトワール :
「構わないよ。こういう時の為に、見繕ってあるのが何件かある。その情報を送っておこう」
エトワール :
「それと、もしかしたらそこに……萬屋GOLD DUSTの社長がいるんじゃないかな?」
イクサ :
「メアリー社長? 確かに同席しているけれど……」
エトワールが彼女を名指ししたことに少し驚きながらも、メアリーを手招きする。
イクサ :
映像通信の出力を切り替え、メアリーからエトワールの姿をよく見えるようにして、続きを促す。
メアリー :
「……何、秘密の話じゃなかったの?」不機嫌そうに歩み寄る
イクサ :
「貴女ともお話がしたいそうよ?」
エトワール :
「こんばんは、初めまして、メアリー社長。私はエトワール・ウェイストルムだ」
メアリー :
「初めまして。ゆっくり挨拶したいところだけれど、そんなに余裕もないし単刀直入にいきましょ」
メアリー :
「エトワールファミリーのボスが、この私に何の御用なのかしら?」
エトワール :
「話が早くて助かるよ。ではこちらも……」
エトワール :
「アベルと連絡は取れるかい?」
メアリー :
「ええ。相手にこちらの心変わりを気取られていなければ、だけれど」
エトワール :
「なら良かった。キミにやってもらいたいことがあってね……」
エトワール :
「アベルを外に誘い出して欲しいんだ。できそうかい?」
メアリー :
「……ええ、可能でしょうね」
メアリー :
「あいつの依頼は、鏡とフェイルの受け渡し。今の私はそれができる状態にあるもの」
メアリー :
「それから、もし僅かに疑念を抱いていたとしても、あいつは自分の計画のために誘いに応じざるを得ないでしょうし?」
エトワール :
「その通り、キミは最高の餌になり得るヴィランだ」
エトワール :
「この役、買って出てくれるかい? もちろん、依頼という形でも構わない」
メアリー :
「……へえ、なるほど? 流石はエトワールファミリーのボス、っていうところかしら?」
メアリー :
「勿論、構わないわ」
メアリー :
「私を裏切ったあいつには、痛い目を見てもらいたいと思っていたから、今回は報酬は頂かなくて結構」
メアリー :
「ちょっとした貸し、ってコトにしておくわ」
エトワール :
「ふふふ、豪胆な社長さんだね。そういう子は好きだよ」クスクスと笑って
メアリー :
「ふ、それはどうも」
イクサ :
メアリーの受けた依頼は危険ばかりで、旨味はちょっとばかり心が満たされるだけ。
本来ならイクサも内心で都合が良いと嘲笑うだけだったのだが……
イクサ :
「………。メアリー社長、貴女……。」
「雛さんみたいになってきてないかしら……?」
思わず、そんなことを口走る。
メアリー :
「…………は?」
メアリー :
「あなたは何を言ってるの? 私がこんな鳥頭になってるって?」
日向雛 :
「鳥頭……!?」 自分の名前が聞こえたかと思ったら罵倒された
イクサ :
「い、いえ。これは誤解です。」
「たまたま"雛さんみたい"という言葉が侮辱と取られてしまっているようで……。」
弁解しているのか、火に油を注いでいるのか。
メアリー :
「……誤解か何か知らないけど、私がこいつと似ているのなんて頭の色だけ。頭の中はこいつみたいな花畑じゃないわ」
メアリー :
「私は単に、エトワールファミリーには貸しを作っておいた方が、後々に得だと判断しただけよ」
日向雛 :
「頭の中お花畑って……そこまで言わなくても~……」 しょぼしょぼしながらストレイのほっぺを両手でもちもち触って自分を慰めていた
ストレイ :
「ぁ、ぁぅぁぅ……」 ポヨポヨ
マヤ :
(いいなそれ楽しそう…)もちもちしてる様子を眺めている
イクサ :
「メアリー社長の言い分が正しいとしておきましょう。」
「ただ……雛さんみたい、というのは誤解だとしても……貴女は少し変わったようには思えるの。不思議ね?」
「気付かない内に考えが変わっていたりして。」
メアリー :
「…………言っている意味が分からないわ」
エトワール :
「……賑やかなチームだね」 画面の中で笑って
メアリー :
「それは否定しない。けどこれ以上、意味の分からないムダ話に興じているヒマはないわね」
メアリー :
「……フェイル、さっきの話は聞こえていたかしら? あなたにも付き合ってもらうわよ?」
"異なる隣人"フェイル :
「だろうと思ったぜ。私は構わねぇよ、アベルの鼻を明かせるならな」ケッと笑って
メアリー :
「ふふ、話が早くて結構」
メアリー :
「そうよね、計画を確実に失敗させたいなら、小指の残党を片付けるとか寝惚けたコト言ってないで、あいつをブン殴った方が早いわ」
"異なる隣人"フェイル :
「だな、一度は引き分けになってんだ。次はあのいけ好かねぇ顔に一発ぶち込んでやるよ」
"異なる隣人"フェイル :
フェイルは拳を合わせてやる気を示す
メアリー :
「話はまとまったみたいね、あなたたちはどうする?」みんなに尋ねる
イクサ :
「もちろん行くわ? エトワールさんからの依頼をきっちり果たしましょう。」
殊勝な態度にはエトワールへのアピールも含まれている。
ティティ :
「あー、俺は……足で纏いになるだろうな。もうお前らみたいに強くねぇし……」
ティティ :
「こっちはその間に姉貴を探しとく。アベルとかいうヤツの相手は任せたぜ」
日向雛 :
「そうですね……分かりました」
日向雛 :
「その方法が最善なら、わたしは協力します。アベルさんを騙してしまうのは、少し申し訳ない気はしますけれど……」
メアリー :
「先に騙したのはあいつの方よ、申し訳なく感じる必要は微塵もないわ」
日向雛 :
「そ、それはそうかもしれないんですけれど~……あんまりこういうの慣れてなくて……」
メアリー :
「は、流石はヒーローサマね? サラーブで生きていくなら、それくらい慣れなさい?」
日向雛 :
「……あの、メアリーさん」 メアリーの方に近付いて
メアリー :
「何」急に近付いてくるので、少し後ずさって
日向雛 :
「わたし、ヒーローじゃありませんよ……」 吐息がかかる距離で、耳元で囁く
メアリー :
「────っ!?!?」吐息を浴びた耳を抑えて、転びそうになる
メアリー :
「……は、はあ!? 何、いきなり!? どういうつもりよ!? どうして耳元で囁く必要があったのよ今!?」あまりのことに赤面して叫ぶ
日向雛 :
「ずっとヒーローじゃないって言ってるのにヒーロー扱いしてくるので、もしかして今まで聞こえてなかったのかと思って……!」 えへ、と小首を傾げながら笑う
メアリー :
「えへ、じゃないわよ……!!」怒りに任せて雛ちゃんの傷口を肘で小突く
日向雛 :
「いたぁい!!いたいです!!や、やめてぇ~……」 飛び跳ねて後ろに下がっていく
ヴァニタス :
「アレ、どういう話……そうそう、私はもちろん”やる”よ~?元小指とは言え、これ以上の無法は……法はアレか、狼藉は許せないもんね」
と、跳んできた雛を受け止めながら
日向雛 :
「あ、ありがとうございます、ヴァニタスさん……」
"異なる隣人"フェイル :
「こんな奴らに負けたのか、私……」 呆れた様子で
ストレイ :
「な、仲良しなんだよ……きっと……」
メアリー :
「────あ~……、え~……、マヤも、その方針でいいのかしら~……?」雛ちゃんのせいで威厳などなくなってしまったが、腕を組んで取り繕いながら尋ねる
マヤ :
「…あ?……あー、俺は依頼にも仕事にもあんま信念とか思い入れとかねぇんだけどさ…」
メアリーの呼びかけに反応すると、それぞれのやる気・空気に少し気まずそうに頭を掻きつつストレイ…そしてフェイルの傍へやってくる。
マヤ :
「自分のために子供を道具にしてるのはな~んか気に入らねぇんだよな……、ってコトで殴りにいくならついてくぜ?そんだけ。」
なぜそう思うのか、不思議そうに首を傾げるものの気を取り直したようにフェイルとストレイの肩へ手を置く
イクサ :
何も言わず、ただ微笑む。
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、よくわかんねぇ機械だけど頼りになるぜ」
ストレイ :
「マヤだよ、フェイル。うん、ありがとう……」
メアリー :
「自分のために子供を道具にしてるのが気にいらない、ねえ? 私よりむしろマヤの方が、ヒヨコの影響を受けている気がするのだけど?」
日向雛 :
「え、わたしってそんなに影響与えやすかったんです……?」 さらっとメアリーも含めてる
メアリー :
「いえ、私は影響とか受けてないけど全然」自分も含んで言われたことを察して否定する
日向雛 :
「そうなんです?」 不思議そうにしてるが、素直に納得して
マヤ :
「俺はヒーローでもどっちでも楽しけりゃいいから。」なんか此処にいるけど~と何も思い出せない様子で
イクサ :
ふと、思い至る。
雛は温和で、疑うことを知らず、簡単にこちらを信用する、使いやすい人間だと最初は思っていた。
だけど、メアリーの言葉でようやく自覚する。
この女は自分にとっての毒だ。
自分が落としてしまった清廉さを垂れ流す。
そして、清くなった水に自分という生き物はもう棲めない。
イクサ :
雛ちゃんに好意/不快感のNでロイス取得!
system :
[ イクサ ] ロイス : 5 → 6
日向雛 :
「……イクサさん?」 ぼーっとしてるような気がして声をかける
イクサ :
「なあに、雛さん?」
日向雛 :
「ああ、いえ……」
日向雛 :
「あの、エトワールさんが待ってないかなって思って……!」 まだ通話中でしたし、と指差して
イクサ :
「ああ!ごめんなさいね、失礼したわ。」
日向雛 :
「ふふっ、いえいえ~」
エトワール :
「賑やかで結構結構。でも気を付けなよ、出会って一日二日の他人に心を開きすぎるのはこの都市では自殺行為だからね」
ヴァニタス :
「それでどうにかなっちゃってるのがすごいわよね~」
頬に手を当てて呆れるように
メアリー :
「ほんとにね」
日向雛 :
「はぇ~……怖いですね……」 他人事のように
メアリー :
「あんたのことよ! あんたの方こそ、聞く耳をどこかに落としたんじゃないの!? それとも頭のネジの方!?」
日向雛 :
「え、えぇ~……!?でもわたしまだ生きてますし……!!」
マヤ :
「ココ単独任務も多いしな~…俺ずっとそうだったわ。」たぶん、と呟く
エトワール :
「ああ、そうだ。アベルと落ち合う場所を決めたら私にも教えてくれよ。何人か部下を連れて私も現場にいく」
エトワール :
「それじゃ、お願いするよ」 そう言い残して、エトワールは通話を切る
イクサ :
「あら、ご丁寧にどうも。感謝します。それではまた会いましょう?」
日向雛 :
「……えっと、じゃあ次は……アベルさんへの連絡ですか?」
ヴァニタス :
「私達は静かにしてた方が良いかな?」
メアリー :
「ええ。ただ呼び出す前に、準備時間が必要でしょう」
メアリー :
「……この格好で出向いて怪しまれるのもバカらしいし」服がボロボロ
日向雛 :
「それもそうですね~……メアリーさんは怪我も治ってないですし」
メアリー :
「別にケガは大したコトないわよ」
日向雛 :
「え~……そうです……?」 心配そうに見てる
メアリー :
「……とにかく私は身形を整えてくるから、いったん解散としましょう」
日向雛 :
「……わかりました」 ちょっと不満そうなこえで
メアリー :
「それじゃ、また後で落ち合いましょ」部屋を出る一瞬、ふらつきながら退室する
日向雛 :
「……!やっぱりちょっと待っ……」 一瞬メアリーの体が不自然に傾いたことに気付き、呼び止めようとするが
日向雛 :
自分の言葉を遮るように、雛の腹の音がぐぅ~と鳴る。
マヤ :
「アンタよく動いたしな~、飯にする?」俺食わねぇけど、と雛の腹の音に応えるように
日向雛 :
「わぁ、ごめんなさい……!よく動いたのは皆さんも同じなのに……!」 お腹を恥ずかしそうに押さえて
イクサ :
フードデリバリーを使用します!
調達7の目標で成功すれば使えます
イクサ :
7dx+11=>7(7DX10+11>=7) > 9[3,4,5,5,5,8,9]+11 > 20 > 成功
GM :
回った!寿司くいねぇ
イクサ :
必要な人は移動する前にフードデリバリーの回復振っておいてね!
5Dだよ
日向雛 :
了解!っていうかもう今振ります
ヴァニタス :
振っちゃうよ~
GM :
必要な人は振りな!
日向雛 :
5D10(5D10) > 31[2,5,7,8,9] > 31
ヴァニタス :
5d10(5D10) > 26[2,6,8,3,7] > 26
日向雛 :
わぁ、全回復!ありがとうイクサさん!
system :
[ 日向雛 ] HP : 3 → 28
system :
[ ヴァニタス ] HP : 37 → 51
イクサ :
「そうね。エトワールさんに用意してもらったセーフハウスに物資を送っているから、好きに使って。」
「雛さんが使う拠点にはお寿司のデリバリーをお願いしておきましょう。移動の手配もしておいたから、すぐに向かえるはずよ。」
雛への不快感を自覚するに至ったが、戦力として使えるモノは使う。十全に働いてもらわねば。
日向雛 :
「えっ……!?え、えっ……い、いいんですか!?お昼もごちそうになったのに……!」 お寿司、と聞いて垂れかけるよだれを服の袖で拭いながら
イクサ :
「他のメニューでもいいわ。ただ、お寿司がずいぶん気に入ったようだったから。」
イクサ :
「ヴァニタスさんも、必要な物資はよほど特殊なモノでなければ準備できるはず。………何を食べる?使う?のかしら?」
ヴァニタス :
「え、いいの!?ありがとう~…私はそうねぇ、食べたり補給したり…満たされれば何でも大丈夫だから、別に特殊なものはいらないわ?」
手を合わせ、やった~としている 彼女も毒物だとかは警戒しないクチだ
日向雛 :
「そういえば、ヴァニタスさんもお寿司食べてましたね~」 思い出す
イクサ :
「何でもいいと言われると逆に悩んでしまうわね……。東欧料理のシェフでも呼んでおきましょうか。」
素に近い反応である。
ヴァニタス :
「いいわねぇ、美味しいものだってもちろん大好きだもの。楽しみにしてるわ♪」
日向雛 :
「あの、イクサさん……!」 突然真剣な顔でイクサに近付き、呼びかける
イクサ :
「あら、まだ何かあったかしら?」
日向雛 :
「いえいえ、むしろもう充分です!」
日向雛 :
「本当にありがとうございます。ご飯をごちそうしてくれたり、その前にも近道を用意してくれたり……」
日向雛 :
「それで、ずっと思っていたんですけれど……」
日向雛 :
「イクサさんって、いつも優しいし、皆のこと気にかけてくれるし……」
日向雛 :
「なんだか、お母さんみたいですね……!!」 両手を胸の前で組みながら、嬉しそうに言う
イクサ :
「ふふっ………ふふふふ。そうね? だって私、お母さんですもの。」
イクサ :
「まだ紹介できていない子が、日本にいるの。」
「いつか、雛さんにも見せてあげたいわ。」
イクサ :
(その日が来たら………全部、ぜーんぶ。めちゃくちゃにしてあげる。貴女の信じる、善性なんてどこにも残らない世界……。)
日向雛 :
「わぁ、本当にお母さんだった……!?納得です……!」
日向雛 :
「イクサさんの子供さん……もちろん、是非会いたいです!すっごく楽しみ……!」 イクサの内心など察することもなく、呑気に喜ぶ
イクサ :
「そうねえ、今は会うための準備をしているところだから。時が来たら、雛さんにも手伝ってもらうかも。」
「その時は、よろしくね?」
日向雛 :
「日本はちょっと遠いですもんね~……わたしにお手伝い出来ることなら何でも言ってください!」
イクサ :
「ふふふ。ありがとう。期待しているわ。」
日向雛 :
「えへへ……」 期待されて嬉しそうに口元を緩ませて
日向雛 :
「それじゃあ、とりあえずわたし達は用意してくれたセーフハウスの方でご飯食べてきますね!ティティさんも一緒に行きましょ!」
ヴァニタス :
「は~い♪ お邪魔しちゃうわね~」
スルスル
ティティ :
「おう、俺も一息ついたら腹が減っちまったな……」
イクサ :
「ええ。それでは、また。」
一旦マヤを含む全員と別れ、自身の機材を取りに向かう。
日向雛 :
「イクサさんが用意してくれたお寿司、すっごく美味しいんですよ~」 ヴァニタスとティティとわちゃわちゃしながら出て行こう
マヤ :
「ここに居ても仕方ねぇし……行くぞ~チビ共。お前らも腹減っただろ?」少し遅れて移動しながらフェイルとストレイを呼ぶ
ストレイ :
「いくいく…!」小走りで着いて行く
"異なる隣人"フェイル :
「誰がチビだコラ。ま、タダメシならいくらでも食うけどよ」悪態をつきながらだるそうにストレイの後をついていく
イクサ :
マヤとフェイルとストレイはマヤに割り当てられた部屋で食事をすることとなった。
マヤが二人の食事を見守っていると、部屋のドアがノックされる。
イクサ :
「今、少しよろしいかしら?」
マヤ :
「…んあ? はいはい何か用?」ノックの音に反応すると僅かにドアを開けて確認、そして相手が確認できるとそのまま扉を開く。
イクサ :
「ええ。マヤくんの点検、きちんと出来ていなかったから。雛さんの回復があったとはいえ、チェックするに越したことはないでしょう?」
イクサ :
「あら、お食事中だった? ごめんなさいね。」
嘘だ。故意にタイミングを計ってノックをした。
──食事を摂らないマヤは一人でイクサに応じるはず。
マヤ :
「あーそうか機械詳しいんだっけ?」いつもイクサの周りにいる子供達を思い出しながら
マヤ :
「いや?俺は飯食わねぇし…んじゃ今の間にお言葉に甘えるかな。…大人しく食べてられるな?」椅子から立ち上げるとからかうように若干の子供扱いをしながら食事をとっている二人に声を掛ける
"異なる隣人"フェイル :
「行くとこも特にねぇよ」 頬杖を突きながらだらだらと食事している
ストレイ :
「けほけほ……う、うん、いってらっしゃい……!」 喉に詰まりかけたものを水で流し込んで、マヤを見送る
マヤ :
「じゃココに居る事、眠くなったらあのベッド使えな。…ストレイ、水のおかわりはアッチ。」俺寝るの床でいいや、と言い残してイクサの後へついていく
イクサ :
「こっちよ。」
マヤを手招きし、セーフハウスの外れにあるハンガーへ向かう。
マヤ :
「…へぇ、こんな設備もあるんだな~……」普段通っているメンテナンス所よりも綺麗で上等に見える格納庫、周りを物珍しそうに眺める
イクサ :
格納庫の一画にはテーブルが置かれている。
そこへマヤを座るように促す。
イクサ :
「さて……まずは簡易診断をしましょうか。」
伝えた通りのチェックを手早く済ませていく。
独自仕様、違法改造、雑な管理があるとはいえ、元はイクサコーポレーション製である義体。
機能チェックに淀みはない。
イクサ :
「……問題なし。いえ、問題だらけではあるのだけれど……作戦行動に影響するものは無いわ。」
マヤ :
「…ま、一応仕事できる程度に保ってるしな。」小さなバグや故障だらけの事は敢えてスルーしつつ、手際の良さに感心している
イクサ :
「そのことなのだけれど……」
「貴方、その義体の価値を分かっていないわよね?」
マヤ :
「…え?価値…、なんて?」己では考えたこともなかった質問に思わず聞き返してしまう
イクサ :
「………はあ。貴方が覚えていられるよう、短くまとめて話しましょうか。」
「マヤ……いいえ。この名前も貴方には相応しくないわ。検体No.0513。」
イクサ :
「貴方のこと、気になったから少し調べておいたの。」
「貴方にその義体を与えたのは……『マヤ』。研究者マヤ。」
イクサ :
「彼女は私にとって……何と呼べばいいのかしらね?」
「部下、親友、理解者、家族、恋人、敵。」
「たぶん、全部が正解で不正解。私にも分からない。」
イクサ :
「ずいぶん昔の話よ。」
「それで……そう。あの子は義体作りが好きだった。」
「自分で人間の肉体を削ぎ落として、機械で埋めるの。」
マヤ :
「え…っと、ちょっと待った……05……それが俺の名前?」彼に表情があるのなら恐らくポカンとした表情をしているだろう、全く聞き覚えのない番号・名前なのに微かに回路に火花が散るような感覚を覚える
マヤ :
「…全く覚えてねぇ、いや…本当かも分からねぇ……じゃあアンタは俺の出自とか全部知ってるワケ…?…じゃあ、俺って最初から"こう"なのか…?」身体がほぼ機械であることは大方怪我でもしたのだろうと解釈していた、若干混乱しつつも理解はしている様で
イクサ :
「知らないわ? 貴方がどこでいつ、誰から産まれたのかなんて誰も残していないもの。」
「在るのはただ、貴方が誰によって作られたのか。」
イクサ :
「研究者マヤは……あの子は義体を愛していた。」
「その義体を見れば分かるわ。貴方の義体こそ彼女の最後の愛。最高傑作。」
イクサ :
「それを……貴方は普段、どんな風に扱っているのかしら?」
マヤ :
「どんな…って、フツーに……仕事したり、話したり……」欠けている記憶もあるため大方こうだろうというものを呟くように挙げていく、内容は少しの怠惰さが含まれているものの、ごく一般的な傭兵の日常生活だ。
イクサ :
「メンテナンスはしているの? ……念の為に言っておくと、通らない配線を引きちぎるのはメンテナンスとは言わないわ。」
わかりきった質問を重ねる。
マヤ :
「あー、そりゃ勿論。馴染みのエンジニアがいるし…」勿論と言いつつも若干言い淀む
マヤ :
顔見知り、マヤの記憶力でも覚えられるほど通い詰めた場所とはいえ一般のエンジニアにマヤの義体のメンテナンスが難しいことは容易に想像できるだろう。
一般人の限界のレベルのメンテナンス・修理なのだ、故にマヤの義体は故障が目立つ。
イクサ :
「………意地悪な質問だったわね。一般の、こんな僻地のエンジニアに解析できるような義体ではないもの。」
心理的な揺さぶりをかけていく。
イクサ :
「はっきり言いましょうか。貴方にとって、その義体は手に余る。」
「だから、交換しましょう?」
イクサ :
「もちろん、替えの義体と引き換えるわ。」
「アベル襲撃作戦が済んだら、私の会社の最新型を卸してあげる。互換性と耐久性に優れた製品だから、貴方でも不便なく暮らせるはず。」
「どうかしら。お互いに損は無いはずよ?」
マヤ :
「手に余、るって……や、これ俺の身体だし…?!」イクサの言葉の数々に呆然としていたが、ハッと我に返ると若干身を引くような動きをみせる
マヤ :
(いやいや交換って…これ確か、心臓以外機械だろ?それ全部取り換えるとか…
それって…俺生きてんの…?)
マヤ :
「ちょっと待った…仮に、仮にだけどさ… 交換してどうすんの?俺って今の生活結構嫌いじゃないんだけど~……」彼の声帯、小型スピーカーから渇いた笑いのような音声が漏れる
イクサ :
「今までの生活通りよ? 新しい義体にはシリアルIDが入っているから、私の会社に連絡してもらえれば、最新パーツの仕入れもタダ同然になる。費用の心配は要らないわ。」
「それに……声も記憶も、不自由しないわよ?」
マヤ :
「声… あー、"コレ"ね?……まぁ聞いてる方には聞き苦しいかもしれねぇけどさ…一応これしかねぇから、俺の人間っぽいとこ。」出会ってから今まで、彼の言葉には時々ノイズが混ざる。自ら叩いて直している姿はたびたび目撃していたであろう。それでも声に関しては不満を呟くこともなく受け入れていた
マヤ :
拙い記憶も声も、手放すことをかなり渋っているようだ
イクサ :
「………スピーカーによる再現音声でしょう? 安心して。限りなく近いように作ってあげるから。」
マヤ :
「…いいや、限りなくじゃダメなんだよ…コレじゃなきゃ。」声帯デバイスの場所を手で押さえるように触れると、ハッキリとした拒絶を見せる。
マヤ :
「そもそも…新しい義体の俺も、俺を再現したものになるんだろ?それじゃあ御免だな。」経験をしたことはないが感覚で分かる、器に移し替えられた記憶はきっと己の"模倣"になるのだろうと
イクサ :
「ふ、ふふっ、あははははははっ!!」
イクサがサラーブに来て初めて、全く自制しない笑いを見せる。
イクサ :
「何を言っているのかしら……! 貴方、最初から元々あった人間の残滓に過ぎないのに……!」
マヤ :
「っ…!?」出会ってから初めて聞く彼女の笑い声、続いた言葉に一瞬怯む
イクサ :
「でも……そうね。名残惜しいのは分かるわ。」
「判断を急げとは言わないでおくわね。」
マヤ :
「…急いでも急がなくても、俺の答えは変わらねぇよ。」
イクサ :
「ふうん? それじゃあ、質問を変えるけれど……」
「──ストレイちゃんのことも考えてあげた?」
マヤ :
「は…?ストレイに何の関係が…」質問の意図を理解しきれないように呟く
イクサ :
「だって貴方……記憶機能に不調をきたしているでしょう?」
「今は何とかやれているみたいだけれど、悪化するしかないわ。」
「ふふっ、ふふふ……。」
イクサ :
「ストレイちゃんのこと、忘れてしまってもいいのかしら?」
マヤ :
「……」一瞬、何か言い返そうとするが返す言葉もない様子で黙ってしまう
マヤ :
「…いや、忘れねぇようにするさ。」強がるように呟くが、気持ちはあっても確信をもてないのが伝わるだろう
イクサ :
「ふふっ、機械は根性論で修理できないわよ?」
マヤ :
「…知ってるっての、そのぐらい。」若干拗ねたような口調で呟く
イクサ :
「私の要件は終わりよ。それじゃあ、またね?」
「お返事、待っているわね。」
イクサ :
イクサは席を立ち、先に格納庫から去る。
マヤ :
「…ストレイ、…ストレイ…よし、まだ覚えてる……。」自らの記憶を確認するように何度か名前を呟くと上着を羽織り直して、普段ダラダラと歩いている彼にしては珍しく足早に部屋へと向かう。
アール(四脚戦車) :
格納庫の出口へ急ぐマヤの行く手を、ずい、と出てきた鉄の大木が阻む。
アールと呼ばれていたイクサの多脚戦車。
休む犬のように静かに横たわっていた彼が、急に立ち上がったのだ。
アール(四脚戦車) :
『 あ ああ 』
甲高く透き通る音声。
エスと呼ばれていた人工知能のアナウンス。
しかし、発しているのは定型の単語ではなく、何かを試行錯誤しているような……
マヤ :
「…お前もバグった…? えっー…と、何?」
行く手を阻む巨体に思わず足を止めるが、微かに普段と違う音声を聞き取ると少し驚きつつも聞き返す
アール(四脚戦車) :
『 おに い ちゃん ? 』
『 ま ママ に 』
『 ま ま ま まけな ま ま ま 』
アール(四脚戦車) :
『 ままままままままままま 』
『 《上限オーバー:沈静プログラム起動》 』
『 《沈静完了》 』
『 《再起動》 』
アール(四脚戦車) :
アナウンスはそれきりで途絶え、戦車もゆっくりと元の寝床へ戻っていく。
マヤ :
「ちょ…大丈夫かよ……、ママ…?」メモリのキャパシティを超えたような動作に思わず心配をするが、追って言葉の内容を反芻される。
マヤ :
「……なんだっけ、お前ら……エルじゃなくて、アール…?か。 そう、こっちはアールだ。エスも居るよな…?」
命令をされていない彼らがなにを思ってそう伝えたのか・何があったのかは殆ど理解できないが、意図は伝わったようだ
マヤ :
「…ありがとな。」
"2人"の名前を思い出せたことに軽く笑うと、寝床で休眠しているであろう彼らにそう呟き部屋から去って行く、心成しか焦る気持ちが薄れたような足取りで――
GM :
フェイルたちは食事を終え、マヤ達が戻るまで各々の自由時間を過ごしていた。
GM :
ストレイはソファでウトウトと船を漕いでいるが、一方のフェイルは落ち着かないと言った様子で部屋の中を歩き回っている。
"異なる隣人"フェイル :
「…………」
GM :
彼女はおもむろにドアノブへ手をかける。どこかへ行く気なのだろうか……。
ヴァニタス :
「…………」
床に寝そべって寛いでいたが、その様子を見て少し身を起こす
"異なる隣人"フェイル :
「……んだよ。外の空気を吸いに行くだけだ、逃げはしねぇよ」 煙たそうにヴァニタスを睨んで
ヴァニタス :
「んーん?別に監視とかじゃないわ?今更そんなことする必要無いわけだし」
ご自由にどうぞ?と、ニコニコしながら先を促す
"異なる隣人"フェイル :
「色んな部屋巡ってるのを巡回やら監視やら言わねぇか? まあ、別にいいけどよ」 短くため息をついて、セーフハウスの玄関をくぐる
ヴァニタス :
「これはもうライフワークみたいなものだから…」
そう言いながら、ゆったりと背後をついてくる
"異なる隣人"フェイル :
「そりゃご苦労さん」
GM :
玄関をくぐると、サラーブの夜風が身体を撫でる。砂漠地帯特有の寒さが身に染みるが、フェイルは特に気にしている訳ではなさそうだ。
"異なる隣人"フェイル :
「……ヴァニタスだったか、テメェはどうしてこの都市にいるんだ。お世辞にも碌な場所じゃねぇだろ」
ヴァニタス :
「碌な場所ってぇ……ん~~…まぁ…”真っ当な”人達にとって住みよいとは言えないけどね…私はここで生まれてここで育ったから」
ヴァニタス :
「ここが好きだからここにいるの」
"異なる隣人"フェイル :
「ここが好き、か……愛郷精神が御立派な事で……」
"異なる隣人"フェイル :
「アベルも、そんなこと言ってたな……」ぽつりも呟いて
ヴァニタス :
「ええ~~……一緒にされたくなぁい」
非常に渋い顔でいやいやと
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、常識がない私でも変人に見えるって点じゃ似た者同士だぜ」
"異なる隣人"フェイル :
「ただ、スタンスが違うってことぐらいはわかるけどな」
ヴァニタス :
「そうそう、スタンス!アベルはこう…その計画を実行したら、今のサラーブが滅茶苦茶になっちゃう!ってわかんないかなー……!」
腕を組んで怒っている
"異なる隣人"フェイル :
「アイツはアイツなりに、それが最善だって思い込んでるんだろうな」
"異なる隣人"フェイル :
「何度かヤツに突っかかったことはあったけど……まるで芯がブレねぇ、相当な頑固者だぞ、アイツ」
ヴァニタス :
「分かり合える気がしないわね…そこはしょうがないけど……突っかかってくれたのねぇ」
しみじみと、フェイルが反対派であることを確認する
"異なる隣人"フェイル :
「……まあな、あの野郎を止めてやらねぇとって気持ちは自我が芽生えた時からあった。それがどうしてなのかは知らねぇが……」
ヴァニタス :
「そうなのねぇ…あ、それについて言わなきゃいけないことがあったんだったわ?」
ほう、と感心した後に、何か思い出したように居直って
"異なる隣人"フェイル :
「あん?」
ヴァニタス :
「アベルの計画を止めようと動いてくれてありがとう、それと……内容も良く知らずに攻撃を仕掛けてごめんね?」
これはグリムギアたちも悪いのだけれど……と言い訳のように付け足しつつ、ぺこりと頭を下げる
"異なる隣人"フェイル :
面を食らって目を丸くするフェイル。一瞬の沈黙のあと、思わず目を泳がせてしまう。
"異なる隣人"フェイル :
「な、なんだよ改まりやがって。そういうのは、なんか……むず痒いんだよ」やめろやめろ、と手をひらひら振って
ヴァニタス :
「私はサラーブでもお淑やかで礼儀のなってるレディ……かつ、この街の守護者だから、お礼くらいは言わないとと思ってね?どうぞ受け取って?」
相変わらずニコニコとしている。
"異なる隣人"フェイル :
「お淑やかってサイズでもねぇけど……ま、気持ち程度はな……」微笑を浮かべながら鼻を鳴らす
ヴァニタス :
「私から言いたいことはそれだけ。それじゃぁね?」
巨躯をうねらせながら、夜闇を引き返していく。
"異なる隣人"フェイル :
「言いたい事だけ言って帰りやがった……」 その背中を見送って
"異なる隣人"フェイル :
「はあ、私も戻るか……寒いし、眠いし……」
GM :
フェイルは踵を返し、セーフハウスへと戻っていく。その様子は部屋を出た時よりも、幾分か晴やかに見える気がした。
日向雛 :
……セーフハウスで食事を摂った後、雛は一人街に出ていく。
日向雛 :
「メアリーさん……どこに行ったんでしょう。もうオルタ・スクレイパーに戻ったりしてるかしら……?」
日向雛 :
心当たりのありそうな場所を回って、メアリーを探し始める。
日向雛 :
アベルと連絡をしなくてはいけないという理由もあるが、それ以上に去り際に彼女の体が一瞬ふらついたことが心配だったからだ。
noname :
……それからしばらくして、ようやく雛はメアリーの行き先を聞きつける。
noname :
メアリーの行き先は、街外れにある小さな『教会』だった。
noname :
レンガ造りの寂れた建物だったが、それでも教会だと一目で分かったのは、
その入口に掲げられていた十字架の……"痕跡"のおかげだ。
noname :
十字架そのものは、ヴィランに盗まれてしまったのだろう。
何故なら宿敵の象徴"ヒーローズクロス"を思い起こさせる。こういっては何だが、ヴィランの都市ではそれこそ"罪"だ。
日向雛 :
「わあ、これってもしかして……。なんて酷いことを……」 サラーブに来てから教会に寄ったことはなかったため、少し衝撃を受ける
日向雛 :
「でも、これもこの街では仕方ないんでしょうか……」 とはいえ、怒ったりすることはしない。扉を開けて教会の中へと進む
noname :
両開きの扉を開けて中に入ると、すぐ礼拝堂に通じていた。
noname :
礼拝堂は、薄闇に包まれていた。
壁にかけられた蝋燭の火だけが、ゆらゆらと血色のカーペットの上で揺れている。
noname :
礼拝堂の両脇には、信徒のための"教会椅子"が並んでいる。
そのうちの一つに、メアリーは静かに黙って腰掛けていた。
教会には彼女以外の影は無く、静謐な空気に包まれている。
日向雛 :
「あ……」 見知った背中を見つけて
日向雛 :
「……!」 イイコト思いついた、というように笑顔になると
日向雛 :
《闇夜の烏》を使用。影の中を潜って、メアリーの背後に音も無く移動する。
日向雛 :
「メーアリーさんっ」 そして影からヌッと現れると、メアリーのほっぺたを後ろから指でぷにっと突っついた
メアリー :
「────っな!?」誰もいないハズの夜の礼拝堂で、いきなり背後に何者かが現れたコトに驚き、椅子から飛びあがる
日向雛 :
「こんばんは~。わたしですよ、わたし」 ちょっとだけ悪戯っ子ぽく笑って
メアリー :
「……………………」笑顔の雛を無言で睨みつける。思わず悲鳴を上げてしまったコトが恥ずかしかったのか、蝋燭に照らされた頬は赤く染まっているように見える。
日向雛 :
「そ、そんなに怒らなくても……。ご、ごめんなさい……」
メアリー :
「…………どうして、あなたが此処にいるの? この教会に来るなんて、誰にも伝えてないハズだけれど、もしかしてストーカー?」ごめんなさい、の一言で許すつもりはないのか、非難の視線を向けながら問いつめる。
日向雛 :
「す、ストーカー!?違います、そんなんじゃないですよ!?」
日向雛 :
「ただ、わたしはメアリーさんを呼びにきただけで……!ここにいるのは、少し聞いたら分かっただけです!」 焦りながら弁明する
メアリー :
「呼びに来た? わざわざ此処まで? 端末から連絡をすれば済む話じゃない?」
日向雛 :
「え?……あ!?」
日向雛 :
「忘れちゃってました~……!えへへ……」 ポケットから通信端末を取り出す
メアリー :
「…………はあ、本当に鳥頭ね」
メアリー :
「およそ文明人のするミスじゃないわ」先程の謎のドッキリに怒っているのか、辛辣な言葉を投げかける。
日向雛 :
「ひぃん……そこまで言わなくても……」
日向雛 :
「……あ、そ、それより、メアリーさんはどうしてここにいたんです?」 露骨に話題を変える
メアリー :
「話を逸らしたわね……、まあいいけど……」呆れた様子で
メアリー :
「私は、ヴィラン達の前じゃ気が休まらないから、このセーフハウスに……教会に寄っただけよ……」ボロボロになっていた服は綺麗になっている。どうやら此処で着替えを済ませたらしい。
日向雛 :
「そうなんです?メアリーさんって教会がお好きだったんですね~」 ちょっと意外そうに
メアリー :
「別に、教会が好きな訳じゃないわ」
メアリー :
「……寧ろ、どの国のものであれ宗教は嫌いよ」
日向雛 :
「え?どうしてです?」
メアリー :
「どうして、って綺麗なウソで飾った詐欺でしょう? 宗教なんてものは全て?」
メアリー :
「詐欺が好きなヤツとか、いないでしょ」
日向雛 :
「うーん、そうですね……確かに詐欺はいけないことですけれど……」 少し苦笑して
日向雛 :
「本当か嘘かなんて誰にも分からないところですし、わたしは綺麗な嘘なら良いと思いますよ」
日向雛 :
「それで誰かが救われるなら、悪い物じゃないんじゃないかな~って」
メアリー :
「……はっ、なにそれ気持ち悪」これまで以上に素で話している
メアリー :
「でもまあ、良し悪しはともかく、この教会にもウソで救われてる人間がいるのは確かね」たしかに詐欺でもシスター達の金儲け、改め生活基盤にはなっている。
日向雛 :
「ええ、きっと!」
日向雛 :
「それに、わたしはメアリーさんが宗教がお嫌いでも、それはそれで素敵なことだと思いますよ」
メアリー :
「……はあ? 素敵? 今度は何を言ってるのよあなた?」
日向雛 :
「宗教というのは、心の拠り所。人の支えになるものですから」
日向雛 :
「だから、それに頼らなくていいメアリーさんは他に自分の支えになるものを持っているっていうことでしょう?」
日向雛 :
「それなら、わたしは全然いいことだと思うんです。違いますか?」
メアリー :
「……驚いた、此処の神父みたいなコト言うのね」
メアリー :
「ちなみに、あなたに似てるその神父は、孤児を金持ちに売る人身売買してたわ」
日向雛 :
「え、えぇ~?えっと、それはつまりお金持ちの方に里親になってもらったとか、そういう意味……だったり……?」
メアリー :
「フ、どうかしらね」
メアリー :
「一つ確かなのは、誰かの恨みを買って殺されたことだけよ」よく似たあなたもそうなるかしら、と笑いかける
日向雛 :
「…………」 ひぇ、と困ったように顔をしかめて
日向雛 :
「そ、その神父様のことはともかく!メアリーさんはそのままで良いってことが言いたいんです!」
メアリー :
「…………あなたにそんなことを言われてもねえ」
日向雛 :
「メアリーさん……も、もしかしてわたしのことお嫌いだったりしますか……!?」
日向雛 :
「今日のお昼に初めて会った時は、すっごく親切で優しい感じだったのに、なんだか今は……その……!」 当たりが強くない?と目で訴える
メアリー :
「あら、ようやく気がついた?」にこ
メアリー :
「────そもそも、あなたみたいな相手にも親切に接したのも、この教会を支援しているのも、全ては萬屋GOLD DUSTのイメージアップの為にしていたのだけど」
メアリー :
「あなたみたいな鳥頭相手に猫被るの、今更なんだかバカらしいと思って」
日向雛 :
「そ、そんなぁ……」 しょぼしょぼと力が抜けていって、さっきメアリーがいた椅子の隣の席に座る
日向雛 :
「……でも、取り繕ってたん……ですね?それって疲れませんか?」
メアリー :
「……それがどうしたの? この街の生き方としては真っ当でしょう?」
メアリー :
「誰かが救われる綺麗なウソなら、良いんじゃなかったかしら?」
日向雛 :
「ひぃん……そ、そうですけれど……!」
日向雛 :
「……でも、疲れないってわけじゃないんですね。それならよかったです」 否定はしなかったことに気付いて
メアリー :
「何それ、どういう意味?」
日向雛 :
「だって、わたしが相手なら素のメアリーさんのままでいられるってことじゃないですか」
日向雛 :
「ずっと気を遣っているのも大変ですもんね。だから、メアリーさんが楽にしていられるならよかったなーって!」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「……………………」無言でローキック。ブーツで傷口を蹴る。
日向雛 :
「ひぃっ……!?」 小さく悲鳴を上げる
日向雛 :
「な、なんで!?どうして蹴られたんですかぁ……!?」 蹴られた足を抱えて
メアリー :
「ほらだって、私がラクにしてられるのが嬉しいんでしょう? あなたを蹴るとラクになるから、もう何発か蹴らせてくれる?」
日向雛 :
「そ、それはわたしが楽じゃないので嫌ですよ~!!やめてくださいぃ……!!」
メアリー :
「……ふん、流石に冗談よ」
メアリー :
「鶏が鳴くと、奥の部屋で眠っている孤児が目覚めてしまいそうだし」それさえなければ、まだ蹴っているような口振りだ。
日向雛 :
「な、なるほどぉ……子供達に感謝ですね……」 両手で抱えていた足を下ろし、椅子に座り直す
メアリー :
「そうねえ、ついでにシスターにも感謝しておきなさい」
メアリー :
「……ジャスが起こした一連の騒動、その被害者の遺体の受け入れ先として、この教会が協力してくれるそうよ」そういう話もあって、メアは教会に訪れていたらしい。
日向雛 :
「そうなんですか……!?」
日向雛 :
「分かりました、ではまた後でご挨拶に伺いますね……!」
メアリー :
「まあ、シスターに礼を言う必要はないけどね」
メアリー :
「死体処理が金になるから、受け入れただけでしょうし」葬儀もビジネス、といった考え方のメア。
日向雛 :
「え、えぇ~……。で、でも労力はあるわけですし……一応、ちゃんと挨拶には向かいますよ……」
メアリー :
「ああ、そう。ちなみにシスターはとにかくハイブランド品が好きよ、挨拶には持参するといいわ」買えないと分かりながらイジワルを言う。
日向雛 :
「そ、そんなの買えませんよ~!!うぅ、どうしましょう……」
メアリー :
「ふふ、さあ……どうしましょうねぇ……」ニヤニヤ
日向雛 :
「あ、あとで何か考えます……」 しょぼしょぼしながら
メアリー :
「たりない頭をせいぜい上手く使うことね」
日向雛 :
「はぁい……」
日向雛 :
「……あの、それはそうとメアリーさん……?」
日向雛 :
「一つ確かめたいことがあるんですけれど、いいですか……?」
メアリー :
「確かめたいこと? あなたが嫌いだってコトは既にはっきり伝えたわよね?」
日向雛 :
「そ、そうじゃなくてぇ……!」
日向雛 :
「メアリーさん、お怪我の方がまだ治っていないんじゃないかなって……」
日向雛 :
「オルタ・スクレイパーから出て行った時も、足下がふらついていたような気もしますし……」
メアリー :
「…………別に、あのときは少し躓いただけよ」
日向雛 :
「……本当です?」 立ち上がって
メアリー :
「…………あなたが気にすることじゃないでしょう? もう連絡って要件は済んだのだし?」はぐらかす
日向雛 :
「それはそうかもしれませんけれど……」
日向雛 :
「…………」 メアリーの体をジッと観察して
日向雛 :
「ごめんなさい。ちょっと失礼しますね」
日向雛 :
メアリーの立ち方からどの辺りを庇っているのか見当をつけ、彼女の体に両手で触れる
メアリー :
「痛っ……!?」顔を顰め、後退る。真っ白なシャツには、黄金の血が滲んだ。
日向雛 :
「……!やっぱり……!」
日向雛 :
「やっぱりまだちゃんと治ってないじゃないですか……!」
メアリー :
「別に、これくらい……大したコトないわよ……」
日向雛 :
「……どうして、そんな嘘を吐くんですか?」
日向雛 :
「わたしの前では、猫を被ることも気を遣う必要もないんでしょう……?」 少し悲し気に、メアリーの目を見る
メアリー :
「…………」まっすぐな雛の視線に耐えきれず、目を逸らす
メアリー :
「……そう、ね。 その通り、あなたに気を遣う必要は無い」
メアリー :
「いろいろ言ったけど、本当はあなたを疑っている訳でもない」
メアリー :
「……サラーブに住んでいるには善良すぎるし、貧乏くさいわりにちゃんとスキンケアしていないとおかしい肌ツヤしていて、あまりに不審すぎるから、最初こそ疑っていたけど」
日向雛 :
「ふふっ、善良だなんてそんなぁ……」
日向雛 :
「肌ツヤのことはあまり気にしたことないから分かりませんけれど、多分模倣したソラリスのエフェクトのおかげですね、きっと」 てれてれと笑って
メアリー :
「まあ、肌ツヤがよくても、本人がこれじゃ宝の持ち腐れだけどね」褒めた訳じゃない、と言いたそう
日向雛 :
「あはは……でも、本当は疑ってるわけじゃなくてよかったです。嬉しいですっ」
日向雛 :
「ずっとヒーロー扱いされていたので、真面目に受け取っちゃってましたっ」
メアリー :
「あんたを本気でヒーロー扱いしてるのは、ジャスくらいでしょ」あの理想の姿はあんたに影響を受けたみたいだし、と
日向雛 :
「……そうかもしれませんね」 ジャスのことを考える。忘れていたわけではないが、彼女は今どこで何を考えているのだろうか
メアリー :
「────ともかく、私が治療を受けたくないのは、遠慮でも疑念でもなく、貸しを作りたくないから」
日向雛 :
「え?でもわたしは貸しだなんて思ってませんよ?」
メアリー :
「…………だとしても、よ」
メアリー :
「こういうのは施しを受けた側が、どう思うかでしょう?」
日向雛 :
「うーん……でもそれだと、わたしはメアリーさんのお怪我を治しちゃいけないってことになります……?」
メアリー :
「ええ、そうなるわね」
メアリー :
「だから治療しなくていいって言ってるの」
日向雛 :
「でも……」 心配そうにメアリーを見て
日向雛 :
「……!あ、それならわたしに良い提案があります!」 頭の上にぴこーんと電球が浮かんでるのが見えるような表情に
メアリー :
「……何? あなたから良いアイデアが出た試しなんてないけど、聞くだけ聞いてあげるわ?」
日向雛 :
「ありがとうございます!」
日向雛 :
「こういう時は発想を逆転させましょう!」
日向雛 :
「メアリーさんが貸しを作ったんじゃなくて、わたしが貸しを作ったことにするんです!」
メアリー :
「…………は? どういうこと?」
日向雛 :
「メアリーさんは施しを受けたくない。でも、わたしはメアリーさんを回復したい……」
日向雛 :
「なので、メアリーさんはわたしに回復させてあげるっていうことにするんです!」
日向雛 :
「わたしはメアリーさんの怪我が気になって仕方ないわけですし、状況的にはおかしくないはず!」
日向雛 :
「どうですか?ナイスアイデアでしょう!」 嬉しそうに笑う
メアリー :
「……どれだけ私を治したいのよ」溜息まじりに
日向雛 :
「わたし、これでも一応お医者さんですから!どうしても見過ごせないんです!」
日向雛 :
「なので、どうかわたしを助けると思って!ね、ねっ?」 ずいずいとメアリーに近付く
メアリー :
「…………ああ、もう引っつくな! わかった! わかったわよ!!」手で押しのける
メアリー :
「あなたに回復してもらう、それでいい?」
日向雛 :
「メアリーさん……!はい、それで大丈夫です!回復させてください!」 ぱぁっと今まで一番嬉しそうな笑顔になる
メアリー :
「……けど、そのナイスアイデアは却下」
メアリー :
「そこまで私を治したいと言うのなら、貸し借りが生まれない良いアイデアがあるわ」
日向雛 :
「え?何です?」
メアリー :
「"取り引き"をするのよ」
メアリー :
「萬屋GOLD DUSTとじゃなくて、この私……」
メアリー :
「メアリー=ブラッドルード個人との取り引きを」
日向雛 :
「取り引き……ですか?それって一体……?」 鳥のように小首を傾げる
メアリー :
「……まず取り引きの前提の話からするけど」
メアリー :
「あなたのお友達は、一連の事件で多くの命を奪った。ソレは変えられない事実」
メアリー :
「本人の意志じゃなかったとか、そんなの相手から見れば関係ない」
メアリー :
「二人に恨みを持っている者は多いでしょうね、特に区画ひとつを消し飛ばしたジャスは、多くの人の恨みを買った」
メアリー :
「鏡の力を失うジャスとティティは今後、そうした恨みに殺されるでしょう」
メアリー :
「あなたが手を貸したところで、守りきれるかどうか」
日向雛 :
「そう、ですね……。わたしもそこは心配なところでした」
日向雛 :
「でも、頑張って守らないと……。大事な友達なんです……」 少し不安そうに、胸元を握りしめる
メアリー :
「……きっとあなたひとりが頑張ったところで、どうにもならないでしょう」サラーブはそういう街よ、と言った上で
メアリー :
「けど、この私がお友達の保護に協力してあげると言ったらどうかしら?」
日向雛 :
「メアリーさんが、協力……ですか!?それは確かに、凄く心強いですけれど……」
メアリー :
「心強いですけれど、何? 私じゃ不満? 贅沢を言っている場合じゃないと思うんだけど?」
日向雛 :
「いえ、不満というわけではなくて……その……」
日向雛 :
「本当にいいんですか?保護に協力するのはきっと大変でしょうし、なんだか一度怪我を治すのと釣り合っていない気がして……」
メアリー :
「……なるほど、確かに一度の治療とはまるで釣り合ってないわね」
メアリー :
「フ、安心しなさい、私はあなたみたいに慈善事業で助けてあげるって言っている訳じゃないのよ」
メアリー :
「保護に協力する対価としてあなたに求めるのは、ケガの治療だけではないわ」
日向雛 :
「あれ、そうなんですか?でしたら他には一体何を……?」
メアリー :
「────私はあなたの目的『お友達の保護』を手伝う」
メアリー :
「その代わり、あなたは私の目的『鏡の破壊』を手伝う」
メアリー :
「鳥頭なあなたの為に分かりやすく説明するなら『お互いの目的の為に協力しましょう』って取り引きね、その一環として治療もしてもらう訳」
日向雛 :
「……?それって……あの……取り引きになってるんでしょうか……?」
日向雛 :
「わたしも、最終的には鏡は壊した方が良いとは思っていますし、もうそこまで今回のお仕事に含まれてるんじゃないかなって……」
メアリー :
「ハッ、この都市のヴィランのことを甘く考えすぎね」
メアリー :
「比較的穏健派の依頼人でも、できれば鏡は回収してほしいと言うでしょうよ」
メアリー :
「アレには、それだけの価値があるもの」
日向雛 :
「価値って、また誰かが鏡を使うかもしれないってことですか……?」
メアリー :
「ええ」
メアリー :
「研究が進めば、ストレイやフェイルを介さず、自由にデメリットなく鏡を使えるようになるかもしれない」
メアリー :
「その夢みたいな力を我が物にしたい、そう考えるヴィランは多いハズよ」
メアリー :
「……けど、あんなものは誰の手にもあるべきじゃない」
メアリー :
「仮に全てのデメリットがなくなったとしても、私は認められない」
メアリー :
「何故なら、全ての人が理想の姿になって、誰も困ることがない都市になったとしたら……」
メアリー :
「萬屋には依頼なんてこなくなる……!! 商売あがったりよ……! 商売がたきなのよ、あの鏡は……!!」
日向雛 :
「え?そういう理由なんですか?」
日向雛 :
「てっきりティティさん達が無理矢理従わされてるのを見て、嫌だな~って思ったのかと……」
メアリー :
「はあ? どうでもいいわよ、そんなの? 力がないものが従わされるのなんて、世の常でしょう?」
メアリー :
「……なぁにぃ? 私にそんな正義感を期待しちゃったのぉ? 親切なヒトみたいに振る舞ってたのは全てウソだ、って教えたわよねぇ?」クスクスと笑う
日向雛 :
「や、別に正義感を期待してたとか、そういうわけじゃなくって~……!」
日向雛 :
「わたしの想像の範囲外すぎて、ちょっとびっくりしちゃったというか……。わたし、そういう商売のことなんて考えたこと無かったから……」
メアリー :
「……ああ、なるほど? あなたは商売とも呼べないような商売してるんだったわねえ?」
日向雛 :
「あ、でもちゃんとお金は貰ってますよ……?ボランティアってわけじゃないんです」
メアリー :
「バカじゃないの? あの金額じゃ貰ってないのと同じよ、まだ物乞いの方がマシな稼ぎしてるわ?」
日向雛 :
「そ、そうですかね……?医師免許も持っていないわたしの治療なんて、あの値段が妥当じゃないかと思ってるんですけれど」
メアリー :
「また何言ってるのかしら? 医者より綺麗に治せるのだし、結果だけ見れば医者より上等よあなた?」
メアリー :
「頭の出来の方は……ふふ、月と鼈だけれど……」
日向雛 :
「ほ、褒めるのかけなすのかどっちかにしてくださいよ~……!」 照れればいいのか嘆けばいいのか分からなくなってる
メアリー :
「じゃあ、けなす方だけにしておく?」
日向雛 :
「どうして!?褒めてもらえる方がわたしは嬉しいです!」
メアリー :
「分かったわ、今度からけなす方ね」聞いていない
日向雛 :
「そんなぁ……」
メアリー :
「────そんなことより、私との取り引きについて、是非を聞く前にひとつ言っておくコトがあるわ」
メアリー :
「あなたが取り引きを受ける上でのデメリットの話ね、私はアベルと違って後腐れのない公正な取り引きがしたいから、隠し事はナシでいくわ」
日向雛 :
「何でしょう……?」
メアリー :
「鏡を狙う者は、あなたのすぐ近くにいる」
メアリー :
「あなたは何も知らず、その人物と親しくしているけど……鏡を壊した場合、その関係も同時に壊れてしまうかもしれない……」
メアリー :
「────すなわち、IXAコーポレーション社長、イクサ・スミェールチとの関係が、ね」
日向雛 :
「……!?イクサさん……!?」 目を大きく見開く
メアリー :
「ふ、本当に滑稽だったわ、あのイクサと親しくしているあなたの姿は」
メアリー :
「あいつは黒い噂の絶えない危険人物だって言うのに、そんなことも知らずねえ」
日向雛 :
「え、えぇ~……!?」
日向雛 :
「イクサさんって、そんな危険人物なんですか……?」
日向雛 :
「いつも優しいし、色々親切にしてくれるし、包容力のあるお姉さんというか……お母さんって感じですよ……?」
メアリー :
「そう見せる為の外面に決まってるでしょう? 私だって猫被ってたのよ?」
日向雛 :
「あ……!それもそうですね……!?そう言われると説得力があります!」
メアリー :
「……自分から言いだしたコトではあるけど、失礼ねあなた」雛ちゃんのほっぺを引っ張る
日向雛 :
「い、いひゃっ……!?いひゃいれす、やめれくらさい~……!!」
メアリー :
「……ふふ、やめてあげない」その顔が面白かったのか笑顔になって
メアリー :
「いい? そもそもIXAコーポレーションの事業は"兵器開発"よ? 人殺しの道具を売り歩く"死の商人"が"親切なママ"のハズがないでしょ?」ほっぺをむにむにしながら続ける
日向雛 :
「う、うぅん……たひかにそれもしょうかもひれません、けどぉ……」 むにむにされて喋り辛そうにしながら
日向雛 :
「へいき……ぶきをつくってうりゅ、それ自体は悪いというわけ、ではぁ……。ヒーローも、色々なガジェットをつかいましゅしぃ……」
メアリー :
「なるほど? 限界まで好意的に解釈すればそうなるかしら?」ようやくほっぺを離して
メアリー :
「────けど。イクサは"自分の子供"を武器にしている、と言ったらどう?」一転、低い声色で
日向雛 :
「……?え、えっと……?それってどういう意味です……?」 ひりひりしてるほっぺを手で押さえながら
日向雛 :
「ガジェットの開発者が、自分の作ったアイテムを子供みたいに愛しているような感じです?」 そういう人を昔見たことがあることを思い出す
メアリー :
「……ハ、相変わらずのお花畑ね」
メアリー :
「そうねえ、それならイメージしやすいよう"似た例"を出しましょうか」
メアリー :
「あなたは確か、UGNにいたんだったわよね? それなら私に流れている"黄金の血液"。その材料は何か、知っている?」
日向雛 :
「……えぇ、知っています」
日向雛 :
「死刑執行を待つ囚人を加工して作る人工の血液……確か、そう聞きました。合っていますか?」
メアリー :
「ええ、その通り」
メアリー :
「つまるところ"生きた人間"が材料」
メアリー :
「…………では、ココでクエスチョン」
メアリー :
「イクサは"自分の子供"を武器にしている、その意味は?」
日向雛 :
「…………」
日向雛 :
「モルフェウスシンドロームの能力で……子供を武器に加工、している……です、か?」 少しだけ声を震わせて
メアリー :
「ピンポンピンポン、大当たり」笑顔で
メアリー :
「……もっとも、確証はないけどね? あいつはその証拠を残すようなヘマはしていないから」
日向雛 :
「そう、なんですか……。確かに、わたしも今まで聞いたこともありませんでした」
メアリー :
「あなたはサラーブに疎すぎると思うけれど、ともかく」
メアリー :
「……私は、その噂が真実だと確信している」
日向雛 :
「どうしてですか?証拠はなくて、噂に過ぎないんでしょう……?」
メアリー :
「実際に"聴いた"から、よ」
日向雛 :
「聴いた……?」
メアリー :
「……あなたには聞こえなかったのね」
メアリー :
「イクサが乗っている戦車、アレが砲弾を発射した時、子供の叫び声のようなモノを私は聴いた」
メアリー :
「……おそらくアレは、あいつの子供よ」
日向雛 :
「あの戦車が、ですか……?」
日向雛 :
「叫び声と言われても……わたしは分かりませんでした」 皆から少し離れた場所にいたからだろうか、と考える
メアリー :
「……そう、聞こえなかったならしょうがないわね」
日向雛 :
「……ただ、そう言われると少しだけ思い当たることも、ある……かも、しれないです」
メアリー :
「思い当たること?」
日向雛 :
「あの戦いの後、わたし、メアリーさん以外を回復したじゃないですか」
メアリー :
「ええ、回復したわね"タダ"で」
日向雛 :
「た、タダなことは今は関係無くてっ」
日向雛 :
「その時、イクサさんの傷だけじゃなくて……着ているお洋服まで元通りに直っていったんです」
日向雛 :
「レネゲイドに感染した防具なのかな、だからわたしの力も効果があったのかな、と思っていたんですけれど……」
日向雛 :
「今の話を踏まえて考えてみると、もしかして……あの服も……」 少し気分が悪くなってきた気がしてきて、それ以上言うのを躊躇う
メアリー :
「……子供を加工して、作られたものかもしれないってコト」サラーブで育ってきたメアは、雛よりそういうコトには慣れている。躊躇いなく口にする。
日向雛 :
「……はい」
日向雛 :
「でも、ありえるのでしょうか……そんなこと……」
メアリー :
「この街じゃ、ありえないなんてことはありえない」
メアリー :
「……何もないところから賢者の石を作りだした鏡より、そっちの方が現実みはあるでしょう」
日向雛 :
「そうかもしれませんね…………」 頷く。というよりしょんぼりと項垂れている
メアリー :
「まあ、さっきも言ったけど確証は無い」
メアリー :
「コトの真偽はともかく、私が言いたいのは……イクサは鏡を狙っていて、私と取り引きしたら、あいつと敵対するかもしれない、ってコト」
メアリー :
「相手は大きな会社の社長。相応の力を持っている。もし敵対したならタダでは済まないでしょう。最悪、殺されてもおかしくないわ」
メアリー :
「────それでも、私の手を取る?」項垂れた雛の正面に立つと、右手を差し出す。
日向雛 :
「…………」 差し出された手を見て
日向雛 :
「わたしは、鏡は壊すべきだと思っています。もう誰も、ジャスさんやティティさんのような目には遭わせたくない……」
日向雛 :
「だから、それでもし、イクサさんと敵対することになっても……わたしは構いません」 顔を上げる
メアリー :
「ふふ、そう? やっぱりバカねあなた?」そう言いながら、嬉しそうに笑っている。
日向雛 :
「そう……でしょうか……?」
日向雛 :
「とにかく、わたしはあなたとの取り引きに応じます」
日向雛 :
「でもその前に一つだけ……今の話について、わたしから言うこともあります。いいですか?」
メアリー :
「あら? なにかしら?」
日向雛 :
「イクサさんが子供を加工して、武器にしているという話……」
日向雛 :
「メアリーさんの聞いたという声のことも、イクサさんの服が元通りに直ったことも、証拠になりそうなものは確かにある」
日向雛 :
「それに、メアリーさんが嘘を言っているとも思ってはいません」
日向雛 :
「だけど、わたし……その話を鵜呑みにすることは、出来ません……」
日向雛 :
「どうしても、わたしの中で結びつかないんです。イクサさんは、とってもお優しくて……良い人だったから……」
日向雛 :
「メアリーさんの言うことを疑ってはいませんが、イクサさんのことも信じたいんです。彼女の笑顔が、嘘なんかじゃない、って……」 弱々しい声で、しかしその瞳にははっきりと強い意志がある
メアリー :
「……はあ、あなたらしいコトね」溜息まじりに
日向雛 :
「ごめんなさい、困らせるようなことを言ってしまって……」
日向雛 :
「もし今後、イクサさんが襲い掛かってくるようなことがあれば……ちゃんと戦います」
日向雛 :
「でも今は、わたし……イクサさんのことを敵としては見られません……」
メアリー :
「その甘さが命取りにならないといいけど」
日向雛 :
「だ、だいじょうぶです!わたしずっとこんなですけど、まだ全然生きてますから……!」
日向雛 :
「だから、あの……こんなわたしでも、いいでしょうか……!?」
メアリー :
「…………えぇ? 何そのプロポーズみたいな言葉?」
日向雛 :
「え!?わたし、メアリーさんにプロポーズしたんですか!?」 特に意識していなかったようで逆に驚いている
メアリー :
「やっぱり意識してなかったのね……ほんとに呆れるほどのバカだわ……」肩を竦めて
日向雛 :
「えへへ……」 何故か照れたように笑う
メアリー :
「何を照れてんのよ……」差しだしていた右手でデコピンする
日向雛 :
「いたい!!」 一歩後ずさりして
メアリー :
「……ふん。まあ、バカなあなたでも構わないわ」
メアリー :
「犬と鋏は使いようって言うし? いえ、今回の場合は犬っていうより鳥かしらね?」改めて、右手を差し出す
日向雛 :
「人間ですよ!?」
日向雛 :
「とにかく、よろしくおねがいしますね……!」 その手を掴み、優しく握りしめる
メアリー :
「ええ、これにて交渉成立ね」手を握り返し
メアリー :
「それでは契約書を……いえ、今回は要らないわよね」
メアリー :
「きっちり契約を交わしたところで、いざって時は破りそうな気がするし、紙が勿体ない」
メアリー :
「……この握手が、契約書代わりってコトにするわ」
メアリー :
────メアにとって、契約書は"保険"だ。
契約の際に用いる血判は、相手が裏切った場合に備えたモノ。
メアリー :
……実際、これから始まる作戦が失敗して、アベルに逃げられたとしても、
血判に《かぐわしき鮮血》を使用して、血の香りを道標に追跡するコトで、何度でも追いつめられるハズ。
メアリー :
その保険が必要ない、ということはつまり────
日向雛 :
「わかりました!それじゃあ、しっかり握手しておかないとダメですね!」 ガシッ、ともう片方の手で握手した手を包み込むように握り
日向雛 :
「ちゃんと約束ですからね~!」 そして、ぶんぶんとその手を振る
メアリー :
「……ああ、もう! 契約成立の場面だっていうのに、締まらないわね!!」憎まれ口を叩きながら、繋いだ手を自分から離すことはしない。
日向雛 :
「そうですか?ちゃんと締まってますよ?」 ぎゅっと握ってる
メアリー :
「手の握り具合のことを言ってるんじゃないわよ…!? ほんとにバカね全く…!!」
日向雛 :
「あら……?」 笑顔で小首を傾げて
日向雛 :
「まあまあ、いいじゃないですか。それよりも、少しだけ心配事があるんです」
メアリー :
「……心配ごと? 私には山ほどあるけど? あなたのせいで!」
日向雛 :
「え!?だいじょうぶです、わたしのことなら安心してください!」
メアリー :
「何が安心よ……それであなたの心配ごとって……?」いつまで手を握っているんだろう、と雛の手を見つつ尋ねる。
日向雛 :
「鏡を破壊することについてです」 まだ握ったまま
日向雛 :
「もちろん、鏡は壊すべきだと思っています。だけど、実行に移すのは慎重になった方がいいんじゃないでしょうか」
日向雛 :
「鏡を壊したら、中に溜め込んだレネゲイドが溢れ出して大変なことになる、とか……」
日向雛 :
「鏡の使用者である、ストレイさんやフェイルさんに何らかの異常が起きる、とか……」
日向雛 :
「それ以外にも、鏡を壊したら作動する罠のようなものをアベルさんが仕込んでいない、とも言いきれないと思うんです」
メアリー :
「…………なるほど、確かに一理あるわね」
日向雛 :
「ですよね……!」 珍しく素直に同意が得られて嬉しい
日向雛 :
「だから、出来ればわたしはその辺りをちゃんと調べてからの方がいいかな、と思うんです」
日向雛 :
「そうなると、また別の手間が色々かかっちゃうことにはなるとは思うんですけれど……どうでしょう?」
メアリー :
「そうねえ、とはいえ制作者に鏡の壊し方を聞く訳にもいかない……」
メアリー :
「となると、フェイルに聞いてみるのが良さそうかしら? あいつも鏡は無い方が良いと思ってるだろうし?」
日向雛 :
「そうですね、アベルさん以外だと一番詳しそうです」
日向雛 :
「もしそれでも分からなかった場合、一旦管理局に預かってもらって……調査が済み次第わたし達で鏡を破壊しに行く、ということになるでしょうか……」
メアリー :
「……いえ、その場合は無理やり破壊する」
日向雛 :
「で、でも、リスクが……」
メアリー :
「管理局だって一人のヴィランの組織、鏡を預けておけるほど信用できる相手じゃないのよ?」
日向雛 :
「それは、そうかもしれませんけれど……」
日向雛 :
「……分かりました。でも、無理矢理は駄目です……。もし鏡を壊そうとして少しでも何か危ないと思ったら……その時は一旦退いてください」
日向雛 :
「商売の利益よりも、何よりも……人の命が一番大事ですよ」 メアリーの手を心配そうににぎにぎしてる
メアリー :
「はいはい。ご忠告、痛み入るわ」
メアリー :
「……それはいいけど、あなたね」
メアリー :
「いつまで、私と手を握ってるつもり?」笑顔だが怒っているのが伝わる。
日向雛 :
「え!?だって契約書替わりなんですし、ちゃんと握っておいた方が良いと思って……!」 あまり怒ってることが伝わっていないのか、にぎにぎふにふにしまくって
日向雛 :
「……あ!メアリーさん、よく見たら指細いし爪も綺麗ですね~。素敵ですっ」 メアリーの手を触りながら眺めて
メアリー :
「…………ああ、うるさいバカっ! もう握手は結構よ!!」もういい加減、この状況が照れ臭かったのか、頬を染めながら雛の元から離れる。
日向雛 :
「えぇ!?ど、どうして怒ってるんです……!?」
メアリー :
「知らないわよ! 鏡を壊すリスクを進言した時は少し見直したのに、やっぱりバカねあなた!!」
日向雛 :
「か、賢いとは言えないかもしれませんけど、そんなバカじゃないですよ~……」
メアリー :
「どのあたりが?」
日向雛 :
「うーん……どのあたりでしょう?メアリーさんはどう思います?」 首を傾げる
メアリー :
「……そんなことを私に聞くあたり、答えは出ていると思うけれど」
メアリー :
「まあ、良いわ。あなたに対する、私の正直な評価を伝えておく」
日向雛 :
「どうぞ!」
メアリー :
「最初に会った時『"ヒヨコ"って名前がピッタリ』って私が言ったコト、あなたは覚えている?」
日向雛 :
「……言ってましたっけ?」 呟くように言っていたのでちゃんと聞こえていなかった
メアリー :
「聞こえてなかったの?」
メアリー :
「……まあ、ともかく当時の私は、そう思っていた」
メアリー :
「けど、今は違う」
メアリー :
「────あなた、"ダチョウ"の方がピッタリだわ」
メアリー :
「やたらと図体がデカくて頑丈なバカ、そうでしょう?」
日向雛 :
「そ、そんな……!!」
日向雛 :
「ダチョウのことを悪く言わないであげてください!!」
メアリー :
「……そっちを庇うあたり、本当にダチョウねあなた」
日向雛 :
「そうです?ダチョウが嫌いなわけじゃないのでそう言われても構いませんけれど……」
日向雛 :
「でも、ダチョウもダチョウなりに色々考えているはずですよ~。だからバカなんてひどいこと言っちゃダメですっ」
メアリー :
「いろいろ考えてないからダチョウなの」酷い
日向雛 :
「うぅ、ダチョウに何の恨みが……」
メアリー :
「……けど、それでも良いの」
日向雛 :
「あれ、良いんです……?」
メアリー :
「ええ」
メアリー :
「"愛らしいだけの雛鳥"でも"仲間はずれの白鳥"でもない」
メアリー :
「……"頭の悪いダチョウ"の方が、良いわ」
日向雛 :
「…………」
日向雛 :
「もしかして結局、バカだって言ってません……?」
メアリー :
「ふふ、ダチョウのくせに良く分かったわね?」楽しそうに笑う
日向雛 :
「も、もお~……!メアリーさん~……!」
メアリー :
「ふぁ……、契約成立して気が抜けたら眠くなってきたわね……」雛ちゃんの抗議をかるく受け流し、口元を抑えて欠伸する。
メアリー :
「普段なら、もう眠っている時間だし……少し横になろうかしら……」瞼を擦って
日向雛 :
「あ……横になります?」 そう言うと、嬉しそうに椅子に座って
日向雛 :
「はい!ではどうぞ!」 自分の太ももとぽんぽんと軽く叩く
メアリー :
「……え、何それ?」どういうつもりと首を傾げる。
日向雛 :
「膝枕ですよ?」
メアリー :
「膝枕ぁ……? そういえば、さっきもそんなコト言ってたわね……?」ひとまず雛ちゃんの隣に座る。
日向雛 :
「もしかして、知りませんか?膝枕……フェイルさんもあまり分かっていないようでしたけれど……」 隣に座ったメアリーを覗き込んで見て
メアリー :
「いえ、知ってはいるわよ……? けど、それって好きな相手とかにするモノでしょう……?」
メアリー :
「どうして私に……」
日向雛 :
「え?わたしはメアリーさんのこと、好きですけれど……?」 不思議そうに
メアリー :
「……は、はあ!? いきなり何を言い出すのよあなた!?」
日向雛 :
「何をと言われても……。あ、そっか、メアリーさんはわたしのことがお嫌いなんでしたね」
日向雛 :
「でも、わたしはメアリーさんのこと好きですよ!歳も近そうだし、お友達だと思ってますから!」 笑顔で握り拳を作る
メアリー :
「お友達……ああ、お友達ね……」勘違いしてたコトに気付いて脱力して
日向雛 :
「はい!……あら、どうしました?もしかして、ダメでしたか?」
メアリー :
「……まず一つ目、私とあなたは契約での協力関係にあるだけで、友情ごっこするような友達じゃない」
メアリー :
「……それから二つ目、多分だけれど、膝枕は友達にはやらない」
日向雛 :
「え……?そんなことありませんよ!」
日向雛 :
「わたし、友達に膝枕したことありますから!」 ほわんほわん、ジャスティティ~
メアリー :
「……………………」
メアリー :
「ソレは……、なんていうか、流石はダチョウね……」
メアリー :
「────それはさておき三つ目、あなたは元々、私を呼びに来たんじゃなかった? ゆっくり眠らせるようなコトして良いの?」
日向雛 :
「うーん、確かに呼びに来たんですけれど……」
日向雛 :
「どっちかというと、メアリーさんのことが心配だったからなんです。きっと、怪我が治ってないと思って……」
日向雛 :
「もしかしたら、だからお電話で済ませようと思わなかったのかも……」
メアリー :
「…………つくづく変なヤツ」
日向雛 :
「よく言われちゃいます。自分ではそうは思わないんですけどね~」
メアリー :
「そういうのが一番、タチが悪いわ」
日向雛 :
「そうですかね……?」
日向雛 :
「まあとにかく、どうぞっ」 また自分の太ももを触って
メアリー :
「三つも問題を指摘されたのに、まだ膝枕するつもりなのね……」眠たそうな声で
日向雛 :
「その問題は全然問題ないことですし……!」
日向雛 :
「あの、それに……実は、わたしの回復って相手に触れていた方が効果が良かったりするんです」
日向雛 :
「いつもは恥ずかしがられたり、この前は一気に回復しなくちゃいけなかったから触れていませんでしたけれどね」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「……………………」
メアリー :
「…………どのみち、あなたが隣にいたら横になれないし、」
メアリー :
「ふぁ……効率よく回復する為なら、仕方ない……仕方ないわね……」眠気のせいで蕩けた口でしぶしぶ納得する
日向雛 :
「そうそう、しかたないんです……!」
日向雛 :
「ではどうぞ!」 両手を広げて
メアリー :
「…………」納得はしたが、それでも素直に、とはいかず。
メアリー :
「……………………」おずおずと、ゆっくりと、人馴れしていない猫のように、メアは自分の身体を雛に預けた。
日向雛 :
「あらあら……」 その様子を見て少し微笑ましそうに
日向雛 :
「どうですか~?わたしの膝枕の寝心地は」
メアリー :
「この木製の椅子より……、多少はマシかしらね……」
日向雛 :
「え~?そうですか?」 メアリーの髪に触れ、優しく撫でる
メアリー :
「ん……本当にちょっとだけ……ね…………」
メアリー :
雛に撫でられて安心したのか、既に重くなっていたメアの瞼はすぐに閉じていき……
メアリー :
「すぅ……すぅ……」やがて穏やかな寝息を立てはじめた。最初はあんなに膝枕を渋っていたのに、眠りにつくのはあっという間だ。
日向雛 :
「……もう眠っちゃった」
日向雛 :
「じゃあ、今の内に……起こさないように、ゆっくりやっちゃいましょう」
日向雛 :
《アスクレピオスの杖》をメアリーに使用します。
日向雛 :
5d10+10 回復量(5D10+10) > 30[7,4,5,7,7]+10 > 40
日向雛 :
凄い回復した!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 108 → 110
メアリー :
雛ちゃんの膝枕の力で全回復メア!
system :
[ メアリー ] HP : 4 → 33
日向雛 :
「…………」
日向雛 :
瞳を閉じ、集中する。
日向雛 :
髪を撫でる手の先から、直接彼女のレネゲイドに命令を送る。
日向雛 :
メアリーが起きないように、静かに優しく。それは命令というよりも、語り掛けることに近かった。
日向雛 :
穏やかな寝息に合わせるようにして、メアリーの傷がゆっくりと治っていく……。
日向雛 :
「メアリーさん……」
日向雛 :
自分の膝の上で静かに眠る少女を見下ろしながら、その名前を呼ぶ。
日向雛 :
こうして無防備な姿を見ると、彼女はただの女の子にしか見えない。
日向雛 :
社長でもヴィランでもなく、どこにでもいるようないたって普通の子供だ。
日向雛 :
そんな彼女は、普段は周囲を警戒して決して心を許さず、強いヴィランの姿を取り繕って生きている。
日向雛 :
そうしなければならない、この街ではそれが当然だと、彼女は言っていた。
日向雛 :
「そんなの……」
日向雛 :
「そんなの、本当は間違ってる……」
日向雛 :
ふと、日本にいた頃のことを思い出す。
日向雛 :
自分はUGNチルドレンでジャーム処理班のメンバーという、少し特殊な立場にいた人間だが……。
日向雛 :
あの国では、普通に暮らす人々の方が圧倒的に多数派だ。
日向雛 :
十代の子供は学校に通って、勉強をして、友達と仲良く遊ぶ。それが普通で、日常だ。
日向雛 :
だけど、この悪の街にそんな穏やかな日常なんて無い。メアリーのように自分の身は自分で守りながら、必死に生きていくしかない。
日向雛 :
それがこの街の普通。この街で生きる者にとっての日常。
日向雛 :
……だけど、日向雛はそんな風には割り切れない。
日向雛 :
優しいことが、弱いことが、罪だというのなら。
日向雛 :
本当の自分のままで生きることで、誰かが悪意を持って傷付けてくるというのなら。
日向雛 :
「あなたは、わたしが守るわ」
日向雛 :
「わたしにとってはもう、あなたも大事な友達なんだから……」
日向雛 :
────そう、神に誓うように……自分に誓った。
日向雛 :
メアリーのロイス感情を〇誠意/劣等感から、〇庇護/不安に変更します。
メアリー :
同様に、雛ちゃんのロイスを憧憬/不信のN表から信頼/食傷のP表に変更!
メアリー :
更に雛ちゃんのロイスをSロイスに指定しますよ!!
メアリー :
素直じゃないので口では色々と言っているけど、雛ちゃんのコトはサラーブで唯一信頼できると思ったメアです!!
日向雛 :
め、めちゃくちゃ嬉しいが……!?
メアリー :
P信頼が重い女、メア
日向雛 :
重すぎる、ヨシ!PLの気持ちとしてはわたしもメアリーちゃんにSロイス取りたいくらいではあるけど、まだジャスちゃんのことがどうなるか分からないし…保留で…っ!
メアリー :
ちぇいちぇい! それからイクサさんのロイスを有為/脅威のN表から感服/脅威のN表に変更しますよ!
メアリー :
付き合い方によって利益になると思ってたけど、手を結ぶ余地などないドス黒い邪悪だという認知の切り替え!!
日向雛 :
N同士なので両想いですね…
日向雛 :
わたしはイクサさんのロイス、〇好意/脅威→〇好意/不信感に変えておきます。
マヤ :
「――ただいま~、ってもう寝てるか…?」子供達は恐らく寝ていると考えたのか、彼にしては控えめの声量で声を掛けつつ割り当てられた部屋の扉を開ける。
ストレイ :
ストレイはソファでこっくりこっくりと船を漕いでいる。子供が起きているには酷な時間だ。
"異なる隣人"フェイル :
「よう、随分と話し込んでたみたいだな」 一方のフェイルは床に寝そべって、備え付けの雑誌を流し読みしていた
マヤ :
「あーあ…ベッド使って寝ていいって言ったのに。」気が抜けたように若干肩を落とすと上着を椅子にかけてソファへ近寄る
マヤ :
「まー…ちょっとな?ストレイ、首痛めるぞ~」フェイルの問いかけに少し困りつつ、ほどほどに返事を流すとストレイをベッドへ移動させようとしている
ストレイ :
「ん、んん……まやぁ……? おかえ……ふぁ……」大きな欠伸をして、まだ重い瞼をぱちぱちとさせる
マヤ :
「はいはいただいま。ほら、寝るならベッドで寝ろよ。…んでお前はこっちで本読め。」
寝ぼけている様子のストレイを抱え上げると、フェイルにはソファへ行くように指示する
"異なる隣人"フェイル :
「あぁん? 私がどこで読もうが自由だろうが」 だるそうにマヤへ顔を向けて
ストレイ :
「……マヤも、寝る?」 眠気に囚われた瞳を向けながら
マヤ :
「あ~…うーん、俺は……、まだいっかな。」
マヤ :
「…眠くないし。」
これは嘘だ。眠気など吹き飛んでしまった…今までは睡眠によって記憶データを失うことなど気にしたこともなかったが。今はなるべく記憶を維持したい気持ちが強いらしい。
ストレイ :
「……何か、あった?」 人の顔を伺うことが癖なのか、あなたの不安そうな雰囲気を感じ取る
マヤ :
「え?なんで?」 若干ギクリとするが、表情は見えないため普段通りに見えるだろう。努めていつもの調子のまま
ストレイ :
「そんな風に、見えたから……」
ストレイ :
「勘違いだったら、ごめんね……?」
"異なる隣人"フェイル :
「……話したいことがあんなら話しとけよ、この都市じゃいつ死ぬかわからねぇらしいじゃねぇか」 どこかの国が出した本に載っているサラーブの項を読みながら
マヤ :
「…"いつ死ぬかわからない"、ねぇ。」フェイルの言葉を自嘲するように反芻する。
マヤ :
「……ま、他人の事よく見てるお前に隠し事は無理か。」ストレイに向き直るとあっけらかんとした調子で
マヤ :
「ストレイ。そのまま聞いててイイぞ、寝てもいいし…ちょ~っと難しい話だからな?」
ストレイ :
「うん……」
マヤ :
「俺がお前と同じ…あーもう同じじゃないのか… ま、記憶抜けることは知ってるよな?」
ストレイ :
「そうだね……マヤも、大変そうだなって……」月並みな返事だが、ストレイは本気で心配しているのだろう
マヤ :
「…もし…もしもの話だけどさ…あー、これは別に確定じゃないからな? 」自分に言い聞かせるように言い淀むと次の言葉を考えるように一呼吸おく
マヤ :
「俺がお前のコト忘れちまったら、どう思う…?」
ストレイ :
「それは……」
ストレイ :
「私は、悲しくなると思う……いっぱい……」
マヤ :
「…そっか、そうだよなぁ。」どうしても、故障のない替えの義体のことが脳裏をよぎってしまう
マヤ :
「…それは俺も嫌だ。」きっと"その時"はそんな気持ちすら覚えていないのだろう
"異なる隣人"フェイル :
「……湿っぽいとこ悪ぃけど、そろそろ寝たらどうだ?」 読んでいた本を枕にしている
"異なる隣人"フェイル :
「寝不足でアベルの野郎に挑みたいってんなら、別に私は止めはしねぇけど……」
"異なる隣人"フェイル :
「てか、眠れんのか。その身体で」
マヤ :
「えっ寝れるけど、一応…… 寝てんのかアレって…?」あまり自信がないようでストレイに確認をとる
ストレイ :
「え、え~……たぶん、寝てる……?」 機械的にスリープ(休止)状態なのかな?と少し考えて
マヤ :
「…寝てるらしいな。」
マヤ :
「気になんなら確認してみる?お前ちっちゃいしこのベッドまだ余裕あるぜ?」ストレイが広々と寝ているベッドを指差して
ストレイ :
「ど、どうぞどうぞ……」 もぞもぞと端っこに移動してスペースを開ける
マヤ :
「そんな隅っこいく?ま、いっか…じゃ俺真ん中~」グローブ等の邪魔な装備を外すと少し悩んでからストレイの隣に
ストレイ :
「ん、他の人と並んでるのって……初めてかも……」 若干狭いながらも、少し楽しそうに笑って
マヤ :
「そういや俺も初めてだな… おーい、お前が声かけたんだから床で寝てないでベッド使えよ。」ストレイの言葉につられて呟くと床に転がっているフェイルへ手招きする
"異なる隣人"フェイル :
「あ゛ぁん? なんだってテメェらと仲良しこよししなきゃなんねぇんだよ」 反抗的な態度で、ブランケットを纏っている
マヤ :
「えー反抗期?オニイチャン悲しい~…、ストレイも妹…あー、お姉ちゃん?が床で寝てたら気になるよな?」枕の上で頬杖をつきながら
"異なる隣人"フェイル :
「誰が兄貴だコラ!」
ストレイ :
「ふ、フェイルも一緒に寝よ~……」 おずおずと顔を出して
マヤ :
「だってさ。フェイル~…」若干ストレイと同じトーンで呼ぶ
"異なる隣人"フェイル :
「おまえの頼みでもなぁ、そんな簡単に……」 ちょっと揺らぐ
マヤ :
揺らいでる様子に気付くと小声で(もうひと押し、ガンバレ!)とストレイへ伝える
ストレイ :
「(も、もう一押し……!? え、えーっと……)」小声
ストレイ :
「フェ……」
ストレイ :
「フェイルお姉ちゃ~ん……?」 消え入りそうな声で、そうフェイルを呼ぶ
"異なる隣人"フェイル :
「がっ……」 ビシッ 思わず身体が固まる
マヤ :
「呼んでるぜ~お姉ちゃん?」駄々を捏ねる妹をあやすような声色で、更にひと押し
"異なる隣人"フェイル :
「ぐ、ぐ……」
"異なる隣人"フェイル :
「こ……後悔すんじゃねぇぞ!!」
"異なる隣人"フェイル :
フェイルはそのままベッドに大きくダイブして、その衝撃でベッドが大きく跳ねた
マヤ :
「…、ぐえっ!」少し布団から身を起こすと豪快なダイブがストレイへ当たらないようフェイルをキャッチする
マヤ :
「…ハハ、うちの妹豪快すぎるだろ…!」心底おかしそうに子供のような素直な笑い声をあげると、ストレイと反対側へ抱えていたフェイルを寝かせる
"異なる隣人"フェイル :
「妹になった覚えはねぇっつってんだろ! フンッ!」 マヤに背中を向けてふて寝の体勢
ストレイ :
「……本当に嫌がってるワケじゃなさそう、だね」 小声で呟いて
マヤ :
GM!電気≪セキュリティカット≫で消していい?
GM :
いいよ!
マヤ :
「…素直じゃねぇな。」ストレイの言葉に頷いて小声で返す
マヤ :
「…じゃー電気消すからな~、明日他の部屋の奴に怒られたらお前らも知らん振りしろよ?」
若干枕元を探すが、電気のスイッチが遠くに置かれている事に気付くと≪セキュリティカット≫を使用して部屋の電気を暗くする
マヤ :
「んー、このぐらい…?」明かりを薄暗い程度に調整しながら
"異なる隣人"フェイル :
「全部消せよ~……」 頭から布団を被って
ストレイ :
「わ、私は大丈夫だよ……」
マヤ :
「あー、お前もしかして真っ暗派?ストレイは暗くてイイ?」
"異なる隣人"フェイル :
「暗い方が眠りやすいだろ……」布団の中から籠った声が聞こえる
ストレイ :
「うん、どっちでも寝られるよ」
マヤ :
「オッケ~♪ その方が調整しやすくて助かるわ。」パチンと指を鳴らすと電気は完全に消え、部屋が真っ暗になる
ストレイ :
「じゃ、じゃあ……おやすみなさい……」 マヤに寄り添って、目を瞑る
"異なる隣人"フェイル :
「ん~……」 ぶっきらぼうに返して
マヤ :
「はいはい、おやすみストレイ~…フェイルもな。」布団を被り直し、寄り添ってきたストレイの頭を撫でると。反対隣…フェイルが潜っているであろう布団を上からポンポンと
マヤ :
(……子供ってあったけぇのな。)
暗い天井を見上げながら、おそらく初めて他人と川の字で寝るということに気付く
マヤ :
記憶がなくともそれは感覚でわかること、このサラーブで…一人の傭兵が家族や兄弟と並んで寝るなんて平穏はきっと少ないだろう。
マヤ :
(…記憶喪失とか気にしたことなかったけど…、こういうのも忘れんのか ヤだな。)
暖かい布団と子供の体温で微睡む意識の中、ぼんやりとそんなことを考える
マヤ :
(……俺以外の俺がこんな楽しい思いすんの気に食わねぇなぁ…)
次いで義体を変えるか否か、自分ではない完璧な己に人生を任せることを考えるが、もやもやとした気持ちが沸いてくる
マヤ :
(やっぱ俺、今の俺がいいや…)
そんなことを考えながら、意識の電源は落ちた。
マヤ :
ロイス変更・取得します!
・ロイス変更
ストレイ→安心/忘却 P
イクサ・スミェールチ→転生/困惑 N
日向雛→善人/食傷 P
・ロイス取得
フェイル→期待/忘却 P
system :
[ マヤ ] ロイス : 5 → 6
GM :
はーい、了解しました!
GM :
みんなやることは終わったね!ロイスの取得・感情変更とアイテム調達ができるよ!
GM :
実質的に最後の調達になるし、Sロイス指定もそろそろ考えて置いた方がいい……と進言!
イクサ :
マヤへのロイスを誠意/憤懣のNへ!
雛ちゃんSロイスにしておこう
雛ちゃんのNも嫌悪のほうがそれっぽいのでそちらへ
日向雛 :
わぁい!?表NでSロイス、初めて見るよ
ヴァニタス :
アベルに取るか
連帯感/✓脅威 で
GM :
オゥケェイ
system :
[ ヴァニタス ] ロイス : 5 → 6
ヴァニタス :
あとフェイルの感情を ✓友情/隔意 にしてSにしちゃお
GM :
フェイル トモダチ ウレシイ
メアリー :
わたしはロイス変更は特になしで、トラックスーツ(IA33頁)を調達するやよ~
GM :
はーい、目標値を宣言して振ってって!
メアリー :
5dx+2 目標22(5DX10+2) > 10[1,5,7,9,10]+7[7]+2 > 19
メアリー :
お、惜しすぎるが!?
GM :
頑張った……!
日向雛 :
わたしもロイス整理はまだなしで、ダメで元々人生はギャンブルぞいの精神でトラックスーツいきます
GM :
どうぞ!
日向雛 :
4dx(4DX10) > 9[1,4,8,9] > 9
日向雛 :
でぇはははは!!全然足らんぞい!!
GM :
財布に80円しかなくてもうだめぽだった
メアリー :
ふん、貧乏人が(自分のために頑張ってくれたのにひどい)
日向雛 :
ジュースかってんじゃねーよ!以上です
イクサ :
リアクティブアーマー狙ってみよう!
GM :
ほい!宣言して振ってって!
イクサ :
11dx+11>=24(11DX10+11>=24) > 9[1,1,2,4,5,5,6,7,8,8,9]+11 > 20 > 失敗
GM :
惜しい!財産点はどうするかい?
イクサ :
4点出してやる!
GM :
まいどっ!
system :
[ イクサ ] 財産点 : 8 → 4
GM :
ではイクサママはリアクティブアーマーを手に入れた。
イクサ :
メンテの時にマヤくんを補強した体でマヤくんに渡す!
IA35p掲載!
補助防具なのでBTCスーツと併用可能!
行動値ちょっと下がるけど、イクサさんの切り札での生存率を向上させておきたい
マヤ :
補強されとる!ありがと!
マヤ :
ロイス整理はなしで、照準器調達します~
GM :
どうぞどうぞ、振っていってクダサーイ
マヤ :
4dx+1 目標値15(4DX10+1) > 8[3,5,5,8]+1 > 9
GM :
ざ、残念……!財産点を全部使っても駄目そうじゃ
マヤ :
足りなさそう!残念!
イクサ :
リアクティブアーマー、マヤくんの装備が埋まってたので雛ちゃんに横流しします!
たぶんマヤくんに嫌がられたに違いない
日向雛 :
横流しされました!何も知らない雛はイクサさんへの好感度をさらに上げつつ装備し、行動値を-2してターンエンド
マヤ :
ヤダー!(不信感)
GM :
ではシーンエンドです!
Scene12 鏡面に映るもの
GM :
登場PCは全員です!登場侵蝕をどうぞ
マヤ :
1d10+123(1D10+123) > 5[5]+123 > 128
ヴァニタス :
1d10+115(1D10+115) > 3[3]+115 > 118
日向雛 :
1d10+110(1D10+110) > 1[1]+110 > 111
メアリー :
1d10+102(1D10+102) > 9[9]+102 > 111
イクサ :
1d10+86(1D10+86) > 2[2]+86 > 88
メアリー :
ま、また侵蝕一緒!?!?
日向雛 :
わあ、よくおそろいになりますね~
GM :
ピッタリ賞すぎて草だよ
メアリー :
もう同じすぎて怖いよ! でも雛ちゃんの登場侵蝕が1は素直に喜ばしいね!!
日向雛 :
それな!
GM :
これから過酷になるかもしれんのでね、ではマジ軽めの描写を流していく
GM :
あなた達は身体を休め、あるいは装備の整えて夜を明かした。
セーフハウスの外はいつものように太陽が煌々と輝き、文字通り肌を焼く直射日光がサラーブへと降り注いでていた……。
GM :
そんな中で、あなた達はアベルを捕える為の作戦立案の体で再びセーフハウスに集ったのであった。
日向雛 :
「……じゃあ、いよいよアベルさんにお電話かけるんです?」 おにぎりを片手に
ヴァニタス :
「そ~なるのかな?なんて言うの?」
もちゃもちゃ
メアリー :
「ヤツから受けていた依頼は『鏡とフェイルの受け渡し』、その待ちあわせをセッティングするつもりよ」大事な大事な鏡のために、来ない訳にはいかないでしょう、と簡単に説明する。
イクサ :
「となれば、電話役はメアリー社長ね。お手並み拝見させて頂こうかしら。」
メアリー :
「……ええ、任せてちょうだい」
マヤ :
「…もうちょっと捕まった~感出した方がいいんじゃね?」ソファで昼食をとっているフェイルに
"異なる隣人"フェイル :
「今はその必要ねぇだろーが」 頬杖をついてどこからか買って来たホットサンドに齧りついている
日向雛 :
「ここにアベルさんが監視カメラでも仕掛けているとかでなければ……って、もしそれだともう作戦も筒抜けですもんね。始まるまではゆっくりしておきましょう~」
メアリー :
「……いえ、私はマヤの言うコトに賛成ね」
メアリー :
「論より証拠、って言うけれど、まず"現物"を見せた方が信用を得られるってものじゃない?」
日向雛 :
「もしかして、テレビお電話するんです?」
メアリー :
「そういうコト、ヒヨコのくせに察しがいいわね」
日向雛 :
「いやぁ……えへへ……」 照れ笑い
メアリー :
「別に褒めてないわよ」
ヴァニタス :
「そしたら引っ込んでた方が良いかな?」
メアリー :
「そうねえ……、あなたたち全員を出し抜いて、私が一人で鏡を手に入れた、っていうのは少し説得力に欠けるから……、あなたたちの内、誰か一人は私についていた方が良いかもしれない……」
マヤ :
「とりま、一旦コイツ縛っとく?」ジャケットの内ポケットからしっかりした紐を取り出す
日向雛 :
「痛くならないように縛ってあげてくださいね~」
イクサ :
「………あら。」
手錠を《万能器具》で組み上げていたところに、マヤに先手を取られ、そっと手錠をしまう。
"異なる隣人"フェイル :
「ったく、しょうがねぇな……演技には期待すんなよ……」口に残りのホットサンドを放り込んで、両手を差し出す
マヤ :
「いつも通りで良いだろ、拗ねてる方がリアルだしな。」慣れた様子でフェイルにくるくると紐を巻き付け椅子に固定する
イクサ :
「それで? メアリー監督さんは役者に誰を選ぶのかしら?」
これから始まる茶番を冷やかすように微笑みながら問う。
メアリー :
「まずイクサは落選ね、演技は上手でしょうけど私に協力するハズないから」
日向雛 :
「そんな風に言わなくても……」 困ったように笑う
イクサ :
「あら。協力しないつもりなら、皆が寝ている間にセーフハウスへ爆弾を撃ち込んでいるけれど?」
そんなわけないでしょう、と。
メアリー :
「ハ、爆弾程度で何とかなるほど甘い面子じゃないからでしょう」
メアリー :
「まあ、ともかく求められるキャストは……演技が上手で、アベル側についても自然な人物……」まわりのメンバーを見回して
日向雛 :
「わたしですかね?」
メアリー :
「は??????」
イクサ :
「はい?」
"異なる隣人"フェイル :
「ねぇわ、お前の事よく知らないけど、それだけはねぇってわかるわ」
日向雛 :
「あれ、そうです……?」
メアリー :
「……マヤ、ロープもう一本ない? そいつも縛って、そこらに転がしといて」
日向雛 :
「なんでですか!」
イクサ :
ぽい、と無言で手錠をメアリーへ投げる。
メアリー :
「え、めちゃめちゃ邪魔になりそうだから」手錠をキャッチして、雛ちゃんの手にかける
日向雛 :
「え~!!!」
イクサ :
「雛さん? 貴女が自己肯定感に満ち溢れているのは良くわかったけれど……。大人しくしておいた方がいい時はあるのよ?」
諭すように
マヤ :
「悪ぃ、紐これしかねぇんだわ。」このコントおもしろ…と思いながら
日向雛 :
「ま、待ってください!何も自己肯定感で言ったわけじゃないんですイクサさん!」
日向雛 :
「とりあえず言い訳を聞いてください!!」 手錠で拘束されながらぴょんぴょん跳ぶ
メアリー :
「ガムテープある?」聞く耳は持っていないようで、そんなことを尋ねる
メアリー :
「……あ、やっぱり良いわ。丁度いいのがあった」ホットサンドの残りを、雛ちゃんの口に突っ込む
マヤ :
懐から取り出しかけたガムテープをしまう。
日向雛 :
「もぐもぐもごご……」 ホットサンド食べてる
"異なる隣人"フェイル :
「あ!私のだぞ!!」 後ろで抗議
ヴァニタス :
「まぁまぁ、一旦何か言いたそうだし聞いたげてもいんじゃn…あら」
ホットサンドがつっこまれたのを見て
日向雛 :
「ごっくん。あのあの、あのですね……!?」 ホットサンドを無理矢理飲み込んで
日向雛 :
「皆さんがどう考えてもないって思ったこと、だから良いと思うんです!」
メアリー :
「……どういうこと?」
日向雛 :
「こいつが人を騙すわけがない……わたしがそう思われているなら、逆に信用度が上がるんじゃないですか?」
メアリー :
「なるほど? でもあなたが私に、いえ、アベルに協力する表向きの動機はどうするつもり?」
日向雛 :
「わたしはアベルさんにメアリーさんの友達だって思ってもらってるじゃないですか~。それで充分じゃないです?」
ヴァニタス :
「どうだろうねぇ、この街にいる物腰柔らかで穏やかなのに生き残ってる子がどこかおかしいっていうのは共通認識だし…」
イクサ :
その損得勘定を無視するのがそもそもおかしいのよ!と言いたくなるのを堪え、冷ややかな目で雛を見る
マヤ :
「友達、ビジネスライクじゃないぶん怪しい。」カタコトで
マヤ :
「ま、仲良しなのはいいことだけどな?」フォローするように
メアリー :
「……別に仲良くもないわよ」
日向雛 :
「いえ、仲良しです!昨日は一緒に寝たんですから!」 強く言う
マヤ :
「…え?そういう御関係…?あら~…」やや気を遣った様子で
ヴァニタス :
「あら、友達どころじゃないじゃない」
手で口を隠して
マヤ :
「…最近の子って進んでるねぇ~」わざとらしくヴァニタスと同じポーズをして隣でひそひそ
イクサ :
「………堂々と宣言するのね……。いえ、そういう関係であることに私は忌避感はないけれど……」
日向雛 :
「膝枕して、よしよししながら寝かしつけてあげたんですから!!」
メアリー :
「~~~~っ!? い、いきなり何を言いだしてんのよあんた!?!?」
日向雛 :
「事実じゃないですか~。とにかく仲良しですよ、わたし達は!」
イクサ :
「ふっ、あははっ、それだけ?」
「メアリー社長もただの膝枕に狼狽を?」
「(こいつらといると、本当に自分さえ汚染されていそうで……。不快だわ。)」
メアリー :
「……こ、こいつはウソをついてるわ、ただ回復する為の行為を、膝枕とか勝手に抜かしてるだけのコトよ」
日向雛 :
「回復したのはそうですけど、膝枕したまま寝たのは嘘じゃないのに……」
ヴァニタス :
「なぁんだ、別に同衾した訳じゃ無いのね。……で、ええと、どうするの?」
メアと雛を交互に見よう
メアリー :
「そんなはずがないでしょう……あ~、え~……まずヴァニタス、ひとまず鏡を預からせてもらえるかしら……?」
ヴァニタス :
「ああ、見せなきゃだものね?はいは~い」
カショ、と腰部のパーツが開き、そこから緩衝材でまかれた鏡が出てくる
メアリー :
「ええ、イクサの力でレプリカを作る、って手も考えたけど、制作者本人に見せるには不安が残るからね」鏡を受け取り、剥き身の状態にする。
日向雛 :
「普通に見抜いちゃいそうですもんね……」
イクサ :
「そもそも、今の場面にプロップを使う意味も薄いでしょう。画面越しにただ見せるだけですから。」
マヤ :
「…そうだな、製作者には分かるもんだろ こういうのって。」一瞬、イクサに視線を向けるがすぐ視線を戻して
メアリー :
「……それから、最も重要な劇団サラーブのキャストについて」
メアリー :
「あなたが適任だと思うわ、マヤ」
マヤ :
「……え、俺?」名前を呼ばれ、一瞬周りのメンバーをキョロキョロと見まわした後に自分を指差す
日向雛 :
「わたしじゃないんですか!?」
イクサ :
「結局、私でもないのね?」
メアリー :
「あなたのハズはないでしょう!? さっきの私のリアクション、もう忘れちゃったの? それともマヤの物忘れがうつった?」
日向雛 :
「さっきのリアクション……あ、なんだかメアリーさん照れていてかわいかったですよね~」
メアリー :
「こ、この女……」
マヤ :
「やっぱガムテ使う?」もう一度ガムテープを懐から
メアリー :
「……はあ、良いわ、それより先に配役の話をしましょう」
メアリー :
「まず私がマヤを選んだ理由は、この中で唯一"アベルに協力する動機"があるからよ」
日向雛 :
「ありましたっけ……?」
マヤ :
「動機…うーん?そうだっけ?」あまり思い当たらない様子で
メアリー :
「あなたはストレイに入れ込んでるでしょう? そのストレイは誰のモノだったかしら?」
マヤ :
「…ああ、そういやそうだったっけ。俺って入れ込んでるの?」うっすら思い出せるデータ、思い出したようにひとさし指を立てる
メアリー :
「……どう思う?」肩を竦めて、まわりのメンバーに客観的意見を求める
日向雛 :
「仲良しさん……だと思いますし、そこを逆に聞いちゃうのはちょっとだけストレイさんがかわいそうじゃないでしょうか~……」 少し困ったように
イクサ :
「そうね、かなり入れ込んでると思うわ。まさか、もう忘れちゃったの?」
ついでとばかりにマヤの記憶能力に対するコンプレックスを的確に抉る。
ストレイ :
ぎょっとした顔でマヤを見つめて
マヤ :
「ん~…?まぁ、保護対象だから…大事なのはそうだけど……。ああ、そういや俺…コイツの好きな食べ物とか好きな本は今も覚えてるな、昨日何話したかも… あれ…?これが"入れ込んでる"ってヤツなのか?!」暫く考えこんで何やら呟いていたが今更気付いたように皆へ振り返る
メアリー :
「……感情を手に入れたロボットみたいな事を言いだしたわね」
イクサ :
「ええ、ちゃんと理解しているみたいね。私の提案も覚えてくれているわよね?」
マヤ :
「………。」イクサの言葉に若干肩を落とすと、どこかの機能がシャットダウンしたようなキューン…というシステム音が鳴る
マヤ :
「……ま、まぁ……大事だな、確かに!」俺、今までそういう奴いなかったし~と話を逸らしながら
マヤ :
「何かいい案あるのか?」ストレイをチラっと見てからメアリーへ向き直る
イクサ :
マヤの反応を見て、目を細める。
忘れているわけではなさそうなので、この場では何も言わないことにしたようだ。
ヴァニタス :
「いいんじゃないかしら、この街の…傭兵?なら、利さえあればどっちに転んでても何にも不思議じゃないし」
横からマヤが出ることに賛成する
メアリー :
「そうねえ、傭兵としての利で説得できるのなら、それでも結構」
メアリー :
「大事な大事なストレイの為の行動ってコトでも、アベルに協力しても違和感はないでしょう」
メアリー :
「好きだとか嫌いだとか、ヒトの感情は時に、何より優先されるものね」
日向雛 :
「うーん、それはそうかもしれませんね~……」
メアリー :
「ちなみに私はあなたが嫌いよ」
日向雛 :
「えぇぇ……!!」
日向雛 :
「一緒に寝た仲じゃないですか!!」
メアリー :
「その言い方、本当にやめなさい!!!!!!!!!!」
日向雛 :
「わっ……!今までで一番大きな声ですね……!?」
ヴァニタス :
「(あれで分かってて言ってるんじゃないんだ…)」
マヤ :
「(相当一緒に寝たの嬉しかったんだなぁ…)」ナチュラルに自分の事は棚にあげて
メアリー :
「……はあ、ともかく、今回の私の相方はマヤで決定」
メアリー :
「ヒヨコは最初から選外だったってコトで落着よ」
日向雛 :
「分かりました……次回の相方になれるようにがんばります……」 ちょっとしょんぼりして
メアリー :
「…………」その様子を見て、何を思ったのか。
メアリー :
「……相手が誰だろうと、ヒトを騙すなんて、あなたに似合わないわ」そんな言葉を漏らす。
日向雛 :
「……!」 メアリーを見て
日向雛 :
「……それは……うん、そうですね……!」 ちょっと嬉しそうに声を弾ませて
日向雛 :
「わたし、演技経験ありませんし!!」
メアリー :
「でしょうねぇ、言われなくても知ってたわ」
日向雛 :
「そうでしたか~」 くすくす笑って
イクサ :
「…………決まったのなら、そろそろ始めませんか?」
雛とメアリーの善性溢れるやりとりが引き起こす頭痛をこらえるように、指をこめかみに当てる。
日向雛 :
「……イクサさん、どうかしました?」 その様子が気になって
イクサ :
「いいえ? 気圧差かしらね。」
一年中ほぼ同じ気候のサラーブではそんなモノはない。
日向雛 :
「気圧差……?わたしにはあまり分かりませんでしたけど、もし酷くなったら言ってくださいね……!」
イクサ :
「…………。貴女、メアリー社長と一夜を共にしておいて、私について何も言われなかったの?」
悪手。だが、あまりにも不可解すぎて聞かずにはいられなかった。
メアリー :
「(一夜を共に、って言い方もやめてくれないかしら……)」
日向雛 :
「イクサさんについて……」 少し考えて
日向雛 :
「確かに言われましたけど……それがどうかしたんですか?」 嘘を吐けないので正直に
イクサ :
「………そう。貴女の考えることは、私にはちっとも理解できないということを理解したわ。」
日向雛 :
「え、えぇ……!?」 他でもないイクサからそう言われてショックを受けて
日向雛 :
「べ、別に普通のことですよ!?他の人に何か聞いたとしても、それは他の人の視点での捉え方ってだけで……自分の目で見たその人が決定的に変わるわけじゃないってだけです!!」
メアリー :
「……はあ、私は自分の目でハッキリ見て、アベルとの通話にあんたを選ばなくて良かったと確信できたわ」予想がついた愚直な言動を鼻で笑って
日向雛 :
「そんなぁ……」
日向雛 :
「……じゃあわたし、もう退散します……。隣のお部屋にいた方がいいですよね?」
メアリー :
「ええ、念の為に言っておくけど、静かにしてなさいよ?」
ヴァニタス :
「じゃぁ移動し~ましょ♪よいしょ~」
くるりと指を振り、縛られたフェイルを移動させたりする
日向雛 :
「あれ、そっちが!?」
"異なる隣人"フェイル :
「うおっ……おい、人質なんだからテイチョーに運べ! てかどこいくんだ!」 どなどなされていく
イクサ :
「そっちが移動してくれるのなら、楽でいいわね。」
「紅茶でも飲みながら待っていましょう。」
マヤ :
「あー…ストレイも連れてった方がいいか?お留守番?」どなどなされてくフェイルを見送りながらメアリーに
メアリー :
「……ストレイは別の部屋で待機してもらいましょう、下手に通話に参加させると、計画をアベルに密告する恐れがあるわ」
マヤ :
「…りょーかい、じゃあお前はここでお留守番、みんなと仲良くな?」率直な意見を述べるメアリーにそれもそうかと笑うと、ストレイを見下ろして
ストレイ :
「う、うん……」 少々疎外感を感じながら、マヤに微笑む
日向雛 :
「こっちの方が人は多いですよ!」 寂しそうなのでよく分からないフォローしてる
マヤ :
「こいつ寂しがりだからな~、よろしくなヒヨコ。」ストレイの表情をみて若干空気をなごませるように軽くおどける
日向雛 :
「はーい」
ストレイ :
「じゃあ、お姉ちゃんたちといっしょにいるね。また、あとで……」手を振って
イクサ :
サモワールと呼ばれる独特の銀ポットと、ティーカップ、ジャム瓶を机の上に広げ始める。
先ほどの雛とのやり取りに疲れたのか、早々にロシアンティーで一服したい気分らしい。
イクサ :
「朗報を待っているわ。」
メアリー :
「……ええ、ゆっくりしているといいわ」大部屋を出て、隣の小部屋に入る
GM :
メアリー、マヤ、そして人質役であるフェイルはセーフハウスの一室へ移動する。
GM :
ここはリビングとはそんなに離れていないはずだが、空室はシンと静まり返っていた。どの部屋も防音施工はきっちりとされているようで、悪党のプライバシーすら守られている安心設計だ。
メアリー :
「……さて、と」後ろ手にドアを閉めて
メアリー :
「ようやく"邪魔者"がいなくなったわ」
マヤ :
「可哀想~…あんなに懐いてんのに。」先程までの様子を思い出しながら軽く笑うとフェイルの拘束(仮)が緩んでいないか再確認する
メアリー :
「……ヒヨコのことじゃない、イクサのことよ」
メアリー :
「フェイル、イクサの前では聞けなかったコトがあるの」
"異なる隣人"フェイル :
「なんだ、いってみろ」 足をぷらぷらさせて
メアリー :
「……単刀直入に『鏡の壊し方』について」
"異なる隣人"フェイル :
「ああ……」 どこか納得したような表情を浮かべる
"異なる隣人"フェイル :
「……そうだな。私の憶測になっちまうが、それでもいいか?」
メアリー :
「ええ、構わないわ、憶測でもないよりマシよ」
"異なる隣人"フェイル :
「……鏡は演算装置みたいなもん、ってアベルから聞いたことがある」記憶を辿るように話し始める
"異なる隣人"フェイル :
「理想の姿と設定をシミュレートして、鏡面に投影……そっから私とストレイがそれを抽出して現実に映す……。これが今の鏡の活用法だ」
"異なる隣人"フェイル :
「んで、シミュレートには使用者のレネゲイドを食う。ただ鏡面を覗くだけなら微量だが、本格的に使うってなるとまあまあ使うもんでな……」
"異なる隣人"フェイル :
「……こっからが本題だ。機械に過剰電力を流すように、鏡に膨大なレネゲイドを流し込んだらどうなると思う?」
マヤ :
「…回路が焼き切れるか、故障するな。」機械側の感想
"異なる隣人"フェイル :
「ああ、私もそう思ってる。だが……」 眉を顰めて
"異なる隣人"フェイル :
「こいつはウロボロスに感染してるだけあって、かなりの貪食だ。フツーのオーヴァードが本気でレネゲイドを流し込んでも餌にしかならねぇだろうよ」
メアリー :
「……なるほど? つまるところ、普通のオーヴァードじゃなければいいのね?」
"異なる隣人"フェイル :
「つまりはそういうこった」 肩を竦めてみせる
メアリー :
「それなら、簡単な話ね」
メアリー :
「────この私なら、この趣味の悪い鏡を壊す程度のコトは楽勝でしょう」
"異なる隣人"フェイル :
「……随分と自信満々だな。ま、全部終わったらどうとでもしてくれ」
メアリー :
「いちおう聞いておいてあげるけど、鏡を壊した場合、ストレイとフェイルに影響は?」
"異なる隣人"フェイル :
「どうだろうな、そこまではわからねぇ……死にはしねぇ、と思いてぇが……」
メアリー :
「ふむ……」
メアリー :
「大本の鏡が存在する限り、あなたとストレイは鏡を求めるヴィラン達に狙われ続ける……けど、鏡を壊したとしても命を落とすかもしれない、ね……」
メアリー :
「まったく大した呪いがかけられたものだわ、あなたたちも」
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、アベルも鏡が使えればそれでいいんだろうよ。死んだとしてもどうとでもなれだ」
"異なる隣人"フェイル :
「……ストレイはどう思うかは別だが」小声で呟く
マヤ :
「……さぁな、それはもう俺にも分からねぇよ。」呟きを聞くと腕を組んでポツリと
メアリー :
「────マヤ、フェイルに聞いたコトから察しはついてると思うけれど、私は鏡を破壊するつもりよ」
メアリー :
「あなたは、どうする?」
メアリー :
「鏡を壊さず、二人がヴィランに狙われ続ける一生を選ぶか」
メアリー :
「鏡を壊して、二人の死のリスクを以て、鏡の呪いを解くか」
マヤ :
ガスマスクの口元へ手を充てて考える、メアリーは鏡を壊すと決めたら妥協はしないだろう
「まぁ~、まずはアベルから鏡のからくりを聞きだすコトだな。…んで、もし鏡を壊してこいつ等が死ぬなら。」
マヤ :
「俺はコイツ等と鏡もって逃げる。…かもな?」
顔が見えるとしたら恐らく悪い笑顔をしているだろう、そんな声色で
メアリー :
「……へえ? やっぱり入れ込んでるじゃない?」
マヤ :
「俺達も”一緒に寝た仲”だし? なー、フェイル?」
メアリー :
え…、まじ…? というような目でフェイルを見る。
"異なる隣人"フェイル :
「"寝てやった"だ、勘違いすんなよ」 ふんっ、とそっぽを向いて
メアリー :
「なるほど…、あなたたち、そういう仲だったのね…」先程されたことの仕返しである
マヤ :
「ちょっと語弊あるな、…ストレイもな?」否定するとみせかけ、指を3本立てるともうひとり追加する
"異なる隣人"フェイル :
フェイルはメアリーの言葉に首を傾げる。寝るという単語に他の意味があることは知らないようだ。
メアリー :
「え、何…? この場でツッコミ出来るのって、私しかいないの…?」
"異なる隣人"フェイル :
「漫才する気はねぇ。おら、さっさと電話をかけたらどうだ」 顎で指図する
メアリー :
「はあ、それもそうね……、聞きたいことも聞いたコトだし……」
メアリー :
「じゃ、掛けるわよ? 準備は良い?」
"異なる隣人"フェイル :
こくりと頷く
マヤ :
「おうよ。」片手でオッケーのポーズをする
GM :
メアリーが電話を掛けた2コール後、通話が繋がる。
アベル :
「もしもし、そろそろだと思っていたよ。メアリーくん」 以前と変わらず、どこか掴めない声色がスピーカーを通して部屋に響いた。
メアリー :
「……あら、そう? ずいぶん高く評価してくれてるのね?」
メアリー :
「最初に聞いた話より、随分とリスクも難易度も高い依頼だった訳だけど」そう不満げに漏らす
アベル :
「申し訳ない限りだ。先日、一区画を吹き飛ばした竜巻も鏡のせいだろう? あそこまで力を引き出せる人間がいたとはね」 ふふ、と微かに笑ってみせる
メアリー :
「……笑い事じゃないわ」
メアリー :
「鏡の持つ力は絶大。先日の事件で、そのコトは都市のヴィラン達にも周知の事実となった」
メアリー :
「この鏡を所有しているってコトは、それだけでサラーブそのものを敵に回す行為に等しい」
メアリー :
「……契約当初に提示した報酬とは、まったく見合っていない仕事よね?」
アベル :
「うん。だからもう少し増やしても良かったんだ。今からでも上乗せはできるよ?」
メアリー :
「ええ。当然、そのつもりよ」
メアリー :
「私を騙して契約を結んだ、そのせいで私は余計なリスクを背負っている……このコトに対する慰謝料も含めて……そうねえ……」
メアリー :
「────前回、提示した額の100倍。用意できるかしら?」
アベル :
「それはそれは……大きく出たね、メアリーくん」それでも声色は変わらない
メアリー :
「ふん、サラーブ全体を敵に回す仕事にしては、良心的すぎると思うけれど?」
アベル :
「それは違うよ、メアリーくん。僕はサラーブを敵に回す気なんて毛頭ない。それだけはわかって欲しいな」
メアリー :
「つもりはない、とか笑わせないでもらえるかしら? 事実、鏡を狙うサラーブのヴィラン達に狙われてるのよ私?」
メアリー :
「殺すつもりはなかった、って弁明する殺人犯達なんかと何が違うっていうの?」
アベル :
「明確に違う。とでも言わせてもらおうかな。僕は人を殺すなら明確な意思を持って殺すさ」
アベル :
「……さて、鏡を所持しているのも苦労しているようだし、早く引き取った方が良さそうだけど……」
アベル :
「フェイルも、そこにいるね?」
メアリー :
「……ええ、依頼どおりに確保した。グリムギアが雇ったヴィラン共を上手く出し抜いて、ね」ビデオ通話に切り替え、鏡とフェイルを映す
"異なる隣人"フェイル :
「…………」 明確な敵意をアベルに向けている
アベル :
「やあフェイル。随分と暴れたようだけど、案外元気そうじゃないか」うんうん、と頷いて
アベル :
「……ストレイはどうしたのかな? そこにいるかい?」 以前、ストレイと一緒にいたマヤを見つけて問いかける
メアリー :
「……いえ。そもそも、ストレイの確保は命じられてないでしょう」
マヤ :
「…んあ?アンタが捕まえて欲しいのは鏡とコイツだったろ、仕事にカンケーないから置いてきたぜ?」フェイルを指差して当たり前のように返答
アベル :
「うん。フェイルがストレイの能力を奪ったままだったら、フェイル1人でも問題なかったんだ。でも、今はそうじゃないだろう?」アベルの目はフェイルを見透かすように見つめる
アベル :
「キミ、ストレイに能力を返しただろう。やっぱり一人で抱えるには荷が重かったかな?」
"異なる隣人"フェイル :
「……へっ、どうだか。なんならここで鏡を使って、また逃げてもいいぜ?」
アベル :
「無理だね。そうやって見栄を張っても無駄だよ。できるならとっくにやっているだろうしね」
アベル :
「……という訳で、ストレイも必要だ。引き渡したくないなら、またフェイルに能力を吸わせてもいいんじゃないかな?」
アベル :
「フェイルがまたそれを許容するかは、知らないけどね」
メアリー :
「……面倒ね、鏡とフェイルを持ち出すだけでも、イクサみたいな奴が狙ってるから大変だったんだけど?」
アベル :
「人目につかない場所なら知っているよ。スクラップヤード近くの廃倉庫、老朽化してるせいで誰も寄り付かない場所さ」
メアリー :
「ああ、あそこね……」
メアリー :
「待ちあわせの場所はいいけど、今はストレイを連れてくるのも大変って話よ……一度はこちらの"裏切り者さん"のおかげで、イクサ達を出し抜けたけど、もう一度は難しいって言ってるの……」実際にはストレイを連れていくコト自体は容易い。が、アベル側につく可能性が高い以上、同行させたくないのが本音だ。裏切りによる作戦失敗のリスクを抱えるコトになる。
アベル :
「僕がそっちに行っても良いんだけど、いやほら、僕ってこれでも追放された身だからさ」冗談めかして
アベル :
「……面白くなかったかな。とりあえず、そこまでの安全なルートは知っているよ。引き渡しに応じてくれるなら、10以上あるルートのデータを送ろう。」
メアリー :
「ええ、ジョークセンスないわよあなた」
メアリー :
「安全なルートを通る、といっても結局、奴等からストレイを連れ去る瞬間は、私達が頑張らなきゃいけない訳でしょう?」
メアリー :
「……当然、追加報酬はあるんでしょうね?」金銭が目当てではないが、今は敢えて欲深い裏切り者を演じる。そうしなければ逆に不自然だろう。
アベル :
「そうだなぁ、さっきの100倍の件……すぐには頷けないけど、前向きに考えても良い。それではダメかな?」
メアリー :
「すぐ頷けないなら、それでも結構」
メアリー :
「こいつは他にもっと高値で買い取ってくれるヴィランに売るわ」鏡をくるくる回して
アベル :
「それは参ったなぁ」頬を掻いて
アベル :
「そうなると、それを買ったヴィランに掛け合わないといけなくなるし……色々と面倒だなぁ……」
アベル :
「……まあ、100倍は良いけどさ。メアリーくんはキャッシュ派だろう? 結構な大荷物になって僕が目立ってしまうよ」
メアリー :
「確か安全なルートなら知ってるんでしょう?」
アベル :
「結構狭いからねぇ……。50倍までは持って行けそうだけど、残りは後払いは駄目かい?」
メアリー :
「…………仕方ないわね、ソレで妥協しましょう」
アベル :
「助かるよ。アタッシュケースとかいるかい?」
メアリー :
「……ええ、こっちも要るかしらアタッシュケース?」フェイルを見て
アベル :
「入れるならせめてキャリーケースかな」
"異なる隣人"フェイル :
「お゛い……」
マヤ :
(誘拐犯みてぇだな…)2人の会話を聞きながら
メアリー :
「……まあ、せいぜい目立たないように運ぶとするわ」
アベル :
「うん、じゃあストレイにも『ちゃんと来るように』と伝えておいてくれ」
アベル :
「じゃ、またあとで。今日は暑いから水分とか用意した方がいいよ」 そう言い残し、アベルは電話を切った
マヤ :
「……。」≪タッピング&オンエア≫で傍受可能な不審な電波がないか確認すると腕を組んだまま小さな声でうーん…と唸る
マヤ :
「…俺、アイツ嫌いだわ。」最後の言葉を思い返しながら呟く
メアリー :
「それについては同感ね、フェイルもそうでしょう?」
"異なる隣人"フェイル :
「あいつの声を聞いてるだけで血管ブチギレそうだったぜ……」
メアリー :
「フ、おかげで、あなたの演技はカンペキだったわフェイル」
メアリー :
「ただ……どうにも引っかかる言動が多かったわね……」
マヤ :
「まだ何か隠してそう…っていうかマジの事話してなさそう。」
"異なる隣人"フェイル :
「ず~っとああいう態度だからな、イラつくのもわかるだろ」
マヤ :
「あ"~…やっぱストレイ連れてかなきゃダメか~… アンタ変装できない?ちょっと髪の色似てるし。」困ったようにガシガシと頭を掻くとダメ元でメアリーを指差す
メアリー :
「ハ、あなたもジョークセンスないわね? ヒヨコと同じで、髪色以外は似ても似つかないわよ?」あいにく私はお人形じゃないの、と笑う
マヤ :
「…だよな、あの様子じゃコピーでも見抜くだろ。」冗談、と笑いながらフェイルを縛っていた紐をほどく
"異なる隣人"フェイル :
「性格も身体もちげぇし、無理無理」縛られていた部分を手で揉んでいる
メアリー :
「バカなコト言ってないで、さっさと合流して報告しましょ」
GM :
アベルとの通話を終えて、3人はリビングに戻って来た。ヒリついた空間から、多少は和やかな空間に出ると緊張も和らいだ……気がする。
日向雛 :
「あ、おかえりなさーい。どうでした?」
ヴァニタス :
「それじゃ、どうなったか聞いちゃいましょ~」
手を合わせ
ストレイ :
「お、おかえり…!」
イクサ :
「おかえりなさい。約束は取り付けられたかしら?」
ロシアンティーのブルーベリージャムの瓶はずいぶんと減っている
マヤ :
「んー…そうだな、説明はシャチョーにお任せしましょ~。」部屋へ入りながら片手に纏めて持っていた紐をくるくると巻くと懐へ仕舞う
メアリー :
「……都合よく使ってくれるわね全く」
マヤ :
「俺の記憶力じゃ説明不安だろ?」軽い調子で笑う
メアリー :
「まったく、そんなに堂々と言えるコト?」
メアリー :
「まあ、良いわ……単刀直入に結論から……」
メアリー :
「────約束は、無事に取りつけられたわ」
日向雛 :
「よかった!騙せちゃったんですね!」
イクサ :
「おめでとう。流石ね。」
ぱちぱち、とわざとらしく拍手をする。
メアリー :
「いえ、それはどうかしら……計画が順調に進むかどうかは正直、微妙なところよ……」
ヴァニタス :
「あら、どうして?」
日向雛 :
「何かあったんです?」
メアリー :
「確信、というほどではないのだけど……」
メアリー :
「アベルは私達の動向について、全て知っている……」
メアリー :
「とまでは行かなくても、何か掴んでいるのかも、そう思わせるような言動が散見されたのよ……」
イクサ :
「あら、交渉の主導権は握れなかったようね? 私も映らない場所で待機させてくれれば良かったのに。」
ヴァニタス :
「ふ~ん……ここに限って盗聴器も盗撮用カメラも想像できないし……アレかな、フェイルかストレイにそういう機能が付与されてるとか?そうだったら作戦もバレちゃうわね」
指を立て、自分の目を指しながら
日向雛 :
「えっ、そんなすごい機能が……」 ストレイの目をジッと見てる
マヤ :
「なんか身に覚えある?」ストレイとフェイルを交互に見て
ストレイ :
「な、無いよ……!たぶん……」 目を両手で隠してから指の隙間から覗く
"異なる隣人"フェイル :
「んなもんねぇよ。あいつ、人付き合いはクソカスだが……観察眼が割とイイ線いってるぜ」
日向雛 :
「なるほど~……分かった上で乗ってくれたってことなんですね……でもどうして……?」
イクサ :
「約束した理由は簡単よ。向こうもサラーブには大きく踏み込めない。ましてや指の管理するセーフハウスには、ね?」
「籠もってる側から出向いてくれるなら、多少不利でも乗った方が楽でしょう?」
イクサ :
「そして、勝てる策は必ず用意する人間なのではないかしら?」
フェイルに問う
"異なる隣人"フェイル :
「……自信は、あるのかもな」
日向雛 :
「うーん……じゃあ、どうしましょう?やっぱりやめちゃいますか?この作戦」
ヴァニタス :
「今からひっくり返すのは……勘づいてるなら悪手ってほどでもないけど、無いかなぁ。万が一気づいてないってこともあるし、代案があるわけでもないし」
メアリー :
「どういう策でも正面から叩き潰せば済む話なんだし、いっそのことシンプルに考えれば良いじゃない」脳筋
日向雛 :
「分かりました、当たって砕けましょうか!」
ヴァニタス :
「あ、いいわね!とっても”らしく”って!」
にっこり
マヤ :
「アンタら意外と脳筋だなぁ~…俺もだけど。」
イクサ :
「…………。メアリー社長?」
あまりの脳筋プランがよりによってメアリー側から飛んできたので問いただす
イクサ :
「いざとなれば踏み潰せばいい、はサラーブの黄金律ではあるけれど……。貴女は考えがあって、人数を絞ったのではなくて……?」
メアリー :
「……もちろん、代案があれば聞くけれど」
イクサ :
「いいえ。ただ、メアリー社長は戦力の過小評価をさせる為に人数を絞ったのだとばかり。」
「………それとも、他に何か内緒話でもあったのかしら?」
メアリー :
「ふふ、内緒話なんてないわよ? これまでに何かひとつでも、ウソや隠し事をしたかしら?」わざとらしい笑顔
イクサ :
「ふふ。膝枕の件はどうかしら?」
わざとらしい笑顔で差し返す
メアリー :
「…………」
メアリー :
「…………そんなことより、この件をエトワールに報告しなくて良いの?」張りついた笑顔になって言う
日向雛 :
「そんなこと!?」
メアリー :
(あんたは黙ってなさい!の視線)
日向雛 :
「…………」 えぇ~と言いたげな顔で黙ってる
イクサ :
「それもそうね。改めてどういう芝居で通したのか、エトワールさんにも回線を開いて説明してもらえるかしら?」
説明はかくしかで!
GM :
では、説明を受けたエトワールは取引の件を把握します。
イクサ :
「結局、ストレイちゃんも同行せざるを得ないのね。」
交渉の結果を受けて
マヤ :
「そうらしい、留守番させとくつもりだったんだけどな。」色々な問題で
ヴァニタス :
「そこは押し切られちゃったのね。じゃぁそこに狙いがあるとしか思えないけど……ま、しょうがないか」
ストレイをじっと見て
イクサ :
「(上手く自分だけ残るように立ち回れば、『渇望鏡』の全てを手に入れるチャンスも残っているわね。)」
日向雛 :
「うーん、でもすぐ傍にいてくれた方が何かあった時に守れる……と思いましょうか」
メアリー :
「そうねえ……」
メアリー :
「アベルとの取り引き場所で待機する役割は、私とマヤ、それからストレイとフェイルの四人に……」
メアリー :
「そのすぐ近くで奇襲の為に待機する役割は、雛とイクサとヴァニタスの三人に……」
メアリー :
「隠れて逃走ルートを塞ぐ役割は、エトワールファミリーに……とそんな采配になりそうかしら?」
日向雛 :
「わかりました~。隠れておきますね」
ヴァニタス :
「私隠れるの大変かもしれないわね…太陽を背に浮いてようかしら?」
イクサ :
「アールは目立つ子だし、ギリギリまで瓦礫に隠しておくわ。ヴァニタスさんも同じ方法はどうかしら?」
ヴァニタス :
「ん、それで良いかも。丁度良い瓦礫があると嬉しいわ」
伏せてもデカい
マヤ :
「…お前ら一応起動装置だろ?アイツの前で一緒にしとくの怖ぇな~ ま、仕方ねぇか。」取引の場では2人をなるべく離しておこうか…等と考えている
日向雛 :
「鏡をお二人が持っていなければ大丈夫だったりしませんか?」
"異なる隣人"フェイル :
「私は任せるぜ」
イクサ :
「今回は小道具にする? ………見られたらバレるものと考えた方がいいけれど。」
『渇望鏡』に似せた鏡を作ってみせる
イクサ :
「はい、どうぞ。」
しれっとメアと鏡を交換しようとする
日向雛 :
「わ!似てますね!ケースとかに入れておけばバレませんよ!」
ストレイ :
「わ、そっくり……」
"異なる隣人"フェイル :
「まあ、カマぐらいはかけてやるか」
メアリー :
「…………何しれっと持っていこうとしてるのよ」鏡は渡さずレプリカを受け取る。ダブルミラー。
マヤ :
「アイツ、フェイルを見た瞬間ストレイに能力が戻ってるコト気付いてたぜ?…大丈夫かよ?」
イクサ :
「交渉の場に本物を持っていっては意味がないでしょう?」
ヴァニタス :
「あ!!鏡持つのは私の役目だよ!頂戴頂戴」
メアに要求する
メアリー :
「……ヴァニタス。イクサの言う通り、そもそも本物の鏡は取り引き場所には持っていかないわ」
メアリー :
「コレはアベルを始末するまで、秘密の場所に隠しておく。その方が安全でしょう?」
ヴァニタス :
「りょうか~い」
鏡を持っておく、という役割に自信を持っていたのか、不満そうにすごすごと引きさがる
日向雛 :
「秘密の場所?ってどこです?」
メアリー :
「秘密よ」
日向雛 :
「秘密ですか~」 ゆるふわと中身のないやりとりしてる
マヤ :
「言ったら秘密じゃなくなるしな~」 呑気に頷く
メアリー :
「それから、マヤの言っていた"ケース越しでも偽物だと見破られるんじゃないか"って懸念についてだけれど」
メアリー :
「別に、バレてもいいのよ」
メアリー :
「鏡はアベルを誘き出すエサでしかないんだから、取り引き場所にさえ来てくれたら、その時点で役目は果たしているわ」
日向雛 :
「それはそうですね~」
日向雛 :
「結局戦うことになるのなら、危険なことになる可能性は無くしていった方が良いと思いますし……わたしは本物隠し作戦に賛成です」
マヤ :
「……ま、確かに鏡が偽物でもストレイとフェイルがいるなら来るには来るか…、それなら俺もサンセ~。」納得したように頷くと片手をあげて
メアリー :
「……時に、ヴァニタス? あなたはサラーブの地理にはどのくらい詳しい?」
メアリー :
「具体的には"絶対に誰にも見つからない隠し場所"の心当たりとか、ない?」
ヴァニタス :
「ん~~~…地理には自信あるけど、絶対かぁ…まぁ、大丈夫かな?」
メアリー :
「そう、そこそこ自信はあるのね?」
メアリー :
「……それならやっぱり、コレはあなたに預けておくのがよさそう」本物の鏡をヴァニタスに返す
メアリー :
「私はスラム育ちだから、そっちの地理には明るいけれど……正直なところ"絶対に誰にも見つからない"って確信を持てるような隠し場所の心当たりはない……」
メアリー :
「そこのヒヨコ(蔑称)にさえ、セーフハウスを見つけられたくらいだし」
メアリー :
「────だから、あなたに預けるわヴァニタス」
鏡の存在は、サラーブの為にならない。
ヴァニタスが自己紹介で言っていた「サラーブの守護者」という言葉は、おそらく真実だ。
……サラーブのためならば、ジャスの一撃から市街と自分を庇ってくれた時と同じように、全身全霊で鏡を守ってくれるだろう。
その一点に於いて、メアリーはヴァニタスを信用していた。
メアリー :
ヴァニタスちゃんのロイスを誠意/隔意のN表からP表に変更しますよ!
ヴァニタス :
「よ~し任されましたっ!じゃぁ改めて~……待ち合わせまで時間あるわよね?」
梱包して収納!
日向雛 :
「よかったですね!」 さっき少し不満そうに引き下がっていたので、ヴァニタスに役割が与えられて嬉しい
イクサ :
「(面倒な相手が隠すことになったわね……。場所の予想は立てづらいけれど、目立つ相手ではあるから、目撃情報を集めれば……)」
日向雛 :
「待ち合わせ時間は……どうなんでしょう?ヴァニタスさんが隠してからでも、場所に向かう余裕はありますか?」 メアリーに聞く
メアリー :
「ええ、余裕はあるわ」
メアリー :
「アベルに話した表向きのストーリーでは、私とマヤはグリムギア側のあなたたちと戦って、ストレイを誘拐してこなきゃいけない訳だし、そこそこ時間はもらってるの」
日向雛 :
「そうなんです?大変そうですね……」
マヤ :
「お前誘拐されるんだってさ、演技頼むな?」当の本人、自分の横のストレイに話し掛ける
ストレイ :
「え、ええ~……!」 ドキッと肩が揺れる
日向雛 :
「よく分かりませんけど、誘拐された側なら……静かにしておけばそれらしそうじゃないです?」 だからそんなに難しくなさそうだよ、と
メアリー :
「アベル側に作戦を密告するリスクもある訳だし、口にガムテープ貼っておいた方がいいわよ」
ヴァニタス :
「まだどっちだか言ってないわけだしね~」
隠す場所を思案しながら
日向雛 :
「ちょっとかわいそうですけど……アベルさんに何聞かれても演技で返事しなくていいし、ストレイさんの負担としては軽そうかもしれませんね」
マヤ :
「そっか~、じゃあ俺とお揃いにする?」口元で指をバッテンにする
ストレイ :
「マ、マスク……?」
メアリー :
「お揃いって、そのガスマスク被せる気……?」この酷暑でガスマスクは死ぬのでは、の意。
マヤ :
「え、それならそれでストック持ってるけど……?じゃなくて、バッテンの方。」
メアリー :
「ああ、そういう……? 好きにすれば……?」
マヤ :
「ま、冗談は置いといて…悪いけどガムテープ貼らせてもらうか。暑いし直前でいいよな?」
メアリー :
「ええ、それがいいでしょうね」
ストレイ :
「わ、わかった……」軽く頷いて
メアリー :
「……ああ、そういえば、待ちあわせ場所で直接対面する前に、アベルから伝言があったわストレイ」
メアリー :
「『ちゃんと来るように』って」
ストレイ :
「……っ。そ、そっか……わかった……」 ストレイの身に染みた癖のようなものか、アベルの命令と聞くと反射的に頷いてしまった
メアリー :
「……あいつに話したカバーストーリー上では『グリムギア陣営を裏切った私達が、ストレイを誘拐してアベルの元まで連れていく』って流れだったのに、この伝言を頼むなんて、明らかにおかしいわよね」
日向雛 :
「そう言われれば……そうです?」
メアリー :
「いま思えば、私とマヤが一緒に居た理由に言及しなかったのもおかしい」
メアリー :
「普通、取り引きと関係ない人間がいたら、何故か理由を尋ねるでしょ?」
日向雛 :
「うーん……やっぱり作戦がバレちゃってるんじゃないですか?だから聞く必要がなかった、みたいな」
マヤ :
「確かに…そうだよな、どう答えようか考えてたのに…当たり前の顔して『ストレイは?』とか俺に聞いてきやがった。」
ヴァニタス :
「まぁ、元小指っていうくらいだし、フェイル曰く観察眼が鋭いらしいしぃ……ちょっとした挙動から推察して全部バレたとかかしらね?」
メアリー :
「……やっぱり、こちらの魂胆は見抜いてると考えて動いた方がよさそうね」ビデオ通話は失敗だったかしら、と反省しながら
日向雛 :
「そうですね……それに、結局実行に移すなら分からないことを考えても仕方ありません!」
日向雛 :
「早くヴァニタスさんには鏡を隠しに行ってもらって、その間にわたし達はもっと作戦のタイミングとか色々打ち合わせした方がいいですよ!」
イクサ :
ヴァニタスの後をつけるタイミングも無くなり、諦めたように目を伏せる
イクサ :
「そうね、話せることは話しておきましょう。」
やけくそである。
メアリー :
「ええ、そうしましょうそうしましょう♪」イクサの落胆に気付いて満面の笑み
メアリー :
「私は騙し討ちなんて慣れていないし、イクサ社長のすばらしいアドバイスに期待するわね♪」
"異なる隣人"フェイル :
「(なんか知らんがヒリついてんな……)」
GM :
ではですね、メアリーとヴァニタスの2人は知覚判定を振ってもらいましょう。目標は15です。
メアリー :
謎の人選!!了解!!
メアリー :
6dx+1 目標15(6DX10+1) > 6[1,4,4,5,6,6]+1 > 7
ヴァニタス :
5dx+1 目標15 低すぎるッ(5DX10+1) > 9[4,5,5,8,9]+1 > 10
GM :
残念!
ですが、2人の視界の端に一瞬だけ何かが過った気がします。もしかしたら羽虫の類いだったかもしれない。
メアリー :
「……? ねえ、いま何か……?」
ヴァニタス :
「?」
くる、と見渡して
日向雛 :
「どうしました?」
メアリー :
「いえ、何か気配を感じたんだけど……あなたが見ていないなら気のせいかしら……」
ヴァニタス :
「虫かな?こんな気温高いのに頑張るねぇ」
マヤ :
「?」ふたりの見ていた方向を見て首を傾げている
イクサ :
「虫なんていたかしら? 曲がりなりにも指のセーフハウス、隙間や侵入物には気を使っていると思ったのだけど。」
メアリー :
「まあ、小さな虫の類ならどこでも入ってくるってコトでしょう」
日向雛 :
「虫さんでしたか~。何にせよ、気のせいならよかったです」
ヴァニタス :
「私の躯体の隙間からとかかもしれないし。極稀~~~にあるわね」
マヤ :
「あ~、機械だとたま~にあるコトだな。」うんうん、と頷く
日向雛 :
「でも、これから場所を突き止めて監視の目が飛んでくる可能性だってありますし……ヴァニタスさんには鏡を隠しに行ってもらいましょうか」 そう言って、部屋の窓を開ける
メアリー :
「ええ、何か少し気にはなるけど、無視して作戦を進めましょう、ヴァニタスお願い」
ヴァニタス :
「任されました♡ それじゃぁ行ってくるわね~」
ずるりと窓から滑り出で、上空へと昇っていく
日向雛 :
「いってらっしゃーい!」 窓から身を乗り出して両手をぶんぶん振る
ストレイ :
手を振って見送る
イクサ :
あからさまに追手を放つ愚行も出来ないので、頬に手を当てて見送る。
マヤ :
「空飛べるの便利だな~…俺もああいうギミックほs……、 ――んじゃ早速、作戦会議するか!」いつもの調子でぼやきかけるが若干不服そうなイクサに気付くと話を逸らして提案
日向雛 :
「そうですね……!」
日向雛 :
会議して、ヴァニちゃんが帰ってきてから皆で出発します!
GM :
おっけー!では、あなた達は対アベルの作戦を遂行するために倉庫へ向かいます。
GM :
……マヤとメアリー、そしてフェイルとストレイはサラーブの迷宮めいた裏路地を通り、指定された廃倉庫へやってきた。
そして事前の相談通りにヴァニタス、雛、イクサは周囲に待機して機を伺っている……。
GM :
倉庫の中は廃墟特有の据えた匂いが漂い、乾燥したカラカラの空気があなた達を迎える。
中を見渡す限り、アベルはまだ到着していないようだ。
メアリー :
「……はあ、暑い。いつまでも待たされて、このまま干からびて死ぬなんてコトは、勘弁してもらいたいわね」日陰に入りながら呟く
"異なる隣人"フェイル :
「あっつ……死ぬ……」 ぐったりうな垂れている
マヤ :
「……暑……、これでよし。」若干不機嫌そうに手で首元を仰いでいたが痺れを切らしたようにフードに腕を突っ込むと温感センサーのスイッチを切る
メアリー :
「こういう時、機械の身体は便利なものね……」
ストレイ :
「お水、のみたい……」ぱたぱたと胸元を仰いで
マヤ :
「ストレイはこれからガムテだしな~、ぶっ倒れるなよ…?」まだアベルが到着していない事を確認すると懐から水の入ったスキットルを取り出してストレイに手渡す
ストレイ :
「が、がんばる……!ありがとう……!」 スキットルを受け取り、喉を鳴らして飲む
メアリー :
「あら、お茶汲み機能も備わってるなんて、最近のアンドロイドは随分と気が利いてるのね」お茶じゃないけど
マヤ :
「お子様限定な。…アンタも飲む?」
メアリー :
「お子様じゃないからパス」
メアリー :
「……飲み終わったらすぐ、ストレイにお子様限定ガムテープを貼りつけなさいよ?」もうそろそろ約束の時間なんだから、と急かす。
マヤ :
「はいはい、ストレイ~飲み終わったか?」
ストレイ :
「っ、ん……!」 口元を拭って、スキットルを返す
マヤ :
「…よし、んじゃ暫く我慢な。」
テープが剥がれないよう、上着の袖でストレイの口元の水分をちゃんと拭うと、ちょうどいいサイズに切ったガムテープをバツの形に貼りつける。
ストレイ :
「むぐっ……」ぺたぺたと口元を触って、大人しくアベルを待つ
ヴァニタス :
ガラガラと瓦礫を引っ張り出し、軽く浮かせて自身にかぶせていく。本人のエフェクトによってある程度はこなせるようだが、馬力はさほど無いようだ。
ヴァニタス :
「身を隠す用瓦礫セットが欲しいわぁ~……私フロートタイプのパーツも多いから、必要数が多くなっちゃう…」がらがら
イクサ :
「………はあ。見ていられないわね。」
「アール、エス。手伝ってあげて。」
"子供達"に指示を投げて、自分はアベル襲撃が終わった後について考えを巡らせる。
アール(四脚戦車) :
アールがヴァニタスに寄ってきて、下部から展開した蜘蛛の顎を思わせるマニュピレーターで瓦礫を一度丁寧にヴァニタスの上からどけてしまう。
アール(四脚戦車) :
それから、近くの廃墟ではためいていた布でヴァニタスを優しく包み、上に瓦礫を丁寧に被せ直す。
イクサ :
「………? そこまで丁寧にしなくて良かったのに。 すぐ始まるわよ?」
ヴァニタス :
「あ、ありがとうね。私より大きいマニピュレータなのに器用ねぇ」
と、布にくるまれながらアールを見上げている
アール(四脚戦車) :
何かを伝えるかのようにマニュピレーターをウニャウニャ動かすも、会話機能があるのはエス(人工知能)だけで、彼には無い。
結局そそくさと配置に戻ると、自分に瓦礫を被せて待機に入ってしまった。
機微に目ざとい者がいれば、なんとなく「照れ」と評した……かもしれない。
ヴァニタス :
「………?」
不思議な挙動にきょとんとした後、なんとなく手を振って再度伏せる
GM :
……それから数分後、新たに砂を踏みしめる音が倉庫内に響く。
GM :
その方向に顔を向ければ、アタッシュケースを持ったアベルが見慣れた笑みを浮かべてあなた達に近づいてきていた。
アベル :
「やあ、待たせたかな? 現金を用意するのに時間がかかってね……」
アベル :
「やあ、フェイル。そして……ストレイ、なんでガムテープなんてしてるんだい?」 訝し気にストレイを見つめて
ストレイ :
もごっ…と口を動かし、視線を逸らす
"異なる隣人"フェイル :
「ストレイはテメェと話したくねぇってよ」
アベル :
「これは手厳しいね。反抗期ってやつかな?」
メアリー :
「かわいそうに……誰にも好かれてないのね……」わざとらしい憐憫の声
マヤ :
(俺も俺も~…)と内心同意しながら目?を逸らしている
アベル :
「ほんと、参ったね。そして依頼の件はお疲れ様、メアリーくん」
アベル :
「それとマヤ、ストレイの子守りを任せてしまったようだね。連れてくるのも大変だっただろう」
アベル :
「……では単刀直入に済ませよう。鏡とそこの2人、こちらに渡してくれるかな?」
メアリー :
「ええ、もちろん」
メアリー :
「────まず当初の依頼であった鏡から」手にしていたアタッシュケースを、素直にアベルに手渡してしまう。
アベル :
「…………」 メアリーから受け取ったアタッシュケースを開け、中身を確認する
アベル :
「……ふふ、メアリーくん。キミは面白いことをするね」
アベル :
アベルを贋作の鏡を手にして、じっくりと眺める
アベル :
「確かに、『鏡を持ってきて』とは言ったけど。この鏡じゃあないだろう?」 朗らかな態度を崩さず、メアリーに顔を向ける
メアリー :
「……ふふ。さて、何のことかしら?」
アベル :
「あはは……。でもいいよ、実にヴィランらしい。サラーブに住む人達はこうでなくちゃ」
アベル :
「それで、僕にも一つ……キミに黙っていたことがあってね?」
メアリー :
「あら、たったの一つ? これまでのあなたを考えれば、少なくとも六つか七つはあると思っていたのだけど?」首輪には手もかけず、朗らかな笑みで応じる。
アベル :
「もちろん。そのうちのいくつかは、ただ話す必要はなかった……って話題だけどね?」
アベル :
「で、話すべきことは……これさ」
アベル :
アベルは自身のアタッシュケースを開ける。
アベル :
その中には……ヴァニタスが隠したはずの、本物の"渇望鏡"が収められていた。
メアリー :
「────────ッ!?」本物の鏡を前に、初めて余裕の笑みが消える。
アベル :
同時に、アベルはイージーエフェクト《まだらの紐》を解除。ヴァニタスに仕込んだ自身の影を回収します。
メアリー :
「この感じ……私と同じウロボロスの能力……!? もしかして、あの時に感じた違和感は……!!」
マヤ :
「…、虫なんかじゃなかったみてぇだな。」微かな舌打ちが聞こえる
アベル :
「ふふ、キミの力量は信頼していたけど……保険は大事だからね?」
メアリー :
「迂闊……いえ、流石、と言うべきかしら"元"小指……」こうしたエフェクトに全く気付けないなんて、メアにとって初めてのことだ。
アベル :
「お褒めに預かり光栄だ」 軽く頭を下げて
アベル :
「ああでも、『鏡を取り返す』ってところまでは遂行してくれたからね……」
アベル :
「これ、あげるよ」 アベルのアタッシュケースをメアリーに渡す
メアリー :
「…………」素直に受け取り、中身を確認する。
GM :
その中には札束が詰められている。その額はおよそメアリーと最初に契約した時の金額だ。
メアリー :
「……なるほど? 騙し騙されたのはお互い様、最初に依頼していた鏡の分は払うけれど、追加報酬の方は払うつもりないって訳?」
アベル :
「その通り。でも十分な働きには報いが必要だろう?」
アベル :
「……じゃあ、後は2人を渡してもらおうか」
メアリー :
「ハ、冗談……! あんたは鏡を手に入れて報酬を支払った……となれば、私達の関係はおしまいでしょ……!!」
マヤ :
「…全部お見通しってワケね、オイ…もう演技しなくていいんだろ?」鼻で笑うとメアリーに問いかける
メアリー :
「ええ、劇団サラーブは今日で解散! いい加減、三文芝居もおしまいよ大根役者!!」
マヤ :
「誰が大根役者だ!! ――なぁ、アベルって言ったか? こいつら アンタが育てた"道具"らしいな。 俺は正義の味方じゃねぇ、何がなんでも親元に返すなんて義理なんてモノも持ち合わせてねぇ だから敢えて言うぜ?」フェイルとストレイの腕をそれぞれ引くと、自らの横へ立たせる
マヤ :
「 やなこった 」
ハッキリした声で言い放つと≪タッピング&オンエア≫を使用、待機しているイクサ・雛の受信端末、ヴァニタスの義体自身に合図を送る
日向雛 :
「……攻撃はしなくてもいいんですよね?もう全部バレちゃってたみたいですし……」 壊れた機械の影からひょこっと出て来る
イクサ :
少し離れた地点から、廃墟を踏み砕き迫る巨影。
イクサの駆る、アールである。
数秒足らずで交渉チームの側へ叩きつけるように降り立つ。
イクサ :
「あら……? どういうことかしら?」
戦闘が仕掛けられていない状況を、交渉チームに問う。
メアリー :
「ウロボロスのエフェクトで全て監視されてたらしいわ、道理でこっちの動向を知っているハズよね?」アベルに踊らされていた怒りを込めて、溜息まじりに言う。
日向雛 :
「だから鏡がそっちの手にあったんですね~……」
イクサ :
「ふふ、いいお勉強になったわね?」
アベル本人さえ呼び出せたなら及第点。
不意討ちが出来なかったことについて焦るような素振りはない。
メアリー :
「……ええ、まったく」
ヴァニタス :
「あちゃ~……見つかっちゃったのね」
続いてずるりと、その巨体を瓦礫の下から持ちあげて這い出てくる。
ヴァニタス :
「オルタ・スクレイパーの屋上ならまぁ…警備もあるし、アベルは追放されてる身だし……あと偶然拾うにしても指に近しい人だろうし?大丈夫だと思ったのよね~」
あと私がすぐ確認できるし!と付け加え
メアリー :
「妥当な判断ね……けど、相手が悪かったみたい……」
アベル :
「ヴァニタス、雛……そしてイクサ社長か。チームのお友達と直接的に顔を合わせるのは初めてだね」 あなた達を見渡す
日向雛 :
「そうですね……改めまして、初めまして」 アベル達がいる方に小走りで近付く
イクサ :
「始めまして。通話を耳にしたりもしたけれど、改めて、ね?」
アベル :
「画面越しと直接じゃあ、また違うだろう? キミ達にも鏡を手に入れてくれたお礼をしなくちゃね」
日向雛 :
「いえ、お礼を言う必要はないです!わたし達、あなたに鏡を渡すために回収したわけじゃないですから……!」
ヴァニタス :
「嫌味ね~、初対面でこんなことは言いたくないけれど、フェイルに嫌われているのも理解できるわ?」
うげ~という顔をしながら
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、こういうヤツなんだよ。こいつは」
アベル :
「特に嫌味を言ったわけではなかったんだけど……ふむ、納得できる理由とか必要かい?」
日向雛 :
「納得できる理由……ですか……?あなたはサラーブの人達を変えるために鏡を求めているわけじゃ……ないんです?」
アベル :
「半分は当たり。もう半分は何が理由かわかるかい?」
日向雛 :
「わかりません!」
アベル :
「とても素直だね。それじゃ、少しだけおじさんの昔話に付き合って貰おう」 影を椅子のように形成して座り込む
アベル :
「キミ達も楽にしてくれて構わないよ? ほら、ストレイも口のガムテも剥して」
ストレイ :
「……」ペリペリとガムテを剥す
マヤ :
「……」警戒は解かず、少しだけ心配そうにストレイの顔を確認する。
ヴァニタス :
不意打ちを警戒しながらその場でとぐろを巻く
日向雛 :
「わたしは立っているままでも平気なので……」 座ろうか少し考えたが、何かあればすぐに動けるようにしておく
イクサ :
「随分と余裕のご様子ね? それはそうと、私は貴方の技術を高く評価しているわ。だから、せっかく話してくれるのなら、その思想も聞いておきたいところだけれど。」
などと言いつつもアールは微動だにしない。
砲はいつでも撃てるようにしてあるだろう。
メアリー :
「(イクサの言う通り、包囲されてるのに余裕の態度すぎるわ……)」
メアリー :
「(そもそも、こちらの待ち伏せ作戦を知りながら、ノコノコと自らの姿を晒した時点で……ストレイとフェイルを連れて、私達の包囲を突破する自信があるというコトよね……)」警戒しながらストレイとフェイルを守れる位置まで後退する。
アベル :
「疑問はすぐ口にしてもらって構わないよ。それじゃあ……」 軽く咳払いをして
アベル :
「……僕が"小指"としてサラーブに根付く以前、僕は別の都市で暮らしていてね」
アベル :
「そこはとある北米の都市だった。もしかしたら知っている人もいるんじゃないかな?」
アベル :
「サラーブとはまた違うけど、その都市もFHが仕切っていてね。僕はそこで埜堂カイという名前で研究者をしていたんだ」
アベル :
「ああ、FHが仕切っていたって云うけど、僕の体感ではそんなに治安は悪くなかったかな? 僕の妻と娘も普通に暮らせていたし……」
日向雛 :
「既婚者だったんです?」
アベル :
「そうだよ? そんなに意外だった?」
日向雛 :
「人を見た目で判断するのはよくないですけど、はい……ちょっとだけ」
イクサ :
「驚くところはそこなの? 私だって既婚者よ? ………流石に私よりだいぶ年上だとは思わなかったけれど。」
日向雛 :
「それもそうでした!いや、若々しく見えたものですから……!」
ヴァニタス :
「確かに全然20代に見えるわね~、まぁオーヴァードなのだし、やっぱり参考にはならないのだけれど…」
サラーブが都市になる前から生きてるRB
メアリー :
「伴侶、相手を見る目なかったのね」はたしてアベルに言ったのかイクサに言ったのか。
アベル :
「メアリーくん、人の妻を悪く言うものじゃないよ。これでも愛し合っていた自覚はあるさ」
メアリー :
「ハ、あんたが愛を語るの、なんだか笑えるわね」
アベル :
「ま、それはそれとして……そうそう、僕は美容にも気を使っていて……」「……っと、話を戻そうか」
アベル :
「北米FHと聞いて、ピンと来た人もいるんじゃないかな。コードウェル博士とガーディアンズ、そして北米FHでの戦いを……」
イクサ :
「17年前。オーヴァードが世界に明かされる戦乱の緒戦。…………今さら説明するまでもない話のはずだけど……。」
いかんせん、ここには物を知らない人が多すぎるので、共通認識ではないかもと考える。
アベル :
「うん、如何せん若い子も多そうだから一応ね」
ヴァニタス :
「ほえ~…」
知らなかった人
マヤ :
「へぇ~…」
同じく知らなかった反応
メアリー :
「……もちろん、知っていたわよ」本当は詳しく知らないが、見栄を張っている。
日向雛 :
「やっぱり、その街だったんですね。ですが、あの戦いで生き残った人がいるなんて聞いたことがありません……。奥さんや子供さんは無事だったんですか?」
アベル :
「ああ、家族は死んでしまったよ。ガーディアンズとの戦闘が始まって、急いで家に帰ってみたら……」
アベル :
「あれはびっくりしたなぁ。目の前で家が風に攫われるように吹き飛んじゃってさ」淡々と微笑を浮かべてみせるが、その目は笑っていない
日向雛 :
「それは……。お辛かった、でしょうね……」 悲し気に目を伏せて
マヤ :
以前までのマヤであればなんとも思わなかった昔話だろう、その光景を想像するとほんの少しだけ悲しみが想像できてまう。
メアリー :
「ヒーロー……ああ、その時はガーディアンズだったかしら……、まあ、よくある話じゃない? ヒーローとヴィランの戦いで、家族が命を落とすとか?」
メアリー :
「私も、親はそんな感じで勝手に死んだらしいし?」何でもない事のように鼻で笑う。
日向雛 :
「いえ……ご存じかもしれませんが、あの戦いはヴィランズイヤーやレネゲイドウォーの頃と比較してもかなり特殊だったんです。街丸ごと、一般市民の被害を考えない戦いだったと聞いているので……。確か一般人の死者数は数万に上ったとか……」
イクサ :
「……………。」
薄ら笑う。
自分がその戦乱の続きを望んでいると知ったら、日向雛はどんな顔をするだろうかと考えて。
ヴァニタス :
「亡くなった人達ねぇ……そこが思い入れのある場所なら素敵ね」
死んでいった人々に想いを馳せ、自身にぼんやりと重ね合わせている
アベル :
「ああ、すまないね……。不幸話をしたいワケじゃなかったんだ。その件は割り切ったし……ただ苦痛の前払いをしただけだってね」
メアリー :
「は?前払い?」
アベル :
「いつか経験する苦痛をあらかじめ経験しておけば、次同じことが起きた時に多少の心構えができる……みたいな話さ。僕の心構えの話だから気にしないで」
日向雛 :
「なるほど……」
日向雛 :
「それで……その後はどうしたんですか?この街、サラーブに移住を……?」
アベル :
「うん。でもその前にある人と出会ってね……」
「その直後は瓦礫の下にいるであろう家族が本当に死んでしまったのか確認したくてね。火の手が上がる中で瓦礫を手で掘っていたんだ……」
アベル :
「ちょうど、恐らく妻と娘の物であろう一部を発見して……呆然と顔をあげたら、彼がそこいたんだよ……」
アベル :
「────アルフレッド・J・コードウェル。北米FH襲撃を主導したその人がね」
日向雛 :
「え……!?」
アベル :
「……彼はとても哀しい目をしていたよ。まるで何かに憑りつかれたような、虚空を見つめる目さ」
アベル :
「さて、目の前の主犯をどうしてやろうか……なんて、その時の僕には復讐なんて考える気力はなかったよ。彼も僕を一瞥してどこかへ行ってしまったしね……」
日向雛 :
「……コードウェルさんと遭遇して無事だったのは、そういうことでしたか」
アベル :
「まさに九死に一生さ。きっとあそこで盾突いても、無駄死にするだけだったろうし……」
アベル :
手の中で転がしていた鏡の鏡面が、僅かに揺れた気がした……。
アベル :
「さて、第2章だ。そんなに長くはないけどね」
アベル :
「北米FH壊滅後、僕は当てもなく……研究していた渇望鏡を手にフラフラと色んな土地を彷徨っていたんだ」
アベル :
「そんな時、前代の親指……レオナルドと出会ってね。ヴィランが集う土地があるらしい、なんて聞いて一緒に向かうことになったんだ」
アベル :
「いやぁ、辿り着いてみては良いものの、最初は酷い有様だったよ。ヴィランの再起を謳ってはいるけど殆ど難民キャンプじゃあないか……ってね」
ヴァニタス :
「うわ、そうそう!今みたいに上等な建物なんて無かったのよねっ」
なつかし~と
アベル :
「キミはその時からいる古株だね。そうそう、よくて豆腐みたいな建築物さ」
アベル :
「ま、そこからどう発展したかは長い話だから割愛するとして……僕は技術発展に大きく貢献することで小指の座を得た」
アベル :
「それからしばらく、都市が今の安定期に入った。ヴィランの数も着々と増え始めて、統率もある程度はとれているね……」
アベル :
「……それで、僕はグリムギアに提言した。これからサラーブは保守的な組織から変わるべきだって」
アベル :
「今やサラーブはただのヴィランの寄せ集めじゃない、色んな国から危険視される超大規模組織だ。このまま身を固めるだけではいつか北米FHの二の舞になってしまう……ってね」
日向雛 :
「だから……鏡の力を使おうと思ったんですか?」
アベル :
「そう、第二の故郷……あるいは手間暇かけた子供みたいなものだね。愛着が湧くのは当然さ」
アベル :
「……鏡の力を使えば、もし再び都市を襲撃されても被害を抑えられるはず。戦力増強も兼ねられる……」
アベル :
「僕は、この都市と民に生き残って欲しい。ただ、そう思っていたんだ……」
アベル :
「……まあ、提言は突っ放されちゃったけどね。あの時の鏡は精度が低かったし、無理な実験していた僕が悪くもあるけど……」
日向雛 :
「だけど、今はストレイさんとフェイルさんがいる……」
アベル :
「……ああ、次は彼女達についても話そうか」
マヤ :
「……、頼む。」 少し悩むが何も知らないよりマシだと判断したのか素直に頷いて言葉を待つ
ストレイ :
「……っ」無意識にマヤの裾を掴む
アベル :
「……サラーブを追放された僕は、郊外にとある空間を作り、そこに身を隠した。色んな実験器具を持って引っ越しは骨が折れた思い出があるよ」
アベル :
「そこで細々と実験を続けていた訳だけど、幸いにも成果はあったね」
アベル :
「鏡の出力を安定、出力させる存在が必要だと気づいたのさ。でも僕は一人、協力者を募るために迂闊に表へ出ればどうなるかもわからない……」
アベル :
「その時、ふと思い出してね。妻と娘が遺したものを」
アベル :
「端的に言えば、ストレイとフェイルは僕の妻子のクローンさ。遺伝子情報がレネゲイドウィルスに犯されていたせいでほぼ別人な訳だから……」
アベル :
「……愛着とか、あまり持てなかったけど」
"異なる隣人"フェイル :
「そういう、訳かよ……」 眉間に寄せた皺が深まる
マヤ :
「……通りで似てるワケか…。」自らの左右に立つ少女達を見比べて呟く
イクサ :
「あら。愛の無い方なのね? 形は違えど、貴方の子供には違いないでしょう?」
日向雛 :
「……あの、もしかして。それなら前にお電話で言っていた、付けたかった名前はあったというのは……」
アベル :
「僕が愛していたのは実の妻子だからね。そう、その2人の名前をつけたかったのさ」
日向雛 :
「やっぱり……」
メアリー :
「……気持ちが悪い」アベルに軽蔑の眼差しを向ける。
アベル :
「ふふ、キミの身体を巡る血も、どれだけの犠牲を生んだのだろうね?」
日向雛 :
「……気持ちが悪い、とまでは言いませんが。だけど、鏡の力をサラーブの住人全員に使えば、お二人はただでは済まないはず」 メアリーの血の話題を遮るように口を開いて
日向雛 :
「クローンで別人とはいえ、あなたは再び家族を失ってしまうのではないのですか……?」
マヤ :
「……クローン?…いや……そんなものはとっくに『家族』じゃねぇな。本人の皮被った全く別の魂だ。」ふと呟くと吐き捨てるように言葉を繋げる
マヤ :
「どんだけ面影があっても他人だったんだろ? アンタにとって。」
アベル :
「……そうだね。面影はあるけど、本人じゃない」
アベル :
「ただ……完全な道具扱いはできなかったな。どう僕が思っていようと、心の隅では妻子に重ねてしまうのか……」
アベル :
「────だから、その気持ちは捨てることにするよ。これからは2人を道具として、この計画を進める」
日向雛 :
「……どうして、捨てる必要があるんですか?」
日向雛 :
「やっぱり、彼女達のことを本当にただの他人だと見てたわけでは、ないんじゃないですか」
日向雛 :
「亡くした奥さんや子供の名前を付けたいと思っていたくらい、大事にしたい気持ちがあったんじゃないですか」
日向雛 :
「だったら、その気持ちを捨てる必要なんてないはずです」
日向雛 :
「サラーブを守るという目標は、もっと鏡の研究をして……別の安定化の方法を模索すれば済むんじゃないですか……?」 悲しそうにアベルを見る
アベル :
「キミは優しいね。でも優しさだけではどうにもならないんだ」
アベル :
「滅びはすぐ傍まで迫っている。まさに今、ヒーローがサラーブに踏み入ろうとしているかもしれない。もしかしたら国が軍事行動を起こす可能性だってある……」
アベル :
「この都市は、生き残らなければ……強くなければならないんだ……」渇望鏡が、カタカタと震えている
日向雛 :
「……………」 そこまで決意が固いのならもう言えることは無いと、震える鏡を見つめている
ヴァニタス :
「ん~~……そんなに早急に進めなければいけない話なのかしらねぇ…」
ヴァニタス :
「そもそも、私の記憶違いじゃなければ…その鏡、耐えられない人もいたわよね?」
イクサ :
少し考える。
アベルが望む通りになれば、きっとサラーブは大きくなり、いつかイクサの望みと同じく世界と激突することになるだろう。
しかし──
「流石に待っていられないわね。」
ぼそりと呟く。
強くなりすぎる。イクサは気の長い方とはいえ、十数年も侵攻に時間のかかる要塞を作り上げられては都合が悪い。
アベル :
「生き残った者が強い……これが全てさ。メアリーくんには聞かせたことがあるね」
メアリー :
「……やっぱり、そういう考えだったわけ」
ヴァニタス :
「それならそのままでヒーローと戦えばいいじゃな~い!理屈はおんなじだし、何より…その鏡に耐えられなかった弱いヴィラン達がこの街からいなくなってしまうのは寂しいわ?」
手を大きく広げ
ヴァニタス :
「サラーブはヴィランの喧噪あってこそ!毎日くだらない理由で殺したり…殺されたり!どこかで弱者が死んで、一方で運のちょっと良かった弱者が生き残ったりもする!アレに耐えうるほどの強者しか残らなかったら、きっと私の好きな光景は無くなっちゃうわ!」
皆節度を持っている人ばかりだろうしね、と続け
ヴァニタス :
「貴方もこの街を愛する者の一人なら…今出している結論は私と違うけど……好きじゃない?この街の混沌が」
アベル :
「もちろんさ。本能を発露させて生きる社会は、平和な社会とは違った愛おしさがある……」
アベル :
「だからこそだ、この都市が消えてしまっては元も子もないだろう?」
ヴァニタス :
「ん~~?ん~………不安なのね?私たちや…指達がこの街を守りきれるか」
難しい顔をした後、気付くように
アベル :
「そうだね。個の強さで生き残れるかもしれないけど、群の強さで考えたら……この都市は、まだ脆弱だ」
ヴァニタス :
「ん~~……何て言うのかしら…私、学校行ってないから変だったらごめんなさいなのだけれど……アベル、貴方は真面目なのね」
両手の指を突き合わせ、言葉を選ぶように
ヴァニタス :
「この街の未来を真面目に考えて、何かを計画して……実践して?まるでここに攻め入るヒーローのよう。たま~に聞こえてくるの。世界のために~とか」
気を悪くしないでね?と付け加え
ヴァニタス :
「それって全然”私達”らしくないわ?私の知ってる”ヴィラン”じゃない。ここが滅んでほしいなんて勿論思ってないけど、そんなに……クール?に?サラーブの良さを消してまでやることなのかしら?」
アベル :
「……なるほど。ヴィランらしくない、か」
アベル :
「確かに、キミの言う通りかもしれないね。らしくないことを強制することで、何かを失うかもしれない、か……」
アベル :
「……それでも、だ。これは僕のエゴ、やりたいことを押し通すのは実にヴィランらしいだろう?」
アベル :
「僕は僕のやり方で都市を護る。キミもキミのやり方があるようにね」
ヴァニタス :
「私はそれやってほしくないけど~…嫌だけどな~…」
言外に同意を示す
メアリー :
「サラーブを護る、ねえ……サラーブのことを子供みたいなもの、とかほざいていたけど"17年前のように子供を失いたくない"とでも言うつもりなのかしら……」
メアリー :
「私達はあんたの子供じゃない、過保護な父親の決して報われないエゴに巻き込まないでもらえる?」ヴァニタスとは異なり、相手の気持ちを無視して、言葉を選ばず吐き捨てる。
アベル :
「ここに住む民のことを考えてもいるさ。過去の僕みたいな苦痛を味わうヴィランがある程度は減るだろうからね……」
アベル :
「キミもいつか知るかもしれない。喪失と虚無から立ち直った後、再び居場所を得た時の気持ちがね」
メアリー :
「……いえ、あんたはサラーブの為とか言いながら、本気でサラーブのことは考えてない」
メアリー :
「きっと何を言っても聞かないんでしょうけど、だからこそ、ハッキリと言ってやるわ」
メアリー :
「あんたがやってる事はジャスやヒヨコと同じ」
メアリー :
「"ありがた迷惑"よ」
メアリー :
「ヴァニタスが言ってたように、サラーブは"自由"がウリでしょうが」
メアリー :
「……渇望鏡は、ジャスやティティがそうなったように、力と引き換えに相手の意志を曲げ自由さえ奪う」
メアリー :
「サラーブの在り方を歪める、唾棄するべき代物よ。サラーブを守りたいのなら、本末転倒もいいところ」
メアリー :
「それにね、対価に自由を失ってまで、鏡の助けがいるほど、私は……」
メアリー :
「いえ、サラーブは弱くないわ」
メアリー :
「一介の萬屋や底辺の医者さえ、レジェンドヒーローを倒したんだから」ジャスを倒した雛を横目に言う
メアリー :
アベルのロイスを尽力/猜疑心のN表から感服/憤懣のN表に変更しますよ!
GM :
おっけー!
アベル :
「素晴らしい啖呵だ。キミの言う事には一理あるとも……僕が思っている程サラーブは弱くない、か……」
アベル :
「…………」 これ以上反論することなく、メアリーを見つめる
日向雛 :
「……あ、あの……今のメアリーさんのお話自体には文句はないんですけれど、わたしってそんなありがた迷惑です……?」 一段落したのを見計らって、メアリーにそろそろと近寄り、こそっと聞く
イクサ :
「(ただの迷惑かしらね)」
メアリー :
「……ええ、それ以外の何物でもないわよ? 教会に押しかけてきたあたりの私の反応で、気付かなかったの?」ありがた迷惑だったか、との雛の問いの返答に些か窮してしまったが、近付いてきた雛から少し離れた後、いつもの天の邪鬼な悪態で応える。
日向雛 :
「ひぃん……気付きませんでした……」 しょんぼりして
マヤ :
メアリー達のやりとりを見ながら若干肩の力が抜けたように笑うと自らの服の裾を掴むストレイの頭を撫でて
マヤ :
「…サラーブの為?俺はそんな事してほしいなんて思ったことないし、それを聞いても有難ぇなんて思わねぇよ。」
マヤ :
「結局アンタは"失うのが怖い"だけだ。」
マヤ :
「勝手にそれがいいだの街のためだの御託並べて、駄々こねるなら一人でやってろ、アンタの理想郷づくりに俺たちを巻き込むな、アイツのセリフ聞いただろ?…ありがた迷惑なんだよ。」
マヤ :
「俺たちはアンタみたいな大人の人形じゃねぇ。」
マヤ :
「サラーブの…俺の自由を他人に決められてたまるか、今も昔もな…!俺は自由だ!」
そう言ってアベルを指差すと声のノイズが微かにクリアになる、…だがすぐに戻ってしまう…
マヤ :
パパ・ママ…改め『生みの親』のロイスを 感謝/エゴに変更、表はN
アベル :
「……キミも失うことが怖いんじゃないのかい?」 マヤをみて、ポツリと溢す
アベル :
「人は何かを得る程、それを守りたくなる。大切なものを失いたくない。キミはここ数日でそれは経験したはずだ」
マヤ :
「…流石の観察眼ってヤツ?当たり前だろ、じゃなきゃこんなヒーローみてぇなダルい事最後までやらねぇよ。」
アベル :
「なら、キミに……キミ達に証明してもらおう」 影の椅子から立ち上がる
アベル :
「キミ達の言う自由、そしてサラーブの強さと……僕のエゴ、どちらが勝るのか……!」
GM :
……渇望鏡が激しく明滅する。アベルの強烈な願望に反応しているのだろう。
GM :
鏡が明滅するごとにアベルの四肢が徐々に硝子化していく。ストレイとフェイルを介さない可能性の投射は極めて危険なものだ……
GM :
しかしそれは、ただの硝子化ではない。まるで纏うように、姿を変えるようにアベルを覆って……。
イクサ :
「踏み潰しがいのありそうな身体ね?」
ヴィランの女王がお行儀よく待つわけがない。
手を軽く動かし、アールをけしかけて踏みつけんとする。
隙を晒しているのなら、まずは傷を負わせて、戦況をコントロールする魂胆だ。
アベル :
「───────」
GM :
咄嗟に腕を翳し、アールの重厚な踏みつけに対抗。ガシャン!と何かが壊れるような音と同時に、砂埃が立ち上った。
アベル :
「皮肉なものだね……」アールの足元で、アベルのくぐもった声が聞こえる
GM :
────その瞬間、圧倒的なプレッシャーがこの場を支配する。
GM :
まるでバロールの重力操作の如き圧力。木端なヴィランなら平伏し、もしくはその場から逃げだすであろうその姿は……
アベル :
「この姿を、僕が望むとは─────!」
GM :
……ヴィランの王、イスカリオテ。
アベルは王の可能性を纏い、あなた達の前に立つ。
日向雛 :
「……!!!まさか、その姿、は……っ」 直接会ったことはない。UGNの資料で見たことがあるだけ……だが、それが誰なのかはっきりと理解する。
イクサ :
「──!?」
アールに命令を下す。
アベルの周囲を蹴らせ、火花を散らして後退する。
イクサ :
「───イスカリオテ、様」
敵対状態のイクサであっても、敬称を外すことの出来ないほどの、強者。
日向雛 :
「様……!?」 イクサを振り向く
アベル :
「そこまで畏まらなくていい。これは僕が至ったかもしれない姿で、彼自身ではないのだから─────」 その声はアベルそのものであるが、尊大さと沈み切った心情が入り混じっている。
イクサ :
「己があの方の立場に至れる可能性を持っている、なんて大した傲慢ね……?」
などというイクサだが、強さは及ばずとも彼以上の影響力を手に入れんとするイクサも正しく彼の信奉者という訳ではない。
メアリー :
「ハ、レジェンドヒーローのお次は、ヴィランの王……? まったく退屈しないわ、見世物としては一級品ね、渇望鏡ってやつは……!!」頬を汗が伝う。あきらかに気温によるものではない。冷や汗だ。
ヴァニタス :
「うえ~~……どう見ても守護者の雰囲気してないのだけれど……”破壊者”って感じね…」
歴史を知らずとも、その有り様をなんとなく受け取ったようだ。
マヤ :
「確かにコイツは、どうみてもサラーブを"守りそうな姿"には見えねぇな…」腕を組むと若干嫌そうな様子でヴァニタスの感想へ同意する
日向雛 :
「トップヒーローも簡単になぎ倒せる姿……それがあなたが、この状況を打破するための策だったんですね……」
日向雛 :
「でも、それだけの力……フェイルさん達も介してないのに、一体どれほどの負担がかかると思っているんですか……!?」 圧倒的な力を前に怯みそうになるが、それよりも心配が勝っている
アベル :
「もちろん、今も身が裂けそうなほどの負担だ。数分だって保っていられるかわからない……だから……」
アベル :
アベルは【囚人の鳥籠】(LM124頁)を2回使用。対象はストレイとフェイル。
Eロイス
囚人の鳥籠
タイミング:オートアクション
技能:- 難易度:自動成功
対象:単体 射程:視界
衝動:-
効果:望む対象を連れ去り、どこへも逃さぬよう監禁するEロイス。
あなたの不滅の執着心は形となり、お気に入りの人間を絶対の檻の中に捕らえる。
捕らわれた相手は、自分の意志でその場を出ることはできなくなり、ただあなたの傍に控えるようになるのだ。
いつでも使用できる。シーン内に登場している任意のキャラクターひとりを選択し、そのキャラクターを連れ去り退場させることができる。
連れ去られたキャラクターは以降、あなたが望むシーン以外には登場を行なうことができなくなり、また会いに行くこともできなくなる。
GMは任意に、特定の情報を入手する、Eロイスを使用したジャームを倒すことなどの、この効果を解除する方法を設定することができる。
また、この効果の対象にPCを選択することはできない。
ストレイ :
「あっ!?」
"異なる隣人"フェイル :
「うおっ……!?」
アベル :
「この2人は、頂いていくよ」2人に絡みついた鎖が、アベルの下へと牽引される。
マヤ :
「…、ッ!」咄嗟に2人へ手を伸ばすがもう遅い、指先が触れる寸手で引き離されてしまう
ストレイ :
「マ、マヤ……ッ」
アベル :
「……大切なものは枷になる。キミも、身を以て知るが良い。そして僕に証明してみせろ。自由を得たキミの強さで……!」
GM :
アベルは鏡を振るうと、地面に光が奔り、大きな亀裂が生まれる。
アベル :
「僕を止めたいなら追ってくるといい。そこでサラーブの未来を決めよう……」
GM :
その亀裂の中を覗くと、歪に屈折したサラーブの景色が広がっていた。そしてあなた達の中で、ヴァニタスはその景色に見覚えがあった。
GM :
それはかつて、フェイルに光を浴びせられた時に見た「万華鏡と見紛う光景」と酷似しているだろう。
ヴァニタス :
「あっ、前の!」
GM :
そして、アベルとストレイ、フェイルはその亀裂の中に飛び込んで姿を消した。
イクサ :
「(………サラーブから逃げた方がいいかしら?)」
賢者の石まで再現する"鏡"ならば、ヴィランの王そのものには至らずとも限りなく近い者になるだろう。
戦うのは無謀の領域にある。
サラーブは名残惜しいが、イクサにとって拠点を変えるのは慣れたことだ。
日向雛 :
「ヴァニタスさん、ご存じなんですか?」 亀裂の先の景色を覗いてから、ヴァニタスを見て
ヴァニタス :
「前に鏡に晒された時に見た場所ね、気持ち悪かった~」
日向雛 :
「鏡を使われた時に……?そういう異空間、ということなのでしょうか……」
マヤ :
「…ストレイ、……」名前を呟きながら亀裂へ数歩駆け寄ると眩暈を誘発するような景色にゴーグルを押さえる
マヤ :
「チッ …その、あー…目眩ましか?食らってアンタは大丈夫だったのか?」まずは情報収集、とヴァニタスへ振り返って
メアリー :
「平気じゃなきゃ、こんなにケロっとしてないんじゃない?」
ヴァニタス :
「うん、ちょっと目が回ったくらい?てっきりフェイルの体力が足りなくて変な光景を見ただけなんだと思ってたけど…」
マヤ :
「確かにそうか… つまりここに入っても"ちょっと目が回る程度"ってワケだな。」出会ってから今までの、巨大な人魚のマイペースな様子を思い出す
イクサ :
「マヤ?」
釘を刺すような声。
「いくらなんでも楽観視が過ぎるわ。その身体は大事なモノだと教えたはずよね?」
イクサ :
GM!《成分分析》で向こうの様子を推定したいです!
GM :
ではですね、わかることはバロールのイージーエフェクト《ポケットディメンジョン》と似た効果であることはわかります。中の規模はかなり大きそうです。
イクサ :
空気とか、生存に最低限必要なものはあるってことでいいのよね!
無かったらここで宇宙服チャレンジになっちまう
GM :
あるよ!
イクサ :
「少し場所を空けてくれる? 私たちが調べるわ。」
アールの探査用センサーを伸ばし、サンプルを採取して分析する。
「………朗報ね。内部環境に生存を妨げる要素は無いわ。"彼"以外はね。」
日向雛 :
「……そうでしょうね。アベルさんは、止めたいのなら追ってこいと言っていました……つまり、止められる可能性があるっていうことです」
日向雛 :
「それに、イスカリオテ……あれだけの力を持っているんです。きっと、下手な小細工はありませんよ」
イクサ :
「あら。もし罠を仕掛けられていたら、雛さんはどうするつもりだったの?」
日向雛 :
「罠を仕掛けられていたら……」
日向雛 :
「罠ごと倒すしかありませんね!わたしは最初から、相手が誰だろうと退く気はありませんから……!」 えへ、と笑って
イクサ :
「………そう。本当に靭いのね、貴女。」
心も身体もただ強靭。
必死に固めた鋼鉄ではなく。
荒れ地に咲く、柔らかな花のような。
イクサ :
だからきっと、心底腹が立つのかもしれない。
自分が得てしまった強さは、彼女とは違うから。
日向雛 :
「つよくなんかありませんよ。わたしはただ、友達を助けたいだけ」 ジャスとティティのことを思い浮かべ
日向雛 :
「それに、ストレイさんもフェイルさんも犠牲になって欲しくないし……。もう、アベルさんのことも放っておけませんから」
日向雛 :
「だから、わたしは追いかけちゃいますけれど……皆さんはどうします?」
メアリー :
「……バカに相応しい愚問ね」
メアリー :
「無論、私は行くわ」
メアリー :
「萬屋としてエトワールから受けた依頼は達成しなければならないし、なにより」
メアリー :
「……ここで逃げたら、女が廃るってもんでしょ」口元に笑みを浮かべながら言う。
日向雛 :
「メアリーさん!」
日向雛 :
「よかった~!さすがに一人だと大変だと思ったから、心強いです!」 メアリーに抱き着こうとする
メアリー :
「暑いんだから引っつくな……! 別にあんたの為に行く訳でもないんだし……!!」ひょいと躱す
日向雛 :
「んべぇ……!そ、そんなぁ……」 床に頭からスライディングしてる
メアリー :
「……ていうか、アレ相手に一人で勝つつもりだったの? 自己評価高すぎるでしょ? バカなの? バカだったわね?」
日向雛 :
「べ、別に自己評価が高いっていうわけじゃ~……」
日向雛 :
「確かにバカかもしれないけど……それでも、わたしは退けない理由がありますから……」
メアリー :
「それにしても無謀でしょう」
メアリー :
「……サラーブ最強の私じゃないんだし、あんた一人じゃ、イスカリオテは倒せないわよ」そういうメアはもっと自己評価が高いのであった。
日向雛 :
「あはは……だから、心強いです。最強のメアリーさんがいれば、きっと勝てますね……!」 グッと両手で握り拳を作る
メアリー :
「ええ、当然」
ヴァニタス :
「私はもちろん行くわよ~、ご存じの通り私はサラーブの守護者!アベルの理想は私の理想とはぜーんぜん合わないもの」
腕のストレッチをしながら
日向雛 :
「ふふっ、ですよね……!流石守護者さんです!一緒に行きましょう、ヴァニタスさん!」
ヴァニタス :
「もーちろんっ!がんばっちゃいましょ」
ふんふん
日向雛 :
「わーいっ」 のんきにヴァニタスの手を取ってストレッチの手伝いをしている
イクサ :
「貴方たち、正気? イスカリオテを直接見たことが無いから、そんなことが言えるのかしら。」
「紛い物であっても、勝てるはずがない。」
そもそも黙って立ち去らない時点でイクサらしくないのだが、問いかけてしまう。
日向雛 :
「わ、わたしは正気です!」 ちょっと焦って
ヴァニタス :
「あ~…わかったわ?さっきメアリーも言ってた気がするけど、アベルも貴方もアレなのね。私は負けないのよ?イメージするのはサイキョーの自分!戦って、勝つしか私が欲しいものは手に入らないのだから、そこを考える必要、ある?」
ヴァニタス :
「私達ってそうやって生きて来たんじゃないの?」
メアリー :
「フ、たしかに随分と弱腰よねイクサ? あれほどの力を手に入れられる鏡、確実に我が物にしなくては! とか言いだすかと思ったのに?」嫌味な笑みを浮かべている。
イクサ :
「私は、……負けないように。勝てない戦いはしない方針なのよ。」
ヴァニタス :
「今まで喋ってても賢い人なんだろうなぁと思ってたし、きっとそれも賢いのかも。私は行くわ?そうしないとサラーブが変わってしまうんだもの」
マヤ :
「…ふぅん、"マヤ"の最高傑作ってその程度なのか。」
敢えてつまらなそうに、イクサに聞こえるように呟く
イクサ :
「貴方も行くつもりなのね、………マヤ。」
「そうよ、あの子の傑作程度では勝てるはずがない。ましてや、使い手が貴方のような粗野な野犬では……。」
後半になるにつれ、ブツブツと独り言のようになる。
マヤ :
「悪ぃけどアンタが逃げても俺はこの街残るぜ?……ま、アンタにとっちゃ"コレ"もしがないオモチャのひとつだろうが。惜しいならパーツでも拾いに来るんだな、イクサ?」
自らの胸…心臓のあるだろう場所に手をあてるとアール・エスを真似ながら笑う
イクサ :
「………安い挑発。 誰に教わったのかしら。」
もういい、とばかりにマヤとの会話を打ち切る。
日向雛 :
「あの……イクサさん……?」 申し訳なさそうに近付いて、その顔を覗き込む
イクサ :
「まだ何か?」
微笑んでみせるが、はっきり言って凶器のような鋭さだ。
日向雛 :
「はい、ちょっとだけ……謝りたくって」
日向雛 :
「わたしっていつもこんな感じだから、きっと楽観的に見えちゃってましたよね……。ごめんなさい、心配をおかけしてしまって」
日向雛 :
「あの、だけど、わたし……別に勝算も持たずに戦いに行こうとしてるわけじゃないんですっ」
イクサ :
「…………。勝算、あるの?」
疑いの目線を隠そうともしない。
日向雛 :
「はい!」
日向雛 :
「わたしにはまだ、切り札が残っていますから……!」
日向雛 :
そう言って、右手の袖を拭う。そこから現れたのは、手の甲に埋め込まれた十字型の賢者の石だ。
日向雛 :
「これです!ジャスさんとの戦いで使わずに済んだので……!」
イクサ :
「言っておくけれど。 イスカリオテ様はジャスさんのような強さのヒーローを一瞬で葬るわ。」
「アベルも……きっと、その領域に踏み込んだでしょうね。」
イクサ :
「命を懸けるようなことなの?」
問いかけは雛だけではなく全員に。
日向雛 :
「はい……。わたしは、ジャスさん達を助けたいですから」 頷いて
ヴァニタス :
「もちろん!勝つし、億が一負けても…サラーブに散ることができるなら本望だわ…♪」
恍惚と
マヤ :
「いいねぇ~ 一貫してるなアンタ…俺も行かない理由はねぇよ、ストレイとフェイルが待ってる。」ヴァニタスの言葉に頷きながら
メアリー :
「……そうねえ、イクサの言いたいコトは分かるわ」
イクサ :
「ええ。貴女だけは理解できるでしょう?」
メアリーも損得で動く人間。
負けて死んだら得は0、このルールは理解していると。
メアリー :
「ええ、たしかに私には、命を懸けてアベルを倒さなきゃいけないだけの、大きな理由は無い」
メアリー :
「せいぜい、エトワールの依頼があるくらい。それもただで受けたおかげで見返りは見込めないわ」
メアリー :
「……けど」
メアリー :
「私は、あいつが気にいらない」
メアリー :
「あいつが作ろうとする理想のサラーブが、他人の為のようで、どこまでも自分勝手な偽善が気にいらない」
メアリー :
「あいつの掌の上で踊らされて、さんざんコケにされて、無様に逃げる自分はもっと気にいらない」
メアリー :
「大した理由なんてないわ、その必要も無い。ただ私は気にいらないモノをブッ壊しに行くだけよ」
メアリー :
「ただそうしたいからそうする……バカらしいと思うけれど、それはアベルも、マヤもヴァニタスも、ヒヨコだって同じ……」
メアリー :
「────損得ナシで自分の好きを貫くなんて、私たちヴィランにとって、当然のコトでしょう?」
イクサ :
「…………十分分かったわ。分かったわよ。」
「貴女もたっぷり毒されてるってことがね。」
ちらりと、雛を見る。
イクサ :
「………やっぱり、私は行かないわ。」
「ごめんなさいね。アベルに敵対する理由はあるけれど、勝てない戦いは出来ない。」
日向雛 :
「はい!もちろん、全然大丈夫です!」
日向雛 :
「イクサさんもいてくれたら、嬉しかったですけど……ここで待っていてください」
日向雛 :
「イクサさんが待ってくれてるって思ったら、もっと力が湧いてくる気もしますし!ちゃんと鏡を取り返して、三人も連れ戻してきますね!」 微笑みかける
メアリー :
「……ハ、賢明な判断よね。あんたはせいぜい怖気づきながら、日陰でロシアンティーでも啜って待ってるといいわ」
マヤ :
「…そ。 …ここでぶっ倒れられても困るしセーフハウスでな?」片手をあげてメアリーの台詞に続ける
GM :
あなた達が決起していると、倉庫内にもう一つの足音が響く。
エトワール :
「随分と騒がしい気配を感じて来てみれば、これは……」
GM :
親指のエトワールがそこには立っていた。
ヴァニタス :
「あら、エトワール!」
キャッキャッ
エトワール :
「こんにちは、ヴァニタス」「……どうやらアベルは面倒事を起こして、この場から去った。そんなところでしょうか」
イクサ :
「あら、エトワールさん。自ら現場に来られるなんて。」
さっきまで依頼を破棄しようとしていた素振りは何処へやら、丁寧に応対する。
日向雛 :
「ごめんなさい、作戦は失敗しちゃいました。アベルさんはイスカリオテさんになって鏡とストレイさんとフェイルさんを連れてこの向こうですね~……」 亀裂を指差して
エトワール :
「なる、ほど……?」 イスカリオテの名を聞いて、一瞬だけ眉を顰めてみせる
日向雛 :
「でも、これからみんなで追いかけて倒しますから大丈夫です!」
日向雛 :
「あ、間違えました、イクサさん以外のみんなです!」
エトワール :
「そうですか」 イクサを一瞥して
イクサ :
「………ええ、そうよ。"渇望鏡"の力でイスカリオテの可能性を被ったアベルは私の手には余る。私は依頼を放棄して、メアリー社長たちに委託するつもりだったの。」
早々に雛に事情を暴露され、苦々しく状況を告げる。
エトワール :
「ふむ。なら私もアベル討伐に足を運んだ方がいいのだろうけど……」
エトワール :
「……生憎、もしもの場合、あなた達が負けた場合のことを考えて動かなければならない。私は一緒にいけないかな」
エトワール :
「アベルに対抗できるのはキミ達だけになってしまいそうだ。それでも大丈夫かい?」
日向雛 :
「大丈夫ですよ~。ちゃんと勝ちますから!」
メアリー :
「元よりそのつもりだったしね」
メアリー :
「かえって大きな組織の手助けがない方が、私の名声を高め、萬屋 GOLD DUSTの看板にハクをつけるには丁度いいってモノよ」
エトワール :
「ありがとう。こちらもこの亀裂を監視させてもらうよ。見張る者と……帰還を迎える者が必要だろう?」
マヤ :
(流石社長…ちゃっかりしてるなぁ)メアリーに
マヤ :
「何?お迎えしてくれんの? そりゃ嬉しいね。」徒歩で帰るのやだし、と言いながら
エトワール :
「サラーブの脅威を討った英雄……いや、悪党を迎えるのに静寂が最初に迎えるのは寂しいだろうからね」
エトワール :
「ああ、あと……キミ達にこれをあげるよ」そういって無線イヤホンをあなた達に渡す
エトワール :
「何かあった時に咄嗟に取れる連絡手段が必要かと思ってね」
日向雛 :
「ありがとうございます!……でもあの中って電波は届くんでしょうか?」 一応受け取って、耳に付ける
マヤ :
「お、いいね。…この中でも繋がるか…?」イヤホンを受け取ってフードの中へ入れつつ…同タイミングで同じ疑問を問いかけた雛を見る
メアリー :
「フェイルは『鏡は演算装置』だと言っていた……仮にそれが正しいとすれば、この向こう側は、鏡が演算した可能性の世界……のような気がするけど……」それでも通じるのかしら、と目線でエトワールに尋ねる。
エトワール :
「バロールの異空間でも繋がる優れものさ。流石に音質は劣化するけどね」
日向雛 :
「すごい!それならきっと大丈夫ですね」
マヤ :
「ま、多少劣化しても俺の声聞きとれる耳なら大丈夫だろ。」
ヴァニタス :
「私とマヤだったら、こっちから強化してあげることとかできるかもしれないわね~」
マヤ :
「あー確かに、天才か?」
メアリー :
「もっとも通信できたところで、エトワール達の手助けが見込めない以上、こっちのメリットは大してなさそうだけどね」イヤホンを受け取りながら
日向雛 :
「いえ、あります!」
メアリー :
「はあ? 何があるって言うの?」首を傾げる
日向雛 :
「しんどくなった時、がんばれ~って応援してもらえます!!」
メアリー :
「…………」
エトワール :
「前向きに考えておくよ」 微笑を浮かべている。(内心は引き攣った笑み)
日向雛 :
「やった~!」 イクサの方を期待するように見てる
マヤ :
「…元からそういう奴だったろ?」慣れた様子でメアリーに
ヴァニタス :
「予想以上にお馬鹿な返しでびっくりしちゃったんじゃない?」
メアリー :
「……まあ、このくらいバカじゃないと、今回の仕事は務まらないのかもね」肩を竦める
マヤ :
「…、確かに。」腕を組んで頷く
イクサ :
「あら、私の応援も必要?」
内心は呆れを通り越して無になりつつある。
「皆さん、頑張ってくださいね?」
日向雛 :
「はい、がんばります!!!」 めちゃくちゃ嬉しそうに両手で拳を作って
メアリー :
「ふ、イクサもエトワールと同じく、結局のところ大きすぎるリスクは取れないって訳」
メアリー :
「まあ、そっちが正常ね」
メアリー :
「……それにしても、ストレイとフェイルを介さない渇望鏡の使用は、失敗して死亡するリスクが非常に高い、って話だったけど」
メアリー :
「アベルのやつ、躊躇いもなく自分に使って、イスカリオテの力を得るコトに成功したわね」
メアリー :
「イクサやエトワールと違って、死のリスクを何とも思ってないのかしら」
日向雛 :
「言われてみれば、そうですね……。鏡を一番研究してた人だから、使い方のコツを知っていたとか……?」
マヤ :
「コツねぇ…それが分かってても壊れるものは壊れるぜ?人間なんて特にだ。」
メアリー :
「まあ、そこは流石の元小指ってコトかもしれないわね……もともとカジノの元締めだったからか、ここぞという時の"勝負運"を持ってるわ……」
日向雛 :
「失敗も覚悟の上、ってことだったのかもしれませんね……」
ヴァニタス :
「あるいは、本当に死なんてどうでもよかったかも?生死気にしない人ってこの街に一定数いるじゃない?」
日向雛 :
「うーん、もしかしたらそういう感じなのかも……」
日向雛 :
「……でも、アベルさんじゃないんだからもう考えても分かりません!後で聞きましょう!」
マヤ :
「ま、その引き運のお蔭で今のところアイツらの無事は確保されてるワケだ。…それなら間に合ううちに行こうぜ?」ストレイとフェイルを指しながら
メアリー :
「そうねえ、一つ確かなのは、私達も"賭け"に出ないといけないってコトだけ」
メアリー :
「────行きましょうか、一生に一度、ヴィランの王との大勝負に」
日向雛 :
「はい!」 そう元気よく応えてから
日向雛 :
「……あ、違いますよ~メアリーさん。あのヴィランの王、一応偽物ですよ?」 小さく笑って
メアリー :
「そんなこと知ってるわよ!まったく締まらないわね!!」
日向雛 :
「ひぃん……!?そ、そうでしたか……」
ヴァニタス :
「レッツゴ~!♪」
マヤ :
「相変わらずだな~…アンタらの運信じてるぜ?」2人の様子を笑ったあと皆に
日向雛 :
では、わいわいしながら亀裂の中に入っていきます。
メアリー :
「……はあ、それじゃあねイクサ? 今日は暑いし、エトワールと仲良くお茶してなさいな?」嫌味たっぷりの小言を残して、亀裂に飛び込む
イクサ :
「………本当に行ってしまったわ。」
頬に手を添えて、亀裂を眺めて考えに耽る。
エトワール :
「本当にキミは行かないつもりかい?」 あなたの隣に立って
イクサ :
「当たり前、行く訳がないでしょう?」
「──と思っているのだけど。………。」
イクサ :
そう言いながらも、アールに乗り込む。
亀裂の大きさを確認し、歩を進めるのはまるで、中に入るつもりのようだ。
エトワール :
「おや、てっきり竦み上がっているとばかり思っていたけど……心変わりかな?」
イクサ :
「私にも分からないわ。普通に考えて、正気じゃない。」
「どうしてかしらね。」
イクサ :
「今、サラーブに潰れてもらっては困るから?」
「大切だった人の義体をみすみす壊されるのは嫌だから?」
「便利屋ごときに見下されたままのは許せないから?」
「あの子のあまりに真っすぐに狂った心に勝機を見出したから?」
イクサ :
「分からないわ、本当。」
「でも、そうね……。」
イクサ :
「行くからには、絶対に生き残るわ。」
「イクサ・スミェールチに、撤退はあれど負け戦は無いのよ。」
エトワール :
「……そうか、実にキミらしい。アベルの持つ狂気にはキミの狂気で対抗するのが一番だろうから、やる気になってくれて何よりだ」
イクサ :
「私らしい? ふふ、御冗談を。」
イクサ :
「それじゃあ、また後で会いましょう。」
アールのスピーカー越しに別れを告げ、遅れながらもおもむろに亀裂へ踏み込む。
エトワール :
「御武運を。サラーブの命運はひとまず託したよ」 あなた達の背中を見送る。
GM :
そうしてあなた達は亀裂をくぐり、アベルが待ち構えているあろう空間に突入するのであった……。
GM :
シーン終了。ロイスの取得、感情変更、Sロイスの指定が可能です。
ヴァニタス :
変えちゃお
日向雛 :
わたしまだだけど、今はなしで!クライマックスでやります、多分
イクサ :
ロイスは……今ので大丈夫!
お前ら嫌いだぜ、何故か助太刀に来ちゃったけど
日向雛 :
ツンデレです?
メアリー :
ツンデレじゃんね?(鎖付きブーメラン)
ヴァニタス :
メアリーのポジティブを好意に変更!
メアリー :
好意を抱かれメア!メアも誠意のPロイスをヴァ二ちゃんに取っているので、ほんのり仲良くなっている(?)
マヤ :
Sロイス指定しようかな
ストレイをSロイスにします!以上で!
GM :
了解!他にはないな!!
日向雛 :
ない!進めて!
GM :
おっけー!ではでは…
Scene13 Mirage to Sarabe
GM :
クライマックスです!登場は全員!
マヤ :
1d10+128(1D10+128) > 7[7]+128 > 135
ヴァニタス :
1d10+118(1D10+118) > 10[10]+118 > 128
日向雛 :
1d10+111(1D10+111) > 7[7]+111 > 118
メアリー :
1d10+111(1D10+111) > 7[7]+111 > 118
イクサ :
1d10+88(1D10+88) > 3[3]+88 > 91
メアリー :
さ、最後まで雛ちゃんと同じだ……
日向雛 :
えへ、わたし達本当に仲良しですね!
GM :
仲良しぴっぴがよ……ステータスを上げるのも大丈夫かな!
日向雛 :
大丈夫!
マヤ :
おっけー
GM :
大丈夫そう!それじゃ描写しましょう
GM :
────身体がぐるりと反転する感覚を覚えてしばらく、あなた達の足裏に固い地面の感覚を覚える。
GM :
そして顔を上げれば、信じがたい光景が目に飛び込んでくるだろう。
GM :
色彩を失った都市と、崩壊した建築物。硝子化した土地がそれぞれ屈折し、時折り鏡面には表のサラーブの光景が映し出されていた。
GM :
その先にアベル達は静かに佇み、あなた達を待ち構えていた。
日向雛 :
「わ、あ……。なんです、これ……?」 その光景に驚いて立ち尽くす
マヤ :
「あー気持ち悪、ここ地面であってる…?」軽い眩暈を振り払うと硝子の都市を見渡す
ヴァニタス :
「滅びちゃってるぅ…」
ひえ~と言いながら降りてくる
アベル :
「……よく来たね。ここは鏡で作り出した空間、僕が潜伏していた場所さ」 くぐもった低く響く声で、そう答える
日向雛 :
「アベルさん……。元からここがあなたのホームグラウンドだったってことなんですね……」
アベル :
「そうだ。ここに潜み、鏡の研究、そして彼女達を生み出し……機を伺っていた」 ストレイとフェイルを拘束する鎖が揺れる
ストレイ :
「うっ……マヤ、私……」
"異なる隣人"フェイル :
「くそったれが……こんなところ、二度と戻って来たくなかったぜ……」
マヤ :
「…お前らが生まれた場所ってことか、」ストレイとフェイルを見つめて呟く
メアリー :
「……まったく今のあんたに似合いの都市よね? 孤独な愚王には相応しい光景だわ?」崩壊した鏡の世界を見回して、アベルに吐き捨てる。
アベル :
「……そうだ。これがサラーブの未来、何か手を打たなければいずれこの景色のような結末を迎えるだろう」
アベル :
「だからこそ、僕がやらなければならない。そしてキミ達はそれを止める為に来た……今はただ、それだけだ……」
日向雛 :
「そんな……」 悲し気な瞳で、崩壊した世界を眺める
アベル :
「友、仲間、家族……大切なものならなんだって良い。僕のように、それらを奪われることがないようにしなくては……」 呟いた雛に、そう小さな声で返す
マヤ :
「…言っただろ?それはアンタが奪われるのが怖いからやってる事だ。”奪われない為に奪って”んだよ、そいつの本質ってヤツをな。」
マヤ :
――鏡の力で正気を失ってしまったであろうジャスの記憶が擦り切れた映像のように蘇る…戦っていたときの雛の様子で分かる…本来の彼女はきっと違うのだ。
あれは彼女であって彼女ではないのだろう。
マヤ :
それは奪われることと同義だ。
アベル :
「ここに来たということは、キミも奪われるのが怖いのだろう。だからキミも取り戻しに来たんだ。キミの未来、可能性を……」
アベル :
「─────ならば、抗ってみせろ。僕から言えるのはそれだけだ」
マヤ :
「――当たり前だろ。みすみす奪われてたまるか 奪われる前に奪うんだよ、ヴィランって奴はな。」鼻で笑うとアベルを指さす
日向雛 :
「…………」 ここまでのアベルの様子を静かに見守って
日向雛 :
「あの、アベルさん……」
日向雛 :
「……いいえ、“埜堂カイ”さん」 アベルの本名で、呼びかける
アベル :
「…………」 静かにくぐもった唸り声を漏らしながら、雛の方へ顔を向ける
日向雛 :
「ずっと考えていたんですけれど……」
日向雛 :
「わたし、あなたのこと……。もう、元小指のアベルとも、ヴィランの王のイスカリオテとも、見ることが出来ません」
日向雛 :
「どれほど強大な力を纏っていても、今のあなたは自分が守りたいものを必死に守ろうとしている、ただの一人の人間にしか見えない」
日向雛 :
「だから、わたし、あなたのこと……全然怖くはありません」 静かに、悲し気にそう伝える
日向雛 :
埜堂カイに〇同情/敵愾心でロイスを取ります。
system :
[ 日向雛 ] ロイス : 5 → 6
GM :
おっけー!
アベル :
「……そうでなくては。未来へ進む者は恐怖に立ち向かう眼が必要だ」
アベル :
「だからこそ、僕を越えて行くがいい。都市を、人を守り抜く勇気を示すんだ」
日向雛 :
「……はい。ありがとうございます、カイさん」 穏やかな声でそう返事して
日向雛 :
「決着をつけましょう」 自分はヒーローではないから、彼を救うことは出来ない。ただ、ヴィランとして勝ち、相手に負けを認めさせるだけだと。そう目で優しく伝える。
メアリー :
「……恐れていないのは私も同じ。だってあなたは"虎の威を借る狐"よ」
メアリー :
「上から目線で『抗ってみせろ』とか、もう勝ったつもりみたいだけど」
メアリー :
「────知らなかった? フランス革命の頃からずっと、王は匹夫に討たれる宿命だって!!」決着をつけるため、首輪から鎖を引き抜き、臨戦態勢に入る。
アベル :
「せいぜい、狐に化かされない様に気を付けるといい……」
ヴァニタス :
「……サラーブがこうなるって予想してるのは、何を根拠に?」
周囲を見渡した後、アベルを見据えて
アベル :
「僕の体験。ヒーローの動向、そして周辺各国がサラーブに向ける評価……それらを加味すれば、十分あり得る事実だ」
アベル :
「我々は地下に潜伏した者達と違って、悪目立ちが過ぎる」
ヴァニタス :
「ん~~……アベルも賢いだろうから、私が予想するよりよっぽど精巧な未来が見えてるんだろうけどさ~~~~……」
不満げに
ヴァニタス :
「……ちょっと悲観的すぎるかなって思うのよね!貴方を止めに来た骨のあるヴィランがここに4人もいるんだから!私とマヤは多分無いけど…」
ヴァニタス :
「あるのかな…まぁいいや、貴方がやろうとしてることはサラーブへの攻撃なの!わかる!?誰かが言ってたけど本末転倒って奴なのよ!」
ヴァニタス :
「だから守護者たる私としては看過できないの!貴方がこの街の未来を憂いていようが、ヴィランの王?の力を持とうがね」
アベル :
「杞憂ならばそれでいい……。だが、サラーブへ威力偵察に来るヒーローや、内情を探ろうとする者達の存在が滅びへのカウントダウンを下し続けている」
アベル :
「僕はそれらを看過することはできない……」
ヴァニタス :
「~~それはねぇ!ん~…ヴィランだからそれは当然で……私も殺してるし……でも…」
ヴァニタス :
「(あれ、私はサラーブにどうなってほしいのかしら?)」
真面目な会話の最中に突然きょとんと首をかしげ
ヴァニタス :
「まぁ、そうね?じゃぁ…貴方と同じ…砂上都市サラーブを初期から見守ってきた守護者として、貴方を止めさせてもらうわ。私達はヴィランなのだから、ヒーローがやって来ることだって受け入れなきゃ」
すっ…と、冷めたように言い放つ。守護者としては矛盾しているような発言にも思えるかもしれない。
アベル :
「そうだヴァニタスくん。キミのやりたいようにすると良い、それでこそヴィランというのものだ……」
アール(四脚戦車) :
屈折した世界の光は歪なれど、閃く影に気づいた者は影の主を探して上を見上げるだろう。
丸い鋼の胴体に、無骨な四脚。
イクサ御自慢の多脚戦車アールが空ならぬ空から落ちてくる。
脚のブースターを吹かし、紛い物のビルの壁面へ飛び込み、滑り落ちる。
壁面に爪痕を、道路に硝子とコンクリートの破片を撒き散らして速度を落として降り立つ。
イクサ :
「御歓談中にお邪魔してごめんなさいね、アベルさん?」
アベル :
「イクサ・スミェールチ。もちろん待っていたとも」
日向雛 :
「……!?あれ!?イクサさん!?」
ヴァニタス :
「あれ、来たの」
日向雛 :
「ど、どうしたんですか?もしかして、こっちに何か落とし物でもしちゃいました……?」
イクサ :
一応は助けに来たのに、落とし物を拾いに来たなどと言われて不快な表情を示すが、幸いコクピット内だったので皆には見せずに済んだ。
イクサ :
「さあ、どうしてかしらね。」
「やっぱり来ない方が良かったかしら?」
日向雛 :
「……?もしかして、やっぱり一緒に戦ってくれるんです!?」 遅れてやっと気づく
マヤ :
「派手な登場~、やっぱ一人で待つのつまんなかった?」ジャケットに降り注いだ硝子の破片をはらいながら
メアリー :
「エトワールとの優雅なティータイムの予定は、良かったのかしら?」メアはイクサの行動を予想していたのか、大して驚いていない。嫌味で答える。
イクサ :
「ええ、ティータイムを楽しむつもりだったのだけれど。」
「少し、気まぐれを楽しむことにしたの。」
メアリー :
「……あら、それはそれは」にっこり
メアリー :
「ヴィランの王との博打は退屈しないわよ、きっとね」
日向雛 :
「わあ……!気まぐれでも嬉しいです!イクサさんがいれば、百人力ですね……!」 笑顔で駆け寄ると、アールの脚に抱き着く。もし搭乗していなければイクサにそのまま抱き着いてたような勢いだ
イクサ :
「何をしているの? うっかり踏み潰してしまうかもしれないわ?」
忠言と八つ当たりの間の子として言葉を紡ぐ。
日向雛 :
「えへへ、ごめんなさーい」 素直に離れるが、ずっと嬉しそうにニコニコしてる
アベル :
「さて、イクサ……ここに来たのはキミもサラーブの未来を望んで? それとも己の野望の為かい?」
イクサ :
「さあ、どうでしょうね?」
「私の裡を開いたところで、貴方はきっと私のことは何ひとつ理解できない。」
「貴方の裡は開かれたけれど、私は貴方を理解した上で──どうでもいいの。」
イクサ :
「だから会話をするつもりはないわ。」
「大層お強いのでしょうけれど……強いだけの、ただの障害物よ。」
「見目だけには驚いたけど、それだけ。私の心に波紋は立てられない。」
イクサ :
「そして……自らここに来た以上、私は当然のように勝利するだけ。」
それきり。
会話ですらない、言いたいことだけのシャワータイムはおしまい。
アベル :
「当然、僕も勝たせてもらうとするよ」 肩を竦めて
日向雛 :
「…………」
日向雛 :
視界一面に広がる、サラーブの景色。
日向雛 :
その中から、見慣れた廃ビルが倒壊している姿を見つける。
日向雛 :
「……ちゃんと、守らないと」
日向雛 :
小さく呟く。脳裏によぎるのは、大事な友達と過ごした大切な時間だった。
日向雛 :
ジャス&ティティのロイスをSロイスに指定します。
GM :
了解!きっと草葉の陰でよろこんでます
日向雛 :
し、死なすな!!!
マヤ :
ストレイとフェイル、荒廃した寂しい景色の中に佇む2人を見る…大人のエゴで訳も分からず造られた道具、つい昨日まで一緒に過ごしていた相棒。
マヤ :
「――お前ら、どっちがいい?俺たちと一緒に出て限りある命で生きるか。このまま道具になるか。」
アール(四脚戦車) :
声上げられぬ者たちも、彼らの回答を静かに待つ。
"異なる隣人"フェイル :
「……ッ、決まってんだろ!」
"異なる隣人"フェイル :
「私は……自由に生きる! 誰にも縛られねぇ、自由な人生をな!」
マヤ :
「ふ、…お前、俺と似てるな? ああ、サイコーだよな!自由!」
少し笑うとフェイルの声にも負けないような高らかな声で同調する
マヤ :
「――さて、ストレイ…答え聞いてなかったな。」フェイルの自由への渇望に俄然やる気が出た、そのままストレイに
マヤ :
「俺と一緒にあの世界で生きてくれるか?」
マヤ :
これは命令ではない。気持ちひとつで振り払うことも出来る"選択"…敢えて彼女が従わないような言葉を選んで優しい口調で
ストレイ :
「わ、たしは……」
ストレイは思い馳せる。アベルの元で過ごしていた日常。そして、初めてマヤ達と過ごした非日常を。
ストレイ :
「…………」 もう一度、決断の時。そしてストレイは口を結び、顔を上げた。
ストレイ :
「生きたい……私、マヤと一緒に生きてみたい!」
本当はずっと前から心に決めていたこと。それをようやく、口に出して言う事ができた。
マヤ :
「…決まりだな。」心底楽しそうな声で
マヤ :
「俺は今からお前等を自由にする!ついでにアンタの雁字搦めの石頭もな!…その後どう生きればいいか?知らねぇな。それを探すのも悪くねぇ。」
アベル :
「……独り立ち、というわけか」自分にしか聞こえない声で、ポツリと呟く
アベル :
「─────だが」
アベル :
「ストレイ、フェイル……私に『服従しろ』」 渇望鏡が輝くと、2人に巻き付いた鎖に怪しい光が流れる
アベル :
「お前達は私の道具であると同時に手駒だ。私の援護をしろ」
ストレイ :
「ぐ、ぅ……!?」 身体の制御権を奪われ、ぎこちない動きを見せる
ストレイ :
「アベ、ル……やめ、て……」
"異なる隣人"フェイル :
「っ、こいつ……!」瓦礫の中から取り上げた鉄パイプが直剣へと変わる
アベル :
「……では、始めようか。サラーブの未来を決める戦いを」 2人を一瞥することなく、あなた達を見据え、戦闘体制に入る。
GM :
あなた達はヴィランの王と対峙する。
GM :
たとえイスカリオテ本人でなくとも、彼と遜色変わりない意志と力。
それがあなた達を蝕むレネゲイドの嵐となって激しく共振する!
GM :
衝動判定の時間だ!目標値は10、失敗したら暴走!判定の成否に関わらず意思の判定後に2d10増やしてね!
マヤ :
5dx(5DX10) > 10[2,3,3,6,10]+9[9] > 19
マヤ :
2d10+135(2D10+135) > 15[9,6]+135 > 150
ヴァニタス :
(6+3+0)dx(10+0)+1+0 〈意志〉判定(9DX10+1) > 10[2,3,4,5,6,7,8,9,10]+1[1]+1 > 12
ヴァニタス :
2d10+128(2D10+128) > 6[2,4]+128 > 134
日向雛 :
7dx+3(7DX10+3) > 9[1,2,2,2,2,5,9]+3 > 12
日向雛 :
2d10+118(2D10+118) > 10[2,8]+118 > 128
メアリー :
6dx <意志>(6DX10) > 10[3,4,8,9,9,10]+7[7] > 17
メアリー :
2d10+118(2D10+118) > 13[7,6]+118 > 131
イクサ :
9dx+2>=10 結構大事、頼むよ(9DX10+2>=10) > 10[4,4,4,8,8,8,9,10,10]+10[4,10]+9[9]+2 > 31 > 成功
イクサ :
2d10+91(2D10+91) > 13[10,3]+91 > 104
GM :
みんなステータスも増やし終わったかな?
日向雛 :
終わった!
マヤ :
終わり!
GM :
はい!では今回の戦闘、ちょっとした説明があります。
GM :
まずは一部Eロイスの開示!
Eロイス
不死英雄:鏡
タイミング:常時
技能:- 難易度:-
対象:自身 射程:至近
衝動:-
効果:このEロイスを取得する際、能力値を用いたすべての攻撃から受けるダメージは自動的に0になる。
なお、この不死性には、それを維持する為の条件を設定しなければならない。その条件を達成することで、このEロイスは解除される。
解除条件:現在のワークスがヒーローのキャラクターから攻撃対象にされる。
Eロイス
写し鏡
タイミング:オートアクション
技能:- 難易度:自動成功
対象:自身 射程:至近
衝動:-
効果:このEロイスは、キャラクターを1人選択して対象となったPCのエフェクト、アイテム(装備やヴィークル含む)を全て自身のものとして取得する。
その時、取得したエフェクトは全てウロボロスのエフェクトとして扱う。
ただし、HP増加エフェクト、行動値増加エフェクト、Dロイスの効果、あるいはDロイスで取得した特殊なエフェクトやアイテムは使用できない。
使用時、戦闘終了まで【写し鏡】はオートアクションとしてあなたのエフェクトに追加される。
別のキャラクターを効果の対象にした時、以前にコピーしたエフェクトとアイテムは消滅し、新たな対象のエフェクトとアイテムを取得する。
データを取得した時、対象が武器を装備していれば、自身の装備中の武器を破壊して対象の武器を自動的に装備する。
ヴィークルも自動的に搭乗、新たなキャラクターを対象時にヴィークルから降りる。
バックトラックのダイス2つ分として扱う。
GM :
長いので少し読む時間を設けます
日向雛 :
現在のワークスがヒーローのキャラ…一人だけいますね…?
GM :
ククク…
マヤ :
いるねぇ…
GM :
読み終わったかな?それじゃエネミー(鎖)の解説!
エネミー
【鎖A】
鎖Aが"異なる隣人"フェイルを対象にしている時、対象の行動値を0にして対象にダメージを100軽減させる効果を与える。鎖Aはカバーリングの対象にならない。
鎖Aを破壊した時、以下の効果が発動する。
"異なる隣人"フェイルの非エネミー化。
???が戦闘に加わる。
【鎖B】
鎖Bがストレイを対象にしている時、対象の行動値を0にしてダメージを100軽減させる効果を与える。鎖Bはカバーリングの対象にならない。
鎖Bを破壊した時、以下の効果が発動する。
ストレイの非エネミー化。
アベルの受けるダメージが2倍になる。(邪毒のダメージには適用されない)
日向雛 :
ほ、本当に周りのを先に倒さないと本体にダメージ与えられないタイプのボス戦じゃん!!!!
GM :
そうだよ!がんばりな!
日向雛 :
ひぃん…
GM :
皆さん読みましたか!?本格的に戦闘を始めますよ!
イクサ :
おっけー!なんとなく把握!
日向雛 :
大丈夫!
マヤ :
おっけ!
ヴァニタス :
おけおけ!
メアリー :
やってやろう!
GM :
おっけ、では行動値と戦闘配置!
【行動値】
65 アベル
19 マヤ
12 メアリー
10 ヴァニタス
06 雛
01 イクサ
00 ストレイ
00 フェイル
※鎖はエフェクトを持たないので除外
【初期配置】
アベル、ストレイ、フェイル
|
(5m)
|
マヤ、ヴァニタス、雛、メアリー、イクサ ― (5m)
【勝利条件】
・エネミーの戦闘不能
◆第一ラウンド
GM :
セットアップに入るぞ!
GM :
アベルはオートでEロイス【写し鏡】を使用。対象は日向雛。
日向雛 :
わたしです~?
アベル :
そうだよ~
GM :
セットアップある人宣言していって!
イクサ :
コーリングシステムを使いアールに搭乗!
元から乗ってるRPだったけど一応ね
メアリー :
≪尾を食らう蛇≫+≪巨人の影≫!
メアリー :
1d10点のHPを失って、このシーンの間、≪破壊の血≫のLVを+2!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 131 → 138
日向雛 :
《サポートデバイス》を使用!このラウンドの間、【精神】の能力値を使うダイスを+16個します!演出あります!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 128 → 136
メアリー :
1d10 HP減少(1D10) > 4
system :
[ メアリー ] HP : 33 → 29
ヴァニタス :
【虚ろの砂海域】:《加速装置》+《ヴァジュラ》
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 134 → 139
GM :
あとは大丈夫そうかな?演出ある雛ちゃんどうぞどうぞ
日向雛 :
スカートのポケットにしまっていたヒーローズクロスを取り出し、要求する。
日向雛 :
「“メス”」
日向雛 :
ヒーローズクロスに感染したレネゲイドがその要求に応じ、模倣したモルフェウスシンドロームの力が発動。
日向雛 :
十字架は光に包まれながら、銀色に輝く医療用ナイフに変形した。
メアリー :
「…………」臨戦態勢に入る雛を横目に微笑む。
メアリー :
「(このバカ、まるであいつを恐れてない……本気で勝つ気だわ……)」アベルに向き直り
メアリー :
「アベル。ついさっき、あんたから秘密を一つ教えてもらった礼がまだだったわね、私からもひとつ秘密を教えてあげるわ」
アベル :
「聞こうじゃないか」
メアリー :
「私はあんたに……いえ、小指の地位に憧れていた……」
メアリー :
「でも、そんな下らない憧れは、もうさよなら」
メアリー :
「────今日、私はあんたを越えるわアベル」首から血を流しながら、アベルに人差し指を突きつける。
アベル :
「その意気だ。ヴィランとは、そうでなくては……!」 懐から取り出した古ぼけたヴィランズスカーが変質し大剣へと姿を変える。
GM :
行動値65、アベルの手番!
GM :
コンボ名:大切断
《振動球》+《コンセントレイト》+《混色の氾濫》 オートの《リミットリリース》でC値を1下げます。範囲選択攻撃。対象はPC全員。装甲無視。
GM :
32dx6+20 これで合ってるはず!(32DX6+20) > 10[1,2,2,2,2,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,6,6,7,7,7,8,8,8,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,2,3,3,3,3,3,4,4,6,6,7,7,9,10,10]+10[3,3,5,6,7,7,10]+10[2,2,7,9]+10[2,9]+3[3]+20 > 73
GM :
うおおお《妖精の手》を使用!
GM :
1dx+80@6 妖精の手による再計算、恐らく合っているハズ(1DX6+80) > 10[10]+4[4]+80 > 94
GM :
リアクションある人!
日向雛 :
うへぇ、避けられる気がしないよぉ
GM :
ホシノおじさんになっちゃった
メアリー :
8dx+1 ガードに使う武器がないので、ドッジするよ!(8DX10+1) > 10[3,6,8,8,8,9,10,10]+5[1,5]+1 > 16
イクサ :
ガード!焼け石に水だが!
マヤ :
ガード使います!
日向雛 :
無理だろうけど侵蝕3だしチャレンジしちゃうか、《浄玻璃の鏡》+《リフレックス》でドッジします
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 136 → 139
GM :
がんばれがんばれ
日向雛 :
24dx7+11(24DX7+11) > 10[1,1,1,2,2,3,4,4,5,5,5,6,6,6,7,7,7,7,8,9,9,9,10,10]+10[1,1,2,4,4,5,8,8,9,9]+10[1,1,7,10]+10[10,10]+10[7,9]+10[1,9]+10[9]+1[1]+11 > 82
日向雛 :
おっと!?!??
GM :
妖精の手抜きだったら避けられてた!!!?
日向雛 :
オートアクションで《妖精の手》使おうか!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 139 → 144
GM :
やってみろってんだ!!
日向雛 :
最後の1を10に変えてクリティカルさせて振り足し!いきます
GM :
どうぞ!
日向雛 :
1dx+80+11(1DX7+91) > 10[10]+10[8]+4[4]+91 > 115
日向雛 :
わたしの勝ちだ!!!!!アベル!!!!!!!!!!!!!!
GM :
あっちぃ~~~!!!
メアリー :
見たか!! これが本家の実力じゃい!!!!
日向雛 :
めちゃくちゃ嬉しい
GM :
くっ……じゃあ他の人にダメージ算出するね……
GM :
10D+3+3D 装甲無視(10D10+3+3D10) > 56[2,1,4,8,6,1,9,10,5,10]+3+14[4,8,2] > 73
GM :
おらおら!雛ちゃん以外はタイタス昇華して復活しな!
イクサ :
異議あり!!
GM :
あ、まだ軽減の余地ある人だ!
イクサ :
オートで《不壊の城壁》、使わせてもらおうか!
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 104 → 109
GM :
ヨカロウ…
イクサ :
60点軽減!
範囲指定はダメージになった全員!
GM :
おっけい!各々計算してダメージ受けてください!
ヴァニタス :
じゃぁノーダメージです!
イクサ :
73-(60+6+6)=1!!
system :
[ イクサ ] HP : 28 → 27
GM :
装甲無視に注意!
イクサ :
これはガードと軽減なので無視されないやつ!
ヴァニタス :
私も軽減系なので大丈夫!
メアリー :
メアは軽減ないので、大人しく13点受けましょう
system :
[ メアリー ] HP : 29 → 16
マヤ :
11点軽減!60+11=71!
system :
[ マヤ ] HP : 40 → 27
アベル :
「まずは小手調べ……」 大剣を掲げ、構える。
アベル :
アベルはただ、横一文字に大きく薙ぎ払う。ただそれだけであるはずだった。
アベル :
─────その斬撃は真空波となった"見える斬撃"となってあなた達に向かう。その上、絶大な威力故に瓦礫を巻き上げてあなた達の上に降り注ぐ!
イクサ :
脅威の予兆を前に、イクサは笑みを浮かべる。
元々は、この時の為に依頼に応じたのだ。
イクサ :
「──感情共鳴システム【C.H.O.R.U.S.】、始動。」
おぞましき新機能の試運転の為に。
イクサ :
最初に、見えない鍵を捻るようなジェスチャーと合言葉で外すのは──"子供達"全てにかけていた『感情制限』。
魔女の釜の蓋は開かれ、彼らの感情が氾濫する。
怒り、悲しみ、絶望、懇願。
全ては元凶たるイクサへと向けられ、刃となり罪を貫かんと。
イクサ :
──だから、魔女は笑いかける。
イクサ :
「お願い、私の"子供達"。 お母さんを──守って。」
イクサ :
イクサが管理者権限を振り上げる。
喧々囂々たる声たちは一斉に噤む。
力ある、支配の一瞬。
静寂なる永遠。
イクサの手でタクトが振り下ろされ、指揮が始まる。
イクサ :
C.H.O.R.U.S.機能が向けられた感情を束ねあげ、一色へ染め上げていた。
染め上げられた"子供達"の感情は、『恐怖』。
恐怖は拒絶へ。拒絶は自己防衛へ。
イクサ :
一糸乱れぬ悲鳴のコーラスが、舞台に響き渡る。
モルフェウス能力の共鳴が周囲全ての建造物から彫像を生み出す。
力なく横たわる子供の骸の像が、無数に積み重なってイクサの乗るアールを覆い隠す。
イクサ :
魔女を断罪する炎は捻じ曲げられ、彼女の身だけを守る盾へ変わろうとしていた。
イクサ :
だが。
恐怖が最高潮に至る、その瞬間。
誰かの心が交錯し、"子供達"は一瞬の夢を見る。
アール(四脚戦車) :
夢の中で子供達は絡みつく鎖に囚われてもがいていた。
恐怖という名の鎖が締め上げる。
ふと気づけば、誰か二人の影が立っている。
片方は鋼の躯を持つ巨人。
片方は小柄で華奢な少年。
アール(四脚戦車) :
二人は戸惑っていたようだが、子供達を見つけると足早に寄ってきて──
巨人は彼らを縛る鎖を引き千切り。
少年は切れ目から丁寧に鎖を解いた。
アール(四脚戦車) :
子供達は感謝を述べ、それから質問を一つ投げかける。
"わたしたちは自由になる為にどうすればいい"、と。
足元には鎖がまた這いずり寄ってきていた。
アール(四脚戦車) :
巨人は軋んだ音を立てるだけで、何も答えなかった。
少年はしばし間を置いて、首を振った。
"わからない。自分たちの考えることではない。"という意志表示だった。
子供達の間に困惑と落胆が広がる。
ヒーロー :
「──でもね。」
「答えを見つける方法はあるよ。」
少年は自身の胸を親指で示す。
ヒーロー :
「君たちの心の奥。ささやかでいいから、大事にしたいと想った事。」
「それを握りしめて、心が感じる方向へ向かうんだ。」
ヒーロー :
「君たちの心が自由なら………君たちを縛る鎖はいつかきっと消え去るはず。」
ヒーロー :
「………えへへ、僕たちが今さら言うことでもなかったかな。マヤとストレイとフェイル……3人を見てたらわかるよね。」
アール(四脚戦車) :
子供達は静まりかえり、言葉の意味を考える。
恐怖が再び巻き付こうとするが、子供達にはもう巻き付けないようだった。
ヒーロー :
「それに、君たちの助けを求める声はボクたちがもう聞いたからね!」
「たとえ夢で聞いた声だとしても、絶対助けにいくから、安心して!」
ヒーロー :
知らないのに、どこか懐かしい2人。
この場の誰も知ることはないが、それもそうだろう。
彼らは皆、同じイクサの子供なのだから。
アール(四脚戦車) :
夢が覚め始めたのか、二人の影は薄く遠くなっていく。
手を振る影たちに別れを告げて、現実へ戻る。
アール(四脚戦車) :
そして。
子供達が奥底に秘めていた感情の種が芽吹き始める。
アール(四脚戦車) :
ヴァニタスへの憧憬が、戦車になった子供から芽吹く。
いつもサラーブの青空に輝く姿を仰ぎ見ていたから。
最初からあった、自由に飛び回るヴァニタスの姿を失わせないという気持ちをはっきりと示したいと。
アール(四脚戦車) :
雛への感謝が、服になった子供達から芽吹く。
雛がイクサに使った治癒エフェクトの慈愛に彼らも触れていたから。
自分たちに出来ることで献身を返したいと。
アール(四脚戦車) :
メアリーへの信頼が、砲弾になった子供から芽吹く。
誰にも届かないはずの声を聞いてくれて、自分と同様に身を削って戦うメアリーになら。
この行為が、誰の意志によるものか分かってくれるはずだと。
アール(四脚戦車) :
イクサへの慕情が、大砲になった子供から芽吹く。
たとえどのような形であっても、母と自分たちの繋がりは消えない。
一丸となってイクサの矛となり盾となる喜びは確かにあるのだと。
アール(四脚戦車) :
マヤへの期待が、人工知能となった子供から芽吹く。
マヤとストレイとフェイルのこれからの姿は、きっと自分たちが目指す場所になると考えたから。
この戦いを生き残らせて、その先を見たいと。
アール(四脚戦車) :
子供達が"自ら"歌い上げるアンサンブルが、新たなカタチを象る。
無数の白い子供の彫像が、5人それぞれを優しく抱くように動き、固まって、重なっていく。
日向雛 :
「……!?」 迫り来る斬撃を前に、白い子供の彫像が自分の身を守るように現れたことに驚愕する。
日向雛 :
「これって……」
日向雛 :
その子供の姿を見て、昨夜、メアリーが話していたイクサの暗い噂を思い出す。
日向雛 :
相変らず、声が聞こえるわけではない。ただ子供の形を取っているだけかもしれない。これだけで、あの噂が真実だとは断定出来ない。
日向雛 :
……だが。
日向雛 :
「だいじょうぶ、わたしのことは守らなくていいですよ」
日向雛 :
「だって、子供を守るのは……大人の役目ですから!!」
日向雛 :
そう優しく伝え、叫びながら、影に潜って彫像の前に躍り出る。
日向雛 :
そして、メスをペンで描くように軽やかに振る。その瞬間、アベルが飛ばした斬撃と巻き上げられた瓦礫には黒い線がびっしりと刻まれた。
日向雛 :
無数の影のラインに沿って、アベルの攻撃の全てがバラバラに切断される。それでも刃は破片となって降り注ぐが、彫像達を完全に破壊する程ではなくなるだろう。
ヴァニタス :
飛来する斬撃に、きゃんっと声を上げて体躯を丸める。
ヴァニタス :
「あら、守ってくれたのね?ありがとう♪」
彼らが庇いきれなかった斬撃も自身の斥力防壁で受け、石像を撫でて感謝を伝える。
マヤ :
(避けれるか?…いや俺の速さじゃ無理だな、いちかバチか………――ッ!!)
避けられないと判断し、咄嗟に防御の姿勢をとるが耳を劈く子供たちの悲鳴に強い頭痛を覚え頭を抱える
マヤ :
――だが次に彼が認識したのは子供達が自ら進もうとする意思。
きっと理解できる声、身近に感じる歌声なのに、その言葉の意味は分からない。
イクサ :
「ふふっ、あはははははっ!! 実地試験は成功よ!!」
偽りとはいえ、イスカリオテの攻撃を防ぎきって高らかに笑う。
そして、自分とは違って痛めつけられたはずの周囲を確認しようとして気づく。
「あら……? 皆が無傷なのね……?」
メアリー :
「…………実験、ね」名も知らぬ誰かと雛のおかげで軽傷で済んだ。子供の彫像の肩にそっと触れる。
メアリー :
「…………まったく、こんなとこで負けられない訳ばっかり増えていくわ」子供をこんな姿に変えた邪悪なる魔女を、その背後から睨みつける。
マヤ :
「……ああ、負けてらんねぇな。」
飛散した瓦礫によってゴーグルのレンズにヒビが入ったが、そんな事はどうでもいい。
マヤを守り砕け散った彫像達を見つめジャケットのフードを深く被りなおす。
アベル :
「……防いでみせたか。しかし……」 レネゲイドと強く共鳴しているせいか、イクサの子供達の様子を一部垣間見る。
アベル :
「……いつか、その子供達も巣立っていくだろう。僕の言えたことじゃないだろうけどね」肩を竦めて、再び構える
イクサ :
「巣立つ? いいえ、ずっと一緒よ?」
「こんなに愛しているのだもの。」
その愛の鎖は、もはや彼らを繋ぎ止めることは出来ないのだと未だ知らず。
アベル :
「……愛、か。いつかその愛に、子供達が報いてくれるだろうね」
日向雛 :
「……それはさておき、いえ全然さておくことではないのですけど、一旦置いといて……!」
日向雛 :
「皆さん、気を付けて!さっきの技、出力は全然違いますけどわたしと同じ力です!」 何とか凌ぎ切ったが、小手調べとは到底思えない威力だったと振り返り
日向雛 :
「今のカイさんは、わたし達の力をコピー出来るみたいです!注意してください!!」
イクサ :
「防護機能も今の1回きりよ。次は誰の力を真似るのか分からないけれど、後は各自で生き延びなさいな。」
しれっと誤動作を自分の手柄としつつ、自分の役割はほぼ果たしたとばかりに告げる。
メアリー :
「なるほど、鏡の力をフル活用してくるって訳」
メアリー :
「……フッ、面白い見世物ではあるけど、それだけ。所詮は借り物よ、真ッ正面から砕けば問題ない」
アベル :
「注意したところで防げるものではないけどね。さて、次の一手を打とう……」
GM :
イニシアチブ!次の手番はヴァニちゃんですが……ここでアベルは《加速する刻》を使用!もう一度メインプロセスを行います。
GM :
まずはオートで【写し鏡】を使用。対象はマヤ。
GM :
コンボ名:Wake Up!
《コンセントレイト:ブラックドッグ》+《アームズリンク》+《ライトニングリンク》+《MAXボルテージ》+《混色の氾濫》
GM :
範囲選択攻撃。対象はPC全員。
GM :
ついでに装甲無視……なはず!
イクサ :
装甲無視ない!ガード不能!
マヤ :
装甲は効くよ~
GM :
失礼!マイナーでポルターガイストを加え忘れてました。てへぺろ。
日向雛 :
もうどじっこなんだから
GM :
てへっ、じゃあダイス振ります
マヤ :
ぼくは実質予習できるってワケ
GM :
32dx7+27 よいしょっ(32DX7+27) > 10[2,2,2,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,7,7,8,9,9,9,9,9,9,9]+10[3,4,4,4,4,6,6,7,8,9]+10[5,7,9]+10[5,7]+2[2]+27 > 69
GM :
オラオラ、リアクションや軽減はあるのかい!
イクサ :
《砂の結界》を使用!
マヤをカバーリングする!
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 109 → 111
マヤ :
ありがたい、自分はリアクションなしで…!
日向雛 :
《浄玻璃の鏡》+《リフレックス》でドッジ!なお今回も避けれるかどうかはわからん
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 144 → 147
GM :
判定する人は振りな!
日向雛 :
24dx7+11(24DX7+11) > 10[1,2,2,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,7,7,7,8,9,9,10]+10[3,6,7,8,9,9,10]+6[1,4,5,5,6]+11 > 37
日向雛 :
全然だめだぁ!!
ヴァニタス :
ドッヂできないん~
メアリー :
9dx+1 ドッジするやよ(9DX10+1) > 10[1,2,3,3,5,6,7,8,10]+6[6]+1 > 17
GM :
頑張った
日向雛 :
オートアクションで《妖精の手》、ワンチャン…やってみるか…?
GM :
やるんだな、今、ここで!!(いいよ)
メアリー :
や、やめとけ! やめとけ! 失敗した時のリスクがだいぶデカいんだ!!
GM :
ポケットモンスター 妖精の手あり/妖精の手なし
日向雛 :
確認したけど流石にちょっと遠いね…!やめとこう
GM :
おっけー、それじゃダメージ出そうか
GM :
7D+22+28+22+10+1D これであってるはず!(7D10+22+28+22+10+1D10) > 45[4,3,7,6,10,5,10]+22+28+22+10+6[6] > 133
GM :
死んだ人、挙手!
日向雛 :
はーい
メアリー :
ノ
ヴァニタス :
はーい!
イクサ :
むり!!
GM :
おっけー、マヤくんはカバーされたから無傷ッピね
マヤ :
有難いッピね…
GM :
それじゃここで追加のEロイス発表ドラゴン
日向雛 :
なにぃ
Eロイス
敗者死すべし
タイミング:常時
技能:- 難易度:自動成功
対象:自身 射程:至近
衝動:闘争
効果:敗者を一顧だにしない精神性を表わすEロイス。
このEロイスは、あなたの攻撃で戦闘不能になったキャラクターが、タイタスやエフェクトなどの効果で戦闘不能から回復した場合に効果を発揮する。
その戦闘が終了するまで、あなたが行うあらゆる判定のダイスに+1個する。
この効果は、キャラクターが戦闘不能から回復するたびに累積する。
日向雛 :
どんどん強くなる…ってコト!?
GM :
4人討ったので、ダイス4つ頂きます!!!
日向雛 :
もってきなさいよてやんでい
GM :
おうさ、タイタス昇華して復活していってくんねぇ
イクサ :
マヤのロイスを昇華!!
system :
[ イクサ ] ロイス : 6 → 5
system :
[ イクサ ] HP : 27 → 12
ヴァニタス :
アベル昇華してふっかぁつ!
system :
[ ヴァニタス ] ロイス : 6 → 5
system :
[ ヴァニタス ] HP : 51 → 12
日向雛 :
固定ロイスのハンターズのメンバーをタイタス化して昇華!HP12で復活します!
system :
[ 日向雛 ] ロイス : 6 → 5
system :
[ 日向雛 ] HP : 28 → 12
メアリー :
イクサのロイスをタイタスにして昇華! HP15で復活しますよ!!
子供に守ってもらった手前、かわりに仇討ちもやむなし。そのためには、こんなところで負けられない。
system :
[ メアリー ] ロイス : 6 → 5
system :
[ メアリー ] HP : 16 → 15
アベル :
アベルは影をライフルの形に形成。
銃身には雷光、銃口の先には鏡面めいた半透明の円が5枚……あなた達と同じ枚数が重なっている。
アベル :
「これはどうかな────ッ!!」
アベル :
発射された弾丸は円を潜るごとに加速……そして光速に至った弾丸は5つに分裂、漆黒の尾を引いてあなた達を撃ち貫く!
イクサ :
「あ」
アベルの持つライフル、そして浮かんだ5つの円。
数の意味を察するが、別にどうでもいい──そう思った矢先。
モニターの隅に映る義体を見た。
やっぱり傷つけるのは惜しいな、という気持ちが湧き上がった刹那。
アール(四脚戦車) :
イクサが命令を出すまでもなく、戦車は深く踏み込んでいた。
地を割るほどの蹴り出しと、同じ衝撃を持つ停止。
その力でマヤを傷つかない程度に押しのける!
アール(四脚戦車) :
直後。
イクサを狙う一線とマヤを狙っていた一線が、イクサのいる一点を唯一の解として交わる。
イクサ :
「…………。がはっ。」
相次ぐ不可解な事象。しかし、それについて深く考察する余裕はない。
マヤ :
「くそっ、真似ばっかしやがって…」
アイモニターがアベルのライフルを捉えるとそう言い放ち反撃をしようとする、刹那…身体が大きな鉄の塊に弾かれた。
マヤ :
「――……はは…、"お前ら"…サイコーだな。」
後ろに倒れこみながらイクサと会話したあの夜の不思議な行動、先程の歌声を思い出す…きっと彼らは自分と似ているのだと薄く理解しながら"反抗期"の子供達を見て呟いた。
日向雛 :
「あう……!?」
弾丸をメスで弾こうとする、だがあまりにも加速が強すぎる。
雛の腹に風穴が開き、鮮血が飛び散った。
日向雛 :
「……っ、今のは、マヤさんの力……ですか」
だが、ガラスの破片を足下で散らしながら踏みとどまる。
確かに強力な一撃だが、まだ日本でジャーム化したトップヒーローと戦っていた時と大差はない……!
メアリー :
「それも、今度は単なる猿真似じゃなく……自分の力を上乗せして使ってきたわね……」脇腹から黄金の血液を流しながら、アベルを睨む。
ヴァニタス :
「ギギギ、ギィー ーー■■ … ったぁ、ひどいわ…!」
撃ち抜かれた体の中心から青い光を放ち、再生する
アベル :
「ただの猿真似と侮らない方がいい……」 ライフルを闇に還し、あなた達を睥睨する
GM :
では今度こそ次の手番、ヴァニちゃんどうぞ!
ヴァニタス :
はーい
ヴァニタス :
結局ダメージのために固定値は欲しいのだ
《オリジン:レジェンド》使用
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 139 → 141
ヴァニタス :
【|"砂城賛歌/cANerE ArEnaI" 《カネレ・アレナイ》】:《コンセントレイト:バロール》+《黒の鉄槌》+《雷の槍》+《因果歪曲》
ヴァニタス :
《崩壊のスフィア》も載せよう
GM :
おっけぇい、相手はリアクション無いのでダメージまでどうぞ
ヴァニタス :
対象は両鎖ね!
GM :
おk!
ヴァニタス :
侵蝕率がねぇ、怖い
ヴァニタス :
2d10 崩壊のスフィア(2D10) > 9[6,3] > 9
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 141 → 162
ヴァニタス :
お前…大丈夫か?
GM :
し、心配だ…!
ヴァニタス :
(6+-1+4+0)dx(7+0)+11+10-1+0 判定/100%未満/|"砂城賛歌/cANerE ArEnaI" 《カネレ・アレナイ》(9DX7+18) > 10[5,6,6,6,8,8,8,10,10]+10[6,7,8,9,10]+10[1,5,8,9]+4[4,4]+20 > 54
ヴァニタス :
ダメージを出します
ヴァニタス :
15d10+47+0 ダメージ/100%以上/|"砂城賛歌/cANerE ArEnaI" 《カネレ・アレナイ》(15D10+47+0) > 72[4,4,1,2,5,9,2,8,10,4,1,1,6,9,6]+47+0 > 119
GM :
結構なお手前で……
ヴァニタス :
BTCウェポン効果で
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 162 → 166
GM :
うーん、鎖AとBは壊れます!!やはり強いねぇ
ヴァニタス :
「う~ん……なんとなく察してたけど、大変そうね…」
先ほど貫かれた胸部からは、砂の街にふさわしくない美しい空色の光が漏れ出ている。
ヴァニタス :
「じゃ、私も頑張っちゃいましょ!」
ヴァニタス :
言うや否や、彼女は武器である楽器を背後に控えさせる。
次いで、前腕部、口部から蒸気を噴出させた。
ヴァニタス :
腕部は正中線を中心として左右に開き、中からは細い、宇宙を思わせる色のマニピュレーターが露出する。また、頬にある線から口部が開き、下顎が完全に分離する。内部にはスピーカーにも見えるパーツがうかがえる。
ヴァニタス :
《《 さぁ、今日は大盤振る舞い!最初から全力でいかせてもらうわね! 》》
口腔を通さずに発したせいか、普段よりもより機械的な大音量が響き渡る。
ヴァニタス :
《《 さらに出血大サービス!フェイルちゃんとストレイちゃんは殺しません!行くわよ~! 》》
ヴァニタス :
《《 ■■ ■■■■■■ ■ ■■■ ■■■■■■――― 》》
ヴァニタス :
歌とも形容し難い、重量を伴った音波が指向性を持って殺到する。
それは身勝手に暴れまわり、ヴァニタスが指揮を執った全てを破壊する。
ヴァニタス :
《 A ア アあ、 やっぱり…こうやってするのが…一番素敵ね ♪」
破壊的な歌が収束すれば、そこに残るのは、彼女が”破壊しないよう”指示したもののみ。
アベル :
「─────!!」 アベルの握っていた鎖が凄まじい重力によって破壊される。ストレイとフェイルを縛っていたものは無くなり、2人は自由の身となった。
ストレイ :
「!! あ、ありがとう!」
ストレイ :
ストレイはその場を素早く離れ、マヤ達の下へ駆け寄る
"異なる隣人"フェイル :
「へっ、ざまぁみやがれ!」 同様に、フェイルも駆け寄る
マヤ :
「おいおい、一撃かよ…!」駆け寄るストレイをキャッチしながら、少しの安堵と驚きの声で感心する
日向雛 :
「あんなに頑丈そうな鎖だったのに……!すばらしいです、ヴァニタスさん!!」
ヴァニタス :
「もっと褒めても良いわよ~」
マニピュレーターわきわき
アベル :
「なるほど。だが、鏡の制御が多少困難になる程度、どうとでも……ッ」
アベル :
アベルは膝をつく。イスカリオテを被るという荒業は、想像を絶する負荷が生じているようだ。
GM :
鎖Bの破壊効果。アベルが受けるダメージが2倍が適用されます。
GM :
それと同時に、エトワールが渡した通信機器に着信が入る。
エトワール :
「……し……もし、聞こえるかな?」 ノイズがかったエトワールの声が聞こえる
ヴァニタス :
「ん?」
日向雛 :
「この声は……」
イクサ :
「何かしら、エトワールさん?」
「これからが肝心なの。要件は手短に。」
マヤ :
「えーと……外のお嬢ちゃんか、何?」
エトワール :
「では、手短に……ついさっき、そっちに……」
ティティ :
「俺だ!これ聞こえてるのか!?」 エトワールの通信に、ティティが割り込んで来る
日向雛 :
「あれ!?ティティさん!?」
日向雛 :
「聞こえてますよ、もしもーし!」 嬉しそうに返事する
ティティ :
「ひな!無事そうで何より……じゃなくて、エトワールさんと色々あってな、通信機器を借りてる!」
ティティ :
「伝えたいことは一つだ!そっちにバ……姉……」急にノイズが酷くかかる
ティティ :
「むか……助けになる……」 ザザザ…とティティの声がかすれていく
ヴァニタス :
「なんてぇ!?」
ティティ :
「……頑張れ……よ……!」 通信状況が芳しくない事を察したのか、それだけ言い残して通信を閉ざした。
日向雛 :
「……?よく聞こえませんでしたが、がんばります!!」 最後だけ確かに聞き取れた
GM :
─────回線が閉ざされたのと同時に、あなた達の頬を風が撫でた。
??? :
「遅れてやってくるのは────」
GM :
一陣の風が吹き抜け、人影があなた達の傍に降り立つ。黒髪のポニーテールを靡かせ、そこに立つのは……。
ジャス :
「ヒーローだけの特権ではない、だろ?」
ジャス :
だいぶボロボロな姿ではあるが、すっきりした表情のジャスが立っていた。
日向雛 :
「ジャスさん!?」 目を大きく見開き、その凛とした姿を瞳に映す
イクサ :
「よりによって、このタイミング……! エトワールちゃんは何をしていたの……!」
まず敵だろうと判断、砲口を向ける。
日向雛 :
「ま、待ってください、イクサさん!」 銃口が向いたのを見て慌てて
ジャス :
「ちょ、待て! 正気だ正気、お前達に散々やられて目が覚めた!」
イクサ :
「………土壇場での言葉は信用に値しないけれど?」
「あえて問いましょうか。格好が変わっていないけれど、どういうことかしら?」
日向雛 :
「恰好が変わってないのは、鏡の力を解除していないから」
日向雛 :
「それと、大急ぎで駆けつけて来てくれたから……違いますか?」 警戒など何もしていない、安心した声でそう訊ねる
ジャス :
「恰好が変わってないのはよくわかんねーけど……あ、なんか垂れ幕みたいなのは邪魔だから預けてきた!」
ジャス :
「そうだ! ティティが私を見つけた後、なーんか変な胸騒ぎがしてな。思うがままに来てみればこれだ」
日向雛 :
「やっぱり……!」
ヴァニタス :
「直感で生きてるッて感じのセリフねぇ」
アホそうだな…と思いながら
メアリー :
「……驚いた。ヒヨコの暴力行為で、本当に憑き物が落ちたみたい」
メアリー :
「壊れたモノは叩いて直せ、って正しかったのね」
日向雛 :
「ジャスさん、電化製品ではないですけれどね……」 少し困ったように笑って
マヤ :
「ふーん、いつもはこんな感じなんだな。」面白い奴かも、と思いつつ
日向雛 :
「あの……イクサさん。今のジャスさんは本当に正気だと思います」
日向雛 :
「彼女は、嘘がつけるような方ではありませんから」
イクサ :
「………はあ。分かったわ。」
砲口をアベルへ向き直す。
「どっちみち、こちらはアベル以外に割くリソースは無いわ。」
「もしもまた暴れるようなら……雛さん、貴女が責任を持って対処して頂戴?」
日向雛 :
「分かりました。でも、暴れたりなんてしませんよ」
日向雛 :
「ジャスさん……一緒に戦いにきてくれたんですよね?」 ジャスの方に向き直り
ジャス :
「もちろんだ! ……んん゛っ」軽く咳払いして
ジャス :
「おい、お前がアベルってやつか!」 槍をアベルへと向ける
アベル :
「キミはフェイルが従えていた……キミも私を止めに来たと?」
ジャス :
「そうだ! なんかよくわかんねーけど、この都市を滅茶苦茶にしようとしているらしいな?」
ジャス :
「しかも!お前の鏡のせいで私達の身体が滅茶苦茶になって無性に腹が立ってんだ! 何発か殴らなきゃ気が済まねぇ!」
"異なる隣人"フェイル :
「(ジャスに鏡を使ったのは私だけどな……)」口に出すのは野暮だろうと心の中で思う
ジャス :
「とりあえず……これでも、食らいやがれ!!」 ジャスは大きく跳躍し、アベルへ向けて槍を突き立てる!
アベル :
「なんて愚直な……っ!!」 アベルはその槍を咄嗟に防御するが……
GM :
アベルとジャス、鏡で得たオーヴァード同士が衝突する。
GM :
……ウロボロスとは尾を飲み込む蛇という意味を持つ。渇望鏡が生み出した特殊なウロボロスのレネゲイド同士は相反し合い────
アベル :
「……!」
GM :
渇望鏡が展開していた屈折空間が崩壊。
ジャスの一撃に依って渇望鏡が一時機能不全に陥った。
GM :
鎖Aの破壊効果。ジャスが戦闘に加わる。
そしてここからNPCのサポートがつきます!
NPCサポート
・ジャス
《愚直な一突き》
1ラウンドに1回、PC1人の攻撃力に10D10追加する。
・ストレイ&フェイル
《蜃気楼》
1シナリオに1回、PC全員が受ける予定のダメージを0にする。
日向雛 :
スゲェ!!このサポート超助かる!!
マヤ :
ありがたサポート!!
GM :
サポート屋!サポート屋だよ~!
アベル :
「なる、ほど……っ!!」 ジャスを弾き、体勢を整える
アベル :
「ここまでの苦境に立たされるとは……だがそれでこそ、乗り越える甲斐がある……!」
ジャス :
「なーに意味わからないこと言ってんだ! おい、さっさとやっちまうぞ!」
"異なる隣人"フェイル :
「なんでお前がリーダー面してんだ……。おいストレイ、援護くらいはできるな?」
ストレイ :
「う、うん……! 幻影とかで、なんとか……」
"異なる隣人"フェイル :
「上出来だ、それぐらい出来れば何とかなる……かもな」
メアリー :
「……フェイルといい、あなたといい、昨日まで敵同士だった奴等と共闘するなんて、変な気分だけど」並び立つジャスに横目で言う
メアリー :
「ここはひとつ、あいつの修理に手を貸してもらうわよ」
メアリー :
「────ヒヨコと同じ、ヒーロー擬きのヴィランさん?」ジャスと同様にアベルも叩いて直すの意。
ジャス :
「任せろ。荒事はヴィランの得意事だからな!」 胸を張って
日向雛 :
「……ジャスさん」
日向雛 :
ジャスの姿を改めて見る。元気いっぱいではあるが、前回の傷は完治していない。それに、鏡の力をまだ解除出来ていないという不安もある。
日向雛 :
……だが。
日向雛 :
「助けにきてくれて、嬉しいです。ありがとうございます……」
日向雛 :
「勝って、いっしょに帰りましょう!!」 笑顔で、ジャスに拳を出す
ジャス :
「……ああ! 勝って、帰って、メシだ!」 こつん、と拳を軽く合わせて笑う。
日向雛 :
「はい!」 元気よく返事をし、アベルと対峙する
GM :
では次、マヤくんの手番!
マヤ :
マイナーで《ポルターガイスト》使用!対象武器はレールガン(Kukulcan)※カスタマイズアイテム:エピックにより破壊無効
マヤ :
メジャーは《コンセントレイト:ブラックドッグ》+《アームズリンク》+《ライトニングリンク》+《MAXボルテージ》
インフィニティノヴァ使います!
GM :
判定どうぞ!
マヤ :
19dx+10@6 ガード無視・装甲有効(19DX6+10) > 10[2,3,3,3,3,3,5,5,5,5,6,6,7,7,9,9,9,10,10]+10[1,3,4,4,5,6,6,8,9]+10[6,6,9,9]+10[1,4,6,7]+10[6,10]+10[5,7]+2[2]+10 > 72
GM :
いいねぇ、アベルはリアクションを放棄します!ダメージをどうぞ
マヤ :
8d10+82+1D Break Down!<ブレイクダウン>(8D10+82+1D10) > 44[4,4,10,7,5,5,6,3]+82+3[3] > 129
GM :
ダメージを2倍して258点!
system :
[ マヤ ] 侵蝕率 : 150 → 167
system :
[ マヤ ] HP : 27 → 22
マヤ :
「Scintilla……いや、どうせ壊れるんだ…こっちでいいか…。」
ヒビが入った事により反応の悪くなったアイモニターに触れ、いつものようにライフルを生成し手に取るが…ふと思い立ったように片手をフードの中に突っ込むと何かを探し始める
マヤ :
「…ストレイ、フェイル。ちょ~…っと離れてな?」
空いた手で自らの傍にいる少女たちを下げさせ、フードから小さな鍵を取り出した。
ストレイ :
「う、うん……?」 すり足で後ろに下がる
"異なる隣人"フェイル :
「……」訝し気な顔をしながら下がる
マヤ :
(…さて、盗んできたけどどう返すかな。)
――通常モノ忘れの多いマヤが持つことはないその鍵は、グリムギアが管理しているものだ、オルタ・スクレイパーに集まったタイミングのどこかで持ち出してきたのだろう。
マヤ :
腹部の制御装置を守る施錠を小さな鍵で解除する…すると装置は眠りから目覚めたように発光し段々とマヤの身体は強い磁力・電気を帯び始めた。
マヤ :
身の回りの小さな鉄くずが揺れる…長銃は強い負荷を与えられながら数秒間その形状を保っていたが、耐えきれず稲妻のような亀裂から裂け、バラバラに砕け散る。
マヤ :
…しかし砕けた銃の破片は地に落ちることはない、強い磁力で浮かんだまま…マヤはその破片の中から小さな欠片をひとつ選ぶと狙いを定めるように両手を前に翳す。
マヤ :
「…アンタ、研究者だからちょっとは聞いた事あるだろ…"EML" アレ、ロマンだと思わない?子供の頃は仕組みを見てワクワクしたっけな~」
マヤ :
「それがこの義体で出来るか実験に付き合ってほしいってワケ。 …ああ、もしかしたらアンタの専門外かもな。ま、いいか。」
いつも通りに聞こえる軽い口調、だが声は低くノイズは薄い。イスカリオテ…アベルを見据えると全身に、腕に磁力を集中する。
マヤ :
(…思い出したぜ、生みの親の顔…まぁ霧みてぇなもんだけど…)
マヤ :
ふわりと胸の前へ浮かんだ銃の破片が身体へ触れる。その瞬間
――電磁力を一気に通電させた。
マヤ :
マヤの腕の中で弾かれた小さな破片は音速の砲弾となり、雷撃を纏って炸裂する。
マヤ :
「大人しく見守って貰うぜ、サラーブの未来をな… 俺達からの最初の反抗期だ!」
マヤ :
『Break Down!!』
アベル :
「な─────!!」 過負荷により意識が虚ろになっていたアベルの腹を閃光が貫く。
アベル :
予想外……とまではいかないが、初めて受けた手痛いダメージ。それがアベルの意識をはっきりと覚醒させて再び向き直る。
イクサ :
「………何してるの? ちょっと? やめなさい、やめて! No.0513!!」
マヤから放たれる電磁波でモニターが乱れる。
不穏な気配を感じ取るがもう遅い。
ばきり、と聞こえないはずの音を立てて、モニターの中でマヤの義体パーツでもある銃が砕け散る。
イクサ :
「なんてことをするの……。」
暴挙に対する言葉か、破壊力に対する言葉か。
どうあれ、呆然と復帰していく画面を見つめる。
マヤ :
反動と強い電磁力により体内からはオーバーヒートを知らせるエラー音が鳴り響き、腕の脆いパーツから鈍く嫌な音が聞こえた。
マヤ :
「――…っと、流石にマズかったかぁ…」親元へ舞い戻ってきた弾丸…長銃の破片を片手でキャッチすると力の入り難くなった左腕を眺める
GM :
次!メアちゃんどうぞ!
メアリー :
自称サラーブ最強、行きますよ!
メアリー :
マイナーアクションで≪赫き剣≫+≪破壊の血≫+≪ポルターガイスト≫! 2点のHPを消費して武器を作成!!
メアリー :
≪ポルターガイスト≫の効果は≪赫き剣≫で作成した武器を指定!武器破壊のデメリットはエピックの効果で無効に!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 138 → 150
system :
[ メアリー ] HP : 15 → 13
メアリー :
メジャーアクションで≪コンセントレイト≫+≪渇きの主≫&≪オーバーロード≫+≪デトネイトモード≫!インフィニティコロナも使用!!
メアリー :
アベルに全力で攻撃しますよ!
GM :
こぉい!
メアリー :
15dx7+6 命中判定!(15DX7+6) > 10[1,1,3,3,4,5,5,6,7,7,8,9,9,9,9]+10[1,1,3,4,4,7,8]+10[3,8]+3[3]+6 > 39
メアリー :
判定直後にサポートスタッフの効果を使用!+2して最終達成値41!!
GM :
おkおk、ダメージ適用前に使うエフェクトがあるのでダメージ判定どうぞ!
メアリー :
5d10+275 装甲無視ダメージ!!(5D10+275) > 30[6,4,8,10,2]+275 > 305
GM :
いてぇ~~~!!!アベルは610ダメージで《雲散霧消》を使用!585ダメージ受けます!
メアリー :
ふっ、ギリギリ600ダメージは躱しましたか…!!
GM :
ダメージ累積して833も食らってるよもう
メアリー :
では≪オーバーロード≫と≪デトネイトモード≫のデメリットで自身の武器を破壊!
メアリー :
≪渇きの主≫の効果で8点のHPを回復した後、諸々のデメリットで9点のHPを失いますよ!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 150 → 166
system :
[ メアリー ] HP : 13 → 12
メアリー :
メアから絶え間なく流れ出る血液が、彩りを失った"鏡面世界"を、その足下から黄金に塗り潰していく。
────血液操作能力を扱うブラム=ストーカーのオーヴァードにとって、血液流量は火力に直結する。
その点、メアが首輪と傷口から流した血液は、決して少なくない。
既に体積を遥かに超える大量の流血。フェイルの頸を抉ったギロチンを形成する"程度"は容易いだろう。
メアリー :
「(けど、まだ足りないっ……!!)」
元とはいえ、相手は小指。一度は目標と定めた、サラーブの頂点。それどころか今は、ヴィランの頂点の力を手に入れた。
……中途半端な攻撃では、まず仕留めきれないと考えた方が良い。
メアは即断。更なる火力を求めて、ブラム=ストーカーの造血能力を酷使する。
メアリー :
ドクドク。造血能力によって勢いを増した黄金の血液が、罪人の足下まで迫る。
ドクンドクン。心臓の鼓動も、また同時に加速していく。
きっとそれは、死亡への残り時間を表わす針の音だったのだろう。
────それ以上の暴挙は、ヒトの肉体が許しはしない。
メアリー :
視界が揺れている。二重三重にブレて見える。が、ダメになっているのは、おそらく目ではなく頭の方。
何故なら、頭蓋の内側がズキズキと燃えるように痛む。脳ミソのかわりに灼けた剣山でも詰められたみたいだ。
そのくせ身体は凍えそうなほど寒い。急激に血を失いすぎたのだ。
オーヴァードさえ何度も死んでいるだろう限界状態。言ってしまえば臨死体験。
『とにかくもう止めてくれ』『敵を殺す前におまえが死ぬぞ』と、肉体と精神の両方が声なき声で訴えている。
メアリー :
…………それでも、まだ耐えられる。
『生き残った者が強い』といつか誰かが言った。
その言葉が真実なら、逆に『強い者は生き残る』とも言えるハズ。
……これまでメアは、生き地獄のような貧民街の魔窟で生き残ってきた。
謂わば「強者」。この程度の寒さや渇きや苦しみ、そして死にすら慣れている。
メアリー :
「(まだ、まだ……もっともっと力をッ……!! 気に入らないもの全て、破壊する力をッ……!!)」
コト此処に至っては、もう小賢しい計算など全く意味をなさない。無理無茶無謀は、ハナから承知の上。
とっくに破綻した論理を振り翳し、少女は己の可能性を信じ抜く。
死の淵まで、力を引き出す。もっともっと。限界を越え、造血能力を行使する。
そして──────
メアリー :
次の瞬間。眼前に広がっていたのは、見渡す限りの黄金。
砂漠の蜃気楼と見紛うほどの、現実離れした光景。
すなわち、メアの周囲一帯が膝まで浸かるほどの血の海。
……それは幼き日の少女が、飢えと渇きに苦しみながら求め続け、遂には辿り着けなかった楽園の具現。
そして、ただ一人の罪人を、完膚なきまでに打ち斃すために引きだした、一度かぎりの奇跡。豪華絢爛な殺戮機構。
メアリー :
「────不死者の舟よ!」煌めく水面へ、右手を翳す。
黄金の海が揺れる。大きな波が唸りを上げ、メアを中心に渦を巻く。
そしてやがて、渦巻いていた海そのものが、一つの大きな刃を成す。
メアリー :
「さあ、アベル! そのまま血の海に、沈みなさいッ……!!」
荒れ狂う黄金が、津波のように罪人に迫る。
視界を埋め尽くす黄金。その全てが巨大な血の刃。あまりにも単純な質量攻撃。
メアリー :
メアはサラーブの貧民街で泥を啜って生きてきた。まっとうな教育を受けていない。
だが、こういう場合の"最善策"はハッキリと経験則で分かっていた。
……ありったけの物量で、押し潰せばいい。
大いなる海を前にして、小さきヒト如きに出来る抵抗など何も無い。
アベル :
「それがキミの全力全霊……! だけど僕は、まだ沈むわけには……!」
アベル :
手に纏った闇が杖の形状を成す。
そして杖先を思い切り叩きつけると暗黒の衝撃波が黄金の海と衝突する。
アベル :
その姿は海を割るモーセのもの。
しかし、彼にこれ以上の奇跡を起こす力は─────
メアリー :
────17年前にそうだったように、アベルの抵抗は意味を持たず。
黄金の波濤は、罪人を呑み込むように両断。いや、完全破壊。
諸共に弾けて、金と赤の斑の血雨となって、サラーブへと降り注ぐ。
メアリー :
「王を殺したギロチンの味、いかがだったかしら? ああ、水底からじゃ聞こえていないか?」血の雨を浴びながら嘯く
……降水確率が低い砂漠地帯において、雨とは恵みであり死の象徴。
砂漠で最も多くのヒトを殺すものは、太陽の暑さではなく、砂上を滑り落ちる雨が引き起こす「洪水」。
聖書にも記されたように、時に思いあがった人類を滅ぼす。神による原初の処刑道具だ。
アベル :
血雨が晴れた只中に、アベルは立つ。
尋常ではないダメージをその身に受けた彼は、鏡の負荷を鑑みれば両手の指では足りない程の死を迎えるほどのダメージを受けただろう。
アベル :
しかし、彼は折れない。
心に宿った信念が支えるように、幾度限界を迎えてもそれを越えていく気概のみでアベルは立っている。
アベル :
「……続けよう」 彼はただ一言、そう呟く。
メアリー :
「…………ハ、上等」口角を歪める。相手はヴィランの王。これくらいは耐えてくれなければ、拍子抜けというものだ。
日向雛 :
「かなり凄い攻撃だったのに、まだあんな風に立てるなんて……」 その力は偽物であっても本物だと驚愕し
日向雛 :
「だけど、きっと……その能力以上に、彼の信念がそうさせている、はず……」
メアリー :
「ふん、あんたに言わせれば『心が強い』ってところかしら?」
日向雛 :
「そうですね……わたし達が思う以上に、相当な覚悟があるんだと思います」
日向雛 :
「だけど、それならわたし達もそれ以上の心の強さと覚悟を見せるまで!ジャスさん、行きましょう!!」 隣に立つ友人に呼びかける
ジャス :
「よーし、やってやろうじゃんか!」 槍を振るい、不敵に微笑んで見せる
GM :
次!雛ちゃんどうぞー!
日向雛 :
いきます~
日向雛 :
マイナーアクションで戦闘移動、5m前進してアベルにエンゲージ
日向雛 :
メジャーアクションで《振動球》+《コンセントレイト》
日向雛 :
オートアクションで《リミットリリース》と、Dロイス賢者の石を使用。
日向雛 :
そして埜堂カイのロイスをタイタス化、昇華してクリティカル値-1の効果を得ます。
日向雛 :
対象はアベル!
system :
[ 日向雛 ] ロイス : 5 → 4
GM :
かかってこーい!!
日向雛 :
いきまーす!お祈りタイムです。振り足しがあってややこしいので、技能値は最後に足します!
日向雛 :
24dx2(24DX2) > 10[1,1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7,8,8,8,9,10,10,10,10,10]+10[1,1,2,2,2,3,3,4,4,5,6,7,7,8,8,8,9,9,10,10]+10[1,1,2,2,2,5,6,6,6,7,7,7,7,7,9,9,10,10]+10[1,2,4,4,4,4,4,4,5,5,8,8,9,10,10,10]+10[1,2,2,3,4,5,5,6,7,7,8,8,9,9,10]+10[1,2,2,2,3,4,4,4,6,6,7,9,9,10]+10[2,2,3,4,4,5,5,6,6,8,8,8,9]+10[2,3,4,4,5,5,7,7,7,7,8,9,10]+10[1,1,3,4,6,6,6,7,8,8,8,10,10]+10[2,4,5,5,6,6,7,7,7,8,10]+10[1,2,3,3,3,4,4,4,5,7,7]+10[1,1,4,5,6,7,8,8,9,10]+10[1,1,2,6,6,7,8,10]+10[1,2,2,2,10,10]+10[3,4,8,9,9]+10[1,2,4,5,10]+10[1,3,6,7]+10[6,7,8]+10[4,6,8]+10[7,10,10]+10[7,9,10]+10[2,6,9]+10[3,5,8]+10[5,6,10]+10[2,5,9]+10[2,4,6]+10[7,10,10]+10[4,6,7]+10[5,6,10]+10[3,6,7]+10[1,2,5]+10[3,9]+10[8,8]+10[3,7]+10[7,9]+10[6,9]+10[5,7]+10[3,5]+10[3,7]+10[4,6]+10[6,10]+10[2,3]+10[2,2]+10[6,8]+10[5,10]+10[7,8]+10[8,9]+10[2,5]+10[3,9]+10[4,7]+10[2,5]+10[7,10]+10[1,3]+1[1] > 531
日向雛 :
うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
GM :
どわああああ!!!
日向雛 :
期待値400なので、運ゲーに勝ちました
GM :
まだあるんだろう?出しな、テメーのふりたしを…
日向雛 :
出します
日向雛 :
フォーチュンチャームの効果を使用、最後の出目に+2してクリティカルさせて振り足します
GM :
やれやれ!
日向雛 :
1dx2+540(1DX2+540) > 1[1]+540 > 0 (ファンブル)
GM :
そんなことあるんだ
日向雛 :
運を使い果たしたみたいです
GM :
ようやった雛ちゃんだよ
日向雛 :
でもまだあるよ!オートアクションで《妖精の手》を使用、最後の出目を10に変えてクリティカルさせて振り足します
GM :
やって見せろよマフティー!
日向雛 :
なんとでもなるはずだ!!
日向雛 :
1dx2+550(1DX2+550) > 10[10]+10[10]+10[2]+1[1]+550 > 581
日向雛 :
最初の出目を考えるとまあまあ!
GM :
やるね、彼女
日向雛 :
これに技能値9を足して、最終的な達成値は590です!
GM :
スゴイ・ツヨイ・ミライ
GM :
ここでしか振らない回避を振ってみます
GM :
27dx+15 どりゃー!!(27DX10+15) > 10[1,1,2,2,2,3,3,4,5,5,6,6,6,6,6,6,6,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10]+9[4,4,9]+15 > 34
GM :
が・・・ダメ・・・!
日向雛 :
現実・・・これが現実・・・!
GM :
ではアベルは【写し鏡】でイクサをコピー、ダメージ適用前に《不壊の城壁》を使います
日向雛 :
あると思ったよ!
GM :
ダメージだしな!
日向雛 :
OK!ではここで
日向雛 :
さらにジャスちゃんの《愚直な一突き》を使って、ダメージに+10D10します!
GM :
ちゃんと宣言、ヨシ!どうぞ!
日向雛 :
60d10+2+3D10+10D10 ダメージ(60D10+2+3D10+10D10) > 338[7,3,8,9,8,3,2,9,4,2,6,8,1,2,9,3,9,7,1,10,10,8,5,5,3,10,10,4,6,6,10,1,10,6,5,6,5,10,3,8,7,7,7,1,6,10,1,10,7,1,8,8,4,2,2,4,4,5,1,1]+2+19[8,7,4]+43[5,5,9,5,10,1,1,2,4,1] > 402
日向雛 :
うわーい!!!
日向雛 :
装甲無視です!
GM :
ドワォ!!
GM :
2倍して804から《不壊の城塞》軽減の60引いて744ダメージ!!
日向雛 :
とんでもないダメージだ。まだ立ってるのか!?
GM :
イキテマス
日向雛 :
すげえ!
日向雛 :
1d10 賢者の石の侵蝕(1D10) > 7
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 147 → 173
ジャス :
立ち尽くすアベルにすかさずジャスが強襲を仕掛ける。疾風を纏った槍はあなた達と戦った時と同じく疾く鋭い。
アベル :
「くっ、遠慮がないね。……キミは何の為に戦うんだい?」 寸でのところで槍を躱し、ジャスへ言葉を投げかける。
ジャス :
「私はただ、好きなように生きて、良い感じに金を稼ぎたいだけ、だっ!」 会話の最中でも、槍の攻勢は止まらない
アベル :
「なら、その力を受け入れれば良い。それがキミの為にもなる」 徒手空拳を交え、ジャスを諭すように語り掛ける
アベル :
「それでも、キミは……」
ジャス :
「ゴチャゴチャうるさい! 私はな……」
ジャス :
「自分の力で、行けるとこまで行きたいんだ……よっ!!」 ジャスの槍がアベルの隙を突いて胸部を貫き、地面に縫い付ける。
日向雛 :
「そうです……!ジャスさんは、それでいいんです!!」
日向雛 :
ジャスに続き、雛もアベルへと接近。
日向雛 :
右手の甲に埋め込まれた賢者の石を光り輝かせながらメスを突き出し、身動きの出来ないアベルに一撃を加えようとする。
アベル :
「声を荒げて接近とはね……!」 地面からせり上がった屈折した鏡面のような壁があなたの攻撃を弾く
日向雛 :
「……っ」 透明の壁に妨げられるが、メスは突き立てたまま。腕に力を込めて、刃先を震わせる
日向雛 :
「カイさん……」
日向雛 :
「今、ジャスさんに……どうして戦うのかと、聞きましたね……」
日向雛 :
「あなたが戦う理由を、ご自身の欲望を、教えてくれたから……わたしも、わたしの戦う理由と欲望を教えます」
アベル :
「…………」 歪んだ鏡面を介して、あなたを見つめる
アベル :
「聞こう。キミはどんな欲望を持って、僕の前に立つ」
日向雛 :
「……わたしの欲望は」
日向雛 :
「────この世界から、全てのレネゲイドを無くすことです」
アベル :
「……途方もない欲望だ。キミはそれを成し遂げられるのかい?」 真っ向から否定せず、話を聞く
日向雛 :
「頭ごなしに否定しないんですね。やっぱりあなたは、本当は優しい人です」 小さく微笑んで
日向雛 :
「成し遂げられるかどうかは、分かりません……。それが正しいことなのかも、分からない」
日向雛 :
「……レネゲイドは、凄い力です。たくさんの人々が願いを叶えることが出来たし、人間以外とも言葉を交わし、お友達になることさえ出来た……」
日向雛 :
「だけど、レネゲイドでもたらされる幸福は全て、果てしない悲しみの上に成り立っている。……あなたがご家族を失ったように」
アベル :
「……そうだね。それでも、レネゲイドが消滅した世界は前とそう変わらないかもしれないよ。その世界でも何かで得た幸福が、誰かの苦しみの上で成り立っているかもしれない……」
アベル :
「だから僕は、僕の手の届く範囲で悲しみを和らげてみせる……」
日向雛 :
「そうかもしれません……。だけどわたしは、人の心を狂わせるレネゲイドのことが許せない。それに……」
日向雛 :
「わたしは、わたしの手の届く範囲だけしか救えないなんて……満足できない」
日向雛 :
「これから先、わたしの知らないところでずっと争いが起こり続けるなら……誰かが大切な人を失い続けるなら……」
日向雛 :
「もう、そんな力は……!」
日向雛 :
……鏡面の壁に、ヒビが入る。
日向雛 :
「────わたしが全部、切除します!!」
日向雛 :
雛の想いに応えるように、十字型の賢者の石が爆発的に輝きを増していく。
日向雛 :
強烈な閃光が周囲に広がり、世界は白い光に包まれた。
日向雛 :
そんな中、アベルは目の当たりにするだろう。
日向雛 :
壁を砕き、メスで光を切開しながら、己の体を斬りつける雛の姿を。
日向雛 :
……だが、アベルは違和感を覚える。
日向雛 :
痛みを感じないのだ。まるで、麻酔をかけられたように。
日向雛 :
そして、その体には傷痕すら残っていない。まるで、一瞬で縫合されたかのように。
日向雛 :
あの斬撃は幻覚だったのか?誰もがそう一瞬疑っただろう。
日向雛 :
だが、元々FHの研究者であり、今はイスカリオテでもあるアベルだけは、その豊富な知識で自分の身に何が起きたのか理解出来る。
日向雛 :
────斬られたのは、レネゲイドウイルスだ。
日向雛 :
賢者の石で強化したウロボロスの力が、アベルの体を構成するレネゲイドの一部分を切り取って消滅させてしまっていた。
日向雛 :
医者が患部を切除するかのように。故に痛みもなく一瞬で、雛は手術を完了していた。
アベル :
「──────────」 一瞬の出来事に呆然と立ち尽くすアベルの身体に、硝子に入る亀裂のようなものが広がる
アベル :
「その願い、その力……」
アベル :
「強欲だね」 その声は、どこか柔らかく感じた。
日向雛 :
はい、知っています────そう語るかのように、どこか狂気も感じるような緑色の瞳を細め、優しく微笑み返す。
GM :
次!イクサさんですが、ここで再びアベルは《加速する刻Ⅱ》を使用。メインプロセスを行います。
GM :
そして【写し鏡】でメアちゃんをコピー!
GM :
コンボ名:MIRROR CRASH!!!!
マイナー:≪赫き剣≫+≪破壊の血≫+≪ポルターガイスト≫
メジャー:≪コンセントレイト≫+≪渇きの主≫&≪オーバーロード≫+≪デトネイトモード≫
GM :
マヤに対象にして攻撃します、HP2点減少。
system :
[ アベル ] HP : -1577 → -1579
GM :
31dx7+26 よいしょ!(31DX7+26) > 10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,5,5,6,6,6,6,6,6,7,7,8,8,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,2,3,4,5,6,6,7,7,8,8,9]+6[2,2,5,6,6]+26 > 52
GM :
リアクションはあるかな?
マヤ :
ドッジ試しましょう!
GM :
どうぞどうぞ
マヤ :
8dx-2(8DX10-2) > 7[1,3,3,4,5,6,7,7]-2 > 5
GM :
残念……イクサママ!なにかあるか!
イクサ :
カバーしてやろう!《砂の結界》!
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 111 → 113
マヤ :
ありがた…
イクサ :
さあバ火力見せてみろ!
GM :
おkおk、じゃあダメージだ!インフィニティコロナを適用!
GM :
6d+275(6D10+275) > 39[10,9,10,3,5,2]+275 > 314
イクサ :
270点ダメージかな!死!
イクサ :
ロイスをタイタス化して復活するのだけど、少し迷っている!お待ちを
GM :
ゆっくり選んでいってね
GM :
そういえば命中した時に8点回復して9点HPを失うやつがあった、1点減らしておこう
system :
[ アベル ] HP : -1579 → -1580
イクサ :
トーイのタイタスを切ります!
GM :
トーイくんの想いを力に!(邪)
おkおk!
system :
[ イクサ ] ロイス : 5 → 4
アベル :
アベルとあなた達が流した大量の血液がウロボロスの影によって凝固、そして形成。数百を超えるの血の拷問処刑武装が、敷き詰められた絨毯のように地面に突き立てられる形で展開される。
アベル :
「この攻撃も凌げるか……!」
アベル :
それらの武器を手に、禍々しい斬撃はマヤへ向けて振り下ろされ─────
マヤ :
「チッ…、よりによってアイツの技かよ…!」無数の血液の斬撃に一歩引いて身構える
イクサ :
「下がりなさい!」
飛んでくる血の武器の群れへ車体を滑らせて、ボウリングのピンのように吹き飛ばす!
が、偽のギロチンであっても魔女は許されない。
隙間を縫って浸透した刃が、コクピットで暴れ回る。
イクサ :
「ぐっ………私の妨害にも限界が近いわ。」
「さっさと終わらせてくれる……?」
マヤ :
「………。」戦車から響く声、明らかに機体の意思ではなかった防御にポカンと鉄の塊を見上げて
マヤ :
「あ、ありがと……」思わず素直な言葉がこぼれる
イクサ :
「戦場でぼやぼやしないでくれるかしら。」
「私の……はあ、"私たち"の勝率が下がるでしょう?」
私たち、という単語を口にするも馬鹿らしいというように
アベル :
「小賢しい真似を……だがッ……!」
アベル :
アベルはそれらの武器を手に、振るい、砕く、また振るい、また砕く……
アベル :
嵐の如き猛攻があなたを襲い、最後には黒い刀身に黄金の血を帯びたギロチンが振り落とされた。
イクサ :
アールがギロチンの刃を防ぐべく、二脚で立ち上がり、腕代わりの残りの脚を天に掲げる。
イクサ :
脚に阻まれ、ギロチンの刃は一瞬の鈍りを見せたが──。
結局、イクサの首もろともアールを叩き斬った!
イクサ :
恐るべきはアールの装甲か、イクサの着るヴィクターの補修力か、あるいは……本人の執念か。
断たれた罪を強引に繋ぎ止めて留まる。
GM :
次!今度こそイクサママ!
イクサ :
そうだ、私じゃん!
イクサ :
マイナーでアベルや雛のいるエンゲージへ移動!
GM :
オゥケェイ、攻撃を宣言しな
イクサ :
【W.ound/試作型オーヴァード生体砲】
CR+サンドシャード(B.T.C.ウェポン適用)
イクサ :
当然アベルへ!
弾はX.anadu/増殖補填式・圧縮生体弾
エピック切れてるので壊れます
GM :
判定どうぞ!
イクサ :
10dx7+16(10DX7+16) > 10[1,1,2,3,3,3,7,7,9,10]+10[3,7,8,10]+2[1,1,2]+16 > 38
GM :
アベルはガード!ダメージどうぞ!
イクサ :
やさしい!
イクサ :
4d10+29(4D10+29) > 25[9,3,9,4]+29 > 54
GM :
装甲って有効だっけ!
イクサ :
全部有効!
GM :
おっけ!108から10引いて98ダメージ!
system :
[ イクサ ] 侵蝕率 : 113 → 123
イクサ :
「アール、前進して!」
イクサ :
アベルに向かって斬り込んでいった雛とジャスを追うように指示を飛ばす。
機体を障害物とした前衛となり、アベルに対する陣形を維持する為だ。
イクサ :
まずは雛やジャスへ誤射しないように識別した上で、砲を連射モードに切り替えて、弾幕を張る。
イクサ :
毎秒100発の痛みの雨を目眩ましに、アベルへ肉薄……。
首元に噛みつく猛獣のごとく、射撃混じりの突進を繰り出す!
イクサ :
悲鳴は聞こえない。
理由は最早食い違ってしまっているけれど。
今、彼らの打ち倒す敵は同じなのだから──!
アベル :
「くっ─────!」
数百、数千の弾丸を弾きながら、イクサの同行を見張る。
しかし限界を超えた肉体と精神はすべてを捌き切ることなどできるハズもなく、およそ6割は被弾してしまっていた。
アベル :
「……イクサ。キミの執念には恐怖させられるよ……。その恐怖すら、僕は越えていかなければ、ね……」 小さな声でポツリと呟いて、射線を切ってイクサから離れる
イクサ :
「意外。貴方でも、私が怖い?」
「…………ふふ。」
拾った音声に、昏い笑みを浮かべる。
まるで初めて盗みをした子供のように。
イクサ :
「さて。聞こえる、雛さん? それとジャスさん。」
「私たちは今から前衛を務めましょう。」
「今、後ろに残ったメンバーは接近戦より、あの距離で戦ってもらう方が良さそうだから。」
「………出来るかしら?」
日向雛 :
「イクサさん!」 すぐ傍に来たアールを見上げて
日向雛 :
「分かりました、頑張ってみます!わたし達で通せんぼしましょう!」 アベルに向かって立ち、後方の仲間を庇うように片手を広げる
ジャス :
「任せろ! 今の身体なら何でもできそうだからな、バシバシぶん殴ってやる!」
イクサ :
「私たちは極力、アベルを妨害するわ。……じゃ、お願いね?」
コクピットの中で薄っぺらな微笑を浮かべる。
正直なところ、頼るのは癪ではあるが。
何が何でも勝ちに向かって走る、イクサの強さの現れであった。
日向雛 :
「はい!」 頼られて嬉しそうに元気よく返事する
ジャス :
「おう、行こうぜ!」 槍を舞わせてからアベルに向き合う
アベル :
「良いチームワークだね……。しかし……」 握り込んだ拳から闇が溢れている
GM :
クリンナップ!特にないか!
日向雛 :
ないです!あいつはいつもない
GM :
SSRのクリンナップさん、今回も出ず
ヴァニタス :
ねぇだす
マヤ :
ないです~
GM :
みんな無いだろうから1ラウンド目は終わり!2ラウンド目に入りますよ!
あったら後で教えて
◆第二ラウンド
GM :
セットアップ!
日向雛 :
《サポートデバイス》を使用!このラウンド間【精神】を使うダイスに+18個します、演出はなし!
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 173 → 181
GM :
じゃあアベルは【写し鏡】で雛をコピー。《サポートデバイス》で【精神】ダイスに+18個しよう
日向雛 :
真似しないで下さい!
GM :
真似してないもん!!
GM :
ではアベルのイニシアチブ、《原初の虚:極大消滅波》を使用
GM :
対象はメアリー、マヤ、ヴァニタス。このエフェクトにはリアクションを行えません。
GM :
10d つまりダメージがそのまま振れるってこった!オラァ!(10D10) > 46[8,3,6,1,2,3,5,10,4,4] > 46
GM :
死んだ人は手ぇあげて~
マヤ :
はーい!
ヴァニタス :
ノシ
メアリー :
はいな!
GM :
よく死んでくれた。褒美にロイスを切らせてやろう
GM :
しかし、今ならなんと、ストフェイのバリアがついてくる
マヤ :
ストフェイー!早くきてくれー!(使います!)
GM :
おっけー、ではストフェイの《蜃気楼》の効果でダメージは0になります。
アベル :
「─────しかし、ヴィランはいつだって狡猾なものだ!」 拳に纏わせていた闇を地面に叩きつける。すると闇が急速に地面を蛇のように這い、マヤ達の足元まで迫る!
日向雛 :
「あ……!!」 しまった、と振り返る
"異なる隣人"フェイル :
「チィッ……ストレイ。幻影はまともに使えるんだったな!」
ストレイ :
「う、うん……!」
"異なる隣人"フェイル :
「なら私に合わせろ。一瞬しか出来ねぇ荒業だが……!」
"異なる隣人"フェイル :
フェイルは直剣を地面に突き立てるとマヤ達の影に接続。すると、あなた達の足元がぬかるんだ気がした。
"異なる隣人"フェイル :
「……来るぞ、今だ!」
ストレイ :
「─────!!」
ストレイ :
爆炎が立ち上ると同時に、ストレイが光を放つとあなた達の影と身体が反転……。つまり、あなた達の"影"が攻撃を肩代わりして消滅する。
ストレイ :
一瞬の出来事、あなた達からしてみれば、いきなり身体が倒れたようにしか思えなかっただろう。
ヴァニタス :
「ん?あ…れ?寝てた???」
どろりと身を起こす
日向雛 :
「いえ、違います……!一瞬で、皆さんの影と体が入れ替わっていたんですー!」 離れていたので状況がよく見えたため、ヴァニタスに大声で説明する
ヴァニタス :
「はぁ~、そんなこともできるのねぇ」
感心しながら態勢を整える
マヤ :
「うおっ…!?」反転する視界に思わず驚いた声をあげる
マヤ :
「……俺の平衡感覚センサーが壊れたワケじゃねぇよな…?」地面から起き上がると、笑いながらストレイとフェイルにそう投げ掛ける
ストレイ :
「マヤ、無事でよかった!」 無事を確認して頬が緩む
メアリー :
「……狡猾さで言うのなら、ストレイとフェイルは、あなたが知らないうちに、サラーブのヴィランになっていたみたいね」
メアリー :
「創造主たるあなたも知らなかったでしょう、二人がこんな切札を隠していたなんて」火の粉が舞い散る中、身体を起こす。
アベル :
「サラーブで悪知恵を得たようだね。少し評価を改めなければいけないかな……」
ストレイ :
「アベル、私達は……!」 何か言おうとするが、言葉に詰まって
"異なる隣人"フェイル :
「もうテメェの思い通りにはいかない、ってか」 代弁するようにフェイルが言葉を続ける
アベル :
「ふ、口答えも達者になったものだね……」
GM :
続いてアベルのメインプロセス!
GM :
コンボ名:大切断
メジャー:《振動球》+《コンセントレイト》+《混色の氾濫》
GM :
対象は雛、イクサ
GM :
50dx7+20 よいしょっ(50DX7+20) > 10[1,1,2,2,2,3,3,3,3,3,3,3,4,4,4,4,4,4,5,5,5,5,5,6,6,6,6,6,6,7,7,7,7,7,8,8,8,9,9,9,9,9,9,10,10,10,10,10,10,10]+10[2,3,4,4,4,5,6,6,6,6,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10]+10[2,3,3,4,4,4,6,7,8,9,9]+10[3,5,7,10]+2[1,2]+20 > 62
GM :
ここでフォーチュンチャームを使用!ダイス目1つに+2してもっかい振り足すぜ!
日向雛 :
やってみせろよ、マフティー
GM :
1dx+70@7 どうとでもなるはずだ!(1DX7+70) > 10[9]+10[7]+10[7]+3[3]+70 > 103
日向雛 :
ひぃん
GM :
ふぅん
GM :
リアクション、やってみな!
日向雛 :
これは流石にワンチャンない…!
GM :
ネコチャンもいませんねぇ、イクサさんあるかい?
イクサ :
振らない?じゃあ《砂の結界》で雛ガードしますよ
日向雛 :
カバーリングされる対象がリアクションしてるとガード出来なかったりするルールなかったっけ
GM :
どうだったっけかな!基本を読み返してみよう
イクサ :
んー、相手がリアクション済だとガードが適用されないカバーリングになるみたい!
日向雛 :
やっぱりそういうやつだよね、じゃあリアクションなしでカバーリングされます!
イクサ :
GM、このダメージってやつ、頼めるかい
GM :
お客さん、痛だねぇ
GM :
11d+2+3d(11D10+2+3D10) > 57[10,5,9,3,4,3,2,7,2,2,10]+2+11[3,2,6] > 70
GM :
しょっぺぇ!
イクサ :
案外耐えそうな出目だった!
倍だから死ぬけど
GM :
復活してくんなぁ
イクサ :
雛のsロイスを切って復活!
全快!
system :
[ イクサ ] HP : 12 → 28
system :
[ イクサ ] ロイス : 4 → 3
GM :
全力全開の覚悟だ……!
アベル :
アベルは再び大剣を象ると、歪に屈折した鏡に刃をねじ込む。
アベル :
「……キミ達はどこまで耐えられるかな」
アベル :
その直後、屈折した地面、空間、そして自身の身体から大剣の刀身が飛び出しあなた達を串刺しにせんと迫る!
イクサ :
「上に乗って!」
雛とジャスに鋭い指示を飛ばす。
彼女たちに合わせ、アールを跳躍させる。
これではまだ、逃れるには足りない。
イクサ :
「2段目!」
ロケットの打ち上げのように。
雛とジャスを脚で高く押し上げて、虚ろな空へ逃がす。
そして反作用で、イクサと子供達は絶殺の空間へ舞い落ちる。
イクサ :
剣の茨をくぐり落ちて、アールの装甲もイクサの傷も数え切れない。
コクピットも割れて中が見える始末。
それでも。
イクサ :
「私はまだ死なないわ。そして雛さんにも、マヤにも、メアリー社長にも、ヴァニタスさんにも、まだ死なれては困るの。」
イクサ :
「思い上がりを叩き落として、世界を"正しく"見られるように教えてあげるのだから……!」
アベルに吐いた言葉。
だけど、その剣先が向いているのは──
今は仮の味方で、いずれ真の敵になる者たちへ。
日向雛 :
「い……イクサさん……!」 安全な上空から、アールの車体に着地する
日向雛 :
「そ、そんな……大丈夫ですか!?」 割れたコックピットの隙間から、彼女の顔を覗き込む
イクサ :
「こっちを見ないで。まだ動けてるわ。」
「この子たちもね。」
ギシギシと音を立てて、イクサを取り巻く彼らが唸る。
雛に心配無用とでも伝えたいのかもしれない。
日向雛 :
「…………」 それでも心配そうな目をして見つめて
日向雛 :
「分かりました。助けてくれて、ありがとうございます……」
日向雛 :
「でも、あまり無茶はしないでくださいね……っ」 アールから飛び降りて、アベルに向き直る
イクサ :
「………貴女がそんなだから。無茶してでも守って、生き延びさせて……自分の手で絶望させたくなるのよ。」
日向雛 :
「……?」 アベルに集中してて聞こえない
アベル :
「─────世界を正しく見させる、か。正しさの物差しは人に依って変わるけども、さて……」
GM :
次の手番!マヤくんは待機かな?
マヤ :
うむ、待機で!
GM :
おっけー、ではメアちゃんの手番になる!
メアリー :
いきますよ!
メアリー :
マイナーアクションで≪赫き剣≫+≪破壊の血≫! 2点のHPを消費して武器を作成!!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 166 → 172
system :
[ メアリー ] HP : 12 → 10
メアリー :
メジャーアクションで≪コンセントレイト≫+≪渇きの主≫&≪オーバーロード≫+≪デトネイトモード≫!対象はアベル!
GM :
判定どうぞ!
メアリー :
15dx7+6 命中判定!(15DX7+6) > 10[2,2,3,3,3,3,4,4,4,5,5,6,7,9,9]+10[2,6,7]+2[2]+6 > 28
メアリー :
ひ、ひぃん…
メアリー :
判定直後にサポートスタッフの効果を使用!+2して最終達成値30!!
GM :
おっけー、アベルはガード!ダメージ適用前にエフェクト使います!
メアリー :
4d10+238 装甲無視ダメージ!!(4D10+238) > 28[4,8,7,9]+238 > 266
GM :
アベルは《雲散霧消》を使用!532から25引いて507だけど……
GM :
死ぬ!!!ここでEロイス【修羅の世界】を使用、戦闘不能から復活してHP1で復活!
Eロイス
修羅の世界
タイミング:-
技能:- 難易度:自動成功
対象:自身 射程:至近
衝動:闘争
効果:あらゆる不利な状況を振り払い、再び全力をもって戦える状態へと舞い戻るEロイス。
いつでも使用できる。
バッドステータス、封鎖、ダイスや達成値のペナルティ、エフェクトの効果など、あなたが受けている不利な効果など、あなたが受けている不利な効果をすべて打ち消す。
どこまでが不利な効果に該当するのかはGMが判断すること。
このEロイスはあなたが戦闘不能でも使用でき、その場合はさらに戦闘不能を即座に回復し、HPを1点まで回復する。
メアリー :
6つ目のEロイス…!!
GM :
バッドステータスとかあったらね、使おうと思ってたんですけどね……無かったから贅沢に復活するね……
メアリー :
なるほど、ビルドによってはデバフで完封されかねないもんね
GM :
そういうこと! じゃあ演出どうぞ!
メアリー :
≪オーバーロード≫と≪デトネイトモード≫のデメリットで自身の武器を破壊!
メアリー :
≪渇きの主≫の効果で12点のHPを回復した後、諸々のデメリットで10点のHPを失いますよ!
system :
[ メアリー ] 侵蝕率 : 172 → 188
system :
[ メアリー ] HP : 10 → 12
メアリー :
「心の強さ、ね……」
明瞭としない意識の中、走馬灯のようにメアリーは回想する。
雛はジャスに言っていた。自分は心が強いから強いのだ、と。
本当にバカみたいな戯言だ。
だが────
メアリー :
「フ……それなら、やっぱり……この私が負けるハズないわね……」
イクサが言った通り、毒されているのだろうか。
……そのバカの戯言を、信じてみようと思った。
メアリー :
とっくにガソリン切れ。造血能力は底をついた。
いま扱える血液は、さきほどハデに使った量の1/10以下。もう大掛かりな血液操作エフェクトは使えない。
そもそも、こうして現在も立っているコト自体、雛が体力を回復してくれたから起きた奇跡のようなもの。
メアリー :
まさしく、満身創痍……だが、負ける気はしない。膝を屈するつもりはない。
何故なら、今から始まるのは、お互いに限界を超えた意地の張り合い。自分の意志を貫くために、相手の意志を砕く。心の戦い。
────それなら、少女が負ける道理は無い。
メアリーのヴィランネームは"黄金の心臓"。
決して朽ちない黄金のような諦めの悪さ。否。"心の強さ"がウリなのだから。
メアリー :
「────救世主の十字架よ」
すべての血液を結集。メアリーが形成したのは、黄金の十字架。ヴィランの都市には似つかわしくないモノ。
その大きさ、ヴァニタスさえ見上げるほど巨大。
……だが、先程の攻撃とは、比べ物にならないスケールダウン。体力を消耗したメアリーには、コレが限界。
メアリー :
「これならッ……、どうかしらッ……!」
メアリー :
メアリーは巨大な十字架を鎖に繋ぐと、ブオンブオンと振り回し……アベルが立っている方角に向けて投擲。
黄金の軌跡を描き、アベルに迫る血の聖十字架。
……正面から受けるのは、文字どおりに"骨が折れる"が、分かりやすい直線軌道。
肝心の速度も、今のアベルなら目で追えるほど鈍重。回避するのは容易いだろう。
アベル :
「舐められた、ものだね……!」 満身創痍の傷を抱えているとしても、その身体は人智を越えた肉体。鈍重な十字架を跳躍で躱し、メアリーを睨む。
メアリー :
────最後の力を振り絞った一撃はいともたやすく回避され、後ろに聳えていた"半壊状態のビル"に激突。
ガラガラと大きな音と共に、ビルの主柱を真っ二つに破砕した。
アベル :
「見え透いた一撃だね。流石のキミも限界─────」 自分の言葉に違和感を覚える。あのメアリーが、こんな木端なヴィランですら避けられそうな一撃をわざわざ仕掛けるのだろうか?
アベル :
「(だとすると……狙いは僕じゃ、ない……?)」
メアリー :
「……ふふ、大当たり」口角を歪め、天を指す。
言うが早いか。突如、アベルに"巨影"が落ちる。
メアリー :
────仰ぎ見れば、何と。
サラーブの象徴たる"砂上の楼閣"が折れ、その首をもたげていた。
メアリー :
メアリーの先程の攻撃は、最初からアベルを狙っていなかった。
アベルの後ろに聳え立つオルタ・スクレイパー、その崩壊寸前の主柱を叩き折り、
支えを失って倒壊するビルの圧倒的質量をもって、アベルを叩き潰すコトこそが「本当の狙い」だったのだ。
……綺麗にアベルの方に折れてくれるかどうかは、実際のところ"賭け"だったが、その勝負には既に勝った。
メアリー :
高層ビルはぐらりと傾き。アベルに覆いかぶさらんと墜落する。
……雛とイクサも巻き込む位置だが、二人なら問題ないだろう。
倒壊まで幾許かの猶予がある。
退避するのは可能なハズだと、メアリーは二人の実力を"信用"していた。あまりに一方的で不器用な信用だ。
ジャス :
「お、おいおいおい! アレぶっ倒れてくんじゃねぇのか!?」 倒壊するオルタ・スクレイパーで徐々に陰っていくあなた達をキョロキョロと見渡して
日向雛 :
「ほ、ほんとですね~……!?」
イクサ :
「逃げた方がいいわよ?」
「アレで連携が取れているつもりのようだから。」
イクサ :
「私はやることがあるから、お先にどうぞ。」
日向雛 :
「そうします!」
日向雛 :
……とはいえ、あまりにも巨大すぎる建造物だ。今更逃げたところで安全圏まで辿り着けるとは思えない。
日向雛 :
それならば、と。雛は自分達への落下地点を即座に頭の中で割り出して、高層ビルに影の線を走らせる。
日向雛 :
「っえい!!」 メスを一閃
日向雛 :
黒線に沿って、ビルの一部が丸く切り抜かれる。計算が間違っていなければ、これでギリギリ直撃は避けられるはず……!
日向雛 :
「ジャスさん、こっちへ!」 ジャスの手を引っ張って、自分がいる方へ抱き寄せる
ジャス :
「うおっ……! こ、これ大丈夫なのかぁ……!?」 雛の肩を掴んで震えている
イクサ :
「気は乗らないけれど。連携してあげましょう。」
アールを駆り、一瞬の内に移動する。
その先にいるのは──アベル。
イクサ :
アベルの身体を、強引に戦車の前脚で抑えつける。
すぐに振りほどかれるような時間稼ぎでしかないが、今は僅かな時間が欲しい。
イクサ :
「それじゃあ、一緒に痛い目みましょうか。」
アベル :
「ッ、そう来るか……!」アールの前脚を受け止め、崩落する瓦礫の雨脚の気配を感じる
アベル :
「けどこの程度……造作もない!」 前脚を弾き、オルタ・スクレイパーを砕こうと握り拳を振り上げる
メアリー :
イクサの考えた通り、アベルの実力なら対処してしまうだろう。
────だが、そうはさせない。
メアリーは懐から"硝子の小瓶"を三つ取り出し、その全てをアベルに投げつける。
イクサに注意を引かれている今、小瓶程度を避ける余裕は無い。
アベル :
「これは……」 視界に横入りしてきた小瓶に理解が追い付かず、一瞬だけ思考停止状態に陥る
イクサ :
「あら。思ってたよりは狡猾じゃない。」
「最後まで足止めする必要が無くなって助かるわ。」
金が透ける小瓶をコクピットのヒビから視認した瞬間、アベルから一目散に遠ざかって極力瓦礫の少ない地点を目指す。
メアリー :
「────盲者の槍よ」
メアリー :
次の瞬間、ぱりんと高い音。
同時。割れた硝子ビンから勢い良く飛びだした"何か"が、アベルの脇腹を貫いた。
……硝子ビンに入っていたのは、黄金の血液。血液が尽きた場合に備えて用意した"保険"。
それがジャスの槍と似た黄金の血槍となって、アベルを地面へと縫いつけたのだ。
メアリー :
今のアベルなら、血の槍を手折るコトさえ難しくはないだろう。
……だが、それには一瞬、スキが生じる。ほんのすこし、ワンアクションの致命のスキが。
故に、アベルにはもう倒壊する高層ビルを躱すことはできない。
ただ覚悟して、崩れ去る"サラーブの象徴"を仰ぎ見るコトしかできない。
アベル :
「が、ぁっ……そう、か……ヴィランは、狡猾なもの、だね……!」 縫い付けられた地面から、彼は嗚咽を漏らしながら見上げることしかできない
メアリー :
「……ふん、やれやれだわ」前髪をかきあげ、敵を見据える。
メアリー :
「これまでストレイやフェイルにしてきたことのツケ、熨斗をつけて返してあげる」
「あんたの高尚なエゴ、その墓標としては上等でしょう」
メアリー :
「……しばらく、砂の下で大人しくしていなさい」
サラーブの象徴。その重みが、アベルを圧し潰す。
墓標のように。あるいは、17年前に家族が瓦礫に潰されたように。
────荒れ狂う破壊の嵐は、ヴィラン達の傍を吹き抜け、鏡のサラーブを駆け巡った。
日向雛 :
「…………」
日向雛 :
「し、死ぬかと思いました……ね……?」 丸くくり抜かれた穴から、ひょこっとジャスと一緒に顔を出す
ジャス :
「ビ、ビビった~……この世の終わりかと思った……」 ひゅう、と思わず一息ついて
日向雛 :
「も、もう~!メアリーさん~!わたし達もいたんですよ~……!」 メアリーに向けて手をぶんぶん振り上げて怒る……が、全然怖くないのでぷんぷんしてると言った方が正しい
メアリー :
「……ふ、あんたたちは殺しても死なないでしょう?」いつも通り元気そうな雛を見て、内心でほっと胸を撫でおろす。
イクサ :
「はあ、間違ってはいないけれど……。」
「それはそうと今度、マンツーマンで戦術連携についての講義はいかがかしら?」
他のビルを盾に難を逃れたのか、瓦礫を砲撃で吹き飛ばして現れる。
メアリー :
「ひとまず事件は片付いた訳だし、このあと時間が取れたなら考えてあげなくも────」
GM :
─────墓標とされた瓦礫が弾ける。
GM :
その中心には、拳を掲げ、息も絶え絶えのハズのアベルが仁王立ちで佇んでいた。
アベル :
「サラーブに骨を埋めるつもりではいたけども……今は、その時じゃない、かな……」
アベル :
「……ッ」 それでも累積したダメージは計り知れない、アベルの血に染まった視界はあなた達を認識しているかすら怪しいだろう
メアリー :
「なッ……!? ま、まだ立てるって言うの……!?」
日向雛 :
「さ、さすが……ですね……カイさん……」 瓦礫の上に這い出ながら、彼の姿を確認する。
まだ戦いを続ける体力が残っていることに驚くが、彼の覚悟の強さを考えれば不思議ではないとすぐに吞み込めた。
イクサ :
「生身でそれだけ耐えて、まだ足りないのね……。」
苦々しく、嫉妬の籠もった言葉を吐く。
日向雛 :
「それならわたし達も……満足するまで付き合ってあげるまでです!!」
GM :
次!ヴァニちゃん!
ヴァニタス :
エイエイ
ヴァニタス :
待機ィとか言おうとしたけど後ろに控えてる雛ちゃんが世界で一番ヤバいのでちゃんと殴っちゃうぜ
ヴァニタス :
マイナーでエンゲージを離脱 横5mでいいかな
GM :
イイヨ
ヴァニタス :
【無秩序崩壊】:《コンセントレイト:バロール》+《黒の鉄槌》+《雷の槍》
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 166 → 175
GM :
おkおk!じゃあ判定どうぞ!
ヴァニタス :
(6+-1+4+0)dx(7+0)+11+10-1+0 判定/100%以上/無秩序崩壊(9DX7+20) > 10[2,4,4,4,5,8,8,9,10]+10[3,4,6,8]+3[3]+20 > 43
GM :
無駄な足掻きして良い?
ヴァニタス :
いいですとも!
GM :
ありがとう!そしてごめん。
オートで《消散する魔法》を使用。判定の達成値を-30させます。
ヴァニタス :
13!
GM :
そしてガードします!
ヴァニタス :
ダメージ出すわよ~
GM :
ばちこい
ヴァニタス :
2d10+50+0 ダメージ/100%以上/無秩序崩壊(2D10+50+0) > 19[9,10]+50+0 > 69
system :
[ ヴァニタス ] 侵蝕率 : 175 → 179
GM :
ぐ、ぐわあああ!!固定値はやはり強い!!
GM :
ここで蘇生復活!またHP1で復活します!
GM :
しかし際の際です……演出あればどうぞ!
ヴァニタス :
メアリーが作り出した戦場の混乱を見る。
飛び交う巨大な武器、躍動する兵器、崩れ落ちる建造物、巻き上がる粉塵。
鏡の世界にありながら、虚像とかけ離れた存在感を有するそれら。
ヴァニタス :
「やっぱり素敵ね、サラーブは」
暗さを称える中空を泳ぐように舞い上がる。
ヴァニタス :
「”ここ”を愛している人が、こんなにもいる。なんて素敵。貴方の頑健さだって、きっとそのあらわれなのね?」
空に瞬く一つの星。罅割れから洩れ出る空色の燐光はその輝きを増し、再度破壊の一撃を湛える。
ヴァニタス :
「内からの破壊ならどうかしら?私からのプレゼント!」
色も質量もない、しかし確かな揺らぎが斥力により放たれ、アベルへ迫る。
アベル :
「─────」 揺らぐ視界、視力をほとんど無いに等しいからだろうか。鋭敏となった感覚はレネゲイドの流れをより鮮明に捉えることができていた。
アベル :
「そこ……だ……」 アベルはただ、腕を振るう。放たれたウロボロスの因子は斥力に含まれるレネゲイドを食らい、威力を弱めていく……
ヴァニタス :
到達する前に減衰した波を見やり、楽器を構える。
ヴァニタス :
「貴方が計画を達成してしまったら、この子達を生み出した人たちはどうなってしまうのかしら」
奏でる。彼女の持つそれは、B.T.Cウェポン。
どこかの誰かが作った、どこかの誰かであったもの。この街が作った、美しいもの。この街だからこそ生まれた、素晴らしいもの。
ヴァニタス :
「きっと居なくなってしまうもの。そんなの、悲しいじゃない」
奏でる。彼女の性格に合わぬ、低く重厚な音。
その音はレネゲイドを伴って、一度減衰した波を増幅させる。より破壊的に、より豪壮に。
アベル :
「ぐっ……!」 それらを受け止める余力もなく、壮大なフィナーレへと続く重低音に晒される
アベル :
「僕は……僕は、まだ……」 アベルの持つ渇望鏡。そして自身の身体に走っているヒビが広がっていく……
GM :
次、雛ちゃん!
日向雛 :
はぁい
日向雛 :
メジャーアクションで《振動球》+《コンセントレイト》
日向雛 :
アベルに攻撃!
GM :
判定どうぞ!
日向雛 :
26dx7+9 命中(26DX7+9) > 10[1,1,2,2,2,3,3,4,4,4,5,6,6,7,8,8,8,8,8,9,9,9,10,10,10,10]+10[1,2,2,3,3,4,4,5,6,8,8,8,9]+10[5,6,7,8]+10[9,10]+5[2,5]+9 > 54
日向雛 :
いいじゃない
GM :
どうしようかな…ちょっと待たれよ!
日向雛 :
な、なにぃ…
GM :
ちょっと考えてたけど、特に……エフェクトないわ!
日向雛 :
なかった!
GM :
素直にガードします。ダメージどうぞ。
日向雛 :
必要ない説はありますが、ジャスちゃんの《愚直な一突き》を使用、ダメージダイスに+10D10します!
GM :
どうぞどうぞ
日向雛 :
6D10+3+3D10+10D10 ダメージ(6D10+3+3D10+10D10) > 22[3,8,8,1,1,1]+3+12[3,8,1]+55[4,5,7,3,5,6,7,9,4,5] > 92
日向雛 :
雛分のダメージがしょぼい、けど……どうだ!
GM :
…………戦闘不能!!!
日向雛 :
か、勝ってる!!!!
GM :
終わりだよ終わり!決着ゥーーーー!!(徐倫)
GM :
演出あるならどうぞ!
日向雛 :
ある!やっちゃいましょう
system :
[ 日向雛 ] 侵蝕率 : 181 → 187
日向雛 :
アベルの限界は近い。いや、もう限界など超えているのかもしれない。
日向雛 :
だが、彼の力は衰えたりしない。むしろ、追い詰められたことでそのレネゲイドコントロールは更に研ぎ澄まされているように見える。
日向雛 :
生半可な攻撃では凌がれてしまうはず。しかし、賢者の石を使わない雛の攻撃ではおそらく足りないだろう。
日向雛 :
ならば、取るべき戦法は一つだ。
日向雛 :
ヴァニタスが戦っている間に、雛はジャスに顔を近づけて小声で伝える。
日向雛 :
「ジャスさん、同時攻撃でいきましょう……」
日向雛 :
「わたしとジャスさん、二人の力を合わせて二倍……」
日向雛 :
「いえ、百倍の威力です……!!」 頭のよくなさそうな提案。笑顔で言っているが、彼女は本気だ。
ジャス :
「百倍?いいや、ひな……」 人差し指をチッチッと振って
ジャス :
「合わせれば万倍だ! 行くぞッ!」不敵に笑ってみせる
日向雛 :
「……!!はい!!!」 ジャスに笑い返して
日向雛 :
モルフェウスシンドロームの変形能力を再び使用。手に持っているメスが光に包まれる。
日向雛 :
「力をお借りしますね……ティティさん……!」
日向雛 :
光が収まった時、その手に現れたのはティティが愛用している一丁の銃だった。
日向雛 :
ただその形を模倣しただけで、能力は違う。それでも、ジャスとコンビネーションを決めるならこれしかないと雛は思っている。
日向雛 :
そして、ジャスと同時に地面を蹴り、アベルへと接近していく……!
日向雛 :
「3……」
日向雛 :
「2……」
日向雛 :
「1……!」
日向雛 :
迫りながらカウントダウンを開始、その銃口をアベルに向ける。
日向雛 :
攻撃のタイミングは、雛とジャスの攻撃が最も力を発揮する距離に到達した瞬間────!
日向雛 :
「0!!!」
日向雛 :
ジャスへの合図と共に、雛は引き金に指をかけた。
日向雛 :
数回の銃声……ワンマガジン分の弾丸が放たれる。
日向雛 :
ティティの技のように手前で着弾し、地面を隆起させて攻撃することはない。
日向雛 :
代わりに、鏡面世界に大きく風が吹き……超加速した弾丸がアベルのひび割れた体に殺到する。
日向雛 :
だが、それだけでは終わらない。
日向雛 :
────何故ならこれは、雛とティティ、そしてジャスによる“同時攻撃”なのだから……!!
ジャス :
ジャスは風よりも速く、弾丸の如く駆け、雛の攻撃と共にアベルを一閃する。
ジャス :
核を貫いた感覚。
彼女ではない彼女が知っている、確かに討ち取ったという確信が身体に駆け巡った。
ジャス :
「手応え、あり……!」
アベル :
「これは─────そう、か─────」
アベル :
がくりと膝を折ったアベルの身体にヒビが急速に広がり、『パリン』と割れる音と共に、イスカリオテの姿が剥がれ落ちた。
GM :
戦闘終了!
日向雛 :
「終わった……?か、カイさん……!!」 イスカリオテから戻ったアベルの体を、慌てて抱き止める
アベル :
「参った、ね……完敗、だ……」 ダメージがいくらかフィードバックされたのか、致命傷の傷がいくつも散見される
日向雛 :
「そうみたい、です……ね。わたし達の勝ち、です……」 しかし、悲し気にそう言う
GM :
ということで、嬉し恥ずかしバックトラックタイム!
GM :
今回、シナリオ内で使われたEロイスは6個、そのうちの1つは2個分なのでまずは7D10だけ侵蝕値を減らしてください!
メアリー :
188-7d10(188-7D10) > 188-34[2,6,8,2,2,5,9] > 154
ヴァニタス :
179-7d10 ムンッ(179-7D10) > 179-34[3,1,8,5,9,3,5] > 145
マヤ :
167-7D10(167-7D10) > 167-31[4,8,4,1,2,3,9] > 136
日向雛 :
七つ分全部使うよ!
日向雛 :
187-7d10(187-7D10) > 187-40[8,1,8,7,3,6,7] > 147
イクサ :
つかわーーない!
GM :
パワー(プレイ)!
GM :
侵蝕はちゃんと減らせたかぁい
日向雛 :
減らした―
メアリー :
ヴィランズスカーとメモリーの効果で、更に侵蝕-20。現在134じゃ。
ヴァニタス :
ヴィランズスカーで-10
イクサ :
ダイス振る前に、スカーと元旦那のメモリー使うね!
マヤ :
ヴィランズスカーで−10します!
日向雛 :
そっかここでか、ヴィランズスカーとメモリー一個でわたしも20減らします。現在127%
GM :
なんだかんだ高めの人も生還できそうだね!ちゃんとEロイス分とヴィランズスカー、メモリー分を減らしたら次は残りロイスで振って行ってね
メアリー :
134-5d10 1倍振り(134-5D10) > 134-21[2,1,4,8,6] > 113
メアリー :
Dロイス不死者は120%以下で帰還できるので、無事にバックトラック成功じゃ
イクサ :
103-3d10 等倍でも多い(103-3D10) > 103-12[3,3,6] > 91
イクサ :
ん、帰還
ヴァニタス :
倍振りじゃ
ヴァニタス :
135-10d10(135-10D10) > 135-55[8,1,3,6,6,9,10,4,1,7] > 80
日向雛 :
ではロイス四つ分を二倍で振って、あとリマインドソウルを使って+1Dします
GM :
どうぞぉ
日向雛 :
127-8d10-1d10(127-8D10-1D10) > 127-61[9,6,10,8,5,8,7,8]-10[10] > 56
日向雛 :
余裕の生還です、アベルEロイスありがとう
GM :
イイヨ……(満身創痍)
マヤ :
倍振りでいきましょう!
GM :
イイヨ
マヤ :
126-12d10(126-12D10) > 126-74[1,4,1,6,9,9,5,10,1,9,10,9] > 52
GM :
余裕のよっちゃんで帰還ですねぇ
Scene14 未来へ至る路
GM :
─────ついに、アベルが膝をつくことで都市の未来を決める戦いは終わった。
先程までの覇気はどこへやら、失意と不甲斐なさに打ちのめされた彼の姿は矮小さすら感じられる。
GM :
彼の向ける視線も虚ろを帯びて地面へ落としている……。
だが、そんな彼を気遣うような目で見ている者もいた。
ストレイ :
「…………」
ストレイ :
「……ねぇ、マヤ。 大丈夫そう?」 一度アベルから視線を外して、オーバーヒート状態だったマヤへ声をかける。
マヤ :
「…あー、大丈夫大丈夫。」視界のノイズが酷い、アイモニターを叩きつつそう応えるが彼の視線の方向はストレイが見えているか若干怪しいものだ
ストレイ :
「……良かった。こっち、ついてきて……」 マヤの様子を察して、パーカーの袖を握って先導する。
GM :
ストレイに引かれるまま着いていくと、あなたのノイズがかったアイモニターにアベルのシルエットが映る。どうやら彼の前まで連れて来たらしい。
ストレイ :
「アベル……」寂しげな声色で呟く
アベル :
「……道具が僕に何の用だい。僕を憐みに来たって言うのなら、納得はするけどね」 突き放すような態度をストレイに向けて
ストレイ :
「ううん、わ、私は……」
ストレイ :
「あなたと、少し話がしたくて……」
アベル :
「……今更かい、キミと語るようなことはないよ。キミは僕の手から離れた道具……いや、もう何物でもないからね」
ストレイ :
「でも、私……ずっと近くにいたのに、あなたこと、何も知らないから……」 溝を埋めるのには遅すぎるが、せめて少しでも理解し合いたいと視線で訴えかける
アベル :
「……知らなくてもいいさ。キミもマヤくんと同じように、いっそ忘れてしまえばいい」 マヤを見上げ、自身を嘲笑するように笑う
マヤ :
「なにそれ嫌味?」つられて自嘲するように笑う
マヤ :
「…俺はコイツに俺と同じ思いはさせたくねぇから、そんなのゴメンだな。」
アベル :
「全力でぶつかって負けたんだ。少しは嫌味も言いたくなるだろう?」
アベル :
「……それで、キミが新しい保護者という訳だ。どうかこの悪都で、忘れ難い思い出をその身に刻むといいさ」
アベル :
「……どうか、僕みたいに喪う悲しさを知ることは無いように……とは祈らせてもらうよ」
ストレイ :
「アベル、私は─────」
アベル :
「もうキミと話すことはないよ。僕に用がありそうな人が、まだいるみたいだからね」 ストレイを突き放し、マヤ達の後ろにいるPC達を虚ろな視界に納める
イクサ :
アールをアベルの目前まで動かし、イクサは場を睥睨する。
ほぼ剥き出しとなったコクピットから見えるイクサの表情はまさに鬼気迫るという表現がピッタリである。
イクサ :
「さて、と……。」
「ここまでしたんだもの。"渇望鏡"も頂かないと割に合わないわね……?」
メアリー :
「ちっ……、こっちも満身創痍っていうのに、こいつはまだ……!!」
日向雛 :
「イクサさん、大丈夫ですよ。もう決着はつきましたから、そんなに警戒しなくても……」
日向雛 :
「アベルさんも、負けを認めてるみたいですし……鏡はこれから渡してもらえれば……」 イクサの真意には気付いていない
イクサ :
「いいえ。鏡は"私"が手に入れるの。」
「野良犬が咥えて持っていってしまう前に……!」
日向雛 :
「え、えぇ?野良犬……?」
メアリー :
「このバカ……! この期に及んでイクサを信じてるなんて、それこそ信じられないわ……!!」イクサの前に立ちふさがり、残りの力でなんとか小さな刃を形成する。
日向雛 :
「ど、どうしたんです!?もう戦わなくてもいいはずですよ!?」 おろおろしながら二人を見てる
イクサ :
「あら、これ以上戦って大丈夫かしら? 戻れないラインの自覚はあって?」
イクサ :
「私は……まだ、耐えられるわよ。」
メアリー :
「……ハ、その言葉、そっくりそのまま返してあげる」
イクサ :
イクサが手元のモニターを叩き、砲撃をコマンドしようとする、その時。
アール(四脚戦車) :
『敵性体沈静済』
『交戦状態終了』
『システム【C.H.O.R.U.S.】解除』
アール(四脚戦車) :
『おやすみ ママ』
アール(四脚戦車) :
人工知能エスによる、冷たく無機質ながらもどこか優しい声。
イクサ :
「──え?」
イクサ :
ブツン、と糸の切れた人形のように。
"子供達"もイクサも力なく崩れ落ちる。
イクサ :
コーラスシステムによる共鳴。
兵器たちと操縦者の感情エネルギーによってレネゲイドを励起させ、彼らの限界を越えさせる技術。
けれど。
システムが切れれば元の鞘。
並のオーヴァードでしかないイクサはあっけなく気絶してしまった。
日向雛 :
「わ……イ、イクサさん!?やっぱり無茶して……!!」
メアリー :
「は、ぁ……まだ戦う余裕があるなんて、どっちもハッタリだったわけ……まったく心臓に悪いわ……」ホッと胸を撫でおろす。同時に形成した武器は融けて消える。
ヴァニタス :
「あら、寝ちゃったの?不用心ね~」
後方から、ゆっくりと今更飛んでくる
ジャス :
「だーいぶ無茶してたんじゃねーの?」 雛の後ろからひょっこり顔を覗かせて、イクサを覗く
日向雛 :
「そりゃそうですよ、あんなにわたし達を庇って攻撃を受けてたんですから……」
日向雛 :
「とにかく、まずはここから脱出しませんか?イクサさんも、カイさんのことも心配です」 アベルの体を支えながら
日向雛 :
「外に出れば、エトワールさん達と合流してちゃんと手当ても出来ますから……」 自分の力も限界だと感じ、そう提案する
ヴァニタス :
「そうねぇ、そろそろ目がおかしくなっちゃいそう。よいしょ」
と、沈黙したイクサをアールごと浮かせる
メアリー :
「…………」気絶したイクサを睨む。この女は今後、確実に自分の前に立ちはだかり、ひいてはサラーブに混沌を齎す存在だ。
メアリー :
「(不殺のポリシーを曲げたとしても……、此処で始末した方が賢明……)」
メアリー :
「…………はぁ」頭を振って、思いとどまる。イクサと子供達の助力なくして、犠牲なき勝利がなかったことも事実。また立ちはだかったなら、そのとき倒せばいい話。今回は見逃そう。そのようにメアリーは甘い決断を下した。
メアリー :
「この選択、きっと後悔するわね」溜息をついて、誰にともなく独り言を漏らす。
アベル :
「雛くん、だったか。キミはあんなことがあったのに優しいんだね……っ、けほっ……」 喀血を袖で拭って
アベル :
「……だけど、その心配も無用だよ」
日向雛 :
「どういう意味です……?」 心配そうにアベルを覗き込んで見て
アベル :
「周りを見てご覧」
GM :
アベルの言われるがまま、周囲を見渡してみると、屈折した空間が徐々に綻んで……いや、崩壊していくのが見える。
アベル :
「鏡も酷使したせいで、この世界を維持するのも難しくなっていてね。それに……」
アベル :
「キミ達が入って来た亀裂は、今や内側から維持しなければ開いていられないんだ」
アベル :
「……だから、僕はここに残るよ。ああでも、ここで僕と一緒に崩壊に巻き込まれてくれるって言うなら……」
アベル :
「……いや、帰った方が良い。キミ達みたいな逸材はサラーブに必要だろうからね」
日向雛 :
「そ、そんな……一人だけ置いて行けって言うんですか……!?」 慌てながら、崩壊していく世界とアベルを交互に見て
アベル :
「なぁに、孤独には慣れてるさ」
アベル :
「さ、お荷物は置いて行った方がいい。それに鏡も……亀裂を維持するのが精いっぱいの代物になってるからね」 もうキミ達が思うような強力なものではない、と暗に伝えている
日向雛 :
「…………」 アベルの目を見る。どのみち、彼を連れて帰って生かすことが出来たところで、今度は追放では済まないのは雛自身も分かっていた
日向雛 :
「……分かりました。それがあなたの、最後の望みなら」 彼の欲望を踏みにじった側である故に、これ以上駄々は捏ねない。アベルを支える手を離して立ち上がる
アベル :
「ああ、終わりを自分で決められるなんて上々じゃないか」 穏やかな笑みを雛へ向けて
アベル :
「……そうだ、メアリーくん。キミのことも随分と振り回してしまったね」そうは言うが、あまり悪気はなさそうだ
メアリー :
「まったくね! これまでの癖の強い依頼人達のなかでも、ぶっちぎりの最悪よあなた!」
アベル :
「小指の依頼だよ? キミの萬屋に箔がついたってことで勘弁してくれないかな?」 冗談めかして
メアリー :
「……物は言いようね」溜息をついて
メアリー :
「けど、まあ? おかげさまでウチの看板に箔がついたのは確かかもね、ヴィランの王も倒したワケだし?」同時に泥も塗られた訳だけど、と悪態をつく。
アベル :
「ふふ、本物はきっと、あれ以上だと思うけどね……それでも負けるとは思わなかったなぁ」
アベル :
「……メアリーくん、ありがとう。頼りになるキミを見つけられて良かったよ」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「まっっっったく嬉しくない褒め言葉をどうも、やっぱり割にあわない仕事だったわ」
メアリー :
「…………まあ。多少。やり甲斐はあったのかもしれないけどね」
アベル :
「ああ、そのまま小指の座を目指して頑張って欲しい……」肩を竦めて
メアリー :
「あんたのおかげで、ガタガタの茨の道だけどね」
メアリー :
「────せいぜい、あんたなんかより立派なヴィランになってやるわよ」
アベル :
「生半可な正義と、滅びに負けないよう応援しているさ……」
アベル :
「さてさて、キミ達を帰したいのはやぶさかではないのだけど……ほんの少し、パワーが足りなくてね」ぼやけたままの視界をゆっくりとジャスに向ける
ジャス :
「あん? 私ぃ?」 自身を指さして
アベル :
「キミ、フェイルに理想の姿にさせられただろう。その力、返して貰えないかい?」
ジャス :
「えぇ~~……? ま、まぁ、良いっちゃ良いけどさぁ? これ結構つえぇしぃ、もったいないっていうか……なぁ?」
日向雛 :
「そうですね、確かに力は強いですし、もったいないという気持ちも分からなくはないですけれど……」
日向雛 :
「放置して、この先どうなるか分かりませんし……」
日向雛 :
「それに、わたしはやっぱり、元のジャスさんの方が好きですよ」 ジャスに小さく笑いかける
ジャス :
「え、えぇ~~~?? そう言われるとなぁ……こ、断りづれぇじゃん??」 腕を組んでそわそわ
ヴァニタス :
「いつの日か鏡みたいに…体が…?」
手をひらひらとさせて、砕け散るジェスチャー
ジャス :
「そ、それは嫌だな!!? ひな、私、戻る!!」
メアリー :
「あら、鏡像になってもきっと、ヒヨコは愛してくれたのに」くすくす笑って
日向雛 :
「鏡像になったら愛する以前に悲しいですよ……」 釣られて笑って
日向雛 :
「じゃあ、お願いします。カイさん」
アベル :
「キミ達はいつだって賑やかだね。それじゃあ……」 鏡をジャスに向けると、鏡は淡い光を放ち……
アベル :
イスカリオテの姿が剥がれた時と同様に『バリン』と音を立てて、ジャスの姿が見慣れたものに戻った。
ジャス :
「うおっ、おお……このやっすい服の感じも懐かしい感じがするな……!」
日向雛 :
「……!戻った!戻りましたね!」
日向雛 :
「よ、よかった~!やっすい服着たジャスさんです~!!」 やっと安心出来て、嬉しそうにジャスに抱き着く
ジャス :
「わはは! 戻ったぞ~……って、ん? 喜ばれていいのかこれ?」
日向雛 :
「はい、もちろん!」 ぎゅうっと抱きしめて
ジャス :
「じゃ、いっかぁ!」豪快な笑顔を浮かべて
日向雛 :
「はい!」 笑顔を返す
メアリー :
「……お互い傷だらけで、よくやるわ」抱き合う二人に、肩を竦める。
日向雛 :
「じゃあ、これで鏡のパワーは充分……なんでしょうか?」
アベル :
「十分だ。あの倉庫に繋がる亀裂をここに開き直してあげよう」
アベル :
そういって鏡を振るうと、倉庫で見たあの亀裂が再び地面に広がった。
アベル :
「さ、出口はあちらだよ。帰るまでが決戦ってね」
日向雛 :
「そんな、遠足じゃないんですから……。でも、本当にこれで帰れそうです」
ジャス :
「よーし、さっさと帰るぞ! なんかエトワールって女が私に話したいことあるとか言ってたし!」
日向雛 :
「そうですね……帰りましょう、ジャスさん」
日向雛 :
「……カイさん、ありがとうございます」 亀裂に向かう前にアベルに振り返って礼を言って
日向雛 :
「わたし達、戦い合うことになったけど……わたしは根っこのところでは敵じゃなかったって、そう思っていますから。……さようなら」
別れの言葉を告げる。最後に少し悲し気な表情になったが、すぐに背を向けてそれを隠し、ジャスと手を繋いで亀裂へと飛び込む。
アベル :
「さようなら、強欲の人。キミの願いは素直に応援できないけど、幸ある人生を祈ってるよ」 背中に声をかけて
ヴァニタス :
「アベル、貴方も変な人ねぇ」
自身の道具やイクサ、アール等を周囲に浮かべながら
アベル :
「ふむ、その心は?」 言われ慣れているのだろうか、飄々とした態度で続きを待つ
ヴァニタス :
「ヴィランに変な人が多いのを抜きにしても、なんていうかぁ……冷たいのか、優しいのか、よくわからないわ?」
ヴァニタス :
「もちろん、義理人情にあふれる傍らで無慈悲に殺人を犯せる人もいっぱいいるけど、そうじゃなくってぇ…何かしらね、いつでも思いやりは一応ある…みたいな?感じかしら?」
ヴァニタス :
「あんまり見たことのない感じだったから、そう思ったの」
アベル :
「優しい、か。ただ僕は自身の欲望のまま、生きて来たに過ぎないよ……」
アベル :
「思いやりと思えるものも、結局は僕が抱いた野望に付随してきた物に過ぎないしね」
アベル :
「……キミはこれからも都市を護り続けるのだろう?」
ヴァニタス :
「もちろん!この身体が砕けて、魂もバラバラになって、砂粒のようになって……この街で死んでいった皆と一緒になるその時まで、私はこの街を守るわ」
自身の体躯を見回し、うっとりと
アベル :
「ははは、僕からしてみればありがたい話だね……」
アベル :
「……手段や思想は違えど、キミと僕は同じだ。どうかその志を抱いたまま、都市を護り続けて欲しい」 穏やかな声で、そうヴァニタスに願う
ヴァニタス :
「ええ、言われなくても頑張り続けるわ?…それじゃぁね、アベル。貴方がサラーブの砂にならないこと、ちょっとだけ残念に思うわ」
そう言ってゲートに消えて行こう
アベル :
「……確かにサラーブに骨を埋められないのは残念、かな」ヴァニタスを見送ってから微かに俯いて
メアリー :
きっとあまり時間は残されていない。
メアリーは俯くアベルに何も言わず、崩壊するサラーブを後にしようと歩み出す。
メアリー :
……が、時空の亀裂に飛び込む直前。ふと足を止める。
メアリー :
「────さよならは言わないわ」背中越しにアベルに語り掛ける
メアリー :
「あんだけタフだったんだし、今更くたばるところがイメージできないもの」
メアリー :
「はじめて会った時は"何もしなくてもくたばるんじゃないか"なーんて心配したものだけれど」
メアリー :
「わざわざデカい墓まで用意してやったのに、それでも立ってきたじゃない」倒壊したオルタ・スクレイパーを横目で見て
メアリー :
「……だからね、次に会う時はもっとマシな依頼を持ってきなさい、アベル」
メアリー :
「またサラーブを守りたいって言うんなら、話くらいは聞いてあげるわ」
アベル :
「…………」 メアリーの言葉に意外そうな顔を浮かべる
アベル :
「ふふ、僕って案外信用されてる?」
メアリー :
「いえ、ちっとも」
メアリー :
「また気にいらない依頼をしてきたら、また吹っ飛ばしてやるわ」
メアリー :
「ただ、金を余らせているようだから、それ目当てで言っただけ」自惚れないで、と鼻で笑う
アベル :
「あはは、相変わらず手厳しいね……」
アベル :
「……うん、キミの腕は確かなものだって身を以て知ったからね。またいつか、キミの所へ顔を出すさ」
メアリー :
「……ふん、それなら待ってるわ」
メアリー :
「あんたじゃなくて、割の良い依頼を、ね」
アベル :
アベルはクスっと微笑を湛えるが、傷の痛みが表情を引き攣らせる
メアリー :
「────それじゃ、また」
メアリー :
バイバイ、と軽く手を振って、メアリーも時空の亀裂に飛び込む。
アベル :
その背中に軽く手を振って、マヤ達へ振り向く。
アベル :
「キミ……達が最後に残るとはね、早く出なくていいのかい?」
マヤ :
「あー、俺はそうしたいの山々だけどさ…?何かあるんじゃねぇの?言いたい事。」
自らの傍に居るストレイとフェイルを見て、最後にアベルへ視線を向ける
アベル :
「言いたいこと、か……」ジッとストレイとフェイルを見つめる
アベル :
「特にないね」整然とそう答える
"異なる隣人"フェイル :
「ケッ、こういうヤツだよ。コイツはよ」知ってた、という表情
マヤ :
「…だろーな。」予想していた通りの返答に鼻で笑う、若干ノイズのような音にも感じるだろう。
マヤ :
「……俺さぁ、アンタのコト結構キライだったんだけど、」左腕に電気を流し、磁力で無理矢理回路を繋ぐと動きを確認しながら呟くように話しだす
マヤ :
「――今はだいぶ好きだぜ?そーゆーワガママで我の強ぇとこ 超わかりやすいし。」最初よりはな、と面白い人間へ話すようにそう告げる
アベル :
「人に好意を向けられるのは嬉しいものだね。これってあれみたいだ、ほらえーっと……」人差し指でこめかみをトントンと叩いて
アベル :
「……河川敷で不良が喧嘩して仲を深めるやつ、それに似ているね」 マヤに伝わるかもわからない例えを出して
マヤ :
「…最後はクロスカウンターでな?」
映画好きの彼には伝わったのだろう、少し悪い笑顔を浮かべたような気配がする
アベル :
「おっ、伝わるものだね。喧嘩なんて生易しいものではなかったけども……本気で想いをぶつけ合えたのは良かったのかもね」
マヤ :
「お蔭でこっちはスクラップ品に近付いたけどな。」笑いながらそれぞれ片腕づつにストレイとフェイルを抱えあげて
マヤ :
「…あ、そうだそうだ さっきの話…"喪う悲しさを知ることは無いように"だっけか、それも無理な相談だぜ?」出口を確認して向かおうとするも、再度彼に向き直る
アベル :
「……それはどうしてかな?」
マヤ :
(何トボケてんだか…)と言いたげに肩を竦めて
マヤ :
「アンタが死んだら"悲しんでくれる"だろ」
マヤ :
そう言い残すと2人を連れて亀裂へ飛び込んでいく。
アベル :
「悲しんでくれる……か。あれだけ突き放しておいた僕には身に余るね」孤独となった空間に、ポツリと呟く
アベル :
「……そうだ、僕から離れてどこへでも行くがいいさ。いまやキミ達は娘でも……道具でもないただの人だからね」
アベル :
鏡を持ち、痛みで震えた腕を軽く振るうと亀裂が徐々に小さくなっていき、ついには消滅する。
アベル :
「さて、と……」 瓦礫と化したオルタ・スクレイパーに背中を預ける
アベル :
「……期待しているよ、キミ達には」
GM :
崩壊していく鏡像世界の中心で、アベルは笑みを湛えながら……消え入るように一言、そう呟いた。
GM :
あなた達の身体は再びぐるりと回転する感覚を覚えた後、足裏に既視感のある感触を憶える。ざりざりとしたその感触は、サラーブに積もった砂だ。
GM :
あなた達は無事、あの空間からの脱出に成功し、サラーブへの帰還を果たしたのであった。
エトワール :
「無事、戻ったみたいだね」 そこには冷静な表情を保ったまま立つエトワールがいた。
ティティ :
「ふぅ、一時はどうなるかと思ったが……ひな達が無事で良かったぜ。……ついでに姉貴も」 その隣にティティも腕を組んで立っている
ジャス :
「ついで扱いされたのか、私?」
エトワール :
「……みんな、どうにかなったみたいだけど……アベルはどうなったんだい?」 軽く首を傾げ、亀裂のあった場所を注視する
日向雛 :
「カイさん……アベルさんは、今も鏡の世界にいます。倒した後、出口を維持してわたし達を逃がすために残ってくれました」
日向雛 :
「でもあの世界は崩壊しつつあるので、おそらく彼は……もう……」 目を伏せる
エトワール :
「……なるほど、一先ずは事件の収束と捉えても良さそうだね」 納得した様子で頷いて
メアリー :
「ええ、渇望鏡も道連れ。二度と硝子化事件は起こらない。これにて一件落着、世は全てコトもなしってワケ」
ヴァニタス :
「鏡も同時に消滅しちゃったわねぇ…」
両目をあべこべにぐるぐると回しながら
日向雛 :
「そう、事件は何とか終わったんですけど……それより今、イクサさんが重症なんです!診てあげてください!わたしはもう力が残っていなくて……!」
エトワール :
「彼女がこれほどまで身体を張るとは、喉から手が出る程入手したいものでもあったのかな?」 大体察しは付くが
エトワール :
「さて、イクサは私の診療所で預かろう。依頼人として責任の一端はあるだろうからね」
日向雛 :
「お願いします……!」
ヴァニタス :
「はい、ど~ぞ」
受け渡し
日向雛 :
「イクサさん、わたしが回復してあげられなくてごめんなさい。でも、エトワールさんならきっと安心ですから……!」 割れたコックピットから覗くイクサの姿を見上げながら声をかける
イクサ :
「………っあ」
割れたコクピットの中で、イクサが身じろぎする。
スーツの生体維持機能は最低限働いていたようで、真新しい血の赤はない。
イクサ :
「あー……。おか……あ……さま?」
「ナース…チャは………げんきー………。」
薬剤が自動投与されているのだろう。副作用のせん妄症状が出ているようだ。
日向雛 :
「……!?あれ、意識が……!!」
メアリー :
「……自力で回復したみたい、まったく、アベルもかくやというタフさね」
日向雛 :
「みたい、ですね……?でもまだはっきりしていなさそう……」
日向雛 :
「イクサさーん!おきてくださーい……!!」 戦車によじ登って、覗き込みながら声をかける
イクサ :
「んぅ〜………クセニアねえさ……」
「まだそとは……さむいわ……」
雛の方へ顔を向けるが、目の焦点は合っていない。
メアリー :
「ハッ、この気温で寒いだとか、なかなかユニークな譫言よね」
ヴァニタス :
「なんだか微笑ましいわ?ご姉妹かしら?」
口を手で隠してニコニコと
日向雛 :
「……傷は回復しつつあるみたいですけど、意識の方はまだまだ時間がかかりそう……ですかね……?」
メアリー :
「殴れば起きるんじゃない?ただそんなに大胆なモーニングコールをするような意味はないと思うわ」
マヤ :
「…だな、寝かせとこうぜ。」起きて不機嫌だと面倒だし、という言葉は飲み込みつつ
エトワール :
「殴られては困る。後遺症で幼子のような態度のままになってしまうかもしれないしね」軽く鼻で笑って
日向雛 :
「……じゃあ、そうしましょうか。とりあえず、命に別状はないみたいで安心しました」
日向雛 :
「それに、なんだか幸せそうな夢を見ている気もしますしね……」 少し微笑ましそうにイクサを見て
イクサ :
「おちゃのじかんは……まだかしら……」
「ブルーベリー……ジャム……がいいわ……」
「ねえ……イヴァンにいさ……」
メアリー :
「…………あの戦いの後に、呑気なことね」寝言を聞きながら肩を竦める
ヴァニタス :
「それじゃぁお願いするわね~」
エトワール :
「随分と幸せな夢に揺蕩っているようだ」肩を竦めて
日向雛 :
「まあまあ、いいじゃないですか。もう戦いは終わったんですし……」 アールの上から降りて
エトワール :
「……さて、改めてご苦労様。硝子化事件からアベルの都市転覆計画まで繋がるとはキミ達にとって予想外の依頼だっただろうけど、無事に達成してくれたことに感謝しよう」
エトワール :
「これはグリムギアからの言葉だと思ってくれて良い。彼もきっとそういうだろうからね」
エトワール :
「それに、報酬も事前に提示された額より大きなものになるだろう。キミ達はサラーブを救った英雄でもあるからね」
ヴァニタス :
「あら、やったぁ!ふふん、何買っちゃおうかな♪」
日向雛 :
「ヴィランなのに英雄っていうのもなんだか変な感じもしますけど……嬉しいですね」
メアリー :
「……まあ、お金が目当てで引き受けた訳じゃないけれどね私は」
メアリー :
「(よ~~し!!よしよし!!!!いくらになるのかしら!! これだけの仕事だったのだし、もしかしてもしかすると、アベルに吹っ掛けた報酬より大きくなったりして!? 夢が膨らむわね!?)」
マヤ :
「それって修理費込み?別?結構かかりそうなんだけど~…」ところどころバチバチと漏電している身体を指差して
エトワール :
「治療、修理費込みになるだろう。私から進言しておくよ」
日向雛 :
「よかった。イクサさんが一番重症ですが、わたし達もかなりボロボロですからね……」
日向雛 :
「報酬はまた後ですよね?今日はもうこれで解散ですか?」
エトワール :
「─────いいや」 温和に見えた表情から一遍して、冷淡なものとなる
エトワール :
「伝えておかねばならないことが一つ、二つある。私の隣にいるティティくんにはもう話してあるけどね」
ティティ :
「まー、なあ……」頬を気まずそうに掻く
日向雛 :
「……?何です?」 小首を傾げる
エトワール :
「まず一つ。先の硝子化事件に置いて、私や他組織には少なからず被害が出た」 冷淡な視線はフェイルに向けられる
エトワール :
「何か申し開きはあるかな、フェイル」 淡々と突き刺す様な言葉を吐いて
"異なる隣人"フェイル :
「……別に、私はやりたいことやっただけだ。テメェんとこの組織がどうなろうと、知ったことじゃねぇ」 相変わらず粗野な態度で、エトワールに向き合う
ストレイ :
「フェ、フェイル……」 彼女の態度に冷や汗を浮かべて
エトワール :
「…………」
エトワール :
「……他に他意はなさそうだね。ならば、その件は不問にしよう」緊張をほぐす様に、柔らかく微笑んで見せる
エトワール :
「キミ達の知っての通り、殺されたのは元小指の部下のみ。そしてアベルの計画が順調に遂行されていれば、各組織は内側から瓦解させられていた可能性がある」
エトワール :
「フェイルが意図してなかったにせよ、それを未然に防げた功績は大きい。イジメるような真似をしてすまなかったね」
"異なる隣人"フェイル :
「……お、おう」 流石に緊張したのか、額の汗を拭って
エトワール :
「─────そして、二つ目だ。」 再び表情を引き締める
エトワール :
「ジャス、ティティ。キミ達はフェイルの一件に置いて、行動を強制させられたにせよ、フェイルと行動を共にしていたね?」
ジャス :
「おー、してたけど?」 要領を得ないと言った様子で
エトワール :
「ではジャス、キミの放った嵐のような暴風がサラーブの一区画を吹き飛ばしたのは覚えているだろう?」 冷え切った視線がジャスを貫く
ジャス :
「ぁ、ああ~……! いやでも、あれはさ! 操られてたって言うか、その……な!? わかるだろ?」 咎められるべき件が理解できたのか、言葉を詰まらせながら答える
日向雛 :
「そうですよ!あの時は渇望鏡のせいで正気じゃなかったんです!ジャスさんに責任能力はありません!!」 慌ててジャスの傍に近付いて援護する
エトワール :
「正気でなかったにせよ、ある程度の自我はあったと聞いたけどね」
エトワール :
「それに、あの区画は私の管理下にある。奇跡的にも死者はでなかったにせよ、民や建築物への被害は看過できない」
エトワール :
「ジャス、キミには負うべき責任がある。フェイルのように容易く水に流すことはできない」
ジャス :
「ひ、ひ、ひ……」 エトワールが放つ圧倒的な圧力に気圧されて身が震えている
ジャス :
「ひな~~~! 助けて~~~!」 そのまま涙目で雛に縋りついた
日向雛 :
「わ、わあ……!ジャスさん……!」
日向雛 :
「だ、大丈夫ですよ、ジャスさん……!落ち着いて……!」 ジャスを抱きしめて、頭を撫でる
メアリー :
「……さっきから、よく飽きもせず抱きあうわね」この暑さだっていうのに、と肩を竦める
ジャス :
「オーイオイオイオイ……」雛の胸の中でぐすんぐすんと鳴いている
日向雛 :
「よーしよしよし……」
日向雛 :
「……あの、責任って……ジャスさんはこれからどうなっちゃうんですか?」 とりあえずまずは確認が必要だと、エトワールに問う
エトワール :
「そうだね、彼女には─────」
エトワール :
「エトワールファミリー傘下の下で、区画復興を1か月ほど手伝ってもらおうかな」
エトワール :
「……殺されるとでも思ったかい?」 冗談めかして
ジャス :
「し、し、死なない……? いやでも、めっちゃ重労働とか……」 鼻を拭いながら
ティティ :
「飯は朝昼晩って三食出るらしいぞ」 憐れなジャスの態度に呆れながら口を挟む
ジャス :
「マジ!? 1か月は食いっぱぐれないって……コト!?」
日向雛 :
「空腹で倒れちゃうとお手伝いも出来ませんしね~……」
エトワール :
「流石に奴隷のような扱いはしないさ。肉体労働は多めになるだろうからね」
エトワール :
「それに、キミが買ったヘイトを和らげることへも繋がるだろう。キミを認識していた人が何人いるかは知らないけど、突き止められたとしてもまさか犯人が復興作業してるなんて思わないだろうから」
ジャス :
「やるやる! ちょーやるよ! 何ならビルとかも建てるぜ!」安堵したのかバカみたいなことを口走る
日向雛 :
「……一ヵ月のお手伝いで済むのは安心しましたけれど」
日向雛 :
「ジャスさん、本当に大丈夫ですか……?」 心配そうにジャスを見る
ティティ :
「大丈夫だ、俺が近くでこのバカを見張ってるからよ」
ティティ :
「エトワールさんも了承済みだ。なぁに、生傷を作ってくるようなことは減るだろ」
日向雛 :
「ああ、いえ……そこも少し不安だったんですけれど、そうではないんです」
日向雛 :
「……ジャスさんとティティさんは、フェイルさんにしたくもない殺人を強要されていたわけじゃないですか」
日向雛 :
「そのせいで、心に傷を負っていないかと思って……。出来ればわたしは、二人には少し休息を取って欲しかったんです」
日向雛 :
「だからそうやって元気そうなのが逆に心配で……。もしかして、無理していませんか?」 心配そうにジャスを見る
ジャス :
「ん、ああ……そういうことか」
ジャス :
「ひな、私は大丈夫だ。確かにあんなに殺したのは初めてだったけどさ、ひなも知ってるだろ?」
ジャス :
「サラーブは"そういう場所"だって。殺しもすれば殺されもする、ひなが住んでた場所とは治安が随分と違うから慣れねぇのもわかるけどさ!」
ティティ :
「へっ、エトワールさんに詰められて泣いてた癖によく言うぜ」
ジャス :
「おーーい!! 茶化すんじゃねぇよ!!」
日向雛 :
「…………」 一瞬、悲し気な目をした後
日向雛 :
「……ふふっ」 いつもの調子のジャスとティティを見て、小さく笑って
日向雛 :
「分かりました。ジャスさんがそうおっしゃるなら、もうその点については心配しません」
日向雛 :
「でも、わたしも一緒にお手伝いさせてもらいますね!二人でやった方が、一ヵ月より早く終わるはずですし!」
エトワール :
「人手はいつでも大歓迎だ。キミは治癒が得意みたいだからね、万が一の事故が起きても安心だろう……」
エトワール :
「(……あの姿が可能性であるならば、ジャスには"素養"があるはず。基礎体力をつけさせて、何か理由をつけて訓練させれば戦力になりえる……か……)」 一瞬だけ目を伏せて、憶測を練る
日向雛 :
「はい!わたしもついていますから、頑張りましょうね、ジャスさん!」
ジャス :
「ヨシ! ひながいれば100万人力だっ!」
メアリー :
「……ジャスティティの手伝い、ねえ? あんたは三食の方が目当てなんじゃないの? 100万人力分、100万食を要求するのかしら?」茶化して
日向雛 :
「ち、違います!わたしはジャスさん達の傍にいてあげたいだけで……!」
日向雛 :
「た、確かに、ご飯が三食出るのは嬉しいですけど~……!」
エトワール :
「気にしなくて良い、うちにはたくさん食べる部下が何人もいるからね。量には困らないハズだよ」
日向雛 :
「本当ですか?よかった!」
メアリー :
「……フ、その言葉、後悔しないようにね」
メアリー :
「名前に似合わず、信じられないくらい食べるわよ、その女」
ヴァニタス :
「あと見た目にもあわず?」
日向雛 :
「え、そうですか……?」 自覚がない
エトワール :
「おやおや、これは雛くんの自制に頼るしかないかもしれないね」
日向雛 :
「が、がんばります……」
エトワール :
「ふふ……さて、それじゃあこの場は解散としよう。グリムギアが戻るのは2日後、復興に携わる者はそれまでしっかりと休息を取る事。もちろん、他の者達もしっかりと休息を取り、キミ達の日常に戻ると良い」
日向雛 :
「はーい、わかりました」
エトワール :
「報酬も後日支払われる。道中、気を付けて帰りたまえ」
ヴァニタス :
「は~い、それじゃぁね、エトワール」
ズズ、と胴を滑らせ
メアリー :
「じゃ、私もこれで……と、その前にひとつ、あなたに聞いておきたいコトがあったんだわ」
エトワール :
「何だい?」
メアリー :
「エトワール、あなたの"正体"についてよ」
メアリー :
「あなたは私費を投げうってまで事件解決を依頼しようとして、実際にアベルの捕獲作戦にはファミリーと共に参加した」
メアリー :
「鏡が回収したかったなら、一連の行動動機は分かるけど、結局、あなたたちはアベルと接触しようともしなかった以上、おそらくそうじゃない」
メアリー :
「何故かグリムギアの言葉を代弁する振る舞いといい、自分の縄張りとはいえ、復興を主導する姿勢といい……」
メアリー :
「あなたは……いえ、エトワールファミリーは、実は……」
メアリー :
「────都市管理局の傘下組織だったのかしら?」
メアリー :
メアリーはグリムギアとエトワールの正体をしらない。
……が、ヴィランとしての勘か、萬屋としての能力か。知らないなりに、都市の真実に辿り着こうとしていた。
エトワール :
「中らずとも遠からず……と、言ったところかな。それなりの地位にいることは確かだよ」 わざとらしく肩を竦めてみせる
メアリー :
「ふ~~ん、それなりの地位ねえ?」
メアリー :
「元とはいえ、小指のアベルと関係があったようだし、なるほど? 能ある鷹は爪を隠す、ってワケ?」
メアリー :
「────もしかして、あなたも"指"の一人だったりするのかしら?」冗談めかして
エトワール :
「ふむ、私がここで頷いたとしても……それを証明するものがないから何とも言えないね」
エトワール :
「私からは"指"の肩書に執着はない……と答えさせてもらうよ。私が大事なのは組織だからね」
メアリー :
「権力に対する欲はないと……? サラーブじゃ珍しいタイプね……?」
メアリー :
「まあ、良いわ……私にとって重要なことは、あなたが今、それなりの地位にいることだけ……」
メアリー :
「今回の仕事っぷりを気に入ってくれたなら、萬屋GOLD DUSTをご贔屓に」メアリーにとって、エトワールの正体に大きな興味は無く、今後も取り引きを続ける間柄になれるかを確かめたかっただけらしい。
エトワール :
「ああ、キミは今回の依頼で功績を上げた一人だ。もし自主的に仕事が欲しければ、ここにおいで」 とあるバーの住所が書かれたメモを渡す
エトワール :
「そこは私の店でね。マスターにキミの名前を伝えれば、何かしら仕事は斡旋できるだろう」
メアリー :
「あら、これはこれは」メモを受け取り
メアリー :
「萬屋の看板、思ったより高く売れたみたいね? あの世のアベルに感謝しておかなきゃ」
日向雛 :
「なんだか疑ってましたけど、エトワールさんと仲良くなりたかっただけなんですね~」 微笑ましそうに見てる
メアリー :
「…………イクサと違って、仲良くなって損は無い相手だと思ってるわ」
メアリー :
「けど、あんたの"仲良くなりたかった"には別のニュアンスを感じるんだけど?」笑顔で言うが、声色には怒気を孕んでいる
日向雛 :
「え?お友達になりたかったんじゃないんです?」
メアリー :
「やっぱり」ね、と言いながら雛ちゃんの傷口に肘打ちを食らわせる
日向雛 :
「ひんっ!?な、なんでぇ……?」 傷口を抑えて蹲ってる
メアリー :
「あんたと違って、ガキみたいにお友達づくりに来た訳じゃないのよ私は。コネクションと言いなさいコネクションと」
エトワール :
「(友達、か……私にそれらしい人はあんまりいないかも……)」 2人の様子を見て、物思いに耽っている
エトワール :
「……そうだね、縁は大切だよ。 ヴィランであろうとも無かろうとも、利用できる関係は築いておいて損はないからね」
日向雛 :
「いえ、利用出来る関係とかそういうのじゃなくて~……。な、なんでもいっか……」 痛いのでもういいやってなってる
マヤ :
(その割にいいお友達関係できてると思うけどなぁ…)雛とメアリーを眺めているが面倒そうなので思うだけに留める
GM :
あなた達が会話を交わす横で、ストレイは亀裂のあった場所を悲しげに見つめていた。
ストレイ :
「…………」 何か呟くでもなく、ただ何もない空間を見つめる。
マヤ :
「……やっぱ心配?」同じく亀裂のあった場所を見ながら声を掛ける
ストレイ :
「うん……ちゃんとさよならも言えてなかったし……」 ちょっとだけ俯いて
"異なる隣人"フェイル :
「……ふん、あの忌々しい空間諸共に消えてくれて、私はさっぱりしたぜ」 腕を組んで、鼻を鳴らしている
日向雛 :
「さよなら、言えなかったんです……?」 先に出たので知らなかった
マヤ :
「あー…そうか、それどころじゃなかったよなぁ」困ったように頭を掻いて
マヤ :
「…言えなくても言いたかったことは分かってると思うぜ?アイツ相当察しがよかったしな」なんとなく、そう思いながら
ストレイ :
「そう、かな……」アベルの頑なな態度を思いだす
ストレイ :
「……でも、マヤの言う通り……わかってくれてたら、いいね……」 それでも、良い方に考えようと心掛ける
"異なる隣人"フェイル :
「やめとけやめとけ、あの野郎なんかに思いを馳せるより夕飯のこと考えてた方が有意義だぜ」
マヤ :
「お前は相変わらずさっぱりしてんなぁ~…」相変わらずの様子に肩を竦めて笑う
日向雛 :
「……お腹は空いていますし、ご飯のことも大事ですけれど」
日向雛 :
「もし言い残したことがあるなら、伝えたかったことがあったのなら、ちゃんとさよならを言えなかった悔いがあるなら……」
日向雛 :
「今からでも言ってみてもいいのではないですか?言葉にするだけでも、結構気持ちが違うものですよ」
日向雛 :
「それに案外、亀裂にほんの少し隙間が残っていて、もしかしたらまだ声が届くかもしれませんっ」 そうストレイに笑いかける
メアリー :
「……うわ、神父サマみたいなコト言ってるわ、ヒヨコのくせに」
日向雛 :
「べ、別に神父様は意識してませんよ!?」
マヤ :
「はは、やっぱヒーロー様の言う事は違うなぁ」わざとメアリーの台詞をなぞらえて呟く
マヤ :
「…だってさ、ストレイ。」ストレイに向き直りながら
日向雛 :
「マヤさんまで、そんなヒーローだなんて……!」 ちょっとショックを受けつつも、ストレイの様子を見る
ストレイ :
「……ふ、ふふ。そうだね、もしかしたら届くかも……」
ストレイ :
「……よ、よし」 一息ついてから、口を開いて
ストレイ :
「ア、アベル……! あなたとはあまり話せなかったから、今、なんて言っていいのかわからないけども……」
ストレイ :
「……さ、さようなら。あなたの守りたかった都市、いっぱい見てくるね」
GM :
ストレイはその一言を言い終えると、深く息を吐きだして脱力する。
マヤ :
その言葉に、僅かに笑ったような吐息がノイズ交じりに聞こえる
マヤ :
「――んじゃ、都市観光ならガイドも必要だよな?まずは帰って飯食って~…いや、折角観光するなら美味いって評判の店でも行くか…?」
案内する気満々の様子で観光地っぽい場所を指折り思い出しながらぼやく
ストレイ :
「ほ、ほんと? マヤ、一緒に来てくれるの!」
マヤ :
「え?だって言ってたじゃん、一緒に生きてくれるんだろ?」きょとんとしながら至極当然のように
ストレイ :
「ぁ……え、へへ……そうだった、ね……!」 照れくさそうに笑って
"異なる隣人"フェイル :
「(その店、どれくらい覚えてんだってツッコミは野暮か?)」 怪訝な目つきでマヤとストレイを見て
マヤ :
「…お前も来るだろ?妹が一緒だもんなぁ~」視線に気付くと僅かにニヤニヤとした空気を醸して
"異なる隣人"フェイル :
「あぁん? 私は好きなように生きんだ、仲良しこよしも性に合わねぇよ」
"異なる隣人"フェイル :
「……ま、気が向いたら行くかもだけどな」
マヤ :
「…ま、確かにそうだな。気が向いたらここの誰かに連絡すればいいだろ。」伝えて貰えると思っている
メアリー :
「……依頼以外の連絡は、遠慮してもらいたいところだけど」
メアリー :
「あなたの性格からして、トラブルには事欠かなさそうだし、仕事を持ってくるなら歓迎よ」フェイルに名刺を手渡す
イクサ :
「貴方も、返答は忘れないように……ね」
うわ言のような、出す方向が見えていない声ではあったが。
その声には既に滲み出る悪辣さが戻っている。
"異なる隣人"フェイル :
「どーも……ん、あいつ起きてんのか……?」 イクサの方に視線を移して
日向雛 :
「え、ほんとです!?」 イクサの方をバッと見る
イクサ :
「騒がしくて眠れたものではないわ……。」
「記憶が曖昧だけれど、生きてここにいるのなら……。」
「……アベルには勝てた、ということでいいかしら……。」
マヤ :
「……生きてここに居るならそういう事だろーな、良く寝れたか?」話を逸らしつつ
日向雛 :
「はい、勝てましたよ~!あの世界からも無事に脱出出来ました!」 イクサが目覚めて嬉しそうにわーいって両手を振り上げてる
イクサ :
「騒がしくてよく眠れなかった、って言ったのだけれど?」
はしゃぐ雛の方に軽く手を上げて、マヤに返す。
それぞれに対する皮肉もあるようだ。
イクサ :
「………夢見は悪くなかったけれど。」
日向雛 :
「ご、ごめんなさい、うるさくしちゃって……!もう静かにしてるので、また寝てください……!」 口を両手で覆う
マヤ :
(いや、ここまで来たらこの場で寝かせるの可哀想じゃね…?)
イクサ :
「謝らなくてもいいわ。ずっと寝ているわけにもいかないから。怖い誰かさんに、砂漠に捨てられてしまいそう。」
エトワール :
「おやおや、イクサ。大人しく眠るキミは実に可愛らし……いや、しおらしかったのだけれど」
イクサ :
「あら。女性同士でも寝顔を観察するのは、親しい間柄であるべきよ?」
暗に、自分とそうなるつもりはあるのかという意味を込めてエトワールへ返答する。
エトワール :
「そうだね、キミとはそこそこの仲であるべきかな? キミの寝顔を覗けたのは最初で最後だと思っておくよ」 NOを叩きつける
イクサ :
「残念ね……。私は貴女のこと、気に入っているのに。」
「またお酒でも楽しみましょう?……っ。」
余裕ぶりたかったらしいが、重傷なのは変わらない。
疼きだした痛みに遠のきかけた意識を引き戻して、失敗した笑みを取り消す。
日向雛 :
「だ、ダメですよ、イクサさん……!」
日向雛 :
「重症なことには違いないんですから、そろそろ病院に行った方がいいですよ……!」 心配そうにイクサを見上げて
イクサ :
「そうみたいね……。お言葉通り、大人しくしているわ。」
「どうしてこうなったのかしら……。」
狭間に入る前後の事はうろ覚えで、まだ混乱があるらしい。
エトワール :
「彼女の言う通り、早くイクサの治療をした方が良いだろうね」
エトワール :
「では、改めてこの場は解散だ。諸君、またどこかで縁があれば会おう」
日向雛 :
「はい!じゃあ帰りましょうか、ジャスさん、ティティさんっ」 ジャスとティティと一緒に立ち去ろう
「……。そういえばヴァニタスさんがいつのまにかいな……あ、もしかして、あれ……?」 遠い空の彼方に小さく浮かぶ機械の背中を見上げながら
メアリー :
「ええ、この場の人間のほとんどと、もう二度と会うコトはないでしょうけど」軽く手を振ると踵を返す
イクサ :
「………。また会いましょうね、皆さん。」
再会を呪う言葉を吐いて、エトワールに従ってアールを進める。
ジャス :
「会うの2日後ぐらいだけどな~」背筋を伸ばして、ティティと雛と共に出ていく。
ストレイ :
「エ、エトワールさんも……さようなら……!」
"異なる隣人"フェイル :
「じゃーな」 勝手にどこかへ去ろうとする
マヤ :
数歩ストレイについてゆくが、振り返って亀裂のあった場所を眺める
(…アンタがどう思うか知らねぇが、俺は勝手にこの街もストレイも任されたと思ってるから。…少なくとも、)
マヤ :
「アイツに寂しい思いはさせねぇよ。」ポツリと呟く
ストレイ :
そんなマヤの袖を、ストレイは優しく引く
ストレイ :
「行こう、マヤ。案内してくれるんでしょ?」
マヤ :
「ん?ああ、そうだったな~…帰ってガイドマップでも探すかぁ」いつもの調子で笑いかける、表情は見えないがきっと彼女には伝わるだろう
ストレイ :
「楽しみ、だね……!」
GM :
サラーブの厳しい日差しがあなた達に降り注ぐ。その光は悪都が齎した祝福か、それとも戒めか……。
GM :
しかし、今言えるのは……サラーブにはいつもの日常が訪れ、平穏とは程遠いあの雰囲気が、あなた達を包むように迎えてくれることだろうということだ……。
GM :
シーンエンド
Scene15 都市に奏でる
GM :
あの決戦から少し経ったあと、ヴァニタスはとある人物と待ち合わせをしていた。
ファルシオン :
「ふああ~……ヴァニちゃんとブラックマーケットで集合や~決めたけど、ここで合っとったっけ……」
GM :
"薬指"ネオン・ファルシオン、間の抜けた欠伸を一つして、彼女はヴァニタスが来るのを待ちわびていた。
GM :
ヴァニタス :
サラーブの上空を巡る砂塵。その一方で、きらりと太陽光が反射する。
そのようなオブジェクトは、この街では珍しい。
ヴァニタス :
中空を舞うゴミか、どこかのノイマンが飛ばしたドローンか、或いは―
ヴァニタス :
「……~い、お~~~い!」
ファルシオンは、ある程度の遠方に手を振ってそちらへ向かうヴァニタスを視認するだろう。
ファルシオン :
「おっ、ヴァニちゃ~ん! 相も変わらずでっかいやんなぁ!」手を振り返して
ヴァニタス :
「良かったぁ、あなたこうして待ち合わせしてもふらっとどこかへ行っちゃうこと、あるじゃない~」
ゆるゆると降下してくる。と同時に、彼女の尾びれに相当する部分に何かがまかれているのが分かる。
ファルシオン :
「つーいオモロそうなもん探しにいってしまうんよなぁ~……あれ、なんやお土産かいな」 巻かれているものを覗こうとする
ヴァニタス :
「ああいいえ、この子も連れてきたくなって!」
と、尾びれを解く。そこから現れた…というか放り出されたのは、フェイルだ。ファルシオンが責任ある指として、しっかりと報告書に目を通していればすぐに分かるだろう。
フェイル :
「…………ケッ」むっす~、と不機嫌そうな態度を露わにして地面に降りる。道中(空中?)ヴァニタスに対し叫び倒していたせいか喉が枯れているようだ。
ファルシオン :
「ほ~~ん? 確かこの子はぁ~~~……」 ジロジロと舐めるようにフェイルを観察して
ファルシオン :
「……あ、あ~! ここまで出かかってるけど名前出てこうへんなぁ~! ここまで出かかってるんやけど!」 胸の辺りを差しているので明らかに出てきていない
フェイル :
「なんなんだこいつ……」 呆れたようにヴァニタスを見上げて
ヴァニタス :
「この子はぁ、件の事件で暗躍したり活躍したりしてたフェイル!」
と、ファルシオンへ
ヴァニタス :
「そしてこっちはぁ、現”薬指”のファルシオン!」
と、フェイルへ
ファルシオン :
「……あ~、硝子化の! なんやこんな可愛い子やったんか~」 うんうんと頷いて、フェイルを見下ろす
フェイル :
「こんなチャランポランが……指ぃ?」怪訝な顔つきでファルシオンを見上げる
ヴァニタス :
「あ、ファルシオン、やっぱり報告とかちゃんと聞いてないでしょ?今回、題目は確かに『硝子化事件』だったけど、もっといろいろ複雑だったんだから~…そういうの報告してくれる部下とかいないのぉ?」
ファルシオン :
「いやな、なんやオモロいことになりそうやなぁ~! 薄々気づいとったんやけどな……」 腕を組んで唸る
ファルシオン :
「……部屋から出るのもめんどくさなってずっとだらだらしとったわ、なんも話聞いてへん」
ファルシオン :
「部下がなんや言うとった気がするけど~……なんやったかな、どっかに報告書積んである気がするな」
ヴァニタス :
「お部屋きたなそ~……そうね、ファルシオンはこんな感じなのよ?でも、今このサラーブに敷いてあるインフラだとか、長くある建造物はほとんど彼女が作り上げたんだからね…!」
フェイルへ、謎に誇らしげに
フェイル :
「し、信じらんねぇ……」 絶句した様子で
ファルシオン :
「せやせや、今やっとる例の区画復興は管理局主導やけど、うちらが機材とか出してやってんねんで! 親指も人員とか出してくれとるけどな」 誇らしそうに胸を張って
ファルシオン :
「ま、うちが現場に出ればちょちょいのちょい! なんやけど……」
ファルシオン :
「やっぱめんどくさくってぇ……」
ヴァニタス :
「ふふ、まぁ地道に現場仕事ってガラじゃないものね?人員も足りてるんだし、彼ら彼女らが頑張ればそれで良いと思うわ?」
ファルシオン :
「せやなぁ? わざわざ薬指様が出んでもなんとかなるわな!」話がわかるなぁ、とヴァニタスの機体をぽんぽんと叩いて
ヴァニタス :
「えぇえぇ、それに…貴方が現場に出向いちゃったら、今日こうやって逢えなかったのものね!約束があるんだもの~♪」
フェイル :
「(指ってロクデナシしかいないんじゃねぇか……?)」
ファルシオン :
「せやせや~! ……あーっと、せや、この子フェイル言うたっけ? この子になんや買うてあげたいもんでもあるん?」
ヴァニタス :
「あ、話が早いわね!そうそう、結局アベルの計画って、この子が素直に聞いてたらとんとん拍子に進んじゃってたのよ!そしたらもう大変!貴方が作った街に住む人がごっそり減っちゃって…何割くらい減る目算だったの?」
と、フェイルに聞く
フェイル :
「あー、たしか、5割程度だったか……もうちょいブレはあるだろうが、それぐらいの被害は出たはずだ」
ヴァニタス :
「らしいのよ!でも、フェイルが反抗してくれたおかげで、私達が介入できた……ってことなのよ!だからねファルシオン、この子はMVPで私の友達なのよ!」
フェイルの背後に回り、肩に抱き着きながら
ファルシオン :
「ははぁーん、ほぉーん、なるほどぉ?」 獲物を狙う蛇のような眼光でフェイルを見つめて
ファルシオン :
「…………」
フェイル :
「な、なんだよ……」
ファルシオン :
「……えらい! 超えらいやんこの子ぉ、何? ヴィランの都市でヒーロー爆誕やんこんなのなぁ? 何欲しいか言うてみぃ、お姉さんなんでも買ったるからなぁ!」 がばっと頭を抱きしめたと思えば過剰な程に頭を撫でる
フェイル :
「は、離せコラ! お、おいヴァニタス! 助けろ!!」 もがもが
ヴァニタス :
「エ~?いいじゃない、何も悪いことなんてないんだから~」
横から控えめに撫でる
フェイル :
「クソ、私に味方はいないのか……!」
ヴァニタス :
「な~に言ってるの、今この場にいる私たちはどっちも味方!しかも片方はこの街の守護者で、片方は誰あろう指なのよ?これ以上無いじゃない!」
フェイル :
「そういう意味じゃ……ああもう! わかった!! 買い物だろ、買い物に付き合えばいいんだろ!! 」 流石に観念したようだ
ヴァニタス :
「そうそう、付き合うだけじゃなくて、貴方も何か買ってもらおって話よ?服でも小物でも武器でも防具でも、何か頼んじゃいましょ?」
私は決まってるわ~?とニコニコしながら
ファルシオン :
「せやでぇ、決まってない言うなら、ゆ~っくり見て回りながら決めたらええ」
フェイル :
「欲しいもの、か……参考がてら聞くけど、2人は何買うんだ」
ヴァニタス :
「あ、もう聞いちゃう?」
ファルシオンに釣られてか、心なしかヴァニタスのノリも面倒臭い
ファルシオン :
「それはなぁ、買い物いうたらアレやんなぁ?」 W悪ノリにフェイルが青筋を立てている
フェイル :
「参考にしたいから聞いてんだよ! 吐け!」
ヴァニタス :
「え~~~…別に良いけどぉ…フェイルが聞いたらちょっと怒りそうっていうかぁ……怒らない?」
フェイル :
「それは内容次第だ」 腕を組んで鼻を鳴らす
ヴァニタス :
「じゃぁ……私はねぇ、姿見が欲しいわ?まぁ、私全部が映る必要は無いんだけど…そんなの中々置いてないだろうし」
フェイル :
「姿見……ああ、鏡か」
フェイル :
「あのなぁ、普通の鏡程度でいちいち怒るワケねぇだろ……てかどこで売ってんだよ、お前が収まる鏡」
ヴァニタス :
「さぁ…?ウォールミラーとかになっちゃうかしら」
ヴァニタス :
「ていうか化粧台の鏡くらいのサイズでいいのよね、腰から上くらいが映ればいいの。大事なのは鏡なことだから」
フェイル :
「ふーん……ま、こんだけ広い市場なら売るなり作るなりしてくれるとこあるだろうが……」
フェイル :
「……てか、なんで鏡ってことが大事なんだ」
ファルシオン :
「ウチも聞きたーい」
ヴァニタス :
「まぁ…一つは、そういえば持ってなかったな…って言うのなんだけど」
ヴァニタス :
「理想が実現する鏡、”渇望鏡”……レネゲイドの消費とか、それに耐えうる素体が必要とか…問題ばっかりで用途もバツだったし、無くなって良かったと思うんだけど…」
ヴァニタス :
「でもそれってやっぱり、用途と問題点が私や皆と合わなかった…っていうのが問題だったわけじゃない?」
ファルシオン :
「ほほう、その心は?」
フェイル :
「……」 神妙な顔つきで言葉の続きを待つ
ヴァニタス :
「じゃぁ、使用上の問題点もなくなって、用途も”この街の恒常的で自然な繁栄のため”だったら、素敵じゃないと思って!」
ヴァニタス :
「もちろん第二の”渇望鏡”を作ろうってわけじゃないわ?私別にそんなに賢くないしね」
ヴァニタス :
「だから、あわよくばよ あ わ よ く ば、いつか私が死ぬ時、ないしより強大なレネゲイドを身に着けた時に、……まぁ機会なんて何でも良いのだけれど、その時に、今日買う鏡を肌身離さず持ってれば………」
ヴァニタス :
「私の理想をこの街に反映する、素敵な鏡ができたらいいな、なんて…ね?」
どういったロジックか、照れくさそうに
フェイル :
「へっ、素敵な鏡ねぇ……」 短くため息をついて
フェイル :
「ま、もしそいつが作れたとして、何かに悪用されるようなことがあっても……どうせ、この都市のやつらが何とかしてくれんだろ」
フェイル :
「いいんじゃねぇの、別に」 微笑を浮かべて見せる
ヴァニタス :
「ふふ、良かった。もちろんそうしてもらうわ?だって、この街を生きる皆には、それをする権利があるんだもの。私達がそうしたように」
やはり怒られることを予想していたのか、安堵するようにこちらも微笑んで
ファルシオン :
「えー、ヴァニちゃん今から遺産候補を買うん~? なんや寂しいなぁ」 ぶりっ子ボイス
ヴァニタス :
「いやーね、別にそうなったら良いなってだけでただの雑貨だわ?それに…死ぬのならここで砂と一緒になるのが理想だけど、そう簡単には死んであげないんだから!この街の守護者と成って寿命から解放された少女は無敵なのです!」
腕のパーツをガショガショしている
ファルシオン :
「さーっすがヴァニちゃん、頼りになるでぇ! 陰気臭い話はウチらに似合わんなぁ、一生一緒にいてくれや!」 あっはっは!と高笑いして
フェイル :
「やれやれ……で、薬指さん何を買いにいくんだよ」
ヴァニタス :
「あ、そうね。すっかり買ってもらうだけの気でいたけど、ファルシオンは何か買うの?」
ファルシオン :
「うちぃ?うちはやねぇ……」
ファルシオン :
「酒ぇ」
ファルシオン :
「つまみぃ」
ファルシオン :
「あと……服ぅ?」
フェイル :
「……ヴァニタスと違ってだらしねぇな」
ヴァニタス :
「んも~~そればっっっかり!お出かけっていうかちょっとコンビニまで~みたいな感じじゃない!」
ファルシオン :
「ええんですぅ~、酒飲まんとやってられん日があるんですぅ~!」 子供のようにブーブーと
ファルシオン :
「それにウチが欲しいのは、それはそれはお高~い酒やでぇ? コンビニなんかで扱ってないない」 手をひらひら振って
ファルシオン :
「……ま、それは置いといて」 話を横に置くポーズ
ファルシオン :
「フェイルちゃんは買いたいもん、決まったんか?」
フェイル :
「まあ、そうだなぁ……あっ」口をとがらせて悩んでいたが、何か思いついたようだ
フェイル :
「……服が、いいな。まともな服ってのは着たことねぇんだ」 フェイルを改めて見てみれば、そこそこのオーバーサイズで若干みすぼらしい。
ヴァニタス :
「あ~~…そのジャケット、ぶかぶかだものねぇ…」
ヴァニタス :
「どんなのが好みなのかしら、私も詳しくはないけど…」
全裸なので
フェイル :
「好み……考えてみるとよくわからねぇな。硝子化事件で集まった奴らの服装のスタイルもバラバラだったし、ピンと来るものがわからねぇ……」 うーむ、と唸って
フェイル :
「オメェのは武装だし、薬指のは……クール、系?」胸元が開いているのは気になるところではある
ファルシオン :
「え~? ウチがクールビューティやってぇ?」
フェイル :
「言ってねぇよ」
ヴァニタス :
「お胸も大きく開いてるし、セクシー系…?」
ファルシオン :
「ふっふっふっふ、クールでセクシーなサラーブの雌豹やで……」 眼光を鋭くしてクールに見せる
フェイル :
「まっ……バカは放っておいて、ゆっくり見て回ろうぜ」
ファルシオン :
「バカぁ?」
ヴァニタス :
「ま、見て回るのが一番いいわね。ビビッときたら試着でもしちゃいましょ。あ、盗撮には要注意よ、まずカメラはあると思った方が良いわ」
フェイル :
「私を撮ったって何の得にもならねぇだろうけど……ま、気を付けておくわ」
ファルシオン :
「……ほんなら、ウチがええ店知っとるで! 丁度寄ろうと思ってたところや、フェイルのサイズもきっと見つかる……ていうか、最悪仕立てて貰えるわ」
ヴァニタス :
「オーダーメイドだって!素敵ね、一張羅だわ?”これ”っていう衣装があるとヴィランとしても映えるわよ~~?」
ファルシオン :
「ヴァニちゃんの言う通りや! いざという時にバーン現れてビシッ! と決めればヴィランとしての箔が付くってもんやで!」
フェイル :
「いや、私はヴィランのコスチュームが欲しい訳じゃねぇっつーの……」
ヴァニタス :
「いいじゃない、可愛いにせよ恰好良いにせよ、お気に入りの衣装があればきっと生活が華やかになるわ!…………そういえばこれからどうやって生活していくの…?」
ヴァニタスは気づきを得た
フェイル :
「あー……特に決まってねぇ。ていうか金ってどうやって稼ぐんだ、最悪カツアゲでどうにかなるか?」
ヴァニタス :
「まぁそれでも良いんだけど、外れを引いた時が怖いしねぇ…どこか転がりこめるアテとかあるの?」
フェイル :
「マヤがいるっちゃいるが……アイツらと一緒にいると調子が狂う。なるべく一人がいい」
ファルシオン :
「サラーブで就職活動かいなぁ、殺人経験とかあると面接に有利やなぁ」
ファルシオン :
「ま、一応ウチでも雇ったることは可能やでぇ。なんせ硝子化事件解決のMVP様やろ? それを放っておくのも気が引けるわぁ」
フェイル :
「へぇ、仕事をくれんならありがたい限りだが……テメェのとこでは何してんだ」
ファルシオン :
「まずはカジノの警備、ホールスタッフはいつでも募集中やろ。腕っぷしに自信があるなら金庫の警備とか任せたってええなぁ」
ファルシオン :
「あとは~、バニーガールの仕事も……いや、色々とあかんな。フェイルちゃんみたいな見た目の子はおるけど歳があかんわ」
ヴァニタス :
「え、そういうの守ってるの!?びっくり…」
意外
ファルシオン :
「そこまで腐ってへんわ! それに功労者をそんな風に使いとうないし!」
フェイル :
「バニー、なんだ? うさぎ、おんな……?」 キュマイラで変身した女を思い浮かべている
ヴァニタス :
「おー……純粋…そうね、あんまりそういうのは…ね」
ファルシオンに向き直り頷く
ファルシオン :
「せやろぉ……」
ファルシオン :
「ま、困ったらウチに来ればええ。警備の仕事は退屈せぇへんで、ほぼ毎日迷惑客と乱闘や」
フェイル :
「確かに退屈はしなさそうだな……」案外乗り気
ヴァニタス :
「いいじゃない!環境は間違いないんだもの、家もお金もないなら乗らない手はないわよ!私もいつでも会いに行けるし!」
フェイル :
「そうだなぁ……割と良さそうだし、やってみるかぁ……」 満更でもなさそうに、腕を組んで頷く
ヴァニタス :
「なら話は決まりねっ、今回のお買い物は就職の前祝にもしちゃいましょっ」
二人の手を取る
ファルシオン :
「よっし、話は決まりや! フェイルちゃんの就職祝い、たくさん飲んだるぞー!」 ヴァニタスに握られた手を一緒に振り上げて
フェイル :
「それ、私をダシにしてねぇか?」 握られた手は振りほどかない
ヴァニタス :
「気のせいよ気のせい!」
フェイルの手も上げる
フェイル :
「……っ! ま、こんな利用のされ方は悪くねぇけどよ」 呆れたように笑って
GM :
そうして賑やかに騒ぐ3人は都市の喧騒に紛れていく。
"異なる隣人"を名乗っていた少女も、守護者の少女が受け入れてくれたおかげですっかり都市の一員となれた。
GM :
そうして、少女は謳う。それなりに過ごした日。いつか、守護者の隣で。
フェイル :
「やっぱりこの都市は、悪くねぇぜ」
GM :
シーンエンド
Scene16 都市は牙剥く
GM :
復興開始からおよそ2週間後、あなた達は日の暮れた路地を歩いていた。
GM :
相変わらずジャスはくたくたであったが、雛の応援や案外働きやすい現場とあって現場で弱音を吐くことはあまりない。ティティも差し入れしたり、復興計画に携わっているからという事もあるだろう。
ジャス :
「うへぇ……やっぱ疲れんなぁ、もっと楽に復興ってできないもんなのかぁ……」 槍を地面についてよぼよぼと歩いている
ティティ :
「そんな楽ができるわけ……いや、薬指が出来るらしいとは聞いたことがあるな……」
ティティ :
「現場に出てこないってことは、それなりの判断があるんだろうが……まあ、案外順調だしな……」
ティティ :
「雛もありがとな、馬鹿姉貴に付き合ってくれてよ」
日向雛 :
「いえいえ、わたしがやりたくてやってることですから~」 にこにこしながら隣を歩く
日向雛 :
「もう二週間経ちますから、あと残り半分ですね。がんばりましょう、ジャスさんっ」
ジャス :
「~~~~っ、だなぁ……! 割と体力もついてきた気がするし、見た感じ半分ぐらい復興できてる!」 背をぐっと伸ばして
ジャス :
「半分まで出来たんだから、後の半分もなんとかなる……よな!」 いつもの楽観的な態度で
日向雛 :
「はい!体力がついてきたと感じるなら、むしろ後半はもっと楽ですよ、きっと!」
ジャス :
「おうよ! もう1億光年ぐらいの早さで片付けてやるよ!」
ティティ :
「光年は距離だ、まったく……」
日向雛 :
「ふふっ、やる気いっぱいですね……!」
日向雛 :
「……そうだ、一ヵ月のお手伝いが終わったら……」
日向雛 :
「ご褒美に、何かとびっきり美味しい物を一緒に食べに行きませんか?わたしの奢りで!」
ジャス :
「うまいメシ!?」 パッと顔を輝かせて
ジャス :
「あーいや、でも……ひな、金は大丈夫なのか?」心配そうに
ティティ :
「管理局からの金はあるだろうが……俺達に使わなくてもいいんだぞ?」
日向雛 :
「大丈夫ですよ、報酬で貰ったお金はまだまだいっぱいありますから!」
日向雛 :
「それに、わたしがジャスさんとティティさんと一緒に美味しいものを食べたいなって思ったんです。だめですか?」
ジャス :
「駄目じゃねぇ! いつでも一緒に飯を食いてぇって思ってるぞ!」
ティティ :
「いつも苦しそうにしてるひなを見てる身としては、な……」
ティティ :
「でもまあ、こういうのは断ったら逆に失礼だよな。俺は賛成するぜ」
ジャス :
「わ、私も賛成だ! やっぱりちょっと心配だけど!」
日向雛 :
「あはは、いつも心配させちゃってごめんなさい……」
日向雛 :
「だけど、それなら決まりですね!二週間後までに、行く店を決めておきましょう!」
ジャス :
「おうっ! なーにがイイかな、肉? 魚か? いっそ両方食べるのも……」 溢れる涎を袖で拭って
ティティ :
「遠慮はしとけよ。食べ過ぎて腹を壊すのは姉貴だからな」
ジャス :
「私の胃を舐めんな! 数ヵ月ぐらい賞味期限切れの食ってもちょっと寝込むぐらいで済んだ!」
ティティ :
「だから気を付けろって言ってんだ……」やれやれと首を振って
日向雛 :
「そ、それは体に悪いのでもうやめておきましょうね……!?」
ジャス :
「そうかぁ……?」そこまで言うなら……といった顔で
GM :
やや快活な会話に花を咲かせていると、あなた達の頭上から声がかけられる。
??? :
「そこの人、そこの人」
日向雛 :
「……?」 反射的に声がした方を見上げる
GM :
雛が顔を上げると、電灯の上に器用に立つ女性がこちらを見下ろしていた。
チェシャ猫 :
「気をつけな。あんた達、狙われてるよ」飄々とした態度で、そう彼女は告げる
日向雛 :
「え?狙われてる!?そうなんですか!?」
ジャス :
「なんだ、おまえ」 警戒し、槍の柄を握る
チェシャ猫 :
「その通り、狙われてるのはその姉弟。襲撃場所はこの通り」
チェシャ猫 :
「申し遅れた私はチェシャ猫。情報を売るただの猫」独特な口調でそう告げる
チェシャ猫 :
「とある人から頼まれた。狙われてると告げろとさ」
日向雛 :
「わあ、これはご丁寧にありがとうございます。初めまして、わたしは日向雛ですっ」
日向雛 :
「あの……そのとある人というのは?ジャスさんとティティさんのお知り合いでしょうか?」
チェシャ猫 :
「お前らすでに顔見知り。それ以上は言えないね」
ティティ :
「チェシャ猫、聞いた事あるぞ。たしかフリーランスの情報屋だ、金を払えばどんな奴にも情報を売るとさ」
日向雛 :
「なるほど、情報屋さんだったんですね……!」
日向雛 :
「でも、一体どなたがわたし達に情報を……いえ、そこは今は重要ではないですね」
日向雛 :
「情報ありがとうございます、チェシャ猫さん!あとはこちらで何とかします~!」 チェシャ猫に笑顔で両手を振る
チェシャ猫 :
「陽気な女、それじゃあな。気を付けろ、奴らはそこまで迫ってる」 そう言うと彼女は建物の縁を伝ってどこかへと消えてしまう
日向雛 :
「はーい、それでは……!」 チェシャ猫の姿を見送って
日向雛 :
「……さて、どうしましょうか。一旦身を隠しますか?」 ジャスとティティに振り向いて
ティティ :
「せっかく情報的優位に立ってるんだ。身を隠して不意打ちを仕掛けるなら十分だが……」
日向雛 :
「ですよね。それにここで逃げたら、また別の場所で襲撃されるかもしれません」
日向雛 :
「じゃあ、その辺に隠れましょうか!とりあえず様子を見ましょう!」
ジャス :
「おう……! 舐めた野郎をわからせてやろうぜ……!」
日向雛 :
どこか適当な隠れられる場所があれば隠れたいです!出来ますか?
GM :
もちろんできますわ!
日向雛 :
出来ましたわ!じゃあ、三人でこそこそっと隠れて謎の襲撃者に備えます。
GM :
こそこそ、それじゃあ襲撃者に来てもらいましょう
GM :
あなた達が不意打ちに適した場所に身を隠すと、通りの奥からサーカスのような音楽と共に、3人の人影が迫って来る。
マッド・ハッター :
「さぁーてさて! 着きました、着きましたよ!」 一人は高い帽子を被り
ウサギ :
「ほんとにここぉ、だーれもいないじゃない」もう一人はバニースーツに身を包み
ネズミ :
「な、なあ……一区画吹っ飛ばしたやつなんだろ? やっぱヤメにしねぇか?」 最後の一人はネズミのように臆病な男だった
マッド・ハッター :
「いえ!いーえいえ、イケませんよぉネズミさん、イケません!」
マッド・ハッター :
「あの日、香り高いティーパーティを邪魔された仇は! サボテンが干物になるまで取らなければいけません!」
マッド・ハッター :
「そう、我ら"0時のティーパーティ"の名に懸けてねぇ! ハッハッハッ!」
ウサギ :
「わぁ、何言ってるかわかんなーい! けどぉ、組織が舐められっぱなしは癪だよねぇ」
ネズミ :
「茶ぁ飲みに帰りてぇ……」 がっくりと肩を落として
マッド・ハッター :
「しかぁし? 聞いてた話ではこの道をご機嫌に通ると聞いていましたがぁ……」
マッド・ハッター :
「影も形も! アリんこさんさえいないじゃあないですか! あっゴキブリさんは結構ですよ」 地を這っていたゴキブリを蹴っ飛ばして
ウサギ :
「聞いてた話と違うね。せーっかくお茶会に使うお金を渋々使ったのにぃ」
ネズミ :
「待て待て、あのチェシャ猫の情報はサラーブの中じゃ信頼できる方だぞ。 デマを掴まされたと考えるのは早計だろ……」
マッド・ハッター :
「ハァン、金でコロコロ態度を変える様な売女が……ああ、これは情報を売る女という意味ですからね! 汚い言葉を使えば口が臭くなりますから、皆さんも気をつけましょうねぇ」
ウサギ :
「はぁい、それじゃあ……あの2人はどこに行ったんだろうねぇ?」
日向雛 :
「びっくりしました……すごく楽しそうな方々ですね……?」 小声でジャスとティティに話す
ジャス :
「私は気味わりぃけどなぁ……ああいうノリノリな奴ら程、この都市じゃエグイことやってんだよな……」
ティティ :
「0時のティーパーティ……厄介なのに目をつけられたな……」 小さく唸る
日向雛 :
「知っているんですか?ティティさん」
ティティ :
「ああ、少し聞き齧った程度だがな……」
ティティ :
「アイツらはサラーブを本拠地にしているが、活動は外でやる組織でな……テロに加担したり、要人の誘拐なんかをしてるようなやつらだったはずだ……」
ティティ :
「それに加えて、時々はサラーブに帰って来てはお茶会と称したパーティを開くみたいだ。どっかから連れて来たゲストを誘拐いてな……」
日向雛 :
「あら、まあ……」
日向雛 :
「では、今回はジャスさんとティティさんをお招きしたいのでしょうか……?」
ティティ :
「だろうな。主賓はそこの馬鹿姉貴だろうが……」
ジャス :
「わ、私アイツらになんかしたかぁ……? 」
ティティ :
「あいつらの話を聞いてなかったのか……。大方、 姉貴がヒーローごっこしてる時に何かしらの形で巻き込んじまったんだろうよ……」
ジャス :
「うぐぐ……! なんであんなに大暴れしたんだ、あの時の私ぃ……!」 がっくりと肩を落として
日向雛 :
「し、仕方ないですよ、あの時は……!ジャスさんのせいじゃありません」
ジャス :
「うおぉん……私の味方はひなだけだぁ……」
日向雛 :
「よしよし……大丈夫ですよ」 ジャスの頭を軽く撫でて
日向雛 :
「わたしが、あの方達と少しお話してきますから」
ティティ :
「お、おいおい……! ひなの腕を疑ってるワケじゃないが、大丈夫か……!?」
ティティ :
「アイツ……真ん中の帽子女だが、搦め手が得意なタイプだぞ……。行くとしてもペースに飲まれると危険だ」
日向雛 :
「大丈夫です……!」
日向雛 :
「わたしは標的ではないはずですし、いきなり襲われたりはしないはず。それに、もしかしたら話せば分かってくれるかもしれません」
ティティ :
「だがな、うーん……」 少し考えこんで
ティティ :
「……何かあったら俺達が割って入るからな」
日向雛 :
「はいっ。その時は、ティティさん達の判断で動いてください」 不意打ちすることを否定しない
ジャス :
「……またひなに任せちまうなのは気が引けるけど、私の力量は理解してる。だから……」
ジャス :
「ここは頼んだ……!」
日向雛 :
「はい!任せてください!」 少し嬉しそうに笑って
日向雛 :
「では、行ってきますね……!」
ジャス :
2人はコクリと頷いて雛を見送る。その表情は心配と共に信頼が感じられた。
日向雛 :
では、《闇夜の烏》で建物の影に潜って、ジャスとティティが隠れている場所がバレないように通りに出る。
日向雛 :
「すみませーん!」 そして0時のティーパーティから少し離れた場所に現れ、声をかけた
ネズミ :
「あ? 女……?」 ピクリと肩を揺らして、雛の方を見る
マッド・ハッター :
「おや、おやおや! 少し大きめに生まれた麗しの少女、こんにちは。こんばんは?」 帽子を抜いで深々とお辞儀をする
ウサギ :
「わぁ、迷子ちゃん? お姉さんたちとお茶会でもするぅ?」
日向雛 :
「わあ、麗しの少女だなんてそんな……!」 頬に片手を添えながら照れ笑いして
日向雛 :
「こんばんは、でも迷子じゃないんです。わたしは日向雛」
日向雛 :
「あなた達とお話したいことがあってきましたっ」
マッド・ハッター :
「おんやまぁ、ジャパニーズのガール! 名乗られたからにはご挨拶せねば!」
マッド・ハッター :
「ン私は、マッド・ハッター! 何でもない日を楽しく、過激に! 頭が花火みたいにパチパチ弾けるように! 楽しみたいと考えるしがないの帽子屋ですよぉ」
マッド・ハッター :
「さあさ、お近づきの印に手首の匂いを嗅ぎ合いませんか?」シュシュっと手首に香水を撒いて
日向雛 :
「え?手首の匂い……?どうしてです?」 初めて聞くお近づきの印に小首を傾げる
マッド・ハッター :
「そうですねぇ、人は理解し合えて初めて親交を深められますよねぇ?」
マッド・ハッター :
「なら! それならば! お互いの匂いを理解し合う事も、親交を深め合う一つの手段なのでは!?」
マッド・ハッター :
「そういった次第ですよぉ?」
ウサギ :
「絶対さっき思いついたよねぇ」
マッド・ハッター :
「ウサギさん、シッ!」
日向雛 :
「なるほど……!?」
日向雛 :
「それもそうかもしれません……。でもわたし、香水とかつけてないですけれどいいんですか?」
マッド・ハッター :
「ええ、ええ、もちろんですとも! 生まれ持った匂い、染みついた匂いからも人と形は理解できますからねぇ」
ネズミ :
「(日向雛……どっかで聞いた気がするが、アイツはなんだ……?)」 煙草を吹かしながら、訝し気にあなたを見つめる
日向雛 :
「なるほど~……!」
日向雛 :
「分かりました、そういうことなら嗅いで下さい!わたしの匂い!」 そう言って、マッド・ハッターに近付いていく
マッド・ハッター :
張り付いたような意地の悪い笑みをニタニタと浮かべて、あなたの接近を待つ
ネズミ :
「─────待て、ちょっと聞いておきてぇことがある」 あなたの歩みを、男が静止する
日向雛 :
「はい?」 立ち止まる
マッド・ハッター :
「はぁもう、ネズミさん!? イイところですよ!?」
ネズミ :
「わ、わりぃ……気になることが少し……」
ネズミ :
「あーっと……単刀直入に聞くが、お前、郊外に住んでるか?」
日向雛 :
「はい、住んでいますよ?」
ネズミ :
「……そこにある廃ビルの診療所、その近くに住んでたり……?」
日向雛 :
「はい、そうですけれど……」
日向雛 :
「あっ。もしかして、わたしのことご存じなんですか?」 ちょっと嬉しそうに
ネズミ :
「……ッスー、あいや、ご存知っちゃご存知だが……」 もとより薄っすらとかいていた汗が玉になって落ちる
ウサギ :
「ネズミちゃんどったの、まだ倒せないレベルの敵と遭遇した時みたいな顔して」
ネズミ :
「お、お前な……! ちったぁ聞いた事あんだろ、あの現場にいた5人の話を……!」
ネズミ :
「こいつ、そん中の1人だよ……! 迂闊に手ぇ出したらどうなるかわかんねぇぞ……!」
ネズミ :
「ただでさえ最近あの姉弟の近くにいた萬屋を躱し易い日を狙ったってのに、なんだってんだ……!」
ウサギ :
「えーっ、雛ちゃんって硝子化事件解決チームの1人だったの!? 見えなーい!」 口に手を当てて驚いている
日向雛 :
「え?はい、そうですよ~」
日向雛 :
「わたしはそんな大したことはしていませんけれど、お手伝いさせてもらいました」
マッド・ハッター :
「ははぁ~ん! 合点と焦点とその他諸々がハマりましたよぉ?」
マッド・ハッター :
「だとするとあなた、あの姉弟のことについて……知ってることがありますよねェ? ほんのちょっと、爪の垢程度でもいいので、情報を教えてくださることって可能ですかぁ?」
日向雛 :
「いいですよ~」
日向雛 :
「その代わり、わたしもあなた達に聞きたいことがあるんです。それで構いませんか?」
マッド・ハッター :
「ええ、ええ! もちろんですとも、ギブアンドテイクは得意とするとこですよぉ」
日向雛 :
「わあ、ありがとうございます!」
ウサギ :
「ギブの比率は大きめだけどねぇ」
マッド・ハッター :
「ウサギさん、お黙りなさい!」
日向雛 :
「じゃあ、どちらからでも良いんですけれど……わたしから聞かせてください」
日向雛 :
「どうして、ジャスさんとティティさんのことを狙っているんですか?」
マッド・ハッター :
「それはそれは、海よりも深ぁ…………い! 理由があるのですよっ!」
日向雛 :
「そんなに……!?それって一体……」
マッド・ハッター :
「私達、0時のティーパーティの活動は遠征で行っていましてねぇ? 言うなれば南極のペンギンさんが北極に行っちゃうぐらいの遠征です」
マッド・ハッター :
「……そうなれば! それはもう、溜まるのですよ! ストレス不安将来の悩み人間関係怪我の痛み性的欲求……」
マッド・ハッター :
「……は、別に関係なくて」
マッド・ハッター :
「お茶が! ティーパーティが! 至極の休憩が、したくて溜まらなくなるのですっ!」
マッド・ハッター :
「そうして遠征から帰ってきた時に淹れるお茶、持ち帰ったお茶菓子に、土産話……それを交わしながら飲むお茶がもう~~~~……たまりませんっ!!!」
マッド・ハッター :
「疲れやちょっこし感じていたストレスが水溶性になってしまうのですよぉ!」
マッド・ハッター :
「しかし……しかしですよ。お茶は茶葉が無ければ淹れられませんね? パンが無ければケーキを食べればいいじゃない? ハッ、寝言は墓場で言ってくださいねぇ!?」
マッド・ハッター :
「私共の茶葉ですねぇ、アジトにしぃ~っかり保管してあるのですよ」
マッド・ハッター :
「そのアジト、なんと今復興してる区画に"あった"んですねぇ」
マッド・ハッター :
「はぁ~~~! 私共の茶葉は羽根が生えて飛んで行ってしまった! アジトと共にィ!」 膝から崩れ落ちて、天を仰ぐ
マッド・ハッター :
「……ということで、探しているのですよ。元凶の姉弟をねぇ」 軽快に立ち上がって、膝をパッパッと払う
日向雛 :
「そうだったんですね……。それは、ご愁傷様です……」 大方はティティの推測通りだったと思いながら、申し訳なさそうに言う
日向雛 :
「では、今度はわたしから二人の情報をお話しますね」
マッド・ハッター :
「ええ、ええ! ぜひお聞かせを!」 期待に胸を膨らませ、目は輝いている
日向雛 :
「……ジャスさんがあなた達のアジトがあった区画を壊してしまったことに、悪気はなかったんです」
日向雛 :
「あの時のお二人は別の力で操られていて……正気じゃなかった。本当はあんなことやりたくなかったんです」
日向雛 :
「ですから、どうか許してあげてはもらえませんか?わたしの友人なんです……」
マッド・ハッター :
「まあ、それはそれは……」
マッド・ハッター :
「それ、何か関係ありますかぁ?」
マッド・ハッター :
「正気でないとしても、手を下したのはあの方たちですからぁ? 責任がないとは言い切れませんよねぇ?」
マッド・ハッター :
「あなた、誰かを刺し殺した犯人が『刃物に操られた』なんて言ったら納得しちゃいますかぁ?」
マッド・ハッター :
「まっ! ここでは殺しに理由なんてナンセンス、殺しもすれば殺されもしましょう!」
マッド・ハッター :
「しかぁし、しかしぃ? 人には恨みというものがありまして? マッドな女と呼ばれる私でも、好きなものが奪われれば憤慨もしましょうねぇ」
ウサギ :
「ハッターちゃんの淹れるお茶はおいしーんだぞーぅ」 ぷんぷん
ネズミ :
「まあ、遠征帰りのお茶は至極だし……残念な気持ちもあるが……」 ネズミは報復に乗り気ではなさそうだ
日向雛 :
「……そうですね。あなた達が怒るのも当然です」
日向雛 :
「でもわたしは、誰かを刺し殺した犯人が『刃物に操られた』と言って、それが本当であるなら……その犯人は加害者である以前に被害者だと思ってしまいます」
日向雛 :
「だから、責めたりは出来ません……。でも皆さんは、そうではないんですね?」 確認するように問いかける
GM :
マッド・ハッターとウサギは雛の言葉を肯定する笑みを浮かべているが、ネズミはどちらとも言えない表情を浮かべている
日向雛 :
「……分かりました」 悲しそうに目を伏せてから
日向雛 :
「では、わたし……あなた達と戦わせて貰います」
日向雛 :
「ジャスさんとティティさんは、わたしにとって大事な友人」
日向雛 :
「あなた達が諦めてくれるまで、わたしが彼らを守ります」 そう言って、首から下げて服の下に隠していたヒーローズクロスを取り出す
マッド・ハッター :
「はぁ、へぇ、ほぉ~! あなた、ヒーローという訳ですか。通りで小綺麗な匂いが香ってくると思いましたよぉ」
マッド・ハッター :
「すんすん、いえ……小綺麗なだけではなさそうですねぇ……」
マッド・ハッター :
「……臭いますねぇ。悪臭が、あなたの身に宿る力と理想、何かは知りませんが……抱えて腐っていきそうな、そんな臭いが……」
マッド・ハッター :
「そんなアナタにはこれがお似合いでしょう! ハッハァー!」 マッド・ハッターはあなたに向かって香水瓶を投げつける!
日向雛 :
「わたしはヒーローじゃありません!」
日向雛 :
「あと臭くないです……多分!!」
日向雛 :
否定しながら、香水瓶を指で示すことで影のラインを浮かばせる。
日向雛 :
その直後、切り取り線に真空の刃を走らせることで、自身にぶつかる前に瓶を破壊する。
GM :
あなたの目論見通り、瓶は狙い寸分違わず両断される。
GM :
しかし、それはマッド・ハッターの目論見通りでもあった。
マッド・ハッター :
ニタリ、吊り上がった口角が雛には見えたかもしれない。
GM :
次の瞬間、雛を包む煙と濃厚な紅茶の香り。それが路地いっぱいに広がる。
日向雛 :
「きゃあっ!?な、なんですか、これ……!?」 咄嗟に口元を服の袖で覆う
GM :
あなたが咄嗟に口を覆ったのは正しい判断だった。あなたは僅かにそれを吸い込んでしまったが、それでも強烈な酩酊感が襲ってきていたからだ。
GM :
もし2、3回ほどまともな呼吸をしていたら意識を手放していたかもしれない……。次の呼吸までにこの煙を抜けられれば、危機を脱することはできそうだが……。
GM :
その煙は、あなたの身体に纏わりつくようにもったりとしていた。
日向雛 :
「ん……っ、く……」 足下がふらつき、その場にへたり込む
日向雛 :
「…………っ」 必死に呼吸を止め、はっきりしない意識のまま、まとわりつく煙を払おうと片手を何度も振っている
マッド・ハッター :
「アハーハー! どうですか、楽しんでますか? でもでも? 深ぁく吸い込めば、次に目覚めたら楽しいお茶会に招待されてるかもしれませんよぉ?」 煙の向こうからアナタを嘲笑う声が聞こえる
GM :
……このまま彼女の戯言を聞きながら、意識を失ってしまうのか。
そんな考えが脳裏をよぎったその時─────。
GM :
逆巻く風が、雛に纏わりついていた煙を吹き飛ばす。
ジャス :
「ひな、大丈夫か!!」 振り向けば、あなたの隣にはジャスが心配そうな顔で立っていた。
日向雛 :
「ぷはっ……!ジャ、ジャス、さん……!」 大きく息を吸い込みながら、ジャスを見上げる
マッド・ハッター :
「おや、おやおや!? これは僥倖、オールオッケー!? ご本人登場とはとんだサプライズですねぇ!」
ジャス :
「うっせぇな! ひな、身体は大丈夫か?」 微風の障壁を張りながら、雛に問いかける
日向雛 :
「は、はい……なんとか」 まだ頭がぼんやりしているが、ゆっくり立ち上がって
日向雛 :
「ありがとうございます、ジャスさん……助かりました」 小さく笑顔を作る
ジャス :
「へへっ、私達はいつだって助け合いだろ? さっさと追い払っちまおうぜ!」快活な笑みを見せる
マッド・ハッター :
「おや、まだまだ終わっていませんよ? ウサギさん!」
ウサギ :
「よっしゃー! くらえーぃ、必殺のラビットキィーーーッ……」 畳みかけるように、高く跳躍したウサギが急降下のキックを放つが……
GM :
突如、弾けるような音と同時に変形した鉄骨が、ウサギを叩き落とした!
ティティ :
「やれやれ……話が通じねぇ相手はやっぱこれだな……」 拳銃を握ったティティが雛達の後ろから現れる
日向雛 :
「ティティさん……!!」 嬉しそうに振り返って見る
日向雛 :
「ごめんなさい、話……もしかしたら通じるかな?って思ったんですけれど~……」 ダメでしたね、と小さく笑う
ティティ :
「……ま、何でも試してみるもんだ。こういうヤツらもいるって経験になったな」 肩を竦めて笑って
マッド・ハッター :
「ウサギさん、だいじょーぶでーすか?」 地面に叩きつけられたウサギを覗いて
ウサギ :
「だめでーす」 大の字になっている
マッド・ハッター :
「つまりイケるってコトですねっ! さっ、馬車兎のようにキビキビと! 戦ってくださいっ!」 地面から引っ張り上げてしゃっきり立たせる
ウサギ :
「うへうへ……ハッターちゃん、意外とアイツら侮れないよ?」
ネズミ :
「……俺もそう思う。今日はヤメにして、お茶菓子で我慢しねえか?」
日向雛 :
「わたしもそう思います!」
マッド・ハッター :
「むむ、むむむむ……! まーったく根性の無い! いいですか、恨みとは、報復とは、晴らさないとキッチリ8時間睡眠ができなくなるんです!」
マッド・ハッター :
「だから私は……こう、します!」 スーツの裏側にぶら下げられた大小様々な小瓶を手に、それらを再び雛達に投げつける!
ティティ :
「……! ひな、またあれぶっ壊せるか!」
日向雛 :
「分かりました、壊します!」
日向雛 :
さっきの攻撃を考えると、小瓶を破壊するのは得策ではないように感じる。……が、頭のいいティティがそう指示したというのなら、雛は迷わない。
日向雛 :
ヒーローズクロスを一瞬でメスに変形させると、一振りで無数の真空の刃を飛ばし、全ての小瓶をほぼ同時に切り払う!
GM :
先程と同じく、両断された小瓶から煙が噴き出る。今度は様々な色が混ざり合い、毒々しい虹色のようにも見えた。
マッド・ハッター :
「学びませんか!? 学びませんねぇ。愚か!実に愚か!」
ティティ :
「そいつはどうかな? 姉貴、さっきのをアイツらに向けてやっちまえ!」
ジャス :
「……! おうっ!」 槍の穂先に一点集中した風を解放し、突風となって煙を払う!
ネズミ :
「……あっ」
GM :
それと同時に、ネズミが気づく。風と煙の流れ、自分たちの立ち位置。それに依って起こりうる出来事……。
ネズミ :
「お、お先ーっ!!」 そうして一目散にこの場から走り去っていく!
マッド・ハッター :
「ネズミさ……おぉーっと!?」 理解するのが遅れたマッド・ハッターとウサギは煙に飲み込まれてしまう
ウサギ :
「ぴゃっ」
GM :
雛達の正面でもくもくと立ち上る極彩色の煙……それがゆっくりと晴れていく。
ウサギ :
「は、は、はったーちゃぁんっ! 涙止まらないよぉ!」 大粒の涙が滝のように流れて、ウサギはえんえんと泣いている
マッド・ハッター :
「ソウデスカ……」 一方のマッド・ハッターは……完全な無気力状態に陥っていた
ウサギ :
「びえーっ! ハッターちゃんがサイレントモードになっちゃったぁっ! 」
ウサギ :
「ぉ、ぉ、覚えてろ~! この仇は濃縮還元の紅茶にして返してやるからなぁ~~!!」
日向雛 :
「待ってください!!!」 逃げようとするウサギを、大声で呼び止める
ウサギ :
「な゛に゛っ!?」ズビズビ
日向雛 :
「あとで、マッドハッターさんが正気に戻ったら伝えておいてください」
日向雛 :
「わたしは確かに、いつか腐ってしまうのかもしれない理想を抱えているし、それは誰にも理解されないような悪臭がする夢かもしれない……」
日向雛 :
「でも、今ここにいるわたしは、ただのヴィランの日向雛で……」
日向雛 :
「ジャスさんとティティさんの友達の、ひなです」
日向雛 :
「これで懲りないというのなら、またいつでもかかってきてください……」
日向雛 :
「わたし達、きっと何度でもあなた達を返り討ちにしちゃいますから……!」 笑顔でそう伝える。仲間を見捨てて逃げるようなあなた達には負けないと、自信に満ち溢れた顔だ
ウサギ :
「ズズッ……ケホッ、な、なま、えっ! お、覚え゛たがら゛!」
ウサギ :
「じ、じゃ、ぁっね! ヒグッ、また、今度っ!」 止まらないしゃっくりと涙でぐしゃぐしゃになった顔でそっぽ向いて、
GM :
ウサギは茫然自失状態のハッターを担ぎ、ネズミが逃げた方向へと去って行った……。
日向雛 :
「はぁい、また~……!」 遠くなっていく背中を、手を振って見送る
ジャス :
「……なんだったんだ、アイツ」 ぽかん
ティティ :
「……はぁ、やかましい奴らだったな」
日向雛 :
「そうですね~……ジャスさんの五倍くらい騒がしい方達でした」 メスをヒーローズクロスの形に戻して、再び服の下に隠しながら
ジャス :
「わ、私はうるさくないだろ~! なぁ、ティティ、なぁ?」
ティティ :
「3倍ぐらいだな」
ジャス :
「ほらなぁ~? ……ん? どちらにしてもうるせぇってことか? あいつらの3倍? あれ?」 両手の指でなんとか計算しようと
日向雛 :
「ふふっ、まあ何でもいいじゃないですか。もう帰りましょう?」
ジャス :
「……だなぁ! ちょっと騒いだら腹減っちまった!」
日向雛 :
「ですよね!わたしももうおなかぺこぺこで……!」 その直後、ぐぅ~と盛大に腹の音が鳴る
ティティ :
「ひなの腹も賛成してるな」ふふっと頬が緩んで
日向雛 :
「えへへ……」 恥ずかしそうに笑って
日向雛 :
「……あと、そうだ」
日向雛 :
「ジャスさん、ティティさん。今日はお二人の家にお泊りさせてもらってもいいですか?」
日向雛 :
「さっきあんなことがあったから、少し用心しておきたいっていうのもあるんですけれど……」
日向雛 :
「今日は、なんだかジャスさん達と離れたくなくって……!」 そう笑顔で言って、ジャスとティティの間に挟まるように二人の片腕に抱き着く
ジャス :
「うおっ、なんだなんだ! 今日のひなは積極的?だな!」 ワハハ!と雛と肩を組んで
ティティ :
「と、泊まり……!? ま、まあいいけどよ……多分狭いぞ?」 ちょっと顔を赤らめて
日向雛 :
「ふふっ……いいんです、狭くても!」
日向雛 :
「じゃあ、決まりですね?楽しみです……!」 幸せそうににこにこしながら
ジャス :
「よっしゃ、人が泊まりに来んのって新鮮だな~! なんか良いモンでも買って食おうぜ! ミニパーティーだミニパーティー!」
ティティ :
「姉貴はまったく……ああ、そうだな。今日はたまの贅沢でもしよう」
日向雛 :
「いいですね、ご褒美は終わった後って話でしたけど……復興中間祝いです!」
日向雛 :
「行きましょっか!ジャスさん、ティティさん……!」 二人にくっつきながら歩き出す
GM :
そうして、あなた達は軽快な足取りで帰路についた。
ティーパーティを退けた後の小さなパーティは0時を越えるまで続き、雛とその姉弟にとってそれは人生で最も楽しかった記憶の一つとなった。
GM :
……きっと、雛が危惧した襲撃もこの3人がいれば必ず乗り越えられるだろう。
確かな絆は、悪事を好とする悪都であっても、確かな武器となりえるのだから。
GM :
シーンエンド
Scene17 意思を受け継ぐ
GM :
硝子化事件から数日後の昼下がり、いつもと変わらぬ萬屋の事務所であなたは過ごしていた。
GM :
管理局からの報酬も、エトワールが言っていた通り、最初に提示されていた額より多めに支給され懐も大分暖まっている。しばらくは生活に苦労しない……少し贅沢しても良いと思えるほどだろう。
メアリー :
「ヴィランの王の撃破実績に、エトワールファミリーとのコネクション……多少は懐も潤った訳だし、得るモノは多かったけど……」
メアリー :
「イクサコーポレーションとの関係悪化も考えると……まったく割に合わない仕事になったわね……」
メアリー :
「ああ、また頭が痛くなってきた……」アベルから受け取り、ある用途でカラになったアタッシュケースを横目に、溜息を吐く。
GM :
……様々な要因で頭を抱えていると、一瞬、あなたの目を引くものが視界の端に映った。
GM :
それは窓の反射だろうか、キラリと窓辺で何かが映った、もしくは横切ったように思えた。
メアリー :
「……ん? いま、何か?」あの光の反射はヴァニタス? でも、こんなところまで? と疑問に感じながら、その正体を確かめようと窓に目を向ける。
GM :
あなたが窓辺に目を向けると、それは硝子の反射にしては不自然なものだった。何かが屈折しているような、どこかで見覚えのある歪み方……。
GM :
そして、それは徐々に形を成していく……窓辺に映ったその正体は……。
アベル :
「……お、繋がったね。元気してるかな?」 あの世界に取り残されたハズの、アベルであった
メアリー :
「────は、はあ!? あ、あんた、アベル!?!?」
アベル :
「そう、僕さ。久しい……って程じゃないけど、あれから数日と考えると感慨深いね」
アベル :
「それでどうだい、調子は」 久しぶりにあった友人のように、窓辺からあなたに語り掛けている
メアリー :
「元気? じゃないわよ!! それはこっちの台詞でしょうが!!」
メアリー :
「いまさら死ぬ気はしない、とか言った気はするけど、それにしてもよ!? あんたは鏡の崩壊に巻きこまれて死んだハズでしょう!?」
アベル :
「やっぱり気になるよね。いやぁ、アレには僕もびっくりしたよ……」
アベル :
「確かにキミ達が去って行った直後、鏡の世界は急速に崩壊を始めた」
アベル :
「さて、僕も死ぬのかな……なんて、意識を手放したワケだけど……」
アベル :
「次に目が覚めてみればあら不思議、土地がほんのちょっとだけ残っていたのさ」
アベル :
「ジャスくんに与えた力が大きかったせいかな、回収した時にちょっとだけ余力があったみたいだ」
メアリー :
「……なにそれ? 図らずしてヒーローの力に助けられたってワケ?」
アベル :
「ヒーローでもあるし、間接的に力を与えたフェイルにも助けられたワケだ……あ、これをフェイルに話したら今度こそ殺されそうだから内緒で頼むよ」
メアリー :
「どうしようかしら、情報でも商売してるのよねウチ」口止めしたければ金を払え、の意
アベル :
「……困ったな。キミの言いたいことは理解できるけど、渡せるものがない……」
アベル :
「そもそも、ここから出られない。引き出しに行こうにも、ね……」
メアリー :
「出られない? 今も鏡の世界に閉じ込められてるの? それなら、コレはどうやって?」窓辺まで歩いて行って、窓ガラスをつんつんと軽く叩く。
アベル :
「ああ、これはだね……ボロボロになった渇望鏡をリサイクルしてね、硝子や鏡を通して現世を覗けるようにしてみたのさ」
アベル :
「ついさっき声も届けられるようにしてね、早速テストとしてメアリーくんに繋げた……という次第さ」
メアリー :
「"現世"とか言うと、死人みたいね……まあ実際、幽霊と同じか、こっちに干渉できないんだし……」
アベル :
「その通り。ただ覗くことしかできない、傍観者ってワケだ……意外と退屈はしないけどね」
メアリー :
「私だったら、ヒマ過ぎて死ぬそうだけど、あんたは元から傍観者もとい覗き魔だし納得ね?」
アベル :
「覗き魔は酷いなぁ」ちょっとだけ不服そうな声を漏らす
アベル :
「……おや、そのトランクは」 ふと、空になったトランクが目について
アベル :
「もしかして、もう使ってしまったのかい? それならかなり大きな買い物になったハズだけど……一体何を?」
メアリー :
「車よ、行商のための移動販売車」
アベル :
「へぇ、移動販売……アイスでも売って周るのかい?」
メアリー :
「……まあ、当たらずとも遠からずってやつかしら」
メアリー :
「ただ萬屋の利益に使った訳じゃない、あんたの尻拭いの側面が大きいわね」
アベル :
「おや、それは不便をかけるね」
アベル :
「しかし……その社用車でどうするつもりだい?」
メアリー :
「そうねえ、教えたところで損はないし教えてあげるわ」
メアリー :
「……ジャスティティの一件のせいで、いま復興している区画があることは知ってるでしょ?」
アベル :
「ああ、さっき覗いていた時に復興作業中の姿を見かけたよ」
アベル :
「あ、もしかしてメアリーくんが手助けをするってことかい?」
メアリー :
「いえ、別に直接、復興に参加する訳じゃない。泥臭いの嫌だし、毎日のようにあいつと顔合わせたくないし」
メアリー :
「……ただ、今の体制じゃ"ぜんぜん足りてない"と思って」
アベル :
「ふむ、それは人員? それとも資金かい?」
メアリー :
「そのどちらでもないわ」
メアリー :
「……都市管理局から、必要最低限の生活を送る分の配給は為されている」
メアリー :
「けど、それじゃサラーブでは不十分なのよ」
メアリー :
「何故なら、サラーブに住む人間はみんな欲深いんだから」
メアリー :
「……まあ、つまりね、今の復興計画には、酒や煙草をはじめとした嗜好品類が足りてないって話」
メアリー :
「瓦礫のせいで交通の便は悪く、買い物に行くコトもできない彼らにとって、それらはなかなか手に入らないし、そもそも買うお金だってないかもしれない」
メアリー :
「……そういう不満を溜め込む彼らを放っておくと、どうなるかは目に見えてるでしょ?」
アベル :
「なるほど、相変わらず目敏いね」
アベル :
「受け取った側はガス抜きが出来て、キミは名声を得られる。評判のための先行投資ってことかな?」
メアリー :
「ご名答」
メアリー :
「……酒でも煙草でも焼き菓子でも遊戯でも、なんでもツケで支給してあげるつもりよ」もちろん血判の契約はしてもらうけど、と後付けをする。
メアリー :
「彼らが略奪に走って治安悪化されても困るし、災害生活で必ず出る不満は封殺しておく」
アベル :
「ふむ、暴徒が現れてもエトワール達が対処しそうだが……それを未然に防げるのは良い事だね」
アベル :
「……ツケということは、後々に何かを要求するつもりかい?」
メアリー :
「ええ、もちろん? 慈善事業じゃないのよ?」にっこり
メアリー :
「……とはいえ、そんなに暴利なことはしないけどね、治安維持しながら恩を売って、名声とコネクションを得るコトが第一目標なんだし」
アベル :
「抜け目ないね、まったく。ちょっとの不満は出るだろうけど、モノを受け取ったのは確かだから派手に噴出することはなさそうだね」
メアリー :
「いざとなれば、実力行使もできるしね。家をひとつ失ったくらいで都市管理局の世話になるようなヤツ、大したタマじゃないわよ」
アベル :
「あの区画に住んでるヴィラン達はそこまでの人達ではないだろうからね、目立つ場所ではなかったから根城にするグループがいくつかあったぐらいだけど……」
メアリー :
「────まあ、そんなわけで。その大したことないヴィラン共の救済で、硝子化事件で崩れた治安を維持して、ジャスティティに向く恨みを和らげるための移動販売車購入だったの」手間と時間に見合うか見合わないか微妙な利益を受けるのはついでね、と後付け。
メアリー :
「あんたに貰った報酬、自分の実力と意志で依頼達成したワケじゃないから、どうにも懐に入れるのは気持ち悪かったし、丁度いい使い道でしょう」カラのアタッシュケースを一瞥して
アベル :
「ふむ、僅かでも気が紛れることでヘイトも和らぐか……」
アベル :
「懐に入れるのも憚れる、か。普通のヴィランだったら何も考えず自身の為に納めるだろうに……」
メアリー :
「生憎、並みのヴィランじゃないのよ私」
アベル :
「知ってるさ。いやなに、サラーブの先の事を見据えて動いている姿を見るのが感慨深くてね」肩を竦めてみせて
メアリー :
「ハッ、何をいまさら! 先の先を見据えて動かないと"指"になんてなれっこないでしょ?」
アベル :
「おや、僕の席を受け継いでくれるのかい?」 意地の悪そうな笑みを浮かべて
メアリー :
「あんたの席、カジノの権利がおまけでついてくるからね」
メアリー :
「……とはいえ、あんたが残してくれた負の遺産が大きすぎて、今となっては受け継ぐメリットの方が薄そうだけど」
アベル :
「カジノの経営権を得られれば資金繰りに困る事はなくなるだろうね。今は薬指が実権を握っているワケだけど、小指の席につけば経営権が譲渡される……ハズ、かな」
アベル :
「あ、負の遺産と言っても大したことないよ?」
アベル :
「ただ、渇望鏡の情報をまとめたレポートとか保管してあるくらい? 薬指が金庫に保管してくれてるんだよね、あれ」
メアリー :
「……よく言うわ、あんたが起こしてくれた事件のせいで、どうにも悪いでしょうが立場」
メアリー :
「ていうか、そんなものがまだあったの? 厄ネタすぎるでしょ?」
アベル :
「うん、僕が追い出された後に人差し指の命令で薬指がまとめて保管したらしくてね」
アベル :
「まあでも、あれを読みこんだ所で渇望鏡を1から作るのはかなーり難しいと思うよ?」
メアリー :
「難しい、って言われても"それなら安心!"とはならないわよ……」
メアリー :
「薬指って、あのファルシオンでしょう……? カンタンに漏洩しそうなんだけど……?」
アベル :
「問題ないよ、何回か金庫が襲撃された事はあったけど……すべて彼女が不届き者の首を刎ねたからね。それに読んでいたとしても覚えているとは思えない」
アベル :
「まあ、それを受け継いだら護るのはキミの役目になるけども……」 大丈夫そうだね、と微笑を浮かべて
メアリー :
「げ……、やっぱり止めようかしら、小指目指すの……」
アベル :
「ふふ、狙って来るのは一攫千金を目論む木端ぐらいさ」
アベル :
「……まあ、僕のレポートがあると漏れたらそれなりのヴィランも来そうだけど」
アベル :
「……キミなら心当たりぐらいはあるね、そういうのを相手できそうなら大丈夫さ」
メアリー :
「それなりのヴィランって言ったところで、イクサほどタチの悪いのはいないでしょうけど……また頭痛のタネが増えたわね……」頭を抱える
メアリー :
「それとも今、絶賛ダウン中なのかしら私……死んだハズのあんたが鏡に映ったあたりから……」
アベル :
「僕の攻撃をあれだけ受けておいて、過労でダウンかい?」
メアリー :
「その点……俗世から離れて、逆にイキイキしているあんたが恨めしいわ……」
アベル :
「ハハハ……これでも怪我は治りきっていないんだけどね?」
アベル :
「キミと話せて元気が出た、ってことにしておいてくれ」
メアリー :
「ええ……なにそれ、気持ち悪……」
アベル :
「まあ、殆ど死に体だったんだけどね……これも鏡のお陰かな?」
GM :
ふと、彼の身体を見れば、怪我を縫うように亀裂が入っているのがわかる
メアリー :
「本物のヴィランの王と相対して生き残ってたり、鏡の力を使って生き残ってたり、ほんとに呆れるほど悪運が強いわよね、あんたは……」その様子を見て
アベル :
「そんな強運でもキミ達に勝てなかったのが悔やまれるよ」
メアリー :
「……フッ、本当に強い奴には、運だけじゃ勝てないのよ」
アベル :
「キミが言うと説得力あるね、もうキミに喧嘩を売りたくないよ」首を横に振って
メアリー :
「身に染みて理解したみたいで何より」にっこり
アベル :
「さて、もう少し話をしていたいけど……キミもこれから忙しくなりそうだ」
アベル :
「僕はここでお暇を、っと……そうだ」 思い出したように肩を揺らして
アベル :
「メアリーくん、キミに……キミ達に、この都市を任せても良いかな?」
メアリー :
「…………さあ、どうかしら」
メアリー :
「ウチは慈善事業じゃないのよ、そんなことを安請け合いはできない」
メアリー :
「そもそも心配するほどサラーブはヤワじゃない、と思うけれど……そうねえ……」
メアリー :
「まずきちんと報酬を用意しておきなさい」
メアリー :
「ギヴアンドテイク、それこそ私達の在り方」
メアリー :
「…………真っ当な報酬さえあるなら、その依頼、請けてあげるから」
アベル :
「報酬、報酬か……」少し考える素振りを見せて
アベル :
「……キミを待つ、黄金のように輝かしい未来が訪れるよう応援する。なんてのは駄目かい?」
メアリー :
「……………………」
メアリー :
「ぷっ……はあ? なにそれ? あんたの応援に、ひと笑い以上の価値があるって言うの?」予想外の言葉に思わず笑ってしまう
アベル :
「ふふ、やっぱりダメかな? 応援する側に回るのも悪くないかな、って負けてから思ったんだけどね」
アベル :
「……今僕から提供できるのは鏡を通して得られる情報だけ、キミに渡せるのはそれくらいのものだね」
メアリー :
「なるほど、情報屋として協力できるってコト?」
メアリー :
「そうねえ、それなら笑わせてくれたお礼に……」
メアリー :
「あなた、これから萬屋の調査員として働かない?」
メアリー :
「あなたが集めた情報で得る利益、その見返りとして、私はサラーブの為に戦ってあげる」
メアリー :
「……もちろん、あなたから相応しい利益を受けていなければ、私はサラーブの防衛依頼を遂行しないと、そういう契約でどうかしら?」
アベル :
「おや、僕をスカウトするなんてね?」意外そうな顔をして
アベル :
「さしずめ、鏡の調査員と言ったところか……。悪くないね、ここに残ったことにも意味が生まれる」
アベル :
「……交渉成立だね。今度は隠し事なんてしないから、安心してくれ」
メアリー :
「フフ、思わぬ形で優秀な人材が手に入ったわね」にっこり
メアリー :
「……ああ、隠し事なんてしたら、すぐさま契約破棄するから、そのつもりで」
メアリー :
「握手は出来ないけど、改めてよろしく」
メアリー :
「────元小指改め、萬屋 GOLD DUST 新人調査員のアベル♪」
アベル :
「……メアリーくんが上司、か。不思議な感覚だ……」苦笑いを浮かべて
アベル :
「ああ、よろしくお願いするよ。ここに顔を出すのはマチマチになりそうだけどね」
アベル :
「それじゃあ、改めて……僕はお暇させていただくよ。顔を出すべき人がもう1人いてね」
メアリー :
「顔を出す相手? ああ、フェイルに殺されにでも? 殊勝なことね?」部下になった以上、黙っておいてあげようと思ったのに。と冗談めかして。
アベル :
「いやいや、まさか。エトワールだよ、エトワール。今回の事件でもまったく顔を合わせられなかったしね」
メアリー :
「ああ、そういえば顔見知りだったみたいね? とはいえ、あっちはあんたを倒す為に動いていた訳だけれど、やっぱり殺されにでも行くの?」
アベル :
「メアリーくんは僕に死んで欲しかったりするのかい? そうじゃなくてね、彼女に伝えておくべきことがあるんだ」
アベル :
「僕にはどうにもならないことでね、突っぱねられるだろうけど伝えるだけ伝えるつもりさ」
メアリー :
「ふうん? なるほど?」イクサとは手を切った方が良い、とかそんなとこかしら、と考えているが答えは出ない。
アベル :
「そういうこと、それじゃあ……」
アベル :
「また会おう、メアリーくん」 ひらひらと手を振って、アベルは屈折した窓硝子に消えていく
メアリー :
「……ええ、また」手を振り返す。鏡の世界で別れた時とは異なり、再会の確信を抱いて。
GM :
……屈折の解けた窓硝子の先に、日光が降り注ぐサラーブの街並みが見える。
GM :
アベルが護りたいと願った都市。悪漢蔓延る悪都は日光に照らされて、黄金のように眩く輝いた。
GM :
……この黄金が綻びることはこの先あり得るのだろうか。アベルが危惧したサラーブの終末は、訪れるのだろうか?ふと、そんなことが脳裏をよぎる。
GM :
しかし、心配は無用だろう。
黄金を内に秘めた少女が、この都市にはいるのだから……。
noname :
17時頃。今も復興が続くサラーブ郊外。
事件で家を失った人々が寝泊まりする仮設住宅区画にて。
noname :
そこには、真新しい移動販売車が一台。
看板には、事件解決によってサラーブ中に名声を広げた萬屋「GOLD DUST」の名が刻まれていた。
noname :
「萬屋」というだけあって、店頭に並ぶ商品は多種多様。
酒。煙草。お菓子。トランプやボードゲームといった暇潰しの遊戯の類まで取り揃えているらしい。
メアリー :
「ん~、悪くはないけど……萬屋っていっても、流石に小売り業は専門外ね~……」
メアリー :
「顧客需要のある商品を新人調査員に調査させて、もっと効率的に~……」ボールペンを回しながら思案する。
noname :
メアリーは部下に店番を押し付け、その近くで売上管理に励んでいた。
日向雛 :
そんなメアリーの背後から忍び寄る影が一つ。
日向雛 :
「メアリーさん!こんにちは~」 突然後ろからメアリーを笑顔で抱きしめる
メアリー :
「きゃあっ!? な、何っ!?!?」いきなりの抱擁に驚いて、短い叫び声と共にボールペンを落としてしまう。
日向雛 :
「わたしですよ、わたし!雛ですっ」 抱きしめたまま顔を覗き込む
メアリー :
「…………っ!!」覗きこんできた雛の顔に、ほぼ反射でチョップを繰り出す。
日向雛 :
「いたぁ!?」 チョップで仰け反る
メアリー :
「……挨拶がわりの手刀よ」
日向雛 :
「手刀は挨拶にはなりませんよ~……どうしてこんなことを……」 叩かれた顔を両手で抑えながら
メアリー :
「背後から忍び寄ってハグするのも挨拶にはならない、って教えてあげたかったから」
日向雛 :
「いえ、それはなります!わたし達お友達ですし!」
メアリー :
「…………何度も言ったでしょう、私達はお友達じゃない」
メアリー :
「それから、お友達相手でも挨拶にはならない。親しき中にも礼儀あり、って言葉を知らないの?」
日向雛 :
「え?でもわたしはよくされてましたよ?学校の友達にいきなり後ろから抱き着かれたりしました」
メアリー :
「ええ……なにその環境、気持ち悪……」
メアリー :
「ともかく、私には二度としないで……部下の手前もあるから……」ちらりと店番する部下の方を一瞥する。
日向雛 :
「そこまで嫌がらなくても……。わかりました……」
日向雛 :
「あっ、でもそれじゃ、誰も見てないときはしていいって意味ですか?」
メアリー :
「…………もう一回、要る? "挨拶"?」手を上げる
日向雛 :
「ひぃん……い、いりません、やめてぇ……」 後ずさりして
メアリー :
「よろしい」
メアリー :
「……で、ウチに何の用? 依頼できないほど貧乏なあなたが、ウチに用事だなんて思いつかないけど?」
メアリー :
「……ああ、ツケで買える食べ物が目当て?」
メアリー :
それなら、と店頭に並んでいた紙袋を投げ渡す。
日向雛 :
「ち、ちがいます!ツケなんてしません!」 紙袋を受けとりながら
メアリー :
「ええ? ちゃんと払うだけの金を持ってるの? あなたが?」バカにしたように笑う
メアリー :
紙袋には、シュークリームが二つ。
ほろ苦いビターチョコレートでコーティングした生地に、ナッツをまぶした品が仲良く並んでいた。
砂漠に住むハリネズミを模していて、非常にキュートだ。
メアリー :
……なお、値段はまるでキュートではない。
このシュークリームは、美食の真髄を探求するヴィランが営む高級洋菓子店「ミルクシルク」の品。
一つあたり、ニッポンの昼食代平均額のおよそ倍の値段。普段の雛は、決して手が届かないだろう。
メアリー :
……雛に手が届かないように、郊外に住む難民にも手が伸ばせなかった。数少ない売れ残り商品だ。
日向雛 :
「わあ、かわいい~……」 シュークリームを見て思わず口元が緩んで
日向雛 :
「で、でも、なんだかこれ……ちょっと高くないですか……?」
メアリー :
「まあ、サラーブでも指折りの高級パティスリーの商品だし? それでも、お店でいちばん安い商品よ?」
日向雛 :
「そ、そうなんですか~……?」
日向雛 :
「どうしましょう……これは流石に手が届きません……かわいいけど……っ」
メアリー :
「それ見なさい」何故か勝ち誇ったような表情
メアリー :
「……ま、もともと廃棄予定だったし、お代は結構」
メアリー :
「それあげるから、さっさと帰りなさい」
日向雛 :
「え!?い、いいんですか!?」 紙袋とメアリーの顔を交互に見て
メアリー :
「ええ、構わないわよ」
メアリー :
「……さ、もう用事は済んだでしょう? さっさとジャスとティティの元に帰りなさい?」
日向雛 :
「うーん……」 しかし帰ろうとはせず、その場に立ったまま二つのシュークリームを眺めている
メアリー :
「今度は何……? 保冷剤入りの紙袋に入れてないと、すぐ溶けちゃうわよハリネズミ……?」
日向雛 :
「せっかくだし、一緒に食べませんか?ハリネズミさん、二つありますしっ」
メアリー :
「はあ……? 一緒に食べる……? 私とあなたで……?」
日向雛 :
「はい!」
日向雛 :
「持ち帰っても、ジャスさんとティティさんとわたしじゃ三人で分けて食べられないですし……」
日向雛 :
「それにわたし、実は買い物じゃなくてメアリーさんとおしゃべりがしたいな~って思って来たんですよ~」
メアリー :
「私とお喋り? 何を言ってるの? 」
メアリー :
「硝子化事件は終わって、契約も終わったハズでしょ? もう話すことなんてないわよ?」
日向雛 :
「違いますよ~。契約とか関係無く、お友達として普通におしゃべりしたいだけですっ」
メアリー :
「お友達……? またそれ……?」
日向雛 :
「はい!メアリーさんには否定されちゃいますけど、わたしはそう思ってますから……」 えへへのへと照れたように笑って
メアリー :
「…………」
メアリー :
「……………………はあ、まったく」溜息をつくと、
メアリー :
部下に撤収指示を出し、踵を返す。
日向雛 :
「わあ!?メアリーさん!?そんないきなり帰らなくても……!」
メアリー :
「……別に、帰るなんて言ってない」
メアリー :
「…………ほら、場所を変えるわよ? 話したいんでしょ、私と?」
日向雛 :
「え……」 一瞬、驚いて
日向雛 :
「……はい!お話したいです!ありがとうございます、メアリーさん~」 嬉しそうに笑って、メアリーに抱き着こうとする
メアリー :
「……別に、こっちも気になっている事がないでもないだけよ」今度は抱擁をスッと躱して、すたすた先に歩いていってしまう。
日向雛 :
「わあ!?あぁっと、おっとっと……」 転びそうになるが、紙袋を守るために何とか耐えて
日向雛 :
「ま、待ってくださ~い……!」 慌ててメアリーを追いかける
メアリー :
コツコツと急ぎ足で歩くメアリーを、雛は追いかけることになるだろう。
メアリーには、歩行スピードを相手に合わせようという思いやりはない。
メアリー :
……が、メアリーを追いかけるのは、雛にとって別に困難でもなかった。
何故なら、そもそも歩幅が違う。メアリーの三歩は、雛の二歩だ。
……これを言ったら間違いなく怒られるのだろうが、メアリーが早足で丁度よかったかもしれない。
メアリー :
まだ瓦礫の処分さえ為されていない廃墟を抜け……
吹き飛ばされた天井をビニールで補修したバラック小屋が立ち並ぶ貧民街を抜け……
メアリー :
メアリーが向かうのは、事件の爪痕が残されていない坂の上。
メアリー :
そうして辿り着いたのは、あたりの区画では最も高い廃ビル。
メアリー :
ところどころ亀裂が走っており、鉄骨は剥き出しになっている。
今にも崩れないか心配なところだが、メアリーは躊躇なく、非常階段に足をかける。
メアリー :
「足を踏み外しても、助けてあげないからね」そう言ってスイスイと階段を上っていく。
日向雛 :
「わ、わかりました……」 おそるおそる階段を上って
日向雛 :
「あ、でもメアリーさんが足を踏み外したら、わたしは助けますからね!なので安心して落ちてください!」 両手を広げてキャッチするよのポーズしてる
メアリー :
「安心……? そうなったら、一緒になって落ちる気しかしないわ……?」
日向雛 :
「そんなことありません!わたしを信じてください!」
メアリー :
「…………はいはい」苦笑して歩き出す
日向雛 :
「えへへっ」 にこにこしながら追いかけていく
メアリー :
────そしてやがて、あなたたちはビルの屋上に辿り着く。
メアリー :
ビルの屋上から見る景色は壮観だった。
何故なら、視界を遮るものが何もない。他の高い建物は薙ぎ払われていたのだ。
メアリー :
……見渡せる街並みは"美しい"と言えるものではなかったが、
それでも、復興の為に団結する人々の姿は眩しく映るだろう。
メアリー :
赤錆びたボロボロの手摺りの向こう。
沈んでいく夕日が、地平線の輪郭をグラグラと溶かしている。
日向雛 :
「わあ……!こんなに高いと、景色が凄くよく見えます……!」
メアリー :
「オルタ・スクレイパーほどじゃないけど、良い眺めでしょ」
日向雛 :
「おーい……!お疲れ様でーす……!!」 聞こえるわけもないのに復興してる人々に呼びかけて手をふっている
メアリー :
「お疲れ様って、ここから聞こえる訳ないでしょ……? 一緒になって作業してるんだし、明日になったら会って言いなさいよ……?」
日向雛 :
「あはは、やっぱりそうですよね……!」
日向雛 :
「このビル、メアリーさんはよく来るんですか?迷わずに来ましたけど」
メアリー :
「ええ、私のお気に入りの場所」メアリーはボロボロの手摺りに身体を預けて言った。
メアリー :
……途端、もうとっくに限界を迎えていた手摺りは、ガシャンと大きな音を立てて崩れた。
メアリー :
「あ~……いや、元お気に入りの場所になったわね、今……流石にボロすぎるわ……」後退ると、手についた赤錆びを払いながら
日向雛 :
「えぇ~……!せっかくメアリーさんのお気に入りの場所が知れて嬉しいと思ったところだったのに……!」
メアリー :
「ここには昔に住んでいた分、多少の思い入れがある程度の話よ」
日向雛 :
「まあ……ここに住んでいたんですか?」
日向雛 :
「それなら、手摺りが壊れたくらいで元お気に入りになるわけでもないような……」
メアリー :
「廃ビル住まいっていうのは、良い思い出って訳でもないから」
メアリー :
「あんたも廃ビル暮らしをしてるなら、その不便さは分かるでしょう?」
日向雛 :
「うーん、確かに不便ではありますけれど……」
日向雛 :
「幼い頃からこの街にいるメアリーさんと、今のわたしだと、同じ廃ビルでも不便さは大きく違うかもしれませんね……」
日向雛 :
「わたしは多分、時が経っても良い思い出ではないとは思わない気がしますから……」
メアリー :
「ええ……? タダ同然で仕事している以上、あんたもまともな生活は送れてないでしょう……? それでも幸せだって言うの……?」
日向雛 :
「幸せ……とは分かりませんが、ジャスさんとティティさんがいますから」
日向雛 :
「それに他にも、診療所に来てくれる患者さんもいますしね。皆さんと楽しく過ごせているので、多分悪い思い出とはならないかなって」
メアリー :
「ふ~~ん……やっぱり変わってるわあんた……」言いながら屋上の縁に座り込む
日向雛 :
「ふふっ、よく言われます」 慣れた感じに笑って、メアリーの隣に座り
日向雛 :
「はい、メアリーさん」 紙袋からシュークリームを一つ取り出して
メアリー :
「……どうも、って元々は私があげたモノだけど」シュークリームを受け取る
日向雛 :
「そうなんですよね……!」
日向雛 :
「じゃあ、メアリーさんに感謝しながらいただきますね……!」 もう一つシュークリームを取り出して、両手で持つ
メアリー :
「……感謝とかどうでもいいから、さっさと口に入れなさい。このあたりは鳥も狡猾なの、盗っていかれるわよ」
日向雛 :
「はい!あ、でも……」
日向雛 :
「この子、かわいくて……なんだか食べるのが勿体ないですね……」 ハリネズミをじっと見つめてる
メアリー :
「可愛くないと言えば、まあ、嘘になるけど」一方、メアリーは躊躇なく、ハリネズミを口いっぱいに頬張り。
メアリー :
「……食べ物なんだし、食べなきゃ損でしょう」ごくりと一気に飲み下す。
日向雛 :
「あ、あぁ~……!そうですけれど……!!」
日向雛 :
「そうですけれど~……!!もうちょっと見て楽しんだりとか……!!」
メアリー :
「知らなかった? 食べ物って口で味わうモノよ?」
メアリー :
「ん~……、やっぱりミルクシルクのお菓子は最高ね~……」そう舌鼓を打つメアリーのほっぺには、カスタードクリームがついている。一口で頬張ったせいだろう。
日向雛 :
「……ふふっ。メアリーさん、クリームついちゃってますよ?」 微笑ましそうにそれを見て、指でクリームを取ってあげる
メアリー :
「…………な、何よ、その笑顔」
日向雛 :
「いえいえ、かわいいな~と思って」 そう言って、指についたクリームを舐めて
日向雛 :
「わあ、こういう味なんですね。やっぱり食べなくちゃもったいないかも……!」
メアリー :
「…………」もう一つのシュークリームをいきなりひったくると、雛の口に強引に捻じ込む。
日向雛 :
「あむぐっ!?」
日向雛 :
「もぐもぐむぐ……!ほいひいれす!もごもご……」 とろけた笑顔で食べ続けている
メアリー :
「……恥ずかしいコトを言う口は、しばらく黙っていて」
日向雛 :
「んぐんぐんぐ……」
日向雛 :
「……恥ずかしいこと?そんなのわたし言いました?」 食べ切ってから、小首を傾げる
メアリー :
「自覚なし?」溜息をつきながら、手についたカスタードクリームをどうしようか思案している。
メアリー :
「……はあ、分からないなら分からないで結構だけどね」言いながら雛のほっぺに手を伸ばす。
メアリー :
それからクリームで「バカ」と書く。
日向雛 :
「……?あれ?もしかしてクリーム取ってくれました?でもなんか変な感じがするような……」 鏡がないから確認できない
メアリー :
「ぷっ……」その様子を見て笑う
日向雛 :
「え?どうしたんですか~?急に面白そうにしちゃって~」 釣られて笑って
メアリー :
「いえ、本当にバカだと思って」
日向雛 :
「ば、バカじゃないですよ~……!」 困った感じに笑う
メアリー :
「後で鏡を見た方がいいわよ、バカって顔に書いてあるから」文字どおりである
日向雛 :
「え!?そんなまさか……」 慌てて顔を触って
日向雛 :
「あ、やっぱりまだクリームついてましたね?ぺろぺろ……」 指に付いたクリームを美味しそうに舐めてる
メアリー :
「ようやく気付いた? ついてた、というか私がつけたんだけどね?」
日向雛 :
「もう、どうしてそんなことするんですか~」
メアリー :
「さて、どうしてかしら? あなたの一挙手一投足に腹が立ったから?」
日向雛 :
「そんなに怒らせるようなことしましたっけ……?」
メアリー :
「ええ、あなたには自覚なく人を怒らせる才能があるのよ」
日向雛 :
「そうですかね……?」
メアリー :
「そうなの」
メアリー :
「…………」いきなり無言になると、足をプラプラと揺らし、
メアリー :
「……………………ねえ?」不安げに雛に尋ねる。
日向雛 :
「はい?どうしました?」
メアリー :
「あなたは、お喋りしたいって言っていたけど」
メアリー :
「……私と二人で、本当に楽しい?」
日向雛 :
「はい、楽しいですよ!」 即答する
日向雛 :
「メアリーさんは良い方ですし、かわいいですし……!」
メアリー :
「か、可愛いは置いといて……良い方って、ねえ……」
メアリー :
「私、あなたに好かれるような言動してないと思うんだけど……」
日向雛 :
「何言ってるんですか?そんなことありませんよ」
日向雛 :
「さっきだって、わたしにシュークリームを譲ってくれたし、それにこうしておしゃべりに付き合ってくれてるじゃないですか~」
メアリー :
「シュークリームをあげたのは……もともと廃棄予定だったし……」
メアリー :
「買い被りよ……私は所詮、イクサと同じ穴の狢……」
メアリー :
「ああ、あんたはイクサも"良い方"って勘違いしてるんだったわね……」この期に及んで、と肩を竦める。
日向雛 :
「そうですね……メアリーさんが以前おっしゃっていたことを疑っているわけではありませんが、やっぱりこれまでのイクサさんのことを信じたい気持ちもありますから……」
日向雛 :
「それに、戦闘でもその身を挺してわたしやジャスさんを守ってくれたりもしましたし……」
メアリー :
「イクサはあんた達を利用した方が"自分の利"になると踏んだにすぎないわ」
日向雛 :
「うーん、そうなんですかね~……」 困った風に小さく笑って
日向雛 :
「でも、わたしはやっぱりまだイクサさんのことを信じます。まだわたし、裏切られたりしていませんから」
メアリー :
「言ったところで無駄でしょうけど、裏切られたら手遅れよ」
メアリー :
「フェイルの裏切りが、アベルの致命傷になったようにね」
日向雛 :
「その時はその時です!なんとかしますから大丈夫!」 何も恐れていないように笑う
メアリー :
「……なんとかするって、もう呆れて言葉もないわ」
メアリー :
「そういうとこ、あんたらしいとは思うけど」
日向雛 :
「ふふっ……」
日向雛 :
「そのらしい、ですよ。わたしも、メアリーさんらしいところが好きなんです」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「…………それなら、こういうところも?」
メアリー :
言いながら雛のほっぺをつねる。
日向雛 :
「いひゃひゃ……!やめふぇくらさい~……」
メアリー :
「やめてほしいなら、あんたも……好きだとか可愛いだとか、恥ずかしいコトを言うのはやめなさい……」メアリーの頬は、沈む日の光に当てられて、僅かに紅潮している。
日向雛 :
「べ、別に恥ずかしいことを言ったつもりはないんですけれど~……!」
日向雛 :
「メアリーさんが好かれるような言動してないって気にしてるから、普通に答えただけなのに……」
メアリー :
「う、うるさいわね……」ほぼ八つ当たりだが、雛ちゃんのほっぺを引っ張る
日向雛 :
「ひぃぃん……!の、のび……のびひゃいます……!」
メアリー :
「ぷっ、このまま伸びていったら、いつもより可愛くなるかもしれないわよ?」
日向雛 :
「そんなわけないですよぉ……!」
メアリー :
「そうかしら?」笑顔で手を離すと、
メアリー :
「…………あれ?」とふいに首を傾げる
日向雛 :
「どうしました……?」 ひりひりしてるほっぺたを手で触りながら
メアリー :
「あんたさっき『わたしも、メアリーさんらしいところが好きなんです』って言ったわよね?」
日向雛 :
「言いましたけれど……それが何か?」
メアリー :
「『わたしも、』って何? それだと私も、あんたのあんたらしいところを好いているみたいじゃない?」
日向雛 :
「違うんです?」
メアリー :
「ち、違うわよ!?どうすれば、そんな勘違いができるのかしら!?!?」
メアリー :
「自意識過剰もいいところね!? 再三に渡って、私は言ってるわよね! あんたを友達とか思ってないし、嫌いなんだって!!」
日向雛 :
「え、えぇ~……!!」
日向雛 :
「一緒にシュークリームを食べた仲じゃないですか……!」
メアリー :
「私が好きなのは、ミルクシルクのシュークリームであって、あんたじゃないの!!」
メアリー :
「一緒に食べたから仲良しだとか、もう意味が分からないわよ! そんなのたまたまスイーツバイキングで一緒に居た人にも言えるコトでしょう!?」
日向雛 :
「いえいえ、お店で一緒の時間にいただけの人とは全然違いますよ……!」
日向雛 :
「こんな風にわざわざここまで来て、隣り合って食べてるんですから……」
メアリー :
「ぐ……!」そう言われると何だか恥ずかしくなって、ちょっと離れた位置まで移動する。
日向雛 :
「どうして離れるんですか~……」 近付く
メアリー :
「簡単な話よ、好きでも仲良しでもないから……」じりじり後退るが、すぐ屋上の端の方に到達してしまい、いよいよ逃げ場がなくなる。
日向雛 :
「あ、そんな端っこまでまで行ったら危ないですよ……!戻ってきてくださーい!」
メアリー :
「あ、あんたが近付いてくるから悪いんでしょ」
日向雛 :
「メアリーさんから先に離れたのに~……!」
メアリー :
「それは……あんたがヘンな事を言い出すから……」
日向雛 :
「言ってないと思いますけれど……」
日向雛 :
「ふふっ、どっちかというとさっきからメアリーさんの方が変ですよ~」
メアリー :
「は、はあ!? どこがよ!?」
日向雛 :
「ほら、顔を赤くしたり、慌てて離れようとしたり……」
メアリー :
「赤くなってない!!!!!!」
日向雛 :
「え~?赤いですよ~」 近付いてメアリーのほっぺをぷにぷにつつく
メアリー :
「夕日のせいで、そう見えるだけ! 調子に乗るな!!」手を払いのける
日向雛 :
「の、乗ってません~……!」
日向雛 :
「うぅ、ほんとに夕陽のせいです……?勘違いでしたかね……」
メアリー :
「…………勘違いよ、私やイクサを良い人だと思い込むあたり、あんたの目は節穴なんだから」
日向雛 :
「う、うーん……そこまでご自身のことを否定しなくても……」
日向雛 :
「わたしはメアリーさんのこと、悪い人とは思えないんですけれどね……」
メアリー :
「別に自己否定している訳じゃないわ、悪い人っていうのは何も悪いコトじゃない」
メアリー :
「サラーブでは、そっちの方が自然だからね、ただ……」
メアリー :
「あんたやジャスやティティみたいな奴等とは、住む世界が違うと思って」
日向雛 :
「住む世界が違う?別に一緒じゃないですか?」
メアリー :
「違うわ、全然」
メアリー :
「……あんたみたいなお人好しのバカとは、違う世界の生き物なの」
日向雛 :
「いえいえ、一緒ですよ~」
日向雛 :
「わたし達、同じ世界で、同じ町にいる、同じオーヴァードじゃないですか。何も違いませんよ?」
メアリー :
「…………あんたは単純に物事を捉えすぎよ」
日向雛 :
「そんなことないですよ~……!わたしなりに色々考えて、同じだと思ってるんですから」
メアリー :
「いえ、違う」
メアリー :
「ロクに報酬も貰わず、他人のために働くなんてマネ、私にはできない」
メアリー :
「お友達とかいたコトないから、あんたの言う普通が理解できない」
メアリー :
「用事もないのにお喋りなんて、どうすればいいか分からないし……私のことを好きだとか言って、打算なく近付いてくるあんたを理解できない……」
日向雛 :
「……そうですね。確かに、この街は凄く特殊だから、わたしの母国とは全く違う……理解出来なくても仕方ないと思います」
日向雛 :
「ごめんなさい、色々と困らせちゃって」 申し訳なさそうに小さく笑う
メアリー :
「…………ぇ? ああ、ほ、本当にそうね?」しおらしくなった雛に困惑して
日向雛 :
「なので、これから慣れていってください!わたし、まだまだこの街にいると思うので!」 ぱっと笑って
メアリー :
「は、はあ……? さっきの説明で"違う世界の人間"って理解はしたのよね……?」
日向雛 :
「はい、理解しました!」
日向雛 :
「でも、それってこれから分かり合える範囲での違う世界ですよ。だから慣れてくださいっ」
メアリー :
「どうして、そこまで……あんたにはお友達も足りてるんだし、離れた方がラクでしょお互い……」
日向雛 :
「う、うーん、どうしてかと言われると……」
日向雛 :
「どうしてなんでしょうね?」
メアリー :
「こ、こっちに聞き返さないで」
メアリー :
「さっきも言ったでしょ……分からないわよ、あんたの気持ちなんて……」
日向雛 :
「うーん……やっぱり考えてみても、仲良くしたいな~ってわたしが単純に思ったからとしか言えませんね……」
日向雛 :
「メアリーさんからしたらそれも全然分からないかもしれませんけれど……」
日向雛 :
「これがわたしなので、もう仕方ないんですっ」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「知らないわよ、私と仲良くすることで不幸が降りかかっても」
メアリー :
「"小指"を目指している私には、それ相応に敵も多いんだから」
日向雛 :
「そんなの大丈夫ですよ~。敵が来るなら追い払っちゃうだけですから」 気楽そうに笑って
メアリー :
「……そこまで言うのなら、まあ」
メアリー :
「…………好きにすればいいわ。私が拒んだところで、どのみち今日みたいに会いに来るんでしょうし」
日向雛 :
「はい、好きにします!メアリーさんも嫌じゃないみたいですし!」
メアリー :
「だ、誰がイヤじゃないなんて言った!?!?!?!?」
日向雛 :
「言ってはいませんけど、本当に嫌だったら好きにしていいなんて言わないじゃないですか~」
メアリー :
「…………し、仕方なく、そう言っただけ」言葉に詰まりながら、言い訳を絞り出す。
メアリー :
「来るなって言ったところで、鳥頭のあんたは三歩で忘れるからムダだと思って言っただけ」
日向雛 :
「わたし、鳥頭じゃないですよ~……ちゃんと覚えてます……」
メアリー :
「これまで"止めろ"って言われたことをやってきたクセに、よく言うわ」
日向雛 :
「いえ、ちゃんと覚えた上でやってるだけですから……!」 えへへって笑う
メアリー :
「もっっとタチが悪いじゃない!!!!」
日向雛 :
「えへへ、いやぁ……」 照れたような笑みを浮かべる
メアリー :
「褒めてない!!!!!!!!」雛の頭にチョップを繰り出す
日向雛 :
「いたぁ!!?」
メアリー :
「はあ、まったく……救えないわね……」
日向雛 :
「そ、そんな救えないだなんて……」
日向雛 :
「これがわたしだから、やっぱりそれも仕方ないというか~……」
日向雛 :
「メアリーさんには、もっとわたしのことを知ってもらった方がいいのかもしれませんね……もう鳥頭とかバカとか言われないように……」
メアリー :
「ええ、あんたのことを……? 別に私から知りたいことなんて……」
メアリー :
「ああ、いえ、あったわ一つ」
日向雛 :
「わあ、何ですか?あっ、今日の下着の色ですか?」
メアリー :
「なっ!? そんなわけないでしょ!?!? 何言ってるのよヘンタイ!!!!」
日向雛 :
「ヘ、ヘンタイじゃないです……!だ、だって昔、聞かれたことがあったから~……!!」
メアリー :
「なにその経験……! とにかく、そんなものに興味ないわよ私は……!!」
日向雛 :
「そ、そうでしたか……では何が知りたいんです……?」
メアリー :
「……あんたはどうして、サラーブなんかに来たのかと思って」
メアリー :
「私みたいに流れ着いたならともかく、わざわざ自ら来る理由なんてないでしょ?」
日向雛 :
「あぁ、それなら、わたしには理由があるんです」
日向雛 :
「賢者の石を探しに来たんですよ~」
メアリー :
「……賢者の石? ああ、手の甲に付いていたアレは、サラーブで仕入れたって訳?」
日向雛 :
「いえ、違います。こっちに着いてからは、まだ一つも……。あ、渇望鏡でジャスさんが手に入れたのを見たのが初めてですね」
日向雛 :
「今持ってるこれは、わたしが日本にいた頃に奪い取ったんですよ。UGNから」 袖を捲り、手の甲で煌めく賢者の石を見せながら
メアリー :
「奪い取った……? え、UGNってヒーローを支援している組織みたいな感じだったわよね……? そこから奪い取った……?」
日向雛 :
「はい!必要だったので……」
日向雛 :
「申し訳ないなとは思ったんですけれど、勝手に貰っちゃいました」
メアリー :
「…………そういえば、あんたの古巣はUGNって話じゃなかった? そこから? 勝手に盗ってきたの????」
日向雛 :
「はい、そうですよ~。わたし、組織の裏切り者なんです」 何でもないような笑顔で言う
メアリー :
「あんたもフェイルと似たような……いえ、フェイルより悪質なコトしてるのね……」
日向雛 :
「あ、でもわたし、最初はちゃんと相談したんですよ?」
日向雛 :
「だけど聞き入れてもらえなかったので、奪うしかなくなっちゃって……」
メアリー :
「相談したからってOK貰える訳ないでしょ……賢者の石の引き渡しなんて……」
日向雛 :
「そうですよね……。でも、どうしても欲しかったんです」
メアリー :
「それはどうして? やっぱり金になるから?」
日向雛 :
「いえ、違います」
日向雛 :
「えっと……メアリーさんは、プライメイトオーヴァードってご存じですか?」
メアリー :
「プライメイトオーヴァード……なんだか凄い力を持ったオーヴァード、ってコトくらいは聞いたコトがあるけど……」
日向雛 :
「プライメイトオーヴァードっていうのは、賢者の石を集めるとなれると言われているオーヴァードの進化系です。とはいえ、噂や推測、伝説レベルの存在なんですけれど……」
日向雛 :
「この世の全てのレネゲイドを自在に操れるとされているので、凄い力を持ったオーヴァードというのは間違いではありませんね」
日向雛 :
「わたし、そのプライメイトオーヴァードになりたいんです」
メアリー :
「……何? 力が欲しいって訳?」
日向雛 :
「はい。……と言っても強くなりたいわけではなくて、わたしの欲望を叶えるための力として欲しいんです」
メアリー :
「欲望?」
日向雛 :
「わたし、この世界からレネゲイドを消し去りたいんです」 真剣な目でメアリーを見ながら言う
メアリー :
「…………は?」
日向雛 :
「……あれ?聞こえませんでした~?」
メアリー :
「…………私の耳が壊れてなければ、」徐に立ちあがり、
メアリー :
「レネゲイドを消し去る、って聞こえたんだけど」少し離れた場所から雛を見る
日向雛 :
「はい、そう言いましたよ!なんだ、聞こえてたんじゃないですか~」
メアリー :
「…………意味が、分からないわ」
メアリー :
「この世の全てのレネゲイドを自由に操れるなら、レネゲイドを消し去るコトもできるかもしれない、その理屈は分かる」
メアリー :
「……でも、レネゲイドを消し去って、どうしようって言うの? そんなことをして、あなたに何の得があるの?」
日向雛 :
「得というか……やりたいからやる、というか……」
日向雛 :
「今のこの世界を変えたいから、ですかね……?」
メアリー :
「この世界を、変える……?」
日向雛 :
「えっと、単純に言うとですね」
日向雛 :
「レネゲイドの存在しない、ヒーローもヴィランもいない世界にしたいんです。わたし」
日向雛 :
「そうすれば、もうレネゲイドで争いは生まれないし、誰もジャーム化しないでしょう?」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「レネゲイドの存在こそ、諸悪の根源ってコト?」
日向雛 :
「はい、わたしはそう思っています」
日向雛 :
「レネゲイドが無ければ、失われずに済んだ命がたくさんありますから……」 少し悲しげな眼をして、街を見下ろす
メアリー :
「でも、レネゲイドがなければ、救われなかった命もあるわ」
メアリー :
「そもそも生まれなかった命だって」
日向雛 :
「そうですね……。だけど、失った命の方が多いですよ」
メアリー :
「たしかに、そうかもしれないわね」
メアリー :
「…………あんたの語る欲望は、正直なところ、分からないでもない」
メアリー :
「私も、レネゲイドのせいで、家族を失っているから」
日向雛 :
「やっぱり……。そうなんじゃないかと思いました」
日向雛 :
「わたしもそうです。UGNにいたのは、家族を失ったからですから」
メアリー :
「……そう」
メアリー :
「…………けど、同じ立場の私でも、あんたの行動に納得はできないわ」
日向雛 :
「それは、どうしてです……?」
メアリー :
「あんたは言ったわね、プライメイトオーヴァードは、噂話や伝説レベルの存在だって」
メアリー :
「あんたはその実在さえ怪しいようなコトのために、この最悪の都市で、泥水を啜って生きていくって言うの?」
日向雛 :
「ど、泥水を啜って生きているつもりはありませんけれど……!」
日向雛 :
「でも、他に方法が見つからなかったんです。だから実在するかどうか分からなくても、それに賭けてみるしかないだけですよ」
メアリー :
「そんなの、賭けにもなってない……」
メアリー :
「このサラーブは、温室育ちの日本人なんかが、満足に生きていける環境じゃないハズよ……」
メアリー :
「それなのに、実在さえ怪しいプライメイトオーヴァードになるために、近くにあるかも分からない賢者の石を探して集めるだなんて……」
日向雛 :
「確かにこの街はヴィランだらけでとんでもない街ですし、砂漠のど真ん中ですし、わたしはお金もないし、住むところも酷いものですけれど……」
日向雛 :
「正直なところ、わたしはUGNにいた頃の生活の方が精神的には辛かったですよ?」
メアリー :
「サラーブより辛かったって……」
日向雛 :
「わたしは、UGNでもジャーム化したヒーローを処分する部隊にいましたから……」
日向雛 :
「今まで活躍していた人気のヒーロー達を裏で殺して、その後情報を隠蔽するためにテレビでは存在しないものとして扱われて、世間から忘れられていく彼らを思うと……」
日向雛 :
「とても辛かったですね……」 言いながら、誤魔化すように小さく笑う
メアリー :
「…………っ」
メアリー :
「だ、だとしてもっ」
メアリー :
「もし本当にプライメイトオーヴァードが実在して、永く苦しい旅路の果てになれたとしてもよ」
メアリー :
「あんたが世の全てのレネゲイドを消し去るとして、その反動はどうするの?」
メアリー :
「あんたも知っているハズよ、あれだけの力を誇った鏡も、限界を超えたレネゲイドによって壊れてしまった」
メアリー :
「…………自殺行為よ」
日向雛 :
「そうかもしれませんね~……消し去り方は、プライメイトの力で強化されたウロボロスシンドロームの力で全部吸収することになるのかもしれない、と思っていますから……」
日向雛 :
「ふふっ、その時はわたし、爆発でもしちゃうんでしょうか?」
メアリー :
「────────ッッ!!!!」衝動に任せて、雛の胸倉を掴む
日向雛 :
「わあ!?!?ど、どうしたんですか……!?」
メアリー :
「ふざけないでよ……っ」
メアリー :
「自分が死ぬかもしれないっていうのに、何をヘラヘラしてんのよ……っ!!」
日向雛 :
「ご、ごめんなさい……!わ、わたし、間違っちゃいましたね……!その、ずっとメアリーさんが怖い顔してるから、和ませようかと思って……!」
メアリー :
「そう、よ……あんたは間違えてるわ……」
メアリー :
「言動から欲望から、何もかもが全て……」
メアリー :
「あんたは前に『ヒーローもヴィランも変わらない』って言ったわよね……」
メアリー :
「それはその通りよ、ヒーローもヴィランも、自分のエゴを振り回す人間……」
メアリー :
「人間なら誰しも、自分のために……そうでなくても、自分が愛する何かのために、戦うものでしょう……」
メアリー :
「マヤもヴァニタスもきっとイクサも、アベルだってそう!!」
メアリー :
「どんなに敬虔な信徒でも、死後の安寧のために、つまりは自分のために祈っている!」
メアリー :
「……なのに、あんたは何!? あんたのエゴは他のやつらと違って、自分のためにもなってない!!」
メアリー :
「自分が死ぬ、って話で笑わないでよ!! 」
メアリー :
「誰しも自分のために生きないとウソでしょう!! 自分の生にしがみつかなきゃダメでしょう!?」雛の体を揺さぶりながら、早口で捲くし立てる。
メアリー :
「あんたの願いは正しいのかもしれない……けど、一人の人間としては最低よ……」
日向雛 :
「め、めあっ、メアリーさっ、お、落ち着いてくださいぃ~……!」 揺さぶられながら
日向雛 :
「か、勘違い、勘違いしています……!多分……!!」
メアリー :
「勘違い……? 何処が勘違いだって言うの……!!」未だ怒気を孕んだ声
日向雛 :
「わたし、自分が死ぬ気はありません……!自分だけじゃなくて、他の人達も……!レネゲイドを奪うことで、死なせる気なんてないんです……!」
メアリー :
「はあ? 反動で死ぬかもしれないのは確かでしょう?」ようやく胸倉から手を離す
日向雛 :
「た、確かにそうです。わたしはもしかしたら、死ぬかもしれません……」
日向雛 :
「だけど、もしそうなったら……死ぬ前に、諦めます。きっと」
メアリー :
「…………諦める?」
日向雛 :
「はい。プライメイトオーヴァードになれても、自分が反動で死ぬなら……諦めます」
日向雛 :
「爆発するって言ったのも、冗談じゃないんです。わたしが死んで、溜め込んだレネゲイドが世界中に飛び散ってしまったら……意味がありませんから」
メアリー :
「欲望が叶わないから諦めるって訳?」
日向雛 :
「残念ですが……仕方ありません」
日向雛 :
「わたしはまだジャームではありませんから、その選択肢も取れるはずだと思います……」
メアリー :
「……………………」
メアリー :
「私が言いたかったのは、そういうコトじゃない……それだと『仮に自分が死ぬことで欲望が叶うのなら実行する』って聞こえるわ……」
日向雛 :
「そ、そんなことは……」 言い淀み、目を逸らす。実際にそんな状況があり得たとしたら、否定は出来ないというようだ
メアリー :
「────見なさい」雛の頭を強引に掴むと、復興が続くサラーブ郊外の街並みに向ける。
日向雛 :
「わあっ」 そちらを向かされる
メアリー :
「ジャスとティティは、あんたとの未来のために復興を頑張ってるのよ」
メアリー :
「それなのに、あんたが勝手に未来を手放すのはあんまりでしょ」
メアリー :
「…………愛された責任、取りなさいよ」手を離して
日向雛 :
「ひぃん……」
日向雛 :
「で、でもわたし、別に未来を手放したいわけじゃ……」
メアリー :
「自分の命と欲望、ふたつを天秤にかけた時、欲望を取るのなら同じことよ」
日向雛 :
「だけどそれって、まだ分からないことじゃないですか~……」
日向雛 :
「メアリーさんのおっしゃることは分かるんですけれど……。そ、そんな決めつけなくても~……」
メアリー :
「大事なところよ、曖昧にしないで今決めて」
メアリー :
「……『自分の命を第一に考える』って言って」
日向雛 :
「……………………」
日向雛 :
「……分かりました。ちゃんと、自分の命を第一に考えます」
日向雛 :
「それで、もう安心ですか……?」 おそるおそる聞く
メアリー :
「…………うん、よかった」自覚はないだろうが、心から安堵した表情で、胸を撫でおろしている。
日向雛 :
「……ごめんなさい、心配かけさせて……怒らせちゃって」
日向雛 :
「でも、わたしの欲望を聞いてそんな風に心配されたのは初めてだから、ちょっと嬉しかったです」
日向雛 :
「ありがとうございます、メアリーさん」 微笑みかける
メアリー :
「べ、別に心配した訳じゃ……!! 単にあんたの欲望が気に入らなかっただけよ……!!」
日向雛 :
「え、違うんですか……?心配してたようにしか見えませんでしたよ?」
メアリー :
「~~~~っ……!! う、うるさいわね、このバカ!!!! 節穴!!!!」
日向雛 :
「ひぃん……!どうしてまた怒るんですか~……!!」
メアリー :
「そんなの知らないわよ!!」
日向雛 :
「し、知らずに怒らないでくださいよ~……!」
メアリー :
「……と、とにかく! もしウソだったら、あんたが死ぬ前に私が殺すからね!! わかった!?」
日向雛 :
「それ、なんだか言ってること矛盾してませんか~……?」
メアリー :
「気持ちの悪い聖人気取りの欲望と比べたら、矛盾の内に入らないわよっ」
日向雛 :
「き、気持ちの悪い聖人気取り……そこまで言わなくても~……」
メアリー :
「ふん、何も言いすぎなんかじゃないわ! けど、お気に召さないなら言い方を変えてあげる! この"大馬鹿者"!!」
日向雛 :
「えぇ~……!馬鹿じゃないですよ……!」
メアリー :
「それならバカ以外の何だっていうの? 自分のことも友達のことも顧みず、赤の他人のために犠牲になることが!!」
日向雛 :
「い、いやいや……ちょっと待ってください、メアリーさん……!」
日向雛 :
「別にわたし、自分が犠牲になりたいってわけじゃないですよ……!?」
メアリー :
「ついさっきまで、ほぼ同じようなコトを言ってたでしょ!」
日向雛 :
「い、言ってませんよ~……!自分が死ぬなら諦めるんですし……」
日向雛 :
「それに、自分が死ぬことで願いが叶うなら実行するって言うのも……そんな状況中々ないんじゃないかな~……って……」
日向雛 :
「だからメアリーさんは色々と重く考えすぎというか……ね?」 えへ、と笑う
メアリー :
「…………」笑顔の雛を睨む
メアリー :
「可能性の大小の話じゃなくて、ハナから選択肢に入れるのがおかしい、って私は言ったのよ?」
メアリー :
「自分の命を大事にするつもり、本気であるんでしょうねえ?」
日向雛 :
「あ、あります!ありますよ!ありますし、元から大事にはしてたつもりなんですけれど~……」 メアリーから目を逸らしながら
メアリー :
「……目を逸らすところが怪しい」また雛の顔を掴んで
メアリー :
「私にウソはやめて」今度は自分の方を向かせ、瞳を覗き込む。メアリーは、このサラーブで信じられた唯一の相手には、雛だけには、嘘をつかれたくなかった。
日向雛 :
「うぅ……。嘘をついてるつもりもないんですけれど……」 少し申し訳なさそうに目を見て
日向雛 :
「……っていうか、メアリーさんは嘘を見抜けるって最初に会った時言ってたじゃないですか!それならわたしが怪しくないってことも分かるはずです!」
メアリー :
「…………うっ」
日向雛 :
「ほら、なので能力を使ってくれればわたしが嘘ついてないって安心出来るはず……!」
メアリー :
「あ、アレは……その…………」
メアリー :
「初めて会うヴィラン達に、ウソで騙されたくなかったから……先手を取ってウソをついたというか……」
日向雛 :
「え……!?そうだったんですか!?」
日向雛 :
「全然気付きませんでした……。メアリーさん、嘘がお上手なんですね……」
メアリー :
「ま、まあ……サラーブで育ったんだし、最低限は出来ないと生き残れてないわよ……」
日向雛 :
「そうなんですか……。やっぱり大変な街ですね、ここは……」
日向雛 :
「……あれ?でもメアリーさんは嘘を吐いてたのに、わたしには嘘を吐くなって……なんだか理不尽なような……」
メアリー :
「ああ言えば、こう言う……!!」
日向雛 :
「ひぃん……。だってメアリーさんが自分のこと棚に上げちゃうから~……!」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「そ、それならこうしましょう」
メアリー :
「あんたは前に『姉弟を助けてくれたら、わたしに出来るお礼なら何でもする!』とか言ってたわよね?」
日向雛 :
「え、言いましたっけ?もう二週間以上も前のことだからちょっと記憶が曖昧に……」 小首を傾げる
メアリー :
「大物政治家みたいな言い訳を使うな!!!!!!」
日向雛 :
「そ、そんな言い訳のつもりじゃ……!ご、ごめんなさい、多分言いましたね……!」
メアリー :
「そう、言ったのよ」
メアリー :
「……マヤの記憶喪失が伝染した? いや、あいつは意外と大事なコトは覚えてるし、あんたの元々の鳥頭が原因ね?」
日向雛 :
「だ、だって~……ここ最近色々あったから~……」
メアリー :
「……とにかく、その色々を解決した"お礼"がまだよね?」
日向雛 :
「うぅ……そうなりますね……」
メアリー :
「よしよし、いい子よ」やりこめたという喜びを込めて、にやりと悪い笑みを浮かべ
メアリー :
「それなら、契約────いえ、約束しなさい」
メアリー :
「私にウソはつかないって」
メアリー :
「……『自分の命を第一に考える』って言葉は、本当にウソじゃないって」
日向雛 :
「嘘は得意じゃないので、あまり言うことはないと思っているんですけれど……」
日向雛 :
「あの……ちょっと聞いてもいいですか?」
メアリー :
「……何?」
日向雛 :
「メアリーさんの言う自分の命を第一に考えるって、具体的にはどういうことなんでしょう……?」
日向雛 :
「その、プライメイトオーヴァードを目指すことも駄目だったりします……?」
メアリー :
「……む」難しい質問を放ってきたな、と眉を顰める
メアリー :
「そうねえ、ううーん」
メアリー :
「あっ、お友達を基準に考えてみればいいわ!」ぽん、と手をあわせる
メアリー :
「……例えば、ジャスとティティが、その行為をしたら不安になるか!」
日向雛 :
「ジャスさんとティティさんとメアリーさんが不安になるか……ですか?」
メアリー :
「わ、私も自然に……お友達の輪の中に入れるのね……」
日向雛 :
「だってわたしにとってはお友達ですし、たった今不安になっているところですし……」
メアリー :
「まあ、好きにしろって言ったのは私だし……いいけど……」髪をクルクル弄っている
日向雛 :
「わあ、いいんですね……!」 友達であることを否定されなくなって嬉しそうに笑う
メアリー :
「……っ、けど、あんたの行動で不安になってはいないから私は! あまりに馬鹿げた欲望に怒っているだけ!!」
日向雛 :
「えぇ~、そうですか~?確かに怒ってるけど、わたしにはやっぱり、不安になって心配してるようにしか思えないんですけれど……」 にこにこしてる
メアリー :
「う、うるさい! だったら、姉弟が不安になるようなコトに加えて、私が怒るようなコトも禁止!!」
日向雛 :
「い、一気に難易度が跳ね上がりましたね……」
メアリー :
「どういう意味よ!?」
日向雛 :
「だってメアリーさん、おこりんぼだから……」
メアリー :
「…………あら、そう」笑顔に切りかわる
メアリー :
「笑顔がお望みだったら、そうしてあげるけれど」にこにこ。満面の笑み。
日向雛 :
「ひぃ……こ、こわいです……普通にしててください~……」 小さく震える
メアリー :
「……ふん」
メアリー :
「で、わかった? どういうコトが自分を大事にするってコトなのかは?」
日向雛 :
「そうですね……なんとなくですが分かりました」
日向雛 :
「メアリーさんがずっとわたしのことで怒ってくれてますから……」
メアリー :
「……あんまり怒らせないでよ、好きで怒っている訳じゃないんだから」
日向雛 :
「すみません……」
日向雛 :
「ジャスさんやティティさんを不安にさせるようなこと、メアリーさんが怒るようなこと……もうちゃんと分かってると思います」
日向雛 :
「たぶん……」 付け足して
メアリー :
「多分??????」
日向雛 :
「いやその、完璧に分かったと言うとなんか嘘っぽい気がして……!」
メアリー :
「まあ、確かに」
メアリー :
「────で、約束してくれるの? 自分の命を第一に考えるって」
メアリー :
「誰かのためじゃなく、お友達のために……自分のために生きるって……」
日向雛 :
「も、元から自分のために生きているつもりなんですけれどね……」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「本当にそうなら、私のこれは……それこそエゴなのかしら……」俯いて呟く
日向雛 :
「メアリーさん……?」
メアリー :
「死なれるのがイヤだからやめてほしいだなんて、私の自分勝手……他人から勝手に生き方を決められる義理はないわよね……」
日向雛 :
「メアリーさん……あの……」
日向雛 :
「わたし、別に……メアリーさんが自分勝手なことを言っているとか、勝手に生き方を決められているとか、そんな風には思っていませんよ……?」 俯いた顔を覗き込むように見て
メアリー :
「でも……」目を逸らす
日向雛 :
「だって、わたしのことを心配して必死に言ってくれているのは充分伝わっていますから……」
日向雛 :
「あの、なのでこっちを見てくれませんか?」
メアリー :
「…………」顔を上げて、雛の目を見る。
日向雛 :
「あの……約束のことなんですけれど」
日向雛 :
「わたし、自分の命は大事にします」
日向雛 :
「元々死にたいわけじゃないですし、メアリーさん達を悲しませたいわけじゃないですから……」
日向雛 :
「ただ、その……わたしはそう思ってはいるんですけれど……」
日向雛 :
「なんとなく、メアリーさんが望んでいるのは、わたしの考えていること以上というか、わたしの気持ち以上のことなのかな~って気がするんですよね……」 困ったように笑う
日向雛 :
「やっぱりわたし、バカで鳥頭なのかもしれません」
メアリー :
「何を今更……周知の事実じゃない……」
日向雛 :
「あはは、ですよね……」
日向雛 :
「……なので、わたし決めました」
日向雛 :
そう言って突然、メアリーの両手を取り、
日向雛 :
「メアリーさん。もしわたしが約束を破りそうなことをしたら、その時怒ってくれませんか?」
日向雛 :
「そうすれば、バカなわたしでも分かります!もしメアリーさんに怒られたら、ちゃんと止まりますから!」 自信満々に笑う
メアリー :
「…………」いきなり手を取られ、一瞬フリーズする。
メアリー :
「えっ、と……それって…………」
メアリー :
「ず~っと一緒にいろって……、そう言ってるの……?」
日向雛 :
「え?あ、そうですね……!わたしのこと、ちゃんと見ておいて欲しいですから……!」
日向雛 :
「ずっと傍にいてくれたら助かります!」
メアリー :
「あ~……傍にいてほしいなら、ジャスやティティの方が適任だと思うんだけど……?」
日向雛 :
「……?どうしてそこでジャスさんとティティさんの名前が出て来るんです?」
日向雛 :
「今話してるのは、わたしとメアリーさんの問題なのに……」
メアリー :
「そ、それはそうだけど……」
メアリー :
「まあ、わかった……わかったわよ……」
メアリー :
「それなら一緒にいてあげる……、あんたがバカしでかさないよう、近くで見ていてあげる……」
メアリー :
「って、またいつかの日みたいにプロポーズ染みた台詞を言って……、恥ずかしいコトを言うの、禁止してたわよね……?」
日向雛 :
「へ……?今のってそんな恥ずかしいことでした?」
メアリー :
「……どっか落とした? 羞恥心? 探してあげましょうか?」
日向雛 :
「お、落としてません~!」
日向雛 :
「というかわたし、ちゃんと真剣に考えて言ったのに~……」
メアリー :
「…………」
メアリー :
「怒ってほしいって、そもそも私が要求する側だったわよね? いつのまにか、立場が逆転してない?」
日向雛 :
「そういえばそうですね……?でもよくないですか?メアリーさんも良いって言ってくれてますし……!」
メアリー :
「そう、ね」雛に取られていた右手を優しく解いて、
メアリー :
「……それなら改めて、約束しましょう」小指を差し出す
メアリー :
「私はずっと、あんたの傍にいてあげる」
メアリー :
「もしあんたがあんたのエゴを通そうとするなら、私も私のエゴを通してあげる」
メアリー :
「────から、だからっ! あんたも私の傍にいてっ!!」
日向雛 :
「メアリーさん……」
日向雛 :
「そんなに大きな声で言わなくても、わたし、聞こえてますよ~……?」 その様子が可愛くて、なんだかクスッと笑ってしまう
メアリー :
「う、うるさいわねっ!! で、どうなの!?」小指をつきつける
日向雛 :
「えへへ、もちろん傍にいます!約束しますね、メアリーさん!」 小指を結ぶ
メアリー :
「……ん、今度こそウソじゃないわね?」
日向雛 :
「ま、前も嘘ついたつもりじゃありませんよ……!?」
メアリー :
「それなら、いいけど」
メアリー :
「……ふ、やっぱり我を通してこその"小指"よね」固く結んだ小指を眺めて、小さく呟く
日向雛 :
「え?メアリーさん、まだ小指ではないですよ~?」
メアリー :
「……そういう意味じゃない」
日向雛 :
「あれ……?」 勘違いだったと不思議そうにして
日向雛 :
「でも、指切りまでするなんて……」
日向雛 :
「メアリーさんって、わたしのことが大好きですよね……!」
メアリー :
「なっ……!?」
メアリー :
「ち、違う! 何度も言ったでしょう!? あんたの欲望が気に入らないだけで────」その言い訳は、もう苦しい。ずっと一緒にいてほしい、だなんてシュークリームより甘い台詞を吐いておきながら、通じる言い訳ではない。
日向雛 :
「ふふっ、そうでしたっけ……」 にこにこ笑いながら指を離して
日向雛 :
「ところでメアリーさん、あれを見てください」 そう言って、街の方を指さす
メアリー :
「ところでって……、何……?」雛の指を目で追う
日向雛 :
「……えいっ!!」 自分から視線が外れた隙に、メアリーに抱きつく
メアリー :
「きゃあっ!?」無防備に抱き着かれ、後ろに倒れこんでしまう
日向雛 :
「わあ……!!」 一緒に倒れて
日向雛 :
「メアリーさん、大丈夫ですか~?」 メアリーが痛くないように、抱きしめたまま聞く
メアリー :
「大丈夫……」
メアリー :
「じゃないわよ……!! な、何!? いきなり……!? 一緒に屋上から落ちても知らないわよ……!?」跳ねる心臓を撫でつけながら答える
日向雛 :
「落ちなかったじゃないですか~」
メアリー :
「だとしても、大丈夫ってワケじゃ……」
メアリー :
「ていうか、本当に何のつもりよ……?」抱き締められたまま、抵抗はしない
日向雛 :
「メアリーさんがわたしのことあんまり大好きだったので……」
日向雛 :
「わたしもメアリーさんのことが大好きってことを、行動で示そうかと思って!」
メアリー :
「あなたのコトが大好き……? さっきもそう言っていたけど、都合の良い妄想で、私の気持ちを代弁しないでもらえる……?」
日向雛 :
「え?妄想じゃないと思うんですけど……」
日向雛 :
「今だって、嫌がらずにずっと抱きしめられたままじゃないですか~。ほらほら~……!かわいいですね~……!」 そう言ってメアリーの顔を胸元に埋めるように抱きしめてる
メアリー :
「んぐ……!? こ、この……! 言わせておけば……!!」雛の胸元でモゴモゴしながら抵抗の素振りを見せる
日向雛 :
「えへへ~。わたし、メアリーさんよりお姉さんですからね~」
日向雛 :
「大好きなわたしにいくらでも甘えていいんですよ~」 完全に調子に乗ったように笑って、メアリーの頭を撫でている
メアリー :
「たったの1歳差で……!! お姉さん振るな……!!」遂に雛を押しのけると、今度は逆に雛を地面に押し倒す
日向雛 :
「いたぁ!?」
メアリー :
「はぁ、はぁ……分かったか……」雛に馬乗りになって
日向雛 :
「うぅ、何も分かりませんよ~……どいてください~……」
メアリー :
「どいたら、また撫でようとするでしょう」
日向雛 :
「そうですけど……?」 きょとんとして
メアリー :
「それが恥ずかしいからイヤだって言ってるの!!!!」
メアリー :
「そもそも、あんたを大好きっていうのは勘違いだから!」
メアリー :
「……それはまあ、嫌いっていうワケじゃ、ないかもしれないけど」小声
日向雛 :
「嫌いじゃないってことは……好きってことじゃないんですか……?」 至近距離だから聞き取れた
メアリー :
「…………」
メアリー :
「うるさいわね……あんたも私を大好きだって言うのなら、少しは察しなさい……」
日向雛 :
「だから察してこういうスキンシップをしたんですよ……!」
日向雛 :
「わたしは空気が読める日本人ですから!」 自信たっぷりに言う
メアリー :
「読めてない!!!!!!」
メアリー :
「あと統計的に日本人は空気を読めない!! アベルもあんたも!!!!(メア調べ)」
日向雛 :
「そ、そうですか!?」
日向雛 :
「おかしいですね……日本人はよく空気が読めるし礼儀正しいって外国人から思われがちのはずなんですけれど……」
メアリー :
「そのイメージ、あんたら二人で覆ったわよ完全に!!!!」
日向雛 :
「そんな~……」
日向雛 :
「それならもう、仕方ないですね……。撫でたりしないんでどいてください……」
メアリー :
「…………まったく」大人しく立ちあがる
日向雛 :
「よい、しょ……。メアリーさんは困った子ですね~……」 起き上がって
メアリー :
「……それはどうも、あんたほどじゃないわ」
日向雛 :
「えへへ……」 照れ笑いして
メアリー :
「褒めてない」
日向雛 :
「なんだかそれ、いつも言われる気がします!」
メアリー :
「奇遇ね、私もいつも言っている気がするわ」
メアリー :
「……というのも、全てあなたに原因があるんだけどね?」
日向雛 :
「いえ、それは勘違いですよきっと」
メアリー :
「よく堂々と言えたわね」
日向雛 :
「だってそういうことにしないと、わたしがバカって言われているみたいで~……」
メアリー :
「言われているみたい、じゃなくて、常日ごろから言ってるのよ?」
日向雛 :
「ひぃん…………」
メアリー :
「…………ふふ」穏やかに笑う
日向雛 :
「えへへ……。じゃあ、そろそろ帰りましょうか?」 立ち上がる
メアリー :
「……ええ、そろそろ暗くなって、このあたりは治安が悪くなるわ」
メアリー :
「はあ、こんなに長々と話す予定はなかったんだけどね」
日向雛 :
「誰のせいでこんなに長くなったんでしょう……?」
メアリー :
「あんたがバカなことを言い出すからでしょうが……!!」
日向雛 :
「え!?わたしですか!?メアリーさんじゃなくて……!?」
メアリー :
「…………」首元の鎖に手を掛ける
日向雛 :
「わあ!?や、やめてください!やめてください~……!!」 慌てて鎖に触れる手を掴んで止める
メアリー :
「寂れたビルの屋上に、風見鶏の一つでも作ってやろうと思ったんだけど……それなら止めておこうかしら……」鎖から手を離す
日向雛 :
「よかった……ありがとうございます……」
日向雛 :
「あ……そうだ。メアリーさんのおうちってどっちにあるんですか?」 街を見下ろしながら聞く
メアリー :
「は? 家? ……ウチの事務所なら、あっちだけど」大雑把に指差す
日向雛 :
「わあ、あの辺りなんですね!じゃあ、行きましょうか!」
メアリー :
「……? 行くって……?」首を傾げる
日向雛 :
「メアリーさんのおうちですよ?」 真似するように首を傾げる
メアリー :
「……私が聞きたかったのは、どうして当然のように、私の家まで付いてこようとしてるのか、ってコトなんだけど?」
日向雛 :
「今日はメアリーさんのおうちにお泊りさせてもらおうかと……」
メアリー :
「はあ!? どうしてそうなるのよ!?」
メアリー :
「帰りなさいよ、自分のボロ部屋に!!」
日向雛 :
「ボ、ボロ部屋じゃないです!診療所です!!」
メアリー :
「廃ビルを勝手に借りている立場のクセに、よく堂々と言えるわね」
日向雛 :
「掃除はしていますから……」
日向雛 :
「あの、どうしてお泊りさせてもらえないんですか?」
日向雛 :
「さっき、わたしとずっと一緒にいるって約束したじゃないですか~」 やだなあメアリーさんったら、と笑う
メアリー :
「こ、この女……!!」
メアリー :
「その言い分だと、これからずーっとウチで寝起きするつもり……!?」
日向雛 :
「あれ、ダメなんです?」
メアリー :
「何を当然のように!?」
日向雛 :
「だってずっと一緒にいるって言ってましたし……」
メアリー :
「急に同棲生活とか……ええ……」
メアリー :
「ほ、本気で言ってるの……?」
日向雛 :
「まあまあ本気です!でも、いきなり一緒に住むのは困らせちゃうみたいですね」
日向雛 :
「それなら、今日一日だけ!今日だけならどうですか?一日くらいならいけるんじゃないです?」 メアリーにぐいぐい近付いて
メアリー :
「…………むう」
メアリー :
「あのねえ、ウチはあんたが思ってるような快適環境じゃないわよ?」
メアリー :
「そりゃあ、お風呂はバスタブが付いてるし、あんたのところと比較するなら、天と地の差はあるでしょうけど……」
日向雛 :
「わあ……!すごいじゃないですか!」
日向雛 :
「全然快適すぎます!全く何も問題ないですよ!」
メアリー :
「言っておくけど、寝具とか置いてないわよ? 私はいつも狭いソファに毛布をかけて寝てるんだし」
日向雛 :
「じゃあ、うちから毛布だけ持ってきますね~」
メアリー :
「…………何が何でも泊まろうとしてるわ、この女」
日向雛 :
「はい!何が何でも泊まりたいです!」
日向雛 :
「……さ、さすがに本気でダメって言われたら、やめるかもしれませんけれど……」
メアリー :
「…………どうして、そこまでウチに泊まりたいのよ? 別にどこで寝ても大差はないでしょ?」
日向雛 :
「だって、まだまだメアリーさんといっぱいおしゃべりしたいじゃないですか~」
日向雛 :
「せっかく前より仲良しになれたんですし……!」
メアリー :
「……ふ~~ん」
メアリー :
「ほんとに好きなのね、私のコト」
日向雛 :
「はい!メアリーさんのこと、大好きですよ!」 恥ずかしがることなく笑顔で言う
メアリー :
「……分かったから、恥ずかしいコト禁止」
メアリー :
「────けど、まあ? なに? あ~、その、トラブルメーカーのあんた一人で、慣れてない地区の夜道を帰らせるっていうのも気が引けるしい?」
メアリー :
「……そんなに来たいなら、仕方ない、かも」
日向雛 :
「わあ……!やったあ!」
日向雛 :
「ありがとうございます、メアリーさん!嬉しいです~!」 再びメアリーに抱き着こうとする
メアリー :
「……あ~、はいはい、分かったから」今度は避けたりしない。正面からハグを受ける。
日向雛 :
「えへへ~」 嬉しそうにぎゅーっと抱きしめて
日向雛 :
「じゃあ、決まったところで行きましょうか……!」
メアリー :
「……ん、それじゃ、さっさと離れて?」
日向雛 :
「はーい」 素直に離れる
メアリー :
「……よろしい」そう言いながら、少しばかり名残惜しかったような気もしている
日向雛 :
「ふふっ、楽しみですね~。メアリーさんのおうち、お風呂にバスタブまでついてるんですよね?」
日向雛 :
「それなら一緒に入れるし、体の洗いっこも出来ますね!」 メアリーの手を握って
メアリー :
「今度は何言ってるの!? しないわよ、そんなこと!?」
日向雛 :
「しないんですか!?お友達なのに!?」
メアリー :
「あんたのお友達の感覚、やっぱり狂ってると思うのよね」
メアリー :
「……お風呂はプライベートな時間でしょう、一人で入りなさい」
日向雛 :
「そんな~……」
日向雛 :
「分かりました……」
日向雛 :
「多分……」
メアリー :
「その"多分"って付けるクセ、やめなさいよ!?」
メアリー :
「多分じゃなく! きちんと、分かりなさい!!」
日向雛 :
「わ、分かりました~……」
メアリー :
「コトと次第によっては、追い出すからね本当に」
メアリー :
「────分かったのなら、一緒に帰りましょうか」繋いだ手を握り返し
日向雛 :
「はい!」
日向雛 :
「あ、今度は手を繋いでいるから……」
日向雛 :
「もし足を踏み外しても、ちゃんと助けてあげることが出来ますね!」 廃ビルの階段を示して、メアリーに笑いかける
メアリー :
「……あるいは、やっぱり一緒に落ちていくだけだったりして」
日向雛 :
「こ、怖いこと言わないでくださいよ~……!」
メアリー :
「まあ、そんな末路も悪くないんじゃない」バカには相応しいでしょう、と冗談めかして
日向雛 :
「えぇ~……!!」
メアリー :
「ほら、そんなに私が大好きだったら、死ぬ時も私と一緒だと嬉しいでしょう?」にっこり
日向雛 :
「嫌ですよ!さっきは命を大事にって言ってたのに~!」 ふぇーんと困ったように嘆いて
メアリー :
「ふふ、それもそうだったわね」
日向雛 :
「そうですよ~……」
日向雛 :
「ちゃんと生きてくださいね、わたしと一緒に!」 そう微笑みかける
メアリー :
「…………!!」
メアリー :
「ええ、もちろん……! こっちの台詞よ……!!」不安も虚飾も取り払い、本当の笑顔で返す
noname :
────廃ビルを降りると、いつの間にか夕日は沈んでいた。
noname :
都心から外れた郊外に街灯は無い。荒れ果てた街に闇が広がる。
noname :
しかし、二人の少女が立ち止まることはない。
noname :
悪徳が蔓延る闇の街を、迷うことなく歩いていく。
noname :
黄金の髪を星明りで輝かせ、お互いの存在を道標にして……。
Scene18 都市に反する
GM :
……決戦からおよそ1週間。イクサはエトワールファミリー傘下にある診療所のベッドの上にいた。
GM :
偽りとはいえ、ヴィランの王たるアベルに負わされた傷はあなたの自然治癒力では回復に心許なく、こうして中期の療養期間を設けているのであった。
イクサ :
イクサはベッドの上で身を起こし、窓から病室に容赦なく差し込む砂漠の光をぼんやりと見ていた。
治療と称して各"子供達"の装備を解除されたイクサは現状、何もできない籠の鳥に等しい。
GM :
茫然と外を眺めるあなたの病室の扉をノックする音が響く。
エトワール :
「イクサ、起きているかい?」 声の主はエトワールだ
イクサ :
「どうぞ。起きているわ。」
エトワール :
「やあ、前よりかは元気そうだね」病室に入り、あなたの姿を一瞥して
イクサ :
「そうね。この1週間、治療を受ける以外出来ることはなかったのだし。」
嫌味のようで、口調にはあまり棘はない。
エトワール :
「その様子だと、少しは余裕を持てているようだね。少し前なんて見たことのない切羽詰まった表情をしていたものだから……」
イクサ :
「そうだったかしら?」
「ええ……今は確かに穏やかな心境ではあるわね。」
エトワール :
「私の依頼を達成できなかったから動揺していた訳ではなさそうだしね。大方、キミの考えは予想できるよ」 肩を竦めて
イクサ :
「ふふ。分かりやすい女になってしまったかしら。」
イクサ :
「エトワールさん? ここで時を止めているのも悪くはないけれど……」
「それでも、あの事件がどうなったか聞かせてほしいわ。」
エトワール :
「ふむ、事の顛末か……。いいよ、色々と話してあげよう」
エトワール :
「さて、話すとしても今回の事件はとても複雑なものだったからね。イクサの聞きたい話題を話していこう」
エトワール :
何を聞きたい?と目配せしている
イクサ :
「単純な事だけよ。」
「関わった人間……アベル、ストレイ、フェイル。」
「マヤ、ヴァニタス、メアリー、雛……。」
「あの子たちが生きているのか、これからどうすることにしたのか……」
イクサ :
「そして、私。」
「イクサ・スミェールチはこれからどうなるのか。」
エトワール :
「そうだね……。まずヴァニタスくんはいつもと変わらないね。ただ、いつもりより降りてくる頻度が若干多くなった、そんな気がするよ」
エトワール :
「友達でもできたのかな?」
イクサ :
「そう。相変わらずの自由気ままね。」
アールごと狭間から出てきたのはなんとか覚えているので、運び出せたのは彼女によるものだろうと考えると、無事であるだろうことは予測できていた。
驚くこともなく、続きを促す。
エトワール :
「……メアリーくんは新しく社用車を買ったみたいでね。今は復興中の区画で移動販売をしているよ。自身の宣伝を兼ねているようだけど……効果の程は後にならないとわからないね」
イクサ :
「………あら。復興中の作業人員を狙った商売かしら。」
「意外とちゃっかりしてるじゃない。」
エトワール :
「作業員、被災者問わず対象にしているようだね。嗜好品の供給は程よいガス抜きにもなっているみたいだ」
エトワール :
「ああ、ついでに雛くんもジャスくんの手伝いついでに遊びに来ているみたいだ」
イクサ :
「…………。そう。」
「あれだけの力を個人で振りかざしておきながら、あの子たちはマトモな生活に戻った、と。」
イクサ :
「……あの子たちの話は今はもういいわ。」
「マヤはどうしているかしら。」
エトワール :
「そう言うと思ってね、最後に回していたさ」
エトワール :
「……彼も無事だ。最近はストレイと共にサラーブを散策……いや、観光と言った方が正しいかな?」
エトワール :
「うん、都市の各所を観光しているらしい。マヤにとっては地元を紹介しているようなものかな?」
イクサ :
目を閉じてこめかみを押さえる。
あの後マヤが義体をどうしたのか、どう修理したのか想像するだけで気が遠くなる。
イクサ :
「………結局、誰も彼も元気に帰ってきたというわけね。羨ましいわね。」
「………最後に、アベルはどうしたのかしら。」
エトワール :
「おや、事の顛末はキミ達が見届けたと思っていたけども……」
エトワール :
「……ああ、イクサは気を失っていたのだったね」
イクサ :
「ええ、そうよ。」
状況故か、随分と見下されているな、と思う。
だが何もできない自分の現状では意地を張った所で無意味。
大人しく認める。
イクサ :
「せめてアールのカメラデータがあれば分かったのだけど。」
病院服では"子供達"への通信もままならない。
エトワール :
「キミがお気に入りのアレらはちゃんと保護してあるよ。会うのは退院後になるだろうけどね」
エトワール :
「さて、私からアベルについて言えることは一つだけ……"わからない"ということだ」
イクサ :
病室で顔を合わせて初めて、イクサの眉が動く。
イクサ :
「貴女がそれを追求しないわけがないでしょうに。」
「いいわ。無理に答えなくても。」
エトワール :
「無理して答えている訳ではないさ。ただ、生きているのか死んでいるのか……その定義が曖昧でね……」
イクサ :
「あら。次元の隙間にでも落ちたのかしら。」
「まあでも……。"居る"ということね。」
生きているか死んでいるか分からない、というのはレネゲイドに満ちた世界では稀にあることだ。
イクサもアベルの状況自体にはそう驚かない。
何せ自身が"子供達"を生死の狭間にある存在に変えている側なのだから。
エトワール :
「そうだね、マヤくん達から聞いた限りでは……亀裂の先にあった空間に一人残って崩壊に巻き込まれた。それが事の顛末らしい」
エトワール :
「シュレディンガーの猫というだろう? 箱に入った猫を観測するまで生死が不明というアレさ、アベルは今そういった状態にあるのかもしれないね」
イクサ :
「わかったわ、ありがとう。結末を知らないのが納得いかなかっただけだから。」
イクサ :
「…………。」
それから、黙って外を見る。
今のこの瞬間をただ、感じるように。
イクサ :
「………それで。私は?」
エトワール :
「イクサについては、そうだねぇ」 イクサを眺めながら、足を組んで
エトワール :
「私の依頼が失敗したからといって、咎めるつもりはないし……むしろアベルを討伐してくれたことには感謝しているし……」
エトワール :
「良からぬことを思索しているなんて今更だし、もしもの時はキミを殺せば済むワケだから……」人差し指で頬をトントンと叩きながら、あっけらかんと答える
エトワール :
「私は特に処罰とか考えていないさ、今の所はね」
イクサ :
「今、またとない好機を手放しても構わないくらい、私なんて簡単に殺せる。………そう言いたいのね?」
エトワール :
「ふふ、私が何かおかしなことを言ったかい?」その言葉を首肯するように微笑む
イクサ :
「ふふ。それならお言葉に甘えて。」
「素直に生かされるとしましょう。」
イクサ :
目を閉じて、熱を頼りに窓へ顔を向ける。
イクサ :
目を開く。
サラーブの先、砂漠に沈む夕日の赤が。
虚ろだったイクサの瞳に灯る。
炎と血が作る戦の色。
イクサ :
「──いつか、後悔させてあげるから。」
イクサ :
その熱はサラーブへと。
共に過ごした4人と、エトワールを初めとするサラーブを形作る者たち。
彼ら全ての心を砕くと決めて、彼女の野望はまたゆっくり回りだす。
エトワール :
「……ああ、私を成長させる七難八苦の一つになってもらっても構わないさ」 ともに夕日を眺めてから、ふと自身の懐中時計に視線を落とす。
エトワール :
「ふむ、もう少しで顔を出すハズだけど……」 どうやら誰かを待っているようだ
イクサ :
「人の病室で待ち合わせは感心しないわね?」
自分に対する客人はもういないと決めつけて
エトワール :
「……一言断っておけばよかったね。どうやらスケジュール的に今の時間しか会えないみたいで、ここを指定させてもらったんだが……」
GM :
その直後、"コンコン"とノックの音が病室に響く。
GM :
しかし、それは扉の方からは聞こえない。そのノックは窓の方から聞こえる。
GM :
そして窓の方を見やれば、上の階から窓の縁にぶら下がる人物のシルエットが影となって病室に伸びる。
チェシャ猫 :
「呼ばれて飛び出た。私がチェシャ猫」 夕日に照らされて、若干シルエットになっている
エトワール :
「おや、キミがチェシャ猫くんだね。扉から入ってくれてもいいのに」 窓を開けて招き入れる
イクサ :
「チェシャ猫……ええと、確か……情報屋の方、だったかしら?」
エスによる情報支援が得られないため、自身の記憶を必死に絞り出す。
チェシャ猫 :
「御名答。私も名前が売れて来た」 身軽そうに部屋に入り込む
イクサ :
「私から言うのも何だけれど。情報屋と会うには不適過ぎる場所じゃないかしら?」
自分と、病室前を通り過ぎるストレッチャーの音を示して
エトワール :
「うん、そこまで重要な話をする訳ではないからね」
チェシャ猫 :
「ふむ、それでどうして御客人。私にどんな御用かな」
エトワール :
「では単刀直入に」
エトワール :
「キミ、"0時のティーパーティ"に関する情報を持っているだろう?」
チェシャ猫 :
「知っていることも、知らないこともある」曖昧に答えて
エトワール :
「では、その情報をジャスとティティという姉弟に渡してあげて欲しい。2人が襲われる直前に、ね」
チェシャ猫 :
「……襲撃の話、どこで聞いた。それは私しか知り得ない、知っているのはあり得ない」
エトワール :
「私は縁に恵まれていてね。知ったのはつい先日だけど……」
チェシャ猫 :
「……まあいい。その情報筋、私も掴む」 ムッとした顔を浮かべて
チェシャ猫 :
「その要件、出すもの出せば請け負おう。振込はここだ、早めがオススメ」 懐から出した名刺をエトワールに投げつけて、再び窓の縁に足をかける
チェシャ猫 :
「……イクサ、お前に一つサービスだ」 くるっとイクサの方へ顔を向ける
イクサ :
「まあ、私? 何かしら。」
チェシャ猫 :
「……小指の遺物に興味はあるか」ボソッと呟くように
イクサ :
「ないわ。もう懲り懲りよ。」
そう言いつつ、自分のエトワールから見えない側の手でそっとチェシャ猫の懐を指差す。
──先ほど名刺を取り出した懐を。
イクサ :
「また縁があれば依頼することもあるかもしれないけれど。」
「その件はいいわ。」
チェシャ猫 :
「……また会おう。命があれば、また会える」 さりげなく窓枠に名刺を置き、縁を蹴ってチェシャ猫は病室から姿を消した。
エトワール :
「……小指の遺産、か。どうせ碌な物ではないだろうけど」
イクサ :
チェシャ猫の名刺をこっそり置く所作を見届けて満足する。
小指の遺産に興味がない、なんて。嘘に決まっている。
元より生きて帰れたのなら、アメリカに渡ってでも鏡研究のデータを手に入れるつもりだったのだ。
イクサ :
いずれ彼女に連絡することになるだろう。
エトワール :
「……彼女も商売人だね。よくもあんな情報をチラつかせたものだ……」
イクサ :
「ふふ。なかなか命知らずみたいね。」
イクサ :
「ところで。これは単なる興味なのだけれど……」
イクサ :
「どうしてあんな依頼を?」
「多少の義理はあっても、エトワールファミリーのボスが自ら、街の一端に過ぎない彼らを助けるよう手を回すなんて。」
エトワール :
「ああ、それはね」
エトワール :
「……今のジャスとティティの力量を見定めたいのさ。あの姉弟には素質があるだろうから、少しずつ鍛えさせてあげたい」
イクサ :
「気長な話ねえ。何年かかるのかしら。」
「可能性を引き出すのなら、他にも早いやり方はたくさんあるわよ?」
自分の掌をエトワールに見せる。
子供達を兵器の素材へ変換しつづけた手を。
エトワール :
「気長で結構さ、可能性というのは長い時間をかけて模索、思索して導き出すものだからね」
エトワール :
「そういう意味でも、私はまだまだだけどね……。イクサ、キミはどうかな?」イクサ自身の可能性について問う
イクサ :
「…………私に、可能性なんてないわ。」
「丸裸にされてしまえば、何も出来ない。今のように。」
イクサ :
「だから……。」
「摘んで、集めて、焚べるのよ。」
「私の力になるように。」
エトワール :
「ふむ、一概に諦めている訳ではなさそうだね。停滞の道を選んでいたら見限っていたかもだけど、問題なさそうだ」
エトワール :
「……キミはどこへ向かって、どんな結末を迎えるのか。今から愉しみだよ」
イクサ :
「ふふっ。見届けられるといいわね。」
「私も貴女の結末には興味があるから、エトワールさん。」
結末を先に迎えるのはエトワールだと告げる。
エトワール :
「お互いに、精々足掻こうじゃないか。イクサが先に迎えたら寂しくなるかもしれないね」 鼻で笑ってみせる
イクサ :
「あら。そんな薄情なことはしないわよ?」
「一緒にいってあげる。」
クスクスと冗談めかして
エトワール :
「ハハハ、その気もない癖によく言うよ」 笑みを浮かべて見せるが、その目は笑っていない
GM :
……女達の笑い声が病室を満たす。もし傍からこの場面を見た者がいるならば、サラーブに見合わぬ和やかな会話を交わしていると思っただろう。
GM :
実際の所は、お互いの喉笛に刃物を突きつけながら会話しているサラーブ仕草。
サラーブにしてはちょっと上品な罵り合い、それも都市ではよくあることだ。
GM :
─────そうして2人の女は、互いの覇道を突き進む。その道が交わり、譲ることのない争いが起きようとも、2人は決して止まることはないだろう……。
Scene19 都市と日常
GM :
……硝子化事件から数日後。マヤの修理も終わり、十分に動けるようになったある日の夜。
GM :
その日のあなたはストレイを連れて、都市の散策……いや、観光に出ていた。
ストレイ :
「マヤ、あれは何てお店?」
GM :
あらゆる物に興味津々の彼女は、あなたが普通だと思っていたものにすら疑問を投げかける。こんなやり取りをかれこれ数十回は繰り返していた。
マヤ :
「えーと、どれどれ…?あーあの店は武器屋だな、ぁ……まぁ…表向きはただの酒屋なんだけど…」
アイモニターに触れてマップを開き詳細を読み上げる、が(そういえばここ違法か…?)と気付くと表向きの情報を後付けする
ストレイ :
「そうなんだ……。サラーブって色んなものを隠して売ってるんだね……!」
GM :
……以前は俯きがちだったストレイの顔が上を向いている。そのおかげか、ストレイの声質には若干の張りがあるようにマヤは思えた。
マヤ :
(俺が音感ユニット新しくしたのもあるけど、声かなり聞こえるようになったなぁ~)
マヤ :
馴染みの技師に金を叩きつけて頼み込んだため細部のパーツは新しいものになっており、ストレイの声は以前よりかなりクリアに聞こえる。しみじみとそう考えながら彼女の若干後ろを歩いて
マヤ :
「…なんか気になるものあったら店入っていいぜ、まだまだ報酬残ってるし。」
ストレイ :
「ほんと? じゃ、じゃあ……えっと……」 キョロキョロと周りを見渡す
ストレイ :
「あれは……」 ストレイの見つめる先は扇情的なネオンが目立つ看板が掲げられた店……サラーブでも大人向けとされている店だ。
マヤ :
「……あれはストレイにはまだ早いなぁ。」メモリがキュルキュルと音を立てる。どう説明したものかデータを探っていたが、遥か昔に己が遊んだ記憶しかないので誤魔化す方面に決めたようだ
ストレイ :
「そっかぁ……綺麗な色だし、いつか行ってみたいね」 それが何の店なのか、知ることは相当先だろうが……ストレイは期待を込めた笑みをマヤに向ける
マヤ :
「ア、はい。」純粋な言葉に若干の罪悪感を覚えると斜め上を見て気の抜けた返事をかえす
マヤ :
「その時まで覚えてたらな」俺が、と思いながら
マヤ :
「――ってことは、綺麗なもの好きなのか…んじゃ、デカい店じゃないけど~… あーいたいた、ああいう店は?」
マヤ :
マヤが指差す先は、シャッターが降りた店の前に大きなシートを広げアクセサリーを並べている露店だ。だが通常の露店とは違いシルバーから名前の分からない宝石まで数多く並んでおり比較的カラフルに見える。
ストレイ :
「アクセ、サリーだっけ? うん、興味ある!」 シートの上で煌めくアクセサリーに目を惹かれて
ストレイ :
「えっと、こ、こんにちは……」 マヤの手を引いて、露店の店主に挨拶する
GM :
店主は不愛想な表情でマヤとストレイを一瞥して「好きに見て行け」とだけ呟いた。
ストレイ :
「は、はい……えっと、じゃあ……」
ストレイ :
「うーん……マヤはどういうのが、好き?」 色んなものに目移りしているせいか、つい他人に尋ねる癖が出てしまう
マヤ :
「え?俺?…んー、俺はこういうの買ったことなかったからなぁ~」ストレイの横にしゃがむとジッ…と商品を眺める
マヤ :
…すると、視界の端でキラリと光るものに気付く。手に取るとそれはロケットペンダントの様だ
マヤ :
「…あ、これミラーになってんじゃん。」ペンダントの蓋を開けながら
ストレイ :
「それ、鏡?」 横から覗き込んで
マヤ :
「だな、割れてないの初めて見たけど。…あ、鏡イヤじゃない?」
ストレイ :
「まだちょっとだけ気になるけど……嫌ってワケじゃ、ないよ?」
マヤ :
「んじゃ好きになれそうなの探すか~……あ、これとかカワイイんじゃね?」ハート型や星型の物を両手に持って見せてみる
ストレイ :
「これが、カワイイ……」ふんふんと頷きながら両方を見比べて
ストレイ :
「うーん、うーーん……」
ストレイ :
「うーーーん……!」 本気で悩んでいるようで、うんうん唸っている
マヤ :
(めちゃくちゃ悩んでる…)妙な成長を感じながら様子を見守って
マヤ :
「…どっちも買っちゃう?」ふといいことを思いついたように
ストレイ :
「えっ……! そ、そんなことしていいの……!?」
マヤ :
「大人はこういう選択をしてもい~んです。」ふふん、と笑ってみせると店主に2つのペンダントを渡して
ストレイ :
「これが、大人……」ゴクリと唾を飲んで
GM :
店主はマヤからペンダントを受け取ると、指を1本立ててみせた。
店主 :
「2つで1万」 店主はただそう呟いた
GM :
高価なアクセサリーの類いなら、むしろ安い方だろう。
しかし、あなたの目にはそこまでお高いものには見受けられない……。明らかなぼったくりだ。
マヤ :
「え゛っ…嘘だろ!!?」驚愕しつつおもむろにグローブを外すと店主からペンダントを奪いとり
マヤ :
「だってこれ…、全然銀入ってないじゃん??」
奪いとったペンダントに電気を流し強い抵抗を確認する、銀の配合が高ければ伝導率は高い筈だ。未だ電気を通したままのペンダントを左手に下げて店主の顔を見つめる。
店主 :
「あぁ? 純銀じゃねぇからなんだよ、デザインやメーカーのアレだよアレ。だから高ぇんだ」
マヤ :
「……」表情は見えないが、ジト…と店主を見つめたまま彼にペンダントを近づける、ジジジ…と音が鳴り僅かにペンダントに掛かる電気が強くなった気配を感じるだろう
マヤ :
「ちゃ~~~んとした値段つけてくれねぇかな?ま、星型の火傷作りたいなら俺は構わねぇけど…?」
店主 :
「んだっ、テメェ……! 俺を脅すのか……!」 ジリジリと近づくペンダントに腰が引ける
店主 :
「うぐぐっ……わかった、わかったよ! じゃあ、2つで8000……」 それでもまだ高い方だ
マヤ :
「いーやそんな素材じゃない筈だろ?もうひと声~」チリチリと焦げた匂いがする、店主の髪が微かに焼けたようだ
店主 :
「う゛っ……!ろ、ろく、いや……ご、5000! マジで、これ以上は無理だ!」
マヤ :
「――よし、買った!」満足そうに告げると手に下げられたペンダントを引き片手でキャッチする
マヤ :
そしてジャケットの内側から金を取り出し店主に手渡す。
マヤ :
「…いや~優しい店主で助かるな~ ストレイもおじさんにお礼言うんだぞ?」ペンダント2つを手に持ち、ご機嫌な様子で
ストレイ :
「あ、ありがと……?」 会釈程度に頭を下げる
店主 :
「チッ、とんでもねーやつだまったく……」 店主はシートを風呂敷の様に畳んで、ブツクサ呟きながら裏路地の奥へ消えていった
マヤ :
(ぼったくり対策も教えとかないとなぁ~…)純粋なストレイに教えるには少々骨が折れそうだと考えながら店主を見送ると、ペンダント2つを手に持って見せる
マヤ :
「はい、じゃあプレゼント…って2つ付けたらちょっと鬱陶しいか…?」
ストレイ :
「そうだね、じゃあ……」2つのペンダントを見比べて
ストレイ :
「こっち……!」 星形のペンダントを差して
マヤ :
「お、いいね~カワイイじゃん♪」もう熱くないよな…?とペンダントに触れて確認、人肌程度に冷めているのを確認して手渡す
ストレイ :
「えへ、へへへ……」 ペンダントを受け取って、首にかける
ストレイ :
「……これで合ってる?」うなじ辺りを見せるが、留め金の部分が若干緩そうだ
マヤ :
「ん…なーんか取れそうだなぁ、ちょっと後ろ向いてみ?」ちょいちょいと手招きして
ストレイ :
「ん、お願い」ススっとバックで近づいて
マヤ :
グローブ外しといて良かった、などと考えながら留め具を正しく留めて
マヤ :
「よし出来た、これで失くさないだろ。」
マヤ :
「…こっちはどーする?自分で持っとく?」残ったハート型のペンダントを見せる
ストレイ :
「……そうだね、それは……」
ストレイ :
「やっぱり、マヤにあげようかな」
マヤ :
「えっ、俺?いいの?」予想外の答えにポカンとしながら
ストレイ :
「うん、お揃い……思い出の品? みたいな……」
マヤ :
「お揃いかぁ~…じゃ、お言葉に甘えてそうしよっかな こういうの”家族”っぽいし♪」
感慨深そうに残されたペンダントを眺め、慣れた様子で首に付ける
マヤ :
「ハートって結構好きなんだよな~ どう?」首元のペンダントはネオンを反射し、鏡面のように光る
ストレイ :
「うん、似合ってる……! かっこいい、かも」
ストレイ :
「ふへ……マヤと、お揃いだ……」 ぎこちない笑みを浮かべて、ご満悦そうに
マヤ :
ストレイの笑みにつられ若干照れたように笑う
マヤ :
「…あ、じゃあ~お揃い付けて飯でも行くか?いつもより美味いかも。ちょっと歩くんだけど…」
照れ隠しのように話を振ると歩き出す、普段より更に口数が多くなっているのは気のせいだろうか…
ストレイ :
「うん、行こう……! お寿司以外にも美味しいもの、あるかな……!」 ストレイもご機嫌なのだろう、あなたと話していると語尾が跳ねている。
GM :
あなた達の向かったのは、この通りで有名なケバブの店だ。
安価であるが量も多く、味も良いと評判である。店へ近づいてくれば、食欲をそそる香辛料の香りと肉の焼ける音がサラーブの風に乗ってやってくる。
GM :
……ただ、その店で使われている肉が何のものであるか。その肉が安価の秘密である。……などの眉唾ものの噂がついているらしい。
マヤ :
「お、今日だいぶ空いてるな~ 初めて見るだろ?ケバブって食べ物らしいぜ。」
久々に見る寿司以外の食べ物、なんだか新鮮なような気持ちになりながら店の近くまでストレイを案内し 店頭で回るこんがりと焼けた肉を指差す
ストレイ :
「わぁ……この匂い、なんか刺激的だね……? あのお肉を食べるの?」 回転する肉塊を指さして
マヤ :
「あの肉を削いで薄いパンみたいなので挟むんだけど~…あ、今やってるな。ほらアレ。」眺めている傍から1人の客がケバブを注文した、店主は手慣れた様子で肉を削ぎケバブを作っている様子が見える
マヤ :
「美味いんだよな~、アレ…」ついつい懐かしそうに呟く
ストレイ :
「そう、なんだ……」マヤの言葉を聞いて、ついゴクリと生唾を飲み込む
ストレイ :
「……あれ、でもマヤって……」機械の身体で食べられたの?と首を傾げている
マヤ :
「あー…、一応…?いや”アレ”は食べてるって言えねぇか……まぁ、味を知る方法はある。」何やら説明に悩みながら
ストレイ :
「そうなんだ……じゃあ、私がお寿司を食べてた時も?」
マヤ :
「あの時はやらなかったな ビジュがよろしくねぇし…誰かさんが怒りそうだし。」
マヤ :
「…脳波測定器って分かるか…?えーと…この前一緒に見た映画でこういうの繋がってただろ?」自らのこめかみ辺りを両手で軽く押さえ機械の構造を表現する
ストレイ :
「うん……。マヤはそれが出来るってこと……?」
マヤ :
「そんなカンジ、味が合ってるかは分かんねぇけど”美味い”って事ぐらいなら分かるぜ。 測り方は…こう。」グローブを外したままの片手をストレイの頭にそっと乗せる
マヤ :
「……な?あの場でこれは出来ねぇだろ?」
ストレイ :
「なる、ほど……? 私は大丈夫、だけど……」 不思議がっている脳波が伝わる
マヤ :
嫌がっている脳波が伝わってこないことに若干安堵の気持ちを覚えながら、ふと思いついたことを聞いてみる
マヤ :
「…じゃあ…、俺もアレ食べたい。…良い?」暗にケバブのことを指しているのだろう、純粋な子供のようなトーンで
ストレイ :
「……! わ、わかった。食べて、伝えてみる……!」 意図を汲んで、健気に頷いてみせた
GM :
……ストレイは購入してきた包みを開けると、そこにはこんがりと焼けた肉にカットされたキャベツ。その上からはピリ辛のソースがかけられた何とも食欲をそそるケバブが顔を覗かせる。
ストレイ :
「わ、いっぱい入ってて……大きい……!」 ストレイの小さな手に納まるケバブは、マヤがいつも見ているものよりも大きく感じられる
ストレイ :
「じゃあ、食べてみるね……!」ごくりと生唾を飲み込み、ストレイはできるだけ口を大きく開いてケバブにかぶりついた。
ストレイ :
「んッ……!」
GM :
……ストレイを通して、マヤに味覚が伝わってくる。
まず感じられるのは生地の柔らかさと、ジューシーな肉と瑞々しい野菜の食感。そして追い打ちにかけるようにスパイスの薫りと刺激、ソースのピリッとした辛味……それらがマヤの存在しない味覚を直撃する。
ストレイ :
「ピリピリだけど、おいしい……! マヤ、どう……?」 口の周りをソースで汚しながら、マヤを見上げる
マヤ :
ストレイの頭に軽く手を乗せつつ通りすがりの傭兵に「子育てか~?」と構われながら軽口を叩いていたが、"幸福"に近い脳波に反応を示す。
マヤ :
「…たぶん、美味い?うん、伝わる伝わる。美味い!」本来存在しない感覚のため疑問形になっているが声は明るく嬉しそうだ
ストレイ :
「ん、そっか……!」 マヤの満足そうな反応を見て、口元が綻ぶ
ストレイ :
「マヤ、この都市には……このケバブや前に食べたおすし以外にも、美味しいもの、あるかな?」 ハグハグとケバブを食べ進めながら
マヤ :
「んー、俺が食わないからあんま気にしたことねぇけどそこそこあるはずだぜ?ケーキ売ってる高級店とか…」片手間に都市の地図を見ながら
ストレイ :
「コーキューなケーキ……おいしそう……!」
マヤ :
「んじゃ明日はそこに行くかぁ……、いくらぐらいあれば良いんだろ。」所持金に余裕はあるが、ふと呟き
マヤ :
「ま、今回の仕事でだいぶ報酬もらったし…いっか。」
ストレイ :
「ケーキ、どんな味がするんだろう……! 楽しみだね!」 口の周りがソースで汚れ多少不格好だが、曇りの無い笑みに期待が溢れている。
マヤ :
「…そっか、お前ケーキも食べたことないんだよな。」
先程のケバブを以前よりずっと美味しく感じたのはストレイのそんな感情も伝わったからなのだろう、それを思い出しながらマヤも少しワクワクとしてしまう
マヤ :
「…口の周りすげーことになってんぞ。」ストレイがケバブと共に大量に渡された紙ナフキンを手に取り、彼女の口元をぐしぐしと拭う
ストレイ :
「ん、ないよ。ありがとう……」 目を瞑って口元を拭われる
GM :
サラーブに見合わぬ朗らかな会話。いつもの平穏を無事に取り戻したと実感させられる時間。心穏やかな雰囲気があなた達の間に流れる。
GM :
しかし、その空間に踏み入る様に、革靴の音が響く。
グリムギア :
「どうも、ご機嫌いかがですか?」
GM :
管理局の局長こと、グリムギア。彼があなた達の背後から現れ、声をかけてくる。
ストレイ :
「わ、こ、こんばんは。歯車の人……」
グリムギア :
「こんばんは、ストレイ」 ゆったりとした落ち着きのある声色で返す
マヤ :
「お、戻ってたんだな。」見ての通り、と言いたげに肩を竦める
グリムギア :
「ええ、戻りましたとも。私の不在中に色々とあったみたいですけど、無事で何より」
グリムギア :
「……事の顛末はすべて報告書で読ませて頂きましたよ。まさかとは思いましたが、アベルが直接出向いていたとは……」
グリムギア :
「……ま、過ぎた事です。アベルとはもう一度ぐらい顔を合わせておきたかったですが、それは私がサラーブに残っていたとしても難しかったでしょうね」
マヤ :
「…案外、平気そうな顔で急に出てきたりしてな、そういう感じの奴だったし。」
グリムギア :
「彼はそういうところがありますが……」
GM :
……一瞬、硝子窓にあるはずの無い人影が映り、消える。
グリムギア :
「─────どうなんでしょう、ね」肩を竦めて
グリムギア :
「さて、私が来たのはお二方の団欒を邪魔する訳では無いのですよ」改めて、と仕切り直す
グリムギア :
「ただ、聞きたいことが一つ……」
グリムギア :
「……マヤ、この事件を通して何か得られたものはありますか?」
マヤ :
「……」すっかり忘れていた自らの目的を思い出し、一瞬驚く
マヤ :
そして先程までストレイの頭に添えていた自らの手、傍らの少女を順番に見るとグリムギアへ向き直る
マヤ :
「―ああ、あったぜ。」
グリムギア :
「……ならば良かった」ガコン、と歯車が納得したように傾く
グリムギア :
「ストレイ、あなたは?」
ストレイ :
「私、は……」
ストレイ :
「失くしたものもあるけど、それより、たくさんの物を見つけた気がする……」
ストレイ :
「大切なものができたし、たくさんの人達に出逢えた……」
ストレイ :
「えっと、あとは……」うーんと唸って
グリムギア :
「私の睨んだとおり、良い刺激になったようですね」うんうんと頷いて
グリムギア :
「それらを零さないよう、この都市で強く生き抜くと良いでしょう。失うことを識ることも強さの糧にはなりますが……今ではないでしょうからね」
ストレイ :
「?」 首をかしげて
グリムギア :
「マヤ、あなたもですよ。頼りにしてるんですから、変な所で倒れないでくださいね」
マヤ :
「なーんか難しいこと言ってんな…はいはい分かってますよ。」言葉の意図はなんとなく理解しつつ、いつもの軽口で返答をする
グリムギア :
「ええ、今回の事件を越えられたなら生半可なことでは倒れないでしょうが……」
グリムギア :
「……それでは、2人の時間を邪魔するのも悪いでしょう」
グリムギア :
「またいつか会いましょう、皆さん」
GM :
グリムギアは会釈のようにシルクハットを傾け、《ディメンジョンゲート》を創造し都市の闇に消える。
マヤ :
「ん、また仕事あれば呼んでくれな。」ひらひらと手を振って彼を見送る
ストレイ :
「……私達も、別のとこ、いく?」 食べ終わったケバブの包装紙をくしゃっと丸める
マヤ :
「食べ終わった?じゃ、そろそろ行くか…」彼女の様子を見ると椅子から立ち上がる
マヤ :
(零さないよう、かぁ…)
歩き出しながらグリムギアの言葉を反芻すると、ふとイクサの姿が頭を過ぎった。普段のマヤならば他人の言葉や説教等すぐに忘れてしまうのだが、彼女の言葉はきっとこの後も深くメモリに不安として残り続けるのだろう。
マヤ :
マヤの記憶媒体は完全ではない、きっとこの先もたくさんの物を見てたくさんの物を忘れる。
…それでもきっと彼は迷わない、大切な人・いつもの街がこんなに『楽しい』と思えるのは自分が自分だからだ。
マヤ :
(でもさぁ…こんな楽しいこと、俺以外の俺に任せるのは勿体ないだろ。)
腐ってもヴィラン、何がなんでも『自分のためにこの感情と自我を満足いくまで使い潰す』と決めた。
マヤ :
イクサ・スミェールチの感情をP反抗/N過保護に変更します 表に出ているのはP!
マヤ :
(俺のことは俺が決める、とことん抗ってやろうじゃねぇか…コイツがやったなら俺だってやらねぇとな。)
マヤ :
自らの横を歩く少女を見下ろす、彼女の銀色のネックレスは景色を反射し鏡のようにサラーブの街を薄く映し出している。
マヤ :
彼は迷いのない明るい声でストレイへと問いかける。
マヤ :
「――次はどこ行く?」
マヤ :
ストレイの感情をP家族/N不安に変更します、表にでているのはP!
ストレイ :
「じゃあ、次は─────」
GM :
─────かくして、サラーブを騒がせた硝子化事件は終結し、都市にはいつもの日常が戻った。
GM :
傍から見てみれば、サラーブの日常など破綻したヴィランのコミュニティにしか見えないだろうが、そこには確かに、確固たる譲れない欲望を抱えた者達があらゆる形で手を取り合い、利用しあう日常があった。
GM :
ここにはヒーロー達が知らない、悪が栄える都市でしか紡げないものがある。
それらはこの先も、滅びを迎え形を失ったとしても繋がっていくものなのだろう……。
GM :
─────とある鏡が微笑むように光る。悪都はこれからも栄えていくだろう、と。
GM :
DX3rd 『Mirage to Sarabe』終
AfterPlay
GM :
ということで!全ED終わり!お疲れさまでした!
日向雛 :
ついに終わった!あとは経験点かな
メアリー :
おつかれさまでした! いつものダブルクロスとは違う、ヴィラン達のステージで遊べて、楽しかったわ!!
GM :
その通り!経験点の配布を行いましてよ!
マヤ :
お疲れ様でしたわ~!感想もありがとう!
ヴァニタス :
ウオー!お疲れ様でした!
GM :
・セッションに最後まで参加した。よいロールプレイをした。スケジュール調整のetc……5点
・Eロイスが7個あったので7点
・アベルの計画を阻止したので5点
※SロイスがあるPCは追加で5点
Sロイスを省くと、ここまで共通して17点!
基本ルルブ1のP244を参照して最終侵蝕率を足した経験点にしてください!
日向雛 :
25点!
イクサ :
22点!
Sロイス割ったからね
マヤ :
25点かな
ヴァニタス :
私も25点!
メアリー :
25点!
GM :
じゃあ合計122点を3で割って40点、GM代として頂きますわ~~~!!!
マヤ :
おあがり~!
日向雛 :
さしあげますわ~
ヴァニタス :
ヨカロウ
メアリー :
もってけ泥棒!!
GM :
ありがとう オリゴ糖
GM :
それじゃ、ヴィラン卓は終わり!自由に解散してくんな!
GM :
3か月お疲れさまでした!
メアリー :
おつかれさまでした~!
ヴァニタス :
GMもお疲れさまでした~!!長きにわたり、Thank you…
マヤ :
はーい!またTLで!GMお疲れ様でした皆もありがとうございました~!
イクサ :
GMもみんなもお疲れ様!!
こんな派手で大ボリュームの卓を最後まで出来て感謝ァ……!
日向雛 :
長期間のGMお疲れ様でした……!めちゃ手の込んだステージで遊べて楽しかったわ!
GM :
嬉しい言葉だ……GMはNPCの駒を並べて帰るぜ!
マヤ :
舞台の最後に演者が並ぶやつじゃん
ヴァニタス :
指が3人もおり、豪華
日向雛 :
こうしてみるとNPC大量におったね…
GM :
こんなもんだろ!13人もNPCおったんか!
GM :
未使用のNPCを含めると15人だ
マヤ :
圧巻
日向雛 :
未使用って誰かいたっけ、子エトワールとスコーピオ?
GM :
スコーピオとコードウェル博士!クライマックス前に博士出演のマスターシーンを予定してたけど、統合したので必要なくなった
ヴァニタス :
久々の煙おじ
日向雛 :
あ、そういえば統合するって言ってたのそういうこと……元はマスターシーンでアベルの過去をやるつもりだった感じ
GM :
そういうこと!アベル自ら説明したれ、ってなった
日向雛 :
なるなるね!PCも色々反応出来たし良かったと思う
GM :
そうそう、反応とかできるしマスターで済ませるのはもったいないなって
GM :
じゃあこんなものだ!今度こそ終わり!またどこかの卓で!
日向雛 :
お疲れ様でした!
マヤ :
あい!お疲れ様でした!
CREDIT
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『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
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